平成１７年度我が国の科学技術政策の展開に関する調査（科学技術振興調整費）

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1 我 が 国 における 児 童 生 徒 成 人 の 科 学 技 術 リテラシーの 概 要 Trends in Scientific, Mathematical & Technological Literacy among Japanese Primary and Lower Secondary School Students and Adults 長 崎 栄 三 NAGASAKI Eizo 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター National Institute for Educational Policy Research 1.はじめに 我 が 国 で 科 学 技 術 リテラシー 像 を 策 定 する 際 には, 現 在 の 児 童 生 徒 や 成 人 の 科 学 技 術 リテラシ ーの 状 況 が 問 われる また, 策 定 された 科 学 技 術 リテラシー 像 をもとに 教 育 課 程 が 編 成 された 場 合 に,その 教 育 課 程 は, 現 在 の 科 学 技 術 リテラシーの 状 況 と 比 較 して 評 価 されるであろう この ようなことから, 現 在 の 児 童 生 徒 や 成 人 の 科 学 技 術 リテラシーの 状 況 を 明 らかにしておく 必 要 が ある しかしながら, 我 が 国 において 科 学 技 術 リテラシー を 規 定 し,それを 基 に 問 題 作 成 の 枠 組 みを 作 り,そして, 適 正 な 統 計 的 手 法 を 用 いて 実 態 を 調 べた 調 査 研 究 は, 現 在 のところない そ こで, 児 童 生 徒 や 成 人 の 理 科, 算 数 数 学, 技 術 にかかわる 知 識 技 能 考 え 方 などに 関 する 最 新 の 全 国 的 な 調 査 研 究 の 結 果 を 再 分 析 することにした これらの 調 査 研 究 は, 科 学 技 術 リテラシ ー の 評 価 が 目 標 ではないが, 今 後 科 学 技 術 リテラシー を 実 証 的 に 把 握 する 際 の 有 用 な 情 報 を 与 えてくれるものと 考 えた 児 童 生 徒 や 成 人 の 理 科, 算 数 数 学, 技 術 にかかわる 知 識 技 能 考 え 方 などに 関 する 最 近 の 全 国 的 な 調 査 研 究 として,2000 年 以 降 に 行 われ,その 調 査 結 果 等 が 公 開 されている 調 査 をまとめ ると, 表 1 の 通 りである 表 1 児 童 生 徒 や 成 人 の 科 学 技 術 にかかわる 最 近 (2000 年 以 降 )の 全 国 的 な 調 査 研 究 実 施 年 月 調 査 主 体 調 査 名 ( 略 称 ) 調 査 内 容 調 査 対 象 者 調 査 対 象 者 数 2000 年 7 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 OECD 読 解 力 数 学 的 リテラシー 科 学 的 リテラシー, 生 徒 の 学 習 到 達 度 2000 年 調 査 (PISA2000) 高 等 学 校 1 年, 約 5000 人 2001 年 1 2 月 科 学 技 術 研 究 所 科 学 技 術, 一 般 国 民, 約 3000 人 科 学 技 術 に 関 する 意 識 調 査 2002 年 1 2 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター 国 語 社 会 算 数 数 学 理 科 英 語, 小 学 校 5 年 ~ 平 成 13 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 中 学 校 3 年, 各 学 年 約 人 (1 問 当 り) 2002 年 12 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター 国 語 数 学 理 科 英 語, 高 等 学 校 3 年, 各 必 履 修 科 平 成 13 年 度 高 等 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 目 約 人 (1 問 当 り) 2003 年 2 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 IEA 国 際 数 学 理 科 教 育 動 向 調 査 2003 年 調 査 (TIMSS2003) 算 数 数 学 理 科, 小 学 校 4 年 約 4500 名, 中 学 校 2 年 約 4900 名 -1 -

2 2003 年 7 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 2003 年 調 査 (PISA2003) 数 学 的 リテラシー 科 学 的 リテラシー 読 解 力 問 題 解 決 能 力, 高 等 学 校 1 年, 約 4700 人 2004 年 1 2 月 2005 年 1~6 月 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター 平 成 15 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 技 術 教 育 研 究 会 技 術 的 教 養 の 国 際 評 価 調 査 国 語 社 会 算 数 数 学 理 科 英 語, 小 学 校 5 年 ~ 中 学 校 3 年, 各 学 年 約 人 (1 問 当 り) 技 術 的 素 養, 中 学 校 2 年 約 5000 名, 高 等 学 校 2 年 約 4000 名, 大 学 1 年 約 300 名 このような 調 査 研 究 は,2000 年 以 降, 定 期 的 に 行 われるようになってきており, 国 立 教 育 政 策 研 究 所, 科 学 技 術 政 策 研 究 所 の 結 果 については, 次 のように,すでに 詳 しい 報 告 書 が 公 刊 された り,またそれぞれの 研 究 所 のサイトに 掲 載 されたりしている 文 部 科 学 省 科 学 技 術 政 策 研 究 所 (2001) 科 学 技 術 に 関 する 意 識 調 査 年 2~3 月 調 査 - 文 部 科 学 省 科 学 技 術 政 策 研 究 所. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 編 (2002) 生 きるための 知 識 と 技 能 OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 (PISA) 2000 年 調 査 国 際 結 果 報 告 書 ぎょうせい. 調 査 報 告 書 小 学 校 算 数 東 洋 館. 調 査 報 告 書 小 学 校 理 科 東 洋 館. 調 査 報 告 書 中 学 校 数 学 ぎょうせい. 調 査 報 告 書 中 学 校 理 科 ぎょうせい. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 編 (2004) 生 きるための 知 識 と 技 能 2 OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 (PISA) 2003 年 調 査 国 際 結 果 報 告 書 ぎょうせい 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター(2004) 平 成 14 年 度 高 等 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 報 告 書 数 学 数 学 Ⅰ 実 教 出 版. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター(2004) 平 成 14 年 度 高 等 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 報 告 書 理 科 物 理 ⅠB 化 学 ⅠB 生 物 ⅠB 地 学 ⅠB 実 教 出 版. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 編 (2005) TIMSS2003 算 数 数 学 教 育 の 国 際 比 較 - 国 際 数 学 理 科 教 育 動 向 調 査 の 2003 年 調 査 報 告 書 - ぎょうせい. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 編 (2005) TIMSS2003 理 科 教 育 の 国 際 比 較 - 国 際 数 学 理 科 教 育 動 向 調 査 の 2003 年 調 査 報 告 書 - ぎょうせい. 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター(2005) 平 成 15 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 結 果 の 概 要 これらの 報 告 書 では, 現 在 の 小 中 学 校 の 理 科, 算 数 数 学 の 現 状 や 問 題 点, 課 題 が 挙 げられて いる 2. 現 状 分 析 の 目 的 我 が 国 で 行 われた 児 童 生 徒 を 対 象 とした 理 科, 算 数 数 学, 技 術 の 学 力 調 査 や 成 人 を 対 象 とし た 科 学 技 術 に 関 する 意 識 調 査 などの 結 果 を 整 理 し 再 分 析 して, 我 が 国 の 児 童 生 徒 成 人 の 科 学 技 -2-

3 術 にかかわる 知 識 技 能 考 え 方 などの 現 状 や 問 題 点 を 明 らかにする 今 後,これらの 分 析 結 果 は, 科 学 技 術 リテラシーを 策 定 する 上 での 前 提 や 問 題 点 を 克 服 するた めのリテラシーのあり 方 を 検 討 する 資 料 となるとともに, 将 来, 科 学 技 術 リテラシーが 身 に 付 い たかどうかを 判 断 するための 基 準 の 資 料 ともなると 思 われる 3. 分 析 の 対 象 と 方 法 分 析 の 対 象 は,2003 年 以 降 に 行 われた 調 査 で, 調 査 結 果 等 が 公 開 されているものとする (1) 分 析 対 象 の 調 査 理 科, 算 数 数 学 の 知 識 技 能 や 考 え 方 などについては, 次 の 2 つの 調 査 を 分 析 の 対 象 とする 1 平 成 15 年 度 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 2 国 際 数 学 理 科 教 育 動 向 調 査 2003 年 調 査 (TIMSS2003 年 調 査 ) なお, 当 初 は,OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 (PISA)も 対 象 とすることを 検 討 したが, 上 記 2 つの 調 査 とは 問 題 の 形 態 が 大 きく 違 うこと,また, 理 科 はまだ 本 格 的 な 調 査 が 行 われていないこ とから, 除 くことにした 技 術 の 知 識 技 能 や 考 え 方 などについては, 次 の 調 査 を 対 象 とした 3 技 術 的 教 養 の 国 際 評 価 調 査 (2) 分 析 の 方 法 分 析 の 方 法 は, 理 科, 算 数 数 学 と 技 術 では 異 なる 視 点 から 行 う 先 に 述 べたように, 理 科, 算 数 数 学 については, 現 状 や 問 題 点 が 詳 しく 分 析 されているので,ここでは 本 研 究 に 即 した 視 点 で 分 析 するようにする 技 術 については,この 種 の 調 査 の 分 析 は 初 めてなので, 問 題 点 や 課 題 等 を 含 めて 分 析 する 1 理 科, 算 数 数 学 の 分 析 の 基 準 理 科, 算 数 数 学 の 分 析 においては, 主 として, 現 状 でよくできている 問 題 に 焦 点 を 当 てる よくできている 問 題 として, 問 題 を 分 類 するために,ここでは, 通 過 率 (または 正 答 率 ) が 80%,40%を 基 準 として 取 ることにした すなわち, 対 象 調 査 の 問 題 を, 次 の 基 準 で 分 類 して 分 析 する 通 過 率 (または 正 答 率 ):80% 以 上,80% 未 満 40% 以 上,40% 未 満 なお, 本 分 析 では, よくできている 問 題 として 通 過 率 (または 正 答 率 )80%を 基 準 と して 取 り 上 げている このことによって, 今 後, 科 学 技 術 リテラシーを 考 える 際 に,おお むね,わが 国 の 国 民 が 身 に 付 けることが 期 待 できると 思 われる 内 容 を 示 すと 共 に, 一 方 で, その 基 準 に 達 していない 内 容 で, 将 来 科 学 技 術 リテラシーの 候 補 となる 内 容 については, その 意 義 や 指 導 法 を 問 い 直 すことができると 考 えたからである 2 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 の 形 式 TIMSS2003 年 調 査 においては, 問 題 の 形 式 が, 記 述 式 と 選 択 肢 式 に 分 類 されているので,その 分 類 に 基 づいた 分 析 も 行 う なお, 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 においては, 問 題 の 形 式 で 詳 しく 分 類 されて いないので,このような 分 析 は 行 わない 3 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 の 履 修 状 況 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 においては, 履 修 した 学 年 の 問 題 しか 出 題 されていないが,TIMSS

4 年 調 査 においては,わが 国 の 履 修 学 年 に 照 らすと 必 ずしも, 調 査 対 象 児 童 生 徒 の 履 修 学 年 に 相 当 しな い 問 題 が 出 題 されている そこで,TIMSS2003 年 調 査 については, 履 修 状 況 との 関 連 も 適 時 分 析 する 4. 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 点 や 理 科, 算 数 数 学 についての 意 識 態 度 ここでの 分 析 では, 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 点 を 深 く 分 析 したり, 理 科, 算 数 数 学 について の 意 識 や 態 度 を 分 析 したりすることについては 扱 わない 本 来 は,それらの 分 析 も 科 学 技 術 リテ ラシーの 検 討 においては 必 要 ではあるが,それらについては,すでに, 多 くの 問 題 点 や 課 題 等 が 指 摘 されたり, 種 々の 調 査 結 果 が 詳 しく 示 されたりしているからである そこで, 以 下 では,そのような 例 として,すでに 公 表 されている 問 題 点 や 課 題 の 分 析 結 果 や 意 識 や 態 度 に 関 する 結 果 を 簡 単 にまとめておく 詳 細 については, 最 初 に 挙 げた 報 告 書 をご 参 照 い ただきたい (1) 小 中 学 校 の 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 点 平 成 15 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 の 結 果 の 分 析 において 挙 げられている, 小 中 学 校 の 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 点 をまとめると, 表 2 の 通 りである 表 2 平 成 15 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 における 理 科, 算 数 数 学 の 問 題 点 小 学 校 理 科 生 物 とその 環 境 第 6 学 年 の 人 や 動 物 の 消 化 吸 収 排 出 では,でんぷんとだ 液 の 関 係 を 調 べる 実 験 に 関 する 問 題 で 前 回 の 通 過 率 を 下 回 った また, 人 や 動 物 の 血 液 の 循 環 における 人 の 血 液 の 働 きを 考 察 する 問 題 で 設 定 通 過 率 を 下 回 った 物 質 とエネルギー 第 5 学 年 のてこを 傾 ける 働 きでは,てこがつりあうときの 規 則 性 を 式 に 表 す 問 題 が 前 回 の 通 過 率 を 下 回 ったほか,てこのきまりを 身 近 なてこに 適 用 する 問 題 などで 設 定 通 過 率 を 下 回 った 第 5 学 年 の 衝 突, 第 6 学 年 の 水 溶 性 の 液 性 に 関 する 問 題 で 設 定 通 過 率 を 下 回 る 問 題 が 多 く 見 られた 地 球 と 宇 宙 第 6 学 年 の 土 地 の 構 成 物 と 広 がりにおいて, 火 山 の 働 きでできた 岩 石 の 粒 の 様 子 を 理 解 する 問 題 や, 地 層 のでき 方 において, 地 層 のでき 方 を 推 論 する 問 題 などで 前 回 の 通 過 率 を 下 回 った 中 学 校 理 科 第 1 分 野 測 定 データをもとに,あらかじめ 横 軸, 縦 軸 等 が 指 定 された 用 紙 にプロットすること は, 前 回 同 様 に 定 着 している しかし,グラフの 横 軸, 縦 軸 に 適 切 な 目 盛 りを 付 けてグラフを 作 成 する 問 いや,グラフを 読 み 取 り 考 察 する 問 いなどに 課 題 がみられる 物 質 の 状 態 変 化 において 質 量 が 保 存 されることについての 理 解 を 問 う 問 題 や, 沈 殿 が 生 じたり 気 体 が 発 生 するときの 化 学 変 化 に おける 質 量 の 増 減 を 問 う 科 学 的 な 思 考 の 問 題 などに, 課 題 がみられる 第 2 分 野 植 物 の 生 活 と 種 類 において, 設 定 通 過 率 を 下 回 ると 考 えられる 問 題 の 割 合 が 過 半 数 となっており, 植 物 の 体 のつくりを 相 互 に 関 連 付 けて 理 解 できていないことなどが 考 えられる だ 液 の 働 きを 調 べる 実 験 の 途 中 経 過 を 考 察 させる 問 題 や, 必 要 な 対 照 実 験 を 設 定 するといった 問 いに ついての 課 題 がみられる 地 球 と 宇 宙 において, 北 天 の 星 の 動 きや 太 陽 の 自 転, 日 の 入 りの 太 陽 の 動 きに 関 する 問 題 等, 空 間 的 な 認 識 やそれに 基 づく 思 考 面 に 課 題 がみられる -4 -

5 小 学 校 算 数 数 と 計 算 分 数 の 除 法 の 式 を 作 る 問 題 (6 年 )など, 計 算 の 意 味 理 解 に 関 わる 問 題 では, 設 定 通 過 率 を 下 回 る 問 題 があるなど 課 題 が 見 られる 量 と 測 定 面 積 の 求 め 方 を 活 用 する 問 題 の 多 くで, 通 過 率 が 設 定 通 過 率 を 下 回 った 図 形 第 5 学 年 では, 円 周 率 の 意 味 や 活 用 に 関 する 問 題 の 通 過 率 が, 設 定 通 過 率 を 下 回 った 第 6 学 年 では, 三 角 柱 や 円 柱 に 関 する 過 去 同 一 問 題 での 通 過 率 が, 前 回 より 下 回 った 数 量 関 係 第 5 学 年 では, 四 則 計 算 の 性 質 に 関 する 問 題 や 百 分 率 に 関 する 問 題 での 通 過 率 が, 設 定 通 過 率 を 下 回 った 中 学 校 算 数 数 と 式 計 算 技 能 の 問 題 については, 整 数 と 分 数 の 除 法 計 算 の 通 過 率 は 前 回 を 有 意 に 下 回 った 文 字 式 による 証 明, 方 程 式 の 利 用, 方 程 式 の 解 の 意 味 の 問 題 については, 設 定 通 過 率 を 下 回 ると 考 えられる 問 題 が 多 く, 通 過 率 が 低 い 図 形 第 1 学 年 の, 角 柱, 円 錐 などの 表 面 積 を 体 積 を 求 める 問 題 の 通 過 率 は 設 定 通 過 率 を 下 回 る と 考 えられる 第 2, 第 3 学 年 の 証 明 に 関 わる 問 題 では, 設 定 通 過 率 を 下 回 ると 考 えられる 数 量 関 係 第 1 学 年 の 反 比 例 に 関 する 問 題 の 通 過 率 が 低 く, 第 2 学 年 でもこの 領 域 が 低 くなって いる 質 問 紙 の 結 果 では, 生 徒 も 教 師 も 否 定 的 な 回 答 が 多 い 国 立 教 育 政 策 研 究 所 教 育 課 程 研 究 センター(2005) 平 成 15 年 度 小 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 結 果 の 概 要 (2) 児 童 生 徒 の 理 科, 算 数 数 学 についての 意 識 態 度 児 童 生 徒 の 理 科 や 算 数 数 学 についての 意 識 態 度 は, 国 際 調 査 で 非 常 に 詳 しく 調 べられて いる 国 際 数 学 理 科 教 育 動 向 調 査 2003 年 調 査 の 結 果 をまとめると, 表 3 の 通 りである 表 3 児 童 生 徒 の 理 科, 算 数 数 学 についての 意 識 態 度 (TIMSS2003 年 調 査 より) 日 本 理 科 算 数 数 学 つよくそう 思 う,2そう 思 う,3そう 思 わない,4まったくそう 思 わない(%) 小 学 校 4 年 a) 理 科, 算 数 数 学 の 成 績 はいつもよい b) 学 校 で, 理 科, 算 数 数 学 をもっとたくさん 勉 強 したい c) わたしは,クラスの 友 だちよりも 理 科, 算 数 数 学 をむず かしいと 感 じる d) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 は 楽 しい e) わたしは 理 科, 算 数 数 学 が 苦 手 だ f) 理 科, 算 数 数 学 でならうことはすぐにわかる 中 学 校 2 年 a) 理 科, 算 数 数 学 の 成 績 はいつも 良 い b) 学 校 で, 理 科, 算 数 数 学 をもっとたくさん 勉 強 したい c) 私 は,クラスの 友 だちよりも 理 科, 算 数 数 学 を 難 しいと 感 じる d) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 は 楽 しい e) 理 科, 算 数 数 学 の 新 しい 内 容 は 初 めに 理 解 しないと, 最 後 まで 理 解 できないだろうと 考 えることがときどきある f) 理 科, 算 数 数 学 は 私 の 得 意 な 教 科 ではない g) 理 科, 算 数 数 学 で 習 うことはすぐにわかる h) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 をすると, 日 常 生 活 に 役 立 つ i) 他 教 科 を 勉 強 するために 理 科, 算 数 数 学 が 必 要 だ

6 日 本 理 科 算 数 数 学 8j) 自 分 が 行 きたい 大 学 に 入 るために 理 科, 算 数 数 学 で 良 い 成 績 をとる 必 要 がある 8k) 理 科, 算 数 数 学 を 使 うことが 含 まれる 職 業 につきたい l) 将 来, 自 分 が 望 む 仕 事 につくために, 理 科, 算 数 数 学 で 良 い 成 績 をとる 必 要 がある 参 考 : 国 際 平 均 ( 小 学 校 26 か 国, 中 学 校 28 か 国 ) 理 科 算 数 数 学 小 学 校 4 年 A) 理 科, 算 数 数 学 の 成 績 はいつもよい B) 学 校 で, 理 科, 算 数 数 学 をもっとたくさん 勉 強 したい C) わたしは,クラスの 友 だちよりも 理 科, 算 数 数 学 をむ ずかしいと 感 じる D) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 は 楽 しい E) わたしは 理 科, 算 数 数 学 が 苦 手 だ F) 理 科, 算 数 数 学 でならうことはすぐにわかる 中 学 校 2 年 A) 理 科, 算 数 数 学 の 成 績 はいつも 良 い B) 学 校 で, 理 科, 算 数 数 学 をもっとたくさん 勉 強 したい C) 私 は,クラスの 友 だちよりも 理 科, 算 数 数 学 を 難 しい と 感 じる D) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 は 楽 しい E) 理 科, 算 数 数 学 の 新 しい 内 容 は 初 めに 理 解 しないと, 最 後 まで 理 解 できないだろうと 考 えることがときどきある F) 理 科, 算 数 数 学 は 私 の 得 意 な 教 科 ではない G) 理 科, 算 数 数 学 で 習 うことはすぐにわかる H) 理 科, 算 数 数 学 の 勉 強 をすると, 日 常 生 活 に 役 立 つ I) 他 教 科 を 勉 強 するために 理 科, 算 数 数 学 が 必 要 だ J) 自 分 が 行 きたい 大 学 に 入 るために 理 科, 算 数 数 学 で 良 い 成 績 をとる 必 要 がある K) 理 科, 算 数 数 学 を 使 うことが 含 まれる 職 業 につきたい L) 将 来, 自 分 が 望 む 仕 事 につくために, 理 科, 算 数 数 学 で 良 い 成 績 をとる 必 要 がある (3) 成 人 の 科 学 技 術 に 関 する 意 識 科 学 技 術 政 策 研 究 所 が 行 った 科 学 技 術 に 関 する 意 識 調 査 の 結 果 のうち, 成 人 の 科 学 技 術 に 関 す る 理 解 や 態 度 についての 部 分 をまとめると, 表 4 の 通 りである 表 4 成 人 の 科 学 技 術 に 関 する 理 解 態 度 科 学 技 術 に 関 する 用 語 の 理 解 ニュースを 聴 いたり 新 聞 を 読 んだりするときに,いくつかの 専 門 用 語 が 出 てくるところがあります あなたは, 次 の 用 語 についてその 意 味 がおわかりになりますか (1)から(5) までのそれぞれについてお 答 えください ( よくわかる + だいたいわかる の 割 合 %) (1) インターネット 75 (2) DNA 74 (3) 放 射 線 70 (4) 科 学 的 な 研 究 53 (5) 分 子 50 科 学 技 術 の 基 礎 的 な 概 念 に 関 する 理 解 この 中 の(1)から(13)のそれぞれについて, 正 しい か, 誤 っている かをお 答 えください もし,あなたが 知 らない 時 や, 自 信 がない 時 は, わからない とお 答 えください ( 正 答 率 %) (1) 光 と 音 はどちらが 速 いと 思 いますか

7 (2) 放 射 能 に 汚 染 された 牛 乳 は 沸 騰 させれば 安 全 である 84 (3) 大 陸 は 何 万 年 もかけていどうしており,これからも 移 動 するだろう 83 (4) 喫 煙 は 肺 がんをもたらす 83 (5) 現 在 の 人 類 は 原 始 的 な 動 物 種 から 進 化 したものである 78 (6) 地 球 の 中 心 部 は 非 常 に 高 温 である 77 (7) 我 々が 呼 吸 に 使 っている 酸 素 は 植 物 から 作 られたものである 67 (8) 宇 宙 は 巨 大 な 爆 発 によって 始 まった 63 (9) 地 球 が 太 陽 の 周 りを 回 るのにどれくらいかかりますか 1 日 ですか, 1 ヶ 月 ですか, 1 年 ですか 58 (10) すべての 放 射 能 は 人 工 的 に 作 られたものである 56 (11) ごく 初 期 の 人 類 は 恐 竜 と 同 時 代 に 生 きていた 40 (12) 電 子 の 大 きさは 原 子 の 大 きさよりも 小 さい 30 (13) レーザーは 音 波 を 集 中 することで 得 られる 28 (14) 赤 ちゃんが 男 の 子 になるか 女 の 子 になるかをきめるのは 父 親 の 遺 伝 子 である 25 (15) 抗 生 物 質 はバクテリア 同 様 ウイルスも 殺 す 23 科 学 技 術 に 対 する 態 度 (1)から(18)のそれぞれの 文 章 について, 賛 成 か, 反 対 かをお 答 えください もし,あなたがそれぞれの 文 章 に 対 して 特 に 強 く 感 じるのであれば, 強 く 賛 成,または 強 く 反 対 と 回 答 してください ( 強 く 賛 成 + 賛 成 の 割 合 %) (1) 科 学 技 術 は 我 々の 生 活 をより 健 康 的 に, 簡 単 に,そして 快 適 なものにした 73 (2) 科 学 技 術 によって, 新 世 代 はより 多 くの 機 会 に 恵 まれる 66 (3) 科 学 によって, 我 々のライフスタイルは 急 激 に 変 化 しすぎている 62 (4) たいていの 科 学 者 は 平 均 的 な 人 々の 生 活 をよりよくするために 研 究 に 従 事 している 60 (5) 日 本 の 学 校 における 理 数 教 育 の 質 は 不 十 分 である 58 (6) もし, 人 間 の 健 康 について 新 しい 情 報 が 得 られるのであれば,ネズミのような 動 物 に 苦 痛 を 与 えるような 研 究 を 行 うことも 科 学 者 には 許 されるべきである 57 (7) ここまでの 技 術 がなくとも, 簡 素 な 生 活 をすることで, 人 々はよりよい 暮 らしができる 57 (8) 私 達 は 科 学 をよりどころにしすぎていて, 信 念 をないがしろにしている 54 (9) 科 学 や 新 技 術 を 応 用 することで, 仕 事 はより 楽 しいものになる 54 (10) 技 術 の 発 展 は 生 活 を 人 工 的 かつ 非 人 間 的 なものにする 51 (11) 新 しい 発 見 は,その 反 動 としていつも 技 術 開 発 の 害 をもたらす 51 (12) もし, 人 間 の 健 康 について 新 しい 情 報 が 得 られるのであれば, 犬 やチンパンジーのような 動 物 に 苦 痛 を 与 えるような 研 究 を 行 うことも 科 学 者 には 許 されるべきである 44 (13) ラッキナンバーというものは 存 在 する 41 (14) 日 本 の 宇 宙 開 発 計 画 において, 独 自 の 有 人 計 画 を 行 うべきである 34 (15) 技 術 の 発 見 は 最 終 的 に 地 球 を 破 壊 する 34 (16) 一 般 的 に,コンピューターや 工 場 などの 機 械 化 は 仕 事 を 減 らすよりも 増 やす 33 (17) 日 常 生 活 で 科 学 について 知 っておくことは, 私 にとって 重 要 なことではない 25 文 部 科 学 省 科 学 技 術 政 策 研 究 所 (2001) 科 学 技 術 に 関 する 意 識 調 査 年 2~3 月 調 査 - より -7 -