日気 食 会 報, 31 (4), 時 間 して の昼 食 時 に ソバ が飲 み こめ ない, 牛 乳 が鼻 へ逆 流 す る こ と に気 づ く 流 動 物, 固 形 物 と もに 嚥 下 困 難 で あ っ た 5月27日 る と 呼 吸 困難 を 訴 え た 5月29日 頃 に

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1 J. Jpn. Bronchoesophagol. Soc. Vol. 31 No. 4 Dysphagia with Sudden Onset Due to Polyneuritis Cranialis Norimasa Miyakogawa, M.D., Tetsuzo Inouye, M.D., Eiichi Tanaka, M.D., Fumihisa Hiraide, M.D., Yasukiyo Tsubaki, M.D. and Masamichi Sawada, M.D. Department of Otorhinolaryngology, National Defense Medical College, Saitama A case of dysphagia with acute onset due to polyneuritis cranialis is reported. The patient was a 29-year-old female who had complained of dysphagia and hoarseness for approximately two weeks following common cold. Clinical symptoms of dysphagia, right soft palate paralysis, right vocal cord paralysis and right accessorius cranial nerve paralysis commenced in two weeks after upper respiratory infection possibly by virus. Clinical diagnosis was made of dysphagia with sudden onset due to polyneuritis cranialis on the basis of the following findings: 1) The onset of symptoms(c2-3) was rather abrupt following upper respiratory infection. 2) The paralysis of right IX N. glossopharyngeus, X N. vagus and XI N. accessorius was present. 3) Initial clinical symptoms disappeared in 40 days under therapeutic regimen of Vitamin B1, B12, corticosteroid and antibiotic administration. 4) The paralysis of right VII N. facialis and XII N. hypoglossus occurred in 4 months after disappearance of initial symptoms. 5) The paralysis of VII N. facialis disappeared in 2 months under the same therapeutic regimen as applied for initial clinical symptoms. However, XII N. hypoglossus remains paralyzed.

2 日気 食 会 報, 31 (4), 時 間 して の昼 食 時 に ソバ が飲 み こめ ない, 牛 乳 が鼻 へ逆 流 す る こ と に気 づ く 流 動 物, 固 形 物 と もに 嚥 下 困 難 で あ っ た 5月27日 る と 呼 吸 困難 を 訴 え た 5月29日 頃 に は寝 某内科 を 受 診, 胸 部 レ ン トゲ ン撮 影 に て異 常 な く, 血 液 検 査 に て 白血 球5,400/mm3, 赤 血 球 /mm3, Hb 13.7g/dl, Ht 39.8%, 神 経 性 疾 患 (ヒ ステ リー) の 疑 診 の も とに5月31日 精 査 と治 療 の 目 的 で 当科 を紹 介 され 来 院, 初 診 時 外 来 所 見 に て 右 反 回 神 経 麻 痺 を認 め る 活 気 な く全 身 や や衰 弱 気 味 の た め即 日入 院 した 入 院時現症 全 身所 見: 体 格 中等, 体 重48.0kg, 比 較 的 可, 体 温36.1C, 吸 栄養 脈 搏72/min整, 呼 図1 正 常, 血 圧92-64mmHg 精 神 状 態: 意 識 明瞭 に して異 常 を認 め ず (2)耳, 鼻 副 鼻 腔, 咽 喉 頭X-P所 顔 貌: や や ふ さ ぎ込 み, 活気 な し (3)頭蓋, 頭 蓋 底X-P所 皮 膚: 湿 潤 に して正 常 な し 頭 部, 顔 面, 胸 腹 部, 四 股 に視 診, 打 診, 触 (4)頸椎, 椎 間 孔X-P: 見: 異 常 な し 見: 頸 静 脈 孔 に病 的 所 見 C4-5の 病 的 後 屈 あ る も神 診 上 特 記 す べ き異 常 な し しか し右 肩 の下 垂 を 経 症 状 な し 椎 間 孔 左 右 対 称 認 め る 病 的 反 射 は認 めず (5)右椎 骨 お よび 脳 動 脈 撮 影X-P所 見: 椎 骨 動 脈 お よび 脳 底 動 脈 領 域 に vascularization な どの 脳 神 経 所 見: (1)第I 第VIII神経: 正 常 病 的所 見 な し (2)第IX (神経: (1)口蓋 垂 左 方 偏 衙, 右 軟 口蓋 挙 上 (6)食道 造 影X-P所 不 能, (2)嚥下 障 害 (3)第X神 経: 右 声 帯 の正 中位 固定 (反 回神 経 麻 程 度 に 比 較 して造 影 剤 の 流 れ は 良 好 喉 頭 へ の バ リウ ム の流 入 が 軽 度 に認 め られ た 嚥 下 運 動 痺) は比 較 的 正 常 と思 われ た (4)第XI神経: 右 胸 鎖 乳突 筋 お よび僧 帽 筋 の 萎 内視 鏡 検 査 所 見: (1)喉頭 鏡 (fiberscope) 検 査 所 見: 右 声 帯正 中 位 縮, 右 肩 挙 上運 動 の軽 度 障 害 (5)第XII神経: 正 常 固 定 あ り反 回 神経 麻痺 を認 め る 右 声 帯 の軽 度 小 脳 症 状: 異 常 所 見 な し 脊 髄 神 経 症 状: 右C2-3刺 見: 患 者 の 訴 え る嚥 下 障 害 の 激 症 状 あ り圧 痛 を 萎 縮 あ り (図1) (2)食道 鏡 (fiberscope) 検 査 所 見: 食 道 粘 膜 正 常, 織 製 の走 行 異 常 な し 認 め る 筋 電 図 検 査 所 見: 眼科 所 見: 異 常 な し オ トガイ舌 骨 筋 と輪 状 咽頭 筋 の2筋 に つ い て 梅 毒 反 応: 陰 性 脳 脊 髄 液 検 査: 無 色 透 明, 初 圧120mmH2O, 排 液5ml, 終 圧80mmH2O, 性 (圧 上 昇), Nonne-Apelt 細胞 数20/3, Queckenstedt (-), 細 胞 種 類N:L=6:14, Pandy 陰 各 々の 時 間 的 協調 性 につ き検 討 した と こ ろ, オ トガイ 舌 骨 筋 収 縮 開 始 時 か ら輪 状 咽 頭 筋 の収 縮 開始 ま で の時 間 は msec. (-), 総蛋 白 で あ っ た 各 嚥 下 時 の パ タ ー ンに乱 れ を 認 め た High am. 量16.0mg/dl, 糖52mgldl. X線 検 査 所 見: plitude, low amplitude や fibrillation denervation voltage は 見 られ な か った (図2) 前 (1)胸部X-P所 筋 で は 左 側 に 比較 し て右 側 の 頻 度 は弱 い よ うで 見: 胸 廓, 縦 隔 に異 常 な し 肺 野 お よび 心 陰 影 に異 常 な し 横 隔 膜 の陥 凹 お よび あ った (図3) 血 液 学 的 検 査 所 見: 白血 球4800/m3, そ の胸 膜 癒 着 所 見 あ り 赤血球

3 Dysphagia (sudden onset) Upper beam Lt. M. cricothyroideus Lower beam Rt. M. cricothyroideus Upper beam Lt. M. cricothyroideus (contraction) Lower beam Rt. M. cricothyroideus (contraction)

4 Rt. facial paralysis Upper beam: Lt. M. orbicularis oculi (at rest) Lower beam: Rt. M. orbicularis oculi (at rest) Upper beam: Lt. M. orbicularis oculi (contraction) Lower beam: Rt. M. orbicularis oculi (contraction)

5 日気 食 会 報, 31 (4), 1980 不 明 も し くは特 発 性 と して い る症 例 中, 感 冒 に 続 発 した もの は感 冒 を一 つ の原 因 と して取 り扱 うべ き だ と して い る 廣 瀬2)は 反 回神 経 麻 痺 で そ の原 因 の推 定 が 困難 な こ とか ら特 発 性 麻 痺 と す る報 告 が 多 い と して い る しか し特 発 性 とい う診 断 が つ くの は 消 極 的 診 断 で あ り, 諸 検 査 に よ っ て あ らゆ る原 因 的 疾患 を除 外 してか ら下 す 診 断 名 で あ る とい え る 従 っ て器 質 的 病 変 が な いか を詳 細 に検 討 す る こ とか ら考 察 を始 め るべ き で, 特 発 性 とい う診 断 名 を冠 す る こ とは あ く ま で最 終 段 階 で あ る と強 調 して い る Ellis ら18) も完 全 な検 索 に もか か わ らず 反 回 神 経 麻 痺 の原 図6 因 がつ か め な い よ う な 場 合 のみ に idiopathic recurrent Rt. paralysis of hypoglossal n. nerve paralysis と名 づ け る べ き で あ る と し て い る ま た い く つ か の 原 因 の う ち, 少 数 例 で は あ る が急 性 上 気 道 炎後 に 続 発 し て い る こ と を初 め て 注 目 し て い る 混 合 性 喉 頭 麻 痺 と い う呼 称 は1864年 一 側 の 軟 口蓋, 筋, Upper Lower beam: beam: 僧 帽 筋 麻 痺 を 呈 した 症 例 を 報 告 し, Jackson Lt. Tongue (contraction) Rt. Tongue (contraction) 100msec 500μV 症 候 群 と した の が 初 め で あ る Cody20)や Work7)も 図7 Jackson19)が 声 帯, 胸 鎖 乳 突 こ の 疾 患 に 関 し報 告 手 術 の術 後 性, 混 合 性 喉 頭 麻 痺, 特 発 性 な どが し, 病 巣 が 中枢 性 で あれ ば延 髄, 末 梢 性 で あれ あ げ られ て い る1)-8) Clerf8)は 疾 患 別 で は な ば頸 静 脈 孔 附 近 で あ る と論 じて い る Cody20), く, そ の分 類 法 を機 械 的, 腫 瘍 性, 外 傷 性, 中 Rullan21), 天津22)は混合 性 喉 頭麻 痺 の 原 因 と障 毒 性 ま た は炎 症 性 お よび特 発 性 と して い る 明 らか な 原 因 の 認 め られ ない 反 回 神 経 麻 痺 は 従 害 部 位 につ い て, 延 髄 に お け る 中枢 性 喉 頭 麻 痺 来, 特 発 性 反 回神 経 麻 痺 あ るい は原 因不 明 と記 害 に よる もの で は Wallenberg 載 され て い る ま た神 経 炎, infectious neuritis 外 の血 管 障 害 (動 脈 瘤, 血 栓, 出血) に よる球 と記 載 した報 告 もあ る8)-13) と くに Clerf8)は 293例 中49例 が炎 症 に 関連 し中 で も45例 は上 気 麻 痺, 脊 髄 空 洞 症, 多発 性 硬 化 症, 新 生 物, 外 症 候 群 と して, 延 髄 に お け る感 染 お よび血 管 障 症 候 群, 延 髄 内 道感 染 の既 往 歴 を もつ と述 べ て い る 浅 野 ら41), 傷 を あ げ, 一 般 に 中枢 性 障害 と して は 両側 同時 に侵 され や す い と して い る 末 梢 性 障 害 と して 佐 々 木ら15), 山 崎 ら16)もこれ らの もの の 病歴 を は頸 静 脈 孔 あ るい は そ の 附近 の 障 害 に よ る頸静 詳 細 に検 討 す る と, virus 性 の感 冒 お よび上 気 脈 孔 症 候群 す な わ ち舌 咽, 迷 走, 副, 舌 下 神経 の 組 合 され た 障 害 に よ る もの, 鼻 咽腔 か ら上 行 道 炎 が 前 駆 してい る もの が 多 い と して い る 高 した 腫 瘍 ま た は炎 症, 頸 静 脈 球 の 血栓, 静 脈 炎, 山 ら5), 石 井 ら17)の報 告 で は と くに1970年 多 発 した 一 群 の反 回 神 経 麻 痺 は感 冒 にひ きつ づ き, 頸 部 お よび 縦 隔 洞 の機 械 的 圧 迫, 炎 症, 腫 瘍, あ るい は感 冒罹 患 後 一 定 の期 間 を おい て発 症 し 外 傷 を あ げ て い る Cody20)は 喉頭 麻痺734例 中 た 例 が多 い 感 冒 が いか な る メ カ ニ ズ ム で麻 痺 混 合 性 喉 頭 麻 痺 は30例4%に を起 す のか は明 らか で は な い が, 疫 学 的 観 点 か 中枢 性 障 害 が多 い と述 べ て い る が, Avellis23) は中 枢 性 原 因 の も の は少 な く, 末 梢 性 原 因 に よ ら両 者 に は 因果 関係 が あ る も の と推 察 し, 原 因 す ぎず, な か で も

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8 7) Work, W.P.: Paralysis and paresis of the vocal cord. Otol., 34: , ) Clerf, L.H.: Unilateral vocal cord paralysis. JAMA., 151: , ) Williams, R. D.: Idiopathic recurrent laryngeal nerve paralysis, J. Laryng., 73: , ) Graham, M. D.: Bilateral recurrent laryn- geal nerve paralysis associated with upper respiratory infection, Laryng., 76: , ) Saunder, W.H.: Viral infections and cranial nerve paralysis, Arch. Otolaryng., 78: 85-90, ) Herfer, B. & Bildstein, P.: Endemieartiges Auftreten von Rekurrensparesen im Winter 1969/70, Z. Laryng. Rhin. & Otol., 49: , ) Wirth, G. & Leypoldt, R.: Gehauftes Auftreten von Stimmbandlahmungen wahrend der Grippeepidemie im Winter 1969/70, Z. Laming. Rhin. & Otol., 49: , ) Jackson, H.: Report of neurological cases. London Hospital, 1: , ) Cody, C. C.: Associated paralysis of the larynx. Ann. Otol. Rhin. Laryng., 55: , ) Rullan, A.: Associated laryngeal paralysis. Presentation of a case of bilateral abdutor

9 paralysis in a patient with Arnold-Chiari 32) Collet, M.: A new Syndrome of pharyngeallaryngeal paralysis of larynx from battle deformity, A. M. A. Arch. of Otolaryng., 64: , injuries. Lyon. Med. 124: , ) Vernet, M.: Syndrome of posterior lacerated 23) Avellis, G.: A clinical report on unilateral paralysis of the larynx. Berl. Klin., 40: 1-26, foramen. Paris. Med. 23: 78-81, ) Villaret, M.: Le syndrome nerveux de 1'espace retro-parotidien posterieur. Rev. Neu rol., 28: , ) Svien, H.J.: Jugular foramen syndrome and allied syndrome. Neurology, 13: , ) Gejrot, T.: Jugular syndrome with special reference to the diagnostic value of retrograde jugularography. Acta Oto-laryng., 57: , ) Schmidt, M.: III. Aus der medizinischen Universit5tspoliklinik zu Breslau. Casuistische Beitrage zur Nerven Pathologie. II. Doppelseitige Accessoriuslahmung bei Syringomyelie. Deutch. Med. Wochenschr., 18: 606, ) Tapia, A.G.: Un caso de paralysis del lado derecho de la laryngo, etc. Siglo. Med., 52: 211, 1906.

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