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1 新 ICNIRP ガイドライン 説 明 会 平 成 22 年 12 月 15 日 ( 東 京 ) ( 2010 年 ) 主 催 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター

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3 ~ 新 ICNIRP ガイドライン 説 明 会 ~ 開 催 のご 案 内 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 (ICNIRP)は 2010 年 11 月 16 日 新 たな 低 周 波 電 磁 界 に 関 す るガイドラインとファクトシートを ICNIRP ホームページに 公 表 しました 電 磁 界 情 報 センターでは 新 ガイドライン 制 定 の 経 緯 やその 概 要 特 に 旧 ガイドラインから の 評 価 方 法 の 変 更 や 制 限 値 参 考 レベルの 算 出 方 法 などについて 首 都 大 学 東 京 の 多 氣 先 生 電 力 中 央 研 究 所 の 山 﨑 先 生 をお 招 きし 新 ガイドラインに 関 する 知 識 を 深 めるための 説 明 会 を 行 うこととしました 電 磁 界 の 健 康 影 響 に 関 心 を 持 たれている 方 新 ガイドラインについて 詳 しく 知 りたい 方 など 多 くの 皆 様 のご 参 加 をお 待 ちしております なお 本 説 明 会 の 性 格 上 電 磁 波 全 般 の 基 礎 的 な 内 容 についての 説 明 質 疑 応 答 は 予 定 して おりませんので 予 めご 了 承 下 さい また 説 明 会 の 事 前 質 問 を 12 月 8 日 まで 受 け 付 けていま すので ご 質 問 がある 方 は 下 記 事 務 局 宛 にお 寄 せ 下 さい 記 開 催 のご 案 内 日 時 : 平 成 22 年 12 月 15 日 ( 水 ) 13:30~16:00( 開 場 13:00) 場 所 : 日 本 科 学 未 来 館 みらい CAN ホール( 住 所 : 東 京 都 江 東 区 青 海 2-3-6) 会 場 地 図 URL: 定 員 :250 名 ( 参 加 費 : 無 料 ) プログラム 13:30-13:40 開 会 挨 拶 事 務 連 絡 司 会 電 磁 界 情 報 センターGM 倉 成 祐 幸 13:40-14:00 新 ガイドライン 制 定 の 経 緯 について 電 磁 界 情 報 センター 所 長 大 久 保 千 代 次 14:00-15:00 新 ガイドラインの 概 要 について 首 都 大 学 東 京 大 学 院 教 授 多 氣 昌 生 氏 15:00-15:10 休 憩 15:10-15:30 制 限 値 参 考 レベルの 算 出 方 法 と 新 旧 ガイドラインの 比 較 電 力 中 央 研 究 所 上 席 研 究 員 山 﨑 健 一 氏 15:30-16:00 質 疑 応 答 コーディネーター 電 磁 界 情 報 センターGM 世 森 啓 之 16:00 閉 会 連 絡 先 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 事 務 局 TEL: FAX: jeic@jeic-emf.jp 以 上

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5 新 ガイドライン 制 定 の 経 緯 について Website: 1 WHO 国 際 電 磁 界 プロジェクト 2 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 1

6 目 的 1 健 康 影 響 に 対 する 国 際 的 対 応 2 研 究 評 価 および 研 究 状 況 の 把 握 3 健 康 リスク 評 価 のために 必 要 な 研 究 の 把 握 4 知 見 の 空 白 を 埋 めるための 研 究 奨 励 5 環 境 保 健 クライテリア(EHC) 作 成 と 健 康 リスク 評 価 6 国 際 的 な 統 一 基 準 の 奨 励 7 各 国 への 電 磁 界 防 護 プログラム 管 理 情 報 提 供 8 各 国 への 助 言 3 リスク 評 価 きっかけ ハザードの 同 定 疫 学 研 究 リスクの 総 合 評 価 リスク 管 理 問 題 提 起 した 研 究 新 技 術 の 急 速 な 普 及 総 合 評 価 動 物 実 験 細 胞 実 験 科 学 的 に 立 証 され た 影 響 ガイド ライン の 策 定 人 々の 不 安 など ばく 露 量 - 反 応 関 係 評 価 不 確 かな 影 響 念 のため の 政 策 ばく 露 評 価 リスクコミュニケーション 4 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 2

7 電 磁 界 のリスク 評 価 からリスク 管 理 へ 科 学 の 成 果 の 更 新 (ブルーブック) ICNIRP 発 がん 性 評 価 (モノグラフ) IARC 健 康 影 響 の 全 体 的 評 価 (EHC) WHO ガイドラインの 改 訂 ICNIRP ICNIRP: 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 IARC: 国 際 がん 研 究 機 関 (WHOの 組 織 ) WHO: 世 界 保 健 機 関 5 超 低 周 波 電 磁 界 IARC 2002 ICNIRP 2003 WHO 2007 ICNIRP メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 3

8 Fact Sheet No 年 6 月 18 日 7 商 用 周 波 電 磁 界 については 短 期 的 ばく 露 については 健 康 への 悪 影 響 が 科 学 的 に 確 立 されている 国 は これらの 影 響 から 人 々を 護 るために 国 際 的 なばく 露 ガイドラインを 採 用 すべきである 8 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 4

9 磁 界 ばく 露 の 長 期 的 影 響 疫 学 研 究 から 長 期 的 な 影 響 として 居 住 環 境 磁 界 ばく 露 ( μT 以 上 )と 小 児 白 血 病 との 間 に 弱 いながらも 統 計 的 な 関 連 性 があることが 報 告 されている 疫 学 研 究 生 物 学 研 究 生 物 学 的 な 研 究 からは 悪 影 響 を 及 ぼす 再 現 性 の ある 結 果 は 得 られていな い 調 査 票 総 合 評 価 9 小 児 白 血 病 は 因 果 関 係 と 見 なせる 程 ではない (IARCの2B 評 価 を 踏 襲 ) 疫 学 研 究 生 物 学 研 究 その 他 の 健 康 影 響 は 小 児 白 血 病 よりももっと 関 連 がない 総 合 評 価 疫 学 で 示 す0.4μTを 磁 界 の ばく 露 基 準 とするのは 合 理 的 ではない ( 環 境 保 健 クライテリア 238) 調 査 票 10 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 5

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11 電 磁 界 情 報 センター 新 ICNIRPガイドライン 説 明 会 新 ガイドラインの 概 要 について 首 都 大 学 東 京 多 氣 昌 生 2010 年 12 月 15 日 日 本 未 来 科 学 館 みらいCANホール 東 京 都 江 東 区 青 海 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 (ICNIRP) ICNIRPは 中 立 の 学 術 組 織 1992 年 に 設 置 前 身 は 国 際 放 射 線 防 護 学 会 (IRPA)の 委 員 会 (1977~) 任 務 は 非 電 離 放 射 線 の 健 康 への 影 響 に 関 する 指 導 と 助 言 非 電 離 放 射 線 へのばく 露 を 制 限 する 国 際 的 ガイドラインを 作 成 中 立 の 立 場 で 科 学 を 基 盤 とする ICNIRPの 組 織 は : 本 委 員 会 ( 委 員 14 名 委 員 長 副 委 員 長 を 含 む) 常 設 委 員 会 (4つ) Consulting Experts 2 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 1

12 本 委 員 会 P. Vecchia( 物 理 学 ) イタリア 委 員 長 R. Matthes( 電 気 工 学 ) ドイツ 副 委 員 長 A. Green ( 疫 学 ) オーストラリア K. Schulmeister( 光 学 )オーストリア M. Feychting ( 疫 学 )スウェーデン P. Soederberg( 眼 科 ) スウェーデン K. Jokela ( 保 健 物 理 )フィンランド B. Stuck(レーザー 安 全 ) 米 国 J. Lin( 電 気 工 学 ) 米 国 A. Peralta( 公 衆 衛 生 ) フィリピン R. Saunders( 生 物 学 ) 英 国 A. Swerdlow( 疫 学 ) 英 国 G. Ziegelberger ( 生 物 学 )ドイツ 科 学 事 務 長 M.H. Repacholi スイス 名 誉 委 員 長 B. Veyret( 物 理 化 学 ) フランス E. van Rongen( 生 物 学 )オランダ 注 :4 年 ごとに 改 選 3 期 12 年 を 超 えて 再 任 できない 3 SC I 疫 学 常 設 委 員 会 委 員 長 : Anthony Swerdlow ( 英 国 ) SC II 生 物 学 医 学 委 員 長 : Richard Saunders ( 英 国 ) 宮 越 順 二 ( 京 大 ) SC III Physics and Engineering 委 員 長 : James Lin ( 米 国 ) 渡 辺 聡 一 (NICT) SC IV Optical radiation at 委 員 長 : Per Soderberg (スウェーデン) 4 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 2

13 Consulting Experts 専 門 の 立 場 からの 貢 献 必 ずしも 中 立 機 関 に 所 属 していなくもよい 現 在 37 名 日 本 から 平 田 晃 正 ( 名 工 大 ) 王 建 青 ( 名 工 大 ) 奥 野 勉 ( 産 医 研 ) 多 氣 ( 首 都 大 ) 前 ICNIRPメンバーが8 名 含 まれる 5 ICNIRPによる 電 磁 界 ガイドライン 1992 年 以 前 のINIRC/IRPAが / 作 ったガイドラインを 継 承 1994 年 : 静 磁 界 のガイドライン 1998 年 :300GHzまでのガイドライン (2002 年 : 非 電 離 放 射 線 防 護 の 一 般 的 アプロー チ) 2009 年 : 静 磁 界 のガイドライン 改 訂 2010 年 :1-100kHzのガイドライン 100kHzのガイドライン 改 訂 2013 年?:100kHz-300GHzの 改 訂 (?) 6 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 3

14 General Approach to Protection against Non Ionizing Radiation. Health Physics Vol 82, Nr 4, pp: , 548 April ICNIRP ガイドライン 時 間 変 動 する 電 界 磁 界 および 電 磁 界 (1 Hzから100 khz)へのばく 露 制 限 に 関 するガイドライン Health Physics, December 2010, Volume 99, Number 6, pp メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 4

15 1-100kHzのガイドライン( 序 論 ) 100kHzまでを ま を 対 象 にした 環 境 保 健 クライテリア No.238(2007 年 )に 基 づく 改 訂 一 部 の 内 容 について10MHzまで 制 限 1998 年 のガイドラインは 刺 激 作 用 を 根 拠 に10MHz 以 下 を 制 限 ( 瞬 時 の 値 ) 熱 作 用 を 根 拠 に100kHz 以 上 300MHzまで を 制 限 (10MHzまでは6 分 間 平 均 ) 100kHzから10MHzまでは 刺 激 作 用 の 制 限 と 熱 作 用 の 制 限 の 両 方 で 制 限 していた 2009 年 のドラフトでは100kHzまでの 制 限 のみだった 静 磁 界 中 で 人 体 の 動 きによって 誘 導 される 電 界 および1Hz 以 下 の 時 間 変 化 する 磁 界 のガイドラインは 別 に 作 られる 予 定 9 目 的 と 範 囲 (1) 電 磁 界 による 健 康 への 有 害 な 影 響 から 人 体 を 防 護 電 磁 界 による 直 接 の 影 響 からの 防 護 電 磁 界 による 間 接 の 影 響 からの 防 護 電 磁 界 中 にある 導 体 に 電 位 が 発 生 人 体 が 接 触 する ことによるハザード 急 性 影 響 に 関 する 確 立 された 証 拠 を 根 拠 慢 性 影 響 についての 注 意 深 いレビューから 電 磁 界 との 因 果 関 係 の 説 得 力 のある 証 拠 はないと 判 断 10 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 5

16 目 的 と 範 囲 (2) 製 品 からの 放 射 電 磁 界 ノイズの 制 限 は 含 ま ない 計 測 技 術 は 扱 わない 金 属 製 人 工 器 官 心 臓 ペースメーカー 植 え 込 み 型 除 細 動 器 人 工 内 耳 などの 医 療 機 器 への 干 渉 影 響 は このガイドラインで 排 除 で きるわけではない 目 的 と 範 囲 は1998 年 ガイドラインと 変 わらない 但 し 1998 年 より 測 定 方 法 に 関 係 する 具 体 的 な 示 唆 がある 11 ガイドライン 改 訂 の 科 学 的 根 拠 モノグラフ 環 境 保 健 クライテリア (EHC) ELFガイドラインの 改 定 IARC 2002 WHO 2007 ブルーブック ブ ICNIRP 2010 ICNIRP メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 6

17 ガイドラインの 根 拠 ( 確 立 された 作 用 ) 電 界 ばく 露 によって 生 じる 表 面 電 荷 の 作 用 生 物 学 的 反 応 である( 健 康 への 悪 影 響 ではない) 知 覚 不 快 感 体 内 に 誘 導 される 電 界 による 神 経 に 対 する 刺 激 中 枢 および 末 梢 神 経 への 刺 激 網 膜 閃 光 現 象 13 確 立 された 作 用 とは ガイドラインの イ 用 語 解 説 では 確 立 されたメカ ニズム を 次 のように 定 義 : 次 のような 特 徴 をもつ 生 体 電 気 的 メカニズム (a) ヒトの 生 物 学 的 影 響 の 予 測 に 用 いることが 可 能 である;(b) ( ) 方 程 式 や 変 数 間 の 関 係 を 用 いた 明 快 なモデルが 構 築 可 能 である;(c)ヒトにおいて 検 証 されている または 動 物 データが 確 信 を 持 ってヒ トへ 外 挿 可 能 である;(d) 強 力 な 証 拠 によって 支 持 されている;(e) 学 界 の 専 門 家 に 広 く 受 け 入 れられ ている 14 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 7

18 科 学 的 文 献 からの 結 論 (1) 神 経 行 動 学 的 作 用 十 分 に 確 立 されており 指 針 の 根 拠 として 利 用 できる 表 面 電 荷 の 知 覚 神 経 および 筋 組 織 の 直 接 刺 激 興 奮 性 細 胞 ( 神 経 筋 )の 電 気 生 理 学 データ 数 理 モデル TMS( ( 経 頭 蓋 磁 気 刺 激 )の 経 験 データ 網 膜 閃 光 現 象 の 誘 発 間 接 的 な 科 学 的 証 拠 がある 視 覚 処 理 と 運 動 との 協 応 などの 脳 機 能 が 誘 導 電 界 による 一 過 性 の 影 響 を 受 けること 根 拠 とする 信 頼 性 がない その 他 の 神 経 行 動 学 的 ボランティア 研 究 過 敏 な 主 観 症 状 抑 うつ 症 状 15 科 学 的 文 献 からの 結 論 (2) 神 経 内 分 泌 各 種 ホルモンへの 影 響 を 科 学 的 データは 示 していない メラトニン 分 泌 など 神 経 変 性 疾 患 アルツハイマー 病 などへの 影 響 の 証 拠 は 不 十 分 心 臓 血 管 系 疾 患 これまでの 証 拠 は 関 連 を 示 していない 生 殖 および 発 達 低 周 波 電 界 および 磁 界 と 影 響 の 関 連 は 非 常 に 弱 い 16 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 8

19 がん 科 学 的 文 献 からの 結 論 (3) 疫 学 研 究 が 相 対 的 に 高 いレベルの 磁 界 ばく 露 と 小 児 白 血 病 リスクに 弱 い 関 連 があるかも 知 れな いことを 示 唆 したが それが 因 果 関 係 か 否 かは 不 明 確 生 物 物 理 学 的 メカニズムは 同 定 されておらず ま た 動 物 および 細 胞 研 究 の 実 験 結 果 は Hz 磁 界 ばく 露 が 小 児 白 血 病 の 原 因 であるとする 考 えを 支 持 しない 17 急 性 影 響 ガイドラインの 論 拠 (1) 神 経 筋 組 織 への 刺 激 体 内 誘 導 電 界 ( 中 枢 末 梢 神 経 系 )を 制 限 ( 周 波 数 に 依 存 ) 網 膜 閃 光 現 象 感 知 すること 自 体 は 健 康 影 響 ではない(だから1998 年 ガイ ドラインでは 根 拠 に 採 用 しなかった) 網 膜 は 前 脳 から 派 生 した 組 織 で 脳 との 共 通 した 性 質 があ る 慎 重 な 立 場 での 良 いモデル(2003 年 に 英 国 Didcotで で 開 催 されたWHO/ICNIRPワークショップでの 結 論 ) 頭 部 の 中 枢 神 経 系 での 体 内 電 界 を 制 限 電 界 による 表 面 電 荷 痛 みを 防 止 電 界 を 制 限 18 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 9

20 ガイドラインの 論 拠 (2) 慢 性 影 響 ICNIRPの 見 解 は 低 周 波 磁 界 への 長 期 ばく 露 が 小 児 白 血 病 のリスク 上 昇 と 因 果 的 に 関 連 することを 示 す 既 存 の 科 学 的 証 拠 は ばく 露 ガイドラインの 根 拠 するには 非 常 に 弱 い ということである とりわけ もし 関 係 が 因 果 関 係 でなかった 場 合 ばく 露 を 低 減 しても 健 康 への 利 益 は 何 も 生 まれない (2010 年 ガイドライン) Cf. ELF 電 磁 界 の 影 響 の 可 能 性 を 明 らかにするため 動 物 研 究 を さらに 続 ける 必 要 があるが [ ] これら 電 磁 界 の 発 がんへの 影 響 を 示 す 説 得 力 のある 証 拠 は 現 在 のところ 何 もなく そのよう なデータをばく 露 ガイドライン 作 成 の 根 拠 として 用 いることはで きないと 結 論 せざるを 得 ない(1998 年 ガイドライン) 19 ドシメトリ ガイドラインの 論 拠 (3) 電 磁 界 にばく 露 された 人 体 内 の 誘 導 電 界 などの 定 量 的 な 評 価 1998 年 当 時 ( 主 に 球 や 楕 円 体 の 幾 何 学 的 形 状 を 用 い た)より 格 段 に 進 歩 解 剖 学 的 な 構 造 を 考 慮 したミリメートルオーダーの 数 値 人 体 モデル 身 体 パラメータによって 影 響 姿 勢 や 人 体 と 電 磁 界 の 相 対 的 な 向 きなど 安 全 側 の 仮 定 をおいて 推 定 する 20 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 10

21 2レベルからなる 体 系 基 本 制 限 生 物 学 的 作 用 に 有 効 な 物 理 量 体 内 電 界 強 度 参 考 レベル 体 外 におけるばく 露 尺 度 実 用 的 なばく 露 評 価 のため 直 接 的 影 響 : 電 界 強 度 磁 界 強 度 磁 束 密 度 ( 四 肢 電 流 は 削 除?) 間 接 的 影 響 : 接 触 電 流 ばく 露 が 参 考 レベル 以 下 なら 基 本 制 限 は 満 たしている (ワーストケース 条 件 下 で 両 者 の 関 係 が 考 えられているから) ばく 露 が 参 考 レベルを 上 回 っても 必 ずしも 基 本 制 限 を 超 過 し ない 21 基 本 制 限 の 設 定 確 立 された 健 康 影 響 ばく 露 レベル 低 減 係 数 安 全 な ばく 露 影 響 の 閾 値 ばく 露 限 度 値 22 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 11

22 低 減 係 数 (Reduction Factor) ガイドライン 策 定 過 程 における 不 確 かさの 様 々な 原 因 に 対 す る 補 正 のために 影 響 閾 値 に 低 減 を 加 えること ばく 露 - 影 響 閾 値 レベルに 関 する 不 確 かさの 原 因 の 例 としては 動 物 の データをヒトでの 影 響 に 外 挿 すること 生 理 学 的 予 備 能 とそ れに 対 応 した 許 容 度 の 個 人 差 量 - 反 応 関 数 における 統 計 学 的 不 確 かさ( 信 頼 限 界 )などがある ガイドライン 施 行 上 の 測 定 における 不 確 かさは 遵 守 手 法 の 開 発 を 職 務 とする 組 織 が 担 当 するのがより 適 している 問 題 であるというのが ICNIRPの 見 解 である この 不 確 かさは ICNIRPによる 低 減 係 数 の 設 定 では 考 慮 されていない 23 基 本 制 限 の 考 え 方 ( 括 弧 内 は1998 年 ガイドラインとの 比 較 ) 刺 激 作 用 を 根 拠 体 内 電 界 強 度 を 指 標 (cf. 誘 導 電 流 密 度 ) 末 梢 神 経 系 の 刺 激 作 用 を 根 拠 に 入 れる(cf. 中 枢 神 経 系 のみ 閾 値 100 ma/m 2 ) 中 枢 神 経 系 を 別 に 扱 い 網 膜 閃 光 現 象 を 根 拠 に 採 用 (cf. 閃 光 現 象 は 知 覚 であり 健 康 影 響 では ない) 閾 値 方 式 で 低 減 係 数 を 用 いる(cf. 安 全 係 数 ) 空 間 平 均 は 2x2x2 mm 3 の 電 界 強 度 を 平 均 (cf. 1cm 2 の 電 流 密 度 を 平 均 ) 24 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 12

23 閃 光 感 覚 の 扱 い ICNIRPガイドラインは 確 立 された 健 康 への 悪 影 響 の 防 護 にその 目 的 を 定 めている 確 立 された 生 物 学 的 影 響 は その 本 来 の 性 質 から 健 康 リスクがあるかも 知 れないことを 示 唆 するものである 閃 光 感 覚 は それ 自 体 は 健 康 への 悪 影 響 ではない 誘 導 電 界 と 網 膜 の 電 気 的 興 奮 性 細 胞 との 相 互 作 用 の 結 果 として 生 じると 考 えられている 網 膜 は 前 脳 の 一 部 であり 中 枢 神 経 系 (CNS) 組 織 全 般 で 起 きる 現 象 の 過 程 をよく 表 現 するモデルで 安 全 側 に 立 ったモ デルであると 見 なされる したがって 改 定 ガイドラインは 閃 光 感 覚 の 防 止 を 含 む 25 影 響 の 閾 値 ーク 値 ] d [V/m,peak k] /m, ピー electric field 強 度 [V/ 誘 導 電 界 強 Induced e IEEE SENN ARPANSA ICNIRP 98 めまい vertigo 閃 phosphenes 光 感 覚 末 梢 神 経 刺 激 PNS ICNIRP 07p Frequency [Hz] Kari Jokela, 周 波 数 [Hz] 26 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 13

24 閾 値 と 低 減 係 数 閃 光 現 象 の 閾 値 50 mv/m (10-25 Hz) 低 減 係 数 1 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限 50 mv/m 低 減 係 数 5 公 衆 ばく 露 の 基 本 制 限 10 mv/m 末 梢 神 経 系 の 刺 激 閾 値 4 V/m (<3kHz) 低 減 係 数 5 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限 0.8 V/m 低 減 係 数 10 公 衆 ばく 露 の 基 本 制 限 0.4 V/m 27 和 訳 p.7 職 場 環 境 の 考 え 方 静 磁 界 のばく 露 制 限 に 関 するガイドライン (ICNIRP 2009)に 関 連 して 出 された 推 奨 にした がって 職 業 的 環 境 では 適 切 な 助 言 と 訓 練 が 行 われた 場 合 作 業 者 が 網 膜 閃 光 現 象 およびあ る 種 の 脳 機 能 に 起 きる 可 能 性 のある 微 少 な 変 化 のような 一 過 性 の 影 響 を 承 知 の 上 で 随 意 的 に 体 験 することは 理 にかなったことであるとICNIRP は 考 える 28 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 14

25 基 本 制 限 末 梢 神 経 系 ( 頭 部 の) 中 枢 神 経 系 29 参 考 レベル 実 用 的 に 評 価 するために 体 外 の 電 磁 界 を 用 い た 評 価 により 基 本 制 限 への 適 合 性 を 判 断 する ための 参 考 値 基 本 制 限 からワーストケースを 想 定 して 導 出 解 剖 学 的 モデルを 用 いた 数 値 ドシメトリに 基 づく (cf. 均 一 球 モデルによる 導 出 ) 不 均 一 な 電 磁 界 では 空 間 平 均 発 生 源 から20 cm 以 上 では 人 体 に 沿 った(または 人 体 の 一 部 ) 空 間 の 平 均 値 と 比 較 (cf. 参 考 レベルは 人 体 の 占 める 空 間 で 平 均 した 値 に 適 用 する) 非 常 に 発 生 源 に 近 接 した 場 合 は 基 本 制 限 を 用 いる 30 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 15

26 参 考 レベルの 導 出 不 均 一 モデルでの 換 算 値 脳 では 入 射 磁 界 1mTあたり 最 大 で23-33 mv/m 入 射 電 界 1kV/mあたり 最 大 で mv/m 末 梢 ( 皮 膚 で 評 価 ) 入 射 磁 界 1mTあたり 最 大 で20-60 mv/m 入 射 電 界 1kV/mあたり 最 大 で12-33 mv/m 低 減 係 数 ( 参 考 レベルの 導 出 での 追 加 的 係 数 ) 中 枢 ( 脳 )では 3 31 間 接 的 影 響 の 考 慮 電 界 強 度 の 参 考 レベルで 考 慮 職 業 ばく 露 25Hzまでは 接 触 電 流 刺 激 を 防 止 するためのマージン 25Hz 以 上 では 考 慮 していない( 接 触 電 流 の 参 考 レベルを 考 慮 す る) 公 衆 ばく 露 10MHzまで >90%の 人 に 間 接 的 影 響 を 防 止 できるようにマージン 接 触 電 流 についての 参 考 レベル 知 覚 を 防 止 するのではなく 痛 みのある 電 撃 を 回 避 する 子 供 で 閾 値 が1/2 公 衆 に 低 減 係 数 年 ガイドラインと 同 じ 値 32 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 16

27 参 考 レベル( 電 界 強 度 ) /m] 電 界 強 度 [kv/ 周 波 数 (Hz) 職 業 的 ばく 露 公 衆 のばく 露 33 参 考 レベル( 磁 束 密 度 ) 磁 束 密 度 [T] 周 波 数 (Hz) 職 業 的 ばく 露 公 衆 のばく 露 34 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 17

28 接 触 電 流 の 参 考 レベル ばく 露 特 性 周 波 数 範 囲 最 大 接 触 電 流 (ma) 職 業 的 ばく 露 2.5 khzまで kHz 100 khz 0.4f 100 khz 10 MHz 40 公 衆 ばく 露 2.5 khzまでま khz 100 khz 0.2f 100 khz 10 MHz 20 注 : f は khzで 表 わされる 周 波 数 35 基 本 制 限 の 評 価 方 法 への 言 及 時 間 平 均 時 間 平 均 されない 瞬 時 値 を 推 奨 空 間 平 均 解 剖 学 的 な 構 造 を 考 慮 した 人 体 モデルで2x2x2mm 3 の 分 解 能 で 計 算 して99パーセンタイル 値 をとることが 適 切 非 正 弦 波 重 みづけピーク 値 を 用 いる 方 法 を 示 し 具 体 的 な 方 法 を 付 属 書 で 示 した ICNIRP Statement:Guidance on Determining Compliance of Exposure to Pulsed Fields and Complex Non Sinusoidal Waveforms below 100 khz with ICNIRP Guidelines. Health Physics 84 (3): ; メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 18

29 参 考 レベルの 評 価 方 法 への 言 及 空 間 平 均 参 考 レベルは 空 間 的 変 動 の 小 さい 電 磁 界 強 度 を 想 定 空 間 的 に 非 一 様 な 場 合 最 大 値 が 参 考 レベルを 超 えなければ 安 全 側 発 生 源 からの 距 離 が20cmを 超 えるときは 身 体 に 沿 う か または 身 体 の 一 部 についての 空 間 平 均 を 決 定 距 離 が 数 cmのときは 基 本 制 限 で 考 える 37 長 期 的 影 響 への 言 及 (ファクトシート) 疫 学 研 究 は 低 レベルの 商 用 周 波 の 磁 界 への 毎 日 の 慢 性 的 ばく 露 が 小 児 白 血 病 のリスク 上 昇 と 関 連 することを 見 出 している しかしながら 実 験 研 究 は 磁 界 と 小 児 白 血 病 のこのような 関 連 を 支 持 しておらず 磁 界 と 小 児 白 血 病 またはその 他 のいかなる 長 期 的 影 響 との 因 果 関 係 も 確 立 さ れていない この 確 立 された 因 果 関 係 がないことが 基 本 制 限 で 疫 学 研 究 の 結 果 を 扱 わない 理 由 である このような 疫 学 研 究 の 結 果 が 多 くの 国 の 人 々が 懸 念 をもつきっかけとなったことをICNIRPはよく 承 知 している この 懸 念 に 対 しては 各 国 のリスク 管 理 の 枠 組 みの 中 で 最 善 に 対 処 され るというのが ICNIRPの 見 解 である リスク 管 理 は 一 般 に 社 会 的 経 済 的 政 治 的 問 題 を 含 む 多 くの 異 なる 局 面 に 基 づいている この 状 況 の 中 で ICNIRPは 科 学 に 基 づいた 助 言 のみを 提 供 する プレコーショナリ 対 策 に 関 する 検 討 を 含 むリスク 管 理 上 の 追 加 的 助 言 は 例 えば 世 界 保 健 機 関 および 他 の 組 織 によって 与 えられている 38 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 19

30 コメント(1) Vecchia 委 員 長 は10 年 以 上 使 えると 述 べている 欧 州 の 規 制 に 採 用 するためには 現 行 の 欧 州 理 事 会 勧 告 1999/ 519/ECの 改 訂 が 必 要 職 場 環 境 の 欧 州 指 令 2004/40/ECに 基 づく 法 規 制 導 入 の 環 境 に 前 進 指 令 ではMinimum i requirementを 想 定 している 刺 激 作 用 の 上 限 を10MHzまでとしたことの 妥 当 性 公 衆 で10MHzでは 約 180W/kg 1MHzで1.8W/kg( 導 電 率 0.1S/mとして)の 内 部 電 界 が 基 本 制 限 39 作 成 プロセスの 変 化 コメント(2) 従 来 は ICNIRPで 原 案 を 承 認 後 関 係 機 関 およ びIRPA 加 盟 組 織 ( 日 本 では 日 本 保 健 物 理 学 会 ) に 回 付 してコメント 募 集 修 正 は 大 幅 ではなかっ た 今 回 は コメントを 公 募 (100 件 以 上 ) コメントに 対 し 非 常 に 丁 寧 な 修 正 但 し ドラフトとの 変 更 が 著 しい 40 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 20

31 100kHz~10MHzでの 熱 作 用 と 刺 激 作 用 1998 年 ガイドライン J=σE( ( 刺 激 ) と SAR=σE 2 /1000( ( 熱 ) 基 本 制 限 は100kHz~10MHzで 周 波 数 に 依 存 しな い 2010 年 ガイドライン E ( 刺 激 )と SAR=σE 2 /1000( 熱 ) 導 電 率 σが 与 えられれば どちらの 制 約 が 支 配 的 であるかが 決 まる 41 旧 ICNIRP(1998 年 )の 筋 脂 肪 組 織 にお ける 基 本 制 限 値 と 内 部 電 界 E SAR = σ ρ 2 10MHzまででは 誘 導 電 流 密 度 の 制 限 が 支 配 的 42 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 21

32 新 ICNIRPの 筋 脂 肪 組 織 における 基 本 制 限 値 と 内 部 電 界 E SAR = σ ρ 2 E max [V/m] [V/m] SARの 制 約 が 支 配 的 な 周 波 数 が 広 がった 43 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 22

33 電 磁 界 情 報 センター 新 ICNIRPガイドライン 説 明 会 平 成 22 年 12 月 15 日 ( 水 ) 於 日 本 科 学 未 来 館 みらいCAN ホール 制 限 値 参 考 レベルの 算 出 方 法 と 新 旧 ガイドラインの 比 較 山 崎 健 一 電 力 中 央 研 究 所 1 概 要 低 周 波 電 磁 界 の 健 康 影 響 に 関 するWHO( 世 界 保 健 機 関 )によ る 評 価 結 果 の 公 表 (2007 年 )を 受 け, 国 内 においても1998 年 発 行 のICNIRPガイドラインに 基 づく 磁 界 の 限 度 値 ( 電 力 設 備 )の 導 入 について 議 論 が 進 められている 一 方,ICNIRPガイドライン 自 体 も, 改 訂 作 業 が 進 められ,1 Hz から100 khzの 低 周 波 帯 域 に 対 し,2009 年 7 月 の 改 定 ガイドライ ン 原 案 公 表 を 経 て, 2010 年 11 月 に 新 ICNIRP 低 周 波 ガイドライ ンが 公 表 された 新 ガイドラインでは, 磁 界 参 考 レベルの 変 更 や 基 本 制 限 の 指 標 の 変 更 など, 大 幅 な 変 更 を 伴 うものとなっており,ドラフトからの 変 更 も 大 幅 になされた 本 講 演 では, 新 旧 ガイドラインの 比 較 ならびに 新 ガイドラインに おける 基 本 制 限 および 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 につい て 述 べる 2 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 1

34 旧 ICNIRPガイドライン 時 間 変 化 する 電 界 磁 界 及 び 電 磁 界 による ばく 露 を 制 限 するためのガイドライン(300 GHzま で) 1998 年 制 定 任 意 の 規 格 であるが, 欧 州 を 中 心 に 広 く 採 用 され,これまでもっとも 影 響 力 があった 防 護 指 針 再 現 性 のある 生 体 反 応 ( 神 経 刺 激 )に 基 づく. 人 体 内 誘 導 電 流 が 指 標. 等 価 な 外 部 磁 界 を 算 出 基 本 制 限 と 参 考 レベル の2 段 階 構 成 公 衆 ばく 露 と 職 業 ばく 露 で 異 なる 指 針 値 3 ( 参 考 )IEEE 安 全 基 準 IEEE C95.6: 0Hz~3kHzの 電 磁 界 への 人 体 ばく 露 に 関 する 安 全 レベル 刺 激 による 神 経 組 織 の 電 気 的 興 奮 が 根 拠 作 用 量 は,in situ( 生 体 内 ) 電 界 (= 人 体 内 誘 導 電 界 ) 基 本 制 限 と 最 大 許 容 ばく 露 の2 段 階 構 成 基 本 制 限 の 対 象 は4 種 類 の 部 位 ( 脳, 心 臓, 手 足, 他 ) 一 般 公 衆 と 管 理 環 境 で 異 なる 指 針 値 ICNIRPの 参 考 レベルに 相 当 する 最 大 許 容 ばく 露 ( 公 衆 )は,50/60 Hzで,904 Tと 大 きい( 旧 ICNIRP では100 T 50 Hz, 新 ICNIRPでは200 T 50/60 4 Hz ) メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 2

35 ガイドラインの 構 成 の 比 較 構 成 については, 大 きな 変 更 はない 2 段 階 の 指 標 : 体 内 誘 導 量 で 規 定 される 基 本 制 限 ( 確 立 された 健 康 影 響 を 直 接 的 な 根 拠 とする)と 電 磁 界 の 大 きさで 規 定 される 参 考 レベル( 基 本 制 限 から 導 出 される 参 考 値 ), 基 本 制 限 の 遵 守 に 重 点 ばく 露 対 象 : 職 業 ばく 露 と 公 衆 ばく 露 の 区 別 公 衆 に 対 してより 厳 しい 値 が 適 用 されている 5 電 磁 界 のばく 露 制 限 の 根 拠 の 比 較 低 レベル 磁 界 ばく 露 の 長 期 影 響 の 扱 い: 変 更 なし 磁 界 ばく 露 と 小 児 白 血 病 との 因 果 関 係 があるとする 疫 学 調 査 結 果 については,ばく 露 を 制 限 する 根 拠 として 用 いるには 十 分 ではない 生 物 学 的 知 見 の 整 理 における 誘 導 量 指 標 の 変 更 : 体 内 誘 導 電 流 密 度 体 内 誘 導 電 界 制 限 の 根 拠 として 取 り 上 げられる 現 象 の 変 更 : 磁 気 閃 光 現 象 を 重 要 視 有 害 な 影 響 ではないも のの 中 枢 神 経 系 (CNS) 組 織 への 影 響 の 適 切 なモ デル であるとして 考 慮 されることになった 6 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 3

36 電 磁 界 ばく 露 制 限 の 基 本 制 限 の 比 較 (1) 従 来 : 神 経 系 機 能 への 影 響 の 誘 導 電 流 密 度 の 閾 値 100 ma/m 2 ( 数 Hz~1 khz)に 安 全 係 数 10としたもの を 職 業 ばく 露 の 制 限 値 とする 改 訂 : 指 標 の 誘 導 電 界 への 変 更 頭 部 のCNS 組 織 と 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 の 2 種 類 の 対 象 に 対 し 別 の 指 針 値 を 示 す 7 電 磁 界 ばく 露 制 限 の 基 本 制 限 の 比 較 (2) 頭 部 のCNS 組 織 では, 磁 気 閃 光 の 閾 値 の 最 下 限 を 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限 (10 Hz~25 Hz 50 mv/m, 以 降 周 波 数 比 例 ) 低 減 係 数 は 適 用 しない 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 では, 末 梢 神 経 系 (PNS)の 刺 激 反 応 の 閾 値 4 V/m (3 khz 以 下 で 一 定,それ 以 上 は 周 波 数 比 例 )に, 不 確 かさを 考 慮 し, 低 減 係 数 ( 職 業 ばく 露 :5, 公 衆 ばく 露 :10)を 適 用 した 値 を 基 本 制 限 と した 8 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 4

37 基 本 制 限 ( 誘 導 電 界 )(mv/m) 頭 部 CNS 根 拠 : 25Hz 以 上 で 周 波 数 比 例 基 本 制 限 の 比 較 IEEE( 一 般 公 衆 ) 50 Hz 全 身 PNS 根 拠 : 400Hz 以 上 ( 職 業 ) 1kHz 以 上 ( 公 衆 ) IEEE( 管 理 環 境 ) 20 khz 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 新 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) 旧 ICNIRPガイドラインでは, 基 本 制 限 は 体 内 誘 導 電 流 密 度 で 表 されており, 便 宜 上, 導 電 率 を0.1 S/mとして 換 算 している 新 ICNIRPガイドラインおよびIEEE 基 準 では, 部 位 により 基 本 制 限 が 異 なるが,グラフでは 最 も 低 い 値 を 示 している 9 磁 界 参 考 レベルの 比 較 (1) 25 Hz 以 上 の 周 波 数 において, 基 本 制 限 の 周 波 数 依 存 性 の 変 更 および 人 体 モデルを 用 いた 換 算 の 変 更 を 反 映 し, 磁 界 参 考 レベルの 数 値 に 変 更 が 生 じた 商 用 周 波 数 では, 公 衆 ばく 露 については, 従 来 の 0.1 mt(50 Hz), mt(60 Hz) から 50Hz, 60 Hzともに 0.2 mt と 大 幅 な 緩 和 となった 中 間 周 波 数 帯 と 呼 ばれる1 khz~100 khzの 帯 域 でも, 磁 界 参 考 レベルが 大 幅 に 緩 和 された( 従 来 の 公 衆 に 対 する 磁 界 参 考 レベル 6.25 Tが27 Tと4 倍 以 上 の 緩 和 ) 10 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 5

38 磁 界 参 考 レベルの 比 較 (2) 基 本 制 限 から 参 考 レベルの 換 算 根 拠 については, Dimbylowによる 数 値 計 算 結 果 が 引 用 されている 頭 部 のCNS 組 織 の 基 本 制 限 が 適 用 される 周 波 数 帯 では, 1 mt,50 Hzの 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 して, 脳 の 誘 導 電 界 の 値 として33 mv/mを 対 応 させている( Dimbylowの 論 文 では, 英 国 のNORMANと 呼 ばれる 人 体 モデルを 用 いた 脳 における99パーセンタイル 値 ) さらに, 数 値 計 算 および 人 体 のモデル 化 における 不 確 かさ3 を 考 慮 し, 脳 の 誘 導 電 界 の 値 を100 mv/mとし, この 関 係 が, 頭 部 のCNS 組 織 に 基 づく 基 本 制 限 値 と 参 考 レベルとの 対 比 になっている 11 磁 界 の 参 考 レベルの 比 較 (3) 一 方, 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 が 適 用 される 周 波 数 帯 では,1 mt,50 Hzの 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 して, PNSへの 影 響 に 関 連 するCNS 以 外 の 組 織 における 誘 導 電 界 の 値 として60 mv/mを 対 応 させている(ただし Dimbylowの 論 文 において 該 当 する 数 値 は 見 当 たらな い) 本 文 では, 頭 部 CNS 組 織 と 同 様 に 不 確 かさ3 が 考 慮 されたとあるが, 基 本 制 限 値 と 参 考 レベルとの 対 比 は この 関 係 になっていない 12 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 6

39 10 6 磁 界 の 参 考 レベルの 比 較 50 Hz 20 khz 磁 界 参 考 レベル B ( T) 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 25Hz 以 上 で 緩 和 IEEE( 管 理 環 境 ) IEEE( 一 般 公 衆 ) 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 10 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 改 訂 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) 13 電 界 の 参 考 レベルの 比 較 公 衆 ばく 露 では,25 Hz 以 下 の 周 波 数 帯 で, 従 来 の1/2 の 値 に 変 更 された この 理 由 として, 感 知 を 予 防 する 十 分 なマージンを 見 込 んだことを 挙 げている 一 方, 職 業 ばく 露 については, 中 間 周 波 数 帯 の 電 界 参 考 レベルが 大 幅 に 厳 しい 値 となった(20 khzにおいて, 610 V/mから83.3 V/m) なお,25 Hz 以 上 では, 基 本 制 限 のみを 考 慮 して 参 考 レベルが 決 定 されているとして いるが, 外 部 電 界 と 体 内 誘 導 電 界 の 換 算 が 周 波 数 ご とに 異 なっている 14 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 7

40 10 5 電 界 の 参 考 レベルの 比 較 50 Hz 20 khz 変 更 箇 所 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 電 界 参 考 レベル E (V/m) 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) IEEE( 管 理 環 境 ) IEEE( 一 般 公 衆 ) 変 更 箇 所 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 新 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) 15 その 他 接 触 電 流 については, 参 考 レベルのみが 示 されており, 旧 ガイドラインからの 変 更 はない 旧 ガイドラインにお いて, 接 触 電 流 の 参 考 レベルは, 電 磁 界 ばく 露 の 基 本 制 限 ( 誘 導 電 流 密 度 )を 超 えることが 容 易 に 示 され 矛 盾 が 生 じていたが, 今 回 の 改 定 では, 頭 部 CNSとその 他 の 組 織 の 基 本 制 限 が 分 けられたため, 再 度 の 検 討 が 必 要 となっている( 手 で 課 電 導 体 に 接 触 した 場 合, 頭 部 の 通 過 電 流 は 小 さい) 電 界 と 磁 界 の 同 時 ばく 露 については, 従 来 と 同 様, 加 算 的 に 扱 う 必 要 はないものと 判 断 される 16 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 8

41 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 方 法 人 体 モデル 内 誘 導 電 界 の 辺 長 2mmの 立 方 体 空 間 で の 平 均 を 計 算 し, 特 定 組 織 の99パーセンタイル 値 を 評 価 した 上,さらに 網 膜 と 皮 膚 を 除 き, 平 均 化 する 空 間 に 他 組 織 を 含 む 場 合 はこれを 除 外 する 処 理 を 行 う ものとされた 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 が 不 可 避 な 状 況 として, 発 生 源 からの 距 離 が20 cm 以 内 の 参 考 レベルを 超 過 す る 状 況 が 挙 げられている 17 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 の 実 際 磁 界 発 生 源 のモデル 化 ( 実 測, 等 価 発 生 源 ) 数 値 人 体 モデルに 対 する 体 内 誘 導 電 界 の 計 算 の 実 施 計 算 結 果 のボクセル( 立 方 体 セル) データからのデータ 抽 出 ( 特 定 組 織,99パーセンタイル 値 算 出 等 ) 日 本 人 数 値 人 体 モデル 情 報 通 信 研 究 機 構 (NICT)による 開 発 51 種 類 の 組 織 ボクセルサイズ2 mm 各 組 織 に 割 り 当 てる 導 電 率 は,Gabriel らによるデータの 使 用 が 一 般 的 18 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 9

42 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 旧 ガイドラインと 同 様, 非 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 し, 磁 界 の 全 身 平 均 を 評 価 し 参 考 レベルと 比 較 する 新 ガイド ラインでは,その 適 用 条 件 が 明 記 され, 発 生 源 の 端 か ら20 cm 以 上 の 位 置 となった 測 定 に 関 わる 不 確 かさは, 前 述 のreduction factorには 入 っていないことが 明 記 された 19 磁 界 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 の 例 ー 電 力 設 備 の 例 (IEC )ー 送 電 線 下 など 一 様 な 電 界 磁 界 に 対 しては, 地 上 1mの 高 さで 測 定 する 変 電 所 敷 地 境 界 や 配 電 路 上 機 器 近 傍 など, 一 様 ではな い 場 合 は, 磁 界 の 全 身 平 均 に 対 応 する 高 さ3 点 平 均 で 評 価 する 150 cm 敷 地 境 界 端 や 機 器 の 外 箱 端 20 cm 100 cm 50 cm 3 点 の 高 さの 測 定 値 の 平 均 20 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 10

43 磁 界 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 の 例 ーIH 電 磁 調 理 器 の 例 (IEC )ー 30cm : 測 定 位 置 ( 高 さ 方 向 にスキャンし, 最 大 値 を 把 握 ) C 30cm D 対 象 とする ヒータ 上 面 図 30cm B 30cm 前 面 A 磁 界 センサ 21 おわりに 参 考 レベルの 周 波 数 特 性 カーブに 依 存 した 評 価 を 行 っている 測 定 器 の 改 修 の 必 要 性 従 来 の 誘 導 電 流 密 度 によりICNIRP 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 が 示 された 製 品 やばく 露 環 境 について, 新 たな 体 内 誘 導 量 指 標 を 用 いた 再 評 価 の 必 要 性 公 衆 および 職 業 ばく 露 に 関 する 欧 州 recommendation およびdirectiveの 改 訂 動 向 および, 国 内 の 磁 界 規 制 へ 影 響 についての 関 心 今 回 の 変 更 の 理 由 は, 主 として 数 値 計 算 の 扱 いの 変 更 によるものであるが, 本 分 野 は 依 然 研 究 レベル の 段 階 であり, 今 後 の 再 評 価 の 可 能 性 にも 留 意 する 必 要 がある 22 メモ 本 資 料 の 無 断 転 載 禁 止 財 団 法 人 電 気 安 全 環 境 研 究 所 電 磁 界 情 報 センター 11

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45 電 磁 界 情 報 センター 新 ICNIRP ガイドライン 説 明 会 平 成 22 年 12 月 15 日 ( 水 ) 於 日 本 科 学 未 来 館 みらい CAN ホール 制 限 値 参 考 レベルの 算 出 方 法 と 新 旧 ガイドラインの 比 較 山 崎 健 一 ( 電 力 中 央 研 究 所 ) 1.はじめに ICNIRP( 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 )では, WHO( 世 界 保 健 機 関 ) 国 際 電 磁 界 プロジェクトによ る 低 周 波 電 磁 界 影 響 の 評 価 結 果 の 公 表 (2007 年 )を 受 け,1998 年 発 行 の ICNIRP ガイドライン( 以 下, 旧 ガイドライン) (1) の 改 定 作 業 が 進 められ,このう ち 1 Hz から 100 khz の 低 周 波 中 間 周 波 帯 域 (これ らを 併 せて ELF と 呼 んでいる)に 対 し,2009 年 7 月 に 改 定 ガイドラインのドラフトが 公 表 され,コ メント 募 集 が 行 われた (2) その 後,コメントが 考 慮 された 修 正 がなされ,2010 年 11 月 10 日 付 で, 新 ICNIRP 低 周 波 ガイドライン( 以 下, 新 ガイドラ イン) (3) が 公 表 された 新 ガイドラインでは, 磁 界 参 考 レベルの 変 更 や 基 本 制 限 の 指 標 の 変 更 など, 大 幅 な 変 更 を 伴 うものとなっており,ドラフトか らの 変 更 も 大 幅 になされた 本 稿 では, 新 旧 ガイ ドラインの 比 較 ならびに 新 ガイドラインにおける 基 本 制 限 および 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 に ついて 述 べる 2. 新 旧 ガイドラインの 比 較 本 章 では, 新 ガイドラインにおける 旧 ガイドラ インからの 変 更 点 について 述 べる また, 参 考 の ため, 米 国 を 中 心 に 用 いられている IEEE/ICES( 米 国 電 気 電 子 学 会 / 非 電 離 放 射 の 電 磁 界 安 全 性 に 関 (4,5) する 国 際 委 員 会 ) 規 格 との 対 比 についても 示 す ( 変 更 箇 所 の 対 比 を 表 1 に 示 す) (1) 全 般 事 項 新 ガイドラインでは, 全 般 において 下 記 の 変 更 がなされた 従 来 0 Hz を 超 える 周 波 数 から 300 GHz までひと つのガイドラインとして 発 行 されていたものが, 1 Hz~100 khz の 低 周 波 中 間 周 波 領 域 のみ 現 行 のガイドラインを 置 き 換 えるものとなった タイトルでは 100 khz が 上 限 であるが, 基 本 制 限 および 参 考 レベルの 周 波 数 帯 域 の 上 限 は 10 MHz となっており, 旧 ガイドラインとの 整 合 が 図 られている 基 本 制 限 と 参 考 レベルの2 段 階 構 成 など, 基 本 的 な 構 造 に 変 化 はない 磁 気 閃 光 現 象 は, 従 来 有 害 とはみなせないとし て, 電 磁 界 ばく 露 を 制 限 する 根 拠 として 用 いら れていなかったが, 今 回 の 改 訂 において, 有 害 な 影 響 ではないものの 中 枢 神 経 系 (CNS) 組 織 へ の 影 響 の 適 切 なモデル であるとして 考 慮 され ることになった (2) 基 本 制 限 基 本 制 限 については, 新 ガイドラインにおいて 以 下 の 変 更 がなされた 基 本 制 限 の 指 標 として, 従 来 体 内 誘 導 電 流 密 度 で 表 されていたものが, 体 内 誘 導 電 界 に 変 更 された 旧 ガイドラインでは, 基 本 制 限 は 頭 部 および 体 幹 での 評 価 とされ,のちの 補 足 文 書 (6) で CNS 組 織 に 限 られるとの 見 解 が 出 されていた これ に 対 し, 今 回 の 改 定 では, 基 本 制 限 は 頭 部 の CNS 組 織 ならびに 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 の2 種 類 の 対 象 に 対 し, 生 体 作 用 の 閾 値 に 基 づ く 異 なる 値 が 示 されることになった これは, ドラフトからの 大 きな 変 更 箇 所 であり,4 種 類 の 適 用 対 象 が 区 別 されている IEEE 規 格 (4,5) の 考 え 方 に 近 いものとなった 旧 ガイドラインでは, 体 内 誘 導 電 流 密 度 が 指 標 とされ, 神 経 系 機 能 への 急 性 影 響 を 防 ぐための 閾 値 100 ma/m 2 より, 安 全 率 (safety factor)10 を 見 込 んだ 10 ma/m 2 を 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限 値 としていたのに 対 し, 新 ガイドラインにおけ る 頭 部 の CNS 組 織 では, 磁 気 閃 光 の 閾 値 の 最 下 限 を 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限 とした この 際, 安 全 率 ( 今 回 から reduction factor: 低 減 率 が 用 いられている)は 適 用 されていない 基 本 制 限 値 は 10 Hz~25 Hz において 一 定,それ 以 上 では 周 波 数 比 例 する 一 方, 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 の 基 本 制 限 は, 末 梢 神 経 系 (PNS)の 刺 激 に 基 づくもので, 反 応 の 閾 値 4 V/m (3 khz 以 下 で 一 定,それ 以 上 は 周 波

46 数 比 例 )に, 不 確 かさを 考 慮 し, 低 減 係 数 5 を 適 用 した 値 を 職 業 ばく 露 の 基 本 制 限, 低 減 係 数 10 を 適 用 した 値 を 公 衆 ばく 露 の 基 本 制 限 とした 商 用 周 波 数 での 基 本 制 限 ( 職 業 ばく 露 の 場 合 )は, 従 来 の 頭 部 および 体 幹 の 10 ma/m 2 から, 頭 部 の CNS 組 織 の 100 mv/m (50 Hz),120 mv/m (60 Hz)に 置 き 換 えられた これらの 体 内 誘 導 電 界 の 基 本 制 限 値 は,ドラフトからの 変 更 もなさ れており(ドラフトでは,50 Hz/60 Hz とも 100 mv/m であった),IEEE 規 格 (4) の 基 本 制 限 値 44.3 mv/m ( 脳,50 Hz の 場 合 IEEE では 確 率 係 数 として 3 を 見 込 んでいる)と 比 較 して 大 きい 値 と なっている( 図 1) (3) 磁 界 参 考 レベル 磁 界 参 考 レベルについては, 新 ガイドラインに おいて 以 下 の 変 更 がなされた 新 ガイドラインでは,25 Hz 以 上 の 周 波 数 におい て, 基 本 制 限 の 周 波 数 依 存 性 の 変 更 および 後 述 の 人 体 モデルを 用 いた 換 算 の 変 更 を 反 映 し, 磁 界 参 考 レベルの 数 値 に 変 更 が 生 じた( 図 2) 商 用 周 波 数 では, 公 衆 ばく 露 については, 従 来 の 0.1 mt(50 Hz), mt(60 Hz) から 50Hz, 60 Hz ともに 0.2 mt と 大 幅 な 緩 和 となった また,IH 電 磁 調 理 器 等 で 利 用 される 中 間 周 波 数 帯 と 呼 ばれる 1 khz~100 khz の 帯 域 でも, 磁 界 参 考 レベルが 大 幅 に 緩 和 された( 従 来 の 公 衆 に 対 する 磁 界 参 考 レベル 6.25 T が 27 T となり, 4 倍 以 上 の 緩 和 ) 基 本 制 限 から 参 考 レベルの 換 算 根 拠 については, Dimbylow による 数 値 計 算 結 果 (7) が 引 用 されてい る( 比 較 対 象 として, 日 本 人 詳 細 人 体 モデルを 使 (8) 用 した 平 田 和 氣 渡 辺 多 氣 らによる 論 文 およびドイツの Bahr らの 論 文 も 併 せて 引 用 さ れている) 頭 部 の CNS 組 織 の 基 本 制 限 が 適 用 される 周 波 数 帯 では, 1 mt,50 Hz の 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 して, 脳 の 誘 導 電 界 の 値 として (7) 33 mv/m を 対 応 させている(Dimbylow の 論 文 では, 英 国 の NORMAN と 呼 ばれる 人 体 モデル を 用 いた 脳 における 99 パーセンタイル 値 ) さ らに, 数 値 計 算 および 人 体 のモデル 化 における 不 確 かさ 3 を 考 慮 し,100 mv/m とし,この 関 係 が, 頭 部 の CNS 組 織 に 基 づく 基 本 制 限 値 と 参 考 レベルとの 関 係 になっている 一 方, 頭 部 および 胴 体 の 全 組 織 が 適 用 される 周 波 数 帯 では,1 mt,50 Hz の 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 して, PNS への 影 響 に 関 連 する CNS 以 外 の 組 織 における 誘 導 電 界 の 値 として 60 mv/m (7) を 対 応 させている(ただし Dimbylow の 論 文 において,これに 該 当 する 数 値 は 見 当 たらない) さらに 本 文 には, 頭 部 CNS 組 織 と 同 様 に 不 確 かさ 3 が 考 慮 されたとあるが, 基 本 制 限 値 と 参 考 レベルとの 対 比 はこの 関 係 になっていない (4) 電 界 参 考 レベル 電 界 参 考 レベルについては, 新 ガイドラインに おいて 以 下 の 変 更 がなされた 公 衆 ばく 露 では,25 Hz 以 下 の 周 波 数 帯 で, 従 来 の 1/2 の 値 に 変 更 され, 厳 しくなった( 図 3) こ の 理 由 として, 感 知 を 予 防 する 十 分 なマージン を 見 込 んだことを 挙 げている 一 方, 職 業 ばく 露 については, 中 間 周 波 数 帯 の 電 界 参 考 レベルが 大 幅 に 厳 しい 値 となった(20 khz において,610 V/m から 83.3 V/m) なお, 25 Hz 以 上 では, 基 本 制 限 のみを 考 慮 して 参 考 レ ベルが 決 定 されているとしているが, 外 部 電 界 と 体 内 誘 導 電 界 の 換 算 が 周 波 数 ごとに 異 なって いる (5) 接 触 電 流 接 触 電 流 については, 参 考 レベルのみが 示 され ており, 旧 ガイドラインからの 変 更 はない 旧 ガ イドラインにおいて, 接 触 電 流 の 参 考 レベルは, 電 磁 界 ばく 露 の 基 本 制 限 ( 誘 導 電 流 密 度 )を 超 える ことが 容 易 に 示 され 矛 盾 が 生 じていたが, 今 回 の 改 定 では, 頭 部 CNS とその 他 の 組 織 の 基 本 制 限 が 分 けられたため, 再 度 の 検 討 が 必 要 となっている (たとえば, 手 で 課 電 導 体 に 接 触 した 場 合, 頭 部 の 通 過 電 流 は 小 さく, 体 内 電 界 も 小 さくなる) (6) その 他 電 界 と 磁 界 の 同 時 ばく 露 は 加 算 的 に 扱 う と の 記 述 がドラフトにあり, 従 来 の 別 々に 扱 う としたものから 大 幅 な 変 更 と 思 われたが, 最 終 的 には 弱 い 記 述 は 残 ったものの,ファクトシート (10) において, 従 来 から 変 更 なし の 分 類 とされ, 加 算 的 に 扱 う 必 要 はないものと 判 断 される また, 修 正 版 が 出 されているが, 低 周 波 では 不 要 となる 足 首 電 流 I L の 記 載 が 残 っているなど, 表 記 上 の 不 適 切 な 箇 所 が 一 部 ある - 2 -

47 3. 基 本 制 限 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 本 章 では, 新 ガイドラインにおける 基 本 制 限 な らびに 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 について 述 べる (1) 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 方 法 旧 ガイドラインでは, 基 本 制 限 の 誘 導 電 流 密 度 の 評 価 方 法 は 1 cm 2 断 面 の 平 均 であったが, 新 ガイドラインでは, 人 体 モデル 内 誘 導 電 界 の 辺 長 2mm の 立 方 体 空 間 での 平 均 を 計 算 し, 特 定 組 織 の 99 パーセンタイル 値 を 評 価 した 上,さら に 網 膜 と 皮 膚 を 除 き, 平 均 化 する 空 間 に 他 組 織 を 含 む 場 合 はこれを 除 外 する 処 理 を 行 うものと され, 数 値 計 算 を 想 定 した 詳 細 な 評 価 手 法 が 本 文 中 に 明 記 されることとなった なお,ドラフトの 段 階 で 示 されていた 評 価 指 標 辺 長 5mm の 立 方 体 空 間 での 誘 導 電 界 の 平 均 は,とりやめとなった また, 基 本 制 限 との 適 合 性 評 価 が 不 可 避 な 状 況 として, 発 生 源 からの 距 離 が 20 cm 以 内 の 参 考 レベルを 超 過 する 状 況 が 挙 げられている (2) 参 考 レベルとの 適 合 性 評 価 方 法 旧 ガイドラインでは, 非 一 様 磁 界 ばく 露 に 対 し 磁 界 の 全 身 平 均 を 評 価 し 参 考 レベルと 比 較 す る との 記 述 があった ドラフトの 段 階 において この 記 述 が 本 文 から 消 滅 し, 適 合 性 評 価 方 法 の 規 格 (11) への 影 響 が 危 惧 されたが, 最 終 的 には 復 活 し た 新 ガイドラインでは, 磁 界 の 全 身 平 均 評 価 を 適 用 する 条 件 が 発 生 源 の 端 から 20 cm 以 上 の 位 置 であることが 明 記 され, 現 行 の IEC 規 格 と 整 合 上, 評 価 方 法 の 詳 細 の 決 定 は 標 準 化 機 関 の 役 割 であるとし,さらに 標 準 化 機 関 が 新 たな 参 考 レベルを 示 してもよい ものとし,IEC( 国 際 電 気 標 準 会 議 ) 等, 標 準 化 機 関 の 所 掌 範 囲 を 明 確 に 定 義 することとなった また, 測 定 に 関 わる 不 確 か さは, 前 述 の reduction factor には 入 っていないこ とが 明 記 された 4.おわりに 今 回 の 改 定 により, 今 後 影 響 を 及 ぼすことが 予 想 される 項 目 として, 以 下 の 点 が 挙 げられる 参 考 レベルの 周 波 数 特 性 カーブの 変 更 に 伴 い, このカーブに 依 存 した 表 示 を 行 っている 測 定 器 は, 新 ガイドラインにあわせた 改 修 が 必 要 とな る 旧 ガイドラインを 用 いて, 体 内 誘 導 電 流 密 度 に より 基 本 制 限 との 適 合 性 が 評 価 された 製 品 やば く 露 状 況 については, 新 ガイドラインによる 指 標 ( 体 内 誘 導 電 界 )を 用 いた 再 評 価 が 必 要 となる 公 衆 および 職 業 ばく 露 に 関 する 欧 州 recommendation および directive について, 今 後, 新 ガイドラインに 合 わせた 改 定 がなされるかど うか,あるいはその 時 期 について 関 心 が 持 たれ る 導 入 の 検 討 が 進 められている 国 内 における 磁 界 規 制 へ 影 響 についても, 注 視 する 必 要 がある 今 回 の ICNIRP ガイドライン 改 訂 において 参 考 レベルが 変 更 となった 理 由 は, 主 として 数 値 計 算 の 扱 いの 変 更 によるものである 本 分 野 は 依 然 研 究 レベルの 段 階 であり, 人 体 のモデル 化 の 妥 当 性 も 含 め 十 分 なコンセンサスが 得 られているとは 言 い 難 く, 今 後, 新 たな 知 見 や 数 値 計 算 結 果 の 出 現 により, 参 考 レベルの 値 が 再 評 価 される 可 能 性 が あることにも 留 意 する 必 要 がある 参 考 文 献 (1) ICNIRP: Guidelines for limiting exposure to time-varying electric, magnetic, and electromagnetic fields (up to 300 GHz), Health Physics, Vol. 74, pp (1998) (2) ICNIRP: Draft ICNIRP guidelines for limiting exposure to time-varying electric and magnetic fields (1 Hz to 100 khz) (2009) (3) ICNIRP: Guidelines for limiting exposure to time-varying electric and magnetic fields (1 Hz to 100 khz), Health Physics, Vol. 99, pp (2010) (4) IEEE: IEEE standard for safety levels with respect to human exposure to electromagnetic fields, 0-3 khz, IEEE Std C95.6 (2002) (5) IEEE: IEEE standard for safety levels with respect to human exposure to radiofrequency electromagnetic fields, 3 khz to 300 GHz, IEEE Std C95.1 (2005) (6) ICNIRP: Response to questions and comments on the guidelines for limiting exposure to time-varying electric, magnetic, and electromagnetic fields (up to 300 GHz), Q&A 10, Health Physics, vol.75, no.4, pp (1998) (7) P.J. Dimbylow, "Development of the female voxel phantom, NAOMI, and its application to calculations of induced current densities and electric fields from applied low frequency magnetic fields", Phys Med Biol, 50, (2005) (8) A. Hirata, K. Wake K, S. Watanabe, M. Taki: In-situ electric field and current density in Japanese male and - 3 -

48 female models for uniform magnetic field exposures. Radiation Protection Dosimetry, vol.135, no.4, pp (2009) (9) A. Bahr A, T. Bolz, C. Hennes: Numerical dosimetry ELF: Accuracy of the method, variability of models and parameters, and the implication for quantifying guidelines, Health Physics, vol.92, no.6, pp (2007) (10) ICNIRP: Fact sheet on the guidelines for limiting exposure to time-varying electric and magnetic fields (1 Hz 100 khz) (2010) (11) IEC62110 ed1.0: Electric and magnetic field levels generated by AC power systems - Measurement procedures with regard to public exposure (2009) 基 本 制 限 ( 誘 導 電 界 )(mv/m) IEEE( 一 般 公 衆 ) 50 Hz IEEE( 管 理 環 境 ) 20 khz 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 新 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) 旧 ICNIRPガイドラインでは, 基 本 制 限 は 体 内 誘 導 電 流 密 度 で 表 されており, 便 宜 上, 導 電 率 を0.1 S/mとして 換 算 している 新 ICNIRPガイドラインおよびIEEE 基 準 では, 部 位 により 基 本 制 限 が 異 なるが,グラフでは 最 も 低 い 値 を 示 している 磁 界 参 考 レベル B ( T) 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 50 Hz 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 10 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 改 訂 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) IEEE( 管 理 環 境 ) 20 khz IEEE( 一 般 公 衆 ) 図 1 基 本 制 限 の 新 旧 ICNIRP ガイドライン および IEEE 規 格 との 比 較 図 2 磁 界 参 考 レベルの 新 旧 ICNIRP ガイドライン およびIEEE 規 格 との 比 較 Hz 新 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 20 khz 電 界 参 考 レベル E (V/m) 旧 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) IEEE( 管 理 環 境 ) IEEE( 一 般 公 衆 ) 旧 ICNIRP( 職 業 ばく 露 ) 新 ICNIRP( 公 衆 ばく 露 ) 周 波 数 (Hz) 図 3 電 界 参 考 レベルの 新 旧 ICNIRP ガイドラインおよび IEEE 規 格 との 比 較 - 4 -

49 表 1 新 旧 ICNIRP ガイドラインの 相 違 点 および IEEE 規 格 との 比 較 ( 網 掛 けは 変 更 箇 所 *は IEEE 規 格 との 調 和 が 図 られた 箇 所 ) 項 目 旧 ICNIRP ガイドライン 新 ICNIRP 低 周 波 ガイドライン IEEE 規 格 構 成 指 針 値 の 表 現 基 本 制 限 と 参 考 レベルの2 段 階 同 等 同 等 ( 基 本 制 限 と 最 大 許 容 ばく 露 ) ばく 露 対 象 公 衆 ばく 露 と 職 業 ばく 露 同 等 同 等 ( 一 般 公 衆 と 管 理 環 境 ) ばく 露 制 限 制 定 の 根 拠 確 立 された 急 性 反 応 のみ 同 等 同 等 の 根 拠 生 物 学 的 知 見 の 整 理 の 指 標 生 物 影 響 閾 値 算 出 の 理 論 モデル 体 内 電 流 密 度 体 内 電 界 * 体 内 (in situ) 電 界 記 述 はない 同 等 Reilly の 知 見 に 基 づく 詳 細 な 記 述 がある 眼 内 閃 光 現 象 有 害 な 現 象 とはみなさず, 根 拠 と 有 害 な 現 象 とはみなさないが, 網 有 害 な 現 象 とみなし, 制 限 の 根 拠 しない 膜 は CNS への 影 響 の 適 切 なモデ とする ルと 考 えられ, 根 拠 とする* 基 本 制 限 生 体 作 用 の 閾 値 からの 換 算 閾 値 に 安 全 係 数 10 を 適 用 最 小 閾 値 を 適 用 * 閾 値 の 1 パーセンタイル 値 ( 中 央 値 の 1/3)を 適 用 物 理 量 体 内 誘 導 電 流 密 度 体 内 誘 導 電 界 * 体 内 誘 導 電 界 評 価 方 法 電 流 方 向 に 直 交 する 1 cm 2 の 断 面 辺 長 2 mm の 立 方 体 空 間 の 平 均 あらゆる 方 向 の 長 さ 5 mm の 線 分 での 平 均 値 値,さらに 組 織 の 99 パーセンタ の 平 均 値 イル 値 ( 網 膜 / 皮 膚 を 除 き 他 組 織 を 含 む 空 間 は 除 外 ) 周 波 数 特 性 (50 Hz 以 上 ) 1 khz まで 一 定 1 khz 以 上 は 周 波 数 比 例 周 波 数 比 例 ( 頭 部 CNS 組 織 ) * 周 波 数 比 例 ( 脳 ) 適 用 部 位 部 位 に 関 わらず 同 じ 値 部 位 ごとに 異 なる(2 種 類 ) * 部 位 ごとに 異 なる(4 種 類 ) 公 衆 の 安 全 係 数 5 同 等 (400Hz 以 上 では 異 なる) 3 参 考 レベル 電 界 参 考 レベル の 根 拠 基 本 制 限 に 基 づく( 一 部 ) 同 等 ( 適 用 周 波 数 に 変 更 あり) 基 本 制 限 に 基 づかない( 感 知 を 基 準 ) 電 界 参 考 レベル あり( 間 接 影 響 を 排 除 できる 状 況 なし あり( 間 接 影 響 を 排 除 できる 状 況 の 職 業 ばく 露 の では2 倍 を 許 容 ) では 無 制 限 に 許 容 ) 緩 和 特 例 磁 界 参 考 レベル なし( 詳 細 な 数 値 計 算 も 含 む 複 数 同 等 ( 引 用 文 献 は 異 なる) あり( 楕 円 断 面 一 様 媒 質 モデル) 導 出 時 のモデル の 計 算 結 果 を 根 拠 ) 公 衆 に 対 する 安 電 界 参 考 レベル: 電 界 参 考 レベル: 電 界 参 考 レベル: 全 係 数 2(50/60Hz),7(20/60 khz) 2(25Hz 以 上 ),4(25Hz 以 下 ) 4(50/60Hz),3(20/60 khz) 磁 界 参 考 レベル:5 磁 界 参 考 レベル: 磁 界 参 考 レベル: 3 5(50/60Hz),3.7(20/60 khz) その 他 非 一 様 磁 界 の 扱 参 考 レベルは 人 体 占 有 空 間 の 平 20 cm 以 上 発 生 源 から 離 れた 位 置 参 考 レベルは 人 体 占 有 空 間 の 最 い 均 値 に 適 用 では, 参 考 レベルは 人 体 占 有 空 大 値 に 適 用 間 の 平 均 値 に 適 用 非 正 弦 波 ばく 露 周 波 数 領 域 評 価 同 等 ( 時 間 領 域 評 価 を 追 加 ) 同 等 電 界 磁 界 同 時 加 算 的 に 扱 わない 結 果 的 に 同 等 ( 現 象 は 加 算 的 だが 加 算 的 に 扱 わない ばく 露 同 時 に 生 じることはまれ) 敷 設 用 地 への 公 想 定 しない( 緩 和 規 定 なし) 同 等 敷 設 用 地 内 では 数 値 の 緩 和 衆 の 立 入 り 活 線 作 業 電 界 の 参 考 レベルを2 倍 に 緩 和 緩 和 条 項 がなくなった 本 規 格 の 適 用 を 除 外 - 5 -

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55 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 ファクトシート 時 間 変 化 する 電 界 および 磁 界 (1 Hz-100 khz)へのばく 露 制 限 に 関 するガイドライン (Health Phys 99(6): ; 2010 に 掲 載 ) について ICNIRP は 非 電 離 放 射 線 の 健 康 への 有 害 な 影 響 に 対 する 防 護 のためのガイドラインを 制 定 する 国 際 的 に 承 認 された 組 織 である このたび ICNIRP は 時 間 変 化 する 電 界 および 磁 界 (1 Hz から 100 khz まで)へのばく 露 制 限 に 関 するガイドラインを 公 表 した: 本 ファクトシートは 当 該 ガイドラインの 内 容 とその 科 学 的 背 景 を 述 べる このガイドラインは この 周 波 数 範 囲 について ICNIRP が 提 供 した 以 前 の 推 奨 に 置 き 換 わるものである このガイドラインは 広 範 なレビュー 特 に 世 界 保 健 機 関 と ICNIRP によるものに 記 述 されている 現 時 点 での 科 学 的 知 識 から 導 き 出 された 新 しい 文 書 で 提 供 される 推 奨 のいくつかは 以 前 の 推 奨 とは 相 違 している 必 要 な 場 合 には この 相 違 点 について 詳 しく 説 明 する 低 周 波 の 時 間 変 化 する 電 界 および 磁 界 (EMF)と 人 体 との 主 な 相 互 作 用 は 人 体 組 織 中 での 電 界 の 誘 導 とそれに 関 連 する 電 流 の 誘 導 である 加 えて 低 周 波 の 電 界 へのばく 露 は 表 面 電 荷 作 用 を 起 こすことが ある 低 周 波 の 電 界 および 磁 界 へのばく 露 により 誘 導 されるものも 含 めた 電 気 的 刺 激 に 対 する 電 気 的 興 奮 性 神 経 および 筋 組 織 の 応 答 は 十 分 に 確 立 されている 末 梢 神 経 刺 激 に 対 する 電 界 強 度 の 閾 値 の 最 小 値 はおよ そ 4-6 V m -1 と 計 算 されている これは 不 均 一 人 体 モデルおよび 磁 気 共 鳴 (MR) 装 置 の 切 替 勾 配 磁 界 へのボランティアのばく 露 から 得 られたデータを 用 いて 計 算 された 直 接 的 な 神 経 や 筋 の 興 奮 の 閾 値 を 下 回 るレベルで 最 も 強 固 に 確 立 された 電 界 の 影 響 は 磁 気 閃 光 現 象 すなわち 視 野 周 辺 部 に 点 滅 する 微 弱 な 光 を 知 覚 する 現 象 の 誘 発 である この 現 象 は 誘 導 電 界 と 網 膜 の 電 気 的 興 奮 性 細 胞 との 相 互 作 用 によって 生 じると 考 えられている 網 膜 は 前 脳 から 派 生 して 形 成 され た 組 織 であり 中 枢 神 経 系 組 織 で 一 般 に 起 きている 過 程 をよく 表 現 している 但 し 安 全 側 のモデルと 考 えることができる 網 膜 での 閃 光 現 象 誘 発 閾 値 は 20 Hz で およそ 50 と 100 mv m 1 の 間 と 見 積 もら れている 低 周 波 の 電 界 および 磁 界 にばく 露 されたボランティアにおける 脳 の 電 気 的 活 動 認 知 睡 眠 気 分 に 関 する 神 経 行 動 学 的 影 響 の 証 拠 はそれより 遙 かに 明 確 さを 欠 く 低 周 波 の 電 界 および/または 磁 界 が 人 の 健 康 に 有 害 に 作 用 するような 神 経 内 分 泌 系 への 影 響 を 与 える ことを これまでに 利 用 可 能 な 科 学 的 データは 示 していない 低 周 波 ばく 露 とパーキンソン 病 多 発 性 硬 化 症 および 心 臓 血 管 系 疾 患 などの 疾 患 との 関 連 について 実 質 的 な 証 拠 はない 低 周 波 ばく 露 とアル ツハイマー 病 および 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 との 関 連 について 証 拠 は 決 定 的 ではない 低 周 波 ばく 露 と 発 達 および 生 殖 への 影 響 との 関 連 について 証 拠 は 非 常 に 弱 い 特 に 1980 年 代 から 1990 年 代 に 公 表 されたかなりの 数 の 疫 学 報 告 は Hz 磁 界 への 長 期 ばく 露 が 小 児 白 血 病 のリスク 上 昇 と 関 連 するかも 知 れないことを 示 した 2つのプール 分 析 は μt を 超 1 ファクトシート L F 2010 年 11 月 この 日 本 語 訳 は 電 磁 界 情 報 センターにて 作 成 したものです 不 明 な 点 等 は 原 文 をご 確 認 下 さい

56 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 える 平 均 ばく 露 において 過 剰 リスクがあるかも 知 れないことを 示 している しかし これらの 結 果 は 選 択 バイアスとある 程 度 の 交 絡 および 偶 然 の 組 み 合 わせで 説 明 される 可 能 性 がある 加 えて 生 物 物 理 学 的 メカニズムは 何 ら 同 定 されておらず また 動 物 および 細 胞 研 究 の 実 験 結 果 は Hz 磁 界 ばく 露 が 小 児 白 血 病 の 原 因 であるとする 考 えを 支 持 しない ICNIRP の 見 解 は 低 周 波 の 磁 界 への 長 期 ばく 露 が 小 児 白 血 病 のリスク 上 昇 と 因 果 的 に 関 連 することに ついての 既 存 の 科 学 的 証 拠 は ばく 露 ガイドラインの 根 拠 とするには 非 常 に 弱 い ということである した がって 表 面 電 荷 の 知 覚 神 経 および 筋 組 織 の 直 接 刺 激 網 膜 閃 光 現 象 の 誘 発 が 唯 一 の 十 分 に 確 立 された 健 康 への 有 害 な 影 響 であり 指 針 の 根 拠 として 利 用 できる 以 上 に 要 約 したような 科 学 的 証 拠 のレビューに 基 づき ICNIRP は 以 下 のばく 露 制 限 値 を 推 奨 する 職 業 的 ばく 露 : 網 膜 閃 光 現 象 の 誘 発 を 回 避 するために 10 Hz から 25 Hz の 周 波 数 範 囲 において 職 業 的 ばく 露 は 頭 部 の 中 枢 神 経 系 組 織 (すなわち 脳 と 網 膜 )に 50 mv m -1 以 下 の 電 界 強 度 を 誘 導 するよ うな 電 界 および 磁 界 に 制 限 される これらの 制 限 値 により 脳 機 能 に 対 して 起 きる 可 能 性 のある 一 過 性 の 影 響 は 全 て 防 護 されるはずである これらの 影 響 は 健 康 への 有 害 な 影 響 とは 見 なされていない しか しながら 一 部 の 職 業 的 環 境 においては 作 業 の 妨 害 となるかも 知 れないので 避 けるのがよいと ICNIRP は 認 識 するが 追 加 的 な 低 減 係 数 は 適 用 されない これより 低 い 周 波 数 範 囲 では 誘 導 電 界 強 度 の 制 限 値 は 周 波 数 に 反 比 例 して 上 昇 する これより 高 く 400 Hz までの 周 波 数 範 囲 では 制 限 値 は 周 波 数 に 比 例 して 上 昇 する 400 Hz から 3 khz までの 周 波 数 範 囲 では 末 梢 および 中 枢 の 有 髄 神 経 刺 激 を 回 避 する ために 職 業 的 ばく 露 は 人 体 の 全 ての 部 位 に 800 mv m -1 以 下 の 電 界 強 度 を 誘 導 するような 電 界 および 磁 界 に 制 限 される 3 khz 以 上 の 周 波 数 範 囲 では 制 限 値 は 周 波 数 に 比 例 して 上 昇 する 管 理 された 環 境 においては 作 業 者 は 起 きる 可 能 性 のある 一 過 性 の 影 響 について 知 識 を 与 えられている ので 1 Hz から 400 Hz までの 周 波 数 範 囲 でのばく 露 は 末 梢 および 中 枢 の 有 髄 神 経 刺 激 を 回 避 するた めに 頭 部 および 体 部 に 800 mv m -1 以 下 の 電 界 強 度 を 誘 導 するような 電 界 および 磁 界 に 制 限 される この 値 は 上 述 の 不 確 かさを 考 慮 するために 末 梢 神 経 刺 激 閾 値 4 V m -1 に 対 し 低 減 係 数 5 を 適 用 したも のである 3 khz 以 上 でこの 制 限 値 は 周 波 数 に 比 例 して 上 昇 する 公 衆 ばく 露 : 10 Hz から 25 Hz の 周 波 数 範 囲 では 網 膜 閃 光 現 象 の 誘 発 を 回 避 するために 公 衆 のばく 露 は 頭 部 の 中 枢 神 経 系 組 織 (すなわち 脳 と 網 膜 )に 10 mv m -1 以 下 の 電 界 強 度 を 誘 導 するような 電 界 および 磁 界 に 制 限 される これらの 制 限 値 により 脳 機 能 に 対 して 起 きる 可 能 性 のある 一 過 性 の 影 響 は 全 て 防 護 されるはずである 不 確 かさを 考 慮 するために 閃 光 現 象 の 閾 値 50 mv m -1 に 低 減 係 数 5 が 適 用 されたものである この 周 波 数 範 囲 より 高 い 周 波 数 および 低 い 周 波 数 では 基 本 制 限 値 は 上 昇 する これは 1000 Hz において 末 梢 および 中 枢 の 有 髄 神 経 刺 激 を 防 護 する 基 本 制 限 値 と 交 差 する ここで 上 述 の 刺 激 閾 値 4 V m -1 に 対 し 低 減 係 数 10 を 適 用 し 400 mv m -1 の 基 本 制 限 値 が 得 られる この 制 限 値 は 人 体 の 全 ての 部 位 の 組 織 に 適 用 される これらのガイドライン 制 限 値 の 論 拠 の 全 ては Guidelines for limiting exposure to time-varying electric and magnetic fields (1Hz to 100 Hz) Health Physics 99(6): ;2010 で 見 ることができる ICNIRP の 以 前 の 推 奨 と 比 較 して 大 きな 変 更 は 以 下 の 通 りである - 基 本 制 限 は 誘 導 電 流 密 度 に 代 わり 生 物 学 的 影 響 を 決 定 する 物 理 量 である 体 内 誘 導 電 界 に 基 づくも のとなった 以 前 の 健 康 リスク 評 価 は 誘 導 電 流 密 度 に 基 づいたが それは 当 時 の 実 験 データの 大 半 が 誘 導 電 流 密 度 に 基 づいていたためである 現 在 では ガイドラインで 測 定 尺 度 として 用 いるための 2 ファクトシート L F 2010 年 11 月 この 日 本 語 訳 は 電 磁 界 情 報 センターにて 作 成 したものです 不 明 な 点 等 は 原 文 をご 確 認 下 さい

57 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 体 内 誘 導 電 界 に 基 づく 十 分 な 情 報 が 入 手 可 能 である - 以 前 のガイドラインは 神 経 系 機 能 に 対 する 影 響 の 防 止 を 目 的 として 制 定 され 中 枢 神 経 系 組 織 の みにおける 誘 導 電 流 密 度 の 制 限 が 推 奨 された 閃 光 現 象 を 有 害 な 影 響 であると 考 えなかった 現 在 ICNIRP は 網 膜 への 影 響 を 脳 における 影 響 のモデルと 考 えて 上 述 に 規 定 したように 閃 光 現 象 の 閾 値 はばく 露 制 限 の 根 拠 を 提 供 する 加 えて 上 述 のように 末 梢 および 中 枢 の 有 髄 神 経 に 対 する 刺 激 作 用 が 含 められた これらより 人 体 の 全 ての 部 位 におけるばく 露 制 限 値 が 導 かれる 制 限 値 は 現 時 点 での 科 学 的 証 拠 に 基 づくものであり 誘 導 電 流 密 度 に 関 する 以 前 のガイダンスから 組 織 の 導 電 率 に 基 づいて 単 純 に 換 算 されたものではない 表 は 基 本 制 限 値 を 要 約 したものである ばく 露 特 性 周 波 数 範 囲 体 内 電 界 強 度 (V m -1 ) 職 業 的 ばく 露 頭 部 の 中 枢 神 経 系 組 織 1 Hz 10 Hz 0.5 / f 10 Hz 25 Hz Hz 400 Hz 2x10-3 f 400 Hz 3 khz khz 10 MHz 2.7x10-4 f 頭 部 と 体 部 の 全 ての 組 織 1 Hz 3 khz khz 10 MHz 2.7x10-4 f 公 衆 ばく 露 頭 部 の 中 枢 神 経 系 組 織 1 Hz 10 Hz 0.1 / f 10 Hz 25 Hz Hz 1000 Hz 4x10-4 f 1000 Hz 3 khz khz 10 MHz 1.35x10-4 f 頭 部 と 体 部 の 全 ての 組 織 1 Hz 3 khz khz 10 MHz 1.35x10-4 f 注 : - f は 周 波 数 (Hz) - 全 ての 値 は 実 効 値 khz より 高 い 周 波 数 範 囲 では RF に 特 有 な 基 本 制 限 を 追 加 的 に 考 慮 する 必 要 がある 参 考 レベル: 参 考 レベルは 人 体 が 占 める 空 間 での 電 界 または 磁 界 の 変 動 が 比 較 的 小 さい すなわち 一 様 ばく 露 というばく 露 条 件 のもとで 数 学 的 モデルを 用 いて 決 定 された それらの 参 考 レベル 値 は ばく 露 される 人 体 と 電 界 および 磁 界 との 結 合 が 最 大 になる 条 件 のもとで 計 算 されているので 最 大 限 の 防 護 が 与 えられることになる 周 波 数 依 存 性 とドシメトリの 不 確 かさが 考 慮 に 入 れられた 商 用 周 波 (50 Hz)において 職 業 ばく 露 に 対 する 参 考 レベル 値 は 電 界 で 10 kv m -1 磁 界 で 1 mt である 公 衆 のば く 露 に 対 する 参 考 レベル 値 は 電 界 で 5 kv m -1 磁 界 で 200 μt である 身 体 から 数 センチメートルの 距 離 にある 非 常 に 局 所 的 な 発 生 源 については ばく 露 評 価 のための 唯 一 の 現 実 的 な 選 択 肢 は 個 別 にドシメトリ 法 で 誘 導 電 界 を 決 定 することである 距 離 が 大 きくなるにつれて 3 ファクトシート L F 2010 年 11 月 この 日 本 語 訳 は 電 磁 界 情 報 センターにて 作 成 したものです 不 明 な 点 等 は 原 文 をご 確 認 下 さい

58 国 際 非 電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 電 磁 界 分 布 の 局 在 性 は 少 なくなるが 非 一 様 性 は 残 る そのような 場 合 には 身 体 に 沿 うかまたは 身 体 の 一 部 についての 空 間 平 均 を 参 考 レベルと 比 較 することが 可 能 である 接 触 電 流 は 電 撃 および 熱 傷 の 傷 害 を 生 じるかも 知 れない したがって 接 触 電 流 に 対 する 参 考 レベルは 100 khz までの 周 波 数 につい て 与 えられる ICNIRP の 以 前 の 推 奨 と 比 較 して 大 きな 変 更 は 以 下 の 通 りである 年 のガイドラインでは ドシメトリの 検 討 は 単 純 な 幾 何 学 的 モデルに 基 づいていたが 今 回 の 新 しいガイドラインは 解 剖 学 的 に 詳 細 な 人 体 モデルに 基 づいたコンピュータ シミュレーション から 得 られたデータを 用 いている - ドシメトリモデルに 加 えて 基 本 制 限 の 変 更 により 参 考 レベルは ある 周 波 数 範 囲 で 以 前 のもの と 異 なるものになった 傾 向 としては 磁 界 の 参 考 レベルはやや 緩 和 された 一 方 電 界 の 参 考 レベ ルは いくつかの 例 外 はあるものの 基 本 的 に 変 わっていない 電 界 および 磁 界 への 同 時 ばく 露 複 数 の 周 波 数 の 電 磁 界 および 非 正 弦 波 電 磁 界 への 同 時 ばく 露 の 場 合 に おけるガイドラインの 適 用 方 法 に 関 して 追 加 的 助 言 が 与 えられた これについては 以 前 の 助 言 と 比 較 して 根 本 的 変 更 はない 防 護 対 策 :ICNIRP は 本 ガイドラインのすべての 事 項 を 満 たすことによって 電 界 および 磁 界 へばく 露 された 人 体 の 防 護 は 確 保 されることを 特 に 言 及 する ばく 露 が 結 果 的 に 基 本 制 限 を 超 える 場 合 適 切 な 防 護 対 策 を 実 行 しなければならない 制 度 的 管 理 と 併 せて 工 学 的 管 理 が 実 施 されることになるであろう 職 場 では 追 加 的 な 個 人 用 防 護 対 策 を 用 いることができるが あくまでも 最 後 の 手 段 とみなすのがよい 医 用 電 子 機 器 との 電 磁 干 渉 電 気 式 爆 発 装 置 の 起 爆 火 花 放 電 による 可 燃 性 物 質 の 発 火 の 結 果 として 生 じる 火 災 および 爆 発 を 防 止 する 規 則 を 実 施 することも 重 要 である これら 全 ては 従 来 の 助 言 に 沿 うもの である 長 期 的 影 響 : 上 述 に 指 摘 したように 疫 学 研 究 は 低 レベルの 商 用 周 波 の 磁 界 への 毎 日 の 慢 性 的 ばく 露 が 小 児 白 血 病 のリスク 上 昇 と 関 連 することを 見 出 している しかしながら 実 験 研 究 は 磁 界 と 小 児 白 血 病 のこのような 関 連 を 支 持 しておらず 磁 界 と 小 児 白 血 病 またはその 他 のいかなる 長 期 的 影 響 との 因 果 関 係 も 確 立 されていない この 確 立 された 因 果 関 係 がないことが 基 本 制 限 で 疫 学 研 究 の 結 果 を 扱 わな い 理 由 である このような 疫 学 研 究 の 結 果 が 多 くの 国 の 人 々が 懸 念 をもつきっかけとなったことを ICNIRP はよく 承 知 している この 懸 念 に 対 しては 各 国 のリスク 管 理 の 枠 組 みの 中 で 最 善 に 対 処 され るというのが ICNIRP の 見 解 である リスク 管 理 は 一 般 に 社 会 的 経 済 的 政 治 的 問 題 を 含 む 多 く の 異 なる 局 面 に 基 づいている この 状 況 の 中 で ICNIRP は 科 学 に 基 づいた 助 言 のみを 提 供 する プレコ ーショナリ 対 策 に 関 する 検 討 を 含 むリスク 管 理 上 の 追 加 的 助 言 は 例 えば 世 界 保 健 機 関 および 他 の 組 織 によって 与 えられている さらなる 詳 細 は Health Physics 99(6): ;2010 で 見 ることができる 翻 訳 : 電 磁 界 情 報 センター ( 訳 者 注 ) ガイドラインでは 接 触 電 流 の 参 考 レベルは 10MHz までの 周 波 数 について 与 えられている 4 ファクトシート L F 2010 年 11 月 この 日 本 語 訳 は 電 磁 界 情 報 センターにて 作 成 したものです 不 明 な 点 等 は 原 文 をご 確 認 下 さい

59 ICNIRP Guidelines GUIDELINES FOR LIMITING EXPOSURE TO TIME-VARYING ELECTRIC AND MAGNETIC FIELDS (1 Hz TO 100 khz) International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection* INTRODUCTION IN THIS document, guidelines are established for the protection of humans exposed to electric and magnetic fields in the low-frequency range of the electromagnetic spectrum. The general principles for the development of ICNIRP guidelines are published elsewhere (ICNIRP 2002). For the purpose of this document, the low-frequency range extends from 1 Hz to 100 khz. Above 100 khz, effects such as heating need to be considered, which are covered by other ICNIRP guidelines. However, in the frequency range from 100 khz up to approximately 10 MHz protection from both, low frequency effects on the nervous system as well as high frequency effects need to be considered depending on exposure conditions. Therefore, some guidance in this document is extended to 10 MHz to cover the nervous system effects in this frequency range. Guidelines for static magnetic fields have been issued in a separate document (ICNIRP 2009). Guidelines applicable to movement-induced electric fields or time-varying magnetic fields up to 1 Hz will be published separately. This publication replaces the low-frequency part of the 1998 guidelines (ICNIRP 1998). ICNIRP is currently revising the guidelines for the high-frequency portion of the spectrum (above 100 khz). SCOPE AND PURPOSE The main objective of this publication is to establish guidelines for limiting exposure to electric and magnetic fields (EMF) that will provide protection against all established adverse health effects. Studies on both direct and indirect effects of EMF have been assessed: direct effects result from direct interactions of fields with the body; indirect effects involve interactions * ICNIRP Secretariat, c/o Gunde Ziegelberger, c/o Bundesamt für Strahlenschutz, Ingolstaedter Landstrasse 1, Oberschleissheim, Germany. For correspondence or reprints contact info@icnirp.org. (Manuscript accepted 15 June 2010) /10/0 Copyright 2010 Health Physics Society DOI: /HP.0b013e3181f06c86 with a conducting object where the electric potential of the object is different from that of the body. Results of laboratory and epidemiological studies, basic exposure assessment criteria, and reference levels for practical hazard assessment are discussed, and the guidelines presented here are applicable to both occupational and public exposure. The restrictions in these guidelines were based on established evidence regarding acute effects; currently available knowledge indicates that adherence to these restrictions protect workers and members of the public from adverse health effects from exposure to low frequency EMF. The epidemiological and biological data concerning chronic conditions were carefully reviewed and it was concluded that there is no compelling evidence that they are causally related to low-frequency EMF exposure. These guidelines do not address product performance standards, which are intended to limit EMF emissions from specific devices under specified test conditions, nor does the document deal with the techniques used to measure any of the physical quantities that characterize electric, magnetic and electromagnetic fields. Comprehensive descriptions of instrumentation and measurement techniques for accurately determining such physical quantities may be found elsewhere (IEC 2004, 2005a; IEEE 1994, 2008). Compliance with the present guidelines may not necessarily preclude interference with, or effects on, medical devices such as metallic prostheses, cardiac pacemakers and implanted defibrillators and cochlear implants. Interference with pacemakers may occur at levels below the recommended reference levels. Advice on avoiding these problems is beyond the scope of the present document but is available elsewhere (IEC 2005b). These guidelines will be periodically revised and updated as advances are made in the scientific knowledge concerning any aspect relevant for limiting exposure of low frequency time-varying electric and magnetic fields. QUANTITIES AND UNITS Whereas electric fields are associated only with the presence of electric charge, magnetic fields are the result