本文

Size: px
Start display at page:

Download "本文"

Transcription

1 Jun 3, 16 日本経済情報 16 年 6 月号 内容 1. アベノミクスの評価安倍政権の経済政策が参院選の注目点に 実質成長率やドル建て GDP だけでは優劣を判断できず 生活実感に近い指標が示す残された課題 デフレ脱却と財政再建に一定の成果. 今後の見通し景気の現状 :16 年 1~3 月期 GDP は小幅上方修正ながら停滞評価は変わらず 国内民間需要に改善は見られず 円高の影響が今後の懸念材料 デフレ脱却が視野に入るのは 18 年度以降 主席研究員武田淳 ( ) Summary アベノミクスの評価と改定見通し 6 月 日に公示された参院選では 安倍政権の経済政策運営が注目点の一つとなっている 特に 選挙戦という性格上 民主党 ( 現民進党 ) 政権時代の経済パフォーマンスと比較されることが少なくない 両政権期の実質 GDP を比較すると 民主党期は 5.7% 増加したが 安倍政権では.5% にとどまり 経済成長という観点では民主党に軍配が上がる ただ 民主党期はリーマン ショックにより景気が大きく落ち込んだ後であり 安倍政権では消費増税が成長を阻害した面もある また 経済規模を諸外国と比較する際に用いられるドルベースの GDP は 民主党期に 16% 拡大した一方で 安倍政権期は 5% 縮小した 両者の違いは言うまでもなく為替相場の影響である 以上の通り 安倍政権期は成長率やドルベースの経済規模で民主党政権期に劣っているが 財政再建やデフレの根源となった円高是正の結果であることも考慮すると 優劣を判断し難い より生活実感に近い指標で比較すると 賃金は名目では安倍政権 実質では民主党となり 違いは物価である ただ 民主党期はデフレが続いており 物価上昇下での実質賃金上昇が今後の課題ということになる 雇用については 量では安倍政権 質については民主党 安倍政権とも非正規雇用の増加が続き未だ改善できておらず 課題を残している そのほか 貯蓄のない世帯 の比率上昇や生活保護受給世帯数の増加が続いており 格差拡大も今後の政策運営における重要な課題と言える そもそも 民主党期は経済を非常事態から正常化することが求められ 安倍政権期は緩やかなインフレ下での経済正常化を目指しており 状況も目標も異なるため 単純に比較することにさほど意味はない アベノミクスはデフレ脱却と財政再建に一定の成果を挙げたという評価はできるため 過去の経済政策の評価は 政争の具ではなく 今後の政策運営を考えるための前向きな材料として活用すべきであろう 景気は停滞が続いている 個人消費が低調 円高の影響による輸出の落ち込みや設備投資の頭打ちが懸念され 消費増税が先送りされても 16 年度の実質 GDP 成長率は前年比 +.9% にとどまろう 17 年度はやや伸びが高まり+1.1% となり 需給ギャップがようやく解消しよう

2 1. アベノミクスの評価 ~ 民主党政権との比較を中心に安倍政権の経済政策が参院選の注目点に 6 月 日に参院選が公示された 投票日となる 7 月 1 日に向けて 今後 与野党の間で論戦が激しさを増していくことになろうが 今回注目される論点の一つは 安倍政権の経済政策運営 すなわちアベノミクスに対する評価である 特に 選挙戦という性格上 民主党 ( 現民進党 ) 政権時代の経済パフォーマンスと比較されることが少なくない そこで 民主党政権期 (9 年 9 月 16 日 ~1 年 1 月 6 日 ) と 続く安倍政権の発足から最近までの間について 興味を引きそうな指標を幾つかピックアップして比較してみた ( 下表 ) 民主党政権と安倍政権の経済データ比較 民主党政権期 安倍政権期 実質 GDP 9 年 Q3 1 年 Q4 変化 (%) 1 年 Q4 16 年 Q1 変化 (%) ( 年率季調値 1 億円 ) 489, , ,355 53,35.5 名目 GDP 9 年 Q3 1 年 Q4 変化 (%) 1 年 Q4 16 年 Q1 変化 (%) (1 億円 ) 469,576 47, ,749 53, ( 億ドル ) 5,16 58, ,333 43, 一人当たり名目 GDP 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) ( ドル ) 5, , , , 名目賃金指数 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) (1 年平均 =1) 実質賃金指数 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) (1 年平均 =1) 就業者数 9 年 Q3 1 年 Q4 変化 1 年 Q4 16 年 Q1 変化 ( 万人 ) 6,98 6, ,73 6, 非正規労働者数 9 年 Q3 1 年 Q4 変化 1 年 Q4 16 年 Q1 変化 ( 万人 ) 1,748 1, ,843, 世帯の消費支出 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) ( 月平均 円 ) 53,7 47, ,651 47,16 -. 貯蓄ゼロ世帯比率 9 年 1 年変化 1 年 15 年変化 ( 金融資産無し世帯割合 %) 生活保護受給世帯数 9 年度 1 年 1 月変化 1 年 1 月 16 年 3 月変化 ( 万世帯 ) 消費者物価指数 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) (1 年平均 =1) 財政赤字 8 年度 1 年度変化 1 年度 15 年度変化 実績 実績 実績 見込み プライマリーバランス ( 兆円 ) (GDP 比 %) 日経平均株価 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) ( 円 ) 9,331 9, ,14 19, 為替相場 9 年 1 年変化 (%) 1 年 15 年変化 (%) ( 円 / ドル ) ( 注 ) 民主党政権期の期間は9 年 9 月 16 日 ~1 年 1 月 6 日 ( 出所 ) 内閣府 厚生労働省 総務省 金融広報中央委員会 CEIC DATA

3 実質成長率やドル建て GDP だけでは優劣を判断できずまず 実質 GDP の変化を比較すると 民主党政権期は約 3 年 3 ヵ月 (9 年 Q3~1 年 Q4) の間に 5.7% 増加したが 安倍政権下の約 3 年 3 ヵ月 (1 年 Q4~16 年 Q1) の間の増加率は.5% にとどまっている 四半期平均では 民主党期の年率 1.7% に対して安倍政権期は.8% である GDP... の拡大 言い換えると経済成長という観点では 表面的には民主党政権に軍配が上がる ただ 民主党期は 8 年 9 月のリーマン ショック前後 1 年間 (8 年 Q1~9 年 Q1) に実質 GDP が約 1 割も落ち込んだ半年後にスタートしており 一般的にはリバウンドが期待される局面であった さらに 後述の通り 財政赤字の急拡大に目をつぶって景気の底上げを優先した点を割り引いて考える必要があろう 一方 安倍政権期は 14 年 4 月の消費税率引き上げ (5% 8%) までの約 1 年半の間に実質 GDP が 3.4% 増加したが 増税直後に % も減少 16 年 1~3 月期の時点でその半分程度しか取り戻していない つまり 消費増税が成長を阻害したと言え 両政権での経済パフォーマンスの違いは 当時の環境や財政に対する姿勢の違いによる部分が大きかったようである 実質 GDP の推移 ( 季節調整値 5 年価格 兆円 ) 消費者物価と GDP デフレーターの推移 ( 前年同期比 %) 54 4 消費者物価指数総合 53 3 GDPデフレーター 民主党政権期 48 安倍政権期 ( 出所 ) 内閣府 ( 出所 ) 内閣府 総務省 また 物価変動を含む名目 GDP を比較すると 結果は逆転する 民主党期の名目 GDP は.7% の増加にとどまる一方で 安倍政権期は 6.4% 増加している 安倍政権期には消費増税に伴う物価上昇が加味されていることが大きいが その影響を除いても デフレ脱却が一時視野に入る状況まで改善したことを反映したものである 民主党期は リーマン ショックの後遺症や東日本大震災 円高の加速などもあってデフレの深化が続いた 消費者物価を比較すると 民主党期は 3 年で 1.% 下落 安倍政権期は 3.9% 上昇 増税の影響を除いても 3 年 % 弱上昇している なお 経済規模を諸外国と比較する際に良く用いられるドルベースの GDP( 名目 ) は 民主党期に 5. 兆ドルから 5.8 兆ドルへ 16% ほど拡大したが 安倍政権期は 4.4 兆ドルへ約 5% 縮小した 両者の違いは言うまでもなく為替相場の影響である ドル円相場は 民主党期に 1 ドル=93.6 円 (9 年平均 ) から 79.8 円 (1 年平均 ) へ約 15% 円高が進み 安倍政権期には 11.1 円 (15 年 ) まで約 5 割も円安に戻している 以上の通り 安倍政権期の経済パフォーマンスは ( 出所 ) 内閣府 名目 GDP の推移 ( 季節調整値 兆ドル ) 民主党政権期 安倍政権期

4 成長率やドルベースで見た経済規模においては 民主党政権期に劣っているが 成長率の低さは財政再建を進めたためであり ドル建て GDP の減少はデフレの根源となった円高を是正した結果であることも考慮すると 成長率やドル建て GDP の規模だけで優劣を判断することは適当ではなかろう 生活実感に近い指標が示す残された課題そういう観点もあり 両者の経済政策の成果を比較する際に より生活実感に近い指標を用いるケースも散見される 幾つか具体例を挙げると 平均賃金 1 は 民主党政権期に名目で.6% 減少した一方で 安倍政権期には.1% と小幅ながら増加した しかしながら 物価上昇を加味した実質では 民主党期の.5% 増に対して安倍政権期は 4.6% も減少している 民主党期はデフレが続いたことが賃金の実質的な水準を押し上げ 逆に安倍政権期は物価の緩やかな上昇と消費税率引き上げが実質賃金を押し下げたということである デフレ脱却の過程では まず名目ベースで賃金が増加し それから実質ベースでも増加していく流れが一般的であり 実質賃金の動きの違いは デフレ下の民主党政権期と デフレ脱却の途上にある安倍政権期という整理が適当であろう つまり 安倍政権下での実質賃金の減少は デフレ脱却が進んでいる裏返しということでもある もちろん 今のところ賃金の上昇幅は物価上昇や消費税負担に比べ不十分であり それがデフレ脱却を遅らせる大きな要因となっているため 十分な賃金の上昇 が今後の政策上の課題ということになる 賃金指数の推移 (1 年 =1) 実質賃金名目賃金 非正規の職員 従業員の割合 (%) ( 出所 ) 厚生労働省 ( 出所 ) 総務省 雇用については 量と質の両面で比較されることが多い まず 量の面では 就業者数 が民主党政権期は 5 万人減少 (9 年 Q3:6,98 万人 1 年 Q4:6,73 万人 ) したことに対して 安倍政権期は 14 万人増加 ( 16 年 Q1:6,415 万人 ) しており いずれが望ましい結果であるかは明白である ただ このうち非正規労働者 3 の数は 民主党期の 95 万人増に対して安倍政権期は 164 万人増と増勢を強めており 非正規労働者だけが増えているという質の面での課題を残している とはいえ 上記の通り名目ベースで賃金が上昇し 雇用も量的には拡大していることから 1 世帯あたりの消費支出 4 ( 名目 ) は 安倍政権期の 3 年間で.% の小幅な減少にとどまった 民主党政権期は.4% 減少していたことから 下げ止まりつつあるという評価が妥当であろう さらに言えば 安倍政権の発足から 消費税率が引き上げられた 14 年までに限れば消費支出は増加しており 消費増税の予想を上回る負のインパクトが安倍政権の経済運営にとって大きな誤算であったことが こう 1 厚生労働省 毎月勤労統計調査 の賃金指数のうち 現金給与総額 総務省 労働力調査 による サラリーマンだけでなく自営業者を含む 3 総務省 労働力調査 による パート アルバイト 派遣社員 契約社員 嘱託など 4 総務省 家計調査 の総世帯の消費支出 4

5 した数字からも確認できる そのほか 所得格差の拡大という観点から 貯蓄のない世帯 の比率や生活保護を受給している世帯の数が注目されることも少なくない 貯蓄のない ( 金融資産を保有していない ) 世帯の比率 5 は 民主党政権期に.%( 9 年 ) から 6.%( 1 年 ) へ 3.8%Pt 上昇 安倍政権期には 3.9%( 15 年 ) へさらに 4.9%Pt 上昇した また 生活保護受給世帯数 6 は 民主党期に約 3 万世帯増 (9 年度 17.4 万世帯 1 年 1 月 万世帯 ) 安倍政権期にも 6.5 万世帯増加した ( 16 年 3 月 万世帯 ) すなわち いずれの政権においても悪化が続いており こうした格差の拡大は今後の政策運営における重要な課題である デフレ脱却と財政再建に一定の成果上記の通り 生活実感に近い指標で比較した場合でも 民主党政権期と安倍政権期のいずれの経済政策が勝っていたか優劣を付けることは難しい 格差の拡大についても 民主党政権時代から生じていた動きであり 安倍政権でもその流れを止められていない という評価となろう そもそも 民主党政権期はリーマン ショックにより非常事態と言える状態にまで悪化した経済情勢を正常化することが最優先課題であり 安倍政権期は円高の進行を背景に一段と強まるデフレ圧力を緩和し 緩やかなインフレを実現することで経済を正常化することを目標としており 置かれている状況も目指すべき状態も異なるため 単純に比較することにさほど意味はない 少なくとも 安倍政権の経済政策を評価する上で重要な点は デフレ脱却と財政再建の二兎を追うことを目標としていることに基づけば 物価と財政状況である それぞれの状況を見ると 消費者物価については 既に触れた通り 民主党政権期においては下落傾向が続いた一方で 安倍政権下では緩やかながらも上昇傾向に転じた また 財政状況については 民主党政権期は 8 年度に一般政府 7 の財政収支が 16.5 兆円の赤字 利払い費を除いた基礎的財政収支 ( プライマリーバランス ) で見て 6.6 兆円 (GDP 比 1.4%) の赤字だったものが 大規模な景気対策を実施したことによって 1 年度にはそれぞれ 41. 兆円 3. 兆円 (6.8%) まで赤字幅が拡大した それらが安倍政権期に入り 景気回復に伴う税収増や消費増税によって 15 年度にはそれぞれ 6.6 兆円 17.6 兆円 (3.5%) に縮 小したとみられる 十分でないが一定の成果はあったと評価すべきであろう ただし 今年に入ってからの円高と株安の進行により景気の停滞感が強まり アベノミクスが目指す形でのデフレ脱却が危ぶまれつつある 8 過去の経済政策の評価は 政争の具ではなく 今後の政策運営を考えるための前向きな材料として活用すべきであろう 一般政府の財政収支の推移 ( 兆円 ) 1 財政収支基礎的財政収支 年度は当研究所による推定 ( 出所 ) 内閣府 5 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 の 人以上世帯 に対する調査 6 厚生労働省 被保護者調査 による 7 中央政府 地方政府 社会保障基金の合計 8 詳細は 16 年 4 月 日付 日本経済情報 16 年 4 月 ~アベノミクス再考 参照 5

6 . 今後の見通し景気の現状 :16 年 1~3 月期 GDP は小幅上方修正ながら停滞評価は変わらず景気の悪化を受けて 安倍政権は 17 年 4 月に予定していた消費税率の再引き上げを 年半延期する方針を決めたが 実際に景気は停滞状態が長期化している 16 年 1~3 月期 GDP の 次速報値 (QE) は前期比 +.5%( 年率 +1.9%) となり 1 次速報値の前期比 +.4%( 年率 +1.7%) から小幅に上方修正された それでも 前の期 (1~1 月期 ) の前期比.4%( 年率 1.8%) を埋める程度にとどまっている 主な需要項目を見ると 設備投資 (1 次速報前期比 1.4% 次速報.7%) のほか 個人消費 (+.5% +.6%) や住宅投資 (.8%.7%) が上方修正されたものの 民間在庫投資 (GDP の前期比 に対する寄与度.%.1%) の下方修正が GDP 成長率への影響を減殺した 実質 GDP の推移 ( 季節調整値 前期比年率 %) 個人消費の財別推移 ( 季節調整値 前期比 %) 実質 GDP その他 純輸出 3 1 個人消費 1 設備投資 5 公共投資 3 その他半耐久財 4 1 非耐久財サービス 5 耐久財 家計消費 ( 出所 ) 内閣府 ( 出所 ) 内閣府 国内民間需要に改善は見られず設備投資は上方修正となったものの 3 四半期ぶりの前期比マイナスであることは 1 次速報から変わらず しかも 増加が続いた前 四半期も小幅増であった ( 7~9 月期前期比 +.8% 1~1 月期 +1.3%) ことから 停滞局面が長期化していると評価すべきであろう 前年同期比が 1~1 月期の+4.1% から 1~3 月期は+.4% まで鈍化していることが その証左である 個人消費に至っては 前期比 +.6% に上方修正されたが 前の期の.8% という落ち込みを埋め切れておらず 1~3 月期の水準が閏年によって押し上げられていたことも考慮すると 低迷が続いたという評価が妥当である 財別の内訳を見ると 耐久財が前期比 +6.6% と顕著に増加しているが 大部分が前の期に落ち込んだ反動とみられ (1~1 月期 5.8%) 同じく前の期に大きく落ち込んだ衣料品や雑貨などの半耐久財は+.6% と概ね横ばいにとどまるなど (1~1 月期 3.%) マインドに左右されやすい選択的な消費は回復に程遠い状況にある さらに 閏年によって嵩上げされやすい食料品などの非耐久財が前期比横ばいにとどまったことは 節約志向の強まりを示しているという見方もできよう 4 月以降の個人消費関連指標も 物販については冴えない動きが続いている 5 月の百貨店売上高 ( 店舗数調整済 ) は 前年同月比 5.1% と 3 ヵ月連続のマイナスになった 訪日外国人客向け販売が 16.6% と ヵ月連続の前年割れとなったほか 衣料品の低迷が続いており 株価下落などによる消費者マインドの冷え込みが要因として指摘されている 5 月のスーパー売上高 ( 既存店 ) も 前年同月 6

7 比 1.3% と 3 ヵ月連続のマイナスを記録した 土曜日が前年より 1 日少なかったことや 気温低下で夏物商品が伸び悩んだことが落ち込みの主因とされている さらに コンビニ売上高 ( 既存店 ) も 前年同月比.3% と ヵ月ぶりのマイナスに転じた 来店客数が減少したほか 気温上がらず飲料やアイスの販売が落ち込んだ模様である 小売販売額の推移 ( 前年同期比 %) 輸出数量指数の推移 ( 季節調整値 1 年 =1) 15 小売業計 コンビニ スーパー 百貨店 14 米国 EU 合計 アジア 小売業計の直近期は4 月 他は4~5 月平均 百貨店 スーパーは店舗調整済 コンビニは既存店 小売計のみ消費税含む ( 出所 ) 経済産業省 各業界団体 ( 出所 ) 財務省 8 7 当研究所試算の季節調整値で最新期は4~5 月平均 円高の影響が今後の懸念材料 GDP ベースで 四半期ぶりの増加に転じた輸出 (1~1 月期前期比.8% 1~3 月期 +.6%) に ついても リバウンドの域を脱しておらず 今後については年初から進んだ円高の影響が懸念される 実際に 輸出数量指数は 当研究所試算の季節調整値で 4 月の前月比.9% から 5 月は.6% へ落 ち込みが加速 これにより 4~5 月平均の水準は 1~3 月期を.6% も下回った 主な仕向地別では 米国向け (4~5 月平均の 1~3 月期比 : 4.%) EU 向け ( 3.5%) アジア向け( 1.%) とも 落ち込んだ 米国 EU 向けについては自動車の落ち込みが目立っており 域内販売が好調な EU 向 け自動車輸出には円高の影響が出始めた 可能性がある 日本経済の推移と予測 ( 年度 ) また 円高は企業収益の下押しを通じて設 前年比,%,%Pt 実績 実績 実績 予想 予想 備投資にも悪影響を及ぼす可能性もあり 実質 GDP 国内需要 民間需要は総じて先行きに関する好材料民間需要 に乏しい 当面は 昨年度 次補正予算の個人消費 執行が本格化することに伴う公共投資の 住宅投資 持ち直しに 景気の下支え役を期待せざる 設備投資 を得ない状況であり 個人消費の復調が待 在庫投資 ( 寄与度 ) (.3) (.5) (.3) (.1) (.) 政府消費 たれるところである 公共投資 デフレ脱却が視野に入るのは 18 年度以 純輸出 ( 寄与度 ) (.3) (.8) (.1) (.1) (.) 輸出 降 輸入 こうした足元の状況を踏まえると 輸出の 名目 GDP 先行きについても慎重な見方をせざるを 実質 GDP( 暦年ベース ) 得ない 先月の時点で当研究所は 16 年 鉱工業生産 失業率 (% 平均) 度の GDP ベースの輸出を前年比 +1.4% 消費者物価 ( 除く生鮮 ) 年度を+3.% と見込んでいたが ( 出所 ) 内閣府ほか 予想部分は当研究所による 7

8 16 年度について +.5% へ下方修正する その他については基本的に前回通りであり その概要は 以下の通りである 16 年度は 個人消費がマインドの悪化を引きずって持ち直し程度の緩やかな増加にとどまり 住宅投資も低金利を背景に高まった足元の水準を維持する程度となる中で 円高の影響もあって輸出は上記の通り横這い程度にとどまり 設備投資も伸び悩む 一方で 公共投資は 15 年度補正予算の執行が本格化することに加え 追加の景気対策も見込まれることから 3 年ぶりの増加に転じるとみられる そのため 16 年度の実質 GDP 成長率は前年比 +.9% と概ね前年並みの伸びを維持すると予想する 需給ギャップと消費者物価上昇率 ( 前年同期比 GDP 比 %) 除く消費税 食料 エネルギー予想 1 需給ギャップ (GDP 比 ) ( 出所 ) 内閣府 総務省 17 年度については 耐久財需要の先食いの影響が徐々に弱まる下で 継続的な賃金の上昇を背景に個人消費の拡大ペースがやや早まること 住宅投資の落ち込みが自然減の範囲にとどまること 消費増税による景気停滞という不透明な状況が回避されることにより設備投資が増勢を維持すること などから実質 GDP 成長率は前年比 +1.1% に高まろう この場合 需給ギャップは 17 年度終盤に解消し 18 年度中にも消費者物価上昇率の % 達成が視野に入ると見込まれる 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり 投資勧誘を目的としたものではありません 作成時点で が信頼できると判断した情報に基づき作成しておりますが その正確性 完全性に対する責任は負いません 見通しは予告なく変更されることがあります 記載内容は 伊藤忠商事ないしはその関連会社の投資方針と整合的であるとは限りません 8

本文

本文 Jun7,018 日本経済情報 018 年月 号 内容 1~3 月期は停滞も ~ 月期には持ち直し Summary 日本経済改訂見通し 輸出 : 欧米中心に持ち直し 個人消費 : 自動車や旅行は好調 設備投資 : 先行指標が拡大持続を示唆 消費者物価 : 上昇加速が一服 賃金上昇が個人消費回復を後押し 輸出の不確実性は高まる 消費増税による景気腰折れは回避 年初の停滞から持ち直し貿易摩擦や消費増税に挑む

More information

本文

本文 Sep 26, 216 日本経済情報 216 年 9 月号 内容 1. 日本経済の現状 4~6 月期 GDP2 次速報は上方修正 設備投資の持ち直し期待高まる 賃金は増加基調を維持するも個人消費は停滞 企業収益の悪化が今後の景気下押し要因 輸出も足踏み状態にありデフレ リスクを払拭できず 2. 日本経済の見通し経済対策は成長率を.2~.3%Pt 押し上げ 日銀は 長短金利操作付き量的 質的金融緩和

More information

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解) 平成 24 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度 平成 23 年 12 月 22 日閣議了解 1. 平成 23 年度の経済動向及び平成 24 年度の経済見通し (1) 平成 23 年度及び平成 24 年度の主要経済指標 国内総生産 平成 22 年度平成 23 年度平成 24 年度 ( ) ( 見込み ) ( 見通し ) 兆円兆円程度兆円程度 % % 程度 % 程度 ( 名目 ) ( 名目 )

More information

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落 ニッセイ基礎研究所 2010-05-14 個人消費の回復を後押しする政策以外の要因 ~ 所得の減少に歯止め 節約志向も一段落 経済調査部門主任研究員斎藤太郎 (03)3512-1836 tsaito@nli-research.co.jp 1. 個人消費はエコカー減税 補助金 エコポイント制度などの政策効果を主因として 2009 年春頃から回復を続けている 2. ここにきて政策効果は一巡しつつあるが

More information

【No

【No No. 3 ある個人は働いて得た賃金の全てをY 財の購入に支出するものとする この個人の効用関数が u = x 3 y u: 効用水準 x:1 年間 (365 日 ) における余暇 ( 働かない日 ) の日数 y:y 財 の消費量で示され Y 財の価格が 労働 1 日あたりの賃金率が4であるとき この個人の1 年間 (365 日 ) の労働日数はいくらか ただし この個人は効用を最大にするように行動するものとする

More information

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局 日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 17 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局 基準改定の GDP への影響 (1) 名目 GDP 水準の変化 実質 GDP 成長率の変化 35 3 5 ( 名目 兆円 ) その他 ( 確報化等の影響 ) その他 8SNA 対応 (R&D 投資以外 ) R&D 投資 ( 設備投資 公共投資 ) 基準改定後 - 基準改定前 1..5 ( 基準改定後の前比

More information

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

経済・物価情勢の展望(2018年1月) 基本的見解 1 < 概要 > 2018 年 1 月 23 日 日本銀行 経済 物価情勢の展望 (2018 年 1 月 ) わが国経済は 海外経済が緩やかな成長を続けるもとで きわめて緩和的な金融環境と政府の既往の経済対策による下支えなどを背景に 景気の拡大が続き 2018 年度までの期間を中心に 潜在成長率を上回る成長を維持するとみられる 2019 年度は 設備投資の循環的な減速に加え 消費税率引き上げの影響もあって

More information

[000]目次.indd

[000]目次.indd 第 4 部 1 マクロ経済動向 (1)GDP と物価 2008 年の米投資銀行リーマン ブラザースの破綻以降 深刻化した世界金融危機は 経済に大きな影響を与え 実質経済成長率は2009 年には0.7% にまで低下した その後 2010 年には 1997 年のアジア通貨危機後に見せたV 字回復の再現とも言うべき目覚ましい回復を見せ 6.5% の成長を達成した しかし 2011 年には欧州の財政危機の影響を受け

More information

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった 1 / 6 テーマ : 消費税率再引上げのマクロ的影響 発表日 :2018 年 9 月 27 日 ( 木 ) ~ 平均的家計の負担額は年 4.4 万円 1 年目の経済成長率 0.7% 押し下げの可能性 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( :03-5221-4531) ( 要旨 ) 前回の消費税率 3% 引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

More information

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します カナダ経済 金利 為替の見通し < 政策金利 ~ カナダ銀行は政策金利据え置きを維持 > 2.5 2. 1.5 1..5 カナダ政策金利 カナダ 5 年国債金利 216 年 1 月 2 日 1 月 19 日 ( 現地 以下同様 ) カナダ銀行 ( 中央銀行 ) は政策金利 ( 翌日物金利の誘導目標 ) を市場予想通り.5% に据え置くことを発表しました カナダ銀行は声明文で 経済成長の見通しを下方修正するもののインフレに関するリスクはおおむね均衡しており

More information

チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済予測チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮

チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済予測チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮 2013 14 15 年度 2013 年 10-12 月期 GDP 2 次速報後改訂 内外経済見通し 2014 年 3 月 10 日 [ 海外経済 ] 先進国を中心に緩やかに回復 米国経済 : 家計のバランスシート調整が進展し 個人消費 住宅投資は堅調 雇用も順調に拡大 2014 年 :+2.5%(2 月予測 :+2.6%) 2015 年 :+2.7%(2 月予測 :+2.7%) 欧州経済 : 輸出

More information

本文

本文 Dec 24, 214 日本経済情報 214 年 12 月号 内容 1. 214 年の回顧実質 GDP は通年でゼロ成長に 家計部門の需要が大幅に落ち込み 政府部門の押し上げ弱まる 設備投資は健闘 輸出増は輸入増により減殺 2. 215 年の展望予算規模 3.5 兆円の景気対策を策定 個人消費は持ち直すも住宅投資は減少続く 設備投資は未だ拡大局面の途上 Summary 日本経済の現状と見通し (214

More information

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ 平成 28 年 3 月 2 日 一般財団法人静岡経済研究所理事長鈴木一雄静岡市葵区追手町 1-13 TEL054-250-8750 FAX054-250-8770 第 49 回 静岡県版景気ウォッチャー 調査 ( 平成 28 年 1 月 ) ~ 暖冬により個人消費落ち込み 先行きも不透明感漂う ~ 現状判断県内景気の 現状判断指数 ( 方向性 ) は 45.5 と 家計消費関連の業況が暖冬などにより1

More information

金融政策決定会合における主な意見

金融政策決定会合における主な意見 公表時間 1 月 31 日 ( 水 )8 時 50 分 金融政策決定会合における主な意見 (2018 年 1 月 22 23 日開催分 ) 1 201 8. 1. 31 日本銀行 Ⅰ. 金融経済情勢に関する意見 ( 経済情勢 ) 先進国と新興国がバランスよく成長する中 生産 貿易活動の活発化を通じて 製造業サイクルが好転し始めていることなどから 世界経済は 当面 しっかりとした成長を続けると考えている

More information

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

Economic Trends    マクロ経済分析レポート Economic Trends マクロ経済分析レポート テーマ : エンゲル係数上昇の本当の理由 2017 年 4 月 3 日 ( 月 ) ~ 主因は天候不順と原油価格下落と駆け込み需要の反動 ~ 第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 (03-5221-4531) ( 要旨 ) 経済的なゆとりを示すとされる エンゲル係数 が 2015 年から急上昇している 背景には 原油価格下落と消費税率引き上げがある

More information

タイトル

タイトル Economic Trends マクロ経済分析レポート テーマ : 消費増税使途見直しの影響 2017 年 9 月 26 日 ( 火 ) ~ 景気次第では8% 引き上げ時の使途見直しも検討に~ 第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 (TEL:03-5221-4531) ( 要旨 ) 消費増税の使途見直しは 社会保障の充実以外にも 借金返済額の縮小を通じて民間部門の負担の軽減となる 軽減税率を想定した場合

More information

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

経済・物価情勢の展望(2017年7月) 基本的見解 1 < 概要 > 2017 年 7 月 20 日 日本銀行 経済 物価情勢の展望 (2017 年 7 月 ) わが国経済は 海外経済の成長率が緩やかに高まるもとで きわめて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に 景気の拡大が続き 2018 年度までの期間を中心に 潜在成長率を上回る成長を維持するとみられる 2019 年度は 設備投資の循環的な減速に加え 消費税率引き上げの影響もあって

More information

Microsoft Word - 55_3

Microsoft Word - 55_3 三井住友信託銀行調査月報 216 年 11 月号 年齢層で異なる消費持ち直しの可能性 < 要旨 > 足元での消費者の動きには 消費者マインドと消費活動に乖離がみられる 消費者のマインドは 213 年半ばと同水準まで持ち直している一方で 足元の実質個人消費は 消費増税の反動から明確な持ち直しには至っていない 実質可処分所得と平均消費性向は 何れも落ち込みがみられ消費停滞の要因となっている この 2 つの動きを年齢階級別にみると

More information

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

経済・物価情勢の展望(2017年10月) 基本的見解 1 < 概要 > 2017 年 10 月 31 日 日本銀行 経済 物価情勢の展望 (2017 年 10 月 ) わが国経済は 海外経済が緩やかな成長を続けるもとで きわめて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に 景気の拡大が続き 2018 年度までの期間を中心に 潜在成長率を上回る成長を維持するとみられる 2019 年度は 設備投資の循環的な減速に加え 消費税率引き上げの影響もあって

More information

Economic Indicators   定例経済指標レポート

Economic Indicators	  定例経済指標レポート Economic Trends マクロ経済分析レポート ~ 年度住宅着工戸数の見通し発表日 : 年 月 日 ( 月 ) ~ 年 - 月期は反動減が顕在化 しかし 大崩れは避けられよう ~ ( 要旨 ) 第一生命経済研究所経済調査部担当エコノミスト高橋大輝 TEL:-- 先行きの住宅着工戸数は 年度 98.7 万戸 年度 89. 万戸 年度 86.7 万戸を予測する - 月期の住宅着工が予想対比で上振れたことを反映して

More information

untitled

untitled 平成 22 年 12 月 16 日経済調査室 概況ユーロ圏は経済が好調なこともあり 緩やかな回復基調にある 但し 域内での成長率格差は依然残っており 二極化が続いている 第 3 四半期の実質 GDP 成長率は前期比 0.4%( 前年比 1.9%) と 前期の同 %( 同 2.0%) から減速した 需要項目別にみると 個人消費や政府消費の伸びが若干加速した一方で 在庫調整進展の効果が剥落してきていることから

More information

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

経済・物価情勢の展望(2016年10月) 経済 物価情勢の展望 (2016 年 10 月 ) 2016 年 11 月 1 日日本銀行 基本的見解 1 < 概要 > わが国経済は 海外経済の回復に加えて きわめて緩和的な金融環境と政府の大型経済対策の効果を背景に 2018 年度までの見通し期間を通じて 潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる 消費者物価 ( 除く生鮮食品 ) の前年比は 当面小幅のマイナスないし0% 程度で推移するとみられるが

More information

別紙2

別紙2 別紙 2 年シミュレーション結果 26 年 6 月 社団法人経済同友会 人口一億人時代の日本委員会 1. シミュレーションの前提 (1) 人口動態の前提 P1 (2) その他の主な前提条件 P2 (3) 実質 GDPの決定要素 P3 2. シミュレーション結果 ~ (1) 実質 GDPの寄与度分解 P4 (2) 実質 GDP P5 (3) 国民一人当たり実質 GDP P6 (4) プライマリーバランスと政府債務残高

More information

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数 5 : 外国株式 外国債券と同様に円ベースの期待リターン = 円のインフレ率 + 円の実質短期金利 + 現地通貨ベースのリスクプレミアム リスクプレミアムは 過去実績で 7% 程度 但し 3% 程度は PER( 株価 1 株あたり利益 ) の上昇 すなわち株価が割高になったことによるもの 将来予想においては PER 上昇が起こらないものと想定し 7%-3%= 4% と設定 直近の外国株式の現地通貨建てのベンチマークリターンと

More information

Microsoft Word docx

Microsoft Word docx 2011 年 月期 GDP 速報 (1 次速報 ) の概要 ~ 海外経済の先行き不安により不透明感が強まる我が国経済 ~ 調査情報担当室竹田智哉 1. 供給力の早期回復による下げ止まり傾向の明確化 2011 年 月期のGDP 成長率 (1 次速報値 2011 年 8 月 15 日公表 ) は 実質では 0.3%( 年率 1.3%) 名目では 1.4%( 同 5.7%) と3 四半期連続のマイナス成長となった

More information

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより はじめに 平成 29 年度の経済と経済財政運営の基 本的態度 ( 以下 政府経済 という ) が平成 29 年 1 月 20 日に閣議決定された 今回の政府経済では 現下の経済情勢を踏まえ 平成 29 年度においては 各種政策の推進等により 雇用 所得環境が引き続き改善し 経済の好循環が進展する中で 民需を中心とした景気回復が見込まれるとし 平成 29 年度の実質 GDP 成長率は 1.5% 程度

More information

<4D F736F F D20819A819A8DC58F49835A C C8E816A2E646F63>

<4D F736F F D20819A819A8DC58F49835A C C8E816A2E646F63> ( 平成 21 年 8 月 ) - 景気は 厳しい状況にあるものの このところ持ち直しの動きがみられる - 先行きについては 当面 雇用情勢が悪化するなかで 厳しい状況が続くとみられるものの 在庫調整の一巡や経済対策の効果に加え 対外経済環境の改善により 景気は持ち直しに向かうことが期待される 一方 生産活動が極めて低い水準にあることなどから 雇用情勢の一層の悪化が懸念される 加えて 世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念など

More information

Microsoft Word - jp1309(インターネット用).docx

Microsoft Word - jp1309(インターネット用).docx 丸紅経済研究所 Japan s Economic Outlook 2013 年 9 月 今月のトピック 消費増税は待ったなし 2013/9/12 景気動向のポイント 景況感 生産 企業活動 消費 所得 物価 4-6 月期の実質 GDP は大幅上方修正生産は改善 輸出は悪化消費は悪化 雇用環境の改善は継続エネルギー 公共サービス関連が上昇 足元の景気は 持ち直しの動きが続いているが 先月に引き続きやや弱めの指標が目立っている

More information

Microsoft Word - 20_2

Microsoft Word - 20_2 三井住友信託銀行調査月報 1 年 1 月号 海外資金に揺さぶられる新興国の銀行 < 要旨 > リーマンショック以降 海外からの新興国向け与信残高が増加してきた 中でも経常赤字国では海外金融機関を通じた与信の増加スピードが速く 部門別に見るとこの間特に存在感を増してきたのが銀行部門向け与信である 銀行部門への海外与信残高の増加は その国の経済情勢が悪化して与信減少が始まった場合 国内における信用収縮を引き起こして実体経済への悪影響を増幅する可能性を高める

More information

2018年夏のボーナス見通し

2018年夏のボーナス見通し 218 年夏のボーナス見通し ~ 企業業績が拡大する中 3 年連続の増加が見込まれる ~ 218 年 4 月 9 日三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 ( 本社 : 東京都港区 代表取締役社長 : 村林聡 ) は 218 年夏のボー ナス見通し ~ 企業業績が拡大する中 3 年連続の増加が見込まれる ~ を発表いたします 詳細は本文をご覧ください

More information

月初の消費点検(3/4)~消費税増税の判断を控えて~

月初の消費点検(3/4)~消費税増税の判断を控えて~ 経済分析レポート 14 年 11 月 5 日全 6 頁 月初の消費点検 (3/4)~ 消費税増税の判断を控えて ~ 消費税増税の影響は緩和しつつあるも盤石とは言えず エコノミック インテリジェンス チームエコノミスト長内智エコノミスト久後翔太郎 [ 要約 ] 14 年 月の乗用車販売台数 ( 軽自動車を含む 商用車等を除く ) は前年比 7.4% と 9 月 ( 同 3.2%) から減少率が拡大し

More information

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動 消費税の消費への影響 ( 駆け込み需要と反動減 ) について 平成 25 年 1 月戦略企画部統計課 消費税の消費への影響について 平成元年の消費税導入時と平成 9 年の税率引き上げ時における駆け込み需要と反動減について分析を行いました なお これまでの消費税導入 税率引き上げは 直間比率の見直しの側面が大きく 個人所得税や法人税の減税が同時実施されており トータルでは増税とはなっていないため 一時的な駆け込み需要

More information

2014~2016年度 東海経済見通し

2014~2016年度 東海経済見通し 214 年 12 月 25 日 報道機関各位 調査レポート 214~216 年度東海経済見通し ~14 年度の落ち込みの後 再び回復へ ~ 東海経済は消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動による落ち込みの後 再び回復に向かおうとしている 景気動向指数の動きをみると年初をピークに下落傾向で推移してきたが 足下で持ち直しの動きがみられる また 各種経済指標の動きをみると 個人消費や住宅投資は 消費増税の影響もあって

More information

(Microsoft Word \214\216\215\206_\203g\203s\203b\203N1\201i2010\224N\223x\214o\215\317\214\251\222\312\202\265\201j.doc)

(Microsoft Word \214\216\215\206_\203g\203s\203b\203N1\201i2010\224N\223x\214o\215\317\214\251\222\312\202\265\201j.doc) 2010 年度経済見通し 2008 年秋のリーマンショックに始まった世界的な金融 経済の混乱は 各国政府 中央銀行の積極的な対応策の採用により 2009 年夏ごろから最悪期を脱しつつある 2009 年 10 月に公表された IMF の経済見通しを見ても ( 表 1) 一年前のものに比べかなり楽観的なものとなっており 世界経済は 2010 年には中国 インドなど新興国の回復により 3% 程度の成長となると見込まれている

More information

12月CPI

12月CPI Economic Report Indicators Update 月 CPI~ 物価は緩やかな下落基調 年 月 7 日全 6 頁 経済調査部エコノミスト増川智咲エコノミスト神田慶司国際商品市況上昇といった海外要因を除けば 物価の基調は弱い [ 要約 ] 全国 はヶ月連続下落 : 年 月の全国 は前年比.% となり コンセンサス通りの結果となった 季節調整値で見ると 月の全国 は前月比で横ばい ヵ月移動平均でも横ばいとなった

More information

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇 Economic Report Indicators Update 月 CPI~ 物価は横ばいの推移 年 5 月 5 日全 6 頁 経済調査部エコノミスト増川智咲耐久財の特殊要因を背景に 市場予想を上回る ヶ月連続の上昇 [ 要約 ] 物価は横ばいの基調 : 年 月の全国( 除く生鮮食品 ) は前年比 +.% と 市場コンセンサス (+.%) を若干上回った この背景には テレビ価格上昇の特殊要因がある

More information

月例経済報告

月例経済報告 ( 平成 30 年 12 月 ) - 景気は 緩やかに回復している - 先行きについては 雇用 所得環境の改善が続くなかで 各種政策の効果もあって 緩やかな回復が続くことが期待される ただし 通商問題の動向が世界経済に与える影響や 海外経済の不確実性 金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある 平成 30 年 12 月 20 日 内閣府 [ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 政策態度 11

More information

Economic Indicators   定例経済指標レポート

Economic Indicators	  定例経済指標レポート Economic Trends マクロ経済分析レポート ~ 年度住宅着工戸数の見通し発表日 : 年 月 日 ( 水 ) ~ 駆け込み需要はピークアウトへ ~ ( 要旨 ) 第一生命経済研究所経済調査部担当エコノミスト高橋大輝 TEL:-- 月の住宅着工戸数は.7 万戸 ( 季節調整済年率換算値 ) となった 住宅着工は 消費税率引き上げ 前の駆け込み需要の本格化に伴い 万戸台の高水準で推移している

More information

我が国中小企業の課題と対応策

我が国中小企業の課題と対応策 資料 3 我が国中小 小規模企業を取り巻く環境と現状 平成 24 年 月 8 日 中小企業庁 本資料は 第 回法制検討ワーキンググループでの 2000 年以降の中小企業を取り巻く環境についての分析を行う必要があるのではないか との委員のご指摘等を受けて 経済社会環境の中長期的な動向 中小 小規模企業の財務 経営を中心とした状況をまとめたもの 目次. 中小 小規模企業を取り巻く経済社会環境 p. 2.

More information

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター   1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース ) 関西の景気動向 13 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/kansai/ 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース ) は足元で増勢が弱まっており 鉱工業生産も弱含みとなっている 企業収益は大企業を中心に大幅増益が見込まれているが

More information

2017年夏のボーナス見通し

2017年夏のボーナス見通し 217 年夏のボーナス見通し ~ 企業業績が改善する中 2 年連続で増加が見込まれる ~ 217 年 4 月 1 日三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 ( 本社 : 東京都港区 代表取締役社長 : 藤井秀延 ) は 217 年夏のボー ナス見通し ~ 企業業績が改善する中 2 年連続で増加が見込まれる ~ を発表いたします 詳細は本文をご覧ください

More information

第1章

第1章 エネルギー価格と為替レートが消費者物価指数へ与える影響 化石 電力ユニットガスグループ 上野宏一 1. はじめに 2013 年 4 月の日本銀行による異次元緩和政策の導入以降 一時は 1.5% まで上昇した消費者物価指数上昇率 ( 消費税を除く ) は 2014 年後半からの原油価格急落を要因として急激に低下した コアCPI(CPI 総合 < 生鮮食品除く>) の足元の動きをみると 2016 年初頭から原油価格は徐々に持ち直し

More information

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持 ニッセイ基礎研究所 217-1-1 東南アジア経済 ASEAN の貿易統計 (1 月号 ) ~ 輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持 経済研究部研究員斉藤誠 TEL:3-312-178 E-mail: msaitou@nli-research.co.jp 17 年 8 月のASEAN 主要 6カ国の輸出 ( ドル建て通関ベース ) は前年同月比 16.4% 増と 前月の同 18.4% 増から低下した

More information

<貿易見通し>

<貿易見通し> 2 0 1 3 年 1 1 月 2 8 日 ( 木 ) 一般社団法人日本貿易会 2014 年度わが国貿易収支 経常収支の見通し Ⅰ. 要旨 1. 商品別貿易の見通し ( 通関ベース ) 2013 年度 ~ 円安と世界経済底入れで輸出増 円安と駆け込み需要で輸入は大幅増輸出総額は前年度比 9.8% 増の 70 兆 1,800 億円となる 内訳は 輸出数量が同 0.7% 増 輸出価格は同 9.1% の上昇

More information

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

Economic Trends    マクロ経済分析レポート Economic Trends マクロ経済分析レポート テーマ : 消費増税でも景気腰折れ回避? 2014 年 3 月 14 日 ( 金 ) ~ 家計負担は年 9 万円も 外部環境は97 年度と大きく異なる~ 第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト永濱利廣 (03-5221-4531) ( 要旨 ) 今回の消費増税の負担額は8 兆円以上になり 4 人家族 ( 有業者一人 ) の平均的家計への負担額は年間約

More information

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

Economic Trends    マクロ経済分析レポート Economic Trends マクロ経済分析レポート テーマ : 消費税率再引上げのマクロ的影響 2016 年 2 月 3 日 ( 水 ) ~ 平均的家計の負担額は年 4.6 万円 2017 年度の成長率 0.8% 押し下げの可能性 ~ 第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト永濱利廣 (03-5221-4531) ( 要旨 ) 前回の消費税率 3% 引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり

More information

3_2

3_2 三井住友信託銀行調査月報 1 年 7 月号 中国の景気減速の影響をどう見るか < 要旨 > 中国の景気減速が続いている 工業生産や電力生産量の伸びは低下傾向にあり 中国人民銀行は貸出基準金利を 3 年半ぶりに引き下げ景気重視に舵を切った 景気減速とともに中国の輸入が頭打ちになっているが その動きには地域差が見られ 中部 西部 東北といった内陸部に比べて沿海部 ( 東部 ) の落ち込みが大きい 全世界的な景気鈍化で中国の輸出基地である沿岸部からの輸出が伸び悩み

More information

財政政策の考え方 不況 = モノが売れない仕事がない ( 失業増加 ) が代わりにモノを買う! 仕事をつくる ( 発注する )! = 財政支出拡大 ( がお金を使う ) さらに乗数効果で効果増幅!! 3 近年の経済対策の財政規模 名 称 内閣 事業規模 公共投資 減税 財政規模 日本経

財政政策の考え方 不況 = モノが売れない仕事がない ( 失業増加 ) が代わりにモノを買う! 仕事をつくる ( 発注する )! = 財政支出拡大 ( がお金を使う ) さらに乗数効果で効果増幅!! 3 近年の経済対策の財政規模 名 称 内閣 事業規模 公共投資 減税 財政規模 日本経 2. 財政政策景気対策と乗数効果 経済政策 (2013 年度春学期 ) キーワード 経済安定化政策 ( 景気対策 ) の 2 本柱 : 財政政策と 金融政策 不況時の財政政策 : 財政支出拡大 減税 財政政策の効果 乗数効果 消費性向 貯蓄率と乗数 財政支出乗数と減税乗数 クラウディング アウト リカードの中立性 財政の自動安定化機能 ( ビルトイン スタビライザー ) 2 1 財政政策の考え方 不況

More information

経済情報:日銀短観(2011年6月)の結果について.doc

経済情報:日銀短観(2011年6月)の結果について.doc 平成 23 年 (2011 年 )7 月 1 日 NO.2011-20 東日本大震災の影響影響によりにより企業企業マインドマインドが大幅大幅に悪化 (2011 年 6 月調査の日銀短観日銀短観について ) 要旨 今回の日銀短観の 6 月調査は 東日本大震災発生後初の調査であり 企業の業況感が軒並み悪化する結果となった 注目度の高い大企業 製造業の業況判断 DI( 良い - 悪い 社数構成比 ) は

More information

Microsoft Word docx

Microsoft Word docx 2009 年 1~3 月期 GDP 速報 (1 次速報 ) の概要 企画調整室 ( 調査情報室 ) 竹田智哉 1.2 四半期続けて戦後最悪のマイナス成長に見舞われた我が国経済 2009 年 1~3 月期のGDP(1 次速報値 2009 年 5 月 20 日公表 ) は 実質で前期比 4.0%( 年率 15.2%) 名目では同 2.9%( 同 10.9%) と 名実ともに4 四半期連続のマイナス成長となった

More information

金融市場2018年12月号

金融市場2018年12月号 情勢判断 中国経済金融 投資の持ち直しで下振れ圧力がやや緩和した中国経済 ~ 経済対策の速やかな実施で 19 年は 6.5% 成長 ~ 王雷軒要旨内需 ( 投資 + 消費 ) の勢いが弱まったことを背景に 2018 年 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前年比 6.5% と 9 年半ぶりの低い伸びとなった しかし その後は輸出が底堅く推移したほか 投資も小幅ながらも持ち直していることから 下振れ圧力がやや緩和したと見られる

More information

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は ( 平成 21 年 4 月 ) - 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある - 先行きについては 当面 悪化が続くとみられるものの 在庫調整が進展するにつれ 悪化のテンポが緩やかになっていくことが期待される ただし 生産活動が極めて低い水準にあることなどから 雇用の大幅な調整が引き続き懸念される 加えて 世界的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念など 景気をさらに下押しするリスクが存在することに留意する必要がある

More information

第45回中期経済予測 要旨

第45回中期経済予測 要旨 内需を支える人材力投資へ ~ 収縮する経済を抜け出す鍵とは ~ 中期予測班 日本経済は 海外経済が好調に推移してきたことにも支えられ 景気拡大を続けてきたが 足元では変調の兆しもある 中期的には 海外景気に依存して成長していくことはできない 世界経済が冷え込むのは 一部の国で保護主義的な政策が掲げられていることが大きい 短期的にもすでに影響は出ており 経済消耗戦の様相を見せてきた また 中長期的には欧州やアジアの国々で高齢化が進み

More information

月例経済報告

月例経済報告 ( 平成 30 年 4 月 ) - 景気は 緩やかに回復している - 先行きについては 雇用 所得環境の改善が続くなかで 各種政策の効果もあっ て 緩やかな回復が続くことが期待される ただし 海外経済の不確実性や金融資 本市場の変動の影響に留意する必要がある 平成 30 年 4 月 16 日 内閣府 [ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 政策態度 3 月月例 4 月月例 景気は 緩やかに回復している

More information

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表) 2015 年 1 月 21 日 日本銀行 当面の金融政策運営について 1. 日本銀行は 本日 政策委員会 金融政策決定会合において 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を 以下のとおりとすることを決定した ( 賛成 8 反対 1) ( 注 1) マネタリーベースが 年間約 80 兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う 2. 資産の買入れについては 以下の方針を継続する ( 賛成

More information

October vol

October vol October vol.187 02 01 MANAGEMENT 04 03 06 05 Strength of the Company Profile Voice 08 07 http://www.sano-tec.jp/ Strength of the Company Profile Voice 10 09 12 11 Asia World & Asia & World 14 13 16 15

More information

CW6_A3657D13.indd

CW6_A3657D13.indd 3節 労働時間の動向41 第 1 章労働経済の推移と特徴第第 3 節 労働時間の動向 緩やかな景気回復により 労働時間はどのように変化したのかみていこう 9 労働時間の概観まず近年の労働時間の動向について概観していこう 第 1-(3)-1 図では 27 年から 215 年にかけての5 人以上規模事業所における労働時間の月間総実労働時間の推移を示している 総実労働時間の推移をみると リーマンショック前の

More information

本文

本文 Nov 8,018 日本経済情報 018 年 11 月号 内容 1. 最近の注目点 7~9 月期のマイナス成長は一時的 原油相場は大幅下落し物価下押し圧力に 補正予算により公共投資を積み増し 政府は 9 項目の消費増税対策を検討. 日本経済見通し 個人消費は所得環境の改善を背景に持ち直す 設備投資はピークアウトの可能性 018 年度の成長率見通しを下方修正 00 年度までデフレ脱却は見込めず チーフエコノミスト武田淳

More information

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved 平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 目 次 平成 23 年 3 月期決算概要 1 業績概要 4 2 経営成績 5 3 業績推移 6 4 売上高四半期推移 7 5 事業別業績推移 ( ソフトウェア開発事業 ) 8 6 事業別業績推移 ( 入力データ作成事業 ) 9 7 事業別業績推移 ( 受託計算事業 ) 10 8 業種別売上比率 ( 全社 ) 11 9 貸借対照表

More information

本文

本文 Apr26,18 日本経済情報 18 年 4 月号 内容 日米首脳会談で通商問題は解決せず Summary 暗雲残るが明るさも見られる日本経済 原油価格は強含みの推移 ドル円相場はシンプルな金利差相場へ移行 3 月調査の日銀短観では景気回復の広がりを確認 輸出は円高の影響もあり当面は伸び悩む 個人消費は一部に持ち直しの動き 設備投資は製造業を中心に堅調 消費者物価の上昇は足踏み 賃金上昇が今後の物価押し上げに貢献

More information

2019年度はマクロ経済スライド実施見込み

2019年度はマクロ経済スライド実施見込み 税制 2018 年 10 月 19 日全 5 頁 2019 年度はマクロ経済スライド実施見込み 持続可能な年金制度確立に向け経済環境が整ってきた 金融調査部研究員是枝俊悟 公的年金の支給額は 毎年度 賃金や物価などの変動率をもとに改定される その根拠となる賃金や物価の変動率は過去数年の値を用いるため 現時点で公表されている統計を用いて 2019 年度の年金改定率はある程度推定できる 2018 暦年の物価変動率が前年比

More information

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短

経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短 経済財政モデル について 2010 年 11 月 8 日内閣府計量分析室 経済財政モデル の概要 経済財政モデル は マクロ経済だけでなく 国 地方の財政 社会保障を一体かつ整合的に分析を行うためのツールとして開発 人口減少下での財政や社会保障の持続可能性の検証が重要な課題となる中で 政策審議 検討に寄与することを目的とした 5~10 年程度の中長期分析用の計量モデル 短期的には需給不均衡の存在を認めつつ

More information

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和 October vol. EY. : Contact EY EYInstitute@jp.ey.com. P.. P.. P.. P. P. P. P.. P.. P.9. P. . 9 FRB PCE.% % OPEC FRB 9FOMC FRB CME Fed Watch -bp -bp -bp 9 月 月 月 月 月 月 年 年 < 利上げ時期 > CME Fed Watch EY 9 vol.

More information

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度 216 年度自動車部品工業の経営動向 217 年 6 月 12 日 一般社団法人日本自動車部品工業会 一般社団法人日本自動車部品工業会は 217 年 5 月 1 日現在での会員企業 4 4 社 のうち 上場企業で自動車部品の比率が5 以上 かつ前年同期比較が可能な自動車 部品専門企業 79 社の 2 1 6 年度 (4~3 月 ) の経営動向を各社の連結決算短信 ( 連結 決算を行っていない企業は単独決算

More information

月初の消費点検(1/4)~消費税増税の判断を控えて~

月初の消費点検(1/4)~消費税増税の判断を控えて~ 経済分析レポート 214 年 9 月 2 日全 6 頁 月初の消費点検 (1/4)~ 消費税増税の判断を控えて ~ 引き続き消費の一部に弱さが残る エコノミック インテリジェンス チームエコノミスト長内智エコノミスト久後翔太郎 [ 要約 ] 過去の制度要因による反動減からの回復状況と比較すると 足下の乗用車販売の推移は 前回のエコカー補助金終了後より弱く 前回増税時とほぼ同程度である 乗用車販売の動向については

More information

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ ニッセイ基礎研究所 18-1- 東南アジア経済 ASEAN の貿易統計 (1 月号 ) ~ 輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ 経済研究部研究員斉藤誠 TEL:3-3512-178 E-mail: msaitou@nli-research.co.jp 17 年 11 月のASEAN 主要 6カ国の輸出 ( ドル建て通関ベース ) は前年同月比 15.9% 増と 前月の同 19.6% 増から低下したものの

More information

時系列表1

時系列表1 四半期別 速報 時系列表 2015( 平成 27) 年 4~6 月期 (1 次速報値 ) Quarterly Estimates of : April - June 2015(The First Preliminary) 2015( 平成 27) 年 8 月 August 2015 内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部 Department of National Accounts Economic

More information

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ 第1 3節 節 物価の動向 物価は 2 年秋以降に進んだ為替レートの円安方向への動きや景気の回復に伴うマクロ 的な需給バランスの改善等を背景に 2 年にデフレ状況ではなくなり 2 年に入って緩 やかに上昇する動きをみせた しかし 2 年夏以降 輸入物価上昇率の低下を受けて上昇 テンポが鈍化し 足下では横ばい圏内の動きとなっている 本節においては 2 年度を中心とした日本の物価の動向について 企業間取引における

More information

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2 平成 28 年度国民年金基金連合会資産運用結果 1. 平成 28 年度運用実績 (1) 連合会全体の運用利回り ( 修正総合利回り ) 給付確保事業 共同運用事業 中途脱退事業 5.54% 5.87% 5.86% ( 注 1) 連合会全体 5.71% 37,219 億円 複合ベンチマーク 年度通期 ( 参考 ) 積立金額 ( 注 2) 5.83% - 17,180 億円 12,993 億円 6,701

More information

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として 3節 第 第3節 1 マクロ経済動向 経済は 緩やかな回復基調にある1 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 15 年以降 原油価格 の下落を主因として 経済はマイナス成長で推 1 輸出動向 移したしかし その後の原油価格の上昇を追い風と の輸出動向をエリア別に見ると EU7 向け して

More information

各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢

各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢 () 個人消費の動向 ( 百貨店 スーパー販売額は4 年連続で減少 ) 平成 7 年の個人消費を百貨店 スーパー販売額の動きからみると 百貨店とスーパー合計の既存店ベースでは 前年比.% の減少となり 4 年連続で前年を下回った 一方 全国は同.4% の増加となり 年連続で前年を上回った 前年の 6 年は 年初に消費税増税前の駆け込み需要がみられたが 4 月の消費税増税後は駆け込み需要の反動に加え

More information

○ユーロ

○ユーロ ASIA Indicators 1/5 定例経済指標レポート ASEAN 諸国は軒並み予想外の景気加速 (Asia Weekly (2/18~2/22)) ~ タイ中銀は政府の圧力に負けず 金利据え置きを決定 ~ 発表日 :2013 年 2 月 25 日 ( 月 ) 経済指標の振り返り 第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト西濵徹 (03-5221-4522) 発表日指標 イベントなど結果コンセンサス前回

More information

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化 ニッセイ基礎研究所 218-5-9 東南アジア経済 ASEAN の貿易統計 (5 月号 ) ~ 輸出は好調も 旧正月の影響を均せば増勢鈍化 経済研究部研究員斉藤誠 TEL:3-3512-178 E-mail: msaitou@nli-research.co.jp 18 年 3 月のASEAN 主要 6カ国の輸出 ( ドル建て通関ベース ) は前年同月比 1. 増 ( 前月 : 同 8.6% 増 )

More information

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ). 1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4,733 1 4.8% 8 6.5% 4 1 17.7% 2 4.3% 47.8% 18.8% 1 19.5% 13 2,4 2 57.6% 2.2% 13.% 218 (21 8 1 ).6% 1 4,91 1.8% 1 4,828 21 8 1 1.1% 8.4% 7.6% 1 9.4%

More information

建設経済モデルによる建設投資の見通し

建設経済モデルによる建設投資の見通し 建設経済モデルによる建設投資の見通し ( 2014 年 7 月 ) 建設投資 2014 年度は前年度比 1.8% の 47 兆 8,600 億円 2015 年度は前年度比 3.8% の 46 兆 200 億円 政府建設投資 2014 年度は 2013 年度を下回るものの 2012 年度を超える投資額を維持 2015 年度は大幅な減少の見通し 民間建設投資住宅投資 :2014 年度は消費増税前駆け込み需要の反動により減少し

More information

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期 豪州経済の現状と見通し < 豪州経済について > 2016 年 7 月 13 日 1-3 月期の実質 GDP( 国内総生産 ) 成長率は前年同期比 +3.1% と豪州経済は堅調に回復しています 資源投資の冷え込みにより設備投資が弱いものの 底堅い個人消費や好調な輸出が豪州経済の回復を支えています 今後も RBA( 豪州準備銀行 ) の金融緩和などを支援材料に豪州経済は堅調に回復する見込みです 労働市場では

More information

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター   1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が 関西の景気動向 13 年 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/kansai/ 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が好転しているなかで下げ止まっている 企業部門においては 収益の大幅改善が見込まれる もっとも 設備投資の増勢に勢いはなく

More information

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ 大格差みずほインサイト 政策 2017 年 1 月 11 日 世帯の年間収入格差が拡大高齢者世帯の格差は中長期的には縮小傾向 政策調査部上席主任研究員 堀江奈保子 03-3591-1308 naoko. horie@mizuho-ri.co.jp 総務省 全国消費実態調査 によると 二人以上の世帯の年間収入格差は拡大が続いている 世帯主の年齢階級別にみると おおむね年齢の上昇とともに格差が拡大する

More information

2018年4-6月期2次速報値 時系列表1

2018年4-6月期2次速報値 時系列表1 四半期別 速報時系列表 2018( 平成 30) 年 4~6 月期 (2 次速報値 ) Quarterly Estimates of : April - June 2018(The Second Preliminary) 2018( 平成 30) 年 9 月 September 2018 内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部 Department of National Accounts Economic

More information

Microsoft Word docx

Microsoft Word docx 年 10~12 月期 GDP 速報 (1 次速報 ) の概要 企画調整室 ( 調査情報室 ) 竹田智哉 1. 民間最終消費の反動減による予期されたマイナス成長 年 10~12 月期のGDP 成長率 (1 次速報値 2011 年 2 月 14 日公表 ) は 実質では 0.3%( 年率 1.1%) と5 四半期ぶりの 名目では 0.6%( 同 2.5%) と2 四半期ぶりのマイナス成長となった ( 図表

More information

nichigingaiyo

nichigingaiyo 通貨及び金融の調節に関する報告書 の概要 Ⅰ. 本報告書の位置付け等 本報告書は 日本銀行法第 54 条第 1 項に基づき 日本銀行が財務大臣を経由 して国会に提出する報告書である 今回は平成 30 年 4 月 ~9 月分 < 参考 > 日本銀行法第 54 条第 1 項 日本銀行は おおむね六月に一回 政策委員会が議決した第 15 条第 1 項各号に掲げる事項の内容及びそれに基づき日本銀行が行った業務の状況を記載した報告書を作成し

More information

2016年冬のボーナス見通し

2016年冬のボーナス見通し 216 年冬のボーナス見通し ~2 年ぶりに増加するも 小幅にとどまる ~ 216 年 11 月 8 日三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 ( 本社 : 東京都港区 代表取締役社長 : 藤井秀延 ) は 216 年冬のボー ナス見通し ~2 年ぶりに増加するも 小幅にとどまる ~ を発表いたします 詳細は本文をご覧ください 本件に関するお問い合わせ

More information

日本経済見通し:2017 年の消費増税に向けた

日本経済見通し:2017 年の消費増税に向けた 日本経済予測 Monthly 2016 年 4 月 20 日全 9 頁 日本経済見通し :2017 年の消費増税に向けた論点整理 海外発の日本経済下振れリスクが継続 エコノミック インテリジェンス チーム執行役員チーフエコノミスト熊谷亮丸エコノミスト長内智エコノミスト岡本佳佑エコノミスト小林俊介エコノミスト久後翔太郎永井寛之 [ 要約 ] 海外発で景気下振れリスクが強まる : 足下の日本経済は踊り場局面が継続しているものの

More information

本文

本文 Mar31, 17 17 年 3 月号 内容 1. 景気の現状製品需給の改善により企業景況感は良好 インフラ 不動産投資と乗用車販売が景気を押し上げ 輸出は 17 年に入り持ち直しの兆し 2. 今後の見通し 17 年の経済運営は安定性を重視 景気に配慮しつつも資産バブル回避とインフレ抑制を目指す 過剰生産能力削減は最重要課題として引き続き推進 不動産市場は政策により抑制 人民元相場は緩やかな下落が続く

More information

1. 成長率 可処分所得 社会の満足度 一人当たり成長は先進国でトップクラス 一人当たり可処分所得は着実に増加 社会の満足度は過去最高 生産年齢人口一人当たり実質 GDP 成長率 ( 年平均 ) (%)

1. 成長率 可処分所得 社会の満足度 一人当たり成長は先進国でトップクラス 一人当たり可処分所得は着実に増加 社会の満足度は過去最高 生産年齢人口一人当たり実質 GDP 成長率 ( 年平均 ) (%) 資料 5 経済社会の質に着目したアベノミクスのこれまでの成果 平成 29 年 9 月 25 日 内閣府 1. 成長率 可処分所得 社会の満足度 一人当たり成長は先進国でトップクラス 一人当たり可処分所得は着実に増加 社会の満足度は過去最高 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 生産年齢人口一人当たり実質 GDP 成長率 (2012-2016 年平均 ) (%) 2.2 1.6 2.1 1.2

More information

Newsletterむさしの11.indd

Newsletterむさしの11.indd News Letter 201411 November1 Vol.497 News Letter Topics 2 News Letter 3 Area News 4 News Letter News Letter. 5 News Letter 6 News Letter 7 News Letter 8 News Letter 9 10 News Letter News Letter 11 12 News

More information

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正 米国 2018 年 6 月 14 日全 5 頁 FOMC 2018 年のドットはわずかに上方修正 利上げの進展に伴い フォワードガイダンスを大幅に削除 ニューヨークリサーチセンターシニアエコノミスト橋本政彦 [ 要約 ] 2018 年 6 月 12 日 ~13 日に開催された FOMC( 連邦公開市場委員会 ) では 政策金利で ある FF( フェデラルファンド ) レートの誘導目標レンジを 従来の

More information

エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか

エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか エコノミスト便り ( ロンドン ) 18 年 1 月 日 三井住友アセットマネジメント シニアエコノミスト西垣秀樹 欧州経済 ユーロ圏はどのように財政を再建したか ~ ユーロ圏 19 か国のほとんどの国が 3% 基準を達成 財政は健全化 ~ ユーロ圏の財政収支は改善している ユーロ圏では 8 年に発生した金融危機の後に景気が大幅に落ち込み 財政収支が悪化する中で 11 年 ~13 年には GDP 比で

More information

エコノミスト便り

エコノミスト便り エコノミスト便り ( ロンドン ) 217 年 12 月 29 日 三井住友アセットマネジメント シニアエコノミスト西垣秀樹 欧州経済 高まるやの潜在成長率 ~ は労働と資本の投入でよりも高い成長率を実現 ~ やでは景気拡大が続く中で 中期的に持続可能な成長率に相当する潜在成長率が高まる傾向にある との潜在成長率を比較すると 9 年代半ば以降は がほぼ一貫してよりも高く 足元では % ポイント前後の差がある

More information

1 / 5 発表日 :2019 年 6 月 18 日 ( 火 ) テーマ : 貯蓄額から見たシニアの平均生活可能年数 ~ 平均値や中央値で見れば 今のシニアは人生 100 年時代に十分な貯蓄を保有 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( : )

1 / 5 発表日 :2019 年 6 月 18 日 ( 火 ) テーマ : 貯蓄額から見たシニアの平均生活可能年数 ~ 平均値や中央値で見れば 今のシニアは人生 100 年時代に十分な貯蓄を保有 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( : ) 1 / 5 発表日 :2019 年 6 月 18 日 ( 火 ) テーマ : 貯蓄額から見たシニアの平均生活可能年数 ~ 平均値や中央値で見れば 今のシニアは人生 100 年時代に十分な貯蓄を保有 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( :03-5221-4531) ( 要旨 ) 最新の家計調査によれば 夫 65 歳以上 妻 60 歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合

More information

○ユーロ

○ユーロ EURO Indicators 定例経済指標レポート Euro Weekly(1/17~1/1) 発表日 :7 年 1 月 6 日 ( 水 ) ~ 景気先行サーベイは再び低下 ~ 経済指標の振り返り 第一生命経済研究所経済調査部副主任エコノミスト橋本択摩 (3-51-6) 発表日指標 イベントなど結果コンセンサス前回 1/17( 月 ) ( 英 )1 月ライトムーブ住宅価格 ( 前年比 ) ( 欧

More information

共働きは 収入源の分散化や世帯所得の増加をもたらすことから 基本的には消費に対する自由度を高めるものと予想される つまり 配偶者収入も含めて 収入が消費に結びつきやすくなる可能性があるということだ しかし 実際には 共働き世帯が増加しているにも拘わらず 家計は消費に対して慎重になっているようだ 世帯

共働きは 収入源の分散化や世帯所得の増加をもたらすことから 基本的には消費に対する自由度を高めるものと予想される つまり 配偶者収入も含めて 収入が消費に結びつきやすくなる可能性があるということだ しかし 実際には 共働き世帯が増加しているにも拘わらず 家計は消費に対して慎重になっているようだ 世帯 みずほインサイト 日本経済 17 年 3 月 4 日 共働き世帯の増加と消費への影響老後不安を背景に 配偶者収入の増加分は貯蓄へ 経済調査部主任エコノミスト大野晴香 3-3591-143 haruka.ono@mizuho-ri.co.jp 共働き世帯の増加は 世帯所得の増加を通じて個人消費の拡大をもたらすことが期待されるが 個人消費は力強さに欠ける状況が続いている 4 代は最近 配偶者収入の増加がとくに顕著となっている

More information

2013/2014年度経済見通し(2013年8月)

2013/2014年度経済見通し(2013年8月) 2013 年 8 月 14 日 調査レポート 2013/2014 年度経済見通し (2013 年 8 ~ 景気持ち直しの動きが続くが 伸びはいったん鈍化へ ~ 2013 年 4~6 月期の実質 GDP 成長率 (1 次速報値 ) は前期比 +0.6%( 年率換算 +2.6%) となり 景気が順 調に回復していることを確認する結果となった 消費税率引き上げを決めるうえで障害になる結果ではない と考えられ

More information

2. 消費税率引き上げが個人消費に与える影響 (1)1997 年度の消費増税時のレビュー ~ 大きかった駆け込み需要の影響消費税は 89 年 4 月に税率 3% で導入され 97 年 4 月に 5% に引き上げられた 89 年度の導入時は従来の物品税廃止によって自動車など耐久財の多くが実質減税となっ

2. 消費税率引き上げが個人消費に与える影響 (1)1997 年度の消費増税時のレビュー ~ 大きかった駆け込み需要の影響消費税は 89 年 4 月に税率 3% で導入され 97 年 4 月に 5% に引き上げられた 89 年度の導入時は従来の物品税廃止によって自動車など耐久財の多くが実質減税となっ みずほインサイト 日本経済 2012 年 6 月 27 日 消費税率引き上げと個人消費実質所得減と駆け込み需要 反動の影響試算 みずほ総合研究所 経済調査部 03-3591-1243 社会保障 税の一体改革で予定されている消費税率引き上げ (2014 年 4 月に 8% 2015 年 10 月に 10% へ ) により 2014~2016 年度は家計の実質所得が目減りし 個人消費を抑制する要因となる

More information

Newsletterむさしの12.indd

Newsletterむさしの12.indd Newsletter Topics 12 2015 2 News Letter Topics Topics News Letter Topics 3 Area News News Letter Area News 4 News Letter Information / Report 5 Report News Letter 6 News Letter i nformation i nformation

More information

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度 1 / 5 テーマ : 携帯料金 4 割引き下げの家計への影響 発表日 :218 年 8 月 24 日 ( 金 ) ~ 家計全体では 2.6 兆円と消費増税負担を上回る負担減 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( :3-5221-4531) ( 要旨 ) 総務省の統計によれば 携帯通信料の価格は低下傾向にあるものの 携帯通信料が家計支出に占める割合が拡大している

More information

経済見通し

経済見通し 三井住友信託銀行調査月報 218 年 1 月号 アベノミクス景気 における銀行貸出の特徴 ~ いざなみ景気 との比較 ~ < 要旨 > 戦後最長の いざなみ景気 時の動きと比較すると アベノミクス景気 における銀行 貸出の増加は 企業が過剰な債務を抱えていない下で 日銀の金融緩和政策による超 低金利環境が続くことによって支えられたものである 足元の貸出の増加は 低金利によ る資金調達及び資金保有コストの低下によって

More information

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E > マーケットフォーカス ( アジア市場 ) 1 年 3 月号 各国の実質 GDP 成長率 ( 前年同期比 ) の推移 経済 各国の消費者物価指数 ( 前年同月比 ) の推移 各国の政策金利の推移 ご参考資料 1 年 3 月 1 日 1 (1 年 1 1 月期 ~17 年 1 1 月期 四半期 ) インドネシア フィリピン 中国 1 (15 年 月 ~1 年 月 月次 ) インドネシアフィリピン 中国

More information

Microsoft Word - ₥+ èª¿æŁ»ï¼›ï¼“çŽºè¡¨å¾„èª¤åŁŠä¿®æŁ£.docx

Microsoft Word - ₥+ èª¿æŁ»ï¼›ï¼“çŽºè¡¨å¾„èª¤åŁŠä¿®æŁ£.docx 一般社団法人中国経済連合会 中国地方景気動向アンケート調査結果 (2019 年 5 月調査 ) アンケート調査概要 調査対象: 会員 579 社非会員 118 社計 697 社 ( 回答社数 233 社 : 回答率 33.4%) 調査時期:2019 年 5 月 8 日 ~5 月 23 日 ( 毎年 5,8,11,2 月を目途に調査予定 ) 回答企業内訳 回答先 構成比 (%) 回答先 構成比 (%)

More information

42_3

42_3 上昇続く東京オフィスビル価格をどう見るか ~ 賃料の上昇期待から見た持続性 ~ < 要旨 > 東京都心のオフィスビル価格は 2012 年を底に 3 割上昇しており 過熱を指摘する見方も出てきている 価格には将来の賃料が上昇するという期待が反映されており この期待の継続が価格上昇の持続に必要である そこで どの程度の賃料上昇が価格に反映されているか試算すると 現在の平均募集賃料より 17% 高い賃料が価格に織り込まれていることが分かった

More information