消費生活研究17巻1号

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1 社会保障と税の一体改革についての一考察 - 家計における資産形成の重要性 - A Study on the Comprehensive Reform of Social Security and Tax - Importance of Assets building in Household budget - 松島一恵 Kazue MATSUSHIMA 要約 社会保障 税一体改革大綱 が閣議決定 平成 24 年 月 されると 社会保障制度改革推進法 税制抜本改革法 年金関連 法が相次いで制定された 平成 25 年 月には 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律 も成立し 1970 年代モデル から 21 世紀 2025 年 日本モデル への転換が図られていく 社会保障は 機能強化 受益感覚の得られる 全世代型対応 を求められている また 所得再分配機能を高めるため 消費税増税のみならず 所得税 相続税 贈与税の課税強化が行われている 金融所得一体課税により 資産形成への税制面での環境整備も整えられつつある well-being という概念を生活の中で実現していくためにも 生活者 消費者 は必要とされるリテラシーを身につけ 実践していくことが大切になってくる キーワード :1970 年代モデル 21 世紀 (2025 年 ) 日本モデル 社会保障 所得再分配機能 金融所得一体課税 well-being 1. はじめに消費生活研究誌第 15 巻においては 成年後見制度をテーマに 意思決定 自己決定 できる間にライフプランニングを行い 状況に応じて修正していくことが大切である ことを指摘した そのためには 社会人における金融教育もまた重要であるということも確認した 第 16 巻では それを踏まえ消費者教育 金融教育の方向性を概観してきた 本稿においては 社会保障 税の一体改革において 1970 年代モデル から 21 世紀 2025 年 日本モデル への転換が図られていく中で 生活者 消費者 という立場で持続可能な社会を形成 参画していくために必要なことを 家計防衛 資産形成 の観点から概観していく

2 2. 社会保障政策 背景平成 24 年 月 17 日に 社会保障 税一体改革大綱 が閣議決定されると 社会保障制度改革推進法 税制抜本改革法 年金関連 法と関連法案も相次いで成立した 平成 25 年 月 日には 社会保障制度国民会議報告書 以下 報告書 という がとりまとめられ 同年 12 月 日に 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律 が成立する 報告書では 社会保障制度改革推進法の基本的な考え方として 1 自助 共助 公助の最適な組み合わせ 2 社会保障の機能の充実と給付の重点化 効率化 負担の増大の抑制 3 社会保険方式の意義 税と社会保険料の役割分担 4 給付と負担の両面にわたる世代間の公平 を示している そして 方向性として 1970 年代モデル から 21 世紀 2025 年 日本モデル への転換を目指している 1970 年代モデル では 男性労働者の正規雇用 終身雇用と専業主婦を前提とし 年金 医療 介護 が社会保障の中心となっていたが 21 世紀 2025 年 日本モデル では 現役世代の 雇用 子育て支援 低所得者及び格差 住まい についても課題として言及している 年金 年金受給期間の短縮 施行日消費税率 10 への引上げにあわせて施行 納付した保険料に応じた給付を行い 将来の無年金者の発生を抑えていくという観点から 老齢基礎年金の受給資格期間を10 年 現行 25 年 に短縮する 65 歳以上の無年金者は約 42 万人であるが そのうち納付期間が10 年以上 25 年未満である者の割合は約 40 1 であり これらの者が新たに年金受給者となることが可能となる 短時間労働者に対する厚生年金 健康保険の適用拡大 施行日平成 28 年 10 月 被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に社会保険を適用し セーフティネットを強化する 適用拡大の要件は 1 所定労働時間週 20 時間以上 2 月額賃金 8.8 万円以上 3 勤務期間 年以上 4 学生は適用除外 5 従業員 501 人以上の企業 である 独立行政法人労働政策研究 研修機構の調査結果 2 から 社会保険の適用拡大に対する企業及び労働者の意識動向を確認したい 企業側では 短時間労働者の雇用の在り方や雇用管理を見直す との回答数が 過半数を超えている 具体的な見直し内容 複数回答 については 所定労働時間を短くし多くの短時間労働者を雇用 32.6 人材を厳選し長時間働いてもらい雇用者数を抑制 30.5 定年再雇用を活用 13.3 正社員を採用 13.0 派遣労働者や業務委託等に切り換え 10.4 等となっており 二極化へと向かっている 労働者側においても 61.8 の短時間労働者が 現在の働き方を変えると思う との意向である 具体的には 複数回答 適用されるよう かつ手取り収入が増えるよう働く時間を増やす 26.7 適用されるよう働く時間を増やすが 手取り収入が減らない程度の時間増に抑える 15.6 適用にならないよう働く時間を減らす 14.5 正社員として働く 8.7 等の回答をしている 財政制度分科会 平成 23 年 10 月 28 日開催 の議事要旨によると 短時間労働者につ

3 いては 方向性は否定しないが 本当に必要な相手に支給する仕組みをつくることが重要 である旨を 日本経済団体連合会はヒアリングで述べている 医療 介護 高額療養費制度の見直し 施行日平成 27 年 月 応能負担の観点より 70 歳未満の所得区分を細分化し 自己負担限度額をきめ細かく設定する見直しが行われた 図 年収約 370 万円未満の世帯においては負担額が軽減されるが 年収 770 万円以上の上位所得者にとっては負担額が増すことになる 医療費等の備えとして 貯蓄 資産形成による蓄えや保険によるリスク移転等を日常から行っておくことが必要である 出所 保険の教科書 図 高額療養費制度の改正点 認知症施策 生活支援の充実事後的な対応に主眼を置いた従来のケアから 早期事前の対応に主眼を置く 認知症ケアパス の構築が行われるようになった 認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員を介護保険法の地域支援事業に位置付けて 地域包括支援センター等に整備する あわせて 生活支援サービスの充実に向けてコーディネーターを設置し 多様な生活支援サービスが地域に創出されるような取組みも行われる 子育て支援 待機児童解消加速化プラン子ども 子育て支援新制度の施行 平成 27 年 を待たずに 緊急集中取組期間 平成 年度 で約 20 万人分 保育ニーズのピークを迎える平成 29 年度末までに約 40 万

4 人分の保育の受け皿を確保し 待機児童の解消を目指す 3 利用者の身近な場所で教育 保育施設や地域の子育て支援事業等の利用に当たっての支援を行うため 1 小規模保育運営支援事業 2グループ型小規模保育事業 3 幼稚園における長時間預かり保育支援事業 4 認定こども園事業等 4 を実施する 育児休業給付の充実 施行日平成 26 年 月 男女ともに育児休業を取得することを更に促進するため 休業開始後 カ月の間 育児休業給付に関して休業開始前の賃金に対する給付割合を50 から67 に引き上げる 3. 税制 所得再分配機能平成 24 年版厚生労働白書によれば 社会保障の機能として 1 社会的セーフティネット 2リスク分散 3 所得再分配 4 社会の安定及び経済の安定と成長 をあげている 所得再分配の効果をジニ係数で比較してみると 平成 23 年の当初ジニ係数 は 再分配所得のジニ係数 へと31.5 改善 5 されていることが確認できる ここで 所得再分配のためには社会保障以外の手法もあることを認識しておかなければならない 経済学における 政策割当 の考え方から言えば リスク分散やリスク軽減は社会保障の担当とし 所得再分配は税に任せるという役割分担が望ましい 6 とも言える 平成 25 年度税制改正では 消費税率引上げにより生じる逆進性を緩和するとともに 再分配機能を高めるため 所得税 相続税 贈与税の課税強化が行われている 消費税 逆進性消費税では 高所得者より低所得者に負担が重い逆進性への配慮が必要であるとの見解がある 一時点の所得でみれば 消費税には逆進性が観察される しかし 消費税の逆進性の提示に対しては 次のような反論がある 7 第 に 計算上での消費税の逆進性は あくまで 年間という区切られた期間における収入と消費負担について示されたものに過ぎず 生涯の収入と消費負担でみれば逆進的ではなく比例的であるといえる この反論は 貯蓄が全て消費に回されるという前提のもとに成り立つのであり 消費されずに贈与 相続に回り軽課されているのであれば 生涯でみても逆進的であるといえよう 第 に 消費税の設計方法により逆進性は是正可能である 軽減税率 ゼロ税率 非課税扱いのほか カナダのGSTクレジットのように 低所得者に対しては後日支払いの一部あるいは全部を払い戻す 第 として 社会保障改革が消費税の逆進性対策になるという考え方がある そのためには 消費税と社会保障の一体改革が必要となる 第 に 消費税と個人所得税を合算すれば逆進性はないというものである このような観点からも 消費税率の引上げは税制抜本改革のなかで実施しなければならない事項であるといえる 問題は 真の弱者だけに届くような逆進性緩和政策 8 をいかに実現していくかとい

5 うことにある 軽減税率マーリーズ レビューでは 1 軽減税率 ゼロ税率 非課税の範囲が広いために税収減を発生させており 付加価値税の税収調達力を表す指標の数値も低い 2 食料品等に対するゼロ税率や軽減税率の適用は理論的な根拠が薄く また 非課税は 仕入れ税額控除の連鎖を分断し 税の累積を招き歪みを生じさせる 3 軽減税率等は 一度認められると見直しが困難という弊害が見られる 4 所得再分配政策としての有効性の観点からも 軽減税率の適用は絶対額では高所得者に有利になるなど効率が悪く効果が小さいという問題があり 他の低所得者への所得移転のツールを活用する方が効果的である 9 と指摘している OECDやIMFにおいても 軽減税率の適用は富裕層にも効果が及ぶこと等を理由として 単一税率が好ましい 10 とする報告書を取りまとめている 個人所得税 課税単位所得税 個人住民税の基本構造については シャウプ勧告に基づき総合課税を軸として形作られ 1960 年代に現行の基礎的な人的控除の体系が構築された 11 個人単位課税を原則としながら 各種人的控除により担税力への配慮が行われてきた しかし 社会構造の変化や雇用形態の多様化により 今後は 結婚し夫婦共に働きつつ子どもを産み育てるといった世帯に対する配慮の重要性 12 がクローズアップされてくる 課税単位で考えた場合 個人単位課税では個人間の公平性は満たされるが 世帯間の公平性は満たされない 世帯間の公平性を満たすためには 世帯単位課税を採用する必要がある 13 ミードレポート 14 では 課税単位の選択基準として 1 結婚するかしないかの選択は 税の影響を受けてはならない 個人単位課税を選択 2 等しい経済力をもつ世帯は 等しく課税されなければならない 世帯単位課税を選択 と指摘している 金融所得一体課税金融所得一体課税は 金融資産から生じる所得を勤労所得と分離して その中で損益通算を行い 同一税率で分離課税するものである 15 世界の所得税議論は 課税ベースを広くして税率を引き下げる税制 から 国内貯蓄 資本の効率を高める税制 へとシフトしつつある 公平 な税制を達成するためには 効率 的な税制を求める 16 ことが必要である 相続税 贈与税 マイナンバー制度相続時精算課税制度については 相続時点までの生前贈与財産の把握が前提にある 平成 年 11 月の報告書 17 においても 番号制度は主として利子 株式等譲渡益の総合課税化との関連で議論されてきたが 所得等の把握により所得 資産課税の適正化にも資するとの指摘がある また 金融システム改革に伴い グローバルな資金シフトが容易と

6 なり 税負担の公平性を確保する観点からも 資料情報制度の充実が求められている 国外財産の補足 1 国外財産調書制度 平成 24 年度税制改正 毎年 12 月 31 日時点の価額の合計額で5,000 万円を超える国外財産を有する個人は 翌年 月 15 日までに国外財産調書を提出することが義務付けられる 2 国外証券移管等調書制度 平成 26 年度税制改正 平成 27 年 月 日以後に国内証券口座から国外証券口座に有価証券を移管した場合等に 当該移管 受入れを行った国内の証券会社等から税務署に 国外証券移管等調書 が提出される 4. 資産形成の重要性 家計の状況分析各種世帯について 生活意識別に世帯数の構成割合 18 をみると 苦しい と答えた世帯の割合は 全世帯で59.9 であった 母子世帯では84.7 児童のいる世帯では66.0 となっており 子育て世帯においては特にゆとりのない状況がうかがえる 総数 29 歳以下 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 1 世帯当たり平均貯蓄額 1 世帯あたり平均借入額 厚生労働省平成 25 年国民生活基礎調査より筆者作成 単位 万円 図 世帯主の年齢 10 歳階級 別に見た 世帯当たり平均貯蓄 平均借入額 また 世帯主の年齢階級別に平均貯蓄額 平均借入額の状況をみると 歳 歳 の世帯においては借入額の方が多く 歳 歳 70 歳以上 と高齢になるにつれ貯蓄額の方が増えている 図 貯蓄額が減った世帯を減額理由別にみると 日常生活費への支出 が 29 歳以下 60

7 69 歳 70 歳以上 の世代では 70 超となっている 土地 住宅の購入費 入学金 結婚費用 旅行等の一時的な支出 については 29 歳以下 歳 歳 と現役世代の割合が多い 19 現役世代は教育費 住宅取得への消費支出が大きいが 高齢世代では貯蓄を取り崩しながら生活費への補填を行っている状況である 教育費 雇用環境 老後生活等への不安を鑑みると 若年期 一般成人期から貯蓄とともに資産形成を行っていくことが肝要である また 高齢成人期においても 応能負担が求められ受益も減少していくことを考慮すると 資産運用をしながら生活費 医療 介護等への備えをしていくことも 生活防衛の観点からは必要になってくるといえよう 資産形成制度個人が年金 教育 住宅といったライフ イベントに基づく資産形成を実践するには 利便性の高い資産形成制度が用意されているのに加えて 制度を活用する必要があることを各人が認識しなければならない 20 我が国における資産形成制度としては 1 年金制度 2 財形貯蓄制度 3 投資非課税制度 NISA 4 保険商品 個人年金保険 学資保険 5 従業員持株会 6 教育資金贈与信託 等があげられる NISA DC 確定拠出年金 以下 同じ については 資産形成制度として活用されていくことが期待され 適用金額 適用対象者の拡大へ向けて改正が行われている 資産形成に役立つ情報を的確に入手し 効率のよい資産運用を行っていくには 専門家のアドバイスを活用していくことも大切になってくる 今後求められる制度改正としては 1 職場経由による加入率の拡大 2 自由度の高い個人向け制度による受け皿 3 恒久的な税制措置を伴う制度 4シンプルでクリアーなリスク テイキング支援制度 5 金融リテラシーの向上策 6DC NISAの制度改正案 があげられる 21 今後の動向を注視していきたい 5. まとめ -well-being- 少子高齢社会の中で 社会保障は限りある財源を 真に必要とする者 に適正に届けることが肝要である 持続可能な社会保障を実現するためには 所得再分配機能を担う税についても 応能負担 資本の効率性 が求められている また 消費者基本計画 平成 27 年 月 24 日閣議決定 においては 環境教育 食育 国際理解教育 法教育 金融教育 住教育などの密接に関連する分野の取り組みについて 消費者庁 文部科学省及び関係府省庁等が適切に連携して推進する と言及されている 社会保障が前提としてきた 1970 年代モデル は 人口減少社会の到来 急激な高齢化 非正規雇用の増加 高齢独居世帯の増加 経済成長の停滞といった社会構造の変化 22 により崩壊し 新たな枠組みを構築することが余儀なくされている 企業においても 退職金制度は崩壊しつつあり 企業年金も確定給付年金から確定拠出年金へ移行する動向にある 生活者 消費者 は 運用商品 税制優遇制度等を自ら選択しなければならない 運用成績いかんにより将来の年金額が変動する 投資教育も義務付けられているが 理解し実践により成果を出せるスキルが必要とされる そのような環境に対応していくた

8 めには 生活者 消費者 も自主的に また 様々な情報 サ ビス等を吟味しながら 持続可能な社会に参画していかなければならない 消費者教育 金融経済教育 の重要性は このような場面でも確認できる well-being 23 という概念を 生活の中で実現していくためにも 生活者 消費者 は必要とされるリテラシーを身につけ 実践していくことが大切になってくる 社会保障審議会年金部会 2012 受給資格期間の短縮について 独立行政法人労働政策研究 研修機構 2013 社会保険の適用拡大が短時間労働に与える影響調査 内閣府 平成 25 年版少子化社会対策白書 html/b2_s2-2-1.html 閲覧 風間立信 消費税の増収財源で動き出す 子ども 子育て支援の充実 ファイナンス ウェブ版 P7 厚生労働省 2011 平成 23 年所得再分配調査報告書 なお ジニ係数とは 社会における所得分配の平等 不平等を計る指標 から までの数字で示され に近づくほど平等 に近づくほど不平等で格差が大きいことを意味する 日本では厚生労働省が 年ごとに公表している所得再分配調査の中でジニ係数を計算している 小塩隆士 社会保障と経済 社会 日本の社会保障政策課題と改革 東京大学出版会 2014 P5 西沢和彦 税と社会保障の抜本改革 日本経済新聞出版社 2011 P83 86 鈴木準 社会保障と税の一体改革を読む 日本法令 2012 P199 第 回社会保障改革に関する集中検討会議 2011 消費税の税率構造のあり方及び消費税率の段階的引上げに係る実務上の論点について 10 同上 11 税制調査会 2014 働き方の選択に対して中立的な税制の構築をはじめとする個人所得税改革に関する論点整理 第一次レポート 12 同上 13 舟橋充 所得税の課税単位に関する一考察 公益財団法人租税資料館ウェブ版 P22 14 同上 P26 15 金融税制 番号制度研究会 2012 金融所得一体課税とマイナンバー制度の推進 16 金融税制研究会 2007 金融所得一体課税 その位置づけと導入にあたっての課題 17 税制調査会 平成 年 11 月 納税者番号等検討小委員会報告書 18 厚生労働省 2013 平成 25 年国民生活基礎調査 19 同上 20 野村資本市場研究所 2014 家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査報告書 21 同上 22 厚生労働省 2012 平成 24 年版厚生労働白書 23 現代的にソーシャルサービスの達成目標として 個人の権利や自己実現が保障され 身体的 精神的 社会的に良好な状態にあることを意味する概念 最低限度の生活保障のサービスだけでなく 人間的に豊かな生活の実現を支援し 人権を保障するための多様なソーシャルサービスで達成される 一部の社会的弱者のみを対象とした救貧的で慈恵的な従来の福祉観に基づいた救助を超え 予防 促進 啓発といった 問題の発生や深刻化を防ぐソーシャルサービス構築に向けての転換が背景にある 中谷茂一聖学院大学助教授 2007 年

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶 1. 所得税改革の流れ 1. ポイント 1 所得税抜本改革 は先送りされたが 平成 30 年度税制改正は 働き方の多様化を踏まえて 働き方改革 を後押しするため 人的控除 ( 基礎控除 ) の見直し 所得の種類に応じた控除の見直し が行われる 2 今後の見直しに向けた方向性は 人的控除について今回の改正の影響を見極めながら基礎控除への更なる振替えの検討 経済社会の ICT 化等を踏まえて所得把握に向けた取り組み

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