2 実践のエッセンス実践事例 1 ~A 中学校 1 年生の授業実践より ~ (1) 活動名 単元名 どこにありますか We re Talking 3 New Crown 1( 三省堂 ) (2) ねらい 英語の綴りと音声の関係に抵抗がある生徒にも 音声 文字 意味を視覚的に理解できるようにする 疑問

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1 外国語活動 英語研究委員会 研究のまとめ 1 研究のエッセンス (1) 研究テーマ 友と関わり合いを深めるためのコミュニケーション能力の育成 (2) 研究テーマ設定の理由小中学校の連携を考えながら 友と関わり合いを深めるためのコミュニケーション能力を育てていく外国語活動 英語の授業はどうあったらよいか研究を重ねてきた 小学校の外国語活動で押さえておきたい点 中学校の英語の授業で大切にしていきたい点について 昨年の研究を受け具体的に以下のように考えた 外国語活動 中学校での英語授業を見越した小学校での外国語授業の実践 外国語でお互いに伝え合いたい 聞き合いたい という願いをもって行う活動はどうあったらよいか また 文字への興味を高めるにはどうしたらよいか 英語 小学校での外国語活動の実践を踏まえた中学校での英語授業の実践 中学校において 核となる表現が どんな場面で どんな対話の中で活かされているのか 生徒が体験から学べる対話活動のあり方はどうあったらよいのか また 小学校の外国語活動の学びを生かすにはどうしたらよいか 小学校と中学校共通して児童の英語に対する意識が音声から文字へとスムーズに移行し 英語を使ってコミュニケーションをより深めるためには どのように連携を図っていったらよいか (3) 研究仮説 このような子どもたちに このように指導することで このようになるだろう 外国語活動が好きだが 会話や意見を聞くことが苦手 小学校の外国語活動が役に立ったと実感しているが 英語を書くことに苦手意識を感じている (4) 研究の成果 1 小学校の授業公開から国名を学習してきた単 カルタ取りやマッチングゲームを通して 全体 ペアで発音し表現に慣れ親しむ活動を行う マッチングゲームで英語のスペリングに意識を向ける活動 クラスルームイングリッシュ チャンツやゲーム TPR の活用 視覚的に 音声 文字 意味を捉えさせる提示 センテンスの口頭練習 文法の端的な説明 音読 ワークブックの利用による複合的な理解 相手に伝えたいと自ら願い 友だちと積極的に関わることができるだろう コミュニケーション活動の楽しさを多くの子どもたちがより実感できるようになるだろう 小学校での外国語活動で体験した音声を中学校の英語で文字へとスムースに結びつけることができるだろう 発音と綴りの関係への気づきが深まるだろう 元にふさわしく国名アルファベットの並び替え活動が大変効果的だった 子どもたちに並べ替えたいという欲求や文字に対する興味が感じられた Egypt などの難しい言葉も発音から考えていてよかった india という間違いはとても良い間違いだった この気づきから国名の最初は大文字というルールに結び付けられる 何も言わなくても大文字を始めに並べていた児童の姿から 子どもたちも文字に慣れ親しんでいた 活動が切り替わるたび先生が子どもたちの動きについて評価していた 励ましや褒めたり認めたりする言葉 次にどういう態度で活動すれば好ましいかがアドバイスされていた点がよかった 児童の感想にも先生のアドバイスが生かされていた 2 中学校の授業公開から忘れ物をした先生が電話で何が どこにあるのかを伝える導入場面が大変効果的で 生徒がじっくり考えながら聞いている姿があり 生徒自身が 言いたい と思わせる提示だった 手拍子で繰り返し口頭練習する場面では 生徒が自ずと体を動かしリズムをとりながら発声する姿が見られた 始めは声が出なかった生徒も自信を持って発声できるようになった 教科書本文をパワーポイントでテレビに提示し 英訳や和訳をする指導や 提示された本文が消えていく前に読む練習は 大変興味深く生徒も取り組んでいた ICT の活用は変化に富んだ練習が繰り返しできるので 定着に大変効果的だった (5) 残された問題と今後の方向 Hi Friends の学習単元を基にしながら 学級の子どもたちの実態に合った学習の進め方の追究 子どもたちの必要感 話したい 伝えたい気持ちを高める支援のあり方 小学校の外国語活動で培った音声の感覚を中学校の英語の学習で文字へとスムースに移行するための支援はどうあったらいいかこれからも大切に追究していきたい 英語の音声を文字として捉えやすくするための視覚的な支援は小中どちらの場でも活用していける ICT を活用した小中連携をさらに具体化して提案していきたい

2 2 実践のエッセンス実践事例 1 ~A 中学校 1 年生の授業実践より ~ (1) 活動名 単元名 どこにありますか We re Talking 3 New Crown 1( 三省堂 ) (2) ねらい 英語の綴りと音声の関係に抵抗がある生徒にも 音声 文字 意味を視覚的に理解できるようにする 疑問詞 Where と既習の be 動詞を使って場所をたずね 前置詞 on/under/in/near を使って どこに何があるのかを質問 応答することができるようにする (3) 言語材料 Where is my pen? It's on the desk. / under the desk / near the TV / in the box. (4) 指導上の留意点 小学校の外国語活動の授業との連携を考える上で大切にしたいこと 1Here you are. Thank you. などのクラスルームイングリッシュを使い 自然な英語の活用場面を取り入れていく 2 小学校時代に経験したチャンツやゲーム TPR などの要素を取り入れていく 3 文の構造などの文法はわかりやすい端的な説明と チャンツ等を用いた十な口頭練習 音読 ワークブックの利用により複合的に定着を図る 4 文字で書かれた単語や文を理解することに抵抗感がある生徒に対して 音声と視覚的な補助教材を利用して抵抗感を少なくしていく工夫をする (5) 展開段階学習活動予想される生徒の反応時間指導 評価 導入 1 あいさつあいさつをする Hello. How are you? What time is it? 2 Big voice Eye contact Smile Try を意識しよう 天気 日付 曜日等をたずねる 展開 2 教師の動作を見ながら英語を聞いて Today s Goal を確認する Today s Goal 3 体を動かす活動を通して 位置を表す表現を聞いて理解する in とか, 初めて出てきた単語だな どういう意味かな? 場所をたずねる表現や位置を表す表現を覚えよう どこに置くのかな 位置を表す単語を集中して聞けばよさそうだ 5 いろいろな物を部屋の絵の中に置いて 前置詞 in / on /under / near の位置関係を視覚的に理解させる 5 各自に消しゴムを持たせて 指示通りの行動をさせる (TPR) センテンスカードを黒板に貼り 意味と読み方を確認する 4 チャンツを使って 位置を表す表現を発音する 5 リスニングテストを行い 前置詞の発音がと意味を確認する 6 教科書の内容を理解し 音読練習する 単語の読み方がかった 単語の意味がかった チャンツは 小学校の時もやったことがあるぞ 位置を表わす単語の意味と発音が確認できたぞ 新しい単語を覚えるぞ ~ はどこにあるかを聞き にあると教えてるんだ 教科書の文をスクリーンから消されても ほとんど正しく発音できた もっと上手になりたい 部屋の絵の中に 実際に物を置いて確認させる フラッシュカードを使って新出単語を発音練習させる T-F で本文の内容を確認し 音読練習をさせる プリントに書かれた対話文から位置を表わす表現を読み取らせる

3 まとめ 7 ワークブックの問題を解いて学習を振り返る 8 家庭学習の内容を知る まだ書けない単語があるから練習しよう Where は What と同じように Wh で始まる単語で その後は疑問文の順序になっているんだ 家でワークブックの右のページも全部やってこよう 13 文頭の大文字 短縮形 ピリオド クエスチョンマークにも気を付けさせる 評価 場所を訪ねる表現や位置を表わす表現を理解し, 正しく音読することができるか (6) 実践に寄せた成果と課題 ( 成果 課題 ) 視覚的に意味を推測させるために 部屋の絵や裏にマグネットシートを貼った品物を表す絵を用意した 生徒は興味を持って教師の英語を聞き 前置詞の意味を推測しようとしていた New Words の発音練習時に 単語カードを見せながら 綴りと発音に気付かせる指導を行った 1 年時に 単語を見て発音できるようにすることが次年度以降の学習にも生きてくるので 継続的に指導していきたい 小学校では人とかかわりが持てるゲーム活動が多く工夫されている 中学校でも練習活動に取り入れることで活気ある活動に結びつくことがわかった 教室設置の大型テレビに教科書本文の英文と日本語訳を映し 音読練習を行った スライドショーのアニメーション機能を利用し 文字や英文が消えるまでに音読をする練習など 文字に注目 集中して音読練習を行えた ICT 機器の利用により音読から暗唱を多くの生徒が意欲的にチャレンジできた 小学校で良く活用されるチャンツを取り入れ 中 1 へのつなぎの活動を行った 多くの小学校では 手拍子を入れたチャンツを行うだけでも発音することへの抵抗感が少なくなると意見が出された 今後もチャンツの文の選定 速さ 声の調子 グループけ等を工夫して 中学生でも夢中になれる活動を工夫したい 評価場面において 個々の生徒が 自は確かに正確に音読することができた かどうか確認したり 誰かの役に立った うれしかったという振り返りを学級全体です出典よりることが必要であるとの意見があった 小学校では人と人との関わりを特に大切にしていることを踏まえ クラス全体で支え合い 確実に学び合っていく温かさを これからも大切にしたい 実践事例 2 ~B 小学校 6 年生の授業実践より~ 単元名 友だちを旅行にさそおう (Hi, friends!2 Lesson5) (6 学年 ) (1) 教材化の要点自の行ってみたい国を紹介する表現を言えるようになることよりも 友だちの行ってみたい国を知りたい 聞きたいという気持ちを高めることを大切にした そのために 1 児童が紹介に使う表現は I want to go to -. のみにする 2 行ってみたい国を紹介する表現を 聞く 口まねする 言ってみる という活動を仕組み無理なく慣れ親しむようにする 3 読む 書くことにつまずく生徒が多いことから 聞く 話す活動の最後に アルファベットを並び替えて 綴りを完成させる活動を取り入れる 以上 3つのことを行った (2) 実証の観点 1 行ってみたい国を紹介するときの表現がわかったか 2 進んで友だちに話しかけたり 先生や友だちの英語を聞こうとしたりしたか 3 表現をたくさん言い 慣れることができたか

4 Warm up (3) 本時案 1 主眼自の行ってみたい国を紹介する表現を知り 繰り返し何度も聞いた子どもたちが カルタ取りで Where do you want to go? や I want to go to-. の表現を楽しみながら何度も言ったり マッチングゲームで友だちと一対一でやりとりをしたりして表現に慣れることを通して 友だちと行ってみたい国を紹介し合おうという意欲をもつ 2 展開 段階学習活動予想される児童の反応指導 支援評価時間 1 あいさつをする 2 キーワードゲームをして いろいろな国名を聞いたり 発音したりする I m happy(hungry soso ). アメリカの有名なものは 自由の女神だった ギリシャやエジプトも言えるようになってきた 一人一人に HRT が声をかける 国の名前や国旗 有名なものを確認する キーワードを決め HRT が言った国名がキーワード以外なら繰り返す キーワードなら手をたたくというルールで行う 5 5 Activity 1 Activity 2 3 今日のめあてを知る 4 カルタ取りをして 今日の表現を聞いたり言ったりする 5 マッチングゲームで 今日の表現を使って友だちとグループをつくる 行ってみたい国を紹介することで 友だちのことをもっと知ることができる I want to go to -. を使えば紹介することができる 一人で言うのはまだ心配だけど 言えるようになるといいな 行ってみたい国を紹介する表現に慣れよう I want to go to -. を何度も言ったから すら すら言えるようになってきた 一人でも 行きたい国を紹介できそうだ A : Hello. B : Hello. ( ジャンケンで勝った方から ) A : I want to go to America. B : I want to go to -. 同じ国ならグループになり違う国ならあいさつをして別れる 友だちの行ってみたい国を知ることのよさを確認する 本時では 紹介するのに使う表現を何度か楽しみながら言ってみることを確認する パターンを変えながら 何度かカルタ取りを行う 表が有名なもの 裏がアルファベット一文字が書かれたカードを一人 1 枚ずつ配り 友だちと一対一でやりとりし グループ作りをするように伝える できたグループの友だちとアルファベットを見せ合い どんな言葉ができるのか考える グループを作るために I want to go to -. の表現を楽しみながら言おうとしているか ( 活動の様子 ) 3 10 (1) HRT が行ってみたいと言った国のカードをとる HRT:I want to go to America. S:( アメリカのカードを取る ) (2) 児童が全員で I want to go to までを言い HRT が国名を言って そのカードを取る S:I want to go to HRT:India. S:( インドのカードを取る ) (3) 指名されたペアの行ってみたい国を言い そのカードを取る S( ペア ):I want to go to Egypt. S:( エジプトのカードを取る ) 14

5 Culture talk Reflection 6 HRT の話を聞き 日本人や外国人が行ってみたい国を知る 7 今日の感想を書き 発表する 一人で行ってみたい国を紹介できた アメリカは 英語ではこんな風に書くとかった 私が行ってみたい国は 日本の人にも人気があるんだ 日本は 外国の人から意外に人気があるんだな Where do you want to go? や I want to go to -. を何度も言って 一人でも言えるようになった 次の時間は 行ってみたい国を紹介できそうだ 友だちの行ってみたい国を知りたい HRT が I want to go to -. を使って 日本人や外国人が行ってみたい国の調査結果をを紹介する 行きたい国ランキング Bhutan( ブータン ) 1 位幸せの国 Thailand( タイ ) 2 位トムヤンクン Australia( オーストラリア ) 3 位コアラ 行ってみたい国を紹介する表現を何度も言い 友だちに行ってみたい国を紹介し合おうという意欲がもてたか ( 活動の様子 カード ) (4) 実践の概要と考察 1 児童が行ってみたい国を紹介するときの表現を I want to go to -. のみにしたこと本単元では 国名や各国の有名な物の英語での表現だけでなく Where do you want to go? / I want to go to -. / I want to eat -. / I want to see. と多くの表現を扱っている 児童が全ての表現を言えるようになることをねらって学習を進めると 児童にとって相当な負担になると考えられる そこで 本単元の最後の時間に自の行ってみたい国を紹介するときには I want to go to -. という表現を使って紹介ができればよく その他は日本語やジェスチャーを使って紹介をするということを目標とし 学習を始めた 単元の中で様々な表現を聞いたが めあてとして扱われるのは I want to go to -. のみであったため 児童は 言えそうだ と自信をもち 意欲的に取り組めていた また 本単元で一番大切にしていたことは 友だちの行ってみたい国を知りたい 友だちのことをもっと知って仲良くなりたいという気持ちを高めていくことであった そのための表現として I want to go to -. という表現を学習した 実際の紹介の場面では 児童は HRT がモデルを示したときに何度も使った I want to see -. や I want to eat -. という表現も使っていた 友だちがそれらの表現を使って紹介したときにも 意味を理解して聞いている様子だった 紹介をしてみたい 友だちのことを知りたいという気持ちから 自然と理解しようという意欲が高まったと考えられる 2 聞く 口まねする 話す の段階を踏むこと I want to go to -. は 比較的長く 児童にとってはなかなか話しにくい表現である 聞いてかる から 一人で話す まで 段階を踏み 不安なまま話すことがないように配慮した 第 2 時 I want to go to -. を行ってみたい国を紹介する表現として知り 繰り返し聞く 他の表現とも比べながら聞く 第 3 時 カルタで他の表現と I want to go to -. の表現を比べながら聞く カルタで I want to go to までを 他の児童と声を合わせて言う カルタで I want to go to -. をペアごとで言う マッチングゲームで I want to go to -. を友だちを相手に一人で言う 第 4 時 I want to go to -. を使って 学級全体の前で一人で紹介をする 最初から一人で話すのでなく 学級全体で声をそろえて言ったり ペアの友だちと言ったりする活動を行うことで 一人で紹介するときも自信を持って言えるようになっていた 3 アルファベットの並べ替えを行うこと本単元で扱った国を英語で書くとどうなるのか アルファベットのカードを並べ替えて国名を作る活動を行った 中学校での書く活動につながることをねらっている 例として出した Japan を 黒板に a p J n a とカードを貼り付けた時点で 口々に Japan. と言い 児童にとってアルファベットで書かれた言葉は 身近なものであるようだった 実際にグループごとに China, America, France, India, Egypt という国名を並べ替えたが どのグループも友だちと相談をしながら 並べ替えることができていた (India だけが,indIa となっており 大文字が一文字目になるということを学べた ) 児童の様子から 何度も聞いたり言ったりした言葉であれば アルファベットを並べ替えることはそれほど難しくないように思われる 中学校での書くことにつながる活動として 実態に応じて 小学校でも取り入れていける活動であると感じた 3 5