Microsoft Word - ②【発出版】140319通知案（医療法人会計基準）

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1 医 政 発 0319 第 7 号 平 成 26 年 3 月 19 日 各 都 道 府 県 知 事 各 地 方 厚 生 ( 支 ) 局 長 殿 厚 生 労 働 省 医 政 局 長 医 療 法 人 会 計 基 準 について 医 療 法 人 の 会 計 処 理 については これまで 病 院 会 計 準 則 の 改 正 について ( 平 成 16 年 8 月 19 日 医 政 発 号 厚 生 労 働 省 医 政 局 長 通 知 ) 介 護 老 人 保 健 施 設 会 計 経 理 準 則 の 制 定 について ( 平 成 12 年 3 月 31 日 老 発 第 378 号 厚 生 省 老 人 保 健 福 祉 局 長 通 知 )や 企 業 会 計 の 基 準 等 を 参 考 に 計 算 書 類 の 作 成 が 行 われてきたが このたび 四 病 院 団 体 協 議 会 において 医 療 法 人 会 計 基 準 に 関 する 検 討 報 告 書 が 別 添 のとおり 取 りまとめられたところである 当 該 報 告 書 に 基 づく 医 療 法 人 会 計 基 準 は 医 療 法 ( 昭 和 23 年 法 律 第 205 号 ) 第 50 条 の2に 規 定 する 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 められる 会 計 の 慣 行 の 一 つとして 認 められることから 御 了 知 の 上 特 に 貴 管 内 の 病 院 又 は 介 護 老 人 保 健 施 設 を 開 設 する 医 療 法 人 に 対 して 積 極 的 な 活 用 が 図 られるよう 特 段 の 御 配 慮 をお 願 いした い

2 医 療 法 人 会 計 基 準 検 討 報 告 書 のポイント(H ) 1. 報 告 書 会 計 基 準 の 位 置 づけ 医 療 法 第 50 条 の2に 規 定 される 医 療 法 人 が 準 拠 すべき 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 め られる 会 計 の 慣 行 を 具 体 化 するものの 一 つとして 取 りまとめたもの 決 算 書 に 関 する 表 示 基 準 はあるが 具 体 的 な 処 理 基 準 がないという 問 題 の 解 決 を 図 ることを 意 図 している 現 行 の 閲 覧 対 象 となっている 様 式 を 定 めた 省 令 通 知 は 会 計 基 準 制 定 後 も 引 き 続 き 実 質 的 に 同 じ 内 容 で 存 続 することを 前 提 として 整 理 したもの 一 人 医 師 医 療 法 人 についてまで 適 用 することを 前 提 としたものではない 2. 報 告 書 会 計 基 準 の 基 本 的 な 考 え 方 計 算 書 類 の 構 成 については 医 療 法 の 規 定 が その 要 旨 ではなく 事 業 報 告 書 等 そ のものを 閲 覧 対 象 としていることとの 整 合 性 を 図 るため 一 般 閲 覧 対 象 とするこ とを 前 提 とはしないが 決 算 において 整 備 すべき 情 報 内 容 は 注 記 表 として 整 理 している 民 間 非 営 利 法 人 である 医 療 法 人 が 株 式 会 社 等 の 企 業 とは 種 類 の 異 なる 法 人 である ことから 近 年 投 資 情 報 重 視 型 に 改 定 されている 企 業 会 計 の 手 法 は 他 の 民 間 非 営 利 法 人 の 会 計 基 準 でも 取 り 入 れられている 範 囲 に 限 定 している 医 療 法 人 のすべての 会 計 制 度 について 網 羅 的 に 規 定 したものではなく 医 療 法 人 全 体 の 計 算 書 類 に 係 る 部 分 のみを 対 象 としたもの 3. 報 告 書 の 構 成 はじめに で 医 療 法 人 会 計 の 現 状 と 本 報 告 の 検 討 の 経 緯 と 基 本 的 な 考 え 方 を 解 説 医 療 法 人 会 計 基 準 を 前 文 本 文 注 解 の 構 成 で 明 文 化 個 別 論 点 と 実 務 上 の 対 応 で 医 療 法 人 における 会 計 の 特 徴 的 な 処 理 や 論 点 となり 得 る 項 目 について 解 説 現 行 の 省 令 通 知 への 影 響 で 企 業 会 計 の 用 語 となっている 部 分 を 中 心 とし た 改 正 の 必 要 性 を 要 請 病 院 会 計 準 則 適 用 ガイドライン で 当 該 通 知 に 準 じて 本 基 準 案 と 病 院 会 計 準 則 との 調 整 方 法 を 解 説 本 報 告 書 を 前 提 とした 計 算 書 類 のイメージ で 会 計 基 準 が 処 理 基 準 で 表 示 基 準 が 別 にあることで 全 体 像 が 見 えにくい 点 を 補 完 するために 仮 設 金 額 を 入 れた 計 算 書 類 の 具 体 的 な 姿 を 提 示

3 4. 報 告 書 会 計 基 準 の 主 な 処 理 基 準 の 概 要 純 資 産 に 係 る 会 計 処 理 方 法 につき 配 当 が 禁 止 されている 法 人 類 型 であることを 重 視 して 出 資 金 ( 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 限 定 ) 基 金 ( 基 金 制 度 を 採 用 する 社 団 医 療 法 限 定 ) 積 立 金 評 価 換 算 差 額 等 の 構 成 とする 収 益 及 び 費 用 の 分 類 方 法 は 省 令 で 示 されている 分 類 の 考 え 方 を 踏 襲 し 資 金 調 達 及 び 資 金 運 用 に 係 る 費 用 収 益 以 外 の 施 設 等 に 帰 属 が 明 確 な 付 随 的 な 費 用 収 益 に ついては 事 業 損 益 に 計 上 する 注 記 表 の 内 容 は 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 の 作 成 の 前 提 となる 事 項 ( 重 要 な 会 計 方 針 に 係 る 事 項 等 ) 及 び 補 足 する 事 項 ( 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 の 明 細 に 係 る 情 報 並 びに 関 連 当 事 者 に 関 する 事 項 重 要 な 後 発 事 象 に 関 する 事 項 等 )とする 省 令 により 社 会 医 療 法 人 債 発 行 法 人 に 追 加 的 に 作 成 が 義 務 付 けられている 決 算 関 係 書 類 のうち キャッシュ フロー 計 算 書 純 資 産 変 動 計 算 書 附 属 明 細 書 ( 有 価 証 券 明 細 表 有 形 固 定 資 産 等 明 細 表 借 入 金 等 明 細 表 引 当 金 明 細 表 事 業 費 用 明 細 表 )の 表 記 する 情 報 については 注 記 表 の 項 目 としている 注 記 表 の 内 容 のうち キャッシュ フロー 項 目 と 関 連 当 事 者 項 目 は 社 会 医 療 法 人 に 限 定 する ファイナンス リース 取 引 については 通 常 の 売 買 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 うが 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 については 一 契 約 にお けるリース 料 総 額 が 300 万 円 未 満 の 取 引 のほか リース 取 引 開 始 日 が 本 会 計 基 準 適 用 前 又 は 一 定 の 法 人 の 場 合 は 賃 貸 借 処 理 を 行 うことができる 退 職 給 付 会 計 は 採 用 するが 会 計 基 準 適 用 に 伴 う 新 たな 会 計 処 理 の 採 用 に 関 する 経 過 的 取 り 扱 いとして 適 用 時 差 異 の 15 年 内 分 割 費 用 処 理 を 許 容 するほか 一 定 の 法 人 については 簡 便 法 を 無 条 件 に 適 用 することする 退 職 給 付 会 計 の 無 条 件 簡 便 法 適 用 ファイナンス リース 取 引 の 賃 貸 借 処 理 貸 倒 引 当 金 の 税 法 基 準 の 適 用 といった 簡 易 な 会 計 処 理 が 許 容 される 一 定 の 法 人 の 範 囲 は 社 会 医 療 法 人 以 外 の 負 債 総 額 200 億 円 未 満 の 法 人 とする 有 価 証 券 を 保 有 する 場 合 には 原 則 として 時 価 により 貸 借 対 照 表 に 計 上 する 方 法 を 採 用 棚 卸 資 産 の 評 価 方 法 は 期 間 損 益 に 著 しい 弊 害 がない 限 り 最 終 仕 入 原 価 法 の 採 用 ができる 固 定 資 産 の 減 損 会 計 及 び 資 産 除 去 債 務 に 関 する 企 業 会 計 の 基 準 は 取 り 入 れないが 時 価 の 著 しい 下 落 に 伴 う 評 価 減 の 際 に 使 用 価 値 を 考 慮 することができることとす る 重 要 性 がある 場 合 に 限 り 税 効 果 会 計 を 適 用 する

4 医 療 法 人 会 計 基 準 に 関 する 検 討 報 告 書 平 成 26 年 2 月 26 日 四 病 院 団 体 協 議 会 会 計 基 準 策 定 小 委 員 会

5 目 次 1 はじめに (1) 医 療 法 人 会 計 の 現 状 1 (2) 検 討 の 経 緯 と 基 準 制 定 の 考 え 方 2 2 医 療 法 人 会 計 基 準 (1) 前 文 4 (2) 医 療 法 人 会 計 基 準 5 (3) 医 療 法 人 会 計 基 準 注 解 12 3 個 別 論 点 と 実 務 上 の 対 応 (1) 純 資 産 に 係 る 会 計 処 理 方 法 22 (2) 収 益 費 用 の 分 類 29 (3) 圧 縮 記 帳 30 (4) 税 効 果 会 計 31 (5) 金 融 商 品 会 計 32 (6) 退 職 給 付 会 計 34 (7)リース 会 計 35 (8) 減 損 会 計 と 資 産 除 去 債 務 36 (9) 関 連 当 事 者 に 関 する 注 記 37 4 現 行 の 省 令 通 知 への 影 響 医 療 法 施 行 規 則 39 社 会 医 療 法 人 債 を 発 行 する 社 会 医 療 法 人 の 財 務 諸 表 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 39 医 療 法 人 における 事 業 報 告 書 等 の 様 式 について 40 5 病 院 会 計 準 則 適 用 ガイドラインについて 41 6 本 報 告 を 前 提 とした 計 算 書 類 のイメージ 44 病 院 開 設 持 分 あり 医 療 法 人 47 診 療 所 のみ 開 設 持 分 あり 医 療 法 人 57 小 委 員 会 委 員 名 簿 開 催 実 績 64

6 1 はじめに (1) 医 療 法 人 会 計 の 現 状 医 療 法 人 制 度 は 平 成 18 年 6 月 の 第 5 次 医 療 法 改 正 により 大 きな 改 革 が 行 わ れ 平 成 19 年 4 月 から 施 行 されるものとして 会 計 関 連 については 以 下 のような 整 備 が 行 われた 医 療 法 第 50 条 の2に 医 療 法 人 の 会 計 は 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 められる 会 計 の 慣 行 に 従 うものとする という 会 計 慣 行 斟 酌 規 定 が 制 定 されたこと 医 療 法 第 51 条 第 1 項 に 医 療 法 人 は 毎 会 計 年 度 終 了 後 二 月 以 内 に 事 業 報 告 書 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 その 他 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 書 類 ( 以 下 事 業 報 告 書 等 という )を 作 成 しなければならない とされ 作 成 義 務 の ある 決 算 に 関 する 書 類 が 明 確 にされたこと 医 療 法 第 52 条 により 上 記 決 算 に 関 する 書 類 は 都 道 府 県 への 届 出 を 経 て 原 則 として 一 般 の 閲 覧 に 供 されることとなったこと 決 算 届 出 に 関 する 書 類 の 様 式 が 上 記 のとおり 公 開 情 報 となる 点 を 考 慮 して 従 来 よりも 簡 素 なものに 改 められたこと また 社 会 医 療 法 人 債 の 制 度 が 法 定 され 社 会 医 療 法 人 債 発 行 法 人 については 特 別 の 取 り 扱 いとして 決 算 書 類 が 追 加 ( 医 療 法 施 行 規 則 第 33 条 により 純 資 産 変 動 計 算 書 キャッシュ フロー 計 算 書 及 び 附 属 明 細 表 )され あわせて 詳 細 な 表 示 基 準 である 社 会 医 療 法 人 債 を 発 行 する 社 会 医 療 法 人 の 財 務 諸 表 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 ( 平 成 19 年 厚 生 労 働 省 令 第 38 号 以 下 本 報 告 におい て 社 財 規 という ) が 定 められた その 他 の 法 人 については 医 療 法 人 にお ける 事 業 報 告 書 等 の 様 式 について( 医 政 指 発 第 号 厚 生 労 働 省 医 政 局 指 導 課 長 通 知 以 下 本 報 告 において 様 式 通 知 という ) によることとされ 従 来 施 設 別 のものと 法 人 全 体 の 合 算 のものから 構 成 されていたものが 新 たに 法 人 全 体 数 値 を 前 提 としたものに 改 められた この 結 果 第 5 次 医 療 法 改 正 前 の 施 設 基 準 の 援 用 ( 病 院 又 は 介 護 老 人 保 健 施 設 を 開 設 する 医 療 法 人 にあっては それぞれ 原 則 として 病 院 会 計 準 則 又 は 介 護 老 人 保 健 施 設 会 計 経 理 準 則 に 基 づき 作 成 された 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 を 提 出 するものとする )により 財 務 諸 表 を 作 成 し これを 概 括 化 した 施 設 別 の 様 式 を 基 礎 として 届 出 を 行 う すなわち 医 療 法 人 全 体 の 財 務 情 報 という 観 点 ではないもの 1

7 となってしまうという 制 度 上 の 齟 齬 は 無 くなった 一 方 施 設 基 準 の 援 用 をやめた 結 果 明 確 な 会 計 処 理 基 準 が 存 在 しないこととなり 医 療 法 第 50 条 の2を 根 拠 と して 公 正 なる 会 計 慣 行 を 忖 度 して 会 計 処 理 をすることとなった この 公 正 なる 会 計 慣 行 としては 法 人 税 課 税 上 普 通 法 人 であることと 相 まって 企 業 会 計 の 基 準 を 取 り 入 れざるを 得 ず 表 示 基 準 たる 様 式 通 知 にも 企 業 会 計 を 前 提 としたものが 取 り 入 れ られている 近 年 企 業 会 計 は 投 資 情 報 重 視 型 に 改 定 されており 医 療 法 人 会 計 基 準 が 存 在 しないことにより 医 療 法 人 に 本 来 適 合 しないものまで 企 業 会 計 の 準 用 として 取 り 入 れられかねないという 懸 念 が 高 まっている 状 況 にある 他 方 医 療 法 人 制 度 上 の 問 題 として 会 計 基 準 もない 法 人 という 批 判 が 今 後 の 医 療 法 人 制 度 の 論 議 に 悪 影 響 を 及 ぼす 恐 れも 懸 念 されるところとなった (2) 検 討 の 経 緯 と 基 準 制 定 の 考 え 方 このような 現 状 のもと 平 成 18 年 8 月 30 日 に 一 応 の 完 成 を 見 た 四 病 院 団 体 協 議 会 医 療 法 人 会 計 基 準 検 討 委 員 会 会 計 基 準 策 定 小 委 員 会 報 告 書 ( 当 該 報 告 書 は 非 公 表 ではあったが その 趣 旨 内 容 は 社 財 規 及 び 様 式 通 知 に 反 映 されてい る ) を 基 本 としつつ その 後 の 状 況 の 変 化 を 踏 まえて 医 療 法 人 の 拠 るべき 会 計 基 準 の 検 討 を 行 った 会 計 基 準 の 制 定 や 改 正 の 論 議 においては 情 報 開 示 の 詳 細 化 の 問 題 と 会 計 基 準 そ のものの 問 題 が 渾 然 一 体 となって 行 われることがある しかし 現 状 の 医 療 法 人 に おいて 緊 急 の 課 題 は 会 計 基 準 の 無 いことによる すでに 公 開 されている 財 務 情 報 の 信 頼 性 に 疑 問 を 呈 されていることを 払 しょくすることにある そこで 本 報 告 は 会 計 基 準 の 制 定 と 情 報 開 示 の 充 実 は 別 の 問 題 であるとの 認 識 のもと まずは 法 令 及 び 通 知 により 示 されている 現 行 の 情 報 開 示 の 水 準 を 前 提 とした 上 で 処 理 基 準 が ない 問 題 の 解 決 を 図 るために 会 計 基 準 を 如 何 なる 内 容 にするべきかを 検 討 し な るべく 早 期 に 一 定 の 結 論 を 得 ることを 重 要 視 した あわせて 決 算 資 料 として 整 備 すべき 情 報 を 検 討 し 一 組 の 計 算 書 類 としてまとめるべき 内 容 についても 検 討 し た また 現 在 医 療 法 人 そのものの 制 度 改 革 に 関 連 して 合 併 又 は 結 合 等 に 係 る 問 題 が 会 計 基 準 に 影 響 を 及 ぼすことが 予 想 される しかし これらの 問 題 は 一 部 個 別 論 点 で 触 れる 程 度 に 止 め 会 計 基 準 案 そのものの 内 容 は あくまで 現 行 の 制 度 を 前 提 とした この 結 果 以 下 のような 工 夫 をして 成 案 とした 現 行 の 閲 覧 対 象 となっている 様 式 を 定 めた 社 財 規 と 様 式 通 知 は 会 計 2

8 基 準 制 定 後 も 引 き 続 き 実 質 的 に 同 じ 内 容 で 存 続 することを 前 提 として 整 理 した こと( 本 基 準 の 制 定 により 科 目 区 分 の 名 称 等 を 変 える 必 要 があるものを 別 途 掲 記 するが 様 式 の 枠 組 みについてはそのままとし 会 計 基 準 の 中 には 含 めない ) 医 療 法 の 規 定 が その 要 旨 ではなく 事 業 報 告 書 等 そのものを 閲 覧 対 象 としてい ることとの 整 合 性 を 図 るため 一 般 閲 覧 対 象 とすることを 前 提 とはしないが 決 算 において 整 備 すべき 情 報 内 容 は 注 記 表 として 整 理 したこと なお 各 法 人 が 具 体 的 な 会 計 処 理 を 行 うための 仕 組 みを 構 築 するには 細 かな 勘 定 科 目 要 綱 や 施 設 別 事 業 別 の 会 計 情 報 の 作 成 指 針 が 必 要 だが これらは 内 部 管 理 目 的 の 会 計 であり 会 計 基 準 外 の 問 題 として 本 報 告 には 含 めていない 施 設 基 準 た る 病 院 会 計 準 則 等 を 踏 まえて 本 基 準 との 整 合 を 図 りながら 各 々の 法 人 がその 開 設 している 事 業 の 種 類 や 数 等 を 勘 案 して 会 計 処 理 方 法 の 選 択 を 含 めて 創 意 工 夫 して 具 体 的 な 構 築 をすべきものである このため 医 療 法 人 会 計 基 準 が 制 定 された 場 合 にあっては その 適 用 までには 充 分 な 準 備 期 間 が 必 要 である また 医 療 法 人 会 計 基 準 制 定 時 はもとより その 後 の 改 定 においても 民 間 非 営 利 法 人 である 医 療 法 人 が 株 式 会 社 等 の 企 業 とは 種 類 の 異 なる 法 人 であることを 充 分 に 認 識 し 企 業 の 投 資 情 報 を 重 視 した 国 際 会 計 基 準 の 動 向 から 影 響 を 受 けないことを 前 提 とする 必 要 が ある なお 生 業 的 規 模 の 一 人 医 師 医 療 法 人 についてまで 適 用 することを 前 提 とし て 本 報 告 を 取 り 纏 めたわけではないため この 点 についても 留 意 が 必 要 である 3

9 2 医 療 法 人 会 計 基 準 (1) 前 文 本 会 計 基 準 は 医 療 法 ( 昭 和 23 年 法 律 第 205 号 ) 第 39 条 の 規 定 に 基 づき 設 立 された 医 療 法 人 が 同 法 第 51 条 第 1 項 の 規 定 により 作 成 する 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 の 作 成 のための 会 計 処 理 の 方 法 及 び 財 務 会 計 情 報 としてあわ せて 整 備 すべき 内 容 を 規 定 したものである 医 療 法 第 51 条 第 1 項 の 規 定 は 医 療 法 人 は 毎 会 計 年 度 の 終 了 後 二 月 以 内 に 事 業 報 告 書 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 その 他 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 書 類 ( 以 下 事 業 報 告 書 等 という )を 作 成 しなければならない となっている こ のうち 事 業 報 告 書 は その 中 心 は 非 会 計 情 報 であるため 本 基 準 の 直 接 の 対 象 と はしていない また その 他 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 書 類 は 社 会 医 療 法 人 債 を 発 行 する 社 会 医 療 法 人 に 限 定 して 作 成 が 求 められている キャッシュ フロー 計 算 書 純 資 産 変 動 計 算 書 及 び 附 属 明 細 表 であり これらについては 整 備 すべき 財 務 会 計 情 報 において 考 慮 しているものの 別 に 作 成 方 法 が 社 会 医 療 法 人 債 を 発 行 す る 社 会 医 療 法 人 の 財 務 諸 表 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 ( 平 成 19 年 厚 生 労 働 省 令 第 38 号 ) に 定 められているため 直 接 の 対 象 とはしていない なお 本 会 計 基 準 において 決 算 に 関 する 財 務 情 報 を 示 す 書 類 の 名 称 として 財 務 諸 表 という 用 語 ではなく 計 算 書 類 という 用 語 を 使 用 することとしたが これは 上 記 省 令 の 中 で 財 務 諸 表 を 財 産 目 録 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 純 資 産 変 動 計 算 書 キャッシュ フロー 計 算 書 及 び 附 属 明 細 表 と 定 義 しているため 混 乱 を 避 けるた めである 医 療 法 人 は 定 款 又 は 寄 附 行 為 の 規 定 により 様 々な 施 設 の 設 置 又 は 事 業 を 行 う こととなり 当 該 施 設 又 は 事 業 によっては 会 計 に 係 る 基 準 又 は 規 制 が 存 在 するこ とがある 本 基 準 は 医 療 法 人 で 必 要 とされる 会 計 制 度 のうち 法 人 全 体 の 計 算 書 類 に 係 る 部 分 のみを 規 定 したものであり 本 会 計 基 準 をもって 医 療 法 人 のすべての 会 計 制 度 について 網 羅 的 に 規 定 したものとはならない このため 医 療 法 人 の 会 計 を 適 正 に 行 なうためには 本 会 計 基 準 のみならず 施 設 又 は 事 業 の 基 準 も 考 慮 しな ければならない 各 々の 医 療 法 人 が 遵 守 すべき 会 計 の 基 準 としては これらの 会 計 基 準 ( 明 文 化 されていない 部 分 については 一 般 に 公 正 妥 当 と 認 められる 会 計 の 基 準 を 含 む )の 総 合 的 な 解 釈 の 結 果 として 具 体 的 な 処 理 方 法 を 決 定 した 経 理 規 程 を 作 成 することが 必 要 である 4

10 (2) 医 療 法 人 会 計 基 準 第 1 総 則 1 目 的 この 会 計 基 準 は 医 療 法 ( 昭 和 23 年 法 律 第 205 号 ) 第 39 条 の 規 定 に 基 づき 設 立 された 医 療 法 人 ( 以 下 医 療 法 人 という )の 計 算 書 類 ( 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 及 び 注 記 表 並 びに 財 産 目 録 をいう 以 下 同 じ )の 作 成 の 基 準 を 定 め 医 療 法 人 の 健 全 なる 運 営 に 資 することを 目 的 とする 2 一 般 原 則 医 療 法 人 は 次 に 掲 げる 原 則 に 従 って 計 算 書 類 を 作 成 しなければならない 一 計 算 書 類 は 財 政 状 態 及 び 損 益 の 状 況 に 関 する 真 実 な 内 容 を 明 瞭 に 表 示 するもの でなければならない 二 計 算 書 類 は 正 規 の 簿 記 の 原 則 に 従 って 正 しく 記 帳 された 会 計 帳 簿 に 基 づいて 作 成 しなければならない 三 会 計 処 理 の 原 則 及 び 手 続 並 びに 計 算 書 類 の 表 示 方 法 は 毎 会 計 年 度 これを 継 続 し て 適 用 し みだりに 変 更 してはならない 四 重 要 性 の 乏 しいものについては 会 計 処 理 の 原 則 及 び 手 続 並 びに 計 算 書 類 の 表 示 方 法 の 適 用 に 際 して 本 来 の 厳 密 な 方 法 によらず 他 の 簡 便 な 方 法 によることがで きる < 注 1> 3 会 計 年 度 医 療 法 人 の 会 計 年 度 は 定 款 又 は 寄 附 行 為 で 定 められた 期 間 によるものとする 第 2 貸 借 対 照 表 1 貸 借 対 照 表 の 内 容 貸 借 対 照 表 は 当 該 会 計 年 度 末 現 在 におけるすべての 資 産 負 債 及 び 純 資 産 の 状 態 を 明 瞭 に 表 示 するものでなければならない < 注 2> 2 貸 借 対 照 表 の 区 分 貸 借 対 照 表 は 資 産 の 部 負 債 の 部 及 び 純 資 産 の 部 に 分 かち 更 に 資 産 の 部 を 流 動 5

11 資 産 及 び 固 定 資 産 に 負 債 の 部 を 流 動 負 債 及 び 固 定 負 債 に 区 分 するものとする < 注 3> 3 純 資 産 の 区 分 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 は 出 資 金 基 金 積 立 金 及 び 評 価 換 算 差 額 等 に 区 分 するも のとする < 注 4> 出 資 金 には 当 該 医 療 法 人 が 持 分 の 定 めのある 医 療 法 人 である 場 合 において 社 員 等 が 出 資 した 金 額 を 計 上 する < 注 5> 基 金 には 当 該 医 療 法 人 に 対 する 拠 出 金 のうち 返 還 可 能 性 を 有 する 金 額 を 計 上 する < 注 6> 積 立 金 には 当 期 以 前 の 損 益 を 源 泉 とした 純 資 産 額 を その 性 格 応 じた 名 称 を 付 し て 計 上 する < 注 7> その 他 有 価 証 券 評 価 差 額 金 や 繰 延 ヘッジ 損 益 のように 資 産 又 は 負 債 は 時 価 をもっ て 貸 借 対 照 表 価 額 としているが 当 該 資 産 又 は 負 債 に 係 る 評 価 差 額 を 当 期 の 損 益 とし ていない 場 合 の 当 該 評 価 差 額 は 評 価 換 算 差 額 等 に 計 上 する 4 資 産 の 貸 借 対 照 表 価 額 資 産 の 貸 借 対 照 表 価 額 は 原 則 として 当 該 資 産 の 取 得 価 額 を 基 礎 として 計 上 しな ければならない 受 贈 等 によって 取 得 した 資 産 の 取 得 価 額 は その 取 得 時 における 公 正 な 評 価 額 とする < 注 8>< 注 9> 未 収 金 貸 付 金 等 の 債 権 については 取 得 価 額 から 貸 倒 引 当 金 を 控 除 した 額 をもっ て 貸 借 対 照 表 価 額 とする < 注 10> 満 期 日 まで 所 有 する 意 思 をもって 保 有 する 社 債 その 他 の 債 券 以 外 の 有 価 証 券 のう ち 市 場 価 格 のあるものについては 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする 棚 卸 資 産 については 取 得 価 額 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする ただし 時 価 が 取 得 価 額 よりも 下 落 した 場 合 には 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする < 注 11> 有 形 固 定 資 産 及 び 無 形 固 定 資 産 については その 取 得 価 額 から 減 価 償 却 累 計 額 を 控 除 した 価 額 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする 資 産 の 時 価 が 著 しく 下 落 したときは 回 復 の 見 込 みがあると 認 められる 場 合 を 除 き 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 としなければならない ただし 有 形 固 定 資 産 及 び 無 形 固 定 資 産 について 使 用 価 値 が 時 価 を 超 える 場 合 取 得 価 額 から 減 価 償 却 累 計 額 を 控 除 した 価 額 を 超 えない 限 りにおいて 使 用 価 値 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とすることができる 6

12 第 3 損 益 計 算 書 1 損 益 計 算 書 の 内 容 損 益 計 算 書 は 当 該 会 計 年 度 に 属 するすべての 収 益 及 び 費 用 の 内 容 を 明 らかにする ものでなければならない < 注 2> 2 損 益 計 算 書 の 区 分 損 益 計 算 書 は 事 業 損 益 計 算 経 常 損 益 計 算 及 び 純 損 益 計 算 に 区 分 するものとする < 注 12> 3 損 益 計 算 の 構 成 事 業 損 益 計 算 は 本 来 業 務 事 業 損 益 附 帯 業 務 事 業 損 益 収 益 業 務 事 業 損 益 に 分 か ち それぞれの 事 業 活 動 から 生 ずる 収 益 及 び 費 用 を 記 載 して 各 事 業 損 益 を 示 し 併 せ て 全 事 業 損 益 を 示 すものとする < 注 8>< 注 12>< 注 13>< 注 14>< 注 15> 経 常 損 益 計 算 は 事 業 損 益 計 算 の 結 果 を 受 けて 事 業 活 動 以 外 の 原 因 から 生 ずる 収 益 及 び 費 用 であって 経 常 的 に 発 生 するものを 記 載 して 経 常 損 益 を 示 すものとする 純 損 益 計 算 は 経 常 損 益 計 算 の 結 果 を 受 けて 臨 時 的 に 発 生 する 収 益 及 び 費 用 を 記 載 して 税 引 前 当 期 純 損 益 を 示 し ここから 法 人 税 等 の 負 担 額 を 控 除 して 当 期 純 損 益 を 示 すものとする 第 4 注 記 表 1 注 記 表 の 内 容 注 記 表 は 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 の 作 成 の 前 提 となる 事 項 及 び 補 足 する 事 項 を 記 載 することにより 財 務 状 況 を 明 らかにするものでなければならない 2 注 記 表 の 区 分 注 記 表 は 次 に 掲 げる 項 目 に 区 分 するものとする 一 継 続 事 業 の 前 提 に 関 する 注 記 二 重 要 な 会 計 方 針 に 係 る 事 項 の 注 記 三 会 計 方 針 の 変 更 に 関 する 注 記 7

13 四 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 五 損 益 計 算 書 に 関 する 注 記 六 純 資 産 の 増 減 に 関 する 注 記 七 キャッシュ フローの 状 況 に 関 する 注 記 八 関 連 当 事 者 に 関 する 注 記 九 重 要 な 後 発 事 象 に 関 する 注 記 十 その 他 の 注 記 3 注 記 表 の 省 略 次 に 掲 げる 場 合 には 当 該 項 目 を 注 記 表 として 掲 載 することを 要 しない 一 財 務 諸 表 に 関 する 注 記 として 別 途 掲 載 する 場 合 < 注 16> 二 当 該 項 目 を 別 途 単 独 の 財 務 諸 表 として 取 り 扱 う 場 合 < 注 17> 三 当 該 項 目 を 別 途 附 属 明 細 表 として 取 り 扱 う 場 合 < 注 18> 次 の 項 目 は 社 会 医 療 法 人 を 除 き 注 記 表 として 記 載 することを 省 略 することがで きる 一 キャッシュ フローの 状 況 に 関 する 注 記 二 関 連 当 事 者 に 関 する 注 記 4 継 続 事 業 の 前 提 に 関 する 注 記 継 続 事 業 の 前 提 に 関 する 注 記 は 当 該 医 療 法 人 の 事 業 年 度 の 末 日 において 財 務 指 標 の 悪 化 の 傾 向 重 要 な 債 務 の 不 履 行 等 財 政 破 綻 の 可 能 性 その 他 将 来 にわたって 事 業 を 継 続 することの 前 提 に 重 要 な 疑 義 を 抱 かせる 事 象 又 は 状 況 が 存 在 する 場 合 におけ るその 内 容 を 記 載 する 5 重 要 な 会 計 方 針 に 係 る 事 項 の 注 記 重 要 な 会 計 方 針 に 係 る 事 項 に 関 する 注 記 は 計 算 書 類 の 作 成 のために 採 用 している 会 計 処 理 の 原 則 及 び 手 続 並 びに 表 示 方 法 その 他 計 算 書 類 作 成 のための 基 本 となる 事 項 であって 次 に 掲 げる 事 項 とする 一 資 産 の 評 価 基 準 及 び 評 価 方 法 < 注 11> 二 固 定 資 産 の 減 価 償 却 方 法 三 引 当 金 の 計 上 基 準 < 注 10>< 注 19> 四 消 費 税 等 の 会 計 処 理 方 法 8

14 五 その 他 計 算 書 類 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 < 注 21> 6 会 計 方 針 の 変 更 に 関 する 注 記 重 要 な 会 計 方 針 を 変 更 した 場 合 には その 旨 変 更 の 理 由 及 び 当 該 変 更 による 影 響 額 を 記 載 する 7 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 は 次 に 掲 げる 事 項 とする 一 基 本 財 産 の 増 減 及 びその 残 高 < 注 3> 二 固 定 資 産 の 増 減 及 びその 残 高 < 注 23> 三 引 当 金 の 増 減 及 びその 残 高 < 注 24> 四 借 入 金 ( 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 を 含 む )の 増 減 < 注 25> 五 有 価 証 券 の 内 訳 < 注 26> 六 資 産 及 び 負 債 のうち 収 益 業 務 に 係 るもの< 注 14> 七 担 保 に 供 している 資 産 八 債 権 について 貸 倒 引 当 金 を 直 接 控 除 した 残 額 のみを 記 載 した 場 合 には 当 該 債 権 の 債 権 金 額 貸 倒 引 当 金 及 び 当 該 債 権 の 当 期 末 残 高 九 賃 貸 借 処 理 をしたファイナンス リース 取 引 がある 場 合 には 貸 借 対 照 表 科 目 に 準 じた 資 産 の 種 類 ごとのリース 料 総 額 及 び 未 経 過 リース 料 の 当 期 末 残 高 < 注 22> 十 保 証 債 務 重 要 な 係 争 事 件 に 係 る 損 害 賠 償 義 務 等 の 偶 発 債 務 十 一 その 他 必 要 な 事 項 < 注 21> 8 損 益 計 算 書 に 関 する 注 記 損 益 計 算 書 に 関 する 注 記 は 次 に 掲 げる 事 項 とする 一 事 業 費 用 の 内 訳 < 注 15> 二 収 益 業 務 からの 繰 入 金 の 状 況 < 注 14> 三 その 他 必 要 な 事 項 < 注 21> 9 純 資 産 の 増 減 に 関 する 注 記 純 資 産 の 増 減 に 関 する 注 記 は 純 資 産 の 部 の 増 減 及 びその 残 高 について 科 目 別 に 記 載 する < 注 27> 9

15 10 キャッシュ フローの 状 況 に 関 する 注 記 キャッシュ フローの 状 況 に 関 する 注 記 は 当 該 会 計 年 度 のキャッシュ フローの 金 額 ( 事 業 活 動 によるキャッシュ フロー 投 資 活 動 によるキャッシュ フロー 財 務 活 動 によるキャッシュ フローに 区 分 する ) 及 び 資 金 残 高 を 記 載 する < 注 28> 11 関 連 当 事 者 に 関 する 注 記 関 連 当 事 者 との 取 引 について 次 に 掲 げる 事 項 を 原 則 として 関 連 当 事 者 ごとに 注 記 しなければならない < 注 20> 1 当 該 関 連 当 事 者 が 法 人 の 場 合 には その 名 称 所 在 地 直 近 の 会 計 期 末 における 資 産 総 額 及 び 事 業 の 内 容 なお 当 該 関 連 当 事 者 が 会 社 の 場 合 には 当 該 関 連 当 事 者 の 議 決 権 に 対 する 当 該 医 療 法 人 の 所 有 割 合 2 当 該 関 連 当 事 者 が 個 人 の 場 合 には その 氏 名 及 び 職 業 3 当 該 医 療 法 人 と 関 連 当 事 者 との 関 係 4 取 引 の 内 容 5 取 引 の 種 類 別 の 取 引 金 額 6 取 引 条 件 及 び 取 引 条 件 の 決 定 方 針 7 取 引 により 発 生 した 債 権 債 務 に 係 る 主 な 科 目 別 の 期 末 残 高 8 取 引 条 件 の 変 更 があった 場 合 には その 旨 変 更 の 内 容 及 び 当 該 変 更 が 計 算 書 類 に 与 えている 影 響 の 内 容 ただし 関 連 当 事 者 との 間 の 取 引 のうち 次 に 定 める 取 引 については 上 記 の 注 記 を 要 しない 1 一 般 競 争 入 札 による 取 引 並 びに 預 金 利 息 及 び 配 当 金 の 受 取 りその 他 取 引 の 性 格 からみて 取 引 条 件 が 一 般 の 取 引 と 同 様 であることが 明 白 な 取 引 2 役 員 に 対 する 報 酬 賞 与 及 び 退 職 慰 労 金 の 支 払 い 12 重 要 な 後 発 事 象 に 関 する 注 記 重 要 な 後 発 事 象 に 関 する 注 記 は 当 該 医 療 法 人 の 会 計 年 度 の 末 日 後 当 該 医 療 法 人 の 翌 会 計 年 度 以 降 の 財 政 状 態 又 は 損 益 の 状 況 に 重 要 な 影 響 を 及 ぼす 事 象 が 発 生 した 場 合 にその 内 容 を 記 載 する 13 その 他 の 注 記 その 他 医 療 法 人 の 財 政 状 態 又 は 損 益 の 状 況 を 明 らかにするために 必 要 な 事 項 があ 10

16 る 場 合 には その 内 容 を 記 載 する < 注 21> 第 5 財 産 目 録 1 財 産 目 録 の 内 容 財 産 目 録 は 当 該 会 計 年 度 末 現 在 におけるすべての 資 産 及 び 負 債 につき 価 額 及 び 必 要 な 情 報 を 表 示 するものとする 2 財 産 目 録 の 区 分 財 産 目 録 は 貸 借 対 照 表 の 区 分 に 準 じ 資 産 の 部 と 負 債 の 部 に 分 かち 更 に 資 産 の 部 を 流 動 資 産 及 び 固 定 資 産 に 区 分 して 純 資 産 の 額 を 表 示 するものとする 3 財 産 目 録 の 価 額 財 産 目 録 の 価 額 は 貸 借 対 照 表 記 載 の 価 額 と 同 一 とする 11

17 (3) 医 療 法 人 会 計 基 準 注 解 < 注 1> 重 要 性 の 原 則 の 適 用 について 重 要 性 の 原 則 の 適 用 例 としては 次 のようなものがある 1 棚 卸 資 産 のうち 重 要 性 の 乏 しいものについては その 買 入 時 又 は 払 出 時 に 費 用 として 処 理 する 方 法 を 採 用 することができる 2 前 払 費 用 未 収 収 益 未 払 費 用 及 び 前 受 収 益 のうち 重 要 性 の 乏 しいものについ ては 経 過 勘 定 項 目 として 処 理 しないことができる 3 引 当 金 のうち 重 要 性 の 乏 しいものについては これを 計 上 しないことができる 4 取 得 価 額 と 債 券 金 額 との 差 額 について 重 要 性 が 乏 しい 満 期 保 有 目 的 の 債 券 につ いては 償 却 原 価 法 を 採 用 しないことができる 5 税 効 果 会 計 の 適 用 に 当 たり 一 時 差 異 等 の 金 額 に 重 要 性 がない 場 合 には 繰 延 税 金 資 産 又 は 繰 延 税 金 負 債 を 計 上 しないことができる 6 租 税 特 別 措 置 法 による 特 別 償 却 額 のうち 一 時 償 却 は 重 要 性 が 乏 しい 場 合 には 正 規 の 減 価 償 却 とすることができる < 注 2> 総 額 主 義 について 貸 借 対 照 表 における 資 産 負 債 及 び 純 資 産 は 総 額 をもって 記 載 することを 原 則 と し 資 産 の 項 目 と 負 債 又 は 純 資 産 の 項 目 とを 相 殺 することによって その 全 部 又 は 一 部 を 貸 借 対 照 表 から 除 去 してはならない 総 額 主 義 の 原 則 は 損 益 計 算 書 においても 適 用 する < 注 3> 基 本 財 産 について 定 款 又 は 寄 附 行 為 において 基 本 財 産 の 規 定 を 置 いている 場 合 であっても 貸 借 対 照 表 及 び 財 産 目 録 には 基 本 財 産 としての 表 示 区 分 は 設 ける 必 要 はないが 当 該 基 本 財 産 の 前 会 計 年 度 末 残 高 当 該 会 計 年 度 の 増 加 額 当 該 会 計 年 度 の 減 少 額 及 び 当 該 会 計 年 度 末 残 高 について 貸 借 対 照 表 の 科 目 別 に 注 記 するものとする < 注 4> 法 人 類 型 の 違 いと 純 資 産 の 区 分 について 出 資 金 の 概 念 は 第 五 次 医 療 法 改 正 法 ( 平 成 18 年 法 律 第 84 号 ) 附 則 第 10 条 第 2 項 の 適 用 を 受 ける 医 療 法 人 ( 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 )に 限 定 されている また 基 金 の 概 念 は 医 療 法 施 行 規 則 第 30 条 の37の 規 定 により 基 金 制 度 を 定 款 規 12

18 定 した 持 分 のない 社 団 医 療 法 人 に 限 定 されている よって 実 際 の 適 用 における 純 資 産 の 区 分 は 法 人 類 型 により 以 下 のとおりとなる 1 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 出 資 金 積 立 金 評 価 換 算 差 額 等 2 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 で 基 金 制 度 を 有 するもの 基 金 積 立 金 評 価 換 算 差 額 等 3 上 記 以 外 の 医 療 法 人 積 立 金 評 価 換 算 差 額 等 < 注 5> 出 資 金 について 出 資 金 には 社 員 等 が 実 際 に 払 い 込 みをした 金 額 を 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 直 接 計 上 し 退 社 による 払 戻 が 行 われた 場 合 には 当 該 社 員 の 払 い 込 み 金 額 を 直 接 減 額 す ることとする < 注 6> 基 金 について 基 金 は 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 直 接 計 上 するものであり 医 療 法 施 行 規 則 第 3 0 条 の37 規 定 を 根 拠 として 定 款 に 記 載 されている 社 団 医 療 法 人 の 基 金 が 該 当 する こととなる 当 該 基 金 が 純 資 産 の 部 に 計 上 される 理 由 は 定 時 社 員 総 会 の 議 決 によ り 一 定 の 純 資 産 額 が 存 する 場 合 にのみ 返 還 可 能 であること 返 還 額 と 同 額 を 将 来 取 り 崩 すことができない 代 替 基 金 としなければならないことが 法 令 上 明 確 になっている ことにある よって 当 該 基 金 に 類 するものであっても 当 該 法 令 上 の 基 金 でないも のは 基 金 に 計 上 することはできない < 注 7> 積 立 金 について 積 立 金 は 各 会 計 年 度 の 当 期 純 利 益 又 は 当 期 純 損 失 の 累 計 額 から 当 該 累 計 額 の 直 接 減 少 額 を 差 し 引 いたものとなるが その 性 格 により 以 下 のとおり 区 分 する 1 医 療 法 人 の 設 立 等 に 係 る 資 産 の 受 贈 益 の 金 額 及 び 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 が 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 へ 移 行 した 場 合 の 移 行 時 の 出 資 金 の 金 額 と 繰 越 利 益 積 立 金 等 の 金 額 の 合 計 額 を 計 上 した 設 立 等 積 立 金 2 基 金 の 拠 出 者 への 返 還 に 伴 い 返 還 額 と 同 額 を 計 上 した 代 替 基 金 3 固 定 資 産 圧 縮 積 立 金 特 別 償 却 準 備 金 のように 法 人 税 法 等 の 規 定 による 積 立 金 経 理 により 計 上 するもの 13

19 4 将 来 の 特 定 目 的 の 支 出 に 備 えるため 理 事 会 の 議 決 に 基 づき 計 上 するもの( 以 下 特 定 目 的 積 立 金 という) なお 特 定 目 的 積 立 金 を 計 上 する 場 合 には 当 該 積 立 金 とする 金 額 について 当 該 特 定 目 的 を 付 した 特 定 資 産 として 通 常 の 資 産 とは 明 確 に 区 別 しなければな らない 5 上 記 各 積 立 金 以 外 の 繰 越 利 益 積 立 金 なお 持 分 の 払 戻 により 減 少 した 純 資 産 額 と 当 該 時 点 の 対 応 する 出 資 金 と 繰 越 利 益 積 立 金 との 合 計 額 との 差 額 は 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 とする この 場 合 マイ ナスの 積 立 金 となる 場 合 には 控 除 項 目 と 同 様 の 表 記 をする < 注 8> 補 助 金 等 について 医 療 法 人 が 国 又 は 地 方 公 共 団 体 等 から 補 助 金 等 を 受 け 入 れた 場 合 の 会 計 処 理 は 以 下 のとおりとする 1 固 定 資 産 の 取 得 に 係 る 補 助 金 等 については 直 接 減 額 方 式 又 は 積 立 金 経 理 により 圧 縮 記 帳 する 2 運 営 費 補 助 金 のように 補 助 対 象 となる 支 出 が 事 業 費 に 計 上 されるものについて は 当 該 補 助 対 象 の 費 用 と 対 応 させるため 事 業 収 益 に 計 上 する < 注 9> 外 貨 建 の 資 産 及 び 負 債 の 決 算 時 における 換 算 について 外 国 通 貨 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 ( 外 貨 預 金 を 含 む ) 及 び 外 貨 建 有 価 証 券 等 につい ては 原 則 として 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 すものとする 決 算 時 におけ る 換 算 によって 生 じた 換 算 差 額 は 原 則 として 当 期 の 為 替 差 損 益 として 処 理 する < 注 10> 貸 倒 引 当 金 について 未 収 金 貸 付 金 等 の 金 銭 債 権 のうち 回 収 不 能 と 認 められる 額 がある 場 合 には その 金 額 を 合 理 的 に 見 積 もって 貸 倒 引 当 金 を 計 上 するものとする ただし 社 会 医 療 法 人 以 外 の 前 々 会 計 年 度 末 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 の 医 療 法 人 においては 法 人 税 法 における 貸 倒 引 当 金 の 繰 入 限 度 相 当 額 が 取 立 不 能 見 込 額 を 明 らかに 下 回 っている 場 合 を 除 き その 繰 入 限 度 額 相 当 額 を 貸 倒 引 当 金 に 計 上 することができる < 注 11> 棚 卸 資 産 の 評 価 方 法 について 棚 卸 資 産 の 評 価 方 法 は 先 入 先 出 法 移 動 平 均 法 総 平 均 法 の 中 から 選 択 適 用 する 14

20 ことを 原 則 とするが 最 終 仕 入 原 価 法 も 期 間 損 益 の 計 算 上 著 しい 弊 害 がない 場 合 には 用 いることができる < 注 12> 事 業 損 益 と 事 業 外 損 益 の 区 別 について 本 基 準 の 損 益 計 算 書 において 事 業 損 益 は 本 来 業 務 附 帯 業 務 収 益 業 務 に 区 別 され 事 業 外 損 益 は 一 括 して 表 示 される 事 業 損 益 を 区 別 する 意 義 は 法 令 で 求 め られている 附 帯 業 務 及 び 収 益 業 務 の 運 営 が 本 来 業 務 の 支 障 となっていないかどうか の 判 断 の 一 助 とすることにある したがって 施 設 等 の 会 計 基 準 では 事 業 外 損 益 とさ れている 帰 属 が 明 確 な 付 随 的 な 収 益 又 は 費 用 についても 本 基 準 の 損 益 計 算 書 上 は 事 業 収 益 又 は 事 業 費 用 に 計 上 するものとする ただし 資 金 調 達 及 び 資 金 運 用 に 係 る 費 用 収 益 は 事 業 損 益 に 含 めないこととする < 注 13> 事 業 損 益 の 区 分 について 事 業 損 益 は 病 院 診 療 所 又 は 介 護 老 人 保 健 施 設 に 係 る 本 来 業 務 事 業 損 益 医 療 法 第 42 条 に 基 づいて 定 款 又 は 寄 附 行 為 の 規 定 により 実 施 している 附 帯 業 務 に 係 る 附 帯 業 務 事 業 損 益 医 療 法 第 42 条 の2に 基 づいて 定 款 又 は 寄 附 行 為 の 規 定 により 実 施 している 収 益 業 務 に 係 る 収 益 業 務 事 業 損 益 に 区 分 して 損 益 計 算 書 の 記 載 をすること となるが 附 帯 業 務 又 は 収 益 業 務 を 実 施 していない 場 合 には 損 益 計 算 書 の 当 該 区 分 は 省 略 することとなる なお 法 人 本 部 を 独 立 した 会 計 としている 場 合 の 本 部 の 費 用 ( 資 金 調 達 に 係 る 費 用 等 事 業 外 費 用 に 属 するものは 除 く )は 本 来 業 務 事 業 損 益 の 区 分 に 計 上 するものとする < 注 14> 収 益 業 務 に 係 る 特 別 の 会 計 の 取 扱 いについて 医 療 法 第 42 条 の2 第 3 項 において 収 益 業 務 に 係 る 会 計 は 本 来 業 務 及 び 附 帯 業 務 に 関 する 会 計 から 区 分 し 特 別 の 会 計 として 経 理 しなければならない とされて いる したがって 本 基 準 の 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 は 収 益 業 務 に 係 る 部 分 を 包 含 しているが 内 部 管 理 上 の 区 分 においては 収 益 業 務 に 固 有 の 部 分 について 別 個 の 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 を 作 成 することが 必 要 である なお 当 該 収 益 業 務 会 計 の 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 で 把 握 した 金 額 に 基 づいて 収 益 業 務 会 計 から 一 般 会 計 への 繰 入 金 の 状 況 ( 一 般 会 計 への 繰 入 金 と 一 般 会 計 からの 元 入 金 の 累 計 額 である 繰 入 純 額 の 前 期 末 残 高 当 期 末 残 高 当 期 繰 入 額 又 は 元 入 額 ) 並 びに 資 産 及 び 負 債 のうち 収 益 業 務 に 係 るものの 注 記 をするものとする 15

21 < 注 15> 事 業 費 用 の 内 訳 の 記 載 方 法 について 損 益 計 算 書 における 事 業 費 用 は 本 来 業 務 附 帯 業 務 収 益 業 務 に 区 分 して 記 載 す るのであるが 事 業 費 用 の 内 訳 の 注 記 においては 形 態 別 分 類 を 主 として 適 宜 分 類 し た 費 目 又 は 中 区 分 科 目 について 以 下 のいずれかの 方 法 により 表 記 する 1 中 区 分 科 目 別 に 本 来 業 務 事 業 費 用 ( 本 部 を 独 立 した 会 計 としている 場 合 には 事 業 費 と 本 部 費 に 細 分 する ) 附 帯 業 務 事 業 費 用 収 益 業 務 事 業 費 用 の 金 額 を 表 記 する この 場 合 に 中 区 分 科 目 の 細 区 分 として 各 費 目 を 合 わせて 記 載 することが できる 2 費 目 別 に 法 人 全 体 の 金 額 を 表 記 する この 場 合 に 各 費 目 を 中 区 分 科 目 に 括 って 合 わせて 記 載 することができる なお 中 区 分 科 目 は 売 上 原 価 ( 当 該 医 療 法 人 の 開 設 する 病 院 等 の 業 務 に 付 随 して 行 われる 売 店 等 及 び 収 益 業 務 のうち 商 品 の 仕 入 れ 又 は 製 品 の 製 造 を 伴 う 業 務 にかか るもの) 材 料 費 給 与 費 委 託 費 経 費 及 びその 他 の 費 用 とする < 注 16> 財 務 諸 表 に 関 する 注 記 として 別 途 掲 載 する 場 合 について 社 会 医 療 法 人 債 を 発 行 する 社 会 医 療 法 人 の 財 務 諸 表 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 等 別 に 定 めた 計 算 書 類 に 関 する 表 示 基 準 において 財 務 諸 表 に 関 する 注 記 として 掲 載 することとなっている 場 合 には 注 記 表 の 内 容 は この 財 務 諸 表 に 関 する 注 記 として 掲 載 されることとなる よって この 場 合 には 別 に 注 記 表 を 作 成 するこ ととはならない < 注 17> 当 該 項 目 を 別 途 単 独 の 財 務 諸 表 として 取 り 扱 う 場 合 について 法 令 の 定 めにより 作 成 することとされている 財 務 諸 表 が 注 記 表 の 項 目 の 内 容 に 該 当 する 場 合 には 当 該 財 務 諸 表 の 内 容 をもって 必 要 な 情 報 が 掲 載 されることとなる よって 以 下 の 場 合 には 別 に 注 記 表 の 項 目 とはならない 1 純 資 産 変 動 計 算 書 を 作 成 する 場 合 の 純 資 産 の 増 減 に 関 する 注 記 2キャッシュ フロー 計 算 書 を 作 成 する 場 合 のキャッシュ フローの 状 況 に 関 する 注 記 なお 法 令 により 作 成 することが 定 められていない 医 療 法 人 であっても 同 様 の 取 り 扱 いによることができる 16

22 < 注 18> 当 該 項 目 を 別 途 附 属 明 細 表 として 取 り 扱 う 場 合 について 法 令 の 定 めにより 附 属 明 細 表 として 作 成 することとされているもののうち 注 記 表 の 項 目 の 内 容 に 該 当 するものは 当 該 附 属 明 細 表 の 内 容 をもって 必 要 な 情 報 が 掲 載 さ れることとなる よって 以 下 の 場 合 には 別 途 注 記 表 の 項 目 とはならない 1 有 価 証 券 明 細 表 を 作 成 する 場 合 の 有 価 証 券 の 内 訳 2 有 形 固 定 資 産 等 明 細 表 を 作 成 する 場 合 の 固 定 資 産 の 増 減 及 びその 残 高 3 社 会 医 療 法 人 債 明 細 表 及 び 借 入 金 等 明 細 表 を 作 成 する 場 合 の 借 入 金 ( 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 を 含 む )の 増 減 4 引 当 金 明 細 表 を 作 成 する 場 合 の 引 当 金 の 増 減 及 びその 残 高 5 事 業 費 用 明 細 表 を 作 成 する 場 合 の 事 業 費 用 の 内 訳 なお 法 令 により 作 成 することが 定 められていない 医 療 法 人 であっても 同 様 の 取 り 扱 いによることができる < 注 19> 退 職 給 付 引 当 金 について 退 職 給 付 引 当 金 は 退 職 給 付 に 係 る 見 積 債 務 額 から 年 金 資 産 額 等 を 控 除 したものを 計 上 するものとする 当 該 計 算 は 退 職 給 付 に 係 る 会 計 基 準 ( 平 成 10 年 6 月 16 日 企 業 会 計 審 議 会 ) に 基 づいて 行 うものであり 下 記 事 項 を 除 き 企 業 会 計 におけ る 実 務 上 の 取 扱 いと 同 様 とする 1 本 会 計 基 準 適 用 に 伴 う 新 たな 会 計 処 理 の 採 用 により 生 じる 影 響 額 ( 適 用 時 差 異 ) は 通 常 の 会 計 処 理 とは 区 分 して 本 会 計 基 準 適 用 後 15 年 以 内 の 一 定 の 年 数 又 は 従 業 員 の 平 均 残 存 勤 務 年 数 のいずれか 短 い 年 数 にわたり 定 額 法 により 費 用 処 理 することができる 2 社 会 医 療 法 人 以 外 の 前 々 会 計 年 度 末 日 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 の 医 療 法 人 においては 上 記 企 業 会 計 の 取 扱 いにおける 簡 便 法 適 用 要 件 を 満 たさない 場 合 で あっても 簡 便 法 を 適 用 することができる < 注 20> 関 連 当 事 者 との 取 引 の 記 載 範 囲 について 1 関 連 当 事 者 の 範 囲 について 関 連 当 事 者 とは 次 に 掲 げる 者 をいう イ 関 係 法 人 ( 当 該 医 療 法 人 の 役 員 職 員 等 が 他 の 法 人 の 意 思 決 定 機 関 の 過 半 数 を 構 成 する 場 合 の 他 の 法 人 他 の 法 人 の 役 員 職 員 等 が 当 該 医 療 法 人 の 意 思 決 定 機 関 の 過 半 数 を 構 成 する 場 合 の 他 の 法 人 当 該 医 療 法 人 と 他 の 法 人 のいずれか 一 17

23 方 が 他 方 の 資 金 調 達 額 の 過 半 の 融 資 ( 債 務 保 証 を 含 む )を 行 っている 場 合 の 他 の 法 人 又 は 当 該 医 療 法 人 と 他 の 法 人 のいずれか 一 方 が 他 方 の 意 思 決 定 に 関 する 重 要 な 契 約 を 有 する 場 合 の 他 の 法 人 を 言 う 以 下 同 じ ) ロ 当 該 医 療 法 人 と 同 一 の 関 係 法 人 をもつ 法 人 ハ 当 該 医 療 法 人 の 役 員 及 びその 近 親 者 ( 配 偶 者 及 び 二 親 等 内 の 親 族 を 言 う 以 下 同 じ ) 二 当 該 医 療 法 人 の 役 員 及 びその 近 親 者 が 支 配 している 法 人 2 注 記 する 取 引 の 範 囲 について 関 連 当 事 者 が 法 人 の 場 合 には 以 下 のとおりとする イ 事 業 収 益 に 係 る 取 引 は 本 来 業 務 事 業 収 益 附 帯 業 務 事 業 収 益 及 び 収 益 業 務 事 業 収 益 の 合 計 額 の10% 超 の 取 引 ロ 事 業 費 用 に 係 る 取 引 は 本 来 業 務 事 業 費 用 附 帯 業 務 事 業 費 用 及 び 収 益 業 務 事 業 費 用 の 合 計 額 の10% 超 の 取 引 ハ 事 業 外 収 益 又 は 事 業 外 費 用 に 係 る 取 引 は それぞれの 合 計 額 の10% 超 の 取 引 ニ 特 別 利 益 又 は 特 別 損 失 に 係 る 取 引 は 1,000 万 円 超 の 取 引 ホ 資 産 又 は 負 債 については 総 資 産 の1% 超 の 残 高 ヘ 資 金 貸 借 取 引 有 形 固 定 資 産 や 有 価 証 券 の 購 入 売 却 取 引 等 については 取 引 発 生 総 額 が 総 資 産 の1% 超 の 取 引 ト 事 業 の 譲 受 又 は 譲 渡 の 場 合 には 資 産 又 は 負 債 の 総 額 のいずれか 大 きい 額 が 総 資 産 の1% 超 の 取 引 関 連 当 事 者 が 個 人 の 場 合 には 損 益 計 算 書 項 目 及 び 貸 借 対 照 表 項 目 のいずれに 係 る 取 引 についても 年 間 1,000 万 円 超 の 取 引 とする < 注 21> その 他 注 記 項 目 となる 事 項 について その 他 注 記 項 目 となる 事 項 の 例 は 以 下 のようなものがある (1)その 他 計 算 書 類 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 となるもの 1 補 助 金 等 の 会 計 処 理 方 法 (2) 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 のその 他 必 要 な 事 項 となるもの 1 資 産 及 び 負 債 の 科 目 内 訳 を 表 記 していない 場 合 の 科 目 別 内 訳 2 繰 延 税 金 資 産 及 び 繰 延 税 金 負 債 に 重 要 性 がある 場 合 の 主 な 発 生 原 因 別 内 訳 3 満 期 保 有 目 的 の 債 券 に 重 要 性 がある 場 合 の 内 訳 並 びに 帳 簿 価 額 時 価 及 び 評 価 損 益 18

24 (3) 損 益 計 算 書 に 関 する 注 記 のその 他 必 要 な 事 項 となるもの 1 事 業 外 収 益 又 は 事 業 外 費 用 の 内 訳 を 表 記 していない 場 合 の 主 要 な 費 目 の 内 容 及 び 金 額 2 特 別 利 益 又 は 特 別 損 失 の 内 訳 を 表 記 していない 場 合 の 主 要 な 費 目 の 内 容 及 び 金 額 3 控 除 対 象 外 消 費 税 等 の 金 額 (4)その 他 の 注 記 となるもの 1 補 助 金 等 に 重 要 性 がある 場 合 の 内 訳 並 びに 交 付 者 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 への 影 響 額 2 固 定 資 産 の 償 却 年 数 又 は 残 存 価 額 の 変 更 に 重 要 性 がある 場 合 の 影 響 額 3 原 則 法 を 適 用 した 場 合 の 退 職 給 付 引 当 金 の 計 算 の 前 提 とした 退 職 給 付 債 務 等 の 内 容 < 注 22> リース 取 引 の 会 計 処 理 について ファイナンス リース 取 引 については 通 常 の 売 買 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 うことを 原 則 とするが 以 下 の 場 合 には 賃 貸 借 処 理 を 行 うことができる 1リース 取 引 開 始 日 が 本 会 計 基 準 の 適 用 前 の 会 計 年 度 である 所 有 権 移 転 外 ファイ ナンス リース 取 引 2リース 取 引 開 始 日 が 前 々 事 業 年 度 末 日 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 でかつ 社 会 医 療 法 人 でない 会 計 年 度 である 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 3 一 契 約 におけるリース 料 総 額 が 300 万 円 未 満 の 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 < 注 23> 固 定 資 産 の 増 減 及 びその 残 高 の 記 載 項 目 について 固 定 資 産 の 増 減 及 びその 残 高 について 必 要 な 記 載 内 容 は 以 下 のとおりである 1すべての 固 定 資 産 について 科 目 別 に 記 載 する 内 容 前 期 末 残 高 当 期 増 加 額 当 期 減 少 額 当 期 末 残 高 2 減 価 償 却 資 産 について 当 期 末 残 高 につき 科 目 別 に 記 載 する 内 容 取 得 価 額 減 価 償 却 累 計 額 及 び 当 期 償 却 額 差 引 貸 借 対 照 表 価 額 < 注 24> 引 当 金 の 増 減 及 びその 残 高 の 記 載 項 目 について 引 当 金 の 増 減 及 びその 残 高 について 必 要 な 記 載 内 容 は 科 目 別 に 以 下 のとおりであ 19

25 る 前 期 末 残 高 当 期 増 加 額 当 期 減 少 額 ( 目 的 使 用 ) 当 期 減 少 額 (その 他 ) 当 期 末 残 高 なお 当 期 減 少 額 (その 他 )がある 場 合 には その 理 由 を 付 記 する < 注 25> 借 入 金 ( 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 を 含 む )の 増 減 の 記 載 項 目 について 借 入 金 ( 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 を 含 む )の 増 減 及 びその 残 高 について 必 要 な 記 載 内 容 は 以 下 のとおりである 1 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 について 銘 柄 別 に 記 載 する 内 容 発 行 年 月 日 前 期 末 残 高 当 期 末 残 高 利 率 担 保 償 還 期 限 2 借 入 金 ( 社 会 医 療 法 人 債 医 療 機 関 債 を 除 く )について 科 目 別 に 記 載 する 内 容 前 期 末 残 高 当 期 末 残 高 平 均 利 率 返 済 期 限 < 注 26> 有 価 証 券 の 内 訳 の 記 載 項 目 について 有 価 証 券 の 内 訳 について 必 要 な 記 載 内 容 は 以 下 のとおりである 1 債 券 について 銘 柄 別 に 記 載 する 内 容 券 面 総 額 貸 借 対 照 表 計 上 額 2その 他 について 種 類 及 び 銘 柄 別 に 記 載 する 内 容 投 資 口 数 等 貸 借 対 照 表 計 上 額 < 注 27> 純 資 産 の 増 減 の 記 載 方 法 について 純 資 産 の 増 減 は 科 目 別 に 前 期 末 残 高 当 期 変 動 額 及 び 当 期 末 残 高 を 記 載 し 当 期 変 動 額 は 当 期 純 利 益 拠 出 額 返 還 又 は 払 戻 額 振 替 額 等 原 因 別 に 表 記 する < 注 28>キャッシュ フローの 状 況 の 記 載 方 法 について キャッシュ フローの 状 況 は 現 金 及 び 現 金 同 等 物 ( 手 元 現 金 及 び 要 求 払 預 金 並 び に 容 易 に 換 金 可 能 であり かつ 価 値 の 変 動 について 僅 少 なリスクしか 負 わない 短 期 投 資 )の 以 下 の 項 目 及 び 金 額 を 表 記 する 1 事 業 活 動 によるキャッシュ フロー 投 資 活 動 及 び 財 務 活 動 以 外 の 取 引 に 係 るキャッシュ フロー 以 外 の 要 因 により 現 金 及 び 現 金 同 等 物 の 当 期 中 の 純 増 額 として 計 算 された 金 額 2 投 資 活 動 によるキャッシュ フロー 20

26 現 金 同 等 物 を 除 く 有 価 証 券 の 取 得 による 支 出 及 び 売 却 による 収 入 有 形 固 定 資 産 の 取 得 による 支 出 及 び 売 却 による 収 入 貸 付 けによる 支 出 及 び 貸 付 金 の 回 収 による 収 入 その 他 投 資 活 動 に 係 るキャッシュ フローの 要 因 により 現 金 及 び 現 金 同 等 物 の 当 期 中 の 純 増 額 として 計 算 された 金 額 3 財 務 活 動 によるキャッシュ フロー 短 期 借 入 れによる 収 入 短 期 借 入 金 の 返 済 による 支 出 長 期 借 入 れによる 収 入 長 期 借 入 金 の 返 済 による 支 出 社 会 医 療 法 人 債 又 は 医 療 機 関 債 の 発 行 による 収 入 社 会 医 療 法 人 債 又 は 医 療 機 関 債 の 償 還 による 支 出 その 他 財 務 活 動 に 係 るキャッシ ュ フローの 要 因 により 現 金 及 び 現 金 同 等 物 の 当 期 中 の 純 増 額 として 計 算 された 金 額 4 資 金 ( 現 金 及 び 現 金 同 等 物 )の 前 期 末 及 び 当 期 末 残 高 現 金 及 び 現 金 同 等 物 につき 貸 借 対 照 表 の 科 目 別 に 表 記 する なお 貸 借 対 照 表 の 金 額 と 一 致 していない 科 目 がある 場 合 には その 理 由 を 付 記 する 21

27 3 個 別 論 点 と 実 務 上 の 対 応 (1) 純 資 産 に 係 る 会 計 処 理 方 法 純 資 産 の 会 計 処 理 は 当 該 医 療 法 人 の 特 質 が 如 実 に 表 れる 部 分 である 医 療 法 人 は 純 資 産 の 会 計 処 理 に 影 響 を 与 える 異 なる 類 型 が 存 在 するので 他 の 法 人 の 会 計 基 準 の 内 容 を 準 用 することは 困 難 で 明 確 な 会 計 慣 行 も 確 立 しておらず 様 々な 会 計 処 理 方 法 を 行 っているのが 現 状 である 本 基 準 により 類 型 別 に 処 理 方 法 と 表 示 科 目 を 明 確 にすることを 意 図 している 法 人 類 型 別 の 純 資 産 の 区 分 は 注 解 4のと おりであり 注 解 5 注 解 6 注 解 7に 掲 記 されている 内 容 を 踏 まえて 取 引 種 類 別 に 会 計 処 理 を 示 すと 以 下 のとおりとなる イ) 出 資 又 は 拠 出 に 係 る 会 計 処 理 医 療 法 人 の 基 盤 とするための 資 金 の 拠 出 には 基 金 制 度 を 有 する 社 団 医 療 法 人 の 場 合 は 基 金 の 拠 出 により 行 われるが それ 以 外 の 医 療 法 人 の 場 合 には 寄 附 金 とならざるを 得 ない また 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 は 新 たに 設 立 する ことはできないが 既 存 の 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 が 追 加 出 資 を 求 めるこ とは 可 能 であり これを 含 めると 以 下 の 三 類 型 が 存 在 することになる 基 金 の 拠 出 があった 場 合 ( 借 方 ) 現 金 預 金 他 ( 貸 方 ) 基 金 基 金 として 受 け 入 れた 金 額 は 損 益 計 算 に 影 響 しないため 純 資 産 の 部 の 基 金 に 直 接 計 上 する 持 分 の 定 めのない 医 療 法 人 を 寄 附 により 設 立 した 場 合 ( 借 方 ) 現 金 預 金 他 ( 貸 方 ) 特 別 利 益 ; 受 取 寄 附 金 ( 借 方 ) 損 益 ( 貸 方 ) 設 立 等 積 立 金 持 分 の 定 めのない 医 療 法 人 の 設 立 時 の 寄 附 は 資 本 取 引 に 準 ずるものと して 損 益 計 算 書 を 経 由 させずに 直 接 純 資 産 の 積 立 金 に 計 上 するというこ とも 考 えられるが 資 本 取 引 ではない 以 上 一 旦 収 益 計 上 して 当 期 純 利 益 に 反 映 させた 上 で 剰 余 金 処 分 の 形 態 により 寄 附 金 額 と 同 額 を 設 立 等 積 立 金 とする 22

28 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 が 追 加 出 資 を 受 けた 場 合 ( 借 方 ) 現 金 預 金 他 ( 貸 方 ) 出 資 金 出 資 額 全 額 を 出 資 金 に 計 上 する なお 当 該 追 加 出 資 時 点 の 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 額 の 状 況 から 既 存 の 出 資 金 と 持 分 の 金 額 が 異 なることが 通 常 であるため 出 資 金 の 総 額 に 占 める 各 出 資 者 の 出 資 金 額 が 持 分 割 合 を 表 すことにはならない 点 に 留 意 が 必 要 である ロ) 持 分 の 払 戻 又 は 基 金 の 返 還 に 係 る 会 計 処 理 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 の 社 員 の 退 社 に 伴 う 出 資 金 の 払 戻 と 基 金 の 返 還 に 関 する 会 計 処 理 はその 状 況 により 以 下 のとおりとなる 会 計 基 準 適 用 後 の 持 分 の 払 戻 ( 払 戻 額 が 繰 越 利 益 積 立 金 と 退 社 社 員 の 出 資 金 の 合 計 額 を 上 回 る 場 合 ) ( 借 方 ) 出 資 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 借 方 ) 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 ( 貸 方 ) 現 金 預 金 払 戻 が 行 われる 場 合 には 出 資 額 より 多 い 場 合 には 繰 越 利 益 積 立 金 を 減 少 させるが これを 全 部 使 用 しても 足 りない 金 額 は マイナスの 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 とする 翌 期 以 降 の 繰 越 利 益 を 振 り 替 えることにより マイ ナスを 解 消 する 会 計 基 準 適 用 後 の 持 分 の 払 戻 ( 払 戻 額 が 退 社 社 員 の 出 資 金 を 上 回 るが 超 過 額 が 繰 越 利 益 積 立 金 の 金 額 を 下 回 る 場 合 ) ( 借 方 ) 出 資 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 貸 方 ) 現 金 預 金 払 戻 が 行 われる 場 合 には 当 該 退 社 社 員 の 過 去 の 出 資 額 をまず 出 資 金 か ら 減 少 させ 残 余 は 持 分 割 合 とは 無 関 係 に 繰 越 利 益 積 立 金 を 減 少 させる ことを 原 則 とする 23

29 会 計 基 準 適 用 後 の 持 分 の 払 戻 ( 払 戻 額 が 退 社 社 員 の 出 資 金 額 を 下 回 る 場 合 ) ( 借 方 ) 出 資 金 ( 貸 方 ) 現 金 預 金 ( 貸 方 ) 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 払 戻 が 行 われる 場 合 に 当 該 退 社 社 員 の 過 去 の 出 資 額 より 払 戻 額 が 少 ない 場 合 には 払 戻 額 を 超 える 当 該 退 社 社 員 の 過 去 の 出 資 額 は 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 に 振 り 替 える 会 計 基 準 適 用 後 の 出 資 額 限 度 法 人 の 出 資 の 払 戻 ( 借 方 ) 出 資 金 ( 貸 方 ) 現 金 預 金 出 資 額 限 度 法 人 の 場 合 には 原 則 として 出 資 した 金 額 が 払 戻 されること となる 当 該 退 社 社 員 の 過 去 の 出 資 額 は 出 資 金 として 処 理 されているので 当 該 金 額 と 払 戻 額 は 同 じ 金 額 となる ただし 当 該 退 社 社 員 の 過 去 の 出 資 額 より 払 戻 額 が 少 ない 場 合 には 上 記 ( 払 戻 額 が 退 社 社 員 の 出 資 金 額 を 下 回 る 場 合 )に 該 当 することなる 会 計 基 準 適 用 後 の 基 金 の 返 還 ( 借 方 ) 基 金 ( 貸 方 ) 現 金 預 金 拠 出 金 の 返 還 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 貸 方 ) 代 替 基 金 代 替 基 金 の 積 立 前 期 末 の 繰 越 利 益 積 立 金 の 残 高 が 確 定 後 当 該 金 額 の 範 囲 内 で 返 還 をす る 同 額 を 繰 越 利 益 積 立 金 から 代 替 基 金 へ 振 り 替 える ハ) 剰 余 金 の 処 分 に 係 る 会 計 処 理 医 療 法 人 は 定 款 又 は 寄 附 行 為 で 剰 余 金 の 処 分 項 目 が 定 められていることが 多 いが 配 当 が 禁 止 されているため 法 人 外 流 出 が 発 生 することはない また 予 算 の 作 成 も 必 須 であり このための 社 員 総 会 又 は 理 事 会 が 新 年 度 開 始 前 に 開 催 され ることとなっている このため 剰 余 金 の 処 分 は 当 該 年 度 終 了 前 にその 内 容 を 決 定 し 当 該 年 度 の 決 算 数 値 に 織 り 込 むことが 望 ましいと 判 断 し 本 基 準 では 貸 借 対 照 表 項 目 における 未 処 分 利 益 剰 余 金 を 存 在 させることとしていない また 損 益 計 算 書 のボトムラインは 当 期 純 利 益 としており 貸 借 対 照 表 との 連 関 が そのままでは 明 確 にならないので 注 記 表 にて 純 資 産 の 増 減 を 項 目 として 掲 げ ることにより 明 らかにすることとしている 24

30 発 生 した 損 益 の 積 立 ( 借 方 ) 損 益 ( 貸 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 予 算 に 係 る 総 会 等 で 決 算 において 確 定 した 当 期 純 利 益 は すべて 繰 越 利 益 積 立 金 をする という 決 議 をし 決 算 処 理 にて 確 定 額 を 振 り 替 える 当 期 純 損 失 となる 場 合 は 上 記 振 替 仕 訳 が 貸 借 逆 になる 目 的 積 立 金 等 の 積 立 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 貸 方 ) 積 立 金 予 算 に 係 る 総 会 等 で 決 算 において 確 定 した 当 期 純 利 益 と 現 在 の 繰 越 利 益 積 立 金 を 原 資 として 目 的 の 積 立 金 を 積 み 立 てることとする なお 積 立 後 の 残 余 は 繰 越 利 益 積 立 金 とする という 決 議 をし 決 算 処 理 にて 確 定 額 を 振 り 替 える なお 遅 くとも 翌 期 において 実 際 に 特 定 預 金 を 設 定 する 必 要 がある また 税 法 上 の 積 立 金 準 備 金 を 設 定 する 場 合 にも 同 じような 決 議 をし 決 算 処 理 にて 確 定 額 を 振 り 替 える 目 的 積 立 金 等 の 取 崩 しを 行 う 場 合 ( 借 方 ) 積 立 金 ( 貸 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 予 算 に 係 る 総 会 等 で 積 立 金 の 目 的 となる 事 業 が 実 施 され 特 定 預 金 が 使 用 されたので 同 額 の 積 立 金 を 取 崩 し 繰 越 利 益 積 立 金 に 振 り 替 える という 決 議 をし 決 算 処 理 にて 振 り 替 える また 税 務 上 の 積 立 金 準 備 金 を 規 定 により 取 り 崩 す 場 合 にもこれに 準 じた 決 議 をし 決 算 処 理 にて 確 定 額 を 振 り 替 える ニ) 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 への 移 行 に 係 る 会 計 処 理 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 から 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 への 移 行 により 原 則 として 移 行 時 の 純 資 産 はすべて 設 立 等 積 立 金 として 処 理 されること となる ただし 純 資 産 の 部 には 資 産 の 部 の 評 価 と 対 になっている 評 価 換 算 差 額 や 法 令 の 規 定 により 取 り 崩 すことができない 代 替 基 金 税 法 上 の 取 り 扱 い で 取 崩 しが 規 定 されているものが 存 在 するため これらのものはそのまま 引 き 継 ぐこととなる 25

31 特 定 目 的 積 立 金 が 存 在 しない 場 合 ( 借 方 ) 出 資 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 貸 方 ) 未 払 金 贈 与 税 課 税 分 ( 貸 方 ) 設 立 等 積 立 金 出 資 金 と 繰 越 利 益 積 立 金 を 設 立 等 積 立 金 に 振 り 替 えることとなる なお 移 行 に 伴 い 払 戻 をしないこととなった 金 額 に 対 する 法 人 税 等 は 課 税 され ないが 法 人 に 贈 与 税 が 課 税 される 場 合 がある この 場 合 の 贈 与 税 額 は 損 益 計 算 書 に 計 上 せずに 設 立 時 積 立 金 から 直 接 減 額 する 出 資 金 の 金 額 と 繰 越 利 益 積 立 金 の 金 額 の 合 計 額 よりも 贈 与 税 の 金 額 が 多 い 場 合 には マイ ナスの 設 立 等 積 立 金 となる 特 定 目 的 積 立 金 が 存 在 する 場 合 ( 借 方 ) 出 資 金 ( 借 方 ) 積 立 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 ( 貸 方 ) 未 払 金 贈 与 税 課 税 分 ( 貸 方 ) 設 立 等 積 立 金 特 定 目 的 積 立 金 は 移 行 に 伴 って 一 旦 取 崩 し 設 立 時 積 立 金 の 振 替 対 象 とする この 場 合 に 対 応 する 特 定 預 金 は 取 り 崩 すことも 継 続 すること も どちらでも 可 能 である なお 税 法 上 の 積 立 金 準 備 金 は 移 行 によ り 取 崩 しが 生 じる 場 合 以 外 は 変 更 せずに 引 き 継 ぐ ホ) 合 併 に 係 る 会 計 処 理 合 併 における 会 計 処 理 は 受 け 入 れる 資 産 及 び 負 債 の 評 価 をどのように 行 うべ きか 複 数 の 方 法 が 考 えられる 場 合 には どのような 基 準 で 会 計 処 理 の 相 違 を 判 断 すべきかという 課 題 と 純 資 産 の 部 の 会 計 処 理 をどのように 行 うべきかという 課 題 が 存 在 する 前 者 については 今 後 の 検 討 課 題 となるが 後 者 については 以 下 のとおりである 26

32 被 合 併 法 人 合 併 法 人 のいずれもが 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 の 場 合 ( 借 方 ) 諸 資 産 ( 貸 方 ) 諸 負 債 ( 貸 方 ) 出 資 金 合 併 後 も 引 き 続 き 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 となる 場 合 は 受 け 入 れる 資 産 と 負 債 の 差 額 は その 受 入 価 額 をどのように 決 定 するかに 関 わら ず 出 資 として 捉 えるべき 性 格 のものである 本 基 準 における 出 資 の 会 計 処 理 が 実 際 の 出 資 額 をもって 出 資 金 とすることから 貸 借 対 照 表 の 出 資 金 の 金 額 の 出 資 者 毎 の 内 訳 比 率 が 持 分 比 率 を 示 すものとはならない このため すべて 出 資 金 として 処 理 すれば 足 りることとなる なお 持 分 プーリング 法 を 採 用 する 場 合 には 純 資 産 の 部 のすべてをそのまま 引 き 継 ぐこととなる 上 記 以 外 の 場 合 ( 借 方 ) 諸 資 産 ( 貸 方 ) 諸 負 債 ( 貸 方 ) 設 立 等 積 立 金 合 併 後 の 法 人 が 財 団 医 療 法 人 又 は 持 分 の 定 めのない 社 団 医 療 法 人 の 場 合 は 受 け 入 れる 資 産 と 負 債 の 差 額 は その 受 入 価 額 の 評 価 をどのように 行 うべきかに 関 わらず 寄 附 として 捉 える 性 格 のものである しかし 事 業 体 としての 活 動 ではなく 事 業 体 そのものの 結 合 であるため 当 期 純 利 益 に 算 入 するのは 適 当 ではなく 設 立 時 積 立 金 に 直 接 計 上 する なお 資 産 負 債 のすべてについて 簿 価 をそのまま 引 き 継 ぐ 方 法 を 採 用 する 場 合 には 純 資 産 の 部 のすべてをそのまま 引 き 継 ぐこととなる へ) 会 計 基 準 適 用 に 伴 う 振 替 処 理 法 人 の 純 資 産 が 増 加 する 場 合 これを 損 益 計 算 書 の 収 益 と 捉 えるか 否 かは 損 益 計 算 上 の 要 諦 であり 企 業 会 計 においては 一 般 原 則 に 資 本 取 引 損 益 取 引 区 分 の 原 則 が 置 かれている 本 基 準 においては 持 分 の 定 めのない 法 人 類 型 には 資 本 概 念 がないため この 原 則 は 置 かれていない また 現 行 の 表 示 基 準 である 様 式 通 知 及 び 社 財 規 では 剰 余 金 を 資 本 剰 余 金 と 利 益 剰 余 金 に 区 別 してい るが 本 基 準 では この 概 念 を 使 用 しておらず すべて 積 立 金 という 概 念 で 27

33 括 ることとしたものである これは 持 分 のない 法 人 類 型 の 資 本 剰 余 金 概 念 が 理 論 的 に 疑 問 のある 中 で この 概 念 を 採 用 する 根 拠 としていた 財 団 医 療 法 人 の 設 立 時 の 寄 附 金 の 法 人 税 非 課 税 の 位 置 づけが 平 成 20 年 度 税 制 改 正 により 資 本 等 の 金 額 から 通 常 の 収 益 を 前 提 としつつ 特 段 の 定 めによる 益 金 不 算 入 に 変 更 された ためである ただし 持 分 の 定 めのある 社 団 医 療 法 人 の 場 合 には 資 本 概 念 が 存 在 しており これを 処 理 する 項 目 として 出 資 金 を 使 用 することとしている また 基 金 制 度 を 有 する 社 団 医 療 法 人 の 劣 後 債 務 としての 基 金 を 処 理 する 項 目 と して 基 金 を 設 け 公 益 法 人 会 計 と 同 様 純 資 産 の 部 で 処 理 することとした なお 金 融 商 品 会 計 により 損 益 計 算 を 通 さない 時 価 評 価 処 理 を 反 映 するための 純 資 産 項 目 として 表 出 している 評 価 換 算 差 額 等 については 本 基 準 でもその まま 取 り 入 れている 本 基 準 の 適 用 に 伴 う 法 人 類 型 別 の 振 替 処 理 は 以 下 のとおりである 持 分 の 定 めのない 医 療 法 人 ( 借 方 ) 資 本 剰 余 金 ( 貸 方 ) 設 立 等 積 立 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 剰 余 金 ( 貸 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 改 正 前 法 令 により 設 立 された 法 人 の 会 計 基 準 適 用 前 の 貸 借 対 照 表 で 資 本 剰 余 金 ( 資 本 準 備 金 資 本 積 立 金 等 ) となっているものは 設 立 時 積 立 金 とする 利 益 剰 余 金 となっているものは 積 立 金 はそのまま 変 更 せず 繰 越 利 益 剰 余 金 は 繰 越 利 益 積 立 金 とする なお 基 金 拠 出 型 法 人 の 基 金 はそのまま 基 金 とする 持 分 の 定 めのある 社 団 法 人 ( 出 資 額 限 度 法 人 を 含 む) ( 借 方 ) 資 本 金 ( 貸 方 ) 出 資 金 ( 借 方 ) 繰 越 利 益 剰 余 金 ( 貸 方 ) 繰 越 利 益 積 立 金 改 正 前 法 令 により 設 立 された 法 人 の 会 計 基 準 適 用 前 の 貸 借 対 照 表 で 資 本 金 となっているものは 出 資 金 とする 利 益 剰 余 金 となってい るものは 積 立 金 はそのまま 変 更 せず 繰 越 利 益 剰 余 金 は 繰 越 利 益 積 立 金 とする なお 本 基 準 適 用 前 の 持 分 の 払 戻 に 係 る 会 計 処 理 の 結 果 として 特 別 の 勘 定 科 目 が 存 在 する 場 合 は 繰 越 利 益 積 立 金 と 相 殺 し 残 余 がある 場 合 には 持 分 払 戻 差 額 積 立 金 とする 28

34 (2) 収 益 費 用 の 分 類 現 状 の 表 示 基 準 である 様 式 通 知 では 収 益 費 用 を 以 下 のように 分 類 表 示 する こととなっている 収 益 は 事 業 収 益 事 業 外 収 益 特 別 利 益 に3 分 類 し 費 用 は 事 業 費 用 事 業 外 費 用 特 別 損 失 法 人 税 等 に4 分 類 する また 事 業 収 益 及 び 事 業 費 用 について は 本 来 業 務 附 帯 業 務 収 益 業 務 に 細 分 する この 分 類 の 具 体 的 方 法 について 従 来 統 一 的 な 明 確 な 基 準 が 示 されているわけ ではないが 本 基 準 においては 上 記 分 類 区 分 を 踏 襲 した 上 で 注 解 12において 事 業 損 益 と 事 業 外 損 益 の 区 別 については 施 設 等 の 会 計 基 準 では 事 業 外 損 益 とされ ている 帰 属 が 明 確 な 付 随 的 な 収 益 又 は 費 用 についても 本 基 準 の 損 益 計 算 書 上 は 事 業 収 益 又 は 事 業 費 用 に 計 上 するものとする ただし 資 金 調 達 及 び 資 金 運 用 に 係 る 費 用 収 益 は 事 業 損 益 に 含 めないこととする と 明 確 にしたものである この 考 え 方 は 現 在 の 社 財 規 の 科 目 の 説 明 にも 以 下 のように 示 されている ( 本 来 業 務 事 業 損 益 ) ( 附 帯 業 務 事 業 損 益 ) 事 業 収 益 定 款 又 は 寄 附 行 為 に 記 載 の 本 来 業 務 の 施 設 に 係 る 事 業 収 益 ( 当 該 施 設 に 特 定 される 資 金 運 用 に 係 る 収 益 以 外 の 付 随 的 な 収 益 を 含 む) 事 業 費 用 事 業 費 定 款 又 は 寄 附 行 為 に 記 載 の 本 来 業 務 の 施 設 に 係 る 事 業 費 用 ( 当 該 施 設 に 特 定 される 資 金 調 達 に 係 る 費 用 以 外 の 付 随 的 な 費 用 を 含 む) 事 業 収 益 定 款 又 は 寄 附 行 為 に 記 載 の 附 帯 業 務 の 施 設 又 は 事 業 に 係 る 収 益 ( 附 帯 業 務 に 特 定 さ れる 運 営 費 補 助 金 その 他 付 随 的 な 収 益 を 含 む) 事 業 費 用 定 款 又 は 寄 附 行 為 に 記 載 の 附 帯 業 務 の 施 設 又 は 事 業 に 係 る 費 用 ( 附 帯 業 務 に 特 定 さ れる 資 金 調 達 に 係 る 費 用 以 外 の 付 随 的 な 費 用 を 含 む) 29

35 はじめに にあるとおり 本 基 準 では この 区 分 を 細 分 した 勘 定 科 目 について 何 も 示 しておらず 施 設 等 の 会 計 の 基 準 を 考 慮 して 設 定 すべきこととされている このため 病 院 会 計 準 則 を 用 いて 中 科 目 小 科 目 を 設 定 することが 考 えられる 注 解 15において 中 区 分 科 目 は 売 上 原 価 ( 当 該 医 療 法 人 の 開 設 する 病 院 等 の 業 務 に 付 随 して 行 われる 売 店 等 及 び 収 益 業 務 のうち 商 品 の 仕 入 れ 又 は 製 品 の 製 造 を 伴 う 業 務 にかかるもの) 材 料 費 給 与 費 委 託 費 経 費 及 びその 他 の 費 用 とする としているのは 病 院 会 計 準 則 が 医 業 費 用 の 中 区 分 として 材 料 費 給 与 費 委 託 費 設 備 関 係 費 研 究 研 修 費 経 費 控 除 対 象 外 消 費 税 等 となっている 点 に 対 応 し 設 備 関 係 費 と 控 除 対 象 外 消 費 税 等 負 担 額 ( 消 費 税 等 を 税 抜 処 理 している 場 合 のみ 発 生 )は 通 常 経 費 に 分 類 すれば 足 りるが 研 究 研 修 費 は 上 記 分 類 上 の 経 費 のみではなく 複 合 費 となっていることが 想 定 されることで その 他 の 費 用 の 項 目 を 別 途 設 けている また 病 院 会 計 準 則 では 医 業 収 益 医 業 費 用 という 名 称 を 使 用 し たとえば 運 営 費 補 助 金 は 医 業 外 収 益 にすべきこととしている このように 病 院 単 位 の 財 務 情 報 と 医 療 法 人 全 体 の 計 算 書 類 では 括 りが 異 なる 事 態 となってしまうため 決 算 組 替 に 係 る 配 慮 が 必 要 となる なお 社 会 医 療 法 人 の 認 定 基 準 に 収 益 費 用 の 金 額 が 関 係 するものがあるが 上 記 の 計 算 書 類 における 分 類 は あくまで 法 人 全 体 の 損 益 の 状 況 を 示 すためのもの であるので そのまま 使 用 せずに 本 来 の 趣 旨 に 合 致 したものを 別 途 検 討 すること が 望 まれる (3) 圧 縮 記 帳 固 定 資 産 の 取 得 に 関 連 して 交 換 や 収 用 等 による 既 存 の 資 産 の 譲 渡 等 や 補 助 金 負 担 金 等 の 特 定 の 収 入 に 係 る 一 定 の 収 益 が 発 生 した 場 合 に 当 該 収 益 と 相 殺 されて 法 人 税 課 税 が 直 ちになされないための 技 法 として 圧 縮 記 帳 が 存 在 する 医 療 法 人 は 原 則 として 法 人 税 の 課 税 法 人 なので 圧 縮 記 帳 についての 配 慮 は 当 然 に 必 要 に なる 圧 縮 記 帳 に 関 連 して 本 基 準 の 本 文 では 特 段 の 規 定 はないが 注 解 8 補 助 金 等 について の 中 に 固 定 資 産 の 取 得 に 係 る 補 助 金 等 については 直 接 減 額 方 式 又 は 積 立 金 経 理 により 圧 縮 記 帳 する とされ 注 解 7 積 立 金 について の 中 に 固 定 資 産 圧 縮 積 立 金 特 別 償 却 準 備 金 のように 法 人 税 法 等 の 規 定 による 積 立 金 経 理 に より 計 上 するもの という 説 明 がある また 注 解 21 その 他 の 注 記 となるもの 30

36 の 例 示 として 補 助 金 等 に 重 要 性 がある 場 合 の 内 訳 並 びに 交 付 者 貸 借 対 照 表 及 び 損 益 計 算 書 への 影 響 額 が 掲 げられている 圧 縮 記 帳 の 会 計 処 理 は 直 接 減 額 方 式 と 積 立 金 経 理 の 二 つが 医 療 法 人 の 会 計 上 認 められるものであるが 圧 縮 記 帳 ができるすべての 取 引 につき 任 意 に 選 択 できる わけではない 上 記 注 解 で 明 記 されている 補 助 金 等 の 会 計 処 理 以 外 については 企 業 会 計 の 取 扱 と 同 様 に 取 引 類 型 と 会 計 処 理 が 選 択 されることになる (4) 税 効 果 会 計 税 効 果 会 計 は 損 益 計 算 書 の 税 引 前 当 期 純 損 益 から 控 除 する 法 人 税 等 の 負 担 額 に ついて 法 人 税 住 民 税 及 び 事 業 税 の 当 該 事 業 年 度 に 係 る 申 告 額 ( 過 年 度 分 の 更 正 決 定 等 による 追 徴 税 額 がある 場 合 には これに 含 まれるが 重 要 性 がある 場 合 には 区 分 する)と 一 時 差 異 等 に 係 る 税 金 の 額 を 適 切 な 事 業 年 度 に 配 分 した 結 果 としての 法 人 税 等 調 整 額 に 区 分 して 記 載 し 貸 借 対 照 表 に 計 上 されている 資 産 及 び 負 債 の 金 額 と 課 税 所 得 計 算 上 の 資 産 及 び 負 債 の 金 額 との 差 額 に 係 る 税 金 の 額 は 将 来 の 事 業 年 度 において 回 収 又 は 支 払 が 見 込 まれない 税 金 の 額 を 除 き 繰 延 税 金 資 産 又 は 繰 延 税 金 負 債 として 計 上 する 方 法 である 本 基 準 本 文 では 特 に 掲 記 していないが 注 解 1 重 要 性 の 原 則 の 適 用 例 に 税 効 果 会 計 の 適 用 に 当 たり 一 時 差 異 等 の 金 額 に 重 要 性 がない 場 合 には 繰 延 税 金 資 産 又 は 繰 延 税 金 負 債 を 計 上 しないことができる とあること 注 解 21の 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 のその 他 必 要 な 事 項 となるもの の 例 示 として 繰 延 税 金 資 産 及 び 繰 延 税 金 負 債 に 重 要 性 がある 場 合 の 主 な 発 生 原 因 別 内 訳 が 掲 げられているこ とにより 企 業 会 計 と 同 様 に 税 効 果 会 計 を 考 慮 することが 前 提 となっている ただ し 公 益 法 人 会 計 基 準 に 準 じて 重 要 性 のない 場 合 の 適 用 除 外 を 掲 記 している この ため 中 小 規 模 の 医 療 法 人 については 通 常 重 要 性 はないものと 想 定 され 実 際 の 会 計 処 理 を 行 うことは 少 ないと 考 えられる なお 具 体 的 な 会 計 処 理 に 当 たっては 企 業 会 計 における 税 効 果 会 計 ( 税 効 果 会 計 に 係 る 会 計 基 準 ( 平 成 10 年 10 月 30 日 企 業 会 計 審 議 会 ) 及 び 日 本 公 認 会 計 士 協 会 から 公 表 されている 税 効 果 会 計 に 関 する 実 務 指 針 等 )に 準 ずることになるが 医 療 法 人 における 社 会 保 険 診 療 報 酬 等 の 事 業 税 の 非 課 税 及 び 社 会 医 療 法 人 が 法 人 税 上 の 収 益 事 業 のみに 課 税 されることに 関 しての 取 扱 いは 独 自 の 課 題 として 存 在 する 31

37 (5) 金 融 商 品 会 計 金 融 商 品 会 計 基 準 ( 平 成 11 年 1 月 22 日 企 業 会 計 審 議 会 )により 企 業 会 計 で 実 施 されている 金 融 商 品 会 計 に 関 連 して 本 基 準 に 掲 記 されている 規 定 は 以 下 のと おりである < 基 準 第 2 貸 借 対 照 表 4 資 産 の 貸 借 対 照 表 価 額 > 満 期 日 まで 所 有 する 意 思 をもって 保 有 する 社 債 その 他 の 債 券 以 外 の 有 価 証 券 のうち 市 場 価 格 のあるものについては 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする < 基 準 第 2 貸 借 対 照 表 3 純 資 産 の 区 分 > その 他 有 価 証 券 評 価 差 額 金 や 繰 延 ヘッジ 損 益 のように 資 産 又 は 負 債 は 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 としているが 当 該 資 産 又 は 負 債 に 係 る 評 価 差 額 を 当 期 の 損 益 としてい ない 場 合 の 当 該 評 価 差 額 は 評 価 換 算 差 額 等 に 計 上 する < 注 解 1 重 要 性 の 原 則 の 適 用 について> 取 得 価 額 と 債 券 金 額 との 差 額 について 重 要 性 が 乏 しい 満 期 保 有 目 的 の 債 券 について は 償 却 原 価 法 を 採 用 しないことができる < 注 解 9 外 貨 建 の 資 産 及 び 負 債 の 決 算 時 における 換 算 について 外 国 通 貨 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 ( 外 貨 預 金 を 含 む ) 及 び 外 貨 建 有 価 証 券 等 について は 原 則 として 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 すものとする 決 算 時 における 換 算 によって 生 じた 換 算 差 額 は 原 則 として 当 期 の 為 替 差 損 益 として 処 理 する < 注 解 10 貸 倒 引 当 金 について> 未 収 金 貸 付 金 等 の 金 銭 債 権 のうち 回 収 不 能 と 認 められる 額 がある 場 合 には その 金 額 を 合 理 的 に 見 積 もって 貸 倒 引 当 金 を 計 上 するものとする ただし 社 会 医 療 法 人 以 外 の 前 々 会 計 年 度 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 の 医 療 法 人 においては 法 人 税 法 におけ る 貸 倒 引 当 金 の 繰 入 限 度 相 当 額 が 取 立 不 能 見 込 額 を 明 らかに 下 回 っている 場 合 を 除 き その 繰 入 限 度 額 相 当 額 を 貸 倒 引 当 金 に 計 上 することができる 金 融 商 品 会 計 における 金 融 商 品 とは 金 融 資 産 ( 現 金 預 金 金 銭 債 権 株 式 その 他 の 有 価 証 券 デリバティブ 取 引 に 係 る 契 約 によって 生 じる 正 味 債 権 等 )と 金 融 負 債 ( 金 銭 債 務 デリバティブ 取 引 に 係 る 契 約 によって 生 じる 正 味 債 務 )である こ れらの 資 産 のうち 一 定 の 範 囲 のものについて 取 得 原 価 ではなく 時 価 をもって 32

38 貸 借 対 照 表 に 計 上 することとしているとともに 評 価 損 益 も 損 益 計 算 書 に 計 上 する 場 合 と 計 上 せずに 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 直 接 計 上 するものとに 区 別 している 医 療 法 人 においては 現 行 の 法 的 又 は 行 政 的 な 規 制 により 具 現 することが 在 り 得 な いものや また 現 実 の 業 務 運 営 において 生 じていない 事 象 もあるが 本 基 準 にお いては 規 定 の 文 言 上 現 行 では 想 定 されないデリバティブ 取 引 に 係 る 契 約 に 関 わる 繰 延 ヘッジ 損 益 についても 企 業 会 計 の 取 扱 いと 差 異 がないことを 明 確 にするため に 表 記 されている ただし 子 会 社 株 式 及 び 関 連 会 社 株 式 は 企 業 会 計 の 取 り 扱 い では 株 式 公 開 により 時 価 が 存 する 場 合 であっても 時 価 評 価 の 対 象 からは 除 かれ るため 同 様 であることを 明 記 するためには 満 期 日 まで 所 有 する 意 思 をもって 保 有 する 社 債 その 他 の 債 券 並 びに 子 会 社 株 式 及 び 関 連 会 社 株 式 以 外 の 有 価 証 券 の うち 市 場 価 格 のあるものについては 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする とす べきであるが 医 療 法 人 が 株 式 会 社 の 株 式 を 保 有 して 子 会 社 及 び 関 連 会 社 とするこ とを 認 められていると 誤 解 を 生 ずる 恐 れがあるため あえて 記 載 していない 同 様 に 外 貨 建 の 注 記 においても 外 国 通 貨 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 ( 外 貨 預 金 を 含 む ) 及 び 外 貨 建 有 価 証 券 等 については 子 会 社 株 式 及 び 関 連 会 社 株 式 を 除 き 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 すものとする となるのが 本 来 であるが あえて 子 会 社 株 式 及 び 関 連 会 社 株 式 を 使 用 せず 原 則 として という 文 言 を 挿 入 して 他 の 基 準 と 異 なる 取 り 扱 いを 想 定 しているものではないこととしている よって 実 務 的 には 金 融 商 品 会 計 の 会 計 処 理 については 医 療 法 人 に 馴 染 まない 特 異 なもの を 除 いて 基 本 的 に 企 業 会 計 と 同 様 に 取 り 扱 うこととなり 具 体 的 な 範 囲 や 会 計 処 理 については 日 本 公 認 会 計 士 協 会 から 金 融 商 品 会 計 に 関 する 実 務 指 針 が 公 表 さ れていることから 個 別 の 会 計 処 理 はこれに 従 うこととなる なお 重 要 性 がない 場 合 の 例 外 事 項 として 満 期 保 有 目 的 債 券 の 会 計 処 理 について 償 却 原 価 法 を 採 用 しないことができる 旨 の 規 定 を 公 益 法 人 会 計 基 準 に 準 じて 掲 記 しているため 実 際 に 償 却 原 価 法 の 会 計 処 理 を 行 うことはほとんどないものと 想 定 される また 貸 倒 引 当 金 の 計 上 額 は 金 融 商 品 会 計 基 準 に 従 い 債 務 者 の 財 政 状 態 及 び 経 営 成 績 に 応 じて 一 般 債 権 貸 倒 懸 念 債 権 破 産 更 正 債 権 等 に 分 類 しそれぞれ 検 討 して 算 定 することとなる なお 社 会 医 療 法 人 以 外 の 前 々 会 計 年 度 の 負 債 総 額 が2 00 億 円 未 満 の 医 療 法 人 の 特 例 は 中 小 企 業 の 会 計 に 関 する 指 針 と 同 様 の 取 り 扱 い をしているものであり 原 則 として 法 人 税 上 の 金 額 をそのまま 会 計 上 の 金 額 とする ことができることとなっている 33

39 (6) 退 職 給 付 会 計 医 療 法 人 において 退 職 一 時 金 又 は 退 職 年 金 を 制 度 として 導 入 している 場 合 には 従 事 者 の 労 働 提 供 に 対 する 対 価 がすでに 発 生 しており その 費 用 や 債 務 の 認 識 にお いて 企 業 その 他 の 組 織 と 異 なる 点 は 存 在 しないことなる 他 の 会 計 基 準 においても 例 外 なく 退 職 給 付 に 関 する 会 計 は 導 入 されており 退 職 給 付 に 関 する 会 計 をまっ たく 導 入 しないことは 世 間 一 般 の 評 価 に 耐 えられる 基 準 とはなり 得 ないものと 思 われる したがって 注 解 19にあるとおり 原 則 として 退 職 給 付 会 計 を 導 入 し 具 体 的 には 退 職 給 付 に 係 る 会 計 ( 平 成 10 年 6 月 16 日 企 業 会 計 審 議 会 ) 及 び 日 本 公 認 会 計 士 協 会 から 公 表 されている 退 職 給 付 会 計 に 関 する 実 務 指 針 等 によること となる ただし 注 解 19で 以 下 の 二 つの 例 外 的 な 取 扱 いを 規 定 している 1 本 基 準 適 用 に 伴 う 新 たな 会 計 処 理 の 採 用 により 生 じる 影 響 額 ( 適 用 時 差 異 )は 通 常 の 会 計 処 理 とは 区 分 して 本 会 計 基 準 適 用 後 15 年 以 内 の 一 定 の 年 数 又 は 従 業 員 の 平 均 残 存 勤 務 年 数 のいずれか 短 い 年 数 にわたり 定 額 法 により 費 用 処 理 することができ る 2 社 会 医 療 法 人 以 外 の 前 々 会 計 年 度 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 の 医 療 法 人 において は 上 記 企 業 会 計 の 取 扱 いにおける 簡 便 法 適 用 要 件 を 満 たさない 場 合 であっても 簡 便 法 を 適 用 することができる 1は 企 業 会 計 で 当 初 退 職 給 付 会 計 が 導 入 された 際 の 取 り 扱 いである 2は 中 小 企 業 の 会 計 に 関 する 指 針 を 念 頭 においたものであり 年 金 数 理 計 算 が 必 要 で 事 務 的 に 煩 雑 な 原 則 法 による 計 算 は 社 会 医 療 法 人 と 大 規 模 医 療 法 人 ( 会 社 法 に 合 わせて 負 債 総 額 が200 億 円 以 上 の 法 人 とした )に 適 用 する 条 件 を 満 たすか 否 かの 判 定 を 要 求 することとし それ 以 外 の 法 人 は 判 定 することなく 簡 便 法 により 計 算 す ることを 容 認 することされている また 原 則 法 簡 便 法 に 関 わらず 退 職 給 付 会 計 を 新 たに 導 入 した 年 度 の 退 職 給 付 引 当 金 の 期 首 残 高 と 前 年 度 末 の 貸 借 対 照 表 の 退 職 給 与 引 当 金 の 残 高 との 差 額 は 当 該 年 度 の 一 括 費 用 処 理 のほか 一 定 年 数 での 分 割 費 用 処 理 が 認 められている なお 中 小 企 業 会 計 要 領 では 自 己 都 合 によって 退 職 した 場 合 に 必 要 となる 退 職 金 の 総 額 を 基 礎 として 例 えば その 一 定 割 合 を 退 職 給 付 引 当 金 として 計 上 する 方 法 が 考 えられます と 記 載 されているが 本 基 準 においては この 方 法 は 許 容 34

40 しておらず 一 定 割 合 ではなく100% 計 上 する 方 法 となる (7)リース 会 計 企 業 会 計 では リース 取 引 に 関 する 会 計 基 準 ( 企 業 会 計 基 準 第 13 号 )が 適 用 さ れている 当 該 基 準 の 概 要 は リース 取 引 はファイナンス リース 取 引 とオペレー ティング リース 取 引 に 区 分 し ファイナンス リース 取 引 については 通 常 の 売 買 取 引 に 係 る 方 法 に 準 じて 会 計 処 理 を 行 うことを 原 則 とするものである 本 基 準 では 本 文 に 特 段 の 記 載 はないが 注 解 22において 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リー ス 取 引 については 以 下 の 契 約 については 賃 貸 借 処 理 を 行 うことができることと している リース 取 引 開 始 日 が 本 会 計 基 準 の 適 用 前 の 会 計 年 度 である 所 有 権 移 転 外 ファイナン ス リース 取 引 リースの 会 計 処 理 は リースの 開 始 を 初 期 として リース 期 間 の 複 数 の 会 計 年 度 で 継 続 的 に 必 要 となるものである リース 取 引 開 始 日 が 本 基 準 適 用 前 のもので 従 来 賃 貸 借 処 理 をしていたものを その 途 中 において 売 買 取 引 に 準 じた 方 法 に 変 更 するのは 事 務 的 に 煩 雑 であるため 過 年 度 修 正 を 施 してまでの 変 更 は 必 要 のな いこととしたものである ただし 所 有 権 移 転 のものについては 法 的 にも 固 定 資 産 の 所 有 権 を 有 することとなるため 賃 貸 借 処 理 をすることはできず 会 計 処 理 の 変 更 が 必 要 となる なお 当 該 処 理 は 社 会 福 祉 法 人 会 計 基 準 の 導 入 に 対 しても 同 様 の 取 り 扱 いが 許 容 されている リース 取 引 開 始 日 が 前 々 事 業 年 度 末 日 の 負 債 総 額 が200 億 円 未 満 でかつ 社 会 医 療 法 人 でない 会 計 年 度 である 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リース 取 引 社 会 医 療 法 人 と 大 規 模 医 療 法 人 を 除 く その 他 の 医 療 法 人 については 社 会 的 な 影 響 の 相 違 から ここまでの 厳 格 な 会 計 処 理 を 求 める 必 要 はないという 判 断 から 所 有 権 移 転 外 であるものについては 金 額 に 関 わらず 賃 貸 借 処 理 を 許 容 するもので ある この 取 り 扱 いは 中 小 企 業 の 会 計 に 関 する 指 針 に 準 じている なお 大 規 模 の 基 準 は 会 社 法 に 合 わせて 負 債 総 額 200 億 円 以 上 としている また 社 会 医 療 法 人 は 認 定 により 移 行 するものであり 規 模 についても 変 動 することが 想 定 され る このため 判 断 の 基 準 日 は リース 取 引 開 始 日 により 途 中 で 会 計 処 理 を 変 更 35

41 することは 要 しないという 取 り 扱 いになっている 一 契 約 におけるリース 料 総 額 が 300 万 円 未 満 の 所 有 権 移 転 外 ファイナンス リー ス 取 引 少 額 の 契 約 については 重 要 性 の 原 則 の 適 用 により 簡 便 的 な 方 法 を 認 めること とし 企 業 会 計 と 同 様 の 金 額 基 準 を 明 示 したものである なお 上 記 3 種 の 取 り 扱 いにより 賃 貸 借 処 理 をしたものは 貸 借 対 照 表 上 リ ース 債 務 に 負 債 として 計 上 されないので 比 較 的 事 務 負 担 の 少 ない 情 報 としてリー ス 料 総 額 と 未 経 過 リース 料 の 残 高 を 貸 借 対 照 表 に 関 する 注 記 の 一 項 目 として 記 載 することとされている (8) 減 損 会 計 と 資 産 除 去 債 務 固 定 資 産 は 原 則 として 取 得 原 価 で 計 上 され 減 価 償 却 を 要 する 資 産 は 減 価 償 却 後 の 金 額 が 帳 簿 価 額 となり 貸 借 対 照 表 に 計 上 されていることになる 減 損 会 計 は 企 業 会 計 に 導 入 されているもので 事 業 用 の 固 定 資 産 の 収 益 性 が 当 初 の 予 定 よ りも 低 下 する 事 象 が 発 生 した 場 合 その 価 値 の 下 落 を 減 価 償 却 とは 別 立 てで 帳 簿 価 額 に 反 映 させる 会 計 処 理 である 具 体 的 には 減 損 損 失 は 特 別 損 失 として 損 益 計 算 書 の 利 益 金 額 に 影 響 を 与 え 減 損 損 失 累 計 額 は 減 価 償 却 累 計 額 と 別 途 控 除 項 目 として 貸 借 対 照 表 に 反 映 されることとなる 減 損 会 計 基 準 では 減 損 の 兆 候 認 識 測 定 に 関 し 将 来 キャッシュ フロー 予 測 を 取 り 入 れるなど 技 術 的 に 高 度 なものを 要 求 している この 点 に 関 し 中 小 企 業 の 会 計 に 関 する 指 針 でも 減 損 損 失 の 認 識 及 びその 額 の 算 定 に 当 たって 減 損 会 計 基 準 の 適 用 による 技 術 的 困 難 性 等 を 勘 案 し 本 指 針 では 資 産 の 使 用 状 況 に 大 幅 な 変 更 があった 場 合 に 減 損 の 可 能 性 について 検 討 することとする 具 体 的 には 固 定 資 産 としての 機 能 を 有 していても 将 来 使 用 の 見 込 みが 客 観 的 にないこと 又 は 固 定 資 産 の 用 途 を 転 用 したが 採 算 が 見 込 めないことのいずれかに 該 当 し かつ 時 価 が 著 しく 下 落 している 場 合 には 減 損 損 失 を 認 識 するものとする なお 資 産 が 相 当 期 間 遊 休 状 態 にあれば 通 常 将 来 使 用 の 見 込 みがないことと 判 断 される として いる また 減 損 会 計 は 収 益 性 をその 拠 り 所 としており 収 益 を 上 げることが 第 一 義 的 な 目 的 ではない 非 営 利 組 織 体 にとって そのまま 適 用 することは 理 論 的 では 36