来 る 高 校 生 は 多 くはいない 多 くの 高 校 生 は 課 外 活 動 ( 部 活 動 )の 範 囲 内 でトレーニングをしていると 考 えられる そのような 多 くの 高 校 生 が 器 具 を 使 用 せずに 手 軽 に 学 校 内 で 体 を 鍛 える 事 の 出 来 るトレー ニン

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1 バスケットボールのより 効 果 的 な 練 習 方 法 低 身 長 チームの 為 に Ⅲ. 基 礎 体 力 永 保 司 奈 良 文 化 女 子 短 期 大 学 Effective Training Methods for a Not So Tall Basketball Team:Ⅲ.Physical Fitness Tsukasa Nagayasu Narabunka Women s College バスケットボールにおける 低 身 長 チーム(スモールチーム) 及 び 初 心 者 プレイヤーが 多 くいるチーム のための 練 習 方 法 をテーマとしたテキストを 作 成 する スモールチームが 優 位 に 立 つためには 常 に 走 る 人 数 で 優 位 に 立 つ 連 続 した 攻 撃 を 仕 掛 ける 洗 練 されたチームワーク が 基 本 である 低 身 長 チームの 為 に 攻 撃 Ⅰ ではオールコートでの 攻 撃 バランス 低 身 長 チームの 為 に 攻 撃 Ⅱ では 鍛 錬 を 積 み 洗 練 されたチームを 作 る 事 をテーマに 書 いたが 今 回 は 身 長 差 ( 体 格 差 )が 体 力 差 として 表 れて 勝 敗 を 左 右 することが 多 く 見 られる 事 に 注 目 して 基 礎 体 力 つくり のより 効 果 的 トレー 二 ング についてまとめてみる キーワード:バスケットボール 低 身 長 トレー 二 ング 法 1.はじめに 現 在 の 高 校 女 子 のバスケットボールにおける 現 状 と 対 策 Ⅲ 昨 年 度 の 高 校 女 子 バスケットボール 競 技 における 全 国 大 会 を 見 ても 特 に 目 につくことは 各 地 区 ごと で 特 別 に 突 出 したチームがあり その 他 のチームとのチーム 間 格 差 が 大 きくなってきていることである その 多 くの 原 因 が 少 子 化 の 影 響 により 競 技 選 手 の 減 少 が 起 こり 特 に 優 れた 体 力 面 の 能 力 を 持 った 選 手 が 固 定 されたチームのみに 存 在 し より 多 くのチームには 体 力 的 に 特 出 した 選 手 が 在 籍 していない 事 がこの 格 差 を 生 んでいるように 思 われる その 中 でチームを 預 かる 指 導 者 は 何 とかしてこの 体 力 面 や 身 長 面 の 不 利 を 解 消 しようと 工 夫 している そこで 対 等 に 戦 うにはどの 様 にすればよいか スピードを 生 かす 事 洗 練 された 攻 撃 と 守 りをする 事 この 点 は 多 くのチーム 指 導 者 が 考 えて 実 践 する 事 である しかしそれは 基 本 的 にベースが 出 来 たうえでの 話 であるが 現 状 では 毎 日 の 学 校 における 練 習 時 間 が 少 なく 各 選 手 の 基 本 的 な 身 体 能 力 を 鍛 え 上 げることは 非 常 に 困 難 な 状 況 がある そこで 日 本 の 高 校 バ スケットボール 界 に 於 いては 基 本 的 な 身 体 能 力 を 向 上 させる 手 段 として 専 門 のトレーニングジムに 出 かけ 器 具 を 有 料 で 借 りてトレーニングをさせている 場 合 が 多 くみられる 有 料 で 体 を 鍛 える 事 の 出 永 保 司 奈 良 市 中 登 美 ヶ 丘 奈 良 文 化 女 子 短 期 大 学 71

2 来 る 高 校 生 は 多 くはいない 多 くの 高 校 生 は 課 外 活 動 ( 部 活 動 )の 範 囲 内 でトレーニングをしていると 考 えられる そのような 多 くの 高 校 生 が 器 具 を 使 用 せずに 手 軽 に 学 校 内 で 体 を 鍛 える 事 の 出 来 るトレー ニングが 出 来 れば 経 済 的 に 助 かり その 結 果 競 技 成 績 も 上 がり 競 技 に 参 加 する 生 徒 の 人 数 も 増 して くると 思 われる また 指 導 者 が 時 間 的 に 追 われずに 選 手 が 各 個 人 の 空 き 時 間 を 利 用 してトレー 二 ン グをすることのできる 方 法 をここに 記 載 したい 異 なる 課 題 を 持 つ 選 手 でも このトレーニングにより 身 体 能 力 の 向 上 を 図 ることが 出 来 る 2.トレーニング 方 法 と 種 類 個 々のトレーニングは 従 来 からあるものだが ここで 工 夫 したのは 特 に 簡 単 に 出 来 るものを 選 んで 上 半 身 から 体 幹 部 分 にまで 発 展 させたことである さらに 対 人 で 負 荷 をかけるトレーニングにした ト レーニング 開 始 当 初 は 各 人 の 差 があるために 軽 度 な 負 荷 をかける 事 から 始 めた 2.1 トレーニング 計 画 1W7 日 間 の 中 で 3 日 は 上 半 身 を 中 心 に3 日 間 は 下 半 身 を 中 心 に 約 1 回 2 時 間 程 度 のトレーニン グを12 週 間 実 施 した 日 曜 日 には 練 習 は 休 みにして 休 息 を 取 るようにした 最 初 の1 週 間 はトレーニングメニューを1セットのみにする その 後 はシュートを 放 る 練 習 メニュー にした 2 週 間 目 にはセット 数 は 最 初 の 週 と 同 じであるが 負 荷 を 加 えるものに 対 しては 負 荷 の 度 数 を 上 げる ようにする 3 週 目 ~4 週 目 には セット 数 を2セットにして 負 荷 度 数 は 各 選 手 で 調 整 をさせる 様 にした 5 週 目 ~6 週 目 にはセット 数 を3セットにした 負 荷 度 数 は 各 個 人 差 に 合 わせる 様 にして 7 週 目 ~ 12 週 まではセット 数 は3セットとし ランニングトレーニングも 週 に2 回 入 れた 2.2 トレーニングの 種 類 ここでトレーニングの 内 容 を 写 真 入 りで 紹 介 していこうと 思 う まずは 各 個 人 が ストレッチ 等 を 十 分 にして 体 を 動 かす 準 備 を 完 了 した 後 にトレーニングに 入 ってい く 準 備 運 動 は 各 個 人 の 責 任 において 必 ず 十 分 にした 後 にトレー 二 ングに 入 るように 選 手 には 指 導 をし ておくことが 大 切 である ウォームアップ 体 操 ウォームアップ 開 始 当 初 は 負 荷 をかけないが 慣 れるにしたがってダンベルを 持 って 行 う 肩 甲 骨 を 大 きく 動 かす 事 を 意 識 して 運 動 を 行 う 72

3 1 腕 を 前 に 出 し 肩 の 位 置 で 保 ち 手 首 を 上 下 する 2 腕 を 横 に 広 げ 肩 の 位 置 で 保 ち 手 首 を 上 下 する 末 梢 部 分 の 運 動 から 入 る 肘 を 真 直 ぐに 伸 ばす 3 腕 を 前 に 出 し 肩 の 位 置 で 保 ち 腕 を X になるようにする 肘 肘 を 肩 の 位 置 に 水 平 に 保 つ 真 直 ぐ 前 を 直 視 する 4 肘 を 肩 の 位 置 で 保 ち 肘 から 先 を 曲 げ 伸 ばし 肘 肘 を 伸 ばして 上 下 交 互 にクロスする 肘 の 位 置 までクロスする 5 肘 を 肩 の 位 置 で 保 ち 左 右 の 腕 を 曲 げ 伸 ばし 肘 肘 を 交 互 に 曲 げ 伸 ばしする 肘 の 位 置 が 下 がらない 様 に 注 意 する 6 肘 を 肩 の 位 置 で 横 に 曲 げ 伸 ばし 腕 を 伸 ばした 時 は 真 上 に 伸 ばす 肩 の 位 置 がぶれないように 注 意 する 7 肘 を 肩 の 位 置 で 保 ち 上 下 に 同 時 に 動 かす 頭 頭 を 固 定 した 感 じで 運 動 をする 肘 が 下 がらないよ うに 注 意 する 肘 と 手 首 は90 度 ( 直 角 )を 意 識 する 肩 の 位 置 まで 肘 を 上 げる 73

4 8 肘 を 肩 の 位 置 で 保 ち 交 互 に 動 かす 9 肘 から 先 を 首 の 後 ろで 曲 げ 伸 ばし 反 動 を 使 わないようにする 下 を 向 かないで ( 首 を 前 に 出 さな い) 肩 甲 骨 を 意 識 して 動 かす 10 腕 を 伸 ばして 体 側 を 上 下 させる フル アップする 11 腕 を 伸 ばして 上 から 肩 まで 体 側 を 上 下 する 肩 を 中 心 に 上 にハーフアッ プする 肩 の 稼 働 範 囲 を 広 げるつもりで 上 下 する 肩 の 位 置 を 通 過 する 時 にリラッ クスする 事 ( 可 動 範 囲 を 広 げるため) 頭 頭 の 上 で 肘 を 伸 ばして 手 を 合 わせる 耳 を 二 の 腕 で 挟 むようにする 12 体 側 を 下 から 肩 まで 上 下 する 下 から フアハーップする 13 肩 の 位 置 を 保 ち 腕 を 伸 ばして 前 横 に 開 閉 体 側 から 真 直 ぐに 上 にあげるように する 腕 肘 は 曲 げないように 注 意 する 肩 甲 骨 を 大 きく 動 かして 運 動 を する 74

5 14 腕 を 伸 ばして 前 を 通 って 前 後 15 腕 を 伸 ばして 前 を 通 り 交 互 に 前 後 頭 の 上 で 腕 を 合 わせる 肘 は 曲 げな いで 体 側 でそろえる 16 腕 を 伸 ばして 前 を 通 り 肩 の 前 まで 前 後 17 腕 を 伸 ばして 前 を 通 り 肩 の 前 まで 下 から 上 に 上 げ 下 げをする 真 直 ぐ 前 に 腕 を おろす 上 にあ げる 際 は 真 上 に あげる スキップが 入 る 時 は 反 動 を 使 わ な い 腕 は 水 平 の 位 置 で 止 める 18 腕 を 肩 の 位 置 に 保 ち 交 互 にひねる 19 腕 を 肩 の 位 置 に 保 ち 同 時 にひねる( 同 じ 方 向 にひねる) 手 首 の 回 旋 をする 左 右 は 逆 回 転 にする 腕 が 持 ち 上 がらないように 注 意 する 18と 同 じ 注 意 20 肩 甲 骨 を 動 かすように 肩 をまわす 肩 甲 骨 の 可 動 範 囲 を 大 きくする 大 きくゆっくりと 回 旋 する 意 識 は 肩 甲 骨 において 運 動 をする 75

6 21 右 左 同 時 の 順 に 肩 をあげる 肩 の 動 きをはっきりとさせる 22 肩 甲 骨 を 張 る 背 中 に 水 の 字 が 出 来 る 様 に 肩 を 動 かす 23 肩 甲 骨 を 入 れる 猫 背 になるよう 背 を 丸 くする 24 肘 を 肩 の 位 置 に 保 ち 前 横 上 の 順 で 動 かす シュート 筋 のトレーニングである ボースハンドでシュートをする 感 じで 運 動 をする 肩 関 節 を 十 分 に 使 いなるべく 後 ろに 肘 を 持 ってくる 下 におろすときは 体 側 に 沿 っておろすようにする 25 腕 を 肩 の 位 置 に 保 ちひねる 最 初 のうちは 歩 かないでひねることを 十 分 にする 肘 が 下 がりやすいので 位 置 の 確 保 が 大 切 である 76

7 2.2.2 筋 力 トレーニング( 徒 手 抵 抗 トレーニング) 2 人 1 組 で 行 い コンセントリック 動 作 エキセントリック 動 作 において 抵 抗 を 加 え 全 ての 関 節 角 度 において 全 力 でする 上 半 身 トレーニング 1 プッシュアップ( 大 胸 筋 ) 4 秒 下 げて2 秒 で 上 げる 運 動 中 に 臀 筋 を 叩 いてみるとより 効 果 がある 臀 部 腹 部 は 必 ず 力 を 入 れた 状 態 でする 2 拍 手 腕 立 て 伏 せ10 回 2セット(1で 筋 肉 がついてきたら) 通 常 の 腕 立 て 伏 せから 拍 手 をする 3 ロウイング( 広 背 筋 )2 秒 で 曲 げて4 秒 耐 えながら 伸 ばす 上 腕 に 力 を 入 れ すぎない 座 位 の 選 手 の 広 背 筋 トレーニングである 4 フルオーバー( 広 背 筋 )2 秒 で 引 いて4 秒 耐 えながら 伸 ばす 10 回 2セット 仰 向 きに 寝 ている 選 手 のトレーニング 5 アームカール( 上 腕 二 頭 筋 )2 秒 で 曲 げて4 秒 耐 えながら 伸 ばす 仰 向 きに 寝 てい る 選 手 のトレー ニング 77

8 6 トライセプスエクステンション( 上 腕 三 頭 筋 )2 秒 で 曲 げて4 秒 耐 えながら 伸 ばす わきをしめた 状 態 で 行 う 立 位 の 選 手 がトレーニングする 7 アップライトロウ( 三 角 筋 )2 秒 で 曲 げ て4 秒 耐 えながら 伸 ばす 立 位 の 選 手 がトレーニングする 8 リアデルト( 三 角 筋 後 部 )2 秒 で 曲 げて4 秒 耐 えながら 伸 ばす 立 位 の 選 手 のトレーニング 腕 の 力 のみでトレーニングをする 下 半 身 の 反 動 は 使 用 しない 9 ダンベルプレス( 体 幹 + 三 角 筋 )100 回 スピードをつけて 体 幹 のブレが 起 きないように 素 早 く 挙 上 する 腕 をまっすぐになるまで 伸 ばすよう にする 78

9 10 アームカール( 体 感 + 上 腕 二 頭 筋 )100 回 スピードつけて の 立 位 姿 勢 を 伴 ったトレーニングに 関 しては パワーポジションを 意 識 しながら 行 なう 様 に 注 意 する 下 半 身 トレーニング 1 スクワット( 大 腿 四 頭 筋 )4 秒 で 下 げて2 秒 で 上 げる 負 荷 のかけ 方 最 初 はしゃがむ 角 度 は 浅 く 行 う 慣 れてきたらフルスクワットに 移 行 2 レックカール(ハムストリングス) 3 シザーズジャンプ 2 秒 で 曲 げ4 秒 耐 えながら 伸 ばす ジャンプして 足 をかえて20 回 2セット スピードはできるだけ 速 く 行 う 79

10 4 アブダクション( 外 転 筋 群 )2 秒 で 上 げて4 秒 耐 えながら 降 ろす ひざの 角 度 はスタート 時 に 固 定 する 5 トゥーレイズ( 前 脛 骨 筋 )2 秒 で 曲 げて4 秒 耐 えながら 伸 ばす 足 の 甲 に 負 荷 をかける 足 首 を 固 定 する エキセントリック 動 作 を 特 に 意 識 して 行 う 6 ニーレイズ( 腸 腰 筋 )2 秒 で 曲 げて4 秒 で 耐 えながら 伸 ばす 体 幹 を 固 めて 行 う 負 荷 のかけ 方 体 幹 が 崩 れない 範 囲 で 行 う 体 幹 トレーニング 1 ホバー 20 秒 1セット( 左 右 ) 臀 部 と 腹 部 に 力 を 入 れる 肩 甲 骨 を 寄 せる ( 上 記 2つの 点 は 以 下 の でも 同 様 に 意 識 する) 2 サイドブランク 20 秒 1セット( 左 右 ) 体 のラインが 崩 れない ようにする 80

11 3 ヒップリフト 20 秒 1セット 臀 部 腹 部 腰 背 部 に 力 を 入 れる 両 手 を 頭 から 膝 まで 同 時 に 動 かす 事 に より 胸 筋 も 鍛 えることが 出 来 る 4 両 ひざ 立 ちでの 体 幹 トレーニング 20 秒 1セット( 左 右 ) 腰 背 部 が 反 りすぎないようにする 5 ランポジションでの 体 幹 トレーニング 20 秒 1セット( 左 右 ) 前 方 の 足 部 に 重 心 を 乗 せる 3. 選 手 個 人 の 課 題 と 成 果 ( 監 督 による 所 見 ) 各 個 人 の 選 手 の 特 徴 や 課 題 ( 監 督 目 線 で)を 挙 げたのちに その 選 手 がトレーニングをしてどのよう な 身 体 的 な 結 果 が 出 たかを 表 示 する 3.1 選 手 F 選 手 F は 現 在 4 回 生 のガードポジッションであり もっとも 運 動 量 が 必 要 とされるポジッションで ある 特 に 体 格 的 に 優 位 にあるわけではない 2 回 生 まではスピードはあるが 体 力 的 に4 回 生 を 相 手 にして 戦 う 時 非 常 に 厳 しく パワーの 差 が 試 合 中 に 何 回 となく 表 れて 自 分 のキープするべきボール 保 持 を 失 うことがあり そのためにプレータイムを 制 限 しなければならなくなった 事 がある また 体 力 の 差 がスタミナに 影 響 して1 試 合 継 続 して 戦 うことが 出 来 ない 状 態 であった さらに 選 手 F は 高 校 生 時 に 右 肩 の 亜 脱 臼 を 経 験 しており 肩 の 可 動 範 囲 が 制 限 されていた 2 回 生 終 了 時 に 肩 の 手 術 を 行 い 現 81

12 在 は 正 常 範 囲 にまで 回 復 している 以 上 の 点 から 選 手 F に 関 してはトレーニングを 実 施 しスタミナ パワーを 改 善 する 事 が 必 要 であった この 選 手 Fは 前 述 したように 肩 を 故 障 しておりその 手 術 を2 年 の11 月 のインカレ 出 場 後 にした そ の 後 のリハビリ 後 の 資 料 は2 回 目 測 定 結 果 であり 体 全 体 の 筋 肉 量 は 入 学 時 より2.3kg 減 少 している 明 らかに 筋 力 が 落 ちていることを 示 していると 考 えられる 手 術 後 のリハビリを 徐 々に 行 い 平 常 の 活 動 の 出 来 る 状 態 ( 肩 の 可 動 範 囲 を 広 げる 事 を 中 心 )になるの に 約 3か 月 かけた 選 手 F については 3か 月 間 のリハビリ 期 間 中 はチームのメディカルトレーナが マンツーマン( 週 2 回 )で 選 手 F 指 導 の 指 導 補 助 を 実 施 した そこからは 通 常 の 練 習 を 実 施 して 特 別 なトレーニングは 行 っていない 通 常 の 練 習 メニューには 以 前 と 変 わりなく 参 加 し 無 事 にこなすこと が 出 来 ていた 肩 の 故 障 や 痛 みについて 訴 えてくることはなかった リハビリ 後 の 筋 力 測 定 の 記 録 が 表 1の3 回 目 測 定 値 である 術 後 の 筋 力 アップを 図 るトレーニングを 計 画 的 にしたわけではない その 為 に 入 学 時 の 測 定 値 と 手 術 後 の 測 定 値 を 上 げてあげて 比 べてみた 表 1 選 手 F(ガード 身 長 158cm 体 重 53.6kg) 選 手 Fは 高 校 時 代 体 育 科 の 選 手 であったので 授 業 内 容 にも 一 般 生 徒 とは 異 なったカリュキュラムの 授 業 が 多 くあり 身 体 活 動 を 多 くしていたようである したがって 筋 力 も 十 分 に 作 られた 状 況 で 入 学 し 82

13 てきたと 考 えられる( 表 1の1 回 目 測 定 値 ) しかし 手 術 後 はかなりの 部 分 で 筋 力 の 低 下 がみられる( 表 1の2 回 目 測 定 値 ) 体 にメスを 入 れることは その 後 の 筋 力 トレーニングがいかに 大 切 かがよくわかる アスリートとして 活 躍 するには 術 後 のトレーニング 計 画 をしっかりと 立 てる 必 要 性 がこの 表 からも 見 て 取 れる 表 1から 見 るとトレーニング 開 始 (3 回 目 測 定 値 )から3か 月 で 選 手 Fの 体 は 筋 肉 型 スリム から 筋 肉 型 に 変 化 した 表 1の4 回 目 のトレーニングでは 明 らかに 上 腕 部 のトレーニングが 効 果 を 上 げていることが 分 かっ た 逆 に 脚 力 は 入 学 時 よりも 落 ちている この 原 因 は 走 ることを 中 心 に 練 習 をこなしていた 時 ( 高 校 生 後 半 から1 回 生 )から 上 半 身 特 に 上 腕 の 筋 力 とインナーマッスルを 中 心 に 鍛 えた 結 果 左 右 の 脚 力 は 落 ちていると 考 えられる 殆 どの 部 分 で 発 達 がみられるが 身 体 発 達 点 数 (~80 普 通 ~90 強 い)が3ポ イント 上 がって 81ポイントから84ポイントに 上 がっているのは 強 い 体 になってきた 事 であり 体 幹 が しっかりしたと 考 えられる また 体 重 が 減 っているにもかかわらず 筋 肉 量 が 減 っていないのは 余 分 な 脂 肪 分 が 取 れてより 強 靭 な 体 になったことを 示 している 参 考 身 体 発 達 点 数 現 在 の 体 成 分 状 態 をわかりやすく 点 数 化 したもの BMI ( 体 重 /( 身 長 身 長 ))を22 標 準 に 割 り 出 したもので 標 準 を80 点 とする 筋 肉 量 が1kg 増 えると+1ポイント 加 点 する また 体 脂 肪 率 で1kg 増 えると 1ポイン ト 減 点 する 3.2 選 手 T 選 手 T は 現 在 3 回 生 のフォワードポジッションであり 攻 撃 の 切 掛 けを 作 る 中 心 選 手 で 身 体 有 ると 共 に 接 触 が 非 常 に 多 くなるポジッションである 体 格 的 にあまりすぐれている 選 手 ではないが 体 力 面 では 非 常 に 良 いものを 持 っている 高 校 生 時 代 にはトレーニングを 専 門 の 指 導 者 により 強 制 的 に 遣 らさ れてきた 典 型 的 な 強 豪 と 言 われるチームの 選 手 である 現 在 の 日 本 では 日 本 独 自 の 考 え 方 で 選 手 の 自 主 性 ではなく 監 督 からの 指 示 により 強 制 的 にトレーナーがついてやらせる トレーニングが 広 く 行 われている 選 手 Tはその 様 なタイプの 高 等 学 校 から 来 た 選 手 であり トレーニングは 身 体 的 改 良 より も 自 主 的 に 行 う たのしい ものである 事 を 理 解 してほしい 選 手 である 選 手 Tの 課 題 は 相 手 Def を 切 り 崩 すために ドライブがより 強 くなる 事 ドリブルがより 低 くできる 事 である 高 いドリブルでは カットインができにくいと 思 われる 選 手 Tは 表 2から 分 かるように 入 学 してきたときにはまだ 体 幹 が 弱 く 筋 力 も 他 の 選 手 に 比 べて 特 出 するほどではなかった しかし 筋 力 量 増 加 パワーの 向 上 を 目 指 して 真 面 目 に 何 事 にも 取 り 組 む 性 格 の 持 ち 主 である この 3か 月 のトレーニングも 真 面 目 に 取 り 組 んだと 思 われる 体 脂 肪 率 がマイナス0.1なのに 腹 囲 が+3と なって 表 れている( 表 2) これは 体 幹 の 強 化 に 今 回 実 施 したトレーニングが 効 果 的 であると 考 えられる バスケットボールにおいては 球 際 の 強 い 選 手 がいるが まさに 選 手 Tはそのタイプに 変 身 してくれ ている 上 腕 を 持 ち 上 げる 力 が 少 しずつ 増 えていることの 結 果 は3P の 確 率 が 上 がってきたことを 客 観 的 に 監 督 目 線 で 見 て 感 じられようになった 83

14 表 2 選 手 T(フォワード 身 長 163cm 体 重 54kg) 3.3 選 手 M 選 手 M は 現 在 3 回 生 のフォワードポジッションである 選 手 T と 同 じポジッションであるが この 選 手 は 足 が 長 いため 高 く また X の 脚 体 型 をしており 瞬 発 力 に 賭 ける 特 徴 がある 1 回 生 時 にはあ まり 体 の 特 徴 が 表 れず プレーの 幅 を 広 げる 事 に 悩 んできた 選 手 である 体 重 が 少 なく 体 格 筋 力 も 他 の 選 手 程 発 達 していなかった 高 校 生 時 にトレーニングを 殆 どしてき ておらず しかし1 回 生 時 に 自 分 の プレーの 幅 に 気 が 付 き その 年 の 冬 場 (OFF シーズン)に 独 自 にトレーニングを 工 夫 して 行 い 体 の 改 良 をした 選 手 である その 結 果 春 には 見 違 えるように 体 型 が 変 化 した 特 に 上 半 身 が 発 達 したことが 見 て 取 れた 結 果 として それまでのシュート 練 習 で3P シュート 成 功 率 が65% 前 後 であったのが 2 回 生 の 春 休 みの 合 宿 では 同 じシュート 確 率 が75% 前 後 まで 84

15 上 がったそしてこの 事 が 本 人 の 自 信 につながると 同 時 に それを 知 った 他 の 選 手 がトレーニングを 真 剣 に 取 り 組 むきっかけを 作 った また 春 以 降 に 選 手 M のパワープレーの 割 合 が 多 くなったことを 監 督 と して 感 じた それは 体 重 が 増 え 筋 力 が 増 したことにより 今 までゴール 下 でボールを 保 持 しても 身 体 接 触 によりバランスを 崩 すことが 多 かったが トレーニングをした 翌 年 から 変 化 が 表 れて 来 た 様 に 思 われ る 1 回 生 当 時 は 上 腕 を 中 心 としたトレーニングであったが 今 回 の 冬 季 トレーニングでは 体 幹 部 分 のトレーニングも 入 れたのでさらに 体 のバランスが 良 くなったと 考 えられる 表 3 選 手 M(フォワード 身 長 167cm 体 重 64.8kg) 上 記 表 3からも 分 かる 様 にこの 選 手 M は 今 回 のトレーニングで 腹 囲 が+6ポイント 増 えている 胴 囲 の 筋 肉 量 も3か 月 前 に 比 べて1.2kg 増 加 している 事 が 分 かるが これは 体 幹 のトレーニング 効 果 が 出 てきたものだと 考 えられる 此 れによって3 回 生 のプレーの 幅 がさらに 大 きく 広 がって 監 督 が 信 頼 できる 選 手 となってくれると 確 信 する 選 手 M の 今 回 のトレーニング 結 果 から 見 える さらに 大 きな 特 徴 は 左 右 の 腕 の 筋 肉 量 が 増 えていることである この 数 値 から 見 てもこの 身 長 でこの 体 格 の 選 手 に 85

16 しては 高 い 数 値 だと 思 われる 上 腕 の 筋 力 アップはシュート 率 の 向 上 に 影 響 するので 今 シーズンの 活 躍 に 期 待 が 持 てる 3.4 選 手 NU NU は 現 在 2 回 生 のセンターである この 選 手 は 父 親 がガーナ 母 親 が 日 本 人 であり 体 型 が 日 本 人 離 れしている 筋 肉 量 が 外 見 から 見 ても 明 らかに 日 本 人 よりも 多 いのがよくわかる 筋 肉 と 脂 肪 の 割 合 の 筋 肉 量 標 準 筋 肉 量 が25~30.6kgなのに 対 して 選 手 NU はトレーニング 開 始 以 前 から34.2kg( 表 4の1 回 目 測 定 )を 示 している 176cmでセンタープレーヤーとしては 小 柄 であるが ゴール 周 辺 のプレーは 力 強 く 接 触 ( 正 規 のポジッションの 取 り 合 い)の 多 いポジッションで 常 に 関 西 学 生 リーグ 等 で 優 位 に 戦 ってくれた 通 常 1 回 生 は 体 格 的 に 不 利 で トレーニングを 積 んで 体 造 りを 済 ませないとセンタープ レーは 不 利 であるが NU はそれを 全 く 感 じさせなかった また1 回 生 のリーグ 戦 において 関 西 のリバ ウンド 王 に 輝 いた これも 体 の 強 さが 示 すプレーの 成 果 だと 考 えられる 表 4 選 手 NU(センター 身 長 176cm 体 重 79.4kg) 86

17 選 手 NUは 冬 季 の3か 月 のトレーニングで( 表 4より)1 回 生 時 は 筋 肉 発 達 程 度 が 標 準 であった ものがトレーニング 後 は 強 い に 変 化 している また 筋 肉 と 脂 肪 の 割 合 の 身 体 発 達 点 数 のポイ ントがトレーニング 開 始 前 は89ポイントであったものが90ポイントになっている 部 位 別 筋 肉 バラン ス では 上 腕 の 筋 肉 もトレーニング 後 は 右 腕 が3.11kg 左 腕 が3.10kgになっている 持 ち 合 わせた 身 体 の 強 さに 加 え 更 にトレーニングをすることで 最 強 に 近 い 強 い 体 を 作 ることが 出 来 た 今 年 度 のリー グ 戦 でのセンタープレーヤーとして 活 躍 が 期 待 できる 今 回 のトレーニングではどの 選 手 にも 言 えるが 脚 力 の 部 分 の 発 達 が 少 ない 事 が 選 手 NUにも 今 後 の 課 題 だと 考 えられる 3.5 選 手 NG NGは 現 在 2 回 生 のセンターである NG は 長 身 の 為 に 幼 少 時 から 多 少 引 っ 込 みがちな 性 格 であるが 中 学 時 代 に 身 長 が 高 いので 教 員 の 勧 めによりバスケット 部 に 入 部 した 選 手 である 高 校 時 代 は 県 でベス ト8 位 ぐらいのチームで 過 ごしたが 長 身 選 手 に 合 ったプレースタイルを 学 ぶ 機 会 が 少 なく センター 表 5 選 手 NG(センター 身 長 183cm 体 重 80kg) 87

18 ポジッションでありながらフォワード 的 に 走 るプレーが 多 かった その 分 1 回 生 の 時 の 脚 力 は 平 均 的 に あったが 反 面 上 腕 や 体 幹 が 大 変 弱 かった 表 5の 筋 肉 発 達 程 度 の 胴 体 の 筋 力 のポイントが105.6 で 標 準 であり 選 手 NG の 身 体 的 な 特 徴 から 見 るとかなりバランスのとれた 身 体 をしている しかし 体 重 に 比 べて 左 右 の 腕 力 が 少 なく 1 年 目 は1 年 間 かけて 少 しずつ 補 強 運 動 を 繰 り 返 して 腕 立 て 伏 せが5 回 まで 出 来 る 様 になり2 回 生 になった 今 年 の OFF シーズンでさらに 本 格 的 にトレーニングをやれば プレーの 成 功 率 はさらに 上 がることが 予 想 できる 2 回 生 の 春 に 合 宿 をした 頃 からセンタープレーの 確 率 や シュート 率 が 上 向 きに 成 って 来 ているので 今 年 度 の 活 躍 が 楽 しみである 選 手 NGは 上 腕 の 筋 力 が 弱 い 選 手 であり 通 常 の 腕 立 て 伏 せが 出 来 ない 選 手 であった トレーニング 終 了 時 点 では 以 前 に 比 べて3~5 倍 の 回 数 をこなすことが 可 能 になった 選 手 である センタープレー ヤーとして 体 重 も 増 したことはパワープレーができやすくなったと 考 えられる インナーマッスルは 外 観 的 には 解 りにくいが 確 実 に 発 達 しているように 思 える たとえば フリースローの 確 率 が1 回 生 当 時 試 合 中 に65% 程 度 であったものが80%に 春 の 大 会 で 伸 びていた 次 回 のトレーニングでは 選 手 NG は 下 半 身 の 回 転 技 術 をサポートするような 筋 力 を 強 化 する 課 題 が 残 った 4.まとめ トレーニングを 上 腕 部 下 肢 体 幹 と3か 月 行 なってきた 結 果 を 各 選 手 の 個 人 資 料 として 現 したが 確 実 に 選 手 の 体 幹 部 分 が 強 くなってきたことを 監 督 として 感 じている 数 値 の 上 に 於 いてもとトレーニ ングの 効 果 が 表 れて 来 たが 特 に 筋 力 トレーニング( 上 腕 の 筋 力 増 加 )の 効 果 はシュート 率 に 表 れてき ていると 思 える チームの 練 習 時 ( 毎 朝 シュート 練 習 を 実 施 各 6か 所 からシュート 練 習 )のシュート 率 が10% 近 くアップした これはシュートのもとになるパスを 見 てもわかる トレーニング 終 了 後 の 各 選 手 のパスの 強 さが 以 前 より 増 していることを 練 習 中 パスをする 選 手 を 見 ていて 感 じていた シュー トはリングへのパスと 考 えられるので 平 素 のパス 練 習 の 時 のパススピード 強 さが 増 した 事 此 れは シュート 率 が 上 がることの 必 要 条 件 であると 思 われる そのほかにはセンター 陣 によるゴール 下 での 体 のブレから 来 るシュートミスが 激 減 したこともトレーニングの 成 果 と 考 えられる ( 得 点 率 のアップ) 個 人 として 選 手 Mの 場 合 身 体 つくりのおおきな 成 功 例 であり シュート 率 の 大 幅 なアップとパワープ レーの 上 達 を 練 習 時 よりあらわしてくれている 選 手 Mはこの 結 果 一 軍 選 手 として 試 合 に 出 場 する 機 会 が 大 幅 に 増 えた このような 控 え 選 手 が 基 礎 体 力 の 増 強 により プレータイムの 大 幅 な 上 昇 によりチー ムの 底 上 げにつながっている 今 回 のトレーニングでは 器 械 を 使 用 しないで 対 人 で 負 荷 をかけて 行 う 方 法 を 取 ったことがよかっ たと 思 われる よかった 点 についてあげてみると 1 器 械 でかける 負 荷 とは 違 い 各 個 人 でその 時 の 状 態 に 応 じて 強 度 を 変 化 できる 2 2 名 いるだけで 経 費 が 掛 からずにトレーニングが 出 来 る 88

19 3 2 名 という 最 小 単 位 でできる 何 時 でもできる 何 処 でもできる 4 トレーニングをする 相 手 ( 負 荷 をかける 相 手 )と 話 しながらでき 人 間 関 係 (チームワークが 良 くなっ た 5 ペアのチームが10チームぐらいになると 同 時 に 同 じ 種 目 のトレー 二 ングをするので 競 争 心 が 出 来 て 楽 しく 頑 張 って 出 来 る 6 体 重 の 同 じ 位 の 選 手 同 士 で 行 うために 必 然 的 に 同 じポジッションになってくる 為 に 競 い 合 う 気 持 ちが 出 てきた また 共 通 の 問 題 点 が 出 てくることも 多 く 解 決 をするのに 協 力 する 事 が 多 くあった 以 上 のような 良 かった 点 があげられる 今 後 改 良 するべき 点 は3か 月 のトレーニングに 於 いて 体 幹 を 強 くすることと 上 腕 を 鍛 える 事 を 中 心 としたために 脚 部 の 筋 肉 の 発 達 が 遅 れたように 思 われる 此 れに 関 してはトレーニングメニューに 改 良 を 加 えてランニングメニューの 量 を 増 やせば 解 決 できると 考 える 参 考 文 献 ジョン フィルピン 監 修 大 川 達 也 訳 (2009)ハイテンション トレーニング.アスベスト 発 行 所. 鈴 木 一 行 (2003)トレーニング 指 導 者 テキスト 実 践 編. 大 修 館 書 店. 89

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