2.1 の気温の長期変化 の 6 地点の 1890~2010 年の 121 年間における年平均気温平年 差の推移を図 2.1-2に示す の年平均気温は 100 年あたり1. 2 ( 統計期間 1890~2010 年 ) の割合で 統計的に有意に上昇している 長期変化傾向を除くと 1900 年代後半と

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1 2.1 の気温の長期変化 第 2 章の気候の変化 2.1 の気温の長期変化 世界と日本の気温の長期変化 気候変動に関する政府間パネル ( 脚注 ) 第 4 次評価報告書 (IPCC,20 07) によると 19 世紀後半以降の世界の平均気温は様々な時間スケールの変動を繰り返しながら 長期的には100 年あたり約 0.7 ( 統計期間 1906~2005 年 ) の割合で上昇している また 同報告書では この上昇傾向は過去 1300 年間の気温の経過には見られない急激なものであり 20 世紀半ば以降の上昇のほとんどは 人為起源の温室効果ガス濃度の増加によってもたらされた可能性が非常に高いとしている 日本 変化率 :1.2 /100 年 図 日本の年平均気温の推移 (1898~2010 年 ) 青線は観測データの均質性が長期間維持され かつ都市化などによる環境の変化が比較的少ない国内 17 地点での年平均気温の基準値からの偏差を平均した値 ( ) 赤線は偏差の 5 年移動平均値 直線は長期変化傾向を表す ここでの基準値は 1981 ~2010 年の 30 年平均値 図 2.1-1に示すように 日本の年平均気温は 長期的な傾向として 100 年あたり1.2 ( 統計期間 18 98~2010 年 ) の割合で上昇している 観測機器によって得られた資料が示す世界と日本の平均気温の変動は 地球温暖化による長期的な上昇傾向に エルニーニョ現象 ラニーニャ現象や太平洋十年規模振動 (PDO) に伴う数十年周期の高温 低温 火山の噴火による一時的な低温といった自然変動が重なったものと考えられる ( 気象庁,2011) の年平均気温の長期変化 気候変化には地域的特性があるため 世界や日本の平均的な傾向が必ずしもに当てはまるわけではない そこで の気温の長期的な変化傾向を捉えるため ここでは120 年以上の観測記録が残るの6 地点 ( 青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島 ) を対象として気温の長期的な変化傾向を調査した 気候変動の把握のためには 観測データの均質性が長期間維持されていることが重要であり 観測地点の移転などの場合には 連続データとして扱うことができるかどうかの評価を行う必要がある 調査に用いた観測点のうち 青森は1928 年 1 月 1939 年 8 月 1956 年 1 月に 秋田は1896 年 12 月 1926 年 12 月に 宮古は1939 年 1 月に観測場所を移転しており 観測データがこの前後で均質ではないため 気温については移転の影響を取り除く補正を施している ( 大野ら,2011) 宮城県一目千本桜と蔵王連峰大河原町の白石川堤に約 1200 本の桜のトンネルが続く 4 月中旬 遠くに残雪を頂いた蔵王の山並みを望み ソメイヨシノが満開を迎えた 桜の便りは 4 月から 5 月初めにかけて を足早に北上して行く 脚注 ) 気候変動に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC) は 世界気象機関 (WMO) 及び国連環境計画 (UNEP) により 1988 年に設立された国連の組織で 各国政府から推薦された科学者によって地球温暖化に関する科学的 技術的 社会経済学的な評価を行っている - 5 -

2 2.1 の気温の長期変化 の 6 地点の 1890~2010 年の 121 年間における年平均気温平年 差の推移を図 2.1-2に示す の年平均気温は 100 年あたり1. 2 ( 統計期間 1890~2010 年 ) の割合で 統計的に有意に上昇している 長期変化傾向を除くと 1900 年代後半と 1920 年代半ばから1940 年代半ばまでは低温の時期が続いた 1960 年頃に高温の時期があり 1960 年代半ばから1980 年代後半の低温の時期を経て 1990 年頃から高温の時期が続いている なお 図 2.1-2の地点の観測記録は 都市化などによる 図 の年平均気温の推移 (1890~2010 年 ) 青線は 青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島の年平均気温の平年差 ( 平年値との差 ) を平均した値 ( ) 赤線は平年差の 5 年移動平均値 直線は長期変化傾向を表す 平年値は 1981 ~2010 年の 30 年平均値 青森 秋田 宮古は観測場所を移転したため 移転の影響を取り除く補正を行っている 環境の変化の影響を受けている可能性があるが これらの特徴は 日本の年平均気温 ( 図 2.1-1) と一致している 変化率 :1.2 /100 年 近年 で高温となる年が頻出している要因としては 世界 日本の平均気温と同様 温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化に 数年から数十年程度の時間規模の自然変動が重なっているものと考えられる なお 1980 年代末から1990 年代半ばは北極振動指数が顕著な正 ( 北極周辺の大気の流れが蛇行しない状態 ) となっており 寒気が放出されにくい大気の流れであったことが 冬期を中心にの平均気温を押し上げた要因の一つと考えられる (2.1コラム エルニーニョ現象 ラニーニャ現象と北極振動 参照 ) まめコラム 火山噴火が気温を下げる 大規模な火山噴火が発生すると 成層圏内のエーロゾル の濃度が大きく上がるため 図大気混濁係数の推移 (1960~2010 年 気象庁,2011) 水蒸気や黄砂の影響を取り除くため 全国 4 地点の月最小値を平均したものを年平均した 一回の噴火で世界の平均気温が数年間低下することもあり得る (IPCC,2007) 20 世紀最大規模の噴火と言われる1991 年のピナトゥボ火山 ( フィリピン ) 噴火の場合 対流圏の全球平均気温は1991 年の終わり頃から下降し 翌年の1992 年は平年よりも低い状態が続いた 将来 成層圏に大量のエーロゾルが注入されるほどの大きな火山噴火が起きれば 一時的な気温低下が生じる可能性がある 気象庁は 札幌 つくば 福岡 石垣島の4 地点で直達日射量を観測し 大気混濁係数を算出している 図では 1982~85 年と1991~93 年に極大が見られ それぞれ1982 年 3~4 月のエルチチョン火山噴火 ( メキシコ ) 1991 年 6 月のピナトゥボ火山噴火によって硫酸塩エーロゾルの生成につながる二酸化硫黄が成層圏に大量に注入され 成層圏が長期間にわたって混濁したと考えられる エーロゾルは大気中に浮遊するちりなどの微粒子で 大きさは半径 0.001~10 マイクロメートル程度である エーロゾルは 太陽放射を散乱 吸収して地上に到達する日射量を減少させ 気温を低下させる日傘効果を持つ一方で 地球からの赤外放射を吸収 再放射するという保温効果も持つ さらに 雲粒の核となる微粒子として 地球の放射収支を変える効果も持つ 大気混濁係数は 大気中のエーロゾル 水蒸気 オゾン 二酸化炭素などの吸収 散乱による日射の減衰を表す指標で 値が大きいほど減衰が大きいことを示す - 6 -

3 2.1 の気温の長期変化 の季節別平均気温の長期変化 の季節別平均気温の推移を図 に示す では すべての季節の気温が 統 計的に有意な上昇傾向を示している 冬の上昇傾向が最も大きく 100 年あたり 1.5 ( 統計期間 1891~2010 年 ) の割合で上昇している 長期変化傾向を除くと 春は 1910 年代から 1940 年代 1970 年代から 1980 年代にかけて低温の時期があり 1984 年の低温が顕著である 夏は年ごと の変動が大きいが 1890 年代後半から 1910 年代前半までの約 20 年間は低温が続き 特に 1902 年 1913 年の低温が顕著である これらの年は全域で凶作に見舞われている その後も 1931 年 1941 年 1954 年 1976 年 1980 年 1993 年 2003 年と十年から二十年ごとに顕著な低温が現れて いる 秋の変動幅は他の季節に比べ小さいが 1980 年代の終わりに大きく気温が上昇した 冬は 山形県棚田の秋山辺町大蕨 ( おおわらび ) の棚田は 農林水産省の 日本の棚田百選 に選ばれている 刈り取った稲を干す杭掛けが 日射しを浴びて金色に輝く 機械乾燥が増え この風景も次第に消えつつある 1920 年代から1940 年代にかけて低温の時期があり 特に1945 年の低温が顕著である また 1949 年以降 十年程度の間隔で顕著な高温が現れており 1989 年以降は二 三年に一回程度の頻度で顕著な高温が現れている 変化率 :1.4 /100 年 変化率 :0.8 /100 年 変化率 :1.1 /100 年 変化率 :1.5 /100 年 図 の季節別平均気温の推移 (1890( 冬は 1891)~2010 年 ) 青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島の季節別平均気温の平年差 ( 平年値との差 ) を平均した値 ( ) とその 5 年移動平均値を示す 直線は長期変化傾向 春は 3 月 ~5 月 夏は 6 月 ~8 月 秋は 9 月 ~11 月 冬は前年 12 月 ~2 月の 3 か月平均値である 平年値は 1981~2010 年の 30 年平均値 青森 秋田 宮古は観測場所を移転したため 移転の影響を取り除く補正を行っている - 7 -

4 2.1 の気温の長期変化 異常高温 異常低温の出現数の長期変化 の 1890~2010 年の 121 年間における異常高温と異常低温の年間出現数の推移を図 に示す 用いた観測地点は 節と同じ6 地点 ( 青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島 ) である このうち 青森 秋田 宮古は観測場所を移転しており 観測データがこの前後で均質ではないため 移転の影響を取り除く補正を施している ( 大野ら,2011) ここでは 異常高温 異常低温を 上記 121 年間で各月における月平均気温の高い方 低い方から1~4 位の値 と定義している ある地点のある月に 1~4 位の値が出現する割合は121 年間に4 回で つまり30.3 年に1 回 ( 約 回 / 年 ) となり ( 長期変化傾向がないとすると )30 年に1 回程度 宮城県三本木ひまわりの丘大崎市三本木の丘の斜面いっぱいを 42 万本のひまわりが埋め尽くす 真夏の太陽が照りつけるほど 地上の太陽の花はいきいきとして見える とされる 異常気象 の頻度に相当する また ある年の異常高温 異常低温の出現数とは 6 地点において異常高温 異常低温と判断された観測値の年間総数を地点数の総数 ( 欠測値を除く ) で割った値で定義され 1 地点あたりの平均年間出現数を意味する 年間の出現数の期待値 ( 図 2.1-4の横破線 ) は1 地点あたり0.033 回 12か月 = 約 0.40 回となる の月平均気温における異常高温の年間出現数は 100 年あたり0.7 回 ( 統計期間 1890~2010 年 ) の割合で統計的に有意に増加している 19 世紀末から20 世紀初頭の30 年間 (1890~1919 年 ) で平均した出現数が0.2 回であるのに比べて 最近の30 年間 (1981~2010 年 ) の平均出現数は0.9 回と4 倍以上になっている 異常高温の出現数は1940 年代の終わりに増え始め 1980 年代半ば以降 顕著に増加した 一方 異常低温の出現数は100 年あたり0.5 回 ( 統計期間 1890~2010 年 ) の割合で有意に減少している 19 世紀末から20 世紀初頭の30 年間の平均出現数が0.7 回であるのに比べ 最近の30 年間は0.2 回と7 割以上減少した 異常低温は1940 年代までは比較的多く出現したが その後は少なくなっている 変化率 :0.7 回 /100 年 変化率 :-0.5 回 /100 年 図 の異常高温 異常低温の年間出現数の推移 (1890~2010 年 ) 左図は青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島の月平均気温の各月における高い方から 1~4 位 ( 異常高温 ) の値の年間出現数 右図は 同様に低い方から 1~4 位 ( 異常低温 ) の値の年間出現数 棒グラフはその年の異常高温あるいは異常低温の年間総数を地点数の総数 ( 欠測値を除く ) で割った値で 1 地点あたりの出現数を意味する 折線は 11 年移動平均値 直線は長期変化傾向 横破線は異常高温 異常低温の平均的な年間出現数 (0.4 回 ) 横実線は 19 世紀末から 20 世紀初頭の 30 年間と最近の 30 年間の平均出現数 - 8 -

5 2.1 の気温の長期変化 真夏日 真冬日などの階級別日数の長期変化 の夏日 ( 日最高気温 25 以上 ) 真夏日 ( 日最高気温 30 以上 ) の年間日数 (6 地点の平均 ) の推移を図 に示す 日数は 1 地点あたりの年間日数である また 用いた観測地点は 節と 同じ 6 地点 ( 青森 秋田 宮古 石巻 山形 福島 ) である このうち 青森 秋田 宮古は観測場所を移転しており 観測データが移転前後で均質ではない可能性があるため これらの中で最後の移転 ( 青森 1956 年 1 月 ) 以降の変化傾向を調べた ( 以下 熱帯夜 猛暑日 冬日 真冬日についても同じ ) 夏日日数 真夏日日数とも 年ごとの変動が大きく 1956 年以降では統計的に有意な変化傾向は見 られない 1890 年代後半から 1910 年代前半までの約 20 年間は夏日日数 真夏日日数とも少ない時期が続いた 最近では 1993 年の真夏日日数が極端に少なく 記録的な冷夏となった 図 の夏日 ( 日最高気温 25 以上 ) 真夏日 ( 日最高気温 30 以上 ) の年間日数の推移 (1890~2010 年 ) 左図は夏日 ( 日最高気温 25 以上 ) 右図は真夏日 ( 日最高気温 30 以上 ) の 1 地点あたりの年間日数 折線はそれぞれの 5 年移動平均値を表す 青森 秋田 宮古は観測場所を移転している ( 図中の破線は移転時期を示す ) が 年間日数の補正は行っていない 同様に の熱帯夜 ( ここでは日最低気温が 25 以上の日を便宜的に熱帯夜と呼ぶ ) 猛暑日 ( 日最高気温 35 以上 ) の年間日数 (6 地点の平均 ) の推移を図 に示す 日数は 1 地点あたりの年 間日数である 熱帯夜日数は 10 年あたり 0.3 日 ( 統計期間 1956~2010 年 ) の割合で有意に増加している 熱帯夜の出現数は 1980 年代半ばに増え始め 全国的に記録的な猛暑となった 2010 年に最多となった 一方 猛暑日日数は年々の変動がかなり大きく 1956 年以降では有意な変化傾向は見られない 最近では 1985 年 1994 年 1999 年 2010 年と 数年から十年程度の間隔で猛暑日日数の多い年が現れて いる 変化率 :0.3 日 /10 年 図 の熱帯夜 ( 日最低気温 25 以上 ) 猛暑日 ( 日最高気温 35 以上 ) の年間日数の推移 (1890~2010 年 ) 左図は熱帯夜 ( ここでは日最低気温 25 以上とする ) 右図は猛暑日 ( 日最高気温 35 以上 ) の 1 地点あたりの年間日数 折線はそれぞれの 5 年移動平均値 直線は長期変化傾向を表す 図の見方は図 と同じ - 9 -

6 2.1 の気温の長期変化 の1 地点あたりの冬日 ( 日最低気温 0 未満 ) 真冬日( 日最高気温 0 未満 ) の年間日数 (6 地点の平均 ) の推移を図 2.1-7に示す ( 脚注 ) 日数は1 地点あたりの年間日数である 冬日日数は10 年あたり3.3 日 ( 統計期間 1956~2010 年 ) の割合で有意に減少しており 記録的な暖冬であった1989 年から1993 年にかけて急減し その後も1970 年代に比べ1 割以上少ない年が続いている 一方 真冬日日数は 年ごとの変動が大きく 1956 年以降では有意な変化傾向は見られない 1945 年の真冬日日数は突出しており その後 1969 年 1977 年 1984 年も真冬日日数が多くなっているが 1990 年代以降は真冬日日数の少ない年が多い 変化率 :-3.3 日 /10 年 図 の冬日 ( 日最低気温 0 未満 ) 真冬日 ( 日最高気温 0 未満 ) の年間日数の推移 (1890~2010 年 ) 左図は冬日 ( 日最低気温 0 未満 ) 右図は真冬日 ( 日最高気温 0 未満 ) の 1 地点あたりの年間日数 折線はそれぞれの 5 年移動平均値 直線は長期変化傾向を表す 図の見方は図 と同じ まめコラム の夏が涼しくなった? 地球温暖化の進行に伴い の年平均気温は上昇している しかし 季節別に見ると 夏の上昇傾向は他の季節に比べて小さい 図に の各地点における8 月の日最高気温平均値の50 年あたりの変化率を示す ( 統計期間を揃える 図 8 月の日最高気温平均値の 50 年あたりの変化率棒グラフは各地点の 50 年当りの気温変化率を表す 統計期間は 1940 年から 2010 年まで すべての地点で統計的に有意ではない 青森 秋田 宮古 小名浜は観測場所を移転したため 移転の影響を取り除く補正を行っている ため 1940 年から2010 年までの期間で検討した ) 各地点の8 月の日最高気温は 統計的に有意ではないものの 一部を除き低下傾向が見られ 特に太平洋側でその傾向が強い 北海道でも同様の傾向があるが 東日本以西ではこのような傾向は見られず 北日本の特徴である ( 気象庁,2008a) この原因については現時点では明らかではない 脚注 ) 日最低気温の日界 (1 日の区切り時刻 ) は現在では 00 時であるが 1939 年までは日界を 22 時としており 1953~1963 年は 09 時としていた 09 時日界及び 22 時日界による冬日日数は 00 時日界によるものと比べて北日本平均でそれぞれ 6.7 日 / 年と 2.3 日 / 年少なく 09 時日界及び 22 時日界による熱帯夜日数は 00 時日界によるものと比べて北日本平均でそれぞれ 0.1 日 / 年と 0.02 日 / 年多いと指摘されている ( 藤部,2000)

7 2.1 の気温の長期変化 エルニーニョ現象 ラニーニャ現象と北極振動 北半球の北緯 30 度から40 度の上空約 1 万 2 千 mには亜熱帯ジェット気流が 温帯と寒帯の間の上空約 9 千 mには寒帯前線ジェット気流が流れ 熱帯の暖気 中緯度の温暖な空気 寒帯の寒気の境界が形成されている の天候はこれらのジェット気流の位置や強さに左右され 亜熱帯ジェット気流 が日本の北を流れるような夏は 太平洋高気圧が発達して暑くなる 亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流が合流する冬の日本付 近で ジェット気流が南に下がるときは 寒気が流れ込んで寒くなる そして ジェット気流のこのような変動と関係が深い現象がエルニーニョ現象 ラニーニャ現象と北極振動である エルニーニョ現象とは 南米のペルー沖から中部太平洋にかけての赤道域において 海面水温が平年より高い状態が半年から1 年程度続く現象で 逆に同じ海域で海面水温が平年より低い状態が半年から1 年程度続く現象がラニーニャ現象である 熱帯域の海面水温が平常時とずれる状態が続くことで 積乱雲が盛んに発生する海域が移動し この変化がジェット気流の位置や強さを変動させる エルニーニョ現象発生中 の春は高温の傾向 夏は低温の傾向があり ラニーニャ現象発生中 の夏は高温の傾向がある ( 図 1) 北極振動とは 北半球の高緯度域と中緯度域における海面気圧がシーソーのように一方が高いと一方が低くなる現象で 寒気の動向と関連している 北極振動に伴って 寒気が北極域に蓄積されて中緯度域に南下しにくいパターン ( 寒帯前線ジェット気流が緯度に沿った流れとなり 極渦が強く引き締まるパターン ) と 寒気が北極域から放出されて中緯度域に広く南下するパターン ( 寒帯前線ジェット気流が蛇行するパターン ) が繰り返される ( 図 2) 北極振動の周期は 10 日程度 年から十数年規模など様々である の冬の気温も北極振動の影響を受けて変動し 北極域に寒気が蓄積されるパターンになれば暖冬に 北極域から寒気が放出されるパターンになれば寒冬になりやすい ( 図 3に青森の気温との対比を示す ) エルニーニョ現象や ラニーニャ現象については気象庁 (2005b) 北極振動については山崎 (2004) に詳しい説明がある エルニーニョ時 ラニーニャ時 図 1 エルニーニョ現象 ラニーニャ現象発生中のの天候 ( 平均気温 ) の出現傾向左図はエルニーニョ現象発生中 右図はラニーニャ現象発生中 青は平年より低い階級 白は平年並の階級 赤は平年より高い階級を表す 統計期間は 1979~2008 年 長期的変化傾向を除去して統計した 図 2 北極振動のパターン冬 (12 月 ~2 月 ) 平均の北半球 500hPa 高度場において最も卓越する変動パターン (1958/59~ 2004/05 年 ) 図の中心が北極である 青い領域の高度場が負偏差の時は赤い領域で正偏差 ( 気温が高い ) 青い領域で正偏差の時は赤い領域で負偏差 ( 気温が低い ) となる 図 3 北極振動と青森の気温との関係青は北極振動の強さを表す指数 正のときは中緯度に寒気が南下しにくい 赤は青森の冬 ( 前年 12 月 ~2 月 ) の平均気温で 1958/59~2004/05 年の平均値との差 ( )

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