費 についての 支 出 とは 認 められず 法 第 100 条 第 14 項 及 び 条 例 第 1 条 に 反 し 違 法 である カ 札 幌 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 7 月 11 日 判 決 ( 以 下 7 月 11 日 判 決 という )は 主 に 道 議 会 の 平 成 21

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1 住 民 監 査 請 求 監 査 結 果 第 1 監 査 の 請 求 1 請 求 人 札 幌 市 中 央 区 南 1 条 西 10 丁 目 タイムスビル3 階 札 幌 市 民 オンブズマン 代 表 太 田 賢 二 2 請 求 書 の 提 出 年 月 日 平 成 26 年 11 月 12 日 3 請 求 の 内 容 次 の(1) 及 び(2)は 本 件 住 民 監 査 請 求 を 要 約 したものである (1) 主 張 事 実 の 要 旨 ア 北 海 道 議 会 ( 以 下 道 議 会 という )における 各 会 派 及 び 各 議 員 に 対 しては 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 67 号 以 下 法 という ) 第 100 条 第 14 項 及 び 北 海 道 議 会 の 会 派 及 び 議 員 の 政 務 活 動 費 に 関 する 条 例 ( 平 成 13 年 北 海 道 条 例 第 41 号 以 下 条 例 という ) 第 1 条 に 基 づき 道 議 会 議 員 の 調 査 研 究 その 他 の 活 動 に 資 するため 必 要 な 経 費 の 一 部 として 政 務 活 動 費 を 交 付 することが 認 められている イ 道 議 会 において 年 度 ごとに 交 付 される 政 務 活 動 費 の 金 額 は 各 会 派 については 各 会 派 に 所 属 する 議 員 数 に10 万 円 を 乗 じた 額 である ウ 平 成 25 年 度 において 自 由 民 主 党 道 民 会 議 北 海 道 議 会 議 員 会 ( 以 下 自 民 党 道 民 会 議 という )は 自 由 民 主 党 北 海 道 支 部 連 合 会 ( 以 下 自 民 党 道 連 という )に 対 して 調 査 委 託 費 として 合 計 4,032 万 5,040 円 の 支 出 を 行 った エ 平 成 25 年 度 において 北 海 道 議 会 民 主 党 道 民 連 合 議 員 会 ( 以 下 民 主 党 道 民 連 合 とい う )は 民 主 党 北 海 道 総 支 部 連 合 会 ( 以 下 民 主 党 北 海 道 という )に 対 して 調 査 委 託 費 として 合 計 2,730 万 円 の 支 出 を 行 うとともに A 団 体 に 対 して 同 じく 調 査 委 託 費 と して 合 計 114 万 420 円 の 支 出 を 行 った オ 上 記 ウ 及 びエに 係 る 支 出 ( 以 下 本 件 支 出 という )については 領 収 書 等 添 付 票 の 使 途 項 目 の 欄 には 単 に 調 査 委 託 費 と 記 載 されているのみであり 具 体 的 にいかなる 使 途 に 用 いられたのか 全 く 判 然 とせず 真 に 議 員 の 調 査 研 究 その 他 の 活 動 に 資 するために 必 要 な 経 費 であったかどうか 明 らかでない むしろ 自 民 党 道 連 及 び 民 主 党 北 海 道 に 対 する 支 出 については 支 出 先 が 会 派 の 所 属 す る 政 党 の 支 部 であること 支 出 金 額 が1 箇 月 ごとにおおむね 一 定 額 であることなどに 照 ら すと 本 件 支 出 は 具 体 的 な 調 査 を 委 託 し その 対 価 として 支 出 されたものとは 認 定 しが たく 政 務 活 動 費 を 政 務 活 動 以 外 の 用 途 に 用 いるための 方 便 として 利 用 した 可 能 性 すらう かがわれる したがって 本 件 支 出 の 全 額 は 議 員 の 調 査 研 究 その 他 の 活 動 に 資 するため 必 要 な 経 - 1 -

2 費 についての 支 出 とは 認 められず 法 第 100 条 第 14 項 及 び 条 例 第 1 条 に 反 し 違 法 である カ 札 幌 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 7 月 11 日 判 決 ( 以 下 7 月 11 日 判 決 という )は 主 に 道 議 会 の 平 成 21 年 度 の 政 務 調 査 費 のうち 自 民 党 道 民 会 議 及 び 民 主 党 道 民 連 合 から 自 民 党 道 連 及 び 民 主 党 北 海 道 に 対 して 調 査 委 託 費 として 支 出 された 政 務 調 査 費 の 使 途 の 適 法 性 につ いて 判 断 した 判 決 である 自 民 党 道 民 会 議 及 び 民 主 党 道 民 連 合 が 自 民 党 道 連 及 び 民 主 党 北 海 道 に 対 し それぞれ 支 出 した 調 査 委 託 費 について 調 査 研 究 活 動 と 政 党 活 動 の 両 方 の 側 面 があるとして 現 実 の 支 出 額 のうち 政 務 調 査 費 を 充 てることが 許 される 支 出 額 は2 分 の1のみであり その 余 の 支 出 額 は 違 法 となるとの 判 断 が 下 された また 同 判 決 においては 民 主 党 道 民 連 合 からA 団 体 に 対 する 調 査 委 託 費 の 支 出 につい ては その 全 額 が 違 法 とされている キ 以 上 のような7 月 11 日 判 決 の 判 旨 を 平 成 25 年 度 政 務 活 動 費 の 支 出 についてあてはめる と 平 成 25 年 度 における 自 民 党 道 民 会 議 及 び 民 主 党 道 民 連 合 の 各 政 党 支 部 への 調 査 委 託 費 の 支 出 についても 少 なくともその2 分 の1は 違 法 となるものである また 民 主 党 道 民 連 合 からA 団 体 への 調 査 委 託 費 の 支 出 は その 全 額 が 違 法 となるもの である ク 道 議 会 作 成 の 政 務 活 動 費 の 手 引 ( 以 下 手 引 という )によれば 政 務 活 動 費 につ いても 政 党 活 動 に 支 出 されることは 許 されておらず 政 務 活 動 と 政 党 活 動 が 混 在 する 場 合 は 活 動 実 態 や 使 用 実 態 に 応 じた 合 理 的 割 合 での 按 分 が 必 要 とされている したがって 本 監 査 請 求 書 において 問 題 としている 政 務 活 動 費 からの 調 査 委 託 費 の 支 出 についても 少 なくとも2 分 の1は 違 法 とされなければならない (2) 措 置 内 容 北 海 道 が 道 議 会 の 各 会 派 及 び 各 議 員 に 対 し 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 26 年 3 月 31 日 ま での 間 に 支 給 した 政 務 活 動 費 のうち6,876 万 5,460 円 は 違 法 又 は 不 当 な 公 金 の 支 出 であるの で 北 海 道 知 事 に 対 し 北 海 道 が 行 ったかかる 違 法 不 当 な 支 出 により 被 った 損 害 につき 支 出 額 相 当 額 の 返 還 を 求 めるなど 損 害 を 填 補 するための 必 要 な 措 置 及 び 今 後 の 損 害 を 未 然 に 防 止 するための 条 例 改 正 等 の 措 置 を 講 ずるよう 勧 告 することを 求 める 第 2 監 査 委 員 の 除 斥 監 査 委 員 丸 岩 公 充 及 び 監 査 委 員 佐 々 木 恵 美 子 は 政 務 活 動 費 の 支 出 について 直 接 の 利 害 関 係 を 有 することから 法 第 199 条 の2の 規 定 により 除 斥 とした 第 3 請 求 の 要 件 審 査 本 件 住 民 監 査 請 求 においては 法 第 242 条 の 所 定 の 要 件 を 具 備 しているものと 認 め 平 成 26 年 11 月 20 日 付 けをもって これを 受 理 した - 2 -

3 第 4 監 査 の 実 施 1 監 査 対 象 事 項 平 成 25 年 度 における 自 民 党 道 民 会 議 及 び 民 主 党 道 民 連 合 の 政 務 活 動 費 のうち 調 査 研 究 費 ( 調 査 委 託 費 に 限 る )に 係 る 支 出 が 違 法 又 は 不 当 な 公 金 の 支 出 に 当 たるか 否 かを 監 査 の 対 象 とし た 2 監 査 対 象 部 局 道 議 会 事 務 局 3 請 求 人 の 陳 述 及 び 証 拠 の 提 出 (1) 法 第 242 条 第 6 項 の 規 定 に 基 づき 平 成 26 年 12 月 2 日 請 求 人 の 陳 述 を 実 施 した その 要 旨 は 次 のとおりであった ア 道 議 会 の 政 務 調 査 費 について 平 成 20 年 度 の 支 出 分 から 毎 年 住 民 監 査 請 求 を 行 ってきた 5 回 の 住 民 監 査 請 求 のうち 平 成 20 年 度 から 平 成 22 年 度 までの3 回 については いずれも 訴 訟 を 提 起 した イ 平 成 26 年 7 月 11 日 道 議 会 の 平 成 21 年 度 の 政 務 調 査 費 について 札 幌 地 方 裁 判 所 から 自 民 党 道 民 会 議 の 自 民 党 道 連 に 対 する 調 査 委 託 費 民 主 党 道 民 連 合 の 民 主 党 北 海 道 に 対 する 調 査 委 託 費 について いずれも2 分 の1を 超 える 部 分 については 違 法 であり 北 海 道 に 返 還 すべきであるという 判 断 が 下 された 理 由 は これらの 調 査 委 託 費 と 称 されるお 金 の 実 質 的 な 使 途 は 各 会 派 の 議 員 控 室 において 勤 務 する 職 員 の 人 件 費 であり これらの 職 員 が 行 ってきた 活 動 には 政 党 活 動 が 含 まれており 調 査 研 究 活 動 と 明 確 に 区 分 すること ができないためとされている そのため 手 引 に 記 載 された 基 準 にしたがって 2 分 の1 の 支 出 に 限 って 許 されるとしたものである 裁 判 上 にあらわれた 資 料 を 基 に 調 査 委 託 費 の 使 途 を 認 定 し 道 議 会 自 身 が 策 定 した 政 務 調 査 費 の 使 途 のルールに 従 った 判 断 を 下 したものであり 至 って 常 識 的 で 妥 当 な 判 断 を 下 したものである ウ 本 来 であれば 全 額 が 違 法 と 判 断 されるべきであるという 思 いは 変 わっていないが 少 な くとも 7 月 11 日 判 決 は これまで 監 査 請 求 において 全 額 が 適 法 と 判 断 された 支 出 につい て 一 定 の 限 界 があると 判 断 した 点 で 大 きな 意 義 がある エ 政 務 活 動 費 と 名 前 を 変 え 法 の 条 文 に 議 員 の 調 査 研 究 その 他 の 活 動 という6 文 字 を 付 け 加 えたことにより 従 来 に 比 べると 若 干 使 途 の 範 囲 が 広 くなると 解 釈 する 余 地 がある しかし 住 民 監 査 請 求 書 でも 詳 しく 述 べたが 政 務 活 動 と 政 党 活 動 が 混 在 する 場 合 は 按 分 しなければならず 平 成 25 年 度 の 政 務 活 動 費 について 平 成 21 年 度 の 政 務 調 査 費 と 同 様 の 使 い 方 をしているのであれば それは 7 月 11 日 判 決 に 照 らして 違 法 とな - 3 -

4 らざるを 得 ない オ 7 月 11 日 判 決 の 控 訴 審 ( 以 下 控 訴 審 という )において 被 告 北 海 道 知 事 は 滋 賀 県 議 会 の 自 民 党 会 派 が 自 民 党 滋 賀 県 連 に 対 して 政 務 調 査 費 から 調 査 委 託 費 を 支 出 したことに ついて 適 法 と 判 断 した 判 決 を 証 拠 として 提 出 し 道 議 会 の 支 出 も 適 法 と 主 張 している しかし 上 記 判 決 は 政 務 調 査 費 の 使 途 について はっきりとしたコンセンサスが 出 来 ていない 時 期 の 支 出 についての 判 断 であり 各 地 の 地 方 議 会 で 政 務 調 査 費 や 政 務 活 動 費 に ついての 使 途 基 準 やマニュアルが 作 成 され また 多 くの 司 法 判 断 によって 政 務 調 査 費 の 使 途 が 厳 しく 断 罪 されるようになった 今 日 現 在 においては 平 成 13 年 度 から 平 成 16 年 度 当 時 のような 調 査 委 託 費 の 支 出 をすることは 到 底 許 されない 滋 賀 県 議 会 でも 平 成 17 年 度 に 政 務 調 査 費 のしおり が 改 訂 され 政 務 調 査 費 の 実 費 支 出 の 原 則 や 按 分 支 出 の 原 則 が 定 められて 以 降 調 査 委 託 費 の 支 出 は 劇 的 に 減 っている カ また 仙 台 市 議 会 の 政 務 調 査 費 に 係 る 仙 台 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 11 月 27 日 判 決 では 道 議 会 と 同 様 会 派 の 議 員 控 室 で 勤 務 していた 職 員 の 人 件 費 が 争 点 の 一 つとされていたが 政 務 調 査 費 を 人 件 費 に 全 額 支 出 するには 調 査 研 究 への 専 従 性 が 必 要 であるとした 上 で これ らの 職 員 には 専 従 性 が 認 められないため 2 分 の1は 違 法 と 判 断 している キ 平 成 26 年 10 月 29 日 最 高 裁 判 所 は 岡 山 県 議 会 の 政 務 調 査 費 について 1 万 円 を 下 回 る 領 収 書 についても 全 て 証 拠 として 提 出 するよう 命 じる 決 定 を 下 しており 司 法 は 政 務 調 査 費 の 使 途 の 透 明 性 適 法 性 を 重 くみている ク 調 査 委 託 費 については 過 去 5 回 の 監 査 請 求 でも 問 題 としてきたところだが いずれも 棄 却 されている しかし 今 年 は これまでの 監 査 請 求 とは 異 なり 道 議 会 の 政 務 調 査 費 については 既 に 司 法 判 断 が 下 されている 司 法 の 判 断 の 潮 流 は 明 らかであり また 兵 庫 県 議 の 問 題 を 皮 切 りに 地 方 議 会 の 公 金 の 支 出 に 対 する 市 民 の 目 は いっそう 厳 しくなっている 監 査 委 員 だけが 判 断 について 及 び 腰 になることは その 重 たい 職 責 に 照 らして 決 して 許 されることではなく その 職 責 に 相 応 しい 適 切 な 判 断 を 今 年 こそ 下 していただきたい (2) 法 第 242 条 第 6 項 の 規 定 に 基 づく 請 求 人 からの 新 たな 証 拠 の 提 出 はなかった 4 実 地 監 査 平 成 26 年 12 月 5 日 道 議 会 事 務 局 に 対 し 政 務 活 動 費 に 係 る 支 出 事 務 等 について 実 地 監 査 を 実 施 し その 後 も 必 要 に 応 じ 調 査 を 行 った 5 監 査 対 象 部 局 からの 事 情 聴 取 平 成 26 年 12 月 15 日 及 び 同 月 25 日 監 査 対 象 部 局 である 道 議 会 事 務 局 から 請 求 人 が 違 法 又 は 不 当 な 支 出 と 主 張 する 事 項 に 対 する 見 解 等 について 聴 取 を 行 った その 主 な 内 容 は 次 の(1) 及 び (2)のとおりであった - 4 -

5 (1) 政 務 活 動 費 について ア 政 務 活 動 費 は 地 方 議 会 の 審 議 能 力 の 強 化 に 向 け 地 方 議 員 の 調 査 活 動 基 盤 の 充 実 を 図 るため 平 成 12 年 の 法 の 一 部 改 正 により 政 務 調 査 費 として 法 制 化 された その 後 全 国 都 道 府 県 議 会 議 長 会 ( 以 下 全 国 議 長 会 という )により 幅 広 い 議 員 活 動 又 は 会 派 活 動 に 充 てることができるよう 法 律 改 正 を 求 める 要 望 が 提 出 されたことなどから 平 成 24 年 9 月 に 政 務 調 査 費 を 政 務 活 動 費 に 改 める 法 の 一 部 改 正 がなされた イ この 改 正 により 交 付 の 趣 旨 が 議 会 の 議 員 の 調 査 研 究 その 他 の 活 動 に 資 するため と 改 められ 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 を 条 例 で 定 めることとされた 道 議 会 においては 全 国 議 長 会 が 示 した 政 務 活 動 費 の 交 付 に 関 する 条 例 ( 例 ) ( 以 下 交 付 条 例 ( 例 ) という ) 及 び 政 務 活 動 費 の 交 付 に 関 する 規 程 ( 例 ) を 参 考 として 平 成 24 年 第 4 回 定 例 道 議 会 において 条 例 を 改 正 し 交 付 の 対 象 となる 活 動 に 要 請 陳 情 等 活 動 費 が 明 記 されるなど 制 度 の 改 正 が 行 われた ウ 道 議 会 では 政 務 活 動 費 を 会 派 及 び 議 員 に 交 付 することとし 会 派 には 月 額 10 万 円 に 会 派 所 属 議 員 数 を 乗 じて 得 た 額 を 議 員 には 月 額 38 万 円 を それぞれ 毎 月 交 付 し 交 付 を 受 けた 会 派 及 び 議 員 は 年 度 終 了 後 30 日 以 内 に 収 支 報 告 書 を 道 議 会 議 長 に 提 出 し 残 余 があ る 場 合 はその 額 を 返 納 することとしている エ 条 例 の 制 定 に 併 せ 制 度 の 趣 旨 や 手 続 き 経 費 の 範 囲 等 を 盛 り 込 んだ 手 引 を 作 成 し 各 会 派 及 び 各 議 員 に 配 布 するとともに 道 議 会 事 務 局 において 随 時 説 明 を 行 い 制 度 内 容 等 について 周 知 に 努 めている オ 政 務 活 動 費 への 制 度 改 正 に 伴 い 調 査 委 託 費 や 事 務 所 費 等 に 係 る 契 約 書 等 を 収 支 報 告 書 に 併 せて 提 出 することとするなどの 改 正 が 行 われた なお 検 討 に 際 しては 全 国 議 長 会 事 務 局 から 示 されている 政 務 活 動 費 に 関 する 考 え 方 も 参 考 としている カ 北 海 道 議 会 の 会 派 及 び 議 員 の 政 務 活 動 費 に 関 する 規 程 ( 以 下 規 程 という ) 第 2 条 第 1 項 では 議 長 は 条 例 第 2 条 に 規 定 する 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 に 関 し 運 用 方 針 を 定 めるものとする とされていることから 道 議 会 では 政 務 活 動 費 の 経 費 の 範 囲 に 関 する 運 用 方 針 ( 以 下 運 用 方 針 という )を 定 めるとともに 手 引 に 収 支 報 告 書 領 収 書 等 の 写 し 等 ( 以 下 収 支 報 告 書 等 という )の 提 出 に 関 する 事 項 等 について 示 している 運 用 方 針 については 政 務 活 動 費 の 取 扱 いの 適 正 を 期 すため その 目 的 や 充 当 の 範 囲 按 分 の 考 え 方 等 について 全 般 的 に 示 すほか 政 務 活 動 費 の 項 目 ごとに 具 体 的 な 経 費 の 範 囲 等 について 必 要 な 事 項 が 定 められている 運 用 方 針 を 含 め 手 引 については 道 議 会 議 長 が 定 めるものであることから 会 派 及 び 議 員 が 政 務 活 動 費 を 執 行 する 上 での 判 断 基 準 と 考 えている キ 議 長 の 調 査 権 は 法 上 は 明 示 されていないが 全 国 議 長 会 が 政 務 調 査 費 の 交 付 に 関 する 条 例 等 の 標 準 例 を 作 成 した 際 に 都 道 府 県 が 支 出 する 経 費 については 予 算 の 適 正 な 執 行 の 観 点 から 一 般 的 には 知 事 の 調 査 検 査 の 権 限 が 及 ぶものであるが 議 員 の 政 治 活 動 の - 5 -

6 自 由 を 確 保 する 観 点 から 全 面 的 に 知 事 の 調 査 検 査 権 に 委 ねることは 適 当 でない 政 務 調 査 費 が 常 に 制 度 の 趣 旨 に 即 して 適 正 な 執 行 が 確 保 されるべきとの 観 点 に 立 って 議 長 に 対 し 必 要 に 応 じ 所 要 の 調 査 が 行 えるよう 条 例 において 定 めることが 適 当 との 考 え 方 が 示 されている 道 議 会 においても その 趣 旨 に 沿 って 条 例 第 10 条 に 道 議 会 議 長 の 調 査 権 を 規 定 し 政 務 活 動 費 に 改 正 した 後 も 同 様 としている 道 議 会 事 務 局 においては 道 議 会 議 長 の 調 査 を 補 佐 するため 道 議 会 議 長 に 提 出 された 収 支 報 告 書 等 について 収 支 や その 内 容 の 整 合 性 など 所 定 の 要 件 を 備 えているかどうかの 確 認 を 行 っている また 平 成 21 年 の 条 例 改 正 により 道 議 会 議 長 の 調 査 を 補 佐 するため 学 識 経 験 者 で 構 成 する 第 三 者 機 関 の 北 海 道 議 会 政 務 活 動 費 調 査 等 協 議 会 ( 以 下 協 議 会 という )が 設 置 され 平 成 25 年 度 の 政 務 活 動 費 に 係 る 収 支 報 告 書 等 について 弁 護 士 大 学 教 授 及 び 公 認 会 計 士 の3 名 の 委 員 によって 抽 出 調 査 が 実 施 されている その 後 規 程 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 道 議 会 議 長 から 知 事 に 対 して 収 支 報 告 書 等 の 写 しが 送 付 され 通 知 を 受 けた 知 事 は 当 該 通 知 に 基 づき 残 余 額 が 生 じた 議 員 及 び 会 派 に 対 して 返 納 を 求 めることになる ク 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 に 関 しては 条 例 第 2 条 第 2 項 により 会 派 に 係 る 政 務 活 動 費 については 別 表 第 1 議 員 に 係 る 政 務 活 動 費 については 別 表 第 2にお いて 規 定 されている 別 表 第 1においては 会 派 が 行 う 道 の 事 務 地 方 行 財 政 等 に 関 する 調 査 研 究 及 び 調 査 委 託 に 要 する 経 費 を 内 容 とする 調 査 研 究 費 などが また 別 表 第 2においては 議 員 が 行 う 活 動 のために 必 要 な 事 務 所 の 設 置 及 び 管 理 に 要 する 経 費 を 内 容 とする 事 務 所 費 議 員 が 行 う 活 動 を 補 助 する 職 員 を 雇 用 する 経 費 を 内 容 とする 人 件 費 などが それぞれ 政 務 活 動 の 経 費 の 項 目 として 定 められている ケ 政 務 活 動 とその 他 の 活 動 が 混 在 する 場 合 の 按 分 については 運 用 方 針 の 第 4において 会 派 及 び 議 員 の 活 動 は 政 務 活 動 と 政 党 活 動 又 は 後 援 会 活 動 等 が 混 在 する 場 合 もあるこ とから 活 動 実 態 や 使 用 実 態 に 応 じた 合 理 的 割 合 で 按 分 する ものとしており 例 えば 後 援 会 等 の 事 務 所 と 兼 ねている 場 合 の 事 務 所 の 賃 借 料 管 理 運 営 費 は 使 用 面 積 や 使 用 頻 度 により 按 分 することなど 費 目 ごとの 客 観 的 な 基 準 により 按 分 方 法 の 例 を 示 している また 活 動 の 実 態 により 明 確 に 区 分 することができない 場 合 は 例 えば 政 務 活 動 と 後 援 会 活 動 とが 混 在 するときは 2 分 の1までとするなどの 按 分 率 の 上 限 を 定 めている いずれにしても 議 員 の 活 動 の 内 容 は 議 員 個 々によって 異 なるため 按 分 比 率 は 議 員 が 活 動 実 態 に 応 じて 判 断 しており 一 律 的 な 整 理 になるものではない なお このことは 会 派 交 付 分 についても 同 様 と 考 えている コ 政 務 活 動 費 については 道 議 会 事 務 局 において 道 議 会 議 長 の 調 査 を 補 佐 するため 書 類 の 確 認 を 行 うとともに 第 三 者 機 関 である 協 議 会 の 委 員 によっても 抽 出 調 査 が 行 われて いる その 際 政 務 活 動 費 としての 計 上 に 疑 義 かし 又 は 運 用 方 針 とのかい 離 が 生 じてい る 場 合 は 当 該 議 員 からの 申 し 出 により 後 日 修 正 した 収 支 報 告 書 が 改 めて 提 出 され 道 議 会 議 長 において これを 受 理 している なお これまでの 措 置 例 の 主 なものとしては 資 料 購 入 費 や 事 務 費 について 計 上 誤 り - 6 -

7 などの 理 由 から 議 員 からの 申 し 出 により 修 正 した 収 支 報 告 書 が 提 出 され 新 たに 生 じ た 残 余 額 の 返 納 が 行 われた 事 例 があった (2) 請 求 人 の 主 張 に 対 する 見 解 等 について ア 自 民 党 道 民 会 議 の 自 民 党 道 連 に 対 する 支 出 について (ア) 法 では 政 務 活 動 費 の 交 付 の 対 象 額 及 び 交 付 の 方 法 については 各 自 治 体 が 条 例 で 定 めることとされており 収 支 報 告 書 の 様 式 記 載 方 法 添 付 書 類 等 についても 各 議 会 の 裁 量 にゆだねられている 条 例 に 定 める 収 支 報 告 書 の 様 式 記 載 方 法 等 は 全 国 議 長 会 が 平 成 24 年 に 示 した 交 付 条 例 ( 例 )に 準 拠 したもので 他 府 県 と 同 様 の 標 準 的 な 取 扱 いとなっている また 道 議 会 においては 平 成 22 年 度 からは 業 務 委 託 調 査 を 行 っ たときなどは 政 務 調 査 活 動 の 内 容 を 記 録 した 活 動 記 録 簿 の 添 付 を 義 務 付 けており 政 務 活 動 費 においても 同 様 の 取 扱 いとしている (イ) 自 民 党 道 民 会 議 の 自 民 党 道 連 に 対 する 支 出 については 会 派 が 行 う 道 の 事 務 地 方 行 財 政 等 に 関 する 調 査 研 究 及 び 調 査 委 託 に 要 する 経 費 として 条 例 で 定 める 収 支 報 告 書 の 様 式 に 基 づき 記 載 され 必 要 な 書 類 が 添 付 されている (ウ) 前 記 支 出 については 活 動 記 録 簿 において 委 託 業 務 の 内 容 や 自 民 党 道 連 による 使 途 の 区 分 が 記 載 されている さらに 自 民 党 道 民 会 議 に 聴 取 したところ 道 政 に 関 する 市 町 村 や 各 種 団 体 の 要 望 等 を 取 りまとめ 道 政 に 反 映 させることなどを 目 的 として 会 派 の 様 々な 政 務 活 動 に 要 す る 業 務 について 専 門 的 なノウハウを 有 し また 会 派 の 目 指 す 道 政 の 方 向 性 を 熟 知 し ている 自 民 党 道 連 に 委 託 したものであり 会 派 の 政 務 活 動 のために 必 要 な 経 費 であると の 説 明 を 受 けている また 委 託 契 約 に 基 づき 自 民 党 道 連 の 職 員 は 過 去 の 定 例 会 における 議 会 議 論 の 分 析 執 行 機 関 に 対 する 照 会 や 説 明 の 聴 取 将 来 において 議 会 議 論 が 想 定 される 事 案 に 係 る 情 報 収 集 や 資 料 の 整 理 など 一 年 を 通 じて 日 常 的 な 連 絡 調 整 の 業 務 に 従 事 していたほ か 代 表 質 問 や 意 見 書 の 作 成 補 助 移 動 政 調 会 団 体 政 策 懇 談 会 定 例 懇 談 会 の 開 催 準 備 業 務 会 派 のホームページの 運 営 管 理 等 の 業 務 に 従 事 していたと 会 派 から 説 明 を 受 けている (エ) 平 成 21 年 度 の 政 務 調 査 費 については 平 成 26 年 7 月 11 日 に 札 幌 地 方 裁 判 所 から 判 決 が 言 い 渡 され 被 告 である 北 海 道 知 事 は この 判 決 を 不 服 として 同 月 24 日 付 けで 札 幌 高 等 裁 判 所 に 控 訴 し 現 在 審 理 が 進 められている 控 訴 理 由 として 自 民 党 道 民 会 議 は 政 務 調 査 業 務 そのものを 委 託 したものであって 委 託 先 である 自 民 党 道 連 が 受 託 業 務 を 処 理 する 過 程 において 受 託 業 務 自 体 に 政 務 調 査 活 動 以 外 の 活 動 が 混 在 する 余 地 は 全 く なく 按 分 の 問 題 が 生 ずることもないと 主 張 している また 北 海 道 知 事 からの 控 訴 に 伴 い 補 助 参 加 人 である 自 民 党 道 民 会 議 の 訴 訟 代 理 人 からも 受 託 者 が 政 党 支 部 であることをもって 委 託 業 務 の 内 容 が 政 党 活 動 に 転 化 した - 7 -

8 り 政 党 活 動 が 混 在 したりすることはなく 判 決 が 按 分 の 根 拠 として 指 摘 した 業 務 を 政 党 活 動 と 評 価 することがそもそも 不 当 であり 政 党 活 動 が 混 在 する 余 地 はないなどの 主 張 をしている なお 平 成 20 年 度 の 政 務 調 査 費 に 関 し 札 幌 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 4 月 23 日 判 決 におい ては 人 件 費 に 関 し 専 ら 政 務 調 査 活 動 に 従 事 することも 考 えられることから 政 務 調 査 費 全 額 を 計 上 することが 認 められる 旨 判 示 されている 控 訴 審 におけるこれらの 主 張 等 にかんがみ 平 成 25 年 度 の 調 査 委 託 についても 控 訴 審 における 主 張 と 同 様 に 政 務 活 動 以 外 の 活 動 が 混 在 していないことから 按 分 の 問 題 が 生 じないものと 考 えている (オ) 平 成 21 年 度 と 平 成 25 年 度 の 委 託 業 務 は 両 年 度 とも 自 民 党 道 民 会 議 が 自 民 党 道 連 に 道 政 調 査 に 係 る 事 務 等 補 助 業 務 を 委 託 することを 内 容 とした 契 約 であり 契 約 形 態 や 内 容 に 大 きな 変 更 はないものと 承 知 している 平 成 21 年 度 に 支 出 した 政 務 調 査 費 に 関 して 札 幌 地 裁 では 訴 訟 代 理 人 から 北 海 道 出 納 局 が 示 している 調 査 研 究 業 務 委 託 料 積 算 基 準 に 基 づき 委 託 金 額 を 試 算 し 実 際 の 調 査 委 託 費 が 不 当 に 高 額 ではないことを 主 張 しており 平 成 25 年 度 においても 同 様 の 状 況 にあることから 試 算 による 委 託 金 額 が 実 際 の 調 査 委 託 費 を 上 回 っていると 考 えて いる (カ) 会 派 から 党 支 部 に 対 する 委 託 費 に 政 務 活 動 費 を 充 当 することは 大 阪 高 等 裁 判 所 平 成 23 年 9 月 30 日 判 決 においても 認 められている (キ) 仙 台 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 11 月 27 日 判 決 においては 仙 台 市 議 会 における 会 派 控 室 の 常 勤 職 員 が 電 話 来 客 の 対 応 取 次 ぎ 等 の 業 務 に 従 事 したことが 認 められているが 政 務 調 査 活 動 に 従 事 した 業 務 の 内 容 については 判 決 文 に 記 載 されていない 一 方 で 7 月 11 日 判 決 においては 委 託 業 務 に 従 事 している 自 民 党 道 連 の 職 員 が 道 議 会 庁 舎 において 支 援 者 や 後 援 会 マスメディアへの 対 応 の 事 実 は 認 められないと 判 示 されている 道 議 会 の 会 派 における 電 話 来 客 対 応 取 次 ぎ 等 の 業 務 は 道 議 会 事 務 局 が 任 用 する 非 常 勤 職 員 が 対 応 していることから 前 記 仙 台 地 方 裁 判 所 の 判 決 内 容 が 当 てはまるもの ではないと 考 えている イ 民 主 党 道 民 連 合 の 民 主 党 北 海 道 に 対 する 支 出 について (ア) 民 主 党 道 民 連 合 の 民 主 党 北 海 道 に 対 する 支 出 について 民 主 党 道 民 連 合 に 聴 取 したと ころ 道 政 に 関 する 市 町 村 や 各 種 団 体 の 要 望 等 を 取 りまとめ 道 政 に 反 映 させることな どを 目 的 として 会 派 の 様 々な 政 務 活 動 に 要 する 業 務 について 専 門 的 なノウハウを 有 し また 会 派 の 目 指 す 道 政 の 方 向 性 を 熟 知 している 民 主 党 北 海 道 に 委 託 したものであ り 会 派 の 政 務 活 動 のために 必 要 な 経 費 であるとの 説 明 を 受 けている また 委 託 契 約 に 基 づき 民 主 党 北 海 道 の 職 員 は 会 派 の 政 務 活 動 に 関 わる 様 々な 業 務 に 従 事 しているが 自 民 党 道 連 の 職 員 と 同 様 に 過 去 の 定 例 会 における 議 会 議 論 の 分 析 執 行 機 関 に 対 する 照 会 や 説 明 の 聴 取 将 来 において 議 会 議 論 が 想 定 される 事 案 に 係 る 情 報 収 集 や 資 料 の 整 理 など 一 年 を 通 じて 日 常 的 な 連 絡 調 整 の 業 務 に 従 事 していたほ - 8 -

9 か 代 表 質 問 や 意 見 書 の 作 成 補 助 道 政 懇 話 会 の 開 催 準 備 業 務 道 議 会 活 動 の 報 告 の 作 成 などの 業 務 に 従 事 していたと 会 派 から 説 明 を 受 けている (イ) 道 議 会 事 務 局 では 収 支 報 告 書 が 提 出 された 際 に 活 動 記 録 簿 等 について 記 載 内 容 の 整 合 性 や 所 定 の 要 件 を 備 えているかなどの 確 認 を 行 っており 前 記 支 出 に 係 る 収 支 報 告 書 は 条 例 で 定 める 様 式 に 基 づき 記 載 されている (ウ) 平 成 21 年 度 の 政 務 調 査 費 については 控 訴 審 において 知 事 及 び 補 助 参 加 人 が 自 民 党 道 民 会 議 と 同 様 の 主 張 を 行 っており 平 成 25 年 度 においても 政 務 活 動 以 外 の 活 動 が 混 在 していないことから 按 分 の 問 題 が 生 じないものと 考 えている (エ) 平 成 21 年 度 と 平 成 25 年 度 の 委 託 業 務 は 両 年 度 とも 民 主 党 道 民 連 合 が 民 主 党 北 海 道 に 道 政 調 査 に 係 る 事 務 等 補 助 業 務 を 委 託 することを 内 容 とした 契 約 であり 契 約 形 態 や 内 容 に 大 きな 変 更 はないものと 承 知 している 平 成 21 年 度 に 支 出 した 政 務 調 査 費 に 関 して 札 幌 地 裁 では 訴 訟 代 理 人 から 北 海 道 出 納 局 が 示 している 調 査 研 究 業 務 委 託 料 積 算 基 準 に 基 づき 委 託 金 額 を 試 算 し 実 際 の 調 査 委 託 費 が 不 当 に 高 額 ではないことを 主 張 しており 平 成 25 年 度 においても 同 様 の 状 況 にあることから 試 算 による 委 託 金 額 が 実 際 の 調 査 委 託 費 を 上 回 っていると 考 えて いる (オ) 仙 台 地 方 裁 判 所 平 成 26 年 11 月 27 日 判 決 においては 仙 台 市 議 会 における 会 派 控 室 の 常 勤 職 員 が 電 話 来 客 の 対 応 取 次 ぎ 等 の 業 務 に 従 事 したことが 認 められているが 政 務 調 査 活 動 に 従 事 した 業 務 の 内 容 については 判 決 文 に 記 載 されていない 一 方 で 7 月 11 日 判 決 においては 委 託 業 務 に 従 事 している 民 主 党 北 海 道 の 職 員 が 道 議 会 庁 舎 において 支 援 者 や 後 援 会 マスメディアへの 対 応 の 事 実 は 認 められないと 判 示 されている 道 議 会 の 会 派 における 電 話 来 客 対 応 取 次 ぎ 等 の 業 務 は 道 議 会 事 務 局 が 任 用 する 非 常 勤 職 員 が 対 応 していることから 前 記 仙 台 地 方 裁 判 所 の 判 決 内 容 が 当 てはまるものでは ないと 考 えている ウ 民 主 党 道 民 連 合 のA 団 体 に 対 する 支 出 について (ア) 民 主 党 道 民 連 合 のA 団 体 に 対 する 支 出 について 民 主 党 道 民 連 合 に 聴 取 したところ 雇 用 対 策 や 地 域 医 療 原 発 エネルギー 政 策 等 道 政 に 関 する 代 表 質 問 や 意 見 書 の 文 案 を 作 成 する 際 などに 参 考 とする 政 策 課 題 に 関 する 資 料 や 情 報 の 提 供 等 のための 委 託 である との 説 明 を 受 けている (イ) 道 議 会 事 務 局 においては 収 支 報 告 書 の 活 動 記 録 簿 等 について 記 載 内 容 の 整 合 性 な ど 所 定 の 要 件 を 備 えているかどうかの 確 認 を 行 っており 前 記 支 出 に 係 る 収 支 報 告 書 は 条 例 で 定 める 様 式 に 基 づき 記 載 されている (ウ) 7 月 11 日 判 決 では 平 成 21 年 度 において A 団 体 から 代 表 質 問 や 意 見 書 の 文 案 を 作 成 する 際 などに 政 策 課 題 に 関 する 資 料 や 情 報 の 提 供 を 受 けていたことが 認 められている しかしながら 平 成 20 年 度 以 前 においても 同 様 の 情 報 提 供 を 受 けているにもかかわ らず 平 成 19 年 度 及 び 平 成 20 年 度 においては 政 務 調 査 費 から 調 査 委 託 費 を 支 出 してい - 9 -

10 なかったことから A 団 体 による 資 料 や 情 報 の 提 供 は 対 価 の 支 払 いを 必 須 とするもので はないと 判 示 されている (エ) 控 訴 審 においては 平 成 18 年 度 から 平 成 20 年 度 においても A 団 体 による 資 料 や 情 報 の 提 供 に 対 する 対 価 の 支 払 いが 存 在 していたことから 平 成 21 年 度 における 支 出 が 適 法 であることを 民 主 党 道 民 連 合 の 訴 訟 代 理 人 から 主 張 している (オ) 平 成 25 年 度 においても 平 成 21 年 度 の 委 託 と 同 様 A 団 体 からの 資 料 や 情 報 の 提 供 に 対 する 対 価 が 支 払 われており 控 訴 審 における 主 張 と 同 様 であると 考 えている (カ) A 団 体 への 支 出 については 会 派 から 契 約 書 の 写 しが 提 出 されたほか この 度 の 住 民 監 査 請 求 の 際 に 代 表 質 問 や 意 見 書 等 を 作 成 するための 基 礎 資 料 として A 団 体 から 各 定 例 会 前 に 提 供 された 資 料 等 が 成 果 物 として 会 派 から 提 出 されている なお 平 成 21 年 度 の 調 査 委 託 の 成 果 物 については 民 主 党 道 民 連 合 の 訴 訟 代 理 人 から 訴 訟 の 過 程 で 裁 判 所 へ 提 出 している エ 全 体 について (ア) 政 務 活 動 費 については 条 例 規 程 運 用 方 針 などにより 制 度 内 容 が 具 体 的 に 示 さ れており 併 せて 調 査 委 託 費 として 交 付 されていた 平 成 22 年 度 からは 収 支 報 告 書 と ともに 全 ての 領 収 書 等 の 写 しや 政 務 活 動 の 内 容 を 記 載 した 活 動 記 録 簿 などの 添 付 書 類 の 提 出 が 義 務 付 けられている また 制 度 内 容 や 経 費 の 範 囲 等 についても 必 要 の 都 度 各 会 派 及 び 各 議 員 に 対 して その 周 知 を 図 ってきている (イ) 道 議 会 議 長 に 提 出 された 収 支 報 告 書 及 び 添 付 書 類 については 道 議 会 事 務 局 において 収 支 及 びその 内 容 の 整 合 性 など 所 定 の 要 件 を 備 えているかどうかの 確 認 を 行 うととも に 協 議 会 において 執 行 内 容 の 調 査 を 行 っており 現 行 制 度 の 趣 旨 に 沿 って 適 正 に 処 理 されているものと 考 えている 第 5 監 査 の 結 果 本 件 住 民 監 査 請 求 については 次 のとおり 決 定 した 本 請 求 は これを 棄 却 する 以 下 事 実 関 係 の 確 認 判 断 及 び 意 見 について 述 べる 1 事 実 関 係 の 確 認 (1) 政 務 活 動 費 の 制 度 等 について ア 法 令 の 定 めについて 政 務 活 動 費 は 地 方 議 会 の 活 性 化 を 図 る 趣 旨 から 議 員 の 調 査 活 動 の 基 盤 を 強 化 するな どの 目 的 のため 政 務 調 査 費 として 平 成 12 年 度 に 制 度 化 されたもので 平 成 24 年 9 月 の 法 改 正 により 政 務 活 動 費 へ 制 度 が 改 められた 政 務 活 動 費 は 法 第 100 条 第 14 項 にその 根 拠 を 有 し 同 項 では 交 付 の 対 象 額 及 び 交 付

11 の 方 法 並 びに 当 該 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 は 条 例 で 定 めなければな らない と 規 定 し 同 条 第 15 項 では 条 例 の 定 めるところにより 当 該 政 務 活 動 費 に 係 る 収 入 及 び 支 出 の 報 告 書 を 議 長 に 提 出 するものとする と 規 定 している イ 条 例 及 び 規 程 の 定 めについて 北 海 道 では 法 第 100 条 第 14 項 及 び 第 15 項 に 基 づく 条 例 及 び 規 程 において 次 のとおり 交 付 対 象 等 について 定 めている (ア) 交 付 対 象 について 条 例 第 3 条 において 会 派 及 び 議 員 の 職 にある 者 に 対 し 交 付 する と 定 めている (イ) 交 付 する 額 について 条 例 第 4 条 第 1 項 において 月 額 10 万 円 に 当 該 会 派 の 所 属 議 員 の 数 を 乗 じて 得 た 額 を 会 派 に 対 し 交 付 する と 定 め 同 条 第 2 項 において 所 属 議 員 の 数 は 月 の 初 日 にお ける 各 会 派 の 所 属 議 員 数 による と 定 めている (ウ) 収 支 報 告 書 及 び 添 付 書 類 の 提 出 について 条 例 第 9 条 第 1 項 において 会 派 の 代 表 者 及 び 議 員 は それぞれ 年 度 終 了 日 の 翌 日 か ら 起 算 して30 日 以 内 に 道 議 会 議 長 に 収 支 報 告 書 を 提 出 しなければならないとし 同 条 第 4 項 において 収 支 報 告 書 を 提 出 する 場 合 は すべての 支 出 について 領 収 書 等 の 写 しを 添 付 しなければならないと 定 めている (エ) 議 長 の 調 査 等 について 条 例 第 10 条 において 道 議 会 議 長 は 政 務 活 動 費 の 適 正 な 運 用 を 期 するため 収 支 報 告 書 等 に 関 し 必 要 な 調 査 を 行 うものとし 当 該 調 査 の 遂 行 を 補 佐 させるため 道 議 会 議 長 が 指 名 する3 名 以 内 の 学 識 経 験 を 有 する 者 をもって 構 成 する 協 議 会 を 置 き 当 該 協 議 会 に 必 要 な 調 査 等 を 行 わせることができると 定 めている また 規 程 第 7 条 において 道 議 会 議 長 は 収 支 報 告 書 等 の 確 認 を 行 うとともに 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 に 従 い 使 用 されているかについて 調 査 等 を 行 うと 定 めている (オ) 政 務 活 動 費 の 返 納 について 条 例 第 11 条 において 会 派 の 代 表 者 又 は 議 員 は その 年 度 において 交 付 を 受 けた 政 務 活 動 費 の 総 額 から 当 該 会 派 又 は 議 員 がその 年 度 において 行 った 政 務 活 動 費 による 支 出 ( 第 2 条 に 規 定 する 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 に 従 って 行 った 支 出 を いう )の 総 額 を 控 除 して 残 余 がある 場 合 当 該 残 余 の 額 に 相 当 する 額 の 政 務 活 動 費 を 返 納 しなければならない と 定 めている (カ) 証 拠 書 類 等 の 整 理 保 管 等 について 規 程 第 8 条 において 会 派 の 政 務 活 動 費 経 理 責 任 者 及 び 議 員 は 政 務 活 動 費 の 支 出 に ついて 会 計 帳 簿 を 調 製 し その 内 訳 を 明 確 にするとともに 証 拠 書 類 等 を 整 理 保 管 し これらの 書 類 を 当 該 政 務 活 動 費 の 収 支 報 告 書 の 提 出 期 間 の 末 日 の 翌 日 から 起 算 して5 年 を 経 過 する 日 まで 保 存 しなければならない と 定 めている

12 ウ 運 用 方 針 手 引 について 規 程 第 2 条 第 1 項 において 議 長 は 条 例 第 2 条 に 規 定 する 政 務 活 動 費 を 充 てることが できる 経 費 に 関 し 運 用 方 針 を 定 めるものとする と 定 め 道 議 会 議 長 においては 政 務 活 動 費 の 取 扱 いの 適 正 を 期 するため 運 用 方 針 として 経 費 の 範 囲 の 取 扱 い 等 について 必 要 な 事 項 を 定 めている 道 議 会 議 長 は 政 務 活 動 費 の 概 要 具 体 的 な 経 費 の 範 囲 等 を 定 めた 運 用 方 針 交 付 の 手 続 き 等 をまとめた 手 引 を 定 め 会 派 及 び 議 員 に 対 して 周 知 を 図 っている また 平 成 25 年 3 月 には 議 会 改 革 等 検 討 協 議 会 において 通 算 6 回 にわたる 検 討 を 行 った 上 で 運 用 方 針 等 の 改 正 を 行 っている (2) 調 査 委 託 費 として 充 当 できる 経 費 の 範 囲 等 について ア 政 務 活 動 費 を 充 当 できる 経 費 について 条 例 第 2 条 第 1 項 において 政 務 活 動 費 は 会 派 及 び 議 員 が 実 施 する 調 査 研 究 研 修 広 聴 広 報 要 請 陳 情 住 民 相 談 各 種 会 議 への 参 加 等 道 政 の 課 題 及 び 道 民 の 意 思 を 把 握 し 道 政 に 反 映 させる 活 動 その 他 の 住 民 福 祉 の 増 進 を 図 るために 必 要 な 活 動 ( 以 下 政 務 活 動 という )に 要 する 経 費 に 対 して 交 付 する と 定 め 同 条 第 2 項 において 政 務 活 動 費 は 会 派 にあっては 別 表 第 1に 議 員 にあっては 別 表 第 2に 定 める 政 務 活 動 に 要 する 経 費 に 充 てることができるものとする と 定 めている イ 経 費 の 範 囲 について 条 例 別 表 第 1において 会 派 が 充 てることができる 経 費 として 調 査 研 究 費 は 会 派 が 行 う 道 の 事 務 地 方 行 財 政 等 に 関 する 調 査 研 究 及 び 調 査 委 託 に 要 する 費 用 と 定 めて いる なお 道 の 事 務 地 方 行 財 政 等 には 国 政 に 関 する 事 項 も 含 まれている ウ 経 費 の 範 囲 の 取 扱 いについて 運 用 方 針 では 経 費 の 範 囲 の 取 扱 いとして 調 査 委 託 費 については 業 務 委 託 を 行 っ た 場 合 は 活 動 記 録 を 整 理 するものとし 契 約 書 成 果 物 などにより 実 績 確 認 する とさ れている エ 按 分 による 充 当 運 用 方 針 では 会 派 及 び 議 員 の 活 動 は 政 務 活 動 と 政 党 活 動 又 は 後 援 会 活 動 等 が 混 在 す る 場 合 もあることから 会 派 及 び 議 員 が 政 務 活 動 費 を 充 当 するに 当 たっては 活 動 実 態 や 使 用 実 態 に 応 じた 合 理 的 割 合 で 按 分 するものとする ただし 合 理 的 に 区 分 することが 困 難 な 場 合 は 活 動 等 の 実 態 を 踏 まえ 別 に 掲 げる 按 分 率 を 上 限 として 適 切 に 按 分 するもの とする と 定 めている (3) 道 議 会 の 取 組 みについて ア 道 議 会 事 務 局 による 調 査 について 条 例 第 9 条 の 規 定 により 道 議 会 議 長 に 提 出 された 収 支 報 告 書 等 については 道 議 会 議 長

13 の 調 査 を 補 佐 するため 道 議 会 事 務 局 において 収 支 及 びその 内 容 の 整 合 性 など 所 定 の 要 件 を 備 えているかどうかの 確 認 を 行 っている その 後 規 程 第 6 条 の 規 定 により 道 議 会 議 長 から 知 事 へ 収 支 報 告 書 等 の 写 しが 送 付 されている イ 協 議 会 による 調 査 等 について 条 例 第 10 条 の 規 定 により 収 支 報 告 書 等 に 関 する 道 議 会 議 長 の 調 査 を 補 佐 させるため 弁 護 士 大 学 教 授 及 び 公 認 会 計 士 の3 名 の 学 識 経 験 者 で 構 成 する 協 議 会 を 設 置 している 平 成 25 年 度 支 出 分 については 3 名 の 委 員 が 2 回 一 定 期 間 それぞれ 抽 出 調 査 を 実 施 し その 都 度 協 議 会 で 協 議 の 上 その 調 査 結 果 を 道 議 会 議 長 に 対 し 報 告 している なお 平 成 25 年 度 における 運 用 方 針 を 含 めた 手 引 の 改 正 では 協 議 会 からの 助 言 を 参 考 として 調 査 委 託 費 や 人 件 費 等 に 係 る 契 約 書 を 関 係 帳 票 として 道 議 会 議 長 に 提 出 するこ ととされた (4) 平 成 25 年 度 における 政 務 活 動 費 の 交 付 及 び 返 納 について 平 成 25 年 度 の 政 務 活 動 費 の 交 付 額 については 条 例 に 基 づき 各 会 派 及 び 各 議 員 に 対 して 総 額 で5 億 7,600 万 円 を 支 出 し 2,629 万 1,456 円 が 返 納 されている このうち 自 民 党 道 民 会 議 には5,760 万 円 が 民 主 党 道 民 連 合 には4,560 万 円 が 支 出 され 民 主 党 道 民 連 合 から 残 余 額 129 万 2,050 円 が 返 納 されている (5) 監 査 請 求 の 対 象 となる 支 出 について ア 自 民 党 道 連 への 委 託 について 自 民 党 道 民 会 議 と 自 民 党 道 連 は 平 成 25 年 4 月 1 日 付 けで 政 務 調 査 業 務 委 託 契 約 を 締 結 した この 契 約 に 基 づき 自 民 党 道 民 会 議 は 自 民 党 道 連 に 対 し 毎 月 調 査 委 託 費 を 支 出 しており 当 該 年 度 の 支 出 額 の 合 計 は4,032 万 5,040 円 である イ 民 主 党 北 海 道 への 委 託 について 民 主 党 道 民 連 合 と 民 主 党 北 海 道 は 平 成 25 年 4 月 1 日 付 けで 政 務 調 査 業 務 委 託 契 約 を 締 結 した この 契 約 に 基 づき 民 主 党 道 民 連 合 は 民 主 党 北 海 道 に 対 し 毎 月 調 査 委 託 費 を 支 出 しており 当 該 年 度 の 支 出 額 の 合 計 は2,730 万 円 である ウ A 団 体 への 委 託 について 民 主 党 道 民 連 合 とA 団 体 は 平 成 25 年 4 月 1 日 付 けで 政 務 調 査 業 務 委 託 契 約 を 締 結 した 民 主 党 道 民 連 合 は A 団 体 に 対 し 平 成 25 年 12 月 6 日 に 調 査 委 託 費 として114 万 420 円 を 支 出 している 2 判 断 (1) 政 務 活 動 費 に 係 る 違 法 性 等 について ア 政 務 活 動 費 の 手 続 及 び 執 行 の 基 準 について 政 務 活 動 費 は 上 記 1の(1)のアのとおり 法 に 定 められており 北 海 道 においては 同 イ

14 のとおり 条 例 において 交 付 対 象 額 等 が 規 定 されているとともに 収 支 報 告 書 等 の 提 出 に 係 る 規 定 が 定 められている また 政 務 活 動 費 の 経 費 の 範 囲 については 上 記 1の(2)の とおり 具 体 的 な 項 目 が 定 められ 経 費 の 範 囲 の 取 扱 い 等 については 議 会 改 革 等 検 討 協 議 会 で 協 議 の 上 道 議 会 議 長 が 運 用 方 針 や 交 付 手 続 など 制 度 全 般 についてまとめた 手 引 を 定 め 会 派 及 び 議 員 に 対 して 周 知 を 図 っており 会 派 及 び 議 員 が 政 務 活 動 費 を 執 行 する 上 で の 判 断 基 準 としていることが 認 められる イ 政 務 活 動 費 の 交 付 及 び 返 納 について 平 成 25 年 度 における 政 務 活 動 費 の 支 出 は 条 例 で 定 められた 額 が 各 会 派 及 び 各 議 員 に 交 付 され 道 議 会 議 長 への 収 支 報 告 書 の 提 出 や 領 収 書 等 の 写 しの 添 付 も 条 例 の 規 定 どおり 行 われていた また 残 額 も 適 正 に 返 納 されていた ウ 本 件 における 違 法 性 判 断 について 次 に 政 務 活 動 費 の 支 出 の 違 法 又 は 不 当 については 政 務 調 査 費 に 関 する 東 京 高 等 裁 判 所 平 成 21 年 9 月 29 日 判 決 ( 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 20 年 11 月 28 日 判 決 を 引 用 )では 本 件 各 支 出 が 区 政 に 関 する 調 査 研 究 に 資 するために 必 要 な 経 費 以 外 の 経 費 に 係 る 支 出 であるか 否 か は 本 件 各 支 出 が 本 件 使 途 基 準 及 び 本 件 申 合 せ 事 項 に 反 するか 否 かを 基 準 に 判 断 するのが 相 当 である と 判 示 されている こうしたことから 本 件 住 民 監 査 請 求 に 当 たっては 交 付 された 政 務 活 動 費 が 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 で 定 められた 経 費 の 範 囲 や 手 引 の 運 用 に 係 る 事 項 に 照 らし これらを 逸 脱 している 場 合 当 該 支 出 は 違 法 又 は 不 当 なものと 判 断 さ れることになると 解 する エ 自 民 党 道 民 会 議 の 自 民 党 道 連 に 対 する 支 出 について (ア) 支 出 の 事 実 及 び 提 出 すべき 書 類 について 自 民 党 道 民 会 議 は 平 成 25 年 度 において 政 務 活 動 費 として5,760 万 円 の 交 付 を 受 け 自 民 党 道 連 に 対 して 調 査 委 託 費 として4,032 万 5,040 円 を 支 出 している 収 支 報 告 書 委 託 業 務 の 内 容 が 記 載 された 活 動 記 録 簿 領 収 書 等 添 付 票 及 び 契 約 書 に ついては 条 例 規 程 運 用 方 針 その 他 手 引 に 従 い 提 出 されていることを 確 認 した (イ) 自 民 党 道 連 への 委 託 の 適 否 について 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 において 特 に 調 査 委 託 先 の 制 限 等 は 設 けられていない ま た 大 阪 高 等 裁 判 所 平 成 23 年 9 月 30 日 判 決 が 県 から 交 付 を 受 けた 本 件 政 務 調 査 費 等 を もって 県 連 に 要 望 事 項 聴 取 活 動 等 の 委 託 費 を 支 払 ったことが 本 件 条 例 等 に 定 める 本 件 政 務 調 査 費 等 の 使 途 基 準 に 反 したものと 認 めることはできない と 判 示 していることか らも 自 民 党 道 連 に 対 し 調 査 委 託 費 を 支 出 することは 認 められるものと 解 される (ウ) 経 費 の 範 囲 の 適 合 性 について a 自 民 党 道 民 会 議 から 自 民 党 道 連 に 対 する 調 査 委 託 の 内 容 は 道 政 に 反 映 させること を 目 的 とした 資 料 情 報 収 集 整 理 地 域 における 政 策 調 査 調 査 結 果 の 集 計 及 び 分 析 連 絡 調 整 を 含 めた 道 政 調 査 に 係 る 事 務 等 補 助 業 務 であることを 確 認 した b 委 託 契 約 に 基 づき 事 業 の 実 績 として 提 出 された 資 料 を 確 認 したところ 委 託 の 実 施

15 過 程 において 作 成 された 代 表 質 問 の 骨 子 や 会 議 の 開 催 案 内 政 策 集 意 見 書 ホーム ページの 写 し 等 の 資 料 が 提 示 され これらが 委 託 の 成 果 物 であることを 確 認 した c 具 体 的 な 事 務 等 補 助 業 務 の 内 容 は 過 去 の 定 例 会 における 議 会 議 論 の 分 析 執 行 機 関 に 対 する 照 会 や 説 明 の 聴 取 将 来 において 議 会 議 論 が 想 定 される 事 案 に 係 る 情 報 収 集 や 資 料 の 整 理 など 一 年 を 通 じて 日 常 的 な 連 絡 調 整 の 業 務 に 従 事 していたほか 代 表 質 問 や 意 見 書 の 作 成 補 助 移 動 政 調 会 団 体 政 策 懇 談 会 定 例 懇 談 会 の 開 催 準 備 業 務 会 派 のホームページの 運 営 管 理 などであった d 業 務 の 実 施 に 当 たっては 自 民 党 道 連 から 自 民 党 道 民 会 議 へ4 名 の 職 員 が 出 向 し 委 託 業 務 に 専 従 したほか 必 要 に 応 じて 自 民 党 道 連 に 勤 務 する 職 員 から1 人 工 程 度 の 応 援 を 受 けながら 上 記 cの 業 務 を 実 施 していた e 本 件 調 査 委 託 費 については 自 民 党 道 連 からの 出 向 者 である 自 民 党 道 民 会 議 の 政 策 審 議 委 員 会 の 職 員 らの 給 与 や 社 会 保 険 料 等 の 人 件 費 移 動 政 調 会 の 開 催 や 中 央 要 請 等 への 出 席 に 係 る 旅 費 などの 経 費 事 務 用 品 の 購 入 費 等 に 用 いられていた f 会 派 は 主 義 や 主 張 を 同 じくする 議 員 により 道 議 会 内 で 結 成 され 法 により 議 員 に 付 与 された 議 決 権 選 挙 権 監 視 権 意 見 表 明 権 等 の 広 範 な 権 限 と 職 責 の 行 使 に 当 た り 結 束 した 行 動 を 取 ることにより 道 政 において 自 らの 目 指 す 政 策 を 実 現 させるこ とを 目 的 とするものであって 政 策 実 現 や 議 会 における 審 議 の 活 性 化 を 図 るための 会 派 の 調 査 研 究 等 に 要 する 経 費 については 法 において 政 務 活 動 費 の 交 付 対 象 とされ ている 本 件 における 委 託 の 成 果 物 や 会 派 の 説 明 により 示 された 調 査 委 託 の 業 務 内 容 は 条 例 に 規 定 する 道 政 の 課 題 や 道 民 の 意 向 を 把 握 し 道 政 に 反 映 させる 活 動 の 範 囲 内 であり 会 派 が 行 うこのような 広 範 な 活 動 を 支 えるための 事 務 等 補 助 業 務 であると 認 められる g このような 調 査 委 託 に 対 して 政 務 活 動 費 を 支 出 することは 条 例 や 運 用 方 針 で 定 め られた 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 を 逸 脱 するものではない (エ) 請 求 人 の 主 張 について a 請 求 人 は 調 査 委 託 費 の 支 出 先 が 会 派 の 所 属 する 政 党 の 支 部 等 の 団 体 であること 支 出 金 額 が1 箇 月 ごとにおおむね 一 定 額 であることなどに 照 らすと 上 記 支 出 は 具 体 的 な 調 査 を 委 託 し その 対 価 として 支 出 されたものとは 認 定 しがたく 政 務 活 動 費 を 政 務 活 動 以 外 の 用 途 に 用 いるための 方 便 として 利 用 した 可 能 性 すらうかがわれると 主 張 している しかし 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 において 委 託 先 については 制 限 されていないのは 上 記 (イ)のとおりであり 委 託 料 の 支 払 いは 契 約 で 定 めたとおり 行 われており 一 定 期 間 を 通 じて 継 続 して 業 務 を 遂 行 することを 目 的 とする 委 託 契 約 において 分 割 して 毎 月 一 定 額 の 支 払 いを 行 うことは 一 般 に 認 められる 支 払 方 法 であると 考 えられる また 成 果 物 等 から 委 託 業 務 を 実 施 した 事 実 を 確 認 した

16 b 請 求 人 は 上 記 委 託 には 政 党 活 動 としての 側 面 があるとして 少 なくとも2 分 の 1は 違 法 であると 主 張 している この 点 について 前 記 (ウ)のbで 確 認 した 成 果 物 の 大 部 分 は 自 民 党 道 民 会 議 の 名 前 で 行 われた 業 務 に 関 するものであったが 一 部 に 自 民 党 道 連 及 びその 構 成 団 体 ( 以 下 自 民 党 道 連 等 という )の 名 前 で 行 っているもの 自 民 党 道 民 会 議 と 自 民 党 道 連 が 共 催 の 形 式 をとったものがあった また 同 成 果 物 の 中 には 国 の 施 策 や 予 算 など 国 政 に 関 する 事 項 を 扱 うものが 含 ま れていた しかし 監 査 の 過 程 において 監 査 対 象 部 局 から 自 民 党 道 連 が 行 っている 業 務 に ついては 情 報 収 集 のため 会 議 に 出 席 したものであり 自 民 党 道 連 等 と 共 催 した 業 務 に ついては 費 用 や 労 務 の 分 担 を 行 っているなどの 説 明 が 行 われており これを 否 定 する 事 実 は 認 められなかった また 国 政 に 関 する 事 項 を 含 む 業 務 も 意 見 書 の 作 成 や 国 への 要 望 提 示 代 表 質 問 等 の 参 考 となるなど 道 政 に 関 する 情 報 収 集 を 目 的 とした 業 務 であり さらに 運 用 方 針 等 においては 国 政 に 関 する 事 項 を 含 む 業 務 が 調 査 委 託 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 に 含 まれていることが 明 確 化 されている 本 件 と 同 様 の 会 派 から 政 党 支 部 への 業 務 委 託 に 関 する 支 出 について 争 われた 大 阪 高 等 裁 判 所 平 成 23 年 9 月 30 日 判 決 では 本 件 各 会 派 の 活 動 と 県 連 のそれとは 重 なる 部 分 も 多 く 政 治 的 理 念 も 共 通 する 面 が 多 いと 解 されるから 県 連 が 本 件 委 託 に 係 る 業 務 を 受 託 者 である 県 連 の 名 前 で 行 っていたからといって そのことから 直 ちに 本 件 各 会 派 からの 委 託 業 務 の 遂 行 の 仕 方 として 不 当 とまではいえないし 当 該 業 務 が 県 連 の 業 務 であり 本 件 各 会 派 の 業 務 ではないということもできない と 判 示 しているとお り 自 民 党 道 連 等 の 名 前 で 行 われた 業 務 が 直 ちに 不 当 となるものではない なお 名 古 屋 高 等 裁 判 所 平 成 25 年 1 月 31 日 判 決 では 特 定 の 活 動 が 政 務 調 査 活 動 と 政 治 活 動 の 性 質 を 併 せ 持 つ 場 合 があることは 否 定 できないから その 活 動 のための 政 務 調 査 費 を 支 出 する 場 合 その 活 動 が 専 らあるいは 主 として 選 挙 で 当 選 することを 目 的 とする 政 治 活 動 であることが 明 白 な 場 合 は 格 別 そうでないときは その 支 出 が 本 件 規 程 に 定 める 政 務 調 査 費 の 使 途 基 準 に 合 致 している 場 合 は 当 該 支 出 をもって 違 法 ということは 困 難 である と 判 示 しており 本 件 において 専 らあるいは 主 として 選 挙 で 当 選 することなどを 目 的 とする 活 動 は 含 まれていなかった したがって 本 件 委 託 業 務 には 請 求 人 が 主 張 するような 政 党 活 動 の 側 面 は 認 めら れなかった (オ) 結 論 上 記 のとおり 監 査 の 過 程 で 確 認 した 書 類 等 と 監 査 対 象 部 局 の 説 明 には 整 合 性 があり これに 反 する 事 実 は 認 められなかった よって 請 求 人 の 主 張 を 考 慮 してもなお 上 記 (ア) の 支 出 が 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 で 定 められた 経 費 の 範 囲 や 手 引 の 運 用 に 係 る 事 項 から

17 逸 脱 したものと 解 することはできず 同 支 出 が 違 法 又 は 不 当 な 支 出 であるとは 認 められ ない オ 民 主 党 道 民 連 合 の 民 主 党 北 海 道 に 対 する 支 出 について (ア) 支 出 の 事 実 及 び 提 出 すべき 書 類 について 民 主 党 道 民 連 合 は 平 成 25 年 度 において 政 務 活 動 費 として4,560 万 円 の 交 付 を 受 け 民 主 党 北 海 道 に 対 して 調 査 委 託 費 として2,730 万 円 を 支 出 したことを 確 認 した 収 支 報 告 書 委 託 業 務 の 内 容 が 記 載 された 活 動 記 録 簿 領 収 書 等 添 付 票 及 び 契 約 書 に ついては 条 例 規 程 運 用 方 針 その 他 手 引 に 従 い 提 出 されていることを 確 認 した (イ) 民 主 党 北 海 道 への 委 託 の 適 否 について 上 記 エの(イ)のとおり 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 並 びに 判 例 により 民 主 党 北 海 道 に 対 し 調 査 委 託 費 を 支 出 することは 認 められていると 解 される (ウ) 経 費 の 範 囲 の 適 合 性 について a 民 主 党 道 民 連 合 から 民 主 党 北 海 道 に 対 する 調 査 委 託 内 容 は 道 政 に 反 映 させること を 目 的 とした 資 料 情 報 収 集 整 理 地 域 における 政 策 調 査 調 査 結 果 の 集 計 及 び 分 析 調 査 結 果 に 基 づく 提 言 などの 策 定 補 助 連 絡 調 整 を 含 めた 道 政 調 査 に 係 る 事 務 等 補 助 業 務 であることを 確 認 した b 委 託 契 約 に 基 づき 事 業 の 実 績 として 提 出 された 資 料 を 確 認 したところ 委 託 の 実 施 過 程 において 作 成 された 代 表 質 問 の 要 旨 や 要 望 提 言 を 含 む 議 会 活 動 報 告 や 会 議 の 開 催 概 要 次 第 及 び 出 席 者 名 簿 提 言 要 望 書 等 の 資 料 が 提 示 され これらが 委 託 の 成 果 物 であることを 確 認 した c 具 体 的 な 事 務 等 補 助 業 務 の 内 容 は 過 去 の 定 例 会 における 議 会 議 論 の 分 析 執 行 機 関 に 対 する 照 会 や 説 明 の 聴 取 将 来 において 議 会 議 論 が 想 定 される 事 案 に 係 る 情 報 収 集 や 資 料 の 整 理 など 一 年 を 通 じて 日 常 的 な 連 絡 調 整 の 業 務 に 従 事 していたほか 代 表 質 問 や 意 見 書 の 作 成 補 助 道 政 懇 話 会 の 開 催 準 備 業 務 道 議 会 活 動 の 報 告 の 作 成 などであった d 業 務 の 実 施 に 当 たっては 民 主 党 北 海 道 から 民 主 党 道 民 連 合 へ3 名 の 職 員 が 出 向 し 上 記 cの 業 務 に 専 従 していた e 本 件 調 査 委 託 費 については 民 主 党 北 海 道 からの 出 向 者 である 民 主 党 道 民 連 合 の 政 策 審 議 会 の 職 員 の 給 与 や 社 会 保 険 料 等 の 人 件 費 に 用 いられていた f 会 派 は 主 義 や 主 張 を 同 じくする 議 員 により 道 議 会 内 で 結 成 され 法 により 議 員 に 付 与 された 議 決 権 選 挙 権 監 視 権 意 見 表 明 権 等 の 広 範 な 権 限 と 職 責 の 行 使 に 当 た り 結 束 した 行 動 を 取 ることにより 道 政 において 自 らの 目 指 す 政 策 を 実 現 させるこ とを 目 的 とするものであって 政 策 実 現 や 議 会 における 審 議 の 活 性 化 を 図 るための 会 派 の 調 査 研 究 等 に 要 する 経 費 については 法 において 政 務 活 動 費 の 交 付 対 象 とされ ている 本 件 における 委 託 の 成 果 物 や 会 派 の 説 明 により 示 された 調 査 委 託 の 業 務 内 容 は 条

18 例 に 規 定 する 道 政 の 課 題 や 道 民 の 意 向 を 把 握 し 道 政 に 反 映 させる 活 動 の 範 囲 内 であり 会 派 が 行 うこのような 広 範 な 活 動 を 支 えるための 事 務 等 補 助 業 務 であると 認 められる g このような 調 査 委 託 に 対 して 政 務 活 動 費 を 支 出 することは 条 例 や 運 用 方 針 で 定 め られた 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 を 逸 脱 するものではない (エ) 請 求 人 の 主 張 について a 請 求 人 は 調 査 委 託 費 の 支 出 先 が 会 派 の 所 属 する 政 党 の 支 部 等 の 団 体 であること 支 出 金 額 が1 箇 月 ごとにおおむね 一 定 額 であることなどに 照 らすと 上 記 支 出 は 具 体 的 な 調 査 を 委 託 し その 対 価 として 支 出 されたものとは 認 定 しがたく 政 務 活 動 費 を 政 務 活 動 以 外 の 用 途 に 用 いるための 方 便 として 利 用 した 可 能 性 すらうかがわれると 主 張 している しかし 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 において 委 託 先 については 制 限 されておらず 委 託 料 の 支 払 いは 契 約 で 定 めたとおり 行 われており 一 定 期 間 を 通 じて 継 続 して 業 務 を 遂 行 することを 目 的 とする 委 託 契 約 において 分 割 して 毎 月 一 定 額 の 支 払 いを 行 うこ とは 一 般 に 認 められる 支 払 方 法 であると 考 えられる また 成 果 物 等 から 委 託 業 務 を 実 施 した 事 実 を 確 認 した b 請 求 人 は 上 記 委 託 には 政 党 活 動 としての 側 面 があるとして 少 なくとも2 分 の 1は 違 法 であると 主 張 している この 点 について 前 記 (ウ)のbで 確 認 した 成 果 物 の 大 部 分 は 民 主 党 道 民 連 合 の 名 前 で 行 われた 業 務 に 関 するものであったが 一 部 に 民 主 党 道 民 連 合 と 民 主 党 北 海 道 及 びその 地 域 組 織 ( 以 下 民 主 党 北 海 道 等 という )が 共 催 の 形 式 を 取 ったものがあっ た また 同 成 果 物 の 中 には 国 の 施 策 や 予 算 など 国 政 に 関 する 事 項 を 扱 うものが 含 ま れていた しかし 監 査 の 過 程 において 監 査 対 象 部 局 から 民 主 党 北 海 道 等 と 共 催 の 形 式 を 取 っている 業 務 については 開 催 名 義 を 慣 習 上 共 催 としているに 過 ぎず 会 派 の 業 務 として 実 施 しているなどの 説 明 が 行 われており これを 否 定 する 事 実 は 認 められなか った また 政 務 活 動 費 において 国 政 に 関 する 事 項 を 含 む 業 務 も 意 見 書 の 作 成 や 国 へ の 要 望 提 言 代 表 質 問 等 の 参 考 となるなど 道 政 に 関 する 情 報 収 集 を 目 的 とした 業 務 であり さらに 運 用 方 針 等 においては 国 政 に 関 する 事 項 を 含 む 業 務 が 調 査 委 託 費 を 充 てることができる 経 費 の 範 囲 に 含 まれることが 明 確 化 されている 民 主 党 北 海 道 等 の 名 前 で 行 われた 業 務 が 直 ちに 不 当 となるものではないことは 前 記 エの(エ)のbで 引 用 した 大 阪 高 等 裁 判 所 平 成 23 年 9 月 30 日 で 判 示 しているとおりであ る なお 本 件 において 前 記 エの(エ)のbで 示 すような 専 らあるいは 主 として 選 挙 で 当 選 することなどを 目 的 とする 活 動 は 認 められなかった

19 したがって 本 件 委 託 業 務 には 請 求 人 が 主 張 するような 政 党 活 動 の 側 面 は 認 めら れなかった (オ) 結 論 上 記 のとおり 監 査 の 過 程 で 確 認 した 書 類 等 と 請 求 人 の 主 張 を 考 慮 してもなお 上 記 (ア) の 支 出 が 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 で 定 められた 経 費 の 範 囲 や 手 引 の 運 用 に 係 る 事 項 から 逸 脱 したものと 解 することはできず 同 支 出 が 違 法 又 は 不 当 な 支 出 であるとは 認 められ ない カ 民 主 党 道 民 連 合 のA 団 体 に 対 する 支 出 について (ア) 支 出 の 事 実 及 び 提 出 すべき 書 類 について 民 主 党 道 民 連 合 は 平 成 25 年 度 において 政 務 活 動 費 として4,560 万 円 の 交 付 を 受 け A 団 体 に 対 して 調 査 委 託 費 として114 万 円 420 円 を 支 出 している 収 支 報 告 書 委 託 業 務 の 内 容 が 記 載 された 活 動 記 録 簿 領 収 書 等 添 付 票 及 び 契 約 書 に ついては 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 に 従 い 提 出 されている (イ) 経 費 の 範 囲 の 適 合 性 について 民 主 党 道 民 連 合 からA 団 体 に 対 する 調 査 委 託 内 容 は 雇 用 対 策 や 地 域 医 療 原 発 エ ネルギー 政 策 等 道 政 に 関 する 代 表 質 問 や 意 見 書 の 文 案 を 作 成 する 際 などに 政 策 課 題 に 関 する 資 料 や 情 報 の 提 供 等 に 係 る 委 託 業 務 であることを 確 認 した また 委 託 契 約 に 基 づき 事 業 の 実 績 として 提 出 された 資 料 を 確 認 したところ 各 定 例 道 議 会 毎 に 提 供 された 資 料 やアンケート 調 査 に 係 る 資 料 の 提 示 を 受 け 委 託 の 成 果 物 で あることを 確 認 した 本 件 調 査 委 託 費 については 各 定 例 道 議 会 毎 の 意 見 交 換 に 係 る 会 場 使 用 料 等 の 会 議 費 や 資 料 作 成 に 係 る 経 費 に 用 いられていた このような 調 査 委 託 に 対 して 政 務 活 動 費 を 支 出 することは 条 例 及 び 運 用 方 針 に 定 め られた 政 務 活 動 費 を 充 てることができる 経 費 として 認 められるものである (ウ) 請 求 人 の 主 張 について 請 求 人 は 7 月 11 日 判 決 を 引 用 し 同 様 に 全 額 を 違 法 とすべきと 主 張 している しかし 成 果 物 等 から 委 託 業 務 を 実 施 した 事 実 が 確 認 できており また 委 託 業 務 に おいて A 団 体 から7 町 村 で 実 施 した 原 子 力 防 災 訓 練 に 関 する 住 民 アンケート 調 査 の 結 果 などが 情 報 提 供 されており 道 議 会 でこの 点 について 質 問 が 行 われていることから 平 成 25 年 度 における 委 託 業 務 が 対 価 を 支 払 うことを 要 しないものであるとは 評 価 できな い (エ) 結 論 以 上 により 請 求 人 の 主 張 を 考 慮 してもなお 上 記 (ア)の 支 出 が 条 例 規 程 及 び 運 用 方 針 で 定 められた 経 費 の 範 囲 や 手 引 の 運 用 に 係 る 事 項 から 逸 脱 したものと 解 することはで きず 同 支 出 が 違 法 又 は 不 当 な 支 出 であるとは 認 められない

20 (2) 条 例 の 改 正 等 について 上 記 (1)で 述 べたとおり 政 務 活 動 費 の 交 付 に 違 法 性 が 認 められないこと 政 務 活 動 費 への 制 度 の 改 正 に 伴 い 条 例 に 議 長 は 政 務 活 動 費 の 使 途 の 透 明 性 の 確 保 に 努 めるものとする と 新 たに 定 められたことから 条 例 の 改 正 等 については 消 極 的 に 解 するものである 第 6 意 見 今 回 の 監 査 を 通 じての 監 査 委 員 としての 意 見 を 述 べる 議 会 は 法 上 付 与 された 権 限 を 行 使 することにより 執 行 機 関 に 対 する 監 視 の 機 能 を 果 たしてい る 政 務 活 動 費 は 議 会 がこのような 機 能 を 果 たすために 行 われる 会 派 及 び 議 員 の 広 範 な 活 動 に 使 用 されており その 使 途 については 執 行 機 関 や 他 の 会 派 からの 干 渉 を 防 止 する 必 要 がある ことなどから 使 途 や 報 告 書 への 記 載 には 議 会 の 自 律 や 議 員 の 合 理 的 判 断 に 委 ねられている 部 分 があると 考 えられている 一 方 で 交 付 される 政 務 活 動 費 の 原 資 は 貴 重 な 税 金 等 であることから 条 例 等 に 沿 った 適 切 な 執 行 が 求 められるとともに 議 員 等 の 判 断 の 合 理 性 に 疑 いが 向 けられた 場 合 には その 使 途 等 について 説 明 責 任 を 果 たすことが 求 められる これまで 道 議 会 では 政 務 調 査 費 に 関 する 条 例 及 び 規 程 について 平 成 21 年 3 月 31 日 の 改 正 では 収 支 報 告 書 にすべての 支 出 について 領 収 書 等 の 写 しを 添 付 することとされ 同 年 7 月 10 日 の 改 正 では 道 議 会 議 長 の 収 支 報 告 書 等 の 調 査 に 当 たり これを 補 佐 するために 道 議 会 議 長 が 指 名 する3 名 以 内 の 学 識 経 験 者 からなる 協 議 会 を 置 くこととされた また 政 務 調 査 費 か ら 政 務 活 動 費 に 制 度 が 改 められた 際 の 平 成 25 年 3 月 25 日 の 運 用 方 針 改 正 では 第 三 者 機 関 であ る 協 議 会 の 意 見 を 踏 まえて 道 議 会 議 長 において 保 管 する 書 類 の 範 囲 を 広 げるなどの 取 組 みも 行 われてきたところである しかし 今 回 の 監 査 においては 活 動 記 録 簿 に 内 容 が 具 体 的 に 記 載 されていないもの 契 約 の 仕 様 や 成 果 が 書 面 で 明 らかになっていないもの 変 更 契 約 の 書 面 を 作 成 していないものが 見 受 けられた これらは 直 ちに 支 出 自 体 が 不 当 となるものではないが 納 税 者 である 道 民 に 対 する 説 明 責 任 といった 面 からは その 責 任 を 十 分 に 果 たしているとは 言 い 難 いものである 近 年 政 務 活 動 費 については 全 国 的 に 関 心 が 高 まっており 現 在 道 においても3 件 の 訴 訟 が 係 属 中 であり その 行 方 に 対 して 道 民 の 厳 しい 目 が 向 けられている このようなことから 道 議 会 においては 道 議 会 議 長 が 行 う 調 査 を 補 佐 させるために 設 置 さ れた 第 三 者 機 関 である 協 議 会 の 機 能 を 十 分 に 活 用 するなどして 今 後 とも 政 務 活 動 費 の 規 程 やそ の 運 用 等 について 不 断 に 改 善 や 工 夫 を 行 うとともに 各 会 派 及 び 各 議 員 においては その 使 途 等 に 関 し 今 後 一 層 の 透 明 性 を 確 保 し 道 民 に 対 して 説 明 責 任 を 果 たしていくことを 強 く 期 待 す るものである

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