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1 第 5599 回 日本循環器学会東北地方会 プログラム 会期 平成26年12月6日 土 午前8時30分より 会場 仙台国際センター 仙台市青葉区青葉山 第1会場 第2会場 第3会場 第4会場 会 長 TEL:0-65- 代表 橘 (2F) 萩 (2F) 白檀1(3F) 白檀2(3F) 竹石 恭知 事務局 福島県立医科大学 循環器 血液内科学講座 福島市光が丘1番地 TEL: 04(547)90 FAX: 04(548)8 当日受付にて参加費のお支払いをお願い致します 医師/その他 3,000 円 コメディカル,000 円 学生/初期研修医 無料 一般演題 発表時間は 5 分 (予鈴 4 分) 追加討論 分 YIA の発表時間は 7 分 (予鈴 6 分) 追加討論 3 分とします 時間厳守をお願いします コンピュータープレゼンテーションによる発表のみとします Windows 版 Power Point で作成して下さい 動画は使用できません Macintosh 及び持ち込み PC での発表はできません 発表 30 分前までに 作成したデータを USB メモリーにいれて PC 受付にお持ち下さい データのファイル名には演題番号 半角 に続けて発表者の氏名 漢字 を必ず付けて下さ い 例 0 仙台太郎. ppt) 不測の事態に備えて必ずバックアップデータをお持ち下さい *35mm スライドによる発表はできません 学術集会 5 単位 教育セッション 3 単位 とします DVD セッション 医療安全 医療倫理に関する講演会 を 1F 小会議室 で行います 専門医認定更新に必修の 単位が取得できます P 参照) 追記 学会案内状 プログラムは 原則として日本循環器学会会費納入者に限り発送いたします

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3 会場へのアクセス 会場 仙台国際センター 仙台市青葉区青葉山 TEL:0-65- FAX: 仙台国際センターまでの交通機関 バ ス 乗 車 仙台駅西口バスプール 9 番乗り場より 70 宮教大 青葉台 73 宮教大 成田山 75 宮教大 79 動物公園循環 青葉通 工学部経由 70 交通公園 川内営業所 のいずれかにお乗り下さい 降 車 博物館国際センター前 でお降り下さい 所要時間 約 0 分 運賃 80 円 タクシー 仙台駅より所要 約 7 分 自家用車 東北自動車道仙台宮城 I.C.から所要 約 0 分 仙台西道路経由 仙台城 方面の標識に従ってご走行下さい

4 会場案内図 受付は2F です (DVD % % % (YIA 3 4

5 プログラム 敬称略 プログラム 敬称略 8:30 第会場 第会場 第3会場 第4会場 小会議室 小会議室 F橘 F萩 3F白檀 3F 白檀 F F 9:00 0:30 8:30受付開始 8:55 9:00開会挨拶 会長竹石恭知 9:00 福島県立医科大学 9:00 9:50 9:00 9:4 9:00 9:4 9: YIA症例発表部門 不整脈Ⅰ 虚血性心疾患Ⅰ 弁膜症 DVDセッション 医療安全 医療倫理に関 0:00 9:50 0:40 9:4 0:4 9:4 0:7 9:4 0:7 不整脈Ⅱ 虚血性心疾患Ⅱ 弁膜症 心膜疾患 心内膜炎 する講演会 YIA研究発表部門 0:4 0:59 不整脈Ⅲ 0:7 0:5 虚血性心疾患Ⅲ 0:0 :50 男女共同参画フォーラム : 心不全 0:5 :7 0:59 :4 肺 先天性疾患 YIA審査 座長富岡智子 集計(0:40 :00) みやぎ県南中核病院 審査会(:00 :5) 心筋症 その他 :5 :57 :7 :0 大動脈 末梢血管 心筋炎 心筋症 : 総会 YIA授賞式 3: 教育セッションⅠ ランチョンセミナー 教育セッションⅡ ランチョンセミナー 河盛隆造 順天堂大学大学院医学研究科 スポートロジーセンター 埼玉医科大学国際医療センター 座長下川宏明 (東北大学 ) 4: 教育セッションⅢ 特別講演 大津欣也 Cardiovascular Division, King's College London, The James Black Centre 4:50 座長竹石恭知 (福島県立医科大学 ) 住友直方 座長久保田功 (山形大学 ) :30 :40 心肺蘇生法普及委員会

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19 第4会場 弁膜症 9:00 9:4 座長 渡部 朋幸 7 経皮的大動脈弁バルーン拡張術が有用であったハイリスク大動脈弁狭窄の 4 例 弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科 米倉 学 樋熊 拓未 小路 祥紘 西崎 史惠 泉山 圭 澁谷 修司 横山 公章 山田 雅大 阿部 直樹 長内 智宏 奥村 謙 7 我が国の大動脈弁狭窄症患者の予後規定因子 CHART- 研究からの報告 東北大学 循環器内科学 佐藤謙二郎 坂田 泰彦 後岡広太郎 三浦 正暢 牛込 亮一 但木壮一郎 小野瀬剛生 辻 薫菜子 山内 毅 阿部 瑠璃 下川 宏明 東北大学 循環器 EBM 開発学 宮田 敏 73 周術期リハビリテーション介入が必要であった TAVI の一例 術前の Frailty 評価の意義 東北大学病院 リハビリテーション部 竹内 雅史 柿花 隆昭 矢口 春木 和地 泰彦 仲冨 千瑞 佐藤 房郎 東北大学 循環器内科学 松本 泰治 杉村宏一郎 三浦 正暢 高橋 潤 伊藤 健太 下川 宏明 東北大学 心臓血管外科学 川本 俊輔 熊谷紀一郎 齋木 佳克 東北大学 麻酔科学 吾妻 俊弘 東北大学 内部障害学 森 信芳 伊藤 修 上月 正博 74 胃癌を合併した症候性重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術の一例 東北大学 循環器内科学 松本 泰治 高橋 潤 杉村宏一郎 三浦 正暢 山本 沙織 下川 宏明 東北大学 心臓血管外科 川本 俊輔 熊谷紀一郎 齋木 佳克 東北大学 麻酔科 吾妻 俊弘 仙台医療センター 循環器内科 山口 辰寛 篠崎 毅 75 経カテーテル大動脈弁留置術後に完全房室ブロックを呈した一症例 東北大学 循環器内科学 佐藤 遥 松本 矢尾板信裕 山本 三浦 正暢 青木 高橋 潤 下川 東北大学 心臓血管外科 熊谷紀一郎 川本 東北大学 麻酔科 吾妻 俊弘 みやぎ県南中核病院 循環器科 小山 二郎 井上 76 泰治 杉村宏一郎 沙織 建部 俊介 竜男 後岡広太郎 宏明 俊輔 齋木 佳克 寛一 緊急バルーン大動脈弁形成(balloon aortic valvoplasty:bav)を施行した二例 岩手県立中央病院 循環器科 神津 克也 高橋 徹 大浦 翔子 門間 雄斗 池田 尚平 野田 一樹 中嶋 壮太 遠藤 秀晃 中村 明浩 野崎 英二

20 第4会場 弁膜症 心膜疾患 心内膜炎 9:4 0:7 座長 矢作 浩一 77 当院での経皮的大動脈弁植込術の初期 50 例の成績 仙台厚生病院 心臓血管センター 循環器内科 遠田 佑介 多田 水谷有克子 桑原 加畑 充 筬井 堀江 和紀 伊澤 清水 岳久 鈴木 滝澤 要 大友 目黒泰一郎 仙台厚生病院 心臓血管センター 心臓血管外科 山谷 一広 畑 78 橋本 廣野 直土 奥山 摂 英伸 結城 孝一 髄膜炎を合併したB群溶連菌による感染性心内膜炎の一例 仙台市立病院 循環器内科 80 正樹 収縮性心膜炎による難治性右心不全症状に対しトルバプタンが有効であった一例 山形県立新庄病院 循環器内科 79 憲生 櫻井 美恵 謙典 宮坂 政紀 宣任 松本 崇 毅 上村 直 健之 本多 卓 達志 井上 直人 佐々木恵里奈 小松 寿里 滑川 明男 石田 明彦 三引 義明 山科 順裕 佐藤 弘和 中川 孝 佐藤 英二 八木 哲夫 バルサルバ洞動脈瘤破裂合併の心室中隔欠損症を器質とした感染性心内膜炎の 例 青森県立中央病院 循環器センター 循環器科 加藤 朋 大和田真玄 市川 博章 木村 嘉宏 横田 貴志 今田 篤 藤野 安弘 青森県立中央病院 循環器センター 心臓血管外科 伊藤 校輝 畠山 正治 河原井駿一 永谷 公一 8 シャント感染に感染性心内膜炎を合併し死亡した一例 東北大学病院卒後研修センター 田中 祥朗 加賀谷 豊 東北大学 循環器内科学 鈴木 秀明 下川 宏明 東北大学病院 病院高度救命救急センター 山内彩記子 久志本成樹

21 日本循環器学会 男女共同参画フォーラム 第 4 会場 3 階 白檀 これからの女性循環器医に 求められること 座長 みやぎ県南中核病院 富岡智子 先生 循環器内科 部長 講演 1 ある循環器内科医の求めるもの 平鹿総合病院 循環器内科 診療部長 伏見 悦子 先生 2 仕事は一緒 相互理解の重要性 仙台オープン病院 循環器内科 主任部長 加藤 敦 先生 3 循環器領域における女性医師の役割とJ-WNIC活動 済生会横浜市東部病院 心臓血管センター長 循環器内科 塚原 玲子 先生 質疑応答 閉会の辞 福島県立医科大学 循環器 血液内科学講座 主任教授 竹石恭知 先生

22 YIA 審査 心肺蘇生法普及委員会 総会 YIA 授賞式 F 小会議室 F 小会議室 0 40 第1会場 F 橘 教育セッションⅠ ランチョンセミナー 第 会場 2F 橘 座長 東北大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授 下川 宏明 先生 型糖尿病治療のめざすこと 順天堂大学大学院医学研究科 スポートロジーセンター センター長 河盛 隆造 先生 共催 第 59 回日本循環器学会東北地方会 アストラゼネカ株式会社 教育セッションⅡ ランチョンセミナー 第 会場 2F 萩 座長 山形大学 内科学第一講座 教授 久保田 功 先生 小児 若年者の遺伝性不整脈 埼玉医科大学 国際医療センター 小児心臓科 教授 住友 直方 先生 共催 第 59 回日本循環器学会東北地方会 第一三共株式会社 教育セッションⅢ 特別講演 第 会場 2F 橘 座長 福島県立医科大学 循環器 血液内科学講座 教授 竹石 恭知 先生 The roles of degradation systems in failing hearts Cardiovascular Division, King's College London, The James Black Centre 教授 大津 欣也 先生 共催 第 59 回日本循環器学会東北地方会 帝人ファーマ株式会社

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24 一般社団法人日本循環器学会東北支部規則 総則 第1条 この会は一般社団法人日本循環器学会東北支部 以下 本支部 という と称し 一般社 団法人日本循環器学会 以下 日本循環器学会 という の支部とする 事務局 第2条 本支部の事務局は 東北大学大学院医学系研究科循環器内科学に置く 目的および事業 第3条 本支部は日本循環器学会の目的達成のため次の事業を行う 1 東北支部における年 回の学術集会 地方会 の開催 2 日本循環器学会本部からの委託事項の処理 3 日本循環器学会国際トレーニングセンター JCS-ITC としての東北支部における講習会 等の開催 4 その他目的の達成に必要な事業 会員 第4条 本支部の会員は 勤務先または居住地が日本循環器学会定款施行細則第 6 条に定める東 北地区にある日本循環器学会の会員とする 2 本支部に名誉支部員 名誉特別会員を置く 1 名誉支部員は年齢 65 歳以上の会員で 支部評議員を 3 期以上務めた者とする 総会に出席して意見を述べることができるが 議決権は有しない 2 名誉特別会員は名誉支部員の条件に加え 東北地方会で会長を務めた者 支部長を務めた 者とする 処遇については 名誉支部員に準用する 社員の選出 第5条 日本循環器学会本部からの委託により 本支部にて日本循環器学会の社員を選出する 2 選出する社員数は 日本循環器学会から指定された数とする 3 選挙権および被選挙権をもつものは 本支部の会員とする 支部選挙管理委員会 第6条 本支部に東北支部選挙管理委員会 以下 選挙管理委員会 という を置き 社員選出手 続きを担当する 2 選挙管理委員会の委員長は 支部監事または支部幹事から選出し 支部総会で選任する 3 選挙管理委員は 会員から選出し 支部総会で選任する 4 選挙管理委員長は 選挙結果を支部総会および日本循環器学会に報告する 社員選出方法 第7条 第6条に定める社員は 第 4 条に定める会員の無記名投票により選出する 2 会員一人につき 一個の投票権とする 3 各都道府県毎の最多得票者を当選者として選出した後 全地区を対象として得票数の多い順 から 第5条第 項に定める選出すべき数までを当選者とする

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27 日本循環器学会東北地方会 Young Investigator s Award 会則. 日本循環器学会東北支部は 東北地区の循環器病学の発展と優秀な若手循環器専門 医の育成を目的として 日本循環器学会東北地方会 Young Investigator s Award 東北地方会 YIA を設ける. 本会則は平成21年2月14日に開催される第147回東北地方会から有効とし 本会則の変更は総会で審議 決定される 3. 東北地方会 YIA の応募資格 応募方法は演題応募要領に記載するが 地方会主催の 当番校会長の裁定をもって変更は許可されるものとする 4. YIA 選考委員会は大会長を選考委員長として 各県大学の循環器内科教授 6 名と大 会長が選出する 6 名の選考委員の計 名で構成される 選考委員に代理を置く場 合は 教授選考員の場合は教室の准教授または講師に委託し その他の 6 名の選考 委員については大会長が再度選出する

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29 第 5 9 回 日 本 循 環 器 学 会 東 北 地 方 会 Y IA 審 査 員 敬 称 略 青森 弘前大学 循環呼吸腎臓内科学講座 青森県立中央病院 循環器センター 岩手 岩手医科大学 心血管 腎 内分泌内科分野 盛岡赤十字病院 教授 奥 村 謙 センター長 藤野 安弘 教授 中村 副院長 市川 元行 隆 秋田 秋田大学 循環器内科学 呼吸器内科学 市立秋田総合病院 教授 伊 藤 宏 内科診療部長 中川 正康 山形 山形大学 内科学第一講座 篠田総合病院 循環器科 教授 久保田 功 医長 池田 こずえ 宮城 東北大学 循環器内科学 国立病院機構仙台医療センター 教授 下川 宏明 部長 篠 崎 毅 福島 福島県立医科大学 大原綜合病院 循環器内科 循環器 血液内科学講座 教授 竹石 副院長 石橋 恭知 敏幸

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32 0 典型的な拡張相肥大型心筋症の表現型を示したミトコンドリア遺伝子異常症の一例 秋田大学大学院医学系研究科循環器内科学 呼吸器内科学 きびら内科クリニック 3 東京医科歯科大学難治疾患研究所分子病態分野 梅田有理 寺田茂則 細谷知樹 寺田舞飯野健二 渡邊博之 伊藤宏 鬼平聡林丈晴 3 3 木村彰方 歳女性 家族歴 出生発達歴に異常なし 00 年 (0 歳時 ) に UCG にて非対称性中隔肥厚を指摘された 症状なく経過していたが 0 年に心肥大はびまん性へと変化し 僧帽弁収縮期前方運動 左室流出路狭窄を呈するようになった 以後 左室収縮能は進行性に低下 (EF 3%) 僧帽弁収縮期前方運動と左室流出路狭窄は消失 さらに中隔の菲薄化と左室拡大を認め 拡張相肥大型心筋症と診断した 03 年 心不全と心室頻拍を繰り返し 現在心移植を予定している 遺伝子解析にてミトコンドリア呼吸鎖複合体 II の succinate dehydrogenase A 遺伝子に A554G のヘテロ接合性ミスセンス変異を認めた 拡張相肥大型心筋症でミトコンドリア遺伝子の異常を指摘された例はこれまでになく 新たな疾患概念となりうる一例であるので 考察を加えて報告する 03 冠静脈内からの心外膜アブレーションに Contact force が有効だった心室頻拍の一例 山形大学医学部付属病院第一内科 日本海総合病院循環器内科 3 青山医院 熊谷遊 有本貴範 岩山忠輝石垣大輔 青山浩 3 山浦玄斎大瀧陽一郎 和根崎真大 佐々木真太郎高橋大 宍戸哲郎 宮本卓也菅原重生 渡邉哲 久保田功 橋本直明 安藤薫 西山悟史 本田晋太郎 アブレーション (ABL) 中に局所の荷重状況を表示する contact force が臨床応用されている 持続性心室頻拍 (VT) で植え込み型除細動器 (ICD) 植え込みを受けた 65 歳男性 アミオダロン内服後も ICD 頻回作動のため ABL を施行した マッピングの結果 僧房弁輪 時方向が VT の起源と考えられた 心内膜側からは根治できず 冠静脈内にカテーテルを進めた 原因部位は冠静脈遠位でありバックアップ不良でカテーテルが進まなかった リアルタイムで表示される contact force の荷重方向を確認しながら ロングシースを冠静脈に深く進めて ABL カテを進めることができた 最早期興奮部位で心外膜側に荷重していることを確認し 通電により VT を停止できた 通電中だけでなく 細い冠静脈内に ABL カテを進める際にも contact force を応用した一例を経験した 05 着用型自動除細動器が有用であった心筋梗塞 心不全の 例 弘前大学医学部循環呼吸腎臓内科学講座 0 肺静脈閉塞を認めた強皮症肺高血圧の一症例 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 福島県立医科大学心臓病先進治療学講座 3 福島県立医科大学消化器 リウマチ膠原病内科学講座 4 福島県立医科大学病理病態診断学講座 大和田卓史 杉本浩一 及川雅啓国井浩行 中里和彦 鈴木均竹石恭知 小林浩子 3 4 橋本優子 義久精臣 斎藤修一 70 歳代女性 息切れ 失神にて当科入院 右心カテーテル検査による平均肺動脈圧は 38 mmhg 抗核抗体 80 倍 皮膚生検等から強皮症に伴う肺高血圧症と診断しシルデナフィルを開始した 右心不全増悪を認めたため エポプロステノール ( 最大 3 ng/kg/min まで漸増 ) ボセンタンを追加し 約 年間安定していたが 腹水 腎不全が出現し全身状態が悪化し 突然血圧低下し永眠となった 病理解剖で肺動脈の中膜肥厚とともに肺静脈側にも閉塞病変を認めた 肺静脈閉塞症の生前診断は困難なことが多く 肺静脈閉塞に対する肺血管拡張薬の位置付けは未だに定まっていない 本症例は肺静脈閉塞を伴う強皮症肺高血圧に対する肺血管拡張薬の多剤併用療法の効果を検証し さらに強皮症に伴う多彩な血管病変を知る上で貴重な症例と考えられたので報告する 04 失神を繰り返した心抑制型血管迷走神経性失神に自律神経節アブレーションが奏功した若年女性例 東北大学循環器内科学 豊橋ハートセンター循環器内科 佐竹洋之 福田浩二 中野誠 近藤正輝平野道基 瀬川将人 山城荒平 下川宏明 症例は 3 歳女性 幼児期にてんかんの既往 小学校 5 年生頃から頻回に失神を認め近医にて抗てんかん薬が再開 0 歳頃から主に精神的ストレス時に月 回程度の失神出現 H5 年 月当院てんかん科へ紹介となる 脳波検査中に意識消失 完全房室ブロックによる約 0 秒の心停止を認めた 立位負荷試験で完全房室ブロックが誘発され 心抑制型血管迷走神経性失神と診断した 心臓自律神経節の関与が考えられ 自律神経節アブレーションの方針となる 左房 右房内から高頻度刺激による vagal response を指標に自律神経節を同定し通電を施行 術後約半年間失神の再発なく経過している 本症の重症例は薬物療法に加え ペースメーカー植え込みも検討されるが 自律神経節アブレーションも治療の選択肢の一つとなる可能性がある 06 血管内超音波法と光干渉断層法の併用による病態別虚血性心疾患患者責任病変の評価 星総合病院循環器内科 小路祥紘 澁谷修司 米倉学 妹尾麻衣子大矢史惠 泉山圭 横山公章 山田雅大阿部直樹 富田泰史 樋熊拓未 佐々木真吾長内智宏 奥村謙 症例は 50 歳代男性 呼吸困難で発症し 7 時間後に他院より急性心筋梗塞の診断で搬送された 保存的療法中に心不全が増悪し 第 6 病日に IABP 挿入 経皮的冠動脈形成術を施行した 肺うっ血は改善傾向にあったが NYHA クラスの心不全症状が遷延し 低心機能 (EF8%) であったため 急性期以降に植込み型除細動器 (ICD) が考慮された 一般病棟に転棟後 着用型自動除細動器 (WCD) を装着し経過観察となった 第 9 病日夜間に初めて持続性心室頻拍が出現し ショック状態となったが WCD が作動し洞調律に復した 陰嚢膿瘍を認めたため WCD を継続して排膿術を施行 第 46 病日に ICD を植込んだ 本例は本邦初の WCD 作動例で ICD が考慮されるものの適応が未確定の場合 WCD はよい適応となると考えられた 安藤卓也 三浦英介 國分知樹 清水康博松井佑子 金子博智 坂本圭司 氏家勇一清野義胤 木島幹博 丸山幸夫 背景 IVUS と OCT は独自の利点と欠点を有する 目的 / 方法 我々は PCI 前に IVUS と OCT を施行した連続 76 症例を不安定狭心症患者 (UAP 群 ;4 病変 ) と安定狭心症患者 (SAP 群 ;34 病変 ) に分け Q-IVUS system で容量解析した後 両デバイスを併用して組織解析を施行した lipid-pool は OCT で lipid と判断した組織を IVUS で観察しより小さい組織を採用 また同組織において石灰所見なく IVUS での attenuation を伴う組織を IVUS/OCT-NC と定義した 結果 病変長 プラーク量 狭窄率等は両群間で差を認めず IVUS/OCT-NC は ACS 群で多く認め (6.9%vs35.3%;p=0.0) さらに OCT での線維性被膜厚は SAP 群で厚かった 結語 臨床での動脈硬化解明には現在 使用可能な血管内デバイスの特徴を把握したうえでの併用評価が期待される

33 07 糖尿病における心血管疾患発症リスクへの寄与 : 血圧の重要性 08 アナフィラキシーショックに伴う狭心症の頻度とそのリスク因子 岩手医科大学医学部内科学講座循環器内科分野 岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座 3 岩手医科大学医学部脳神経外科学講座 4 生活習慣病予防研究センター 5 岩手医科大学医学部内科学講座心血管 腎 内分泌内科分野 古味良亮 田中文隆 5 蒔田真司 5 大澤正樹小野田敏行 丹野高三 小笠原邦昭 3 坂田清美岡山明 4 森野禎浩 5 中村元行 目的 :DM に関連したアテローム硬化性心血管イベント (CVE) における血圧高値の寄与リスクを解析する 方法 :CVE 既往のない地域住民 (n=4,350) を研究参加時の血圧値にしたがって 正常血圧 (NT) 高血圧前症 (PHT) 高血圧症 (HT) に分類した 平均 5.5 年の追跡期間における DM 有無別の血圧カテゴリの CVE の相対ハザード比 (HR) をコックス回帰モデルを用いて解析した 結果 :DM 有無に関わらず 血圧カテゴリ上昇 (NT, PHT, HT) にしたがって CVE 発症の HR は上昇した ( 非 DM 群 ;,.5,.8: DM 群 ;,.59, 3.66) 一方 HR から算出された CVE 発症への人口寄与割合は 非 DM 群に比較して DM 群で高値であった ( 非 DM 群 :PHT 6.7%, HT 0.3%; DM 群 :PHT.5%, HT 4.%) 結論 :DM において血圧上昇の CVE 発症リスクへの寄与は非 DM に比較して明らかに高い 09 心不全患者における peripheral artery disease の検討 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 中村裕一 義久精臣 杉本浩一 八巻尚洋国井浩行 中里和彦 鈴木均 斎藤修一竹石恭知 心不全患者では peripheral artery disease (PAD) 合併の臨床的意義は明らかでない 心不全入院患者 388 名を対象に PAD 合併の有無により PAD 群 (n=0, 6.0%) と non-pad 群 (n=87, 74.0%) に分類し 両群間における患者背景 心エコー所見 心肺運動負荷検査 生命予後について比較検討した PAD 群は non-pad 群に比し 糖尿病 (P=0.04) 冠動脈疾患 (P=0.0) 脳血管疾患 (P=0.00) を多く合併し LVEF が低値 (P<0.00) peak VO<SUB></SUB> は低値 (P=0.00) VE/VCO<SUB></SUB> は高値 (P<0.00) であった 観察期間中 ( 平均 766 日 ) に PAD 群では non-pad 群に比較し心臓死 (P=0.003) 非心臓死 (P=0.06) 総死亡 (P<0.00) はいずれも高値であった 多変量解析では PAD は心臓死 (P=0.044) と総死亡 (P=0.06) の独立した危険因子であった PAD は心全患者において独立した危険因子である 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター循環器内科 高橋佳美 笠原信太郎 藤田央 山口展寛尾上紀子 石塚豪 篠崎毅 目的 アナフィラキシーショック (AS) が狭心症を誘発する頻度とそのリスク因子を解明する 方法 006 年 4 月 04 年 8 月に呼吸困難を伴う AS のため当院に入院した 例を対象とした 胸痛に ST 上昇を伴う症例と ECG 記録はないが典型的胸部圧迫感を訴える症例を狭心症と定義した 年齢 性別 高血圧 糖尿病 高脂血症 喫煙 アレルギー既往歴を説明変数とし 狭心症を目的変数としてロジスティック回帰分析を行った 結果 ST 上昇を示す冠攣縮性狭心症 4 名と典型的胸部圧迫感 3 例の計 7 例 (6.3%) の狭心症が発生していた 高脂血症だけが狭心症の有意なリスク因子であった ( オッズ比.7, 90%CI , p<0.05) 結論 AS 誘発性狭心症は少なくない その過半数は冠攣縮性であり 高脂血症はリスク因子である 0 慢性血栓塞栓性肺高血圧症における血小板活性化と線溶能低下の関与 東北大学循環器内科学 久留米大学心臓血管内科 3 東北大学加齢医学研究所基礎加齢分野 矢尾板信裕 福本義弘 杉村宏一郎 後岡広太郎 三浦正暢 青木竜男山本沙織 堀内久徳 3 下川宏明 佐藤公雄 建部俊介 背景 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH) で生じる肺動脈内器質化血栓の成因は未だ不明である CTEPH の病因に血小板の活性化と線溶能の低下が関与しているか検討した 方法 結果 非肺高血圧症患者 (9 人 ) 肺動脈性肺高血圧症患者 ( 人 ) CTEPH 患者 (7 人 ) を対象とした CTEPH 患者では tpa による全線溶能が低下していた CTEPH 患者では血小板が活性化しており 線溶能を低下させる血漿中 Thrombin Activated Fibrinolysis Inhibitor (TAFI) と血小板から放出される TAFI の抗原量は高値であり 経皮的肺動脈形成術後も変化しなかった TAFI 阻害薬または抗血小板薬にて CTEPH 患者の全線溶能が改善した 結語 CTEPH では血小板の活性化及び TAFI の増加により線溶能が低下しており これらが血栓形成の成因に関与している可能性が示唆された 心室頻拍を繰り返した左室緻密化障害 (LVNC) による重症心不全の一例 東北大学病院卒後研修センター 東北大学循環器内科学 3 東北大学病院病院高度救命救急センター 星陽介 鈴木秀明 青木竜男 杉村宏一郎 高橋潤 佐藤哲哉加賀谷豊 久志本成樹 3 下川宏明 羽尾清貴 3 3 藤田基生 6 歳男性 来院 40 分前 銭湯で突然胸痛を訴え暴れだし救急要請 来院時 HR 40/ 分の VT を認め 除細動後に PEA となったが蘇生され 低体温療法を導入し入院 この際心エコー上 心尖部を中心に緻密化障害を認め 左室緻密化障害 (LVNC) と診断した 来院 3 日目 復温後より強心 昇圧薬投与下でもショックを離脱出来ず 心臓カテーテル検査上 左右冠動脈に有意狭窄は無いが重症の大動脈弁狭窄症を認め IABP を挿入した その後徐々に血行動態は改善し IABP からも離脱出来たが 来院 6 日目に脈無し VT を発症し 除細動で蘇生されたが血行動態は再増悪した 来院 0 日目 再度 VT を発症したが復帰せず死亡した 本症例より LVNC における不整脈再発を予防する上で 心負荷軽減の重要性が示唆された 心不全治療経過中に多発塞栓症を発症し 外科的血栓除去術を要した左房内血栓症の一例 仙台市医療センター仙台オープン病院循環器内科 須田彬 瀧井暢 佐治賢哉 杉江正浪打成人 加藤敦 症例は 4 歳女性 000 年に心不全発症し近医にて入院加療となり 肥大型心筋症の診断となる 以降前医にて内服加療となっていたが 04 年 7 月呼吸困難にて当科受診となった 同日心不全として当科入院 フロセミド内服に加えトルバプタン内服を開始した 入院時には明らかな左房内血栓を認めなかった 入院後第 7 病日に腹痛 右下肢痛を自覚 造影 CT 上は右腎動脈塞栓と右総腸骨動脈閉塞を認めた また心エコー上左房内に長径約 3cm 大の血栓像を認め 当院心臓血管外科にて同日左房内血栓除去術 右総腸骨動脈血栓除去術施行となる 摘出された左房内血栓の病理組織学所見からは血栓形成の原因として左心耳内粘液種の可能性も示唆された 今回心不全加療中に比較的早く形成されたと考えられる左房内血栓の症例を経験したので報告する

34 3 Torsades de pointes を発症した心不全の管理にトルバプタンが有効だった一例 秋田厚生医療センター 秋田大学大学院医学研究科循環器内科学 呼吸器内科学 加藤宗 庄司亮 阿部元 松岡悟田村芳一 齊藤崇 伊藤宏 症例は 76 歳女性 呼吸苦を主訴に受診 心不全の診断で入院 QT 延長しており 血清カリウム値も 3.8mEq/L と低値で カリウム製剤の補充下でループ利尿薬およびカルペリチド投与を開始 第 病日に多量の利尿があり 同日 torsades de pointes を発症した 発症時の血清カリウム値が 3.3mEq/L とさらに低値となり ループ利尿薬による電解質異常が主因と考えられた 第 3 病日よりトルバプタンの併用を開始し ループ利尿薬を減量した結果 血清カリウム値は正常範囲内で推移し torsades de pointes を発症せず経過 利尿も良好であり 速やかに胸水 肺うっ血の改善が見られた QT 延長を有し 低カリウム血症が致死性不整脈を招き得る心不全患者において 少量のループ利尿薬にトルバプタンを併用することで電解質管理が奏功した一例を経験した 4 乳癌術後化学療法中に心不全を発症し 両心室内に血栓を疑う腫瘤を認め 新規経口抗凝固薬にて治療した一例 山形県立中央病院 山口祐樹 菊地翼 天水宏和 井汲陽祐渡部賢 大道寺飛雄馬 加藤重彦 高橋克明玉田芳明 福井昭男 矢作友保 松井幹之後藤敏和 症例 79 歳女性 主訴 咳 息切れ 既往歴 再生不良性貧血 乳癌 糖尿病 現病歴 上記主訴に加え行動異常や軽度意識レベルの低下が出現し 当院を受診し心不全と診断し当科に入院した 入院後経過 心エコーでは全周性の壁運動低下と 両心室内に腫瘤を認めた CT では腎梗塞を MRI では脳梗塞の所見を認めた 心不全の原因はハーセプチンによる心毒性が疑われ 心不全治療により症状は軽快した 腫瘤については D-dimer の上昇から血栓を疑い ヘパリン治療後にアピキサバン内服へ切り替え抗凝固療法を行ったところ腫瘤は消失した 入院中に心房細動は認めず 悪性腫瘍に関しては治癒が得られており またプロテイン C, S 欠損症や抗リン脂質抗体症候群は否定的であった 両心室内に血栓を認める例は稀と思われ報告する 5 左室収縮能が保たれた心不全患者における予後の性差について CHART- 研究より 東北大学循環器内科学 6 Valsalva 洞限局急性大動脈解離が左主幹部を巻き込み急性冠症候群を併発した一例 山形大学医学部第一内科 辻薫菜子 坂田泰彦 三浦正暢 宮田後岡広太郎 但木壮一郎 牛込亮一 山内佐藤謙二郎 小野瀬剛生 阿部瑠璃 高橋下川宏明 敏毅潤 背景 ; 左室収縮能が保たれている心不全患者の予後について性差に関する報告は少ない 方法 ;CHART- 研究に登録された患者 (N=0,9 平均年齢 69.4 歳 女性 34.7%) のうち EF 50% の患者 (N=3,4) について予後の性差に関する検討を行った 結果 ; 女性患者は男性患者に比べより高齢で NYHA クラスが高く BNP が高い傾向であった 平均 3. 年間の追跡期間中 全体で 39 人 (.5%) が死亡した 男女間で全死亡率に差を認めなかったが 補正因子を加えたところ 女性患者では男性患者に比べて有意に死亡率が低かった また 女性患者は男性患者に比べて心血管死の割合が高い傾向であった 結論 ; 左室収縮能が保たれた心不全患者のうち全死亡率では男女間の差を認めなかったが 女性患者ではより心不全の重症度が高く 心血管死が多いことがわかった 7 大動脈基部拡大から診断されたターナー症候群の 手術例 安藤薫 宮本卓也 熊谷遊 橋本直明石垣大輔 山浦玄斎 大瀧陽一郎 和根崎真大舟山哲 佐々木真太郎 岩山忠輝 西山悟史有本貴範 高橋大 宍戸哲郎 渡邉哲 久保田功症例は 57 歳 男性 胸背部痛を主訴に当院へ搬送された 来院時 血圧 60 台のショック状態に加え 肺水腫から低酸素血症を呈していた 心電図は左脚ブロックを呈しており 心エコーでは全周性の壁運動低下を認めた 胸部 CT と冠動脈造影検査の結果 左冠尖に限局した大動脈解離を認めた 大動脈解離から心筋虚血を生じたと考え緊急手術を行った 術中所見では LMT から mm 頭側の valsalva 洞に限局した大動脈解離を認めた Bentall 手術を施行したが 術後は徐々に多臓器不全が進行し 第 5 病日に永眠された Valsalva 洞に限局した大動脈解離は非常に稀ではあるが ときに致死的となる 外科手術までの間の冠血流維持が重要であり ステント留置や perfusion balloon なども考慮されるが 一定の見解は得られていないのが現状である 8 急性大動脈解離にて入院後 冠攣縮性狭心症を発症した一例 岩手県立中央病院心臓血管外科 松尾諭志 小田克彦 鷹谷紘樹 吉岡一朗長嶺進 市立秋田総合病院循環器科 きびら内科クリニック 3 秋田大学大学院医学系研究科循環器内科学 呼吸器内科学 木村友昌 柴原 徹 池田 研 中川正康 鬼平 聡 伊藤 3 宏 藤原敏弥 症例は 45 歳女性 身長 44cm 体重 43kg 肺炎で入院した際の心エコーにて大動脈弁閉鎖不全症を指摘され 当科に紹介となった CT で大動脈弁輪拡張症を認めたため 大動脈基部置換術を行った 大動脈弁は 尖弁だった 術翌日に抜管 術 3 病日に ICU 退室した 術後の CT 心エコーでは冠動脈の kinking など 異常を認めなかった 合併症もなく 術 8 病日に退院した 本症例は大動脈弁輪拡張症に加えて 若年 低身長 原発性無月経であったことからターナー症候群を疑い 術前に染色体検査を行い 45X/46XY のモザイク型ターナー症候群の診断と確定した ターナー症候群は大動脈基部拡張を発症しやすく 破裂のリスクが高いため 早期発見 治療が重要となる 若干の文献的考察を加え 報告する 70 歳代男性 DeBakeyIIIa の大動脈解離にて入院 ニカルジピン持続静注と β 遮断薬 ARB の内服を開始 血圧良好のため第 4 病日にニカルジピンを中止した 第 5 病日朝に胸痛出現 心電図では II III avf で ST 上昇と完全房室ブロックを認めた CT では大動脈解離の冠動脈への波及は否定的と考えられたため 冠動脈造影を施行した 左右冠動脈には異常を認めず 冠攣縮によるイベントと判断した β 遮断薬を中止し Ca 拮抗薬とニコランジルを追加した その後も狭心症発作を繰り返したため 硝酸薬の追加 Ca 拮抗薬の併用を行い 発作は消失した BMIPP 心筋シンチグラフィでは下壁の虚血を認めた 入院前には狭心症発作はなく 冠攣縮の発症に β 遮断薬投与や偽腔の血栓化等の関与が疑われた

35 9 動脈硬化の著しい弓部大動脈瘤に対して J graft OPEN STENT GRAFT を用いた全弓部置換術の一例 会津竹田総合病院 齋藤正博 川島 大 J graft OPEN STENT GRAFT は国内初のオープンステントグラフトであり 末梢側吻合を簡略化でき 左開胸や反回神経損傷のリスクを軽減させ 術後呼吸不全などのリスクを軽減できる 症例は 78 歳男性 肺炎加療中の CT 検査にて 50mm の遠位弓部大動脈瘤を指摘された 動脈硬化の著しい弓部 3 分枝の近傍に位置し また 弓部や瘤近傍も同様の所見及び全周性の soft plaque を認めた また糖尿病や 肺炎治療に長期間を要した既往から 左開胸を絶対的に回避すべく オープンステント法による全弓部置換術を選択した 弓部大動脈が shaggy aorta であっても 循環停止直前に頚部分枝を結紮 順行性脳灌流を確立させ その上で弓部大動脈の操作を施行することで脳塞栓の予防に努めた 同手術法は可及的に左開胸を回避したい場合に有効であると考えている 左上腕動脈閉塞病変に経皮的動脈形成術を施行した IgG4 関連疾患の一例 山形県立中央病院 0 血管内超音波検査が診断に有用だった左膝窩動脈外膜嚢腫に対して 自家静脈グラフト置換術を施行した一例 公立置賜総合病院 山形大学医学部第ニ外科 3 山形大学医学部病理診断学講座 4 山形大学医学部第一内科 新関武史 鈴木智隆 石野光則 山内 聡 山下 淳 樺澤崇允 山川光徳 3 池野栄一郎 4 久保田功 北原辰郎 3 貞弘光章 80 歳男性 Rt.EIA CTO に対し EVT 後の症例 左下肢の間歇性跛行が出現し当院を受診 ABI の低下を認め左下肢動脈造影を行った結果 左膝窩動脈に表面平滑な圧排所見を認めた 血管内超音波検査上 動脈硬化病変は無く 血管外から圧排する嚢腫性病変を認め 血管内治療では十分な効果が得られないと考えた 下肢動脈 MRI にて 嚢腫が膝窩動脈周囲を花弁状に取り囲み圧排する所見を認めた為 膝窩動脈外膜嚢腫と診断した エコーガイド下に穿刺吸引を行い一時的に ABI と症状の改善を得られたが 再び 症状の悪化と嚢腫の再燃を認めた為 自家静脈グラフト置換術を行った 膝窩動脈外膜嚢腫は稀な疾患であり報告例も非常に少ない 今回 ASO に合併していた事もあり診断に苦慮した膝窩動脈外膜嚢腫の一例を経験したので 文献的考察を加え報告する 右房分界稜起源心房頻拍により頻拍誘発性心筋症を呈した一例 東北大学循環器内科学 渡部 賢 福井昭男 天水宏和 井汲陽祐 菊地 翼 大道寺飛雄馬 加藤重彦 高橋克明 玉田芳明 松井幹之 矢作友保 後藤敏和 症例は 70 代女性 3 ヶ月前から左手の冷感 重苦感を自覚 左橈骨動脈が触知不良であり当科紹介となった CT では左上腕動脈は閉塞し 広範囲に大動脈外膜周囲病変を認めた IgG4 が 354mg/dL と著明に高値であり 画像診断とあわせて IgG4 関連血管炎と考えた プレドニゾロンを 30mg より開始 炎症マーカーを指標に 5mg まで減量した フォローアップ CT で大動脈外膜周囲病変は消失しており 左上腕動脈閉塞病変に対して経皮的動脈ステント留置術を施行した IgG4 関連疾患は臓器の腫大 炎症 組織の繊維化を来す全身疾患として注目され 大血管病変を合併することは知られているが 本症例のように上腕動脈という比較的末梢動脈病変で さらに経皮的動脈形成術を施行したレポートはなく ここに報告する 近藤正輝 福田浩二 中野誠 佐竹洋之瀬川将人 平野道基 下川宏明 症例は 58 歳女性 平成 5 年秋ごろから動悸を自覚し徐々に下腿浮腫が出現したという 平成 6 年 4 月上旬 呼吸困難のため前医へ救急搬送 起坐呼吸の状態で HR 00bpm 台の narrow QRS tachycardia を認めた DC 施行も頻拍は停止せず アミオダロン内服およびカテコラミンによる治療が開始 第 3 病日に洞調律へ復帰し 加療目的に当科へ転院となった 心臓 MRI では LVEF 33% と低下しているものの 明らかな遅延造影像は認めず 頻拍誘発性心筋症の関与を考えアブレーションを施行した HR 0bpm の頻拍が誘発され 右房分界稜起源心房頻拍と診断 最早期興奮部位への通電で頻拍は停止し 頻拍誘発不能となった 術後 カ月後の心エコーでは EF 59% と心機能は改善した 右房分界稜起源心房頻拍により頻拍誘発性心筋症を呈した一例を経験した 3 糖尿病性腎症に合併した左房前壁天井側に存在する瘢痕を旋回した心房頻拍の一例 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 4 下垂体腫瘍摘出術の全身麻酔導入後に副腎不全を発症し心停止に至った一例 国立病院機構仙台医療センター 肱岡奈保子 上岡正志 金城貴士 神山美之小林淳 中里和彦 鈴木均 斎藤修一竹石恭知 糖尿病と腎機能障害はそれぞれが心房筋の線維化を促進するが 機械的ストレスの影響については不明な点が多い 今回 我々は糖尿病性腎症に合併した左心房前壁の瘢痕組織を旋回する心房頻拍を経験したので報告する 患者は 65 歳男性で糖尿病性腎症にて透析治療を受けていた 年前から心房頻拍を認め 当院へ紹介となった 頻拍レートは 90msec であり マッピングにて天井に slow conduction area を認め 前壁瘢痕組織を旋回するリエントリー性頻拍であった 本患者では 瘢痕組織は上行大動脈と 低電位領域は肺動脈との解剖学的距離が近く この機械的ストレスと糖尿病及び続発した腎機能障害が心房の線維化を促進したと想定される 左心房に接する解剖学的構造物もアブレーションストラテジーの構築のため考慮すべきことが示唆された 笠原信太郎 藤田央 山口展寛 尾上紀子石塚豪 篠崎毅 66 歳男性 下垂体腺腫に対して経鼻的下垂体腫瘍摘出術が予定されていた 手術前日と当日朝にヒドロコルチゾロン 00mg を投与した後に全身麻酔を導入した 執刀開始直前に突然 多形性心室頻拍が発生した 直流除細動やアドレナリンを繰り返し使用しても洞調律に復帰しなかった その後 メチルプレドニゾロン 0mg を投与し CPR が成功し心拍再開となった 直ちに緊急心臓カテーテル検査を行ったが 冠動脈に有意狭窄はなく 左室造影からたこつぼ型心筋症と診断した 人工呼吸管理下に治療を行い 日後に抜管した 全身状態改善後にデキサメタゾンを継続投与したところ 労作時息切れが著減した 潜在的な副腎不全が麻酔導入をきっかけに顕在化し たこつぼ型心筋症が誘発され致死的不整脈の発生に関与したと考えられた

36 5 左脚前枝領域 ILVT と左室後壁ケント束への RFCA 施行 3 日後に完全房室ブロックとなった 例 大崎市民病院循環器内科 いわき市立総合磐城共立病院循環器内科 岩渕薫 高橋望 及川卓也長谷部雄飛 佐藤雅之 深澤恭之朗竹内雅治 平本哲也 戸田直 矢作浩一 50 歳代男性 - 年前より農作業時に動悸を感じることがあった 04 年 8 月 4 日飲酒後 動悸 吐気あり 翌日近医受診 Wide QRS tachycardia であり 当科紹介受診 ATP ワソラン リドカイン静注では 停止せず DC にて 洞調律復帰 左脚前枝領域起源の ILVT と診断 9/ ILVT への RFCA を施行 経動脈アプローチにて 左脚前枝に通電し VT 誘発不能となった この際 SVT も出現したため CS 電極カテを挿入し 左室後壁ケント束と診断 経動脈的に同部位へ通電を追加し ケント束の切断に成功 術直後に 度房室ブロックを認めた 術後 3 日目に完全房室ブロックとなった 失神などの自覚症状を認めなかったが 週間程でめまいを生じた 術後 日目にモニター上 度房室ブロックへ回復 ブロックの回復とともに自覚症状は消失した 6 左脚脚枝近位部から出現した 種類の心室性期外収縮に対しアブレーションが奏功した一例 仙台市立病院循環器内科 佐藤英二 八木哲夫 石田明彦 三引義明山科順裕 佐藤弘和 中川孝 小松寿里滑川明男 症例は 4 歳男性 5 歳時に心室性期外収縮 (PVC) を指摘された PVC は右脚ブロック下方軸 (PVC) 右脚ブロック上方軸 (PVC) の 種類が混在して頻発 4 時間心電図では最大 3 連 日総心拍数のうち約 0% の終日型 PVC を認めた 運動負荷試験では 洞レート上昇により PVC は抑制されることから経過観察されていた アブレーション時は PVC PVC が頻発 PVC は左脚前枝近位部にて PVC に 0ms 先行する心室波を認め 同部位で perfect pace map が得られ 通電により PVC の消失が得られた PVC は左脚後枝近位部にて 0ms 先行する心室波が得られ 同部位での通電にて PVC の消失が得られた 両 PVC の焼灼部位は洞調律中に Purkinje 電位が記録されており 左脚前枝 後枝近位部を起源とする 種類の PVC が同時に認められた稀な症例と考えられ報告する 7 Prepotential を指標にしたアブレーションにより根治した陳旧性心筋梗塞 頻発性心室期外収縮の一例 仙台市立病院循環器内科 8 難治性心室頻拍に対し経心房中隔アプローチによるアブレーションが有用であった高齢肥大型心筋症の一例 弘前大学医学部循環呼吸腎臓内科学講座 小松寿里 石田明彦 滑川明男 三引義明山科順裕 佐藤弘和 中川孝 佐藤英二八木哲夫 症例は 46 才男性 36 才時に急性心筋梗塞で右冠動脈に対するステント植え込み後, 内服治療中 約 年前より動悸を自覚, 左脚ブロック, 上方軸型の心室期外収縮 (PVC) を認めた ホルター心電図では終日型, 総心拍数の 30% の PVC を認めアブレーションの目的で紹介となった PVC の早期性によりマッピング, 最早期は右心室中隔側の心基部で,PVC 時には QRS に先行する prepotential を認め, 同部に対する通電で PVC は消失した 約 時間後に波形の異なる PVC が再発, 最早期は右室中隔で, 同様に PVC に先行する prepotential が記録されたが同部では洞調律時にヒス束電位が記録されたため, 最早期部位のわずかに心室側で通電を施行し PVC は消失した 陳旧性心筋梗塞でプルキンエ組織の関与が疑われる心室性不整脈を右心室から根治し得た希な 例として報告する 成田真人 堀内大輔 金城貴彦 伊藤太平佐々木憲一 木村正臣 佐々木真吾 奥村謙 肥大型心筋症 (HCM) に心室頻拍 (VT) を伴った 80 歳代男性で 005 年に ICD が植込まれた 本年 6 月胸部不快感が出現 右脚ブロック型 + 下方軸の VT が確認された アミオダロン ランジオロール投与で洞調律となったが 再発したためカテーテルアブレーション (CA) を施行した activation map では右室流出路下部中隔側起源の focal pattern を認めた CA により VT は停止し 誘発不能となったが か月後の定期外来で再発を認めた 左室起源が疑われ 心房中隔アプローチにて mapping し 左室流出路中隔側起源 VT と診断された 同部位への CA により VT は誘発不能となり 以後再発なく経過している 高齢の心室中隔起源 VT で 経心房中隔左室アプローチによる CA は有効で安全と考えられた 9 経心房中隔アプローチが有効だった大動脈弁置換および僧帽弁形成術後の流出路起源心室頻拍の 例 いわき市立総合磐城共立病院循環器内科 長谷部雄飛 戸田直 野木正道 江口久美子二瓶太郎 塙健一郎 高木祐介 湊谷豊山本義人 杉正文 症例は 77 歳男性 66 歳時に 大動脈弁置換 ( 生体弁 ) および僧帽弁形成術を受けた 75 歳より維持透析 平成 6 年 7 月某日 透析中に動悸が出現し 心室頻拍が認められ当院紹介となる リドカイン持続点滴開始後も 流出路起源と考えられる NSVT( 下方軸 左脚ブロック型 移行帯 V3-4) を繰り返したため カテーテルアブレーションを施行 PVC は頻発しており 右室をマッピングすると中隔側基部が最早期興奮部位であった 同部位の通電では 30 秒以上かかり PVC は消失するものの再発を認めた 経心房中隔アプローチにより左室流出路をマッピングすると 右室通電部位の対側にあたる箇所において PVC から 40msec 先行する電位を認め 通電直後に PVC は消失した 成功通電部位は本来の大動脈弁無冠尖に当たる部位と考えられた 文献的考察を加え報告する 30 左室後壁の瘤形成が関与すると考えられた頻脈性心室性不整脈の 症例 福島県立医科大学会津医療センター循環器内科 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 星野弘尊 鶴谷善夫 玉川和亮 金城貴士鈴木均 竹石恭知 左心室後壁の瘤形成が心室頻拍の発症に関与したと考えられる 症例を報告する 症例 6 歳男性 心室頻拍 ( 右脚ブロック 下方軸型 ) 精査加療目的で紹介 心エコー 左室造影で後壁の瘤状所見を認めた 冠動脈左右正常 心筋生検で特異所見なし MRI で遅延後造影所見なし 血行動態の保たれる心室頻拍だったが アミオダロンと植込み型除細動器治療を行った 症例 74 歳男性 糖尿病 高血圧で加療中 繰り返す失神あり ホルター心電図で Torsades de pointes を認めた 心エコー 左室造影で後壁に瘤形成を認めた 冠動脈有意狭窄なく 生検実施せず EPS で心室頻拍 ( 右脚ブロック 下方軸型 ) が誘発され 失神した アミオダロンと植込み型除細動器治療行った 症例とも 瘤形成の原疾患は特定困難であった

37 3 5F アブレーションカテーテルが有効だった CRT-D 植え込み後の心外膜起源心室頻拍の 例 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 3 心外膜側起源の心室頻拍が疑われたが 心内膜側からの焼灼が有効であった心サルコイドーシスの一例 弘前大学医学部循環呼吸腎臓内科学講座 野寺穣 神山美之 大和田卓史 阿部諭史上岡正志 金城貴士 国井浩行 鈴木均斎藤修一 竹石恭知 症例は 70 歳代 男性 陳旧性心筋梗塞を基礎心疾患とした心室頻拍と心不全のために CRT-D 植え込み後で加療中であったが 平成 6 年 6 月に VT による頻回作動のために当科入院となった マッピングを施行したところ 頻発する VT の最早期興奮部位は冠静脈洞から挿入した電極カテーテルから得られた左室前側壁で心外膜起源と考えられた ペースマップも一致したが 左室リード植え込み後のために irrigation カテーテルは最早期部位まで留置が困難であったが 5F アブレーションカテーテルを用いることで最早期部位での通電に成功し VT は誘発不能となった 今回 5F アブレーションカテーテルが有効だった CRT-D 植え込み後の心外膜起源心室頻拍の 例を経験したので報告する 妹尾麻衣子 堀内大輔 金城貴彦 伊藤太平佐々木憲一 木村正臣 佐々木真吾 奥村謙 67 歳女性 心サルコイドーシス ( 左室駆出率 %) に対し CRT-D 埋込み後 薬物治療抵抗性の右脚ブロック型 + 下方軸の単形性持続性心室頻拍 (VT) が incessant に出現しカテーテルアブレーションを施行 VT の QRS 起始部に幅が 60ms のデルタ波様興奮を認め 心外膜起源が疑われた Activation map は左室前壁心基部を最早期 (EAS) とする focal pattern で 経大動脈的に通電 誘発不能となったが ヶ月後に再発した 再セッションで EAS は初回と同様で 心腔内エコー (ICE) で壁の菲薄化を認めた 洞調律時に同部位からの高出力ペーシングで perfect map が得られ 経心房中隔的に contact force(cf) を用い 5 0g で通電 頻拍は誘発不能となった 心外膜起源 VT は心内膜アプローチでは治療困難であるが ICE と CF ガイド下に心内膜側から焼灼可能であった 33 心室細動発作を反復する Brugada 症候群症例に対し カテーテルアブレーションが有効であった一例 東北大学循環器内科学 34 虚血性心疾患に対して着用型自動除細動器 (WCD) を使用した一例 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 中野誠 福田浩二 近藤正輝 佐竹洋之瀬川将人 平野道基 千葉貴彦 下川宏明 症例は既往歴 家族歴に特記事項のない 歳男性 03 年 7 月夕食後テレビ鑑賞中に心肺停止 救急隊の AED 上 VF を認め 計 4 回の除細動にて心拍再開 心電図上 type Brugada 波形 冠動脈造影では有意狭窄を認めず 冠攣縮誘発試験も陰性 EPS では PVS 連刺激で容易に VF が誘発 Brugada 症候群の診断で ICD 植え込み術を施行 外来経過中 9 か月で 8 回の ICD 適切作動を認めた 薬物療法は VF 抑制に無効 ICD 作動後に認めた PVC( 左脚ブロック 下方軸 ) を指標に RFCA 施行 RVOT 前壁にて良好な pacemap と delayed potential 側壁には split した電位を認め これらを指標に通電後 VF 誘発性が明らかに低下 治療後 4 か月間 ICD 作動を認めていない 心室細動発作を反復する Brugada 症候群症例に対し RFCA が有効であった一例を経験したので報告する 松本善幸 八巻尚洋 鈴木聡 及川雅啓鈴木均 斎藤修一 竹石恭知 症例は 60 歳男性 職場で意識消失し救急要請され Bystander CPR が開始された 救急隊到着時 心室細動が確認され AED にて除細動後当院へ搬送された 心電図上 V-V3 で QS pattern で心エコー上 EF は 8% だった 緊急心臓カテーテル検査では 左前下行枝 #6 の完全閉塞を認め PCI を施行した その後徐々に心機能の改善は認められたが 心室細動の原因としては 陳旧性心筋梗塞による可能性も否定できなかった そこで 着用型自動除細動器 (WCD) を使用し退院とした 以後 3 ヶ月間致死性不整脈の出現なく EF は 5% となり ICD 植え込みをせず外来経過観察中である 本年本邦においても WCD が使用可能となり その適応を考える上で興味深い症例と思われたので報告した 35 心室頻拍が上室性頻拍と誤認識され抗頻拍ペーシング治療が行われなかった ICD 植込み患者の 例 秋田県成人病医療センター循環器科 秋田大学大学院医学系研究科循環器内科学 呼吸器内科学 田代晴生 寺田健 阿部芳久 小武海雄介佐藤匡也 門脇謙 伊藤宏 36 循環器クリニックにおける施設設置型遠隔モニタリング ( ケアリンク エクスプレス ) を用いたペースメーカ管理 若山医院内科 循環器内科 東北労災病院循環器内科 3 東北大学循環器内科学 若山裕司 加藤浩 福田浩二 3 3 下川宏明 症例は 68 歳男性.006 年に心室頻拍, 高度房室ブロック, 肥大型心筋症のため植込み型除細動器 (ICD) 植込み術を施行. 経過中に慢性心房細動となり VVIR 60 の設定. 定期の ICD クリニックで心室頻拍の記録を認めたが, 高度房室ブロックのある症例にも関わらず上室性頻拍と誤認識されていた. 心拍数は設定した治療域にあったが抗頻拍ペーシングは行われていなかった. 今回の心室頻拍が心房細動の識別アルゴリズム ( 心室周期長の中央値が SVT Limit と TDI 間にある, 心室周期長が不規則, 心房レートが心室レート以上, 心房リズムが心房細動の特徴と合致 ) を満たしたことから生じた現象であった. 本症例では心室頻拍が自然に停止し有害事象には至らなかったが, 当該事象には留意すべきであると考えられた. 背景 ケアリンク エクスプレス (CE) は Medtronic 社遠隔モニタリング (RM)network を用いた施設設置型デバイス検査システムである 医院に設置された通信機器にてデバイス自動診断結果を抽出 送信し 即座に Web 上で閲覧可能である 当院における有用性を検討した 方法 当院通院中の Medtronic デバイス患者 3 例を検討した 結果 3 例中 例で医院受診時に CE によるデバイスチェック歴を認め うち 3 例は自宅での RM の使用歴があった 高齢者 3 例は希望にて自宅 RM を中止 来院時 CE でのデバイスチェックのみ継続とした 結語 CE は受診予約不要で簡便デバイスチェックが可能であり 医院でのデバイス管理に有用であった その反面 データ解釈は専門的知識が必要であり 緊急時の高位医療機関との連携も重要であると思われた

38 37 遷延性意識障害を生じた高齢患者の原因精査に長時間ホルター心電図が有用であった一例 岩手県立中央病院循環器科 高橋慧 遠藤秀晃 大浦翔子 門間雄斗神津克也 池田尚平 野田一樹 中嶋壮太高橋徹 中村明浩 野崎英二 背景 高齢者の失神は診断困難な症例がある 心原性失神が疑われ EPS を含めた精査でも原因が判明しなかったが 退院後の長時間心電図にて診断しえた一例を報告する 症例 80 代男性 現病歴 入院 ヶ月前から 4 回の失神発作を生じていたが受診しなかった 農作業中に意識消失し救急搬送となった 来院時 JCS00 全脳虚血後の遷延性意識障害の診断で入院となり 数日経過で意識レベル完全回復した 循環動態の破綻が第一に考えられ EPS を含めた基礎心疾患精査を施行したが異常所見は得られなかった 症状が重篤であり発作頻度も高いため 外来にて長時間ホルター心電図検査を施行したところ 9 秒の洞停止が記録され意識消失の原因と考えられた ペースメーカの植え込みを施行し 経過良好である 38 偽性アルドステロン症により多形性心室頻拍を発症した一症例 福島県立医科大学循環器 血液内科学講座 枡記念病院循環器科 君島勇輔 杉本浩一 金城貴士比佐新一 鈴木均 齋藤修一 坂本信雄 竹石恭知 症例は 80 歳代男性 発作性心房細動 高血圧症のため近医通院中 転倒のため整形外科に入院した 入院後 意識消失し モニター上 多型性心室頻拍を認めた 除細動後 加療目的に当院転院 入院時著名な低カリウム血症 (.8mEq/l) と低マグネシウム血症 (.meq/l) QT 延長 (QTc 640msec) を認めた 芍薬甘草湯を 5g/ 日で内服しており レニン アルドステロンは検出感度以下に低下しており これによる偽性アルドステロン症と診断 電解質補正 抗アルドステロン薬を開始後 カリウム マグネシウムは正常範囲となり QT 間隔も正常化した その後は心室頻拍の再発を認めず退院 今回 我々は芍薬甘草湯による偽性アルドステロン症に心室頻拍を合併した症例を経験したため文献的考察を加えて報告する 39 pacing rate の設定変更により心不全の改善を認めた心アミロイドーシスの 例 山形県酒田市病院機構日本海総合病院循環器内科 40 心室頻拍と房室ブロックで発症した心サルコイドーシス臨床診断群の一例 東北大学循環器内科学 後藤準 近江晃樹 豊島拓 本田晋太郎禰津俊介 菊地彰洋 桐林伸幸 菅原重生 症例は 70 歳代男性 00 年より慢性心不全で入退院を繰り返している 0 年に心アミロイドーシスと診断され 03 年に完全房室ブロックに対し DDD ペースメーカー植え込み術を施行した 04 年 8 月中旬に心不全の増悪を認め入院となった 入院後トルバプタンを増量したが 心不全の改善は認められなかった 心エコー検査では左室収縮能は保持されるものの肺高血圧所見を認め BNP は 49 pg/ml と上昇していた 電気的速度測定法によるモニター下に至適 pacing rate の設定を試み 60 bpm から 80 bpm に上げたところで CI.5 l/min/m<sup></sup> から.3 l/min/m<sup></sup> に増加を認めた その後早期に尿量は増加し体重減少を認め 自覚症状も著明に改善し BNP も 48 pg/ml と低下した 心不全治療における至適心拍数の設定の重要性を再認識させられた症例として報告する 瀬川将人 福田浩二 中野誠 近藤正輝佐竹洋之 平野道基 下川宏明 症例 47 歳, 男性 主訴 動悸 現病歴 生来健康の 47 歳男性 平成 5 年 月頃から徐々に労作時息切れが増悪 同年 月 日動悸症状を認め近医受診し 心電図にて心室頻拍が記録されたため某総合病院緊急搬送となった 同院で除細動が行われたところ著明な 度房室ブロックを認めた その後当院へ精査加療目的に転院 完全房室ブロックに移行し緊急 ICD 植え込みを行った 多彩な不整脈を呈していたことから心サルコイドーシスの存在が疑われた ツベルクリン反応陰性および BAL で CD4/8 の上昇あり 心筋生検からは特異的な所見は得られず組織的な証明は行えなかったが FDG-PET で左室中隔およびリンパ節への集積及び MIBI シンチで同部位の血流低下もあったことから 心サルコイドーシス臨床診断群と診断し現在免疫抑制療法を行っている 4 在宅訪問患者の予後に対する心疾患既往の影響 医療法人社団仁明会齋藤病院 盛田真樹 [ 目的 ] 在宅訪問診療患者の心疾患既往の予後への影響を検討した [ 対象と方法 ] 在宅訪問診療患者 3 名 平均年齢 83 歳 平均フォローアップ期間 3.4 年 女性 65% を心疾患の既往有りの C 群 33 名と心疾患の既往の明らかでない N 群 98 名にわけて 予後を検討した [ 結果 ]MACCE は C 群 33.3% N 群.3% (χ =0., p =0.004), MACCE と非心血管イベントを合わせた全イベントは C 群.6% N 群 0.6% (χ =4.7, p =0.09), 死亡は C 群 8.8% N 群.6% (χ =0.45, p =0.50) であった PAD 患者数は C 群 6.3% N 群 38.8% (χ =5.40, p =0.00) であったが 他の患者の ADL, 身体所見 検査データについては両群で差はない [ 結語 ] 心疾患既往の在宅訪問診療患者では経過中 MACCE 及び全イベントが有意に多かったが 死亡には影響しなかった 4 心血管疾患患者における東日本大震災後の心的外傷後ストレス障害とその予後に及ぼす影響 -CHART- 研究から - 東北大学循環器内科学 東北大学循環器 EBM 開発学 小野瀬剛生 坂田泰彦 宮田 敏 但木壮一郎 牛込亮一 山内 毅 辻薫菜子 後岡広太郎 高橋 潤 三浦正暢 佐藤謙二郎 下川宏明 目的 第二次東北心不全登録研究 (CHART- 研究, N=09) に登録された慢性心不全およびそのハイリスク症例における 東日本大震災後の心的外傷後ストレス障害 (PTSD) が予後に及ぼす影響を検討する <BR> 方法 結果 0 年のアンケート調査により 699 例 (.9%) が PTSD(IES-R 5 点以上 ) を有していた 年間の追跡調査期間中の複合イベント発生率は PTSD 有群では 6.5% 無群では.6% であり (p=0.04) PTSD は独立した予後規定因子であった ( 背景で調整後のハザード比.0) また PTSD の発症因子として男性では年齢および地震や津波の被害 経済的困窮が 女性では睡眠薬内服が関与していた <BR> 結論 PTSD は慢性心不全およびそのハイリスク症例に対して独立した予後増悪因子であることが示唆された

39 43 HIT 抗体が陰性であったヘパリン起因性血小板減少症の一例 竹田綜合病院循環器内科 44 進行性の腎機能障害を伴った機能的片腎の腎動脈狭窄に対して経皮的腎動脈形成術が有効であった 症例 太田綜合病院附属太田西ノ内病院 野沢永貴 伊藤智志 越膳航平 佐藤真美清田寛 症例は 63 歳男性 当院呼吸器科で肺炎の治療中に 心機能および壁運動の低下を指摘され当科を紹介された 入院第 病日に多発性脳梗塞を発症しヘパリンの投与が開始された 入院第 病日 適切な抗凝固療法が行われているにも関わらず 脾梗塞と両側腎梗塞 および左室内血栓の急速な増大と僧帽弁逆流の増悪が同時にかつ進行性に認められた ヘパリン起因性血小板減少症 ( 以下 HIT) が疑われ 治療薬をアルガトロバンに変更したところ 左室内血栓の急速な退縮と僧帽弁逆流の速やかな改善が確認された 本症例では HIT 抗体が陰性であったが 臨床所見と検査結果が乖離する例は少ないながらも存在し また感染を契機に HIT に類似した所見を呈するという報告も認められる 本症例も上記内容に合致しており貴重な症例であると考え一例報告とした 神雄一朗 小松宣夫 渡邊俊介 金澤晃子石田悟朗 遠藤教子 新妻健夫 武田寛人 < 症例 >70 歳代 女性 急性心不全にて入院し ARB の導入により急速な腎機能低下をきたし 腎動脈エコーにて機能的片腎 ( 左腎萎縮 ) の動脈硬化性腎動脈狭窄症 (ARAS) を認めた 右腎動脈に対して経皮的腎動脈形成術 (PTRA ステント留置術 ) を施行し腎機能の改善を認め 現在 3.5 年が経過中である < 症例 >80 歳代 男性 ASO Paf にて通院中に進行性の腎機能悪化を認め 腎動脈エコーにて機能的片腎 ( 左腎萎縮 ) の ARAS を認めた 右腎動脈に対して PTRA を施行し 約 7 ヵ月後に再狭窄を認めたが 再 PTRA により腎機能は改善し 現在 4 ヶ月が経過中である 今回我々は 進行性の腎機能悪化がみられた機能的片腎の ARAS に対して PTRA が腎機能の改善に有効であった 症例を経験したため報告する 45 完全内臓逆位の慢性完全閉塞を含む 枝病変に対して PCI を施行した 例 気仙沼市立病院循環器科 仙台厚生病院心臓血管センター循環器内科 46 ステント留置 8 年後に発症した左冠動脈主幹部の超遅発性ステント血栓症の一例 石巻赤十字病院 工藤信隆 尾形和則 井筒大人 症例は 59 歳男性. 気管支喘息のため近医通院中であった. 以前より労作時に心窩部痛を自覚し 最近増悪傾向であったため近医を受診し当院消化器内科へ紹介となり造影 CT で完全内臓逆位を指摘された. その後心電図では V4-6R で ST 低下と経胸壁心エコーで LVEF 9% と低下していたため当科紹介となった. 透視を鏡像反転した mirror image CAG を施行したところ 解剖学的 RCA seg. 90% と LAD seg.7 00%(CTO) が得られた. 期的に PCI を行い血行再建に成功したが その際に用いた CAG と同様の mirror image により framing 以外は通常心への PCI とほぼ同様に実施することが可能であった. 今回我々は 頻度としては多くはない完全内臓逆位の患者に対して mirror image を用いる PCI が有用であった 例を経験したので 若干の文献的考察を含めて報告する. 須貝孝幸 小山容 土屋隼人 長谷川寛真玉渕智昭 祐川博康 症例は 63 歳男性 005 年に左冠動脈主幹部の 00% 閉塞による急性心筋梗塞を発症し同部位にシロリムス溶出ステント (SES) を留置された その後冠動脈バイパス術を施行され (LITA-OM RITA-LAD) 以後外来通院していた 03 年 月胸痛出現し当院受診した 冠動脈造影では左冠動脈主幹部の SES 留置部位の 00% 閉塞と LITA RITA 双方のバイパス枝の閉塞を認めた IABP 挿入し 閉塞部に血栓吸引 POBA を行い血行再建した 重症心不全を発症し治療に難渋したが CRTD ASV を導入し第 3 病日独歩退院した 近年 SES 留置部の超遅発性ステント血栓症が問題となっているが特に左冠動脈主幹部に発症した場合には生命予後は不良である 今回我々は集学的治療により救命しえた左冠動脈主幹部病変の超遅発性ステント血栓症の一例を経験したので報告する 47 くも膜下出血を合併した急性心筋梗塞による心肺停止の 救命例 仙台市立病院循環器内科 48 ステロイド補充開始後に冠攣縮性狭心症発作を認めた ACTH 単独欠損症の一例 東北大学循環器内科学 松本諒太郎 中川孝 滑川明男 石田明彦三引義明 山科順裕 佐藤弘和 佐藤英二小松寿里 八木哲夫 64 歳男性 急性心筋梗塞による心室細動で心肺停止となった 自己心拍再開後も昏睡状態 責任病変の左前下降枝 (#7)00% に PCI を施行し IABP を留置して集中治療室に入室した アスピリン クロピトグレル ヘパリンを投与し 34 の低体温療法を行い 第 3 病日に開眼し従命がみられた 第 4 病日に徐脈 低血圧 痙攣を生じ再び昏睡に陥った 頭部 CT でくも膜下出血を認め血腫により脳幹が圧迫されていた 非動脈瘤性であり保存的治療を選択した 脳保護目的に 36 の積極的平温療法を行い全身管理を継続し 第 4 病日に意識が回復した 急性心筋梗塞による心肺停止蘇生後は 抗血小板薬や抗凝固薬の使用 低体温療法に伴う凝固障害などが重なり易出血状態にある 特に頭蓋内出血の合併は致命的になるが 救命に成功したため報告する 小松真恭 西宮健介 高橋潤 圓谷隆治二瓶太郎 羽尾清貴 松本泰治 伊藤健太坂田泰彦 下川宏明 症例 58 歳男性 東日本大震災後より食思不振となり 3 年間で体重 0kg 減少 平成 6 年 月に安静時胸痛を自覚し 近医で冠動脈造影検査が施行されるも 有意狭窄を認めず その後 低血糖発作を繰り返すため施行された内分泌負荷試験にて ACTH 感度以下 血清コルチゾール 0.μg/dl と低値を示し ACTH 単独欠損症と診断された ステロイド補充療法開始後より安静時胸痛が増悪 心電図で ST 上昇を伴う心室頻拍が頻発し当科搬送となった 当科にて施行した Ach 負荷試験で左前下行枝に攣縮が誘発され 冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断した Ca 拮抗薬開始後は胸痛発作なく ステロイド補充により食思は回復し 経過良好である ステロイド補充開始後に VSA が増悪した ACTH 単独欠損症の一例を経験したので報告する

40 49 冠攣縮性狭心症を合併した肥大型心筋症の一例 東北大学循環器内科学 金沙織 羽尾清貴 大山宗馬 高橋潤西宮健介 圓谷隆治 松本泰治 伊藤健太坂田泰彦 下川宏明 56 歳男性 0 年前から心電図異常を指摘されるも放置 早朝に胸部絞扼感を自覚し 症状が持続するため当院救急外来受診 心電図で II III avf V3-6 で ST 低下し 胸部症状も持続していたため緊急心臓カテーテル検査を施行 左右冠動脈に器質的狭窄を認めず 引き続き施行したアセチルコリン負荷試験で左前下行枝 回旋枝に冠攣縮が誘発され 冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断した 左室造影では著明な心肥大の所見を呈していた 後日施行した心臓 MRI で心室中隔中層の遅延造影と非対称性壁肥厚を認め 心筋生検所見と併せ肥大型心筋症 (HCM) と考えられた 非持続性心室頻拍も伴ったためカルシウム拮抗薬に加えてビソプロロールを導入した HCM 患者に VSA が合併することは過去にも知られており それら文献的考察も交えて報告する 50 器質的冠動脈狭窄を有する患者において慢性閉塞性肺疾患の併存は急性冠症候群の発症を促進する 宮城県立循環器呼吸器病センター循環器科 東北労災病院循環器内科 3 仙台オープン病院循環器内科 小丸達也 加藤浩 高橋務子 3 佐治賢哉 急性冠症候群 (ACS) 発症に対し慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の罹患が増悪因子になっているとの仮説を検定するために 冠動脈造影を施行し主要冠動脈枝に器質的狭窄を認めた連続 353 例を対象に COPD の罹患 高血圧 高脂血症 糖尿病などのいわゆる危険因子の存在 ACS( 急性心筋梗塞または不安定狭心症 ) の既往について調査した また そのうち連続 7 例においては スパイログラムによる肺機能検査もあわせて施行した 多変量解析を施行したところ COPD の罹患 ( オッズ比 :.3 p<0.05) 予測値の 80% 未満の肺活量 ( オッズ比 :.8 P<0.0) 予測値の 80% 未満の 秒量 ( オッズ比 :.7 p<0.005) が有意に ACS 発症と関連していた COPD の罹患および肺気流障害は 通常の冠危険因子とは独立して ACS 発症因子になっている 5 けいれん発作を合併した冠攣縮性狭心症の 例 5 巨大冠動脈瘤に生じた急性心筋梗塞の一例 国立病院機構仙台医療センター循環器内科 志鎌拓 山口展寛 笠原信太郎 藤田央尾上紀子 石塚豪 篠崎毅 症例は 67 歳 男性 か月前に路上で倒れていたため 当院へ搬送された ホルター心電図にて夜間に一過性 ST 上昇を認め 冠攣縮性狭心症が疑われたが 精査を希望されず経過観察した 今回夕食後に意識消失し 救急隊到着時は心肺停止であったが 搬送中に心拍再開した 前医へ搬送後診察中にけいれん発作あり当院神経内科へ転院した 脳波上てんかんは否定的であり 入院 5 日後自覚症状はないが モニター心電図にて ST-T 変化を認めたため 当科紹介 誘導心電図で V- に QS パターンを認めたが ST 上昇なく意識障害が遷延したため 冠攣縮による心筋梗塞が疑われ亜硝酸剤と Ca 拮抗薬を開始した 後日 冠動脈造影施行したが有意狭窄は認めなかった 本症例ではけいれん発作を認めたため心肺停止の原因として てんかんと冠攣縮の鑑別に難渋した 仙台厚生病院心臓血管センター循環器内科 仙台厚生病院心臓血管センター 上村直 菊地雄一 井上直人滝澤要 本多卓 鈴木健之多田憲生 伊澤毅 堀江和紀 大友達志 櫻井美恵 目黒泰一郎 症例は 5 歳男性 悪心 下痢にて当院消化器科に搬送されたが 来院後 CK 上昇あり当科に紹介となった ECG 上下壁誘導で ST 上昇有り急性心筋梗塞と考えられた 緊急で冠動脈造影施行したところ 左右の冠動脈には屈曲 拡張が著しく また右冠動脈遠位部に閉塞認められた 心筋梗塞と診断され 続いて経皮的冠動脈形成術を開始したが 血管の高度の屈曲 拡張に加えて血栓量も著しく バルーン拡張のみ施行し TIMI の血流を得て終了した しかし術中に閉塞部位の周囲に円形の異常陰影が認められ 術後精査のため冠動脈 CT したところ 右冠動脈遠位部に径 30 mm に及ぶ巨大な球形の冠動脈瘤が確認された 左右の冠動脈の拡張と合わせて川崎病が考えられた 巨大な冠動脈瘤に発生した急性心筋梗塞の一例を経験したので報告する 53 非薬剤溶出性ステント (BMS) 留置後の仮性冠動脈瘤に対する PCI 治療経験 米沢三友堂病院 54 冠動脈慢性完全閉塞病変に対して真腔および偽腔に留置された薬剤溶出性ステントの中長期成績の比較 星総合病院循環器内科 伊藤真輝 川島理 阿部秀樹 症例は 66 歳男性 008 年 AMI のため PCI 施行 右冠動脈に BMS を留置した 00 年フォロー CAG を施行 ステント近位部に潰瘍形成を認めたものの有意な再狭窄は認めなかった 04 年 6 月頃より起床時の胸苦が出現し CAG を施行 ステント再狭窄はなく潰瘍病変も不変であったが より近位部に仮性冠動脈瘤を認め PCI 施行した BMS を留置したところ 冠動脈瘤が若干退縮した 続いて バルーンにて後拡張を施行したところ 仮性冠動脈瘤の消退を認め手技を終了とした 仮性冠動脈瘤が完全消退した理由として 仮性冠動脈瘤の入口部が プラークシフトおよびステントストラッドによって 人工的に jail されたためと考えられた PCI 後の比較的稀な合併症として仮性冠動脈瘤形成があるが ステント留置にて良好な治療が得られたため報告する 氏家勇一 國分知樹 清水康博 松井佑子金子博智 坂本圭司 三浦英介 清野義胤木島幹博 丸山幸夫 慢性完全閉塞病変 (CTO) 対する経皮的冠動脈形成術 (PCI) の初期成功率および再狭窄率は薬剤溶出性ステント (DES) の出現および retrograde approach などの技術的進歩により改善されてきている CTO の PCI において DES はしばしばいわゆる偽腔に留置されるが 真腔に留置された DES と比較した中長期的成績は明らかではない 当院において 004 年から 00 年までに DES を留置して再潅流に成功した CTO6 病変を真腔留置群 (T group: n=43, SES 6%, PES 33%, EES 4%) と偽腔留置群 (S group: n=9, SES 68%, PES 6%, EES 5%) に分けて 年以降の血管造影所見と 3 年以降の臨床成績について比較検討した 結果 : 両群間における 年以降の血管造影所見および 3 年以降の臨床成績に明らかな違いを認めなかった

41 55 左主幹部心筋梗塞後出血性潰瘍を併発し治療に難渋した一例 公立相馬総合病院循環器内科 公立相馬総合病院消化器内科 福永久典 佐藤雅彦 安藤勝也 川島一公 症例は 60 代男性 胸痛にて救急搬送 血圧 60 台とショック症状 心電図等より左主幹部心筋梗塞を疑い 緊急心カテを実施 左主幹部は完全閉塞 IABP 挿入 LMT から LAD にかけて ballooning し stenting した 血栓傾向止まず TPA 冠注 HIT も考えアルガトロバンも使用 血栓増大傾向収まらず perfusion balloon で凌ぐ 時間経過のためか血栓傾向消退 手技を終了 第二病日より下血 IABP 下ヘパリンは切れず 下血が続く 抗潰瘍剤投与 多量の輸血施行 改善傾向なく 胃内視鏡を実施 3 か所の出血性胃潰瘍認めた APC で か所止血した時点で心停止 心肺蘇生にて改善 その後順調に回復 下血していたが IABP 下ヘパリンを切ることもできず 全身状態が悪く胃内視鏡にも踏み込めず治療に難渋した症例である 治療選択の反省も含め報告したい 56 全身性エリテマトーテスによる冠動脈拡張により生じた急性冠症候群の一例 東北大学循環器内科学 中嶋優太 圓谷隆治 西宮健介 羽尾清貴松本泰治 高橋潤 伊藤健太 下川宏明 症例は 50 代女性 全身性エリテマトーテス (SLE) に対して加療中であったが 急性冠症候群にて救急搬送 緊急冠動脈造影にて右冠動脈 #3 の 99% 病変を認め 血管内超音波にて多量の血栓および拡張病変を呈していた 血栓吸引およびバルーン拡張施行し TIMI 3 の血流を得て手技を終了 術後の CPK 上昇は軽度であり経過良好であった 第 病日に冠動脈造影を再検し血栓は減少 血管内光断層装置にて観察したところ拡張病変では血管炎を疑わせる血管内膜から中膜にかけての輝度上昇を認めた SLE ではアテローマ性動脈硬化による冠動脈病変を来しやすいことは知られているが 冠動脈拡張病変の報告は比較的稀である SLE 合併の冠動脈拡張病変を複数の血管内イメージングデバイスで評価した貴重な症例であり 今回報告する 57 右冠動脈円錐枝のステント閉塞により心室細動を発症した 例 58 急性大動脈解離に冠攣縮性狭心症を合併した 例 仙台厚生病院心臓血管センター循環器内科 遠田佑介 多田憲生 櫻井美恵 田中綾紀子 南條光晴 井筒大人 桑原謙典 石原龍馬 加畑 充 筬井宣任 松本 崇 堀江和紀 伊澤 毅 上村 直 清水岳久 鈴木健之 本多 卓 滝澤 要 大友達志 井上直人 目黒泰一郎 症例は 77 歳 男性 主訴は労作時胸痛 0XX 年 月に右冠動脈近位部に薬剤溶出性ステント留置 8 月に追跡冠動脈造影検査にて右冠動脈近位部に有意狭窄を認め症状伴うため経皮的冠動脈形成術の方針とした 同部に薬剤溶出性ステントを留置後 円錐枝の造影遅延を認めたが小血管であるため手技終了とした 帰室後に胸苦に続き失神し 心室細動を認め心肺蘇生開始した 洞調律に復帰後 右側胸部誘導での ST 上昇を認め 冠動脈造影検査を施行したが右冠動脈円錐枝の造影遅延を認めるのみであった 血行再建は困難であり自然灌流を期待し大動脈内バルーンパンピング挿入し 終了とした その後は心室細動の出現なく 術後 4 日目に退院となった 右冠動脈近位部ステント留置で円錐枝閉塞し 術後に心室細動を発症した症例を経験したため報告する 59 左冠動脈前下行枝病変における血管内画像所見による炎症と脂質評価の可能性に関する検討 星総合病院循環器内科 安藤卓也 三浦英介 國分知樹 清水康博松井佑子 金子博智 坂本圭司 氏家勇一清野義胤 木島幹博 丸山幸夫 背景 炎症と脂質は動脈硬化進展に重要である 目的 / 方法 血管内超音波法 (IVUS) と光干渉断層法 (OCT) は異なる特徴を持つ 我々は LAD の PCI 術前に両者を施行し容量解析した後 remodeling-index を算出.05 以上の陽性リモデリング (PR) 群 (9 病変 ) とそれ未満の非陽性リモデリング (npr) 群 ( 病変 ) に分け 各々独自に組織性状を検討した 結果 両群における病変長 プラーク量には統計学的有意差は認めなかったが IVUS では attenuation を伴う大きな lipid-pool が PR 群に多い傾向を認め (67%:8%)OCT では差はなかった OCT による大きなマクロファージ集積を示唆する所見は PR 群において多い傾向を認めた (89%:3%) 結論 臨床における動脈硬化の病態解明には血管内デバイスの特徴を把握し評価することが重要であることが示唆された 岩手医科大学内科学講座循環器内科分野 兼古恭輔 伊藤智範 石田大 房崎哲也阪本亮平 下田祐大 小室堅太郎 中島悟史高橋祐司 松本裕樹 中島祥文 工藤顕仁松下尚子 中村元行 森野禎浩 急性大動脈解離の経過中に冠攣縮を合併した症例を経験したので報告する 症例 :60 歳代男性これまで胸痛の既往なし 平成 6 年 9 月突然の背部痛で救急搬送された CT で急性大動脈解離 (AAD) と診断されて当院へ紹介された CT では IIIb 型の AAD であった 第 6 病日に ECG で II III avf での ST 上昇から心停止を来たした 緊急冠動脈造影 (CAG) では有意狭窄なく冠攣縮と診断した 症例 :50 歳代男性平成 5 年 月 AAD IIIb を発症して近医で加療を受けていた 第 6 病日に II, III, avf, V5-6 での ST 上昇を認め 当センターへ救急搬送された CAG では 有意狭窄なく冠攣縮と診断した 60 ハチ毒によるアナフィラキシーショック後に 冠攣縮による急性冠症候群を発症した 例 岩手県立二戸病院 岩手医科大学内科学講座循環器内科分野 3 岩手医科大学内科学講座心血管 腎 内分泌内科分野 赤坂裕一郎 西山理 酒井敏彰 田渕剛伊藤智範 3 中村元行 症例 5 歳男性 主訴 前胸部絞扼感 呼吸困難 既往歴 サバ 卵アレルギー 陳旧性心筋梗塞ロスバスタチン アスピリン カルベジロールの内服中 現病歴 平成 5 年 月土木作業中にスズメバチに か所刺された 呼吸困難感 浮腫が出現したため 救急搬送 収縮期血圧 80 台で顔面浮腫を認めた アナフィラキシーショックと診断しアドレナリンとメチルプレドニゾロンを投与後バイタルは改善したが その後 ST 上昇を伴う胸痛を頻回に訴えた アナフィラキシーショックによる急性冠症候群と診断した 冠攣縮の可能性が高くカルベジロールとの関連が考えられたため中止とした 冠動脈造影では狭窄病変なく 冠攣縮性狭心症と推察した ハチ毒によるアナフィラキシーショック後に 冠攣縮による急性冠症候群を経験したので報告する

42 6 肺塞栓症亜急性期に経皮的肺動脈拡張術 ( BPA:Balloon pulmonary artery angioplasty) を施行した一例 岩手県立中央病院初期研修医 岩手県立中央病院循環器科 3 岩手県立胆沢病院循環器科 佐藤利紀 高橋徹池田尚平 野田一樹遠藤秀晃 中村明浩 大浦翔子 清水亨 野崎英二 神津克也 中嶋壮太 3 八木卓也 背景 BPA は通常慢性肺塞栓症に対し施行される 症例 70 代 男性 急性肺血栓塞栓症発症した 抗凝固療法後に労作時呼吸困難持続 心臓超音波検査にて右心負荷所見が残存していたため 当科紹介された BPA にて 4 狭窄病変を拡張した 体肺血管抵抗比は改善し 自覚症状も消失した ヶ月後 右心負荷所見の改善を認めた 考察 本症例は ヶ月前に肺塞栓症を発症しており 亜急性期である BPA 施行後 右心負荷所見の改善を認めた Acute on chronic の病態である可能性が高い 急性肺塞栓症の治療を行う際には 背景に慢性の経過が存在し得ることを念頭におき 亜急性期 慢性期の右心負荷の評価をすべきである 結語 亜急性期の肺塞栓症に対して BPA を施行することで血行動態 呼吸苦症状改善を認めた症例を経験したので報告する 6 部分肺静脈灌流異常症と門脈 - 肝静脈シャントが併存した肺高血圧症の一例 東北大学循環器内科学 三浦正暢 杉村宏一郎 青木竜男 建部俊介山本沙織 矢尾板信裕 佐藤遥 佐藤公雄下川宏明 症例は 50 歳代女性 平成 5 年 0 月頃より労作時の息切れを自覚し 近医受診したところ低酸素血症 肺高血圧症の疑いで当院紹介となった CT 検査で右肺静脈上葉枝の部分肺静脈灌流異常症を認めたが 心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧 9mmHg と肺高血圧症を認めた しかし シャントは左右シャントが中心であった 本症例では CT 上肝内に門脈 - 肝静脈シャントを認め 肝肺症候群の可能性を考えた 心臓カテーテル検査時に両肺動脈下葉枝からマイクロバブルテストを施行したところ 心臓超音波検査で速やかに左室系にコントラストが観察され肺内シャントの存在が示唆された 以上の所見から門脈 - 肝静脈シャントに伴う肝肺症候群と診断した 肝内の門脈 - 肝静脈シャントに伴う肺高血圧症例は極めて稀であり 治療経過と文献的考察を報告する 63 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症に対する薬物療法の効果 東北大学循環器内科学 青木竜男 杉村宏一郎 矢尾板信裕 山本沙織三浦正暢 建部俊介 後岡広太郎 佐藤遥佐藤公雄 下川宏明 目的 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 (CTEPH) に対して経皮的肺動脈形成術 (PTPA) の術前に行われた薬物療法の内容とその効果について検討を行った 方法と結果 005 年 6 月から 03 年 3 月までの間に当科にて CTEPH と診断した 48 症例 ( 男性 % 平均年齢 6 歳 ) を対象に 薬物療法前後で血行動態と運動耐用能を評価した 使用薬剤は PGI 製剤 4 例 (88%) PDE5 阻害剤 45 例 (94%) エンドセリン受容体拮抗薬 例 (5%) となっていた これらの治療により 平均肺動脈圧 ( 前 4± 後 39±0 mmhg P<0.0) と肺血管抵抗 ( 前 755±357 後 558±3 dyne P< 0.0) は有意に低下したが 6 分間歩行距離の改善は認めなかった ( 前 340±49 後 369± m P=0.8) 結語 CTEPH では 肺血管拡張薬の投与により有意な血行動態の改善を認めた 64 高度房室ブロックの精査を契機に発見された不完全型房室中隔欠損症の一成人例 米沢市立病院循環器内科 米沢市立病院心臓血管外科 3 福島県立医科大学心臓血管外科 上北洋徳 渡辺達也 平カヤノ 藤野彰久佐藤洋一 3 若松大樹 5 歳女性 息切れのため近医を受診し 高度房室ブロックを認めたため当科に紹介された 心エコーで心房中隔一次孔欠損 房室中隔部の欠如 僧帽弁前尖の裂隙を認め 不完全型房室中隔欠損症と診断した 心カテーテル検査では右房内での S<SUB>a</SUB>O<SUB></SUB> step up を認め 肺体血流比.89 であった 左室造影では goose neck 様の形態を呈し His 束心電図では :HV ブロックであった 肺静脈還流異常や左上大静脈遺残はなかった 心房中隔一次孔閉鎖術 僧帽弁前尖修復術 永久的ペースメーカー植え込み術が施行され 軽快退院となった 本疾患は 心房中隔欠損の他にも左右房室弁形態の評価 合併奇形の検索が術式決定に重要であり 術後遠隔期にも房室弁逆流の増悪や左室流出路狭窄の合併が起こり得るため留意すべき点が多い 文献的な考察を含め報告する 65 AMPLATZER Duct Occluder ( ADO ) による Arteriosus(PDA) 治療を行った 症例弘前大学医学部循環器呼吸器腎臓内科 Patent Ductus 66 周産期心筋症の一症例 寿泉堂綜合病院 妹尾麻衣子 西崎史惠 小路祥紘 泉山圭澁谷修司 横山公章 山田雅大 藤井裕子阿部直樹 富田泰史 樋熊拓未 長内智宏奥村謙 008 年より ADO が使用可能となり mm 以上の PDA に対して ADO が選択されるようになった ADO を用いた閉鎖術を施行した PDA 例を経験したので報告する 症例 症例 は 53 歳女性 検診にて心雑音を指摘され 精査の結果 PDA と診断 経胸壁心臓超音波検査にて Qp/Qs=. 造影 CT では最小動脈管径 6.63mm であった 症例 は 64 歳女性 PDA フォロー中に心不全を発症 Qp/Qs=.37 最小動脈管径 4.68mm であった いずれも ADO による閉鎖術の適応と判断 大動脈造影下に肺動脈から下行大動脈へデリバリーシースを挿入し x0mm 0x8mm の ADO をそれぞれ留置した 各手技時間は 術前後の検査を含め 0 分 0 分であった 術後 大きな合併症なく退院された 結語 PDA に対する ADO による治療は安全かつ短時間で行うことができ 第一選択の治療となりうる 山田優里子 水上浩行 出町金澤正晴 順 鈴木智人 症例は 35 歳女性 経妊 経産 自然分娩 過去の妊娠 産褥期に異常なし 家族歴は実父が 53 歳で DCM により死亡 軽症型妊娠高血圧症で経過観察されていたが 妊娠 3 週より 3 週間で 6kg の体重増加と呼吸苦を認め 06 年 8 月 妊娠 35 週で当院産婦人科で入院管理となる 第 3 病日 突然の夜間呼吸困難と動悸の訴えあり 心電図で HR60 台の洞性頻脈と胸部 Xp で著明な肺水腫を認め SpO<SUB></SUB>80% 台に低下したため 同日緊急帝王切開術施行した UCG で左室駆出率低下と全周性の壁運動低下を認め 周産期心筋症の診断で 術後当科管理となる NPPV による呼吸管理と利尿薬や強心薬で治療開始し心不全は徐々に改善傾向を認めた 今後は内服継続し 心機能評価を定期的に行う方針である 重篤かつ稀な疾患である周産期心筋症の 症例を経験したのでここに報告する

43 67 舌炎を契機に早期診断し得た脚気心の 例 山形大学医学部第一内科 青野智典 宮本卓也 石垣大輔 岩山忠輝橋本直明 熊谷遊 安藤薫 和根崎真大舟山哲 佐々木真太郎 山浦玄斎 西山悟史有本貴範 高橋大 宍戸哲郎 渡邉哲久保田功 症例 8 歳 男性 主訴 呼吸苦 息切れ 下腿浮腫 現病歴 か月前から下腿浮腫を 次第に労作時の息切れを自覚した 週間前から発熱と呼吸苦あり 感染を契機に増悪した心不全の診断で近医入院 原因不明の両心不全として後日当科転院となった 全身浮腫著明で 舌のびらんと下肢筋力低下を認めた 心エコーでは心嚢液貯留と右心系の拡大を認めたが 左心機能は良好だった ビタミン欠乏を疑い 速やかにビタミン B 投与を開始した所 速やかに心不全は軽快した 食事は玄米のみで ビタミン B の著明低値が判明した 心臓カテーテル検査では高心拍出性心不全の所見を呈していた 考察 舌所見が診断の契機となり 早期に治療を行うことができた 左心収縮性が保たれた両心不全では脚気心を疑う必要がある 69 植込み型補助人工心臓 (VAD) 時代における体外式補助人工心臓装着症例についての検討 東北大学心臓血管外科 68 輸血後たこつぼ型心筋症を生じたと考えられる肺大細胞癌の一例 仙台赤十字病院呼吸器内科 仙台赤十字病院循環器内科 高橋秀徳 杉村彰彦 大橋潤子 三木誠 症例は 77 歳男性 慢性 af による CHF と HT による CRF あり 右肺大細胞癌に対しゲムシタビン + ビノレルビンによる化学療法を コース施行し Hb 減少 Grade3 白血球減少 Grade の他大きな有害事象なく経過した 貧血に対して RCC 輸血中に血圧上昇 (0mmHg) と頻脈発作 (70/min) 及び喘鳴が出現し 気管内挿管を要した 心エコーでは翌朝に心尖部の局所的壁運動低下を認めたが一週間後には正常化した 心電図では巨大陰性 T 波を認めたが徐々に改善した BNP は一過性に最大 56 まで上昇したが CK-MB の有意な上昇はみられなかった CRF のため CAG は未施行であるが経過からたこつぼ型心筋症と診断した 輸血後に生じたたこつぼ型心筋症の報告は稀であり 文献的考察を含めて報告する 70 右心不全および洞停止など多彩な症候を呈した心膜炎合併心筋炎の 例 青森県立中央病院循環器センター循環器科 秋山正年 河津聡 片平晋太郎 川本俊輔齋木佳克 0 年から植込み型 VAD 治療が始まったが 適応は移植までの橋渡しと限られている 同期間中に経験した体外式 VAD 装着症例の経験から今後の課題を考える 0 年 4 月 04 年 9 月の VAD 装着例 3 例 植込み型 0 例 体外式 例 ( 拡張型心筋症 7 例 肥大型心筋症 (HCM) 例 劇症型心筋炎 例 ACS 例 ) 心筋症 9 例中 6 例が長期心不全加療中の急変に対して装着 内 例のみ急変前に当院に治療方針依頼あり 植込み型 VAD へ切り替え 5 例 体外式による補助継続 例 離脱 例 死亡 4 例 (HCM 例 劇症型心筋炎 例 ) 移植適応のある Stage D 心不全治療患者に対する VAD 適応時期についての共通認識が必要である 移植施設と各基幹病院のより密接な情報共有が望まれる 八木橋恵 大和田真玄 市川博章 木村嘉宏横田貴志 今田篤 藤野安弘 症例は 50 歳代の女性 受診数日前からの嘔吐と下痢に続き 発熱や倦怠感も伴うようになり受診 誘導心電図は四肢誘導が低電位であったが ST 変化なし 胸部 X 線および CT では胸腹水と心嚢液貯留あり 心不全の合併が考えられた 心エコー上 左室収縮は良好だが心筋は浮腫状となっていた 心臓カテーテル検査では冠動脈に器質狭窄見られず 心内圧波形は両室ともに square root sign を呈し 収縮性心外膜炎様の血行動態であった 心筋生検結果と併せ 心膜炎合併心筋炎と診断した 経過中に数秒間の洞停止も見られたが数日で改善した 慢性期には心内圧波形が正常化し 洞機能の改善も確認された 心膜炎を合併したことで右心不全有意の症状が出現した心筋炎の症例であるが 一時的な洞機能低下を呈するなど 興味深い経過であったので報告する 7 経皮的大動脈弁バルーン拡張術が有用であったハイリスク大動脈弁狭窄の 4 例 弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科 米倉 学 樋熊拓未 小路祥紘 西崎史惠 泉山 圭 澁谷修司 横山公章 山田雅大 阿部直樹 長内智宏 奥村 謙 大動脈弁狭窄症 (AS) の根治療法は大動脈弁置換術であるが 高齢者や合併症を伴う場合はリスクが高く 外科治療が選択されないことも多い 平成 6 年 6 月から 8 月までに 手術ハイリスクの AS 4 例 ( 男性 例 女性 3 例 ) に対して経皮的大動脈弁バルーン拡張術 (BAV) を施行した 平均年齢は 80±7 歳で 術前の弁口面積 0.50±0.mm<sup></sup> 平均圧較差は 43.4±6.4mmHg であった 順行性アプローチでイノウエバルーンを用いて施行し 総手術時間は 46±9 分で 術後の弁口面積は 0.90±0.7mm<sup></sup> に拡大 平均圧格差は 3.7±3.mmHg と低下した 例で大動脈弁閉鎖不全症が軽度増悪し 例で TIA が認められたが 退院時には全例で症状および ADL が改善した BAV は根治術式ではないが 手術リスクの高い AS 患者に対する治療として有用であると考えられた 7 我が国の大動脈弁狭窄症患者の予後規定因子 ;CHART- 研究からの報告 東北大学循環器内科学 東北大学循環器 EBM 開発学 佐藤謙二郎 坂田泰彦 宮田敏三浦正暢 牛込亮一 但木壮一郎辻薫菜子 山内毅 阿部瑠璃 後岡広太郎 小野瀬剛生 下川宏明 背景 我が国の大動脈弁狭窄症 (AS) 症例の予後規定因子は明らかではない 方法 第二次東北慢性心不全登録 (CHART-) 研究に登録された AS 患者 4 名 ( 平均年齢 74.9 歳 男性 5.4% 平均大動脈弁最大流速 (APF)3. m/s) の予後規定因子を検討した 結果 NYHA 分類 II III-IV の症例の 3 年死亡率は各々 9% 6% 50% であった 多変量 Cox 解析の結果 年齢 (0 歳毎 ) 男性 APF 4.5 m/s NYHA 分類 III-IV Alb 値 (g/dl 低下毎 ) 慢性腎臓病及び心拍数 90 bpm が有意な予後規定因子であり ハザード比はそれぞれ であった 結論 我が国の実臨床において AS 患者の予後には多くの因子が関与する

44 73 周術期リハビリテーション介入が必要であった TAVI の一例 術前の Frailty 評価の意義 東北大学病院リハビリテーション部 東北大学循環器内科学 3 東北大学心臓血管外科学 4 東北大学麻酔科学 5 東北大学内部障害学 竹内雅史 松本泰治杉村宏一郎 三浦正暢矢口春木 和地泰彦 川本俊輔 高橋潤 仲冨千瑞吾妻俊弘 4 森信芳 5 伊藤修上月正博 5 齋木佳克 3 下川宏明 3 3 熊谷紀一郎 柿花隆昭 佐藤房郎 5 伊藤健太 背景 TAVI 治療が広まる一方で対象者は必然的にハイリスクかつ虚弱である 症例 80 歳代 女性 上行結腸癌にて右結腸切除 + 右腎摘施行 その後転移し 大腸癌 肺癌に対して化学療法施行 同時に重症 AS の診断 術前評価にて栄養 活動性共に虚弱が疑われ 開胸術と同等の呼吸リハを実施 TAVI 後 医師の指示下で合併症に留意し 翌日よりリハ開始 POD 端座位 5POD トイレ歩行 POD 棟内歩行自立に至った 術前後比で 呼吸機能自体は不変であるが 一時的な安静度制限によるバランス障害 咳嗽力低下 QOL 低下を認め 容易に虚弱から介護状態のリスクが想定された 結語 TAVI 患者のリハの意義は 合併症防止とその発生後の回復速度を早期化すること 更に容易に廃用に陥る虚弱性を厳重に評価し 速やかに元の生活に戻すことである 75 経カテーテル大動脈弁留置術後に完全房室ブロックを呈した一症例 東北大学循環器内科学 東北大学心臓血管外科 3 東北大学麻酔科 4 みやぎ県南中核病院循環器科 佐藤遥 松本泰治山本沙織 建部俊介後岡広太郎 高橋潤吾妻俊弘 3 小山二郎 下川宏明 杉村宏一郎 三浦正暢 熊谷紀一郎 4 井上寛一 矢尾板信裕 青木竜男 川本俊輔 4 齋木佳克 患者は 90 歳男性 009 年より大動脈弁狭窄症を指摘されていたが 手術は施行せず近医循環器内科で経過観察されていた 03 年 月より息切れが出現し心不全として入院 本人 家族が大動脈弁狭窄症に対する外科的治療を希望されたため 04 年 月当院紹介となった 手術待機中も心不全による入退院を繰り返したが 04 年 5 月経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI) が施行された 術後 呼吸状態の悪化や血行動態の破綻はなく 順調に経過していた しかし術後 9 日目に完全房室ブロックが出現したため ペースメーカー埋め込み術を施行した その後は大きな問題はなく経過し術後 4 日目に退院となった 今回 TAVI 術後に発症した房室ブロックの症例を経験したので報告する 74 胃癌を合併した症候性重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁留置術の一例 東北大学循環器内科学 東北大学心臓血管外科 3 東北大学麻酔科 4 仙台医療センター循環器内科 松本泰治 高橋潤山本沙織 川本俊輔山口辰寛 4 篠崎毅 杉村宏一郎 熊谷紀一郎 4 齋木佳克 三浦正暢 3 吾妻俊弘 下川宏明 症例は 87 才女性 重症大動脈弁狭窄症に伴う鬱血性心不全にて近医入院 カテコラミン 利尿剤 NIPPV で心不全は軽快したが 胃癌も指摘され 当院紹介 ハートチームで検討の上 まずは BAV を行って胃癌周術期リスク軽減を図り 胃癌手術を実施 胃癌手術後 予後が良好と判断されれば TAVI を実施する方針とした そこで 弁輪径は.6mm と計測し mm Tyshak バルーンを用いて BAV 施行 BAV 5 日後に ラパロ下幽門側胃切除を行い 経過良好にて 抗血小板薬を導入し PCI+TAVI 目的に当院再入院 まず #3 の 90% 病変に対して薬剤溶出性ステントを留置し その 週間後に TAVI(3mm Sapien XT を留置 ) を実施した 合併症なく TAVI 実施 0 日後に自宅へ退院した 76 緊急バルーン大動脈弁形成 (balloon aortic valvoplasty:bav) を施行した二例 岩手県立中央病院循環器科 神津克也 高橋徹 大浦翔子 門間雄斗池田尚平 野田一樹 中嶋壮太 遠藤秀晃中村明浩 野崎英二 BAV は重症大動脈弁狭窄症患者のうち 高齢や左室収縮能低下などによりリスクが高い患者に対しての大動脈弁置換術や経カテーテル大動脈弁留置術へのブリッジ治療として 近年有用性が見直されてきた 当科にて緊急 BAV を施行した二例を報告する 一例目は 83 歳男性 肺炎を合併した大動脈弁狭窄症による心不全として近医より搬送された 緊急で IABP 挿入のうえ BAV を施行し肺うっ血も改善したが 敗血症性ショックにて第 6 病日に死亡した 二例目は 8 歳女性 大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術が予定されていたが 術直前の Swan-Ganz カテーテル挿入時に肺出血をきたし手術中止となり 徐々に肺うっ血が出現したため当科紹介 BAV を施行し心不全治療を継続して肺うっ血は改善し 独歩退院した 77 当院での経皮的大動脈弁植込術の初期 50 例の成績 仙台厚生病院心臓血管センター循環器内科 仙台厚生病院心臓血管センター心臓血管外科 遠田佑介 多田憲生 櫻井美恵 水谷有克子桑原謙典 宮坂政紀 加畑充 筬井宣任松本崇 堀江和紀 伊澤毅 上村直清水岳久 鈴木健之 本多卓 山谷一広畑正樹 滝澤要 大友達志 井上直人 目黒泰一郎 03 年 0 月に重症大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁植込術 (TAVI) が保険償還となり 当院では 04 年 月 30 日から 9 月 9 日までに経大腿アプローチ 44 例 経心尖アプローチ 6 例 合計 50 例の TAVI を施行した 平均年齢 84.3±5.0 歳 平均手技時間 0.±7.7 分 平均 CCU 入院期間 3.5±.7 日であった 術後大動脈弁左冠尖圧排による左冠動脈閉塞 心タンポナーデ 急性腎機能障害 急性下肢動脈閉塞を 例 高度房室ブロックへの恒久的ペースメーカー留置術の合併症発生を 3 例認めたが 全症例手技成功し 緊急開胸術 緊急補助循環導入なく臨床成功している 当院では 00 年から現在まで 30 例の逆行性経皮的大動脈弁形成術を施行し この経験が良好な TAVI の結果に繋がっていると思われる 今後も安全な TAVI 施行に向け研鑽していく所存である 78 収縮性心膜炎による難治性右心不全症状に対しトルバプタンが有効であった一例 山形県立新庄病院循環器内科 橋本直土 奥山英伸 結城孝一 廣野 ( 症例 )60 歳 男性 ( 主訴 ) 呼吸苦 (NYHA III 度 ) 両側下腿浮腫 ( 既往歴 )7 歳開心術 ( 詳細不明 )( 現病歴 )H5 年 月頃より両側下腿浮腫 呼吸苦が出現し 徐々に症状増悪してきたため H6 年 月当院を受診した 検査の結果 収縮性心膜炎による慢性心不全の増悪として入院となった ( 治療経過 ) 低用量カルペリチド及びフロセミド静注にて加療した 当初は治療に反応し利尿が得られたが 尿量減少が持続したため カルペリチドをトルバプタン内服に切り替えたところ著効した 心臓カテーテル検査にて高度の心負荷の残存認め 心膜切除術が必要と考えられたが患者が拒否し 現在外来で経過観察している 収縮性心膜炎による右心不全に対する保存的治療として 既存の利尿薬に加えトルバプタンによる体液管理は有効と考えられた 摂

45 79 髄膜炎を合併した B 群溶連菌による感染性心内膜炎の一例 仙台市立病院循環器内科 佐々木恵里奈 小松寿里 滑川明男 石田明彦三引義明 山科順裕 佐藤弘和 中川孝佐藤英二 八木哲 症例は 77 歳女性 意識障害 関節痛 発熱で来院 経胸壁心エコーで自己大動脈弁に中等度逆流と疣贅を認め 血液培養から B 群溶連菌 (streptococcus agalactiae) が検出された 感染性心内膜炎として治療開始した その後 傾眠傾向 項部硬直を認め 髄液検査を施行し 髄膜炎の合併と診断した 抗生剤を PCG から ABPC CTRX へ変更したところ 意識障害は軽快し 感染性心内膜炎も内科的治療のみで治癒した 本邦の感染性心内膜炎のガイドラインにおいて 髄膜炎を併発した際の抗生剤の選択については記載がない B 群溶連菌による感染性心内膜炎に髄膜炎を併発し 髄液移行性を考慮した抗生剤の選択が奏功した症例を経験したので 文献的考察を含めて報告する 80 バルサルバ洞動脈瘤破裂合併の心室中隔欠損症を器質とした感染性心内膜炎の 例 青森県立中央病院循環器センター循環器科 青森県立中央病院循環器センター心臓血管外科 加藤朋 大和田真玄 市川博章横田貴志 伊藤校輝 畠山正治永谷公一 今田篤 藤野安弘 木村嘉宏 河原井駿一 症例は 40 歳代の男性 生後間もなく心室中隔欠損症 (VSD) を指摘されていたが 0 年前からは定期受診なし 3 ヶ月前から断続的に続く不明熱を主訴として受診した 誘導心電図では特記所見なし 心エコーでは VSD の他に バルサルバ洞動脈瘤破裂を介した左 右シャントがみられ 右室側に疣贅も確認された 血液培養で S. mutans が検出され感染性心内膜炎と診断した 胸部 CT で肺野に散在性の結節影を認め 塞栓性肺炎の合併も考えられた アンピシリン ゲンタマイシンの静注で治療開始し アンピシリンをペニシリン G に切替えて 計 4 週の抗菌薬治療を行った 感染のコントロール後に VSD およびバルサルバ洞のパッチ閉鎖術を施行した 成人の先天性心疾患では頻度の多い VSD であるが 本症例の様な経過を辿る事は稀であり ここに報告する 8 シャント感染に感染性心内膜炎を合併し死亡した一例 東北大学病院卒後研修センター 東北大学循環器内科 3 東北大学病院病院高度救命救急センター 田中祥朗 鈴木秀明 山内彩記子 3 加賀谷豊久志本成樹 3 下川宏明 7 歳男性 来院 年前に IgA 腎症から維持透析を開始 来院 日前に左前腕のシャントが閉塞し他院入院 その後左前腕が腫脹 炎症反応が上昇したが 以後パニペネムが投与され改善したため来院 日目にシャント再建術が施行された 来院 8 日前より創部から膿汁が排泄し 来院 4 日前にショックとなり昇圧薬が開始 その後呼吸状態が悪化し当院搬送 搬送後 左前腕のデブリードメントを行い 前医の血液培養より MRSA が検出されたためダプトマイシンを開始した 経胸壁心エコー上僧帽弁に膿瘍形成を認めたが 頭部 CT 上左中大脳動脈領域の広範な出血性梗塞を認め手術介入は困難と判断 来院 5 日目に死亡した 本症例より シャント感染に対しては 必要があれば早期のデブリードメントを行わなければ死に至ることが示唆された

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受給者番号 ( ) 患者氏名 ( ) 告示番号 72 慢性心疾患 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 経過 ( 申請時 ) 直近の状況を記載 2/2 薬物療法 強心薬 :[ なし あり ] 利尿薬 :[ なし あり ] 抗不整脈薬 :[ なし あり ] 抗血小板薬 :[ なし あり

受給者番号 ( ) 患者氏名 ( ) 告示番号 72 慢性心疾患 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 経過 ( 申請時 ) 直近の状況を記載 2/2 薬物療法 強心薬 :[ なし あり ] 利尿薬 :[ なし あり ] 抗不整脈薬 :[ なし あり ] 抗血小板薬 :[ なし あり 臨床所見 ( 診断時 ) 診断された当時の所見や診断の根拠となった検査結果を記載症状臨床所見 ( 申請時 ) 直近の状況を記載症状告示番号 72 慢性心疾患 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 病名 1 洞不全症候群 受給者番号受診日 受付種別 新規 1/2 ふりがな 氏名 ( 変更があった場合 ) ふりがな以前の登録氏名 生意見書記載時の年齢歳か月日性別男 女 性別未決定 出生体重

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