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1 0 58 H 胃 潰 瘍 について について( 治 療 編 ) 出 血 性 胃 潰 瘍 では 主 に 内 視 鏡 的 止 血 治 療 が 行 なわれます 出 血 性 胃 潰 瘍 とは 吐 下 血 の 出 血 症 状 があり 内 視 鏡 検 査 で 活 動 性 の 胃 潰 瘍 が 確 認 され かつ かつ 胃 内 の 血 液 の 存 在 潰 瘍 底 に 凝 血 塊 の 付 着 からの 噴 出 性 出 血 を 認 めた 場 合 を 言 います 出 血 性 潰 瘍 はそのまま 放 置 するとショック 状 態 となり 重 要 臓 器 の 不 可 逆 的 な 機 能 不 全 が 生 じて 死 に 至 る 危 険 な 病 態 です 以 前 は 緊 急 手 術 の 対 象 でしたが 現 在 では 内 視 鏡 的 止 血 治 療 及 び 薬 物 治 療 により ほとんどが 治 療 できるようになっていま す 内 視 鏡 的 に 止 血 できない 出 血 性 胃 潰 瘍 には 放 射 線 科 による 介 入 (IVR IVR)や 外 科 手 術 が 行 なわれます 内 視 鏡 的 止 血 と 内 科 的 治 療 吐 血 あるいはその 他 の 上 部 消 化 管 出 血 が 疑 われる 所 見 が 見 られる 場 合 には 全 身 的 管 理 ( 輸 血 輸 液 )を 行 い 循 環 動 態 を 安 定 させた 後 緊 急 内 視 鏡 検 査 を 行 います 内 視 鏡 検 査 で 噴 出 性 出 血 湧 出 性 出 血 露 出 血 管 を 有 する 胃 潰 瘍 が 認 められた 場 合 には 内 視 鏡 的 止 血 治 療 を 行 います また また 止 血 後 の 再 出 血 予 防 に 対 する 対 応 として 一 般 に 絶 食 の もとに 酸 分 泌 抑 制 薬 を 投 与 する 内 科 的 治 療 が 行 われます れます 内 視 鏡 的 止 血 治 療 主 な 内 視 鏡 的 止 血 治 療 には 下 表 の 方 法 がありますが 効 果 にはほとんど 差 が 見 られま せん ただし ただし クリップ 法 は 再 出 血 の 予 防 効 果 の 面 で 優 れているとの 報 告 があります また エピネフリン 局 注 法 は 単 独 で 行 うよりは 引 き 続 き 他 の 視 鏡 的 止 血 治 療 を 追 加 する ことで 再 出 血 の 予 防 に 対 し 上 乗 せ 効 果 が 期 待 できます 再 出 血 の 危 険 性 の 高 い 患 者 様 には 治 療 後 24 時 間 以 内 に 内 視 鏡 検 査 による 経 過 観 察 を 行 い 必 要 があれば 内 視 鏡 的 治 療 を 追 加 することで 再 出 血 が 減 少 できます クリップ 法 高 張 ナトリウムエピネフリン(HSE HSE) 局 注 法 純 エタノール 局 注 法 レーザー 照 射 法 高 周 波 凝 固 法 ヒ-タープロ ーブ 法 アルゴンプラズマ 凝 固 法 (APC) HSE:hypertonic saline epinephrine 血 管 を 直 接 結 紮 して 止 血 する 血 管 を 収 縮 させて 止 血 する 薬 剤 で 血 液 を 硬 化 させて 止 血 する 加 熱 により 凝 固 させて 止 血 する APC:argon plasma coagulation 内 科 的 治 療 出 血 性 胃 潰 瘍 では 下 記 のような 内 科 的 治 療 が 行 われます 中 でも 出 血 直 後 は 絶 食 と 輸 液 が 基 本 となり 酸 分 泌 抑 制 薬 の 投 与 は 潰 瘍 そのものの 治 療 に 酸 分 泌 抑 制 薬 が 必 要 である 事 から 行 われます また また 出 血 性 胃 潰 瘍 の 長 期 的 な 再 出 血 予 防 には H.pylori の 除 1

2 菌 治 療 が 有 用 です 絶 食 (3 日 間 ) ) 輸 液 酸 分 泌 抑 制 薬 の 経 静 脈 投 与 (PPI H 2 RA) NSAID 潰 瘍 の 治 療 の 原 則 は NSAID を 中 止 することです NSAID を 服 用 したいる 場 合 のは 原 則 として NSAID を 中 止 します 関 節 リウマチ あるいは 骨 関 節 疾 患 の 基 礎 疾 患 を 持 つ 多 くの 患 者 様 では NSAID の 中 止 が 困 難 で あるため NSAID 継 続 投 与 下 での 治 療 が 重 要 となります NSAID 潰 瘍 の 治 療 NSAID を 中 止 できる 場 合 の 治 療 NSAID 服 用 中 に 見 られる 胃 潰 瘍 は NSAID を 中 止 することで 比 較 的 効 率 に 治 癒 する ことが 報 告 されており NSAID は 可 能 ならば 中 止 します NSAID を 中 止 した 場 合 には H.pylori 陽 性 であれば 除 菌 治 療 H.pylori 陰 性 であれば 除 菌 によらない 治 療 ( 非 除 菌 治 療 )を 行 います NSAID を 中 止 できない 場 合 の 治 療 NSAID を 中 止 できない 場 合 の 治 療 には 下 記 の 薬 剤 が 有 効 であるとされています しかし 消 化 性 潰 瘍 の 患 者 様 に 対 しては NSAID は 禁 忌 であり 潰 瘍 活 動 期 における NSAID な 使 用 は 極 力 避 けるべきとされています PPI PG 製 剤 NSAID 継 続 下 での 再 発 の 防 止 (NSAID 潰 瘍 における 維 持 療 法 ) NSAID 継 続 下 での 再 発 防 止 には 下 記 の 薬 剤 が 有 効 であるとされています PPI PG 製 剤 高 用 量 のH 2 RA HSE:hypertonic saline epinephrine APC:argon plasma coagulation NSAID 潰 瘍 の 予 防 NSAID は 予 防 薬 を 併 用 しない 場 合 効 率 に 胃 潰 瘍 を 引 き 起 こし その 頻 度 は 4~43% です NSAID 潰 瘍 の 予 防 には 下 記 の 薬 剤 が 有 効 であるとされています また また COX-1 に 対 する 抑 制 作 用 が 少 ない COX-2 選 択 的 阻 害 薬 は 胃 潰 瘍 の 発 生 頻 度 が 従 来 の NSAID に 比 較 すると 低 く 予 防 効 果 が 期 待 されますが このクラスの 一 部 の 薬 剤 で 長 期 的 な 使 用 に よる 心 血 管 イベントの 増 加 が 報 告 されているため 十 分 な 注 意 が 必 要 です PPI PG 製 剤 高 用 量 のH 2 RA 2

3 H.pylori 陽 性 の 胃 潰 瘍 には 除 菌 治 療 が 推 奨 されています 出 血 が 無 く NSAID の 服 用 がなく H.pylori 要 請 の 胃 潰 瘍 に 対 しては H.pylori 除 菌 治 療 が 推 奨 させています H.pylori の 除 菌 治 療 は 胃 潰 瘍 の 治 癒 促 進 と 再 発 予 防 に 有 効 であり 除 菌 に 成 功 した 場 合 には 維 持 療 法 を 行 わなくても 潰 瘍 再 発 は 著 明 に 抑 制 される 事 が 明 らかとなっています H.pylori 除 菌 治 療 後 の 問 題 点 として 逆 流 性 食 道 炎 の 胃 食 道 逆 流 症 (GERD GERD)の 発 症 やその 増 悪 が 懸 念 されていますが 現 在 までの 所 一 定 の 見 解 は 得 られていません GERD:gastroesophageal reflux disease H.pylori 除 菌 治 療 H.pylori 除 菌 治 療 は H.pylori 感 染 診 断 により 陽 性 と 判 定 されたい 潰 瘍 に 対 して 適 応 となります しかし しかし 下 記 のように 除 菌 適 応 ではない 場 合 は 通 常 の 潰 瘍 治 療 である 非 除 菌 治 療 が 行 われます 除 菌 治 療 ( 一 次 除 菌 治 療 )が 終 了 した 後 は 再 び H.pylori 感 染 診 断 を 行 い 除 菌 が 成 功 したかどうかを 判 定 します 除 菌 が 不 成 功 の 場 合 には 二 次 除 菌 治 療 が 行 われ これも 不 成 功 の 場 合 には 非 除 菌 治 療 に 移 行 します H.pylori 感 染 の 診 断 及 び 治 療 のフローチャート 6 H.pylori 4 PPI 4 6 EBM に 基 づく 胃 潰 瘍 診 療 ガイドライン 第 2 版 より 引 用 H.pylori 陽 性 胃 潰 瘍 例 のうち 除 菌 適 応 でないもの 1. 除 菌 薬 にアレルギーがある 2. 高 度 の 肝 障 害 や 腎 障 害 血 液 疾 患 を 合 併 している 3. 高 齢 者 4.NSAID 潰 瘍 3

4 EBM に 基 づく 胃 潰 瘍 診 療 ガイドラインQ&A Q&Aより 引 用 H.pylori 除 菌 治 療 に 用 いる 薬 剤 H.pylori 除 菌 治 療 では 胃 酸 の 分 泌 を 抑 制 して 強 酸 に 不 安 定 な 抗 菌 薬 の 効 果 を 導 き 出 すためのプロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI PPI)と H.pylori に 対 する 抗 菌 作 用 を 持 つ 抗 菌 薬 2 剤 を 1 週 間 服 用 する 3 剤 併 用 療 法 が 推 奨 されています 一 次 除 菌 治 療 :PPI アモキシシリン 水 和 物 (AMPC AMPC) クラリスロマイシン(CAM CAM) 二 次 除 菌 治 療 :PPI アモキシシリン 水 和 物 (AMPC AMPC) メトロニダゾール(MNZ MNZ) H.pylori 除 菌 治 療 を 行 う 時 期 除 菌 治 療 の 時 期 には 活 動 性 潰 瘍 の 診 断 がなされたと 同 時 に 行 う 場 合 と 潰 瘍 瘢 痕 まで に 潰 瘍 治 療 を 行 ってから 除 菌 治 療 を 行 う 場 合 とがありますが どちらの 場 合 にも 除 菌 率 に 差 はないことが 明 らかとなっています 活 動 性 潰 瘍 に 除 菌 治 療 を 行 う 場 合 には 保 険 適 用 上 も 潰 瘍 治 療 として 除 菌 治 療 後 8 週 間 の PPI 投 与 が 認 められています 除 菌 治 療 の 副 作 用 一 次 除 菌 治 療 に 伴 う 副 作 用 は 14.8~ %と 報 告 されており そのうち 2~5%に 治 療 中 止 となるような 程 度 の 強 い 副 作 用 ( 下 痢 発 熱 発 疹 喉 頭 浮 腫 出 血 性 腸 炎 )が 発 生 しています また また 二 次 除 菌 治 療 では 副 作 用 は 8~26 26%に 認 められ 主 なものは 下 痢 で 軽 度 のものが 多 かった 事 服 用 中 止 に 至 った 例 ないし 服 薬 コンプライアンスに 影 響 が 生 じた 例 は 1~5%に 過 ぎなかった 事 が 報 告 されています 下 痢 軟 便 味 覚 異 常 皮 疹 ジ ス ル フ ィ ラ ム ー ア ル コール 反 応 その 他 下 痢 や 軟 便 は 主 に AMPC によるものと 考 えられる 普 段 の 便 通 が 軟 便 傾 向 の 患 者 様 や 過 去 に 抗 菌 薬 を 服 用 して 下 痢 になっ た 事 がある 患 者 様 には 整 腸 薬 を 併 用 すると 予 防 効 果 があると 考 えられる 血 性 下 痢 となった 場 合 は 除 菌 治 療 薬 の 服 用 を 中 止 し 主 治 医 へ 連 絡 する ように 伝 える 味 覚 異 常 ( 口 が 苦 い 食 べ 物 の 味 が 変 わった)は CAM によるものと 考 え られる CAM は 唾 液 の 中 にも 分 泌 され それ 自 体 が 苦 い 薬 なので 味 覚 が 変 化 する CAM の 用 量 が 増 えると 味 覚 異 常 の 発 現 率 が 高 くなる 身 体 には 影 響 がないため 服 薬 を 続 けるようあらかじめ 話 しておく 必 要 が ある 皮 疹 が 現 れる 事 があるが これは 主 に AMPC に 対 するアレルギー 反 応 によ るものと 思 われる MNZ はアルコールの 代 謝 過 程 においてアルデヒド 脱 水 酵 素 を 阻 害 し 血 中 アセトアレデヒド 濃 度 を 上 昇 させる 腹 部 の 疝 痛 嘔 吐 潮 紅 が 現 れる 事 があるので MNZ 服 用 中 は 飲 酒 を 避 ける 必 要 がある 腹 痛 放 屁 腹 鳴 便 秘 舌 炎 口 内 炎 頭 痛 頭 重 間 肝 機 能 障 害 めま い そう 洋 感 4

5 一 次 除 菌 は PPI AMPC CAM の 3 剤 併 用 療 法 が 行 われます H.pylori 除 菌 治 療 ( 一 次 除 菌 治 療 )では では プロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI PPI) アモキシ シリン 水 和 物 (AMPC AMPC) クラリスロマイシン(CAM CAM)を 1 週 間 服 用 する 3 剤 併 用 療 法 (PPI/AC 療 法 )が 推 奨 されています 除 菌 治 療 ( 一 次 除 菌 治 療 )に 用 いられる 薬 剤 現 在 除 菌 治 療 として 3 種 類 の PPI を 用 いた 3 剤 併 用 療 法 (LAC 療 法 OAC 療 法 RAC 療 法 )が 保 険 適 用 となっています PPI の 種 類 の 違 いにより また また CAM の 1 日 投 与 量 400mg と 800mg の 間 に 除 菌 率 の 差 は 認 められておらず いずれの 場 合 も 除 菌 率 80~90 90% 程 度 です しかし しかし 最 近 は CAM の 耐 性 菌 の 割 合 が 増 えており 除 菌 率 の 低 下 が 懸 念 されています 除 菌 失 敗 の 大 きな 要 因 は 薬 剤 耐 性 とコンプライアンスです 除 菌 率 を 維 持 するためには 服 薬 コンプライアンスに 対 する 生 活 指 導 も 重 要 となります 分 類 特 徴 用 法 LAC 療 法 薬 剤 名 LPZ AMPC CAM 1 回 用 量 OAC 療 法 薬 剤 名 OPZ AMPC 1 回 CAM 用 量 プロトンポンプ 阻 害 薬 アモキシシリン 水 和 物 クラリスロマイシン (PPI PPI) (AMPC AMPC) (CAM CAM) 酸 分 泌 を 抑 制 し 強 酸 H.pylori に 対 する 抗 菌 作 用 に 不 安 定 な 抗 菌 薬 の 効 果 を 導 き 出 す 3 剤 を 同 時 に 1 日 2 回 7 日 間 投 与 サワシリン 錠 カフ セル クラリシッド タケプロン パセトシン OD 錠 クラリス 錠 カプセル カフ セル 125 ランサップ タケフ ロンカフ セル 30 アモリンカフ セル クラリス の 1 日 服 用 分 を 1 シートに 収 めた 製 剤 200mg 30mg 750mg (400mg まで 適 宜 増 量 ) サワシリン クラリシッド オメプラゾン 錠 カフ セル 錠 パセトシン クラリス オメプラール 錠 錠 カフ セル mg 20mg 750mg (400mg まで 適 宜 増 量 ) 5

6 RAZ 療 法 RPZ AMPC CAM 薬 剤 名 1 回 用 量 パリエット 錠 10 10mg アモペニキシン 錠 カフ セル サワシリン 錠 カフ セル パセトシン 錠 カフ セル mg クラリシッド クラリス 200mg (400mg まで 適 宜 増 量 ) 二 次 除 菌 は PPI AMPC MNZの 3 剤 併 用 療 法 が 行 われます PPI AMPC CAM での 一 次 除 菌 に 失 敗 すると 高 率 に CAM の 二 次 耐 性 獲 得 が 生 じ 一 次 除 菌 治 療 と 同 じ 治 療 法 では 高 い 除 菌 率 が 期 待 できません このため このため 二 次 除 菌 治 療 では CAM をメトロニダゾール(MNZ MNZ)に 替 えた 3 剤 併 用 療 法 (PPI/ PPI/AM 療 法 ) が 行 われます 一 次 除 菌 治 療 の 不 成 功 例 において 二 次 除 菌 治 療 で 80% 以 上 の 除 菌 率 が 期 待 されるため 二 次 除 菌 治 療 を 行 うことが 推 奨 されています 二 次 除 菌 治 療 に 用 いられる 薬 剤 日 本 においては 下 記 の 理 由 からプロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI PPI)アモキシシリン 水 和 物 (AMPC AMPC)モトロニダゾール モトロニダゾール(MNZ MNZ)による 3 剤 併 用 治 療 の 保 険 適 用 は 二 次 除 菌 治 療 に 限 定 されています PPI の 種 類 の 違 いによる 除 菌 率 の 差 は 認 められていません 分 類 特 徴 用 法 薬 剤 名 ( 各 PPI の 1 回 用 量 ) 1 回 用 量 プロトンポンプ 阻 害 薬 (PPI PPI) アモキシシリン 水 和 物 (AMPC AMPC) メトロニダゾール (MNZ MNZ) 酸 分 泌 を 抑 制 し 強 酸 H.pylori に 対 する 抗 菌 作 用 に 不 安 定 な 抗 菌 薬 の 効 果 を 導 き 出 す 3 剤 を 同 時 に 1 日 2 回 7 日 間 投 与 タケプロン OD 錠 カプセル アモペニキシン 30mg カフ セル アスゾール オメプラゾン アモリン 錠 錠 カフ セル 125 フラジール オメプラール 内 服 錠 錠 サワシリン 20mg 錠 カフ セル パリエット 10mg 10mg 750mg mg 6

7 非 除 菌 治 療 では PPI が 第 一 選 択 薬 に 位 置 付 けられています 非 除 菌 治 療 は NSAID 未 投 与 もしくは NSAID 投 与 中 止 後 の H.pylori 陰 性 胃 潰 瘍 の 場 合 H.pylori 陽 性 胃 潰 瘍 であっても 除 菌 治 療 が 行 えない 場 合 除 菌 治 療 が 不 成 功 で 潰 瘍 が 治 癒 していない 場 合 に 行 われます 非 除 菌 治 療 では PPI PPI H 2 RA 選 択 的 ムスカリ ン 受 容 体 拮 抗 薬 一 部 の 防 御 因 子 増 強 薬 の 使 用 が 推 奨 されていますが 特 に PPI が 第 一 選 択 薬 として 推 奨 されています 非 除 菌 治 療 で 胃 潰 瘍 が 治 癒 した 場 合 は 引 き 続 き 維 持 療 法 を 行 いますが 潰 瘍 が 治 癒 していない 場 合 には 投 薬 を 継 続 します 非 除 菌 治 療 の 対 象 非 除 菌 治 療 の 対 象 となるのは 下 記 のような 場 合 です 非 除 菌 治 療 の 対 象 1. NSAID 未 投 与 もしくは NSAID 投 与 中 止 後 の H.pylori 陰 性 胃 潰 瘍 の 場 合 2. H/pylori 陽 性 胃 潰 瘍 で 除 菌 適 応 のない 場 合 3. 除 菌 不 成 功 で 潰 瘍 未 治 療 の 場 合 非 除 菌 治 療 に 用 いられる 薬 剤 非 除 菌 治 療 では 下 記 の 薬 剤 が 有 効 であるとされています 高 い 潰 瘍 治 癒 率 と 速 やかな 潰 瘍 治 癒 が 期 待 できる 点 から PPI を 第 一 選 択 薬 とし PPI が 過 敏 症 や 副 作 用 で 使 用 で きない 場 合 には H 2 RA を 優 先 して 使 用 します PPI H 2 RA 選 択 的 ムスカリン 受 容 体 拮 抗 薬 (ピレンゼピン 塩 酸 塩 水 和 物 ) ) 防 御 因 子 増 強 薬 (スクラルファート 水 和 物 ミソプロストール ミソプロストール エンプロスチ ル) 防 御 因 子 増 強 薬 の 上 乗 せ 効 果 が 認 められた 薬 剤 の 主 な 組 み 合 わせ シメチジンエグアレンナトリウム シメチジンエカベトナトリウム シメチジンエンプロスチル 潰 瘍 の 再 発 を 抑 制 するために 維 持 療 法 が 行 われます H.pylori 除 菌 治 療 を 行 わない 場 合 は 初 期 治 療 で 潰 瘍 が 治 癒 した 後 再 発 を 抑 制 する ために 維 持 療 法 を 行 うことが 勧 められています 維 持 療 法 では H 2 RA 防 御 因 子 増 強 薬 のスクラルファート 水 和 物 PPI の 使 用 が 有 効 であるとされています 維 持 療 法 の 対 象 維 持 療 法 の 対 象 となるのは 火 気 のような 場 合 です 7

8 維 持 療 法 の 対 象 1. 非 NSAID 胃 潰 瘍 で H.pylori 陽 性 であるが 何 らかの 理 由 で H.pylori 除 菌 治 療 の 適 応 がないとされ 通 常 の 抗 潰 瘍 薬 物 治 療 を 行 って 治 癒 に 至 った 症 例 2. 非 NSAID H.pylori 陽 性 の 胃 潰 瘍 であるが H.pylori 除 菌 治 療 が 不 成 功 に 終 わ り 二 次 除 菌 にも 失 敗 したが 潰 瘍 は 治 癒 に 至 った 症 例 3. 非 出 血 性 非 NSAID 性 の 胃 潰 瘍 であって H.pylori 陰 性 か または H.pylori の 感 染 状 況 の 不 明 な 症 例 に 対 し 通 常 の 薬 物 治 療 を 行 って 治 癒 に 至 った 場 合 (H.pylori 陰 性 潰 瘍 については 維 持 療 法 を 必 要 とするエビデンスはない) 4. 出 血 性 胃 潰 瘍 であるが 止 血 に 成 功 し 非 NSAID 性 で H.pylori 陰 性 か または H.pylori の 感 染 状 況 の 不 明 な 症 例 に 対 し 通 常 の 抗 潰 瘍 薬 物 治 療 を 行 って 治 癒 に 至 った 場 合 5. 上 記 1~4 の 症 例 で 潰 瘍 が 治 癒 に 至 らなかったか あるいは 治 癒 後 再 発 して 再 度 通 常 の 抗 潰 瘍 薬 物 治 療 を 行 って 治 癒 に 至 った 場 合 6. NSAID 潰 瘍 については NSAID 投 与 継 続 例 には 別 の 維 持 療 法 を 行 うが NSAID を 中 止 できた 例 で 上 記 1~4 に 該 当 する 場 合 維 持 療 法 に 用 いられる 薬 剤 維 持 療 法 では 下 記 の 薬 剤 が 有 効 であるとされている H 2 RA スクラルファート 水 和 物 PPI 維 持 療 法 を 行 う 場 合 その 有 効 性 がプラセボを 対 照 とした 二 重 盲 検 比 較 試 験 によ って 証 明 された 薬 剤 ( 下 表 )のうち 一 つを 用 いる 事 が 勧 められている PPI は 胃 潰 瘍 に 用 いる 場 合 投 与 期 間 に 保 険 適 用 上 の 制 限 (8 週 間 まで)がある ことから 実 際 には H 2 RA( 多 くは 半 量 )の 投 与 が 主 体 となっている これまで 多 く 行 われてきた H 2 RA と 防 御 因 子 増 強 薬 との 併 用 療 法 は H 2 RA 単 独 の 維 持 療 法 に 比 べて 再 発 抑 制 効 果 が 増 す 併 用 の 有 用 性 が 見 られるという 明 らかなエビデンスが 得 られていないため 維 持 療 法 では 行 わないことが 勧 められ ている プラセボ 対 照 の 比 較 試 験 で 胃 潰 瘍 の 再 発 抑 制 に 効 果 の 認 められた 薬 物 とその 用 量 薬 物 ( 主 な 商 品 名 ) 用 量 (/ 日 ) 潰 瘍 治 療 の 常 用 量 (/ 日 ) シメチジン(タガメット タガメット) 400mg 800mg 800mg ラニチジン 塩 酸 塩 (ザンタック ザンタック) 150mg 300mg ファモチジン(ガスター ガスター) 20mg 40mg ロキサチジン 酢 酸 エステル 塩 酸 塩 (アルタット アルタット) 75mg 152mg ニザチジン(アシノン アシノン) 150mg 300mg スクラルファート 水 和 物 (アルサルミン アルサルミン) 2g 3g 3g 4g 3.0~ g ランソプラゾール(タケプロン タケプロン) 15mg 30mg 30mg( 内 服 ) EBM に 基 づく 胃 潰 瘍 診 療 ガイドライン 第 2 版 より 引 用 改 変 8

9 H.pylori 除 菌 治 療 の 適 応 疾 患 H.pylori 感 染 の 診 断 と 治 療 のガイドライン が 2009 年 1 月 に 改 定 され H.pylori 感 染 に 関 連 した 疾 患 の 総 称 として H.pylori 感 染 症 が 取 り 入 られました H.pylori の 感 染 者 全 員 が H.pylori 関 連 疾 患 を 併 発 するわけではありませんが 感 染 者 は 疾 患 併 発 リ スクの 高 い 集 団 と 考 えられます そして そして H.pylori の 除 菌 は 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 の 治 癒 だけでなく 胃 癌 をはじめとする H.pylori 関 連 疾 患 の 治 療 や 予 防 さらには 感 染 経 路 の 抑 制 に 役 立 つと 考 えられます これらの 理 由 により 基 本 的 には H.pylori 感 染 症 に H.pylori 除 菌 治 療 が 推 奨 されています H.pylori 除 菌 治 療 の 適 応 H,pylori 除 菌 治 療 では 薬 剤 耐 性 のために 除 菌 に 失 敗 する 事 や 様 々な 副 作 用 のために 治 療 を 中 止 せざる 得 ないこともあるため 除 菌 治 療 を 行 う 際 には 除 菌 についての 十 分 な 説 明 と 患 者 様 に 除 菌 治 療 を 受 ける 意 向 があることの 確 認 が 必 要 です なお なお ガイドライン では H.pylori 感 染 症 に 除 菌 治 療 が 推 奨 されていますが 保 険 適 用 がある 疾 患 は 胃 潰 瘍 十 二 指 腸 潰 瘍 のみとなります H.pylori 感 染 症 の 各 疾 患 におけるエビデンス H.pylori 感 染 症 胃 潰 瘍 十 二 指 腸 潰 瘍 胃 MALT リンパ 腫 特 発 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 (ITP ITP) 早 期 胃 癌 に 対 する 内 視 鏡 的 治 療 後 胃 萎 縮 性 胃 炎 胃 過 形 成 性 ポリープ 機 能 性 デ ィ ス ペ ブ シ ア (FD FD) 逆 流 性 食 道 炎 除 菌 を 行 うよう 強 く 勧 められる NSAID が 関 与 していない 胃 潰 瘍 十 二 指 腸 潰 瘍 は H.pylori 除 菌 によって 潰 瘍 再 発 が 抑 制 される H.pylori 陽 性 の 胃 MALT リンパ 腫 の 多 くは H.pylori 除 菌 によって 病 理 組 織 学 的 内 視 鏡 的 に 改 善 し リンパ 腫 の 他 縮 が 得 られる H.pylori 陽 性 の ITP の 約 半 数 は H.pylori 除 菌 によって 血 小 板 数 が 増 加 する 日 本 において H.pylori 除 菌 による 異 時 性 癌 予 防 のエビデン スが 確 立 している なお なお 除 菌 後 の 定 期 観 察 が 必 要 である H.pylori 除 菌 によって 胃 粘 膜 萎 縮 の 改 善 効 果 腸 上 皮 化 生 進 展 の 抑 制 効 果 ひいては 胃 癌 の 予 防 効 果 が 期 待 される H.pylori 除 菌 によって 胃 過 形 成 性 ポリープの 消 失 もしくは 縮 小 が 期 待 できる FD の 一 部 には H.pylori 除 菌 が 症 状 の 改 善 に 有 効 な 場 合 が ある H.pylori 除 菌 後 に 逆 流 性 食 道 炎 の 発 症 増 加 や 症 状 増 悪 をほ とんど 認 めないので 逆 流 性 食 道 炎 の 存 在 が H.pylori 除 菌 の 妨 げとはならない 鉄 欠 乏 性 貧 血 慢 性 蕁 麻 疹 H.pylori 除 菌 の 有 効 性 は まだ 明 らかではない FD:functional dyspepsia 参 考 資 料 :SAFE SAFE-DI ガイドラインシリーズ 胃 潰 瘍

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