(Microsoft PowerPoint - [\214\335\212\267\203\202\201[\203h])

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1 食 品 市 販 後 調 査 :PMM(Post Marketig Moitorig)の 実 行 可 能 性 の 検 証 とそのデータ 活 用 の 検 討 今 村 知 明 1) 赤 羽 学 1) 鬼 武 一 夫 ) 杉 浦 弘 明 1) 大 日 康 史 3) 長 谷 川 専 4) 牛 島 由 美 子 4) 池 田 佳 代 子 4) 3) 1) 奈 良 県 立 医 科 大 学 ) 日 本 生 活 協 同 組 合 連 合 会 3) 国 立 感 染 症 研 究 所 感 染 症 情 報 センター 4) 株 式 会 社 三 菱 総 合 研 究 所 調 査 の 目 的 概 要 調 査 の 目 的 医 薬 品 においては 重 篤 な 健 康 被 害 が 発 生 した 場 合 の 情 報 収 集 を 強 化 するため 市 販 後 調 査 (Post Marketig Moitorig : PMM)が 確 立 されている 一 方 で 実 効 性 の 困 難 さとかかる 費 用 の 大 きさから 食 品 に 起 因 する 健 康 被 害 の 発 生 や 健 康 被 害 そのものを 調 べる 方 法 はこれまで 確 立 されていない しかし PC 及 びインターネットの 活 用 により 食 品 PMMの 実 施 に 活 路 が 見 出 せるように なってきているため これを 活 用 することによる 食 品 PMMの 実 効 性 の 検 討 を 目 的 として 本 研 究 を 実 施 した 調 査 の 概 要 日 本 生 活 協 同 組 合 連 合 会 ( 日 本 生 協 連 )との 協 働 により コープこうべ コープと うきょうの 組 合 員 に 対 し インターネットアンケートにより 健 康 調 査 を 実 施 した また 健 康 調 査 モニターの 商 品 購 入 データを 入 手 した 既 に 実 施 されている 医 薬 品 副 作 用 PMMにおけるシグナル 検 出 方 法 を 検 討 した 上 で 医 薬 品 と 食 品 の 差 異 を 踏 まえて 健 康 被 害 検 出 方 法 を 検 討 し データ 総 数 5,439( 世 帯 日 )に 対 して 分 析 を 行 った その 結 果 いくつかの 商 品 と 症 状 の 組 み 合 わせでシグナルが 検 出 された

2 データの 収 集 方 法 データの 収 集 は 下 記 の 方 法 で 実 施 した 日 本 生 協 連 の インターネットアンケートシステム の 活 用 モニター 組 合 員 の 登 録 健 康 調 査 及 び 商 品 購 入 データの 提 供 に 同 意 した 組 合 員 計 89 名 (コープこうべ696 名 コープとうきょう133 名 ) インターネットを 活 用 した 調 査 の 実 施 (010 年 1 月 0 日 ~4 月 30 日 ) 健 康 調 査 データの 収 集 微 熱 (38.5 度 未 満 ) 高 熱 (38.5 度 以 上 ) 鼻 水 咳 下 痢 嘔 吐 けいれん 目 のかゆみ 発 疹 関 節 痛 頭 痛 のどの 痛 み くしゃみ 皮 膚 のかゆみ 手 あれ 不 眠 胃 痛 または 腹 の 痛 み( 以 上 19 項 目 ) 商 品 購 入 データの 収 集 注 文 日 注 文 商 品 名 JAN(Japaese Article Number)コード SKU(Stock Keepig Uit) 注 文 数 量 3 分 析 データの 作 成 食 品 症 状 の 組 合 せデータを 作 成 食 品 : 当 該 症 状 の 発 症 以 前 に 購 入 した 食 品 を 喫 食 可 能 性 のある 被 疑 食 品 と 判 断 喫 食 期 間 は 当 該 食 品 購 入 から7 日 間 と 設 定 計 算 はJANコード 単 位 症 状 :9つの 症 状 ( 熱 下 痢 嘔 吐 けいれん 発 疹 頭 痛 のどの 痛 み 胃 痛 または 腹 の 痛 み)を 分 析 対 象 とする 組 合 せは 報 告 日 世 帯 単 位 ( 組 合 員 ID 単 位 )で 集 計 組 合 員 ID=1 喫 食 期 間 は 7 日 と 仮 定 組 合 員 ID= 日 付 商 品 購 入 情 報 健 康 調 査 データ 1 月 0 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 症 状 なし 1 月 1 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 下 痢 1 月 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 症 状 なし 1 月 3 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 微 熱 1 月 4 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 微 熱 下 痢 1 月 5 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 症 状 なし 1 月 6 日 A 社 牛 乳 B 産 いちご 症 状 なし 1 月 7 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 症 状 なし 1 月 8 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 下 痢 日 付 商 品 購 入 情 報 健 康 調 査 データ 1 月 0 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 下 痢 1 月 1 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 下 痢 1 月 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 症 状 なし 1 月 3 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 症 状 なし 1 月 4 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 症 状 なし 1 月 5 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 症 状 なし 1 月 6 日 A 社 牛 乳 C 社 缶 詰 微 熱 1 月 7 日 B 産 いちご C 社 缶 詰 微 熱 1 月 8 日 B 産 いちご C 社 缶 詰 下 痢 4

3 シグナルの 検 出 シグナル 検 出 計 算 食 品 と 症 状 の 全 組 合 せを 網 羅 的 に 見 て 特 定 の 食 品 を 買 った 人 で 特 定 の 症 状 を 発 症 し ている 人 が 異 常 に 多 い 組 合 せを 見 つけ 出 すための 計 算 異 常 に 多 い とは 全 体 の 傾 向 から 期 待 される 件 数 ( 期 待 値 )よりも 大 幅 に 大 きい 値 となるもの クロス 表 の 作 成 組 合 員 ID 単 位 で 整 理 した 分 析 データを クロス 表 の 形 で 集 計 する 注 目 する 症 状 例 ) 高 熱 その 他 の 症 状 合 計 注 目 する 食 品 例 ) 卵 卵 を 買 って 高 熱 が 出 た 1 卵 を 買 って 高 熱 は 出 なかった 1+ 卵 を 買 った その 他 の 食 品 1 卵 は 買 わず 高 熱 が 出 た 卵 は 買 わず 高 熱 は 出 なかった + 卵 は 買 って いない 合 計 +1 高 熱 が 出 た + 高 熱 は 出 なかった ++ 全 数 5 シグナルの 検 出 に 用 いた 指 標 PRR= 1 ( ( ) ) = 卵 を 買 った 人 のうち 高 熱 が 出 た 人 の 割 合 卵 以 外 を 買 った 人 のうち 高 熱 が 出 た 人 の 割 合 卵 の 購 入 の 有 無 で どちらの 方 が 高 熱 を 出 しやすいか χ ( ) = 食 品 と 症 状 の 発 現 が 独 立 の 場 合 に 期 待 される 値 と 実 際 に 観 測 されたは どれだけずれているか を 見 る 値 卵 を 買 う ということと 高 熱 が 出 る ことに 関 連 が 無 い( 独 立 ) 場 合 カイ 二 乗 値 は0に 近 づく 卵 を 買 う ということと 高 熱 が 出 る ことに 関 連 がある 場 合 カイ 二 乗 値 は 大 きくなる Zscore= p= p 1 p p( p)( ) ( p+ + p++ ) + + 卵 を 買 った 人 のうち 高 熱 が 出 た 人 の 割 合 全 体 で 高 熱 が 出 た 人 の 割 合 1 全 体 で 見 たときの 割 合 (p)に 対 して 卵 を 買 った 人 に 限 った 場 合 の 割 合 (p1)が どの 程 度 外 れた 値 か( 値 が 大 きいほど 異 常 ) 6

4 症 状 別 シグナル 検 出 結 果 PRR 値 カイ 二 乗 値 報 告 件 数 が 以 下 の 基 準 値 を 超 えた 食 品 症 状 の 組 合 せを 抽 出 ( 基 準 値 は 医 薬 品 副 作 用 に 対 してMHRAで 用 いられるもの) PRR ad 4ad 3 症 状 毎 の 出 現 率 とシグナルが 検 出 された 商 品 数 χ 症 状 出 現 率 (= +1 / ++ ) 検 出 数 のどの 痛 み 胃 痛 または 腹 の 痛 み 頭 痛 下 痢 微 熱 8.15% 3.45% 4.41% 1.93%.3% 発 疹 1.87% 0 高 熱 0.34% 65 嘔 吐 0.46% 45 けいれん 0.07% 0 総 数 有 症 状 率 15.95%,0 検 出 された 食 品 症 状 の 組 合 せ 数 (,0 件 )は 全 組 合 せ 数 の 約 %に 相 当 個 別 の 組 合 せで 見 ると いちご えんどう キャベツ しめじ 等 野 菜 や 果 物 が 比 較 的 多 く 検 出 されている 傾 向 洗 浄 が 十 分 に 行 われずに 食 されることで なにがしかの 症 状 につながった 可 能 性 も 分 析 で 抽 出 された 商 品 に 関 して 実 際 に 生 協 に 寄 せられた 苦 情 には 健 康 被 害 の 情 報 は 無 い 7 症 状 別 シグナル 検 出 結 果 ( 上 位 10 商 品 ) のどの 痛 み 商 品 名 PRR χ ID 数 B 産 牛 肉 A 社 絹 豆 腐 A 社 木 綿 豆 腐 I 産 キャベツ A 社 ちくわ A 社 ホットケーキ ミックス A 社 スパゲッティ N 社 あわせ 調 味 料 E 産 いちご J 産 トマト 下 痢 商 品 名 PRR χ ID 数 A 社 スパゲッティ A 社 バター A 社 冷 凍 ミニハン バーグ A 社 木 綿 豆 腐 D 社 薄 力 粉 D 社 冷 凍 お 好 み 焼 き J 社 ウインナー B 産 牛 豚 合 挽 き 肉 A 社 たまご A 社 ヨーグルト 胃 痛 または 腹 の 痛 み 商 品 名 PRR χ ID 数 K 社 マヨネーズ A 社 ミートボール A 社 たまご A 社 木 綿 豆 腐 L 社 かすてら A 産 ミニトマト H 産 しじみ M 社 乳 酸 菌 飲 料 O 社 あられ A 社 ちくわ 微 熱 商 品 名 PRR χ ID 数 A 産 ミニトマト A 社 マーガリン A 社 食 パン B 社 キムチ C 社 さけフレー ク C 産 キャベツ D 産 ぶなしめじ A 社 讃 岐 うどん A 社 ミルクチョコ レートビスケット D 社 インスタント ラーメン 頭 痛 商 品 名 PRR χ ID 数 A 社 ミートボール A 社 ホットケーキ ミックス F 社 清 涼 飲 料 水 E 産 いちご G 社 カップラーメ ン B 産 豚 肉 挽 き 肉 H 社 スパゲッティ I 社 しょうゆ F 産 りんご G 産 キャベツ 発 疹 商 品 名 PRR χ ID 数 A 産 きゅうり A 社 たまご A 産 青 ねぎ A 社 片 栗 粉 A 産 にら A 産 小 松 菜 E 社 ちくわ B 産 若 鶏 むね 肉 A 社 絹 豆 腐 A 社 牛 乳 分 析 で 抽 出 された 商 品 に 関 して 実 際 に 生 協 に 寄 せられた 苦 情 には 健 康 被 害 の 情 報 は 無 い

5 商 品 別 シグナル 検 出 結 果 同 一 商 品 に 対 してシグナルが 検 出 された 症 状 が 多 いものから 上 位 10 商 品 商 品 名 症 状 PRR χ ID 数 胃 痛 または 腹 の 痛 み のどの 痛 み A 社 頭 痛 木 綿 豆 腐 下 痢 発 疹 高 熱 微 熱 P 社 下 痢 粉 末 調 味 のどの 痛 み 料 頭 痛 Q 社 バウムクー ヘン B 産 スナップエ ンドウ 胃 痛 または 腹 の 痛 み のどの 痛 み 微 熱 胃 痛 または 腹 の 痛 み 頭 痛 胃 痛 または 腹 の 痛 み のどの 痛 み 下 痢 頭 痛 商 品 名 症 状 PRR χ ID 数 胃 痛 または 腹 の 痛 み E 産 のどの 痛 み いちご 頭 痛 下 痢 A 社 たまご A 産 にんにく A 社 いかフライ R 社 ウインナー G 産 キャベツ 胃 痛 または 腹 の 痛 み 頭 痛 下 痢 のどの 痛 み 下 痢 胃 痛 または 腹 の 痛 み 胃 痛 または 腹 の 痛 み のどの 痛 み 頭 痛 微 熱 胃 痛 または 腹 の 痛 み 下 痢 胃 痛 または 腹 の 痛 み のどの 痛 み 頭 痛 最 上 位 は A 社 木 綿 豆 腐 特 に のどの 痛 み については15 世 帯 から 報 告 あり 報 告 期 間 は 月 中 旬 から4 月 末 までの 長 期 間 特 定 の 時 期 に 報 告 は 集 中 していない 分 析 で 抽 出 された 商 品 に 関 して 実 際 に 生 協 に 寄 せられた 苦 情 には 健 康 被 害 の 情 報 は 無 い Z 値 によるシグナル 検 出 結 果 シグナルが 検 出 された,000 件 強 の 組 合 せに 対 して Z 値 を 算 出 組 合 員 ID 数 が4 以 上 の 組 合 せに 注 目 し Z 値 に 関 して 降 順 に 並 べたときの 上 位 15 個 商 品 名 症 状 Zscore PRR ID 数 K 産 バナナ 胃 痛 または 腹 の 痛 み J 産 トマト 胃 痛 または 腹 の 痛 み A 社 ちくわ 胃 痛 または 腹 の 痛 み A 社 牛 乳 のどの 痛 み B 産 スナップエンドウ 胃 痛 または 腹 の 痛 み G 産 キャベツ 胃 痛 または 腹 の 痛 み A 社 食 パン のどの 痛 み L 産 ピーマン のどの 痛 み A 社 シュークリーム 胃 痛 または 腹 の 痛 み A 社 ソーセージパン 発 疹 A 社 たまご 胃 痛 または 腹 の 痛 み M 産 チンゲン 菜 のどの 痛 み F 産 りんご 胃 痛 または 腹 の 痛 み N 産 しらす 干 し 胃 痛 または 腹 の 痛 み A 社 絹 豆 腐 胃 痛 または 腹 の 痛 み Z 値 導 入 以 前 は 上 位 に 見 られなかった K 産 バナナ と 胃 痛 または 腹 の 痛 み の 組 合 せが 最 上 位 Z 値 で 見 た 場 合 いずれの 組 合 せも 実 際 の 報 告 数 が 集 まる 可 能 性 は 非 常 に 低 い 分 析 で 抽 出 された 商 品 に 関 して 実 際 に 生 協 に 寄 せられた 苦 情 には 健 康 被 害 の 情 報 は 無 い 10

6 考 察 複 数 指 標 の 組 合 せの 検 討 本 研 究 では PRR 値 カイ 二 乗 値 報 告 件 数 組 合 員 数 Z 値 等 複 数 の 指 標 を 組 合 せてシグナルを 検 出 シグナルの 判 断 を 単 一 指 標 で 行 うのは 困 難 であり 複 数 指 標 を 組 合 せていくこと が 必 要 分 析 者 が 解 釈 しやすい 手 法 の 導 入 も 含 めて 実 運 用 時 に 適 切 な 複 数 指 標 の 選 定 と 組 合 せの 検 討 を 進 める ベースラインの 検 討 季 節 や 特 定 の 食 品 によっては 発 症 率 が 元 々 高 い 可 能 性 がある 季 節 や 各 食 品 でシグナルとして 検 出 すべき 基 準 値 が 異 なることが 想 定 されるた め それぞれのベースラインの 検 討 が 必 要 適 切 なシグナル 検 出 基 準 値 の 設 定 検 出 された 組 合 せ 数 に 対 する 実 際 の 検 出 後 の 対 応 の 可 否 も 含 めて 検 討 シグナル 検 出 の 手 法 に 関 する 課 題 の 検 討 と 並 行 して 実 運 用 をどのような 形 で 行 うべきかについても 検 討 を 進 める まとめ 従 来 医 薬 品 副 作 用 の 検 出 で 利 用 されていた 医 薬 品 PMMの 手 法 を 応 用 し これまで 実 施 されていなかった 食 品 PMMの 検 討 を 行 った 具 体 的 には PCやインターネットを 用 いて 消 費 者 の 健 康 データ 及 び 食 品 購 入 データを 入 手 分 析 することにより 食 品 による 健 康 被 害 検 出 方 法 を 検 討 した 分 析 の 結 果 いくつかの 商 品 と 症 状 の 組 み 合 わせパターンでシグナルが 検 出 された 今 後 食 品 PMMの 精 度 を 高 めるための 取 り 組 みが 必 要 であり そのために は 多 様 なシグナル 検 出 方 法 を 併 用 しながら 健 康 被 害 検 出 基 準 を 見 出 してい く 必 要 がある 謝 辞 本 研 究 は 平 成 1 年 度 及 び 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 食 品 の 安 心 安 全 確 保 推 進 研 究 事 業 食 品 防 御 の 具 体 的 な 対 策 の 確 立 と 実 行 可 能 性 の 検 証 に 関 する 研 究 ( 研 究 代 表 者 : 今 村 知 明 )の 一 環 として 実 施 した 1