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1 ガバナンス 行政学 政治学 G. ストーカー のガバナンス研究を中心に 1 東京大学法学部第 3 類 ( 政治コース )4 年 井手健太郎

2 0. 目次 1. はじめに 4 2. ガバナンス論の視座 今村都南雄の議論を手がかりに ガバナンスと政府体系 2.2 新しいようで古いガバナンスの問題 2.3 行政学的思考の転換? 2.4 争点整理 3.G. ストーカー総論 ガバナンスとストーカー 市政学者ストーカー ガバナンスの定義 ガバナンスと 5 つの主張 付言 3.2 ガバナンスの 発見 ; 歴史認識 世界的潮流? 英国 都市 自治体を中心に つの時代 サッチャーとガバナンスの到来 ニューレイバー時代のガバナンスの実践 3.3 ガバナンスの 発見 ; 学説 政治学 行政学総説 都市 自治体研究の潮流変化 アーバン レジーム論とガバナンス 3.4 検討 54 4.G. ストーカー各論 理論 規範理論 ネットワークガバナンス論 権限委譲理論 合理的選択論学派 2

3 4.1.5 社会解釈論 文化制度論 ( 文化理論 ) 付言 4.2 分析 ニューレイバーの改革戦略総論 参加型ガバナンス論と政治 マルチレベルガバナンスとパートナーシップ研究 ニューローカリズムに向けて 4.3 検討 ガバナンスとアカウンタビリティーの問題 ストーカーの視点と限界 5. 結語と残された課題 参考文献 資料 112 3

4 1. はじめに 本リサーチペーパーの目的は 英国の都市行政学 政治学者 G. ストーカーの議論を中心としつつ 行政学 政治学における ガバナンス論 に関する追跡と将来性に関する検討を行おうとすることにある 英語辞書の片隅に眠っていた ガバナンス なる概念が脚光を浴び出したのは 国際的な研究季刊誌 ガバナンス の第一号発行が 1988 年であったことからも推察されるように 恐らくは 1980 年代の現象である そして今日 それは 経営学 政治学 行政学 国際関係論 法社会学 経済学といった あらゆる社会科学の分野で多用されている 行政学 政治学の分野においても 94 年の今村都南雄論文 ガバナンスの観念 を端緒に 1 98 年の日本行政学会では 日本の行政改革 ガバメントからガバナンスへ と題する共通論題が組まれ 04 年には年報行政研究 ガバナンスと行政学 が発行された他 08 年の日本政治学会年報においても 政府間ガバナンスの変容 が出版されるに至っている では ガバナンス とは何か ガバナンス とは その元になる言葉は ガバーン (govern) ( 統治する 支配する ) であるが 更に語源をたどっていくと フランス語の gouverner ( グーベルネ ) から 最後にラテン語 ギリシャ語の 船の舵を取る 操舵 を意味する言葉にたどりつく ガバメント ( 政府 統治 ) も ガバナー ( 知事 統治者 ) なども共通である 逆からたどると 舵取り 操舵 から広く 制御 管理 統治 といった意味を派生させており 要するに ガバナンス とは あるものの動きを制御して 一定の方向に導く ということを意味している こうした舵取り 方向付けが必要なものは まずもって国家やその政府機関であり それを意味するものとして ガバメント の言葉が使われ定着した これに対して ガバナンス はいったん古語化したものの 新しい概念を入れる 新しい器 として 20 年ほど前から再登場したものである 2 また ジーニアス英和辞書において -ment が 動作 ( 主 ) などを表す名詞を作る際に普通用いられるのに対し -ance が通常 性質 行為 などを表す抽象名詞を作る為に用いられるとすることからも分かるように ガバナンスの議論においてはガバメントという ガバン する主体にのみ議論が還元されないというニュアンスも出てこよう 1 例えば ガバナンスという言葉は我が国において 1994 年以前にも講演会や書評等において用いられてきたが 学術雑誌上で比較的まとまった形で登場したのは 94 年の [ 今村 94 である と戸政佳昭は主張する [ 戸政 ]pp307 2 [ 荒木 ]pp2 [ 西岡 ]pp2 4

5 以上が簡単な概念史的理解であるが 今日的 ガバナンス の概念については 内外を通して多くの論者がその整理と類別を試みている 我が国においても 例えば 荒木友雄は 現代とガバナンス の序章において ガバナンスが論として展開される場合に 1 組織の質の高い管理やマネジメントへの志向 2 国家や自治体などの公的な支配機構の改革を志向するもの3より視野を広げ 多元的に存在する諸々の組織体 あるいは市民が ある目的に向かって 積極的にその方向付け 秩序づけを含め 参画行動し 役割を担う意義を肯定し 促進しようとする志向 という 3 つのパタンを抽出する 3 より行政学 政治学に引き付けて考えるならば 例えば新谷浩史は 所謂 ガバメントからガバナンスへ という流れの中で J. ピエールと G. ピーターズの国家 社会関係における統治類型論 つまり1 国家統制 2 自由民主主義 3 国家中心モデル4オランダ ガバナンス学派 5 政府なきガバナンス学派 の 5 類型を引用し 3~5を1 2 のガバメント中心志向と対比される ガバナンス 志向と捉えた上で ピエールやピーターズが主に展開してきている3の議論を 国家中心アプローチ R.A.W. ローズ等が展開してきている5を中心とした議論 4を 社会中心的アプローチ として紹介している 5 以上 2 つの整理から見ても分かるように ひとつ政治学 行政学の領域に限定しただけでも 今日的ガバナンスの使用領域 研究視点は多様であり それがガバナンスの概念的整理を多くの論者がさしあたり試みている動機ともなっているようである 概念枠組はそれ自体として理論命題としての地位を有してはいないものの 現象のどの側面を切り取り 何を理論上の変数として扱うべきかを示すもの つまり変数間の関係や定量的強さを定める命題を引き出す為の前提である 6 以上 ガバナンスが新しい有意義な命題を生み出すことを可能にする基盤となるか否かを検討する必要があろう ただ 流行ともいえる ガバナンス 概念の無意識的な濫用は かえって既存の概念 及びそれに基づく思考 実証の体系的蓄積を破壊し 従来の命題からなる空間 周知のとおり日本の行政学 現代政治学の場合 その多くは米英の諸理論 発見に端を発し 日本への応用可能性を模索しながら改 3 [ 荒木 ]pp3-4 4 尚 政府なきガバナンス (governance without government) 論の代表論客として屡ローズはその著書 [Rhodes 1997] と共に紹介されるが 本書においてローズがガバメントの役割を完全に否定しているわけではなく ガバメントからガバナンスへの変化を単にレトリカルな表現を用いて表したに過ぎない という側面が強く その意味で単純な 無政府論 ではない この点 G. ストーカーも指摘している [Chhotray and Stoker]pp [ 新谷 ]pp [ 田辺 1991]pp

6 編 再発見され定着していったものである との連関を困難にしてしまう恐れもある 政治学 行政学における概念 ( ターム ) の 濫発 と理論命題位置づけの曖昧さの傾向は 例えば鈴木庸夫も行政法学との 対話 の 障害 という文脈で指摘しているところであるが 7 ことガバナンスに関しては 上記したものも含め はじめに外国のガバナンス研究がその史的導出過程をあまり踏まえずに表面的に紹介され 更にそれに続く後段の部分になると 前後の文脈のないまま日本の行政や自治体改革の事例が登場するという ガバナンスがいわば 刺身のつまの役割 8 としてしか機能していない側面も見受けられるように思われる このように 概念整理が試みられたところで 未だガバナンスが十人十色的に使用される側面を有する背景には 以下のような問題が少なくとも筆者の見る限り真剣に検討されていなかったことがあるように思われる それは ガバナンスという実態に対する各国 地域別特性に対する議論が 各国におけるそれまでの政治学 行政学的蓄積との関連も踏まえた形で十分になされてきたとはいえないのではないか ということである 確かに グローバル化と民主化の進展 という過去 30 年間の状況が世界レベルでのガバナンスへの興味の誘因を作った 9 という側面はあり 以下で検討する G. ストーカー自身 ローカルガバナンス論の方法論についての講演を中国の浙江大学で行い 聴講者と 中国のガバナンス 研究につきアイディアを交換したいとまで述べている 10 しかしながら ある政治社会 及びそこにおいて発展してきた学問的営為について理解しようとする時に比較の観点を持ち込むことは 常に多くの危険が伴うわけであり 少なくとも異なる地域 時には異なる時代において各々重層的に成立した社会 学問において 何を共通の条件とし 如何なる水準における比較が有意義であるのか 何一つ自明ではない 勿論 それにもかかわらず 比較という手法が時には斬新な視点をもたらし そこから一般化可能な理論命題が導出され得る可能性をも十分秘めている ( きた ) 以上 論者たちはこの領域にこぞって入っていくのであろう しかしながら ガバナンス研究においては 比較における上記した危険性が十分に認識されていないことこそが ガバナンス研究の錯綜と限界を招いているのではないか 例えば 同じ都市 地方レベルにおける行政改革だとはいえ ストーカーが英国のサッチャー行革を対象として差し当たり組み立てた議論を 日本の自治体改革において直ちに応用出来るものではない その意味で 既存の多くの論者達は 比較に対し鈍感であっ 7 [ 鈴木 ]pp [ 中邨 ]pp2 9 [Chhotray and Stoker]pp [Stoker 2006 b]pp2-4 6

7 たか または困難であるが故に わざわざ外国文献を紹介して自らの論に箔を付けておきながら あえて前後を断絶させ 各国における既存の学問空間との連結をとらえるような発展的な思考を試みることを放棄してきたようにさえ思われる このように ガバナンス研究に限らず 日本的興味の下で外国文献や研究を扱う場合 対象となる社会実態の異同に対する入念な配慮が必要となるわけであるが 筆者自身 この場を以てこれまでのガバナンス研究の多くに欠けていた部分を補うことは到底不可能である 従って 本研究においては 比較の軽視とそこからの逃避を避けるために 1 外国文献の紹介に留まらず 既存の研究テーマ 研究対象への認識の中でガバナンスを 発見 し議論を展開してきた研究者を それ自体として追跡することをした上で 比較への可能性を模索する意味で2それらの研究者が 一定程度の一般性を持つものとして導出した方法論を 地域 文脈横断的に追跡すること を基軸として行うこととする そして 1の代表者としてゲーリー ストーカー (Gerry Stoker) を総論 ( 総論的理解とガバナンスの 発見 ) 各論 ( 方法論と対象の考察 ) に分けて扱うほか その前段階として1に最も適合すると思われる日本人行政学者の一人 今村都南雄の議論について素描する また2 に関しては そのストーカー自身も傾斜するところの文化的制度論につき検討を加える予定であるが 筆者の時間的余裕と言語能力の制約上 現段階でまとめあげることは出来なかった 7 月から夏期休暇にかけて 集中的に取り組み文書化する予定である その上で 最終的に我が国の文脈においてガバナンス研究が今後如何なる意味と発展性を持ち得るのかについて 比較の為の前段階的視座を提示出来ればと考えている 7

8 2. ガバナンス論の視座今村都南雄の議論を手がかりに まず ストーカーのガバナンス研究の紹介 検討に至る前に 本章においては 今村都南雄の諸論を通して ガバナンス研究の視点 及び上述した既存の研究の位置づけをより掘り下げてみたい ここで今村の業績に簡単に触れる理由は主に 3 点ある 1 つ目は 前述したように 今村が我が国の行政学 政治学におけるガバナンス研究の端緒として位置付けられているということ 2 点目は 後述するようにストーカーのガバナンス研究が特殊英国的文脈で主に語られるのと同様 今村が蠟山政道研究という特殊日本的学術空間の中でガバナンスを発見したという点 つまり単なる 刺身のつま 的外国文献の無頓着な引用 紹介を超えた 日本独自のガバナンス研究の視座を今村が志向しているようにも考えられること 更には 2 点目を発展させ 今後の行政学の向うべき針路として ガバナンスの行政学 ( 理論 ) の構築 11 を彼が掲げているところによる 特に最後の ガバナンスの行政学 ( 理論 ) の構築 に関しては 筆者自身が本研究においてガバナンス論を扱おうと考えた大きな理由の一つであった 2.1 ガバナンスと政府体系今村が蠟山研究の整理を背景に ガバナンスの行政学 を構想するに至ったのは 1990 年頃のことである 1 章の ( 注 ) で触れたように ガバナンスを今村が初めてまとまった形で活字にしたのは [ 今村 1994] のことであるが その呼称を初めて公に用いたのは 寧ろ西尾勝の著書 行政学の基礎概念 に対する書評においてであった 曰く 実は評者自身も 公共サービス提供の制度的編成 に焦点をおくフッドらの視座設定に示唆を得つつ 世界に誇ってもよいわが国の蠟山行政学の再評価を通じて いわば ガバナンスの行政学 とでも称すべき広範な枠組を構想しようとし その為の概念化を試み始めている そこでは 著者が中央 地方の政府間関係について用いている 政府体系 概念のなかに公 私関係も含め 各レベルの 政治 行政のインターフェイス と並んで 公 私のインター 11 中央大学教員情報データベース 今村都南雄教授 8

9 フェイス も重視することになるはずである また 著者のいう ゴーイング コンサーンとしての業務 の領域におそらく該当するであろう各種の組織化された諸関係を類別し その構造と過程を主として組織理論のタームで記述することが有効ではないかと考えている 12 当該概念を初めて使用したとされる 13 西尾の用法が中央地方の政府間関係を中心に展開される 14 のに対し ここで今村が用いる 政府体系 という概念は 政府と民間の関係 国と地方の関係 政治と行政の関係という 3 つの主要な関係から構成されている もとより 政治と行政の関係は立法国家から行政国家への流れという文脈で また国と地方の関係も長年に渡る集権 分権という軸から展開されてきたわけであるが ポスト福祉国家が語られ ポストモダンの思想潮流が勢いを得ている 20 世紀の第 4 半世紀 15 日本においては特に 80 年代におけるこれらの関係の再度の見直しや 加えて新自由主義思想下の公共サービスの民営化議論等にも直面する中で 以上 3 つの関係を一つ一つ切り離して取り上げるのではなく それらの諸関係を包摂する広範な視座の下に その複合的な構造連関を明らかにするために 政府体系 なる概念を今村は用いたわけである では 政府体系研究と ガバナンス研究の双方は今村にとってどのように結びつくのであろうか 今村が政府体系概念に焦点を当てて 大々的な研究に取り組んだのは 西尾が 集権と分権 にて政府体系概念を用いてから 3 年後の 中央大学社会科学研究所における 政府体系の研究 においてである 同時期に西尾等を主導として行われた 社会環境の変動とガヴァメンタルシステムの動態的連関に関する調査研究 における ガヴァメンタルシステム 概念 16と比較し 今村等のプロジェクトでは 政府体系 概念は端的に 現代社会における 公共サービス提供の制度的編制 包括的に捉えるための暫定的な概念枠組の呼称として提示された そして 当初から統治システムにおける政治 行政関係と中央 地方関係にくわえて 公共部門と私的部門 または政府部門と民間部門のインターフェイスの重要性に注意を喚起する性格ものであって ガヴァメンタルシステムのような現実の国民国家の政治経済現象すべてを視野に納めて その構成要素を包括的に抽出し相 12 [ 今村 1991]pp [ 今村 1997a]pp [ 西尾 1990b] 15 [ 今村 2002]pp7 16 [ 行政管理研究 ]pp34 9

10 互に関連づけようとしたものではなかった 17 中央省庁を超えた サブナショナルレベルでの政府 準政府機関を含めた公共サービス提供活動に関わる諸組織の制度的編成を捉えるものとして 政府体系 概念は捉えられる 18 イメージ図風に表現すれば 縦( 中央 地方 ) 横 ( 公共 民間 ) 奥行 ( 政治 行政 ) の三本の軸からなる立体的な座標軸に囲まれた 政策空間の磁場 に 主要な政策分野ごとの組織的業務活動のまとまりを示す複数の 組織活動のサブシステム を配置し その内部における業務活動を組織理論のタームで記述するとともに 政策空間の磁場 における中核 周辺の位置関係とその変動 それぞれの 組織活動のサブシステム を通してくりだされる政策の密集状況などを描き出そうとするものであるとされる 19 それゆえに その概念化にあたっては 行政需要 と 供給サイド に挟まれた 行政組織 の外延を拡張したうえで どたらかといえば 需要サイド よりも 供給サイド にウェイトをかけ さらに行政組織に対する外部統制のみならず その行政組織を中心とした公共サービスの供給システムを構成する諸組織のネットワークのなかで 社会的に制度化された広範な組織 制御活動も視野に入れることによって 政府体系における ガバナンス の問題を今村は捉えようとしたのである 新しいようで古いガバナンスの問題前記したように 今村が ガバナンスの行政学 を想起した背景には 蠟山行政学の今日的意義の探求があった 前章で述べたように 社会科学における ガバナンス 概念の世界的隆起は 1980 年代以降のことであるが ガバナンス という語彙自体は以前から存在したのと同様 今村によれば今日的意味での ガバナンス問題 が前世紀末になってはじめて登場したことを意味するものではない ひとり政府だけの能力では対処しえない ガバナンス問題 の発生は蠟山の時代からあったとされる その具体例として 今村は 蠟山が 1940 年の全国都市問題会議総会で行った報告書 本邦都市発達の動向とその諸問題 に書かれた 都市の発達の結果 ( 引用者注 ; 今村によれば 都市人口が全人口の 36 パーセントを占め 全国生産力の半分以上が都市部に集中する水準に達していた時代 ) ははなはだ重大な問題を含蓄しているのであって 都市としてはこの問題の解決に迫られつつあ 17 [ 今村 1997a]pp [ 今村 武智 ]pp [ 今村 2009]pp [ 今村 1997a]pp

11 るのであるが 果たしてこれを自律的に自力的に解決し得るものなりや否やという問題に逢着せざるを得ないのである これらの問題の重要性を考え その解決の困難性に鑑み 果たしてこの問題を解決することは一個の都市問題なりや否や かりに都市問題だとしても それは都市の自律的に解決し得る問題であるかどうかという点について 一個の疑をを挿まざるを得ない重大問題であると思う 21 という記述を紹介する 22 ただ 政府機能の拡大の時代にあっては 政府の問題解決能力によってどうにか対処しうるのではないかという観念が概して支配的であり まだまだ国家的権威に裏づけられた中央政府による集権的な統制機能の発現を頼みの綱とする気風が強かったに過ぎない 23 そして 行政学総論 において述べられた 中央行政でもなく 地方行政でもなく 又都市行政でもない たゞの行政なるものが存在することを把握することが行政学の出発点である のであって このように 行政主体を離れて行政を研究する前提として 異れる行政主体の相互間に存する関係の吟味ということが肝心な問題となる という言に 民間機関をもひとつの行政主体としたうえでの ガバナンス問題 を問う重要な視点を 蠟山に見出している 24 このように まず行政なるものを想定し その上で領域的 目的的 公私的な組織分業がなされると考えたからこそ 行政的なるものにおける各組織 ( 部分社会 25) の 自律的解決 に対する疑念を 行政国家化と戦時体制への移行が進む 年代当時の社会状況下においては明示出来たわけであり まさにガバナンス的思考の萌芽が発見されたと今村は解する 以上のような自律性への疑念は 蠟山が自身の 行政学研究のアルファであり 同時にオメガである 26 と述べた研究都市行政研究において 地方自治 の概念を用いるのに慎重であり 中央政府と地方団体の関係という視点 つまり政府間関係の視点や中央と地方との 協同関係 の成立可能性への関心を明示してきたこと等にも現れているという 27 そして 戦後の高度経済成長期前後において 蠟山が改めて中央 地方関係の問い直しを通じて地方自治や大都市行政の諸問題に取り組もうとしたとき 都市部における各種の混乱に対する行政学的解答の視座を 行政管理 ( 特にポリシーデシジョン ) という問題 蠟山自身にあっては 大都市圏行政という行政管理組織の設定に究極の目標が置かれた 21 [ 蠟山 b]pp [ 今村 2009]pp [ 今村 2009]pp214 24[ 今村 2009]pp [ 今村 2009]pp [ 蠟山 a]pp6 27 [ 今村 2009]pp

12 に行き着くこととなった 28 ここに 政府体系研究にからめてガバナンス論を組み立て またその脈路で従前の行政管理論の再構成を図ろうとする ガバナンスの行政学 の提示 という着想が生まれたのである 29 蠟山においては 行政なるもの がまず前提とされたが 行政概念が直ちに行政機関を想起してしまうこともあってか 30 今村はむしろこれを 公共空間 という概念で表しているように思える 政治 行政における公共性の議論は 例えば討議的民主主義といった政治参加の新しい形態に関する議論を伴い 様々な形で隆起するに至っているが 行政分野においても 1997 年 12 月の行政改革会議の最終報告において 公共性の空間 なる概念として登場する つまり 公共性の空間 は 決して中央の 官 の独占物ではないということを 改革の最も基本的な前提として再認識しなければならない 31 国と地方公共団体との間では 公共性の空間が中央の官の独占物ではないという理念に立ち返り 当地権力の適正な配分を図るべく 地方分権を徹底する必要がある 32 今日 公共性の空間はもはや官の独占物ではなく 地域社会や市場も含め 広く社会全体がその機能を分担していくという価値観への転換が求められている 33 という記述である 34 今村はこの記述を参考にし 行革会議最終報告における 公共性の空間 を 公共空間 と言い換えて 国家的公共性 や 行政的公共性 を担う公的部門はもとより 公共サービスの担い手として 28 [ 今村 2009]pp [ 今村 2009]pp240, [ 今村 2002]pp11 31 行政改革会議最終報告 Ⅰ 行政改革の理念と目標 32 行政改革会議最終報告 Ⅱ 内閣機能の強化 33 行政改革会議最終報告 Ⅲ 新たな中央省庁の在り方 34 尚 絶対公たる戦前の天皇と その統治権に直属する 官 という観念 及び 官 と 公共 との観念的序列関係を論じた議論につき [ 井出 ] 参照 行政とそれを担う 官 に対する不信や不満は戦前から存在したが それは原理的には 絶対公 = 天皇を前提とし それをよりどころに 相対公 としての 官 のあり方を問題にするという限りでの批判であり そこに基本的な限界が存した やはりこの点で 戦後の環境要因の変化と 官 公 民 の関係性は大きく変貌している だがその反面で 逆にむしろ行政の伝統的なあり方 その体質や発想の古さが改めて浮き彫りにされているのも否定しがたい事実である 年代における市民運動などの問題提起によって 公共性 のあり方が問われている多くの事例についてみれば 官 に取り込まれてきた パブリック という表象を その本来の担い手たる 民 ( 主体としてのパブリック = 公衆 ) の手に取り戻すという主体転換がいかに難しいかということが まざまざと示されている と井出は論じている 12

13 の民間企業部門も その限りにおいて公共空間に含もうとする 35 何よりも 公共サービスの全てが政府公共機関のフルタイムの行政職員によって直接になわれなければならないということ それ自体が当たりまえのことでないことを知らなければならない 36 特定の次元や領域に 公共空間 の適用範囲を限定してしまうのではなしに 各次元 領域間のリンケージに着目し 公共部門の中に公共性があるのではなく 公共 民間関係においてこそそれは形成されるものであると考えるわけである 37 公共性とはなにかの判定権を国の政府や自治体の行政にゆだねきる事は出来ない 従って 行政機関によって供給されるサービスだけが公共サービスであるわけでも また行政機関によって提供されるから直ちに公共サービスになるわけでもない 38 そもそも 我が国においては他国において国営 公営事業とされるものも民間企業にゆだねられているものはかねてから多く 39 それを例えば伊藤大一はかねてから 相互移行型 の官僚制と特徴づけていた 40 わけであるが それでも更なるアウトソーシングの必要性が 年代と叫ばれるに至る いずれにせよ 以上の公共空間における公共サービスの制度的編成のありようをめぐり 各主体間の 舵取り や 協働 の創生や変化を描き出すことを今村は ガバナンスの行政学 の目的としている そこには従来公共空間を 独占 していたガバメントのありようへの問いかけも当然含まれるわけであって この意味で政治学 行政学では ガバメントからガバナンスへ というよりもむしろ ガバメントもガバナンスも と認識されるべくもの と述べている 行政学的思考の転換? 今村流の ガバナンスの行政学 は 公共空間なるものがまず想定され そこにおける 各公共政策 サービスの立案と実施を担う諸主体 機関間の構造 過程を組織理論のター 35 [ 今村 2002]pp3-5 今村は 公共空間 概念が通常国家と社会の二元論の立場から見た 社会的次元 から公共性を創始するという 国家的公共性 行政的公共性 に対峙する 市民的公共性 の文脈で用いられることを認識したうえで むしろ行政学的には我が国に伝統的な 官主主義 からの脱却をめざした世紀末の基幹的な制度改革の意義を重視する観点からするならば 公共性の空間 の意味転換を徹底させて その中に 市民的公共性 の願意をどこまで浸透させることが出来るかを考えたほうが建設的だと考えているわけである 36 [ 今村 2005]pp44 37 [ 今村 2002]pp6,[ 今村 1999]pp [ 今村 2002]pp [ 今村 2002]pp13 40 [ 伊藤大一 ]ppⅵ-ⅸ 41 [ 今村 2002]pp16 13

14 ムで論ずることに焦点があてられるわけであるが それは既存の行政学的な思考形態に対 し何を投げかけるのであろうか この問いに関し 参考になるのが田辺の議論である 田 辺の整理によれば 本来行政学とは 国家形成と国家能力の向上を 政府組織を担う公務 員集団の確立とその能力の向上と等値なものと見なし 経験分析においても また制度設 計の方向性としてもこれを正統的なものとして前提とした上で 他の社会科学にも増して 日々の分析対象を導いていくための規範と方向を提示することにより 未来に向けた灯を 掲げていくという 自覚的な秩序構成を目指した作業をも その営為として含んでいると 考える そして これを学の一基盤とする以上 経験分析にせよ 規範分析にせよ 公務 員集団の確立の段階に応じて いくつかの分析次元を戦略的に取り組んでいくことになる つまり 制度化 ( 公務員集団の制度的確立 ) 管理化 ( 公務員集団の経済的 効率的 利用 ) 政策化 ( 社会経済の変動に対する変革の主体としての公務員集団 ) という価 値次元の推移である この構造は 日本的な特殊性という形で 日本の行政を抱える問題 を設定することの多かった日本の行政学においても変わることはない 例えば 辻清明の 諸論文においては 人事行政を単なる行政としてではなく むしろ統治的性格を内在せし めている公務員制度として評価する ことを通じて 制度次元に中核的な位置が与えられ ている また行政実務においても 例えば第一次臨時行政調査会の答申にみられるように 制度改革を通じて行政の基盤を確立し また組織の運営を民主化及び効率化にむけて変更 した後に 各論として複数の政策領域ごとに機能の再編が試みられる構造になっている 以上のような制度 管理 政策の 3 つの側面を内包しつつ 統合された公務員制度の確立 と強化が 国家能力の増大へとつながると前提した行政学の構想は 20 世紀において制度 的に確立した行政学という学問の基本戦略となっていた 42 しかしながら ここに波乱を引き起こした思想が NPM( 新しい公共管理論 ) であり こ のような NPM を支える行政の原理は 従来の行政学が前提としてきたものとは異なる と 田辺は述べる つまり 公的セクターと民間セクターという二つの領域を暗黙の前提とし 42 [ 田辺 2001]pp 尚 日本の行政学が初期において米国輸入とされたことからも推察されるように 制度 管理 政策 という研究過程の推移は米国行政学の発展過程でもある つまり ウィルソンやグッドナウ等初期アメリカ行政学では 政治 行政分断論 を元に 公務員制度改革を始めとした行政の機能 機関 領域 規範の政治からの切り離しがまず図られ その後 1920 年代になると切り離された行政の領域を 科学的管理法の影響下で如何に効率的に管理するかという問題が争点となり 所謂技術的行政学の探究が行なわれた その後 ニューディール以降の時代になると 巨大化していく行政府の政策分量に直面する中で 大統領府の政策イニシアティブや議会 業界との政策調整の実態に焦点が移り 政治と行政の不可分性という事実へと関心が推移する [ 西尾 1990a]pp

15 ていた既存の行政 ( 学 ) に対し NPM の議論においてはこの二つの領域は融合する むしろ 民間セクターで用いられている管理手法や制度設計の方針 具体的には目標設定や実績指標を武器として出力統制を基軸として管理体系を組み立ていくような手法を 資源のインプット統制や手続き的統制を主軸としてきた公的セクターに導入していくことが 行政経営のより高いパフォーマンスを生み出しうる という積極的含意がここには含まれている 更に NPM で見られる行政改革では 上述した日本の第一次臨時行政調査会答申にみられるような 下部構造としての制度 中間層としての管理 個別の上部構造としての政策という規範的な方向付けではなく むしろそれとは逆に 改革対象としての政策分野の切り出し 切り離された政策機能領域を実施するための最適なメカニズムの組織化 これに合わせた人事 財務等の基本制度の再設計 という方向が辿られるのである つまり これを分析しようとなると 共通制度の成熟度と管理方法によって政策の効率性を説明しようとしてきた従来の方法は通用せず むしろ個別的な政策の機能によって 分断的に成立するネットワークの管理形態を説明しようとすることになる 要するに 独立変数と従属変数がここでは逆転するわけであり 20 世紀初頭に確立し展開を続けた行政学を支えた言説は揺さぶられ 再構成を余儀なくされていると主張される 43 田辺が伝統的な行政学的思考と直接に対置したのは NPM の議論 つまり公共と民間の関係や公共機関内部での市場原理 経営原理の導入をめぐる議論であったが 政策から出発し 管理へ そして分断化されてしまった制度へ という方向を辿るのは まさに ガバメントからガバナンスへ という標語に典型的に示されるものだと彼は付記しており 思考回路の逆転がガバナンス研究でも求められることが指摘されている NPM の議論とガバナンス論とは 一部重なり合い 一部競合し 時に対抗しあう側面も有している 44 が NPM が市場化の要素を持つことは 従来の行政が政府内部で比較的閉じられた或いは行政 ( 機関 ) が支配していた空間構造が 行政と市場が流動的かつ対等な関係で公共サービスの供給を含め社会的問題解決を行なう構造に変化すると言う意味で ガバナンス論 ( の一部 ) と結びつくことは確かであるといえる 45 従って 田辺の主張する思考回路の逆転を今村行政学に適用するのであれば まず公共空間なる領域を暫定的に定義した上で その中で行なわれる公共サービスにつきその供給システムの組織配置を再検討し その上でそれらの 43[ 田辺 2001]pp [ 今村 2005]pp49 45 [ 山本 ]pp17 15

16 組織構造 制度化を組織理論のタームで論じるという過程を踏む筈である 本章冒頭で引用した今村の言は この様な文脈で理解されるべくものであろう 例えば ガバナンス改革と外部委託を巡る議論において 公共 民間両部門の一般的な区別化と単純な民間化の議論よりも 一つ一つの公共サービスについて その供給システムの相互の連携化の仕方に関する制度設計を見直し やり直すことこそが求められていることを主張しており 46 また市民の日常生活に関わる公共サービスの多くは国よりも地域レベルにおいて提供される以上 国と地方 さらにそれぞれにおける政治 行政区分を並行して論じる必要があると述べている 47 つまり ある公共サービス提供における公共民間関係を論じることは不可避的にこのサービスに関連する政府体系全体を再検討することになる と今村は主張しているように思われる 言い換えれば 政策から管理 制度化へという議論を開拓しよう もとより 現時点でこれに関する彼によるまとまった形での理論研究はなされていないようであるが という側面を感じ取ることが出来る このような構想は 今村が初期の著作 例えば環境庁の設立過程をめぐる組織論的分析で見せた伝統的行政学の思考形態とは 確かに様相を異にしているようにもみえる 48 では その前提として 公共空間において供給されるサービスとは何か これに関しては 市民の生活領域を 純粋な私的個人 のそれから 地縁的な政府共同体 でのそれにおよぶ重層的な構成によって捉え返し 地縁的な公共的社会問題共同体 の生活領域において市民が自発的かつ相互に提供しあうサービス活動を 広義の公共サービス とし さらに個人や集団が 利己心を越えた高次の全体的志向性 をもって自発的に行なうサービス活動を 最広義の公共サービス と名づけた足立忠夫の議論を参考にし 政府サービスを 狭義の公共サービス 行政サービスを 最狭義の公共サービス と位置づけることによって 再度公共サービスの供給機関本位主義的発想の排除を求める 49 だが 前記したように サービスに関する一般的な公私二元論を排し 個々のサービス毎に公共性の特徴の有無を判断する以上 これ以上の解答は出されていない そもそも 1981 年の第二次臨調に先立って 行政の守備範囲 をめぐる問題関心が相当程度まで強くなってきたにもかかわらず 行政学の守備範囲 に関する自己点検を怠り その結果として 公私の境界をまたいだ組織主体間の複合的な管理問題をとらえることが出来ないまま今日まできてしまっ 46 [ 今村 2005]pp56 47 [ 今村 1999]pp11, [ 今村 1978] 49 [ 今村 2005]pp45 16

17 たことへの批判を今村が述べている 50 ことは 何が公共サービスに当たるか 田辺流に言えば 政策分野 に物事が入っているか否か 自体が常に行政学上の議論の争点となることを含意しているかのようにも思われる しかし 公共空間の外延を少なくとも暫定的に定義しておかなければ 守備範囲は無限に拡大し得るし 拡大すればするほど その反動としてガバナンスにおける個々の組織管理研究の一般的に体系化させていくことも困難になるのではないか だからこそ 今村は行革会議の最終報告で出た 公共性の空間 がもはや官に独占されないという意味での公共空間を強く想起しているように考えられる つまり 公共空間の無限の拡大可能性を実質的に回避する為に あくまで行政機関がこれまで直接に また間接的にせよ大きく関与してきたサービスというものを 公共サービスの内実として差し当たり捉えているのではないか 公共性が中央の行政官庁に独占されずに広がっていく その広がったもの また広がるべきものまでを実質的な外延ととらえ その中での組織内 組織間の管理問題を論じようとしているともいえよう そう考えれば 行政学の外枠の暫定的固定化という学問の安定性とトレードオフの関係で 今村自身行政主体偏重主義からあえて完全に脱却していない といえるのかもしれない 2.4 争点整理以上 本章においては今村流 ガバナンスの行政学 の素描を通じ ガバナンスを唱える現代の行政学者達が如何なる理論的課題に直面していると考えるのかを検討してきた 次章以降のストーカー研究に至る前提として 本節ではストーカーを中心としてイギリスのガバナンス研究を読み解く際に争点となり得る問題について 何点か検討を加えておきたい まず ガバナンスの定義についてである 行政学者たる今村はこれを 公共サービスの制度的編成をめぐる組織内 組織間の管理の問題として捉えているが 公共 民間間のウェイトに力点が置かれる以上 政治学的色彩が薄くなる傾向がある 51 だが 後述するように 行政学者としての顔と同時に 都市政治学や市民社会論者としての顔をストーカーは持っており 彼が錯綜するガバナンス概念をめぐり 自身としてどのような定義をなしているのかが着目される 50 [ 今村 2001]pp [ 今村 1994]pp1-2 17

18 次に ガバナンスの定義とも関連するが 今村がいうところの公共空間的ものを ストーカーがどのように考えるのかということである 市民社会論に関係して言えば 前述したように公共性はあくまで市民的公共性の問題として捉えるのが通常であるように思えるが ストーカーが英国政治 行政の実態と変遷を背景に ガバナンスの空間におけるガバメントの位置と第二 第三セクター 市民個人との関係を如何に捉えているのかという論点が彷彿する 更に 今村は日本の文脈で 蠟山行政学とその時代環境の中にガバナンス的問題と理論を見出し ガバナンスの問題を新しいようで古い問題として認識したわけだが このことは ガバナンス研究 の一発端でもある英国政治学 行政学 及びそこに生きるストーカーの研究過程を見る上で 何を意味するのかという争点があろう ガバナンス概念の隆起は昨今のことであれ 英国政治 行政の歴史においても そのような古い課題としてのガバナンスの問題はあったのか あったとすれば それを考察してきた古き政治学 行政学上の諸理論が ガバナンス研究においてどのような連続性と断絶面を持つのか このような問いを考えることが可能である 以上の争点も念頭に置きつつ それではストーカー研究の旅へと出発することにしよう 18

19 3. G. ストーカー総論 以上 1 章 2 章において明らかとなった諸争点を確認しつつ 本章にでは G. ストーカー総論 と題し ストーカーのガバナンス研究の大枠 及びガバナンスの 発見 に至った経緯について考察する 3.1 ガバナンスとストーカー 本節では ストーカーの研究業績の大枠につき俯瞰し 更に [Chhotray and Stoker] の序章及び [Stoker 2006c] を主として取り上げ 彼のガバナンス研究の中核的部分につき掘り起こす作業を行なう 市政学者ストーカーまず ストーカーの人物及びその研究業績について簡単に俯瞰する ゲーリー ストーカーは 1955 年生まれの英国の政治学 行政学者であり ストラスクライド大学 エセックス大学 バーミンガム大学 レスター ポリテクニック 及びマンチェスター大学等での講師 教授職を経て 現在サウスアンプトン大にて政治学 ガバナンス研究の教授を勤める 52 また 2004 年シンクタンクオブザイヤーを受賞した 新しい地方政府ネットワーク (New Local government Network) の創設議長 及びに現議長代理を務めている 2006 年には著書 Why Politics Matters にて 英国政治学会ブックオブザイヤーを受賞した 最初の単著が 1988 年の The Politics of Local Government であったことからも分かるように 都市政治 (urban politics) 及び地方政府 (local government) 研究からスタートしており その研究空間への興味は今尚一貫したものである 現在は その研究テーマを主に民主政治 ローカル リージョナルガバナンス 都市政治 市民参加 公共サービス改革とし それを包括するテーマとしてガバナンス研究を設定している ガバナンスの 発見 とその議論の展開は 彼の場合あくまで都市 地方という政治 行政空間を主なベースにしていたことを念頭に置いておく必要があろう また 2 章で取り上げた今村とは異なり スト 52 以下 マンチェスター大学教員紹介ホームページ 及び サウスアンプトン大学教員紹介ホームページ 参照 19

20 ーカーには行政学と政治学とを厳密に区分した上で 行政学的手法や命題を定立しその政治学からの アイデンティティ を確保していこうという積極的姿勢は見られず 彼にとって両者の境界は極めて曖昧であるとも言えよう 53 更に 後述する議論からも 参考文献一覧からも分かるように ストーカーは新たな命題や方法 理論領域を大きく切り開いていくというよりも寧ろ 既存の方法論や諸命題を批判的 発展的に整理し 様々な事例研究において応用していくというタイプの研究者であることも 予め指摘しておきたい 初期の著書 論文の時点から ガバナンス という概念は局所的に見られたが 54 本格的な研究議論として誕生したのは 98 年に International Social Science Journal[on Governance]1998 に掲載された Governance as Theory; Five Proposition においてである それ以降 市民参加 ニューローカリズム 政府間関係 公共サービス改革等のガバナンスをめぐる諸論文や著作がメインとなり 更に単に地方政府を扱う議論においても そのタイトルや内容に local government ではなく local governance を用いる頻度が急増している 2008 年にはこれらの議論を集大成する形で ガバナンス研究に関する学問分野横断的な大著 Governance Theory and practice: A Cross-disciplinary Approach を V. チョットレーと共同で執筆した 以下では この 1998 年前後から 2008 年前後におけるストーカーのガバナンス研究 労働党ブレア政権時代と重なる時代である をめぐる文献を主に扱うが 特にガバナンスの 発見 を考察する節においては それ以前の自治体政治 行政をめぐる彼の議論をも当然に検討することとなる ガバナンスの定義では ストーカーがいうところの ガバナンス とは何か 1 章でも述べたように ガバナンス概念をめぐる議論は多元化しており ストーカー自身 ガバナンスは 悪名高いほどつかみづらいもの 55 というピエールとピーターズの言説等を紹介しつつ ガバナンスが様々な方法で用いられており 定義や概念使用面での幾らかの難しさを多くの政治学の文献が指摘している旨を確認している その上で このような錯綜するガバナンス概念の核 53 例えば 参考文献を見て分かるように雑誌 Public Administration への起稿は多い一方で 著者紹介においては必ずと言ってよいほど 政治学教授 と紹介される 54 例えば [Stoker 1991]pp261-8 においては 将来の地方政府モデルとして ヒエラルキー的ローカルガバナンス マーケットモデル的ローカルガバナンス ネットワーク的ローカルガンバナンスの 3 つが検討されている 55 [Pierre and Peters]pp7 20

21 にあたるものとして 以下のような基本的な定義を述べる ガバナンスとは 多元的な主体と機関が存在し それらの間の関係を如何なる公式の指 揮統制システムも指令することが出来ないような環境下における 集合的な決定作成のル ールに関することである 56 この定義において重要な要素となるのが ルール 集合的決定 決定作成 如何な る公式の指揮統制システムも指令することが出来ない の 4 点である これらにつき ス トーカーは以下のように説明を加える 57 ルール は公式のものも非公式のものも含まれる 決定作成の手続きは通常一定の制 度環境の下で表現されるものであり 相対的に安定したものである 勿論 必ずしも制度 環境の変化がないというわけではなく 実際 ガバナンスへの興味が隆起してきた背景の 一つには 既存の構築されたガバナンス制度形態が挑戦を受けており 新しいガバナンス の形態が表れているように見受けられる ということがある ガバナンス研究においては 決定作成を構造化するために存在する公式の制度配置のみならず よりインフォーマルな 慣行や習慣といったものもその対象に含まれる このようなルール つまり制度への着目 は 社会科学全般におけるいわゆる新制度論の影響をストーカー自身も強く受容している ことにあろう 58 集合的決定 とは 明らかに 個々の集合によってなされる決定のことである ただ し その過程において個々の選好が合法的になされるとしても その結果として個々人が 好むところの決定がなされる等という保証は 民主主義的ガバナンスの下においても無い 集合的な決定作成には相互的な影響力の行使とコントロールが内包されるわけであり そ の中で生まれた決定に対し参加者は従う義務を持つ 59 決定作成 とは 戦略的性格を持つものがあると同時に システムや組織における日々 の実施等も含むものである 何らかのものを集合的に決定する為には 誰が何を決めるの か どのように決定作成者のアカウンタビリティーを確保するのか といったルールが必 56 [Chhotray and Stoker]pp3 57 [Chhotray and Stoker]pp ストーカーと新制度論につき 09 年出版予定の Debating Institutionalism (Jon Pierre B. Guy Peters との共編著 ) が体系的整理を提供するものと思われる 新制度論の展開については [ 真淵 ]pp45-60 参照 59 この点は 政治に特有なる性質として [Stoker2006a] の 4 章の第 1 命題においても指摘されている このように集合的決定に関することという意味では 後述するようにガバナンスによる出力結果と従来のガバメントによる出力結果は質的に異なるものではない 両者の違いはその決定プロセスに現れるものである [Stoker2006c]pp216 21

22 要になる ガバナンスの枠組みは 社会システムや組織内 組織間関係における集合的な決定作成へ焦点をあて また グローバル的課題をめぐる集合的な決定作成から 地方の行政主体における統治ルールに関することまで焦点を当てる 大切なのは これらミクロ的 マクロ的ものがガバナンスの議論において併存することを理解することである 如何なる公式の指揮統制システムも( 関係や出力結果を ) 指令することが出来ない とは 言い換えれば ガバナンスとは掌握しきれているような人間が誰もいないような世界である ということである 単一的な政府 特に一人の人間によって統治される体制 というものはその意味でガバナンスの対義語としてとらえられる ガバナンス配置において権威や強制といった資源は利用可能であるが 決定作成過程をコントロールできる程に十分な質と量を確保することは出来ない ガバナンスにおいて特徴的な社会的相互作用の形態は 直接的な監督や監視ではなく 交渉 シグナル コミュニケーションや指導的な影響力によって担保されることとなる このようなガバナンスとは 実証的な説明概念であると同時に 変革期にある世界に対し 制度設計の為の技法と価値を提供するような概念でもある とストーカーは考える つまり 今日的な治の実践の中で 何故 どのようにして集合的決定作成が成功したり失敗したりするのかを解明し よりよい治の在り方に向けて取り組んでいくためのものであると考えているわけである 60 その意味で ガバナンスは時には成功し 他方当然失敗もし得るのであって ガバナンスが無いから駄目だ 問題解決の為にはガバメントからガバナンスへの転換が必要だ といったようなガバナンス万能薬論に対しては ストーカーは B. ジェソップの言を引用しつつ 市場も 国家も そしてガバナンスも失敗する と断ずる ここでいうガバナンスの失敗とは 1 つにはパートナー間の参加や再参加をめぐるプロセスの欠如という消極的理由があるが 同時に 既存の市場や強制的調整を介したガバメントによるものよりも より長期的で効果的な政策結果をガバナンスが生み出せていないというような積極的理由も考えられる 61 このようなガバナンスの失敗の背景には 主体間をつなぐネットワークがそもそも不安定な政治的 社会的プロセスに立脚しており かつ参加主体の持つ視野や興味が異なる為に紛争が常に発生し パートナーシップの構築やネットワーク調整 舵取りの困難さが伴うということがある だからこそ 完全には不可能 60 [Chhotray and Stoker]pp 従って ガバナンスの下では アカウンタビリティーの確保の困難性といった問題や パートナーシップ 参加の不均衡化に伴う民主主義的正統性自体の揺らぎも起こりうる [Chhotray and Stoker]pp

23 にせよ ガバナンスそのものを舵取り 調整していくようなメタ ガバナンスとしての役割がガバメントに求められることにもなる ガバメントも他の主体も ガバナンスの困難性を他の決定システムによる代替に求めるのではなく 日々の実験や学習によってこれらの課題を解決していく必要に迫られるわけである 62 以上のように ガバナンスとは法や構造 公的制度によって明確な因果関係の下に成立する社会科学のモデルではなく あくまで限定的な合理性を持つ人々 各主体による実践活動のことを意味する とストーカーはとらえる 言い換えれば ガバナンスとは多元的な視点と興味の文脈の中で調整し 決定作成していくような政治活動のことであり 各主体がそれぞれの行動や判断につき完全な情報を持ちそれに基づいて合理的に判断出来るのだとすればむしろガバナンスの枠組みやルールといったものは不必要であるとも考えられる以上 紛争や意見の相違といったものはむしろガバナンスプロセスにおいて基本的な要素でもある また 各主体による認識枠組に由来する限定的合理性という文脈の中で 全体としてより望ましい方向へと牽引していくことが効果的なガバナンスだと考えることができる と主張している ガバナンスと 5 つの主張ストーカーが初めて ガバナンス を大々的に扱ったのは 前記したように [Stoker 2006c 64 ] においてである 本論考は その後のストーカー自身のガバナンス研究の原点となったと同時に 他の論者によっても多く引用 紹介されるに至ったものでもあり 65 前項で示したガバナンスの定義の内実をより深く理解し その後のガバナンス研究を検討していく上で極めて貴重なものであると言えよう この中でストーカーは 上述の定義同様 単に NPM と同視するような新しい政治 行政のマネジメント論 並びに公共サービス生産と供給の能率性 といったものに限定するのではないものとして ガバナンスを捉える 66 その上で 真偽の厳密な判定ではなく ガバ 62 [Chhotray and Stoker]pp [Chhotray and Stoker]pp 本稿では ストーカー 1998 年論文に関し 06 年の Public Administration: A Readerpp に再掲された [Stoker2006c] を使用する 65 サウスアンプトン大学教員紹介ホームページ 参照 66 尚 NPM とガバナンス研究との関連について ストーカーは英国の自治体を観察対象と 23

24 ナンスの持つ様々な諸相につき考察を深めることを目的として 5 つの主張を提示し かつ各命題の持つある種のジレンマや批判的論点 つまり広義のガバナンスの失敗の可能性につき 合わせて提示している その 5 つとは 1ガバナンスは ガバメントのみならず ガバメントを超えて導出される 一連の組織 主体について言及する これに対しては ガバナンスにおける複雑な決定作成の実態と ガバメントを説明し正統化している規範的な言説との乖離が発生しているというジレンマがある 2ガバナンスによって 社会的経済的問題に取り組むにあたり その責任の所在や公私間の境界の曖昧さが明らかになる これに対するジレンマとしては 行政責任の不明確さは 各主体の責任逃れや責任身代わり者の生産 といった事態を招きうるというものがある 3ガバナンスは 集合的決定作成における組織間の関係の中で行われる パワー依存につき指摘する これに対しては パワー依存は 政府が意図しなかった結論へと問題を悪化させることになりうるという批判があり得る 4ガバナンスとは 複数の主体による自律的な自己統治のネットワークのことである これに対しては 自己統治ネットワークの発生は アカウンタビリティー確保の難しさを招きうるという批判があり得る 5ガバナンスは 指令 権威の利用 といったガバメントの権力に頼ることなく 物事を解決する能力を保持している ガバナンスは 舵取りや指導 (guide) を行う為の新しい道具や技術を用いることが出来る存在としてガバメントを位置づける これに対しては ガバメントが柔軟に集合的決定への舵取りを行っている場合でも ガバナンスの失敗 が発生するという問題がある 67 以上の 5 つはガバナンスを包括的に説明する主張ではないにせよ 互いに相反するというよりも相補的関係にあると言えよう 以下 個別的に取り上げていく 1ガバナンスは 公的なガバメントシステムへの理解に対する挑戦としての意味を持つ 英国の文脈では 所謂 ウェストミンスターモデル への挑戦だといえよう 議会主権主義によって特徴づけられるウェストミンスターモデルにおいては 中央国家における国民 議会 ( 下院 ) 内閣 閣僚という単一的 一元的統制 責任追及過程が観念されるが このような公的制度型のガバメント理解には限界があり かつ英国の複雑な政治 行政システムの実態を説明する上でミスリーディングでもある とガバナンスは主張する 実際には ガバメント以外にも多くの公共性の認定と実施を担う 中央 が存在し 支配人 代理人 した上で 1 戦後の選挙型地方政府時代 2NPM の下での地方政府時代 3 ネットワーク型コミュニティーガバナンス時代 と時期区分を行い 今日的ガバナンスをむしろ NPM を批判的 発展的に継承したものととらえている [Stoker2004]pp10-14 詳細は 3.2 で検討する 67 [Stoker2006c]pp

25 (principal-agent) 的関係の下で ローカル リージョナル 国家 超国家における様々な機関 組織の間での多数のリンケージが形成されている ガバナンスが強調し焦点を当てようとするのは このようなガバメントシステムの複雑な構成と それにともなう国民国家の空洞化 (hollowing-out) である とストーカーは主張する また ガバナンスの視点は 公共サービス供給や戦略的な決定作成における第二 第三セクターの参加の増大にも注意を向けようとする 今や英国のみならず どの先進国でも公私間のパートナーシップ (PPP) は公共政策形成と実施の一部をなしており 国家ガバメントによって排他的に担われてきた行政責任はこれらによって拡散されていく つまり ガバナンスの視点は 広範な社会的力学から切り離された制度的な独立性 (stand alone) を保つ者としてガバメントを認識するような 既存の想定に対する挑戦であると言えよう だが 治の過程におけるこのような複雑な主体とネットワークの存在は 前述したような既存の統制観念との乖離と緊張を招き かえって市民がガバメントにより統制された一元的な公共サービスの提供を求めるといった事態をも招くことにもつながっている とストーカーは考える 英国の例では 地方ガバナンスの域を超えて クアンゴのアカウンタビリティーの欠落 企画と実施の分離の困難性 官僚の匿名性と無責任性の増大 といった事態の発生の中で 緊張が生まれている このような緊張の中で生まれる政治 行政権力に対する正統性の欠如は それに対する公的なサポートや施策へのコミットメントを低下させ 最終的に権力主体が資源を動員し協力やパートナーシップを促進させることの失敗を招きうる点で大きな問題であるが ガバナンスの時代においてもはや単純なウェストミンスター型の単純な行政統制理念は通用しない 正統性が度合いの問題である以上 ガバナンスがいかに高い正統性を得られるか という制度設計を考察していくことが重要であるとストーカーは考える 68 2ガバナンスの視点は 単にガバメントシステムの複雑性への指摘に留まらず 責任の所在のシフト つまり国家のみならず 第二第三セクター そして市民自体へと拡散していく へも我々の注意を向けようとする 最も抽象的にいえば ガバナンスとは長年続いている国家と市民社会との間のバランスにおける変化を示すものであり 戦後型の福祉国家システムの限界を前に 権利意識とともに責任意識をもった積極的市民による活動 ネットワークが 効果的な政治 経済的パフォーマンスを生む土台として求められているのであり その意味でガバナンス論は社会資本 (social capital) の問題や コミュニタリアニズ 68 [Stoker 2006c]pp

26 ム 家族的価値論 といった議論とも結びつきを持つ このような責任所在のシフトは 公的なものと私的なものとの境界を曖昧にし 代わりに NPO ボランティアグループといった名称で呼ばれる第三セクターの隆起 という現実を発見することにもなる これら第三セクターは 広範な社会経済的領域に広がり 市場社会と公的セクターの間において発達してきた 社会的経済 (social economy) 領域を担うものとして現れる ガバナンスの視点は これらガバメントの公的な資源に頼らずに集合的な問題へと立ち向かおうとする現状を捉えることを要求している とストーカーは考える だが 責任所在の拡散は 政策決定者の心中における曖昧さや不確実性を増大させ また本来であれば諸主体を誘導しかつそれにつき責任を持つべきガバメント内の主体が 政策結果の失敗責任を 第二 第三セクターの主体に押し付ける可能性がある という問題を生み出す恐れがある 更に問題なのが より複雑なガバナンスシステムにおいてスケープゴートが生み出される可能性があることである 責任逃れやスケープゴートの問題は昔からあったことであるが ガバナンス構造の下ではそのような可能性はさらに増大することになる 69 3パワー依存とは (1) 集合的決定にある機関が参与する場合に 他の機関に頼る (2) ゴールに到達するために機関は資源を交換し 共通の目的を模索しようとする (3) 交換による結果は参加者の資源のみならず ゲームのルールや交換の文脈によって決定される ことを指す ガバナンス関係においては 如何なる機関も簡単に指令を下すことは出来ず 如何なる機関も単独で問題に取り組む能力や知識は持っていないために ガバナンスの視点における治とは 常に特定の相互的なプロセスとなる この中で これまでのように中央政府が様々な政策分野で優位に立とうとする試みは 多数の予期しない結果をもたらすことになる また パワー依存のコインの裏側として 主体間の力の相互依存が生まれる政治 社会状況において 排他的な 地方自治 を唱える意味もなくなっていく とストーカーは主張する このような相互的な決定 実施過程におけるパートナーシップの形態は複雑であり 例えば支配人 代理人関係 組織間交渉 体系的調整 (systematic co-ordination) 関係 といった区分に分けられる だが 集合的行動におけるパワー依存を理解することは 同時に主体の意思が必ずしも政策結果に適合しない という事実を見ることでもある 更に 機会主義的な行動も結果の不確実さを生みうる 他方で 不確実性が常に望ましくない結果を 69 [Stoker 2006c]pp

27 意味することでもなく ガバナンスは政策形成における不確実性や その自由形式性に取り組もうとする意欲を促進させる側面も持つと考えられる 70 4ガバナンスの下では 究極的なパートナーシップ活動とは 自己統治的なネットワークを形成することである とこの主張の下では考えられる そのようなネットワークは政策コミュニティーや 他の機能 問題の形態に関わるもので 以前から政策学の領域において議論されてきたものではあるが ガバナンスにおけるネットワークとは 単にガバメントに影響を及ぼすのみならず ガバメントから行政事務を取ってしまおうともするものである 複数の主体や組織は 長期にわたるコアリッションの中で それぞれの資源や技能 目的を共有することによって活動する能力を得るのであり これはレジーム 71 と呼ばれるものである レジームの構築に成功すれば そのコミュニティー内におけるリーダーシップは不要となり 彼ら自身で自己完結的な決定作成の場を作り上げることが出来る このような確固としたレジームの形成は ガバナンスシステムの隆起という文脈において究極的なパワーとなるわけであり 同時に国際関係や一部の国内政治学者 行政学者がいうところの ガバメント無きガバナンス というものに対する応答にもなる また E. オストロームの主張した所謂 共有地の悲劇 の問題の発生につき ガバメントによる規制や監視よりも 自己組織的なシステムによるコントロールの方がより効果的にその発生を抑止し対処することが可能となると考えられる だが ネットワークガバナンスにおけるジレンマとは アカウンタビリティーを如何に確保するかという問題である アカウンタビリティーの問題は (1) ネットワークの個々の構成要素におけるもの つまりネットワーク網の中に各主体が埋没してしまい ネットワーク自体への批判や説明責任の要求を求めることが出来なくなるということ と (2) 如何なるネットワークからも排除された主体に対するもの という2つのレベルで問題となる これらの問題に対する解決策は 何らかの形でガバメントを引き戻すことにかかっているように思われる とストーカーは主張する ネットワークは大きな自律性をもったものであるが ここにおいてもガバメントには 統治的な位置を占めるのではない一方で 間接的に 不完全ながらも ガバナンスを全体として舵取りしていくことが求められるのであ る [Stoker 2006c]pp レジーム 特にアーバン レジーム論に関しては にて検討する 72 [Stoker 2006c]pp

28 5ガバナンス環境におけるガバメントの役割につき その ライトタッチ (light touch) な形態に対し適切な形容詞句を探すことは困難であり enabler catalytic agent commissioner といった表現が差し当たり適切だと考えられる ガバナンスにおけるガバメントの役割とは a 問題の分解と調整 ( 状況を定義し 問題対処の為になるステークホールダーを見つけ それとの効果的な関係を定立すること )b 協力と舵取り ( 望ましい結果を生むために 関係に作用し舵取りを行うこと )c 統合と規制 ( 個々のサブシステムを超えて思考 行動し 効果的な調整の為のメカニズムを定立すること ) という 3つに分類可能である 複雑かつ自律的なマルチレベルガバナンスシステムに直面する中で むしろ秩序を定立し指令を行っていくような強いリーダーシップへと向かう傾向もあり ガバメントが今日このような役割を担う能力を有し かつそれを彼らが望んでいるかは不明であるが ガバナンスが既存のヒエラルキー的な治の慣習に対する挑戦である以上 このような管理能力をガバメントは身につける必要があるとストーカーは考える だが ガバメントがたとえ適切に管理を行っていたとしても ガバナンスの失敗という事態は起こりうる という問題がある ガバナンスの失敗とは通常 市民社会における複数の組織 制度間の対立 緊張や 第 1 2 3セクターの間のギャップを乗り越えようとする機関の中における対処能力の不足によってもたらされ得る また リーダーシップの失敗や パートナー間の時間的 空間的協調の困難性 更には社会的な亀裂の深さ などもガバナンスの失敗の要因となる この中で より広い制度や社会 経済構造に対する問題認識を持ったガバメントの改組が必要となるが 他方で我々の能力と認知の可能性と限界を踏まえた中での 制度設計の効用の不確かさをガバナンスは我々に意識させることになる 73 このように ガバナンスは行政の定義を広げ 変容する政治世界の下でその見取り図を提供することに貢献したと同時に その下で発生する新たなジレンマや諸問題につき焦点を当てることにもなった 他方で 見取り図である以上それは時間的 空間的に限定化されたものであり ガバナンスの視点を得たと思ったらその瞬間に実態の方が更なる変容を生んでいた ということは往々にある点には注意が必要である とストーカーは結ぶ 付言 73 [Stoker 2006c]pp [Stoker 2006c]pp

29 前記したとおり [Stoker 2006c] は ストーカーがガバナンス研究を本格的に発展させる上での契機となった論考であり 他の研究業績を発展的にまとめあげた 5 つの主張は その内実を探求するという形で 後の自身の研究領域に大きな影響を与えてきたと考えられる つまり 5 つの主張を完結にまとめ直せば 1 政治 行政主体の多元性 2 国家 社会二元論の相対化 3 主体間のパワー依存 4ネットワーク型ガバナンス5ガバナンス時代のガバメントの位置 であるが 以後 特にガバナンスにおける各主体の集合的決定作成への参加可能性という観点から 事例研究や議論を展開するものが増大していくことになる これは次節以降で検討するように ブレア政権のローカルガバナンス改革や諸々のパートナーシップ促進イニシアティブの提起に対応するものでもあったが ガバナンス概念の下でこれらの研究を整理し位置づけることが出来たことが ストーカーにとってガバナンス研究の大きな意義のひとつであったと推察される その意味でも 今村が行政管理の視点からガバナンス研究を体系化しようとした点とは差異がある そして それらの結果は [Stoker 2006a] や [Chhotray and Stoker]8 章にてまとめられることになる 尚 本稿においても ガバナンスと第 2 3 セクターや市民個々人の参加に関するストーカーの研究については 次章の にて主として扱われる 他方で [Stoker 2006c] の論文自体の構成を問うという意味では 前項の記述からも推察されるように ガバナンス研究を 5 つの主張として整理した切り口は一見して不明瞭である かつ アカウンタビリティーや政治 行政責任確保といった問題が複数の主張に入り組んでいくことは 各主張が相互補完的にあるというよりもむしろ それ自体複雑に錯綜しているようにすら思われる 何れにせよ 5 つの文章形式の主張とそれに対する批判 ジレンマが必ずしも一対一対応になっていない側面がある ということは付記しておく必要があろう 以上のような複雑さに関しては 4.1 の理論紹介においてより体系的な整理が展開されることとなる 次に [Stoker 2008] ストーカーのガバナンス定義に対する再考である 前記したように ガバナンスとはあくまで ガバン (govern) つまり集合的決定に関するルールのことであり 言い換えれば政治的行為のことである これは 彼が別著において 市場的決定などとは異質の政治に特有の原理として掲げた 3 つの主張 つまり1 政治とは本質的に集合的決定作成の集権化された形態のものである 2 政治は 骨の折れる 失敗に傾くこともある複雑なコミュニケーションによって運用されるものである 3 政治決定は しばしば統治エリートの間での総合調整を含み コスト ベネフィットの計算やその出力の複 29

30 雑な分散を経てなされるものである にまさに該当するものでもある 75 このように ガバナンスが政治活動だとストーカーが強く主張する背景には ガバナンスから政治性を排除しようとする試みが 先進国 途上国双方ともにあまりにも多く見られる という事実がある それは恐らく 社会の発展が経済現象と密接に関連していること また 伝統的なガバメントにおける政治行動が非常に暗くかつ非好意的な言説で語られるために その性格を排した新しいデザインが模索されてしまっていること にあると彼は考える この2つの概念化は同時に 人々の経済行動を社会の発展の為に合理的かつ必要なものと捉える一方で 個人の政治的行動を 発展を阻害する非合理的かつ不必要なもの と捉えてしまう考え方にもつながる 前述したように 国内政治 行政における ガバメント無きガバナンス論 が一種のレトリカルな表現であるとしても このような政治の役割の否定は ガバナンス論においても例えばパートナーシップ論の隆起や 専門家や審議会といった役割の増大 つまり価値よりも技術を優先する風潮がガバナンス論によって正当化されている 例えば 政治闘争の場からなるべく集合的な決定を切り離す為に 権限を専門技術的主体に委譲するという具合である ことの中に見ることが出来る 政治を人が他の人と接し 単に自己主張の中で抗し合うことによる緊張感を超えて 暴力無しに最終的に共通の落とし所を見つけるという 複数の人間が同一の空間で生きる為の基本的作業として不可欠なものと捉えるストーカー 76 にとって このように民主政治がガバナンスから切り離されることは 最大の問題でもあるといえよう ガバナンスを理解し どのような形態のガバナンスを実践するかを考える上では 権力や政治といったものの役割を受容する必要があり これなしにはガバナンスを考えることは出来ない そして 主体やネットワークが複合化したことは それは政治空間が多元化し よりダイナミクスなそれが展開されているものと認識すべきだ ということである 77 ガバナンス概念は政治学のみならず 経済学や国際関係論 開発研究においても多用されているが ストーカー的理解では これらの学問領域においてそれを語るにせよ あくまで広義の政治学との関連の中で語る必要があるということであろう 75 [Stoker 2006a]Chp.4 76 [Stoker 2006 a]pp [Chhotray and Stoker]pp

31 3.2 ガバナンスの 発見 ; 歴史認識 前節ではストーカーによるガバナンスの定義 及びガバナンス論の語られ方の整理について検討したが 本節および次節においては そのようなガバナンスが如何に 発見 され また如何なる学説史的経緯の下でそれが展開されるに至ったのかを見ていくこととする 世界的潮流? 以降の議論においても顕著となるのが ストーカーのガバナンス論の展開における 2 つの 現場 である それは でも触れたように 1 つは英国の都市 自治体という場であり もう 1 つはそれに留まらない世界的潮流としての脱英国内的場である 両者の区分はしばしば曖昧であり [Stoker 2006c] にてガバナンス問題の時間的 空間的限定性に注意を向けていたにもかかわらず 方法論 理論研究において それは時に比較的視点に半ば無頓着な議論として表出することもある ストーカーの発表した論考の一覧を見る限り あくまで彼の具体的な議論の場は前者であるが その前提として 彼が何を世界全体として何を観察し ガバナンスの到来を見ているのか検討する必要があろう ガバナンスの到来については 多くの論者がほぼ同様の点を指摘するところでもある 例えば J. ピエールは 先進産業民主主義国における 過去 2 30 年ほどの間に起きた伝統的政治権力構造の解体に伴うものである とする つまり 金融市場の自由化とそれに伴う金融国際化は中央政府の国内経済への対応力を相対化させ またグローバルな人と財の流れの中で自治体やリージョンが中央政府の制度や利害関係をバイパスし直接国際社会との関連を持つようになったこと 更に強い政策ネットワークが複数かつ多様に発生したことが国家の社会に対し自らの意思を課す能力も減退した また 政治エリート自身 国家政府の社会的諸事案に対応する能力に対し強い疑問を抱くケースが増え サッチャー レーガンを代表とするネオリベラリズムのイデオロギーが 年代において複数の先進諸国に伝播し それに伴い政治 行政活動自体においても マネジャリズム という新たな公共経営手法が導入されるに至った 以上のような変化に対する政策結果は政治上の風景を大きく変異させ 政府の外部環境に対する既存の把握 統制能力が著しく見直されることになった この中で国家政府はいかなる位置をしめ また如何なる役割を担っていくのか またそれに対し中央以外の政府や第 2 3 セクターの各主体はどのような位置を占めていくのか ということが問われるようになったと考えるわけである つまり ピエールの考える世界的潮流とは 主に社会 経済面におけるグローバル化に伴う国家自体の対応能 31

32 力の相対化 並びにそれや各国での財政危機を意識した上での国家政治 行政自体の見直しの中で生まれてきた現象である 78 これに対しストーカー自身も ガバナンス研究は明確に既存の社会科学研究と明確な繋がりを持つ一方で それを語る文脈 つまり社会 経済領域における実質的な変化によって定義される文脈を十分に意識する必要があるとし 過去 30 年間におけるグローバル化 及び民主主義的制度の広がりとその理念に対する共感の高まり という 2 つの点を世界的な潮流の要素として挙げている つまり グローバル化時代において 情報の伝達速度や時に国境を超えた人と組織との間の繋がり 相互連結は飛躍的に増大し 金融 経済 通商の発展を招いた グローバル化の定義やその内実に関する議論は錯綜しており もはやグローバル化における相互依存の力は極めて強大であって政府によるステアリングなどは不可能だという論者もいるが ストーカー自身は治の性格は変化したといえど今尚形を変えて当然存在するものだと考えている むしろ グローバル化と同時にリージョナル化という現象を目の前にする我々にとって ガバナンスの視座は閉ざされたというよりも寧ろ拡大されたものと見られるわけであり 特に地域経済のブロック化がグローバル化に並行して起きる 論者によってはグローバル化とは国際経済の今日的ブロック化という者もいる ことこそが リージョナルガバナンスという思考を可能にしていると捉える また 民主主義の世界的拡大に関しても それは単に総論的理念として共有されたのみならず 発展途上国の複数回にわたる民主化の波とその成功は 民主主義の価値 制度化が欧米先進国を超えて定着することとなった このような民主主義の進展は 政治 行政活動の参加者を増大させることで複雑な政治 経済 社会的課題に対応することを潜在的に促進することを可能にし そのような中で複数主体間のガバナンス活動をどのように構築していくのかが争点となる 79 ピエールと異なり ストーカーの説明は 先進産業民主主義国に限らず 第三世界における民主化や世界規模でのグローバル化までも含む点にその特徴を持つ これは 狭義の政治学 行政学に限らず ストーカーが開発学や国際関係論におけるガバナンス研究にまで踏み込んだ議論の整理を後に行うようになったことにも由来する しかしながら グローバル化と民主化という要素が具体的にどのように表出され 制度化されていったのかをストーカーが具体的に調査 研究し解釈してきたのは専ら英国の都市 自治体についてで 78 [Pierre]pp [Chhotray and Stoker]pp7-10,[Stoker 2006]Chp.1 32

33 あり 次にそれに関して検討したい 英国 都市 自治体を中心に つの時代こうしたストーカーの言うところの世界的潮流の英国 特にその都市 自治体におけるにおける対応物とは [Stoker2004a] において ポスト産業主義時代 ポスト官僚主義時代 ポスト福祉国家時代 等といった言説で語られる 地方政治に関するガバナンス的変化とは ポスト産業時代またはポストフォーディズムという概念で幅広く語られる社会経済的実態の変容の中に位置づけることが出来る とされる その鍵となる要素はいうまでもなく国の財政危機である だが その応答としての側面をもつガバナンスは単なる財政支出の削減に留まらない それは同時にグローバル化や市民化 つまり国家政府が独占的に自国の社会 経済的諸問題に対処できず EU のような超国家主体や地方政府 そして第二 第三セクターとのパートナーシップを密にして政策対応を行わなければならなくなったことを反映する まとめれば ピーターズやピエールが言うように 80 ガバナンスとは社会の変化に対する対応物であり 現代国家と現代社会をリンクさせる為の新しい戦略である とここでは捉えられるのである 81 このような社会変化をもとらえつつ 英国のローカルにおける治の形態には大まかにまとめれば 3 つの時代がある とストーカーは主張する つまり 1 つ目は戦後期における公共サービスの提供を如何に実現していくのかという課題をもった選挙型ローカルガバメントの時代 2 つ目は NPM の下でサービス消費者のケアと提供コストの能率性を求めたローカルガバメントの時代 3 つ目はネットワーク型コミュニティーガバナンスの時代である これら 3 つのモデルは それぞれイデオロギー形態の異なった混合を持つと考えられる つまり ダンレビーによれば 1980 年前後においては 1 つ目の時代における職業公務員のプロフェッショナリズムと地方議会における政党連携 というイデオロギーが マネジャリズムやローカリズムといった新たなイデオロギーと混合しながら後者に取って代わられていく時代であった [Pierre and Peters]pp [Stoker 2004a]pp [Stoker 2004a]pp

34 34 表 1 地方における治の時代戦後の選挙型ローカル戦後の選挙型ローカル戦後の選挙型ローカル戦後の選挙型ローカルガバメント時代ガバメント時代ガバメント時代ガバメント時代 NPM NPM NPM NPM の下でのローカルガの下でのローカルガの下でのローカルガの下でのローカルガバメント時代バメント時代バメント時代バメント時代ネットワークネットワークネットワークネットワークコミュニティーガコミュニティーガコミュニティーガコミュニティーガバナンス時代バナンス時代バナンス時代バナンス時代治のシステムにおけ治のシステムにおけ治のシステムにおけ治のシステムにおけるキーとなる目標るキーとなる目標るキーとなる目標るキーとなる目標福祉国家の文脈における入力の管理とサービス提供節約と消費者主義を強調した入力 出力の管理包括的な目標は 市民が最も関心を持つ問題に対する対処の効率性 有効性を最大化していくこと支配的なイデオロギ支配的なイデオロギ支配的なイデオロギ支配的なイデオロギープロフェッショナリズムと政党間連携マネジャリズムと消費者主義マネジャリズムとローカリズム公益の定義公益の定義公益の定義公益の定義政治家によって行われる 市民の入力というルートは殆どない 消費者としての市民個々人の選好の集積個人と市民の選好が複雑な相互関係の中で導出されるアカウンタビリティアカウンタビリティアカウンタビリティアカウンタビリティーの支配的なの支配的なの支配的なの支配的なモデルモデルモデルモデル一元的統制モデル 市民が政治家を選出し 政治家が官僚制を統制する 政治と管理を分離 政治は目標を定めるが 管理には関与しない マネージャーは公共管理に対し責任を負う 消費者としての市民による評価の経路も存する 選挙 レファレンダム 討議的フォーラム 調査機能等多様な方法で 政治家 行政職員 諸々のステークホールダーに対する責任追及のルートを確保する 好まれる公共サービ好まれる公共サービ好まれる公共サービ好まれる公共サービス提供システムス提供システムス提供システムス提供システムヒエラルキー的な行政当局または自己調整的な専門家によるもの私的機関または個々の行政目的をもったエージェンシー等によるもの実用的に選ばれた選択肢のメニュー つまり 1~3 セクターすべての主体が供給主体になり得る 公共サービスのエト公共サービスのエト公共サービスのエト公共サービスのエトス公的セクターがサービスのエトスを独占し すべての公的機関が持つ公的セクターのエトスに対し その非能率性の観点から懐疑的どの単一のセクターも公共サービスのエトスを独占することは出来ない 共有された価値を通じた関係の維持が不可欠 上部 政府との関係 上部 政府との関係 上部 政府との関係 上部 政府との関係サービス提供における中央政府とのパートナーシップ的関係業績評価に基づく契約 サービス提供 パフォーマンスを介した上向きの関係複雑かつ多様 リージョナル ナショナル EU との多層的な関係 関係は交渉ベースであり かつ柔軟である ( 出典 )[Stoker 2004a]pp11 一部訳を改めた

35 具体的に見ていけば 第 1 時代の伝統的な行政モデルにおいては 地方自治体の鍵となる課題は 福祉国家の一環としてよりよい公共サービス ( 学校 家 公用道路等 ) を提供することにあり その担い手として地方選挙で選出された議員と職業公務員群 つまりローカルガバメントが排他的な主体として考えられた これに対する最初の攻撃となったのが 第 2 時代の NPM であった NPM が隆起し始めた背景には 60~70 年代のコーポレートマネジメント論があったが これが 80 年代には サービス提供におけるコストダウンを主眼とした全体的な能率性の追求というマネジャリズムの中で政治 行政過程にも注入され 90 年代には公共サービス消費者としての市民を第一に考えるという意味での消費者主権論が 行政過程へも入り込んでいった マネジャリズムというイデオロギーにおいては 政策決定者は全体的な方向付けは出来るといえども それを実施する具体的な術の専門家ではないのだから 決定と実施を分離し むしろ後者の自律性を担保することで 政治からの不当 不適切な介入を受けずに 公共経営活動が合理性を伴って能率的に実施されることが期待された そして この実施という意味での行政活動の分離は 同時にそこに競争原理を生むことでもあり 消費者主権論の台頭ともリンクして 既存の行政機関に限らず最も能率的に公共サービス提供を実施できる主体にそのサービス提供が委任されることとなる 第 3 時代のモデルとしての複雑なコミュニティーガバナンスは 1990 年代半ばから輪郭を形成し始めたもので ローカルガバメントの役割はそのコミュニティーにおけるニーズを直接 間接的に満たしていくことであるというローカリズムの発想に大きく示唆されたものであった つまり 前 2 つのモデルとは異なり その地方にとって何が政治的争点であり 何がその解決策になるのかという点を強調し また単なるサービス提供の能率性を超えて 多層的なガバナンスの複雑な体系の下で定義されたその地域共同体のニーズ つまり パブリックバリュー に如何に対応していくのか という包括的な姿勢がみられることとなった このモデルにおいては 上層 下層のガバメントや市民 利益関係者層との高い連結が必要とされ 更にアカウンタビリティー確保のシステムも重層化する マネジャリズムの発想は維持しつつ 2 つ目の時代とは異なり 市民が最も関心を持つ問題への対処を行うにあたり諸々の機能 組織的境界を超えた協調型の ホーリスティックな作業がそこでは求められることになる とストーカーは述べる [Stoker 2004a]pp12-14 尚 治におけるホーリズムの追求に関しては 殊に英国の歴史においては 過去 2 30 年のみならず 18 世紀頃から断続的に隆起する旨をストーカーや 35

36 シクス等は指摘している [6 et al.]chp.1 つまり 以下に示すような政府への期待が これまでの歴史の中で上下してきたと彼らは主張する A; 問題解決型行政 : 市場に介入してでも 政府によって当座の問題が提起され解決されるべきだというもの B; 政策設計 実施における有効性 : 政府による社会 家族 経済政策の有効性 具体的な社会問題解決に向けての公的な目標 C; 合理的な設計 : パフォーマンスと成果に対するアカウンタビリティー 評価 データ収集のシステム 及びこのガバナンスシステム内での財政管理 D; 統合 : 機関間のより明確な調整 E; 優先順位化 ; 政治 圧力 メディアの関心 利益集団やロビーによる働きかけにただに従うのではなく 政治問題 資源の配置 綿密な調査予測の配置により 問題とその実行可能な解決策の間に優先順位付けを行う為の公的かつシステマティックな戦略 F; 予測と予防 : 事前処理 将来予測のさらなる制度化 政策形成における予防メカニズム 特定の問題に対する適切な介入このような議論は ニューリベラルや 国家的有効性 (National Efficiency) を主張したウェッブ夫妻等に顕著に見られるが それは例えばローズ [Rhodes 2000]pp69-74 が主張するように 社会主義的な左派だけがと合えるというものではない とシクスやストーカーは考える つまり 社会主義左派の中でも真性の急進主義者は 功利主義的な政策の効果は特定の社会階級 集団の利益を維持する目的を超えたところにあるべきだという主張の正当性の異議を唱え 政策形成に置ける功利主義的手段そのものに懐疑的である 同様に 自由主義 リバタリアニズムの中の真性な急進主義者も事前処理や予防措置という考え方を否定し オークショットなどのまた多くの権威志向的な右派もガバナンスの中核としての問題解決という考え方を否定した このように どの政治的傾向をもった急進派も共通に 政策を超えた生の政治にコミットしていたのである 実際の内容がどのようなものであれ このような急進派の考え方は 政府 社会事業の分割を徒に進め 後の制度的な調整や秩序化が求められるような形に至る 理論上は 急進派の中にも政府の役割の復活を求めるものもいたが 実際にはそうすることの困難さから さらなる分断化 (fragmentation) の流れを進めるような形での業務の縮減 配分の改革におけるアウトソーシングその他のメカニズムの採用をとることになった 以上のようなことが中道主義 (centrism) を生み出す土壌になっている と彼らは主張する つまり中道主義とは 前時期の断片化を齎した政策 行政の行き過ぎを是正する者として登場するのである 今日の協調型政府の支持者が 80 年代の ニューマネジメント 時代の問題に答えるものとして自身を捉えているのと同様に 第一次世界大戦後のフェビアンやニューリベラルといった合理主義はビクトリア時代の市民サービス 地方自治体改革の結果に関連して生まれてきたものであるとして捉えられる 同様に 70 年代のヒース政権による改革は 戦後の社会福祉の混沌としたガバナンスシステムを正そうというものであった 決定的なことは 中道政権による行政改革の成果は 不可避であり かつガバナンスシステムの制度構造の堆積層をつくり 急進派と中道派の波を生き残る要素を含んでいるということである 行政改革の歴史は 単なる中道派と急進派による互いの組織の破壊の繰り返しではなく 各種の制度化の達成は困難であるが 各々の政権末期の失敗しかみない批評家が想定するよりもずっと深い部分で達成されているという これらの事実を見れば ホーリスティックな政府の提唱者は 自分のすべての目標を達成することは出来ないのだから それは何も達成することは出来ないのと等しいとする批判は有効ではないとされるのである 中道派は その中核に実施の政治と手段としての政策管理はある程度の基準でそろえることが出来ると考えている 批評家達はこれをユートピア的構想と断じるが そうではな 36

37 サッチャーと英国ガバナンスの到来 1979 年にサッチャー保守党が政権を獲得したとき その先導的なレトリックは規制緩和 権限委譲 分散化 (decentralization) であった サッチャーにとって地方の問題とは 財政難と英国の経済的低迷を前に 膨張しつつある地方財政を如何に解決し そこで担われる公共サービス提供を如何に能率的に実施していくかという点にあり この課題は選挙型ローカルガバメントに代表されてきた既存の地方自治体に対する発想に対する根本的な挑戦でもあった その意味で 保守党はガバナンスへの移行における環境を作り出した つまりローカルガバメントからローカルガバナンスへのシフトの為の環境を 公共サービス提供の能率化 消費者主義の名のもとに提供した とストーカーは捉えている 84 具体的に 地方制度 NPM 民営化 能率性の監査体制 という 4 点からストーカーの認識を見てみる まず制度に関しては ローカルガバナンスの制度構造は 1979~1997 年の保守党政権下において根本的に変化した 基本的な地方制度構造としてグレータ ロンドン市の廃止に代表される 2 層制から 1 層制への転換が図られた他 地方財政に対する中央の締め付けも増した グレーター ロンドンの廃止は そこが労働党の牙城になっていたという政治的意図も大きかった 85 が それと同時に地方政治自体に対するサッチャーの不信感がそこには現れており 地方議会やその下での既存の行政組織の役割は減退され 再構成された また 新しい形態 または再構成された委任行政主体や地方特殊法人が 時にはローカルガバメントをバイパスしつつ ローカルガバナンスにおいて重要な位置を占めるようになった 86 これは地方政治の軽視という側面を持つ一方で 能率性と消費者性を高める為にローカルガバナンスの過程における新しい参加をもたらしたいという彼女の誘因 い 誰も政治と政策が常にお互いを高め合うという神話は信じていないし それは I. バーリンがいったように すべてよいことは相伴う という誤謬である 功利主義的な組織構造の技術的な構想の完全な支配は政治的に非現実的であるし 自由民主主義体制においては絶対的な単一原理による支配は望むべくもない 以上のような視点から シクスやストーカーは 中道派のプロジェクトは批判家が認めるよりも多くのものを達成してきたし このプログラムはある程度の制度化を達成しているとする 84 [Stoker 2004a]pp28-29 [Stoker 1991] 85 これについては [ 下條 ]pp も参照 86 地方特殊法人 ( クアンゴ ) については [Stoker 1999] が詳細な検討を加えている 当然 英国においてはサッチャー時代以前からも存在し 地方の政治 行政の特徴にもなっていたが サッチャー時代において行われたことの意義は これらの特殊法人が単なる周縁部の事務機関から中心部へと引き寄せられ 確固とした行政主体として制度化された点にある とストーカーはまとめている 37

38 もあり 市場の知見や利益のみならず ボランティアグループや活動的市民もそこへと動員されていった 87 前記したクアンゴ改革などは まさに NPM の発想を具現化するものでもあったといえる NPM が意味するところの範囲は広いが 保守党政権にとっては それは既存の公共サービス提供の形体に対する批判であり 市場原理の導入による改善の視点を意味していた 彼女らの発想からすれば 既存の公共サービス提供は供給者利益を重視するものであり 能率性に欠けかつ需要者への配慮にも欠けるものであった 解決策としては 単一的な公共サービスの分断化された提供機関を構築し 組織内における消費者とプロバイダーの分離システムを導入 さらにマネジメントにおける準市場的メカニズムを注入することにあった このような NPM は 組織内のマネジメントにおける差異化されたシステムを埋め込むことにもなった 88 内的な公共経営の刷新と同時に NPM は 行政サービスの市場化を促進する為に 可能な限りの民営化を促進しようとする 前述の通り 英国の都市行政の発展は産業資本主義の発展と密接な関連を持ち 19 世紀末から 1930 年代にかけて 都市の発展と産業化の進展とともに上下水 電気 ガス 教育 公営住宅 社会保障 バス交通 警察 消防といった多くの公共サービス機関が自治体直営とされた 戦後 その一部は国の特殊法人に引き上げられたが 公営住宅の管理 運営という非常に大きな部分が残され 大きく発展するに至った サッチャー時代においては この公営住宅が自治体行政サービス提供において真っ先にやり玉に挙がった他 その後公共交通や教育 NHS( ナショナル ヘルス サービス ) の見直しにまでその触手は広がっていた 89 政府内の規制も複雑かつ強度を増している C. フッドはこれをコンプライアンスに加え結果レベルに関する統制も含めた 二重の悪魔の目 (double whammy) と表現したが 現に 1976~95 年の間に 地方自治体を対象とする大量の規制主体 つまり会計監査や調査を担う主体が形成された そして 保守党政権時代には地方政治 行政に対する規制や監査がより直接的にある側面もあった このように 地方官僚制の行動を変え より能率的な行動形態へと移行させる為に導入された様々な監査 調査制度であったが かえって地方の政治家や行政職員たちを恐怖に陥れるがために彼らを改革プログラムから消極的にさせ 87[Stoker 2004a]pp [Stoker 2004a]pp [Stoker1991]Chp9,[Stoker 1997] 38

39 てしまったケースも多かった 90 以上のような市場類似的な公共サービス提供改革は 確かに英国の行政活動に非常に大きな影響を与え 特定のサービスに関しては市民の満足度が向上したというデータも存する しかし 何がそのような改善をもたらしたのかにつき 因果関係がよく解明されていない とストーカーは考える 退出 声メカニズム (Exit and voice mechanism) に基づき考えれば サッチャーは市場原理の導入による exit メカニズムを重視したはずにもかかわらず むしろ市民による exit は改革のキーとなる要素とはなっておらず 寧ろ中央政府からの要求とニューマネジャリズムという価値の内面化が 改革の大きなドライブとなったと考えてよい と解釈している また システム全体と 個々の施策との一貫性の欠如 という当初予期しなかった問題も発生した このように 公共サービス提供に関するサッチャーの改革はいくらかの部分的な改善を生んだが 他方で有害な副作用を生んでおり その典型例が共同体における 信頼 忠誠 の欠如である より詳しく保守党が生んだローカルガバナンスを評価する上では 以下のことに配慮する必要がある という 1 つ目は システムの複雑性とそれに伴う曖昧な責任の所在いう結果が ガバナンス配置への正統性を幾分か揺らがせる結果になったということ このような政治 行政過程への正統性の減退は 結果的に保守党にとってより影響を及ぼすことが難しいようなシステムを作ることへとつながった 2 つ目は 公的な問題に関する誠実さの度合への疑問が発生していること 特に クアンゴや委任型の行政主体の政策位置が高まったことは その実施過程における閉鎖性を促進することにもなった 3 つ目は 各行政活動における相互間の調整 協働が欠落する傾向にあるということ クアンゴや各種行政主体は 単体では能率的に機能していても それらの行政課題を統合的に運用するような行政活動 つまり協調的なガバナンスは不在であった ガバナンスには文化と同様に統合の能力も求められるが 既存の地方自治体を比較的弱い位置に追いやったことで 多元的な目的への統合 協調的な運用機能を減退させることにつながった 4 つ目としては 政治的なアカウンタビリティーが不在であったこと 確かに特殊法人は財政的 管理上のアカウンタビリティーを担っていたが 集合的なアカウンタビリティー つまり政治的なアカウンタビリティーが不在であった このような場所では 地方の市民が如何に voice を挙げたくても それが確保されるだけの空間はないのである [Stoker 2004a]pp [Stoker 2004a]pp

40 つまり サッチャー保守党の問題は 彼女らが消費者主義と公共経営におけるマネジャリズムに徹し 地方自治体における政治性やデモクラシー構造というものを殆ど無視したことにある とストーカーは見る 独断的に無視したというよりもむしろ 彼女らは地方の政治性なるものに一種の嫌悪感を抱いており その力を弱めようとする側面が強かった 結果 確かに幾らかのサービス提供面における改善は見られたものの それでもその手の利益は他の多くの不利益や犠牲の中で手に入ったものに過ぎない という 92 ただ他方で 地方政治という文脈ではないものの クアンゴや委任行政主体を始めとした公共サービス提供における様々な主体を制度化したことは 前記したように事実上のガバナンスの到来を招くこととなったという その後英国政治において求められていったのは まさにこのような多数の制度化された政治 行政的主体を前に 地方自治体がその選出上の正統性と目的上の多様な特徴を踏まえてローカルガバナンスの先導と調整を担うことだったのである ニューレイバー時代のガバナンスの実践以上のように 英国におけるガバメントからガバナンスへの移行はサッチャー時代の公共サービスの外部化 クアンゴの多用 といった中で準備されたものの ストーカーにとって ガバナンスが本質的に政治的行為であり またあらざるを得ない以上 サッチャー行革は 特に地方への政治不信に端を発した政治領域の減退を志向するものであった としてこれを厳しく非難しているわけである この政治 行政主体と過程の多元化を前に ブレアが取り組んだ試みとは 地方政治を再び復活させる一方で これら多数の主体間の統合型ネットワークガバナンスを模索することであった つまり ブレア改革における主要なテーマとは 業績マネジメント 政治の復活 協調とパートナーシップ作業であり exit and voice mechanism においては exit のみにこだわったサッチャーと異なり voice への着目も強化している 93 ニューレイバー時代のガバナンスに関しては 4.2 において個別に取り上げるので 以下では ブレア時代のネットワークガバナンスなる試みをストーカーが如何に整理してきたのかの概括的に素描する ニューレイバーにとっての合言葉は 現代化 modernization であった その内容は 92 [Stoker 2004a]pp [Stoker 2004a]pp

41 既存の中道左派の政党運営に留まらず 新しい時代にコミットしその先端を切り開いていくこと ガバナンスや公共サービスを含む制度を改編し改善していくことである ただ 現代化というレトリックよりも それによって実際ブレアが何を求め 何を導きだしているのか というその行動に着目することの方が大切である とストーカーは言う 実際その行動を観察すると 内政面においては 3 つの特徴をもつプロジェクトが抽出できる 1 つ目は 差し当たり短期において労働党を選挙で勝たせる党にし 最終的には 21 世紀の natural party にまで高めようとすること 2 つ目は 単なる福祉主義ではなく 機会均等と個人責任により着目した 企業家型の福祉主義 を推進したこと 3 つ目は国家の能力を回復し 中央官僚制の再活性化を進め 複雑な問題に統合的に取り組めるような体制を模索する一方で 国内部での権限委譲は促進したこと である しかしながら この 3 つは互いに緊張関係を持つ側面もあり 現に 1 期目は減税を図る一方で基本的な公用サービスに関する財政支出を増大させるなど かなりの部分で混乱が見られた また 党内でのサポートも弱く その孤立性と活動家の基礎の無さは 根が浅い と評されるところもあっ た 94 保守党のように地方政治を意味のないものとして排除することはなかったが かといってニューレイバーの目から見ても 選挙型地方政治は十分うまくいっているとは言い難かった 特に問題となるのが公共サービス提供面における改善の不適切さであり また市民の興味や正統性を獲得する点においても政治上の特定の失敗が見られた 彼らからみれば サッチャー改革を経ても地方レベルでは供給者主義の行政文化は完全には改革されておらず むしろ能率性のみに着目しその結果や内容に関する興味を払わなかった彼女らの改革によって 逆にその性格が強化された側面もあったと判断した 未だに地方の政治家や行政職員たちはリスク回避主義的で 変化に対する反応速度や 機会を利用していこうとする心構えが少ない また 個々の公共サービスも十分に連携されていない ガバナンスは断片的で複雑な制度上のジャングルではなく 人々のニーズに対応したような協調型のそれが必要なのである と彼らは判断する Voice も適切に働かない地方政治は根本的な改革が必要だと考えられたのである 具体的に見れば 地方政治の問題は以下の 2 つであるという 1 つ目は 選出議員の質と役割についてである 背景には 地方クアンゴを始めとする行政主体の多元化の中で 市民は選出議員になったりそれを介したりせずとも自ら政治 行政過程に参画することが可 94 [Stoker 2004a]pp

42 能になった事もあり 議員が選挙競争に値して就任するだけの地位や役割を持つ と市民が考えなくなったことも大きい 2 つ目は 市民が地方政治自体に興味を持たなくなったということである 地方選挙の投票率が急激に落ち込んでいることを始めとして 地方政治への参加の停滞は労働党にとって大きな課題となった 選出者の能力不足と低い透明性や住民の地方政治への興味の低下は 地方政府による強いリーダーシップの発揮の障害になったと判断されたのである 95 地方政治システムに対するニューレイバーのビジョンには 単なる不承不承の承諾ではなく ガバナンスの採用に関し積極的な態度が見られた これまで見てきたように ガバナンスとは 国の行動の限界を知り 社会的問題の解決の為にビジネスセクターやボランティア 個々の市民の協力を積極的に動員していこうとすることを示唆し 伝統的な直接 組織内的サービス提供時代の終焉を主張する一方で 調達におけるより広範な開放的アプローチを提案する また交渉や取引といった手段を用い 関係者 参加者からの正統性を確保し 選挙型デモクラシーのルートに限らず多くの市民からの積極的な同意を確保しようとする ここにおける政府の役割とは リーダーとして社会的問題の解決を促進していくことである これら過去 20 年の間にみられたガバナンスの特徴をニューレイバーは再構成し そのよい地方政策に向けた構想を打ち立てる上での基本と考え 証拠に支えられた実用的なアプローチを選択しようとした とストーカーは分析する ニューレイバーには 古い中央集権的な政治システムが挑戦を受けているという強い思いがあったのである 現に マルチレベルガバナンスの出現という現実は 統治がより複雑なタスクになったことを示していた このような新しい 現実 に対する彼らの対応は はじめに自らの政府自体の限界を認識することであった 鍵となる課題は 社会的な良い結果に達するために1~3 セクターの貢献を最も引き出せるような地方制度をデザインすることにある また サッチャーのように能率ではなく 公共サービス争点のフロントサイドにおける有効性 つまり結果を重視することとなった ここでは 市民の参加の拡大が積極的な社会的経済的結果を生むのか否かが問題になる つまり 公共サービスが社会経済的価値のある出力を生むのにガバナンスシステムが貢献したか否かが争点となるわけである また レイバーにとっては ガバナンスは調達に関するものも含む そして 彼らは選挙型の地方政府に対し 公共サービスの提供者としてではなく コミュニティーのリーダーとしての役割を要求する ここでは 地方政府は指令をするのではなく 政策形 95 [Stoker 2004a]pp

43 成と実施に至るまで市民 企業 ボランティア団体との様々な関係を促進し効果的な結果 を齎すための調整 協働という舵取りの役割が求められる とストーカーは述べている ガバナンスの 発見 ; 学説 前節のような実態を踏まえ 本節においては 英国政治学 行政学研究の中で如何なる経緯によりガバナンス的なものへの研究がなされていったのかを ストーカーの研究過程を基に追跡する 始めに現代政治学 行政学全般についてのストーカーの言説を俯瞰し その上で 彼の英国都市政治 行政研究史を軸に 都市政治学 行政学が具体的にどのようにガバナンスを受容してきたのかにつき検討を加える 政治学 行政学総説ここでは 前項で検討した 世界的潮流? に対応した 政治学 行政学全般に関する議論を簡単に検討する 政治学 行政学におけるガバナンスの出現は 国家の空洞化 (hollowing out) という理念からスタートし これは内的な行政主体の多元化 地方への権限委譲 また対外的には EU 国際機関等の決定機関の多元化に対応するものである とストーカーは述べる 特に EC EU 研究がヨーロッパ内外で 80 年代以降急速に進められたことは 時には国際 国内行政諸機関間の 非政治的 側面をも抽出しながら 政策決定空間の多元化やガバメント外の主体との関係という文脈の中でマルチレベルガバナンス的視点を持つことを準備してきた 97 また 特に政策研究や行政学の分野では ガバメント以外による公共サービス提供 行政責任の分化を前に 国家が単体ではなく寧ろ複雑な関連性と断絶性をもった諸制度の集合体と捉える解釈が生まれ それを表現するものとしてガバナンスという新たな概念が模索された 特に 伝統的な個々の諸機関における政治 行政二分論と その中における政策形成 組織管理研究という枠組みを超えて ガバメント間やガバメント以外の諸主体との複雑な関係にも目が向けられることとなる そして ガバメントがもはや行政を独占できない状況では 様々な機関間の資源相互依存関係が生まれ 官僚制の作動原理もヴェー 96 [Stoker 2004a]pp [Chhotray and Stoker]pp

44 バー型のヒエラルキー的な支配モデルと同時に 水平的な調整過程の重点が高まっていく つまり 直接的な官僚型支配に超えて 間接規制 行政契約 利益団体ネットワークの利用 といった様々な政策 行政調整のメカニズムがガバナンスの下では隆起し そういった調整原理への研究の必要性が認識される また 組織間の関係や より広くは国家と市民社会との関係が再検討されるわけであり このもとで効果的なパートナーシップや政策参加制度を形成し ポジティブサムの政治的ゲームを可能にするような統治スタイルが如何なるものなのかを探求することも求められる 政治学 行政学全般としては ガバナンスを理念的に理解するというよりも現実変化に対応した実態と認識し ガバナンス時代におけるアカウンタビリティー低下や統治機能の減退 民主的正統性の揺らぎといった諸問題を分析 検討する概念として重視している とまとめている 98 以上が ストーカーが [Chhotray and Stoker] にて政治学 行政学におけるガバナンス流入後の変容であり 前節で検討した 5 つの主張とも類似するところが多い しかしながら これだけではガバナンス的ものが如何なる過程を以て政治学 行政学の領域に浸透してきたのか または突如として降って湧いたような類のものなのかは 全く不明である 本書においては社会科学全般が扱われているために焦点がぼやけてしまうわけであるが 今村同様に 少なくともストーカー自身にとって ガバナンス研究は別のところから降って湧いた類のものではなかった それは 彼自身がスタート地点とした市政研究における潮流の中で 段階的に準備されてきたものともいえるのである 都市 自治体研究の潮流変化英国 米国における都市政治 行政研究においては 一定のサイクルと傾向がある とストーカーは言う つまり まず 年代においては その研究対象は主として制度にあった この時代 都市政治の研究とはつまり地方政府の研究のことを意味し そこでのアクターは法的に制度化された議員や行政職員等に限られた ここでの主たる関心は 議会と行政機関との関係 つまり 地方政治家が自治体職員の行政的自律性を担保しつつ 如何に民主的統制を行うか また行うべきかといった 規範論と実証分析が交錯した古典的な政官関係論等をめぐる制度的な代表民主主義の問題であった ここにおきた一大的変化が 60 年代の政治学における行動論革命の影響と それに伴う経験的な実証分析の発展である そして この衝撃が都市政治研究にもたらしたのが エリート論と多元主義論の 98 [Chhotray and Stoker]pp

45 間に繰り広げられた所謂 CPS 論争であった 99 ただ ストーカーも述べるように 当時の CPS 論争が英国を含めて 米国以外のヨーロッパ圏に大々的に広がる事はなかった 中澤によれば 有名な事例としてほとんど唯一の例は D.C. ミラーによるパシフィック シティ ( シアトル ) とイングリッシュ シティ ( ブリストル ) の比較研究であり ブリストルではアメリカのような企業と政治との結びつきは観察しにくいとされた 100 確かに英国においても 政党 圧力団体 そして特に中央政府からの地方議会に対する影響力には無視できないものがあったが あくまで地方の政治決定における地方自治体の中心性は米国の諸都市よりも強く 従って企業や非制度的利益がコミュニティーにおける民主主義を減退しているという危機感の共有も無かったのである 101 むしろ 1970 年代に入ってからの 他の社会科学における理論の注入に 英国の都市政治研究は大きな影響を受けた それは 一つにはマルキシズムの影響である マルキシズムの決定的な影響とは 既存の都市政治研究を政治機構 制度研究から より外部の社会的 経済的影響やそれが政策上の資源配分にもたらす影響へと焦点を移すことにつながったという点にあるという それは同時に 都市内部における社会的 ( 階級 ) 対立や 脱産業化といった問題が地方政治における争点となっていることも浮き彫りし 世界資本主義の中における都市管理主義や都市の集合的消費に焦点があてられることとなる 102 このネオ マルキシズム的影響の代表例としてストーカーが分析を試みるのが レギュラシオン理論と都市政治研究との関連についてである 周知のとおり レギュラシオン理論とは マルクス主義 新リカード派の影響を受けつつ フランスの官庁エコノミストを中心として形成された 戦後経済の変遷を フォーディズムの発展と危機 ポストフォーディズムへの移行 という枠組みで説明しようとするパリの一経済学派である 103 つまり レギュラシオンは 産業生産システムや労働過程の狭義の変化のみに着目した経済決定論に終始するのではなく 一般的な社会組織パタンの特徴とその変化 言い換えれば特定の時代における成長と安定の背景にある経済的 社会的 政治的構造の一定の調和的な相互関係に着目する そしてこの考え方に基づき 欧米の産業経済史を119 世紀から 1920 年代にかけての競争的調整の時代 年代から 1970 年代初頭にかけてのフォーディス 99 CPS 論争については [ 秋元 ] 等 100 [ 中澤 ](2) 101 [Stoker1998]pp [Stoker 2000]pp90-91 [ 中澤 ]3(2) 103 [ 山田 ] 45

46 ト的調整の時代 年代半ば以降のポストフォーディズム的調整の時代の 3 つに大きく区分する 2のフォーディズム時代においては 流れ作業による生産管理システムとしてのテイラー主義が成立し 企業の大規模化とそれに伴う工場生産製品の大量化が誘発され これに伴い労働者の賃金も増加し購買力が高まり それがさらなる生産増を招来する この中で国家も 経済 産業構造に積極的に関与しつつ 私企業成長に呼応した税収を用いて教育 社会福祉 住宅 医療等の大規模な福祉政策を実施し これが労働者の質の向上と更なる生産拡大を生む という 黄金の循環 が 先進諸国の間にある程度共通する現象としてみられた しかしながら このような循環は潜在的な供給過剰の可能性を内在しており またフォーディズムの時代においてはあくまでブルーカラーの単純労働者を主として想定したこと かつ労働過程自体もサービス業等への応用可能性が低いこともあり これらの諸要素が 60 年代ごろから緊張関係を生みはじめ 70 年代のオイル ショックと財政危機を前に 破綻を来すこととなる その後移行したポストフォーディズム時代の内容を フォーディズ時代のように明確に定義することは困難であるが 社会全体の専門化と柔軟性が促進され 高度な技術産業やサービス産業の多様化が同時に生まれていくこととなる このような労働市場の分極性に伴い 国家もそれに対応した柔軟な社会経済政策を打ち出すことが望まれるようになる 104 レギュラシオン学派の理論的妥当性を議論するのがここでの目的ではない ストーカー自身も レギュラシオンのとらえる フォーディズム ポストフォーディズム というパラダイムは一種の理念的な形態であり 従って現実の一部しか描ききれていないことは指摘しており 寧ろこのパラダイムが地方政治の理解に与えるインパクトの方を強調する 105 固より それ以前から地元経済振興において地方政府 及び外部の私企業が果たしてきた役割はあったわけであるが とりわけポストフォーディズム時代においては 自治体自身の財政緊迫化の中で地方経済や都市開発の新しいニーズに取り組むことが一般的には求められるわけであり それは同時に必然的に政治 行政活動における非選出型の外部主体の役割を認識させるに至った ここでの地方政府に見られた変化とは具体的には 1 地方政府の経済介入と PPP( インフォーマルなものも含む ) の量的 質的拡大 2 民営化や NPM 等による公共サービス提供パタンの変化 3 政治的代表の分節化である 英国の文脈では 前述したように特にサッチャー政権時代に具体的な改革として見られたところである ま 104 [Stoker 1990]pp [Stoker 1990]pp249 46

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