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1 長 野 県 健 康 長 寿 プロジェクト 研 究 事 業 中 間 報 告 書 平 成 26 年 5 月 長 野 県 健 康 長 寿 プロジェクト 研 究 事 業 研 究 チーム

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3 長 野 県 健 康 長 寿 プロジェクト 研 究 事 業 委 託 業 務 に 係 る 中 間 報 告 書 目 次 第 1 章 研 究 事 業 の 概 要 研 究 事 業 の 背 景 研 究 事 業 の 目 的 研 究 事 業 の 実 施 方 針 と 全 体 構 成... 2 第 2 章 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 及 び 健 康 寿 命 第 二 次 大 戦 前 から 高 度 経 済 成 長 期 までの 平 均 寿 命 の 推 移 第 二 次 大 戦 前 における 平 均 寿 命 の 推 移 終 戦 直 後 における 平 均 寿 命 の 推 移 高 度 経 済 成 長 期 における 平 均 寿 命 の 推 移 高 度 経 済 成 長 期 と 現 在 の 平 均 寿 命 の 関 係 近 年 における 長 野 県 の 平 均 寿 命 及 び 平 均 余 命 の 推 移 近 年 における 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 近 年 における 長 野 県 の 平 均 余 命 の 推 移 長 野 県 における80 歳 以 上 の 平 均 余 命 の 推 移 長 野 県 内 市 町 村 の 平 均 寿 命 市 区 町 村 平 均 寿 命 の 男 女 別 上 位 30 位 長 野 県 内 市 町 村 別 平 均 寿 命 の 推 移 長 野 県 内 市 町 村 別 平 均 寿 命 の 延 び 健 康 寿 命 について 第 3 章 健 康 長 寿 要 因 について 戦 前 の 状 況 戦 後 における 保 健 医 療 福 祉 活 動 終 戦 直 後 における 保 健 医 療 福 祉 活 動 高 度 経 済 成 長 期 にかけての 保 健 医 療 福 祉 活 動 各 種 指 標 と 平 均 寿 命 健 康 寿 命 の 都 道 府 県 格 差 に 関 する 分 析 対 象 となる 指 標 の 抽 出 及 び 収 集 収 集 データの 活 用 による 相 関 分 析 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 と 収 集 データ 項 目 との 相 関 分 析 結 果 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 との 関 連 が 示 唆 される 要 因 との 相 関 分 析 結 果 社 会 活 動 文 化 活 動 生 涯 学 習 活 動 が 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 に 与 える 要 因 の 分 析 喫 煙 と 健 康 長 寿 の 関 連 分 析 喫 煙 率 と 平 均 余 命 の 関 係 年 齢 別 平 均 余 命 と 喫 煙 との 関 連 喫 煙 が 引 き 起 こす 病 気 疾 病 との 関 係 児 童 生 徒 の 体 格 及 び 肥 満 等 と 健 康 長 寿 との 関 連 分 析 i -

4 3.6.1 児 童 生 徒 の 体 格 及 び 肥 満 等 の 年 次 推 移 と 分 析 平 成 22 年 における 児 童 生 徒 の 体 格 及 び 肥 満 等 の 分 析 長 野 県 の 死 因 別 の 死 亡 率 と 特 定 死 因 を 除 去 した 平 均 寿 命 の 延 び 主 な 死 因 別 でみた 長 野 県 の 死 亡 率 の 推 移 大 疾 病 別 年 齢 調 整 死 亡 率 と 平 均 寿 命 との 相 関 分 析 特 定 死 因 を 除 去 した 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 延 び 脳 血 管 疾 患 の 分 析 全 国 における 脳 血 管 疾 患 死 亡 率 の 年 次 推 移 平 成 22 年 における 長 野 県 の 主 要 死 因 の 特 徴 脳 血 管 疾 患 死 亡 率 に 関 連 が 示 唆 される 要 因 についての 重 回 帰 分 析 第 4 章 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 のまとめ 戦 前 における 取 組 戦 後 における 取 組 栄 養 活 動 保 健 活 動 禁 煙 活 動 医 療 活 動 健 康 長 寿 にかかわる 指 標 分 析 結 果 を 踏 まえた 健 康 長 寿 要 因 の 推 定 指 標 項 目 別 に 整 理 した 長 野 県 の 全 国 順 位 等 統 計 分 析 結 果 から 推 定 される 健 康 長 寿 要 因 重 回 帰 分 析 による 長 野 県 の 健 康 長 寿 に 対 する 指 標 別 の 寄 与 の 大 きさの 推 定 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 として 関 連 がある 項 目 の 抽 出 重 回 帰 分 析 の 方 法 男 性 の 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 を 目 的 変 数 とする 重 回 帰 分 析 結 果 女 性 の 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 を 目 的 変 数 とする 重 回 帰 分 析 結 果 中 間 報 告 までに 示 唆 された 健 康 長 寿 要 因 のまとめ 文 献 先 行 研 究 データから 示 唆 された 項 目 指 標 分 析 結 果 から 示 唆 された 主 な 項 目 今 後 の 検 討 課 題 研 究 体 制 及 び 経 過 ii -

5 第 1 章 研 究 事 業 の 概 要 1.1 研 究 事 業 の 背 景 わが 国 は 高 度 経 済 成 長 に 伴 う 医 療 水 準 の 向 上 と 平 均 寿 命 の 延 伸 によって 世 界 最 高 水 準 の 医 療 と 長 寿 を 有 するに 至 った このことを 踏 まえ 近 年 において 国 は 単 に 平 均 寿 命 の 延 長 だけでなく 健 康 寿 命 の 延 伸 換 言 すれば 健 康 で 長 生 き を 目 標 として いる このような 状 況 の 中 で わが 国 においては 健 康 寿 命 の 延 伸 を 目 的 として 平 成 12 (2000) 年 からヘルスプロモーションの 考 えを 取 り 入 れた 21 世 紀 における 国 民 健 康 づ くり 運 動 ( 健 康 日 本 21) が 開 始 された この 第 1 次 健 康 日 本 21 では 平 成 24(2010) 年 度 を 目 標 年 次 とする 一 次 予 防 を 重 点 とした 具 体 的 な 目 標 が 設 定 された 第 1 次 健 康 日 本 21 の 最 終 評 価 を 受 け 現 在 平 成 25(2013) 年 度 から 平 成 34(2022) 年 度 までを 計 画 期 間 とする 21 世 紀 における 第 2 次 国 民 健 康 づくり 運 動 ( 健 康 日 本 21( 第 2 次 )) が 推 進 されているところである 健 康 日 本 21( 第 2 次 )の 趣 旨 は 生 活 習 慣 及 び 社 会 環 境 の 改 善 を 通 じて 子 どもから 高 齢 者 まで 全 ての 国 民 がともに 支 え 合 いながら 希 望 や 生 きがいを 持 ち 乳 幼 児 期 青 壮 年 期 高 齢 期 の 人 の 各 ライフステージに 応 じて 健 やかで 心 豊 かに 生 活 できる 活 力 ある 社 会 を 実 現 するとともに わが 国 の 社 会 保 障 制 度 が 持 続 可 能 なものとなるようにするこ とである 平 成 25(2013) 年 2 月 28 日 に 厚 生 労 働 省 から 発 表 された 平 成 22 年 都 道 府 県 別 生 命 表 によると 長 野 県 の 平 均 寿 命 は 男 女 とも 全 国 1 位 となった また 平 成 22 年 の 健 康 寿 命 のうち 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 が 男 女 とも 全 国 1 位 となっ た 1 この 事 実 に 象 徴 される 全 国 トップレベルの 健 康 長 寿 は 長 野 県 が 世 界 に 誇 ること ができる 財 産 であるといえる しかしながら 今 後 人 口 が 高 齢 化 し 減 少 していく 中 より 一 層 県 民 一 人 ひとりが 元 気 に 暮 らしていくことの 重 要 性 が 増 しているのも 事 実 である そのためには 地 域 を 支 える 一 人 ひとりがいつまでも 生 きがいをもって 人 生 を 送 るこ とができ たとえ 健 康 を 害 しても 安 全 で 質 の 高 い 医 療 サービスにより 早 期 に 地 域 で 普 通 の 生 活 が 送 れるようになるなど 安 心 して 生 活 できる 社 会 システムを 維 持 し 健 康 長 寿 を 未 来 にわたって 継 承 できるようにすることが 重 要 である そこで 平 成 25(2013) 年 度 を 初 年 度 とし 平 成 29(2017) 年 度 を 目 標 年 度 とする 長 野 県 総 合 5 か 年 計 画 ~しあわせ 信 州 創 造 プラン~ では 世 界 に 誇 れる 健 康 長 寿 先 進 県 が 将 来 にわたり 継 承 発 展 している 健 康 長 寿 世 界 一 の 信 州 が 20 年 後 に 次 世 代 に 引 き 継 ぎたい 未 来 の 信 州 の 姿 の 一 つとして 掲 げられている この 目 標 達 成 のためには 誰 もが 日 頃 から 心 身 の 健 康 づくりに 積 極 的 に 取 り 組 むとと 1 健 康 寿 命 の 算 定 方 法 の 指 針 ( 平 成 24 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 循 環 器 疾 患 糖 尿 病 等 生 活 習 慣 病 対 策 総 合 研 究 事 業 )による 健 康 寿 命 における 将 来 予 測 と 生 活 習 慣 病 対 策 の 費 用 対 効 果 に 関 する 研 究 班 ) 1

6 もに 健 康 を 損 なった 場 合 でも 必 要 な 医 療 を 受 けられる 環 境 を 整 えておくことが 必 要 で ある また 高 齢 者 が 生 きがいを 持 ち 第 二 の 人 生 においても 元 気 に 活 躍 している 地 域 社 会 を 構 築 していくことが 求 められている 長 野 県 の 平 均 寿 命 健 康 寿 命 が 全 国 上 位 に 位 置 している 要 因 として 長 野 県 が 平 成 25(2013) 年 2 月 に 公 表 した 信 州 保 健 医 療 総 合 計 画 ~ 健 康 長 寿 世 界 一 を 目 指 して ~ ( 平 成 25 年 度 ~ 平 成 29 年 度 )では 高 齢 者 の 就 業 率 が 全 国 トップ(2010 年 国 勢 調 査 )であり 生 きがいを 持 って 生 活 し ていること 男 女 とも 野 菜 摂 取 量 が 全 国 で1 位 であり(2012 年 国 民 健 康 栄 養 調 査 ) 郷 土 料 理 伝 統 料 理 を 有 効 に 活 用 した 食 生 活 を 送 っていること 生 活 習 慣 病 予 防 や 孤 独 な 生 活 の 防 止 につなげる 食 生 活 改 善 推 進 員 保 健 補 導 員 ら 健 康 ボランティアによる 自 主 的 な 健 康 づくりへの 取 組 や 活 動 が 盛 んなこと 医 師 歯 科 医 師 薬 剤 師 保 健 師 管 理 栄 養 士 等 の 専 門 職 種 による 地 域 保 健 医 療 活 動 が 活 発 であること などがあげられているところである しかしこれらの 要 因 との 関 連 は 必 ずしも 十 分 な 検 証 がなされているわけではない そこで 今 後 も 長 野 県 の 健 康 で 長 生 き を 継 続 し さらに 前 進 させるため 全 国 ト ップレベルの 健 康 長 寿 を 実 現 してきた 長 野 県 の 地 域 特 性 や 要 因 について 科 学 的 知 見 に 基 づく 更 なる 調 査 分 析 を 行 い そこで 得 られた 知 見 を 今 後 の 地 域 の 医 療 提 供 体 制 の 充 実 や 県 民 総 ぐるみの 健 康 づくり 活 動 の 展 開 等 の 施 策 に 役 立 てていくこととした 1.2 研 究 事 業 の 目 的 前 記 1.1 の 背 景 にも 記 載 した 長 野 県 総 合 5 か 年 計 画 ~しあわせ 信 州 創 造 プラン~ に 位 置 づけられた 未 来 の 信 州 の 姿 健 康 長 寿 世 界 一 の 信 州 を 実 現 するにあたり 科 学 的 知 見 に 基 づいた 健 康 づくり 施 策 を 効 果 的 に 実 施 するため 健 康 長 寿 の 要 因 を 分 析 し 県 内 市 町 村 ( 広 域 圏 ) 全 域 で 取 り 組 む 健 康 づくり 活 動 の PDCA サイクルを 確 立 する ことを 目 的 として 本 研 究 事 業 を 実 施 した 1.3 研 究 事 業 の 実 施 方 針 と 全 体 構 成 本 研 究 事 業 は 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 を 探 るため 入 手 可 能 な 長 野 県 に 関 する 資 料 の 収 集 分 析 を 行 うこと 及 び 全 国 の 統 計 情 報 から 健 康 長 寿 と 関 係 があると 考 えられる 指 標 を 抽 出 し 相 関 分 析 等 の 統 計 的 手 法 を 用 いて 長 野 県 の 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 が 全 国 トッ プクラスである 理 由 を 探 索 するという 方 針 により 実 施 した まず 健 康 長 寿 要 因 の 対 象 となる 可 能 性 がある 指 標 を 抽 出 した 後 当 該 データを 収 集 し 収 集 したデータと 平 均 寿 命 や 健 康 寿 命 の 関 係 性 を 考 察 することにより 長 野 県 の 健 康 長 2

7 寿 との 関 連 が 示 唆 される 要 因 を 推 測 した 長 野 県 の 健 康 長 寿 に 寄 与 している 指 標 が 判 明 すれば その 指 標 の 伸 長 に 傾 注 した 県 の 施 策 重 点 化 が 可 能 になり 健 康 で 長 生 きの 信 州 へと 一 層 段 階 を 上 げることが 可 能 に なるからである なお 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 を 探 るためには 過 去 にわかっている 知 見 をベースにし て なおかつそれが 相 関 分 析 によって 都 道 府 県 格 差 の 関 連 要 因 にもなっており さらに 長 野 県 のデータがその 傾 向 に 沿 っている この 関 係 が 成 り 立 てば それが 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 であるという 可 能 性 が 高 くなるものと 考 えられる 一 方 都 道 府 県 間 の 相 関 は あるけれども 長 野 県 がその 傾 向 に 沿 っていない 場 合 は 長 野 県 の 健 康 長 寿 要 因 とはみ なせないものもあるため 健 康 長 寿 要 因 の 判 定 は 慎 重 に 行 う 必 要 がある 3

8 第 2 章 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 及 び 健 康 寿 命 平 均 余 命 は 各 年 齢 の 生 存 者 が 平 均 してあと 何 年 生 きられるかという 期 待 値 であり 年 齢 構 成 の 影 響 を 受 けずに 死 亡 状 況 のみを 反 映 するという 特 徴 を 持 っている また 0 歳 の 平 均 余 命 である 平 均 寿 命 は 全 年 齢 の 死 亡 状 況 を 集 約 した 指 標 であり 保 健 福 祉 水 準 の 総 合 的 指 標 として 広 く 活 用 されている また 平 均 寿 命 を 指 標 として 長 野 県 の 保 健 福 祉 水 準 がどのように 変 化 してきたかを 把 握 することは 地 域 の 実 情 に 応 じた 適 切 な 健 康 福 祉 施 策 を 立 案 し 実 施 するために 役 立 つと 考 えられる 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 変 化 は 図 表 1 のとおりである 男 性 は 戦 前 戦 後 を 通 じて 一 貫 して 全 国 値 を 上 回 り 過 去 最 低 だった 昭 和 40 年 でも 全 国 順 位 は 9 位 であり 戦 前 の 大 正 14 年 以 降 常 に 上 位 10 位 以 内 に 位 置 している 一 方 女 性 については 戦 前 は 男 性 と 同 様 全 国 のトップクラスの 順 位 であったが 戦 後 昭 和 40 年 には 全 国 値 を 下 回 って 順 位 も 26 位 となるなど 男 性 に 比 べて 順 位 の 低 下 が 顕 著 であったが 昭 和 55 年 以 降 は 再 び 全 国 値 を 上 回 って 推 移 し 常 に 上 位 10 位 以 内 に 位 置 した 平 成 22 年 には 第 2 次 世 界 大 戦 前 の 昭 和 10 年 以 来 75 年 ぶりに 男 女 そろって 全 国 1 位 となった 図 表 1 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 年 次 推 移 ( 単 位 : 年 ) 西 暦 和 暦 男 性 女 性 全 国 長 野 県 順 位 全 国 長 野 県 順 位 1921~25 年 大 正 10~14 年 位 位 1926~30 年 大 正 15~ 昭 和 5 年 位 位 1935~36 年 昭 和 10~11 年 位 位 1947 年 昭 和 22 年 位 位 1948~49 年 昭 和 23~24 年 位 位 1950 年 昭 和 25 年 位 位 1954~56 年 昭 和 29~31 年 位 位 1959~61 年 昭 和 34~36 年 位 位 1965 年 昭 和 40 年 位 位 1970 年 昭 和 45 年 位 位 1975 年 昭 和 50 年 位 位 1980 年 昭 和 55 年 位 位 1985 年 昭 和 60 年 位 位 1990 年 平 成 2 年 位 位 1995 年 平 成 7 年 位 位 2000 年 平 成 12 年 位 位 2005 年 平 成 17 年 位 位 2010 年 平 成 22 年 位 位 ( 資 料 ) 大 正 10 年 ~ 昭 和 31 年 : 水 島 治 夫 府 県 別 生 命 表 集 昭 和 34 年 ~ 昭 和 36 年 : 水 島 治 夫 重 松 崚 夫 都 道 府 県 別 生 命 表 昭 和 40 年 ~ 昭 和 60 年 : 厚 生 省 地 域 別 生 命 表 平 成 2 年 ~ 平 成 7 年 : 厚 生 省 都 道 府 県 別 生 命 表 平 成 12 年 ~ 平 成 22 年 : 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 4

9 2.1 第 二 次 大 戦 前 から 高 度 経 済 成 長 期 までの 平 均 寿 命 の 推 移 第 二 次 大 戦 前 における 平 均 寿 命 の 推 移 大 正 10(1921) 年 から 大 正 14(1925) 年 の 長 野 県 の 平 均 寿 命 は 男 性 が 歳 (5 位 ) 女 性 が 歳 (6 位 )であった 同 時 点 の 全 国 値 は 男 性 が 歳 女 性 が 歳 であり また 平 均 寿 命 が 最 長 だったのは 男 性 が 宮 崎 県 (47.89 歳 ) 女 性 が 沖 縄 県 (50.53 歳 )であった 長 野 県 は 全 国 値 よりも 男 性 は 3.30 歳 女 性 は 3.50 歳 高 い 状 況 であった 終 戦 直 後 における 平 均 寿 命 の 推 移 第 二 次 世 界 大 戦 終 戦 直 後 の 昭 和 25(1950) 年 の 長 野 県 の 平 均 寿 命 は 男 性 が 歳 (1 位 ) 女 性 が 歳 (9 位 )となり 第 二 次 大 戦 前 の 昭 和 10 年 と 比 べて 男 性 は 歳 女 性 は 歳 伸 びた 高 度 経 済 成 長 期 における 平 均 寿 命 の 推 移 昭 和 30 年 代 半 ばから 長 野 県 の 平 均 寿 命 はそれ 以 前 と 比 較 して 全 国 順 位 が 低 下 す る 傾 向 をたどった 昭 和 35(1960) 年 には 男 性 が 歳 (3 位 ) 女 性 が 歳 (13 位 )となり さらに 昭 和 40(1965) 年 には 男 性 が 歳 (9 位 ) 女 性 が 歳 (26 位 )となった 高 度 経 済 成 長 期 と 現 在 の 平 均 寿 命 の 関 係 高 度 経 済 成 長 期 ( 昭 和 40 年 )と 現 在 ( 平 成 22 年 )の 全 国 の 平 均 寿 命 の 関 係 は 図 表 2 のとおりである 平 成 22 年 における 全 国 男 性 の 平 均 寿 命 は79.59 歳 女 性 の 平 均 寿 命 は 歳 と 昭 和 40 年 からの 45 年 間 に 男 性 は 歳 女 性 は 歳 そ れぞれ 寿 命 が 延 びている 高 度 経 済 成 長 期 と 比 べて 平 均 寿 命 の 延 びが 大 きかった 都 道 府 県 は 図 表 3 のとおり である 該 当 する 都 道 府 県 については 昭 和 40 年 と 平 成 22 年 の 平 均 寿 命 と 全 国 順 位 も 併 記 した これによれば 大 分 県 ( 男 性 3 位 女 性 1 位 ) 熊 本 県 ( 男 性 4 位 女 性 5 位 ) 富 山 県 ( 男 性 5 位 女 性 3 位 )の 3 県 は 男 女 とも 上 位 5 位 以 内 にランクインしてい る 都 道 府 県 別 平 均 寿 命 が 各 都 道 府 県 における 保 健 福 祉 水 準 を 示 す 総 合 指 標 であるな らば これらの 県 は 他 の 都 道 府 県 と 比 較 して 当 該 県 における 保 健 福 祉 水 準 の 改 善 レ ベルが 相 対 的 に 高 かったということができる また 滋 賀 県 ( 男 性 ) 福 井 県 ( 男 性 ) 島 根 県 ( 女 性 )は 長 野 県 よりも 平 均 寿 命 の 延 びが 大 きいとともに 特 に 順 位 が 著 しく 上 昇 している 長 野 県 の 昭 和 40 年 と 平 成 22 年 の 平 均 寿 命 の 延 びの 順 位 は 女 性 が 全 国 6 位 となっ ていることから 本 県 の 保 健 福 祉 水 準 の 改 善 が 特 に 女 性 の 平 均 寿 命 延 伸 に 寄 与 したこ 5

10 とがうかがえる 図 表 2 高 度 経 済 成 長 期 ( 昭 和 40 年 )と 現 在 ( 平 成 22 年 )の 全 国 の 平 均 寿 命 の 関 係 男 性 平 成 2 2 年 平 78.5 均 寿 78.0 命 ( 77.5 年 ) 77.0 滋 賀 福 井 熊 本 神 奈 川 大 分 奈 良 京 都 山 形 静 岡 宮 城 千 葉 富 山 石 川 広 岐 島 阜 岡 山 東 京 宮 崎 新 潟 埼 山 玉 香 梨 川 三 重 愛 知 兵 庫 徳 島 群 馬 島 根 佐 賀 福 岡 鹿 児 島 茨 城 北 海 道 栃 木 山 口 和 歌 愛 山 媛 高 知 全 国 値 長 崎 鳥 取 大 阪 福 島 歳 岩 手 秋 田 青 森 長 野 全 国 値 歳 男 性 昭 和 40 年 平 均 寿 命 ( 年 ) 87.5 女 性 87.0 平 成 年 86.0 平 均 寿 85.5 命 ( 年 ) 85.0 長 野 新 潟 島 根 熊 本 大 分 福 井 石 川 富 山 滋 賀 宮 崎 奈 良 佐 賀 福 岡 長 崎 北 海 道 山 形 徳 島 鹿 児 島 岐 阜 福 島 山 口 秋 田 群 馬 岩 手 埼 玉 茨 城 栃 木 青 森 広 島 岡 山 山 梨 京 都 神 奈 川 愛 媛 高 知 宮 城 東 京 香 川 三 重 静 岡 千 葉 愛 知 兵 庫 鳥 取 全 国 値 大 阪 歳 全 国 値 歳 和 歌 山 女 性 昭 和 40 年 平 均 寿 命 ( 年 ) 図 表 3 高 度 経 済 成 長 期 ( 昭 和 40 年 )と 比 べて 平 均 寿 命 の 延 びが 大 きかった 都 道 府 県 昭 和 40 年 と 平 成 22 年 との 比 較 昭 和 40 年 の 平 均 寿 命 平 成 22 年 の 平 均 寿 命 順 位 都 道 府 県 名 延 び 年 数 平 均 寿 命 ( 順 位 ) 平 均 寿 命 ( 順 位 ) 1 位 山 形 県 年 66.49(40 位 ) 79.97( 9 位 ) 男 性 2 位 滋 賀 県 年 67.26(27 位 ) 80.58( 2 位 ) 3 位 大 分 県 年 66.83(36 位 ) 80.06( 8 位 ) 4 位 熊 本 県 年 67.18(29 位 ) 80.29( 4 位 ) 5 位 富 山 県 年 66.70(37 位 ) 79.71(19 位 ) 15 位 長 野 県 年 68.45( 9 位 ) 80.88( 1 位 ) 1 位 大 分 県 年 72.07(39 位 ) 86.91( 9 位 ) 2 位 新 潟 県 年 72.19(37 位 ) 86.96( 5 位 ) 女 性 3 位 富 山 県 年 72.04(41 位 ) 86.75(10 位 ) 4 位 秋 田 県 年 71.24(46 位 ) 85.93(39 位 ) 5 位 熊 本 県 年 72.60(29 位 ) 86.98( 4 位 ) 6 位 長 野 県 年 72.81(26 位 ) 87.18( 1 位 ) ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 6

11 2.2 近 年 における 長 野 県 の 平 均 寿 命 及 び 平 均 余 命 の 推 移 近 年 における 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 近 年 ( 昭 和 40 年 ~ 平 成 22 年 )における 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 は 図 表 4 のとお りである 昭 和 40(1965) 年 以 降 平 成 22(2010) 年 までの 平 均 寿 命 をみると 長 野 県 の 男 性 は 全 国 値 より 常 に 高 くなっている 一 方 女 性 においては 昭 和 40(1965) 年 から 昭 和 50(1975) 年 までは 全 国 値 よりわずかに 低 い 結 果 となっており 昭 和 55 (1980) 年 頃 から 平 均 寿 命 が 高 くなっている 図 表 4 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 推 移 ( 歳 ) 長 野 県 女 性 全 国 女 性 長 野 県 男 性 全 国 男 性 ( 年 ) 昭 和 平 成 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 から 作 成 近 年 における 長 野 県 の 平 均 余 命 の 推 移 近 年 における 長 野 県 の 主 な 年 齢 (0~75 歳 )の 平 均 余 命 の 推 移 を 図 表 5 と 図 表 6 に 示 した これによると 長 野 県 は 平 成 22 年 に 男 女 とも0 歳 の 平 均 余 命 である 平 均 寿 命 の 全 国 都 道 府 県 順 位 が1 位 となった また 平 成 2 年 から 平 成 22 年 までの 0 歳 20 歳 40 歳 の 男 性 の 平 均 余 命 順 位 は 期 間 中 連 続 して 全 国 1 位 であった 一 方 この 期 間 中 の 0 歳 20 歳 40 歳 65 歳 の 女 性 の 平 均 余 命 順 位 は 常 に 全 国 の 10 位 以 内 に 入 っていた 7

12 図 表 5 男 性 の 長 野 県 の 平 均 余 命 の 推 移 ( 単 位 : 年 ) 男 性 昭 和 40 年 昭 和 45 年 昭 和 50 年 昭 和 55 年 昭 和 60 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 9 位 7 位 4 位 3 位 2 位 1 位 1 位 1 位 1 位 1 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 11 位 9 位 7 位 2 位 2 位 1 位 1 位 1 位 1 位 1 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 17 位 12 位 7 位 3 位 2 位 1 位 1 位 1 位 1 位 1 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 34 位 25 位 23 位 12 位 5 位 2 位 2 位 2 位 2 位 1 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 37 位 32 位 28 位 17 位 19 位 6 位 4 位 2 位 3 位 2 位 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 図 表 6 女 性 の 長 野 県 の 平 均 余 命 の 推 移 ( 単 位 : 年 ) 女 性 昭 和 40 年 昭 和 45 年 昭 和 50 年 昭 和 55 年 昭 和 60 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 26 位 19 位 16 位 9 位 9 位 4 位 4 位 3 位 5 位 1 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 33 位 26 位 19 位 10 位 9 位 5 位 5 位 5 位 6 位 3 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 36 位 27 位 23 位 10 位 8 位 5 位 5 位 5 位 5 位 4 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 40 位 36 位 28 位 16 位 15 位 6 位 10 位 9 位 6 位 4 位 全 国 値 長 野 県 歳 順 位 43 位 36 位 28 位 17 位 17 位 11 位 18 位 14 位 13 位 12 位 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 長 野 県 における80 歳 以 上 の 平 均 余 命 の 推 移 長 野 県 における 平 成 2 年 から 平 成 22 年 までの 80 歳 以 上 の 平 均 余 命 の 推 移 を 図 表 7 に 示 した 図 表 5 及 び 図 表 6 と 比 べると 全 体 的 に 男 女 とも 平 均 余 命 の 全 国 順 位 が 低 くなっている 平 成 2 年 から 平 成 17 年 までの 長 野 県 の 平 均 余 命 の 数 値 をみると 90 歳 以 降 につい ては 男 女 ともに 全 国 より 低 い 傾 向 にあった 一 方 平 成 22 年 については 全 国 の 平 均 余 命 が 85 歳 以 上 で 男 女 ともに 縮 まってい 8

13 るなか 長 野 県 の 男 性 の 平 均 余 命 については 延 伸 し 続 けていることがわかる 80 歳 85 歳 90 歳 95 歳 100 歳 図 表 7 80 歳 以 上 における 長 野 県 の 平 均 余 命 の 推 移 ( 単 位 : 年 ) 男 性 女 性 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 全 国 値 長 野 県 順 位 9 位 7 位 6 位 5 位 2 位 16 位 25 位 18 位 17 位 17 位 全 国 値 長 野 県 順 位 18 位 16 位 11 位 13 位 5 位 20 位 30 位 25 位 17 位 21 位 全 国 値 長 野 県 順 位 34 位 33 位 33 位 32 位 10 位 28 位 37 位 26 位 28 位 26 位 全 国 値 長 野 県 順 位 28 位 40 位 38 位 28 位 10 位 44 位 39 位 20 位 26 位 34 位 全 国 値 長 野 県 順 位 14 位 35 位 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 都 道 府 県 別 生 命 表 2.3 長 野 県 内 市 町 村 の 平 均 寿 命 市 区 町 村 平 均 寿 命 の 男 女 別 上 位 30 位 平 成 22 年 市 区 町 村 別 平 均 寿 命 について 全 国 上 位 30 位 までを 図 表 8に 示 した 男 性 の 平 均 寿 命 が 全 国 で 最 も 長 い 市 区 町 村 は82.2 年 の 北 安 曇 郡 松 川 村 で 上 位 30 位 以 内 には 同 村 のほか 塩 尻 市 (82.0 年 :4 位 ) 池 田 町 (81.9 年 :7 位 ) 諏 訪 市 (81.8 年 :10 位 )など13 市 町 村 がランクインした 一 方 女 性 の 平 均 寿 命 が 長 野 県 内 で 最 も 長 かったのは 佐 久 市 (88.0 年 :19 位 )で 上 位 30 位 以 内 には 同 市 のほか 木 曽 郡 大 桑 村 (87.9 年 :24 位 ) 諏 訪 郡 下 諏 訪 町 (87.9 年 :30 位 )の3 市 町 村 が 入 っている 9

14 図 表 8 平 成 22 年 の 市 区 町 村 別 平 均 寿 命 ( 上 位 30 市 区 町 村 ) ( 単 位 : 年 ) 順 位 都 道 府 県 男 性 女 性 市 区 町 村 平 均 寿 命 都 道 府 県 市 区 町 村 平 均 寿 命 1 長 野 県 北 安 曇 郡 松 川 村 82.2 沖 縄 県 中 頭 郡 北 中 城 村 神 奈 川 県 川 崎 市 宮 前 区 82.1 島 根 県 鹿 足 郡 吉 賀 町 神 奈 川 県 横 浜 市 都 筑 区 82.1 北 海 道 有 珠 郡 壮 瞥 町 長 野 県 塩 尻 市 82.0 熊 本 県 菊 池 郡 菊 陽 町 沖 縄 県 島 尻 郡 南 風 原 町 81.9 福 岡 県 太 宰 府 市 静 岡 県 浜 松 市 北 区 81.9 石 川 県 石 川 郡 野 々 市 町 長 野 県 北 安 曇 郡 池 田 町 81.9 沖 縄 県 豊 見 城 市 神 奈 川 県 横 浜 市 青 葉 区 81.9 沖 縄 県 中 頭 郡 中 城 村 東 京 都 杉 並 区 81.9 福 岡 県 糟 屋 郡 須 恵 町 長 野 県 諏 訪 市 81.8 東 京 都 杉 並 区 東 京 都 小 金 井 市 81.8 沖 縄 県 八 重 山 郡 竹 富 町 長 野 県 下 伊 那 郡 高 森 町 81.8 山 口 県 熊 毛 郡 平 生 町 長 野 県 下 伊 那 郡 阿 智 村 81.8 神 奈 川 県 足 柄 上 郡 開 成 町 長 野 県 伊 那 市 81.7 沖 縄 県 島 尻 郡 伊 平 屋 村 長 野 県 佐 久 市 81.7 沖 縄 県 中 頭 郡 嘉 手 納 町 静 岡 県 浜 松 市 浜 北 区 81.7 広 島 県 安 芸 高 田 市 長 野 県 東 筑 摩 郡 筑 北 村 81.7 岡 山 県 岡 山 市 東 区 北 海 道 河 東 郡 音 更 町 81.7 熊 本 県 阿 蘇 郡 西 原 村 長 野 県 木 曽 郡 木 曽 町 81.6 長 野 県 佐 久 市 長 野 県 北 佐 久 郡 軽 井 沢 町 81.6 神 奈 川 県 横 浜 市 青 葉 区 長 野 県 下 水 内 郡 栄 村 81.5 兵 庫 県 川 辺 郡 猪 名 川 町 奈 良 県 磯 城 郡 川 西 町 81.5 新 潟 県 中 魚 沼 郡 津 南 町 東 京 都 多 摩 市 81.5 福 岡 県 宗 像 市 東 京 都 目 黒 区 81.5 長 野 県 木 曽 郡 大 桑 村 兵 庫 県 宝 塚 市 81.5 新 潟 県 新 潟 市 西 蒲 区 宮 城 県 仙 台 市 泉 区 81.5 新 潟 県 新 潟 市 西 区 長 野 県 小 県 郡 青 木 村 81.4 京 都 府 京 都 市 山 科 区 山 梨 県 中 央 市 81.4 北 海 道 広 尾 郡 大 樹 町 滋 賀 県 愛 知 郡 愛 荘 町 81.4 高 知 県 土 佐 郡 土 佐 町 静 岡 県 浜 松 市 西 区 81.4 長 野 県 諏 訪 郡 下 諏 訪 町 87.9 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 平 成 22 年 市 区 町 村 別 生 命 表 から 作 成 10

15 2.3.2 長 野 県 内 市 町 村 別 平 均 寿 命 の 推 移 長 野 県 内 市 町 村 別 に 平 成 12 年 から 平 成 22 年 までの 平 均 寿 命 推 移 を 図 表 9に 示 した なお 市 町 村 合 併 によって 市 町 村 数 は 平 成 12 年 1 月 1 日 に120あったものが 平 成 22 年 3 月 31 日 には77に 減 少 しているため 平 成 22 年 以 降 の 名 称 で 整 理 し 順 位 も77 市 町 村 の 順 位 を 掲 載 した また 合 併 市 町 村 である 千 曲 市 ( 更 埴 市 ) 飯 綱 町 ( 牟 礼 村 ) 東 御 市 ( 東 部 町 ) 長 和 町 ( 長 門 町 ) 佐 久 穂 町 ( 佐 久 町 ) 安 曇 野 市 ( 穂 高 町 ) 筑 北 村 ( 本 城 村 ) 木 曽 町 ( 木 曽 福 島 町 )については 平 成 12 年 の 平 均 寿 命 順 位 は 市 町 村 合 併 前 の 旧 市 町 村 (かっこ 内 が 旧 市 町 村 名 )のデータを 掲 載 している 77 市 町 村 のうち この 間 上 位 10 位 以 内 を 維 持 した 市 町 村 は 男 性 が 塩 尻 市 女 性 が 上 伊 那 郡 宮 田 村 のみであった 図 表 9 長 野 県 内 市 町 村 別 の 平 均 寿 命 推 移 ( 単 位 : 年 ) 男 性 女 性 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 市 町 村 名 平 均 平 均 平 均 平 均 平 均 平 均 順 位 順 位 順 位 順 位 順 位 順 位 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 全 国 長 野 県 長 野 市 松 本 市 上 田 市 岡 谷 市 飯 田 市 諏 訪 市 須 坂 市 小 諸 市 伊 那 市 駒 ヶ 根 市 中 野 市 大 町 市 飯 山 市 茅 野 市 塩 尻 市 佐 久 市 千 曲 市 東 御 市 安 曇 野 市 小 海 町 川 上 村 南 牧 村 南 相 木 村 北 相 木 村 佐 久 穂 町 軽 井 沢 町 御 代 田 町 立 科 町 青 木 村 長 和 町

16 男 性 女 性 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 市 町 村 名 平 均 平 均 平 均 平 均 平 均 平 均 順 位 順 位 順 位 順 位 順 位 順 位 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 寿 命 下 諏 訪 町 富 士 見 町 原 村 辰 野 町 箕 輪 町 飯 島 町 南 箕 輪 村 中 川 村 宮 田 村 松 川 町 高 森 町 阿 南 町 阿 智 村 平 谷 村 根 羽 村 下 條 村 売 木 村 天 龍 村 泰 阜 村 喬 木 村 豊 丘 村 大 鹿 村 上 松 町 南 木 曽 町 木 祖 村 王 滝 村 大 桑 村 木 曽 町 麻 績 村 生 坂 村 山 形 村 朝 日 村 筑 北 村 池 田 町 松 川 村 白 馬 村 小 谷 村 坂 城 町 小 布 施 町 高 山 村 山 ノ 内 町 木 島 平 村 野 沢 温 泉 村 信 濃 町 小 川 村 飯 綱 町 栄 村 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 市 区 町 村 別 生 命 表 から 作 成 12

17 2.3.3 長 野 県 内 市 町 村 別 平 均 寿 命 の 延 び 長 野 県 内 市 町 村 別 の 平 成 17 年 から 平 成 22 年 までの 平 均 寿 命 の 延 びを 図 表 10 に 示 した 市 町 村 別 の 延 びをみると 男 性 は 売 木 村 (3.2 年 ) 池 田 町 (2.6 年 ) 木 曽 町 (2.5 年 ) 山 形 村 (2.4 年 ) 諏 訪 市 (2.3 年 ) 佐 久 穂 町 (2.3 年 ) などの 延 びが 大 きく 女 性 は 諏 訪 市 (1.9 年 ) 佐 久 市 (1.9 年 ) 上 松 町 (1.9 年 ) 安 曇 野 市 (1.8 年 ) 野 沢 温 泉 村 (1.7 年 ) などの 延 びが 大 き い 図 表 10 平 成 17 年 と 平 成 22 年 を 比 較 した 市 町 村 の 平 均 寿 命 の 延 び ( 単 位 : 年 ) 市 町 村 名 男 性 女 性 市 町 村 名 男 性 女 性 市 町 村 名 男 性 女 性 全 国 長 野 県 長 野 市 御 代 田 町 上 松 町 松 本 市 立 科 町 南 木 曽 町 上 田 市 青 木 村 木 祖 村 岡 谷 市 長 和 町 王 滝 村 飯 田 市 下 諏 訪 町 大 桑 村 諏 訪 市 富 士 見 町 木 曽 町 須 坂 市 原 村 麻 績 村 小 諸 市 辰 野 町 生 坂 村 伊 那 市 箕 輪 町 山 形 村 駒 ヶ 根 市 飯 島 町 朝 日 村 中 野 市 南 箕 輪 村 筑 北 村 大 町 市 中 川 村 池 田 町 飯 山 市 宮 田 村 松 川 村 茅 野 市 松 川 町 白 馬 村 塩 尻 市 高 森 町 小 谷 村 佐 久 市 阿 南 町 坂 城 町 千 曲 市 阿 智 村 小 布 施 町 東 御 市 平 谷 村 高 山 村 安 曇 野 市 根 羽 村 山 ノ 内 町 小 海 町 下 條 村 木 島 平 村 川 上 村 売 木 村 野 沢 温 泉 村 南 牧 村 天 龍 村 信 濃 町 南 相 木 村 泰 阜 村 小 川 村 北 相 木 村 喬 木 村 飯 綱 町 佐 久 穂 町 豊 丘 村 栄 村 軽 井 沢 町 大 鹿 村 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 市 区 町 村 別 生 命 表 13

18 2.4 健 康 寿 命 について 保 健 医 療 福 祉 の 取 組 の 計 画 評 価 にあたっては 目 標 を 的 確 に 表 現 する 指 標 の 適 用 が 重 要 と 指 摘 されている 目 標 としては 取 組 に 直 接 関 係 する 結 果 (アウトプット) 長 期 的 効 果 ( 長 期 的 アウトカム) あるいは 長 期 的 効 果 実 現 の 過 程 で 発 現 する 短 期 的 効 果 ( 短 期 的 アウトカム)に 大 別 される また 結 果 や 効 果 を 定 量 的 に 明 示 するために 指 標 を 設 定 する 指 標 としては それぞれの 目 標 にふさわしいこと 算 定 や 測 定 が 容 易 であ ることなどを 考 慮 して 定 められる 一 方 厚 生 労 働 省 は 子 どもから 高 齢 者 まで 全 ての 国 民 がともに 支 え 合 いながら 希 望 や 生 きがいを 持 ち 健 やかで 心 豊 かに 生 活 できる 社 会 の 実 現 を 目 指 すため 生 活 の 質 及 び 社 会 環 境 の 質 の 向 上 を 目 的 として 平 均 寿 命 の 延 伸 とともに 健 康 上 の 問 題 で 日 常 生 活 に 制 限 されることなく 生 活 できる 期 間 とされる 健 康 寿 命 に 従 来 に 増 して 着 目 し その 延 伸 や 地 域 間 の 健 康 格 差 の 縮 小 を 実 現 することとしている 健 康 寿 命 とは 一 般 に ある 健 康 状 態 で 生 活 することが 期 待 される 平 均 期 間 またはそ の 指 標 の 総 称 を 指 す いま 生 存 期 間 を 健 康 な 期 間 と 不 健 康 な 期 間 に 分 け 集 団 におけ る 各 人 の 健 康 な 期 間 の 平 均 を 求 めると これが 健 康 寿 命 の 指 標 となる 健 康 寿 命 の 指 標 は 生 存 死 亡 と 健 康 不 健 康 の 状 況 を 総 合 したものである 保 健 医 療 福 祉 分 野 の 最 終 的 なアウトカムに 関 係 し 取 組 の 計 画 評 価 へ 適 用 する 意 義 は 大 きい 一 方 健 康 寿 命 を 規 定 する 要 因 は 多 様 であり それに 関 係 する 実 証 的 なデータは 十 分 示 されていない それゆえ 取 組 の 計 画 評 価 に 対 して 健 康 寿 命 の 指 標 を 単 独 でなく 取 組 の 結 果 として 直 接 関 係 する 指 標 (アウトプット 指 標 )や 個 別 的 中 間 的 なアウトカ ム 指 標 ( 脳 血 管 疾 患 や 悪 性 新 生 物 の 死 亡 率 など)とともに 適 用 解 釈 することが 望 まし い 健 康 日 本 21( 第 2 次 )においては 日 常 生 活 に 制 限 のない 期 間 の 平 均 が 健 康 寿 命 の 延 伸 の 目 標 として 取 り 上 げられ 自 分 が 健 康 であると 自 覚 している 期 間 の 平 均 が その 目 標 の 実 現 にあたって 留 意 する 指 標 と 位 置 づけられている 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 は 健 康 状 態 が 介 護 保 険 の 要 介 護 度 によることから 特 別 な 調 査 をせず 全 国 の 市 区 町 村 で 算 定 できるという 特 徴 がある これらの 健 康 寿 命 の 位 置 づけ や 特 徴 を 考 慮 した 上 で 指 標 として 用 いる 健 康 寿 命 を 選 択 することが 重 要 であるが 本 研 究 事 業 では このうち 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 ( 平 均 自 立 期 間 ) を 採 用 した 図 表 11 に 平 成 22 年 における 都 道 府 県 別 の 0 歳 の 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 の 算 定 結 果 を 示 した 14

19 図 表 11 0 歳 の 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 の 算 定 結 果 ( 平 成 22 年 ) 都 道 府 県 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 男 性 日 常 生 活 動 作 が 自 立 していない 期 間 の 平 均 ( 資 料 ) 健 康 寿 命 の 算 定 方 法 の 指 針 ( 平 成 24 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 循 環 器 疾 患 糖 尿 病 等 生 活 習 慣 病 対 策 総 合 研 究 事 業 )による 健 康 寿 命 における 将 来 予 測 と 生 活 習 慣 病 対 策 の 費 用 対 効 果 に 関 する 研 究 班 ) 平 均 寿 命 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 女 性 日 常 生 活 動 作 が 自 立 していない 期 間 の 平 均 平 均 寿 命 ( 年 ) の 数 値 については 平 成 22 年 都 道 府 県 別 生 命 表 から 掲 載 した 平 均 寿 命 年 順 位 年 年 年 順 位 年 年 全 国 北 海 道 位 位 青 森 位 位 岩 手 位 位 宮 城 位 位 秋 田 位 位 山 形 位 位 福 島 位 位 茨 城 位 位 栃 木 位 位 群 馬 位 位 埼 玉 位 位 千 葉 位 位 東 京 位 位 神 奈 川 位 位 新 潟 位 位 富 山 位 位 石 川 位 位 福 井 位 位 山 梨 位 位 長 野 位 位 岐 阜 位 位 静 岡 位 位 愛 知 位 位 三 重 位 位 滋 賀 位 位 京 都 位 位 大 阪 位 位 兵 庫 位 位 奈 良 位 位 和 歌 山 位 位 鳥 取 位 位 島 根 位 位 岡 山 位 位 広 島 位 位 山 口 位 位 徳 島 位 位 香 川 位 位 愛 媛 位 位 高 知 位 位 福 岡 位 位 佐 賀 位 位 長 崎 位 位 熊 本 位 位 大 分 位 位 宮 崎 位 位 鹿 児 島 位 位 沖 縄 位 位

20 第 3 章 健 康 長 寿 要 因 について 長 野 県 が 推 進 する 保 健 医 療 福 祉 の 取 組 がめざすべき 姿 として 前 述 の 信 州 保 健 医 療 総 合 計 画 ~ 健 康 長 寿 世 界 一 を 目 指 して~ ( 平 成 25 年 度 ~ 平 成 29 年 度 )では 健 康 で 長 生 き が 示 されている また 健 康 で 長 生 き を 達 成 するための 効 果 指 標 の 一 部 と して 平 均 寿 命 と 健 康 寿 命 が 設 定 されている この 平 均 寿 命 と 健 康 寿 命 は 長 期 的 アウトカム 指 標 であるが 平 均 寿 命 や 健 康 寿 命 の 延 伸 を 図 る 上 で どのようなアウトプット 指 標 短 期 的 アウトカム 指 標 を 向 上 させる 必 要 が あるかを 探 ることが 必 要 である そこで 平 均 寿 命 や 健 康 寿 命 の 延 伸 をめざす 過 程 では どのような 事 業 結 果 や 短 期 的 効 果 が 発 現 するのかを 探 索 するため 長 野 県 の 健 康 長 寿 の 実 現 に 寄 与 していると 考 えられる 諸 要 因 について 分 析 した 健 康 長 寿 要 因 については 第 二 次 大 戦 前 と 第 二 次 大 戦 後 に 区 分 して 検 討 するとともに 戦 後 では 健 康 づくりの 3 要 素 である 栄 養 運 動 休 養 に 影 響 を 与 えていることが 想 定 される 人 口 動 態 保 健 ( 日 常 の 健 康 行 動 等 ) 食 生 活 医 療 介 護 ( 福 祉 ) 社 会 活 動 社 会 的 資 本 (ソーシャルキャピタル) 産 業 経 済 等 の 都 道 府 県 別 指 標 と 平 均 寿 命 健 康 寿 命 の 間 に 相 関 関 係 がみられるかを 分 析 した さらに これまで 推 進 してきた 保 健 予 防 や 栄 養 指 導 などの 健 康 づくり 活 動 等 の 概 要 を 整 理 することによって 長 野 県 に 特 有 な 健 康 長 寿 要 因 についても 抽 出 し これらの 結 果 をま とめた 3.1 戦 前 の 状 況 長 野 県 の 平 均 寿 命 が 戦 前 から 全 国 の 上 位 にあることは 第 2 章 で 述 べたとおり( 男 性 :1 位 ~5 位 女 性 :1 位 ~6 位 )であるが その 背 景 は 以 下 のとおりと 考 えられる 大 正 7(1918) 年 に 第 一 次 世 界 大 戦 が 終 わって 欧 州 諸 国 の 復 興 が 進 むにつれ わが 国 では 輸 出 や 国 内 需 要 が 減 退 また 大 正 9(1920) 年 の 株 価 暴 落 をきっかけに 経 済 恐 慌 が 発 生 した 大 正 8(1919) 年 に 長 野 県 の 農 家 の 78%は 蚕 産 に 関 係 していたが この 経 済 恐 慌 によって 全 国 のみならず 長 野 県 内 でも 失 業 者 の 増 加 農 村 における 繭 やコメ の 価 格 の 暴 落 農 漁 村 における 困 窮 等 が 進 んだ 一 方 長 野 県 の 近 代 教 育 は 日 本 で 学 制 が 始 められた 明 治 5(1872) 年 の 翌 年 には 小 学 校 の 設 立 によってスタートしている 明 治 9(1876) 年 には 長 野 県 の 就 学 率 は 63.23%( 全 国 38.31%)と 全 国 1 位 であった* 2 大 正 末 期 から 昭 和 初 期 にかけての 長 野 県 の 食 生 活 をみると* 3 調 査 されている 県 内 8 地 域 で 詳 細 は 異 なるが 共 通 していることは 主 食 とタンパク 質 及 び 野 菜 類 の 確 保 に 工 夫 がなされていることである 自 家 栽 培 の 主 食 や 野 菜 に 加 え さなぎ イナゴ 川 魚 鯉 などの 動 物 性 タンパク 質 に 加 えて 大 豆 が 重 要 な 位 置 づけをなされていたことがうかが える 県 下 の 大 豆 の 作 付 面 積 が 麦 の 作 付 面 積 を 上 回 っていたこと 味 噌 醤 油 豆 腐 * 2 古 川 貞 雄 長 野 県 の 歴 史 ( 山 川 出 版 社 1997) * 3 向 山 雅 重 他 編 日 本 の 食 生 活 全 集 20 聞 き 書 長 野 の 食 事 ( 農 山 漁 村 文 化 協 会 1986) 16

21 及 び 地 域 によっては 凍 り 豆 腐 のような 大 豆 製 品 も 自 宅 で 作 られていたこともその 証 拠 か もしれない また 子 供 のいる 家 庭 では 山 羊 などの 飼 育 により タンパク 質 の 補 給 を 図 っていたとの 記 載 もみられる この 時 期 全 国 では 都 市 部 から 農 村 部 に 結 核 が 蔓 延 したが 長 野 県 では 全 国 より 低 い 結 核 死 亡 率 を 示 していた 大 正 4(1915) 年 から 昭 和 25(1950) 年 までの 全 国 と 長 野 県 における 結 核 死 亡 者 数 及 び 死 亡 率 の 年 次 推 移 を 示 した( 図 表 12) 戦 前 における 長 野 県 の 結 核 死 亡 率 が 全 国 に 比 べて 低 い 理 由 としては 結 核 減 少 の 理 由 として 同 じ 時 期 に 長 野 県 が 被 った 蚕 糸 産 業 の 不 況 により 蚕 糸 産 業 に 従 事 していた 女 子 従 業 員 の 減 少 が 関 連 していることが 示 唆 された * 4 という 報 告 もあり 死 亡 リス クの 高 い 結 核 人 口 が 急 激 に 県 外 に 流 出 したことと 関 連 しているものと 考 えられる 図 表 12 戦 前 の 結 核 死 亡 者 数 及 び 率 の 年 次 推 移 ( 人 口 10 万 対 ) 年 度 全 国 長 野 県 全 国 長 野 県 年 度 実 数 率 率 実 数 率 率 大 正 4 年 115, 昭 和 8 年 126, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , 昭 和 元 年 113, , , , , , , , , , , ( 資 料 ) 結 核 統 計 総 覧 (1900~1992 年 ) * 4 佐 々 木 隆 一 郎 長 野 県 の 結 核 低 頻 度 に 関 する 一 検 討 信 州 公 衆 衛 生 雑 誌,Vol.4(2),1~4, (2010) 17

22 3.2 戦 後 における 保 健 医 療 福 祉 活 動 終 戦 直 後 における 保 健 医 療 福 祉 活 動 昭 和 22(1947) 年 GHQ/SCAP は 政 府 に 対 して 公 衆 衛 生 サービスを 治 療 だけで なく 予 防 対 策 を 含 む 方 法 へ 拡 大 し 基 本 的 公 衆 衛 生 機 能 をさらに 充 実 させるために 勧 告 を 行 った これをを 受 けて 保 健 所 法 が 昭 和 22 年 9 月 5 日 に 全 面 改 正 され 昭 和 23(1948) 年 1 月 から 施 行 された 改 正 内 容 は 1 保 健 所 の 業 務 として 従 来 の 疾 病 予 防 保 健 指 導 業 務 だけでなく 上 下 水 道 医 療 社 会 事 業 住 宅 衛 生 清 掃 事 業 などに 関 する 指 導 事 業 のほか 医 事 薬 事 食 品 衛 生 環 境 衛 生 の 業 務 も 含 めることとしたこと 2 指 導 相 談 ばかりでなく 都 道 府 県 における 公 衆 衛 生 行 政 の 第 一 線 機 関 として 知 事 の 権 限 の 委 任 を 受 けて 事 務 を 実 施 する 行 政 機 関 としたこと 3 保 健 所 の 試 験 検 査 の 設 備 を 外 部 の 医 師 歯 科 医 師 等 が 自 由 に 利 用 できるようにし 地 域 の 開 業 医 の 医 療 水 準 の 向 上 と 地 域 と 保 健 所 の 連 携 ができるようにしたこと 4 性 病 結 核 歯 科 医 師 に 限 って 予 防 的 治 療 を 行 うこ ととしたこと である このような 全 国 的 な 公 衆 衛 生 水 準 向 上 の 取 組 に 加 え 長 野 県 内 では 昭 和 25 (1950) 年 に 発 生 した 結 核 の 集 団 感 染 事 例 を 契 機 として 同 年 に 地 域 の 結 核 予 防 を 目 的 とした 結 核 予 防 婦 人 会 制 度 が 全 国 に 先 駆 けて 発 足 した 5 このような 県 民 自 らの 手 による 結 核 予 防 活 動 などの 効 果 もあり 結 核 による 死 亡 の 激 減 や 乳 幼 児 死 亡 の 大 幅 な 改 善 が 図 られた 全 国 と 長 野 県 の 結 核 患 者 の 死 亡 数 及 び 死 亡 率 の 年 次 推 移 を 図 表 13 に 示 した これ によると 長 野 県 の 死 亡 率 は 昭 和 30 年 を 境 に 大 幅 に 減 少 し 昭 和 45 年 には 長 野 県 の 結 核 死 亡 率 は 8.2( 人 口 10 万 対 )まで 下 がり 戦 前 から 一 貫 して 全 国 と 比 較 して 低 い 死 亡 率 となっている 図 表 13 結 核 患 者 の 死 亡 数 及 び 死 亡 率 の 年 次 推 移 ( 人 口 10 万 対 ) 年 度 全 国 長 野 県 死 因 順 位 死 亡 数 死 亡 率 死 亡 数 死 亡 率 昭 和 25 年 1 位 121, ( 2, 位 46, 位 31, 位 22, 位 15, 位 10, 位 6, 位 4, 平 成 2 年 17 位 3, 位 3, 位 2, 位 2, 位 2, ( 資 料 ) 長 野 県 衛 生 年 報 ( 平 成 22 年 ) 及 び 厚 生 労 働 省 結 核 登 録 者 情 報 調 査 5 佐 々 木 隆 一 郎 長 野 県 の 結 核 低 頻 度 に 関 する 一 検 討 信 州 公 衆 衛 生 雑 誌,Vol.4(2),1~4,(2010) 18

23 次 に 全 国 と 長 野 県 の 乳 児 の 死 亡 数 及 び 死 亡 率 の 年 次 推 移 を 図 表 14 に 示 した 昭 和 10 年 における 全 国 の 乳 児 死 亡 率 は 106.7( 出 生 千 対 )に 達 している 長 野 県 は 全 国 ほどではないが 死 亡 率 は 高 く 89.5( 出 生 千 対 )となっている その 後 平 成 22 年 ま で 全 国 と 長 野 県 の 乳 児 死 亡 率 は ともに 低 下 を 続 けており 長 野 県 の 死 亡 率 はほぼ 一 貫 して 全 国 を 下 回 って 推 移 した 図 表 14 乳 児 の 死 亡 数 及 び 死 亡 率 の 年 次 推 移 年 度 出 生 数 全 国 長 野 県 乳 児 死 亡 率 乳 児 死 亡 数 出 生 数 乳 児 死 亡 数 ( 出 生 千 対 ) 乳 児 死 亡 率 ( 出 生 千 対 ) 昭 和 10 年 2,190, , ,314 4, ,115, , ,236 3, ,678, , ,920 3, ,337, , ,989 2, ,730,692 68, ,605 1, ,606,041 49, , ,823,697 33, , ,934,239 25, , ,901,440 19, , ,576,889 11, , ,431,577 7, , 平 成 2 年 1,221,585 5, , ,187,064 5, , ,190,547 3, , ,062,530 2, , ,071,304 2, , ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 特 殊 報 告 都 道 府 県 別 人 口 動 態 統 計 100 年 の 動 向 次 に 長 野 県 の 平 均 寿 命 及 び 乳 児 死 亡 率 の 推 移 を 図 表 15 に 示 した 昭 和 50 年 頃 ま でに 乳 児 死 亡 率 が 急 激 に 減 少 している 一 方 で 平 均 寿 命 は 男 女 とも 大 きく 延 伸 して いることがうかがえる 昭 和 50 年 以 降 は 乳 児 死 亡 率 の 減 少 幅 平 均 寿 命 の 増 加 幅 がそ れぞれ 小 さくなっている このことから 平 均 寿 命 の 延 伸 には 乳 児 死 亡 率 の 低 下 が 一 定 程 度 寄 与 してきたことが 推 測 される 19

24 図 表 15 長 野 県 の 平 均 寿 命 及 び 乳 児 死 亡 率 の 推 移 ( 歳 ) 出 生 千 対 ( 死 亡 率 ) 昭 和 ' ' ' ' 平 成 2 ' 平 均 寿 命 男 性 平 均 寿 命 女 性 乳 児 死 亡 率 ( 年 ) 2000 '10 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 特 殊 報 告 都 道 府 県 別 人 口 動 態 統 計 100 年 の 動 向 高 度 経 済 成 長 期 にかけての 保 健 医 療 福 祉 活 動 高 度 経 済 成 長 期 における 長 野 県 の 平 均 寿 命 の 全 国 順 位 が 低 下 する 原 因 のひとつが 脳 血 管 疾 患 の 死 亡 率 の 高 さだった 昭 和 40 年 ごろまで 国 民 の 死 因 1 位 でもあった 脳 血 管 疾 患 による 死 亡 率 ( 図 表 16 全 国 の 死 因 別 順 位 の 年 次 推 移 ( 人 口 10 万 対 ))についてみると 長 野 県 は 常 に 全 国 で も 有 数 のワーストランキング 上 位 常 連 県 だった( 図 表 17) この 事 象 に 対 する 長 野 県 での 取 組 としては まず 昭 和 20(1945) 年 に 須 坂 市 ( 旧 高 甫 (たかほ) 村 )に 生 まれた 保 健 補 導 員 活 動 があげられる 当 時 保 健 婦 ( 師 )が 昼 夜 な く 働 く 姿 を 見 た 主 婦 たちが 少 しでもお 手 伝 いしようと 自 主 的 に 母 子 保 健 予 防 活 動 を 始 めたのがきっかけである この 保 健 補 導 員 活 動 は 徐 々に 全 県 に 広 がり その 活 動 内 容 は 単 に 母 子 保 健 対 策 だけではなく 脳 卒 中 などの 生 活 習 慣 病 予 防 にも 広 がりを 見 せている 昭 和 30~40 年 代 脳 卒 中 の 多 い 長 野 県 を 何 とかしなければならないと 保 健 師 保 健 補 導 員 によって 食 事 の 塩 分 濃 度 測 定 や 冬 期 室 温 測 定 一 部 屋 温 室 運 動 などの 活 動 が 展 開 された また 昭 和 42(1967) 年 に 保 健 所 の 栄 養 教 室 の 修 了 者 の 中 から 意 欲 的 な 女 性 が 集 まり 長 野 県 食 生 活 改 善 推 進 協 議 会 が 組 織 された 食 生 活 改 善 推 進 員 は 家 族 の 健 康 管 理 から 近 隣 地 域 住 民 へと 食 生 活 改 善 を 中 心 に 健 康 づくりのための 実 践 活 動 の 輪 を 広 げるとともに 自 らが 健 康 生 活 の 実 践 者 となり 食 からのボランティア 活 動 を 行 ってきた あわせて 医 師 歯 科 医 師 薬 剤 師 保 健 師 管 理 栄 養 士 等 の 専 門 職 種 による 地 域 20

25 保 健 活 動 や 医 療 機 関 による 予 防 活 動 が 活 発 に 行 われてきた これらの 総 合 的 な 取 組 の 結 果 昭 和 50 年 代 後 半 には 長 野 県 の 死 亡 原 因 の1 位 が 脳 血 管 疾 患 系 の 病 気 ではなくなった* 6 ( 図 表 18) 図 表 16 全 国 の 死 因 別 順 位 の 年 次 推 移 ( 人 口 10 万 対 ) 年 度 死 因 第 1 位 年 齢 調 整 死 亡 率 死 因 第 2 位 年 齢 調 整 死 亡 率 死 因 第 3 位 年 齢 調 整 死 亡 率 死 因 第 4 位 年 齢 調 整 死 亡 率 死 因 第 5 位 年 齢 調 整 死 亡 率 1950 昭 和 25 脳 血 管 疾 患 老 衰 結 核 悪 性 新 生 物 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 老 衰 悪 性 新 生 物 心 疾 患 結 核 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 不 慮 の 事 故 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 不 慮 の 事 故 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 72.8 不 慮 の 事 故 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 不 慮 の 事 故 51.2 肺 炎 悪 性 新 生 物 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 肺 炎 48.5 不 慮 の 事 故 及 び 有 41.4 害 作 用 悪 性 新 生 物 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 肺 炎 54.4 不 慮 の 事 故 及 び 有 38.4 害 作 用 1990 平 成 2 悪 性 新 生 物 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 97.9 肺 炎 67.1 不 慮 の 事 故 及 び 有 36.5 害 作 用 悪 性 新 生 物 心 疾 患 99.7 脳 血 管 疾 患 99.3 肺 炎 60.6 不 慮 の 事 故 悪 性 新 生 物 心 疾 患 85.8 脳 血 管 疾 患 74.2 肺 炎 53.1 不 慮 の 事 故 悪 性 新 生 物 心 疾 患 83.7 脳 血 管 疾 患 61.9 肺 炎 51.8 自 殺 悪 性 新 生 物 心 疾 患 74.2 脳 血 管 疾 患 49.5 肺 炎 46.0 自 殺 昭 和 25 脳 血 管 疾 患 老 衰 結 核 悪 性 新 生 物 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 老 衰 悪 性 新 生 物 心 疾 患 96.8 結 核 脳 血 管 疾 患 老 衰 悪 性 新 生 物 心 疾 患 肺 炎 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 肺 炎 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 76.5 肺 炎 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 46.2 肺 炎 脳 血 管 疾 患 悪 性 新 生 物 心 疾 患 老 衰 37.4 肺 炎 悪 性 新 生 物 脳 血 管 疾 患 95.3 心 疾 患 94.6 肺 炎 26.2 老 衰 平 成 2 悪 性 新 生 物 心 疾 患 88.5 脳 血 管 疾 患 68.6 肺 炎 30.1 老 衰 悪 性 新 生 物 心 疾 患 58.4 脳 血 管 疾 患 64.0 肺 炎 28.5 不 慮 の 事 故 悪 性 新 生 物 心 疾 患 48.5 脳 血 管 疾 患 45.7 肺 炎 23.3 不 慮 の 事 故 悪 性 新 生 物 97.3 心 疾 患 45.3 脳 血 管 疾 患 36.1 肺 炎 21.6 不 慮 の 事 故 悪 性 新 生 物 92.2 心 疾 患 39.7 脳 血 管 疾 患 26.9 肺 炎 18.9 自 殺 10.9 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 から 作 成 男 女 性 性 図 表 17 長 野 県 の 脳 血 管 疾 患 年 齢 調 整 死 亡 率 ( 人 口 10 万 対 ) 年 度 男 性 女 性 全 国 長 野 県 順 位 全 国 長 野 県 順 位 昭 和 35 年 位 位 位 位 位 位 位 位 位 位 位 位 平 成 2 年 位 位 位 位 位 位 位 位 位 位 減 少 幅 ( 昭 和 35- 平 成 22) 位 位 ( 資 料 ) 厚 生 労 働 省 人 口 動 態 統 計 特 殊 報 告 から 作 成 * 6 信 州 保 健 医 療 総 合 計 画 P161~P162 21

26 図 表 18 長 野 県 の 死 因 別 順 位 及 び 粗 死 亡 率 の 年 次 推 移 ( 人 口 10 万 対 ) 年 次 第 1 位 第 2 位 第 3 位 第 4 位 第 5 位 死 因 死 亡 率 死 因 死 亡 率 死 因 死 亡 率 死 因 死 亡 率 死 因 死 亡 率 1947 昭 和 22 年 脳 血 管 疾 患 肺 炎 全 結 核 胃 腸 炎 老 衰 ' 全 結 核 胃 腸 炎 96.6 肺 炎 ' 肺 炎 88.7 老 衰 79.8 心 疾 患 75.2 ' 悪 性 新 生 物 90.4 心 疾 患 79.0 肺 炎 79.8 ' 悪 性 新 生 物 92.5 心 疾 患 83.7 全 結 核 ' 老 衰 66.0 全 結 核 59.2 ' 肺 炎 65.3 ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ' 不 慮 の 事 故 40.7 ' ' ' 不 慮 の 事 故 38.8 老 衰 37.8 ' 老 衰 40.1 肺 炎 40.1 ' 不 慮 の 事 故 39.0 老 衰 36.5 ' ' 肺 炎 36.2 ' 肺 炎 36.7 老 衰 35.5 ' ' ' ' ' 老 衰 31.3 肺 炎 27.9 ' 肺 炎 36.3 老 衰 34.4 ' ' ' '84 59 悪 性 新 生 物 脳 血 管 疾 患 ' ' ' ' '89 平 成 元 年 ' ' 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 ' ' ' ' 脳 血 管 疾 患 心 疾 患 肺 炎 59.9 不 慮 の 事 故 34.3 ' 老 衰 35.4 ' 不 慮 の 事 故 37.5 ' ' 老 衰 不 慮 の 事 故 36.5 ' ' ' ' 老 衰 36.7 ' ' 心 疾 患 脳 血 管 疾 患 ' ' ' ' 平 成 6 年 までの 肺 炎 は 肺 炎 及 び 気 管 支 炎 である 昭 和 54 年 ~ 平 成 6 年 までの 老 衰 は 精 神 病 の 記 載 のない 老 衰 である 平 成 7 年 以 降 の 心 疾 患 は 心 疾 患 ( 高 血 圧 性 を 除 く) である ( 資 料 ) 長 野 県 衛 生 年 報 ( 平 成 22 年 ) 22

27 3.3 各 種 指 標 と 平 均 寿 命 健 康 寿 命 の 都 道 府 県 格 差 に 関 する 分 析 対 象 となる 指 標 の 抽 出 及 び 収 集 長 野 県 の 健 康 長 寿 に 関 する 指 標 として 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 を 採 用 した 平 均 寿 命 (0 歳 の 平 均 余 命 )は 平 成 22 年 都 道 府 県 別 生 命 表 に 記 載 の 数 値 を 使 用 した また 健 康 寿 命 については 健 康 寿 命 の 算 定 方 法 の 指 針 * 7 に 掲 載 されている 平 成 22 年 の 都 道 府 県 別 男 女 別 の 0 歳 の 日 常 生 活 動 作 が 自 立 している 期 間 の 平 均 の 算 定 結 果 ( 図 表 11)の 数 値 を 用 いた 健 康 長 寿 に 関 連 が 示 唆 される 要 因 として 都 道 府 県 別 の 人 口 動 態 保 健 ( 日 常 の 健 康 行 動 等 ) 食 生 活 医 療 介 護 ( 福 祉 ) 社 会 活 動 社 会 的 資 本 (ソーシャルキャピ タル) 産 業 経 済 その 他 の 各 分 野 から 考 えられる 指 標 81 項 目 を 抽 出 した なお 指 標 の 抽 出 及 び 追 加 にあたっては 標 本 数 が 少 数 であり 都 道 府 県 単 位 の 比 較 検 討 が 困 難 な 指 標 を 収 集 対 象 から 除 外 し 本 研 究 事 業 の 信 頼 性 向 上 に 配 慮 した 収 集 データの 活 用 による 相 関 分 析 において 収 集 したさまざまな 抽 出 データについて 平 成 22 年 の 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 との 間 で それぞれ 2 変 数 間 にどの 程 度 直 線 的 な 関 係 があるかを 数 値 で 表 す 相 関 分 析 を 行 った 相 関 分 析 の 計 算 には Pearson の 積 率 相 関 係 数 を 用 いた 相 関 分 析 にあたっては 2 変 数 間 は 無 相 関 であることを 仮 定 した 帰 無 仮 説 の 有 意 性 を 有 意 確 率 5% * 8 で 検 定 した 検 定 の 結 果 有 意 確 率 ( 両 側 )が 5% 未 満 の 場 合 帰 無 仮 説 は 棄 却 され 2 変 数 間 に 相 関 があるとした 平 均 寿 命 または 健 康 寿 命 との 間 で 相 関 があると 認 められたデータ 項 目 について 複 数 年 データを 収 集 することができた 一 部 項 目 については 単 年 データと 連 続 した 複 数 年 データの 平 均 値 と 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 の 相 関 分 析 を それぞれ 実 施 した( 図 表 22-1 ~ 図 表 46-1) 平 均 寿 命 健 康 寿 命 は 平 成 22 年 のデータを 用 いたため これらに 影 響 を 与 える 要 因 は 平 成 22 年 あるいはそれ 以 前 のデータであることが 必 要 である しかし 各 要 因 が 寿 命 の 延 伸 に 影 響 を 与 えるには ある 程 度 長 期 の 期 間 を 要 すると 考 えられるため 連 続 した 複 数 年 の 要 因 データを 収 集 することとした 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 と 収 集 データ 項 目 との 相 関 分 析 結 果 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 と 81 の 収 集 データ 項 目 との 相 関 分 析 の 結 果 を 示 した( 図 表 19) また 収 集 データ 項 目 の 出 典 を 図 表 20 に 整 理 している なお 図 表 19 中 に 記 載 した 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 が 平 成 22 年 のデータであることから 81 の 収 集 項 目 に *7 平 成 24 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 による 健 康 寿 命 における 将 来 予 測 と 生 活 習 慣 病 対 策 の 費 用 対 効 果 に 関 する 研 究 *8 有 意 確 率 5% は *p<0.05 と 表 記 し 参 考 に 有 意 確 率 1%を **p<0.01 と 掲 載 した 23

28 ついても 平 成 22 年 のデータもしくは 平 成 22 年 以 前 のデータのうち 最 も 直 近 のものを 記 載 した 図 表 19 の81 項 目 から 有 意 な 相 関 を 示 した 項 目 別 にみると 男 性 の 平 均 寿 命 では17 項 目 健 康 寿 命 では21 項 目 との 関 連 がみられた また 女 性 の 平 均 寿 命 では6 項 目 健 康 寿 命 では 9 項 目 との 関 連 がみられた 男 女 別 でみると 男 性 では 保 健 ( 日 常 の 健 康 行 動 等 ) や 産 業 経 済 の 指 標 に 多 くの 関 連 がみられた 女 性 では 社 会 活 動 の 項 目 に 関 連 がみられた また 人 口 動 態 と 医 療 の 指 標 には 男 女 ともに 関 連 がみられた 図 表 19 都 道 府 県 別 男 女 別 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 と 各 種 項 目 との 相 関 (1/2) 分 類 No. データ 年 人 口 動 態 保 健 ( 日 常 の 健 康 行 動 等 ) 食 生 活 使 用 データ 1 H22 人 口 H22 人 口 密 度 H19 就 業 率 ** ** * 4 H19 65 歳 以 上 就 業 者 割 合 * * H19 農 家 人 口 割 合 ** ** H19 65 歳 以 上 農 家 人 口 割 合 H22 世 帯 数 H22 1 世 帯 あたりの 人 数 H22 一 人 暮 らし 高 齢 者 世 帯 割 合 H22 核 家 族 の 割 合 H22 三 世 代 同 居 の 割 合 H22 児 童 のいる 世 帯 の 平 均 児 童 数 * H22 自 殺 者 数 H22 人 口 10 万 対 自 殺 死 亡 率 ** ** * ** 15 H22 人 口 10 万 対 交 通 事 故 死 亡 者 数 H22 死 亡 数 百 分 率 自 宅 での 死 亡 割 合 H22 出 産 千 対 周 産 期 死 亡 率 * 18 H22 出 生 千 対 乳 児 死 亡 率 H22 出 生 10 万 対 新 生 児 死 亡 率 H22 人 口 10 万 対 保 健 師 数 * ** 21 H22 人 口 10 万 対 精 神 保 健 福 祉 士 の 数 ( 病 院 従 事 者 ) H20 人 口 10 万 対 精 神 保 健 福 祉 士 の 数 ( 一 般 診 療 所 ) H18~22 年 齢 調 整 歩 数 ** ** H18~22 年 齢 調 整 習 慣 的 喫 煙 者 の 割 合 ** ** H22 メタボリックシンドローム 該 当 者 予 備 群 割 合 ** H18~22 年 齢 調 整 肥 満 者 の 割 合 ** ** H22 人 口 1 人 当 たり 複 十 字 募 金 金 額 H18~22 年 齢 調 整 野 菜 摂 取 量 * 29 H18~22 年 齢 調 整 食 塩 摂 取 量 H18~22 年 齢 調 整 飲 酒 習 慣 者 の 割 合 ** ** H22 果 物 の 消 費 量 H22 魚 介 類 の 消 費 量 H22 肉 類 の 消 費 量 * H22 牛 乳 の 消 費 量 H22 鶏 卵 の 消 費 量 *p<0.05, **p<0.01 単 位 項 目 名 使 用 データ は 男 女 別 のデータを 使 用 して 算 出 平 成 22 年 男 性 平 成 22 年 女 性 平 均 寿 命 健 康 寿 命 平 均 寿 命 健 康 寿 命 24

29 図 表 19 都 道 府 県 別 男 女 別 平 均 寿 命 及 び 健 康 寿 命 と 各 種 項 目 との 相 関 (2/2) 分 類 医 療 介 護 社 会 活 動 社 会 的 資 本 産 業 経 済 そ の 他 No. データ 年 使 用 データ 単 位 項 目 名 平 成 22 年 男 性 平 成 22 年 女 性 平 均 寿 命 健 康 寿 命 平 均 寿 命 健 康 寿 命 36 H22 人 口 10 万 対 医 師 数 * H22 平 均 在 院 日 数 * * H22 1 人 当 たり 医 療 費 高 齢 者 医 療 費 H22 人 口 10 万 対 病 院 + 一 般 診 療 所 数 H22 人 口 10 万 対 歯 科 診 療 所 数 H22 人 口 10 万 対 病 床 数 * H22 人 口 10 万 対 療 養 病 床 数 H22 人 口 10 万 対 看 護 師 数 * * 44 H20 在 宅 医 療 サービス 件 数 H20 人 口 10 万 対 結 核 新 登 録 者 数 H22 人 口 10 万 対 感 染 症 届 出 数 H22 人 口 千 対 有 訴 者 率 ( 総 数 ) * * H22 人 口 千 対 (65 歳 以 上 ) * H22 人 口 千 対 通 院 者 率 H23 訪 問 看 護 利 用 者 数 H21 被 訪 問 指 導 実 人 員 総 数 H22 要 介 護 認 定 率 * ** H21 65 歳 以 上 人 口 1 万 人 当 たり 老 人 クラブ 数 H21 65 歳 以 上 人 口 1 万 人 当 たり 老 人 会 員 数 H18 社 会 活 動 ボランティア 参 加 率 ** 56 H20 人 口 100 万 人 当 たり 社 会 体 育 施 設 数 H22 人 口 1 人 当 たり 社 会 教 育 費 * 58 H20 人 口 100 万 人 当 たり 公 民 館 数 H22 公 民 館 利 用 者 数 H22 民 生 委 員 ( 児 童 民 生 委 員 ( 児 童 委 員 ) 委 員 )1 人 当 たり 相 談 支 援 件 数 H22 人 口 10 万 人 当 たり 民 生 委 員 ( 児 童 委 員 ) 数 H22 人 口 10 万 人 当 たり 母 子 自 立 支 援 員 数 H22 推 進 員 1 人 当 たり 世 帯 食 生 活 改 善 推 進 員 数 H22 推 進 員 1 人 当 たり 食 生 活 改 善 推 進 員 の 年 間 活 動 回 数 H22 推 進 員 1 人 当 たり 食 生 活 改 善 推 進 員 の 年 間 活 動 総 人 数 H22 推 進 員 1 人 当 たり 食 生 活 改 善 推 進 員 の 自 己 学 習 総 回 数 H21 1 人 当 たりの 県 民 所 得 * * H21 ジニ 係 数 H19 第 一 次 産 業 就 業 者 割 合 ** ** H19 第 二 次 産 業 就 業 者 割 合 * H19 第 三 次 産 業 就 業 者 割 合 H22 財 政 力 指 数 * * H21 人 口 千 人 当 たり 小 売 店 数 * H21 下 水 道 普 及 率 ** ** H22 人 口 千 対 生 活 保 護 率 ** ** * 76 H22 平 均 気 温 H22 温 泉 数 H22 源 泉 数 H22 温 泉 宿 泊 利 用 人 数 H22 県 庁 所 在 地 標 高 * H20 持 ち 家 率 *p<0.05, **p<0.01 使 用 データ は 男 女 別 のデータを 使 用 して 算 出 25