目 次 第 1 章肩の解剖学 1 第 1 節総論... 1 第 2 節肩の骨格... 2 第 3 節肩に関連する筋の解剖学 第 1 項肩甲骨 鎖骨に関連する筋 第 2 項肩関節に関連する筋 第 3 項肘関節に関連する筋 第 4 項体幹に関連する筋...

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1 Physical Therapy for Shoulder Disorders 肩関節疾患と理学療法 監修 鈴木俊明三浦雄一郎森原徹渡邊裕文 共著 後藤淳 赤松圭介 大工谷新一 岩田圭生 高崎恭輔 浦上さゆり 嘉戸直樹 小野淳子 谷万喜子 鬼形周恵子 福島秀晃 楠田啓介 伊藤正憲 阪野栄一 大沼俊博 仙波正博 末廣健児 永野敬祐 高木綾一 萩尾亜弥 高田毅 藤原聡 山口剛司 松田俊樹 米田浩久 山口紀子 谷埜予士次 伊藤望美 編集関西理学療法学会

2 目 次 第 1 章肩の解剖学 1 第 1 節総論... 1 第 2 節肩の骨格... 2 第 3 節肩に関連する筋の解剖学 第 1 項肩甲骨 鎖骨に関連する筋 第 2 項肩関節に関連する筋 第 3 項肘関節に関連する筋 第 4 項体幹に関連する筋 第 4 節肩の神経支配 第 2 章肩の運動学 39 第 1 節総論 第 2 節各論 第 1 項安静時における肩甲骨の安定化 第 2 項肩関節運動開始時の肩甲骨の制動 力学的安定化の崩し方 第 3 項肩甲上腕関節の安定化 第 4 項肩甲胸郭関節の安定化 第 5 項肩甲骨の運動分析 第 6 項重心移動に関する肩甲帯周囲筋の運動機能 第 7 項上部体幹の安定化 第 8 項姿勢と肩関節運動機能の関連性 第 9 項上肢挙上時の姿勢制御について 第 3 章肩関節疾患および障害 139 第 1 節総論 第 2 節運動器疾患における肩関節障害 第 1 項慢性疾患 第 2 項急性外傷 第 3 節神経疾患における肩関節障害 第 4 章肩関節に対する評価と運動療法 173 第 1 節総論 第 2 節関節可動域に対する評価と運動療法 第 1 項肩関節可動域の評価と治療 ( 他動運動 ) 第 2 項肩関節モビライゼーション 第 3 項ダイレクトストレッチ 第 3 節肩関節運動機能の評価と治療 第 1 項上肢挙上における肢位変化と肩関節運動機能 第 2 項肩甲上腕関節周囲筋の評価と治療 第 3 項肩甲骨運動機能の評価と治療

3 第 4 節スポーツ障害に対するアプローチ 第 1 項投球障害肩に対するアプローチ 第 2 項運動の持つ目的に着目した投球障害の動作分析 第 3 項その他のスポーツ外傷 障害に対するアプローチ 第 5 節神経疾患に対する肩のアプローチ 第 1 項脳血管障害に対するアプローチ 第 2 項その他の神経疾患に対するアプローチ 第 6 節肩関節障害へのアプローチの最近の知見 第 7 節肩関節障害に対する鍼灸治療 第 1 項肩関節障害の東洋医学的評価 第 2 項肩関節障害に対する鍼灸治療 第 5 章症例報告 335 症例 1 運動肢位を考慮した運動療法にて良好な結果が得られた 広範囲腱板断裂の一症例 症例 2 腋窩神経不全麻痺回復後 肩甲胸郭関節に不安定性を認めた一症例 症例 3 副神経麻痺症例の上肢挙上時の肩甲骨の運動学的分析 症例 4 前鋸筋麻痺による翼状肩甲に対するリハビリテーションアプローチ 座標移動分析法を用いた評価 症例 5 捕手の投球動作時に肘関節内側および肩関節前方に疼痛が出現する 野球選手の一症例 投球側腹筋群と投球動作の関連性について 症例 6 交通事故により左上腕骨大結節骨折と左肩関節腱板断裂を受傷した 競輪選手の一症例 症例 7 麻痺側肘関節の運動に着目した治療によって上肢前方挙上動作の 改善が得られた一症例 症例 8 脳梗塞後左片麻痺に伴う麻痺側上肢の空間保持能力の低下により 移乗時の手すり把持動作に耐久性低下を認めた一症例 症例 9 体幹と右肩関節周囲の筋緊張改善が右上肢機能を改善させた 右片麻痺患者の一症例 症例 10 右肩関節に重度の亜脱臼を認めた脳出血後遺症右片麻痺患者の一症例 症例 11 麻痺側体幹筋 骨盤周囲筋および上肢筋群の筋緊張異常によって 上衣着脱時のボタン操作が困難であった脳梗塞左片麻痺の一症例 症例 12 排泄後に下衣をあげることが困難であった脳血管障害左片麻痺 患者の一症例 症例 13 立位での麻痺側下肢への荷重により同側上肢の筋緊張抑制が図られた 右片麻痺患者についての検討 症例 14 麻痺側肩甲帯のアラインメントの修正によりリーチ動作および 歩行動作が改善した脳梗塞後患者の一症例 症例 15 麻痺側上肢機能の向上には歩行動作の改善が必要であった脳血管障害 片麻痺患者の一症例 付録肩の評価表 499 用語集 509 索引 517

4 第1章 肩の解剖学 第1節 総論 肩の全体像を前方から見ると図 のようになる 前方には胸骨と肋骨からなる胸郭がある 胸 骨の上方では鎖骨と胸鎖関節を形成し 胸骨は鎖骨と連結している 鎖骨は上方から見て S 字状の 形状をしていることから鎖骨の遠位部は大きく後方に位置する 後方には肩甲骨が胸郭に平たく寄 り添う形で位置している 肩甲骨と胸郭は通常の関節構造を有しておらず 胸郭上を滑るように移 動する 胸郭上を運動するため肩甲胸郭関節と呼ばれている そしてこの肩甲骨の外側に突き出 した肩峰と鎖骨の遠位部で肩鎖関節を成している よって肩甲骨は唯一肩鎖関節で体幹と連結して いることになる 肩峰の直下には肩甲骨の関節窩があり 上腕骨の上腕骨頭と肩甲上腕関節を構成 している このように肩はいくつかの骨がぶら下がりながら存在していることになる そして上肢 を挙上させる場合には これらの骨が複雑に関連しあいながら運動する 肩甲骨の上方回旋運動に おいて肩鎖関節を軸とした場合 その半径は肩鎖関節から下角までの距離となるため下角の移動量 は大きくなる そこでコンパクトな回転をおこなうためには回転軸を変化させることが重要である さらに上肢という長くて重たいものを自由に空間で運動したり 保持したりするためには力学的メ カニズムも複雑になることは容易に想像できる これらの肩の運動学に関する疑問に対して骨の形状 靭帯 筋の付着部の知識は重要な意味を持つ 第 2 節の肩の骨格では肩関節を構成する肩甲骨 鎖骨 上腕骨 肋骨の形状の特徴について説明する また 筋の起始部や付着部が骨のどの部位に相当するかについても併せて説明する 第 3 節の肩に 関連する筋の解剖学では筋の起始 停止 作用 神経支配 筋連結について説明する 第 4 節では 肩の神経支配 神経の走行について説明する 図 肩の全体像

5 2 第 1 章 第2節 肩の骨格 1 肩甲骨 肩甲骨は扁平で三角形の形状をしており 多数の筋が付着している 図 図 その 3 つ の辺縁は脊柱側にある内側縁 外側にある外側縁 頭側にある上縁である 三角形の角は内側頭方 にある上角 尾方にある下角 そして外側にある外側角がある 肩甲骨上角は肩甲骨内側縁を上方 にたどりその最終のところで角張る部位である 上角を中心として肩甲挙筋の起始部がある 肩甲 骨の下角は肩甲骨の内側縁を下方にたどっていくとその最終のところで角張る部位である 下角の 最下端には広背筋の起始部があり それより上方および外側縁には大円筋の起始部がある 外側縁 の上半分には小円筋の起始部がある 後面は肩甲骨の上 1/3 の部位に肩甲棘が斜め上方に伸びている 肩甲骨の位置を確認し その後面の上部で背面方向に最も隆起した部位を上下方向に動かしながら 確認することができる 肩甲棘を境にして上面は狭い領域である棘上窩 下面は広い領域を持つ棘 下窩に分けられている 棘上窩は棘上筋 棘下窩は棘下筋の起始部がある 肩甲棘内側に三角形の 形状をした棘三角があり 肩甲棘の外側は肩峰をつくっている 棘三角は肩甲棘の上端と下端を挟 みながら触診し 肩甲棘を内側方向にたどっていくとその内側縁付近で肩甲棘は太くなり この部 位で確認できる三角形の部位が棘三角である 棘三角には小菱形筋の停止部がある 棘三角より下 方の内側縁には大菱形筋の停止部がある 肩甲棘は背面に突き出した形状をしているが 肩峰は前 方および側方に突き出し 水平面に平行な扁平の形状を呈している この前方に突き出した肩峰の 内側には関節面があり 肩峰関節面といわれている 肩鎖関節にて鎖骨と肩甲骨が連結されている 図 図 は肩鎖関節を中心に前方から見た図である 肩峰と鎖骨は肩鎖靭帯で連結している また烏口上腕靭帯は烏口突起の基部から起こり 大結節と小結節に付着する 肩峰の後方には下方に突出した肩峰角があり 肩峰と肩甲棘の境になっている 肩甲棘の上面に は肩甲骨を覆う僧帽筋中部線維と下部線維の停止部がある また 肩甲棘の下面には三角筋後部線 維の起始部がある 外側角には関節窩があり 上腕骨と肩甲上腕関節を形成している 関節窩の上 棘上窩 肩甲棘 烏口突起 肩峰 烏口突起 上角 肩峰角 関節窩 棘三角 外側角 棘下窩 下角 図 肩甲骨 図 肩甲骨に付着する筋

6 肩の解剖学 3 縁には関節上結節 下縁には関節下結節がある それぞれ上腕二頭筋長頭 上腕三頭筋長頭の起始 部になっている 関節窩の根元はくびれており 肩甲頸といわれている 肩峰の前方で関節窩の上方には肩甲頸から烏口突起が前外側方向に伸びている 烏口突起はまず 前方に伸び その後外側方向へ弯曲して突き出している 烏口突起は肩峰と共に関節窩の上面を取 り囲んでいる 烏口突起の起始部で上縁の外側端には切れ込みがあり 肩甲切痕と呼ばれている 烏口突起の先端は上腕二頭筋短頭および烏口腕筋の起始部となっている 烏口突起先端より近位部 に移行すると前面に小胸筋の起始部 菱形靭帯 円錐靭帯の付着部がある 同様に後面には烏口肩 峰靭帯の付着部がある 図 肩甲骨の前面は肋骨に接する肋骨面であり 平坦で軽く窪んでいる 図 その中央付近の大 部分は肩甲下筋の起始部の領域になっている さらに上角 内側縁 外側縁の淵に沿うようにして 前鋸筋の起始部が連なっている さらに肩峰前面と側面に三角筋中部線維 鎖骨遠位部の下面には 図 図 図 肩峰付近の靭帯 肩鎖関節面 烏口突起の靭帯 筋 図 肩甲骨前面に付着する筋

7 4 第 1 章 三角筋前部線維の起始部がある 鎖骨遠位部上面には僧帽筋上部線維の停止部がある 肩甲棘はほ ぼ第3胸椎の高さにあり 下角は第7 8肋骨間にある 内側縁は上肢を下垂しているときに垂直となっ ている 臨床では肩甲骨運動を評価するとき骨指標を利用する 体表上から触診可能な骨指標は肩甲棘 肩峰 上角 下角などが挙げられるが 上角や下角は肩甲骨の扁平した形状の一部突起した部位で あり 筋に覆われていること 運動範囲が大きく動きをとらえきれないなどの理由で安静時には触 診可能であるが 運動評価時には触診が不十分である そこで肩甲骨運動評価では肩甲棘を指標とし 棘三角の運動軌跡を評価することが望ましい また肩峰は上肢安静下垂時において水平面に平行の 扁平状の形状を呈していることから 肩甲骨の前後傾運動を評価するのに適している 2 上腕骨 図 上腕骨は肩甲骨と肩甲上腕関節を介して連結し 尺骨 橈骨と肘関節を介して連結している 上 腕骨の上端は上腕骨頭があり 内側方向を向いている 上腕骨頭の根元には解剖頸があり 境目となっ ている 上腕骨の上端の外側には大きく隆起した部位があり大結節といわれている 大結節は前方 から見て外側に隆起している さらに前方から見て内側部には小結節があり 大結節同様に隆起し ている この大結節と小結節の間には溝があり 結節間溝と呼ばれている 大結節の下方には大結 節稜 小結節の下方には小結節稜が連なっており 長い結節間溝を形成している 骨体の上方には外科頸がある 解剖頸および外科頸は骨折をきたしやすいといわれている 上腕 骨全長のほぼ真ん中あたりに三角筋の停止部となる三角筋粗面がある よって肩関節運動の主たる 筋である三角筋は上腕骨の中央付近に作用することが分かる 上腕骨の中央付近では後面において 橈骨神経溝が縦に通っている 骨体の下方にいくにつれ その形状は広がっている 内側方向に広 図 上腕骨

8 肩の解剖学 5 がる領域が内側縁を有する内側前面 外側方向に広がる領域は外側縁を有する外側前面に分けられる 前方から見て上腕骨下端には内側に上腕骨滑車 外側には上腕骨小頭がある さらに上腕骨滑車の 上方には鉤突窩があり 上腕骨小頭の上方には橈骨窩がある 上腕骨後面において上腕骨滑車の上 方には肘頭窩があり 尺骨の肘頭が収まる構造になっている 上腕骨下端では両方向において側方 に突き出しており 内側に内側上顆 外側に外側上顆がある 上腕骨の内側上顆と上腕骨滑車の間 には尺骨神経溝が走っている 図 は前面から見た上腕骨に付着する筋の部位を示している 外側上部に隆起した大結節の上 面には棘上筋の停止部がある また 大結節稜に沿って大胸筋の付着部が連なっている 小結節は 肩甲下筋の停止部である それより下方の小結節稜は大円筋の停止部になっている 結節間溝の小 結節稜側に広背筋の停止部がある 大結節稜 小結節稜のさらに下方に位置するのは三角筋粗面で あり 三角筋の停止部になっている それと同レベルで内側部には烏口腕筋の停止部がある 位置 関係をまとめると上腕骨上方に棘上筋 肩甲下筋などの腱板停止部があり 下方には三角筋 烏口 腕筋の停止部 この中間に大胸筋 広背筋 大円筋という関係になっている 図 は後面から見た上腕骨に付着する筋の部位を示している 大結節の外側に棘下筋の付着部 がある その下方には小円筋の付着部がある 上腕骨の後面で橈骨神経溝より内側下方には上腕三 頭筋内側頭の起始部 橈骨神経溝より外側上方には上腕三頭筋外側頭の起始部がある 図 は上腕骨を上方から見た図である 下側が前面である 前面の内側に小結節があり 外 図 上腕骨に付着する筋 前面図 図 図 上腕骨に付着する筋 後面図 上腕骨に付着する筋 上面図

9 6 第 1 章 側に大きな大結節がある この 2 つの結節の間は窪みがあり 結節間溝になっている 小結節には 肩甲下筋が停止し 大結節の前方には大きく棘上筋の停止部があり それより外側に棘下筋の停止 部がある しかし 最近の解剖学的な研究成果によるとこの割合は多少異なるといわれている 棘 上筋の領域が狭く その分棘下筋が前方までかなり回り込んで停止しているとのことである 臨床 的に腱板断裂で棘上筋の断裂があったとしても棘下筋以下の損傷が少なければ肩関節運動機能の改 善を経験するが この解剖学的関係からも棘下筋の重要性が再認識される 大結節の後方には小円 筋の停止部がある 3 鎖骨 図 鎖骨は上方からみて S 字状に弯曲した形状をしている 鎖骨の内側部では前方に凸となり 外側 部では後方に凸の形をとっている 鎖骨が棒状ではなく S 字の形状を呈している理由は ダイナミッ クな肩甲骨運動を可能にするために鎖骨の肩峰端に大きな移動を提供するためである S 字状の形 状はわずかな運動でその効果をより強調することができ さらに長軸内での回旋は末端を挙上させ たり 下降させたりすることも可能である 鎖骨は前突 後退 挙上 下制 長軸内回旋があり これらの動きが S 字の形状をなす鎖骨運動にてより助長したり 別の運動に変換したりするなどの 効果が期待される 胸骨に連結する胸骨端と肩甲骨に連結する肩峰端がある その間は鎖骨体となる 胸骨と鎖骨の関節は胸鎖関節といわれている また 肩峰と鎖骨の関節は肩鎖関節といわれている 図 胸骨端にはほぼ三角形の形状をした胸骨関節面がある 肩峰端にはほぼ卵円形である肩峰 図 図 鎖骨 肩鎖関節と胸鎖関節

10 肩の解剖学 7 関節面がある 胸鎖関節は複雑な関節を呈している 縦の面において鎖骨の胸骨側の関節面は中央 が大きく凸の形状をしており 横の面においては反対に凹の形状をしている これに対し一方の胸 骨側の関節面は縦の面において凹の形状を呈し 横の面においては凸の形状をしている 関節構造 は鞍関節となっている 図 よって X 軸 Y 軸 Z 軸の 3 つの軸に対して自由度を持って回転 運動をすることが可能である しかしこのような複雑な構造での多様な運動は関節面に与えるスト レスも大きいため関節円盤によって緩衝作用 調整作用などの機能が必要になる 胸骨側の鎖骨下面には肋鎖靭帯の付着部である肋鎖靭帯圧痕がある 鎖骨体の下面には鎖骨下筋 の停止部となる鎖骨下筋溝が通っている さらに鎖骨後面において肩峰端の近くで隆起した部位が あり これは烏口突起の基部から始まる円錐靭帯の付着部となっており 円錐靭帯結節といわれている 鎖骨の近位部下面には大胸筋鎖骨部 近位部上面には胸鎖乳突筋の起始部がある 鎖骨下面には中 央に鎖骨下筋 近位部に胸骨舌骨筋の起始部がある 鎖骨遠位部には前方に三角筋前部線維の起始部 後方には僧帽筋上部線維の停止部がある 図 図 胸鎖関節と肩鎖関節の関節面 図 鎖骨に付着する筋

11 8 第 1 章 図 胸骨に付着する筋 図 図 胸鎖靭帯と肋鎖靭帯 第1肋骨と第 2 肋骨 胸骨は胸骨柄と胸骨体からなっている 胸骨柄の上部と鎖骨の近位部上面には胸鎖乳突筋の停止 部がある また 胸骨柄と胸骨体の外側面と肋骨近位部には大胸筋胸骨部の起始部が連なっている 第一肋骨の近位部には鎖骨下筋の起始部がある 図 図 は胸鎖関節を中心にして前方から見た図である 鎖骨の近位部と第一肋骨を連結するの は肋鎖靭帯である また鎖骨近位部と胸骨の胸骨柄の上部を連結しているのは胸鎖靭帯である 胸 鎖靭帯の上面には両側の鎖骨を連結する鎖骨間靭帯が連なっている 胸鎖関節の関節腔を 2 つの部 分に分ける関節円盤がある 4 肋骨 図 肋骨は 12 対あり 上部の 7 対は胸骨と連結している 骨性である肋硬骨と軟骨性の肋軟骨に区別

12 肩の解剖学 図 肩甲骨の臼蓋を外側面から見た図 される 肋硬骨は肋骨頭 肋骨頸 肋骨体に分けることができる 肋骨頭と肋骨結節は胸椎の肋骨 窩と横突肋骨窩と連結している 肋骨結節の前外側には肋骨角がある 第 1 肋骨は斜角筋結節があり 前斜角筋の付着部となる その後方には鎖骨下動脈溝がある 第 2 肋骨はその上部に前鋸筋粗面があり 前鋸筋の一部の起始部になっている 胸郭は弾性力があり 元の状態に復元することができる 吸息時には前後左右に拡大する 呼息 の際には肋骨が下垂する それに伴い前後左右方向の狭小が生ずる 5 肩関節の軟部組織 図 は肩甲骨の臼蓋を外側面からみている 臼蓋は臼のように中央が凹状になっており そ の周辺は関節唇で覆われている 前上方には烏口突起が存在し 後上方には肩峰が平坦に横たわっ て存在している 烏口突起と肩峰は烏口肩峰靭帯で連結されており これらは肩甲上腕関節の屋 根のような構造になっている 臼蓋の上後方には肩峰下に肩峰に沿うようにして棘上筋が覆ってい る その下方で臼蓋の後方にあたる部位には棘下筋が存在している さらにその下方には小円筋が 存在している これら棘上筋 棘下筋 小円筋の腱板は臼蓋の上方から後面を覆っていることになる また 臼蓋内後方より上方に伸びながら前方に迂回する上腕二頭筋長頭腱が臼蓋の直上に存在して いる 臼蓋の前方で烏口突起の下方には肩甲下筋腱が臼蓋前面を広く覆っている 肩峰下滑液包は 上方において肩甲下筋と肩甲頸 烏口突起基部 の間に存在している 肩峰下滑液包は肩甲下筋腱上 部と烏口突起基部を潤滑する役割を担っている 肩甲下筋はほかの腱板とは異なる滑動機構を要し 1) ている

13 10 第 1 章 第3節 第1項 肩に関連する筋の解剖学 肩甲骨 鎖骨に関連する筋 1 僧帽筋 図 起始 後頭骨の上項線と外後頭隆起 項靭帯 第 7 頸椎 第 12 胸椎の棘突起と棘上靭帯 停止 肩甲骨の肩甲棘と肩峰 鎖骨の外側 1/3 の領域 作用 全体では肩甲骨を内転させる作用がある 上部線維では肩甲骨を挙上させる 上肢帯が固定 されているときは 頸部を同側方へ側屈させ 両側が働くと 頸部を伸展させる 神経支配 副神経の外枝 頸神経叢の筋枝 C2 C4 筋連結 小菱形筋 大菱形筋 上後鋸筋 三角筋 2) 触診の仕方 僧帽筋は上部線維 中部線維 下部線維に分けられる 上部線維の触診は外後頭隆 起から 2 横指外側の部位と 鎖骨の外側 1/3 の部位を弓状に結ぶ線上を浅層の筋腹を胸郭に 向かって内側尾方に圧迫し 僧帽筋の上部線維の外側上縁を触診する 図 a 下部線 維は肩甲棘より下方で第 12 胸椎棘突起より上方の範囲で三角形の形状をしている 肩甲棘 の内側端から 2 横指外側方の部位と第 12 胸椎棘突起を結ぶ線と脊柱および肩甲棘の延長線で 囲まれた範囲で脊柱に近い付近では脊柱起立筋があるため 肩甲棘内側端と下角を結んだ線 の中間点より若干内側方にて触診する 図 b 中部線維では肩甲棘上では深層に棘下 筋があるため肩甲棘内側端より 2 横指上方にて触診する 図 c 3) 電極位置 僧帽筋上部線維 第 7 頸椎棘突起よから 2 cm 外下方の位置で筋線維に平行に貼付する 僧帽筋中部線維 肩甲棘内側端と第 2 胸椎棘突起を結ぶ水平線上で筋線維に平行に貼付する 僧帽筋下部線維 肩甲棘内側端から 5 cm 内下方の位置で筋線維に平行に貼付する 2 前鋸筋 図 起始 第 1 8 肋骨 第 1 2 肋骨間の腱弓 停止 肩甲骨の上角 内側縁 下角 作用 肩甲骨の外転 上方回旋 神経支配 長胸神経 C5 C7 筋連結 小菱形筋 大菱形筋 肩甲挙筋 外腹斜筋 触診の仕方 前鋸筋は腋窩の下で体幹の側壁に位置している 触診の場所は肩甲骨下角の水平線と 腋窩の垂線の交わる付近で触診する 前には大胸筋 後ろには広背筋があるのでその中央部 を触診することになる 電極位置 肩甲骨下角レベルで腋窩中央を通る垂線と交わる部位にほぼ平行に貼付する 筋の構造 前鋸筋は第 1 8 または 9 肋骨を起始とし 上角と下角を含む肩甲骨の内側縁全域に停止 する 肩甲骨の内側縁を中心に肋骨外側に向かって放射状に広がる大きな筋であるが 背部 4) では肩甲骨と広背筋に 腹部では大胸筋に覆われている 河上ら は触診可能な部位として

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