2 生活保護受給者に必要な家計管理支援とは何か どの政府統計を参考にして被保護世帯の収入や消 傷病者世帯は465, その他の世帯は 費支出について検討する 次に 路上生活と生活 227, である 生活保護受給者が少な 保護の受給経験等がある単身男性を対象にしたお かっ

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1 東 京 家 政 学 院 大 学 紀 要 第 53 号 2013 年 1 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か 小 野 由 美 子 生 活 保 護 受 給 者 には 家 計 管 理 の 困 難 さを 抱 える 世 帯 が 少 なくない 政 府 統 計 をみると 被 保 護 単 身 世 帯 は 住 居 費 が 一 般 の 低 所 得 層 と 比 較 して 高 く 保 健 医 療 交 通 通 信 教 養 娯 楽 等 の 費 目 では 低 い 路 上 生 活 と 生 活 保 護 の 受 給 経 験 等 がある 単 身 と 比 較 の 参 考 対 象 として 大 学 生 に 家 計 管 理 に 関 するアンケートを 実 施 したところ 単 身 には 相 談 で きる 家 族 が 少 ないことが 目 立 った 家 計 簿 をつけていないと 回 答 した 男 子 学 生 は84.8と 多 く 受 給 経 験 等 がある 単 身 の14 人 中 10 人 も 記 帳 していないことから 単 身 を 中 心 とした 家 計 管 理 支 援 では 記 帳 以 外 の 方 法 が 期 待 される 支 援 者 からは 家 計 管 理 の 目 的 と 方 法 を 明 確 にする 必 要 性 や 借 金 や 滞 納 問 題 との 関 連 性 についての 課 題 が 指 摘 された 生 活 保 護 受 給 者 にとって 必 要 な 家 計 管 理 支 援 には 生 活 の 質 を 向 上 するための 家 計 簿 記 帳 に 限 定 されない 低 位 性 の 認 められる 費 目 に 配 慮 した 取 組 みが 必 要 である キーワード: 家 計 管 理 支 援 生 活 保 護 受 給 者 生 活 の 質 1.はじめに 失 業 率 が 高 水 準 で 推 移 するなどの 厳 しい 経 済 雇 用 情 勢 の 下 生 活 保 護 受 給 者 は1995 年 を 底 に 増 加 へ 転 じ 2012 年 12 月 には215 万 人 157 万 世 帯 を 上 回 った 生 活 保 護 は 資 産 や 能 力 等 すべてを 活 用 してもなお 生 活 に 困 窮 する 者 に 対 し その 困 窮 の 程 度 に 応 じて 必 要 な 保 護 を 行 うことにより 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 度 の 生 活 を 保 障 するとともに その 自 立 を 助 長 する 制 度 である 社 会 保 障 の 最 後 のセーフティネットである 生 活 保 護 には 生 活 扶 助 教 育 扶 助 住 宅 扶 助 医 療 扶 助 等 の8 種 類 か らなり それぞれ 日 常 生 活 を 送 る 上 で 必 要 となる 食 費 や 住 居 費 治 療 費 等 について 必 要 な 限 度 で 給 付 されている 1) 一 方 で 生 活 保 護 等 により 最 低 限 度 の 生 活 を 保 障 するための 収 入 があっても 生 活 の 質 2) を 確 保 するためには 生 活 費 の 使 い 方 つまり 支 出 のあ り 方 もあわせて 検 討 することが 求 められる 例 え 東 京 家 政 学 院 大 学 現 代 生 活 学 部 現 代 家 政 学 科 ば 生 活 の 基 礎 的 な 支 出 である 食 費 を 1ヶ 月 の 間 にならして 使 えるよう 身 についていないことで 生 じる 弊 害 は 支 援 者 からしばしば 聞 かれ お 金 の やりくり ( 工 夫 して 帳 尻 をあわせること)の 困 難 さをいかに 支 えるかが 課 題 となっている 厚 生 労 働 省 の 社 会 保 障 審 議 会 が1 月 25 日 に 提 出 した 生 活 困 窮 者 の 生 活 支 援 の 在 り 方 に 関 する 特 別 部 会 の 報 告 書 でも 新 しい 生 活 支 援 体 系 として 家 計 相 談 支 援 が 盛 り 込 まれているところである 筆 者 は 知 的 障 害 者 をはじめとする 要 支 援 消 費 者 ( 消 費 生 活 を 送 る 上 で 家 族 や 支 援 者 の 見 守 りが 日 常 的 に 必 要 な 消 費 者 )を 対 象 に 消 費 者 問 題 を 未 然 に 防 ぐための 方 法 や 家 計 管 理 を 学 習 する 講 座 を 支 援 者 らと 実 践 しているが 3) 関 連 して 生 活 保 護 受 給 者 への 家 計 管 理 支 援 のあり 方 を 模 索 する 中 で 得 た 留 意 事 項 について 今 回 考 察 したい 2. 研 究 の 方 法 生 活 保 護 受 給 者 にとって 必 要 な 家 計 管 理 支 援 と は 何 かを 検 討 するため 社 会 保 障 生 計 調 査 な

2 2 生活保護受給者に必要な家計管理支援とは何か どの政府統計を参考にして被保護世帯の収入や消 傷病者世帯は465, その他の世帯は 費支出について検討する 次に 路上生活と生活 227, である 生活保護受給者が少な 保護の受給経験等がある単身男性を対象にしたお かった1995年度と2010年度の各世帯類型の該当数 金のやりくりに関するアンケートを実施し その を比較すると どの世帯も増加しているが とり 実態を探る あわせて 大学生を対象に同様のア わけ5.46倍と顕著なのは その他の世帯 であり ンケートを実施し 生活背景の違いを考慮する必 傷病者 障害者世帯の1.84倍と大きな開きがある 要はあるが 性別や住まい方で家計管理の意識に ここでの その他の世帯 とは高齢者 母子 傷 相違があるかを考察して参考とする 最後に 路 病者 障害者のいずれにも該当しない世帯であり 上生活経験者の支援者へのヒアリング調査を踏ま 失業者の増加による影響が指摘されている え 生活保護受給者への家計管理支援の意義と課 ３ 性別 年齢階別にみた被保護世帯 題について検討する 1995年度 ３ 結果 2000年度 総数 600,980 ３ 生活保護受給世帯の類型 高齢者世帯 2005年度 2010年度 増加指数 1 女性が り そのうち男性が922,092人 ,039,570 である 単身世帯では1,029,052 1,405, ,633人 , , , , , , , , , 世帯中 男性が567,994世帯 女性が461,058世帯 2010年度における生活保護受給者の世帯類型を 母子世帯 2010年度の生活保護受給者は1,878,725人であ であり 男性が55.2と過半数を占めており 女 389, , みると 1,405,281世帯のうち高齢者世帯が603,540 傷病者世帯 障害者世帯 252, , 性との割合で最も差があるのは41 59歳で , , 母子世帯は108, 障害者世帯 その他の世帯 41, , 年度における1995年度を100とした場合の指数 表 世帯類型別にみた被保護世帯数及び世帯保護率の年次推移 2 出所 国立社会保障 人口問題研究所が公表の生活保護制度関連公的データ 世帯類型別被保護世帯数及び世帯保護率 の年次推移 著者が5年度ごとに整理し 増加指数を算出した 1995年度 2000年度 総数 高齢者世帯 母子世帯 傷病者世帯 障害者世帯 2005年度 2010年度 増加指数 1 600, ,181 1,039,570 1,405, , , , , , , , , , , , , , , , その他の世帯 41, 年度における1995年度を100とした場合の指数 2 出所 国立社会保障 人口問題研究所が公表の生活保護制度関連公的データ 世帯類型別被保護世帯数及び世帯保護率 の年次推移 著者が5年度ごとに整理し 増加指数を算出した 表 単身 その他世帯別 性別 年齢階別にみた被保護人員 総数 1,878, 歳 6 19歳 20 40歳 男 単身世帯 女 922,092 その他世帯 男 女 956,633 1,029, , , ,673 男 354,098 女 495, ,932 28,641 27, ,902 28,626 27, , , ,803 1, , , , ,562 74, ,723 63,480 40,874 22, ,082 33, , 単身世帯 その他世帯 433, , , , ,473 81, ,332 60, ,941 男 女 男 女 男 女 総数 1,878, , ,633 1,029, , , , , , 歳 430, , , , , , ,761 50,831 60, 歳 55,932 28,641 27, ,902 28,626 27,276 70歳以上 526, , , , , , ,383 63,226 82, 歳 230, , ,803 1, , , ,154 出所 厚生労働省 被保護者全国一斉調査 平成22年 の 第1表 4-1 被保護人員 単身世帯-その他世帯 性 年齢 階別 著者が年齢階を少なく整理 加工した 20 40歳 201,562 74, ,723 63,480 40,874 22, ,082 33, , 歳 41 59歳 60 69歳 , , , , ,473 81, ,332 60, , , , , , , , ,761 50,831 60,

3 小野 由美子 3 で あ り 60 69歳 は 歳 以 上 に な る と ３は 厚生労働白書 に例示された世帯類型別生活 37.7と低下する 一方 女性の割合が男性に比 扶助基準であり 例えば 高齢単身世帯68歳女 ４ べて最も高いのは その他の世帯 単身世帯以 では- から３- について80,820か 外の世帯 の20 40歳で75.4となっており そ ら62,640となっている 医療扶助と介護扶助は の主な理由はここに母子世帯が含まれるからだと 現金による給付ではなくサービスなどの 現物給 推測される 付 という形をとることから 生活保護受給世帯 における家計管理の範囲としては 生活扶助に加 ３３ 生活保護基準の算定 えて別に支給される住宅扶助等との合計が目安と 生活保護の種類は 生活扶助 教育扶助 住宅 なるだろう 扶助 医療扶助 介護扶助 出産扶助 生業扶助 及び葬祭扶助の8種類あり 受給者の必要に応じ ３４ 単身の生活保護世帯の実収入 て単給 あるいは各扶助を積み上げる形で併給さ 次に 生活保護を受給している単身世帯の家 れる 域による物価水準を考慮したごとに 計をみると 全体の平均では実収入が118,134 各扶助額は定められ 例えば- には東京 で 内訳は勤労収入10, 生活保護 都の大半の市区などの大都市が含まれている 表 給付87, 他の社会保障給付16,818 表３ 生活保護費の決め方 世帯類型別生活扶助基準 引用 厚生労働白書 平成 24 年版 205 ページ 太枠は著者が追記 引用 厚生労働白書 平成 24 年版 205 ページ 太枠は著者が追記 表４ 実収入 単身の生活保護世帯 実 実 総 世 帯 類 型 収 入 就労収入 勤 収 め 数 先 内職収入 入 付 金 品 給 付 金 品 給 割 合 生 活 保 護 他 の 社 会 保障 の 他 実 収 入 就労収入 そ の 他 給付金品 給 付 金 品 数 118,134 10,836 10, ,744 16,818 16, , ,150 6,561 6, ,645 19,497 18, , ,326 9,558 9, ,629 14,060 13, , ,053 18,396 18, ,567 13,212 12, , ,842 23,869 23, ,406 12,791 11,583 1,208 1, ３ 102,095 15,726 15, ,162 22,280 21, , ３ 79,271 9,902 8,538 1,365 59,941 6,944 6, , 高 齢 者 世 帯 115,835 4,198 4,097 87,688 20, , ,714 18,282 17,817 11, ,685 構 3.6 成 そ の 他 の 世 帯 21,167 数 11, 合 の 他 実 収 実 収 入 就労収入 勤 め 先 101 実 ,808 生活保護給 他 の 社 会 保障 社 会 保 障 そ 内職収入 出所 厚生労働省 社会保障生計調査 平成22年 著者が太枠を追記 113,326 9,558 9, ,629 世 帯 類 付 他 社 会 保 障 そ 金 給 付 金 成 の 収 入 付 金 品 注意点 就労収入 勤め先収入 内職収入 総 数 他の社会保障給付金品 社会保障給付金 その他社会保障給付金 118,134 10,836 10, ,744 その他 仕送り金 特別収入 131,150 6,561 6, ,645 構 生活保護給 他 の 社 会 保障 社 会 保 障 そ 給 付 金 品 給 付 の 他 社 会 保 障 そ 金 給 付 金 72.7 割 生 活 保 護 他 の 社 会 保障 入 就労収入 そ の 他 給付金品 給 付 金 品 16,818 16, ,736 19,497 18, , ,060 13, , ,053 18,396 18, ,567 13,212 12, , ,842 23,869 23, ,406 12,791 11,583 1,208 1, ３ 102,095 15,726 15, ,162 22, , ３ 79,271 9,902 8,538 1,365 59,941 6,944 6, , 高 齢 者 世 帯 115,835 4,198 4, ,688 21,167 20, , ,974

4 4 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か (14.2) 2,736 (2.3)となっている 実 収 入 は3/4 程 度 は 生 活 保 護 費 が 占 め 年 金 など が15 勤 労 収 入 10 仕 送 りなどが2という 内 訳 になる ちなみに 他 の 社 会 保 障 給 付 は の 世 帯 が9.9 高 齢 者 世 帯 が18.3と 後 者 で 割 合 が 高 い これは 補 足 性 の 原 則 といわれ 生 活 保 護 は 年 金 な どの 他 の 社 会 保 障 制 度 を 活 用 しても 最 低 生 活 費 に 満 たない 分 を 補 足 するという 形 で 運 用 されている 3-5 単 身 の 生 活 保 護 世 帯 の 消 費 支 出 消 費 支 出 の 平 均 は107,618 であり その 内 訳 は 食 料 31,535 (29.3) 住 居 33,732 (31.3) 光 熱 水 道 9,190 (8.5) 家 具 家 事 用 品 4,221 消 費 支 出 食 料 住 居 光 熱 水 道 用 (3.9) 被 服 及 び 履 物 2,790 (2.6) 保 健 医 療 2,156 (2.0) 交 通 通 信 7,319 (6.8) 教 育 0 (0.0) 教 養 娯 楽 6,057 (5.6) そ の 他 10,619 (9.9)である 食 料 は 1 日 1,000 程 度 が 目 安 といったところだろうか 単 身 世 帯 でも 被 保 護 世 帯 年 間 収 入 第 Ⅰ 五 分 位 階 の 世 帯 ( 以 下 低 所 得 世 帯 ) 一 般 世 帯 によ り 消 費 支 出 で 違 いがみられるのだろうか 総 務 省 家 計 調 査 年 報 ( 平 成 22 年 )のデータと 比 較 する と 住 居 費 は 被 保 護 世 帯 の 方 が 高 い( 被 保 護 世 帯 33,732 低 所 得 世 帯 16,732 一 般 世 帯 10,976 ) 社 会 保 障 生 計 調 査 の 費 目 の 内 訳 が 公 表 されて おらず 詳 細 は 不 明 だが 被 保 護 世 帯 の 持 家 率 は 低 く 家 賃 による 支 払 いの 多 さが 一 因 と 考 えられる ちなみに 家 計 調 査 年 報 における 年 間 収 入 第 Ⅰ 五 分 位 階 で 家 賃 代 を 支 払 っている 世 帯 の 割 合 は38.5と 低 く 平 均 年 齢 は64.9 歳 である 一 方 で 数 保 健 医 療 交 通 通 信 教 養 娯 楽 その 被 服 及 び他 は 被 保 護 単 身 世 帯 の 方 が 低 い 生 活 保 保 健 医 療 交 通 通 信 教 育 教 養 娯 楽 そ の 他 品 履 物 護 の 医 療 扶 助 により 通 院 や 投 薬 等 による 自 己 負 担 のないことが 背 景 にあるだろう 交 通 通 信 教 養 娯 楽 費 用 の 低 位 性 からは 限 定 的 な 社 会 生 活 がうかがえる については 家 計 調 査 年 報 に 準 ずるとすれば その 内 訳 に 理 美 容 サー 総 数 107,618 31,535 33,732 9,190 4,221 2,790 2,156 7, ,057 10, ,870 34,706 44,016 7,715 4,193 2,730 2,500 6, ,555 10, ,696 30,416 28,079 10,710 4,128 2,998 1,708 8, ,128 11, ,251 29,207 24,646 9,641 4,139 3,291 1,847 8, ,031 10, ,068 30,572 27,558 11,780 4,532 2,978 3,196 11, ,663 7, ,024 25,545 22,636 10,847 4,552 2,217 1,763 6, ,709 10, ,431 25,083 11,041 表 5 13,116 4,251 2,101 1,306 5,908 消 費 支 出 : 単 身 の 生 活 保 護 世 帯 0 5,123 8,504 世 高 齢 者 世 帯 106,276 31,034 36,153 8,895 4,111 2,481 2,375 5, ,438 10,024 帯 類 実 数 型 そ の 他 世 帯 109,124 32,097 31,016 9,520 4,343 3,137 1,911 9, ,751 11,286 出 所 : 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 生 計 調 査 ( 平 成 22 年 ) 著 者 が 太 枠 を 追 家 記 具 家 事 被 服 及 び 消 費 支 出 食 料 住 居 光 熱 水 道 保 健 医 療 交 通 通 信 教 用 品 履 物 育 教 養 娯 楽 そ の 他 総 数 107,618 31,535 33,732 9,190 4,221 2,790 2,156 7, ,057 10, ,870 34,706 44,016 7,715 4,193 2,730 2,500 6, ,555 10, ,696 30,416 28,079 10,710 4,128 2,998 1,708 8, ,128 11, ,251 29,207 24,646 9,641 4,139 3,291 1,847 8, ,031 10, ,068 30,572 27,558 11,780 4,532 2,978 3,196 11, ,663 7, ,024 25,545 22,636 10,847 4,552 2,217 1,763 6, ,709 10, ,431 25,083 11,041 13,116 4,251 2,101 1,306 5, ,123 8,504 世 高 帯 齢 者 世 帯 106,276 31,034 36,153 8,895 4,111 2,481 2,375 5, ,438 10,024 類 型 そ の 他 世 帯 109,124 32,097 31,016 9,520 4,343 3,137 1,911 9, ,751 11,286 出 所 : 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 生 計 調 査 ( 平 成 22 年 ) 著 者 が 太 枠 を 追 記 実 家 具 家 事 表 6 単 身 世 帯 の 消 費 支 出 の 比 較 家 具 家 事 被 服 及 び 消 費 支 出 食 料 住 居 光 熱 水 道 保 健 医 療 交 通 通 信 教 用 品 履 物 育 教 養 娯 楽 そ の 他 1 被 保 護 単 身 世 帯 107,618 31,535 33,732 9,190 4,221 2,790 2,156 7, ,057 10,619 2 年 間 収 入 第 Ⅰ 五 分 位 階 ( 単 身 ) 98,960 25,609 16,253 9,979 3,164 2,820 4,378 9, ,069 18,456 3 一 般 単 身 世 帯 162,009 37,364 20,976 10,737 4,366 6,449 6,238 20, ,956 34,308 出 所 1 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 生 計 調 査 ( 平 成 22 年 度 ) 2 総 務 省 家 計 調 査 年 報 ( 平 成 22 年 ) 第 4 表 年 間 収 入 五 分 位 階 別 1 世 帯 当 たり1か 月 間 の 収 入 と 支 出 ( 単 身 世 帯 ) 第 Ⅰ 五 分 位 は 年 収 が148 万 以 下 家 具 家 事 被 服 及 び 消 費 支 出 食 料 住 居 光 熱 水 道 保 健 医 療 交 通 通 信 教 用 品 履 物 育 教 養 娯 楽 そ の 他 1 被 保 護 単 身 世 帯 107,618 31,535 33,732 9,190 4,221 2,790 2,156 7, ,057 10,619

5 小 野 由 美 子 5 表 7 お 金 のやりくり アンケート: 路 上 生 活 及 び 生 活 保 護 受 給 経 験 等 のある 単 身 14 人 1お 金 の 相 談 をする 人 はいますか 2お 金 のやりくりで 困 ることはありますか 3 家 計 簿 をつけて いますか 4 家 計 簿 などを つけてみたいですか 5 基 本 属 性 備 考 o. 種 類 種 類 種 類 種 類 種 類 種 類 記 帳 理 由 理 由 理 由 理 由 代 替 支 援 歴 受 給 受 給 歴 有 無 有 無 現 在 経 験 性 別 年 代 住 まい 希 望 案 ( 年 ) 状 況 ( 年 ) 1 いる 友 人 なし なし あり 3 60 代 4 受 給 中 4 アパート 2 いる 友 人 役 場 なし 記 帳 あり ~40 代 2 受 給 中 2 アパート 食 事 代 を1ケ 月 まとめて 八 百 屋 へ 渡 しており 毎 日 使 った 費 用 を 八 百 屋 3 いる 支 援 者 なし? なし 4 60 代 9 受 給 中 9 アパート が 記 入 して 見 せてくれる 4 いる 家 族 等 あり 3 なし なし 3 50 代 3.5 なし 0 アパート ( 保 護 歴 なし) 5 いる 支 援 者 なし あり あり 2 4 ~40 代 8 過 去 に アパート 6 なし あり なし なし 3 70 代 7 受 給 中 6 アパート 7 なし あり 1 なし なし 50 代 9 受 給 中 アパート 8 なし 支 援 者 あり 時 々 あり 3 70 代 4 過 去 に アパート 2 回 破 産 した 炊 き 出 しで 食 いつないでいる 年 金 が 支 給 されたら 保 護 費 を 打 ち 切 られた なぜ 年 金 と 保 護 費 の 両 方 をもらえないのか 9 なし 役 場 なし? なし 3 60 代 3 受 給 中 3 アパート 10 なし あり 3? なし 1 ~40 代 6 受 給 中 5 アパート 11 なし 支 援 者 役 場 あり 記 帳 あり 代 5.5 受 給 中 7 海 外 旅 行 に 行 ってみたいと 思 うが 12 いる 支 援 者 あり 3 なし なし 3 70 代 受 給 中 10 アパート 13 なし あり 2 記 帳 ~40 代 10 受 給 中 8 アパート 14 なし あり 2 あり あり 代 3 受 給 中 3 アパート 2お 金 のやりくりで 困 ること 4 家 計 簿 をつけたい 理 由 4 家 計 簿 の 代 替 案 1. 生 活 保 護 費 が 支 給 される 前 にお 金 が 足 りなくなる 1. 生 活 保 護 費 の 支 給 前 にも 余 裕 がほしいから 1.レシートを 集 める( 集 計 は 別 の 人 にやってもらう) 2. 貯 金 したくてもできない 2. 貯 金 したいから 2. 家 賃 などの 支 払 いは 他 の 人 に 任 せ 残 ったお 金 を 自 由 に 使 いたい 3. 趣 味 など 好 きなことにお 金 が 使 えない 3. 趣 味 など 好 きなことにお 金 を 使 いたいから 3. 封 筒 を 使 った 管 理 など 家 計 簿 やこづかい 帳 への 記 入 以 外 の 方 法 4. 借 金 問 題 が 未 解 決 4. 目 標 があるから 対 象 者 の 概 要 路 上 生 活 及 び 生 活 保 護 受 給 経 験 のある 単 身 14 人 年 代 40 歳 代 以 下 :4 人 住 まい 支 援 者 とのつながり 50 歳 代 :2 人 アパート :13 人 60 歳 代 :4 人 アパート 以 外 :1 人 生 活 保 護 受 給 状 況 70 歳 代 以 上 :4 人 1. 生 活 保 護 受 給 中 平 均 5.7 年 2. 生 活 保 護 を 受 けていないが 以 前 受 けていた :2 人 3. 生 活 保 護 は 受 けたことがない :1 人 :11 人 ( 平 均 5.7 年 ) 回 答 状 況 1お 金 について 困 ったときに 相 談 する 人 はいますか 1.はい 6 人 2.いいえ 8 人 ( はい と 回 答 した6 人 について) 相 談 相 手 は 誰 ですか( 複 数 回 答 ) 1. 支 援 者 5 人 2. 家 族 や 親 戚 1 人 3. 友 人 知 人 2 人 4. 役 場 の 人 3 人 5. 0 人 2お 金 のやりくりで 困 ることはありますか 1.はい 9 人 2.いいえ 5 人 ( はい と 回 答 した9 人 について) 何 でお 困 りですか( 複 数 回 答 ) 1. 生 活 保 護 費 が 支 給 される 前 にお 金 が 足 りなくなる 2 人 2. 貯 金 したくてもできない 5 人 3. 趣 味 など 好 きなことにお 金 が 使 えない 5 人 4. 借 金 問 題 が 未 解 決 2 人 5. 2 人 3 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけていますか 1.つけている 3 人 2.ときどきつけている 1 人 3.つけていない 10 人 ( つけていない と 回 答 した10 人 について)これまではいかがでしたか( 複 数 回 答 ) 1. 以 前 はつけていたが 今 はつけていない 2 人 2.これまでに 全 くつけたことがない 5 人 4 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけてみたいですか 1.はい 6 人 2.いいえ 7 人 ( はい と 回 答 した6 人 について) 家 計 簿 をつけたい 理 由 は 何 ですか( 複 数 回 答 ) 1. 生 活 保 護 費 の 支 給 前 にも 余 裕 がほしいから 2 人 2. 貯 金 したいから 2 人 3. 趣 味 など 好 きなことにお 金 を 使 いたいから 4 人 4. 目 標 があるから 3 人 5. 0 人 ( いいえ と 回 答 した7 人 について)どんな 方 法 なら 代 わりにやってみたいですか( 複 数 回 答 ) 1.レシートを 集 める( 集 計 は 別 の 人 にやってもらう) 1 人 2. 家 賃 などの 支 払 いは 他 の 人 に 任 せ 残 ったお 金 を 自 由 に 使 いたい 0 人 3. 封 筒 を 使 った 管 理 など 家 計 簿 やこづかい 帳 への 記 入 以 外 の 方 法 3 人 4. 1 人

6 6 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か ビスやたばこ 等 が 含 まれるが 第 Ⅰ 五 分 位 階 の 平 均 が18,456 なのに 対 し 被 保 護 単 身 世 帯 では 10,619 と 低 いことが 特 徴 的 である 3-6 お 金 のやりくり アンケート: 生 活 保 護 受 給 等 の 経 験 がある 単 身 次 に 家 計 管 理 支 援 のニーズを 探 るため 路 上 生 活 や 生 活 保 護 受 給 経 験 等 のある 単 身 の14 人 にアンケート 調 査 を 実 施 した 協 力 頂 いたのは 愛 知 県 名 古 屋 市 内 の 野 宿 者 ホームレスの 支 援 団 体 O 会 であり アパート 生 活 に 移 行 した 人 を 食 事 会 や 交 流 会 を 開 催 するなどして 支 援 を 行 っている 2012 年 3 月 4 日 に 開 催 された 食 事 会 の 参 加 者 が 今 回 の 対 象 者 であり 年 代 は40 歳 代 以 下 が4 人 50 歳 代 が2 人 60 歳 代 が4 人 70 歳 代 以 上 が4 人 であ る 生 活 保 護 受 給 中 が11 人 現 在 は 受 けていない が 以 前 に 受 けていた 人 が2 人 受 給 経 験 がない 人 が1 人 である 住 まいは1 人 を 除 く13 人 がア パートで 生 活 している 表 7( お 金 のやりくり アンケート: 路 上 生 活 及 び 生 活 保 護 受 給 経 験 等 の ある 単 身 14 人 )は 対 象 者 に1から14までの 番 号 を 割 り 当 て それぞれの 回 答 を 一 覧 にまとめ たものである 以 下 その 内 容 を 紹 介 する お 金 について 困 ったときの 相 談 相 手 お 金 に 困 ったときに 相 談 できる 人 の 有 無 を 質 問 したところ 相 談 できる 人 がいる が6 人 相 談 できる 人 がいない が8 人 だった 相 談 できる 人 がいる6 人 について 相 談 相 手 を 複 数 回 答 で 尋 ねたところ 支 援 者 5 人 役 場 の 人 3 人 友 人 知 人 2 人 家 族 や 親 戚 1 人 であった お 金 のやりくりで 困 ること お 金 のやりくりで 困 った 経 験 がある 人 は9 人 困 ったことのない 人 は5 人 だった 困 った 経 験 の ある9 人 中 過 半 数 の5 人 が 貯 金 したくてもで きない そして 趣 味 など 好 きなことにお 金 が 使 えない と 回 答 した ている が3 人 ときどきつけている が1 人 という 結 果 だった 一 方 家 計 簿 をつけてみたい と 興 味 のある 人 は 全 体 で6 人 おり 趣 味 など 好 きなことにお 金 を 使 ってみたい 4 人 目 標 が ある 3 人 と その 理 由 を 複 数 回 答 で 選 んでいた 次 に 家 計 簿 やこづかいをつけていない7 人 の うち3 人 が 封 筒 を 使 った 管 理 など 家 計 簿 やこ づかい 帳 への 記 入 以 外 の 方 法 ならやってみたい と 答 えた 自 由 記 述 欄 で 興 味 深 かった 回 答 に 家 計 簿 をつける 代 わりのお 金 のやりくりとして 八 百 屋 を 活 用 している 人 の 記 述 があった 補 足 して 実 施 した 支 援 者 からのヒアリングによると 社 会 生 活 を 営 むことに 困 難 が 伴 う 精 神 障 害 のある 人 との ことで 食 事 代 を1ケ 月 まとめて 八 百 屋 に 渡 して 毎 回 使 った 金 額 はその 八 百 屋 がノートに 記 入 して 見 せてもらうようにしていた 私 たちの 生 活 に 必 要 な 食 費 をまず 確 保 するという 意 味 では 大 変 現 実 的 な 対 応 であり 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけなく ても 支 援 者 に 相 談 するなどして 自 分 なりの お 金 のやりくり 術 が 定 着 している 好 例 といえよう 3-7 お 金 のやりくり アンケート: 大 学 生 路 上 生 活 や 生 活 保 護 受 給 経 験 等 のある 単 身 とは 生 活 背 景 が 異 なるものの 一 人 暮 らしなどの 住 まい 方 や 性 別 による 検 討 が 可 能 と 考 えられるこ とから 2012 年 4 月 に 大 学 生 に 対 する 類 似 のアン ケートを 実 施 した 対 象 となったのは2つの 大 学 に 通 う93 人 で 33 人 60 人 であり 各 大 学 別 の 特 徴 は 下 記 の 通 りである 家 政 学 部 3 年 生 科 目 消 費 者 政 策 と 法 履 修 生 21 人 全 員 が 家 族 と 同 居 している 学 生 が19 人 一 人 暮 らしが2 人 教 育 学 部 2~4 年 生 科 目 消 費 生 活 論 履 修 生 33 人 (45.8 ) 39 人 (54.2 ) 計 72 人 () 62.5の 学 生 が 一 人 暮 らしをしており そ のうち69.7を が 占 める 家 計 簿 やこづかい 帳 の 記 帳 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけているかを 尋 ねる と つけていない 人 が10 人 と 一 番 多 く つけ お 金 について 困 ったときの 相 談 相 手 お 金 のやりくりで 困 ったときに 相 談 相 手 がいる 人 は81 人 (89.0) いない 人 は10 人 (11.0)で

7 小 野 由 美 子 7 大 学 性 別 学 年 住 まい 方 別 とも 違 いはなかっ た 相 談 する 人 がいる 場 合 の 相 手 をみると( 複 数 回 答 ) 家 族 や 親 戚 78 人 (95.1) 友 人 知 人 23 人 (28.0) ファイナンシャルプランナーなど の 専 門 家 1 人 (1.2)という 結 果 であった お 金 のやりくりで 困 ること お 金 のやりくりで 困 ることがあるのは50 人 学 年 (54.3)で 大 学 性 2 年 別 生 住 3 年 まい 生 方 4 年 別 生 では 大 き な 違 A 大 いはなく 学 学 年 では2 年 生 に 困 った 人 が 過 半 数 を 超 える 相 違 がみられたが χ2 検 定 による 差 は 認 められなかった 困 っている 人 にその 内 容 を 尋 ねたところ( 複 数 回 答 ) 貯 金 したくてもでき ない 32 人 (61.5)が 一 番 多 く 収 入 がある 前 にお 金 が 足 りなくなる 24 人 (46.2) 趣 味 など 好 きなことにお 金 が 使 えない 23 人 (44.2) と 続 き 借 金 問 題 が 未 解 決 が1 人 (1.9)いた 家 計 簿 やこづかい 帳 の 記 帳 住 まい 方 家 族 と 一 人 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけているか 尋 ねたと 同 居 暮 らし ころ つけている 12 人 (12.9) ときどき つけている 21 人 (22.6) つけていない 60 表 8-1 お 金 のやりくり アンケート: 学 72生 93 人 33 人 (35.5) 人 4(64.5) 72 計 計 表 学 年 年 生 年 生 年 生 合 計 計 住 まい 47 方 家 族 45.2 と 同 居 一 50.5 人 暮 らし お 金 のやりくりで 困 ったときに 相 談 する 人 はいますか 大 学 別 はい いいえ 性 別 はい いいえ 学 年 別 はい いいえ 住 まい 方 別 はい いいえ 大 学 別 はい23 いいえ 2 25 性 別 はい15 いいえ 年 生 家 族 と 同 居 年 生 一 人 暮 らし 年 生 学 年 別 はい いいえ 住 まい 方 別 はい いいえ 1( はい と 回 答 した 人 について) 23相 談 相 手 は 2誰 ですか( 25 複 数 回 答 ) 年 生 家 族 と 同 居 大 学 別 家 族 や 親 92.0 戚 友 人 知 人 8.0 FP 等 性 別 家 族 や 親 57.7 戚 友 人 知 42.3 人 FP 等 年 生 一 暮 らし 19 人 人 年 人 生 人 合 人 計 人 ( はい と 学 年 別 回 答 した 人 家 について) 族 や 親 戚 友 相 人 談 相 知 手 人 は 誰 FP ですか( 等 複 数 回 答 ) 住 まい 方 別 家 族 や 親 戚 友 人 知 人 FP 等 2 年 生 大 学 別 家 族 や 親 22戚 友 人 知 3人 FP 等 0 家 族 と 同 居 性 別 家 族 や 親 35戚 友 人 知 9人 FP 等 1 23 A 大 人 学 人 年 19 生 人 一 人 28 暮 らし 人 B 大 人 学 人 年 63 生 人 その 54 他 人 合 人 計 合 人 計 合 82 計 人 合 82 計 人 人 人 学 年 別 家 族 や 親 戚 友 人 知 人 FP 等 住 まい 方 別 家 族 や 親 戚 友 人 知 人 FP 等 2 年 生 家 族 と 同 居 人 人 年 生 一 人 暮 らし 人 人 年 生 人 人 計 合 計

8 8 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か 表 8-3 2お 金 のやりくりで 困 ることはありますか 大 学 別 はい いいえ 性 別 はい いいえ 学 年 別 はい いいえ 住 まい 方 別 はい いいえ 2 年 生 3 年 生 4 年 生 家 族 と 同 居 一 人 暮 らし ( はい と 回 答 した 人 について) 何 でお 困 りですか( 複 数 回 答 ) 大 学 別 収 入 前 の 貯 金 好 きに 収 入 前 の 貯 金 好 きに 借 金 問 題 性 別 不 足 できない 使 えない 不 足 できない 使 えない 借 金 問 題 人 人 人 人 人 人 学 年 別 収 入 前 の 貯 金 好 きに 収 入 前 の 貯 金 好 きに 借 金 問 題 住 まい 方 別 不 足 できない 使 えない 不 足 できない 使 えない 借 金 問 題 2 年 生 家 族 と 同 居 人 人 年 生 一 人 暮 らし 人 人 年 生 人 人 人 人 表 家 計 簿 やこづかい 帳 をつけていますか 大 学 別 はい ときどき いいえ 大 学 別 はい ときどき いいえ 学 年 別 はい ときどき いいえ 住 まい 方 別 はい ときどき いいえ 2 年 生 3 年 生 4 年 生 家 族 と 同 居 一 人 暮 らし ( いいえ と 回 答 した 人 について)これまではいかがでしたか( 複 数 回 答 ) 以 前 全 くつけた 以 前 全 くつけた 大 学 別 性 別 つけていた ことない つけていた ことない 人 人 人 人 人 人 以 前 全 くつけた 以 前 全 くつけた 学 年 別 住 まい 方 別 つけていた ことない つけていた ことない 2 年 生 家 族 と 同 居 人 人 年 生 一 人 暮 らし 人 人 年 生 人 人 人 人

9 小 野 由 美 子 9 表 家 計 簿 やこづかい 帳 をつける 利 点 はあると 考 えますか 大 学 別 はい いいえ 性 別 はい いいえ 学 年 別 はい いいえ 住 まい 方 別 はい いいえ 2 年 生 3 年 生 4 年 生 家 族 と 同 居 一 人 暮 らし ( はい と 回 答 した 人 について)その 理 由 は 何 ですか( 複 数 回 答 ) 収 入 前 の 貯 金 好 きに 目 標 が 収 入 前 の 貯 金 好 きに 目 標 が 大 学 別 性 別 余 裕 できる 使 える もてる 余 裕 できる 使 える もてる 人 人 人 人 人 人 収 入 前 の 貯 金 好 きに 目 標 が 収 入 前 の 貯 金 好 きに 目 標 が 学 年 別 住 まい 方 別 余 裕 できる 使 える もてる 余 裕 できる 使 える もてる 2 年 生 家 族 と 同 居 人 人 年 生 一 人 暮 らし 人 人 年 生 人 人 人 人 ( いいえ と 回 答 した 人 について)どんな 方 法 なら 代 わりにやってみたいですか( 複 数 回 答 ) レシート こづかいの レシート こづかいの 大 学 別 封 筒 管 理 性 別 集 め 範 囲 で 集 め 範 囲 で 封 筒 管 理 人 人 人 人 人 人 レシート こづかいの レシート こづかいの 学 年 別 封 筒 管 理 住 まい 方 別 集 め 範 囲 で 集 め 範 囲 で 封 筒 管 理 2 年 生 家 族 と 同 居 人 人 年 生 一 人 暮 らし 人 人 年 生 人 人 人 人 人 (64.5)だった 大 学 学 年 住 まい 方 別 に よる 差 は 認 められなかったが 性 別 では の 方 が 有 意 に 記 帳 をしていた(χ 2 =11.960,df=2, p<0.01) 女 子 大 学 生 を 対 象 にした 色 川 (2008) から 新 たな 生 活 を 迎 えて 相 対 的 に 時 間 が 経 過 し ていない 低 学 年 や 一 人 暮 らしをしている 学 生 に 記 帳 している 人 が 多 いと 予 想 していたが 今 回 の 調 査 でははっきりとした 違 いは 見 受 けられなかっ た 本 調 査 では に 一 人 暮 らしが 多 く その は に 比 べて 記 帳 していなかったことも 影 響 していると 考 えられる 記 帳 したことがない 人 に 過 去 に 記 帳 経 験 がな いか 聞 いたところ 以 前 はつけていたが 今 は つけていない 29 人 (48.3) これまでに 全 く つけたことがない 31 人 (51.7)という 結 果 で あり この 傾 向 は 大 学 性 別 学 年 住 まい 方 に よる 違 いはなかった 最 後 に 記 帳 するメリットの 有 無 について 全 員 に 尋 ねたところ はい(ある) との 回 答 が85 人 と92.4を 占 め その 理 由 を 目 標 がもてるから と44 人 の 過 半 数 が 回 答 した 一 方 で 記 帳 の 利 点 を 感 じない7 人 については そのうち4 人 が 封

10 10 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か 筒 を 使 った 管 理 など 家 計 簿 やこづかい 帳 への 記 入 以 外 の 方 法 を 代 替 案 として 選 択 した 若 年 単 身 家 計 に 関 する 先 行 研 究 ( 家 計 経 済 研 究 所 2012) でも 8 割 の 人 が 貯 蓄 目 的 をもっていても 必 ずし も 計 画 的 な 家 計 管 理 が 行 われていなかった 今 回 の 学 生 アンケートでも 同 様 に 記 帳 の 重 要 性 は 認 めながらも 行 動 に 結 びついていない 傾 向 がみら れた 生 活 保 護 受 給 等 の 経 験 がある 単 身 との 関 わりで 生 活 保 護 受 給 等 の 経 験 がある 単 身 と 学 生 に ついては 生 活 背 景 の 違 いや 調 査 対 象 者 数 の 制 約 とりわけ 当 事 者 の 人 数 の 少 なさから 単 純 な 比 較 は できないが お 金 のやりくりで 困 ったときの 相 談 相 手 として 家 族 が9 割 以 上 を 占 める 学 生 に 対 し 被 保 護 単 身 は 支 援 者 への 相 談 が 過 半 数 と 最 も 多 いのが 印 象 的 であった やりくりに 困 った 経 験 も 当 然 のことながら 被 保 護 単 身 の 方 が 多 く 14 人 中 9 人 いるのに 対 し 学 生 は54.3に 留 まっ ている 家 計 簿 やこづかい 帳 を 記 帳 していない 学 生 は64.5 とりわけ 男 子 学 生 では84.8に 上 る が 被 保 護 単 身 も14 人 中 10 人 が 該 当 した 一 方 で 学 生 の92.4は 記 帳 の 意 義 を 感 じており 目 標 が 立 てられるからと 考 える 学 生 が や4 年 生 に 比 較 的 多 い 記 帳 してみたいと 回 答 した6 人 の 被 保 護 単 身 をみると 趣 味 など 好 きなこ とにお 金 をつかいたいから 4 人 目 標 がある から 3 人 と その 理 由 を 回 答 している( 複 数 回 答 ) 記 帳 を 希 望 しない7 人 についても 3 人 は 封 筒 を 使 った 管 理 など 家 計 簿 やこづかい 帳 へ の 記 入 以 外 の 方 法 を 代 替 案 として 選 択 している このことから の 方 が 家 計 簿 等 の 記 帳 が 習 慣 と して 馴 染 みにくいものの 目 標 があると 記 帳 の 意 義 は 高 まり また 記 帳 を 希 望 しなくても 代 替 手 段 の 提 案 は 一 定 の 効 果 が 期 待 できることがうかがえ る 生 活 保 護 受 給 等 の 経 験 がある 単 身 の 家 計 管 理 支 援 の 場 面 でも 参 考 にできる 視 点 だろう 3-8 支 援 者 インタビューから: 家 計 管 理 支 援 のあり 方 に 関 しての 要 望 前 述 の 路 上 生 活 者 の 支 援 団 体 O 会 で 活 動 する 支 援 者 に 家 計 管 理 に 関 わる 生 活 支 援 について 意 見 を 聴 取 した その 内 容 と 考 察 は 下 記 の 通 りである 家 計 管 理 の 目 的 方 法 お 金 のやりくりに 役 立 つ 家 計 簿 やこづかい 帳 に よる 家 計 管 理 術 の 紹 介 をしてほしい 子 細 な 費 目 を 用 いらずに 場 合 によっては 封 筒 管 理 等 の 代 替 方 法 を 提 案 することも 方 法 ではないか 家 計 簿 を つける 目 的 やメリット 留 意 点 をあわせて 提 示 し てほしい: 例 えば 家 計 簿 をつける 利 点 としては 収 支 の 流 れが 把 握 できることで 保 護 費 を 受 け 取 る 直 前 でも 普 段 と 変 わらない 食 事 ができる 趣 味 や 好 きな ものに 罪 悪 感 を 抱 くことなくお 金 を 使 うことが できる お 金 で 困 ったことが 起 きてもその 理 由 を 伝 える 説 明 材 料 ができる 予 算 をもとにお 金 を 使 うことが 自 信 につながり お 金 に 使 われて いる 立 場 から 自 分 がお 金 を 使 う 立 場 に 変 わる ことで 心 の 豊 かさが 実 感 できる といった 情 報 提 供 をした 上 で そのための 有 効 なツールとして の 家 計 簿 あるいはそれが 難 しい 場 合 には 封 筒 管 理 術 などの 提 案 が 効 果 的 である 一 定 の 期 間 で 集 計 をし 実 態 にあわせて 予 算 を 立 て 直 すといった 一 連 のサイクルを 支 援 することで 当 事 者 が 家 計 管 理 を 継 続 する 可 能 性 が 一 層 高 まるだろう 生 活 保 護 制 度 や 年 金 健 康 保 険 等 との 関 連 生 活 保 護 を 受 けていても 急 な 出 費 や 将 来 に 備 え て 貯 金 することは 許 されるのか 生 活 保 護 費 は 毎 月 使 い 切 るべきなのか どのくらいの 貯 金 がある と 収 入 認 定 されるのかについて 生 活 保 護 の 運 用 状 況 を 踏 まえた 助 言 が 求 められる 関 連 して 年 金 や の 社 会 保 障 費 による 収 入 の 管 理 方 法 も 当 事 者 にとって 大 きな 関 心 事 である: 食 費 を 極 端 に 削 ってまで 貯 金 をすることは 健 康 を 害 するなどの 恐 れがあること 生 活 保 護 費 は 最 低 生 活 費 を 保 障 するための 支 給 で 貯 金 までを 想 定 した 余 裕 のある 水 準 ではないことを 確 認 する 必 要 があるだろう 保 護 費 を 毎 月 使 い 切 るべきか という 問 いに 対 しては 保 有 の 認 められない 物 品 購 入 のために 貯 金 する 場 合 を 除 いたとしても 不

11 小 野 由 美 子 11 時 の 備 えや 次 に 保 護 費 を 受 け 取 るまでに 均 して 使 うための 多 少 の 余 裕 は 人 間 らしい 自 然 な 経 済 状 態 であるといえる 保 護 費 のやりくりで 生 じた 貯 金 は 収 入 認 定 されないが 貯 金 について 説 明 を 求 められた 場 合 は その 目 的 をきちんと 説 明 すれ ばよく 家 計 簿 をつけている 場 合 はそれを 証 拠 資 料 として 提 示 することを 助 言 してもよいだろう 年 金 は 全 額 収 入 認 定 されること 生 活 保 護 は 毎 月 支 給 されるのに 対 し 年 金 は 隔 月 の 支 払 いなので 取 り 扱 いに 工 夫 が 必 要 であり その 点 を 留 意 した 支 援 が 求 められる 借 金 や 滞 納 問 題 との 関 連 借 金 問 題 の 解 決 生 活 保 護 利 用 前 に 滞 納 してい た 住 民 税 や 国 民 健 康 保 険 料 の 取 り 扱 い 生 活 福 祉 資 金 貸 付 制 度 といった 公 的 な 低 利 融 資 制 度 の 紹 介 とその 留 意 点 を 示 してほしい: 生 活 保 護 の 申 請 段 階 では 借 金 の 法 的 解 決 も 並 行 させることが 望 ましく 任 意 整 理 特 定 調 停 個 人 再 生 自 己 破 産 について 説 明 される 機 会 を 設 け る 必 要 がある 貸 金 業 者 からの 借 入 は5 年 で 時 効 成 立 するものの 時 効 の 援 用 通 知 を 相 手 側 に 送 る 手 続 きが 必 要 だったり 時 効 成 立 までに 少 額 でも 返 済 をしたり 返 済 する 意 思 表 示 をしたりするこ とで 時 効 は 停 止 あるいは 中 断 されることにも 留 意 する 社 会 保 険 料 や 税 金 の 滞 納 については 生 活 保 護 受 給 証 明 書 を 社 会 福 祉 事 務 所 に 発 行 してもら い それを 該 当 する 役 所 の 窓 口 へ 提 出 で 執 行 処 分 が 停 止 されるので 将 来 勤 労 収 入 が 増 えて 生 活 保 護 を 受 けずに 生 活 ができるようになったら 返 済 するなどの 助 言 が 可 能 である 耐 久 消 費 財 の 購 入 生 活 保 護 を 受 けている 場 合 携 帯 電 話 やエアコ ンを 所 有 する 際 の 留 意 点 が 気 になるところであ る 親 族 の 葬 儀 に 出 席 するための 交 通 費 の 取 り 扱 いに 言 及 してほしい: 就 労 や 年 金 による 収 入 がある 人 については エ アコンや 暖 房 設 備 の 購 入 にあたって 生 活 福 祉 資 金 貸 付 制 度 が 活 用 できる 貸 付 金 を 利 用 しても 収 入 として 認 定 されず その 返 還 分 が 収 入 から 控 除 さ れることにより 生 活 保 護 費 からやりくりをする といった 実 施 的 な 負 担 はない 一 方 で 生 活 保 護 費 だけで 生 活 する 人 にはこの 制 度 が 活 用 できない という 制 度 的 な 不 備 が 指 摘 されている また エ アコン 等 の 本 体 価 格 に 加 え 設 置 費 用 も 見 込 まなく てはいけないし 発 生 する 電 気 料 金 は 支 給 される 保 護 費 から 支 払 うことに 留 意 する 必 要 がある 生 活 保 護 には 臨 時 的 に 支 払 われる 生 活 費 とし て 被 服 費 家 具 什 器 費 移 送 費 入 学 準 備 金 な どがあるが 配 偶 者 や 三 親 等 以 内 の 血 族 もしく は 二 親 等 以 内 の 姻 族 の 葬 儀 に 参 加 する 場 合 も 必 要 最 小 限 度 の 交 通 費 宿 泊 料 飲 食 物 費 が 移 送 費 として 支 給 され この 移 送 費 は 転 居 や 入 退 院 の 際 などにも 適 用 されることから 必 要 に 応 じて 社 会 福 祉 事 務 所 に 相 談 することが 望 ましい 4. 考 察 4-1 被 保 護 単 身 と 学 生 を 対 象 にしたアン ケートから 被 保 護 単 身 のアンケート 結 果 をみると お 金 のやりくりで 困 った 場 合 支 援 者 や 役 所 に 相 談 している 家 族 への 相 談 が 難 しくても 社 会 とつ ながっている 今 回 の 調 査 対 象 者 は 問 題 が 生 じても 比 較 的 対 応 が 早 く その 結 果 深 刻 な 事 態 を 招 か ずに 済 んでいる 八 百 屋 を 活 用 していた 事 例 から も 子 細 な 費 目 から 構 成 される 家 計 簿 記 帳 をせず とも 当 事 者 に 適 したお 金 の 管 理 の 工 夫 が 可 能 で ある 学 生 アンケートの 結 果 から は 家 計 簿 の 記 帳 を に 比 べて 熱 心 でない 傾 向 があり 被 保 護 単 身 向 けのアンケートでも 封 筒 管 理 と いった 代 替 案 を 回 答 した 人 がいたことから 記 帳 以 外 の 家 計 管 理 支 援 の 充 実 が 被 保 護 単 身 に 求 められている 家 計 経 済 研 究 所 (2012)においても あまり 費 目 立 てのない 簡 易 なものでも 記 帳 をしてみること で 家 計 管 理 の 基 本 事 項 ともいえる 収 入 を 意 識 し た 支 出 や 予 算 立 てを 意 識 化 し 実 行 することがで き 家 計 簿 記 帳 は 実 態 の 把 握 だけではなく 家 計 管 理 態 度 獲 得 にも 効 果 がある と 指 摘 している そして 一 定 期 間 家 計 記 帳 を 行 った 後 に 実 態 の 問 題 把 握 だけでなく その 改 善 方 法 として 予 算 立 て を 行 うことや 貯 蓄 目 的 の 確 認 を 誘 導 し 家 計 管 理 を 通 して 現 在 の 生 活 と 将 来 の 生 活 を 結 ぶ 機 会 が 重

12 12 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 とは 何 か 要 とある 記 帳 を 続 けて 自 身 の 生 活 スタイルを 確 認 し それを 踏 まえて 予 算 立 てし 貯 蓄 目 的 を 確 認 することで 将 来 を 考 えるきっかけにする またそれが 今 の 生 活 を 意 識 して 過 ごす 機 会 とな る 問 題 があるから あるいは 状 況 を 把 握 できる からという 理 由 だけで 家 計 簿 の 記 帳 を 支 援 するの ではなく 将 来 を 志 向 した 取 り 組 みが 重 要 なのだろ う 4-2 支 援 者 のヒアリングから 生 活 保 護 を 受 け アパートなど 住 居 環 境 が 確 保 できた 後 当 事 者 の 生 活 の 質 を 高 めるために 欠 か せないのが 家 計 管 理 であり その 継 続 的 な 支 援 が 求 められている 家 計 管 理 支 援 の 機 会 は 今 回 紹 介 した 支 援 団 体 であるO 会 が 開 催 する 食 事 会 あ るいは 定 期 的 な 相 談 会 とセットする 形 が 支 援 に 結 びつきやすいだろう わざわざ 出 向 くよりは つ いでに 家 計 の 話 も といった 仕 組 みづくりが 支 援 の 継 続 性 を 強 化 するものと 期 待 できる 日 常 的 に 受 ける 相 談 領 域 である 就 労 や 住 居 医 療 介 護 障 害 と 関 わらせながらの 家 計 管 理 支 援 が 現 実 的 で ある そして 見 通 しをもって 家 計 管 理 をするため には その 期 間 となる 単 位 を 徐 々に 伸 ばして いくことが 効 果 的 である 毎 日 いくら 使 う といっ たところから1 週 間 1 週 間 でも 平 日 と 週 末 を 分 けて 考 え そして1ヶ 月 間 単 位 で 管 理 ができるま で 寄 り 添 う 伴 走 者 の 存 在 が 金 銭 管 理 の 支 援 には 欠 かせない 4-3 おわりに 本 稿 では 生 活 保 護 を 受 給 している 単 身 世 帯 は 政 府 統 計 でも 交 通 通 信 教 養 娯 楽 等 の 支 出 が 一 般 単 身 世 帯 に 比 べて 少 なく 限 定 的 な 社 会 生 活 を 送 っている 実 態 を 指 摘 した 家 計 の 規 模 も 生 活 扶 助 と 住 宅 扶 助 等 の 範 囲 と 限 られており 一 般 の 世 帯 に 比 べて 家 計 簿 記 帳 による 節 約 や 貯 金 による 金 銭 的 な 目 標 達 成 の 幅 はあまり 大 きくな いかもしれないが 主 体 性 をもち 管 理 できてい るという 自 信 成 功 体 験 の 積 み 重 ねが 生 活 の 質 の 向 上 につながるのではないだろうか そのた めには 家 計 簿 記 帳 を 契 機 とした 生 活 支 援 のタイ ミングが 定 期 的 にあることが 望 まれる 5) さらに 法 的 に 借 金 を 整 理 する 際 にも 共 通 する ことであるのだが 自 分 や 家 族 他 者 への 説 明 資 料 として 家 計 簿 が 位 置 づけられる 側 面 が 生 活 保 護 受 給 世 帯 には 一 般 世 帯 以 上 にあると 考 えられ る 家 計 簿 の 記 帳 が 消 費 生 活 に 関 わる 具 体 的 で 積 極 的 な 説 明 材 料 になりうるのである 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 審 議 会 生 活 困 窮 者 の 生 活 支 援 の 在 り 方 に 関 する 特 別 部 会 の 報 告 書 6)で は 生 活 困 窮 者 の 生 活 力 を 高 めるために 家 計 相 談 の 支 援 が 検 討 され 新 たな 相 談 支 援 事 業 と 関 係 機 関 のネットワーク のイメージ 図 (11ページ) の 中 にも 家 計 相 談 支 援 事 業 者 が 組 み 込 まれてい る 6. 家 計 再 建 に 向 けた 支 援 の 強 化 について (27ページ)では 方 自 治 体 が 域 の 実 情 に 応 じて 直 接 これを 行 うことができるようにするほ か 域 の 社 会 資 源 を 踏 まえ 社 会 福 祉 協 議 会 や 消 費 生 活 協 同 組 合 等 の 貸 付 機 関 等 に 委 託 できるよ うにすることが 必 要 とある しかし 公 的 な 制 度 である 社 会 福 祉 協 議 会 が 実 施 する 日 常 生 活 自 立 支 援 事 業 ( 旧 域 権 利 擁 護 事 業 )の 日 常 的 金 銭 管 理 サービスについては 利 用 料 が 割 高 で 敷 居 が 高 いと 考 える 当 事 者 もいる 生 活 保 護 受 給 者 が 利 用 する 場 合 実 施 主 体 である 社 会 福 祉 協 議 会 は 費 用 の 徴 収 をしないことから 事 業 として 成 立 しがた いとも 聞 く 生 活 保 護 費 に 家 計 の 管 理 費 に 関 わる 扶 助 が 付 加 されるのも 方 法 だが 支 援 者 がどこま で いつまで 手 伝 うかを 含 めて 生 活 保 護 受 給 者 への 家 計 管 理 支 援 が 継 続 的 に 事 業 として 成 立 する 仕 組 みが 必 要 である 今 回 は 生 活 保 護 受 給 者 に 必 要 な 家 計 管 理 支 援 に ついて とりわけ 単 身 に 着 目 をして 検 討 した が 今 後 の 研 究 課 題 としては 生 活 福 祉 資 金 の 利 用 者 や 児 童 扶 養 手 当 等 を 受 給 している 母 子 家 庭 な どとの 関 連 で 検 討 することで より 広 範 な 当 事 者 の 生 活 の 質 と 社 会 保 障 制 度 の 実 効 性 の 向 上 に 寄 与 できるものと 考 える 注 1) 厚 生 労 働 省 厚 生 労 働 白 書 ( 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 ) 被 保 護 者 調 査 ( 平 成 24 年 6 月 分 ) 2)Quality of life(qol): 日 常 生 活 や 社 会 生 活

13 小 野 由 美 子 13 のあり 方 を 自 らの 意 思 で 決 定 し 生 活 の 目 標 や 生 活 様 式 を 選 択 できることであり 本 人 が 身 体 的 精 神 的 社 会 的 文 化 的 に 満 足 でき る 豊 かな 生 活 を 指 す( 厚 生 労 働 省 障 害 者 児 施 設 のサービス 共 通 評 価 基 準 ) 3) 小 野 由 美 子 (2011)(2012) 多 重 債 務 者 問 題 からみた 社 会 福 祉 のあり 方 研 究 会 (2010) 4)ここでの 女 は 例 示 に 過 ぎず 最 低 生 活 費 の 計 算 に 性 別 の 相 違 は 関 係 ない 5) 社 会 保 障 審 議 会 生 活 困 窮 者 の 生 活 支 援 の 在 り 方 に 関 する 特 別 部 会 報 告 書 h t t p : / / w w w. m h l w. g o. j p / s t f / s h i n g i / 2r tpzu.html 6)その 試 みとして 新 宿 区 福 祉 事 務 所 が 被 保 護 者 自 立 促 進 事 業 プロジェクトチームを 設 置 し PO 法 人 新 宿 らいふさぽーとプラン に 委 託 し 実 施 された 支 援 が 紹 介 されている( 布 川 日 佐 史 編 生 活 保 護 自 立 支 援 プログラムの 活 用 山 吹 書 店 2006 年 ) その 社 会 生 活 バッ クアップ 講 座 の1つである お 金 の 勉 強 会 は 多 重 債 務 者 問 題 からみた 社 会 福 祉 のあり 方 研 究 会 のメンバーでもあるライフマネー 研 究 会 の 島 貫 正 人 氏 と 鈴 木 佳 江 氏 が 担 当 し その 成 果 は やりくりべたのための 家 計 管 理 術 レッ スン (ライフマネー 研 究 会 2007 年 ) や りくりべたでも 大 丈 夫! 封 筒 7 枚!かんたん 家 計 管 理 術 (PHP 研 究 所 2009 年 )として 刊 行 されている 文 献 1) 厚 生 労 働 省 厚 生 労 働 白 書 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 2) 厚 生 労 働 省 被 保 護 者 調 査 平 成 24 年 12 月 分 hihogosya/m2012/12.html 3) 小 野 由 美 子 名 川 勝 鈴 木 佳 江 知 的 障 害 者 を 対 象 にした 消 費 者 教 育 特 別 支 援 学 校 等 に おける 家 計 管 理 技 術 の 向 上 を 目 的 とした 支 援 プログラム 消 費 者 教 育 第 31 冊 頁 2011 年 4) 小 野 由 美 子 要 支 援 消 費 者 への 消 費 者 教 育 の 現 状 と 課 題 消 費 者 教 育 第 32 冊 頁 2012 年 5) 多 重 債 務 者 問 題 からみた 社 会 福 祉 のあり 方 研 究 会 上 手 に 使 って 豊 かなくらし 知 的 障 害 者 の 金 銭 管 理 支 援 のために 2010 年 6) 厚 生 労 働 省 被 保 護 者 全 国 一 斉 調 査 平 成 22 年 度 h t t p : / / w w w. e - s t a t. g o. j p / S G 1 / e s t a t / GL do?_toGL _&tstatCode= &requestSender=search 7) 厚 生 労 働 省 社 会 保 障 生 計 調 査 平 成 22 年 度 do?tid= ) 色 川 卓 男 家 計 簿 からみた 女 子 大 学 生 の 経 済 生 活 と 家 計 簿 記 帳 の 金 融 経 済 教 育 上 の 意 義 について クォータリー 生 活 福 祉 研 究 通 巻 67 号,Vol.17,o 頁 2008 年 9) 家 計 経 済 研 究 所 ひとり 暮 らしの 若 者 と 家 計 簿 インターネット 調 査 による 若 年 単 身 家 計 と 家 計 管 理 2012 年 ( 受 付 受 理 )