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1 Ⅱ 研 究 の 実 際 1 授 業 研 究 推 進 部 の 取 組 (1) 体 系 的 カリキュラムの 作 成 1 環 境 教 育 の 進 め 方 について 学 校 教 育 における 環 境 教 育 ガイドライン の 環 境 教 育 を 進 める 上 で の 留 意 点 には (ア) 総 合 的 であること (イ) 目 的 を 明 確 にすること (ウ) 体 験 を 重 視 すること (エ) 地 域 に 根 ざし 地 域 から 広 がるものであること と 示 してある 本 校 では これら4 点 を 考 慮 し 総 合 的 な 学 習 の 時 間 における 郷 土 学 習 ( 教 科 発 展 統 合 分 野 )を 環 境 教 育 に 置 き 換 え 総 合 的 な 学 習 の 時 間 を 中 心 にしながらも 各 教 科 道 徳 特 別 活 動 といった 教 育 活 動 全 体 を 通 して 環 境 教 育 を 行 っている 2 身 につけさせたい3つの 力 について 本 校 の 総 合 的 な 学 習 の 時 間 を 支 える 生 きる 力 は 気 づく 力 追 究 する 力 伝 え 合 う 力 関 わる 力 自 分 を 愛 する 力 としている その 中 でも 気 づく 力 追 究 する 力 伝 え 合 う 力 の3つの 力 を 身 につけさせたい 能 力 として 位 置 づけ 環 境 教 育 を 中 心 とした 全 教 科 全 領 域 で 取 り 組 むこととした ( 図 1) 図 1 年 間 指 導 計 画 例 ( 体 系 的 カリキュラム ) 3 テーマの 設 定 について( 総 合 的 な 学 習 の 時 間 ) 本 校 及 び 校 区 の 豊 かな 自 然 環 境 を 利 用 して 3 4 年 生 では 身 の 回 り の 自 然 にふれる 活 動 ( 体 験 活 動 )をたくさん 取 り 入 れること 5 6 年 生 では 3 4 年 生 で 培 った 心 情 を 身 近 な 生 活 に 生 かしたり 家 庭 や 地 域 へ 啓 発 していくことで 環 境 保 全 の 意 識 を 養 っていくことを 念 頭 にテー マを 設 定 した

2 第 3 学 年 テーマ グリーンパワーはすごいぞ 3 年 生 は 理 科 で 植 物 の 育 ち 方 を 学 ぶことから 本 校 敷 地 内 にある 数 多 く の 樹 木 と 容 易 に 結 びつくことを 想 定 し 樹 木 や 森 林 の 役 割 を 中 心 とする 学 習 第 4 学 年 テーマ 雁 俣 水 の 恵 み 4 年 生 は 社 会 で ゴミ 問 題 や 水 利 用 について 学 ぶ 雁 俣 山 を 源 流 にした 緑 川 の 支 流 が 校 区 を 流 れており その 水 環 境 や 水 利 用 についての 学 習 雁 俣 (かりまた) 山 = 本 校 南 部 に 位 置 する 山 第 5 学 年 テーマ エコライフ 砥 用 5 年 生 は 3 4 年 生 時 で 培 った 自 然 を 認 識 し 自 然 を 大 切 にする 心 情 を 行 動 化 することで 環 境 保 全 の 意 識 を 養 うことをねらった 環 境 に 優 しい 生 活 =エ コライフの 実 践 第 6 学 年 テーマ エコタウン 美 里 プロジェクト 6 年 生 は これらの 環 境 保 全 活 動 を 学 校 家 庭 での 取 組 に 留 めず よりよい 生 活 化 を 目 指 す 取 組 として 環 境 に 優 しい 町 =エコタウンの 実 現 へ 向 けて 地 域 社 会 への 提 案 4 地 域 人 材 外 部 機 関 との 連 携 について 図 2のように 子 ども 達 の 興 味 5 月 11 日 シャープ 環 境 教 育 5 年 や 関 心 を 高 め 学 習 の 効 果 的 な 導 16 日 サントリー 水 育 4 年 入 方 法 として 環 境 教 育 プログ ラム を 計 画 した 17 日 九 州 エネルギー 懇 話 会 環 境 とエネルギー 5 年 5 年 生 では 企 業 による 出 前 授 18 日 環 境 体 験 ハウステンボス 6 年 業 を 導 入 し 地 球 温 暖 化 について 6 月 1 日 エコセミナー5 年 12 日 国 際 交 流 学 習 6 年 過 去 の 平 均 気 温 と 現 在 を 比 較 した 24 日 親 子 環 境 教 室 全 学 年 データを 示 したり 風 景 写 真 を 比 28 日 買 い 物 ゲーム5 年 較 したりして 地 球 温 暖 化 が 進 行 し ている 状 況 を 児 童 に 強 く 印 象 づけ 10 月 バイオエコブロックを 投 入 た また 物 の 燃 焼 によって 発 生 図 2 環 境 教 育 プログラム する 二 酸 化 炭 素 が 温 暖 化 を 招 く 仕 組 みを 演 示 実 験 で 示 した そこから 二 酸 化 炭 素 を 減 らす 方 法 を 考 えたり 新 エネルギーの 存 在 を 追 求 したり する 学 習 へとつなげていった この2 単 位 時 間 分 の 出 前 授 業 が 提 供 して くれた 資 料 や 教 材 の 量 は 莫 大 で その 点 においても このプログラムは 高 く 評 価 できる

3 (2) 学 習 過 程 のパターン 化 授 業 や 単 元 の 指 導 過 程 を とらえる もとめる ちかづく の3 段 階 でとらえた とらえる もとめる ちかづ く 体 験 活 動 や 教 材 を 通 して 学 習 課 題 をとらえる 段 階 課 題 解 決 のための 方 法 を 見 いだし 課 題 の 解 決 を 図 る 段 階 言 葉 を 通 して 自 分 の 考 えを 交 流 し 深 め 行 動 化 や 日 常 化 につないでいく 段 階 ともちっ 子 の 勉 強 の 進 め 方 ( 図 3)として 教 室 に 掲 示 し 児 童 も 意 識 して 学 習 できるようにしてい る また 環 境 学 習 の 時 間 だけで なく 普 段 の 学 習 にも 取 り 入 れ 意 識 化 を 図 っている 図 3 ともちっ 子 の 勉 強 の 進 め 方 (3) 評 価 の 仕 方 考 え 方 学 習 活 動 では 気 づく 力 追 求 する 力 伝 え 合 う 力 の3つの 力 をつけさせることを 意 識 した それぞれの 力 を 具 体 的 に 表 現 し ( 図 4) 観 察 行 動 学 習 シート(ポートフォリオ)による 評 価 を 中 心 とした しかし 教 科 による 環 境 学 習 には 評 価 規 準 があるので 6 年 生 では 到 達 目 標 を 明 確 にし 自 己 評 価 できるルーブリック 評 価 も 取 り 入 れている 生 活 科 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間 においては1 時 間 の 授 業 だけで 評 価 する のではなく 単 元 を 通 しての 児 童 の 変 容 を 見 ていく( 評 価 していく)こ とも 必 要 である 図 4 6 年 国 語 科 イースター 島 にはなぜ 森 林 がないのか のつけたい 力

4 (4) 授 業 実 践 1 つけたい3つの 力 による 単 元 構 成 例 5 年 総 合 的 な 学 習 の 時 間 エコライフを 考 えよう より 図 5 5 年 フローチャート 図 5は 子 ども 達 につけたい3つの 力 の 気 づく 力 追 究 する 力 伝 え 合 う 力 に よって 単 元 を 構 成 した 環 境 学 習 のフローチ ャートである まず 買 い 物 ゲーム を 体 験 して 環 境 問 題 に 気 づく 段 階 である 次 に 共 通 体 験 の 後 で 環 境 問 題 の 中 から 調 べてみた い 課 題 を 選 び いろいろな 手 法 で 調 べ 学 習 をしていった その 後 の 中 間 発 表 会 では 小 道 具 を 用 いて 寸 劇 で 表 すなど 多 様 な 手 法 で 発 表 した お 互 いの 発 表 に 対 して 質 問 す ることで 新 たな 課 題 が 明 らかになり 更 に 追 究 した この 取 組 の 特 徴 は 追 究 する 伝 え 合 う 追 究 する 伝 え 合 う のサイ クルが 続 くことである 2 ゲストティーチャーを 招 いての 学 習 例 3 年 総 合 的 な 学 習 の 時 間 グリーンパワーのよさ より 木 の 葉 の 良 さについて 子 ども 達 は 五 感 を 働 かせて たくさんの 気 づきを 出 した 更 に 虫 や 動 物 ( 鳥 )の 立 場 で 木 の 葉 の 良 さを 考 えた ここで 元 森 林 管 理 署 職 員 がゲス トティーチャー( 写 真 1)として 広 葉 樹 針 葉 樹 についての 話 をし 葉 の 良 さを 深 写 真 1 ゲストティーチャー めることができた 3 企 業 行 政 機 関 の 出 前 授 業 プログラムの 活 用 例 ア 4 年 サントリー 水 育 より 水 と 生 活 との 関 わりをテーマとして 水 の 大 切 さや 水 を 育 てる 森 の 働 きを 地 球 の 水 引 き 算 やろ 過 の 実 験 ( 写 真 2)などを 通 して 学 習 した 泥 水 がきれい な 水 になって いくよ 写 真 2 ろ 過 実 験

5 イ 4 年 県 水 環 境 課 水 の 学 校 より 熊 本 の 水 に 対 する 関 心 を 持 ち 水 保 全 の 必 要 性 について 学 ぶことを 目 的 として 行 った 水 の 使 用 量 や 水 の 循 環 を 学 んだり パックテ ストの 体 験 ( 写 真 3)をしながら 水 の 汚 れを 知 り 自 分 自 身 のこれからの 生 活 の 仕 方 につ いても 考 えることができた 写 真 3 パックテスト 4 学 習 の 到 達 目 標 を 明 確 にした 自 己 評 価 (ルーブリック 評 価 ) 例 6 年 国 語 科 イースター 島 にはなぜ 森 林 がないのか より 説 明 文 教 材 で 学 習 した 意 見 文 の 書 き 方 を 元 に 環 境 問 題 をテーマにした 意 見 文 を 書 くことに 挑 戦 した 観 点 は 構 成 と 自 分 の 考 え で それぞれ について3 段 階 で 評 価 す るルーブリック 評 価 ( 図 図 7 ルーブリック 評 価 7)を 取 り 入 れ 到 達 目 標 を 明 確 にすることで 子 ども 達 は 意 欲 的 に 作 文 活 動 を 行 った 評 価 の 段 階 が 明 確 に 示 してあるので 自 己 評 価 や 相 互 評 価 が 容 易 で 添 削 活 動 がスムーズにできた 5 教 科 における 環 境 学 習 例 1 年 図 工 科 はっぱのへんしん より この 学 習 は 生 活 科 の 単 元 秋 みつけ で 近 隣 の 神 社 や 校 庭 での 自 然 材 を 子 ども 自 身 で 探 させ 積 極 的 に 身 の 回 りの 自 然 環 境 に 親 し ませることから 取 り 組 んだ その 体 験 活 動 をもとに 身 の 回 りの 自 然 材 から 素 晴 らしい 作 品 ( 写 真 4)が 生 み 出 され る 感 動 を 味 わうことで 身 近 な 自 然 環 境 に 関 写 真 4 葉 っぱの 作 品 心 を 持 たせ 次 の 造 形 活 動 や 生 活 に 生 かすことができるように 意 識 付 け することをねらった

6 6 総 合 単 元 的 道 徳 ( 価 値 ) 教 育 例 2 年 道 徳 おいたてられた 二 ひきのカエル より 環 境 保 全 に 対 する 子 ども 達 の 関 心 や 実 践 意 欲 を 高 めるためには 環 境 教 育 と 道 徳 の 時 間 関 連 教 科 特 別 活 動 との 総 合 単 元 的 な 取 り 扱 いによって 価 値 観 を 高 め る 取 組 が 大 切 になってくる 図 8は 生 活 科 や 体 験 活 動 と 道 徳 の 時 間 での 学 習 活 動 を 積 み 重 ねていき 身 近 な 自 然 環 境 の 実 態 を 知 り 生 き 物 や 自 然 を 大 切 にしようと 写 真 5 生 き 物 さがし する 気 持 ちを 育 てる 指 導 計 画 である 図 8 指 導 計 画 写 真 5は 捕 まえた 生 き 物 を 虫 かごに 入 れ 他 に 何 を 入 れれば 虫 は 喜 ぶか 考 えている 場 面 であ る 葉 っぱ( 餌 )だけでなく 土 や 石 も 入 れ 虫 のすみかになるようにしている 7 国 際 環 境 学 習 の 例 本 町 では 総 合 的 な 学 習 の 時 間 に 年 間 30 時 間 の 国 際 理 解 教 育 ( 英 語 活 動 )がカリキュラム 化 されており 英 語 指 導 教 員 と 担 任 とが 協 力 して 指 導 にあたっている 6 年 生 は 6 月 に 国 際 交 流 員 のディビナ 氏 ( 写 真 6)を 迎 え 母 国 ドイツの 文 化 につい て ゲームを 交 えた 交 流 会 を 開 いた さらに ドイツにおける 環 境 保 護 活 動 と 題 し 学 校 での 環 境 教 育 ゴミの 分 別 デポジット 制 の 徹 底 等 について 話 があった 缶 や 紙 パック 写 真 6 ディビナ 氏 紙 皿 は 使 わない ジュース 類 は 瓶 に 入 れてあ り 回 収 箱 が 店 に 設 置 してある レジ 袋 はなく 買 い 物 袋 持 参 太 陽 光 風 力 バイオ 燃 料 の 新 エネルギーが 推 進 されている 環 境 学 習 用 の 教 科 書 がある 等 その 先 進 性 に 驚 かされた また ドイツにお ける 深 刻 な 環 境 問 題 は? という 児 童 からの 質 問 に 子 どもの 頃 は 気 温 が30 以 上 になることはなかったが 昨 年 は38 の 日 があり 気 温 が 上 昇 していること( 地 球 温 暖 化 ) と 答 えられた 児 童 は 日 本 と 比 べたり 自 分 の 生 活 と 比 べたりしながら 興 味 深 く 聞 いていた