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1 鋼 橋 の Q&A コンクリート 系 床 版 編 平 成 24 年 8 月 一 般 社 団 法 人 日 本 橋 梁 建 設 協 会

2 床 版 一 般

3 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-116(No.128) 大 きな 縦 断 勾 配 や 横 断 勾 配 を 有 する 床 版 の 施 工 実 績 はどの 程 度 ですか また この 場 合 のコンクリート 打 込 み 時 の 留 意 点 にはどのようなものがありますか? キーワード: 縦 断 勾 配 横 断 勾 配 打 込 み 締 固 め 流 動 性 道 路 構 造 令 では 縦 断 勾 配 の 最 大 が 12% 横 断 勾 配 の 最 大 が 10%と 定 められており 道 路 橋 のコンクリート 系 床 版 においても これに 近 い 勾 配 を 有 する 施 工 実 績 が 多 くあります ランプ 橋 の 例 では 縦 断 勾 配 6% 横 断 勾 配 9%を 有 する 床 版 や 縦 断 勾 配 7.6% 横 断 勾 配 6%を 有 す るもの 等 の 施 工 実 績 が 報 告 されています 上 記 実 績 工 事 では コンクリートが 横 流 れによって 際 立 った 材 料 分 離 を 起 こさないかどうか 試 し 練 りの 際 に 性 状 確 認 は 行 ったものの 施 工 上 特 筆 すべき 打 込 み 時 の 対 策 は 行 っておらず 所 定 の 品 質 出 来 形 を 確 保 しております 上 記 実 績 を 超 えるような 大 きな 勾 配 を 有 する 床 版 コンクリートを 施 工 する 場 合 は 以 下 に 示 す 点 に 留 意 するのが 望 ましいと 考 えられます 1 配 合 面 コンクリートの 横 流 れによる 材 料 分 離 への 配 慮 試 験 練 りや 施 工 試 験 で 性 状 の 確 認 を 行 い 配 合 を 調 整 材 料 分 離 抵 抗 性 が 高 まる 混 和 剤 の 活 用 2 打 込 み 勾 配 に 起 因 する 品 質 出 来 形 の 低 下 防 止 特 に 合 成 床 版 では 鋼 材 の 配 置 により 空 気 が 抜 けにくい 箇 所 ができ る 場 合 があるので 鋼 材 の 配 置 の 工 夫 や 空 気 抜 きの 処 置 を 検 討 打 込 みや 締 固 めの 際 の 空 隙 除 去 の 手 順 や 確 認 方 法 勾 配 によるコンクリートの 横 流 れを 抑 制 する 手 順 ( 図 -1)や 工 夫 3 養 生 表 面 乾 燥 の 防 止 湿 潤 養 生 時 に 散 水 した 養 生 水 の 勾 配 による 保 水 性 低 下 の 対 策 仕 上 げ 高 さの 管 理 目 標 打 込 み 方 向 締 固 めの 影 響 範 囲 60cm 程 度 図 -1 勾 配 を 有 する 床 版 の 打 込 み 方 向 による 横 流 れの 防 止

4 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-115(No.127) RC 床 版 の 設 計 図 書 において 地 覆 部 5.0m 程 度 に 誘 発 目 地 を 施 工 するとあります 防 護 柵 用 の 高 欄 がある 地 覆 での 誘 発 目 地 はどのようにすればよいですか? キーワード: 地 覆 誘 発 目 地 防 護 柵 誘 発 目 地 の 位 置 は 防 護 柵 支 柱 定 着 部 が 断 面 欠 損 となることを 避 けて 支 柱 間 の 中 央 付 近 に 設 け ます 例 えば 支 柱 間 隔 が 2m の 場 合 は 誘 発 目 地 の 間 隔 を 5m にかかわらず 4m 程 度 とします 地 覆 において 誘 発 目 地 を 入 れることによってひび 割 れを 分 散 して 発 生 させ 有 害 な 幅 を 有 する ひび 割 れをなくすことを 目 的 としています コンクリート 地 覆 のひび 割 れ 防 止 対 策 については Q6-40(No.54)を 参 照 してください 誘 発 目 地 による 地 覆 の 断 面 欠 損 率 は 壁 高 欄 と 同 等 とするのが 良 いが 30~50% 程 度 を 目 安 として ください 1) ただし 欠 損 率 にとらわれて コンクリートの 充 填 が 困 難 である 複 雑 な 構 造 や 鉄 筋 の かぶりが 確 保 できないなどの 弊 害 により 本 来 あるべき 耐 久 性 まで 損 なわないよう 配 慮 が 必 要 です 参 考 文 献 1) コンクリート 標 準 示 方 書 施 工 編 2007 年 制 定 ( 土 木 学 会 )

5 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-114(No.126) 床 版 に 軽 量 骨 材 コンクリートを 使 用 した 実 績 はありますか?また 使 用 する 場 合 の 留 意 点 はどのようなことですか? キーワード: 軽 量 骨 材 軽 量 コンクリート 床 版 に 軽 量 骨 材 コンクリートを 使 用 した 実 績 は 少 なく 施 工 時 はコンクリートの 特 性 を 十 分 理 解 して 施 工 することが 大 事 です 床 版 に 軽 量 骨 材 コンクリートを 使 用 した 工 事 の 実 績 例 を 以 下 に 示 します 橋 梁 形 式 鋼 3 径 間 連 続 非 合 成 鈑 桁 橋 長, 支 間 長 m(22.414m m m) 配 合 設 計 基 準 強 度 :24N/mm 2 スランプ :18cm(ベースコン 12 cmを 流 動 化 剤 で 18 cmにスランプup) 単 位 重 量 :1.65t/m 3 ( 軽 量 骨 材 : 人 工 軽 量 骨 材 ) 床 版 に 軽 量 コンクリートを 使 用 する 場 合 の 主 な 留 意 点 を 以 下 に 示 します 1 軽 量 骨 材 を 用 いたコンクリートが 凍 結 融 解 作 用 を 受 ける 場 合 は 過 去 の 実 績 に 基 づいて その 骨 材 を 用 いたコンクリートの 耐 凍 害 性 を 確 かめることを 原 則 とする ただし JIS A 1148によるコ ンクリートの 凍 結 融 解 試 験 の 結 果 を 参 照 してその 骨 材 の 耐 凍 害 性 を 確 かめてもよい 2 コンクリートの 耐 凍 害 性 をもととして 水 セメント 比 を 定 める 場 合 は 普 通 骨 材 コンクリートの 場 合 より5% 小 さい 値 以 下 とするのを 標 準 とする 3 軽 量 骨 材 コンクリートの 空 気 量 は 耐 凍 害 性 やワーカービリティーなどを 考 慮 し 普 通 骨 材 コン クリートより1% 大 きくすることを 標 準 とする 4 軽 量 骨 材 は 吸 水 率 が 高 く コンクリートの 練 混 ぜ 運 搬 打 込 みおよび 硬 化 の 際 に 水 分 を 吸 収 し た 場 合 コンクリートの 性 状 が 変 化 し 品 質 が 低 下 するおそれがあるため 十 分 にプレウェッティ ングする 必 要 がある 5 ポンプ 車 を 用 いてコンクリートを 圧 送 する 場 合 骨 材 の 圧 力 吸 水 による 輸 送 管 内 の 抵 抗 増 大 によ って 閉 塞 する 場 合 があるため 軽 量 骨 材 コンクリートは 高 性 能 AE 減 水 剤 や 流 動 化 剤 を 用 いてス ランプを18cmとすることを 標 準 とする 6 軽 量 骨 材 コンクリートは 骨 材 が 軽 いため 打 込 み 締 固 め 仕 上 げ 作 業 時 は 材 料 分 離 や 骨 材 の 浮 きに 注 意 して 施 工 する 7 施 工 地 域 により 軽 量 骨 材 コンクリートを 製 造 できる 生 コン 工 場 が 限 定 されるため アジテータ による 運 搬 可 能 範 囲 において 製 造 可 能 な 工 場 を 予 め 調 査 したほうが 良 い 参 考 文 献 2007 年 制 定 コンクリート 標 準 示 方 書 [ 施 工 編 ]

6 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-113(No.125) 床 版 のハンチのつけ 方 は 上 フランジ 上 面 から 立 ち 上 げる 場 合 と 下 面 からの 場 合 が ありますが どのように 適 用 すればよいですか? キーワード:ハンチ 型 枠 組 立 上 面 合 わせ 下 面 合 わせ 床 版 ハンチの 考 え 方 としては 従 来 からの 多 主 桁 橋 のRC 床 版 では 下 面 合 わせ 少 数 主 桁 橋 のPC 床 版 では 上 面 合 わせ という 認 識 で 設 計 施 工 に 当 たることが 望 ましいと 思 われます 床 版 のハンチのつけ 方 は 多 主 桁 橋 のRC 床 版 では 従 来 ハンチを 上 フランジ 下 面 より 立 ち 上 げ る 下 面 合 わせ ( 図 -1 参 照 )の 方 法 が 用 いられて 来 ました 近 年 広 く 採 用 されている 少 数 主 桁 橋 に 適 用 されるPC 床 版 でも 当 初 は 型 枠 施 工 のしやすさからこの 方 法 が 用 いられました ところが 床 版 施 工 完 了 後 のハンチ 部 にひび 割 れや 剥 落 を 起 こすという 不 具 合 が 発 生 したため 旧 JHから 上 面 合 わせ ( 図 -2 参 照 )とするよう 指 導 があり 平 成 10 年 7 月 の JH 設 計 要 領 第 二 集 橋 梁 建 設 編 に ハンチは フランジ 上 面 から 立 ち 上 げることを 基 本 とする と 規 定 されまし た その 理 由 として 同 設 計 要 領 には 厚 板 使 用 範 囲 の 拡 大 に 伴 い 上 フランジが 厚 くなりハンチ 部 に 無 筋 部 分 が 生 じ コンクリートが 割 裂 応 力 によりひびわれることがある そのため 場 所 打 ち 床 版 の 場 合 のハンチは 上 フランジの 上 面 から 立 ち 上 げる 構 造 を 基 本 とする と 解 説 されており こ のような 背 景 のもと 平 成 14 年 3 月 の 道 示 改 訂 では 上 フランジが 厚 くなるにともなってハンチ 部 の 無 筋 部 分 が 大 きくなることを 防 ぐため 上 フランジが 厚 い 場 合 のハンチの 構 造 として 上 面 合 わ せ が 標 準 とされています また 桁 製 作 上 の 配 慮 として 床 版 ハンチを 上 面 合 わせ とするためにフランジの 板 厚 が 厚 く なる 少 数 主 桁 は 上 フランジ 板 厚 変 化 にともなう 板 逃 げ 方 向 を 下 逃 げ とし 上 フランジ 上 面 を 一 定 としています 一 方 従 来 からある 多 主 桁 橋 は 一 般 的 に 板 厚 が 薄 いため 上 フランジの 板 逃 げ 方 向 を 上 逃 げ としているものがあります この 場 合 ハンチを 上 面 合 わせ にすると 型 枠 構 造 が 複 雑 となり これらを 要 因 としたモルタルの 漏 れ 砂 筋 などの 構 造 的 欠 陥 の 発 生 が 懸 念 され るため このような 構 造 の 桁 は ハンチを 上 フランジ 下 面 から 立 ち 上 げた 方 が 床 版 の 品 質 を 確 保 す る 観 点 から 懸 命 です 図 -1 ハンチを 上 フランジ 下 面 から 立 ち 上 げ 図 -2 ハンチを 上 フランジ 上 面 から 立 ち 上 げ

7 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-112(No.124) 床 版 ハンチのつけ 方 を 上 フランジ 上 面 合 わせにした 場 合 型 枠 組 立 方 法 はどのよう にすればよいですか? キーワード:ハンチ 型 枠 組 立 上 面 合 わせ 従 来 の 型 枠 構 造 と 大 きな 違 いはありませんが 上 フランジ 上 面 に 底 枠 端 をあてがうための 根 太 加 工 と 漏 れ 防 止 が 必 要 となります 上 フランジの 厚 さによりハンチ 部 合 板 下 の 根 太 材 の 高 さの 調 整 や 加 工 作 業 が 必 要 になります また この 構 造 は 上 フランジのコバと 合 板 の 間 に 隙 間 ができやすいため スポンジシールなどで 隙 間 を 埋 めた 方 が 良 いでしょう 上 フランジ 上 面 からハンチを 立 ち 上 げる 場 合 の 型 枠 概 念 図 を 図 -1に 示 します 床 版 吊 り 金 具 漏 止 め(シールスポンジ) 耐 水 合 板 12mm 桁 上 フランジ フランジ 厚 に 合 せて 桟 木 等 を 加 工 し 寸 法 を 調 整 する 角 材 型 枠 用 鋼 製 ビーム 図 -1 ハンチ 部 型 枠 概 念 図

8 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-110(No.122) 斜 橋 における 床 版 型 枠 用 吊 金 具 や 支 保 工 はどのように 配 置 すればよいですか? キーワード: 斜 橋 床 版 型 枠 用 吊 金 具 支 保 工 中 間 部 は 型 枠 吊 金 具 及 び 支 保 工 を 鋼 桁 に 直 角 に 端 部 は 扇 状 に 設 置 するのが 一 般 的 です 中 間 部 は 鋼 製 ビーム(または 受 けばり)のたわみを 最 小 限 にするという 観 点 から 斜 角 が 緩 く 横 桁 や 対 傾 構 が 斜 角 なりに 配 置 されている 場 合 を 除 き 型 枠 吊 金 具 と 支 保 工 を 鋼 桁 に 対 して 直 角 に 設 置 ( 支 間 最 小 )するのが 一 般 的 です また 端 部 の 型 枠 施 工 については 様 々な 方 法 があると 思 われますが 扇 状 に 設 置 する 事 例 が 一 般 的 です 図 -1 に 実 際 の 配 置 例 を 示 します なお 斜 角 がある 場 合 同 一 断 面 での 鋼 桁 のたわみ 量 が 異 なり 鋼 桁 に 傾 きが 生 じますので コ ンクリートが 漏 れないような 処 置 (パッキン 材 &シール)をとることが 望 ましいと 思 われます 中 間 部 端 部 ( 鋼 桁 に 直 角 に 設 置 ) ( 扇 状 に 設 置 ) ( 支 保 工 設 置 方 法 ) 吊 金 具 またはパイプサポート たわみ 防 止 用 パイプサポート 鋼 製 ビーム 等 吊 金 具 またはパイプサポート 吊 金 具 パイプサポート 図 -1 床 版 型 枠 用 吊 金 具 配 置 例 鋼 製 ビーム 写 真 -1 施 工 事 例 写 真 ( 斜 角 約 40 ) 桁 間 部 :パイプサポート 方 式

9 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-109(No.121) 供 用 中 の 橋 梁 の 拡 幅 工 事 などで 振 動 影 響 下 における 床 版 コンクリートを 施 工 する 場 合 どのような 点 に 注 意 すればよいですか? キーワード: 振 動 打 込 み このような 場 合 鉄 筋 とコンクリートは 同 時 に 振 動 すると 考 えられ 衝 撃 力 に 近 いような 外 力 が 加 わらない 限 り 床 版 コンクリートが 特 に 悪 影 響 を 受 けることはないと 考 えられます ただし 振 動 の 影 響 はケースバイケースで 判 断 されることが 多 く 振 動 が 特 殊 な 場 合 には 別 途 考 慮 する 必 要 が あります 振 動 対 策 として 一 般 的 に 考 えられることは 以 下 のようになります 型 枠 と 主 桁 は 弛 みがないように 組 み 立 てる 鉄 筋 は 全 結 束 を 基 本 とし 振 動 に 配 慮 する コンクリートは 膨 張 材 使 用 を 原 則 とする できるだけ 振 動 の 影 響 の 少 ない 時 間 帯 にコンクリート 打 設 養 生 を 行 う 新 旧 打 継 面 は 表 面 をチッピング 等 により 粗 面 にして 十 分 吸 水 させた 後 湿 潤 面 用 エポキシ 樹 脂 などを 塗 布 して 新 コンクリートを 打 継 ぐ 鉄 筋 と 打 ち 込 んだコンクリートが 一 体 となって 動 かない 場 合 は 鉄 筋 周 囲 が 弱 点 部 となりかね ないため 超 速 硬 コンクリートを 使 用 することによって 初 期 養 生 時 間 ( 打 設 後 30~90 分 位 の 間 すなわち コンクリートの 流 動 性 が 損 なわれた 時 点 からコンクリートが 硬 化 し 振 動 が あってもアンカー 筋 鉄 筋 およびコンクリートが 一 体 挙 動 するまで)を 短 くして 振 動 の 影 響 を 抑 える 対 策 がとられることもある

10 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-108(No.120) 既 設 橋 に 近 接 する 側 道 橋 のように 地 覆 の 離 隔 が 10cm 程 度 しかない 場 合 の 床 版 は どのように 施 工 すればよいですか? キーワード: 場 所 打 ち 床 版 近 接 工 事 型 枠 施 工 下 図 に 示 すように 既 設 橋 に 近 接 する 場 所 打 ち 床 版 の 施 工 において 通 常 離 隔 が 10cm 程 度 では 型 枠 が 収 まりませんので 縦 バタを 省 略 し 横 バタで 型 枠 合 板 を 直 接 支 持 する 方 法 があります このような 型 枠 施 工 を 行 う 場 合 の 留 意 点 としては 以 下 の 事 項 があげられます 合 板 の 強 度 を 考 慮 して 横 バタを 配 置 する 必 要 がある 型 枠 倒 れ 止 め 用 のセパレーターを 追 加 する フォームタイの 長 さに 注 意 する 図 -1 側 道 橋 の 事 例 通 常 の 型 枠 では 10cm に 収 まらない! 1 耐 水 合 板 12mm 2 桟 木 ( 縦 バタ) 50~60mm 3 単 管 パイプ( 横 バタ) 48.6mm 計 110.6mm 縦 バタを 省 略 し 横 バタのみとする 合 板 の 強 度 に 注 意 し 横 バタの 配 置 間 隔 を 決 定 する 横 バタ 縦 バタ フォームタイ 図 -2 隣 接 する 橋 梁 の 床 版 が 干 渉 する 場 合 の 床 版 施 工

11 Q6-104(No.116) 床 版 の 桁 端 部 打 下 ろしの 設 計 の 考 え 方 について 説 明 下 さい 平 成 23 年 12 月 作 成 キーワード: 桁 端 部 打 下 ろし プレストレスロス ひび 割 れ 床 版 の 端 部 は そこで 版 の 連 続 性 が 絶 たれること および 伸 縮 装 置 や 隣 接 する 橋 梁 または 土 工 区 間 との 段 差 勾 配 の 変 化 など 僅 かな 誤 差 により 走 行 する 車 両 から 衝 撃 を 含 む 荷 重 を 直 接 受 ける 部 分 であるため 床 組 で 支 持 するとともに ハンチ 厚 分 を 打 ち 下 ろして 補 強 することが 道 路 橋 示 方 書 等 で 定 められています 近 年 は 少 数 主 桁 などの 合 理 化 橋 梁 の 普 及 から 床 版 支 間 長 が 大 きくなり そのため 桁 端 部 の 横 桁 をコンクリート で 巻 き 立 てる 構 造 が 増 え この 横 桁 の 上 に PC 床 版 が 施 工 される 事 例 もあります このような 場 合 コンクリート 巻 き 立 て 横 桁 ( 以 下 RC 横 桁 とします)が 床 版 の 橋 軸 直 角 方 向 のプレストレス 導 入 を 妨 げる 場 合 があるので 注 意 が 必 要 です 端 横 桁 が RC 横 桁 の 場 合 には 協 会 から 発 行 されている PC 床 版 設 計 の 手 引 き または PC 床 版 施 工 の 手 引 き ( 場 所 打 ち 床 版 編 プレキャスト PC 床 版 編 )に 設 計 施 工 上 の 留 意 点 が 示 されていますので 参 照 下 さい( 一 例 を 右 図 に 示 します) RC 構 造 3 RC 横 桁 1 場 所 打 ち PC 構 造 1) 縁 切 り 材 を 設 置 する 場 合 (シート, 遅 延 硬 化 性 樹 脂 等 ) 2 落 橋 防 止 装 置 1RC 横 桁 を 施 工 する. 2 伸 縮 装 置 手 前 まで PC 床 版 の 施 工 を 行 い, 緊 張 作 業 まで 終 える. 3 最 後 に 伸 縮 付 近 のコンクリートを 施 工 する. 図 端 横 桁 付 近 のコンクリートの 施 工 手 順 例 ( 床 版 と RC 横 桁 の 間 に 縁 切 り 材 料 を 設 置 する 場 合 ) 参 考 文 献 1) PC 床 版 設 計 の 手 引 き (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 19 年 3 月 ) 2) PC 床 版 施 工 の 手 引 き( 場 所 打 ち PC 床 版 編 ) (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 16 年 3 月 ) 3) PC 床 版 施 工 の 手 引 き(プレキャスト PC 床 版 編 ) (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 16 年 3 月 )

12 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-90(No.102) コンクリート 系 床 版 を 補 修 する 場 合 大 型 車 の 通 行 等 により 施 工 中 に 発 生 する 振 動 は 問 題 ないでしょうか? キーワード: コンクリート 系 床 版 補 修 振 動 品 質 コンクリート 系 床 版 の 補 修 作 業 には 大 きく 分 けてコンクリートのはつり 作 業 とコンクリートの 打 ち 込 み 作 業 があります 前 者 は 車 線 規 制 により 実 施 できますが 後 者 については 通 行 車 両 によ る 振 動 がコンクリートの 品 質 に 与 える 影 響 を 定 量 的 に 評 価 することは 困 難 なことから 振 動 の 発 生 を 回 避 する 施 工 計 画 とする 必 要 があるものと 考 えられます コンクリート 系 床 版 の 補 修 におけるコンクリートの 打 込 みにあたっては 夜 間 全 面 交 通 規 制 を 実 施 のうえ 超 速 硬 コンクリートにより 振 動 の 無 い 状 態 において 施 工 を 行 い 必 要 強 度 が 発 現 の 後 交 通 を 開 放 する 計 画 が 考 えられます 超 速 硬 コンクリートの 強 度 発 現 までの 時 間 は 種 類 により 異 なり ますが 一 般 に 実 施 工 においては 交 通 規 制 による 社 会 的 影 響 が 大 きな 問 題 となることはありません 特 に 合 成 床 版 の 場 合 は 型 枠 や 支 保 工 を 必 要 とせず 補 修 工 事 に 容 易 に 対 応 ができるため 交 通 への 影 響 も 最 小 限 に 留 めることができます 供 用 後 の 維 持 管 理 において コンクリートの 打 換 えの 必 要 が 生 じた 場 合 においても 車 線 規 制 により 床 版 上 面 からの 作 業 のみで 補 修 を 行 うことができる 点 が 合 成 床 版 の 大 きなメリットになっています なお 超 速 硬 コンクリートの 必 要 強 度 の 発 現 に 至 るまでの 時 間 は 製 造 者 にお 問 い 合 わせ 下 さい

13 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-84(No.96) 斜 角 がある 場 合 主 桁 の 頭 付 きスタッドは 主 桁 に 対 してどのように 配 置 するので しょうか? キーワード: 斜 角 斜 橋 ずれ 止 め 頭 付 きスタッド 水 平 せん 断 力 斜 角 を 有 する 橋 梁 の 頭 付 きスタッドは 一 般 的 に RC 床 版 の 場 合 は 主 桁 に 直 角 方 向 に また 合 成 床 版 の 場 合 はリブ 方 向 に 配 置 する 事 例 が 多 くなっています 合 成 床 版 の 場 合 斜 角 の 程 度 やタイプ によっても 配 置 が 異 なることも 考 えられますので 工 事 の 請 負 者 が 実 施 段 階 において 検 討 を 行 うこ とが 必 要 です 斜 角 を 有 する 橋 梁 の 頭 付 きスタッドの 配 置 は 合 成 床 版 を 適 用 する 時 に 配 慮 が 必 要 となる 場 合 が あります 対 象 とする 橋 梁 の 橋 長 にもよりますが 鋼 板 パネルを 斜 角 なりに 配 置 する 場 合 と 調 整 区 間 を 設 定 して 調 整 区 間 は 斜 角 方 向 に またそれ 以 外 は 主 桁 に 直 角 方 向 に 配 置 する 場 合 の 二 つの 方 法 があります 頭 付 きスタッドの 配 置 は 鋼 板 パネルのリブ 方 向 とすることが 一 般 的 ですが 主 桁 に 対 して 前 者 では 斜 角 方 向 に 後 者 では 斜 角 方 向 と 直 角 方 向 が 混 在 することもあります また 合 成 床 版 のタイプによっては 頭 付 きスタッドの 配 置 方 法 が 異 なることも 考 えられます さらに 頭 付 きスタッドの 配 置 は 斜 角 の 程 度 配 筋 やコンクリ-トの 施 工 性 に 対 して 配 慮 する 必 要 もありま すので 設 計 上 必 要 な 本 数 を 確 保 したうえで 工 事 の 実 施 段 階 においてその 配 置 を 検 討 することが 基 本 であるものと 考 えられます 主 桁 補 強 リブ 頭 付 きスタッド 図 -1 斜 橋 の 頭 付 きスタッド 配 置 例 ( 斜 角 方 向 )

14 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-73(No.85) 鋼 橋 の LCC 新 しい 命 題 への 第 一 歩 (2001. 改 訂 ) に 記 載 されている RC 床 版 は 耐 久 年 数 が 50 年 になっていますが 橋 建 協 の Q&A では 100 年 となっています 50 年 を 100 年 に 変 えた 理 由 は 何 ですか? キーワード:RC 床 版 LCC 耐 久 年 数 今 後 新 設 される 道 路 橋 床 版 は 平 成 8 年 度 以 降 の 道 路 橋 示 方 書 を 用 いて 設 計 されているため 100 年 の 耐 久 年 数 があるとして LCC の 検 討 を 行 ってもよいと 考 えます RC 床 版 の 疲 労 耐 久 性 については これまでに 様 々な 研 究 がなされており 1)~3) その 都 度 新 しい 知 見 に 基 づき 疲 労 耐 久 性 の 評 価 を 行 っています 以 下 に RC 床 版 疲 労 耐 久 性 に 対 する 土 木 研 究 所 と( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 の 考 え 方 の 経 緯 を 示 します 土 木 研 究 所 ( 国 総 研 )の 考 え 方 平 成 9 年 6 月 の ミニマムメンテナンス 橋 に 関 す る 検 討 によれば RC 床 版 は 40 年 で 更 新 するこ とが 記 載 されている なお この 時 に 想 定 されて いる 床 版 は 設 計 法 が 大 きく 改 訂 された S47 H8 年 道 示 で 設 計 されたものであるかどうかは 判 断 で きない 平 成 20 年 に 出 された 共 同 研 究 の 報 告 書 3) には H8 年 道 示 で 設 計 された 床 版 が 100 年 の 耐 久 性 を 有 す ると 仮 定 した 検 討 結 果 がある 橋 建 協 の 考 え 方 平 成 13 年 発 行 の 鋼 橋 ライフサイクルコスト の 資 料 で は H8 年 道 示 で 設 計 された RC 床 版 の 耐 久 年 数 は 50 年 とし ている これは 当 時 S39 年 道 示 で 設 計 された RC 床 版 の 平 均 的 な 耐 久 年 数 が 30 年 程 度 ( 実 績 )であったことと 輪 荷 重 走 行 試 験 ( 疲 労 試 験 )の 相 対 比 較 1) から 安 全 側 に 50 年 以 上 の 耐 用 があるとしたことによる 平 成 18 年 に 更 新 した HP の Q&A では 100 年 と 耐 久 年 数 を 改 めている 平 成 13 年 当 時 の 見 解 から 耐 久 年 数 が 倍 になった 理 由 は 土 木 研 究 所 での 実 験 結 果 1) を 用 い 既 往 の SN 線 図 2) に 基 づい て 疲 労 寿 命 を 計 算 し 予 測 したことにより 100 年 程 度 まで 耐 久 年 数 を 見 積 もっても 問 題 ないと 判 断 したことによる 1) 内 田 西 川 : 既 設 道 路 橋 床 版 の 疲 労 耐 久 性 に 関 する 検 討 土 木 学 会 第 一 回 道 路 橋 床 版 シンポ ジウム 講 演 論 文 集 1998(H10) 2) 松 井 繁 之 : 橋 梁 の 寿 命 予 測 ( 道 路 橋 RC 床 版 の 疲 労 寿 命 予 測 ) 安 全 工 学 Vol.30.No ) 国 総 研 大 阪 大 学 大 阪 工 業 大 学 九 州 工 業 大 学 橋 建 協 : 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 資 料 共 同 研 究 報 告 書 ( 道 路 橋 床 版 の 疲 労 耐 久 性 に 関 する 研 究 )No.472 平 成 20 年 8 月 pp208~211

15 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-72(No.84) 上 フランジ 幅 の 狭 い 箱 桁 の 鉄 筋 コンクリート 床 版 について 木 製 型 枠 で 埋 殺 しを 行 う 場 合 の 型 枠 最 小 幅 に 関 する 基 準 はありますか? キーワード: 木 製 型 枠 埋 め 殺 し 箱 桁 の 場 合 箱 桁 上 フランジ 側 は 一 般 に 埋 殺 し 型 枠 を 用 いて 床 版 の 施 工 を 行 いますが 型 枠 の 最 小 幅 に 関 する 規 定 などは 現 状 見 当 たりません 設 計 段 階 において 設 定 した 死 荷 重 条 件 と 実 施 工 の 整 合 を 図 れば 基 本 的 には 問 題 はありません 箱 桁 上 フランジ 側 の 埋 殺 し 型 枠 は 両 側 ハンチのテーパー 部 とその 間 の 水 平 区 間 で 構 成 されます が 適 当 な 水 平 区 間 があれば 木 製 型 枠 の 製 作 と 施 工 は 可 能 と 考 えます テーパー 部 水 平 部 テーパー 部 耐 水 合 板 上 フランジ 桟 木 図 -1 箱 桁 の 埋 め 殺 し 型 枠 例

16 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-70(No.82) 鉄 筋 コンクリート 床 版 の 塩 害 対 策 として エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 を 採 用 した 場 合 と 一 般 的 な 鉄 筋 を 用 いて 定 期 的 なメンテナンスを 行 った 場 合 の 比 較 では どちらのラ イフサイクルコストが 安 価 となりますか? キーワード: 塩 害 対 策 エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 ライフサイクルコスト 対 象 とする 床 版 の 規 模 や 架 橋 地 域 一 般 鉄 筋 を 用 いた 場 合 のメンテナンスの 具 体 的 な 方 法 など 様 々な 要 因 を 考 慮 する 必 要 があるため エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 を 使 用 した 場 合 と 一 般 鉄 筋 を 用 いて 定 期 的 なメンテナンスを 行 った 場 合 のライフサイクルコスト( 以 下 LCC)を 一 概 に 比 較 すること は 困 難 です 既 往 の 文 献 において エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 の 使 用 に 関 する LCC の 判 断 基 準 を 示 したものは 見 当 たらないため 道 路 橋 示 方 書 同 解 説 Ⅲコンクリート 橋 編 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 14 年 3 月 )5.2 や 道 路 橋 の 塩 害 対 策 指 針 ( 案 ) 同 解 説 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 昭 和 59 年 2 月 )を 参 考 として ライ フサイクルコストの 検 討 を 行 うこととなりますが 耐 用 年 数 を 定 量 的 に 評 価 できないためライフサ イクルコストの 比 較 は 困 難 です したがって 塩 害 対 策 としては 仕 様 規 定 として 道 路 橋 の 塩 害 対 策 指 針 ( 案 ) 同 解 説 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 昭 和 59 年 2 月 )に 基 づいて 設 計 および 施 工 することが 基 本 と 考 えられます エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 に 関 する 既 往 の 文 献 としては エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 を 用 いる 鉄 筋 コン クリートの 設 計 施 工 指 針 や コンクリート 標 準 示 方 書 等 がありますが 塩 化 物 イオンによる 鉄 筋 腐 食 に 関 する 記 述 のみとなっております なお エポキシ 樹 脂 塗 装 鉄 筋 は 塩 害 に 対 して 有 効 な 対 策 ですが 床 版 コンクリートの 疲 労 損 傷 に 対 しては 一 般 鉄 筋 と 同 程 度 と 考 えられ 特 別 な 効 果 はありません

17 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-64(No.76) 床 版 コンクリートの 施 工 後 舗 装 を 施 すまで 長 期 間 となる 場 合 の 留 意 点 は 何 かあり ますか? キーワード:コンクリート 床 版 劣 化 防 止 保 護 床 版 コンクリートの 施 工 後 は 速 やかに 床 版 防 水 層 舗 装 を 施 すのが 基 本 であると 考 えますが それが 長 期 間 にわたる 場 合 は 床 版 の 劣 化 に 対 する 対 策 例 えば 仮 舗 装 等 の 検 討 を 行 うことが 必 要 と 考 えられます 床 版 のコンクリートのひび 割 れは 主 に 交 通 荷 重 により 発 生 するものと 考 えますが 荷 重 が 載 荷 さ れないとは 言 え 床 版 上 面 が 覆 われていないことによるコンクリートの 乾 燥 収 縮 の 進 展 や 劣 化 因 子 の 侵 入 が 懸 念 されます そのため 床 版 コンクリートの 施 工 後 は 速 やかに 床 版 防 水 層 舗 装 を 施 すのが 望 ましいと 考 えます したがって 床 版 コンクリートの 施 工 後 舗 装 を 施 すまでが 長 期 間 となる 場 合 は 仮 舗 装 を 施 工 する 等 床 版 上 面 を 保 護 し 雨 水 の 浸 入 や 外 気 に 曝 されることによる 劣 化 を 防 止 する 措 置 を 講 ずることが 望 ましいものと 考 えられます

18 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-63(No.75) 鋼 橋 の 床 版 において 径 の 異 なる 鉄 筋 を 継 ぐ 場 合 その 重 ね 継 手 長 はどのように 算 出 しますか? キーワード:RC 床 版 重 ね 継 手 床 版 鉄 筋 の 重 ね 継 手 は 径 の 小 さい 鉄 筋 側 で 決 定 される 断 面 範 囲 内 にて 径 の 小 さい 鉄 筋 の 重 ね 継 手 長 を 用 いるのが 経 済 的 な 設 計 となります 径 の 異 なる 鉄 筋 を 重 ね 継 手 により 継 ぐ 場 合 には 径 の 小 さい 側 の 断 面 力 で 応 力 伝 達 されるため 径 の 小 さい 側 の 鉄 筋 で 決 定 される 重 ね 継 手 長 を 確 保 すれば 良 いということになります しかしなが ら 継 手 部 において 鉄 筋 量 の 急 変 があると ここに 曲 げひび 割 れが 発 生 しやすくなること 曲 げモ ーメントによる 引 張 力 のほかに せん 断 力 による 引 張 力 の 応 力 増 分 があることから 安 全 側 となるよ う 継 手 位 置 を 決 める 必 要 があります 設 計 要 領 第 二 集 [ 橋 梁 建 設 編 ]( 平 成 22 年 7 月 ) 東 日 本 中 日 本 西 日 本 高 速 道 路 株 式 会 社 では 図 -1 に 示 すように 計 算 上 鉄 筋 の 断 面 を 変 更 できる 位 置 から 有 効 高 さ 分 シフトさせた 位 置 にて 鉄 筋 の 継 手 位 置 を 設 定 するように 規 定 されています 図 -1 異 種 径 鉄 筋 の 重 ね 継 手 [ 参 考 文 献 ] 1) 設 計 要 領 第 二 集 [ 橋 梁 建 設 編 ]: 東 日 本 中 日 本 西 日 本 高 速 道 路 株 式 会 社 平 成 22 年 7 月 2) 鉄 筋 定 着 継 手 指 針 [2007 年 版 ]:( 社 ) 土 木 学 会 平 成 19 年 8 月

19 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-62(No.74) 現 在 施 工 されている 高 耐 久 性 床 版 には どのような 種 類 のものがありますか? キーワード: 少 数 主 桁 橋 高 耐 久 性 床 版 合 成 床 版 PC 床 版 現 在 は 部 材 数 を 低 減 させた 少 数 主 桁 橋 ( 床 版 支 間 を 大 きくすることにより 主 桁 本 数 を 少 なくし 合 理 化 を 図 った 橋 梁 )の 施 工 例 が 多 く そのような 少 数 主 桁 橋 の 床 版 形 式 としては 鉄 筋 コンクリ ート 床 版 ( 以 下 RC 床 版 )と 比 較 して 耐 久 性 を 向 上 させた 高 耐 久 性 床 版 ( 合 成 床 版 および PC 床 版 ) が 採 用 されています 高 耐 久 性 床 版 は 大 別 して 鋼 コンクリート 合 成 床 版 ( 以 下 合 成 床 版 )とプレストレストコン クリート 床 版 ( 以 下 PC 床 版 )に 分 類 されます 各 々の 床 版 の 概 略 は 以 下 のとおりです 合 成 床 版 : 支 保 工 型 枠 および 構 造 部 材 として 機 能 する 鋼 板 パネル 上 にコンクリー トを 打 ち 込 み 鋼 とコンクリートがずれ 止 めによって 一 体 的 に 挙 動 するよ うに 設 計 された 床 版 PC 床 版 : 橋 軸 直 角 方 向 ( 床 版 支 間 方 向 )にプレストレスを 導 入 する 構 造 のコンクリート 床 版 で 1 現 場 でコンクリートを 打 ち 込 み 硬 化 後 にプレストレスを 与 える 場 所 打 ち PC 床 版 と 2あらかじめ 工 場 で 製 作 したプレキャスト PC 版 を 主 桁 上 に 設 置 した 後 橋 軸 方 向 を 一 体 化 させるプレキャスト PC 床 版 に 分 類 される 詳 細 については 当 協 会 HP 上 の 技 術 資 料 各 種 高 耐 久 性 床 版 の 特 徴 をはじめ 各 床 版 の 手 引 き を 刊 行 していますのでご 参 照 ください 図 -1 高 耐 久 性 床 版 の 分 類

20 図 -2 図 -3 は 合 成 床 版 と PC 床 版 の 施 工 実 績 について 総 需 要 の 変 遷 および 発 注 者 別 の 比 率 を 示 します 施 工 面 積 m PC 床 版 合 成 床 版 図 -2 合 成 床 版 と PC 床 版 の 総 需 要 の 変 遷 図 -3 施 工 実 績 ( 発 注 者 別 )

21 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-61(No.73) 鉄 筋 コンクリート 床 版 に 使 用 するコンクリートは 普 通 セメントコンクリートが 一 般 的 となっていますが 耐 久 性 向 上 やグリーン 調 達 注 ) の 観 点 から 高 炉 セメントコン クリートを 使 用 する 必 要 はありますか? キーワード: 高 炉 セメント グリーン 調 達 鉄 筋 コンクリート 床 版 高 炉 セメントは 初 期 強 度 の 発 現 が 要 求 される 上 部 構 造 に 使 用 された 実 績 が 少 なく また クリ ープや 乾 燥 収 縮 についても 必 ずしも 明 確 になっていないため 道 路 橋 示 方 書 同 解 説 Ⅲコンクリ ート 橋 編 に 従 い 床 版 には 使 用 しないことが 原 則 です かつての 高 炉 セメント B 種 は 普 通 ポルトランドセメントと 比 較 して 低 発 熱 であり 発 熱 速 度 も 遅 いセメントでした そのため 主 としてマスコンクリート 構 造 物 や 比 較 的 設 計 強 度 の 小 さい 土 木 構 造 物 に 用 いられてきました しかし 現 在 の 高 炉 セメント B 種 は 施 工 業 者 の 要 求 から 粉 末 度 を 大 きくし 強 度 を 上 げてきてお り そのために 過 去 に 比 べ 発 熱 量 が 大 きくなってきています 1) 高 炉 セメント B 種 には アルカリ 骨 材 反 応 や 塩 害 等 の 化 学 的 な 耐 久 性 がある 温 度 ひび 割 れが 生 じにくい 長 期 強 度 の 増 進 が 大 きく 耐 久 性 に 優 れる 硬 化 したコンクリートが 緻 密 になるため 水 密 性 が 大 きいなどの 長 所 がある 一 方 で 自 己 収 縮 が 大 きく 材 齢 初 期 にひび 割 れやすい 性 質 2) があり ます また 普 通 ポルトランドセメントと 比 較 して 中 性 化 速 度 が 速 いため かぶりの 小 さい 構 造 物 には 適 さないなどの 短 所 があります 床 版 コンクリートに 高 炉 セメントを 使 用 した 場 合 には 初 期 材 齢 時 の 発 現 強 度 が 低 いため コンクリート 養 生 期 間 が 長 期 化 する 膨 張 材 を 混 入 した 施 工 実 績 が 少 なく その 取 り 扱 いには 慎 重 さが 求 められる といった 課 題 を 有 していることから 床 版 固 有 の 特 性 に 対 する 要 求 を 満 足 することが 困 難 であるの が 現 状 です したがって 床 版 コンクリートに 高 炉 セメントを 使 用 することは 実 績 が 十 分 に 把 握 されていないこともあり 避 けることが 望 ましいものと 判 断 されます 一 般 的 なセメント 種 別 の 適 用 工 種 について 参 考 文 献 2)では 高 炉 セメント B 種 としては 無 筋 コンクリート 海 水 潮 風 の 影 響 を 受 ける 鉄 筋 コンクリート 部 材 断 面 の 大 きい 鉄 筋 コンクリー ト 普 通 ポルトランドセメントとしては 早 期 に 強 度 を 必 要 とし 部 材 断 面 の 小 さいコンクリー ト としています 参 考 として 東 北 地 方 整 備 局 共 通 仕 様 書 ( 参 考 資 料 ) 平 成 21 年 度 以 降 3) にレ ディーミクストコンクリート 標 準 仕 様 が 示 されていましたので 次 ページに 添 付 します また 高 炉 セメントの 使 用 上 の 注 意 事 項 については 参 考 文 献 4)を 参 照 ください

22 注 ):グリーン 調 達 とは 企 業 などが 自 社 で 使 う 資 材 や 原 料 を 部 品 メーカーなどのサプライヤーか ら 調 達 するとき 環 境 負 荷 の 低 いものから 優 先 的 に 選 択 することを 指 す 平 成 13 年 4 月 の 国 等 による 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 する 法 律 (グリーン 購 入 法 ) の 施 行 により 官 公 庁 でのグリーン 調 達 が 実 施 されるようになった 東 北 地 方 整 備 局 共 通 仕 様 書 ( 参 考 資 料 ) 平 成 21 年 度 以 降 ( 抜 粋 ) [ 参 考 文 献 ] 1) マスコンクリートのひび 割 れ 制 御 に 関 する 研 究 委 員 会 報 告 書 :( 社 ) 日 本 コンクリート 工 学 協 会 ) 小 田 部 裕 一 ら: 各 種 セメントを 用 いた 膨 張 コンクリートのひび 割 れ 抵 抗 性 コンクリート 工 学 年 次 論 文 集 Vol.25 No ) 東 北 地 方 整 備 局 共 通 仕 様 書 ( 参 考 資 料 ): 国 土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 平 成 21 年 4 月 4) 鉄 鋼 スラグ 協 会 : 鉄 鋼 スラグの 高 炉 セメントへの 利 用 平 成 23 年 度 版

23 平 成 23 年 12 月 作 成 Q6-60(No.72) 床 版 支 間 が6m を 超 える 合 成 床 版 や PC 床 版 が 適 用 されているようです この 場 合 その 設 計 はどのようにすればよいですか? キーワード: 合 成 床 版 PC 床 版 床 版 支 間 曲 げモーメント 床 版 支 間 に 関 する 道 路 橋 示 方 書 の 適 用 範 囲 は 最 大 6m までとなっています したがって 床 版 支 間 が6m を 超 える 場 合 は 基 本 的 に 発 注 者 と 協 議 のうえ その 設 計 基 準 を 決 定 する 必 要 があるも のと 判 断 されます 単 純 版 を 対 象 とした 活 荷 重 曲 げモーメントのパラメトリック 解 析 により 解 析 結 果 と 鋼 構 造 物 設 計 指 針 PART B に 規 定 される 算 定 式 との 比 較 をおこなった 一 例 を 図 -1 に 示 します 図 中 道 路 橋 示 方 書 算 定 式 の 計 算 結 果 も 示 されていますが これは 適 用 範 囲 6m までとして 規 定 されている 算 出 式 をそのまま 床 版 支 間 8m まで 適 用 できるものとして 算 出 された 結 果 です この 図 によれば 鋼 構 造 物 設 計 指 針 および 道 路 橋 示 方 書 での 算 出 式 は 理 論 値 ( 解 析 値 )に 対 して 10%~20% 程 度 安 全 側 とな っており これらの 算 定 式 を 拡 張 して 床 版 支 間 が6m 以 上 となる 場 合 に 適 用 しても 実 質 的 には 問 題 が 無 いものと 推 定 されます こうしたことを 受 けて 実 際 の 工 事 においては 合 成 床 版 PC 床 版 のいずれも6m 以 上 の 床 版 支 間 の 設 計 にあたり 道 路 橋 示 方 書 の 設 計 曲 げモーメント 算 出 式 が 適 用 される 事 例 が 多 いようです 図 -1 単 純 版 における 主 鉄 筋 方 向 最 大 曲 げモーメントの 解 析 結 果 と 設 計 曲 げモーメント 式 の 関 係 1)

24 また 最 小 床 版 厚 についても 一 般 的 には 床 版 支 間 6m 以 下 の 場 合 と 同 様 に 合 成 床 版 は 鋼 構 造 物 設 計 指 針 PART B 合 成 構 造 物 PC 床 版 は 道 路 橋 示 方 書 Ⅱ 鋼 橋 編 に 従 い 決 定 されていますが PC 床 版 で 特 に 支 間 長 10m 以 上 となる 長 支 間 床 版 では 最 小 床 版 厚 が 必 要 以 上 に 大 きくなることがある ため 載 荷 試 験 および FEM 解 析 により 十 分 な 耐 荷 力 および 疲 労 耐 久 性 を 確 認 することで 床 版 厚 を 薄 くしている 事 例 もあります [ 参 考 文 献 ] 1) 松 井 繁 之 編 : 道 路 橋 床 版 - 設 計 施 工 と 維 持 管 理 - P40 森 北 出 版 2007 年 10 月 2) ( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 : 合 成 床 版 設 計 施 工 の 手 引 き P 年 10 月 3) ( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 :PC 床 版 設 計 の 手 引 き P 年 3 月

25 Q6-59 (No773) 合 成 床 版 には 足 場 がなくても 問 題 ないでしょうか? 平 成 19 年 7 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 合 成 床 版 足 場 合 成 床 版 の 施 工 にあたっては 各 作 業 に 支 障 のないように 適 切 な 足 場 を 設 置 することが 基 本 と 考 えられます しかし 次 ぎの 条 件 が 整 えば 主 体 足 場 が 無 くても 問 題 ありません 1. 底 鋼 板 の 設 置 および 設 置 後 に 裏 面 の 作 業 がない 場 合 2. コンクリート 打 ち 込 み 時 の 漏 れの 確 認 や 漏 れがあった 場 合 の 対 処 を 必 要 としない 場 合 3. 上 記 の1と2の 作 業 がある 場 合 でも 高 所 作 業 車 で 実 施 できる 場 合 上 記 の 条 件 が 満 たされない 場 合 は 足 場 設 備 を 適 切 に 設 けることが 必 要 です 参 考 文 献 1)( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 : 鋼 コンクリート 合 成 床 版 の 計 画 資 料 平 成 18 年 4 月 参 考 文 献 2)( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 : 合 成 床 版 設 計 施 工 の 手 引 き 平 成 20 年 3 月

26 Q6-58 (No772) 合 成 床 版 の 鉄 筋 防 錆 はどのように 考 えればよいでしょうか? 平 成 19 年 7 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 合 成 床 版 鉄 筋 防 錆 配 筋 後 速 やかにコンクリート 打 設 (2ヶ 月 程 度 以 内 )が 可 能 であれば 防 錆 処 理 は 不 要 です ただし 打 ち 残 しがあったり 送 出 し 架 設 などでコンクリートの 打 ち 込 みまでの 期 間 が 長 期 (3 ヶ 月 以 上 )に 空 くことが 分 かっている 場 合 は 防 錆 処 理 が 必 要 になります この 場 合 設 計 段 階 での 配 慮 が 欠 かせません

27 Q6-57(No.71) 3mを 超 えるRC 床 版 の 支 間 長 について 教 えてください 平 成 19 年 12 月 作 成 キーワード: 床 版 支 間 平 成 14 年 版 道 路 橋 示 方 書 では 床 版 支 間 4m まで 適 用 可 能 です 平 成 8 年 道 示 では 床 版 支 間 を 3m 程 度 より 小 さい 範 囲 で 選 定 するのが 望 ましい と 解 説 され ていましたが 平 成 14 年 道 示 ではそうした 記 述 がなくなっています この 間 の 大 きな 動 きとしては 土 木 学 会 の 鋼 橋 床 版 の 調 査 研 究 小 委 員 会 において 平 成 9 年 か ら 平 成 12 年 に 亘 って 床 版 の 調 査 研 究 が 精 力 的 に 進 められました この 中 で 輪 荷 重 走 行 試 験 機 を 用 いた 多 くの 実 験 的 な 研 究 によってRC 床 版 の 損 傷 機 構 (せん 断 力 による 床 版 コンクリートの 疲 労 劣 化 )が 解 明 され さらに 現 行 道 示 で 設 計 された 床 版 は 疲 労 耐 久 性 を 満 足 するものであることも 確 認 されました 1) このような 経 緯 により 床 版 支 間 3m を 超 えるRC 床 版 を 計 画 することは 可 能 であると 考 えられ ます 特 に 合 成 桁 として 床 版 を 有 効 に 活 用 する 場 合 は 経 済 性 を 発 揮 できる 場 合 があると 考 えられま す 逆 に 非 合 成 桁 の 場 合 は 死 荷 重 が 増 加 しますので 鋼 桁 の 設 計 で 不 経 済 にならないよう 注 意 が 必 要 と 考 えられます 実 績 としては 床 版 支 間 4m の 連 続 合 成 桁 の 施 工 例 があります 参 考 文 献 1) 道 路 橋 床 版 の 疲 労 耐 久 性 に 関 する 試 験 ( 中 谷, 内 田, 西 川, 神 田, 宮 崎, 川 間, 松 尾, 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 資 料 第 28 号 2002 年 3 月 )

28 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-56(No.70) 細 幅 箱 桁 において ハンチを 設 けず 床 版 を 打 ち 下 ろす 理 由 を 教 えてください キーワード: 細 幅 箱 桁 床 版 打 ち 下 ろし 経 済 性 施 工 性 および 維 持 管 理 に 配 慮 し 床 版 打 ち 下 ろしを 基 本 としています 細 幅 箱 桁 の 場 合 下 記 の 理 由 により 打 ち 下 ろす 構 造 を 基 本 としています 上 フランジ 幅 が 小 さいため 床 版 ハンチ 重 量 増 による 桁 鋼 重 の 増 分 はわずかであり ハンチを 設 けた 場 合 のフランジ 上 面 の 塗 装 埋 め 殺 し 型 枠 の 加 工 や 設 置 の 手 間 等 維 持 管 理 面 からも 打 ち 下 ろ すほうが 合 理 的 と 考 えられます 打 ち 下 ろす 場 合 の 問 題 として 上 フランジに 床 版 を 通 して 輪 荷 重 が 作 用 するため 縦 リブに 応 力 が 発 生 し フランジと 縦 リブの 溶 接 位 置 の 疲 労 が 懸 念 されますが これについては 過 去 に 行 われた FEM 解 析 1) により 上 記 溶 接 部 に 作 用 する 応 力 は 該 当 する 等 級 での 疲 労 強 度 をはるかに 下 回 り 問 題 ないことが 確 認 されています 参 考 までに 鋼 道 路 橋 設 計 便 覧 では ハンチを 設 けた 場 合 の 型 枠 設 置 の 手 間 とハンチを 設 けない 場 合 のハンチ 重 量 の 増 加 に 伴 う 桁 断 面 の 増 加 とを 比 較 し 経 済 性 の 観 点 からハンチ 5cm 以 下 の 場 合 打 ち 下 ろしてもよいと 規 定 しています また 上 記 細 幅 箱 桁 と 同 様 の 理 由 により 阪 神 高 速 道 路 で は 箱 桁 上 面 の 床 版 は 打 ち 下 ろす 構 造 を 標 準 としています 参 考 文 献 1) 狭 小 箱 桁 の 実 用 化 に 関 する 検 討 ( 辻 角 学, 志 村 勉, 依 田 照 彦, 鋼 構 造 論 文 集 第 8 巻 第 30 号 2001 年 6 月 )

29 Q6-55(No.69) PC 床 版 と 合 成 床 版 の 使 い 分 けはどのようにするのですか? 平 成 19 年 12 月 作 成 キーワード: 現 場 条 件 施 工 性 経 済 性 維 持 管 理 現 場 条 件 施 工 性 安 全 性 経 済 性 維 持 管 理 等 を 考 慮 し 発 注 者 の 意 向 により 選 定 されていま す PC 床 版 合 成 床 版 それぞれの 特 徴 をふまえて 現 場 条 件 施 工 性 安 全 性 経 済 性 維 持 管 理 等 を 考 慮 し 選 定 されています それぞれの 特 徴 を 述 べると 以 下 のとおりです 1 合 成 床 版 は 型 枠 および 支 保 工 という 工 程 が 鋼 板 パネルの 設 置 で 達 成 されるため 床 版 工 全 体 の 工 期 短 縮 が 可 能 であるというメリットがあります さらに 鋼 桁 の 形 状 保 持 機 能 を 鋼 板 パネル に 期 待 することも 可 能 なことから 他 の 床 版 形 式 と 比 較 して 架 設 時 の 施 工 性 や 安 全 性 に 優 れて います 2プレキャストPC 床 版 は 工 場 で 生 産 されることから 安 定 した 品 質 の 製 品 が 得 られ 施 工 的 に は 場 所 打 ち 床 版 に 比 べ 型 枠 支 保 工 配 筋 コンクリート 打 込 みの 現 場 作 業 の 省 力 化 が 図 られる ため 現 場 施 工 期 間 が 大 幅 に 短 縮 できます ただし プレキャストPC 板 相 互 のル-プ 継 手 部 に は 慎 重 な 施 工 が 必 要 となります 3 場 所 打 ちPC 床 版 は プレキャストPC 床 版 と 比 較 して 経 済 的 で 平 面 線 形 への 対 応 が 比 較 的 容 易 であり 輸 送 架 設 への 制 約 が 少 ない 工 法 です

30 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-54(No.68) 開 断 面 箱 桁 橋 の 床 版 タイプには 合 成 床 版 が 多 い 理 由 は 何 ですか? キーワード: 経 済 性 架 設 時 安 定 性 床 版 型 枠 撤 去 経 済 性 架 設 時 安 定 性 床 版 型 枠 撤 去 に 配 慮 し 開 断 面 箱 桁 橋 には 合 成 床 版 が 最 適 と 考 えていま す 開 断 面 箱 桁 橋 は 上 フランジを 省 いたうえで 床 版 と 合 成 させることにより 箱 断 面 を 形 成 し 経 済 性 の 向 上 を 図 っております そのため 床 版 が 桁 と 一 体 となるまでは 不 安 定 なU 断 面 であるため 架 設 時 には 擬 似 フランジ 部 材 が 必 要 となります 合 成 床 版 の 場 合 底 鋼 板 を 擬 似 フランジ 部 材 や 型 枠 として 機 能 させることができ 経 済 性 や 施 工 面 で 有 利 となるため 開 断 面 箱 桁 橋 には 合 成 床 版 が 最 適 として 考 えています

31 Q6-52(No.66) 橋 面 防 水 工 について どのような 仕 様 が 標 準 となりますか? 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 防 水 工 橋 面 防 水 工 に 標 準 的 な 仕 様 はありません 床 版 防 水 材 を 選 定 する 場 合 には 床 版 + 床 版 防 水 層 + 舗 装 を 一 体 としてとらえ 現 場 の 交 通 道 路 構 造 気 象 条 件 および 舗 装 補 修 時 期 や 施 工 性 などの 設 計 条 件 を 整 理 し 要 求 性 能 を 満 たしている 床 版 防 水 層 を 選 定 します 合 成 床 版 では 早 期 の 異 常 発 見 のためモニタリング 孔 を 設 置 します 道 路 区 分 車 道 1) 表 -1 床 版 防 水 層 の 選 定 の 目 安 選 定 条 件 要 因 床 版 防 水 層 選 定 の 目 安 舗 装 撤 去 床 版 面 養 生 も 含 め た 施 工 時 間 床 版 表 面 の 状 態 工 程 的 に 十 分 な 時 間 がとれない 場 合 が 多 いので 養 生 時 間 の 短 いものを 選 ぶ 必 要 がある 舗 装 打 換 え 時 の 施 工 などではコンクリート 床 版 表 面 に 凸 凹 を 生 じている 場 合 が 多 い したがって 床 版 面 の 不 陸 に 対 する 施 工 性 のよいものを 選 ぶ 必 要 がある 交 通 条 件 重 交 通 路 線 せん 断 強 度 など 耐 荷 性 の 高 いものを 選 ぶことが 望 ましい 車 両 による 遠 心 力 や 加 速 制 動 に 伴 うせん 断 力 が 大 きいこと 曲 線 部 道 路 構 造 を 考 慮 し せん 断 強 度 および 引 張 接 着 強 度 の 高 いものを 選 ぶ 坂 路 ことが 望 ましい 気 象 条 件 温 暖 地 寒 冷 地 歩 道 - - 夏 期 の 路 面 温 度 を 考 慮 し せん 断 強 度 および 引 張 接 着 強 度 と も 高 いものを 選 ぶことが 望 ましい 舗 装 にブリスタリングなどの 悪 影 響 を 及 ぼさないものが 望 ま しい 冬 期 の 路 面 温 度 を 考 慮 し 低 温 時 のせん 断 強 度 および 変 位 量 引 張 接 着 強 度 の 高 いものを 選 ぶことが 望 ましい 車 道 に 比 べて 舗 装 厚 が 薄 くなるので ブリスタリングが 生 じ 易 くなる したがって これらの 現 象 が 生 じにくいものを 選 ぶ 必 要 がある 舗 装 撤 去 床 版 面 に 対 する 考 え 方 は 車 道 と 同 じである

32 2) 表 -2 防 水 層 の 種 類 と 保 有 性 能 防 水 工 法 の 種 類 シート 系 防 水 工 法 塗 膜 系 防 水 工 法 加 熱 施 工 常 温 施 工 溶 剤 型 加 熱 溶 融 型 吹 付 型 塗 装 型 項 目 流 貼 型 溶 着 型 ストタイプ ( 自 着 型 ) 全 面 ( 圧 着 型 ) 合 成 ゴム 系 アスファルト 系 合 成 樹 脂 ( 反 応 型 ) 床 版 との 接 着 プライマーによる 舗 装 との 接 着 接 着 による 性 舗 装 合 材 への 影 響 ひび 割 れ 追 従 性 ブリスタリン グの 発 生 なし なし なし あり 硬 化 型 はない ウレタン 系 高 い なし 低 い なし なし 能 膨 れの 発 生 高 い なし 低 い 低 い なし 貫 通 孔 の 発 生 なし なし なし 高 い なし 接 合 部 信 頼 性 接 合 部 からの 漏 れの 可 能 性 あり シームレス 施 工 なので 接 合 部 がない 舗 設 時 の 損 傷 少 ない 少 ない 少 ない 高 い 少 ない 舗 設 機 械 によ る 損 傷 舗 設 機 械 のスエギリにより 損 傷 の 可 能 性 あり 少 ない 常 温 時 には 可 能 性 あり なし 積 雪 寒 冷 地 の 適 用 性 シート 材 の 特 性 によるが 比 較 的 良 好 良 好 不 明 塗 膜 材 の 特 性 によるが 比 較 的 良 好 比 較 的 良 好 施 工 時 間 普 通 短 い 短 い 長 い 短 い 養 生 時 間 なし なし なし 長 時 間 短 時 間 短 時 間 施 工 切 削 不 陸 の 追 従 性 やや 劣 る 10mm 程 度 まで 良 好 (なだらかな 不 陸 ) 不 明 良 好 20mm 程 度 まで 良 好 性 立 上 がり 部 役 物 周 り シートでの 対 応 不 可 他 の 塗 膜 防 水 材 との 組 み 合 わせが 必 要 役 物 立 上 がり 部 への 同 時 施 工 可 能 経 済 性 普 通 普 通 普 通 安 価 ~ 普 通 普 通 ~ やや 高 価 施 工 実 績 最 多 少 少 最 近 増 加 - 少 多 い 少 最 近 増 加

33 コンクリート 床 版 はひび 割 れへの 水 などの 流 入 により 疲 労 劣 化 が 著 しく 促 進 されることは Q6-38 で 説 明 したとおりです コンクリート 床 版 の 耐 久 性 確 保 のため 舗 装 下 面 に 到 達 した 水 や 塩 化 物 が 床 版 内 部 に 浸 透 しない よう 床 版 防 水 層 を 設 けることが 重 要 であり 同 時 に 床 版 上 面 から 速 やかに 排 水 されるよう 導 水 管 や 床 版 水 抜 き 管 (スラブドレーン)による 排 水 処 理 を 計 画 するとともに 弱 点 となりやすい 地 覆 排 水 装 置 伸 縮 装 置 周 りに 留 意 しておくことも 重 要 です 合 成 床 版 の 場 合 底 鋼 板 があるため 万 が 一 にも 水 が 浸 透 した 場 合 の 発 見 が 容 易 ではないため 橋 建 橋 標 準 合 成 床 版 ではモニタリング 孔 を 鋼 板 パネル 毎 に 維 持 管 理 に 着 目 した 適 当 な 箇 所 に 設 け 早 期 に 異 常 が 発 見 できる 仕 様 としています 舗 装 内 導 水 管 写 真 -1 導 水 管 の 例 写 真 -2 スラブドレーンの 例 図 -1 モニタリング 孔 図 -2 スラブドレーン 参 考 文 献 1) 道 路 橋 床 版 防 水 便 覧 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 19 年 3 月 ) 2) 新 しい 鋼 橋 の 誕 生 Ⅱ( 改 訂 版 ) (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 16 年 12 月 )

34 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 Q6-51(No.65) 床 版 の 施 工 時 に 発 生 するひび 割 れと 欠 陥 の 原 因 ならびに 防 止 対 策 は 何 ですか? キーワード:ひび 割 れ 欠 陥 コンクリート 施 工 打 込 み 前 の 事 前 検 討 打 込 み 中 の 施 工 打 込 み 後 の 養 生 などが 重 要 です コンクリート 構 造 物 の 中 で 特 に 床 版 は 薄 く かつ 表 面 積 が 大 きいという 特 徴 を 持 っています 薄 いということは 振 動 などの 直 接 的 な 荷 重 の 影 響 を 受 けやすく また 表 面 積 が 大 きいことから 乾 燥 収 縮 によるひび 割 れの 影 響 も 受 けやすくなっています ひび 割 れ 防 止 対 策 としては 現 在 膨 張 材 の 添 加 や 補 強 鉄 筋 の 追 加 などの 検 討 を 協 会 としては 実 施 していますが 基 本 的 にはコンクリート 打 込 み 前 の 事 前 検 討 から 打 込 み 中 打 込 み 後 の 詳 細 なひび 割 れ 防 止 が 重 要 となっています 以 下 に コンクリ-ト 施 工 において 発 生 する 欠 陥 の 原 因 と 防 止 策 の 一 覧 表 を 示 します 表 コンクリート 施 工 において 発 生 する 欠 陥 の 原 因 と 防 止 策 徴 候 欠 陥 原 因 防 止 策 表 面 ひび 割 れ (コンクリートの 硬 化 時 または 硬 化 後 すぐに 発 生 ) 型 わく 鉄 筋 の 上 部 に 発 生 するひび 割 れ プラスチック 収 縮 ひび 割 れ ( 水 分 の 損 失 高 風 速 低 温 度 温 度 差 によ る 露 出 表 面 ひび 割 れ) プラスチック 沈 下 ひび 割 れ ( 硬 化 後 に 沈 下 が 継 続 することによる) コンクリートの 冷 却 時 に 発 生 するひび 割 れ ( 内 的 ) 温 度 硬 化 と 拘 束 (セメントの 水 和 熱 熱 膨 張 の 著 しい 骨 材 ) ( 外 的 ) 気 候 の 変 化 ( 適 当 な 目 地 のない 大 きいスラ ブ) 霧 と 氷 の 作 用 ( 表 面 の 剥 離 ) コンクリートの 表 面 気 泡 (あばた) 型 枠 への 水 空 気 の 集 まり 不 十 分 な 締 固 め 不 適 切 な 配 合 不 十 分 な 型 枠 剥 離 剤 コンクリートのジャンカ 不 十 分 な 締 固 め モルタル 不 足 色 調 の 変 化 表 面 の 粉 吹 き さび 表 面 のかき 乱 し 鉄 筋 のかぶり 不 足 配 合 養 生 材 料 型 枠 振 動 型 枠 剥 離 剤 型 枠 からの 水 の 漏 出 表 面 硬 化 の 遅 延 ある 種 の 材 木 に 含 まれる 糖 分 が 原 因 骨 材 のパイライト 未 保 護 の 鉄 筋 ( 降 雨 ) 汚 れた 型 枠 結 束 線 のはし 不 十 分 な 型 枠 剥 離 剤 不 適 切 な 型 枠 撤 去 コンクリート 打 込 時 の 鉄 筋 の 移 動 または 配 筋 の 手 違 い 打 込 み 時 の 覆 い 適 切 な 保 護 噴 霧 被 膜 養 生 単 位 水 量 の 少 ない 緻 密 な 配 合 配 合 への 配 慮 ( 過 度 の 軟 練 りをしない) 空 気 連 行 (AE 剤 等 の 使 用 ) 低 い 打 設 高 さで 十 分 締 固 め 水 和 熱 の 低 いセメントと 温 度 上 昇 の 制 御 熱 膨 張 の 正 常 な 骨 材 適 当 な 伸 縮 目 地 空 気 連 行 と 健 全 なコンクリート 締 固 めの 改 良 配 合 および 型 枠 剥 離 剤 への 配 慮 透 水 性 型 枠 の 使 用 締 固 めの 改 良 骨 材 最 大 寸 法 の 減 少 モルタルの 漏 出 の 防 止 配 合 養 生 材 料 型 枠 振 動 型 枠 剥 離 剤 の 変 動 をなくす 型 枠 からの 水 の 漏 出 の 防 止 型 枠 材 料 の 交 換 型 枠 表 面 処 理 型 枠 表 面 の 石 灰 水 処 理 不 純 物 を 含 む 骨 材 の 排 除 鉄 筋 の 保 護 型 枠 の 清 掃 結 束 線 のはしの 処 理 型 枠 剥 離 剤 および 型 枠 撤 去 への 配 慮 十 分 な 鉄 筋 の 支 持 および 鉄 筋 の 結 合

35 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-50(No.64) コンクリート 打 込 み 時 の 気 象 条 件 に 関 する 留 意 点 は 何 ですか? キーワード: 降 雨 風 速 外 気 温 日 射 量 凍 結 暑 中 コンクリート 寒 中 コンクリート 以 下 の 気 象 条 件 をチェックし 打 込 み 可 能 か 否 か 養 生 方 法 等 を 検 討 します 1 降 雨 の 有 無 2 風 速 3 外 気 温 4 日 射 量 1 天 候 気 温 等 がコンクリートの 打 込 みに 悪 影 響 を 与 える 次 のような 場 合 は 打 込 みを 中 止 すべ きです ただし 養 生 用 上 屋 の 設 置 等 適 切 な 養 生 が 実 施 できる 場 合 は 打 込 み 可 能 です 1) 降 雨 の 場 合 2) 強 風 の 場 合 ( 平 均 風 速 が 10m/sec 以 上 ) 3) 高 温 日 射 の 強 い 場 合 4) 打 込 み 中 に 凍 結 のおそれがある 場 合 2 日 平 均 気 温 が 25 を 超 えることが 予 想 される 場 合 は 暑 中 コンクリートの 施 工 が 出 来 るよう 準 備 します 3 日 平 均 気 温 が 4 以 下 となることが 予 想 される 場 合 は 寒 中 コンクリートの 施 工 が 出 来 るよう 準 備 します 4コンクリート 打 込 み 中 に 雨 になった 場 合 は 品 質 の 保 持 が 難 しくなるので 速 やかに 打 込 みを 中 止 します シートで 養 生 を 行 い 降 雨 強 度 の 程 度 と 適 切 な 養 生 が 可 能 かにより 続 行 の 可 否 を 判 断 します... (コンクリートの 許 容 打 重 ね時 間 間 隔 の 標 準 は 外 気 温 25 を 超 える 場 合 2.0 時 間 25 以 下 の 場 合 2.5 時 間 です... それ 以 上 時 間 が 経 過 すると 打 継 ぎの 施 工 が 必 要 となります )

36 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-49(No.63) 既 設 橋 梁 の 床 版 拡 幅 工 事 の 場 合 における 床 版 コンクリート 打 込 み 時 の 配 慮 を 教 え てください キーワード: 一 次 コンクリート 二 次 コンクリート 振 動 影 響 超 速 硬 コンクリート 回 答 交 通 車 両 による 振 動 の 影 響 等 に 配 慮 する 必 要 があります 解 説 一 般 に 拡 幅 部 の 床 版 コンクリートは 交 通 車 両 の 振 動 影 響 を 最 小 限 にするため 下 図 に 示 すよう に 一 次 コンクリートと 二 次 コンクリートに 分 けて 打 込 みを 行 うなどの 配 慮 が 必 要 です 拡 幅 部 一 次 コンクリート 二 次 コンクリート 対 傾 構 の 高 力 ボルトは 一 次 コンク リート 打 込 み 後 に 本 締 めを 行 う 図 床 版 拡 幅 施 工 要 領 この 場 合 の 施 工 順 序 と 施 工 時 の 留 意 点 を 以 下 に 示 します 1 既 設 橋 からの 振 動 を 低 減 するために 一 次 コンクリートは 既 設 橋 の 桁 と 拡 幅 部 の 桁 を 連 結 する 前 に 打 込 みます 一 次 コンクリートは 通 常 の 床 版 コンクリートが 使 用 されます 2 一 次 コンクリートの 打 込 み 養 生 が 完 了 した 後 既 設 部 と 拡 幅 部 の 間 の 対 傾 構 横 桁 等 を 本 締 めし て 一 体 化 します これにより 打 残 し 部 ( 二 次 コンクリート) 以 降 の 荷 重 は 既 設 部 と 拡 幅 部 で 共 同 して 分 担 されます 3 二 次 コンクリート 打 込 み 時 は 既 設 橋 梁 の 振 動 が 拡 幅 部 にも 伝 達 されるため 既 設 橋 梁 部 の 通 行 止 め( 最 短 で 3 時 間 程 度 )を 行 い 施 工 されることが 望 まれます 4 二 次 コンクリートとして 多 く 採 用 されている 超 速 硬 コンクリートは 硬 化 が 速 いため 迅 速 な 施 工 が 要 求 されるほか 超 速 硬 コンクリートに 合 致 した 品 質 管 理 が 求 められます

37 Q6-48(No.62) 有 害 なひび 割 れを 防 止 するにはどんな 配 慮 が 必 要 ですか? 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード:ひび 割 れ 計 画 設 計 上 の 配 慮 に 加 え 材 料 や 施 工 時 の 配 慮 が 必 要 となります 床 版 のひび 割 れは 乾 燥 収 縮 や 施 工 時 ひび 割 れが 輪 荷 重 の 影 響 を 受 けて 有 害 なものに 進 展 する 場 合 が 多 くみられます したがって 計 画 設 計 時 においては 大 型 車 輌 の 軌 道 に 配 慮 した 桁 配 置 や 連 続 桁 の 中 間 支 点 部 の 補 強 鉄 筋 の 配 置 および 若 材 齢 時 のコンクリート 強 度 に 配 慮 した 打 込 み 計 画 が 重 要 となります また 施 工 時 においては できるだけ 乾 燥 収 縮 を 抑 制 するようなコンクリート 配 合 にするととも に 所 要 の 品 質 を 確 保 できるよう 使 用 材 料 にも 留 意 が 必 要 です さらには 型 枠 打 込 み 養 生 な どの 施 工 管 理 を 徹 底 することが 良 質 なコンクリート 施 工 にとって 非 常 に 重 要 といえます 以 下 に 設 計 時 材 料 選 択 時 施 工 時 に 配 慮 する 事 項 を 列 記 します 1 設 計 上 の 考 慮 1) 桁 配 置 は 大 型 車 両 の 車 輪 の 軌 跡 を 考 慮 する 2) 太 径 筋 より 細 径 筋 を 密 に 配 筋 する 同 じ 断 面 積 ( 曲 げ 引 張 応 力 )の 場 合 コンクリートとの 接 触 面 積 ( 周 長 )が 大 きい 細 径 筋 の 方 がひびわれ 幅 の 制 御 に 有 効 である 3) 連 続 桁 形 式 の 場 合 などは 床 版 コンクリート 打 込 み 順 序 を 図 面 に 明 示 する 先 行 して 打 込 ま れたコンクリートに 過 大 な 引 張 応 力 が 発 生 しないようにする 4) 連 続 桁 などで 負 の 曲 げモーメントが 作 用 する 領 域 では 常 に 床 版 に 引 張 力 が 働 くため ひび 割 れが 進 行 しやすいので ひび 割 れ 制 御 として 補 強 鉄 筋 を 配 置 して 鉄 筋 の 引 張 応 力 度 を 低 減 する 5) 床 版 上 面 には 床 版 + 防 水 層 + 舗 装 の 三 位 一 体 の 耐 久 性 を 考 慮 した 防 水 層 を 設 ける 6) 地 覆 などのひび 割 れ 防 止 対 策 として 鉄 筋 量 を 増 加 することやVカット 縁 切 り 目 地 を 設 け ることも 考 える 2 材 料 選 択 の 配 慮 1) 鉄 筋 コンクリートの 塩 化 物 イオン 量 の 許 容 値 は 0.3 kg/m 3 とする 2) 単 位 セメント 量 を 多 くすると 硬 化 時 の 発 熱 や 乾 燥 収 縮 が 大 きくなるので 所 要 の 品 質 のコン クリートが 得 られる 範 囲 で セメント 量 を 少 なくするのがよい 3) 単 位 水 量 を 多 くすると 乾 燥 収 縮 が 大 きくなるので 所 要 のワーカビリティーが 得 られる 範 囲 でできるだけ 単 位 水 量 は 少 なくする 4) 骨 材 はアルカリ 骨 材 反 応 に 対 して 安 全 と 認 められる 骨 材 の 使 用 を 原 則 とする

38 5)セメントは 普 通 ポルトランドセメントを 使 用 するのを 標 準 とする 6)AE 剤 減 水 剤 の 他 AE 減 水 剤 高 性 能 AE 減 水 剤 などの 使 用 には 施 工 時 期 ポンプ 車 配 管 方 法 を 十 分 検 討 する 7) 生 コンプラントは 工 場 から 現 場 までの 運 搬 時 間 が 出 荷 から 打 込 み 完 了 まで1 時 間 以 内 が 理 想 である 8)コンクリートの 品 質 に 悪 影 響 を 与 える 油 酸 塩 類 有 機 物 等 の 物 質 を 含 まないこと 9)コンクリートの 練 り 混 ぜは 正 しい 計 量 装 置 均 等 な 同 時 投 入 ミキサーの 性 能 練 り 混 ぜ 時 間 のチェック( 工 場 設 備 の 再 確 認 )を 行 う 3 施 工 上 の 配 慮 1)コンクリートの 打 込 みは コンクリート 打 込 み 計 画 ( 打 込 み 順 序 方 法 材 料 分 離 の 防 止 コールドジョイントの 防 止 打 込 み 速 度 の 抑 制 等 )を 厳 守 して 実 施 する 2)コンクリートの 締 固 めは コンクリート 打 込 み 後 速 やかに 鉄 筋 の 周 囲 型 枠 のすみずみま で 行 きわたるように 十 分 に 締 め 固 める 3) 表 面 仕 上 げは 打 込 み 時 に 木 ごてによる 荒 押 さえ ブリーディング 水 の 除 去 コンクリート の 凝 結 開 始 ごろに 木 ごてによる 押 さえ 仕 上 げ 作 業 による 足 跡 がつかなくなった 時 期 に 金 ご てによる 仕 上 げを 行 う 4)コンクリートの 養 生 は 気 候 施 工 条 件 等 に 応 じた 適 切 な 養 生 計 画 ( 養 生 方 法 養 生 日 数 等 ) を 立 て その 方 法 を 厳 守 する 5) 配 筋 の 乱 れ 鉄 筋 結 束 箇 所 の 不 足 スペーサの 不 足 歩 行 やポンプ 圧 送 による 不 用 意 な 振 動 打 継 目 の 位 置 処 理 型 枠 の 変 形 と 支 保 工 の 沈 下 等 に 注 意 する 6) 強 度 発 現 前 の 振 動 と 載 荷 連 続 桁 のブロック 打 込 み 地 覆 高 欄 打 込 み 時 などには 特 に 注 意 が 必 要 である その 他 施 工 に 起 因 するひび 割 れの 発 生 原 因 と 対 策 の 詳 細 については RC 床 版 施 工 の 手 引 き (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会, 平 成 22 年 3 月 )を 参 照 願 います

39 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 Q6-47(No.61) 曲 線 橋 斜 橋 の 場 合 の 床 版 コンクリート 打 込 み 時 の 注 意 事 項 を 教 えてください キーワード: 桁 のたわみ 差 による 変 形 支 承 部 の 負 反 力 設 計 から 施 工 までの 一 貫 した 検 討 回 答 床 版 コンクリートによる 桁 の 変 形 負 反 力 に 留 意 し 施 工 します 解 説 曲 線 橋 斜 橋 等 の 床 版 コンクリートは 桁 のたわみによる 変 形 が 生 じやすく ねじりの 影 響 や 不 安 定 要 因 を 解 決 する 必 要 があります これらの 問 題 は 桁 本 体 としての 製 作 架 設 工 法 との 関 連 もあり 桁 の 設 計 から 床 版 の 施 工 まで 一 貫 して 検 討 されるべきものであると 考 えます 以 下 に 床 版 コンクリート 打 込 み 時 における 留 意 事 1),2) 項 について 示 します 1 曲 線 橋 曲 線 橋 の 橋 軸 方 向 の 施 工 順 序 は 直 橋 の 場 合 と 同 じですが 横 断 方 向 では 一 般 に 勾 配 がついている ので 曲 線 の 内 側 ( 低 い 方 )から 外 側 ( 高 い 方 )へ 向 けてコンクリートを 打 込 むように 検 討 してくださ い これは 横 断 勾 配 のためコンクリートが 低 い 方 に 流 動 するのを 防 ぐためと 曲 線 桁 の 重 心 の 位 置 が 橋 軸 ( 橋 梁 中 心 線 )に 対 して 曲 線 の 外 側 方 向 に 偏 心 しているので 桁 の 横 方 向 の 安 定 および 荷 重 分 配 上 有 利 であるためです また コンクリートの 打 ち 込 み 順 序 によっては 支 点 に 負 反 力 が 生 じる 場 合 もあり 桁 の 安 定 や 部 材 の 強 度 について 事 前 に 十 分 な 検 討 を 行 う 必 要 があります 2 斜 橋 斜 角 が 小 さく 下 図 のようなけたの 場 合 同 一 面 での 桁 のたわみ 量 が 異 なるため 桁 に 傾 きが 生 じる 恐 れがあります そのため コンクリート 床 版 打 込 みにあたっては 支 承 部 の 負 反 力 を 考 慮 し 斜 角 方 向 に 打 継 目 を 設 ける 斜 角 なりに 打 ち 込 む 入 念 な 締 固 めを 行 うなどの 対 策 を 検 討 する 必 要 があり ます 1 2 図 斜 橋 の 床 版 打 込 み 順 序 参 考 文 献 1) 鋼 道 路 橋 施 工 便 覧 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 昭 和 60 年 2 月 ),p.141,p.390,p.391,p.392 2) RC 床 版 施 工 の 手 引 き (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 22 年 3 月 )

40 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-46(No.60) 新 設 の 床 版 工 事 で コンクリート 打 継 目 の 漏 水 対 策 はどのようにすればよいです か? キーワード: 打 込 み 打 継 目 漏 水 対 策 新 旧 コンクリートの 密 着 を 良 くするための 対 策 が 必 要 となります 床 版 コンクリートの 損 傷 は 打 継 目 からの 漏 水 により 遊 離 石 灰 が 滲 出 し これが 塩 水 の 場 合 は 鉄 筋 の 腐 食 を 進 行 させ 床 版 破 損 の 原 因 となる 場 合 が 多 々 見 られます したがって 打 継 目 の 施 工 に 当 たっ ては 新 旧 コンクリートの 一 体 化 を 目 的 として 強 度 水 密 性 等 に 留 意 して 施 工 を 行 う 必 要 がありま す 1コンクリート 打 継 目 の 漏 水 対 策 としては 新 旧 コンクリートの 密 着 を 良 くする 必 要 があります のため 下 記 の 対 策 を 行 います 1) 品 質 の 悪 いコンクリートを 使 用 しないことを 前 提 に 既 打 継 部 のレイタンスや 緩 んだ 骨 材 粒 の 除 去 を 十 分 に 行 う 2) 既 打 継 部 の 処 理 方 法 硬 化 前 処 理 方 法 コンクリートの 凝 結 終 了 後 コンクリート 表 面 の 薄 層 を 除 去 し 粗 骨 材 粒 を 露 出 させる 作 業 可 能 な 時 間 が 短 いので 凝 結 遅 延 剤 を 使 用 することもある 硬 化 後 処 理 方 法 表 面 に 高 圧 の 空 気 または 水 を 吹 き 付 けて 入 念 に 洗 うかワイヤブラシ 等 を 用 いて 粗 面 にす る 3) 既 打 継 部 に 十 分 な 吸 水 を 行 う 4) 打 継 面 にセメントペースト モルタルあるいは 湿 潤 面 用 エポキシ 樹 脂 などを 塗 る 2コンクリートの 打 継 目 は 構 造 物 の 強 度 耐 久 性 外 観 および 漏 水 による 欠 陥 などに 大 きな 影 を 及 ぼします したがって 打 継 目 は コンクリートの 打 込 み 能 力 を 考 慮 してできるだけ 少 なくす るとともに 打 継 目 の 位 置 構 造 施 工 方 法 等 は 橋 梁 本 体 の 応 力 状 態 を 考 慮 して 決 定 する 必 要 が あります 図 床 版 打 継 目 の 施 工 例

41 Q6-45(No.59) 床 版 コンクリートの 養 生 目 的 とその 方 法 は 何 ですか? 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 適 切 な 温 度 十 分 な 湿 潤 有 害 な 作 用 からの 保 護 以 下 の 目 的 で 1 適 切 な 温 度 のもとで 2 十 分 な 湿 潤 状 態 に 保 ち 3 有 害 な 作 用 の 影 響 を 受 けな いように 養 生 を 行 います 1) 所 定 の 強 度 を 発 現 させ 耐 久 性 水 密 性 などの 品 質 を 確 保 する 2) 有 害 なひび 割 れを 抑 制 する コンクリート 打 込 み 後 有 害 な 影 響 を 与 えないために 気 温 風 日 射 による 温 度 変 化 および 乾 燥 を 防 ぎ 振 動 荷 重 を 加 えないように 留 意 する 必 要 があります 表 -1 養 生 の 目 的 と 方 法 養 生 の 基 本 1 温 度 抑 制 寒 中 コンクリート 暑 中 コンクリート 養 生 方 法 断 熱 給 熱 散 水 日 覆 い 散 水 2 湿 潤 に 保 つ 湿 布 膜 養 生 養 生 マット 油 脂 系 ( 溶 剤 型 乳 剤 型 ) 樹 脂 系 ( 溶 剤 型 乳 剤 型 ) 3 有 害 な 作 用 からの 保 護

42 表 -2 養 生 の 方 法 日 数 温 度 季 節 の 区 分 有 害 な 作 用 養 生 方 法 養 生 日 数 および 養 生 温 度 常 時 低 温 乾 燥 急 激 な 変 化 振 動 衝 撃 荷 重 露 出 面 をぬらした 養 生 マッ ト 布 等 で 覆 う または 散 水 湛 水 する 膜 養 生 を 行 う 場 合 十 分 な 量 を 適 切 な 時 期 に 均 一 に 散 布 す る 湿 潤 養 生 の 日 数 は 普 通 ポルトランドセメントの 場 合 日 平 均 気 温 15 以 上 で5 日 10 以 上 で7 日 5 以 上 で9 日 ( 早 強 ポルトランドセメントで 短 縮 可 能 ) 寒 中 日 平 均 気 温 4 以 下 凍 結 給 熱 時 の 乾 燥 および 局 部 的 加 熱 養 生 終 了 時 の 急 冷 風 を 防 ぐ 材 料 温 度 の 調 整 保 温 養 生 給 熱 養 生 等 の 対 策 を 実 施 する コンクリートの 打 込 み 温 度 を 5~20 とする 所 要 の 圧 縮 強 度 が 発 現 するまで コンクリ ート 温 度 を 5 以 上 とする 激 しい 気 象 作 用 を 受 けるコンクリートで は さらにその 後 2 日 間 0 以 上 に 保 つ 湿 潤 養 生 の 日 数 は 常 時 の 養 生 日 数 を 満 足 する 必 要 がある 表 面 の 湿 潤 を 保 つ 暑 中 日 平 均 気 温 25 以 上 表 面 の 乾 燥 打 込 み 後 直 ちに 養 生 する 打 込 み 温 度 を 35 以 下 とする 直 射 日 光 風 等 を 防 ぐ 処 置 が 湿 潤 養 生 の 日 数 は 常 時 の 養 生 日 数 を 満 足 する 必 要 がある 必 要 参 考 文 献 1) 2007 年 制 定 コンクリート 標 準 示 方 書 ( 施 工 編 ) (( 社 ) 土 木 学 会 )

43 Q6-44(No.58) 混 和 材 料 の 使 用 目 的 とその 種 類 について 教 えてください 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 混 和 材 料 混 和 材 混 和 剤 ワーカビリティーの 改 善 やコンクリートの 品 質 改 善 を 目 的 とし その 目 的 に 応 じた 種 類 の 混 和 材 料 が 使 用 されています 混 和 材 料 は コンクリートなどに 特 別 の 性 質 を 与 えるために 打 込 みを 行 うまでに 必 要 に 応 じて 加 えるセメント 水 骨 材 以 外 の 材 料 で 加 量 の 多 少 によって 混 和 剤 と 混 和 材 に 区 別 され ます 床 版 コンクリートによく 使 用 される 混 和 材 料 は 以 下 のようなものがあります 1)~4) 1 混 和 剤 混 和 材 料 のうち 混 和 剤 は 使 用 量 が 比 較 的 少 なくて それ 自 体 の 容 積 がコンクリートの 配 合 計 算 において 無 視 されるもの 代 表 的 な 混 和 剤 として 空 気 連 行 性 と 減 水 効 果 の 改 善 を 目 的 と した AE 減 水 剤 さらに 高 い 減 水 作 用 とスランプロスの 低 減 効 果 が 付 与 された 高 性 能 AE 減 水 剤 があります 下 表 に 主 な 混 和 剤 の 分 類 と 特 徴 を 示 します 混 和 剤 の 中 には 減 水 剤 の 一 部 のように 塩 化 物 を 含 むものがあるので 塩 害 対 策 上 使 用 にあた っては 塩 化 物 の 含 有 量 を 確 認 することが 重 要 です

44 表 混 和 剤 の 種 類 分 類 特 徴 お よ び 効 果 用 途 A E 剤 コンクリートの 中 に 微 細 な 独 立 した 気 泡 を 一 様 に 分 布 させ る 混 和 剤 ワーカビリティーが 良 くなり 分 離 しにくくな り ブリーディング レイタンスが 少 なくなる 凍 結 融 解 に 対 する 抵 抗 性 が 増 す コンクリートの 肌 が 良 くなる 一 般 的 に 使 用 されている とくに 寒 冷 地 では 必 ず 用 いられる 混 和 剤 標 準 形 減 水 剤 A E 減 水 剤 高 性 能 促 進 形 遅 延 形 標 準 形 促 進 形 遅 延 形 高 性 能 AE 減 水 剤 減 水 剤 高 強 度 用 流 動 化 剤 凝 結 遅 延 剤 硬 化 促 進 剤 分 離 低 減 剤 軟 らかくなるため 同 一 ワーカビリティーの 場 合 には 減 水 で きる 減 水 に 伴 って 単 位 セメント 量 を 減 らせる コンクリ ートを 緻 密 にし 鉄 筋 との 付 着 などがよくなる コンクリ ートの 粘 性 が 増 し 分 離 しにくくなる 標 準 形 と 同 様 の 効 果 をもつが この 混 和 剤 は 強 度 が 早 く 発 現 するのが 特 徴 塩 化 物 を 含 んでいるものが 多 いので 鉄 筋 の 発 錆 などの 問 題 がある 場 合 には 注 意 を 要 する 減 水 効 果 のほかにコンクリートの 凝 結 を 遅 らせる 効 果 があ る コンクリートの 水 和 熱 による 温 度 上 昇 の 時 間 を 若 干 遅 らせる AE 剤 と 減 水 剤 の 効 果 を 両 方 兼 備 えている 混 和 剤 空 気 連 行 性 をもった 高 性 能 減 水 剤 で スランプロス 低 減 効 果 を 付 与 された 混 和 剤 減 水 率 がとくに 高 く 高 強 度 コンクリートや 流 動 性 コン クリート 用 として 使 用 される 単 位 水 量 単 位 セメント 量 が 多 くなりすぎるときな どに 用 いる 主 に 寒 中 施 工 の 場 合 に 使 用 マスコンクリート 暑 中 コンクリート AE 剤 同 様 一 般 的 に 使 用 されている 高 強 度 高 流 動 用 など 単 位 水 量 単 位 セメント 量 を 低 減 したい 場 合 に 使 用 高 強 度 用 とくに 単 位 水 量 セメント 量 を 少 なくし たいときなど 凝 結 の 開 始 時 間 を 遅 らせる 混 和 剤 多 量 に 用 いると 硬 化 不 良 を 起 こすことがある 暑 中 施 工 時 初 期 材 齢 における 強 度 を 増 進 させる 無 塩 化 形 と 塩 化 物 を 含 むものがあり 後 者 は 鉄 筋 の 腐 食 が 懸 念 される 場 合 寒 中 あるいは 急 速 施 工 用 は 使 用 に 注 意 乾 燥 収 縮 が 若 干 大 きくなる 粘 性 が 高 く 材 料 分 離 を 起 こさないようにする 材 料 ブリ 水 中 コンクリート 逆 打 ち ーディングもほとんどなく セルフレベリング 性 が 高 くな コンクリート 高 流 動 コン る クリート 印 は 使 用 頻 度 が 比 較 的 高 い 2 混 和 材 混 和 材 料 のうち 混 和 材 は 使 用 量 が 比 較 的 多 く それ 自 体 の 容 積 がコンクリートの 配 合 計 算 に 関 係 するもの 代 表 的 な 混 和 材 として 材 齢 初 期 に 膨 張 することによって 初 期 ひび 割 れの 低 減 に 効 果 のある 膨 張 材 があります 参 考 文 献 1) 2007 年 制 定 コンクリート 標 準 示 方 書 ( 施 工 編 ) (( 社 ) 土 木 学 会 ) 2) RC 床 版 施 工 の 手 引 き (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 平 成 22 年 3 月 ) 3) 建 設 省 通 達 :コンクリート 塩 分 総 量 規 制 ( 建 設 大 臣 官 房 技 術 調 査 室 長 昭 和 61 年 6 月 ),p.28 4) 良 いコンクリートを 打 つための 要 点 (( 社 ) 全 国 土 木 施 工 管 理 技 士 会 連 合 会 )

45 Q6-43(No.57) 床 版 コンクリートの 試 験 項 目 を 教 えてください 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 キーワード: 試 験 項 目 回 答 主 にコンクリートの 品 質 管 理 を 目 的 にスランプ 試 験 やコンクリート 圧 縮 強 度 試 験 などをおこない ます 解 説 床 版 コンクリートの 品 質 管 理 を 目 的 に 試 験 練 りを 実 施 し 1コンクリート 圧 縮 強 度 試 験 2スラ ンプ 試 験 3 空 気 量 試 験 などが 行 われます また 現 場 試 験 としては 1コンクリート 圧 縮 強 度 試 験 2スランプ 試 験 3 空 気 量 試 験 4 塩 化 物 含 有 量 試 験 5 単 位 水 量 測 定 などが 行 われます レ ディーミクストコンクリート 試 験 の 項 目 は 発 注 者 の 仕 様 書 により 規 格 値 および 実 施 立 会 いの 有 無 が 異 なりますが 標 準 の 項 目 として 次 表 のような 試 験 項 目 1)~3) となります また 施 工 終 了 後 に ひびわれ 調 査 テストハンマーによる 強 度 推 定 調 査 などを 行 う 場 合 もあります

46 表 床 版 コンクリート 試 験 項 目 例 試 験 項 目 試 験 内 容 コンクリート 圧 縮 強 度 試 験 1) スランプ 試 験 1),2) 頻 度 判 定 基 準 1) 頻 度 2) 判 定 基 準 原 則 として 150 m3ごとに1 回 又 は 少 なくとも1 径 間 の 床 版 打 込 みごとに1 回 の 割 合 で 行 うものとし 1 回 の 試 験 結 果 は 任 意 の 1 運 搬 車 から 採 取 した 試 料 で 作 った3 個 の 供 試 体 の 試 験 結 果 で 表 すものとする 標 準 養 生 供 試 体 の 材 齢 28 日 における 圧 縮 強 度 が 次 の 基 準 を 満 足 する 場 合 合 格 と 判 定 する 1)1 回 の 試 験 結 果 は 指 定 した 強 度 ( 設 計 基 準 強 度 )の 85% を 下 回 らないこと 2)3 回 の 試 験 結 果 の 平 均 値 は 指 定 した 強 度 ( 設 計 基 準 強 度 )を 下 回 らないこと 原 則 として 全 車 について 行 う スランプ 8cm 以 上 18cm 以 下 の 場 合 :±2.5cm 空 気 量 試 験 2) 頻 度 1 回 / 日 または 構 造 物 の 重 要 度 と 工 事 の 規 模 に 応 じて 20~ 150 m3ごとに1 回 および 荷 卸 し 時 に 品 質 の 変 化 が 認 められた 時 判 定 基 準 許 容 誤 差 :±1.5% 塩 化 物 イオン 量 試 験 2) 単 位 水 量 試 験 3) 頻 度 判 定 基 準 頻 度 判 定 基 準 荷 下 ろし 時 原 則 として 0.3kg/m3 以 下 2 回 / 日 ( 午 前 1 回 午 後 1 回 )または 構 造 物 の 重 要 度 と 工 事 の 規 模 に 応 じて 100 m3~150 m3ごとに1 回 および 荷 卸 し 時 に 品 質 変 化 がみとめられた 時 に 実 施 (1 日 当 たりコンクリート の 使 用 量 が 100 m3 以 上 施 工 する 工 事 を 対 象 とする) 配 合 設 計 ±15kg/m3 参 考 文 献 1) 道 路 橋 示 方 書 同 解 説 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 14 年 3 月 ),p.487,p.488 2) 2007 年 制 定 コンクリート 標 準 示 方 書 ( 施 工 編 ) (( 社 ) 土 木 学 会 ) 3) 国 土 交 通 省 通 達 :レディーミクストコンクリートの 品 質 確 保 について ( 国 土 交 通 省 大 臣 官 房 技 術 調 査 官 房 建 設 コスト 企 画 管 理 室 長 平 成 15 年 10 月 )

47 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 Q6-42(No.56) 排 水 桝 周 辺 からの 水 漏 れに 対 する 防 水 対 策 は どのような 方 法 がありますか? キーワード: 密 着 性 水 の 進 入 防 止 排 水 桝 周 囲 の 防 水 対 策 として 以 下 の 事 例 があります 1 排 水 桝 とコンクリートとの 密 着 性 を 高 める 方 法 2 床 版 表 面 で 水 の 進 入 を 防 止 する 方 法 1 排 水 桝 とコンクリートとの 密 着 を 図 った 例 1) 排 水 桝 の 周 辺 に 樹 脂 モルタル 等 のコンクリートとの 密 着 性 が 良 い 材 料 を 塗 布 し 漏 水 を 防 止 2 床 版 表 面 で 水 の 進 入 を 防 止 するために 以 下 の 処 理 を 行 った 例 1) 床 版 表 面 の 排 水 桝 との 境 界 ( 幅 100mm 程 度 )に 防 水 工 を 施 し 水 の 浸 透 を 防 止 ( 図 -1) 2) 排 水 桝 の 周 りにVカットを 施 工 して コンクリート 打 込 み 硬 化 後 にコーキングを 行 い 雨 水 の 浸 透 を 防 止 ( 図 -2) 平 面 図 側 面 図 :コンクリート : 排 水 桝 : 防 水 工 図 -1 排 水 桝 の 縁 に 防 水 工 を 行 った 施 工 例 平 面 図 側 面 図 :コンクリート : 排 水 桝 :シール 工 図 -2 排 水 桝 シール 工 の 施 工 例

48 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 Q6-41(No.55) 床 版 コンクリートのひび 割 れに 対 する 補 修 補 強 の 要 否 判 定 は どのように 行 って いますか? キーワード:ひび 割 れ 補 修 漏 水 の 有 無 やひび 割 れ 幅 の 大 きさにより 補 修 の 要 否 を 判 定 します 床 版 コンクリート 打 込 み 後 初 期 の 段 階 で 生 じるひび 割 れに 対 し 補 修 の 要 否 を 判 定 する 明 確 な 基 準 はありませんが 漏 水 や 遊 離 石 灰 の 有 無 ひび 割 れ 幅 が 0.2mm 以 上 あるかどうかなどが 判 定 の 目 安 になっています ( 下 表 参 照 RC 床 版 施 工 の 手 引 き (( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会, 平 成 22 年 3 月 )) 補 修 を 必 要 とする 場 合 漏 水 エフロレッセンス( 白 華 ) が 見 られる ひび 割 れ 幅 が 0.2mm 以 上 補 修 を 必 要 としない 場 合 ひび 割 れ 幅 が 0.2mm 以 下 ひび 割 れ 幅 による 補 修 の 要 否 は コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 2009 (( 社 ) 日 本 コンクリート 工 学 協 会 )を 参 考 としています なお, 設 計 上 の 基 準 としては 2007 年 制 定 コンクリート 標 準 示 方 書 ( 設 計 編 ) (( 社 ) 土 木 学 会 ) に 示 される 鋼 材 の 腐 食 に 対 するひび 割 れ 幅 の 限 界 値 ( 下 表 参 照 )などがあり これに 則 った 設 計 を 行 うこともあります ただし 適 用 できるかぶりcは,100mm 以 下 を 標 準 とする また 供 用 後 の 疲 労 により 生 じるひび 割 れに 対 する 補 強 の 要 否 は ひび 割 れ 幅 の 大 きさだけでな く 間 隔 方 向 も 考 慮 して 判 定 を 行 います 橋 梁 床 版 の 補 強 の 要 否 を 判 定 する 参 考 として コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 2009 (( 社 ) 日 本 コンクリート 工 学 協 会 )より RC 床 版 のひび 割 れの 進 行 過 程 の 図 および 補 強 の 要 否 の 判 定 基 準 の 表 を 以 下 に 示 します

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50 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-40(No.54) コンクリート 地 覆 のひび 割 れ 防 止 対 策 にはどのような 方 法 がありますか? キーワード: 地 覆 ひび 割 れ 鉄 筋 量 の 増 加 や 膨 張 材 の 使 用 のほかに ひび 割 れ 誘 発 目 地 (Vカット 等 ) 縁 切 り 目 地 の 設 置 な どの 方 法 があります コンクリート 地 覆 のひび 割 れ 防 止 対 策 のうち 初 期 ひび 割 れの 防 止 については 所 定 のかぶり 厚 を 確 保 した 上 で 床 版 部 と 同 様 に 鉄 筋 量 の 増 加 や 膨 張 材 の 使 用 などの 対 策 が 有 効 です その 他 の 対 策 としては 適 当 な 間 隔 で 目 地 (Vカット 縁 切 り)を 設 置 することにより その 区 間 のひび 割 れ 防 止 を 図 ることが 可 能 です このうち 鋼 床 版 とRC 床 版 の 地 覆 コンクリートではひび 割 れ 防 止 対 策 が 異 なります 鋼 板 によ る 拘 束 度 が 大 きい 鋼 床 版 の 場 合 は 温 度 変 化 活 荷 重 によるたわみや 振 動 の 影 響 などによりひび 割 れの 発 生 確 率 が 高 いため どの 要 因 に 対 しても 効 果 が 期 待 できる 構 造 目 地 ( 縁 切 り 目 地 )を 一 定 間 隔 に 設 けることによってひび 割 れの 抑 制 を 図 り RC 床 版 の 場 合 はあらかじめ 定 められた 場 所 にひ び 割 れを 集 中 させる 目 的 でVカット 等 のひび 割 れ 誘 発 目 地 を 設 けるなどの 対 策 が 一 般 的 に 採 用 され ています RC 床 版 ひび 割 れ 誘 発 目 地 図 地 覆 のひび 割 れ 防 止 対 策 例

51 平 成 19 年 12 月 作 成 Q6-39(No.53) 床 版 工 に 使 われるスペーサは 鋼 製 の 他 にどのようなものがありますか? キーワード:スペーサ 床 版 に 使 われるスペーサには モルタル 製 コンクリート 製 プラスチック 製 ステンレス 製 セラミック 製 等 があります 型 枠 に 接 するスペーサはモルタル 製 あるいはコンクリート 製 を 使 用 します 高 強 度 モルタルスペーサ(チャック 付 き) 防 錆 処 理 鋼 製 スペーサ コンクリート 防 錆 付 鋼 製 スペーサ プラスチック 製 スペーサ 写 真 スペーサーの 例 スペーサの 選 定 に 際 しては 構 造 物 の 置 かれる 環 境 条 件 重 要 性 スペーサを 使 用 する 部 位 施 工 性 耐 荷 力 などを 考 慮 し 鉄 筋 を 適 切 な 位 置 に 保 持 し かぶりを 確 保 するために 使 用 箇 所 に 適 した 材 質 のものを 選 びます モルタル 製 あるいはコンクリート 製 のスペーサを 使 用 する 場 合 には 本 体 コンクリートと 同 等 以 上 の 品 質 を 有 するものを 使 用 します 鋼 製 スペーサはメッキまたは 型 枠 と 接 する 部 分 に 防 錆 処 理 がされていますが 鉄 筋 かぶり 内 に 鋼 材 を 残 した 場 合 発 錆 によりコンクリートの 剥 離 ひび 割 れを 生 ずるおそれがあり 防 食 上 の 弱 点 となるので 型 枠 に 接 するスペーサは 原 則 としてモルタル 製 あるいはコンクリート 製 とします プラスチック 製 スペーサは コンクリートとの 熱 膨 張 率 の 相 違 付 着 および 耐 荷 力 不 足 等 の 問 題 があります ステンレス 製 等 の 耐 食 性 金 属 できたスペーサは 異 種 金 属 間 の 接 触 腐 食 の 問 題 など 不 明 確 な 点 があります

52 平 成 19 年 12 月 作 成 平 成 24 年 3 月 修 正 Q6-38(No.52) 歩 道 付 きの 道 路 橋 で 車 道 部 と 歩 道 部 が 縁 石 で 分 離 されている 場 合 の 床 版 防 水 工 の 仕 様 はどうなりますか すべてシート 防 水 でもかまわないですか? キーワード: 防 水 工 歩 道 車 道 部 と 歩 道 部 の 防 水 工 の 仕 様 については 車 道 部 の 床 版 防 水 材 と 同 じ 仕 様 で 歩 道 部 も 施 工 しま す 床 版 防 水 工 の 仕 様 については Q6-52 を 参 照 してください また 床 版 防 水 工 の 施 工 範 囲 は 橋 面 全 面 とします 図 施 工 例 1)

53 コンクリート 床 版 は 輪 荷 重 を 直 接 支 える 部 材 で 疲 労 の 影 響 を 受 けやすく コンクリート 床 版 の ひび 割 れに 水 などが 浸 透 すると 床 版 コンクリートの 劣 化 は 著 しく 進 展 し 床 版 コンクリートの 寿 命 は 大 幅 に 短 くなるので 歩 道 部 も 車 道 部 と 同 様 に 床 版 防 水 工 を 施 します 歩 車 道 境 界 縁 石 部 は コンクリート 床 版 上 に 調 整 モルタルと 縁 石 ブロックで 構 成 されますが 縁 石 部 のコンクリート 床 版 部 に 防 水 層 がないと 車 道 部 や 歩 道 部 の 防 水 層 と 床 版 の 間 に 水 が 浸 透 して 防 水 層 を 剥 離 させる 恐 れがあることから 橋 梁 新 設 時 に 床 版 防 水 層 を 設 置 する 場 合 は 橋 面 全 面 に 施 工 する 必 要 があります また 歩 道 部 についてはマウンドアップ 部 の 滞 水 処 理 にも 留 意 する 必 要 があ ります 参 考 文 献 1) 道 路 橋 床 版 防 水 便 覧 (( 社 ) 日 本 道 路 協 会 平 成 19 年 3 月 )

54 PC 床 版

55 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-119(No.131) 場 所 打 ち PC 床 版 におけるプレストレス 導 入 ( 横 締 め) 作 業 時 の 緊 張 作 業 スペース はどれくらい 必 要 でしょうか? キーワード: 場 所 打 ちPC 床 版 横 締 め シングルストランド 工 法 緊 張 作 業 空 間 場 所 打 ちPC 床 版 の 横 締 め( 床 版 幅 員 方 向 の 緊 張 )には 通 常 1S21.8 または 1S28.6 のプレグラ ウト PC 鋼 より 線 が 使 用 され 各 種 シングルストランド 工 法 専 用 のジャッキに 応 じて 緊 張 可 能 な 作 業 空 間 が 決 まっています 一 般 に 場 所 打 ち PC 床 版 の 横 締 めにおいては 床 版 に 均 等 にプレストレスが 導 入 されるよう 交 互 片 引 きとすることが 多 く そのためには PC 鋼 材 の 配 置 を 緊 張 側 と 固 定 側 が 交 互 となるように 千 鳥 配 置 にします この 場 合 床 版 張 出 し 部 の 左 右 どちらからも 緊 張 することになるため 緊 張 時 の 作 業 スペースと して それぞれの 端 面 から 緊 張 ジャッキによって 定 められた 緊 張 作 業 空 間 が 必 要 となります 表 -1に 代 表 的 なシングルストランド 工 法 のマニュアルから 1PC 鋼 材 の 余 長 2 緊 張 ジャッ キの 緊 張 作 業 空 間 を 示 します 表 -1 各 種 シングルストランド 工 法 のPC 鋼 材 の 余 長 および 緊 張 作 業 空 間 シングルストランド 工 法 定 着 工 法 SM 工 法 CCL 工 法 適 用 PC 鋼 材 (mm) ジャッキ 仕 様 1 PC 鋼 材 の 余 長 (mm) 2 緊 張 作 業 空 間 (mm) a b a b J-50 J-75 KM-50 KMS ~ ~ ~1180 1PC 鋼 材 の 余 長 2 緊 張 ジャッキの 緊 張 作 業 空 間

56 これらの 施 工 基 準 に 基 づいて 橋 建 協 の 場 所 打 ち PC 床 版 の 手 引 きでは 近 接 する 並 列 橋 で 交 互 片 引 きを 行 う 場 合 緊 張 に 要 する 作 業 スペースとして 作 業 的 な 余 裕 を 見 込 んで 互 いの 間 隔 には 1.6m 以 上 が 必 要 としています なお 上 下 線 が 近 接 して 位 置 する 等 平 面 線 形 上 やむを 得 ず 千 鳥 配 置 ができない 場 合 は 一 方 向 からの 片 引 き 緊 張 で 所 定 プレストレスが 導 入 されるよう 設 計 しておくことを 前 提 に 上 記 の 作 業 空 間 を 設 けずに 全 数 片 側 ( 隣 接 と 反 対 側 )からの 緊 張 で 対 応 することが 可 能 となります しかし この 場 合 でも 隣 接 橋 梁 との 間 隔 は 地 覆 壁 高 欄 の 型 枠 の 施 工 性 から 600mm 程 度 離 して おくことが 望 ましいと 考 えられます 参 考 文 献 1) PC 床 版 施 工 の 手 引 き 場 所 打 ち PC 床 版 編 平 成 16 年 3 月 ( 社 ) 日 本 橋 梁 建 設 協 会 2) SM 工 法 設 計 施 工 マニュアル 2007 年 8 月 住 友 電 工 スチールワイヤー 3) CCLシングルストランド 工 法 設 計 施 工 基 準 2005 年 3 月 シー シー エル シ ャハ ン

57 平 成 24 年 3 月 作 成 Q6-118(No.130) 車 線 規 制 を 伴 いながら PC 床 版 を 補 修 する 場 合 どのような 検 討 が 必 要 ですか? キーワード: 保 全 維 持 管 理 PC 床 版 車 線 規 制 床 版 取 替 え 車 両 通 行 止 めを 行 わず 車 線 規 制 を 行 いながら PC 床 版 の 補 修 を 行 う 場 合 は 車 両 通 行 帯 となる 床 版 の 安 定 した 支 持 状 態 の 確 保 と 分 割 施 工 後 の 床 版 の 一 体 化 が 満 足 されるように 構 造 や 補 修 方 法 を 検 討 することが 必 要 です 車 両 通 行 帯 となる 床 版 の 安 定 した 支 持 状 態 と 分 割 施 工 後 の 床 版 を 一 体 化 について 以 下 に 留 意 点 を 示 します (1) 車 線 確 保 のための 仮 設 縦 桁 の 増 設 一 般 に 鋼 橋 における 場 所 打 ち PC 床 版 は 橋 軸 方 向 を RC 構 造 橋 軸 直 角 方 向 をポストテンシ ョン 方 式 の PC(PRC) 構 造 とする 例 が 多 く プレストレスの 導 入 によって 通 常 の RC 床 版 に 比 べ 床 版 厚 が 低 減 され 耐 荷 力 耐 久 性 の 向 上 を 図 ることができる 床 版 ですが 幅 員 の 半 幅 で 交 通 規 制 を 行 う 場 合 断 面 を 床 版 支 間 中 央 で 分 断 するように 橋 軸 方 向 ( 縦 方 向 )に 床 版 を 切 断 することで 導 入 プレストレスが 消 失 (または 減 少 )し PC 床 版 としての 機 能 が 失 われることが 予 想 されます そのため 工 事 期 間 中 の 車 両 交 通 を 確 保 するには 切 断 後 の 既 設 PC 床 版 が あるいは 車 線 切 り 替 え 後 の 新 設 PC 床 版 (プレストレス 導 入 前 )が 構 造 的 に RC 床 版 として 安 全 な 支 持 状 態 で かつ 荷 重 を 受 け 持 つことができるように 床 版 支 間 を 短 くする 仮 設 縦 桁 を 既 設 の 主 桁 間 に 増 設 する 必 要 があります また 縦 桁 を 支 持 する 横 桁 の 間 隔 によっては 縦 桁 の 支 持 受 梁 として 仮 設 横 桁 の 設 置 や 床 版 の 張 出 し 長 が 大 きい 場 合 には 耳 桁 外 側 へのブラケット 補 強 も 検 討 する 必 要 があると 考 えられます (2) 一 次 床 版 二 次 床 版 の PC 構 造 の 連 続 化 ( 一 体 化 ) 車 線 規 制 を 行 いながらの 施 工 では 幅 員 方 向 に 分 割 施 工 するために 橋 軸 方 向 の 継 目 ( 縦 目 地 車 線 間 継 手 )が 生 じますが 取 替 え 後 の 床 版 を 原 則 として 元 設 計 通 りの PC 床 版 に 復 旧 するた めには 一 次 施 工 二 次 施 工 の 床 版 に 配 置 した PC 鋼 材 の 横 締 め( 橋 軸 直 角 方 向 のプレストレス の 導 入 )により 一 体 化 する 必 要 があります このときに 既 設 と 同 じ 場 所 打 ち PC 床 版 で 復 旧 する 場 合 は (1)の 仮 設 縦 桁 を 先 行 設 置 すること により 一 次 施 工 完 了 後 車 線 を 切 り 替 え 二 次 施 工 側 の 床 版 を 打 ち 継 ぎ プレストレス 導 入 に 必 要 な 強 度 発 現 を 待 って 床 版 全 幅 の 横 緊 張 を 行 うことで 一 体 化 した PC 床 版 とすることが 可 能 となります これに 対 し ( 現 場 施 工 期 間 の 短 縮 を 図 るために)プレテンション 方 式 のプレキャスト PC 床 版 で 復 旧 する 場 合 は 分 割 施 工 によって 生 じる 車 線 間 の 縦 目 地 ( 二 次 床 版 敷 設 後 無 収 縮 モルタル や 間 詰 めコンクリートを 充 填 )にもプレストレスを 導 入 して PC 構 造 の 連 続 化 を 行 い 一 次 床 版