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1 3 福 岡 城 跡 の 現 状 と 価 値 福 岡 城 跡 整 備 基 本 計 画 ( 案 ) (1) 歴 史 的 環 境 1 発 掘 調 査 の 状 況 福 岡 城 跡 の 発 掘 調 査 は 昭 和 26 年 (1951)に 行 われた 九 州 文 化 総 合 研 究 所 による 三 ノ 丸 の 鴻 臚 館 跡 に 関 する 調 査 を 嚆 矢 とし 昭 和 62 年 (1987)の 鴻 臚 館 跡 遺 構 発 見 のあと 急 増 している ここでは 福 岡 城 築 城 前 の 状 況 と 福 岡 城 跡 の 調 査 との2 項 目 に 分 けて 発 掘 調 査 の 概 要 を 述 べる ア 福 岡 城 築 城 前 の 状 況 福 岡 城 跡 は 福 岡 市 のほぼ 中 央 部 にあり 南 方 の 大 休 山 ( 現 動 植 物 園 )から 博 多 湾 の 海 岸 線 の 中 央 部 に 向 かって 突 き 出 した 丘 陵 上 に 位 置 する この 丘 陵 は 貝 原 益 軒 が 残 した 筑 前 国 続 風 土 記 によれば かつて 福 崎 と 呼 ばれていた この 福 崎 丘 陵 における 人 間 の 活 動 の 痕 跡 は 縄 文 時 代 にさかのぼり かつて 大 濠 公 園 で 縄 文 土 器 が 採 集 されている 平 和 台 野 球 場 跡 では 弥 生 時 代 後 期 ~ 古 墳 時 代 前 期 の 土 器 が 出 土 しているが 遺 構 は 未 確 認 である 古 墳 時 代 前 ~ 中 期 になると 副 葬 品 や 埴 輪 を 持 つ 古 墳 ( 前 方 後 円 墳 か) 後 期 の 円 墳 群 が 営 まれたとみられ 天 守 台 ではかつて 箱 式 石 棺 が 見 つかり 三 ノ 丸 の 鴻 臚 館 跡 の 発 掘 調 査 でも 後 期 古 墳 1 基 を 確 認 したほか 赤 色 に 塗 られた 石 棺 材 などが 出 土 している 7 世 紀 後 半 には 鴻 臚 館 の 造 営 に 伴 い 丘 陵 が 平 坦 にならされ 古 墳 群 は 消 滅 している 鴻 臚 館 は 東 へ 伸 びる 枝 丘 陵 とその 間 の 谷 を 活 かして 築 造 され 以 後 日 本 の 古 代 外 交 施 設 として 機 能 したが 11 世 紀 半 ばには 廃 絶 したとみられる 中 世 には 15~16 世 紀 を 中 心 とする 建 物 や 溝 などが 鴻 臚 館 の 跡 地 に 造 られており かつて 板 碑 が 採 集 されたことや 懸 仏 などの 出 土 遺 物 梵 鐘 鋳 造 遺 構 など から 寺 院 の 存 在 が 推 定 されている 文 永 弘 安 年 間 の 元 寇 の 際 には 博 多 湾 岸 に 石 築 地 ( 元 寇 防 塁 )が 築 かれたと 言 われ 福 崎 一 帯 にも 何 らかの 防 御 施 設 が 構 築 された 可 能 性 があるものの そ の 手 がかりは 得 られていない 筑 前 国 続 風 土 記 には 福 岡 城 築 城 前 の 地 形 についての 記 述 があり また 鴻 臚 館 跡 の 範 囲 確 認 を 目 的 とした 三 ノ 丸 における 発 掘 調 査 や 史 跡 地 内 のほぼ 全 域 で 実 施 したボーリング 調 査 によ って 以 下 のような 旧 地 形 を 推 定 することができる すなわち 南 の 鴻 巣 山 ~ 大 休 山 から 博 多 湾 に 伸 びる 丘 陵 の 先 端 部 が 福 岡 城 の 立 地 する 福 崎 であり 堀 切 りで 丘 陵 を 断 ち 切 って 城 郭 の 基 礎 を 造 った この 丘 陵 は 北 西 方 向 に 伸 びており 天 守 台 と 御 鷹 屋 敷 の2 箇 所 に 頂 部 があり 御 鷹 屋 敷 はかつて 本 丸 よりも 高 い 小 山 であった 丘 陵 の 西 側 は 草 香 江 と 呼 ばれる 入 海 で 造 成 を 加 え て 平 地 ( 三 ノ 丸 西 側 )と 大 堀 ( 現 大 濠 公 園 )を 造 った 対 岸 ( 西 岸 )から 荒 戸 山 ( 現 西 公 園 )に 砂 洲 が 伸 びていたとみられ 荒 戸 山 の 直 下 は 水 深 のある 海 で 古 代 から 大 型 船 の 停 泊 地 になって いた 東 側 は 天 守 台 ~ 御 鷹 屋 敷 に 伸 びる 丘 陵 から 枝 別 れした2 筋 の 小 枝 丘 が 東 へと 伸 びており 古 代 に 鴻 臚 館 が 造 営 された その 東 側 には 谷 部 を 隔 てて 小 丘 陵 ( 三 ノ 丸 東 側 現 高 等 裁 判 所 )が あり 小 丘 陵 の 周 辺 には 陸 地 化 して 間 もない 沖 積 地 が 広 がっていたものと 推 定 される なお 以 上 の 枝 丘 陵 の 北 辺 には 海 浜 砂 丘 が 形 成 されており 遠 浅 の 干 潟 であったのを 埋 めて 城 下 町 とした 一 方 枝 丘 陵 の 南 辺 は 二 ノ 丸 水 の 手 から 本 丸 中 央 に 向 かって 深 い 谷 が 食 い 込 み この 地 形 を 利 用 して 水 の 手 に 池 ( 御 花 畠 )が 造 られた 15

2 図 2-9: 福 岡 城 跡 内 のボーリング 調 査 発 掘 調 査 に 基 づく 造 成 前 の 旧 地 形 推 定 図 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) イ 福 岡 城 跡 の 調 査 福 岡 城 跡 に 関 係 する 遺 構 の 調 査 概 要 については 地 区 ごとに 述 べる ( )は 調 査 次 数 を 示 し 図 2-10 の 番 号 に 一 致 する 天 守 台 本 丸 地 区 では 祈 念 櫓 (6) 月 見 櫓 (16) 時 櫓 (18) 等 で 遺 構 確 認 調 査 を 行 い 櫓 台 の 規 模 や 付 属 施 設 の 有 無 などが 判 明 した また 天 守 台 礎 石 列 の 測 量 などを 行 っている 公 園 整 備 に 伴 う 調 査 (24)や 園 路 整 備 に 伴 うトレンチ 調 査 (64)では 本 丸 地 区 の 遺 構 面 の 深 さ 等 を 確 認 した 二 ノ 丸 地 区 では 一 部 でトレンチ 調 査 (63 64)を 行 っているが 地 下 遺 構 の 状 況 はほとんど 不 明 である 三 ノ 丸 西 郭 では 潮 見 櫓 (25 38) 花 見 櫓 (21)の 櫓 台 調 査 や 下 之 橋 御 門 復 元 に 伴 う 調 査 (55) 鴻 臚 館 跡 範 囲 確 認 調 査 (22 28)などを 行 っている 特 に 焼 損 した 下 之 橋 御 門 の 復 元 整 備 を 目 的 とする 調 査 (55)では 枡 形 部 分 において 門 の 下 部 構 造 とともに 瓦 坂 などの 路 面 遺 構 や 暗 渠 につい て 明 らかとなり 石 垣 についても 調 査 を 行 った 鷹 屋 敷 跡 (4)や 西 広 場 の 調 査 (22 28)では 溝 塀 石 基 礎 土 坑 等 を 検 出 したが 戦 後 の 攪 乱 により 屋 敷 の 構 成 は 不 明 であった 他 に 土 塁 (33 34)や 腰 巻 石 垣 (11)のトレンチ 調 査 などを 行 っている 三 ノ 丸 中 央 部 では 鴻 臚 館 跡 範 囲 確 認 のための 発 掘 調 査 が 集 中 している 平 和 台 野 球 場 跡 地 お よび 南 側 緑 地 テニスコートの 調 査 において 礎 石 建 物 や 石 組 井 戸 などの 武 家 屋 敷 遺 構 や 屋 敷 境 の 区 画 溝 城 内 道 路 の 一 部 を 確 認 している 建 物 の 礎 石 は 抜 かれており 井 戸 も 上 部 が 破 壊 され 埋 められていた 区 画 溝 には 大 量 の 瓦 が 含 まれており 瓦 屋 根 の 板 塀 による 区 画 が 考 えられる 東 西 方 向 に 走 る 城 内 道 路 には 南 北 両 側 に 石 組 側 溝 があり 路 面 には 砂 を 敷 いている 側 溝 内 の 漆 喰 片 から 屋 敷 地 側 に 漆 喰 塀 を 想 定 できる 他 に 屋 敷 区 画 内 において 掘 立 柱 建 物 跡 土 坑 ゴ ミ 穴 犬 の 埋 葬 遺 構 便 槽 溝 石 組 護 岸 を 持 つ 池 などを 確 認 している また 築 城 時 の 造 成 土 16

3 を 断 ち 割 った 結 果 鴻 臚 館 廃 絶 後 の 地 形 を 利 用 して 一 気 に 埋 め 立 て 造 成 していることや 外 周 ( 土 塁 ) 側 から 盛 土 を 運 び 入 れていることなどがわかった この 他 土 塁 についても 調 査 を 行 い 版 築 工 法 を 用 いていないこと(30) 土 塁 内 部 に 埋 め 殺 した 土 留 め 石 垣 があること(13)や 17~18 世 紀 にかけて 土 塁 補 修 が 数 次 にわたって 行 われた 可 能 性 があること( )を 確 認 した 土 塁 盛 土 が4m 以 上 であること(39) 近 代 以 降 に 土 塁 の 改 変 が 繰 り 返 された 可 能 性 があることもわか った 三 ノ 丸 東 郭 ( 東 丸 )では 福 岡 高 等 裁 判 所 建 設 に 伴 う 調 査 (1)や 増 築 に 伴 う 調 査 (29)を 行 い 城 内 道 路 の 一 部 などを 確 認 している 下 之 橋 御 門 復 元 検 討 のために 行 った 上 之 橋 御 門 の 枡 形 部 分 の 調 査 (48)では 下 之 橋 御 門 とほぼ 等 しい 規 模 構 造 の 門 であったことを 確 認 し 二 層 門 として の 復 元 整 備 に 資 するところが 大 であった 上 之 橋 御 門 では 南 側 石 垣 についても 調 査 を 行 ってお り(56) 石 垣 内 部 から 古 い 石 垣 が 出 土 し 縄 張 りの 変 更 があったことが 判 明 した 北 側 石 垣 につ いては 崩 壊 のおそれがあることから 発 掘 調 査 と 修 復 工 事 に 取 り 組 んでいる(67) 城 堀 について は 公 園 整 備 に 伴 う 調 査 ( )により 土 塁 下 部 に 腰 巻 石 垣 が 全 周 することや 要 所 に 石 垣 を 配 することなどを 確 認 した 史 跡 地 内 の 発 掘 調 査 によって 出 土 した 遺 物 については いずれに おいても 多 量 の 瓦 がある 建 造 物 復 元 の 資 料 としてのみならず 刻 印 を 有 するものなどは 生 産 や 供 給 を 探 る 資 料 として 重 要 である その 他 史 跡 指 定 地 外 の 主 な 発 掘 調 査 としては 内 堀 外 壁 や 薬 院 新 川 石 垣 を 対 象 とした 市 営 地 下 鉄 建 設 に 伴 う 調 査 (2)を 初 めとして 同 じく 内 堀 外 壁 ( )や 赤 坂 門 石 垣 (26) 中 堀 (36 46) 肥 前 堀 を 対 象 にした 民 間 や 公 共 事 業 に 伴 う 調 査 が 行 われて いる 内 堀 については 城 絵 図 との 対 比 によって 概 略 の 把 握 が 可 能 であるが 内 堀 外 壁 調 査 (2)では 縄 張 りの 変 更 ( 堀 幅 の 変 更 )があったことがわかっている 赤 坂 門 石 垣 (26)では 内 堀 が 東 ( 中 堀 方 向 )へと 曲 がる 石 垣 出 隅 が 良 好 に 残 っており 地 下 に 保 存 されている 中 堀 ( 紺 屋 町 堀 )の 調 査 では 各 地 点 で 石 垣 を 確 認 している 肥 前 堀 ( 佐 賀 堀 )は 犬 走 りを 持 つ 素 掘 りの 堀 であり 門 などの 要 衝 に 石 垣 を 配 する また 頁 岩 風 化 土 で 一 気 に 埋 められた 状 況 が 確 認 されている 若 干 ではあるが 城 絵 図 とは 位 置 がずれる 以 上 述 べたように 福 岡 城 跡 については これまで 史 跡 整 備 や 公 園 整 備 あるいは 裁 判 所 等 の 施 設 整 備 に 伴 う 発 掘 調 査 を 行 っているが 福 岡 城 跡 の 全 容 解 明 を 目 的 とする 計 画 的 な 調 査 は 行 わ れてこなかった 上 之 橋 下 之 橋 の 門 遺 構 やいくつかの 櫓 台 の 調 査 も 行 っているが 調 査 地 点 が 偏 っており 本 丸 や 二 ノ 丸 の 遺 構 の 残 存 状 況 についてはほとんどが 不 明 である 今 後 整 備 計 画 に 合 わせながら 計 画 的 な 発 掘 調 査 を 実 施 していく 必 要 がある 17

4 図 2-10: 福 岡 城 跡 発 掘 調 査 地 点 位 置 図 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 表 2-2-1: 福 岡 城 跡 関 係 発 掘 調 査 一 覧 (1/2) ( 平 成 25 年 3 月 31 日 現 在 ) 調 査 調 査 史 跡 内 外 調 査 面 積 調 査 期 間 鴻 臚 館 跡 地 区 調 査 原 因 調 査 主 体 番 号 次 数 区 分 (m2) ( 西 暦 の 上 2 桁 は 省 略 ) 調 査 次 数 - A 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 テニスコート 建 設 51 年 8 月 の 3 日 間 九 州 文 化 総 合 研 究 所 1 次 - B 史 跡 内 国 病 院 建 設 ~ 文 部 省 他 三 ノ 丸 東 郭 史 跡 内 裁 判 所 建 設 ~ 県 教 育 委 員 会 2 次 内 堀 外 壁 史 跡 外 地 下 鉄 建 設 14, ~ 市 教 育 委 員 会 薬 院 新 川 史 跡 外 地 下 鉄 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 御 鷹 屋 敷 跡 史 跡 内 史 跡 整 備 2, ~ 市 教 育 委 員 会 赤 坂 門 北 側 内 堀 史 跡 外 ビル 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 祈 念 櫓 跡 史 跡 内 史 跡 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 肥 前 堀 東 端 部 史 跡 外 県 公 園 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 肥 前 堀 東 部 史 跡 外 市 庁 舎 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 野 球 場 改 修 ~ 市 教 育 委 員 会 3 次 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 4 次 西 ~ 南 縁 土 塁 史 跡 内 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 肥 前 堀 東 部 史 跡 外 ビル 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 5 次 肥 前 堀 東 部 史 跡 外 市 庁 舎 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 6 次 月 見 櫓 跡 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 7 次 時 櫓 跡 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 8 次 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 9 次 花 見 櫓 跡 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 西 郭 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 10 次 追 廻 門 南 側 史 跡 外 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 本 丸 西 縁 部 史 跡 内 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 18

5 表 2-2-2: 福 岡 城 跡 関 係 発 掘 調 査 一 覧 (2/2) 調 査 調 査 史 跡 内 外 地 区 番 号 次 数 区 分 調 査 原 因 調 査 面 積 (m2) 19 調 査 期 間 ( 西 暦 の 上 2 桁 は 省 略 ) 福 岡 城 跡 整 備 基 本 計 画 ( 案 ) 調 査 主 体 潮 見 櫓 跡 史 跡 内 史 跡 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 赤 坂 門 石 垣 史 跡 外 変 電 所 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 史 跡 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 11 次 三 ノ 丸 西 郭 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 11 次 三 ノ 丸 東 郭 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 東 郭 土 塁 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 11 次 三 ノ 丸 西 郭 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 12 次 中 堀 史 跡 外 共 同 住 宅 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 西 北 部 土 塁 史 跡 内 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 西 南 部 土 塁 史 跡 内 駐 車 場 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 13 次 中 堀 史 跡 外 共 同 住 宅 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 中 堀 北 岸 石 垣 史 跡 外 事 務 所 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 潮 見 櫓 跡 史 跡 内 史 跡 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 中 央 部 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 14 次 追 廻 門 南 側 内 堀 内 壁 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 解 体 史 跡 内 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 15 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 試 掘 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 16 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 3, ~ 市 教 育 委 員 会 17 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 18 次 警 固 中 学 校 脇 土 塁 史 跡 内 公 園 整 備 ~ 市 教 育 委 員 会 中 堀 史 跡 外 ビル 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 2, ~ 市 教 育 委 員 会 19 次 大 手 門 ( 上 下 之 橋 ) 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 1, ~ 市 教 育 委 員 会 20 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 2, ~ 市 教 育 委 員 会 21 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 2, ~ 市 教 育 委 員 会 22 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 2, ~ 市 教 育 委 員 会 23 次 内 堀 史 跡 外 共 同 住 宅 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 肥 前 堀 史 跡 外 ビル 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 下 之 橋 御 門 史 跡 内 石 垣 修 復 ~ 市 教 育 委 員 会 上 之 橋 御 門 史 跡 内 石 垣 修 復 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 24 次 肥 前 堀 史 跡 外 ビル 建 設 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 25 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 26 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 27 次 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 28 次 二 ノ 丸 三 ノ 丸 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 本 丸 二 ノ 丸 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 三 ノ 丸 ( 平 和 台 野 球 場 跡 ) 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 教 育 委 員 会 29 次 三 ノ 丸 ( 平 和 台 陸 上 競 技 場 ) 史 跡 内 暗 渠 修 理 ~ 市 教 育 委 員 会 上 之 橋 御 門 北 側 石 垣 史 跡 内 石 垣 修 理 ~ 市 教 育 委 員 会 号 濠 腰 巻 石 垣 史 跡 内 石 垣 修 理 ~ 市 教 育 委 員 会 平 和 台 球 場 跡 地 史 跡 内 確 認 調 査 ~ 市 30 次 上 之 橋 御 門 北 側 史 跡 内 石 垣 修 理 ~ 石 垣 市 鴻 臚 館 跡 調 査 次 数 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 に 加 筆 )

6 2 遺 構 等 の 状 況 福 岡 城 跡 整 備 基 本 計 画 ( 案 ) ア 歴 史 的 建 造 物 歴 史 的 建 造 物 の 保 存 整 備 は 昭 和 30 年 度 (1955)の 福 岡 郷 土 博 物 館 建 設 委 員 会 による 福 岡 県 指 定 有 形 文 化 財 潮 見 櫓 の 移 築 や 同 福 岡 城 大 手 門 ( 下 之 橋 御 門 ) の 修 復 を 端 緒 とし 国 指 定 重 要 文 化 財 福 岡 城 南 丸 多 聞 櫓 他 を 対 象 に 表 2-3 のとおり 実 施 されている 福 岡 城 は 江 戸 時 代 後 期 には 47 以 上 の 櫓 と 10 を 超 える 門 を 有 し 九 州 の 代 表 的 な 城 郭 であっ た 現 在 は 南 ノ 丸 多 聞 櫓 が 原 位 置 に 保 存 され 昭 和 59 年 (1984)に 祈 念 櫓 の 移 築 復 元 平 成 3 年 (1991)に 花 見 櫓 潮 見 櫓 部 材 の 買 収 平 成 12 年 (2000)に 下 之 橋 御 門 の 焼 損 により 平 成 18 年 (2006)~ 平 成 20 年 (2008)にその 復 元 を 行 っている この 他 本 丸 表 御 門 は 黒 田 家 の 菩 提 寺 でもある 博 多 区 の 崇 福 寺 の 山 門 として 残 る 表 2-3: 歴 史 的 建 造 物 保 存 整 備 一 覧 分 類 建 造 物 指 定 名 称 分 類 福 岡 城 南 丸 多 聞 櫓 指 定 状 況 ( 指 定 年 月 日 ) 国 指 定 重 要 文 化 財 ( 昭 和 ) 建 造 物 現 況 整 備 実 施 年 度 内 容 現 存 昭 和 47~ 49 年 平 成 13 年 度 老 朽 化 した 建 造 物 を 解 体 し 修 復 併 せて 石 垣 修 復 や 防 災 設 備 工 事 防 災 設 備 改 良 工 事 福 岡 城 跡 内 に 所 在 す る 建 造 物 建 福 に 福 造 岡 所 岡 物 城 在 城 跡 跡 の す 外 る 福 岡 城 内 に 所 在 す る 他 の 建 造 物 北 角 櫓 未 指 定 ( 復 元 ) 復 元 昭 和 49 年 度 多 聞 櫓 に 付 随 する 角 櫓 を 建 設 潮 見 櫓 ( 伝 ) 潮 見 櫓 福 岡 城 下 之 橋 御 門 ( 旧 称 : 福 岡 城 大 手 門 ) 旧 福 岡 城 祈 念 櫓 崇 福 寺 仏 殿 潮 見 櫓 花 見 櫓 > 崇 福 寺 山 門 本 丸 表 御 門 旧 母 里 太 兵 衛 邸 長 屋 門 名 島 門 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 移 築 復 元 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 県 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 現 存 ( 二 階 は 復 元 ) 移 築 復 元 部 材 保 存 未 整 備 部 材 保 存 未 整 備 移 築 復 元 市 指 定 有 形 文 化 財 ( 昭 和 ) 移 築 復 元 大 正 時 代 に 浜 の 町 黒 田 家 別 邸 に 移 築 されて 昭 和 30 年 度 いたものを 検 察 庁 建 設 に 伴 い 福 岡 郷 土 博 物 館 建 設 委 員 会 が 現 在 地 に 移 築 昭 和 45 年 度 防 災 設 備 工 事 昭 和 55 年 度 瓦 葺 替 え 漆 喰 補 修 等 の 工 事 昭 和 30 年 度 潮 見 櫓 移 築 時 に 福 岡 郷 土 博 物 館 建 設 委 員 会 が 修 復 工 事 昭 和 45 年 度 防 災 設 備 工 事 昭 和 57 年 度 平 成 18~ 20 年 度 昭 和 57~ 59 年 度 土 間 の 改 修 および 排 水 設 備 工 事 平 成 12 年 度 の 焼 損 に 伴 い 二 層 櫓 門 として 復 元 整 備 大 正 時 代 に 北 九 州 市 大 正 寺 に 移 築 されてい たものを 再 移 築 併 せて 防 災 設 備 工 事 崇 福 寺 に 移 築 されていたものを 平 成 2 年 度 平 成 3 年 度 に 福 岡 市 が 買 い 取 り 解 体 調 査 現 在 部 材 を 保 管 中 大 正 7 年 に 同 寺 山 門 として 本 丸 表 御 門 を 払 大 正 7 年 下 げ 二 層 の 櫓 門 昭 和 27 年 に 中 央 区 天 神 の 母 里 太 兵 衛 屋 敷 跡 地 から 撤 去 され 舞 鶴 中 学 校 に 解 体 保 存 し 昭 和 39 年 度 ていたものを 長 屋 門 建 設 委 員 会 が 現 在 地 に 移 築 復 元 昭 和 45 年 度 防 災 整 備 工 事 昭 和 52 年 度 土 間 改 修 および 排 水 設 備 工 事 昭 和 56 年 度 屋 根 および 外 壁 の 改 修 工 事 名 島 城 の 脇 門 であったと 伝 わる 明 治 期 に 昭 和 36 年 度 中 央 区 天 神 にあったが 戦 後 現 在 地 に 移 さ れ 舞 鶴 中 学 校 の 校 門 として 利 用 昭 和 52 年 度 瓦 葺 替 え 壁 面 補 修 等 の 工 事 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 )に 一 部 加 筆 20

7 表 2-4-1: 福 岡 城 跡 関 係 建 造 物 一 覧 (1/2) ( 番 号 は 図 2-11 図 2-12 に 対 応 ) 21

8 表 2-4-2: 福 岡 城 跡 関 係 建 造 物 一 覧 (2/2) ( 番 号 は 図 2-11 図 2-12に 対 応 ) 福 岡 城 跡 整 備 基 本 計 画 ( 案 ) ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 )に 一 部 加 筆 22

9 福岡城跡整備基本計画 案 図2-11 福岡城の櫓の名称と位置 出典 国史跡福岡城跡 保存管理計画 図2-12 福岡城の櫓の名称と位置 本丸部分の拡大 出典 国史跡福岡城跡 保存管理計画 23

10 [ 古 写 真 に 見 る 建 造 物 - 明 治 初 年 ころ 撮 影 ] ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 福 岡 城 跡 整 備 基 本 計 画 ( 案 ) 写 真 2-1: 本 丸 御 殿 (T) 写 真 2-2: 武 具 櫓 ( ) 写 真 2-3: 皮 櫓 (8) 炭 櫓 (9) 平 櫓 (10) 東 御 門 (I) 写 真 2-4: 上 之 橋 御 門 (A) 写 真 2-5: 松 木 坂 御 門 (F) 大 組 櫓 (15) 屏 風 櫓 (18) 写 真 2-6: 追 廻 橋 (ハ) 鉄 物 櫓 (20) 多 聞 櫓 ( ) 写 真 2-7: 本 丸 表 御 門 (N) 写 真 2-8: 本 丸 裏 御 門 (M) 太 鼓 櫓 (33) 24

11 福岡城跡整備基本計画 案 [現存または復元された櫓 門の現状] 出典 国史跡福岡城跡 保存管理計画 写真2-10 下之橋御門 県指定有形文化財 写真2-9 南丸多聞櫓 重要文化財 写真2-12 祈念櫓 県指定有形文化財 写真2-11 名島門 市指定有形文化財 写真2-13 旧母里太兵衛邸長屋門 県指定有形文化財 写真2-14 崇福寺山門として使われている本丸表御門 県指定有形文化財 写真2-15 崇福寺仏殿として使われていた潮見櫓と 花見櫓 県指定有形文化財 写真2-16 伝 潮見櫓 県指定有形文化財 25

12 イ 石 垣 福 岡 城 の 築 城 は 江 戸 城 や 大 坂 城 の 築 城 に 加 わった 野 口 佐 助 一 成 が 普 請 奉 行 を 勤 めた 現 存 す る 石 垣 の 総 延 長 は 約 3,350m 石 積 みに 用 いた 石 は 主 として 野 面 の 玄 武 岩 や 粗 割 りした 花 崗 岩 が 使 われており 一 部 は 名 島 城 や 元 寇 防 塁 の 石 垣 あるいは 市 域 周 辺 の 古 墳 石 室 の 石 材 を 転 用 し たといわれている 石 垣 の 様 式 については 基 本 構 想 で 石 材 加 工 方 法 から 図 2-13 のように 4 分 類 している 石 垣 の 孕 み 箇 所 や 不 安 定 な 部 分 を 対 象 とした 改 修 や 補 強 工 事 は 表 2-5 図 2-14 のとおり 昭 和 46 年 度 (1971)から 昭 和 51 年 度 (1976)および 平 成 17 年 度 (2005) 18 年 度 (2006) 年 度 に 福 岡 市 教 育 委 員 会 によって 行 われた しかし 舞 鶴 中 学 校 東 側 上 之 橋 御 門 北 側 鉄 物 櫓 南 側 などの 箇 所 では 再 び 傷 みが 出 ており 再 修 理 が 必 要 である また 地 下 鉄 建 設 に 伴 う 内 堀 外 壁 石 垣 の 調 査 に 伴 い その 一 部 が 昭 和 54 年 度 (1979)に 保 存 公 開 されている 石 垣 の 保 存 に 課 題 がある 箇 所 については 図 2-14 に 赤 丸 で 示 している 写 真 2-22 写 真 2-19 写 真 2-20 写 真 2-21 写 真 2-17 写 真 2-18 図 2-13: 石 垣 の 分 類 図 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 26

13 [ 石 垣 の 分 類 ] ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 写 真 2-17:A 類 ( 天 守 台 ) 写 真 2-18:B 類 ( 南 三 階 櫓 跡 ) 写 真 2-19:C 類 (ニノ 丸 萬 櫓 跡 ) 写 真 2-20:D 類 ( 祈 念 櫓 跡 ) 写 真 2-22: 上 之 橋 御 門 跡 の 石 垣 写 真 2-21: 算 木 積 み( 東 御 門 ) 27

14 表 2-5: 石 垣 保 存 整 備 一 覧 位 置 保 存 整 備 箇 所 実 施 年 度 内 部 写 真 1 舞 鶴 中 学 校 東 側 石 垣 昭 和 年 度 積 替 えおよびグラウト 工 事 2 上 之 橋 御 門 北 側 石 垣 昭 和 47 年 度 積 替 え 工 事 3 多 聞 櫓 西 側 石 垣 昭 和 48 年 度 建 造 物 の 修 復 工 事 に 併 せて 積 替 え 工 事 4 本 丸 表 御 門 石 垣 昭 和 49 年 度 積 替 え 工 事 写 真 城 内 住 宅 東 側 石 垣 昭 和 49 年 度 天 端 積 替 え 工 事 6 本 丸 裏 御 門 東 側 石 垣 昭 和 49 年 度 不 明 7 鉄 物 櫓 南 側 石 垣 昭 和 49 年 度 積 替 え 工 事 8 生 捕 櫓 周 辺 石 垣 昭 和 49 年 度 不 明 写 真 追 廻 御 門 東 側 石 垣 昭 和 51 年 度 積 替 え 工 事 10 堀 外 壁 北 東 側 石 垣 昭 和 54 年 度 150 m2が 現 状 保 存 され 展 示 施 設 として 活 用 昭 和 57 年 10 月 に 国 史 跡 追 加 指 定 11 下 之 橋 御 門 石 垣 平 成 17 年 積 替 え 工 事 ( 伝 統 工 法 による 復 元 工 事 ) 12 上 之 橋 御 門 南 側 石 垣 平 成 18 年 積 替 え 工 事 ( 伝 統 工 法 による 復 元 工 事 ) 13 上 之 橋 御 門 北 側 石 垣 平 成 24~25 年 度 ( 予 定 ) 積 替 え 工 事 ( 伝 統 工 法 による 復 元 工 事 ) ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 写 真 2-23 写 真 2-25 写 真 2-29 写 真 2-28 写 真 2-26 写 真 2-31 写 真 2-27 写 真 2-24 写 真 2-30 図 2-14: 石 垣 保 存 整 備 位 置 図 ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 28

15 [ 石 垣 の 傷 み] ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 写 真 2-23: 間 詰 め 石 の 抜 け( 三 ノ 丸 西 ) 写 真 2-24:ずれと 迫 り 出 し( 鉄 物 櫓 跡 ) 写 真 2-25: 壊 されたままの 石 垣 ( 三 ノ 丸 名 島 門 南 ) 写 真 2-26: 迫 り 出 し( 祈 念 櫓 ) 写 真 2-27: 裏 込 めに 課 題 ( 鉄 御 門 跡 ) 写 真 2-28: 裏 込 めに 課 題 ( 向 櫓 跡 ) 写 真 2-29: 裏 込 めに 課 題 ( 扇 坂 御 門 跡 ) 写 真 2-30: 生 捕 櫓 跡 の 石 垣 写 真 2-31: 本 丸 表 御 門 跡 の 石 垣 29

16 ウ その 他 の 遺 構 等 ( 階 段 ) 表 御 門 跡 に 通 路 の 延 段 階 段 階 段 横 の 排 水 施 設 までが 良 好 に 保 存 されている また 小 天 守 台 への 野 面 石 を 使 った 階 段 と 鉄 御 門 跡 への 階 段 等 がある 城 絵 図 を 見 ると 東 御 門 内 扇 坂 御 門 内 松 木 坂 御 門 内 の 3 ヵ 所 に 階 段 が 描 かれているが これ らは 現 地 では 確 認 することができない ( 井 戸 ) 福 岡 城 跡 内 に 残 っている 井 戸 で 保 存 されているものは 本 丸 と 南 丸 の 井 戸 である 本 丸 に 3 ヵ 所 南 丸 に 2 ヵ 所 計 5 ヵ 所 が 覆 屋 を 架 けて 保 存 されている 他 三 ノ 丸 2 ヵ 所 については 蓋 をし 閉 じられている また 平 和 台 野 球 場 跡 の 鴻 臚 館 跡 発 掘 調 査 区 内 で1ヵ 所 を 確 認 している ( 土 塁 ) 堀 で 周 囲 を 囲 まれた 城 内 は 外 周 に 土 塁 を 設 けて 囲 み 3 ヵ 所 の 門 の 周 囲 のみ 高 石 垣 が 築 かれ ている 特 に 南 丸 から 水 の 手 の 南 側 は 高 さが 7~8mの 巨 大 な 土 塁 である 下 端 部 は 土 留 めの ための 腰 巻 石 垣 で 固 められており 埋 没 した 腰 巻 石 垣 が 発 掘 調 査 で 確 認 されている 土 塁 の 延 長 は 約 2,600mである 土 塁 は 直 線 的 に 造 られており 横 矢 掛 かりも 重 層 的 に 設 けられ 守 りを 固 めた 構 造 となってい る 現 在 下 之 橋 御 門 西 側 の 北 側 土 塁 平 和 台 陸 上 競 技 場 に 隣 接 する 北 側 部 分 福 岡 高 等 裁 判 所 南 側 部 分 都 市 計 画 道 路 沿 いの 土 塁 の 毀 損 が 目 立 つが 他 は 比 較 的 良 好 な 形 状 で 残 っている ( 堀 ) 那 珂 川 から 水 を 取 り 入 れた 堀 は 肥 前 堀 中 堀 と 続 き 城 郭 の 外 周 に 幅 50~70mの 広 大 な 水 堀 が 巡 らされ 西 側 の 大 堀 に 繋 がっていた 現 在 肥 前 堀 中 堀 は 埋 め 立 てられて 完 全 に 姿 を 消 し 城 郭 の 東 辺 と 南 辺 の 堀 は 幅 員 1.0m 程 度 の 水 路 となって 名 残 を 留 めている 北 面 の 堀 は 都 市 計 画 道 路 の 拡 幅 などによって 一 部 が 埋 められたが 大 半 を 残 し 東 から 1 号 ~5 号 濠 と 呼 ばれ ている 堀 の 北 辺 には 堀 沿 いを 散 策 するための 遊 歩 道 が 整 備 されている また 南 西 側 にも 堀 が 一 部 残 り 6 号 濠 と 呼 ばれている 堀 水 面 は ハスやスイレン 等 が 繁 殖 しているが 水 質 の 悪 化 が 進 んでいる 築 城 当 時 の 堀 面 積 は 大 堀 以 外 が 約 25 万 m2 現 在 残 っている 面 積 は 約 4 万 m2である なお 近 代 以 降 の 造 成 により 縄 張 りに 変 容 等 が 見 られる 主 な 箇 所 は 以 下 のとおりである 福 岡 高 等 裁 判 所 建 設 時 に 架 けられた1~2 号 濠 の 間 の 土 橋 上 之 橋 南 西 側 の 埋 め 立 て 造 成 された 道 路 及 び 上 之 橋 の 西 側 への 拡 幅 平 和 台 陸 上 競 技 場 北 側 の 埋 め 立 て 造 成 による 敷 地 の 拡 張 都 市 計 画 道 路 舞 鶴 公 園 線 建 設 の 埋 め 立 て 造 成 による 三 ノ 丸 の 分 断 平 和 台 野 球 場 南 東 側 及 び 南 側 堀 の 埋 め 立 て 造 成 30

17 福岡城跡整備基本計画 案 写真 2-33 写真 2-32 図2-15 その他の遺構の現況 写真 2-34 出典 国史跡福岡城跡 保存管理計画 写真 2-36 写真 2-35 図2-16 土塁 堀現況図 出典 国史跡福岡城跡 保存管理計画 31

18 [その 他 の 遺 構 の 状 況 ] ( 出 典 : 国 史 跡 福 岡 城 跡 保 存 管 理 計 画 ) 写 真 2-32: 本 丸 の 井 戸 (5) 写 真 2-33: 本 丸 表 御 門 跡 の 階 段 (3) 写 真 2-34: 鉄 御 門 跡 への 階 段 (1) 写 真 2-35: 水 の 手 南 側 の 土 塁 写 真 2-36: 堀 (5 号 濠 ) 32