平成 26 年度博士論文 日本国内における二酸化炭素分離 貯留の経済性および社会への導入可能性に関する研究 東京工業大学大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 久留島守広 指導教官 岡崎健教授 平成 27 年 2 月

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1 論文 / 著書情報 Article / Book Informat 題目 ( 和文 ) 日本国内における二酸化炭素分離 貯留の経済性および社会への導入可能性に関する研究 Title(English) 著者 ( 和文 ) 久留島守広 Author(English) Morihiro Kurushima 出典 ( 和文 ) 学位 : 博士 ( 工学 ), 学位授与機関 : 東京工業大学, 報告番号 : 乙第 4110 号, 授与年月日 :2015 年 2 月 28 日, 学位の種別 : 論文博士, 審査員 : 岡崎健, 平井秀一郎, 佐藤勲, 田辺孝二, 末包哲也 Citation(English) Degree:, Conferring organization: Tokyo Inst Report number: 乙第 4110 号, Conferred date:2015/2/28, Degree Type:Thesis doctor, Examiner:,,,, 学位種別 ( 和文 ) 博士論文 Type(English)Doctoral Thesis Powered by T2R2 (Tokyo Institute Research R

2 平成 26 年度博士論文 日本国内における二酸化炭素分離 貯留の経済性および社会への導入可能性に関する研究 東京工業大学大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 久留島守広 指導教官 岡崎健教授 平成 27 年 2 月

3 まえがき 20 世紀が 地球資源の消費による発展の時代 とすれば 21 世紀は 地球環境の制約下での成長の時代 として 環境問題への人知の集約が不可避な時代だといえる 環境の世紀を迎え 低炭素社会への転換 地球環境問題をはじめとするエネルギー 環境問題への対応が社会の最重要課題となっている このため 経済の持続的発展と地球環境問題への対応という 経済成長に伴うエネルギー需要増を如何に克服するかについて 国際社会の中でさまざまな議論が進められてきた その結果とも言うべき京都議定書が 1997 年気候変動枠組条約第 3 回締約国会議 COP3 において採択され その中で先進諸国は 1990 年の二酸化炭素排出量に対して削減量を約束することとなり わが国は官民の懸命な努力により数値目標 :1990 年を基準とし 2008 年から 2012 年の 5 年間の平均として定められた 6% 減を達成した 地球温暖化対策としては 経済産業省はじめとして産官学が総力をあげ新エネルギー 省ネルギー 燃料転換 さらに原子力の推進などの施策を推進してきたが 近年においてはこれに加え 二酸化炭素分離 貯留 が現時点では最も実現性が高い方策の一つであると評価されてきた この二酸化炭素分離 貯留について 国内では経済産業省の研究開発プロジェクトとして 平成 12 年度 (2000 年度 ) から新潟県 長岡市にて実施され 平成 19 年度 (2007 年度 ) には終了した 同地では 注入した二酸化炭素の地中挙動などにつきモニタリングが行われた ここでは 基礎研究 実証研究がなされたが 二酸化炭素の圧入量は年間 5 千トン弱であり 年間百万トンといわれる実用化段階に至るまでには さらなるステップアップが求められていた このため 平成 24 年度 (2012 年度 ) から 北海道 苫小牧沖において二酸化炭素分離 貯留を分離 回収 ~ 輸送 ~ 圧入の一連のシステムとしてとらえ 経済的 社会的側面から研究を行い 将来の実現を目指すことを目的として実証実験のための準備が進められている 本論文においては これらの現状等を踏まえ 現在実施中の上記 国による事業のみならず いかにすればわが国社会への導入が可能となるかを さらには地球温暖化対策技術としていかに 国際展開をなさしめるか等についての研究を行った

4 目次 第 1 章二酸化炭素分離 貯留の現状と背景 1. はじめに 1 2. 地球温暖化問題とは 1 3. 地球温暖化問題への課題と対応 3 4. わが国の対応 4 5. 地中貯留への期待 5 6. 課題と展望 12 第 2 章二酸化炭素分離 貯留の概念 1. 構成 技術側面 社会側面 経済側面 国際情勢 まとめ 24 第 3 章二酸化炭素分離 貯留の事例研究 1. 条件設定 二酸化炭素発生源 貯留層 経済性 まとめ ( 総括表 ) 50 第 4 章二酸化炭素分離 貯留の海外への展開 1. 京都メカニズムとCDMプロジェト 52 2.CDMプロジェクトの課題 二酸化炭素分離 貯留のCDM/JIへの適用 まとめ ( 二国間クレジット制度への展開 ) 60 第 5 章二酸化炭素分離 貯留の輸送設備 1. 二酸化炭素分離 輸送 圧入の全体の全体システム 二酸化炭素パイプライン 液化二酸化炭素の関連設備 二酸化炭素の海外輸送 まとめ ( 事業化の基盤として ) 69 第 6 章二酸化炭素分離 貯留の事業化への方策 1. 課題の整理 法制度の整備 二酸化炭素分離 貯留 利用への展開 二酸化炭素ネットワーク化の方向 まとめ ( 経済性の確保へ向けて ) 78 第 7 章結論 79 参考資料一覧 82 謝辞 86 ( 別添参考資料 ) 国連気候変動に関する政府間パネル IPCC 特別報告書

5 第 1 章. 二酸化炭素分離 貯留の現状と背景 1-1. はじめに世界のエネルギー消費は 中国 インドをはじめとする開発途上国の人口増や経済発展による増加は不可避で 石炭を中心とする化石燃料に依存することから 今後の対応においては二酸化炭素 (CO2) を分離し貯留するいわゆる CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage: 二酸化炭素回収 貯留 以下 CCS の略も適宜使用 ) の導入が求められつつある この CO2 の回収 貯留に関する議論は国内的にも活発化している 2006 年秋には 環境省及び経済産業省が各々 CO2 の回収 貯留に関する検討の場を設立した まず環境省では 海洋汚染防止等に係るロンドン条約下での廃棄物の海洋投棄の規制に関し その改正案が 2006 年秋に採択され CCS の手法の一つである 海底下の地層への貯留 を可能とされそのための国内法制の改正案を審議するべく 二酸化炭素海底下貯留に関する専門委員会 ) ( 委員長 : 清水誠 東京大学名誉教授 ) を立上げた 一方経済産業省は 二酸化炭素回収 貯留研究会 ( 委員長 : 茅陽一 地球環境産業技術研究機構 (RITE) 副理事長 ) を立上げた 同研究会では 技術課題をはじめ CCS 実施のための法令整備の在り方や 社会的受容性 合意形成 透明性の確保などについて論議し 2009 年に報告書をとりまとめた さらに 同省 資源エネルギー庁では 石炭火力発電の将来展望研究会 ( 座長 : 久留島守広 東洋大学教授 ) を設立 前述のアジアにおけるエネルギー需要の急増とエネルギー資源の価格高騰 供給制約の顕在化において 石炭火力発電を将来ともいかに取組むべきかを中心とした議論の場を設け クリーン コール技術の開発とアジアへの移転 さらに CCS の実施を中心とした将来展望を 2007 年報告書にとりまとめた 1-2. 地球温暖化問題とは 地球温暖化問題は 各国首脳マターとしていまや国際社会の中心的課題となり 2008 年 7 月わ が国で開催された先進国首脳会議 : 北海道 洞爺湖サミットでも主題となった そもそも CO2 に代表される温室効果ガスの排出削減を国際的に取組むべく 1997 年気候変動 枠組条約第 3 回締約国会議 (COP3) が京都で開催され 先進各国は温室効果ガスの大幅削減 (1990 年比 2008~12 年平均目標 : 日本は -6% EU は -8% 米は -7% 他 ) を約束した しかしながら 世界の CO 2 排出量は急激に増加しており 20 年前の約 1.5 倍となっている とりわけ 中国 インドをはじめ急速に発展するアジアでの増加が顕著であり 今後の地球温暖化対策の鍵であると言われている 一方 わが国においては 東日本大震災による原子力発電所の停止などにより 既に批准して いる京都議定書遵守の対応においてさえ困難な局面に直面したが 国内での省エネルギーをはじ め 海外からの排出枠買取など官民の懸命な努力によりようやく達成した 現状の上記国際スキームは 上記 気候変動枠組条約第 3 回締約国会議 (COP3) で採択された これは 先進国全体の CO2 など温室効果ガス排出削減義務を 2008 年 ~2012 年までの期間中に 1990 年に比べて少なくとも 5% 削減するもの その後 2009 年コペンハーゲンで開催の COP15 で は 産業革命以降の気温上昇が 2 以内に抑えるべく採択されたコペンハーゲン合意は 世界全 体の長期目標として定められた そして第 17 回気候変動枠組締約国会合 COP17 は 2011 年南アフリカ ダーバンで開催 以下 のような合意が採択され一定の成果をあげた 1

6 京都議定書の義務期間後 : ポスト京都 2013 年以降の約束について 全ての温暖化ガス主要排出国に削減義務を課す新たな枠組み ダーバン プラトホーム 制定 2015 年までに交渉を終え 2020 年に発効するものとされた この全ての主要排出国を対象とした意義は大きく 京都議定書と異なり先進国のみならず中 印 墨 伯など多くの経済大国も義務を負う また 京都議定書の 第 2 拘束期間 (2013 年から 20 年まで ) では EU 他は入るが日本 カナダ ロシア他は入らないことを表明 京都議定書が 世界全体の排出量に占める割合の 26%(2009 年当時 ) をカバーしていたのに対して 第 2 約束拘期間では 15% 程度にとどまる さらに 開発途上国の対策を支援する 緑の気候基金 を設置することに合意した これは 先進国が 1000 億ドル ( 約 12 兆円 ) 規模で拠出し 気候変動への緩和と適応 さらに途上国への技術移転のための環境対策資金とするため これらの成果を踏まえ 第 18 回国連気候変動締約国会議 COP18 は 2012 年 12 月新枠組策定に向けた交渉作業計画などを盛り込んだ ドーハ クライメート ゲートウェイ ( ドーハ合意 ) を採択した この会議では 途上国支援や新たに設定する京都議定書第 2 約束期間のルールを巡って 先進国と途上国の間の意見の隔たりが大きく 調整が難航した 2020 年に発効を目指す新たな国際枠組に関しては 2015 年までの作業計画の策定が最大の課題で 2014 年に交渉文書の素案を作成し 2015 年 5 月までに交渉文書をまとめ 同年 12 月の COP21 パリ会合で合意とされた また 途上国のへの資金支援では 途上国が資金計画の明確化などを要求 これに対し 先進国全体として 2013~15 年に 2010~12 年の水準 (336 億ドル ) の拠出努力を促す決議案を採択した 京都議定書の第 2 約束期間は 2013 年から 2020 年までを決定 日本 ロシア カナダなどは不参加 同議定書の下で排出削減義務を負う国の排出量は世界の 15% に低下する また 同議定書が定める排出枠取引の仕組み クリーン開発メカニズム CDM では 日本など非参加国は自国の排出削減には充当できるが 転売は不可とされた 図 1-1. ダーバン プラットフォームの概念 ( 出典 : 外務省資料 2014 年 ) 2

7 1-3. 地球環境問題への課題と対応本件は 言われている将来の海面上昇のみでなく 各国政府 企業は 新たなグローバル スタンダード として戦略的に活用しようとする姿勢がうかがえることなどから わが国として産官学の総力を結集した対応が必要である このための CO2 排出削減のメニューは図 1-2 に示すとおりであるが 1 省エネルギーはその即効性から 工業プロセスのみならず 家電 事務機器 自動車等についても現在官民あげて新たな技術へのチャレンジが行われ 2 原子力も近年の地震 津波災害等による影響が憂慮されるが 運転再開への着実な努力が行われている 3 新エネルギーについても 導入促進への努力が国内外で行われている しかしながら 開発途上国では引続き増大するエネルギー需要を化石燃料に依存すること等から 世界のエネルギー供給の見通し (OECD/IEA World Energy Outlook 2013Edition ) では 2030 年までにエネルギー需要は 50% 増加 ( 年平均では 1.6% 増 ) するとされている その需要増の 70% は 開発途上国によるもので 中国だけでも 30% を占める また この見通しでは 現在 (2010 年実績で 石炭 石油 ガス等で 80%) 及び将来 (2030 年見通し同 81%) とも大部分は化石燃料に依存し とりわけ 2005 年から 2030 年へのエネルギー需要増の 83% を占めると予測されている こうした状況の下 環境の世紀 21 世紀におけるエネルギー供給確保において 私達によって子孫に良い地球環境を残すために何をなすべきか また単なる夢の技術でなく産業技術として いかに取組むべきであるかが最大の課題であり 原子力等の推進とともに CCS の導入などその早急な対応が問われている 図 1-2. 二酸化炭素削減技術の体系 3

8 1-4. わが国の対応日本の 1990 年における温室効果ガス排出量 二酸化炭素換算で 12 億 3,700 万トンなのに対し 最近の地球温暖ガス排出動向については 2013 年温室効果ガス総排出量は 同 13 億 9,500 万トンと 京都議定書の基準年である 1990 年を大幅に上回っている 日本は 1998 年 4 月 京都議定書に署名し国際公約の達成に向けた第一歩を踏み出すとともに 同年 6 月この国際合意を達成するための取組みとして 2010 年に向けた地球温暖化対策に関する 地球温暖化対策推進大綱 が地球温暖化対策推進本部により策定された また これに関し 地球温暖化対策の推進に関する法律( 地球温暖化対策法 ) 及び改正 エネルギーの使用の合理化に関する法律 ( 省エネルギー法 ) の 2 つを制定し 公約達成に向けた今後の方向を示した さらに 上記削減目標 ( 京都議定書 ) の実施規則他が 2001 年に定められたことを受け国内体制の整備に努め 翌年 2002 年上記 地球温暖化対策推進大綱 の見直しを行うとともに その実施を担う 3 つの法律 地球温暖化対策法 及び 省エネルギー法 の 2 法律の改正と 電気事業に一定量以上の新エネルギーの導入を義務づける新法 電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案 ( 略称 RPS 法 ) を制定の上 同年 6 月 4 日京都議定書批准を行った その具体的対策の方向は 経済成長と環境保全を両立しつつ国際公約を達成するため 1 新エネルギーの導入 普及に向けた一層の努力 2 省エネルギーのより一層の推進 3 電力事業における燃料転換を図ることなどである また 抜本的な温暖化問題の解決には 中長期的な視点に立った対応が必要であり 技術開発リスクが高くても将来相当の効果が期待できる革新的な技術開発 現在想定されていないような新技術の開発 普及への取組みが含まれている わが国の対策の内訳を図 1-3 に示す ( 百万トン CO2) 1,300 原発の長期停止の影響分 1,339 1,331 1,311 (+7.6%) 2.3% (+8.3%) 4.9% 現行対策のみ (+6.0%) ( 追加対策の削減量 ) エネルギー起源 CO2 4.8% 1,200 1,237 代替フロン 1.3% メタン等 0.4% 森林吸収源 3.9% 1,100 京都メカニズム 1.6% 京都議定書削減約束達成 (2008 年 ~2012 年 ) 1,163( 6.0%) 基準年排出量 ( 原則 1990 年 ) 2002 年度 2003 年度 2010 年 図 1-3. わが国の温暖化ガス排出量削減対策の内訳 ( 出典 :2005 年度地球温暖化対策推進大綱等 ) 4

9 また わが国の政府 産業界は 京都議定書履行のため 海外より膨大な CO₂ 排出枠を購入している さらに 最近下落したが近年エネルギー資源価格は上昇基調であり 今後の産業界の対応においても 省資源 省エネルギー他の課題をとらえ 持続可能性の観点から考えていくべきである 今後 地球温暖化防止へ向けた国際的枠組みに関し国際合意の進展は 2015 年 COP21 へ向けた成果が期待され さらに産業界の行動 期待は大きく リーマンショック (2008 年金融危機 ) 以降も多くの企業が環境投資を増加させている また 低炭素社会へのカギとなる技術革新が望まれており 新技術や製品 サービスに多くの需要が生まれ そのビジネスチャンスは大きくなる つまり 製品の低炭素化で差別化を図ることで 競争優位を確保することもできる さらに CSR の観点から社会ニーズへの対応で 信用やブランドイメージへの貢献も期待できる 1-5. 地中貯留への期待 (1)CCS 技術の国内外の動向 CCS 技術による世界の二酸化炭素貯留ポテンシャルは 地中貯留で 1,745Gt 以上 海洋隔離で 4,000Gt 以上が見込まれ 大規模排出源に対応した適切な地域や地層の存在があり 経済的に成立するかどうかを考慮する必要があるものの 大量の削減ポテンシャルが期待できる ( 図 1-4 参照 ) わが国では CCS 技術は 総合科学技術会議における重点分野である環境分野に位置付けられており さらに経済産業省のエネルギー環境二酸化炭素固定化有効利用プラグラムの中の研究開発プロジェクトとして推進されている他 前述のとおり関係省庁における事業化へ向けての検討が進められている 一方海外でも 多数の国及び機関等が CCS 技術に対する研究開発を熱心に進めている 特に 石油増進回収法 (EOR: Enhanced Oil Recovery ) の一手段として CO2 を油田に注入することが行われており 商用化している事例も多い 二酸化炭素活用 EOR による原油生産量は 2000 年において世界で日産約 230 万バーレルであり 全世界の原油生産量の約 3.5% を占める 米国は 1970 年代より 上記 EOR を商業的に実現しており 帯水層貯留 炭層メタン増進回収 (ECBM: Enhanced Coal Bed Methane) さらにフューチャジェンと呼ぶ発電技術も含めた CCS に関連する多様な研究開発を進めるなど戦略的な展開を図っている さらに 米国 前ブッシュ政権は化石エネルギー産業に好意的な面があり エネルギー省における CCS に関する予算の顕著な伸びとともに 電力業界 石油産業などをはじめ産業界も強い興味を示し 州政府も研究 事業施設立地に向けた行動を示している カナダでは アルバータやサスカチュワン両州を中心に油田増産 EOR などの研究開発が実施されており 2000 年からは同国のウエイバーン油田において圧入を実施 CO 2 を用いた石油増進回収 EOR を目的としたもので 325km 離れた米国の石炭ガス化工場で発生した CO2 をパイプラインで輸送し 年間 100 万トン規模で 20 年間 総量 2,000 万トンの圧入を計画している ( 図 1-5 参照 ) この結果 ウエイバ-ン油田において約 50% の石油増産を達成している ただし 事業化において各国関係機関も参加して 注入した CO2 漏洩のモニタリングを実施しており 同 CO2 の約半分の量は再度空気中に排出されるとのこと 一方 同量は地下に留まり 貯留される 5

10 図 1-4. CCS の貯留ポテンシャル ( 出典 :IEA-GHG 資料 2000 年 ) 図 1-5. 石炭ガス化プラントから油田までの CO2 パイプライン ( カナダ ) ( 出典 : サスカチュアン州エネルギー資源省資料 ) ノルウェーでは Statoil 社が 1996 年より 劣性天然ガスから分離回収した CO2 を北海 ノルウエー沖約 240kmの海底帯水層に年間約 100 万 t 規模 ( ノルウェーの二酸化炭素排出量の約 3%) で貯留している ( 図 1-6 参照 ) 同国では 導入時約 50 ドル /t- CO2 の炭素税が課税されていたため 炭素税を回避するための手段としても検討されたとのことである 6

11 図 1-6. 天然ガス採掘設備から CO2 分離 帯水層に年間約 100 万トン注入 ( ノルウェー ) ( 出典 : スタットオイル社資料 ) アルジェリアでは 2004 年からインサラー ガス田において 産出ガスから分離した CO2 ( ガス全体の 5~10%) を 大気放散せずに地下のガス貯留層 ( 石炭紀帯水層 ) に圧入 貯蔵を行っている オランダでは 工業プロセスから分離した CO2 をパイプラインで輸送し 天然ガス採掘跡に隔離し 夏季に取り出して園芸施設で活用する CO2 Buffer Project を実施しており CO2 の農業利用としても着目される また IEA( 国際エネルギー機関 ) では化石燃料部会の下に Greenhouse Gas R&D Program (IEA/GHG プログラム ) の実施協定を設置し 海洋及び地中貯留技術をはじめとする各種温暖化対策技術の調査研究と活動成果の普及に努めている IEA/GHG プログラムには 欧米先進国を中心とした 17 ヵ国の政府関係機関 欧州委員会 (EC) 及び BP Chevron-Texaco Exxon-Mobil Total-Elf 等オイルメジャーを中心とした 7 企業が参加 日本からも産業技術総合研究所 ( 当初は NEDO) が参加している わが国においても 産官学が連携し国内の具体的なフィールドに適用する技術の開発に着手している 具体的には 経済産業省により NEDO プロジェクトとして当初の予算計上がなされた後 地下エンジニアリングと地球環境技術の各々中核機関たる ( 財 ) エンジニアリング振興協会及び ( 財 ) 地球環境産業技術研究機構 (RITE) が車の両輪となり 産官学の技術力を結集した体制のもと上記課題に取組み 新潟県長岡市において CO2 圧入実証試験による帯水層貯留の実証試験が行われた この実証試験では 平成 15 年 7 月からの 18 ヵ月間で合計約 1 万トンの CO2 が 地下約 1,100m の帯水層に貯留され その後も観測井などによる貯留後のモニタリングが継続的に行われた また CO2 地中貯留を組合せたゼロエミッション型石炭火力発電所の実現に向けた米国を中心としたイニシアティブ : フューチャジェン ( 米国エネルギー省主導のもとで進められているプロジェクトで 石炭ガス化発電と発生する CO2 の回収 地中貯留を行うことによってニアゼロエミッションを達成すべく 大規模のプロトタイプ発電施設を建設 実証するというもの ) の提案がなされた 7

12 同技術 CCS の対象フィールド ( 技術 ) は大きく 3 つに分類される まず 1 廃油田 ガス田に貯留する方法 次に 2CO2 を油田に注入して石油回収量を増加させる原油増進回収法 (EOR) そして前出図 1-6 に示すような3 帯水層に貯留する方法である 国内においては これまでの調査結果から 貯留能力の高い帯水層が日本近海に存在することが確認されており上記 3が有望と思われる 高い貯留能力を有するフィールド ( 地層 ) は 難浸透性の岩石で構成されている層 ( キャップロック ) に覆われた封塞構造 ( トラップ ) を持つ構造性帯水層で 調査の結果 構造性帯水層が確認された地域は 陸域 16 ヵ所 海域 13 ヵ所の計 29 ヵ所におよび その隔離能力は約 1,461 億トンと見込まれる これは 我が国の CO2 排出量の内 1990 年を基準とした削減目標 6% 年間 7,800 万トンをこのフィールドに地中貯留すると仮定して約 1,800 年分に相当し 十分な能力を備えている (2)CCS 技術実用化にむけての課題 1) 社会的受容性 法的整合性の確保 CCS 技術の基幹である CO2 二酸化炭素の地中への注入については 前述のように EOR などですでに実用化されているものの 地球温暖化対策の観点からは 隔離技術の社会的認知を新たに得る必要がある そのためには 科学的 技術的な知見をさらに集積し 長期に渡る環境影響評価やリスク評価を積重ねるとともに より簡便で有効なモニタリング技術を確立することが重要である さらに 事業化のためには 図 1-7 のように関連法制とともに事業法制の整備が前提であり 関係省庁における審議 策定が期待される ちなみに 気候変動に関する政府間パネル IPCC は 2001 年 COP7 のマラケシュ合意にもとづいて 分離回収 貯留技術に関する特別報告書を作成し 2005 年に公表した この中では個々の技術の現状を整理するだけでなく リスク評価や環境影響評価等の社会的合意形成を図る上で欠かせない項目についても議論された これらは 世界の英知とも言うべきもので 筆者を中心に日欧産業協力センターにおいて翻訳作業を行い その全訳を参考として末尾に添付する また 海洋海底下貯留については 産業廃棄物の海洋投棄を禁じたロンドン条約の下同条約締約国会議において採択された 1996 年議定書 ( 廃棄物の海洋投棄を原則禁止とするが例外としてリバースリストを規定 ) との整合性を保つ必要がある このための同条約が改定され 前述のように国内での同条約おける事業について関連法令改正がなされた 更に 国際連合気候変動枠組み条約 (UNFCCC) の下 参加国が義務づけられている国別報告書を作成するための IPCC ガイドラインが発行されており 温室効果ガス排出量の推計 報告書の仕様等方針が示されているが 同技術の取り扱いに関する記述が不十分で 京都メカニズムにおけるクリーン デベロプメント メカニズム CDM (Clean Development Mechanism) としての取扱いが明確に位置付けられていないなどの課題はある 8

13 図 1-7.CCS 事業化に関連する法制度 ( 出典 :NEDO 資料 2002 年 筆者他作成 ) 2) 経済性の確保 CCS 技術についてのコスト試算は国内外で実施されているが 図 1-8 に示すように NEDO 技術開発機構の調査資料によると 分離 回収から隔離に至るまでのトータルコストは 海洋隔離 (LNG 複合発電から化学吸収法により二酸化炭素を分離回収した後 LNG 冷熱利用液化船舶輸送で海中に隔離した場合 ) では 約 7,940 円 /t- CO2 地中貯留(LNG 複合発電から化学吸収法により二酸化炭素を分離回収した後 パイプラインで 100km 輸送後 帯水層に隔離した場合 ) では 約 6,800 円 /t- CO2 と試算されている 特に トータルコストのうち約 60~70% 程度を占めるのが分離回収に係るコストであり この分離回収の為の設備コスト 処理コストを低減することが重要である 米国 DOE は 2015 年頃に 二酸化炭素分離回収 貯留を含む処理コストを約 10 ドル /t-c ( t- CO2 あたり 327 円程度 ) にする目標を置いており EOR 等によるメリットを考慮した上で設定されたものと考えられる また EU が 2007 年発表の 世界エネルギー技術の展望報告書 (WETO-H2) では 上記処理コストが 25 ユーロ /tco2 に達したならば 火力発電における CCS 発電所シェアは 2050 年には 62% に達すると予測されており 二酸化炭素の年間貯留量は 6.5Gt/ 年あるいは総排出の 20% であるあり 25 ユーロ /tco2 のコスト削減が達成されれば CCS の展開にとり図 1-9 ように申し分ない起爆剤となることが期待されるとのこと さらに 分離回収分野については 日本においても 化学吸収法や膜分離等で優れた技術がある 海外では EOR 等ですでに商業的に地中隔離が実施されている事例もあることから 当面は我が国のすぐれた分離技術をさらに磨きをかけた上で海外の分離 貯留サイトに適用し 経済的な可能性を追求することが わが国での将来において事業化 実施を行う上の大きな力となる 9

14 図 1-8. CCS 技術のコストの算出例 ( 出典 :IEA-GHG 資料を基に NEDO にて筆者他作成 ) 図 1-9. 世界の火力発電と CCS - 二酸化炭素固定化ケース ( 出典 : 世界エネルギー技術の展望報告書 2008,WETO-H2) 表 1-1 CCS 技術の概要例 ( 出典 :NEDO 技術開発機構資料 2002 年 ) 長所 短所 課題 化学吸収法吸着法膜分離法 常圧 低 CO2 濃度のガスに適する 大規模化が比較的容易 吸収液の再生に大きなエネルギーを必要とする 排ガス中の不純物により吸収液が劣化する 吸収液の再生エネルギー低減 排ガス中の不純物による吸収液の劣化対策 装置が簡単であり 中小規模プラントに適する 中小規模では化学吸収法よりもコスト的に有利である 吸着剤の再生に大きなエネルギーを必要とする NOx SOx の事前除去が必要である バルブの切替が頻繁なため 耐久性の面で問題を生じやすい 大規模化の実績がないため 大規模化のためには新たな技術開発が必要 装置が簡単であり 小規模プラントに適する 相変化を伴わないエネルギー的に有利である 膜が非常に高価である 排ガスから固体粒子 液体成分の事前除去が必要である CO2 回収率が低い 膜の分離能 信頼性 耐久性の向上など 10

15 表 1-2 我が国の CO2 大規模発生源の特徴 石炭火力発電所 ( 電力事業 ) 石油火力発電所 ( 電力事業 ) 天然ガス火力発電所 ( 電力事業 ) 一貫製鉄所 ( 高炉 + 転炉 ) セメント工場 ( キルン保有工場 ) 年間排出量 ( 炭素換算 ) 排出ガスの 特性 排出総量 (1999 年 ) 1 箇所あたり CO 2 濃度 その他排ガス中物質 3,831 万 t ( 平均規模 ) 13~15% SOX:30~ 約 64 万 t 70ppm ( 大規模 ) 210~2 タ スト:5~25mg/N 80 万 t m3 1,695 万 t ( 平均規模 ) 約 9.8 万 t ( 大 規模 ) 180~250 万 t 2,790 万 t ( 平均規模 ) 約 24 万 t ( 大規模 ) 100~1 30 万 t 3,585 万 t ( 平均規模 ) 約 84 万 t ( 大規模 ) 93 万 t 887 万 t ( 平均規模 ) 約 4 6 万 t ( 大 規模 ) 95 万 t 排ガス温度 100 度前後 12~13% SOX:~100ppm 100 度以 下 8~10% 不純物は少ないが, 水分が 15~ 17% と多い 高炉ガス :2 2% 熱風炉ガス :2 7% 高炉ガスには C O H2 の含有量が高い 23~37% SOX:~30ppm タ スト :50mg/Nm3 程度 100 度前後 数百度 100 度前後 ( 出典 : 電気事業連合会資料等を基に NEDO 技術開発機構作成 ) また 分離技術の技術開発を推進するためには 表 1-1 の手法があるが二酸化炭素排出源の単位時間当たりの処理量 温度 圧力等の物理的特性やガス組成等の化学的特性を把握したうえで 適切なプロセスを選定し 最適化を図ることが重要である 更に 表 1-2 のように大規模な排出源における高濃度の二酸化炭素を処理することが可能となれば分離エネルギーを飛躍的に低減させることが可能であるが 酸素分離等の前工程や輸送 隔離等の後処理工程を含めたトータルシステムを考慮して最適化を図る必要がある さらに わが国として京都議定書の遵守とともに 2020 年に発効を目指す新たな国際枠組に関しても その順守が迫られることとなる 本目標は 従前の民主党政権と異なり安倍政権において見直しがなされているが 現状のわが国の提示する数値のレベルでは 世界における低炭素社会への奔流において竿を刺すことになるとの危惧も指摘されており 加えて原子力発電を取巻く厳しい情勢において 再稼働が容易ではないこと等の厳しい情勢に立ち至っている これらの情勢を踏まえると 産業分野において本 CCS 技術の速やかな導入が不可欠であり その基盤をなす法制度の検討 整備とともに 地域住民合意形成を得るための努力を傾注する必要がある 一方 前述のように世界のエネルギー消費は 中国 インドをはじめとする発展途上国の人口増や経済発展による増加は不可避であり さらに石炭を中心とする化石燃料に依存することから 今後の対応においては 前述のように産業 民生 運輸の各分野における省エネルギーの推進 11

16 太陽光発電 バイオマス有効利用などの新エネルギー開発 導入とともに 化石燃料のクリーン利用と本 CCS 技術の導入が求められ 欧米各国はじめ国際エネルギー機関 IEA においても喫緊の事業化推進が謳われている 資源エネルギー庁 石炭火力発電の将来展望研究会 ( 座長 : 久留島 東洋大教授 ) が設置され 前述のアジアにおけるエネルギー需要の急増とエネルギー資源の価格高騰 供給制約の顕在化において 石炭火力発電を将来ともいかに取組むべきかを中心とした議論の場を設け クリーン コール技術の開発とアジアへの移転 さらに CCS の実施を中心とした現状と展望を 2007 年 3 月報告書にとりまとめたが その際法制度の不備の指摘がなされた なぜなら CCS 技術は 新しい技術であるため 社会的受容性 法的整合性の確保が全くと言っていいほど図られておらず 海外においては石油の増産回収 EOR また炭素税回避のためなどですでに実用化されているものの 地球温暖化対策の観点からは CCS 技術の社会的認知を新たに得る必要がある そのためには 科学的 技術的な知見をさらに集積し 長期に渡る環境影響評価やリスク評価を積重ねるとともに 事業化のためには 関連法制とともに事業法制の整備が前提であり これらの検討を行い関係省庁における審議 策定に資する必要がある このため 1 導入に際しての社会的受容性の確保の方策 及び2 事業実施に際し関連する技術 地域を整理し事業採算性の提示 さらに3 新規事業法制の検討とその骨子の策定などを試みたい 技術の開発 移転は 社会的受容なくして展開しない このため 社会的規範のみならず相互理解に基いた地域住民との交流 対話を志向するとともに 行政による取組みの強化が必要である そのための人材育成は極めて重要であり その助成 支援制度の早急な整備が望まれる 1-6. 課題と展望大量の二酸化炭素貯留ポテンシャルを有し 各国で積極的に研究開発等が行われている CCS 技術の実用化に向け 上記の社会的受容性 法的整合性確保及び経済性確保の 2 つの課題がある これらの課題の中には 地球温暖化へ向けた国際合意や国際法上の位置付け等 一国だけでは解決困難であることもあるが 各国とも協力 連携しつつ取組むことが肝要である わが国として 低炭素社会への路を明白に示すことはもとより 原子力発電への厳しい情勢へ対応し エネルギーの安定供給確保を図る必要がある このためには 産業分野において 上記の二酸化炭素 CO2 を分離し貯留する本 CCS の速やかな導入が不可欠であり その基盤をなす法制度の検討 整備とともに 地域住民合意形成を得るための努力を傾注する必要がある さらに, 多国間連携と併せ二国間の連携強化も図る必要がある 日米間では 従前のフューチャ ジェン プロジェクトなど CCS 技術が重要な研究開発課題の一つと目され また EU 諸国の中には,CCS 技術に地域 住民の合意形成に社会心理学の手法も含め積極的に取組んでいる国が多い また EU 委員会も統一した推進方策を策定した これらの国々との協議等を通じ 具体的な国際連携 研究に着手すべきである 一方 前述のように CO2 排出削減のための方策 1 省エネルギー 2 燃料転換 原子力 3 新エネルギーについては 省エネルギー以外は各々限界と制約を抱えている また 引続き増大するエネルギー需要を依存することになる化石燃料については 石炭以外の石油 天然ガスは 米国においてのシエールガス開発等により価格下落傾向ではあるが 今後の世界の流通価格上昇が懸念されており また安定供給確保への懸念 対応は焦眉の急である 12

17 図 世界のエネルギー消費の推移 ( 出所 ) エネルギー白書 2013( 資源エネルギー ) IEA, Energy Balance 2012 による ( 注 )toe は 石油換算トンの略 さらに 在来型油田 ガス田においては シエールガス オイルをはじめとした非在来型資源の開発による延命は期待されるものの その資源賦存量から今世紀半ばには生産の限界が来ると予測されている しかるに 図 1-10 のように 世界のエネルギー消費の趨勢は まさに化石燃料 ( 石炭 石油 天然ガスで 2010 年世界のエネルギー消費の 80%) に依存しており 今後も今世紀半ばまでは同様の状況にあると危惧されている こうした状況において CCS 技術と組み合わせることにより 環境調和型資源としての石炭の活用として 例えば二酸化炭素分離回収型の石炭火力と地中貯留 CCS を活用したエネルギー システムを志向することが重要なエネルギー供給のオプションとなりうる このため CCS の国内での事業化 導入をいかになさしめるかを 前述のようにその前提となる (1) 経済性につき具体的な地点を仮定し立地可能性 コスト等の検討 試算を行うとともに (2) 社会的受容性の確保のための方策等を同じく本研究では行った 13

18 第 2 章. 二酸化炭素分離 貯留の概念 2-1. 構成 二酸化炭素の分離 貯留 がどのような仕組みで実施されるかについて システムの特徴をまとめてみた CO 2 大規模排出源 ( 火力発電所 製鉄所 製油所 セメント工場等 ) で発生した CO 2 ガスを 1 分離 回収プラントにおいて不純物を除去し 濃度 90% 以上のガスとして集める 2 この CO 2 ガスをタンクローリー パイプライン 船舶等によって貯留サイトまで輸送 3 圧入プラントを通して 超臨界状態にした CO 2 を帯水層に圧入する すなわち 二酸化炭素地中貯留では 分離 回収 / 輸送 / 圧入という 3 要素のシステム構成となり この一連のトータルシステムをいかに効率的 経済的に運営していくかが第一点の課題である 次に この一連のシステムを生かすために 貯留サイトの適地選定 が事業化を進めていく上で第二点目の課題として取上げられる 適地選定のための基礎データの収集 整備は 平成 12 年 ~16 年度において国の研究開発の下で進められたところであるが データそのものが石油 天然ガス等の資源調査や船舶航行のための航路調査が目的で実施されたものであるため 二酸化炭素貯留のための基本的要件を満たしているかどうかは さらなる調査を行う必要がある そこで 二酸化炭素貯留候補地の選定基準 たとえば可能貯留容量 地盤の安全基準等を検討し この基準に沿った適地の絞り込みを システム開発の一環として同時進行の形で進めていく必要がある (1) 分離 回収から圧入までのシステム設備の開発 平成 12 年度から実施した新潟県長岡市での二酸化炭素地中貯留実証試験は 購入した液化二酸化炭素を圧入することによって 地中内部での二酸化炭素の挙動を調査し シミュレーターを完成させるということに主眼がおかれていた そのため 二酸化炭素圧入 のみにスポットが当てられ 二酸化炭素はアンモニア製造時の副産物として得られたものを購入し タンクローリーで新潟から運搬したものを圧入している したがって 二酸化炭素分離 回収 輸送 圧入といった一連のシステムとしての機能 経済性の追求は次フェーズでの検討課題として残されていた そこで 分離 回収から圧入に至るまでの一連のモデルを想定し 最も効率の良く また経済的なシステムの開発に力を注ぐ必要があり まさに事業化の基盤である このため 以下の点について重点的に検討を加えたい a. トータルコストの 50~60% を占めるといわれている 分離 回収装置 の位置付け b. 輸送方法としては ローリー運搬 パイプライン輸送 船便による輸送等が考えられ 運搬距離と経済性の関係を把握することにより 輸送方法選択についての検討 (2) 適地調査の検討 圧入システムの各設備を中心とした計画とは別に 大規模排出源の多い沿岸海域を対象として二酸化炭素の実用的な貯留容量をより精度よく把握し 圧入場所の候補地を選定しておく必要がある 適地の地質調査で想定される調査項目案を表 2-1 のとおり整理した 各項目の適否および重み付けなどについては今後の課題である さらに 上記条件に加えて 二酸化炭素排出者 ( 供給者 ) からの輸送距離等の条件設定を行うことによって詳細調査選定のための検討材料となる (3) 国内における検討 国内においては これまでの調査結果から 図 2-1 の地点が有望と思われる このように構造性帯水層等が確認された地域は 陸域 16 ヵ所 海域 13 ヵ所の計 29 ヵ所におよび その貯留能力は約 1461 億トンと見込まれる その一覧は表 2-2 のとおり 14

19 15 表 0-1 地質調査項目一覧地質調査項目大分類中分類小分類地質基礎情報 Basic Data 岩相 岩質分布地層の連続性層序構造褶曲不連続面卓越方向 連続性活構造初期応力状態地温 地温勾配水理地質地下水水質地下水流向 流速地震活断層分布 連続性地震活動度貯留容量 Capacity 有効孔隙率不動水飽和率温度 圧力遮断性 安定性 Impermeability Stability 物理 化学特性浸透率毛管圧力学特性変形特性強度特性地層破壊圧圧入性 Injectibity 圧入性スキン ファクター可動性 Mobility 相対浸透率分散係数孔隙圧縮率

20 図 2-1 日本国内における二酸化炭素地中貯留可能地点 ( 注 A: 構造性帯水層 301 億 tco 2 B: 非同 1,160 同 数字は探査データの精度 ) 出典 :( 財 ) 地球環境研究機構 RITE 平成 8 年度調査報告書 16

21 図 2-2 日本国内における大規模二酸化炭素発生地点の概略出典 :( 財 ) 地球環境研究機構 RITE 平成 8 年度調査報告書 表 2 2 地下貯留可能性地層一覧 出典 :( 財 ) 地球環境研究機構 RITE 平成 8 年度調査報告書 地質データ 油ガス田 坑井 震探データが豊富 基礎試錐 坑井 震探データあり 基礎物探 坑井データなし 震探データあり カテゴリー A ( 背斜構造への貯留 ) A1 35 億 t-co2 A2 52 億 t-co2 A3 214 億 t-co2坑井坑井 カテゴリー B ( 層位トラップなどを有する地質構造への貯留 ) B1 275 億 t-co2 B2 885 億 t-co2 坑井 貯留概念図 小計 合計 301 億 t-co2 * 内陸盆地ならびに内湾 ( 瀬戸内海 大阪湾 伊勢湾など ) は対象とせず * 地下 800m 以深かつ 400m 以浅が対象 17 1,461 億 t-co2 1,160 億 t-co2

22 2-2. 技術側面 2 前項で述べたように システムとしてみると 図 2-3 に示すように 1 分離 回収 2 輸送 3 圧入の要素から成り立っており 各技術の技術革新を追及することが必要となっている (1) 分離 回収 地中貯留の中で分離 回収に要するコストは 全体コストのうち 50%~60% を占めるといわれている そこで このコストダウンをいかに成功するかが課題となっている 分離 回収技術としては表 2-4 に示した方法があるが 現在主流となっているのは化学吸収法で 吸収液としてはアミンを使っており 表 2-3 の世界の主要事業において採用されている 表 2-3 世界の二酸化炭素の分離 貯留事業 ( 出典 :GSJ 地質ニュース 2014 年 5 月 ) 図 2-3 二酸化炭素の分離 貯留の概念 ( 出典 : 経済産業省資料 2014) 18

23 表 2-4 二酸化炭素の分離 回収方法 (2) 輸送 分離 回収された二酸化炭素は貯留地まで輸送する必要がある その方法としては 1 タンクローリー 2 パイプライン 3 船舶輸送 ( 海上輸送 ) が考えられる タンクローリーは 6~10t/ 台であるため 実用段階の CO 2100 万 t/ 年規模とした場合 3,000t/ 日運搬する必要があり 300 台 / 日のタンクローリー運搬は実質的に難しいと判断せざるをえない そこで パイプライン輸送 船舶輸送の 2 方法で運搬距離 容量等から最適輸送方法の検討を進めたが 一般的には以下のことがいえる パイプライン : 排出源と地下貯留場所が近い場合 二酸化炭素を高圧ガスまたは超臨界状態で輸送する 船舶輸送 : 排出源と貯留場所が遠い場合 二酸化炭素を液化して輸送する (3) 圧入 二酸化炭素の圧入は圧入深度において超臨界状態になる条件で実施する 過去 長岡市で実施中の実証試験の各機器がその典型であるが 貯槽タンク 圧入ポンプ 加熱ヒーター等従来型の機器で構成された ここでの課題は容量に応じた各機器の適正配置であり 機器を複数系列で運転することによって適正なオペレーションシステムを構築することに絞られると思われる 19

24 2-3. 社会側面 プロジェクトを実現するためには 1 法規制の遵守 2 地元住民の合意 をクリアすることによって第一歩を踏み出すことができる とりわけ 2006 年に批准された ロンドン条約 に注目し これに伴い改正されるわが国の海洋汚染防止法をはじめとした各法規の改正の行方を見守り 設備を計画する上での課題を解決していくための方向を今後探っていく必要がある 現在 わが国の法律の内 二酸化炭素地中貯留を実施する上で何らかの規制 抵触を受けるであろうと想定できるものは下記に示すものがある (1) 国際的な判断を必要とするもの ロンドン条約廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止し 海洋環境の保全を図る 2006 年に議定書が批准された 国連海洋法 (2) 国内法 地球温暖化対策推進法 環境保全に関する法律環境基本法 水質汚濁防止法 汚染土壌対策法等 廃棄物処理法 土地利用に関する法律土地利用法 自然公園法 港湾法 農地法等 船に関する法律 / 海上の交通ルールに関する法律船舶法 海上衝突予防法 海洋汚染防止法 バーゼル条約 その他鉱山保安法 高圧ガス保安法 さらに 上記社会的受容性の確保 とりわけ地元住民の合意 については 安全の保証 が住民の合意を得る大きな要素である 地球環境産業技術研究所 RITE 及びエンジニアリング協会 ENAA で実施した長岡市での実証試験の結果などを活用し 地域住民に情報公開の下での議論を進めていくことが必要である プロジェクト推進に際しては 新規事業所建設時 ( とくに IPP 発電所 IGGT 発電所建設等二酸化炭素を多く排出する工場 ) の際は 近傍に地中貯留処理場を併設することを提案し 地元としての受入れやすさ 事業者にとっても企業イメージのアップにつながるといった 関係する人々がともにインセンティブを得る環境づくり ( ウィン ウイン ) さらに産業の集積や雇用確保等が社会受容性の上で大きな要素である 20

25 2-4. 経済側面 二酸化炭素の地中貯留についてはいろいろな試算値が発表されている これらをまとめたものが図 2-4 である 注入圧縮輸送液化分離 回収 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1, , ,141 3, , ,141 3, , , ,900 4,900 0 国内炭鉱 ( 石炭火力 + ハ イフ ライン ) 海外油田 ( 石炭火力 + 船舶 ) 国内炭鉱 (LNG 火力 + ハ イフ ライン ) 国内帯水層 ( 石炭火力 + ハ イフ ライン ) 国内帯水層 (LNG 複合発電 + 船舶 ) 海洋隔離 (LNG 複合発電 + 船舶 ) 図 2-4 地中貯留コスト試算 ( 海洋隔離も参考として添付 ) ( 出所 :IEEJ 2003 年 11 月掲載 炭素固定化技術の現状と展望 佐々木宏一等の資料 ) この図から 先行研究によるトータルコストとしては 5,000~7,000 円 /CO2 トンというのが現時点の試算でなされていた これによると 分離 回収が 4,000~5,000 円 /CO2 トンで全コストの 50~60% 以上を占めており 要素技術としての技術開発によるコストダウンが期待されているところである 現在 実用化されている技術はアミンを吸収剤としている化学吸収法であるが これに変わる方法が開発されると実現に向けて大きな進展があるだろう また 輸送コストも 500~1,000 円 /CO2 トンと試算されているが 処理量 輸送距離によって大きく変化する要素がある そこで 二酸化炭素排出者と地中処理関係者との協力のもと 輸送距離の短縮化 ハンドリングシステムの効率化に取り組むことも重要である ここでは 地中貯留のコストがどのくらいが妥当かということについては種々議論がある 現状では CDM/JI による海外事業や国際排出権取引と比較すると高いが 排出権取引における受け入れ余て地が無限にあるわけでなく 有限であるためコストはどんどん上がってくると推測されていた 排出権取引価格の将来の高騰を避ける上でも 自主削減が可能なオプションを準備しておくことは極めて重要である 次に本質的な問題として このコストを誰が負担するかとう問題がある 二酸化炭素地中貯留は本来 生産性の上がる行ためでないため製品コストに計上すると競争力がなくなる 欧州の一部で採用されているように 炭素税が法制化され 税として徴収される場合は地中貯留の事業価値は出てくるが 衡平性を欠いた中で炭素税を導入すると 国内の経済活動に致命的な悪影響を及ぼすといった課題があり 現状では期待できない これをいかに解決するかが実現に向けての大きな課題のひとつである 21

26 2-5. 国際情勢 1997 年 COP3 において 京都議定書 が採択されたが この時期から二酸化炭素分離 貯留に関わるプロジェクトが各国で計画 実施されてきた そのうち 地中隔離の代表事例として 前記 1-5 にて述べたノルウェー Sleipner におけるプロジェクトがあげられる Sleipner は二酸化炭素貯留のため 1996 年から北海における帯水層への圧入 Weyburn は 2000 年から石油層への EOR のための圧入と 目的は異なるものの いずれも 100 万 t/ 年と二酸化炭素注入量は同規模のプロジェクトである 上記いずれのプロジェクトにおいても経済的に採算がとれたプロジェクトとして評価されている Sleipner においては 1996 年における二酸化炭素税として CO 21t 当り 50 ドル (2000 年には 38 ドルに引下げられた ) が課せられていた その結果 1996 年 ~1999 年に税額は年間 5000 万ドルであることに対し 地中隔離に要した投資額は約 8000 万ドルであり 運転経費を除けば約 2 年で投資額が回収できたといえる 次に Weyburn においては EOR によりプロジェクト期間 20~25 年にわたって 1900 万 m3 以上の石油増産が可能となり 石油生産は 2 万バーレル / 日から 5 割増の 3 万バーレル / 日となり顕著な成果といわれている 結果として 年間 300 万バーレルの増産として 50 ドル / バーレルで換算すると 年間 15,000 万ドルの増収となる 一方 米国北ダコタ州の石炭ガス会社がパイプライン建設を行い 建設コストが 1.1 億ドルであったが 石油会社への CO2 販売により 6 年間で償却見込であり ビジネスとしてお互いに採算がとれた取引となっている このように 海外においては地中貯留が現実に採算ベースで展開され 今後計画も各地で推進されようとしている 米国においては 前ブッシュ政権によって 京都議定書 の批准は行わず 2003 年 2 月に Future Gen 構想 を発表し さらに 6 月には Carbon Sequestration Leadership Forum ( 炭素隔離リーダーシップフォーラム ) を開催し わが国を含め 13 ケ国および EU と枠組み協定に合意し 二酸化炭素地中貯留研究の実現に向けて着実な歩みを進めている その他 ノルウェー海のスノービットガス田における帯水層への地中貯留プロジェクト (70 万 t/ 年 2006 年操業開始 ) オーストラリアのゴーゴンガス田におけるプロジェクト (520 万 t/ 年 2008 年 ~2010 年操業開始予定であったが延期 ) や 石油開発各社においても EOR の計画が数ヶ所で進められている ( 前記表 2-3 参照 ) 一方 二酸化炭素の排出権取引も 欧州市場では積極的に進められており ここでの市場コストが将来地中貯留の目標コストになると考えられ 各界から注目されていた 欧米メジャー各社においては 二酸化炭素削減を使命とし 事業所単位で社内排出権取引を行い 会社全体の排出量を抑えるところも出てきた 企業間にこのような動きが拡大すれば 益々二酸化炭素削減の機運が盛り上がり 地中隔離の実用化への要求も加速するものと考えられる このように 世界各地で二酸化炭素の地中隔離プロジェクトが実施されようとしている その中で わが国が将来 CDM/JI 及び二国間クレジット制度を掲げて海外進出するためには現時点で何が必要かについて 以下の点に留意していく必要がある 1 わが国で実施した実証試験は 2004 年度で終了した これは CO 2 約 1 万 t 程度の圧入であり 実用化にはまだ程遠いスケールである そのために わが国も実用化に対して十分な実力を有しているという評価を得るため 苫小牧沖での実績を深め これを武器に海外進出の足場を築いておく必要がある 2 これまでのプロジェクトは 圧入のみに力点がおかれ 分離 回収 / 輸送 / 圧入の一連のシステムとしての技術評価 コスト評価が完了できず 国内での事業化はもとより海外展開のための計画策定 提案の手段に欠けていた 22

27 年以降苫小牧沖での実証実験実施につき プロジェクトを継続的に実施することが 今後の事業化地域 海外提案先国に対しての信用につながるとともに わが国の事業化参加企業の技術力の向上に結びつく 4 二酸化炭素の地中貯留は 単に地球温暖化への貢献のみで行っているのではない そのためには わが国が確実に排出枠を確保でき さらには将来にわたり経済活動と環境問題を両立させ エネルギーを確保して行くためのエネルギー セキュリティーの解決策として事業を育成 成熟させる環境づくりが必要である 23

28 2-6. まとめ ( 先行研究と各課題 国際情勢を踏まえ ) 二酸化炭素分離 貯留では 分離 回収 / 輸送 / 圧入という 3 要素のシステム構成となり まずこのトータルシステムをいかに効率的 経済的に運営していくか 次にシステムを生かすための適切かつ地域との共生なしえるサイトの選定が 二大課題と言える このため 適地選定のための基礎データ収集 整備とともに 適地の絞込み作業等を一連のシステム技術開発 最適技術の選定等とともに実施する必要がある 本章では このようなシステム構成 課題の認識の下 二酸化炭素分離 貯留のトータルシステムとして技術側面 社会側面 経済側面及び国際情勢の各々の見地から 先行研究 既存文献報告等の分析 検討を行った これらの結果 まず国内においては これまでの調査結果から有望と思われる地点として これら構造性帯水層等が確認された地域 ( 陸域 16 ヵ所 海域 13 ヵ所計 29 ヵ所 ) を地図上に示した また 国内における大規模排出源を 貯留地点候補地との連携もあり 同じく地図上に示し 貯留能力を約 1,461 億トンと見込み その一覧を地層条件別に表に示した その経済性として まず現在主流となっている化学吸収法 ( 吸収液としてアミン使用 ) による世界の主要事業を同じく一覧に示した この方式による トータルコストとしては 5,000~7,000 円 /CO 2 トンというのが海外などにおける試算 邦貨換算である これによると 分離 回収が 3,000~4,000 円 /CO 2 トンで全コストの 50~60% 以上を占めており 要素技術としての技術開発によるコストダウンが期待されているところである 現在 実用化されている技術はアミンを吸収剤としている化学吸収法であるが これに代わる方法の開発が期待されている 一方 輸送コストも 500~1,000 円 /CO 2 トンと試算されているが 処理量 輸送距離によって大きく変化する要素があり また事業のインフラ 基盤そのもの そこで 二酸化炭素排出者と地中処理関係者との協力の下 輸送距離の短縮化 ハンドリングシステムの効率化に取り組むことも重要である またその社会的側面として 現行法令の整理を行い鳥瞰図にて示し 今後の検討 法制度改正案検討の参考資料としての活用も意図した さらに 国際情勢を第 1 章とともに概観し ノルウェーにおける 1996 年から北海における帯水層への圧入を行うスライプナー プロジェクトをまず取上げた また カナダにおける 2000 年から石油層への原油強制回収 EOR のための圧入を行っているウエイバーン油田 いずれも 100 万 t/ 年と二酸化炭素注入量は同規模のプロジェクトであることを紹介した 上記両プロジェクトは 経済的に採算がとれたプロジェクトとして評価されている なお スライプナーにおいては 1996 年における二酸化炭素税として CO 21t 当り 50 ドル (2000 年には 38 ドルに引下げられた ) が課せられていた その結果 1996 年 ~1999 年に税額は年間 5000 万ドルであることに対し 地中隔離に要した投資額は約 8000 万ドルであり 運転経費を除けば約 2 年で投資額が回収できたことを示した 次に ウエイバーンにおいては EOR によりプロジェクト期間 20~25 年にわたって 1900 万 m3 以上の石油増産が可能となり 石油生産は 2 万バーレル / 日から 5 割増の 3 万バーレル / 日となり顕著な増産となったとのこと 結果として 年間約 300 万バーレルの増産として 50 ドル / バーレルで換算すると 年間 15,000 万ドル以上の増収となることを示した 24

29 第 3 章. 二酸化炭素分離 貯留の事例研究 3-1. 条件設定 ケーススタディに際して 実証プロジェクトを想定し 以下の条件を設定した上でコストを試算した また 地下貯留場所の選定は今後いろいろな手続 地元自治体および住民の同意 ステークホルダーとの折衝等をふむため ここでは場所を特定しない形で取りまとた 1 二酸化炭素発生源 二酸化炭素大量発生源としては 代表的な設備としては以下がある ( 概算年間 CO 2 排出量 ) 火力発電所 製鉄所 化学プラント 製油所 製紙工場 3.1 億 t/ 年 1.7 億 t/ 年 0.8 億 t/ 年 0.4 億 t/ 年 0.3 億 t/ 年 (NEDO2000 年検討資料より ) このため 発電所 製油所 製鉄所を本研究では対象として検討した 2 象とする貯留層 隔離場所となる帯水層については ( 財 ) 地球環境研究機構 RITE 等が平成 5 年度 ~8 年度に実施した調査では図 2-1 及び表 3-1 のとおりの結果が得られている 表 3-1 日本国内における推定二酸化炭素地中貯留可能量 推定カテ評価対象層貯留可能量コ リー地点数 ( 億 t- CO2) 1 大規模な構造性の油 カ ス層 陸域の構造性帯水層 海域の構造性帯水層 陸域の背斜構造を伴わない帯水層 海域の背斜構造を伴わない帯水層 合計 今回 対象とした貯留地点はわが国周辺に多く存在するといわれている 帯水層と考えられる そこで 数所の帯水層から 現在最もその地層条件の詳細把握がなされ かつ地域の協力が期待できる 2 所の 海域の構造性帯水層 を対象をモデルとし経済性試算を行った 3 年間圧入規模 現在 世界各地で実施あるいは計画中のプロジェクトは年間 100 万 t である ( ただし 製油所は 100 万 t/ 年の供給は難しいため 発電所 製鉄所のみを対象とした ) 本来はこの規模を目指すのが標準であるが もう 1 段階のステップを踏んでいくことによって技術の習得 安全性確認のための地中内での挙動確認等課題解決の道を探るべきである したがって 年間 100 万 t 規模を基本とするが 技術の検証 安全性の確認 経済性の比較等のために 年間 20 万 t 規模のものについても同試算も行った 3-2. 二酸化炭素発生源 ここでは 二酸化炭素の発生源ごとの現状を把握するために そのバックグランドについては以下のとおりとなっている 25

30 3.2.1 発電所 (1) 発電所からの二酸化炭素排出の現状 わが国の発電所は原子力 火力 水力 ( 揚水を含む ) のそれぞれのタイプの発電方式を総合的に組合せ ( ベストミックスと呼ばれる ) 電力の安定供給に寄与している この 3 発電方式の中で火力発電は化石燃料を使うため二酸化炭素排出が避けられず 大量の二酸化炭素排出源となっている 試算によると わが国の火力発電所からの二酸化炭素排出量は 2010 年現在約 3 億 8 千万トン / 年 (CO2 換算 ) となっておりわが国の総二酸化炭素排出量の約 30% となっている 温暖化対策を考えた時 これらの火力発電からの二酸化炭素回収 処分を検討することがまさに望まれている 火力発電の燃料としては石炭 石油 天然ガスの 3 つの燃料が用いられているが この中で石油火力は主として夏場等の電力ピーク時のみに運転されており 二酸化炭素回収は石炭火力や天然ガス火力からの回収が中心に検討されている (2) 二酸化炭素回収技術 1) 二酸化炭素回収技術の動向 高圧の天然ガスや合成ガスからの二酸化炭素回収は従来広く行われ 数多くの技術が実用化さ れているが 燃焼排ガスからの二酸化炭素回収技術については 今までその使途が二酸化炭素の 有効利用として農業用等ごく一部に限られていたこともあり しかも圧力がないこと 酸素を含 むこと SOx NOx を含む等技術的にも難しいことが多くほとんど行われてこなかった 従来から燃焼排ガスから二酸化炭素回収に用いられて来た技術は 最も基礎的なアミンとされ るモノエタノールアミン (MEA) を用いたもので 現在米国のフロアーダニエル社と ABB ルー マス クレスト社がその技術を所有している しかしこの技術は 二酸化炭素回収に伴うエネル ギー消費が多いことと吸収液の損失が非常に多い等の欠点がある 三菱重工では関西電力と共同 して新しい二酸化炭素回収技術の開発に取組み 現在従来のモノエタノールアミンをベースにし た技術よりも二酸化炭素回収エネルギーを大巾に削減しさらに吸収液の損失を著しく削減した低 コストで二酸化炭素を回収出来る技術を開発し既に実用化している DOW 社 : 1980 年代前半 MEA 吸収液の省エネ技術開発実用化 ( 現在フロア - 社が技術を所有 ) Kerr Macgee 社 : 1980 年代 MEA 吸収液を用い石炭排ガス対応技術として実用化 ( 現在 ABB ルーマス クレスト社が技術を所有 ) 商用化 MHI 関西電力と化学吸収法開発 改良国内各社 CO 2 回収技術開発に取組む 東電 / 日立 : 化学吸収法 東電 / MHI:PTSA 東北電 / MHI : PSA 北陸電 / CCEC : 流動層 PSA 電発 / IHI:O 2 燃焼法 電中研 : 化学吸収法 クバナー社膜 / アミン法研究開発 図 3-1 二酸化炭素回収技術開発の経緯 ( 出典 : エンジニアリング協会資料 ) RITE 化学吸収法 膜分離法研究開発開始 欧 米 加 CO 2 回収研究開発開始 CCP : 各種方式比較 レジーナ大 : 化学吸収法 TEXAS 大 : 化学吸収法 26

31 図 3-1 は 燃焼排ガスから二酸化炭素を回収する技術開発の経緯を示したもので 三菱重工では 1990 年代初めから世界に先駆け二酸化炭素回収の開発を始めた また 欧米においても 2000 年頃から温暖化対策を目的とした燃焼排ガスからの二酸化炭素回収技術の開発が進められている CO2 回収の方式としては下記の方式があるが この中で排ガスの化学吸収法が最も普及しており しかも大容量化の場合コスト面でも有力な手法と考えられている 燃焼後 : 排ガスからの回収 1 化学吸収法 2 3 吸着法 膜 / 化学吸収法 燃焼前回収 1 天然ガスのリフォーミング /CO2 分離 2 石炭ガス化 /CO2 分離 酸素燃焼 発電プラントにおいては 化石燃料を燃焼させ 高温 高圧の蒸気を発生させ蒸気タービンを 回転させて電気を発生しているが 発電に寄与しているエネルギーは一般に 50% 以下で 50% 以上 が蒸気を凝縮する際に失なわれ この熱は復水器で海や川に捨てられている 化学吸収法で CO2 を回収する場合必要とするエネルギーの大半が低温の熱でよいためこの発電システムにおける蒸 気を凝縮させる際に捨てられている熱をうまく利用出来る点が メリットであり エネルギーの 損失を少なく CO2 が回収できる 図 3-2 は 化学吸収法において熱エネルギーを利用するリボイラーのエネルギーを発電システ ムの中で得ようとした場合 復水器 ( コンデンサー ) で捨てられているエネルギーをうまく利用 できることを示している Steam Energy B B Power Loss by Steam Extraction A A Steam Energy Utilization for Reboiler Reboiler Energy Condenser Energy 図 3-2 Steam Energy Utilization of Power Plant and CO 2 Recovery ( 出典 : 三菱重工業技術時報 ) 27

32 図 3-3 は三菱重工と関西電力が共同で開発した技術により燃焼排ガスから二酸化炭素を回収し 尿素の生産に利用しているプラントで 1999 年から稼動している 二酸化炭素は限りなく低コストで回収されることが求められており 化学吸収法は大容量化が可能であることから 三菱重工においては 3,000 t/ 日のプラントの試設計を完了しており ( 図 3-4) 大容量化によって二酸化炭素回収コストの大巾な低減が可能となっている しかしながら温暖化対策として二酸化炭素回収コストの低減と大容量化を検討すると 現在最大の発電設備として 100 万 kw の石炭焚ボイラがあり この場合二酸化炭素回収量は 18,000 t/ 日となるため 今後もさらに大容量化を追求していく必要がある 図 3-3 三菱重工による尿素用二酸化炭素回収プラント ( 出典 : 三菱重工広報資料 ) 図 3-4 3,000 t/ 日プラント鳥瞰図 ( 出典 : 三菱重工広報資料 ) 製油所 (1) 石油産業の概要 石油産業は石油連盟の自主行動計画に沿って 1990 年度比でエネルギー消費原単位 10% 削減 燃料消費量 9% 削減 コジェネ普及による省エネ 140 万 kl を目標に活動してきた エネルギー原単位 燃料消費量については 2002 年にほぼ目標値を達成した ( 図 3-5 参照 ) しかるに 国内石油製品需要構造は軽質化へシフトし環境に配慮した品質対策要請等により生産量が増加していることで二次装置でのエネルギー使用量増加していることなどの理由から 2010 年度は 4,292 万 t-co2(1990 年対比 30% 増 )( 自主行動計画を実施しない場合には 2010 年度は 4,303 万 t-co2(1990 年対比 30.4% 増 )) と増加している 28

33 図 3-5 石油産業地球環境保全自主行動計画 ( 出典 : 石油連盟広報資料 ) 国内石油産業は 1973 年の第一次石油危機以降 25 年以上にわたり省エネルギー対策に取り組んでおり この間の累積省エネルギー効果は原油換算で 650 万キロリットルとなっている また この累積効果を二次設備稼働を加味したエネルギー消費原単位で比較すると 20%( 年平均 1%) の省エネとなっておりすでにある程度省エネルギー対策が進んでいる状況である (2) 水素製造装置からの二酸化炭素回収 国内製油所での水素製造装置から 高濃度な二酸化炭素が大気中に放出されている これら大気放出されている二酸化炭素を回収し地中貯留することができれば 国内石油産業分野の二酸化炭素削減対策に大きな貢献が期待できる 国内製油所の水素製造装置能力から 年間 600 万トンの二酸化炭素が回収可能であると推定できる 集中排出地域としては以下 4 地区がある 29

34 有力地区 北海道地区 ; 年間 61 万 t- CO2 千葉地区 ; 年間 95 万 t- CO2 愛知地区 ; 年間 56 万 t- CO2 岡山地区 ; 年間 23 万 t- CO2 国内全体 ; 年間 600 万 t- CO2(2010 年 出典 : 石油連盟広報資料 ) 図 3-6 国内製油所の位置 ( 出典 :2010 年石油連盟広報資料 ) 30

35 (3) 製油所の水素製造装置 国内製油所では大きく 2 種類の水素製造装置が稼動中である 一つはベンフィールド法であり もう一つは Pressure Swing Adsorption(PSA) 法である ( ベンフィールド法の場合既に二酸化炭素分離装置が設置されているので 昇圧装置のみあれば地中貯留可能と考えられる ) Benfield Type CO2 Separation DESULPHURISER PROCESS STEAM H.T.SHIFT L.T.SHIFT CO2 REMOVAL System Pure CO2 REFORMER STACK HEAT RECOVERY FEED (LNG~Naphtha) LPG FUEL HYDROGEN PRODUCT PSA Type CO2 Separation DESULPHURISER REFORMER PROCESS STEAM OFF GAS (CO2) H.T.SHIFT STACK HEAT RECOVERY PSA System PSA PURGE GAS DRUM FEED (LNG~Naphtha) LPG FUEL CO2 REMOVAL System Pure CO2 図 3-7 製油所の水素製造装置 ( 出典 :2010 年石油連盟広報資料 ) (4) 分離 回収設備 分離 回収設備コストをプロセス概要およびコスト試算を以下のとおり示す ( 二酸化炭素回収条件 ) 流量 ; 年間 20 万トン (12,727 Nm 3 / h) ( 吸収率 :90%) 二酸化炭素回収圧力 ; 2000psig ( コンプレッサー出口 ) ( プロセス概要 ) 1) 水素製造装置 ( 既設 ) 2) 二酸化炭素回収ユニット (PSA 法水素製造装置で検討 ) 水素製造装置からの二酸化炭素を含むガスは KO ドラムを経て吸収塔へフィードされる なお アミン溶液は最も吸収効率の高いプロセスにて検討を行っている 吸収塔で二酸化炭素が吸収され ( 吸収率 =90%) 二酸化炭素を含有するアミン溶液 ( リッチソルベント ) は熱交換器を経て再生搭へフィードされる 再生搭で二酸化炭素がアミン溶液と分離され アミンリーン溶液は熱交換器を経て吸収塔塔頂へ還流される 一方 加圧下で分離された二酸化炭素は脱水 昇圧ユニットへフィードされる 3) 圧縮 脱水ユニット二酸化炭素回収ユニットからの加圧二酸化炭素は圧縮機で昇圧された後 脱水装置 (TEG) にて水分が除去される この脱水装置により下流装置 配管の酸性腐食を防ぐ 引続きコンプレッサー 2,000 psig(141kg/cm 2 G) へ昇圧し輸送パイプラインへフィードされる 31

36 3.2.3 製鉄所 (1) 鉄鋼業の概要 鉄鋼業は 日本鉄鋼連盟の自主行動計画に沿って 1990 年度比でエネルギー消費量 10% 削減を指標とした地球温暖化対策を推進した 生産量の影響もあり 単純な削減傾向ではないが 2010 年現在約 10% の削減を果たし ( 図 3-8 参照 ) 世界で最も優れた省エネルギー生産を実現している 図 3-8 鉄鋼業のエネルギー消費量実績値 ( 出典 : 日本鉄鋼連盟自主行動計画 ) 一貫製鉄所のエネルギー原単位の国際比較 (2003 年度調べ : 日本 =100 とした指数 ) 日本韓国 EU 米国 出所 : 韓国鉄鋼協会 中国鋼鉄工業協会 個別ヒアリング等の情報より作成 大規模全国中国 図 3-9 一貫製鉄所のエネルギー原単位の国際比較 ( 出典 : 同上 2004 年度 ) 32

37 現状日本での臨海部における大規模高炉一貫生産は それ自体省エネルギーの面で極めて有効に作用しているが 一方 鉄鋼プロセスでは鉄鉱石を炭素によって還元なさしめるために 鉄鋼業は国内の十数 %(2001 年度エネルギー起源の CO2 排出量は約 1.8 億 t- CO2) を占める大規模温暖化ガス排出源となっている そこで 従来型の省エネルギーに加え 将来の地球温暖化対策に資するべく 国際的な環境問題への取り組みとして IISI(=International Iron and Steel Institute: 国際鉄鋼協会 ) のブレークスルー プログラム に また国内における業際的な取り組みとして エコ コンビナート ( 仮称 ) の検討に参画している (2) 製鉄所の位置 二酸化炭素の地中貯留は 集中排出源を対象として大規模に二酸化炭素を分離回収し 帯水層等の地中に貯留することで大幅に温暖化ガス排出量削減することが期待されている技術である 鉄鋼業において エネルギー消費は鉄鉱石を還元する製銑プロセスに集中している 図 3-10 国内の高炉一貫製鉄所と現地中貯留候補地 図 3-10 は 国内の高炉一貫製鉄所と現在地中貯留の候補地として挙がっている場所の位置関係を示したものである 大多数の製鉄所は太平洋ベルト地帯を中心とした臨海部に立地しており 主として既存の石油 天然ガス関連資源調査に基づく地中貯留候補地とは一致していない この点に関しては 集中排出源を起点とした今後の地質調査に期待するものである (3) 対象となる二酸化炭素含有ガス 高炉一貫製鉄所では 製鉄プロセスで生成される副生ガスと それらの副生ガスを燃焼して熱利用後に排出される燃焼排ガスがある ( 図 3-11 参照 ) これらの中でも高炉ガス (=BFG) と熱風炉排ガス (=HSG) は通常の燃焼排ガスと比べて二酸化炭素比率が高く 量もまとまっており ( 例えば大規模製鉄所の BFG では 図表中数値の約 3 倍 = 約 600 万 t-co2/ 年 ) かつ年間を通して安定的に発生 ( 排出 ) がなされている 33

38 図 3-11 製鉄所の代表的なガス ( 出典 : 新日鉄技術時報 ) (4) 二酸化炭素分離回収のポテンシャル 大量の二酸化炭素を分離回収する方法としては 現時点では化学吸収法が最も一般的であるが 化学吸収法には大量の熱エネルギーが必要というコスト面での課題がある 二酸化炭素地中貯留のコスト比率 ( 図 3-12 参照 ) から見てもこの分離回収コストを低減することが実用化に向けた重要課題の一つといえる このコスト削減が必要 液化 ( 必要時 ) 分離 回収熱エネルギー 輸送 & 地中貯留 0% 20% 40% 60% 80% 100% CO2 地中貯留のコスト比率 ( 液化輸送の場合 ) 図 3-12 二酸化炭素地中貯留のコスト比率例 34

39 一方 製鉄プロセスは 図 3-13 に示すように複数のプロセスの集合体であり 様々な工程で熱エネルギーが利用されている また そこから出てくる排熱は 多くの場合蒸気に変換して回収 再利用されているが 経済性の低い 350 以下の排熱や回収が困難なスラグ顕熱等に関してはまだ利用できていないものがある ( 図 3-14 参照 ) 化学吸収法で使用される熱エネルギーは 主として吸収液を再生 ( 二酸化炭素を放出 ) させるために吸収液を百数十 まで加熱するためのものであり この再生温度 再生エネルギーを低減する化学吸収液と 未利用排熱を上手く回収する技術を開発することで分離回収コストを大幅に低減できる可能性がある 平成 16 年度から 5 年間 経済産業省の補助金を受けて ( 財 ) 地球環境産業技術研究機構 (RITE) が主体となった技術開発プロジェクトが行われた 図 3-13 製鉄プロセス概要 ( 出典 : 新日鉄技術時報 ) 35

40 図 3-14 製鉄所にある低品位排熱の例 ( 出典 : 新日鉄技術時報に化学吸収法の概念を加筆 ) (5) 分離 回収設備 < 検討対象ガス > 製鉄所内で発生する二酸化炭素含有ガスの内 副生ガスである BFG は 中規模高炉一基あたり 200 万 t- CO2/ 年と発生量が多く 年間生成量もほぼ一定で安定している 所内にガス配管が廻っており 広い敷地を必要とする分離回収場所選定の自由度が高い エネルギー含有プロセスガスであり 長期的には製鉄プロセスの変更を踏まえた効率改善の可能性がある といった特徴から二酸化炭素を分離回収するのに最も適したガスの一つと考えられる ここでは この BFG を二酸化炭素分離対象ガスとする < 分離 回収設備 > 国内製鉄所の一部では 二酸化炭素の所内利用 ( 主として転炉底吹き用で 数万 t/ 年程度と小規模 ) を目的として 物理吸着法や化学吸収法で所内発生ガスから二酸化炭素の分離回収を行っている実績がある 地球温暖化対策としての二酸化炭素分離回収であり 量的にも数十 ~ 百万 t/ 年と大規模なものが想定される 現有技術で考えると スケール コスト面から化学吸収法が最も妥当な手法であり ここではその中でも最も普及している MEA( モノエタノールアミン ) 法による分離回収を検討する < プロセスフロー > 大気圧 & 常温 +α の BFG を所内配管から取り出し 化学吸収法に不向きなダスト 硫化成分等を前処理設備で取り除き 化学吸収法で二酸化炭素を 99.9% 程度の高純度で分離回収する なお 二酸化炭素を取り除いたオフガスは 既存の製鉄プロセスで利用するべく BFG ラインに戻す ( 図 3-15 参照 ) 36

41 図 3-15 BFG から二酸化炭素を分離回収する際のプロセスフロー 37

42 3-3. 貯留層 ここで採用したモデル帯水層の規模 周辺岩相の状況等の設定は以下のとおりとした 現在 海域の構造性帯水層 として確実なデータを持っている場所は極めて限定されている すなわち これまで 帯水層を対象として調査した例はなく 石油 天然ガス等の鉱区内で資源調査のためのボーリング調査 物理探査を実施した結果 地下隔離の対象地盤のデータが得られたものである 今回は これらの資源調査データから 太平洋岸 日本近海の 2 海域を貯留層モデルとして設定した これらを示すと 表 4-2 表 4-3 のとおりとなる 表 3-2 A 海域の貯留層モデル ( 出典 : 石油資源開発技術資料より ) 表 3-3 B 海域の貯留層モデル ( 出典 : 同上 ) 38

43 3-4 経済性 コスト等試算は発電所 製油所 製鉄所の各プロセス毎に行うが 要素としては分離 回収設備が異なるだけで輸送 圧入については共通とした 分離 回収 (1) 発電所 1) 検討条件 a. 発電所仕様 1 発電端出力 700 MW 2 排ガス処理設備 ( 既設 ) b. 排ガス条件 ( 既設脱硫装置出口 ) 1 温度 組成 H2O N2 O2 CO2 SOx NOx 煤塵 脱硝装置設置 EP 設置 脱硫装置設置 ガスガスヒータ装置設置 11.7 vol% 71.2 vol% 4.5 vol% 12.6 vol% 42 ppm(dry) 50 ppm(dry) 8 mg/m 3 (Dry) c.co2 回収 圧縮 1CO2 回収率 90% 2CO2 回収量 125 T/H (3000 T/D) 3 回収 CO2 純度 99.9 vol%(dry) 4コンプレッサー出口圧力 141kg/cm 2 G (2000psig) 2) プロセス概要 a. 機器構成 高度脱硫 CO2 回収 1unit CO2 圧縮 脱水 1unit b. 高度脱硫 CO2 回収排ガスは既設脱硫装置出口部より今回設置する高度脱硫吸収塔に導入される 導入された排ガスは脱硫セクションで液柱スプレイノズルより噴出する吸収液スラリーと向流接触し 亜硫酸ガス (SO2) が吸収 除去される 吸収液スラリーは既設脱硫装置より今回設置する高度脱硫吸収塔に供給され SO2 を吸収した後既設脱硫装置に戻される 脱硫セクションにおいて SO2 を除去された排ガスは同じ塔内の冷却セクションに上昇し 排ガス冷却水クーラーによって冷却された循環水と充填層において向流接触し 約 40 まで冷却される 約 40 まで冷却された排ガスは吸収塔底部へ供給され 充填層において KS-1 吸収液 ( アミン液改良剤 ) と向流接触することで排ガス中に含まれる CO2 の内 90% が KS-1 吸収液に吸収される KS-1 吸収液は関西電力と三菱重工により共同開発された吸収液であり 高い CO2 ローディング 小さな再生エネルギー 少ない吸収液劣化および装置腐食という特性を有している 排ガス中の 39

44 CO2 と吸収液の反応は発熱反応であり 吸収塔下部充填層から排出されるガスは昇温されて 吸収塔上部の 1 段の充填層で構成される水洗部へ供給される CO2 が 90% 除去された排ガスを吸収塔上部の充填層で循環洗浄水と向流接触させることで 排ガス中の水分が凝縮され CO2 回収プロセス全体の水バランスが保たれると同時に KS-1 吸収液のベーパーが回収されアミンの損失が抑えられる 循環洗浄水は 吸収塔塔頂循環水ポンプにより循環され 吸収塔塔頂循環水クーラーにおいて冷却水で冷却される このようにしてアミンミストが除去された排ガスは 大気へ放出される 吸収塔底部の CO2 リッチ吸収液は 吸収塔抜出ポンプにより溶液熱交換器へ送られ CO2 リーン吸収液との熱交換による加熱後 再生塔へ送られる CO2 リッチ吸収液は再生塔の充填層において リボイラーで発生したスチームによるストリッピング効果で CO2 ガスを放散する 再生塔底部の液は約 120 まで加熱され 充填層において CO2 を放散して CO2 リーン吸収液となる CO2 ガスとスチームは再生塔内を上昇し 吸収液ベーパーを回収するために還流水と向流接触後 再生塔還流クーラーで 45 まで冷却され 凝縮水が再生塔還流ポンプにより再生塔塔頂へ還流される CO2 リーン吸収液は溶液熱交換器において CO2 リッチ吸収液との熱交換による冷却後 吸収液循環ポンプによりリーン溶液クーラーを経て吸収塔へ送られる CO2 リーン吸収液の約 5% は油分および不純物を除去するために 前後にガードフィルターを設置したカーボンフィルターを通過させる CO2 回収設備には KS-1 吸収液の貯蔵および系内への供給用に溶液タンク メンテナンス時系内液抜き用にサンプタンクが設置されている KS-1 吸収液は熱安定性塩を生成するので リクレーマーで除去する リクレーマーは吸収液中熱安定性塩濃度管理値に近づいたら運転し 吸収液を蒸発させてベーパーは系内に戻し 塩は濃縮してスラッジとして排出する 熱安定性塩の系内蓄積速度は非常に遅いのでリクレーマーの運転頻度は少ない c. 回収 CO2 の圧縮 脱水回収された CO2 は遠心コンプレッサーにより圧縮され 脱水器に送られる 脱水器では Dew Point が 141kg/cm 2 G において -5 以下になるまで水分が除去される その後 再度コンプレッサーにより 141kg/cm 2 G まで圧縮される d. 蒸気システム既設発電所の中圧蒸気および低圧蒸気を用いる 中圧蒸気は CO2 コンプレッサーの蒸気タービンの駆動に用い 低圧蒸気は排ガスブロワーおよび発電機のタービンに使用する これらのタービンには背圧タイプを使用し タービン出口の蒸気をリボイラーおよびリクレーマーの加熱に用いる そのため リボイラーおよびリクレーマーで必要とする蒸気量とバランスするように 発電機へ低圧スチームを導入している 発電機で発電した電気は高度脱硫 CO2 回収装置および冷却水ポンプで使用し 余剰分は発電所に戻している 3) 設備機器所要面積 高度脱硫 CO2 回収装置 :50m 70m CO2 圧縮 脱水装置 :30m 50m 4) 用役消費量 ( 高度脱硫 CO2 回収 CO2 圧縮 脱水 冷却水ポンプ ) a. 蒸気消費量中圧蒸気 (*1) t/h 低圧蒸気 (*2) 50.3 t/h ( 蒸気バランスを保つため発電機を併設 発電機で発電した電気は高度脱硫 CO2 回収装置および冷却水ポンプで使用し 余剰分は発電所に戻している ) b. 電力 5,490kw ( 高度脱硫 CO2 回収装置および冷却水ポンプでの電気使用量 ) c. 発電出力減 42.5MW( 試算値 ) d. 冷却水 ( 海水 )(*3) 26,100 t/h e. 吸収液 16kg/h 40

45 以上の設計検討から設備費の概算コストは以下のとおりとなった 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 設備費 3,800 百万円 10,000 百万円 また 用役費は以下のとおりである 分離回収量 20 万 t CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 用役費 724 百万円 / 年 2,676 百万円 / 年 さらに 発電所内での分離 回収コストを試算すると以下のとおりとなった 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 分離回収コスト 約 6.8 千円 /t- CO2 約 3.7 千円 /t- CO2 試算前提 : 設備償却年数 15 年 / 年経費率 10% / 設備保守費 3% 付帯設備 : パイプライン輸送を目的として分離回収後 150kg/cm 2 まで昇圧 41

46 (2) 製油所 1) 検討条件 a. 検討内容石油精製プラントにある水素製造装置 (PSA 法 ) から排出される二酸化炭素を回収し 昇圧の上地中貯留するプロジェクトを検討し概略コストを推算する b. 検討範囲本スタディでの検討範囲は以下のユニットとする 1Unit 100 : 二酸化炭素回収ユニット 2Unit 200 : 二酸化炭素圧縮 脱水ユニットただし 既設改造に伴う検討および費用 昇圧した二酸化炭素を輸送 ( 地上 海底 ) 圧入するための付帯設備検討および費用は含まれない c. 入口ガス性状条件 ( 二酸化炭素回収ユニット入口 ) プロセス条件 (PSA 上流 ) 1. 温度 圧力 17.0 barg 3. モル重量 成分 Nm 3 /h [mol %] ton/year (8,000hr/year) H2 61,885[74.66%] 44,204 N2 1,011[1.22%] 10,110 CO 2,628[3.17%] 26,280 CO2 14,141[17.06%] 222,216 Ar - - CH4 3,224[3.89%] 18,423 C H2O 235 1,511 合計 (dry) 82, ,232 合計 83, ,743 d. 二酸化炭素回収条件流量 ; 年間 200,000 トン (12,727 Nm 3 / h) ( 吸収率 :90%) 二酸化炭素回収圧力 ; 2000psig コンプレッサー出口 ) 2) プロセス概要 a. 水素製造装置石油精製プラントにおいては水素製造プロセス (PSA 法 ) の中で副製品として二酸化炭素が発生する b. 二酸化炭素回収ユニット (Unit 100) 水素製造装置内 PSA 上流あるいは PSA 下流からの二酸化炭素を回収する操作を行うユニットである 今回は PSA 上流の条件で検討した 42

47 水素製造装置からの二酸化炭素を含むガスは KO ドラムを経て吸収塔へフィードされる なお アミン溶液は最も吸収効率の高いプロセスにて使用されている 吸収塔で二酸化炭素が吸収され ( 吸収率 =90%) 二酸化炭素を含有するアミン溶液 ( リッチソルベント ) は熱交換器を経て再生搭へフィードされる 再生搭で二酸化炭素がアミン溶液と分離され アミンリーン溶液は熱交換器を経て吸収塔塔頂へ還流される 一方 加圧下で分離された二酸化炭素は Unit200; 脱水 昇圧ユニットへフィードされる c. 圧縮 脱水ユニット (Unit 200) 圧縮 脱水ユニットは二酸化炭素回収ユニットからの加圧二酸化炭素は圧縮機で昇圧された後脱水装置 (TEG) にて水分が除去される この脱水装置により下流装置 配管の酸性腐食を防ぐ 引続きコンプレッサー 2,000 psig(141kg/cm2g) へ昇圧し輸送パイプラインへフィードされる 以上の設計検討から設備費の概算コストは以下のとおりとなった 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 設備費 2,495 百万円 - また 用役費は以下のとおりである 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 用役費 662 百万円 / 年 - さらに 製油所内での分離 回収コストを試算すると下記のとおりとなった 分離回収量 分離回収コスト 1(PSA 方式 ) 分離回収コスト 2( コンベンショナル方式 ) 20 万 t- CO2/ 年 約 4.9 千円 / t- CO2 約 2.2 千円 / t- CO2 試算前提 : 設備償却年数 15 年 / 年経費率 10% / 設備保守費 3% 付帯設備 :150kg/cm 2 まで昇圧 43

48 (3) 製鉄所 項で 製鉄プロセスガスと低品位廃熱 低温作動型化学吸収液 ( 新規開発 ) を活用して分離 回収コストを大幅に削減する開発プロジェクトのことに言及したが 本章では実績のある現状技術 (MEA を用いた化学吸収法 ) で概算コストを試算した その結果 設備費の概算コストは以下のとおりとなった 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 設備費 3,200 百万円 11,000 百万円 また 用役費は以下のとおりである 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 用役費 1,103 百万円 / 年 5,519 百万円 / 年 さらに 製鉄所内での分離 回収コストを試算すると以下のとおりとなった (MEA 法で試算 ) 分離回収量 20 万 t- CO2/ 年 100 万 t- CO2/ 年 分離回収コスト 約 7.3 千円 /t- CO2 約 6.7 千円 /t- CO2 試算前提 : 設備償却年数 :15 年 年経費率 :10% 設備保守費:2~3% 付帯設備 : パイプライン輸送を目的として分離回収後 150 気圧まで昇圧 < 分離回収の課題 > 実際に二酸化炭素を分離回収する場合 分離回収設備 ( および必要であれば昇圧設備 液化設備 貯蔵設備 ) の用地の有無 電力 蒸気 冷却水等のユーティリティー 生産プロセスに与える影響等を対象製鉄所毎に詳しく調査 検討する必要がある あくまで一般論ではあるが 分離回収量が 20 万 t-co2/ 年程度であれば概ね大きな問題はないと考えられる一方 100 万 t-co2/ 年ともなると事前に十分な検討を行う必要がある 44

49 3.4.2 輸送 (1) 輸送設備 国内の二酸化炭素分離回収サイトとして考えられている 火力発電所 製油所 製鉄所は 何れも資材 製品輸送の関係上 臨海部に立地しており 道路 港湾 場合によっては鉄道も整備されており 輸送手段の自由度は高いと言える 以下 図 3-16 は二酸化炭素の輸送フロー図である 吸収設備 CO 2 圧縮設備 ガス 陸上 / 海底パイプライン輸送 CO 2 圧縮設備 短距離輸送の場合は 吸収 設備直後の圧縮設備で対応 CO 2 液化設備 液体 液体 CO 2 貯槽設備 ローリー 陸送 海送 液体 CO 2 貯槽設備 液体 CO 2 ポンプ CO 2 ヒーター 圧入井 図 3-16 二酸化炭素輸送フロー 1) パイプライン輸送パイプライン輸送の場合 二酸化炭素をガスで連続的に輸送するため 液化設備と貯槽設備が不要となる ( 場合により小規模のバッファータンクは必要 ) 技術的およびコスト面から考えると 150 気圧 (150kg/cm2) 程度の高圧で輸送する方が有利であるが 具体的な地域を前提に諸規制等を良く調べる必要がある また 分離回収サイト 貯留候補地共に大多数が海洋に面していることから 一般的に海底パイプラインの方が工事は容易と考えられる なお 陸上 / 海底の何れにしてもパイプラインは高価な設備であるので 大量のガスを長期間輸送する場合に適した輸送方法と言える 2) 車両輸送次に車両輸送であるが タンクトレーラーを用いても実輸送量は 11t/ 台と少量毎の輸送となる 発送サイトから圧入サイトまでの輸送経路の道路状況にもよるが 5 万 t/ 年の輸送量でも平均して 16 台のタンクトレーラーが毎日行き交うこととなる また ほとんどの二酸化炭素輸送車両は 国内では二酸化炭素販売 ( または購入 ) 事業者の所有となっており 余剰車両はほとんどないため 新たに車両を用意する必要がある これらの理由から 車両輸送は 5 万 t/ 年未満の少量の二酸化炭素を短距離輸送する ( 車両の回転率を上げて輸送コストを抑制 ) ことに向いており 実用化段階での地中貯留には不向きと言える 3) 船舶輸送船舶輸送では RORO 船のような定期往復船にタンクトレーラーを載せて輸送することも考えられるが 航路が限られているため 適用できるケースは非常に少ない また 車両輸送と同様に 二酸化炭素の輸送を請け負う業者がないため 原則専用船を準備する必要がある 専用船を新造するには多大な初期投資が必要となり かつ外航船としては D/W2000t 以上の大きさが必要となるため 大量かつ長距離輸送に向いた方法と言える なお 輸送コスト面だけで考えれば大型船で大量輸送した方が有利であるが 積出 / 受入港の施設 ( バースや貯槽設備等 ) 整備 停泊可能期間などについて 具体的な地域を対象に調査 検討する必要がある なお 船舶輸送では 図 3-18 に示すように パイプラインと異なり多少離れた複数箇所の集中排出源を自由に組み合わせて ( 変更も容易 ) 二酸化炭素を回収し 地中貯留サイトに移送することが可能である 45

50 集中排出源 C 集中排出源 A 集中排出源 B 集中排出源 D 地中貯留サイト 地下帯水層 図 3-17 船舶輸送による二酸化炭素回収サイトの連結イメージ 4) 輸送コスト試算今回の検討では海底パイプラインで輸送した場合の概算コストを以下に示す 表 3-4 海底パイプラインによる輸送コスト 輸送量 20 万 t-co2/ 年 100 万 t-co2/ 年 輸送コスト約 70~75 円 /t-co2/km 約 15~17 円 /t-co2/km 試算前提設備償却年数 :15 年 年経費率 :10% 設備保守費 :1% 輸送ガス圧力 :150 気圧 設置状況 : 海底に埋設処理 46

51 3.4.3 圧入設備二酸化炭素の圧入量 圧入層の構造規模 陸上との離岸距離 二酸化炭素の供給方法等により 圧入方法 圧入井掘削方法 圧入井掘削本数が決まっていく A 海域 T 沖と M 沖をモデル帯水層として以下のケースについて掘削コストを概算する (1) 陸上から大偏距 ( 高傾斜 ) 坑井を掘削するケース 圧入対象構造として T 沖構造 ( 図 3-19) と M 沖構造 ( 図 4-20) の 2 ヶ所を想定し 坑井数は前者では 2 坑 後者では 2 坑と 10 坑として試算する 陸上から大偏距 (ERD) 坑井あるいは高傾斜坑井を掘削する場合の特徴を以下に列記する [ 有利な点 ] 1 陸上に基地があり 各種圧入方法に対応可能 2 操業管理が容易 3 坑井のメンテナンス 改修 廃坑が容易 4 海洋構造物が不要のため 一般的に安価 5 漁業交渉 対策費が不要 [ 不利な点 ] 1 圧入対象地質構造の離岸距離 向き 垂直深度および圧入井の本数に大きく影響される ( 限界あり ) 2 掘削深度が大きくなり 坑井一坑あたりのコストが高い 3 掘削技術上の限界 ; 地質状況 ターゲットの垂直深度によるが 遠くまで掘削する観点からは T 沖ケースが現時点での限界に近い <T 沖 > 圧入ポイント上限 : 垂直深度 1,150m 偏距 3,500m 掘削深度 4,320m 坑井傾斜 81 ( 大偏距坑井 ) 掘削作業日数 53 日 掘削坑井数は 2 坑 コスト 1 坑当たりの概算コストは 15 億円 / 坑であるが 2 坑を連続掘削する場合はリグ動復員費 敷地工事費等が削減され 14 億円 / 坑となり 2 坑のトータルで 28 億円 <M 沖 > 圧入ポイント上限 : 垂直深度 1,500m 偏距 2,000m 掘削深度 2,650m 坑井傾斜 60 ( 高傾斜坑井 ) 掘削作業日数 34 日 掘削坑井数は 2 坑と 10 坑 コスト 2 坑を連続掘削する場合はリグ動復員費 敷地工事費等が削減され 7 億円 / 坑となり 2 坑のトータルで 14 億円 10 坑ではトータルで 70 億円 (2) プラットフォームを設置して移動式海洋掘削装置にて圧入井を掘削するケース 圧入対象構造として T 沖構造だけを想定する 坑井数は 2 坑と 10 坑として試算する 海洋にプラットフォームを設置して移動式海洋掘削装置にて圧入井を掘削する場合の特徴を以下に列記する [ 有利な点 ] 1 圧入対象地質構造の離岸距離 向きおよび圧入井の本数に対応可能 2 モニタリング坑井の配置が容易 [ 不利な点 ] 1 プラットフォーム 海底パイプライン等の施設が必要 2 海外からのリグの動員が必要で 動復員費用が高額 47

52 3 坑井のメンテナンス 改修 廃坑が困難 4 操業管理が困難となり 高額 5 ボート ヘリコプター等が必要 6 漁業交渉 対策費が必要 <T 沖 - 海洋 2 坑 > 圧入ポイント上限 : 垂直深度 1,150m 偏距 1,000m 掘削深度 1,800m 坑井傾斜 52 ( 高傾斜坑井 ) 掘削作業日数 23 日 コスト 1 坑当たりの概算コストは 11 億円 / 坑であるが 2 坑連続掘削する場合はリグ動復員費が半減され 9.5 億円 / 坑となり 2 坑トータルで 19 億円 <T 沖 - 海洋 10 坑 > 10 坑掘削の場合 構造内での圧入地点を離す必要があるので偏距を 2,500m とする 掘削深度 3,200m 坑井傾斜 77 ( 高傾斜坑井 ) 掘削作業日数 35 日 コスト 1 坑当たりの概算コストは 13 億円 / 坑であるが 連続掘削する場合はリグ動復員費が半減され 12 億円 / 坑となり 10 坑トータルで 120 億円となる 48

53 図 3-18 T 沖構造に陸上 / 海洋から掘削するケース ( 出典 :NEDO 地球環境室資料 ) 図 3-19 M 沖構造に陸上から掘削するケース ( 出典 :NEDO 地球環境室資料 ) 49

54 3.5 まとめ ( 今後の立地地点選定 主体設立へ向けて ) 発電所 製油所及び製鉄所の各事業所につき 前記の条件設定の下でコスト試算を行い 最も安価な約 5,800 円から 18,000 円 /t-co2 年までの範囲となり その一覧を表 3-5 に示す 但し 試算が 2010 年前後の建設物価を基にしており 現状は 2~3 割の上昇が見込まれ立地地点を選定し実施主体設立後の再試算は前提である (1) 設定条件 ここで設定した条件を整理すると 以下のとおりである 1) 排出源種別および年間貯留量 発電所 1100 万 t-co 2/ 年 220 万同 製油所 1 20 万 t 同 製鉄所 1100 万 t 同 220 万 t 同 注 ) 製油所は 100 万 t/ 年の供給能力をもたないため 20 万 t/ 年のケースのみ試算実施 2) 貯留層までの距離 ( パイプライン輸送 ) 発電所 20km 製油所 20km 製鉄所 70km 3) 貯留設備運用期間 ( 償却期間 ) 15 年間 4) 年間保守費比率 3% 5) 観測費 年間 4 億円 ( 一律 ) (2) コスト試算結果 総括表 3-5 を概観すると 以下のとおりとなる 1 発電所 製鉄所 及び製油所の各事業所ごとに分離 回収設備コストには差がある 20 万 t/ 年級では 38 億円 ~25 億円となる 2 貯留層までの輸送距離 ( パイプライン延長 ) が 設備コストに大きな差異を生む ここでは 20km ケース ( 発電所 製油所 ) と 70km ケース ( 製鉄所 ) について試算し 全体の所要資金への影響を明らかにして表現した 20km では約 30 億円に対し 70km では 97 億円となる 3 今回の試算は償却期間を 15 年とした このように 長期間の運用があって始めて貯留単価が競争力を持つ とくに 目標とした 6,000 円 /t~8,000 円 /t を達成するには 大規模設備で長期運用が大前提となる 4 A 海域については 大偏距坑井掘削が可能な離岸距離にある M 沖と 離岸距離が長く 海上プラツトフォームが必要な T 沖との差が 圧入井掘削のコストに大きな影響を及ぼしている 5 B 海域のコストは A 海域で試算したものを適用している このように 早期に地点選定 検討を進め設定条件を整えより精度の高い試算を 現状の建設コストに基き今後再検討する必要がある 6 いずれのケースを見ても当初の設備費に大きな初期投資が必要である この資金をどのような主体がいかに調達するかが 本事業の課題となる 50

55 表 3-5 コスト試算総括表 51

56 第 4 章. 二酸化炭素分離 貯留の海外への展開 4-1. 京都メカニズムと CDM プロジェクト (1) 京都メカニズムとは 1997 年気候変動枠組条約第 3 回締約国会議 COP3 京都会合において 京都議定書が採択され この中で次の 3 つのメカニズムが設定された 1JI( 共同実施 ) 先進国間で実施する GHG 削減プロジェクトで その削減量の一部を日本の排出削減に利用することができる仕組み 2CDM( クリーン開発メカニズム ) 先進国が発展途上国で実施する GHG 削減プロジェクトで その削減量の一部を日本の排出削減に利用することができる仕組み 3 排出権取引先進国の保有する割当排出量の一部を日本が購入 利用できる仕組み Joint Implementation 図 4-1. 共同実施 :JI( 出典 :NEDO 京都メカニズム対策室資料 以下本章は同 ) Clean Development Mechanism 図 4-2. クリーン開発メカニズム :CDM 52

57 Emission Trading 図 4-3 排出権取引 CDM プロジェクトのプロセス CDM プロジェクトは (1) プロジェクトの準備 (2) プロジェクトの実施中の 2 段階のプロセス中で行うべき項目を示すと以下のとおりとなる (1) プロジェクト準備 1CDM プロジェクト計画の策定プロジェクト設計書 (Project Design Document) の作成 PDD の記載事項としては 以下のとおりである プロジェクト計画 ホスト国の持続可能な発展への貢献 環境アセス 利害関係者のコメントとそれに対する対応 追加性の立証 ベースラインとモニタリングの方法論 ODA でないことの宣誓書など 2 投資国とホスト国の承認投資国 ホスト国それぞれの指定国家機関 (DNE:Designated National Entity) によるプロジェクト承認 3 有効化 (Validation) と登録 (Resistration) プロジェクト設計書 (PDD) に基づき 指定運営機関による有効化審査 プロジェクトの有効化後 CDM 理事会により登録 (2) プロジェクト実施中 1 プロジェクトのモニタリング事業者は温室効果ガスの実際の削減量をモニタリングしなければならない 2 検証 (Varification) 認証 (Certification) 事業者はモニタリングレポートを検証する 指定運営機関は定期的にモニタリングレポート ( 削減量 ) を検証する 検証結果に基づき 指定運営機関は認証レポートを発行する 3 CER の発行指定運営機関の認証結果に基づき CDM 理事会は CER を発行する CER(Certification Emission Reduction) の発行は 2000 年以降の削減に対して行われる 53

58 CER とは CER を得るまでの行程を示すと 以下の図 4.4 のとおりとなる 図 4-4 CER までの道のり CER の発行 (Issuance) CER 登録 認証の現状 (2010 年 12 月現在 ) これまでに登録 認証された実情は以下のとおりである 5 つの方法論が登録された 初の指定運営機関 (DOE) の指定 CDM 登録のための組織が一通り完成した 検証のための指定運営機関 (DOE) の指定 CER の年内発行の期待 未だ CER が存在しない (1) 登録済の方法論 CDM 理事会方法論パネルで承認され すでに方法論として登録されたものは表 4-1 のとおり 表 4-1 登録済の方法論 54

59 次に方法論の登録状況を 2010 年現在にて示すと表 4-2 のとおりとなる 表 4-2 方法論の登録状況 (A&B ランク ): プロジェクトタイプ別 対象 数量 水力 風力 4 件 バイオマス 3 件 燃料転換 1 件 省エネ 効率改善 4 件 HFC23 破壊 1 件 LFG 4 件 フレアリング 1 件 その他メタン 3 件 計 21 件 ( 注 )CDM 理事会方法論パネル評価 (A ランク : 承認 B ランク : 条件付承認 ) (2)CDM プロジェクトの開発状況 CDM の開発状況は以下のとおりとされている Point Carbon による 契約に至った / 至る CER 量 : 2008 年実績 :2300 万 t-co 年予測 :5150 万 t-co2 MGM I 社による CDM プロジェクト調査約 80 件 削減ポテンシャル : 約 2 億 t-co 年の HFC23 削減ポテンシャルは 4000 万 t-co2 / 年程度? N2O+ 大規模ランドフィルの削減ポテンシャルも同程度か? 4-2.CDM プロジェクトの課題 CDM プロジェクトに際して その課題は 追加性の議論 にあると言える ここで 追加性とは 何を意味するかを検証する 京都議定書 : 排出削減が 認証されたプロジェクト活動が無い場合と比較して 追加的であること マラケシュ アコード : 登録された CDM 事業活動が無かった場合に起こり得たものよりも 排出源からの人ため的温室効果ガス排出量が削減されれば CDM 事業活動は追加的である 2 追加性とその立証 追加性 : BAU( ビジネスアズユージュアル : 自然体ケース ) ではそのプロジェクトが発生しないこと =CDM 化されなかったら そのプロジェクト活動は起こらなかった 追加性の立証 : 上記の立証 = 当該プロジェクト活動がベースラインになり得ないことを示す 次に 追加性の立証について述べると以下のとおりとなる 追加性の正当化 : バリア ( 実施上の障壁 ) が存在することを示す 投資上のバリア技術的バリアその他バリア : 制度上のバリア法的 政策的なバリア 55

60 (1) 追加性の議論 -1 削減のベースとする排出量 = ベースライン排出量 =CDM 活動がなかったときの排出量 (BAU 排出量 ) 排出削減はベースラインに対して追加的であること BAU で実施されるプロジェクトは CDM ではない (2) ベースラインの考え方ベースラインをいかに設定するか この設定の仕方によってその評価が大きく左右される その考え方を示すと図 4-5 とおりとなる 図 4-5 ベースライン スタディ (3) 追加性の議論 -2( 収益性 ) プロジェクトの収益性を投資基準と比較して行う 判断は理事会マターであり DOE に審査が委ねられるがデータの公開が求められている 収益性のデータは秘密情報であり通常公開困難 投資基準はプロジェクトの種類 マーケットにより異なる (4)CDM プロジェクトにならない例 埋立地発生メタンの回収プロジェクト現地政府がガス処理を義務付ける法案を準備中法案が通れば ガス処理することがベースラインになる =BAU 石炭火力発電所の効率向上プロジェクトホスト国政府が高効率発電システムの導入を開始した高効率発電がその国の新しいスタンダードになってしまえば それがベースラインとなる = BAU このように BAU で実施されるプロジェクトは CDM ではなくなる 56

61 4-3. 二酸化炭素地中貯留の CDM/JI への適用 京都議定書の削減目標を 2008 年ベース見た場合 排出量 12 億トンのうち 約 1.6 億トンの削減が必要となっており 現時点においては数字の上では約 2 億トンの削減が課せられていた そこで この 2 億トンについての削減をケーススタディとして考えてみた 以下の各図は 新エネルギー 産業技術総合開発機構 NEDO 京都メカニズム対策室において作成 利用されているものを引用した 省エネルギー / 燃料転換 京都目標 国内対策 1.3 億 t/y 森林吸収 0.5 億トン /y 新エネルギー CO2 地中貯留 2 億 t-co2/y の削減必要 0.5 億 t/y 京都メカニズム 排出権取引 (ET) 0.2 億 t/y 1 億トン /y 1Mt 級でも 100 プロジェクト必要 CDM/JI GTCC への転換 フレアガス回収 フロンガス分解 CO2 地中貯留 排出権クレジット 図 4-6 地球温暖化対策のケーススタディ この際の CDM プロジェクトでの排出権の流れを示したものが図 4-7 である また CDM プロジェクトのライフサイクルは図 4-8 のとおりとなる 図 4-7 CDM プロジェクトにおける排出権の流れ 57

62 図 4-8 CDM プロジェクトのライフサイクル 次に 新エネ 省エネプロジェクトのコスト動向を排出権クレジットの先行事例として示すと 図 4-9 のとおりとなる 排出権プロジェクトの先行事例に比較して 国内プロジェクトにおけるコストが高いというのが現状である さらに 二酸化炭素地中貯留プロジェクトの開発状況をまとめたものが図 4-10 である また アルジェリアで実施された In Salah のプロジェクトの概要を図 4-11 に示す 何れのプロジェクトも CDM 事業認定はなされていない 1000 海外プロジェクト 国内プロジェクト 日本の削減コスト (IPCC) [ $/t-co 2 ] 100 [ 先行事例 ] [ 日系案件 ] [ 地中貯留 ] GT 発電 / NEDO バイオエタノール 風力発電 (RPS) バイオマス発電 / 電発 10 製鉄省エネ / 新日鐵 フレア // 新日石 地中貯留 ERUPT/ CERUPT CDCF PCF 1 HFC/ イネオス 図 4-9 新エネ 省エネプロジェクトのコスト例 58

63 Project Country 1. Sleipher / Sales Gas Norway 2. Weyburn / EOR Canada 3. In-Salah / Sale Gas Algeria 4. Snohvit / LNG Norway 5. Gorgon / LNG Australia CO2 Storage Aquifer CO 2 -EOR Aquifer Aquifer CO 2 Injection (Million ton/y) Developer Statoil DGC / PCR BP / Sonatrach Statoil 図 0-5 二酸化炭素地中貯留プロジェクト Gorgon Venture Status Operation in 1996 Operation in 2000 Construction (Start in 2004) Construction Aquifer 3.3 Gorgon Venture Planning 図 二酸化炭素地中地中貯留プロジェクトの開発状況 図 4-11 In Salah のプロジェクトの概要 さらに 二酸化炭素地中貯留プロジェクトを CDM として展開していく際の課題を以下に示す 1 プラニング 長期安定 CO2 ソースの確保 貯留場所の選定に際して 採掘権との関連を確認 ホスト企業 / 政府とのパートナーシップの構築 2PDD/Validation 方法論 (Meth-Panel) の認可 モニタリング手法の確立 3 事業スキーム 帯水層ケース : クレジット収益のみのため 大容量クレジットが必要な企業との JV 事業 EOR ケース : 油田開発者との JV 事業 59

64 4-4. まとめ ( 二国間オフセット クレジット制度への展開へ ) 上記のように CDM をはじめとする京都メカニズムは 我が国の優れた環境 エネルギー技術 の海外への普及等を通じて 地球規模での CO2 をはじめとする温室効果ガスの削減に貢献するも のではあるが その制度 運営につき克服すべき課題が多く 国際機関の下で多国間の運営によ り行われ早期の是正 改良には時間がかかる傾向にある 一方二国間オフセット クレジット制度 JCM は 途上国 ( ホスト国 ) において 上記と同じ く我が国企業の優れた同技術を活用したプロジェクトを実施し 温室効果ガスの削減分を我が国 の目標達成に活用を ホスト国との二国間合意に基づき実施するもので 上記 CDM と比し 大 幅な手続きの簡略化 早期履行が期待される このため 上記で論じた CDM の課題を克服し 速やかに二酸化炭素分離 貯留プロジェクト の海外展開を図るためには 本制度における実施が最も有望と思われる 現に 産油 産ガス国 であるインドネシア他において 基礎的な事業化調査がなされているところである わが国は 2011 年から発展途上国と本制度 JCM に関する協議を行ってきており モンゴル バングラデシュ エチオピア ケニア モルディブ ベトナム ラオス インドネシア コスタ リカ パラオ カンボジアとこのための二国間文書に署名済みである さらに モンゴル バングラデシュ エチオピア ケニア モルディブ ベトナム インドネ シアとの間で それぞれ合同委員会を開催し 合意へ向けた努力を続けている 今後は 本二国間オフセット クレジット制度 :JCM を活用し 海外での展開も検討するべき であり その概念を図 4-12 に示す 京都議定書に代わる 2020 年以降の新たな国際枠組 温暖化対策を定める 国連気候変動枠組 条約第 21 回締約国会議 COP21 が 2015 年 11 月パリにて開催されるが 各報道においても本制度 が取入れられる方向とのことである 図 二国間オフセット クレジット制度の概念 ( 出典 : 経済産業省資料 2014) 60

65 第 5 章. 二酸化炭素分離 貯留の輸送施設 国内における CO2 輸送に係わるインフラ設備の基本的考え方について以下に示す また国際プロジェクトを踏まえた一例として EOR における検討事例も示す 5-1. 二酸化炭素分離回収 輸送 圧入における全体システム CO 2 分離回収から輸送 圧入までの全体フローを 図 5-1 に示す 図 6-1 に示すとおり輸送システムとしては ガス化のまま搬送するパイプライン方式 液化した状態で搬送するタンクローリー方式 または海上輸送 ( 海送 ) としてのタンカー方式が考えられる CO 2 分離回収後に圧縮設備で加圧され 圧入井の近傍まで搬送するためのパイプライン ( 地上または海底 ) 施設方式が一般的であるが 各施設の条件により 分離回収後の圧縮設備以降に 液化プロセスを経て搬送されるタンクローリー方式 またはタンカー方式がある 各輸送 ( 搬送 ) 設備の特徴と分類を表 5-1 表 5-2 に示す パイプライン方式は 液化設備がないものの パイプラインを地中または海底に敷設するため CO2 の大量輸送 あるいは長期使用が可能となる 一方液化して搬送するローリー方式では 道路を活用した運行となるため 周辺交通アクセスへの配慮が必要となる また輸送距離を踏まえた適切なタンクローリー台数の算定が必要となる 吸収設備パイプライン ( 地上 / 海底 ) ガス CO2 圧縮機 CO2 圧縮設備 ローリー 圧入井へ CO2 液化設備 液 液体 CO2 貯蔵設備 液体 CO2 貯蔵設備 液体 CO2 ポンプ CO2 ヒータ 図 5-1 CO 2 分離回収 輸送 圧入のフロー図 表 5-1 CO 2 輸送システムと適用条件 61

66 表 5-2 CO 2 輸送システムと必要設備 5-2.CO 2 パイプラインの埋設方法 パイプラインの埋設 ( 敷設 ) 方法として 陸域部と海域部でその方式が異なる 本項では CO 2 パイプラインと同様の埋設方法が考えられ 同時に我が国の天然ガスパイプラインで実績が多い陸域部の方式について参考例として記載する 陸域部のパイプライン埋設方法として 開削方法 推進方法が一般的工法として実績が多い しかしながら近年 天然ガスパイプラインにおいては 都市部あるいは山間部の計画も成されており 前記方式以外にもシールド方式 ならびに TBM( トンネルボーリング ) 方式の採用も増加している 一般的にパイプライン方式は液化設備がないものの パイプラインを地中または海底に敷設するため CO 2 の大量輸送 あるいは長期使用の計画が必要となる 1 開削方式開削方式の実施状況を図 5-3 及び図 5-4 に示す 図 5-3 は国道付近の開削状況を示すが 道路の占有面積が多く また交通渋滞等の問題を生じる可能性があるため 配置計画では十分な検討が必要となる また図 5-4 は林道部における開削方式に基づくパイプラインの敷設状況を示すが 道路占有は 100% 程度となり 一時的に道路通行止を伴うため 周辺への事前周知が必要となる ( 出典 : 鹿島建設 ( 株 ) 提供 以下同 ) 図 5-3 開削方式の実施例 ( 国道部 ) 図 5-4 開削方式の実施例 ( 林道部 ) 62

67 1 推進方式立坑を通じてケーシングをジャッキ等の推進設備で圧入した後 内部にパイプを施設する方式である そのため開削方式と異なり 工事に伴う周辺交通アクセスへの影響がほとんどない 図 5-5 に立坑部の一般的施工例を示す 図 5-5 推進方式の実施例 図 5-6 シールドトンネルの内部 2 シールド方式近年都市部ならびに都市近郊の地中埋設方式として シールド工法の採用が拡大している シールド工法は 土砂地盤対応の地質に対し 発進立坑から円筒形の掘進機 ( シールド機 ) で地中を掘削しながら構築物を造る工法で 掘進機の後方部にセグメントによる支保工を順次組立て 管路を形成したのち 配管の敷設を行う 立坑以外のすべての作業は地中で行われるため 開削方式と異なり 周辺交通アクセスへの影響が無く少なく 配置計画の観点からも自由度が増す 図 5-6 にシールドマシーン掘進後のトンネル内の状況を示す 3 山岳トンネル方式 (TBM 工法 ) CO 2 パイプラインでは 遠隔地へのガス移送が考えられるため 山間部あるいは河川下等 岩盤部でのパイプライン敷設が考えられる TBM は岩盤あるいは複合地盤を機械先端に取付けたカッターヘッドを回転させて掘削し 削った岩を後方へ排出しながら掘り進む工法である 掘削マシーンの全貌を 先端部から図 5-7 に示す 図 5-7 TBM のマシーン全景 63

68 5-3. 液化二酸化炭素の関連設備 前項までは CO 2 パインラインの輸送設備として その敷設方式の実例を踏まえて示したが 本項では液化 CO 2 の関連設備について LNG( 液化天然ガス ) LEG( 液化エチレン ) の国内の実績を主体に事例を示す 一般に LNG は -162 LEG は -105 程度の常圧状態でその関連施設が運用されている また LNG LEG の貯蔵設備 輸送設備等の施設の実績は多岐にわたることから 液化 CO 2 関連設備への一部転用 部分的な改造等の活用が考えられる CO 2 を液化した場合は 気圧程度で運用されるものと思われる 1 低温液化ガス貯蔵設備 LNG 等低温液化ガス貯蔵設備の分類について図 5-8 図 5-9 に示す 図 5-8 に示す縦型 および横型円筒形貯槽 ならびに球形貯槽は小容量から中容量対応として また図 5-9 に示す金属二重殻貯槽 PC 金属二重殻貯槽 地下式貯層は中容量から大容量向けに対応可能な貯蔵方式である これらの貯蔵方式のうち 一般的液化 CO 2 に適合される貯蔵方式は 貯蔵容量等の条件から 球形貯槽 あるいは円筒形貯槽の採用の可能性が高いと予想されるが 近年の LNG 産業では LNG のサテライト基地化に向けて 地下式貯槽でも 600 m3程度の小容量貯槽の実績もある 縦置円筒形貯槽横置円筒形貯槽球形貯槽 図 低温液化ガス貯槽の分類 Ⅰ ( 出典 : エンジニアリング協会 以下同 ) 平底円筒形地上式貯槽 金属二重殻 PC 金属二重殻 地下式貯槽 図 5-9 低温液化ガス貯槽の分類 Ⅱ 64

69 また大規模 LNG 基地からローリーで搬送された LNG を貯槽するサテライト基地対応の一般的 LNG 貯蔵設備 (150 m3タンク 2 基 ) の実例を図 5-10 に また国内で初めて施工された LEGPC 金属二重殻貯槽 (5,000 トン ) の例を図 5-11 に示す 図 縦置 LNG 貯槽の例 図 5-11 PC 金属二重殻タンクの例 図 5-12 はサテライト基地用 LNG 基地 (2,000 m3 ) の実施例であり 大規模 LNG 基地からローリーで輸送された後 LNG を貯蔵し ガス化後 近隣都市ガスとして供給されている 図 5-12 LNG 地下式貯槽の例 2 タンクローリー CO 2 貯槽出荷基地から 圧入井近辺の受け入れ基地までの輸送として タンクローリー方式が考えられる ここでは国内の LNG 用として 大規模基地から LNG サテライト基地まで輸送を行っている LNG タンクローリーの実施例を図 5-13 に示す 図 5-13 LNG タンクローリーの例 65

70 国内におけるタンク ローリーの容量は 13 m3 / 台が一般的であるが 最近では 18~25 m3 / 台規模のセミトレーラ方式の車両が走行している CO 2 の国内輸送においても 道路運行規定から同程度のローリー方式が採用されることと考えられる 2 入出荷バース前項では CO 2 輸送技術としてタンクローリーの実例を示したが 本項では液化 CO 2 タンカーに必要となる着岸バースについて示す まず液化 CO 2 用の計画を鑑みた関連実績として 原油のシーバースの実例を図 5-14 LNG タンカーの実例を図 5-15 に示す 原油のバースは 今後の EOR 等に向けた外洋シーバースの例として また国内から海外に向けた原油桟橋の液化 CO 2 用に向けた転用 ( 一部設備の改造は必要 ) 等の参考事例と記載するものである また LNG タンカーは液化 CO 2 タンカーとほぼ同様の設備が必要となることから その参考例として示す 図 5-14 は北海道苫小牧シーバースの実例である 最大 26 万トンタンカーが両面接岸可能な施設であり 苫小牧沖 8km の外洋に位置している 図 5-14 北海道シーバースの例 図 5-15 大分 LNG 基地の例 ( 註 ) 本章の 5.1~5.3 項における写真類の出典は 一部を除きすべて鹿島建設提供による 5-4. 二酸化炭素の海外輸送 (EOR としての検討例 ) 前項までは CO 2 の輸送システムならびに輸送設備について 関連事例設備を参考に検討を重ねたが 本項では 地球環境を考慮した二酸化炭素の有効利用技術に関する調査 ( 新エネルギー 産業技術総合開発機構委託 ( 財 ) エンジニアリング振興協会受託研究 平成 12 年度 ) における EOR の検討事例結果を示しながら 海外に向けた CO2 の輸送システムについて述べる ( 図等の出典は同報告書からの抜粋 ) この計画は国内の大規模固定発生源から排出される CO 2 を分離 回収 液化後 液化 CO 2 を有効利用する対策の一環として 産油国に輸送し 原油生産井に圧入することによって産油国の原油回収の増進を図り 最終的に油層内に CO 2 を貯蔵するトータルシステム (EOR の有効利用システム ) の検討を行ったものである ここではそのうち 輸送システムの一例を示す 1 全体計画図 5-16 に検討事例の全体システムフローを示す 国内の回収ガスを 32,000 トン CO 2/ 日と仮定した CO 2 の液化プロセスを経て 液化 CO 2 として国内の適地に貯蔵し 極東ロシアや東南アジアの産油国に輸送後 再度貯蔵プロセスを経てガス化後 EOR として油田に圧入するものである 66

71 図 5-16 EOR の全体システムイメージ 2 液化 CO 2 貯槽図 5-17 に液化 CO 2 の貯蔵タンクの検討例を示す 容量 16 万m3 (2 m3 8 基 ) の液化 CO 2 を貯蔵するものであり 当時は図に示す球形地上タンクを計画していたが 近年の我が国にて同種基地計画として要求される省敷地 周辺景観との調和等の条件に合致するためには 地下式貯槽の検討も今後必要と考えられる 図 5-17 液化 CO2 貯槽の検討例 67

72 3 液化 CO 2 タンカー図 5-18 に液化 CO 2 タンカーの検討例を示す 積載総容量 8 万m3 ( タンク 2 m3 4 基 ) で液化 CO 2 を輸送可能な専用タンカーであり 16 ノットの船速で 3,200 海里の距離を 9 日間で運行するものとして計画した 図 5-18 LCO2 タンカーの検討例 4 液化 CO 2 タンカー用バース図 5-19 に液化 CO 2 タンカー用バースの検討例を示す 積載総容量 8 万m3の同タンカーが着桟可能な構造を検討した 液化 CO 2 を出荷するするためのバースとしては 国内の CO 2 ガス発生源となる発電所等に設置されている既設バースのインフラを利用する方法 ( ローディングアーム等の設備は新規設置が必要 ) と CO 2 の液化プラント内に新規にすべての設備とインフラを設置する二方法について考えられる LNG タンカー用バースを活用する場合は 液化 CO 2 密度 (1,160 kg / m3程度 ) が LNG の同 (450~500 kg / m3 ) に比べて大きいため 油タンカーと同様 満載状態と空荷状態の喫水深さが異なることから CO 2 タンカーの着岸に際しては 接岸施設 係留施設 荷役施設等の構造と配置を変更することが必要となる 図 5-19 LCO2 タンカー用バースの検討例 68

73 5-5. まとめ ( 事業化の基盤として ) 本章では CCS の基盤たる二酸化炭素の輸送設備について その概念 施工法 事業化の方向を示すべく資料収集 整理 検討を行った 国内においては 二酸化炭素の集中発生源から大容量で輸送する必要性から パイプライン輸送を取りあげた 国内におけるガス輸送産業基盤については 天然ガスパイプラインにおいて 上越幹線 新潟 仙台ライン等の実績から技術的には十分確立した手法であることを示した 次に 海外への輸送については 1 全線パイプラインで輸送 2 陸上はパイプライン等輸送で 海上はタンカーによる船舶輸送 という選択がある これらについては わが国は島国であり 他国との距離 海上の延長が極めて長距離であるため 経済性の面からも 2 の方式が現実的であると思われることから タンカーによる海上輸送として仮定し検討を行った このように 本論で原油強制回収 EOR に適応する二酸化炭素輸送を例としてとりまとめたのは カナダのウエイバーンにおける CCS 事業のように 二酸化炭素が商品価値を持ち経済的な活動の中で取引されることにより 事業化が早期に期待できるということから検討対象とした 第 1 章にて述べたが カナダ アルバータ州において 2000 年からウエイバーン油田にて CO2 圧入を実施 これは CO2 を用いた石油増進回収 EOR を目的としたもので 325km 離れた米国の石炭ガス化工場で発生した CO2 をパイプラインで輸送し 年間 100 万トン規模で 20 年間 総量 2,000 万トンの圧入を計画している ( 再掲 図 1-5 参照 ) この結果 ウエイバ - ン油田においては 約 50% の石油増産を達成している ただし 事業化において筆者も含む各国研究者 関係機関も参加して 注入した CO2 漏洩のモニタリングを実施しており 同 CO2 の約半分の量は再度地上に排出され回収されるとのこと 一方 同量は地下に留まり 貯留される しかしながらわが国においては 海上輸送した場合タンカーに加えて 受入 積出設備 さらには貯蔵設備等付帯設備には莫大な投資が必要となり これをどのような体制により どの主体が負担するかといった課題等は今後事業化へ向けて順次解決していく必要があり 今後の重要な検討 政策課題として取組むことが前提である 本論においては 具体的な課題検討の材料として 検討 試算を行ったものであるが 制度設計の上具体的な提案 試算は後続研究として引続き取組む所存であり また多様な分野の研究者による取組を期待したい 図 1-5. 石炭ガス化プラントから油田までの CO2 パイプライン ( カナダ ) ( 出典 : サスカチュアン州エネルギー資源省資料 ) 69

74 第 6 章. 二酸化炭素分離 貯留事業化への方策 6-1. 課題の整理本技術事業化を検討していく中で その前提となる経済性の分析 輸送設備の検討は行ってきたが それ以外の事業化の前提になる重要な課題が考えられる これらを本章で整理しておく (1) 適地選定調査の早期着手 ( 貯留槽としてのポテンシャル調査 ) 今回の試算では 分離 回収 ~ 輸送 ~ 圧入のシステムの概念およびコスト試算を中心に分析 研究した しかし 年間 1000 万 t/ 年の二酸化炭素を圧入しようとする場合 100 万 t/ 年規模の実用プラントが 10 ヶ所で同時稼動する必要がある そのためには わが国周辺の海域内で 貯留層としての帯水層の性状を把握し 可能性ある地点を確保なくしては 現状の苫小牧沖での実証試験が単発で終わってしまう恐れがある 前述のように これまでの調査では わが国周辺には約 1,461 億 t の帯水層が存在するという調査結果が得らている しかし これはあくまで石油 天然ガス探査による既存資料等の調査であり 詳細調査が行われたのではないため 今後事業化を推進するためにも より具体的な地質状況の調査を早期に着手し 実状を把握しておく必要がある (2) 関係法規の適用検討 研究開発における実証試験においては 鉱山保安法 の枠の中で対応できると考えられている しかし 事業化段階においては 事業法制度の制定 あるいは従来法規の改訂が進めらことが前提となる 現在 廃棄物の海洋投棄に関わる関係法規として ロンドン条約 の改定が 2006 年なされ これに伴い国内法として 廃棄物処理法 も同じく改定がなされ 二酸化炭素海底下貯留が可能となったが 今後の事前調査 モニタリング義務の厳格化等が懸念されるところである 一方では本年 11 月から開催予定の COP21 パリ会合を受け 地球温暖化対策促進法 の改正 強化が予測されることから 本技術がどのような位置付けがなされるか期待される (3) 関係者との調整 二酸化炭素地中貯留は 一般的には火力発電所 廃棄物処理場と同じレベルの施設としてとらえられる そのため 実現に至るまでの関係者との調整は 多くのステージを踏んでいく必要がある 1 国上記 COP21 パリ会合で合意されるであろう約束を果たすためにも 国のバックアップは欠かせない また 民間のみで負担するには規模が大きく 政策的な援助は不可欠である 2 地域住民 自治体国とあいまって 地域住民 自治体の協力は欠かせない そのためには 安全性の確認 保証 さらに雇用の拡大等地元にとってのインセンティブを加味した検討 事業化が前提である 3 ステークホルダー二酸化炭素の大規模排出者たる電力会社 製鉄所 製油所 セメント製造所等の協力 さらに石油開発会社の協力があって始めて 本プロジェクト事業化が期待できる (4) 関連団体との調整 1 経団連自主行動計画との整合性確保一企業で推進できる事業でないだけに 産官学の広い支持を必要とする このため 経済団体の代表たる経団連等の経済団体との整合も必要となってくる 3 気候変動に関する政府間パネル IPCC 特別報告書との整合性確保本事業に関する事項を総合的にとりまとめた特別報告書 ( 仮訳を末尾に添付 ) が 2005 年提出された この報告書の考え方 方針が 今後の事業化の指針として極めて重要である 70

75 (5) 実施段階 事業化の段階では 以下に示すものを着実にクリアしていく必要がある その事業主体として 関連産業界からなる統括実施会社たる日本 CCS 調査 ( 株 ) が 2008 年設立されたが 現状ではあくまで国の実証実験に係る委託事業の受け皿にとどまっている 実証実験段階から事業化へと 実際の操業に入るには以下のプロセスを経ることが必要である 1 公聴会 2 許認可 3 諸設備の配置計画と敷地確保 4 参加団体 企業同 5 推進母体 / 操業時の技術者の同 6 設備の操業 (6) 技術的検討課題 個々の要素技術は既に確立がなされているものの 以下の課題は未だ十分な知見 技術は確立されてはおらず 本論文では割愛し今後研究 実証に取組む必要がある 1 事業実施 安全基準の策定 2 CO 2 挙動予測シミュレーター 3 CO 2 漏洩最適モニタリング 6-2. 法制度の整備 (1) 必要性と前提第 1 章にて論じた資源エネルギー庁 石炭火力発電の将来展望研究会 においては 前述のアジアにおけるエネルギー需要の急増とエネルギー資源の価格高騰 供給制約の顕在化において 石炭火力発電を将来ともいかに取組むべきかを中心とした議論の場を設け クリーン コール技術の開発とアジアへの移転 さらに二酸化炭素分離 貯留 CCS の実施を中心とした現状と展望を 2007 年 3 月報告書にとりまとめた しかしながら その際法制度の不備については 認識し議論がなされたものの その分析 対応への言及はその準備 審議時間が限られていること等から割愛した 一方 本 CCS 技術は新しい技術であるため 社会的受容性 法的整合性の確保が十分には図られておらず 海外においては石油の増産回収 EOR また炭素税回避のためなどで一部実用化されているものの 地球温暖化対策の観点から本技術の社会的認知を新たに得る必要がある そのためには 科学的 技術的な知見をさらに集積し 長期に渡る環境影響評価やリスク評価を積重ねるとともに 事業化のために 関連法制とともに事業法制の整備が前提であり これらの検討を行い関係省庁における審議 策定に資する必要がある 新技術の開発 導入 普及は 社会的受容なくして展開しない このため 社会的規範のみならず相互理解に基いた地域住民との交流 対話を志向するとともに 行政による取組みの強化が必要である そのための人材育成は極めて重要であり その助成 支援制度の早急な整備が望まれる 加えて その事業実施の前提たる法制度は 地域住民の安全 安心のみならず 実施事業者にとっても投資判断等の大きな前提となり 事業インセンテブにも考慮すべきである 71

76 (2) 法制度の骨子案の検討事業化に際しての法的基盤構築のキーとなる 事業者の責任の所在 その期間 さらには地下 を対象とし新たな技術であることから 無過失賠償責任の概念導入の可能性を示すことにより 地域住民の理解 共感を得 本技術をエネルギー システムとして産業活動に組込んでいくこと が可能となりうる 前述のように 本技術 CCS は新しい技術であるため 社会的受容性 法的整合性の確保が十分 には図られておらず ロンドン条約下での廃棄物の海洋投棄を規制に関しその改正案が 1996 年 に採択され その手法の一つである 海底下の地層への貯留 を可能とされ わが国においても 海洋汚染未然防止の観点から所管官庁である環境省が そのための国内法制の改正案を審議する べく 二酸化炭素海底下貯留に関する専門委員会 ) ( 委員長 清水誠東京大学名誉教授 ) を立上 げ 2004 年に所要の法改正を行ったのみである つまり 事業をなさしめる法制度がなく 事業規制の法令のみが存在する事態となっている このため 現行法令である鉱業法に着目し これに基く事業法制案の策定に取組むこととした 鉱業法とは 鉱物資源の合理的開発を行うことを目的として 昭和 25 年 ( 法律第 289 号 ) に制定 され 事業実施の基本的権利として鉱業権制度を設け その賦与および行使に関して 次のよう な考え方に基づき他者への損害を与えた際の規定が定められている その趣旨は 鉱業法 ( 昭和 25 年法律第 289 号 ) における第 111 条及び第 113 条から第 116 条ま での規定は 鉱業を行うことに伴う廃水の放流 捨石若しくは鉱さいのたい積又は鉱煙の排出に よって他人に損害を与えたときは 故意又は過失によらずとも損害賠償の義務を負うもの 同じく本技術 CCS は極めて新しい事業概念であり 地下構造を対象とするもので 地下に CO2 を注入することに際し国民の不安もあることからである また 事業実施に関連するとみなされる損害発生の際 万一当該事業者が休止 撤退している 場合は 過去最終時点で事業を行った法人が その損害賠償の責任と取ることをなさしめる 一方 事業者の責任期間 ( モニタリング義務を定め 同期間と同一となす ) を明示 制定する ことが 事業化の進展のためのの前提となりうる 海外における事業法制定の事例としては 豪州では 沖合石油 温室効果ガス貯留法 を海洋 石油鉱業法改正により定め カナダのアルバータ州 ブリティッシュ コロンビア州及びサスカ チュワン州は 石油鉱業法の改正により対応している ノルェーでは 石油 天然ガス開発の一 部として貯留が行われる場合には 石油法 汚染防止法 二酸化炭素税法等が適用される これ らにおける事業者の責任期間としては 上記豪州法制度では 地下貯留終了後の責任に関する規 定が含まれ 5 年以内に事業終了証明を取得後 最短 15 年のモニタリング 審査期間を経て 環 境リスク等に関する規定が満たされていると認められた場合 事業者から連邦政府へ賠償責任が 移転されるというものである このように 責任の所在の移行後は 連邦政府が全面的に責任を 負い 事業者負担額は事前許可に際して見積もられた額を上限とするとされている 一方 欧州連合による CCS 指令では CO2 が漏洩する兆候がないと証明される最低の期間は 20 年であるとしているが いずれも有限の期間を 事業者の責任期間と定めている このような諸外国の現行法令他を踏まえ わが国においては以下のような鉱業法の改正により 対応すべきであろう 1 事業行為による損害賠償の義務は 民法の規定にかかわらず故意又は過失によらずとも負う とする いわゆる無過失賠償の概念 規定を踏襲なさしめる 2 その期間は 事業終了後においてはその期限の定めを置くものとする ( 国の代位は別途 ) 72

77 表 6-1. 鉱業法の骨子 ( 出典 : 経済産業省資料に基き加筆 ) (1) 鉱物採取のための権限として 土地所有権から独立し その制約を受けない鉱業権を認めること (2) 鉱業権は国の設定行為により賦与され 日本国民又は日本国法人である限り 先願主義の原則により 平等に鉱業に参加しうる機会を与えていること (3) 鉱業権の行使については 原則として鉱業権者の創意と責任に委ねるが 鉱業の特殊性により必要な限度の監督を国が行い その適正 合理的な施業を図ること (4) 鉱業権の設定 変更 消滅および行使について 鉱業と一般公益および他産業との利害の調整を図るとともに 鉱業の実施によって外部に与える損害は公正に賠償すべき義務を課すること ( いわゆる無過失賠償責任の概念を導入 ) 6-3. 二酸化炭素分離 貯留 利用への展開 (1) 概念 近年 CCS ではなく CCSU: 二酸化炭素分離 貯留 利用と称されるように 世界では変わりつつ ある つまり CO2 を処分のみならず利用 活用しようとの方向である これは エネルギー施 設立地において 新産業の育成と地域への雇用促進の効果をもたらし まさにウイン ウインの 関係の構築が期待される (2) 地球環境工場 ( 仮称 ) の提案 地球環境工場 とは CCS のみならず CO2 の利用 活用を図るべく 光ダクト等を活用した多層化栽培等の高度な設備の導入により 生物 植物を利用してさらなる CO2 削減 固定を行うとともに 新たな農業施設の展開 雇用の増加等による地域への貢献を意図するものである その地球環境工場の中核をなす農業設備の概念を図 6-1 に 光ダクト利用多層型植物工場のイメージを図 6-2 に示す なお 地球環境工場における栽培品種も 通常の農作物のみならず付加価値の高い藻類やバイオ燃料を生産するプランクトン等 効率的に光合成を行い CO2 の吸収 固定を行い 有用生物として提供可能なものであれば 必ずしも野菜類に限定する必要はない 具体的には 前述の発電所等の産業施設で分離 回収された CO2 と排熱を 自然光を集光 分光 間欠照射できる高効率型光ダクトシステムを用い 通常の場合と比較して約 2.0 倍の光合成生物の生産量増大 (CO2 固定量の増大 ) と 20% 以上の消費エネルギーの削減 (CO 2 排出削減 ) によって CO2 固定効率が既存施設の 2.5 倍以上見込める自然光利用多層型植物工場を導入することである つまり 地球環境工場では 人工照明が消費する電力の他に 植物育成に必要となる CO2 と熱の供給も人工的に可能となる このように 当該エネルギー施設からの供給が可能となれば 排出された熱と CO2 を有効に利用しながら 植物工場からは有用植物を地域へ提供できるシステムが構築できる さらに このような地球環境工場を単体として捉えずに その周辺に視点を広げてみれば 地域レベル 地域単位におけるエネルギー ネットワーク化社会を構成する主要施設として考えられる その基盤技術として これまでの実験結果から以下のような実証がなされている 1 高効率型光ダクトシステムを使用した多層型環境工場テストプラントによる陸上植物と藻類等の光合成生物の CO 2 固定量の増大 ( 約 2.0 倍の CO2 固定 ) が実証できている 2 自然光を高密度に利用するための高効率型光ダクトシステム ( 集光システム, 分光 間欠光照射システム ) の運用試験が終了し 実用可能となっている 73

78 3 エネルギープラント等からの分離回収 CO2と排熱を利用を想定した光ダクト利用多層型植物工場のテストプラント試験研究が終了し 実用可能な段階に入っている このように エネルギープラント等から分離 回収された CO2 を 植物や藻類の栽培に利用することによって成長促進が見込め 生産量の増大とこれに伴う CO2 固定量の増加が可能である また植物の成長に必要な光に自然光を用い これを多層的に設置した植物栽培棚に必要な光量を照射できれば単位面積あたりの CO2 固定効率を高めることが可能となる このように 光ダクト利用多層型植物工場を核とした地域内及びエネルギーのネットワーク化を図る 地球環境工場 の構想を二酸化炭素分離 貯留事業と統合することにより 地域住民の同プロジェクトの受容性確保と地域イメージの向上が図られることになる なお 植物の生育に連続光を照射する必要はなく 間欠光を照射することによって植物の成長が促進されることが明らかになっている 一般に植物の成長に必要な光は 2 万 Lux 程度であり 自然光は 5 万 ~10 万 Lux であることから 自然光を分光し 間欠照射できれば 狭い集光面積で 植物の成長に必要な自然光の高効率的照射が可能となり CO2 固定量が増大できる 水生の藻類は陸上植物に比し低い光強度で増殖できるが 空中から光照射を行った場合多くの光は反射し 効率的な光利用が困難である 光ダクトシステムによって直接水中導光できれば 自然光の効率的利用が可能となる 藻類の中には炭化水素等の燃料を生産する種類もあり 効率的水中導光技術を確立することによって CO2 固定量の増大や バイオ燃料の生産に利用できる (3) 植物工場と地球環境工場との対比一般的な植物工場の場合 生産量は 36[kg 湿重量 / m2 年 ] 程度が期待できる ( ホウレンソウ サラダナの輪作 : 年間 10 ヶ月使用 ) CO2 の添加により生産量が最大 2 倍確保できた場合 72[kg 湿重量 / m2 年 ] の収穫が期待できる ここで 水分含量を 90.2% 乾燥重量当りの炭素含有率を 50% とすると 年間の CO2 固定量は 72[kg 湿重量 / m2 年 ] =13[kg CO 2/ m2 年 ] が期待できる また 植物工場の暖房に灯油を用いた場合 年間 4000L/440m2程度を消費する この内の80% を排熱利用に置き換えることができると想定すると 排熱利用による CO2 排出削減量は4000/ =7.2[L/ m2 年 ] が削減できる CO2 削減量としては 7.2[L/ m2 年 ] 0.69[kg C/L] =18[kg CO 2/ m2年 ] となる 上記のような観点から CO2 固定効率は 栽培面積 1,000m2の植物工場を運用した場合の年間固定量及び排出削減量は以下のようになり CO2 固定効率は従来型植物工場の2.5 倍が期待できる 以下 地球環境工場の概念を図 6-1に 光ダクト利用多層型植物工場のイメージを図 6-2 に示す 表 6-2. 植物工場における CO 2 固定効率の比較 単位 :[t-co 2/ 年 ] ( 出典 : 植物工場等産業 社会システム調査成果報告書 NEDO 平成 14 年度 ) 項目 従来型植物工場 地球環境工場 CO 2 固定量 (2 倍 ) 照明用エネルギー CO 2 削減量 熱供給用エネルギー 計 削減量 - 123(22% 削減 ) CO 2 固定効率 固定効率 1.2(6.5/556) 3.0(13/433) 期待値 倍 74

79 地球環境工場 回収 CO 2 排熱 多層型植物 藻類工場 適正 CO 2 添加 適正光照射条件 非結像型フレネルレンズ 高効率型光ダクト 植物による CO 2 固定最適化技術 自然光の高密度利用技術 図 6-1. 地球環境工場の概念 図 6-2. 同構想図 さらに わが国をとりまく海洋に着目し 上記のように海藻類への低光強度 水中導光が光ダクトシステムにより可能となれば 自然光を効率的に利用した藻類 植物工場生産力の増大や バイオ燃料の生産 さらに沿岸域 内水面や運河等の浄化に利用できる (4) 地域共生型エネルギー施設への展開植物を効率的に育成するための植物工場の開発は 電力中央研究所はじめ製造業の新規参入等多方面で進められ 現在は実用規模の工場が自治体及び先進企業等を中心に稼動している 野菜工場は多くの場合 自然光 あるいは人工光を使用しており 前者では自然光が照射する1 層栽培であり 人工光を使用している場合は多層栽培が可能であるが 上記のように CO2 の収支から見ると省エネ的方法とは言いがたい またこれらの植物工場において CO2 収支を含めた検討をされた例は一般的検索での該当はない 75

80 一方 陸上における藻類 植物工場を事業化した例もなく 現在研究的な段階として琉球大学 海洋創生コンソーシャム等で 実施されているに過ぎない これらの研究は陸上植物の場合と同様 1 層栽培であり 単位面積当りの生産量は陸上植物に比し大きいが 十分なエネルギー収支 収益を上げるレベルでなく 土地価格の高いわが国では適用し難い このため 多層化栽培による自然光の高密度化が可能となれば 省エネ型の藻類等 水生植物工場が可能となり また CO2 収支からみても CO2 効率的固定が可能な技術といえる 今後は以下の課題等につき 産学官による共同開発 取組みが望まれる 1 生 水生 海生植物 微生物等の生物環境の調査 解析 適切な種の抽出 遺伝子操作等 2 精密農法や植物生育について 機械化 自動化による効率的栽培技術の確立 3 光ダクト 導光ケーブル等による効率的な集光技術の向上 なお 光ダクトの建築空間への適用事例としては 以下が挙げられる 1) 沖縄県県民広場地下駐車場の光ダクト沖縄県地下駐車場 ( 沖縄県那覇市 ) にて 地下部分への自然採光を実現 1997 年竣工 2) 集合住宅の光ダクト 8 階建て集合住宅においてコア部分の浴室等への自然採光のため設置 2001 年竣工 3) 宇宙開発事業団 筑波宇宙センター総合開発推進棟 10 階建ビル 南側外壁から北側へ光ダクト布設 約 65% の省エネルギーを達成 2003 年竣工 6-4. 二酸化炭素ネットワーク化の方向 (1) 地球環境工場を核とするエコ コンビナートの導入 前述のように 火力発電所を中核とし 回収 CO2 自然光および廃熱 海水資源を効率的かつ 高密度に利用して 植物を効率的に生産する生物生産工場群 ( 藻類等水生植物 植物工場 ) を地 球環境工場 ( 仮称 ) としての可能性について述べたが ここでは さらにエコ コンビナートと しての生物生産工場群 バイオマスエネルギー生産技術 ( エネルギー変換方式 効率 コスト等 ) の他 エコ コンビナートに利用可能な排水処理技術 海水資源利用などの可能性を示す (2) エコ コンビナートの成立性の検討上記の植物のみならず バイオマスの生産性が高い海藻類と 既存石炭火力発電所における混 焼発電が可能な木質バイオマスについて エコ コンビナートの成立性について検討してみたい その検討結果 海藻では 敷地面積 2 万 m 2 海水汲み上げ 1,000m 3 / 日の条件で 600t/ 年を生産し 有価物生産とエネルギー利用を組み合わせることにより エネルギー自給型事業としての経済的 成立が期待できることがわかっている 木質バイオマスについては 敷地面積 10 万 m 2 から 46t/ 年の木質バイオマスの生産が可能であるが 経済性の成立には課題が多いことがわかっている (3) エコ コンビナートによる CO2 削減期待値の推定藻類 木質バイオマス生産と CO2 削減効果について 発電所規模 (60 万 kw 級 取水量 100 万 m 3 / 日 利用可能面積 10 万 m 2 ) を前提として検討した その結果 海藻では 1 発電所あたりの生産量が 3,000t/ 年 CO 2 削減量は 100t C/ 年 純生産電力 308MWh と試算された 木質バイオマスの場合 同様の規模で生産量 46t/ 年 CO 2 削減量は 40t C/ 年 純生産電力 149MWh と試算された これらのことから 国内における新規石炭火力等の建設における CCSU モデルとしてはもとより エコ コンビナートの海外への適用の可能性についても 島嶼国では 深層水の汲み上げによる火力発電所冷却水利用 温排水の藻類培養 淡水化等の可能性が考えられる 東南アジアでは バガス 籾殻等の廃棄物を直接燃焼する技術が実用化されており そこから排出される CO2 を利用したエネルギープランテーションや温排水を利用した増養殖事業等が考えられる 76

81 以上のエコ コンビナートの概念を図 6-3 に 石炭火力発電所への適応構想図を図 6-4 に示す 図 6-3. エコ コンビナートの概念図 図 6-4. 石炭火力発電への海洋バイオマス利用概念図 ( 出典 : 竹中工務店他作成 ) 77

82 6-5. まとめ ( 経済性の確保へ向けて ) 前記第 1 章及び第 3 章他で論じたように 本事業についてのコスト試算は国内外で実施されているが 本論の具体的な地点設定条件の下で地中貯留 (LNG 複合発電から化学吸収法により二酸化炭素を分離回収した後 パイプラインで 100km 輸送後 帯水層に隔離した場合 ) では 約 6,700 円 /t- CO 2 と試算された これを 電力単価に変換すると 石炭火力発電単価約 6,5 円 /kwh が約 13 円同と 2 倍へと跳ね上がることとなる このように電力単価の高騰は 通常の操業では事業収益性の確保は困難となり 以下のような対応 対処によることが考えられる 1 トータルコスト削減同事業のうち 約 60~70% 程度を占めるのが分離回収に係るコストであり この分離回収の設備コスト 処理コストを低減することが重要である このため 現行 化学吸着法の吸着液の改良はじめ物理吸着法 膜分離法などの技術開発がなされている 筆者も 2000 年前後に東京農工大学において CO2 吸収セラミックスを用いた高効率回収システム開発に NEDO 資金を得て取組み 東芝 ( 株 ) とともに特許も取得したが 堀尾研究室 : 当時とのベンチスケール試験研究の段階で技術課題の克服困難等から断念 今後の技術開発に期待するものである 2 政府による助成 制度設計以上のような 状況を踏まえ現行導入済の 再生可能エネルギー固定価格買取制度 FIT の 本事業への適応も検討すべきである 例えば 地熱発電においては 1kwh 当りの買取価格 26 円 (15,000kW 以上 ) 風力 22 円 (20kw 同 ) 中小水力 24 円 (1,000kW 以上 30,000kW 未満 ) となっている ( 平成 26 年度 ) また 英国では 低炭素エネルギー普及支援政策の下で 再生可能エネルギーや原子力とともに CCS を一つの選択肢とした固定価格買取制度の導入が 表 6-3 のように進められており 2013 年 12 月の法案成立を受け現在制度設計が行われ 同制度の運用開始は 2016 年の予定である 同様な制度の わが国への導入も望まれるところである 表 6-3. 英国における差額精算型固定価格買取制度の概要 ( 出典 : 資源素材学会地球環境工学部門委員会 CCS 研究会 経済産業省講演資料 2014 年 ) 法規制 制度名施行年等担当部局対象内容 2013 エネルギー法における差額清算型固定価格買取制度 (FIT-CfD) CfD:Contracts for Difference ( 差金決済契約 ) 2013 年 12 月法案成立 エネルギー気候変動省 (DECC) 低炭素電力 ( 再生可能エネルギー他 CCS および原子力 ) 国が管理する CfD 企業が固定引取価格を発電業者と契約 当該価格を市場価格が下回る ( 上回る ) 時 CfD 企業が不足分を補填 ( 保管 ) する制度 78

83 第 7 章. 結論 以上のように 本論文は 日本国内における二酸化炭素分離 貯留の経済性および社会への導入可能性に関する研究 と題し 本技術 CCS 事業化までの課題と方策について 事業化地点を特定し総合的な分析 研究を行い さらに事業化への課題たる 法制度整備への具体的提言 地域貢献も含めた分離 CO2 利用 ネットワーク化への展開等による地域との共生 さらに電力固定価格買取制度 FIT の適応等 経済性の確保へ向けて具体策を示した これらのことにより 仮想の地点におけるモデル試算より 事業遂行の基盤としての独創性 再現性に優れており 国内における事業化のための基盤となりうるものである 各章の概要は以下のとおりである 第 1 章 二酸化炭素分離 貯留の現状と背景 では 地球温暖化対策の国際的動向と国内外の対応の現状とともに その対策の柱たる二酸化炭素分離 貯留をとりまく国内外の研究 事業活動の把握を行い 二酸化炭素削減量のうち地中貯留への期待度等を述べた さらに 今後社会への導入 普及のための課題とその対応策につき 整理を行い今後の方向を明確に示した 第 2 章 二酸化炭素分離 貯留の概念 では 二酸化炭素分離 貯留のシステム構成と特徴及び技術的 経済的 社会的な各々の側面等から論考とともに さらに国際情勢とその対応についての分析を行った 加えて 国内地下貯留地点における調査の際の所要の地質条件 地下貯留候補地の概査 貯留可能量等につき 先行研究等に基き分析 検討の上定量化を試みた 第 3 章 二酸化炭素分離 貯留の事例研究 では 具体的な地域を設定したモデルによる経済性の試算と 具体的な大規模発生源設定の下でコスト試算を行い 地中貯留 (LNG 複合発電から化学吸収法により二酸化炭素を分離回収した後 パイプラインで 100km 輸送後 帯水層に貯留した場合 ) では 約 6,700 円 /t-co 2 と試算されるなど 事業化の指針となるべく詳細かつ定量的な分析を行った さらに当該地点において 大規模発生源たる発電所のみならず製油所 製鉄所への適応の際の試算及びその処理量による経済性の変動等に至るまで 詳細な検討 試算とともに定量化をなしえた 第 4 章 二酸化炭素分離 貯留の海外事業への展開 では 国際連合気候変動枠組条約 (UNFCCC) の下での京都メカニズム ( 商業的な排出枠取引を可能とする制度 ) における クリーン デベロプメント メカニズム CDM (Clean Development Mechanism) としてのみならず 近年わが国政府が重点施策としている二国間排出枠取引 ( 二国間オフセット クレジット制度 : モンゴル インドネシアなど 11 カ国と二国間文書締結済み ) としての可能性の分析い これらのことにより 海外への技術移転とともに海外でのプロジェクト化としての可能性等を示した 第 5 章 二酸化炭素分離 貯留の輸送施設 では 二酸化炭素分離 回収から貯留に至るまでのコストにおいて 約 60~70% 程度を占めるのが分離回収に係るコストで この分離回収の設備コスト 処理コストを低減することが重要ではあり 多方面での研究開発がなされているところである 一方 事業の基盤となるのは 発電所等大規模発生源から適切な貯留地点までの CO 2 輸送設備であり この設備構成 施工方法 所要の要件等につき 現在の都市ガス輸送設備の国内実施事例等を踏まえ 多方面から分析 検討を行った 他研究では見られない事業化の隘路とも言うべき本分野の具体的な事例研究は CCS 事業化にとり大きな指針となり 事業基盤となしうるものである 79

84 第 6 章 二酸化炭素分離 貯留事業化への方策 では その課題たる経済性 受容性の確保策として 関連法制度の整備 人材の育成 バイオマス施設の併設等による地域合意形成を推進することに着目し これらの分析研究はもとより実験施設による実証を踏まえ 将来において事業化 実施を行う上の大きな力となること等を指摘し 具体的な設備の概念設計 定量的試算をなさしめた さらには 植物工場等と分離 CO2 輸送 活用も含めた地球環境工場 ( 仮称 ) への展開を提示 独創的な概念とともに高効率培養システム (CO2 吸収 128t/ 日 /km 平方 ) でのバイオエネルギー利用とともに 多角的有効利用 ( 高付加価品の同時生産 ) を図れば事業化も可能となり さらに海外 : 中東 豪州 アジア諸国等との連携により より事業化の優位性 向上が期待できること他 分離 CO2 利用の展開 ネットワーク化をも明示的かつ具体的に示した 第 7 章 結論 では 上記のように各章の概要をとりまとめた 以上のように 本論文では 二酸化炭素分離 貯留を 分離 回収 ~ 輸送 ~ 圧入の一連のシステムとしてとらえ 経済的 社会的側面から研究を行い将来の実現を目指すことを目的として 一部実験設備による検証を行い 二酸化炭素分離 貯留をとりまく国内外の現状と動向の広範かつ詳細な分析 研究を行うとともに 今後社会への導入 普及のための課題とその対応策を検討 具体的な地域を設定したモデルによる経済性の試算と 社会的受容性 法的整合性確保の方策等につき具体的かつ独創的な概念によって定量的な研究を行ったものである 大量の二酸化炭素削減ポテンシャルを有し 各国で積極的に研究開発等が行われている CCS の産業化に向けては (1) 経済性確保とともに (2) 社会的受容性 法的整合性確保の 2 つの課題がある これらの課題の中には 国際枠組み上の位置付け等 一国だけでは解決が困難であることが多くあるが 各国 国際機関とも協力 連携しつつ取組むとともに とりわけ喫緊の課題である法制度及び助成制度の制定に取組んでいくべきである 具体的には 欧州連合 EU では 2007 年発表の 世界エネルギー技術の展望報告書 (WETO-H2) において 上記処理コストが 25 ユーロ /tco2( 邦貨換算 3700 円 :148 円 / ) に達したならば 火力発電における CCS 付設発電所シェアは 2050 年には 62% に達すると予測されている しかしながらわが国においては 諸外国の様に回収 CO 2 地下注入 ; 石油増産回収 Enhanced oil recovery:eor による経済的可能性の追求は困難である このため 別な方策によることとし 前述のように地域貢献も含めた分離 CO2 利用 ネットワーク化への展開 電力固定価格買取制度 FIT の適応等 経済性の確保へ向けて具体策を示した このように 原子力発電への厳しい社会情勢へ対応し エネルギーの安定供給確保と地球温暖化問題への対応を図る必要があり そのためには上記の二酸化炭素分離 貯留 CCS の社会への速やかな導入が不可欠で 技術開発 政府助成などによる経済性確保とともに その基盤をなす法制度の検討 整備及び地域住民合意形成を得るための努力を傾注する必要がある さらに 付属参考文献 として 国連気候変動に関する政府間パネル IPCC による本技術に関する特別報告書 (2001 年の COP7 マラケシュ合意に基き世界の有識者を集め検討 審議の上 2005 年に公表 ) に関し 全文の仮訳を行い参考として末尾に添付した 本資料は 技術の現状のみならず リスク評価 長期の安全性確保等の社会的合意形成を図る上で欠かせない項目についても提示し 世界の英知とも言うべきもので 学術的価値も大きく特筆に値する 引続き増大する世界のエネルギー需要を依存することになる化石燃料については 石油 天然 ガスは 米国におけるシエールガス開発 経済動向等により価格が下落してはいるが その安定 80

85 供給確保及び今後の価格の上昇等は憂慮されている エネルギー資源の安定確保は 社会 産業の最重要基盤であることから 石炭を含めたエネルギー供給のベスト ミックスを図ることが何より望まれるている こうした状況において わが国国内における二酸化炭素分離 貯留 CCS を活用したエネルギー システムを志向することにより わが国のエネルギー セキュリテイ及び地球環境のため またアジアをはじめ世界の持続可能な社会 経済発展を可能とし 新規産業 雇用の創出に資するとともに わが国がエネルギー分野で グローバル スタンダード を構築しリーダーたるべきためのまさに近道となりえる これらの産官学の努力により わが国がまさに CCS 先導国として アジアはもとより世界の規範となりうる国 となることを期待し また確信して本研究をとりまとめた 以上 81

86 参考文献 1. 久留島守広 : 地球エコシステムとしての地中隔離 環日本海研究 第 11 号, , P 久留島守広 : 地球ビジネスとしての地中隔離に向けての基礎的研究 -CO2 分離 地中隔離 エココンビナートの導入 - 資源と素材 Vol.120( )P 久留島守広 : 地中隔離技術,21 世紀地球環境技術戦略の要, Engineering No.93,P14-17, 久留島守広 : 連載解説, 地球ビジネス時代の化学工学 ( 第 1 回 ) 地球環境問題とビジネスチャ ンス 化学工学 Vol.68 No.4, 株式会社日建設計 : 植物工場等二酸化炭素隔離技術の経済性等調査, 平成 15 年度 NEDO 委託調査報告書 桑木賢也, 堀尾正靱, 久留島守広, 中川和明, 村田圭治 :CO2 吸収セラミックスを用いた炭 酸ガス高効率回収システムの概念設計, 化学工学会第 33 回秋季大会, 久留島守広 : 二酸化炭素分離貯留技術 :CCS への期待と展望 機械の研究 65(7) P 年 07 月 8. 久留島守広 : エネルギー地球環境問題と持続可能な社会 石灰石鉱業大会資料集 72nd 年 05 月 9. 久留島守広 :CCS 実施のための法制度整備に関する一考察 資源 素材学会春季大会講演集 年 10. 久留島守広 :CCSU 国内事業化における課題と対応に関する一考察 資源 素材 年 11. 久留島守広 : エネルギー地球環境問題と持続可能な社会 計画行政 35(4) 年 11 月 12. 久留島守広 :CCS クリーンコール技術等と海洋バイオマス利用 日本エネルギー学会大会講演要旨集 21st 年 07 月 13. 久留島守広 : 低炭素社会におけるエネルギー技術 新社会基盤 資源 素材 2011(1) 年 09 月 82

87 14. 久留島守広 :CO2 回収 地中貯留 (CCS) の社会的合意形成に関する基礎的研究 Hospitality (17) 年 03 月 15. 久留島守広 : 環日本海地域への CO2 地中貯留技術導入に関する基礎的研究 北東アジア地域研究 (14) 年 10 月 16. 久留島守広 :CO2 回収貯留 (CCS) 技術の現状と課題, その展望 Engineering (117/118) 年 09 月 17. 久留島守広 :CO2 回収 地中貯留技術の社会への導入方策 日本エネルギー学会大会講演要旨集 17th 年 08 月 18. 名久井恒司 : 諸外国における CCS 関係規制法とプロジェクトの許認可 資源 素材学会春季大会講演集 年 19. 名久井恒司 :CCS の法的問題制度整備を先行して進めた海外事例の分析 資源 素材 CO2 地中貯留小特集号 年 20. 久留島守広 : 地球環境問題とビジネスチャンス 地球ビジネス時代の熱供給事業 熱供給 58(Winter) 年 01 月 21. 久留島守広 : 共同実施等による地球環境問題への貢献 NEDO の取組みと今後の方向 エネルギー 資源 24(5) 年 09 月 22. 久留島守広 : 地球環境問題とわが国の対応 - 環境の世紀における日本 - 鉄道と電気技術 14(9) 年 09 月 23. 久留島守広 :CO2 分離 地中隔離の導入促進方策に関する基礎的研究 エネルギーシステム 経済 環境コンファレンス講演論文集 19th 年 01 月 24. 久留島守広 : 環境の世紀における企業白書 環境報告書 セイフティダイジェスト 49(1) 年 01 月 25. 久留島守広 : 社会システムとしての CO2 分離 地中隔離に関する基礎的研究 エネルギー 資源 年 06 月 26. 久留島守広 : 新エネルギーへの期待と展望 環境技術 31(5) 年 05 月 27. 資源エネルギー庁 : エネルギー白書 2013 政府刊行物 2013 年 9 月 28. 久留島守広 : 環境分野における大学発の新産業創出は可能か 環境会議 年 11 月 83

88 29. 久留島守広 : 海洋中の炭素循環メカニズム 動力 年 09 月 30. 資源エネルギー庁編集 : 考えよう 日本のエネルギー ( 財 ) 社会経済生産性本部エネルギー コミュニケーションセンタ, NEDO: アジアへの環境移転とバイオマス 海外レポート No.1008,P ( 財 ) 地球環境産業技術研究機構 :CCS 技術導入に向けての産業別課題調査報告書 平成 20 年 3 月 33.( 財 ) 地球環境産業技術研究機構 :CCS 導入における適地調査報告書 平成 18 年 3 月 34. エネルギー 環境会議 コスト等検証委員会報告書 平成 23 年 12 月 19 日 35. 久留島守広 : 地球環境問題と NEDO における環境技術開発 金属 69(5) 年 05 月 36.Global CCS Institute:The Global Status of CCS 年 37.Congressional Budget Office:Federal Efforts to Reduce the Cost of Capturing and Storing Carbon Dioxid, U.S., June UK DECC: Innovation to drive cuts in Carbon Capture and Storage costs Press notice, 12/143, 21 November UK Carbon Capture and Storage Cost Reduction Task Force:The Potential for Reducing the Costs of CCS in the UK Interim Report, UK November UK DECC: CCS Roadmap:Learning by doing-launchingthe CCS Commercialisation Programme UK, April Energy Technology Institute and Ecofin Research Foundation:Mobilising private sector finance for CCS in the UK, November UK DECC:CCS Roadmap: Supporting deployment of Carbon Capture and Storage in the UK UK, April Global CCS Institute:Proceedings from CCS Cost Workshop Calgary, March

89 44.IEA:Energy Technology Perspectives 2008 (ETP2008) 2008 年 45.IEA:CCS 技術ロードマップ 2009 年 46.IEA:Energy Technology Perspectives 2012 (ETP2012) 2012 年 47.DOE/NETL:Estimating Carbon Dioxide Transport and Storage Costs March EPA:Geologic CO2 Sequestration Technology and Cost Analysis November European Technology Platform for Zero Emission Fossil Fuel Power Plants (ZEP):The Costs of CO2 Capture, Transport and Storage, July Bureau of Resources and Energy Economics: Australian Energy Technology Assessment 2012, Commonwealth of Australia, IPCC:Special Report on Carbon dioxide Capture and Storage Cambridge University Press, Global CCS Instituite:TransAlta and Carbon Management Canada Canada, September, AEA:Future Value of Carbon Abatement Technologies in Coal and Gas Power Generation to UK Industry, March

90 謝辞 本論文をまとめるにあたり 指導教官 主査として終始変わらぬ懇切なるご指導とご鞭撻を賜りました東京工業大学大学院理工学研究科 岡崎健教授に心より感謝の意を表します 先生には 水素利用をはじめエネルギーに関する研究の第一人者としてのご多忙を極める中 論文提出者としての筆者の研究指導をお引き受けいただいたことに加え 同先生が退官なされる間際まで年末 正月を返上して 一貫して暖かくご支援 ご指導 ご配慮をいただきました 重ねて御礼申し上げます 東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科 田辺孝二教授には 暖かいご指導とご助言を賜るとともに 論文の具体的作成作業に至るまでご支援をいただきました 深く感謝いたします また 東京工業大学大学院理工学研究科 佐藤勲教授 東京工業大学大学院理工学研究科 平井秀一郎教授および東京工業大学大学院総合理工学研究科 末包哲也教授には 貴重なご教示とご助言を賜りました 深く感謝いたします 東京工業大学先進エネルギー国際研究センター長 柏木孝夫特命教授には 研究の端緒の際にご相談にのっていただき また多くの有益なご助言をいただきました 御礼申し上げます 本論文のとりまとめにあたり NEDO 産業技術 新エネルギー機構の皆様に多大なご協力をいただきました この場を借りて御礼申し上げます 最後に 論文博士として東京工業大学への提出の機会を与えていただいた東洋大学の関係者の 皆様に感謝するとともに 筆者を暖かく見守ってくれた家族に感謝いたします 86

91 ( 別添 : 筆者仮訳 ) 気候変動に関する政府間パネル (IPCC)2005 年 二酸化炭素の回収 貯留に関する特別報告書政策立案者向けサマリーとテクニカル サマリー 目次 挨拶... 1 序文... 3 政策立案者サマリー... 7 二酸化炭素の回収および貯留とは? それが気候変動の緩和にどのように寄与するのか? 7 CCS の特徴は?... 7 CCS 技術の現況は?... 9 二酸化炭素の発生源と貯留機会の間の地理的な関係は? CCS のコストは? 技術的および経済的な潜在性は? CCS が地域の健康 安全 環境に及ぼすリスクは? 貯留された二酸化炭素の物理的な漏出は 気候変動の緩和に向けた選択肢としての CCS を危 うくするか? 二酸化炭素貯留の導入に関する法律および規制上の問題点は? 排出目録や算定にとっての CCS の意味合いは? 知識のギャップは? テクニカル サマリー 序論および本報告書の枠組み 二酸化炭素の発生源 二酸化炭素の回収 CO 2 の輸送 地中貯留 海洋貯留 無機炭酸塩化と工業利用 コストと経済的潜在性 排出目録と算定 知識のギャップ i

92 挨拶 気候変動に関する政府間パネル (IPCC) は 世界気象機関 (WMO) と国連環境計画 (UNEP) が 1988 年に共同で設立した その委託事項には (1) 気候変動およびその影響 また気候変動の緩和や気候変動への適応などに関して入手可能な科学的情報および社会経済的情報について評価すること (2) 国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) 締約国会議 (COP) の要請に応じて 科学的 技術的 社会経済的な助言を提供すること が含まれる 1990 年以降に IPCC が作成した評価報告書 特別報告書 技術報告書 方法論ならびにその他の成果物は 標準的な参考文献として 政策立案者や科学者などの専門家に幅広く利用されている COP7 で採択された決定草案により 二酸化炭素の地中貯留に関する技術報告書の作成が IPCC に要請された a それを受けて 2003 年にフランスのパリで開催された IPCC の第 20 回 会議で 二酸化炭素の回収および貯留に関する特別報告書の作成が合意された 本書 二酸化炭素の回収および貯留に関する特別報告書は IPCC の第 3 次作業部会が作成したものであり 気候変動の緩和に向けたオプションの 1つとして二酸化炭素の回収および貯留 (CCS) に焦点を当てている 報告書は 9 つの章で構成され 二酸化炭素の発生源 その回収 輸送 地中貯留 海洋貯留 無機炭酸塩化などに関する技術的な特徴 工業プロセスでの利用などをカバーしている また CCS のコストおよび潜在性 環境への影響 リスクと安全性 温室効果ガスの目録と算定にとっての意味合い 一般の認知度 法的な問題などについても評価している Michel Jarraud 世界気象機関事務局長 a を参照 COP7 報告書 文書 FCCC/CP/2001/13/Add.1 決定 9/CP.7( 京都議定書第 3 条 14 項 ) 決定草案 -/CMP.1 パラグラフ 7 ページ 50 気候変動に関する政府間パネルに対し 他の関連組織と協力して 最新の情報をカバーした二酸化炭素の地中貯留技術に関する技術報告書および 京都議定書の締約国が集まる締約国会議の第 2 回セッションでの検討に供するための報告書の作成を要請する 1

93 IPCC ではいつものことであるが まずなによりも世界の大多数の専門家たちによる様々な関連分野における知識 熱意 協力が この報告書の作成を成功させる鍵となった 我々は 調整役代表執筆者 代表執筆者 執筆協力者 監修者 校閲者たちのすべてに感謝の意を表したい これらの人々は 膨大な時間と努力を本報告書の作成に捧げてくれた 我々は IPCC プロセスへの彼らの尽力に非常に感謝している また別の IPCC 報告書の作成に献身的な努力を捧げてくれた第 3 次作業部会技術支援グループおよび IPCC 事務局のスタッフにも感謝したい さらには 自国の科学者による IPCC プロセスへの参加を支援し このテーマに不可欠な発展途上国や経済移行国からの専門家の参加を可能にする IPCC 信託基金に拠出してきた各国政府にも感謝している ノルウェー オーストラリア ブラジル スペインの各政府はそれぞれの国での草案作成会議を主催し カナダ政府はこのテーマに関するワークショップと 本報告書を公式に検討 承認するための第 3 次作業部会第 8 回会合をモントリオールで主催してくれた またオランダ政府は第 3 次作業部会の技術支援グループに資金を提供してくれた それぞれに感謝の意を表したい IPCC の議長である Rajendra Pachauri 博士は IPCC に的確な指示と指針を与えてくれた IPCC の事務局長である Renate Christ 博士とそのスタッフは 様々に支援してくれた 第 3 次作業部会の共同議長であった Ogunlade Davidson 教授と Bert Metz 博士は 本報告書の作成全体にわたって第 3 次作業部会に対しリーダーシップを発揮してくれた これらの人々には特に感謝したい Klaus Töpfer 国連環境計画事務局長 国連ナイロビ事務所長 2

94 序文 二酸化炭素の回収および貯留に関するこの特別報告書 (SRCCS)(Special Report on Carbon dioxide Capture and Storage) は 気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の第 3 次作業部会 ( 気候変動の緩和 ) による支援の下に作成された この報告書は 2001 年にパリで開催された国連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) の第 7 回締約国会議 (COP7) における要請を受けて作成された 2002 年 4 月 ジュネーブにおけるその第 19 回会議において IPCC はワークショップの設置を決定し 2002 年 11 月にカナダのレジャイナでそれが開催された このワークショップでは 二酸化炭素の回収および貯留に関する資料の評価が初めて行われ 特別報告書に向けた提案がなされた IPCC は 2003 年にフランスのパリで開催された第 20 回会議において この提案を承認し 概要とタイムテーブルについて合意した b 第 3 次作業部会は 二酸化炭素の回収および貯留について 科学的 技術的 環境的 経済的 社会的側面から評価する責任を負っていた したがって報告書には 技術の成熟度 気候変動の緩和に寄与する技術的および経済的な潜在性 コストなどに関する評価を記述することが義務付けられた 報告書にはまた 法律および規制上の問題点 一般の認知度 環境への影響 安全性 温室効果ガス排出量の削減に関する目録および算定に関連した問題点なども記述された 本報告書は 二酸化炭素の発生源 回収システム 輸送 様々な貯留メカニズムなどに関する第 3 次評価報告書 (2001 年 ) 以降に発行された資料を主な評価対象にしている しかし土地利用 土地利用の変化 林業 あるいは海洋肥沃化などによる生物的炭素隔離についてはカバーしていない 気候変動緩和オプションのポートフォリオに含まれる二酸化炭素の回収および貯留の部分は 2001 年気候変動第 3 次評価報告書 ( 緩和 ) への第 3 次作業部会による貢献および 2000 年の排出シナリオに関する特別報告書を土台にしている 報告書は 大規模な活用を促すためには解決しなければならない知識のギャップが存在していることを明らかにしている 報告書の構成は 二酸化炭素の回収および貯留システムのコンポーネントにしたがっている 導入部分の章では 評価に関する全般的な枠組みについて概観し CCS システムの概略を説明している 第 2 章では グローバルな規模で CCS の実行可能性を評価するために 技術的にも経済的にも回収が適している二酸化炭素の主な発生源の特性を示している 第 3 章では二酸化炭素の回収に関する技術的なオプションについて詳しく議論し 第 4 章では二酸化炭素の輸 b を参照 3

95 送方法に焦点を当てている 続く 3 つの章では 主な貯留オプションについてそれぞれ検討している ( 第 5 章では地中貯留 第 6 章では海洋貯留 第 7 章では無機炭酸塩化と工業利用 ) 第 8 章では CCS の全体的なコストと経済的潜在性について議論し 最後の第 9 章で温室効果ガス目録および排出量の算定にとっての CCS の意味合いについて検証している 報告書の記述に携わったのはおよそ 100 名の代表執筆者および調整役代表執筆者と 25 名の執筆協力者であり その全員が膨大な時間と努力を費やした 執筆者の背景は 先進国 発展途上国 経済移行国 国際組織など様々である また報告書は 世界中の 200 名を越える人々 ( 個人としての専門家および政府代表者の両方 ) による校閲を受けた 校閲プロセスを監督したのは 19 名の監修者であり 彼らは すべてのコメントに適切な注意が払われたことを確認している IPCC の手順にしたがい 本報告書の政策立案者向けサマリーは 2005 年 9 月 22~24 日にカナダのモントリオールで開かれた IPCC 第 3 次作業部会セッションにおいて 1 行ごとに各国政府による承認を受けた 承認プロセスの期間中 代表執筆者たちは 政策立案者向けサマリーの合意されたテキストが 原本としての報告書本体およびテクニカル サマリーと完全に一致していることを確認した 報告書本体とテクニカル サマリーはいずれも各国政府により受理されているが 依然として執筆者たちが完全な責任を負っている 我々は 本報告書の完成に不可欠な様々な会合を開催するにあたり 各国政府が金銭および現物供与等の支援を提供してくれたことに感謝の意を表明したい 特にカナダ政府は 2002 年 11 月 18 日 ~22 日にレジャイナで開催されたワークショップと 2005 年 9 月 22 日 ~24 日にモントリオールで開催された第 3 次作業部会の承認セッションを主催してくれた 本報告書の執筆チームは 草案を作成したり 2 回連続した正式な IPCC 監修ラウンドの結果について議論したりするために 4 回にわたって会合を開いた それらの会合を快く主催してくれたのは ノルウェー ( オスロ 2003 年 7 月 ) オーストラリア ( キャンベラ 2003 年 12 月 ) ブラジル ( サルバドル 2004 年 8 月 ) スペイン ( オビエド 2005 年 4 月 ) の各政府である また多数の個人的な会合 電話会議 政府との交渉なども 本報告書の完成に寄与した 我々は 挨拶 の中で WMO 事務局長と UNEP 事務局長が執筆チーム 監修者 校閲者た ちに向けて表明した感謝の言葉を支持する 我々は 本報告書の作成に尽力してくれた第 3 次作業部会の技術支援グループのスタッフに 感謝したい 特に Heleen de Coninck 氏は 積極的かつ効率的に調整作業をしてくれた Manuela Loos 氏と Cora Blankendaal 氏は 技術 ロジスティックス 事務などの面で支援 4

96 してくれた Leo Meyer 氏 (TSU のヘッド ) は リーダーシップを発揮してくれた また全般的な支援をしてくれた Anita Meier 氏 文書の整理をしてくれた Dave Thomas Pete Thomas Tony Cunningham Fran Aitkens Ann Jenks Ruth de Wijs の各氏 報告書の最終的なレイアウトとグラフィックスを用意してくれた Wout Niezen Martin Middelburg Henk Stakelbeek Albert van Staa Eva Stam Tim Huliselan の各氏にも感謝の意を表明したい 政策立案者向けサマリーの中の数字を巧みに準備してくれた CO2CRC の Lee-Anne Shepherd 氏には特に感謝したい 最後になってしまったが プロセスの支援で激務をこなしてくれた Renate Christ 氏およびそのスタッフと WMO の Francis Hayes 氏にも感謝したい 第 3 次作業部会の共同議長である我々は 第 3 次作業部会事務局 代表執筆者 技術支援グループの他のメンバーとともに 本報告書が 政府や民間部門の意思決定者 関心を抱く学会の読者 一般大衆の方々などが気候変動緩和オプションの 1つである二酸化炭素の回収および貯留に関する知識を深める助けとなることを望んでいる Ogunlade Davidson Bert Metz 気候変動の緩和に関する IPCC 第 3 次作業部会共同議長 5

97 6

98 政策立案者サマリー 二酸化炭素の回収および貯留とは? それが気候変動の緩和にどのように寄与するのか? 1. 二酸化炭素 (CO2) の回収および貯留 (CCS) とは CO2 を工業やエネルギーに関連した発生源から分離し 貯留場所へ輸送し 大気から長期的に隔離するという一連のプロセスである 本報告書では 大気中の温室効果ガス濃度の安定化に向けた緩和アクション ポートフォリオにおけるオプションの 1つとして CCS を捉えている 他の緩和オプションとしては エネルギー効率の向上 炭素集約度の低い燃料への切り替え 原子力 再生可能エネルギー資源 生物的シンクの強化 CO2 以外の温室効果ガス排出量の削減 などが挙げられる CCS には 全体的な緩和コストを引き下げ 温室効果ガス排出量の削減を達成するにあたっての柔軟性を高める可能性がある CCS が広く利用されるかどうかは 技術的な成熟度 コスト 全体的な潜在性 発展途上国への技術の普及および移転と発展途上国が技術を利用できる能力 規制的な側面 環境問題 一般の認知度などに左右されよう 2. 第 3 次評価報告書 (TAR) は 安定化に必要な排出量の削減すべてを単独で実現するよう な技術オプションは 1 つも存在しないが 緩和手段のポートフォリオが必要となることを 示唆している 大部分のシナリオは 一次エネルギーの供給が今世紀半ばまでは化石燃料により支配されると予想している TAR で議論されているように 大部分のモデルは 既知の技術オプション 1 には様々なレベルで大気の安定化を実現する可能性があるものの その実施には社会経済や制度の変化が必要であることも示している このようなことから オプション ポートフォリオの中の CCS の利用可能性が高まれば 安定化目標の達成が促進される可能性がある CCS の特徴は? 1 既知の技術オプション とは TAR で議論されている緩和シナリオの中で言及されているような 現時点で営業運転あるいはパイロット プラント段階にある技術のことである 著しい技術的躍進が今後必要となるような新しい技術は含まれない 既知の技術オプションについては TAR で説明されており いくつかの緩和シナリオには CCS が含まれている 7

99 3. CO2 回収は 大規模な発生源に適用することが可能である CO2 はその後 圧縮 輸送さ れ 地中貯留 海洋貯留 無機炭酸塩化 2 という形で貯留されたり 工業プロセスで利用さ れたりする 大規模な CO2 発生源としては 化石燃料やバイオマス エネルギーを使う大型施設 主要な CO2 排出産業 天然ガス生産 合成燃料プラント 化石燃料ベースの水素生産プラントなどがある (Table SPM.1 を参照 ) 可能性のある貯留手段は 地中貯留 ( 石油ガス田 採掘不能炭層 深層岩塩層といった地中層 3) 海洋貯留 ( 海水柱や深海底への直接的な放出 ) 無機炭酸塩への工業的固定化である 本報告書では CO2 の工業利用についても議論しているが これによる CO2 の削減はあまり期待されていない Table SPM.1. Profi le by process or industrial activity of worldwide large stationary CO2 sources with emissions of more than 0.1 million tonnes of CO2 (MtCO2) per year. 4. CCS を通じた排出量の純削減量は CO2 の回収率 回収 輸送 貯留などに必要な追加的なエネルギーに起因した発電プラントや工業プロセスの全体的な効率性の低下によって生じる CO2 生産量の増加 輸送中の漏出 長期的な貯留における CO2 の保持率 などに左右される 現在利用可能な技術では 回収プラントで処理される CO2 の約 85%~95% を回収することが できる CCS システム ( 地中貯留または海洋貯留へのアクセス ) が付随する発電プラントでは 2 無機炭酸塩化による CO2 の貯留には 第 6 章で議論されているような強化炭酸塩中和 (enhanced carbonate neutralization) をともなう深部地中炭酸塩化や海洋貯留は含まれていない 3 岩塩層とは 高濃度の溶解塩を含む地層水が飽和した堆積岩である これらは広範囲に存在し 農業や人間による消費には適さない水を大量に含んでいる 地熱エネルギーの利用が増加する可能性が高いため 潜在的な地熱エリアが CO2 の貯留に適さない場合がある 8

100 CCS システムのない同等のプラントに比べて約 10%~40% 4 多くのエネルギーを必要とし その多くは回収および圧縮に利用される 差し引きした結果では 確実な貯留が実現した場合 CCS システムを持つ発電プラントは CCS システムのないプラントに比べて大気中への CO2 排出量が約 80%~90% 削減される (Figure SPM.2 を参照 ) 貯留層からの漏出が発生する可能性があるため 保持率は 注入された CO2 の累計量が一定期間中に保持された率として定義される 無機炭酸塩化による貯留をともなう CCS では CCS システムのない同等のプラントに比べて 60%~180% 多くのエネルギーを必要とする Figure SPM.2. CO2 capture and storage from power plants.the increased CO2 production resulting from the loss in overall effi ciency of power plants due to the additional energy required for capture, transport and storage and any leakage from transport result in a larger amount of CO2 produced per unit of product (lower bar) relative to the reference plant (upper bar) without capture. CCS 技術の現況は? 5. CO2 の回収システムには 後燃焼 前燃焼 oxyfuel 燃焼と様々なタイプがある (Figure SPM.3 参照 ) ガス ストリーム内の CO2 濃度 ガス ストリームの圧力 燃料タイプ ( 固 形またはガス ) は 回収システムを選択する際の重要な要素である 発電プラントにおける後燃焼による CO2 の回収は 特定の条件の下では経済的に実行可能で ある 5 これは既存の多数の発電プラントからの燃焼排ガスの一部から CO2 を回収する時に使 4 発電プラントのタイプによって数字が異なるため レンジに開きが見られる 天然ガス コンバインド サイクル プラントでは 11%~22% 微粉炭プラントでは 24%~40% ガス化複合発電プラントでは 14%~25% 5 特定の条件の下で経済的に実行可能 とは 当該技術が適切に理解され 優遇税制やニッチ市場といった条件の下で一部の商業用途に利用されているという意味である 処理量は年間 0.1 MtCO2 以上で技術の複製は 9

101 われる 同じような技術を利用する天然ガス処理産業における CO2 の分離は 市場が既に成熟している 6 前燃焼による回収に必要な技術は 肥料や水素の製造に広く応用されている 前燃焼における最初の燃料変換ステップは複雑でコストがかかるが ガス ストリームの CO2 濃度と圧力が高いと分離が容易になる oxyfuel 燃焼は実証実験段階であり 7 高純度の酸素を利用する これはガス ストリームにおける CO2 濃度を高める効果を持つため CO2 の分離が容易になるが 空気中からの酸素の分離に より多くのエネルギーが必要となる Figure SPM.3. Schematic representation of capture systems. Fuels and products are indicated for oxyfuel combustion, pre-combustion (including hydrogen and fertilizer production), post-combustion and industrial sources of CO2 (including natural gas processing facilities and steel and cement production) 6. 大量の CO2 を輸送する場合 およそ 1,000 キロメートルまでの距離ならばパイプラインが 有利である 年間の輸送量が数百万トン未満の場合あるいは海外など遠距離に輸送する場 合は 船舶が利用できれば経済的により魅力的となろう CO2 のパイプライン輸送は 成熟した市場の技術として稼働している ( 米国では年間 40MtCO2 以上が 2,500 キロメートルを越えるパイプラインで輸送されている ) 大部分のガ ス パイプラインでは上流の末端部にあるコンプレッサーが流れの原動力となっているが い ほとんど見られない (5 件未満 ) 6 成熟した市場 とは 商業規模での複製が世界中で複数見られるような状態で当該技術が運用されているという意味である 7 実証実験段階 とは 当該技術がパイロット プラントの規模で建設 運用されているが フルスケール システムの設計および建設には更なる開発が必要であるという意味である 10

102 くつかのパイプラインでは途中でコンプレッサー ステーションが必要となる CO2 に汚染物質が含まれている場合でも 乾燥 CO2 ならばパイプラインが腐食しない CO2 に水分が含まれている場合は CO2 ストリームからそれを除去することによって腐食を予防するとともに 耐腐食性の材料によるパイプライン建設コストの発生を回避することができる 船舶による CO2 の輸送は液化石油ガスの輸送と類似しており 特定の条件下では経済的に実行可能だが 現在は需要が限られているために小規模で実施されているにすぎない CO2 は鉄道やロードタンカーでも輸送可能だが 大量の CO2 輸送にとってこれらが魅力的なオプションとなる可能性は低い 7. 深層 オンショア オフショアなどの地中層での CO2 の貯留では 石油ガス業界によって開発され 特定の条件の下では経済的に実行可能であることが立証されている多くの技術が使われている これらの技術は石油ガス田や岩塩層では実行可能なことが立証されているものの 採掘不能炭層での貯留についてはまだ立証されていない 8 CO2 を深度 800 メートル以上 9の適切な岩塩層や石油ガス田に注入した場合 物理的および地化学的な様々なトラップ メカニズムが機能することにより 地表への移動が回避される 一般的に最も重要な物理的トラップ メカニズムは 帽岩 10の存在である 炭層での貯留はもっと浅い部分で行われ 石炭への CO2 の吸収に依存するが 技術的な実行可能性は炭層の透過率に大きく依存する CO2 の貯留を増進石油回収法 (EOR 11 ) や増進炭層メタン回収法 (ECBM) と組み合わせることによって 石油やガスの回収による収益の増加に結びつく可能性がある 地中貯留プロジェクトの設計 運営での利用に向けて 削井技術 注入技術 貯留層パフォーマンスに関するコンピューター シミュレーション 既存アプリケーションによるモニタリング手法などがさらに開発されている 現在 産業規模 12 で運営されている貯留プロジェクトは ノルウェーのオフショア岩塩層に おける Sleipner プロジェクト カナダの Weyburn EOR プロジェクト アルジェリアのガス 田における In Salah プロジェクトの 3 つである その他のプロジェクトは計画中である 8. 海洋貯留を行う潜在的な方法は 2 つある 1 つは固定パイプラインや moving ship( 船舶 8 深すぎたり薄すぎたりという理由で採掘される可能性の低い炭層は CO2 の貯留に利用できる可能性がある その後採掘が行われた場合は 貯留された CO2 が放出される 増進炭層メタン回収法 (ECBM) は CO2 を貯留しながら石炭からのメタン生産を増大させることができる 生産されたメタンは利用され 大気に放出されない 9 深度 800~1,000 メートルでは CO2 は臨界超過となり 液体のような密度 ( 約 500~800 キログラム / 立方メートル ) を有する それにより地下の貯留スペースを効率的に利用することが可能になり 貯留の安全性も向上する 10 透過性が非常に低い岩で 流体が貯留層から流れ出すのを防ぐ上部の蓋として機能する 11 本報告書では EOR は CO2 によって推進される増進石油回収法の意味である 12 ここでの 産業規模 とは 年間 100 万トン単位という意味である 11

103 からの送り込み ) を使って CO2 を水柱 ( 通常は 1,000 メートル以上の深さ ) に注入および溶解させる方法であり もう 1つは 固定パイプラインやオフショア プラットフォームを使って 3,000 メートル以上の深さの海底に CO2 を堆積させる方法である 深度 3,000 メートル以上では CO2 が水よりも濃く 湖 が形成されて周りの環境への CO2 の溶解が遅くなることが期待される 海洋貯留およびその生態学的な影響については まだ研究段階にある 13 溶解および分散した CO2 はグローバル カーボン サイクルの一部となり 最終的には大気中の CO2 と均衡する 研究室での実験 小規模な海洋実験 モデル シミュレーションでは この技術とそれに付随する物理的および化学的現象 ( 特に酸性度の上昇 (ph 値の低下 ) とそれが海洋生態系に及ぼす影響を含む ) に関する研究が 様々な海洋貯留オプションについて実施されてきた 9. 珪酸塩鉱物に豊富に含まれ 廃棄物ストリームにおいて少量利用できる金属酸化物と CO2 を反応させると 安定的な炭酸塩が生成される 現在この技術は研究段階であるが 廃棄 物ストリームの利用に応用する一部の方法が実証実験段階にある 自然反応は非常に緩慢であるため鉱物の前処理による増進作業が必要であるが 現在 これ には非常に多くのエネルギーを要する 10. 回収した CO2 をガスや液体としてあるいは化学プロセスの原料として工業利用 14 すること により貴重な炭素含有製品を生産することは可能だが CO2 排出量の大幅な削減への寄与 は期待できない CO2 の工業利用に関する潜在性は小さく CO2 が保持される期間は一般的に短い ( 数ヵ月か ら数年 ) 回収した CO2 を化石炭化水素の代わりに原料として利用するプロセスは 必ずしも ライフサイクル全体での純排出量の削減には結びつかない 11. CCS の開発段階は コンポーネントによって様々である (Table SPM.2 を参照 ) 成熟した あるいは特定の条件の下では経済的に実行可能な既存の技術から完全な CCS システムを組み立てることは可能だが システム全体の開発は 一部のコンポーネントの開発に比べて遅れている 13 研究段階 とは 基礎科学が理解され 当該技術が研究室あるいはベンチ スケールでの概念設計あるいは試験段階にあるが パイロット プラントでの実証実験は行われていない状態を意味する 14 CO2 の工業利用には パラグラフ 7 で議論した EOR は含まれない 12

104 CO2 の回収 輸送 貯留を組み合わせて 1 つの完全に統合された CCS システムを構築する ことについては比較的経験が乏しい 大規模発電プラントでの CCS の活用 ( 大きな関心が寄 せられている潜在的な用途 ) は 依然として準備段階にとどまっている Table SPM.2. Current maturity of CCS system components. The X s indicate the highest level of maturity for each component. For most components, less mature technologies also exist 二酸化炭素の発生源と貯留機会の間の地理的な関係は? 12. CO2 の大規模な発生源は 主要な工業地域および都市部に集中している 発生源の 300 キロメートル以内には 地中貯留に適した地中層が存在していることが多い (Figure SPM.6 を参照 ) 暫定的な調査によれば 大規模な発生源の近くに海洋貯留に適した場所が存在する確率は世界的にも低い 13

105 大規模な CO2 発生源と地中貯留に適した地中層の組み合わせに関して現在利用可能な文献 は限られている 情報の質を高めるには 詳細な地域評価が必要であろう (Figure SPM.6b を 参照 ) シナリオ研究によれば 大規模な CO2 発生源の数は将来的に増加し 技術的な限界を考えれば 2050 年までに世界の化石燃料による CO2 排出量のおよそ 20%~40% が技術的には回収に適したものとなり 電力生産で発生した CO2 の 30%~60% および工業で発生した CO2 の 30% ~40% がそこに含まれる 大規模なバイオマス変換施設からの排出も 技術的には回収に適したものとなる可能性がある 将来における大規模な発生源と潜在的な貯留サイトの間の距離についてはまだ研究されていない Figure SPM.6a. Global distribution of large stationary sources of CO2(based on a compilation of publicly available information on global emission sources; IEA GHG 2002) Figure SPM.6b. Prospective areas in sedimentary basins where suitable saline formations, oil or gas fi elds or coal beds may be found. Locations for storage in coal beds are only partly included. Prospectivity is a qualitative assessment of the likelihood that a suitable storage location is present in a given area based on the available 14

106 information. This fi gure should be taken as a guide only because it is based on partial data, the quality of which may vary from region to region and which may change over time and with new information (Courtesy of Geoscience Australia). 13. CCS は化石燃料ベースでの電力や水素の生産による CO2 排出量の抑制を可能にし 長期的には 輸送および分散化されたエネルギー供給システムからの分散的な CO2 排出も削減できる可能性がある 輸送部門を含め 自動車での電力生産や 燃料電池での水素生産が実現しよう 水素の生産については 統合された CO2 分離 ( 貯留はなし ) をともなうガスと石炭の変換が現時点では最も支配的なオプションである 化石燃料やバイオマスをベースとした水素や電力の生産が増加すれば 技術的に回収および貯留に適した大規模な CO2 発生源の数が増加しよう 現時点で発生源の数 場所 規模などを予測することは難しい CCS のコスト 15 は? 技術的および経済的な潜在性は? 年の環境下で電力生産に CCS を活用した場合 キロワット時あたりの電力生産コストは約 0.01~0.05 米ドル 16 上昇することが見込まれる 燃料 具体的な技術 場所 国全体の状況などによってその数字は変化する EOR のメリットを算入すれば CCS による追加的な電力生産コストは約 0.01~0.02 米ドル /kwh 低下する 17 ( 絶対的な電力生産コストについては Table SPM.3 を CO2 回避コストについては Table SPM.4 を参照 ) 電力生産に使われる燃料の市場価格が上昇すれば CCS のコストも一般的には上昇する傾向にある 石油価格が CCS に及ぼす定量的な影響は明らかではない だが EOR による収益も 石油価格の上昇にともなって増加するのが一般的である CCS を現在の小規模なバイオマスベースによる電力生産に適用した場合 電力コストは大幅に上昇するが CCS を備えた大型の石炭火力発電プラントでバイオマスを複合燃焼させた場合には費用効果が上昇する コストは 絶対的なものであれ相対的なものであれ 国によって大きく異なる CCS を備えた天然ガス コンバインド サイクル プラント 微粉炭プラント ガス化複合発電プラントがフル スケールで建設されたことはまだないため これらのシステムのコストを現時点で確信を持って記述することはできない 将来的には 研究および技術の発展やスケール メリットによって CCS のコストは低下しよう バイオマスベースによる CCS システムのコストも 15 本報告で使われる コスト は市場価格だけを指しており 環境破壊といった外部コストや CCS の利用に付随して発生することが考えられる様々な社会的コストは含まれていない これまでのところ これらの外部コストに関する評価や定量化はほとんど行われていない 16 本報告書におけるコストはすべて 2002 年の米ドル表示である 17 利用可能な文献と同じく 石油価格を 1 バレルあたり 15~20 米ドルと想定 15

107 いずれはスケール メリットによって大幅に低下しよう バイオマス燃料や複合燃焼による変換施設に CCS を適用した場合 CO2 排出量は減少あるいはマイナスに転じることになろう 18 その結果 CO2 排出量の削減に関する市場価値によっては このオプションのコストが低下する可能性がある Table SPM.3. Costs of CCS: production costs of electricity for different types of generation, without capture and for the CCS system as a whole. The cost of a full CCS system for electricity generation from a newly built, large-scale fossil fuel-based power plant depends on a number of factors, including the characteristics of both the power plant and the capture system, the specifi cs of the storage site, the amount of CO2 and the required transport distance. The numbers assume experience with a large-scale plant. Gas prices are assumed to be US$ per gigajoule (GJ), and coal prices US$ GJ-1. Table SPM.4. CO2 avoidance costs for the complete CCS system for electricity generation, for different combinations of reference power plants without CCS and power plants with CCS (geological and EOR). The amount of CO2 avoided is the difference between the emissions of the reference plant and the emissions of the power plant with CCS. Gas prices are assumed to be US$ GJ-1, and coal prices US$ GJ 既存プラントを改良して CO2 回収システムを取り付けた場合 新しく建設する発電プラン トに取り付ける場合に比べて コストは高くなり 全体的な効率も大幅に低下することが 予想される 改良した場合にはコスト面で不利だが 比較的新しい高効率の既存プラント 18 仮にたとえば バイオマスが持続不可能なペース ( つまり年間の再生率を上回るペース ) で収穫された場合には 当該活動による CO2 の純排出量はマイナスにならない 16

108 の一部や大規模なアップグレードあるいは建て替えが実施された場合には その度合いが 緩和される場合がある 既存設備を改良して CCS を取り付けるコストは様々である 工業による CO2 発生源については CO2 の分離システムを後から取り付けることは容易であるが 総合的な発電プラントシステムにおいてはより大きな調整が必要となる 将来の改良コストを引き下げるためには 新しいプラントの設計にあたって 将来の CCS 適用を考慮に入れておくべきである 16. 大部分の CCS システムにおいては 回収 ( 圧縮を含む ) コストが最も大きなコスト構成 要素である CCS システムの各コンポーネントに関するコストは プラントの種類や CO2 の発生源 輸送 貯留などの状況によって大きく異なる (Table SPM.5 を参照 ) 今後 10 年間で回収コストは 20%~30% 低下する可能性があり 現在研究や実証実験の段階にある新しい技術次第では 更なるコスト低下が実現するはずである CO2 の輸送および貯留のコストは 技術の成熟や規模の増大が進むにつれ 緩やかに低下する可能性がある Table SPM Cost ranges for the components of a CCS system as applied to a given type of power plant or industrial source. The costs of the separate components cannot simply be summed to calculate the costs of the whole CCS system in US$/CO2 avoided. All numbers are representative of the costs for large-scale, new installations, with natural gas prices assumed to be US$ GJ-1 and coal prices US$ GJ エネルギーや経済のモデルによれば CCS システムが気候変動の緩和に大きく寄与するの は 電力部門に普及した場合である 本報告書で評価の対象となった大部分のモデルは 17

109 CCS システムが大規模に普及し始めるのは CO2 の価格が約 25~30 米ドル /tco2 に達し 始める時であることを示唆している 低コストで回収できる可能性があり ( ガス処理や水素およびアンモニア製造といった CO2 の分離工程が既に導入されている場合など ) なおかつ輸送距離が短く (50 キロメートル未満 ) 収益を生むような貯留オプション (EOR など ) を選択できる場合には インセンティブが低いあるいはゼロの状況においても CO2(360 MtCO2yr- 1 まで ) の限定的な貯留が実現する可能性がある 18. 利用可能な文献証拠によれば 地中層における貯留能力は 世界全体で少なくとも約 2,000GtCO2(545GtC) の技術的潜在性 19が存在している可能性が高い 岩塩層における地中貯留の潜在性はもっと大きなものである可能性があるが 情報や合意された手法が欠如しているため 上限の見積もりは不確かである 石油およびガスの貯留層の能力はもっと明確である 炭層の技術的な貯留能力はかなり小さく あまり明確にはなっていない 海洋における CO2 の貯留能力に関するモデル計算によれば その能力は数千 GtCO2 の単位となる可能性があり 大気中での安定化レベルの想定値や 22 海洋における ph 値の変化といった環境面での制約条件によって左右される 無機炭酸塩化がどの程度活用されるかについて 現時点で判断することはできない 技術的に開発可能な珪酸塩の埋蔵量が不明な上 生産物の処分量といった環境問題にも左右されるためである 19. 大気中の温室効果ガスの濃度を 450~750ppmvCO2 に安定させるシナリオの大部分および最もコストの低い緩和オプション ポートフォリオにおいては CCS の経済的潜在性 23 が累計で 220~2,200GtCO2(60~600GtC) に達する このことは 2100 年までの世界中の累積的な緩和努力の 15%~55%( 様々なベースライン シナリオについての平均値 ) を CCS が占めることを意味している 地中貯留の技術的潜在性 19 は経済的潜在性の上限をカバーするのに十分なものである可能性が高いが 21 特定の地域においてはそうならな 19 TAR で定義されている 技術的潜在性 とは 既に実証実験が行われている技術や慣行を導入することによって削減できる可能性のある温室効果ガス排出量を意味している 20 可能性が高い とは 確率が 66%~90% であることを示している 21 この記述は 利用可能な文献の著者による専門的な判断に基づいている これは 貯留能力の見積もりが不確かであることを反映している 22 このアプローチは 海洋に注入された CO2 が しばらくすると大気と均衡することを考慮に入れている 23 経済的潜在性とは 一般的な環境 (CO2 削減の市場価値や他のオプションのコストなどの状況 ) において特定のオプションを選択することによって費用効率を維持しながら達成することが可能な温室効果ガスの削減量を意味している 18

110 い可能性もある これらの経済的潜在性に関する見積もりは非常に不確かである CCS がそのような経済的潜在性を実現するには 年間回収能力がおよそ 1~5MtCO2 の CO2 回収システムを今世紀中に数百から数千導入する必要がある CCS を実際に導入した場合 環境への影響 漏出リスク 明確な法的枠組みや一般の認知度の欠如といった要因によって 他の緩和オプションに比べて経済的潜在性を下回る可能性が高い 20. ほとんどのシナリオ研究では 緩和ポートフォリオにおける CCS の役割が今世紀を通じ て高まり 緩和ポートフォリオに CCS を加えることによって CO2 の濃度を安定させるた めのコストが 30% 以上低下することが明らかになっている CCS システムのコスト競争力に関する重要な側面は CCS の各技術が現在のエネルギー インフラの大部分と両立が可能であるという点である 緩和ポートフォリオの一部分としての CCS の潜在的なグローバル寄与度については Figure SPM.7 において具体例を使って説明している 現時点ではこの分野の分析は限定的なものにと どまっており 情報の質を向上させるには更なる評価が必要となろう CCS が地域の健康 安全 環境に及ぼすリスクは? 21. CO2 のパイプライン輸送に関連した地域的なリスク 24 は 既に稼働している炭化水素パイ プラインによるリスクと同等か それよりも低いものとなろう ほとんどが人口密度の低いエリアにある既存の CO2 パイプラインについては 1 キロメートルあたりの事故報告件数が非常に少なく 炭化水素パイプラインの事故率と同じくらいである CO2 が突然大量に放出され 大気中の容積濃度が 7%~10% を越えた場合 人間の生命や健康にとって直接的な脅威となる 人口の多いエリアを経由して CO2 をパイプライン輸送するにあたっては ルート選定 過圧防止 漏出検知 その他の設計要因に注意を払うことが求められる CCS 用のパイプライン設計に関する大きな障害は予見されていない 22. 利用可能な地下情報に基づく適切なサイト選定 問題を検知するためのモニタリング プ 24 リスクについて議論するにあたっては 事故が発生する確率とそれが発生した場合の影響を掛け合わせたも のがリスクであると想定している 19

111 ログラム 規制システム CO2 の放出が発生した場合にそれを遮断あるいは制御するための適切な矯正方法の活用などにより 地中貯留が地域の健康 安全 環境に及ぼすリスクは 天然ガス貯蔵 EOR 深奥部への酸性ガスの廃棄などといった現在行われている活動によるリスクと同じくらいになろう 天然の CO2 貯留層は 地下における CO2 の動きを理解するのに役立つ 漏出の可能性が低い貯留サイトの特徴としては 不透過性の高い帽岩 地質の安定性 漏出経路の不在 効果的なトラップ メカニズムなどが挙げられる 漏出シナリオには以下の 2つのタイプがある (1) 注入井の故障や廃井からの漏出に起因した突然の漏出 (2) 検知されない故障や破砕 あるいは井戸などからの緩やかな漏出 地下の浅い部分で CO2 濃度が上昇した場合 植物や地中動物の死滅や地下水の汚染といった影響が生じる可能性がある 安定的な大気状態において高磁束が発生すると 大気中の CO2 濃度が局地的に高まり 動物や人間に害を及ぼす可能性がある CO2 の注入に起因して圧力が蓄積すると 小規模な地震性事故が引き起こされることがある 地中貯留については限定的な経験しかないものの 密接に関連した工業での経験や科学的な 知識が 補修を含む適切なリスク管理の基礎として機能することになろう 利用可能なリスク 管理手法の有効性については 依然として実証実験をしなければ CO2 の貯留に活用することが 20

112 できない状態である 貯留サイトで漏出が発生した場合 漏出を遮断するための補修として 標準的な井戸修理技術を活用したり 浅い地下帯水層に漏出する前に CO2 を阻止および抽出したりする CO2 を地中貯留する場合の時間枠が長いことを考えれば 非常に長期間にわたるサイト モニタリングが必要となる可能性がある Figure SPM.7. These fi gures are an illustrative example of the global potential contribution of CCS as part of a mitigation portfolio. They are based on two alternative integrated assessment models (MESSAGE and MiniCAM) while adopt the same assumptions for the main emissions drivers. The results would vary considerably on regional scales. This example is based on a single scenario and, therefore, does not convey the full range of uncertainties. Panels a and b show global primary energy use, including the deployment of CCS. Panels c and d show the global CO2 emissions in grey and corresponding contributions of main emissions reduction measures in colour. Panel e shows the calculated marginal price of CO2 reductions. 23. 海洋への CO2 の注入や海底における液体 CO2 層の形成を産業規模で実施すると 地域の化学環境が変化する 実験結果は 高い CO2 濃度の持続が海洋生物の死滅を引き起こすことを示している CO2 が海洋生物に及ぼす影響は 生態系にとって重大である 海洋への CO2の直接注入が広大な海域に長期間にわたって及ぼす慢性的な影響についてはまだ研究されていない 深さ 3,000 メートルの 7 つの場所から放出されると想定したモデル シミュレーション (CO2 を 550ppmv に安定させる緩和努力に対する海洋貯留の寄与度が 10%) では 海水の約 1% において酸性度が上昇する (ph 値の低下が 0.4 を越える ) 結果となった 比較のために海洋貯留を行わずに同じような安定化を実現しようとすると 海面全体の ph 値が産業革命前の水準に比べて 0.25 以上低下することが予想される 0.2~0.4 の ph 値の低下は 産業革命前の平均的な海洋酸性度の変動に比べて非常に大きな数字である ph 値の変動がこのようなレベルになると海面近くで生息する生物に影響が生じることが明らかになっているが 慢性的な影響についてはまだ研究されていない 包括的なリスク評価を完了させるには これらの影響に対する理解を深めることが必要である 貯留された CO2 が海洋から大気中に突然あるいは破滅的に放出されるメカニズムは明らかになっていない 緩やかな放出については SPM パラグラフ 26 で議論している CO2 が放出される前あるいは放出される最中に分子 CO2 が重炭酸イオンやハイドレートに変換すれば ph 値への影響は緩和され 海洋による CO2 の保持は強化されるが コストや環境に及ぼす他の影響が増大する 21

113 24. 大規模な無機炭酸塩化が環境に及ぼす影響は 必要な採掘や実際的な用途のない生成物の 廃棄がもたらすものである 1 トンの CO2 を産業規模で固定するには 1.6~3.7 トンの珪酸塩岩が必要である 無機炭酸塩化による影響は 大規模な露天採掘による影響と同じようなものである 具体的には 森林伐採 掘削による大気汚染および水や植生への影響 土工 採掘カスによる金属のグレーディングおよび浸出などであり これらはすべて生息環境の悪化をもたらす可能性がある 無機炭酸塩化による生成物の大部分は廃棄する必要があり それには埋め立てや追加的な輸送が必要となろう 貯留された二酸化炭素の物理的な漏出は 気候変動の緩和に向けた選択肢としての CCS を危う くするか? 25. 人工的あるいは自然による類似物およびモデルなどの観測結果は 適切な選定や管理がな された地中貯留層での保持率が 100 年間で 99% を越える可能性が非常に高く 年 間でも 99% を越える可能性が高い 21 ことを示している 適切な選定 設計 管理が実施される貯留サイトにおいては CO2 の大部分が様々なトラップ メカニズムによって徐々に固定され その場合には最長で数百万年にもわたって保持される可能性がある これらのメカニズムにより 時間枠が長くなるほど貯留の安全性が高まる可能性がある 26. 海洋貯留からの CO2 の放出は 数百年間にわたる緩慢なものとなろう 海洋トレーサー データやモデル計算の結果は 海洋貯留の場合 注入の深さや場所にもよるが 100 年後の保持率が 65%~100% 500 年後の保持率が 30%~85% になることを示している ( 深さ 1,000 メートルでの注入では保持率が低く 深さ 3,000 メートルの注入では保持率が高くなる ) 27. 無機炭酸塩化の場合 貯留された CO2 は大気中に放出されない 28. CO2 の漏出が継続した場合 気候変動の緩和という CCS のメリットが少なくとも部分的 には剥げ落ちる可能性がある 漏出が気候変動の緩和に及ぼす影響の評価は 意思決定の ための枠組みや パラグラフ 25 と 26 で示したような地中貯留や海洋貯留の保持率につい 25 可能性が非常に高い というのは 確率が 90%~99% であることを示している 22

114 ての入手可能な情報に左右される 非永久的な貯留に対処する方法についての問いに答えるための研究は 排出を遅延させることの価値 特定の緩和シナリオに関するコストの最小化 大気中の温室効果ガス濃度の安定化が前提となる中での許容される将来の排出量などといった様々なアプローチに基づいて実施されている これらの研究の中には 排出量の追加的な削減によって将来の漏出を補償しようとするものもある 結論は 将来的な削減コスト 割引率 貯留される CO2 の量 想定される大気濃度の安定化レベルなどに関する前提条件によって異なってくる また他の研究では 政治や制度の不透明性を理由として補償をオプションの 1つとして見ず 想定される安定化レベルや貯留量によって規定される限界に分析の焦点を当てているものもある 様々な研究による具体的な結論は手法や前提条件によって異なるが すべての研究が共通して示唆しているのは CCS を緩和手段として受け入れてもらうには 発生しうる漏出の量に上限がなければならないということである 二酸化炭素貯留の導入に関する法律および規制上の問題点は? 29. 地下作業に関する規制はいくつか存在しており その中には地中貯留に関連していたり 直接適用可能なものもあるが 長期的な CO2 貯留に関する法律あるいは規制枠組みを具体 的に策定している国はほとんどない 具体的には採掘 石油およびガスのオペレーション 汚染抑制 廃棄物処理 飲料水 高圧ガスの取り扱い 地下の財産権などに関する既存の法律および規制は CO2 の地中貯留と関連性のある場合がある 大気中への CO2 の漏出や地域環境への影響に関連した長期的な責任の問題は解決されていないのが一般的である 米国のいくつかの州では 地下での採掘事業といった CO2 貯留と類似した状況に対して長期的な責任を引き受けている 30. 海底下あるいは海洋への CO2 の注入が国際的に認められるかどうか またどのような条件 の下でなら認められるかについての正式な解釈は まだ合意されていない 現在 海底下あるいは海洋への CO2 の注入に潜在的に適用できそうな条約 ( 特にロンドン条 約 26 や OSPAR 条約 27) がいくつか存在している これらの条約はいずれも 草稿段階で CO2 の貯留を具体的に考慮したものではない 26 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約 (1972 年 ) およびロンドン議定書 (1996 年 ) これらはまだ発効していない 27 北東大西洋の海洋環境の保護のための条約 1992 年にパリで採択された OSPAR は Oslo-Paris( オスロ パリ ) の略号である 23

115 排出目録や算定にとっての CCS の意味合いは? 31. 現在の IPCC ガイドライン 28 には CCS に関連した排出量を見積もるための方法が記載さ れていない IPCC が提供している一般的なガイダンスを CCS に適用することができる いくつかの国では それを排出量の見積もりに関するそれぞれの国の方法と組み合わせている IPCC ガイドライン自体には CCS に関連した排出量を見積もるための具体的な方法がまだ記載されていない これについては 温室効果ガス目録のための IPCC ガイドライン 2006 年版に記載される見込みである CO2 の回収 貯留 物理的な漏出 漏洩排出物 CCS システムへのバイオマスの活用に関連した負の排出 などの純量を求めるには特別な手法が必要となろう 32. 現時点で存在する数少ない CCS プロジェクトはすべて地中貯留によるものであり 実際 の漏出率や関連する不確実性に対するモニタリング 確認 報告などの経験は限定的なも のにとどまっている CCS からの CO2 排出をモニタリングおよび確認するための手法のいくつかは利用可能であ り 開発中のものもある だがこれらは 適用可能性 サイトの特定性 検知限度 不確実性 などがそれぞれ異なる 33. CO2 の回収と貯留がコミットメントの異なる別の国で行われる可能性もある 国境を越え た貯留の算定に関する問題は CCS だけの問題ではない 算定のルールおよび手法は 状況に応じて調整する必要があろう 将来的に貯留サイトから 物理的に漏出する可能性についても算定を行う必要が生じよう 知識のギャップは? 34. CCS の一部の側面については 現在利用可能な知識にギャップが存在している 知識や経 験が増加することにより不確実性が低下するため 気候変動の緩和に向けた CCS の活用 に関する意思決定が促進されよう 28 温室効果ガス目録のための 1996 年改訂版 IPCC ガイドライン 温室効果ガス目録におけるグッドプラクティス ガイダンス及び不確実性管理 土地利用 土地利用変化及び林業に関するグッドプラクティス ガイダンス 24

116 25

117 IPCC 特別報告書 二酸化炭素の回収および貯留 テクニカル サマリー 調整役代表執筆者 Edward Rubin( 米国 ) Leo Meyer( オランダ ) Heleen de Coninck( オランダ ) 代表執筆者 Juan Carlos Abanades( スペイン ) Makoto Akai( 日本 ) Sally Benson( 米国 ) Ken Caldeira ( 米国 ) Peter Cook( オーストラリア ) Ogunlade Davidson( シエラレオネ ) Richard Doctor ( 米国 ) James Dooley( 米国 ) Paul Freund( 英国 ) John Gale( 英国 ) Wolfgang Heidug ( ドイツ ) Howard Herzog( 米国 ) David Keith( カナダ ) Marco Mazzotti( イタリアおよびスイス ) Bert Metz( オランダ ) Balgis Osman-Elasha( スーダン ) Andrew Palmer ( 英国 ) Riitta Pipatti( フィンランド ) Koen Smekens( ベルギー ) Mohammad Soltanieh ( イラン ) Kelly(Kailai) Thambimuthu( オーストラリアおよびカナダ ) Bob van der Zwaan ( オランダ ) 監修者 Ismail El Gizouli( スーダン )

118 テクニカル サマリー 1. 序論および本報告書の枠組み 本特別報告書のテーマとなっている二酸化炭素の回収および貯留 (CCS) は 人間の活動に起因した大気中への CO2 排出量を削減するための選択肢の 1つとして考えられている 本特別報告書の目的は CCS の技術的 科学的 環境的 経済的 社会的側面に関する知識の現状を評価し 気候変動緩和のための潜在的な手段としての他の選択肢との相対的な位置づけを行うことにある 本テクニカル サマリーの構成は 特別報告書の構成にしたがっている この序論では 評価の全体的な枠組みとともに CCS システムの概観を提示する セクション 2では 主要な CO2 発生源について説明する これは グローバルな規模で CCS の実行可能性を評価するのに必要なステップである セクション 3では CO2 の回収に関する技術的なオプションについて議論し セクション 4では CO2 の輸送方法に焦点を当てる その後 それぞれの貯留オプションについて議論する セクション 5では地中貯留に セクション 6では海洋貯留に セクション7では無機炭酸塩化と CO2 の工業利用にそれぞれ焦点を当てる CCS の全体的なコストや経済的潜在性についてはセクション 8で議論し 温室効果ガスの排出目録および算定にとっての CCS の意味合いについてはセクション 9で検証する テクニカル サマリーでは最後に知識のギャップについて議論するが 政策の検討にとって重大な意味を持つものがその中心となる CO 2 の回収および貯留についての概観 CO2 は主として化石燃料の燃焼によって排出される 電力生産などに使われる大型の燃焼装置はもちろん 自動車エンジンや住宅 商業ビル用暖房設備といった小型の分散化された装置も発生源となる また一部の工業プロセスや資源の採掘プロセス 伐採期間中の森林燃焼なども CO2 排出の原因となっている CCS が適用される可能性が非常に高いのは 発電プラントや大規模な工業プロセスといった大型の CO2 発生源である これらの発生源のいくつかは 水素などの脱炭素化された燃料を 輸送 工業 建築などの部門に供給することが可能であるため それらの分散化された発生源からの排出量を削減することができる CCS ではそれぞれの技術を活用することによって まず最初に工業やエネルギーに関連した 27

119 発生源で生産された CO2 を回収 濃縮し 次に適切な貯留場所に CO2 を輸送し 最後に長期間にわたって大気から隔離された状態で CO2 を貯留する このようにして CCS は 化石燃料を利用した場合の温室効果ガスの排出量を低く抑えることができる バイオマス エネルギー資源に CCS を適用した場合 バイオマスの収穫が持続不可能なペースでなければ バイオマスによって取り込まれた大気中の CO2 も回収 貯留されることにより 大気中の CO2 量が純減する可能性がある ( しばしば マイナスの排出量 と呼ばれる ) Figure TS.1 は CCS プロセスの 3つの主要コンポーネント ( 回収 輸送 貯留 ) について説明したものである これらの 3つのコンポーネントは今日の工業オペレーションにおいても見られるものだが その大部分は CO2 の貯留を目的としたものではない 回収ステップには 他のガス状製品からの CO2 の分離が含まれる 発電プラントなどにおける燃料燃焼プロセスにおいては 分離技術を使うことにより 燃焼後の CO2 の回収や 燃焼前における燃料の脱炭素化などが可能である 輸送ステップは 回収した CO2 を CO2 発生源から離れた場所にある適切な貯留サイトまで運ぶのに必要となる 輸送や貯留を容易にするために 回収した CO2 ガスは回収施設において高濃度に圧縮されるのが一般的である 潜在的な貯留方法としては 地下の地中層への注入 深海への注入 無機炭酸塩化による工業的固定化などが挙げられる いくつかの工業プロセスでは 回収された少量の CO2 を原料として利用し 製品の中に貯留する場合もある 28

120 Figure TS.1. Schematic diagram of possible CCS systems. It shows the sources for which CCS might be relevant, as well as CO2 transport and storage options (Courtesy CO2CRC). CCS システムの各コンポーネントの技術的な成熟度には 大きな差が見られる 石油ガス業界を中心とした成熟市場で広く普及している技術がある一方 依然として研究 開発 実証実験段階の技術もある Figure TS.1 は すべての CCS コンポーネントの現状についての概観を示している 2005 年半ば時点では CO2 の回収および地中貯留に関連した商業プロジェクトが 3 件あった 具体的には ノルウェーにおけるオフショア Sleipner 天然ガス処理プロジェクト カナダにおける Weyburn 増進石油回収法 (EOR) 29 プロジェクト ( 米国で回収された CO2 を貯留 ) アルジェリアにおける In Salah 天然ガス プロジェクトである それぞれ 年間 1 ~2MtCO2 を回収および貯留する しかしながら CCS は大型 (500MW 級など ) の化石燃料発電プラントではまだ適用されておらず システム全体の成熟度は一部のコンポーネントに遅れをとっていることに留意するべきである CO 2 の回収および貯留に関心が寄せられているのは何故か? 1992 年 気候変動に関する国際的な懸念に起因して 国連気候変動枠組み条約 (UNFCCC) が締結された この条約の最終的な目的は 大気中の温室効果ガス濃度を 人間活動の影響が気候システムに危険でない値で安定化させること にある このような観点から CCS( および他の緩和オプション ) について検討することは CO2 の排出に限定された世界ではあるが 大気中の温室効果ガス濃度を安定させるという国際的な目標と合致している グローバルなエネルギー利用に関するシナリオのほとんどは 気候変動を緩和するための具体的な行動が不在の中 今世紀を通じて CO2 の排出量が大幅に増加していくことを想定している また一次エネルギーの供給についても 少なくとも今世紀半ばまでは化石燃料が大部分を占め続けることを示唆している 大気中の CO2 濃度を安定化させるのに必要な排出量の削減レベルは 将来的な排出レベル ( ベースライン ) と長期的な CO2 濃度に関するターゲットによって決まってくる つまり安定化ターゲットが低いほど そしてベースライン排出量が高いほど 必要な削減量は大きくなる IPCC の第 3 次評価報告書 (TAR) によれば 検討されるシナリオ次第では CO2CO2 濃度を 450~750ppmv 30 に安定させるには 今世紀中に削減する必要のある CO2 の累積排出量が数百から数千ギガトンにさえ達する可能性がある TAR はまた 大部分のモデル結果は 既知の技術オプション 31 を活用することによって様々なレベルで大気中の CO2 濃度を安定化さ 29 本報告書では EOR は CO2 を利用した増進石油回収法の意味である 30 ppmv は 容積比 100 万分の 1 を表す 31 既知の技術オプション とは IPCC の第 3 次評価報告書で議論されている緩和シナリオの中で言及されているような 現時点で営業運転あるいはパイロット プラント段階にある技術のことである 著しい技術的躍進が今後必要となるような新しい技術は含まれない シナリオ期間の長さを考えると 保守的な見積もりを 29

121 せることが可能であることを示唆しているが 必要な削減すべてを単独で実現できる技術は存在しない と述べている したがって安定化の実現には 複数の緩和手段を組み合わせることが必要となろう これらの既知の技術オプションは安定化に向けて利用することが可能だが 導入にあたっては 関連した社会経済および制度の変化が必要となる と TAR は警告している Table TS.1. Current maturity of CCS system components. An X indicates the highest level of maturity for each component. There are also less mature technologies for most components. a Research phase means that the basic science is understood, but the technology is currently in the stage of conceptual design or testing at the laboratory or bench scale, and has not been demonstrated in a pilot plant. b Demonstration phase means that the technology has been built and operated at the scale of a pilot plant, but further development is required before the technology is required before the technology is ready for the design and construction of a full-scale system. C Economically feasible under specific conditions means that the technology is well understood and used in selected commercial applications, for instance if there is a favourable tax regime or a niche market, or processing on in the order of 0.1 MtCO2 yr-1, with few (less than 5) replications of the technology. d Mature market means that the technology is now in operation with multiple replications of the technology worldwide. 提示していると考えることができる 30

122 e CO2 injection for EOR is a mature market technology, but when used for CO2 storage, it is only economically feasible under specific conditions. f ECBM is the use of CO2 to enhance the recovery of the methane present in unminable coal beds through the preferential adsorption of CO2 on coal. Unminable coal beds are unlikely to ever be mined, because they are too deep or too thin. If subsequently mined, the stored CO2 would be released. この文脈においては 温室効果ガス排出量を削減するためのポートフォリオの一部として CCS が利用可能になれば 安定化目標の達成が容易になるであろう 過去における IPCC 評価の中で詳細に検証された他の技術オプションとしては (1) エネルギーを変換または利用する装置の効率を向上させることによるエネルギー需要の削減 (2) エネルギー供給の脱炭素化 ( 炭素集約度の低い燃料への切り替え ( 例 : 石炭から天然ガスへ ) や 再生可能エネルギー資源または原子力エネルギー利用の増加 )( いずれも差し引きでの CO2 排出量はごく僅かかゼロである ) (3) 生物的固定による自然吸収の強化を通じた CO2 の隔離 (4)CO2 以外の温室効果ガスの削減 などがある 本報告書の後半部に記載したモデル結果は CCS を他の手段と組み合わせて活用することにより 安定化を実現するためのコストが大幅に低下し 排出量の削減を実現する際の柔軟性が高まることを示している この技術に対する関心が高まっている理由は 今日 世界全体で化石燃料への依存度が非常に高くなっていること ( 世界のエネルギー利用の約 80%) CCS が次世紀を通じて CO2 排出量を削減できる可能性を秘めていること CCS システムと現在のエネルギー インフラは共存が可能なこと などである この評価に関する主な問題点 CCS が気候変動の緩和に果たす役割を理解しようとするにあたっては 多数の問題点を解決する必要がある 本テクニカル サマリーの各セクションで解決を試みようとしている問いは以下のとおりである CCS 技術の現況は? CO2 の回収および貯留の潜在性は? 導入コストは? 有意性のある気候変動緩和を達成するには どのくらいの期間 CO2 を貯留するべきか? CCS が健康 安全 環境に及ぼすリスクは? CCS に対する一般の認知度についてどういうことが言えるか? CO2 貯留の導入に関する法律上の問題点は? 排出目録や算定にとっての CCS の意味合いは? 31

123 CCS 技術の普及および移転の潜在性は? 気候変動緩和のオプションとして CCS を分析するにあたっては 当該システムによるすべての排出量 特に CO2 排出量を透明性のある方法で特定および評価することが絶対的に重要である したがって CCS を システム 的な観点から見ることの重要性が強調され 正しいシステム境界の選定が適切な分析にとって不可欠である 回収および一部の貯留 利用オプションにおけるエネルギーの必要性や貯留層からの漏出可能性などを考えると CCS チェーン全体を評価することが絶対的に重要である 大気の安定化および長期的に持続可能な発展という両方の観点から CO2 の貯留は 気候変動の緩和に寄与するのに十分な期間にわたるものでなければならない 本報告書では CO2 の貯留期間を 保持率 を使って表現する 保持率は 注入された CO2 の累計量のうち 一定期間にわたって貯留層に保持される部分の割合として定義される 期間や貯留オプションごとの保持率の見積もりについては後ほど記述する 問題となるのは どれくらいの期間 CO2 が保持されるのかということだけではなく 緩慢で持続的な漏出 32の受け入れ可能な量とはどれくらいなのか ということである この問題に対するいくつかのアプローチについては セクション8で議論する 回収に適した大きな CO2 発生源が存在し 貯留サイトに近く 石油やガス事業の経験を持ち 炭素制約環境の中で発展するという野心を満足させる必要のある国にとって CCS は選択肢の 1つとなろう IPCC 特別報告書 技術移転の手法上及び技術上の問題点 の中で評価の対象となっている資料によれば 発展途上国での普及を妨げる潜在的な障壁が 先進国では成熟している技術に関してさえ多く存在している これらの障壁を解消し 発展途上国への技術の普及を促すような条件を整えることが 世界中での CCS の導入にとって大きな課題となろう 2. 二酸化炭素の発生源 セクション 2では 人間活動による現在の主な CO2 排出源と潜在的な貯留サイトの間の関係について説明する 既に指摘したように 人間活動による CO2 排出源は非常に多岐にわたっている 主な排出源は 電力生産 輸送 工業プロセス 住居および商業用ビルディングなどにおける化石燃料の燃焼である またセメント製造や水素生産といった一部の工業プロセスおよびバイオマスの燃焼中にも CO2 は排出される 将来的な排出についても このセクションで議 32 CO2 の貯留に関して言えば 漏出は 注入された流体の貯留場所からの排出と定義される これが 本サマリーで使われる最も一般的な意味である 二酸化炭素の排出量削減取引という文脈の中で使われる場合は プロジェクト境界の外側で発生する 人間活動による排出量あるいは吸収源による除去量の変化を表す場合がある 32

124 論する 現在の CO 2 発生源および特徴 CO2 排出量をグローバルに削減するためのオプションとしての CCS の潜在性を評価するために 大規模な定置型 CO2 排出源とその潜在的な貯留サイトまでの距離に関する現時点でのグローバルな地理的関係について検証した この分析では 住宅部門 商業部門 輸送部門での排出は考慮に入れていない これらの排出源はそれぞれ小規模かつ移動することが多いため 回収および貯留には適していないためである この議論には 将来のグローバルなエネルギー利用と次世紀における排出量に関するいくつかのシナリオをベースとした将来における潜在的な CO2 発生源の分析も含まれている 2000 年に化石燃料の利用によって生じた CO2 排出量の世界全体における合計は 約 23.5GtCO2yr- 1 (6GtCyr- 1 ) であった このうちの 60% 近くが 大規模な (0.1MtCO2yr- 1 以上 ) 定置型発生源によるものであった (Figure TS.2 を参照 ) だがこれらのすべての発生源で CO2 の回収が可能なわけではない 評価の対象となった発生源は世界全体に分散しているが データベースは顕著な発生群を 4つ示している すなわち 北米 ( 米国中西部および東部 ) 欧州 ( 北西地域 ) 東アジア ( 中国東岸 ) 南アジア ( インド亜大陸 ) である これとは対照的に 大規模なバイオマス資源は数が非常に少なく グローバルな分散度も低い 現在 大規模な排出源の大部分では CO2 濃度が 15% に達していない ( 場合によってはかなり下回っている ) だが化石燃料をベースとした工業部門の中には CO2 濃度が 95% を越えているところがわずかながら存在する (2% 未満 ) 高濃度の排出源は CCS の早期導入に関する潜在的な候補である 回収段階では 乾燥と圧縮だけが必要となるためである これらの高純度発生源のうち 50 キロメートル以内に貯留層が存在し 収益を生む (ECBM あるいは EOR を通じた増進炭化水素生産における CO2 の利用 ) 可能性のあるものを分析した結果 これらの発生源からの排出量が現在年間約 360MtCO2 であることが明らかになった バイオエタノール生産といった一部のバイオマス資源も 同じような形での活用が可能な高濃度の CO2 発生源である 排出場所と貯留サイトの間の距離は CCS が CO2 排出量の削減に重要な役割を演じることができるかどうかの重要な鍵を握る可能性がある Figure TS.2a は主な CO2 排出源を描き ( 点で表示 ) Figure TS.2b は地中貯留サイトとしての見込みがある堆積盆地を示している ( 濃淡で表示 ) 大まかに言えば 主な発生源と見込みのある堆積盆地の間には潜在的に良好な相関関係が存在し 発生源の多くが地中貯留の潜在性を秘めたエリアの真上または適度に離れた場所 33

125 (300 キロメートル以内 ) に位置していることが これらの図からわかる Figure TS.2b に示 された盆地は 適切な貯留層として特定あるいは評価されているわけではない これらの潜在 的な貯留サイトの適切性を確認するには 地域レベルでのより詳細な地理分析が必要である Table TS.2. Profile by process or industrial activity of worldwide large stationary CO2 sources with emissions of more than 0.1 MtCO2 per year. Figure TS.2a. Global distribution of large stationary sources of CO2 (based on a compilation of publicly available information on global emission sources, IEA GHG 2002) 34

126 Figure TS.2b. Prospective areas in sedimentary basins where suitable saline formations, oil or gas fi elds, or coal beds may be found. Locations for storage in coal beds are only partly included. Prospectivity is a qualitative assessment of the likelihood that a suitable storage location is present in a given area based on the available information. This fi gure should be taken as a guide only, because it is based on partial data, the quality of which may vary from region to region, and which may change over time and with new information (Courtesy of Geoscience Australia). 将来の排出源 排出シナリオに関する IPCC 特別報告書 (SRES) では 将来の CO2 排出量が 6 つの実例的なシナリオに基づいて予測されており 世界全体での CO2 の年間排出量は 2020 年が 29~ 44GtCO2(8~12GtC) に 2050 年が 23~84GtCO2(6~23GtC) のレンジになると記述されている 発電部門および工業部門による CO2 排出源の数は 主に南アジアと東アジアで 2050 年まで著しく増加すると予測されている 一方 欧州におけるそれらの排出源の数はわずかながら減少する可能性がある 発生源における CO2 含有量の高低分布は プラントの規模と 化石燃料のガス化や液化による水素あるいはその他の液状 ガス状製品の生産工程を導入している比率によって決まる これらのプラントの数が多いほど CO2 濃度が高く技術的に回収に適した発生源の数が増加する 上記の排出レンジに関連した CO2 回収の潜在性見通しは 2020 年までが年間 2.6~4.9GtCO2 (0.7~1.3GtC) 2050 年までが年間 4.7~37.5GtCO2(1.3~10GtC) である これらの数字はそれぞれ 2020 年および 2050 年における世界全体の CO2 排出量の 9%~12% および 21%~ 45% に相当する この排出および回収のレンジには シナリオやモデリング分析に固有の不確実性と CCS を適用する技術的な限界などが反映されている これらのシナリオでは 化石燃料からの CO2 回収だけを考慮に入れており バイオマス資源からの CO2 回収は考慮されていない だが大規模なバイオマス変換施設からの排出も 技術的には回収に適している可能性がある 低炭素エネルギー キャリアの潜在的な開発は 将来における高濃度の大規模定置型 CO2 発生源の数および規模にとって重要である シナリオはまた 電気や水力といった低炭素エネルギー キャリアの大規模な生産が 数十年以内には 住宅や商業用ビルディングおよび輸送部門などの小規模で分散化された発生源で現在使われている化石燃料に取って代わる可能性があることを示している これらのエネルギー キャリアは 大規模な CO2 発生源となるような大型プラント ( 発電プラントや天然ガスから水素を生産している現在のプラントなど ) で 化 35

127 石燃料やバイオマスから生産することが可能である これらの発生源は CO2 の回収に適したものとなろう CCS をこのように利用することによって 輸送部門や分散化されたエネルギー供給システムからの分散的な CO2 排出量を削減することができる だが現時点では そのような展開が実現する可能性の高い発生源の数 規模 地理的分布などを予想するのは難しい 3. 二酸化炭素の回収 セクション 3 では CCS の回収技術について検証する セクション 2 で示したように 発電 プラントや他の大型工業プロセスが回収の主な候補であり このセクションにおける主要な焦 点である 回収技術の選択肢および適用 CO2 を回収する目的は 高圧で濃縮された CO2 ストリームを製造し 貯留サイトへの輸送を容易にすることである 原則的には CO2 濃度の低いガス ストリーム全体を輸送して地下に注入することも可能だが エネルギー コストや他の関連コストが高いため このアプローチは一般的に非現実的である したがって輸送および貯留に適したほとんど純粋な CO2 ストリームを製造することが必要である 大型の工業プラントにおける CO2 の分離は 天然ガス処理プラントやアンモニア生産施設などで既に導入されている 現時点における CO2 の除去は 他の工業ガス ストリームを浄化することが一般的な目的である 貯留を目的として除去が活用されているケースはわずかなものにすぎない ほとんどの場合 CO2が大気中に排出されている 回収プロセスは 石炭や天然ガスの燃焼によって生じる排ガスの中から商業的に使える量の CO2 を取り出す場合にも活用されている だがこれまでに 大型 (500MW 級など ) の発電プラントで CO2 の回収が適用されたことはない プロセスや発電プラントでの適用形態の違いによって 一次化石燃料 ( 石炭 天然ガス 石 油 ) バイオマス これらの燃料を混合したものなどから生じる CO2 を回収するための主要な アプローチを 3 つに分けることができる 後燃焼システムでは 一次燃料の燃焼によって生じた排ガスから CO2 を分離する このシステムでは通常 液体溶剤を使い 窒素を主な構成要素とする排ガス ストリームの一部分 ( 一般的に容積比で 3%~15%) である CO2 を回収する ( 空気から ) 近代的な微粉炭 (PC) 発電プラントや天然ガス コンバインド サイクル (NGCC) 発電プラントで現在の後燃焼回収システムを適用する場合 モノエタノールアミン (MEA) といった有機溶剤を利用するのが一般 36

128 的である 前燃焼システムでは 蒸気と空気あるいは酸素を使って炉の中で一次燃料を処理することにより 主に一酸化炭素と水素で構成される混合物 ( 合成ガス ) を製造する 2つめの炉 ( シフト炉 ) で一酸化炭素と蒸気を反応させることにより さらに水素と CO2 が生産される 生成された水素と CO2 の混合物はその後 CO2 ガス ストリームと水素ストリームに分離することが可能である この CO2 を貯留すれば 水素が炭素フリーのエネルギー キャリアとなり それを燃焼させることによって電力や熱を生産することができる 最初の燃料変換ステップは複雑で 後燃焼システムに比べてコストもかかるが シフト炉で生産される高濃度の CO2( 一般的には乾燥ベースの容積比で 15%~60%) およびこれらのプロセスでしばしば直面する高い圧力は CO2 の分離にとって有利である 前燃焼は ガス化複合発電 (IGCC) 技術を採用する発電プラントで利用されよう oxyfuel 燃焼システムでは 空気の代わりに酸素を使って一次燃料を燃焼させることにより 主に水蒸気と CO2 で構成される排ガスを生産する これによって CO2 濃度の高い ( 容積比で 80% 以上 ) 排ガスが生成される その後 ガス ストリームを冷却および圧縮することによって水蒸気を除去する oxyfuel 燃焼には 空気から酸素を上流で分離することが必要であり 現在の大部分の設計では純度 95%~99% の酸素が想定されている CO2 を貯留サイトに送り出す前に 排ガスをさらに処理して大気汚染物質や非凝結ガス ( 窒素など ) を除去しなければならない場合もある oxyfuel 燃焼システムは ボイラー内で CO2 を回収する方法として実証実験の段階にある (Table TS.1 を参照 ) ガス タービン システムでの oxyfuel システムの利用についても研究されているが その概念設計はまだ調査段階にある Figure TS.3 は 主な回収プロセスおよびシステムの概略を示している すべてに共通しているのは 大量のガス ストリーム ( 排ガス 合成ガス 空気 原料ガスなど ) から CO2 H2 O2 などを分離する過程が含まれていることである これらの分離過程は 物理的あるいは化学的な溶剤 皮膜 固形吸着剤の活用や 低温分離などによって実現される 具体的な回収技術の選択は 回収を実行する実際のプロセス条件によってほとんど決定する 現在の後燃焼および前燃焼システムでは 発生する CO2 の 85%~95% を回収することが可能である 回収効率をさらに高めることも可能であるが 分離装置は大型化し エネルギー集約度とコストも上昇する 回収および圧縮を行う場合 システムのタイプによって異なるが 回収システムの付いていない同等のプラントに比べて約 10%~40% 多くのエネルギーを必要とする 付随する CO2 の排出に起因して CO2CO2 の純回収量は約 80%~90% となる oxyfuel 燃焼システムでは 原則的に 発生する CO2 のほとんどすべてを回収することができる だが硫黄や窒素酸化物といった汚染物質を除去するための追加的なガス処理システムが必要なため 回収される CO2 は 90% へとわずかながら減少する 37

129 Figure TS.3. Overview of CO2 capture processes and systems. セクション 1 で述べたように CO2 の回収は いくつかの工業プロセスで既に活用されている 前燃焼による回収で使われるのと同じ技術が 大規模な水素生産プロセスに採用されている ( 主にアンモニアや肥料の製造 石油精製事業で活用されている ) 原料天然ガス ( 通常は大量の CO2 を含んでいる ) からの CO2 の分離も 後燃焼による回収で使われるのと類似した技術を使って大規模に実施されている 大規模な酸素分離システムの商業利用も可能であるが oxyfuel 燃焼による CO2 回収は 現在実証実験段階にある またすべてのタイプの回収システムについて システム統合の高度化 効率の向上 コストの削減などを実現するための研究が行われている CO 2 の回収 : リスク エネルギー 環境 CO2 回収システムのモニタリング リスク 法的な意味合いなどは 基本的に新しい課題を提示しているようには思われない それらは 健康 安全 環境統制などに関する業界の通常の慣行の中に含まれるためである だが CO2 回収システムを運用するには 大量のエネルギーが必要である これによりプラントの純効率が低下するため 発電プラントでは 1 キロワット時の電力を生産するのに必要な燃料が増加する 文献を再調査した結果 現時点で最良の技術を使って 90% の CO2 を回収する発電プラントにおける 1kWh あたりの燃料消費量は CCS のない同等のプラントに比べて 新型の超臨界 PC プラントで 24%~40% NGCC プラントで 11%~22% 石炭ベースの IGCC プラントで 14%~25% それぞれ増加する 燃料需要の増加は CO2 回収システムのない最新型プラントに比べて大量の環境排出物を生み出すことになり 38

130 石炭発電プラントの場合には固形廃棄物の量が比例的に増加する また窒素酸化物や二酸化硫黄の排出抑制のために PC プラントで使われるアンモニアや石灰石といった化学物質の消費量も増加する 先進的なプラント設計によって CCS のためのエネルギー需要が減少すれば コストだけではなく 全体的な環境への影響も少なくなる 旧型の既存プラントの多くと比べて CCS が採用される高効率の新型プラントあるいは改築プラントでは プラントレベルでの環境廃棄物が実際には純減するものと思われる CO 2 回収のコスト 大型プラントでの CO2 回収コストの見積もりは 現在商業利用されている技術に関する工学的設計研究 ( 文献での想定とは異なる応用例が多く 規模も小さいが ) と 現在研究開発 (R&D) 段階にあるコンセプトに関する設計研究に基づいている Table TS.3 は 現在の技術をベースとした新型の超臨界 PC NGCC IGCC プラントについての結果を CO2 回収システムの有無別にまとめたものである 回収に必要なエネルギーを考慮に入れても 3つの設計すべてについて 1kWh あたりの CO2 排出量は回収システムによって約 80%~90% 削減される Table TS.3 における PC プラントおよび IGCC プラントについてのデータはすべて 瀝青炭だけを対象としたものである 回収コストには CO2 を圧縮 ( 通常は約 11~14MPa に ) するためのコストも含まれているが CO2 の輸送および貯留のための追加的なコストは含まれていない 3つのシステムそれぞれについてコストに幅が生じているのは 採用される前提条件 ( 技術 経済 運営 ) が研究ごとに異なるためである コスト差の一部は CO2 回収システムの設計の違いに原因を求めることができるが 多くの部分は 当該回収技術が適用される参考プラントにおいて想定される設計 運営 資金調達 ( プラント規模 場所 効率 燃料タイプ 燃料コスト 利用率 資本コストといった要因 ) などの違いに起因している すべての状況や世界のすべての地域に適用可能な前提条件の組み合わせは存在しないため コストに幅が生じるのは当然である Table TS.3 にリストアップした研究の場合 CO2 の回収によって電力生産コスト 33 が NGCC プラントについては 35%~70%(0.01~0.02 米ドル /kwh) 超臨界 PC プラントについては 40%~85%(0.02~0.03 米ドル /kwh) IGCC プラントについては 20%~55%(0.01~0.02 米ドル /kwh) それぞれ増加する 全体としてみれば 回収を行う化石燃料プラントの電力生産コストは 0.04~0.09 米ドル /kwh となり (CO2 の輸送コストおよび貯留コストは含まない ) 回収を行わない同等のプラントにおける 0.03~0.06 米ドル /kwh を上回る これまでの研究では 33 電力生産コストと電力販売価格を混同してはならない 39

131 利用率が高く (75% 以上 ) プラント存続期間中の天然ガス価格が 2.6~4.4 米ドル GJ -1 で推移した場合 大型のベースロード プラントについては NGCC システムによる電力生産コストが 新型 PC プラントおよび IPCC プラント ( 回収の有無を問わず ) による電力生産コストを下回ることが一般的に明らかになっている だがガス価格が上昇したり 利用率が低下した場合には NGCC プラントによる電力生産コストが 回収の有無を問わず石炭ベース プラントによる電力生産コストを上回ることがしばしばある また最近の研究では IGCC プラントによる電力生産コストが 回収を行わない場合には同規模の PC プラントによる電力生産コストを平均ではわずかながら上回り 回収を行う場合にはわずかながら下回ることも明らかになった だが PC プラントと IGCC プラントの間のコストの差は CO2 回収の有無にかかわらず 石炭のタイプやその他のローカル要因 ( 各プラント タイプごとの資本コストなど ) によって大きく変動する可能性がある CCS を備えた NGCC PC IGCC の各システムがフル スケールで建設されたことはまだないため これらのシステムの絶対的コストあるいは相対的コストを現時点で確信を持って記述することはできない 既存の発電プラントを改良して CO2 回収システムを取り付けるコストについての詳細な研究は行われていない 数少ないレポートが示唆するところによれば 既存プラントにアミン スクラバーを取り付けることにより Table TS.3 に示されている数字よりも効率性が大幅に低下し コストは上昇する やはり数少ない研究によれば より費用効果の高い選択肢は 回収システムの取り付けと ボイラーやタービンの付け替えを組み合わせることにより プラントの効率と生産量を引き上げることである 一部の既存プラントについては CO2 回収技術を備えた IGCC システムでリパワリングすることにより 同じようなメリットが得られることも研究によって明らかにされている これらのすべての選択肢の実行可能性およびコストは プラントの規模 年数 効率 追加的なスペースの利用可能性などといったサイト固有の要因に大きく左右される Table TS.3. Summary of CO2 capture costs for new power plants based on current technology. Because these costs do not include the costs (or credits) for CO2 transport and storage, this table should not be used to assess or compare total plant costs for different systems with capture. The full costs of CCS plants are reported in Section 8. 40

132 Abbreviations: Representative value is based on the average of the values in the different studies. COE=cost of electricity production; LHV=lower heating value. See Section for calculation of energy requirement for capture plants. Notes: Ranges and representative values are based on data from Special Report Tables 3.7, 3.9 and All PC and IGCC data are for bituminous coals only at costs of US$ GJ-1 (LHV); all PC plants are supercritical units. NGCC data based on natural gas prices of US$ GJ-1 (LHV basis). Cost are stated in constant US$2002. Power plant sizes range from approximately MW without capture and MW with capture. Capacity factors vary from 65-85% for coal plants and 50-95% for gas plants (average for each=80%). Fixed charge factors vary from 11-16%. All costs include CO2 compression but not additional CO2 transport and storage costs. Table TS.4 は 水素製造における CO2 回収コストを説明したものである ここでは 水素製造プロセスの一部として CO2 の分離が既に実施されているため CO2 回収コストの主な要因は CO2 の回収と圧縮である CO2 の回収を実施することにより 水素製造コストは約 5%~30% 上昇する CCS は バイオマスによる燃料や原料を単独あるいは化石燃料との組み合わせで利用しているシステムにも適用することができる 数は少ないものの そのようなシステムにおける回収 輸送 貯留を合わせたコストについても研究されている 24MW 級のバイオマス IGCC プラントで 0.19MtCOyr- 1 を回収した場合の純回収量に対するコストは約 80 米ドル /tco2(300 米ドル /tc) と見積もられ これは電力生産コストの約 0.08 米ドル /kwh の上昇に相当する 化石燃料を使ったその他の工業プロセスでの CO2 回収についてはほとんど研究されておらず 回収 41

133 あるいは回避された二酸化炭素 1 トンあたりのコストとして回収コストが報告されているのにすぎないのが一般的である 全般的に 発生する CO2 の圧力および濃度は プロセスによって大きく異なる その結果 純回収量に対する回収コストは プロセス ( セメントおよび鉄鋼プラント 製油所 ) によって約 25~115 米ドル /tco2 と大きく異なる 純度が比較的高い CO2 ストリームが発生するようなプロセス ( 天然ガス処理 水素製造 アンモニア製造など ) においては 回収の単位コストが低くなるのが一般的であり 表 TS.4 に示した水素プラントでは純回収量に対するコストが 2~56 米ドル /tco2 のレンジとなる CO2 回収の新しい方法や改良された方法を先進的な発電システムおよび工業プロセス設計と組み合わせることにより CO2 の回収コストとエネルギー需要の削減が可能になる 最初の商業プラントのコストはしばしば当初のコスト見積もりを上回るが 後発プラントのコストは 学習効果などの要因によって低下するのが一般的である 将来におけるコスト低下の幅や時期についてはかなり不透明であるが 文献資料は 研究開発努力が継続されれば 商業用技術の改善によって現在の CO2 回収コストは今後約 10 年の間に少なくとも 20%~30% は低下する可能性があり 開発中の新しい技術が実用化されれば 更なるコスト削減の達成も可能であることを示唆している 将来のコスト削減は 市場における商業用技術の普及および採用と 持続的な研究開発にかかっている Table TS.4. Summary of CO2 capture costs for new hydrogen plants based on current technology Notes: Ranges and representative values are based on data from Table All costs in this table are for capture only and do not include the costs of CO2 transport and storage. Costs are in constant US$2002. Hydrogen plant feedstocks are natural gas ( US$ GJ-1) or coal ( US$ GJ-1); some plants in dataset produce electricity in addition to hydrogen. Fixed charge factors vary from 13-20%. All costs include CO2 compression but not additional CO2 transport and storage costs (see Section 8 for full CCS costs) 42

134 4. CO 2 の輸送 プラントが地中貯留サイトの真上に位置している場合を除き 回収した CO2 は 回収地点か ら貯留サイトに輸送しなければならない セクション 4 では CO2 輸送に関する原則的な手法 についてレビューし その健康 安全 環境などの側面とコストについて評価する CO 2 輸送の手法 今日ではパイプラインが成熟市場の技術として機能しており CO2 輸送にとって最も一般的な手法となっている ガス状の CO2 を 通常 8MPa 以上の圧力に圧縮することによって二層流状態の回避と CO2 濃度の上昇を実現させ 輸送の容易化と輸送コストの低下を図っている CO2 はまた 船舶 ロードタンカー レールタンカーなどを使って液体として輸送することも可能である CO2 は絶縁タンクの中で外気よりもかなり低い温度にされ 圧力が大幅に下げられた状態で運ばれる 最初の長距離 CO2 パイプラインが運転を開始したのは 1970 年代初頭である 米国では全長 2,500 キロメートル以上のパイプラインによって 年間 40MtCO2 以上が天然あるいは人間活動に起因した CO2 発生源から 主にテキサスにあるサイトに輸送されている そこで CO2 は EOR に利用される これらのパイプラインは デンス フェーズ モードで ( 明確なフェーズ変化がなく気体から液体への変換が継続的に起こっている ) 外気温かつ高圧状態で稼働している これらのパイプラインのほとんどは 上流の末端にあるコンプレッサーを原動力としているが 中間的な ( ブースター ) コンプレッサー ステーションを持つパイプラインもある 状況や場所によっては 船舶による CO2 の輸送が経済的にも魅力が高い 特に CO2 を長距離あるいは海外に輸送しなければならない場合にその傾向が強まる 液化石油ガス (LPG 主にプロパンとブタン ) は 海上タンカーによって大規模な商業ベースで輸送されている CO2 も同じ方法で ( 通常は 0.7MPa の圧力で ) 船舶による大量輸送が可能だが 現時点では需要が限られているために小規模なものにとどまっている 液化 CO2 の特性は LPG の特性と似ており そのようなシステムに対する需要が現実的なものになれば 同じ技術を大型の CO2 キャリアにスケールアップすることが可能である ロードタンカーおよびレールタンカーも 技術的には実行可能な選択肢である これらのシ ステムでは CO2 の温度をマイナス 20 にし 圧力を 2MPa にして輸送する だがこれらは 43

135 非常に小規模な場合を除いてパイプラインや船舶に比べて非経済的であり 大規模な CCS に とって重要性を持つ可能性は低い 環境 安全 リスクなどの側面 パイプライン輸送が認められるための天然ガスについての基準が存在しているように CO2 のパイプライン インフラがさらに発展するにつれ パイプライン品質 を備えた CO2 についての最低基準が定められるはずである 主に EOR での利用という文脈の中で定められてきた現在の基準は 必ずしも CCS で求められている基準と一致するわけではない EOR にとっては硫黄含有量の低さが重要であるが CCS にとってはそれほど重要ではない だが人口の多い地域を通過する CO2 パイプラインについては 硫化硫黄の規定最大含有量を引き下げる必要が生じる可能性がある 人口の多い地域を経由して CO2 をパイプライン輸送するにあたっては ルート選定 過圧防止 漏出検知 その他の設計要因にも注意を払うことが求められる だが CCS 用のパイプライン設計に関する大きな障害は予見されていない 輸送中に CO2 が大気中に漏出する可能性はあるが パイプラインからの漏れ損失は非常に小さい 乾燥 ( 水分ゼロ )CO2 は たとえ酸素 硫化水素 硫黄酸化物 窒素酸化物などの汚染物質が含まれていたとしても パイプラインに一般的に使われている炭素マンガン鋼を腐食しない 一方 水分を含んだ CO2 は腐食性が高いため その場合の CO2 パイプラインは 耐腐食性合金を使って製造するか 内部を合金や持続性のあるポリマー コーティングで被覆加工する必要が生じる パイプラインの中には耐腐食性合金で作られているものもあるが 炭素マンガン鋼に比べて原料コストが数倍高くなっている 船舶の場合 大気中への合計損失は ボイルオフや船舶エンジンからの排気を含めて 1,000 キロメートルあたり 3%~4% である ボイルオフは回収と液化によって少なくすることが可能であり 再回収を行えば 損失は 1,000 キロメートルあたり 1%~2% に低下する 事故が発生する可能性もある ほとんどが人口密度の低い地域にある既存の CO2 パイプラインの場合 1 年間に報告される事故の件数は 1 件未満であり (0.0003/ キロメートル年 ) 死傷者は発生していない これは水素パイプラインにおける経験値に沿うものであり 天然ガスの事故に比べて深刻な影響が生じる可能性は低いものと思われる 海上輸送においては炭化水素ガス タンカーは潜在的に危険であるが 災害に対する認識によって 設計 建設 運航などに関する基準が定められており 深刻な事故は稀である CO 2 輸送のコスト 44

136 CO2 の輸送コストは パイプライン輸送および海上輸送の両方について見積もりが出されている いずれの場合もコストは 輸送する距離と量に大きく左右される パイプラインの場合は オンショアかオフショアか 人口が過密地域かどうか ルート上に山岳地帯 大きな河川 凍結土があるかどうか などに左右される これらの要因によっては単位長さあたりのコストが 2 倍に膨らむ場合もあり 人口の多い地域を通過する場合はそれ以上に膨らむ可能性もある 長いパイプラインに必要となる再圧縮 ( ブースター ポンプ ステーション ) に係る追加的なコストが発生した場合には それも輸送コストに加わる だがそれらのコストは比較的小さく ここに示した見積もりには含まれていない Figure TS.5 は 250 キロメートルという基準距離についてのパイプライン輸送コストを示している 通常は 1~8 米ドル /tco2(4~30 米ドル /tc) である 図はまた CO2 の質量流量がパイプライン コストに及ぼす影響も示している 鉄鋼コストはパイプライン コストの大きな部分を占めているため そのコストが変動した場合には (2003 年から 2005 年にかけて倍増したように ) パイプライン全体の経済性にも影響が生じる Figure TS.5. Transport costs for onshore pipelines and offshore pipelines, in US$ per tco2 per 250 km as a function of the CO2 mass fl ow rate. The graph shows high estimates (dotted lines) and low estimates (solid lines). 船舶輸送の場合は タンカーの積載量や積み降ろしシステムの特徴も 全体的な輸送コスト を決定する重要な要因の一部となる CO2 の圧縮および液化に関連するコストは 既に説明した回収コストに含まれる Figure TS.6 はパイプラインおよび海上の輸送コストを比較したものであり 損益分岐点となる距離を 45

137 示している 海上輸送オプションが利用可能ならば 輸送距離が約 1,000 キロメートルを越え 年間輸送量が数百万トンに満たない場合においては 海上輸送のコストがパイプライン輸送を下回るのが一般的である 海洋貯留の場合 注入手法 ( 定置型浮動体 moving ship 沿岸からのパイプライン ) によって最も適切な輸送システムが決まる Figure TS.6. Costs, plotted as US$/tCO2 transported against distance, for onshore pipelines, offshore pipelines and ship transport. Pipeline costs are given for a mass fl ow of 6 MtCO2 yr-1. Ship costs include intermediate storage facilities, harbour fees, fuel costs, and loading and unloading activities. Costs include also additional costs for liquefaction compared to compression. 5. 地中貯留 ここでは CO2 の地中貯留に関して詳細な検討がなされた 3つのタイプの地中層 すなわち石油およびガスの貯留層 深層岩塩層 採掘不能炭層について検証する いずれのケースにおいても CO2 の地中貯留は 密度の濃い CO2 を 地表よりも下の岩石層に注入することによって実現する 天然ガス 石油 塩水といった流体を含んでいる あるいはかつて含んでいた ( 枯渇した石油およびガスの貯留層など ) 多穴性岩石層が CO2 貯留の潜在的候補である オンショアおよびオフショアいずれの堆積盆地 ( 地殻の中に自然に形成された大規模な陥没で堆積物が溜まっている ) でも 適切な貯留層が形成される可能性がある 石炭が後々採掘される可能性が低く 十分な透過性を持つ炭層も CO2 の貯留に利用することができる CO2 を炭層に貯留し メタン生産を増進するという選択肢は依然として実証実験段階にある 既存の CO 2 貯留プロジェクト CO2 の地中貯留は 3 つの産業規模プロジェクト (1MtCO2yr- 1 以上の規模のプロジェクト ) で進行中である すなわち 北海の Sleipner プロジェクト カナダの Weyburn プロジェクト 46

138 アルジェリアの In Salah プロジェクトである 本来なら大気中に放出されている約 3~ 4MtCO2 が毎年回収され 地中層に貯留されている 追加的なプロジェクトを Table TS.5 にリ ストアップした Table TS.5. Sites where CO2 storage has been done, is currently in progress or is planned, varying from small pilots to large-scale commercial applications. 現在実施中の CCS プロジェクトに加えて 30MtCO2 が 主に米国テキサス州での EOR に毎年注入されている テキサス州では 1970 年代初頭に EOR がスタートした この CO2 の大部分は米国西部で発見された自然の CO2 貯留層から得られたものであり 一部の CO2 は天然ガス処理といった人間活動から生じたものである EOR で注入される CO2 の多くは石油から生じるものであり 石油から分離した後で再注入される 石油回収が終了した後 CO2 は大気中に発散するのではなく 気候変動緩和を目的として保持される これが Weyburn プロジェクトで計画されている 貯留の技術およびメカニズム 深い地中層への CO2 の注入には 石油およびガスの探査 生産業界で開発されてきたのと同じ技術が多く使われる 井戸掘削技術 注入技術 貯留層ダイナミックスのコンピューター シミュレーション 既存の適用事例からのモニタリング手法 などが地中貯留の設計および運転に向けてさらに開発されている 他の地下注入事例も 運転に関する重要な経験をもたらしている 実際には 1990 年以降 カナダおよび米国で 天然ガスの貯蔵 廃水の深層注入 酸性ガス (CO2 と硫化水素の混合物 ) の廃棄などが やはりメガトン規模で実施されてきた 一般的に炭化水素貯留層や深層岩塩層での CO2 貯留は 800 メートルよりも深い場所で行わ 47

139 れることが予想されており そこでは通常 周りの圧力や温度によって CO2 が液状あるいは超臨界状態になる このような条件の下では CO2 密度は水の密度の 50%~80% になる これは一部の重油の密度に近く 結果的に CO2 を上方に引き上げようとする浮力が生じる したがって密閉性のある帽岩で選択された貯留層を覆うことが CO2 を地下に閉じこめておくためには重要である CO2 が地下に注入されると 既に存在している流体 ( インシチュー流体 ) が部分的に追い出され その間隙を圧縮された CO2 が満たすことになる 石油およびガスの貯留層では 注入された CO2 がインシチュー流体に取って代わられることにより 間隙の大部分を CO2 貯留に利用することが可能になる 岩塩層では 潜在的な貯留量の見積もりはもっと少なくなり 岩石量全体の数パーセントという低さから 30% 超までのレンジとなる 貯留層に注入された後の保持率は 物理的および地球化学的なトラッピング メカニズムの組み合わせによって決まる CO2 の上方移動を阻害する物理的なトラッピングは 貯留層の上にある頁岩層と粘土岩層の働きによるものである この不透過層は 帽岩 として知られる また CO2 を地中層の間隙に保持する働きをする毛管力も 物理的なトラッピングとして機能する だが多くの場合 地中層の 1つあるいは複数の側面が開放された状態になっているため 帽岩の下で CO2 が横に移動できてしまう これらのケースでは 注入された CO2 を長期的に閉じこめておくための追加的なメカニズムが重要となる 地球化学的なトラッピングとして知られるメカニズムは CO2 がインシチュー流体や母岩と反応した時に発生する まず CO2 がインシチュー水分の中に溶解する この現象が起きると ( 数百年から数千年というタイムスケールで ) CO2 を含む水は密度が濃くなるため 貯留層の下部に沈む ( 地表に上昇するのではなく ) 次に 溶解した CO2 と岩鉱物の間の化学的な反応によってイオン種が形成され 注入された CO2 の一部が数百万年かけて固形の炭酸塩鉱物に変換していく また CO2 がメタンなどのガスに代わって石炭や有機物に富む頁岩に優先的に吸収されるのも 別のタイプのトラッピングである これらのケースでは 圧力や温度が安定している限り CO2 は閉じこめられたままとなる これらのプロセスは 炭化水素貯留層や岩塩層での CO2 貯留よりも浅い場所で起こるのが一般的である 貯留サイトの地理的分布と能力 セクション 2 で既に示したように CO2 貯留に潜在的に適した堆積盆地は世界中に存在し オンショアとオフショアの両方にある 本報告書では石油およびガス貯留層 深層岩塩層 採 掘不能炭層に焦点を当てる それ以外の可能性のある地中層や構造 ( 玄武岩 オイルシェール 48

140 ガスシェール 岩塩ドーム 廃鉱など ) はニッチな機会に相当し その潜在性を評価するのに 十分な研究が今回は行われなかった 様々な地中貯留オプションの技術的潜在性 34についての見積もりを Table TS.6 にまとめた 見積もりおよび確信度は 地域的ボトムアップとグローバル トップダウンのいずれについても 文献による評価に基づくものである 能力評価について確率論的なアプローチをしている文献はないが 不確実性のレベルを信頼性の高い方法で定量化するには確率論的なアプローチが必要である 全体的な見積もり 特に潜在性の上限に関する見積もりが非常に幅を持ち 不確実性が高くなっているのは 文献の中の手法が互いに相反していることや 岩塩層に関する我々の知識が世界のほとんどの地域において非常に限定的であるという事実が反映されているためである 石油およびガス貯留層については 炭化水素の量を CO2 の量と置き換えることにより より信頼度の高い見積もりが実現している 留意するべきことは EOR を除けば 炭化水素が枯渇するまでこれらの貯留層を CO2 貯留に利用することができないことと 貯留層における炭化水素生産に起因した圧力の変化やジオメカニカルな効果によって実際の能力が低下する可能性があるということである Table TS.6. Storage capacity for several geological storage options. The storage capacity includes storage options that are not economical. a These numbers would increase by 25% if undiscovered oil and gas fields were included in this assessment だが貯留潜在性を評価するもう 1つの方法は それが CCS を使って回避する必要のある CO2 の量に対して十分なものである可能性が高いかどうかを 温室効果ガスの安定化シナリオと他の緩和オプションの普及に関する前提を様々に変化させて検討することである セクション8で後ほど議論するように 次世紀における CCS の経済的潜在性 35の見積もりは 約 200~ 2,000GtCO2 のレンジとなる 表 TS.6 における下限は 世界全体での地中貯留能力が 200GtCO2 存在することがほぼ確実 36であり 約 2,000GtCO2 以上の能力が存在する可能性が高い 37 ことを 34 技術的潜在性とは 既に実証実験が行われている技術や慣行を導入することによって削減できる可能性のある温室効果ガス排出量を意味している 35 経済的潜在性とは 一般的な環境 (CO2 削減の価格や他のオプションのコストなどの状況 ) において特定のオプションを選択することによって費用効率を維持しながら達成することが可能な温室効果ガスの削減量を意味している 36 ほぼ確実 とは 確率が 99% 以上であることを示している ほぼ確実 とは 確率が 99% 以上であるこ 49

141 示唆している 石油およびガス貯留層 天然ガス貯蔵サイト 廃水処理サイトなどのために開発された手法は CO2 の地中貯留サイトの特性を記述するのに適している 具体的には 地震波イメージング 貯留層と密閉度を評価するための揚水試験 cement integrity logs などが挙げられる 地下における CO2 の動きをモデル化したコンピューター プログラムも サイトの特徴記述や選定作業の支援ツールとして使われている これらのプログラムは元々 石油およびガス貯留層のエンジニアリングや地下水資源の調査などでの利用を前提に開発されたものである これらのプログラムには CO2 貯留に関する短期および長期のパフォーマンスを予測するのに必要な物理的プロセス 化学的プロセス ジオメカニカルなプロセスが含まれているが CO2 貯留の長期パフォーマンスに関する予測信頼性を確立するには更なる経験が必要である またモデルの信頼性を高めるには 優れたサイト特性データが不可欠である リスク評価と環境への影響 地中貯留層での CO2 貯留からの漏出に起因したリスクは グローバル リスクとローカル リスクという 2つに大きく分類できる グローバル リスクとしては CO2 の一部が貯留層から大気中に漏出した場合に気候変動に大きく寄与してしまう可能性のある CO2 の放出がある また CO2 が貯留層から漏出した場合には 人間 生態系 地下水などにとって地域的な危険が生じる可能性がある これらはローカル リスクである グローバル リスクに関して言えば 現在の CO2 貯留サイト 自然システム エンジニアリング システム モデルなどを観察および分析した結果は 適切な選定および管理がなされている貯留層における保持率が 100 年間で 99% を越える可能性が非常に高く 年間でも 99% を越える可能性が高いことを示している さらに長い期間においても同じような保持率となる可能性が高い 他のメカニズムが追加的なトラッピング機能を発揮するため 時間が経過するにつれて漏出のリスクが低下することが期待されるためである 非永久的な貯留が気候変動緩和にとって貴重なものとなるのに これらの保持率で十分かどうかについては セクション8で議論する ローカル リスクに関して言えば 漏出が発生するシナリオには 2 つのタイプがある 1 つ は 注入井の故障や廃井からの漏出に起因した突然かつ急激な CO2 の放出である このタイプ の放出は 井戸の暴噴を抑止するために現在使われている手法を活用することによって迅速に とを示している 37 可能性が高い とは 確率が 66%~90% であることを示している 38 可能性が非常に高い というのは 確率が 90%~99% であることを示している 50

142 検知および阻止できる可能性が高い このタイプの放出に関連した災害の主な被害者は 発生時に現場近くにいる作業員や 暴噴を抑止するために呼ばれた技術者たちである 7%~10% を越える CO2 濃度は 人間の生命や健康にとって直接的な脅威である これらの種類の放出を抑え込むには数時間から数日を要し 放出される CO2 の全体的な量は注入量全体に比べて非常に小さい可能性が高い 石油およびガス業界では 定期的にエンジニアリングおよび管理的統制を活用することによって これらのタイプの災害を効果的に抑制している 2つめのシナリオでは 検知されない故障や破砕 穴の空いた井戸などから漏出が発生し 地表への放出はより緩慢で拡散的なものとなる この場合 被害を受けるのは主に飲料水の帯水層と生態系であり CO2 が地表と地下水面の間の層に累積する 地下水への影響は 帯水層への CO2 の直接的な漏出と 注入プロセスによって CO2 と入れ替わった塩水の帯水層への流入という両方の理由が考えられる このシナリオでは 土壌の酸性化や土壌中の酸素の置換などが発生する可能性もある また大気中への漏出が 風のほとんどない低地や これらの拡散的な漏出個所の上に横たわる水だめや基礎部分で発生した場合 漏出が検知されないと人間や動物に害が及ぶことになる 貯留場所がオンショアの場合よりオフショアの場合の方が 人間への影響は少なくなる 漏出経路は いくつかの手法を使ったり貯留層の特性を明らかにすることによって 特定することが可能である Figure TS.8 は 岩塩層に関する潜在的な漏出経路の一部を示すものである 潜在的な漏出経路がわかれば モニタリングや矯正戦略を適用することによって 潜在的な漏出に対処することができる 貯留システムの注意深い設計および場所選定や 漏出を早期に検知する (CO2 が地表に到達するかなり前に検知することが望ましい ) ための手段は 拡散的な漏出に関連した災害を減らすための効果的な方法である 現在利用可能なモニタリング手段は有望であるが 検知レベルと分析能力を確立するには更なる経験が必要である 漏出が検知された場合には それを阻止あるいは抑制するための矯正手法がいくつか存在している 漏出のタイプによって 標準的な井修理テクニックを活用したり 浅い地下帯水層への漏出を阻止するために CO2 を抽出したりする (Figure TS.8 を参照 ) 土壌や地下水から CO2 を除去するための手法も利用可能だが それらはコストが高くなる可能性が高い CO2 貯留での利用に関するこれらの手法の有効性を実証したり コストを確かめたりするには経験が必要となろう 51

143 Figure TS.8. Potential leakage routes and remediation techniques for CO2 injected into saline formations. The remediation technique would depend on the potential leakage routes identifi ed in a reservoir (Courtesy CO2CRC). モニタリングおよび確認 モニタリングは 地中貯留プロジェクトに関するリスク管理戦略全体にとって非常に重要な部分である 標準的な手順やプロトコルはまだ確立していないが 技術が向上するにつれ ローカル リスクや規制次第ではそれらの進展が期待される 注入率や注入井圧といったいくつかのパラメーターは 日常的に測定されることが予想される 繰り返しの地震調査が 地下における CO2 の移動を追跡するのに有効であることが示されている 重力や電気の測定といった新しい手法も役に立つ可能性がある 地下水や 地表と地下水面の間の土壌などをサンプリングすることも CO2 の漏出を直接検知するのに役立つ可能性がある アラーム付きの CO2 センサーを注入井に据え付けることによって 作業員の安全を確保し 漏出を検知することができる 地表ベースの手法を使って 地表での放出を検知および定量化することもできる 質の高いベースライン データは 測定の信頼性と分析能力の向上に寄与し わずかな漏出率を検知するのに不可欠である これらのモニタリング手法はすべて他の用途から転用されたものであるため 地中貯留という文脈における信頼性 分析能力 感度などをテストおよび評価する必要がある 既存の産業規模プロジェクトやパイロット プロジェクトにはすべて これらのよ 52

144 うなモニタリング手法を開発およびテストするためのプログラムが組み込まれている また排出量の報告や UNFCCC におけるモニタリング要件などの文脈においては 地下に貯留されている CO2 の量をモニタリングするための手段も必要となろう CO2 貯留の長期的な性質を考えれば 非常に長期間にわたるサイト モニタリングが必要となる可能性がある 法的な問題 現時点でオンショアにおける CO2 貯留に関する法律や規制上の枠組みを特別に定めている国はほとんどない 関連する法律としては 石油関連の法律 飲料水に関する法律 採掘に関する規制などが挙げられる 多くの場合 CO2 貯留に関する問題点の大部分ではないものの 一部に適用可能な法律は存在する だが大気中への CO2 の漏出に関連したグローバルな問題や 環境への影響に関するローカルな懸念といった長期的な責任問題については まだ取り組みが行われていない モニタリングおよび確認の制度と漏出のリスクは 責任範囲の決定に重要な役割を演じる可能性があり その逆もまた同様である また制度の寿命 日常的なモニタリング 制度に関する知識の伝達性なども考慮の対象となる CCS の法的枠組みにとっては長期的な見通しが不可欠である 気候変動の問題と同様 貯留期間が多世代にわたるものとなるためである 米国を始めとするいくつかの国では 地中の間隙の所有権が地表における土地所有者に帰属することになるため すべての当事者に関する財産権について法的な観点から考慮しなければならない 国際慣習法の一般原則によれば 各国は 自国の領土で主権を行使することが可能であるため 自分たちの管轄地域での CO2 貯留 ( 地中および海洋の両方 ) などの活動に関与することが可能である だが貯留による影響が国境を越えるものとなる場合 各国は 自分たちの管轄下あるいは支配下にある地域内での活動が 他国や管轄を越えた領域の環境などに打撃を与えないようにする責任を負う 現在 オフショアにおける海洋環境 ( 海洋および海底下の両方 ) への CO2 の注入に適用可能な条約がいくつか存在している ( 特に国連海洋法条約 ロンドン条約 39 OSPAR 条約 40) これらの条約はいずれも 草稿段階で CO2 の貯留を具体的に考慮したものではない OSPAR 条約 ( 北東大西洋地域に関する条約 ) に関して法学者と言語学者のグループが実施した評価作業によって 注入手段や目的次第では 海底下や海洋への CO2 の注入が OSPAR 条約に違反しな 39 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約 (1972 年 ) およびロンドン議定書 (1996 年 ) これらはまだ発効していない 40 北東大西洋の海洋環境の保護のための条約 1992 年にパリで採択された OSPAR は Oslo-Paris( オスロ パリ ) の略号である 53

145 い場合のあることが明らかになった 具体的には CO2 が陸地からパイプライン経由で輸送される場合などである 現在ロンドン条約についても 同じような評価作業が当事者たちによって行われている また法学者による論文は 石油やガスの採掘事業で回収され オフショアの地中層に貯留される (Sleipner プロジェクトのように )CO2 は ロンドン条約の下での 投棄 とは見なされず したがって禁止の対象にはならないと結論づけている 一般の認知度 CCS に関する一般の認知度を評価することは難しい 現時点では この問題が比較的テクニカルで 身近ではない 性質を持っているためである CCS に関する一般の認知度についての数少ない調査結果は 一般大衆が概ね CCS についてあまり知らないことを示している 他の気候変動緩和オプションに関する情報と同時に CCS に関する情報を与えた場合の反応についてこれまでに実施された少数の調査結果は CCS が エネルギー効率の向上や非化石エネルギー資源の利用といった他のオプションほど一般的には好ましく思われていないことを示している CCS が実施されている場所での受け入れ状況は 熱狂的 というよりは しぶしぶ という感じである この一部は 他の方法で CO2 排出量を削減できないために CCS が必要であるという認識を反映している また調査結果は 他の望ましい手段と組み合わせて採用するという条件ならば 地中貯留が好意的に見られる可能性があることも示唆している 将来的には一般の認知度が変化する可能性は高いが これまでに実施された限定的な調査の結果は 一般によって CO2 の回収および貯留が他のよく知られているオプションと並んで信頼できる技術として認識されるには 少なくとも次の 2つの条件を満たす必要があることを示している (1) 人間活動に起因したグローバルな気候変動が 比較的深刻な問題だと見なされなければならない (2) グローバルな気候変動の脅威を減らすには CO2 排出量の大幅な削減が必要であることが認識されなければならない 地中貯留のコスト 地中貯留に使われる技術および設備は石油ガス業界で広く使われているため このオプションに関するコスト見積もりは 技術的潜在性の下限に近い貯留能力については比較的信頼度が高い だが オンショアかオフショアか 貯留層の深さ 貯留層の地質学的特性 ( 透過性や層の厚さなど ) といったサイト固有の要因によって コストの幅や変動はかなり大きなものとなる 岩塩層および枯渇した石油ガス田における貯留コストの代表的な概算値は 0.5~8 米ドル /tco2( 注入された CO2) となるのが一般的である これに 0.1~0.3 米ドル /tco2 のモニタリ 54

146 ング コストが加わる 貯留コストが最も低くなるのは オンショアで浅く 貯留層の透過性が高く 既存の石油ガス田における井戸およびインフラの再利用が可能な貯留サイトである 貯留が EOR ECBM 増進ガス回収法 (EGR) などと組み合わさる場合には CO2 の経済的価値によって CCS のトータル コストを下げることができる 2003 年以前のデータおよび石油価格に基づいた場合 CO2 貯留をともなうオンショア EOR での増進石油生産によって生じるメリットは 差し引きで 10~16 米ドル /tco2(37~59 米ドル /tc) となる ( 地中貯留のコストを含む ) まだ開発段階にある EGR と ECBM については 実際の経験に基づく信頼できるコスト情報が存在していない だがいずれの場合にも 増進生産に関する経済的メリットは 石油およびガスの価格に強く左右される この点に関して言えば 本報告書のベースとなった文献は 2003 年以降の世界的な石油およびガス価格の上昇を考慮に入れておらず 石油価格を 1 バレルあたり 15~20 米ドルと想定している 価格上昇が CCS のプロジェクト寿命全体にわたって持続するならば CO2 の経済的価値はここで報告されている数字を上回ることになろう 6. 海洋貯留 潜在的な CO2 貯留オプションの 1つが 回収した CO2 を直接深海 ( 深度 1,000 メートル以上 ) に注入するというものであり CO2 の大部分は何世紀にもわたって大気から隔離される それには パイプラインあるいは船舶で CO2 を海洋貯留サイトまで輸送し 海中の水柱や海底に CO2 を注入すればよい 溶解して拡散した CO2 はその後 グローバルな炭素サイクルの一部に組み込まれる Figure TS.9 は 採用される可能性のある主な手段の一部を示したものである 海洋貯留はまだパイロット スケールでの採用や実証実験が行われおらず 依然として研究段階にある だが小規模でのフィールド実験は実施されており CO2 の意図的な海洋貯留に関する理論的研究や研究室でのモデリング研究が 25 年間にわたって行われてきた 55

147 Figure TS.9. Methods of ocean storage. 貯留のメカニズムと技術 海洋は地球表面の 70% 以上を占めており その平均的な深さは 3,800 メートルである 二酸化炭素は水に溶けるため 均衡状態に達するまで 大気と海水の間では自然な CO2 の交換が海面にて行われている 大気中の CO2 濃度が上昇すると 海洋は徐々に余分な CO2 を取り込む このようにして海洋は 過去 200 年間に人間活動によって大気中に放出された CO2 の合計量 1,300GtCO2(350GtC) のうち 約 500GtCO2(140GtC) を取り込んできた 人間活動によって大気中の CO2 濃度が産業革命前のレベルに比べて上昇した結果 現在 海洋が CO2 を取り込むペースは約 7GtCO2yr- 1 (2GtCyr- 1 ) となっている この二酸化炭素の大部分は海洋上部に滞留しているため 海面の ph 値が約 0.1 低下した これは CO2 が水中では酸性を示すためである だがこれまでに 深海部での ph 値にはほとんど変化が生じていない モデルの予測によれば CO2 が海面で溶解し その後深海部の海水と混ざることによって 今後数世紀にわたって海洋は 大気中に放出された CO2 の大部分を取り込むことになる 人間活動による CO2 を海洋に貯留できる量に関する物理的な限界は実際には存在しない だ が千年単位で見れば 貯留量は海洋と大気の均衡によって決まる 大気中の CO2 濃度が 350ppmv~1,000ppmv で安定した場合 意図的な CO2 注入がなければ 海洋に滞留する CO2 56

148 の量は 2,000~12,000GtCO2 となる したがってこのレンジが 積極的な注入を通じた CO2 の海洋貯留余力の上限に相当する この余力は ph 値の最大許容可能変化といった環境的な 要因の影響も受ける 海洋観測およびモデルの分析結果はいずれも 注入された CO2 が少なくとも数百年間は大気から隔離されることと 注入される場所が深いほど保持率が上昇する傾向にあることを示している (Table TS.7 を参照 ) 保持率を高めるためのアイディアとしては 海底上に固形の CO2 ハイドレートや液状の CO2 湖 を形成したり 酸性の CO2 を中和するために石灰石などのアルカリ鉱物を溶解させたりすることが挙げられる 無機炭酸塩の溶解が実際的であるならば 海洋における ph 値と CO2 の分圧の変化を最小限にとどめながら CO2 の貯留期間を約 1 万年延ばすことが可能になる だがこのアプローチには 大量の石灰石と原料処理のためのエネルギーが必要である ( 注入された二酸化炭素 1 トンあたりの量としては 無機炭酸塩化に必要な量とほぼ同じくらいの量が必要になる Table TS.7. Fraction of CO2 retained for ocean storage as simulated by seven ocean models for 100 years of continuous injection at three different depths starting in the year 生態系および環境への影響とリスク 注入する CO2 の量が少ない場合は注入した地域の海洋化学に測定可能な変化が生じるが 注入する CO2 の量が多い場合は 注入した地域における海洋化学の変化が大きくなるだけではなく 最終的には海洋全体に測定可能な変化が生じる 7 ヵ所の深さ 3,000 メートルの場所で放出を行い CO2 濃度を 550ppmv に安定させるための緩和努力全体に占める海洋貯留の比率を 10% と想定したモデル シミュレーションでは 海洋全体の約 1% において酸性度の変化 (ph 値の変化 ) が 0.4 以上に達することが示された 一方 海洋貯留を行わずに CO2 濃度を 550ppmv に安定させる場合 CO2 濃度が上昇した大気との均衡現象に起因した海面での ph 値変化の概算値は 0.25 以上となった いずれのケースにおいても 0.2~0.4 の ph 値変化は 産業革命前における海洋酸性度の変化に比べて著しく大きい 数百年後には海洋混合によって 注入された CO2 の隔離状態が損なわれることになろう 海面に到達する CO2 が増加するにつれ 大気 57

149 中への放出が広い範囲の海洋において徐々に発生する 注入された CO2 が海洋から大気中に突 然かつ急激に放出されるメカニズムについては知られていない 実験結果は CO2 を加えることによって 海洋生物に害を及ぼす可能性があることを示している CO2 レベルの上昇による影響は 海面近くに生息する個々の生物ごとに 最長数ヵ月間というタイム スケールで大体研究されてきた 観察された現象としては 石灰化 繁殖 成長 循環的な酸素の供給および流動などに関する率の低下や 時間の経過にともなう死亡率の上昇などが挙げられる 生物によっては 少量の CO2 を加えるだけでこれらの影響が観察されたものもある 注入地点や CO2 湖 の近くでは 即死することも考えられる 海洋への CO2 の直接的な注入が 広い海域および長い時間にわたって海洋生物や生態系に及ぼす慢性的な影響についてはまだ研究されていない 統制された生態系実験が深海で実施されたことがないため 生態系への潜在的な影響については暫定的な評価しか下すことができない CO2 濃度の上昇と ph 値の下降にともない生態系に及ぼす影響が増加することが予想されるが その影響の性質についてはわからない部分があり 悪影響を回避するための環境基準もまだ定められていない 現時点では 種や生態系がこの持続的な化学変化にどのように適応するのか あるいは適応することができるのかどうかなどについてもわかっていない 海洋貯留のコスト 海洋貯留に関する経験はないものの CO2 を海底あるいは深海に放出する CO2 貯留プロジェクトのコストを見積もるための試みはなされている CO2 を回収して海岸線まで輸送する ( パイプラインなどで ) ためのコストは海洋貯留のコストに含まれない だがオフショア パイプラインや船舶のコスト また追加的なエネルギー コストは海洋貯留のコストに含まれる 海洋貯留のコストを Table TS.8 にまとめた これらの数字は 短い距離の場合は固定されたパイプラインの方が安価になることを示している 距離が長い場合は moving ship 方式 ( 船舶からの送り込み ) や プラットフォームまで船舶輸送した後に注入した方が コストは魅力的である Table TS.8. Costs for ocean storage at depths deeper than 3,000 m. 58

150 法的な側面と一般の認知度 セクション 5では地中貯留サイトとの関連で OSPAR 条約やロンドン条約について議論したが 海洋法や海洋環境に関するこれらのグローバルな条約や地域的な条約は 本来 海洋域 に関連したものであるため海洋貯留にも影響が及ぶ いずれの条約も 採用する貯留手段と貯留の目的を区別することによって CO2 の海洋貯留の法的地位を決定している だが意図的な海洋貯留の法的地位についてはまだ何の決定もなされていない CO2 の海洋貯留に着目した一般の認知度に関するごくわずかな調査の結果は このテーマに対する一般の認知度や知識がほとんどないことを示している だがこれまでに実施した数少ない調査では 一般大衆が 地中貯留よりも海洋貯留の方に大きな不安を抱いていることが明らかになった これらの調査結果はまた 詳細な情報を与えることによって海洋貯留に対する認識が変化したことも示している ある調査では これにより海洋貯留に対する許容度が上昇したが 別の調査では逆に許容度が低下した また文献によれば 太平洋における CO2 放出実験の提案に対して 著しい反対意見 が形成された 7. 無機炭酸塩化と工業利用 セクション 7 では かなり異質の CO2 貯留オプションを 2 つ扱う 1 つめは無機炭酸塩化で あり 化学反応を利用して CO2 を固形の無機炭酸塩に変換するものである 2 つめは CO2 の 工業利用であり 直接利用したり 様々な炭素含有化学製品の生産原料として利用したりする 無機炭酸塩化 : 技術 影響 コスト 無機炭酸塩化とは アルカリおよびアルカリ土類酸化物を使って CO2 を固定化することである 具体的には 蛇紋石や橄欖石といった自然に生成された珪酸塩岩の中に存在するマグネシウム酸化物 (MgO) やカルシウム酸化物 (CaO) などを使う これらの物質と CO2 が化学反応を起こすと 炭酸マグネシウム (MgCO3) や炭酸カルシウム (CaCO3 一般的には石灰石として知られる ) などの化合物が生成される 地殻内に存在する珪酸塩岩に含まれる金属酸化物の量は 利用可能な化石燃料資源すべてを燃焼させた時に生じるすべての CO2 を固定化するのに必要な量を上回っている これらの酸化物は ステンレス鋼スラグや灰といった産業廃棄物の一部にも少量含まれている 無機炭酸塩化で生成されるシリカと炭酸塩は長期間にわたって安定しているため 珪酸塩鉱山などに廃棄したり 建設資材として再利用したりすることができる だがそのような再利用は 生成される量に比べて少ないものとなる可能性が高い 炭酸塩化された後は CO2 が大気中に放出されない したがって廃棄サイトをモニタリングする 59

151 必要はほとんどなく 関連するリスクは非常に低くなる 貯留潜在性を現在の開発初期段階において見積もるのは難しい 潜在性を限定的なものにする要因としては 技術的に採掘可能な珪酸塩資源の割合 生成物の廃棄量といった環境的な問題 貯留場所に関する法的および社会的な制約 などが挙げられる 無機炭酸塩化のプロセスは自然に発生し 風化 として知られる 自然のままではこのプロセスは非常に緩慢である したがって人間活動によって発生した CO2 を貯留するための現実的な手段にするためには プロセスの進行をかなり加速させなければならない そのため無機炭酸塩化の分野における研究では 産業規模に対応できるだけの反応速度を実現したり 反応をよりエネルギー効率の高いものにするためのプロセス経路の発見に焦点が当てられている 天然の珪酸塩を使った無機炭酸塩化技術は研究段階であるが 産業廃棄物を使ったいくつかのプロセスは実証実験段階にある 商業的なプロセスにおいては 原鉱石を採掘 粉砕 ミリングし 回収プラントから濃度の高い CO2 ストリームが送られてくる処理プラントまでそれらを輸送することが必要となる 炭酸塩化プロセスで必要なエネルギーは 回収プラントでの生産量の 30%~50% となろう CO2 の回収に必要な追加的なエネルギーを考慮に入れると 無機炭酸塩化による CCS システムでは 回収や無機炭酸塩化を行わない同等の発電プラントよりも電力 1 キロワット時あたり 60% ~180% 多くのエネルギーが必要となろう これらのエネルギー需要は 回避する二酸化炭素 1 トンあたりのシステム全体のコストを大幅に引き上げる これまでに研究された最良のケースは 天然の珪酸塩橄欖石による湿潤炭酸塩化 (wet carbonation) である このプロセスで無機物化される CO2 の純量に対する見積もりコストは 約 50~100 米ドル /tco2 である (CO2 の回収および輸送コストは含まれていないが 追加的なエネルギー需要は考慮に入れてある ) 無機炭酸塩化プロセスでは 二酸化炭素 1 トンあたり 1.6~3.7 トンの珪酸塩を採掘する必要があり 炭酸塩として貯留される二酸化炭素 1 トンあたり 2.6~4.7 トンの廃棄物質が生成される したがってこれは大規模な事業であり 環境への影響は 現在の大規模な地表採掘事業による影響に匹敵するものとなろう 蛇紋石には アスベストの自然形態であるクリソタイルが含まれていることも多い したがってそれをモニタリングおよび緩和するための鉱山業界で利用可能な手法が必要である 一方 生成された無機炭酸塩にはクリソタイルが含まれていない 岩石を構成する物質の中でクリソタイルが最も反応しやすく 炭酸塩に最初に変換される物質であるためである 無機炭酸塩化の貯留潜在性について何らかの見積もりを行うには 明確にする必要のある問 題点が依然として多く存在している 問題点としては 技術的な実行可能性や大型化した場合 のエネルギー需要についての評価の他 CO2 貯留を目的として技術的および経済的に開発可能 60

152 な珪酸塩資源の割合も含まれる 採掘 廃棄物処理 生成物の貯留などが環境に及ぼす影響なども 潜在性に制約を与える可能性がある 無機炭酸塩化がどの程度活用されるかについて現時点で判断することはできない 不明なままとなっている技術的に開発可能な珪酸塩資源の量と 上述したような環境的な問題に左右されるためである 工業利用 CO2 の工業利用には 尿素やメタノールの製造で見られるように CO2 が反応物質として機能する化学的および生物学的プロセスの他 CO2 を直接利用する様々な技術的用途 ( 園芸 冷凍 冷蔵 食品包装 溶接 飲料 消火器など ) が含まれる 現在 世界中で年間約 120MtCO2 (30MtCyr- 1 ) が使われている (EOR での利用を除く )( セクション 5 で議論 ) 大部分 ( 全体の 3 分の 2) は 肥料などのメーカーで尿素の製造に使われている CO2 は天然井から抽出されるものもあれば 生産プロセスの一環として CO2 を回収している工場などを発生源 ( 主にアンモニアや水素の生産プラントといった高濃度発生源 ) とするものもある 原則的に CO2 の工業利用は 炭素化学プール ( すなわち炭素を含む工業製品のストック ) の中に CO2 を貯留することによって 大気外に CO2 を維持しておくことに寄与することができる だが気候変動を緩和するための手段としてこのオプションが意味を持つのは 貯留される CO2 の量が多く 貯留期間が長い上 CO2 の排出量が実際に純減する場合だけである 工業プロセスに現在利用されている大部分の CO2 に関する一般的な寿命によれば 貯留期間は数日 ~ 数ヵ月にすぎない 貯留された炭素はその後減成し 再び大気中に排出される このような短いタイム スケールでは 気候変動の緩和に有意な寄与をしない また 120MtCO2yr- 1 という工業利用の合計値は 人間活動に起因した主要な排出源からの排出量に比べて小さい ( 表 TS.2 を参照 ) いくつかの工業プロセスは最長数十年間にわたって少量の CO2( 合計で約 20MtCO2yr- 1 ) を貯留することができるが 現時点における長期貯留 ( 世紀単位 ) の合計量は 1MtCO2yr- 1 に満たないレベルであり 大きく増加する見込みもない もう1つの重要な疑問点は CO2 の工業利用によって 他の工業プロセスや製品の場合に比べて全体的な CO2 排出量を純減させることができるかどうかということである これを正確に評価するには CO2 利用プロセスのエネルギーおよび原料バランスに関して適切なシステム境界を考慮に入れ 提案されている CO2 利用について詳細なライフサイクル分析を実施することが必要である この分野に関する文献は限られているが それによれば 正確な数字を見積もることは難しく 多くの場合 全体的な排出量は純減するのではなく増加する可能性がある CO2 保持率の低さ 利用される CO2 量の少なさ CO2 排出量の増加がもたらされる可能性などを考えると 回収した CO2 の工業利用による気候変動緩和への貢献度は低いであろうと結論づけることができる 61

153 8. コストと経済的潜在性 将来における温室効果ガス排出抑制の緊急性や CCS システムの期待コストが 他の温室効果ガス緩和オプションと比べて CCS 技術が将来的に普及するか否かを決定する重要な要因となろう セクション 8ではまず最初に CCS の全体的なコストを 主要なオプションおよびこれまでに検討してきたプロセス用途ごとに概観する 本サマリーおよび報告書において コスト は市場価格のみを指し CCS の利用に関連した環境破壊や広い意味での社会的コストといった外部コストは含まれない 現在まで そのような外部コストの評価および定量化はほとんど行われてこなかった 最後に 温室効果ガスのグローバルな削減にとっての代替的なオプションという文脈で CCS を検証する CCS システムのコスト 既に述べたように CO2 の回収 輸送 貯留を完全に統合された CCS システムの中で組み合わせるという経験は依然としてほとんどない またいくつかの CCS コンポーネントは一定の工業用途に関する成熟市場において既に活用されているが 大規模な発電プラント ( 最も大きな潜在性を持つ用途 ) では CCS がまだ活用されていない 文献で報告されている CCS の各コンポーネントに関するコストはかなり幅が広い このような幅は主にサイト固有の変動要因によるものであり 特に CCS が活用される発電プラントや工業施設の設計 運営 財務などの性質 使用する燃料のタイプおよびコスト CO2 を輸送する距離 地形 量 CO2 貯留のタイプおよび特性 などによるところが大きい また現在および将来の CCS 技術コンポーネントや統合されたシステムのパフォーマンスやコストも依然として不明確なままである だが文献には CO2 回収システムの建設および運営に係る費用が 学習効果 ( 技術の普及による ) および研究開発の持続によって時間の経過とともに低下するという広い支持を受けた考え方が反映されている 過去の実績は 最初の回収プラントのコストが現在の見積もりを上回り その後コストの低下が始まることも示唆している ほとんどの CCS システムでは 回収 ( 圧縮を含む ) コストが最も大きなコンポーネントである 電力や燃料のコストは国によって大きく異なり これらの要因も CCS オプションの経済的実行可能性に影響を及ぼす Table TS.9 は セクション 3~7で報告した CO2 の回収 輸送 貯留のコストをまとめたものである 表 TS.10 では パイプライン輸送と 2つの地中貯留オプションを加えた 3つの発電システムについて コンポーネント コストを合算した CCS および電力生産に係る総コストを示している 62

154 a Over the long term, there may be additional costs for remediation and liabilities. Table TS Cost ranges for the components of a CCS system as applied to a given type of power plant or industrial source. The costs of the separate components cannot simply be summed to calculate the costs of the whole CCS system in US$/CO2 avoided. All numbers are representative of the costs for large-scale, new installations, with natural gas prices assumed to be US$ GJ-1 and coal prices US$GJ-1. 地中貯留を実施するが EOR を実施しないプラントについての CCS コストのレンジは PC プラントが 0.02~0.05 米ドル /kwh NGCC プラントが 0.01~0.03 米ドル /kwh である ( いずれも後燃焼による回収を採用 ) IGCC プラント ( 前燃焼による回収を採用 ) についての CCS コストのレンジは 0.01~0.03 米ドル /kwh である いずれの発電システムについても CO2 貯留に加えて EOR を実施することにより CCS コストを約 0.01~0.02 米ドル /kwh 引き下げることができる EOR による収益が CCS コストを部分的に相殺するためである コストが最も下がるのは 回収される CO2 の量が最も多い石炭ベースのプラントである ケースによっては CCS コストのレンジ下限がマイナスになるものがあり プラント寿命全体における EOR による想定収益がそのシステムに関する CO2 回収コストの下限を上回っていることを示している このことは 工業プロセスにおけるいくつかの低コストの回収にも当てはまる 化石燃料ベースのエネルギー変換プロセスの他にも バイオマスを燃料とする発電プラントやバイオマス複合燃焼をともなう化石燃料プラントでも CO2 を回収することができる 現時点では バイオマス プラントの規模は小さい (100MWe 未満 ) このことは CCS の有無にかかわらず発電コストが化石燃料プラントに比べて高くなることを意味している バイオマス プラントにおける CCS コストは 総額で 110 米ドル /tco2( 回避される CO2) に達する可能性 63

155 がある バイオマスを燃料とする変換施設やバイオマスを複合燃焼させる変換施設への CCS の適用は CO2 排出量の削減やマイナス化 41に結び付き CO2 排出削減の市場価値次第では このオプションのコストを引き下げることが可能である 同様に バイオマスを燃料とする水素プラントでも CO2 を回収することができる コストは 100 万 Nm 3 day- 1 の水素を生産するプラントで 22~25 米ドル /tco2(80~92 米ドル /tc)( それぞれ回避される CO2 C) になると言われており 水素生産コストが約 2.7 米ドル GJ- 1 上昇することに相当する バイオマス プラントをかなり大型化することによりスケール メリットが生じ CCS システムのコストを石炭プラントとほぼ同じレベルにまで引き下げることが可能になる だがこれまで大型のバイオマス プラントに関する経験はほとんどないため その実行可能性はまだ実証されておらず コストや潜在性を見積もることは難しい 発電プラント以外の用途での CCS コストを同じように研究した例はまだない これらの発生源は CO2 濃度やガス ストリームの圧力という点で非常に分散的であるため 利用可能なコスト研究の結果は非常に幅広いレンジに及んでいる コストが最も低くなるのは 製造プロセスの一環として既に CO2 の分離が行われている水素製造などのプロセスである ( 水素製造における回収コストは Table TS.4 にまとめてある ) 輸送および貯留を含めた CCS 全体のコストに起因した水素生産コストの上昇幅は 地中貯留の場合が 0.4~4.4 米ドル GJ- 1 EOR の場合が-2.0~2.8 米ドル GJ- 1 である (Table TS.10 と同じコスト前提をベースにした ) Table TS.10. Range of total costs for CO2 capture, transport and geological storage based on current technology for new power plants using bituminous coal or natural gas 41 仮にたとえば バイオマスが持続不可能なペース ( つまり年間の再生率を上回るペース ) で収穫された場合には 当該活動による CO2 の純排出量はマイナスにならない 64

156 a All changes are relative to a similar (reference) plant without CCS. See Table TS.3 for details of assumptions underlying reported cost ranges. b Capture costs based on ranges from Table TS.3; transport costs range from 0-5 US$/tCO2; geological storage cost ranges from US$/tCO2. c Same capture and transport costs as above; Net storage costs for EOR range from -10 to -16 US$/tCO2 (based on pre-2003 oil prices of US$ per barrel). 回避される CO 2 のコスト Table TS.10 は 回避される CO2 のコスト レンジも示している CCS によるエネルギー需要は 純発電量 1 単位あたりの燃料投入量 ( したがって CO2 排出量も ) を増大させる その結果 発電量 1 単位 (1kWh の電力 ) あたりの CO2 発生量は CCS を行わない参考プラントに比べて多くなる (Figure TS.11 を参照 ) CCS に起因した CO2 の削減量を判断するには 回収を行うプラントの 1kWh あたりの CO2 排出量を 回収を行わない参考プラントのそれと比較する必要がある その差が 回避される排出量 と呼ばれる 65

157 Figure TS.11. CO2 capture and storage from power plants. The increased CO2 production resulting from loss in overall effi ciency of power plants due to the additional energy required for capture, transport and storage, and any leakage from transport result in a larger amount of CO2 produced per unit of product (lower bar) relative to the reference plant (upper bar) without capture. 発電プラントへの CCS の導入は プラントのタイプや使用する燃料の決定に影響を及ぼす可能性がある したがって状況によっては 回避される二酸化炭素 1 トンあたりのコストを CCS プラントとは異なる参考プラントをベースにして計算することが役に立つ場合がある Table TS.10 は 3つの参考プラントと地中貯留を採用したそれに対応する CCS プラントに関するコストおよび排出要因を表示している Table TS.11 は CCS プラントと潜在的に関心が持たれているコストが最も低い参考プラントの様々な組み合わせにおける見積もりコストのレンジをまとめたものである それによれば 当初 PC プラントを計画していた場合 そのプラントで CCS を活用すると CO2 回避コストが CCS 付きの NGCC プラントを選択した場合に比べて高くなる可能性がある ( 天然ガスが利用可能であることが条件 ) 回避コストを下げることのできる別のオプションは PC プラントに回収システムを据え付ける代わりに回収システムの付いた IGCC プラントを建設することである Table TS.11. Mitigation cost ranges for different combinations of reference and CCS plants based on current technology for new power plants. Currently, in many regions, common practice would be either a PC plant or an NGCC plant14. EOR benefits are based on oil prices of US$ per barrel. Gas prices are assumed to be US$/GJ-1, coal prices US$/GJ-1. 66

158 14 IGCC is not included as a reference power plant that would be built today since this technology is not yet widely deployed in the electricity sector and is usually slightly more costly than a PC plant. 気候変動緩和に関する CCS の経済的潜在性 CCS の経済的潜在性の評価は 将来における CCS の普及およびコストについて研究するた めのエネルギーおよび経済モデルをベースにしており その背景となるのは 経済効率が高く コストが最も低い経路で大気中の CO2 濃度の安定化を達成するというシナリオである これらのモデルによる定量的な結果には不確実な部分が多いが ( 以下の議論を参照 ) いずれのモデルも 大気中への温室効果ガスの排出を大幅に削減しようとする明白な政策が不在の中では CCS システムが大規模に展開される可能性が低いことを示している 温室効果ガスに対する制限が課された場合には 気候変動緩和に向けた大がかりな態勢がスタートしてから数十年後には CCS システムが大規模に展開することを 総合評価の多くが予測している エネルギーおよび経済モデルによれば 発電部門への導入がなければ CCS システムが気候変動緩和に大きく寄与する可能性は低い これを実現させるには 二酸化炭素削減の価格が 25~30 米ドル /tco2 を上回るか それに相当する制限を CO2 の排出に対して課さなければならないであろう 文献および現時点での産業界の経験によれば CO2 排出量を制限する方策が不在の中では CCS 技術が普及する機会はごくわずかなニッチなものにすぎない これらの早期的な機会としては 高純度で低コストな発生源からの CO2 の回収 50 キロメートル未満の距離における CO2 の輸送 EOR といった付加価値の高い用途の中での CO2 の貯留などが挙げられる これらのニッチ オプションの潜在性は年間約 360MtCO2 である モデルはまた CCS システムの競争力が他の大規模な緩和オプション ( 原子力エネルギーや 再生可能エネルギー技術など ) に比べて高くなることも示唆している これらの研究結果は 67

159 緩和ポートフォリオに CCS を加えることにより CO2 濃度の安定化コストを 30% 以上引き下 げることができるとしている CCS 技術がコスト競争力を備えている側面の 1 つは 現在のエ ネルギー インフラのほとんどと両立が可能であるという点である ほとんどシナリオでは 時が経つにつれて排出削減がより拘束力を帯びたものになる ほとんどの分析結果は 2050 年までに CCS システムがかなり浸透するにもかかわらず CCS の普及が大規模なものとなるのは今世紀後半であることを示している CCS が始めに普及するのは先進国であるが 最終的には世界全体に広がる シナリオやモデルが異なれば 特定の排出制限を満たすのに必要な手段の組み合わせや度合いも異なる ( しばしば大幅に ) が (figure TS.12 を参照 ) 文献の多数意見は CCS が エネルギー技術および排出削減アプローチからなる広範なポートフォリオの重要な構成要素となる可能性があることを示している Figure TS.12. These fi gures are an illustrative example of the global potential contribution of CCS as part of a mitigation portfolio. They are based on two alternative integrated assessment models (MESSAGE and MiniCAM) adopting the same assumptions for the main emissions drivers. The results would vary considerably on regional scales. This example is based on a single scenario and therefore does not convey the full range of 68

160 uncertainties. Panels a) and b) show global primary energy use, including the deployment of CCS. Panels c) and d) show the global CO2 emissions in grey and corresponding contributions of main emissions reduction measures in colour. Panel e) shows the calculated marginal price of CO2 reductions. 実際に CCS が活用される度合いは これらのエネルギーおよび経済モデルが示す経済的潜在性の見積もりを下回る可能性が高い 既に述べたように これらの結果は最適化によってコストが最も低くなる条件の下での分析に基づいたものであるのが一般的であり 環境への影響 明確な法的あるいは規制的枠組みの欠如 様々な技術に関して認識されている投資リスク 研究開発や学習効果を通じた CCS コストの低減化ペースに関する不透明性といった技術の発達や普及に対する現実社会の障壁を十分に考慮していない 各モデルは通常 様々な用途に関する CCS コストや将来コストが低下するペースについて 単純化された前提条件を採用している CO2 を 450~750ppmv に安定化させるシナリオの場合 今世紀中に世界全体で貯留される ( 地中層あるいは海洋に ) 可能性のある CO2 の累計量に関して公表された見積もりは 非常に小さな数字から数千ギガトンに至るまでの広いレンジに及んでいる レンジがこのように広くなっている主な理由は 社会経済 人口 そして特に技術の長期的な変化といった将来の CO2 排出量を決定する主な要因が不透明であることである だが CO2 を 450~750ppmv に安定化させるシナリオの大多数では CCS による累計的な貯留量が 220~2,200GtCO2(60~600GtC) のレンジに集中する傾向があることに留意することが重要である CCS がこの経済的潜在性を実現するには 年間 1~5MtCO2 の回収能力を持つ CCS システムが今世紀中に世界全体で数百 ~ 数千必要となる セクション 5で示したように CCS に関する経済的潜在性のレンジ上限をカバーするには 地中貯留の技術的潜在性だけで十分である可能性が高い 貯留サイトからの CO 2 の漏出についての見通し 貯留サイトからの緩慢な漏出の政策上の含意 (policy implication) は 分析の前提条件に左右される 非永久的な貯留にどのように対処したら良いのかという問いに答えるための研究は 排出を遅延させることの価値 特定の緩和シナリオに関するコストの最小化 大気中の温室効果ガス濃度の安定化が前提となる中での許容される将来の排出量などといった様々なアプローチに基づいて実施されている これらの研究の中には 排出量の追加的な削減によって将来の漏出を補償しようとするものもある 結論は 将来的な削減コスト 割引率 貯留される CO2 の量 想定される大気濃度の安定化レベルなどに関する前提条件によって異なってくる また他の研究では 政治や制度の不透明性を理由として補償をオプションの1つとして見ず 想定される安定化レベルや貯留量によって規定される限界に分析の焦点を当てているものもある 69

161 様々な研究による具体的な結論は手法や前提条件によって異なるが 研究結果は 保持率が 100 年間で 90%~99% 500 年間で 60%~95% に達することを考えれば このような非永久的な貯留が気候変動緩和にとって依然として貴重なものであることを示唆している すべての研究が共通して示唆しているのは CCS を緩和手段として受け入れてもらうには 発生しうる漏出の量に上限がなければならないということである 9. 排出目録と算定 CO2 の回収および貯留における重要な側面は CO2 排出 ( および関連するメタンや亜酸化窒素の排出 ) の削減量 回避量 除去量などを概算および報告する手法の開発や適用である ここに含まれる 2つの要素は (1) 国別温室効果ガス目録のための排出量に関する実際の概算および報告と (2) 純排出量を制限するという国際的な合意に基づく CCS の算定 である 15 現在の枠組み UNFCCC の下では伝統的に 国別の温室効果ガス排出目録は 特定の年に関する排出量を対象にして 年間などの期間ベースで作成されてきた IPCC ガイドライン (IPCC 1996) およびグッドプラクティスガイダンス報告書 (IPCC ) は 国別目録を作成するための詳細なアプローチを説明することによって 国別目録が完全性 透明性 明確性 不確実な点についての客観性 新旧での一貫性 他国との比較可能性などを備えたものになるよう努めている 現在使われている IPCC の文書には CO2 の回収および貯留というオプションが具体的に記述されているわけではない だが IPCC ガイドラインの改訂作業が現在行われており 2006 年に改訂版が刊行される時にはなんらかのガイダンスが提供されるはずである 既に受け入れられている枠組みを CCS システムに適用することは可能だが いくつかの問題点については見直しや拡張が必要となろう 算定および報告に関連した問題点広く受け入れられている国際的な合意が不在の中 様々な形態による CO2 の回収および貯留が 排出量の削減や大気中からの除去として扱われるかどうかについては明確ではない いずれにしても CCS により CO2 の新しいプールが形成され 将来のある時点で物理的な漏出に直面する可能性がある 現時点では 貯留サイトからの物理的な漏出をモニタリング 測定 算 15 この文脈における 概算 は温室効果ガスの排出量を計算するプロセスであり 報告 は UNFCCC に概算値を提示するプロセスである 算定 とは 報告された排出量や除去量を公約と比較するためのルールを指している (IPCC 2003) 70

162 定するための手段が UNFCCC の枠組みの中に用意されていない だが適切に管理された地中 貯留からの漏出は 規模も小さく 時間的にもかなり先のものとなる可能性が高い 排出量の報告枠組みにおいて CCS に関する具体的なカテゴリーの創出が検討される可能性もあるが 回収および貯留される CO2 の量を CO2 が発生した部門に反映させることができるため 厳密には必要ではない ある場所における CO2 の貯留量には 多数の異なる排出源カテゴリーからの CO2 や 多数の異なる国からの CO2 までもが含まれる可能性がある CO2 の回収 輸送 貯留サイトへの注入などで発生するわずかながらの排出量は ほとんどが現行の報告手段の中で見積もることが可能であり CCS システムの運用に必要な追加的なエネルギーは 現行の目録枠組みの中で測定および報告することが可能である バイオマス システムに適用される CCS については 特別な考慮が必要となる可能性がある この場合にはマイナスの排出量が報告されることになり 現行の報告枠組みにはそのような条項がないためである 国際的な合意に関連した問題点 温室効果ガス排出量を制限する量的な公約や 排出量取引 共同実施 (JI) クリーン開発メカニズム (CDM) などの活用には 排出量や除去量を算定するための明確なルールおよび手法が必要である CCS は従来の算定境界を越えて CO2 を移動させる可能性があるため ( たとえば ある国で回収された CO2 が別の国で貯留されたり ある年に回収された CO2 の一部が後年貯留サイトから漏出したりする可能性がある ) 算定のルールおよび手法は 従来の排出目録で使われていたのとは異なるものとなろう これまで 貯留される CO2 の算定に関する科学的 技術的 政治的な議論は 地上の生活圏における隔離に焦点が当てられてきた これらの交渉の歴史は CCS に関する算定手法の開発になんらかの指針を提供する可能性がある 地上の生活圏における CO2 貯留の潜在的な非永久性を認識した UNFCCC は 生物学的吸収源を通じて純排出量を削減できるという考え方を受け入れたが それらの算定に対しては複雑なルールを課した CCS は多くの点で地上の生活圏における CO2 の隔離とは全く異なるものであり (Table TS.12 を参照 ) CCS の各形態はそれぞれ大きく異なる だが算定の主な目的は CCS 活動により純排出量を実際に定量化可能な方法で削減できるようにすることである 永久に貯留される 1 トンの CO2 は 大気中の CO2 濃度という点では 排出されない 1 トンの CO2 と同じメリットをもたらすが 一時的に貯留される 1 トンの CO2 によるメリットはそれよりも少ない この違いを温室効果ガスの純排出量の削減に関する算定システムに反映させるべきだという考え方が一般的には受け入れられている 71

163 Table TS.12. Differences in the forms of CCS and biological sinks that might influence the way accounting is conducted IPCC ガイドライン (IPCC 1996) およびグッドプラクティスガイダンス報告書 (IPCC ) には 温室効果ガスの排出量をモニタリングするためのガイドラインも記載されている CCS に関して改訂される IPCC のガイドラインが 特に地中貯留と海洋貯留を対象としたモニタリング手法の採用によって満足できるものになるかどうかはわからない いくつかの手法は地中貯留からの CO2 排出のモニタリングおよび確認に利用可能であるが それらは 適用可能性 検知限度 不確実性などがそれぞれ異なる 現在 地中貯留については 注入場所では定量的なモニタリングが 貯留層では定性的なモニタリングが CO2 の表面流束の測定によって可能である 海洋貯留については CO2 水柱の検知によってモニタリングが可能だが 海面から大気中への放出の測定によるモニタリングは不可能である 既存の CCS プロジェクトに対するモニタリングの経験はまだ限定的なものであり 物理的な漏出率や関連する不確実性について結論づけるためのベースとしては機能しない 京都議定書は 様々なコンプライアンス メカニズムの下で温室効果ガスの排出 排出削減 隔離などに関する様々な算定単位を生み出している 割当量単位 (AAU) は排出量の公約を表示するものであり 排出量取引に適用される 認証排出削減量 (CER) は CDM の下で活用され 排出削減単位 (ERU) は JI において採用されている これまで 国際的な交渉によって プロジェクト関連の CCS システムによる CO2 削減量を計算および算定する方法に関する指針が示されたことはほとんどなかったため (CER と ERU のみ ) そのような削減が京都議定書に適合したものとなるかどうかについては不透明である 生物学的吸収源のルールに 72

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