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1 (B 2009 P μm mm mm 0.2 μm 5 mm 15 cm1,600 g P15 P Rickettsia japonica μm H.T. Ricketts 2/992/1/SAC pdf nm nm μm /maiko.jpg es/kenbikyo/to_biseibutu_09_big.jpg ~0.16 μm P15 P15 H1N mm 0.1 μm 100 nm 1

2 (B 2009 P15 P16 DNA ; P15-17 P17 P15-17 P15-17 ~ 1-10 μm ~ μm DNA RNA-/ - RNA 50S+30S 60S+40S 1 FtsZ FtsZ 2

3 P17 P17 図2 3 図2 3 リン脂質の構成と脂質二重層 右 細胞膜は脂質とタンパク質でできている 細胞質を外界から隔てている膜 細胞膜 原形質膜 は 脂質二 重層から成る単位膜と呼ばれる膜で 細胞内のすべての膜系は この単位膜からできている 細胞膜は脂質の二重膜 lipid bilayer の海に 膜タンパク質が氷山 のように頭を少し出して浮かんだような構造をしている P18 P18 図2 4 図2 5 Na+とK+の能動輸送 濃度の勾配や電位差に逆らって物質やイオンが細胞膜を出入りすることを能動輸送という 能動輸送にはエネルギーが必要で ATPが消費される P18 P18 核とその中の核小体 葉 緑体 ミトコンドリア 細 胞壁などが観察される ツバキの葉の表面の透過電子顕微鏡像 3

4 P18 P18 核膜は 核質と細胞質を隔てる膜で 二重の単位膜 外膜と内膜 と膜間隙 からできている マウスの白血球 の分葉した核 核膜の外膜は 細胞質の小胞 体と連続して いることが電 子顕微鏡で観 察され,リボ ソームの付着 も観察される P18-19 ヘテロクロマチン 核は核膜によって細胞 質から隔離されている 核膜には核膜孔があり 物質の出入りを行って いる 小胞体 核内には染色質 クロ マチン と核小体が存在 する 中間径 線維 核小体 中心体 微小管 核ラミナ 核膜孔 クロマチンには DNAがあり遺伝 情報を司る P18-19 外膜 核膜 内膜 ラミナと呼ばれる網状タンパク で核の形が保持される P19 タンパクサブユニットである核ラミンが結合した網目構造 上の写真のように 中間経フィラメントが規則正しく並ぶ 核膜孔複合体と核膜内膜の膜内在性タンパクの両方と接 着し 核膜を安定に保つ クロマチンとも直接結合しているらしい クロマチンも核膜内膜の膜内在性タンパクと結合 P19 羊水細胞の核 上 FISH法で検出された2種類のX染 色体 共焦点レーザー顕微鏡撮影 Xaは活性を維持しているX染色体 Xiは不活性化されたX染色体 下 同じ核を DAPIで染色し CCDイメ ージセンサで記録したもの 矢印はXiそのものであるバー小体を指 している 細胞を酢酸オルセインなどの色素で染めると 核は濃く染まる部分と薄く染まる 部分に分かれる 色素で染まる部分をクロマチン 染色質 とよび 濃染する部 分はクロマチンが凝集している部分で とくにヘテロクロマチン 異質染色質 と よばれる 一方 薄く染まる部分はユークロマチン 真正染色質 とよばれる Barr ML, Bertram EG (1949). A morphological distinction between neurones of the male and female, and the behaviour of the nucleolar satellite during accelerated nucleoprotein synthesis. Nature 163 (4148):

5 P19 P19-20 表2 3 ヒストンの種類 分子量 Mr リシンとアルギニンの 割合 H2A 14,000 20% H2B 13,900 22% H3 15,400 23% H4 11,400 24% リンカーヒストン H1 20,800 32% コアヒストン P19 P19-20 ヌクレオソーム構造 200 bp毎に形成される クロマチンの構造変化と転写因子のアクセス クロマチン構造 30 nmファイバー 遺伝子発現の流れ P20 P20 図2 7 核小体はリボソームを合成 核で合成されたrRNAと核外 から移動してきたリボソームタ ンパクを複合させてリボソー ムを合成する リボソームは細胞質へ移動し タンパクを合成する さかんにリボゾームRNAを 合成する核小体 5

6 P20-21 P20-21 図2 8a 楕円体状の小体で二重膜をもち 内膜は内側にひだを つくり クリステを構成 1つの細胞に1 5000個存在 エネルギー (ATP)を生産する場 ATP合成を行う機能をもつ細胞内小器官で 二重の単位膜 外膜と内膜 で包まれ マトリックスにはDNAをもっている 明らかになった ミトコンドリアRNAの重要性 合成したミトコンドリア リ ボソーム 大サブユニットの RNA mtlrrna を 極細胞 ができないような処理をした 卵の後極に注入すると 極 細胞ができる つぶつぶ状 のものが極細胞 正常の卵割期胚にお けるmtrlRNAの後極への 局在を示すin situハイブリ ダイゼーションの写真 極細胞質の電子顕微鏡写 真 in situハイブリダイゼーショ ンによりmtlrRNAが極顆粒に 局在していることを示す Mはミトコンドリア Pは極顆粒 矢印がmtlrRNA 図2 8b 単位膜1枚から成る扁平な袋で 膜の細胞質側にリボソームを付 着させた粗面小胞体とリボソー ムのない滑面小胞体とがある ツバキの葉の表面の透過電子顕微鏡像 滑面小胞体は 肝細胞やス テロイド分泌性の内分泌細 胞に多い 粗面小胞体では リボソームで合成されたタ ンパク質に膜腔内で糖が添 加され糖タンパク質が合成 される 内部の空間のストロマには円盤状のチラコイドが重なって グラナとよばれる 構造をつくっている グラナ同士はストロマラメラでつながっている チラコイド 膜には 光リン酸化反応に関与する酵素と色素が存在する 6

7 約20 nmのだるま形の粒子で タンパク質とリボソームRNAからなる タンパク質をつくるという重要な働きをしている P22 シグナル仮説 小胞体シグナル配列がタンパクを小胞体膜に 導き 小胞体膜にあるシグナルペプチダーゼがコレを除去し て完全なポリペプチド鎖が出来上がる P22-23 P22-23 図2 10 図2 10 7

8 P23 P23 水解小体 真核細胞内の膜で包まれた細胞質 構造体で 加水分解酵素に富み 細胞消化に機能する P23 カタラーゼ及び一群の酸化酵素を含む細胞質 内の小顆粒 通常 直径0 5 2ミ クロン タバコの緑葉の電子顕微鏡写真 Mb : ペルオキシソーム Mt : ミトコンドリア Ch : 葉緑体 V : 液胞 酸化作用を営む ペルオキシソームの機能 ミクロボディ 核 真核生物において クロマチン( 染色質) 核小体 核膜 から構成される 核小体 リボソームRNAの合成とリボソームの組み立てを行う ゴルジ体 扁平嚢が層状に積み重なった構造 分泌タンパク質は酵素による様々な修飾を受ける 細胞壁 植物細胞や細菌の細胞膜の外側にある丈夫な膜 ペクチン セルロースが主成分 細胞膜 細胞表面にある膜 選択的透過や代謝物質輸送 電気的興奮性 免疫特性の発現な どの機能をもつ 小胞体 扁平な袋状構造 リボソームが付着していることが多い 脂質代謝及び細胞内物質輸 送などの機能をもつ 中心体 細胞分裂の時 染色体の極移動に関係 動物細胞と 菌類 藻類に見られる ミトコンドリア 酸素呼吸によって物質を酸化し その際のエネルギーを利用してATPを合成する 葉緑体 緑色植物の細胞中に存在する色素体 多量のクロロフィルの他カロチノイドも含む 一 般にグラナとストロマとから成り 光合成は前者で 二酸化炭素固定は後者で行われる リボソーム 細胞質にあってタンパク質合成の場となる小顆粒 RNAとタンパク質から成る P24 P24 G1期 DNA合成に必要な 酵素が活性化 S期 核のDNAの複製 G2期 分裂の準備の最終 段階 タンパク質の 合成が増加 細胞周期からの離脱 G0期 8

9 P24 M-phase promoting factor MPFのもつM期誘起活性の実態は Cdc2の産物であるCdc2というリン 酸化酵素とサイクリンBというタンパ ク質が結合することによって活性化 されたもの Cdc2キナーゼ MPF Cdc2k Cyclin B P26 P26 図2 13 間期 前期 prophase P28 P28 図2 14 図2 14 中期 後期 終期 metaphase anaphase telophase 9

10 P29 P30 図2 15 図2 16 DNA 合成期 S 期 にコヒーシンより染色体が接着する 分裂期 M 期 にコンデンシンにより染色体が凝集する P30 P30-31 図2 17 微小管 microtubule 直径25 nm 中間径フィラメント 微小繊維 intermediate filament actin filament 直径約10 nm 直径5-9 nm P30-31 P30-31 図2 17 図2 17 10

11 P30-31 P30-31 図2 17 図2 17 P30-31 P31 図2 17 積み荷 キネシン 尾部 モーター頭部 プラス エンド マイナス エンド モーター頭部 微小管 尾部 ダイニン 積み荷 モータータンパク質ダイニンは微小管のレール上をマイナス エンド に向かって動き キネシンはプラスエンドに向かって動く (A)微絨毛 (B)細胞質の収縮性の束 (C)移動する細胞の先端 にできる葉状仮足と糸状仮足 (D)細胞分裂時の収縮環 P31 (A)ネガティブ染色した微小繊維の電子顕微鏡写真 (B)微小繊維中のアクチン分子の並び方 (C)アクチン分子を色分けして隣同士密着していることを示す P31 (A)アクチン分子は 375個のアミノ酸からなる1本のポリペプチド 真ん中の深い切れ込みに1個のATPを抱え込んでいる (B)はこの模式図 (C)はモノマーのつながりを示す模式図 11

12 P31 P31 アクチン分子のダイナミックな会合と解離には ATPとその加水分解 によるADPへの変換が関与している P31 P32 図2 18 Z線 Z線 サルコメア 筋節 の中央部には電子顕微鏡で見て暗く見える A帯 暗帯 が存在し A帯とZ線の間は明るいI帯 明帯 が存 在する I帯 明帯 A帯 暗帯 Sa 筋節 SR 筋小胞体 ZL Z線 H帯 A帯 暗帯 I帯 明帯 P32 ミオシン頭部はADP を放してもとの姿勢に 戻り このときアクチ ンフィラメントを滑り込 ませる ミオシンフィラメント アクチンフィラメント ミオシン頭 部は移動 した位置 でアクチン と結合し リン酸を放 出してさら に 強くアク チンと結合 する 結合したATPはATP 分解酵素の働きでA DPとリン酸に分解 さ れる 図2 19 ミオシン頭部はアクチンと結合している ATPはミオシン頭部のATP 分解酵素部位と結合する ATPがやってくる ミオシン頭部の 立体構造が変わ り アクチンとの 結合が外れる アクチンフィラメントの プラスエンドに向かっ て移動する 12

13 P32-33 表2 5 組織名 P32-33 上皮細胞のケラチンフィラメントの 蛍光顕微鏡像 種 類 上皮細胞 ケラチンフィラメント 神経細胞 ニューロフィラメント グリア細胞 グリアフィラメント 筋肉 デスミンフィラメント 繊維芽細胞 ビメンチンフィラメント 核の最内層 核ラミンフィラメント P32-33 ケラチンフィラメントは デスモ ゾームを介して隣の細胞と連続 している P

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