消 費 生 活 相 談 統 計 によれば 全 国 消 費 生 活 情 報 ネットワーク システム (Practical Living Information Online Network System;PIO-NET)における 保 険 の 相 談 は 多 くの 商 品 役 務 の 中 で 毎 年 上

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1 消 費 生 活 相 談 情 報 にみる 保 険 契 約 の 現 状 と 課 題 A Review of Consumer Inquiries regarding Insurance contracts Through PIO-NET to Identify Issues 磯 村 浩 子 Hiroko ISOMURA 要 約 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 は 生 活 経 済 の 中 で 大 きな 位 置 を 占 めるが 長 期 にわたる 契 約 複 雑 な 契 約 形 態 難 解 な 契 約 約 款 などにより 消 費 者 は 自 身 の 契 約 につ いてさえ 十 分 に 把 握 していない 保 険 金 請 求 時 契 約 解 除 時 に 関 心 を 持 ち 初 めて 問 題 点 を 見 出 すことになる 2010 年 4 月 これまで 商 法 にあった 保 険 に 関 する 規 定 が 見 直 され 新 たに 保 険 法 として 施 行 された この 間 の 消 費 生 活 相 談 情 報 を 分 析 すると 保 険 契 約 には 契 約 解 約 に 関 する 相 談 が 多 いが 販 売 方 法 接 客 対 応 と 関 連 する 相 談 が 多 く 生 命 保 険 とその 他 の 保 険 では 販 売 方 法 がより 問 題 とされ 損 害 保 険 では 接 客 対 応 がより 問 題 と されることが 分 かった さらに 自 身 の 保 険 契 約 について 問 う 相 談 が 目 立 ち 契 約 解 約 に 関 連 して 販 売 方 法 接 客 対 応 が 問 題 とされる 背 景 に 説 明 不 足 を 示 唆 する 傾 向 がみられた 保 険 法 は 保 険 契 約 者 保 険 金 受 取 人 の 保 護 を 図 り 一 部 条 文 は 契 約 者 等 に 不 利 な 約 款 を 無 効 とする 保 険 法 に 伴 う 改 定 で 業 界 は 理 解 しやすい 保 険 商 品 分 かり 易 い 契 約 約 款 を 用 意 し 販 売 時 の 説 明 力 を 高 めることが 必 要 とされる 消 費 者 自 身 も 保 険 契 約 に 関 心 を 持 ち 必 要 な 保 険 商 品 を 主 体 性 を 持 って 購 入 し 生 活 経 済 の 危 険 に 備 えることが 望 まれる キーワード: 生 活 経 済 の 危 険 生 命 保 険 損 害 保 険 保 険 法 販 売 方 法 接 客 対 応 説 明 不 足 約 款 1.はじめに 2008 年 6 月 に 保 険 法 が 創 設 され 2010 年 4 月 から 施 行 されている 1899 年 ( 明 治 32 年 ) に 商 法 の 中 に 保 険 に 関 する 規 定 が 置 かれて 以 降 約 100 年 ぶりに 商 法 から 独 立 した 保 険 法 として 改 正 施 行 された 国 民 にとっても 分 かり 易 い 法 律 になったといわれる 一 方 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 は 生 活 経 済 のなかで 非 常 に 重 要 な 位 置 を 占 め 先 に 起 きた 未 曾 有 の 東 日 本 大 震 災 にあっても 不 幸 な 出 来 事 の 中 で 地 震 保 険 をは じめとする 保 険 の 意 義 を 再 認 識 させることとなった その 生 活 における 保 険 の 位 置 を 示 す 客 観 的 なデータは 多 いが 我 々が 実 感 しやすいものとして 捉 えるなら 家 計 調 査 全 国 消 費 実 態 調 査 などにより 示 される 家 計 データの 数 字 であろう そこでまず 生 活 経 済 における 保 険 の 実 態 を 統 計 的 に 把 握 し 生 活 の 中 でいかに 大 きな 位 置 を 占 めるかを 認 識 する その 上 で このように 大 きな 位 置 を 占 める 保 険 が 生 活 の 中 で どのような 問 題 を 抱 えているかを 消 費 生 活 相 談 の 中 から 探 り 検 討 することとする

2 消 費 生 活 相 談 統 計 によれば 全 国 消 費 生 活 情 報 ネットワーク システム (Practical Living Information Online Network System;PIO-NET)における 保 険 の 相 談 は 多 くの 商 品 役 務 の 中 で 毎 年 上 位 にランク 付 けされる 保 険 会 社 の 説 明 不 足 や 解 約 クレーム への 対 応 などに 関 する 相 談 が 目 立 つ ことも 保 険 に 関 する 相 談 の 特 徴 とされている 1 本 稿 は 保 険 法 改 正 を 機 会 に 保 険 に 関 する 相 談 事 例 を 分 析 し その 実 態 を 明 らかにす るとともに 保 険 法 改 正 との 関 連 を 検 討 し 消 費 者 にとって 保 険 を 生 活 の 中 で 実 質 的 に 活 かすことができるよう 課 題 を 見 出 すことを 意 図 している 2. 研 究 方 法 生 活 経 済 における 保 険 の 位 置 づけについては 家 計 調 査 年 報 家 計 収 支 編 貯 蓄 負 債 編 により 世 帯 主 年 齢 階 級 別 に 実 態 を 把 握 する 消 費 生 活 相 談 にみる 保 険 の 実 態 について は 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センターに 情 報 公 開 を 求 めた 年 4 月 から 8 月 までの 全 国 消 費 生 活 相 談 からの 生 命 保 険 3,496 件 損 害 保 険 1,659 件 その 他 の 保 険 678 件 の 事 例 分 析 により 相 談 の 傾 向 を 具 体 的 に 見 出 し 保 険 法 に 関 連 する 事 例 も 検 討 する さらに 生 命 保 険 損 害 保 険 の 相 談 マニュアルなどにより 保 険 業 界 の 取 り 組 みを 知 り 保 険 業 界 保 険 会 社 消 費 者 自 身 それぞれにつき 今 後 の 方 向 への 検 討 をすすめる 3. 生 活 経 済 における 保 険 の 位 置 づけ (1) 生 活 経 済 における 保 険 かつて 家 庭 経 済 学 の 視 点 から 家 庭 の 構 成 員 である 家 族 および 財 産 の 存 在 を 傷 つけ 脅 かすなど 家 庭 経 済 に 不 利 益 をもたらす 可 能 性 とその 状 況 を 生 活 危 険 と 定 義 し 所 得 消 費 資 産 の 面 から 分 類 して 次 のようにとらえた 2 1) 所 得 の 喪 失 あるいは 減 少 をもたらす 危 険 稼 得 者 の 死 亡 疾 病 傷 害 失 業 高 齢 2) 消 費 の 拡 大 をもたらす 危 険 1 稼 得 者 および 家 族 の 死 亡 疾 病 傷 害 高 齢 2 稼 得 者 および 家 族 の 損 害 賠 償 責 任 3 消 費 財 (サービスを 含 む)の 契 約 トラブルあるいは 欠 陥 3) 金 融 資 産 の 減 少 をもたらす 危 険 1 金 融 資 産 の 投 資 リスク 2 金 融 資 産 の 契 約 トラブル 4) 実 物 資 産 の 減 少 をもたらす 危 険 1 実 物 資 産 の 投 資 リスク 2 実 物 資 産 の 契 約 トラブル このような 内 容 を 持 つ 生 活 危 険 は その 語 が 示 すように 生 活 の 場 において 発 生 するた め 一 定 の 生 活 水 準 を 保 ち 安 定 した 生 活 を 営 むことを 目 的 とする 家 庭 に 大 きな 影 響 を 及 ぼし 生 活 を 不 安 定 にする 保 険 は このような 生 活 における 危 険 の 多 くに 対 応 する 手 1 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 編 消 費 生 活 年 報 2010 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 2010 年 PP.38~39 2 馬 場 紀 子 磯 村 浩 子 家 庭 における 生 活 危 険 とその 対 応 家 庭 経 済 学 の 立 場 と 視 点 から 家 庭 経 済 学 No.5( 社 ) 日 本 家 政 学 会 家 庭 経 済 学 部 会 1992 年 PP.25~29

3 段 の 一 つである このような 視 点 で 検 討 を 進 めることとする (2) 生 活 経 済 における 保 険 の 保 有 利 用 生 活 経 済 における 保 険 の 位 置 の 一 端 を 貯 蓄 保 有 としての 保 険 および 家 計 収 支 にみる 保 険 取 金 ( 掛 け 捨 てでない 保 険 の 取 金 ) 保 険 掛 金 保 険 純 増 などで 示 す まず 図 表 1 世 帯 主 年 齢 階 級 別 貯 蓄 現 在 高 は 家 計 調 査 年 報 貯 蓄 負 債 編 により 二 人 以 上 の 世 帯 において 世 帯 主 の 年 齢 階 級 別 に 貯 蓄 性 生 命 保 険 など の 1 世 帯 当 たり 現 在 高 を 示 したものである 2009 年 には 全 世 帯 平 均 で 年 間 収 入 の 60%にあたる 貯 蓄 性 の< 生 命 保 険 など> 377 万 円 の 現 在 高 がみられ 50~59 歳 代 では 460 万 円 56% 60~ 69 歳 代 でも 489 万 円 89%にのぼっている 図 表 1 世 帯 主 年 齢 階 級 別 貯 蓄 現 在 高 出 典 : 家 計 調 査 年 報 貯 蓄 負 債 編 二 人 以 上 の 世 帯 第 8 表 世 帯 主 の 年 齢 階 級 別 貯 蓄 及 び 負 債 の 1 世 帯 当 たり 現 在 高 また 図 表 2の 勤 労 者 世 帯 の 年 平 均 1 か 月 あたりの 収 支 においても 40 歳 50 歳 代 に 占 める 保 険 掛 金 の 位 置 は 大 きく 40 歳 代 で 32,237 円 50 歳 代 で 34,697 円 にもなる 60 歳 代 以 降 における 保 険 取 金 の 位 置 も 60 歳 代 16,050 円 70 歳 代 12,023 円 と 大 きい 生 活 経 済 において 保 険 が 大 きな 位 置 を 占 める 実 態 の 一 例 を 示 している 図 表 2 世 帯 主 年 齢 階 級 別 保 険 取 金 保 険 掛 金 保 険 純 増 平 均 ~ 29 歳 30 ~ ~ ~ ~ 歳 ~ 保 険 取 金 4, ,071 3,709 16,050 12,023 個 人 企 業 年 金 保 険 取 金 2, ,931 10,506 他 の 保 険 取 金 2, ,912 3,107 3,119 1,518 保 険 掛 金 28,007 11,585 21,251 32,237 34,697 22,561 15,637 個 人 企 業 年 金 保 険 掛 金 3,529 1,192 2,652 4,481 4,769 1, 他 の 保 険 掛 金 24,478 10,393 18,599 27,756 29,927 21,221 15,457 保 険 純 増 23,637 11,499 20,649 29,166 30,988 6,511 3,614 個 人 企 業 年 金 保 険 純 増 1,431 1,169 2,499 4,322 4,168-11,591-10,325 他 の 保 険 純 増 22,206 10,330 18,150 24,843 26,820 18,102 13,939 実 収 入 518, , , , , , ,409 出 典 : 総 務 省 統 計 局 家 計 調 査 年 報 家 計 収 支 編 二 人 以 上 の 世 帯 第 3-2 表 世 帯 主 の 年 齢 階 級 別 1 世 帯 当 たり 1 か 月 間 の 収 入 と 支 出 勤 労 者 世 帯

4 4. 消 費 生 活 相 談 情 報 にみる 保 険 (1) 情 報 公 開 による 保 険 に 関 する 消 費 生 活 相 談 情 報 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター( 以 下 国 民 生 活 センターという)が 管 理 する 全 国 消 費 生 活 情 報 ネットワーク システム(Practical Living Information Online Network System;PIO-NET)における 保 険 の 相 談 は 毎 年 上 位 に 位 置 づけられる 最 近 でみると 商 品 役 務 別 にみて 生 命 保 険 は 2008 年 度 に8 位 で 13,511 件 (1.4%) 年 度 に 11 位 で 11,368 件 (1.3%) 損 害 保 険 は 2008 年 度 に 23 位 5,927 件 (0.6%)となっている 4 特 に 生 命 保 険 について 相 談 につながる 何 らかの 要 因 があるものとみられる そこで 保 険 法 が 施 行 された 時 期 に 何 らかの 変 化 がみられるのか あるいは 指 摘 される 問 題 の 継 続 が 認 められるのか 保 険 法 が 施 行 された 2010 年 4 月 から 8 月 まで 5 か 月 間 の 消 費 生 活 情 報 に つき 保 険 に 関 する 情 報 を 入 手 し その 分 析 を 試 みた 対 象 とした 消 費 生 活 相 談 情 報 は 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 に 関 する PIO-NET における 件 名 内 容 別 分 類 である その 件 数 は 図 表 3のとおりであった 併 せて 2010 年 度 の 同 条 件 による 件 数 を 掲 げる この 中 分 類 は 大 分 類 金 融 保 険 サービスに 含 まれる 図 表 3 対 象 となる 保 険 の 消 費 生 活 相 談 情 報 中 分 類 2010 年 4 月 ~8 月 ( 件 数 ) 2010 年 度 ( 件 数 ) 生 命 保 険 3,496 10,004 損 害 保 険 1,659 4,746 その 他 の 保 険 678 1,823 出 典 : 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センターPIO-NET における 全 国 の 消 費 生 活 相 談 情 報 そしてこの 保 険 に 関 する 相 談 情 報 を 相 談 内 容 によって 分 類 したものが 図 表 4であり 図 表 5は 同 じ 分 類 で 事 後 に 国 民 生 活 センターのウェブ 上 で 公 表 されているデータか ら 筆 者 が 作 成 した 2010 年 度 の 保 険 に 関 する 消 費 生 活 相 談 情 報 とその 内 容 分 類 を 示 したも のである ( 複 数 内 容 を 含 む) まず 情 報 公 開 を 受 けた 対 象 が 2010 年 度 で 集 計 したもの 比 較 し どのような 特 徴 があ るかを 見 る 相 談 内 容 の 多 い 順 に 内 容 を 並 べると 対 象 分 の 生 命 保 険 と その 他 の 保 険 では 1 契 約 解 約 2 販 売 方 法 3 接 客 対 応 4 価 格 料 金 5 法 規 基 準 という 順 序 であるのに 対 し 2010 年 度 分 も 同 じ 順 位 を 示 しており この 間 の 問 題 に 大 きな 変 化 は なさそうである 一 方 損 害 保 険 は 対 象 分 で 1 契 約 解 約 2 接 客 対 応 3 価 格 料 金 4 販 売 方 法 5 法 規 基 準 の 順 であるのに 対 し 2010 年 度 分 は 1 契 約 解 約 2 接 客 対 応 3 販 売 方 法 4 価 格 料 金 5 法 規 基 準 と 3 4の 順 が 逆 転 している し かしこの 件 数 は 近 似 しており ほぼ 同 等 の 問 題 を 持 つと 考 えられる こうしてみると 対 象 分 と 2010 年 度 分 では 大 きな 傾 向 の 変 化 は 認 められない 3 括 弧 内 は 全 体 の 中 での 割 合 4 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 編 消 費 生 活 年 報 2009 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 2009 年 pp.38~39 および 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 編 消 費 生 活 年 報 2010 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 セ ンター 2010 年 pp.38~39

5 図 表 4 保 険 種 類 別 相 談 内 容 (2010 年 4 月 ~8 月 ) 相 談 内 容 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 件 数 割 合 (%) 件 数 割 合 (%) 件 数 割 合 (%) 安 全 衛 生 品 質 機 能 役 務 品 質 法 規 基 準 価 格 料 金 計 量 品 目 表 示 広 告 販 売 方 法 契 約 解 約 , 接 客 対 応 包 装 容 器 施 設 設 備 件 数 3, , 出 典 : 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センターPIO-NET における 全 国 の 消 費 生 活 相 談 情 報 図 表 5 保 険 種 類 別 相 談 内 容 (2010 年 度 ) 相 談 内 容 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 件 数 割 合 (%) 件 数 割 合 (%) 件 数 割 合 (%) 安 全 衛 生 品 質 機 能 役 務 品 質 法 規 基 準 価 格 料 金 1, 計 量 品 目 表 示 広 告 販 売 方 法 3, 契 約 解 約 8, , , 接 客 対 応 2, , 包 装 容 器 施 設 設 備 件 数 10, , , 出 典 : 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センターPIO-NET における 全 国 の 消 費 生 活 相 談 情 報 図 表 6 保 険 種 類 別 相 談 傾 向 相 談 内 容 生 命 保 険 損 害 保 険 その 他 の 保 険 販 売 方 法 と 契 約 解 約 988(28.3) 217(13.1) 150(22.1) 接 客 対 応 と 契 約 解 約 751(21.5) 385(23.2) 134(19.8) 販 売 方 法 と 接 客 対 応 293(8.4) 82(4.9) 44(6.3) 販 売 方 法 と 接 客 対 応 と 契 約 解 約 291(6.6) 60(3.6) 34(4.9) 件 数 3,496(100.0) 1,659(100.0) 678(100.0) しかし 保 険 の 種 類 による 傾 向 では 生 命 保 険 その 他 の 保 険 と 損 害 保 険 の 間 では やや 違 いがみられる

6 生 命 保 険 その 他 の 保 険 では 契 約 解 約 に 次 いで 販 売 方 法 そして 接 客 対 応 に 相 談 の 重 点 があるが 損 害 保 険 は 契 約 解 約 に 次 いで 接 客 対 応 そして 価 格 料 金 と 販 売 方 法 に 相 談 の 重 点 があるようである これは 図 表 6の 結 果 からみても 同 様 である 重 複 する 項 目 の 状 況 を 見 ると 生 命 保 険 とその 他 の 保 険 には 販 売 方 法 から 契 約 を 問 題 にする 事 例 次 いで 接 客 対 応 から 契 約 を 問 題 にする 事 例 が 多 く 損 害 保 険 は 接 客 対 応 から 契 約 を 問 題 にする 事 例 が 多 い (2) 保 険 に 関 する 主 な 相 談 内 容 上 記 の 相 談 内 容 の 傾 向 より 各 種 保 険 の 相 談 内 容 の 特 色 を 示 す 例 を 掲 げる 生 命 保 険 母 が 4 年 前 銀 行 に 生 命 保 険 のようなものと 勧 められ 変 額 個 人 年 金 保 険 を 契 約 解 約 し ようとしたら 大 幅 に 目 減 り 納 得 いかない ( 販 売 方 法 契 約 解 約 ) 入 院 中 の 妻 が 契 約 する 養 老 保 険 給 付 金 を 申 請 し 他 社 は 3 週 間 後 に 支 払 われたのに 当 該 保 険 会 社 は 数 か 月 待 たしている ( 接 客 対 応 ) 損 害 保 険 夫 が 自 動 車 の 追 突 事 故 に 遭 い 相 手 の 過 失 割 合 が 100%なのに 相 手 の 損 保 会 社 が 医 療 費 等 を 出 さないといい 納 得 できない ( 接 客 対 応 ) 火 災 保 険 の 更 新 手 続 きをしようとしているが 新 しい 商 品 に 変 わったという 理 由 で 高 い 料 金 を 請 求 された こんなことがあり 得 るのか ( 価 格 料 金 販 売 方 法 契 約 解 約 ) その 他 の 保 険 身 に 覚 えのない 共 済 から 二 人 の 娘 あて 金 を 返 すから 返 送 して という 手 紙 が 届 いた 信 用 性 は? ( 販 売 方 法 ) 息 子 名 義 の 医 療 共 済 5 年 前 に 息 子 が 入 院 給 付 金 を 求 めた 所 給 付 対 象 か 否 かの 説 明 が 担 当 により 異 なった 根 拠 を 示 した 説 明 希 望 ( 契 約 解 約 接 客 対 応 ) 上 記 の 相 談 内 容 を 見 ると 件 名 に 示 された 範 囲 では 保 険 の 種 類 により 問 題 点 が 大 き く 異 なるのではなく 保 険 種 類 により 相 談 傾 向 の 状 況 に 違 いが 表 れているといえる 情 報 公 開 に 当 たって すべての 情 報 を 求 めておらず 詳 細 を 見 ることは 難 しいが 国 民 生 活 セ ンターが 公 表 する 資 料 を 参 考 に 保 険 関 連 相 談 の 傾 向 を 見 る (この 場 合 2008 年 度 まで と 2009 年 度 からでは 商 品 役 務 の 分 類 が 異 なるため 主 要 な 部 分 にとどめる ) 保 険 関 連 の 相 談 の 2004 年 から 2008 年 までの 件 数 の 推 移 をみると 生 命 保 険 は 2004 年 の 7,523 件 から 2007 年 の 15,458 件 まで 上 昇 し 2008 年 にやや 減 少 した 損 害 保 険 も 2004 年 の 3,155 件 から 2006 年 の 6,842 件 まで 上 昇 し 2007 年 2008 年 にやや 減 少 した 両 者 は 件 数 は 異 なるものの 類 似 した 推 移 を 見 せる 5 そして 2009 年 度 生 命 保 険 の 商 品 役 務 別 順 位 は 2008 年 度 の 8 位 から 11 位 へ 後 退 損 害 保 険 も 2008 年 度 の 23 位 から 25 位 以 下 に 後 退 し 両 者 とも 改 善 の 流 れが 示 されたようである また 相 談 の 特 徴 を 見 ると 2009 年 度 生 命 保 険 相 談 の 特 徴 は 相 談 者 は 男 女 ほぼ 半 数 契 約 当 事 者 は 40~70 歳 代 契 約 金 額 は 男 5 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 編 消 費 生 活 年 報 2009 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 2009 年 pp.38~39

7 性 505 万 円 女 性 402 万 円 キーワードは1 説 明 不 足 2 解 約 3 家 庭 訪 販 4 契 約 書 書 面 5クレーム 処 理 6 返 金 7 契 約 変 更 8 他 の 接 客 対 応 9 信 用 性 10 約 束 不 履 行 の 順 に 多 いとされ 特 に 保 険 会 社 の 説 明 不 足 や 解 約 クレームへの 対 応 などに 関 する 相 談 が 目 立 つ とされる 年 度 の 特 徴 もほぼ 同 様 であった 損 害 保 険 の 特 徴 について は 2008 年 度 相 談 者 は 男 女 ほぼ 半 数 契 約 当 事 者 は 30 歳 以 上 の 各 年 代 契 約 金 額 は 男 性 79 万 円 女 性 27 万 円 キーワードは1 説 明 不 足 2 補 償 3クレーム 処 理 4 解 約 5 他 の 接 客 対 応 6 返 金 7 契 約 書 書 面 8 信 用 性 9 約 束 不 履 行 10 契 約 更 新 の 順 に 多 いとされ 特 に 保 険 会 社 の 説 明 不 足 や 解 約 返 金 などに 関 する 相 談 が 目 立 つ とされ る 7 こうしてみると 対 象 事 例 でみるように 生 命 保 険 と 損 害 保 険 の 相 談 傾 向 は 同 様 の 内 容 を 持 つが その 時 点 の 業 界 状 況 により 異 なった 面 が 強 く 示 されるようである そ して 販 売 方 法 接 客 対 応 の 問 題 が 強 く 示 されるとともに 両 者 に 共 通 の 説 明 不 足 のキ ーワードが 問 題 として 浮 かび 上 がる (3) 保 険 法 に 関 連 する 相 談 内 容 保 険 法 の 施 行 を 契 機 に 保 険 に 関 する 相 談 の 実 態 把 握 を 目 的 としたが 施 行 から 5 か 月 間 で 直 ちに 結 果 が 表 れる 性 質 のものではない また 保 険 の 性 質 上 過 去 に 締 結 された 契 約 が 問 題 にされることが 多 く さらに 件 名 の 範 囲 で 分 かることは 少 ない 変 更 点 に 関 連 する 事 例 としてのみ 掲 げる イ) 適 用 範 囲 保 険 法 が 共 済 契 約 にも 適 用 されるようになった 医 療 共 済 に 加 入 後 体 調 を 壊 し 入 院 診 断 書 等 を 添 えて 書 類 申 請 したがなかなか 保 険 金 が 下 りない ロ) 契 約 締 結 とその 後 保 険 証 券 等 の 交 付 義 務 ( 保 険 契 約 の 説 明 と 認 知 ) 銀 行 員 に 勧 められ 定 期 預 金 の 満 期 金 を 豪 ドル 建 て 個 人 年 金 保 険 にしたが リスクの ある 商 品 とは 思 わなかったので 取 り 消 したい 告 知 義 務 自 主 的 な 申 告 義 務 から 告 知 を 求 めてきた 事 項 への 質 問 応 答 義 務 となった 医 療 保 険 に 加 入 した 治 療 中 であることを 告 知 しているにもかかわらず 告 知 義 務 違 反 で 保 険 金 支 給 を 拒 否 された ハ) 保 険 事 故 発 生 と 給 付 保 険 給 付 の 支 払 時 期 保 険 金 の 支 払 時 期 についての 規 定 を 新 設 入 院 中 の 妻 が 契 約 する 養 老 保 険 給 付 金 を 申 請 し 他 社 は 3 週 間 後 に 支 払 われたが 当 該 保 険 会 社 は 数 か 月 待 たせている 保 険 給 付 請 求 権 の 消 滅 時 効 改 正 前 の 2 年 から 3 年 に 変 更 された 父 が 生 命 保 険 を 掛 け 自 宅 の 金 庫 に 証 書 を 保 管 し 満 期 に 気 付 かず 放 置 していたもの が 出 てきた 保 険 金 を 出 してほしい 6 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 編 消 費 生 活 年 報 2010 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 2010 年 pp.38~39 7 注 5 の 同 掲 書

8 5. 保 険 契 約 と 消 費 者 事 業 者 消 費 者 は 生 活 の 中 で 多 くが 保 険 契 約 を 締 結 していながら 自 身 の 関 係 する 保 険 契 約 について 熟 知 しておらず 事 業 者 との 間 の 情 報 格 差 が 大 きい その 差 を 埋 める 保 険 契 約 ルールの 見 直 しは 理 解 を 促 すきっかけとなる 新 しい 保 険 法 によって 保 険 契 約 が 分 かり 易 いものとなり 保 険 業 法 金 融 商 品 販 売 法 金 融 商 品 取 引 法 消 費 者 契 約 法 とと もに トラブルを 減 少 させるルールが 整 ったといえよう 保 険 業 界 では 保 険 法 に 対 応 すべく 約 款 が 改 訂 されるとともに 生 命 保 険 では 約 款 のほかに ご 契 約 のしおり を 損 害 保 険 では 重 要 事 項 説 明 書 ( 契 約 概 要 注 意 喚 起 情 報 )などを 使 用 し 重 要 な 点 を 理 解 しやすくまとめ 提 示 しているとする さらには 保 険 法 を 基 に 保 険 商 品 の 複 雑 さや 特 約 が 整 理 され 各 保 険 商 品 の 共 通 点 相 違 点 が 比 較 しやすくなるとともに 生 命 保 険 の 営 業 職 員 損 害 保 険 の 代 理 店 など 募 集 人 が 説 明 力 を 高 めることが 求 められる それにより 消 費 者 が 少 しでも 保 険 に 対 して 理 解 を 深 めることが 期 待 されるが 消 費 者 自 身 も 生 活 の 中 での 保 険 の 役 割 を 理 解 し 生 活 設 計 の 中 に 保 険 商 品 を 位 置 づけ 主 体 的 に 契 約 をすることが 求 められる 6.まとめ 消 費 生 活 相 談 情 報 の 事 例 によれば 保 険 商 品 に 対 する 説 明 不 足 理 解 不 足 から 契 約 内 容 への 認 識 違 いが 生 じ 保 険 給 付 金 に 対 する 不 満 解 約 希 望 となる 保 険 募 集 人 保 険 会 社 の 対 応 への 不 満 にもつながるようだ 保 険 法 により 情 報 格 差 に 基 づく 契 約 者 被 保 険 者 保 険 給 付 受 取 人 への 保 護 が 打 ち 出 され 保 険 契 約 のルールが 整 備 され 理 解 しやすくなったとされるが この 機 会 に 複 雑 な 保 険 商 品 の 内 容 を 見 直 し 直 接 渡 される 保 険 約 款 その 他 の 関 連 書 面 を 整 理 し 分 かり 易 くし 十 分 な 説 明 が 受 けられるような システムづくりが 望 まれる 消 費 者 自 身 も 生 活 に 大 きな 位 置 を 占 める 保 険 契 約 にさらに 関 心 を 持 ち 基 本 的 な 知 識 を 身 につけ 主 体 的 に 必 要 に 応 じた 契 約 を 結 びたい なお 強 制 力 がある 強 行 規 定 片 面 強 行 規 定 に 反 するものは 保 険 法 で 無 効 となるが 保 険 法 の 任 意 規 定 と 異 なる 条 項 保 険 法 に 規 定 しない 条 項 については 消 費 者 契 約 法 の 適 用 を 受 ける 適 格 消 費 者 団 体 による 約 款 の 差 し 止 め 請 求 など 問 題 提 起 も 必 要 である ( 参 考 文 献 ) 落 合 誠 一 山 下 典 孝 編 新 しい 保 険 法 の 理 論 と 実 務 ( 別 冊 金 融 商 事 法 判 例 ) 2008 年 10 月 ( 株 ) 経 済 法 令 研 究 会 桜 井 健 一 坂 雄 一 郎 丹 野 美 絵 子 洞 澤 美 佳 保 険 法 ハンドブック 消 費 者 のための 保 険 法 解 説 2009 年 6 月 日 本 評 論 社 生 命 保 険 文 化 センター 生 命 保 険 相 談 マニュアル 2010 年 6 月 財 団 法 人 生 命 保 険 文 化 センター 社 団 法 人 日 本 損 害 保 険 協 会 そんぽ 相 談 ガイド 2010 年 12 月 社 団 法 人 日 本 損 害 保 険 協 会

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