福島赤十字病院産婦人科における内視鏡下手術

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1 1 福 島 赤 十 字 病 院 産 婦 人 科 内 視 鏡 下 手 術 について はじめに: 内 視 鏡 下 手 術 は 患 者 様 の 体 の 負 担 をできるだけ 少 なくする 手 術 ( 低 侵 襲 手 術 :minimally invasive surgery)として 外 科 系 各 科 において 広 く 実 施 されるようになってきております 産 婦 人 科 領 域 でも 近 年 急 速 に 普 及 してきている 術 式 であり 現 在 では 婦 人 科 良 性 疾 患 のほとんどが 内 視 鏡 下 手 術 の 適 応 疾 患 となってきております 当 院 産 婦 人 科 でも 2001 年 より 婦 人 科 良 性 疾 患 に 対 して 内 視 鏡 下 手 術 を 積 極 的 に 導 入 してきおりま す 手 術 件 数 は 年 々に 増 加 しており 2005 年 以 降 では 年 間 100 例 以 上 の 内 視 鏡 下 手 術 を 行 なっており ます 本 ホームページでは 婦 人 科 内 視 鏡 下 手 術 の 一 般 的 な 説 明 ( 利 点 と 合 併 症 手 術 の 具 体 的 な 方 法 など) および これまでの 当 科 での 手 術 成 績 についてお 示 しいたします 本 ホームベージをご 覧 い ただくことにより 婦 人 科 疾 患 を 有 する 患 者 様 に 内 視 鏡 下 手 術 を 行 なうことの 得 失 と 当 科 での 治 療 内 容 を 十 分 に 御 理 解 していただき 内 視 鏡 下 手 術 の 恩 恵 をできるだけ 多 くの 患 者 様 に 受 けていただけ れば 幸 いと 思 っております 産 婦 人 科 領 域 での 内 視 鏡 下 手 術 とは 婦 人 科 領 域 での 内 視 鏡 下 手 術 には 腹 腔 鏡 下 手 術 子 宮 鏡 下 手 術 卵 管 鏡 下 手 術 ( 卵 管 閉 塞 を 解 除 する 手 術 ) 胎 児 鏡 下 手 術 ( 双 胎 間 輸 血 症 候 群 などの 吻 合 血 管 を 処 理 する 手 術 )などがあります これ らのうち 当 科 で 現 在 行 なっているのは 腹 腔 鏡 下 手 術 と 子 宮 鏡 下 手 術 です 以 下 にこれらの 手 術 の 説 明 と 当 科 での 実 績 をお 示 しいたします 腹 腔 鏡 下 手 術 : 腹 腔 鏡 とは 腹 壁 に 数 ヶ 所 小 さな 孔 をあけて そこからスコープ( 内 視 鏡 カメラ)や 鉗 子 を 入 れて 手 術 を 行 なう 方 法 です 全 身 麻 酔 下 で 行 なわれます 手 術 方 法 ; 腹 壁 の 創 は 通 常 はお 臍 と 左 右 の 下 腹 部 に 3~4 ヶ 所 必 要 になります お 臍 の 創 からスコープを 挿 入 し 炭 酸 ガスでお 腹 を 膨 らませてスペースを 作 ります モニターに 映 し 出 された 映 像 を 見 ながら 下 腹 部 から 挿 入 された 鉗 子 を 用 いて 腹 腔 内 で 手 術 を 行 ないます また 最 近 では 症 例 によって 創 の 数 を 少 なくした 手 術 が 行 えることもあります( 単 孔 式 2 孔 式 手 術 ; 後 述 ) (A) 腹 腔 鏡 手 術 用 機 器 (B) 腹 腔 鏡 模 式 図 (C)モニターに 写 しだされた 画 像 ( 産 科 と 婦 人 科 2008,10 号 より 引 用 )

2 2 (D)モニターを 見 ながらの 手 術 風 景 (E)スコープ 挿 入 (F) 手 術 後 のお 腹 の 創 です (12mm が 2 本 と 5mm が 1 本 ) ( 右 側 の 創 にはドレーンを 留 置 しました) 適 応 疾 患 ; 腹 腔 鏡 で 手 術 が 可 能 な 疾 患 と 術 式 は 以 下 の 通 りです 適 応 疾 患 術 式 子 宮 筋 腫 子 宮 筋 腫 核 出 術 子 宮 全 摘 術 * 良 性 卵 巣 腫 瘍 卵 巣 嚢 腫 摘 出 術 附 属 器 摘 出 術 子 宮 内 膜 症 卵 巣 嚢 腫 摘 出 術 癒 着 剥 離 術 内 膜 症 病 巣 除 去 術 子 宮 外 妊 娠 ( 異 所 性 妊 娠 ) 卵 管 摘 出 術 卵 管 線 状 切 開 術 卵 巣 出 血 卵 巣 嚢 腫 摘 出 術 止 血 術 不 妊 症 癒 着 剥 離 術 卵 管 開 口 術 卵 巣 多 孔 術 など * 子 宮 全 摘 術 は 腹 腔 鏡 を 併 用 して 腟 式 に 子 宮 を 摘 出 する 手 術 になります ただし これらの 疾 患 の 全 てが 腹 腔 鏡 下 手 術 の 適 応 ( 対 象 )となる 訳 ではありません 子 宮 筋 腫 であ れば 筋 腫 の 大 きさや 形 子 宮 内 膜 との 位 置 関 係 癒 着 がありそうかどうかなどによって 卵 巣 腫 瘍 で は 大 きさと 形 悪 性 腫 瘍 の 可 能 性 が 高 くないかどうかによって 子 宮 外 妊 娠 卵 巣 出 血 では 出 血 により 全 身 状 態 が 不 安 定 になっていないかどうか( 血 圧 が 維 持 できないくらい 出 血 していないか)な どによって 腹 腔 鏡 手 術 の 適 応 外 ( 開 腹 手 術 を 最 初 から 選 択 する)となることもあります 以 下 に 腹 腔 鏡 下 手 術 の 主 なメリットとデメリットを 示 しました これらのことを 十 分 に 考 慮 してい ただいてご 希 望 のある 患 者 さまに 行 なわれる 手 術 です 内 視 鏡 下 手 術 のメリットとデメリット: メリット; 1. 入 院 期 間 が 短 い 2. 術 後 の 疼 痛 が 軽 く 早 期 離 床 が 可 能 3. 早 期 の 社 会 復 帰 が 可 能 4. 術 後 の 癒 着 が 少 ない 5. 美 容 上 も 優 れている( 手 術 創 が 小 さい) デメリット; 1. 開 腹 手 術 への 移 行 が 必 要 になることがあります * 2. 手 術 時 間 が 長 くなることがあります 3. 腹 腔 鏡 特 有 の 合 併 症 ( 皮 下 気 腫 トロッカーによる 血 管 損 傷 など) 4. 腸 管 損 傷 尿 管 損 傷 等 の 可 能 性 があります * 開 腹 手 術 移 行 の 可 能 性 について:

3 3 内 視 鏡 下 で 開 始 した 手 術 が 必 ずしも 最 後 まで 内 視 鏡 下 で 行 われるとは 限 りません いろいろな 理 由 で 途 中 から 開 腹 手 術 へ 移 行 することもあります 当 院 では 常 に 安 全 性 を 最 優 先 にした 手 術 を 心 掛 けて いるため 予 想 外 の 強 い 癒 着 や 出 血 があった 場 合 などで 開 腹 手 術 の 方 がより 安 全 であると 判 断 した 場 合 には 内 視 鏡 下 手 術 に 必 要 以 上 に 固 執 することなく 速 やかに 開 腹 手 術 へ 移 行 するようにしておりま す また 卵 巣 腫 瘍 手 術 の 術 中 病 理 検 査 で 悪 性 または 境 界 悪 性 腫 瘍 であった 場 合 にも 開 腹 のうえ 根 治 手 術 としております これまで(~2012 年 12 月 まで)の 手 術 のうち 開 腹 手 術 へ 移 行 した 症 例 は 117 件 あり 全 内 視 鏡 下 手 術 件 数 (1553 件 )に 占 める 割 合 は 7.5%でした 開 腹 手 術 へ 移 行 する 件 数 は 年 々 減 少 しており 2012 年 では 9 例 178 件 (5.1%)になっておりました( 内 訳 は 癒 着 出 血 によるものが 3 例 悪 性 境 界 悪 性 の 診 断 によるものが 6 例 でした) 入 院 期 間 : 原 則 として 手 術 の 前 日 に 入 院 していただきます 手 術 前 には 外 来 または 入 院 後 に 手 術 内 容 方 法 合 併 症 等 に 関 して 再 度 詳 しく 説 明 し 必 要 な 書 類 ( 手 術 同 意 書 輸 血 同 意 書 等 )にサインをしていた だきます 入 院 後 からは 手 術 用 の 食 事 ( 低 残 渣 食 )を 食 べていただきます 手 術 翌 日 から 歩 行 食 事 が 可 能 となり 術 後 4 日 目 ( 子 宮 全 摘 術 では 術 後 7 日 目 )に 退 院 の 予 定 となります # 開 腹 手 術 になった 場 合 は 入 院 期 間 が 数 日 延 長 になります 当 院 での 内 視 鏡 下 手 術 の 実 績 当 福 島 赤 十 字 病 院 では 2001 年 10 月 より 婦 人 科 良 性 疾 患 に 対 して 内 視 鏡 下 手 術 を 積 極 的 に 取 り 入 れ てきており 2012 年 末 までに 1553 件 の 内 視 鏡 下 手 術 を 行 っております 手 術 件 数 の 推 移 は 年 々 増 加 の 傾 向 にあり 2007 年 以 降 では 年 間 150 件 を 超 える 内 視 鏡 下 手 術 を 行 っております 主 な 疾 患 別 年 次 別 の 手 術 件 数 を 下 の 図 に 示 しました 2012 年 には 腹 腔 鏡 下 手 術 163 件 ( 開 腹 移 行 例 も 含 めた 件 数 ) 子 宮 鏡 下 手 術 15 件 合 計 で 178 件 行 っておりました 手 術 件 数 白 赤 数 字 ; 腹 腔 鏡 + 子 宮 鏡 下 手 術 件 数 黄 数 字 ; 腹 腔 鏡 下 手 術 件 数 その 他 ; 卵 巣 出 血 不 妊 症 など TCR; 子 宮 鏡 下 腫 瘍 摘 出 手 術

4 4 腹 腔 鏡 下 手 術 の 主 な 合 併 症 : 手 術 に 際 しては 腹 腔 鏡 手 術 に 限 らず 合 併 症 が 発 生 する 可 能 性 があります 合 併 症 とは 手 術 操 作 などにより 手 術 中 や 手 術 後 に 予 期 しなかったトラブルが 起 こることです 私 たちは 合 併 症 をゼロに するために 細 心 の 注 意 と 努 力 をして 手 術 を 行 なっておりますが 残 念 ながらその 発 症 率 はゼロにはな りません 多 くの 手 術 を 経 験 し 手 術 方 法 の 改 良 や 手 術 手 技 の 向 上 などにより 合 併 症 の 発 症 は 確 実 に 減 少 しておりますが 手 術 をお 受 けになる 際 にはこれらの 合 併 症 後 遺 症 が 発 生 する 可 能 性 があるこ とをご 理 解 いただきたいと 思 います 合 併 症 には 手 術 一 般 ( 開 腹 手 術 等 も 含 めで)に 起 こり 得 るものと 腹 腔 鏡 特 有 のものとがあります 手 術 一 般 の 合 併 症 の 主 なものとしては 予 想 外 の 出 血 ( 輸 血 を 必 要 となる 場 合 もあります) 他 臓 器 損 傷 深 部 静 脈 血 栓 症 (それに 伴 う 肺 塞 栓 症 ) 術 後 腸 閉 塞 感 染 創 縫 合 不 全 などがあります 腹 腔 鏡 に 特 有 の 合 併 症 としては トラカール 挿 入 時 の 血 管 損 傷 や 腸 管 損 傷 腹 腔 内 操 作 時 の 腸 管 膀 胱 尿 管 の 損 傷 皮 下 気 腫 ガス 塞 栓 などがあります これらの 合 併 症 が 発 生 することは 稀 ですが 発 生 した 場 合 には 万 全 の 処 置 を 行 ないます 合 併 症 の 発 生 頻 度 : 2001 年 10 月 から 2012 年 12 月 までに 当 院 で 行 なわれた 内 視 鏡 下 出 術 は 腹 腔 鏡 下 手 術 が 1385 件 子 宮 鏡 下 手 術 が 168 件 合 計 で 1553 件 でした この 間 に 発 生 した 主 な 合 併 症 は 腹 腔 鏡 下 手 術 では 腹 壁 血 管 損 傷 が 6 件 (0.43%) 腸 管 損 傷 が 4 件 (0.29%) 膀 胱 損 傷 1 件 (0.07%) 手 術 後 出 血 ( 輸 血 を 要 した 症 例 )1 件 (0.07%) 重 症 皮 下 気 腫 が 1 件 (0.07%) 子 宮 鏡 下 手 術 では 子 宮 穿 孔 が 2 件 (1.2%) でした また 血 栓 症 や 肺 塞 栓 症 などの 重 篤 な 合 併 症 合 併 症 のために 再 手 術 が 必 要 になった 症 例 な どはこれまでところありません これらの 当 院 での 合 併 症 の 発 生 頻 度 は 内 視 鏡 下 手 術 を 数 多 く 行 な っている 他 施 設 と 比 べても 特 に 多 いわけではありません 腹 腔 鏡 下 手 術 の 実 際 : * 卵 巣 腫 瘍 ; 卵 巣 腫 瘍 の 手 術 は 腹 腔 鏡 下 手 術 のうちで 最 も 多 く 行 われている 手 術 です 術 前 の 検 査 で 悪 性 腫 瘍 が 強 く 疑 われるもの 充 実 性 の 腫 瘍 強 い 癒 着 がありそうなもの 等 は 開 腹 手 術 を 行 いますが それ 以 外 のものではできるだけ 腹 腔 鏡 下 手 術 を 選 択 します 腹 腔 鏡 下 手 術 でも 開 腹 手 術 と 同 様 に 卵 巣 腫 瘍 摘 出 術 ( 正 常 部 分 を 残 す 方 法 )と 附 属 器 摘 出 術 ( 卵 巣 ごと 摘 出 する 方 法 ) とがあり 腫 瘍 の 種 類 大 きさ 年 齢 や 今 後 の 妊 娠 希 望 の 有 無 などを 総 合 的 に 検 討 し よく 相 談 した 上 で 術 式 を 決 定 するようになります 腹 腔 鏡 下 の 手 術 方 法 には 全 ての 手 術 を 腹 腔 内 で 行 なう 体 腔 内 法 と 腫 瘍 を 小 切 開 部 分 より 一 度 腹 腔 外 に 引 き 出 して 行 なう 体 腔 外 法 とがあります 以 下 に 当 院 での 腹 腔 鏡 下 卵 巣 腫 瘍 手 術 の 例 を 示 します (A): 体 腔 外 法 による 卵 巣 腫 瘍 核 出 術

5 5 *サンドバルーンカテーテル( 固 定 用 風 船 のついた 穿 刺 針 )を 嚢 腫 内 に 刺 入 し 内 溶 液 を 吸 引 した 後 腹 腔 外 に 引 き 出 して 腫 瘍 の 部 分 を 切 除 し 縫 合 して 腹 腔 内 に 戻 します (B): 体 腔 内 法 による 附 属 器 摘 出 術 * 卵 巣 腫 瘍 周 囲 の 組 織 ( 靱 帯 卵 管 血 管 )を 切 断 して 腫 瘍 を 完 全 に 切 離 後 収 容 用 袋 内 に 入 れて 内 容 液 を 吸 引 し 袋 ごと 体 外 に 回 収 します * 子 宮 筋 腫 ; 子 宮 筋 腫 は 30 歳 以 上 の 女 性 では 約 20~30%の 方 にみられる 疾 患 です 筋 腫 があるからといって 全 て の 方 で 治 療 が 必 要 となる 訳 ではありません このうち 筋 腫 による 症 状 ( 過 多 月 経 月 経 痛 異 常 出 血 不 妊 症 など)を 有 する 方 症 状 はなくても 大 きな 筋 腫 増 大 傾 向 にある 筋 腫 を 有 する 方 などが 治 療 の 対 象 となります また 子 宮 筋 腫 の 治 療 には 手 術 による 治 療 以 外 に 薬 物 療 法 (GnRH アゴニス トなど) 子 宮 動 脈 塞 栓 術 (UAE) 収 束 超 音 波 (FUS)などの 治 療 法 もあります 子 宮 筋 腫 の 手 術 には 子 宮 を 残 し 筋 腫 だけを 摘 出 する 子 宮 筋 腫 核 出 術 と 子 宮 全 摘 術 とがあります 子 宮 筋 腫 の 手 術 では 筋 腫 のサイズを 縮 小 することと 筋 腫 の 血 流 を 減 少 させて 手 術 中 の 出 血 量 を 減 らすこと 貧 血 を 改 善 することなどを 主 な 目 的 として 通 常 GnRH アゴニスト( 月 に 1 回 の 注 射 )を 3~4 ヶ 月 間 使 用 してから 手 術 を 行 うこととが 望 ましいです (A): 子 宮 全 摘 術 ( 腹 腔 鏡 下 腟 式 子 宮 全 摘 術 ); 腟 式 子 宮 全 摘 術 は 腹 式 の 子 宮 全 摘 術 に 比 べて 低 侵 襲 性 の 優 れた 術 式 であり 以 前 から 行 われてはいま したが 子 宮 の 大 きさや 腟 の 伸 展 性 などによりその 適 応 は 非 常 に 限 られておりました そこで 腹 腔 鏡 を 併 用 しながら 行 うことによりその 適 応 を 大 幅 に 拡 大 することができるようになったのがこの 手 術 方 法 です 当 院 ではおおよそ 以 下 のような 基 準 を 定 めて 本 術 式 の 適 応 としております 適 応 ;* 大 きさが 10cm 程 度 ( 推 定 g)までのもの * 悪 性 を 疑 う 所 見 がないもの( 子 宮 筋 腫 子 宮 腺 筋 症 ) * 子 宮 の 可 動 性 が 良 好 で 周 囲 に 強 い 癒 着 がないと 思 われるもの

6 6 * 経 腟 分 娩 をされたことがあり 腟 の 伸 展 性 が 不 良 でない 方 術 式 ; 腹 腔 鏡 を 用 いてまず 子 宮 の 周 囲 組 織 ( 卵 管 卵 巣 固 有 靭 帯 骨 盤 漏 斗 靭 帯 円 靭 帯 膀 胱 子 宮 窩 腹 膜 や 子 宮 動 脈 など)を 電 気 メスや 超 音 波 メスを 用 いて 切 断 切 開 します その 後 腟 式 に 残 りの 子 宮 周 囲 組 織 ( 仙 骨 子 宮 靭 帯 基 靭 帯 など)を 切 断 して 腟 式 に 子 宮 を 摘 出 する 方 法 です これまでに 250 人 以 上 の 方 にこの 手 術 を 行 っておりますが 約 10%の 方 は 癒 着 などの 理 由 で 開 腹 手 術 ( 腹 式 子 宮 全 摘 術 )に 移 行 しております * 子 宮 周 囲 の 組 織 ( 靱 帯 卵 管 など)を 腹 腔 鏡 下 に 切 断 しているところです この 後 腟 式 に 子 宮 を 摘 出 します * 子 宮 摘 出 後 の 腹 腔 鏡 (B); 子 宮 筋 腫 核 出 術 ; 術 式 には 腹 腔 鏡 を 併 用 しながら 下 腹 部 に 小 切 開 (3~4cm)を 加 えてそこから 筋 腫 核 出 を 行 う 腹 腔 鏡 下 補 助 筋 腫 核 出 術 (LAM)と 全 腹 腔 鏡 下 筋 腫 核 出 術 (LM)との 2 法 があります 最 近 では 腹 腔 鏡 下 での 縫 合 技 術 等 の 向 上 により より 侵 襲 の 少 ない LM を 主 に 採 用 しております 腹 腔 鏡 下 手 術 の 明 確 な 適 応 基 準 はありませんが 筋 腫 の 大 きさ 個 数 できている 場 所 症 状 など により 総 合 的 に 判 断 してより 望 ましい 術 式 を 決 定 しております 以 下 に 当 院 で 行 う 腹 腔 鏡 下 筋 腫 核 出 術 (LM)の 方 法 を 示 します * 術 前 には 超 音 波 MRI 等 で 筋 腫 の 位 置 大 きさを 確 認 します この 方 の 筋 腫 は 子 宮 後 壁 に 1 個 のみ 認 められ ました 大 きさは 85x65mm で 子 宮 内 膜 からは 少 し 離 れていました * 子 宮 筋 腫 表 面 の 切 開 部 を 決 定 したら その 部 分 を 中 心 に 筋 腫 の 表 面 に 止 血 防 止 の 目 的 でピトレッシン という 薬 剤 を 注 射 した 後 筋 腫 表 面 に 電 気 メスで 切 開 を 加 え 筋 腫 核 出 を 行 います

7 7 * 核 出 後 の 子 宮 の 創 は 吸 収 糸 を 用 いて 縫 合 します * 核 出 した 筋 腫 核 は 電 動 モルセレーターという 機 器 を 用 いて 小 さく 切 断 して 体 外 に 回 収 します 腹 腔 内 を 洗 浄 し 創 面 からの 出 血 がないことを 再 確 認 します 創 面 には 癒 着 防 止 のシートなどを 貼 付 しドレー ンを 留 置 して 手 術 を 終 了 します (この 手 術 は 出 血 は 少 量 のみで 手 術 時 間 は 1 時 間 45 分 の 手 術 でした) * 子 宮 外 妊 娠 ( 異 所 性 妊 娠 ); 子 宮 外 妊 娠 ( 異 所 性 妊 娠 )は 子 宮 内 膜 以 外 の 部 分 に 受 精 卵 が 着 床 して 育 ち 始 める 病 気 です 気 づか ずにいると 妊 娠 部 位 で 流 産 や 破 裂 を 起 こして 腹 腔 内 に 大 出 血 を 起 こすこともある 疾 患 です 全 妊 娠 の 約 1%の 頻 度 で 発 症 しますが 体 外 受 精 などの 不 妊 治 療 後 には 3-10%との 報 告 もあります 妊 娠 部 位 は 95% 以 上 が 卵 管 の 妊 娠 ですが まれに 卵 巣 や 腹 膜 や 子 宮 頚 管 に 妊 娠 する 場 合 もあります 妊 娠 5~6 週 を 超 えても 子 宮 内 に 胎 嚢 が 見 えなければ 子 宮 外 妊 娠 が 疑 われます 血 中 のホルモン 値 (hcg)や 経 腟 超 音 波 検 査 やその 他 の 検 査 で 子 宮 外 妊 娠 が 強 く 疑 われるようなときには 手 術 による 確 認 治 療 の 適 応 となります 大 量 の 出 血 でショック 症 状 を 示 している 症 例 以 外 は 腹 腔 鏡 下 手 術 の 適 応 とな ります ( 左 図 ) 左 卵 管 膨 大 部 妊 娠 + 腹 腔 内 出 血 ( 右 図 ) 右 卵 管 峡 部 妊 娠 以 下 は 卵 管 妊 娠 の 場 合 に 関 しての 説 明 になります 術 式 ; 子 宮 外 妊 娠 ( 卵 管 妊 娠 )の 手 術 には 卵 管 摘 出 術 と 卵 管 線 状 切 開 術 ( 卵 管 温 存 手 術 )の 2 つの 方 法 があります どちらの 手 術 を 選 択 するかは 妊 娠 部 位 の 状 態 ( 大 きさ 破 裂 の 有 無 など) 胎 児 心 拍 の 有 無 初 めての 子 宮 外 妊 娠 かどうか 血 中 hcg 値 将 来 の 妊 娠 希 望 の 有 無 などにより 卵 管 の 温 存 の 適 応 があるかどうかを 判 断 したうえで 両 手 術 のメリットとデメリットをご 本 人 ご 家 族 に 十 分 に 説 明

8 8 して 決 めるようになります (A); 卵 管 切 除 術 ; 妊 娠 部 位 を 含 めて 妊 娠 側 の 卵 管 を 完 全 に 切 除 する 術 式 です 根 治 的 な 治 療 法 であり 将 来 の 妊 娠 希 望 がない 方 にはこの 方 法 が 行 われます 今 後 も 妊 娠 の 希 望 がある 方 でも 前 述 のような 温 存 可 能 な 基 準 に 照 らし 合 わせて 卵 管 切 除 が 行 われることもあります * 卵 管 間 膜 を 超 音 波 メスで 切 開 し 卵 管 を 子 宮 の 付 け 根 から 完 全 に 摘 出 します (B); 卵 管 線 状 切 開 術 ; 卵 管 の 妊 娠 部 位 に 切 開 を 加 えて 卵 管 内 の 妊 娠 組 織 のみを 除 去 して 卵 管 を 温 存 する 方 法 です この 方 法 では 子 宮 外 妊 娠 存 続 症 ( 卵 管 内 に 妊 娠 組 織 が 残 ってしまう) 卵 管 閉 塞 同 じ 部 分 に 子 宮 外 妊 娠 を 繰 り 返 すといった 後 遺 症 を 起 こすリスクがあります * 卵 管 に 切 開 を 加 え 内 容 物 を 除 去 し 洗 浄 後 止 血 縫 合 しました * 繰 り 返 しになりますが いずれの 術 式 を 行 うかは 検 査 結 果 卵 管 の 状 態 将 来 の 妊 娠 希 望 の 有 無 ご 本 人 の 希 望 後 遺 症 などの 可 能 性 を 総 合 的 に 検 討 し 十 分 な 説 明 と 相 談 (インフォームドコンセン ト)をした 上 で 決 定 するようになります * 卵 巣 出 血 ; 卵 巣 出 血 は 文 字 通 り 卵 巣 から 腹 腔 内 に 出 血 する 状 態 です 突 然 の 腹 痛 で 発 症 する 疾 患 です 排 卵 時 に 卵 巣 皮 膜 の 血 管 が 破 綻 して 起 こる 場 合 と 月 経 前 に 黄 体 嚢 胞 (または 血 腫 )が 破 裂 して 起 こる 場 合 とがあります 出 血 量 が 少 量 であれば 経 過 観 察 も 可 能 ですが ある 程 度 より 多 い 出 血 の 場 合 や 腹 腔 内 の 出 血 が 増 加 している( 出 血 が 持 続 している) 場 合 には 手 術 の 適 応 となります 大 量 の 出 血 で ショック 症 状 を 示 している 症 例 以 外 は 腹 腔 鏡 下 手 術 の 適 応 となります

9 9 大 量 の 腹 腔 内 出 血 卵 巣 嚢 腫 ( 血 腫 ) 破 裂 による 出 血 卵 巣 表 面 血 管 の 破 綻 による 出 血 術 式 : 卵 巣 腫 瘍 と 同 様 の 方 法 で 出 血 ( 破 裂 ) 部 位 の 血 腫 (または 嚢 腫 )を 除 去 して 縫 合 や 電 気 メスで 止 血 します 腹 腔 内 を 生 理 食 塩 水 で 十 分 に 洗 浄 し 溜 まっていた 血 液 をきれいに 除 去 します * 子 宮 内 膜 症 ; 子 宮 内 膜 症 は 子 宮 内 膜 細 胞 が 子 宮 以 外 の 場 所 に 発 育 する 疾 患 です 卵 巣 にできて 腫 瘤 を 形 成 した ものが 卵 巣 チョコレート 嚢 胞 子 宮 筋 層 内 にできたものが 子 宮 腺 筋 症 といわれます その 他 どこにで も 発 症 する 可 能 性 があり 子 宮 の 後 方 (ダグラス 窩 )や 卵 巣 周 囲 に 発 生 して 強 い 癒 着 を 形 成 すること もあります ごく 稀 には 腸 管 や 尿 管 に 発 症 して 出 血 ( 下 血 )や 狭 窄 の 原 因 となることもあります 月 経 痛 過 多 月 経 排 便 痛 や 性 交 痛 などの 症 状 や 不 妊 症 の 原 因 となる 病 気 です 子 宮 内 膜 症 の 治 療 法 には 薬 物 療 法 と 外 科 的 療 法 ( 手 術 )とがあります 外 科 的 療 法 では 内 膜 症 の 病 巣 のみを 除 去 する 手 術 卵 巣 あるいは 子 宮 を 摘 出 する 手 術 癒 着 を 剥 離 する 手 術 などがあります 内 膜 症 の 程 度 ( 重 症 度 )によりますがこれらの 手 術 が 腹 腔 鏡 下 で 実 施 で きます * 不 妊 症 ; 不 妊 症 で 子 宮 卵 管 造 影 検 査 で 異 常 所 見 のある 方 原 因 不 明 で 長 期 間 の 不 妊 の 方 子 宮 内 膜 症 が 原 因 ではないかと 思 われる 方 などが 腹 腔 鏡 の 適 応 となります 腹 腔 鏡 下 に 不 妊 の 原 因 検 索 卵 管 開 口 術 癒 着 剥 離 術 子 宮 内 膜 症 病 巣 除 去 術 腹 腔 内 洗 浄 等 を 行 ないます # 単 孔 式 または 2 孔 式 腹 腔 鏡 手 術 (Reduced port laparoscopy)について: 近 年 さらなる 低 侵 襲 性 と 美 容 上 の 観 点 から 腹 腔 鏡 下 手 術 での 手 術 創 の 数 を 減 らしたりや 大 きさ 小 さくしたりする(1 つまたは 2 つの 創 で 行 う 腹 腔 鏡 下 手 術 )の 試 みが 行 われてきております 当 院 でも 安 全 性 と 確 実 性 に 留 意 しながら 症 例 によってこれらの 術 式 を 取 り 入 れてきております 子 宮 鏡 下 手 術 : 子 宮 鏡 とは 子 宮 口 から 子 宮 の 内 腔 に 直 接 スコープ(カメラ)を 挿 入 して 子 宮 内 腔 を 観 察 し 病 変 部 分 を 切 除 する 手 術 です 子 宮 内 腔 に 突 出 する 腫 瘍 性 疾 患 である 粘 膜 下 子 宮 筋 腫 や 子 宮 内 膜 ポリープ が 子 宮 鏡 下 手 術 の 主 な 適 応 疾 患 となります また 子 宮 奇 形 や 子 宮 内 腔 癒 着 症 に 行 なわれることもあ ります 当 院 では 子 宮 鏡 下 の 手 術 は 主 に 腰 椎 麻 酔 下 で 行 なっております 適 応 :

10 10 子 宮 内 腔 に 突 出 する 粘 膜 下 子 宮 筋 腫 または 子 宮 内 膜 ポリープで 過 多 月 経 や 不 正 出 血 等 の 症 状 を 有 する 方 あるいは 不 妊 症 の 原 因 となっていると 思 われる 方 などが 主 に 子 宮 鏡 下 手 術 の 適 応 となりま す 術 式 : 下 の 模 式 図 のように 子 宮 鏡 を 経 腟 的 に 子 宮 内 腔 に 挿 入 し 子 宮 内 をよく 観 察 した 後 先 端 に 付 属 した 電 気 メスを 用 いて 粘 膜 下 筋 腫 または 内 膜 ポリープを 切 除 します [ 新 女 性 医 学 体 系 ( 中 山 書 店 )より 引 用 ] * 子 宮 内 膜 ポリープ * 粘 膜 下 子 宮 筋 腫 * 切 除 後 の 子 宮 内 腔 合 併 症 について: 子 宮 鏡 下 手 術 での 合 併 症 発 生 の 可 能 性 頻 度 等 に 関 しましては 上 記 の 腹 腔 鏡 下 手 術 の 合 併 症 の 項 目 で 説 明 致 しました 通 りです 入 院 期 間 : 原 則 として 手 術 前 日 の 午 後 に 入 院 していただきます 手 術 前 には 最 終 的 に 手 術 内 容 方 法 合 併 症 等 に 関 して 詳 しく 説 明 いたします 手 術 翌 日 から 歩 行 食 事 が 可 能 となり 術 後 4 日 目 に 退 院 の 予 定 となります おわりに: 以 上 当 院 産 婦 人 科 での 内 視 鏡 下 手 術 に 関 する 概 要 をお 示 しいたしました 本 ホームページが 婦 人 科 疾 患 を 有 する 患 者 様 の 治 療 法 選 択 の 一 助 となれば 幸 いと 思 っております 婦 人 科 内 視 鏡 下 手 術 に 関 しまして 何 か 不 明 な 点 や 質 問 等 がございましたら 医 師 またはスタッフま でお 気 軽 にお 問 い 合 わせ 下 さい 実 施 責 任 者 : 矢 澤 浩 之 ( 日 本 産 科 婦 人 科 内 視 鏡 学 会 技 術 認 定 医 )

4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない

4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない 直 腸 癌 の 手 術 ( 肛 門 温 存 )に 対 する 説 明 書 1. 直 腸 癌 とは 直 腸 癌 は 粘 膜 より 発 生 し 徐 々に 大 きくなり 進 行 していきます 進 行 の 形 式 には 1 直 腸 壁 を 壊 し 徐 々に 深 く 浸 潤 して( 壁 浸 潤 ) さらに 進 行 すると 腸 壁 を 貫 いて 他 の 臓 器 へ 直 接 浸 潤 する 形 式 ( 直 接 浸 潤

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