[ 具 体 的 なデータ 等 ] 図 1 新 ブリコ 加 工 品 の 調 製 方 法 表 1 凍 結 保 存 卵 塊 の 処 理 法 の 違 いによるブリコの 品 質 の 比 較 写 真 1 ブリコ 加 工 品 写 真 2 ブリコ 加 工 品 利 用 例 [ 発 表 文 献 等 ] 特 許 出 願

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1 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :ハタハタ 卵 (ブリコ) 加 工 品 の 開 発 ( 平 成 15~19 年 ) 研 究 機 関 名 総 合 食 品 研 究 所 水 産 振 興 センター 担 当 者 塚 本 研 一 戸 枝 一 喜 他 2 名 [ 要 約 ] これまで 魚 卵 加 工 品 として 製 造 技 術 が 確 立 していなかったハタハタ 卵 (ブリコ) 加 工 品 の 製 造 技 術 を 開 発 した この 技 術 開 発 により これまで 存 在 しなかった 新 しい 食 感 で 食 べやすい ハタハタ 卵 加 工 品 の 商 品 化 が 可 能 となった [ねらい] 産 卵 期 に 多 く 漁 獲 される 雌 ハタハタから 日 本 人 に 好 まれている 魚 卵 加 工 品 を 新 しく 開 発 するこ とを 目 的 とした 既 存 の 魚 卵 加 工 品 としてはタラコ イクラ スジコ カズノコ 等 種 類 も 多 いが ハタハタ 卵 加 工 品 は 製 造 されていない ハタハタ 漁 獲 量 が 多 かった 昭 和 40 年 代 には 産 卵 後 海 岸 に 打 ち 上 げられたブリコを 加 熱 調 理 した 非 常 に 硬 い 加 工 品 が 存 在 した しかし 現 在 は 資 源 保 護 の 観 点 から 海 岸 に 打 ち 上 げられたブリコの 収 集 が 禁 止 されているためこの 加 工 品 は 製 造 されてい ない また ブリコ 自 体 の 酵 素 作 用 により 極 度 に 硬 くなりやすいこともハタハタ 卵 加 工 品 が 存 在 しない 大 きな 原 因 であった したがって ブリコの 接 着 および 硬 化 の 酵 素 作 用 を 抑 制 すること で これまで 存 在 しなかった 新 しい 食 感 で 食 べやすいハタハタ 卵 加 工 品 の 開 発 が 可 能 であると 考 えられる また 実 際 の 魚 卵 加 工 品 製 造 では 凍 結 保 存 卵 塊 を 使 用 することも 考 えられることか ら 解 凍 方 法 の 検 討 も 行 った [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 生 ブリコを 加 熱 撹 拌 処 理 し, 卵 粒 をバラして 加 工, 調 味 を 容 易 にした( 図 1) ごの 技 術 に よりイクラ 風,キャビア 風 あるいは 新 タイプ,どのような 加 工 もでき 用 途 が 拡 がるため 市 販, 業 務 用, 弁 当 惣 菜, 外 食 産 業 などで 幅 広 く 利 用 する 可 能 性 が 大 きくなった 2. 凍 結 保 存 卵 塊 の 処 理 法 の 違 いによるブリコの 品 質 の 比 較 ( 表 1)では2の70 蒸 留 水 中 の 撹 拌 加 熱 水 解 凍 と3の 流 水 解 凍 は 測 定 した 卵 粒 の 硬 さは1と 大 きな 違 いは 見 られなかったが 2は 攪 拌 中 に 中 心 部 が 接 着 し 3も 解 凍 中 に 中 心 部 が 接 着 する 部 分 が 多 かった 1の 撹 拌 水 解 凍 が 生 卵 塊 の 加 熱 分 離 に 近 い 状 態 で 卵 粒 が 分 離 されることがわかった 3. 表 14の 自 然 解 凍 は 卵 は 硬 いが 卵 同 士 の 接 着 が 見 られず 1と 異 なる 新 しい 食 感 の 卵 加 工 品 の 調 製 も 可 能 であることがわかった 4.これらの 技 術 開 発 により 凍 結 保 存 卵 塊 から 写 真 1のようなブリコ 加 工 品 を 製 造 することがで き 写 真 2のような 利 用 例 の 他 多 くの 用 途 が 考 えられる [ 普 及 対 象 範 囲 ] 秋 田 県 内 食 品 加 工 業 者 その 他 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 特 許 出 願 中 のため 県 の 特 許 使 用 許 諾 が 必 要 となる - 1 -

2 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 図 1 新 ブリコ 加 工 品 の 調 製 方 法 表 1 凍 結 保 存 卵 塊 の 処 理 法 の 違 いによるブリコの 品 質 の 比 較 写 真 1 ブリコ 加 工 品 写 真 2 ブリコ 加 工 品 利 用 例 [ 発 表 文 献 等 ] 特 許 出 願 ハタハタ 卵 巣 由 来 の 粘 質 物,その 取 得 方 法 および 用 途 ( 特 開 ) - 2 -

3 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 多 収 良 食 味 の 水 稲 新 品 種 ゆめおばこ の 主 要 特 性 ( 平 成 7~19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 作 物 部 水 稲 育 種 担 当 担 当 者 川 本 朋 彦 柴 田 智 他 9 名 [ 要 約 ] ゆめおばこ は 中 生 の 晩 の 粳 種 である ひとめぼれ より 耐 倒 伏 性 いもち 病 抵 抗 性 ともに 強 く 収 量 性 が 高 いことから 安 定 生 産 が 期 待 できる 玄 米 は 千 粒 重 が 大 きく 良 質 で 食 味 は あきたこまち 並 に 良 好 である 秋 田 県 において2008 年 に 奨 励 品 種 に 採 用 された [ねらい] 秋 田 県 では あきたこまち に 偏 重 した 作 付 けが 続 いており それが 作 業 の 効 率 化 を 阻 害 し 品 質 食 味 のバラツキの 原 因 となっている このため あきたこまち の 作 付 偏 重 を 是 正 し 多 様 なニーズに 対 応 するための 作 り 易 く 多 収 で 安 定 生 産 可 能 な 良 質 良 食 味 品 種 が 求 められている ゆめおばこ は 安 定 生 産 が 可 能 で あきたこまち と 異 なる 食 感 を 持 っていることから 奨 励 品 種 に 採 用 することにより 秋 田 県 の 良 食 味 品 種 ラインナップの 一 翼 を 担 う 事 ができる [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 水 稲 ゆめおばこ は 秋 田 県 農 林 水 産 技 術 センター 農 業 試 験 場 において 中 生 の 多 収 良 食 味 品 種 を 目 標 とし 岩 南 8 号 を 母 秋 田 58 号 を 父 として1995 年 に 人 工 交 配 を 行 い その 後 代 より 育 成 した 品 種 である 2007 年 11 月 に 種 苗 法 に 基 づく 品 種 登 録 の 出 願 をした 2. 出 穂 期 成 熟 期 ともに ひとめぼれ 並 で 育 成 地 では 中 生 の 晩 に 属 する( 表 1) 3. 稈 長 は ひとめぼれ 並 穂 長 は ひとめぼれ よりやや 長 く 穂 数 は めんこいな 並 で 草 型 は 中 間 型 に 属 する( 表 1) 稈 の 太 さは 中 で 耐 倒 伏 性 は めんこいな 並 の やや 強 である( 表 1) 籾 には 短 芒 を 生 じ 穎 色 は 黄 白 ふ 先 色 は 白 である( 表 1) 4.いもち 病 真 性 抵 抗 性 遺 伝 子 型 は Pia Pii を 持 つと 推 定 され 圃 場 抵 抗 性 は ひとめぼれ よりも 強 く 葉 いもちが 中 穂 いもちが やや 強 である( 表 1) 耐 冷 性 は めんこいな よりも 強 く ひとめぼれ と 同 じ 極 強 穂 発 芽 性 は めんこいな と 同 じ 中 である( 表 1) 収 量 性 は ひとめぼれ より 優 る( 表 1) 5. 玄 米 は 千 粒 重 が ひとめぼれ めんこいな より1g 以 上 大 きく 品 質 は ひとめぼれ 並 に 良 好 で 上 中 である( 表 1) 6. 玄 米 粗 蛋 白 質 含 率 は めんこいな ひとめぼれ より 低 い( 表 1) 7. 食 味 は あきたこまち 並 の 上 上 である( 表 1) 8. 現 地 試 験 においても 玄 米 収 量 は ひとめぼれ あきたこまち よりほぼすべての 地 点 で 多 く( 表 2) 玄 米 外 観 品 質 は ひとめぼれ あきたこまち 並 に 良 好 である( 表 3) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 秋 田 県 の 県 南 内 陸 平 坦 部 を 中 心 とした 秋 田 県 内 平 坦 部 一 円 (A1,A2 地 帯 )に 10,000ha 程 度 の 普 及 が 見 込 まれる [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1.いもち 病 圃 場 抵 抗 性 は 穂 いもち やや 強 であるが 葉 いもちが 中 のため 適 期 防 除 に 努 める 2. 穂 発 芽 性 が 中 と 不 十 分 であることから 適 期 刈 り 取 りに 努 める 3. 耐 倒 伏 性 は やや 強 であるが 安 定 的 に 良 質 米 を 得 るために 多 肥 栽 培 は 避 ける - 3 -

4 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 表 1 ゆめおばこ の 特 性 一 覧 表 調 査 地 秋 田 県 農 林 水 産 技 術 センター 農 業 試 験 場 調 査 年 次 2004~2007 年 ( 玄 米 収 量 及 び 対 標 準 比 の 多 肥 を 除 き 奨 励 品 種 決 定 基 本 調 査 標 肥 区 の 成 績 ) 系 統 名 秋 田 89 号 組 合 せ 岩 南 8 号 / 秋 田 58 号 特 性 長 所 : 短 所 : 1.ひとめぼれより 多 収 である 1.ひとめぼれより 穂 発 芽 し 易 い 2.ひとめぼれより 倒 伏 に 強 い 3. 品 質 食 味 が 良 い 品 種 名 ゆめおばこ ひとめぼれ めんこいな 早 晩 性 中 生 の 晩 中 生 の 晩 中 生 の 晩 草 型 中 間 型 偏 穂 数 型 中 間 型 出 穂 期 ( 月 日 ) 成 熟 期 ( 月 日 ) 稈 長 (cm) 穂 長 (cm) 穂 数 ( 本 /m ) 倒 伏 (0~5) 芒 の 多 少 長 短 極 少 短 やや 少 短 少 短 穎 色 黄 白 黄 白 黄 白 ふ 先 色 白 白 白 粒 着 密 度 中 やや 疎 中 脱 粒 性 難 難 難 いもち 耐 病 性 耐 遺 伝 子 型 Pia Pii Pii Pia 病 葉 いもち 中 やや 弱 やや 弱 性 穂 いもち やや 強 やや 弱 やや 弱 白 葉 枯 耐 病 性 やや 強 中 弱 耐 倒 伏 性 やや 強 やや 弱 やや 強 耐 冷 性 ( 障 害 型 ) 極 強 極 強 中 穂 発 芽 性 中 難 中 収 量 (kg/a) 標 肥 玄 多 肥 対 標 準 比 標 肥 米 多 肥 千 粒 重 (g) 品 質 上 中 上 中 上 中 粗 蛋 白 質 (%) 食 味 上 上 上 上 上 上 基 準 :あきたこまち(13 回 ) 収 量 : 篩 い 目 1.9mm 玄 米 水 分 15% 換 算 千 粒 重 : 玄 米 水 分 15% 換 算 品 質 : 東 北 農 政 局 秋 田 農 政 事 務 所 調 査 粗 蛋 白 質 :ケルタ ール 法 により 全 窒 素 を 測 定 蛋 白 質 換 算 係 数 5.95を 乗 じて 求 めた( 乾 物 換 算 ) 食 味 : 食 味 官 能 総 合 評 価 値 +3( 基 準 よりかなり 良 い)~-3( 基 準 よりかなり 不 良 ) 表 2 ゆめおばこ の 現 地 試 験 における 玄 米 収 量 (kg/a) 品 種 名 能 代 市 男 鹿 市 由 利 大 仙 市 横 手 市 横 手 市 湯 沢 市 本 荘 市 大 森 町 平 鹿 町 ゆめおばこ ひとめぼれ あきたこまち ~2007 年 の 平 均 値 表 3 ゆめおばこ の 現 地 試 験 における 玄 米 品 質 品 種 名 能 代 市 男 鹿 市 由 利 大 仙 市 横 手 市 横 手 市 湯 沢 市 本 荘 市 大 森 町 平 鹿 町 ゆめおばこ ひとめぼれ あきたこまち ~2007 年 の 平 均 値 1~9 の9 段 階 評 価 [ 発 表 文 献 等 ] 品 種 登 録 出 願 : 2007 年 出 願 番 号 : 第 号 - 4 -

5 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 直 播 栽 培 における 飼 料 用 稲 新 品 種 べこごのみ の 生 育 特 性 ( 平 成 17~19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 WCSチーム 担 当 者 佐 野 広 伸 佐 藤 雄 幸 他 WCSチーム 員 [ 要 約 ] 飼 料 用 稲 新 品 種 べこごのみ は 出 穂 黄 熟 期 が 早 く WCS 用 として 主 食 用 の 移 植 あ きたこまち より 早 く 収 穫 できるため 収 穫 作 業 が 競 合 しない また 直 播 栽 培 では1t/ha 以 上 の 乾 物 収 量 を 得 ることが 可 能 である [ねらい] 省 力 低 コスト 化 を 目 指 した 飼 料 用 稲 の 直 播 栽 培 では 移 植 栽 培 の あきたこまち と 収 穫 作 業 が 競 合 することが 問 題 となっている そこで 出 穂 黄 熟 期 (WCS 収 穫 期 )の 早 い べこご のみ( 奥 羽 飼 395 号 東 北 農 業 研 究 センター 育 成 ) の 生 育 特 性 を 調 査 し 収 穫 期 や 収 量 性 を 明 らかにする [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 年 農 試 ほ 場 試 験 は 乾 田 土 中 早 期 湛 水 直 播 栽 培 により 行 った 2006 年 北 秋 田 市 及 び2007 年 横 手 市 の 現 地 実 規 模 (1ha) 試 験 は 潤 土 直 播 栽 培 により 行 った 年 農 試 ほ 場 における べこごのみ の 出 穂 期 は8 月 7 日 で べこあおば より11 日 ふ くひびき より6 日 早 い べこごのみ の 黄 熟 期 はそれぞれ14 日 7 日 早 い9 月 8 日 であり 移 植 あきたこまち の 成 熟 期 が9 月 15 日 であることから 収 穫 作 業 の 競 合 が 避 けられる( 表 1) 3. べこごのみ の 地 際 刈 り 乾 物 収 量 は 約 1400g/m2となり べこあおば ふくひびき よ り 高 い 4. べこごのみ は 刈 高 さが 高 くなっても 稈 長 の 短 い べこあおば より 収 量 の 低 下 が 少 な い( 図 1) 年 北 秋 田 市 における べこごのみ の 黄 熟 期 は9 月 15 日 で 移 植 あきたこまち の 成 熟 期 より2 日 早 い 2007 年 横 手 市 における 黄 熟 期 は9 月 5 日 で 移 植 あきたこまち の 成 熟 期 より13 日 早 い( 表 2) 6. 全 刈 り 乾 物 収 量 は 北 秋 田 市 では10.9t/ha 横 手 市 では12.2t/haとなり 秋 田 県 稲 発 酵 粗 飼 料 生 産 給 与 技 術 マニュアル( 平 成 20 年 3 月 刊 ) の 目 標 とする 直 播 栽 培 での 乾 物 収 量 1t/ ha 以 上 を 得 ることが 可 能 である( 表 3) 7. 黄 熟 期 収 穫 した べこごのみ のWCSでは 発 酵 品 質 を 示 すV-scoreは97 以 上 と 高 品 質 で あり TDN 含 量 は50~55%である [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 直 播 適 応 地 帯 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 栽 培 に 当 たっては 秋 田 県 稲 発 酵 粗 飼 料 生 産 給 与 技 術 マニュアル を 参 考 にする - 5 -

6 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 表 1. 乾 田 土 中 早 期 湛 水 直 播 栽 培 による 飼 料 用 稲 品 種 の 生 育 収 量 ( 農 試 ほ 場 試 験 2006 年 ) 播 種 日 黄 熟 期 の 生 育 地 際 刈 り 収 量 品 種 ( 移 植 日 ) 出 穂 期 黄 熟 期 成 熟 期 稈 長 穂 長 穂 数 生 重 乾 物 重 水 分 V-score TDN 月 / 日 月 / 日 月 / 日 月 / 日 cm cm 本 /m2 g/m2 g/m2 % % べこごのみ 4/29 8/7 9/ べこあおば 4/29 8/18 9/ ふくひびき 4/29 8/13 9/ [ 参 考 ]あきたこまち( 移 植 ) (5/15) 8/4-9/ 注 1). 黄 熟 期 は 出 穂 翌 日 からの 積 算 気 温 800 到 達 日. 注 2).V-score TDN 含 量 は 畜 試 の 調 査. 注 3).あきたこまち( 移 植 )は 農 試 内 の 水 稲 生 育 定 点 調 査 の 値. 刈 り 高 さ(cm) べこごのみ べこあおば ふくひびき 生 重 (g/m2) 図 1. 刈 高 さ 別 の 収 量 ( 農 試 ほ 場 試 験 2006 年 ) 表 2. 潤 土 直 播 栽 培 によるべこごのみの 生 育 ( 現 地 実 規 模 試 験 ) 播 種 日 黄 熟 期 の 生 育 試 験 年 試 験 場 所 品 種 ( 移 植 日 ) 出 穂 期 黄 熟 期 成 熟 期 草 丈 稈 長 穂 長 穂 数 倒 伏 程 度 月 / 日 月 / 日 月 / 日 月 / 日 cm cm cm 本 /m 北 秋 田 市 べこごのみ 5/17 8/11 9/ [ 参 考 ]あきたこまち( 移 植 )* (5/20) 8/6-9/ 横 手 市 べこごのみ 5/14 8/3 9/ [ 参 考 ]あきたこまち( 移 植 )** (5/21) 8/3-9/ 注 1). 黄 熟 期 は 出 穂 翌 日 からの 積 算 気 温 800 到 達 日. 注 2).*: 北 秋 田 市 七 日 市 の 水 稲 生 育 定 点 調 査 の 値. **: 横 手 市 平 鹿 町 中 吉 田 の 水 稲 生 育 定 点 調 査 の 値. 表 3. 潤 土 直 播 栽 培 によるべこごのみの 収 量 と 品 質 ( 現 地 実 規 模 試 験 ) 坪 刈 り 収 量 ( 地 際 刈 り) 全 刈 り 収 量 試 験 年 試 験 場 所 収 穫 日 生 重 乾 物 重 水 分 収 穫 日 生 重 乾 物 重 水 分 刈 高 V-score TDN 月 / 日 t/ha t/ha % 月 / 日 t/ha t/ha % cm % 2006 北 秋 田 市 9/ / 横 手 市 9/ / 注 1). 全 刈 り 収 量 は ロール 質 量 / 収 穫 面 積 で 算 出 し 収 穫 は 専 用 収 穫 機 により 行 った. [ 発 表 文 献 等 ] なし - 6 -

7 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 果 実 肥 大 性 に 優 れ 発 酵 果 が 少 ないネットメロン 新 品 種 こまちクィーン ( 平 成 9~19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 野 菜 花 き 部 園 芸 育 種 担 当 担 当 者 椿 信 一 佐 藤 友 博 [ 要 約 ] 地 這 い 栽 培 に 適 した 緑 肉 のネットメロン こまちクィーン を 育 成 した この 新 品 種 は 県 内 の 主 力 品 種 秋 田 美 人 より 果 実 肥 大 性 に 優 れ 発 酵 果 の 発 生 が 少 なく 収 穫 期 の 判 定 が 容 易 であるため 高 品 質 な 果 実 を 生 産 できる [ねらい] 近 年 国 内 のメロン 消 費 量 は 低 迷 しており 本 県 でも 地 這 いメロン 栽 培 面 積 は 減 少 の 一 途 をたどっ ている このようにメロンが 消 費 者 に 敬 遠 されるようになった 要 因 の 一 つに 発 酵 果 や 未 熟 果 といっ た 外 観 で 判 別 しにくい 不 良 果 の 混 入 により 食 味 品 質 が 不 安 定 なことがあげられる そこで 本 県 産 メロンの 消 費 拡 大 を 図 るために 県 内 の 主 力 品 種 秋 田 美 人 と 比 較 して 発 酵 果 が 少 なく 適 期 に 収 穫 可 能 な 併 せて 果 実 肥 大 性 を 重 視 した 独 自 品 種 を 育 成 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. こまちクィーン は 市 販 のネット 系 メロン KM-729HG の 後 代 固 定 系 統 を 母 本 に 同 じく 市 販 の 市 場 小 路 の 後 代 固 定 系 統 を 父 本 として 組 み 合 わせたF1 品 種 である( 図 1) 平 成 18 年 4 月 に 種 苗 法 に 基 づく 品 種 登 録 出 願 をした( 出 願 公 表 中 ) 2. 果 実 は 秋 田 美 人 とよく 似 た 外 観 であるが 果 重 が 大 きく 果 皮 色 がやや 濃 く ネットは やや 太 く やや 高 い( 表 1 写 真 1) 3. 糖 度 は 秋 田 美 人 と 同 様 に15 度 以 上 と 高 く 果 肉 は 黄 緑 色 で 厚 く 肉 質 は 秋 田 美 人 よりやや 軟 らかいが 収 穫 後 の 急 激 な 実 くずれがない また 発 酵 果 の 発 生 もなく あっさ りとした 食 感 で 食 味 評 価 が 秋 田 美 人 より 高 い( 表 1 写 真 2) 4. 成 熟 期 に 着 果 枝 葉 の 黄 化 や 褐 変 が 秋 田 美 人 より 強 く 現 れるため 果 実 ごとの 収 穫 期 の 判 定 が 容 易 で 適 期 収 穫 が 可 能 である( 表 2) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 一 円 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. 発 酵 果 が 少 ない 特 性 を 生 かした 高 温 期 収 穫 の 露 地 一 重 トンネル 栽 培 に 適 する また 果 実 肥 大 性 に 優 れ 低 温 肥 大 性 を 要 求 されるハウス 半 促 成 栽 培 にも 適 応 する 2. 肥 大 力 旺 盛 なため 極 端 な 保 温 や 蒸 し 込 みは 不 要 である 既 存 品 種 より 強 めの 換 気 をしてコ ンパクトな 茎 葉 を 作 ることにより 生 育 後 半 の 草 勢 維 持 と 秀 品 生 産 に 結 びつける 3. 種 子 の 供 給 については 当 面 秋 田 県 内 限 定 とする - 7 -

8 [ 具 体 的 なデータ 等 ] H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 F 1 F 2 F 3 F 4 F 5 F 1 KM-729HG H11-KM1 こまちクィーン F 1 F 2 F 3 F 4 F 5 F 6 市 場 小 路 H10-IH1 図 1 育 成 経 過 表 1 果 実 特 性 ( 育 成 地 H15~H19 年 の 平 均 値 ) 果 縦 横 果 皮 ネット z 糖 度 果 肉 発 酵 x 発 酵 w 食 果 実 品 種 名 重 比 色 密 度 太 さ 高 さ Brix 色 厚 さ 硬 さ y 果 率 x 程 度 w 味 評 価 (kg) (%) (cm) こまちクィーン 灰 緑 黄 緑 % 秋 田 美 人 ( 対 照 ) 灰 黄 緑 % z :3( 粗 細 低 ) 5( 中 ) 7( 密 太 高 ) y :3( 軟 ) 5( 中 ) 7( 硬 ) x :0( 無 )~5( 甚 多 ) w:1( 極 劣 )~5( 極 良 ) 果 実 評 価 は 市 販 メロン 一 般 を 対 照 としての 評 価 : ( 非 常 に 優 ) ( 優 ) ( 普 通 ) ( 劣 ) 主 要 な 作 型 は 露 地 一 重 トンネル 栽 培 表 2 草 姿 耐 病 性 特 性 ( 育 成 地 H15~H19 年 の 平 均 値 ) v u t 草 葉 葉 つる 両 性 花 a 着 果 b 葉 の 黄 化 褐 成 熟 病 害 抵 抗 性 z z a b z s 品 種 名 勢 色 長 長 着 生 率 a 率 b 変 による 収 穫 日 数 つる 割 病 期 の 判 定 (%) (cm) (cm) (%) (%) (%) ( 日 ) レース0 レース2 こまちクィーン % 71% 70% 易 49 R R R 秋 田 美 人 ( 対 照 ) % 79% 70% 中 51 R R R v:3( 弱 ) 5( 中 ) 7( 強 ) u :3( 淡 緑 ) 5( 緑 ) 7( 濃 緑 ) t : 開 花 ~ 収 穫 s : 幼 苗 接 種 検 定 の 結 果 ;S( 罹 病 性 ) R( 抵 抗 性 ) r : 圃 場 での 発 病 程 度 より 評 価 ;S( 罹 病 性 ) R( 抵 抗 性 ) 主 要 な 作 型 は 露 地 一 重 トンネル 栽 培 うどんこ r 病 こまちクィーン 秋 田 美 人 こまちクィーン 秋 田 美 人 写 真 1 果 実 外 観 の 比 較 写 真 2 果 実 内 部 の 比 較 [ 発 表 文 献 等 ] 平 成 19 年 度 東 北 農 業 研 究 成 果 情 報 ( 野 菜 花 き 部 会 ) 第 51 回 東 北 農 業 試 験 研 究 発 表 ( 発 表 予 定 ) 品 種 登 録 出 願 公 表 中 ( 出 願 番 号 第 号 ) - 8 -

9 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :エダマメ 品 種 あきた 香 り 五 葉 の 収 穫 判 断 基 準 と 収 穫 適 期 判 定 スケール ( 平 成 18~19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 野 菜 花 き 部 野 菜 担 当 担 当 者 本 庄 求 篠 田 光 江 他 2 名 [ 要 約 ] エダマメ 品 種 あきた 香 り 五 葉 の 収 穫 判 断 基 準 を 現 地 での 適 合 性 の 検 討 を 経 て 定 めた 収 穫 始 期 の 判 断 項 目 として 開 花 後 日 数 と 莢 厚 の 有 効 性 が 高 かったことから 生 産 者 がこれらを 簡 単 に 判 断 できる 収 穫 適 期 判 定 スケールを 作 成 した [ねらい] 本 県 ではエダマメの 新 品 種 として 香 りと 食 味 の 良 い あきた 香 り 五 葉 を 開 発 し エダマメ 産 地 の 拡 大 に 向 け 取 り 組 んでいるが 販 売 過 程 において 品 質 のばらつきが 指 摘 される 場 面 がある 主 な 原 因 は 早 どり とり 遅 れに 起 因 していると 思 われ 収 穫 適 期 を 判 断 するための 基 準 づくりが 必 要 とされている そこで 農 業 試 験 場 と 現 地 で 連 携 し 収 穫 適 期 の 判 断 基 準 を 定 めるとともに 生 産 者 が 簡 単 に 判 断 できる 収 穫 判 定 スケールを 普 及 行 政 と 連 携 して 作 成 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 平 成 18 年 までの 農 業 試 験 場 でのデータを 基 に 定 めた あきた 香 り 五 葉 の 収 穫 判 断 基 準 ( 案 ) を 平 成 19 年 度 に 県 内 7 地 域 の 普 及 指 導 課 単 位 毎 に 調 査 圃 場 を 設 けて 適 合 性 を 検 討 し 内 容 を 一 部 変 更 して 収 穫 判 断 基 準 を 定 めた( 図 1) 2. 収 穫 始 期 の 判 断 項 目 として 開 花 後 日 数 と 莢 厚 の 有 効 性 の 評 価 ( 図 2) 3. 生 産 者 が 莢 厚 と 開 花 後 日 数 を 簡 単 に 判 断 できる 収 穫 適 期 判 定 スケールを 作 成 した これによ り 1 開 花 日 から 収 穫 日 の 予 想 28mmのスリットを 利 用 して 莢 厚 の 確 認 ができる ( 図 3) 4. 莢 厚 は2 粒 莢 下 位 節 の 分 枝 にポイントを 絞 って 確 認 することでより 精 度 が 向 上 する( 図 4) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 全 県 一 円 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. あきた 香 り 五 葉 の 栽 培 暦 収 穫 判 断 のための 生 産 者 及 び 指 導 者 向 け 資 料 を 別 途 作 成 して いるので これらの 資 料 と 合 わせて 適 期 収 穫 に 努 める - 9 -

10 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 収 穫 始 期 の 判 断 基 準 1 開 花 ~ 収 穫 まで 日 数 48 日 前 後 積 算 温 度 1150 前 後 2 分 枝 の2 粒 莢 の 厚 さ8mm 以 上 が8~9 割 程 度 になった 時 点 3 株 全 体 の 葉 色 が 少 しさめる 4 莢 色 が 鮮 やかになり 毛 が 立 ってくる 収 穫 終 期 の 判 断 基 準 1 収 穫 始 めから5 日 程 度 で 終 期 2 分 枝 の2 粒 莢 で 厚 さ11mmのものが 見 えてくると 終 期 図 1 あきた 香 り 五 葉 の 収 穫 判 断 基 準 有 効 有 効 有 効 有 効 有 効 どちらともいえない 有 効 でない どちらともいえない 有 効 でない どちらともいえない 有 効 でない どちらともいえない 有 効 でない どちらともいえない 有 効 でない 16 % 5% 79 % 73% 27% 30 % 5% 65 % 11 % 26 % 63 % 59 % 41 % 開 花 後 日 数 積 算 気 温 莢 厚 葉 色 莢 色 収 穫 始 期 の 判 断 項 目 図 2 判 断 基 準 の 有 効 性 についてのアンケート 調 査 結 果 ( 平 成 19 年 度 ) ( 生 産 者 5 人 JA 指 導 員 8 人 普 及 指 導 員 7 人 ) (%) 莢 の 粒 数 による 違 い 粒 莢 (%) 粒 莢 の 部 位 による 違 い 粒 莢 上 位 節 中 節 位 中 位 節 分 枝 下 位 節 分 枝 ( 日 ) ( 日 ) ( 開 花 後 日 数 ) ( 開 花 後 日 数 ) 図 4 莢 厚 8mm 以 上 の 莢 割 合 の 経 時 的 変 化 ( 平 成 18 年 度 )

11 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 積 雪 寒 冷 地 におけるイチゴ 四 季 成 り 性 品 種 による 夏 秋 どり 栽 培 体 系 ( 平 成 15~19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 野 菜 花 き 部 野 菜 担 当 企 画 経 営 室 経 営 マーケティング 班 担 当 者 林 浩 之 澁 谷 功 他 1 名 [ 要 約 ] 雨 よけハウスにおいて イチゴ 四 季 成 り 性 品 種 エッチエス-138 の 株 冷 蔵 苗 を4 月 下 旬 に 定 植 することで 土 耕 栽 培 による7 月 から10 月 までの 夏 秋 どりが 可 能 であり 株 当 たり410 ~570gの 商 品 果 収 量 が 得 られる [ねらい] 本 県 のイチゴ 産 地 では 一 季 成 り 性 品 種 を 用 いた 露 地 栽 培 とハウス 株 冷 栽 培 の 組 合 せが 行 われ ており 8~9 月 は 完 全 な 端 境 期 となっている 現 状 である そこで 設 備 投 資 の 少 ない 雨 よけ 土 耕 栽 培 により 四 季 成 り 性 品 種 を 用 いた 夏 秋 期 の 栽 培 体 系 を 確 立 し 出 荷 期 の 拡 大 と 農 家 経 営 の 改 善 を 図 る [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 雨 よけ 土 耕 栽 培 で エッチエス-138 の 株 冷 蔵 苗 を 用 いて 消 雪 後 の4 月 下 旬 に 定 植 し 夏 秋 期 に 収 穫 する 作 型 である 定 植 は 株 冷 蔵 苗 を 直 接 またはポット 仮 植 した 苗 を 用 いる 定 植 後 は 株 養 成 のため5 月 に 出 蕾 する 花 房 を 摘 除 し 6 月 以 降 に 出 蕾 する 花 房 に 着 果 さ せて 7 月 から10 月 まで 連 続 収 穫 する( 図 1) 2. 出 蕾 数 が 多 い エッチエス-138 では 6 月 以 降 に4~5 花 房 を 着 果 させた 後 8 月 中 旬 まで 出 蕾 する 花 房 を 摘 除 することで9 月 中 の 収 量 が 増 え さらに 果 房 当 たり8 果 程 度 に 摘 果 することで 商 品 果 収 量 が 増 える( 図 2) 標 高 400mの 中 山 間 高 冷 地 では 出 蕾 数 が 少 なく なるので(データ 略 ) 6 月 以 降 の 花 房 摘 除 は 行 わない 3.7 月 ~10 月 の 商 品 果 収 量 は 平 坦 部 で560~570g/ 株 (270kg/a)であり 定 植 期 の 遅 い 中 山 間 高 冷 地 で400~480g/ 株 (180~210kg/a)である( 図 3) 4. 稲 +イチゴ の 複 合 経 営 に 四 季 成 り 性 品 種 を 導 入 した 営 農 モデルでは 家 族 経 営 で 雨 よけ 四 季 成 り 性 イチゴ10a 露 地 一 季 成 り 性 イチゴ12aで640 万 円 雇 用 経 営 で 雨 よけ 四 季 成 り 性 イチゴ14a 露 地 一 季 成 り 性 イチゴ17aで718 万 円 の 所 得 が 期 待 できる( 表 1) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 中 山 間 地 域 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1.この 体 系 は エッチエス-138 などの 出 蕾 数 の 多 い 品 種 に 適 用 できる 2. 苗 は 種 苗 業 者 を 通 して 株 冷 蔵 苗 が 供 給 される 水 稲 育 苗 後 の 施 設 を 利 用 する 場 合 は 約 1カ 月 間 ポット 仮 植 を 行 う 3. エッチエス-138 は 中 程 度 の 萎 黄 病 抵 抗 性 があるが 連 作 する 場 合 は 冬 期 間 にクロール ピクリン 液 剤 による 土 壌 消 毒 処 理 を 行 う

12 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 旬 栽 培 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ポット 仮 植 土 壌 消 毒 ( 越 冬 処 理 ) ( ) : 仮 植 : 定 植 : 遮 光 : 収 穫 図 1 四 季 成 り 性 品 種 の 夏 秋 どり 作 型 の 概 要 収 量 (g/ 株 ) 秋 田 市 雄 和 ( 標 高 50m) 2004 年 2005 年 湯 沢 市 湯 ノ 岱 ( 標 高 400m) 2006 年 2007 年 7 月 8 月 9 月 10 月 1 果 重 8 果 房 4 果 8 果 房 8 果 12 果 房 4 果 12 果 房 8 果 放 任 総 収 穫 果 8 果 房 4 果 8 果 房 8 果 12 果 房 4 果 12 果 房 8 果 図 2 四 季 成 り 性 品 種 エッチエス-138 の 摘 果 処 理 が 収 量 と1 果 重 に 及 ぼす 効 果 (2007 年 ) 花 房 ( 花 柄 )は6 月 以 降 発 生 する4 花 房 に 着 果 させ 8 月 中 旬 まで 花 房 を 摘 除 8 月 下 旬 以 降 発 生 した 花 房 は4~8 花 房 に 制 限 した 定 植 期 は5 月 22 日 収 穫 期 は6 月 30 日 ~10 月 31 日 401 商 品 果 放 任 商 品 果 収 量 (g/ 株 ) 2L L M S 2S 果 重 (g) 表 1 夏 秋 どりイチゴ 産 地 における 四 季 成 り 性 イチゴ 導 入 経 営 の 営 農 モデル イチゴ 四 季 成 り 露 地 稲 収 量 kg 2, 収 価 格 円 /kg 1,734 1, 益 粗 収 益 4,746 1, 性 経 営 費 千 円 1, 技 所 得 3, 術 労 働 時 間 時 間 2, 係 品 種 エッチエスー138ワサ はるみあきたこまち 数 技 株 数 株 数 4,760 3,421 - 作 術 定 植 期 4/ 下 9/ 上 5/ 中 期 内 容 6/ 下 ~ 6/ 中 ~ 9/ 下 ~ 出 荷 期 10/ 下 8/ 上 10/ 中 家 族 経 営 雇 用 経 営 営 農 タイプ ハウスイ チゴ 専 作 稲 + イチゴ ハウスイ チゴ 専 作 稲 + イチゴ 四 季 成 り 面 イチゴ 露 地 積 稲 a 計 所 四 季 成 り 3,644 3,219 5,309 4,321 イチゴ 得 露 地 911 1,215 稲 2,427 2,427 千 計 3,644 6,557 5,309 7,983 円 雇 用 差 引 3,484 6,397 4,509 7,183 家 族 時 2,652 3,787 3,298 4,268 雇 用 間 計 2,812 3,947 4,098 5,068 注 1. 露 地 イチゴは 現 地 調 査 による 2. 四 季 成 り 性 イチゴの 収 量 時 期 別 出 荷 量 は 農 試 試 験 栽 培 による 時 期 別 単 価 は,'04 年 度 の 産 地 販 売 価 格, 経 営 費 は, 現 地 調 査 による 3. 稲 作 の 係 数 は 農 試 経 営 診 断 システムによる 4. 営 農 モデルは 線 型 計 画 法 による 5. 家 族 労 力 3 人 雇 用 上 限 は, 家 族 経 営 20 人, 雇 用 経 営 100 人 6. 上 限 面 積 は,イチコ 露 地 30a ハウス30a 稲 作 300a 図 3 四 季 成 り 性 品 種 エッチエス-138 の 収 量 花 房 摘 除 摘 果 処 理 は 行 わず 放 任 栽 培 とした 栽 植 密 度 :2004 年 ; 畝 幅 140cm 株 間 30cm 条 間 40cm 2 条 植 (476 株 /a) 2005~2007 年 ; 畝 幅 150cm 株 間 30cm 条 間 40cm 2 条 植 (444 株 /a) 定 植 期 :( 秋 田 市 );2004 年 ;4 月 28 日 2005 年 4 月 28 日 ( 湯 沢 市 );2006 年 5 月 17 日 2007 年 5 月 23 日 [ 発 表 文 献 等 ] な し

13 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 有 機 質 資 材 の 層 状 施 用 とプール 育 苗 の 組 合 せによる 有 機 水 稲 育 苗 技 術 ( 平 成 19 年 ) 研 究 機 関 名 農 業 試 験 場 生 産 環 境 部 土 壌 基 盤 担 当 秋 田 県 立 大 学 担 当 者 金 和 裕 石 田 頼 子 他 2 名 [ 要 約 ] 水 稲 有 機 栽 培 における 育 苗 では phの 高 い 有 機 質 資 材 は 育 苗 箱 の 底 面 に 層 状 に 施 用 すること により 床 土 のpHが 上 昇 せず プール 育 苗 で 管 理 することにより 生 育 ムラの 少 ない 苗 が 生 産 でき る [ねらい] 水 稲 有 機 栽 培 では 育 苗 時 に 様 々な 有 機 質 資 材 が 使 用 されている これらの 資 材 は 窒 素 無 機 化 特 性 が 異 なるとともにpHが 高 いものもあり 育 苗 時 に 生 育 ムラや 病 害 が 多 く 発 生 することが 問 題 となっている 一 方 プール 育 苗 は 苗 立 枯 病 の 発 生 を 抑 制 し, 床 土 量 に 関 わらず 生 育 ムラが 少 ないことが 報 告 されている.ここでは, 有 機 栽 培 に 対 応 した 安 定 育 苗 技 術 を 確 立 するため 表 1に 示 すように 有 機 質 資 材 の 種 類 施 用 方 法 およびプール 育 苗 の 適 否 を 検 討 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] (1) phの 高 い 有 機 質 資 材 は 床 土 に 混 和 して 施 用 すると 床 土 のpHが 上 昇 する しかし 育 苗 箱 の 底 面 に 層 状 施 用 することによって 床 土 のpHの 上 昇 を 抑 えることができる ( 表 2) (2) 有 機 質 資 材 を 育 苗 箱 の 底 面 に 層 状 施 用 しても 混 和 施 用 と 比 べ 苗 の 形 質 ( 草 丈 葉 数 乾 物 重 等 )に 差 は 認 められない ( 表 3) (3) 有 機 質 資 材 施 用 区 では プール 育 苗 で 栽 培 することにより 慣 行 育 苗 に 比 べ 苗 の 生 育 ムラ ( 苗 形 質 および 養 分 含 有 率 の 変 動 係 数 )が 小 さくなる 傾 向 にある ( 表 3 表 4) (4) 資 材 A Bは それぞれ 箱 当 たり 現 物 で60g 100g 施 用 しても 化 成 区 のプール 育 苗 に 比 べ 苗 形 質 が 劣 り 窒 素 含 有 率 が 低 い ( 表 3 表 4) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 一 円 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. 有 機 質 資 材 は 資 材 によって 育 苗 期 間 中 の 窒 素 無 機 化 率 リン 酸 カリ 含 有 率 が 異 なるこ とから 資 材 の 選 定 施 用 量 の 決 定 には 注 意 を 要 する 2. 供 試 した 有 機 質 資 材 および 化 成 肥 料 のpHと 保 証 成 分 ( 原 料 ) は 有 機 質 資 材 A ph:5.8 N:P2O5:K2O (%) = 7.2:4.0:2.5 ( 魚 肉 胚 芽 タンパク 質 ) 有 機 質 資 材 B ph:8.4 N:P2O5:K2O (%) = 3.6:3.4:3.2 ( 鶏 ふん) 化 成 肥 料 N:P2O5:K2O (%) = 5.0:8.0: 各 有 機 質 資 材 の 窒 素 無 機 化 特 性 値 ( 進 藤 ら 未 発 表 )と 苗 箱 の 地 温 から 推 定 した 育 苗 期 間 中 の 窒 素 無 機 化 率 は 資 材 Aは46.7% 資 材 Bは32.7%である 4. 本 成 果 で 品 種 は あきたこまち 床 土 覆 土 はいなほ 加 工 ( 株 )の 無 肥 料 培 土 を 使 用 した 5. 本 成 果 は 有 機 栽 培 における 中 苗 育 苗 で 活 用 できる

14 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 表 1 試 験 区 の 構 成 表 2 播 種 10 日 後 の 床 土 のpH 試 験 区 供 試 資 材 施 肥 施 用 量 育 苗 管 理 試 験 区 ph 位 置 現 物 g/ 箱 H 2 O 変 動 係 数 A40 混 A 混 和 40 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール A40 層 A 層 状 40 慣 行 フ ール A40 混 A60 混 A 混 和 60 慣 行 フ ール A40 層 A60 層 A 層 状 60 慣 行 フ ール A60 混 B67 混 B 混 和 67 慣 行 フ ール A60 層 B67 層 B 層 状 67 慣 行 フ ール B67 混 B100 混 B 混 和 100 慣 行 フ ール B67 層 B100 層 B 層 状 100 慣 行 フ ール B100 混 化 成 化 成 混 和 30 慣 行 フ ール B100 層 育 苗 期 間 中 資 材 A B 施 用 区 は 無 追 肥 化 成 区 化 成 は2 3 葉 期 に 箱 当 り 窒 素 1gを 追 肥 各 3 反 復 phは 各 試 験 区 3 反 復 の 平 均 値 を 示 す 表 3 播 種 39 日 後 の 苗 の 形 質 試 験 区 草 丈 葉 数 乾 物 重 cm 変 動 係 数 葉 変 動 係 数 g/100 個 体 変 動 係 数 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール A40 混 A40 層 A60 混 A60 層 B67 混 B67 層 B100 混 B100 層 化 成 草 丈 葉 数 は 各 試 験 区 30 個 体 3 反 復 の 計 90 個 体 の 平 均 値 を 示 す 乾 物 重 は 各 試 験 区 根 と 籾 を 除 去 した100 個 体 の 重 さで3 反 復 の 平 均 値 を 示 す 表 4 播 種 39 日 後 の 苗 の 養 分 含 有 率 試 験 区 N P 2 O 5 K 2 O % 変 動 係 数 % 変 動 係 数 % 変 動 係 数 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール 慣 行 フ ール A40 混 A40 層 A60 混 A60 層 B67 混 B67 層 B100 混 B100 層 化 成 各 養 分 の 含 有 率 は 各 試 験 区 3 反 復 の 平 均 値 を 示 す [ 発 表 文 献 等 ] 金 和 裕 金 田 吉 弘 佐 藤 孝 日 本 作 物 学 会 東 北 支 部 会 報 50 :

15 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 の 開 発 ( 平 成 18 年 ) 研 究 機 関 名 企 画 経 営 室 機 械 作 業 体 系 班 担 当 者 片 平 光 彦 上 田 賢 悦 阿 部 浩 小 林 由 喜 也 [ 要 約 ] 開 発 した2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 は 慣 行 と 同 等 の 作 業 精 度 で 作 業 負 担 度 が 慣 行 よりも 93% 減 少 する 開 発 機 の 作 業 能 率 は 作 畝 移 植 マルチの 各 作 業 が 同 時 に 行 えるため 2.2h/10aとなり 慣 行 と 比 較 して 省 力 化 率 が60%である [ねらい] ヤマノイモ(ヤマトイモ)の 移 植 作 業 は 腰 を 曲 げた 状 態 で 種 芋 の 向 きを 揃 えながら 手 植 えす るため 作 業 能 率 が 低 く 作 業 負 担 も 大 きい 生 産 地 では 作 業 性 の 改 善 による 一 戸 当 たり 栽 培 面 積 の 拡 大 に 加 え 現 行 の2 条 植 えマルチ 栽 培 に 対 応 した 移 植 機 械 の 開 発 への 要 望 が 高 い そこで サトイモ 等 に 使 われている 市 販 の1 条 植 え 移 植 機 を 基 に 植 え 付 け 部 が2 条 で 平 高 畝 が 成 形 でき るヤマノイモ 移 植 機 を 開 発 し 作 業 の 省 力 軽 労 化 を 実 現 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1.2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 ( 以 下 開 発 機 と 呼 称 )は 移 植 機 に 乗 車 した2 名 の 作 業 者 とオペレー タの 合 計 3 名 で 作 業 する 植 え 付 け 部 は ロータリ 後 方 に 配 置 した 接 地 輪 を 動 力 源 に 35cm 間 隔 で2 条 並 列 に 配 置 している( 図 1) 2. 植 え 付 け 部 は 付 属 するギアの 比 率 を 変 えることで 株 間 を cmに 調 節 可 能 で 左 右 の 種 芋 フ ォルダ 位 置 をオフセットさせることで 千 鳥 植 えにも 対 応 できる( 図 1) 3. 開 発 機 には 慣 行 栽 培 と 同 等 な 形 状 ( 床 幅 75cm 畝 幅 90~95cm 畝 高 さ20cm)に 作 畝 するため 1 条 植 え 移 植 機 に 付 属 するロータリに 耕 うんつめを2 枚 追 加 し 慣 行 の 畝 形 状 に 対 応 する 成 形 板 を 取 り 付 ける( 図 1) 4. 開 発 機 は 砕 土 率 86%のほ 場 で 床 幅 71cm 畝 幅 90cm 畝 高 さ19cmの 平 高 畝 を 成 形 できる 移 植 作 業 では 正 常 な 向 きに 植 え 付 けられた 割 合 が92% 植 え 付 け 深 さが7cmとなり 慣 行 と 同 等 の 精 度 で 作 業 できる( 表 1) 5. 開 発 機 を 用 いた 移 植 作 業 では 作 業 負 担 度 が 慣 行 よりも93% 減 少 し 作 業 姿 勢 調 査 (OWAS 法 ) でAC1の 割 合 が 慣 行 よりも44% 増 加 するなど 軽 労 効 果 が 高 い( 図 2) 6. 開 発 機 の 作 業 能 率 は2.2h/10aであり 慣 行 と 比 較 して60%の 省 力 化 率 である 作 業 日 数 を 基 に 算 出 した 負 担 面 積 は4.5haとなり 慣 行 の2.5 倍 である( 表 2) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 のヤマノイモ 生 産 農 家 [ 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. 開 発 機 は 出 力 27kW 以 上 のトラクタに 取 り 付 ける 2. 作 業 者 は トラクタの 旋 回 時 に 作 業 台 から 降 車 する 3. 開 発 機 は 秋 田 県 の 担 当 者 が 試 作 を 行 い それを 基 に 株 式 会 社 クボタが 市 販 化 ( 価 格 : 約 150 万 円 )している

16 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 図 1 適 用 ト ラ ク タ (kw) 27 以 上 装 着 方 式 3 点 リンク 直 装 全 長 (cm) 190 全 高 (cm) 150 全 幅 (cm) 142 質 量 (kg) 275 適 用 マ ル チ 幅 (cm) 135 植 え 付 け 間 隔 (cm) 30,35,40 植 え 付 け 深 さ (cm) 5~7 条 間 隔 (cm) 35 種 芋 ホッパ 容 量 (L) 110 作 業 速 度 (m/s) 0.12~0.14 作 業 人 数 ( 人 ) 2 開 発 した2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 と 主 要 諸 元 表 1 2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 の 作 業 精 度 調 査 項 目 砕 土 率 床 幅 畝 幅 畝 高 さ 株 間 植 え 付 け 精 度 植 え 付 け 深 さ 試 験 区 (%) (cm) (cm) (cm) (cm) (%) (cm) 慣 行 ( 手 植 え) - ( - ) 72 ( 1 ) 95 ( 1 ) 22 ( 1 ) 34 ( 2 ) 100 ( - ) 4 ( 1 ) 開 発 機 86 ( 4 ) 71 ( 0 ) 90 ( 1 ) 19 ( 1 ) 40 ( 1 ) 92 ( 0.1 ) 7 ( 1 ) 注 1:() 内 数 値 は 標 準 偏 差 注 2: 植 え 付 け 精 度 は 移 植 時 の 種 芋 の 姿 勢 ( 正 常 不 良 )で 評 価 作 業 負 20 担 度 10 作 業 負 担 度 OWAS 評 価 O W A S 評 価 ( % ) 表 2 2 条 植 えヤマノイモ 移 植 機 の 作 業 能 率 と 負 担 面 積 項 目 作 業 能 率 省 力 化 率 実 作 業 日 数 負 担 面 積 試 験 区 (h/10a) (%) ( 日 ) (ha) 慣 行 ( 手 植 え) 開 発 機 注 1: 作 業 人 数 3 名 ( 慣 行 開 発 機 ) 注 2: 省 力 化 率 (%)=(1-( 開 発 機 作 業 能 率 / 慣 行 作 業 能 率 )) 100で 算 出 注 3: 作 業 時 間,9 時 間 実 作 業 時 間,7.2 時 間 注 4: 作 業 日 数,5/ 上 旬 ~5/ 中 旬 の20 日 間 を 想 定 注 5: 可 能 日 数 率,68% 注 6: 実 作 業 日 数 = 作 業 日 数 可 能 日 数 率 0 慣 行 区 機 械 化 区 0 図 2 開 発 機 利 用 による 軽 労 効 果 注 1: 作 業 負 担 度 = 作 業 姿 勢 評 価 点 作 業 能 率 注 2:OWAS 評 価 はAC1( 改 善 必 要 なし)の 発 生 頻 度 (%) を 示 し 数 値 が 大 きいほど 軽 労 効 果 が 高 い [ 発 表 文 献 等 ] なし

17 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 秋 田 県 におけるモモの 適 応 性 と 有 望 品 種 ( 平 成 19 年 ) 研 究 機 関 名 果 樹 試 験 場 担 当 者 船 山 瑞 樹 [ 要 約 ] 秋 田 県 におけるモモの 成 熟 日 数 は 主 要 産 地 と 比 較 して7 日 前 後 長 い 収 穫 期 の 目 安 は 満 開 後 の 積 算 温 度 で あかつき は2000 川 中 島 白 桃 は2400 である 食 味 外 観 作 りやすさ 収 穫 時 期 等 の 点 から 早 生 種 では3 品 種 中 生 種 では4 品 種 晩 生 種 では4 品 種 を 有 望 とした [ねらい] 秋 田 県 におけるモモ 樹 の 生 態 や 成 熟 特 性 を 明 らかにし 主 力 品 種 川 中 島 白 桃 を 中 心 とし たモモの 出 荷 期 間 の 拡 大 が 可 能 となる 高 品 質 で 栽 培 がしやすい 品 種 を 選 抜 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 秋 田 県 ではモモの 成 熟 に 要 する 日 数 は 一 般 的 な 指 標 より7 日 程 度 多 い( 表 1) 生 育 期 間 が 冷 涼 な 年 は 成 熟 に 要 する 日 数 及 び 積 算 温 度 はさらに 増 加 する( 図 1 白 抜 きマーカー) 2. 仕 上 げ 摘 果 終 了 の 目 安 となる 硬 核 始 期 (フロログルシン 染 色 指 数 0.5)は あかつき で は6 月 24 日 (±3 日 S.D.) 川 中 島 白 桃 では6 月 28 日 (±2 日 S.D.)で その 変 動 幅 は 開 花 期 の 変 動 幅 より 大 幅 に 小 さい このことから 年 によって 開 花 期 が 前 後 しても 仕 上 げ 摘 果 は 毎 年 6 月 20 日 頃 ( 県 南 部 では6 月 15 日 頃 )には 終 わらせる 必 要 がある 3. 有 望 品 種 の 検 討 では 市 場 に 流 通 している 約 50 品 種 について 試 作 調 査 を 行 った 全 て 無 袋 栽 培 とした 対 照 品 種 として 日 川 白 鳳 あかつき 川 中 島 白 桃 を 供 試 した 4. 早 生 種 の 特 徴 ( 表 2) やまなし 白 鳳 : 糖 度 が 高 く 品 質 の 年 次 間 変 動 が 少 ない みさか 白 鳳 : 大 玉 で 品 質 が 優 れるが 1~2 割 に 裂 果 がみられるので 有 袋 栽 培 が 望 ましい 紅 国 見 : 小 玉 だが 糖 度 が 高 く 着 色 や 品 質 が 優 れる 品 質 の 年 次 間 変 動 が 少 ない 5. 中 生 種 の 特 徴 ( 表 2) よしひめ : 着 色 が 優 れる 糖 度 はやや 低 めだが 品 質 は 良 い みつ 症 は 少 ない 紅 博 桃 : 糖 度 が 高 く 品 質 が 優 れる 品 質 の 年 次 間 変 動 が 少 ない まさひめ : よしひめ より 着 色 はやや 劣 るが 糖 度 は 高 い みつ 症 は 少 ない なつおとめ : 糖 度 が 極 めて 高 く 甘 味 を 強 く 感 じ 品 質 は 優 れる 品 質 の 年 次 間 変 動 が 少 な い ただし みつ 症 の 発 生 がみられ 早 めに 収 穫 する 必 要 がある 6. 晩 生 種 の 特 徴 ( 表 2) ゆうぞら : 無 袋 では 着 色 がやや 劣 る 果 肉 繊 維 が 少 なく 食 感 が 優 れ 品 質 は 良 い 川 中 島 白 桃 の 収 穫 終 了 直 後 に 収 穫 できるので リレー 品 種 としては 最 適 である しかし 変 形 果 が やや 多 く せん 孔 細 菌 病 に 弱 い 傾 向 があるため 良 品 生 産 には 摘 果 と 防 除 を 徹 底 する 必 要 があ る あぶくま : 無 袋 では 着 色 が 劣 る 果 肉 繊 維 が 少 なく 食 感 が 優 れ 品 質 は 良 い 変 形 果 は 少 な い 西 王 母 : 無 袋 では 着 色 が 劣 る 大 玉 で 糖 度 が 高 く 濃 厚 な 味 で 品 質 は 優 れる 白 根 白 桃 : 無 袋 では 着 色 が 劣 る 大 玉 で 糖 度 が 高 く 品 質 は 優 れる 着 果 量 が 多 いと 収 穫 前 落 果 が 発 生 しやすい [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 のモモ 生 産 農 家 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. 品 種 の 導 入 にあたっては それぞれの 品 種 の 長 所 短 所 を 良 く 把 握 し 自 園 の 経 営 内 容 に 沿 った 品 種 を 選 ぶこと 2. ゆうぞら 以 降 の 晩 生 種 は 着 色 果 面 の 荒 れ 等 の 問 題 があるので 有 袋 栽 培 が 望 ましい

18 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 表 1 モモの 生 態 ( 鹿 角 分 場 ) 開 花 期 Z 成 熟 品 種 名 発 芽 期 展 葉 期 始 期 盛 期 終 期 収 穫 期 日 数 日 川 白 鳳 4/15 5/2 5/2 5/6 5/11 8/3 89 日 S.D. Y 5 日 7 日 7 日 8 日 8 日 6 日 6 日 あかつき 4/13 5/4 5/2 5/7 5/14 8/ 日 S.D. 5 日 7 日 7 日 8 日 8 日 6 日 6 日 川 中 島 白 桃 4/14 5/5 5/3 5/9 5/15 9/ 日 S.D. 6 日 6 日 6 日 6 日 6 日 3 日 5 日 ゆうぞら 4/13 5/2 5/1 5/7 5/13 9/ 日 6 日 6 日 6 日 6 日 6 日 2 日 5 日 Z 満 開 後 日 数 Y 標 準 偏 差 データは 調 査 期 間 が 日 川 白 鳳 4 年 あかつき 川 中 島 白 桃 は7 年 ゆうぞらは5 年 の 平 均 値 日 川 白 鳳 1600 あかつき 1400 川 中 島 白 桃 1200 ゆうぞら 日 数 図 1 満 開 後 の 成 熟 日 数 と 積 算 温 度 ( 鹿 角 分 場 ) 表 2 モ モ の 品 質 ( 鹿 角 分 場 ) Z 調 査 花 粉 果 重 着 色 Y 地 色 X 硬 度 糖 度 酸 度 食 味 区 分 品 種 名 年 数 収 穫 日 (g ) 指 数 指 数 (Kg) (% ) (ph) 指 数 早 生 種 日 川 白 鳳 4 8 /3 有 ( 成 熟 日 数 S.D. 6 日 は 満 開 後 約 や ま な し 白 鳳 4 8 /8 有 日 未 満 ) S.D. 4 日 み さ か 白 鳳 4 8 /10 有 S.D. 4 日 紅 国 見 4 8 /13 有 S.D. 4 日 中 生 種 あ か つ き 7 8 /22 有 ( 成 熟 日 数 S.D. 3 日 は 満 開 後 約 よ し ひ め 4 8 /27 有 ~ 120 日 ) S.D. 2 日 紅 博 桃 4 8 /28 有 S.D. 3 日 ま さ ひ め 4 8 /29 有 S.D. 3 日 な つ お と め 3 8 /30 有 S.D. 4 日 晩 生 種 川 中 島 白 桃 7 9 /11 無 ( 成 熟 日 数 S.D. 3 日 は 満 開 後 約 ゆ う ぞ ら 5 9 /17 有 日 以 上 ) S.D. 2 日 あ ぶ く ま 4 9 /21 有 S.D. 2 日 西 王 母 3 10/2 無 S.D. 3 日 白 根 白 桃 4 10/3 有 S.D. 3 日 Z 多 : 3 ~ 少 : 1 Y 乳 白 : 3 白 : 2 緑 白 : 1 X 良 : 5 ~ 劣 : 1 [ 発 表 文 献 等 ]

19 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :ナシ 新 品 種 秋 田 2 号 の 育 成 ( 平 成 5~19 年 ) 研 究 機 関 名 果 樹 試 験 場 天 王 分 場 班 担 当 者 長 澤 正 士 原 加 寿 子 他 6 名 [ 要 約 ] ナシの 新 品 種 秋 田 2 号 を 育 成 した この 品 種 は 県 中 央 部 で10 月 上 中 旬 に 収 穫 可 能 な 晩 生 種 の 赤 ナシである 果 実 重 は500g 以 上 の 大 果 となり 糖 度 は 幸 水 豊 水 等 の 主 要 品 種 より 高 く 酸 味 は 幸 水 並 と 甘 みが 際 立 つ 食 味 である 県 内 の 主 要 な 一 般 品 種 の 花 粉 により 結 実 する [ねらい] 幸 水 に 偏 った 品 種 構 成 を 是 正 し 多 様 な 消 費 者 ニーズに 対 応 できる 新 品 種 を 育 成 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 育 成 経 過 1) 本 品 種 は 平 成 5 年 新 星 に 豊 水 を 交 雑 し その 後 平 成 14 年 に 初 結 実 し 大 果 で 品 質 が 優 れることから 平 成 15 年 に1 次 選 抜 した 2) 天 王 分 場 内 の 検 討 会 および 果 樹 協 会 中 央 部 連 絡 協 議 会 役 員 会 で 高 評 価 を 得 て 平 成 15 年 に2 次 選 抜 した 3) 平 成 16 年 春 に 県 内 の 主 要 9 産 地 に 穂 木 を 分 譲 し 現 地 試 験 を 開 始 した 2. 特 性 1) 樹 勢 は 強 く 樹 姿 は 交 配 親 新 星 と 似 る 2) 外 観 は 円 形 に 近 いが 交 配 親 新 星 と 同 様 ていあ 部 が 細 くなることがある 果 皮 色 か ら 赤 ナシに 分 類 される 3) 果 実 の 大 きさは 平 均 500g 以 上 と 極 大 で 1kgを 超 えるものもある 花 芽 着 生 は 良 く 短 果 枝 は 維 持 されやすいため 生 産 量 はやや 高 いと 考 えられる( 表 1 図 2) 4) 糖 度 は 主 要 品 種 幸 水 豊 水 より 高 く 酸 味 は 幸 水 並 で 甘 みが 際 立 つ 食 味 である( 図 1) 5) 果 芯 が 非 常 に 小 さく 可 食 部 が 多 い 6) 日 持 ち 性 は 室 温 で2~3 週 間 程 度 で 同 時 期 に 収 穫 される 新 星 並 である 7) 幸 水 豊 水 かほり 長 十 郎 豊 月 新 興 等 の 花 粉 により 結 実 する ただ し 花 粉 量 が 極 少 なので 受 粉 樹 には 向 かない 8) 生 理 障 害 の 発 生 は 年 により 果 梗 基 部 の 裂 果 紫 変 色 枝 枯 れ 症 が 認 められる 収 穫 前 落 果 はみられない 9) 一 般 的 な 防 除 管 理 において 特 に 問 題 となる 病 害 虫 の 発 生 は 認 められない しかしながら えそ 斑 点 病 に 対 して 感 受 性 であるため 高 接 ぎ 更 新 をする 際 には 注 意 が 必 要 である 3. 期 待 される 効 果 1) 本 県 のニホンナシ 栽 培 面 積 の60%を 超 える 幸 水 偏 重 が 是 正 され 幸 水 収 穫 期 の 労 働 ピークが 緩 和 される [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 ナシ 生 産 者 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1)えそ 斑 点 病 に 対 して 感 受 性 であるため 高 接 ぎ 更 新 をする 際 には 保 毒 していない 樹 に 実 施 する

20 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 写 真 1 結 実 状 況 写 真 2 親 品 種 との 比 較 表 1 秋 田 2 号 の 果 実 品 質 ( 原 木 ) 年 次 収 穫 日 果 重 果 形 (mm) 硬 度 糖 度 リンゴ 酸 (g) タテ ヨコ (lbs) (%) (g/100ml) 平 成 14 年 10 月 24 日 月 10 日 月 11 日 453 以 上 月 7 日 z 10 月 中 旬 z 10 月 11~16 日 に 収 穫 した 果 実 についての 平 均 値 糖 度 (Brix%) 幸 水 かほり 南 水 秋 田 2 号 あきづき 豊 水 長 十 郎 リンゴ 酸 (g100mll) 図 1 主 要 品 種 との 糖 度 およびリンゴ 酸 の 比 較 ( 平 成 18 年 産 ) 果 実 重 (g) 幸 水 豊 水 長 十 郎 あきづき かほり 南 水 秋 田 2 号 品 種 名 図 2 主 要 品 種 との 果 実 重 の 比 較 ( 平 成 18 年 産 ) [ 発 表 文 献 等 ] 特 になし

21 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :ベンズイミダゾール 系 薬 剤 耐 性 ブドウ 芽 枯 病 菌 出 現 ほ 場 における オ ー シャイン 水 和 剤 の 防 除 効 果 ( 平 成 12~ 16 年 ) 研 究 機 関 名 果 樹 試 験 場 天 王 分 場 班 担 当 者 深 谷 雅 子 高 橋 功 佐 藤 裕 [ 要 約 ] ブ ド ウ 芽 枯 病 防 除 剤 の ベ ン ズ イ ミ ダ ゾ ー ル 系 薬 剤 ( ベ ン レ ー ト 水 和 剤 お よ び ト ッ プ ジ ン M 水 和 剤 ) に 対 す る 耐 性 菌 が 出 現 し 同 剤 の 効 力 低 下 現 象 が 認 め ら れ る 園 地 で は そ の 代 替 剤 としてオーシャイン 水 和 剤 1000 倍 が 有 効 である [ねらい] 1998 年 に 県 南 部 の ブ ド ウ 産 地 に お い て 1 園 地 か ら 芽 枯 病 の ベ ン ズ イ ミ ダ ゾ ー ル 系 薬 剤 耐 性 菌 が 検 出 さ れ た そ の 後 本 病 の 発 生 が 漸 増 し た た め 同 剤 耐 性 菌 出 現 状 況 を 明 ら か にするとともに 耐 性 菌 に 対 する 有 効 な 防 除 薬 剤 を 検 討 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 年 に 県 南 部 の ブ ド ウ 栽 培 地 域 8 地 点 か ら 芽 枯 病 の 発 病 枝 を 採 取 し 病 斑 に 形 成 された 柄 胞 子 を 単 胞 子 分 離 し て 得 た 92 菌 株 に つ いて ベンレート 水 和 剤 ( 以 下 ベ ノミ ル 剤 )に 対 する 感 受 性 を 平 板 希 釈 法 により 検 定 した 2. 分 離 し た 芽 枯 病 菌 の ベ ノ ミ ル 剤 の 感 受 性 分 布 はMIC 値 ( 最 小 生 育 阻 止 濃 度 ) が 0.5pp mと 100ppm 以 上 にピークのある2 峰 性 を 示 し MIC100ppm 以 上 の 菌 株 は 耐 性 菌 と 判 断 さ れ 検 定 数 の60.9%を 占 めた( 図 1) 年 と 2002 年 に ベ ン ズ イ ミ ダ ゾ ー ル 系 薬 剤 耐 性 菌 が 出 現 し 甚 発 生 の ほ 場 に お い て 主 要 な 感 染 時 期 の 6 月 中 旬 か ら 7 月 上 旬 に 表 1および 表 2に 示 す 薬 剤 を 各 々 3 回 散 布 した 結 果 ベ ンズイミダゾール 系 薬 剤 の 防 除 効 果 は 全 く 認 め られなかった しか し 供 試 薬 剤 の う ち オーシャイン 水 和 剤 1000 倍 の 防 除 価 は2000 年 に 年 に は49.6を 示 し 防 除 効 果 が 認 められた 年 に キ ャン ベ ル ア ー リ ー の 苗 木 ( 3 年 生 ) に オ ーシャイン 水 和 剤 1000 倍 を 散 布 し その24 時 間 後 に 芽 枯 病 菌 を 接 種 した 結 果 防 除 価 は76.9を 示 し 本 病 菌 に 対 する 予 防 効 果 が 認 められた( 表 3) 5. 以 上 の こ と か ら オ ー シ ャ イ ン 水 和 剤 1000 倍 は ブ ド ウ 芽 枯 病 防 除 剤 と し て 有 効 で あ り またベンズイミダゾール 系 薬 剤 耐 性 菌 が 出 現 した 場 合 の 代 替 剤 になり 得 る [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 ブドウ 栽 培 地 域 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. オ ー シ ャ イ ン 水 和 剤 1000 倍 は 芽 枯 病 の 主 要 な 感 染 時 期 の 落 花 期 か ら 7 月 上 旬 ま で に 1~2 回 散 布 する 2. 芽 枯 病 に 対 す る オ ー シ ャ イ ン 水 和 剤 1000 倍 の 適 正 使 用 基 準 は 収 穫 30 日 前 まで2 回 以 内 で ある また オーシャイン 水 和 剤 の 成 分 オ キスポコナゾールフマル 酸 塩 剤 を 含 む 農 薬 の 年 間 の 総 使 用 回 数 は2 回 以 内 であるので 使 用 回 数 に 注 意 する 3. オ ー シ ャ イ ン 水 和 剤 は 果 実 肥 大 期 ( 大 豆 粒 大 ) 以 降 の 散 布 で 散 布 後 の 薬 剤 の 乾 き が 悪 い 場 合 ノースレッド ハニーシードレス ハニービーナス および 巨 峰 の 果 実 表 面 にさび 果 を 生 ずるおそれがあるので 風 通 しの 良 い 園 地 管 理 に 努 める 4. 本 病 は 薬 剤 だ け で は 防 除 が 困 難 な の で 発 芽 後 5 月 中 旬 ま で に 被 害 枝 を せ ん 除 し 焼 却 処 分 し 伝 染 源 の 除 去 に 努 める

22 [ 具 体 的 なデ ータ 等 ] 菌 株 30 数 < MIC(ppm) 図 1 ブドウ 芽 枯 病 菌 (Diaporthe medusaea)のベノミル 剤 感 受 性 分 布 (2004) 表 1 ブド ウ 芽 枯 病 に 対 す る 各 種 薬 剤 の 防 除 効 果 ( 2000 年 ) 薬 剤 名 希 釈 濃 度 ( 倍 ) 調 査 芽 数 発 病 芽 率 (%) 防 除 価 マネ ージ 水 和 剤 オー シャイ ン 水 和 剤 ストロヒ ート ライフロアフ ル アミ スター 10フロアフ ル トッ プジン M 水 和 剤 ー2.7 無 散 布 試 験 場 所 : 横 手 市 大 沢 供 試 品 種 規 模 : キャンヘ ルアーリー( 成 木 ) 1 区 2 主 枝 2 反 復 散 布 年 月 日 :2000 年 6 月 13 日 ( 開 花 直 前 ),6 月 26 日 ( 小 豆 粒 大 )7 月 7 日 ( 大 豆 粒 大 ) 調 査 年 月 日 :2001 年 5 月 15 日 表 2 ブド ウ 芽 枯 病 に 対 す る 各 種 薬 剤 の 防 除 効 果 ( 2002 年 ) 薬 剤 名 希 釈 濃 度 ( 倍 ) 調 査 芽 数 発 病 芽 率 (%) 防 除 価 オーシ ャイ ン 水 和 剤 オーシ ャイ ン 水 和 剤 アミス ター 10フロアフ ル ベンレ ート 水 和 剤 無 散 布 試 験 場 所 : 横 手 市 大 沢 供 試 品 種 規 模 : キャンヘ ルアーリー( 成 木 ) 1 区 2 主 枝 3 反 復 散 布 年 月 日 :2002 年 6 月 3 日 ( 開 花 直 前 ),6 月 14 日 ( 満 開 期 ),6 月 25 日 ( 落 花 7 日 後 ) 調 査 年 月 日 :2003 年 5 月 9 日 表 3 ブ ドウ 芽 枯 病 菌 に 対 す る 各 種 薬 剤 の 防 除 効 果 ( 2003 年 ) 薬 剤 名 希 釈 濃 度 ( 倍 ) 供 試 芽 数 発 病 芽 率 (%) 防 除 価 オーシ ャイ ン 水 和 剤 オーシ ャイ ン 水 和 剤 オーシ ャイ ン 水 和 剤 アミス ター 10フロアフ ル ストロヒ ート ライフロアフ ル デラン フロ アブ ル 無 散 布 接 種 無 散 布 無 接 種 供 試 品 種 : キ ャン ベル アーリ ー(ポ ット 植 え3 年 生 苗 木 ) 1 区 20 本 試 験 年 2003 年 散 布 月 日 : 9 月 11 日 接 種 月 日 :9 月 12 日 調 査 月 日 :2004 年 5 月 7 日 接 種 菌 :ブ ドウ 芽 枯 病 菌 ( 保 存 菌 株 PC-2)の 柄 胞 子 縣 濁 液 (α 胞 子 数 :10 3 個 /ml) [ 発 表 文 献 等 ] 北 日 本 病 虫 研 報 57: 225(2006)

23 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 :リンゴ 果 実 障 害 ビターピットの 発 生 を 低 減 する 新 しい 散 布 用 カルシウム 剤 ( 平 成 17~18 年 ) 研 究 機 関 名 果 樹 試 験 場 リンゴ 部 担 当 者 佐 藤 善 政 森 田 泉 他 3 名 [ 要 約 ] ギ 酸 カルシウムを 主 体 とした 新 散 布 用 カルシウム 肥 料 を 落 花 後 から 慣 行 防 除 薬 剤 に1000 倍 で 加 用 し2 週 間 隔 で5 回 散 布 することで リンゴ 果 実 の 生 理 障 害 であるビターピットの 発 生 を 低 減 できる [ねらい] リンゴ 果 実 のカルシウム 欠 乏 であるビターピット( 果 実 斑 点 性 障 害 )の 発 生 を 低 減 する 効 果 の ある 散 布 剤 を 普 及 するため ギ 酸 カルシウム 主 体 の 新 しい 葉 果 面 散 布 用 カルシウム 肥 料 をの 効 果 を 検 討 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1) 平 成 年 の2か 年 にわたり 王 林 /M.9/マルバカイドウ(21~22 年 生 )を 供 試 して 当 該 カルシウム 肥 料 ( 商 品 名 :バイカルティ( 晃 栄 化 学 工 業 ) 成 分 :ギ 酸 カルシウ ム80% 高 分 子 カルシウム20% CaO 含 量 34% 外 観 : 茶 白 色 粉 体 )のビターピット 発 生 低 減 効 果 に 関 する 試 験 を 実 施 した 2)2か 年 とも 5 月 下 旬 から7 月 下 旬 までの5 回 の 薬 剤 防 除 実 施 日 に 1000 倍 で 防 除 薬 剤 に 加 用 し 1 樹 に 約 10Lを 動 力 噴 霧 機 で 散 布 した 散 布 区 及 び 対 照 区 ( 防 除 薬 剤 のみ 散 布 )と も3 樹 について ビターピット 発 生 率 収 穫 果 のさび 発 生 程 度 果 実 品 質 を 調 査 した 3) 平 成 17 年 のビターピット 発 生 状 況 は 10 月 上 旬 の 樹 上 発 生 率 が 対 照 区 7.4%に 対 し 散 布 区 2.9%で それ 以 降 は 収 穫 日 まで 両 試 験 区 とも 発 生 率 が 増 加 したが 収 穫 日 までの 累 積 発 生 率 は 対 照 区 が30.0%に 対 し 散 布 区 が14.6%と 明 らかに 低 かった( 図 1) 平 成 18 年 の 収 穫 果 での 発 生 率 は 対 照 区 が13.2%に 対 し 散 布 区 が 4.5%と 明 らかに 低 く 発 生 程 度 別 割 合 でも 対 照 区 に 比 べて 散 布 区 の 方 が 指 数 2~3の 割 合 が 低 かった( 表 1) 4) 収 穫 果 のさび 発 生 状 況 は 平 成 17 年 は 対 照 区 と 散 布 区 に 違 いは 認 められなかった 平 成 18 年 の 果 実 部 位 別 調 査 では こうあ 部 については 対 照 区 に 比 べ 散 布 区 の 方 が 商 品 性 に 影 響 のある 指 数 2~4の 割 合 が 低 かった 赤 道 部 がくあ 部 については 明 確 な 違 いは 認 め られなかった( 表 2) 5) 果 実 品 質 について 果 重 地 色 硬 度 デンプンには 平 成 17 年 18 年 とも 収 穫 直 後 から 冷 蔵 または 室 温 保 蔵 1か 月 後 の 調 査 を 通 じて 対 照 区 と 散 布 区 に 差 が 認 められなかった 糖 度 は 17 年 の 調 査 では 冷 蔵 1か 月 後 において 対 照 区 に 比 べ 散 布 区 で 有 意 に 低 かったが 18 年 の 調 査 では 逆 に 室 温 保 蔵 1か 月 後 において 対 照 区 より 散 布 区 で 有 意 に 高 かった リンゴ 酸 含 量 は 17 年 の 調 査 では 差 が 認 められなかったが 18 年 の 調 査 では 収 穫 直 後 から 対 照 区 に 比 べ 散 布 区 で 低 く 室 温 保 蔵 1か 月 後 でも 同 様 の 傾 向 であった( 表 3) 糖 度 リンゴ 酸 含 量 の 試 験 区 の 差 は 品 質 評 価 に 影 響 する 程 度 ではなく 2か 年 を 通 して 再 現 性 も 認 められず 当 該 カルシウム 肥 料 の 散 布 との 関 係 は 判 然 としなかった 6) 当 該 カルシウム 肥 料 の 散 布 に 伴 う 葉 やけや 果 面 やけ 等 の 薬 害 は 認 められなかった [ 普 及 対 象 範 囲 ] リンゴ 全 県 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 散 布 時 に 高 温 が 予 想 される 場 合 は 葉 やけ 等 薬 害 が 発 生 することがあるので 使 用 を 控 える 従 来 のギ 酸 カルシウムを 成 分 とする 葉 果 面 散 布 用 カルシウム 肥 料 に 比 較 して 10アール 当 たり の 経 費 は 同 等 か やや 削 減 される

24 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 発 生 果 率 (% ) BP 果 率 対 照 区 散 布 区 内 落 果 分 対 照 区 散 布 区 10 月 7 日 10 月 14 日 10 月 20 日 10 月 27 日 図 1 ビターピット 発 生 率 ( 累 積 )の 推 移 ( 収 穫 日 : 平 成 17 年 10 月 27 日 ) 調 査 果 数 : 散 布 区 3 樹 計 690 果 対 照 区 3 樹 計 438 果 表 1 処 理 区 収 穫 果 のビターピット 発 生 程 度 別 割 合 ( 収 穫 日 : 平 成 18 年 11 月 6 日 ) Z 発 生 指 数 発 生 率 散 布 区 95.5% 2.1% 0.8% 1.7% 4.5% 対 照 区 調 査 果 数 : 散 布 区 3 樹 計 726 果 対 照 区 3 樹 計 385 果 Z 0; 発 生 なし 1; 斑 点 数 1~2 個 2; 斑 点 数 3~4 個 3; 斑 点 数 5 個 以 上 表 2 果 実 部 位 別 のさび 発 生 程 度 割 合 ( 収 穫 日 : 平 成 18 年 11 月 6 日 ) Z 部 位 処 理 区 発 生 指 数 こうあ 散 布 区 65.2% 28.2% 6.5% 0.1% 0.0% 対 照 区 赤 道 散 布 区 96.0% 3.4% 0.6% 0.0% 0.0% 対 照 区 がくあ 散 布 区 78.0% 20.4% 1.7% 0.0% 0.0% 対 照 区 調 査 果 数 : 散 布 区 3 樹 計 726 果 対 照 区 3 樹 計 385 果 Z 0; 発 生 なし 1 ; ご く 薄 い 小 面 積 ( 10 円 玉 よ り 小 さ い ) の さ び ほ と ん ど 目 立 た な い 商 品 性 に やや 影 響 あり 2 ; 小 面 積 の さ び 濃 い さ び で あ る が 10 円 玉 よ り 小 さ い 面 積 商 品 性 に 影 響 あ り 3 ; 濃 い さ び が 部 分 的 に や や 目 立 つ 10 円 玉 程 度 の さ び が 1 ~ 2 個 分 認 め ら れ る 商 品 性 に 影 響 大 4 ; 濃 い さ び が 目 立 つ 10 円 玉 程 度 の さ び が 3 個 分 以 上 認 め ら れ る 商 品 性 に 影 響 甚 大 表 3 収 穫 直 後 及 び 貯 蔵 後 の 果 実 品 質 Z 調 査 年 調 査 時 期 果 重 地 色 硬 度 糖 度 酸 度 テ ンフ ン Y (g) (1-6) (lb) (Brix%) (リンコ 酸 %)(0-5) 平 成 17 年 収 穫 直 後 散 布 区 対 照 区 冷 蔵 1か 月 後 散 布 区 対 照 区 平 成 18 年 収 穫 直 後 散 布 区 対 照 区 室 温 保 蔵 1か 月 後 散 布 区 対 照 区 Z 王 林 用 カラーチャートによる Y ヨードカリウム 液 による 染 色 0; 染 色 なし 1;10% 以 下 2;20% 程 度 3; 維 管 束 からやや 外 側 4; 果 心 線 まで 5;ほとんど 全 面 [ 発 表 文 献 等 ] 秋 田 県 農 協 施 肥 合 理 化 対 策 協 議 会 平 成 17 年 度 18 年 度 肥 料 試 験 成 績 書

25 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 新 種 雄 牛 松 昭 秀 菊 安 165 ( 平 成 17~19 年 ) 研 究 機 関 名 畜 産 試 験 場 大 家 畜 研 究 部 担 当 者 酒 出 淳 一 関 屋 万 里 生 他 1 名 [ 要 約 ] 県 有 種 雄 牛 松 昭 秀 号 と 菊 安 165 号 の 後 代 検 定 が 終 了 した 松 昭 秀 号 は 脂 肪 交 雑 の 能 力 が 非 常 に 高 く これまでの 後 代 検 定 成 績 の 中 でトップの 成 績 菊 安 165 号 は 枝 肉 格 付 4 等 級 以 上 の 確 率 が 高 く また 枝 肉 重 量 の 大 きさも 優 れている これらの 新 種 雄 牛 は 今 後 の 市 場 活 性 化 と 農 家 所 得 向 上 への 貢 献 が 期 待 できる [ねらい] 県 内 の 肉 用 牛 ( 黒 毛 和 種 ) 改 良 を 推 進 するため 系 統 の 独 自 性 を 維 持 しながら 繁 殖 牛 の 系 統 に 適 した 高 能 力 種 雄 牛 を 造 成 し 県 内 繁 殖 雌 牛 の 能 力 向 上 を 図 るとともに 産 子 の 市 場 評 価 を 高 め 畜 産 農 家 の 経 営 安 定 に 資 する [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 造 成 手 法 1) 本 県 の 独 自 性 血 統 構 成 市 場 性 を 考 慮 し 種 雄 牛 を 選 定 県 内 育 種 価 上 位 の 雌 牛 との 交 配 により 種 雄 牛 候 補 ( 雄 子 牛 )を 生 産 2)その 中 で 発 育 が 良 く 遺 伝 的 疾 患 を 保 有 しないものを 選 抜 (1 次 選 抜 )する 3)1 次 選 抜 した 種 雄 牛 候 補 を112 日 間 の 直 接 検 定 にかけ その 牛 自 身 の 発 育 飼 料 効 率 およ び 体 型 により 選 抜 (2 次 選 抜 )を 行 う 4)2 次 選 抜 された 種 雄 牛 候 補 を 繁 殖 雌 牛 と 交 配 生 産 された 産 子 で 後 代 検 定 を 行 う 5) 後 代 検 定 は 肥 育 農 家 で 実 施 し 去 勢 産 子 は29ヶ 月 齢 未 満 雌 産 子 は32ヶ 月 齢 未 満 まで 肥 育 6) 産 子 の 肥 育 成 績 により その 父 である 種 雄 牛 候 補 の 選 抜 非 選 抜 を 判 定 する 2. 松 昭 秀 について 1) 父 は 肉 質 能 力 に 優 れる 松 福 美 母 は 県 内 育 種 価 上 位 牛 の ふくひで ( 安 福 茂 富 士 )という 純 粋 兵 庫 の 血 統 構 成 である( 表 1) 2) 後 代 検 定 は17 頭 の 産 子 で 行 い 検 定 成 績 は 枝 肉 重 量 443.5kg ロース 芯 面 積 56.1cm2 脂 肪 交 雑 (BMS )6.9 上 物 率 70.1%であった( 表 2) 3) 特 に 脂 肪 交 雑 の 能 力 が 高 く これまで 造 成 した 種 雄 牛 の 後 代 検 定 成 績 の 中 でトップの 成 績 であった 4)また 本 牛 は 牛 肉 の 風 味 や 食 感 に 影 響 を 及 ぼすとされる 不 飽 和 脂 肪 酸 関 連 遺 伝 子 (SCD) を 多 く 持 っており おいしさ の 改 良 への 貢 献 も 期 待 できる 3. 菊 安 165 について 1) 父 は 名 牛 安 福 165の9 母 の 父 は 菊 谷 母 方 祖 父 の 父 は 糸 晴 波 という 血 統 構 成 である( 表 1) 2) 本 牛 の 体 型 は 体 積 資 質 に 優 れ 伸 びや 深 みにも 富 んでいる 3) 後 代 検 定 は19 頭 の 産 子 で 行 い 検 定 成 績 は 枝 肉 重 量 466.5kg ロース 芯 面 積 57.1cm2 脂 肪 交 雑 (BMS )6.1 上 物 率 73.7%であった( 表 2) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 全 県 内 繁 殖 農 家 繁 殖 肥 育 一 貫 経 営 農 家 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 両 種 雄 牛 とも 気 高 系 や 藤 良 系 の 雌 牛 に 交 配 することで 増 体 を 維 持 しながら 優 秀 な 肉 質 成 績 が 期 待 できる それ 以 外 の 系 統 の 雌 牛 と 交 配 する 場 合 松 昭 秀 については 体 型 の 大 きい 牛 に 交 配 することが 望 ましい

26 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 松 昭 秀 登 録 番 号 生 年 月 日 産 地 個 体 識 別 番 号 遺 伝 病 直 接 検 定 成 績 黒 13860(81.8 点 ) 平 成 15 年 3 月 13 日 秋 田 県 大 仙 市 ( 中 仙 ) B3,F13,CL16,MCSU,CHS,MSHR 全 て 正 常 D G 1.11 菊 安 165 登 録 番 号 生 年 月 日 産 地 個 体 識 別 番 号 遺 伝 病 直 接 検 定 成 績 黒 原 4586(82.3 点 ) 平 成 15 年 4 月 29 日 秋 田 県 由 利 本 荘 市 ( 大 内 ) B3,F13,CL16,MCSU,CHS,MSHR 全 て 正 常 D G 1.44 表 1 新 種 雄 牛 の 血 統 構 成 名 号 父 母 の 父 母 方 祖 父 の 父 松 昭 秀 松 福 美 安 福 茂 富 士 菊 安 165 安 福 165の9 菊 谷 糸 晴 波 表 2 新 種 雄 牛 の 後 代 検 定 成 績 名 号 検 定 頭 数 枝 肉 重 量 ロ ー ス 芯 面 積 脂 肪 交 雑 上 物 率 ( 頭 ) (kg) (cm2) (BMS ) (%) 松 昭 秀 菊 安 各 項 目 の 数 値 は 去 勢 雌 の 平 均 値 上 物 率 : 枝 肉 格 付 け4 等 級 以 上 の 割 合

27 [ 普 及 事 項 ] 新 技 術 名 : 砂 丘 地 におけるカシワ 林 の 播 種 造 成 - 海 岸 砂 防 用 広 葉 樹 の 選 抜 と 更 新 技 術 に 関 する 研 究 -( 平 成 15~19 年 ) 研 究 機 関 名 森 林 技 術 センター 森 林 環 境 部 水 土 保 全 担 当 担 当 者 田 村 浩 喜 金 子 智 紀 [ 要 約 ] 砂 丘 地 への 播 種 によるカシワ 林 の 造 成 では, 保 水 資 材 としてチップを 用 い, 播 種 床 に50リッ トル/m2 鋤 込 み,さらに 播 種 後 に10cmの 厚 さで 被 覆 することにより, 高 い 実 生 密 度 が 得 られた 40,000 個 /haを 播 種 した 場 合, 更 新 に 十 分 な16,000 本 /haの 生 育 本 数 が 期 待 でき 造 成 経 費 も 低 く 抑 えることができる [ねらい] 松 くい 虫 被 害 地 の 復 旧 方 法 として, 海 岸 域 に 自 然 分 布 する 広 葉 樹 の 利 用 が 検 討 され, 客 土 によ って 造 成 技 術 が 向 上 してきた しかし, 砂 丘 地 に 生 育 しているカシワは,3 割 程 度 の 活 着 率 しか 得 られず 造 成 技 術 の 改 善 が 望 まれていた カシワは 養 分 を 貯 蔵 する 太 い 根 茎 を 持 つが, 損 傷 を 受 けると 生 育 が 阻 害 される 苗 木 の 植 栽 で は 断 根 や 堀 り 取 り 作 業 によって 根 茎 損 傷 が 不 可 避 なため, 砂 地 のように 水 分 が 乏 しい 場 所 では 活 着 が 困 難 になる このため 根 茎 を 損 傷 することがない 現 地 播 種 による 造 成 方 法 を 検 討 した [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 技 術 の 内 容 1 汀 線 から300m 以 内 の 松 くい 虫 被 害 地 を 対 象 とする 2 砂 の 移 動 が 大 きい 場 所 では 防 風 柵 の 設 置 が 必 要 である 33 年 生 の 目 標 密 度 を10,000~20,000 本 /haとする 4100m2 当 たりの 造 成 に 必 要 な 資 材 は 鋤 込 み 用 チップ2,000リットル, 被 覆 用 チップ10,000 リットル, 堅 果 3kgである 5 苗 床 (1m 8m 5 列 )にチップ50リットル/m2を 小 型 耕 運 機 で 鋤 込 み, 播 種 する(10 粒 /m2) 6 厚 さ10cmのチップで 防 風 柵 内 (100m2)を 被 覆 する 2. 播 種 と 植 栽 の 比 較 試 験 では160,000 粒 /haの 播 種 により3 年 生 の 実 生 密 度 は64,000 本 /ha, 樹 高 は0.3mであ り, 造 成 経 費 は5,000 千 円 /haであった 一 方 苗 木 植 栽 では 生 育 密 度 2,400 本 /ha( 植 栽 密 度 8,000 本 /ha), 樹 高 0.5mであり, 経 費 は16,000 千 円 /haであった 播 種 は 苗 木 植 栽 に 比 べ て,3 分 の1 以 下 の 経 費 で20 倍 以 上 の 本 数 密 度 を 確 保 することができ, 砂 丘 地 の 造 成 におい て 有 効 な 方 法 として 薦 められる [ 普 及 対 象 範 囲 ] 治 山 事 業 における 海 岸 保 安 林 の 造 成, 住 民 活 動 による 植 樹 活 動 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 堅 果 を 採 取 できる 林 分 を 確 保 する 枯 れマツの 現 地 破 砕 は, 資 源 の 利 用 を 考 慮 した 堆 積 場 所 で 行 う チップの 鋤 込 みや 被 覆 を 省 略 すると 発 芽 率 や 生 存 率 が 低 い 鋤 込 み 量 を 倍 にしても 生 存 率 に 差 はない 選 別 種 子 を 用 いた 場 合 は10~20% 生 存 率 の 向 上 が 期 待 できる

28 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 図 -1. 播 種 作 業 図 -2. 播 種 後 の 生 存 率 被 覆 は 発 芽 とその 後 の 生 存 に 効 果 がある 図 -3. 播 種 当 年 8 月 の 状 況 夏 期 になっても 枯 れない 図 年 生 秋 の 堀 り 採 り 状 況 根 茎 の 成 長 がみられる 図 年 生 の 生 育 状 況 [ 発 表 文 献 等 ] 田 村 浩 喜 金 子 智 紀 (2007) 砂 丘 前 線 部 への 播 種 によるカシワの 導 入 事 例. 東 北 森 林 科 学 会 講 演 要 旨 集 12:

29 [ 普 及 事 業 ] 新 技 術 名 : 食 品 廃 棄 物 で 増 収 が 見 込 めるキノコ 栽 培 ( 平 成 16~20 年 ) 研 究 機 関 名 森 林 技 術 センター 資 源 利 用 部 きのこ 担 当 担 当 者 菅 原 冬 樹 [ 要 約 ] 食 品 廃 棄 物 であるオカラとあん 粕 をキノコ 栽 培 の 培 地 材 料 として 利 用 することで キノコ 収 量 の 増 加 と 栽 培 期 間 の 短 縮 により 利 益 率 が 向 上 する [ねらい] 食 品 廃 棄 物 であるオカラおよびあん 粕 をキノコ 栽 培 の 培 地 材 料 として 利 用 することにより コ ストダウンおよび 資 源 の 循 環 利 用 に 役 立 てる [ 技 術 の 内 容 特 徴 ] 1. 低 コスト 栽 培 食 品 廃 棄 物 であるオカラやあん 粕 を 利 用 することで 材 料 費 をあまりかけずに 栽 培 でき 利 益 率 の 向 上 につながる 2. 資 源 の 循 環 利 用 フスマなどの 外 国 産 資 材 に 代 わる 栄 養 源 としてオカラやあん 粕 をキノコ 栽 培 に 有 効 利 用 するこ とで 資 源 の 循 環 利 用 となりゼロエミッションを 達 成 できる( 図 1) 3. 増 収 と 栽 培 期 間 の 短 縮 による 利 益 率 の 向 上 オカラとあん 粕 の 添 加 割 合 が 増 すに 従 い キノコの 収 量 が 増 加 する 従 来 用 いられていた 栄 養 源 を 50 ~ 100% 置 換 することで 5 割 程 度 の 増 収 が 見 込 める また あん 粕 を 添 加 することで 栽 培 に 要 する 日 数 を 短 縮 できる( 図 2 写 真 1) [ 普 及 対 象 範 囲 ] 県 内 一 円 [ 普 及 参 考 上 の 留 意 事 項 ] 1. 品 質 劣 化 したものを 用 いると 収 量 が 減 少 し キノコの 品 質 も 悪 化 する

30 [ 具 体 的 なデータ 等 ] 図 1 食 品 残 渣 の 有 効 利 用 写 真 1 オカラ あん 粕 を 利 用 したマイタケ 栽 培 ( 左 から 対 照 オカラ100% あん 粕 100%) 栽 培 に 要 し た 日 数 収 量 図 2 マイタケ 栽 培 におけるオカラの 添 加 効 果 [ 発 表 文 献 等 ] 菅 原 冬 樹 : 東 北 森 林 科 学 会 第 11 回 大 会 講 演 要 旨 集,47(2006)