(3) 裁 判 所 の 判 断 1 損 害 賠 償 の 対 象 となる 違 反 行 為 の 範 囲 について 独 占 禁 止 法 25 条 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 権 の 発 生 要 件 等 が 民 法 709 条 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 権 とは 大 きく 異 なるもの

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1 独 禁 法 事 例 研 究 第 8 回 ( 平 成 26 年 12 月 10 日 ) 1 セブンイレブン ジャパンに 対 する 独 占 禁 止 法 25 条 訴 訟 論 点 紹 介 役 から 以 下 のとおり 事 案 の 概 要 と 問 題 点 の 発 表 が 行 われた 1. 事 案 概 要 (1) 経 緯 公 正 取 引 委 員 会 は 平 成 21 年 6 月 22 日 被 告 (P5 セブン-イレブン ジャパン) が 同 社 のフランチャイズチェーンの 加 盟 店 において 廃 棄 された 商 品 の 原 価 相 当 額 の 全 額 が 加 盟 店 の 負 担 となる 仕 組 みの 下 デイリー 商 品 1 の 見 切 り 販 売 2 を 行 おうとし 又 は 行 っている 加 盟 者 に 対 して 見 切 り 販 売 の 取 りやめを 余 儀 なくさせることにより 加 盟 者 が 自 らの 合 理 的 な 経 営 判 断 に 基 づいて 廃 棄 に 係 るデイリー 商 品 の 原 価 相 当 額 の 負 担 を 軽 減 する 機 会 を 失 わせている 行 為 が 法 19 条 に 基 づく 不 公 正 な 取 引 方 法 14 項 4 号 ( 現 行 の 独 禁 法 2 条 9 項 5 号 ハに 相 当 ) 所 定 の 優 越 的 地 位 の 濫 用 に 当 たるとして 被 告 に 対 して 排 除 措 置 命 令 を 発 した 平 成 21 年 8 月 21 日 上 記 排 除 措 置 命 令 が 確 定 した 上 記 排 除 措 置 命 令 の 確 定 を 受 け 被 告 との 間 で 加 盟 店 基 本 契 約 を 締 結 し コンビニエ ンスストアを 営 業 している 原 告 ら(P1 から P4 加 盟 店 オーナー)が 被 告 の 見 切 り 販 売 の 妨 害 行 為 によって 損 害 を 被 ったと 主 張 し 独 占 禁 止 法 第 25 条 に 基 づき 損 害 賠 償 を 請 求 する 訴 訟 を 提 起 した ( 参 考 ) 加 盟 店 がフランチャイズ 本 部 に 支 払 う 金 銭 (チャージ)の 計 算 方 法 等 { 売 上 高 -( 売 上 総 原 価 - 廃 棄 ロス 原 価 - 棚 卸 ロス 原 価 - 仕 入 割 引 高 )} チャージ 率 仕 入 れる 商 品 を 増 やしたことにより 廃 棄 商 品 が 増 えると 加 盟 店 の 収 益 は 減 少 するが フランチャイズ 本 部 に 支 払 うチャージ 金 額 は 減 らない 本 部 : 売 り 逃 しを 防 ぐために 加 盟 店 に 対 して 仕 入 れを 増 やすよう 要 求 する 加 盟 店 : 推 奨 価 格 で 売 れなかった 商 品 を 全 て 廃 棄 するよりも 値 下 げをしてでも 商 品 を 販 売 して 廃 棄 を 少 なくしたほうが 収 益 が 増 える (2) 争 点 争 点 1: 被 告 による 原 告 らに 対 する 組 織 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 争 点 2: 被 告 による 原 告 らに 対 する 個 別 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 争 点 3: 原 告 らの 損 害 の 有 無 及 びその 額 1 品 質 が 劣 化 しやすい 食 品 及 び 飲 料 であって 原 則 として 毎 日 納 品 されるもの 2 被 告 が 独 自 の 基 準 により 定 める 販 売 期 限 が 迫 っている 商 品 について それまでの 販 売 価 格 から 値 引 きした 価 格 で 消 費 者 に 販 売 する 行 為 1

2 (3) 裁 判 所 の 判 断 1 損 害 賠 償 の 対 象 となる 違 反 行 為 の 範 囲 について 独 占 禁 止 法 25 条 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 権 の 発 生 要 件 等 が 民 法 709 条 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 権 とは 大 きく 異 なるものとされているにとどまらず 訴 訟 手 続 上 も 三 審 級 ではなく 二 審 級 とされており 当 事 者 の 審 級 の 利 益 を 考 慮 すると 法 25 条 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 である 本 訴 において 審 理 の 対 象 となる 損 害 賠 償 請 求 権 は 本 件 排 除 措 置 命 令 において 違 反 行 為 と 認 定 された 行 為 に 基 づいて 発 生 するものに 限 られると 解 される 見 切 り 販 売 を 勧 めずに できる 限 り 推 奨 価 格 を 維 持 して 販 売 することを 助 言 指 導 するにとどまる 場 合 についてまで 本 件 排 除 措 置 命 令 が 違 反 行 為 に 含 まれるものと 認 定 したとみることはできない 一 方 で 被 告 が 加 盟 店 オーナーに 対 し デイリー 商 品 を 推 奨 価 格 で 販 売 するよう に 求 める 助 言 指 導 の 域 を 超 えて 見 切 り 販 売 が 加 盟 店 契 約 に 違 反 する 行 為 である と 指 摘 し あるいは 見 切 り 販 売 を 行 うことより 加 盟 店 契 約 の 更 新 ができなくなる などの 不 利 益 が 生 ずることを 申 し 向 けるなどして 経 営 上 の 判 断 に 影 響 を 及 ぼす 事 実 上 の 強 制 を 加 え これにより 加 店 オーナーが 有 する 商 品 の 価 格 決 定 権 の 行 使 が 妨 げられ 見 切 り 販 売 の 取 りやめを 余 儀 なくさせていると 評 価 できる 場 合 には 本 件 排 除 措 置 命 令 の 認 定 した 違 反 行 為 に 含 まれるとみるのが 相 当 である 2 争 点 1: 被 告 による 原 告 らに 対 する 組 織 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 について 原 告 らが 主 張 する 研 修 時 からの 開 店 に 至 る 一 連 の 妨 害 行 為 被 告 のシステムマニュ アル 被 告 による 廃 棄 当 然 という 誤 った 説 明 被 告 による 見 切 り 販 売 を 否 定 する 主 張 の 繰 り 返 し 被 告 によるブランドイメージの 強 調 等 については 助 言 指 導 の 域 を 超 えたものであることを 認 めるに 足 る 証 拠 はなく 被 告 が 原 告 らに 対 して 見 切 り 販 売 の 取 りやめを 余 儀 なくさせていると 評 価 することはできない 3 争 点 2: 被 告 による 原 告 らに 対 する 個 別 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 について 被 告 の 経 営 相 談 員 は 原 告 らに 対 して デイリー 商 品 の 値 下 げはできない 等 の 発 言 等 を 行 っており 当 該 発 言 等 は 見 切 り 販 売 の 実 施 に 関 する 経 営 上 の 判 断 に 影 響 を 及 ぼす 事 実 上 の 強 制 となっている 見 切 り 販 売 を 行 おうとしている 加 盟 店 オーナーに 対 し その 有 する 商 品 の 価 格 決 定 権 の 行 使 を 妨 げ 見 切 り 販 売 の 取 りやめを 余 儀 なくさせているものとして 本 件 排 除 措 置 命 令 にいう 違 反 行 為 に 当 たると 認 めるのが 相 当 である 加 盟 店 オーナーである 原 告 らは 被 告 との 取 引 を 継 続 することができなくなれば それぞれが 事 業 主 である 各 店 舗 の 経 営 上 大 きな 支 障 を 来 すこととなるため 被 告 か 2

3 らの 要 請 に 従 わざるを 得 ない 立 場 にあると 認 められる 被 告 の 取 引 上 の 地 位 は 原 告 らに 対 して 優 越 しており 被 告 の 取 引 上 の 地 位 が 原 告 らに 優 越 していることを 利 用 して 見 切 り 販 売 の 妨 害 行 為 がされたと 認 められるから 被 告 の 原 告 らに 対 する 各 違 反 行 為 は 正 常 な 商 慣 習 に 照 らして 不 当 に 取 引 の 実 施 に ついて 原 告 らに 不 利 益 を 与 えたものであり 一 般 指 定 14 項 4 号 に 該 当 するものと して 法 19 条 に 違 反 する 違 法 な 行 為 であるというべきである 4 争 点 3: 原 告 らの 損 害 の 有 無 及 びその 額 について 本 件 における 損 害 額 は 1ある 時 間 以 降 に 見 切 り 販 売 を 行 った 場 合 の 利 益 から2あ る 時 間 以 降 も 見 切 り 販 売 を 行 わなかった 利 益 を 控 除 した 額 というべきである 上 記 の 額 を 算 定 するには 顧 客 の 購 買 行 動 近 隣 他 店 の 開 店 閉 店 の 状 況 近 隣 地 域 の 住 民 人 口 及 び 住 民 の 年 齢 等 の 変 化 の 状 況 景 気 動 向 など 複 雑 に 絡 み 合 って 相 互 に 影 響 し 合 う 多 くの 諸 要 素 を 考 慮 する 必 要 があり 具 体 的 に 認 定 することは 極 め て 困 難 である 本 件 においては 原 告 らに 損 害 が 生 じたことは 認 められるものの 損 害 の 性 質 上 その 額 を 立 証 することが 極 めて 困 難 であるから 民 訴 法 248 条 に 基 づき 口 頭 弁 論 の 全 趣 旨 及 び 証 拠 調 べの 結 果 に 基 づき 相 当 な 損 害 額 を 認 定 すべきである 損 害 額 の 算 定 が 困 難 であるにもかかわらず 被 告 に 対 し 損 害 賠 償 義 務 を 負 わせる 以 上 当 該 賠 償 額 の 算 定 に 当 たってはある 程 度 謙 抑 的 かつ 控 え 目 に 認 定 することを 避 けられない 見 切 り 販 開 始 妨 害 期 間 と 見 切 り 販 売 開 始 後 における 売 上 高 の 年 平 均 額 商 品 等 仕 入 高 商 品 等 廃 棄 額 利 益 等 の 比 較 等 を 行 い 本 件 で 顕 れた 一 切 の 事 情 を 総 合 すると P1 に 対 しては 280 万 円 P2 に 対 しては 100 万 円 P3 に 対 しては 600 万 円 P4 に 対 しては 160 万 円 の 損 害 が 認 められる 3

4 2. コメント 助 言 指 導 の 範 囲 内 かどうかを 基 準 にする 判 断 は 妥 当 か ( 参 考 ) フランチャイズ システムに 関 する 独 占 禁 止 法 上 の 考 え 方 について ( 見 切 り 販 売 の 制 限 ) 廃 棄 ロス 原 価 を 含 む 売 上 総 利 益 がロイヤルティの 算 定 の 基 準 となる 場 合 において 本 部 が 加 盟 者 に 対 して 正 当 な 理 由 がないのに 品 質 が 急 速 に 低 下 する 商 品 等 の 見 切 り 販 売 を 制 限 し 売 れ 残 りとして 廃 棄 することを 余 儀 なくさせること( 注 4) ( 注 4)コンビニエンスストアのフランチャイズ 契 約 においては 売 上 総 利 益 をロイヤル ティの 算 定 の 基 準 としていることが 多 く その 大 半 は 廃 棄 ロス 原 価 を 売 上 原 価 に 算 入 せず その 結 果 廃 棄 ロス 原 価 が 売 上 総 利 益 に 含 まれる 方 式 を 採 用 してい る この 方 式 の 下 では 加 盟 者 が 商 品 を 廃 棄 する 場 合 には 加 盟 者 は 廃 棄 ロス 原 価 を 負 担 するほか 廃 棄 ロス 原 価 を 含 む 売 上 総 利 益 に 基 づくロイヤルティも 負 担 することとなり 廃 棄 ロス 原 価 が 売 上 原 価 に 算 入 され 売 上 総 利 益 に 含 まれな い 方 式 に 比 べて 不 利 益 が 大 きくなりやすい 原 告 らの 損 害 の 有 無 及 びその 額 については 具 体 的 な 算 定 方 法 が 記 載 されていない ど のように 損 害 額 が 算 定 されているのか 不 明 であるが 算 定 された 損 害 額 は 妥 当 か 以 上 参 考 条 文 私 的 独 占 の 禁 止 及 び 公 正 取 引 の 確 保 に 関 する 法 律 ( 平 成 二 一 年 六 月 一 〇 日 法 律 第 五 一 号 による 改 正 前 ) 第 十 九 条 事 業 者 は 不 公 正 な 取 引 方 法 を 用 いてはならない 第 二 十 条 前 条 の 規 定 に 違 反 する 行 為 があるときは 公 正 取 引 委 員 会 は 第 八 章 第 二 節 に 規 定 する 手 続 に 従 い 当 該 行 為 の 差 止 め 契 約 条 項 の 削 除 その 他 当 該 行 為 を 排 除 するために 必 要 な 措 置 を 命 ずることができる 2 第 七 条 第 二 項 の 規 定 は 前 条 の 規 定 に 違 反 する 行 為 に 準 用 する ( 平 成 二 一 年 六 月 一 〇 日 法 律 第 五 一 号 による 改 正 後 ) 第 二 十 五 条 第 三 条 第 六 条 又 は 第 十 九 条 の 規 定 に 違 反 する 行 為 をした 事 業 者 ( 第 六 条 の 規 定 に 違 反 する 行 為 をした 事 業 者 にあつては 当 該 国 際 的 協 定 又 は 国 際 的 契 約 において 不 当 な 取 引 制 限 をし 又 は 不 公 正 な 取 引 方 法 を 自 ら 用 いた 事 業 者 に 限 る ) 及 び 第 八 条 第 一 項 の 規 定 に 違 反 する 行 為 をした 事 業 者 団 体 は 被 害 者 に 対 し 損 害 賠 償 の 責 めに 任 ずる 2 事 業 者 及 び 事 業 者 団 体 は 故 意 又 は 過 失 がなかつたことを 証 明 して 前 項 に 規 定 する 責 任 を 免 れることができない 4

5 一 般 指 定 14 項 ( 平 成 21 年 公 正 取 引 委 員 会 告 示 第 18 号 による 改 正 前 のもの) ( 優 越 的 地 位 の 濫 用 ) 14 自 己 の 取 引 上 の 地 位 が 相 手 方 に 優 越 していることを 利 用 して 正 常 な 商 慣 習 に 照 ら して 不 当 に 次 の 各 号 のいずれかに 掲 げる 行 為 をすること 一 継 続 して 取 引 する 相 手 方 に 対 し 当 該 取 引 に 係 る 商 品 又 は 役 務 以 外 の 商 品 又 は 役 務 を 購 入 させること 二 継 続 して 取 引 する 相 手 方 に 対 し 自 己 のために 金 銭 役 務 その 他 の 経 済 上 の 利 益 を 提 供 させること 三 相 手 方 に 不 利 益 となるように 取 引 条 件 を 設 定 し 又 は 変 更 すること 四 前 三 号 に 該 当 する 行 為 のほか 取 引 の 条 件 又 は 実 施 について 相 手 方 に 不 利 益 を 与 えること 五 取 引 の 相 手 方 である 会 社 に 対 し 当 該 会 社 の 役 員 ( 私 的 独 占 の 禁 止 及 び 公 正 取 引 の 確 保 に 関 する 法 律 ( 昭 和 二 十 二 年 法 律 第 五 十 四 号 ) 第 二 条 第 三 項 の 役 員 を いう 以 下 同 じ )の 選 任 についてあらかじめ 自 己 の 指 示 に 従 わせ 又 は 自 己 の 承 認 を 受 けさせること 民 事 訴 訟 法 ( 損 害 額 の 認 定 ) 第 二 百 四 十 八 条 損 害 が 生 じたことが 認 められる 場 合 において 損 害 の 性 質 上 その 額 を 立 証 することが 極 めて 困 難 であるときは 裁 判 所 は 口 頭 弁 論 の 全 趣 旨 及 び 証 拠 調 べの 結 果 に 基 づき 相 当 な 損 害 額 を 認 定 することができる その 後 以 下 のとおり 質 疑 が 行 われた 本 件 では 争 点 1として 被 告 による 原 告 らに 対 する 組 織 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 争 点 2として 被 告 による 原 告 らに 対 する 個 別 的 な 見 切 り 販 売 妨 害 行 為 の 有 無 が 挙 げられているが このように 明 確 に 分 けて 論 じることに 意 味 があるのか 例 えば 個 別 的 な 妨 害 行 為 があれば 組 織 的 な 妨 害 行 為 がなくても 違 反 となりうるので はないか 〇 入 札 談 合 の 場 合 であれば 基 本 合 意 と 個 別 調 整 という2つが 問 題 になるが 組 織 的 行 為 が 立 証 されるのであれば 個 別 的 な 行 為 について 明 確 に 立 証 できない 場 合 でも 存 在 が 推 認 されるということはありうるのではないか セブンイレブンの 会 計 システムが 値 下 げ 監 視 のためのシステムであるということで あれば 組 織 的 な 行 為 であることの 大 きな 要 素 になるのではないか 5

6 組 織 的 か 個 別 的 かが このように 明 確 に 区 別 できるかは 疑 問 であり 争 点 1のところ での 考 慮 要 素 が 争 点 2のところの 議 論 でも 利 用 できたのではないかと 思 われる 本 部 による 助 言 指 導 の 範 囲 内 かどうかで 違 反 かどうかが 判 断 されているが 助 言 指 導 であっても 加 盟 者 にとっては 不 利 益 なこともありうるのではないか 本 件 では 助 言 指 導 の 範 囲 を 広 範 囲 に 許 容 しすぎているのではないか 各 原 告 の 損 害 額 の 算 定 方 法 が 不 明 確 である 本 件 は 課 徴 金 導 入 前 の 事 件 であるが 課 徴 金 導 入 後 であれば どのような 命 令 に なっていたか 興 味 深 い 本 件 では 公 取 は 組 織 的 な 行 為 により 違 反 を 認 定 している ように 見 える 〇 本 件 は 25 条 訴 訟 であるということが 大 前 提 であろう したがって 各 原 告 に 対 す る 行 為 が 排 除 措 置 命 令 の 対 象 となっているかどうかが 問 題 となっている 本 判 決 では 助 言 指 導 を 超 えていないと 違 反 とならないとまでは 言 っていないが 優 越 的 地 位 ガイドラインでも 余 儀 なくさせている 場 合 を 問 題 視 しており 単 なる 助 言 指 導 であれば 余 儀 なくさせている とまでは 言 えないという 議 論 もありうる 民 法 709 条 による 場 合 であれば 強 制 がなくても 損 害 があれば 問 題 となるので 助 言 指 導 であっても 損 害 賠 償 が 認 められることがありうるのではないか 〇 一 連 のセブンイレブンに 対 する 訴 訟 では 民 法 709 条 によらず 独 禁 法 25 条 によ る 訴 訟 が 多 かった 民 法 709 条 の 場 合 でも 助 言 指 導 と 損 害 発 生 との 因 果 関 係 の 立 証 は 必 要 であり その 際 に 余 儀 なくされた かどうかが 議 論 とはなりうるだろう 課 徴 金 については 個 別 に 判 断 せざるを 得 ないだろう 損 害 額 の 認 定 に 当 たり ある 程 度 謙 抑 的 かつ 控 え 目 に 認 定 することを 避 けられない との 一 般 論 を 述 べているが 民 訴 法 248 条 の 立 法 趣 旨 からここまで 言 い 切 ってしまっ てよいのか 疑 問 である この 表 現 自 体 は 本 判 決 で 初 めて 出 てきたものではない 6

7 2 神 鉄 タクシー 事 件 ( 大 阪 高 裁 判 決 ) 論 点 紹 介 役 から 以 下 のとおり 事 案 の 概 要 の 発 表 が 行 われた 1. 争 点 (1) 差 止 請 求 について 1 原 告 ( 個 人 タクシー 事 業 者 3 名 )と 被 告 ( 神 鉄 タクシー)との 間 の 競 争 関 係 ( 一 般 指 定 14 項 )の 有 無 2 被 告 の 行 為 は 原 告 らの 取 引 を 不 当 に 妨 害 ( 一 般 指 定 14 項 )したものか 3 被 告 の 行 為 によって 原 告 らに 著 しい 損 害 を 生 じ 又 は 生 ずるおそれがあるか( 独 禁 法 24 条 ) (2) 損 害 賠 償 請 求 について 1 被 告 の 行 為 が 原 告 らのうち 2 名 に 対 する 不 法 行 為 に 当 たるか 2 損 害 の 有 無 数 額 2. 裁 判 所 の 判 断 (1)1 競 争 関 係 の 有 無 について 一 般 指 定 14 項 にいう 競 争 関 係 は 自 己 と 他 の 事 業 者 の 間 に その 通 常 の 事 業 活 動 の 範 囲 内 において かつ 当 該 事 業 活 動 の 施 設 又 は 態 様 に 重 要 な 変 更 を 加 えることなく 同 一 の 需 要 者 に 同 種 又 は 類 似 の 商 品 又 は 役 務 を 供 給 し 又 は 供 給 することができるという 関 係 が 成 り 立 つことをいう( 独 禁 法 2 条 4 項 1 号 ) 同 一 の 需 要 者 は 本 件 各 タクシー 待 機 場 所 ( 鈴 蘭 台 駅 前 タクシー 待 機 場 所 北 鈴 蘭 台 駅 前 タクシー 待 機 場 所 )におけるタクシー 利 用 者 である 原 告 らが 本 件 各 タクシー 待 機 場 所 で 乗 客 を 得 ようとすることは 周 辺 で 事 業 活 動 を 行 う ために 必 要 な 法 令 上 の 許 可 を 得 ていることや 事 業 拠 点 の 所 在 地 からしても 不 合 理 と はいえない 競 争 関 係 があると 認 定 (1)2 不 当 な 取 引 妨 害 について 待 機 場 所 に 侵 入 しようとした 原 告 側 タクシーの 前 に 立 ちはだからせるなどの 行 為 は 物 理 的 実 力 を 用 いて 利 用 者 との 旅 客 自 動 車 運 送 契 約 の 締 結 を 妨 害 する 行 為 といえる 一 般 指 定 14 項 にいう 不 当 な 取 引 妨 害 に 当 たる 一 方 利 用 者 に 対 して 先 頭 車 両 以 外 の 車 両 に 乗 車 するよう 働 きかける 行 為 については 不 当 な 取 引 妨 害 に 当 たるとはいえないと 判 示 7

8 (1)3 著 しい 損 害 について 被 告 は 4 日 間 原 告 らのうち 2 名 から 北 鈴 蘭 台 駅 前 タクシー 待 機 場 所 においてタク シー 利 用 者 と 旅 客 自 動 車 運 送 契 約 を 締 結 する 機 会 をほぼ 完 全 に 奪 った 今 後 も 本 件 各 タクシー 待 機 場 所 において 同 様 の 行 為 が 行 われることが 予 想 される これは 公 正 かつ 自 由 な 競 争 を 促 進 するという 独 禁 法 の 目 的 ないし 理 念 を 真 っ 向 から 否 定 するも の である 手 段 としては 立 ちはだからせたり 被 告 タクシーを 割 り 込 ませたりするなど 原 告 側 タクシーが 利 用 者 を 乗 せて 発 進 することを 妨 害 した これらの 行 為 は 物 理 的 な 実 力 を 組 織 的 に 用 いて 利 用 者 との 旅 客 自 動 車 運 送 契 約 の 締 結 を 妨 害 するものである 損 害 の 内 容 程 度 独 禁 法 違 反 行 為 の 態 様 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 著 しい 損 害 を 認 定 独 禁 法 24 条 に 基 づく 差 止 請 求 は( 不 当 な 取 引 妨 害 に 当 たる 行 為 の 差 止 めという 限 度 で) 認 められる (2)1 不 法 行 為 について 被 告 の 妨 害 行 為 は 営 業 活 動 をすることが 出 来 る 利 益 を 違 法 に 侵 害 するものである 不 法 行 為 に 当 たる (2)2 損 害 の 有 無 数 額 について 乗 客 を 得 る 機 会 を 喪 失 したことによる 損 害 は 得 られたはずの 売 上 高 でなく 限 界 利 益 である 原 告 らのうち 1 名 に 330 円 1 名 に 320 円 の 額 の 損 害 賠 償 を 認 める 精 神 的 苦 痛 に 対 する 慰 謝 料 については 自 ら 求 めて 被 告 の 行 為 による 被 害 を 受 けたと いう 面 がないわけではない 精 神 的 苦 痛 に 対 する 慰 謝 料 は 認 めず その 後 以 下 のとおり 質 疑 が 行 われた 原 審 よりも 本 判 決 は 市 場 を 狭 く 見 ているが 実 態 に 即 しており 納 得 がいくと 思 われる 被 告 の 従 業 員 等 が 利 用 者 を 先 頭 車 両 以 外 に 乗 車 するよう 誘 導 する 行 為 について 不 当 な 取 引 妨 害 には 当 たらないとしているが 一 般 の 慣 習 からすると 違 和 感 がある また 損 害 額 の 算 定 に 当 たり 4 日 間 で1 回 ずつしか 乗 客 を 奪 われた 機 会 はないと しているが 少 なすぎるのではないかと 思 われる 先 頭 車 両 以 外 への 誘 導 を 問 題 視 しなかったことには 日 本 の 商 慣 習 からみて 違 和 感 は 8

9 あるが 施 設 の 利 用 のフリーライドを 防 ぐための 有 料 での 共 同 利 用 などの 検 討 の 余 地 は あるのではないかと 思 われる 著 しい 損 害 について 原 審 はゆうパック 判 決 に 基 づき 市 場 からの 排 除 を 必 要 と してハードルが 高 い 印 象 であったが 民 法 709 条 による 場 合 であれば 強 制 がなくて も 損 害 があれば 問 題 となるので 助 言 指 導 であっても 損 害 賠 償 が 認 められることが ありうるのではないか 〇 本 判 決 は 一 般 論 を 変 えているのではなく 市 場 の 取 り 方 を 変 えているということか と 思 われる 著 しい 不 利 益 を 取 引 分 野 ごとに 見 るのか 事 業 者 単 位 で 見 るのかという 問 題 がある 優 越 的 地 位 の 濫 用 事 件 でも 特 定 の 地 区 で 不 利 益 を 受 けていることについて どのよう に 考 えるべきかという 問 題 がある このような 訴 訟 が 提 起 されることを 促 進 すべきとの 立 場 に 立 つと 特 定 の 分 野 での 損 害 を 問 題 視 する 傾 向 があろう 本 件 では 施 設 が 公 有 地 にあるか 私 有 地 にあるかで 評 価 が 変 わったと 考 えるべきなの か 私 的 な 設 備 であっても NTT や 電 力 会 社 の 設 備 のように 開 放 が 求 められることはあ りうる ただし その 場 合 でも 有 料 か 無 料 かは 問 題 となりうる 先 頭 車 両 以 外 への 誘 導 については 一 部 私 有 地 があったこととも 関 連 しているのか もしれない 自 社 の 車 両 に 誘 導 しようとすることは 正 当 な 営 業 活 動 の 側 面 もある 空 港 でも 似 たようなことはあるが 使 用 料 を 払 っているので フリーライドの 場 合 と は 異 なるものと 思 われる 過 去 の 公 取 への 相 談 事 例 において 駅 前 のバスターミナルについて アウトサイダーに 維 持 運 営 費 の 支 払 いを 求 めることに 正 当 性 があるとされたことがある 利 用 料 が 高 いか 安 いかという 問 題 と そもそも 利 用 させないということでは 問 題 が 異 なるのではないか 9

10 過 去 の 矢 板 バス 事 件 や 新 潟 エレベーター 事 件 では 弁 論 終 結 時 に 行 為 が 終 了 しており 再 び 行 われる 可 能 性 もないため 差 し 止 めは 認 められなかった 本 判 決 は 一 般 論 はあ まり 述 べていないが 過 去 と 将 来 の 両 方 について 一 応 述 べている 損 害 額 については 認 定 された 金 額 は 小 さいが nominal damage の 考 え 方 に 基 づい て ゼロではないということを 述 べただけなのかもしれない 設 備 が 開 放 されるべきかについては 私 的 なものであっても 電 気 通 信 や 電 力 のように もともと 公 益 事 業 特 権 に 基 づいて 保 持 されてきたものであるとか 特 許 権 の 場 合 の FRAND 宣 言 がなされた 場 合 などのようなときには 開 放 されるべきということになる のかもしれない 10

<4D6963726F736F667420506F776572506F696E74202D2081694832302E36816A984A93AD8C5F96F1964082CC837C8343839383678140838A815B8374838C836283672E707074>

<4D6963726F736F667420506F776572506F696E74202D2081694832302E36816A984A93AD8C5F96F1964082CC837C8343839383678140838A815B8374838C836283672E707074> 労 働 契 約 法 のポイント 労 働 契 約 法 がスタート! ~ 平 成 20 年 3 月 施 行 ~ 就 業 形 態 が 多 様 化 し が 個 別 に 決 定 変 更 される ようになり 個 別 労 働 紛 争 が 増 えています この 紛 争 の 解 決 の 手 段 とし ては 裁 判 制 度 のほかに 平 成 13 年 から 個 別 労 働 紛 争 解 決 制 度 が 平 成 18 年

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