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1 建 設 経 済 の 最 新 情 報 ファイル m o n t h l y RESEARCH INSTITUTE OF CONSTRUCTION AND ECONOMY 研 究 所 だ よ り No CONTENTS 視 点 論 点 - 建 設 業 の 労 働 生 産 性 の 議 論 を 意 義 あるものにするには- 1 Ⅰ. わが 国 におけるPFI 事 業 の 現 状 と 課 題 (その2) 2 Ⅱ. 総 合 評 価 方 式 の 動 向 について 17 Ⅲ. 建 設 関 連 産 業 の 動 向 内 装 仕 上 工 事 業 21 RICE 財 団 法 人 建 設 経 済 研 究 所 東 京 都 港 区 西 新 橋 NP 御 成 門 ビル 8F TEL : (03) FAX : (03) URL : jp

2 建 設 業 の 労 働 生 産 性 の 議 論 を 意 義 あるものにするには 常 務 理 事 松 下 敏 郎 我 が 国 の 建 設 業 の 労 働 生 産 性 については 年 代 の 初 めには 製 造 業 の9 割 程 度 の 水 準 であったが その 後 は 年 を 追 うごとに 差 が 広 が り 最 近 では6 割 以 下 に 低 下 している という ことが 言 われる これでは 我 が 国 建 設 業 が 努 力 を 怠 っているような いかにもお 荷 物 産 業 で あるかのように 見 えるが 生 産 現 場 の 実 態 を 見 ると とてもそんな 産 業 とは 思 えないし 逆 に 生 産 性 が 上 がり 続 けているようにしか 思 えない というわけで 実 態 を 正 しく 反 映 した 指 標 を 提 示 すべく 多 くの 方 が 努 力 されている 状 況 と 理 解 しているが 少 し 議 論 の 方 向 を 変 えてみるの も 良 いのではないかと 考 えている というのは 経 済 学 では 金 銭 に 換 算 して 物 事 の 価 値 を 比 較 するのが 常 であるが この 手 法 に あまりに 固 執 しすぎると 議 論 することの 意 義 が 低 下 しかねない 事 象 がたくさんあるように 思 えてならないからだ 公 共 投 資 の 効 果 に 関 する 議 論 ももちろんであるが この 建 設 業 の 労 働 生 産 性 の 議 論 も そのうちの 一 つではないかと 考 えている 考 えてみていただきたいのは 製 造 工 場 の 生 産 性 を 上 げようとするとき どのような 議 論 を するだろうか ということである いかにムダ ( 時 間 の 無 駄 原 材 料 のムダ 工 程 のムダ 等 ) を 省 いて 低 コスト 化 を 実 現 するかという 議 論 は するが 変 動 する 製 品 価 格 を 指 標 にして 生 産 方 法 を 議 論 するようなことはないはずである な ぜなら 生 産 方 法 生 産 性 は 同 じでも 製 品 価 格 の 変 動 に 応 じて 労 働 生 産 性 が 上 下 するから で このような 生 産 方 法 と 関 係 なく 変 動 する 数 値 に 一 喜 一 憂 しても 生 産 現 場 の 改 善 には 何 の 役 にも 立 たないし 場 合 によってはマイナス 効 果 さえ 生 みかねないからである 生 産 現 場 の 改 善 に 役 立 つのは 単 位 時 間 単 位 労 働 者 当 たり の 生 産 量 をどうすれば 今 よりも 多 くすることが できるか どうすれば 製 品 の 質 を 高 めることが できるかというような 議 論 であって 議 論 の 焦 点 を 生 産 方 法 に 当 てることが 必 要 である そう いう 意 味 で 生 産 現 場 にとって 労 働 生 産 性 の 議 論 を 意 義 があるものにするには 価 値 労 働 生 産 性 ではなく 物 的 労 働 生 産 性 について 議 論 する 方 が 良 いと 考 えられる もちろん か つての 某 国 のように 機 械 製 造 工 場 の 生 産 性 の 向 上 を 生 産 重 量 で 測 るなどという 馬 鹿 げたこと はしないという 前 提 である 以 下 に 価 値 労 働 生 産 性 を 使 うことへの 反 論 として 二 つ 指 摘 しておく 一 つは 建 設 業 の 労 働 生 産 性 が 低 い という 文 脈 の 中 で 使 われる 製 造 業 の 労 働 生 産 性 の 中 の 製 造 業 には 輸 出 主 導 型 製 造 業 と 国 内 産 業 型 製 造 業 が 含 まれるが 我 が 国 の 産 業 を 輸 出 主 導 型 製 造 業 国 内 産 業 型 製 造 業 国 内 サービス 業 に 分 けてその 労 働 生 産 性 を 比 較 すると 国 内 産 業 型 製 造 業 と 国 内 サー ビス 業 がほぼ 同 等 で 輸 出 主 導 型 製 造 業 が その 約 2 倍 となっており 明 らかに 輸 出 主 導 型 製 造 業 が 特 殊 な 産 業 であると 言 える そし て 建 設 業 は 国 内 産 業 の 典 型 のようなものであ ることから その 労 働 生 産 性 を 国 内 産 業 の 中 で 比 較 すると 特 に 低 いわけではなく 建 設 業 の 労 働 生 産 性 が 低 い という 指 摘 は 適 切 で はないと 考 えられることである もう 一 つは 建 設 業 の 物 的 労 働 生 産 性 の 推 移 を 端 的 に 示 したものはあまり 見 当 たらない が 現 場 の 生 産 性 の 向 上 を 示 す 事 象 はたくさん あることである たとえばコンクリート 工 事 に おける 省 力 化 の 流 れ 機 械 化 によるトンネル 工 事 の 掘 進 速 度 の 向 上 機 械 化 と 製 品 改 良 の 結 果 としての 足 場 設 置 の 高 速 化 リモートセンシン グ 技 術 の 向 上 による 盛 土 作 業 の 高 速 化 等 々 従 って 歩 係 りとの 関 係 を 整 理 すれば 建 設 業 の 物 的 労 働 生 産 性 が 着 実 に 向 上 していること を 明 らかにすることは 容 易 なことだろうと 考 え られることである - 1 -

3 Ⅰ.わが 国 におけるPFI 事 業 の 現 状 と 課 題 (その2) 前 回 に 引 き 続 き わが 国 の 公 共 調 達 において 浸 透 しつつある PFI 事 業 の 課 題 について 考 察 を 行 う 特 に 今 回 は 具 体 的 な 事 例 を 通 して 課 題 解 決 の 施 策 を 探 るとともに 今 後 に 向 けたポイントを 整 理 する (1)PFI 事 業 の 事 例 紹 介 ここでは 既 に PFI 事 業 を 実 施 している 宇 多 津 町 大 阪 府 及 び DBO 方 式 にて 事 業 を 実 施 している 姫 路 市 並 びに 民 間 事 業 者 である A 社 を 取 り 上 げ わが 国 PFI の 課 題 の 解 決 の 施 策 を 探 る 宇 多 津 町 の 事 例 からは 小 規 模 自 治 体 の 積 極 的 な 取 組 みに 向 けての 課 題 を 整 理 した 大 阪 府 の 事 例 からは 土 木 インフラ 事 業 における PFI 手 法 適 用 のための 課 題 を 整 理 し 姫 路 市 の 事 例 からは 公 設 民 営 方 式 である DBO 手 法 について 整 理 した また A 社 の 事 例 か らは 地 方 建 設 企 業 の PFI 事 業 参 入 に 向 けた 課 題 を 整 理 した 1 香 川 県 宇 多 津 町 香 川 県 宇 多 津 町 は 香 川 県 西 部 に 位 置 する 町 であり 人 口 17,000 人 の 自 治 体 である 瀬 戸 大 橋 の 開 通 に 伴 い 住 宅 商 業 施 設 の 建 設 が 増 加 し 香 川 県 の 中 でも 人 口 増 加 率 の 高 い 自 治 体 である 宇 多 津 町 では ( 仮 称 ) 宇 多 津 新 給 食 センター 整 備 運 営 事 業 (BTO 方 式 ) において PFI 手 法 を 導 入 している (A) 事 業 の 概 要 既 存 の 給 食 センターは 築 40 年 が 経 過 し 老 朽 化 が 進 んでいた また 給 食 センターに 絡 む 学 校 給 食 衛 生 管 理 の 基 準 の 一 部 改 定 が 2003 年 に 行 われ 新 基 準 を 満 たさない 既 存 施 設 の 建 替 の 必 要 性 が 高 まっていた 更 に 宇 多 津 町 は 近 年 学 童 数 が 増 加 しており 既 存 の 給 食 センターでは 対 応 しきれない 可 能 性 もあった このような 状 況 の 中 新 給 食 セン ターの 建 設 は 急 務 であった 宇 多 津 町 は 2005 年 9 月 に 実 施 方 針 を 公 表 した 2006 年 1 月 に 4 グループの 提 案 の 中 から A 社 グループを 最 優 秀 応 募 者 として 選 定 し 2006 年 3 月 に 事 業 契 約 を 締 結 した そ の 後 A 社 グループは 工 事 に 着 手 し 工 事 完 了 後 市 に 施 設 等 の 所 有 権 を 移 転 した 上 で 2027 年 まで 施 設 等 の 整 備 業 務 施 設 等 の 維 持 管 理 及 び 運 営 業 務 を 実 施 する 予 定 である (B) PFI の 導 入 に 向 けて 宇 多 津 町 では 導 入 可 能 性 調 査 に 先 立 ち 2003 年 に 整 備 手 法 の 事 前 検 討 を 行 い PFI - 2 -

4 方 式 公 設 民 営 方 式 従 来 型 公 共 事 業 方 式 の 比 較 を 行 った この 事 前 検 討 の 結 果 PFI 方 式 を 採 用 することによる 財 政 負 担 の 軽 減 が 見 込 まれたため PFI 方 式 による 事 業 実 施 を 決 定 した BTO 方 式 としたのは 民 間 事 業 者 の 参 入 を 容 易 にするためとされている すなわち BOT 方 式 とすると 民 間 事 業 者 における 運 営 リスクが 大 きくなり また 施 設 の 所 有 権 の 関 係 から 不 動 産 所 得 税 等 の 税 負 担 等 の 発 生 に 伴 い VFM が 出 にくくなることから BTO 方 式 の 採 用 に 至 った (C) ノウハウの 習 得 について 宇 多 津 町 においても 近 隣 地 方 自 治 体 における 実 施 例 が 少 なく PFI の 情 報 が 少 ない 中 市 職 員 の 積 極 的 な 努 力 により ノウハウの 習 得 がなされた 当 事 業 は 同 町 政 策 調 整 室 を 中 心 として 町 教 育 委 員 会 建 設 部 が 連 携 して 推 進 された なお 政 策 調 整 室 の 担 当 人 員 は 3 名 である 限 られた 人 員 により 効 率 的 に 事 業 を 推 進 す るため 宇 多 津 町 では コンサルタントを 積 極 的 に 活 用 している 類 似 事 業 の 千 葉 市 大 宮 学 校 給 食 センター( 仮 称 ) 整 備 事 業 への 視 察 を 行 ったものの 施 設 整 備 のみならず 給 食 提 供 も 含 めた 事 業 は 当 事 業 が 初 めてであったため コンサルタントの 存 在 意 義 は 大 き かったと 宇 多 津 町 は 指 摘 している (D) PFI 導 入 のメリットについて PFI の 導 入 メリットとして 宇 多 津 町 は 財 政 負 担 の 軽 減 財 政 負 担 の 平 準 化 民 間 ノウ ハウの 活 用 を 挙 げている 事 業 実 施 に 当 たり 従 来 方 式 による 事 業 実 施 も 考 慮 に 入 れたが 施 設 の 老 朽 化 基 準 改 定 学 童 の 増 加 等 に 伴 う 早 期 の 事 業 実 施 の 必 要 性 に 迫 られ 財 政 負 担 の 軽 減 財 政 の 平 準 化 を 図 れる PFI 手 法 の 採 用 に 至 った また 民 間 ノウハウの 活 用 も メリットとして 挙 げている 民 間 事 業 者 の 提 案 では 省 エネ 機 器 自 然 採 光 等 による 節 電 対 策 や 雨 水 利 用 節 水 型 器 具 の 採 用 による 節 水 対 策 に 加 えて 塩 害 対 策 を 中 心 にライフサ イクルコストの 縮 減 にも 配 慮 されている また オール 電 化 厨 房 の 導 入 による 作 業 の 標 準 化 等 業 務 の 効 率 性 や 快 適 性 に 配 慮 された 提 案 となっている このように 民 間 事 業 者 か らの 提 案 は 民 間 事 業 者 の 創 意 工 夫 により 町 の 財 政 負 担 額 が 縮 減 され 公 共 サービスの 向 上 が 図 られる 内 容 となっており 効 果 が 出 ているといえる 一 方 デメリットとしては 長 期 にわたる 運 営 期 間 内 にどのような 事 態 が 起 こるのが 予 測 困 難 な 点 を 挙 げている この 点 については 契 約 条 項 に 謳 われていない 事 態 が 発 生 した 場 合 関 係 者 部 会 を 開 催 し その 都 度 対 応 する 形 となっているが 運 営 段 階 に 至 っていな い 現 段 階 では まず 事 業 推 進 状 態 を 見 守 りたいと 宇 多 津 町 は 述 べている (E) 地 元 建 設 企 業 への 浸 透 に 向 けて 宇 多 津 町 においても 地 元 建 設 企 業 が PFI 事 業 に 参 入 しやすい 素 地 作 りに 努 めている - 3 -

5 地 元 企 業 への 説 明 会 の 実 施 や 地 域 社 会 との 連 携 を 評 価 基 準 として 設 けた 点 等 が 具 体 的 に は 挙 げられる 地 元 企 業 への 説 明 において PFI 実 施 に 伴 う 地 元 企 業 への 影 響 や 現 給 食 セ ンター 職 員 の 雇 用 の 問 題 についての 指 摘 も 出 されたが 同 町 は 逐 一 説 明 に 努 めている こ のような 努 力 の 結 果 地 元 企 業 から 構 成 される A 社 グループが 当 事 業 を 落 札 しており 効 果 は 出 ていると 宇 多 津 町 は 考 えている 特 に 県 内 企 業 が 中 心 となったこと 町 民 等 を 優 先 的 に 雇 用 することを 明 確 にしていること 食 材 納 入 業 者 は 町 内 業 者 を 優 先 することとし ている 点 につき A 社 グループへの 宇 多 津 町 の 評 価 は 高 い 宇 多 津 町 は PFI 事 業 を 施 設 整 備 費 だけで 10 億 円 を 超 える 程 度 の 大 規 模 事 業 に 適 してい ると 考 えている その 理 由 として 小 規 模 事 業 においては 事 務 コスト 増 を 考 慮 に 入 れると 発 注 者 側 のメリットは 少 なく また VFM が 出 にくいために 民 間 事 業 者 のメリットも 少 ないのではと 指 摘 する このような 大 規 模 な 事 業 は 宇 多 津 町 ではほとんど 実 施 されない ため 現 在 のところ 他 の PFI 事 業 の 実 施 予 定 はない しかしながら 自 治 体 首 長 が PFI に 対 して 積 極 的 である 自 治 体 や 地 域 金 融 機 関 の 地 域 への 積 極 的 な PFI 啓 蒙 活 動 がある 自 治 体 では 小 規 模 事 業 であっても PFI が 実 施 される 可 能 性 があるとも 指 摘 している 図 表 1 ( 仮 称 ) 宇 多 津 新 給 食 センター 整 備 運 営 事 業 完 成 予 想 図 2 大 阪 府 大 阪 府 では 府 北 部 に 位 置 する 箕 面 市 において 水 と 緑 の 健 康 都 市 第 1 期 整 備 等 事 業 (BTO 方 式 ( 一 部 BT 方 式 ))において PFI 手 法 を 導 入 している 箕 面 北 部 丘 陵 地 区 に おいて 特 定 土 地 区 画 整 理 事 業 等 により 水 と 緑 の 健 康 都 市 建 設 事 業 を 推 進 しているが 当 PFI 事 業 は 当 地 区 における 道 路 公 園 緑 地 等 の 都 市 基 盤 地 区 センター 里 山 施 設 整 備 及 び 保 留 地 予 定 地 処 分 支 援 を 行 うものである - 4 -

6 (A) 事 業 の 概 要 2007 年 度 内 に 地 区 内 における 主 要 幹 線 道 路 開 通 及 び 保 留 地 分 譲 開 始 が 決 定 していたが 財 政 状 況 が 厳 しい 大 阪 府 下 にあって 事 業 実 現 が 危 ぶまれていた このような 中 財 政 支 出 の 平 準 化 及 び 軽 減 を 図 るため 導 入 可 能 性 調 査 が 2003 年 8 月 になされた 2003 年 9 月 から 2004 年 1 月 にかけて 財 政 課 と 債 務 負 担 要 求 について 協 議 した 後 2004 年 2 月 には 当 PFI 事 業 にかかる 長 期 債 務 負 担 を 要 求 した 2004 年 7 月 に 実 施 方 針 を 公 表 した 後 A 社 グ ループを 2005 年 6 月 に 最 優 秀 応 募 者 として 選 定 し 2005 年 10 月 に 事 業 契 約 を 締 結 した 2007 年 春 には 一 部 公 共 施 設 の 供 用 が 開 始 される (B) ノウハウの 習 得 体 制 づくりについて わが 国 では 土 木 インフラ 事 業 における PFI 適 用 事 例 が 少 ないため 他 の 実 施 事 例 を 参 考 としたノウハウの 習 得 が 困 難 と 言 われている この 点 については 大 阪 府 も 苦 心 しており 例 えば 土 木 施 設 関 係 のノウハウについて 公 園 系 の PFI 実 施 事 例 である 道 立 噴 火 湾 パ ノラマパークビジターセンター 事 業 等 を 参 考 にして 習 得 した 保 留 地 業 務 に 係 るノウハ ウについては 岐 阜 県 土 地 開 発 公 社 が 実 施 した 準 PFI 事 業 である テクノプラザ 事 業 を 参 考 にしたり 大 阪 府 企 業 局 都 市 再 生 機 構 等 との 意 見 交 換 を 行 うことにより 習 得 したと している なお 推 進 体 制 としては 大 阪 府 企 画 室 に PFI 推 進 室 を 設 置 し PFI 推 進 室 を 中 心 とし て 事 業 が 進 められた 主 要 幹 線 道 路 や 保 留 地 分 譲 開 始 時 期 が 決 定 している 中 での 事 業 推 進 であり 庁 内 の 協 力 関 係 は 良 好 であった 土 木 インフラ 事 業 への PFI 手 法 適 用 に 当 たって は 様 々な 障 害 もあったが 専 門 的 な 部 署 を 置 き 専 門 のスタッフを 置 くことにより 庁 内 一 体 体 制 を 構 築 することが 可 能 となった (C) PFI 導 入 のメリットについて PFI 導 入 によるメリットとして 大 阪 府 は 財 政 面 でのメリット 民 間 ノウハウ 活 用 によるメリット を 挙 げている 財 政 面 でのメリット として 財 政 の 平 準 化 及 び 軽 減 を 挙 げる 今 回 PFI 手 法 を 導 入 したのは 第 2 地 区 のみとなっているが これだけでも 約 130 億 円 の 事 業 費 の 支 出 が 見 込 まれており 財 政 状 況 が 厳 しい 大 阪 府 にとって 財 政 の 平 準 化 及 び 軽 減 は 急 務 であった 加 えて 大 阪 府 は 建 設 維 持 管 理 の 一 体 発 注 による 諸 経 費 縮 減 もメリットとして 挙 げてい た 民 間 ノウハウ 活 用 によるメリット としては 民 間 事 業 者 の 提 案 による 保 留 地 分 譲 の 促 進 や 事 業 全 体 の 効 率 化 が 挙 げられる 例 えば 保 留 地 分 譲 においては 大 阪 府 からの 要 求 水 準 を 超 えるまちの PR(SPC 構 成 企 業 の 企 業 CF 枠 を 利 用 したテレビ CF フォーラム 等 ) や 販 売 広 告 (インターネット 現 地 イベント 等 )を 民 間 事 業 者 が 提 案 し 実 現 した また 維 持 管 理 業 務 ( 点 検 パトロール 業 務 )と 夜 間 警 備 業 務 を 併 用 することにより 効 率 化 を 図 り - 5 -

7 更 に 夜 間 警 備 業 務 終 了 後 も 点 検 パトロール 業 務 にて 夜 間 パトロールを 継 続 することにより サービスの 継 続 性 を 確 保 した 図 表 2 水 と 緑 の 健 康 都 市 第 1 期 整 備 等 事 業 全 体 図 (D) 土 木 インフラ 事 業 における PFI 手 法 適 用 について 大 阪 府 は 様 々な 工 夫 をしながら PFI 事 業 を 推 進 したが わが 国 土 木 インフラ 事 業 分 野 に おいて PFI が 浸 透 しない 理 由 を 次 のとおり 指 摘 した 1 建 築 事 業 と 異 なり 土 木 インフラ 事 業 は 設 計 段 階 には 想 定 が 困 難 な 事 項 が 多 く 加 えて 周 辺 状 況 から 影 響 を 受 けやすいという 特 性 を 持 っている このため 事 前 段 階 における 事 業 条 件 やスケジュールの 確 定 が 困 難 であり 民 間 事 業 者 の 事 業 リスク が 増 加 する 可 能 性 がある 2 土 木 インフラ 事 業 では 事 業 地 の 形 状 地 質 等 の 自 然 的 要 因 をはじめとして 設 計 図 書 に 明 記 されていない 部 分 が 多 いために 性 能 発 注 が 困 難 であり 詳 細 設 計 を 実 施 し ないと 詳 細 コストが 把 握 できない 3 土 木 インフラ 事 業 においては 一 部 の 有 料 道 路 などを 除 き 民 間 事 業 者 はその 運 営 ノ ウハウを 有 していない また 建 築 系 事 業 には 民 間 事 業 者 に 積 算 ノウハウも 構 築 されているが 土 木 インフラ 事 業 の 場 合 には 必 ずしも 積 算 ノウハウが 構 築 されて いない - 6 -

8 多 くの 課 題 は 残 るが 土 木 インフラ 事 業 への PFI 手 法 の 導 入 を 否 定 するコメントは 聞 か れなかった 土 木 インフラ 事 業 における PFI 適 用 事 例 が 少 なく 暗 中 模 索 の 中 当 事 業 が 推 進 されていったが PFI 手 法 適 用 によるメリットを 大 阪 府 は 十 分 に 確 認 している また 当 事 業 は 都 市 基 盤 整 備 を 含 むまちづくり 全 般 を 対 象 とする 事 業 としていることから この 分 野 におけるわが 国 初 の PFI 事 業 としての 社 会 的 意 義 が 大 きいことも 認 識 している 3 姫 路 市 人 口 536,000 人 の 兵 庫 県 姫 路 市 では 市 南 部 網 干 浜 における ( 仮 称 ) 姫 路 市 新 美 化 セ ンター 整 備 運 営 事 業 において PFI 手 法 に 基 づいた DBO 方 式 ( 一 部 DBM 方 式 )を 採 用 し 事 業 を 推 進 している (A) 事 業 の 概 要 当 事 業 は 1981 年 に 都 市 計 画 決 定 された 事 業 である 計 画 地 である 網 干 浜 も 1980 年 に 兵 庫 県 と 姫 路 市 が 策 定 した 姫 路 市 網 干 地 域 環 境 改 善 計 画 に 基 づき 揖 保 川 の 浚 渫 土 砂 等 を 埋 め 立 てて 造 られた 人 工 島 である 2004 年 3 月 の 新 美 化 センター 建 設 発 表 時 点 では 従 来 方 式 での 事 業 推 進 を 考 えており 補 助 率 50%の 廃 棄 物 処 理 施 設 整 備 補 助 金 の 充 当 を 見 込 んでいたが 三 位 一 体 改 革 に 伴 い 充 当 率 3 分 の 1 の 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 に 変 更 されることとなった このような 状 況 の 中 当 事 業 は 巨 額 の 建 設 費 を 要 する 施 設 整 備 事 業 であるため PFI 実 施 に 伴 う 財 政 負 担 低 減 のメリットは 大 きいと 考 え PFI 方 式 の 検 討 に 入 った しかしながら PFI 方 式 による 事 業 推 進 によると 巨 額 なプロジェクトファイナンスを 実 施 しなければならず 地 元 建 設 企 業 の 参 入 が 厳 しくなる また 施 設 運 営 は 市 が 責 任 を もって 行 うべき であるという 声 や 運 営 段 階 では 市 によるモニタリングを 実 施 した 方 が 良 い という 意 見 もあり 市 が 責 任 を 持 って 安 心 できる 施 設 を 建 設 するということによっ て 地 元 の 理 解 を 得 ようという 方 針 の 下 公 設 民 営 の DBO 方 式 の 検 討 に 入 った また 規 模 も 大 きいために PFI 方 式 では 民 間 の 資 金 調 達 リスクも 大 きい 点 や 当 ゴミ 処 理 施 設 には 交 付 金 の 充 当 率 も 高 く 姫 路 市 では 財 源 が 確 保 されている 点 も DBO 方 式 採 用 の 理 由 の 一 つである 加 えて 余 熱 利 用 施 設 整 備 事 業 は 利 用 者 増 加 のために 民 間 の 営 業 ノウハウが 求 められるが ごみ 焼 却 施 設 には 営 業 ノウハウは 必 要 ないこと ゴミの 収 集 搬 入 は 姫 路 市 が 行 うために 独 立 採 算 するような 事 業 種 別 でもないことから PFI 方 式 を 採 用 するメリ ットもないとして 当 事 業 は DBO 方 式 が 採 用 されるに 至 っている DBO 方 式 は このよ うなゴミ 処 理 施 設 整 備 事 業 に 適 しているのではないかと 姫 路 市 は 指 摘 している なお 再 資 源 化 施 設 については 長 期 に 及 ぶ 委 託 期 間 の 間 に 関 係 法 令 の 改 正 や 姫 路 市 施 策 の 見 直 し 等 により 処 理 対 象 物 の 種 類 や 処 理 方 法 が 変 更 される 可 能 性 があるため 運 営 は 市 が 行 い メンテナンスだけを 委 託 する DBM 方 式 を 採 用 している 可 能 性 調 査 にお ける VFM 算 定 の 結 果 約 50 億 円 の 削 減 効 果 が 見 込 まれ DBO 方 式 の 採 用 を 2005 年 9-7 -

9 月 に 決 定 した (B) 事 業 推 進 に 当 たって 庁 内 対 応 は 環 境 事 業 推 進 室 が 中 心 に 行 った 同 室 には 3 名 が 所 属 しているが 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 の 作 成 や 同 地 域 協 議 会 の 開 催 準 備 審 査 委 員 会 開 催 準 備 実 施 方 針 要 求 水 準 書 作 成 等 に 伴 う 事 務 負 担 増 に 対 応 するため 2005 年 10 月 からは 4 名 体 制 として いる 環 境 事 業 推 進 室 を 増 員 したものの 当 事 業 は 事 務 負 担 増 に 悩 まされ 時 間 との 格 闘 の 日 々 が 多 かった( 可 能 性 調 査 を 十 分 に 行 っていない 状 況 の 中 2006 年 度 中 の 契 約 着 工 という 方 針 だけは 決 まっていたため 特 に 2005 年 10 月 から 2005 年 12 月 にかけては 多 忙 を 極 めた )とし この 点 を 姫 路 市 は PFI 事 業 のデメリットとして 挙 げている 庁 内 においては 両 助 役 及 び 関 係 局 長 で 構 成 する 新 美 化 センター 建 設 会 議 を 設 置 し て 意 思 決 定 を 図 ったものの 実 務 的 には 環 境 事 業 推 進 室 を 中 心 として 担 当 者 レベルでの 担 当 部 局 との 調 整 も 並 行 して 行 い こちらについても 時 間 と 労 力 を 費 やした 具 体 的 には 入 札 契 約 担 当 部 局 ( 経 理 課 )との 役 割 分 担 等 の 調 整 余 剰 電 力 の 取 り 扱 いや 契 約 文 書 に 関 する 法 制 部 局 ( 行 政 課 )との 調 整 等 が 挙 げられる また 新 美 化 センター 建 設 調 査 特 別 委 員 会 が 設 置 されたため 委 員 会 開 催 時 には 進 捗 状 況 や 執 行 方 針 等 を 詳 細 に 説 明 する 等 議 会 の 理 解 と 協 力 を 求 める 努 力 を 行 った 姫 路 市 における 総 合 評 価 方 式 一 般 競 争 入 札 適 用 は 当 事 業 が 初 であり 総 合 評 価 方 式 一 般 競 争 入 札 の 実 施 に 当 たり 入 札 書 類 の 審 査 評 価 基 準 の 作 成 にも 時 間 を 要 した 入 札 書 類 の 審 査 に 当 たっては 厳 しいスケジュールの 中 膨 大 な 書 類 の 整 理 をはじめ 各 委 員 の 意 見 徴 収 委 員 会 としての 方 向 性 の 検 討 等 作 業 量 は 多 く かなり 苦 労 している なお ノウハウの 取 得 に 当 たっては 内 閣 府 PFI 推 進 室 主 催 講 習 会 への 参 加 や 浜 松 市 に おける 類 似 実 施 事 例 である ( 仮 称 ) 浜 松 市 新 清 掃 工 場 新 水 泳 場 整 備 運 営 事 業 への 視 察 も 実 施 している (C) DBO DBM 方 式 導 入 のメリットについて DBO DBM 方 式 導 入 によるメリットとして 姫 路 市 は 財 政 的 メリット 民 間 事 業 者 へのリスク 移 転 サービス 向 上 PR 効 果 を 挙 げている 財 政 的 には 当 事 業 は DBO 方 式 DBM 方 式 を 採 用 することにより 約 55 億 円 ( 削 減 率 : 約 11%)の VFM を 達 成 した PFI 方 式 を 採 用 すると 財 政 の 平 準 化 が 可 能 ではあるが DBO DBM 方 式 の 採 用 においてはいわゆる 延 べ 払 いによる 財 政 の 平 準 化 はできない しかしながら 当 事 業 のようなごみ 処 理 施 設 には 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 が 支 給 される 等 交 付 金 が 厚 く また 財 源 も 確 保 されていたので 延 べ 払 いの 必 要 性 は 特 段 なかった 一 方 交 付 金 の 少 ない 事 業 や 財 政 制 約 のある 自 治 体 においては DBO 方 式 は 適 していない と 考 えている - 8 -

10 当 事 業 を 推 進 するに 当 たっては 性 能 保 証 をさせるという 形 で 民 間 事 業 者 に 対 するリス ク 移 転 がされた 民 間 のノウハウを 活 用 することによるサービス 向 上 の 例 としては 当 焼 却 施 設 としては 全 国 初 の 免 震 装 置 を 採 用 している 点 施 設 設 備 寿 命 が 30 年 以 上 に 延 ば されている 点 プラント 用 水 量 を 大 幅 に 削 減 している 点 等 が 挙 げられた また 当 事 業 に おいては 周 辺 施 設 については 基 本 設 計 のみを 実 施 しているが これには 民 間 事 業 者 から 提 案 された 全 体 配 置 計 画 が 含 まれており 焼 却 施 設 との 調 和 がとれた 評 価 の 高 い 計 画 となっ ている なお 周 辺 施 設 については DBO 方 式 を 採 用 せず 従 来 方 式 にて 実 施 予 定 であり 焼 却 施 設 を 含 めて 2010 年 度 にすべてオープン 予 定 である 同 種 の 施 設 において DBO 方 式 適 用 は 近 畿 圏 では 初 であり 全 国 でも 5 番 目 1の 事 例 と なっている DBO 方 式 事 例 として 紹 介 される 機 会 や 問 い 合 わせも 多 く 姫 路 市 のイメー ジアップに 寄 与 した 効 果 は 大 きいと 考 えている (D) 地 元 建 設 企 業 への 浸 透 に 向 けて 姫 路 市 は 当 事 業 の 執 行 に 当 たって 特 に 地 元 企 業 に 配 慮 した PFI 方 式 ではなく DBO 方 式 DBM 方 式 を 採 用 したのは 地 元 企 業 に 配 慮 した 結 果 でもある また 焼 却 施 設 以 外 の 周 辺 施 設 ( 余 熱 利 用 施 設 芝 生 ゾーン)については 従 来 方 式 にて 事 業 推 進 予 定 である が これも 地 元 経 済 への 配 慮 によるものである 更 に 地 元 企 業 を 対 象 とした PFI 説 明 会 を 実 施 し 実 施 方 針 にも 地 元 企 業 が DBO 等 の 民 活 事 業 のノウハウの 獲 得 や 業 務 の 受 注 が できるように 事 業 を 推 進 することを 明 記 した 加 えて 総 合 評 価 方 式 においても 非 価 格 要 素 項 目 の 中 に 地 内 企 業 へのノウハウ 移 転 の 配 慮 という 項 目 を 設 けた このような 様 々な 努 力 の 結 果 地 元 企 業 の PFI や DBO 方 式 総 合 評 価 方 式 に 対 する 理 解 が 深 まり ノウハウが 蓄 積 されたと 考 えられている 図 表 3 ( 仮 称 ) 姫 路 市 新 美 化 センター 整 備 運 営 事 業 全 体 図 1 西 胆 振 廃 棄 物 広 域 処 理 事 業 ( 北 海 道 ) 藤 沢 市 北 部 環 境 事 業 所 1 号 炉 更 新 運 営 事 業 ( 仮 称 )( 神 奈 川 県 ) あらかわクリーンセンター 焼 却 炉 建 替 事 業 ( 福 島 市 ) ( 仮 称 ) 浜 松 市 新 清 掃 工 場 新 水 泳 場 整 備 運 営 事 業 ( 浜 松 市 ) - 9 -

11 4 民 間 事 業 者 A 社 B 市 が 事 業 推 進 した B 市 東 部 余 熱 利 用 健 康 増 進 施 設 整 備 運 営 PFI 事 業 における 民 間 事 業 者 A 社 は B 市 下 に 拠 点 を 置 く 従 業 員 約 200 名 の 地 元 建 設 企 業 である A 社 は 地 元 企 業 のみで SPC を 組 成 し BOT 方 式 に 基 づき 事 業 を 推 進 している (A) 応 募 の 理 由 当 事 業 へ 応 募 した 理 由 として A 社 は PFI 事 業 が 増 加 することと 見 込 んだためとしてい る 経 済 財 政 構 造 改 革 が 進 展 する 中 公 共 事 業 は 減 少 傾 向 にあるが PFI 方 式 による 事 業 推 進 は 増 加 していくと A 社 は 考 えた 県 内 においても 徐 々にではあるが PFI 事 業 が 実 施 されるようになっており 今 後 PFI 事 業 数 が 増 加 するものと A 社 は 捉 えている また 2002 年 の 社 長 交 代 に 伴 い 新 経 営 理 念 中 期 経 営 計 画 を 策 定 したが その 中 に PFI 事 業 への 取 り 組 みの 強 化 が 盛 り 組 まれ 具 体 的 目 標 として 経 営 計 画 2 年 目 に PFI 事 業 受 注 1 件 以 上 が 掲 げられた このような 状 況 の 中 PFI 事 業 に 取 り 組 むための 部 署 として 開 発 営 業 部 企 画 課 が 設 置 され 全 社 一 丸 となって PFI 事 業 に 取 り 組 むこととなった PFI 事 業 はプロジェクトファ イナンスをする 必 要 があり また 当 事 業 は 運 営 リスクのある BOT 方 式 ではあったが 経 営 トップの 後 押 し 中 期 経 営 計 画 に 記 載 されたように 全 社 的 な 取 り 組 みもあり 応 募 す ることとした (B) 事 業 推 進 に 当 たって 応 募 事 業 推 進 は 開 発 営 業 部 企 画 課 が 中 心 となって 行 われた なお 当 部 署 には 男 性 2 名 女 性 事 務 員 1 名 が 配 員 されている 事 業 時 に 想 定 されるリスクの 把 握 対 策 の 立 案 金 融 機 関 との 調 整 も 同 課 が 行 った 事 業 推 進 方 法 等 のノウハウの 取 得 については 内 閣 府 主 催 の 講 演 会 等 への 出 席 文 献 調 査 金 融 機 関 からの 情 報 収 集 により 行 っている 当 事 業 において SPC を 組 成 するに 当 たり A 社 は 従 来 から 付 き 合 いのある 地 元 企 業 を 中 心 に 声 を 掛 けた この 地 元 完 結 型 PFI の 組 成 に 当 たっては 地 元 金 融 機 関 からの 紹 介 では なく 従 来 からの 付 き 合 いや 地 元 での 実 績 を 考 慮 している 設 計 事 務 所 である B 社 はス ポーツ 施 設 を 含 め 公 共 施 設 の 実 績 が 豊 富 であり 運 営 会 社 の C 社 は 県 内 で 豊 富 な 運 営 ノウ ハウを 有 し 実 績 も 十 分 である このように 地 元 のニーズを 的 確 に 把 握 し 実 績 のある 地 元 企 業 により SPC を 組 成 している 応 募 に 当 たり 苦 労 したのは SPC 組 成 と 応 募 書 類 作 成 である 特 に 応 募 書 類 作 成 に 当 たっては 募 集 要 項 の 読 み 込 み 要 求 水 準 との 合 致 状 態 との 確 認 に 時 間 を 掛 けた 当 事 業 は 同 社 にとって PFI 応 募 2 例 目 となるが 中 小 建 設 企 業 にとってはこの 応 募 時 の 事 務 的 コ ストの 負 担 が 厳 しいと A 社 は 指 摘 している また 発 注 者 との 契 約 交 渉 や 金 融 機 関 との 交 渉 にも 苦 労 している 契 約 交 渉 においては 契 約 内 容 の 理 解 や 解 釈 提 案 の 裏 付 け 資 料 の 準 備 提 出 や 契 約 交

12 渉 で 初 めて 顕 在 化 したリスクへの 対 応 等 に 特 に 時 間 を 要 した このほかにも 従 来 の 請 負 契 約 締 結 とは 比 較 にならない 程 の 手 間 がかかり 最 終 的 には 契 約 締 結 に 至 るまで 2 ヶ 月 程 度 の 時 間 を 要 した 金 融 機 関 との 交 渉 においては 建 設 企 業 にとって 難 解 なプロジェクト ファイナンスや 融 資 条 件 に 織 り 込 まれた 多 種 多 様 な 保 険 契 約 の 理 解 に 時 間 を 要 している B 市 とのリスク 分 担 においても BOT 方 式 ならではの 苦 労 を A 社 はしている 例 えば 事 業 契 約 締 結 後 に 上 下 水 道 料 金 が 値 上 げされたが 事 業 契 約 内 容 に 基 づき B 市 への 転 嫁 はしていない また B 市 との 間 で 十 分 に 協 議 をしたものの リスク 分 担 が 不 明 確 な 部 分 も 存 在 した (ただし この 点 については その 都 度 B 市 と 協 議 の 上 明 確 化 している ) 現 在 施 設 が 完 成 し 2004 年 11 月 から 運 営 状 態 にある BOT 方 式 であるため SPC が 施 設 運 営 に 当 たっているが 当 初 予 定 よりも 集 客 が 伸 び( 当 初 予 定 では 1 年 で 利 用 者 7 万 人 と 見 込 んでいたが 2005 年 7 月 には 利 用 者 が 10 万 人 に 達 している ) 収 益 も 当 初 予 定 よりも 上 がっており( 決 算 も 計 画 を 上 回 る 実 績 で 推 移 しており 売 上 増 のインセンテ ィブによる 委 託 費 のアップも 契 約 条 項 とおり B 市 より 受 けている ) 事 業 は 順 調 に 推 移 している 一 方 施 設 利 便 性 の 更 なる 向 上 を 求 める 利 用 者 の 声 は 高 く 更 なる 収 益 の 向 上 のため 当 初 想 定 しない 施 設 の 改 善 にも 取 り 組 んでいる また 例 えば シーズンごとの 電 力 上 下 水 道 等 のエネルギー 負 荷 量 をはじめとして 予 想 以 上 にランニングコストがかかるとい う 問 題 もある しかし これらは 今 後 PFI 事 業 に 応 募 する 際 のノウハウ 蓄 積 にはつなが っていくと A 社 は 考 えている (C) PFI 応 募 のメリットについて PFI 応 募 によるメリットを A 社 は 次 のように 挙 げている 1 ライフサイクルコストを 意 識 した 設 計 建 設 に 対 する 技 術 力 ノウハウが 社 内 に 蓄 積 された 2 会 社 設 立 ノウハウ 事 業 管 理 ノウハウ マネジメントノウハウを 取 得 できた この 点 については A 社 のみならず 下 請 け 企 業 についても 同 様 に 技 術 力 の 向 上 につなが った 3 運 営 企 業 金 融 機 関 等 の 異 業 種 と 接 点 を 持 つことにより 他 業 種 の 経 営 方 針 事 業 遂 行 ノウハウから 多 くを 学 ぶことができた 4 維 持 管 理 運 営 は 20 年 もの 長 期 にわたるため その 間 の 雇 用 を 確 保 できる 5 当 事 業 のように 地 元 企 業 のみで 事 業 を 推 進 する 地 域 完 結 型 PFI を 実 施 したことによ る 対 外 的 な PR 効 果 も 大 きい 一 方 PFI 応 募 のデメリットとしては 提 案 書 作 成 に 伴 う 事 務 負 担 増 や SPC 設 立 に 伴 う 事 務 負 担 増 を 挙 げている

13 (D) 地 元 建 設 企 業 への 浸 透 に 向 けて 当 事 業 への 応 募 により PFI 事 業 に 対 応 できるノウハウ 技 術 力 が 身 に 付 いたと A 社 は 考 えている このため 県 下 他 社 に 対 して PFI 事 業 に 関 する 優 位 性 を 持 っており 今 後 県 下 で PFI 事 業 が 行 われるならば 積 極 的 に 参 加 したいと 同 社 は 考 えている ただし 他 県 事 業 については 興 味 はあるものの 積 極 的 な 参 画 は 基 本 的 には 考 えていない あくまでも 県 下 の 事 業 に 注 力 していきたいと A 社 は 考 えている 大 手 建 設 企 業 と 比 べて 地 元 建 設 企 業 は 価 格 競 争 力 を 有 しないものの 大 手 建 設 企 業 よ りも 優 位 な 点 が 多 くある 例 えば 当 事 業 では 地 元 の 商 工 会 議 所 PTA 町 内 会 等 を 通 じ て 地 域 住 民 の 社 会 経 済 教 育 に 関 する 情 報 を 的 確 に 把 握 した また 地 元 のニーズに 関 する 情 報 量 も 大 手 建 設 企 業 よりも 多 く 有 している このため 同 事 業 も 大 手 建 設 企 業 を 破 っての 落 札 であり PFI 事 業 について 大 手 建 設 企 業 に 打 ち 勝 てる 可 能 性 もあると 認 識 している また 当 事 業 は 地 元 企 業 のみで SPC を 組 成 しているが 地 元 企 業 のみだからこその 優 位 性 もある 例 えば 各 社 の 本 社 機 能 が B 市 内 にあるために 即 座 の 情 報 の 交 換 迅 速 な 対 応 が 可 能 であり 長 期 にわたる 協 働 体 制 を 敷 くことができるとしている 一 方 公 共 事 業 は 地 元 経 済 の 活 性 化 という 側 面 を 有 しているという 観 点 から 発 注 者 側 により 一 層 の 配 慮 を 求 めている 例 えば 現 状 では 内 閣 府 国 交 省 主 催 の PFI セミナーは 開 催 されているが 県 市 主 催 の PFI セミナーは 実 施 されておらず 地 元 企 業 を 対 象 にし た PFI 啓 蒙 活 動 を 展 開 することを 求 めている また 当 事 業 では 評 価 項 目 に 地 元 貢 献 度 が 加 えられ 参 加 資 格 に 地 元 に 拠 点 のある 企 業 との 要 件 があるが このような 取 り 組 みを 継 続 実 施 することも 必 要 と 考 えている 加 えて 提 案 者 に 対 する 提 案 費 用 の 一 部 補 助 の 措 置 や 地 元 金 融 機 関 による 資 金 力 情 報 の 提 供 をはじめとしたサポート 地 元 建 設 企 業 との 連 携 体 制 の 充 実 強 化 も 求 めている PFI 事 業 は 大 規 模 事 業 に 適 しており 小 規 模 事 業 はメリットを 享 受 しにくいという 指 摘 もあるが A 社 は VFM が 少 しでも 出 るのであれば 小 規 模 事 業 に 対 しても PFI を 適 用 すべ きであると 主 張 する 県 下 では PFI 事 業 は 6 件 の 実 施 に 留 まっているが 自 治 体 の 財 政 が 厳 しい 中 実 施 件 数 を 増 やすことが 必 要 なのではないかと 考 えており 公 共 側 には 大 型 案 件 だけではなく 地 元 建 設 企 業 が 取 り 組 みやすい 中 規 模 小 規 模 の PFI 事 業 の 展 開 を A 社 は 期 待 している (2) 今 後 に 向 けて ここでは 地 方 部 自 治 体 における 取 り 組 み 地 元 企 業 の 参 画 資 金 調 達 手 法 土 木 インフラ 事 業 について 今 後 に 向 けた 課 題 を 整 理 したい 1 地 方 部 自 治 体 における 取 り 組 みについて

14 ここでは 地 方 部 自 治 体 において PFI が 動 き 出 すためのポイントを 整 理 したい 地 方 部 自 治 体 へのインタビューにおいて どの 地 方 自 治 体 も PFI 実 施 によるメリットを 享 受 していることが 理 解 できた 財 政 の 硬 直 化 に 伴 い 地 方 自 治 体 は 新 たな 公 債 費 負 担 の 発 生 をできる 限 り 抑 えなければならないが PFI 事 業 により 財 政 負 担 の 平 準 化 及 び 低 減 を 図 ることが 可 能 である また 住 民 サービスの 多 様 化 が 進 む 中 で 公 共 サービスの 質 の 向 上 も 求 められるが PFI 事 業 により 民 間 ノウハウを 活 用 した 事 業 推 進 が 可 能 である しか しながら 地 方 部 自 治 体 では ノウハウの 欠 如 事 務 負 担 の 増 加 大 規 模 事 業 がない 等 の 課 題 が 立 ちはだかるために あまり 導 入 が 進 んでいないのが 実 態 である こうした 課 題 を 克 服 するためには 首 長 や 行 政 内 部 の PFI に 対 する 理 解 を 深 め 庁 内 の 体 制 を 確 立 することがポイントとなる 小 規 模 な 地 方 部 自 治 体 においては 限 られた 人 的 経 済 的 資 源 の 中 で 専 門 的 な 部 署 や 専 門 のスタッフを 設 置 することは 困 難 であるが 東 根 市 においては 横 断 的 に 連 携 協 力 体 制 をとるために 担 当 部 署 を 設 置 し 一 貫 して 調 整 管 理 する 方 針 をとっている 限 られた 人 員 の 中 で 専 任 部 署 を 設 置 するのは 容 易 ではないが PFI に 関 する 情 報 が 集 約 化 され 事 業 推 進 に 大 きく 貢 献 するとともに ノウハウの 欠 如 の 解 消 や 業 務 平 準 化 が 期 待 できる 財 政 規 模 が 小 さい 地 方 部 自 治 体 においては PFI 事 業 に 適 した 大 規 模 事 業 がなく 小 規 模 事 業 には PFI は 適 用 しにくいのではという 指 摘 もある PFI 事 業 は 規 模 の 如 何 にかかわら ず 行 政 側 における 事 務 負 担 が 増 加 するとともに 民 間 事 業 者 側 においても 提 案 書 作 成 費 用 SPC 設 立 費 用 金 融 機 関 へのフィー 等 の 費 用 が 発 生 し 提 案 資 料 作 成 等 の 手 間 もかか る この 点 について 行 政 側 においては PFI 実 施 に 向 けた 組 織 体 制 づくりが 有 効 と 考 え られる 一 方 民 間 事 業 者 側 における 問 題 解 決 の 方 策 として DBO 方 式 の 採 用 が 挙 げられ る また プロジェクトファイナンスに 適 さない 小 規 模 事 業 においても DBO 方 式 であれ ば 民 間 事 業 者 が 資 金 調 達 を 実 施 することによるコスト 増 を 排 除 し 民 間 側 の 創 意 工 夫 を 活 かすことができることから 地 方 部 自 治 体 における PFI 実 施 数 増 加 の 糸 口 となると 考 え られる 2 地 元 企 業 の 参 画 について ここでは 地 元 企 業 が PFI 事 業 に 本 格 的 に 参 入 するためのポイントを 整 理 した ノウハウの 欠 如 の 解 消 については 積 極 的 な 事 業 への 参 画 によるノウハウの 吸 収 が 必 要 であると 考 えられる BOT 方 式 をはじめとして PFI ではオペレーション 能 力 が 求 め られるケースもあり ノウハウの 吸 収 が 不 可 欠 である 地 元 企 業 が 代 表 企 業 として SPC を 組 成 し 事 業 を 推 進 することが 理 想 ではあるが ノウハウやマネジメント 能 力 が 不 足 し ている 段 階 では まずは 大 手 企 業 の SPC に 参 画 し そのノウハウを 吸 収 することが 有 効 であろう 大 手 建 設 企 業 側 としても 地 元 ならではの 切 り 口 やローカルな 問 題 点 の 指 摘 等 地 元 企 業 の 知 恵 が 必 要 であり 両 者 の 利 害 は 合 致 する 一 方 協 力 会 社 としての 事 業 に 参 画 するのみでは SPC への 出 資 を 伴 わないために 事 業 リスクは 低 いものの 大 手 企 業 か

15 らのノウハウの 移 転 はされにくいと 考 える SPC 組 成 能 力 資 金 調 達 能 力 については 地 域 の 金 融 機 関 が 担 う 役 割 が 大 きいと 考 える 地 域 金 融 機 関 が PFI 事 業 に 参 画 することにより 資 金 の 地 域 内 還 流 が 促 されると ともに 地 元 企 業 に 対 して PFI に 関 する 知 識 や 情 報 資 金 調 達 事 業 マネジメント 手 法 な ど 金 融 財 務 面 に 関 する 情 報 提 供 がなされることになる また 地 域 に 根 ざしたスタン スの 下 案 件 を 創 出 し 地 元 事 業 者 が 主 導 していく 案 件 を 支 援 し PFI 事 業 を 作 り 込 んで いくというようにファイナンス 提 供 機 能 のみならず 案 件 自 体 の 組 成 に 向 けたソリューシ ョン 型 の 取 り 組 みも 可 能 である 加 えて 発 注 者 である 公 共 部 門 の 配 慮 も 必 要 である 例 えば 山 形 県 東 根 市 では 消 防 庁 舎 整 備 事 業 学 校 給 食 共 同 調 理 場 整 備 等 事 業 における 評 価 項 目 に 地 元 貢 献 度 を 加 え 学 校 給 食 共 同 調 理 場 整 備 等 事 業 においては 地 元 企 業 が 構 成 企 業 として SPC に 加 わり 一 定 の 効 果 を 挙 げている また 姫 路 市 においては ( 仮 称 ) 姫 路 市 新 美 化 センター 整 備 運 営 事 業 につき 地 元 企 業 を 対 象 とした PFI 説 明 会 を 実 施 し また 実 施 方 針 に 地 元 企 業 が DBO 等 の 民 活 事 業 のノウハウの 獲 得 業 務 の 受 注 ができるように 事 業 を 実 施 することを 明 記 している 更 に 総 合 評 価 入 札 でも 非 価 格 要 素 に 地 内 企 業 へのノウハウ 移 転 の 配 慮 という 項 目 を 設 けている 桑 名 市 の 桑 名 市 図 書 館 等 複 合 公 共 施 設 特 定 事 業 では 入 札 参 加 者 資 格 として 経 営 事 項 審 査 結 果 の 総 合 評 点 が 750 点 以 上 のものとしており 地 元 企 業 の 参 画 可 能 性 を 引 き 上 げている 更 に 山 形 県 の PFI による 県 営 住 宅 鈴 川 団 地 移 転 建 替 等 事 業 では 二 次 提 案 審 査 においては 審 査 項 目 の 一 つとして 本 県 の 今 後 の PFI 普 及 の ために 入 札 参 加 者 のグループの 構 成 等 に 配 慮 しているか という 項 目 があり 地 元 企 業 が 積 極 的 に 参 加 するための 工 夫 がなされている 四 日 市 市 の 四 日 市 市 立 小 中 学 校 施 設 整 備 事 業 においては 応 募 資 格 要 件 の 中 に 応 募 者 協 力 企 業 として 四 日 市 市 に 本 社 本 店 を 置 く 企 業 が 加 わるなど 地 元 経 済 発 展 への 配 慮 に 期 待 する を 記 し 地 元 企 業 が 参 入 しやすい 環 境 を 作 っている また 古 川 市 の ( 仮 称 ) 古 川 南 中 学 校 設 計 建 設 維 持 管 理 及 び 運 営 事 業 においても 審 査 項 目 に 地 元 経 済 への 貢 献 度 を 追 加 するとともに 事 前 に 説 明 会 や 商 工 会 議 所 における 勉 強 会 等 の 啓 蒙 活 動 を 実 施 し 地 元 企 業 が 参 入 しやすい 素 地 作 りに 努 めた 更 に 提 案 書 作 成 段 階 の 費 用 負 担 に 対 応 するため 四 日 市 市 の 四 日 市 市 立 小 中 学 校 施 設 整 備 事 業 においては 第 二 次 審 査 の 落 選 者 に 対 して 提 案 報 奨 金 の 一 部 を 支 払 っており 横 浜 市 でも 民 間 事 業 者 の 負 担 軽 減 のため 報 奨 金 制 度 を 創 設 している 最 近 では 採 算 性 などから 開 札 前 に 辞 退 が 相 次 ぎ 不 調 となる 案 件 なども 出 てきているこ とから 地 方 自 治 体 側 としても 企 業 の 参 加 意 欲 を 高 める 工 夫 が 更 に 必 要 になってくると 考 えられる 3 資 金 調 達 手 法 について ここでは 資 金 調 達 手 法 の 多 様 化 の 方 向 性 について 整 理 したい

16 現 在 の 日 本 の PFI 事 業 の 資 金 調 達 は 幹 事 会 社 等 からの 出 資 金 と 銀 行 からの 融 資 いわ ゆる 間 接 金 融 に 大 きく 依 存 している しかし 今 後 は 最 適 な 資 金 スキームを 柔 軟 に 構 築 し て 金 融 市 場 から 直 接 に 資 金 調 達 を 図 る 仕 組 みを 整 備 し 多 様 な 資 金 調 達 源 を 確 保 する 必 要 があると 考 えられる SPC の 融 資 債 権 に 対 して 信 託 受 益 権 を 設 定 した 事 例 がみられるが 今 後 は 英 国 や 豪 州 の 事 例 のような 債 券 株 式 による 資 金 調 達 の 検 討 も 行 う 必 要 があろう また 金 融 機 関 には 単 に 資 金 を 供 給 するだけではなく PFI 事 業 におけるプロジェク トファイナンスの 役 割 を 十 分 に 理 解 し 幹 事 会 社 の 規 模 にかかわらず 収 益 性 の 確 保 されて いる 事 業 に 的 確 な 融 資 を 行 うことが 求 められている 現 状 では 事 業 の 収 益 性 や 民 間 事 業 者 の 事 業 遂 行 能 力 信 用 力 の 審 査 等 の 融 資 者 が 果 たすべき 役 割 が 十 分 に 発 揮 されておらず 幹 事 会 社 の 出 資 及 び 幹 事 会 社 の 信 用 力 に 負 うところが 大 きいという 指 摘 がある プロジェ クトファイナンスが PFI 事 業 の 資 金 調 達 の 中 心 となるために 金 融 機 関 には 1( 事 前 段 階 ) 事 業 者 の 事 業 遂 行 能 力 の 厳 正 なる 審 査 2( 事 業 段 階 ) 事 業 継 続 中 における 事 業 の モニタリング 3( 経 営 悪 化 時 ) 事 業 介 入 による 立 て 直 し を 期 待 したい DBO 方 式 に 関 しては 特 に 大 規 模 事 業 や 交 付 金 の 厚 い 事 業 に 適 しており 税 負 担 資 金 調 達 費 用 負 担 の 低 減 の 面 において 優 位 性 を 持 っているが この 金 融 機 関 による 民 間 事 業 者 の 事 業 遂 行 能 力 に 対 する 事 前 の 審 査 能 力 継 続 中 の 事 業 について 財 務 諸 表 等 をチェ ックすることによるモニタリングや 経 営 悪 化 時 の 事 業 介 入 等 についての 機 能 が 活 用 できな いことに 留 意 を 要 する 4 土 木 インフラ 事 業 について ここでは 土 木 インフラ 事 業 において PFI 事 業 が 適 用 されるためのポイントを 整 理 したい 課 題 の 一 つとして 土 木 インフラ 事 業 は 潜 在 的 なリスク 要 因 が 大 きく サービスの 対 価 の 算 出 が 困 難 である 点 が 挙 げられる わが 国 においても 港 湾 事 業 等 の 採 算 性 のある 土 木 インフラ 事 業 には 独 立 採 算 型 PFI 手 法 が 適 用 されつつあるものの 英 国 で 採 用 されているサービス 購 入 型 土 木 インフラ PFI 事 業 は 限 定 されている 限 定 されている 理 由 は サービスの 対 価 として 民 間 に 支 払 われる 費 用 の 算 出 が 困 難 であるためである 例 えば 道 路 事 業 であると 過 去 の 通 行 料 実 績 に 基 づい た 予 想 通 過 台 数 車 種 を 想 定 し 影 の 料 金 を 算 定 することが 必 要 となるが わが 国 にお いては PFI 手 法 適 用 を 念 頭 に 入 れた 影 の 料 金 算 定 ノウハウが 蓄 積 されていない また 英 国 の DBFO 道 路 では 渋 滞 解 消 に 伴 う 経 済 的 価 値 を 対 価 に 上 乗 せして 支 払 う 形 で 民 間 事 業 者 のノウハウを 更 に 引 き 出 すためのインセンティブが 実 施 方 針 に 組 み 入 れているが わが 国 においては そのようなノウハウは 蓄 積 されていない 今 後 は サービス 購 入 型 の 適 用 を 他 国 の 事 例 等 を 参 考 にしながら 検 討 していく 必 要 があると 考 える 土 木 インフラ PFI 事 業 の 課 題 として 公 共 部 門 では 考 慮 に 入 れる 必 要 がなかった 税 負 担 金 利 負 担 が 発 生 し VFM を 低 下 させる 点 も 挙 げられる 特 に 規 模 が 大 きく 事 業 期 間 が 長 期 にわたる 土 木 インフラ 事 業 においては 施 設 整 備 事 業 以 上 にこの 負 担 幅 が 大 きく

17 なるのが 一 般 的 である わが 国 PFI においては BOT 方 式 よりも BTO 方 式 の 採 用 事 例 が 多 いのもこのためである この 点 については 金 融 機 関 によるモニタリング 機 能 が 働 かな い 財 政 負 担 の 平 準 化 が 果 たせないという 点 は 残 るものの DBO 方 式 の 適 用 により 税 負 担 と 金 利 負 担 の 低 減 に 寄 与 することが 出 来 ると 考 える 英 国 では 公 共 であっても 民 間 であっても 同 じように 固 定 資 産 税 がかかってくるなど 官 も 民 間 も 税 負 担 についてはイコールになっている わが 国 でも 公 共 部 門 と 民 間 部 門 のイコ ールフッティングを 更 に 進 めることが 求 められる また 土 木 インフラ 事 業 は 規 模 が 大 きく 事 業 期 間 が 長 いために 的 確 な 資 金 調 達 が 可 能 となってこそ 事 業 を 推 進 することができる つまり 施 設 整 備 型 事 業 以 上 に 高 度 な 金 融 技 術 が 求 められる このため 今 後 は 多 様 な PFI 事 業 に 即 応 する 資 金 調 達 手 法 を 確 立 し 実 践 していく 必 要 があり まず 土 木 インフラ 事 業 のうち 独 立 採 算 型 事 業 や 利 用 者 数 が 特 定 しやすい 事 業 については 積 極 的 に PFI 手 法 を 適 用 し ノウハウを 蓄 積 していくこ とが 求 められる 例 えば 橋 梁 事 業 は 初 期 投 資 額 が 比 較 的 大 きいが 供 用 期 間 中 の 運 営 維 持 管 理 補 修 費 用 等 といったランニングコストの 割 合 が 比 較 的 少 ないという 特 性 を 持 ち 利 用 者 数 も 特 定 しやすく サービスの 対 価 の 算 出 や 民 間 の 更 なるノウハウを 引 き 出 すイン センティブの 設 定 が 容 易 であることから PFI 手 法 の 適 用 になじみやすいと 考 えられる 英 国 をはじめとした 諸 外 国 においては 様 々な 方 式 で PFI 手 法 が 適 用 されていることから 他 国 の 事 例 等 を 参 考 にしながら 適 用 事 例 が 増 えていくことを 期 待 したい ( 担 当 : 元 研 究 員 野 渡 國 洋 )

18 Ⅱ. 総 合 評 価 方 式 の 動 向 について 去 る 9 月 21 日 に 開 かれた 中 央 建 設 業 審 議 会 において 入 札 契 約 制 度 改 革 の 究 極 の 目 的 は エンドユーザーである 国 民 住 民 に 対 し 価 格 と 品 質 が 総 合 的 に 優 れた 公 共 調 達 を 実 現 す ることにあり 各 発 注 者 においては 価 格 だけでなく 企 業 の 技 術 力 施 工 実 績 等 の 価 格 以 外 の 要 素 も 適 切 に 評 価 する 総 合 評 価 方 式 の 導 入 を 進 めることが 必 要 であると 提 言 され た 2 本 稿 では このように 改 めてクローズアップされている 総 合 評 価 方 式 について その 概 要 や 導 入 状 況 を 見 ていくとともに 地 方 公 共 団 体 における 普 及 に 向 けた 国 土 交 通 省 の 取 り 組 みについて 紹 介 する 1. 総 合 評 価 方 式 とは 総 合 評 価 方 式 とは 発 注 者 が 価 格 だけで 評 価 し 落 札 者 を 決 定 していた 従 来 の 方 式 と 異 なり 品 質 を 高 めるための 新 しい 技 術 やノウハウ 等 価 格 に 加 えて 価 格 以 外 の 要 素 を 含 めて 総 合 的 に 評 価 し 落 札 者 を 決 定 する 方 式 のことであり 価 格 と 品 質 の 両 方 を 評 価 する ことにより 総 合 的 に 優 れた 調 達 を 行 うことが 可 能 になる なお 総 合 評 価 方 式 においては 入 札 価 格 が 予 定 価 格 の 制 限 の 範 囲 内 にあるもののう ち 価 格 と 品 質 を 数 値 化 した 評 価 値 が 最 も 高 いものを 落 札 者 とすることにより 予 定 価 格 の 範 囲 内 で 最 も 品 質 の 良 い 施 工 業 者 を 選 定 することとなる その 評 価 値 の 算 出 方 法 には 加 算 方 式 と 除 算 方 式 があり 加 算 方 式 では 入 札 価 格 を 一 定 のルールにより 点 数 化 した 価 格 評 価 点 と 価 格 以 外 の 要 素 を 点 数 化 した 技 術 評 価 点 を 足 し 合 わせることで 評 価 値 を 算 出 する 一 方 除 算 方 式 では 価 格 以 外 の 要 素 を 数 値 化 した 技 術 評 価 点 ( 標 準 点 + 加 算 点 )を 入 札 価 格 で 割 って 評 価 値 を 算 出 する そして 評 価 値 の 算 出 にあたって 対 象 となる 価 格 以 外 の 要 素 としては 新 しい 施 工 方 法 や 施 工 上 の 工 夫 等 の 技 術 提 案 同 種 工 事 の 施 工 実 績 工 事 成 績 等 が 挙 げられる また 総 合 評 価 方 式 における 品 質 とは 工 事 目 的 物 そのものはもとより 工 事 の 効 率 性 安 全 性 環 境 への 配 慮 等 工 事 の 実 施 段 階 における 様 々な 特 性 つまり 工 事 そのも のの 質 も 含 まれる 2. 総 合 評 価 方 式 のメリット 総 合 評 価 方 式 には 次 のようなメリットがあり これにより 高 い 技 術 的 能 力 と 地 域 の 発 展 に 対 する 強 い 意 欲 を 持 つ 建 設 業 者 が 成 長 できる 環 境 が 整 備 される 1 価 格 と 品 質 が 総 合 的 に 優 れた 調 達 により 優 良 な 社 会 資 本 整 備 を 行 うことができ る 2 平 成 19 年 9 月 21 日 中 央 建 設 業 審 議 会 入 札 契 約 制 度 の 改 革 について( 提 言 )

19 2 必 要 な 技 術 的 能 力 を 有 する 建 設 業 者 のみが 競 争 に 参 加 することにより ダンピン グの 防 止 不 良 不 適 格 業 者 の 排 除 ができる 3 技 術 的 能 力 を 審 査 することにより 建 設 業 者 の 技 術 力 向 上 に 対 する 意 欲 を 高 め 建 設 業 者 の 育 成 に 貢 献 する 4 価 格 と 品 質 の 2 つの 基 準 で 業 者 を 選 定 することから 談 合 防 止 に 一 定 の 効 果 が 期 待 できる 5 総 合 評 価 方 式 の 活 用 により 地 域 の 建 設 業 者 の 役 割 を 適 切 に 評 価 することも 可 能 となり 一 般 競 争 入 札 の 導 入 拡 大 を 進 めやすくなることから 透 明 性 の 確 保 が 図 れ 納 税 者 の 理 解 を 促 進 する 3. 総 合 評 価 方 式 のタイプ 発 注 者 は 工 事 の 難 易 度 や 規 模 等 に 応 じて 当 該 工 事 に 適 した 総 合 評 価 方 式 のタイプ を 選 択 することとなる 主 な 総 合 評 価 方 式 のタイプは 以 下 のとおりである 1 標 準 型 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 大 きく 施 工 上 の 工 夫 等 一 般 的 な 技 術 提 案 を 求 めることが 適 切 な 工 事 に 適 用 される 方 式 例 えば 環 境 の 維 持 や 交 通 の 確 保 特 別 な 安 全 対 策 等 が 評 価 項 目 として 挙 げられ る 2 高 度 技 術 提 案 型 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 大 きい 高 度 な 技 術 提 案 を 要 する 工 事 に 適 用 される 方 式 例 えば ライフサイクルコスト 工 事 目 的 物 の 強 度 耐 久 性 供 用 性 ( 維 持 管 理 の 容 易 性 ) 等 環 境 の 維 持 景 観 等 が 評 価 項 目 として 挙 げられる 3 簡 易 型 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 小 さい 一 般 的 な 工 事 において 特 定 のテーマに 沿 って 作 成 された 簡 易 な 施 工 計 画 のほか 同 種 類 似 工 事 の 施 工 実 績 や 工 事 成 績 等 の 評 価 項 目 と 入 札 価 格 を 総 合 的 に 評 価 する 方 式 4 市 区 町 村 向 け 簡 易 型 ( 特 別 簡 易 型 ) 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 小 さい 一 般 的 で 小 規 模 な 工 事 において 施 工 計 画 の 評 価 を 要 件 とせず 同 種 工 事 の 施 工 実 績 や 工 事 成 績 等 定 量 化 された 評 価 項 目 と 入 札 価 格 を 総 合 的 に 評 価 する 方 式 市 区 町 村 によっては 技 術 系 職 員 の 不 足 等 により 公 共 事 業 発 注 のための 体 制 が 十

20 分 に 整 備 されていないという 実 態 にも 配 慮 し 市 区 町 村 向 け 簡 易 型 総 合 評 価 方 式 で は 施 工 実 績 や 工 事 成 績 等 適 切 な 評 価 を 経 て 定 量 化 された 評 価 項 目 を 可 能 な 限 り 設 定 し 入 札 参 加 者 の 施 工 能 力 をより 簡 易 に 評 価 することにより 発 注 者 にとって 過 重 な 事 務 負 担 を 軽 減 しつつ 価 格 以 外 の 要 素 を 適 切 に 盛 り 込 むことを 目 的 として いる 技 術 的 能 力 の 審 査 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 小 さい ( 特 に 小 規 模 な 工 事 ) 一 般 的 な 工 事 技 術 的 な 工 夫 の 余 地 が 大 きい 施 工 上 の 工 夫 等 一 般 的 な 技 術 提 案 を 求 める 工 事 個 別 工 事 に 際 しての 技 術 審 査 建 設 業 者 及 び 配 置 予 定 技 術 者 の 同 種 類 似 工 事 の 経 験 簡 易 な 施 工 計 画 ( 市 区 町 村 向 け 簡 易 型 を 除 く ) 必 要 に 応 じ 配 置 予 定 技 術 者 のヒアリング 高 度 な 技 術 や 優 れた 工 夫 を 含 む 技 術 提 案 を 求 める 工 事 技 術 力 を 評 価 簡 易 な 施 工 計 画 の 評 価 施 工 実 績 等 施 工 実 績 等 高 度 な 技 術 力 を 審 査 評 価 施 工 上 の 提 案 安 全 対 策 環 境 への 影 響 工 期 の 縮 減 等 高 度 な 技 術 力 を 審 査 評 価 構 造 物 の 品 質 の 向 上 を 図 る 提 案 強 度 耐 久 性 景 観 ライフサイクルコスト 等 体 制 が 脆 弱 な 市 区 町 村 に おいては より 簡 易 な 方 式 を 活 用 技 術 提 案 の 改 善 予 定 価 格 の 作 成 価 格 競 争 総 合 評 価 市 区 町 村 向 け 簡 易 型 ( 特 別 簡 易 型 ) 総 合 評 価 簡 易 型 総 合 評 価 標 準 型 総 合 評 価 高 度 技 術 提 案 型 技 術 提 案 や 施 工 計 画 を 作 成 する 能 力 を 反 映 する 指 標 であるとみなして 入 札 参 加 業 者 の 技 術 的 能 力 を 評 価 4. 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 国 土 交 通 省 が 総 務 省 財 務 省 と 共 同 で 発 表 した 調 査 結 果 3 によると 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 試 行 も 含 めて 総 合 評 価 方 式 を 既 に 導 入 している または 平 成 18 年 度 内 に 導 入 すると 回 答 したのは 国 の 機 関 で 全 体 の 72.2% 特 殊 法 人 等 で 全 体 の 82.4%であった 27.8% (5 機 関 ) 33.3% (6 機 関 ) 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 ( 国 の 機 関 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 ) 27.8% (5 機 関 ) 5.6% (1 機 関 ) 5.6% (1 機 関 ) 本 格 導 入 試 行 導 入 平 成 18 年 度 内 本 格 導 入 平 成 18 年 度 内 試 行 導 入 未 導 入 ( 導 入 予 定 なし) 17.6% (23 法 人 ) 19.8% (26 法 人 ) 19.1% (25 法 人 ) 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 ( 特 殊 法 人 等 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 ) 34.4% (45 法 人 ) 9.2% (12 法 人 ) 本 格 導 入 試 行 導 入 平 成 18 年 度 内 本 格 導 入 平 成 18 年 度 内 試 行 導 入 未 導 入 ( 導 入 予 定 なし) 3 平 成 18 年 12 月 28 日 発 表 公 共 工 事 の 入 札 及 び 契 約 の 適 正 化 の 促 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 入 札 契 約 手 続 に 関 する 実 態 調 査 及 び 公 共 工 事 の 品 質 確 保 の 促 進 に 関 する 施 策 の 実 施 状 況 調 査 の 結 果 について

21 なお 地 方 公 共 団 体 においては 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 試 行 も 含 めて 総 合 評 価 方 式 を 既 に 導 入 している または 平 成 18 年 度 内 に 導 入 すると 回 答 したのは 都 道 府 県 が 100% 指 定 都 市 が 全 体 の 66.7%であっ たのに 対 し 市 区 町 村 では 全 体 の 2.0%に とどまった 27.7% (13 団 体 ) 2.1% (1 団 体 ) 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 ( 都 道 府 県 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 ) 10.6% (5 団 体 ) 59.6% (28 団 体 ) 本 格 導 入 試 行 導 入 平 成 18 年 度 内 本 格 導 入 平 成 18 年 度 内 試 行 導 入 未 導 入 ( 導 入 予 定 なし) 33.3% (5 団 体 ) 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 ( 指 定 都 市 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 ) 6.7% (1 団 体 ) 53.3% (8 団 体 ) 6.7% (1 団 体 ) 本 格 導 入 試 行 導 入 平 成 18 年 度 内 本 格 導 入 平 成 18 年 度 内 試 行 導 入 未 導 入 ( 導 入 予 定 なし) 未 導 入 ( 導 入 予 定 なし) 98.0% (1792 団 体 ) 総 合 評 価 方 式 の 導 入 状 況 ( 市 区 町 村 平 成 18 年 4 月 1 日 現 在 ) 本 格 導 入 0.3%(5 団 体 ) 試 行 導 入 0.4%(8 団 体 ) 平 成 18 年 度 内 本 格 導 入 0.2%(3 団 体 ) 平 成 18 年 度 内 試 行 導 入 1.1%(20 団 体 ) 5. 総 合 評 価 方 式 の 普 及 に 向 けた 国 土 交 通 省 の 取 り 組 み 昨 年 3 月 の 中 央 建 設 業 審 議 会 ワーキンググループの 中 間 とりまとめにおいて 示 された 方 針 4 を 受 けて 国 土 交 通 省 では 本 年 3 月 に 地 方 公 共 団 体 向 け 総 合 評 価 実 施 マニュア ル を 策 定 した 本 マニュアルは 市 区 町 村 向 け 簡 易 型 ( 特 別 簡 易 型 ) 総 合 評 価 方 式 に おける 1 評 価 項 目 及 び 評 価 基 準 の 設 定 2 評 価 方 法 の 決 定 3 公 告 等 の 実 施 4 落 札 者 の 決 定 5 落 札 者 の 決 定 後 の 対 応 6 学 識 経 験 者 の 意 見 聴 取 といった 運 用 方 法 を 中 心 に 構 成 されており 評 価 項 目 及 び 評 価 基 準 入 札 公 告 入 札 説 明 書 の 具 体 例 も 掲 載 さ れている また 今 年 度 においては 市 町 村 等 における 総 合 評 価 方 式 等 導 入 支 援 事 業 を 実 施 し ており 市 町 村 の 発 注 予 定 工 事 の 中 から 選 定 したモデル 事 業 において 技 術 的 アドバイ スを 行 うための 技 術 者 の 派 遣 や 学 識 経 験 者 への 意 見 聴 取 のための 第 三 者 委 員 会 の 運 営 経 費 等 の 支 援 を 行 うとともに 発 注 者 の 体 制 の 補 完 を 図 るために 特 定 の 工 事 を 対 象 とせ ずに 実 施 する 総 合 評 価 方 式 等 導 入 支 援 業 務 委 託 についても 支 援 を 行 っている 今 後 これらの 取 り 組 みを 通 じて 特 に 市 区 町 村 において 速 やかに 総 合 評 価 方 式 が 普 及 していくことが 期 待 される ( 担 当 : 研 究 員 大 下 嘉 之 ) 4 総 合 評 価 方 式 の 普 及 拡 大 に 当 たっては 各 発 注 者 が 発 注 関 係 事 務 なかでも 総 合 評 価 を 適 切 に 実 施 できるよう 各 発 注 者 に 対 して 適 切 な 支 援 が 行 われる 必 要 がある 具 体 的 には 国 は 主 として 市 町 村 事 業 を 念 頭 に 置 いた 簡 易 型 の 総 合 評 価 方 式 の 実 施 方 法 を 含 む 地 方 公 共 団 体 向 けの 総 合 評 価 実 施 マニュア ルを 策 定 すべきである

22 Ⅲ. 建 設 関 連 産 業 の 動 向 内 装 仕 上 工 事 業 本 稿 では 建 設 業 法 に 基 づく 28 種 類 の 許 可 業 種 の 1 つである 内 装 仕 上 工 事 業 について レポートする 1. 内 装 仕 上 工 事 業 の 概 要 建 設 業 許 可 28 業 種 の 1 つである 内 装 仕 上 工 事 業 は 木 材 石 膏 ボード 吸 音 板 壁 紙 たたみ ビニール 床 タイル カーペット ふすま 等 を 用 いて 建 築 物 の 内 装 仕 上 げを 行 う 工 事 であり 5 具 体 例 としては インテリア 天 井 仕 上 壁 張 り 内 装 間 仕 切 り 床 仕 上 た たみ ふすま 家 具 防 音 工 事 が 挙 げられる 躯 体 の 工 事 が 終 わると 建 築 物 の 内 装 仕 上 工 事 に 入 るが 仕 上 げには 主 体 構 造 の 種 別 場 所 あるいは 空 間 の 機 能 によって 耐 久 性 耐 候 性 遮 音 性 断 熱 性 耐 水 性 さらには 美 観 など 様 々な 性 能 が 要 求 される したがって 工 法 にもいろいろなものがあるが 目 的 にあ った 材 料 と 工 法 を 選 択 し 正 確 かつ 効 率 よく 施 工 することが 求 められる 工 種 である 建 物 の 内 装 工 事 は 当 初 塗 壁 などの 湿 式 工 法 が 主 流 で 左 官 業 がその 中 心 であった 石 膏 ボードを 使 うような 壁 天 井 工 事 は 現 在 の 3 分 の 1 から 半 分 程 度 であり 天 井 や 壁 の 下 地 は 木 下 地 で 乾 式 工 法 はあまり 使 われていなかった しかし 1971 年 の 建 設 業 法 の 改 正 に 伴 い それまで 現 場 で 雑 工 事 などと 呼 ばれていた 内 装 工 事 が 新 建 設 業 法 の 28 業 種 の 一 つとされ また 左 官 工 事 が 減 少 し 内 装 に 石 膏 ボードが 多 用 されるようになったり 塗 装 工 事 よりもクロス( 壁 紙 )の 使 用 が 増 えたりと その 役 割 や 重 要 さは 拡 大 してきている 特 に 現 在 は 住 宅 や 集 客 施 設 等 では 内 装 仕 上 工 事 の 出 来 が 建 物 の 意 匠 機 能 の 評 価 に 大 きな 影 響 を 与 えるようになってきており また リニューアル リフォームやリノベーシ ョンの 増 加 コンバージョン( 用 途 変 更 )への 注 目 度 の 高 まり 等 から 設 備 工 事 業 と 合 わ せて 今 後 の 成 長 が 期 待 される 業 種 となっている 2. 許 可 業 者 数 の 推 移 内 装 仕 上 工 事 業 の 許 可 業 者 数 の 推 移 は 図 表 1( 棒 グラフ)の 通 りである 2007 年 3 月 末 時 点 で 内 装 仕 上 工 事 許 可 業 者 は 61,500 社 余 りとなっており 1998 年 と 比 較 すると 13.1% 2003 年 との 比 較 でも 3.5% 増 加 している 6 5 昭 和 47 年 建 設 省 告 示 第 350 号 年 度 の 前 年 度 比 伸 び 率 が 大 きくなっているが これは 新 規 許 可 取 得 の 増 加 というよりは 許 可 更 新 に 伴 う 廃 業 数 の 減 少 が 影 響 していると 見 られる 国 土 交 通 省 は 廃 業 した 業 者 が 廃 業 届 を 提 出 しない 場 合 に 許 可 の 更 新 期 にまとめて 許 可 を 失 効 させるという 処 理 を 行 っているが 建 設 業 法 改 正 (1994 年 12 月 施 行 )で 許 可 の 有 効 期 間 が 3 年 から 5 年 に 延 長 されたことに 伴 い 2003 年 度 においては 法 改 正 以 前 か らの 許 可 業 者 で 更 新 期 を 迎 えるものがなくなり そうした 処 理 が 行 われなかったことによるものと 考 えら

23 対 前 年 度 比 を 表 す 折 れ 線 グラフ( 図 表 1)から 分 かる 様 に 全 許 可 業 種 業 者 総 数 の 増 減 と 内 装 仕 上 工 事 許 可 業 者 数 の 増 減 はほぼ 連 動 するような 形 となっているが ここ 数 年 は 内 装 仕 上 工 事 業 者 数 の 伸 び 率 が 業 者 総 数 の 伸 び 率 を 上 回 っている 図 表 1 許 可 業 者 数 の 推 移 ( 内 装 仕 上 工 事 業 ) 64,000 62,000 60,000 58,000 56,000 54,000 52,000 50, 年 度 1999 年 度 2000 年 度 2001 年 度 2002 年 度 2003 年 度 2004 年 度 2005 年 度 2006 年 度 許 可 業 者 数 ( 内 装 仕 上 げ) 対 前 年 度 伸 び 率 ( 内 装 仕 上 げ) 対 前 年 度 伸 び 率 ( 業 者 総 数 ) 6.0% 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 業 許 可 業 者 数 調 査 の 結 果 について 2007 年 5 月 ただし 許 可 業 者 数 は 必 ずしも 市 場 における 実 際 のプレーヤー 数 を 表 しているとはいえ ない 図 表 2 は 国 土 交 通 省 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 で 公 表 されている 建 設 業 許 可 を 受 けており かつ 年 間 100 万 円 以 上 の 工 事 の 実 績 がある 内 装 工 事 業 の 業 者 数 ( 以 下 工 事 実 績 業 者 数 という )の 推 移 を 表 したものである 最 新 の 2005 年 度 末 で 7,990 社 と 前 年 度 よりも 14.4%の 減 少 となっている 7 許 可 業 者 数 と 工 事 実 績 業 者 数 の 足 元 の 推 移 を 比 べると 建 設 業 許 可 を 取 得 する 業 者 が プラスで 推 移 する 中 実 際 に 施 工 に 当 たっている 業 者 数 は 大 幅 に 減 少 していることが 分 か る これは 建 設 投 資 額 が 2005 年 度 まで 連 続 して 減 少 し 内 装 仕 上 工 事 の 市 場 も 縮 小 する 中 で 将 来 的 な 業 務 量 の 増 加 や 仕 事 の 広 がりを 見 込 んで 他 業 種 や 建 設 の 他 工 種 から 内 装 仕 上 工 事 業 への 参 入 が 起 こっているからと 推 察 される れる 7 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 における 内 装 工 事 業 は 内 装 仕 上 工 事 業 のみを 対 象 としているわけではな いが 近 い 数 字 として 採 用 した

24 図 表 2 工 事 実 績 業 者 数 の 推 移 ( 内 装 工 事 業 ) 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2, 年 度 工 事 実 績 業 者 数 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 次 に 内 装 仕 上 工 事 業 者 の 規 模 についてみてみる 図 表 3 は 内 装 仕 上 工 事 業 の 許 可 業 者 を 資 本 金 階 層 別 に 分 類 したものである 図 表 3 許 可 業 者 数 の 資 本 金 階 層 別 割 合 (2007 年 3 月 末 時 点 ) 合 計 12.3% 0.3% 20.3% 10.2% 49.0% 4.6% 2.4% 1.0% 0.4% 大 臣 許 可 0.3% 33.9% 26.2% 25.0% 14.2% 知 事 許 可 12.8% 0.4% 21.3% 10.6% 49.7% 3.5% 1.3% 0.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 個 人 200 万 未 満 200 万 以 上 500 万 未 満 500 万 以 上 1,000 万 未 満 1,000 万 以 上 5,000 万 未 満 5,000 万 以 上 1 億 未 満 1 億 以 上 10 億 未 満 10 億 以 上 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 業 許 可 業 者 数 調 査 の 結 果 について 2007 年 5 月

25 これをみると 資 本 金 1 千 万 円 以 上 5 千 万 円 未 満 の 企 業 が 49.0%と 全 体 の 約 半 数 を 占 め る これに 次 いで 200 万 円 以 上 500 万 円 未 満 が 20.3% 個 人 が 12.3%となっており 資 本 金 5 千 万 円 未 満 の 企 業 が 全 体 の 9 割 以 上 を 占 めていることが 分 かる 3. 就 業 者 数 の 推 移 図 表 4 就 業 者 数 の 推 移 ( 内 装 工 事 業 ) 人 160, , , ,000 80,000 60,000 40,000 20, 年 度 1999 年 度 2000 年 度 2001 年 度 2002 年 度 2003 年 度 2004 年 度 2005 年 度 2006 年 度 就 業 者 数 ( 内 装 工 事 業 ) 対 前 年 度 伸 び 率 ( 内 装 工 事 業 ) 対 前 年 度 伸 び 率 ( 就 業 者 総 数 ) 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% -10.0% -20.0% -30.0% 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 図 表 5 平 成 17 年 度 就 業 者 数 ( 内 装 工 事 業 ) 平 成 17 年 度 建 設 業 労 務 外 注 就 業 者 数 従 業 者 数 常 雇 等 臨 時 日 雇 労 働 者 数 総 数 3,523,528 3,160,398 2,986, , ,131 総 合 工 事 業 1,937,793 1,775,282 1,662, , ,511 職 別 工 事 業 713, , ,566 35, ,020 内 装 工 事 業 91,320 70,090 66,711 3,378 21,230 設 備 工 事 業 872, , ,491 26,286 68,600 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 内 装 工 事 業 に 従 事 する 就 業 者 は 職 別 工 事 業 に 従 事 するものの 12.8%を 占 めており そ の 工 種 や 工 法 の 多 様 性 から 全 国 で 9 万 人 以 上 にのぼっている そして 建 設 業 就 業 者 数 が ここ 数 年 来 マイナスで 推 移 する 中 増 減 を 繰 り 返 しながらも 微 減 に 留 まっている また 内 装 工 事 業 は 総 合 工 事 業 や 他 の 職 別 工 事 業 に 比 べ 従 業 者 数 に 占 める 常 勤 雇 用 者 の 割 合 が 高 い これは 今 後 も 市 場 の 拡 大 が 見 込 まれるリフォーム リニューアル 分 野 等 を 中 心 に 確 実 な 需 要 が 望 め 他 工 種 に 比 べ 仕 事 量 が 安 定 しているためであると 考 えられ

26 る 4. 今 後 の 展 望 内 装 仕 上 工 事 業 もまた 他 の 専 門 工 事 業 と 同 じ 様 に 建 設 投 資 額 の 減 少 に 伴 う 受 注 難 工 事 採 算 の 悪 化 といった 専 門 工 事 業 に 共 通 の 課 題 を 抱 えている 日 本 は 人 口 減 少 時 代 を 迎 えており 今 後 大 きな 新 設 需 要 は 期 待 できない また 従 来 のようなスクラップ アン ド ビルド 的 な 考 え 方 は 容 認 されにくい 時 代 となってきており 建 設 投 資 の 方 向 性 が 大 き く 変 わりつつあることは 明 らかである しかし 日 本 の 建 設 投 資 額 自 体 は 今 後 大 きな 伸 びが 期 待 できないものの 戦 後 現 在 まで 一 貫 して 続 いてきた 民 官 の 巨 額 な 建 設 投 資 は 巨 大 な 建 設 ストック 市 場 を 出 現 させてい る 新 設 工 事 一 辺 倒 であったものが 最 終 的 には 欧 州 の 主 要 先 進 国 のように 維 持 補 修 が 建 設 市 場 の 4~5 割 を 占 めるようになることが 考 えられる すでにその 傾 向 は 下 の 図 表 の 通 り 現 れており いわゆるストック 市 場 への 注 目 は 年 々 高 まってきている 図 表 6 維 持 補 修 工 事 の 元 請 完 成 工 事 高 推 移 ( 建 築 工 事 ) 兆 円 % 年 度 1996 年 度 1997 年 度 1998 年 度 1999 年 度 2000 年 度 2001 年 度 2002 年 度 2003 年 度 2004 年 度 2005 年 度 年 度 新 設 工 事 維 持 補 修 工 事 維 持 補 修 の 比 率 出 典 ) 国 土 交 通 省 建 設 工 事 施 工 統 計 調 査 報 告 新 設 の 元 請 完 成 工 事 高 が 減 少 していく 中 で 近 年 維 持 補 修 工 事 の 市 場 が 注 目 を 集 め ている 建 築 マーケット 全 体 に 占 めるその 割 合 をみても 右 肩 上 がりの 上 昇 が 継 続 してお り 2005 年 度 には 24.3%まで 上 昇 している ストック 時 代 の 建 築 生 産 を 代 表 するものは リフォーム リニューアル コンバージョン リノベーション 等 であり それら 工 事 を 中

27 心 となって 担 当 する 内 装 工 事 業 者 設 備 工 事 業 者 の 重 要 性 は 今 後 益 々 高 まっていくものと 考 えられる ストック 時 代 の 建 築 工 事 では 内 装 仕 上 工 事 業 の 受 け 持 つ 工 事 範 囲 も 使 用 される 資 材 や 工 法 も 今 まで 以 上 に 多 岐 にわたり 工 事 業 者 には 高 い 技 術 的 能 力 が 求 められるように なると 思 われる そのため 高 度 な 技 能 や 豊 富 な 知 識 を 持 ち 時 代 の 変 化 に 十 分 対 応 して いけるような 会 社 のみが 今 後 も 生 き 残 っていくことになるであろう ( 担 当 : 研 究 員 田 頭 聡 一 郎 )

28 編 集 後 記 世 の 中 には 変 な 人 と 呼 ばれる 人 がいる 有 名 なところでは 小 泉 元 首 相 も 変 人 と 呼 ばれていた 斎 藤 一 人 さんという 変 な 人 の 書 いた 成 功 法 則 という 本 の 著 者 であり 長 者 番 付 が 発 表 されていた 2004 年 度 分 までの 確 定 申 告 の 累 計 納 税 額 が 174 億 円 を 超 える 日 本 一 のお 金 持 ちと 呼 ばれている 人 がいる この 人 との 縁 は 約 3 年 となる と 言 っても3 度 ばかり 講 演 会 に 出 席 した 程 度 である 仕 事 で 遠 くに 行 っていた 時 に 知 人 が その 人 の 講 演 CD を 送 ってくれたことがきっかけである ほとんどの 著 書 を 読 んで CD を 聞 いた この 人 が 自 分 のことを 変 な 人 と 呼 ぶ 理 由 がある 日 本 一 のお 金 持 ちではあるが 自 分 の 仕 事 の 話 はほとんどせずに 精 神 的 な 話 が 多 い 時 たま 神 仏 や 生 まれ 変 わりの 話 も 出 て くる 大 体 こういう 話 の 前 に 変 な 人 の 話 なんで 普 通 の 人 には 信 じられないと 思 います から 信 じなくていいですが という 前 置 きが 入 ることが 変 な 人 のいわれのようであ る 好 きな 音 楽 を 聴 きながら 英 語 のヒアリング 能 力 を 落 とさないためにという 理 由 で 買 った ipod も 多 くの 時 間 はこの 変 な 人 や この 変 な 人 も 推 薦 する 別 の 変 な 人 達 の 講 演 CD を 聞 くことに 費 やされている 変 な 人 の 話 は 冗 談 が 多 く 笑 いが 多 い 深 遠 な 話 も 多 いが この 人 が 常 に 話 すこと を 一 言 でまとめるならば いつも 愛 のある 言 葉 を 話 す である 愛 のある 言 葉 の 例 とし て 自 分 より 年 上 の 女 性 にも おばさんと 呼 びかけずに お 姉 さんと 呼 びかける と 説 明 される 反 対 に 愛 の 無 い 言 葉 の 例 として 髪 の 毛 の 薄 くなった 人 に 薄 くなったと 言 うこ と 太 っていることを 気 にしている 女 性 に また 太 ったねと 言 うこと などと 説 明 される 目 の 前 にいる 人 を 傷 つける 言 葉 は 愛 の 無 い 言 葉 だから 愛 のある 優 しい 言 葉 を 使 いなさい と 何 度 も 言 われる こういう 当 たり 前 のことを 笑 顔 で 淡 々と 実 行 できる 変 な 人 達 が 国 の 改 革 を 実 行 し 業 界 の 改 革 も 実 行 できるのではないかと 思 う 言 うは 易 く 行 なうは 難 し であり 変 な 人 がおっしゃる 当 たり 前 のことが 凡 人 にはなかなか 実 行 できないが 日 々 努 力 をしていきたいと 思 っている ( 担 当 : 研 究 員 越 村 吉 隆 )