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1 平 成 18 年 度 廃 棄 物 計 画 部 会 研 究 活 動 報 告 - 廃 棄 物 計 画 論 の 確 立 をめざして(16)- 第 6 期 活 動 (その1) 平 成 19 年 3 月 廃 棄 物 学 会 研 究 委 員 会 廃 棄 物 計 画 部 会

2 目 次 巻 頭 言 ⅰ 廃 棄 物 学 会 研 究 委 員 会 廃 棄 物 計 画 部 会 代 表 古 市 徹 ( 北 海 道 大 学 大 学 院 ) 1. 循 環 型 共 生 社 会 の 適 正 処 理 グループ 生 ごみバイオガス 化 有 料 化 導 入 効 果 の 評 価 3 北 海 道 大 学 谷 川 昇 古 市 徹 石 井 一 英 1.2 廃 棄 管 理 とバリアフリー 環 境 整 備 8 社 会 福 祉 法 人 常 盤 会 富 安 健 1.3 循 環 型 社 会 形 成 へ 向 けた 動 きと 最 終 処 分 場 の 計 画 10 大 成 建 設 臼 井 直 人 2. 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 グループ 循 環 型 共 生 社 会 における 最 終 処 分 のシステム 設 計 17 北 海 道 大 学 古 市 徹 2.2 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 事 例 解 析 -ヨーロッパにおける 一 般 廃 棄 物 管 理 とエネルギー 利 用 制 度 の 背 景 22 北 海 道 大 学 石 井 一 英 古 市 徹 谷 川 昇 2.3 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 協 働 作 業 の 基 礎 情 報 伝 達 とコミュニケーションー 25 環 境 カウンセラー 中 村 恵 子 2.4 多 種 類 分 別 の 効 果 についての 考 察 ~ 上 勝 町 水 俣 市 横 浜 市 の 比 較 分 析 ~ 30 ( 株 )インテージ 西 哲 生 2.5 産 業 廃 棄 物 処 理 業 者 の 優 良 化 制 度 に 関 する 研 究 34 イーツーエンジニアリング 長 谷 川 誠 3. 循 環 資 源 の 有 効 利 用 グループ 廃 棄 物 計 各 における 都 市 廃 棄 物 のエネルギー 資 源 の 有 効 利 用 不 燃 ごみサーマルリサイクルを 事 例 としてー 43 ( 財 ) 東 京 都 環 境 整 備 公 社 橋 本 治 3.2 ごみメタン 化 事 業 のライフサイクルコスト 50 アタカ 大 機 ( 株 ) 河 窪 義 男

3 4. 廃 棄 物 マネジメントツール 研 究 グループ 廃 棄 物 マネジメントツールの 研 究 にあたって 59 環 境 技 研 コンサルタント 西 川 光 善 4.2 在 宅 医 療 廃 棄 物 の 適 正 処 理 ( 社 会 医 療 診 療 行 為 別 調 査 の 結 果 分 析 ) 64 近 畿 大 学 医 学 部 附 属 病 院 池 田 行 宏 5. 関 西 サブ 研 究 会 市 民 参 加 による 廃 棄 物 計 画 の 進 行 管 理 の 意 義 と 課 題 69 和 歌 山 大 学 金 子 泰 純 5.2 関 西 サブ 研 究 会 の 平 成 18 年 度 定 例 会 報 告 71 大 阪 産 業 大 学 花 嶋 温 子 5.3 第 17 回 小 集 会 報 告 (アンケート 結 果 ) 75 青 野 肇 5.4 豊 中 市 の 市 民 参 加 に 関 する 一 考 察 80 住 信 基 礎 研 究 所 馬 場 高 志 5.5 評 価 シートを 用 いた 市 民 参 加 の 進 行 管 理 84 ( 株 ) 地 域 計 画 建 築 研 究 所 後 藤 久 美 子 5.6 計 画 の 進 行 管 理 を 考 える 市 民 参 加 による 計 画 の 見 直 しと 行 政 評 価 の 比 較 93 大 阪 市 環 境 科 学 研 究 所 山 本 攻 廃 棄 物 計 画 部 会 第 6 期 会 員 名 簿 103 廃 棄 物 計 画 部 会 第 6 期 役 員 107 第 6 期 サブ 研 究 会 メンバー 表 107 編 集 後 記 108

4 巻 頭 言 廃 棄 物 学 会 研 究 委 員 会 廃 棄 物 計 画 部 会 代 表 古 市 徹 ( 北 海 道 大 学 大 学 院 ) 計 画 部 会 の 活 動 は 平 成 3 年 (1991 年 )から1 期 3 年 間 として 継 続 し 平 成 1 8 年 3 月 で 第 5 期 の 活 動 を 終 え 今 年 の4 月 から 第 6 期 活 動 の2 年 目 に 入 ってい る この 間 廃 棄 物 学 会 年 次 研 究 発 表 会 の 小 集 会 では 初 回 の 平 成 4 年 から 連 続 15 回 毎 年 テーマ 設 定 し 研 究 発 表 を 行 ってきた また 廃 棄 物 学 会 総 会 時 の 春 の 研 究 シンポジウムでも 平 成 12 年 の 初 回 時 から 連 続 8 回 毎 年 企 画 して 参 加 し 研 究 発 表 を 行 ってきた さらに 廃 棄 物 学 会 誌 にも 特 集 として 計 画 部 会 の 研 究 成 果 を 平 成 6 年 (Vol.5, No.4)と 平 成 14 年 (Vol.13, No.6)の 学 会 誌 に 合 計 2 回 掲 載 した このように 見 てくると 計 画 部 会 の 研 究 活 動 の 成 果 については 廃 棄 物 学 会 に おいて 積 極 的 に 情 報 発 信 し 広 く 普 及 してきているものと 考 えられる このよう な 活 発 かつ 有 意 義 な 成 果 を 残 せたのも 計 画 部 会 の 会 員 各 位 の 精 力 的 な 研 究 活 動 の 賜 と この 機 会 に 感 謝 申 し 上 げたい 誠 に 継 続 は 力 なりである しかし 世 の 中 は 日 々 変 化 しており また 解 決 が 急 がれている 廃 棄 物 問 題 が 山 積 している 現 状 に 甘 んじることなく 我 々の 計 画 部 会 が 使 命 感 を 持 って 問 題 解 決 を 図 って いくためには 計 画 部 会 のメンバー 組 織 を 更 に 活 性 化 する 必 要 がある 循 環 型 社 会 を 形 成 する 一 環 として 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 ができた 目 的 は 3Rを 総 合 的 に 推 進 するために 市 町 村 の 自 主 性 と 創 意 工 夫 を 活 かしな がら 広 域 的 かつ 総 合 的 に 廃 棄 物 処 理 リサイクル 施 設 を 推 進 することである つ まり 市 町 村 の 町 作 り 構 想 の 段 階 から 廃 棄 物 処 理 リサイクルのあり 方 を 議 論 し 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 ( 以 下 地 域 計 画 という)を 策 定 することであ る 交 付 金 制 度 での 地 域 計 画 は あるべき 姿 の 計 画 としての 策 定 手 順 を 踏 むこと になる つまり 二 十 数 年 前 から 我 々が 主 張 し 続 けてきたシステムズアプローチ による 計 画 策 定 手 順 が やっと 制 度 として 実 現 されることになった このことは 我 々 廃 棄 物 計 画 部 会 が 目 指 してきた 廃 棄 物 計 画 論 へのアプローチが 現 実 面 で 社 会 的 にも 正 しい 方 向 であると 認 められてきたことを 意 味 している 次 のステップ は 我 々 廃 棄 物 計 画 部 会 が 具 体 的 な 地 域 計 画 の 模 範 を 示 し 成 功 例 の 実 践 を 積 み 重 ねていくことが 重 要 と 考 える そのために 第 6 期 の 活 動 では 現 在 の 部 会 員 の 知 識 経 験 情 熱 を 継 承 すべ く 新 規 会 員 の 募 集 を 行 っていく 必 要 がある 計 画 部 会 を 刷 新 し 循 環 型 共 生 社 会 を 形 成 すべく 廃 棄 物 計 画 論 の 確 立 をめざして 尚 一 層 の 切 磋 琢 磨 を 御 願 い 申 し 上 げたい 平 成 19 年 5 月 - ⅰ -

5 1. 循 環 型 共 生 社 会 の 適 正 処 理 グループ - 1 -

6 1.1 生 ごみバイオガス 化 有 料 化 導 入 効 果 の 評 価 北 海 道 大 学 谷 川 昇 古 市 徹 石 井 一 英 はじめに 最 終 処 分 場 の 残 余 年 数 の 逼 迫 や 焼 却 処 理 に 伴 うダイオキシン 類 (DXNs)の 排 出 等 の 問 題 を 解 決 する 一 つの 方 策 として 資 源 物 は 回 収 し 可 燃 ごみは 広 域 化 によ って 規 模 の 大 きな 施 設 で 焼 却 する 処 理 体 系 への 変 更 が 進 められている 処 理 体 系 の 変 更 にあたっては 生 ごみの 地 域 内 処 理 が 求 められる 場 合 が 多 いこと 未 利 用 バイオマスとして 生 ごみの 有 効 利 用 が 注 目 されていること 新 たな 処 理 体 系 では コストの 増 加 が 予 想 されること 等 から 自 治 体 は 生 ごみの 資 源 化 とごみ 手 数 料 の 有 料 化 の 導 入 を 図 る 必 要 がある しかし ごみ 処 理 体 系 を 変 更 した 場 合 の 効 果 は 明 らかにされていないために 新 たな 処 理 体 系 への 移 行 は 必 ずしも 円 滑 に 進 んで はいない そこで 本 研 究 では 広 域 化 計 画 によって 生 ごみバイオガス 化 ごみ 処 理 手 数 料 有 料 化 導 入 等 のごみ 処 理 体 系 の 変 更 を 行 った 事 例 を 定 量 的 に 分 析 し ごみ 処 理 体 系 の 変 更 による 効 果 を 評 価 した 方 法 調 査 対 象 とした 地 域 では ごみ 処 理 の 広 域 化 計 画 によって 平 成 15 年 度 からご み 処 理 体 系 が 変 更 され 処 理 手 数 料 の 有 料 化 ガス 化 溶 融 施 設 による 可 燃 ごみの 集 約 処 理 各 地 区 での 生 ごみのバイオガス 化 と 不 燃 ごみの 破 砕 と 金 属 類 の 選 別 回 収 ( 破 砕 選 別 ) 資 源 物 の 分 別 回 収 が 開 始 された 本 研 究 では 図 1 に 示 すように ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 には 資 源 物 以 外 のご みを 全 て 直 接 埋 立 処 理 していたA 市 と 生 ごみを 含 む 可 燃 ごみを 小 規 模 施 設 で 焼 却 していたB 市 を 対 象 に 図 2 に 示 すように ごみ 処 理 体 系 変 更 前 後 のごみの 収 集 運 搬 処 理 処 分 の 範 囲 におけるデータ をヒアリング 調 査 等 で 調 べ 1 ごみ 処 理 量 2 最 終 処 分 量 3ごみ 処 理 コスト4エネルギー 消 費 量 5 温 室 効 果 ガス 排 出 量 6ダイオ キシン 類 (DXNs) 排 出 量 を 分 析 評 価 した < 変 更 前 > A 市 処 理 : 無 料 混 合 ごみ ( 生 ごみ 可 燃 ごみ 不 燃 ごみ) 直 接 埋 立 B 市 処 理 : 定 額 制 有 料 可 燃 ごみ 小 規 模 焼 却 ( 生 ごみを 含 む) 平 成 15 年 度 か ら 移 行 < 変 更 後 > 新 処 理 体 系 処 理 : 従 量 制 有 料 可 燃 ごみ ガス 化 溶 融 ( 集 約 処 理 ) 生 ごみ バイオガス 化 発 電 発 電 熱 利 用 不 燃 ごみ 直 接 埋 立 不 燃 ごみ 破 砕 選 別 図 1 調 査 対 象 地 域 のごみ 処 理 体 系 - 3 -

7 評 価 範 囲 収 集 処 理 運 搬 最 終 処 分 収 集 経 費 燃 料 ( 収 集 車 両 ) 処 理 量 維 持 管 理 費 電 力 燃 料 薬 品 類 使 用 量 発 電 量 DXNs 排 出 量 運 搬 経 費 燃 料 ( 運 搬 車 両 ) 最 終 処 分 量 維 持 管 理 費 電 力 燃 料 薬 品 類 使 用 量 処 分 場 からの CH 4 発 生 量 図 2 システム 分 析 の 評 価 範 囲 と 項 目 結 果 および 考 察 (1)ごみ 処 理 量 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 量 を 図 3 に 示 す ごみ 処 理 体 系 の 変 更 によって A 市 と B 市 の 全 ごみ 処 理 量 は それぞれ 約 15% 約 28% 減 少 した この 減 少 には 生 ごみの 排 出 抑 制 が 大 きく 影 響 し ている また ごみ 処 理 量 は 一 時 的 に 減 少 したわけではなく 両 市 ともに 現 在 もこの 減 少 したレベ ルを 維 持 している 処 理 ごみ 量 (t/ 年 ) 資 源 ごみ 不 燃 ごみ 可 燃 ごみ 生 ごみ 図 3 ごみ 変 更 前 処 理 変 体 更 系 後 の 変 更 前 後 のごみ 変 更 後 処 理 量 A 市 B 市 (2) 最 終 処 分 量 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ の 最 終 処 分 量 を 図 4 に 示 す 全 量 埋 立 を 実 施 していた A 市 では 処 理 体 系 変 更 後 の 最 終 処 分 量 は 変 更 前 の 1/10 と 大 幅 に 減 少 した B 市 でも ガス 化 溶 融 処 理 によって 焼 却 灰 が 減 容 化 されたこと 不 燃 ごみから 金 属 等 が 資 源 物 として 回 収 されたこと 等 から 最 終 処 分 量 は 変 更 前 の 約 1/3 に 減 少 した 最 終 処 分 量 (t/ 年 ) 図 0 変 更 前 変 更 後 変 更 前 変 更 後 A 市 生 ごみBG 化 残 渣 焼 却 残 渣 不 燃 ごみ 可 燃 ごみ 生 ごみ B 市 4 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみの 最 終 処 分 量 - 4 -

8 (3)ごみ 処 理 コスト ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 コストを 図 5 に 示 す ごみ 処 理 手 数 料 の 有 料 化 の 導 入 または 変 更 によって 得 られたごみ 処 理 経 費 の 約 20%に 相 当 する 収 入 を 差 し 引 いても 変 更 後 のごみ 処 理 コストは A 市 では 約 2 倍 B 市 では 約 2.7 倍 に 増 加 した その 原 因 としては 生 ごみ 資 源 化 に 伴 ってごみ 収 集 回 数 が 従 来 よりも 増 加 して 収 集 コストが 両 市 で 1.5 倍 に 増 加 し たこと 生 ごみバイオガス 化 施 設 可 燃 ごみの 焼 却 施 設 不 燃 ごみの 破 砕 処 理 施 設 の 維 持 費 が 新 たに 課 されたことが 挙 げられ る 可 燃 ごみのガス 化 溶 融 処 理 に 要 する 経 費 は B 市 において 実 施 されていた 小 規 模 焼 却 施 設 での 焼 却 経 費 と 比 較 すると 約 1.5 倍 となる 処 理 コスト( 百 万 円 / 年 ) 有 料 化 収 入 収 集 経 費 可 燃 ごみ 焼 却 経 費 生 ごみBG 化 経 費 変 更 前 変 更 後 変 更 前 変 更 後 A 市 資 源 化 物 売 却 費 最 終 処 分 場 維 持 管 理 費 不 燃 ごみ 破 砕 選 別 経 費 B 市 図 5 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 のコスト (4)エネルギー 消 費 量 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 に 伴 うエネルギー 消 費 量 を 図 6 に 示 す ご み 処 理 体 系 の 変 更 によって エネルギー 消 費 量 は A 市 では 約 8 倍 に B 市 では 約 5 倍 となっている 両 市 とも 可 燃 ごみのガス 化 溶 融 処 理 に 伴 うエネルギー 消 費 量 がこの 増 加 の 主 原 因 となってい る エネルギー 消 費 量 全 体 に 対 するガス 化 溶 融 処 理 のエネルギ ー 消 費 量 の 寄 与 率 は 両 市 とも に 約 80%を 占 めている ガス 化 溶 融 処 理 の 代 替 としてストーカ ー 炉 による 焼 却 と 灰 溶 融 炉 を 組 み 合 わせて 処 理 した 場 合 には エネルギー 消 費 量 は 約 1/2 程 度 になると 見 込 まれる エネルギー 消 費 量 (Gcal/ 年 ) 収 集 最 終 処 分 場 不 燃 ごみ 資 源 化 施 設 生 ごみBG 化 施 設 可 燃 ごみ 焼 却 施 設 変 更 前 変 更 後 変 更 前 変 更 後 A 市 B 市 図 6 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 に 伴 うエネルギー 消 費 量 - 5 -

9 (5) 温 室 効 果 ガス 排 出 量 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 に 伴 う 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 を 図 7 に 示 す 図 7 において 最 終 処 分 場 から 排 出 される 温 室 効 果 ガス 量 は 環 境 省 の 算 定 方 式 に 従 った 両 市 ともに 変 更 後 の 温 室 効 果 ガス 量 は 増 加 している ただし A 市 では 可 燃 ごみ 焼 却 施 設 におけるエネルギー 消 費 に 過 去 に 埋 めたてた 廃 棄 物 から 発 生 する 埋 立 ガス 中 のメタンを 加 算 しているために 変 更 後 の 排 出 量 が 増 加 した 結 果 とな っている 実 質 的 には 処 理 体 系 の 変 更 によって 温 室 効 果 ガス 排 出 量 は 減 少 している しかし B 市 では ガス 化 溶 融 施 設 ではエネルギー 消 費 が 多 くなる 高 温 で 可 燃 ごみを 処 理 し ていること 高 度 な 環 境 対 策 設 備 が 設 置 されていること 等 のた めに 温 室 効 果 ガス 排 出 量 は 変 更 前 の 焼 却 施 設 と 比 べて 大 幅 に 増 加 する 結 果 となった 温 室 効 果 ガス 排 出 量 (t-c/ 年 ) 収 集 不 燃 ごみ 破 砕 選 別 施 設 可 燃 ごみ 焼 却 施 設 最 終 処 分 場 生 ごみBG 化 施 設 処 分 場 ガス 変 更 前 変 更 後 変 更 前 変 更 後 A 市 B 市 図 7 ごみ 処 理 体 系 の 変 更 前 後 のごみ 処 理 に 伴 う 温 室 効 果 ガス 排 出 量 (6)ダイオキシン 類 排 出 量 B 市 の 小 規 模 焼 却 施 設 の 排 ガス 中 のダイオキシン 類 (DXNs) 濃 度 は 7.1ng-TEQ/m 3 であった この DXNs 排 出 濃 度 の 低 減 が 困 難 であったために B 市 は 小 規 模 焼 却 施 設 を 休 止 し ガス 化 溶 融 施 設 での 可 燃 ごみの 広 域 化 処 理 に 移 行 し た ガス 化 溶 融 施 設 における 排 ガス 中 の DXNs 濃 度 は ng-teq/m 3 であり 可 燃 ごみ 1t あたりの DXNs 排 出 量 は 変 更 前 と 比 べて 約 1/700 に 減 少 した 表 1 ごみ 処 理 体 系 変 更 前 後 増 減 の 総 括 ( 対 変 更 前 比 %) 処 理 ご 最 終 処 処 理 コ エネルギ 温 室 効 果 ガ DXNs み 量 分 量 スト ー 消 費 量 ス 排 出 量 排 出 量 A 市 ( 直 接 埋 立 ) B 市 ( 小 規 模 焼 却 )

10 1.1.4 まとめ 表 1に 示 す A 市 と B 市 の 実 データを 用 いた 分 析 結 果 の 総 括 より 下 記 のことが 明 らかとなった (1) A 市 と B 市 ともに ごみ 処 理 体 系 の 変 更 によって ごみの 処 理 量 と 最 終 処 分 量 が 減 少 する 一 方 で ごみ 処 理 コストとエネルギー 消 費 量 が 増 加 した (2)ごみの 直 接 埋 立 を 変 更 した A 市 では 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 は 長 期 的 に 減 少 させることができた (3) 小 規 模 焼 却 却 処 理 を 変 更 した B 市 では DXNs 排 出 量 を 大 幅 に 削 減 できたが 温 室 効 果 ガス 排 出 量 は 増 加 した (4) 採 用 する 焼 却 処 理 方 式 によっては エネルギー 消 費 量 と 温 室 効 果 ガス 排 出 量 の 増 加 を 縮 小 可 能 である - 7 -

11 1.2 廃 棄 管 理 とバリアフリー 環 境 整 備 社 会 福 祉 法 人 常 盤 会 富 安 健 背 景 と 目 的 我 々は 生 きている 限 り 様 々なバリアと 共 生 することを 宿 命 づけられている 極 限 の バリアは 生 と 死 である 廃 棄 物 バリアフリー 研 究 は 社 会 的 弱 者 が 分 別 ごみの 屋 内 あ るいは 玄 関 からごみ 集 積 所 までの 廃 棄 物 移 動 の 円 滑 化 を 目 的 としている 少 子 高 齢 化 社 会 を 迎 えて 健 常 者 が 行 わなければならない 作 業 と 時 間 はこれまで 以 上 に 増 加 するであろ う それに 伴 い これまで 廃 棄 物 管 理 行 政 の 中 で 扱 いが 小 さかった 廃 棄 物 バリアフリ ーが 徐 々にクローズアップされるにちがいない なお ここで ごみ 持 ち 出 しサービス の 同 義 語 として ふれあい 収 集 をはじめ 様 々 に 使 われている 用 語 は 廃 棄 物 バリアフリー で 統 一 することとする 高 齢 化 社 会 の 意 識 (1) 千 葉 市 の 住 宅 団 地 自 治 会 のアンケート 調 査 ( 団 地 支 え 合 い 模 索 )( 朝 日 新 聞 2007 年 5 月 3 日 千 葉 版 参 照 ) 高 度 成 長 期 に 造 成 された 住 宅 団 地 では 定 年 を 迎 えた 住 民 が 増 え 高 齢 化 が 進 んでいる 60 年 代 から 造 成 された 千 葉 市 若 葉 区 の 千 城 台 団 地 もその1つである 平 成 19 年 1 月 に 実 施 された 千 城 台 東 町 自 治 会 (1 戸 建 住 宅 )の 高 齢 化 社 会 の 意 識 アンケ ート 調 査 結 果 ( 世 帯 数 約 1,400 回 収 数 約 1,090)は 次 のとおりである 1) 家 族 構 成 65 歳 以 上 の 住 民 は 約 3 割 であった この 値 は 千 葉 市 の 平 均 17.2%に 比 べて 際 立 って 高 い 2) 高 齢 者 の 日 常 生 活 の 悩 み a. 庭 木 の 手 入 れ 60 歳 以 上 の 世 帯 主 に 日 常 生 活 の 悩 み を 10 項 目 の 中 から 選 んでもらうと 回 答 390 人 中 最 多 は 庭 木 の 手 入 れ(82 人 )であった 樹 齢 を 重 ねれば 小 さかった 庭 木 も 鬱 蒼 と 茂 るようになってくる また 道 路 の 建 築 限 界 を 侵 して 道 路 や 歩 道 などにはみ 出 すようにな る その 結 果 地 域 住 民 の 通 行 に 迷 惑 を 及 ぼすようになる 居 住 者 が 若 い 間 は 庭 木 の 手 入 れにそれほど 問 題 はない しかし 高 齢 者 になるにつれて 庭 木 の 手 入 れが 時 には 危 険 を 伴 い 徐 々に 負 担 になることを 意 味 している b. 廃 棄 物 問 題 それに 比 較 して 廃 棄 物 問 題 の 優 先 度 は まだ 低 いようである その 原 因 としては 高 齢 の1 人 暮 らしの 人 口 がまだ 少 ないのであろう 廃 棄 物 の 排 出 にあたって 他 人 に 支 援 を 仰 ぐ 必 要 が 出 てくる 人 口 は 今 後 急 激 に 増 加 するであろう - 8 -

12 3) 1 人 でいるときの 緊 急 対 処 法 回 答 245 人 中 114 人 は 親 族 が 近 くにいるので 問 題 ない と 答 えた 43 人 は 向 こ う 三 軒 両 隣 の 支 援 を 38 人 は 自 治 会 の 班 単 位 で 見 守 って 欲 しい と 要 望 を 寄 せた こ のように かつての 向 こう 三 軒 両 隣 いわゆる 住 民 の 支 え 合 い 住 民 の 絆 が 模 索 されて いる (2) 政 令 指 定 都 市 の 廃 棄 物 バリアフリーサービス 現 況 a. 政 令 指 定 都 市 の 調 査 結 果 主 要 15 政 令 都 市 の 調 査 結 果 によれば 廃 棄 物 バリアフリーサービス 対 象 者 は おおむね 65 歳 以 上 の 1 人 暮 らしの 高 齢 者 及 び 身 体 障 害 者 である b. 名 古 屋 市 における 廃 棄 物 バリアフリーサービス 対 象 世 帯 数 廃 棄 物 バリアフリーサービス 対 象 の 世 帯 数 は 平 成 13 年 11 月 末 に 名 古 屋 市 では 628 世 帯 が 廃 棄 物 バリアフリーサービスの 対 象 となっていた それが 平 成 18 年 3 月 末 には 1,921 世 帯 に 増 加 した 廃 棄 物 バリアフリーサービスを 受 けているのは 高 齢 者 が 圧 倒 的 に 多 く 全 体 の 約 80%を 占 める 障 害 者 は 約 20%となっている このことは 健 康 で 加 齢 が 進 行 するように 日 頃 から 市 民 は 介 護 予 防 に 取 り 組 む 必 要 があることを 示 唆 している おわりに (1) 廃 棄 物 バリアフリーへの 取 組 a. 現 況 廃 棄 物 バリアフリーを 推 進 している 名 古 屋 市 では 高 齢 者 世 帯 からの 収 集 が 80%を 占 め るのに 対 して 障 害 者 世 帯 からは 20%と 少 ない b. 住 民 の 日 常 生 活 の 悩 み 高 齢 化 が 進 んでいる 千 葉 市 の 住 宅 団 地 での 高 齢 化 社 会 のアンケート 調 査 結 果 によると 住 民 の 日 常 生 活 の 悩 みの 筆 頭 は 庭 木 の 手 入 れである それに 比 べて 廃 棄 物 問 題 の 優 先 度 は 低 いようである 今 後 高 齢 化 の 進 行 に 伴 い 廃 棄 物 バリアフリーの 問 題 が 顕 在 化 するのではないかと 考 えられる c. 地 域 住 民 の 連 携 の 強 化 1 人 でいるときの 緊 急 対 処 法 としては 近 くに 親 族 がいるので 問 題 ないという 回 答 が 多 いのに 対 して 向 こう 三 軒 両 隣 の 支 援 を して 欲 しいとの 要 望 も 寄 せられている こ の 要 望 を 受 けて 当 該 自 治 会 では 住 民 の 支 えあいを 模 索 している 自 治 会 もある (2) 廃 棄 物 バリアフリーへ 向 けて 今 後 少 子 高 齢 化 社 会 が 進 展 する このなかにあって 廃 棄 物 バリアフリーは 心 理 的 に 微 妙 な 問 題 を 含 むだけに 円 滑 な 実 現 のためには 慎 重 に 検 討 を 進 めることが 必 要 で あろう 以 上 - 9 -

13 1.3 循 環 型 社 会 形 成 へ 向 けた 動 きと 最 終 処 分 場 の 計 画 大 成 建 設 臼 井 直 人 はじめに 平 成 17 年 に 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 が 創 設 され 平 成 19 年 5 月 2 日 現 在 240 の 市 町 村 等 から 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 が 提 出 されており その 結 果 平 成 17 年 度 には 24 施 設 平 成 18 年 度 には 39 施 設 の 最 終 処 分 場 について3 R 推 進 交 付 金 事 業 の 内 示 が 出 されている 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 を 利 用 する 各 市 町 村 等 では 関 連 市 町 村 との 調 整 や 地 域 住 民 との 合 意 形 成 を 行 なった 後 に 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 の 案 を 作 成 し 都 道 府 県 および 国 との 協 議 の 後 に 都 道 府 県 に 提 出 し 国 の 承 認 を 得 て 予 算 が 内 示 される しかし 施 設 の 整 備 計 画 については 計 画 の 内 容 が 簡 素 化 さ れ 地 域 計 画 の 策 定 前 に 十 分 な 検 討 を 行 なう 必 要 がある 等 の 課 題 が 現 れている 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 の 位 置 付 け 平 成 13 年 に 資 源 の 消 費 が 抑 制 され 環 境 への 負 荷 が 少 ない 循 環 型 社 会 の 形 成 を 推 進 する 基 本 的 な 枠 組 みとして 循 環 型 社 会 形 成 基 本 法 が 施 行 され 循 環 型 社 会 の 形 成 に 向 けた 具 体 的 な 数 値 目 標 を 設 定 した 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 が 平 成 15 年 に 閣 議 決 定 されている 数 値 目 標 :2000~2010 年 度 1. 物 質 フロー(マテリアル フロー) 目 標 1 入 口 : 資 源 生 産 性 平 成 22 年 度 : 約 39 万 円 /トン( 平 成 12 年 度 から 概 ね4 割 向 上 ) * 資 源 生 産 性 =GDP/ 天 然 資 源 等 投 入 量 : 如 何 により 少 ない 資 源 で より 大 きな 豊 かさを 得 るかを 表 す 値 2 循 環 : 資 源 利 用 率 平 成 22 年 度 : 約 14%( 平 成 12 年 度 から 概 ね4 割 向 上 ) 3 出 口 : 最 終 処 分 量 平 成 22 年 度 : 約 28 百 万 円 /トン( 平 成 12 年 度 から 概 ね 半 減 ) 2. 取 組 目 標 1 人 日 あたりごみ 排 出 量 の20% 削 減 循 環 型 社 会 ビジネスの 市 場 雇 用 規 模 の 倍 増 等 現 状 と 課 題 現 状 : 非 持 続 的 な20 世 紀 型 活 動 様 式 課 題 : 天 然 資 源 の 消 費 抑 環 境 を 基 調 とする 社 会 経 済 システムの 実 現 環 境 負 荷 の 低 減 廃 棄 物 問 題 の 解 決 循 環 型 社 会 のイメージ 暮 らし: 良 い 物 を 大 事 に 使 う スロー なライフスタイル ものづくり: 環 境 保 全 志 向 のものづくり サービスの 提 供 廃 棄 物 : 廃 棄 物 等 の 適 正 な 循 環 型 利 用 処 分 システムなど 図 -1 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 の 概 要 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 は 廃 棄 物 処 理 施 設 整 備 費 国 庫 補 助 金 を 原 則 的 に 廃 止 し 廃 棄 物 の3Rを 推 進 するための 目 標 を 設 定 した 上 で 設 定 した 目 標 を 達 成 するために 必 要 な 廃 棄 物 の 処 理 およびリサイクルに 関 連 する 施 設 の 整 備 を 推 進 する 制 度 として 平 成 17 年 度 より 実 施 されている この 制 度 は 国 都 道 府 県 と 交 付 金 を 受 ける 市 町 村 等 が 構 想 段 階 において 1 回

14 から 2 回 の 循 環 型 社 会 形 成 推 進 協 議 会 で 計 画 の 内 容 を 協 議 し その 結 果 を 反 映 し て 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 を 作 成 し 計 画 目 標 を 達 成 することで 循 環 型 社 会 を 形 成 しようとするものである 循 環 型 社 会 形 成 推 進 協 議 会 国 都 道 府 県 市 町 村 等 が 構 想 段 階 から 協 議 (1 回 から2 回 開 催 ) 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 計 画 年 数 :5 年 程 度 3R 推 進 のための 目 標 を 実 現 するための 政 策 を 計 画 事 業 実 施 による 循 環 型 社 会 の 形 成 目 標 達 成 状 況 を 事 後 的 に 評 価 し 公 表 図 -2 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 の 概 要 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 における 最 終 処 分 場 の 位 置 付 け 表 -1に 示 したように 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 の 対 象 は 人 口 5 万 人 以 上 または 面 積 400km2 以 上 の 計 画 対 象 地 域 を 構 成 する 市 町 村 等 とされており 対 象 施 設 としては 循 環 型 社 会 の 形 成 を 進 める 施 設 としてマテリアルリサイクル 施 設 エネルギー 回 収 施 設 有 機 性 廃 棄 物 リサイクル 推 進 施 設 最 終 処 分 場 浄 化 槽 および 施 設 整 備 に 関 する 計 画 支 援 となっている 表 1 交 付 対 象 地 域 と 対 象 施 設 項 目 交 付 条 件 市 町 村 ( 人 口 5 万 人 以 上 又 は 面 積 400km2 以 上 の 計 画 対 象 地 域 を 構 成 する 場 合 に 限 る ) 対 象 地 域 特 例 として 沖 縄 県 奄 美 群 島 離 島 地 域 過 疎 地 域 山 村 地 域 半 島 地 域 および 豪 雪 地 域 については 人 口 又 は 面 積 の 要 件 に 該 当 しない 場 合 でも 交 付 対 象 とする 循 環 型 社 会 の 形 成 を 進 めるための 施 設 を 対 象 マテリアルリサイクル 推 進 施 設 (リサイクルセンター ストックヤート 灰 熔 融 施 設 容 器 包 装 リサイクル 推 進 施 設 ) エネルギー 回 収 推 進 施 設 ( 熱 回 収 施 設 高 効 率 原 燃 料 回 収 施 設 ごみ 燃 料 化 施 設 ) 対 象 施 設 有 機 性 廃 棄 物 リサイクル 推 進 施 設 ( 汚 泥 再 生 処 理 センター ごみ 飼 料 化 施 設 ごみ 堆 肥 化 施 設 ) 最 終 処 分 場 浄 化 槽 施 設 整 備 に 関 する 計 画 支 援 事 業 等 地 域 計 画 の 目 標 とされている 循 環 型 社 会 は 天 然 資 源 の 消 費 を 抑 制 するととも に 3Rを 推 進 し 資 源 を 有 効 に 使 うことで 環 境 への 負 荷 が 少 なくするととも に 最 終 処 分 される 量 をできるだけ 抑 える 社 会 とされているが 人 間 が 生 き 生 活 を 行 なう 上 で 廃 棄 物 は 必 ず 発 生 し 焼 却 等 の 中 間 処 理 やリサイクルを 行 なっても 最 終 的 に 処 分 しなければならない 残 渣 がなくなることはない また 最 終 処 分 場 は 災 害 等 による 突 然 発 生 する 大 量 な 災 害 廃 棄 物 への 対 応 や 不 法 投 棄 の 撲 滅 のた めにも 重 要 な 施 設 となっている したがって 最 終 処 分 場 に 関 する 計 画 は 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 において

15 なくてはならないものである 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 の 流 れと 施 設 計 画 図 -3に 循 環 型 社 会 形 勢 推 進 交 付 金 制 度 の 流 れを 基 にして 施 設 の 計 画 につい て 示 した 循 環 型 社 会 推 進 地 域 計 画 は 国 が 策 定 している 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 や 都 道 府 県 が 策 定 している 都 道 府 県 廃 棄 物 処 理 計 画 および 広 域 化 計 画 などの 上 位 計 画 に 則 り 地 域 計 画 の 主 体 である 市 町 村 等 が 計 画 案 を 作 成 する 計 画 案 には 廃 棄 物 の 発 生 抑 制 やリサイクルの 推 進 最 終 処 分 量 の 抑 制 等 につ いての 明 確 な 数 値 目 標 を 設 し この 目 標 を 達 成 するために 必 要 な 施 策 や 施 設 が 盛 り 込 まれる しかし 廃 棄 物 の 発 生 抑 制 や3R の 推 進 に 関 する 項 目 に 重 点 が 置 か れ 協 議 会 でも 集 中 的 に 議 論 されるものの 施 設 に 関 する 計 画 は 計 画 の 主 体 で ある 市 町 村 等 の 自 主 性 に 任 せられ 協 議 会 での 話 題 にはならないのが 現 状 である このような 施 設 の 計 画 が 市 町 村 等 に 任 されている 状 況 では 地 域 計 画 の 作 成 前 の 段 階 で 関 連 する 市 町 村 等 と 協 議 し 関 連 市 町 村 との 分 担 や 施 設 の 耐 用 年 数 等 も 踏 まえた 長 期 的 な 検 討 計 画 対 象 となっている 地 域 の 特 性 に 合 った 具 体 的 なシ ステム 等 の 検 討 を 行 なっておくことが 重 要 である 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 都 道 府 県 廃 棄 物 処 理 計 画 ( 都 道 府 県 ) 広 域 化 計 画 ( 都 道 府 県 ) 広 域 化 構 想 実 施 計 画 廃 棄 物 処 理 長 期 計 画 ( 当 該 市 町 村 関 連 市 町 村 ) 関 連 市 町 村 等 と 分 担 施 設 整 備 の 整 備 長 期 的 な 計 画 具 体 的 なシステム 等 の 計 画 長 期 的 な 視 野 での 適 正 規 模 建 設 用 地 処 理 処 分 システム 運 営 形 態 建 設 事 業 費 維 持 管 理 費 等 の 比 較 検 討 を 行 い 代 替 案 等 具 体 的 な 計 画 を 策 定 入 札 契 約 等 着 手 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 [ 案 ] ( 市 町 村 等 ) 協 議 会 ( 市 町 村 等 = 都 道 府 県 国 の 参 加 ) 計 画 としての 要 求 は 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 の 目 標 である3R 推 進 に 関 する 項 目 施 設 の 計 画 に 関 しては 簡 単 な 内 容 でOK 施 設 の 具 体 的 な 内 容 は 市 町 村 等 の 責 任 交 付 申 請 書 [ 作 成 提 出 ] ( 市 町 村 等 都 道 府 県 国 ) 交 付 決 定 [ 通 知 ] ( 国 都 道 府 県 市 町 村 等 ) 循 環 型 社 会 形 成 推 進 地 域 計 画 [ 策 定 提 出 ] ( 市 町 村 等 都 道 府 県 国 ) 計 画 の 承 認 と 予 算 額 内 示 ( 国 都 道 府 県 市 町 村 等 ) 事 業 の 実 施 図 -3 循 環 型 社 会 形 成 推 進 交 付 金 制 度 の 流 れと 施 設 の 計 画

16 1.3.5 循 環 型 社 会 に 相 応 しい 最 終 処 分 場 最 終 処 分 場 は 循 環 型 社 会 の 形 成 を 図 るために 推 進 されている3Rの 輪 から 外 へ 出 る 廃 棄 物 を 最 終 的 に 処 分 する 場 であり 循 環 型 社 会 の 定 義 においても 循 環 の 輪 の 外 に 存 在 する 施 設 である 最 終 処 分 場 は 重 要 な 社 会 インフラ 施 設 の 一 つであ り 循 環 型 社 会 の 形 成 を 図 る 上 でも 資 源 循 環 の 輪 の 一 部 分 を 担 う 施 設 となるこ とが 求 められる 新 しい 原 料 エコ 最 終 処 分 場 の 位 置 付 け 真 の 循 環 型 社 会 を 実 現 するために 最 終 廃 棄 物 を 最 小 化 するための 施 設 エコ 最 終 処 分 場 によって 従 来 の 単 に 埋 立 す るのみ の 廃 棄 物 を 前 処 理 し エネルギーや 資 源 化 材 として 循 環 型 社 会 に 還 元 するための 施 設 資 源 化 された 原 料 や 燃 料 発 生 排 出 抑 制 (Reduce) 生 産 資 源 化 (Recycle) 資 源 化 処 理 発 生 排 出 抑 制 (Reduce) 消 費 廃 棄 再 使 用 (Reuse) 中 間 処 理 エコ 最 終 処 分 場 エコ エコ 最 処 終 分 処 場 分 場 前 処 理 施 設 建 設 資 材 (スラグなど) 焼 却 電 力 エコ 最 終 処 分 場 の 施 設 と 機 能 廃 棄 物 を 様 々な 方 法 で 資 源 化 したりエネ ルギー 化 する 施 設 が 設 置 されている 資 源 化 可 能 な 廃 棄 物 を 埋 立 することで 保 管 する 施 設 が 設 置 されている 各 種 の 廃 棄 物 を 資 源 化 したりエネルギー 回 収 したりする 機 能 を 有 している 自 然 エネルギーを 有 効 利 用 しエコ 最 終 処 分 場 を 維 持 管 理 する 機 能 を 有 している 廃 棄 物 溶 融 洗 浄 MBT など 風 力 発 電 太 陽 光 発 電 パネル 残 渣 の 一 部 は 埋 立 施 設 にて 貯 蔵 エコアルカリ 融 雪 剤 融 雪 剤 硬 水 軟 化 装 置 材 料 皮 革 処 理 材 料 に 利 用 埋 立 施 設 その 他 リサイクル 品 図 -6 廃 棄 物 処 理 におけるエコ 最 終 処 分 場 の 位 置 付 けとエコ 最 終 処 分 場 の 施 設 と 機 能 2) 図 -4 廃 棄 物 処 理 におけるエコ 最 終 処 分 場 の 位 置 付 けと 機 能 資 源 循 環 の 一 部 を 担 う 最 終 処 分 場 として 図 -4のような 施 設 と 機 能 を 持 った 最 終 処 分 場 が 考 えられる このおような 最 終 処 分 場 をエコ 最 終 処 分 場 とよび NPO 法 人 最 終 処 分 場 技 術 システム 研 究 協 会 (NPO LS 研 )の 中 で 平 成 15 年 度 より エ コ 最 終 処 分 場 のあり 方 と 管 理 に 関 する 研 究 と 題 し さらに 平 成 18 年 度 からは 3Rとエコ 処 分 場 の 役 割 と 機 能 に 関 する 研 究 と 題 して 行 なっている 3Rとエコ 処 分 場 の 役 割 と 機 能 に 関 する 研 究 では エコ 最 終 処 分 場 の 概 念 に1 循 環 利 用 可 能 な 埋 立 ごみを 安 心 安 全 に 保 管 さらには 資 源 化 するための 措 置 が 講 じられていること 2その 保 管 資 源 化 には 経 済 指 標 が 考 慮 されているこ と 3 周 辺 環 境 へのリスク 情 報 を 公 開 発 信 できる 施 設 であること を 付 け 加 え 処 分 場 の 機 能 として 保 管 資 源 化 があることから エコ 最 終 処 分 場 から 最 終 を 取 り エコ 処 分 場 と 呼 ぶこととしている

17 図 -5に3Rとエコ 処 分 場 の 概 念 図 を 示 したが エコ 処 分 場 の 位 置 付 けを 検 討 するにあたり 空 間 軸 と 時 間 軸 の 指 標 を 加 えている 空 間 軸 とは 循 環 型 社 会 の 姿 であり 3Rの 推 進 を 徹 底 して 行 い 最 終 処 分 量 を 最 小 化 する 取 り 組 みを 推 進 し 適 正 処 分 される 廃 棄 物 をエコ 処 分 場 に 保 管 することにより 資 源 化 が 可 能 と なる 空 間 とし その 空 間 を エコ 処 分 として 位 置 付 けている さらに 時 間 軸 とは 適 正 処 分 される 廃 棄 物 を 資 源 として 利 用 するために 必 要 な 保 管 時 間 であり エコ 処 分 場 に 適 正 処 分 された 廃 棄 物 は 時 間 の 経 過 とともに 環 境 負 荷 が 低 減 され 資 源 生 産 性 が 向 上 するために 必 要 な 時 間 と 位 置 付 けている 3Rとエコ 処 分 場 の 概 念 循 環 型 社 会 の 姿 = エコ 処 分 ( 空 間 軸 ) 天 然 資 源 投 入 生 産 ( 製 造 流 通 等 ) 1 Reduce : 発 生 抑 制 消 費 使 用 ( 時 間 軸 ) 3 Recycle : 再 生 利 用 4 Recycle : 熱 回 収 調 査 計 画 設 計 建 設 期 間 維 持 管 理 期 間 ( 埋 立 ~ 廃 止 ) 環 境 負 荷 Reduce Reuse Recycle 設 計 環 境 保 全 設 計 資 源 保 全 設 計 建 設 低 騒 音 低 振 動 軽 油 の 削 減 副 産 物 の 低 減 再 生 品 の 使 用 品 質 管 理 新 エネルギー 利 用 地 球 温 暖 化 防 止 環 境 保 全 早 期 安 定 化 不 溶 化 容 易 な 修 復 地 域 還 元 跡 地 先 行 利 用 Reuse 5 適 正 処 分 : 最 終 処 分 ( エコ 処 分 場 ) 延 命 化 耐 久 性 向 上 補 修 新 技 術 資 源 保 全 区 画 埋 立 灰 スラグ 利 用 早 期 安 定 化 繰 り 返 し 利 用 利 用 保 管 資 源 性 の 向 上 焼 却 灰 飛 灰 溶 融 スラグ 溶 融 飛 灰 不 燃 残 渣 埋 立 処 分 ( 適 正 保 管 ) 焼 却 灰 飛 灰 セメント 原 料 化 溶 融 スラグ 建 設 資 材 溶 融 飛 灰 山 元 還 元 金 ( 属 抽 出 ) 地 域 還 元 再 生 利 用 期 間 Recycle 地 域 還 元 跡 地 利 用 資 源 生 産 性 掘 り 起 こし 再 生 利 用 エコセメント 普 通 セメント 建 設 資 材 山 元 還 元 ( 金 属 抽 出 ) 環 境 保 全 資 源 保 全 副 生 成 物 焼 却 灰 飛 灰 熱 回 収 溶 融 スラグ 溶 融 飛 灰 熱 回 収 バイオガス ( メタンガス ) 堆 肥 飼 料 不 燃 残 渣 ( 金 属 ガラス 類 等 ) 資 源 物 ( 紙 金 属 PET 等 ) 3 Recycle : 再 生 利 用 2 Reuse : 再 使 用 2 Reuse : 再 使 用 排 出 分 別 収 集 運 搬 中 間 処 理 1 Reduce : 発 生 抑 制 資 源 化 処 理 前 処 理 焼 却 処 理 溶 融 処 理 バイオガス 化 堆 肥 化 飼 料 化 破 砕 処 理 再 生 利 用 図 -5 3Rとエコ 処 分 場 の 概 念 図

18 2. 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 グループ

19 2.1 循 環 型 共 生 社 会 における 最 終 処 分 のシステム 設 計 北 海 道 大 学 大 学 院 古 市 徹 はじめに 循 環 型 社 会 を 作 るために 環 境 基 本 法 (1993 年 11 月 公 布 施 行 ) 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 法 (2000 年 6 月 公 布 以 下 循 環 基 本 法 と 略 記 )の 下 に 循 環 型 社 会 形 成 推 進 基 本 計 画 ( 以 下 基 本 計 画 と 略 記 )が 2003 年 3 月 に 策 定 された この 基 本 計 画 は 従 前 の 下 流 側 に 廃 棄 物 を 押 し 付 けるという ツケ 回 し 社 会 の 反 省 に 立 ち 循 環 型 社 会 に 向 かうための 制 度 設 計 について 定 めている 環 境 政 策 として 各 種 リサイクル 関 連 法 のもとで 優 先 順 位 を 考 慮 して3R(Reduce, Reuse, Recycle) と 適 正 処 理 の 各 種 の 施 策 が 講 じられている 循 環 型 社 会 の 形 成 に 向 けて 数 値 目 標 として 最 終 処 分 量 を2010 年 に 2000 年 に 比 べおおむね 半 減 することが 求 められている また スローガンとしてごみゼロ がうたわれている しかし 廃 棄 物 問 題 における 適 正 処 理 の 最 終 責 任 を 担 うのは 勿 論 最 終 処 分 場 である そしてその 最 終 処 分 場 の 確 保 と そのリスク 管 理 が 喫 緊 の 課 題 であることは 誰 も 否 定 できない 現 実 であろう そのためには 日 本 の 最 終 処 分 場 の 安 全 性 を 向 上 させ 地 域 住 民 の 信 頼 が 得 られるようにすることが 循 環 型 社 会 に 向 け ての 廃 棄 物 問 題 解 決 の 糸 口 になると 考 えられる 廃 棄 物 はリサイクルされるから 埋 立 のための 最 終 処 分 場 はいらないというイメー ジが 世 の 中 に 広 まってきているように 感 じる その 理 由 は 循 環 型 社 会 の 形 成 に 向 けて ごみゼロのスローガンが 掲 げられ 最 終 処 分 量 を 最 少 にすることが 目 標 にあ げられているからであろう この 最 少 という 意 味 が 極 端 にはゼロに 行 くと 誤 解 され ている その 原 因 として 最 終 処 分 量 を 最 少 にするという 前 提 条 件 が まずいからと 考 えられる つまり 最 終 処 分 量 というように 絶 対 量 を 数 値 目 標 にしていることが 誤 解 を 生 む 原 因 と 考 えられる つまり 相 対 的 な 量 として 廃 棄 物 発 生 量 に 占 める 埋 立 量 の 比 率 ( 仮 に 埋 立 率 と 呼 ぶ)を 取 るべきである つまり 一 定 の 比 率 で 埋 め 立 てられる 量 が 必 ず 存 在 し そのための 最 終 処 分 場 が 必 要 と 言 うことである 勿 論 こ の 比 率 を 決 めるのは 困 難 であろう 処 理 技 術 の 限 界 処 理 リサイクル 費 用 の 妥 当 性 市 民 の 分 別 への 協 力 度 ( 分 別 率 ) 等 の 条 件 によって 埋 立 率 は 異 なってくるからであ る しかし 大 事 なことは 最 少 という 短 絡 的 な 結 果 に 注 目 するのではなく 前 述 の 技 術 的 経 済 的 社 会 的 な 条 件 を 前 提 として 埋 立 率 を 検 討 し 最 終 処 分 場 の 確 保 とそ の 形 態 について 考 えることである このように 考 えてくると 一 体 廃 棄 物 とは 何 だろうという 定 義 の 問 題 に 立 ち 返 る ことになる つまり リサイクルと 適 正 処 理 の 区 別 に 関 する 一 番 基 本 的 なことが 世 の 中 で 合 意 されていない もう 一 度 原 点 に 立 ち 戻 り 国 民 が 理 解 しやすい 廃 棄 物 問 題 を 考 えていく 必 要 がある わかりやすい 廃 棄 物 問 題 特 に 最 終 処 分 場 問 題 を わかり 17

20 やすく 解 決 するための 計 画 を 策 定 すべきである そのために 最 終 処 分 場 に 関 係 する 技 術 者 等 は 世 の 中 の 共 感 を 得 やすい 循 環 型 共 生 社 会 ( 参 考 文 献 1) 参 照 )の 形 成 のために 最 終 処 分 のシステム 設 計 に 向 けて 尚 一 層 の 切 磋 琢 磨 をすることが 必 要 と 考 える 最 終 処 分 場 のコンセプトの 変 遷 図 1に 最 終 処 分 場 のコンセプトの 変 遷 を 示 している 現 在 においても 開 発 途 上 国 では 散 見 されるオープンダンピングの 時 代 から 衛 生 埋 立 に 移 行 したのが 埋 立 技 術 の 出 発 点 といえる その 後 1980 年 前 後 からごみ 質 の 多 様 化 と 相 まって 最 終 処 分 場 からの 環 境 への 汚 染 負 荷 の 問 題 解 決 に その 頃 欧 米 から 導 入 され 始 めた 環 境 リスク の 概 念 を 用 いて 技 術 開 発 の 検 討 が 始 まった しかし 現 実 として 国 民 の 廃 棄 物 ( 特 に 産 業 廃 棄 物 )に 対 する 不 信 感 が 地 域 紛 争 を 激 化 させ これに 対 応 して 行 政 の 規 制 が 強 化 され 最 終 処 分 場 等 の 立 地 がますます 困 難 となり その 結 果 不 法 投 棄 等 を 招 き 住 民 の 不 信 感 をさらに 高 めるという 悪 循 環 が 生 じていた このような 悪 循 環 の 背 後 には 国 民 の 見 えないものに 対 する 恐 怖 の 増 幅 がある つまり 最 終 処 分 場 の 実 態 ひいて は 廃 棄 物 の 流 れが 国 民 にはよく 見 えていないがために 不 安 感 を 持 っていると 考 えら れた この 不 安 を 取 り 除 くためには 廃 棄 物 の 発 生 から 最 終 処 分 までのプロセスの 透 明 化 つまり 流 れの 定 量 的 把 握 と 質 のリスク 評 価 をきっちりとし 情 報 公 開 していく ことが 求 められ 出 した この 流 れが 地 域 に 受 け 入 れられる 最 終 処 分 場 つまり 地 域 融 和 型 処 分 場 ( 参 考 文 献 2) 3) 参 照 )の 検 討 へとつながってきた 以 上 の 歴 史 的 変 遷 を 振 り 返 ってみると 最 終 処 分 場 の 透 明 化 つまり 技 術 的 側 面 と してのコントロール( 安 全 性 の 向 上 )と 社 会 的 側 面 としての 情 報 公 開 住 民 参 加 等 によるコミュニティ( 信 頼 性 ( 安 心 )の 確 保 )とが 必 要 なことがわかる その 延 長 線 上 として 今 後 の 最 終 処 分 場 のあるべき 姿 の 一 つとして 図 1に 示 している 循 環 型 共 生 社 会 のあるべき 最 終 処 分 システムについて 簡 単 に 述 べる そのポイントは 今 まで の 処 分 場 は 場 における 容 器 の 議 論 であったが これからはさらに 循 環 型 社 会 の 物 流 と 社 会 システムの 概 念 が 加 わってくるものと 考 えられる また 新 しく 共 生 化 の 概 念 を 提 案 している 18

21 衛 生 埋 立 型 オープン 型 処 分 場 リスク 管 理 型 (1980 年 代 ) 地 域 融 和 型 (1990 年 代 ) CS 処 分 場 循 環 型 社 会 のあるべき 処 分 場 ( 2000 年 代 ~) Open dumping 安 定 化 ( 自 然 還 元 ) リスク 低 減 化 技 術 適 正 化 最 終 処 分 場 ( 容 器 ) 技 術 的 側 面 土 木 構 造 物 リスク 管 理 社 会 的 側 面 地 域 還 元 住 民 参 加 安 定 化 ( 早 期 ) 循 環 型 ( 物 流 ) コントロール 生 共 化 コミュニティー 最 終 処 分 システム( 容 + 器 + 物 流 ) ( 循 環 型 共 生 社 会 の 適 正 化 ) 事 後 管 理 循 環 型 共 生 ( 公 共 の 福 祉 環 境 倫 理 ) 修 復 ( 不 法 投 棄 現 場 ) 再 生 ( 不 適 正 最 終 処 分 場 ) 循 環 型 共 生 社 会 の 理 想 の 最 終 処 分 (バイオファクトリー) 図 1 埋 立 から 最 終 処 分 へのコンセプトの 変 遷 循 環 型 共 生 社 会 のための 共 生 化 を 目 指 した 最 終 処 分 システム 図 2に 循 環 型 共 生 社 会 における 最 終 処 分 システムの 考 え 方 を 示 している また 図 3に 最 終 処 分 システムの 共 生 化 の 概 念 を 示 している 共 生 化 のキーワードは 修 復 と 再 生 である 不 法 投 棄 現 場 の 修 復 は 適 正 化 と 資 源 化 から 成 る 他 方 不 適 正 最 終 処 分 場 は 適 正 化 資 源 化 の 上 に 処 分 場 の 延 命 化 が 要 求 される 共 生 化 の 目 的 は 環 境 再 生 を 図 ることである 環 境 再 生 とは 地 域 住 民 と 合 意 形 成 を 図 りながら 現 場 跡 地 について ハードだけでなくソフトの 面 でも 有 効 活 用 を 図 るこ とである 19

22 上 流 側 システム 下 流 側 システム コミュニティ 地 域 環 境 人 社 会 システム 法 制 度 経 済 的 手 法 環 境 教 育 学 習 管 理 情 報 公 開 住 民 参 加 3R (Reduce, Reuse, Recycle) 発 生 抑 制 最 終 処 分 システム バイオファクトリー バイオマスを 効 率 的 に 資 源 化 有 害 物 質 を 無 害 化 廃 棄 物 等 ( 質 量 )の 流 れと 変 換 コントロール EPR 残 余 物 のライフサイクルマネシ メント 技 術 システム リサイクルシステム 中 間 処 理 システム コントロール 適 正 処 理 不 法 投 棄 物 理 化 学 的 処 理 リサイクル 適 正 処 理 図 2 循 環 型 共 生 社 会 の 最 終 処 分 システムのあり 方 修 復 ( 不 法 投 棄 現 場 ) 1 適 正 化 2 資 源 化 3 延 命 化 共 生 化 環 境 再 生 ( 循 環 型 共 生 社 会 における 適 正 化 ) 再 生 ( 不 適 正 最 終 処 分 場 ) ( 循 環 型 共 生 社 会 における 土 地 利 用 ) 図 3 最 終 処 分 システムの 共 生 化 と 環 境 再 生 の 定 義 図 4には 不 法 投 棄 現 場 と 不 適 正 最 終 処 分 場 の 共 生 化 の 例 を 示 している 図 中 の バイオファクトリー とは 従 来 の 物 理 化 学 的 な 処 理 方 法 だけでなく 生 物 的 な 処 理 方 法 も 用 いて 汚 染 現 場 の 修 復 と 再 生 を 行 うことである 不 法 投 棄 現 場 や 不 適 正 最 終 処 分 場 に 存 在 する 廃 棄 物 の 中 には 有 害 物 質 も 存 在 するが 資 源 物 も 多 く 存 在 する 汚 染 現 場 の 修 復 だけではなく 埋 設 廃 棄 物 の 資 源 化 も 考 える 必 要 がある つまり 最 終 処 分 システム 全 体 ( 不 適 正 なものが 不 法 投 棄 現 場 であり 不 適 正 処 分 場 である) を 適 正 な 方 向 に 導 くために 不 適 正 最 終 処 分 場 ( 不 法 投 棄 現 場 も)の 狭 義 の 適 正 化 ( 有 害 な 物 質 の 処 理 のみ)の 概 念 を 循 環 型 共 生 社 会 の 共 生 化 の 概 念 へ 拡 張 させてい る( 図 1 参 照 ) 20

23 適 正 化 : 資 源 化 : 延 命 化 : 現 状 Ex. DXNs 等 の 有 害 物 質 ( 焼 却 灰, 重 金 属 等 ) Ex. 有 機 系 廃 棄 物 ( 生 ごみ 木 紙 等 ) Ex. 処 分 場 の 逼 迫 メタンガス 無 機 物 リサイクル ( 金 属 プラ 等 ) 物 理 化 学 的 処 理 焼 却 溶 融 バイオ リサイクル 有 機 物 炭 酸 ガス バイオガス 化 施 設 資 源 撤 去 選 別 熱 電 力 有 害 物 バイオ 処 理 技 術 バイオリアクター によるDXNs 等 の 無 害 化 雨 水 雪 の 排 除 モニタリング 不 法 投 棄 現 場 不 適 正 最 終 処 分 場 修 復 再 生 鉛 直 遮 水 壁 キャッピング 残 渣 埋 戻 屋 根 地 下 水 汚 染 地 下 水 図 4 バイオファクトリー としての 不 適 正 最 終 処 分 場 等 の 共 生 化 の 例 共 生 化 を 図 ることにより 有 害 なものは 修 復 して 狭 義 の 適 正 化 をし 資 源 とな るものは 資 源 化 し さらに 不 適 正 最 終 処 分 場 の 場 合 には 再 生 によって 延 命 化 も 可 能 となる また その 手 段 としては 従 来 の 物 理 化 学 的 処 理 と 低 コストで 環 境 負 荷 が 小 さいと 考 えられるバイオ 技 術 の 融 合 を バイオファクトリー として 提 案 している 例 えば 適 正 化 の 例 としては DXNs 等 の 有 害 物 質 の 微 生 物 分 解 処 理 技 術 の 開 発 また 資 源 化 の 例 としては 掘 り 起 こした 廃 棄 物 のバイオガス 化 等 による 資 源 化 が 考 えられ る 詳 しくは 参 考 文 献 4)を 参 照 されたい 参 考 文 献 1) 古 市 徹 (2002): 循 環 型 社 会 と 廃 棄 物 管 理 都 市 問 題 研 究 Vol.54, No.9, ) 古 市 徹 (1995): 廃 棄 物 計 画 におけるリスク 管 理 の 考 え 方 廃 棄 物 学 会 弟 6 回 研 究 発 表 会 計 画 部 会 小 集 会 論 文 集 ) 古 市 徹 (1995): 廃 棄 物 分 野 におけるシステム 計 画 論 環 境 衛 生 工 学 研 究 Vol.9, No.4, ) 古 市 徹 (2005): 環 境 省 平 成 16 年 度 廃 棄 物 処 理 等 科 学 研 究 報 告 書 バイオ 技 術 を 中 心 とした 不 法 投 棄 現 場 及 び 不 適 正 最 終 処 分 場 の 修 復 再 生 システムの 開 発 21

24 2.2 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 事 例 解 析 -ヨーロッパにおける 一 般 廃 棄 物 管 理 とエネルギー 利 用 制 度 の 背 景 北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 石 井 一 英, 古 市 徹, 谷 川 昇 はじめに 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 を 行 う 上 では, 現 行 のシステム 事 例 を 解 析 すること により,システム 変 更 の 背 景,システム 変 更 に 至 った 理 由,システムの 変 更 内 容 とそ の 効 果 について, 明 らかにすることが 重 要 である. 今 年 度 は,ヨーロッパにおける 一 般 廃 棄 物 管 理 制 度 及 びエネルギー 利 用 制 度 についてレビューを 行 う 一 般 廃 棄 物 管 理 制 度 ヨーロッパの 一 般 廃 棄 物 管 理 の 基 本 的 な 方 向 性 は, 廃 棄 物 からできる 限 り 物 質 やエ ネルギーを 回 収 し 埋 立 量 を 最 小 限 にすることであり EU 加 盟 国 の 廃 棄 物 管 理 政 策 には,EU 埋 立 指 令 (1999/31/EC)が 大 きな 影 響 を 与 えている EU 埋 立 指 令 1)では, 微 生 物 分 解 性 の 都 市 ごみの 埋 立 重 量 を,2006 年 までに 1995 年 の 75%に 2009 年 ま でに 50%に 2016 年 までに 35%に 削 減 することを 定 めている ただし, 1995 年 時 点 で 都 市 ごみの 80% 以 上 を 埋 立 処 分 している 国 に 対 しては,この 目 標 の 達 成 に 4 年 間 の 猶 予 を 与 えており 目 標 年 はそれぞれ 2010 年,2013 年,2020 年 となっている そして,これらの 目 標 達 成 には リサイクル コンポスト 化 バイオガス 化 あるいは 物 質 エネルギー 回 収 を 行 う 必 要 があるとしている 特 に ドイツでは EU 指 令 に 先 行 して, 厳 しい 埋 立 基 準 を 定 めてきた 経 緯 がある 1993 年 の 一 般 廃 棄 物 指 針 (Technical Instruction of Waste from Human Settlement, TASi)では, 最 終 処 分 場 をクラス I とクラスⅡの 2 種 類 の 処 分 場 に 定 義 した そして クラス I の 最 終 処 分 場 には 熱 灼 減 量 が 3% 以 上 クラスⅡの 最 終 処 分 場 には 熱 灼 減 量 が 5% 以 上 の 有 機 物 含 有 量 が 多 い 一 般 廃 棄 物 を 中 間 処 理 なしに 処 分 してはならない ことが 規 定 された 2) しかし,この 指 針 には, 基 準 を 満 足 するための 技 術 についての 記 載 がなく 当 時 は, 焼 却 などの 熱 処 理 のみが この 基 準 を 満 足 するものであった そのために 基 準 の 適 用 に 最 長 12 年 間 の 猶 予 期 間 が 認 められた 3) 2001 年 には, 廃 棄 物 処 理 指 令 (Ordinance on the Environmentally Compatible Storage of Waste from Human Settlement, AbfAblV)が 発 効 された.これにより, 排 ガス 規 制 の 強 化 などよりコストが 高 騰 していた 熱 処 理 の 代 替 技 術 として, 後 述 する 機 械 的 生 物 処 理 (Mechanical Biological Treatment :MBT)が 認 められ,MBT 処 理 された 廃 棄 物 の 埋 立 基 準 が 追 加 された.そして,2005 年 6 月 1 日 以 降 は,クラスⅠ,クラスⅡの 最 終 処 分 場 の 埋 立 基 準 を 満 足 しない 廃 棄 物 及 び MBT 処 理 された 廃 棄 物 の 埋 立 基 準 を 超 える 廃 棄 物,つまり, 実 質 上, 中 間 処 理 されない 廃 棄 物 の 埋 立 が 禁 止 となった 22

25 2.2.3 エネルギー 制 度 EU は, 石 油,ガス, 石 炭 などのエネルギー 資 源 の 多 くを 輸 入 に 頼 っており,エネ ルギーの 安 定 的 な 供 給 量 の 確 保 が 喫 緊 の 課 題 となっている 2010 年 には 総 エネルギ ー 量 の 60%,2020 年 には 70%を 輸 入 に 頼 らざるを 得 ないことも 報 告 されている 4) そのため 温 室 効 果 ガスの 排 出 量 削 減 ができる 持 続 可 能 で 多 様 なエネルギー 源 の 確 保 が 求 められ 二 酸 化 炭 素 を 排 出 しない 再 生 可 能 なエネルギーの 創 出 が, 一 つの 大 きな 施 策 として 注 目 されるようになった まず 1996 年 に 欧 州 委 員 会 は グリーンペーパー(Energy for the Future: Renewable Sources Energy Green Paper for a Community Strategy)を 採 択 した 5) EU におけるグリーンペーパーは ホワイトペーパー 作 成 のための 政 策 議 論 のたたき 台 という 位 置 づけにある そして 1997 年 の 地 球 温 暖 化 防 止 京 都 会 議 ( 第 3 回 気 候 変 動 枠 組 条 約 締 約 国 会 議 COP3)の 前 に,ホワイトペーパーが 作 成 された ホワイト ペーパーでは EU の 再 生 エネルギーの 導 入 目 標 と 普 及 に 関 する 行 動 計 画 が 示 され 再 生 可 能 エネルギーの 総 エネルギー 消 費 に 占 めるシェアを 当 時 の 6%から 2010 年 には 12%に 倍 増 する 目 標 が 採 択 された また,このホワイトペーパーには 1998 年 に 再 生 可 能 電 力 政 策 に 関 する EU 指 令 を 策 定 することも 含 まれていた さらに 幾 度 かの 修 正 の 後,2001 年 10 月 に 再 生 可 能 電 力 指 令 が 発 効 された EU 加 盟 国 は, 再 生 可 能 電 力 指 令 決 定 以 後 の 2 年 以 内,すなわち 2003 年 10 月 までに 国 内 法 を 整 備 して, 指 令 を 実 行 しなくてはならなくなった 5) ドイツでは, 先 の EU のホワイトペーパーに 準 じて,いわゆる 再 生 可 能 エネルギー 法 ( 正 式 名 称 Act on Granting Priority to Renewable Energy Sources) 4) が,2000 年 4 月 に 施 行 された 本 法 では,EU がホワイトペーパーで 掲 げた 目 標 値 が 採 用 され, 再 生 可 能 エネルギー( 波 力 潮 汐 海 流 エネルギーを 含 む 水 力 風 力 エネルギー, 太 陽 エネルギー 地 熱 廃 棄 物 汚 泥 等 のバイオマスの 生 分 解 可 能 な 物 質 から 生 み 出 さ れたエネルギー)によって 生 産 された 電 力 の 買 取 にあたって 固 定 価 格 制 度 が 導 入 さ れた ちなみに,バイオマスから 得 られた 電 力 の 買 取 価 格 は,10.23 ユーロセント/kWh ( 発 電 規 模 500kW 以 下 ),9.21 ユーロセント/kWh ( 同 5000kW 以 下 ),8.70 ユーロセン ト/kWh ( 同 5000kW 以 上 )であり,20 年 間 の 限 定 であった この 法 律 が, 起 爆 剤 とな り, 後 述 するようにバイオガス 化 施 設 の 普 及 が 進 んだ さらに,ドイツでは,2004 年 に,EU の 再 生 可 能 電 力 指 令 に 基 づき, 再 生 可 能 エネ ルギー 法 が 全 面 改 正 され( 以 下, 新 法 という) 6) 再 生 可 能 エネルギー 量 の 総 エネル ギー 量 に 占 める 割 合 を,2010 年 までに 12.5%,2020 年 までに 20%とする 目 標 が 掲 げ られた 新 法 では, 電 力 の 買 取 価 格 を 11.5 ユーロセント/kWh ( 発 電 規 模 150kW 以 下 ), 9.9 ユーロセント/kWh ( 同 500kW 以 下 ),8.9 ユーロセント/kWh ( 同 5000kW 以 下 ), 8.4 ユーロセント/kWh ( 同 5000kW 以 上 )に 改 正 した. 発 電 規 模 500kW 以 下 のカテゴ リーが 2 つに 分 けられ, 特 に 発 電 規 模 150kW 以 下 の 施 設 に 対 する 優 遇 が 強 化 された 関 連 して, 資 源 作 物 や 家 畜 ふん 尿 の 片 方 か 両 方 を 使 用 すると 4~ 6 ユーロセント/kWh, 熱 利 用 を 伴 うと 2 ユーロセント/kWh, 乾 式 のバイオガス 化 施 設 の 設 置 などに 2 ユー 23

26 ロセント/kWh などの 追 加 額 が 提 示 された また この 最 低 補 償 額 は,2005 年 1 月 1 日 を 起 点 に, 前 年 額 を 基 準 として,1 年 ごとに 1.5%ずつ 減 ずるとしている その 結 果 ドイツの 再 生 可 能 エネルギー 量 の 総 エネルギー 量 に 占 める 割 合 は,2000 年 時 点 では 2.6%であったが,2006 年 には 5.3%にまで 上 昇 した 7) 今 後 の 研 究 展 開 以 下 に, 今 後 の 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 グループとしての 課 題 を 整 理 する. あくまでも 私 案 の 段 階 であり,グループ 全 体 として 議 論 したい. 1) 関 連 法 令 および 法 令 で 定 められた 各 種 計 画 の 体 系 化 と 課 題 の 抽 出 2) 特 に 重 要 な 地 域 計 画 策 定 要 因 ( 目 的, 前 提 制 約 条 件, 境 界,システム 代 替 案, 評 価 軸 など)の 整 理 3) 地 域 計 画 における 住 民 参 加 の 位 置 づけ 4) 地 域 計 画 の 事 例 分 析 参 考 文 献 1) The council of the European Union (1999): Council Directive 1999/31/EC of 26 April 1999 on the landfill of waste 2) Bernd Bilitewski, Georg Härdtle and Klaus Marek 書, 花 嶋 正 孝 総 監 修, 島 岡 隆 行, 樋 口 壮 太 郎, 堀 井 安 雄 監 訳 (1996): 廃 棄 物 マネジメントハンドブック 3) Federal Environment Ministry of German (2006): Municipal solid waste management in 2006, lentsorgung_2006_engl.pdf 4) Federal Environment Ministry of German (2000): Act on Granting Priority to Renewable Energy Sources (Renewable Energy Sources Act), 5) 大 島 堅 一 (2006):EU における 再 生 可 能 電 力 指 令 策 定 の 経 緯 と 意 義, 立 命 館 国 際 研 究, pp ) Federal Environment Ministry of German (2004): Amendment of the Act on Granting Priority to Renewable Energy Sources, 7) Federal Environment Ministry of German (2007): Development of renewable energies in 2006 in Germany. 24

27 2.3 循 環 型 共 生 社 会 のシステム 設 計 協 働 作 業 の 基 礎 情 報 伝 達 とコミュニケーションー 環 境 カウンセラー 中 村 恵 子 循 環 型 共 生 社 会 構 築 と 協 働 作 業 H16 年 からH18 年 の 計 画 部 会 研 究 報 告 書 で 私 は 循 環 型 共 生 社 会 構 築 の 制 度 設 計 協 働 作 業 の 基 礎 解 りやすい 用 語 設 定 の 提 案 (1)(2)(3) について 論 を 展 開 し 循 環 型 共 生 社 会 制 度 設 計 について 定 義 したうえで 私 が 考 える 循 環 型 共 生 社 会 構 築 の 基 本 原 則 を 以 下 としている 1 国 民 事 業 者 行 政 の 協 働 = 役 割 とコスト 負 担 の 協 働 2 廃 棄 物 の 発 生 抑 制 - 循 環 的 利 用 - 適 正 処 理 3 汚 染 者 負 担 原 則 4 拡 大 生 産 者 責 任 この 基 本 に 則 り 循 環 型 共 生 社 会 構 築 のこれからの 制 度 設 計 は 制 度 参 加 者 = ユーザー( 国 民 事 業 者 )と 対 話 しながら 公 平 性 効 率 性 安 全 性 はもとより 参 加 者 の 利 益 を 勘 案 しながらすすめるべきと 考 える 特 に 基 本 原 則 (1) 国 民 事 業 者 行 政 の 協 働 = 役 割 とコスト 負 担 の 協 働 を 実 現 するために 情 報 共 有 と 参 加 の 場 の 担 保 が 必 要 条 件 である 1) 協 働 作 業 の 基 礎 ー 情 報 伝 達 とコミュニケーション (1) 情 報 伝 達 とコミュニケーション 国 民 事 業 者 行 政 の 情 報 共 有 と 参 加 の 場 では 行 政 の 情 報 収 集 力 情 報 分 析 力 国 民 事 業 者 への 情 報 伝 達 力 が 重 要 となる 同 時 に 専 門 家 研 究 者 が 参 加 の 場 ( 話 し 合 い 対 話 )に 最 新 情 報 や 最 新 科 学 的 知 見 を 適 切 に 伝 達 する ことも 重 要 になる 2) ここで 協 働 を 進 めるうえで 最 も 重 視 されるのは 国 民 事 業 者 行 政 相 互 の 情 報 伝 達 とコミュニケーションである 最 近 は 情 報 共 有 の 仕 組 みがITによ り 整 えられてきているが ホームページやWEBで 情 報 共 有 されているから といって 情 報 が 伝 達 されているわけではないし 双 方 向 のコミュニケーション が 成 立 しているわけではない 情 報 伝 達 が 成 立 しているということは どういうことであろうか?それは 目 的 目 標 が 参 加 者 に 伝 わり 共 通 認 識 ができている と 言 うことである 情 報 を 参 加 者 に 伝 えても 参 加 者 のレベルにより 受 け 止 め 方 が 異 なるので 誰 に 何 を どのように の 対 象 者 目 的 目 標 方 法 を 明 確 に 意 識 して 伝 わるように 意 図 し 共 通 認 識 の 確 認 をとりながら 対 話 を 進 める のが コミュニケーション

28 である 3) (2) 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールの 条 件 情 報 を 伝 達 する 対 象 目 的 目 標 にあわせ 伝 わるような 方 法 の 条 件 は 以 下 のように 整 理 される ア) 対 象 者 がその 目 的 目 標 を 簡 単 に 認 識 できること イ) 対 象 者 がその 目 的 目 標 に 取 組 むインセンテイブ 効 果 をもつこと ウ) 対 象 者 がその 目 的 目 標 に 取 組 むコミュニケーションしやすいこと 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールの 考 案 開 発 (1) 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールの 考 案 背 景 伊 達 市 では H15 年 9 月 から 住 民 事 業 者 行 政 の 協 働 組 織 21 伊 達 市 ご み 減 量 化 リサイクル 運 動 推 進 本 部 を 設 置 した その 基 本 方 針 は 1 一 人 一 人 の 意 識 改 革 2 発 生 抑 制 3 伝 統 的 暮 らしから 学 ぶーであり a 楽 しく 取 り 組 みやすく 解 りやすい b 加 点 主 義 c できることからハ ーシ ョンアッフ d 数 値 目 標 の 設 定 を 実 施 方 法 とした H17 年 度 運 動 計 画 はーA 紙 資 源 収 集 拠 点 の 設 置 B 減 量 目 標 の 設 定 C 買 物 袋 持 参 運 動 D 講 演 会 である 運 動 計 画 の B. 減 量 目 標 の 設 定 を 推 進 するといっても 具 体 的 な 取 組 方 法 事 例 は 少 ない それというのも ごみを 減 量 する という 目 標 を 住 民 事 業 者 が 取 組 易 い 上 記 ア) イ) ウ)の 条 件 を 満 たすコミュニケーションツールがない からと 考 え コミュニケーションツールを 考 案 開 発 することにした 4) (2) 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツール 開 発 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールは2.3.2で 整 理 した 条 件 であるの で その 条 件 に 合 わせて 開 発 することにした ア) 対 象 者 がその 目 的 目 標 を 簡 単 に 認 識 できること ごみを 減 量 する という 目 標 を 簡 単 に 認 識 できるツールとして 伊 達 市 ごみ 排 出 用 指 定 袋 を 選 択 した その 根 拠 は ごみ 排 出 指 定 袋 は 各 世 帯 での ごみ 排 出 量 を 判 りやすく 視 覚 に 訴 えてくるものであり 同 規 格 であることから 他 世 帯 との 比 較 集 計 が 容 易 であるからである 見 える 化 の 意 義 がある イ) 対 象 者 がその 目 的 目 標 に 取 組 むインセンテイブ 効 果 をもつこと 私 が ごみ 処 理 有 料 化 の 波 及 効 果 と 題 し H3,4 年 廃 棄 物 学 会 研 究 発 表 大 会 で 既 に 発 表 し 5 ) 又 そのほかの 研 究 発 表 でも 有 料 ごみ 排 出 用 指 定 袋 は 住 民 に ごみ 減 量 に 関 心 をもたらす ごみ 減 量 インセンテイブ 効 果 が 確 認 されている ので 伊 達 市 ごみ 排 出 用 指 定 袋 を 選 定 した ウ) 対 象 者 がその 目 的 目 標 に 取 組 むコミュニケーションしやすいこと

29 目 標 ごみを 減 量 する という 情 報 を 世 帯 内 で 或 いは 他 世 帯 との 比 較 集 計 検 討 するというコミュニケーションを 図 る 為 に 毎 月 のごみ 袋 排 出 数 を 計 上 し 記 入 し ごみ 袋 数 を 毎 月 見 える 化 できるカレンダー 形 式 をとることに した ごみを 減 量 する という 目 標 を 更 にインセンテイブ 効 果 を 高 める 為 ごみ 袋 数 計 上 最 初 月 の 記 入 数 より 翌 月 からは ごみ 袋 排 出 数 を 最 低 1 枚 でも 少 なく するように 生 活 する という 条 件 付 け をするようにした カレンダー 形 式 だ と 記 入 された 数 字 をみながら 世 帯 内 でコミュニケーションしやすいと 考 えた このように 私 は ごみを 減 量 する という 目 標 を 情 報 伝 達 し コミュ ニケーション するツールとして ごみ 排 出 用 指 定 袋 を 利 用 した ごみ 袋 減 量 カ レンダー を 考 案 開 発 した このツールは 協 働 組 織 伊 達 市 ごみ 減 量 リサイク ル 推 進 本 部 の 基 本 方 針 1 一 人 一 人 の 意 識 改 革 実 施 方 法 の a 楽 しく 取 り 組 み やすく 解 りやすい を 取 り 入 れたものでもあり 私 は 上 記 運 動 推 進 本 部 会 議 提 案 し 了 承 をいただき 全 市 で 取 組 むことになった

30 2.3.4 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツール 取 組 実 験 (1) 市 役 所 職 員 の ごみ 袋 減 量 カレンダー 取 組 経 緯 住 民 への 伝 達 方 法 を 伊 達 市 担 当 課 が 広 報 を 通 じて 行 ったが 住 民 に 周 知 不 足 がみられたので 住 民 に 取 組 を 提 案 する 前 に 市 役 所 職 員 自 らが 市 の 施 策 とし て 重 要 な 位 置 を 占 める 循 環 型 社 会 形 成 への 努 力 を 示 すべきではないかと 私 は 考 えた 担 当 課 にその 趣 旨 を 伝 え 担 当 課 から 全 市 役 所 職 員 に1 年 間 ごみ 袋 減 量 カレンダー 取 組 を 要 請 した 6) (2) 市 役 所 職 員 の ごみ 袋 減 量 カレンダー 取 組 方 法 市 役 所 職 員 による ごみ 袋 減 量 カレンダー 取 組 実 験 の1 年 間 の 変 化 を 検 討 し ごみ 袋 減 量 カレンダー のごみ 減 量 ツールとしての 効 果 を 検 証 する また 具 体 的 に 市 役 所 職 員 として 循 環 型 社 会 形 成 の 為 に ごみ 減 量 に 取 組 んだ 経 験 を 通 して 得 られた 感 想 意 見 をアンケート 調 査 で 得 ることにより 今 後 の 運 動 や 循 環 型 社 会 形 成 に 役 立 てる (3) 取 組 実 験 結 果 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 合 計 平 均 枚 / 月 ( 伊 達 市 環 境 衛 生 課 櫛 田 氏 集 計 ) 1 年 間 市 役 所 職 員 が 取 組 実 験 をした 結 果 11 月 の 平 均 ごみ 袋 排 出 数 4.88 枚 で 12 月 8 月 以 外 は どの 月 も1 月 より 下 回 っている 2 基 本 月 翌 月 の2 月 が 最 も 排 出 量 少 ない 3 年 間 平 均 排 出 袋 数 は1 月 の 排 出 袋 数 を 下 回 っている 41 月 を 基 準 とし 2 月 から12 月 までの 平 均 ごみ 袋 排 出 数 は 枚 で4.8% 減 量 している5 仮 に1 月 のごみ 袋 排 出 数 を1 年 間 排 出 したとした 場 合 に 比 べ 2 月 以 降 の 平 均 ごみ 袋 排 出 数 でのごみ 袋 代 金 は 206 円 安 い 取 組 終 了 直 後 のア ンケートでは7 割 が ごみ 袋 減 量 カレンダー の ごみ 減 量 化 有 効 性 を 肯 定 し ている アンケートでの 減 量 化 成 功 要 因 は 減 容 化 紙 資 源 化 買 物 時 購 入 努 力 失 敗 要 因 は 減 らす 余 地 なし 過 剰 包 装 で 本 人 の 努 力 に 限 界 があるとし 市 役 所 職 員 は 国 道 の 優 先 施 策 に メーカーへ 発 生 抑 制 指 導 を1 番 望 んでいる 市 民 への 伝 達 方 法 は 広 報 や 発 信 の 場 を 重 視 市 の 優 先 施 策 は 市 民 への 啓 発 が 最 多 で これらは 今 後 の 方 向 性 を 示 している 6)

31 (4) 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールへの 評 価 H18 年 度 廃 棄 物 学 会 研 究 発 表 大 会 で ごみ 袋 減 量 カレンダーの 減 量 効 果 市 役 所 職 員 の 取 組 実 験 として この 一 連 の 取 組 を 研 究 発 表 したところ ごみを 減 量 する という 目 標 を 実 現 する 情 報 伝 達 とコミュニケーション ツールとして 社 ) 日 本 広 報 協 会 から 広 報 4 月 号 で 取 り 上 げたいと 連 絡 があり トピックスとし て 大 きく 掲 載 され( 写 真 1) 表 紙 写 真 になり( 写 真 2) 大 いに 評 価 されたのみなら ず 全 国 自 治 体 広 報 課 に 配 布 され その 後 自 治 体 からこの ごみ 袋 減 量 カレンダ ー を 自 治 体 からの 押 し 付 けでなく 住 民 自 ら 取 り 組 むツールとして 利 用 したい との 申 し 出 がきている 写 真 1. 写 真 2. 参 考 文 献 等 1) 中 村 恵 子 : 循 環 型 共 生 社 会 の 制 度 設 計 - 協 働 作 業 の 基 礎 解 りやすい 用 語 設 定 の 提 案 16 年 度 計 画 部 会 研 究 活 動 報 告 書 P44 2) 中 村 恵 子 :1) 同 様 P44 3) 遠 藤 功 : 現 場 力 の 伝 道 師 遠 藤 功 氏 インタビュー 週 間 東 洋 経 済 伝 える 化 - 超 入 門 2007 年 2/27,P64~P65 4) 中 村 恵 子 : ごみ 袋 減 量 カレンダーの 減 量 効 果 市 役 所 職 員 の 取 組 実 験 H18 年 度 廃 棄 物 学 会 研 究 発 表 大 会 論 文 集 A-5 5) 中 村 恵 子 : ごみ 処 理 有 料 化 の 波 及 効 果 H3 年 度 廃 棄 物 学 会 研 究 発 表 大 会 論 文 集 p181~p184 ごみ 処 理 有 料 後 の 実 態 及 び 住 民 意 識 調 査 倶 知 安 町 を 事 例 に H5 年 廃 棄 物 学 会 研 究 発 表 大 会 論 文 集 p21~p24 6) 中 村 恵 子 :4) 同 様 A

32 2.4 多 種 類 分 別 の 効 果 についての 考 察 ~ 上 勝 町 水 俣 市 横 浜 市 の 比 較 分 析 ~ ( 株 )インテージ ソーシャルシステム 部 主 任 研 究 員 西 哲 生 本 稿 の 背 景 と 目 的 自 治 体 にとってごみ 問 題 の 解 消 は 大 変 大 きな 課 題 となっているが そのための 方 策 として 市 民 に 協 力 を 仰 ぎながら 多 種 類 の 分 別 を 実 施 することによって 改 善 を 図 ろうとする 試 みが 現 れている 最 近 注 目 されている 上 勝 町 の 34 分 別 水 俣 市 の 22 分 別 横 浜 市 の 10 分 別 (15 品 目 )などがこれである そこで 以 上 の 3 自 治 体 を 事 例 として 取 り 上 げ 多 種 類 分 別 の 効 果 や 課 題 などについて 考 察 するこ とが 本 稿 の 目 的 である 多 種 類 分 別 に 関 しては 以 下 の 4 点 を 検 討 する 必 要 があると 考 えた 第 1 は 分 ければ 資 源 混 ぜればごみ とはよく 言 われることであるが 多 種 類 分 別 によ って ごみの 減 量 化 リサイクル 率 の 向 上 発 生 抑 制 自 治 体 の 収 集 処 理 コス トなどの 面 で どのような 成 果 が 出 ているのかという 点 である 第 2 は 不 法 投 棄 の 発 生 やコンビニ 等 のゴミ 箱 への 排 出 などが 増 えていないかという 点 である 第 3 は 多 種 類 分 別 を 実 施 するに 当 たって 自 治 体 がどのような 施 策 を 行 ったかと いう 点 である この 点 は 多 種 類 分 別 のような 方 法 を 成 功 させるための 鍵 は 何 か という 問 いかけでもある 第 4 は 今 後 の 課 題 は 何 かという 点 である 以 上 のような 点 について 3 自 治 体 の 検 討 を 行 った また 上 勝 町 は 人 口 が 2,052 人 水 俣 市 は 29,041 人 横 浜 市 は 3,619,175 人 ( 平 成 19 年 5 月 1 日 現 在 )で 規 模 が 全 く 違 う 自 治 体 である 同 じ 多 種 類 分 別 であっても 人 口 規 模 による 違 い が 出 ていると 考 えられる こうした 点 についても 触 れる 必 要 があると 考 える 多 種 類 分 別 の 成 果 上 勝 町 と 水 俣 市 は リサイクル 率 の 向 上 と 焼 却 量 埋 め 立 て 量 の 削 減 という 点 で 大 きな 成 果 を 上 げている 資 源 化 率 は 上 勝 町 が 70% 水 俣 市 が 40%を 超 え ている また 可 燃 ごみや 不 燃 ごみ( 埋 め 立 てごみ)の 削 減 についても 水 俣 市 では 過 去 10 年 間 で 可 燃 ごみが 32% 削 減 不 燃 ごみは 63% 削 減 焼 却 残 さは 67% 削 減 となっている しかし ごみの 総 量 については 両 市 とも 横 ばいある いは 微 減 と 今 一 歩 となっている 一 方 横 浜 市 は リサイクル 率 は 平 成 17 年 度 で 15%( 万 tのうち 15.8 万 tがリサイクル) 程 度 であるが 自 治 体 が 集 めるごみの 量 は 大 幅 に 削 減 され 平 成 17 年 で 対 平 成 13 年 比 -34%を 達 成 しているが 不 法 投 棄 やコンビニ 等 のご みの 量 が 増 えるといったマイナスの 影 響 は 生 んでいない ( 表 3~ 6 参 照 )

33 表 1 多 種 類 分 別 までの 流 れ 上 勝 町 平 成 10 年 22 分 別 を 開 始 平 成 13 年 35 分 別 を 開 始 平 成 14 年 7 月 プラスチックボ トル 類 とプラスチック 類 を 統 合 し 34 分 別 を 開 始 水 俣 市 平 成 5 年 8 月 ~20 分 別 平 成 10 年 4 月 ~21 分 別 平 成 12 年 4 月 ~23 分 別 平 成 14 年 12 月 ~24 分 別 平 成 15 年 4 月 ~21 分 別 平 成 17 年 4 月 ~22 分 別 横 浜 市 平 成 15 年 1 月 横 浜 市 の 一 般 廃 棄 物 処 理 基 本 計 画 である 横 浜 G30 プラン 策 定 平 成 15 年 10 月 市 内 約 4 万 世 帯 を 対 象 に 分 別 収 集 品 目 拡 大 モデル 事 業 を 実 施 平 成 16 年 10 月 市 内 6 区 で 品 目 拡 大 を 実 施 平 成 17 年 4 月 市 内 全 域 で 品 目 拡 大 を 実 施 表 2 現 在 分 別 している 品 目 上 勝 町 水 俣 市 横 浜 市 缶 アルミ 缶 スチール 缶 スプレー 缶 アルミ 缶 スチール 缶 缶 スプレー 缶 瓶 透 明 瓶 茶 色 瓶 その 他 瓶 リサ 雑 瓶 ( 透 明 ) 雑 瓶 ( 茶 色 ) 瓶 イクル 瓶 (ビール 酒 等 ) 雑 瓶 ( 水 色 ) 雑 瓶 ( 緑 色 ) 雑 瓶 ( 黒 色 ) 生 き 瓶 ペットボトル ペットボトル ペットボトル ペットボトル プラスチック ペットボトルのふた 発 泡 スチロー 廃 プラスチック 類 プラスチック 製 容 器 包 装 類 ル 類 プラスチック 製 容 器 包 装 類 紙 紙 パック 段 ボール 新 聞 紙 折 込 ダンボール 新 聞 チラシ 古 紙 チラシ 雑 誌 コピー 用 紙 雑 誌 その 他 紙 類 布 類 古 布 毛 布 ふとん 絨 毯 カーペ 布 類 古 布 ット 電 池 類 乾 電 池 電 池 類 乾 電 池 電 球 蛍 光 管 蛍 光 管 (そのまま) 蛍 光 管 ( 壊 れ たもの) 電 球 蛍 光 管 電 球 類 金 属 類 缶 の 金 属 製 キャップ なべ 釜 類 電 気 コード 類 小 さな 金 属 類 可 燃 ごみ どうしても 燃 やさなければならない 燃 やすもの 燃 やすごみ もの 粗 大 ごみ 粗 大 ごみ 家 電 製 品 粗 大 ごみ 粗 大 ごみ その 他 その 他 のガラス 類 陶 器 類 貝 殻 鏡 体 温 計 割 り 箸 ライター 紙 おしめ ナプキン 廃 食 油 廃 タイ ヤ 廃 バッテリー 生 ごみ 農 業 用 廃 ビニール 農 薬 瓶 等 破 砕 埋 立 生 ごみ 燃 えないごみ

34 表 3 実 施 に 当 たっての 取 り 組 み 市 民 の 動 機 付 け(ソフト 面 ハード 面 ) 上 勝 町 平 成 15 年 9 月 19 日 ゼロ ウェイスト 宣 言 を 行 い 2020 年 までに 焼 却 埋 め 立 て 処 分 をなく す 最 善 の 努 力 をすると 宣 言 したほか 環 境 大 臣 に 2020 年 ごみゼロを 目 標 にした 資 源 回 収 に 関 する 法 律 の 制 定 を 求 める 要 望 書 の 提 出 上 勝 町 ごみゼロ(ゼロ ウェイスト) 推 進 基 金 条 例 の 設 置 などを 行 った 広 報 で 毎 回 取 り 上 げている 上 勝 町 が 注 目 され テレビや 新 聞 ( 徳 島 新 聞 は 毎 週 )が 取 り 上 げてくれることが 町 民 の 意 識 の 向 上 や 分 別 の 徹 底 に 効 果 を 上 げている また 地 元 にNPO 法 人 ゼロ ウェイストアカデミーが 誕 生 し くるくるショップでリユー スに 力 を 入 れるなど 効 果 を 上 げている 水 俣 市 地 道 に 広 報 を 行 っている また 平 成 9 年 市 内 の 女 性 16 団 体 が 集 まりごみ 減 量 女 性 連 絡 会 議 を 発 足 平 成 10 年 9 月 18 日 に 市 内 の 大 型 店 4 店 と 食 品 トレイの 65 品 目 についてトレイ 廃 棄 の 申 し 合 わせ 書 を 締 結 し さらにお 買 い 物 袋 を 無 料 配 布 した また 環 境 にいい 店 づくりを エコショップとして 認 定 する 活 動 も 行 っている 横 浜 市 ソフト 面 では 自 治 会 町 内 会 単 位 で 11,000 回 を 超 える 住 民 説 明 会 を 開 催 集 積 場 所 での 早 朝 啓 発 活 動 や 市 内 全 駅 でのキャンペーンを 実 施 分 別 されていないごみに 警 告 シールを 貼 り 取 り 残 しを 実 施 G30 プロモーションDVDの 作 成 販 売 モーニング 娘 などのボランティ アによる G30 広 報 大 使 の 活 動 の 実 施 市 内 全 小 学 4 年 生 を 対 象 に 環 境 副 読 本 の 配 布 や 焼 却 工 場 の 見 学 の 実 施 などを 実 施 している ハード 面 では 資 源 回 収 ボックスの 増 設 家 庭 用 コンポスト 容 器 電 気 式 生 ごみ 処 理 機 の 購 入 助 成 の 実 施 せん 定 枝 チップ 機 の 貸 し 出 しなどを 行 っている 表 4 成 果 (ごみの 減 量 化 リサイクル 率 の 向 上 コスト 削 減 など) 上 勝 町 ごみの 総 量 は 減 っているが 小 さな 町 でもあり 人 口 の 減 少 も 影 響 している リサイクル 率 は 平 成 17 年 が 72.2%で 平 成 13 年 度 以 降 70% 台 をキープしている 費 用 につ いては 平 成 18 年 度 のごみ 処 理 費 は 2,624 万 円 だが 全 てを 焼 却 にした 場 合 3,566 万 円 かか ったと 推 定 され コストダウンに 効 果 があった このほか 平 成 15 年 ~16 年 に 98 組 1023 人 が 見 学 経 済 効 果 もあったほか 上 勝 町 の 知 名 度 を 上 げる 効 果 があった 水 俣 市 平 成 16 年 に 平 成 5 年 対 比 で 可 燃 ごみは 32% 削 減 粗 大 不 燃 ごみは 63% 削 減 焼 却 残 さは 67% 削 減 と 大 きな 成 果 が 現 れた また 資 源 化 率 は 平 成 5 年 度 9.2%に 対 し 平 成 16 年 度 は 41.2%で 当 初 の 目 標 値 40%もクリアした しかし ゴミの 排 出 量 は 平 成 5 年 が 9,274t 平 成 16 年 度 は 9,278t で 横 ばいであった 費 用 については 分 別 は 手 間 がかかるので 収 集 運 搬 にかかる 費 用 は 上 が 埋 め 立 て 処 分 場 の 延 命 が 図 られたので その 分 は 減 少 している 横 浜 市 計 画 策 定 時 ( 平 成 15 年 )に 平 成 22 年 度 のごみの 総 量 を 平 成 13 年 度 に 比 較 して 30% 削 減 する 計 画 であったが 平 成 17 年 度 に 達 成 ( 家 庭 系 30% 事 業 系 39%) そのため 計 画 を 変 更 し 平 成 22 年 度 に 平 成 13 年 度 比 で 35% 削 減 に 計 画 を 引 き 上 げた 大 幅 なごみの 減 量 により 平 成 17 年 度 に 焼 却 工 場 2 工 場 を 廃 止 し 1,100 億 円 の 焼 却 施 設 建 替 え 費 用 と 年 間 30 億 円 の 運 営 経 費 が 節 減 された

35 表 5 マイナスの 影 響 ( 不 法 投 棄 の 発 生 コンビニ 等 へのごみの 排 出 など) 上 勝 町 水 俣 市 横 浜 市 不 法 投 棄 は 増 えていない 不 法 投 棄 やコンビニ 等 への 排 出 は 特 に 増 えていない 不 法 投 棄 の 増 加 やコンビニ 等 のゴミ 箱 への 廃 棄 などについては 報 告 が 上 がってきて いないので 順 調 にいっていると 市 では 判 断 している 表 6 今 後 の 課 題 上 勝 町 NPO 法 人 ゼロ ウェイストアカデミーの 積 極 的 な 活 用 による 町 民 の 自 主 的 な 取 り 組 みによるごみゼロの 実 現 平 成 17 年 度 は ごみは 349t 発 生 焼 却 は 97t リサイ クルが 252t 新 たなリサイクル 方 法 施 設 の 発 見 水 俣 市 ごみの 総 量 が 減 少 しないこと 有 料 化 も 検 討 しているが まだ 時 期 尚 早 であると 考 え ている 地 道 に 広 報 していきたい 横 浜 市 マイバッグの 普 及 など 市 民 レベルでの 発 生 抑 制 の 進 行 についてはデータがなく 正 確 には 把 握 していないが いろいろな 啓 発 活 動 により 多 少 の 成 果 はあったと 思 われる が ごみの 発 生 を 抑 制 することが 必 要 また さらなるごみの 減 量 とリサイクルに 挑 戦 し 平 成 13 年 比 35% 削 減 し 平 成 22 年 のごみの 量 を 104 万 tにする 成 果 を 生 んだ 理 由 3 自 治 体 とも 首 長 をはじめ 環 境 問 題 への 取 り 組 みが 大 変 熱 心 である 自 治 体 職 員 が 一 丸 となって 取 り 組 んだことが 成 果 を 上 げている 要 因 といえる また 上 勝 町 は 地 元 のNPOが 育 成 され 水 俣 市 では 女 性 団 体 を 上 手 く 巻 き 込 んでい る こうした 住 民 が 自 ら 動 いてもらえるようなシステムを 構 築 できたことも 成 果 の 要 因 としてあげることができる その 他 上 勝 町 のホームページには リサイ クル 先 が 掲 示 されているが 用 途 の 開 発 に 成 功 したことなども 理 由 としてあげる ことができる 今 後 の 検 討 課 題 横 浜 市 は 自 治 体 の 収 集 量 が 大 幅 に 減 少 したが 水 俣 市 や 上 勝 町 では 減 少 し たとはいえない 横 浜 市 においても 市 民 の 意 識 が 変 わり ライフスタイルの 面 でも 排 出 抑 制 に 繋 がっているのかについては 検 証 できたわけではない こうした 点 についても 検 証 していくとともに 市 民 の 生 活 行 動 を 変 えるにはどうしたらよ いのかといった 点 についての 検 討 も 必 要 である また 排 出 時 の 分 別 と 収 集 した 上 での 分 別 のどちらが 有 利 であるかという 点 について 収 集 後 多 種 類 に 分 別 して いる 自 治 体 との 比 較 研 究 を 行 うことが 必 要 であるし 今 回 事 例 として 取 り 上 げた 自 治 体 についても 多 種 類 分 別 の 歴 史 は 浅 く 今 後 どのような 展 開 をしていくの か さらに 検 証 していく 必 要 があると 考 えられる

36 2.5 産 業 廃 棄 物 処 理 業 者 の 優 良 化 制 度 に 関 する 研 究 ( 株 )イーツーエンジニアリング 長 谷 川 誠 優 良 化 推 進 事 業 と 優 良 性 評 価 制 度 の 目 的 (1) 産 業 廃 棄 物 処 理 業 者 優 良 化 事 業 産 業 廃 棄 物 処 理 業 の 優 良 化 推 進 事 業 は 環 境 省 が 平 成 15 年 度 に 開 始 した 事 業 で 以 下 の 図 のとおり 行 政 と 処 理 業 者 と 排 出 事 業 者 が 連 携 を 深 めて 産 業 廃 棄 物 処 理 業 をより 良 いものにしていこうという 取 組 である 産 業 廃 棄 物 処 理 振 興 財 団 が 本 事 業 の 事 務 局 を 務 めている 図 -1 優 良 化 推 進 事 業 1) これまでに 行 ってきた 主 な 事 業 は 次 のとおりである 処 理 業 実 態 調 査 委 託 実 態 調 査 処 理 業 者 の 優 良 性 評 価 制 度 の 創 設 産 廃 情 報 ネットでの 情 報 公 開 支 援 システム 構 築 エコアクション21 産 業 廃 棄 物 処 理 業 者 向 けマニュアル2004 年 度 版 の 作 成 電 子 マニフェスト 普 及 策 の 策 定 公 開 フォーラムの 開 催 現 在 は 評 価 制 度 の 普 及 拡 大 処 理 業 の 将 来 動 向 調 査 等 をテーマに 検 討 を 続 けて いる

37 (2) 優 良 性 評 価 制 度 平 成 16 年 1 月 28 日 の 中 央 環 境 審 議 会 の 意 見 具 申 において 排 出 事 業 者 が 自 らの 判 断 により 優 良 な 処 理 業 者 を 選 択 することができるよう 国 において 処 理 業 者 の 優 良 性 の 判 断 に 係 る 評 価 基 準 ( 以 下 評 価 基 準 という )を 設 定 し この 評 価 基 準 に 適 合 する 処 理 業 者 に 対 しては 優 遇 措 置 を 講 じることが 提 言 された 中 央 環 境 審 議 会 の 意 見 具 申 の 概 要 排 出 事 業 者 が 自 らの 判 断 により 優 良 な 業 者 を 選 択 できるよう 国 におい て 1 事 業 内 容 処 理 施 設 の 能 力 と 処 理 実 績 財 務 諸 表 業 務 管 理 体 制 従 業 員 教 育 の 取 組 等 について 処 理 業 者 において 情 報 公 開 されていること 2 行 政 処 分 を 一 定 期 間 受 けていないこと 3 環 境 保 全 への 積 極 的 な 取 組 を 行 っていること 等 優 良 性 の 判 断 に 係 る 評 価 基 準 を 設 定 すべき この 評 価 基 準 に 適 合 する 業 者 に 対 して 許 可 手 続 きの 簡 素 化 などの 優 遇 措 置 を 講 ずることにより 産 業 廃 棄 物 処 理 業 界 の 優 良 化 に 対 するインセン ティブを 付 えるべき 国 が 定 めた 評 価 基 準 やその 基 準 に 基 づく 処 理 業 者 の 情 報 などが 排 出 事 業 者 による 委 託 業 者 の 選 定 金 融 機 関 における 処 理 業 者 への 融 資 等 とい った 市 場 におけるさまざまな 民 間 活 動 の 場 面 で 積 極 的 に 活 用 されること を 期 待 する 環 境 省 ではこの 提 言 を 受 けて 廃 棄 物 の 処 理 及 び 清 掃 に 関 する 法 律 施 行 規 則 ( 以 下 規 則 という )にこの 評 価 基 準 を 位 置 づけ 評 価 基 準 に 適 合 した 処 理 業 者 に 対 しては 都 道 府 県 知 事 又 は 保 健 所 設 置 市 長 ( 以 下 都 道 府 県 知 事 等 とい う )の 判 断 により 処 理 業 の 許 可 更 新 等 の 際 に 提 出 する 申 請 書 類 の 一 部 について 省 略 させることができる 仕 組 み( 以 下 評 価 制 度 という )を 創 設 し 平 成 17 年 4 月 1 日 から 施 行 した この 評 価 制 度 は 中 央 環 境 審 議 会 から 提 言 されているように 評 価 基 準 を 満 たす 処 理 業 者 に 対 し 一 定 の 優 遇 措 置 を 講 じることにより 優 良 化 に 対 するインセンテ ィブを 与 えるものであるが それにも 増 して 1 一 定 のレベルを 満 たす 処 理 業 者 を 社 会 的 に 明 らかにすること 2 排 出 事 業 者 が 委 託 業 者 を 選 定 する 際 の 参 考 となる 重 要 な 情 報 となること 3 優 良 化 を 目 指 す 処 理 業 者 の 取 組 に 具 体 的 な 目 標 を 与 えること 4 基 本 的 な 判 断 基 準 が 各 都 道 府 県 等 でまちまちとなり 処 理 業 者 に 混 乱 と 過 重 な 負 担 をもたらす 事 態 を 避 けること

38 といった 意 義 を 有 しており 産 業 廃 棄 物 処 理 業 界 の 優 良 化 に 向 けた 第 一 歩 とし て 大 きな 役 割 を 担 っている 優 良 性 評 価 制 度 の 概 要 産 廃 処 理 業 者 の 優 良 性 評 価 制 度 は 環 境 省 が 環 境 省 令 に 基 づいて 創 設 し 平 成 17 年 4 月 1 日 から 施 行 している 制 度 である この 制 度 のもと 全 国 の 産 廃 処 理 業 者 は 国 が 定 めた 評 価 基 準 に 適 合 していることを 処 理 業 の 許 可 更 新 等 の 際 に 都 道 府 県 知 事 等 に 確 認 してもらい その 旨 を 許 可 証 に 記 載 してもらうことができる 評 価 基 準 は 1 遵 法 性 2 情 報 公 開 性 3 環 境 保 全 への 取 組 み の 三 要 素 から 構 成 されてい る このうち 情 報 公 開 性 については 処 理 業 者 がその 事 業 内 容 などをインターネッ トで 公 開 していることが 要 件 となっている このため 産 業 廃 棄 物 処 理 振 興 財 団 で は 基 準 適 合 を 目 指 す 処 理 業 者 のために 情 報 公 開 の 場 をインターネット 上 に 設 け 排 出 事 業 者 をはじめ だれでも 自 由 に 見 ることができる 優 良 性 評 価 制 度 の 概 要 優 良 性 評 価 制 度 は 以 下 のような 意 義 を 有 している 一 定 のレベルを 満 たす 処 理 業 者 の 存 在 を 社 会 的 に 明 らかにすることが できる 排 出 事 業 者 が 処 理 業 者 を 選 定 する 際 に 参 考 となる 情 報 を 広 く 提 供 する ことができる 優 良 化 を 目 指 す 処 理 業 者 の 取 組 みに 具 体 的 な 目 標 を 示 すことができる 都 道 府 県 等 でまちまちな 評 価 基 準 が 採 用 された 場 合 の 混 乱 を 防 ぐこと ができる なお 評 価 制 度 の 実 施 に 当 たっては 特 に 以 下 の 事 項 に 十 分 留 意 し その 趣 旨 に 沿 った 運 用 が 図 られる 必 要 がある 1 中 央 環 境 審 議 会 の 意 見 具 申 で 述 べられているとおり 今 回 の 評 価 基 準 は すべ ての 処 理 業 者 が 満 たすべき 義 務 的 なものではなく 処 理 業 者 の 取 組 に 目 標 を 与 え 優 良 な 処 理 業 者 へと 誘 導 するためのものとして 設 定 されたものである 2 したがって 基 準 適 合 性 の 審 査 を 受 けるか 否 かは 処 理 業 者 の 任 意 であり 基 準 に 適 合 しているか 否 かが 処 理 業 を 営 む 上 で 制 度 的 な 制 約 条 件 となるものでは ない 3 このように 評 価 基 準 は 許 可 基 準 とは 本 質 的 に 性 格 が 異 なることを 認 識 した 上 でその 運 用 を 行 う 必 要 がある

39 4 本 評 価 制 度 は あくまでも 評 価 基 準 への 適 合 性 を 評 価 するものであり 処 理 業 者 が 不 法 行 為 や 不 適 正 処 理 を 行 わないことを 都 道 府 県 等 が 保 証 するもので はない 5 したがって 評 価 基 準 適 合 業 者 を 選 択 することで 排 出 事 業 者 としての 責 任 や 注 意 義 務 が 免 除 されるものではなく 排 出 事 業 者 はその 責 任 を 全 うするため 自 らの 判 断 で 処 理 業 者 の 選 定 を 行 うことが 必 要 となる 6 処 理 業 者 の 優 良 性 に 関 して 社 会 的 に 要 請 されるレベルは 社 会 情 勢 や 処 理 業 界 の 優 良 化 の 進 展 とともに 今 後 ますます 高 度 なものとなってくると 考 えられ し たがって 評 価 基 準 を 固 定 的 なものとして 捉 えることは 適 当 ではなく これら の 状 況 を 勘 案 しながら 適 宜 改 訂 していく 必 要 がある 優 良 性 評 価 の 手 順 評 価 の 具 体 的 な 手 順 は 図 -2の 流 れで 行 う 図 -2 優 良 性 評 価 全 体 スキーム 図 1)

40 1 産 業 廃 棄 物 処 理 業 の 更 新 許 可 等 の 申 請 に 先 立 ち 申 請 者 の 申 し 出 に 応 じて 都 道 府 県 等 は 評 価 基 準 への 適 合 性 について 審 査 を 行 う この 際 申 請 者 は 法 浄 化 漕 法 又 は 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 4 条 の6に 規 定 する 環 境 保 全 法 令 の 規 定 による 不 利 益 処 分 を 受 け その 不 利 益 処 分 のあった 日 から5 年 を 経 過 しない 者 に 該 当 しない 旨 の 自 己 申 告 書 情 報 公 開 を 行 っているインターネット 画 面 の 該 当 箇 所 を 印 刷 したもの 又 はその 電 子 情 報 ( 最 新 並 びに 公 開 開 始 時 点 のもの 及 び 主 要 な 更 新 履 歴 ( 日 付 が 明 示 され たもの)) 環 境 大 臣 が 定 める 環 境 マネジメントシステム 認 証 制 度 の 認 定 証 など 自 らが 評 価 基 準 に 適 合 していることを 示 す 資 料 を 提 出 する 2 評 価 基 準 適 合 性 の 審 査 ( 上 記 の 資 料 及 び 必 要 に 応 じインターネットで 確 認 )に おいて 不 適 合 であった 場 合 であっても 処 理 業 の 更 新 許 可 等 が 不 許 可 となるわ けではなく 規 則 に 定 めるとおりの 申 請 書 類 を 提 出 して 通 常 の 更 新 許 可 等 の 審 査 を 受 ける このように 評 価 基 準 はあくまでも 申 請 書 類 の 一 部 省 略 を 認 め ることができるかどうかを 判 断 する 基 準 であり 許 可 又 は 不 許 可 の 判 断 とは 関 係 しないことに 注 意 が 必 要 3 評 価 基 準 適 合 の 場 合 は 申 請 書 類 の 一 部 省 略 が 認 められた 上 で 更 新 許 可 等 の 審 査 を 受 ける 当 然 ながら 評 価 基 準 に 適 合 していても 許 可 基 準 に 適 合 しな ければ 不 許 可 となる( 例 えば 過 去 3 年 間 の 財 務 諸 表 が 公 開 されていれば 評 価 基 準 には 適 合 となるが 財 務 諸 表 の 内 容 審 査 の 結 果 経 理 的 基 礎 がないと 判 断 されれば 更 新 許 可 等 については 不 許 可 となる) 4 評 価 基 準 に 適 合 し かつ 許 可 基 準 にも 適 合 した 申 請 者 に 対 しては 交 付 する 許 可 証 に 更 新 許 可 等 の 申 請 の 日 付 とその 時 点 で 評 価 基 準 への 適 合 を 確 認 し た 旨 の 記 載 がなされる これにより 評 価 基 準 適 合 業 者 は 許 可 証 を 排 出 事 業 者 等 に 提 示 することにより 評 価 基 準 への 適 合 が 認 められたことを 明 らかに することができる さらに 排 出 事 業 者 に 対 して 評 価 基 準 適 合 業 者 の 活 用 を 促 す 観 点 から 都 道 府 県 等 においては 評 価 基 準 適 合 業 者 の 名 称 や 公 開 情 報 が 閲 覧 できるホームページのアドレスをリスト 化 して 公 表 するなど 情 報 の 普 及 に 努 めることが 望 まれる 5 評 価 制 度 は 処 理 業 の 許 可 制 度 を 活 用 していることから 基 本 的 には 許 可 の 有 効 期 間 である5 年 間 ごとに 評 価 基 準 適 合 性 の 定 期 的 なチェックが 行 われ る また この 間 に 変 更 許 可 が 行 われる 場 合 にはこれもチェックの 機 会 とな る これ 以 外 にも 都 道 府 県 知 事 等 により 改 善 命 令 措 置 命 令 等 の 不 利 益 処 分 がなされたり 情 報 の 更 新 が 評 価 基 準 に 従 って 実 施 されていないなど 評 価 基 準 への 不 適 合 が 明 らかになった 場 合 や 処 理 業 者 自 らが 評 価 基 準 を 満 たさ なくなったことを 申 し 出 た 場 合 には 排 出 事 業 者 等 が 当 該 処 理 業 者 が 依 然 と