- 目 次 - 第 1 裁 決 判 決 からみた 土 地 評 価 1 1 土 地 の 評 価 上 の 区 分 1 2 評 価 単 位 2 3 通 達 等 における 評 価 減 の 主 な 規 定 5 4 路 線 価 方 式 6 (1) 正 面 路 線 価 等 6 ( 事 例 1) 隅 切 りがある

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2 - 目 次 - 第 1 裁 決 判 決 からみた 土 地 評 価 1 1 土 地 の 評 価 上 の 区 分 1 2 評 価 単 位 2 3 通 達 等 における 評 価 減 の 主 な 規 定 5 4 路 線 価 方 式 6 (1) 正 面 路 線 価 等 6 ( 事 例 1) 隅 切 りがある 場 合 の 間 口 距 離 が 問 題 となった 事 例 6 (2) 側 方 加 算 等 7 ( 事 例 2) 道 路 より1m 高 い 場 合 の 側 方 加 算 9 (3) 宅 地 造 成 費 等 10 (4) 間 口 が 狭 小 な 宅 地 等 の 評 価 10 ( 事 例 3) 接 道 義 務 を 満 たさない 土 地 の 評 価 11 5 広 大 地 評 価 14 (1) その 地 域 について 14 (2) 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 について 15 (3)マンション 適 地 の 判 定 17 (4) 裁 決 等 事 例 19 イ( 事 例 4) 広 大 地 評 価 における その 地 域 とは 何 かが 争 われた 事 例 19 ロ( 事 例 5) 広 大 地 評 価 に 当 たって 公 益 公 共 施 設 が 必 要 でないとされた 事 例 20 ハ ( 事 例 6) 広 大 地 評 価 に 当 たり 潰 れ 地 が 生 ずる 土 地 に 該 当 するとされた 事 例 22 ニ( 事 例 7) 路 地 状 敷 地 による 開 発 が 可 能 とされた 事 例 24 ホ( 事 例 8) 路 地 状 開 発 が 最 も 合 理 的 とされた 事 例 27 ヘ( 事 例 9) 旗 状 の 宅 地 開 発 が 可 能 とした 原 処 分 庁 の 主 張 を 排 斥 した 事 例 29 ト( 事 例 10)マンション 適 地 であるとして 広 大 地 適 用 を 否 認 された 事 例 30 6 利 用 価 値 が 著 しく 低 下 している 宅 地 の 評 価 35 (1)( 事 例 11) 横 断 歩 道 橋 による 利 用 制 限 あるとして 評 価 減 を 認 めた 事 例 35 (2)( 事 例 12) 暴 力 団 事 務 所 が 近 隣 にあることは 路 線 価 に 織 込 み 済 みであると された 事 例 37 (3)( 事 例 13) 日 照 及 び 眺 望 への 影 響 が 認 められる 土 地 の 評 価 減 が 認 められた 事 例 38 (4)( 事 例 14) 鉄 道 沿 線 敷 地 について 評 価 減 を 認 めた 事 例 38

3 第 2 非 上 場 株 式 に 纏 わる 税 務 - 自 己 株 式 を 中 心 として 株 式 等 の 譲 渡 課 税 42 2 みなし 配 当 42 3 自 己 株 式 を 譲 渡 した 場 合 の 課 税 関 係 43 4 自 己 株 式 と 所 法 59 条 (みなし 譲 渡 所 得 課 税 ) 44 5 相 続 財 産 に 係 る 非 上 場 株 式 をその 発 行 会 社 に 譲 渡 した 場 合 のみなし 配 当 課 税 の 特 例 45 6 保 証 債 務 を 履 行 した 場 合 の 所 得 計 算 の 特 例 46 7 非 上 場 株 式 の 適 正 な 時 価 46 8 金 庫 株 の 取 得 処 分 は 資 本 等 取 引 か 49 9 その 他 の 利 益 の 享 受 - 発 行 法 人 が 自 己 株 式 を 時 価 よりも 低 額 で 取 得 した 場 合 の 残 余 の 株 式 評 価 への 影 響 - 50 第 3 未 分 割 遺 産 に 係 る 相 続 税 申 告 等 の 留 意 点 53 1 未 分 割 遺 産 に 対 する 課 税 53 2 計 算 例 54 3 遺 産 が 未 分 割 である 場 合 の 相 続 税 の 特 例 適 用 57 4 未 分 割 財 産 が 分 割 されたこと 等 による 修 正 申 告 更 正 の 請 求 60 5 未 分 割 遺 産 から 生 じた 果 実 の 帰 属 62 6 法 定 相 続 分 で 申 告 した 果 実 を 更 正 の 請 求 で 減 額 できるか 65 第 4 相 続 税 調 査 への 対 応 66 1 相 続 税 調 査 の 現 状 66 2 調 査 を 受 けない 相 続 税 申 告 書 の 作 成 の 仕 方 66 3 具 体 的 調 査 事 例 69

4 第 1 裁 決 判 決 からみた 土 地 評 価 1 土 地 の 評 価 上 の 区 分 評 基 通 7( 土 地 の 評 価 上 の 区 分 ) ( 抜 粋 ) 土 地 の 価 額 は 次 に 掲 げる 地 目 の 別 に 評 価 する ただし 一 体 として 利 用 されている 一 団 の 土 地 が2 以 上 の 地 目 からなる 場 合 には その 一 団 の 土 地 は そのうちの 主 たる 地 目 からなるものとして その 一 団 の 土 地 ごとに 評 価 するものとする なお 市 街 化 調 整 区 域 以 外 の 都 市 計 画 区 域 で 市 街 地 的 形 態 を 形 成 する 地 域 において 市 街 地 農 地 ( 生 産 緑 地 を 除 く ) 市 街 地 山 林 市 街 地 原 野 宅 地 と 状 況 が 類 似 する 雑 種 地 のいずれ か2 以 上 の 地 目 の 土 地 が 隣 接 しており その 形 状 地 積 の 大 小 位 置 等 からみてこれらを 一 団 として 評 価 することが 合 理 的 と 認 められる 場 合 には その 一 団 の 土 地 ごとに 評 価 するものとする (1) 宅 地 (2) 田 (3) 畑 ( 以 下 略 ) 設 例 市 街 地 農 地 等 又 は 宅 地 と 状 況 が 類 似 する 雑 種 地 のいずれか2 以 上 の 地 目 からなる 一 団 の 土 地 の 場 合 の 評 価 単 位 C 山 林 又 は 原 野 宅 地 B 農 地 A 雑 種 地 道 路 1 宅 地 比 準 により 評 価 する 土 地 は 現 況 の 利 用 状 況 を 基 本 とした 評 価 ではなく 宅 地 転 用 を 想 定 し て 評 価 することとしている 2 仮 に 図 の 宅 地 が 標 準 的 な 宅 地 規 模 であるとすると A 土 地 は 地 積 が 小 さく 形 状 を 考 えた 場 合 に は A 土 地 は 単 独 で 評 価 するのではなく B 土 地 と 合 わせて 評 価 するのが 妥 当 と 認 められる また 位 置 を 考 えた 場 合 には C 土 地 は 道 路 に 面 していない 土 地 となり 単 独 で 評 価 するのは 妥 当 でない と 認 められる このような 場 合 には その 形 状 地 積 の 大 小 位 置 等 からみて 全 体 を 一 団 の 土 地 として 評 価 する ことが 合 理 的 であると 認 められる(A B 及 びCを 一 の 評 価 単 位 として 評 価 する ) なお 全 体 を 一 団 の 土 地 として 評 価 する 場 合 において その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 な 場 合 で 評 基 通 24-4 に 定 める 広 大 地 に 該 当 する 場 合 には その 全 体 について 広 大 地 の 評 価 を 行 うことになる( 広 大 地 の 評 価 については 評 基 通 24-4(( 広 大 地 の 評 価 )を 参 照 ) 1

5 設 例 農 地 山 林 標 準 的 な 宅 地 の 規 模 道 路 事 例 の 場 合 には 農 地 と 山 林 を 地 目 別 に 評 価 したとしても その 形 状 地 積 の 大 小 位 置 等 か らみても 宅 地 の 効 用 を 果 たすと 認 められ 一 団 として 評 価 することに 合 理 性 が 認 められないから 原 則 どおり それぞれの 地 目 別 に 評 価 します 2 評 価 単 位 評 基 通 7-2( 評 価 単 位 ) 土 地 の 価 額 は 次 に 掲 げる 評 価 単 位 ごとに 評 価 することとし 土 地 の 上 に 存 する 権 利 につい ても 同 様 とする (1) 宅 地 宅 地 は 1 画 地 の 宅 地 ( 利 用 の 単 位 となっている1 区 画 の 宅 地 をいう 以 下 同 じ )を 評 価 単 位 とする ( 注 ) 贈 与 遺 産 分 割 等 による 宅 地 の 分 割 が 親 族 間 等 で 行 われた 場 合 において 例 えば 分 割 後 の 画 地 が 宅 地 として 通 常 の 用 途 に 供 することができないなど その 分 割 が 著 しく 不 合 理 で あると 認 められるとき( 不 合 理 分 割 )は その 分 割 前 の 画 地 を 1 画 地 の 宅 地 とする 1 画 地 の 宅 地 の 判 定 例 を 掲 げると 次 のとおりである 1 所 有 する 宅 地 を 自 ら 使 用 している 場 合 には 居 住 の 用 か 事 業 の 用 かにかかわらず その 全 体 を 一 画 地 の 宅 地 とする A B A 宅 地 B 宅 地 を 一 体 評 価 します 建 物 所 有 者 甲 ( 居 宅 ) 建 物 所 有 者 甲 ( 店 舗 ) 土 地 所 有 者 甲 2 所 有 する 宅 地 の 一 部 について 普 通 借 地 権 又 は 定 期 借 地 権 等 を 設 定 させ 他 の 部 分 を 自 己 が 使 用 している 場 合 には それぞれの 部 分 を1 画 地 の 宅 地 とする 一 部 を 貸 家 の 敷 地 他 の 部 分 を 自 己 が 使 用 している 場 合 にも 同 様 とする 2

6 A 建 物 所 有 者 甲 ( 居 宅 ) B 建 物 所 有 者 乙 A 宅 地 B 宅 地 をそれぞれ1 画 地 の 宅 地 として 評 価 しま す 土 地 所 有 者 甲 借 地 権 者 乙 3 所 有 する 宅 地 の 一 部 について 普 通 借 地 権 又 は 定 期 借 地 権 等 を 設 定 させ 他 の 部 分 を 貸 家 の 敷 地 の 用 に 供 している 場 合 には それぞれの 部 分 を1 画 地 の 宅 地 とする A B 建 物 所 有 者 甲 ( 貸 家 ) 建 物 所 有 者 乙 A 宅 地 B 宅 地 をそれぞれ1 画 地 として 評 価 します 土 地 所 有 者 甲 借 地 権 者 乙 4 普 通 借 地 権 又 は 定 期 借 地 権 等 の 目 的 となっている 宅 地 を 評 価 する 場 合 において 貸 付 先 が 複 数 であるときには 同 一 人 に 貸 し 付 けられている 部 分 ごとに1 画 地 の 宅 地 とする 5 貸 家 建 付 地 を 評 価 する 場 合 において 貸 家 が 敷 棟 あるときには 原 則 として 各 棟 の 敷 地 ご とに1 画 地 の 宅 地 とする 6 2 以 上 の 者 から 隣 接 している 土 地 を 借 りて これを 一 体 として 利 用 している 場 合 には その 借 主 の 普 通 借 地 権 又 は 定 期 借 地 権 等 の 評 価 に 当 たっては その 全 体 を1 画 地 として 評 価 する この 場 合 貸 主 側 の 貸 宅 地 の 評 価 に 当 たっては 各 貸 主 の 所 有 する 部 分 ごとに 区 分 して それ ぞれを1 画 地 の 宅 地 として 評 価 する 7 共 同 ビルの 敷 地 の 用 に 供 されている 宅 地 は その 全 体 を1 画 地 の 宅 地 として 評 価 する (2) 田 及 び 畑 ( 抜 粋 ) 田 及 び 畑 ( 以 下 農 地 という )は 1 枚 の 農 地 ( 耕 作 の 単 位 となっている1 区 画 の 農 地 を いう 以 下 同 じ )を 評 価 単 位 とする ただし 市 街 地 周 辺 農 地 市 街 地 農 地 生 産 緑 地 は それぞれを 利 用 の 単 位 となってい る 一 団 の 農 地 を 評 価 単 位 とする 耕 作 の 単 位 耕 作 の 単 位 とは 課 税 時 期 の 現 況 に 応 じて 田 又 は 畑 の 別 に かつ 畦 畝 等 により 区 分 された 農 作 物 の 育 成 単 位 をいいます 利 用 の 単 位 利 用 の 単 位 とは 一 体 として 利 用 される 範 囲 を 示 し 自 用 の 土 地 であれば 他 人 の 権 利 が 発 生 していることによる 制 約 がないことから その 全 体 が 一 体 として 利 用 されることになり それ 故 に 自 用 の 土 地 は その 全 体 を1 単 位 として 評 価 す るものとされている 3

7 畑 A 道 路 田 B 田 C 畑 D 田 E 道 路 市 街 地 農 地 等 の 評 価 単 位 市 街 地 農 地 等 は 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 を 評 価 単 位 としますが 具 体 的 には 次 のよ うに 判 定 します (1) 所 有 している 農 地 を 自 ら 使 用 している 場 合 には 耕 作 の 単 位 にかかわらず その 全 体 をその 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 とする (2) 所 有 している 農 地 を 自 ら 使 用 している 場 合 において その 一 部 が 生 産 緑 地 である 場 合 には 生 産 緑 地 とそれ 以 外 の 部 分 をそれぞれ 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 とする (3) 所 有 する 農 地 の 一 部 について 永 小 作 権 又 は 耕 作 権 を 設 定 させ 他 の 部 分 を 自 ら 使 用 してい る 場 合 には 永 小 作 権 又 は 耕 作 権 が 設 定 されている 部 分 と 自 ら 使 用 している 部 分 をそれぞれ 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 とする (4) 所 有 する 農 地 を 区 分 して 複 数 の 者 に 対 して 永 小 作 権 又 は 耕 作 権 を 設 定 させている 場 合 には 同 一 人 に 貸 し 付 けられている 部 分 ごとに 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 とする なお 市 街 地 山 林 及 び 市 街 地 原 野 の 評 価 単 位 についても 同 様 の 考 え 方 により 判 定 します ( 理 由 ) 市 街 地 農 地 等 の 価 額 は 宅 地 の 価 額 の 影 響 を 強 く 受 けることから 宅 地 比 準 方 式 により 評 価 すること としており これとの 整 合 性 を 図 るため 評 価 の 単 位 についても 宅 地 としての 効 用 を 果 たす 規 模 での 評 価 を 行 う 必 要 があります よって 市 街 地 農 地 等 については 1 枚 又 は1 筆 ごとといった 評 価 単 位 によらず 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 を 評 価 単 位 とします 利 用 の 単 位 とは 一 体 として 利 用 される 範 囲 を 指 します 自 用 の 土 地 であれば 他 人 の 権 利 による 制 約 がなく その 全 体 が 一 体 として 利 用 されるのでその 全 体 を 利 用 の 単 位 として 評 価 することとなり ます 一 方 他 人 の 権 利 の 存 する 土 地 で 貸 付 先 がそれぞれ 異 なっている 場 合 は 利 用 についてもそれ ぞれ 異 なっているので 同 一 人 に 貸 し 付 けられている 部 分 ごとに 利 用 の 単 位 とします なお 生 産 緑 地 は 農 地 等 として 管 理 しなければならないという 制 約 があることから 市 街 地 農 地 と 隣 接 しているような 場 合 であっても それぞれを 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 農 地 とします (24 年 版 大 蔵 財 協 土 地 評 価 の 実 務 ) 4

8 (3) 雑 種 地 雑 種 地 は 利 用 の 単 位 となっている 一 団 の 雑 種 地 ( 同 一 の 目 的 に 供 されている 雑 種 地 をいう )を 評 価 単 位 とする ただし 市 街 化 調 整 区 域 以 外 の 都 市 計 画 区 域 で 市 街 地 的 形 態 を 形 成 する 地 域 において 82(( 雑 種 地 の 評 価 ))の 本 文 の 定 めにより 評 価 する 宅 地 と 状 況 が 類 似 する 雑 種 地 が2 以 上 の 評 価 単 位 により 一 団 となっており その 形 状 地 積 の 大 小 位 置 等 からみてこれらを 一 団 として 評 価 することが 合 理 的 と 認 められる 場 合 には その 一 団 の 雑 種 地 ごとに 評 価 する 3 通 達 等 における 評 価 減 の 主 な 規 定 (1) 不 整 形 地 の 評 価 ( 評 基 通 20) (2) 無 道 路 地 の 評 価 ( 評 基 通 20-2) (3) 間 口 が 狭 小 な 宅 地 等 の 評 価 ( 評 基 通 20-3) (4)がけ 地 等 を 有 する 宅 地 の 評 価 ( 評 基 通 20-4) (5) 容 積 率 の 異 なる2 以 上 の 地 域 にわたる 宅 地 の 評 価 ( 評 基 通 20-5) (6) 私 道 の 用 に 供 されている 宅 地 の 評 価 ( 評 基 通 24) (7) 広 大 地 の 評 価 ( 評 基 通 24-4) (8)セットバックを 必 要 とする 宅 地 の 評 価 ( 評 基 通 24-6) (9) 都 市 計 画 道 路 予 定 地 の 区 域 内 にある 宅 地 の 評 価 ( 評 基 通 24-7) (10) 宅 地 への 転 用 が 認 められない 場 合 評 基 通 49( 市 街 地 山 林 の 評 価 )なお 書 き なお その 市 街 地 山 林 について 宅 地 への 転 用 が 見 込 めないと 認 められる 場 合 には その 山 林 の 価 額 は 近 隣 の 純 山 林 の 価 額 に 比 準 して 評 価 する (11) 著 しく 利 用 価 値 の 低 下 している 宅 地 の 評 価 庁 タックスアンサー 利 用 価 値 の 著 しく 低 下 している 宅 地 の 評 価 ]として 次 のようにその 利 用 価 値 が 付 近 にある 他 の 宅 地 の 利 用 状 況 からみて 著 しく 低 下 していると 認 められるものの 価 額 は 利 用 価 値 が 低 下 して いないものとして 評 価 した 価 額 から 利 用 価 値 が 低 下 していると 認 められる 部 分 の 面 積 に 対 応 する 価 額 に 10%を 乗 じて 計 算 した 金 額 を 控 除 して 評 価 することができるとしている 1 道 路 より 高 い 位 置 にある 宅 地 又 は 低 い 位 置 にある 宅 地 で その 付 近 にある 宅 地 に 比 し 著 しく 高 低 差 のあるもの 5

9 2 地 盤 に 甚 だしい 凹 凸 のあるもの 3 震 動 の 甚 だしい 宅 地 4 1から3までに 掲 げる 宅 地 以 外 の 宅 地 で 騒 音 日 照 障 害 ( 建 築 基 準 法 56 条 の2に 定 める 日 照 時 間 を 超 える 時 間 の 日 照 障 害 のあるものとする ) 臭 気 忌 み 等 により その 取 引 金 額 に 影 響 を 受 けると 認 められるもの 4 路 線 価 方 式 (1) 正 面 路 線 価 等 ( 事 例 1) 隅 切 りがある 場 合 の 間 口 距 離 が 問 題 となった 事 例 国 税 不 服 審 利 所 裁 決 平 ( 東 裁 ( 諸 ) 平 8 一 65( 棄 却 ) 非 公 開 裁 決 問 題 点 間 口 を 測 定 する 場 合 に 隅 切 りがある 場 合 には 隅 切 り 部 分 についてどのように 扱 うか 事 案 の 概 要 この 事 例 は 平 成 4 年 分 及 び 平 成 5 年 分 の 地 価 税 について 争 われたものである 対 象 となる 土 地 は 下 記 のとおりの 形 状 で A 路 線 とB 路 線 と A 路 線 に 平 行 する 裏 面 のC 路 線 の 三 方 に 接 し かつ A 路 線 とB 路 線 との 交 差 する 東 側 角 地 の 部 分 は 南 北 14.45m の 長 さに 隅 切 りされてお り 交 差 路 を 形 成 する 部 分 の 三 角 地 が 欠 如 した 不 整 形 地 である このような 隅 切 りがある 場 合 の 間 口 距 離 について 請 求 人 主 張 のa b cとするのか 原 処 分 庁 主 張 のd e fとするのかが 争 われた 事 例 であり 審 判 所 は 原 処 分 庁 主 張 を 採 用 したものである 審 判 所 の 判 断 道 路 法 都 市 計 画 法 では 道 路 が 同 一 平 面 で 交 差 又 は 接 続 する 場 合 には 自 動 車 歩 行 者 自 転 車 等 の 安 全 かつ 円 滑 な 通 行 を 確 保 するとともに 快 適 な 道 路 空 間 を 形 成 するため 隅 切 りを 設 けることと 6

10 されており その 隅 切 りの 大 きさは 交 差 する 道 路 の 幅 員 の 長 短 を 主 要 因 として 様 々な 観 点 から 総 合 的 に 検 討 し 決 定 される 請 求 人 は A 路 線 B 路 線 及 びC 路 線 に 面 する 本 件 宅 地 の 間 口 距 離 は その 各 路 線 に 付 された 路 線 価 の 矢 印 の 表 示 に 沿 った 実 測 間 口 距 離 である 国 のa b 及 びcによるべきである 旨 主 張 するので 以 下 検 討 する 通 常 整 形 地 の 場 合 の 間 口 距 離 は 間 口 の 両 端 の 直 線 距 離 と 解 されており この 場 合 の 間 口 距 離 は 請 求 人 の 主 張 する 実 測 間 口 距 離 と 一 致 することとなる しかしながら 隅 切 り 部 分 がある 宅 地 や 不 整 形 地 部 分 のある 宅 地 の 場 合 の 間 口 距 離 を 実 測 間 口 距 離 とすると 想 定 整 形 地 の 間 口 距 離 を 上 回 る 間 口 距 離 となり その 結 果 想 定 整 形 地 の 場 合 の 奥 行 価 格 補 正 後 の 価 額 がこのような 不 整 形 地 の 奥 行 価 格 補 正 後 の 価 額 より 安 くなり 実 情 にそぐわないことと なるので このような 不 整 形 地 について 請 求 人 の 主 張 する 実 測 間 口 距 離 を 採 用 することはできない そうすると 隅 切 りのある 土 地 の 間 口 については 隅 切 りがない 整 形 地 とした 場 合 の 土 地 の 道 路 に 面 している 部 分 の 直 線 距 離 とし 不 整 形 地 の 場 合 の 間 口 については 道 路 に 面 している 部 分 からの 垂 直 の 直 線 距 離 とすることが 合 理 的 と 認 められる したがって A 路 線 B 路 線 及 びC 路 線 に 係 る 本 件 宅 地 の 間 口 距 離 は 図 のd e 及 びfとするのが 相 当 である なお 路 線 価 に 付 されている 路 線 価 の 矢 印 の 表 示 は 単 に 路 線 価 の 適 用 される 範 囲 を 定 めているに すぎないものであるから その 矢 印 の 表 示 にしたがって 間 口 距 離 を 測 定 するのは 相 当 でない 請 求 人 は 隅 切 りとは 本 来 土 地 の 所 有 者 等 が 通 行 人 の 危 険 防 止 及 び 利 便 等 のために 最 少 限 度 削 除 した 部 分 をいい 財 産 評 価 基 本 通 達 の 適 用 において 隅 切 り 部 分 を 無 視 し 得 るのは 評 価 の 減 額 の 要 因 に 当 たらない 程 度 の 僅 少 な 場 合 であって 本 件 宅 地 のような 形 状 の 場 合 には 隅 切 りには 当 たらない 旨 主 張 するが 隅 切 りは 道 路 法 都 市 計 画 法 の 規 定 によって 設 置 され その 隅 切 り 部 分 の 大 小 は 交 差 する 道 路 の 幅 員 の 長 短 を 主 要 因 等 として 決 定 されるものであるから 削 減 された 部 分 の 大 小 によって 隅 切 りであるかどうかを 判 断 することはできない したがって 隅 切 り 部 分 の 大 小 によって 間 口 距 離 が 変 わることはなく また 奥 行 距 離 も 変 わることはない (2) 側 方 加 算 等 16( 側 方 路 線 影 響 加 算 ) 正 面 と 側 方 に 路 線 がある 宅 地 ( 以 下 角 地 という )の 価 額 は 次 の(1) 及 び(2)に 掲 げる 価 額 の 合 計 額 にその 宅 他 の 地 積 を 乗 じて 計 算 した 価 額 によって 評 価 する (1) 正 面 路 線 ( 原 則 として 前 項 の 定 めにより 計 算 した1 平 方 メートル 当 たりの 価 額 の 高 い 方 の 路 線 を いう 以 下 同 じ )の 路 線 価 に 基 づき 計 算 した 価 額 (2) 側 方 路 線 ( 正 面 路 線 以 外 の 路 線 をいう )の 路 線 価 を 正 面 路 線 の 路 線 価 とみなしその 路 線 価 に 基 づ き 計 算 した 価 額 に 付 表 2 側 方 路 線 影 響 加 算 率 表 ]に 定 める 加 算 率 を 乗 じて 計 算 した 価 額 角 地 は 正 面 と 側 面 に 異 なる2 系 統 の 路 線 ( 街 路 )があるため 利 用 間 口 が 大 きくなって 出 入 りの 便 がよくなるほか 採 光 通 風 にも 有 利 になるため 側 方 路 線 の 影 響 を 受 け 正 面 路 線 だけに 接 する 画 地 (その 一 方 だけが 街 路 に 接 している 画 地 )よりも 価 額 が 高 くなる 7

11 このような 角 地 であるがゆえの 有 利 さのうち 通 風 採 光 に 好 都 合 という 点 は 宅 地 をどのように 利 用 する 場 合 であっても 必 ずプラスの 要 素 となるが 出 入 の 便 がよくなるという 点 については ビル 街 地 区 や 高 度 商 業 地 区 では 異 なる 系 統 の 路 線 ( 街 路 )における 人 の 流 れを 容 易 に 吸 収 することができる という 大 きな 寄 与 を 受 けるが 閑 静 を 必 要 とする 住 宅 地 では 必 ずしも 大 きなプラスの 要 素 となるも のではない したがって 側 方 路 線 影 響 加 算 率 は その 宅 地 がどのような 地 区 に 存 在 しているかによ って 異 にすることになるのである ( 平 成 25 年 版 財 産 評 価 基 本 通 達 逐 条 解 説 参 照 ) 実 質 的 に 裏 面 路 線 を 有 することによる 効 用 が 認 められない 場 合 の 二 方 路 線 影 響 加 算 率 の 適 用 の 有 無 質 疑 評 価 対 象 地 は 平 面 的 に 見 た 場 合 には 下 記 図 1のとおりの 二 方 に 路 線 を 有 する 宅 地 ですが 当 該 宅 地 が 急 傾 斜 地 ( 山 林 を 造 成 して 開 発 )に 存 するため その 立 面 図 は 図 2のとおりとなり 評 価 対 象 地 に 係 るB 路 線 は 評 価 対 象 地 との 高 度 差 ( 約 10m)から 実 質 的 に 利 用 することは 不 可 能 な 状 況 にあると 認 められます このような 状 況 において 評 価 対 象 地 の 評 価 に 際 して B 路 線 をどのように 取 り 扱 うことにな りますか 応 答 課 税 対 象 地 に 係 るB 路 線 は 質 疑 の 状 況 ( 評 価 対 象 地 との 高 度 差 が 約 10m 位 あること)から 判 断 して 評 価 対 象 地 に 対 して 裏 面 路 線 が 存 することによる 効 用 を 付 与 しているとは 認 め 難 い ものと 考 えられます したがって 質 疑 の 事 例 の 評 価 対 象 地 については A 路 線 のみをもって 評 価 ( 一 方 路 線 で 評 価 ) し B 路 線 に 係 る 二 方 路 線 影 響 加 算 率 の 計 算 を 適 用 しなくても 差 し 支 えないものと 考 えられま す ( 笹 岡 宏 保 著 財 産 評 価 の 実 務 清 文 社 参 照 ) 8

12 ( 事 例 2) 道 路 より1m 高 い 場 合 の 側 方 加 算 仙 裁 ( 諸 ) 平 14 第 14 号 平 成 14 年 12 月 18 日 裁 決 情 報 公 開 問 題 点 側 方 加 算 する 場 合 において 評 価 対 象 土 地 が 側 方 道 路 面 より 高 い 場 合 にも 加 算 すべきか どうかが 争 われた 事 案 である 事 案 の 概 要 本 件 は 審 査 請 求 人 が 相 続 により 取 得 した 土 地 の 評 価 に 当 たり 道 路 面 から1mの 高 低 差 のある 東 側 路 線 の 側 方 路 線 の 影 響 を 加 味 すべきか 否 かを 争 点 とする 事 案 である 請 求 人 は 利 便 性 の 面 で 寄 与 しないから 加 算 すべきでないと 主 張 審 判 所 は 道 路 に 接 することに より 接 しない 土 地 よりも 価 値 が 増 すとして 加 算 をすべきと 判 断 した 事 実 関 係 本 件 土 地 は 評 価 基 本 通 達 14-2 地 区 に 定 める 普 通 住 宅 地 区 に 属 し その 形 状 は 上 記 図 の とおり 三 方 の 路 線 に 接 し そのうち 北 側 路 線 は 西 端 から 東 端 まで 下 り 坂 で 道 路 面 との 高 低 差 はそ の 西 端 では 認 められないが 東 端 では 約 93cm 高 くなっている また 本 件 土 地 は 西 側 路 線 では 道 路 面 と 高 低 差 はないが 東 側 路 線 では 道 路 面 より 約 1m 高 く なっていること 審 判 所 の 判 断 二 方 以 上 の 路 線 に 接 する 宅 地 は 一 方 のみの 路 線 に 接 する 宅 地 よりも 採 光 通 風 及 び 人 等 の 流 れ など 地 勢 的 な 有 利 性 のほかに 宅 地 として 使 用 する 上 で 道 路 に 接 面 することは 建 物 の 建 築 規 制 上 高 い 有 用 性 が 認 められるため 評 価 基 本 通 達 16 ないし 18 は 宅 地 の 評 価 に 当 たりその 影 響 を 加 算 する 旨 定 めている 請 求 人 らは 東 側 路 線 において 本 件 土 地 と 道 路 面 とは1m 以 上 の 段 差 があり かつ 現 実 に 利 用 しておらず 利 便 性 の 面 で 何 ら 寄 与 していないから 東 側 路 線 の 影 響 を 加 算 すべきではない 旨 主 張 する しかしながら 本 件 土 地 は 東 側 路 線 の 道 路 面 より 約 1m 高 くなっていることは 認 められるが 東 側 路 線 は 道 路 として 使 用 されており 東 側 路 線 に 接 面 しない 本 件 土 地 と 同 様 な 画 地 を 想 定 し こ 9

13 れと 本 件 土 地 とを 比 較 する 場 合 には 土 地 の 価 格 形 成 に 与 える 個 別 的 要 因 は 明 らかに 本 件 土 地 の 方 が 勝 るものと 認 められ 接 面 する 東 側 路 線 が 本 件 土 地 の 価 額 に 与 える 影 響 は それを 無 視 しうるほ どに 著 しく 低 いものと 認 めることはできない (3) 宅 地 造 成 費 等 平 成 25 年 分 愛 知 県 の 宅 地 造 成 費 ( 問 題 点 ) 1 無 道 路 地 の 場 合 の 擁 壁 は 2 造 成 が 完 了 している 場 合 の 擁 壁 は 構 築 物 か (4) 間 口 が 狭 小 な 宅 地 等 の 評 価 20-2( 無 道 路 地 の 評 価 ) 無 道 路 地 の 価 額 は 実 際 に 利 用 している 路 線 の 路 線 価 に 基 づき 20( 不 整 形 他 の 評 価 )の 定 めによって 計 算 した 価 額 からその 価 額 の 100 分 の 40 の 範 囲 内 において 相 当 と 認 める 全 額 を 控 除 した 価 額 によっ て 評 価 する この 場 合 において 100 分 の 40 の 範 囲 内 において 相 当 と 認 める 金 額 は 無 道 路 地 について 建 築 基 準 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 201 号 )その 他 の 法 令 において 規 定 されている 建 築 物 を 建 築 するために 必 要 な 道 路 に 接 すべき 最 小 限 の 間 口 距 離 の 要 件 ( 以 下 接 道 義 務 という )に 基 づき 最 小 限 度 の 通 路 を 開 設 する 場 合 のその 通 路 に 相 当 する 部 分 の 価 額 ( 路 線 価 に 地 積 を 乗 じた 価 額 )とする 1 敷 地 と 道 路 の 関 係 ( 愛 知 県 建 築 基 準 条 例 6 条 ) 建 築 物 の 敷 地 は 道 路 に2m 以 上 接 し ていないと 建 築 できません 敷 地 の 一 部 が 路 地 状 になって 道 路 に 接 している 場 合 には その 路 地 状 部 分 の 長 さによって 次 に 示 すよ うな 幅 が 必 要 です ( ) 内 は 共 同 住 宅 等 の 特 殊 建 築 物 で 延 べ 面 積 が 200 m2を 超 える 場 合 です 10

14 ( 事 例 3) 接 道 義 務 を 満 たさない 土 地 の 評 価 東 京 地 裁 平 成 10 年 ( 行 ウ) 第 26 号 平 成 12 年 2 月 16 日 判 決 ( 棄 却 原 告 控 訴 ) ( 税 資 246 号 579 頁 ) 東 京 高 裁 平 成 12 年 ( 行 コ) 第 108 号 平 成 13 年 12 月 6 日 判 決 ( 原 判 決 取 り 消 し 確 定 ) 問 題 点 接 道 義 務 を 満 たさない 土 地 の 評 価 に 当 たり 新 築 ができないことの 斟 酌 を 不 整 形 地 補 正 の 範 囲 内 において 接 道 義 務 を 充 足 するために 必 要 な 土 地 ( 不 足 土 地 )に 相 当 する 価 額 を 控 除 して 行 うことが 合 理 的 かどうかが 争 われた 事 案 である 事 案 の 概 要 接 道 義 務 を 充 足 しないために 建 物 の 新 築 ができない 土 地 の 価 額 の 評 価 に 当 たり 新 築 ができない ことの 斟 酌 を 不 整 形 地 補 正 の 範 囲 内 において 接 道 義 務 を 充 足 するために 必 要 な 土 地 ( 不 足 土 地 ) に 相 当 する 価 額 を 控 除 して 行 った 課 税 庁 の 評 価 方 法 が 第 1 審 では 不 合 理 であるとは 認 められない とされたが その 後 控 訴 審 において 裁 判 所 の 鑑 定 価 額 が 原 処 分 庁 の 価 額 を 下 回 ったとして 原 判 決 が 取 り 消 された 事 例 である 本 件 土 地 の 状 況 本 件 土 地 は 南 北 に 延 びる 幅 員 約 5.7mの 舗 装 区 道 の 東 側 に 位 置 し 間 口 約 2.1m 奥 行 き 約 17mの 路 地 状 部 分 を 有 する 袋 地 状 の 画 地 である 有 効 宅 地 部 分 の 形 状 は 路 地 状 部 分 に 接 続 する 部 分 ( 北 側 )の 奥 行 きが 約 33m 反 対 側 ( 南 側 )が 約 31m 幅 約 18mのほぼ 台 形 の 画 地 であり 地 積 は 平 方 メートルであって 亡 武 治 の 持 分 は10 分 の9であった 11

15 本 件 土 地 の 存 する 地 域 は 第 2 種 住 居 専 用 地 域 で 建 ぺい 率 は60% 容 積 率 は300%で あり 本 件 相 続 開 始 日 現 在 の 利 用 状 況 は 木 造 2 階 建 居 宅 の 敷 地 として 利 用 されていた また 本 件 宅 地 は 路 地 状 部 分 の 長 さが 約 17mであるにもかかわらず その 幅 員 が 約 2. 1mしかないため 本 件 相 続 開 始 日 現 在 は 東 京 都 建 築 安 全 条 例 3 条 の 定 める 接 道 義 務 を 満 たし ておらず そのままでは その 地 上 に 建 物 を 新 築 することができない 土 地 であり 右 接 道 義 務 を 充 足 するためには 路 地 状 部 分 の 幅 員 が3m 以 上 必 要 であった 原 告 の 主 張 建 築 基 準 法 43 条 1 項 東 京 都 建 築 安 全 条 例 3 条 等 は 間 口 が2m 未 満 の 土 地 上 における 建 物 の 建 築 を 禁 止 している その 結 果 合 法 的 に 建 物 を 建 築 することのできない 間 口 2m 未 満 の 土 地 の 経 済 的 価 値 は 当 然 に 大 きく 下 落 する 実 際 取 引 市 場 では 同 じく 間 口 が 狭 い 土 地 であっても 間 口 が2m 確 保 されていない 土 地 はそうでない 土 地 の 取 引 価 格 の 半 値 ほどであり 大 きな 差 があ る それにもかかわらず 評 価 通 達 においては 間 口 が2mしかない 土 地 が 一 般 の 整 形 地 に 比 べて わずか1 割 程 度 しか 減 額 されていない 間 口 が2m 未 満 の 土 地 は きわめて 多 数 存 在 しているにもかかわらずこのように 接 道 義 務 の 考 慮 が 欠 落 している 右 の 間 口 狭 小 補 正 に 関 する 規 定 は 合 理 性 を 欠 いている 被 告 税 務 署 長 の 主 張 評 価 通 達 が 法 令 の 規 定 によって 建 物 の 新 築 ができないという 行 政 的 条 件 についても 不 整 形 地 補 正 でその 斟 酌 を 行 うこととし 間 口 距 離 及 び 路 地 状 部 分 の 長 さを 考 慮 しながら 無 道 路 地 の 評 価 に 準 じて 不 足 土 地 に 相 当 する 評 価 額 を 控 除 することとしていることは 合 理 的 であるとともに 課 税 の 公 平 を 確 保 するために 画 一 的 な 評 価 方 法 として 妥 当 である 裁 判 所 ( 原 審 )の 判 断 間 口 4m 未 満 の 土 地 については 土 地 の 地 積 形 状 奥 行 き 距 離 等 によって 間 口 の 狭 小 で あることによる 利 用 効 率 の 低 下 の 程 度 が 相 当 に 異 なり 一 定 の 基 準 を 設 けることが 困 難 であるこ と 法 令 上 接 道 義 務 を 充 足 しないためにそのままでは 建 物 の 新 築 ができないことによる 土 地 の 評 価 の 低 下 は 本 件 相 続 土 地 については 不 足 土 地 に 相 当 する 評 価 額 の 当 該 土 地 の 評 価 からの 控 除 によって 別 途 に 斟 酌 されていることからすれば 間 口 4m 未 満 の 土 地 を 一 律 に 評 価 することと する 間 口 狭 小 補 正 の 規 定 によって 本 件 相 続 土 地 を 評 価 したとしても 不 合 理 であるとは 解 されな い また 右 のような 接 道 義 務 を 充 足 しないためにそのままでは 建 物 の 新 築 ができないことによる 土 地 の 評 価 の 低 下 は 本 件 相 続 土 地 については 別 途 に 斟 酌 されていることからも 勘 案 すれば 間 口 の 狭 小 による 宅 地 の 利 用 効 率 の 低 下 割 合 が 右 規 定 の 定 める 低 下 割 合 を 超 えるものであるこ とを 認 めるに 足 る 確 たる 証 拠 もない 本 件 においては 間 口 の 狭 小 による 評 価 減 が1 割 にとどまる ことが 不 合 理 であるとも 認 め 難 い 12

16 控 訴 審 判 決 東 京 高 裁 平 成 12 年 ( 行 コ) 第 108 号 平 成 13 年 12 月 6 日 判 決 原 判 決 を 取 り 消 す 当 審 における 鑑 定 人 B の 鑑 定 ( 以 下 当 審 鑑 定 という )の 結 果 によれば 相 続 開 始 の 日 であ る 平 成 5 年 2 月 2 日 時 点 における 本 件 土 地 の 時 価 は 4 億 1300 万 円 と 評 価 している その 評 価 の 概 要 は 次 のとおりである (1) 当 審 鑑 定 における 評 価 は まず 取 引 事 例 比 較 法 を 採 用 して 近 隣 地 域 及 び 同 一 需 給 圏 内 の 類 似 地 域 から 価 格 時 点 である 平 成 5 年 2 月 2 日 に 近 い 時 点 での 取 引 事 例 を 収 集, 選 択 し 平 成 4 年 5 月 から 平 成 5 年 2 月 までの 間 に 取 引 された 新 宿 区 内 の 具 体 的 な 4 件 の 取 引 事 例 の 土 地 価 格 について 個 別 的 要 因 に 基 づく 標 準 化 補 正 を 施 し 本 件 土 地 との 地 域 要 因 の 比 較 を 行 って 1 m2 当 たり 162 万 円 から 171 万 円 の 試 算 値 を 得 この 試 算 値 のほぼ 中 庸 値 である 1 m2 当 たり 168 万 円 を 標 準 的 な 画 地 の 比 準 価 格 と 査 定 した 上 記 標 準 化 補 正 の 過 程 では 街 路 条 件 交 通 接 近 条 件 環 境 条 件 行 政 的 条 件 画 地 条 件 ( 間 口 の 狭 小 規 模 等 による 補 正 )がそれぞれ 考 慮 されており また 地 域 格 差 による 修 正 に 際 しても 同 様 の 考 慮 が 払 わ れている (2)また 地 価 公 示 価 格 を 規 準 として 同 様 の 補 正 を 加 え 標 準 画 地 の 価 格 を 1 m2 当 たり 150 万 円 とした (3) そして 現 実 の 取 引 価 格 を 基 礎 として 実 証 的 に 導 かれた 取 引 事 例 比 較 法 による 価 格 を 重 視 して これと 地 価 公 示 価 格 とをほぼ 7 対 3 で 加 重 平 均 し 近 隣 地 域 における 標 準 的 画 地 の 更 地 価 格 を 1 m2 当 たり 163 万 円 とした (4) さらに, 本 件 土 地 の 個 別 的 要 因 について 本 件 土 地 が 公 道 から 幅 員 約 2.15m 長 さ 約 17m の 専 用 通 路 を 経 由 して 有 効 宅 地 部 分 に 接 続 する 路 地 状 敷 地 であること 及 び 敷 地 が 隣 接 画 地 に 比 し m2と 過 大 であることから まず 土 地 価 格 比 準 表 等 に 基 づき 路 地 状 敷 地 で あることによる 減 価 率 17% 再 建 築 不 可 による 減 価 率 23% 地 積 過 大 による 減 価 率 10% として これらによる 減 価 率 総 乗 積 42%を 算 出 し 他 方 取 引 事 例 分 析 土 地 残 余 法 によ る 効 用 格 差 分 析 等 に 基 づき 路 地 状 敷 地 であることによる 減 価 率 につき 取 引 事 例 分 析 に よる 35%と 収 益 価 格 比 較 による 32%とを 関 連 づけて 34%とし 再 建 築 不 可 による 減 価 率 につき 35%とし 地 積 過 大 による 減 価 率 につき 15%として これらによる 減 価 率 総 乗 積 64%を 算 出 し これらを 総 合 して 最 終 的 に 路 地 状 敷 地 による 減 価 率 30% 再 建 築 不 可 による 減 価 率 30% 地 積 過 大 による 減 価 率 15%として 総 合 減 価 率 を 58%として 本 件 土 地 の 1 m2 当 たりの 更 地 価 格 を 68 万 5000 円 とし これに 地 積 m2を 乗 じて 本 件 土 地 の 時 価 を 4 億 1300 万 円 と 評 価 した 弁 論 の 全 趣 旨 によれば 本 件 土 地 の 評 価 上 の 特 性 としては 路 地 状 敷 地 であること 再 建 築 が 不 可 能 なこと 規 模 が 大 きいことであるところ 当 審 鑑 定 は これら 一 般 的 基 準 に 13

17 はなじみにくい 特 性 を 含 む 本 件 土 地 の 評 価 にあたり その 個 別 的 要 因, 特 殊 性 を 十 分 考 慮 して 土 地 価 格 比 準 表 等 に 基 づく 個 別 格 差 率 だけでなく 路 地 状 敷 地 の 取 引 事 例 分 析 土 地 残 余 法 による 効 用 格 差 分 析 に 基 づく 検 討 も 加 えており 適 正 な 鑑 定 方 法 と 評 価 すること ができる よって 本 件 土 地 の 相 続 時 点 での 時 価 は 当 審 鑑 定 に 基 づき 4 億 1300 万 円 であ ると 認 めるのが 相 当 である 5 広 大 地 評 価 24-4( 広 大 地 の 評 価 ) その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 し く 地 積 が 広 大 な 宅 地 で 都 市 計 画 法 第 4 条 ( 定 義 ) 第 12 項 に 規 定 する 開 発 行 為 ( 以 下 本 項 において 開 発 行 為 という )を 行 うとした 場 合 に 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 と 認 め ら れ る も の (22-2( 大 規 模 工 場 用 地 に 定 める 大 規 模 工 場 用 地 に 該 当 するもの 及 び 中 高 層 の 集 合 住 宅 等 の 敷 地 用 地 に 適 し て い る も の (その 宅 地 について 経 済 的 に 最 も 合 理 的 であると 認 められる 開 発 行 為 が 中 高 層 の 集 合 住 宅 等 を 建 築 することを 目 的 とするものであると 認 められ るものをいう )を 除 く 以 下 広 大 地 という )の 価 額 は 原 則 として 次 に 掲 げる 区 分 に 従 い それぞれ 次 により 計 算 した 金 額 によって 評 価 する 広 大 地 とは その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 な 宅 地 で 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 に 道 路 や 公 園 等 の 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 と 認 められる 宅 地 をいう した がって 例 えば 既 に 開 発 行 為 を 了 しているマンションなどの 敷 地 用 地 や 現 に 宅 地 として 有 効 利 用 さ れている 建 築 物 の 敷 地 用 地 などについては 既 に 開 発 を 了 していることから 標 準 的 な 地 積 に 比 して 著 しく 広 大 であっても 本 項 の 広 大 地 には 該 当 しない 広 大 地 評 価 に 関 する 情 報 平 成 16 年 6 月 29 日 付 資 産 評 価 企 画 官 情 報 第 2 号 平 成 17 年 6 月 17 日 付 資 産 評 価 企 画 官 情 報 第 1 号 (1) その 地 域 について 広 大 地 とは その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 な 宅 地 で 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 に 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 と 認 められるもの をいいます この 場 合 の その 地 域 とは 原 則 として 評 価 対 象 地 周 辺 の 1 河 川 や 山 などの 自 然 的 状 況 2 土 地 の 利 用 状 況 の 連 続 性 や 地 域 の 一 体 性 を 分 断 する 道 路 鉄 道 及 び 公 園 などの 状 況 3 行 政 区 域 4 都 市 計 画 法 による 土 地 利 用 の 規 制 等 の 公 法 上 の 規 制 など 土 地 利 用 上 の 利 便 性 や 利 用 形 態 に 影 14

18 響 を 及 ぼすもの などを 総 合 勘 案 し 利 用 状 況 環 境 等 が 概 ね 同 一 と 認 められる 住 宅 商 業 工 業 など 特 定 の 用 途 に 供 されることを 中 心 としたひとまとまりの 地 域 を 指 すものをいいます ( 注 ) 固 定 資 産 税 評 価 における 状 況 類 似 図 ( 財 団 法 人 資 産 評 価 システム 研 究 センタ- 全 国 地 価 マ ップ で 閲 覧 できる 市 町 村 もあります ) (2) 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 について 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 は 評 価 対 象 地 の 付 近 で 状 況 の 類 似 する 地 価 公 示 の 標 準 地 ( 注 1) 又 は 都 道 府 県 地 価 調 査 の 基 準 地 ( 注 2)の 地 積 評 価 対 象 地 の 付 近 の 標 準 的 使 用 に 基 づく 宅 地 の 平 均 的 な 地 積 などを 総 合 勘 案 して 判 断 します なお 標 準 的 使 用 とは その 地 域 で 一 般 的 な 宅 地 の 使 用 方 法 をいいます ( 注 1) 国 土 交 通 省 から 年 1 回 (3 月 中 旬 ) 地 価 公 示 される 地 点 のことをいいます 地 価 公 示 価 格 は その 年 の1 月 1 日 現 在 での 価 格 です ( 注 2) 各 都 道 府 県 が 地 価 公 示 する 地 点 のことをいいます なお 公 示 される 価 格 はその 年 の7 月 1 日 現 在 での 価 格 となります ( 注 3) 地 価 公 示 の 標 準 地 都 道 府 県 地 価 調 査 の 基 準 地 は 国 土 交 通 省 土 地 情 報 総 合 システム で 検 索 できます ( 広 大 地 に 該 当 する 条 件 の 例 示 ) 普 通 住 宅 地 区 等 に 所 在 する 土 地 で 各 自 治 体 が 定 める 開 発 許 可 を 要 する 面 積 基 準 以 上 のもの ( 面 積 基 準 ) 原 則 として 次 に 掲 げる 面 積 以 上 の 宅 地 については 面 積 基 準 の 要 件 を 満 たすものとする 1 市 街 化 区 域 非 線 引 き 都 市 計 画 区 域 (2に 該 当 するものを 除 く ) 都 市 計 画 法 施 行 令 第 19 条 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 面 積 ( ) 1 市 街 化 区 域 三 大 都 市 圈 500 m2 それ 以 外 の 地 域 1,000m2 2 非 線 引 き 都 市 計 画 区 域 3,000 m2 2 用 途 地 域 が 定 められている 非 線 引 き 都 市 計 画 区 域 市 街 化 区 域 に 準 じた 面 積 ただし 近 隣 の 地 域 の 状 況 から 地 域 の 標 準 的 な 土 地 の 規 模 が 上 記 面 積 以 上 である 場 合 について は 当 該 地 域 の 標 準 的 な 土 地 の 面 積 を 超 える 面 積 のものとする ( 注 ) 非 線 引 き 都 市 計 画 区 域 とは 市 街 化 区 域 と 市 街 化 調 整 区 域 の 区 域 区 分 が 行 われていない 都 市 計 画 区 域 をいう ( 広 大 地 に 該 当 しない 条 件 の 例 示 ) イ 既 に 開 発 を 了 しているマンション ビル 等 の 敷 地 用 地 15

19 ロ 現 に 宅 地 として 有 効 利 用 されている 建 築 物 等 の 敷 地 ( 例 えば 大 規 模 店 舗 ファミリーレストラン 等 ) ( 注 ) 大 規 模 店 舗 ファミリーレストラン 等 は 比 較 的 規 模 の 大 きい 土 地 の 有 効 利 用 の 一 形 態 である 大 規 模 店 舗 等 の 敷 地 がその 地 域 において 有 効 利 用 されているといえるかどうか 言 い 換 えれば そ れらの 敷 地 がその 地 域 の 土 地 の 標 準 的 使 用 といえるかどうかで 広 大 地 に 該 当 するか 否 かを 判 定 する ということであり いわゆる 郊 外 路 線 商 業 地 域 ( 都 市 の 郊 外 の 幹 線 道 路 ( 国 道 都 道 府 県 道 等 ) 沿 いにおいて 店 舗 営 業 所 等 が 連 たんしているような 地 域 )に 存 する 大 規 模 店 舗 等 の 敷 地 が こ れに 該 当 する 一 方 例 えば 戸 建 住 宅 が 連 たんする 住 宅 街 に 存 する 大 規 模 店 舗 やファミリーレストラン ゴル フ 練 習 場 等 は その 地 域 の 標 準 的 使 用 とはいえないことから これには 該 当 しない ハ 原 則 として 容 積 率 300% 以 上 の 地 域 に 所 在 する 土 地 ニ 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 がほとんど 生 じないと 認 められる 土 地 広 大 地 の 評 価 は 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 した 場 合 に 相 当 規 模 の 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 生 ずる 土 地 を 前 提 としていることから 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 の 必 要 性 は 経 済 的 に 最 も 合 理 的 に 戸 建 住 宅 の 分 譲 を 行 った 場 合 の 当 該 開 発 区 域 内 に 開 設 される 道 路 の 開 設 の 必 要 性 により 判 断 することが 相 当 である なお ごみ 集 積 所 などの 小 規 模 な 施 設 のみの 開 設 が 必 要 な 土 地 は 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 がほとんど 生 じないと 認 められる 土 地 に 該 当 するため 広 大 地 に 該 当 しない また 例 えば 建 築 基 準 法 第 42 条 第 2 項 の 規 定 によるセットバックを 必 要 とする 場 合 の 当 該 土 地 部 分 や セットバックを 必 要 とする 土 地 ではないが 開 発 を 行 う 場 合 に 道 路 敷 きを 提 供 しなければなら ない 土 地 部 分 については 開 発 区 域 内 の 道 路 開 設 に 当 たらないことから 広 大 地 に 該 当 しない 路 地 状 開 発 を 行 うことが 合 理 的 と 認 められる 場 合 ( 路 地 状 開 発 とは 路 地 状 部 分 を 有 する 宅 地 を 組 み 合 わせ 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 することを いいます ) なお 路 地 状 開 発 を 行 うことが 合 理 的 と 認 められる かどうかは 次 の 事 項 などを 総 合 的 に 勘 案 し て 判 断 します 16

20 1 路 地 状 部 分 を 有 する 画 地 を 設 けることによって 評 価 対 象 地 の 存 する 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 分 割 できること 2 その 開 発 が 都 市 計 画 法 建 築 基 準 法 都 道 府 県 等 の 条 例 等 の 法 令 に 反 しないこと 3 容 積 率 及 び 建 ぺい 率 の 計 算 上 有 利 であること 4 評 価 対 象 地 の 存 する 地 域 において 路 地 状 開 発 による 戸 建 住 宅 の 分 譲 が 一 般 的 に 行 われているこ と ( 国 税 庁 ホームページより) (3)マンション 適 地 の 判 定 課 税 時 期 においてマンション 等 の 敷 地 とはなっていない 土 地 を 評 価 する 場 合 において その 土 地 が マンション 等 の 敷 地 として 使 用 するのが 最 有 効 使 用 と 認 められるか 否 かの 判 定 については その 土 地 の 周 辺 地 域 の 標 準 的 使 用 の 状 況 を 参 考 とすべきこととなる しかし 戸 建 住 宅 とマンション 等 が 混 在 する 地 域 ( 主 に 容 積 率 200%の 地 域 )は 最 有 効 使 用 の 判 定 が 困 難 な 場 合 もあることから このような 場 合 には 周 囲 の 土 地 の 状 況 や 専 門 家 の 意 見 から 判 断 し て 明 らかにマンション 等 の 敷 地 に 適 していると 認 められる 土 地 を 除 き 広 大 地 に 該 当 する 一 方 容 積 率 が 300% 以 上 の 地 域 内 にあり かつ 開 発 面 積 基 準 以 上 の 土 地 は 戸 建 住 宅 の 敷 地 用 地 として 利 用 するよりもマンション 敷 地 として 利 用 する 方 が 最 有 効 使 用 と 判 定 される 場 合 が 多 いこと から 原 則 として 広 大 地 に 該 当 しないこととなる 地 域 によっては 容 積 率 が 300% 以 上 でありながら 戸 建 住 宅 が 多 く 存 在 する 地 域 もあるが この ような 地 域 は 都 市 計 画 で 定 めた 容 積 率 を 十 分 に 活 用 しておらず 1 将 来 的 に 戸 建 住 宅 を 取 り 壊 したと すれば マンション 等 が 建 築 されるものと 認 められる 地 域 か あるいは 2 何 らかの 事 情 ( 例 えば 道 路 の 幅 員 )により 都 市 計 画 法 で 定 めた 容 積 率 を 活 用 することができない 地 域 であると 考 えられる し たがって 2のような 例 外 的 な 場 合 を 除 き 容 積 率 が 300% 以 上 の 地 域 内 か 否 かにより 判 定 すること が 相 当 と 考 えられる ( 注 ) 中 高 層 には 原 則 として 地 上 階 数 3 以 上 のものが 該 当 します また 集 合 住 宅 等 には 分 譲 マンションのほか 賃 貸 マンション 等 も 含 まれます ( 国 税 庁 タックスアンサ-) 1 容 積 率 とは 容 積 率 とは 建 築 物 の 延 べ 面 積 ( 建 築 物 の 各 階 の 床 面 積 の 合 計 )の 敷 地 面 積 に 対 する 割 合 のこと をいいます 容 積 率 は 建 築 物 の 延 べ 面 積 を 制 限 し それぞれの 地 域 の 土 地 を 合 理 的 にかつ 効 率 的 に 利 用 しよう とするものです 17

21 2 容 積 率 による 制 限 容 積 率 による 制 限 は 都 市 計 画 による 指 定 容 積 率 前 面 道 路 が 12m 未 満 の 場 合 の 前 面 道 路 の 幅 員 による 容 積 率 のいずれかの 厳 しい 方 が 適 用 されます 18

22 (4) 裁 決 等 事 例 イ( 事 例 4) 広 大 地 評 価 における その 地 域 とは 何 かが 争 われた 事 例 ( 国 税 不 服 審 判 所 裁 決 平 ( 金 裁 ( 諸 ) 平 16-6)( 棄 却 )( 非 公 開 裁 決 ) 問 題 点 広 大 地 評 価 に 該 当 するかどうかを 判 断 する 上 で 地 積 が その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 し 著 しく 広 大 であることが 要 件 の 一 つとされている この 場 合 における その 地 域 とは 何 を 指 すか 事 案 の 概 要 その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 について 請 求 人 は その 地 域 とは 周 辺 一 帯 の 広 い 範 囲 を 指 すもの]で 本 件 土 地 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 ]は 150 m2と 主 張 し 原 処 分 庁 は そ の 地 域 とは 評 価 対 象 の 土 地 の 接 する 路 線 を 基 準 として 当 該 路 線 に 面 する 宅 地 とその 利 用 状 況 が おおむね 同 一 と 認 められるひとまとまりの 地 域 をいう とし 本 件 土 地 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 は 611 m2を 中 心 として おおむね 500 m2から 700 m2 程 度 の 間 の 地 積 であると 主 張 した 審 判 所 は 原 処 分 庁 の 主 張 を 採 用 し 本 件 土 地 近 傍 にある 地 価 調 査 の 基 準 地 ( 以 下 本 件 基 準 地 ]と いう )の 地 積 は 611 m2と 認 定 した 審 判 所 の 判 断 1 宅 地 が 広 大 地 に 当 たる 場 合 には 財 産 評 価 基 本 通 達 14-2 の 地 区 区 分 ごとの 奥 行 距 離 に 応 じて 定 められた 奥 行 価 格 補 正 率 に 代 えて 単 に 有 効 宅 地 化 率 が 適 用 されるのであるから 同 通 達 24-4 に 定 める 広 大 地 として 評 価 できるか 否 かを 判 断 する 場 合 の その 地 域 とは 奥 行 価 格 補 正 率 の 適 用 区 分 である 地 区 と 解 するのが 相 当 である 2 これを 本 件 についてみると 本 件 土 地 の 周 辺 は 集 合 住 宅 等 の 居 住 用 建 物 が 一 部 散 見 して 見 受 け られるものの 他 の 多 くは 中 小 の 工 場 事 務 所 等 として 利 用 され 財 産 評 価 基 本 通 達 14-2に 定 め る 中 小 工 場 地 区 に 所 在 すると 認 められることから 本 件 土 地 における その 地 域 ]とは 本 件 土 地 の 所 在 地 周 辺 の 中 小 工 場 地 区 と 定 められたひとまとまりの 地 域 であるとするのが 相 当 である 3 本 件 土 地 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 ]とは 上 記 2のとおり 本 件 土 地 の 所 在 地 周 辺 の 中 小 工 場 地 区 と 定 められたひとまとまりの 地 域 において 判 断 することとなり 当 該 地 域 において 同 様 な 利 用 形 態 である 宅 地 の 地 積 に 基 づいて 判 断 するのが 相 当 である そして これを 地 積 535 m2である 本 件 土 地 についてみると 本 件 相 続 開 始 日 における 上 記 の 地 域 において 中 小 の 工 場 事 務 所 等 として 利 用 されている 宅 地 の 地 積 は その 多 くが 400 m2から 700 m2の 範 囲 にあり その 中 でも 500 m2 台 の 地 積 のものが 最 も 多 くを 占 めていることが 認 められる ま た 本 件 土 地 における その 地 域 ]には 本 件 基 準 地 が 所 在 し その 地 積 は 611 m2である 4 これに 対 し 請 求 人 らは 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 とは 標 準 的 な 戸 建 住 宅 用 地 の 地 積 となり 市 開 発 指 導 基 準 における1 区 画 の 最 低 区 割 面 積 である 150 m2が 標 準 である 旨 主 張 するが 財 産 評 価 基 本 通 達 14-2の 地 区 区 分 は 宅 地 の 利 用 状 況 がおおむね 同 一 と 認 められる 地 域 ごとに 定 められ 19

23 ているところ 本 件 土 地 における その 地 域 の 宅 地 の 利 用 状 況 は 中 小 の 工 場 及 び 事 務 所 であり 本 件 土 地 における その 地 域 ]の 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 も 土 地 の 用 途 が 同 一 な 中 小 の 工 場 及 び 事 務 所 等 として 利 用 されている 状 況 を 基 に 算 定 するのが 相 当 と 認 められるから 請 求 人 の 主 張 は 採 用 できない 5 したがって 地 積 が 535 m2である 本 件 土 地 は その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 な 宅 地 とは 認 められないので 本 件 土 地 は 広 大 地 に 当 たらない ロ( 事 例 5) 広 大 地 評 価 に 当 たって 公 益 公 共 施 設 が 必 要 でないとされた 事 例 金 裁 ( 諸 ) 平 17 第 2 号 平 成 17 年 8 月 4 日 裁 決 情 報 公 開 問 題 点 評 価 対 象 地 が その 地 域 における 標 準 的 宅 地 より 著 しく 広 大 であると 判 定 された 場 合 におい て 道 路 開 設 が 必 要 かどうかが 争 われた 事 案 である 事 案 の 概 要 どのような 開 発 をするかにより 公 共 公 益 的 施 設 が 必 要 となるかについて 争 いとなり 請 求 人 は 20

24 甲 土 地 について 別 図 1の 開 発 想 定 図 を 乙 土 地 について 別 図 2の 開 発 想 定 図 を 作 成 し 広 大 地 評 価 が 適 用 できると 主 張 したのに 対 し 原 処 分 庁 は 甲 土 地 乙 土 地 のいずれについても 別 図 3による 開 発 が 可 能 であり 広 大 地 評 価 は 適 用 できない 旨 主 張 した 審 判 所 は 原 処 分 庁 意 見 を 採 用 した 事 実 関 係 (1) 甲 土 地 は2 筆 からなり 面 積 は 合 計 で769m2 乙 土 地 は2 筆 からなり 合 計 は673m2である (2) 甲 土 地 の2 筆 の 土 地 は 隣 接 した 自 用 の 農 地 であり また 乙 土 地 の2 筆 の 土 地 も 同 じく 隣 接 した 自 用 の 一 団 の 農 地 である (3) 甲 土 地 乙 土 地 ( 以 下 本 件 各 土 地 )という )は いずれも 路 線 価 地 域 に 所 在 し 甲 土 地 と 乙 土 地 は 一 本 の 道 路 を 挟 んで 斜 め 向 かいに 位 置 していて ともに 正 面 と 裏 面 の 路 線 に 接 している (4) 請 求 人 らは 本 件 各 土 地 の 評 価 に 当 たり 甲 土 地 については 本 件 申 告 の 際 に 別 図 1のとおりの 土 地 開 発 図 を 作 成 し また 乙 土 地 については 修 正 申 告 の 際 に 別 図 2のとおりの 土 地 開 発 図 を 作 成 して 公 共 公 益 的 施 設 用 地 となる 部 分 の 地 積 を 甲 土 地 が m2 乙 土 地 が m2 また 有 宅 地 化 率 を 甲 土 地 が 0.72 乙 土 地 が 0.91 と 算 定 した. 他 方 原 処 分 庁 は 本 件 各 土 地 について 本 件 各 更 正 処 分 の 際 に 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 の 土 地 開 発 図 を 別 図 3のとおりとした (5) 本 件 各 土 地 は 都 市 計 画 法 第 七 条 第 1 項 に 規 定 する 市 街 化 区 域 と 定 められた 区 域 で 第 2 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 と 定 められた 地 域 に 所 在 している 審 判 所 の 判 断 A 地 積 要 件 付 近 における 戸 建 住 宅 等 の 居 住 用 建 物 として 利 用 されている 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 は 平 成 13 年 の 同 地 区 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 は 150 m2ないし 200 m2となる 他 方 甲 土 地 の 地 積 は 769 m2 乙 土 地 の 地 積 は 673 m2であるから これらの 地 積 は いずれもこ の 地 域 おける 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 広 大 であると 認 められる B 用 地 負 担 要 件 本 件 各 土 地 について 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 には 本 件 指 導 基 準 が 適 用 されることになりこの 場 合 都 市 計 画 法 第 29 条 開 発 行 為 の 許 可 の 規 定 により の 許 可 が 必 要 となるとこる 別 図 3 のとおりの 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 1 本 件 指 導 基 準 及 び 運 用 では 1 画 地 の 地 積 を 135 m2 以 上 としており 区 画 割 後 の 各 土 地 の 平 均 地 積 は 甲 土 地 が m2 乙 土 地 が m2とな り 本 件 指 導 基 準 が 定 める 1 画 地 の 面 積 をいずれも 満 たしているほか これら 平 均 地 積 は 本 件 各 土 地 の 所 在 地 周 辺 における 戸 建 住 宅 の 居 住 用 建 物 として 利 用 されている 宅 地 の 標 準 的 な 地 積 と 同 程 度 となること 2 本 件 各 土 地 は いずれも 正 面 と 裏 面 の 路 線 に 接 していることから 区 画 割 後 の 各 土 地 は 正 面 又 は 裏 面 のいずかの 道 路 に 接 することとなること 及 び3 本 件 指 導 基 準 に 定 める 道 路 公 園 等 の 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 設 置 が 無 くとも 同 指 導 基 準 に 反 するものではないことが 認 められ る 21

25 また 当 審 判 所 の 調 査 によれば 本 件 各 土 地 は 平 成 3 年 に 完 了 した 土 地 区 画 整 理 事 業 区 域 内 に 所 在 していて 本 件 相 続 に 係 る 課 税 時 期 の 属 する 平 成 13 年 における 本 件 各 土 地 の 所 在 地 周 辺 の 戸 建 住 宅 に 利 用 されている 宅 地 の 多 くは 別 図 3 と 同 様 の 区 画 割 がなされており 別 図 1 及 び 別 図 2 のような 新 設 道 路 あるいは 取 付 道 路 の 設 置 を 伴 う 開 発 行 為 は 見 当 たらない これらのことからすると 本 件 各 土 地 について 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 において 新 たに 公 共 公 益 的 施 設 用 地 となる 部 分 ( 道 路 )を 設 ける 必 要 性 があるとは 認 められない ハ( 事 例 6) 広 大 地 評 価 に 当 たり 潰 れ 地 が 生 ずる 土 地 に 該 当 するとされた 事 例 関 裁 ( 諸 ) 平 16 第 10 号 平 成 16 年 9 月 28 日 裁 決 全 部 取 り 消 し 情 報 公 開 問 題 点 宅 地 の 開 発 行 為 を 行 なう 場 合 に 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 としての 開 発 区 域 内 道 路 が 必 要 か どうかが 争 われた 事 案 である 事 案 の 概 要 請 求 人 らは 宅 地 開 発 にあたり 道 路 開 設 が 必 要 であり 広 大 地 評 価 に 該 当 する 旨 主 張 これに 対 し 原 処 分 庁 は 経 済 的 に 最 も 合 理 的 な 開 発 は 道 路 開 設 の 必 要 がないとして 広 大 地 には 該 当 しないとし た 審 判 所 は 請 求 人 主 張 の 開 発 方 法 が 相 当 として 原 処 分 を 取 り 消 したものである 事 実 関 係 要 約 イ 本 件 宅 地 の 所 在 する 地 域 市 街 化 区 域 内 の 第 一 種 住 居 地 域 ( 建 ぺい 率 60% 容 積 率 20 0%) 評 価 通 達 の 地 区 区 分 普 通 住 宅 地 区 土 地 の 形 状 幅 員 8.0mの 公 道 に 接 面 し 間 口 約 2 1.8m 奥 行 約 2 7.2m の 整 形 な 土 地 ロ 本 件 宅 地 は 本 件 相 続 の 開 始 目 現 在 において 被 相 続 人 の 居 宅 敷 地 として 使 用 されていたこと ハ 本 件 宅 地 の 周 辺 は 主 に1 画 地 の 地 積 が100 平 方 メートル 程 度 の 戸 建 住 宅 を 中 心 とした 住 宅 地 域 であること 審 判 所 の 判 断 (1) 評 価 通 達 24-4の 定 めは その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 広 大 な 土 地 の 開 発 行 為 を 行 う 場 合 道 路 や 公 園 等 の 公 共 公 益 的 施 設 用 地 としてかなりの 潰 れ 地 が 生 ずることが 考 えられることから 財 産 評 価 上 これを 考 慮 する 必 要 があるという 趣 旨 のもの と 解 される また 都 市 計 画 法 第 29 条 及 び 同 法 施 行 令 第 19 条 法 第 29 条 第 1 項 第 1 号 の 政 令 で 定 める 規 模 は 開 発 行 為 を 行 うに 当 たって 開 発 許 可 を 必 要 とする 面 積 基 準 を 定 めているが これは 秩 序 ある 街 づくりを 目 的 とした 整 備 のため 開 発 地 区 内 に 道 路 等 の 公 共 公 益 的 施 設 が 必 要 となる 場 合 が 多 いことから 基 準 以 上 の 規 模 の 開 発 行 為 を 規 制 の 対 象 とするという 趣 旨 のものと 解 される 22

26 そうすると 開 発 許 可 を 必 要 とする 面 積 基 準 以 上 の 土 地 を 評 価 するに 当 たり 評 価 通 達 24-4の 定 めを 適 用 することは 当 審 判 所 においても 相 当 であると 認 められる (2) なお 評 価 通 達 24-4に 定 める 広 大 地 の 評 価 の 趣 旨 が 上 記 (ロ)のとおりであることか らすれば 評 価 すべき 土 地 の 地 積 が 広 大 であっても 周 囲 の 状 況 等 からみて 明 らかにマンシ ョン 用 地 として 適 している 土 地 や 道 路 に 面 して 間 口 が 広 く 奥 行 が 短 い 土 地 のように 標 準 的 な 宅 地 を 前 提 とした 開 発 行 為 を 行 う 場 合 において 明 らかに 公 共 公 益 的 施 設 用 地 としての 潰 れ 地 が 生 じないと 認 められる 土 地 について 評 価 通 達 24-4の 定 めを 適 用 して 評 価 するこ とは かえって 合 理 性 を 欠 くものといわざるを 得 ない (3) これを 本 件 についてみると 本 件 宅 地 は 開 発 行 為 を 行 う 場 合 には 開 発 許 可 を 必 要 とする 土 地 であり また 本 件 宅 地 は 明 らかに 潰 れ 地 が 生 じない 土 地 には 該 当 しない また 当 審 判 所 において 請 求 人 らの 主 張 する 別 図 の2の(1)の 開 発 行 為 の 方 法 について 検 討 したところ 当 該 開 発 行 為 の 方 法 は 相 当 であると 認 められる (4) したがって 本 件 宅 地 は 別 図 の2の(1)の 開 発 行 為 の 方 法 に 基 づき 評 価 通 達 24-4の 定 めを 適 用 して 評 価 することが 相 当 である 23

27 ニ( 事 例 7) 路 地 状 敷 地 による 開 発 が 可 能 とされた 事 例 東 京 地 裁 平 成 16 年 ( 行 ウ) 第 373 号 平 成 17 年 11 月 10 日 判 決 ( 棄 却 )( 控 訴 ) 東 京 高 裁 平 成 17 年 ( 行 コ) 第 320 号 平 成 18 年 3 月 28 日 判 決 ( 棄 却 ) 問 題 点 面 積 が 広 大 である 場 合 において 道 路 開 設 による 開 発 か 路 地 状 敷 地 による 宅 地 分 譲 のいずれ が 経 済 的 合 理 性 を 有 するかが 争 われた 事 案 である 国 税 庁 訴 資 Z (Z ) 事 案 の 概 要 本 件 土 地 の 地 積 は m2であり 間 口 22.5m 奥 行 42mの 不 整 形 の 画 地 であり 24

28 幅 約 10mの 街 道 に 面 している 原 告 は 鑑 定 書 に 基 づき 本 件 土 地 を1 億 3000 万 円 として 申 告 していたが 被 告 税 務 署 長 は 評 価 通 達 に 基 づき1 億 6525 万 4757 円 が 相 当 であるとして 更 正 処 分 を 行 った 原 告 は 仮 に 評 価 通 達 を 適 用 する 場 合 であっても 本 件 土 地 の 地 積 は m2であり 開 発 許 可 を 要 する 土 地 であり 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 を 要 するのは 明 らかであるから 広 大 地 評 価 を 適 用 すべきであると 主 張 したのに 対 し 被 告 は 路 地 状 敷 地 による 宅 地 分 譲 が 経 済 合 理 性 がある として 分 割 図 を 提 出 裁 判 所 は 被 告 の 主 張 を 相 当 とした また 原 告 が 控 訴 したが 高 裁 においても 棄 却 された 事 実 関 係 ア 被 相 続 人 は 2 筆 からなる 本 件 土 地 ( 地 積 合 計 は 平 方 メートル)を 所 有 していた イ 本 件 土 地 は V 線 Q 駅 から 北 約 500メートルに 位 置 する 間 口 約 2 2.5メートル 奥 行 約 メートルの 不 整 形 の 画 地 であり 本 件 土 地 の 南 側 間 口 は 幅 員 約 10メートルの 都 道 ( 以 下 R 街 道 という )に 接 面 している ウ 本 件 土 地 は 本 件 相 続 の 開 始 日 において 被 相 続 人 の 所 有 する 居 宅 1 棟 及 び 倉 庫 3 棟 の 敷 地 の 用 に 供 されていた エ 本 件 土 地 に 面 する 路 線 の 平 成 13 年 分 の 路 線 価 は23 万 5000 円 で その 所 在 する 地 区 は 普 通 住 宅 地 区 である オ 本 件 土 地 のうちR 街 道 から20メートル 以 内 の 部 分 の 平 方 メートルは 都 市 計 画 法 8 条 1 項 1 号 に 規 定 する 第 一 種 住 居 地 域 であり その 指 定 建 ぺい 率 は60パーセント 指 定 容 積 率 は200パーセントである また 本 件 土 地 のうち R 街 道 から20メートルを 超 える 部 分 の 平 方 メートルは 都 市 計 画 法 8 条 1 項 1 号 に 規 定 する 第 一 種 低 層 住 居 専 用 地 域 であり その 指 定 建 ぺい 率 は40パー セント 指 定 容 積 率 は80パーセントであり 加 重 平 均 した 建 ぺい 率 及 び 容 積 率 は それぞれ 約 5 0パーセント 約 1 4 5パーセントである カ R 街 道 は 都 市 計 画 道 路 に 指 定 され 道 路 の 幅 員 を 現 在 の10.0メートルから1 6.0メートル にすることになっており 本 件 土 地 はR 街 道 から3.0メートルのセットバックを 必 要 とし その 部 分 の 地 積 は 約 平 方 メートル( 以 下 当 該 部 分 を 都 市 計 画 道 路 予 定 地 という )で ある 原 告 の 主 張 仮 に 本 件 土 地 の 評 価 に 当 たり 広 大 地 通 達 を 適 用 する 場 合 であっても 本 件 土 地 の 地 積 は 平 方 メートルであり これは 開 発 行 為 の 許 可 ( 都 市 計 画 法 29 条 )を 要 する500 平 方 メートルを 超 えるから 本 件 土 地 の 開 発 分 譲 においては 関 連 法 規 による 規 制 を 受 け 本 件 土 地 の 所 在 地 であるP 市 による 行 政 指 導 に 従 う 必 要 があり それによって 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 を 要 するのは 明 らかで あるから 本 件 通 達 24-4( 広 大 地 の 評 価 に 関 する 部 分 )による 補 正 を 施 すべきである 25

29 被 告 分 割 図 は 一 見 して 異 常 かつ 不 自 然 であり この 分 割 方 法 は 経 済 的 合 理 性 を 欠 く また 被 告 分 割 図 は 非 現 実 的 である 裁 判 所 の 判 断 原 告 らは 仮 に 本 件 土 地 の 評 価 に 当 たり 本 件 通 達 を 適 用 する 場 合 であっても 本 件 土 地 の 地 積 は 平 方 メートルであり これは 開 発 行 為 の 許 可 ( 都 市 計 画 法 29 条 )を 要 する500 平 方 メ ートルを 超 えるから 本 件 土 地 の 開 発 分 譲 においては 関 連 法 規 による 規 制 を 受 け 本 件 土 地 の 所 在 地 であるP 市 による 行 政 指 導 に 従 う 必 要 があり それによって 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 を 要 するのは 明 らかであるから 本 件 通 達 24 一 4( 広 大 地 の 評 価 に 関 する 部 分 )による 補 正 を 施 すべき 旨 主 張 す る ( 中 略 )そこで 検 討 するに 証 拠 ([ 甲 1) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 により 本 件 土 地 が 現 在 農 家 の 敷 地 と して 利 用 されていることが 認 められるが 本 件 土 地 の 建 ぺい 率 及 び 容 積 率 ( 加 重 平 均 した 値 )がそれ ぞれ 約 50パーセント 145パーセントであることからすれば 農 家 の 敷 地 としての 利 用 が 本 件 土 地 の 最 有 効 利 用 であるとはいえない また 上 記 数 値 からすると 本 件 土 地 がマンション 適 地 である ともいえず 結 局 別 紙 2 記 載 の 分 割 図 ( 以 下 被 告 分 割 図 という )のとおり 本 件 土 地 を 分 割 し 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 するのが 最 有 効 利 用 であるものと 認 められる ところで 都 市 計 画 法 29 条 ( 開 発 行 為 の 許 可 )の 規 制 の 対 象 となる 開 発 行 為 については 同 法 4 条 12 項 において 主 として 建 築 物 の 建 築 又 は 特 定 工 作 物 の 建 設 の 用 に 供 する 目 的 で 行 う 土 地 の 区 画 形 質 の 変 更 をいうものとされているところ 単 なる 分 合 筆 や 形 式 的 な 区 画 の 分 割 又 は 統 合 によって 建 築 物 等 を 建 築 する 行 為 ( 建 築 物 の 建 築 に 際 し 切 土 盛 土 等 の 造 成 工 事 を 伴 わず かつ 従 来 の 敷 地 の 境 界 の 変 更 について 既 存 の 建 築 物 の 除 却 や 塀 垣 柵 等 の 除 却 設 置 が 行 われるにとどまるも ので 公 共 施 設 の 整 備 の 必 要 がないと 認 められるもの)は 開 発 行 為 に 該 当 しない そして 本 件 土 地 を 被 告 分 割 図 に 従 って 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 する 場 合 には 区 画 形 質 の 変 更 ( 都 市 計 画 法 所 定 の 開 発 行 為 )に 該 当 せず 国 上 交 通 省 による 開 発 許 可 制 度 の 運 用 指 針 都 市 計 画 法 等 の 法 令 及 びP 市 の 宅 地 開 発 指 導 要 綱 等 に 基 づく 道 路 等 の 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 は 不 要 である ものと 認 められる したがって 本 件 土 地 の 評 価 に 当 たり 本 件 通 達 の 広 大 地 に 関 する 部 分 の 適 用 は 不 要 であると いうことになる なお 原 告 らは 被 告 分 割 図 は 一 見 して 異 常 かつ 不 自 然 であり この 分 割 方 法 は 経 済 的 合 理 性 を 欠 く 旨 主 張 する しかし 道 路 を 新 設 せず 被 告 分 割 図 に 基 づいて 本 件 土 地 を 分 割 すれば 建 築 基 準 法 52 条 所 定 の 容 積 率 同 法 53 条 所 定 の 建 ぺい 率 の 算 定 に 当 たって 同 図 の 分 割 地 番 号 3ないし5の 区 画 ( 以 下 本 件 路 地 状 敷 地 という )のうち 路 地 状 部 分 の 面 積 も 敷 地 面 積 に 含 まれることから よ り 広 い 延 べ 面 積 及 び 建 築 面 積 の 建 築 物 を 建 てることが 可 能 になる 上 路 地 状 部 分 を 駐 車 場 として 利 用 することもできること 被 告 分 割 図 のうち 分 割 地 番 号 1 及 び2の 区 画 のように 長 方 形 で 一 辺 が 道 路 に 面 する 区 画 と 道 路 から 離 れ 奥 に 位 置 する 本 件 路 地 状 敷 地 の 区 画 があれば 購 買 者 の 資 力 に 応 じ 26

30 た 物 件 を 提 供 できること 等 からして 被 告 分 割 図 には 経 済 的 合 理 性 があるといえる また 原 告 らは 被 告 分 割 図 は 非 現 実 的 であるとも 主 張 する しかし P 市 の 近 隣 地 域 であるR 市 S 市 T 市 に 所 在 する 物 件 においても 被 告 分 割 図 と 同 様 に 道 路 を 新 設 せず 路 地 状 敷 地 を 組 み 合 わせる 方 法 により 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 販 売 されている 事 例 があること 被 告 分 割 図 のように 路 地 状 敷 地 が 重 なる 場 合 であっても 各 路 地 状 敷 地 のうち 路 地 状 部 分 には 塀 や 壁 を 建 てないことにより 有 効 利 用 が 可 能 であることが いずれも 認 められるから 被 告 分 割 図 には 相 応 の 現 実 性 もあるとい える ホ( 事 例 8) 路 地 状 開 発 が 最 も 合 理 的 とされた 事 例 問 題 点 経 済 的 に 最 も 合 理 性 のある 開 発 が 路 地 状 開 発 により 戸 建 分 譲 を 行 うことかどうかが 争 われ た 事 例 です 平 成 19 年 7 月 9 日 裁 決 裁 決 事 例 集 N 頁 事 案 の 概 要 1 本 件 土 地 は 路 地 状 開 発 により 本 件 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 分 割 することが 可 能 であり 2 本 件 分 割 図 による 路 地 状 開 発 が 路 地 状 部 分 の 幅 員 を 満 たすなど 都 市 計 画 法 等 の 法 令 など に 反 しておらず 3 容 積 率 及 び 建 ぺい 率 の 算 定 に 当 たって 路 地 状 部 分 の 地 積 もその 基 礎 とされ さらに 4 本 件 隣 接 地 が 道 路 を 開 設 することなく 路 地 状 開 発 されているという 各 事 実 が 認 められる ことからすると 本 件 土 地 については 路 地 状 開 発 により 戸 建 分 譲 を 行 うことが 経 済 的 に 最 も 合 理 性 のある 開 発 に 当 たると 認 めるのが 相 当 であり 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 と 認 められるも のには 該 当 しないから 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4( 広 大 地 の 評 価 )の 定 めの 適 用 はないとされた 事 案 である 事 実 関 係 (1) 本 件 土 地 (940m2)の 形 状 は 別 図 1 記 載 のとおりであり 本 件 土 地 は 評 価 通 達 14-2 地 区 に 定 める 普 通 住 宅 地 区 に 該 当 し 本 件 土 地 に 面 する 各 路 線 の 平 成 17 年 分 の 路 線 価 はいず れも 125,000 円 である (2) 本 件 土 地 は L 地 区 整 備 計 画 区 域 ( 以 下 地 区 計 画 区 域 という )のB-1に 指 定 された 地 域 ( 以 下 本 件 地 域 という )に 所 在 し 同 地 域 内 の 建 築 物 の 敷 地 面 積 の 最 低 限 度 は 165 m2 以 上 でな ければならない( 以 下 この 敷 地 面 積 の 最 低 限 度 を 本 件 基 準 という ) 審 判 所 の 判 断 (1) 請 求 人 ら 提 出 資 料 原 処 分 関 係 資 料 及 び 当 審 判 所 の 調 査 の 結 果 によれば 次 の 各 事 実 が 認 め られる イ 本 件 土 地 について (イ) 本 件 土 地 が 属 する 都 市 計 画 法 第 8 条 地 域 地 区 第 1 項 第 1 号 に 規 定 する 用 途 地 域 は 27

31 第 1 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 で 建 ぺい 率 が 60% 容 積 率 が 200%であるが 建 ぺい 率 につい ては P 市 条 例 により 40%とされている (ロ) 本 件 土 地 は 本 件 相 続 開 始 後 道 路 を 開 設 することなく 路 地 状 開 発 により 1 区 画 の 地 積 を 186~188 m2 程 度 とする 5 区 画 の 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 されている ロ 本 件 土 地 の 存 する 周 辺 地 域 は 中 小 規 模 の 一 般 住 宅 と 中 層 の 共 同 住 宅 が 混 在 し 空 地 も 見 ら れる 住 宅 地 域 であり 本 件 土 地 の 西 側 に 隣 接 する 土 地 ( 以 下 本 件 隣 接 地 という )は 二 方 路 に 面 する 角 地 で 形 状 及 び 接 道 状 況 などが 本 件 土 地 に 類 似 する 土 地 であり 道 路 を 開 設 するこ となく 路 地 状 開 発 により 6 区 画 の 戸 建 住 宅 分 譲 用 地 として 開 発 されている なお 本 件 隣 接 地 は 地 区 計 画 区 域 及 び 区 画 整 理 地 区 外 に 所 在 し その 建 築 物 の 敷 地 面 積 の 最 低 限 度 は 100 m2 以 上 とされている (2) 以 上 の 各 事 実 に 基 づき 本 件 土 地 が 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 と 認 められるもの に 該 当 するかどうかについて 判 断 すると 次 のとおりである ( 中 略 ) 口 請 求 人 及 び 原 処 分 庁 から 本 件 土 地 に 係 る 開 発 想 定 図 などの 提 出 がないことから 当 審 判 所 において 本 件 土 地 を 路 地 状 開 発 した 場 合 の 想 定 図 の 一 例 を 作 成 したところ 別 図 2 の 分 割 図 ( 以 下 本 件 分 割 図 という ) 記 載 のとおりである そして 本 件 土 地 を 本 件 分 割 図 のとおりに 区 画 割 することが すなわち 路 地 状 開 発 により 戸 建 分 譲 を 行 うことが 経 済 的 に 最 も 合 理 性 の ある 開 発 に 該 当 するかどうかについては 本 件 土 地 に 関 して 1 本 件 土 地 が 路 地 状 開 発 によ り 本 件 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 分 割 することが 可 能 であり 2 本 件 分 割 図 による 路 地 状 開 発 が 路 地 状 部 分 の 幅 員 を 満 たすなど 都 市 計 画 法 等 の 法 令 などに 反 しておらず 3 容 積 率 及 び 建 ぺい 率 の 算 定 に 当 たって 路 地 状 部 分 の 地 積 もその 基 礎 とされ さらに 4 本 件 隣 接 地 が 道 路 を 開 設 することなく 路 地 状 開 発 されているという 各 事 実 が 認 められることから 本 件 土 地 については 路 地 状 開 発 により 戸 建 分 譲 を 行 うことが 経 済 的 に 最 も 合 理 性 のある 開 発 に 当 たると 認 めるのが 相 当 である この 点 は 開 発 指 導 課 の 担 当 職 員 の 答 述 により 本 件 土 地 のような 地 積 及 び 形 状 等 の 土 地 については 路 地 状 開 発 による 開 発 を 行 うのが 一 般 的 であ るとされること 及 び 本 件 土 地 が 現 に 路 地 状 開 発 されていることからも 裏 付 けられるもので ある したがって 本 件 土 地 は 公 共 公 益 的 施 設 用 地 ( 道 路 )の 負 担 が 必 要 と 認 められるものには 該 当 しないことから 本 件 土 地 について 広 大 地 通 達 の 定 めの 適 用 はない ハ これに 対 し 請 求 人 らは 路 地 状 開 発 によれば 整 形 な 本 件 土 地 内 に 不 整 形 な 画 地 を 生 み 出 すことになるから 分 譲 可 能 な 地 積 が 多 くなるからといって 路 地 状 開 発 に 経 済 的 合 理 性 があ るとはいえない 旨 主 張 する しかしながら 路 地 状 開 発 に 経 済 的 合 理 性 があるかどうかは 整 形 な 土 地 を 分 譲 するかど うかの 観 点 から 検 討 されるべきではなく 判 断 基 準 により 検 討 するのが 相 当 と 認 められるか 28

32 ら 請 求 人 の 主 張 は 採 用 できない へ( 事 例 9) 旗 状 の 宅 地 開 発 が 可 能 とした 原 処 分 庁 の 主 張 を 排 斥 した 事 例 国 税 不 服 審 判 所 裁 決 平 ( 関 裁 ( 諸 ) 平 15 一 77( 全 部 取 消 し) 非 公 開 裁 決 事 案 の 概 要 本 件 土 地 は 公 共 公 益 的 施 設 用 地 を 設 けない 旗 状 の 宅 地 による 開 発 が 可 能 であるから 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 に 定 める 広 大 地 には 該 当 しないという 原 処 分 庁 の 主 張 を 排 斥 した 事 例 である 事 実 関 係 抜 粋 1 本 件 土 地 の 概 要 合 計 面 積 1, m2 所 在 地 域 市 街 化 区 域 内 の 第 二 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 ( 建 ぺい 率 60% 容 積 率 200%) 普 通 住 宅 地 区 2 本 件 土 地 のうち 一 部 ( m2)( 以 下 本 件 売 却 土 地 という )を 本 件 相 続 開 始 日 後 の 平 成 13 年 7 月 17 日 にOO 株 式 会 社 へ 売 却 した 3 本 件 土 地 は JR 線 駅 の 北 東 方 約 900m に 位 置 し 北 西 側 及 び 南 東 側 がいずれも 幅 員 約 6mの 公 道 に 接 面 し この 二 つの 公 道 に 挟 まれた 間 口 24.10m 奥 行 55.70m の 不 整 形 な 土 地 である 4 本 件 土 地 は 本 件 相 続 開 始 日 現 在 駐 車 場 として 利 用 されていた 5 本 件 土 地 の 所 在 地 周 辺 は 主 に1 画 地 が 100 m2 程 度 の 戸 建 住 宅 を 中 心 に マンション 倉 庫 作 業 場 等 が 混 在 する 住 宅 地 域 であるが 平 成 9 年 2 月 以 降 はマンションの 新 築 はない 請 求 人 の 主 張 抜 粋 本 件 土 地 について 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 には 本 件 土 地 内 に m2の 道 路 用 地 を 確 保 す る 必 要 がある なお 株 式 会 社 は 本 件 売 却 土 地 を 取 得 後 道 路 を 設 けず いわゆる 旗 状 の 宅 地 として 開 発 29

33 しているが これは 本 件 土 地 の 一 部 を 開 発 したものである にもかかわらず 原 処 分 庁 は このこと を 根 拠 に 本 件 土 地 の 全 部 について 広 大 地 の 評 価 は 必 要 ないと 主 張 するが これは 相 続 税 法 22 条 の 趣 旨 に 反 する 原 処 分 庁 の 主 張 抜 粋 本 件 土 地 は 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 公 共 公 益 的 施 設 用 地 を 設 けない 旗 状 の 宅 地 による 開 発 が 可 能 であるから 請 求 人 らの 主 張 するような 道 路 を 設 ける 必 要 はない 現 に 本 件 売 却 土 地 の 相 続 の 開 始 後 の 開 発 状 況 をみると 公 共 公 益 的 施 設 用 地 を 設 けない 旗 状 の 宅 地 による 開 発 がされており 本 件 土 地 のうち 本 件 売 却 土 地 以 外 の 部 分 についても 同 様 の 開 発 が 可 能 で ある 審 判 所 の 判 断 1 本 件 土 地 は 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 には 開 発 許 可 を 必 要 とする 土 地 であり また 各 認 定 事 実 によれば 明 らかに 潰 れ 地 が 生 じない 土 地 には 該 当 しないから 本 件 土 地 の 価 額 を 算 定 するについて 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 を 適 用 することは 合 理 的 と 認 められる 2 この 点 に 関 し 原 処 分 庁 は 本 件 土 地 は 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 がない 旗 状 の 宅 地 による 開 発 が 可 能 であり また 現 に 本 件 土 地 の 一 部 である 本 件 売 却 土 地 は 旗 状 の 宅 地 による 開 発 がされてい るから 本 件 土 地 を 評 価 するにつき 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 を 適 用 することはできない 旨 主 張 する しかしながら 本 件 土 地 は 認 定 事 実 によれば 公 道 からの 奥 行 が 長 い 土 地 であるから 仮 に 本 件 土 地 を 原 処 分 庁 が 主 張 するような 旗 状 の 宅 地 として 開 発 する 場 合 公 道 から 離 れた 画 地 については 公 共 公 益 的 施 設 としての 道 路 に 代 えて 公 道 に 通 ずるための 通 路 が 必 要 となる そして この 通 路 部 分 は 通 路 として 用 途 が 限 定 されることとなり また 旗 状 に 画 地 を 分 けることにより 本 件 土 地 内 に 不 整 形 な 画 地 を 生 み 出 すこととなるから このような 開 発 は 公 共 公 益 的 施 設 としての 道 路 を 設 け る 開 発 と 同 様 に 本 件 土 地 の 評 価 額 を 低 下 させる 要 因 となることが 認 められる そうすると このような 事 情 を 考 慮 した 場 合 本 件 土 地 を 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 の 定 めに 従 っ て 評 価 することは 必 ずしも 不 合 理 であるとはいえない また 相 続 財 産 の 価 額 は 相 続 開 始 の 時 における 財 産 の 現 況 に 応 じて 評 価 すべきであるから 原 処 分 庁 の 主 張 するように 相 続 開 始 後 の 財 産 の 状 況 をもって 評 価 方 法 の 適 否 を 判 断 することは 相 当 で ない したがって これらの 点 に 関 する 原 処 分 庁 の 主 張 には 理 由 がない ト( 事 例 10)マンション 適 地 であるとして 広 大 地 適 用 を 否 認 された 事 例 問 題 点 原 処 分 庁 は 路 地 状 敷 地 による 宅 地 分 譲 が 可 能 であるとしたのに 対 し 審 判 所 は マンション 適 地 であるとした 事 例 である ( 平 19 年 7 月 9 日 裁 決 裁 決 事 例 集 No 頁 ) 30

34 事 案 の 概 要 広 大 地 評 価 の 適 用 をすべきとして 提 出 された 更 正 の 請 求 に 対 し 原 処 分 庁 は マンション 適 地 に は 当 たらないが 路 地 状 敷 地 で 対 応 すれば 宅 地 分 譲 が 可 能 で 潰 れ 地 は 生 じないとして 更 正 すべき 理 由 はないとした これに 対 し 審 判 所 は 市 の 都 市 計 画 のプラン 付 近 の 状 況 過 去 の 建 築 状 況 等 からマンション 適 地 であるとして 広 大 地 の 適 用 を 否 定 した 事 例 である 事 実 関 係 要 約 イ 本 件 土 地 被 相 続 人 の 自 宅 の 敷 地 として 使 用 されていた 土 地 (1, m2) 普 通 住 宅 地 区 路 線 価 は S 通 りは 150,000 円 東 側 道 路 及 び 北 側 道 路 は 各 140,000 円 であった 用 途 地 域 は 第 二 種 住 居 地 域 で 建 ぺい 率 が 60% 容 積 率 が 200%である ロ 本 件 土 地 は 線 R 駅 東 北 東 約 1km( 道 路 距 離 )に 位 置 し 南 側 で 幅 員 16m の 都 市 計 画 道 路 線 ( 以 下 S 通 り という )に 約 29m 東 側 で 幅 員 8m の 市 道 ( 以 下 東 側 道 路 という )に 約 44m また 北 側 で 幅 員 6m の 市 道 ( 以 下 北 側 道 路 という )に 約 29m 接 する 三 方 路 に 面 した 矩 形 の 平 坦 な 土 地 である 審 判 所 の 判 断 本 件 土 地 が 属 する その 地 域 とは 用 途 地 域 の 指 定 及 びP 市 プランにおける 商 業 文 化 機 能 を 強 化 し 良 好 な 景 観 に 配 慮 した 建 築 物 の 誘 導 等 による 魅 力 ある 中 央 都 市 軸 の 形 成 を 図 る 方 針 などを 踏 まえ 総 合 勘 案 すれば P 市 プランの 地 区 別 構 想 にいうところの U 地 域 のうち を 西 端 県 道 線 を 東 31

35 端 とする S 通 りの 沿 道 で 用 途 地 域 が 第 二 種 住 居 地 域 に 指 定 されている 地 域 ( 以 下 本 件 地 域 とう )と 認 められる そうすると 本 件 地 域 は 1 幹 線 道 路 である S 通 りの 沿 道 であることから 規 模 に 制 限 のない 店 舗 等 を 許 容 する 第 二 種 住 居 地 域 に 指 定 され その 結 果 幹 線 道 路 の 交 通 量 を 勘 案 して 沿 道 の 後 背 地 にある 主 に 第 一 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 の 住 環 境 を 保 護 する 効 果 をもたらしている 地 域 であり また 2P 市 プ ランにおいて 商 業 文 化 機 能 等 を 強 化 した 建 築 物 の 誘 導 等 を 推 進 する 地 域 にあり R 駅 前 商 業 地 域 に 隣 接 して 極 めて 交 通 の 便 も 良 く 中 高 層 の 集 合 住 宅 等 のほか 大 規 模 な 店 舗 や 事 務 所 の 建 築 に 適 した 地 域 で 3 現 に 戸 建 住 宅 のほか アパート マンション 店 舗 併 用 集 合 住 宅 などの 中 高 層 の 集 合 住 宅 及 び 事 務 所 大 規 模 な 店 舗 などの 商 業 施 設 が 混 在 し 4 加 えて 建 築 物 の 建 築 をするために 開 発 許 可 が 必 要 となる 地 積 500 m2 以 上 の 土 地 に 係 る 建 築 物 の 建 築 状 況 をみると 集 合 住 宅 等 や 商 業 施 設 などが 建 築 さ れている 状 況 にあり 特 に 本 件 土 地 と S 通 りを 挟 んで 南 側 に 位 置 する 本 件 土 地 と 規 模 形 状 接 道 状 況 が 酷 似 する 土 地 には 7 階 建 ての 分 譲 マンションが 建 築 されていることなどから 本 件 土 地 は 社 会 的 経 済 的 行 政 的 見 地 から 総 合 的 にみても マンション 適 地 等 に 該 当 するものと 認 められる したがって 本 件 通 達 に 定 める 広 大 地 には 当 たらない ( 参 考 裁 決 ) 評 価 対 象 地 は 道 路 を 開 設 するなどした 開 発 を 行 うことが 最 も 合 理 的 であり 広 大 地 と して 評 価 するのが 相 当 であるとした 事 例 平 成 23 年 5 月 9 日 裁 決 ポイント この 事 例 は 広 大 地 通 達 の 適 用 について 評 価 対 象 地 の 属 する 地 域 内 の 開 発 事 例 を 詳 細 かつ 具 体 的 に 調 査 し その 調 査 結 果 と 評 価 対 象 地 の 状 況 とを 併 せ 検 討 することにより 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 の 要 否 を 判 断 し 評 価 対 象 地 は 広 大 地 に 該 当 するとしたものである 要 旨 原 処 分 庁 は 本 件 土 地 が 属 する 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 広 大 地 の 評 価 ( 本 件 通 達 )に 定 める その 地 域 ( 本 件 地 域 )の 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 基 づき 区 画 割 をすると 本 件 土 地 は 4 区 画 に 分 割 して 路 地 状 開 発 することが 可 能 であること 路 地 状 開 発 を 行 うとした 場 合 は 路 地 状 部 分 の 土 地 は 通 路 に 限 らず 駐 車 場 として 利 用 でき 建 ぺい 率 容 積 率 の 算 定 上 道 路 を 開 設 するよりも 有 利 な 点 があること また 本 件 地 域 に 路 地 状 開 発 の 事 例 もあることから 路 地 状 開 発 による 開 発 が 経 済 的 に 最 も 合 理 的 な 開 発 であ るとして 本 件 土 地 は 本 件 通 達 に 定 める 広 大 地 に 当 たらない 旨 主 張 する しかしながら 原 処 分 庁 の 主 張 する 本 件 地 域 の 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 の 算 定 は 誤 っており 正 しい 地 積 に 基 づき 区 画 割 をすると 本 件 土 地 は 4 区 画 又 は 5 区 画 に 分 割 して 開 発 するのが 経 済 的 に 合 理 的 であると 認 められる また 本 件 地 域 においては 路 地 状 開 発 による 事 例 もみられるものの 当 該 事 例 は 道 路 の 開 設 による 開 発 がもとより 困 難 な 土 地 の 事 例 であり 本 件 土 地 とは 条 件 を 異 にする 他 方 本 件 地 域 に おいて 本 件 土 地 と 地 積 形 状 及 び 公 道 との 接 続 状 況 及 び 面 積 等 並 びに 本 件 地 域 における 近 年 の 土 地 の 開 発 状 況 等 からすれば 本 件 土 地 については 道 路 を 開 設 して 戸 建 住 宅 の 敷 地 として 分 譲 開 発 するのが 経 32

36 済 的 に 最 も 合 理 的 な 開 発 方 法 であると 認 められる したがって 本 件 土 地 は 本 件 通 達 に 定 める 広 大 地 として 評 価 するのが 相 当 である 参 照 条 文 等 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 共 同 住 宅 の 敷 地 として 利 用 されている 評 価 対 象 地 は その 周 辺 地 域 の 標 準 的 な 利 用 状 況 に 照 らしても 有 効 利 用 されていることから 広 大 地 には 当 たらないとした 事 例 平 成 23 年 9 月 5 日 裁 決 ポイント この 事 例 は 評 価 対 象 地 が 所 在 する 町 内 の 全 建 物 の 築 年 数 及 び 種 類 を 調 査 し 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 にいう 当 該 評 価 対 象 地 が 属 する その 地 域 とは 当 該 町 内 の 西 側 部 分 であると 判 断 したものである 要 旨 請 求 人 は 1 本 件 土 地 は その 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 広 大 で 本 件 におけ る 経 済 的 に 最 も 合 理 的 な 開 発 行 為 である 戸 建 分 譲 開 発 を 行 うとした 場 合 には 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 であること 2 路 線 価 方 式 による 土 地 の 評 価 は 更 地 として 評 価 することを 前 提 としており 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 の 要 否 は 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 に 負 担 を 要 するか 否 かで 判 断 すべきで あり 本 件 土 地 の 現 状 が 賃 貸 マンションの 敷 地 の 用 に 供 されていることのみをもって 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 広 大 地 の 評 価 ( 広 大 地 通 達 )の 定 めの 適 用 を 排 除 すべきではないことから 本 件 土 地 は 同 通 達 に 定 める 広 大 地 に 該 当 する 旨 主 張 する しかしながら 既 に 開 発 行 為 を 了 しているマンションなどの 敷 地 用 地 や 評 価 時 点 において 宅 地 として 有 効 利 用 されている 建 築 物 の 敷 地 用 地 については 標 準 的 な 地 積 に 比 して 著 しく 広 大 であっても 特 段 の 事 情 のない 限 り 広 大 地 通 達 に 定 める 広 大 地 に 該 当 しないと 解 されるところ 本 件 土 地 の 場 合 開 発 行 為 を 了 した 上 共 同 住 宅 の 敷 地 として 使 用 されており 近 い 将 来 において 新 たな 開 発 行 為 を 行 うべき 事 情 も 認 められず 本 件 土 地 の 属 する 地 域 ( 本 件 地 域 )は 戸 建 住 宅 と 共 同 住 宅 の 混 在 する 地 域 であっ て これらの 用 途 のいずれもが 本 件 地 域 における 標 準 的 な 利 用 形 態 と 認 められることからすれば 本 件 土 地 は その 周 辺 地 域 の 標 準 的 な 利 用 状 況 に 照 らしても 共 同 住 宅 用 地 として 有 効 に 利 用 されていると 認 められる したがって 本 件 土 地 について 開 発 行 為 を 行 うとした 場 合 における 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 の 要 否 について 検 討 するまでもなく 本 件 土 地 は 広 大 地 通 達 にいう 広 大 地 には 該 当 しない 参 照 条 文 等 相 続 税 法 第 22 条 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 平 成 23 年 4 月 21 日 裁 決 ( 裁 決 事 例 集 No.83) 評 価 対 象 地 は 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 とは 認 められないから 広 大 地 に 該 当 しな いとした 事 例 平 成 23 年 12 月 6 日 裁 決 33

37 ポイント この 事 例 は 評 価 対 象 地 ( 約 1,100 m2)は 国 道 沿 線 地 域 に 所 在 し その 地 域 の 標 準 的 使 用 は 戸 建 住 宅 の 敷 地 ではなく 1,000 m2 以 上 の 低 層 店 舗 等 の 敷 地 と 認 められ 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 とは 認 められず 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 に 定 める 広 大 地 に 該 当 しないと 判 断 したものであ る 要 旨 請 求 人 は 本 件 土 地 を 戸 建 住 宅 の 敷 地 として 分 譲 開 発 した 場 合 に 開 発 道 路 の 設 置 という 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 であるから 本 件 土 地 が 財 産 評 価 基 本 通 達 24-4 広 大 地 の 評 価 ( 広 大 地 通 達 )に 定 める 広 大 地 に 該 当 する 旨 主 張 する しかしながら 本 件 土 地 は その 所 在 する 地 域 における 標 準 的 な 宅 地 の 地 積 に 比 して 著 しく 地 積 が 広 大 であるとは 認 められない 仮 に 本 件 土 地 の 地 積 が 著 しく 広 大 であるとしても 1 本 件 土 地 を 低 層 店 舗 等 の 敷 地 として 区 画 割 する 場 合 に 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 であるとは 認 められず また 2 本 件 土 地 を 戸 建 住 宅 の 敷 地 として 分 譲 開 発 したとしても 公 共 公 益 的 施 設 用 地 の 負 担 が 必 要 ではない 路 地 状 開 発 による 区 画 割 の 方 が 開 発 道 路 を 設 置 する 区 画 割 に 比 べて 経 済 的 に 合 理 的 であると 認 められる したがって 本 件 土 地 は 広 大 地 通 達 に 定 める 広 大 地 には 該 当 しない 34

38 6 利 用 価 値 が 著 しく 低 下 している 宅 地 の 評 価 国 税 庁 タックスアンサーNo4617 には 利 用 価 値 の 著 しく 低 下 している 宅 地 の 評 価 ]として 次 の ように その 利 用 価 値 が 付 近 にある 他 の 宅 地 の 利 用 状 況 からみて 著 しく 低 下 していると 認 められるも のの 価 額 は 利 用 価 値 が 低 下 していないものとして 評 価 した 価 額 から 利 用 価 値 が 低 下 していると 認 め られる 部 分 の 面 積 に 対 応 する 価 額 に 10%を 乗 じて 計 算 した 金 額 を 控 除 して 評 価 することができるとし ている 1 道 路 より 高 い 位 置 にある 宅 地 又 は 低 い 位 置 にある 宅 地 で その 付 近 にある 宅 地 に 比 し 著 しく 高 低 差 のあるもの 2 地 盤 に 甚 だしい 凹 凸 のあるもの 3 震 動 の 甚 だしい 宅 地 4 1から3までに 掲 げる 宅 地 以 外 の 宅 地 で 騒 音 日 照 障 害 ( 建 築 基 準 法 56 条 の2に 定 める 日 照 時 間 を 超 える 時 間 の 日 照 障 害 のあるものとする ) 臭 気 忌 み 等 により その 取 引 金 額 に 影 響 を 受 けると 認 められるもの (1)( 事 例 11) 横 断 歩 道 橋 による 利 用 制 限 があるとして 評 価 減 を 認 めた 事 例 国 税 不 服 審 判 所 裁 決 平 裁 決 ( 仙 裁 ( 諸 ) 平 17-12)( 棄 却 ) 非 公 開 裁 決 事 案 の 概 要 本 件 乙 土 地 ( m2)は 図 のように 二 つの 道 路 が 交 差 する 角 にあり 歩 道 には 横 断 歩 道 橋 が 設 置 されている 請 求 人 は 横 断 歩 道 橋 が 設 置 されていることにより 利 用 価 値 が 著 しく 低 下 している 土 地 に 該 当 すると 主 張 また 原 処 分 庁 は 横 断 歩 道 橋 の 設 置 は 影 響 しないとした 審 判 所 は 請 求 人 主 張 を 認 め 横 断 歩 道 橋 の 存 在 による 利 用 価 値 の 低 下 に 伴 う 10%の 評 価 滅 を 認 めたが 審 判 所 算 定 価 額 は 更 正 処 分 額 を 上 回 るとして 請 求 人 の 主 張 を 退 けた 事 例 である 事 実 関 係 抜 粋 本 件 乙 土 地 が 接 する 南 側 C 路 線 及 び 西 側 D 路 線 の 歩 道 ( 幅 員 各 3m)には 幅 1.9m の 横 断 歩 道 橋 が 設 置 されており 本 件 乙 土 地 と 横 断 歩 道 橋 の 間 の 歩 道 の 幅 員 は 0.7m から 0.9m である また 南 側 C 路 線 及 び 西 側 D 路 線 に 対 して 本 件 乙 土 地 が 接 している 距 離 のうち 横 断 歩 道 橋 に 対 面 していない 部 分 は 西 側 D 路 線 の 2.0m のみである なお 車 道 と 横 断 歩 道 橋 の 間 には 横 断 防 止 のための 歩 行 者 自 転 車 用 柵 (ガードレール)が 設 35