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1 第 2 回細胞の代謝 教科書 4 章 &16 章 代謝 (Metabolism) 教科書 p46 好気的条件下で生きている細胞は 細胞外から摂取した栄養素を呼吸により酸化し 細胞活動エネルギーを獲得し 細胞内の様々な物質を分解 作り替える 細胞内の物質変換の過程を代謝と呼ぶ 酵素 代謝 物質変換 + エネルギー取入れ 生物 物質 & エネルギー 代謝 ATP 体構築 & 運動その他の活動 生物現象は 酵素触媒反応 生化学反応 (Biochemicla reaction) 教科書 p46~48 教科書 p83 リン酸無水物結合 アデノシン 5 - 一リン酸 (AMP) は RNA に存在するヌクレオチド ATP + H 2 O リン酸分子が水を失って縮合した共有結合 ADP + リン酸 + 自由エネルギー ATP の加水分解によって ΔG =-30.5kJ/mol -7.3kcal/mol ( 1J = 0.239cal ) 反応物生成物の化学反応での自由エネルギー (G) 変化 ( G ) は G =G( 生成物 )-G( 反応物 ) Gが負なら正反応が自発的に起こる傾向 G が正なら逆の反応が起こる傾向 Gが0であれば両者は同速度で進行し 平衡状態 <P44 参照 >

2 ヌクレオシド (Nucleoside) とヌクレオチド (Nucleotide) の名称 教科書 p84-85 アデニン (A) プリン グアニン (G) 塩基 シトシン (C) ピリミジン ウラシル (U) [ チミン (T)] ヌクレオシド RNA 中 アデノシン グアノシン シチジン ウリジン DNA 中 デオキシア デオキシグ デオキシシ デオキシチミジン デノシン アノシン チジン ヌクレオチド RNA 中 アデニル酸 グアニル酸 シチジル酸 ウリジル酸 DNA 中 デオキシアデニル酸 デオキシグアニル酸 デオキシシチジル酸 ヌクレオシド一リン酸 AMP GMP CMP UMP ヌクレオシド二リン酸 ADP GDP CDP UDP ヌクレオシド三リン酸 ATP GTP CTP UTP デオキシヌクレオシド一 二 三リン酸 camp 等 デオキシチミジル酸 ヌクレオシドは塩基と糖の結合したもので リン酸基はない ヌクレオチドはヌクレオシドに 1~3 個リン酸基が 5 のヒドロキシ基にエステル結合したもの 栄養素 ( グルコース ) エネルギーをATPの形で保存酸化分解 ATPの加水分解 細胞 運動 高分子化合物の合成電気的 力学的仕事 還元力 (Reducing power) を NADH NADPH 等の形で保存 NAD + (nicotinamide adenine dinucleotide) NADP + (nicotinamide adenine dinucleotide phosphate) FAD (flavin adenine dinucleotide) 教科書 p47 ATP は生体エネルギーの通貨 代謝経路 (metabolic pathway) 中で物質の酸化還元を媒介 酵素と酸化還元反応 (Redox reaction) する電子輸送体 ( 補酵素 ) ニコチンアミドモノヌクレオチド + AMP = NAD + NAD + リン酸 = NADP + 還元は逆反応 細胞内の代謝 教科書 p50~52 酸化 1 酸素と結合する反応 ( 生体外 ) 2Cu + O 2 Cu + H 2 O 2 水素を離す反応 ( 生体内 ) A H 2 + B A + B H 2 3 電子を離す反応 ( 生体内 ) Fe 2+ Fe 3+ + e - タンパク質 多糖類 複合脂質は 独立した代謝系で それぞれ構成単位のアミノ酸 単糖 脂肪酸から合成され その構成単位に分解 糖や脂質 構成単位は中間代謝物質を介し 単純な基本代謝物質間で変換 基本代謝物質は相互に変換

3 タンパク質代謝糖代謝脂質代謝 タンパク質 タンパク質合成加水分解 ( リボソーム ) アミノ酸 グルタミン酸 アスパラギン酸 教科書 p49 アラニン アミノ基転移 オキザロ酢酸 コハク酸 多糖類加水分解単糖 グルコース 解糖系 糖新生 ピルビン酸 アセチル CoA クエン酸回路 2- オキソグルタル酸 グリセロール三リン酸 β 酸化 クエン酸 グリセロール + 脂肪酸 脂肪酸合成 加水分解 複合脂質中性脂肪 アシル基転移反応 エネルギー要求反応 エネルギー産生反応 酵素の基本的性質 細胞内のすべての物質変化 酵素のよる触媒作用 触媒 (catalyst): 反応の前後で自身は変化なしに反応速度を高める物質酵素は活性化エネルギー (activation energy) を下げることで反応速度を上げる プロテインキナーゼ A によるペプチドのリン酸化 教科書 p54 酵素反応は V max と K m で特徴付けられる 特定の基質 (Substrate)S( 濃度 [S]) に対する酵素の触媒作用の反応初速度 V は V=V max /(1+K m /[S]). Michaelis-Menten の式 V max は 最大反応初速度 K m は 酵素と基質の親和性を示す Michaelis 定数で 反応速度が最大速度の半分 (V max /2) に到達する基質濃度 教科書 p54~56 フルクトース 6- リン酸の段階で行われる細胞質でのグルコース代謝のアロステリック調節 教科書 p56 アロステリック制御酵素の活性中心以外の部分 ( アロステリック部位 ) に対してエフェクター分子が会合して酵素の構造が変化し 酵素の触媒活性や複合体形成反応の平衡定数が増減する効果 ( アロステリック効果 ) により酵素やタンパク質の機能が制御される現象 解糖系の調節で主要な役割を果たす 6- ホスホフルクトキナーゼは 細胞内のエネルギーの蓄えが減った時に高濃度になる AMP とフルクトース 2,6- ビスリン酸によってアロステリックに活性化される アロステリック性 (Allostery): 多量体からなる酵素で見られ 活性中心以外のアロステリック部位へのリガンドの結合で引き起こされるタンパク質の協同的立体構造の変化

4 ATP 合成 基質レベルのリン酸化反応 ( キナーゼ ) 物質 ~P + ADP (AMP~P) フルクトース 6- リン酸 + ATP フルクトース 1,6 ビスリン酸 + ADP キナーゼ (kinase) 教科書 p 物質 +ATP (AMP~P~P) リン酸化反応 ( キナーゼ ) 脱リン酸化反応 ( ホスファターゼ ) フルクトース 1,6 ビスリン酸 + H 2 O フルクトース 6- リン酸 + リン酸 糖代謝 グルコース 解糖系 ( エムデン マイヤホフ経路 ) 教科書 P194~200 β 酸化 五炭糖リン酸経路 脂肪酸合成 酸化的リン酸化 酸化還元酵素 呼吸鎖 F 型 ATP 合成酵素 物質 電子 (NADHなど) H + 電子 ATP 電子伝達系 化学的勾配 ADP + 無機リン酸 クエン酸回路 Citric acid cycle ミトコンドリア呼吸鎖別名トリカルボン酸回路 (Tricarboxylic cycle) TCA 回路 (TCA cycle) クレブス回路 (Krebs cycle) 解糖系 グルコース ATP ADP グルコース 6 リン酸 フルクトース 6 リン酸 教科書 p フルクトース 6 リン酸 ATP ADP フルクトース 1, 6 ビスリン酸 グリセルアルデヒド 3 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸

5 グリセルアルデヒド 3 リン酸 1, 3 ジホスホグリセリン酸 2ADP 2ATP 3- ホスホグリセリン酸 2NAD 2NADH 3- ホスホグリセリン酸 2- ホスホグリセリン酸 ホスホエノールピルビン酸 2ADP 2ATP ピルビン酸 脱水反応 C 6 H 12 O 6 2C 3 H 6 O 3 G =-196kJ/mol -46.8kcal/mol ( 1J = 0.239cal ) Pyruvate ピルビン酸カルボキシラーゼ ATP+CO 2 ADP+Pi ピルビン酸脱水素酵素複合体 CoASH+NAD + NADH+H + +CO 2 教科書 p ミトコンドリア内膜内反応 リンゴ酸脱水素酵素 フマル酸ヒドラターゼ コハク酸脱水素酵素 クエン酸シンターゼ クエン酸回路 Citric acid cycle スクシニル CoA シンテターゼ 2- オキソグルタル酸脱水素酵素 アコニット酸ヒドラターゼ アコニット酸ヒドラターゼ イソクエン酸脱水素酵素 GTP は ATP に相互変換可能 グルコース 解糖系 ~ クエン酸回路 CO 2 と水素 (10NADH+2FADH 2 ) 2NADH+2ATP 8NADH+2FADH 2 +2GTP =10NADH+2FADH 2 +4ATP

6 リンゴ酸 アスパラギン酸シャトル 解糖系で生産された NADH のミトコンドリア内への輸送ミトコンドリア内膜は NADH を透過させないので このシャトルでミトコンドリア内へ アスパラギン酸 オキザロ酢酸 リンゴ酸 2- オキソグルタル酸 グルタミン酸 対向輸送体 対向輸送体 教科書 p198 図 オキソグルタル酸 膜間部ミトコンドリア内膜ミトコンドリアマトリックスグルタミン酸 アスパラギン酸 オキザロ酢酸 リンゴ酸 教科書 p197 1 分子の NADH の完全酸化 ATP 約 3 分子生成 = コエンザイム Q(CoQ) NADH 脱水素酵素 H + の n の総和 9 シトクロム bc1 複合体 ( シトクロム c 酸化還元酵素 ) シトクロム c シトクロム c 酸化酵素 キノン回路 キノン回路 シトクロム bc1 複合体 NADH 10 個の H + FADH 2 6 個の H + その他は上図の右と同じ 教科書 p197 コハク酸フマル酸

7 教科書 p194 クエン酸回路で コハク酸がフマル酸に酸化されると FADH2 が生じる FADH2 の電子のエネルギー (43.4kcal/mol) は NADH の電子のエネルギーより低く FADH2( コハク酸 ) は NADH よりも後のところで電子を呼吸鎖に送り込むので マトリックスから汲み出される H+ が少なく ph 変化も小さくなる 1 分子のコハク酸の酸化で 6 個の H+ がマトリックスから膜間腔に汲み出される (ATP2 分子生成 ) F 型 ATP 合成酵素 H+ 濃度勾配に従った H+ 輸送に共役して ATP 合成 教科書 p199~200 図 16-7 コラム図 16-2 約 3H + /ATP ( 種特異性 ) 教科書 p200

8 グルコース 解糖系 ~クエン酸回路 CO 2 と水素 (10NADPH+2FADH 2 ) 教科書 p195 グルコース 1 分子あたり生成する ATP 量は 解糖系で 2 分子 クエン酸回路で ( 生成される GTP を ATP 換算すると )2 分子 FAHD 2 2 分子の完全酸化で 4 分子 NADH10 分子の完全酸化で 30 分子の合計 38 分子 アミノ酸構成するアミノ基は尿素に変換され 残りの炭素骨格は解糖系や l クエン酸回路経由で完全酸化 脂肪酸の分解は 炭素 2 個単位で脱水素される (β 酸化 ) Glucose + 6O 2 6CO 2 + 6H 2 O G =-2,870 kj/mol -691 kcal/mol 好気的代謝反応全体 Glucose + 6O 2 + 約 38ADP + 約 38P i 6CO H 2 O + 約 38ATP 教科書 p198 練習問題 提出期限 : 4 月 22 日 ( 金曜日 ) 提出場所 : 1 号館 2 階南西端舟橋研究室 (1217 号室 ) 右上の化合物は何か? このヌクレオチドは DNA RNA のどちら または両方に存在するのか? この化合物はミトコンドリア内の主にどこで合成されるか? 答えよ 糖代謝に関わる経路のうち ミトコンドリア内で起っている反応は 解糖系 クエン酸回路 電子伝達系 ( 呼吸鎖 ) のうちどれか また これらのうちで酸素を必要とするのはどれか? 解糖系で生じた電子は リンゴ酸 アスパラギン酸シャトルを利用して呼吸鎖に運ばれると考えられるが そのシャトルを説明せよ その際にアミノ酸の果たす役割についても述べよ F 型 ATP 合成酵素は ミトコンドリア外膜 内膜のどちらに存在するのか? また NADH から 1 対の電子が電子伝達系 ( 呼吸鎖 ) に伝達されると約 3 分子の ATP が合成されるしくみを説明せよ

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