第3の制度「機能性表示食品」の概要と課題

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1 第 3の 制 度 機 能 性 表 示 食 品 の 概 要 と 課 題 内 閣 委 員 会 調 査 室 齋 藤 綾 音 はじめに 平 成 27 年 4 月 1 日 食 品 表 示 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 70 号 )の 施 行 に 伴 い 機 能 性 表 示 食 品 制 度 ( 以 下 本 制 度 という )が 新 たに 創 設 された 機 能 性 表 示 食 品 とは 食 品 関 連 事 業 者 1 ( 以 下 事 業 者 という )の 責 任 において 科 学 的 根 拠 に 基 づき 特 定 の 保 健 の 目 的 が 期 待 できる 旨 の 表 示 がされた 食 品 であって 販 売 前 に 安 全 性 及 び 機 能 性 の 根 拠 に 関 する 情 報 等 が 消 費 者 庁 へ 届 け 出 られたものである 口 から 摂 取 するものは 食 品 と 医 薬 品 に 大 別 される が 食 品 のうち これまで 我 が 国 においてその 機 能 性 について 表 示 することが 認 められてき たもの(これを 保 健 機 能 食 品 と 総 称 する 2 )は 特 定 保 健 用 食 品 (いわゆるトクホ) と 栄 養 機 能 食 品 に 限 られていた 本 制 度 は 食 品 の 機 能 性 表 示 が 認 められる 第 3の 制 度 となる( 図 表 1 参 照 ) 3 図 表 1 食 品 と 医 薬 品 の 区 分 保 健 機 能 食 品 ( 食 品 に 機 能 性 表 示 が 可 能 ) NEW 医 薬 品 ( 医 薬 部 外 品 を 含 む ) ( 個 別 承 認 型 ) 特 定 保 健 用 食 品 ( 個 別 許 可 型 ) 栄 養 機 能 食 品 ( 規 格 基 準 型 ) 機 能 性 表 示 食 品 ( 届 出 型 ) いわゆる 健 康 食 品 一 般 食 品 医 薬 品 食 品 ( 出 所 ) 消 費 者 庁 資 料 等 より 作 成 事 業 者 の 本 制 度 に 対 する 関 心 は 高 く 制 度 施 行 から 約 4か 月 で 既 に69 件 4 の 機 能 性 表 示 食 品 に 係 る 届 出 情 報 が 消 費 者 庁 によって 公 表 され 本 年 6 月 中 旬 には 機 能 性 表 示 食 品 としての 製 品 の 発 売 が 始 まっている 一 方 消 費 者 団 体 等 からは 消 費 者 庁 に 届 出 がされた 機 能 性 表 示 食 品 の 中 には 安 全 性 や 機 能 性 の 科 学 的 根 拠 が 十 分 でないものがあるとする 指 摘 が 出 されるな ど 本 制 度 に 対 する 懸 念 が 示 されており 万 全 なスタートを 切 ったとは 言 い 難 い 状 況 にある 本 稿 では これまでの 保 健 機 能 食 品 に 係 る 経 緯 及 び 概 要 を 概 観 した 後 本 制 度 が 創 設 され た 経 緯 概 要 及 び 今 後 の 課 題 について 述 べることとしたい 1 最 終 製 品 の 製 造 者 加 工 者 販 売 者 及 び 輸 入 業 者 など 生 鮮 食 品 については 生 産 者 団 体 等 も 含 む 2 食 品 表 示 基 準 ( 平 成 27 年 3 月 20 日 内 閣 府 令 第 10 号 ) 第 9 条 第 1 項 第 10 号 に 規 定 される 3 なお 健 康 食 品 という 法 令 上 の 定 義 は 無 く 一 般 に 広 く 健 康 の 保 持 増 進 に 資 する 食 品 として 販 売 利 用 さ れるもの 全 般 を 指 している ここでは 健 康 食 品 から 保 健 機 能 食 品 を 除 いたものを いわゆる 健 康 食 品 とし ている 4 平 成 27 年 8 月 14 日 現 在 届 出 後 に 事 業 者 から 撤 回 された1 件 を 除 く 86 立 法 と 調 査 No. 368( 参 議 院 事 務 局 企 画 調 整 室 編 集 発 行 )

2 1.これまでの 保 健 機 能 食 品 に 係 る 経 緯 (1) 特 定 保 健 用 食 品 制 度 の 創 設 昭 和 50 年 代 後 半 偏 食 等 を 起 因 とする 生 活 習 慣 病 が 国 際 的 に 大 きな 関 心 事 となる 中 我 が 国 では 世 界 に 先 駆 けて 食 品 の 機 能 性 に 関 する 研 究 が 行 われた 昭 和 59 年 から 昭 和 61 年 にかけ て 実 施 された 文 部 省 ( 当 時 )の 研 究 5 において 食 品 の 機 能 について 従 来 知 られていた 生 命 維 持 のための 栄 養 面 での 働 きを 第 1 次 機 能 味 覚 等 の 嗜 好 面 での 働 きを 第 2 次 機 能 と 位 置 付 けるとともに 生 体 防 御 ( 免 疫 ) 体 調 リズムの 調 節 (ホルモン) 老 化 抑 止 など 生 体 の 生 理 機 能 の 変 調 を 修 復 する 体 調 調 節 機 能 を 第 3 次 機 能 と 位 置 付 ける 新 しい 概 念 が 提 唱 され 同 研 究 の 中 で 第 3 次 機 能 を 有 する 食 品 は 機 能 性 食 品 と 称 された 同 研 究 は 大 きな 転 換 点 とな り 食 品 の 機 能 性 に 関 する 研 究 が 世 界 に 広 がったとされる また このような 研 究 が 進 むに つれて 食 品 の 機 能 性 に 対 する 国 民 の 関 心 や 健 康 志 向 も 高 まり 健 康 食 品 の 市 場 も 拡 大 の 傾 向 にあった このような 状 況 を 踏 まえ 昭 和 63 年 8 月 厚 生 省 ( 当 時 )は 国 民 が 機 能 性 食 品 を 適 切 に 利 用 し 健 康 の 維 持 増 進 に 役 立 てるための 必 要 な 施 策 を 検 討 するために 機 能 性 食 品 懇 談 会 ( 座 長 : 阿 部 達 夫 東 邦 大 学 名 誉 教 授 ( 当 時 ))を 設 置 した 同 懇 談 会 が 平 成 元 年 4 月 に 取 りまとめた 中 間 報 告 には 体 調 調 節 機 能 を 期 待 できる 食 品 ( 機 能 性 食 品 )を 社 会 のニーズに 応 えて 健 康 づくりのための 具 体 的 な 手 段 として 積 極 的 に 活 用 することが 望 まれる 機 能 性 食 品 は 栄 養 改 善 法 第 12 条 の 規 定 に 基 づく 特 別 の 用 途 に 適 する 食 品 として 科 学 的 根 拠 に 基 づき 表 示 を 許 可 して 規 制 することが 適 当 である と 明 記 された 同 報 告 を 受 け 機 能 性 食 品 の 制 度 化 について 更 に 検 討 を 進 めるため 平 成 2 年 3 月 機 能 性 食 品 検 討 会 ( 会 長 : 阿 部 達 夫 東 邦 大 学 名 誉 教 授 ( 当 時 ))が 設 置 され 同 年 11 月 に 機 能 性 食 品 の 制 度 化 について と 題 する 報 告 書 が 公 表 された 同 報 告 書 では 機 能 性 食 品 を 特 定 保 健 用 食 品 という 名 称 で 制 度 化 するための 骨 子 となるものが 示 された これらの 検 討 を 踏 まえ 平 成 3 年 9 月 栄 養 改 善 法 施 行 規 則 ( 昭 和 27 年 厚 生 省 令 第 37 号 ) が 改 正 され 栄 養 改 善 法 ( 昭 和 27 年 法 律 第 248 号 ) 第 12 条 ( 同 法 は 平 成 14 年 8 月 に 廃 止 され 現 在 は 健 康 増 進 法 ( 平 成 14 年 法 律 第 103 号 ) 第 26 条 )に 規 定 する 特 別 用 途 食 品 6 の 一 類 型 とし て 特 定 保 健 用 食 品 制 度 が 創 設 された (2) 栄 養 機 能 食 品 我 が 国 では 医 薬 品 と 食 品 の 区 分 に 関 する 基 準 ( 食 薬 区 分 )が 昭 和 46 年 の 厚 生 省 薬 務 局 通 知 7 により 示 されており 特 定 保 健 用 食 品 を 始 め 健 康 食 品 等 を 販 売 する 際 には 食 薬 区 分 に 従 って 使 用 できる 成 分 や 原 料 食 品 の 形 状 効 能 効 果 に 関 する 表 示 等 に 関 して 一 定 の 規 制 がなされてきた こうした 状 況 の 中 米 国 等 からの 要 望 を 受 けて 平 成 8 年 3 月 の 市 場 開 放 問 題 苦 情 処 理 (O 5 文 部 省 特 定 研 究 食 品 機 能 の 系 統 的 解 析 と 展 開 ( 代 表 者 : 藤 巻 正 生 お 茶 の 水 女 子 大 学 長 ( 当 時 )) 6 特 別 用 途 食 品 とは 内 閣 総 理 大 臣 の 許 可 を 受 け 乳 児 幼 児 妊 産 婦 病 者 等 の 発 育 健 康 の 保 持 回 復 などに 適 するという 特 別 の 用 途 について 表 示 する 食 品 をいう 7 厚 生 省 無 承 認 無 許 可 医 薬 品 の 指 導 取 締 りについて ( 昭 和 46 年 薬 発 第 476 号 ) 87

3 8 TO) 対 策 本 部 決 定 である 基 準 認 証 制 度 等 に 係 る 市 場 開 放 問 題 についての 対 応 や 同 年 3 月 に 閣 議 決 定 された 規 制 緩 和 推 進 計 画 の 改 定 について においては 規 制 緩 和 の 観 点 か ら 食 薬 区 分 の 見 直 しの 必 要 性 が 明 記 された これを 受 けて 平 成 11 年 5 月 厚 生 省 ( 当 時 ) は 医 薬 安 全 局 長 の 下 に 医 薬 品 の 範 囲 基 準 の 見 直 しに 関 する 検 討 会 を 設 置 して 食 薬 区 分 の 見 直 しについて 検 討 を 行 い 平 成 12 年 3 月 に 報 告 書 を 取 りまとめた 同 報 告 書 を 踏 まえ 平 成 13 年 4 月 からは これまで 基 本 的 に 医 薬 品 等 として 規 制 されていたビタミン ミネラル 等 が 食 品 として 自 由 に 流 通 できることとされたほか 錠 剤 やカプセル 等 の 医 薬 品 的 な 形 状 に 関 する 規 制 も 緩 和 され 医 薬 品 的 な 形 状 であっても 食 品 として 販 売 することができることと された 9 また 食 薬 区 分 の 見 直 しと 併 せて ビタミンやミネラル 等 の 特 定 の 栄 養 成 分 を 摂 取 することを 目 的 とした 錠 剤 やカプセル 等 の 形 状 をした 食 品 (いわゆる 栄 養 補 助 食 品 )の 表 示 について 検 討 するため 平 成 10 年 12 月 に いわゆる 栄 養 補 助 食 品 の 取 扱 いに 関 する 検 討 会 ( 座 長 : 田 中 平 三 東 京 医 科 歯 科 大 学 難 治 疾 患 研 究 所 教 授 ( 当 時 ))が 同 省 に 設 置 され 平 成 12 年 3 月 に 報 告 書 が 取 りまとめられた その 後 も 厚 生 労 働 省 ではいわゆる 栄 養 補 助 食 品 に 関 する 制 度 の 細 部 について 検 討 が 行 わ れた 平 成 13 年 2 月 に 薬 事 食 品 衛 生 審 議 会 より いわゆる 健 康 食 品 のうち 一 定 の 条 件 を 満 たすものを 保 健 機 能 食 品 と 称 することとし その 制 度 化 に 向 けてこれまで 検 討 されて きた 規 格 基 準 表 示 基 準 等 に 沿 って 施 策 を 講 じることが 適 当 とする 答 申 が 厚 生 労 働 大 臣 に 対 して 行 われた 同 答 申 を 踏 まえ 改 正 された 食 品 衛 生 法 施 行 規 則 ( 昭 和 23 年 厚 生 省 令 第 23 号 )が 平 成 13 年 4 月 1 日 より 施 行 され いわゆる 栄 養 補 助 食 品 のうち 厚 生 労 働 省 が 定 めた 規 格 基 準 を 満 たしていれば 国 の 許 可 無 しに 栄 養 成 分 の 機 能 表 示 をすることができるとする 規 格 基 準 型 の 栄 養 機 能 食 品 が 新 たに 設 けられた また 同 改 正 においては 栄 養 機 能 食 品 と 併 せて 従 来 機 能 性 表 示 が 認 められていた 個 別 許 可 型 の 特 定 保 健 用 食 品 が 保 健 機 能 食 品 として 位 置 付 けられることとされた 10 なお 平 成 21 年 9 月 に 内 閣 府 の 外 局 として 消 費 者 庁 が 設 置 され 健 康 増 進 法 に 規 定 する 表 示 に 関 する 事 務 が 厚 生 労 働 省 から 消 費 者 庁 に 移 管 されたことに 伴 い 保 健 機 能 食 品 に 関 す る 業 務 は 消 費 者 庁 が 担 当 することとなった さらに 平 成 25 年 6 月 に 食 品 表 示 法 が 制 定 され たことにより 保 健 機 能 食 品 は 同 法 により 規 制 されることとなった 2.これまでの 保 健 機 能 食 品 の 概 要 (1) 特 定 保 健 用 食 品 の 概 要 特 定 保 健 用 食 品 については 健 康 増 進 法 に 規 定 する 特 別 用 途 表 示 の 許 可 等 に 関 する 内 閣 府 令 ( 平 成 21 年 内 閣 府 令 第 57 号 ) 第 2 条 第 1 項 第 5 号 において 食 生 活 において 特 定 の 保 健 の 8 政 府 の 市 場 開 放 問 題 苦 情 処 理 体 制 については 昭 和 57 年 1 月 に 経 済 対 策 閣 僚 会 議 決 定 により 内 閣 官 房 副 長 官 を 本 部 長 とする 市 場 開 放 問 題 苦 情 処 理 推 進 本 部 が 設 置 されたが その 後 処 理 体 制 の 一 層 の 充 実 を 図 るため 平 成 6 年 2 月 1 日 輸 入 手 続 等 を 含 む 市 場 開 放 問 題 及 び 輸 入 の 円 滑 化 に 関 する 具 体 的 苦 情 の 迅 速 かつ 的 確 な 処 理 を 推 進 するため 関 係 省 庁 間 の 連 絡 調 整 を 行 うことを 任 務 として 閣 議 決 定 により 内 閣 総 理 大 臣 を 本 部 長 とする 市 場 開 放 問 題 苦 情 処 理 対 策 本 部 が 総 理 府 ( 当 時 現 内 閣 府 )に 設 置 された 9 厚 生 労 働 省 医 薬 品 の 範 囲 に 関 する 基 準 の 改 正 について ( 平 成 13 年 医 薬 発 第 243 号 ) 10 厚 生 労 働 省 保 健 機 能 食 品 制 度 の 創 設 について ( 平 成 13 年 医 薬 発 第 244 号 ) 88

4 目的で摂取をする者に対し その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をするも の と規定されている11 特定保健用食品として食品を販売するには 生理的機能や特定の保健機能を示す有効性 安全性等に関する審査を個別に受け 図表2参照 その表示について内閣総理大臣から権限 を委任された消費者庁長官の許可を受ける必要がある 健康増進法第26条第1項及び第35条 第3項 12 図表2 特定保健用食品の表示許可審査手続の流れ 出所 消費者庁資料 事業者が消費者庁に特定保健用食品の申請を行うに当たっては 食品及び特定の保健の目 的に資する栄養成分に係る保健の用途及び1日当たりの摂取目安量を医学的及び栄養学的に 明らかにした資料や食品及び特定の保健の目的に資する栄養成分の安全性に関する資料等の 11 特定保健用食品の類型としては 有効性の科学的根拠が特定保健用食品のレベルに届かないものの 一定の有 効性が確認された食品を限定的な科学的根拠であるという表示条件付きで許可される 条件付き特定保健用食 品 特定保健用食品として許可実績が十分あるなど 科学的根拠が蓄積されている食品について規格基準によ り許可される 規格基準型特定保健用食品 関与成分の疾病リスク低減効果が医学 栄養学的に確立されてい る場合に疾病リスク低減の特定保健用食品として表示が許可される 疾病リスク低減表示特定保健用食品 があ る 12 許可要件として ①食事生活の改善が図られ 健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること ②食品又は関与成分について 保健の用途の根拠が医学的 栄養学的に明らかにされていること ③食品又は関与成分の適切な摂取量が医学的 栄養学的に設定できるものであること ④食品又は関与成分が 添付資料等からみて安全なものであること ⑤関与成分について物理学的 化学的及び生物学的性状並びに試験方法と定性及び定量試験方法が明らかにされ ていること ⑥同種の食品が一般に含有している栄養成分の組成を著しく損なったものでないこと ⑦まれにしか食されないものではなく 日常的に食べられている食品であること ⑧食品または関与成分が 専ら医薬品として使用されるものではないこと の8項目が挙げられている 厚生労働省 保健機能食品制度の見直しに伴う特定保健用食品の審査等取扱い及び 指導要領の改正について 平成17年食安発第 号 89 立法と調査 No. 368

5 提 出 が 求 められ 13 特 定 保 健 用 食 品 の 機 能 性 については ヒト 試 験 により 科 学 的 根 拠 が 明 ら かにされていること 安 全 性 については 食 経 験 又 は 動 物 試 験 やヒト 試 験 によってヒトにお ける 安 全 性 が 確 認 されていること 等 が 必 要 とされる また 特 定 保 健 用 食 品 の 義 務 表 示 項 目 は 食 品 表 示 基 準 第 3 条 第 2 項 に 定 められている( 図 表 3 参 照 ) なお これまでに 許 可 された 特 定 保 健 用 食 品 は1,173 品 目 に 上 る 14 図 表 3 特 定 保 健 用 食 品 の 義 務 表 示 項 目 とパッケージの 表 示 例 義 務 表 示 項 目 パッケージ 表 示 例 1 特 定 保 健 用 食 品 である 旨 1 特 定 保 健 用 食 品 : 2 許 可 等 を 受 けた 表 示 の 内 容 3 栄 養 成 分 ( 関 与 成 分 を 含 む 以 下 同 じ )の 量 及 び 熱 量 4 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 5 摂 取 方 法 6 摂 取 をする 上 での 注 意 事 項 7 バランスのとれた 食 生 活 の 普 及 啓 発 を 図 る 文 言 8 関 与 成 分 について 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 が 示 されてい るものにあっては 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 に 含 まれ る 当 該 関 与 成 分 の 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 に 対 する 割 合 9 調 理 又 は 保 存 の 方 法 に 関 し 特 に 注 意 を 要 するものに あっては 当 該 注 意 事 項 ( 出 所 ) 消 費 者 庁 資 料 等 より 作 成 名 称 : 粉 末 清 涼 飲 料 原 材 料 名 : 賞 味 期 限 : / / 内 容 量 : g 2 許 可 表 示 には が 含 まれているため 便 通 を 改 善 します お 腹 の 調 子 を 整 えたい 方 やお 通 じの 気 になる 方 に 適 しています 3 栄 養 成 分 表 示 : 一 袋 当 たり エネルギー kcal たんぱく 質 g 脂 質 g 炭 水 化 物 g 食 塩 相 当 量 g 関 与 成 分 g 41 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 : 1 日 当 たり2 袋 を 目 安 にお 召 し 上 がりください 5 摂 取 方 法 : 水 に 溶 かしてお 召 し 上 がりください 6 摂 取 する 上 での 注 意 事 項 : 一 度 に 多 量 に 摂 りすぎると おなかがゆるくなることがあります 1 日 の 摂 取 量 を 守 ってください 7 食 生 活 は 主 食 主 菜 副 菜 を 基 本 に 食 事 のバランスを 9 調 理 又 は 保 存 の 方 法 : 直 射 日 光 を 避 け 涼 しいところに 保 存 してください 製 造 者 株 式 会 社 東 京 都 区 (81 日 あたりの 摂 取 目 安 量 に 含 まれる 該 当 栄 養 成 分 の 量 が 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 に 占 める 割 合 : 関 与 成 分 が 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 に 定 められた 成 分 である 場 合 ) (2) 栄 養 機 能 食 品 の 概 要 栄 養 機 能 食 品 は 食 品 表 示 基 準 第 2 条 第 1 項 第 11 号 において 食 生 活 においてビタミンや ミネラル 等 の 栄 養 成 分 の 補 給 を 目 的 として 摂 取 をする 者 に 対 し 当 該 栄 養 成 分 を 含 むものと して 食 品 表 示 基 準 に 従 い 当 該 栄 養 成 分 の 機 能 の 表 示 をする 食 品 とされている 15 栄 養 機 能 食 品 として 販 売 するためには 食 品 表 示 基 準 に 定 められた1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 に 含 まれる 栄 養 成 分 の 量 の 上 限 値 下 限 値 に 適 合 するとともに 食 品 を 摂 取 する 上 での 注 意 事 項 等 を 表 示 する 必 要 があるが( 食 品 表 示 基 準 別 表 第 11 参 照 ) 個 別 に 国 に 許 可 申 請 や 届 出 等 を 行 う 必 要 はない 栄 養 成 分 の 機 能 が 表 示 できる 対 象 成 分 は 現 在 20 種 類 である 16 栄 養 機 能 食 品 の 義 務 表 示 項 目 は 食 品 表 示 基 準 第 7 条 で 定 められている( 図 表 4 参 照 ) 13 消 費 者 庁 特 定 保 健 用 食 品 の 表 示 許 可 等 について ( 平 成 26 年 消 食 表 第 259 号 ) 別 添 2 特 定 保 健 用 食 品 申 請 に 係 る 申 請 書 作 成 上 の 留 意 事 項 14 平 成 27 年 7 月 22 日 現 在 15 食 品 表 示 法 が 施 行 されるまでは 健 康 増 進 法 に 基 づき 定 められた 栄 養 表 示 基 準 ( 平 成 15 年 厚 生 労 働 省 告 示 第 176 号 )に 規 定 されていた 16 食 品 表 示 基 準 策 定 前 は17 種 類 (ビタミン12 種 類 ミネラル5 種 類 )であったが 食 品 表 示 基 準 の 策 定 に 伴 い 新 たにn-3 系 脂 肪 酸 ビタミンK 及 びカリウムの3 種 類 が 追 加 された 90

6 図 表 4 栄 養 機 能 食 品 の 義 務 表 示 項 目 とパッケージ 表 示 例 義 務 表 示 項 目 パッケージ 表 示 例 1 栄 養 機 能 食 品 である 旨 及 び 当 該 栄 養 成 分 の 名 称 2 栄 養 成 分 の 機 能 3 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 4 摂 取 の 方 法 5 摂 取 する 上 での 注 意 事 項 6 バランスのとれた 食 生 活 の 普 及 啓 発 を 図 る 文 言 7 消 費 者 庁 長 官 の 個 別 の 審 査 を 受 けた ものではない 旨 8 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 に 含 まれる 機 能 に 関 する 表 示 を 行 っている 栄 養 成 分 の 量 が 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 に 占 める 割 合 9 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 の 対 象 年 齢 及 び 基 準 熱 量 に 関 する 文 言 10 調 理 又 は 保 存 の 方 法 に 関 し 特 に 注 意 を 必 要 とするものにあっては 当 該 注 意 事 項 11 特 定 の 対 象 者 に 対 し 注 意 を 必 要 とす るものにあっては 当 該 注 意 事 項 ( 出 所 ) 消 費 者 庁 資 料 等 より 作 成 1 栄 養 機 能 食 品 (ビタミンC) 商 品 名 : 2ビタミンCは 皮 膚 や 粘 膜 の 健 康 維 持 を 助 けるとともに 抗 酸 化 作 用 を 持 つ 栄 養 素 です 名 称 :ビタミンC 含 有 食 品 原 材 料 名 : 賞 味 期 限 : / / 内 容 量 : g 製 造 者 : 株 式 会 社 栄 養 成 分 表 示 :1 粒 当 たり エネルギー kcal たんぱく 質 g 脂 質 g 炭 水 化 物 g 食 塩 相 当 量 g ビタミンC mg 31 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 : 1 日 当 たり2 粒 を 目 安 にお 召 し 上 がり 下 さい 4 摂 取 の 方 法 及 び5 摂 取 する 上 での 注 意 事 項 : 本 品 は 多 量 摂 取 により 疾 病 が 治 癒 したり より 健 康 が 増 進 する ものではありません 6 食 生 活 は 主 食 主 菜 副 菜 を 基 本 に 食 事 のバランスを 7 本 品 は 特 定 保 健 用 食 品 と 異 なり 消 費 者 庁 長 官 により 個 別 審 査 を 受 けたものではありません 81 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 に 含 まれる 当 該 栄 養 成 分 の 量 が 栄 養 素 等 表 示 基 準 値 (9 対 象 年 齢 18 歳 以 上 基 準 熱 量 2200kcal)に 占 める 割 合 :ビタミン % 10 調 理 又 は 保 存 の 方 法 : 保 存 は 高 温 多 湿 を 避 け 開 封 後 はキャップをしっかり 閉 めて 早 めにお 召 し 上 がり 下 さい 3. 機 能 性 表 示 食 品 制 度 の 検 討 経 緯 (1) 規 制 改 革 会 議 等 における 検 討 平 成 25 年 1 月 23 日 規 制 改 革 を 総 合 的 に 調 査 審 議 する 内 閣 総 理 大 臣 の 諮 問 機 関 として 内 閣 府 設 置 法 第 37 条 第 2 項 に 基 づく 規 制 改 革 会 議 ( 議 長 : 岡 素 之 住 友 商 事 株 式 会 社 相 談 役 )が 発 足 した 同 年 2 月 15 日 に 開 催 された 第 2 回 規 制 改 革 会 議 において 付 加 価 値 の 高 い 農 産 物 加 工 品 の 開 発 を 促 進 する 観 点 から ヒトによる 治 験 を 経 て 健 康 増 進 に 対 するエビデンスが 認 められた 素 材 を 含 有 する 健 康 食 品 について その 効 能 効 果 に 関 する 表 示 を 認 めるべきで はないか という 一 般 健 康 食 品 の 機 能 性 表 示 の 容 認 が 規 制 改 革 の 課 題 の 一 つとして 挙 げられた 17 その 後 規 制 改 革 会 議 の 下 に 設 置 されたワーキング グループ 18 の 一 つである 健 康 医 療 ワーキング グループ( 以 下 健 康 医 療 WG という )において 一 般 健 康 食 品 の 機 能 性 表 示 の 容 認 は 優 先 的 に 検 討 すべき 事 項 に 位 置 付 けられた 19 健 康 医 療 WGにおいては 業 界 団 体 からのヒアリングにより 機 能 性 表 示 が 認 められている 従 来 の 保 健 機 能 食 品 ( 特 定 17 第 2 回 規 制 改 革 会 議 配 付 資 料 これまでに 提 起 されている 課 題 の 代 表 例 ( 平 ) 18 規 制 改 革 会 議 においては 平 成 25 年 1 月 25 日 に 内 閣 総 理 大 臣 から 内 閣 府 特 命 担 当 大 臣 ( 規 制 改 革 担 当 )に 規 制 改 革 の 重 点 分 野 とするよう 指 示 があった 健 康 医 療 エネルギー 環 境 雇 用 の 各 分 野 のほか 委 員 の 発 意 による 創 業 等 という 分 野 を 加 えた4 分 野 が 重 点 検 討 課 題 とされ それぞれのワーキング グループが 設 置 された 19 第 4 回 規 制 改 革 会 議 配 付 資 料 ワーキング グループの 検 討 資 料 ( 平 ) 91

7 保 健 用 食 品 及 び 栄 養 機 能 食 品 )の 課 題 として 特 定 保 健 用 食 品 については 膨 大 な 開 発 コスト が 掛 かること 栄 養 機 能 食 品 については 規 格 基 準 に 定 められた 栄 養 成 分 の 機 能 性 表 示 に 限 定 されていること 等 が 指 摘 されたほか 健 康 食 品 を 利 用 する 消 費 者 の 多 くが 商 品 の 機 能 の 情 報 を 求 めているとして 食 品 の 機 能 性 に 関 する 新 しい 表 示 制 度 の 創 設 が 要 望 された 20 また 食 品 の 表 示 を 所 管 する 消 費 者 庁 及 び 食 品 の 安 全 性 確 保 を 所 管 する 厚 生 労 働 省 等 からのヒアリ ング 国 際 先 端 テスト 21 が 実 施 されるなど 検 討 が 進 められ 平 成 25 年 5 月 下 旬 に 医 療 健 康 WGの 報 告 書 6 月 5 日 に 規 制 改 革 会 議 の 規 制 改 革 に 関 する 答 申 が 取 りまとめられた このような 規 制 改 革 会 議 における 議 論 を 踏 まえ 同 年 6 月 14 日 に 閣 議 決 定 された 規 制 改 革 実 施 計 画 において 特 定 保 健 用 食 品 栄 養 機 能 食 品 以 外 のいわゆる 健 康 食 品 をはじめと する 保 健 機 能 を 有 する 成 分 を 含 む 加 工 食 品 及 び 農 林 水 産 物 について 機 能 性 の 表 示 を 容 認 す る 新 たな 方 策 をそれぞれ 検 討 し 結 論 を 得 る なお その 具 体 的 な 方 策 については 民 間 が 有 しているノウハウを 活 用 する 観 点 から その 食 品 の 機 能 性 について 国 ではなく 企 業 等 が 自 らその 科 学 的 根 拠 を 評 価 した 上 でその 旨 及 び 機 能 を 表 示 できる 米 国 のダイエタリーサプリ メントの 表 示 制 度 22 を 参 考 にし 企 業 等 の 責 任 において 科 学 的 根 拠 のもとに 機 能 性 を 表 示 で きるものとし かつ 一 定 のルールの 下 で 加 工 食 品 及 び 農 林 水 産 物 それぞれについて 安 全 性 の 確 保 ( 生 産 製 造 及 び 品 質 の 管 理 健 康 被 害 情 報 の 収 集 )も 含 めた 運 用 が 可 能 な 仕 組 み とすることを 念 頭 に 検 討 を 行 う ことが 明 記 され また その 検 討 の 実 施 時 期 については 平 成 25 年 度 中 に 検 討 を 開 始 し 平 成 26 年 度 中 に 結 論 を 得 た 上 で 実 施 することとされた 23 (2) 消 費 者 庁 消 費 者 委 員 会 における 検 討 規 制 改 革 実 施 計 画 を 踏 まえ 平 成 25 年 12 月 17 日 特 定 保 健 用 食 品 制 度 及 び 栄 養 機 能 食 品 制 度 を 維 持 しつつ 事 業 者 の 責 任 において 科 学 的 根 拠 を 基 に 機 能 性 を 表 示 できる 新 たな 方 策 に ついて 検 討 を 行 うため 消 費 者 庁 長 官 の 下 に 学 識 経 験 者 消 費 者 関 連 団 体 事 業 者 団 体 等 で 構 成 する 食 品 の 新 たな 機 能 性 表 示 に 関 する 検 討 会 ( 座 長 : 松 澤 佑 次 大 阪 大 学 名 誉 教 授 一 般 財 団 法 人 住 友 病 院 院 長 )が 設 置 された 同 検 討 会 は 平 成 26 年 7 月 まで 計 8 回 開 催 され 7 月 30 日 に 報 告 書 ( 以 下 検 討 会 報 告 書 という )が 取 りまとめられた 検 討 会 報 告 書 においては 1 新 制 度 に 係 る 安 全 性 確 保 の 在 り 方 2 食 品 の 機 能 性 表 示 を 行 うに 当 たって 必 要 な 科 学 的 根 拠 の 考 え 方 3 消 費 者 にとって 誤 認 のない 食 品 の 機 能 性 表 示 の 在 り 方 4 国 の 関 与 の 在 り 方 について その 方 向 性 などが 示 された その 中 で 2について は 必 要 な 科 学 的 根 拠 として 特 定 保 健 用 食 品 の 申 請 を 行 うために 従 来 必 要 とされていた 最 20 第 3 回 規 制 改 革 会 議 健 康 医 療 WG 配 付 資 料 日 本 通 信 販 売 協 会 提 出 資 料 ( 平 ) 21 国 際 先 端 テストとは 我 が 国 の 潜 在 力 を 最 大 限 発 揮 できるよう 戦 略 分 野 を 育 成 するとともに 投 資 先 として の 日 本 の 魅 力 を 最 高 水 準 に 引 き 上 げることを 目 指 し (a) 諸 外 国 と 比 べて 一 般 的 な 規 制 かどうか (b) 諸 外 国 に 比 べて 過 重 な 水 準 を 求 めていないか (c) 諸 外 国 との 相 互 性 互 換 性 のある 基 準 認 証 となっているか (d) 諸 外 国 と 比 べて 手 続 や 費 用 が 簡 素 適 正 なものとなっているか (e) 規 制 の 目 的 は より 制 限 的 でない 別 の 方 法 により 達 成 できないか といった 観 点 から 個 別 の 規 制 の 必 要 性 合 理 性 について 国 際 比 較 に 基 づいた 検 証 を 行 うもの である 22 ダイエタリーサプリメント 制 度 とは ビタミン ミネラル アミノ 酸 ハーブ 等 について 身 体 の 構 造 と 機 能 に 影 響 を 及 ぼす 表 示 ( 構 造 機 能 表 示 )ができる 制 度 であり 事 業 者 は 米 国 食 品 医 薬 局 (FDA)へ 届 け 出 るだ けで 表 示 の 科 学 的 根 拠 が 審 査 されることなく 事 業 者 の 自 己 責 任 において 実 証 された 効 果 を 表 示 できる 23 日 本 再 興 戦 略 -JAPAN is BACK- ( 平 閣 議 決 定 )においても 同 様 の 内 容 が 盛 り 込 まれている 92

8 終 製 品 を 用 いた 臨 床 試 験 のほか 最 終 製 品 又 は 機 能 性 関 与 成 分 に 関 する 研 究 レビュー の 実 施 によっても 機 能 性 表 示 を 認 めることが 適 当 であるとされた また 後 者 による 場 合 に は 査 読 付 きの 学 術 論 文 等 広 く 入 手 可 能 な 文 献 を 用 いたシステマティック レビュー( 以 下 SR という )を 行 うことが 必 須 とされた SRとは あるテーマに 関 して 一 定 の 基 準 を 満 たした 質 の 高 い 臨 床 研 究 を 集 め そのデータを 統 合 して 総 合 評 価 の 結 果 をまとめる 手 法 であり 事 業 者 は 自 己 責 任 でSRの 結 果 を 機 能 性 の 科 学 的 根 拠 とすることができる SR については 実 施 者 が 限 定 されておらず 外 部 委 託 や 原 料 メーカーが 実 施 したものを 利 用 でき るほか 機 能 性 表 示 食 品 の 申 請 に 当 たってはそのSRの 結 果 データが 公 表 されるため 先 行 して 実 施 されているSRを 活 用 することもできる 最 終 製 品 を 用 いた 臨 床 試 験 による 場 合 に は ヒト 試 験 等 を 行 う 必 要 があり 数 千 万 円 規 模 の 費 用 が 掛 かるとされているため 実 質 的 に 中 小 企 業 等 が 行 うのは 難 しかった しかし SRが 認 められたことにより 中 小 企 業 等 に とっては 機 能 性 表 示 を 行 うハードルが 下 がったと 言 われている そのほか 表 示 事 項 や 届 出 事 項 等 新 制 度 の 表 示 に 係 る 基 準 については 食 品 表 示 法 に 基 づく 食 品 表 示 基 準 に 規 定 する ことが 適 当 であるとされた 消 費 者 庁 は 検 討 会 報 告 書 を 踏 まえて 平 成 26 年 8 月 28 日 に 食 品 表 示 法 第 4 条 第 1 項 に 基 づく 食 品 の 新 たな 機 能 性 表 示 制 度 に 係 る 食 品 基 準 案 を 公 表 し 同 日 から9 月 26 日 までパ ブリックコメントを 実 施 した 続 いて 安 倍 内 閣 総 理 大 臣 は 10 月 31 日 消 費 者 委 員 会 24 に 対 し 食 品 表 示 基 準 ( 機 能 性 表 示 食 品 に 係 る 規 定 及 び 別 表 に 限 る )を 定 めることについて 諮 問 を 行 った これを 受 け 消 費 者 委 員 会 において 議 論 が 行 われ 12 月 9 日 消 費 者 委 員 会 は 検 討 会 報 告 書 のうち 食 品 表 示 基 準 に 記 載 されていない 事 項 の 施 行 通 知 等 への 記 載 制 度 運 用 に 当 たっての 食 品 安 全 委 員 会 との 積 極 的 な 連 携 の 確 保 など9 項 目 からなる 前 提 条 件 を 付 した 上 で 諮 問 案 のとおりとすることを 適 当 とする 旨 答 申 した その 後 関 係 各 省 との 協 議 を 踏 まえ 平 成 27 年 3 月 20 日 食 品 表 示 基 準 が 公 布 され 続 いて 3 月 30 日 に 事 業 者 が 機 能 性 表 示 食 品 の 届 出 を 行 う 際 の 指 針 である 機 能 性 表 示 食 品 の 届 出 等 に 関 するガイドライン ( 以 下 ガイドライン という )が 公 表 された ガイドライ ンは 機 能 性 表 示 食 品 の 対 象 となる 食 品 安 全 性 確 保 の 在 り 方 機 能 性 の 根 拠 表 示 の 内 容 等 について 具 体 的 に 規 定 しており 消 費 者 庁 の 解 釈 を 示 すものとされている そして 4 月 1 日 食 品 表 示 法 と 併 せて 食 品 表 示 基 準 が 施 行 された 4. 機 能 性 表 示 食 品 制 度 の 概 要 機 能 性 表 示 食 品 は 食 品 表 示 基 準 第 2 条 第 1 項 第 10 号 において 疾 病 に 罹 患 していない 者 ( 未 成 年 妊 産 婦 ( 妊 娠 を 計 画 している 者 を 含 む ) 及 び 授 乳 婦 を 除 く )に 対 し 機 能 性 を 表 示 する 食 品 の 当 該 機 能 に 関 与 する 成 分 ( 以 下 機 能 性 関 与 成 分 という )によって 健 康 の 維 持 及 び 増 進 に 資 する 特 定 の 保 健 の 目 的 ( 疾 病 リスクの 低 減 に 係 るものを 除 く )が 期 待 でき る 旨 を 科 学 的 根 拠 に 基 づいて 容 器 包 装 に 表 示 する 食 品 ( 特 別 用 途 食 品 栄 養 機 能 食 品 アル コールを 含 有 する 飲 料 ナトリウム 糖 分 等 の 栄 養 素 の 過 剰 摂 取 につながる 食 品 を 除 く )で 24 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法 ( 平 成 21 年 法 律 第 48 号 ) 第 6 条 第 1 項 に 基 づき 平 成 21 年 9 月 1 日 に 内 閣 府 の 審 議 会 等 として 設 置 された 93

9 あって 当 該 食 品 に 関 する 表 示 の 内 容 事 業 者 名 及 び 連 絡 先 等 の 事 業 者 に 関 する 基 本 情 報 安 全 性 及 び 機 能 性 の 根 拠 に 関 する 情 報 生 産 製 造 及 び 品 質 の 管 理 に 関 する 情 報 健 康 被 害 の 情 報 収 集 体 制 その 他 必 要 な 事 項 を 販 売 日 の60 日 前 までに 消 費 者 庁 に 届 け 出 たものとして 定 義 付 けられている 以 下 機 能 性 表 示 食 品 の 対 象 範 囲 安 全 性 及 び 機 能 性 の 根 拠 表 示 の 内 容 消 費 者 庁 の 関 与 等 の 本 制 度 の 概 要 について ガイドライン 等 において 示 されている 内 容 を 説 明 する (1) 機 能 性 表 示 食 品 の 対 象 範 囲 本 制 度 の 対 象 となる 食 品 は 包 装 容 器 に 入 れられた 食 品 全 般 ( 一 部 を 除 く )である(ガイ ドライン1 頁 ) 加 工 食 品 だけではなく 生 鮮 食 品 も 対 象 とされ 従 来 の 我 が 国 の 機 能 性 表 示 制 度 と 比 べて 対 象 が 大 きく 広 がっている 25 ただし 健 康 への 悪 影 響 を 否 定 できないとの 理 由 からアルコール 含 有 飲 料 やナトリウム 糖 分 等 の 栄 養 素 の 過 剰 な 摂 取 につながる 食 品 につい ては 対 象 から 除 外 された また 機 能 性 関 与 成 分 が 定 性 的 かつ 定 量 的 に 明 らかにされている ものであることが 必 要 である 26 ( 検 討 会 報 告 書 8 頁 ) そのほか 消 費 者 が 商 品 を 選 択 する 際 の 混 乱 を 防 止 するため 従 来 の 機 能 性 表 示 制 度 であ る 特 定 保 健 用 食 品 及 び 栄 養 機 能 食 品 や 特 定 保 健 用 食 品 以 外 の 特 別 用 途 食 品 との 併 用 は 認 めら れない (2) 安 全 性 の 根 拠 機 能 性 表 示 食 品 の 安 全 性 については 届 出 を 行 う 事 業 者 の 責 任 において 届 出 しようとす る 製 品 又 は 類 似 するものの 食 経 験 及 び 医 薬 品 と 機 能 性 関 与 成 分 との 相 互 作 用 の 主 に 二 つの 観 点 からの 評 価 が 必 要 とされる(ガイドライン6 頁 ) 前 者 については まずは 喫 食 実 績 等 によ る 食 経 験 で 評 価 し それが 十 分 とは 言 えない 場 合 は データベースの2 次 情 報 や 文 献 などの 既 存 情 報 を 用 いた 評 価 又 は 最 終 製 品 若 しくは 機 能 性 関 与 成 分 における 安 全 性 試 験 の 実 施 によ り 安 全 性 を 証 明 する(ガイドライン8~13 頁 ) 後 者 については 医 薬 品 と 機 能 性 表 示 食 品 を 併 用 することにより 医 薬 品 又 は 機 能 性 関 与 成 分 の 作 用 が 増 強 されたこと 等 による 健 康 被 害 のリスクが 考 えられることから 医 薬 品 と 機 能 性 関 与 成 分 の 相 互 作 用 に 関 する 評 価 を 行 うこ とが 必 要 とされる(ガイドライン14 15 頁 ) また 相 互 作 用 が 認 められる 場 合 は 届 出 しよ うとする 食 品 を 摂 取 しても 安 全 である 理 由 を 説 明 しなければならない(ガイドライン14 15 頁 ) (3) 生 産 製 造 及 び 品 質 の 管 理 事 業 者 は 生 産 製 造 における 衛 生 管 理 及 び 品 質 管 理 に 関 する 情 報 を 届 け 出 ることが 求 めら れている ただし 本 制 度 においては 生 産 製 造 及 び 品 質 管 理 に 係 る 体 制 構 築 については 義 25 生 鮮 食 品 を 対 象 としている 機 能 性 表 示 制 度 は 国 際 的 に 見 ても 例 が 無 いとされる 26 天 然 物 から 抽 出 されることが 多 い 健 康 食 品 の 場 合 必 ずしも 機 能 性 関 与 成 分 が 明 らかなものばかりではない 例 えば 青 汁 はエキスに 含 まれる 複 数 の 成 分 が 複 合 的 に 作 用 して 機 能 を 発 揮 している 場 合 が 多 いとされるが 機 能 性 関 与 成 分 が 明 確 でない 場 合 は 機 能 性 表 示 食 品 の 対 象 にならない 94

10 務 付 けされておらず 体 制 構 築 の 有 無 は 消 費 者 の 食 品 の 選 択 に 資 する 情 報 として 位 置 付 け られている(ガイドライン17 頁 ) 具 体 的 には 加 工 食 品 における 製 造 施 設 従 業 員 の 衛 生 管 理 体 制 生 鮮 食 品 における 生 産 採 取 漁 獲 等 の 衛 生 管 理 体 制 規 格 外 製 品 の 出 荷 防 止 体 制 機 能 性 関 与 成 分 の 分 析 方 法 等 に 関 する 情 報 を 明 らかにすることとされている(ガイドライン 17~21 頁 ) (4) 健 康 被 害 の 情 報 収 集 体 制 機 能 性 表 示 食 品 の 摂 取 による 健 康 被 害 の 発 生 の 未 然 防 止 及 び 拡 大 防 止 を 図 るため 事 業 者 は 健 康 被 害 の 情 報 を 収 集 し 行 政 機 関 への 報 告 を 行 う 体 制 を 整 備 することが 適 当 であるとされ る また 事 業 者 は 消 費 者 から 健 康 被 害 情 報 を 確 実 に 収 集 する 取 組 の 一 環 として お 客 様 相 談 室 等 の 消 費 者 対 応 部 局 の 連 絡 先 ( 電 話 番 号 )を 製 品 の 包 装 に 必 ず 表 示 しなければなら ない さらに 機 能 性 表 示 食 品 は 医 薬 品 と 異 なり 摂 取 が 限 定 されるものではないことから 万 が 一 健 康 被 害 が 発 生 した 際 には 急 速 に 発 生 が 拡 大 するおそれが 考 えられるため 入 手 し た 情 報 が 不 十 分 であったとしても 速 やかに 消 費 者 庁 及 び 都 道 府 県 等 ( 保 健 所 )に 報 告 するこ ととされている(ガイドライン22~24 頁 ) (5) 機 能 性 の 根 拠 機 能 性 の 根 拠 は 最 終 製 品 を 用 いた 臨 床 試 験 の 実 施 又 は 最 終 製 品 若 しくは 機 能 性 関 与 成 分 に 関 する 研 究 レビューのいずれかによって 実 証 する(ガイドライン24 頁 ) 最 終 製 品 を 用 いた 臨 床 試 験 の 実 施 方 法 は 原 則 として 特 定 保 健 用 食 品 の 臨 床 試 験 に 準 拠 す る 特 定 保 健 用 食 品 の 臨 床 試 験 との 相 違 点 として 機 能 性 表 示 食 品 が 国 の 審 査 を 不 要 として いることを 踏 まえつつ 臨 床 試 験 の 信 頼 性 を 担 保 する 観 点 から 食 品 表 示 基 準 が 施 行 して1 年 後 からは 研 究 計 画 について 出 版 バイアス 27 の 防 止 を 目 的 とした UMIN 臨 床 試 験 登 録 システム 28 に 事 前 登 録 が 行 われていることが 必 要 とされ 試 験 結 果 についてはその 内 容 を 誰 もが 適 切 に 評 価 できるよう 国 際 指 針 に 準 拠 した 形 式 で 査 読 付 き 論 文 として 公 表 された 論 文 を 提 出 することが 求 められる(ガイドライン25~27 頁 ) そして 機 能 性 の 科 学 的 根 拠 を 実 証 するもう 一 つの 方 法 である 最 終 製 品 又 は 機 能 性 関 与 成 分 に 関 する 研 究 レビューについては 前 述 のとおりSRを 行 うことが 必 須 とされ データベ ース 上 の 学 術 論 文 等 の 関 連 研 究 を 網 羅 的 に 収 集 し 肯 定 的 なデータだけではなく 否 定 的 なデ ータも 含 めて 総 合 的 に 判 断 する totality of evidence の 考 え 方 に 基 づき 事 業 者 が 自 己 責 任 で 総 合 的 に 機 能 性 の 評 価 を 行 うこととされている(ガイドライン29~31 頁 ) 27 出 版 バイアスとは 無 効 である 又 は 副 作 用 等 を 伴 うなどネガティブな 研 究 結 果 が 出 版 公 表 されないために 生 じるデータの 偏 りのことである このような 状 況 で 文 献 検 索 を 行 うと 有 効 性 や 安 全 性 が 過 大 評 価 された 結 論 が 導 き 出 されてしまうおそれがある 28 UMIN 臨 床 試 験 登 録 システムとは 臨 床 研 究 計 画 の 概 要 を 研 究 開 始 前 に 登 録 しインターネットで 公 開 するシ ステムであり 全 国 42の 国 立 大 学 病 院 のネットワーク 組 織 である 大 学 病 院 医 療 情 報 ネットワーク(University Hospital Medical Information Network=UMIN)により 平 成 17 年 6 月 から 運 用 されている このシステム を 活 用 することにより 登 録 された 試 験 が 結 果 公 表 までされているかを 確 認 でき 出 版 バイアスの 存 在 の 可 能 性 を 知 る 手 掛 かりとなることが 期 待 される 95

11 (6) 表 示 の 内 容 ア 表 示 が 義 務 付 けられている 項 目 機 能 性 表 示 食 品 の 義 務 表 示 項 目 は 食 品 表 示 基 準 で 定 められており 加 工 食 品 については 第 3 条 第 2 項 生 鮮 食 品 については 第 18 条 第 2 項 に 規 定 されている( 図 表 5 参 照 ) 図 表 5 機 能 性 表 示 食 品 の 義 務 表 示 項 目 とパッケージ 表 示 例 義 務 表 示 項 目 パッケージ 表 示 例 1 機 能 性 表 示 食 品 である 旨 1 機 能 性 表 示 食 品 6 届 出 番 号 : 商 品 名 2 科 学 的 根 拠 を 有 する 機 能 性 関 与 成 分 2 届 出 表 示 : 及 び 当 該 成 分 又 は 当 該 成 分 を 含 有 す 本 品 には が 含 まれるので の 機 能 があります る 食 品 が 有 する 機 能 性 名 称 : 原 材 料 名 : 賞 味 期 限 : / / 3 栄 養 成 分 の 量 及 び 熱 量 内 容 量 :90g(1 粒 500mg 180) 製 造 者 : 4 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 当 たりの 機 3 栄 養 成 分 表 示 :1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 (2 粒 ) 当 たり 能 性 関 与 成 分 の 含 有 量 エネルギー kcal たんぱく 質 g 脂 質 g 炭 水 化 物 g 5 1 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 食 塩 相 当 量 g 4 機 能 性 関 与 成 分 mg 6 届 出 番 号 51 日 当 たりの 摂 取 目 安 量 :2 粒 7 事 業 者 の 連 絡 先 8 機 能 性 及 び 安 全 性 について 国 による 評 価 を 受 けたものではない 旨 9 摂 取 の 方 法 10 摂 取 をする 上 での 注 意 事 項 11 バランスのとれた 食 生 活 の 普 及 啓 発 を 図 る 文 言 7お 問 合 せ 先 : 株 式 会 社 100- 東 京 都 区 町 電 話 番 号 : 本 品 は 事 業 者 の 責 任 において 特 定 の 保 健 の 目 的 が 期 待 できる 旨 を 表 示 するものとして 消 費 者 庁 長 官 に 届 出 されたものです た だし 特 定 保 健 用 食 品 と 異 なり 消 費 者 庁 長 官 による 個 別 審 査 を 受 けたものではありません 9 摂 取 の 方 法 : 水 またはぬるま 湯 と 一 緒 にお 召 し 上 がりください 12 調 理 又 は 保 存 の 方 法 に 関 し 特 に 注 意 10 摂 取 上 の 注 意 : を 必 要 とするものにあっては 当 該 注 本 品 は 多 量 摂 取 により 疾 病 が 治 癒 したり より 健 康 が 増 進 するも 意 事 項 のではありません 13 疾 病 の 診 断 治 療 予 防 を 目 的 とし 11 食 生 活 は 主 食 主 菜 副 菜 を 基 本 に 食 事 のバランスを たものではない 旨 12 調 理 又 は 保 存 の 方 法 : 14 疾 病 に 罹 患 している 者 未 成 年 者 妊 産 婦 ( 妊 娠 を 計 画 している 者 を 含 む ) 及 び 授 乳 婦 に 対 し 訴 求 したもの ではない 旨 15 疾 病 に 罹 患 している 者 は 医 師 医 薬 品 を 服 用 している 者 は 医 師 薬 剤 師 に 相 談 した 上 で 摂 取 すべき 旨 16 体 調 に 異 変 を 感 じた 際 は 速 やかに 摂 取 を 中 止 し 医 師 に 相 談 すべき 旨 直 射 日 光 高 温 多 湿 の 場 所 を 避 けて 保 存 してください 13 本 品 は 疾 病 の 診 断 治 療 予 防 を 目 的 としたものではありません 14 本 品 は 疾 病 に 罹 患 している 者 未 成 年 者 妊 産 婦 ( 妊 娠 を 計 画 し ている 者 を 含 む ) 及 び 授 乳 婦 を 対 象 に 開 発 された 食 品 ではあり ません 15 疾 病 に 罹 患 している 場 合 は 医 師 に 医 薬 品 を 服 用 している 場 合 は 医 師 薬 剤 師 に 相 談 してください 16 体 調 に 異 変 を 感 じた 際 は 速 やかに 摂 取 を 中 止 し 医 師 に 相 談 し てください ( 注 ) 義 務 表 示 項 目 及 びパッケージ 表 示 例 については 加 工 食 品 の 例 による ( 出 所 ) 消 費 者 庁 資 料 等 より 作 成 イ 機 能 性 に 関 する 表 現 製 品 の 包 装 に 機 能 性 を 表 示 する 際 には 機 能 性 関 与 成 分 に 基 づく 科 学 的 根 拠 なのか 最 終 製 品 に 基 づく 科 学 的 根 拠 なのか さらには 機 能 性 の 根 拠 は 臨 床 試 験 で 実 証 されたのか それとも 研 究 レビューによって 実 証 されたものなのかが 区 別 できる 表 現 にすることが 求 め られている 機 能 性 関 与 成 分 に 基 づく 機 能 性 の 根 拠 しか 実 証 していない 場 合 は 最 終 製 品 自 体 に 機 能 性 があるという 科 学 的 根 拠 を 有 するものではないということを 明 確 にするとと 96

12 もに 臨 床 試 験 ではなく 研 究 レビューによって 機 能 性 の 根 拠 を 実 証 した 場 合 は 報 告 され ている ということが 明 確 になる 表 現 とすることとされている(ガイドライン35 頁 )( 図 表 6 参 照 ) 図 表 6 製 品 包 装 における 機 能 性 の 表 現 例 機 能 性 の 根 拠 の 実 証 方 法 1 最 終 製 品 を 用 いた 臨 床 試 験 2 最 終 製 品 に 関 する 研 究 レビュー 3 機 能 性 関 与 成 分 に 関 する 研 究 レビュー 製 品 包 装 における 機 能 性 に 係 る 表 現 例 本 品 にはA( 機 能 性 関 与 成 分 )が 含 まれるので Bの 機 能 があります( 機 能 性 ) 本 品 にはA( 機 能 性 関 与 成 分 )が 含 まれ Bの 機 能 がある( 機 能 性 )ことが 報 告 されています 本 品 にはA( 機 能 性 関 与 成 分 )が 含 まれます Aには Bの 機 能 がある( 機 能 性 )ことが 報 告 されています ( 出 所 )ガイドラインを 基 に 作 成 (7) 機 能 性 表 示 制 度 における 消 費 者 庁 の 関 与 ア 販 売 前 届 出 制 の 導 入 事 業 者 は 最 終 製 品 に 関 する 表 示 の 内 容 事 業 者 に 関 する 基 本 情 報 安 全 性 や 機 能 性 の 根 拠 情 報 等 の 資 料 と 届 出 書 を 販 売 日 の60 日 前 までに 消 費 者 庁 に 届 け 出 なければならない 消 費 者 庁 は 届 出 資 料 に 不 備 がないか 形 式 的 に 確 認 した 後 に 届 出 番 号 を 付 与 する 機 能 性 表 示 食 品 に 関 する 届 出 情 報 については 一 部 を 除 いて 消 費 者 庁 のホームページにおいて 公 開 される(ガイドライン41 頁 ) なお 事 業 者 には 届 出 に 当 たり 専 門 知 識 の 無 い 消 費 者 にも 分 かるように 安 全 性 及 び 機 能 性 の 根 拠 について 高 度 な 専 門 用 語 や 内 容 をなるべく 平 易 な 言 葉 に 置 き 換 えた1,000 文 字 以 内 の 抄 録 の 提 出 が 義 務 付 けられており(ガイドライン 頁 ) 消 費 者 庁 のホームページにおいて 一 般 向 け 情 報 と 有 識 者 等 向 け 情 報 が 区 別 され それぞれ 開 示 されている イ 事 後 チェック 体 制 本 制 度 は 特 定 保 健 用 食 品 のように 安 全 性 や 機 能 性 について 事 前 に 個 別 審 査 を 行 うもの ではないため 機 能 性 表 示 食 品 の 信 頼 性 を 担 保 するためには 販 売 後 の 監 視 を 徹 底 させるこ とが 必 要 となる 具 体 的 には 消 費 者 庁 において 市 販 されている 商 品 を 購 入 し 届 出 の 内 容 に 即 した 表 示 が 実 際 になされているかを 調 査 する 市 場 調 査 を 行 うほか 29 開 示 情 報 等 を 端 緒 として 寄 せられた 疑 義 情 報 を 基 に 必 要 に 応 じて 事 業 者 に 確 認 し 安 全 性 や 機 能 性 に 関 する 科 学 的 根 拠 に 基 づかないものであることが 明 らかになった 場 合 には 事 業 者 に 撤 回 届 の 提 出 を 求 めることとしている さらに 事 業 者 が 撤 回 届 の 提 出 の 求 めに 応 じず 機 能 性 表 示 食 品 としての 販 売 を 継 続 しようとする 場 合 には 食 品 表 示 法 第 6 条 第 1 項 に 基 づく 指 示 や 同 条 第 5 項 に 基 づく 命 令 等 の 行 政 措 置 を 行 うことが 想 定 されている 第 189 回 国 会 衆 議 院 消 費 者 問 題 に 関 する 特 別 委 員 会 議 録 第 3 号 20 頁 ( 平 ) 30 第 189 回 国 会 参 議 院 厚 生 労 働 委 員 会 会 議 録 第 12 号 21 頁 ( 平 ) 97

13 5. 機 能 性 表 示 食 品 制 度 の 今 後 の 課 題 (1) 法 的 根 拠 の 脆 弱 性 本 制 度 については 食 品 表 示 基 準 の 中 に 規 定 されているほか 食 品 表 示 基 準 第 2 条 第 1 項 第 10 号 に 規 定 する 安 全 性 及 び 機 能 性 の 根 拠 に 関 する 情 報 の 具 体 的 内 容 はガイドラインで 示 されており 食 品 表 示 法 に 本 制 度 に 関 する 直 接 的 な 規 定 はない この 点 について 消 費 者 委 員 会 では 本 制 度 の 法 的 根 拠 が 脆 弱 である 旨 の 指 摘 がなされており 平 成 26 年 12 月 9 日 の 消 費 者 委 員 会 の 答 申 においては 本 制 度 の 脆 弱 性 を 克 服 すべく 1 食 品 の 機 能 性 表 示 を 行 う 事 業 者 は 科 学 的 根 拠 を 証 する 情 報 を 含 む 所 定 事 項 を 消 費 者 庁 長 官 に 届 け 出 なければならない という 事 業 者 の 義 務 2 科 学 的 根 拠 を 証 明 せずに 又 は 消 費 者 庁 長 官 に 対 する 届 出 をせずに 食 品 の 機 能 性 表 示 を 行 った 事 業 者 に 対 し 行 政 処 分 を 行 う 権 限 に 係 る 法 的 基 盤 について 本 制 度 の 実 施 後 速 やかに 補 強 整 備 することとされた 今 後 消 費 者 庁 は 本 制 度 施 行 後 2 年 を 目 途 に 施 行 状 況 を 検 討 し 必 要 な 措 置 を 講 ずるとし ているが 機 能 性 表 示 制 度 の 法 的 根 拠 の 脆 弱 性 に 起 因 する 問 題 が 生 じないとも 限 らないこと から 見 直 し 期 間 を 待 たずに 速 やかに 制 度 を 見 直 し 届 出 の 義 務 に 係 る 規 定 を 法 定 化 するこ とを 検 討 する 必 要 があろう (2) 消 費 者 教 育 の 重 要 性 機 能 性 表 示 食 品 は 国 の 個 別 の 許 可 を 受 けたものではなく 事 業 者 の 責 任 において 機 能 性 表 示 が 行 われるものである そのため 消 費 者 自 身 が 消 費 者 庁 のホームページで 公 開 され ている 機 能 性 食 品 の 届 出 情 報 を 基 に 機 能 性 や 安 全 性 を 判 断 し 様 々な 商 品 から 適 切 な 商 品 を 選 択 することが 求 められる 他 方 で 平 成 26 年 3 月 に 消 費 者 庁 の 事 業 として 実 施 された 食 品 の 機 能 性 表 示 に 関 する 消 費 者 意 向 等 調 査 の 結 果 からは 食 品 の 機 能 性 表 示 に 関 し 消 費 者 の 正 確 な 理 解 が 進 んでい ない 状 況 が 浮 かび 上 がってくる 例 えば 最 近 1 年 間 に 摂 取 した 健 康 食 品 が 特 定 保 健 用 食 品 栄 養 機 能 食 品 いわゆる 健 康 食 品 のどれか 分 からないと 回 答 している 者 が 全 体 の 約 3 割 に 上 っており また 過 去 1 年 間 に いわゆる 健 康 食 品 を 摂 取 した 者 のうち 15~19 歳 と 健 康 食 品 を 摂 取 している 中 学 生 以 下 の 子 どもを 持 つ 者 の 約 2 割 が いわゆる 健 康 食 品 を 摂 取 することで 病 気 が 治 ると 思 うと 回 答 したほか 65 歳 以 上 の 約 2 割 15~19 歳 の 約 3 割 が いわゆる 健 康 食 品 も 全 て 国 が 認 可 していると 思 うと 回 答 している 消 費 者 庁 に おいては 機 能 性 表 示 食 品 に 関 する 消 費 者 の 理 解 を 深 めるための 教 育 活 動 や 広 報 活 動 等 を 積 極 的 に 行 うことが 求 められよう (3) 機 能 性 表 示 食 品 の 安 全 性 の 確 保 機 能 性 表 示 食 品 は 消 費 者 庁 に 届 出 をしてから60 日 後 には 発 売 することができるが 消 費 者 庁 が 個 々の 届 出 に 関 して 科 学 的 根 拠 の 内 容 を 精 査 するわけではないため 機 能 性 表 示 食 品 の 安 全 性 及 び 機 能 性 をいかに 確 保 するかが 課 題 となろう 実 際 に 消 費 者 庁 によって 届 出 情 報 が 公 開 された 食 品 の 中 には 特 定 保 健 用 食 品 の 審 査 過 程 で 食 品 安 全 委 員 会 によって 安 全 性 が 確 認 できないとされたものと 同 じ 機 能 性 関 与 成 分 を 含 98

14 む 食 品 があることが 判 明 した 31 消 費 者 庁 はこの 件 に 関 して 特 定 保 健 用 食 品 と 機 能 性 表 示 食 品 については 安 全 性 及 び 機 能 性 の 評 価 方 法 は 基 本 的 に 異 なるが 関 与 成 分 が 同 じで 同 様 の 方 法 で 安 全 性 を 審 査 評 価 している 場 合 には 一 般 論 として 特 定 保 健 用 食 品 としての 評 価 が 機 能 性 表 示 食 品 としての 安 全 性 に 係 る 科 学 的 根 拠 の 内 容 の 評 価 に 影 響 する 可 能 性 があると の 見 解 は 示 しているものの 32 特 定 保 健 用 食 品 の 審 査 過 程 等 を 踏 まえた 最 終 的 な 精 査 を 行 っ て 判 断 していくとしている 33 他 方 で 消 費 者 団 体 からは 国 内 外 の 公 的 機 関 が 安 全 性 につ いて 疑 義 を 示 した 製 品 機 能 性 関 与 成 分 については 消 費 者 庁 は 届 出 を 受 理 すべきではない との 意 見 34 も 出 されており 今 後 の 消 費 者 庁 の 対 応 が 注 目 される (4) 行 政 による 検 証 監 視 体 制 の 整 備 本 制 度 は 届 出 後 の 事 後 チェックを 機 能 させることが 前 提 とされており 消 費 者 庁 におい て 消 費 者 や 事 業 者 から 寄 せられた 疑 義 情 報 を 活 用 しつつ 事 後 監 視 を 行 うこととされている 既 に 複 数 の 消 費 者 団 体 が 公 開 情 報 を 基 に 届 出 製 品 の 有 効 性 や 安 全 性 の 科 学 的 根 拠 を 評 価 し 科 学 的 根 拠 が 不 十 分 とされる 製 品 について 消 費 者 庁 に 疑 義 情 報 として 提 出 しており 35 消 費 者 庁 としては 速 やかにこうした 疑 義 情 報 を 検 証 し 事 業 者 への 確 認 や 追 加 資 料 要 求 など 必 要 な 対 応 を 取 ることが 求 められる また 制 度 の 施 行 から 約 4か 月 で 既 に 消 費 者 庁 が 公 開 した 届 出 件 数 は69 件 に 上 る 本 制 度 を 創 設 するときに 参 考 にした 米 国 のダイエタリーサプリメント 制 度 は1994( 平 成 6) 年 に 始 まったが 2008( 平 成 20) 年 時 点 で 約 75,000の 製 品 が 流 通 しているとされ 36 機 能 性 表 示 食 品 も 将 来 的 には 膨 大 な 数 の 製 品 が 市 場 に 流 通 すると 考 えられる そのため 消 費 者 庁 の 執 行 体 制 強 化 のほか 関 係 省 庁 との 連 携 体 制 の 構 築 など 事 後 チェックの 実 効 性 を 確 保 する ことが 必 要 であろう なお 執 行 体 制 について 平 成 26 年 12 月 9 日 の 消 費 者 委 員 会 の 答 申 では 届 出 後 当 該 食 品 の 機 能 性 に 十 分 な 科 学 的 根 拠 がないことが 判 明 した 場 合 には 早 急 に 適 切 かつ 厳 格 な 行 政 処 分 や 罰 則 が 科 されるよう 所 管 省 庁 において 定 員 予 算 を 含 め 十 分 な 執 行 体 制 が 構 築 され ること が 求 められている おわりに 近 年 消 費 者 の 健 康 志 向 の 高 まりに 伴 って 健 康 食 品 の 市 場 は 拡 大 の 傾 向 にあり 平 成 26 年 における 市 場 規 模 は1 兆 1,700 億 円 にも 上 るとされる 37 他 方 安 全 性 や 機 能 性 に 関 して 何 ら 科 学 的 根 拠 がないものが いわゆる 健 康 食 品 として 市 場 に 出 回 っており 平 成 25 年 度 にお 31 朝 日 新 聞 ( 平 ) 32 第 189 回 国 会 参 議 院 地 方 消 費 者 問 題 に 関 する 特 別 委 員 会 会 議 録 第 6 号 21 頁 ( 平 ) 33 板 東 消 費 者 庁 長 官 記 者 会 見 要 旨 ( 平 ) 34 一 般 社 団 法 人 全 国 消 費 者 団 体 連 絡 会 機 能 性 表 示 食 品 に 関 する 意 見 ( 平 ) 35 食 の 安 全 監 視 市 民 委 員 会 機 能 性 表 示 食 品 の 食 品 表 示 法 違 反 に 関 する 疑 義 情 報 の 提 供 ( 平 ) 一 般 社 団 法 人 Food Communication Compass FOOCOM 疑 義 ( 平 ) 36 第 3 回 食 品 の 新 たな 機 能 性 表 示 制 度 に 関 する 検 討 会 配 付 資 料 米 国 におけるダイエタリーサプリメントの 安 全 性 確 保 について ( 平 ) 37 食 品 と 開 発 編 集 部 健 康 食 品 市 場 を 取 りまく 環 境 変 化 と 市 場 動 向 食 品 と 開 発 (Vol.50 No.3) 12 頁 99

15 いては 健 康 食 品 に 関 連 して 身 体 にけが 病 気 等 の 疾 病 ( 危 害 )を 受 けたとする 情 報 が 全 国 の 消 費 生 活 センターに655 件 寄 せられた 38 本 制 度 の 創 設 を 機 に 安 全 性 や 機 能 性 の 科 学 的 根 拠 が 十 分 でない いわゆる 健 康 食 品 が 市 場 から 淘 汰 されることが 期 待 されている そのためには 保 健 機 能 食 品 制 度 に 関 する 消 費 者 の 正 しい 理 解 が 広 がることが 不 可 欠 であるが これまで 消 費 者 庁 に 届 出 された 機 能 性 表 示 食 品 69 件 のうち 約 4 割 に 当 たる25 件 は 特 定 保 健 用 食 品 で 使 用 されている 関 与 成 分 が 使 われて おり 消 費 者 には 二 つの 制 度 の 違 いが 分 かりにくくなっているとの 指 摘 もある 39 消 費 者 庁 には 消 費 者 に 対 しより 一 層 の 啓 発 活 動 を 実 施 していくとともに 消 費 者 が 適 切 な 製 品 選 択 ができる 環 境 を 整 備 するため 不 適 切 な 表 示 に 対 して 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 ( 昭 和 37 年 第 134 号 )や 健 康 増 進 法 等 に 基 づく 取 締 りを 強 化 していくことが 求 められる 参 考 文 献 消 費 者 庁 機 能 性 表 示 食 品 の 届 出 等 に 関 するガイドライン ( 平 成 27 年 3 月 30 日 ) 清 水 俊 雄 食 品 安 全 の 表 示 と 科 学 食 品 表 示 法 を 理 解 する ( 同 文 書 院 2015 年 ) (さいとう あやね) 38 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 センター 消 費 生 活 年 報 頁 39 日 本 経 済 新 聞 ( 平 ) 100

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