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1 公 益 社 団 法 人 日 本 経 済 研 究 センター Japan Center for Economic Research 1 年 12 月 28 日 公 表 低 金 利 の 住 宅 ローンに 潜 む 金 利 上 昇 リスク 1 減 税 効 果 切 れる 返 済 11 年 目 に 家 計 負 担 急 増 の 恐 れ 日 本 経 済 研 究 センター 金 融 研 究 班 2 ( 要 旨 ) リーマン ショック をきっかけに 急 速 に 冷 え 込 んだ 住 宅 投 資 は 最 近 の 金 利 低 下 政 府 の 購 入 支 援 策 を 追 い 風 に 持 ち 直 しつつある 政 府 の 購 入 支 援 策 の 中 でも 住 宅 ローン 減 税 は 幅 広 い 購 入 者 層 の 負 担 軽 減 につながる 例 えば 年 収 が 7 万 円 の 世 帯 では 1 年 間 で 最 大 3 万 円 弱 の 減 税 が 見 込 まれる 住 宅 ローンの 利 用 者 数 を 金 利 タイプ 別 に 集 計 すると 変 動 型 が 割 近 くを 占 める 全 期 間 固 定 を 含 め 長 期 固 定 型 のシェアもやや 高 まっているが それ 以 上 に 金 利 水 準 が 低 くて 当 初 の 返 済 額 が 少 ない 変 動 型 の 人 気 が 高 い 本 稿 では 先 行 きの 金 利 上 昇 を 仮 定 し 住 宅 ローン 減 税 も 加 味 した 月 次 返 済 額 を 試 算 した 例 えば 年 収 7 万 円 世 帯 が 3 万 円 を 借 り 入 れたケースを 考 える ローン 金 利 が 段 階 的 に 上 昇 ( 当 初 は 1.2% 1 年 後 以 降 は 2.% 年 後 以 降 は %)した 場 合 当 初 の 金 利 か らの 変 動 がない 場 合 に 比 べて 返 済 総 額 が 8% 増 えるとの 結 果 を 得 た 特 に 上 記 の 住 宅 ローン 減 税 の 適 用 期 間 から 外 れる 11 年 目 には 実 質 の 月 次 返 済 額 が 1 年 目 の 月 次 返 済 額 に 比 べて 4.% 上 昇 する その 結 果 住 宅 ローン 返 済 後 で 評 価 した 実 質 可 処 分 所 得 は 最 大 46.6% 目 減 りする 可 能 性 が ある 変 動 型 の 住 宅 ローン 金 利 は 金 利 上 昇 と 共 に 返 済 額 が 膨 らむ 諸 刃 の 剣 であることを 住 宅 ロー ン 借 入 者 が 認 識 すべきことは 言 うまでもない 一 方 超 低 金 利 環 境 が 定 着 していることを 踏 まえ ローンを 供 与 する 金 融 機 関 も 住 宅 ローンのデフォルト( 債 務 不 履 行 )を 防 ぐため 金 利 変 動 の 影 響 を 従 来 以 上 に 詳 細 かつ 丁 寧 に 説 明 することが 求 められる また 変 動 金 利 の 算 出 方 法 の 明 確 化 金 融 機 関 同 士 の 適 用 金 利 を 比 較 しやすい 仕 組 み 作 りなどを 通 じ 住 宅 ローン 金 利 の 透 明 性 を 高 めること も 住 宅 市 場 の 健 全 性 向 上 に 資 すると 言 えよう 金 融 機 関 の 個 人 向 け 貸 し 出 しにおいて 住 宅 ローン 市 場 は 中 心 的 な 役 割 を 果 たしてきた 企 業 の 資 金 需 要 が リーマン ショック 直 後 を 除 き 総 じて 弱 含 む 中 住 宅 ローン 市 場 での 顧 客 獲 得 に 力 を 入 れる 金 融 機 関 は 多 い 8 年 9 月 のリーマン ショック 以 降 住 宅 投 資 の 大 幅 な 落 ち 込 みに 対 し 政 府 は 住 宅 ローン 減 税 の 拡 充 をはじめとした 一 連 の 住 宅 購 入 支 援 策 を 講 じた また デフレ 脱 却 に 向 けた 日 銀 の 包 括 的 な 金 融 緩 和 によって 市 中 金 利 が 低 下 し 住 宅 ローン 金 利 も 既 往 最 低 水 準 まで 下 がった 政 府 の 住 宅 購 入 支 援 策 とローン 金 利 の 低 下 は 住 宅 購 入 当 初 のローン 返 済 額 を 抑 える こうし た 効 果 もあって 住 宅 着 工 戸 数 は 持 ち 直 しつつある しかし 住 宅 ローン 減 税 の 適 用 期 間 は 当 初 1 本 稿 は 1 年 12 月 2 日 時 点 で 利 用 可 能 であった 情 報 をもとに 作 成 されている 2 本 稿 は 金 融 研 究 班 川 手 伊 織 が 執 筆 し 平 田 英 明 副 主 任 研 究 員 が 監 修 した

2 1 年 間 で 終 了 する また 今 後 の 金 利 変 動 リスクを ~3 年 という 長 期 間 で 考 えた 場 合 低 下 よりも 上 昇 の 可 能 性 が 高 いと 思 われる 所 得 が 伸 び 悩 む 中 住 宅 ローン 減 税 の 効 果 が 切 れて ローン 金 利 が 上 昇 すると 家 計 の 返 済 負 担 は 急 激 に 高 まる 恐 れがある 家 計 の 可 処 分 所 得 に 占 め るローン 返 済 額 の 比 率 が 高 まれば 消 費 が 冷 え 込 み 景 気 にも 深 刻 な 影 響 を 与 えうる 本 稿 ではまず 上 記 のリスクを 定 量 的 に 捉 えるため 現 況 の 事 実 整 理 を 行 う その 上 で 世 帯 年 収 ローンの 借 入 額 返 済 方 法 返 済 期 間 金 利 変 動 パターンに 一 定 の 仮 定 を 置 き 月 次 返 済 額 のシミュレーションを 行 う 本 稿 の 構 成 は 以 下 の 通 りである 第 1 節 では 最 近 の 住 宅 投 資 の 動 向 を 振 り 返 るとともに 住 宅 ローン 金 利 の 概 要 に 触 れる 第 2 節 で 住 宅 ローン 減 税 の 減 税 額 を 試 算 する 第 3 節 で 月 次 返 済 額 の 試 算 結 果 を 示 し 減 税 額 を 加 味 した 実 質 返 済 額 の 動 きをみる 第 4 節 では 金 利 上 昇 による 住 宅 ローン 返 済 額 の 増 加 が 所 得 に 及 ぼす 影 響 を 試 算 する 第 節 では それらのリスクを 踏 まえて 金 融 機 関 に 向 けた 住 宅 ローン 市 場 に 関 する 提 言 をまとめる 第 1 節 最 近 の 住 宅 投 資 の 動 向 と 住 宅 ローン 金 利 の 概 要 (1) 緩 やかに 持 ち 直 す 住 宅 投 資 リーマン ショック 以 降 は 住 宅 投 資 も 大 きく 落 ち 込 み 住 宅 着 工 戸 数 は 年 率 換 算 で 7 万 戸 を 割 り 込 んだ( 図 表 1-1 右 ) 最 近 は 8 万 戸 台 まで 回 復 してきており 不 動 産 経 済 研 究 所 がま とめた 首 都 圏 及 び 近 畿 圏 のマンションの 販 売 動 向 においても 新 規 販 売 戸 数 が 下 げ 止 まり 不 動 産 会 社 が 抱 える 在 庫 戸 数 は 徐 々に 減 少 している( 図 表 1-2) また 都 心 への 利 便 性 が 高 い 鉄 道 の 駅 近 辺 および 都 心 一 等 地 の 物 件 は 建 設 中 でも 売 買 契 約 が 成 立 する 例 が 多 く 不 動 産 大 手 の 収 益 押 し 上 げにもつながっている 次 に 住 宅 ローン 市 場 をみると 国 内 銀 行 の 新 規 貸 出 額 は 年 をピークに 減 少 している( 図 表 1-3) 都 市 部 においては 立 地 条 件 が 良 く 比 較 的 高 額 の 物 件 が 販 売 されるが 都 心 部 以 外 にお いて 地 価 の 下 落 リーマン ショック 前 後 に 積 みあがった 在 庫 の 処 分 などにより 物 件 価 格 が 弱 含 んでいるためと 考 えられる さらに 直 近 では 金 融 機 関 による 貸 出 上 限 額 の 引 き 下 げなど ロ ーンの 審 査 基 準 を 厳 格 化 する 動 きもあり 住 宅 ローンの 新 規 貸 出 額 が 伸 び 悩 む 一 因 となっている 住 宅 ローン 貸 出 残 高 も 金 融 機 関 全 体 では 1 年 の 184 兆 円 をピークに 減 少 している ただし 国 内 銀 行 と 住 宅 金 融 支 援 機 構 ( 旧 住 宅 金 融 公 庫 )の 残 高 については 同 機 構 の 残 高 が 年 をピー クに 減 少 している 一 方 国 内 銀 行 の 残 高 は 一 貫 して 増 え 続 けている 点 が 異 なる( 図 表 1-4) こ れは1 旧 住 宅 金 融 公 庫 から 住 宅 金 融 支 援 機 構 への 独 立 行 政 法 人 移 行 に 伴 う 新 規 融 資 の 段 階 的 縮 小 とそれに 伴 う 証 券 化 業 務 への 移 行 2 低 金 利 を 背 景 にした 民 間 金 融 機 関 への 借 り 換 え 3 残 高 の 一 部 が 証 券 化 によってオフバランス 化 されたこと が 理 由 として 考 えられる 3 (2) 住 宅 ローン 金 利 の 概 要 経 済 危 機 で 収 縮 した 住 宅 市 場 の 下 支 え 役 となったのが 住 宅 ローン 適 用 金 利 の 低 下 および 住 宅 ローン 減 税 の 拡 充 をはじめとした 政 府 の 対 策 である 政 府 の 購 入 支 援 策 は 第 2 節 で 詳 しく 述 べ るので 以 下 では 住 宅 ローンの 金 利 タイプの 種 類 を 整 理 し 最 近 の 住 宅 ローンの 適 用 金 利 の 低 下 について 触 れたい 3 詳 しくは 日 本 経 済 研 究 センター 金 融 研 究 班 報 告 書 日 本 金 融 研 究 ゼロ 金 利 解 除 後 の 個 人 向 け 貸 出 市 場 第 2 章 住 宅 ローンと 金 利 上 昇 リスク を 参 照 されたい 2

3 ( 季 調 済 年 率 換 算 百 万 戸 億 m2).6 9:1 97:1 99:1 1:1 3:1 :1 7:1 9:11:3 図 表 1-1 新 設 住 宅 着 工 戸 数 と 床 面 積 着 工 新 設 住 宅 戸 数 着 工 新 設 住 宅 床 面 積 資 料 ) 国 土 交 通 省 住 宅 着 工 統 計 ( 四 半 期 ) ( 季 調 済 年 率 換 算 万 戸 ) /1 9/4 9/1 1/4 1/1 ( 月 次 ) 図 表 1-2 マンションの 販 売 動 向 14, ( 戸 ) < 首 都 圏 > < 近 畿 圏 > 7, ( 戸 ) 12, 6, 1,, 8, 4, 6, 3, 4, 2, 2, ( 月 次 ) 1, ( 月 次 ) /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/11/1 /1 6/1 7/1 8/1 9/1 1/11/1 マンション 在 庫 戸 数 マンション 新 規 販 売 戸 数 資 料 ) 不 動 産 経 済 研 究 所 首 都 圏 のマンション 市 場 動 向 近 畿 圏 のマンション 市 場 動 向 図 表 1-3 住 宅 ローンの 新 規 貸 出 額 ( 国 内 銀 行 ) ( 兆 円 ) 金 額 前 年 比 ( 右 目 盛 ) ( 前 年 比 %) ( 兆 円 ) ( 前 年 比 %) ( 年 度 ) :1 2:1 4:1 6:1 8:1 1:1 1:3 ( 四 半 期 ) 資 料 ) 日 本 銀 行 金 融 経 済 統 計 月 報 3

4 図 表 1-4 住 宅 ローンの 貸 出 残 高 ( 兆 円 ) (%) 4 1 ( 兆 円 ) 住 宅 ローン 残 高 対 名 目 GDP( 右 目 盛 ) ( 年 度 ) 住 宅 金 融 支 援 機 構 国 内 銀 行 ( 年 度 ) 注 ) 左 図 のローン 残 高 は 国 内 銀 行 住 宅 金 融 支 援 機 構 のほか 信 用 金 庫 信 金 中 央 金 庫 信 用 組 合 全 国 信 用 協 同 組 合 連 合 会 労 働 金 庫 農 業 協 同 組 合 全 国 共 済 農 業 協 同 組 合 連 合 会 生 命 保 険 会 社 損 害 保 険 会 社 住 宅 金 融 専 門 会 社 等 地 方 公 共 団 体 都 市 再 生 機 構 福 祉 医 療 機 構 雇 用 能 力 開 発 機 構 沖 縄 振 興 開 発 金 融 公 庫 を 含 む 資 料 ) 住 宅 金 融 公 庫 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 住 宅 ローンの 金 利 タイプは 変 動 金 利 型 期 間 選 択 固 定 金 利 型 全 期 間 固 定 金 利 型 の3つに 大 別 される( 図 表 1-6) 変 動 金 利 型 は 無 担 保 コール 翌 日 物 譲 渡 性 預 金 (CD)などの 短 期 金 融 市 場 における 取 引 金 利 を 参 考 に 金 融 機 関 が 自 主 的 に 決 める 短 期 プライムレート( 短 プラ)にリスクプレミアムを 乗 せる 形 で 店 頭 表 示 金 利 が 決 まる 返 済 方 法 は (1) 適 用 金 利 が 変 更 されない 限 りは 元 金 利 子 の 合 計 額 が 一 定 の 元 利 均 等 返 済 (2) 返 済 期 間 を 通 じて 元 金 の 返 済 額 が 一 定 の 元 金 均 等 返 済 に 分 かれる 元 利 均 等 返 済 には 年 ルール と 12%ルール が 付 与 される 場 合 が 多 い 年 ル ール とは 金 利 が 半 年 ごとに 見 直 されるのに 対 し 月 次 返 済 額 は 年 ごとに 変 更 することを 定 めた 契 約 である 一 方 の 12%ルール は 金 利 の 大 幅 な 上 昇 で 月 次 返 済 額 が 増 加 する 場 合 でも 新 たな 月 次 返 済 額 は 直 前 の 返 済 額 の 1.2 倍 までに 抑 えるペイメント キャップの 仕 組 みである どちらのルールも 住 宅 ローンの 安 定 的 な 返 済 を 意 図 したものであり 返 済 総 額 は 決 して 減 少 しな い 例 えば 12%ルール が 適 用 されると 未 払 い 利 息 が 増 えて 元 金 の 返 済 が 遅 れるため 先 々 の 返 済 計 画 に 狂 いが 生 じることもある 固 定 金 利 型 は 新 発 1 年 物 国 債 利 回 りをベースに 金 融 機 関 が 個 々に 定 める 長 期 プライムレー ト( 長 プラ)にリスクプレミアムを 加 えて 店 頭 表 示 金 利 が 算 出 される 固 定 金 利 型 のうち 期 間 選 択 固 定 金 利 型 は 借 り 入 れ 当 初 の 一 定 期 間 に 限 り 優 遇 された 固 定 金 利 で 返 済 する 方 法 で その 期 間 は 月 次 の 返 済 額 を 低 く 抑 えられる 固 定 期 間 は1~1 年 の 場 合 が 多 く 期 間 満 了 を 迎 えると 変 動 金 利 型 へ 移 行 したり 適 用 金 利 が 高 めに 変 更 されたりする 旧 住 宅 金 融 公 庫 が 9 年 代 のバブル 崩 壊 後 の 景 気 対 策 の 一 環 として 手 掛 けた 当 初 年 間 の 金 利 を 低 く 抑 える ゆとり 返 済 もこのタイプに 含 まれる 返 済 額 が 倍 増 する6 年 目 以 降 に 延 滞 者 が 続 出 して 公 庫 の 融 資 が 焦 げ 付 き 年 代 前 半 に 度 々 政 治 的 な 問 題 にもなった 米 国 のサブプライムロー ン( 信 用 力 の 低 い 個 人 向 け 住 宅 融 資 )の 金 利 設 定 も このタイプに 類 似 している 4

5 図 表 1- 住 宅 ローン 金 利 タイプの 具 体 例 ( 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 ) 借 入 期 間 ( 年 ) 金 利 タイプ 優 遇 制 度 など ずーっとうれしい 金 利 コース ( 全 期 間 優 遇 制 度 ) 2~3 変 動 金 利 1~ 年 の 固 定 金 利 返 済 期 間 中 店 頭 表 示 金 利 より 1.2% 優 遇 ( 自 己 資 金 % 以 上 で.2% 追 加 優 遇 ) 最 初 にうれしい 金 利 コース ( 当 初 期 間 優 遇 制 度 ) 1~3 1 年 の 固 定 金 利 固 定 特 約 期 間 中 店 頭 表 示 金 利 より 1.7% 優 遇 固 定 特 約 期 間 終 了 後 は 同 1.% 優 遇 ( 自 己 資 金 % 以 上 で.2% 追 加 優 遇 ) 住 宅 融 資 保 険 付 住 宅 ローン 2~3 変 動 金 利 1~ 年 の 固 定 金 利 住 宅 の 建 築 費 または 購 入 資 金 のほか 住 宅 取 得 にかかる 諸 費 用 も 資 金 使 途 に 含 む (リフォームは 除 く) 返 済 期 間 中 店 頭 表 示 金 利 より 1.% 優 遇 フラット 3[ 保 証 型 ] 住 宅 ローン 21~3 21~3 年 の 固 定 金 利 住 宅 金 融 支 援 機 構 の 保 証 を 受 けることなど が 条 件 省 エネや 耐 震 性 で 基 準 を 満 たす と 1.% 優 遇 資 料 ) 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 ホームページ 図 表 1-6 市 中 金 利 と 住 宅 ローン 金 利 (%) < 長 期 金 利 > 長 プラ (%) (%) < 短 期 金 利 > 都 銀 変 動 金 利 新 発 1 年 物 国 債 利 回 り 短 プラ CD3ヵ 月 物 政 策 金 利... /4 2/4 4/4 6/4 8/4 1/4 1/11 /4 2/4 4/4 6/4 8/4 1/4 1/11 ( 日 次 月 次 ) ( 月 次 ) 資 料 ) 日 本 経 済 新 聞 社 全 期 間 固 定 金 利 型 は かつて 公 庫 が 主 に 取 り 扱 っていた 比 較 的 短 期 で 資 金 を 調 達 する 民 間 金 融 機 関 にとって 長 期 固 定 金 利 での 融 資 は 金 利 の 期 間 ミスマッチを 引 き 起 こすリスクがある た だし 最 近 では 住 宅 ローン 債 権 の 証 券 化 によってバランスシートから 切 り 離 すといった 手 法 を 用 いて 全 期 間 固 定 金 利 型 を 取 り 扱 う 民 間 金 融 機 関 が 増 えている なお 固 定 金 利 型 は 契 約 期 間 中 の 金 利 変 動 がない 一 方 当 初 の 適 用 金 利 の 基 準 となる 店 頭 表 示 金 利 は 変 動 金 利 型 の 店 頭 表 示 金 利 より 高 いことが 一 般 的 である 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 の 店 頭 表 示 金 利 (11 月 2 日 時 点 )をみる と 変 動 金 利 型 は 2.47% 固 定 金 利 型 (1 年 )は 2.9% 固 定 金 利 型 (1 年 )は 3.8%となっ

6 ている 大 半 の 場 合 変 動 金 利 型 固 定 金 利 型 の 選 択 に 関 係 なく 条 件 に 応 じて 一 定 の 幅 を 店 頭 表 示 金 利 から 引 き 下 げた 優 遇 金 利 が 適 用 される ローンを 組 む 住 宅 購 入 者 が 購 入 資 金 の 一 定 割 合 を 自 己 資 金 で 賄 う 場 合 や 金 融 機 関 が 住 宅 購 入 者 の 勤 務 先 あるいは 物 件 を 販 売 した 不 動 産 会 社 と 提 携 している 場 合 には 更 に 優 遇 を 受 けられることがある その 他 の 適 用 条 件 として 住 宅 購 入 者 が 一 定 の 勤 続 年 数 を 満 たしていることや 当 該 金 融 機 関 を 給 与 振 込 先 に 指 定 していることなどを 掲 げ る 金 融 機 関 もある (3) 高 まる 変 動 比 率 最 近 は 市 場 金 利 の 低 位 安 定 を 受 けて 変 動 金 利 型 を 選 ぶ 利 用 者 が 増 えている( 図 表 1-7 8) その 比 率 は 年 度 から 伸 びており 住 宅 金 融 支 援 機 構 の 利 用 者 向 け 調 査 によると 直 近 で は 割 前 後 を 占 めている 固 定 金 利 型 の 参 考 となる 新 発 1 年 物 国 債 利 回 りが 1 年 1 月 に7 年 ぶ りの 低 水 準 を 記 録 し ローン 返 済 中 の 金 利 上 昇 リスクがない 全 期 間 固 定 金 利 型 の 利 用 者 も 約 2% に 上 るが 変 動 金 利 型 利 用 者 の 半 分 程 度 に 留 まる 政 策 金 利 が 事 実 上 のゼロで 変 動 金 利 型 の 適 用 金 利 がさらに 下 がるとは 考 えにくく 借 り 入 れ 後 に 金 利 は 上 昇 する 可 能 性 が 高 いと 判 断 した 場 合 将 来 の 金 利 リスクを 回 避 した 固 定 金 利 型 が 合 理 的 な 選 択 と 考 えられる それでもなお 変 動 金 利 型 が 選 好 されやすい 理 由 としては 政 府 の 購 入 支 援 策 が 充 実 している 間 に 多 少 の 無 理 をし て 住 宅 購 入 に 踏 み 切 る 人 々が 少 なくなく 変 動 金 利 によって 当 初 の 返 済 額 を 極 力 抑 えようとして いる 可 能 性 が 考 えられる 日 本 経 済 の 回 復 ペースは 緩 慢 で 家 計 部 門 への 波 及 も 限 られている 厚 生 労 働 省 の 毎 月 勤 労 統 計 によると 名 目 賃 金 は 前 年 比 プラスに 戻 ったが その 要 因 は 残 業 代 やボーナスといった 基 本 給 の 上 乗 せ 部 分 であり 安 定 した 所 得 の 伸 びを 見 込 める 段 階 には 至 っていない こうした 厳 し い 所 得 環 境 も 住 宅 ローン 利 用 者 を 変 動 金 利 型 に 向 かわせる 一 因 と 言 える 先 行 きを 考 えると 所 得 面 の 制 約 が 厳 しい 中 で 住 宅 ローンの 適 用 金 利 が 上 昇 すれば 利 用 者 の 返 済 負 担 額 は 想 定 以 上 に 重 くなる 恐 れがある 図 表 1-7 住 宅 ローンの 金 利 タイプ 別 比 率 (%) 全 期 間 固 定 金 利 型 固 定 金 利 期 間 選 択 型 (その 他 ) 固 定 金 利 期 間 選 択 型 (2,3, 年 ) 変 動 金 利 型 ( 年 度 ) 注 ) 全 期 間 固 定 金 利 型 は 証 券 支 援 ローンを 含 む 四 捨 五 入 の 関 係 で 合 計 は 必 ずしも 1 にならない 資 料 ) 国 土 交 通 省 民 間 住 宅 ローンの 実 態 に 関 する 調 査 ( 民 間 金 融 機 関 向 け) 6

7 図 表 1-8 住 宅 ローンの 金 利 タイプ 別 比 率 (%) 変 動 固 定 1 年 全 固 定 固 定 1 年 未 満 固 定 1 年 超 3 1 8/3 8/9 9/3 9/9 1/3 1/9 1/1 資 料 ) 住 宅 金 融 支 援 機 構 図 表 1-9 名 目 賃 金 の 動 向 ( 前 年 比 % %ポイント) 特 別 給 与 所 定 外 給 与 所 定 内 給 与 名 目 賃 金 1:1 2:1 3:1 4:1 :1 6:1 7:1 8:1 9:1 1:1 1:3 資 料 ) 厚 生 労 働 省 毎 月 勤 労 統 計 調 査 ( 四 半 期 ) 第 2 節 住 宅 ローン 減 税 の 概 要 と 減 税 額 の 試 算 (1) 住 宅 ローン 減 税 の 概 要 住 宅 ローンの 適 用 金 利 の 低 下 と 共 に 最 近 の 住 宅 投 資 を 支 えているのが 政 府 の 住 宅 購 入 支 援 策 である その 中 でも 住 宅 ローン 減 税 は 適 用 対 象 となる 利 用 者 の 範 囲 が 合 計 所 得 金 額 3 万 円 以 下 と 幅 広 く 最 大 控 除 額 も 万 円 と 規 模 が 大 きいため 住 宅 投 資 を 喚 起 する 効 果 が 最 も 大 きい と 思 われる 住 宅 ローン 減 税 制 度 は 年 末 時 点 の 借 入 残 高 に 控 除 率 1%( 認 定 長 期 優 良 住 宅 は 1.2%)を 乗 じた 額 を 所 得 税 もしくは 地 方 税 から 税 額 控 除 できる 仕 組 みになっている 床 面 積 m2 以 上 の 居 住 用 住 宅 の 新 設 新 設 住 宅 の 取 得 既 存 住 宅 の 取 得 増 改 築 などが 対 象 で 1 年 末 までに 購 入 物 件 に 居 住 していれば 年 末 時 点 の 借 入 残 高 は 万 円 までが 控 除 の 対 象 となる ローン 減 税 の 適 用 期 間 は 1 年 間 で 累 計 控 除 額 は 最 大 で 万 円 に 上 る( 図 表 2-1) 減 税 による 最 大 万 円 の 税 額 控 除 は リーマン ショック 前 までの 段 階 的 な 縮 小 が 始 まる 以 前 の 1~4 年 当 時 の 規 模 に 7

8 図 表 2-1 現 行 の 住 宅 ローン 減 税 の 控 除 額 ( 住 宅 の 新 築 取 得 一 般 住 宅 ) 居 住 年 借 入 金 等 の 年 末 残 高 の 限 度 額 控 除 率 最 高 合 計 最 高 控 除 額 (1 年 間 ) 9 年 万 円 1.% 万 円 万 円 1 年 万 円 1.% 万 円 万 円 11 年 4 万 円 1.% 4 万 円 4 万 円 12 年 3 万 円 1.% 3 万 円 3 万 円 13 年 万 円 1.% 万 円 万 円 注 ) 認 定 長 期 優 良 住 宅 の 場 合 控 除 率 が.2% 上 乗 せされ 1.2%になる 資 料 ) 財 務 省 図 表 2-2 これまでの 住 宅 ローン 減 税 の 概 要 居 住 年 控 除 期 間 年 末 残 高 に 対 する 控 除 率 %( 控 除 限 度 額 円 ) 最 大 合 計 控 除 額 99/1~1/6 年 1~6 年 目 : 7~11 年 目 12~ 年 目 1.( 万 ).7(37. 万 ).(2 万 ) 87. 万 円 1/7~4/12 1 年 1~1 年 :1.( 万 ) 万 円 /1~/12 1 年 1~8 年 目 :1.(4 万 ) 9~1 年 目 :.( 万 ) 36 万 円 6/1~6/12 1 年 1~7 年 目 :1.(3 万 ) 8~1 年 目 :.( 万 ) 2 万 円 7/1~7/12 1 年 1~6 年 目 :1.(2 万 ) 7~1 年 目 :.(12. 万 ) 年 1~1 年 目 :.6( 万 ) 11~ 年 目 :.4(1 万 ) 万 円 8/1~8/12 1 年 1~6 年 目 :1.( 万 ) 7~1 年 目 :.(1 万 ) 16 万 円 年 1~1 年 目 :.6(12 万 ) 11~ 年 目 :.4(8 万 ) 9/1~1/12 1 年 1~1 年 目 :1.( 万 ) 万 円 11/1~11/12 1 年 1~1 年 目 :1.(4 万 ) 4 万 円 12/1~12/12 1 年 1~1 年 目 :1.(3 万 ) 3 万 円 13/1~13/12 1 年 1~1 年 目 :1.( 万 ) 万 円 注 ) 太 枠 が 現 行 の 住 宅 ローン 減 税 資 料 ) 財 務 省 国 税 庁 匹 敵 する( 図 表 2-2) 4 なお 11 年 以 降 は 控 除 対 象 となる 借 入 残 高 の 上 限 額 が 1 万 円 ずつ 下 がり 13 年 に 購 入 した 住 宅 の 場 合 は 万 円 になる また 住 宅 ローン 減 税 のほかにも 住 4 ただし 1 年 間 で 万 円 の 控 除 を 受 ける 世 帯 は 一 部 の 高 所 得 者 層 に 限 られる その 条 件 は 1 年 目 まで 継 続 して 年 末 の 借 入 残 高 が 万 円 以 上 に 上 ることである 期 間 年 の 固 定 金 利 3.6%でローンを 組 む 場 合 当 初 の 借 入 額 が 約 6 万 円 以 上 でなければ この 条 件 を 満 たさない 一 般 的 な 住 宅 ローンの 借 入 額 が 年 収 の 4~ 倍 といわれることを 踏 まえると 対 象 になりうる 世 帯 の 年 収 は 約 13 万 円 以 上 と 考 えられるが 総 務 省 の 家 計 調 査 (2 人 以 上 の 世 帯 9 年 ) を 参 考 にすると そのような 世 帯 は 全 体 の ~6%にとどまる 8

9 宅 取 得 資 金 に 関 係 する 贈 与 税 の 非 課 税 限 度 額 拡 大 や エコ 住 宅 の 新 築 エコリフォーム に 付 与 される 住 宅 エコポイント 制 度 といった 支 援 策 も 住 宅 投 資 を 促 す 一 翼 を 担 っている( 制 度 の 概 要 については 補 論 を 参 照 されたい) (2) 住 宅 ローン 減 税 の 減 税 額 の 試 算 第 2 節 (1)では 住 宅 ローン 減 税 の 概 要 を 説 明 したが 各 世 帯 はどの 程 度 の 減 税 を 受 けられる のだろうか 本 稿 では 世 帯 の 家 族 構 成 住 宅 ローンの 借 入 額 のほか 税 額 計 算 の 前 提 年 収 の 伸 びについて 一 定 の 仮 定 を 設 け シミュレーションを 行 った 年 収 4 万 円 7 万 円 1 万 円 の3 世 帯 を 例 に 取 ると 減 税 総 額 はそれぞれ 約 173 万 円 約 294 万 円 約 431 万 円 で 年 間 の 減 税 額 は 図 表 2-3のように 推 移 する なお 本 減 税 においては まず 所 得 税 から 税 額 控 除 される が 所 得 税 額 が 控 除 額 に 達 しない 場 合 翌 年 度 の 地 方 税 額 ( 所 得 割 額 )から9 万 7 円 を 上 限 に 控 除 が 行 われる 例 えば 年 収 4 万 円 世 帯 については 11 年 から 年 まで 前 年 度 に 控 除 額 が 所 得 税 額 を 上 回 った 差 が 毎 年 地 方 税 から 控 除 される( 年 収 1 万 円 世 帯 では 上 回 らない) ( 暦 年 ) 図 表 2-3 住 宅 ローン 減 税 の 減 税 額 のシミュレーション < 年 収 4 万 円 世 帯 > < 年 収 7 万 円 世 帯 > < 年 収 1 万 円 世 帯 > 地 方 減 税 4 1 所 得 減 税 3 8 税 額 ( 控 除 後 ) 6 税 額 ( 控 除 前 ) ( 暦 年 ) ( 暦 年 ) < 減 税 総 額 > < 減 税 総 額 > < 減 税 総 額 > 173 万 43 円 294 万 8889 円 431 万 9 円 注 )シミュレーションの 仮 定 は 以 下 の 通 り (1) 勤 労 者 世 帯 世 帯 主 は 満 3 歳 (1 年 1 月 1 日 時 点 ) 配 偶 者 および 子 供 1 人 の 世 帯 東 京 都 内 の 人 口 万 人 以 上 の 市 区 に 在 住 収 入 は 世 帯 主 の 給 与 所 得 のみ( 介 護 保 険 は 満 4 歳 になった 年 1 月 より 保 険 料 納 付 ) (2) 住 宅 ローンの 借 入 額 は 年 収 倍 程 度 の 標 準 世 帯 を 想 定 年 間 所 得 4 万 円 世 帯 7 万 円 世 帯 1 万 円 世 帯 の 借 入 額 はそれぞれ 23 万 円 3 万 円 1 万 円 1 年 1 月 よりローン 返 済 支 払 い 開 始 (3) 金 利 タイプは 変 動 金 利 で 当 初 1 年 間 は 金 利 変 動 なし (4) 税 額 計 算 において 所 得 控 除 は 基 礎 控 除 配 偶 者 控 除 扶 養 控 除 社 会 保 険 料 控 除 給 与 所 得 控 除 の み 考 慮 配 当 控 除 などの 税 額 控 除 は 考 慮 せず () 年 収 は 日 本 経 済 の 潜 在 成 長 率 並 み(.%)の 伸 びを 仮 定 (6) 控 除 額 が 所 得 税 額 を 上 回 り 税 額 控 除 枠 を 使 いきれない 分 は 地 方 税 ( 上 限 9.7 万 円 )から 控 除 ただ し 地 方 税 は 当 年 の 所 得 をもとに 算 出 した 税 額 が 翌 年 に 課 されるため 地 方 税 の 控 除 は2 年 目 (11 年 )から 11 年 目 ( 年 )に 表 れる 総 務 省 の 家 計 調 査 の 年 間 収 入 階 級 別 (2 人 以 上 世 帯 大 都 市 )でみると 年 から 9 年 にかけて 4 万 円 以 上 万 円 未 満 と 7 万 以 上 7 万 円 未 満 の 全 世 帯 に 占 める 割 合 が 上 昇 した この 点 から 年 収 4 万 円 世 帯 と 年 収 7 万 円 世 帯 を 取 り 上 げた また 高 所 得 世 帯 として 年 収 1 万 円 世 帯 を 加 えた 9

10 住 宅 ローン 減 税 は 年 末 の 借 入 残 高 に 応 じて 控 除 額 が 決 まるため 返 済 が 進 むにつれ 借 入 残 高 が 減 少 し 住 宅 ローン 減 税 の 控 除 額 も 縮 小 することが 基 本 であるが 年 収 4 万 円 世 帯 はこの 限 り ではない その 理 由 は 以 下 の 通 りである 同 世 帯 は 住 宅 ローン 減 税 の 適 用 期 間 中 控 除 額 が 所 得 税 額 を 上 回 り 翌 年 度 の 地 方 税 も 減 額 される 所 得 減 税 が 終 了 してから1 年 後 の 11 年 目 において も 地 方 税 は 減 額 となる さらに 8 年 目 までは 地 方 税 からの 控 除 額 も 上 限 の 9 万 7 円 に 達 する ため 所 得 税 と 地 方 税 を 合 わせた 減 税 額 はほぼ 横 ばいで 推 移 する 逆 の 言 い 方 をすれば 所 得 が 相 対 的 に 低 い 世 帯 では 制 度 上 認 められた 借 入 額 に 見 合 うローン 減 税 を 十 分 には 受 けられないケ ースが 発 生 する 年 収 7 万 円 世 帯 は3 年 目 以 降 高 所 得 の 年 収 1 万 円 世 帯 は 全 期 間 を 通 じて 所 得 税 だけからの 税 額 控 除 となり 返 済 が 進 むにつれ 借 入 残 高 が 減 少 し 住 宅 ローンの 控 除 額 も 減 る 各 世 帯 の 年 収 に 対 する 減 税 額 の 比 率 をみると 年 収 4 万 円 世 帯 の1 年 目 は 1.3%で 地 方 税 の 減 額 も 含 む2 年 目 以 降 は 3.6~3.9%となった 年 収 7 万 円 世 帯 の 3.4~.4% 年 収 1 万 円 世 帯 の 3.~.%と 比 べ 年 収 4 万 円 世 帯 における 比 率 の 低 さが 分 かる これは 低 所 得 者 ほど 所 得 税 率 が 低 く 世 帯 年 収 に 対 する 課 税 所 得 の 割 合 が 小 さい 累 進 課 税 の 体 系 によるもので ある ただし 地 方 税 の 控 除 上 限 額 を 引 き 上 げれば 低 所 得 者 向 けに 住 宅 ローン 減 税 の 効 果 をも う 一 段 高 めることができるとも 言 えよう 第 3 節 住 宅 ローン 減 税 を 加 味 した 実 質 返 済 額 の 試 算 (1) 試 算 の 前 提 住 宅 ローン 利 用 者 が 変 動 金 利 型 を 選 ぶケースが 約 半 数 に 上 っているが 今 後 の 金 利 上 昇 によっ て 返 済 負 担 額 がどの 程 度 増 えるか モデルケースを 用 いて 試 算 する モデルケースは 世 帯 年 収 や 返 済 方 法 金 利 変 動 を 組 み 替 えた 36 通 りとした( 図 表 3-1) 本 稿 では 金 利 上 昇 だけでなく 第 2 節 で 示 した 住 宅 ローン 減 税 も 加 味 した 実 質 ベースでの 返 済 シミュレーションを 行 う なお 住 宅 ローン 減 税 は 会 社 員 の 場 合 年 末 調 整 で 還 付 されるが 減 税 分 を 月 々 按 分 してローン 返 済 か ら 相 応 分 を 差 し 引 く (2) 試 算 の 結 果 と 考 察 ( 元 利 均 等 返 済 ) 本 節 では3つの 世 帯 年 収 モデルのうち 中 位 の 年 収 7 万 円 世 帯 について 借 入 額 の 目 安 とさ れる 年 収 の 倍 程 度 (3 万 円 )を 借 り 入 れた6つのモデルケースについて 試 算 結 果 を 示 す な お 年 収 7 万 円 世 帯 が 借 入 限 度 額 ( 万 円 )までローンを 組 むケースと 年 収 4 万 円 世 帯 と 年 収 1 万 円 世 帯 のパターンについては 巻 末 の 付 図 表 にまとめた 元 利 均 等 返 済 の 実 質 返 済 額 は 9 万 3421 円 で 始 まる 安 定 的 な 返 済 には3 割 程 度 が 望 ましいとさ れる 月 収 に 占 める 比 率 は 16.%で 比 較 的 ゆとりを 持 った 返 済 と 言 える 住 宅 ローン 減 税 前 の 元 金 利 子 合 計 額 ( 以 下 名 目 返 済 額 )は 11 万 749 円 だが 当 初 1 年 間 は 減 税 の 効 果 で 実 質 的 な 負 担 ( 以 下 実 質 返 済 額 )は2~3 万 円 程 度 軽 減 される 以 下 金 利 動 向 別 に 考 察 する( 図 表 3-2,3) 金 利 変 動 がない 場 合 減 税 期 間 から 外 れる 121 カ 月 目 (11 年 目 )の 実 質 返 済 額 は 前 月 比 で 21.4%(2 万 64 円 ) 増 え 実 質 返 済 額 が 月 収 に 占 める 比 率 は 19.1%に 高 まる 1

11 図 表 3-1 モデルケースの 前 提 世 帯 年 収 金 利 タイプ 1 年 収 4 万 円 2 年 収 7 万 円 3 年 収 1 万 円 の3パターン 金 利 タイプは 当 初 1.27%( 店 頭 表 示 金 利 から 1.2% 優 遇 )の 変 動 金 利 型 返 済 期 間 3 年 間 (ローン 返 済 開 始 は 1 年 1 月 ) 返 済 方 法 ボーナス 返 済 借 入 額 金 利 パターン 住 宅 ローン 減 税 1 元 利 均 等 ( 年 ルール 12%ルール あり) 2 元 金 均 等 の2パターン なし 1 年 収 倍 程 度 2 金 融 機 関 が 目 安 として 示 す 借 入 限 度 額 の2パターン 年 収 4 万 円 世 帯 :23 万 円 と 321 万 円 年 収 7 万 円 世 帯 :3 万 円 と 万 円 年 収 1 万 円 世 帯 :1 万 円 と 7 万 円 1 変 動 なし 2 緩 やかな 上 昇 (1 年 後 に2% 年 後 に3%) 3 急 激 な 上 昇 (1 年 後 に 2.% 年 後 に%)の3パターン 第 2 節 (2)で 試 算 した 年 間 減 税 額 を 12 で 割 った 値 を 月 次 減 税 額 とみなし 月 次 返 済 額 から 差 し 引 く 注 1) 住 宅 生 産 団 体 連 合 会 の 戸 建 注 文 住 宅 の 顧 客 実 態 調 査 (9 年 度 )によると 土 地 の 購 入 や 新 築 における 借 入 金 額 の 年 収 に 対 する 倍 率 は 全 体 の 平 均 が 4.67 倍 3~34 歳 の 平 均 が.12 倍 で 年 収 倍 程 度 の 借 り 入 れが 一 般 的 と 考 えられる 注 2) 借 入 限 度 額 の 目 安 は 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 のホームページで 上 記 の 金 利 タイプ 返 済 期 間 ボーナス 返 済 の 前 提 で 算 出 された 額 金 利 が1 年 後 に2% 年 後 に3%と 緩 やかに 上 昇 するケース 年 ルール によって 初 めて 返 済 額 が 変 更 される 61 カ 月 目 (6 年 目 )の 実 質 返 済 額 は 前 月 比 32.7%(3 万 119 円 ) 増 え 月 収 に 占 める 比 率 は.4%と2 割 を 上 回 る 61 カ 月 目 の 名 目 返 済 額 は 年 後 までの 金 利 上 昇 をそのまま 織 り 込 んだ 場 合 名 目 返 済 額 は 14 万 71 円 と 前 月 比 で 2.7% 増 える 計 算 になるが 12%ルール に 該 当 するため 前 月 比 2.% 増 の 14 万 6312 円 に 抑 えられる この 差 額 は 年 ルール による2 回 目 の 返 済 額 見 直 しにあた る 121 カ 月 目 (11 年 目 )に 加 算 される 121 カ 月 目 の 実 質 返 済 額 は 名 目 返 済 額 の 上 昇 に 減 税 の 終 了 による 影 響 が 加 わり 前 月 比 17.3%(2 万 172 円 )の 負 担 増 となる 金 利 が1 年 後 に 2.% 年 後 に %と 急 激 に 上 昇 するケース 61 カ 月 目 の 返 済 額 は 名 目 実 質 ともに 緩 やかな 金 利 上 昇 の 場 合 と 同 じように 増 加 する 12%ルール に 該 当 するため 6 年 目 以 降 に 金 利 が 上 昇 しなくても 2 回 目 の 返 済 額 見 直 しにあたる 121 カ 月 目 (11 年 目 )に 名 目 返 済 額 が 前 月 比 3 万 678 円 増 加 する この 時 点 で 減 税 が 終 了 するため 実 質 返 済 額 は 前 月 比 4.%( 万 7323 円 ) 増 える それが 月 収 に 占 める 比 率 も 29.8%まで 上 昇 する また このケースでは 121 カ 月 目 の 名 目 返 済 額 も 12%ルール に 該 当 するため 3 回 目 の 返 済 額 見 直 しとなる 181 カ 月 目 (16 年 目 )にも 名 目 返 済 額 が 増 え る その 際 に 減 税 効 果 は 既 に 無 くなっており 実 質 返 済 額 は 名 目 返 済 額 に 一 致 して 前 月 比 16.8%(3 万 77 円 ) 増 加 し 21 万 369 円 となる( 月 収 の 34.%) 借 入 額 に 対 する 実 質 返 済 総 額 は 金 利 変 動 が 無 いケースは 1.12 倍 であるが 金 利 上 昇 が 緩 やか 11

12 図 表 3-2 年 収 7 万 円 世 帯 元 利 均 等 返 済 ( 借 入 額 3 万 円 ) 減 税 額 利 息 元 金 - 実 質 返 済 額 図 表 3-3 ケース 3-2 の 年 ごとの 実 質 返 済 額 初 回 9 万 3421 円 (16.) 6 年 目 (.) (.4) (.4) 9 万 286 円 12 万 2122 円 12 万 2122 円 (61 カ 月 目 ) <.9> <32.7> <32.7> 11 年 目 (121 カ 月 目 ) 16 年 目 (181 カ 月 目 ) 11 万 749 円 11 万 749 円 (19.1) (24.) (29.8) 14 万 741 円 18 万 289 円 <21.4> <17.3> <4.> (18.6) (23.4) (34.) 14 万 741 円 21 万 369 円 <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 3918 万 3616 円 4822 万 893 円 6227 万 92 円 注 1) 金 額 は 住 宅 ローン 減 税 を 加 味 した 実 質 返 済 額 注 2)() 内 の 数 値 はその 年 の 月 収 に 占 める 住 宅 ローン 返 済 額 の 比 率 (%) 各 年 の 月 収 は 毎 月 均 等 按 分 で 算 出 <> 内 は 前 月 比 (%) なケースでは 1.38 倍 金 利 上 昇 が 急 激 なケースでは 1.78 倍 に 膨 らむ また 金 利 が 緩 やか ある いは 急 激 に 上 昇 するケースの 実 質 返 済 総 額 は 金 利 変 動 がないケースの 額 と 比 べてそれぞれ 1.23 倍 1.9 倍 となる (3) 試 算 の 結 果 と 考 察 ( 元 金 均 等 返 済 ) 次 に 元 金 均 等 返 済 の 場 合 をみてみよう 元 金 均 等 返 済 は 元 金 部 分 の 返 済 額 を 固 定 し その 時 点 の 借 入 残 高 によって 利 子 支 払 いが 決 まる そのため 金 利 が 一 定 ならば 返 済 が 進 み 借 入 残 高 が 減 少 するにつれて 月 々の 利 払 いが 減 るために 名 目 返 済 額 も 少 なくなる 逆 に 当 初 の 返 済 額 は 元 利 均 等 返 済 に 比 べて 大 きい 年 収 7 万 円 世 帯 が 3 万 円 を 借 り 入 れるケースでは 元 金 均 等 返 済 では 初 回 の 実 質 返 済 額 が 11 万 678 円 となって 月 収 の 19.%を 占 める 元 利 均 等 返 済 の 実 質 額 に 比 べて1 万 727 円 多 い 一 方 利 子 部 分 の 負 担 が 徐 々に 減 る 分 返 済 総 額 は 元 利 均 等 返 済 に 比 べて 抑 えられる 金 利 変 動 が 無 い 場 合 減 税 を 加 味 した 実 質 返 済 総 額 は 387 万 84 円 となり 元 利 均 等 返 済 より 1.1% 12

13 図 表 3-4 年 収 7 万 円 世 帯 元 金 均 等 返 済 ( 借 入 額 3 万 円 ) 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 図 表 3- ケース 3-4 の 年 ごとの 実 質 返 済 額 初 回 11 万 678 円 (19.) 6 年 目 (17.4) (24.4) (32.) 1 万 422 円 14 万 949 円 19 万 46 円 (61 カ 月 目 ) <.7> <.7> <46.1> 11 年 目 (19.9) (2.4) (31.7) 12 万 14 円 万 6 円 19 万 4444 円 (121 カ 月 目 ) <.3> <.1> <11.6> 16 年 目 (18.4) (22.4) (27.1) 11 万 816 円 14 万 972 円 17 万 139 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 387 万 84 円 498 万 39 円 393 万 3 円 (42 万 462 円 ) 少 ない 元 利 均 等 返 済 に 比 べて 元 金 均 等 返 済 の 実 質 総 額 は 緩 やかな 金 利 上 昇 のケースで 4.7%(224 万 283 円 ) 急 激 な 金 利 上 昇 のケースで 13.4%(834 万 917 円 ) 少 ない 金 利 が 上 昇 するほど 返 済 総 額 が 増 える 点 は 元 金 均 等 返 済 元 利 均 等 返 済 で 共 通 だが 増 え 方 は 元 金 均 等 返 済 の 方 が 小 さい この 点 から 将 来 の 金 利 上 昇 が 見 込 まれる 場 合 は 元 金 均 等 返 済 の 方 が 家 計 の 負 担 感 を 和 らげると 言 える 以 下 元 利 均 等 返 済 と 同 様 に 3 通 りの 金 利 パターン 別 に 考 察 を 行 う( 図 表 3-4,) 金 利 変 動 がないケース 実 質 返 済 額 が 11 万 678 円 で 始 まった 後 元 金 部 分 の 定 額 返 済 に 伴 って 利 子 部 分 の 支 払 いが 減 少 し 61 カ 月 目 (6 年 目 )には 1 万 422 円 となる カ 月 目 (11 年 目 )には 減 税 の 効 果 が 消 えるため 実 質 返 済 額 は.3%(2 万 1 円 ) 増 える その 後 は 名 目 返 済 額 実 質 返 済 額 共 に 減 少 する 6 61 カ 月 目 の 実 質 返 済 総 額 は 前 月 比 で.7% 増 える その 理 由 は 以 下 の 通 りである 減 税 額 が 年 目 (61 カ 月 目 ) の 前 月 ( 前 年 末 )の 2 万 46 円 から 86 円 減 る 一 方 利 子 支 払 いの 減 少 は 13 円 にとどまる その 結 果 実 質 返 済 額 は 73 円 の 増 加 となる 13

14 金 利 が 上 昇 するケース 金 利 上 昇 の 場 合 緩 やかなケース(1 年 後 に2% 年 後 に3%) 急 激 なケース(1 年 後 に 2.% 年 後 に %)に 共 通 して 13 ヵ 月 目 (2 年 目 )および 61 カ 月 目 (6 年 目 )に 直 前 の 金 利 上 昇 を 反 映 して 名 目 返 済 額 が 増 加 する 7 元 利 均 等 返 済 と 異 なり 年 ルール や 12% ルール が 適 用 されないためである 特 に 急 激 に 金 利 が 上 昇 するケースでは 61 カ 月 目 (6 年 目 )の 実 質 返 済 額 が 前 月 比 で 46.1%(6 万 1417 円 ) 増 えて 月 収 に 占 める 比 率 は 前 月 の 22.3% から 31.7%へと 急 激 に 上 昇 する その 後 121 カ 月 目 (1 年 目 )に 減 税 が 終 了 するため 実 質 返 済 額 は 増 加 するが 名 目 返 済 額 は 61 カ 月 目 以 降 金 利 上 昇 がない 限 りは 減 少 する 第 4 節 住 宅 ローン 金 利 上 昇 による 所 得 の 目 減 り (1) 実 質 可 処 分 所 得 の 分 析 の 前 提 住 宅 ローンの 返 済 見 通 しを 分 析 することは 返 済 が 滞 るリスクを 明 らかにし 金 融 機 関 のダウ ンサイドリスクを 定 量 的 に 評 価 する 意 味 があるが 金 融 機 関 への 影 響 は 直 接 的 なものに 限 られる 金 利 上 昇 による 実 質 返 済 額 の 増 加 は 家 計 の 所 得 消 費 に 負 の 影 響 を 与 える 点 でマクロ 経 済 への 影 響 も 大 きく 金 融 機 関 経 営 にも 間 接 的 に 影 響 する そこで 本 節 では 第 3 節 でモデルケース を 用 いたシミュレーション 結 果 をもとに 金 利 上 昇 による 住 宅 ローンの 実 質 返 済 額 の 増 加 が 家 計 の 所 得 消 費 に 与 える 影 響 を 分 析 する 具 体 的 には 家 計 調 査 の 世 帯 主 の 年 齢 階 級 別 のデータ をもとに 将 来 の 可 処 分 所 得 を 推 計 したうえで 減 税 後 の 実 質 返 済 額 を 差 し 引 いた 所 得 を 実 質 可 処 分 所 得 と 考 え シミュレーションを 行 う なお 本 節 では 第 3 節 までの 分 析 結 果 を 踏 まえ まず 年 収 7 万 円 世 帯 が 3 万 円 借 り 入 れ 元 利 均 等 で 返 済 するモデルケース( 第 3 節 (2))を 考 え 世 帯 主 の 年 齢 は 第 2 節 (2)と 同 じく 3 歳 (1 年 1 月 1 日 時 点 )とする (2) 年 収 7 万 円 世 帯 の 実 質 可 処 分 所 得 はじめに 年 収 7 万 円 世 帯 のケースをみる( 図 表 4-1) 1 年 ( 返 済 初 年 度 )の 名 目 可 処 分 所 得 は 万 49 円 になり そこから 実 質 返 済 額 の 112 万 4 円 を 差 し 引 いた 実 質 可 処 分 所 得 は 43 万 3846 円 になる 家 計 調 査 の 年 齢 階 級 別 データによると 世 帯 主 の 名 目 可 処 分 所 得 は 2 歳 を 迎 える 27 年 ( 返 済 18 年 目 )まで 増 え 続 けて 632 万 4212 円 となった 後 は 減 少 に 転 じ 64 歳 時 点 (39 年 返 済 3 年 目 )には 389 万 496 円 まで 減 る 金 利 変 動 が 無 い 場 合 の 実 質 返 済 額 は 減 税 額 が 最 も 大 きい 初 年 度 の 112 万 4 円 から 1 年 目 の 1 万 6748 円 へと 徐 々に 増 加 し 減 税 終 了 後 の 11 年 目 以 降 は 14 万 494 円 となる 名 目 可 処 分 所 得 から 実 質 返 済 額 を 引 いた 実 質 可 処 分 所 得 は 4 歳 時 点 ( 年 = 返 済 6 年 目 )に 4 万 2736 円 44 歳 時 点 (19 年 = 返 済 1 年 目 )に 482 万 1166 円 4 歳 時 点 ( 年 = 返 済 11 年 目 )に 46 万 876 円 2 歳 時 点 (27 年 = 返 済 18 年 目 )に 491 万 9619 円 64 歳 時 点 に 249 万 372 円 と 推 移 する 金 利 が 返 済 開 始 1 年 後 に2% 年 後 に3%と 緩 やかに 上 昇 する 場 合 のシミュレーション 結 果 を 金 利 変 動 が 無 い 場 合 と 対 比 して 紹 介 しよう 実 質 可 処 分 所 得 は 返 済 6 年 目 ( 年 )から 返 7 変 動 金 利 の 適 用 利 率 は 半 年 ごとに 見 直 すのが 一 般 的 で 例 えば 4 月 1 日 と 1 月 1 日 の 当 該 金 融 機 関 の 短 期 プ ライムレートを 基 準 に 6 月 と 12 月 の 約 定 返 済 日 の 翌 日 から 新 しい 利 率 を 適 用 する 本 稿 のシミュレーションで は 簡 便 化 のため 返 済 1 年 目 と 年 目 の 期 間 中 に 金 利 が 上 昇 し その 翌 年 の 最 初 の 月 である 13 カ 月 目 と 61 カ 月 目 に 新 しい 金 利 が 適 用 されると 仮 定 した 14

15 図 表 4-1 年 収 7 万 円 世 帯 の 実 質 可 処 分 所 得 < 緩 やかな 金 利 上 昇 > < 急 激 な 金 利 上 昇 > 6 4 ピーク (%) ピーク (%) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 なし) 3 1 ( 暦 年 ) ( 暦 年 ) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 あり) 金 利 上 昇 に 伴 う 減 少 率 ( 右 目 盛 ) 図 表 4-2 年 収 4 万 円 世 帯 の 実 質 可 処 分 所 得 < 緩 やかな 金 利 上 昇 > < 急 激 な 金 利 上 昇 > (%) ( 暦 年 ) (%) ( 暦 年 ) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 なし) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 あり) 金 利 上 昇 に 伴 う 減 少 率 ( 右 目 盛 ) 図 表 4-3 年 収 1 万 円 世 帯 の 実 質 可 処 分 所 得 < 緩 やかな 金 利 上 昇 > < 急 激 な 金 利 上 昇 > (%) ( 暦 年 ) (%) ( 暦 年 ) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 なし) 実 質 可 処 分 所 得 ( 金 利 上 昇 あり) 金 利 上 昇 に 伴 う 減 少 率 ( 右 目 盛 )

16 済 1 年 目 (19 年 )にかけて 年 間 3 万 1148 円 11 年 目 ( 年 ) 以 降 は 返 済 最 終 年 まで 年 間 36 万 4327 円 少 ない 具 体 的 には 4 歳 時 点 で 4 万 88 円 44 歳 時 点 で 447 万 17 円 4 歳 時 点 で 429 万 3749 円 2 歳 時 点 で 4 万 292 円 となり 64 歳 時 点 では 212 万 64 円 に 抑 えられ てしまう 勤 め 先 での 第 一 次 定 年 などで 所 得 が 減 る 家 計 にとっては 相 応 の 負 担 となろう 金 利 が 返 済 開 始 1 年 後 に 2.% 年 後 に%と 急 激 に 上 昇 する 場 合 負 担 感 がさらに 重 みを 増 す 返 済 6 年 目 ( 年 )から 1 年 目 (19 年 )は 年 間 3 万 1148 円 11 年 目 ( 年 )か ら 年 目 (24 年 )は 年 間 79 万 84 円 の 負 担 増 となる さらに 第 3 節 (2)で 示 したように このケースでは 返 済 6 年 目 と 11 年 目 の2 回 にわたって 月 々の 返 済 額 を 前 月 の 1.2 倍 に 抑 える 12%ルール が 適 用 され 元 利 金 の 返 済 が 繰 り 延 べられる そのため 3 回 目 の 返 済 額 見 直 し によって 返 済 16 年 目 以 降 の 返 済 額 は 金 利 変 動 が 無 い 場 合 と 比 べて 年 間 1 万 9318 円 も 増 加 する 実 質 可 処 分 所 得 は 4 歳 時 点 で 4 万 88 円 44 歳 時 点 で 447 万 17 円 4 歳 時 点 で 386 万 7992 円 2 歳 時 点 で 376 万 3 円 となり 64 歳 時 点 では 133 万 3 円 に 抑 えられる 返 済 3 年 目 (39 年 )の 時 点 で 金 利 変 動 の 無 い 場 合 と 比 べた 減 少 率 は 46.6%に 達 する 返 済 額 が3 度 見 直 される 影 響 で 実 質 可 処 分 所 得 は 世 帯 主 が 44 歳 を 迎 える 19 年 ( 返 済 1 年 目 )にピークを 迎 える 金 利 変 動 が 無 い 場 合 および 金 利 が 緩 やかに 上 昇 する 場 合 には 世 帯 主 が 2 歳 に 達 するまで 実 質 可 処 分 所 得 は 増 えるが 金 利 が 急 激 に 上 昇 するケースではその8 年 前 (19 年 )から 低 下 する 教 育 費 などの 家 計 支 出 が 増 加 しやすい 4 歳 代 後 半 に 実 質 可 処 分 所 得 が 減 るため 家 計 支 出 の 制 約 は 大 きく 感 じられると 思 われる (2) 年 収 4 万 円 世 帯 年 収 1 万 円 世 帯 の 実 質 可 処 分 所 得 年 収 4 万 円 世 帯 年 収 1 万 円 世 帯 についても 実 質 可 処 分 所 得 の 推 移 をまとめる( 図 表 4-2 3) 年 収 4 万 円 世 帯 が 23 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 借 り 入 れ 緩 やかな 金 利 上 昇 に 直 面 した 場 合 返 済 6 年 目 ( 年 )から 1 年 目 (19 年 )にかけて 実 質 可 処 分 所 得 は 年 間 23 万 7 円 目 減 りする 11 年 目 ( 年 ) 以 降 はその 減 額 幅 が 年 間 23 万 94 円 に 広 がり 金 利 変 動 の 無 い 場 合 と 比 べた 減 少 率 は 返 済 29 年 目 (39 年 )に 12.%まで 拡 大 する 急 激 な 金 利 上 昇 に 直 面 した 場 合 の 実 質 可 処 分 所 得 の 減 少 は 返 済 6 年 目 ( 年 )から 1 年 目 (19 年 )ま でが 23 万 7 円 11 年 目 ( 年 )から 年 目 (24 年 )までが 1 万 9198 円 となり 16 年 目 (2 年 ) 以 降 は 76 万 1838 円 に 膨 らむ 金 利 変 動 が 無 い 場 合 と 比 較 した 減 少 率 は 最 大 39.7% と 年 収 7 万 円 世 帯 (46.6%)のそれよりも 小 さいが 所 得 水 準 の 低 さを 考 慮 すると その 影 響 は 数 字 よりも 大 きく 実 感 されるだろう 他 方 年 収 1 万 円 世 帯 が 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 借 り 入 れ 金 利 上 昇 が 緩 やかな 場 合 返 済 6 年 目 ( 年 )から 1 年 目 (19 年 )にかけて 実 質 可 処 分 所 得 は 年 間 1 万 368 円 減 少 する 11 年 目 ( 年 ) 以 降 はその 幅 が 年 間 3 万 298 円 に 広 がり 金 利 変 動 の 無 い 場 合 と 比 べた 減 少 率 は 返 済 29 年 目 (39 年 )には.2%へと 拡 大 する 金 利 上 昇 の 急 激 な 場 合 実 質 可 処 分 所 得 の 減 少 額 が 返 済 6 年 目 ( 年 )から 1 年 目 (19 年 )までは 年 1 万 368 円 11 年 目 ( 年 )から 年 目 (24 年 )までが 年 1 万 78 円 16 年 目 (2 年 ) 以 降 は 年 169 万 917 円 に 膨 らむ 年 収 の 想 定 が 異 なる 世 帯 に 比 べて 借 入 額 が 多 いため 金 利 上 昇 に 伴 う 返 済 増 加 額 も 大 きくなり 金 利 変 動 が 無 い 場 合 との 減 少 率 は 最 大 48.2%に 広 がる 以 上 のように 金 利 変 化 が 実 質 可 処 分 所 得 に 与 える 影 響 は 無 視 できない 過 去 1 年 程 度 の 動 向 を 踏 まえれば 上 記 のような 金 利 上 昇 は 考 えにくいかもしれない しかし 政 府 債 務 の 積 み 上 が 16

17 った 昨 今 の 欧 州 諸 国 における 国 債 金 利 の 上 昇 を 考 慮 すると あながち 非 現 実 的 な 想 定 とはいえ ないだろう 上 記 のモデルケースの 前 提 では 住 宅 ローンの 借 入 額 を 標 準 的 な 年 収 の 倍 程 度 としている 借 入 額 の 大 小 に 応 じても 利 払 い 額 は 変 化 する 家 計 が 世 帯 年 収 に 見 合 わない 少 々の 背 伸 びを して 多 めのローンを 組 んだ 場 合 は 実 質 可 処 分 所 得 が 上 記 の 試 算 結 果 よりも 目 減 りし 家 計 の 負 担 感 が 増 すことになる 金 融 機 関 サイドからみると 住 宅 ローンの 債 務 不 履 行 (デフォルト)リスクが 高 まることにな る 詳 細 な 分 析 は 他 稿 に 譲 るが マクロ 経 済 的 な 観 点 からは 所 得 が 大 幅 に 制 約 され 消 費 に 下 押 し 圧 力 が 加 わり 続 けることは 指 摘 するまでもないだろう 第 節 住 宅 ローン 市 場 に 関 する 提 言 (1) 金 利 変 動 リスクの 周 知 徹 底 8 年 秋 のリーマン ショック 後 の 経 済 危 機 により 国 内 の 住 宅 投 資 は 大 幅 に 落 ち 込 んだ その 後 は 日 本 経 済 が 最 悪 期 を 脱 する 中 住 宅 ローン 適 用 金 利 の 基 準 になる 市 中 金 利 の 低 下 住 宅 ロー ン 減 税 拡 充 などの 政 府 の 住 宅 購 入 支 援 策 が 追 い 風 となり 住 宅 投 資 は 緩 やかに 持 ち 直 しつつある 一 方 日 本 経 済 が 失 われた 年 からの 出 口 が 見 えない 中 家 計 の 期 待 所 得 は 高 まらず 低 下 する 恐 れも 指 摘 される こうした 所 得 の 制 約 を 意 識 すると ローン 返 済 が 長 期 的 な 家 計 負 担 と なる 住 宅 購 入 は 一 層 の 慎 重 さが 求 められるべきである 所 得 の 持 続 的 な 増 加 を 期 待 しにくい 中 で 住 宅 投 資 が 持 ち 直 していることは ローン 金 利 の 低 下 政 府 の 購 入 支 援 策 による 初 期 の 返 済 負 担 軽 減 に 妙 味 を 感 じ 今 が 買 い 時 と 考 えた 住 宅 購 入 者 も 多 いためと 思 われる 当 初 の 返 済 負 担 軽 減 を 重 視 する 姿 勢 が 全 体 的 に 強 いとすれば ( 将 来 の 金 利 上 昇 リスクがない) 固 定 金 利 型 の 住 宅 ローン 金 利 が 低 水 準 であるにもかかわらず ( 金 利 上 昇 リスクがあっても) 当 初 の 適 用 金 利 が 固 定 金 利 型 よりも 低 い 変 動 金 利 型 を 選 ぶ 利 用 者 が 全 体 のほぼ 半 数 を 占 める 事 実 とも 整 合 する ただし 金 利 上 昇 局 面 を 迎 えれば 見 込 み 違 いが 生 じ 住 宅 ローン 利 用 者 は 重 い 負 担 を 背 負 う 可 能 性 が 高 い 本 稿 のシミュレーション 結 果 によると 年 収 7 万 円 世 帯 が 3 万 円 を 借 り 入 れ 元 利 均 等 で 返 済 するケースで 当 初 1.2%の 住 宅 ローン 金 利 が1 年 後 に 2.% 年 後 に%と 急 激 に 上 昇 すると 金 利 変 動 の 無 い 場 合 に 比 べ 減 税 後 の 実 質 返 済 総 額 は 8% 増 える 返 済 額 は 段 階 的 に 61 カ 月 目 ( 返 済 6 年 目 ) 121 カ 月 目 ( 返 済 11 年 目 ) 181 カ 月 目 ( 返 済 16 年 目 )に 増 える 特 に 121 カ 月 目 (11 年 目 )は 金 利 上 昇 減 税 終 了 が 重 なり 実 質 の 月 次 返 済 額 は 前 月 比 で 4.% 跳 ね 上 がり 負 担 感 は 一 気 に 高 まる またローン 返 済 を 考 慮 した 実 質 可 処 分 所 得 は 金 利 が 急 上 昇 するモデルケースで 最 大 46.6% 目 減 りする さらに ローン 返 済 を 考 慮 しない 名 目 可 処 分 所 得 は 歳 代 前 半 でピークを 迎 えるが 実 質 可 処 分 所 得 は 4 歳 代 半 ばでピークを 迎 える ローン 返 済 中 の 世 帯 の 消 費 が 抑 制 されるほか 住 宅 ローン 自 体 が 債 務 不 履 行 (デフォルト)に 陥 るリスクも 否 定 できない 金 融 機 関 が 住 宅 ローンの 利 用 を 検 討 する 顧 客 らに 借 入 額 に 対 する 返 済 総 予 定 額 を 目 安 として 試 算 するサービスが 広 がっている この 返 済 総 予 定 額 は 一 般 的 に 物 価 情 勢 を 考 慮 せずに 月 々の 返 済 額 を 単 純 合 計 したものである 金 利 が 上 昇 した 場 合 は 返 済 額 がそれよりも 膨 らむ 経 済 成 長 と 歩 調 を 合 わせた 良 い 金 利 上 昇 ならば 所 得 水 準 の 上 昇 を 伴 うと 思 われ 返 済 額 の 増 加 は 重 大 な 問 題 にならない しかし デフレ 下 で 財 政 不 安 などの 理 由 から 金 利 が 上 昇 する 場 合 は 利 用 者 の 負 担 感 は 一 層 大 きくなる また 金 利 および 月 々の 返 済 額 が 一 定 であっても 日 本 経 済 のデフ 17

18 レ 状 況 が 続 けば 名 目 所 得 水 準 が 減 少 し 利 用 者 の 実 質 可 処 分 所 得 が 減 る 可 能 性 もある 住 宅 ローン 利 用 者 が 金 利 上 昇 など 上 記 のリスクや 注 意 点 を 理 解 したうえで 借 入 判 断 をすべき ことは 当 然 である しかし 金 利 上 昇 によるデフォルトを 防 ぐ 意 図 からも 金 融 機 関 は 住 宅 ロー ンの 顧 客 争 奪 だけでなく 金 利 所 得 環 境 の 変 動 による 影 響 を 懇 切 丁 寧 に 説 明 することに 従 来 よりも 注 力 すべきであろう (2) 住 宅 ローン 適 用 金 利 の 算 定 の 透 明 化 変 動 金 利 型 の 住 宅 ローンは 全 体 の 半 数 を 占 め 最 も 種 類 の 多 い 金 利 タイプとなったが 住 宅 ロ ーンを 組 む 際 に 金 融 機 関 が 提 示 する 変 動 金 利 型 の 店 頭 基 準 金 利 は 短 期 プライムレートを 参 考 に して 決 める と 契 約 書 に 記 される 例 が 多 い 1 年 11 月 時 点 の 大 手 3 行 ( 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 みずほ 銀 行 三 井 住 友 銀 行 )の 変 動 金 利 型 の 店 頭 表 示 金 利 は 2.47%で 短 期 プライムレートよ り1% 高 い 水 準 である 短 期 プライムレートへの 上 乗 せ 幅 は 金 融 機 関 によって 異 なるほか 同 一 の 金 融 機 関 でも 上 乗 せ 幅 が 常 に 一 定 とは 限 らない 他 行 との 釣 り 合 いをとる 意 図 などから 金 融 機 関 が 店 頭 表 示 金 利 を 変 更 することは 合 理 的 と 解 釈 できる 住 宅 ローン 市 場 における 金 融 機 関 同 士 の 金 利 競 争 が 激 しい 中 平 時 であれば 住 宅 ロ ーン 利 用 者 との 間 で 混 乱 が 生 じるリスクは 少 ないだろう しかし 仮 に 金 融 不 安 によって 金 融 機 関 の 流 動 性 制 約 が 一 時 的 に 厳 しくなった 場 合 金 融 機 関 が 個 別 に 住 宅 ローンの 上 乗 せ 金 利 を 拡 大 する 可 能 性 も 排 除 できない 契 約 上 の 問 題 は 無 いと 思 われるが 利 用 者 が 契 約 時 にそのリスクを 十 分 に 把 握 しているとは 限 らず 混 乱 が 生 じるだろう 金 利 上 昇 に 伴 う 返 済 額 の 増 加 リスクと 共 に 適 用 金 利 の 算 定 方 法 についても より 徹 底 した 説 明 が 必 要 であるように 思 われる 返 済 リス クを 見 通 しやすくする 一 案 として 金 融 機 関 の 裁 量 を 狭 めることになるが 変 動 金 利 型 の 店 頭 表 示 金 利 を 決 める 方 法 として 基 準 金 利 およびその 上 乗 せ 幅 を 契 約 書 に 明 記 することも 考 えられる また 第 1 節 (2)でも 述 べたが 住 宅 ローンは 店 頭 基 準 金 利 から 一 定 の 利 率 を 引 き 下 げた 優 遇 金 利 を 適 用 することが 一 般 的 である 優 遇 金 利 適 用 の 条 件 は 同 一 の 金 融 機 関 にも 多 数 あり 住 宅 購 入 額 に 占 める 自 己 資 金 の 割 合 利 用 者 の 勤 続 年 数 勤 務 先 仲 介 不 動 産 会 社 などに 及 ぶ 優 遇 金 利 のメニューは 当 然 金 融 機 関 ごとに 異 なる 金 利 メニューの 多 様 化 は 住 宅 購 入 者 がそ れぞれのニーズに 応 じた 金 利 でローンを 組 むことが 可 能 になる 一 方 異 なる 金 融 機 関 の 間 での 比 較 検 討 が 困 難 になり 利 用 者 が 最 も 望 ましいローンを 活 用 する 機 会 を 逸 する 可 能 性 もある 最 近 は 金 融 機 関 の 住 宅 ローン 金 利 を 比 較 するインターネットサイトを 事 前 に 調 べ 住 宅 ローンを 組 む 利 用 者 も 増 えた ただし そのような 場 所 では 必 ずしも 全 てのメニューが 紹 介 されておらず ローン 条 件 に 関 するイコールフッティング(= 前 提 条 件 を 同 一 化 した 比 較 )も 図 られていない さらに 仲 介 した 不 動 産 会 社 による 金 利 優 遇 など 金 融 機 関 が 公 開 していない 条 件 もある その ような 例 も 含 めて 網 羅 的 に 比 較 できる 仕 組 みがあれば 利 便 性 がさらに 高 まるだろう 補 論 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 限 度 額 の 拡 大 と 住 宅 版 エコポイントの 概 要 政 府 が 住 宅 投 資 を 後 押 しする 政 策 は 住 宅 ローン 減 税 の 拡 充 のほかにもある 補 論 では 親 祖 父 母 に 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 を 受 けた 場 合 の 贈 与 税 の 非 課 税 限 度 額 の 拡 大 や 住 宅 版 エコポイン ト 制 度 について その 概 要 を 紹 介 する 18

19 図 表 補 1 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 税 非 課 税 限 度 額 非 課 税 額 限 度 額 万 円 (1 年 ) 1 万 円 (11 年 ) 非 課 税 措 置 適 用 1 自 分 の 住 宅 用 の 家 屋 の 新 築 取 得 増 改 築 のための 資 金 の 贈 与 であること の 主 な 要 件 2 翌 年 3 月 日 までに 新 築 取 得 増 改 築 し 遅 滞 なく 居 住 すること 3 住 宅 の 登 記 簿 上 の 床 面 積 が m2 以 上 で 床 面 積 の 2 分 の 1 以 上 が 受 贈 者 の 居 住 用 である こと 築 年 以 内 ( 鉄 筋 コンクリート 造 など 耐 火 建 築 物 は 2 年 以 内 )であること 地 震 に 対 する 安 全 上 必 要 な 構 造 方 法 に 関 する 一 定 の 技 術 的 基 準 またはこれに 準 ずるものに 適 合 するもの 非 課 税 措 置 の 対 象 金 銭 が 対 象 ( 家 屋 そのものの 贈 与 は 適 用 外 ) 所 得 制 限 万 円 1 年 に 限 り 改 正 前 の 制 度 ( 非 課 税 限 度 額 万 円 所 得 要 件 なし)も 選 択 可 他 の 非 課 税 枠 の 併 用 暦 年 課 税 の 基 礎 控 除 相 続 時 精 算 課 税 の 特 別 控 除 との 併 用 可 (1) 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 税 非 課 税 限 度 額 の 拡 大 住 宅 を 新 築 取 得 増 改 築 する 際 の 資 金 を 親 祖 父 母 から 贈 与 された 場 合 一 定 の 要 件 を 満 た せば 1 年 中 は 万 円 まで 11 年 中 は 1 万 円 までの 金 額 は 贈 与 税 が 非 課 税 になる 1 年 度 税 制 改 正 によって 非 課 税 限 度 額 が 従 来 の 万 円 から 引 き 上 げられた( 図 表 補 1) 住 宅 購 入 を 通 して 貯 蓄 が 多 い 高 齢 者 の 資 産 を 若 い 世 代 に 移 し 替 えることで 景 気 浮 揚 の 効 果 が 期 待 さ れる 金 持 ち 優 遇 の 批 判 を 避 けるため 贈 与 を 受 けた 年 の 合 計 所 得 金 額 が 万 円 以 下 という 所 得 条 件 がある また 物 件 に 対 しては 登 記 簿 上 の 床 面 積 が m2 以 上 で その2 分 の1 以 上 が 受 贈 者 の 居 住 用 に 使 用 されることが 条 件 である 非 課 税 の 対 象 は 新 築 住 宅 のほか 築 年 ( 耐 火 建 築 物 は 2 年 ) 以 内 の 中 古 住 宅 および 耐 震 基 準 適 合 証 明 書 の 取 得 などにより 地 震 に 対 する 安 全 性 基 準 に 適 合 する 中 古 住 宅 である 非 課 税 措 置 を 受 けるには 翌 年 3 月 日 までに 新 築 取 得 増 改 築 のうえで 遅 滞 なく 居 住 することが 求 められる また 金 銭 の 贈 与 が 対 象 で 家 屋 その ものの 贈 与 には 適 用 されない 贈 与 税 に 関 する 制 度 としては 贈 与 した 金 銭 の 用 途 が 住 宅 取 得 か 否 かに 関 係 なく 暦 年 課 税 の 基 礎 控 除 8 および 相 続 時 清 算 課 税 の 特 別 控 除 9 があり 上 述 した 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 税 非 課 税 制 度 は それらと 併 用 できる すなわち 暦 年 課 税 の 基 礎 控 除 と 併 用 する 場 合 は 1 年 中 の 贈 与 なら 万 円 に 11 万 円 を 足 し 合 わせた 161 万 円 までは 贈 与 税 の 非 課 税 扱 いになる 相 続 時 精 算 課 税 の 特 別 控 除 と 併 用 する 例 としては 祖 父 母 から 1 万 円 親 から 1 万 円 の 住 宅 取 得 資 金 の 贈 与 を 受 けた 場 合 祖 父 母 からの 1 万 円 および 親 からの 万 円 を 贈 与 税 の 非 課 税 制 度 の 対 象 とし 父 母 から 受 けた 残 りの 万 円 を 特 別 控 除 の 対 象 とすることができる ただし 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 特 別 控 除 はあくまで 納 税 を 繰 り 延 べるための 制 度 であるため 贈 与 者 が 亡 くなり 相 続 が 発 8 暦 年 課 税 とは 1 月 1 日 以 降 の 1 年 間 で 贈 与 した 金 額 のうち 基 礎 控 除 分 (11 万 円 )を 差 し 引 いた 金 額 に 金 額 に 応 じて 1~%の 税 率 を 乗 じて 計 算 する 税 額 すなわち 11 万 円 以 内 の 贈 与 であれば 贈 与 税 は 非 課 税 にな り 1 年 間 毎 年 11 万 円 を 子 に 贈 与 すれば 累 計 11 万 円 の 贈 与 に 税 がかからない ただし 最 初 から 11 万 円 の 贈 与 を 意 図 している と 税 務 署 が 判 断 すると 初 年 度 に 11 万 円 全 額 の 課 税 がなされることもありうる 9 相 続 時 精 算 課 税 は 贈 与 者 から 財 産 を 受 けた 時 に 贈 与 税 を 納 め その 贈 与 者 が 亡 くなった 時 に 贈 与 財 産 の 贈 与 時 の 価 額 と 相 続 財 産 の 価 額 の 合 計 額 から 相 続 税 を 計 算 するが すでに 納 めた 贈 与 税 相 当 額 を 控 除 する 制 度 特 別 控 除 は 贈 与 時 の 課 税 を 繰 り 延 べる 制 度 で 上 限 は 2 万 円 特 別 控 除 の 適 用 は 父 母 からの 贈 与 に 限 られる 19

20 ポイントの 発 行 対 象 ポイント 発 行 数 ポイントの 交 換 対 象 図 表 補 2 住 宅 版 エコポイントの 概 要 <エコ 住 宅 > 11 年 末 までの 建 築 着 工 が 必 要 1 省 エネ 法 のトップランナー 基 準 ( 住 宅 事 業 建 築 主 の 判 断 の 基 準 ) 相 当 の 住 宅 2 省 エネ 基 準 ( 平 成 11 年 基 準 )を 満 たす 木 造 住 宅 <エコリフォーム> 11 年 末 までの 工 事 着 工 が 必 要 1 窓 の 断 熱 改 修 2 外 壁 屋 根 天 井 または 床 の 断 熱 改 修 3 太 陽 熱 利 用 システム 節 水 型 便 器 高 断 熱 浴 槽 (1 月 8 日 閣 議 決 定 の 緊 急 総 合 経 済 対 策 にて 対 象 拡 充 ) <エコ 住 宅 > 3 万 ポイント <エコリフォーム> 工 事 内 容 ごとに 2 千 ~1 万 ポイント(1 戸 あたり 上 限 は 3 万 ポイント) 省 エネ 環 境 配 慮 製 品 等 地 域 産 品 商 品 券 プリペイドカード 環 境 寄 附 エコリフォーム 又 は エコ 住 宅 の 新 築 を 行 う 工 事 施 工 者 が 追 加 的 に 実 施 する 工 事 ( 即 時 交 換 ) 生 した 時 に 生 前 の 贈 与 分 も 含 めて 遺 産 が 多 い と 判 断 されれば 相 続 時 清 算 課 税 の 特 別 控 除 分 も 納 税 義 務 が 生 じることもありうる (2) 住 宅 版 エコポイント 制 度 断 熱 壁 などによってエネルギー 効 率 を 高 めた 住 宅 の 建 設 改 修 に 対 し 商 品 券 などと 交 換 でき るポイントが 発 行 される 制 度 で 政 府 が 9 年 度 第 2 次 補 正 予 算 で 創 設 した 新 築 の 場 合 外 壁 窓 の 断 熱 性 能 冷 暖 房 設 備 給 湯 設 備 の 効 率 性 を 総 合 的 に 評 価 し 省 エネ 法 の 基 準 を 満 たすこと が 条 件 になる( 図 表 補 2) 1 戸 あたり 3 万 ポイント(1ポイント1 円 に 相 当 ) 付 与 される 改 修 の 場 合 窓 や 外 壁 など 工 事 箇 所 別 にポイント 数 は 異 なるが 最 大 で1 戸 あたり 3 万 ポイント 支 給 される ポイントを 受 け 取 るには 11 年 末 までに 建 築 もしくは 改 修 工 事 に 着 工 する 必 要 がある 受 け 取 ったポイントは 省 エネ 型 環 境 配 慮 型 の 製 品 地 域 の 産 品 商 品 券 に 交 換 できる その 他 省 エネ 型 の 機 器 を 取 り 付 けるための 追 加 工 事 に 即 時 交 換 することもできる ポイント 交 換 は 14 年 3 月 末 まで 1 年 1 月 末 までの 累 計 で 新 築 は 1 万 944 戸 リフォームは 16 万 7388 戸 の 申 請 があり 累 計 の 発 行 ポイントは 334 億 1 万 4 ポイントとなっている (3) 住 宅 ローン 返 済 の 条 件 変 更 の 特 例 以 上 の 住 宅 購 入 支 援 策 とは 異 なるが 9 年 12 月 施 行 の 中 小 企 業 金 融 円 滑 化 法 において 所 得 減 少 が 原 因 で 資 金 繰 りに 窮 したために 住 宅 ローン 返 済 が 困 難 になった 個 人 の 要 請 に 対 し 金 融 機 関 は 返 済 期 間 延 長 金 利 減 免 など 返 済 条 件 の 緩 和 に 努 める 努 力 義 務 が 規 定 された 1 年 6 月 末 の 時 点 で 全 国 146 の 銀 行 に 対 し 6 万 2872 件 の 申 し 込 みがあり このうち3 万 9712 件 ( 金 額 で 6249 億 円 )において 返 済 期 間 の 延 長 などの 措 置 が 実 行 された 審 査 中 と 取 り 下 げの 案 件 を 除 いた 実 行 率 ( 実 行 件 数 を 実 行 件 数 と 謝 絶 件 数 の 合 計 で 割 った 値 )は 9.6%だった なお 同 法 は 11 年 3 月 末 までの 時 限 立 法 となっているが 1 年 間 の 延 長 の 可 能 性 があるといわれる

21 付 図 表 世 帯 年 収 別 の 実 質 返 済 額 のシミュレーション (1) 年 収 4 万 円 世 帯 付 図 1-1 借 入 額 23 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 図 1-2 借 入 額 23 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 図 1-3 借 入 額 321 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額

22 付 図 1-4 借 入 額 321 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 表 1-1 借 入 額 23 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 初 回 7 万 6918 円 (19.2) 6 年 目 (16.2) (21.2) (21.2) 6 万 221 円 8 万 144 円 8 万 144 円 (61 カ 月 目 ) <.4> <31.4> <31.4> 11 年 目 (17.8) (22.9) (28.8) 7 万 179 円 9 万 13 円 11 万 3446 円 (121 カ 月 目 ) <11.9> <1.> <38.> 16 年 目 (19.) (24.) (3.6) 7 万 6918 円 9 万 6869 円 14 万 4 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 29 万 63 円 3189 万 8423 円 4113 万 368 円 注 ) 図 表 3-3の 注 を 参 照 以 下 同 じ 付 表 1-2 借 入 額 23 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 初 回 8 万 3276 円 (22.2) 6 年 目 (18.1) (2.3) (33.6) 6 万 94 円 9 万 798 円 12 万 942 円 (61 カ 月 目 ) <.2> <19.9> <4.> 11 年 目 (18.6) (24.2) (3.7) 7 万 3442 円 9 万 483 円 12 万 139 円 (121 カ 月 目 ) <11.2> <8.3> <6.3> 16 年 目 (18.8) (22.9) (27.7) 7 万 618 円 9 万 2639 円 11 万 186 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 267 万 6766 円 342 万 481 円 364 万 689 円 22

23 付 表 1-3 借 入 額 321 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 初 回 1 万 2369 円 (27.3) 6 年 目 (24.1) (31.1) (31.1) 9 万 2643 円 11 万 9481 円 11 万 9481 円 (61 カ 月 目 ) <.2> <29.3> <29.3> 11 年 目 (2.) (32.6) (4.8) 1 万 612 円 12 万 847 円 16 万 997 円 (121 カ 月 目 ) <8.> <7.1> <34.2> 16 年 目 (26.6) (33.) (48.) 1 万 731 円 13 万 196 円 19 万 96 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 3691 万 2184 円 4 万 244 円 89 万 448 円 付 表 1-4 借 入 額 321 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 初 回 11 万 8196 円 (31.) 6 年 目 (26.8) (36.8) (48.4) 1 万 2881 円 14 万 1334 円 18 万 917 円 (61 カ 月 目 ) <.1> <18.8> <42.8> 11 年 目 (26.7) (34.) (43.) 1 万 16 円 13 万 928 円 17 万 94 円 (121 カ 月 目 ) <7.6> <.6> <4.3> 16 年 目 (26.3) (32.) (38.6) 1 万 62 円 12 万 9292 円 万 642 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 362 万 197 円 4314 万 8274 円 43 万 677 円 (2) 年 収 7 万 円 世 帯 付 図 2-1 借 入 額 3 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 再 掲 減 税 額 利 息 元 金 - 実 質 返 済 額

24 付 図 2-2 借 入 額 3 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 再 掲 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 図 2-3 借 入 額 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 図 2-4 借 入 額 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額

25 付 表 2-1 借 入 額 3 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 再 掲 初 回 9 万 3421 円 (16.) 6 年 目 (.) (.4) (.4) 9 万 286 円 12 万 2122 円 12 万 2122 円 (61 カ 月 目 ) <.9> <32.7> <32.7> 11 年 目 (19.1) (24.) (29.8) 11 万 749 円 14 万 741 円 18 万 289 円 (121 カ 月 目 ) <21.4> <17.3> <4.> 16 年 目 (18.6) (23.4) (34.) 11 万 749 円 14 万 741 円 21 万 369 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 3918 万 3616 円 4822 万 893 円 6227 万 92 円 付 表 2-2 借 入 額 3 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 再 掲 初 回 11 万 678 円 (19.) 6 年 目 (17.4) (24.4) (32.) 1 万 422 円 14 万 949 円 19 万 46 円 (61 カ 月 目 ) <.7> <.7> <46.1> 11 年 目 (19.9) (2.4) (31.7) 12 万 14 円 万 6 円 19 万 4444 円 (121 カ 月 目 ) <.3> <.1> <11.6> 16 年 目 (18.4) (22.4) (27.1) 11 万 816 円 14 万 972 円 17 万 139 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 387 万 84 円 498 万 39 円 393 万 3 円 付 表 2-3 借 入 額 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 初 回 14 万 38 円 (24.6) 6 年 目 (23.9) (3.9) (3.9) 14 万 324 円 18 万 4827 円 18 万 4827 円 (61 カ 月 目 ) <.6> <3.> <3.> 11 年 目 (27.3) (34.3) (42.6) 16 万 7214 円 21 万 86 円 26 万 1271 円 (121 カ 月 目 ) <14.1> <11.8> <38.7> 16 年 目 (26.6) (33.) (48.6) 16 万 7214 円 21 万 86 円 3 万 228 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 724 万 267 円 716 万 213 円 923 万 687 円 2

26 付 表 2-4 借 入 額 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 初 回 16 万 8238 円 (28.8) 6 年 目 (26.6) (36.6) (48.2) 万 897 円 21 万 8866 円 28 万 831 円 (61 カ 月 目 ) <.4> <19.3> <43.> 11 年 目 (28.4) (36.2) (4.3) 17 万 436 円 22 万 2222 円 27 万 7778 円 (121 カ 月 目 ) <13.3> <1.1> <7.8> 16 年 目 (26.3) (32.) (38.7) 16 万 41 円 万 1389 円 24 万 36 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 663 万 4873 円 669 万 621 円 783 万 8988 円 (3) 年 収 1 万 円 世 帯 付 図 3-1 借 入 額 1 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 - 実 質 返 済 額 付 図 3-2 借 入 額 1 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額

27 付 図 3-3 借 入 額 7 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 図 3-4 借 入 額 7 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 減 税 額 利 息 元 金 実 質 返 済 額 付 表 3-1 借 入 額 1 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 利 均 等 返 済 初 回 12 万 96 円 (.) 6 年 目 (.9) (.9) (.9) 13 万 841 円 17 万 8647 円 17 万 8647 円 (61 カ 月 目 ) <.9> <32.7> <32.7> 11 年 目 (19.) (24.6) (3.) 17 万 1227 円 21 万 64 円 26 万 742 円 (121 カ 月 目 ) <21.4> <17.3> <4.> 16 年 目 (19.1) (24.) (34.8) 17 万 1227 円 21 万 64 円 31 万 23 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 732 万 68 円 7 万 3244 円 9111 万 174 円 27

28 付 表 3-2 借 入 額 1 万 円 ( 年 収 の 倍 程 度 ) 元 金 均 等 返 済 初 回 12 万 96 円 (.) 6 年 目 (17.8) (21.2) (33.3) 万 217 円 21 万 33 円 28 万 4614 円 (61 カ 月 目 ) <.7> <31.4> <46.1> 11 年 目 (.4) (22.9) (32.) 17 万 8489 円 22 万 76 円 28 万 4444 円 (121 カ 月 目 ) <.3> <1.> <11.6> 16 年 目 (18.9) (24.) (27.7) 16 万 9422 円 万 6222 円 24 万 8889 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 662 万 762 円 6719 万 6611 円 7882 万 18 円 付 表 3-3 借 入 額 7 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 利 均 等 返 済 初 回 19 万 7449 円 (23.7) 6 年 目 (23.8) (3.8) (3.8) 万 3729 円 26 万 38 円 26 万 38 円 (61 カ 月 目 ) <.6> <3.1> <3.1> 11 年 目 (27.3) (34.4) (42.7) 23 万 91 円 3 万 1138 円 37 万 3618 円 (121 カ 月 目 ) <14.> <12.1> <39.1> 16 年 目 (26.6) (33.) (48.6) 23 万 91 円 3 万 1138 円 43 万 647 円 (181 カ 月 目 ) <.> <.> <16.8> 実 質 返 済 総 額 8176 万 612 円 1 億 23 万 7691 円 1 億 2894 万 7311 円 付 表 3-4 借 入 額 7 万 円 ( 借 入 限 度 額 ) 元 金 均 等 返 済 初 回 19 万 7449 円 (23.7) 6 年 目 (26.) (36.) (48.2) 22 万 632 円 31 万 2183 円 41 万 1489 円 (61 カ 月 目 ) <.> <19.3> <43.6> 11 年 目 (28.) (36.3) (4.3) 24 万 927 円 31 万 7778 円 39 万 7222 円 (121 カ 月 目 ) <13.7> <1.3> <8.> 16 年 目 (26.3) (32.1) (38.7) 23 万 69 円 28 万 7986 円 34 万 769 円 (181 カ 月 目 ) <.1> <.2> <.2> 実 質 返 済 総 額 879 万 694 円 9 万 6 円 1 億 1178 万 4678 円 28

29 ( 本 稿 に 関 するお 問 い 合 わせ: ) 本 稿 の 無 断 転 載 を 禁 じます 詳 細 は 総 務 事 業 本 部 広 報 企 画 Gまでご 照 会 ください 公 益 社 団 法 人 日 本 経 済 研 究 センター 東 京 都 千 代 田 区 大 手 町 日 経 ビル11F TEL: / FAX: