存 立 危 機 重 要 影 響 事 態 での 派 遣 の 国 会 承 認 も 緊 急 時 は 事 後 であってもいいという これ では 恣 意 的 (しいてき)な 運 用 になりかねない 同 盟 国 である 米 国 の 要 請 によって 自 衛 隊 が 歯 止 めなく 海 外 に 派 遣 され 他
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- ともあき おうじ
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1 社 説 安 保 関 連 法 施 行 重 大 な 懸 念 は 変 わらない ( 北 海 道 新 聞 :50) 憲 法 9 条 の 解 釈 を 変 更 し 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にした 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 半 年 前 大 勢 の 国 民 が 抗 議 の 声 を 上 げる 中 で 政 府 与 党 は 戦 後 の 安 全 保 障 政 策 の 大 転 換 となる 法 案 の 成 立 へ 強 引 に 突 き 進 んだ 多 くの 憲 法 学 者 内 閣 法 制 局 長 官 や 最 高 裁 長 官 の 経 験 者 までもが 違 憲 と 断 じた 法 律 が 持 つ 数 々 の 重 大 な 懸 念 や 疑 問 に 政 府 は 今 に 至 るまで 誠 実 に 答 えていない 先 の 大 戦 の 惨 禍 を 経 て 不 戦 を 誓 った 平 和 憲 法 の 理 念 や 専 守 防 衛 の 原 則 と 相 反 する 安 保 関 連 法 は 廃 止 するよう 重 ねて 求 めたい 派 遣 の 歯 止 めどこに 安 保 関 連 法 は 日 本 の 存 立 が 脅 かされる 存 立 危 機 事 態 で 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 限 定 的 に 認 める 日 本 の 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 える 事 態 では 自 衛 隊 の 後 方 支 援 活 動 を 地 球 規 模 で 実 施 し 対 象 を 米 軍 以 外 の 他 国 軍 にも 拡 大 した 首 相 は 安 全 保 障 環 境 が 変 化 し あらゆる 事 態 に 切 れ 目 のない 対 応 が 必 要 だ と 説 明 してきた だが 政 府 は 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)での 駆 け 付 け 警 護 や 平 時 からの 米 艦 防 護 など 自 衛 隊 の 武 器 使 用 が 想 定 される 新 任 務 の 運 用 を 先 送 りする 方 針 だ 切 れ 目 なく と 言 いながら 危 険 を 伴 う 任 務 については 夏 の 参 院 選 後 これでは 関 連 法 そのも のの 必 要 性 を 疑 わざるを 得 ない 首 相 がどう 言 い 繕 っても 法 律 の 根 幹 にある 危 うさは 消 えない 例 えば 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 だ 政 府 は 限 定 的 と 言 うが どこまで 許 されるのか 専 守 防 衛 の 原 則 と 矛 盾 しないのか 自 衛 隊 の 海 外 派 遣 の 範 囲 をめぐっても 首 相 は 国 会 論 戦 で 日 本 の 平 和 と 安 全 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼす 地 域 は 限 られない などと 述 べ 地 球 の 裏 側 に 行 く 可 能 性 さえ 否 定 はしなかった 後 方 支 援 活 動 も 弾 薬 の 提 供 や 発 進 準 備 中 の 戦 闘 機 への 給 油 が 可 能 となり 格 段 に 危 険 性 を 増 す 何 より 懸 念 するのは 事 態 の 認 定 から 自 衛 隊 の 派 遣 に 至 る 一 連 の 動 きが 時 の 政 権 の 総 合 的 判 断 というあいまいな 状 況 下 で 行 われることだ - 1 -
2 存 立 危 機 重 要 影 響 事 態 での 派 遣 の 国 会 承 認 も 緊 急 時 は 事 後 であってもいいという これ では 恣 意 的 (しいてき)な 運 用 になりかねない 同 盟 国 である 米 国 の 要 請 によって 自 衛 隊 が 歯 止 めなく 海 外 に 派 遣 され 他 国 の 軍 隊 と 殺 し 殺 される 状 況 になる そんなことは 誰 も 望 んでいない 信 頼 関 係 の 構 築 こそ 国 際 情 勢 は 憂 慮 すべき 事 態 が 続 いている 東 アジアでは 北 朝 鮮 が 今 年 に 入 り 核 実 験 や 事 実 上 の 長 距 離 弾 道 ミサイル 発 射 を 強 行 し 中 国 は 南 シナ 海 で 地 対 空 ミサイルを 配 備 するなど 軍 事 拠 点 化 を 進 めている 首 相 は 北 朝 鮮 のミサイル 発 射 と 安 保 関 連 法 に 関 連 して 従 来 にも 増 して 日 米 がしっかりと 連 携 できた と 成 果 を 強 調 した だから 安 保 関 連 法 が 必 要 だということにはならない 北 朝 鮮 のミサイルにはこれまでも 日 米 は 専 守 防 衛 を 前 提 に 対 処 してきた 法 律 の 施 行 前 に 成 果 を 誇 るのは 脅 威 に 便 乗 している としか 見 えない 南 シナ 海 では 自 衛 隊 が 米 軍 と 共 同 で 警 戒 監 視 活 動 に 当 たる 可 能 性 も 取 り 沙 汰 されている 中 国 を 刺 激 し 緊 張 をあおるような 行 動 を 取 れば 相 手 に 軍 拡 路 線 を 進 める 口 実 を 与 える 抑 止 力 ばかりを 強 調 し 安 全 保 障 は 外 交 と 信 頼 醸 成 によって 成 り 立 つという 原 則 が 置 き 去 りにさ れることがあってはならない 国 民 の 声 に 耳 傾 けよ 日 本 国 憲 法 は 今 年 11 月 に 公 布 から 70 年 を 迎 える 自 衛 隊 の 活 動 はインド 洋 やイラクへの 派 遣 など 海 外 に 広 がり 日 米 の 防 衛 協 力 も 強 化 された 憲 法 の 歴 史 は9 条 空 洞 化 の 歩 みだとも 言 われてきた だが 自 衛 隊 日 米 安 保 体 制 と9 条 の 際 どい 整 合 性 を 保 つために 歴 代 政 権 が 堅 持 してきたのが 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 許 されない とする 憲 法 解 釈 だった それが 自 衛 隊 が 海 外 で 他 国 軍 と 戦 火 を 交 えない 歯 止 めだったからだ 憲 法 解 釈 自 体 を 変 えた 閣 議 決 定 と 安 保 関 連 法 の 重 大 性 を あらためて 問 い 直 したい - 2 -
3 国 家 権 力 は 憲 法 の 枠 内 で 行 使 するという 立 憲 主 義 を 踏 み 外 した 安 倍 政 権 に 対 し 学 生 や 母 親 学 者 弁 護 士 などのさまざまな 団 体 が 今 も 抗 議 の 集 会 を 続 けている 一 人 一 人 の 行 動 は 参 院 選 に 向 けた 野 党 共 闘 の 動 きを 後 押 しした 安 全 保 障 政 策 は 国 民 世 論 の 支 持 がなければ 成 り 立 たない 現 場 の 自 衛 官 も 戸 惑 うばかりだろう 野 党 は 今 国 会 に 安 保 関 連 法 の 廃 止 法 案 を 共 同 提 出 した 政 府 与 党 は 審 議 に 応 じ 懸 念 に 対 する 説 明 を 尽 くすことが 参 院 選 で 審 判 を 下 す 有 権 者 への 責 務 である 社 説 首 相 改 憲 発 言 / 一 人 芝 居 は 成 果 を 生 まぬ ( 河 北 新 報 ) 安 倍 晋 三 首 相 が 憲 法 改 正 に 向 けて 従 来 にない 踏 み 込 んだ 発 言 を 繰 り 返 している 私 の 在 任 中 に 成 し 遂 げたいと 考 えている ( 参 院 選 の) 公 約 に 掲 げて 訴 えていく ともに 先 日 の 参 院 予 算 委 員 会 での 発 言 だ 内 輪 の 会 合 で 党 是 の 憲 法 改 正 に 意 欲 を 示 したという レベルではない 夏 に 控 える 参 院 選 で 勝 利 し 衆 参 両 院 で 自 民 公 明 両 党 に 憲 法 改 正 に 賛 同 する 野 党 を 加 えて 改 憲 の 国 会 発 議 に 必 要 な3 分 の2の 勢 力 を 確 保 自 民 党 総 裁 の 任 期 (2018 年 9 月 まで) 中 に 発 議 と 国 民 投 票 を 意 図 したものだ 衆 参 同 日 選 もささやかれており 今 夏 の 国 政 選 挙 は 憲 法 改 正 の 是 非 が 焦 点 の 一 つに 浮 上 しそうで ある もっとも 現 状 は 安 倍 首 相 の 一 人 芝 居 に 見 える 進 軍 ラッパを 吹 けど 党 内 の 盛 り 上 がりは いまひとつ お 試 し 改 憲 的 に 訴 える 緊 急 事 態 条 項 については 必 要 性 に 疑 念 が 指 摘 され 多 くの 野 党 も 誘 いに 乗 る 気 配 はない 日 本 世 論 調 査 会 が2 月 に 実 施 した 憲 法 調 査 によると 夏 の 参 院 選 で 憲 法 改 正 賛 成 の 議 員 が3 分 の 2の 議 席 に 達 しない 方 がよい が 47% 3 分 の2 以 上 を 占 めた 方 がよい の 44%より 多 かった 改 正 の 賛 否 についても 賛 成 派 が 減 り 反 対 派 が 増 えた - 3 -
4 昨 年 12 月 の 参 院 選 に 関 する 調 査 では 改 憲 勢 力 が3 分 の2の 議 席 確 保 を 望 む 回 答 は 57% 望 まな いは 33%で 今 回 逆 転 した 世 論 は 冷 めたままだ というより 宿 願 の 実 現 へ 意 を 決 した 感 のある 安 倍 首 相 の 強 気 の 発 言 で 現 実 味 を 帯 び 始 めた 改 憲 に むしろ 慎 重 になりつつあるようにも 見 える 安 倍 首 相 は 国 論 二 分 の 特 定 秘 密 保 護 法 に 次 いで 昨 年 採 決 を 強 行 する 形 で 安 全 保 障 関 連 法 の 成 立 を 図 った 閣 議 決 定 により 歴 代 内 閣 が 憲 法 解 釈 で 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 容 認 する 手 法 に 違 憲 批 判 が 続 く 中 同 法 はきのう 施 行 された 調 査 結 果 は 憲 法 軽 視 にも 映 る 安 倍 首 相 が 掲 げる 改 憲 論 への 不 安 の 表 れでもあろうか 安 保 法 廃 止 が 参 院 選 の 争 点 になるのは 必 至 だ いずれ 憲 法 のどこに 問 題 があり どのように 改 めるのか その 必 要 性 緊 急 性 とともに 具 体 的 な 改 正 項 目 を 明 示 し 国 民 に 納 得 してもらうことが 発 議 の 前 提 となる そうした 手 順 を 棚 に 上 げる 格 好 で 思 いだけを 先 行 させても 理 解 は 深 まるまい 衆 院 は 既 に 議 席 の 上 で 発 議 の 必 要 条 件 を 満 たしており 高 めで 推 移 する 内 閣 支 持 率 を 背 景 に 参 院 選 での 大 勝 を 当 て 込 めば ( 改 憲 の) 千 載 一 遇 のチャンス には 違 いない ただ 国 民 の 期 待 は 改 憲 ではなく 低 迷 感 を 漂 わせ 始 めた 景 気 の 立 て 直 しに 向 く 安 倍 首 相 は 経 済 政 策 アベノミクス の 成 果 を 強 調 国 政 選 挙 を 勝 ち 続 けてきただけに その 動 向 がもくろみをくじく 事 態 も 否 定 できまい 立 憲 主 義 の 尊 重 は 政 治 の 要 諦 憲 法 をもてあそぶべきではない 改 正 を 求 めたいのであれば ま ずは 国 民 に 必 然 性 と 内 容 を 丁 寧 に 説 くことが 当 たり 前 の 作 法 だろう 選 挙 後 に 先 送 りするようでは 誠 意 を 欠 くと 言 わざるを 得 ない 社 説 幅 広 い 理 解 得 られるか/ 安 保 法 施 行 ( 東 奥 日 報 ) 安 全 保 障 関 連 法 が 29 日 施 行 された 戦 後 日 本 の 安 全 保 障 政 策 は 大 きな 転 換 点 を 迎 えた 歴 代 政 権 が 憲 法 違 反 として 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 解 禁 自 衛 隊 の 海 外 活 動 は 地 球 規 模 に 広 がる 北 朝 鮮 の 核 ミサイル 開 発 や 中 国 の 海 洋 進 出 など 日 本 を 取 り 巻 く 安 全 保 障 環 境 は 厳 しさを 増 して いるといわれる 共 同 通 信 社 の 先 ごろの 全 国 電 話 世 論 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない がほぼ 半 数 (49.9%)を 占 めた 評 価 する は 39.0%で 国 民 の 理 解 が 十 分 得 られているとは 言 えない 状 況 にある 安 保 法 に 基 づく 新 たな 活 動 が 安 保 環 境 の 変 化 への 対 応 策 として 有 効 か 国 民 の 幅 広 い 理 解 と 支 持 を 得 ることが 欠 かせない - 4 -
5 安 倍 政 権 は 2014 年 7 月 に 憲 法 解 釈 の 変 更 を 閣 議 決 定 し 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 容 認 した 野 党 は 立 憲 主 義 に 反 すると 批 判 憲 法 学 者 らは 違 憲 という 見 解 を 示 した 法 施 行 で 自 衛 隊 の 活 動 はさまざまな 分 野 で 拡 大 する 米 国 など 密 接 な 関 係 にある 他 国 への 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 に 政 府 が 存 立 危 機 事 態 と 認 定 すれば 集 団 的 自 衛 権 が 発 動 される 場 合 が 出 てくる 地 理 的 制 約 はなく 他 国 軍 への 後 方 支 援 が 可 能 となり 他 国 軍 への 弾 薬 提 供 や 発 進 準 備 中 の 戦 闘 機 への 給 油 など 支 援 範 囲 も 広 がる 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)では 武 装 集 団 に 襲 われた 国 連 要 員 らを 救 出 する 駆 け 付 け 警 護 などが 可 能 になる ただ 安 倍 政 権 は 当 面 自 衛 隊 に 対 する 新 たな 任 務 の 指 示 は 見 送 る 方 針 だという 今 夏 に 実 施 さ れる 参 院 選 で 安 保 法 が 争 点 になるのを 避 けたいとの 思 惑 があるからだろう 政 権 政 策 の 是 非 が 問 わ れる 選 挙 の 機 会 に 想 定 する 自 衛 隊 の 活 動 をきちんと 国 民 に 説 明 すべきだ 安 倍 政 権 は 法 施 行 によって 日 米 同 盟 が 強 化 され 紛 争 回 避 へ 抑 止 力 が 高 まる-とする 北 朝 鮮 対 応 での 日 米 間 の 情 報 共 有 化 などが 念 頭 にあると 思 われる だが 安 保 法 成 立 後 も 北 朝 鮮 の 行 動 は 深 刻 化 しており 抑 止 の 効 果 には 疑 問 符 もつく 日 米 の 一 体 化 が 進 めば 米 国 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まれる 懸 念 も 出 てくる 海 外 での 自 衛 隊 活 動 の 拡 大 によって 日 本 がテロの 対 象 となる 恐 れはないか さまざまな 事 態 を 想 定 しながらも 冷 静 に 議 論 を 進 める 必 要 がある 時 評 安 保 法 施 行 参 院 選 で 堂 々と 民 意 問 え (デイリー 東 北 ) 歴 代 政 権 が 憲 法 9 条 の 下 で 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 容 認 し 自 衛 隊 の 海 外 活 動 を 大 幅 に 拡 充 する 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された これにより 戦 後 日 本 が 守 り 抜 いてきた 専 守 防 衛 の 理 念 は 変 質 を 余 儀 なくされ 海 外 での 武 力 行 使 の 可 能 性 も 高 まる 恐 れがある 政 府 は 準 備 に 万 全 を 期 す として 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)に 参 加 する 自 衛 隊 による 駆 け 付 け 警 護 や 他 国 軍 と 共 同 で 行 う 宿 営 地 防 衛 平 時 からの 米 艦 防 護 など 新 たな 任 務 の 実 施 は 秋 以 降 に 先 送 りするという だが 危 険 を 伴 う 任 務 を 参 院 選 後 に 回 し 国 民 に 隠 している と 野 党 が 批 判 するように 自 衛 隊 員 に 万 一 死 傷 者 が 出 ては 夏 の 参 院 選 に 影 響 するとみて 争 点 隠 し を 狙 ったのが 本 音 だろう - 5 -
6 安 保 法 は 昨 年 多 くの 憲 法 学 者 や 内 閣 法 制 局 長 官 経 験 者 などから 違 憲 と 断 じられ 反 対 運 動 が 全 国 に 波 及 したにもかかわらず 与 党 が 数 の 力 で 成 立 させた 経 緯 がある 閣 議 決 定 による 憲 法 解 釈 の 変 更 で 事 実 上 の 憲 法 9 条 改 正 を 実 現 させた 手 法 も 野 党 などから 立 憲 主 義 軽 視 の 批 判 を 招 いた しかも 安 倍 政 権 による 防 衛 政 策 の 大 転 換 は まだ 国 民 の 審 判 を 受 けていない 安 倍 晋 三 首 相 は 安 保 法 成 立 後 初 の 国 政 選 挙 となる 参 院 選 で 逃 げずに 堂 々と 安 保 法 の 是 非 を 民 意 に 問 うのが 筋 では ないか 最 近 の 国 会 答 弁 で 安 保 法 こそ ベストな 法 制 だ と 言 い 切 った 首 相 には 当 然 そうする 責 任 がある 安 保 法 施 行 で 日 本 と 密 接 な 関 係 にある 他 国 への 武 力 攻 撃 が 発 生 し 日 本 の 存 立 が 脅 かされ 国 民 の 権 利 が 根 底 から 覆 される 存 立 危 機 事 態 と 政 府 が 認 定 すれば 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できる また 重 要 影 響 事 態 法 や 国 際 平 和 支 援 法 により 地 理 的 制 約 なしに 他 国 軍 への 後 方 支 援 も 可 能 にな り 弾 薬 提 供 や 発 進 準 備 中 の 戦 闘 機 への 給 油 など 支 援 範 囲 も 広 がる 共 同 通 信 社 が3 月 下 旬 に 実 施 した 世 論 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない は 49.9% 評 価 する は 39.0%だった 一 方 野 党 の 安 保 法 廃 止 法 案 提 出 を 受 けて 行 われた2 月 の 調 査 では 安 保 法 を 廃 止 するべきでない が 47.0%で 廃 止 するべきだ の 38.1%を 上 回 った この 矛 盾 した 結 果 からは 安 保 法 への 理 解 がまだ 十 分 行 き 届 いていないことがうかがえる 有 権 者 の 公 正 な 判 断 を 仰 ぐため 与 野 党 は 論 争 を 通 じて 安 保 法 をめぐる 対 立 点 を 浮 き 彫 りにする 必 要 が ある 社 説 : 安 保 法 施 行 理 解 得 る 努 力 をしたか ( 秋 田 魁 新 報 ) 自 衛 隊 の 活 動 範 囲 を 大 幅 に 広 げる 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 戦 後 日 本 の 安 保 政 策 が 大 きく 転 換 した 最 大 の 変 更 点 は 自 衛 隊 法 と 武 力 攻 撃 事 態 法 の 改 正 により 米 国 など 密 接 な 関 係 にある 他 国 への 攻 撃 を 自 国 への 攻 撃 と 見 なして 反 撃 する 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できるようにしたことだ これまでの 周 辺 事 態 法 を 重 要 影 響 事 態 法 に 改 め 事 実 上 日 本 周 辺 に 限 ってきた 自 衛 隊 の 活 動 範 囲 の 制 限 を 取 り 払 い 世 界 中 で 米 軍 や 他 国 軍 を 後 方 支 援 することも 可 能 にした 安 保 法 制 を 整 備 することで 平 時 から 自 衛 隊 と 米 軍 が 一 体 的 に 行 動 できるようにして 日 米 同 盟 を 強 - 6 -
7 化 する それにより 抑 止 力 を 高 め 軍 事 的 に 台 頭 する 中 国 や 核 ミサイルの 開 発 を 急 ぐ 北 朝 鮮 などに 対 抗 する これが 安 倍 政 権 の 狙 いである だが 日 本 側 の 抑 止 力 向 上 は 相 手 の 軍 備 増 強 を 招 き かえって 緊 張 を 高 める 恐 れもある 実 際 昨 年 9 月 の 法 成 立 後 も 中 国 船 による 沖 縄 県 尖 閣 諸 島 周 辺 での 領 海 侵 犯 が 相 次 いでいる 北 朝 鮮 は 今 年 1 月 に 核 実 験 を 強 行 したの 続 き 2 月 には 事 実 上 の 長 距 離 弾 道 ミサイルを 発 射 した 戦 後 の 日 本 は 直 接 攻 撃 されたときにのみ 武 力 を 行 使 する 専 守 防 衛 を 基 本 としてきた 国 際 社 会 からは 外 国 では 戦 争 をしない 国 として 認 知 され 信 用 を 高 めてきた 安 保 法 施 行 でその 信 頼 を 損 なう 可 能 性 がある それどころか 自 衛 隊 任 務 の 危 険 度 が 増 し 米 国 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まれる 恐 れも 否 定 できない 歴 代 政 権 は 戦 力 の 不 保 持 を 定 めた 憲 法 9 条 は 自 国 防 衛 のための 最 小 限 度 の 実 力 の 行 使 しか 認 めておらず 集 団 的 自 衛 権 は 最 小 限 度 の 範 囲 を 超 えるとしてきた 多 くの 憲 法 学 者 らが 限 定 的 とはいえ 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にした 安 保 法 は 憲 法 違 反 だ と 主 張 し 合 憲 と 訴 える 安 倍 政 権 との 議 論 は 依 然 決 着 していない 安 倍 晋 三 首 相 は 法 成 立 後 も 十 分 に 説 明 し 理 解 を 得 ると 明 言 したが いまだその 努 力 をしていない 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 が 必 要 というのであれば 9 条 を 改 正 するのが 筋 だろう 共 同 通 信 社 が 日 に 実 施 した 全 国 世 論 調 査 によると 安 保 法 を 評 価 しない が 49.9%で 評 価 する は 39.0%だった 安 保 法 案 が 国 会 審 議 入 りした 昨 年 5 月 以 降 の 世 論 調 査 では 一 貫 して 安 保 法 制 に 反 対 違 憲 だと 思 う が 賛 成 違 憲 だと 思 わない を 上 回 っている 安 保 政 策 には 国 民 の 幅 広 い 理 解 と 支 持 が 不 可 欠 だが 安 保 法 成 立 に 至 る 安 倍 政 権 の 手 法 は 強 引 過 ぎた 武 力 に 依 存 するのではなく 外 交 を 軸 に 平 和 を 維 持 する 方 策 はないのか 安 保 政 策 の 在 り 方 を 国 会 内 外 であらためて 議 論 し 直 すべきだ 社 説 : 安 保 法 の 新 任 務 リスクを 具 体 的 に 語 れ ( 秋 田 魁 新 報 ) 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にする 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 昨 日 秋 田 市 のJR 秋 田 駅 近 くで 市 民 有 志 が 安 保 法 廃 止 を 求 めて 署 名 集 めをした 国 会 前 をはじめ 全 国 各 地 で 抗 議 行 動 が 続 いている 抗 議 の 理 由 はさまざまだ 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 憲 法 違 反 だとの 指 摘 が 相 次 いだにもかかわらず - 7 -
8 法 案 採 決 を 強 行 した 安 倍 政 権 への 怒 り 日 米 同 盟 や 国 際 協 力 の 重 要 性 は 理 解 するが 他 に 貢 献 策 があ るはずだとの 疑 問 身 近 な 自 衛 隊 員 が 危 険 にさらされかねないという 不 安 もある 安 倍 政 権 は 昨 年 9 月 の 安 保 法 成 立 後 法 の 必 要 性 を 丁 寧 に 説 明 するとしていた だが 怒 りや 疑 問 不 安 を 抱 く 人 と 向 き 合 い 理 解 を 得 る 努 力 をしてきたとは 言 い 難 い 法 そのものへの 反 対 に 加 え そ うした 不 誠 実 とも 言 える 対 応 を 国 民 は 不 満 に 感 じているのではないだろうか 安 保 法 の 施 行 によって 自 衛 隊 が 海 外 に 出 て 武 力 を 行 使 する 局 面 も 想 定 される 新 たな 任 務 はど のような 内 容 で どういう 場 面 で 行 われるのか 法 が 施 行 された 今 こそ 安 倍 政 権 にはより 具 体 的 な 説 明 が 求 められる 安 倍 政 権 は 安 保 法 に 対 応 して 自 衛 隊 が 内 部 で 検 討 した 幾 つかの 新 任 務 の 実 施 時 期 を 今 夏 の 参 院 選 後 へ 先 送 りした その 一 つが 駆 け 付 け 警 護 だ 海 外 で 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)を 行 う 隊 員 の 武 器 使 用 基 準 を 緩 和 し 離 れた 場 所 にいる 国 連 のPKO 要 員 らが 武 装 集 団 に 襲 われた 場 合 武 器 を 用 いて 救 出 する 任 務 である 十 分 な 訓 練 が 必 要 だというのが 先 送 りの 理 由 だ だが 参 院 選 前 に 駆 け 付 け 警 護 の 任 務 をさせて 隊 員 が 死 傷 するようなことがあれば 国 民 の 反 発 が 大 きくなり 選 挙 で 痛 手 になるとの 本 音 も 漏 れ る PKO 活 動 で 自 衛 隊 が 他 国 軍 と 共 に 宿 営 地 を 防 護 する 任 務 も 当 面 は 見 送 られる 安 倍 政 権 は 国 会 審 議 が 尽 くされていないとの 批 判 がある 中 日 本 を 取 り 巻 く 安 全 保 障 環 境 の 急 激 な 変 化 に 対 応 するとの 理 由 で 安 保 法 を 成 立 させた 選 挙 に 悪 影 響 を 及 ぼすとして 新 任 務 開 始 を 先 延 ばしするようでは その 任 務 ばかりか 安 保 法 の 必 要 性 が 疑 われる 陸 上 自 衛 隊 は ゲリラ 組 織 がはびこるアフリカの 南 スーダンで 道 路 補 修 などのPKO 活 動 を 継 続 的 に 行 っている 中 谷 元 防 衛 相 は 早 ければ11 月 派 遣 の 部 隊 に 駆 け 付 け 警 護 の 任 務 を 課 す 意 向 だ この 部 隊 は 秋 田 駐 屯 地 を 含 む 東 北 方 面 隊 が 主 体 となる 仮 に 秋 田 駐 屯 地 からも 派 遣 されるとな れば 安 保 法 は 県 民 にとっても 差 し 迫 った 問 題 となるのではないか 派 遣 される 見 込 みの 陸 自 隊 員 の 一 人 は どんなリスクが 予 測 できるか 法 成 立 の 過 程 でどこまで 検 討 されただろう と 問 い 掛 ける 安 倍 政 権 は 安 保 法 は 違 憲 ではないかとの 疑 問 に 答 えることは もちろん 新 たな 任 務 のリスクについて 説 明 責 任 を 果 たさなくてはならない 論 説 安 保 法 施 行 違 憲 の 疑 い 晴 れぬまま ( 岩 手 日 報 ) 集 団 的 自 衛 権 行 使 に 道 を 開 き 自 衛 隊 の 活 動 を 大 幅 に 広 げる 安 全 保 障 関 連 法 が 29 日 施 行 された 戦 後 日 本 の 安 全 保 障 政 策 を 変 容 させる 法 が 運 用 段 階 に 入 る - 8 -
9 法 成 立 から 半 年 がたつ この 間 世 界 の 安 全 保 障 環 境 は 大 きく 揺 れ 動 いた 北 朝 鮮 は1 月 早 々から 核 実 験 とミサイル 発 射 を 行 った その 後 も 米 韓 の 合 同 軍 事 演 習 に 対 抗 し て 挑 発 的 行 動 をエスカレートさせている ヨーロッパでは 昨 年 11 月 のパリに 続 き 3 月 にはベルギーでも 多 くの 市 民 を 巻 き 込 んだテロが 起 きた 犯 行 声 明 を 出 した 過 激 派 イスラム 国 (IS)は 世 界 各 地 でテロを 引 き 起 こしている 多 くの 日 本 人 も 危 険 が 身 近 に 迫 っていると 感 じざるを 得 ない だからといって ことさら 脅 威 を あおるだけでは 判 断 を 誤 る 国 民 が 知 りたいのは 安 保 法 の 下 で 展 開 されようとしている 新 たな 活 動 がいかに 有 効 に 働 き 抑 止 力 を 高 めるのかという 点 だ 現 政 権 はそれを 日 米 同 盟 関 係 の 強 化 に 求 めるが 今 のところその 効 果 ははっきり 見 えない むしろ 日 米 の 一 体 化 が 進 んで 米 軍 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まる 恐 れはないか 日 本 がテロの 標 的 に なることはないかという 不 安 が 国 民 の 中 にあることは 否 定 できない 3 月 下 旬 共 同 通 信 社 が 行 った 世 論 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない が50%に 上 った 一 方 で 評 価 する は 39%にとどまった 国 民 の 理 解 は 進 んでいないとみるべきだろう この 法 には 広 範 な 反 対 運 動 が 起 きている 歴 代 政 権 が 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 には 多 くの 憲 法 学 者 が 違 憲 の 見 解 を 示 した 今 国 会 には 野 党 5 党 が 廃 止 法 案 を 提 出 したが 安 倍 晋 三 首 相 は 廃 止 されれば 国 民 を 守 るため に 強 化 された 日 米 同 盟 の 絆 は 大 きく 損 なわれる と 反 論 自 民 党 大 会 で 敵 意 をむき 出 しにした 法 の 施 行 で 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)に 参 加 する 自 衛 隊 による 駆 け 付 け 警 護 や 他 国 軍 と 共 同 で 行 う 宿 営 地 防 衛 などが 可 能 になるが 現 政 権 は 新 たな 任 務 の 指 示 は 秋 以 降 とする 方 針 だ 参 院 選 への 影 響 を 避 けるため 危 険 を 伴 いかねない 活 動 の 説 明 を 控 えるのは 党 利 優 先 としか みえない これでは 不 誠 実 だ 違 憲 の 疑 い 運 用 上 の 政 府 の 裁 量 への 不 安 法 をめぐる 疑 問 は 解 消 していない あらためて 議 論 すべき 問 題 が 山 積 している 国 の 根 幹 でもある 安 全 保 障 政 策 が 国 民 の 理 解 と 支 持 が 不 十 分 なままに 展 開 されようとしている ことこそ 民 主 国 家 の 足 元 を 危 うくするものではないか
10 社 説 安 保 をただす 関 連 法 施 行 9 条 改 憲 の 一 里 塚 の 懸 念 ( 信 濃 毎 日 ) 多 くの 問 題 点 を 残 したまま 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 歴 代 の 政 権 が 憲 法 上 認 められないとしてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 が 可 能 になる 米 軍 などの 後 方 支 援 でも 自 衛 隊 を 随 時 海 外 に 派 遣 できる 憲 法 9 条 の 下 抑 制 的 な 姿 勢 を 取 ってきた 戦 後 日 本 の 防 衛 政 策 の 大 転 換 だ 専 守 防 衛 の 枠 を 超 え 自 衛 隊 が 海 外 で 武 力 行 使 することになりかねない 安 保 法 を 表 立 って 運 用 するのは 夏 の 参 院 選 後 とみられる 政 府 の 動 きを 注 視 しつつ 廃 止 を 訴 え 続 けたい < 争 点 化 避 けようと> 施 行 日 を 決 めた 閣 議 で 安 倍 晋 三 首 相 は わが 国 の 平 和 と 安 全 を 一 層 確 かなものにする 歴 史 的 な 重 要 性 を 持 つ と 強 調 した 抑 止 力 向 上 と 地 域 国 際 社 会 の 平 和 と 安 定 にこれまで 以 上 に 積 極 的 に 貢 献 する とも 述 べている 与 党 による 成 立 強 行 から6ヵ 月 余 り 政 府 は 必 要 な 法 律 だと 主 張 するばかりで 疑 問 に 正 面 から 答 えようとしない 理 解 を 得 られるよう 努 力 を 続 けると 繰 り 返 しながら 目 につくのは 国 民 の 関 心 をそらそうとする 対 応 だ 安 保 法 に 基 づく 新 たな 任 務 は 当 面 実 施 しない 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)に 参 加 する 自 衛 隊 による 駆 け 付 け 警 護 や 他 国 軍 との 宿 営 地 の 共 同 防 衛 は 秋 以 降 になる 平 時 からの 米 艦 の 防 護 も 見 送 ろうとしている 参 院 選 での 争 点 化 を 避 けたいのは 明 らかだ 集 団 的 自 衛 権 の 違 憲 性 任 務 拡 大 に 伴 う 隊 員 の 危 険 性 増 大 など 安 保 法 の 問 題 点 について 納 得 のいく 説 明 ができないことの 証 しではないか < 抑 止 力 は 高 まるか> 日 本 を 取 り 巻 く 安 保 環 境 は 確 かに 厳 しさを 増 している とりわけ 核 実 験 やミサイル 発 射 で 挑 発 行 動 を 繰 り 返 す 北 朝 鮮 は 見 過 ごせない 中 距 離 弾 道 ミサ イル ノドン は 日 本 のほぼ 全 域 を 射 程 に 収 める 核 弾 頭 の 小 型 化 に 成 功 し ミサイルに 搭 載 可 能 になれば 脅 威 は 一 段 と 増 す だからといって 安 保 法 が 必 要 だということにはならない 仮 に 日 本 に 向 けてミサイルが 発 射 さ
11 れたとしても 個 別 的 自 衛 権 で 対 処 すべき 問 題 である 2 月 に 事 実 上 の 長 距 離 弾 道 ミサイルが 発 射 された 際 の 対 応 について 安 倍 首 相 は 安 保 法 と 新 たな 日 米 防 衛 協 力 指 針 (ガイドライン)に 触 れて 強 化 された 日 米 同 盟 が 円 滑 に 効 果 を 挙 げた とした 施 行 前 に 円 滑 に 対 処 できたのなら 安 保 法 がなぜ 必 要 なのか 施 行 で 状 況 が 好 転 するのかも 疑 問 だ 北 朝 鮮 の 核 ミサイル 開 発 や 挑 発 行 動 が 変 化 するとは 考 え にくい 中 国 の 海 洋 進 出 や 国 防 費 増 大 についても 言 える 日 本 の 政 策 転 換 が 逆 に 軍 備 増 強 の 口 実 に 使 われないとも 限 らない 力 には 力 で と 張 り 合 うよりも 粘 り 強 く 対 話 していく 努 力 を 求 めたい 北 朝 鮮 に 核 を 放 棄 させる ために 日 米 韓 の 連 携 はもちろん 中 国 とも 協 力 関 係 を 強 めなければならない 時 だ 安 保 法 や 新 ガイドラインの 背 景 として 米 国 に 見 捨 てられるのではないか という 政 府 の 危 機 感 が 指 摘 される 中 国 と 衝 突 したときに 守 ってもらえるよう 米 国 に 対 して 協 力 を 強 める それが 抑 止 力 を 向 上 させることにもなる そんな 発 想 だ 協 力 強 化 で 見 捨 てられる 危 険 が 減 るとしても 一 方 で 別 の 危 険 が 膨 らむ 米 国 の 戦 争 に 巻 き 込 ま れる 恐 れだ あり 得 ない と 首 相 が 断 言 したところで 法 律 上 できることを 要 請 された 場 合 に 拒 めるのか 不 安 は 消 えない < 廃 止 法 案 の 審 議 を> 1991 年 の 湾 岸 戦 争 後 ペルシャ 湾 の 機 雷 除 去 に 掃 海 艇 が 派 遣 されて 以 降 自 衛 隊 は 徐 々に 海 外 任 務 を 広 げてきた どうにかして 憲 法 との 整 合 を 取 ろうと その 都 度 腐 心 しながらのことだ 安 保 法 は 違 う これまでの 制 約 を 一 気 に 取 り 払 った このまま 運 用 されれば 先 に 待 ち 受 けるのは 改 憲 論 議 だ 首 相 は 集 団 的 自 衛 権 を 限 定 容 認 し た 安 保 法 が 施 行 されていない 段 階 で 全 面 容 認 の 必 要 性 に 言 及 した 9 条 改 憲 への 通 過 点 にすぎない ことが 鮮 明 になっている 自 民 党 からは 9 条 2 項 を 変 えないでいることの 方 が 立 憲 主 義 の 空 洞 化 につながる との 声 も 出 ている 乱 暴 な 論 法 であり 聞 き 流 すことはできない 合 流 前 の 民 主 維 新 両 党 など 野 党 5 党 が2 月 に 安 保 法 の 廃 止 法 案 を 衆 院 に 提 出 した これに 対 し て 首 相 は せっかく 強 化 された 日 米 同 盟 の 絆 が 大 きく 損 なわれる わが 国 の 安 全 保 障 に 極 めて 重 大 な 影 響 を 与 える と 批 判 している 多 くの 国 民 が 反 対 する 中 審 議 を 打 ち 切 って 成 立 させた 法 律 である 憲 法 解 釈 を 変 えた 閣 議 決 定 と 合 わせ 違 憲 性 や 妥 当 性 を 議 論 し 直 す 必 要 がある 廃 止 法 案 をたなざらしにせず 審 議 に 応 じる
12 よう 与 党 にあらためて 求 める 社 説 安 保 法 隠 さず 正 面 から 論 戦 せよ ( 新 潟 日 報 :30) 安 全 保 障 関 連 法 が 29 日 に 施 行 された 歴 代 の 政 権 が 憲 法 9 条 の 下 で 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 行 使 が 解 禁 された 他 国 軍 への 後 方 支 援 などで 自 衛 隊 の 海 外 活 動 は 範 囲 が 飛 躍 的 に 広 がり 質 が 変 化 する 武 器 使 用 基 準 の 緩 和 で 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)では 襲 われた 国 連 要 員 らを 助 ける 駆 け 付 け 警 護 が 可 能 になる 戦 後 日 本 の 大 きな 転 換 点 であることは 間 違 いがない 確 認 しておきたいのは その 転 換 に 国 民 的 合 意 はなく 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 違 憲 の 疑 いは 拭 われていないということである 安 倍 政 権 は 2014 年 7 月 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 を 閣 議 決 定 した 憲 法 解 釈 の 変 更 により 安 保 法 への 道 を 開 いた 手 法 は 強 引 さが 際 立 ち とても 容 認 できるものではなかった 憲 法 学 者 をはじめ 識 者 が 違 憲 と 口 をそろえた 安 保 法 は 反 対 する 市 民 や 若 者 が 国 会 に 詰 めか けて 騒 然 とする 中 昨 年 9 月 に 採 決 が 強 行 された 各 種 世 論 調 査 によると 安 保 法 への 賛 否 は 今 も 大 きく 割 れたままだ 巨 大 与 党 の 数 の 力 で 押 し 切 った 安 保 法 成 立 後 安 倍 晋 三 首 相 は これからも 粘 り 強 く 説 明 する と 語 っていた ところが 安 倍 政 権 は 秋 の 臨 時 国 会 を 開 かず 大 切 な 議 論 の 機 会 を 奪 ってしまった さらなる 議 論 で 批 判 が 再 燃 し 参 院 選 に 悪 影 響 を 及 ぼしたくないと 考 えたのならば 不 誠 実 極 ま るといえよう 今 回 安 保 法 は 施 行 されたが 政 権 は 駆 け 付 け 警 護 など PKO 新 任 務 の 実 際 の 運 用 は 秋 以 降 に 先 送 りする これは 逃 げ 腰 というよりは 争 点 隠 しというべきである 北 朝 鮮 のミサイルの 脅 威 などで 新 しい 安 全 保 障 環 境 が 生 まれている と 首 相 は 語 った
13 それに 備 えるなら 国 会 でしっかり 議 論 し 厳 しい 監 視 の 下 で 訓 練 や 運 用 に 進 むのが 筋 である 野 党 が 国 会 に 提 出 した 安 保 法 の 対 案 や 廃 止 法 案 の 論 議 にも きちんと 向 き 合 うことだ 発 足 したばかりの 民 進 党 をはじめ 安 保 法 に 反 対 する 野 党 各 党 の 責 任 も 重 大 だ 安 保 法 反 対 の 国 民 の 声 を 背 にしながら 成 立 を 許 した 昨 年 を 反 省 してもらいたい 安 保 法 を 先 取 りする 内 容 で 昨 年 日 米 防 衛 協 力 指 針 (ガイドライン)が 改 定 された 安 保 法 成 立 の 方 向 性 が 日 米 の 同 盟 関 係 を 優 先 して 定 められた 象 徴 だったといえる 国 内 の 議 論 や 合 意 が 先 なのが 本 来 の 姿 だ 安 保 法 論 議 は 日 米 関 係 の 在 り 方 をも 映 し 出 す その 意 味 でも 粘 り 強 く 向 き 合 うべき 課 題 なのだといえる 東 アジアの 安 全 保 障 環 境 が 緊 張 している 日 本 にとっての 日 米 同 盟 の 重 さや 国 際 貢 献 の 大 切 さ を 否 定 するものではない 違 憲 の 疑 いがある 安 保 法 によらずとも これらに 対 応 する 方 策 はあるはずだ 例 えば 既 存 の 法 律 の 活 用 や 外 交 力 の 強 化 である その 論 議 が 全 然 足 りない 安 保 法 施 行 違 憲 の 問 題 点 は 消 えない ( 京 都 新 聞 2016 年 03 月 29 日 ) 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 認 めることを 柱 とする 安 全 保 障 関 連 法 がきょう 施 行 された 大 勢 の 市 民 が 国 会 前 を 埋 め 尽 くす 中 法 成 立 への 反 対 や 疑 問 の 声 を 押 し 切 って 与 党 が 採 決 を 強 行 したのは 昨 年 9 月 だった 歴 代 の 内 閣 が 憲 法 違 反 としてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 憲 法 の 改 正 手 続 きを 踏 まないまま 解 釈 変 更 によって 法 制 化 した 立 憲 主 義 に 反 し 民 主 主 義 を 侵 す 行 為 である 法 が 施 行 されても その 汚 点 が 消 えるわけではない 国 会 審 議 の 過 程 で 指 摘 された 数 々の 問 題 点 が 過 去 のものになるわけでもない 反 対 世 論 なお 根 強 く 共 同 通 信 社 が 日 に 実 施 した 世 論 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない がほぼ 半 数 を 占 め 評 価 する を 11 ポイント 近 く 上 回 った 国 民 の 反 対 はなお 根 強 い 違 憲 法 制 の 廃 止 と 安 保 政 策 に 関 する 議 論 のやり 直 しを 政 府 与
14 野 党 にあらためて 求 めたい 民 主 と 維 新 ( 現 民 進 ) 共 産 社 民 生 活 の 野 党 5 党 は 先 月 安 保 法 の 廃 止 法 案 を 衆 院 に 共 同 提 出 した さらに 民 主 と 維 新 は 安 保 法 の 対 案 として 領 域 警 備 法 案 など3 法 案 を 提 出 した 遅 まき ながら 世 論 に 呼 応 した 形 だが 法 案 はいまだ 審 議 されず たなざらしのままだ 野 党 提 出 法 案 の 審 議 に 与 党 が 応 じず 時 間 切 れで 廃 案 になるのは 珍 しいことではない だが 年 明 けに 行 われた 安 倍 晋 三 首 相 の 施 政 方 針 演 説 に 対 する 各 党 代 表 質 問 で 対 案 提 出 の 意 向 を 示 した 民 主 の 岡 田 克 也 代 表 に 全 体 像 を 一 括 して 示 してほしい と 求 めたのは ほかならぬ 首 相 である 経 緯 を 無 視 し 審 議 に 応 じようとしない 与 党 の 姿 勢 は 不 誠 実 だ 数 をたのんだ おごり そのも のではないのか 安 倍 首 相 は 安 保 法 について 国 民 のさらなる 理 解 が 得 られるよう 丁 寧 な 説 明 に 努 める と 繰 り 返 し 述 べているが この 半 年 間 説 明 はほとんどない むしろ 経 済 政 策 や 女 性 活 躍 推 進 などを 前 面 に 出 すことで 安 保 法 の 議 論 を 避 け 続 けている 首 相 の 言 う 説 明 の 場 をつくるいい 機 会 である 野 党 提 出 法 案 の 審 議 に 政 府 与 党 は 早 急 に 応 じるべきだ 堂 々と 論 戦 し 国 民 の 疑 問 に 答 えてほしい 昨 年 の 安 保 国 会 では 重 大 な 問 題 点 がいくつも 浮 かび 上 がった 海 外 での 武 力 行 使 を 禁 じた 憲 法 9 条 に 反 する 違 憲 立 法 の 疑 いがある 点 武 力 行 使 に 実 質 的 な 歯 止 めがなく いわば 時 の 政 権 の 一 存 で 際 限 なく 自 衛 隊 を 海 外 に 派 遣 し 得 る 点 さらに 米 軍 以 外 の 外 国 軍 隊 の 後 方 支 援 も 可 能 となり それによって 他 国 の 戦 争 に 日 本 が 巻 き 込 まれかねない 点 だ 原 点 に 返 って 議 論 を 野 党 の 対 案 が 示 すように 遠 く 海 外 での 武 力 行 使 に 道 を 開 くよりも 日 本 とその 周 辺 を 中 心 に 合 憲 の 枠 内 で 自 衛 隊 の 活 動 を 拡 充 する 方 がより 民 意 に 沿 うとの 声 も 多 い 日 本 の 安 全 にとって 真 に 必 要 な 備 えは 何 か 国 際 平 和 への 貢 献 はどうあるべきか 原 点 に 立 ち 返 った 議 論 が 要 る 世 界 の 情 勢 は 今 年 に 入 って 大 きく 動 いている 過 激 派 組 織 イスラム 国 (IS)の 関 与 が 指 摘 される 大 規 模 テロが 頻 発 し シリアの 和 平 協 議 は 混 迷 国 交 を 断 絶 したサウジアラビアとイランの 今 後 も 不 透 明 だ 北 朝 鮮 は 核 実 験 に 続 いてミサイルを 使 った 威 嚇 を 重 ね 中 国 は 東 南 シナ 海 への 進 出 を 加 速 している 安 保 法 の 施 行 と 日 米 同 盟 の 強 化 が 刻 々と 変 化 する 国 際 情 勢 の 中 で 常 に 政 府 が 描 くような 紛 争 抑 止 力 をもつとは 限 らない 過 激 な 挑 発 を 繰 り 返 す 相 手 には 同 盟 を 軸 に 毅 然 (きぜん)とした 対 応 が 必 要 な 場 合 がある 一 方 いたずらに 警 戒 の 度 を 高 めれば むしろ 相 手 をより 刺 激 し 軍 拡 競 争 や 対 立 がエスカレートしかねない
15 冷 静 に 状 況 を 見 極 め 外 交 や 経 済 協 力 を 含 めた 硬 軟 両 様 の 手 法 で 緊 張 を 緩 和 していく 方 が 現 実 的 であるはずだ だが 政 府 与 党 はむしろ 東 アジアの 不 穏 に 乗 じ 安 保 法 を 強 引 な 手 続 きで 成 立 さ せたことを 正 当 化 しようとしているようにみえる 立 憲 主 義 の 回 復 こそ 夏 には 参 院 選 が 控 える 衆 参 同 日 選 の 可 能 性 も 取 り 沙 汰 される 中 政 府 は 安 保 法 に 基 づく 自 衛 隊 の 新 たな 任 務 の 付 与 を 秋 以 降 に 先 送 りする 考 えだ 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)に 派 遣 する 自 衛 隊 の 駆 け 付 け 警 護 や 自 衛 隊 が 平 時 から 米 艦 などを 守 る 武 器 等 防 護 など 当 面 のリスクが 最 も 大 きい 任 務 であり 選 挙 への 影 響 を 避 ける 意 図 は 明 らかだ 立 憲 主 義 を 傷 つけ 世 論 にも 耳 を 貸 さず 重 要 な 争 点 を 先 送 りして 逃 げ 切 ろうとするのなら そ れは 責 任 ある 政 権 与 党 の 態 度 ではない 野 党 各 党 は 互 いの 安 保 政 策 に 隔 たりはあっても 民 意 の 受 け 皿 として 連 帯 し 法 の 欠 点 や 運 用 上 の 問 題 点 を 粘 り 強 く 指 摘 していく 必 要 がある 若 者 グループ SEALDs(シールズ) をはじめ 京 滋 を 含 む 全 国 の 多 くの 大 学 高 校 生 や 学 者 弁 護 士 子 育 て 中 の 母 親 らが 安 保 法 廃 止 の 訴 えを 続 けている 諦 めることなく 市 民 の 声 を 結 集 して 国 会 を 動 かしたい 安 保 法 施 行 / 理 解 を 得 た とは 言 い 難 い ( 神 戸 新 聞 ) 安 全 保 障 関 連 法 がきょうの 午 前 0 時 をもって 施 行 された これまでは 日 本 周 辺 に 限 定 された 自 衛 隊 と 米 軍 との 連 携 が 地 球 規 模 に 拡 大 する 邦 人 救 出 や 他 国 部 隊 などの 駆 け 付 け 警 護 によって 自 衛 隊 の 海 外 任 務 は 飛 躍 的 に 広 がり その 分 隊 員 らの 危 険 も 増 す きょうからはこうした 懸 念 が 法 律 の 運 用 として 現 実 の 問 題 となる 国 民 の 命 と 平 和 な 暮 らしを 守 るための 法 整 備 で 戦 争 法 との 指 摘 は 当 たらないと 政 府 は 強 調 する だが 憲 法 9 条 の 下 で 平 和 主 義 を 掲 げた 戦 後 日 本 の 安 保 政 策 が 大 きく 変 容 することは 間 違 いない 国 の 針 路 の 転 換 ともいえるこの 法 律 の 内 容 と 必 要 性 を 政 府 はどれだけ 丁 寧 に 説 明 したか 国 民 の 多 くは 今 も 首 をかしげており 理 解 を 得 た とは 言 い 難 い 状 況 だ
16 疑 問 点 を 曖 昧 にしたまま 既 成 事 実 化 を 図 る その 姿 勢 は 国 民 不 在 と 批 判 されても 仕 方 がない い そもそも この 法 律 で 政 府 与 党 は 何 を 目 指 しているのか いくら 説 明 を 聞 いてもよく 分 からな 私 たちは 半 年 前 にそう 指 摘 したが 状 況 は 今 も 同 じだ 共 同 通 信 社 の 先 週 末 の 世 論 調 査 では 49.9%が 安 保 法 を 評 価 しない としている 昨 年 9 月 の 法 成 立 直 後 も 反 対 と 憲 法 違 反 の 回 答 がともに 約 5 割 を 占 めていた 時 が 経 ていく 中 で 理 解 は 広 がっていく と 安 倍 晋 三 首 相 は 述 べていた そうした 政 府 の 思 惑 と 異 なり 疑 問 視 する 声 は 依 然 強 い おととい 全 国 の 高 校 生 が 連 絡 を 取 り 合 い 東 京 で 安 保 法 施 行 に 反 対 するデモを 行 った そうし た 動 きは 地 域 や 世 代 を 超 えて 広 がる 明 確 な 反 対 だけでなく 戸 惑 いや 疑 問 不 安 憤 りなど さまざまな 思 いが 渦 巻 いている それ が 国 民 の 受 け 止 め 方 ではないか 政 府 判 断 の 危 うさ 昨 年 の 国 会 での 法 案 審 議 は 210 時 間 を 超 えた 与 党 などは 議 論 を 尽 くした として 質 疑 を 打 ち 切 ったが 審 議 を 重 ねるほど 答 弁 のつじつまが 合 わなくなっていた 例 えば 邦 人 を 救 出 する 米 艦 船 を 守 る-とした 事 例 である 2 年 前 の 会 見 で 首 相 は 子 どもと 母 親 が 米 艦 船 に 乗 ったイラストを 掲 げ 国 民 を 守 るには 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 が 必 要 と 訴 えた ところが 昨 年 の 国 会 審 議 で 中 谷 元 防 衛 相 は 必 ずしも 日 本 人 が 乗 った 船 が 防 護 の 対 象 ではな い と 述 べ 議 論 の 迷 走 を 招 いた 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 前 提 として 政 府 は 日 本 の 存 立 が 脅 かされる 明 白 な 危 険 がある ( 存 立 危 機 事 態 )など 武 力 行 使 の 新 要 件 を 定 め 法 に 盛 り 込 んだ 政 府 が 行 使 はあくまで 限 定 的 とする 根 拠 だ それに 照 らせば 日 本 人 が 乗 船 しているかどうかだけで 判 断 するのは 無 理 がある 結 局 は 政 府 も そう 認 めたことになる
17 首 相 が 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 例 として 挙 げた 中 東 ホルムズ 海 峡 での 機 雷 掃 海 活 動 も 現 実 味 に 欠 ける と 答 弁 せざるを 得 なくなった 一 方 で 矛 盾 点 を 追 及 されれば 最 後 は 政 府 の 総 合 判 断 と 繰 り 返 した 明 らかになったのは 武 力 行 使 が 時 の 政 権 の 恣 意 (しい) 的 な 判 断 に 委 ねられる 制 度 自 体 の 危 うさだ 丁 寧 な 説 明 もなく 政 府 の 説 明 を 不 十 分 とする 人 は 直 後 の 世 論 調 査 で8 割 に 上 った さすがに 首 相 も 民 意 との 乖 離 (かいり)を 気 にしたのか 丁 寧 に 粘 り 強 く 説 明 していきたい と 語 っていた その 約 束 が 果 たされたと 考 える 国 民 はどれだけいるのか 憲 法 学 者 の 大 半 が 違 憲 と 批 判 する 集 団 的 自 衛 権 行 使 容 認 の 憲 法 解 釈 変 更 について 内 閣 法 制 局 は 協 議 の 過 程 を 明 らかにしていない 政 府 は 行 使 容 認 を 合 憲 と 主 張 し 議 論 が 深 まらない 当 の 首 相 は 経 済 が 最 優 先 と 発 言 し 安 保 問 題 にあまり 言 及 しなくなった 野 党 は 安 保 法 の 廃 止 法 案 を 共 同 提 出 したが 与 党 は 審 議 入 りに 応 じない これでは 本 当 に 説 明 する 気 があるのか 疑 わ しい 武 装 集 団 などに 捕 らわれた 邦 人 を 救 出 する 襲 撃 された 国 連 要 員 らを 救 出 する 安 保 法 では 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)の 駆 け 付 け 警 護 などが 新 たに 任 務 に 加 わった いずれも 自 衛 隊 に 犠 牲 者 が 出 る 危 険 性 は 否 定 できない 政 府 は 今 のところ これらの 任 務 の 実 施 を 見 送 ったままだ 平 時 の 米 艦 船 の 防 護 についても 当 面 実 施 を 見 合 わせるという 夏 の 参 院 選 への 影 響 を 恐 れて 先 送 りしたのなら 姑 息 (こそく)というしかない 政 府 は 安 保 法 制 の 運 用 を 全 面 的 に 見 合 わせた 上 で 国 民 への 説 明 にもっと 力 を 注 ぐべきだ 国 会 も 野 党 の 廃 止 法 案 を 取 り 上 げ 時 間 をかけて 議 論 しなければならない 国 民 の 懸 念 に 誠 実 に 向 き 合 うか 問 われているのは 政 府 与 党 の 姿 勢 である 安 保 法 施 行 政 府 の 説 明 足 りぬままだ ( 山 陽 新 聞 2016 年 03 月 30 日 07 時 40 分 ) 安 全 保 障 政 策 の 重 大 な 転 換 点 である 集 団 的 自 衛 権 の 限 定 的 行 使 を 可 能 にし 海 外 で 自 衛 隊 の 活
18 動 の 幅 を 広 げる 安 保 関 連 法 が 施 行 された 法 制 化 に 当 たっては 国 を 二 分 する 論 争 があった 法 成 立 から 半 年 たった 今 も 国 民 の 評 価 は 一 様 ではない 共 同 通 信 社 が 先 月 行 った 調 査 では 野 党 が 唱 える 安 保 法 廃 止 について 廃 止 すべきでな い の 47.0%が 廃 止 すべき の 38.1%を 上 回 った 逆 に 日 の 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない 49.9% 評 価 する 39.0%だった 法 の 複 雑 さ 分 かりにくさが 調 査 結 果 のねじれを 生 んだのか いずれにせよ 国 民 の 十 分 な 理 解 を 得 たとは 言 い 難 い 中 での 法 施 行 である 安 保 法 の 軸 は 次 のような 点 だ 国 が 存 立 の 危 機 にある 事 態 では 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 して 自 衛 隊 が 武 力 を 行 使 する 日 本 の 安 全 に 重 要 な 影 響 を 及 ぼす 場 合 や 日 本 の 安 全 に 直 接 関 係 がない 場 合 で も 国 連 決 議 などがあれば 米 軍 などに 弾 薬 提 供 といった 後 方 支 援 ができる 国 連 平 和 維 持 活 動 (P KO)に 参 加 した 自 衛 隊 は 襲 われた 他 国 軍 や 民 間 人 を 武 器 を 使 って 助 ける 駆 け 付 け 警 護 がで きる 懸 念 される 点 のうち 重 大 なのは 存 立 危 機 重 要 影 響 といった 事 態 を 認 定 する 基 準 の 曖 昧 さだ 政 府 は 総 合 的 に 判 断 すると 説 明 するが 拡 大 解 釈 される 余 地 がある 後 方 支 援 は 日 本 周 辺 に 限 るという 地 理 的 制 約 も 外 した 法 施 行 を 受 けて 安 倍 晋 三 首 相 はきのう 記 者 会 見 や 参 院 予 算 委 員 会 で いざという 時 に 助 け 合 え る 日 米 同 盟 の 絆 が 強 まったと 強 調 した だが 懸 念 される 点 については 今 なおしっかりと 説 明 でき ていない 法 が 施 行 されたら 終 わりではない 広 く 国 民 の 理 解 を 得 られなければ 有 効 な 安 保 法 制 と はならない きちんと 説 明 できるのか 疑 問 も 残 る いま 米 国 では 大 統 領 選 の 共 和 党 指 名 を 争 うトランプ 氏 が 日 本 が 米 軍 駐 留 経 費 をもっと 出 さな いなら 米 軍 を 撤 退 すると 語 っている 安 倍 政 権 は 安 保 法 で 日 米 同 盟 を 強 化 し アジアに 米 軍 を 関 与 させ 続 けることで 北 朝 鮮 や 中 国 に 対 抗 しようとしている その 日 米 同 盟 をやり 玉 に 挙 げ 日 本 の 安 全 保 障 の 根 幹 を 揺 るがす 極 論 が 米 国 から 出 るとは 法 案 を 審 議 していた 段 階 では 想 像 もできなか った 安 保 環 境 の 激 しい 変 化 を 目 にするにつけ 国 会 の 在 りようにはもどかしさを 感 じるばかりだ 昨 年 の 安 保 国 会 は 200 時 間 超 の 審 議 をしたが 集 団 的 自 衛 権 行 使 は 違 憲 とする 法 律 論 と 国 際 政 治 の 現 状 を 見 よという 論 はかみ 合 わずに 終 わった 法 の 中 身 を 掘 り 下 げて 問 題 点 を 国 民 に 具 体 的 に 示 せ なかったのは 残 念 だ 日 本 の 安 全 保 障 の 在 り 方 があらためて 問 われている 専 守 防 衛 の 理 念 を 堅 持 しつつ 国 際 社 会 の 中 で 日 本 が 果 たすべき 役 割 も 含 めて 検 討 を 重 ね 国 民 的 合 意 を 形 成 していくことが 欠 かせない
19 社 説 安 保 法 制 施 行 へ 平 和 主 義 偏 執 の 危 機 だ ( 中 国 新 聞 ) 参 照 URL 論 説 : 安 保 法 施 行 へ/ 国 民 の 理 解 が 不 可 欠 だ ( 山 陽 中 央 新 報 無 断 転 載 禁 止 ) 参 照 URL 社 説 安 保 法 施 行 忘 れず 諦 めず ノー を 誓 う 日 に ( 愛 媛 新 聞 2016 年 03 月 29 日 ) 安 全 保 障 関 連 法 がきょう 施 行 された 憲 法 9 条 の 下 では 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 許 されない 長 年 守 り 抜 かれた 政 府 見 解 を 安 倍 政 権 は 憲 法 解 釈 を 正 反 対 に 変 更 して 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 容 認 その 上 で 昨 年 9 月 19 日 多 くの 学 者 や 国 民 が 違 憲 性 を 指 摘 して 反 対 する 中 他 国 軍 への 後 方 支 援 拡 大 など 飛 躍 的 に 自 衛 隊 任 務 を 拡 大 する 新 たな 安 保 政 策 を 反 映 した 法 律 を 数 の 力 で 押 し 切 って 強 行 成 立 させた あの 日 から 半 年 しかしこの 間 法 の 根 本 的 な 問 題 も 違 憲 の 疑 義 も 何 も 解 消 されたわけ ではない 施 行 で 効 力 を 持 つようになっても それは 変 わらない 幸 いにして 自 衛 隊 員 はまだ 派 兵 されていないが あらためて 今 こそ 日 本 が 立 憲 主 義 と 平 和 主 義 の 危 機 を 迎 え 戦 争 に 参 加 できる 国 へと 変 容 する 大 きな 転 換 点 にあるとの 認 識 を 持 たねばならない 諦 めることなく 問 い 続 け 考 え 続 けて 安 保 法 廃 止 を 強 く 求 めたい 法 案 に 支 持 が 広 がっていないのは 事 実 だが 成 立 した 暁 には 間 違 いなく 理 解 が 広 がっていく 安 倍 晋 三 首 相 は 昨 年 そう 強 弁 しつつ 成 立 後 も 国 民 に 説 明 する 努 力 を 続 ける と 約 束 した だが 臨 時 国 会 召 集 は 拒 否 し 今 通 常 国 会 でも 戦 争 法 案 との 指 摘 は 全 く 当 たらない など 空 疎 な 答 弁 に 終 始 対 案 を 出 せ と 再 三 求 めながら 5 野 党 が 廃 止 法 案 を 共 同 提 出 しても 審 議 さえしようとし ない 約 束 はほごにされ 理 解 どころか 疑 念 と 不 安 が 広 がっている そもそもなぜ 今 憲 法 の 解 釈 をねじ 曲 げてまで 集 団 的 自 衛 権 が 必 要 なのか その 根 源 的 な 疑 問 に 対 し 政 府 は 国 民 の 命 と 平 和 な 暮 らしを 守 る と 繰 り 返 すだけで 根 拠 は 示 されない 日 本 を 取 り 巻 く 安 保 環 境 の 厳 しさ も 強 調 されるが 直 接 的 な 脅 威 なら 個 別 的 自 衛 権 の 問 題 であり 中 韓 など 近 隣 国 との 関 係 改 善 こそ 政 治 や 外 交 の 責 務 安 保 法 と 日 米 同 盟 強 化 で 抑 止 力 が 高 まる とい うが 軍 拡 への 懸 念 が 東 アジアの 関 係 を 悪 化 させる 可 能 性 も 否 定 できない しかもあれほど 強 硬 に 成 立 を 急 ぎながら 施 行 時 点 では 自 衛 隊 の 駆 け 付 け 警 護 など 危 険 な
20 任 務 は 先 送 りするという 参 院 選 へのマイナス 要 因 になるとの 思 惑 で 実 施 を 先 送 りできるなら 緊 急 性 は 低 く 国 会 でもっと 慎 重 に 議 論 できたはず ご 都 合 主 義 の 選 挙 戦 術 で 国 民 の 目 を 欺 くこと は 許 されない 詰 まるところ 首 相 の 眼 目 は 対 米 追 従 を 強 め 自 衛 隊 が 米 軍 の 戦 い を 切 れ 目 なく 支 援 し 世 界 中 で 積 極 的 に 軍 事 貢 献 できるようにすることに 尽 きよう 違 憲 との 批 判 に 耳 を 貸 そうともしない 政 治 姿 勢 のその 先 に 当 然 に 改 憲 もある 安 保 法 廃 止 を 目 指 して 今 若 者 や 母 親 弁 護 士 ら 多 くの 人 々が 抗 議 を 続 け 廃 止 の 大 義 の 下 に 野 党 も 結 集 し 始 めた 昨 年 の 暴 挙 を 忘 れず ノー の 声 を 上 げる そのことを 胸 に 刻 み 誓 い 直 す 日 としたい 社 説 安 保 法 施 行 国 民 の 理 解 は 置 き 去 りか ( 徳 島 新 聞 ) 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 解 禁 する 安 全 保 障 関 連 法 がきのう 施 行 された 戦 後 日 本 が 掲 げてきた 平 和 主 義 と 安 保 政 策 の 基 本 である 専 守 防 衛 を 変 容 させる 法 律 だ このま ま 運 用 を 許 せば 戦 後 の 大 きな 転 換 点 となった 日 として 記 憶 されることになろう だが 憲 法 違 反 だとの 批 判 は 強 く 安 保 法 に 不 安 を 抱 く 国 民 は 少 なくない 施 行 はされたが まだ 後 戻 りすることはできる 大 切 なのは いま 一 度 冷 静 に 考 え 議 論 を 深 め ることだ 問 題 の 多 い 法 律 を 廃 止 するよう あらためて 求 めたい 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 歴 代 内 閣 が 憲 法 9 条 で 禁 じられているとしてきたものだ それを 2014 年 に 安 倍 晋 三 首 相 が 閣 議 決 定 で 憲 法 解 釈 を 変 更 し 容 認 に 踏 み 切 った 長 年 国 会 で 議 論 を 積 み 上 げて 定 着 した 解 釈 を 一 内 閣 の 判 断 で 変 更 する そのために 憲 法 の 番 人 とされた 内 閣 法 制 局 の 長 官 も 代 えてしまう まさに 憲 法 が 国 家 権 力 を 縛 る 立 憲 主 義 を 否 定 する 行 いといえよう その 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 柱 としたのが 安 保 法 である 武 力 行 使 できる 条 件 は 国 民 の 生 命 自 由 および 幸 福 追 求 の 権 利 が 根 底 から 覆 される 明 白 な 危 険 があることなどだが いまだに 曖 昧 さが 残 ったままだ 時 の 政 権 の 意 向 次 第 になる 恐 れは 拭 えない 自 衛 隊 は 随 時 地 球 の 裏 側 にまで 派 遣 できる 他 国 軍 への 後 方 支 援 では 弾 薬 提 供 や 発 進 準
21 備 中 の 戦 闘 機 への 給 油 を 解 禁 し 武 装 集 団 に 襲 われた 国 連 要 員 らを 武 器 を 使 って 助 ける 駆 け 付 け 警 護 も 可 能 になる 安 倍 首 相 は 日 米 同 盟 が 強 化 されて 抑 止 力 が 向 上 し 日 本 が 攻 撃 を 受 ける 可 能 性 が 小 さくなると 強 調 している 自 衛 隊 のリスクは 高 まらないとも 言 う しかし 全 く 逆 ではないか 日 本 が 他 国 の 戦 争 に 巻 き 込 まれる 恐 れが 強 まると 多 くの 国 民 が 危 惧 するのは 当 然 だろう 共 同 通 信 社 が 先 日 実 施 した 全 国 世 論 調 査 では 安 保 法 を 評 価 しない 人 は 49.9%に 上 った 理 解 が 広 がっていない 証 左 だが 首 相 は 臨 時 国 会 の 召 集 を 見 送 るなど 安 保 法 の 議 論 を 避 けてきた 野 党 が 提 出 した 廃 止 法 案 もたなざらしにしている 丁 寧 に 説 明 すると 約 束 したのを 忘 れたかのよう だ 法 律 の 成 立 は 急 いだのに 自 衛 隊 の 任 務 拡 大 は 秋 以 降 に 先 送 りする 参 院 選 への 影 響 を 考 慮 した とみられるが 不 誠 実 と 言 わざるを 得 ない 選 挙 では 経 済 政 策 を 前 面 に 出 し 不 人 気 な 政 策 は 選 挙 後 に そうした 手 法 は まだ 通 用 するのだ ろうか きのう 国 会 前 など 全 国 各 地 で 施 行 に 抗 議 する 集 会 が 開 かれた 徳 島 県 内 でも 廃 止 を 求 める 声 が 上 がった 国 民 の 命 を 守 るために 必 要 な 法 律 だというのなら 首 相 は 国 民 の 十 分 な 理 解 を 得 るべきである 社 説 安 保 法 施 行 粛 々と では 済 まない ( 高 知 新 聞 2016 年 03 月 28 日 08 時 06 分 ) 歴 代 政 権 が 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にする 安 全 保 障 関 連 法 が あす 施 行 される 米 国 など 密 接 な 関 係 にある 他 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 した 場 合 政 府 が 存 立 危 機 事 態 と 認 定 すれば 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できる 自 衛 隊 の 任 務 や 活 動 範 囲 は 飛 躍 的 に 拡 大 する 憲 法 に 支 えられた 平 和 主 義 自 衛 隊 の 専 守 防 衛 の 原 則 など 戦 後 の 安 保 政 策 は 大 きく 転 換 する 安 倍 内 閣 は 安 保 法 を 昨 年 9 月 強 行 採 決 して 成 立 させた しかし 法 が 成 立 しても 粛 々と 施 行 とはならない
22 そもそもこの 安 保 法 は 憲 法 違 反 ではないか 自 衛 隊 の 活 動 拡 大 に 伴 い 隊 員 のリスクが 増 大 す るのではないか それらの 疑 問 に 対 する 政 府 の 答 えは 曖 昧 で 判 然 としないまま 自 民 公 明 の 巨 大 与 党 は 審 議 を 強 引 に 打 ち 切 った 法 成 立 を 受 けた 共 同 通 信 の 世 論 調 査 では 国 会 での 審 議 が 尽 くされたとは 思 わない との 回 答 が8 割 近 くを 占 めた まだまだ 議 論 すべきことがたくさん 残 されている 民 主 党 と 維 新 の 党 がきのう 結 成 した 民 進 党 や 共 産 社 民 などの 野 党 は この 国 会 に 安 保 法 の 廃 止 法 案 を 共 同 で 提 出 している まさに 現 在 進 行 形 の 問 題 だ 日 本 が 直 接 攻 撃 されていなくても 自 国 への 攻 撃 と 見 なして 実 力 で 阻 止 する 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 歴 代 政 権 は 長 く 禁 じてきた 内 閣 法 制 局 が 憲 法 9 条 により 行 使 できない との 立 場 を 堅 持 して きたからだ ところが 安 倍 内 閣 は 一 昨 年 7 月 行 使 できる と 閣 議 決 定 した 憲 法 の 条 文 は 一 字 一 句 変 えず 解 釈 を 正 反 対 に 変 更 してできた 法 案 は 多 くの 憲 法 学 者 ら 専 門 家 から 違 憲 と 指 摘 された 時 の 政 権 次 第 で 憲 法 解 釈 が 変 われば 政 治 権 力 を 憲 法 が 縛 る 立 憲 主 義 さらには 法 治 主 義 が 大 き く 揺 らぐ 違 憲 論 は 今 も 根 強 く 安 保 法 は 異 例 ともいえる 状 況 で 施 行 される 法 施 行 で 深 刻 なのは どのような 危 機 的 な 事 態 に 対 応 する 法 律 なのか いまだに 明 確 でないこと だ 政 府 の 説 明 は 次 々と 変 わり 最 後 には 自 らが 総 合 的 に 判 断 する というしかなかった 自 衛 隊 の 海 外 での 武 力 行 使 に 道 を 開 く 法 律 なのに その 要 件 は 定 義 が 曖 昧 で 分 かりにくい 憲 法 解 釈 を 変 更 した 内 閣 法 制 局 の 横 畠 裕 介 長 官 は 審 議 の 過 程 で 核 兵 器 の 保 有 運 搬 使 用 まで 憲 法 上 は 可 能 との 見 解 を 示 している 武 力 行 使 の 歯 止 めはどこにあるのか 安 保 法 が 施 行 されれば 法 律 上 は 直 ちに 自 衛 隊 に 新 たな 任 務 を 付 与 できるが 政 府 は 当 面 見 送 る 方 針 だという 準 備 に 万 全 を 期 すためと 説 明 するが それではなぜ 法 成 立 を 急 いだのか 安 保 法 は 夏 の 参 院 選 でも 重 要 な 争 点 の 一 つになる 有 権 者 も 議 論 に 耳 を 傾 け 選 択 の 時 に 備 えた い 日 本 は 正 しい 方 向 に 向 かっているのか 判 断 するのは 主 権 者 たる 国 民 だ 安 保 法 施 行 転 換 の 是 非 問 い 続 けよう ( 西 日 本 新 聞 2016 年 03 月 28 日 10 時 33 分 ) 昨 年 9 月 に 成 立 した 安 全 保 障 関 連 法 が 29 日 から 施 行 される
23 この 法 律 は 歴 代 の 政 権 が 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にし 自 衛 隊 の 海 外 での 任 務 を 大 幅 に 拡 大 する 法 施 行 はまさに 戦 後 日 本 の 安 全 保 障 政 策 を 大 きく 転 換 させることになる しかし この 法 律 がそもそも 憲 法 違 反 ではないかという 疑 いは 法 成 立 から 半 年 たっても 全 く 晴 れていない 政 策 としての 有 効 性 にも 疑 問 符 がついたままだ 憲 法 学 者 の 多 数 が 違 憲 と 指 摘 するような 法 律 に 基 づいて 国 の 命 運 に 関 わる 安 全 保 障 政 策 を 進 めていいのか 国 民 の 総 意 を 得 ていない 法 律 によって 自 衛 隊 を 危 険 な 任 務 に 就 かせていいのか こうした 問 いに 安 倍 晋 三 政 権 は 正 面 から 答 えようとしていない 安 保 法 は 施 行 の 段 階 に 入 った が むしろこれからが 安 全 保 障 をめぐる 論 議 の 正 念 場 である 普 通 の 軍 に 変 容 今 回 施 行 される 安 全 保 障 関 連 法 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 視 野 に 平 時 から 有 事 までさまざまな 局 面 で 自 衛 隊 と 米 軍 の 運 用 を 一 体 化 させるのが 特 徴 だ それに 加 え 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO) に 参 加 する 自 衛 隊 の 活 動 についても できる 任 務 を 増 やしている 安 保 法 の 具 体 化 にどこから 着 手 するか 安 倍 首 相 は 今 国 会 で アフリカ 南 スーダンのPKOに 従 事 する 陸 上 自 衛 隊 への 新 たな 任 務 の 付 与 に 言 及 した 新 任 務 は 駆 け 付 け 警 護 だとみられる 駆 け 付 け 警 護 とは 離 れた 場 所 で 武 装 集 団 に 襲 われるなど 危 険 にさらされた 非 政 府 組 織 (NG O)や 他 国 のPKO 部 隊 などを 自 衛 隊 が 駆 け 付 けて 保 護 する 活 動 だ 武 装 集 団 と 衝 突 すれば 武 器 を 使 用 することになる 可 能 性 が 高 い 自 衛 隊 は 発 足 以 来 海 外 で1 人 も 殺 しておらず 1 人 も 殺 されていない 世 界 でもまれな 平 和 的 な 武 力 組 織 である 駆 け 付 け 警 護 で 犠 牲 者 が 出 れば 自 衛 隊 はその 時 殺 し 殺 される 普 通 の 軍 隊 に 変 貌 することになる 国 民 はそれを 許 容 しているのだろうか 安 保 法 制 施 行 でこれほど 重 大 な 事 態 が 予 想 されるというのに 安 倍 政 権 がやっているのは 徹 底 的 な 安 保 隠 し である 争 点 隠 し 図 る 政 権 昨 年 の 通 常 国 会 で 大 混 乱 の 中 安 保 法 制 が 成 立 した 後 野 党 は 安 保 論 議 を 続 けようと 憲 法 に 基 づいて 臨 時 国 会 召 集 を 要 求 した これを 安 倍 政 権 は 無 視 した 今 国 会 でも 野 党 が 合 同 で 安 保 法 制 廃 止 法 案 を 提 出 したのに 対 し 与 党 側 は 審 議 を 始 めようとは せず 法 案 はたなざらしのままだ 駆 け 付 け 警 護 など 安 保 法 制 施 行 に 伴 って 付 与 される 自 衛 隊 の 新 任 務 についても 今 秋 以 降 に 先 送 りする 方 針 だという
24 安 倍 政 権 が 気 にするのは 今 夏 に 予 定 される 参 院 選 だ 昨 年 秋 の 法 成 立 時 には 反 対 する 市 民 が 国 会 に 押 し 寄 せ 政 権 支 持 率 も 低 下 した その 再 現 を 恐 れ 政 権 は 参 院 選 で 安 保 法 問 題 が 争 点 となる のを 避 けようとしている 安 倍 首 相 は 前 回 衆 院 選 で 消 費 税 増 税 問 題 を 争 点 に 掲 げて 選 挙 を 戦 っておきながら 勝 利 すると 安 保 法 制 の 改 定 にまで 信 任 を 得 たかのように 解 釈 してみせた 参 院 選 でも 同 じパターンを 狙 ってい るとすれば 姑 息 (こそく)というほかはない 参 院 選 で 意 思 示 せ 安 保 法 に 反 対 する 活 動 は 続 いている 19 日 にも 同 法 廃 止 を 訴 える 集 会 やデモが 各 地 で 行 われた 東 京 日 比 谷 公 園 では 小 雨 の 中 野 外 音 楽 堂 にあふれる 参 加 者 に 向 かって 壇 上 の 弁 護 士 や 子 育 て 世 代 の 代 表 らが 市 民 も 野 党 もまとまろう と 呼 びかけた 反 対 する 市 民 らも 参 院 選 を 見 据 えている 政 権 とは 逆 に 安 保 法 を 選 挙 の 最 大 の 争 点 にし 反 対 の 世 論 を 盛 り 上 げることで 法 の 具 体 的 運 用 に 歯 止 めをかけようという 戦 略 だ 民 進 党 や 共 産 党 な ど 野 党 も 市 民 の 期 待 に 応 え 各 選 挙 区 での 候 補 一 本 化 を 進 める 参 院 選 で 安 保 法 を 問 い 直 す ための 環 境 は 整 ってきている 安 保 法 は 民 意 をきちんと 問 うことなく 成 立 した 有 権 者 は 一 度 明 確 に 安 保 法 への 意 思 表 示 をする 必 要 がある 参 院 選 をその 舞 台 としたい そうしなければまた 政 権 に 都 合 よく 解 釈 されかねない 施 行 後 でも 遅 くない 疑 問 や 不 安 があるのなら 声 を 上 げ 続 けよう まだ 納 得 していない と 社 説 安 保 法 施 行 ( 宮 崎 日 日 新 聞 ) あらためて 妥 当 性 問 いたい 歴 代 政 権 が 憲 法 違 反 として 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 解 禁 するなど 自 衛 隊 の 活 動 を 大 幅 に 広 げる 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 昨 年 9 月 の 法 成 立 から 半 年 日 本 の 安 全 保 障 政 策 は 実 際 の 運 用 面 で 大 きな 転 換 点 を 迎 えた 北 朝 鮮 の 核 ミサイル 開 発 や 中 国 の 海 洋 進 出 など 日 本 を 取 り 巻 く 安 全 保 障 環 境 の 厳 しさが 指 摘 される しかし 環 境 の 変 化 への 対 応 策 として 有 効 で 妥 当 なのか 民 主 国 家 の 安 保 政 策 には 国 民 の 幅 広 い 理 解 と 支 持 が 不 可 欠 だ 平 和 を 掲 げて 戦 後 を 歩 んできた 日 本 の 安 全 保 障 政 策 と 国 際 的 な 貢 献
25 策 をあらためて 議 論 する 必 要 がある 廃 止 求 める 声 根 強 く 安 保 法 の 国 会 審 議 では 憲 法 学 者 らが 違 憲 との 見 解 を 示 し 市 民 団 体 などによる 廃 止 を 求 める 集 会 やデモは 今 も 続 いている 弁 護 士 グループらによる 集 団 提 訴 の 動 きもある 安 倍 政 権 は 閣 議 決 定 による 憲 法 解 釈 の 変 更 で 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 容 認 した 立 憲 主 義 に 反 すると 野 党 は 批 判 し 民 主 党 など 野 党 5 党 は 廃 止 法 案 を 衆 院 に 共 同 で 提 出 民 主 党 と 維 新 の 党 など の 合 流 による 民 進 党 は 立 憲 主 義 の 堅 持 を 綱 領 に 掲 げる 違 憲 論 議 の 決 着 はついておらず 安 保 法 は 不 安 定 な 基 盤 の 上 にあると 言 わざるを 得 ない 自 衛 隊 の 活 動 は 施 行 によりさまざまな 分 野 で 拡 大 する 米 国 など 密 接 な 関 係 にある 他 国 への 攻 撃 が 発 生 し 日 本 の 存 立 危 機 事 態 に 当 たると 判 断 すれば 集 団 的 自 衛 権 が 発 動 される 場 合 が 出 てくる 他 国 軍 への 後 方 支 援 も 随 時 行 えるようになり 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)では 襲 われた 国 連 職 員 や 非 政 府 組 織 (NGO) 関 係 者 を 救 出 する 駆 け 付 け 警 護 が 可 能 となる 自 衛 隊 の 携 わる 任 務 がより 危 険 なものになるのは 否 定 できない 争 点 隠 し は 不 誠 実 安 倍 政 権 は 当 面 自 衛 隊 に 対 する 新 たな 任 務 の 指 示 は 見 送 る 方 針 だ 中 谷 元 防 衛 相 は 安 全 を 確 保 しつつ 適 切 に 新 たな 任 務 を 遂 行 できるよう 準 備 に 万 全 を 期 す と 説 明 する しかし 政 権 の 狙 いは 今 夏 の 参 院 選 で 安 保 法 が 争 点 になるのを 避 けることだろう 選 挙 までは 具 体 的 な 説 明 を 控 え 選 挙 が 終 われば 危 険 な 任 務 に 着 手 するというのは 国 民 に 対 して 不 誠 実 ではない か 政 権 政 策 の 是 非 が 問 われる 選 挙 の 機 会 に 想 定 する 自 衛 隊 の 活 動 をきちんと 国 民 に 説 明 すべきだ 同 法 の 妥 当 性 も 考 えたい 安 倍 晋 三 首 相 は 法 制 によって 日 米 同 盟 関 係 は 一 層 強 固 になり 抑 止 力 が 向 上 した と 述 べた 念 頭 には 北 朝 鮮 対 応 での 日 米 間 の 情 報 共 有 化 があると 思 われる だが 法 成 立 後 も 北 朝 鮮 の 行 動 は 深 刻 化 しており 抑 止 効 果 には 疑 問 符 がつく 日 米 の 一 体 化 が 進 めば 米 国 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まれる 懸 念 が 高 まる 海 外 での 自 衛 隊 活 動 拡 大 により 日 本 がテロの 対 象 となる 恐 れは 増 さないか さまざまな 事 態 を 想 定 し 冷 静 な 議 論 を 進 めた い
26 有 明 抄 安 保 法 施 行 ( 佐 賀 新 聞 2016 年 03 月 29 日 05 時 00 分 ) 今 年 知 り 合 った 佐 賀 県 内 の19 歳 の 大 学 生 からメールをもらった 18 歳 選 挙 権 についてである 政 治 にあまり 興 味 がなかったのに 最 近 は 友 人 や 先 輩 と 選 挙 について 話 す 機 会 が 増 えたという そ んな 若 者 の 政 治 熱 を 生 んだのは 安 保 関 連 法 の 国 会 審 議 がヤマ 場 を 迎 えていた 昨 年 夏 以 降 のことで 国 会 前 で 学 生 らによる 反 対 運 動 が 盛 り 上 がったのは 記 憶 に 新 しい その 安 保 法 が 施 行 された 歴 代 政 権 が 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 解 禁 し 自 衛 隊 の 活 動 が 大 幅 に 広 がった この 国 の 大 きな 転 換 点 である 日 米 同 盟 の 一 体 化 が 進 めば 抑 止 力 が 高 まる 半 面 米 国 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まれる 懸 念 がある 海 外 での 自 衛 隊 活 動 の 拡 大 で 日 本 がテロの 対 象 になる 恐 れが 増 えてきはしないかとの 心 配 もある むしろ これからが 安 全 保 障 をめぐる 論 議 は 大 切 になる だが 安 倍 政 権 は 自 衛 隊 へ の 新 たな 任 務 の 指 示 は 当 面 見 送 るようだ 今 夏 の 参 院 選 を 気 にしているのだろう 選 挙 は 私 たちの 考 えを 示 す 貴 重 な 機 会 なのに 政 権 が 争 点 化 を 避 ける 考 えがあるとすればいただけない かつての 国 会 審 議 中 に 反 対 の 声 が 目 立 った 世 論 は 成 立 後 徐 々にしぼみつつある その 関 心 を 高 めていくの は 容 易 なことではない 政 権 にとっては その 方 がいいのかもしれないが 大 学 生 の 胸 にも 響 くよ うな 発 信 を と 思 う ( 章 ) 社 説 [ 新 安 保 政 策 安 保 関 連 法 施 行 ] 崇 高 な 痩 せ 我 慢 をやめていいのか ( 南 日 本 新 聞 ) 隣 近 所 が 銃 を 持 っているのに この 家 は 銃 を 持 たないと 宣 言 した 軍 隊 の 保 持 を 禁 じる 日 本 国 憲 法 の 理 念 を 映 画 監 督 の 森 達 也 さんはこう 表 現 した もちろん 一 人 だけ 丸 腰 は 怖 い 膝 が 震 える 不 安 や 恐 怖 だってある その 意 味 では 痩 せ 我 慢 に 近 い でも 崇 高 な 痩 せ 我 慢 だ 震 えながら 世 界 を 信 頼 すると 決 意 した ( 現 代 思 想 安 保 法 案 を 問 う ) この 痩 せ 我 慢 をやめる 一 歩 を いよいよ 踏 み 出 したのだろうか 強 行 成 立 から 半 年 余 集 団 的 自 衛 権 の 一 部 行 使 を 盛 り 込 んだ 安 全 保 障 関 連 法 がきょう 施 行 される 憲 法 9 条 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 禁 じている これが 自 民 党 をはじめ 歴 代 内 閣 の 解 釈 であり 国 民 的 合 意 でもあった
27 安 倍 内 閣 は 最 高 法 規 である 憲 法 を1 文 字 も 変 えず 1 内 閣 の 解 釈 で 安 全 保 障 政 策 を 大 転 換 させた 国 際 社 会 での 役 割 を 果 たす 上 で 当 然 という 意 見 もある 一 方 多 くの 憲 法 学 者 らが 指 摘 した 立 憲 主 義 に 反 し 違 憲 との 疑 念 はぬぐえない 丁 寧 な 説 明 どこへ 安 保 法 は 自 衛 隊 法 など10の 法 改 正 を 一 括 した 平 和 安 全 法 制 整 備 法 と 他 国 軍 の 後 方 支 援 のため 自 衛 隊 を 海 外 に 随 時 派 遣 できるようにする 新 法 国 際 平 和 支 援 法 で 構 成 されている 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 のほか 米 軍 や 他 国 軍 への 燃 料 や 弾 薬 などの 提 供 も 地 域 を 日 本 周 辺 に 限 定 せず 可 能 になる 安 保 法 が 成 立 したとき 安 倍 晋 三 首 相 は これから 粘 り 強 く 丁 寧 に 法 案 の 説 明 を 行 っていきた い と 述 べた ところが その 後 に 野 党 が 求 めた 臨 時 国 会 には 応 じなかった 野 党 5 党 が 共 同 提 出 した 安 保 法 を 廃 止 する 法 案 も 民 主 と 維 新 の 党 による 対 案 も 一 度 も 審 議 されずに 棚 ざらしにしたままだ そもそも 平 和 安 全 法 制 整 備 法 は 10 本 をひとくくりにしたため 論 議 が 尽 くされていない 点 も 多 い 日 本 の 安 保 環 境 がどう 変 化 するのか 自 衛 隊 は 何 が 可 能 になり どんな 危 険 にさらされるのか いまだによくわからない 丁 寧 な 説 明 はどこへいったのか 例 えば 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)では 武 装 集 団 に 襲 われた 国 連 要 員 らを 自 衛 隊 員 が 武 器 を 使 って 救 出 する 駆 け 付 け 警 護 が 可 能 になる 首 相 は 南 スーダンPKOでの 任 務 拡 大 を 検 討 しながら いかなる 業 務 を 付 与 するかは 慎 重 に 検 討 する と 曖 昧 なままだ 過 激 派 組 織 イスラム 国 (IS)への 軍 事 作 戦 や 南 シナ 海 での 米 軍 の 航 行 の 自 由 作 戦 にも 参 加 する 考 えはない などと 断 言 する しかし 米 国 は 安 保 法 を より 積 極 的 な 役 割 を 果 たそうという 日 本 の 取 り 組 み と 歓 迎 している 米 国 の 軍 事 行 動 へ 支 援 要 請 があったとき 断 り 切 れるか 懸 念 もある 一 方 で 首 相 は 年 初 来 憲 法 改 正 に 踏 み 込 む 発 言 を 続 けている 中 でも 気 がかりなのは 自 民 党 の 憲 法 改 正 草 案 に 触 れながら 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 全 面 的 に 認 め る 必 要 性 に 言 及 していることだ
28 自 民 党 草 案 は9 条 で 自 衛 権 を 明 示 し 国 防 軍 の 保 持 を 打 ち 出 している 強 引 な 解 釈 改 憲 で 国 民 を 慣 らしておいて 最 終 的 には 条 文 改 正 で 集 団 的 自 衛 権 の 全 面 行 使 を 狙 っ ているのだとすれば 看 過 できない 南 日 本 新 聞 社 加 盟 の 日 本 世 論 調 査 会 によると 9 条 改 正 の 必 要 はない が 57%と 半 数 を 超 えて いる 民 意 との 隔 たりを 無 視 するようでは 国 民 との 溝 は 深 まるばかりだ 主 権 は 国 民 に 存 する 国 会 で 1 強 の 安 倍 政 権 は 国 民 からの 異 論 に 耳 を 傾 けようとしない 姿 勢 が 目 立 つ 安 保 法 だけではない 米 軍 普 天 間 飛 行 場 ( 沖 縄 県 宜 野 湾 市 )の 辺 野 古 移 設 も 原 発 の 再 稼 働 も 国 民 の 不 安 や 疑 問 に 答 えようとはせず 自 らの 主 張 を 押 しつけるばかりである 安 倍 政 権 は PKOの 駆 け 付 け 警 護 など 法 施 行 に 伴 う 自 衛 隊 の 任 務 拡 大 を 秋 以 降 としてい る 米 艦 などに 対 象 を 広 げた 武 器 等 防 護 も 当 面 見 送 るという 夏 の 参 院 選 への 悪 影 響 を 避 けるための 先 送 りであれば 誠 実 さに 欠 けると 言 わざるを 得 ない 施 行 を 前 にした 今 月 中 旬 反 対 派 市 民 の 集 会 が 東 京 で 開 かれた 国 会 をデモの 市 民 が 取 り 囲 んだ 半 年 前 に 比 べれば 熱 気 が 弱 まっているという 指 摘 もある それでも 若 者 グループ SEALDs(シールズ) の 奥 田 愛 基 さんは デモへの 参 加 は 普 通 のことという 社 会 に 変 わってきた 今 度 は 選 挙 に 関 わることを 普 通 にしたい と 活 動 を 続 ける 法 施 行 後 であっても 国 民 の 反 対 が 強 ければ 国 会 で 歯 止 めをかけられることはあるはずだ 主 権 が 国 民 に 存 する 憲 法 の 前 文 を 心 にとめ 法 律 の 行 方 から 目 を 離 さずにいたい < 社 説 > 安 保 法 施 行 国 民 運 動 で 廃 止 勝 ち 取 ろう ( 琉 球 新 報 2016 年 3 月 29 日 06:01) 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 認 め 自 衛 隊 の 海 外 活 動 を 日 本 周 辺 以 外 にまで 広 げた 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 に 法 的 効 力 が 生 まれたことで 日 本 は 戦 争 のできる 国 へと 大 きく 変
29 貌 を 遂 げたことになる 他 国 の 戦 争 に 巻 き 込 まれる 危 険 性 が 常 態 化 する 社 会 は 確 実 にやってくる だが 戦 後 70 年 余 守 り 続 けた 非 戦 の 誓 い を 捨 ててはならない 将 来 世 代 に 対 する 責 任 を 果 たすためにも 広 範 な 国 民 運 動 を 展 開 し 安 保 法 の 廃 止 を 勝 ち 取 らねばならない 安 倍 晋 三 首 相 は 安 保 法 制 を 国 民 の 命 と 平 和 な 暮 らしを 守 るために ベストな 法 制 だ と 述 べて いる 果 たしてそうか 米 国 など 密 接 な 関 係 にある 他 国 への 武 力 攻 撃 に 日 本 が 反 撃 すれば 日 本 は 当 該 国 の 敵 国 とな る 攻 撃 される 危 険 性 が 高 まり 国 民 は 危 険 にさらされる 自 衛 隊 員 に 戦 死 者 が 出 たり 自 衛 隊 員 が 他 国 の 兵 士 や 罪 のない 国 民 を 殺 したりすることも 十 分 あり 得 る これが 安 保 法 の 本 質 である 首 相 は 安 保 法 成 立 によって 日 米 同 盟 が 強 化 され 抑 止 力 が 高 まる と 説 明 してきた だが 法 成 立 後 も 北 朝 鮮 はミサイルとみられる 飛 翔 体 の 発 射 を 繰 り 返 すなど 軍 事 挑 発 を 続 けている 抑 止 力 が 高 まったとはとても 言 える 状 況 にはない 安 保 法 の 施 行 日 を 決 定 した 際 の 閣 議 で 首 相 は 重 要 なのは 広 範 な 国 民 の 支 持 だ と 述 べた だ が 広 範 な 支 持 は 得 られていない 共 同 通 信 社 が の 両 日 に 実 施 した 全 国 電 話 世 論 調 査 で 安 保 法 を 評 価 しない は 49.9% 評 価 する は 39.0%である 戦 争 法 に 対 する 国 民 の 強 い 危 機 感 の 表 れとみるべきだ 武 力 攻 撃 による 紛 争 解 決 は 有 効 な 手 段 ではない 欧 米 が 軍 事 介 入 したシリアの 内 戦 は 終 わりが 見 えない テロ 組 織 に 対 する 武 力 攻 撃 も 根 本 的 な 解 決 に 至 っていない それどころか フランスやベ ルギーでの 過 激 派 組 織 イスラム 国 による 連 続 爆 破 テロに 見 られるように 報 復 の 連 鎖 しか 生 み 出 さない 武 力 攻 撃 は 多 くの 無 辜 (むこ)の 民 の 死 を 伴 う その 犠 牲 の 上 に 成 り 立 つ 平 和 を 真 の 平 和 と 認 め ることはできない 戦 争 放 棄 をうたった 憲 法 の 理 念 に 基 づき 日 本 は 対 話 による 友 好 関 係 の 構 築 平 和 を 目 指 すべきだ 国 民 もその 原 点 に 立 ち 返 る 時 である 社 説 [ 安 保 法 施 行 ] 違 憲 の 疑 い 放 置 するな ( 沖 縄 タイムス 2016 年 3 月 29 日 05:00) 歴 代 政 権 が 憲 法 9 条 の 下 で 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 可 能 にし 他 国 軍 の 後 方 支 援 など 自 衛 隊 の 活 動 を 飛 躍 的 に 拡 大 させる 安 全 保 障 関 連 法 が きょう 施 行 された
30 戦 後 日 本 の 安 保 政 策 の 大 きな 転 換 点 となるだけでなく 法 的 安 定 性 は 関 係 ない と 言 い 切 った 首 相 補 佐 官 の 本 音 発 言 に 象 徴 されるように 法 の 支 配 や 立 憲 主 義 をも 深 く 傷 つけた 法 律 で ある 憲 法 9 条 は 日 本 が 直 接 攻 撃 を 受 けていないにもかかわらず 他 国 防 衛 のために 海 外 で 武 力 を 行 使 することを 認 めていない 例 外 を 認 めた 規 定 も 存 在 しない 安 保 法 に 対 しほとんどの 憲 法 学 者 が 違 憲 で 一 致 しているのは 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 が 憲 法 解 釈 の 限 界 を 超 えているからである 違 憲 の 疑 いが 濃 厚 で 国 民 の 支 持 も 得 ていない 法 律 によって 自 衛 官 を 危 険 にさらしていいのか 今 春 防 衛 大 学 校 を 卒 業 した 学 生 の 任 官 拒 否 が47 人 と 昨 年 の 倍 近 くに 増 えたことを 政 府 は 深 刻 に 受 け 止 めるべきだ 問 題 は 多 岐 にわたっている 安 保 法 は 廃 止 すべきである ここでは 四 つの 問 題 を 指 摘 しておきたい まず 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 の 閣 議 決 定 に 際 し 内 閣 法 制 局 が 検 討 過 程 を 公 文 書 として 残 してい なかった 問 題 だ これでは 集 団 的 自 衛 権 行 使 が どのような 協 議 を 経 て 認 められたのかを 検 証 することができない 国 民 に 対 する 説 明 責 任 を 放 棄 したのと 同 時 に 政 府 の 憲 法 解 釈 の 監 視 役 を 担 う 役 割 も 放 棄 したので ある 野 党 側 が 憲 法 53 条 に 基 づき 要 請 した 臨 時 国 会 召 集 を 安 倍 政 権 が 見 送 ったのもあまりに 一 方 的 だった 自 民 党 の 改 憲 草 案 に 衆 参 いずれかで4 分 の1 以 上 の 議 員 が 要 求 すれば 20 日 以 内 に 召 集 と 書 き 込 んでおきながらである 安 保 法 成 立 のためには 通 常 国 会 を 大 幅 延 長 するが その 説 明 責 任 が 求 められる 臨 時 国 会 は 開 かな い ご 都 合 主 義 も 甚 だしい 法 律 が 複 雑 で 分 かりにくいのは そのあいまいさにも 原 因 がある 他 国 への 攻 撃 が 日 本 の 存 立 危 機 事 態 に 当 たると 判 断 すれば 集 団 的 自 衛 権 を 使 った 反 撃 を 認 めているが どのような 事 態 が 存 立 危 機 で 誰 が 判 断 するのか 3 要 件 があいまいで 時 の 政 権 に よる 恣 意 (しい) 的 判 断 の 恐 れが 消 えない 日 本 の 主 権 に 関 わる 重 大 な 問 題 も 見 過 ごせない
31 安 保 法 案 は 慎 重 審 議 を 求 める 圧 倒 的 世 論 を 無 視 して 衆 参 両 院 で 強 行 採 決 を 繰 り 返 し 成 立 した 一 方 米 国 に 対 しては 法 案 提 出 前 に 安 倍 晋 三 首 相 が この 夏 までに 成 就 させます と 約 束 していた のである 安 保 法 と 辺 野 古 の 新 基 地 建 設 は 密 接 に 関 係 している 二 つを 結 びつけているのが 昨 年 4 月 に 改 定 された 日 米 防 衛 協 力 指 針 (ガイドライン)である 安 保 法 によって 自 衛 隊 の 活 動 は 大 幅 に 広 がり ガイドラインによって 自 衛 隊 と 米 軍 の 協 力 関 係 や 共 同 作 戦 も 飛 躍 的 に 拡 大 することになる 沖 縄 の 演 習 場 や 周 辺 海 空 域 における 日 米 共 同 訓 練 の 頻 度 が 高 まりそうだ 自 衛 隊 と 米 軍 の 一 体 化 が 進 めば 米 国 の 軍 事 行 動 に 巻 き 込 まれる 可 能 性 も 増 す 負 担 軽 減 の 掛 け 声 とは 裏 腹 に 沖 縄 では 軍 事 的 負 担 の 増 大 が 懸 念 される 大 規 模 な 反 対 運 動 が 展 開 された 安 保 法 の 成 立 から 半 年 余 りがたった 違 憲 の 疑 いやさまざまな 疑 問 は 今 も 解 消 されていない すでに 決 まった 政 策 に 従 わざるを 得 ないという 既 成 事 実 への 屈 服 が 日 本 を 戦 争 に 導 き 破 滅 の 淵 に 追 いやった 歴 史 の 事 実 を 忘 れてはならない 大 学 生 らのグループ SEALDs(シールズ) などの 市 民 団 体 は 法 廃 止 を 掲 げ 全 国 で デモや 集 会 署 名 活 動 を 続 けている 憲 法 の 平 和 主 義 や 立 憲 主 義 を 守 ろうという 60 年 安 保 以 来 の 大 きなうねりを どのように 維 持 して いくか 運 動 の 側 も 試 されている 最 大 の 試 金 石 は 夏 の 参 院 選 だ 社 説 安 保 関 連 法 施 行 無 言 館 からの 警 鐘 ( 東 京 新 聞 ) 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 できるようにする 安 全 保 障 関 連 法 が 施 行 された 戦 後 貫 いてきた 専 守 防 衛 政 策 の 変 質 だ 平 和 憲 法 の 重 みをいま 一 度 思 い 起 こしたい 長 野 県 上 田 市 の 南 西 部 に 広 がる 塩 田 平 (しおだだいら) その 山 裾 に 無 言 館 (むごんかん) は 立 つ 昭 和 の 時 代 画 家 を 目 指 しながら 志 半 ばで 戦 火 に 散 った 画 学 生 の 作 品 を 集 め 展 示 する 慰
32 霊 のための 美 術 館 だ コンクリート 打 ちっ 放 しの 瀟 洒 (しょうしゃ)な 建 物 扉 を 開 けると 戦 没 画 学 生 の 作 品 が 目 に 飛 び 込 む 館 内 を 包 む 静 寂 作 品 は 何 も 語 らず 圧 倒 的 な 存 在 感 が 向 き 合 う 者 を 無 言 にさせる 故 に 無 言 館 戦 火 に 散 った 画 学 生 無 言 館 は 館 主 の 窪 島 誠 一 郎 (くぼしませいいちろう)さん(74)が 一 九 九 七 年 近 くで 経 営 する 信 濃 デッサン 館 の 分 館 として 開 館 した きっかけは 東 京 美 術 学 校 ( 現 在 の 東 京 芸 術 大 学 )を 繰 り 上 げ 卒 業 した 後 旧 満 州 ( 中 国 東 北 部 ) に 出 征 した 経 験 を 持 つ 洋 画 家 の 野 見 山 暁 治 (のみやまぎょうじ)さんとの 出 会 いだった 戦 死 した 仲 間 たちの 絵 をこのまま 見 捨 てておくわけにはゆかない という 野 見 山 さんとともに 戦 没 画 学 生 の 遺 族 を 全 国 に 訪 ね 作 品 収 集 を 続 けた 召 集 され 入 営 する 直 前 まで また 戦 地 に 赴 いても 絵 筆 や 鉛 筆 を 握 り 続 けた 画 学 生 たち 無 言 館 に 展 示 されている 絵 の 大 半 は 妻 や 両 親 兄 弟 姉 妹 らごく 親 しい 人 や 身 近 な 山 や 川 を 描 いたものだ 死 を 覚 悟 しながらも 絵 を 描 き 続 けたいという 情 熱 そのひた 向 きさ 家 族 への 感 謝 や 愛 情 の 深 さが 無 言 館 を 訪 れる 多 くの 人 を 無 言 にさせ 涙 を 誘 う 戦 争 さえなければ 彼 らの 中 から 日 本 を 代 表 する 芸 術 家 が 何 人 も 生 まれたかもしれない その 好 機 を 奪 った 戦 争 は 嫌 だ 平 和 は 尊 い それが 無 言 館 のメッセージであることは 確 かだ 平 和 憲 法 耕 し 花 咲 く 窪 島 さんには 無 言 館 が 反 戦 平 和 の 象 徴 とされることへのためらいがあるという 絵 を 描 くと いう 純 粋 な 行 為 を 政 治 利 用 することはできない と 考 えるからだ その 考 えは 今 も 変 わらない しかし 安 倍 晋 三 首 相 の 政 権 が 成 立 を 強 行 した 特 定 秘 密 保 護 法 と 安 保 関 連 法 をきっかけに 時 代 への 危 機 感 が 募 り 始 めたという 防 衛 外 交 などの 特 定 秘 密 を 漏 らした 公 務 員 らを 厳 罰 に 処 す 特 定 秘 密 保 護 法 は 国 民 の 知 る 権 利 を 脅 かしかねない 真 実 を 隠 蔽 (いんぺい)し 画 学 生 たちをも 戦 地 へと 駆 り 立 てた 戦 中 の 記 憶 と 重 なる そして きょう 施 行 日 を 迎 えた 安 保 関 連 法 である 軍 民 合 わせて 日 本 国 民 だけで 三 百 十 万 人 アジア 全 域 では 二 千 万 人 以 上 に 犠 牲 を 強 いた 反 省 から
33 戦 後 先 人 は 憲 法 九 条 に 戦 争 放 棄 と 戦 力 不 保 持 を 書 き 込 んだ その 後 日 米 安 全 保 障 条 約 を 結 び 米 軍 の 日 本 駐 留 を 認 める 一 方 で 急 迫 不 正 の 侵 害 を 排 除 する 必 要 最 小 限 度 の 実 力 組 織 として 自 衛 隊 を 保 有 するには 至 った 政 府 は 自 らを 守 る 個 別 的 自 衛 権 のみ 行 使 する 専 守 防 衛 に 徹 し 外 国 同 士 の 戦 争 に 加 わる 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 禁 じてきた 歴 代 内 閣 が 継 承 してきたこの 憲 法 解 釈 を 一 内 閣 の 判 断 で 変 え 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 に 道 を 開 く 安 保 関 連 法 の 成 立 を 強 行 したのが 安 倍 政 権 である 自 衛 隊 はきょうを 境 に 戦 争 できる 組 織 へと 法 的 に 変 わった 首 相 が 視 野 に 入 れるのはそれだけではない 自 民 党 の 党 是 は 憲 法 改 正 夏 の 参 院 選 で 他 党 を 含 めて 改 憲 派 で 三 分 の 二 以 上 の 議 席 を 確 保 し 改 正 の 発 議 を 目 指 す 究 極 の 狙 いは 九 条 改 正 による 国 防 軍 創 設 と 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 明 文 規 定 で 認 めることだ 窪 島 さんには 今 声 を 大 にして 言 いたいことがあるという 平 和 憲 法 を 耕 していた 年 月 がある 先 人 は 憲 法 を 耕 し 育 てた 種 をまいたのはマッカーサー ( 連 合 国 軍 最 高 司 令 官 )かもしれないが 耕 し 続 けたのは 日 本 人 無 数 の 花 が 咲 いている そのこ とをもっと 誇 りに 思 うべきだ 厭 戦 という 遺 伝 子 画 学 生 が 生 き そして 戦 火 に 散 った 戦 争 の 時 代 その 時 代 に 近 づくいかなる 兆 候 も 見 逃 してはな らない それが 命 を 受 け 継 ぎ 今 を 生 きる 私 たちの 責 務 だろう 戦 中 戦 後 の 苦 しい 時 代 を 生 き 抜 いた 窪 島 さんは 厭 戦 (えんせん) という 遺 伝 子 を 持 つと いう 地 元 長 野 で 特 定 秘 密 保 護 法 や 安 保 関 連 法 の 廃 止 を 目 指 す 市 民 団 体 の 呼 び 掛 け 人 にも 名 を 連 ね 五 十 年 以 上 ぶりにデモにも 参 加 した 日 本 は 一 センチでも 戦 争 に 近 寄 ってはいけない 国 だ 角 を 曲 がって 戦 争 の 臭 いがしたら 戻 って こなければいけない このままほっておけば 無 言 館 がもう 一 つ 増 える 時 代 がやってくる 窪 島 さんが 無 言 館 から 鳴 らす 警 鐘 である
34 ( 社 説 ) 安 全 保 障 法 制 の 施 行 違 憲 の 法 制 正 す 論 戦 を ( 朝 日 新 聞 2016 年 3 月 29 日 05 時 00 分 ) 新 たな 安 全 保 障 法 制 がきょう 施 行 された 昨 年 9 月 多 くの 市 民 の 不 安 と 反 対 そして 憲 法 専 門 家 らの 違 憲 批 判 を 押 し 切 って 安 倍 政 権 が 強 行 成 立 させた 法 制 が 効 力 を 持 つことになる 11 本 の 法 案 を2 本 にまとめた 法 制 には 憲 法 解 釈 の 変 更 による 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 米 軍 な ど 他 国 軍 への 兵 站 (へいたん)( 後 方 支 援 ) 国 連 平 和 維 持 活 動 (PKO)の 任 務 拡 大 など 幅 広 い 自 衛 隊 の 海 外 活 動 が 含 まれる 安 倍 政 権 はこれだけ 広 範 な 法 制 を わずか1 会 期 の 国 会 審 議 で 成 立 させた 背 景 に 首 相 自 身 が 昨 年 4 月 に 訪 米 中 の 議 会 演 説 で ( 法 案 を) 夏 までに 成 就 させる と 約 束 した 対 米 公 約 があった との 見 方 が 強 い 法 制 の 成 立 後 首 相 は これから 粘 り 強 く 説 明 を 行 っていきたい と 語 ったが 実 行 されていな い その 後 の 国 会 審 議 も 十 分 とは 到 底 言 えない 投 網 をかけるように 憲 法 が 権 力 を 縛 る 立 憲 主 義 の 危 機 である この 異 常 事 態 を 放 置 することはできない 幅 広 い 国 民 の 合 意 を 欠 く 違 憲 法 制 は 正 さねばならない 法 制 の 中 身 を 仕 分 けし 少 なくとも 違 憲 の 部 分 は 廃 止 する 必 要 がある 国 会 とりわけ 野 党 が 果 たすべき 役 割 は 大 きい 安 倍 政 権 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 容 認 は 限 定 的 で だから 合 憲 だと 説 明 してきた 一 方 で 政 府 の 裁 量 をできるだけ 広 く 残 そうと 限 定 の 幅 についてあいまいな 国 会 答 弁 を 繰 り 返 してきた 時 の 政 権 の 判 断 で いかようにも 解 釈 できる 余 地 が 残 されている 集 団 的 自 衛 権 を 容 認 した 眼 目 は 中 国 にいかに 対 抗 し 抑 止 力 を 高 めるかにある 米 軍 をアジア 太 平 洋 地 域 に 引 き 留 め そのパワーが 相 対 的 に 低 下 しつつある 分 は 自 衛 隊 の 強 化 や 地 域 諸 国 との 連 携 によって 補 う そんな 考 え 方 だ 米 軍 との 共 同 行 動 に 支 障 を 来 さないよう 投 網 をかけるように 幅 広 く 海 外 で 自 衛 隊 が 動 けるよ うにしておく 有 事 だけでなく 平 時 から 米 軍 など 他 国 軍 との 共 同 訓 練 や 情 報 共 有 装 備 面 での 連 携 が 進 むことになる 9 条 を 対 話 の 基 盤 に
35 問 題 は そのために 自 衛 隊 の 海 外 活 動 に 一 定 の 歯 止 めをかけてきた 9 条 の 縛 り を 緩 めてしま ったことだ 2 月 末 アーミテージ 元 国 務 副 長 官 ら 日 米 の 有 識 者 らによる 日 米 安 全 保 障 研 究 会 が 2030 年 まで の 日 米 同 盟 という 報 告 書 をまとめた 日 米 の 対 中 戦 略 の 共 有 が 不 可 欠 だと 強 調 し 十 分 な 予 算 に 支 えられた 軍 事 力 アジアやより 広 い 地 域 で 日 米 の 政 策 行 動 を 可 能 ならば 統 合 する ことを 日 本 に 求 めた 防 衛 予 算 の 拡 大 をはじ め あらゆる 面 で 日 米 の 一 体 化 をめざす 方 向 だ だが 中 国 との 関 係 に 限 らず 米 国 の 利 益 と 日 本 の 利 益 は 必 ずしも 一 致 しない 時 に 誤 った 戦 争 に 踏 み 込 む 米 国 の 強 い 要 請 を 断 れるのか 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 について 首 相 は ( 日 本 が) 主 体 的 に 判 断 する と 答 弁 したが 9 条 という 防 波 堤 が 揺 らぐ 今 本 当 にできるのか 留 意 すべきは 米 国 自 身 中 国 を 警 戒 しながらも 重 層 的 な 対 話 のパイプ 作 りに 腐 心 していること だ 日 本 も 自 らの 平 和 を 守 るためには 中 国 との 緊 密 な 対 話 と 幅 広 い 協 力 が 欠 かせない それなのに 日 本 は 日 米 同 盟 の 強 化 に 傾 斜 し 日 中 関 係 の 人 的 基 盤 は 細 るばかりだ 中 国 に 近 い 地 理 的 な 特 性 や 歴 史 の 複 雑 さを 思 えば その 関 係 はより 微 妙 なかじ 取 りが 求 められる 米 国 の 軍 事 行 動 とは 一 線 を 画 し 専 守 防 衛 を 貫 くことで 軍 拡 競 争 を 避 ける 憲 法 9 条 の 機 能 こそ 抑 止 と 対 話 の 均 衡 を 保 つための 基 盤 となる 問 われる 国 会 の 役 割 夏 に 参 院 選 がある 衆 参 同 日 選 の 可 能 性 も 指 摘 されている そんななか 安 倍 政 権 は 平 時 の 米 艦 防 護 やPKOに 派 遣 する 自 衛 隊 の 駆 けつけ 警 護 米 軍 へ の 兵 站 を 拡 大 する 日 米 物 品 役 務 相 互 提 供 協 定 (ACSA) 改 定 案 の 国 会 提 出 など 安 保 法 制 にもと づく 新 たな 動 きを 参 院 選 後 に 先 送 りしている 選 挙 前 は 経 済 を 掲 げ 選 挙 が 終 われば 安 保 にかじを 切 る 特 定 秘 密 保 護 法 も 安 保 法 制 も 同 じパターンだった 政 権 は 今 回 も 選 挙 に 勝 てば 一 気 に 進 めようとするだろう 安 倍 政 権 は 特 定 秘 密 保 護 法 国 家 安 全 保 障 会 議 (NSC)の 創 設 など 政 府 への 権 限 を 集 中 させ る 外 交 安 保 施 策 を 次 々と 打 ち 出 してきた
為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設
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