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1 2006 年 8 月 アルゼンチンの 政 治 情 勢 2006 年 9 月 作 成 在 アルゼンチン 大 使 館 1. 概 要 キルチネル 大 統 領 の 実 姉 であるアリシア キルチネル 上 院 議 員 が 再 び 社 会 開 発 相 に 就 任 した また 大 統 領 府 前 に 位 置 する 五 月 広 場 において 大 規 模 な 治 安 改 善 要 求 集 会 が 開 催 され 市 民 の 治 安 改 善 に 対 する 関 心 の 高 さが 示 された 他 議 会 において 首 相 に 予 算 の 歳 出 項 目 を 変 更 する 権 限 を 付 与 する 超 権 限 法 案 が 成 立 した 外 交 面 においては タイアナ 外 相 がオーストラリア 及 びニュージーランドを 公 式 訪 問 し た 他 次 期 国 連 事 務 総 長 選 挙 への 出 馬 を 表 明 している 韓 国 タイ 及 びインドの 候 補 が 国 連 安 保 理 非 常 任 理 事 国 である 亜 を 訪 問 した また シオリ 上 院 議 長 による 招 待 で 扇 参 議 院 議 長 が 亜 を 公 式 訪 問 した 2. 内 政 (1) 社 会 開 発 相 の 交 代 (イ)16 日 キルチネル 大 統 領 の 実 姉 であるアリシア キルチネル 上 院 議 員 (サンタク ルス 州 選 出 )は 議 会 上 院 に 対 して キルチネル 大 統 領 の 要 請 により 社 会 開 発 相 に 就 任 す るため 17 日 以 降 議 員 職 を 休 職 する 旨 の 申 請 を 行 い 同 日 承 認 された (ロ)17 日 2003 年 5 月 から2005 年 11 月 まで 社 会 開 発 相 を 務 めた 同 議 員 は 大 統 領 府 において 宣 誓 を 行 い ナダリッチの 後 任 として 同 相 に 再 び 就 任 した (ハ)キルチネル 大 統 領 は 昨 年 10 月 の 議 会 選 挙 において サンタクルス 州 選 挙 区 の 上 院 議 員 選 挙 で 確 実 な 勝 利 を 収 めるために アリシア キルチネル 社 会 開 発 相 ( 当 時 )を 上 院 議 員 候 補 として 同 選 挙 に 擁 立 したが 数 ヶ 月 間 上 院 議 員 を 務 めさせた 後 アリシア キルチネルを 社 会 開 発 相 に 再 任 することを 考 えていた 由 (ニ)なお 2003 年 5 月 に 発 足 したキルチネル 政 権 で 閣 僚 が 交 代 したのは 今 回 で7 人 目 となる (2) 治 安 改 善 を 求 める 大 規 模 集 会 (イ)31 日 夜 2004 年 3 月 に 息 子 を 誘 拐 殺 害 されて 以 降 治 安 改 善 運 動 を 率 いて いる 民 間 人 ブルンベルグは 大 統 領 府 前 に 位 置 する 五 月 広 場 において 治 安 改 善 を 要 求 す る 集 会 を 呼 びかけたところ 約 10 万 人 の 市 民 が 集 まった( 第 三 者 機 関 の 数 字 ) なお 同 集 会 には マクリ 下 院 議 員 ( 変 革 党 党 首 )やロペス ムルフィー 元 経 済 相 ( 国 家 再 建 党 党 首 ) 等 の 野 党 の 主 要 政 治 家 強 硬 派 ピケテログループMIJD( 反 政 府 系 )のカステルス 代 表 等 も 参 加 した なお ブルンベルグは これまで3 回 ( 議 会 前 広 場 2 回 最 高 裁 前 広 場 1 回 ) 治 安 改 善 1

2 を 求 める 集 会 を 呼 びかけたが 政 府 に 対 する 直 接 的 な 要 求 を 意 味 する 大 統 領 府 前 の 五 月 広 場 における 集 会 は 今 回 が 初 めてである (ロ)ブルンベルグは ここまで 来 るのは 容 易 ではなかった 我 々は 侮 辱 され 脅 かさ れたが しかし 我 々は 今 ここにいる キルチネル 大 統 領 貴 方 は ( 首 相 に 予 算 の 歳 出 項 目 を 変 更 する) 超 権 限 や 司 法 審 議 会 改 革 を 求 めて それを 実 現 した 我 々は 皆 のため に 治 安 改 善 を 求 めている キルチネル 大 統 領 は 多 くのことができるはずである 政 府 は 経 済 に 関 して 素 晴 らしい 仕 事 をしてきたが 政 府 の 予 算 は スラム 街 を 無 くし 治 安 を 改 善 するために 利 用 しなければならない と 述 べた (ハ)また ブルンベルグは 投 票 の 力 は 我 々を 救 うことになろう と 述 べたが マク リ 下 院 議 員 ( 変 革 党 党 首 )と 協 力 して 同 人 自 身 が2007 年 のブエノスアイレス 州 知 事 選 挙 に 出 馬 するのではないかとの 憶 測 に 関 しては 自 分 の 唯 一 の 目 的 は ( 殺 害 された) 息 子 の 事 件 の 裁 判 であり ( 今 は) 自 分 の 立 候 補 のことについては 考 えていない と 述 べた (ニ)ブルンベルグは 連 邦 捜 査 局 の 創 設 刑 罰 対 象 年 齢 の 引 き 下 げ 仮 釈 放 を 受 けた 者 の 監 視 強 化 等 を 求 めている (ホ)なお 同 日 政 府 系 ピケテログループFTVのデリア 代 表 は 五 月 広 場 から 約 50 0メートル 離 れたオベリスコにおいて ブルンベルグの 集 会 に 反 対 する 集 会 を 開 催 したが 集 まったのはクンケル 下 院 議 員 ( 与 党 ペロン 党 前 大 統 領 府 副 長 官 ) 等 約 3,000 人 だ けであり 懸 念 されていたブルンベルグの 集 会 の 参 加 者 との 衝 突 は 起 こらなかった (ヘ)ブルンベルグの 集 会 時 キルチネル 大 統 領 は 大 統 領 府 において テレビを 通 して 同 集 会 の 様 子 を 見 ており 政 府 批 判 の 声 に 対 して 怒 った 由 (3) 超 権 限 法 案 (イ)3 日 議 会 下 院 において 約 12 時 間 にも 及 ぶ 審 議 の 末 予 算 の 歳 出 項 目 を 変 更 す る 権 限 を 首 相 に 付 与 する 法 案 ( 通 称 : 超 権 限 法 案 (Superpoderes) )が 可 決 成 立 した (ロ) 野 党 は 同 法 案 が 大 統 領 の 権 限 強 化 に 繋 がり 権 力 分 立 に 反 すると 痛 烈 に 批 判 し ている (4) 軍 政 期 の 人 権 侵 害 (イ)2005 年 6 月 最 高 裁 は 軍 政 期 の 強 制 失 踪 に 関 与 した 疑 いのある 元 警 察 高 官 に 関 する 事 件 において 年 の 軍 政 期 における 人 権 侵 害 を 不 問 にする 旨 定 める 免 責 法 である 終 結 法 及 び 服 従 法 が 違 憲 であるとの 判 断 を 下 した (ロ)2006 年 8 月 4 日 連 邦 口 頭 裁 判 所 ( 下 級 審 )は 軍 政 期 において ホセ ポプ レッテ 氏 及 びその 家 族 ( 妻 と 娘 )の 誘 拐 及 び 拷 問 を 行 なった 容 疑 で 元 警 察 高 官 フリオ シモン 被 告 に 対 して 25 年 の 禁 固 刑 を 下 した 同 判 決 は 前 記 最 高 裁 判 決 以 降 軍 政 期 の 人 権 侵 害 を 行 った 容 疑 者 に 対 する 初 めての 有 罪 判 決 である (ハ)なお 他 の 容 疑 者 に 対 する 類 似 の 事 件 に 関 する 約 960 件 の 訴 訟 が 係 争 中 であり 2

3 数 千 人 の 軍 関 係 者 ( 退 役 軍 人 を 含 む)に 対 する 裁 判 が 再 開 される 可 能 性 がある 3. 外 交 (1)オーストラリア 及 びニュージーランド (イ)オーストラリア (ⅰ)9-12 日 タイアナ 外 相 は オーストラリアを 公 式 訪 問 した (ⅱ) 滞 在 中 タイアナ 外 相 は マーク ベイル 副 首 相 ( 兼 貿 易 相 ) ダウナー 外 相 ビシ ョップ 教 育 相 等 と 会 談 した 他 豪 議 会 を 訪 問 した さらに 亜 におけるビジネス チャン スに 関 するセミナーの 開 会 式 出 席 原 子 力 開 発 等 を 行 う 亜 公 社 INVAPがオーストラリ アに 売 却 した 原 子 炉 施 設 の 視 察 等 を 行 った なお 同 原 子 炉 施 設 の 正 式 なオープニングは 2007 年 上 半 期 に 予 定 されている (ⅲ)タイアナ 外 相 は 9 月 日 にオーストラリアにおいて 開 催 されるケアンズ グループ 閣 僚 会 合 開 催 の 重 要 性 について 亜 豪 間 で 意 見 が 一 致 した 旨 述 べた (ⅳ)その 他 タイアナ 外 相 は 亜 は 対 外 関 係 の 多 角 化 戦 略 を 進 めており アジア 太 平 洋 における 亜 のプレゼンスを 高 めることを 優 先 課 題 の 一 つとしており 右 戦 略 の 中 で 対 豪 関 係 は 重 要 である ベイル 副 首 相 及 びダウナー 外 相 との 会 談 では オーストラリアが 亜 及 びラ 米 特 に 南 米 に 非 常 に 大 きな 関 心 を 有 していることが 明 らかに 分 かった 等 と 述 べた (ロ)ニュージーランド (ⅰ)12-14 日 タイアナ 外 相 は NZを 公 式 訪 問 した なお 亜 の 外 相 が NZを 訪 問 するのは 9 年 振 りのことである (ⅱ)13 日 タイアナ 外 相 は ピーターズNZ 外 相 と 会 談 し 二 国 間 関 係 二 国 間 のワ ーキング ホリデー ビザ プログラム ブエノスアイレス 市 とウェリントン 市 の 姉 妹 都 市 計 画 等 について 話 し 合 った (ⅲ)タイアナ 外 相 は ピーターズ 外 相 に 対 して 来 年 3 月 の 訪 亜 を 招 待 した (ⅳ) 両 外 相 は 政 策 協 議 を 行 うため 10 月 にNZ 外 務 次 官 が 訪 亜 することで 合 意 した 他 年 末 までにNZのウェリントン 市 において 両 国 の 議 員 間 の 会 合 を 行 うことを 決 定 し た (ⅴ)タイアナ 外 相 は 今 回 のNZ 訪 問 を 大 成 功 であり 非 常 に 満 足 している と 評 し 亜 とNZの 関 係 は さらに 緊 密 となる 可 能 性 を 秘 めており アジア 市 場 へのアクセスの 重 要 な 手 段 になる と 述 べた (2) 次 期 国 連 事 務 総 長 選 挙 (イ) 今 年 末 に 任 期 が 切 れるアナン 国 連 事 務 総 長 の 後 任 を 決 める 次 期 国 連 事 務 総 長 選 挙 に 関 して 同 選 挙 の 候 補 者 3 名 が 安 保 理 非 常 任 理 事 国 である 亜 を 訪 問 した (ロ) 韓 国 3

4 11 日 ガルシア モリタン 外 相 代 行 は 南 米 諸 国 訪 問 の 一 環 として 亜 を 訪 問 した 潘 基 文 候 補 ( 韓 国 外 交 通 商 部 長 官 )と 会 談 を 行 い 次 期 国 連 事 務 総 長 選 挙 二 国 間 関 係 北 朝 鮮 問 題 等 について 話 し 合 った (ハ)タイ 14 日 タイのスラキアット 候 補 ( 副 首 相 )は ガルシア モリタン 外 相 代 行 と 会 談 し 次 期 国 連 事 務 総 長 選 挙 等 について 話 し 合 った (ニ)インド 22 日 インドのタルール 候 補 ( 国 連 広 報 担 当 事 務 次 長 )は 亜 外 務 省 において タイ アナ 外 相 と 会 談 し 同 選 挙 の 支 持 要 請 を 行 った (3)レバノン イスラエル 情 勢 (イ)8 日 ガルシア モリタン 筆 頭 外 務 副 大 臣 等 は 記 者 会 見 を 開 き レバノン 政 府 か らの 要 請 に 応 えて 同 日 亜 は レバノンに 向 けて 2トン 以 上 の 人 道 的 救 援 物 資 を 発 送 した 旨 発 表 した (ロ)15 日 亜 外 務 省 は レバノン イスラエル 情 勢 に 関 する 国 連 安 保 理 決 議 1701 号 の 採 択 に 満 足 の 意 を 表 明 する 旨 のプレス コミュニケを 発 出 した (ハ)12 日 アナン 国 連 事 務 総 長 は 亜 を 含 む19カ 国 に 対 して 国 連 レバノン 暫 定 隊 (UNIFIL)への 参 加 を 要 請 した しかし 15 日 ガルシア モリタン 筆 頭 外 務 副 大 臣 は 我 々は 国 連 レバノン 暫 定 隊 に 参 加 する 状 態 にはないと 回 答 した と 述 べ アナ ン 国 連 事 務 総 長 の 同 要 請 を 拒 否 したことを 明 らかにした (4) 日 本 (イ)24-29 日 シオリ 上 院 議 長 ( 副 大 統 領 兼 務 )の 招 待 により 扇 参 議 院 議 長 は 清 水 参 議 院 議 員 輿 石 参 議 院 議 員 及 び 風 間 参 議 院 議 員 からなる 議 員 団 を 率 い 亜 を 公 式 訪 問 した (ロ) 扇 議 長 等 は シオリ 上 院 議 長 バレストリーニ 下 院 議 長 フェルナンデス 首 相 タ イアナ 外 相 亜 日 友 好 議 連 メンバー 等 と 会 談 を 行 ない 二 国 間 関 係 強 化 等 について 話 し 合 った (5) 要 人 往 来 (イ) 来 訪 8 月 11 日 潘 基 文 韓 国 外 交 通 商 部 長 官 (ガルシア モリタン 外 相 代 行 との 会 談 ) 8 月 14 日 スラキアット タイ 副 首 相 (ガルシア モリタン 外 相 代 行 との 会 談 ) 8 月 22 日 タルール 国 連 広 報 担 当 事 務 次 長 (タイアナ 外 相 との 会 談 ) 8 月 日 扇 参 議 院 議 長 等 (シオリ 上 院 議 長 フェルナンデス 首 相 タイアナ 外 相 との 会 談 等 ) 4

5 (ロ) 往 訪 8 月 6 日 タイアナ 外 相 デビード 公 共 事 業 相 ガレ 国 防 相 及 びミセリ 経 済 相 の ボリビア 訪 問 (ボリビア 憲 法 改 正 議 会 出 席 ) 8 月 7 日 シオリ 副 大 統 領 のコロンビア 訪 問 (ウリベ 大 統 領 就 任 式 出 席 ) 8 月 9-12 日 タイアナ 外 相 のオーストラリア 訪 問 (マーク ベイル 副 首 相 との 会 談 等 ) 8 月 日 タイアナ 外 相 のNZ 訪 問 (ピーターズ 外 相 との 会 談 等 ) 8 月 14 日 デビード 公 共 事 業 相 のボリビア 訪 問 (ガルシア リネラ 副 大 統 領 との 会 談 ) 5