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1 薬品分析化学第 8 回 HendersonHasselbalch の式 ( 復習 ) ph 緩衝液 (p 55 ~) 溶液中に共役酸 塩基対が存在しているとき ph p 共役酸 塩基の濃度関係を表す 8 弱酸 HA の平衡式 O H O A において HA H A = mol/l, [A= mol/l とすると O [A より O A A [A となり ph p が導かれる 〇弱酸 HA ( mol/l) を溶かした場合 : O + = [A, A >> [A であるから O [A O O A p ph 0 ダメ 〇弱酸 HA ( mol/l) とその塩 ( 共役塩基 mol/l ) を溶かした場合 : O + [A, A, [A O [A O O A ph p が成り立つ 溶液の種類化学平衡式計算式 HA の溶液 :A が無視できる濃度 HA HO HO A [ HO ph p A の溶液 : HA が無視できる濃度 A H O HA OH [OH pkb Kb poh 緩衝液 : HA 及び A 共に無視できない濃度 HA HO H O A H O HA OH A [ H O ph p

2 各種 ph 緩衝液 緩衝液は共役酸 塩基対からなり 緩衝作用が有効に働く ph 領域は 一般に ph = p ± である [A ph p A A : [A 0:~:0 8 共役酸 / 塩基対 p 化合物組合せ例計算式平衡式 H OOH / H OO 4.74 H OOH / H OONa H PO 4 / H PO 4. H PO 4 / NaH PO 4 H PO 4 / HPO 4 7. KH PO 4 / K HPO 4 NH + 4 / NH 9.5 NH 4 l / NH HO / O 0.6 NaHO / Na O H O /HO 6.4 H O / NaHO [H OO ph 4.74 [HOOH PO4 ph. PO4 PO4 ph 7. PO4 [NH ph 9.5 [NH4 [O ph 0.6 O O ph 6.4 O () () () (4) (5) (6) N R ph 8.06 N R H N (HOH) HO HN(HOH) HO トリスアミノヒドロキシメタン

3 ph 緩衝液の調整法に関する例題 () ) 弱酸 ( 弱塩基 ) とその共役塩基 ( 酸 ) の混合による調整法 8 例 H OOH mol と H OONa 0. mol を L の水に溶かすと ph は? [H OO ph [HOOH [H OO O または O O [HOOH 000 例 H OOH mol/l 00 ml と 0. mol/l H OONa 00 ml を混合すると ph は? [H OO (00 00) ph [HOOH 00 (00 00) 0. [H OO O または O O [HOOH 例 ph 6.9 の 0. mol/l リン酸緩衝液を L 作成するためには 各々何グラムの NaH PO 4 と Na HPO 4 を溶かせばよいか PO4 ph 7. PO4 PO PO4 PO4 0. PO4 NaH PO 4 : Na HPO 4 =: となるようにすればよい 溶液 L 中の両者の合計は 0. mol であるから NaHPO4 (g) 0.0 (g / mol) 8 g, NaHPO4 (g) 0.4 (g / mol) 4.7 g

4 ph 緩衝液の調整法に関する例題 () ) 弱酸 ( 弱塩基 ) に強塩基 ( 酸 ) を添加する調整法 84 例 0. mol NaH PO 4 と0. mol と NaOH 0. mol を L の水に溶かすと ph は? NaH PO 4 は両性化合物であるから 強塩基 NaOH と反応し その量的変化は NaHPO4 NaOH NaHPO4 HO (0. mol) (0.mol) (0 mol) (0.mol) (0 mol) (0.mol) 溶液中には NaH PO 4 (= H PO 4 ) とNa HPO 4 (= HPO 4 ) が存在するから 以下の平衡が成り立つ HPO4 HO HPO4 H O 0. したがって ph 例 0. mol/l NH 00 ml に 0. mol /L Hl 50 ml を加えるとその溶液の ph は? 弱塩基 NH に強酸 Hl を添加すると 反応は以下のように進行し その量的関係は NH Hl NH4l ( NH4 (40 mmol) (5 mmol) (0 mmol) (5 mol) (0 mol) (5 mmol) 溶液中では以下の平衡が成り立つ NH 4 H O NH HO l ) * mol / L ml mmol. 5 (00 50) したがって ph (00 50)

5 4. 分子型とイオン型の存在比 (p 59) 弱酸 HA 又は弱塩基 B の化学平衡 85 [A [A HA H O A H O ph p ph p A A ( 分子型 ) ( イオン型 ) [BH [BH B H O BH OH poh pkb p ph [B [B ( 分子型 ) ( イオン型 ) ph により分子型とイオン型の存在比が変化する 弱酸 弱塩基が水に溶けるときに 分子型の溶解度はほとんど変わらないがイオン型が溶解するため水溶液を作成するための目安の ph を決定できる 例題 = x 0 4 の弱酸の ph =.7, ph =.7 及び ph = 5.7 における分子型 イオン型のモル分率を求めよ ただし = 0.0 とする p 04.7 ) ph ) ph ) ph.7 のとき.7 のとき 5.7 のとき [A [A ph p A A [A [A ph p A A [A [A ph p A A 0 A : [A : 00 A : [A 0 : A : [A : 00

6 分子型とイオン型の存在比 () ph による弱酸 HA の分子型 (HA) とイオン型 (A ) 存在比変化 [A O A [A O [A ; A A O A A O HA のモル分率 : A [A A ph p O 0 A O [A [A A のモル分率 : A [A p ph O [A O 0 [A 割合 HA ( 分子型割合 ) A( イオン型割合 ) p=4.7の弱酸 HA ph 86 ph による弱塩基 B の分子型 (B) とイオン型 (BH + ) 存在比変化 [BH [OH [BH [OH [BH Kb [B [B Kb O Kb [B [BO [BH [OH [B [B Bのモル分率 : [B [BH [B p ph O O 0 [B [BH [BH O BH のモル分率 : [B [BH [BH ph p O 0 [BH O BH + ( イオン型割合 ) p=9.7(pkb=4.) の弱塩基 B B ( 分子型割合 ) ph

7 多塩基性弱酸 H A の ph 変化による分子型 (H A) とイオン型 ( HA, A ) 存在比変化 右の図は p =., p =7.5 の H A の各分子種の ph によるモル分率を示したものである 各 ph の割合は以下のように計算できる HA HA HO HO HA A HO HO A O A [A O A A A A A, [A O O O A A O HAのモル分率 : A A [A A A O O A O O A O A A, [A O A A O HA のモル分率 : A A [A A O A O O A O A O O [A O [A A, A [A [A A のモル分率 : A A [A [A O [A O O O [A H A HA A p =. p =7.5 87

8 演習問題 問題. = x 0, = 5 x 0 7 の多塩基性酸 (H A, 濃度 0. mol/l ) について答えなさい = 0.0, = 0.48 とする ) 0. mol/l H A 水溶液の ph を求めなさい ) p, p を求めよ ) ph=p ± の領域で主として存在する化学種はなにか 4) ph=p ± の領域で主として存在する化学種はなにか. 5) ph = (p + p )/ で主として存在する化学種はなにか 6) ph =.0 における分子種を示し それらのモル分率を示しなさい 7) ph = 6.0 における分子種を示し それらのモル分率を示しなさい 88 問題. 以下の各問に答えよ ( ただし H =, =, N = 4, O = 6, P=, = 0.0, = 0.48). ) アンモニア緩衝液の ph が 8.75 のとき NH と NH 4 + の濃度比はいくらか ( NH の pkb = 9.5) ) 酢酸緩衝液の ph が 5. のとき 酢酸 酢酸イオンの濃度比はいくらか (H OOH の p = 4.74) ) 0. mol/l 酢酸溶液 00 ml と 0. mol/l 酢酸ナトリウム溶液 00 ml を混合するとその ph はいくらになるか 4) ph = 5.4 の酢酸緩衝液 L を作製するためには 酢酸 酢酸ナトリウムのモル比をいくらにすればよいか 5) ph =.6 の 0. mol/l リン酸緩衝液 L を作製するためには何グラムのリン酸 リン酸ナトリウム何グルムが必要か 問題. 以下の A, B, 各液の混合溶液について問に答えなさい A 液 B 液 液 a 0. mol/l H OOH 90mL 0. mol/l Hl 0 ml p=4.74 b mol/l NH 90 ml 0. mol/l NaOH 0 ml pkb=4.74 c 0. mol/l H OOH 00 ml 0. mol/l H OOK 00 ml mol/l KOH 0 ml p=4.74 d 0. mol/l Na HPO 4 00 ml mol/l NaH PO 4 00 ml 0. mol/l Hl 0 ml p =.,p =7.,p =. e 0. mol/l H PO 4 00 ml 0. mol/l NaOH 00 ml p =.,p =7.,p =. f mol/l Na O 00 ml mol/l Hl 50 ml p =6.4, p =0.6 g 0. mol/l KH PO 4 00 ml 0. mol/l K HPO 4 00 ml 0. mol/l H PO 4 00 ml p =.,p =7.,p =. ) 混合したときの反応式を示せ ( ただし 全て反応が起こるとは限らない ) ) 混合溶液中の化学平衡式を示せ ) 混合溶液のpH を計算せよ

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