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1 日本税理士連合会寄附講座 我が国の租税法と税理士の役割 第 8 回テーマ 組織再編と法人税等 サブタイトル 会社が合併したら税金はどうなるか? 平成 24 年 6 月 6 日 ( 水 ) 菊原栄三 ~ 講義内容 ~ 1. 組織再編全般 (1) 規制緩和がされた 2 (2) 組織再編の種類 2 2. 組織再編と法律 (1) 会社法に規定が定められている 4 (2) 法律は手続論 4 3. 組織再編と会計 (1) 全体図 6 (2) 連結財務諸表会計基準 7 (3) 企業結合会計基準 8 (4) 事業分離等会計基準 9 (5) 企業結合会計に関する主な論点 組織再編と税務 (1) グループ法人税制 17 (2) 連結納税 22 (3) 再編税制 合併の実務 34 1

2 1. 組織再編全般 (1) 規制緩和がされた 1 我が国では つい最近まで M&A(Mergers and Acquisitions= 企業再編又は組織再編 ) の手法として 合併や事業譲渡しか認められていませんでしたが 規制緩和のグローバルな経済環境変化の影響があり 会社法が改正され 合併や事業譲渡については制度が緩和され また新たに株式交換 株式移転 株式分割といった制度が創設されました これらを総称して企業再編制度といわれております (2) 組織再編の種類 1 合併 2 つ以上の会社が契約により合体して 1 つの会社になる手法です 既存の会社のいずれかを存続会社とし その他の会社を消滅会社とする 吸収合併 と 既存の会社すべてを消滅させ 新会社を設立しその消滅した会社の権利義務を引き継ぐ 新設合併 があります 後者は 事務手続きが煩雑であること 不動産などの登記コストがかかるなどの理由からあまり利用されず 全社の吸収合併の制度を利用する場合がほとんどです 合併は結合企業形態の到達点 と言われています 今までの提携関係を更に強化して販売力 技術力を高め シナジー効果が期待でき 一気に市場占有率を高め他社との競合に打ち勝つため また債務超過会社を救済するため等に有効な手法です 反面 会社全部を引き継ぐので不要な事業や負債あるいは非効率な事業も引き継ぐなどのデメリットもあります 2 会社分割 1 つの会社がその事業の一部または全部を他の会社に包括的に承継させることにより会社を複数に分割する手法です 分割の形態を大きく分けると 既存の会社に事業を分割する 吸収分割 と 新設した会社に事業を引き継ぐ 新設分割 に分けられます 合併においてはほとんどが吸収合併を選択しますが 分割の場合においては 両社における手続き上の差異はほとんど僅少であるため その会社の事業形態や業況等により 適した分割形態を選択することになります 新しい会社の株主構成からみた場合に 分社型分割 と 分割型分割 という分類もできます 分社型分割は 分割新設法人の株式 100% を分割元法人が所有する形態で 分割事業を完全子会社として分割する方法です 一方 分割型分割は分割新設法人の株主構成が分割元法人と同一構成になる形態で 分割事業を兄弟会社として分割する方法です 株式分割はこれにより事業譲渡や譲受が簡易化し また再生スキームとしても有効な手法です 反面 規模の利益が縮小する等のデメリットもあります この会社分割に株式交換 移転を組み合わせることで 企業再編がより行いやすくなります 3 株式交換 移転株式交換は 完全子会社となる会社の株主が保有する株式と完全親会社となる会社が発行する株式を交換することにより 完全親子関係を構築する手法です 2

3 現金買収や事業譲渡に比較して多額の現金を必要としないなどのメリットがありますが 子会社化しようとする会社の株主が親会社の株主になるわけなので 好ましくない株主を排除できないなどのデメリットがあります 一時期 ニッポン放送 に対する敵対的 M&A で話題になったライブドアは この手法を利用し 多額の資金を必要とせずに多くの会社を子会社化していった経緯があります 株式移転は 株式交換の形態の一種です 単独あるいは複数の完全子会社となる株主が保有する株式を完全親会社となる会社に移転し その代わりに完全親会社の発行する株式を割り当てることにより 完全持株会社 ( ホールディングカンパニー ) の関係を構築する手法です 事業譲渡の場合に比較して 完全子会社となる株主が株式譲渡益課税を繰り延べられるなどのメリットがあります この手法を利用した有名な事例としては 流通大手の セブン & アイ ホールディングス ( イトーヨーカ堂 + セブンイレブンジャパン + デニーズジャパン ) や 三越伊勢丹ホールディングス ( 三越 + 伊勢丹 ) あるいは多くのメガバンクの持ち株会社が掲げられます 株式交換は 既に存在している会社を完全親会社とする際に行うもので 株式移転は新たに完全親会社を設立する際に行うものです 持株会社 ( ホールディングス制 ) への移行に便利です 4 事業譲渡会社の事業の全部または一部を契約により他の会社に移転する手法です 事業の分割という点においては分割と類似し また事業の全部を譲渡した場合には合併と類似します しかし 分割や合併は 従前の権利義務が包括的に承継されるのに対し 事業譲渡は売買契約に基づく取引行為となります したがって 契約によって譲渡対象を限定することができるので 譲渡される側では簿外債務等のリスクを限定または回避することができるなどのメリットの反面 事業を買収する資金の必要が生じるなどのデメリットがあります また 譲渡する側においては採算が悪化している事業を自社から切り離して他社に譲渡することで 財務体質を改善し 会社全体の採算性を向上する効果を期待できます 中小企業の M&A においては 株式譲渡に次いで事業譲渡は多く利用されています 3

4 2. 組織再編と法律 (1) 会社法に規定が定められている 会社法には 企業再編に関する規定が詳細に定められている 特に 合併についての規定を抜粋すると 合併は具体的には 合併契約の作成 調印 株主総会の特別決議 債権者異議手続 合併登記等の手続きを経ることとなっている 以下 合併についての法律手続論について述べることとする (2) 法律は手続論 1 概観合併とは 2 個以上の会社の間の契約 ( 合併契約 ) により その当事会社の一部又は全部が解散 消滅して その財産が存続会社 ( 吸収合併の場合 ) 又は新設会社 ( 新設合併の場合 ) に包括的に移転し その社員 ( 株主 ) が存続会社又は新設会社の社員 ( 株主 ) になるという効果を生じる契約のことを言います 吸収合併とは合併当事会社のうちの一社が存続し他の会社が解散するものを言い 新設合併とは合併当事会社の全部が解散しそれと同時に新会社が設立されるものを言います 合併の結果 何らの清算手続を経ることなく 合併当事会社の一部 ( 吸収合併の場合 ) 又は全部 ( 新設合併の場合 ) が消滅します 2 手続き 1) 株式会社が合併を行うには 合併契約を締結し 株主総会による承認決議 債権者の異議手続を履行し 合併の登記を行うといった一連の手続が要求されます 2) 合併契約には 株主等の保護のため 法定の事項を記載しなければなりません ( 会社法 748 条 749 条 ( 吸収 ) 753 条 ( 新設 )) 法定事項は 合併条件 ( 株式の割当比率 [ 合併比率のこと ] 及び交付される対価の種類 総額等 存続会社又は新設会社の組織 体制 ( 新設会社の定款 役員等 資本金 準備金の額に関する事項 ) 及び 合併手続の進行時期です なお 合併の各当事会社は 合併契約の内容と合併条件の相当性に関する事項等の法務省令事項を事前に開示し 株主および会社債権者の閲覧に供しなければなりません 事前開示は 株主にとっては合併条件の公正等を判断し総会への準備をするのに役立ちますし 会社債権者にとっては合併に対し異議を述べるかどうかの判断材料になります 3) 株主総会の合併承認決議合併は 会社の命運にかかわることなので 原則として株主総会の特別決議 ( 議決に際して 議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し その出席株主の議決権の 3 分の 2 以上にあたる賛成が必要とされる ) が必要です ( 会社法 78 3 条 1 項 795 条 1 項 804 条 1 項 309 条 2 項 12 号 ) 上記総会の招集通知には 合併契約の要領を記載しなければなりません なお 合併承認決議に反対の株主には公正な価格での株式買取請求権が与えられています ( 同法 785 乃至 788 条 条 806 乃至 809 条 ) なお 一定の場合には承認決議が不要とさ 4

5 れています ( 略式合併手続 ( 同法 784 条 1 項本文 ) 簡易合併手続 ( 同法 796 条 3 項 )) 4) 債権者異議手続の履践合併に際しては債権者異議手続をとらなければならず ( 会社法 789 条 799 条 810 条 ) 合併の効力発生日より前に終了させなければなりません ただし 一定の場合には個別の催告は不要とされます 5) 株式会社が合併をしたときは 登記をしなければなりません ( 同法 921 条 922 条 ) 吸収合併の効力は 合併契約で定めた効力発生日に生じますが 新設合併の効力は 新設会社の設立の登記による成立によって生じます なお 効力発生後は遅滞なく法務省令事項を開示しなければなりません ( 同法 801 条 815 条 ) 3 合併の無効以上に述べた合併の手続に瑕疵があれば合併の無効が問題になりますが 法的安定性を図るため 合併無効の訴え ( 会社法 828 条 1 項 7 号 8 号 ) によらなければ無効の主張はできません なお 無効事由は法律上明記されていませんが 合併契約が作成されなかったときや合併承認決議に無効または取消事由があるとき 債権者異議手続きがなされなかったときなど 重大な手続違反が無効事由になると考えられています 5

6 3. 組織再編と会計 (1) 全体図組織再編行為の会計の全体像は 企業結合会計基準 事業分離等会計基準および連結会計基準という 3 つの会計基準に係るものとなります 会計は 連結会計基準が主となっておりますので その連結会計基準を前提として組織再編行為の会計基準は企業結合会計基準と事業分離等会計基準の 2 つが公表されております 企業会計基準第 21 号 企業結合に関する会計基準 ( 以下 企業結合会計基準 ) において 企業結合 とは ある企業またはある企業を構成する事業と他の企業または他の企業を構成する事業とが一つの報告単位に統合されること ( 企業結合会計基準 5) と定義されており 企業会計基準第 22 号 連結財務諸表に関する会計基準 ( 以下 連結会計基準 ) にいう他の会社の支配の獲得も含む ( 企業結合会計基準 66) ものとされます また 共同支配企業と呼ばれる企業体を形成する取引および共通支配下の取引等も 企業結合会計基準の適用対象となります ( 企業結合会計基準 66) さらに 企業結合会計基準は 組織再編行為を行ったときの個別財務諸表上の会計処理のみならず 連結グループ内外の会社間で株式交換 株式移転や会社分割が行われた場合の連結上の会計処理をその適用範囲に含んでいます 一方 会社分割では 事業を受け入れる分割承継会社にとっては企業結合となりますが 事業を分離する分割会社の方では 事業が報告単位から離れていくこととなります ある企業を構成する事業を他の企業 ( 新設される企業を含む ) に移転することを 事業分離 といいますが この事業分離は企業結合とは異なる経済事象と考えられます このため 事業分離の会計処理に関しては 企業結合会計基準とは別に 企業会計基準第 7 号 事業分離等に関する会計基準 ( 以下 事業分離等会計基準 ) が公表されています 事業分離には 会社分割のほか 連結子会社の持分の売却などにより 子会社が連結から外れる場合も 事業分離等会計基準の適用対象となります また事業分離等会計基準には 企業結合 事業分離が行われた場合の株主の会計処理についてもその範囲に含まれています 6

7 (2) 連結財務諸表会計基準 企業会計基準第 22 号平成 20 年 12 月 26 日 連結財務諸表に関する会計基準企業会計基準委員会 目的 1 会計基準 4 範囲 4 用語の定義 5 連結財務諸表作成における一般原則 9 連結財務諸表作成における一般基準 13 連結の範囲 13 連結決算日 15 親会社及び子会社の会計処理の原則及び手続 17 連結貸借対照表の作成基準 18 連結貸借対照表の基本原則 18 子会社の資産及び負債の評価 20 投資と資本の相殺消去 23 少数株主持分 26 子会社株式の追加取得及び一部売却等 28 債権と債務の相殺消去 31 表示方法 32 連結損益計算書の作成基準 34 連結損益計算書の基本原則 34 連結会社相互間の取引高の相殺消去 35 未実現損益の消去 36 表示方法 39 連結株主資本等変動計算書の作成 41 連結キャッシュ フロー計算書の作成 42 連結財務諸表の注記事項 43 適用時期等 44 議決 45 結論の背景 46 経緯 46 本会計基準及び平成 9 年連結原則の考え方について 50 基本的考え方 50 本会計基準による新たな取扱い 52 連結の範囲 54 少数株主持分の表示方法 55 税効果会計の適用 56 親子会社間の会計処理の統一 57 資本連結の手続の明確化 59 資本連結以外の連結手続の明確化 68 連結財務諸表における表示区分 71 連結財務諸表の注記事項 73 適用時期等 75 本会計基準の公表による他の会計基準等についての修正 79 7

8 (3) 企業結合会計基準 企業会計基準第 21 号平成 15 年 10 月 31 日改正平成 20 年 12 月 26 日 企業結合に関する会計基準企業会計審議会企業会計基準委員会 目的 1 会計基準 3 範囲 3 用語の定義 4 取得の会計処理 17 取得企業の決定方法 18 取得原価の算定 23 取得原価の配分方法 28 のれんの会計処理 32 負ののれんの会計処理 33 逆取得における個別財務諸表上の会計処理 34 共同支配企業の形成の会計処理 37 共同支配企業の形成の判定 37 共同支配企業の形成の会計処理 38 共通支配下の取引等の会計処理 40 共通支配下の取引 41 少数株主との取引 45 開示 47 のれんの表示 47 負ののれんの表示 48 注記事項 49 適用時期等 56 議決 59 結論の背景 60 平成 15 年会計基準公表の経緯 60 会計基準改正の必要性 63 基本的な考え方 66 取得と持分の結合の考え方 73 持分の継続 73 共同支配企業の形成 76 取得の会計処理 77 取得企業の決定方法 77 取得原価の算定 84 取得原価の配分方法 98 のれんの会計処理 105 負ののれんの会計処理 110 逆取得における個別財務諸表上の会計処理 112 共同支配企業の形成の会計処理 116 共通支配下の取引等の会計処理 118 共通支配下の取引 119 少数株主との取引 120 開示 121 適用時期等 127 平成 20 年改正会計基準の公表による他の会計基準等についての修正 130 8

9 (4) 事業分離等会計基準 企業会計基準第 7 号 事業分離等に関する会計基準 平成 1 7 年 1 2 月 2 7 日 改正平成 2 0 年 1 2 月 2 6 日 企業会計基準委員会 目的 1 会計基準 2-2 用語の定義 2-2 範囲 9 分離元企業の会計処理 10 受取対価が現金等の財産のみである場合の分離元企業の会計処理 14 受取対価が分離先企業の株式のみである場合の分離元企業の会計処理 17 受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理 24 開示 27 資産の現物出資等における移転元の企業の会計処理 31 結合当事企業の株主に係る会計処理 32 被結合企業の株主に係る会計処理 32 受取対価が現金等の財産のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理 35 受取対価が結合企業の株式のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理 38 受取対価が現金等の財産と結合企業の株式である場合の被結合企業の株主に係る会計処理 45 結合企業の株主に係る会計処理 48 分割型の会社分割における分割会社の株主に係る会計処理 49 現金以外の財産の分配を受けた場合の株主に係る会計処理 52 開示 53 適用時期等 57 議決 58 結論の背景 60 経緯 60 用語の定義と範囲 62 会計処理の考え方 67 企業結合会計基準における持分の継続 67 持分の継続と分離元企業の会計処理及び結合当事企業の株主に係る会計処理の考え方 69 分離元企業の会計処理と結合当事企業の株主に係る会計処理の考え方の関係 73 分離元企業の会計処理 74 分離元企業の会計処理の基本的な考え方 74 受取対価が現金等の財産のみである場合の分離元企業の会計処理 82 受取対価が分離先企業の株式のみである場合の分離元企業の会計処理 85 受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理 105 開示 111 資産の現物出資等における移転元の企業の会計処理 114 結合当事企業の株主に係る会計処理 115 被結合企業の株主に係る会計処理の基本的な考え方 115 受取対価が現金等の財産のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理 118 受取対価が結合企業の株式のみである場合の被結合企業の株主に係る会計処理 120 受取対価が現金等の財産と結合企業の株式である場合の被結合企業の株主に係る会計処理 136 結合企業の株主に係る会計処理 139 分割型の会社分割における分割会社の株主に係る会計処理 141 現金以外の財産の分配を受けた場合の株主に係る会計処理 143 開示 145 適用時期等 147 9

10 (5) 企業結合会計に関する主な論点 1 パーチェス法と持分プーリング法パーチェス法と持分プーリング法の定義は (1) 承継する資産 負債とその評価 (2) 増加する資本の額とその内訳のどちらに着目するかによって異なりますが 企業会計審議会が公表した 企業結合に係る会計処理基準に関する論点整理 では 従来の理解として以下のようにまとめられています パーチェス法 被結合会社の資産と負債を公正価値で受け入れ かつ / または 交付した株式の公正価値だけ資本を増加させ そのすべてを拠出資本とする方法 持分プーリング法 被結合会社の資産と負債を帳簿価額のまま受け入れ かつ / または 被結合会社の資本 ( 株主持分 ) をそのまま結合会社に引き継ぐ方法 これらの処理方法の使い分けは 一般的に企業結合という経済的事実を 取得 か 持分の結合 かに分類することによってなさます すなわち 取得 と判定された場合にはパーチェス法により また 持分の結合 と判定された場合には持分プーリング法により 会計処理することになります これらの会計処理による違いを 具体的に簡単な設例で示してみます < 設例 > ( 単位 : 千円 ) A 社貸借対照表 諸資産 280,800 諸負債 270,000 固定資産 280,000 資本金 180,000 資本準備金 40,000 剰余金 70, , ,800 A 社は 4 月 1 日に B 社に吸収合併されました ( 合併比率 1:1) A 社の 3 月 31 日現在の貸借対照表は左のとおりです A 社の固定資産の時価は 350,000 千円 A 社の発行済株式総数は 360,000 株 4 月 1 日の B 社株式の時価は 1 株 1,400 円 1) 持分プーリング法による合併仕訳持分プーリング法では A 社の資産 負債は適正な簿価で引き継がれます 同様に資本勘定についてもそのまま引き継ぎますので 合併仕訳は以下のようになります なお 設例では 合併比率が 1:1 のため 資本金及び資本準備金の内訳もそのまま引き継ぐことになります < 合併仕訳 - 持分プーリング法 > ( 単位 : 千円 ) 借方貸方図解 - 持分プーリング法 諸資産 280,800 諸負債 270,000 固定資産 280,000 資本金 180,000 資本準備金 40,000 剰余金 70,800 10

11 2) パーチェス法による合併仕訳パーチェス法では A 社の資産 負債は時価で引き継ぎますので 設例の場合は 固定資産を評価替えする必要があります 買収の対価は 合併に際して発行した B 社株式の公正価額として算定され 設例の場合は 合併時の B 社株式の時価に発行株式数を乗じたものとなります なお ここでは 資本組入額を買収の対価の 1/2 とします 最後に 受入時価純資産と買収の対価との差額はのれんに計上します < 合併仕訳 -パーチェス法 > ( 単位 : 千円 ) 借方貸方図解 -パーチェス法 諸資産 280,800 諸負債 270,000 固定資産 350,000 資本金 252,000 営業権 143,200 資本準備金 252,000 3) 両者の比較以上の設例において 持分プーリング法の場合とパーチェス法の場合の処理を比較すると 次の点で違いが出ます 持分プーリング法では資産負債を簿価で引き継ぐが パーチェス法では時価で引継ぐため A 社で温存した固定資産の含み益 70,000 千円が表面化する 持分プーリング法では被合併会社の資本勘定をそのまま引き継ぐが パーチェス法では買収の対価として独立評価し また剰余金は引き継がない 持分プーリング法ではのれんが計上されないが パーチェス法ではのれんが計上される 2 のれんの会計処理 1 で示したように パーチェス法によった場合には のれんが計上されることがあります 企業結合によって生じるのれんは 被結合会社の事業の超過収益力や 結合当事会社の事業の結合によるシナジー効果等を源泉とするものといわれています こののれんの会計処理方法には 複数の方法が考えられます A. 払込資本 ( 拠出資本 ) から控除する B. 留保利益から控除する C. 年度の純利益から控除する C1. 即時に償却する C2. 規則的に期間配分して償却する C3. 通常は償却せず 減損処理する多額ののれんが生じた場合には いずれの会計処理を採用するかによって 企業の業績に与える影響は大きく異なることになります また 場合によってはのれんが貸方に発生することもあり ( 被取得会社の純資産の公正価値が被取得会社の取得原価を超える場合に発生し 負ののれんといいます ) 正ののれんと同様の会計処理方法のほか 負ののれん固有の方法も考えられます 11

12 3 無形資産の会計処理正ののれんが生じた場合 正ののれんから識別可能な無形資産への振り替えを強制するか 容認するか あるいは禁止するか 無形資産へ振り替えるとした場合には その償却をどうするかが論点となります 識別可能な無形資産の例 営業関連技術関連芸術関連 商標及び商号役務商標 団体商標及び証明商標デザイン新聞の発行人欄インターネットのドメイン名競合避止契約契約関連 特許技術 コンピュータ ソフトウエア 特許取得前の技術 データベース 企業秘密 顧客関連 演劇及びオペラ並びにバレイ書籍 雑誌 新聞及び文学作品音楽的作品絵画及び写真ビデオ及び視聴覚作品等 ライセンス契約 ロイヤルティ契約広告宣伝 建設 管理及びサービスに関する契約リース契約建設許可フランチャイズ契約上映及び放映権堀削権等 資源の利用に関する権利の行使雇用契約 顧客リスト注文又は製造に関する過去の記録顧客との契約及び契約に関連する他の関係潜在顧客との関係 4 米国会計基準 (SFAS141 号 SFAS142 号 ) 1) すべての企業結合はパーチェス法で処理従来米国においては 会計原則審議会意見書第 16 号 (APB16 号 ) 企業結合 の規程に基づいた会計処理がなされてきました この基準は 一定の要件を満たす場合に限って持分プーリング法を認めるというものでした パーチェス法は多額ののれんが計上される場合があり 当時の米国会計基準ではのれんを 40 年以内の適当な期間にわたって償却することが義務づけられていたなど 企業の業績に多大な影響を及ぼしかねないことから パーチェス法を避け持分プーリング法を適用したいという誘因が経営者にとって存在していました そのため 比較的緩いといわれていた要件を満たすように企業結合のスキームを組むことにより 持分プーリング法を適用した会計処理がなされるという事態が少なからず発生し 経済的実質は異ならないと思われる企業結合取引が異なる会計処理によって処理され 財務諸表に反映されているという問題が指摘されるようになりました そこで 米国財務会計基準審議会 (FASB) は 2001 年に 会計数値の信頼性を確保するために処理方法を統一させることとし 対等合併は実際にはほとんど存在しないという理由で持分プーリング法を退け すべての企業結合はパーチェス法で処理するという SFAS141 号を公表しました 12

13 SFAS141 号は取得 被取得の識別が困難な結合形態であったとしても 次のすべての事項を総合的に考慮して 取得 被取得会社を決定すべきであるとしています 結合後の会社における相対的な議決権 取締役会 経営陣等の意思決定機能におけるメンバー構成比 株式等の交換の条件 ( プレミアムを支払う側が取得会社 ) 資産 収益 利益等に基づく 結合企業の相対的規模 2) のれんは償却不可 ただし減損 APB16 号に基づいて企業結合取引を処理していた当時の米国では のれんの処理について その効果の及ぶ見積残存期間にわたって償却し 見積残存期間が 40 年を超える場合には 40 年にわたって償却することとされていました (APB17 号 ) FASB は SAFS141 号を公表するにあたって のれんの償却期間についての見直しも行っています 当初 FASB が公表した草案によると 持分プーリング法を全面禁止し パーチェス法に一本化するとともに パーチェス法で処理することによって生じたのれんは 従来の 40 年から 20 年にその償却期間を短縮することが考えられていました しかし 多額ののれんが生じ得ることもあり 企業の業績に与えるその影響は大きく 従来持分プーリング法が多用されてきたハイテク業界や金融業界から強く反対され 最終的には償却期間の短縮という方針から一転して償却は行わないという方針へと変わり その代わり一定の状況に該当する場合に減損処理することに決定し SAFS142 号が公表されました 方針の転換は パーチェス法で統一するための政策的な配慮であったといわれています また 負ののれんが生じた場合は 原則として取得した資産の公正価値の比率によって按分され 各資産の減額処理を行うこととされています 3) 非償却の無形資産について減損のれん以外の無形資産については 以下のいずれかの要件を満たす場合は のれんとは別に認識することとなります 契約又は法的権利 ( その権利が移転できるか否かに係らず ) によって 将来にわたり経済的便益を享受することができること 分離 分割が可能で 所有者にその意図のあるなしに係らず また その市場が存在するか否かに係らず 売却 譲渡 貸与又は交換可能であること また 償却に関しては当該資産を無期限に活用する予定があるか否か その資産が無期限にキャッシュ フローを生み出すか否か等のポイントにより期限の有無を判断し その結果に応じ以下のように取り扱われます 期限の有無 有 無 処理方法 耐用年数を見積もり 償却実施 償却せず 最低年 1 回は減損の検討必要 13

14 5 国際会計基準 (IFRS 公開草案第 3 号及び IAS36 号 38 号の改訂案 ) 1) すべての企業結合はパーチェス法で処理従来の国際会計基準は IAS22 号において原則はパーチェス法としながらも 厳格な適用要件を設け 要件を満たす場合には持分プーリング法の適用を認めていました しかし 米国会計基準においてパーチェス法への一本化が決定されたことを受けて 米国会計基準と同調し 持分プーリング法を廃止し パーチェス法のみの適用を認めることが提案されています 公開草案には ほとんどの企業結合が一方の企業を他方の企業が支配することになるため 買収企業が識別可能であり パーチェス法が適切な会計処理である等 パーチェス法一本化の理由が示されています わが国は公開草案の作成にあたって 買収企業を特定することが困難な企業結合 が存在することを主張してきましたが その場合であっても 何らかの規準によれば買収企業が識別できるとする意見等が出され 最終的にはパーチェス法に一本化することで合意されました 2) のれんは償却不可 ただし減損従来は 20 年を限度として償却を行うこととされてきましたが 公開草案ではのれんの償却を禁止しています その代わり米国会計基準同様 減損テストを毎期実施することになります のれんの耐用年数を測定することは不可能であって 償却年数を設定してもその結果計上された償却費は恣意的なものといわざるを得ない等を理由に償却を禁じており 一方で減損については 減損の結果計上された損失は 価値の下落を適時に認識することになるため償却よりも有用であるとされています 現行の IAS22 号では 負ののれんについては非貨幣性資産の金額までの範囲について資産の加重平均耐用年数期間中に利益として計上するなどの繰延処理をし それ以外の金額は利益に計上することとされていますが 今回の公開草案では 買収期間の損益として処理することとされています 米国会計基準 SFAS141 号は 資産の簿価を調整 ( 減額処理 ) することにより繰延処理を採用したことになりますから この点が大きな違いといえます 3) 非償却の無形資産について減損現行の IAS38 号では 原則 20 年を限度とした償却を行うことになっています 公開草案では 耐用年数を確定できない場合には償却を行わず 減損テストを実施することとするなど 米国会計基準と同様の会計処理を提案しています 4) その他 ( リストラ引当金の計上禁止 ) 今回の公開草案では リストラ費用 すなわち買収企業が被買収企業の事業閉鎖や縮小等を行う場合に発生する費用に関する取扱いについての改正も検討されています 現行の IAS22 号では 一定の場合に限って リストラ費用を買収時に引当金として計上することを認めています しかし 公開草案では 引当金の計上を禁止するとしています したがって 買収時 ( 企業結合時 ) に認識することは認められず ( のれんの測定に影響させない ) 買収後に買収企業が費用として認識することになります 14

15 6 わが国の動向わが国においては 企業会計審議会において基準作りに向けての検討がなされているところであり いまだ基準の公表には至っていません やはり 最大の論点は持分プーリング法が認められるか 認められるとした場合の要件はどのようなものか ということでしょう 日本経済新聞社が行った上場主要百社アンケート ( 平成 15 年 2 月実施 ) によると 持分プーリング法を限定的な形で認めるべきであるとする回答が 49% となっています これに対してパーチェス法に一本化すべきとの回答は 32% となっています 持分プーリング法を幅広く認めるべきであるとする回答は 10% あり 約 6 割がパーチェス法一本化に反対しています 米国会計基準はパーチェス法に一本化し 国際会計基準もその方向で動いています さらにはカナダやオーストラリアといった国々においても 持分プーリング法は禁止されています このように国際的には持分プーリング法を禁止し パーチェス法に一本化する方向にあるなかで わが国の基準もおそらくパーチェス法が原則になると思われます しかし わが国においては合併比率を 1:1 とする対等合併が多く行われているという現実があります これは対等の精神で統合を行うという当事者の意思表示でもあるといえます パーチェス法のみに一本化されると どちらが支配したかを明確にすることになり 対等の立場での経営統合が行いにくくなると懸念されています したがって このような日本の企業風土ともいえる 対等合併重視 への配慮もなされ 例外的に一定の要件を満たした場合には持分プーリング法が認められることになると考えられます のれんの処理については 従来からさまざまな処理がいわれていますが 最終的には償却すべきとするか あるいは米国会計基準や国際会計基準のように非償却として 減損処理とするかの議論になると思われます 非償却として減損処理をするとした場合には 減損処理が必要な状況に陥らない限り 企業の業績への影響はないことになります 逆に減損処理が必要となった場合には 巨額の損失が一期間に計上されるケースも想定され 償却か非償却かは企業経営の観点から大きな問題といえます わが国の企業会計基準委員会から 平成 13 年 11 月 2 日に公表された国際会計基準審議会 (IASB) に対する 企業結合に関する意見 では のれんの償却について のれんには 被結合会社の超過収益力など その効果が即時に消失しないものも含まれているため 一時償却しない点では賛成する しかし 超過収益力は競争の進展によって通常は価値は減耗するはずであり 非償却の処理は支持できない 例え超過収益力が維持されている場合でも それは結合後の追加的な投資や企業の追加的努力によって補完されているのであり のれんを償却しない場合は追加投資による自己創設のれんを計上するのに実質的には等しくなり 現行の会計基準と整合しない との立場をとっており 一定期間で償却を実施した上で 必要に応じて すなわち収益性の低下により 投資額を回収する見込みがないことが明確になった場合に減損処理を行う という見解を示しています 企業会計審議会においても わが国の連結財務諸表原則で規定されている連結調整勘定の償却と同様に 20 年以内で償却するという方向で検討されているようですが これについては 現行の商法施行規則 (5 年償却 ) との調整も予想されています また 負ののれんについては 将来予測される費用 損失であって負債の認識基準を満たさないものや 偶発損失に起因するものを除き繰延利益として負債計上し 正ののれんと同様 20 年以内の期間で規則的な償却を行うという方向で検討されているようです 正ののれんとの会計処理方法の対称性が重視されることになりそうです 15

16 企業結合会計の比較 米国会計基準 国際会計基準 ( 公開草案 ) 会計処理 パーチェス法のみ パーチェス法のみ のれん 非償却 ( ただし減損 ) 非償却 ( ただし減損 ) 負ののれん 原則 資産から控除 買収時の損益 無形資産 非償却資産について減損 非償却資産について減損 最後に わが国において初めてとなる企業結合会計基準がいつから適用されることになるのかも とても気になるところです 現在では わが国において包括的かつ強制力をもった会計処理基準が存在していないため 企業結合に関してさまざまな会計処理がなされており 最近では多額の含み損を合併を機に一瞬にして消滅させてしまうという処理が多くみられます すなわち 商法の時価以下主義のもと 含み益を有する資産 含み損を有する資産について評価替えを行い 含み益と含み損を相殺する あるいは含み損を有する資産を評価替えし 合併差益と相殺する といった処理がなされ 全体としては持分プーリング法的な処理であるとしても 部分的にパーチェス法的な処理がなされるなど さまざまな処理がなされているのが現状です しかし 会計処理基準が存在しないがゆえに 現段階においてはそれらは完全に否定されることはありません 今後 企業結合による組織再編を検討する場合には 企業結合会計基準の適用時期にも十分留意する必要があるものと考えます 参考文献 公認会計士業務資料集第 42 号 日本公認会計士協会東京会 企業結合に関する日本の意見 企業会計基準委員会 16

17 4. 組織再編と税務 (1) グループ法人税制企業グループを対象とした法制度や会計制度が定着しつつある中 税制においても 法人の組織形態の多様化に対応するとともに 課税の中立性や公平性等を確保する観点から 見直しが行われました 1 はじめにグループ法人の一体的運営が進展している状況を踏まえ 実態に即した課税を実現させるようグループの要素を反映した課税のあり方について検討することがふさわしいという考えが根底にあります グループ法人税制の対象となる法人のうち 自ら選択した企業に対しては 連結納税制度が適用されますが グループ法人相互の関係をさらに推し進めたグループ法人全体を一つの納税主体とする制度として位置付けられます 企業グループを対象とした法制度や会計制度が定着しつつあるなか 平成 22 年度税制改正において資本に関係する取引等に係る税制の見直しが行われたが そのなかでもっとも注目されるのがグループ法人税制の創設である これまで グループ内取引に関する税制では 所得通算を前提とする連結納税制度があったが 所得通算を前提としないグループ法人 ( 親会社と100% 子会社 ) 税制が導入された グループ法人税制では わが国企業が 分社化や完全子会社化による企業グループの形成など 企業グループの一体的な経営を展開している実態に着目して 100% 支配関係にある法人グループ内の取引について 含み損益への課税を繰り延べるなど円滑に資産移転ができるようにするための 様々な課税上の特例措置が設けられている 例えば 100% 支配グループ内 ( 完全支配関係 ) にある法人間における資産の譲渡損益は 繰延べとなる特例がある この特例は 平成 13 年度 14 年度に相次いで導入された組織再編税制や連結納税制度においてすでに設けられているが 組織再編税制では 組織再編行為による一定の資産移転が適用対象であり 連結納税制度は その適用を受けるかどうかはグループごとの選択性であり 同制度を選択しない限り特例の適用を受けることはない ところが グループ法人税制は 100% 支配グループ内の取引であれば 強制的にその適用対象となる さらに 完全支配関係にあれば 資本金規模に関わりなく また その頂点が個人 法人であるかに関わりなく適用される つまり グループ法人税制は 大企業グループだけの問題との誤解が一部にあるようだが 中小企業などの経営にも大きな影響がでてくるため その内容を十分に理解しておくことが求められる 2 100% 完全支配関係の範囲とは グループ法人税制は 資本金の大小に関係なく中小企業にも強制適用されるため まず 100% 完全支配関係の範囲を知ることが重要となる その範囲には 次の 5 つの類型がある 1) 親会社である A 法人が 100% 出資して B 法人を設立した場合には A B 両法人は当然ながら 100% グループ内法人となる 同様に 2)A 法人が 100% 出資して B C の 2 社を設立した場合も A B C の 3 法人が 100% グループ法人となる 次に 3)A 法人が 100% 出資して B 法人を設立 その後 A B 両法人が 50% ずつ出資して C 法人を設立したケースでは A B C の 3 法人が さらに 4) 出資者が法人ではなく個人の場合 個人 A がそれぞれ 100% 出資して B 法人 C 法人を設立したときには B 法人と C 法人が それぞれ 100% グループ内法人となる 最後に 5) 一定の同族関係者である個人 A と個人 B がそれぞれ出資して C 法人 D 法 17

18 人を設立するといったケースで 例えば個人 A が C 法人に 70% D 法人に 60% 出資し 個人 B が C 法人に 30% D 法人に 40% 出資したときも 個人 A B が法人 C 法人 D に合計 100% の出資をしていることから C 法人と D 法人が 100% グループ内法人となり グループ法人税制が適用される この場合の一定の同族関係者の範囲は 組織再編税制と同様に法人税法で規定する 同族関係者 と同様となる すなわち 判定対象となる個人の 6 親等内の血族 配偶者 3 親等内の姻族や事実上婚姻関係にある者など特殊な関係にある個人も含まれる 例えば 父とその子 2 人 ( 兄と弟 ) がそれぞれ 100% 株式を保有している法人があるとすれば これらの 3 法人それぞれが直接的な資本関係がない場合でも 法人税法上は一つのグループとしてグループ法人税制が適用されることになる したがって これらの法人間で資産の譲渡を行った場合は グループ法人税制における譲渡取引の損益繰延べなどの対象となる これまでは 資産の譲渡先が 6 親等内の血族などが支配する法人かどうかはあまり考えずに行ってきたと思われるが グループ法人税制が適用される今年 10 月 1 日以後に何らかの資産を譲渡する場合には その譲渡先が 10 0% グループ内法人に該当するかどうかを確認する必要がある なお 100% の判定に当たっては 1) 自己株式を除く 2)5% 未満の従業員持株会所有株式及び役員または使用人のストックオプション行使による所有株式を除く 3) 間接支配を含む とされている 3 100% 支配グループ内の法人間の譲渡取引の損益の繰延べ グループ法人税制における主な見直し事項には 1)100% 支配グループ内の法人間の譲渡取引の繰延べ 2)100% 支配グループ内の法人からの受取配当の益金不算入 ( 負債利子控除 ) 3)100% 支配グループ内の法人間の寄附 4)100% 支配グループ内の法人間の現物分配 5)100% 支配グループ内の法人の株式の発行法人への譲渡に係る損益 6) 大法人の 100% 支配子法人に係る中小企業向け特例措置の適用の見直し などがある まず 100% 支配グループ内の資産の移転に伴う譲渡損益は 繰延べとなる 現行では 子会社間で工場の土地 建物を譲渡した場合には土地の含み益が譲渡益として課税されるが グループ内の移転による課税の中立性 適正性の確保が必要との観点から 連結納税と同様 グループ内の資産の譲渡取引において生ずる損益については課税を繰り延べる 対象資産は 固定資産 土地 有価証券 金銭債権 繰延資産などだが 従前の連結納税制度における譲渡損益調整資産と同様に 商品等の棚卸資産や帳簿価格が 1000 万円に満たない少額の資産等は除かれるので ある程度適用対象となる資産は限られる この制度は 連結法人間取引の損益の調整制度を改組したもので 完全支配関係がある内国法人 ( 普通法人または協同組合等に限る ) 間で一定の資産の移転を行ったことにより生ずる譲渡損益を その資産のそのグループ外への移転等のときに その移転を行った法人において計上する制度とされている したがって 譲渡損益調整資産に係る繰り延べられた損益は その資産を譲り受けた法人において 譲渡 償却 評価替え 時価評価 グループ離脱などの事由が生じたときに 順次実現させていくことになる その譲渡損益を実現させることとなる事由は その資産を譲り受けた法人に係る事由となるので 常に 100% 支配グループ一体での譲渡損益調整資産の管理が必要となる この譲渡取引に係る損益の繰延制度の適用時期は 平成 22 年 10 月 1 日以後に行う譲渡損益調整資産の譲渡からとなる 18

19 4 受取配当等の益金不算入制度と寄附金の取扱い法人税法では 二重課税を排除する観点から 法人が有する株式について受け取った剰余金の配当等 ( 受取配当等 ) については 益金不算入とされている 連結納税制度を選択している場合の連結グループ内の受取配当等は全額が益金不算入とされ 持株割合 25% 以上の関係法人の株式 (6ヵ月以上保有) に係るものは負債利子控除後の全額が また それ以外の株式に係るものは負債利子控除後の50% が それぞれ益金不算入とされている グループ法人税制では 100% 支配グループ内法人からの配当等を行う場合 負債利子控除は不要とし 全額益金不算入となる 現行は 子会社が親会社に配当する際 親会社の支払利子の関連会社株式相当部分が益金不算入の対象外となり 課税されることから 親会社による株主への配当や設備投資の原資が減少するなどの問題があった そこで 1 00% 支配グループ内の受取配当等については全額益金不算入とする制度に改められた この益金不算入制度については 平成 22 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用される 平成 22 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において支払いを受けた配当等の額について その計算期間が同日前に開始した場合であっても 計算期間を通じてその配当等を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があれば 新制度が適用される 一方 100% 支配グループの法人間で寄附を行う場合 寄附金を支出した法人において全額損金不算入とするとともに これを受領した法人においても全額益金不算入とし その益金不算入とされる金額を受領した法人の利益積立金額に加算する この取扱いは 平成 22 年 10 月 1 日以後に支出する寄附金の額及び同日以後に受ける受贈益の額について適用する ここで注意したいのは この寄附金の取扱いは法人によって支配されている100% 支配グループ内にのみ適用されることである 個人によって支配されている100% 支配グループ内の寄附金については これまでどおり寄附した法人側は損金算入限度額を除き損金不算入 寄附を受けた法人側では益金算入となる これは 親族など個人によって支配されている100% 支配グループ内の寄附金についても益金不算入を認めると 相続税や贈与税の恣意的な操作につながる恐れがあるためと思われる 5 現物分配とグループ内法人の株式の発行法人への譲渡に係る損益の取扱い 現物分配とは 剰余金の配当等またはみなし配当により株主等に金銭以外の資産を交付することをいう 100% 支配グループ内ではない現物分配の場合は 現物分配を行う法人は 現物分配の対象となる資産を時価により譲渡したものとして譲渡損益を計上し 現物分配を受ける法人については 受取配当等の益金不算入の適用があり みなし配当が生じる事由の場合は 現物分配法人の資本金等の額に対応する部分の金額を株式の譲渡対価として 現物分配法人株式の譲渡損益が計上される 今回の改正では 100% 支配グループ内の現物分配の場合 現物分配法人においては 適格現物分配とされ 組織再編税制の一環として位置づけ その移転する資産を帳簿価額により譲渡したものとして 譲渡損益を計上せず 源泉徴収も行わない 資産の移転を受けた法人においては 移転直前の帳簿価額相当額により取得したものとされ その受けたことにより生ずる収益について益金不算入とされる この場合において 移転直前の資産の帳簿価額相当額を利益積立金額に加算する ただし 適格現物分配がみなし配当事由に係るものである場合には 株式または出資に対応する部分の金額は除かれる これらの改正は 平成 22 年 10 月 1 日以後に現物分配 ( 残余財産の分配にあっては 同日以後の解散によるものに限る ) が行われる場合に適用される 19

20 一方 これまで株式をその発行法人に対して譲渡した場合には その譲渡損益を計上することとされ 発行法人の分割型分割 資本の払戻し 残余財産の一部の分配または出資の払戻しが行われた場合にも 株式の部分譲渡として譲渡損益を計上することとされた 今回の改正では 100% 支配グループ内の法人の株式を発行法人に対して譲渡する場合には その株式の譲渡損益を計上せず 譲渡損益相当額を譲渡法人の資本金等の額に加減算することとされた この改正は 平成 22 年 10 月 1 日以後に生ずるみなし配当事由により金銭等の交付を受ける場合等について適用される なお その事由が残余財産の分配の場合は 残余財産の分配をした他の内国法人が同日以後に解散したものに限られる 6 100% 子会社の清算と繰越欠損金の引継ぎ 1) 平成 22 年度改正の内容平成 22 年度の改正では グループ税制に関連するその他の改正も行われている その一つが清算課税制度の廃止である 従来の清算課税制度が廃止され 清算中の法人についても各事業年度の所得に対する課税が行われることとされた この改正とグループ税制の関係で注意が必要なのは 完全支配関係にある子法人につき清算が行われ 残余財産が確定した場合には 親法人においては その子法人の株式について譲渡損益を認識せずに 譲渡損益相当額に見合う資本等の額の減少又は増加として処理されるという改正である これにより 子会社株式の清算損の計上ができなくなることの見合いで 当該子会社の残余財産が確定した場合には親法人が当該子会社の繰越欠損金を引き継ぐことができることとされた 2) 平成 23 年改正事項上記の改正により子会社株式について清算損の計上ができないこととされたことから 子会社の残余財産が確定する前に当該株式について予め評価損を計上することにより 評価損の計上と繰越欠損金の引継ぎにより 損失の二重計上が可能という問題点が指摘されていた 平成 23 年改正では 1) 清算中の法人 2) 解散が見込まれる法人 3) グループ内で適格合併が見込まれる法人については 株式の評価損の計上を認めないという改正が行われ 損失の二重計上の途は塞がれている 7 グループ法人税制における中小特例の取扱い 1) 平成 22 年度改正の内容 資本金の額または出資金の額が 1 億円以下の中小企業には いくつかの課税上の特例措置が講じられている グループ法人税制においては 多くの優遇措置を講ずる一方で 中小特例の適用については 自らの資本金に加えて 親会社の資本金等の規模も基準に判定される すなわち 親会社の資本金が 5 億円以上の場合 その 100% 子会社については 中小特例は適用しないこととされた 中小特例には 1) 交際費の損金算入の特例 2) 軽減税率 3) 特定同族会社の特別税率 ( 留保金課税 ) の不適用 4) 貸倒引当金の法定繰入率 5) 欠損金の繰戻しによる還付制度 があるが 現行制度は その適用の可否はその中小企業の資本金が 1 億円以下か否かで判定を行っている 親会社が 1 億円を超える大会社の 100% 出資の子会社であっても 資本金 1 億円以下であれば中小特例の適用があった ところが グループ法人税制の導入に際して 中小特例については 資本金の額若し 20

21 くは出資金の額が 5 億円以上の法人または相互会社 ( 外国相互会社を含む ) 等の 100% 子法人については適用しないこととされた この改正は 平成 22 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税について適用され 同日前に開始した事業年度の所得に対する法人税については従前どおりとされている 2) 平成 23 年改正事項上記の特例は 一の大法人との間に当該大法人による完全支配関係がある中小法人 に限って適用されることとされていたが 平成 23 年改正により 複数の大法人との間に当該大法人による完全支配関係がある中小法人 についても適用がある旨の改正が行われている 8 おわりに 以上 平成 22 年度税制改正において創設されたグループ法人税制についてその概要を駆け足で眺めてきたが 同制度は連結納税制度とは違って 100% 支配関係にある企業グループは 資本金規模に関係なく 強制的 に適用対象とされる また 冒頭に指摘したように この 100% 支配グループには 法人だけでなく個人や親族が支配しているもの さらには 親子兄弟等が別々の会社を経営していても適用対象となることがある つまり グループ法人税制は 大会社 を頂点とする企業グループだけのものではないことを肝に銘じ 自社の企業グループの関係を再度見直すことが求められる その上で 今後の経営においては グループ法人税制の内容をよく理解し 同税制に則った特殊関係の整理やグループ企業の整理 統合などが必要になると思われる 21

22 (2) 連結納税 1 制度の概要連結納税制度とは 従来 会社ごとに個別に計算していた法人税の計算を企業グループ全体を一体として一括計算する制度です したがって グループ内に赤字会社と黒字会社が混在している場合には その赤字と黒字が相殺されグループ全体として法人税額が少なくなるという効果があります 同様の効果はグループ会社を合併させることによっても得ることができますが 合併による場合には組織が肥大化するため 機動的 柔軟な組織再編を阻害してしまう恐れがあります 柔軟な組織再編をしながらも一方で一体課税によるタックスメリットを享受する方法として この連結納税制度の活用が期待されます また この制度は任意の届出制であり 連結納税制度を選択するか否かは法人の選択に任されています ただし 一度この制度を選択すると自由に取り消すことができません したがって この連結納税制度を選択する際には長期的視点に立ってメリット デメリットを慎重に検討する必要があります 2 メリット デメリット 連結納税制度を選択することが出来る法人グループは 後述の通り法人による完全支配関係がある場合に限られます そして完全支配関係がある法人グループは連結納税制度を選択しない場合でもグループ法人税制の適用を強制的に受けることになります したがって 連結納税制度を選択することによるメリット デメリットはグループ法人税制との比較によって判断する必要があります 項目ごとに連結納税制度を選択した場合のメリット デメリットをまとめると下記のようになります 22

23 (3) 連結納税 1 損益通算連結グループ全体で一括して所得計算をします メリット連結グループ内に赤字会社と黒字会社が混在する場合 その赤字と黒字が相殺されグループ全体として法人税額が少なくなります この相殺こそが連結納税制度の最大のメリットです デメリット - 2 繰越欠損金 1) 連結開始後の連結欠損金単体納税同様 7 年間の繰り越し控除ができます 2) 連結開始前の欠損金 1. みなし連結欠損金 a) 非特定連結欠損金連結納税に持ち込んで利用することができます b) 特定連結欠損金連結納税に持ち込み可能ではありますが その利用はその持ち込んだ法人の所得の範囲内に限られます したがって連結親法人や他の連結子法人の所得と相殺することはできません 2. みなし連結欠損金以外の欠損金連結開始又は加入と同時に切り捨てになります メリットデメリット 連結親法人が赤字 連結子法人が黒字体質である場合 連結親法人の繰越欠損金を早く使うことができます 連結親法人に多額の繰越欠損金があり 単体納税では 7 年間で使い切れずに切り捨てになることが予想される場合などは有利です 連結子法人の中に 特定連結子法人以外の子法人で欠損金を持つ会社がある場合 この繰越欠損金が切り捨てられてしまいます A. 非特定連結欠損金 (1) 連結親法人の連結開始前 7 年以内欠損金額 (2) 連結親法人同等法人 (5 年以内の株式移転完全子法人で連結納税開始まで連結親法人に全株保有されているもの ) でその株式移転が適格株式移転であったものの欠損金額 (3) 連結親法人同等法人でその株式移転が非適格株式移転であったものの欠損金額で株式移転後に発生したものなど B. 特定連結欠損金 (1) 特定連結子法人の欠損金額 ( 上記 A.(2)(3) に該当するものを除く ) (2) 連結親法人又は連結子法人を合併法人とする適格合併があった場合に引き継がれた被合併法人の欠損金額など 23

24 C. 特定連結子法人特定連結子法人とは下記のような会社をいいます 1. 連結開始前 5 年以内の株式移転完全子法人 2. 連結親法人により 5 年超保有されていた 100% 子会社 3. 連結親法人又はその完全子法人により設立された 100% 子会社など 3 連結納税開始時の時価評価連結納税制度適用開始時 連結グループ加入時には連結子法人が有する固定資産などについては直前事業年度で時価評価により評価損益を計上することになります メリットデメリット 1. 評価損があり その事業年度の所得と相殺できる場合 2. 評価益があり 繰越欠損金を使い切り 切り捨て防止となる場合 などは有利になります 多額の含み益が実現し 多額の所得が発生することがあります A. 時価評価の対象となる資産時価評価の対象となる資産は 固定資産 土地等 金銭債権 有価証券 ( 売買目的有価証券を除く ) 繰延資産です ただし その含み損益が少額 ( 資本等の額の 1/2 または 1,000 万円のうち少ない金額未満 ) のものは除きます B. 適用除外上記 (2)C. に掲げる特定連結子法人は時価評価の適用になりません 4 受取配当等の益金不算入連結納税制度では関係法人株式等に該当するかどうかの判定を連結グループ全体の保有株式数で行います メリットデメリット 単体納税では関係法人株式に該当しない場合でも 連結納税制度では連結グループ全体で保有株式数を判定するため 新たに関係法人株式となり 益金不算入額が増える場合があります 連結グループ全体で負債利子控除額を計算するため 単体法人の負債利子の額や資産の状況により益金不算入額が増加する場合があります 連結グループ全体で負債利子控除額を計算するため 単体法人の負債利子の額や資産の状況により益金不算入額が減少する場合があります 24

25 5 貸倒引当金の法定繰入率連結親法人の資本金が 1 億円超の場合 連結子法人についても貸倒引当金の法定繰入率が利用できなくなります メリットデメリット - 親法人の資本金が 1 億円超の場合は 連結子法人の資本金が 1 億円以下であっても 貸倒引当金の法定繰入率が利用できなくなります ( 親法人の資本金が 5 億円以上の場合はグループ法人税制においても利用不可 ) 6 交際費の損金算入枠連結親法人の資本金額を基に交際費の損金算入枠が適用され 交際費の損金不算入額は連結グループ全体で一括計算をします メリットデメリット レアケースかもしれませんが 親法人の資本金が 1 億円以下の場合は 連結子法人の資本金が 1 億円超でも 連結親法人の定額基準枠で連結子法人の交際費を損金にすることができます 親法人の資本金が 1 億円超の場合は 連結子法人の資本金が 1 億円以下であっても 連結親法人の定額基準枠が適用されるため 損金算入枠がなくなってしまいます ( 親法人の資本金が 5 億円以上の場合はグループ法人税制においても損金算入枠なし ) 7 寄付金寄付金の損金算入枠の計算は連結グループ全体で一括計算します メリットデメリット 所得通算により所得が増加した場合 寄付金の所得限度額が大きくなり 有利になります 所得通算により所得が減少した場合 寄付金の所得限度額が小さくなり 不利になります 8 中小企業の軽減税率連結親法人の資本金額を基に各種中小企業の特例規程が適用されます メリットデメリット これもレアケースですが 親法人の資本金が 1 億円以下の場合は 連結子法人の資本金が 1 億円超でも 連結グループ全体として 800 万円の枠内で軽減税率を使うことができます 親法人の資本金が 1 億円超の場合は 軽減税率を適用できなくなります ( 親法人の資本金が 5 億円以上の場合はグループ法人税制においても適用不可 ) 連結グループ全体で一括計算するため 単体納税では各社ごとに 800 万円の枠を使っていたものが 1 回しか使えず 軽減税率の適用枠が小さくなってしまいます 25

26 9 特定同族会社の留保金課税特定同族会社の留保金課税の計算は連結グループ全体で一括計算をします メリットデメリット 1. 損益通算による赤字と黒字の相殺により 留保金課税の対象となる所得金額が減少する場合があります 2. 親法人の資本金が 1 億円以下であれば適用除外となります 1. 留保金課税の計算は累進税率になっているため 単体納税の場合よりも高率の税率を適用する部分が増え 税額が大きくなる場合があります 2. 留保控除額の計算上 定額基準を適用している場合は 2,000 万円の定額基準が 1 度しか使えないため 控除額が減り税額が増える場合があります 3. 子法人の資本金が 1 億円以下であっても親法人の資本金が 1 億円超であれば適用対象となってしまいます ( 親法人の資本金が 5 億円以上の場合はグループ法人税制においても適用対象 ) 10 事務負担 メリット - デメリット連結納税制度特有の所得 税額計算にかかる事務負担が増大します また 事業年度を連結親法人に合わせるなど経理システム全般にわたり大幅な見直しが必要になるかもしれません 11 有利不利の判定連結納税制度を選択するにあたっては 上記のメリット デメリットを総合的に しかも 長期的に検討しなければなりません 上記中 金額的に影響の大きな検討項目は 損益通算 繰越欠損金 連結開始時の時価評価あたりではないでしょうか 連結納税制度を選択する最大のメリットは いうまでもなく損益通算です 有利不利の判定をするためには 長期的な利益予測が不可欠です また 従来 連結納税制度創設時から最大のデメリットとされた連結子法人の繰越欠損金の切り捨てについては 平成 22 年度税制改正により単体所得の範囲内で特定連結欠損金の持ち込みが可能になり 大幅に改善されました 単体所得の範囲内での持ち込みとはいえ 単体納税と同じ状態になるわけですから 連結納税制度のデメリットとしては解消されたといってもよいでしょう 連結納税制度を検討する以上 グループ内に赤字会社を抱えているはずです この赤字会社がどのくらいのペースで業績を回復するのかをいくつかシミュレーションし 最終的な判断をすることになります 当然ながら 赤字の予測が大きいほど 連結納税制度が有利となります 26

27 次に 連結開始時の時価評価については特定連結子法人を除外する規定があるものの 金額的には最も影響が大きいポイントになります 特定連結子法人の定義は細かく規定されており この判定を誤ると大きな税負担をすることになりかねません 時価評価の対象となる連結子法人の特定や時価評価資産の特定 その評価額の算定など慎重に検討する必要があります 連結子法人の欠損金の利用を目的とするなら 適格合併などの組織再編税制の利用や連結子法人清算による繰越欠損金の引継も合わせて比較検討すべきです 企業グループに関する税制は複雑で多岐にわたります これらの制度を最大限活用して 最も有利な方法を選択するためには 法人税法全般にわたる総合的な知識と経験が不可欠です 広い見地から慎重に検討してください 12 適用対象法人 1) 連結親法人すべての普通法人または協同組合が対象となります ただし 下記法人は除外されます 1. 外国法人 2. 他の会社の 100% 子会社 3. 清算中の法人 など 2) 連結子法人連結親法人の完全支配関係にあるすべての普通法人が対象となります ただし 下記法人は除外されます 1. 外国法人 2. 清算中の法人 など対象となる連結子法人はすべて強制加入となり 一部の法人だけを任意に選択して連結子法人とすることはできません 3) 完全支配関係完全支配関係とは発行済株式の 100% を直接または間接に保有する関係をいいます ただし 自己株式や一定の従業員持株会及びストックオプション株式は判定から除外します A 社 : 連結親法人に 100% 直接保有されている OK B 社 : 連結親法人に 80% 直接保有され さらに連結親法人に 100% 直接保有されている A 社経由で 20% 間接保有 80% 直接 +20% 間接 =100% OK C 社 : 上記 A 社経由で 50% 間接保有 さらに上記 B 社経由で 50% 間接保有 50% 間接 +50% 間接 =100% OK D 社 : 上記 B 社経由で 80% 間接保有 残りの 20% はこのグループ外が保有 80% 100% 対象外 27

28 13 連結納税の申請 1) 承認申請連結事業年度開始の日の 3 月前までに申請書を提出します 例えば X2.4.1~X 年度から導入したい場合は X までに提出しなければなりません 2) 適用の取りやめ一旦連結納税制度を選択すると自由に取りやめることはできません しかし やむを得ない事情があるときは 国税庁長官の承認を受けて連結納税の適用を取りやめることができる とされています ただ 連結納税の適用を継続することとしたのではその事務負担が著しく過重となると認められるなど どの程度の事情が やむを得ない事情 となるかは 今後の運用を見るしかありません また 連結親法人 連結子法人の要件を満たさなくなった会社 (100% 保有関係が崩れた場合など ) は当然 連結グループから離脱することになります 14 税額計算の概要税額計算は基本的にはグループ各社の通常の所得金額を合算して計算します これに受取配当等の益金不算入 寄付金の損金不算入など全体で一括計算する項目などの調整をし 連結所得金額を算出 税額計算をします 最後にこの税額を各社に配賦して 各社で精算します ( 簡単な計算例 1) 連結親法人個別所得金額 1,000 連結子法人個別所得金額 300 とします 連結所得金額は 1, =700 連結法人税額は %=210 です 連結親法人の連結法人税個別帰属額は 1,000 30%=300 連結子法人の連結法人税個別帰属額は %= 90 となります 連結親法人は連結法人税 210 を納税します そして残額の 90 を子会社に支払って精算します 連結親法人仕訳 : 法人税等 210 / 未払法人税等 210 法人税等 90 / 未払金 90 連結子法人仕訳 : 未収入金 90 / 法人税等 90 28

29 ( 簡単な計算例 2) 赤字法人が複数ある場合は 次のように欠損金が配賦されます 15 地方税 消費税 法人住民税 事業税 地方法人特別税については 連結納税制度がありませんので 従来通り 単体納税することになります この場合の課税標準は 連結納税制度により各社に配賦された個別所得金額 連結法人税個別帰属額を使います 消費税にも連結納税制度はありませんので 従来通りとなります 29

30 (3) 再編税制 適格組織再編成と非適格組織再編成現在では 市場のグローバル化による国際競争あるいは企業再生等の組織構造改革に対応するため 合併や分割といった組織を再編成することが少なくありません その場合 組織再編法制の不整備や処理が難解かつ複雑であったため 組織再編が活発に行われていなかった時期もあります しかし 法体系が整備され それに伴い組織再編税制も整備されたので いまでは多くの企業が状況変化に応じて柔軟に組織を組み替えることで経済環境の変化に積極的に対応しています ここでは 組織再編税制について基本的な考え方を中心に説明していきます 1 組織再編税制の基本的な考え方 1) 適格組織再編大きく分けると以下の 2 種類に分けられる グループの中で事業を編成するグループ内企業組織再編 競合企業同士が事業を編成して共同事業を行うための組織再編 2) 資産 負債の移転があった場合企業が合併 分割等を行うことにより 移転する資産 負債の評価 課税関係は以下のようになります a. 原則 ( 非適格 ) I. 処理資産 負債の評価は時価で行い 譲渡損益を認識し課税の対象となります II. 考え方資産 負債が移転するということは 通常 移転前後で当該資産 負債を支配している者が異なるため 資産 負債の売買取引と同様に考えられることから 移転の際に清算 ( 売却 ) していると考えられます b. 特例 ( 適格 ). I. 処理一定の要件 * を満たした場合 資産 負債の評価は帳簿価額のままであり 時価との差額である譲渡損益については繰り延べられます II. 考え方資産 負債の移転前後で 当該資産 負債の支配関係が変わらないような場合 ( 経済的実質に変更がない場合 ) には 所有が継続しているため課税を繰り延べるものと考えられます * 一定の要件 : 適格に該当するための要件に関しては 合併 分割など各組織再編の形式により異なりますので 下の表のようにケースごとに確認が必要となります 30

31 適格要件の簡易表 ( 適格 ) グループ内企業組織再編 支配関係 100% 支配関係 (50% 超 100% 未満 ) 株式以外の資産の交付がない 共同事業を行うための組織再編 同左 合併 分割 現物出資 組織再編後も支配関係が継続する見込み 株式等の継続保有 主要な資産 負債の引継ぎ 同左 従業員の引継ぎ (80% 以上 ) 同左 事業の継続 事業の関連性 規模の割合又は役員引継ぎ ( 適格 ) 事後設立 設立時から 100% の株式保有 100% の支配関係が継続する見込み 資産等の譲渡対価が被事後設立法人の資本等の金額とほぼ同額 資産等の移転が設立から 6 ヶ月以内に実行 表の要件に当てはまらない場合はすべて 非適格 に該当します 具体例 資産の移転 ( 適格 非適格の処理 ) 2 株主における課税関係 1) 旧株を引き渡す際に発生する譲渡損益 a. 非適格に該当する場合譲渡損益を認識する ( 課税 ) みなし配当が生じる場合には その額を差し引いた金額を株式の譲渡対価として譲渡損益を計算します b. 適格に該当する場合譲渡損益の課税の繰り延べ ( 非課税 ) 2) みなし配当 a. 非適格に該当する場合みなし配当あり 交付を受けた株式等の価額がこれに対応する資本金等を超える場合 その超えた額がみなし配当として取り扱われる 31

32 b. 適格に該当する場合みなし配当なし 資産等が帳簿価額により引き継がれ 利益積立金についても引き継がれることになりますから 株主に対して配当があるとみなされる部分はないので課税されない 3 注意 確認事項 1) 繰越欠損金の引継制限の確認合併や分割により繰越欠損金を引き継ぐケースがありますが 繰越欠損金を利用し租税回避を目的とした合併 分割を防止するため 繰越欠損金を引き継ぐためには一定の要件が存在しますので確認が必要となります 要件としては 100% 子会社に実施しているか等 があります 参考までに組織再編と繰越欠損金の引継ぎをご覧ください ( DES 等を行う場合には 繰越欠損金の使用制限も注意が必要です ) 2) 非適格の場合に生じる 株主のみなし配当みなし配当が生じる場合には 同時に源泉徴収も生じることとなりますので注意が必要です 3) 役員の退職給与合併の際に被合併法人の役員に対する退職給与を支給する場合には 一定の要件を満たすことにより 損金算入が認められます 要件としては 合併承認総会において確定されない場合に 退職給与としての金額を合理的に計算し 合併の日の前日が属する事業年度において 未払金として損金経理すること があります 組織再編を行う上で適格 非適格の判断を誤ると 多額の損益が発生してしまうことが想定されます 32

33 キーワード 適格合併 適格合併とは 税法で定める一定の要件を満たす合併のことで 被合併会社の資産 負債を簿価で引き継げる 消滅会社の繰越欠損金を引き継げるといった税務上のメリットを受けることができる 適格合併とされるためには 以下の要件を満たす必要がある 1) 被合併法人の株主に合併法人の株式以外の資産が交付されないこと 2) 以下のいずれかの要件を満たすことイ ) 被合併会社が合併会社の 100% 子会社であるロ ) 同一の者を完全支配者とする会社同士の合併で その支配関係が継続することが見込まれているハ ) 合併会社が被合併会社の 50% 超 100% 未満の株主であり 被合併会社の従業員のうちおおむね 80% 以上の者が合併法人の業務に従事し かつ被合併法人の主要な事業が合併後も引き続き営まれることが見込まれていることニ ) 同一の者が 50% 超 100% 未満の株主である会社同士の合併で その支配関係が継続することが見込まれている かつ 被合併会社の従業員のうちおおむね 80% 以上の者が合併法人の業務に従事し かつ被合併法人の主要な事業が合併後も引き続き営まれることが見込まれていること ホ ) 合併会社が被合併会社の 50% 以下の株主であり 被合併法人と合併法人とが共同で事業を営むための合併であること 共同事業要件 ( 以下の全ての要件を満たす必要がある ) 1) 双方の事業が相互に関連する 2) 双方の合併事業に関する規模の割合がおおむね 5 倍を超えない または双方の特定役員 ( 社長, 副社長, 代表取締役, 専務取締役, 常務取締役 ) のいずれかが合併後に特定役員となることが見込まれている 3) 被合併会社の従業員のうちおおむね 80% 以上の者が合併法人の業務に従事すると見込まれていること 4) 被合併法人の主要な事業が合併後も引き続き営まれることが見込まれていること 5) 被合併法人の株主に交付された株式の全部を継続して保有すると見込まれる株主の保有株式数が 被合併法人の発行済株式総数の 80% 以上であること 33

34 5. 合併の実務 (1) 合併の概要 (2) 合併の意義 効果 制限 合併とは 2 つの会社が 1 つになることである 合併により消滅する会社の権利義務はすべて存続 ( 新設 ) 会社に移転する 存続 ( 新設 ) 会社が認識していなかった簿外債務も承継されてしまう 合併の効力発生と同時に消滅会社会社は消滅し 解散決議は必要なく 清算手続きも不要 消滅会社の株主の地位 効力発生日 吸収合併 消滅会社に対する株式と引き換えに 存続会社の株式または金銭その他の財産を受け取る ( 対価の柔軟化 金銭その他の財産を受け取れるのは平成 19 年 5 月以降 ) 合併契約書で定めた 効力発生日 に生じる ( 登記日 ) 但し 消滅会社の解散は吸収合併の登記後でなければ第三者に対抗できない 新設合併 消滅会社に対する株式と引き換えに 続 ( 新設会社の株式を受け取る 登記日 種類の異な 株式会社 合名会社 合資会社 合同会社間での合併の制限はなくなった る会社間の合併 特例有限会社は存続会社にはなれない 特例有限会社は新設会社にはなれない 債務超過会社の合併 実務界での取扱 消滅会社が 簿価債務超過 の場合は合併できる ( 但し 存続会社の合併契約を承認する株主総会でその旨の説明が必要 ) 消滅会社が 時価債務超過 の場合は合併できるか明記されていない 承継債務額および承継資産額の算出方法は会社法施行規則第 195 条参照 実務上は 吸収合併が多い ( 新設合併の方が 登録免許税が高く 許認可等の再申請が必要だから ) 34

35 (3) 合併の手続き 存続会社 消滅会社 直前の決算公告 合併契約締結 ( 取締役会の承認決議 ) 合併書類事前設置開始 ( 下記の早い日から 6 ヶ月経過日まで ) 合併書類事前設置開始 ( 下記の早い日から 6 ヶ月経過日まで ) 株主総会の承認 債権者保護手続 株式買取請求 株主総会の承認 債権者保護手続 株式買取請求 新株予約権買取請求 株券提供手続 登録質権者 ( 前日まで ) 1 ヶ月以上 20 日間 ( 前日まで ) 1 ヶ月以上 20 日間 20 日間 1 ヶ月以上 20 日間 ( 合併契約書で定めた 効力発生日 までに各種手続きを並行してできるようになった ) 合併の効力発生日 (2 週間以内 ) 変更登記 解散登記 事後設置開始 財産等の名義変更手続き 35

36 (4) 合併契約の承認決議 種類株式の有無 対価の割当てを受ける株式の譲渡制限の有無 対価 株主総会決議要件 決議の種類簡略 種類株主総会決議要件 消滅会社 なし なし 譲渡制限株式特殊決議 新設会社持分総株主の同意 それ以外特別決議 あり 新設会社持分総株主の同意 それ以外特別決議 あり なし 譲渡制限株式特別決議 特殊決議 新設会社持分 特別決議 種類株主全員 の同意 それ以外特別決議 なし あり 新設会社持分 特別決議 種類株主全員 の同意 それ以外特別決議 なし 存続会社 なし なし全ての対価特別決議 あり 譲渡制限株式特別決議 それ以外特別決議 あり なし全ての対価特別決議 なし あり 譲渡制限株式特別決議 特別決議 それ以外特別決議 なし ( 簡易合併とは一定の要件の下 存続会社の株主総会を省略できる場合 ) ( 略式合併とは一定の要件の下 被支配会社の株主総会を省略できる場合 ) 存続会社の種類株式の一部だけに譲渡制限がある場合は簡易 略式合併は可 存続会社の種類株式のすべてに譲渡制限がある場合は簡易 略式合併は不可 36

37 (5) 債権者 株主 労働者の保護手続き 債権者保護 債権者保護手続きの方法 存続会社 および 消滅会社 は (1) 債権者に対して合併に異議があれば一定期間内に申し出る旨を官報で公告し (2) かつ知れたる債権者に個別に催告しなければならない 公告および催告の内容 内容 留意点 (1) 吸収合併をする旨 (2) 合併の相手方の商号および住所 (3) 各合併当事会社の計算書類に関する事項 最終の貸借対照表に係る決算公告の掲載場所を記載 定款で官報以外の方法 つまり日刊新聞紙もしくは電子公告を選択している場合は 債権者への個別の催告を省略することができる (5) 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 一ヶ月以上 異議があった場合の手続き (1) その債権者の弁済する (2) その債権者に相当の担保を供する (3) その債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託 ( 以上の手続きは 合併の効力発生の前日までに終了している必要がある ) 株主保護手続き 労働者保護 株式買取請求の手続き 合併に反対のすべての株主は 合併の効力発生日の 20 日前の日から効力発生日の前日までに 会社に対し株式の買取りを請求することができる 議決権のない株主も対象となる 株主総会で議決権を行使できる株主は 株主総会に先立って合併反対の意思を通知し 株主総会で反対することが必要 合併は営業譲渡や会社分割とは異なり 雇用契約は承継されるため 労働者保護手続きは必要なし 37

38 (6) 適格合併と非適格合併の取扱 被合併法人 合併法人 被合併法人株主 合併法人株主 適格合併 資産等を簿価で合併法人へ移転 ( 譲渡損益なし ) 繰越欠損金は原則引継ぎ可能 ( 但し 一定の制限あり ) 役員退職金の未払計上可能 圧縮記帳特別勘定繰入 Ok 最後事業年度の事業税は未払計上不可 資産等を簿価で被合併法人から引き継ぐ のれん ( 資産調整勘定 負債調整勘定 ) は発生しない 増加資本金は被合併会社の 資本金 をそのまま引き継ぐ 資本積立金 = 簿価純資産ー ( 増加資本金 + 利益積立金 ) マイナスもありうる 被合併法人の利益積立金が引き継がれる 合併法人が有する抱き合わせ株式の帳簿価額を 合併法人の増加すべき資本金等の額から減額する 繰越欠損金はそのまま利用可能 ( 但し 一定の制限あり ) 圧縮記帳特別勘定も引継ぎ可 被合併会社の最後事業年度の事業税は合併法人の損金扱い 簿価で旧株から新株へ付け替え 取引対象外 非適格合併 資産等を合併法人の新株の時価で合併法人へ移転 ( 課税あり ) 繰越欠損金の全額切捨て 役員退職金の未払計上可能 圧縮記帳特別勘定は全額取り崩す 資産等を時価で合併法人から引き継ぐ但し 100% グループ法人間で譲渡損益調整資産の移転の場合は譲渡損益を繰延べる のれん ( 資産調整勘定 負債調整勘定 ) は発生しうる 増加資本金は合併による発行新株の時価 資本積立金 = 時価純資産 - 増加資本金 被合併法人の利益積立金は引き継げない 合併法人が有する抱き合わせ株式の帳簿価額を 合併法人の増加すべき資本金等の額から減額する 繰越欠損金の利用に制限なし 圧縮記帳特別勘定も引継ぎ不可 被合併会社の最後事業年度の事業税は合併法人の損金扱い (1) みなし配当課税 被合併法人の利益積立金相当額 内国法人株主は受取利息等の益金不算入の適用あり (2) 株式譲渡損益課税 交付金なし 損益の繰延べ 交付金あり 株式譲渡損益課税 取引対象外 38

39 (7) 適格の要件 グループ内 共同事業 要件 100% 関係 50% 超 100% 未満 金銭交付要件 ( 金銭交付がないこと ) ( 金銭交付がないこと ) ( 金銭交付がないこと ) 従業者員引継ぎ要件 ( 取締役 監査役 使用人 ( 出向者除く ) 受入出向者 派遣社員 パート アルバイト ) なし ( 被合併法人の従業者の概ね 80% 以上が引き継がれることが見込まれていること ) 被合併法人からの引継ぎ業務ではなく 合併法人の業務に従事させても OK 合併の直前に人員整理を行っても 包括的租税回避行為に抵触しない限り問題なし 合併の直前と直後で判定 同左 主要事業引継ぎ要件 なし ( 被合併法人の主要な事業の継続が見込まれること ) 合併法人に対してのみ賃貸業等を行っているような場合は事業継続要件は満たせない 事務所 店舗 工場等の固定施設を所有または賃借していること 従業者があること 同左 事業関連性 なし なし 被合併法人の主要な事業と合併法人の事業が関連すること ( シナジー効果が認められること ) 規模要件 なし なし 事業規模 ( 売上高 従業者数 資本金額 ) が概ね1: 5の範囲内にあること 資本金額は資本金のみ 売上高及び従業者数は 被合併事業と合併事業で判断 経営参画要件 なし なし 常務以上の役員を引き継 ぐこと 株式継続保有要件 なし なし 株式の継続保有 ( 株主 50 人以上の場合は不要 ) その他 再編後も 100% の完全支配関係が継続することが見込まれていること ( グループ外の法人に一部の株式を譲渡したり 外部法人に第三者割当増資をした場合 適格合併の要件からはずれてしまう場合がある ) 再編後も 50% 超の支配関係が継続することが見込まれていること ( グループ外の法人に一部の株式を譲渡したり 外部法人に第三者割当増資をした場合 適格合併の要件からはずれてしまう場合がある ) なし 39

40 (8) 100% 関係の判定 1. 名義株がある場合には実質的権利者で判定する 2. 自己株式は除いて判定する 3. 直接保有だけでなく間接保有割合を含めて判断 4. 議決権の有無ではなく 発行済み株式の保有割合で判断 5. 新株予約権は行使前においては 発行済み株式には含めない 6. 合併直前に 100% にしても OK 7. 同一の者が個人である場合には 当該個人の特殊の関係者も含めて判定 (9) 50% 超 100% 未満グループの判定 40

41 (10) 従業者引継ぎ要件被合併法人の合併直前の従業者のうち その総数の概ね 80% 以上に相当する数の者が合併後に合併法人の業務に従事することが見込まれていること 1) 合併法人の従業者は対象外 2)80% の判定は 被合併法人の合併直前と直後の従業者数で判定 3) 合併法人の業務 に従事すればよく 被合併法人から引き継いだ事業に従事する必要はない 5) 従業者 とは役員 使用人 出向社員 派遣社員を含む (11) 事業継続要件被合併法人の合併直前に営む 主要な事業 が 合併法人において引き続き営まれることが見込まれていること 1) 被合併法人の 主要な事業 の継続は要求されるが 合併法人の 主要な事業 の継続は要求されていない 2) 主要な事業 の判定は 収入金額 損益状況 従業者の数 固定資産の規模等を総合的に判断 3) 被合併法人の事業が 合併法人に対してのみサービスを行うことが 主要な事業 である場合には 合併により 主要な事業 が消滅することになるため 要件を満たさない (12) 事業関連性要件合併に係る被合併法人の被合併事業 ( 当該被合併法人の合併前に営む主要な事業のうちのいずれかの事業 ) と合併法人の合併事業 ( 合併法人の合併前に営む事業のうちのいずれかかの事業 ) とが相互に関連するものであること ( シナジー効果の見込みがあること ) 1) 被合併事業は 主要な事業 である必要があるが 合併事業は 主要な事業 である必要はない 2) いずれかの事業 であるため 全ての事業に関連性がある必要はない (13) 規模要件合併法人と被合併法人の事業の規模の割合が概ね 5 倍を超えないこと 被合併法人の被合併事業と それに関連する合併法人の事業の売上金額の比 被合併法人の被合併事業と それに関連する合併法人の事業の従業者数の比 被合併法人と合併法人の資本金の比 これらに準ずるものの規模の割合 1) 被合併法人の被合併事業は 事業関連性要件 の判定における 主要な事業 に限る 2) 合併法人の事業は 被合併事業うと関連する事業に限る 3) 事業規模の比較は単体で行う ( 子会社 関連会社の指数は用いない ) (14) 経営参画要件合併前の被合併法人の 特定役員 のいずれかと 合併法人の 特定役員 のいずれかが 合併後の合併法人の 特定役員 となることが見込まれていること 1) 特定役員 社長 副社長 代表取締役 代表執行役 専務取締役 常務取締役またはこれに準ずる者で 法人の経営に従事しているもの 2) 被合併法人の特定役員と合併法人の特定役員は それぞれ 1 人以上引き継げばよい (15) 株式継続保有要件合併直前の被合併法人の株主等で 当該合併により交付を受ける合併法人の株式の全部を継続して保有することが見込まれる者が有する被合併法人の株式の数を合計した数が 当該被合併法人の発行済み株式数の 80% 以上であること 1) 株式継続保有の要件の判定にあたり 無議決権株式は除く 2)80% の判定にあたり 自己株式 抱合株式に新株を割り当てなかった場合の当該抱合株式 無議決権株式を除く 41

42 3) 被合併法人の株主が 50 人以上である場合は当該要件は不要 ( 合併法人の株主数は無関係 ) 4) 被合併法人の株主が 50 人以上である場合は株式継続保有要件は課されない 5)1 株でも譲渡することが見込まれる場合は その者が有する株式数は分子から除外する 6) グループ内の法人に対する株式譲渡についても株式継続保有要件に抵触する 7) 合併法人が第三者割当増資を行うことが見込まれていても 要件には抵触しない 8) 合併前の合併法人の株主については 株式継続保有要件は要求されていない (16) 繰越欠損金の利用制限 適格合併 合併法人の繰越欠損金利用可能一定の制限あり 被合併法人の繰越欠損金引継ぎ可能一定の制限あり 非適格合併 合併法人の繰越欠損金利用可能制限なし 被合併法人の繰越欠損金引継ぎ不可利用不可 利用制限あり 判定基準概要関連する制度 期間 共同事業性 1 組織再編成事業年度開始の日の 5 年前 2 当該内国法人の設立の日 3 当該支配関係法人の設立の日以上のうちもっとも遅い日から継続して当該内国法人と当該支配関係法人との間に支配関係があること グループ内の適格合併であっても共同で事業を営むものと認められるものには制限なし 特定資本関係発生日 (50% 超取得日 ) 議決権の有無は関係なく発行済株式数で判断 ) 親子関係だけでなく兄弟関係も含む みなし共同事業要件 42

43 含み益 繰越欠損金の他に含み益があり 全体でみた場合に税負担が生じるケースまでは制限を課さない 時価純資産超過額 / 簿価純資産超過額の特例 43

44 (17) 制限の対象となる繰越欠損金共同事業要件を満たさない合併法人の繰越欠損金の制限 繰越不能欠損金 繰越可能欠損金 合併直前の退職金による欠損金の引継ぎ OK (18) みなし共同事業要件 合併事業年度開始の日前 7 年以内に開始した事業年度 要件 1 事業関連性 2 規模要件 3 被合併事業の規模継続要件 4 合併事業の規模継続要件 5 経営参画要件 1 から 4 までをすべて満たすこと もしくは 1 と 5 を満たすこと 被合併法人の被合併事業 ( 当該被合併法人の合併前に営む主要な事業のうちのいずれかの事業 ) と合併法人の合併事業 ( 合併法人の合併前に営む事業のうちのいずれかかの事業 ) とが相互に関連するものであること ( シナジー効果の見込みがあること ) (1) 被合併事業は 主要な事業 である必要があるが 合併事業は 主要な事業 である必要はない (2) いずれかの事業 であるため 全ての事業に関連性がある必要はない 合併法人と被合併法人の事業の規模の割合が概ね 5 倍を超えないこと 被合併法人の被合併事業と それに関連する合併法人の事業の売上金額の比 被合併法人の被合併事業と それに関連する合併法人の事業の従業者数の比 被合併法人と合併法人の資本金の比 これらに準ずるものの規模の割合 (1) 被合併法人の被合併事業は 事業関連性要件 の判定における 主要な事業 に限る (2) 合併法人の事業は 被合併事業うと関連する事業に限る (3) 事業規模の比較は単体で行う ( 子会社 関連会社の指数は用いない ) 被合併事業が 被合併法人と合併法人との間に最後に支配関係があることとなった時から当該合併の直前まで継続して営まれており かつ その両時点での被合併事業の規模の割合がおおむね 2 倍を超えないこと (2 で用いた指標を使用 ) 合併事業が 合併法人と被合併法人との間に最後に支配関係があることとなった時から合併のときまで継続して営まれており かつ 両時点での合併事業の規模の割合がおおむね 2 倍を超えないこと (2 で用いた指標を使用 ) 合併前の被合併法人の 特定役員 のいずれかと 合併法人の 特定役員 のいずれかが 合併後の合併法人の 特定役員 となることが見込まれていること (1) 特定役員 社長 副社長 代表取締役 代表執行役 専務取締役 常務取締役またはこれに準ずる者で 法人の経営に従事しているもの (2) 被合併法人の特定役員と合併法人の特定役員は それぞれ 1 人以上引き継げばよい 44

45 (19) 特定資産譲渡損失の取扱特定資産 特定資産譲渡損失の定義 定義 除外 備考 特定資産 特定資本関係の生じた日以前から保有していた資産 (1) 棚卸資産 ( 土地 土地の上の権利を除く ) (2) 売買目的有価証券 (3) 適格合併等の日における帳簿価額または取得原価が 1000 万円未満 (5) 特定資本関係発生日において 時価 > 簿価である資産 (1)1000 万円の評価単位 (2) 別表添付要件 特定資産譲渡損失 譲渡 評価替え 貸倒れ 除却その他これらに類似する事由による損失 (1) 災害による資産の滅失 損壊 (2) 適正に減価償却を行っている減価償却資産の除却 (3) 適格事後設立による資産の譲渡 (5) 収用 換地処分等による資産の譲渡 適正に減価償却を行っているとは ( 事業年度開始の日における帳簿価額が 被合併法人の取得日から事業年度開始の日まで その年度において採用する償却方法で償却した場合の帳簿価額に相当する額の概ね 2 倍を超えないもの ) 合併の態様における特定資産譲渡損失の損金不算入制限の適用判定 適格合併 合併法人移転なし含み損益残る一定の制限あり 被合併法人簿価移転含み損益残る一定の制限あり 非適格合併 合併法人移転なし含み損益残る制限なし 被合併法人時価移転精算される利用不可 45

46 利用制限あり 46

47 (20) 制限の対象となる特定資産譲渡損失 合併法人の特定保有資産の譲渡損失の損金不算入 制限対象期間 被合併法人の特定引継資産の譲渡損失の損金不算入 制限対象期間 (21) 譲渡資産損失と譲渡益 合併法人 特定保有資産 特定保有資産の譲渡益 特定保有資産の譲渡損失 相殺可 相殺後の損失額が規制対象 相殺不可 被合併法人 特定引継資産 特定引継資産の譲渡益 特定引継ぎ資産の譲渡損失 相殺可 相殺後の損失額が規制対象 47

48 (22) 無対価合併 平成 22 年度税制改正により整備 合併前に被合併法人と合併法人との間に 同一の者 による完全支配関係がある場合 無対価合併であっても 単に対価の支払が省略されたものとして 適格要件のうち対価要件を満たすものとする 被合併会社が債務超過の場合によく用いられる 下記の場合は無対価であっても適格合併とみなされる 1 合併法人が被合併法人の株式を 100% 保有 ( 完全親子会社の合併 ) 2 同一の者が被合併法人と合併法人の株式を 100% 保有 ( 完全兄弟会社の合併 ) そもそも 会社法上 抱き合わせ株式には新株の割り当てはできないので 無対価合併とならざるを得ないのでは 同一の者 は法人もしくは個人 ( ひとりのみ ) 親族等の同族関係者 特殊関係者は含まれないことに注意 (23) 合併存続法人の純資産の部 適格合併 非適格合併 48

49 (24) 受入資産 負債の評価とのれん 非適格合併においては被合併法人の資産を時価で引き継ぐため 貸借差額 = のれんが発生平成 18 年 5 月 1 日以後行われる非適格合併から適用正 ( プラス ) の のれん = 資産調整勘定 負 ( マイナス ) の のれん = 負債調整勘定 のれん 資産等超過差額 退職給与引受額 短期重要債務見込額 定義 支払対価 - 時価純資産価額 - 退職給与債務引受額 - 短期重要債務見込額 - 資産等超過差額 非適格合併対価の交付時の時価が 約定時の時価の 2 倍を超える場合の当該超過額 ( 移転を受ける事業により見込まれる収益の額を基礎として合理的に見積もられる金額を算定し その根拠を保存している場合には 非適格合併対価の交付時の時価から当該金額を控除した額 ) 移転を受ける事業により見込まれる収益の額その他の事情から見て 実質的に被合併法人の欠損金額相当と認められる額 非適格合併により引継ぎを受けた従業者に係る退職給付引当金の額 移転事業に係る将来債務で その履行が非適格合併の日から概ね 3 年以内に見込まれるもののうち その損失見込額が移転資産の所得価額の 20% 超であるもの 税務上の取扱い 会計処理にかかわらず 非適格合併の日の属する事業年度から 60 ヶ月均等で取崩し 損金算入する ( 負ののれんの場合は益金算入 ) 非償却 引受従業者の退職時または退職給与の支給時に減額し 益金算入する ( 減額する額は 人数割りによる単純平均額または退職従業者に係る個別対応額 ) 非適格合併の日から 3 年以内に損失が生じたときは当該損失額 非適格合併から 3 年を経過したときは残額を減額し 益金に算入する 49

50 (25) 株主の税務 被合併会社の利益積立金 =500 新株式および合併交付金の時価の合計額 (2400) 旧株に対応する資本金等の額 (1900) みなし配当 (500) 旧株の簿価 (1000) ( 株式譲渡損益 900) 要件 みなし配当 株式譲渡損益 適格合併 新株のみ交付 なし なし 合併法人株式 1000 被合併法人株式 1000 非適格合併 新株のみ交付 あり なし 合併法人株式 1500 被合併法人株式 1000 金銭等も交付 あり あり 合併法人株式 2000 被合併法人株式 1000 現金 400 受取配当金 500 みなし配当課税とは 交付を受けた新株および合併交付金等の時価の合計から被合併法人の最後事業年度の資本金等相当額を超える金額は配当とみなされる 合併法人には源泉徴収義務が発生 合併時のみなし配当額 = 交付新株の時価 - 被合併法人の資本等の額 被合併法人の株式の保有比率 分割型分割時のみなし配当額 = 交付新株の時価 - 分割法人の資本等の額 保有比率 移転簿価純資産 分割法人の簿価純資産 法人株主 個人株主 受取配当金として取り扱われ 税務上 受取配当等の益金不算入 の適用を受ける (1) 合併前 6 ヶ月以上の期間 25% 以上保有している株式 みなし配当から負債利子を控除した金額が益金不算入 (2) それ以外の株式 みなし配当から負債利子を控除した金額の 50% 相当が益金不算入 配当所得として給与所得等と合算して総合課税され 配当控除の対象とされる 50

51 抱き合わせ株式の処理 抱合せ株式とは 合併会社が保有する被合併会社の株式をいう 合併にあたり抱合せ株式に合併新株を割り当てることについて会社法上明文の禁止規定がない 抱合せ株式に合併新株を割り当てた場合 その合併新株は自己株式になる なお 法人税法では 合併にあたっては抱合せ株式に新株を割り当てなかった場合も 割り当てがあったものとして処理される 抱き合わせ株式の課税関係適格合併時 合併資産の受入時 簿価純資産 100 資本金等 60 自己株式の取得 ( 会計上の仕訳 ) 資本金等 60 子会社株式 70 利益積立金 40 特別利益 30 抱き合わせ株式消却損益は税務上損益を認識しない ( 申告調整 ) 自己株式の取得 ( 税務上の仕訳 ) 資本金等 70 子会社株式簿価 70 税務上は資本等の額のマイナスとして処理される 非適格合併 ( 現金交付なし ) 合併資産の受入時 時価純資産 200 資本等の額 200 合併法人の有する子会社株式の簿価は 70 被合併法人の時価純資産額は 200 合併法人は被合併法人の株式 50% を保有合併により発行した新株の時価は 100 被合併法人の資本の部 ( 資本金 60 利益積立金 60) 自己株式の取得 ( 会計上の仕訳 ) 資本金等の額 200 子会社株式 70 特別利益 130 抱き合わせ株式消却損益は税務上損益を認識しない ( 申告調整 ) 自己株式の取得 ( 税務上の仕訳 ) 子会社株式 70 みなし配当 70 資本金等の額 140 子会社株式 140 交付新株の時価 =100 被合併法人の資本等対応額 =60 50% =30 みなし配当 =100-30=70 法人株主の場合は みなし配当 は益金不算入 51

52 非適格合併 ( 現金交付あり ) 合併資産の受入時 時価純資産 150 現金預金 150 合併法人の有する子会社株式の簿価は 70 被合併法人の時価純資産額は 150 合併法人は被合併法人の株式 50% を保有合併交付金は 75 被合併法人の資本の部 ( 資本金 60 利益積立金 20) 自己株式の取得 ( 会計上の仕訳 ) 資本金等の額 200 子会社株式 70 特別利益 130 自己株式の取得 ( 税務上の仕訳 ) 現金預金 75 株式譲渡損失 40 子会社株式 70 みなし配当 45 合併交付金 =75 被合併法人の資本等対応額 =60 50%=30 みなし配当 =75-30=45 法人株主の場合は みなし配当 は益金不算入 株式譲渡損失は資本のマイナス (26) 合併にかかる消費税 合併による資産の移転は 適格 非適格に関係なく課税対象外合併後は被合併法人の基準期間の課税売上高が加味して判定する (27) 合併にかか登録免許税 不動産取得税 取引一般合併 資本金の増加増加資本金の 1000 分の 7 増加資本金の 1000 分の 1.5 不動産移転登記土地価額の 1000 分の 10 建物価額の 1000 分の 20 不動産価額の 1000 分の 4 不動産取得税 3.5% 非課税 52

53 (28) 企業結合の分類と会計処理 企業集団内の組織再編か ( 例 ) 親 子の再編子 子の再編 NO 共同支配に該当するか (1) 独立企業要件 (2) 契約要件 (3) 対価要件 (5) そのた支配要件 NO 何れの企業も他の企業を支配していないか (1) 対価要件 (2) 議決権比率要件 (3) 議決権比率以外の支配要件 YES YES YES NO 共通支配下の取引等共同支配企業の形成持分の結合取得 個別 FS 上 移転元の帳簿価額を基礎とした会計処理を行う なお 少数株主から子会社株式を追加取得した場合には 少数株主との取引 として会計処理 < 共同支配企業 > 持分プーリング法に準じた方法 < 共同支配投資企業 > 持分法に準じた会計処理 持分プーリング法 ( または準じた方法 ) パーチャス法 (29) 共通支配下の取引 組織再編 会計上の分類 (1) 親会社と 100% 子会社との合併 共通支配下の取引 (2) 親会社と100% 未満子会社との合併 共通支配下の取引 親会社が自社の株式をを少数株主に交付する 取引 ((2) ) は 少数株主との取引の準ずる (3) 子会社同士の合併 共通支配下の取引 (5) 投資会社と関連会社との合併 取得 持分結合 共同支配企業の形成 の いずれか 53

54 (30) 共同支配企業の形成 企業集団内の組織再編か? YES 共通支配下の取引 NO 独立企業要件共同支配企業を共同で支配する企業 ( 共同支配投資会社 ) は 複数の独立した企業から構成されている YES 契約要件共同支配投資企業は 次の事項を規定した共同支配となる契約等を文書化し かつ その実態が伴っているか? (1) 共同支配企業の事業目的および当該事業遂行における各共同支配投資企業の重要な役割分担 (2) 共同支配企業の経営方針および財務に係る重要な経営事項の決定は 全ての共同支配投資企業の同意が必要である旨 YES 対価要件共同支配投資会社に支払われた対価の全てが 原則として議決権のある株式である なお 投資企業の中に一般の投資企業が含まれる場合には共同支配企業の議決権の過半数を共同支配投資企業が保有している YES その他の支配要件次のいずれにも該当しない (1) いずれかの共同支配投資企業が共同支配企業の重要な経営事項の意思決定機関を支配している (2) 重要な財務および営業の方針決定を支配する契約等により いずれかの共同支配投資企業が有利な立場にある (3) 企業結合後 2 年以内にいずれかの共同支配投資企業の大部分の事業を処分する予定がある YES 共同支配企業の形成 ( 持分プーリング法に準じた処理方法 ) NO NO NO NO 取得 または 持分の結合 54

55 (31) 取得 と 持分の結合 共通支配下の取引 または 共同支配企業の形成 以外の企業結合か? YES 対価要件企業結合の対価のすべてが議決権のある株式か? YES 議決権比率要件 (1) 結合企業を支配する株主が存在しないか? (2) 企業結合の合意成立日における結合後企業に対する議決権比率が 50:50 から上下概ね 5% ポイントの範囲内か ( 企業結合日の前日までに 結合当事企業が企業結合日における結合後企業の議決権数の増減を生じさせる取引を行っている場合は それも含めた上で再判定 ) YES その他の支配要件次のいずれにも該当しない (1) いずれかの結合当事企業が結合後企業の重要な経営事項の意思決定機関を支配している (2) 重要な財務および営業の方針決定を支配する契約等により いずれかの結合当事企業の株主が有利な立場にある (3) 企業結合後 2 年以内にいずれかの結合当事企業の大部分の事業を処分する予定がある (5) 多額のプレミアムが発生している 持分の結合 ( 持分プーリング法の適用 ) YES NO NO NO NO 取得 ( パーチャス法の適用 ) 55

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