ANSWER CERVICAL CANCER 自 分 の 病 気 を 理 解 するために 担 当 医 に 質 問 してみましょう 治 療 方 針 を 決 めたり 健 康 管 理 をしたりするうえで 自 分 の 病 気 の 状 態 をよく 理 解 しておくことが 必 要 です 次 のような 質 問 を

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1 もっと 2013 年 版 知 ってほしい 子 宮 頸 がん の こと 監 修 婦 人 科 悪 性 腫 瘍 研 究 機 構 (JGOG) 理 事 長 東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 産 婦 人 科 学 講 座 教 授 落 合 和 徳 Know [ No] More Cancer

2 ANSWER CERVICAL CANCER 自 分 の 病 気 を 理 解 するために 担 当 医 に 質 問 してみましょう 治 療 方 針 を 決 めたり 健 康 管 理 をしたりするうえで 自 分 の 病 気 の 状 態 をよく 理 解 しておくことが 必 要 です 次 のような 質 問 を 担 当 医 に してみましょう 私 はどのようなタイプの 子 宮 頸 がんですか 病 理 検 査 の 結 果 を 説 明 してください 私 のがんは どの 進 行 期 (ステージ)ですか がんはリンパ 節 やほかの 場 所 にも 広 がっていますか 治 療 の 選 択 肢 について 説 明 してください この 治 療 にはどのような 利 点 がありますか 治 療 に 伴 う 長 期 間 の 副 作 用 にはどのような ものがありますか この 治 療 は 日 常 生 活 ( 仕 事 家 事 育 児 )に どのように 影 響 しますか 将 来 妊 娠 や 出 産 が 可 能 な 治 療 法 はありますか 質 問 があるときや 問 題 が 起 こったときは 誰 に 電 話 すればよいですか 私 が 参 加 できる 臨 床 試 験 はありますか 経 済 的 な 不 安 が あるときは どこに 相 談 すればよいですか 私 や 家 族 が 精 神 的 な サポートを 受 けたいときは どこに 相 談 すればよいですか 私 がほかに 聞 いておくべき ことはありますか

3 子 宮 頸 が ん の 疑 い が あ る と い わ れ た あ な た へ 健 康 診 断 や 人 間 ドックの 結 果 から あるいは 妊 娠 しているかもしれないと 思 って 産 科 に 行 ったとき 思 いもかけず 子 宮 頸 がんです 子 宮 頸 がんかもしれません と 言 われたら ショックを 受 けるのは 当 然 のことです 何 か 気 になる 症 状 があって 婦 人 科 の 診 察 を 受 けたとしても 子 宮 頸 がんの 疑 いがあります と 聞 かされたら 不 安 でいっぱいになるはずです 子 宮 頸 がんは がん 全 体 の 中 でも また 婦 人 科 系 のがんの 中 でも 比 較 的 若 いうちに 見 つかることが 多 く 患 者 さんの 年 齢 層 が 幅 広 いという 特 徴 があります 結 婚 や 出 産 性 生 活 にがんやその 治 療 が 影 響 することもあり 患 者 さんは 女 性 であることと 向 き 合 って 選 択 を 迫 られる 場 面 が 出 てきます まず 何 よりも 子 宮 頸 がんの 正 しい 知 識 を 持 ち 治 療 法 について 知 っておきましょう 不 安 なとき 困 ったときには 担 当 医 やその 他 の 専 門 医 看 護 師 薬 剤 師 ソーシャルワーカーなどに 遠 慮 せずに 相 談 しましょう パートナーとの 関 係 に 悩 んだときにも 医 療 スタッフのアドバイスが 受 けられる 場 合 があります この 冊 子 には 子 宮 頸 がんの 治 療 を 中 心 に 知 っておくと 役 立 つことや 患 者 さんの 声 を 掲 載 しています この 冊 子 が あなたの 納 得 できる 治 療 に つながることを 願 っています CONTENTS 子 宮 頸 がんとは どのような 病 気 ですか どのような 検 査 が 行 われ 子 宮 頸 がんだと 確 定 されるのですか 子 宮 頸 がんの 進 行 期 (ステージ)について 教 えてください 子 宮 頸 がんでは どのような 治 療 が 行 われますか どんな 手 術 が 行 われ 体 にはどのような 変 化 が 現 れますか 10 放 射 線 療 法 はどのように 行 われますか 12 抗 がん 剤 治 療 ( 化 学 療 法 )はどのように 行 われますか 13 再 発 転 移 とは どのような 状 態 になることですか 1 苦 痛 を 和 らげてくれる 専 門 家 がいます 1 3

4 Q 1 子 宮 頸 がんとは どのような 病 気 ですか A. 子 宮 頸 がんは 主 にヒトパピローマウイルスの 感 染 により 子 宮 の 入 口 付 近 ( 頸 部 )にできるがんです 通 常 初 期 は 無 症 状 ですが 進 行 すると 不 正 出 血 が 現 れます 図 表 1 子 宮 体 部 子 宮 頸 部 子 宮 の 構 造 子 宮 は 中 が 空 洞 ( 子 宮 腔 )の 西 洋 梨 のよ うな 形 をしていて 上 方 の 胎 児 を 宿 るやや 球 形 の 体 部 と 下 方 の 腟 につながる 細 長 い 頸 部 か らなります( 図 表 1) 子 宮 頸 がんは 子 宮 の 入 口 にあたる 外 子 宮 口 から 頸 部 に 発 生 するが んです 特 に 子 宮 頸 部 表 面 を 覆 う 扁 平 上 皮 細 胞 と 円 柱 上 皮 細 胞 ( 腺 細 胞 )の 境 界 (SCJ) 付 近 に 発 生 し 前 者 からできる 扁 平 上 皮 がん と 後 者 からできる 腺 がんに 大 別 され 扁 平 上 皮 がんが 約 8 割 を 占 めます( 図 表 2) 子 宮 腔 卵 管 卵 巣 子 宮 頸 がんは30 代 後 半 ~40 代 に 多 く 発 症 する 女 性 なら 誰 でもかかる 可 能 性 のある 病 気 です 最 近 は 若 年 者 で 増 加 しており 女 性 特 有 のがんの 中 では 乳 がんに 次 いで 第 2 位 で 20~30 歳 代 では 第 1 位 です その 発 生 原 因 の 多 くは 性 交 渉 などにより 女 性 の 約 8 割 が 一 生 に 一 度 は 感 染 するヒトパピローマウイ ルス(HPV)です 子 宮 頸 がんの 発 生 と 関 係 が 深 いとされるハイリスクHPVは 約 15 種 類 とされます ハイリスクHPVに 感 染 しても その 多 くは 免 疫 系 により 排 除 され 一 部 の 持 続 感 染 により 一 部 が 異 形 成 ( 前 がん 病 変 ) を 起 こし さらにその 一 部 が5~10 年 のスパ ンで 軽 度 中 等 度 高 度 異 形 成 を 経 て がん 化 します( 図 表 3) 初 期 にはほとんど 症 状 が なく 進 行 してくると 不 正 出 血 ( 性 交 時 月 経 時 以 外 ) 悪 臭 を 伴 った 赤 色 の 帯 下 下 腹 部 痛 や 腰 痛 下 肢 のむくみなどが 現 れます 腟 子 宮 内 膜 図 表 2 子 宮 頸 がんの 種 類 子 宮 頸 がん 扁 平 上 皮 がん 子 宮 頸 がんの 約 8 割 扁 平 上 皮 がん 円 柱 上 皮 腺 がん 基 底 膜 図 表 3 腺 がん 子 宮 頸 がんの 発 生 進 行 のイメージ 子 宮 頸 がんの 約 2 割 軽 度 異 形 成 中 等 度 異 形 成 高 度 異 形 成 上 皮 内 がん 浸 潤 がん 扁 平 上 皮 間 質 細 胞 上 皮 上 皮 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考 基 底 膜 異 型 細 胞 が 上 皮 内 の 3 分 の1まで 3 分 の2 以 内 3 分 の2 以 上 がん 細 胞 が 上 皮 内 の 全 層 に 及 ぶ 異 型 細 胞 がん 細 胞 がん 細 胞 が 基 底 膜 を 破 って 中 に 入 り 込 んで ( 浸 潤 して)いる

5 2 Q どのような 検 査 が 行 われ 子 宮 頸 がんだと 確 定 されるのですか A.がん 検 診 などの 細 胞 診 (PAPテスト)により 子 宮 頸 がんが 疑 われたときには 精 密 検 査 としてコルポ 診 ( 腟 拡 大 鏡 診 ) 生 検 ( 組 織 診 )を 行 い 子 宮 頸 がんか 否 かを 確 定 します また 細 胞 診 と 一 緒 にHPV(DNA) 検 査 が 行 われることもあります がん 検 診 などにおいて 子 宮 頸 部 の 細 胞 を 綿 棒 やブラシなどでこすり 取 って 顕 微 鏡 で 正 常 な 細 胞 かどうかを 観 察 する 細 胞 診 の 結 果 子 宮 頸 がんが 疑 われた 時 に 精 密 検 査 が 行 わ れます( 図 表 4) 細 胞 診 の 判 定 は ベセスダ システム( 図 表 5)で 行 われます なお 30 歳 以 上 では 細 胞 診 と 同 時 にハイリスクHPV の 感 染 有 無 を 調 べるHPV 検 査 が 行 われます 30 歳 未 満 では HPVの 陽 性 率 が 高 いものの 自 然 消 滅 する 可 能 性 も 高 いため 細 胞 診 で 異 常 がみられた 場 合 にHPV 検 査 が 行 われます 精 密 検 査 には 1 外 来 でコルポスコープと いう 拡 大 鏡 で 子 宮 頸 部 粘 膜 表 面 を 拡 大 して 細 かい 部 分 を 観 察 するコルポ 診 と 2コルポ 診 時 あるいは 入 院 にて 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 を 行 い がんと 疑 わしい 部 分 から 採 取 した 組 織 の 標 本 を 顕 微 鏡 で 観 察 する 生 検 があります これらの 検 査 の 結 果 子 宮 頸 がんと 確 定 診 断 されます 日 本 では 一 般 に がん 検 診 受 診 者 の 約 1%が 要 精 密 検 査 となり うち 約 10% 弱 に 子 宮 頸 がんが 発 見 され その60% 以 上 で 上 皮 内 にがんがとどまっています 図 表 4 細 胞 診 の 流 れ 異 常 なし 細 胞 を 採 取 して 診 断 精 密 検 査 が 必 要 軽 度 病 変 (LSIL) 高 度 病 変 の 疑 い(ASC-H) 軽 度 の 病 変 の 疑 い(ASC-US) 高 度 病 変 (HSIL) がん(SCC) 1~2 年 後 に 定 期 検 診 HPV 検 査 もう 一 度 細 胞 診 コルポ 診 生 検 組 織 診 その 他 確 定 診 断 図 表 5 細 胞 診 に 用 いられるベセスダシステム 結 果 ( 略 語 ) 推 定 される 病 理 診 断 運 用 1 陰 性 (NILM) 非 腫 瘍 性 所 見 炎 症 異 常 なし: 定 期 検 査 扁 2 意 義 不 明 な 異 型 扁 平 上 皮 細 胞 (ASC-US) 軽 度 扁 平 上 皮 内 病 変 の 疑 い 平 上 皮 系 3HSILを 除 外 できない 異 型 扁 平 上 皮 細 胞 (ASC-H) 高 度 扁 平 上 皮 内 病 変 の 疑 い 4 軽 度 扁 平 上 皮 内 病 変 (LSIL) HPV 感 染 軽 度 異 形 成 5 高 度 扁 平 上 皮 内 病 変 (HSIL) 中 等 度 異 形 成 高 度 異 形 成 上 皮 内 がん 要 精 密 検 査 : 1HPV 検 査 による 判 定 が 望 ましい 陰 性 :1 年 後 に 細 胞 診 HPV 併 用 検 査 陽 性 :コルポスコピー 生 検 2HPV 検 査 非 施 行 6カ 月 以 内 に 細 胞 診 検 査 要 精 密 検 査 : コルポスコピー 生 検 6 扁 平 上 皮 がん(SCC) 扁 平 上 皮 がん 腺 7 異 型 腺 細 胞 (AGC) 腺 異 型 または 腺 がんの 疑 い 要 精 密 検 査 : 細 胞 8 上 皮 内 腺 がん(AIS) 上 皮 内 腺 がん コルポスコピー 生 検 頸 管 および 系 9 腺 がん(Adenocarcinoma) 腺 がん 内 膜 細 胞 診 または 組 織 診 10その 他 の 悪 性 腫 瘍 その 他 の 悪 性 腫 瘍 要 精 密 検 査 : 病 変 検 索 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考

6 Q 3 子 宮 頸 がんの 進 行 期 (ステージ)に ついて 教 えてください A. 子 宮 頸 がん 診 断 後 コルポ 所 見 や 膀 胱 鏡 や 直 腸 鏡 なども 参 考 に 臨 床 所 見 により 新 FIGO 分 類 に 準 じて 進 行 期 (ステージ)が 決 定 されます 進 行 期 の 把 握 は 治 療 方 針 を 立 てるために 重 要 で 治 療 前 に 行 われます 子 宮 頸 部 は 表 面 を 覆 う 上 皮 細 胞 ( 扁 平 上 皮 細 胞 腺 細 胞 )とその 下 にある 間 質 細 胞 か らなり 両 者 は 基 底 膜 によって 隔 たれています (p4. 図 表 1 3) 子 宮 頸 がんは 最 初 異 形 成 を 経 て 上 皮 細 胞 から 発 生 し 上 皮 内 にと どまっています( 上 皮 内 がん)が 徐 々に 基 底 膜 を 破 って 間 質 に 入 り 込 んでいきます( 浸 潤 がん)(p4 図 表 3) さらにがんが 大 きくな ると 子 宮 頸 部 を 越 えて 腟 壁 や 子 宮 を 支 える 子 宮 傍 組 織 骨 盤 壁 や 膀 胱 直 腸 などへ 入 り 込 み 肺 などへ 遠 隔 転 移 していきます( 図 表 6) 子 宮 頸 がんと 診 断 されたら 次 はこのよう ながんの 深 さや 広 さから 進 行 期 (ステージ) と 言 われるがんの 進 行 の 程 度 が 決 定 されます 進 行 期 は 治 療 方 針 を 立 てるために 重 要 にな ることから 内 診 や 視 診 超 音 波 検 査 で 得 ら れた 臨 床 所 見 に 加 えて コルポ 診 所 見 や 膀 胱 鏡 直 腸 鏡 尿 路 造 影 直 腸 膀 胱 粘 膜 生 検 などの 結 果 も 参 考 に 総 合 的 に 判 断 されます また 進 行 期 決 定 の 際 がんの 大 きさやリン パ 節 転 移 遠 隔 転 移 などの 評 価 が 可 能 で 治 療 方 針 立 案 にも 有 用 なため CT(コンピュー 図 表 6 子 宮 頸 がんの 進 行 期 別 の 広 がり 方 ⅠA1 期 7mm 以 内 3mm 以 内 子 宮 頸 部 ⅠA2 期 7mm 以 内 3.1 5mm 以 内 ⅠB1 期 4cm 以 内 4.1cm 以 上 ⅠB2 期 卵 巣 ⅡA 期 ⅡB 期 卵 管 腟 壁 の 下 3 分 の1に 達 しない 骨 盤 壁 に 達 しない 膀 胱 卵 管 ⅢA 期 2/3 ⅢB 期 腟 壁 の 下 3 分 の1に 達 する 1/3 腟 壁 骨 盤 壁 骨 盤 壁 に 達 する Ⅳ 期 腟 直 腸 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考

7 ター 断 層 撮 影 )やMRI( 磁 気 共 鳴 画 像 ) PET (ポジトロン 断 層 法 )が 行 われることもあります 現 在 日 本 の 進 行 期 分 類 には 世 界 的 に 使 われているFIGO 国 際 婦 人 科 産 科 連 合 の 新 FIGO 分 類 (2008 年 改 訂 )( 図 表 7)が 用 いられています 同 分 類 では 上 皮 内 がんの 0 期 が 削 除 され Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 期 の4つに 分 け られ いずれもAとBに 細 分 類 され Ⅰ 期 のAは 病 巣 の 深 さ 広 がり Bは 病 巣 の 大 きさにより さらに1と2に 分 けられています なお 日 本 では 子 宮 頸 がん 全 体 の 約 46%が 上 皮 内 がん であることから 0 期 は 残 されています 原 則 子 宮 頸 がんの 進 行 期 は 子 宮 体 がんなどの 他 のがんと 異 なり 治 療 前 に 決 定 し 治 療 後 に 変 更 しないこととされています 図 表 7 子 宮 頸 がんの 進 行 期 分 類 ( 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 2010 年 FIGO2008 年 ) 0 期 *1 上 皮 内 がん(がんが 上 皮 内 にとどまっているもの) がんが 子 宮 頸 部 にとどまっているもの( 子 宮 体 部 への 浸 潤 の 有 無 は 考 慮 しない) Ⅰ 期 ⅠA 期 肉 眼 的 には 見 えないがん 間 質 浸 潤 の 深 さが5 mm 以 内 で 縦 軸 方 向 への 広 がりが7 mm を 超 えないもの*2 ⅠA1 期 深 さが3 mm 以 内 で 広 がりが7 mmを 超 えないもの ⅠA2 期 深 さが3 mmを 超 えるが 5 mm 以 内 で 広 がりが7 mmを 超 えないもの 肉 眼 的 には 見 えるがん ⅠB 期 ⅠB1 期 ⅠB2 期 病 巣 が4 cm 以 内 のもの 病 巣 が4 cmを 超 えるもの がんは 子 宮 頸 部 を 超 えて 広 がっているが 腟 壁 の 下 3 分 の1または 骨 盤 壁 には 達 していないもの 腟 壁 に 浸 潤 しているが 子 宮 傍 組 織 ( 子 宮 傍 結 合 織 )には 浸 潤 していないもの Ⅱ 期 ⅡA 期 ⅡA1 期 病 巣 が4 cm 以 内 のもの ⅡA2 期 病 巣 が4 cmを 超 えるもの ⅡB 期 子 宮 傍 組 織 ( 子 宮 傍 結 合 織 )に 浸 潤 しているもの がんの 浸 潤 が 腟 壁 の 下 3 分 の1に 達 するもの または 骨 盤 壁 に 達 するもの Ⅲ 期 ⅢA 期 ⅢB 期 腟 壁 浸 潤 は 下 3 分 の1に 達 しているが 子 宮 傍 組 織 浸 潤 が 骨 盤 壁 には 達 していないもの 子 宮 傍 組 織 浸 潤 が 骨 盤 壁 に 達 しているもの がんが 膀 胱 や 直 腸 の 粘 膜 を 侵 すか 小 骨 盤 腔 ( 恥 骨 と 仙 骨 の 間 の 空 間 )を 超 えて 広 がっているもの Ⅳ 期 ⅣA 期 ⅣB 期 膀 胱 や 直 腸 の 粘 膜 に 浸 潤 しているもの 小 骨 盤 腔 を 超 えて 広 がっているもの *1 0 期 は2010 年 に 進 行 期 分 類 からはずされたが 患 者 数 が 多 いため 子 宮 頸 癌 治 療 ガイドライン では 進 行 期 分 類 として 残 されている *2 脈 管 ( 静 脈 またはリンパ 管 ) 浸 潤 があっても 進 行 期 は 変 更 しない 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考 Patient's Voice 1 子 宮 全 摘 手 術 をすすめられた 私 進 行 を 考 えると 悲 しむ 余 裕 はありませんでした 34 歳 のとき 不 正 出 血 をきっかけに 診 察 を 受 け 告 知 されました ステー ジは 腺 がんのⅡB 期 検 査 結 果 を 待 つ 間 に 病 気 についてかなり 調 べたので 驚 きよりも やはり という 実 感 のほう が 強 かったです 担 当 医 から 独 身 の あなたには 申 し 上 げにくいのですが と 子 宮 や 卵 巣 リンパ 節 を 切 除 する 手 術 をすすめられました 母 や 妹 は 本 当 に 子 宮 を 取 ってしまっていいの? セ カンドオピニオンを 受 けては と 心 配 し てくれましたが 診 察 でがんが 進 行 し ていることが 推 察 できたので 私 に 悲 しんでいる 余 裕 はありませんでした と にかく 前 に 進 まなきゃいけないと 担 当 医 を 信 頼 して 子 宮 全 摘 手 術 をし 抗 がん 剤 治 療 を 受 けました 子 どもを 産 みたいと 強 く 望 んでいた わけではありませんが 手 術 後 子 ど もの 姿 を 見 て なぜだか 涙 が 出 てきた こともあります 抗 がん 剤 投 与 を 終 え てからちょうど5 年 が 過 ぎ ようやくひ と 区 切 りを 迎 えたところです (40 歳 闘 病 生 活 6 年 目 )

8 Q 4 子 宮 頸 がんでは どのような 治 療 が 行 われますか A. 子 宮 頸 がんの 治 療 法 には 手 術 放 射 線 療 法 抗 がん 剤 治 療 ( 化 学 療 法 )があり それぞれ 単 独 あるいは 組 み 合 わせて 行 われます 治 療 法 は がんの 進 行 期 年 齢 全 身 状 態 将 来 の 出 産 の 希 望 の 有 無 などを 考 慮 して 決 められます 子 宮 頸 がんは 発 がんの 過 程 (p4. 図 表 3)が 明 確 で がん 検 診 によりHPV 感 染 からがん 化 する 前 の 異 形 成 ( 前 がん 病 変 )の 段 階 での 発 見 が 可 能 です 10 年 の 追 跡 調 査 によると 異 形 成 のがんへの 進 展 リスクは 軽 度 異 形 成 で 約 3% 中 等 度 異 形 成 で 約 10% 高 度 異 形 成 で 約 21 %です 軽 度 中 等 度 異 形 成 の 場 合 は 治 療 をせ ずに 定 期 的 に 経 過 観 察 し 高 度 異 形 成 では 治 療 を 始 めるケースが 多 くなります 初 期 なら 手 術 のみで 子 宮 温 存 も 可 能 子 宮 頸 がんでは がんが 子 宮 頸 部 表 面 を 覆 う 上 皮 細 胞 内 にとどまる 上 皮 内 がん(0 期 ) および 子 宮 頸 部 にとどまっているものの ミリ 単 位 で 間 質 へ 浸 潤 している 微 小 浸 潤 がん(ⅠA 期 )までが 初 期 がんと 呼 ばれます 高 度 異 形 成 を 含 め 上 皮 内 がんはほとんどが 子 宮 頸 部 の 異 常 な 組 織 を 取 り 子 宮 を 温 存 する 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 により 治 ります( 図 表 8) がんが 上 皮 細 胞 を 超 えて 広 がるⅠA 期 は 原 則 として 子 宮 摘 出 が 必 要 です ⅠA1 期 では 子 宮 だけを 摘 出 する 単 純 子 宮 全 摘 出 術 ⅠA2 期 で はそれより 少 し 広 めに 切 除 する 準 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 + 骨 盤 リンパ 節 郭 清 術 以 上 の 手 術 が 推 奨 されています ⅠA 期 は 若 年 者 で 妊 娠 希 望 が 強 い 患 者 さんが 多 く ⅠA1 期 では 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 が 第 1 選 択 とされ ⅠA2 期 では 条 件 を 満 たす 場 合 に 考 慮 されることがあります 進 行 がんでは 治 療 を 組 み 合 わせる がんが 子 宮 頸 部 の 間 質 に 浸 潤 しているⅠB 期 子 宮 頸 部 を 超 えるが 腟 壁 の 下 1/3 骨 盤 壁 に 達 していないⅡ 期 までは 子 宮 とともに 周 囲 の 組 織 や 卵 巣 腟 の 一 部 リンパ 節 などを 摘 出 す る 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 が 推 奨 されます( 図 表 9) 術 後 の 再 発 リスクが 高 い 場 合 や 手 術 を 行 わな い 場 合 は 放 射 線 療 法 や 同 時 化 学 放 射 線 療 法 が 行 われます がんが 腟 壁 の 下 1/3 骨 盤 壁 に 達 するⅢ 期 以 上 では 一 般 に 手 術 は 行 わず 同 時 化 学 放 射 線 療 法 や 放 射 線 療 法 単 独 で 治 療 し ます 遠 隔 転 移 のあるⅣB 期 は 原 則 として 抗 がん 剤 治 療 です なお 腺 がんは 扁 平 上 皮 がんに 比 べてリ ンパ 節 転 移 が 多 く 放 射 線 療 法 や 抗 がん 剤 治 療 が 効 きにくい 卵 巣 転 移 などが 高 頻 度 で 起 こるなどから 治 りにくいがんとされています 治 療 法 は 現 時 点 では 扁 平 上 皮 がんと 同 様 で すが ⅠA 期 までで 子 宮 を 残 す 治 療 を 選 択 した 場 合 は がんの 残 存 の 可 能 性 があり 再 発 リ スクを 考 えてより 厳 密 な 管 理 が 行 われます Patient's Voice 社 会 の 偏 見 も 多 い 病 気 だからこそ 夫 婦 で 真 摯 に 話 し 合 って 結 婚 して1 年 の 節 目 の 検 診 で 子 宮 頸 がんが0 ち 込 んだのか 感 染 ルートを 詮 索 してもめることが 期 で 見 つかりました 私 はエステサロンを 経 営 して あるそうです がんがわかったとき 私 は 夫 と 感 いて 子 宮 頸 がんになったことを 公 表 していました 染 ルートについて お 互 いあれこれ 悩 むのはやめ すると ウイルス 感 染 という 話 がひとり 歩 きしたの よう と 話 し 合 うことができました 夫 も 理 解 して か お 客 様 が 激 減 しました また 性 交 渉 で 感 染 くれ 心 の 整 理 が 早 くつきました 不 幸 な 詮 索 は する 率 が 高 いことを 男 性 遍 歴 の 多 さと 誤 解 する 人 せず 前 向 きに 話 し 合 うことが 大 切 だと 思 います もいました 夫 婦 間 でも どちらがウイルスを 持 (44 歳 闘 病 生 活 3 年 目 ) 2

9 図 表 8 初 期 の 子 宮 頸 がんの 治 療 (0~ⅠA 期 ) 扁 平 上 皮 がん * 腺 がんの 治 療 は 扁 平 上 皮 がんの 同 ステージの 治 療 とほぼ 同 じ 0 期 ⅠA 期 上 皮 内 がん(0 期 ) ⅠA1 期 ⅠA2 期 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 ( 子 宮 温 存 )+ 子 宮 内 膜 掻 爬 脈 管 侵 襲 あるいは 癒 合 浸 潤 * 子 宮 頸 がんの 治 療 は 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 によって 標 準 化 され 誰 でもみられるホームページに 子 宮 頸 がん 治 療 ガイドライン ( guideline/keigan.html)として 発 表 されています 治 療 法 を 決 め る 際 には 同 ガイドラインを 参 考 に 担 当 医 に 相 談 するのもよいでし ょう なお 学 会 ホームページに 掲 載 されている 情 報 が 最 新 とは 限 らないので まずは 担 当 医 に 確 認 してください 陰 性 陽 性 切 除 した 断 端 陰 性 陽 性 治 療 終 了 単 純 子 宮 全 摘 出 術 再 度 の 子 宮 円 錐 切 除 術 単 純 子 宮 全 摘 出 術 あるいは 準 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 + 骨 盤 リンパ 節 を 切 除 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 ( 骨 盤 神 経 温 存 ) 放 射 線 療 法 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考 図 表 9 進 行 した 子 宮 頸 がんの 治 療 (ⅠB~Ⅳ 期 ) 扁 平 上 皮 がん 腺 がん ⅠB 期 Ⅱ 期 Ⅲ 期 Ⅳ 期 ⅠB1 期 ⅠB2 期 ⅡA 期 ⅡB 期 ⅢA 期 ⅢB 期 ⅣA 期 ⅣB 期 腫 瘍 径 4 cm 以 下 4 cm 超 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 放 射 線 療 法 単 独 術 後 再 発 リスクの 評 価 低 リスク 中 リスク 高 リスク 同 時 化 学 放 射 線 療 法 全 身 化 学 療 法 あるいは 緩 和 的 局 所 療 法 あるいは 緩 和 医 療 経 過 観 察 術 後 補 助 療 法 として 放 射 線 療 法 あるいは 同 時 化 学 放 射 線 療 法 術 後 補 助 療 法 として 同 時 化 学 放 射 線 療 法 * 米 国 ではⅠA2 期 は 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 + 子 宮 内 膜 掻 爬 の 後 放 射 線 療 法 を 行 う 場 合 もある * 同 時 化 学 放 射 線 療 法 は 日 本 人 女 性 の 科 学 的 データが 少 ないため 実 施 には 十 分 な 注 意 が 必 要 とされている 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考

10 Q 5 どんな 手 術 が 行 われ 体 には どのような 変 化 が 現 れますか A. 子 宮 頸 がんの 手 術 には 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 単 純 子 宮 全 摘 出 術 準 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 があり 進 行 期 などから いずれかが 選 択 されます 手 術 は 子 宮 頸 がんの 根 治 をめざす 主 力 の 治 療 法 で 初 期 子 宮 頸 がん(ⅠA 期 以 下 )では 最 も 一 般 的 な 治 療 法 です 進 行 子 宮 頸 がんでも ⅠB 期 Ⅱ 期 では 手 術 でがんを 切 除 できると 判 断 されるため 第 一 に 手 術 ( 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 ) が 推 奨 されています 術 式 のひとつを 用 いてがんを 切 除 術 式 には 主 に 以 下 の4 つがあり( 図 表 10) がんの 進 行 期 に 加 えて 円 錐 切 除 標 本 ( 断 端 ) におけるがん 細 胞 の 有 無 や がんが 血 管 やリ ンパ 管 などに 入 り 込 んでいる 脈 管 侵 襲 や 癒 合 浸 潤 (がんの 広 がり)の 有 無 および 妊 娠 希 望 の 有 無 などに 応 じて 選 択 されます 1 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 : 腟 から 挿 入 した 器 具 (レーザーや 高 周 波 電 流 など)で がんのあ る 子 宮 頸 部 の 組 織 を 円 錐 状 に 切 除 する 方 法 です これは 主 に 生 検 に 必 要 な 組 織 を 採 る 方 法 ( 診 断 )ですが 上 皮 内 がん(0 期 )のほ か ⅠA 期 で 切 除 断 端 陰 性 の 妊 娠 希 望 時 には 治 療 法 にもなります 2 単 純 子 宮 全 摘 出 術 : 開 腹 して( 腹 式 ) あるい は 腟 から( 腟 式 ) 子 宮 頸 部 と 膀 胱 や 直 腸 尿 管 などの 周 辺 臓 器 の 間 を 頸 部 側 のギリギ リのところで 切 除 して 子 宮 だけを 摘 出 する 方 法 です ときには 両 側 付 属 器 切 除 術 が 併 用 され 卵 巣 や 卵 管 が 切 除 されます 3 準 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 : 尿 管 を 子 宮 動 脈 と 交 差 している 地 点 から 剥 離 して 外 へずらし 尿 管 と 子 宮 頸 部 の 間 で 子 宮 を 切 断 する 方 法 です 骨 盤 リンパ 節 転 移 の 可 能 性 が 高 い 場 合 は 骨 盤 リンパ 節 郭 清 術 が 併 用 されるほか 両 側 付 属 器 切 除 術 も 同 時 に 行 われることがあり ます 4 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 : 尿 管 を 膀 胱 に 入 るところ まで 剥 離 して 子 宮 のほか 腟 の 一 部 や 子 宮 を 支 える 基 靱 帯 などの 子 宮 頸 部 の 周 辺 組 織 を 広 く 切 除 し 摘 出 すると 同 時 に 骨 盤 リ ンパ 節 も 郭 清 する 方 法 です 両 側 付 属 器 切 図 表 10 子 宮 頸 がんの 手 術 の 方 法 1 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 子 宮 頸 部 を 円 錐 状 に 切 除 所 要 時 間 は 通 常 30 分 以 内 で 日 帰 り または1~3 日 の 入 院 で 行 われる 卵 管 2 単 純 子 宮 摘 出 術 子 宮 全 体 を 摘 出 する 両 側 の 卵 巣 や 卵 管 も 摘 出 する 両 側 付 属 器 摘 出 術 を 合 わせて 行 うこともあ る 卵 巣 子 宮 腔 腟 骨 盤 基 靱 帯 切 除 範 囲 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 などを 参 考 10

11 除 術 が 同 時 に 行 われることあります 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 のみ 妊 娠 可 能 将 来 の 妊 娠 を 希 望 する 場 合 に 選 択 可 能 な 手 術 は 子 宮 頸 部 円 錐 手 術 のみで その 対 象 は 上 皮 内 にがんがとどまる0 期 とまだがんが 肉 眼 で は 見 えないⅠA 期 までに 限 られます しかし 上 皮 内 がんでも 特 にⅠA 期 さらに 腺 がんともな れば がんの 取 り 残 しによる 再 発 リスクがある ため 単 純 子 宮 全 摘 出 術 などがすすめられま す 妊 娠 を 希 望 する 場 合 は 担 当 医 や 家 族 とと もに 十 分 に 話 し 合 い 子 宮 を 温 存 した 時 にはき ちんと 通 院 して 再 発 を 見 逃 さないように 厳 格 に 管 理 することが 大 切 です 実 際 子 宮 頸 部 円 錐 手 術 のみを 受 ける 患 者 さんは ⅠA1 期 で は 半 数 近 くいるのに 対 して ⅠA2 期 では1 割 以 下 になります 近 年 子 宮 の 温 存 をめざして 広 汎 性 子 宮 頸 部 摘 出 術 ( 子 宮 頸 部 を 切 除 して 子 宮 体 部 と 腟 を 縫 合 する)という 新 しい 手 術 がいくつかの 病 院 で 試 験 的 に 行 われ 始 めているので ⅠA2 期 で 妊 娠 を 強 く 希 望 される 場 合 は 担 当 医 に 相 談 してみてください 術 後 に 不 快 な 症 状 が 現 れることも 手 術 は 切 れば 終 わり ではなく 術 直 後 は 痛 みのために 動 きが 制 限 されます 子 宮 を 含 めて 広 範 囲 に 切 除 した 後 には 直 腸 や 膀 胱 の 排 泄 を 調 整 する 神 経 障 害 によって 排 便 や 排 尿 に 関 わる 障 害 ( 便 秘 尿 閉 尿 漏 れ)が 骨 盤 妊 娠 中 に 子 宮 頸 がんが 見 つかったら? 子 宮 頸 がんが 若 い 人 に 増 えていることや 晩 婚 化 に 伴 い 妊 娠 年 齢 が 上 昇 していることなどから 妊 娠 中 に 発 見 される 機 会 も 多 くなって います 妊 娠 中 に 発 見 されると 妊 娠 合 併 頸 がん と 呼 び それは 子 宮 頸 がん 全 体 のおよそ3%を 占 めます 妊 娠 中 には 子 宮 がん 検 診 が 行 われるため 妊 娠 合 併 頸 がんの 多 くは 上 皮 内 がん(0 期 )やⅠA 期 で 発 見 されており ほとんどの 場 合 出 産 することができます 上 皮 内 がんでは 出 産 後 まで 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 を 延 期 して ⅠA 期 では 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 を 行 った 上 で 流 産 や 早 産 が 起 こらないよう に 十 分 に 配 慮 しながら 出 産 を 待 ちます 分 娩 は 普 通 ( 経 腟 ) 分 娩 が 基 本 ですが 子 宮 頸 部 円 錐 切 除 術 を 行 うと 帝 王 切 開 の 可 能 性 が 高 く なります ⅠB 期 以 上 あるいはそれ 以 前 でも 子 宮 摘 出 が 必 要 な 場 合 は 治 療 開 始 のタイミングやその 方 法 出 産 継 続 の 有 無 などを 夫 婦 と 担 当 医 で 十 分 に 話 し 合 って 決 めます いずれにしろ 妊 娠 期 間 中 は 特 別 な 状 況 にあるので 胎 児 母 体 に 対 する 厳 重 な 経 過 観 察 が 行 われます 内 や 足 の 付 け 根 のリンパ 節 郭 清 でリンパ 節 を 取 った 後 には 足 や 外 陰 の 浮 腫 (むくみ)が 起 こ ってきます 閉 経 前 に 両 側 の 卵 巣 を 切 除 した 場 合 は 女 性 ホルモンの 産 生 がなくなるため ほてりや 発 汗 イライラ 頭 痛 などの 更 年 期 障 害 に 似 た 症 状 を 認 めたり 腟 からの 分 泌 物 が 減 少 したりします 腟 を 切 除 すると 性 交 障 害 が 起 こることもあります これらの 症 状 の 出 る 時 期 や 強 さ 期 間 には 個 人 差 がありますが つら い 気 持 ちや 悩 み 心 配 事 を1 人 で 抱 え 込 まず に 対 応 法 について 担 当 医 や 看 護 師 に 相 談 し たり 先 輩 患 者 さんと 情 報 交 換 したりして 上 手 に 適 応 してください 3 準 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 単 純 子 宮 摘 出 術 より 少 し 広 めに 切 除 する 所 要 時 間 は2~4 時 間 で 7~14 日 間 の 入 院 が 目 安 両 側 子 宮 付 属 器 摘 出 術 も 同 時 に 行 う 場 合 もある 4 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 子 宮 と 子 宮 を 支 える 靱 帯 腟 の 上 部 数 cmを 切 除 す る 所 要 時 間 は3~8 時 間 10~21 日 間 の 入 院 を 要 する 両 側 子 宮 付 属 器 摘 出 術 も 同 時 に 行 う 場 合 もある 11

12 Q 6 放 射 線 療 法 は どのように 行 われますか A. 放 射 線 療 法 は 子 宮 頸 がんに 有 効 な 治 療 で 根 治 目 的 で あるいは 手 術 が 適 応 に ならない 場 合 に 進 行 期 に 応 じて 単 独 あるいは 化 学 療 法 と 同 時 に 行 われます 外 部 照 射 と 腔 内 照 射 があり 根 治 目 的 では 両 者 の 併 用 が 標 準 とされています 放 射 線 には 細 胞 の 核 の 中 にある 遺 伝 子 (DNA)を 壊 し 細 胞 を 増 殖 できなくする 働 き があります これを 利 用 したのが 放 射 線 療 法 で がん 細 胞 のDNAを 壊 すことでがんを 小 さくし ます 放 射 線 療 法 は 子 宮 頸 がんに 有 効 な 治 療 法 で 手 術 を 行 わずに 根 治 を 目 的 として ⅠB1 期 ⅡA 期 ( 腫 瘍 径 4cm)では 放 射 線 療 法 が Ⅰ B2 期 ⅡA 期 ( 腫 瘍 径 >4 cm)では 放 射 線 療 法 と 同 時 に 化 学 療 法 (シスプラチン 週 1 回 計 5~ 6 回 点 滴 静 脈 内 投 与 )を 行 う 同 時 化 学 放 射 線 療 法 が 行 われることがあります また ⅠB 期 Ⅱ 期 では 広 汎 子 宮 全 摘 出 術 後 に 再 発 リスクが 高 い 場 合 術 後 補 助 療 法 として 放 射 線 療 法 や 同 時 化 学 放 射 線 療 法 を 行 うことがあります Ⅲ 期 やⅣA 期 では 第 一 選 択 として 同 時 化 学 放 射 線 療 法 が 行 われます 外 部 + 腔 内 照 射 をスケジュール 通 りに 行 う 照 射 方 法 には 体 外 から 皮 膚 を 通 して 放 射 線 を 照 射 する 外 部 照 射 と 子 宮 と 腟 にアプリケ Patient's Voice ⅠB1 期 ながら 子 宮 を 温 存 子 どもを 授 かりました 子 宮 頸 がんとわかったのは 結 婚 して2か 月 目 の 頃 です ⅠB1 期 の 疑 いがあるので 子 宮 を 取 りましょうと 言 われましたが 私 はどうして も 子 どもがほしかったので 残 したい と 言 い 張 りました 大 学 病 院 でたくさんの 患 者 さんが 待 っている 中 私 は1 時 間 も 診 察 室 を 占 拠 して 担 当 医 と 話 し 合 いました インターネットや 本 で 治 療 法 につ いて 詳 しく 調 べていたため 疑 問 点 はすべて 質 問 しました そこで 担 当 医 が ⅠB1 期 でも 子 宮 が 残 せるという 論 文 があるから 考 えてみ ようと 言 ってくれ 子 宮 を 温 存 する 治 療 を 受 けることになったので す 納 得 できるまで 話 し 合 えてよかったと 思 います その 後 経 過 観 察 中 に 妊 娠 が 判 明 いったん 治 療 を 中 断 して 同 じ 大 学 病 院 の 産 科 にかかり 無 事 に 出 産 しました 手 術 でリンパ 節 を 切 除 したので 妊 娠 中 はむくみが 不 安 でしたが 弾 性 ストッキング などで 乗 り 切 りました (37 歳 闘 病 生 活 4 年 目 ) 3 ータを 挿 入 して 放 射 能 発 生 源 のラジオアイソト ープを 密 封 した 金 属 カプセル( 密 封 小 線 源 )を 送 り 込 む 腔 内 (くうない) 照 射 があり 根 治 目 的 では 両 者 の 併 用 が 標 準 です 外 部 照 射 は 子 宮 頸 部 の 病 変 とともに 所 属 リンパ 節 領 域 の 予 防 的 治 療 も 目 的 とし 1 日 1 回 週 5 日 合 計 25~ 30 回 ( 約 5~6 週 間 ) 骨 盤 全 体 の 比 較 的 広 い 範 囲 を 照 射 します 腔 内 照 射 は 膀 胱 や 直 腸 な ど 周 囲 の 正 常 な 臓 器 への 被 ばくを 抑 えながら 子 宮 頸 部 の 病 変 に 週 1~2 回 合 計 3~5 回 照 射 します 放 射 線 療 法 の 総 治 療 期 間 は 予 後 を 左 右 する 重 要 な 因 子 で 効 果 を 得 るには 治 療 を 休 まず8 週 間 以 内 に 終 了 することが 重 要 です なお 放 射 線 療 法 は 手 術 に 比 べて 排 尿 機 能 障 害 や 性 交 障 害 などの 合 併 症 が 軽 い 一 方 卵 巣 機 能 を 温 存 できず 皮 膚 炎 や 粘 膜 炎 だるさ 吐 き 気 嘔 吐 直 腸 炎 膀 胱 炎 などの 副 作 用 数 か 月 ~ 数 年 後 に 現 れる 晩 期 合 併 症 などがあり ます ⅠB1 期 ⅡA 期 ( 腫 瘍 径 4cm)では 手 術 と 放 射 線 療 法 の 根 治 成 績 がほぼ 同 等 ですので いずれを 選 択 するかは 担 当 医 とよく 相 談 して ください 子 宮 頸 がんのワクチンと 検 診 子 宮 頸 がんに 関 しては 最 近 関 連 が 深 いとさ れるヒトパピローマウイルス(HPV)に 対 するワク チンが 使 われるようになりました HPVは 性 交 渉 などによって 感 染 するため 性 交 渉 の 経 験 がない 10 代 前 半 に 静 脈 注 射 で3 回 にわたってワクチン を 注 射 し 抗 体 を 作 ることで 感 染 を 防 ぎます 現 在 のワクチンはとくに 原 因 となりやすいとされる HPV 16 型 とHPV 18 型 に 対 するものです とはいえ ワクチンの 予 防 効 果 は100%では ありませんし ワクチンを 接 種 していない 人 も 含 めて 20 歳 以 降 は 定 期 的 に 子 宮 頸 がん 検 診 を 受 けることが 推 奨 されます 12

13 7 Q 抗 がん 剤 治 療 ( 化 学 療 法 )は どのように 行 われますか A. 子 宮 頸 がんに 対 する 抗 がん 剤 治 療 ( 化 学 療 法 )は 主 に 遠 隔 転 移 のある 場 合 (ⅣB 期 )や 再 発 した 場 合 に 行 われます シスプラチンを 基 本 とした 多 剤 併 用 療 法 が 主 流 です 抗 がん 剤 は 盛 んに 細 胞 分 裂 を 繰 り 返 し 増 殖 するがん 細 胞 に 作 用 し がん 細 胞 を 死 滅 さ せます 抗 がん 剤 は 経 口 あるいは 血 管 また は 筋 肉 内 に 注 射 として 投 与 された 後 血 流 に 乗 って 全 身 を 巡 り 子 宮 頸 部 を 越 えて 広 がっ たがんにも 効 果 を 発 揮 します( 全 身 療 法 ) 抗 がん 剤 治 療 は がん 細 胞 が 原 発 部 位 の 子 宮 頸 部 周 囲 にとどまらず 遠 く 離 れた 臓 器 に 広 がっ ている 遠 隔 転 移 がん(ⅣB 期 )や 骨 盤 内 に 再 発 して 過 去 に 放 射 線 療 法 を 行 っている 場 合 や 骨 盤 外 に 再 発 した 場 合 に 行 われます Patient's Voice 知 らなかった 術 後 の 後 遺 症 夫 婦 の 性 生 活 でつらい 思 いを 味 わうことに 4 手 術 をしても 元 の 体 とは 違 うのだと 実 感 する 毎 日 です 術 後 にこれほどさまざまな 問 題 が 待 っているとは 思 ってもいませんでした とくに 夫 婦 の 性 生 活 に 関 してです 私 は な ぜかセックスに 対 して 恐 怖 心 が 強 くなりました それに 手 術 で 頸 部 を 深 く 切 ったためか とて も 痛 いのです 夫 に 悪 いと 我 慢 するのですが 体 に 拒 否 反 応 が 出 てしまいます イライラし て 夫 にぶつけると 今 度 は 夫 が 傷 ついて また ようやく 待 望 の 妊 娠 を 果 たしたものの 2 度 とも 流 産 してしまいました 術 後 の 後 遺 症 はほかにも 排 尿 障 害 や 排 便 障 害 などがあると 聞 きますが なかなか 人 に 話 せるものではありません そして これは 夫 婦 にずっとつきまとう 問 題 かもしれません だから 後 遺 症 については 性 生 活 のことも 含 めて 夫 婦 そろって 治 療 前 に 担 当 医 から 話 を 聞 いたほうがいいと 思 います 私 たちはな かなか 質 問 できませんでしたが その 分 ふたりで 定 期 的 に 話 をするよう 心 がけています (44 歳 闘 病 生 活 3 年 目 ) シスプラチンベースの 多 剤 併 用 療 法 が 有 効 抗 がん 剤 の 種 類 としては これまでの 報 告 から 子 宮 頸 がんにはシスプラチンという 注 射 薬 が 最 も 効 果 が 高 いとされ それと 作 用 機 序 が 異 なる 抗 がん 剤 を 同 時 に 併 用 した 多 剤 併 用 療 法 が 行 われています 現 在 シスプラチン とパクリタキセルの 併 用 が 標 準 的 で カルボ プラチンとパクリタキセルの 組 み 合 わせも 使 われるようになりました ただし 抗 がん 剤 は 全 身 的 に 正 常 な 細 胞 に 少 なからず 影 響 を 及 ぼ し さまざまな 副 作 用 を 生 じます とくに 新 陳 代 謝 の 盛 んな 細 胞 である 髪 の 毛 口 や 消 化 管 の 粘 膜 骨 髄 などが 影 響 を 受 けやすく 脱 毛 や 口 内 炎 下 痢 白 血 球 や 血 小 板 の 減 少 など が 起 こります その 他 吐 き 気 や 動 悸 不 整 脈 肝 臓 や 腎 臓 に 障 害 が 出 ることもあります 抗 がん 剤 治 療 は 日 常 生 活 にがんの 影 響 が 少 なく 肝 臓 や 腎 臓 骨 髄 などの 機 能 に 大 きな 問 題 が ない 患 者 さんが 対 象 です 抗 がん 剤 の 副 作 用 を 軽 減 する 支 持 療 法 が 進 んでいますし 治 療 薬 の 変 更 や 治 療 の 休 止 なども 検 討 されます セカンドオピニオンとは? 担 当 医 から 説 明 された 診 断 や 治 療 方 針 に 納 得 がいかないと きや さらに 情 報 がほしい 場 合 は 別 の 医 師 に 意 見 を 求 める 方 法 があります これを セカンドオピニオン といいます 納 得 のいく 治 療 を 選 択 するために 別 の 医 師 の 意 見 も 参 考 にす るものなので セカンドオピニオンの 結 果 は 担 当 医 に 必 ず 報 告 し もう 一 度 治 療 方 針 についてよく 話 し 合 いましょう セカンドオピニオンを 受 けたいときは 担 当 医 に 紹 介 状 や 検 査 記 録 を 用 意 してもらう 必 要 があります また 各 地 のがん 診 療 連 携 拠 点 病 院 に 設 置 されている 相 談 支 援 センターに 問 い 合 わせると セカンドオピニオン 外 来 を 実 施 する 病 院 の 情 報 が 得 られます なお セカンドオピニオン 外 来 の 費 用 は 全 額 自 己 負 担 になります 13

14 Q 8 再 発 転 移 とは どのような 状 態 になることですか A. 再 発 とは 治 療 で 肉 眼 的 にみえなくなったがんが 大 きく なり 再 びみえるようになることです 転 移 とは 最 初 の 治 療 時 でも 再 発 時 でもがんが 原 発 臓 器 以 外 に 広 がった 状 態 です 子 宮 頸 がんが 治 療 により 肉 眼 的 にはいった ん 消 失 してから 例 えば2 年 後 に 再 び 1 子 宮 に 現 れた 場 合 も 2 肺 に 現 れて 生 検 で 肺 がん の 細 胞 ではなく 子 宮 頸 がんの 細 胞 が 肺 に 飛 び 大 きくなったことが 確 認 された 場 合 も 子 宮 頸 がんの 再 発 と 判 断 されます ただし 1は 局 所 再 発 ですが 転 移 ではなく 2は 再 発 かつ 肺 転 移 です はじめて 子 宮 頸 がんと 診 断 された 時 に すでに 肺 に 腫 瘤 が 確 認 されている 場 合 も 肺 転 移 になります 多 くが5 年 以 内 の 骨 盤 内 再 発 子 宮 頸 がんの 場 合 再 発 の 時 期 は 治 療 後 5 年 以 内 が80~90%であるものの それ 以 降 にも 起 こります 大 半 は 骨 盤 内 局 所 再 発 ですが リンパ 節 や 肺 肝 臓 骨 などに 遠 隔 転 移 しやす いことがわかっています そのため 治 療 後 5 年 以 上 1~3 年 目 は1~3か 月 ごと 4~5 年 目 は6か 月 ごと 6 年 目 以 降 は1 年 ごとに 定 期 的 な 診 察 検 査 ( 図 表 11)を 受 けます 骨 盤 内 局 所 再 発 では 放 射 線 療 法 を 受 けてい なければ それが 試 みられ 骨 盤 外 再 発 ( 転 移 ) では 肺 や 脳 などの 転 移 巣 に 応 じた 治 療 が 行 わ れます いずれも 根 治 は 困 難 なことが 多 く が んとつきあいながら 生 活 の 質 を 保 つことが 重 視 されるようになります そのためがんによる Patient's Voice 再 発 治 療 がない と 言 われて 心 が 傷 つきました ⅢB 期 と 告 知 され 放 射 線 と 抗 がん 剤 治 療 を 受 けたものの 半 年 後 に 再 発 しました 担 当 医 から やれることはもうない と 言 われた とき これほど 患 者 を 傷 つける 言 葉 はないと 落 ち 込 みました たと え 治 る 見 込 みは 低 くても 治 療 法 はあるはず 私 は 新 しい 治 療 を 始 めるところです パートナーや 仲 間 家 族 に 支 えられ 穏 やかな 生 活 に 幸 せを 感 じています (44 歳 闘 病 生 活 2 年 目 ) 5 症 状 を 和 らげる 化 学 療 法 や 緩 和 ケアが 行 われ ます なお 臨 床 試 験 に 参 加 できる 場 合 もある ので 担 当 医 にその 実 施 の 有 無 や 参 加 の 可 否 を 聞 いてみましょう 図 表 11 診 察 細 胞 学 的 検 査 血 液 検 査 子 宮 頸 がん 治 療 後 の 再 発 転 移 を 早 期 に 発 見 するための 検 査 血 算 生 化 学 腫 瘍 マーカー 画 像 検 査 臨 床 試 験 とは? 新 薬 や 治 療 法 を 開 発 する 過 程 において 人 間 ( 患 者 )を 対 象 に 有 効 性 と 安 全 性 を 科 学 的 に 調 べるのが 臨 床 試 験 です 臨 床 試 験 には 第 1 相 : 安 全 性 の 確 認 第 2 相 : 有 効 性 の 確 認 第 3 相 : 標 準 治 療 と の 比 較 による 有 効 性 安 全 性 の 総 合 評 価 の3 段 階 があります 現 在 標 準 治 療 と して 確 立 されている 薬 剤 や 治 療 法 もかつ て 臨 床 試 験 が 行 われ 有 効 性 や 安 全 性 が 認 められたものです 臨 床 試 験 への 参 加 は 未 来 の 患 者 さんに 貢 献 することにもつ ながっています 内 診 直 腸 診 表 在 リンパ 節 の 触 診 腟 細 胞 診 子 宮 が 残 っていると きには 子 宮 頸 管 細 胞 診 白 血 球 数 赤 血 球 数 血 小 板 数 ヘモグロビンなど CRP 尿 素 窒 素 クレアチニン AST ALT LDHなど SCC CA125 CEAなど 胸 部 X 線 経 腟 超 音 波 CT MRI PET-CT ガリウムシンチ グラフィー 骨 シンチグラフィー 患 者 さんとご 家 族 のための 子 宮 頸 がん 子 宮 体 がん 卵 巣 がん 治 療 ガイドラインの 解 説 日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編 金 原 出 版 を 改 変 14

15 体 の 痛 みや 心 のつらさを 我 慢 しないで! 苦 痛 を 和 らげてくれる 専 門 家 がいます 体 の 痛 みに 対 するケア がんの 痛 みには 治 療 に 伴 う 急 性 痛 とがんの 進 行 に 伴 って 現 れる 慢 性 痛 があ ります これらの 痛 みに 対 して WHO( 世 界 保 健 機 関 )は 1986 年 に が ん 疼 痛 治 療 指 針 を 発 表 し 痛 みの 段 階 に 応 じた 治 療 を 示 しています がんの 痛 みの 治 療 を 専 門 とする 医 師 看 護 師 薬 剤 師 も 増 えていますので いつでも 必 要 なときに 遠 慮 せずに 相 談 したいものです まずは 担 当 医 や 病 棟 看 護 師 に 痛 みの 強 さや 性 質 をできるだけ 具 体 的 に 伝 えてみましょう 緩 和 ケアチーム 一 般 病 棟 の 入 院 患 者 に 対 して 担 当 医 や 病 棟 看 護 師 と 協 力 しながらチームで 痛 みの 治 療 やケアを 行 います 厚 生 労 働 省 が 定 めた 基 本 的 な 構 成 員 は 身 体 的 苦 痛 精 神 的 苦 痛 に 対 応 する 医 師 各 1 人 ずつ 看 護 師 の 合 計 3 人 です 精 神 腫 瘍 医 経 済 的 に 困 ったときの 対 策 は? がんの 治 療 費 について 困 ったときは 一 人 で 抱 え 込 まず かかっている 病 院 のソ ーシャルワーカー または 近 くのがん 診 療 連 携 拠 点 病 院 に 設 置 されている 相 談 支 援 センターに 相 談 しましょう 相 談 支 援 セ ンターでは 地 域 のがん 患 者 さんからの 緩 和 ケア 病 棟 (ホスピス) いわゆる 終 末 期 の 患 者 さんを 対 象 に した 病 棟 で 体 の 苦 痛 だけでなく 心 の つらさや 苦 しさも 和 らげることを 重 要 な 支 援 として 位 置 づけています ときに はボランティアもチームに 加 わり 患 者 さんと 家 族 をサポートします 心 のつらさに 対 するケア がんの 疑 いがある といわれた 時 点 から 患 者 さんは 動 揺 したり 不 安 にな ったり 落 ち 込 んだり 怒 りがこみ 上 げてきたりと さまざまな 心 の 葛 藤 に 襲 われます 多 くの 患 者 さんは 家 族 や 友 人 医 師 や 看 護 師 などにつらい 気 持 ち を 打 ち 明 けることで 徐 々に 落 ち 着 きを 取 り 戻 しますが 2~3 割 の 患 者 さんは 心 の 専 門 家 ( 下 欄 )による 治 療 が 必 要 になるといわれています 不 安 や 落 ち 込 みで 眠 れない 日 が 続 くようなら 心 の 専 門 家 に 相 談 してみましょう がん 患 者 さんとその 家 族 の 精 神 的 症 状 の 治 療 を 専 門 とする 精 神 科 医 また は 心 療 内 科 医 のことです 厚 生 労 働 省 や 日 本 サイコ オンコロジー 学 会 を 中 心 に 精 神 腫 瘍 医 の 育 成 や 研 修 が 行 われています リエゾンナース 患 者 さんの 心 のケアを 直 接 行 ったり 病 棟 看 護 師 に 心 のケアの 助 言 をし たりする 精 神 看 護 の 専 門 ナースです 日 本 看 護 協 会 が 認 定 する 精 神 看 護 専 門 看 護 師 もリエゾンナー スとして 活 動 しています 臨 床 心 理 士 相 談 も 受 け 付 けています 臨 床 心 理 学 にもとづく 知 識 や 技 術 を 使 って 心 の 問 題 にアプローチする 専 門 家 のことです がん 専 門 病 院 を 中 心 に 精 神 腫 瘍 医 やリエゾンナースとと もに 患 者 さんや 家 族 の 心 のケアを 行 っています 治 療 費 の 大 半 は 公 的 医 療 保 険 が 適 用 と なり 患 者 さんの 自 己 負 担 は 治 療 費 の1 ~3 割 です さらに 高 額 療 養 費 制 度 を 利 用 すると 一 定 限 度 額 を 超 えた 自 己 負 担 分 の 払 い 戻 しが 受 けられます 知 っておきたい 子 宮 頸 がん 医 学 用 語 集 腫 瘍 組 織 のかたまり 良 性 と 悪 性 があ る 良 性 腫 瘍 がんではない 腫 瘍 のこと 無 限 に 増 殖 したり ほかの 臓 器 に 転 移 し たりすることはない 悪 性 腫 瘍 がん 化 した 腫 瘍 のこと 無 限 に 増 殖 し ほかの 臓 器 に 転 移 して 生 命 に 著 しい 影 響 を 及 ぼす 組 織 型 細 胞 組 織 のどの 部 分 ががん 化 し どのような 形 ( 顔 つき)なのかを 顕 微 鏡 で 調 べてタイプ 分 けしたもの 転 移 がん 細 胞 がリンパ 液 や 血 液 の 流 れに 乗 って 他 の 臓 器 に 移 動 し そ こで 広 がること リンパ 節 病 原 菌 や 異 物 による 感 染 と 闘 うた めの 小 さな 豆 状 の 器 官 で 免 疫 を 担 うリンパ 球 が 集 まっている 体 中 にあり リンパ 管 でつながって いる バイオプシー( 生 検 ) 組 織 を 採 取 して がん 細 胞 がある かどうかを 顕 微 鏡 で 調 べる 検 査 腫 瘍 マーカー 体 内 にがんができると そのがん に 特 有 なタンパク 質 が 大 量 につく られ 血 液 中 に 出 現 する そのた め 診 断 に 有 効 とされる 子 宮 頸 が んで はCEAとCA-125な ど が 調 べられる 子 宮 摘 出 術 子 宮 を 切 除 して 摘 出 する 手 術 化 学 療 法 薬 剤 ( 抗 がん 剤 )を 使 って がん 細 胞 を 攻 撃 する 治 療 法 放 射 線 療 法 高 いエネルギーの 放 射 線 を 使 って がん 細 胞 を 攻 撃 する 治 療 法 予 後 病 状 (またはがんの 状 態 )がどの ような 経 過 をたどるのかという 見 込 みや 予 測 15

16 ティールホワイトリボンとは? 米 国 をはじめとする 海 外 では 子 宮 頸 がん 啓 発 のシンボルとしてティールホワイトリボンが 使 われています この 冊 子 は 日 本 イーライリリー 株 式 会 社 オンコロジー 領 域 事 業 部 株 式 会 社 毎 日 放 送 アメリカンホーム 保 険 会 社 日 本 ベクトン ディッキンソン 株 式 会 社 の 支 援 で 作 成 しました がん 情 報 タウン JUMP OVER CANCER アメリカンホーム 保 険 会 社 日 本 ベクトン ディッキンソン 株 式 会 社 制 作 :NPO 法 人 キャンサーネットジャパン 本 冊 子 の 無 断 転 載 複 写 は 禁 じられています 内 容 を 引 用 する 際 には 出 典 を 明 記 してください 2013 年 1 月 作 成 子 宮 頸 がんの 治 療 や 情 報 についてさらに 詳 しく 知 りたい 方 は

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