第 2 編違反処理に関する基本的事項 第 1 違反是正の意義等 基本的考え方違反処理の意義違反処理の区分警告 消防法令違反等に対しては 改修計画提出の指示や警告等の行政指導 消防法による措置命令や使用停止命令 告発等の手段を活用して違反処理を行うことができるが 現実には 防火対象物の関係者の自発的な

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1 第2編違反理にする基本的事項第 2 編違反処理に関する基本的事項 17

2 第 2 編違反処理に関する基本的事項 第 1 違反是正の意義等 基本的考え方違反処理の意義違反処理の区分警告 消防法令違反等に対しては 改修計画提出の指示や警告等の行政指導 消防法による措置命令や使用停止命令 告発等の手段を活用して違反処理を行うことができるが 現実には 防火対象物の関係者の自発的な違反是正を促す行政指導をその中心としてきている しかし 今後は 個別の違反事案の火災予防上の危険性の程度 防火対象物の関係者の違反是正の意志や能力の有無 違反処理のための代替手段の可能性等に応じて 消防法による措置命令や使用停止命令 告発等をより積極的に発動し 迅速かつ効果的な違反処理を進めるべきである ( 平成 13 年 12 月 26 日消防審議会答申より ) 1 違反処理の意義違反処理とは 消防法令違反の是正又は火災危険の排除を図るため消防法上与えられている防火対象物に係る行政指導 行政処分及び強制執行等の措置権限並びに告発 過料手続きなどの行政上の諸手続きをいう 行政指導には 勧告 警告 行政処分には 命令及び認定の取消し等 強制執行には 行政代執行及び略式の代執行が含まれる 2 違反処理の区分 ⑴ 警告関係者に対して 違反事実又は火災危険等が認められる事実について 当該違反の是正又は火災危険等の排除を促し これに従わない場合 命令 告発等の法的措置をもって対処する意思表示によって自主的に違反を是正させる方法をいう 警告は 命令の前段的措置として行うのが原則で 性質上行政指導にあたる 命 令 * 行政指導とは 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導 勧告 助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう ( 行政手続法第 2 条第 6 号 ) ⑵ 命令関係者に対して 消防法上の命令権者が 命令規定に基づき 公権力の行使として具体的な火災危険の排除や消防法令違反等の是正について義務を課す意思表示であり 通常 罰則の裏付けによって間接的にその履行を強制している * 処分 ( 行政手続法第 2 条第 2 号 ) 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう * 不利益処分 ( 行政手続法第 2 条第 4 号 ) 行政庁が 法令に基づき 特定のものを名あて人として 直接に これに義務を課し 又はその権利を制限する処分をいう 具体的には 各種の下命 禁止 剥権処分がこれに当たる ただし 次のいずれかに該当するものを除く 19

3 1 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲 時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続きとしての処分 ( 立入検査 行政代執行法上の戒告等 ) 2 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分 ( 認定申請に伴う拒否処分等 ) 3 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分 ( 申請による登録取消等 ) 4 許認可等の効力を失わせる処分であって 当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの 特例認定の取消し行政代執行告発過料事件 * 処分の基準 ( 行政手続法第 12 条関係 ) 1 行政庁は 不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準 ( 以下 処分基準 という ) を定め かつ これを公にしておくよう努めなければならない 2 行政庁は 処分基準を定めるに当たっては 当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない ⑶ 特例認定の取消し消防法第 8 条の2の3 第 1 項による特例認定を受けた防火対象物に係る消防法第 8 条の2の3 第 6 項の規定に該当する事実に基づく認定の取消しを行う不利益処分をいう ⑷ 行政代執行代執行とは 法令又は行政処分に基づく作為義務 ( 何かをしなければならない義務 ) のうち 他人が代わって行うことのできる作為義務を義務者が履行しない或いは履行遅滞や見込みがないときに 不履行状態を放置することが著しく公益に反すると認められ かつ他人が代わって履行する以外にその履行を実現することが困難である場合に 行政庁自ら又は第三者が義務者のなすべき行為を行い これに要した費用を義務者から徴収することをいう * 略式の代執行略式の代執行とは 行政代執行法に基づく正式の代執行において行われる 戒告及び代執行令書による通知の手続 を省略した手続である ⑸ 告発命令違反を前提とする罰則規定及び規定違反行為者に対する直接の罰則規定に違反した事実があり告発を以て措置をすべきと認められる違反行為者を捜査機関に申告し 違反者に社会的制裁を要求しつつ違反是正を図る意思表示をいう * 刑事訴訟法第 239 条第 2 項 官吏又は公吏は その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは 告発をしなければならない ただし この告発義務は 公務員の職務上正当と考えられる程度の裁量まで禁止するものではないとされる ⑹ 過料事件の通知消防法第 8 条の2の3 第 5 項及び第 17 条の2の3 第 4 項の規定による届出を怠った者に対し 消防法第 46 条の6により過料に処せられる 消防機関の通知により 裁判所に職権の発動を促すものであり 非訟事件手続法第 206 条から第 208 条の2が適用される 20

4 第 2 違反処理の留意事項 基本的留意事項事前の対応名あて人の特定内容の明確性措置内容と比例の原則 1 基本的留意事項 ⑴ 違反処理は 違反の内容又は火災危険の重大性に着目し 時機を失することなく厳正公平に行うものであること ⑵ 違反処理事務を行うにあたっては 関係者に対し誠実かつ沈着 冷静に対処するものであること ⑶ 違反処理を行った事案については適時 追跡確認を行い その是正促進に努めること 2 関係者に対する事前の対応警告 命令等違反処理を行うにあたって 事前に権原を有する関係者又はその代表者と話し合う機会をもち 対象物の危険性 是正の必要性について十分説明を行い 当該関係者側に具体的な是正意思が認められないことを確認したうえで行うよう配慮すること 3 名あて人の特定名あて人については 通常の場合 権原を有する関係者であり 具体的には 当該命令等の措置内容によって特定される たとえば 建物の使用停止 禁止命令の名あて人は 通常 当該建物の所有者であり 建物の改修 除去命令などは 建物の処分を命ずるものであるから 原則として 処分権を有する所有者が命令の名あて人となる また 物件の除去 火気使用設備器具等の使用停止 移動 ( 移転 ) 改修等の措置は 管理行為に属するから所有者は勿論 通常 建物の管理者又は占有者が命令の名あて人となり得る なお 建物の工事中において 特に緊急の必要があると認める場合には 工事の請負人等又は現場監督者も名あて人となるが この場合は 工事請負人の権能上 工事の停止又は中止の措置を行う場合に限定される 所有者 管理者又は占有者のうちから 命令事項を履行すべき名あて人を特定する場合には 誰がその地位にあるかについて 建物の登記事項証明書 法人の登記事項証明書又は住民票の写し ( 名あて人が個人の場合 ) により確認すること 4 処分内容の明確性警告 命令の内容は 受命者において理解ができ 履行可能な程度に明確性をもたせること 改修 除去命令等の場合 改修 除去を必要とする欠陥箇所を指摘し かつ その是正方法及び履行期限について明示することが必要である 是正方法として 火災の予防上安全と認められるまで などの抽象的な文言を用い 火気使用設備等の使用停止を命ずるようなことは避けるものとすること 5 措置内容と比例の原則命令の発動にあたっては 火災危険の実態を調査検討し 当該危険を排除するために必要最小限度どのような措置をとればよいかを判断して措置内容を決定するものとし 火災危険と対比し 過大な措置をとることのないよう配意すること 21

5 違反処理への移行時期と留保 6 違反処理への移行時期と留保 ⑴ 違反処理への移行時期ア立入検査結果通知書等に示した期限までに改修計画書等の提出がなく かつ 具体的な是正意思が認められない場合は速やかに違反処理基準に示す措置をとること イ違反処理基準に該当し 第一次措置の適用要件がない違反等 改修計画書等の提出をまって措置することが適さない事案については 速やかに違反処理基準に示す措置をとること ウ同種の違反の繰返しについては 速やかに違反処理基準に示す措置をとること エ同一対象物に複数の違反が存する場合で その一部が違反処理に移行するときは 他の違反も当該措置に併せて行う ⑵ 違反処理の留保当該違反の態様 危険性 緊急性 比例原則との均衡などを検討した結果 その時点では 違反処理を留保する場合もある ( 留保の例 ) ア都市計画等により 違反建物の取り壊し 移転等の工事が具体化している場合で 違反の程度と比較衝量して 留保が妥当な場合イ違反建物の所有権等の権利関係について係争中であり 違反処理の名あて人が特定できない場合で 違反の程度と比較衝量して 留保が妥当な場合ウそのほか社会通念上違反処理を留保することが妥当な場合 22

6 第 3 行政救済制度の概要等 行政救済制度 1 行政救済制度消防機関の行う違反処理に伴う行政処分等に対する行政救済制度としては 相手方の被害を金銭で償う方法と行政作用そのものの効力を争っていく方法とに大きく分けられ 前者を国家補償 後者を行政上の争訟という 国家補償には 違法な行政作用によって生じた被害を償う損害賠償制度と適法な行政作用によって生じた被害を償う損失補償制度がある 行政上の争訟は 行政機関に対して不服を申し立てる行政不服審査法による行政不服申立てと司法機関である裁判所に対して救済を求める行政事件訴訟法による行政訴訟がある 国家補償 損失補償 行政救済制度 損害賠償 異議申立て 行政不服申立て 審査請求 行政上の争訴 行政訴訟 再審査請求抗告訴訟 処分取消の訴え裁決取消の訴え 当事者訴訟 無効等確認の訴え不作為違法確認の訴え 民衆訴訟 義務付けの訴え 機関訴訟 差止めの訴え 違反処理に伴い予想される争訟事案 2 違反処理に伴い予想される争訟事案 (1) 消防機関側の権限不行使を理由とする損害賠償請求について建物火災によって死傷者が発生し 当該建物に消防用設備等未設置や防火管理業務不適正などの消防法令違反若しくは防火区画未設置などの建築基準法違反が 存在若しくは併存しており 死傷者の発生と当該違反とに因果関係があるとされるときには 消防機関が使用停止命令等の行政処分を実施しなかったという不作為について 国家賠償法第 1 条第 1 項に基づく損害賠償請求訴訟が提起される可能性がある この場合 火災発生の時点における火災予防上の知見の下において 消防法令の目的及び消防機関に付与された権限の性質等に照らし その許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは 当該権限不行使は裁判所によって国家賠償法第 1 条第 1 項の適用上違法と判断されることがある これについては 権限の不行使が直ちに違法に結びつくというものとはいえないが 無用の責任を問われることのないよう 少なくとも人命安全上重大な違反の是正には より積極的な対応が望まれる (2) 命令に瑕疵がある場合の行政争訟について命令は行政処分であるから 欠陥のある命令で受命者が命令に不服が 23

7 ある場合には 不服申立てや取消訴訟によって 事前 ( 履行前に ) にその法的効果 ( 命令によって受命者に課せられた義務 ) を否定することができる 消防法第 5 条第 1 項又は第 5 条の 2 第 1 項の規定による命令を取り消す旨の判決があった場合においては 当該命令によって生じた損失に対しては 時価によりこれを補償するものとする ( 消防法第 6 条第 3 項 ) 行政不服申立て 3 行政不服申立て行政不服審査法においては 不服申立ての種類として 審査請求 異議申立て及び再審査請求の三つを掲げ その申立期間について 審査請求及び異議申立てにあっては処分があったことを知った日の翌日から起算して 60 日以内 再審査請求にあっては同様翌日から起算して 30 日以内と定めている ただし 審査請求にあって 異議申立てを前置した場合は 当該異議申立てに関する決定があったことを知った日の翌日から起算して 30 日以内である しかし 消防法第 5 条の4においては 第 5 条第 1 項 第 5 条の2 第 1 項又は第 5 条の3 第 1 項の規定の命令に関して迅速な処理を図る必要から その申立期間のうち 異議申立てが前置されない審査請求の期間及び異議申立ての期間について 行政不服審査法第 14 条第 1 項本文又は同第 45 条にかかわらず 命令を受けた日の翌日から起算して 30 日以内としている ア異議申立て異議申立てについては 処分庁に上級行政庁がないことが要件とされていることから 消防本部を置かない市町村において最上級行政庁たる市町村長が命令を発した場合にのみ 市町村長を処分庁として異議申立てをすることができる イ審査請求審査請求については その処分庁に上級行政庁がある場合に可能であり しかも その審査庁には直近上級行政庁があたるとされていることから 処分庁が消防吏員 ( 消防長及び消防署長を除く ) である場合には消防長又は消防署長に対して 消防署長である場合には消防長に対して また 消防長である場合には市町村長に対して 審査請求をすることが可能となる ウ再審査請求消防法第 5 条第 1 項 第 5 条の 2 第 1 項又は第 5 条の 3 第 1 項の命令に対しては 再審査請求をすることができない 再審査請求は 法律で再審査請求が認められている場合又は権限を他に委任した場合で委任庁に上級行政庁が存在するときに可能であるが 消防法には再審査請求を認めた規定もなく また 消防法第 5 条第 1 項 第 5 条の 2 第 1 項又は第 5 条の 3 第 1 項の権限を市町村長に委任できる上級行政庁もないからである 教示命令書によって命令を発動する場合 又は利害関係人から教示を求められた場合は 行政不服審査法第 57 条第 1 項及び第 2 項に定めるところにより 不服申立てができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てができる期間を教示しなければならない 24

8 行政事件訴訟 4 行政事件訴訟行政事件訴訟においては 訴訟の種類として 抗告訴訟 当事者訴訟 民衆訴訟及び機関訴訟の4つを掲げているが 違反処理に最も関連のあるのは 抗告訴訟であり 次のような種類がある 抗告訴訟ア処分の取消の訴え行政庁の処分その他の公権力の公使に当たる行為の取消しを求める訴訟 イ裁決取消の訴え審査請求 異議申立てその他不服申立てに対する裁決 決定その他行為の取消しを求める訴訟ウ無効等確認の訴え行政庁の裁決等の存否またはその効力の有無の確認を求める訴訟 エ不作為違法確認の訴え行政庁が法令に基づく申請に対し 相当期間内に何らかの処分または裁決等をすべきであるのに これをしないことについての違法の確認を求める訴訟 オ義務付けの訴え ( 平成 17 年 4 月 1 日施行 ) 次に掲げる場合において 行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟 1 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき (2に掲げる場合を除く ) 2 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において 当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき カ差止めの訴え ( 平成 17 年 4 月 1 日施行 ) 行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において 行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟 行政事件訴訟法の改正 5 行政事件訴訟法の一部を改正する法律 ( 平成 16 年法律第 84 号 ) 国民の権利利益のより実効的な救済手続を整備する観点から改正が行われ その内容は具体的には 以下の4つに大別される ⑴ 救済範囲の拡大ア取消訴訟の原告適格の拡大原告適格の判断において 法律の趣旨 目的や処分において考慮されるべき利益の内容 性質などを考慮すべき旨を規定 イ義務付け訴訟の法定 新設 一定の要件の下で行政庁が処分をすべきことを義務付ける訴訟類型として義務付け訴訟を法定 ウ差止訴訟の法定 新設 一定の要件の下で行政庁が処分をすることを事前に差し止める訴訟類型として差止訴訟を法定 エ確認訴訟を当事者訴訟の一類型として明示確認訴訟を当事者訴訟のうち公法上の法律関係に関する訴訟の一類 25

9 型として明示 ⑵ 審理の充実 促進裁判所が 釈明処分として 行政庁に対し 裁決の記録や処分の理由を明らかにする資料の提出を求めることができることとする 新設 ⑶ 行政訴訟をより利用しやすく 分かりやすくするための仕組みア抗告訴訟の被告適格の簡明化処分をした行政庁の所属する国又は公共団体を被告とする イ抗告訴訟の管轄裁判所の拡大国を被告とする抗告訴訟は 原告住所地を管轄する高裁所在地の地裁にも訴え提起を可能に ウ出訴期間の延長処分があったことを知った日から3か月とされている取消訴訟の出訴期間を6か月に エ出訴期間等の情報提供 ( 教示 ) 制度の新設取消訴訟の被告 出訴期間 不服申立前置等に関する情報提供 新設 ⑷ 本案判決前における仮の救済制度の整備ア執行停止の要件の緩和損害の性質のみならず 損害の程度や処分の内容及び性質が適切に考慮されるように 回復の困難な損害 を 重大な損害 に改める イ仮の義務付け 仮の差止めの制度の新設 新設 一定の要件の下で 裁判所が 行政庁に対し 処分をすべきことを仮に義務付け 又は処分をすることを仮に差し止める裁判 ( 平成 17 年 4 月 1 日施行 ) 消防法関係の出訴期間 6 消防法関係における出訴期間のポイント 改正前改正後 ( 平成 17 年 4 月 1 日施行 ) 下記以外の処分 ( 行政事件訴訟法第 14 条関係 ) 取消訴訟は 処分又は裁決があったことを知った日から 3 か月以内に提起しなければならない 上記期間は 不変期間とする 客観的出訴期間取消訴訟は 処分又は裁決の日から 1 年を経過したときは 提起することができない ただし 正当な理由があるときはこの限りでない 消防法第 5 条第 1 項 第 5 条の 2 第 1 項 第 5 条の 3 第 1 項の命令 ( 消防法第 6 条関係 ) 取消しの訴えは その命令又は裁決 決定を受けた日から 30 日以内に提起しなければならない 上記期間は 不変期間とする 26 下記以外の処分 ( 行政事件訴訟法第 14 条関係 ) 取消訴訟は 処分又は裁決があったことを知った日から 6 か月を経過したときは 提起することができない ただし 正当な理由があるときは この限りでない 客観的出訴期間取消訴訟は 処分又は裁決の日から 1 年を経過したときは 提起することができない ただし 正当な理由があるときはこの限りでない 消防法第 5 条第 1 項 第 5 条の 2 第 1 項 第 5 条の 3 第 1 項の命令 ( 消防法第 6 条関係 ) 取消しの訴えは その命令又は裁決 決定を受けた日から 30 日を経過したときは 提起することができない ただし 正当な理由があるときは この限りでない

10 取消訴訟の教示 7 取消訴訟の教示 ( 行政事件訴訟法第 46 条 ) 行政事件訴訟法の一部改正に伴い 取消訴訟を提起できる処分又は裁決をする場合には 当該処分又は裁決の相手方に対し 当該処分又は裁決の取消訴訟の被告とすべき者 及び 当該処分又は裁決に係る取消訴訟の出訴期間 等について教示することが新たに義務付けられた 消防法の規定に基づく命令を発動する場合の教示の例 消防法第 5 条及び同法第 5 条の2 第 1 項の場合この命令に不服のある場合は 命令を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 市消防長に対して審査請求をすることができる また この命令については 命令を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる ( 訴訟において 市を代表する者は 市長となる ) なお この命令について審査請求をした場合には 当該審査請求に対する裁決を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる 消防法第 5 条の3 第 1 項の場合 ( 消防長 消防署長以外の消防吏員による場合 ) この命令に不服のある場合は 命令を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 消防署長に対して審査請求をすることができる また この命令については 命令を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる ( 訴訟において 市を代表する者は 市長となる ) なお この命令について審査請求をした場合には 当該審査請求に対する裁決を受けた日の翌日から起算して 30 日以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる 上記以外の場合この命令に不服のある場合は 命令があったことを知った日の翌日から起算して 60 日以内に 市消防長に対して審査請求をすることができる また この命令については 命令があったことを知った日の翌日から起算して6 箇月以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる ( 訴訟において 市を代表する者は 市長となる ) なお この命令について審査請求をした場合には 当該審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6 箇月以内に 市を被告として処分の取消しの訴えを提起することができる 27