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1 ココがポイント! 知財戦略コンサルティング ~ 中小企業経営に役立つ 10 の視点 ~ 2009 年 3 月 特許庁

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3 目次 はじめに 1 第 1 部中小企業経営に役立つ 知財戦略コンサルティングのための 10 の視点 13 < 事業を強くする知財活動 > 視点 1 経営者の思い入れをベースにした経営方針を意識して それに基づく知財戦略を考える 株式会社ニッコー ( 北海道釧路市 ) 14 視点 2 知財活動も必要な投資の一つと位置付け 投資計画の中でのメリハリを付けた配分を考える 株式会社シード ( 大阪府大阪市 ) 23 視点 3 投資をしている事業 リスクをとっている事業に注目して その事業を支える知財活動を推進する 田川産業株式会社 ( 福岡県田川市 ) 32 視点 4 知財活動の成果を高めるために ビジネスモデル全体を描いた上で より効果的な権利取得や権利の活かし方を考える 株式会社エルム ( 鹿児島県南さつま市 ) 41 < 会社を元気にする知財活動 > 視点 5 経営改善の糧として知財情報を活用し 経営プロセスを活性化させることによって社内の知財力が高められることを意識する 株式会社オプナス ( 東京都千代田区 ) 50 視点 6 柔軟な発想に基づいて 社外 社内の両面における知財活動の目的を明確に設定する 株式会社ナベル ( 三重県伊賀市 ) 59 視点 7 経験や知識を社内の貴重な知的財産と考え 皆で共有することで体質改善 - 知的財産 を広い視野で捉えてみる しのはらプレスサービス株式会社 ( 千葉県船橋市 ) 69 視点 8 知財取得プロセスで経営者と社員を一体化 会社の地位向上を図り 新たな知財を生みだす源泉とする - 知財のもう一つの機能にも注目する 株式会社昭和 ( 奈良県生駒市 ) 77

4 < 会社の成長に伴う次の知財活動 > 視点 9 マーケティング力と技術開発力を知財化によって競争力に転化するという ものづくり企業が成功するための流れを組み立てる 株式会社ナミックス ( 新潟県新潟市 ) 85 視点 10 自社オリジナル機械を通した技術伝承 人づくりを意識した経営による人材の定着など 権利以外の知的財産の蓄積も意識した知財活動を実践する 鍋屋バイテック株式会社 ( 岐阜県関市 ) 92 第 2 部知財戦略コンサルティングの留意点 知財戦略コンサルティングのプロセス 知財戦略コンサルティングの各ステップにおける留意点 107 (1) 現状分析 108 (2) 事業 技術開発戦略の分析 ( 再検討 ) 119 (3) 知的財産戦略の策定 120 (4) システム整備 123 執筆者一覧 129

5 はじめに 1. 地域における知財戦略支援人材の育成事業 の概要 特許庁では 平成 16~18 年度の 地域中小企業知的財産戦略支援事業 ( 知財活動モデル事業 ) において 計 12 社の中小企業に知財コンサルティングを行うモデル事業を実施することによって 中小企業が知財戦略を導入 実践するための方法論を検討しました その成果を 中小 ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル (2004~2006) としてとりまとめています これらのモデル事業の取り組みを進める中で 中小企業への知財戦略の導入 実践を支援する 知財戦略コンサルティングの基本形が見えてきました 地域の中小企業が知財戦略を導入 実践するためには こうした知財戦略コンサルティングのノウハウを身につけた支援人材を 各地域で幅広く育成していくことが求められることになります こうした背景から 平成 19~20 年度は 地域における知財戦略支援人材の育成事業 を実施し 各地域での実施研修等による人材育成を進めるとともに 支援人材向けのマニュアル作成や人材データベースの構築に取り組んでいます 平成 19 年度には 主に知財戦略を実践したい中小企業向けのマニュアルとして 知財戦略の基本的な考え方や 知財活動の実践に必要な知識をわかりやすく解説した 中小 ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル を取りまとめました 2. 本冊子の狙い 上記のように 地域中小企業知的財産戦略支援事業 と 地域における知財戦略支援人材の育成事業 では これまでにも知財戦略の考え方や方法論 コンサルティング事例などをとりあげたマニュアルを作成してきています その一方で 知財戦略のあり方は各々の企業の業種 規模 成長ステージなどによって様々であり 実際に知財戦略コンサルティングを効果的に進めていくためには 各々の企業にあった対応が求められることになります こうした個別の企業において求められる対応は マニュアルにまとめられた手順や知識を当てはめるだけでは十分でないことが多く こうした場合には 知財戦略コンサルティングを行う目的 その原理原則に立ち返って 各企業にあった方法を模索することが求められることになります 今回作成する冊子では 知財戦略コンサルティングに取り組もうとする支援人材の方にとって そうした個別具体的な問題で悩んだときに立ち返る原理原則 基本的な考え 1

6 方を身につけることができるための参考資料となるように 知財戦略コンサルティングに求められる基本的な視点をとりまとめるとともに 個別に解決が必要な課題に対してヒントとなるようなアイデアを提示することに取り組みました 中小企業の中には 特許出願などの知財活動を行ってはいるものの それが経営上の成果に結び付いていることが実感できないという企業 知財活動に取り組みたいとは思っているものの どのような考え方ですすめればよいかわからないという企業が少なくありません こうした中小企業が抱える基本的な問題に対して 知財戦略コンサルティングを進める中小企業の支援者は どのようなアプローチで取り組めばいいのか そのポイントを探るために 知財活動に積極的に取り組み その成果を実感しながら成長を続けている中小企業の経営者にインタビューを行うこととしました これらのインタビューを通じて 納得感をもって知財活動を実践している企業は 知財活動のあり方に悩んでいる企業とどこが違うのか 経営上の成果に結び付く知財活動を進めるためにはどのような考え方で取り組めばいいのか そのエッセンスを抽出することに努めました 昨年度の実施研修の過程においては 知財がテーマで かつ知財の専門家が中心になって進めるコンサルティングであるために 知財活動そのものを目的化させてしまい その活動が経営においてどのように役立つか といった視点を見失ってしまうように見える場面がありました このようなケースにおいて 今回の冊子にとりまとめた 視点 をコンサルティングの過程でも見直し 原理原則や基本的な考え方を確認することによって 経営上の成果に結び付く知財戦略コンサルティングの実践に役立てることができるのではないか と考えています 3. インタビューの対象企業 これまで述べた本冊子作成に取り組んだ趣旨から 知財経営 を実践する企業として インタビューの対象として 以下のような中小企業を選択しました 自社で生み出した知的財産を活かして事業展開を進め 特許出願等の知財活動に積極的に取り組むことによって 高い市場シェアを実現している企業 具体的には 以下の条件を満たす中小企業 10 社の経営者に対して 平成 20 年 11~12 月にヒアリングを行い そのエッセンスをとりまとめています 製品開発に熱心で 独自性の高い製品で事業展開する提案型の企業 市場シェアが高い製品を有する企業 特許出願等の知財活動に積極的に取り組み 経営者がその効果を実感している企業 2

7 4. インタビューの狙いと本冊子の活かし方 4.1 知財戦略 知財活動の目的 はじめに 知財戦略とは何を目的としているのか 知財活動にはどのような効果が期 待されているのか という基本的な部分から考えてみましょう 知財活動は 企業活動の一部として行われるものであり 他の企業活動と独立して行われるべきものではありません すなわち 知財活動とは 企業が抱えている経営上の課題に対して成果を上げ その成果が経営上の課題を解決するという形に結び付くことが期待されているものです このように 経営と密接に結び付いた知財戦略 知財活動の流れを簡潔に示したのが以下の図です 企業活動においては 解決が求められる新しい経営課題が次々に現れてきますので 課題 成果の流れがループのように繰返されながら 企業が成長していくと考えられます 具体的には 独自に開発した製品を販売しているものの 競合製品との価格競争が厳しくて利益率が低い という経営課題を抱えている場合に 開発した製品を適切に特許権で保護することによって競合製品の登場を防ぎ 利益率が向上する という成果を生む という独占権としての知的財産権の効果を活かした典型的なケースが想定されます また 技術者のモチベーションが高まらず 企業の将来を担う新製品が現れてこない という経営課題を抱えている場合に 技術開発の成果を特許という形で明確に示してい 3

8 く社内的な仕組みを作り上げていくことによって 技術開発が活性化して有力な新製品が現れる という成果に結び付くといったケースも考えられるでしょう 4.2 知財活動はどのように進められるか では このように 経営課題 に対して成果を上げるという効果的なループを作り出していくためには どのように知財活動を進めていけばよいのでしょうか 知財活動を進める工程をブレークダウンしてみると 次の図のような3 段階に分けて考えることができます まず 企業が抱える様々な課題のうち ある経営課題について知財活動を進めることによって成果を上げることができると判断します (1) 次に その成果に結び付けるための知財活動の計画を立てます (2) 続いて 計画に沿って知財活動を実践していきますが 実際は実践の過程で様々な問題が生じてくることが通常なので その問題が生じることとなる要因を取り除きながら 計画を実現性のあるものに修正していくことが必要です (3) これらのプロセスは どれも重要なものであり いずれかに問題があると知財活動が経営課題の解決に結び付くことを期待することはできません このように 経営課題を的確に把握し その課題に対する成果に結び付くことが期待できる知財活動の計画を立て その計画の実践を支援していくことが 知財戦略コンサルティングの流れにおいても骨格となるものです 4

9 4.3 なぜ知財活動による成果が表れてこないのか 一方で 知財活動に取り組む中小企業からは 知財活動による経営上の成果を十分に実感できていないという声を耳にすることが少なくありません こうした企業では 経営課題に対して知財活動が成果を生むという 効果的なループを作り出すことができていないことになります 経営課題を解決するという意味において 効果的な知財活動が実践できない理由には 典型的なパターンとして 次の3つを挙げることができると考えられます (1) 経営課題と知財活動が結び付いていない (2) 知財活動に何らかの問題があって成果に結び付いていない (3) 経営課題を解決する手段として知財活動に気付いていない このうち (1) と (2) は知財活動を行っているけれども経営者にはその効果が実感できないケースであり (3) は知財活動が行われていないケースとなります 先に説明した 1 経営課題に対して知財活動により成果が上がると判断する 2 成果に結び付く知財活動の計画を立てる 3 知財活動の実践で生じる問題の要因を取り除いて計画の実現性を高めるという知財活動を進める3つの工程との関係で言えば (1) については 1の段階での判断に誤りがある可能性が考えられます (2) については 2の段階の計画が適切でなかったか あるいは 3の段階で 計画実現の過程で生じた問題を解消できていないという可能性が考えられます (3) については 1の段階から検討を始めることが必要になります このように 知財活動から十分な経営上の成果が得られないという場合には その原因がどの部分にあり どのプロセスを見直すべきかから検討していかないと 知財戦略コンサルティングを経営上の成果に結び付けることは難しくなるでしょう 4.4 経営課題と知財活動を結び付ける (1) の 経営課題と知財活動が結び付いていない というケースについて もう少し詳しく見てみましょう 尚 (3) の 経営課題を解決する手段として知財活動に気付いていない というケースについても 経営課題と結び付いた知財活動のあり方を探ることがスタートラインになるため 基本的には (1) と同様に考えることができます (1) では 経営課題と知財活動が結び付いていない すなわち 次の図に示すよう 5

10 に 知財における 課題 成果 が 経営課題と関わりなくループになってしまっています 例えば 出願件数が少ない という課題に対して 発明者への特許教育や発明提案の仕組みを強化し 出願件数の増加 という成果に結び付いたものの その企業の主力製品とあまり関連のない部分で出願が行われたために 収益面においては何の成果も生じていない というようなケースが該当します このようなケースにおいては 経営課題の中から知財活動で解決できる課題を的確に設定すること 言い換えれば 経営課題を出発点に考えて 経営課題に対して成果を上げることができるような知財活動を設計することが求められます すなわち 経営課題を的確に把握して その課題に対応した知財活動の計画を作成することが 効果的な知財戦略コンサルティングを進める上で重要なポイントになるのです 6

11 4.5 経営課題と結び付いた知財活動の例 では 経営課題に対して成果を上げることができるような知財活動とは どのようなものなのでしょうか 経営課題と知財活動が的確に結び付いているという状態 ( 次図参照 ) を具体的にイメージしておくために ここではインタビューの対象企業を3つのパターンに分類して整理しておきましょう <その 1> 事業を強くする知財活動 1つめは 株式会社ニッコー ( 14p. 参照 ) 株式会社シード( 23p. 参照 ) 田川産業株式会社 ( 32p. 参照 ) 株式会社エルム( 41p. 参照 ) のように 知財活動に支えられた独自製品で高い市場シェアを実現し 強い事業を持つ自立した中小企業になるという成果を上げているパターンです これらの企業では 独自性のある製品を開発して市場において競争優位に立つという経営課題に対し その可能性が期待できる製品について 十分に練られた特許戦略に基づく知財活動を実践することによって 高いシェアを有する強い事業を作り上げるという成果をあげています <その2> 会社を元気にする知財活動 2つめは 株式会社オプナス ( 50p. 参照 ) 株式会社ナベル( 59p. 参照 ) しのはらプレスサービス株式会社 ( 68p. 参照 ) 株式会社昭和( 76p. 参照 ) のように 社内を活性化する手段として知財活動が成果を上げているパターンです 社内活性化のあり方は各社で様々ですが 株式会社オプナスでは 提案型の企業へ体質を改善するという経営課題に対応するために 知財活動への取り組みを強化し 社内の 7

12 意識が変化するという成果が生まれてきました 株式会社ナベルでは 独自製品を開発するためにはそもそも自社技術を客観的に理解することが必要という経営課題を設定し 特許取得のプロセスを自己の客観化に必須のプロセスと位置付けて特許への取り組みを強化し 独自製品の取引分野を拡大するという成果を上げています しのはらプレスサービス株式会社では 社内で生まれたアイデアを特許などの目に見える形にし それを社内で共有することによって 新しいアイデアを生み出す活気ある企業作りで成果を上げています 株式会社昭和では 将来目指している製品を特許という形で示すことによって 社内の意思統一を図り 社外に対しても同社の意思や取り組みを明確にアピールしています <その3> 会社の成長に伴う次の知財活動 3つめは 株式会社ナミックス ( 85p. 参照 ) 鍋屋バイテック株式会社( 92p. 参照 ) のように 会社が中小企業から中堅企業へ 次のステージに進む段階に入って 新たな市場への展開など事業拡大のために必要になる知財活動を強化しているというパターンです いわゆるノウハウ型の中小企業では 大企業との取引拡大 様々な企業との競合 海外への展開といった中堅企業へと成長するステージに入ると 特許出願を含めた組織的な技術マネジメントが経営課題となることが少なくありません この2 社では こうしたステージにおいて知財活動への取り組みを強化したことが 中堅企業への成長を支えているものです 4.6 知財活動で生じる問題を解消する 続いて (2) の 知財活動に何らかの問題があって成果に結び付いていない というケースについても見ておきましょう (2) は 知財活動における課題の設定は 経営課題に沿って的確に行われているものの 何らかの理由でその活動が円滑に進んでいない そのために活動の成果が得られないという 主に知財活動のテクニカルな要因に起因するケースです ( 次図参照 ) 8

13 このようなケースにおいては 知財活動が成果に結び付かない原因を具体的に特定し 障害となっている問題を1つ1つ取り除いていくことが コンサルティングにおけるポイントになります ( 次図参照 ) インタビューを行った各社についても 必ずしも最初から知財活動の成果が上がったというものばかりではなく 試行錯誤をしながら成果を高めている例が少なくありません 9

14 4.7 本冊子の読み方 これまでに説明した問題意識から 以下に示すポイントを中心に 各社の経営者へのインタビューを行うことにしました (1) の 経営課題と知財活動が結び付いていない というケースとの関連では 各社が抱えていた経営課題とそれに対して知財活動に取り組んだきっかけ 知財活動がどのような効果を生むことを目指しているかという基本的な考え方をヒアリングすることによって 知財活動における適切な課題設定を行うためのヒントを探ることにしました (2) の 知財活動に何らかの問題があって成果に結び付いていない というケースとの関連では 各社の知財活動において工夫しているポイントや具体策などをヒアリングすることによって 効果的な実践方法のヒントを探ることにしました 本冊子の第 1 部においては 各社のインタビューの要約とあわせて インタビューを担当したマニュアル作成ワーキンググループ委員が 1 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ 2 知財活動の基本的な考え方と成果 3 知財活動における具体的な留意点 4 その他の項目に分けて インタビューのポイントを解説することとしました 支援者の方がコンサルティングを進める際には (1) の課題設定について考える場面では1 2の部分を (2) の知財活動の具体的な実践方法を考える場面では2 3の部分をヒントにしていただけるのではないかと考えています また 各社から学ぶべきポイントを一言で 視点 としてとりまとめましたので コンサルティングの基本方針がぶれてしまうことがないように 繰返し見直してその意味を考えていただくと効果的であろうと思います また 本冊子の第 2 部では 各社の知財活動が円滑に進んでいる理由から考えられるコンサルティングの留意点を 知財戦略コンサルティングの標準的なプロセスに従って整理しました 第 2 部も コンサルティングの進捗にあわせて それぞれの段階でのポイント確認や悩みが生じた場合のヒントとして活用いただければと思います 10

15 5. インタビューから読み取れること 10 社のインタビューを終え マニュアル作成ワーキンググループ委員で議論を行ったと ころ 各社で行われている知財活動から次のような共通項が読み取れることが明らかになりました 各社が行っている知財活動は このような会社にしたい このような製品を提供したい という いずれも経営者の明確な意志が出発点になっています 経営者は その意志に基づいて 研究開発 設備 人材などに投資を行います (Ⅰ) これらの投資は当然ながらリスクを伴うものであり 経営者にとってはこうした投資をいかに回収するかということが大きなテーマとなってきます 研究開発などへの投資の成果として生み出されるのが 他社との差別化要因になるような知的財産 ( 発明等 ) です (Ⅱ) 投資によって負担することになったリスクを少しでも低減させるためには 知的財産による優位性をできるだけ長く維持できるように 特許の取得 営業秘密管理 パートナーとの契約等の知財活動を実践することが必要になる (Ⅲ) というのが 経営者の意志を出発点とする経営の意志に基づいた知財活動の基本的な流れになります 各社の知財活動は 決して 発明 や 特許 が出発点となっているのではありません 経営者の意志 意思に基づく投資があり それに基づいて発明が生まれ 特許を取得する という流れが 各社の強い競争力を生み出すこととなっています このような一連の流れが 事業戦略に基づいて行われているのです Ⅰ Ⅱ 発明 知財 Ⅲ 特許意志投資 ( 差別化要因 ) ( 手段 ) 事業戦略 このことを知財戦略コンサルティングという視点から考えてみると 経営者の意志 企業が行っている投資を的確に理解することが コンサルティングのスタートラインとして重要であることがわかります その企業がどのような知的財産 ( 発明等 ) を有しているか というところからスタートするのではなく 経営者の意志や企業が行っている投資 すなわち企業が何を目指してどのようなリスクを負っているのかというところまで遡ることに 11

16 よって 事業活動の中で知財活動として何をやるべきかという部分が見えてくる とも言えるでしょう 経営や事業活動に即した知財活動のあり方というものは Ⅰにまで遡ればおのずから見えてくる性質のものであり 先に説明した 経営課題に対して的確な知財活動の計画を作成する という知財戦略コンサルティングの肝となる部分においても 経営者の意志や企業が行っている投資をしっかりと把握することが出発点になると考えられます 意志のあるところに投資あり 意志のあるところに知的財産あり 投資を回収するためにその知的財産こそ知財活動によって 守り 高めていくもの と言うこともできるのではないでしょうか また Ⅱ Ⅲのプロセスは 発明 特許 と進めるパターンに限られるものではありません コンサルティングでは その企業の抱えている経営課題 その企業の進めている投資活動 (Ⅰ) によって 差別化要因として何が生まれてきて (Ⅱ) どのような方法でそれを保護したり高めたりすることができるのか (Ⅲ) 様々な対応策を柔軟に考えていくことが求められるのです 以上のような本冊子の目的 位置付けを念頭においた上で 各社のインタビューを見ていくことにしましょう ( マニュアル作成ワーキンググループ座長土生哲也 ) 12

17 第 1 部 中小企業経営に役立つ 知財戦略コンサルティングのための 10 の視点 13

18 < 事業を強くする知財活動 > 視点 1 経営者の思い入れをベースにした経営方針を意識して それに基づく知財戦略を考える - 株式会社ニッコー 株式会社ニッコーの概要 業種 食品加工機械製造 代表者 代表取締役佐藤厚 所在地 北海道釧路市鶴野 110 番地 1 札幌市 東京都江戸川区に営業所を有する 資本金 3,000 万円 従業員数 50 名 沿革 昭和 48(1973 年 ) に釧路市内に創業し 昭和 52 年 (1977 年 ) に株式会社ニッコー設立 平成元年 (1989 年 ) に現在地に本社 工場を新築 移転 株式会社ニッコーは 東京の食品包装メーカーに勤めていた佐藤社長が 自分の技術でものづくりをしたい との思いから 故郷に近い釧路で創業しました 水産加工業が主要な地場産業であった釧路市ですが 当時はその工程の大半が手作業で とくに養殖事業が拡大しつつあったホタテでは加工作業に多くの人手が必要で 人手不足が深刻化しつつありました 佐藤社長はここに機械化へのニーズを見出し 自身も加工作業に参加するなどして開発への構想を練り また粘り強い交渉で受注に漕ぎつけました こうして 1977 年にホタテを連続して自動で蒸し上げ殻と身を分離する機械の開発に成功 ニッコーの技術力は地域に驚きとともに認知されることとなりました 以後 同社では一貫して地場産業のニーズに高い技術力で応える 世界初 の製品を 世に出し続けています 鮭の頭部を切断する オートヘッダー の開発を皮切りに 内臓を除去する ガッターマシン さらに両工程が一人の作業員で可能な ヘッダーガッター などの一連の鮭の自動加工機械を開発 ハマチなど他の魚種用にも開発され 世界中に出荷されていまホタテ貝自動生剥き機オートシェラーす 世界で初めて殻から貝柱を生のまま機械で取り出すことを可能としたホタテ貝自動生剥き機 オートシェラー の開発にも成功し またロボット技術 三次元計測技術等を駆使し 高速 高精度で切り身の大きさと重量を揃える生魚定貫切り装置 スーパープロフェッショナル は 2005 年 第 1 回日本ものづくり大賞優秀賞 に選定されています 14

19 < 事業を強くする知財活動 > 社長に聞く わが社の知財戦略 お話いただいた人代表取締役佐藤厚氏 ( 聞き手的場成夫 鮫島正洋 ) 知財に取り組むきっかけは何だったのでしょうか この地域にいると 農水産物の一次処理 ~ 高次加工に関する様々なニーズがあります 会社を興して 33 年になりますが 当初はその分野で何か技術を開発し ビジネスにしようとすると海外企業が持つ特許が壁になっていました そんなことから自分なりに知財を勉強し 興味を持つようになりました 海外の企業が日本で権利を持っていることを知らない日本の企業も多いですが どうしてその特許を知るようになったのでしょうか 鮭などの水産物の処理の機械化ができないかというニーズが地域では以前からありました 鮭の頭を落とす機械はできないかと相談され 素人なりに開発して特許を取ろうと知り合いの弁理士に調べてもらったら アメリカの企業が既に特許を持っていました これは後年ですが ジャガイモの皮を剥く機械も欧米の企業に権利が取得されていたということもありました そうした海外企業からライセンスを受けることは考えなかったのでしょうか 今考えるとその機会はありましたが 当時はそういう方法があることを知りませんでした また 知っていたとしても資金的な問題があったでしょう その一方で 自分でなんとかできる という信念もありました 鮭の頭を落としたり 腹を捌いて内臓を取り出したりするのは地元では婦人の仕事ですが これが大変な作業です その光景が強烈に記憶にあり なんとかしたいという思いが強かったのです 海外の製品は高価で 大企業ならともかくこの地域の小規模事業者では購入するのは困難です 当社も資金的に苦しかったのですが 作りたいという思いの方が強くありました 他社がより低価格で開発するリスクもあります いろいろな心配はありましたが 当社の独自技術で開発したいという思いがリスクに対 する不安より強かったのでしょう ものをつくるぞ という思いだけで走ってきました 同じような思いで走った結果 事業に失敗している知り合いが何人もいますが 自分はた 15

20 < 事業を強くする知財活動 > またま結果を出せています 鮭は年に2ヶ月 ~3ケ月程しか漁期がないため この間に成果が出せなければ次の漁期まで開発試験などができません しかし 小さな企業では開発に何年もかけられません そこで 試験用に鮭を 10t 購入し 冷凍倉庫で保存しつつ開発を進めました 金融機関には融資を断られましたが 親族から借金して購入でき 短期間に結果を出すことができました 翌年の漁期前には製品化できるよう 毎日が鮭との格闘でした その後の展開はいかがだったのでしょう 鮭の加工機械で成功して ようやくビジネスというものが見えてきました 次に取り組んだのは生のホタテ貝から生貝柱を取り出す技術です 釧路ではホタテは取れないのですが 道内では網走 ~ 稚内にかけてのオホーツク沿岸や 道南の噴火湾沿岸 むつ湾 岩手などで多く養殖されています 水産物加工機械の製品開発にあたっては 回遊魚は対象魚種としないという方針を決めていました 年によって漁獲量が変わりますので 加工量も毎年異なります 潮目によっては全く獲れない年もあります 獲ってみないと需要がわからないものに 何千万円もの投資はできません 鮭は国が支援して人工的に孵化 放流しており 回帰率はほぼ安定していて 年間の回帰率も過去のデータで数値が予想できることから 加工ニーズもほぼ明らかです ホタテも養殖ですので生産量は安定しています 当社が創業したときは いわゆる 200 カイリ時代 の始まりでして 水産業 とくに沿海漁業は大きく影響を受けていました これからは育てる漁業の時代だ と考え それにこだわって製品開発を行ってきました ターゲットを定めたことは 経営上重要なポイントですね 当時はサンマ 鯖を筆頭に 釧路の沿岸で獲れる魚種はとても多かったのですが 鯖や イワシなど今ではほとんど揚がらないものもあります 今考えれば 鮭を選択したのは正しい判断だったと思います ホタテ貝自動生剥き機 オートシェラー は 世界のシェアを押さえていると聞いています 海外展開のきっかけはなんだったのでしょう 生のホタテ貝から生のまま貝柱だけを自動で取り出す機械は 世界初となります ホタテは日本が養殖のメッカですが 北米や中国 韓国でも獲られており 海外から日本の養殖方法を学びに来る人も多いのです そんなことから 開発時点で海外でも売れると思っていましたので 海外出願も早い段階で行いました 16

21 < 事業を強くする知財活動 > 機械は 売り切りでしょうか また 消耗品などはどうしていますか 現在は 全て売り切りとしています 日本ではホタテの漁期は 10 ヶ月間ありますので 休漁期の2ヶ月でメンテナンスを行うことにしています 消耗品としては貝殻を固定する吸盤のパッドのほか 駆動部のベアリング シリンダなどがあります 自分でメンテナンスができる企業には消耗品を供給し そうでない企業には当社のスタッフが出向いて整備しています とくに珍しい消耗品ではありませんが 他から調達されるケースはないのでしょうか 今のところは聞いていません レンタル リースなどを中心に行う機械メーカーでは 消耗品にちょっとした工夫を加えて知財化し 供給を独占することもあります ライバルがひしめく業界ではそうしたことが日常的にやられていますが それをしていなくても消耗品を独占できているのは 顧客から信頼を得ているということなのでしょうね 製品に何かあった場合には 当社が整備 調整に介在せざるを得ないケースもありますので 消耗品を当社から買っておけば何かあったときに安心できるということでしょう 地方なので そうした関係を大事にする ということもあります 海外への供給の場合はどうしていますか 北米では現地の技術者に技術を習得してもらっており メンテナンス対応は任せていま す そうした技術者に独立されたり 技術流出のきっかけになることもありますが あくまでも信頼関係だと思っています 今のところそれ以上は考えていません 特許出願は会社名義ではなく社長の個人名義となっています 出願に際しては様々なリスクがあります 原則として社長の個人名義として無用のトラ ブルを回避することを 内規でも定めています 中途で退職する社員もいますし 中小企業では独立や技術の持ち出しなどのリスクは常にあります 17

22 < 事業を強くする知財活動 > 特許があって良かった という経験はありますか ホタテ 鮭など全ての製品にわたって言えることですが 特許がなければ模倣品が沢山 出ていたと思います 実際 出願し忘れて模倣された経験も持っています 水産加工は世界中で行われています 出願に際しては世界中をカバーする必要があると思いますが 負担ではありませんか 十数カ国で出願しており 費用も千数百万円かかっています しかし 投資効果がこれから出てくると思っています 鮭の頭を切る装置の開発にあたって 海外企業の保有する特許に抵触した話が先ほどありました これを回避した製品さえ作れば 資金繰りが苦しい中あえて特許出願をするというのは大変な決断だったと思いますが 正攻法で出願に至ったのはなぜでしょうか 中小企業にとって 特許を持つということは大事なことだという意識があります 国内でも同業者は多いですし 特許がなければすぐ模倣されてしまいます 一方 長いスパンで考えたとき 出願に要する 40~50 万の費用は決して高いとは言えません 特許があるから他社は参入してこないし これまで警告を送 ( る必要があっ ) った ということもありません 当社の機械は鮭で実績を作っていたため ハマチ用のニーズも得て九州などでも使われています 海外では模倣品が出ているかどうかはなかなか分からないですが いざというときでも特許を持っているという安心感があります 地場産業のニーズに基づく開発が一貫して行われていますが そうしたニーズの把握など マーケティングは社長が行っているのでしょうか 営業担当者が顧客と話す中でニーズを拾ってきて報告し それをもとに開発対応をするかどうかを判断することが多いです 顧客が必要としているものを作れば売れるのは当然ですが 問題はタイムリーな提案ができるかどうか 独自の製品となっているかどうか です たとえば塩鮭を加工する際に 同じ鮭の中で塩分の濃さに濃淡が出てしまうことがどうしてもあります 顧客のこうした悩みをつかみ 鮭の身に均一にムラなく塩を含ませる機械を開発しました この機械は 水産加工を専門とする企業や 食品を扱う企業でも気づかなかったニーズを拾い上げることができたから 開発できたのです 当社の機械を使っ 18

23 < 事業を強くする知財活動 > て 100 億の売上をあげている企業もありますし 小売業者が当社の機械で加工した鮭でないと買わない と加工業者に指示するケースもでています この技術は 農産物にも応用が可能です 営業担当者が客先のニーズを拾ってくるということですが 営業担当者は技術者のご出身でしょうか 技術者ではありませんが 教育はしています 営業日報に客先とのやりとりを全て記録させており ( 社長である ) 私が毎日閲覧します 有望な情報があれば 必要に応じ技術者を交えて検討するようにしています 特許担当者はいるのでしょうか 専従ではありませんが 置いています 技術部門と特許事務所との窓口となることが主 な役割です 従業員に対する意識付けはどうされていますか 折々に若い社員と夢を語り合ったりしていますが どれだけ思いを共有できているかは不明です しかし ものを作るとはどういうことか を伝えていきたいと思っています 動機付けについては 開発 特許出願に至るプロセスで貢献した社員には 特許取得の有無にかかわらず一定の報奨金を出しています 当初の製品開発のため借金をして鮭を 10t 購入したお話がありました 現在でも新規 開発にあたっては対象となる原材料を購入されていることと思いますが そうした原材料の購入費用は 開発コストに占める割合が相当高くなっているのではないでしょうか 結構な割合になりますが 継続的にやってきたので原材料の調達は以前より効率的にはなっています この地域には 素材は良いもの がたくさんありますが それを効率的に加工する技術がありませんでした 当社の技術が少しでも地域に貢献し 地域での存在価値を発揮できればと思っています 19

24 < 事業を強くする知財活動 > 解説 ニッコーの知財活動のポイント (1) 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ 私がやってきたことを 知財経営 と言うのでしょうかねえ ヒアリングに訪れた我々を出迎えてくださった経営者は 冒頭でそうおっしゃいました 理論的な 知財経営 が彼の頭の中にあったのではなく 経営者として 特許制度を使ってビジネスをしなければ! と自然に思い至り 行動してきたからそのような言葉になったのでしょう こんな技術があるから何かに使えないだろうか といった 知財 ( 技術 ) ありき ではありません 鮮魚の加工作業はこんなに大変 だから何とか楽になりたい ( してあげたい ) という自然体からスタートし 特許制度をどのように活用したらよいのかを自然に考えているのです 換言すれば マーケティング活動 ( 資金調達 ) 開発 知財活動 という順となります (2) 知財活動の基本的な考え方と成果 ニーズに応える ということがビジネスのスタートです マーケティング と称される学問体系やアクションプランが経営者の頭の中にあったのでしょうか? 結果としては マーケティングを行い その結果を開発に活かしています しかし 経営者の直観 を 我々が事後的に分析しているに過ぎません 会社という生き物を生存させ続けるため 経営者というその生き物の 頭脳 が 取捨選択したことの中に マーケティング が自然に存在しています そのマーケティング活動から得た開発方針にて開発を行います 開発成果については 特許を取得しなければ真似される との危機感から特許出願をすることがルーチンとして定着しています 20

25 < 事業を強くする知財活動 > (3) 知財活動における具体的な留意点 模倣されることによって失うお客や市場を考えれば 特許出願に要する費用は高くない と強く認識されています 海外に対する考え方も 基本的には同じです 社内的な知財活動の一つとしていわゆる職務発明制度がありますが この会社においては 労使どちらの貢献度が高いのか といった拮抗した関係から生まれる職務発明制度ではありません 人材育成のツール モチベーション維持の仕掛けとして 報奨制度 が運営されているのです マーケティングを重視しています すなわち 営業マンが日々活動して情報収集し 開発用に加工対象までも購入するなどして開発に投資をして やっと新製品が出来上がっています これを単に真似されては 自ら切り開いた道の真ん中で踏みつぶされて他人が先に行くようなもの そんな理不尽なことがないようにするのが知財制度なのであり それを活用するのは当たり前 といったところでしょうか 社内への啓発活動や人材育成にも力を入れています 堅苦しい感じが残るルール としての職務発明制度ではなく 人材育成のツール モチベーション維持の仕掛けとしての 報奨制度 が存在しています 地域への貢献を継続するには 自社の人材育成が重要である と経営者が認識されていることの現れではないでしょうか (4) その他 特許がなければ模倣品がたくさん出ていたと思います 中小企業にとって特許は大事です 特許制度が無くては会社が存続できない と言わんばかりの言葉です 重要性は教えられなくても分かっている というところでしょうか 鮭の頭を落とし 腹を捌いて内臓を取り出すという機械の開発に際して 鮭を 10 トン購入し 冷凍倉庫で保存しつつ開発を進めました 資金は親類から借りるなどして調達したとのことですが そうしたリスクを負って開発した成果を 簡単に他社に真似られてたまるか! という自然な気持ちが特許制度の活用につながっているのでしょう 21

26 < 事業を強くする知財活動 > ココが大事! 経営者の思い入れをベースにした経営方針を意識して それに基づく知財戦略を考える 経営者は 思い入れを秘めて組織を興したり 経営を引き継いだりしています 思い入れ ( 夢 ) と組織の生き残り ( 現実 ) とのギャップに苦しみつつ 生き延びるための智恵と行動力とを備えていらっしゃいます その経営者の行動力を支援するツールとして 知財という道具やその使い方 を考えるのが第一ステップでしょう さて 生き残る という現実をクリアできるという見込みが立ったら 思い入れ ( 夢 ) に立ち返りたい と経営者は考えるでしょう ところが その見込みは簡単には立ちません また 見込みが立つ と判断する基準も 経営者の慎重さや大胆さなど性格的なものや そのときの環境条件によって まちまちです とはいえ 行動力の源である思い入れに立ち返らず ツールの使い方のみに習熟していくことは 経営者としてはあり得ません 組織を興したり経営を引き継いだ思い入れ ( 原点 ) に根付いた知財戦略こそ 組織に定着し 当たり前のように運営されるのではないでしょうか ( 的場成夫 ) 22

27 < 事業を強くする知財活動 > 視点 2 知財活動も必要な投資の一つと位置付け 投資計画の中でのメリハリを付けた配分を考える - 株式会社シード 株式会社シードの概要 業種 文具等製造業 代表者 代表取締役社長西岡靖博 所在地 大阪市都島区内代町 3 丁目 5-25 資本金 4,000 万円 従業員数 80 名 沿革 大正 4 年 (1915 年 ) 株式会社三木康作ゴム製造所として創業 シードゴム工業を経て 2002 年より現社名 2003 年にベトナムに生産拠点を設置 株式会社シードの歴史は古く 大正 4 年にゴム製品製造業として創業しています 昭和 29 年 (1954 年 ) に 軟質塩化ビニール樹脂の字消し効果を発見して製法特許を取得 昭和 33 年 ( 1958 年 ) に世界で初めてプラスチック消しゴムを製品化しました 昭和 43 年 ( 1968 年 ) に発売した レーダー シリーズは現在まで続くロングセラー商品となっています 同社のプラスチック消しゴムは文具メーカー各社にOEM 供給されており 国内最大のシェアを獲得しています またOA 化が進み消しゴム需要の先行きが不透明となりつつあった 1980 年代には消しゴムに代わる新たな修正文具の開発に着手 平成元年 ( 1989 年 ) には世界で初めて修正テープの製品化に成功しました それまでの修正具は修正液が主体でしたが 乾くのが遅い においがきつい 衣服に付くと取れないなどの消しゴム レーダー と修正テープ問題点が多く指摘されていました これに対し同社では ドライタイプの膜状のものを転写する ( 白いテープで字を隠す ) ことを考え 修正テープの開発に成功しました 製品化後も改良を重ね 平成 3 年 (1991 年 ) には自動的に巻き取りができるタイプの製品を発表 以後急速に普及が進み 平成 13 年 (2001 年 ) 頃には販売金額で修正液を上回ったと見られています これらの成果により 同社は 2008 年 元気なモノ作り企業 300 社 に選定されています 23

28 < 事業を強くする知財活動 > 社長に聞く わが社の知財戦略 お話いただいた人代表取締役社長西岡靖博氏開発部長新谷全利氏 ( 聞き手土生哲也 ) 国内外で多くの特許を出願されていますが 特許出願などの知財活動に取り組む意義 意識について教えてください こういう戦略で と特に意識しているわけではないのですが 本来であれば当社が独占的な利益を上げられたはずの事業が 必要な手を打たずに他社に取られてしまうことは避けたいという思いで取り組んでいます 製品開発に当たってはそれなりの金額を投資していますので 投資した資金を少しでも回収したいということもあります 当社は 20 数億の売上規模の企業ですが 売上がその水準だと経常利益が7% くらいは出ていないと開発投資を継続することができません 機械を1 台買うのにも数千万円はかかりますし 特許費用も含めて開発した製品を事業化して回収していかないと 次につなげていくことができません 特許を出願しても ほとんどの出願は拒絶理由通知を受けます 特許を取得するためには そこから本格的にいろいろなコストがかかってきます その段階からどこまで頑張るか とことんやるべきかどうかを判断しながらやっていますが 最終的には特許も含めて投資した金額がしっかり回収できるかという視点で判断しています 投資を回収するためには やはり権利を取ることが重要です しかし権利がすぐに利益につながるわけではありませんので ライセンスによって投資を回収することを考えることもあります 結果的に利益に結び付かない特許も少なくないので 権利を取ったとしても事業につながらないと判断すれば放棄して 事業に有効なものに資金を集中するようにしています 中小企業では 何もかもに資金を投じることはできません 利益に結び付くかどうかの計算は常にしています 投資回収を意識されているということは 特許関連も予算を決めて取り組んでいるのでしょうか それぞれの開発プロジェクト毎に開発費の何 % を特許費用に という考え方はとっていません 特許関連については 年度の予算の中で全体でいくらという枠を設けています 上限を定めた範囲で 有力なものに資金を集中する ということです 既に取得している権利や出願したものを放棄して そこで浮いた費用を新規の出願に回すこともあります 既に取得している特許や出願した特許には A B Cと3つのランクをつけて管理しています Aランクはここ数年は維持する あるいは問題があっても死守するというもの 24

29 < 事業を強くする知財活動 > Bランクはどちらかと言えばあった方が良い 将来ものになるかも知れない というもの Cランクはいつ落としても良いというもの といった区分けになります このランクは常に見直ししていて 一度に数十件を入れ替えることもあります 特許は 特に海外に出願するのに費用がかかりますね 最近も 13 カ国を対象に出願したものがありますが 翻訳費用だけでも弁理士費用より高くなってしまいました 海外出願の比率はいかがでしょう 最近 10 年くらいの間に出願したものは ほとんど海外にも出願しています まとめて出 願するなど費用を削減する工夫はしていますが すぐに何千万円もかかってしまいますね 何千万円もあれば機械を購入する あるいは開発費用に回そうという企業が多いと思うのですが 何千万円かかっても それ以上の利益につながると思うからやるのです 国内で特許を出願すると発明を全て公開することになりますので 海外でも権利を取っておかないと事業を展開できません 例えば 当社の開発した修正テープは 他社へのライセンス製品も含めて年間 3 億個程度が当社の特許技術を用いて生産されており ライセンス料だけでも相当の金額になります 特に大企業が競合相手となる場合には 権利を押さえていないと危険です 模倣品が出ることもあると思いますが その場合はどのように対応しているのでしょうか 中国以外では きっちり対応するようにしています 最近は中国も対応しやすくなってきているかも知れませんが 偽物のさらに偽物が出てくる世界なので とても追いかけきれません 大手企業ではきちんと対応しているところもあり その対処方法について話を聞きましたが 膨大な対策費用がかかっているとのことです 中小企業ではとても対応できません 欧州の大企業にライセンスして そのライセンス先に対応してもらったことがありますが その企業も音を上げてしまいました 水際対応が精一杯 というのが実情です ただし こういう対応が課題になること自体が権利を持っていればこそであって 権利がなくては対応を考えることすらできません やはり権利を持つということは重要なことだと感じています 国内の大企業から模倣品が出るということはありませんか 25

30 < 事業を強くする知財活動 > 国内では緻密に対応しており それはありません 基本特許を持っていても 周辺特許を大企業に押さえられてしまうと クロスライセンスとなってしまって優位性が失われる可能性がありますが そこは十分に意識しているので 可能な限り周辺特許も含めて押さえるようにしています ただし それもむやみにやると費用がかかるので どこまでやるか という判断は必要ですが また 中小企業としては自社だけでどこまで供給ができるのか という問題もあります 爆発的に売れるようなヒット商品になると 当社の供給能力だけでは社会の需要に対応することができません そうした状況が模倣品を生む要因にもなるので 自社の生産能力だけで供給が間に合わない場合には 大企業にライセンスするという判断手法も必要になってきます こうした競合他社にライセンスするという判断は メーカーである当社にとってはジレンマでもあります そこは 自社で供給できない部分は他社に譲り ライセンス収入を得ることによって次の開発に取り組む という割り切りも必要なのでしょう 結局は 資金を回していく にはどうすればよいか ということに尽きます その 資金を回す ためのバランスの取り方が 中小企業経営の難しいところではないでしょうか 先ほど 何千万円あったら機械が買える という話がありましたが 例えば当社が5 千万円で買える機械は 他社であっても5 千万円で買うことができます しかし 特許をとれるのは発明をした当社だけであって 特許を取得した事業には他社が手を出せません 権利として確保していないと優位性を維持するのは難しいし その点で特許取得に費用をかけることも 資金を回す という基本的な考え方からは外れるものではありません 開発投資にしても 何が当たるかが分かるようなものではありません 途中であきらめたものが 実は続けていたらうまく行っていたかも知れませんし それは何とも言えません しかし 経験を積むうちに当たる確度は上がってきます 当社では取り組んだ開発案件のうち 少なくとも 50% 以上は事業化に行き着いていると思います 特許にかける費用も特別なことではなく 費用対効果の中で判断するものである そういう意味では設備投資や開発投資と変わらないということでしょうか そのとおりです ただし 効果がどの程度見込めるかは 事前に正確に予測できる性質のものではありません 相当な経営センスがあれば別かも知れませんが 実際はサイコロを転がすような部分があることは否めません しかし やっているうちに分かってくるところもあります 26

31 < 事業を強くする知財活動 > 例えば 社員の熱意というのも判断の基準の一つになってきます 社員に熱意があるということは そこに何かが見えているということです 新しい開発テーマで社員の熱意が感じられるものについては 開発にも特許取得にも資金を割いてみよう と判断することがあります また これまで全く世の中になかったような新製品については しっかり特許を出願するようにしています 修正テープはまさにそんな製品でした その他に 当社ではアイデア段階で特許を出願することはありません 出願費用が無駄になってしまうことをできるだけ避けるために 技術的に実現できる可能性が確認できた段階に入ってから 特許を出願するようにしています 修正テープのように 世界にも類のない製品はどのように生まれたのでしょうか 何かきっかけになったことがあったのでしょうか 当社は大正 4 年創立のゴム工場から始まっていますが 途中から消しゴム専業となりました 昭和 58 年頃コンピュータ時代と言われはじめ 鉛筆で書くよりコンピュータで印刷することが多くなっていくと 将来は消しゴムでは商売できないという危機感を抱き 印刷されたものを消す ことに取り組んだ成果が修正テープです 中小企業は時代の流れに乗ることが重要です 当社では 現在は 環境 分野に注力しており 製造に二酸化炭素発生量を抑制した消しゴムについて特許出願しているほか 時代に適った新たな視点の製品開発にも取り組んでいます 時代の先を読むのは大変ですが 流れに乗ることは可能と考えています 特許に関する社内体制はどうなっていますか 特許部長のほかに担当者がもう一人いて 他には社外の弁理士 2 人と弁護士 2 人の協力 を得ています その 6 人で特許に関する対応を行っています 発明者は特許に関する手続にどの程度まで関与しているのでしょうか 発明の内容について弁理士とやり取りすることはありますが 手続的な部分まで担当することはありません 当社では 特許部長と担当者が 製品開発の企画段階から参加して特許について必要な対応を行っています 特許部長は開発部門の出身で 製品開発の現場のことはよく分かっています 中小企業では特許担当 開発担当 営業担当といった明確な役割分担をすることは難しいです いつポジションが変わっても対応できる 多能工 が必要です 不足する分野が発生しても簡単に人材が採用できないためで これは中小企業の宿命のようなものです 27

32 < 事業を強くする知財活動 > 大企業の知的財産戦略では よく事業戦略 研究開発戦略 知的財産戦略が 三位一体 であることが必要と言われていますが 中小企業ではそれが人的にも一体であるということですね 中小企業の人材採用は容易ではありませんが 修正テープがヒットして注目されるようになったときには 面白そうな会社だ と言って入ってくる社員もいました その点では人材を得るために世に知られる会社になりたいし そのために特許を取る という側面もあります 以前に特許庁の出版物で貴社を取材したものがあり そこには 製法がわかりにくい消しゴムはノウハウとして守り 外からもわかりやすい修正テープは特許を重視する と書かれていましたが ここ数年は消しゴム関連の特許出願が増えているようです 何か方針に変化があったのでしょうか 基本的な考え方は変わっていませんが 新しい材料を使う分野はみんなが注目して 新しいビジネスを探しています そうなると 消しゴムについても文具メーカーだけが特許を出してくるわけではなく 全く想定していない異業種の企業が特許を出願してくる可能性も出てきます そのような外部環境の変化を考慮して 防衛的な目的からも特許を出願する意味を見直しているところです ノウハウという点では 社内の情報管理も重要です 当社では 特許を出願するまでは 社内であっても必要最小限のメンバーにしか発明の内容を知らせません いくら規程などで縛りをかけたとしても 家族などにポロッと話したのが漏れてしまう可能性も否定できませんから 少子化が進行していますが 消しゴムの事業も今後は厳しくなっていくのでしょうか とても厳しいと考えています 消しゴムの需要はあと 50 年くらいではないでしょうか その頃には世界に1 社あれば十分でしょう ライセンス製品やOEMも含めると 消しゴム市場のシェアの 80% 以上が当社の製品ですので なんとか生き残りたいと思っています 自社製品である Radar の製造 販売を続けているのは そういう将来を見越してのことです ライセンスだけだと技術力が失われていくし OEMばかりでも下請け化してしまいますから 意匠についてはどのように考えていますか 意匠権の実質的な効力はなかなかわかりにくい部分もありますが 28

33 < 事業を強くする知財活動 > 最近は 意匠も重視するようになっています 修正テープについては 特許を押さえていない国にも売っている例がありますが そういう国では意匠で対応できる場合があります 知的財産権に関する制度が整備され 権利が尊重されやすい先進国などでは やはり特許が有利ですが 特許の実効性が定かではない発展途上国などでは 模倣していることがわかり易い意匠のほうが効果的とも考えられます また 特許よりも取得コストを抑えられるというのも有利な点です 結局は 資金の問題が重要ですね 資金ということに関しては 逆に資金が必要だから権利を取得しない と判断する企業も多いと思います 効果的な知財活動を実践している企業では 社長が知財活動に関する投資と回収の考え方をしっかり整理されているという印象を受けます 回収を見越しながら投資の判断を下すのはとても難しいことですが 知財だから特別というのではなく 人や機械に投資するのと同じことです 採用するときにこの人が本当に戦力になるかどうかなんて なかなか分かりません どこかで思い切って判断する部分は必要です 私は 以前にある大企業でエンジニアとして働いていた経験があり その頃にある装置の構造が不自然になっていて その理由を訊ねたことがあるのですが 他社の特許に抵触するためというのがその理由でした その時に特許の効果を実感し その頃の体験が特許に対する知識や感覚のベースになっているのではないかと思います 教科書に書いてある知識だけでなく 現実的な特許の効果を目にされたことが原点にあるということですね 効果を十分に理解できていたかどうかは分かりませんが 技術開発の成果を守るためには権利を押さえることが必要だ ということは意識していました 知的財産戦略と特別に意識しているのではなく 中小企業が頑張って折角生み出した成果なのだから権利を確保しておかねば という意識で普通にやっていることです それが特別なことであるという意識はありません 29

34 < 事業を強くする知財活動 > 解説 シードの知財活動のポイント (1) 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ 開発 提案型の中小企業は 常に新しい製品を生み出していかないと生き残ることができません 新しい製品を生み出すためには開発費がかかり その開発費を確保するためには相応の利益率が実現できる事業を行うことが必要になります 目標となる利益水準を確保するという経営課題に対応するための手段の一つとして シードでは特許取得などの知財活動に取り組んでいます シードが会社として特許に取り組むきっかけということは特に思い当たらないとのことですが 社長ご自身が大企業の元エンジニアで その頃にある装置の構造が特許を回避するために不自然な形状になっているのを目にしたことがきっかけで 特許の効果を自然に意識するようになった とのことです 形式だけでなく 実効性のある知財活動に取り組むためには 教科書に書かれているような 特許権の効力 についての説明を受けるよりも 現物を目にし 特許等の現実的な効果を知ることの意味が大きいと思われます 支援者としても 単に知財活動の意義を教科書的な知識だけで説明するのではなく 具体例をもって示していくことが求められるところです (2) 知財活動の基本的な考え方と成果 企業経営は 投資とその回収が基本です 投資の回収に必要な特許は取っていかなければならないし 特許にかかった費用も回収していくよう工夫していかなければなりません 特許も将来に向けた製品開発のための投資の一部と捉えるべきものであり あまり特別な活動と意識しすぎないことが必要なのでしょう 研究開発と同様に 知財活動にもメリハリが必要です 特に 経営資源に限りのある中小企業では 回収が難しい投資は切り捨てて 必要性の高い部分に経営資源を集中投下していく判断が求められます 特許についても同様で メリハリをつけた投資判断が求められるところであり 事業活動において不要になった特許は大胆に切り捨てて その分を次の重要プロジェクトのための資金に回すことも考慮すべきでしょう 特許でしっかりと保護された製品が予想以上にヒットした場合には 自社の供給能力で需要に対応できるかが問題になってきます 自社の供給能力に限界がある場合には シードのように競合他社にライセンスすることが 社会の要求に応え 市場 30

35 < 事業を強くする知財活動 > 拡大のためには有効な場合もあるでしょう 自社による供給だけでは市場ニーズに応えきれない場合には 競合を排除して独占するという発想だけでなく 他社へのライセンスによる市場拡大も検討事項になると考えられます (3) 知財活動における具体的な留意点 シードでは 特許関連の予算に年度単位での上限を設定し その範囲で重要な案件に随時予算をシフトさせているとのことです こうした判断は設備投資などと特に異なるものではなく 知財活動の支出が過大にならないように予算に上限を設定するとしても その使い方が硬直的にならないように 予算を柔軟にシフトできるよう計画することが望ましいと言えます この点は大企業のほうが難しい課題であり 重点分野へのシフトを柔軟に行いやすいのは むしろ中小企業の強みにもなるものなので 予算も含めた知財活動の計画作成を支援する際には 留意しておきたいところです シードでは 取得した特許や出願した特許への対応にメリハリをつけやすいように 特許にランク付けをして管理しています 出願をするかどうかの判断においては 社員の熱意を判断の一要素としているとのことですが 社員に熱意があるということは何らかの考えや見通しがあるはずというのがその理由です また 世界初となるような製品に関する発明については 必ず特許を出願しているとのことです これらの考え方は 社内で特許の維持管理や出願の判断に関する基準を策定する際の参考にできるのではないでしょうか シードでは 出願費用が無駄になってしまわないように アイデア段階で出願することはせず 技術的に実現できる可能性が確認できた段階に入ってから出願するようにしているとのことです このような選別方法は 中小企業が無駄な出願を抑えて予算を有効活用するために参考になる考え方の一つと言えます 競合など外部への対策として特許に取り組むとともに 社内 ( 内部 ) については情報管理が重要になります 特許出願する発明について シードでは 社内においても出願が完了するまでは必要最小限の範囲の社員にしか発明の内容を公開しないとのことですが 出願までの社内での情報管理にも十分に配慮すべきでしょう 外国での権利取得について シードでは 権利を尊重する土壌がある国 ( 主に先進国 ) では比較的効果が期待できるとして特許を重視しているものの 市場の小さい国や 知的財産権に関する制度の整備が進んでいない国 ( 主に発展途上国 ) については 権利侵害等の対処に時間や労力を要する特許より 外部から見て権利侵害がわかりやすい意匠を重視しているとのことです 多額の費用がかかる外国での権利取得は中小企業の共通課題となっていますが 意匠を併用した同社のような考え方も一案でしょう 31

36 < 事業を強くする知財活動 > 知財担当者と発明者との関係がスムーズにいくためには 知財担当者を誰にするかが重要なポイントになります 開発の現場がわかっている人であることは 円滑な活動を支えるための条件の1つと言えるので 支援者が社内担当の選定に関与する場合には意識しておきたいところです (4) その他 特許に使う予算があるなら設備投資や開発投資に回したほうがよい という意見に対して 機械はお金を出せば誰にでも買えるが 特許は発明した人しか手に入れることができない という趣旨のコメントをいただきました このコメントは 同じように資金を投下する投資活動の中でも 他社との差別化要因に直結するものであるという 特許の特徴的な性質をよく捉えた表現であると言えます 支援者が事業戦略上 特許が必要と考えた場面において 経営者の理解が十分に得られない場合には 経営者に特許に資金を投下する意味を説明するために使える考え方と言えそうです 知財担当に限ったことでありませんが 中小企業の社員は担当以外の業務でも何でもやらなければならないとのことです 状況によっては知財担当者が他の業務も担当することが必要になる場合もあり 支援者が中小企業に知財担当者の紹介を行う際には 知財業務のスキルだけでなく 中小企業に適した人材の前提条件として 他の業務にも対応できるかという点も考慮できるとよいでしょう 知財活動も必要な投資の一つと位置付け 投資計画の中でのメリハリを付けた配分を考える 開発 提案型の企業では 投資 回収のサイクルを円滑に進めることココが大事! が最大の経営課題であり 経営者がその視点で資金を投下するかどうか その活動に効果があるかどうかを判断します 経営課題に沿った知財活動を実践するためには 知財活動を設備投資や開発投資の回収にどのように役立つものとするか 知財活動に対する投資をどのように回収するか と支援者も経営者と同じ目線で考えることが求められます ここでは 知財活動も必要な投資の一つと位置付ける という意識で経営者と向き合っていくことを 支援者に求められる視点として提示しておきたいと思います ( 土生哲也 ) 32

37 < 事業を強くする知財活動 > 視点 3 投資をしている事業 リスクをとっている事業に注目して その事業を支える知財活動を推進する - 田川産業株式会社 田川産業株式会社の概要 業種 窯業土石製造業 化学工学 代表者 代表取締役行平信義 所在地 福岡県田川市大字弓削田 1924 番地本社所在地に販売子会社 中国上海に関連会社を有する 資本金 1,000 万円 従業員数 33 名 沿革 大正 13 年 行平化学工業所 として創業し 昭和 21 年田川産業株式会社を設立 田川産業株式会社は大正 13 年 (1924 年 ) 石炭と石灰の産地 田川市に創立されました 創業以来 鉱物資源である石灰石に由来するカルシウムの有効利用の研究に専心し 各種の建材を製造してきましたが 昭和 39 年に日本で初めての既調合漆喰 城かべ を開発 発売以降 漆喰の専門メーカーとして特化しました それまで漆喰は 左官さんが原料を調達して漆喰に調整していましたが 材料管理上 現場管理上からも大変手間のかかる作業となっていました こうしたことから既調合の漆喰は徐々に市場に受け入れられるようになりました 城かべシリーズは 高級城かべ ( 昭和 52 年 ) 城かべ本練り ( 昭和 57 年 ) 城かべ古代しっくい ( 昭和 61 年 ) と品質改良と新製品開発によりラインアップが充実し また平成 6 年には天然壁材ブランド 壁公望 を設立し海外展開を行うなど 同社は着実な展開を進めてきました このように漆喰の限界への挑戦を続ける中漆喰セラミック LIMIX で 平成 8 年から非焼成漆喰セラミックの開発に着手 試行錯誤の末に平成 15 年 LIMI X として商品化に成功しました 漆喰ならではの心地よさ 質感 高級感をそのままに 壁 床などあらゆるシーンで使用できる新素材建材として注目を集めています 同製品は 2003 年度 2004 年度のグッドデザイン賞特別賞 2007 年には第 2 回日本ものづくり大賞内閣総理大臣賞を受賞するなど 高い評価を得ています 33

38 < 事業を強くする知財活動 > 社長に聞く わが社の知財戦略 お話いただいた人代表取締役行平信義氏 ( 聞き手土生哲也 ) 知財活動に力を入れる あるいは知財の重要性に気づいたきっかけは何でしょうか 当社は創業 84 年になりますが特許との関わりは古く 最初の特許は昭和 50 年に取得しています その後には特許出願を行わなかった時期もがありますが 何か新しい商品開発をしないと老舗というだけではやっていけないという思いがあり 私が入社した平成 4 年以降は軽量モルタルや漆喰ボードの開発などに取り組んできました こうした研究開発の過程で 大学や取引先との共同研究や共同での特許出願の経験なども積んできて 特許についていろいろ勉強して慣れるようになってきました 当初は大学や取引先側が主導することが多く 当社はどちらかというと受け身的な開発姿勢でしたが 次第にオリジナル商品の重要性に気づいてきました そんな中 平成 8 年から5 年ほどかけてLIMIXの開発に取り組みました 同時に 大企業が大量の資金を投入して同じ製品の開発に取り組んだら 当社はひとたまりもありません それを防衛する手段は特許しかないと考えていました 実際特許が取得できたのは事業化の後ですが それまでは技術情報が外部に漏れないように相当の注意を払っていました 特許取得の過程ではいろいろ苦労しましたが 重要と考えていた特許をおさえることができました 御社としては開発に相当の投資をしたのに 大企業に模倣されたら投資が回収できないから特許が必要と考えた ということなのでしょうか LIMIXは社運をかけた開発事業で 年商を上回るような額の投資をしてきました 当社にとっては巨額の投資であり 大きなリスクをとったことになりますが 大企業から見ればそれほど大きな金額ではないでしょう そのギャップを埋めるのは特許しかない と思っていました まず特許ありき ではないし 特許を取ることが目的ではありません これだけ大きなリスクをとった事業を成功させるためには特許がなければ困るだろう ということから取り組みを強化したものです 御社の事業はノウハウ的な要素が強いように見えますが 技術を隠しきれないという見通しもあったのでしょうか 34

39 < 事業を強くする知財活動 > 技術情報を外部に出さないようにして ノウハウとして管理している部分もあります ただ ノウハウとして管理すべきものと 特許として押さえるべきものを選別することは 我々だけでは難しい部分があります 自分たちだけで判断が難しい部分については 弁理士と相談するようにしています 例えばLIMIXの原理はシンプルなものなのですが 製品にしようとするとその他にも様々なノウハウが必要です シンプルなところを特許で押さえておけば ノウハウとあわせて2 重の防御となります 基本となる特許のあとにも様々な出願を続けており また共同出願も多いようです 一つの特許で事業を守りきれるとは思っていません 大企業が必死になれば 特許を無効にされてしまうこともあるので 新たに必要になった発明は順次出願するようにしています 共同出願については 産学官連携事業などで共同研究を行う機会が多いのですが その事業において 特許によって発明を守る最もよい方法は 大企業と共同出願することだ という話を聞いたことがあります 大企業は類似品 模倣品が出たときの対処方法 戦い方をよく知っているので 大企業と利害を共通にすることで発明を守ってもらうことができるということです 大きなリスクをとってLIMIXの開発に取り組んで来たということですが 開発目標が達成できれば相当なマーケットがあるという確証が当初からあったのでしょうか 自分の中では手応えはありました それは例えばハウスメーカー側にニーズがあったということでしょうか もともとハウスメーカーが欲しがっていたのはタイル状の成型品ではなく漆喰ボードでした それ自体は開発することができなかったのですが 漆喰セラミック (LIMIX) なら可能だと思いました しかし 漆喰セラミックについての具体的なニーズを把握していたわけではありません そこは直感でしかありません 漆喰ボードの可能性について一生懸命考えていたときに 偶然ですが 漆喰ボードとは直接関係ないある技術に巡り会い それが漆喰セラミックの開発につながりました 漆喰ボードのことを強く考えていたからこそ その技術にも目が行ったのだと思います 漆喰を使って成型品を作るというニーズには基づいていますし ニーズを理解していたからこそ 漆喰セラミックという製品を開発できたということです 35

40 < 事業を強くする知財活動 > これまでに LIMIX の類似品は市場に出てきていないのでしょうか 特に見当たりません 海外展開のために国際出願も考えましたが 1 千万円単位の費用がかかると言われ 残念ながらあきらめざるをえませんでした 海外展開に際してはその点が問題になる可能性もありますが 他の部分で特許が取れるか考えていきたいし ノウハウの充実で競争力を確保していきたいと考えています 建材という製品の性格から 長年の実績 実際に製品を長く使っているユーザーからの信頼といった要素が 他社の参入を阻んでいる という側面もあるのではないでしょうか LIMIXはそもそも模倣することが難しい製品であり さらに品質を維持しながら採算性を確保することにも大きなリスクのある製品です そうした事業そのものの難しさが参入障壁になっている側面もあるのではないかと考えています この事業には 億単位の先行投資をしないと参入することができません 当社は5 年程度の期間をかけて 品質の確保や量産体制の確立などを進めてきましたし 覚悟をして相応の時間と費用をかけないと参入は難しいでしょう 中小企業は 技術開発型で オンリーワン ナンバーワンでないと生き残れません 大企業手は規模で勝負できますが 中小企業はそういうわけにはいきません LIMIX はデザインにも注力したということです 技術が優れているとか エコロジーであるといった点を強調しても ユーザーはこうした要素をそれほど重要だとは思っていません ユーザーにとっては おしゃれである とか かわいい とか 見栄えのよさが有力な決定要因になります 当初はデザインも社内でやっていました 設計士と摺り合わせしながら開発し 施工実績を積んでアピールしてきました そういった御社の製品のデザインが 他の素材を用いた他社製品に模倣されるということはないのでしょうか デザインというのは形状だけではなく 製品のコンセプトや質感などトータルな要素が表れるものだと考えています いろいろと試行錯誤をしてきましたが 結局ベストのデザインは 漆喰の 白 を活かしたものに行き着きました 展示会等でも高い評価を得ていますが 漆喰にしか出せない 白 があるということです 36

41 < 事業を強くする知財活動 > とは言っても この技術を用いることでしか表現できないことがいろいろありますので 白だけには拘っていません ある顧客 ( 建材商社 ) から言われたことに 必然のデザイン という言葉があります その技術だから その製品だから 必然的にそのようなデザインになる というものがあるということです タイルを真似したものや 自然石を真似したものにとどまってはいけないのです この製品だからできる この技術でしかできない そういった必然的なデザインが必ずあり 必然的なデザインこそが最も美しい ということです 発想の原点として 従来の漆喰にできないことをやろうという思いがあったのでしょうか 漆喰は壁に塗るものですが 成型品にすれば床材としても使えるだろう というのがそもそもの発想です 漆喰をトータルで使った空間ができることになります もともと素材として優れたものなので 用途を拡げれば利用されると思っていました 製品開発 知財活動に関する社内体制はどうなっていますか 基本的な方針の決定など戦略的な部分の判断は社長である私がやっていますが 研究室のスタッフには 知財についてもある程度分かるようにしています ただし 過度な負担を負わせることはあまり効率がよくないので 明細書の作成まで担当することはなく その部分は弁理士に依頼しています 社長だけでなく スタッフからも製品開発のアイデアがあがってくることがあるのでしょうか 研究室のスタッフからの提案もありますが 一番重要なことは営業担当者が集めてくるユーザーサイドの現場の声をしっかり把握して製品開発を進めるということです 営業担当者が現場の情報を集めて開発部門に伝えることが重要ですが そうした連携を積極的にできるかどうかは 主に意識の問題です なまじ知識があると 最初からダメな理由を探してしまいます とにかくやってみよう という意識がないと前に進みません 知識より意識が大事 ということです 37

42 < 事業を強くする知財活動 > 解説 田川産業の知財活動のポイント (1) 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ 固有のノウハウを有し 安定的な需要が見込めるように見える老舗企業の田川産業でも それだけでは生き残れない 時代に合った新製品の開発が必要 という経営課題を常に意識しているとのことです 田川産業も 以前は目的や効果が明確でないままに特許出願を行った時期があったようですが LIMIXという新製品を開発する過程では 明らかに明確な目的意識から特許出願が行われるようになりました 大学や取引先の大企業との共同開発の経験から 特許の現実的な効果や具体的な手法を理解するようになったことがそのきっかけとなっており 研究開発における外部との交流が 目的を明確にした特許出願のきっかけとなっています 中小企業にとっては 教科書的な特許に関する知識だけでなく その実質的な目的や効果を理解する機会を得ることが 実行性のある活動を進める上で重要と考えられます 新製品開発に特許が必須と考えた理由は 大きなリスクを負って研究開発 事業化に投資をしているから ということです 中小企業にとっては社運をかけた大きな投資であっても 大企業からみれば何でもない金額であることが多く 大企業がより多くの資金を投下して市場に参入してきたら 先行者の優位性も簡単に失われてしまいかねません そのような事態を回避するためには 投資を回収するための手段として 特許の取得を含めた知財管理が必須になるということです (2) 知財活動の基本的な考え方と成果 特許の取得などの知財管理の目的は 中小企業が社運をかけて行った投資を回収することにあります 大きなリスクを負って研究開発 事業化に投資をしたのだから 投資回収のために可能な手を尽くすことは 当然のことであるといえるでしょう したがって 知財活動を支援する際には はじめにその企業が 何に投資をしているか どういうリスクを負っているか という点を把握することが重要になってきます 見方を変えれば 事業や研究開発で経営者が大きなリスクをとる判断をすることなく 特許をとれば何かいいことあるのでは? はじめに特許ありき といった事業目的の明確でない特許取得活動からは 十分な効果は期待しにくいといえるでしょう 38

43 < 事業を強くする知財活動 > (3) 知財活動における具体的な留意点 大企業と本格的に競合することになれば 取得した特許を特許無効審判によって無効にされたり 特許を回避した類似製品を開発されたりと 1つの特許だけでは保護が十分でないことが一般的です 1 件特許を取得したからといって安心することなく 新しいアイデアは順次出願していくことが必要です 大企業との研究開発にはいろいろ留意すべき点もありますが 特許ということに関して言えば 戦い方を知っている大企業と共同出願をすることは 戦い方に不慣れな中小企業にとっては有効な選択肢の一つになるでしょう 但し 共同出願を行う大企業とは 事業における利益を共有できること ( 製品の直接の競合相手にはならないこと ) が前提になります 一般に 職人芸 巧の技術 と言われる分野であっても 特許で保護する部分とノウハウの二段構えにすることによって 技術の保護が強化されます 技術情報を公開しなかった場合に模倣されるリスクがあるかどうかが 特許出願かノウハウ管理かを判断する基本的な考え方になりますが 中小企業の社内では判断が難しい場合もあるので その部分は専門家の知恵を借りることが効果的でしょう (4) その他 インタビューの中で 大事なのは 知識 より 意識 なまじ知識があるとできない理由から考えてしまう といった指摘がありました 支援者サイドでも 知識の提供だけに陥ることなく この企業をどのようにしたら支援できるか という強い 意識 をもって取り組むことを意識したいところです 顧客ニーズは重要な要素であるものの そのニーズを顧客に聞いて回ればよいものではない 常に自分の中で強く 意識 していれば 偶然に解決手段のヒントを得られることがある (LIMIXはそうやって生まれた製品) といったお話からも 意識 の重要性を確認することができます 新製品を売っていくためには 技術を磨き 特許を取得するだけでは十分でないことが少なくありません 特に デザインは商品を売るための重要な要素の一つになるが 結局のところ 技術開発によって生み出された新製品の競争力になり得るのは 技術を追求した結果として生まれた質感やデザインである 必然のデザイン こそが最も美しい というお話がありました 商品のデザインについて検討する際には 参考にしたい視点です 39

44 < 事業を強くする知財活動 > ココが大事! 投資をしている事業 リスクをとっている事業に注目して その事業を支える知財活動を推進する 知財活動 を支援するという意識だけで取り組むと 特許を取得することが目的化してしまい 事業活動から遊離してしまうおそれがあります 企業活動の基本は投資とその回収にあり 知財活動もそれを支えるものでなければ効果が得られません 投資をしている事業 リスクをとっている事業 に注目し その事業を支えることが知財活動の基本となることを 支援者の重要な視点として提示しておきたいと思います ( 土生哲也 ) 40

45 < 事業を強くする知財活動 > 視点 4 知財活動の成果を高めるために ビジネスモデル全体を描いた上で より効果的な権利取得や権利の活かし方を考える - 株式会社エルム 株式会社エルムの概要 業種 電気機械器具製造業 代表者 代表取締役宮原隆和 所在地 鹿児島県南さつま市加世田武田 資本金 4,875 万円 従業員数 35 名 沿革 昭和 52 年 (1977 年 ) 現専務で社長の実弟である宮原照昌氏がヤオキ電子として創業 昭和 55 年 (1980 年 ) 現社長が帰鹿し 株式会社エルムを設立 株式会社エルムは 1980 年に大阪のコンデンサーメーカーに勤務していた宮原社長が故郷の鹿児島県加世田市 ( 当時 ) にUターンし 3 年前にヤオキ電子を創業していた実弟とともに設立しました ちょうどICが普及し始めた時期でこれを使いこなす技術を持つ企業は少なく 大阪時代にこの技術を身につけていた宮原社長は電子応用機器の開発を事業の中心に据えました 当初の主力製品は開発経験がある生産工場向けの省力化機器で 中でもLED 検査装置は大手電機メーカーに採用され 現在まで取引が続く製品となっています 次に開発を指向したのは農業分野で オクラや球根などを自動包装するネット包装機を開発しました さらに 2001 年からは傷ついて読み取りができなくなったCD DVDなどの光ディスク修復装置を独自に開発し 生産を開始しました この製品はいまや世界中のビデオレンタル店や中古ディスク流通業 図書館等で利用されています 水をかけながらサンドペーパーで削る自動湿式研磨により従来の装置では修復に 30 分以上かかっていた深い傷でもわずか光ディスク修復装置 EDRシリーズ 4 分から 5 分で修復でき また平面修復技術により 繰返し修復が困難なDVDの多数回修復も可能としています 現在世界 32 ヶ国に出荷され 自動修復装置市場では 90% を超えるシェアを獲得しています こうした成果を踏まえ 2006 年 元気なモノ作り中小企業 300 社 2007 年第 2 回日本ものづくり大賞特別賞に選ばれ また宮原社長は平成 20 年度春に黄綬褒章を受章しています 41

46 < 事業を強くする知財活動 > 社長に聞く わが社の知財戦略 お話いただいた人代表取締役宮原隆和氏 ( 聞き手土生哲也 ) 知財活動 特に特許の取り組みに積極的に取り組むようになった あるいは特許の重要性に気づいたきっかけは何だったのでしょうか 当社では 1993 年には既に特許に関する報奨制度を作っています この背景には会社設立時の3つの夢があります それは 下請けをしない 一流の技術者が一流の仕事をする場を鹿児島に作る 鹿児島から世界を相手に仕事をする というものです 下請けをしない というのは言葉では簡単ですが 事業を全部自分で考えなければなりません 自分たちだけでその事業が最初から最後までできるわけでもないので 製造や販売など様々な面でパートナーが必要になります そのパートナーは自社より大きな会社である場合も多く そんなパートナーと対等に取引するには特許しかありません そこが特許に対する取り組みの原点です 自分自身が技術者ですので 技術をきちんと評価する会社づくりを志向していました 技術の評価にあたっては誰かの主観で評価するだけではだめで 特許になったという事実と その特許に関連する事業が売上に結びついたということが客観的で重要な指標となります 大企業では特許を取ったというだけで報奨金を出しているところもありますが 当社の場合は特許を取ったというだけでなく その成果が売上につながって初めて発明者に還元される仕組みを取っています その点でも 特許が会社の事業とつながっていると言えます 事業展開の上で 特許に力を入れることが必然の流れとなっているということですね 事業を海外に拡げていくと 特許はますます重要になります 海外でパートナーを求めると必ず特許を取っているかを確認されますし 特に欧米ではそれがないと相手にされません 国内ではあまり大きな問題にされることはありませんが 海外では権利に敏感です 当社の出願に対する周囲の関心も 海外と日本とではかなり異なります 日本では 当社の出願に他社から情報提供などが入ることは少ないですが 海外では良くコンペティターが何らかのアクションを起こしてきます 海外で特許を出願しても 結果的に模倣品が次から次に出てしまうことが多いので 意味がないという企業もあります それはおかしな考え方だと思います 模倣品が出てしまうような特許では そもそも特 42

47 < 事業を強くする知財活動 > 許の取り方に問題があるということです 模倣品の出ないような特許の取り方をしっかり考えることが重要です 海外のお話については マーケットに展開するきっかけとして特許を活用しているという印象を受けます 特許をきっかけにして現地の有力なパートナーと提携することができれば そこから先の事業展開は特許だけに頼らなくても現地のパートナーが強力に進めていくというシナリオが描けますね 光ディスク修復装置では 実際に競合機が出てきていないのでしょうか 光ディスクを修復する装置は海外でも製品化されていますが 当社のような自動機ではありません 特許とノウハウの両面で 例えば重要な部品は物理的に分解ができないように工夫をするとか そうした部分も含めて他社の参入を阻むことができていると思います アメリカでは 当社のコピー製品を作っている企業がありますが 単純なコピー製品にはそこからの発展性がなく 進化を続ける当社製品とは実質的に競合するようなものではないと思うので 怖くはありません ただ これは一つの重要なアドバイスですが 契約書には特許以上の力があることを認識しておく必要があります 何故かと云うと 契約書にコピー製品の製造を認めるような条項が入っていたら 特許権を行使できなくなってしまうからです パートナー等との間で交わす契約書については細かい文言までチェックをしておくことが必要です 装置については 特許の他にもノウハウで保護している部分が多々あるため 装置のシェアに特許がどの程度効いているかは明らかではありませんが ディスクの表面を研磨するパッドは別です これは特許で守られていなければ 模倣品が大量に出てきてしまうと思います このパッドは消耗品で 使用を重ねれば交換が必要となります パソコン用プリンターのインクなどがまさにそうですが 装置を販売するより互換性のない消耗品を販売する方が手堅いビジネスになります 機械や装置を売るのではなく 消耗品を販売するビジネスのほうが会社の収益を支える基盤になると考えたので 特許も消耗品を保護することに注力しました パッドの他には 水をリサイクルするシステムについても 他の装置でも応用できる可能性があると考えて権利化しています こうした特許の対象となる製品のビジネスモデルは 開発に着手する時点からある程度描いています 特許戦略もそのビジネスモデルに基づいて考えています 特許を取るべきところと 取っても意味がないところについてなど ある程度最初に全体のフレームワークができているのです 最も効果的 効率的な部分にターゲットを定めているということですね 機械装置に関して特許を取ったとしても 回避する手段はいくらでもあることが多いと 43

48 < 事業を強くする知財活動 > 思います 機構を少し変えることによって 特許権に抵触しないで同じような製品を作れることが多いということです 逆に シンプルなものほど回避が難しいものです パッドは構造が単純なので そういうものの方が特許で保護しやすいと言えます 特許については シンプルなものを対象にするほど価値が高い というのが基本的な考え方です 複雑な構造に関する特許は 少し構造を変えれば回避されてしまいます その点で 当社の特許戦略は 効果の高い部分を狙ったピンポイント方式が基本になっています これまでにも 装置全体をカバーするような特許を取ったとか 一つの装置に用いられる様々な要素を大量に出願した といったことはありません そうした判断は社長ご自身がされているのでしょうか 一人で全てというわけではありませんが 基本的な方針部分は私が考え 判断しています もちろん社内で議論を重ねていますし 社員からの提案もよく聞いた上でのことです 当社の製品開発は 機械 電気 ソフトウェアの3つの技術部門が連携して進められますので それぞれの部門から人が出て いろいろなケースを想定した検討をしています 結局 中小企業に必要なものは収益に結び付くビジネスモデルを作ることです ビジネスモデルがしっかりしていなければ 特許を取ることだけが目的になってしまって意味がありません 特許に関する社内体制 スタッフはどうなっていますか 専任スタッフは置いていません 弁理士とのやりとりも私がやっていますし 明細書も私が見ていますので 体制 というようなものでもありません 弁理士に社内講習会などやってもらってはいますが 特許を私自身が担当している理由には 3つの技術分野が全部分かるスタッフがいないこともあります 結局は自分が仕切らないと難しいです 各分野を横断的に見られる社員を育てる必要性を感じています 貴社で働く技術者はどこのご出身が多いですか 鹿児島県出身者が殆どですが 社員の 7~8 割は県外で一旦勤めていた U ターンです 鹿児島にはハイテク製品を先進国に出荷している企業は他にありません 地方の企業にもそれができるということをアピールしていきたいと考えています それが貴社が設立されたときの目標の一つである 一流の技術者が働く場所をつくる ということですね それに関連した質問ですが 特許を出願することを技術者のインセン 44

49 < 事業を強くする知財活動 > ティブと位置付けて 研究開発の活性化に活用されている企業もありますが 貴社ではどうでしょうか 当社の制度だと 給与として支給される金額より 特許の報奨金の方が多くなることもある と技術者には言っています 当社の報奨金は売上の1% ですから 売上が 10 億円を超える製品を生み出せば 報奨金は 1 千万円を超えるということです 報奨金のルールは明確に定めていますので 社員から不満の声も出ていませんし やりがいもあると考えているようです 特許を出願せずにノウハウとして管理することを選択した場合には 残念ながら報奨金の対象とはなりませんが 賞与などで配慮するようにしています それが不満につながっては意味がありませんので 貴社の立地と 事業や製品との間に関係や必然性はありますか ネット包装装置などはまさに地元の農業のニーズから出てきたものです また 既に製品化しているLED 電球 ( ダウンライト用 農業用 ) は 地元で盛んな電照菊用の照明から考えたものです 消費電力は従来電球より小さくランニングコストは軽減されますが 農家にとっては初期投資の負担がたいへんです そこで 農家の負担を軽減するような新しいビジネスモデルを考えて 当社の製品を販売できるようにいろいろ工夫をしているところです 開発した製品そのものが優れていないと そもそもビジネスモデル自体が成立しませんが 優れた製品を作るだけでもビジネスは成り立ちません 製品に拘りのある技術者は そこで失敗してしまうことが多いようです 開発段階からビジネスモデルのストーリーができていて その中で必要に応じて かつビジネスモデルにおいて効果的な部分で特許を取得する ということですね 当社のような開発型の中小企業は そうしたビジネスモデルがしっかりできていなければ生き残れません どのようなビジネスモデルが成り立つかを考えた上で 特許の必要性や効果を検討するということです 開発ニーズの把握から売れる仕組みを作り上げるまで どのようにビジネスモデルを作り上げていくのでしょうか そこに地方にある企業ならではの特徴はあるのでしょうか 開発ニーズについては 外部から様々な相談が持ち込まれてきます 当社は技術開発においては鹿児島でも先頭を走っている企業だと思いますので 県の公的機関に持ち込まれた相談が回ってくることも多くありますし 県外からわざわざ訪ねて来られる方もいらっ 45

50 < 事業を強くする知財活動 > しゃいます LED 電球は日本経済新聞の1 面で紹介いただいたこともあり 大手企業も含めて引き合いは多くなっています 地方企業にとって メディアをうまく使うことは重要です LED 電球について言えば 電照菊用のLED 電球を作ってほしい というニーズを誰かから言われたわけではありません そもそもの発端は 電照菊農家の集積した地域の電照用電気代が月に何千万円にもなる という話を聞いたことにあります ニーズが明かになってからでは遅く ニーズが顕在化する前に 何が求められているのかを自ら考える姿勢が重要です そのためには LEDで作れば省電力になることや 植物の育成には赤色 LEDが効果的である といった基礎知識を予め知っていなければなりません 得ておくことも必要です また LED 電球を農家に使ってもらうためには 販売価格が重要な要素になります 幾ら良いものでも 価格に値ごろ感が無いと農家に買ってもらえません ここで 重要なことは無い物を生み出す ( 技術開発 製品開発 ) のと同様に 売る事にも開発が必要だという事です 良い製品ができて 良い売り方ができると事業は確実に成功します ですから この売り方の開発にももっと目を向ける必要があると思います 逆に言うと この二つの要素を両立できる見込みがない事業に手を出すと失敗する確率が高いと思います 事業を開始する前に そうしたビジネスモデルの全体像まで想定するという能力を 技術者出身である社長はどのように身につけられたのでしょうか 私も以前は 良い製品を作れば必ず売れるはず という思いだけで走ってきた時期がありましたが かつてゴルフの練習器を開発 販売した際の失敗経験が糧となっています 良い製品だという自負はありましたが 衝動買いできる価格でなく 値段に見合うだけの付加価値もなかったため 残念ながら売れませんでした ビジネスというのは しっかりした戦略を立てて臨まなければならないということに気づいたきっかけとなっています 作ること 生み出すことと売ることには同じくらいの資金もエネルギーも必要です そこが分かって初めてビジネスが見えてきました これまでのお話を伺いますと 知財戦略が先にあるのではなく 事業戦略を組み立てる中で知財をどう使うか という発想が重要と感じます 特許関連のセミナーなどでは 特許をどう取るか どう活用するか といったテーマを論じられること多いように思います 私はそれよりも どう取るか どう活用するかの前に 特許をどう生み出すかからスタートしなければ と考えています 守るものがないのに どう守るか を議論しても意味がありません 当社の知財への取り組みは はじめに知財戦略があったのではなく 事業をやっていく上で自然な流れで始まっています 46

51 < 事業を強くする知財活動 > 解説 エルムの知財活動のポイント (1) 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ エルムは設立時から 技術を軸に据えて 下請けをしない 世界を相手にする企業となることを経営目標として掲げています 大企業の下請けではなく 対等なパートナーとして協力関係を築いていくためには ( 特に権利に敏感な海外では ) 特許の力が必要というのが基本認識となっています すなわち 海外も含めた自社より規模の大きなパートナーと対等にビジネスするために特許が重要であるという意識が 知財活動を必要とする原点になっていると考えられます 社長ご自身がエンジニアの出身であることも エルムが特許を含めた知財活動に積極的に取り組んでいる一因と言えるでしょう 事業における効果だけでなく 社内で発明をできるだけ客観的に評価する指標としても 特許を有効な手段と位置付けています 但し そこでいう客観的な評価とは 特許の技術的価値を基準とするものではなく どれだけ売上や利益に貢献したかが基準になっているところも 事業に必要な特許取得を奨励するポイントになっています (2) 知財活動の基本的な考え方と成果 エルムでは 発明を守るという発想が第一にあるのではなく 同社のビジネスモデル 収益を得る仕組みを妨げるような模倣品の出現を防止することが 特許を取得する目的と位置付けられています そのためには ただ開発成果をそのまま出願すれば効果があるというものではなく ビジネスモデルを守るために必要な部分で特許を取得しなければ効果がないということになります 知財活動に割ける予算に制約がある中小企業にとっては 効率的な知財活動を進める上でも重要なポイントです まずは事業戦略として 開発した製品から収益を得られるビジネスモデルを組み立てることが必要になります そのためには ユーザーのニーズに応える製品を開発するということだけでなく さらに遡ってユーザーの潜在的なニーズを探し当てるという姿勢も求められるとのことです また 開発した製品が売れるかどうかを検討しただけで事業を進めるかどうかを判断するのではなく 売ることが難しいならば売るためにはどうしたらいいか 売るためにはどのような手段があるかまで 考え抜かなければならないとのことです このように 川上から川下までのビジネスモデルの全体像のイメージを作り上げ その中で特許を取得すれば一番効果がありそうな部分を意識して特許の取得を進める このように開発した製品のビジネスモデルを軸にした考え 47

52 < 事業を強くする知財活動 > 方が 事業に密着した効果的な知財活動を支えていると考えられます ビジネスモデルのポイントとなる技術的な要素を保護するための手段は 特許に限られるものではありません エルムでも 機械装置については 特許だけでなく物理的な手段等も含めて保護しているとのことですが 特許が適さない部分については 分解できない構造とするといった物理的な方法 契約上の縛りなどの手段にも工夫して 技術の漏洩を防ぐという 特許だけに拘れない考え方も重要になってくるでしょう インタビューでも言及されているように 特許をどうとるか どう活用するか と特許から事業を考えるのではなく 知財活動は事業戦略の中で進めていくものであることを 今一度確認しておきたいと思います (3) 知財活動における具体的な留意点 中小企業は大企業のように大量の特許出願によって技術を守る戦術が難しい中で ピンポイントで効果的な特許を取得することが必要になります エルムが消耗品であるパッドを重視しているように 出願対象を選択する際の基準の一つとして できるだけシンプルな構造のものを選ぶという視点で検討することが効果的と考えられます シンプルなものほど他の手段で回避することが難しく 強い権利となりやすいからです エルムでは電気 機械 ソフトの各技術部門の担当者が協議することとしていますが ビジネスモデルの全体像を俯瞰するためには このように担当を跨いで社内の関係者が協議する仕組みが必要になります 効果的な特許を取得するためには このようにビジネスモデル全体を俯瞰した中から選別することが必要で エルムでは社長御自身が全体を見て判断していますが このように全体を見て出願対象を選別する人の存在が必要になると考えられます 特に海外展開においては 特許だけで優位性を維持しようとするのは難しいことです しかしながら 特許をきっかけにして強い販売力を持つ企業と組むことができれば その後は必ずしも特許に依存しなくても その地域での競争優位を維持することができる可能性が高くなります すなわち 他社を排除することだけでなく 強力なパートナーを惹き込むことに特許を用いるという発想も 特に海外展開においては有効になる場合があると考えられます エルムでは 特許製品の売上の一定比率を報奨金として発明者に還元する制度を採用しています 明確かつ客観的な技術者へのインセンティブとして このような制度は効果的といえるでしょう 模倣品対策を考える上では 模倣された製品がどのような性質の製品であるかを見定めることも必要です エルムの製品のように 進化が継続する発展性のある製品であれば 単純なコピー製品が出てきたところで将来的な脅威にはなりにくいでしょうが 48

53 < 事業を強くする知財活動 > シンプルな構造の消耗品のように 収益の基盤となっている部分で模倣品が出現するとビジネスモデルそのものが崩れてしまうおそれがあるので その部分は特許でしっかり抑えることが重要になります (4) その他 良い製品を作れば売れる では足りないことを 技術先行の製品開発の失敗から学んだとの話がありましたが 経営者には 顧客ニーズに合った製品を開発することから 顧客が購入しやすい販売方法を工夫することまで ビジネスモデルモデルの全体像を熟考することが求められます 経営者が十分に全体像を見渡せていない場合には 支援者がその部分をサポートすることが必要でしょう 顧客ニーズに合った製品を開発するといっても 顧客ニーズが顕在化してから対応しているようでは遅いとのこと 下請けではなく 自立した開発 提案型の企業であるためには ニーズが顕在化する前にニーズを掴という姿勢が求められるところです 販売方法についても 売れない で諦めるのではなく 売れない なら 売るための方法 まで考え抜き 事業化を断念するのはそれが尽きてからというお話がありました こうした姿勢も 自社製品を開発して販売していくために求められるものといえそうです ココが大事! 知財活動の成果を高めるために ビジネスモデル全体を描いた上で より効果的な権利取得や権利の活かし方を考える 開発型の企業の知財活動を支援する際には どうしてもはじめに 発明 に目がいってしまいがちです しかしながら どのように優れた製品もそれを販売していくためのビジネスモデルがしっかりしたものでないと 事業としては成立しません 発明を守ることも そのビジネスモデルを守ることにつながることが事業を支えるためには必要であり ここでは発明そのものに注目するだけでなく ビジネスモデルの全体像を描く こと それを意識した知財活動を進めることを 支援者の重要な視点として提示しておきたいと思います ( 土生哲也 ) 49

54 < 会社を元気にする知財活動 > 視点 5 経営改善の糧として知財情報を活用し 経営プロセスを活性化させることによって社内の知財力が高められることを意識する - 株式会社オプナス 株式会社オプナスの概要 業種 各種錠前 セキュリティ商品の企画 開発 製造 販売 代表者 代表取締役峯村陽一 所在地 東京都千代田区岩本町 資本金 7,000 万円 従業員数 130 名 沿革 昭和 5 年 峯村鉄工所 として創業し 昭和 23 年有限会社三峰ロック製作所を設立 昭和 36 年サンポウロックに社名変更 平成 15 年に関連会社の合併により株式会社オプナス設立 株式会社オプナスは 昭和 5 年 (1930 年 ) に 旋盤加工品の製造販売業を行なう鉄工所としてスタートしました その後 金庫用ダイヤル錠の生産を行なうメーカーを設立し 現在の錠前ビジネスに取り組むことになりました 錠前のビジネスは 金融機関向けのダイヤル製造から始まり 日本銀行を始めとする多くの金融機関の金庫室扉のダイヤル錠 貸し金庫錠などを製造し続けてきました 現在 錠前については オフィス向け 住宅向けなど幅広い用途に対応しており 特に自動販売機関係の錠前では高いシェアを確保しています また 錠前だけでなく 宅配ボックス 非接触エントランスシステムなど 時代の求めるセキュリティニーズに広く対応した商品 サービスを提供しています このような長年に渡る錠前事業で培った技術力を背景に サムターン被害を防止できる錠前など独創性の高い製品の開発を行な 2008 年度グッドデザイン賞受賞商品う一方で ユーザーニーズに対応したデザインの創造にも力を入れており 平成 4 年度通産省選定 グッドデザイン賞 (G マーク ) の受賞を皮切りに 東京商工会議所会頭賞 グッドデザイン賞中小企業長官特別賞 などの選定をうけるなど 技術だけでなく デザインも優れた優良企業として評価されています 50

55 < 会社を元気にする知財活動 > 社長に聞く わが社の知財戦略 お話いただいた人代表取締役社長峯村陽一氏 ( 聞き手塚越雅信 ) 知財を重視したいと考えたときの経営の背景はどのようなものだったのでしょうか 時期としては 自動販売機の錠前から 建築関係の錠前を始めたときです 当時 自動販売機の錠前では 技術的に他社から真似をされていたので それを何とかしたいという課題がありました 建築市場に進出したときに 同じ轍を踏んでしまうと新規事業なのでよけいに苦しくなってしまいます 建築業界は元々原価率が高く 粗利が少なくなってしまう業界で 一方 市場は大きい ある程度数をこなしていくことによって 売上高を大きくし 固定費を抑え 利益を増やしていく形を取らなければなりません しかし 当社は 新規参入ということもあり 量産体制や販路 知名度などは すべて他社が上回っています 従って ビジネスの核の部分をどうきちんとキープをしておくかが極めて重要になります ビジネスの核の部分として どのようなものを考えていましたか 建築錠前市場では 新規参入で顧客ルートも何もなかったので 技術力 新製品の発想力や提案力が 唯一の武器だと思っていました しかし それを真似されてしまったのではまともに商売できません 自分たちが発明して新製品を作ったけれども ほとんど似たようなものが他社に作られてしまい 後発で開発コストが低い他社には 場合によっては部分的に改良したうえで 低価格で商品を上市されてしまうわけですから ですので 模倣品対策は非常に重要な課題でした 新規参入企業として商品を提案していくには 知財などで守られたコアの部分があって それで初めて営業に出ていけるのです 要は 積極的な活動をするためには うち独自のものだというベースの部分をきちんと確立していく必要があるということです 提案型にするためには 社員の意識改革も必要になりますが その部分と知財活動の 関係はどのようなものだったでしょうか? 確かに 提案型にするためには 人材の育成若しくは文化を変える必要がありました 自動販売機の錠前までは完成品のメーカーから商品の仕様を当社がもらい その仕様にあわせて製品を納めるというパターンが多かったです 従って 限定されたお客さんのところへ行って 次の新製品に必要な防犯性能を聞き出して それにあったものを出す 提案をしないということではありませんが 何か当社が全く新たな提案をして 新たな市場を 51

56 < 会社を元気にする知財活動 > 作り出すこととは違っていました 現在はだいぶ提案型になってきています さらにいうと 商標やマークもそのために変えています なぜかと言うと 工業製品の場合は部品のブランドは表にでませんが 建築関係になってくると 鍵を持つユーザーにブランドがみえる 一般のユーザーを意識するように経営体質を変えていく必要があります 結論として 単純に特許をとるということだけでなく ブランドを確立していかなければならないという課題もありました 自動販売機錠前が主体のときの知財活動はどのようなものでしたか 何もやっていなかったわけではなく うちなりには勉強してやっていたつもりでしたが 特許出願をするタイミングや 戦略的にどのタイミングでどのように出したらよいかなど ルール化もできていなかった 思いつきで できたから出しておかないとまずいのではないかという感覚で出願していました ときには 出すことを忘れたこともありました そのような知財活動から実効ある知財活動の体制に変えたわけですが 体制を変えていく必要性について社内ではどう議論しましたか 議論らしい議論はしていません 新規事業に出て行くためのコアを作るという経営課題が優先したので これは経営者が決めるべき話で みんなで話し合うレベルのことではないと認識していたからです 体制を変えていくときに 社長がいろんな場面で関与したと聞いていますが あとから振り返ってどのような自己判断ができますか 変革をさせることができるのはトップだけだと思っています 販路を開拓するときも社員はどこまでやったらいいか 会社にとっての満足度がどれぐらいか 数字で単純に表すことはある程度はできます ただ 例えば 営業マンが新たな受注を取ってきても設備投資がかかる もしくは今までの組織ではなかなか動いてくれないという壁にぶつかってしまうと 実際には全部がストップしてしまいます 従って ある程度の実績がつくまではトップが動くしかないと思ってやっています 要は売れるか売れないかわからないものを無理矢理でも開発させるのは社長しかできないということです 命令を受ける側にとっては 何でもかんでも社長が直接命令してくるから重荷というのもあると思いますが 逆に ほかの部署を何とか動かさなくてはいけないということで言えば 社長が命令してくれるのでその楯になってやってくれる部分もあるでしょう 変革時期のいちばん大変なところだけは 社長が先頭に立つしかないという感覚は今でも 52

57 < 会社を元気にする知財活動 > 持っています 知財活動を変えることで模倣品対策はどのように変わりましたか 知財的には真似されているわけではありませんが 今でも用途としては真似されることは現実にはありえます しかし 特許で完全に守りきれるものではないことも認識できていますし さらに どれぐらいのリスクがあるかも何となくわかるようになってきています 昔のような特許さえ取ればもう完璧 なぜ競合が真似してくるのかという感覚はなくなりました 今は 完璧なものはなかなかできないので 有効な手を打ってあっても守りきれていない部分にどういうリスクがあるか そして次にどんな手を打たなければならないのかが何となくわかるようになってきました 知財活動に対する予算はどのように考えていますか 会社の議論の中では最優先にしています 設計が変更になってしまって 結果的には出願したものが無駄になっても それに対して無駄になったとは ほとんど言ったことはありません 予算として金額がいくらだというより テーマについて特許性のあるところはどこかないかという話は必ずするので とにかく出願できるものは出せという工程は必ず通ることになります お金の面よりは それが重要なことだという認識は皆持ってくれているはずです 知財活動における留意点として どんなことがあげられるでしょうか 当社では 知財活動を強化するときに 特許だけでなくデザインの面も取り入れて さらに 売り方などマーケティングの面を強く意識しました 中小企業にありがちなのは 素晴らしい発明でも見た目があまりにも悪くて お客様がうちの製品にはこんなものはつけられないということが結構あるからです 勿論 ベースは技術力なので 最初に特許で守ることもあるけれども 製品化に向けてはデザイン その後はマーケティングと 知財以外の要素を考慮せねばならないと思っています つまり デザインやマーケティングの部分も知財とセットで考える必要があるわけです 下請けから自立型に変わる分岐点のマネジメントの仕組みとして 知財は非常に重要な核の能力ですが 知財だけで考えると経営メリットについて実感が沸かないと思います ここは重要な部分だと思います 53

58 < 会社を元気にする知財活動 > 知財の担当者についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか 専任の知財担当者はおかず 兼務にしています 兼務という形を取っているのは 同じ立場の人には提案や相談を持ちかけやすいことや 知財の専門バカになってしまうと 言葉は日本語でも実際の感覚が伝わらないことがあるからです 発明というのは 例えば図面を描いて設計をした人が発明に値しないと勝手に思い込んでいる場合があります 似通った立場の者同士ですと お互いに雑談をしている中でも それは発明なのではないかという感覚が生まれるので 立場が近い状態にしておく方が漏れがなくなるのではないかと思っています 知財を重視する体制に変えたことの成果としてはどのようなことがあるでしょうか 知財活動を改善して経営がしやすくなってきたといっていいと思います ライバル会社から おたくの製品と同じようなものを作ろうと思ったけれども 特許が出ているからできないんだよ という話を聞かされることもあります そうすると ああ 知財が効いているのかな という実感が沸きますね メーカーはとにかく知財がベースだと思います 加工機械を入れるのと同じイメージ 他社にみせるものではないが無ければ始まらない 経営者の視点からみて 知財を重視する体制に変えなかったらどうなっていたと思いますか 本当にやらなかったら今も新製品は安心して出せません 先行投資したものが 実はアイデアだけ提供して他社に真似されてしまうことになると 本当にそれは無駄金になってしまいます 逆を言えば 多少決算の数字を痛めても先行投資ができるのは 知財をきちんとやっているからです 知財がないと本当に心配で先行投資できませんし それではいつまでたっても下請型の体質から抜けることができないことになります 支援人材にはどのような方を望みますか 専門家として きらりと光るところをみせてくれながら 我々の立場に立ったアドバイスをくれる人 そうじゃないと こちらも構えてしまって 本来こうではないかと思っていることを言えなくなってしまうと思います 一方で 知財担当のレベルでは知識を得たいという気持ちがあります ここは現場で動く人間と管理者で違うはずです みんな知識は得たいが 人によってレベルが違います そのあたりをうまく的確に把握してもらって 指導してもらえるとよいと思います 54

59 < 会社を元気にする知財活動 > また 最終的には人間性の部分が重要になってきます 専門性だけでやってきた人では 難しいのではないでしょうか 支援人材と社長の関係についてはいかがでしょうか 支援人材を社長が受け入れるかどうかがポイントになると思います メーカーの社長は 基本的には職人が多い 職人って人が苦手なんですね だから まずは警戒するので その警戒心をとける人がよい 頭の良さそうな人は 結構 警戒されると思います 職人の気持ちがわかる人でないと難しい 職人は極端な性格の人が多く 仲間だと思うと心を許します よって 仲間だと感じてもらえるまでのバリアを突破するのが大事です そこから先が相性になると思います 一言でいうと 受け入れられやすいのは本当に相手の立場に立てる人 自分のプライドの上げ下げが自由な人ではないでしょうか 専門分野を相手に押しつける態度があると 職人にもプライドもあるのでプライド対プライドのけんかになってしまいます 55

60 < 会社を元気にする知財活動 > 解説 オプナスの知財活動のポイント (1) 経営課題と知財活動に取り組んだきっかけ オプナスは 自販機錠前市場でトップシェアを維持しつつも後発企業の模倣品対策に常に悩まされ 開発投資に見合う収益を維持するのに四苦八苦していました 以前もオプナスなりに知財活動をしていましたが 弁理士任せで思いつきの出願が多く 発明の抽出や特許出願がルール化されておらず 戦略的なアプローチに欠けていたのです 昨今は建築錠前市場を新たなターゲット市場と位置づけ事業活動を進めてますが 当該市場は原価率が高く粗利が少ないので 新規参入企業として自社のコア技術をどのように担保できるかが重要課題になりました また 今までの工業製品を中心とした下請け型ではなく 新規参入者としては提案型企業としてデザインやブランド力も重要で 特許だけでなく意匠や商標など知財のパッケージ化が必要になり 積極的な営業を下支えできる知財保護が急務になったのです (2) 知財活動の基本的な考え方と成果 オプナスは 以前は特許さえあれば他社に真似されないという思い込みが激しく 模倣品の対策に行き詰まりを感じていましたが 知財活動の改善に取り組み始めてからは完璧に守りきれないことも認識したうえでどのようなリスクがあり どのような対策を取るべきかを考えています また 知財活動に宛がう予算を決めるより 研究開発テーマについて特許性があるところを議論し出願できるものは積極的に対応し 設計変更により出願したものが結果的に無駄になっても 当初の議論から逸脱していない開発プロセスであれば無駄とは思わないこととしています 勿論 この行動は事業戦略に基づいた研究開発から生まれた知財の権利化であって むやみやたらな出願ではありません 今後は効率性に更に磨きを掛けられることが期待されます 製造業では生産プロセスなど社内の至る所に見落しがちなノウハウがあります オプナスは知財活動の改善要素のひとつとしてそれを認識し 管理体制を強化しています とかく知財の権利化に走りがちな知財活動で ノウハウの蓄積と管理も知財活動の一部として認識することが製造業では重要です 今は商品開発において知財活動の先行投資があるため利益率は落ちていますが 将 56

61 < 会社を元気にする知財活動 > 来商品を安心して上市できる保険のように思っています 製造メーカーにとってはとにかく知財がベースで 加工機械を導入するようなイメージです 敢えて他社に見せるものではありませんが 無ければ事業が進まないのです 昨今はライバル企業から同様な商品を作りたいが特許等で固められていてやり辛い というコメントを得られるようになり 徐々にではありますがそれなりに知財活動の効果が出てきている良い事例です (3) 知財活動における具体的な留意点 商品開発のベースは技術力なので最初は特許など知財の権利化で守ることもありますが 消費者レベルの商品を上市するにあたってはデザインやマーケティングが重要度を増します それらをセットとして知財活動に取り組まないと経営者にとって知財の経営的メリットは見え辛いものです オプナスでは知財担当者を 知財バカ にしないよう敢えて兼務制にし 設計や企画部門が相談し易い体制を心掛けています 経営環境にもよりますが 知財担当者の立場を発明 開発者に近い状態にしておくほうが情報の漏れが少ないこともあります 知財活動の基本方針を社内に告知することで経営者の知財活動の改善に対するコミットメントを前面に出す効果があります また その基本方針をずらすことなく知財活動を継続することが知財担当者の人材育成に繋がるのです 知財活動の改善は経営プロセスの改革でもあります オプナスのように第三者の視点から外部コンサルタントを導入することも知財活動を客観的に見直す手法のひとつです (4) その他 社内改革でも新規参入でもそうですが オプナスは変革させることが出来るのは経営者だけだと認識しています ある程度実績がつくまではトップが動くことが改革の成功確率を上げるのでしょう オプナスは知財戦略コンサルタントを導入した事例ですが 専門家としてきらりと光るところを見せながら同社の立場に立ったアドバイスや 当事者意識を持ったリーダーとして機能してくれるコンサルタントだと経営者としては任せやすいです 外部コンサルタントの支援が入ると経営陣にも知識がつきます そのため自社で知財活動が出来ているか否かが良く見えるようになりそれが逆にジレンマに成りがちです その際は自社でするべきことを選別し 場合によってはアレンジして活用することが重要です 57

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