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1 資源エネルギー庁御中 平成 26 年度石油産業体制等調査研究 ( バイオ燃料に関する諸外国の動向と持続可能性基 準の制度運用等に関する調査 ) 報告書 2015 年 3 月 31 日 環境 エネルギー研究本部

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3 目次 1. 調査の概要 目的 調査項目 現地調査 委員会の設置 運営 バイオジェット 自動車用バイオ燃料 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向 米国 導入義務等の制度 自動車用バイオ燃料の導入状況 次世代バイオ燃料の動向 持続可能性 カリフォルニア州の制度 EU EU 指令 (FQD/RED) バイオ燃料の導入状況 ドイツ スペイン 英国 ブラジル バイオ燃料政策 自動車用バイオ燃料の導入状況等 次世代バイオ燃料の動向 持続可能性 タイ バイオ燃料政策 バイオ燃料の導入状況および導入促進策 第二世代の開発状況 バイオ燃料の輸出可能性 インドネシア バイオ燃料政策 バイオ燃料の導入状況及び導入促進施策 第二世代の開発状況 バイオ燃料の輸出可能性 中国 バイオ燃料政策 iii

4 2.9.2 バイオ燃料の導入状況等 韓国 バイオ燃料政策 バイオ燃料の導入状況等 国際機関による評価 IPCC によるバイオ燃料の役割の評価 バイオ燃料の需給見通し 食料競合や生物多様性に関する評価 諸外国における次世代バイオ燃料の導入 開発動向 第 2 世代セルロース系エタノールの動向 技術開発の動向 第 3 世代藻類バイオ燃料の動向 EU における技術開発 米国における技術開発 海外の民間企業による取組 次世代バイオ燃料の導入開発動向の総括 バイオジェット燃料利用の取組について 各国エアラインにおけるバイオジェット燃料の導入状況 エアライン独自のバイオジェット燃料導入の取組 航空機メーカーの取組 各国における商用利用に向けた取組 EU の取組 EU 加盟国独自の取組 米国の取組 バイオジェット燃料の利用に関する国際的な議論 ジェット燃料最終製品に関する規格の動向 共同貯油施設におけるジェット燃料取扱い指針の動向 航空機材の安全基準の動向 エネルギー供給構造高度化法の今後の在り方に関する検討支援 エネルギー供給構造高度化法成立の背景と概要 今後の見直しに向けた論点 バイオ燃料に対するスタンス 目標の設定方法 安定供給の確保 持続可能性基準 (GHG 評価 ) 持続可能性基準 ( 生物多様性 食料競合 ) 次世代バイオ燃料の導入 総括 iv

5 図目次 図 2-1 ガソリン需要量とエタノールシェアの推移 図 2-2 バイオ燃料の生産 輸入実績 図 2-3 欧州における法律制定の流れ 図 2-4 エタノール生産量の推移 図 2-5 バイオエタノール生産量の推移 図 2-6 バイオエタノールの需要将来見通し 図 2-7 バイオエタノールの需要将来見通し ( 輸出等も含む ) 図 2-8 ブラジルからのバイオエタノール輸出の将来見通し 図 2-9 直近のブラジルにおけるバイオエタノール工場の新設 廃止状況 図 2-10 バイオエタノール需要の将来見通し 図 2-11 アグロ = エコロジー ゾーニングの区分 図 /14 年度のタイ砂糖産業 図 2-13 新車のエタノール対応状況 図 2-14 バイオエタノール導入見通し 図 年のバイオディーゼル生産実績 図 2-16 インドネシアにおける輸送用軽油使用量に占める B100 の割合 図 2-17 中国におけるバイオエタノール ( 燃料用 ) の生産量の推移 図 2-18 中国におけるバイオエタノールの貿易量 ( 燃料用途 ) 図 2-19 中国におけるバイオディーゼルの生産量 図 2-20 中国におけるバイオディーゼルの輸入量 図 2-21 バイオ燃料の導入シナリオの検討案 ( 韓国石油管理院報告資料による ) 図 2-22 バイオディーゼル燃料の生産量及び輸入量の推移 図 2-23 図 2-24 FAO OECD-FAO Agricultural Outlook における 2023 年のバイオ エタノールの需給見通し IEA World Energy Outlook 2014 における 2020 年 2040 年のバイオ燃料の 需給見通し 図 3-1 藻類原料の技術開発におけるマイルストーンと意思決定ポイント 図 4-1 GreenSky London において 2017 年完成予定のジェット燃料製造施設イメージ 図 4-2 Biochemtex-IBP 40,000 ton/y second generation bioethanol plant 図 4-3 研究開発中のジェット燃料と研究設備 図 5-1 各種バイオエタノールの LCA での GHG 排出量 図 5-2 諸外国のバイオエタノールの自給率比較 図 5-3 国産バイオエタノールの現状 ( エタノール製造プラント ) 図 5-4 エタノール貿易量の将来予測 図 5-5 米国のトウモロコシ由来エタノールの GHG 削減率 (2022 年 平均的プラン ト ) v

6 表目次 表 1-1 現地調査の概要... 3 表 2-1 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要... 7 表 2-2 RFS2 におけるバイオ燃料の導入目標 ( 単位 : 億ガロン )... 8 表 2-3 RFS2 におけるバイオ燃料の区分... 9 表 2-4 EPA が 2013 年 11 月に提案した 2014 年の RFS2 導入目標量 表 2-5 米国におけるバイオ燃料導入支援施策とその支援対象 表 2-6 RFS2 におけるセルロース系バイオ燃料の RIN 発行量 ( 単位 : ガロン ) 表 2-7 米国における稼働中の次世代エタノールプラント 表 2-8 RFS 目標に算入できるトウモロコシ由来バイオエタノールの条件 表 2-9 EPA による藻類由来エタノール (Algenol Ethanol) のライフサイクル評価 表 2-10 温室効果ガス排出原単位の基準 表 2-11 ガソリンとその代替燃料の温室効果ガス排出原単位 表 2-12 燃料別燃費比 (Energy Economy Ratio) 表 2-13 EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 及び燃料品質指令 (FQD) 改正状況 表 2-14 欧州で認定された持続可能性基準の概要 表 2-15 欧州各国のバイオ燃料消費量 ( 単位 : 石油換算トン ) 表 2-16 欧州各国の 2014 年バイオ燃料導入目標量 表 2-17 ドイツ Biofuel Quota Ordinance におけるバイオ燃料供給義務率 表 2-18 RTFO の概要 表 /14 年度の制度実績 表 2-20 各種車両に対する税率 ( 単位 :%) 表 2-21 ブラジルにおける燃料および工業用化学品としてのエタノールの生産量 使用量 ( 百万 L) 表 2-22 従来型バイオエタノールの生産 供給 需要 ( 燃料利用とその他 )( 百万 L) 表 2-23 ブラジルのエタノール輸出入 表 2-24 ブラジルにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 ( 百万 L) 表 2-25 ブラジルのバイオディーゼル輸出実績 表 2-26 セルロース系エタノール生産の現状と今後の計画 表 2-27 タイ AEDP におけるバイオ燃料導入目標 表 2-28 タイのバイオディーゼル混合義務率の推移 表 2-29 タイにおける燃料および工業用化学品としてのエタノールの生産量 使用量 表 2-30 タイにおけるエタノール工場 (2015 年 2 月時点 ) 表 2-31 タイにおけるガソリン消費量 ( 百万 L) 表 2-32 バンコクの石油製品の価格構成 (2014 年 6 月 16 日 )( バーツ /L) 表 2-33 タイにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 表 2-34 タイにおける B100 製造事業者 表 2-35 タイのバイオエタノール輸出量 ( 百万 L) 表 2-36 インドネシアのバイオ燃料導入義務 vi

7 表 2-37 インドネシアにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 表 2-38 バイオディーゼル導入目標達成状況 ( 単位 :kl) 表 2-39 国内のエタノール製造工場 表 2-40 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 (2011 年 ~2015 年 ) 表 2-41 IPCC 第 4 次報告書におけるバイオ燃料の評価 表 2-42 IPCC 第 5 次報告書におけるバイオ燃料の評価 表 2-43 IPCC 第 5 次報告書における運輸部門の車両単体対策の比較 表 2-44 食料競合や生物多様性に関する評価 表 3-1 諸外国における次世代バイオ燃料の導入 開発動向 表 3-2 主な民間企業での技術開発動向 表 3-3 EU における研究開発プロジェクトの事例 表 3-4 藻類バイオ燃料生産の技術的課題 ( 昨年度報告書より再掲 ) 表 3-5 海外での民間企業による取組例 表 4-1 フライトパス目標達成のため期待されている EU 域内のバイオ燃料プラント 表 4-2 FP7 におけるバイオジェット燃料関連プロジェクト 表 4-3 NISA の主要ステークホルダー 表 年 9 月に Defence Production Act に基づき助成が決まったプロジェクト 表 5-1 石油精製業者によるバイオエタノールの利用の目標量の総計 ( 単位 : 原油換算 kl) 表 5-2 判断基準策定に向けた平成 21 年度の検討と現在の課題 表 5-3 各国のバイオ燃料導入のスタンスに関する法 支援制度 表 5-4 自動車用バイオ燃料以外を含めた導入義務制度の例 表 5-5 独自の GHG 算定の例 vii

8 単位 略称の一覧 本報告書では 以下のとおり単位 及び略称の統一を図る 単位本報告書での表記 意味 備考 toe 石油換算トン バイオエタノールは 0.64toe/t 0.51toe/m 3 バイオディーゼルは 0.86toe/t 0.78toe/m 3 原油換算 kl 発熱量で原油換算した容積 1GL= 原油換算 kl バイオエタノールでは 1.655kl/ 原油換算 kl ガロン (gallon) 米国で用いられる容 1 ガロン=3.785l 積 略称 本報告書での表記 FQD RED RFTO GHG 正式名称 意味など EU の再生可能エネルギー指令 (Renewable Energy Directive) EU の燃料品質指令 (Fuel Quality Directive, FQD) 英国の再生可能燃料導入義務 (The Renewable Transport Fuel Obligation) 温室効果ガス (greenhouse gas) viii

9 1. 調査の概要 1.1 目的バイオ燃料の導入については 京都議定書においてカーボンニュートラルと位置付けられたこと等を背景に進められてきており 我が国においても 地球温暖化対策 エネルギー源の多様化等の観点から取り組んできた 現行のエネルギー基本計画 ( 平成 26 年 4 月閣議決定 ) においても バイオ燃料は温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの中に位置付けられ 国際的な動向や次世代バイオ燃料の技術開発の動向を踏まえつつ 導入を継続する こととされている これまで 我が国では 平成 15 年に揮発油等の品質の確保等に関する法律を改正し ガソリンにバイオエタノールを混合する際の制度を整備することを始めとして 揮発油税の免税制度の措置やエネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律 ( 以下 エネルギー供給構造高度化法 という ) に基づく非化石エネルギー源の利用に関する石油精製業者の判断の基準 ( 平成 22 年経済産業省告示第 242 号 以下 判断基準 という ) における石油精製業者に対するバイオ燃料の導入の義務付けを措置してきた この義務付けに際しては 真に意味のあるバイオ燃料の導入を図るために 温室効果ガス削減効果等の持続可能性基準を設け 基準に適合したものを導入することとしている 一方 世界に目を転じると 欧米でも日本同様にバイオ燃料の導入を義務付けしているものの 食料競合を招く可能性がある第一世代バイオ燃料の導入を制限し セルロースや藻類等を原料とする次世代バイオ燃料の導入や開発を促進する傾向が見られる 日本では 現在導入しているバイオ燃料のほとんどを ブラジル産のサトウキビを原料とした第一世代バイオ燃料の輸入に頼っているが 次世代バイオ燃料の研究も進めており 国内においても 今後ますます 次世代バイオ燃料の重要性が高まっていくものと思われる 他にも バイオジェット燃料の導入に関連して ICAO( 国際民間航空機関 ) や IATA( 国際航空運送協会 ) は CO 2 削減目標やバイオジェット燃料等の導入見通しを示しており 各国の航空会社はバイオジェット燃料を混合してテストフライトや商用フライトを実施している また 米国では 短中期的な軍用のバイオジェット燃料導入の目標を掲げ 調達を進めているところである このような状況を踏まえ 各国におけるバイオ燃料の導入促進政策や持続可能性基準等の国内外の最新動向を常に把握 分析し 我が国の政策立案や様々な事案に対応する必要がある また我が国における今後の制度運用の参考とする必要があるため 本事業は こうした政策立案等に必要なバイオ燃料を取り巻く国内外の情報を収集 評価 分析し 政策の立案に反映させるための資料とすることを目的とする 1

10 1.2 調査項目 (1) 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向米国 EU 英国 ドイツ スペイン ブラジル 韓国 中国 タイ インドネシア を対象として 自動車用バイオ燃料の導入 開発動向について評価 分析を行った その上で 各国のバイオ燃料の導入 開発動向の現状と我が国のバイオ燃料の導入 開発動向の現状が一目でわかるよう 一覧表にして見やすい形で比較できるよう整理した < 具体的な調査項目 > - 導入義務等の制度状況 ( 導入目標の定め方 次世代バイオ燃料の位置付け 持続可能性基準 混合割合等 ) - 導入量 ( 導入実績 今後の導入見通し ETBE や直接混合など導入の形式等 ) -その他 国際機関等におけるバイオ燃料の有用性や需給動向に対する評価等 (2) 諸外国における第 2 世代バイオ燃料の導入 開発動向米国 EU 英国 ブラジル 韓国 中国 タイ インドネシアを対象として ガソリン混合用の第 2 世代バイオ燃料の導入 開発動向について調査 整理を行った その上で 各国の第 2 世代バイオ燃料の導入 開発動向の現状と我が国の第 2 世代バイオ燃料の導入 開発動向の現状が一目でわかるよう 一覧表にして見やすい形で比較できるよう整理した < 具体的な調査項目 > - 各国政府のスタンス 開発動向 ( 政府のスタンス 開発を進めている燃料の種類 ( 草本 廃材など ) 開発の進捗状況等) - 主なプレーヤーの開発動向 ( 企業名等 プラントサイズ 燃料の種類 進捗状況等 ) (3) 諸外国における第 3 世代バイオ燃料の導入 開発動向米国 EU 英国 ブラジル 韓国 中国 タイ インドネシア オーストラリアを対象として ディーゼルやケロシン混合用の第 3 世代バイオ燃料の導入 開発動向について調査 整理を行った その上で 各国の第 3 世代バイオ燃料の導入 開発動向の現状と我が国の第 3 世代バイオ燃料の導入 開発動向の現状が一目でわかるよう 一覧表にして見やすい形で比較できるよう整理した < 具体的な調査項目 > - 各国政府のスタンス 開発動向 ( 政府のスタンス 開発を進めている燃料の種類 ( 藻類 都市ごみなど ) 開発の進捗状況等 ) 2

11 - 主なプレーヤーの開発動向 ( 企業名等 プラントサイズ 燃料の種類 進捗状況等 ) (4) バイオジェット燃料利用の取組について各国エアラインにおけるバイオジェット燃料の導入状況や 各国における商用利用に向けた取組について調査を行った その上で 日本におけるバイオジェット燃料利用を巡る動向との比較を行った < 具体的な調査項目 > - 各国エアラインにおけるバイオジェット燃料の導入状況 ( 各エアラインが導入しているバイオジェット燃料の量 種類 調達先 各エアラインにおけるバイオジェット燃料の導入に向けた取組 ) - 各国における商用利用に向けた取組 ( バイオジェット燃料の導入を進める組織の動向 規格の策定等 ) -バイオジェット燃料の利用に関する国際的な議論 (ICAO IATA における議論動向等 ) 1.3 現地調査 タイおよびインドネシアにおけるバイオ燃料導入政策の動向 導入実績及び今後の見通し 第 2 世代の開発動向等についてヒアリングすることを目的に 現地調査を実施した タイ 2/2~3 インドネシア 2/5~6 表 1-1 現地調査の概要ヒアリング先 エネルギー省代替エネルギー 省 エネルギー部 ( Department of Alternative energy development and efficiency :DEDE) さとうきび 砂糖委員会事務局 ( Office of the Cane and Sugar Board:OCSB) National Science Technology and Innovation policy office (STI) タイ国立金属材料技術研究センタ ー (MTEC) Thai Ethanol Manufacturing Association エネルギー鉱物資源省 (Ministry of Energy and Mineral Resources) バイオエネルギー局 ヒアリング項目 バイオ燃料導入政策 新 10 ヵ年再生可 能エネルギー開発計画 ( ) に ついて バイオ燃料導入支援施策の方針 バイオエタノール導入支援施策 バイオ燃料の生産について ( 原料の供給 見通し 将来的な原料ミックスの考え 方 持続可能性に関する議論 ) バイオ燃料の消費について ( 車両の対応 状況 国内流通の障害及び解決方策 ) バイオジェット 第二世代バイオ燃料 ( 開発目標 計画の有無 技術開発状況 ) 輸出余力 バイオ燃料導入政策について バイオ燃料導入支援施策の方針 バイオディーゼル導入義務付け政策の 3

12 技術評価応用庁 (BPPT) バンドン工科大学 (Institute of Technology Bandong) Darmex( バイオディーゼル製造事業者 ) 施行状況 バイオ燃料の生産について ( 原料の供給見通し 将来的な原料ミックスの考え方 パームの持続可能性に関する議論 ) バイオ燃料の消費について ( 車両の対応状況 国内流通の障害及び解決方策 ) バイオジェット 第二世代バイオ燃料 ( 開発目標 計画の有無 技術開発状況 ) 輸出余力 1.4 委員会の設置 運営 バイオジェット 2020 年をターゲットイヤーとしてバイオジェット燃料の導入に向けて関係者で検討を進めるため 2020 年オリンピックに向けたバイオジェット燃料の導入までの道筋検討会 を開催した 本検討会をキックオフとし 今後全体会合及びWGの活動を開始することで合意した < 開催日時 > 平成 27 年 3 月 12 日 ( 木 )10:00~12:00 < 議事 > (1) 検討会の趣旨について (2) エアライン及び技術開発のこれまでの取り組みと課題について (3)2020 年オリンピックフライトに向けた論点について (4) その他 < 参加者 > 政府国土交通省 経済産業省 環境省 ( オブザーバー ) 利用者代表定期航空協会 国内航空会社 航空機会社 サプライチェーン代表石油連盟 石油元売り会社 空港運営会社等 バイオジェット燃料開発代表 NEDO バイオ燃料研究開発会社 自動車用バイオ燃料エネルギー供給構造高度化法で目標が定められている 2017 年度以降のバイオ燃料導入のあり方を検討するため バイオ燃料の今後の導入のあり方検討委員会 を設置し 開催した 主に自動車用燃料を対象としているが 制度検討にあたってはバイオジェットの導入 4

13 等も含めて検討した < 開催日時 > 平成 27 年 3 月 25 日 ( 水 )10:00~12:00 < 議事 > (1) 委員会の趣旨について (2) 諸外国及び国内における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向について (3) バイオ燃料の今後の導入のあり方について < 委員構成 > 座長 横山伸也 鳥取環境大学環境学部環境学科教授 有識者メンバー (50 音順 ) 玄地裕 独立行政法人産業技術総合研究所総務本部人事部人材開発企画室室長 兼安全科学研究部門素材エネルギー研究グループ 坂本浩一 JX 日鉱日石エネルギー株式会社総合企画部企画 渉外室企画 渉外 グループマネージャー 泊みゆき 特定非営利活動法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長 橋本道雄 独立行政法人新エネルギー 産業技術総合開発機構新エネルギー部長 濱田剛 三菱商事株式会社汎用化学品第二本部無機原料部次長 糖蜜 エタノールチームリーダー 本城薫 日伯エタノール株式会社研究担当部長 宮久秀一 バイオマス燃料供給有限責任事業組合事務局長 5

14 2. 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向及び国際機関におけるバイオ燃料の評価について調査を行った 最初に諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要を一覧に示す 6

15 表 2-1 諸外国における自動車用バイオ燃料の導入 開発動向の概要 国 地域 バイオ燃料のスタンス 導入量の義務 目標 導入形式 導入実績 今後の見通し 持続可能性基準 我が国への供 給可能性 次世代バイオ燃料の位置づけ 備考 日本 エネルギー供給構造高度化法目標 :2017 年度に 50 万 kl ETBE バイオエタノール :51 万 kl (2014) バイオエタノール :50 万原油換算 k l 83 万 kl(2017 年度 ) LCA 評価結果がガソリン比 50% 以上減 - 導入目標達成に際し セルロース系は 2 倍カウント 揮発油税の減税措置あり EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 目標 :2020 年に輸送燃料の 10% 対象 : 加盟国政府を通じて目標を達成 E5/E85/ETBE など国により異なる バイオエタノール :272 万 toe 533 万 kl バイオディーゼル :1075 万 toe 1,378 万 kl (2013) 輸送用燃料の 10%( バイオ燃料以外の再生可能燃料含む ) バイオエタノール :370 万 toe 725 万 kl バイオディーゼル :1,746 万 toe 2,238 万 kl (JEC Biofuels Programme, EU renewable energy targets in 2020, 2014 によるシナリオ分析結果 ) 19 の自主的持続可能性基準を適用 輸出余力なし 導入目標達成に際し セルロース系は 2/4 倍カウント (RED 改正案では更に次世代を優遇 ) 各国にて税制優遇措置等あり 英国 再生可能燃料導入義務 (RTFO) 目標 :2013/14 年以降は輸送燃料の 5% 対象 : 年間 450kl 以上の輸送用燃料供給事業者 E5/B7 バイオエタノール :41 万 toe 80 万 kl バイオディーゼル :60 万 toe 77 万 kl (2013) バイオエタノール :174 万 toe 341 万 kl バイオディーゼル :246 万 toe 315 万 kl (2020) (National Renewable Energy Action Plan) RED で認められた自主的持続可能性基準を適用 輸出余力なし 導入目標達成に際し セルロース系は 2 倍カウント RTFO 開始に伴い 減税措置は廃止 米国 再生可能燃料使用基準 (RFS2) 目標 :2020 年に輸送燃料の 20% 対象 : 燃料供給事業者 E10 一部 E15 バイオエタノール :139 億ガロン 0.53 億 kl バイオディーゼル :27 億ガロン 0.10 億 kl (2013) バイオ燃料 :360 億ガロン 1.36 億 kl(2022) ( 全量バイオエタノールとみなした際の換算値 ) EPA が認めるパスウェイを指定 輸出余力なし 導入義務としてセルロース系枠あり 先進型バイオ燃料や航空用バイオ燃料に対する助成あり ブラジル ガソリン混合率の指定バイオディーゼルに対する混合率 E100 E25 時期により変動 バイオエタノール :2,153 万 kl (2013) バイオディーゼル :285 万 kl (2013) 国内エタノール需要 :4,780 万 kl 輸出量 :320 万 kl (2023) アグロエコロジカルゾーニングを施行 現在唯一の調達先国 (2013 年に約 30 万 kl) バガス利用等のセルロース系開発を推進 導入促進策として燃料 車両への減税等あり タイ 新 10 ヶ年再生可能エネルギー開発計画 ( ) E10/20/85 B7 バイオエタノール :95 万 kl (2013) バイオディーゼル :105 万 kl (2013) バイオエタノール :9,000kl/ 日 (2021) バイオディーゼル :7,200kl/ 日 (2021) パームの持続可能性基準策定について 政府内で検討中 輸出余力なし パーム油由来の BHD の開発を念頭に 3,000kl/ 日の導入目標 (2021) パーム油不足でバイオディーゼルの導入目標達成困難 インドネシア 2006 年 国家エネルギー政策 および 2008 年 2014 年のエネルギー 鉱物資源省規則 B10 バイオエタノール : なしバイオディーゼル :105 万 kl (2013) バイオエタノール :20%(2025) バイオディーゼル :30%(2025) Indonesian Sustainable Palm Oil 基準を適用 バイオディーゼルの供給余力あり 技術開発ロードマップ策定中 第二世代ではパーム樹幹とパーム椰子空果房のポテンシャル大 中国 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 ( ) 計画 E10( 一部地域 ) バイオエタノール :2.6 百万 kl (2013) バイオディーゼル :1.1 百万 kl (2013) バイオエタノール : 4 百万 t 502 万 kl(2015) バイオディーゼル : 1 百万 t 114 万 kl(2015) ( 食料との競合に配慮 ) 輸出余力なし セルロース系等の開発を推進 税優遇措置あり 非穀物原 料のバイオエタノールの生 産を奨励 韓国 第 4 次新 再生エネルギー基本計画 (2014) B2 バイオディーゼル燃料 :39 万 t 44 万 kl(2012) バイオディーゼル :B3(~2018) 予定 ( 特段の動きはみられない ) 輸出余力なし 次世代バイオ燃料の開発を推進 今後の需給見通しを踏まえた中期的に見た我が国への安定供給可能性 出典 : 各種資料より MRI 作成 7

16 2.1 米国 導入義務等の制度 (1) RFS の概要 米国では 2005 年の包括エネルギー法 (Energy Policy Act of 2005) において 再生可能燃 料基準 (Renewable Fuel Standard, RFS) が策定され 燃料供給事業者 ( 石油精製事業者 石 油製品卸販売者等 ) に対して一定比率の再生可能燃料の販売を義務付けられている 2007 年には エネルギー自立 安全保障法 (EISA) において 2009~2022 年までの目標量 RFS2 が定められた これに従って環境保護庁 (EPA) が毎年の義務量 比率を定めるが それが 経済的 環境的に深刻な影響を与える場合には 義務を免除する権限も EPA に与えている 導入目標は表 2-2 のとおりであり 総量 先進型 セルロース系 バイオディーゼルの 4 区分により導入量が定められている それぞれの区分に充当できるバイオ燃料の種類を表 2-3 に示す 出典 :EPA 資料 表 2-2 RFS2 におけるバイオ燃料の導入目標 ( 単位 : 億ガロン 1 ) うち先進型バイオ燃料計うちセルロースうちバイオ先進型計系バイオ燃料ディーゼル ( 当初 2.5) ( 当初 5) ( 当初 10) 12.8(*2) 2014(*1) ( 当初 181.5) 22.0 ( 当初 3.75) 0.17 ( 当初 17.5) 12.8(*2) (*2) (*2) (*2) (*2) (*2) (*2) (*2) (*2) * 年の導入目標は 2013 年 11 月時点の EPA 案 詳細は後述 *2 将来的に定められるが 10 億ガロン以上とすることは決定 1 1 ガロン =3.785L 360 億ガロンは約 1.36 億 kl に相当 8

17 分類 先進型バイオ燃料 バイオディーゼル セルロース系バイオ燃料 再生可能燃料 記号 D5 D4 D3 D7 D6 出典 :EPA 資料 表 2-3 RFS2 におけるバイオ燃料の区分目標充当先うち先進型要件バイオ燃料計 原料はトウモロコシでんぷん以外 化石燃料比 50% の GHG 削減 バイオディーゼル 再生ディーゼル 化石燃料比 50% の GHG 削減 原料はセルロース ヘミセルロース リグニン ディーゼルは D7 化石燃料比 60% の GHG 削減 原料はトウモロコシでんぷんなど 2007 年 12 月 19 日以降の新規設備について 化石燃料比 20% の GHG 削減 先進型計 うちセルロース系バイオ燃料 うちバイオディーゼル (2) 2014 年導入目標の議論米国でのエタノール利用は ガソリンに 10% 混合する規格 (E10) での導入が中心であるが 国内のエタノール導入量は既にガソリン導入量の 10% 弱に達しているという問題 ( ブレンドウォール ) に直面している 米国のガソリン需要は約 1300 億ガロン程度 (4.9 億 kl) であり 図 2-1 のとおり 今後はやや減少傾向にある これ以上エタノールの導入量を増加させるためには E10 よりも高濃度の混合が必要となる 一方で 高いエタノール混合率は 自動車のエンジン系統に腐食作用をもたらす EPA は 米国エネルギー省 (DOE) による自動車試験結果等を受けて 2011 年には フレックス燃料車 (FFV) と 2001 年以降の車種に対しては エタノール混合率 10.5~15% の燃料 E15 の使用を承認した しかし 米国自動車協会 (AAA) がエンジンへの影響の点から E15 の使用に強く反対しており 2014 年 12 月現在 E15 を供給している給油は 12 州の 78 スタンドに留まっているなど 2 給油インフラも未成熟な状況にある 2 E15 Stations by State 9

18 図 2-1 ガソリン需要量とエタノールシェアの推移出典 : 米国エネルギー省エネルギー情報局資料 このような状況を踏まえて EPA は 2013 年 11 月 29 日に 2014 年の導入目標を下方修正 する提案を出した ( 表 2-4) 本提案の 2014 年の導入目標量は 2013 年の導入目標量を下 回っていた 10

19 表 2-4 EPA が 2013 年 11 月に提案した 2014 年の RFS2 導入目標量 EPA 案 (2013 年 11 月時点 ) 2014 年目標 ( 参考 )2013 年目標 EISA(2007 年時点 ) EPA による決定 EISA(2007 年時点 ) セルロース系バイオ燃料 バイオディーゼル 12.8 設定なし 12.8 設定なし 先進型燃料 バイオ燃料計 出典 :Federal Register / Vol. 78, No. 230 / Friday, November 29, 2013 / Proposed Rules, 2014 Standards for the Renewable Fuel Standard Program この EPA の提案はさまざまな議論を巻き起こした 特に この義務量案が バイオ燃料 の導入拡大を阻害するのではないかとの懸念が バイオ燃料事業者を中心に多数寄せられ た 2014 年 11 月 21 日 EPA は 2014 年の義務量は 2014 年末までには最終決定されないで あろうとの見通しを公表した 2014 年義務量は 来年以降に 2015 年義務量に先立って決 定されるか もしくは 2015 年義務量と統合する形で示される予定である なお 2014 年義務量は 2013 年の義務量遵守におけるクレジット (RIN) の使用の戦略に も影響することから 2013 年の義務量遵守に関する報告提出期限は 2014 年義務量が制定 された後とすることになっている 3 このため 2013 年の義務量遵守に関する報告書提出期 限も 2015 年以降に後ろ倒しされる (3) バイオ燃料に対する支援策 2009 年 1 月よりセルロース系 ( 第二世代 ) バイオ燃料製造事業者に対して $1.01/ ガロンの税控除が認められている 2013 年末までの措置と定められていたが Tax Increase Prevention Act of により 2014 年末までの延長が決定した また セルロース系バイオ燃料製造設備については 減価償却を 50% 上乗せする措置も与えられている また バイオディーゼル製造事業者に対しては $1.00/ ガロン ( 小規模事業者には $1.10/ ガロン ) の税控除が設けられており これも当初の 2013 年末までの措置から 2014 年末までの延長が決定している 米国において バイオ燃料導入は 国内の農業 地域振興と 化石燃料の中東依存度の低下という意義を有していた 近年では 2013 年にオバマ大統領が発表した President s Climate Action Plan のように 地球温暖化対策としても位置づけられるようになっている GHG 削減率の高い次世代バイオ燃料の導入のため 米国海軍やエネルギー省 農水省は 3 Federal Register / Vol. 79, No. 115 / Monday, June 16, 2014 / Rules and Regulations, Regulation of Fuels and Fuel Additives: Extension of Compliance and Attest Engagement Reporting Deadlines for 2013 Renewable Fuel Standards 4 SECTION-BY-SECTION SUMMARY OF H.R. 5771, THE TAX INCREASE PREVENTION ACT OF

20 技術開発 実証の支援を行っている 表 2-5 に 米国におけるバイオ燃料導入支援施策を示すが 国産の第 1 世代バイオ燃料のみに絞った導入補助は実施されていない また 2010 年 11 月の中間選挙の結果 財政支援に難色を示す共和党が多数を占めるようになったことで 第 1 世代バイオ燃料を優遇するような税制が中止され セルロース系バイオ燃料の支援に移行することとなった 現在 第 1 世代バイオ燃料の導入の原動力となっているのは RFS 制度における 燃料供給事業者への導入義務付けである セルロース系バイオ燃料に対する税控除バイオマス作物の生産 収集の半額補助セルロース系バイオ燃料製造設備の特別減価償却 バイオエタノール混合業者や小売業者に対する税控除小規模エタノール生産者税額控除輸入エタノール関税による優遇 表 2-5 米国におけるバイオ燃料導入支援施策とその支援対象 プログラム名 概要 Cellulosic Biofuel Producer Tax Credit Biomass Crop Assistance Program Special Depreciation Allowance for Cellulosic Biofuel Plant Property Volumetric Ethanol Excise Tax Credit Small Ethanol Producer Credit : 支援対象 : 支援対象外 : 実質的対象外 時期 第 1 世代バイオ燃料 ( 国産 ) 第 1 世代バイオ燃料 ( 海外産 ) 次世代バイオ燃料 2009 年 ~2014 年 ( 予定 ) 2008 年 ~2014 年 ( 予定 ) 2006 年 ~2014 年 ( 予定 ) 1978 年 ~2011 年 1990 年 ~2011 年 1980 年 ~2011 年 12

21 目標 生産 輸入 目標 生産 輸入 目標 生産 輸入 億ガロン 自動車用バイオ燃料の導入状況 RFS2 で定められた目標に照らして バイオ燃料総量では概ね目標どおりの生産 輸入が 進んでいる バイオディーゼルセルロース系バイオ燃料その他先進型その他バイオ燃料 出典 :EPA 資料 図 2-2 バイオ燃料の生産 輸入実績注 ) 目標として 2007 年当初の想定ではなく EPA により最終決定された値を示している バイオディーゼルが毎年 EPA 目標を上回って生産されていることで バイオ燃料総量では概ね目標どおりの導入が進んでいる 一方で セルロース系に関しては 2007 年当初の予想よりも著しく遅れが生じており 毎年導入目標量の大幅な引き下げを行っている 例えば 2012 年のセルロース系導入目標については当初の 5 億ガロンから 865 万ガロンへ 2013 年については当初 10 億ガロンから 600 万ガロンへと大幅に引き下げられた 2014 年目標は上述のとおり未確定であるが 2013 年 11 月の EPA 案では 2007 年当初の目標 17.5 億ガロンに対し 1700 万ガロンと設定された 2014 年は セルロース系エタノールの生産が拡大し 10 月までに 1815 万ガロンに対応する RIN が発行されている なお 1 ガロンのバイオ燃料に対し バイオエタノールでは 1 ガロン バイオディーゼルでは 1.5 ガロン ブタノールでは 1.3 ガロン相当の RIN が発行される このため RIN の量はバイオエタノール以外では必ずしも生産量とは一致しない また EPA が定めたバイオ燃料の基準を満たさないエタノールが生産された場合にも RIN は発行されないため RIN の量とバイオ燃料生産量は一致しないことになる 13

22 RIN 発行量 表 2-6 RFS2 におけるセルロース系バイオ燃料の RIN 発行量 ( 単位 : ガロン ) 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 (10 月まで ) セルロース系エタノール , ,740 18,146,887 セルロース系バイオディーゼル 0 0 1, ,445 54,308 合計 , ,185 18,201,195 セルロース系バイオ燃料目標 *1 1 億 660 万 865 万 600 万 1700 万 waiver credit 価格 [$/ ガロン ]* *2 * 年 11 月時点の EPA 案 *2 未定 *3 免除クレジット (waiver credit) セルロース系バイオ燃料の市場での供給量が十分でない場合に EPA により販売され これを購入することでも事業者は目標達成が可能 出典 :EPA, EMTS Informational Data( なお RIN の不正発行の問題が発生したことから EPA は 自主的な第三者による品質確保プログラム (Quality Assurance Program) を 2013 年 2 月より暫定的に開始した 例えば 2012 年 4 月の Green Diesel, LLC 社は 条件を満たす再生可能燃料を全く製造せずに 6000 万以上の RIN を不正に発行し 約 40 社の石油事業者等に流通させた 同社が不正に得た利益は 2900 万ドル以上であった 年から 本 QAP プログラムは 本格的に適用されるようになる 次世代バイオ燃料の動向米国では エネルギー省の下に Bioenergy Technologies Office を設け 次世代バイオ燃料の研究開発を支援している Bioenergy Technologies Office では 研究開発の 10 年計画である Multi-Year Program Plan を毎年策定 更新し 原料供給技術 エネルギー転換技術 実証 普及 横断的研究の各分野について 定量的な研究開発目標を掲げて取り組んでいる 2014 年 12 月現在 米国では Bioenergy Technologies Office の支援を受けた次世代バイオエタノール生産プラントとして 4 基のパイオニアプラント 1 基の実証プラント 5 基のパイロットプラントが稼動している その概要を表 2-7 に示す セルロース系エタノールプラントは そのうち 9 プラントである その 7 プラントが バイオ化学プロセス ( 発酵によるエタノール生産 ) を適用しており 2 プラントは熱化学プロセス ( ガス化 合成によるエタノール生産 ) を適用している 2014 年末までに稼動した 4 つのプラントは 合計で年間 6,000 万ガロンに達する生産能力を保有している これは 2007 年当時の RFS 目標によると 2010 年の導入目標に相当す

23 る量であり セルロース系エタノール技術の開発は 4 年ほどの遅れで商用フェーズに入ろうとしている 他に 藻類からの炭化水素製造 ソルガムからのバイオ製品製造が 実証フェーズに位置づけられている 15

24 表 2-7 米国における稼働中の次世代エタノールプラント フェーズ企業プラント名 立地稼動年間生産能力原料技術備考 パイオニア Poet-DSM Advanced Biofuels LLC INEOS Bio and New Planet Energy Project Liberty ( アイオワ州 ) Indian River BioEnergy Center ( フロリダ州 ) Abengoa Abengoa Bioenergy Biomass of Kansas (ABBK) ( カンザス州 ) 2014 年 9 月 2013 年 7 月 2014 年 10 月 2,000~2,500 万ガロン (76,000~ 90,000kL) 800 万ガロン (30,000kL) 2,500 万ガロン (95,000kL) Mascoma ミシガン州 2,000 万ガロン (76,000kL) 実証 Red Shield Acquisition (RSA) パイロット American Process Inc (API) Archer Daniels Midland (ADM) トウモロコシ残渣 バイオ化学 DOE による 1 億ドルの支援 廃木材 草本類 熱化学 DOE による 5,000 万ドルの支援 製造コストは $2.15/ ガロン トウモロコシ残渣 スイッチグラス 木質バイオマス 森林資源 ( ポプラ ) バイオ化学 バイオ化学 メイン州 1,300 万ガロン 森林資源 バイオ化 学 Alpena( ミシガン州 ) 2014 年 4 月 89.4 万ガロン 廃材チップ バイオ化 学 イリノイ州 2.58 万ガロン トウモロコシ葉茎 バイオ化 学 ICM Inc. ミズーリ州 24.5 万ガロン トウモロコシ繊維 スイッチグラス ソ ルガム バイオ化学 DOE による 1.32 億ドルの借入保証 約 1 億ドルの支援 DOE による 1 億ドル 州による 0.2 億ドルの支援 DOE による 3,000 万ドルの支援 DOE による 2,200 万ドルの支援 DOE による 2,480 万ドルの支援 DOE による 2,500 万ドルの支援 Algenol Biofuel Inc. フロリダ州 10 万ガロン藻類藻類 DOE による 2,500 万ドルの支援 ZeaChem Inc. オレゴン州 25 万ガロン ポプラ トウモロコ シ葉茎 芯 出典 :Bioenergy Technologies Office ウェブサイト ( 各社ウェブサイトより作成 熱化学 DOE による 2,500 万ドルの支援 16

25 2.1.4 持続可能性 (1) ライフサイクル GHG 評価 1) 評価の枠組 RFS2 においては バイオ燃料は 表 2-3 で示したように 原料やバイオ燃料の種類 ライフサイクルでの GHG 削減率によって区分されている EPA は バイオ燃料がどの区分に該当するかを パスウェイ ( 原料 製造方法 バイオ燃料の種類 ) 別に評価を行っている 特に 新規設備におけるトウモロコシでんぷん由来のバイオエタノールのうち 再生可能燃料として RFS 目標に算入できるものは 表 2-8 の条件を満たすものである 該当する事業者は個別に EPA に請願を提出し 評価を受ける必要がある 分類 A B C 表 2-8 RFS 目標に算入できるトウモロコシ由来バイオエタノールの条件 条件 以下を全て満たすもの ドライミルプロセス 天然ガス バイオマス バイオガスのいずれかをプロセス燃料に利用していること 以下の先進技術のうち少なくとも 2 つを適用していること ( コーン油の一定率以上の分別 コーン油の一定以上の回収 膜分離法 非加熱加水分解 コジェネレーション ) 以下を全て満たすもの ドライミルプロセス 天然ガス バイオマス バイオガスのいずれかをプロセス燃料に利用していること A と同様の先進技術のうち 少なくとも 1 つの先進技術を適用していること 蒸留かす(DDGS) のうち乾燥して販売するのは 65% 未満以下を全て満たすもの ドライミルプロセス 天然ガス バイオマス バイオガスのいずれかをプロセス燃料に利用していること 蒸留かす(DDGS) のうち乾燥して販売するのは 50% 未満 D 以下を全て満たすもの ウェットミルプロセス バイオマス バイオガスのいずれかをプロセス燃料に利用していること出典 :EPA 資料 2) 事業者の請願に応じた評価 20 の汎用的なパスウェイが承認されているが これに加えて 事業者の請願に応じて EPA が個別にパスウェイの評価を行う 2014 年 12 月現在 40 弱の事業者のパスウェイが EPA によって認められており 30 強の事業者のパスウェイが評価中である 17

26 最近 (2014 年以降 )EPA に承認された事業者のパスウェイとしては トウモロコシでん ぷん由来エタノール以外では 消化ガス由来バイオガス トウモロコシ残渣 (kernel fiber) 由来エタノール 大豆油由来バイオディーゼル (Fatty Acid Ethyl Ester) がある 2014 年 12 月には 藻類由来エタノールに対する事業者のパスウェイも承認された 6 この Algenol Biofuel Inc. 社のパスウェイでは エタノールは シアノバクテリアと呼ばれる微生物を利用して藻類のバイオマス中炭素から生産され 分離精製される さらに 藻類バイオマスからは副産物としてバイオオイルを生産し 残渣はガス化されコジェネレーション燃料として利用される このプロセスによるエタノール (Algenol Ethanol) のライフサイクルでの GHG 排出評価結果は 表 2-9 のとおりである 結果 このエタノールは 先進型バイオ燃料 と評価された なお 上流部分では 塩水や肥料の製造に加えて 例外的にバイオリアクターの製造に係る GHG 排出が評価されている EPA におけるライフサイクル評価には 設備 インフラの製造に係る GHG 排出は評価対象外であるが バイオリアクターは施設全体に対して寿命が短いため 考慮対象とされた 間接土地利用変化の影響は考慮されていない 表 2-9 EPA による藻類由来エタノール (Algenol Ethanol) のライフサイクル評価 Algenol Ethanol [kgco 2 eq/mm-btu] ガソリン [kgco 2 eq/mm-btu] 上流 3 燃料生産 燃料輸送 使用 2 79 副産物クレジット -21 うちバイオオイル (-11.6) うち CHP (-9.8) 合計 削減率 69% 1mm-Btu[ 百万英国熱量単位 ]=1,054MJ 出典 :EPA 資料 (2) 食料競合に関する懸念 2012 年の干ばつ時には アーカンソー州やノースカロライナ州の知事 米国燃料石油化学製造者協会 (AFPM) などが 畜産産業 食品産業への影響を憂慮し EPA に対して RFS 制度における義務量免除 (Waiver) の嘆願書を提出するという動きがあった なお EPA は却下している 近年は特に目立った動きはない 6 EPA, Algenol Biofuels Request for Fuel Pathway Determination under the RFS Program f 18

27 (3) 間接土地利用変化による温室効果ガス排出量の評価 RFS2 制度では バイオ燃料導入の間接土地利用変化による温室効果ガス排出量を バイオ燃料の原料ごとに一律に定めている この評価には 国内についてはテキサス A&M 大学の FASOM モデル 海外については食料農業政策研究所 (FAPRI) による FAPRI-CARD モデルが利用されているため 間接影響のさらなる影響についてもこれら機関が評価を行うものと予想されるが 近年は特に目立った動きはない 19

28 2.1.5 カリフォルニア州の制度 (1) 制度概要カリフォルニア州が 2011 年より施行している Low Carbon Fuel Standard Program(LCFS) は 自動車燃料のライフサイクル評価に基づく規制である 本プログラムは輸送部門の気候変動対策を目的として導入され バイオ燃料の導入拡大を目的とした RFS とは異なり 圧縮天然ガス 電気 水素といった自動車用燃料全般が対象である 対象燃料を製造 輸入する事業者は その燃料の平均の温室効果ガス排出原単位 ( 熱量あたり二酸化炭素等価重量 ) を 定められた基準値以下にしなければならない 原単位基準は ガソリンとその代替燃料 ディーゼル燃料とその代替燃料 に対して定められている その一部を表 2-10 に示す 基準達成の不足 過剰分は LCFS クレジットとして事業者間取引が可能である なお 電気 水素 国産圧縮天然ガス バイオガス等については 2020 年末までは基準を満たしている燃料として扱われ 7 これらの燃料の供給者は プログラムに参加しなくてもよい ( また 明示的に参加 (opt-in) してクレジット取引に関与してもよい ) 8 表 2-10 温室効果ガス排出原単位の基準 ガソリンとその代替燃料 [gco 2 e/mj] ディーゼル燃料とその代替燃料 [gco 2 e/mj] 対象とな 軽 中量自動車用燃料 ( バイオマス由 左記以外 る燃料 来ディーゼル燃料を除く ) 2010 報告義務のみ 報告義務のみ ( 省略 ) 2020 以降 (2) 燃料のライフサイクル GHG 評価燃料種別に 温室効果ガス排出原単位が定められている これを表 2-11 に示す バイオ燃料は 原料や製造プロセス別に 41 種類が定められており また 土地変化や間接影響も考慮された値である 事業者は この値を使うほかに 州が認めた計算モデル (CA-GREET 等 ) を用いて自ら算定することができる 妥当性を州が判定できるよう 事業者は州に情報 (b) (b), (c) 20

29 を提出しなければならない なお 評価においては 燃料または想定車両別の燃費 ( 単位熱量あたり走行可能距離 ) が考慮される これは従来自動車に対する比で表される係数であり (Energy Economy Ratio) 表 2-12 の値が定められている 燃費の考慮により 電気や水素は ガソリンやバイオ燃料よりも温室効果ガス排出原単位が小さいと評価される 9 表 2-11 ガソリンとその代替燃料の温室効果ガス排出原単位 燃料 Pathway の種類 原単位 [gco 2 e/mj] 燃費考慮後 * [gco 2 e/mj] ガソリン (CARBOB) 1 種類 コーン由来エタノール サトウキビ由来エタノール 圧縮天然ガス 製造プロセスの技術 燃料種類別 35 種類 製造プロセスの技術 燃料種類別 6 種類 ガス起源別 ( バイオガス 化石燃料由来等 )4 種類 73.21~ ~ ~ ~ ~ ~68.00 液化天然ガス ガス起源別 9 種類 17.78~ ~93.37 電気 発電源別 ( ミックス 天然ガ ~ ~36.5 ス 再エネ )2 種類 水素 水素起源 配送方法別 5 種類 76.1~ ~53.2 * 三菱総研試算 ガソリンとその代替燃料 ガソリン (E6, E10 含む ) E85 等エタノール混合燃料 表 2-12 燃料別燃費比 (Energy Economy Ratio) 圧縮天然ガス ( 内燃機関自動車用 ) 1.0 電気 ( 電気自動車 プラグインハイブリッド自動車用 ) 3.4 ディーゼル燃料とその代替燃料 ディーゼル燃料 バイオマス由来ディーゼル燃料圧縮天然ガス 液化天然ガス ( 火花点火式エンジン ) 圧縮天然ガス 液化天然ガス ( 圧縮着火式エンジン ) 電気 ( 電気自動車 プラグインハイブリッド自動車用 ) 水素 ( 燃料電池自動車用 ) 2.5 水素 ( 燃料電池自動車用 ) (b) (a) 21

30 2.2 EU EU 指令 (FQD/RED) (1) 改正の動向欧州では 2009 年 再生可能エネルギー指令 (Renewable Energy Directive, RED) を導入し 2020 年までにエネルギー消費量全体の 20% を再生可能燃料由来とすることを義務付けた 輸送用燃料については 2010 年までに輸送用燃料の 5.75% 2020 年までに同 10% を再生可能燃料由来とすることを義務付けた 再生可能燃料の主たるものが 持続可能なバイオ燃料であり 持続可能性については GHG 削減水準や生物多様性への影響等を含む 環境 社会的基準が定められており 燃料の品質規格を定める指令である燃料品質指令 (Fuel Quality Directive, FQD) の中にも RED と同じバイオ燃料の持続可能性に関する基準が設けられた 欧州委員会は 2012 年 10 月 17 日 RED 及び FQD の改正指令案を発表した 欧州における通常の立法手続きとは 欧州委員会が提出する法案に対して まず欧州議会が審議を行い 欧州議会が採択した ( 修正 ) 法案を 欧州閣僚理事会が採択する流れとなっている 欧州議会と欧州閣僚理事会は同一の法案に合意しなければならず 共同決定手続きと称されている 2013 年 9 月 11 日 欧州議会は本指令案について 欧州委員会が提案した指令案を修正したうえで 採択した これに対して 欧州閣僚理事会では主に ILUC に関する検討を継続的に実施し エネルギー閣僚理事会において 2014 年 6 月 13 日に欧州議会が採択した指令案に更に修正を加えた指令案に合意し 12 月 9 日の第 3355 回欧州エネルギー閣僚理事会において正式に採択した 欧州議会と欧州閣僚理事会とが 同一の指令案への合意に至らなかったことから 欧州議会での検討 ( 第二読会 ) が開始されることとなった 2015 年 2 月 24 日 欧州議会の環境 公衆衛生 食品安全委員会は 同指令案を審議し 欧州閣僚理事会が採択した指令案に修正を加えたものを 採択した 今後は 欧州議会と欧州閣僚理事会との間で交渉が行われ 第二読会での指令採択を目指すこととなる 22

31 出典 : 駐日欧州連合代表部資料等を参考に MRI 作成 図 2-3 欧州における法律制定の流れ 23

32 各機関で合意された内容は 以下のとおりである 2020 年の導入目標と達成手段 2020 年のガソリンにおける再生可能エネルギーの導入目標従来型食用原料由来バイオ燃料使用の制限先進型バイオ燃料の導入目標 欧州委員会提案 (2012/10/17) 目標 : 輸送部門の最終エネルギー消費量の 10% を再生可能エネルギー由来とする 手段 : バイオ燃料の導入による 表 2-13 EU 再生可能エネルギー指令 (RED) 及び燃料品質指令 (FQD) 改正状況 欧州議会採択 (2013/9/11) 目標 : 同左 手段 : バイオ燃料 ( バイオジェット含む )+ 省エネ+ 再生可能電力の利用による ( エネルギー需要が増加した場合 持続可能なバイオ燃料のみで目標達成することは困難なため ) ( 提案になし ) ガソリンの最終エネルギー消費量の 7.5% を再生可能エネルギー由来とする 2020 年 10% 導入目標のうち 穀物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物由来バイオ燃料の導入上限を 5% とする 2020 年 10% 導入目標のうち 土地で栽培する食用 エネルギー用作物由来バイオ燃料の導入上限を 6% とする ( 提案になし ) 2020 年 10% 導入目標のうち 先進型バイオ燃料を 2016 年までに 0.5% 2020 年までに 2.5% 導入する目標を設定 欧州エネルギー閣僚理事会採択欧州議会環境 公衆衛生 食品 (2014/12/9) 安全委員会採択 (2015/2/24) 目標 : 同左 目標 : 同左 手段 : バイオ燃料 + 再生可能電 手段 : バイオ燃料 ( バイオジェ力の利用等ット含む )+ 省エネ+モーダル 再生可能電力については 電シフト+ 再生可能電力の利用等気自動車 5 倍 鉄道 2.5 倍に 加盟国政府は 2020 年までに導入量をカウント 現状予測比 12% 省エネすべき 省エネ達成できた分について 導入目標を少なくできる ( 提案になし ) ガソリンの最終エネルギー消費量の 6.5% を再生可能エネルギー由来とする 2020 年 10% 導入目標のうち 穀物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物由来バイオ燃料の導入上限を 7% とする 2020 年までに 0.5% を導入する目標を設定するように加盟国政府に奨励するにとどめる ただし 理由があれば これよりも低い導入目標を設定することも可能とする 2020 年 10% 導入目標のうち 土地で栽培する食用 エネルギー用作物由来バイオ燃料の導入上限を 6% とする 2020 年 10% 導入目標のうち 先進型バイオ燃料を 2020 年までに 1.25% 導入する目標を設定 欧州委員会は 2020 年以降先進型バイオ燃料について EU 統一の混合義務を導入することを検討 24

33 セルロース系バイオ燃料の優遇措置 エネルギー含量を 2/4 倍としてカウントする優遇措置を導入 4 倍 (a) 藻類カウ (b) 混合都市廃棄物中のバイントオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (c) 産業廃棄物中のバイオマス成分 (d) わら (e) 動物堆肥 / 下水汚泥 (f) パームオイル廃液 / ヤシ空果房 (g) トールピッチ (h) 粗製グリセリン (i) バガス (j) ブドウ絞りかす / 酒かす (k) ナッツ殻 (l) 殻 (Husks) (m) 穂軸 (Cobs) (n) 樹皮 / 枝 / 葉 / おがくず 2 倍カウント (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 (c) 非食用セルロース系原料 (d) 丸太を除くリグノセルロース系原料 エネルギー含量を 2/4 倍としてカウントする優遇措置を導入 なお は 2.5% の導入目標が定められた 先進型バイオ燃料 に分類される 1 倍カウント 2 倍カウント 4 倍カウント (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付け / 分別回収されている廃棄物を除く ) (c) 産業 / 小売 / 卸売廃棄物中生分解性成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (d) わら (e) 動物堆肥 / 下水汚泥 (g) トールピッチ (h) 粗製グリセリン (i) バガス (j) ブドウ絞りかす / 酒かす (k) ナッツ殻 (l) 殻 (Husks) (m) 穂軸 (Cobs) (n) 樹皮 / 枝 / 葉 / おがくず (na) 丸太を除くリグノセルロース系原料 (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 (a) 藻類 (b) 非生物由来の再生可能液体 気体燃料 (c) 交通分野における炭素分離回収活用 (d) バクテリア エネルギー含量を 2 倍としてカウントする優遇措置を導入 なお は 0.5% の導入目標が定められた 先進型バイオ燃料 に分類される 2 倍カウント (a) 藻類 ( 池かバイオリアクターで培養されたもの ) (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (c) 家庭部門から分別収集されるバイオ廃棄物 (d) 小売 / 卸売 / 食糧生産 / 漁業 / 養殖業を含む産業廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物および食糧や飼料として使われうるものを除く ) (e) わら (f) 動物堆肥 / 下水汚泥 (g) パームオイル廃液 / ヤシ空果房 (h) トールピッチ (i) 粗製グリセリン (j) バガス (k) ブドウ絞りかす / 酒かす (l) ナッツ殻 (m) 殻 (Husks) (n) 穀粒を除いた穂軸 (Cobs) (o) 森林 森林関連産業からの廃棄物 残渣から得られるバイオマス すなわち樹皮 / 枝 / 商業的でない間伐 / 葉 / 針状葉 / 梢 / おがくず / 黒液 / 繊維くず / リグニン / トールオイル エネルギー含量を 2/4 倍としてカウントする優遇措置を導入 なお は 1.25% の導入目標が定められた 先進型バイオ燃料 に分類される 2 倍カウント (b) 混合都市廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物を除く ) (c) 家庭部門から分別収集されるバイオ廃棄物 (d) 小売 / 卸売 / 食糧生産 / 漁業 / 養殖業を含む産業廃棄物中のバイオマス成分 ( リサイクルが義務付けられている廃棄物および食糧や飼料として使われうるものを除く ) (e) わら (f) 動物堆肥 下水汚泥 (g) パームオイル廃液 ヤシ空果房 (h) トールピッチ (i) 粗製グリセリン (j) バガス (k) ブドウ絞りかす 酒かす (l) ナッツ殻 (m) 殻 (Husks) (n) 穀粒を除いた穂軸 (Cobs) (o) 森林 森林関連産業からの廃棄物 残渣から得られるバイオマス すなわち樹皮 / 枝 / 商業的でない間伐 / 葉 / 針状葉 / 梢 / おがくず / 黒液 / 繊維くず / リグニン / トールオイル (p) その他の非食物由来セル 25

34 2 倍カウント (p) その他の非食物由来セルロース系原料 (q) その他のリグノセルロース系原料 ( 丸太を除く ) (r) 非生物由来の再生可能液体 気体燃料 (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 4 倍カウント 2 倍カウント ロース系原料 (q) その他のリグノセルロース系原料 ( 丸太を除く ) (a)( 独立栄養の ) 藻類 ( 池かバイオリアクターで培養されたもの ) (b) 非生物由来の再生可能液体 気体燃料 (c) 交通分野における炭素分離回収活用 (d) バクテリア (a) 廃食油 (b) 動物性油脂 (ba)2014 年までに使用され 国が認めた廃棄物 残渣 非食用セルロース リグノセルロース由来の原料 GHG 削減水準 2014 年 7 月 1 日までに操業開始する設備について 従来の指令では 2016 年まで 35% 2017 年以降 50% の削減水準を課していたのを 2017 年まで 35% 2018 年以降 50% と 削減水準引き上げのタイミングを 1 年間後ろ倒しとする 2014 年 7 月 2 日以降に操業開始する設備について 従来の指令では 2016 年までは 35% 2017 年以降は 50%(2017 年 1 月 1 日以降に操業開始する設備に限っては 2018 年以降 60%) であったのを 2014 年 7 月 2 日以降削減水準を 60% と 削減水準を引き上げる 同左 同左 (2014/7/1 を本指令の施行日に修正 ) 同左 26

35 ILUC による推定排出量の報告 RED の改正 RED では加盟国政府に FQD では事業者に対して ILUC 排出量の報告を求めている 加盟国政府による ILUC 報告 加盟国政府は 2011 年 12 月 31 日まで またその後 2 年ごとに欧州委員会に対して 再生可能エネルギー利用の進捗報告書を提出するよう義務付けている 同報告書では 再生可能エネルギーの使用による GHG ネット削減推定量 を報告するように義務付けられており ここに ILUC 由来の排出量も含めなければならない 同左 欧州委員会が左記の加盟国政府による報告をとりまとめる中で 下表に示す感度分析による値を使用し 評価しなければならない gco 2 /MJ 原料グループ 平均値 感度分析による幅 穀物 でんぷんが豊富な作物 糖類 油糧作物 欧州委員会が左記の加盟国政府による報告をとりまとめる中で ILUC 排出量を評価する ( 感度分析は行わずデフォルト値だけを使用 ) 欧州委員会による ILUC モデル見直し -( 言及なし ) ILUC リスクの低いバイオ燃料認定 -( 言及なし ) ILUC デフォルト値算定に用いたモデルについて 欧州委員会は 2016 年 6 月末までに見直さなければならない ( モデル見直し規定は削除 ) 2016 年 6 月末までのモデル見直しを規定 -( 言及なし ) 欧州委員会は指令施行後 1 年間以内に ILUC リスクの低いバイオ燃料を特定し 認定するための基準策定について検討する -(ILUC リスクの低いバイオ燃料の認定は運用上困難であるとして規定削除 ) 27

36 FQD の改正 事業者による ILUC 報告 毎年 3 月 31 日までに加盟国政府が任命する省庁に対して 燃料供給事業者がバイオ燃料製造方法 製造量 ILUC デフォルト値を含むエネルギー単位あたりのライフサイクル GHG 排出量を報告する義務を導入する 穀物 でんぷんが豊富な作物 砂糖 油糧作物について ILUC デフォルト値を提示 また これ以外の燃料は ILUC 排出量をゼロとみなす gco 原料グループ 2 / MJ 穀物 でんぷんが豊富 12 な作物糖類 13 油糧作物 55 直接的土地利用変化を引き起こした原料については ILUC をゼロとみなし 直接的土地利用変化に伴う GHG 排出量を算定する LCA 評価への ILUC 組み入れ ( 義務化 ) ILU 排出量を 2021 年以降に持続可能性基準の中に入れるかどうかについて 欧州委員会が検討を行う 同左 同左 同左 2020 年以降はバイオ燃料のライフサイクル GHG の算定に ILUC を含めなければならない (ILUC 排出量も GHG 削減義務対象にカウント ) ( 2020 年以降 LCA 算定に ILUC を含む規定は削除 ) 2020 年以降はバイオ燃料のライフサイクル GHG の算定に ILUC を含めなければならない 28

37 (2) 持続可能性基準の運用欧州では 再生可能エネルギー指令 (RED) に定められた持続可能性基準への遵守を立証する方法として 欧州委員会が認可した自主的な持続可能性基準への適合をもって指令の持続可能性基準に遵守していることとみなすメタスタンダード アプローチが採用されており 昨年度時点では 13 の基準が認められていたのが 19 に増加している 1 Roundtable on Sustainable Palm Oil (RSPO) 表 2-14 欧州で認定された持続可能性基準の概要 2004 年に WWF が設立 7 つのセクター ( パーム油生産業 搾油 貿易業 消費者製品製造業 小売業 銀行 投資会社 環境 NGO 社会 開発系 NGO) の協力のもとで運営 2 Round Table on Responsible Soy Association (RTRS 3 Roundtable on Sustainable Biomaterials (RSB) 2006 年に NGO(WWF, Conservation International, The Nature Conservancy) や企業が参加し設立 主にブラジル アルゼンチン産の大豆由来 BDF を主に認証 2012 年にスイス連邦工科大学主導で設立 2013 年より非営利団体として事務局をスイスに開設 4 Bonsucro 2005 年にブラジル産サトウキビ由来バイオエタノール を主眼に NGO(WWF 等 ) や企業等により設立 5 International Sustainability & Carbon Certification (ISCC) 2008 年にドイツ政府支援のもと 研究機関 NGO(WWF 等 ) 各国産業団体が設立 原料や地域を問わず認証 EU の規制で最もよく使用されている 6 NTA 年に作成された基準 ( クレーマー基準 ) をベース に複数の利害関係者により設立 7 Greenergy Brazilian Bioethanol verification programme 8 Red Tractor Farm Assurance Combinable Crops & Sugar Beet System 9 Scottish Quality Farm Assured Combinable Crops Limited 10 Biomass Biofuel, Sustainability Voluntary Scheme (2BSvs) 2007 年に Greenergy 社 ( 英国 ) により設定 開発された指標であり 同社のサプライチェーンのうち ブラジル産サトウキビ由来エタノールに限定して認証 基準の開発には ProForest( 森林保全団体 ) やコンサルティング会社も関与 英国の食料業界団体が設立した Red Tractor Assurance が運用する基準 英国でのみ認定を行う 2007 年にスコットランドの農業産業関係者が理事を務める有限責任会社 (SQC) が設立 英国北部のみで認定を行う フランスのバイオ燃料サプライチェーンの様々な企業から構成されたコンソーシアムにより設定 Bureau Veritas が事務局を務める 世界中で認定を行う 11 REDcert ドイツの農業 バイオ燃料分野の関係機関により 2010 年に設定 欧州域内 ウクライナ ベラルーシで認定を行う 12 Abengoa RED Bioenergy Sustainability Assurance アベンゴア社の基準として開発され 同社のサプライチェーンの認定のみに用いられている 29

38 13 Ensus Voluntary Scheme under RED for Ensus Bioethanol Production エンサス社の基準として開発され 同社のサプライチェーンの認定のみに用いられている 14 Biograce GHG calculation tool 規制対応のため EU 助成により開発された温室効果ガス排出量算定ツール 15 HVO Renewable Diesel Scheme for Verification of Compliance with the RED sustainability criteria for biofuels Neste Oil 社により設立 水素化バイオディーゼル燃料に限定し 世界中で認定 16 Gafta Trade Assurance Scheme 業界団体 the Grain and Feed Trade Association により設立 主に英国内で認証 17 KZR INIG System The Oil and Gas Institute of Poland によりポーランド国内の事業者向けに設立 EU 域内のみで認証を行う 18 Trade Assurance Scheme for Combinable Crops 業界団体 Agricultural Industries Confederation により設立 英国内の穀物 油糧作物 甜菜に限り認証を行う 19 Universal Feed Assurance Scheme 業界団体 Agricultural Industries Confederation により設立 英国に限り認証を行う バイオ燃料の導入状況 2013 年の欧州全体のバイオ燃料導入量は 1,360 万石油換算トンであり 前年比 6.8% 減となった 輸送燃料に占める割合は 4.7% であった 導入量減少の要因としては 欧州の政策 ( 再生可能エネルギー指令 ) 改正に向けた審議に 2 年以上かかり政策的な見通しが不透明であることが挙げられる 国ごとにみると 最も導入量の減少が大きいのはスペインであり 導入目標を下方修正している ドイツでも導入量が減少しているが 2013 年以降バイオディーゼルに対する免税措置を撤廃したためと考えられる 一方 英国 スウェーデン デンマーク等では導入量が増加している 導入されたバイオ燃料のうち持続可能性の認定を受けたバイオ燃料は導入量の 86% に相当する 1,180 万石油換算トンであった 30

39 表 2-15 欧州各国のバイオ燃料消費量 ( 単位 : 石油換算トン ) 2012 年 2013 年 国 バイオエタノール バイオディーゼル バイオ燃料合計 バイオエタノール バイオディーゼル バイオ燃料合計 ドイツ 805,460 2,190,767 3,048,587* 777,730 1,954,811 2,768,334* フランス 417,014 2,268,977 2,685, ,541 2,293,324 2,686,865 イタリア 79,597 1,263,288 1,342,885 56,234 1,169,175 1,225,409 英国 388, , , , ,755 1,014,546 スペイン 201,445 1,899,294 2,100,739 18, , ,735 ポーランド 153, , , , , ,350 スウェーデン 199, , ,129* 181, , ,258* オーストリア 68, , ,844 55, , ,372 ベルギー 48, , ,109 49, , ,805 オランダ 124, , , , , ,528 デンマーク 0 212, , , ,365 ポルトガル 2, , ,020 4, , ,307 チェコ共和国 59, , ,134 51, , ,772 フィンランド 93, , ,647* 93, , ,858* ルーマニア 36, , ,544* 36, , ,356* ギリシャ 0 124, , , ,746 スロバキア 23,789 76, ,042* 55,872 79, ,442 ハンガリー 45,787 76, ,671 23,723 66, ,705* アイルランド 29,137 55,790 85,012* 29,095 73, ,265* ブルガリア 0 85,899 85, ,899 85,899 リトアニア 8,707 51,810 60,517 6,769 51,907 58,675 スロベニア 5,290 46,337 51,627 5,589 51,353 56,942 ルクセンブルグ 1,286 45,582 47,031* ,721 53,504* クロアチア 1,320 34,792 36,112 1,184 29,016 30,200 ラトビア 6,703 12,514 19,217 6,449 12,372 18,821 キプロス 0 16,136 16, ,907 15,907 マルタ 0 4,419 4, ,419 4,419 エストニア 合計 2,801,027 11,660,993 14,607,881 2,715,685 10,750,984 13,615,387 * バイオ燃料合計に バイオエタノール及びバイオディーゼルの他に植物油やバイオガスを含む 出典 :EurObserver(2014) Biofuels Barometer 31

40 なお EU 各国における 2014 年のバイオ燃料導入目標は下表のとおりである 表 2-16 欧州各国の 2014 年バイオ燃料導入目標量 国名 バイオ燃料全体の導入目標量 バイオエタノール導入目標量 バイオディーゼル導入目標量 フランス 7.57% 7.00% 7.70% ポーランド 7.10% スロベニア 7.00% スウェーデン 6.41% 3.20% 8.78% ドイツ 6.25% 2.80% 4.40% フィンランド 6.00% リトアニア 5.80% 3.34% 6.45% オーストリア 5.75% 3.40% 6.30% デンマーク 5.75% ポルトガル 5.50% オランダ 5.50% 3.50% 3.50% ベルギー 5.09% 2.66% 5.53% アイルランド 4.94% ブルガリア 4.94% 3.34% 5.53% ハンガリー 4.90% 4.90% 4.90% ルーマニア 4.79% ルクセンブルグ 4.75% チェコ共和国 4.57% 2.73% 5.53% スロバキア 4.50% 2.73% 6.27% イタリア 4.50% マルタ 4.50% スペイン 4.10% 3.90% 4.10% 英国 3.90% ギリシャ 2.64% クロアチア 2.06% 2.3 ドイツドイツは 2007 年よりバイオ燃料割当法 (Biofuel Sustainability Ordinance) のもとバイオ燃料の導入を進めており EU で最大のバイオ燃料消費国である 2013 年のバイオディーゼル導入量は 1.95 百万石油換算トンであり 前年比 10.8% 減少している 一方 バイオエタノール導入量は前年比 3.4% 減にとどまっている バイオディーゼル導入量の減少の理由は 2013 年にバイオディーゼルに対する免税措置が撤廃されたことによる 免税措置が撤廃されたために バイオ燃料割当法において導入量が 2 倍カウントされるメリットのある廃食油由来のバイオディーゼルへの需要が高まっている しかし 2015 年以降はバイオ燃料の導入義務が 熱量ベースではなく GHG 削減率ベースでかかるようになることから より GHG 削減量の少ない第二 第三世代バイオ燃料の導入が促進されていくものと考えられる 32

41 表 2-17 ドイツ Biofuel Quota Ordinance におけるバイオ燃料供給義務率 年 GHG 熱量比削減率 バイオバイオエタノールディーゼル 全体 全体 % 4.40% % 4.40% % 4.40% 5.25% % 4.40% 6.25% % % % 注 ) エタノールの比率はガソリン+エタノールの供給量に対する比率 バイオディーゼルの比率は軽油 + バイオディーゼルの供給量に対する比率 2.4 スペインスペインにおけるバイオ燃料消費量の大幅な減少は 2013 年 2 月に 2014 年のバイオ燃料導入目標を 6.5% から 4.1% に引き下げたことによる 目標下方修正の背景には 経済再建のために国民が負担する燃料費を減少させる狙いがある 2013 年のバイオディーゼル導入量は 81.6 万石油換算トンで前年比 57% 減少しており バイオエタノール導入量は 18.0 万トンで前年比 10.5% 減少している また バイオ燃料導入量減少の背景には 経済状況の悪化による道路輸送用燃料全体の減少もある 2012 年には前年比 6.7% 2013 年には 3.6% 減少している 2.5 英国 英国では 2008 年より RTFO(The Renewable Transport Fuel Obligation) を導入し バイオ燃料 導入に取り組んでいる 制度の概要は次表のとおりである 制度名称 制度運用者 制度対象者 表 2-18 RTFO の概要 再生可能燃料導入義務 (The Renewable Transport Fuel Obligation, RTFO) 英国交通省 英国内で年間 450 kl 以上の輸送用燃料 ( 石油 ディーゼル 再生可能燃料 ) を供給している事業者 裾きり値を下回る規模の事業者も RTFC の取得は可能 33

42 供給義務持続可能性基準義務遵守方法 RTFC 罰則規定 全陸上輸送用燃料に占める持続可能なバイオ燃料比率を以下の割合としなければならない 2008/09 年度 20009/10 年度 2010/11 年度 2.5% 3.25% 3.5% 2011/12 年度 2012/13 年度 2013/14 年度以降 4.0% 4.5% 5.0% 年度は 4 月 15 日 ~ 翌年 4 月 14 日 なお 年間供給量が 450~1,000kl の供給事業者は 450kl までは義務率の対象外となる 例 ) 年間供給量が 500 kl の場合 ( )kl 義務率 欧州の再生可能エネルギー指令の持続可能性基準に準拠 方法 1 RTFC の償却 (redeem) 持続可能な再生可能燃料を供給した際に発行されるクレジット (Renewable Transport Fuel Certificate, RTFC) を償却 RTFC は 他社から買うことも可能 方法 2 権利買い取り価格による支払 (Buy Out) 30 ペンス /l もしくは kg の支払い RTFC は 検証済みのバイオ燃料に対して 事業者の申請に応じて随時発行される インセンティブ付のための特例として 廃棄物 残渣 リグノセルロース系 非食用セルロース系原料からの輸送用燃料については 2 単位の RTFC が発行される 遵守に使う RTFC の 25% を上限として 前の年度に発行された RTFC を持越し (carry over) して使うことができる 義務を遵守しなかった場合に 5 万 もしくは会社の RTFO 対象となるバイオ燃料の年間売上高の 10% のうち より少額な方の罰金 (civil penalty) が課せられる また RTFC を不正取得した者は 60 ペンス /RTFC の支払いをしなければならない 出典 :RTFO ウェブサイト ( 2013/14 年度には 億リットルの再生可能燃料が導入され 道路用輸送用等燃料の 3.46% を占めた このうち 99.8% にあたる 億リットルが持続可能性基準を満たすものであった 持続可能性基準のうち 最も多く使われていたのが ISCC(86%) ついで Abengoa (8%) であった 億リットルの燃料種別はバイオエタノールが 48% バイオディーゼルが 49% バイオメタノール MTBE が 3% であった バイオ燃料全体の 19% が英国産の原料であった また 46% が廃棄物 非農業残渣であった バイオディーゼルの原料として最も多いのが国内の廃食油であり バイオディーゼルの 16% を占めた バイオエタノールについては ウクライナ産小麦由来であり バイオエタノールの 17% を占めた 2013/14 年度に発行された RTFC は 億リットルであり このうち 億リットルはダブルカウントの結果として発行された GHG 削減効果は 69%(ILUC による影響は除く ) であった RTFC の発行を受けたバイオ燃料のうち 87% が 50% 以上の GHG 削減率を達成していた 34

43 表 /14 年度の制度実績導入量 億リットルの再生可能燃料が導入された ( 道路用輸送用等燃料の 持続可能 性認証 3.46% 相当 ) 導入された 億リットルの再生可能燃料のうち 99.8% にあたる 億リットルが持続可能性基準を満たすものであった 持続可能性基準のうち 最も多く使われていたのが ISCC(86%) ついで Abengoa(8%) であった 燃料種別 億リットルの燃料種別はバイオエタノールが 48% バイオディーゼルが 49% バイオメタノール MTBE が 3% であった バイオディーゼルの原料として最も多いのが国内の廃食油であり バイオディーゼルの 16% を占めた バイオエタノールについては ウクライナ産小麦由来であり バイオエタノールの 17% を占めた 国別の内訳をみると 19% が英国産の原料であった 原料種別の内訳をみると 46% が廃棄物 非農業残渣であった RTFC 2013/14 年度に発行された RTFC は 億リットルであった GHG 減効果 削 このうち 億リットルはダブルカウントの結果として発行された GHG 削減効果は 69%(ILUC による影響は除く ) であった RTFC の発行を受けたバイオ燃料のうち 87% が 50% 以上の GHG 削減率を 達成していた 35

44 2.6 ブラジル バイオ燃料政策ブラジルでは アルコール委員会 (CIMA) がバイオエタノールの混合率を決定しており 法律上混合率は 18~25% の間で設定可能と定められていたが 2014 年 7 月 1 日から 最大義務混合率が 25% から 27.5% に引き上げられた 実際上の義務混合率については 2015 年 1 月時点では 25% となっている 一方 バイオディーゼルについては 2010 年から義務混合率は 5% に設定されていたが 2014 年 7 月から 6% に その後 11 月に 7% に引き上げられた また 安定的なバイオ燃料の供給のために 国立石油天然ガスバイオ燃料庁 (National Agency of Petroleum, natural Gas and Biofuels(ANP)) は燃料流通業者に対してエタノール供給契約を課している 具体的には 燃料流通業者は購入目標に合う年供給契約を採用するよう要求される この購入目標とは 前年からのガソリン C( エタノール混合ガソリン ) の販売総量の 9 割に相当する量である 一方 流通業者が供給契約を採用せずに 月単位で燃料を購入 ( 直接購入 ) する場合には 月末に 前年の翌月に販売されるガソリン C の量に相当する在庫をもつことが要求される バイオエタノールに対する政府の支援策を以下に示す 燃料への減税措置バイオ燃料は 減税措置が講じられている 州税である ICMS( 商品流通サービス税 ) の税率は州により異なるものの ガソリンが平均 25~31% であるのに対し エタノールへの税率は 12~27% に抑えられている 2015 年 2 月 1 日から PIS/COFINS( 社会統合基金 / 社会保障融資負担金 ) が引き上げられ ガソリンは 0.12 レアル /L バイオディーゼルについては 0.10 レアル /L になった 更に 2012 年に 0 に減税された CIDE 税もこれらの燃料に再導入された ガソリンは BRL0.10 ディーゼルは BRL0.05 である CIDE 税は 2 月 1 日の 90 日後に有効となるが それまで PIS/COFINS は ガソリン 0.22 レアル /L ディーゼル 0.15 レアル /L になる クレジットライン ( 与信限度額 ) 2014 年 3 月に ブラジル政府は サトウキビ畑の再生可能燃料のための生産あるいはその拡張に対し 30 万レアル ( 約 12 億 5 千万米ドル ) のクレジットラインを継続すると発表した 利率は 長期間利率の年率 2.7% が適応される エタノールの参照価格は 無水エタノールの場合 1.50 レアル /L で 水素化エタノールについては 1.35 レアル /L である エタノール / フレックス車両への減税措置車両販売にかかる税率については ガソリン車両よりもバイオ燃料により走るエタノール車両やフレックス車両に対する減税がなされている バイオエタノールのガソリンに対する価格優位性もあり 保有車両全体の 55% 以上がエタノール車両 / フレックス車両となっており 2020 年には同割合は 80% に達する見通しである 表 1-1 は 産業製品にかかる税 (IPI) 36

45 PIS/COFINS 商品流通サービス税 (ICMS) の値を示す 2004 ~ 2007 年 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 2008 年 PI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 2009 年 IPI 2010 年 1~3 月 2010 年 4 月 ~ 2011 年 2012 年 ~2013 年 ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 IPI ICMS PIS/COFINS 小売価格に占める割合 表 2-20 各種車両に対する税率 ( 単位 :%) 1,000cc 1,001~2,000cc 2000cc より大型 カ ソリン車 / エタノール車 / フレックス車 ( フレックス車 ) 5( それ以外 ) ( フレックス車 ) 25.7( それ以外 ) 3( フレックス車 ) 7( それ以外 ) ( フレックス車 ) 27.1( それ以外 ) カ ソリン車エタノール車 / フレックス車 カ ソリン車エタノール車 / フレックス車 IPI(Tax on Industrialized Products): 工業製品税 ICMS(State tax for circulation of goods and services): 商品流通サービス税 PIS(Contribution to the Social Integration Program): 社会統合基金 COFINS(Contribution for the Financing of Social Security): 社会保障融資負担金出典 :USDA(2013) Grain Report 13004,Brazil Biofuels Annual 37

46 2.6.2 自動車用バイオ燃料の導入状況等 (1) バイオエタノールブラジルのバイオエタノール生産の伸びは 国内のフレックス車両の増加と 米国の先進的バイオ燃料マンデートによる輸入需要増に支えられている ブラジルには エタノール精製工場は 2014 年時点で 390 存在する 2014 年度のブラジル国内のエタノール生産能力は 397 億 L であった 実際の生産量は 各工場が砂糖を製造するのか あるいはエタノールを製造するのかによって決定される 精製工場は 各収穫年度の粉砕開始前にエタノール / 砂糖用の設備を整備するため 一度砂糖 / エタノールの製造割合を決めると 同年度中には割合は変化することは少ない なお ブラジルのエネルギー研究庁 EPE(Empresa de Pesquisa Energética) は 2023 年に向けたエタノール及び砂糖の生産量の計画を 昨年推計した 2022 年の生産量 540 億 L から 2014 年 9 月に 450 億 L に下降修正している 下降修正した理由は 地域と作物の両方の観点から生産量増加の期待度が低下したことが挙げられている 表 2-21 ブラジルにおける燃料および工業用化学品としてのエタノールの生産量 使用量 ( 百万 L) 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 初期在 4,048 (3,683) 5,916 (5,549) 6,891 (6,488) 7,094 (6,690) 8,127 (7,723 ) 6,982 (6,538 ) 庫 生産量 27,965 (24,516) 22,893 (20,212) 23,509 (20,739) 27,642 (24,377) 25,605 (22,555) 26,885 (23,826) 輸入量 76 (74) 1,136 (1,100) 554 (553) 131 (131) 400 (360) 440 (400) 供 10,493,032 8,408,488 8,486,400 9,743,580 8,825,310 10,528,440 給量 輸出量 1,906 (562) 1,964 (1,083) 3,055 (2,500) 2,915 (1,950) 1,600 (900) 1,800 (1,000) 消費量 24,267 (22,162) 21,090 (19,290) 20,805 (18,590) 23,825 (21,525) 25,550 (23,200) 26,600 (24,200) 期末在庫 5,916 (5,549) 6,891 (6,488) 7,094 (6,690) 8,127 (7,723) 6,982 (6,538) 5,907 (5,564) 表中の数字はエタノール全体 () 中の数字はうち燃料用エタノール分を示す 出典 :USDA(2014) Gain Report BR14004,Brazil Biofuels Annual 次に 表 2-22 は バイオエタノールがどのような目的で使用されたのかについて 燃料 とそれ以外に分類して示している 38

47 表 2-22 従来型バイオエタノールの生産 供給 需要 ( 燃料利用とその他 )( 百万 L) 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 初期在庫 4,048 5,916 6,891 7,094 8,127 6,982 生産量 27,965 22,893 23,509 27,642 25,605 26,885 従来型 27,965 22,893 23,509 27,642 25,585 26,864 先進的 輸入量 76 1, 燃料 74 1, その他の利用 供給量 32,089 29,945 30,954 34,867 34,132 34,307 輸出量 1,906 1,964 3,055 2,915 1,600 1,800 燃料 562 1,083 2,500 1, ,000 その他の利用 1, 消費量 24,267 21,090 20,805 23,825 25,550 26,600 燃料 22,162 19,290 18,590 21,525 23,200 24,200 その他の利用 2,105 1,800 2,215 2,300 2,350 2,400 出典 :USDA(2014) Gain Report BR14004,Brazil Biofuels Annual 更に ガソリンに混合して利用される無水エタノールと E100 として利用される含水エ タノールの生産量の推移を以下に示す 年によって変動するものの 近年はやや含水エタノ ールの生産量が多くなっている 含水エタノール 無水エタノール 出典 : ブラジル農業家畜食料供給省 (MAPA) 提供資料図 2-4 エタノール生産量の推移 バイオエタノールの貿易ブラジルの 2015 年のエタノール輸出量は 18 億 L と予測され 2014 年の 2 億 L から増加している 9 億 L のエタノールの輸出が計画されている 一方 輸入については 2015 年は 4 億 4 千万 L の輸入が計画されている 39

48 表 2-23 ブラジルのエタノール輸出入 輸出量 2013 年 2014 年 (1 月 ~6 月 ) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 米国 1,656,411 1,094, , ,712 韓国 359, , , ,192 オランダ 142,261 85,367 5,597 3,283 日本 124,137 80,912 50,047 34,486 ジャマイカ 112,419 67, ナイジェリア 92,377 55,001 23,609 14,381 フィリピン 69,362 45, UAE 66,439 43, サウジアラビア 57,440 35, エルサルバドル 44,451 27, 他 191, ,468 54,747 35,528 合計 2,916,561 2,186, , ,610 輸入量 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 米国 131,203 89, , ,187 ジャマイカ 335 1, ドイツ ポーランド メキシコ フランス バルバドス スペイン スイス 英国 ,998 7,342 他 ,977 6,336 合計 131,712 91, , ,474 出典 :USDA(2014) Grain Report 13004,Brazil Biofuels Annual ブラジルにおけるバイオエタノールの生産量 消費量 輸出量の経年変化を図 2-5 に示し た 2009 年以降は 生産量と消費量の推移は同傾向を示している 40

49 図 2-5 バイオエタノール生産量の推移出典 :USDA GAIN Report; Biofuels Annual Brazil 2012,2013,2014 をもとに MRI 作成 将来のバイオエタノールの需要見通しについては 鉱山エネルギー省による エネルギー拡張 10 年計画 2023(PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2023) の中で公表されている 2023 年のブラジル国内エタノール需要は 4,800 万 kl と見込まれている 2022 年の値を 1 年前に公表された計画と比較すると 15% ほど引き下げられている また 無水エタノール ( ガソリン混合としての利用 ) の需要が微増であるのに対し 含水エタノール (E100 としての利用 ) の需要は大きく伸びると見込まれている 図 2-6 バイオエタノールの需要将来見通し 41

50 また 輸出等も含めると ブラジル政府の予測では 燃料用エタノール需要は 2023 年ま でに 4,780 万 kl と現状 (2,660 万 kl) の 2 倍弱に増加するとされている 図 2-7 バイオエタノールの需要将来見通し ( 輸出等も含む ) ブラジルからのバイオエタノールの輸出将来見通しについては 政府による予測では 国際的な経済危機によるエタノール需要の減少並びにブラジル国内での供給制約等を背景に 2023 年におけるエタノール輸出量は 320 万 kl と現状から微増している なお エネルギー拡張 10 年計画 2022 の計画では 輸出先の内訳として日本が示されていた 図 2-8 ブラジルからのバイオエタノール輸出の将来見通し将来的な需要増を満たすためにはサトウキビを原料としたバイオエタノール工場の新増設が必要となるが ここ数年経済状況の悪化等により 工場の新設件数は激減 廃止件数は増加している 42

51 図 2-9 直近のブラジルにおけるバイオエタノール工場の新設 廃止状況ブラジル政府のエネルギー拡張 10 年計画においては 先述の需給の見通しとともに サトウキビ生産についても以下のとおり見通しを示している ブラジルのサトウキビ農地は現状 870 万 ha であるが 2023 年に 1,060 万 ha まで拡大することが予想されている このうち エタノール用のサトウキビ農地の面積は470 万 ha から 650 万 ha まで拡大するとされている これらも 1 年前に公表された計画から引き下げられている また サトウキビの生産性は 69.7t/ha から 84.5t/ha にまで向上することが見込まれている 図 2-10 バイオエタノール需要の将来見通し (2) バイオディーゼル バイオディーゼルの導入状況ブラジルでは 2010 年より法律での義務混合率を 5% とする目標を掲げており これまで混合率を 7~10% に増加するための検討がなされてきた 2014 年 7 月 1 日にようやく 6.0% に 11 月 1 日に 7.0% に引き上げられた 43

52 ブラジルのバイオディーゼルの主原料は 大豆 ( 原料の 76%) 動物性油脂(20%) 綿実 (1%) である 2015 年の総生産量は 43 億 92 百万 L と予測されている 2014 年から 25% 増の見込みである 2014 年 5 月の ANP(The National Agency of Petroleum, Natural Gas and Biofuels) レポートによると ブラジルで認可されたバイオディーゼル生産拠点は 62 で これらのプラントの生産能力は 2,180 万 L/ 日 年間では 360 日操業の場合で約 78 億 5 千万 L である この生産量は 2014 年のバイオディーゼル義務生産量の 2.25 倍に相当する 2013 年と比較して 2% の増加である 表 2-24 ブラジルにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 ( 百万 L) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 初期在庫 生産量 1,608 2,386 2,673 2,717 2,917 3,500 4,392 輸入量 輸出量 消費量 1,565 2,462 2,613 2,795 2,900 3,410 4,340 期末在庫 出典 :USDA(2014) Grain Report BR14004,Brazil Biofuels Annual バイオディーゼルの貿易バイオディーゼルの輸出実績は 表 1-7 の通りである 2013 年は オランダへの輸出量が最も多く ついでスペイン ベルギーが続いた 2014 年は スペインが最も多く スペインの輸出量とは大差があるが 米国 日本への輸出実績もある 表 2-25 ブラジルのバイオディーゼル輸出実績 2012 年 2013 年 2014 年 (1 月 ~6 月 ) 輸出量 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) 量 ( 千 L) 金額 ( 千米 $ FOB) シンガポール 45 1, ベルギー 0 0 3,990,755 3,769, スペイン ,330,227 22,570,900 13,164,940 12,506,693 米国 ,025 日本 ,067 オランダ 0 0 7,018,564 6,435, 合計 45 1,101 34,339,546 32,775,174 13,165,369 12,531,785 出典 :USDA(2014) Grain Report BR14004,Brazil Biofuels Annual 次世代バイオ燃料の動向ブラジルでは バイオマスやそれを使用して発電した電気を安く供給することができるため セルロース系エタノール生産の開発 導入が進みつつある 表 2-26 は ブラジル企業のセルロース系エタノール生産の現状と今後の計画を示している 44

53 表 2-26 セルロース系エタノール生産の現状と今後の計画 企業 市 ( 州 ) 生産投資操業開始 (1000kl) (100 万レアル ) Granbio/Carlos São Miguel dos / Lyra Campos (AL) Raízen. Piracicaba (SP) / Odebrecht 未定 /17 未定 Agroindustrial Petrobras/São Quirinópolis 40 未定 240* Martinho (GO) CTC São Manoel (SP) /15 不明 合計 245 * 総投資額から推定した値 出典 : ブラジル鉱山エネルギー省 2023 年までのエネルギー拡張十年計画 (PLANO DECENAL DE EXPANSÃO DE ENERGIA 2023) 持続可能性サトウキビ生産の土地については ブラジル政府が 2009 年 9 月 17 日付行政指令 6,921 号により サトウキビに関する国家アグロ=エコロジー ゾーニング (the Agro-ecological Zoning of Sugarcane 以下 ZAE) 制度を開始し 世界自然遺産での生態系保護や ブラジル産エタノールの負のイメージの一掃を目的として 新規のサトウキビ植え付け禁止地域を明確にしている ZAE は アマゾン森林地帯やパンタナール湿地でサトウキビ栽培をすること 及び自生植物地区でのサトウキビ栽培の拡張を禁止している 更に サトウキビ拡大のために認可された地域として 6,470 万ヘクタール ( ブラジルの領土 ( 現在 領土の 0.9% がサトウキビのために使われている ) の 7.5% に相当 ) を規定している 図 2-11 は ZAE の区分を示す 45

54 サトウキビ栽培許可エリア アマゾン森林地帯 パンタナ ール湿地保護エリア 図 2-11 アグロ = エコロジー ゾーニングの区分 2.7 タイ バイオ燃料政策政策の概要タイ政府は 2011 年 11 月に 新 10 ヵ年再生可能エネルギー開発計画 (Alternative Energy Development Plan, AEDP)( ) を閣議決定した 同計画の中では 2021 年までに総エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を 2011 年の 9.4% から 25% にまで引き上げる計画が織り込まれた バイオ燃料については 消費目標として 2021 年までに 46

55 バイオエタノールの消費量を 900 万 L/ 日 バイオディーゼルの消費量を 720 万 L/ 日 先 進的バイオ燃料を 300 万 L/ 日とする目標を掲げている 表 2-27 タイ AEDP におけるバイオ燃料導入目標 2021 年における消費量バイオエタノール 900 万 L/ 日バイオディーゼル 720 万 L/ 日先進的バイオ燃料 300 万 L/ 日出典 : タイエネルギー省 バイオディーゼルについては 2007 年より燃料生産者に対してバイオディーゼルの混合義務率を課しており 2014 年より義務率が 7% へと引き上げられた しかし 原料である粗パーム油の不足により 2 月から 5 月にかけて導入義務率は B7 から B3.5 へと半減された パーム油の収穫期以降となる 5 月以降は B7 へと義務率は戻っている タイの混合義務率の推移は以下のとおりである 表 2-28 タイのバイオディーゼル混合義務率の推移 2007 年 6 月 ~ B2 義務化 B5 自主的な使用 2010 年 6 月 ~ B3 義務化 B5 自主的な使用 2011 年 3 月 ~ B2 義務化 B5 自主的な使用 2011 年 5 月 ~ B3~B5 の義務化 2011 年 7 月 ~ B4 の義務化 2012 年 1 月 ~ B5 の義務化 2012 年 7 月 ~ B3.5 の義務化 2012 年 11 月 ~ B5 の義務化 2014 年 1 月 ~ B7 の義務化 2014 年 2 月 ~ B3.5 への混合率を一時的に調整 2014 年 5 月 ~ B7 へと混合率を回復 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual タイ政府は新政権のもと エネルギー政策全体のありかたを見直している 特に現在では 電力 省エネ 再生可能エネルギー (AEDP) と 3 つの計画が策定されている 各計画は 目標年もまちまちであり またお互い関連しあう内容であるのに計画間の調整はなされていない現状である 今後は これらの計画を統合して1つの計画とする予定であり 新計画は 2016~2036 年の 20 年間を対象としたものとなる予定である ( このため AEDP は目標年の 2021 年に達する前に 新計画に置き換えられることとなる )2014 年 12 月から新計画の策定の検討を始めたばかりであり 内容はまだ固まっていないが バイオ燃料については 輸送部門の省エネ量や鉄道利用計画を踏まえて 必要となる燃料量を算定した上で 新たに導入目標が算出されることになる 政策の目標タイがバイオ燃料を導入する目的は 輸入化石燃料の代替である タイは化石燃料の純輸入国であり 国内資源を活用したエネルギーで代替することにより 輸入化石燃料を削減したいという狙いがある 温暖化防止は政策上の目的ではない 47

56 政策の位置づけ タイ政府 ( エネルギー省 ) へのヒアリング等によると AEDP で策定された目標は義務を 伴うものではなく 政府としての導入期待値である 導入目標量の算定根拠導入目標の数値算定の根拠として バイオエタノールについては 導入目標を策定した当時 2021 年のガソリン消費量を 26ML/ 日と想定しており うち 6~7ML/ 日をバイオエタノールで代替することをめざし これをエタノール換算して 9ML/ 日と設定した 原料の内訳としては サトウキビ 120 万 t から モラセス由来のエタノールを 5.8ML/ 日 残りをキャッサバ等のその他の原料から生産することを計画していた バイオディーゼルについては 2021 年のディーゼル消費量を 72ML/ 日と想定しており おおよそ 1 割をバイオディーゼルで代替する計画を立て 720 万 L/ 日の目標を設定した 先進的バイオ燃料については パーム由来の BHD の開発を念頭に目標を設定した なお 2021 年にいたるまでの各年の導入目標も算定されてはいるが 政府の内部管理用に作られた数字であり 公表はされていない バイオ燃料の導入状況および導入促進策 (1) バイオエタノールバイオエタノールの生産状況 2014 年第一四半期のタイ国内のバイオエタノール生産量は 290 万 L/ 日であり 前年比 12% 増となっている 生産されたバイオエタノールの 9 割が燃料用であり 大半が国内で消費されている バイオエタノールの原料としてサトウキビ由来のモラセス ( 廃糖蜜 ) が主用な原料であり 燃料用バイオエタノールに占めるモラセス由来エタノールの割合は 70~80% である ただし モラセスは食糧 飲料 飼料用としても使用されているため供給不足の状況にあり 生産の増加は主にキャッサバで賄われている また モラセス以外にも サトウキビ サトウキビ糖汁 (cane juice) 糖蜜( シロップ ) を原料としたバイオエタノールの製造が検討されている 48

57 サトウキビ生産量 :1.03 億 t/ 年 サトウキビ生産従事者 :309,821 名 サトウキビ作付面積 :162 万 ha 50 製糖工場 砂糖 :1,129 万トン / 年 モラセス : 427 万トン / 年うち :300 万トン / 年 バガス : 28 百万トン / 年 国内消費 : 輸出 : バイオエタノール : 電力 : 250 万トン / 年 800 万トン / 年 7.5 億 l/ 年 1,542MW/ 年 図 /14 年度のタイ砂糖産業 出典 :OCSB キャッサバ由来エタノール製造プラントは 70 万 L/ 日で製造しており 昨年よりも 40% 増加している 燃料用バイオエタノールに占めるキャッサバ由来エタノールの割合は 2013 年の 27% から 2014 年には 30% 2015 年には 30~40% へと増加する見通しである 49

58 表 2-29 タイにおける燃料および工業用化学品としてのエタノールの生産量 使用 初期在庫 ( 百万 L) 燃料初期在庫 生産量 ,048 1,115 1,295 燃料生産量 ,100 1,280 輸入量 燃料輸入量 輸出量 燃料輸出量 消費量 ,150 1,290 燃料消費量 ,095 1,270 期末在庫 燃料期末在庫 生産能力 ( 百万 L/ 日 ) 工場数 * 23 生産能力 * 5.40 稼働率 (%) 58% 64% 66% 78% 49% 58% 67% 74% 59% 66% 原料使用量 (1,000t) サトウキビ ,100 1,100 モラセス ,414 1,541 1,452 1,981 2,218 2,655 2,800 3,000 キャッサバ ,311 2,231 2,363 3,100 市場参入度 ( 百万 L) 燃料エタノール ,115 1,290 ガソリン 7,214 7,337 7,121 7,524 7,418 7,331 7,705 8,233 8,350 8,760 混合率 (%) 2.0% 2.6% 5.0% 6.3% 6.4% 6.4% 6.9% 11.8% 13.4% 14.7% 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual * タイ政府 ( エネルギー省 ) へのヒアリングによると 2014 年 2 月時点で稼動している工 場は 21 箇所で その生産能力は 419 万リットル / 日である OCSB によると 合計 47 の 工場が操業許可を取得している 工場の内訳は下表のとおり 量 表 2-30 タイにおけるエタノール工場 (2015 年 2 月時点 ) 稼動中建設中 原料工場数生産能力 (L/ 日 ) 原料工場数生産能力 (L/ 日 ) モラセス & 糖汁 11 2,210,000 モラセス 1 100,000L モラセス & キャッサバ 4 700,000 小計 70% 2,910,000 キャッサバ 6 1,280,000 キャッサバ 4 900,000 小計 30% 1,280,000 合計 21 4,190, ,000,000 出典 : エネルギー省 50

59 バイオエタノールの消費状況 消費量タイでは バイオエタノールはガソリンと混合され ガソホールとして流通している 現在の市場では E0( ガソリン ) E10( オクタン価 91 のものと 95 のもの2 種類 ) E20 E85 の燃料が販売されている バイオディーゼルのように一定の混合率を義務付けて導入するのではなく 消費者に選択を委ねているのは バイオディーゼルは現在市場に出回っている車両全てが 7%(B7) まで混合可能であるのに対して ガソリン車は 1998 年以降に販売された車両であれば全て E10 に対応しているが それ以前の車両は E0( ガソリン ) しか使えない状況にあるためである 2013 年の燃料用バイオエタノールの消費量は 260 万 L/ 日と前年比 1.8 倍近くに急増した その背景として 2013 年 1 月よりオクタン価 91 のガソリンの国内製造が中止されたことがある 2013 年の合計ガソリン消費量 (8,233 百万 L) のおよそ 9 割をバイオエタノールが混合されたガソホール (7,470 百万 L) が占めた 燃料用バイオエタノールの消費量は 2014 年に 300 万 L/ 日 2015 年に 350 万 L/ 日に達する見通しである 表 2-31 タイにおけるガソリン消費量 ( 百万 L) ガソリンタイプ 1~4 月変化率 /2013 ガソリン 3,729 3,054 3,035 3,119 3, % レギュラー ( オクタン 91) 3,388 2,877 2,958 3,077 3, プレミアム ( オクタン 95) % ガソホール 3,392 4,470 4,383 4,213 4,455 7,470 2,395 2, % ガソホール E10 オクタン ,415 1,552 1,860 2,121 3,337 1,057 1, % ガソホール E10 オクタン 95 2,439 2,972 2,692 2,122 1,932 3,030 1, % ガソホール E % ガソホール E % 合計 7,120 7,524 7,418 7,332 7,705 8,233 2,698 2, % 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual 車両対応状況 タイでは 1998 年以降に販売された車両は E10 に 2008 年以降に販売された車両は E20 に対応している 2013 年に販売された新車のうち およそ半分が E20/85 に対応していた 51

60 出典 : タイ運輸省 タイ石油公社図 2-13 新車のエタノール対応状況 インフラ整備状況バイオエタノールを供給するガスステーションについては 政府は特段の支援施策をして いないが 順調に拡大している E20/85 を供給するガスステーションの数は飛躍的に増加している 2014 年 12 月時点で 国内に約 5 千か所あるステーションのうち E20 を供給するステーションの数は 2,665 E85 を供給するステーションの数は 600 であった 政府はガスステーションに対する助成をし ているわけではないが オクタン価 91 のガソリン廃止に伴うバイオエタノール需要の増加 や 価格優位性が働き バイオエタノールを供給するガスステーションの数が増加した バイオエタノールの導入促進施策 1バイオエタノール販売価格助成政府は バイオエタノールの販売価格を助成し ガソリンよりも安価 (E20 と E85 の販売価格は オクタン 95 のガソリンよりもそれぞれ 27% 50% 安価 ) で販売している 52

61 表 2-32 バンコクの石油製品の価格構成 (2014 年 6 月 16 日 )( バーツ /L) プレミアムガソリン ( オクタン 95) E10 ガソホール E10 オクタン 95 オクタン 91 工場出荷額 物品税 市町村税 国家石油ファンド 環境保全ファンド 卸値 (WS) 付加価値税 (VAT) WS+VAT 広告マージン VAT 小売価格 注釈 : 為替レート = batht/$ E20 E85 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual 2サトウキビ作付面積の拡大 2013 年度のサトウキビ作付面積は 162 万 ha であるが 更に 70 万 ha 分の作付面積を増大させる計画がある 具体的には タイ東北部の水が少なく稲作に適していない地域をゾーニングし コメからサトウキビへと転換を行うよう 指導する予定である 3サトウキビ生産性の向上作付面積あたりの砂糖生産量を 現状の 10t/rai 11 から 12.5t/rai に向上させる目標を設定している 具体的には 小規模灌漑の整備 収穫機械の導入 品種管理等に対して低金利融資を実施している 4バイオエタノール製造許認可の見直しモラセスの供給不足を受けて タイ政府はサトウキビ サトウキビ糖汁 (cane juice) 糖蜜 ( シロップ ) を原料としたバイオエタノールの製造を検討している タイの砂糖政策においては 事業者がサトウキビから砂糖以外のものを製造するには許可が必要とされている 現状では 1つの工場 ( 生産能力 :20 万 L/ 日 ) のみがサトウキビからバイオエタノールを製造しているが これは同工場が原料として使用するサトウキビの生産地土壌中にカドミウムが含まれており 食用のサトウキビ生産に向かない地域であるためである 今後は工場への許可のあり方を見直し 許可がなくとも事業者がサトウキビからバイオエタノールを製造できるようにする予定である 持続可能性持続可能性の認証については何も検討はしていない サトウキビはコメのようにタイで従来から生産されている農作物であり 環境被害等は認識されていない ただし 収穫時の火入れが火災を引き起こすなどの問題を生じさせており 火入れを禁止してはいないものの 11 rai は面積を表す単位で 1rai=1,600 m 2 53

62 キャンペーンをしたり 収穫機械の導入に対する低利子融資を提供したりする等の取組が実 施されている バイオエタノールの導入目標達成見通し 政府 ( エネルギー省 ) の見解バイオエタノール導入目標の達成は可能であると考えている バイオエタノールの原料供給については サトウキビから直接バイオエタノールを製造できるように法律が改正されれば サトウキビ由来のエタノールはかなりの割合を占めることになるだろうが もしも改正されなければ キャッサバが主流になると考えている キャッサバは輸出に回しているものも多く バイオエタノールにすることの価格優位性があれば そちらに振り分けられるようになる 製造については 稼動中の 21 工場の生産能力 (419 万 L/ 日 ) では 導入目標 (900 万 L/ 日 ) に達しないが 今後も多数の新規工場が稼動開始を予定していることから 製造能力は増加する予定であり これが導入のボトルネックになるとは考えにくい 消費については E20/85 対応車両の導入が進んでいるものの 消費者における知識不足でバイオエタノールが選択されない現状にあり 一層の啓発が必要であると考えている 製造事業者 (Thai Ethanol Manufacturing Association) の見解バイオエタノールの導入目標の達成は可能であるとする 3 つの導入シナリオを描いている 原料の内訳としては モラセスは 400 万 t/ 年で頭打ちとなるが 糖汁は 800~900t/ / 年 キャッサバは 100~160 万 t/ 年の製造余力がある キャッサバについては価格競争力さえ確保されれば 現在 輸出に回している原料を利用することが可能である 第二世代の導入については 協会の試算であるが 具体的な燃料種別は特定されていない 赤 : 第二世代水色 : キャッサバ緑色 : 糖汁オレンジ : モラセス縦軸 : 百万 L/ 年グラフ中の数字 :( 原料 ) 百万 t 図 2-14 バイオエタノール導入見通し 54 出典 :Thai Ethanol Manufacturing Association

63 研究機関 ( タイ国立金属材料技術研究センター ) の見解タイ国立金属材料技術研究センター (MTEC) へのヒアリングによると 900 万 L/ 日が導入されるためには まずオクタン価 95 のものを含めてガソリン (E0) の販売は停止される必要がある 加えて 新車 バイクが全て E20 に対応しており かつ全ての既存の車 バイクが転換装置をつけてバイオエタノール混合可能となっている必要がある 具体的には 転換装置により 既存の車 バイクの 84% は E20 に 16% は E85 に対応可能となる必要がある (2) バイオディーゼルバイオエタノールの生産状況タイではバイオディーゼルは同国の南部で栽培されるパームを原料とし 粗パーム油 (CPO) 粗製パーム油(RBDPO) パームステアリン パーム遊離脂肪酸(FFA) 等から製造されている 2014 年の B100 生産量は 120 億 L となる見通しであり うち 8.4 億 L は粗パーム油もしくは粗製パーム油 2.4 億 L はパームステアリン 0.6 億 L はパーム遊離脂肪酸から製造される 2015 年には 125 億 L へと増加する見通しである 表 2-33 タイにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 初期在庫 ( 百万 L) 生産量 ,060 1,200 1,250 輸入量 輸出量 消費量 ,050 1,180 1,220 期末在庫 生産能力 ( 百万 L) 工場数 生産能力 ,970 1,970 1,970 1,450 1,450 1,450 1,630 稼働率 (%) 0.9% 14.3% 53.3% 31.0% 33.5% 32.0% 62.1% 73.1% 82.8% 76.7% 原料使用量 ( 千 t) 粗パーム油 ステアリン酸 遊離脂肪酸 (FFA) 市場参入度 ( 百万 L) BDF ,050 1,180 1,220 軽油 10,980 11,200 10,580 11,080 11,100 11,510 12,340 12,500 12,600 11,696 混合率 (%) 0.0% 0.3% 2.5% 3.3% 3.5% 3.3% 4.3% 5.0% 5.6% 5.7% 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual 国内のバイオディーゼル生産事業者は その収益性の低さから 2011 年以来 10 事業者にとどまっており その生産能力は 14.5 億 L/ 年である New Biodiesel 社は 2015 年半ばよりその生産能力を 60 万 L/ 日に増加する計画である 55

64 表 2-34 タイにおける B100 製造事業者社名生産能力 (L/ 日 ) 原料タイプ 1 Bangchak Petroleum 50,000 CPO RBSPO 2 Pure Energy 800,000 パームステアリン CPO 3 Patum Vegetable Oil 1,400,000 CPO RBSPO パームステアリン 4 B.Grimm Green Power 200,000 CPO RBSPO パームステアリン 5 A.I. Energy 500,000 パームステアリン 6 Veera Suwan 200,000 パームステアリン RBSPO 7 Thai Oleochemicals 685,000 CPO 8 New Biodiesel 400,000 CPO RBSPO パームステアリン FFA 9 Absolute Power P 300,000 CPO RBSPO パームステアリン 10 Bangchak Biofuel 300,000 CPO パームステアリン 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual バイオディーゼルの消費状況バイオディーゼルは現状でディーゼルに 7% 混合されて 市場で流通している 車両メーカーによると 7% 以上に混合率をあげることには技術的な障壁があるとされる また バイクもバイオディーゼル対応車両になっていないという課題がある バイオディーゼルの導入促進施策バイオディーゼルの導入については 混合を義務化する形で導入を進めており バイオエタノールのような促進施策は導入されていない 農業 協働組合省において パーム生産性向上施策が講じられているが 特にバイオディーゼル政策と関連はしていない 持続可能性タイでは インドネシアのように大規模なパーム農園があるわけではないので 持続可能性についてそこまで大きな問題にはなっていない しかし 国際的な動向も踏まえて タイでも ISPO のような持続可能性基準の導入を検討し始めている ただし 検討を始めたばかりであり いつ頃どのような政策を導入するかといった具体的な計画は何も決まっていない バイオディーゼルの導入目標達成見通し導入目標の最大の課題は 原料 ( パーム ) 不足である タイでは パームは南部の限られた地域しか生産に適しておらず 食用も合わせるとパーム油が不足して 輸入している現状にある タイ政府 ( エネルギー省 ) へのヒアリングによると ディーゼルの消費量がガソリンの消費量の 2.5 倍程度あるのに バイオエタノールの原料 ( モラセス キャッサバ ) は豊富である一方 バイオディーゼルの原料 ( パーム ) が非常に限られていることが バイオ燃料導入政策推進上のアンバランスを生んでいる パーム以外にジャトロファ 微細藻類などの技術開発に取り組んでいるものの 原料の多さと価格を鑑みると 近い将来ではパームを代替するものは現れないと考えられ 新計画でもパームをベースに立案する予定であるが バイオエタノールとバイオディーゼルの導入割合については再度検討する予定である 56

65 (3) バイオジェット燃料バイオジェット燃料開発に関する国の計画等は存在していないが いくつかの事業が展開している タイの航空会社 PTT 空軍が共同でテストフライトを試行したことがある 原料はパーム由来の BHD であった しかし その後は少なくとも公式には事業の進展は伝えられていない 第二世代の開発状況 (1) バイオエタノール政府として第二世代の技術開発に関する計画等は策定していない ただし 今後策定される予定の新計画は 2036 年までと長期的な開発計画になるため 第二世代についても盛り込まれる予定である 個別事業としては OCSB は NEDO と協力して バガス由来のバイオエタノール製造実証事業に取り組んでいる 実証地は Saraburi 州 Saraburi Sugar Factory である また 研究機関 ( モンクット王トンブリー工科大学の The Joint Graduate School of Energy and Environment (JGSEE) や National Center for Genetic Engineering and Biotechnology (BIOTEC)) がセルロース系開発に取り組んでいる (2) バイオディーゼル AEDP で 3ML/ 日の導入を目標とした先進的バイオ燃料は主にパーム由来の BHD を想定している 既存のディーゼル車両が 7% 以上に混合率を上げられないとされる中で BHD や BTL の開発が必要とされているが 政府として開発計画等は策定していない 個別事業としては タイ石油公社 (PTT) が微細藻類に取り組んでいる また 国内最大の製糖会社である Mitr Phol が子会社 (Petro Green) を作り モンクット王トンブリー工科大学 エネルギー省等と共同で ED95( エタノール 95% をディーゼル代替に用いる ) の開発に取り組んでいる バイオ燃料の輸出可能性 (1) バイオエタノール国内でのバイオエタノール需要の急増を受け タイのバイオエタノール輸出量は急減している 2013 年の主用な輸出先は フィリピンである 同国では バイオエタノールの導入義務化政策を施行しているが 国内のバイオエタノール生産量が不足している状況にある 2014 年以降は 国内の主に E20/85 に対する需要増を受けて 輸出量は少量となる見通しで 57

66 ある 2013 年にはバイオエタノールの輸入は行っていない タイ政府は バイオエタノールの 輸入に対して 2.5 バーツ /L の課税を行っている 表 2-35 タイのバイオエタノール輸出量 ( 百万 L) フィリピン シンガポール 日本 豪州 台湾 インドネシア 欧州 韓国 その他 合計 注釈 : 稼働中のエタノール工場 純度 95% エタノールをベースとしている 出典 :USDA(2014) Grain Report TH4057, Thailand Biofuels Annual (2) バイオディーゼル タイは B100 の輸出入は行っていない 一方 粗パーム油については輸出しているが その量は減少している 2.8 インドネシア バイオ燃料政策政策の概要インドネシアは 2006 年 国家エネルギー政策 を発表した 同政策では 輸送用燃料としてのバイオディーゼルを中心とするバイオ燃料の普及 増産計画を掲げた 2006 年の大統領令 No.5/2006 及び 2008 年のエネルギー 鉱物資源省規則 No.32/2008 において 2025 年までのバイオエタノール及びバイオディーゼルの導入義務率を示した 2014 年 エネルギー鉱物資源省規則 No.32/2008 を改正する No.20/2014 を施行し バイオディーゼルの導入目標を引き上げた 導入目標引き上げの背景として 国内のバイオディーゼル需要量に生産量が追いつかず バイオディーゼルの輸入量が増えていることがあり バイオ燃料生産を加速すべく導入義務が引き上げられた なお PSO とは 政府の補助金を受けて販売されている燃料であり 国営の Pertamina 社がガスステーション等で販売している 一方 Non-PSO とは 補助金の対象となっていない燃料であり 工場内の車両等の産業用途で使用されている Pure Plant Oil とはエステル化されていないパーム油を指す 58

67 表 2-36 インドネシアのバイオ燃料導入義務 燃料種類部門 バイオデ輸送 _ 公ィーゼル共 (PSO) (1%) (1%) (2.5%) 10% 10% 30% 30% 20% (5%) (10%) (20%) 輸送 _ 民 (B100) 10% 30% 30% 間 (Non (-) (1%) (3%) 10% 20% (7%) (10%) (20%) PSO) 10% 30% 30% 産業 (2.5%) (2.5%) (5%) 10% 20% バイオエタノール (E100) Pure Plant Oil(O100) 発電 (0.1%) (0.25%) (1%) 25% (10%) 25% (10%) 輸送 _ 公共 (PSO) (3%) (1%) (3%) 0.5% 1% (3%) 輸送 _ 民 2% 間 (Non (5%) (5%) (7%) 1% (7%) PSO) 30% 2% 5% (15%) 30% (15%) 5% (10%) 10% (12%) (20%) 30% (20%) 20% (15%) 20% (15%) 産業 (-) (5%) (7%) 1% 2% 10% 20% 5% (7%) (12%) (15%) 発電 家庭 産業 運輸 ( 低中スピ 産業用 5% 10% 20% 20% 20% ードエンジン ) 船舶用 5% 10% 20% 20% 20% 航空用 - - 2% 3% 5% 発電用 6% 15% 20% 20% 20% 数値は No.20/2014 での目標 ただし () 内は No.32/2008 での旧目標 出典 :USDA(2014) Grain ReportID1420, Indonesia Biofuels Annual, No.20/2014 輸送公共燃料 (PSO) に対するバイオディールの混合について 軽油小売業者 ( 国有石油 天然ガス鉱業公社の Pertamina 海外資本の Shell, Total, PETRONAS 等 ) に対して 10% の混合を義務付けている 義務を満たさない事業者に対して 政府 ( エネルギー鉱物資源省新 再生可能エネルギー 省エネルギー総局 (Directorate General of New and Renewable Energy, DG EBTKE)) は罰則措置 ( 勧告 操業凍結措置もしくは操業許可取消 ) を講じることができる 政策の目標インドネシアがバイオ燃料を導入する目的は 輸入化石燃料の代替である インドネシアは化石燃料の約 4 割を輸入に頼っており 外貨の流出を招いていることから この削減に取り組んでいる また 政府 ( エネルギー 鉱物資源省 ) によると バイオ燃料には温暖化防止の意義もあると考えられている 政策の位置づけ インドネシア政府 ( エネルギー 鉱物資源省 ) へのヒアリング等によると 上述の導入目 標は義務を伴うものではなく 政府としての導入期待値である 59

68 2.8.2 バイオ燃料の導入状況及び導入促進施策 (1) バイオディーゼルバイオディーゼルの生産状況バイオディーゼルの原料は パーム油である パーム粗油 (CPO) 年間 30Mt 生産 3Mt: 国内バイオディーゼル用 5Mt: 国内食用 22Mt: 輸出 310 万 kl: バイオディーゼル製造 120 万 kl: 国内消 190 万 kl: 輸 図 年のバイオディーゼル生産実績 出典 : エネルギー 鉱物資源省 インドネシア国内のバイオディーゼル生産量は 2012 年 220 万 kl から毎年増加している 表 2-37 インドネシアにおけるバイオディーゼルの生産量 使用量 初期在庫 ( 百万 L) 生産量 ,800 2,200 2,450 3,650* 4,150 輸入量 輸出量 ,440 1,515 1,356 1,000 1,000 消費量 ,048 2,625 3,130 期末在庫 生産能力 ( 百万 L) 工場数 * 26 生産能力 215 1,709 3,138 3,528 3,936 4,281 4,881 5,670 5,670* 5,670 稼働率 (%) 30.2% 15.8% 20.1% 9.4% 18.8% 42.0% 45.1% 43.2% 64.4% 73.2% 原料使用量 ( 千 t) 粗パーム油 ,769 2,163 2,408 3,588* 4,079 市場参入度 ( 百万 L) 道路輸送用 BDF ,644 2,060 道路輸送用軽油 9,059 9,400 10,311 12,781 15,291 16,383 18,690 20,727 22,986 25,492 混合率 (%) 0.10% 0.20% 0.20% 0.50% 1.40% 2.20% 3.60% 4.50% 7.20% 8.10% 出典 :USDA(2014) Grain ReportID1420, Indonesia Biofuels Annual * インドネシア政府へのヒアリングによると 2014 年のバイオディーゼル生産量は 310 万 60

69 kl である また バイオディーゼル製造工場は 25 工場が許可を得ており うち 14 が稼動 中である 稼動中の 14 工場の生産能力は 450 万 kl である また バイオディーゼルの生 産に使用される粗パーム油は 300 万 t である 原料として パーム油その他にジャトロファ油 テリハボク油 ココナッツ油等の利活用 も研究者等により検討されているが 生産量が少なくまた搾油率も低いために パーム油を 代替することは難しいと考えられる バイオディーゼルの消費状況 インドネシア国内におけるバイオディーゼル消費量は増加傾向にあり 輸送用軽油使用量 に占める B100 の割合は 2006 年の 0.06% から 2013 年には 5.57% にまで増加している 出典 :USDA(2014) Grain ReportID1420, Indonesia Biofuels Annual 図 2-16 インドネシアにおける輸送用軽油使用量に占める B100 の割合 これまでの輸送用燃料 (PSO) の導入目標達成状況は 下表のとおりである 表 2-38 バイオディーゼル導入目標達成状況 ( 単位 :kl) 2011 年 2012 年 2013 年 導入義務量 1,297,000 1,641,000 2,017,000 うち 輸送用 (PSO) 590, ,440 1,202,250 導入量 358, , ,297 導入達成割合 60.75% 96.39% 38.45% 出典 :BPPT 車両対応状況現状では軽油に 10% 混合する形 (B10) で流通している 現在 複数の政府機関および研究機関 (Ikatan Ahli Bioenergi Indonesia (IKABI) Indonesian Biofuel Producers Association 61

70 (APROBI) インドネシア自動車製造業者協会 (GAIKINDO) プルタミナ インドネシア技 術評価応用庁 (BPPT)) により 20% まで混合率を引き上げることが車体に与える影響につ いて 検証がなされている これまでの実証実験の結果からは 問題は報告されていない インフラ整備状況西インドネシア ( ジャワ島 スマトラ島 カリマンタン島 スラウェシ島の一部 パプアの一部 ) では B10 がガスステーションで供給されている それより東の地域では BDF と軽油の混合プラントが整備されておらず B10 は普及していない バイオディーゼルの導入促進施策 : バイオディーゼル販売価格助成インドネシアでは産業用途を除き 輸送用軽油価格は助成されており 市場価格の変動によらず安定して安価で供給されていた これまでは 助成された軽油 (PSO) が 8,000 ルピア /lで販売されており 非助成軽油が 11,000~12,000 ルピア /lで販売されていた 新政権のもと 化石燃料への助成政策が見直され 今後は市場価格に連動する仕組みとなり 助成額も 1,000~2,000 ルピア /lの間を変動することとなった バイオ燃料についても助成がなされている これまではlあたり一定金額 (2012 年は 2,000 ルピア /l 2013 年は 3,500 ルピア /l) が助成されていたが 2015 年 2 月にその変更が審議され バイオディーゼルに対しては最大 4,000 ルピア /l バイオエタノールに対しては最大 3,000 ルピア /lが助成されることとなり 具体的な助成金額は軽油と B10 等の価格との差額をベースに決定されることとなった 12 持続可能性 インドネシア政府は 2011 年 農業省令 ( Minister of Agriculture s decree No. 19/Permentan/OT.140/3/2011) を発行し Indonesian Sustainable Palm Oil (ISPO) 基準を定めた ISPO が制定された背景としては パーム油の代表的な自主的持続可能性基準である RSPO に対する課題意識 ( 高額な認証費用等 ) があるとされる ISPO は 7 つの原則 39 の基準 128 の指標からなっている 政府は 2014 年までに国内全てのパーム油生産事業者に ISPO の認証を取得するよう義務付けている ただし報道によると 2014 年 3 月時点で数千社あ る事業者のうち 40 社しか認証取得を完了していない 13 研究機関 (BPPT) へのヒアリング によると 小規模農家が認証を取得することのハードルが高い等の問題がある バイオディーゼルの導入目標達成見通し 政府の見解 バイオディーゼル導入目標の達成は可能であると考えている バイオディーゼルの原料供 給については CPO の原料供給余力は十分にある 現在では 国内の供給がタイトになっ た場合には CPO の輸出税を引き上げることによって 国内への供給を優先させる仕組み を導入している 輸出税は毎月見直されている バイオディーゼル製造については 現状で 生産許可を得ている 25 工場全てが稼動したとしても 30% の導入目標には不足する見通し 12 CIFOR (2011) Policy and institutional frameworks for the development of palm-based biodiesel in Indonesia 13 The Jakarta Post (2014/3/3) Thousands of palm oil firms to miss certification 62

71 であり 今後民間での投資が行われることを期待している 生産事業者 (Darmex 社 ) の見解インドネシアのパーム油の供給ポテンシャルは大きい 今後は スラウェシ島やパプアにも生産地を拡大させる計画を持つ事業者が多く CPO の生産量は年間 40Mt/ 年にまで増加するポテンシャルがある 研究機関 ( バンドン工科大学 ) の見解 2025 年の導入目標はエタノール量に換算すると 1,100 万 kl/ 年である この生産に必要とされる CPO は 11Mt/ 年程度であり 現在の生産量 (30Mt) の 3 分の 1 程度に過ぎない 更に CPO の生産量は将来的には 40Mt/ 年に達する見通しである また 車両側の対応としても B20 までは混合して問題ない見通しである 海外研究機関等 (USDA) の見解 USDA の予測によると 電力部門におけるバイオディーゼル導入に遅れが生じている 国有電力会社は 2006 年からバイオディーゼルの利用が義務付けられているにも関わらず 2013 年まで何の取組みもしておらず 導入目標の達成は難しいと考えられる 2013 年 9~ 12 月にはじめて国有電力会社は 1.3 億 L のバイオディーゼルを調達したが 価格競争力がある供給業者の確保 燃料混合設備の整備等の課題に直面しており バイオディーゼル調達量は 2014 年は 3.9 億 L( 導入目標の 48% 程度 ) 2015 年は 4.9 億 L( 導入目標の 60%) 程度になる見通しと予測される (2) バイオエタノールバイオエタノールの導入状況インドネシアでは 2 つの工場からモラセスとキャッサバを原料として 117,000kl のバイオエタノールが製造されているが 国内では消費されず 全て輸出されている なお バイオエタノールの製造認可を得ている工場はもう 1 つあるが 同工場では酒用の製造許可も有しており 現在は酒用途のエタノールしか製造していない モラセスは燃料用以外にも用途があるため 国内での供給は逼迫しており 今後はキャッサバが主たる原料となることが予想されている バイオエタノールを製造するためには非食用のキャッサバでも製造可能であるが キャッサバ生産者にとって燃料専用種を生産することはリスクが高いため 現状では食用のキャッサバが燃料用に使われている 表 2-39 国内のエタノール製造工場 工場所在地 原料 製造物 スマトラ島ランプン州 キャッサバ 燃料用 ジャワ島東ジャワ州 モラセス 燃料用 ジャワ島東ジャワ州 モラセス 酒用 燃料用 ( 現在は 製造せず ) 出典 : エネルギー 鉱物資源省 63

72 インドネシア政府 ( エネルギー 鉱物資源省 ) へのヒアリングによると 現在 国内でバイオエタールが使用されていないのは ガソリンにバイオエタノールを混合するための設備が整っていないためである 現在 政府は Pertamina に対し国内で 4 箇所の混合設備を建設するための補助金を交付している 車両対応状況 インドネシア政府は車両メーカーと共同で実験を行い ガソリンに 5% までバイオエタノ ール (E5) を混合しても問題がないとの結論を得ている (3) バイオジェット燃料インドネシア政府では 1Bioavtur と2Pure Plant Oil の2 種類の燃料をジェット燃料に混合させる計画がある Bioavtur については 2020 年に 14,000kL 2025 年に 1,600kL 導入する計画があるが 現在では一部の研究機関で基礎研究がなされているにとどまり BPPT の予測によると達成困難である 具体的には 教育省からの助成を受けて バンドン大学にて Pertamina と共同でパーム由来の BHD の研究開発を行っており バンドン大学では触媒の開発を担当している これまでは海外から触媒を輸入しており 国内で初めての開発事例となる Pertamina は将来的に自社投資により BHD のパイロットプラントを製造する予定である 一方 Pure Plant Oil については 2016 年に 2% 2020 年に 3% 2025 年に 5% 導入する目標がある しかし 政府では目標達成のための取組みは講じられておらず 現地では導入に向けた動きはない 第二世代の開発状況大統領が委員長を務める国家エネルギー委員会 (National Energy Council, DEWAN) にて現在次世代バイオ燃料の技術開発ロードマップを策定している BPPT によると 最もポテンシャルの大きい資源は パーム樹幹 (palm oil trunk) とパーム椰子空果房 (EFB) である インドネシアのパーム農園は開発以来 25 年程度経っており 植え替えが必要となるパームが大量にあり 今後 パーム樹幹が大量に出る見通しである これらは含水率が高く 直接燃焼するのに向かないため バイオ燃料化するのが最も適している BPPT の試算によると もし インドネシア国内で植え替えが必要となるパームから全てのパーム樹幹が回収できたと仮定すると そこから年間 2,468,400kl のエタノールが製造可能である 一方 EFB については BPPT は三菱重工との実証実験 (2008~2009 年 ) により 1t の EFB( ドライベース ) から 0.14kl のバイオエタノール抽出に成功した パーム畑の位置や EFB の回収可能性 (EFB は肥料としても利用されている ) にもよるが コスト的にも見合った事業が実施可能と試算された 個別の取組としては 以下のようなものがある バンドン工科大学では セルロース系の前処理技術の開発に取り組んでいる 64

73 Pertamina は スイッチグラスを原料とするエタノールの開発に取り組んでいたが 飼料との競合懸念も指摘されている インドネシア科学院 (The Indonesian Science Institute, LIPI) ではパーム茎を利用した第二世代バイオ燃料の研究開発を進めている バイオ燃料の輸出可能性 (1) バイオディーゼルインドネシア産バイオディーゼルの主要な輸出先は欧州であり 2008~2012 年にかけて輸出量を増加させていたが 欧州委員会が 2013 年にインドネシア産バイオディーゼルに対してダンピング防止税を課したことから 欧州への輸出量は 2012 年の 12.9 億 L から 2013 年の 5.21 億 L へと 60% 減少した この他に米国やアジア諸国 ( インド 中国 フィリピン タイ 日本 ) への輸出も行っているが顕著に増加はせず 輸出量は減少したままにとどまる見通しである (2) バイオエタノール インドネシアのバイオエタノール貿易は 工業用途のみである 65

74 2.9 中国 バイオ燃料政策 再生可能エネルギー法 (2006 年 1 月施行 ) を制定し 再生可能エネルギー発展第 11 次 5 ヵ年計画 (2007 年策定 ) において中長期的な目標を設定しており その後改定された 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 (2011 年 ~2015 年 ) 計画 14 (2012 年 8 月公表 ) では 2015 年にバイオエタノール 4 百万 t( 生産能力 ) バイオディーゼル 1 百万 t( 生産能力 ) の目標を設定し バイオ燃料の導入を推進している 燃料 表 2-40 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 (2011 年 ~2015 年 ) 計画での燃料分野の目標値生産能力石炭換算 10.0 百万 t 固形バイオマス燃料 10 百万 t 5.0 百万 t バイオエタノール 4 百万 t 3.5 百万 t バイオディーゼル 1 百万 t 1.5 百万 t 出典 : 国家能源局 国家再生可能エネルギーセンター, Key Information at a Glace China 12th Five-Year Plan for Renewable Energy Development( ) バイオエタノールに関しては 2002 年 一部地域での E10 試験導入が行われ その後 導入地域を拡大しつつ 現在は 黒龍江省 吉林省 遼寧省 河南省 安徽省 広西チワン族自治区の 6 つの省 自治区及び湖北省 河北省 山東省 江蘇省 広東省の5 省の 30 の都市において E10 の使用を義務化している 2000 年代初めのバイオ燃料の導入当初の政策の背景には 余剰穀物の利用先としての視点があり バイオエタノールの生産も 余剰穀物の問題が発生していた黒龍江省等で先行して実施された しかしながら その後は 食料との競合に配慮し 非穀物系原料によるバイオエタノールの生産を推進している 2006 年 12 月の トウモロコシ加工生産管理の緊急通知 及び 2007 年 9 月の トウモロコシ工業加工の健全発展に関する指導意見 では 非穀物系原料によるバイオエタノールの生産の方針を掲げており 原料としてはキャッサバ サツマイモ スイートソルガム セルロース系原料等に重点をおいている 年 11 月に公表された エネルギー発展戦略行動計画 (2014~2020 年 ) でも 非穀物原料によるバイオ燃料に重点化し 代替エネルギー源として推進することが示されている バイオエタノール生産に対しては 税制上の優遇措置や政府補助が行われてきたが 2011 年以降 穀物原料によるバイオエタノールへの税制優遇措置を段階的に削減しており 2015 年には優遇措置が廃止され また 穀物を原料とするバイオエタノールの生産に対する補助金についても削減しつつあり 2016 年には廃止予定である China 12th Five Year Plan for Renewable Energy Development ( ) /Chinas%2012th%20five-year%20plan.pdf 15 楊秋麗 中国におけるバイオエタノールの実用化 : 中国主要量産企業 4 社の現地調査を踏まえて 立 命館国際地域研究 31, 17-36, icet(2014), Biofuel Experiences in China Governance and Market Development Updates 66

75 2.9.2 バイオ燃料の導入状況等 (1) バイオエタノール 17 バイオエタノールの導入状況 一部の地域において E10 が義務化 ( 前述 ) されているが 実際の混合率は 8~12% で推移 している 国内でのバイオエタノール ( 燃料用 ) の生産量は 2012 年は 2.5 百万 kl 2013 年は 2.6 百万 kl 2014 年は 2.8 百万 kl(2014 年 ) と増加傾向にある 主な原料は トウモ ロコシ 小麦 キャッサバ等であり 2014 年の燃料用エタノールの約 76% がトウモロコシ 約 14% が小麦であるとされている 燃料流通については政府がコントロールしており 特 定のバイオエタノール生産工場のみ Sinopec( 中国石油化工集団公司 )Petro China( 中国石 油天然ガス股份有限公司 ) 等の国営石油会社に販売ができ ガソリン価格の 倍 ( 固定 レート ) で取引する仕組みとなっている 千 kl 3,000 2,500 2,000 1,500 1, 図 2-17 中国におけるバイオエタノール ( 燃料用 ) の生産量の推移出典 :USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual 18 バイオエタノールの貿易 バイオエタノール ( 燃料用 ) の輸入量については 2012 年は 3 千 kl で 2014 年は 14 千 kl 一方 輸出量については 2012 年は 7 千 kl 2013 年は 2 千 kl 2014 年は 1 千 kl と ごく僅かである 最近の特徴的な動きをみると 2014 年は一時的に輸入量が増加している USDA Grain Report:Peoples Republic of China - Biofuels Annual(2014 年 ) によると 輸入 燃料用バイオエタノール ( 変性エタノール ) の輸送部門への利用は認められておらず ( 変性 エタノールは化学工業用のみが認められている ) 2014 年の輸入増は 試験的な輸入による ものであるとしている 17 USDA(2014), USDA Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual, III. Ethanol 18 USDA(2014), USDA Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual, Ethanol Trade 67

76 千 kl 輸入量 輸出量 第二世代の開発状況 図 2-18 中国におけるバイオエタノールの貿易量 ( 燃料用途 ) 出典 :USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 (2011 年 ~2015 年 ) 計画 で セルロース系 エタノールの開発を推進している セルロース系バイオエタノールの生産は コーンコブを 原料とした商業生産施設が 1 か所あり ( 山東省 Longlive Group 社 ) 年間生産能力は 63.4 千 kl(50,000t) となっており 2012 年より生産開始している その他 コーンストーバー 麦わらなど 様々な原料によるセルロース系バイオエタノールの生産について 実証段階で の小規模の取組みが報告されている (2) バイオディーゼル 20 バイオディーゼルの導入状況 国内でのバイオディーゼルの生産量については 2011 年は 74 万 kl 2012 年は 91 万 kl 2013 年は 108 万 kl となっており 増加傾向にある バイオディーゼル燃料の用途は 約 3 割が輸送用 約 5 割が産業用 約 2 割が農業機械 船舶と推定されている 主な原料は 廃 食用油であり 輸送部門での混合義務は行われていない 19 USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual, V. Advance Biofuels 20 USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual, IV. Biodiesel 68

77 千 kl 1,200 1, 図 2-19 中国におけるバイオディーゼルの生産量 出典 :USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual 21 バイオディーゼルの貿易 バイオディーゼルの輸入量については 2012 年は 20 千 kl で 2013 年は 159 千 kl 一 方 輸出量については 2012 年は 66kL 2013 年は 85kL とごく僅かである kl その他シンガポールマレーシアインドネシア 図 2-20 中国におけるバイオディーゼルの輸入量 出典 :USDA(2014) Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual 第二世代の開発状況 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 (2011 年 ~2015 年 ) 計画 で 微細藻による バイオディーゼルの開発を推進している 21 USDA(2014), USDA Grain Report CH14038, Peoples Republic of China - Biofuels Annual, IV. Biodiesel 69

78 2.10 韓国 バイオ燃料政策韓国においては バイオディーゼルの導入が先行して行われている 2002 年に 一部地域の国の機関を中心に B20 の試験的な利用が始まり 2007 年には バイオディーゼル中長期普及計画 が策定された 普及計画では バイオディーゼルの混合率を段階的に引き上げること等が示された その後 2010 年には第 2 次の バイオディーゼル中長期普及計画 が発表され 将来的な混合比率の数値の見直し等が行われた 2014 年に公表された 第 4 次新 再生エネルギー基本計画 では 再生エネルギーの導入比率の段階的引き上げが示されており 中長期計画を提示することとしている このうち バイオ燃料に関しては バイオディーゼルを優先的に導入する方針であり 混合義務比率の新たなロードマップを提示する予定である 一方 バイオエタノールはモデル事業実施後 導入方針を検討することとしている 2015 年 7 月より RFS(Renewable Fuel Standard: 再生可能燃料基準 ) 制度が導入される予定である ( 制度の詳細は未定 ) 図 2-21 バイオ燃料の導入シナリオの検討案 ( 韓国石油管理院報告資料による ) 出典 : 韓国石油管理院報告資料 (2014) バイオ燃料の導入状況等 (1) バイオディーゼル バイオディーゼルの導入状況 2007 年 ~2010 年においては 税制優遇による政策誘導の下での自主的な利用が行われた 2007 年は 0.5% 混合から 段階的な引き上げが行われ ( 毎年 0.5% 引き上げ ) 2010 年には 2% の混合となった その後 税制優遇は 2011 年までとなり 2012 年以降は 2% 混合 (B2) が義務化され 2014 年現在 B2 で推移している なお 2015 年 8 月には B2.5 への引き上げが予定されている 70

79 韓国におけるバイオディーゼルの消費量は 2010 年は 36 万 t 2011 年は 38 万 t 2012 年は 39 万 t で微増傾向にある 国内生産量 (2012 年 ) は 12 万 t であり 原料は廃食用油が 中心である バイオディーゼルの貿易輸入量 (2012 年 ) は 26 万 t であり パーム系原料 ( パーム油 パーム油副産物 ) 廃食油 大豆油などが輸入されている 国内が約 3 割 輸入が 7 割となっており 輸入原料に依存する構造となっている 千 t 国内輸入国内輸入国内輸入 2010 年 2011 年 2012 年 輸入 ( 原料 : その他 ) 輸入 ( 原料 : 廃食用油 ) 輸入 ( 原料 : 大豆油 ) 輸入 ( パーム副産物輸入 ( 原料 : パーム油 ) 国内 ( 原料 ; 動物性油脂 ) 国内 ( 原料 : 廃食用油 ) 図 2-22 バイオディーゼル燃料の生産量及び輸入量の推移出典 : パク ガンフン (2014), RFS の推進方向 ( バイオディーゼルを中心に ) 有機性資源学 会発表資料. 第二世代の開発状況中長期的に HBD(Hydro-generated biodiesel: 水素化バイオディーゼル ) BTL(Biomass to Liquid) 微細藻等の導入を進める方向にある バイオディーゼルの新規原料の開発にも注力しており 例えば EU と連携した PROMOFUEL の取組みが挙げられる PROMOFUEL は バイオディーゼル生産のための新規の非食用原料について 原料成分や燃料性状等についての知見を得ることを目的とし ドイツ オーストリア 韓国の関係省より資金を得て ドイツの大学 (Coburg University of Applied Sciences and Arts) と韓国の研究機関 (Korean Institute of Energy Research) により共同実施された (2012~2014 年 ) (2) バイオエタノール バイオエタノールの導入状況 期間を限定した E3 及び E5 の試験販売 ( 全国 4 か所 ) が行われたが その後 本格的な

80 導入は行われていない 第二世代の開発状況 第 4 次新 再生エネルギー基本計画 では 巨大ススキなどのバイオマス原料の確保方策 の検討を明記しており セルロース系バイオエタノールの開発を目指している 2.11 国際機関による評価 IPCC によるバイオ燃料の役割の評価気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 第 5 次評価報告書 (AR5) のうち 気候変動の緩和策を取り扱う WG3 報告書は 2014 年 4 月に公表された バイオ燃料は 8 章において IPCC 第 4 次報告書に引き続き 気候変動緩和のための 運輸 部門の対策の一つに位置付けられている 2007 年の第 4 次 WG3 報告書のテクニカル サマリーでは バイオ燃料の役割については 表 2-41 の内容が指摘されていた 一方で 第 5 次報告書のテクニカル サマリーでは 表 2-42 のような記述がされている 第 4 次報告書では 輸送部門におけるバイオ燃料の役割が高く評価されていた一方で 第 5 次報告書では バイオ燃料の GHG 削減について その効果やポテンシャルに疑義が述べられている また 第 4 次報告書では不確実とされていた航空機用バイオ燃料については 第 5 次報告書で技術進歩が評価されている なお 第 5 次報告書のキーワードである コベネフィット は ここではエネルギーセキュリティの向上等を指している 表 2-41 IPCC 第 4 次報告書におけるバイオ燃料の評価 バイオ燃料は輸送における石油の消費の多くの部分 全てではないが を代替する可能性がある バイオ燃料の導入は 航空機の炭素排出量の一部を緩和する可能性はあるが その製造コストと生産工程からの排出量の双方とも 現時点では不確実である 現在のところ エタノールによる二酸化炭素削減のパフォーマンスやコストは 労働力の安価な国におけるサトウキビからの生産を除けば 芳しくない 出典 :IPCC 第 4 次報告書, WG3 Technical Summary (METI 訳 ) 表 2-42 IPCC 第 5 次報告書におけるバイオ燃料の評価 電気 水素 また一部のバイオ燃料技術は 燃料の二酸化炭素排出原単位を減少させる可能性があるが そのトータルの削減ポテンシャルは非常に不確実である 商業的に利用可能な液体 気体バイオ燃料は 既にコベネフィットをもたらしており その削減可能性は技術進歩により増加しうる ( 特に航空におけるドロップ イン型バイオ燃料 ) バイオエネルギーは緩和に重要な役割を果たす可能性があるが 持続可能な使用方法とバイオエネルギーシステムの効率は考慮すべき課題である 出典 :IPCC 第 5 次報告書, WG3 Technical Summary ( 仮訳 ) 72

81 また 運輸部門の車両単体対策としてのバイオ燃料導入を 他の技術と比較して検証されている結果を表 2-43 に示す バイオ燃料の走行距離あたり GHG 排出量や GHG 削減コストは バイオ燃料種類によって異なる とされ 具体的な評価がなされなかった これは バイオ燃料の原料や製造プロセスによっては 間接土地利用変化を含む大きな GHG 排出が起きうることに対応している 短期的可能性としてはニッチ市場の状況が続くとされ 長期的可能性としては航空燃料としてのドロップ イン型バイオ燃料の使用が期待されている 対策 ( 比較対象 : 2010 年ガソリン自動車 ) 再生可能電力による電気自動車 プラグインハイブリッド自動車 天然ガス バイオガス自動車によるガソリン車やディーゼル車の置換 ガソリン ディーゼル燃料 航空燃料のバイオ燃料置換 表 2-43 IPCC 第 5 次報告書における運輸部門の車両単体対策の比較 走行距離あたり GHG 排出量 [gco 2 eq/km] *1 GHG 削減コスト [$/tco 2 ] *1 短期的可能性 130~170 30~40 (2030 年 電気の排出原単位が 0.2kgCO 2 /kwh のとき ) 50~70 (2030 年 圧縮天然ガス ) バイオ燃料種類によって異なる 長期的可能性 0~200 影響は小さい 内燃機関エンジンの軽量 乗用車を相当量置換 -500~-300 バイオ燃料種類によって異なる インフラが利用可能な一部都市では導入拡大可能 ニッチ市場の状況が続く ( 液体燃料の 3%) 燃料価格やインフラ整備状況によっては 重量ディーゼル車を相当量置換 航空燃料として 次世代のドロップ イン型バイオ燃料が使用される 従来エンジンの改善 情報技術の活用 80~100 (2030 年 ガソリン車 ) 70~90 (2030 年 ハイブリッド車 ) -300~0 燃費改善は 低コストで大幅な削減に寄与 相当量の削減可能性 ただしリバウンド効果や消費者の選択により効果が抑制される可能性 *1 軽量乗用車の場合 グラフで示されているものから値読み取り 出典 :IPCC 第 5 次報告書 (Table 8.3, 8.5) より作成 バイオ燃料の需給見通し FAO OECD-FAO Agricultural Outlook による中期的なバイオエタノールの需給見通しを 図 2-23 に示す バイオエタノールの輸出余力は 2023 年でもブラジルが圧倒的に大きい エタノール生産量は今後 10 年で約 3 割増加する なお 2023 年の米国のセルロース系エタノール生産量は RPS による義務量の 12% 程度に留まると想定されている IEA World Energy Outlook 2014 による中長期的なバイオエタノールの需給見通しを 図 2-24 に示す 2040 年には 欧米 ブラジル以外で 中国 インドでのバイオ燃料消費が拡大すると見ている この予測期間内では 米国の需要拡大は生産拡大を上回り 米国はよりブラジルからの輸入に依存するようになる また 東南アジアが市場への供給に貢献し 中国 インド 韓国の需要増加に応えることが予測されている 73

82 米国 EU アルゼンチン ブラジル 中国 インド タイ その他 生産 [ 千 kl] 純輸入 [ 千 kl] 消費 [ 千 kl] 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 (20,000) 図 2-23 FAO OECD-FAO Agricultural Outlook における 2023 年のバイオエタノールの需給見通し 出典 :F AO OECD-FAO Agricultural Outlook より作成 図 2-24 IEA World Energy Outlook 2014 における 2020 年 2040 年のバイオ燃料の需給見通し出典 :IEA World Energy Outlook 2014 Figure 食料競合や生物多様性に関する評価その他 国際機関等において バイオ燃料の食料や生物多様性に与える影響が 表 2-44 のように述べられている 欧州科学アカデミー諮問委員会による間接土地利用変化に関する指摘は その後 EU の再生可能エネルギー指令の改正案の検討に影響を与えた また バイオ燃料と食料競合とは バイオ燃料のみの影響を切り分けるのは困難であり 包括的な対応が必要であることが示唆されている 74

83 表 2-44 食料競合や生物多様性に関する評価 文献名組織の概要バイオ燃料に対する主な言及 European Academies Science Advisory Council, The current status of biofuels in the European Union, their environmental impacts and future prospects, 2012 Ecofys, Biofuels and food security - Risks and opportunities, 2013 FAO HLPE, Biofuels and food security, A report by the High Level Panel of Experts on Food Security and Nutrition of the Committee on World Food Security, 2012 欧州科学アカデミー諮問 委員会 日本の学術会議 に相当 EU の政策コンサルであ り 欧州委員会の委託調 査等も多数実施 FAO における世界食料安 全保障委員会のハイレベ ル専門家パネル EU 指令 ( 当初 ) におけるライフサイクル評価は 完全ではなく 間接土地利用変化などのいくつ かの主要な GHG 排出を見落としている EU 指令における生物多様性の定義は不適切であ り 重要なエリアが保護されず 間接土地利用 変化を考慮していない バイオ燃料のみではな く 全ての食料生産に対して 同じ基準が適用 されるべきである 食料競合の点で 第二世代バイオ燃料は有望で あるが 2020 年までの実用化は見込めず 研究 開発が重要である EU のエタノール生産が食料価格に与える影響は 明確でなく 世界全体のでんぷん 糖需要へ与 える影響は僅かである 一方でバイオディーゼ ル需要は食用油価格へ影響を与えた 食料価格は石油製品価格に影響を受け バイオ 燃料導入は石油製品価格の上昇を抑制する バイオ燃料需要は食料価格へ影響するが その 程度はバイオ燃料の種類 短期か長期か によ って大きく異なる 政府はバイオ燃料政策による土地 水 資源へ の影響を考慮すべきであり バイオ燃料のみで なく包括的なバイオエネルギー政策を検討すべ きである 食料 バイオ燃料 バイオエネルギーが調和す る政策ガイドラインが必要 75

84 3. 諸外国における次世代バイオ燃料の導入 開発動向 諸外国における次世代バイオ燃料の導入 開発動向は次の通りである 表 3-1 諸外国における次世代バイオ燃料の導入 開発動向 国名 推進政策の概要 研究開発予算 プログ 進捗状況 商用 主要原料 主要事業者 ラム 化の見通し 日本 石油供給構造高度化法で研究開発 導入の推進対象に位置づ NEDO セルロース系エタノール革新的生産システム開発事業 (H21~25, 9.3 億円 ), 基盤技術の確立 コスト低下への努力 多収量草本植物 早生広葉樹 稲わら 林地残材 バイオエタノール革新技術研究組合 王子ホールディングス等 け バイオマス事業化戦略 で 5~10 年後に実用化目指す 農山漁村におけるバイオ燃料等生産基地創造のための技術開発 (H23~H27, 6 億円 ) など EU 指令改正案で第世代の導入を制限すると共に 第 2~3 世代の優遇措置を強化する方針 FP7(7 千万ユーロ ) /Horizon2020 (2014/15 に 2.6 千万ユーロ ) にて第 2~3 世代の実証 商用化を支援 欧州企業の技術を用いた商用プラントが米国で運転開始 欧州内でも実証プラント 農業残渣 木質 エネルギー作物など Abengoa Bioenergy,Beta Renewables,Borre gard, Chemopolis Oy, Inbicon, Clariant AG 開発 米国 RFS2 でセルロース系エタノールの導入義務量を規定 Biomass Research and Development Initiative(3 百万ドル ), Biorefinary 2 基の商用プラントが運転開始 都市ゴミ とうもろこし残渣など Abengoa BP Coskata DuPont Danisco KL Energy KiOR Poe Assistance Program(100 百万ドル ) ブラジル 技術開発 生産に政府が融資 サトウキビ由来エネルギーと砂糖化学分野の産業技術革新支援共同プラン ( 第二世代エタノール生産等に 10 億レアル ) プラント 5 基 2016/17 収穫期には全エタノール生産の 0.4% を占め 10 年後には競争力を獲得する見込み サトウキビの副産物 ( バガス 苞葉 先端 ) Granbio/Carlos Lyra Raízen. Odebrecht Agroindustrial Petrobras/São Martinho CTC タイ 先進型バイオ燃 特になし 実証実験を実 バガス 該当なし 料 ( パーム由来の BHD) の導入目標を策定 施 イン 特になし 一部の研究機関のセ 研究中 パーム樹幹 該当なし ドネシア ルロース系技術開発を助成 椰子空果房 中国 再生可能エネルギー発展第 12 次 5 ヵ年 ( ) 計 非食原料 セルロース系原料によるバイオエタノール製造に対し税制優遇で支援 第 2 世代の研究開発がほとんどであるが 商用プラント トウモロコシの芯 わらなど COFCO, Tian Guan Fuel Ethanol Co, CNPC 76

85 国名 推進政策の概要 研究開発予算 プログラム 画 でセルロー ス系等の開発を 推進 韓国 第 4 次新 再 EU と連携した 生エネルギー基 PROMOFUEL での次 本計画 で次世 世代バイオディーゼ 代を推進 ( バイ ルの開発 ( 新規の非食 オマスの確保方 原料に焦点 ) 策の検討 ) 出典 : 各種資料より MRI 作成 進捗状況 商用化の見通しが 2 基ある ミスカンザスを原料としたパイロットプラントにて研究開発を推進 主要原料 ミスカンザ ス 主要事業者 該当なし 3.1 第 2 世代セルロース系エタノールの動向 技術開発の動向ここでは 主要な民間企業における技術開発の動向を整理した 概ね 商用プラントの運転開始や開始予定をアナウンスするプレスリリースが出されており 海外でのセルロース系エタノールの取組が進展している 企業例取組み概要 API Fiberi ght 表 3-2 主な民間企業での技術開発動向最新情報 ミシガン州 Alpena の施設において 最大 90 万ガロン / 年のセルロース系バイオ燃料を木質バイオマスから生産する予定である 施設では独自の技術 (GreenPower+TM) を用いており 温水を用いて木質バイオマスのヘミセルロースを抽出し 糖に加水分解した後にエタノールや他のアルコールに変換する 酵素による加水分解を用いて 都市ごみ 他の廃棄物から分別したバイオマス部分 (biogenic portion) をエタノールに変換する技術を開発した アイオワ州の閉鎖されたトウモロコシ系エタノールプラントを買い取り 都市ごみと産業廃棄物から 600 万ガロン / 年のセルロース系バイオ燃料を生産可能なプラントへと改良する予定である 同施設の HP 24 によると 9/15 日までにフルオペレーションに入ることを期待しており 9 月末に最初のバイオエタノールの出荷が始まる予定とのプレスがあった 2014 年 5 月 9 日に最初の RIN 資格のセルロース系エタノールを出荷するプレスがあった 低価格なセルロース系糖の生産技術 AVAP を使用して生産 年 8 月 23 日のニュース 26 によれば Fiberlight が マリオン市と家庭生ごみ処理事業を引き継ぐことを合意 資金計画は 25 百万ドルをアメリカ農務省からのローンで調達するほか アイオワ発電ファンドより 2.9 百万ドルを助成で準備し 20 百万ドルを民間から集める内容となっている 2014 年 10 月 23 日に 上記マリオン市での取組は継続しているプレスがあった 年 10 月 23 日に メイン州の

86 企業例取組み概要 INEOS Bio KiOR ZeaChe m Abengo a セルロース系原料をガス化技術によって合成ガスにし バクテリアを用いて合成ガスを発酵させてエタノールにする技術を開発した 最初の商用施設 (800 万ガロン規模 ) の建設費として エネルギー省からの最大 5,000 万ドルの助成金に加え 農務省から 7,500 万ドルの融資保証を受けた 初期始動後は原料として都市ごみを使用予定 自社で開発した触媒を用いたバイオマス流動式接触分解 (Biomass Fluid Catalytic Cracking:BFCC) プロセスにより バイオマスをバイオ原油に変換する技術の商品化を目指して いる 2012 年 10 月 オレゴンにおいてセルロース及びヘミセルロース由来の糖からエタノールを生産するデモンストレーション施設を完成させた 生化学と熱化学の技術を融合させた生産プロセスであり セルロース系原料より エタノール及びその他の再生可能化学品 (renewable chemicals) を生産する ネブラスカでのパイロットスケールの設備 スペイン サラマンカ (Salamanca) でのデモスケールの設備での試験や技術改良を経て 2013 年の第 4 四半期に カンザスにおいて実生産施設 (2,400 万ガロン / 年規模 ) が完成する予定 最新情報の街とメイン大学が提携して ごみからエネルギーに変換する技術の検討 Trashanol の取組に対して 地方評価委員会が 20,000 ドルを提供することが決定したというプレスがあった 年 7 月 31 日のプレスリリース 29 により Indian River BioEnergyCenter が商業運転を開始したことを公表 2014 年半ばで予定の 800 万ガロン 6MW の再エネ生産を達成する見込み 2013 年 12 月 6 日 2014 年 9 月 15 日に プラントオペーレーションのアップグレードを行ったというプレスがあった 年に Columbus という同社初のプラントを運用開始 年産 Ⅰ3 百万ガロンの生産能力を有している 将来的に 40 百万ガロンの生産能力を誇るプラントをミシシッピー州に計画中である 2013 年 3 月 12 日のプレス 31 によれば デモンストレーション施設におけるセルロース系化学品とエタノール製造が開始された (250,000 ガロン ) 米国農務省のローンを活用して デモンストレーションプラントに隣接して 現在商用プラントの建造が計画中である 2013 年 7 月 31 日のプレスによれば EPA は ZeaChem のオレゴン州 Boardman にあるプラントを セルロース系エタノール RIN を取得するプラントに認定した 年 10 月 21 日のプレス 33 でブタノール合成触媒のパイロットスケールでの開発に成功との記事あり 2013 年 6 月 20 日のプレス 34 では 年産 25M ガロンのセルロース系バイオエタノールと 20MW のバイオマス発電を行う計画で 既に 98% の設備導入合意と契約が終了 2014 年 1 月に運転開始予定 2015 年 2 月 23 日のプレスによれば 2014 年決算のバイオエネルギー関連 INEOS+Bio

87 企業例取組み概要 Poet Novozy mes セルロース系バイオマスをエタノールに変換するための酵素加水分解プロセスを開発した セルロース系エタノールの技術の商業化 ライセンス化を行うため 2012 年にオランダの Royal DSM と合弁会社 (Poet-DSM Advanced Biofuels) を設立した 発酵が難しい C5 と C6 の二つのタイプの糖をエタノールに変換する酵素技術をもつ Terranol と提携してセルロース系エタノールの技術開発を行っている (2012 年 ) 最新情報の市有益は 21 億 37 百万ユーロと 5% の増収となった 35 同社の HP 36 によれば LIBERTY プロジェクトが始まり 2014 年の早い時期にアイオワ州でプラントの操業に入る予定 原材料はトウモロコシの残渣 ( 芯 葉等 ) を活用し 20 百万ガロンのエタノール生産に入る予定 プラントは既存の POET Biorefining に隣接する形で整備される 2014 年 3 月 14 日のプレスによると 3 月 12 日にトウモロコシの残渣からエタノールを製造するプラントの操業を開始した 37 酵素製造業者の Novozymes は 農業残留物からつくられる交通燃料の開発を計画している 2017 年までに 15 のセルロース系エタノールプラントに酵素を提供すると発表した 38 また EU では The Seventh Framework Programme for Research and Technological Development FP7(2007~2013 年 ) においてバイオ燃料およびバイオマス発電に対する研究助成を実施した うち セルロース系開発等に関する主用なプロジェクトは下表のとおりであり 約 7 千万ユーロが助成されている BIOWALK4BIOFUELS - Biowaste and Algae Knowledge for the Production of 2nd Generation Biofuels BIOCORE - Biocommodity refinery 表 FP7 における主なセルロース系開発等プロジェクト プロジェクト名 参加者 助成額 期間 概要 Universita degli 2,902,000 04/ studi di Roma La 03/2014 Sapienza 他 AQUAFUELS - Alage and aquatic biomass for a sustainable production of 2nd generation biofuels DIBANET - The Production of Sustainable Diesel-Miscible-Biofuels from the Residues and Wastes of Europe and Latin America INRA Transfert 他 European Biodiesel Board 他 University of Limerick 他 13,920,237 03/ / ,152 01/ /2011 3,734,576 07/ /2012 微細藻類からのバイオ燃料開発 農業残渣 ( 小麦 稲藁 ) からの精製実証藻類からのバイオ燃料開発 業界団体の設立 EU と中南米における廃棄物由来のバイオディーゼル開発 update 79

88 プロジェクト名参加者助成額期間概要 BABETHANOL - New feedstock and innovative transformation process for a more sustainable development and production of lignocellulosic ethanol CANEBIOFUEL - Conversion of Sugar Cane Biomass into Ethanol OPTFUEL - Optimized Fuels for sustainable transport in Europe HYPE - High efficiency consolidated bioprocess technology for lignocellulose ethanol BIODME - Production of DME from biomass and utilisation as fuel for transport 2NDVEGOIL - Demonstration of 2nd Generation Vegetable Oil Fuels in Advanced Engines BIOREF-INTEG - Development of advanced BIOREFinery schemes to be INTEGrated into existing industrial fuel producing complexes BIOTOP - Biofuels Assessment on Technical Opportunities and Research Needs for Latin America CEUBIOM - Classification of European biomass potential for bioenergy using terrestrial and earth observations GLYFINERY - Sustainable and integrated production of liquid biofuels, bioenergy and green chemicals from glycerol in biorefineries Institut National Polytechnique de Toulouse Novozymes A/S 他 Volkswagen AG 他 Helsingin Yliopisto 3,169,673 05/ /2013 1,661,980 03/ /2011 9,291,188 01/ /2012 3,662,944 10/ /2012 Volvo 他 10,319,274 09/ /2012 John Deere 他 2,178,356 08/ /2011 Abengoa 他 995,082 06/ /2010 Wirtschaft und Infrastruktur Gnbh & Co Planungs KG Geonardo Environmental Technologies Ltd 他 Technical University of Denmark 他 986,562 03/ /2010 1,340,827 03/ /2010 3,754,806 03/ /2012 リグノセルロース系燃料のための Combined Extrusion Saccharification 技術の開発バガス サトウキビ廃棄物からのエタノール開発商業規模での BtL 開発 リグノセルロース系燃料に係るコスト低減技術開発商業規模でのリグノセルロース系燃料開発植物油からの次世代燃料およびエンジン開発既存の燃料製造工程へのバイオ燃料精製工程の統合技術開発 中南米諸国での第 1~2 世代燃料開発 バイオマス原料賦存量評価技術 グリセロース由来バイオ燃料開発 FP7 の後継である Horizon 2020(2014~2020 年 ) においても セルロース系開発等に対する研 究開発助成がなされている うち 2014~2015 年の 2 年間の助成対象は 下表のとおりである 表 Horizon2020 におけるセルロース系等の開発プログラム 分類 助成対象 2014/15 年予算 LCE /2015: Developing next 食糧と競合しない次世代バイ 600 万 generation technologies for biofuels and オ燃料の開発 ( 効率向上 新規 80

89 sustainable alternative fuels 原料の開発 ) LCE /2015:Demonstrating 先進バイオ燃料の実証 原料収 advanced biofuel technologies 集システムの確立 2,000 万 81

90 3.2 第 3 世代藻類バイオ燃料の動向 EU における技術開発 EU 委員会の予算に基づいた研究開発プロジェクトが進行しており その概要を以下に示す 寒冷な気候帯である北欧地域での技術実証から中東の乾燥地帯での技術実証を含む幅広い研究開発が行われている プロジェクト名 FUEL4ME, FUture European League 4 Microalgal Energy DEMA Direct Ethanol from MicroAlgae FP7 Algae Cluster - BIOFAT, ALL Gas, and InteSusAl 表 3-3 EU における研究開発プロジェクトの事例研究開発プロジェクトの概要 EU から支援を受け 2017 年までに持続的 かつ 規模的な微細藻類からのバイオ燃料製造技術を安定化させるプロジェクトであり 概要は以下の通り 脂質の生産性を最適化させた連続的な生産システムの開発 連続生産システムの屋外化 微細藻類からバイオ燃料に変換するための革新的な技術開発 スペインにおけるパイロットスケールでの実証 環境面 社会経済面での影響評価微細藻類からバイオエタノールを直接製造するプロセスの開発と実証が目的のプロジェクトで概要は以下の通り 期間 :2012 年 12 月 1 日 ~2017 年 5 月 30 日 アイルランドのリムレック大学によるコンソーシアムの設立 2016 年までにフォトバイオリアクターによる生産技術を開発 LCA 評価 0.4/ リットル未満を目指す シアノバクテリアを使用 研究予算の全額 20.5M ユーロが EU 委員会から支援された 3 つのプロジェクトから構成される研究開発プロジェクトで概要は以下の通り <BioFAT> エタノールとバイオディーゼル製造のバリューチェーンの高度化を図るもの 優良種を選別して 生物学的な最適化を通して藻類の生育をモニタリングする パイロットスケール 0.5ha でのプロセス最適化をポルトガルとイタリアで実施 10ha の実証サイトで経済モデルを回す 原料は発酵プロセスから出る CO 2 である 藻類オイルが FAME に変換されるとともに 発酵プロセスでエタノールに変換される 以下の企業が参加 A4F-AlgaFuel (Portugal). Partners include: Abengoa Bioenergia Nuevas Tecnologias (ABNT), University of Florence, Ben-Gurion University (Israel), Fotosintetica & Microbiologica (Italy), Evodos (Neherlands), AlgoSource Technologies (France), IN SRL (Italy) 82

91 プロジェクト名 研究開発プロジェクトの概要 and Hart Energy (Belgium). <ALL GAS> 排水を原料とし レース型の開水路での収量を上げるための LEF という装置を導入し実証を行う 藻類の残りはバイオガスに持ち込まれる バイオガスは精製され 200 台の自動車燃料に使用される INTERREG IVB EnAlgae Project MED-ALGAE Production biodiesel of from Algae in selected Mediterranean Countries <InteSusAL> 10ha の土地で 18 ヶ月の間に乾燥重量 1500t の藻類を育てるのが目 的 580t の FAME をバイオディーゼルに使用する グリセリンは藻類の成長促進に使用される サイトは既存の E-BIO プラントに隣接して設置される予定 EU 加盟国で 19 のパートナーと 14 のオブザーバーが参加するプロジェ クトで概要は以下の通り 藻類バイオマスの生産 バイオエネルルギー生産 温室効果ガスの 削減を行う EU 内の 9 つのパイロットスケールの施設の開発を共有しながら コスト削減や実現のための障害を解決していく パイロット施設は 田舎の地方にあるものから工業団地にあるもの まで様々な場所 スケールを実証する 中東諸国における藻類からバイオディーゼルの生産を行うプロジェク トであり 概要は以下の通り 2 百万ユーロまでが拠出され そのうち EU が 90% まで負担 2014 年にスタートし 期間は 36 か月 藻類からのバイオディーゼル生産を海水から始める 真水から始め る等のオプションで実施 優良種の選別 育成 刈り取り ( ハーベスティング ) とバイオディーゼル生産の実証 キプロス イタリア マルタ レバノン エジプトでパイロットサ イトが用意される 出典 : を参考に MRI で整理 83

92 3.2.2 米国における技術開発 (1) 技術ロードマップ米国エネルギー省が藻類の技術ロードマップ (National Algae Biofuel Technology Roadmap) を 2010 年に策定 公開している そこでは 藻類バイオ燃料の開発を進める際の技術課題を整理しており その概要が NEDO によって報告されている 表 3-4 藻類バイオ燃料生産の技術的課題 ( 昨年度報告書より再掲 ) 工程段階 小区分 研究開発上の課題 原料 藻類の生態 最大限の多様性を実現するための 広範な環境からの藻類株の採集 小規模 ハイスループット スクリーニング技術の開発 オープンアクセスデータベースの開発および詳細な特徴を記した既存の藻 類株の収集促進 燃料前駆物資生産のための遺伝学的 バイオ化学的経路の研究 遺伝子操作技術や品種改良により 目標とする藻類株への改良 藻類の培養 多面的アプローチの研究 (1 開放式 閉鎖式 ハイブリッド 沿岸洋上のシ ステム 2 光合成独立栄養 従属栄養 両者の混合タイプ ) 商業規模での丈夫で安定的な培養の実現 藻類からの脂質等生産性向上のためのシステム最適化 持続可能で費用効果的な土地利用 水利用 栄養利用の管理 環境リスクや環境への影響を明らかにしながらの解決 収穫及び脱 収穫方法の多面的アプローチに関する研究 ( 沈殿 線状沈殿 気泡浮上分離 水 法 ろ過 遠心分離 海藻収集の自動化等 ) 処理工程エネルギー強度の最小化 資本コスト 操業コストの低減 システム全体の整合性 持続可能性からの技術評価 変換 抽出及び分 多面的アプローチの研究 ( 高周波音による分離 マイクロ波 溶媒システム 離 超臨界流体 亜臨界水 選択的抽出等 ) 望ましい中間生成物の高収量の実現 副産物の保存 処理工程エネルギー強度の最小化 廃棄物を最小にするためのリサイクルメカニズムの研究 規模拡大に伴う課題への取組 ( 運転時の温度 圧力 運搬 副反応 分離等 ) 燃料変換 液体輸送燃料に変換するための多面的アプローチの研究 ( 直接燃料の生産 熱化学 触媒利用 バイオ化学変換 嫌気性発酵等 ) 触媒の特性 活性度 耐久度の向上 コンタミネーション 反応抑制剤の軽減 処理工程エネルギー強度の最小化 ライフサイクル全体でんpGHG 削減 規模拡大に伴う高効率変換の実現 副産物 副産物の活用 ( 畜産飼料 漁業飼料 肥料 産業用酵素 バイオプラ 界面 活性剤等 ) 副産物の抽出と回収方法 副産物の品質試験 安全性試験 市場分析 インフラ 流通及び利 様々な貯蔵方法 輸送シナリオを想定したコンタミネーション 気候の影響 整備 用 安定性 最終製品の品質の検討 84

93 工程段階 小区分 研究開発上の課題 流通コスト 所要エネルギーの最適化 エンジン等への適合性 資源および立地 微細藻類及び大型藻類の生産システムのための土地 気候 水 エネルギー 栄養資源の評価 特徴づけ 排水処理施設 CO 2 排出施設との統合化 塩分バランス エネルギーバランス 水 栄養素の再利用 熱管理の取組 出典 :NEDO 資料 (2) ワークショップの開催このロードマップに対して 米国では 2014 年 3 月に藻類バイオ燃料戦略に関するワークショップが開催されており ロードマップ改訂のための意見交換が行われている 39 ワークショップの会場でとりまとめられた意見は以下の通りである DOE は過去 5 年間研究開発を継続しており さらに今後 10 年間研究開発を継続する DOE の戦略を先端的な開発計画をすすめ さらに焦点を絞った実行 協同するプロセスを通じて改めるべきでものである 技術開発を通じてバイオマスの収量の増産を図るべきである バイオ燃料に実現性を持たせるためのインフラとして副産物利用をすすめるべきである ワークショップの中では これまでの成果 教訓 重要な論点 次のステップ にむけて という区分で以下のようなとりまとめがなされている 概ね スケールアップ の課題が整理されている 1) これまでの成果 過去のバイオ燃料生産に比べて 限られた予算の中で 藻類バイオ燃料の技術はこの 5 年間で大幅に進歩して残された課題が明確になってきた 成果として 大規模な生産スケールでの藻類の防御の方法 遺伝学的に変換する技術 複製可能な耐久性のある現場での試行のためのデータや方法 ( インフラ ) が整備されてきた 水熱化学法 ( 超臨界による抽出 ) が開発され 炭素転換率 50% 以上となるため 高い脂質割合を有する藻類の栽培に頼らないで済む可能性が出てきた 混合栽培の方法が開発された 2) 教訓 実験室レベルから生産スケールまでを変数として生態学的な観点で捉えるのは挑戦 的である 多くの不明な変数の影響で生産性や種の耐久性が変わりうるためである

94 プラントの運用では 培養する際の媒体 栄養素の有効性や希少性が影響することが 判明した 3) 重要な論点 実験室と生産スケールの間にギャップが存在するので 関連する屋外の状況を予測しうるような耐久性のある実験室の技術を活用することが必要である 培養の分野では 実験室で得られたデータを生産スケールで活用することができるかどうか大きな論点となった 解析や持続性の観点からは 実験室で得られたデータを生産スケールの規模でのモデルを作成するのに 外挿して実証することができるかどうかが論点となった その他の論点として 持続可能性評価 技術経済性の分析 資源評価 経済効果等を統合的に扱えるモデルを透明性のあるデータでかつ公開されることのニーズがあるかどうかが大きな論点となった 初期コスト 維持管理コストをどのように下げていくかも論点となった 4) 次のステップに向けて DOE は 実験室レベルから生産規模に至るまでギャップを埋めるための支援を継続するべきである 生産システムの分析と構築方法の検討が必要な問題である 技術開発を通じて さらに藻類バイオマスの収量を上げるべきである 生態学的な改良 培養 栄養素回収と再利用に係る研究を継続するべきである 実質的な進歩を達成するためには 上流のプロセスと下流のプロセスの間の統合化が重要になる 遺伝的に操作された種別 CO 2 の排ガス利用 燃料生産と証明に関する規定ガイダンスと RFS 基準は 藻類バイオ燃料の開発に重要なインパクトを及ぼす 86

95 3.2.3 海外の民間企業による取組ここでは 藻類バイオマスを原料としてバイオ燃料生産に取り組む主な海外の民間企業の取組例を整理した 全体的な傾向として 米国 オーストラリアでの取組が多く これまでのノウハウを活用して規模を拡大する動き バイオジェット燃料の製造に取り組む動き等が確認できる 表 3-5 海外での民間企業による取組例 法人名 所在地 取組概要 Sapphire 米国カリフ 2011 年にニューメキシコ州において 商用規模の Green Energy ォルニア州 ニューメキシコ州 Crude Farm を設置 初期投資額は 米国エネルギー省の助成 50 百万ドルと米国農務省からの貸付 54.4 百万ドルを含む計 104 百万ドルである 第 1 期サイトは 100 エーカーの藻類用のポンドを有しており 2012 年に完成して以来 操業を続けている 2009 年にコンチネンタル航空のボーイング 737 JAL のボーイング 747 の藻類バイオマス由来の燃料を用いたテスト飛行に参加している 2015~2018 年にかけて商用プラントとして第 2 期サイトの建設を進める予定であり 1 日に 5,000 バレルの藻類を生産する Algenol 米国フロリ 2011 年にエネルギー省の助成を受けて 36 エーカーの広さ Biofuels ダ州 を持つバイオリファイナリー施設をフォートマイヤースに設置 年産 100,000 ガロンのバイオエタノールを製造し 17 エーカーの培養池に 3,000 のバイオリアクターを整備する予定である Joule Unlimited Algae Tec 米国ニューメキシコ州オーストラリア パース 2014 年 11 月にインドでの実証用プラントを完成 1t の CO 2 を 144 ガロンの燃料 ( エタノール ガソリン ディーゼル ジェット燃料 ) に変換 CO 2 を原料として 光合成の生物触媒を介して エタノール バイオディーゼル ガソリン ジェット燃料を製造するプロ セスを開発 ( ガソリンについては 硫黄成分をゼロにするこ とが可能 ) Sunflow-E という藻類由来のエタノールを提供 (1 ガロン当 たり 1.28 ドルを目標 ) 2007 年に設立 McConchie-Stroud system という密閉型のバイ オリアクターによる生産システムを開発している ( サイズは 40 フィートのコンテナ大 ) 2011 年にセメント会社の Holcim とスリランカでの藻類バイ オ燃料製造プラント建設について合意 ( セメント工場から の CO 2 を活用 ) 87

96 法人名 所在地 取組概要 2012 年 9 月にルフトハンザ航空と藻類バイオマスを航空機燃料に製造する大規模プラントの建設を進めることに合意 2015 年 1 月 藻類によるジェット燃料の生産を意図した中国での藻類事業について CFS と合意 Aurora オーストラ 海水中の藻類を活用した技術開発を展開 20 エーカーの実 Algae リア カレッ 証用の培養池を整備している サ メイトランドにて 55 エーカーの培養池を有する商用プラン トを計画中であり 月 600 トンのバイオマスを製造可能とな る見込みである ハーベスティング技術として DAF( 空気 による分離システム ) を活用 2014 年 4 月 実証プラントの経験を活かして 南テキサス 州の RioHondo で商用プラントの建設を計画 MBD オーストラ オーストラリアにおいて Tarong Algal Synthesiser Display Energy リア メルボルン Project を実施 発電所の排ガスと廃液より藻類を育成し 飼料化 燃料化を図る タイのラチャブリに藻類バイオマス発電所を建設中 タイの Loxley PCL とジョイントベンチャーを形成 88

97 3.3 次世代バイオ燃料の導入開発動向の総括次世代バイオ燃料について商用化の見通しがいつ頃になるかは難しいテーマであるが 例えば 米国エネルギー省が公開している Multiple-Year Program Plan の 2014 年 11 月更新版には 藻類 生物化学変換 熱化学変換の 3 種類についてのマイルストーンと目標値が示されている これらのロードマップのスパンは概ね 10 年程度であり 商用化に至るまでは 10 年程度の期間を要するものと考えられる 図 3-1 藻類原料の技術開発におけるマイルストーンと意思決定ポイント出典 : 89

98 4. バイオジェット燃料利用の取組について 4.1 各国エアラインにおけるバイオジェット燃料の導入状況 エアライン独自のバイオジェット燃料導入の取組 (1) Cathay Pacific Airways 社の取組み Cathay Pacific Airways 社は 2014 年 8 月 都市固形廃棄物を原料としたバイオジェット燃料を 2014 年中に商業製造開始する予定の Fulcrum BioEnergy 社に出資 Cathay Pacific Airways 社はまた Fulcrum BioEnergy 社から今後 10 年間に渡って 3.75 億ガロン (Cathay Pacific Airways 社の燃料消費量の 2% 相当 ) の供給を受ける契約を締結した (2) United Airlines 社の取組み United Airlines 社は 2013 年 6 月 2014 年から 3 年間に渡って 1,500 万ガロン ( 約 5.7 万 kl) のバイオジェット燃料を AltAir Fuels 社から購入すると発表した 購入価格は発表されていないが 石油起源の燃料と同程度であるとしている AltAir Fuels 社は ロサンゼルス近郊で 年間 3,000 万ガロン ( 約 11.4 万 kl) の先進型バイオ燃料を製造しており United Airlines 社のロサンゼルス空港発のフライトの燃料として使用される バイオ燃料による初飛行は 2014 年に計画されている 更に United Airlines 社は Boeing 社と Honeywell 傘下の UOP 社と提携して Clean Energy Trust を経由してジェット燃料の研究開発に助成している 既に パデュー大学のトウモロコシ茎葉をジェット燃料に変換する研究に対して助成している 2014 年は 開発のために 5 万ドルを助成している (3) KLM 社の取組み KLM は 2012 年 12 月に世界初の企業によるバイオ燃料プログラム KLM の BioFuel Programme を発足した このプログラムには 発足時からプログラムを支援してきた Ahold Accenture DSM Heineken Nike Philips Schiphol Group の他 現在では City of Amsterdam Loyens & Loeff PGGM FMO Delta Air Lines Siemens TomTom CBRE Global Investors が含まれる 更に KLM では自らがバイオ燃料を供給する SkyNRG 会社を設立し 欧州域内を飛行する航空機に対して供給を行っている バイオ燃料使用を実証するフライトを複数回行った後に 6 ヶ月間週一で ニューヨーク-アムステルダム間の大西洋横断飛行をバイオ燃料使用により行った 2013 年には KLM Schiphol Group Delta Air Lines the Port Authority of New York がジョイントプロジェクトを開始し ニューヨーク-アムステルダム間の飛行計画はこのプロジェクトの協定を拡大した実証実験であった このニューヨーク-アムステルダム間の飛行実証実験によって 米国 JFK 空港 オランダスキポール空港はバイオ燃料を使用するうえでの物流や規制に関するノウハウ 90

99 を蓄積することができた この一連のフライトで使用されたジェット燃料は SkyNRG に製造 供給された使用済みクッキングオイルとカメリーナオイルから製造された 100% 米国産の燃料であった SkyNRG は RSB 40 に認可され KLM に一部資金援助された 初の再生可能ジェット燃料サプライチェーンとなった SkyNRG は NGO や科学者から構成される独立の Sustainability Board を設置している KLM は ニューヨーク-アムステルダム間の飛行の実証実験から バイオ燃料によるフライトの安全性とサステナビリティを確証し 次の段階として ITAKA プロジェクトと提携して ITAKA コンソーシアムからバイオ燃料を購入することを決めている また KLM は 航空産業が迅速にバイオジェット燃料のサプライチェーンを構築するには 国内の地位を築くことが重要であると確信しており この観点から ITAKA プロジェクトや Climate KIC バイオ産業 BE-BASIC のようなプラットフォームと提携している 最近では オランダで初のバイオポートを開発するために オランダ政府 Neste 物流パートナーと提携している (4) British Airways 社の取組み (GreenSky London) 41 British Airways は Solena Fuels 社と提携し 世界初の埋め立て地の廃棄物をジェット燃料に変えるプラント建設を進める GreenSky London プロジェクトを 2012 年に開始 Solena Fuels 社は IBGTL と呼ばれる登録商標の統合されたバイオマス ガス化技術を開発している持続可能なエネルギー会社であり 廃棄物を合成ガスに変える高温ガス化プロセス技術を提供している Oxford Catalysts Group/Velocys 社は 浄化された合成ガスを液体炭化水素に変換する Fisher-Tropsch (FT) リアクター 触媒を提供している Fluor 社が このプロジェクトのためのエンジニアリング デザインを開始している Fluor 社は バイオ燃料プロジェクト遂行における世界的なリーダーであり Solena 社支援のためのエンジニアリングサービスを提供している この革新的なプロジェクトとして選ばれた場所は テムズ エンタープライズ公園 (Coryton 製油所の用地の一部 ) である この場所には 優れた輸送拠点と既存の燃料貯蔵施設がある このジェット燃料製造施設は 2017 年に完成する予定であり 約 575,000 トンのリサイクル前の廃棄物を 120,000 トンのバイオ燃料に変換する予定 British Airways は 年間 5 万トンのバイオジェット燃料を市場競争力のある価格で調達することを Solena Fuels 社にコミットしている 40 ROUNDTABLE ON SUSTAINABLE BIOMATERIALS 世界標準規格を行っている

100 図 4-1 GreenSky London において 2017 年完成予定のジェット燃料製造施設イメージ 92

101 4.1.2 航空機メーカーの取組 (1) Airbus の取組み Airbus の戦略は 国際的な提携と研究プロジェクトを通して実行されている 2013 年には BioFuelNet Canada 42 及び Air Canada とのイニシアチブを開始した トロント- メキシコ間の商用フライトの CO 2 排出量を 40% 削減する目的で バイオ燃料を利用する取り決めを行った この Airbus と Air Canada の協定は Air Transport World による 2013 年 Eco-Partnership Award で表彰された Airbus はまた 2013 年に Air Frances Total CFM とともに Le Bourget Air Show で Airbus A321 に fuel efficiet sharklet と BioJet A-1 バイオ燃料を使ってフライトの実証を行った 更に 2013 年に Airbus とロシアの Rostec グループが協定を結んで ロシアの原材料の大規模な分析とこの地域でバイオ燃料をいかに速く商用生産するかを評価する取組みを開始した Airbus はバイオ燃料開発には 政府支援が重要であるとして 欧州委員会が FP7の下で助成する ITAKA に参加している この他 Airbus は SAFUG(Sustainable Aviation Fuel Users Group) 北欧の NISA(Nordic Initiative for Sustainable Aviation) にも参加している 2012 年には 中国の原材料の分析と中国でのバリューチェーン構築を評価するために 中国の清華大学と協力体制をとっている このようなイニシアチブへの参加による成果は徐々に表れている (2) Boeing の取組み Boeing の再生可能燃料に対する意識啓発活動は アジア ラテンアメリカ 欧州 中近東 アフリカ 北米等 世界中にわたる Boeing 社は バイオジェットプラント等への直接的な支援ではないが 北米の Orland Fl. の Algal Biomass Summit のスポンサーとなってこのサミットに参加し バイオ燃料バリューマーケットを構築に貢献している このサミットには世界各国から 650 人の参加があった また 2014 年始め Boeing 社は独自に Green Diesel と呼ばれるバイオジェット燃料を開発したと発表 同燃料は 3 米ドル / ガロンで製造可能であり 世界全体のジェット燃料需要の 1% を賄う供給能力が米国 EU シンガポールに存在するものとしている 42 カナダのバイオ燃料研究に関するコミュニティ 93

102 4.2 各国における商用利用に向けた取組 EU の取組 (1) EU バイオ燃料フライトパス欧州のバイオ燃料フライトパス イニシアチブは 欧州の航空産業における官民体制のイニシアチブである 2020 年までに年間 200 万トン ( 約 233 万 kl) のバイオ燃料が欧州の航空産業に使用されるために 全ての関係者を動員することを主要目的としている 航空産業から 5 機関 先進的バイオ燃料 5 機関 及び欧州委員会がバイオ燃料フライトパスのコアチームをつくり 事業を進めている このバイオ燃料フライトパスの構想は 2011 年 6 月 22 日に パリで開催された国際航空ショーの期間につくられた EU バイオ燃料フライトパスは 2013 年 4 月 25 日に ブリュッセルでフライトパス 2020 ワークショップを開催し 航空バイオ燃料の研究開発 プラント 製造流通のサプライチェーンの方向性を決定する重要な役割を果たしている この方向性に基づいて 欧州委員会 加盟国の支援の方針も決定されている なお 下記の表は 欧州委員会が作成した 2020 年までに年間 200 万トンを供給することを想定して 欧州委員会が一覧にした欧州域内のバイオ燃料プラントである このうち Neste Oil のプラントが NER300(EUETS における排出枠売却益を用いた助成 ) に応募し候補としてリストされた事実はあるが採択には至っていない 表 4-1 フライトパス目標達成のため期待されている EU 域内のバイオ燃料プラント 欧州委員会作成資料 (2 million tons per year:a performing biofuels supply chain for EU aviation) より引用 94

103 (2) EU 第 7 次研究枠組み計画 (FP7) における支援 1)FP7 におけるバイオジェット関係プロジェクト欧州は第 7 次研究枠組み計画 (FP7)( 2007 年 2013 年 ) では バイオジェット燃料に対する研究開発助成を行っている バイオジェット燃料の供給目的ではないが 研究開発目的として一部プラントへの助成 ( 実証プラント ) が行われている 例えば ITAKA プロジェクトでは EU フライトパスでバイオジェット燃料の供給が期待されているプラントを有する Neste Oil 社が助成対象となっている また Sweden Biofuels 社が主導する BFSJ プロジェクトではアルコール系のバイオジェット燃料の生産プラントへの助成が行われており 米国 ( 米軍 ) への供給が予定されている なお 各研究プロジェクトへの助成の総額に対する比率は プロジェクトごとに異なっている 95

104 表 4-2 FP7 におけるバイオジェット燃料関連プロジェクト フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 BIOREFLY (2013 年助成決 Biochemtex S.p.A. 具体的に参加企業は不明 定 ) BFSJ ( 2013 年助成決定 ) Swedish Biofuels AB( コーディネーター ) コンソーシアムメンバーは以下のとおり Swedish Biofuels (SE, jet fuel productionprocess), Abengoa (ES, municipal solid waste to ethanol), Lufthansa (DE, engine testing and flight), SkyNRG (NL, marketing), E4Tech (CH, life cycle analysis), SCA (SE, raw material supply), Rameski Keskus(EE, equipment), Perstorp (SE, industrial site), Lanza-Tech (UK, syngas to ethanol), Vrije Universiteit Brussel (BE, policy studies). Biochemtex S.p.A. 所有の産業プラントをイタリアに建設することが目的である このプラントは 2017 年までにジェット燃料を年間 2,000 トン製造する目標をたてている 欧州委員会は商用前研究開発段階デモ プラントの開発と建設に助成 期間 :2014 年 ~2018 年 総額 : 不明 うち EU 拠出額 : 1,370 万 ( 約 20.1 億円 ) 商用前デモ プラント建設を目的としている このコンソーシアムのプラントは ジェット燃料 50% 副製品となる航空ガソリン (AVGAS)50% で構成される年間 1 万トン生産可能な規模のプラントである 生産されるジェット燃料は 木材や都市固形廃棄物 バイオガスに絞った多用な持続可能な原材料から製造され 他の燃料とは混合されない軍民両用に適合する純粋バイオ燃料である 期間 :2014 年から 60 ヶ月間 総額 : 不明 うち EU 拠出額 : 2, コンソーシアムを形成し Biochemtex Spa がこのプロジェクトの R&D 活動の責任をとる産業パートナーのリーダーである 中小規模の企業や大企業 研究機関が参加している 原材料供給は Biochemtex に投資された革新的な次世代 Beta Renewables-PROESA 技術により イタリアの Crescentino の年間 40,000 トン ( 約 4 万 7 千 kl) 製造されるセルロース バイオエタノールの生産とリンクして行われる 原材料については 食品業界と競合関係にならない リグノセルロース系エネルギー作物や農業残留物である Swedish Biofuels が次期 5 年にわたる国際コンソーシアムをとりまとめている コンソーシアムは 原材料 設計 構築 及び合成ジェット燃料を生産するプラントの運用を可能とする組織から構成される Biochemtex S.p.A. がバイオ燃料 2006 年に次世代バイオ燃料の研究に着手し 2008 年にパイロットプロジェクト 2013 年に Crescentino にバイオ燃料プラントが建設された背景がある FP7 では このプラントとリンクして 2017 年までにバイオジェット燃料の開発とバイオジェット専用プラント建設を目指す このパイロットプロジェクトで生産されたジェット燃料のコード名は SB-JP8 である 現在米国の AirFoce(USAF) でテストされている SB-JP8 は ASTM 国際委員会には商用利用の燃料として試験に合格して認可されている

105 フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 万 ( 約 40.7 億円 ) Coordinating research and innovation of jet and other sustainable aviation fuel (CORE-JET) (2013 年助成決定 ) Initiative Towards sustainable Kerosene for Aviation (ITAKA) (2012 年助成決定 ) Fachagentur Nachwachsende Rohstoffe E.V.( 独 ) Servicios y estudios para la navegacion aerea y la seguridad aeuronautica sa( 西 ) Bauhaus Lufthahrt E.V.( 独 ) Wirtschaft und Infrastruktur GMBH & CO Planungs KG( 独 ) European aeronautic defence and space company eads france sas( 仏 ) IFP Energies Nouvelles( 仏 ) Servicios y estudios para la navegacion aerea y la seguridad aeuronautica sa( 西 )( 代表 ) Airbus sas( 仏 ) Airbus operation sas( 仏 ) Airbus operation limited( 英 ) Asociatia centrul de biotechnologiimicrobiene biotehgen( ルーマニア ) Compania logistica de hidrocarburos clh sa( 西 ) Eads UK Ltd. ( 英 ) European aeronautic defence and space company eads france sas( 仏 ) Embraer sa( 伯 ) The Manchester Metropolitan University( 英 ) Skyenergy BV( 蘭 ) Camelina company espana s.l.( 西 ) Consorzio per la ricerca e la dimonstrazione sulle energie rinnovabli( 伊 ) Neste Renewable Fuels Oy( 芬 ) Neste Oil Cooperation( 芬 ) 欧州委員会のバイオジェット関連研究開発プロジェクトを支援することを目的としている バイオジェット研究開発事業を横断的に評価し 情報共有や協調等に係る戦略を開発し また欧州委員会に対して政策提言を行う 総額 : 1,558,101( 約 2.3 億円 ) うち EU 拠出額 : 1,199,134( 約 1.8 億円 ) 期間 :2013/9-2016/8 航空バイオ燃料の商業化を目的としている 油菜 (camelina oil) と廃食油を原料とした バイオジェット燃料を製造し 欧州域内の既存の物流システムおよびフライトでテストすると共に 大規模バイオ燃料利用にかかる経済 社会影響分析等を行う 期間 :2012/ /10 総額 : 17,367,012( 約 25.5 億円 ) うち EU 拠出額 : 9,883,262( 約 14.5 億円 ) 97 欧州のバイオジェット関連プロジェクトと協力 参加企業とパートナーシップを結びプロジェクト遂行 プロジェクトコーディネーターはスペインの国営企業 SENASA ( 英語名 Services and Studies for Air Navigation and Aeronautical Safety) である SENASA は スペイン政府の手足となり民間企業を支援する役割を果たしている 他のメンバーは コンソーシアムを形成している なお バイオジェット燃料を供給している企業に対する補助金に関する資料はなかったことから 供給側への直接的な補助金はないものと推測される KLM が協力 テスト飛行を 20 回予定している 以下の活動を行う プロジェクト管理 評価フレームワークの検討 国際的な専門家とステークホルダーとの情報交換 研究分析 イノベーション分析 結果と勧告との統合 コミュニケーションと普及 プロジェクト成果は スペインで 2014 年 10 月 20 日から 22 日に発表している プロジェクト成果は スペインで 2014 年 10 月 20 日から 22 日に発表している

106 フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 Solar chemical Bauhaus Lufthahrt E.V.( 独 )( 代表 ) 経済的で現実的な方法で航空燃料 仏 独 蘭 スイス 4 カ国の 2011 年 6 月開始 4 年間 reactor Eidgenössische Technische Hochschule Zürich( スイ ( 現在の基盤と互換性を持つ ) を企業によるコンソーシアムを 第 1 フェーズ : ソーラーケ demonstration and ス ) 生産するためのカーボンニュート形成ロシンを生産する技術的 Optimization for Deutsches zentrum fuer luft - und raumfahrt E.V.( 独 ) ラルな道筋を実証することを目的可能性が実証された Long-term Availability of Shell global solutions international BV ( 蘭 ) としている 第 2 フェーズ : ソーラーリ Renewable JET Arttic( 仏 ) 太陽光を用いて 空気中の CO 2 とアクターを最適化し 産 fuel (SOLAR H2O を合成することにより ケロ業規模に合う技術の経済 JET) (2011 年助成決定 ) シンを製造するラボでの実験を行う 期間 :2011/6-2015/5 総額 : 3,120,030( 約 4.6 億円 ) うち EU 拠出額 : 2,173,548( 約 3.2 億円 ) 性評価を行う 成果は EU の研究開発に提供 Alternative fuels and biofuels for aircraft development (ALFA-BIRD) (2008 年助成決定 ) European Virtual Institute for Integrated Risk Management( 独 )( 代表 ) Airbus sas( 仏 ) Avio S.P.A( 伊 ) Centre National de la Recherche Scientifique( 仏 ) Technologica Group European Technical Joint Venture CVB( ベルギー ) Dassault Aviation sa( 仏 ) Deutsches zentrum fuer luft - und raumfahrt E.V.( 独 ) Institut National del Environnment et des Risques Ineris ( 仏 ) Institut National de la Recherche Agronomique( 仏 ) Institut National des Sciences Appliquees de Toulouse Instat( 仏 ) Lesaffre International sarl( 仏 ) MTU Aero Engines Gmbh( 独 ) Office National d Etudes et de Recherches Aerospatiales( 仏 ) Rolls Royce Plc( 英 ) Sasol Technology Ltd( 南ア ) Shell Aviation Ltd( 英 ) Snesma sa( 仏 ) 航空機に適したバイオ燃料の開発を目的としている 4 種類のバイオジェット燃料 ( 合成ジェット燃料 (FSJF), フィッシャートロプシュ合成灯油 (FT-SPK), FT-SPK + naphthenic cut (50%), FT-SPK+hexanol (20%)) を開発し テストを行うと共に 燃料利用の戦略立案や経済 社会影響分析等を行う 期間 :2008/7-2012/6 総額 : 9,762,582( 約 14.3 億円 ) うち EU 拠出額 : 6,822,685( 約 10 億円 ) 98 コンソーシアムを形成している ALFA-BIRD は 他の欧州や国際プロジェクトと協力体制をとっている 協力プロジェクトは The Commercial Aviation Alternative Fuels Initiative (CAAFI)( 代替燃料の開発促進のための PJ) The Network of Excellence ECATS( 環境に適合した輸送に貢献する専門家集団による PJ) Omega( 輸送産業に環境面で革新するためのファンディド パートナーシップ PJ) SWAFEA(EU 交通エネルギー局のバイオジェットの社会的影響に関するフィジビリティ調査研究 PJ) DREAM( 政治的な抑圧と Jet Q1 燃料コストに対するエンジンコミュニティからの反応をまとめる PJ) 2008 年 7 月から 2012 年 6 月終了

107 フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 The University of Sheffield( 英 ) Technische Universitaet Graz( 墺 ) The Governing Council of the University of Tronto ( 加 ) Airbus operation sas( 仏 ) Airbus operation limited( 英 ) IFP Energies Nouvelles( 仏 ) validation of Rolls Royce Plc( 英 )( 代表 ) CO 2 を 9% 以上削減し 騒音を運 エンジン業界のコミュニティ 下記の 6 つのサブプログ Radical Engine Rolls Royce Gmbh( 独 ) 用ポイントで 3dB 減少することが実証実験を行った ラム 1. マネジメントと普及 Architecture Rolls Royce Deutschland ( 独 ) を目的としている 2. エンジンアーキテク systems MTU Aero Engines Gmbh( 独 ) 2 種類のバイオジェット燃料 チャー (DREAM) (2008 年助成決 MTU Aero Engines AG( 独 ) Avio S.P.A( 伊 ) (Shell 社提供の 50% 液化天然ガス,50% ジェット AⅠと UOP 3. ギアが入ったオープンローター 定 ) Industria de Turbo Propulspres S.A.( 西 ) 社提供の 50% 水素化バイオ燃 4. ダイレクトドライブ オープンロータ Snecma sa( 仏 ) 料,50% ジェット AⅠ) の実証実ー Techspace Aero sa( ベルギー ) 験等を行う 5. 革新的システム Turbomeca sa( 仏 ) 総額 : 39,994,957( 約 58.8 億円 ) 6. 代替燃料デモンスト Arttic( 仏 ) うち EU 拠出額 : レーション Institut Superieur de l Aeronautique et de l Espace( 仏 ) Technische Universitat Berlin( 独 ) GKN Aerospace Sweden ab ( スウェーデン ) GE Aviation Systems ltd( 英 ) Politechnila Slaska( ポーランド ) Federal State University Enterprise the Central Aerohyfrodynamic Institute Named after Prof. N.E. Zhukovsky( 露 ) Stichting Nationaal Lucht- EN Ruimtevaartlaboratorium( 蘭 ) University of Southampton( 英 ) Chalmers Tekniska Hoegskola ab( スウェーデン ) 25,000,000( 約 36.7 億円 ) 期間 :2008/2-2012/1 99

108 フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 Scitek Consultants ltd( 英 ) Fundacion Centro de Technologias Aeronauticas( 西 ) Universidad Politecnica de Madrid( 西 ) Office National d Etudes et de Recherches Aerospatiales( 仏 ) Vibratec( 仏 ) Deutsches zentrum fuer luft - und raumfahrt E.V.( 独 ) Politecnico di Torino( 伊 ) Universita degli studi di Firenze( 伊 ) Ecole Polytechnique Federale de Lauzsanne( スイス ) Progesra S.R.L( 伊 ) Centre de Recherche en Aeronautique asbl-cenaero( ベルギー ) Institut von Karman de Dynamique des Fluides ( ベルギー ) Federalnoe Gosudarstvennoe Unitarnoe Predpriyatie Centralnii( 露 ) Universitaet der Bunderswehr Muenche( 独 ) Universitaet Stuttgart( 独 ) Magna Steyr Fahrzeugtechnik( 墺 ) Meggit sa( スイス ) Technische Universitaet Graz( 墺 ) Politecnico di Milano( 伊 ) Eurocopter SAS( 仏 ) Technische Universitaet Dresden( 独 ) Pars makina san tic( トルコ ) Cranfield Universtity( 英 ) The Chancellor, Maters and Scholars of the University of Cambridge( 英 ) 100

109 フ ロシ ェクト名 参加企業 内容 体制 ( エアラインの参加等 ) プロジェクトの進捗 Technische Universitaet Darmstadt( 独 ) Aristotelio Panepistimio Thessalonikis( ギリシャ ) Airbus operation sas( 仏 ) 101

110 2)FP7 助成対象のバイオジェットプラント a. BIOREFLY プロジェクトにおける実証プラント BIOREFLY は FP7 の一部として 1,370 万 ( 約 20.1 億円 ) の支援を受け イタリアにおいて実証プラントの建設が行われているプロジェクトである プロジェクトの目的は Biochemtex S.p.A. が所有する産業プラントをイタリアに建設することである このプラントは 2017 年までにジェット燃料を年間 2,000 トン製造する目標を立てている 原材料供給は Biochemtex に投資された革新的な次世代 Beta Renewables-PROESA 技術により イタリアの Crescentino の年間 40,000 トン ( 約 4 万 7 千 kl) 製造されるセルロース バイオエタノールの生産とリンクして行われる 原材料については 食品業界と競合関係にならない リグノセルロース系エネルギー作物や農業残留物である プロジェクト体制は コンソーシアムを形成し Biochemtex Spa がこのプロジェクトの R&D 活動の責任をとる産業パートナーのリーダーである 中小規模の企業や大企業 研究機関が参加している 図 4-2 Biochemtex-IBP 40,000 ton/y second generation bioethanol plant Crescentino, Italy EU CORE-Jet 公表資料 ( より引用 102

111 b. BFSJ プロジェクトにおける実証プラント Sweden Biofuels AB 社は FP7 の一部として推進されている BFSJ プロジェクトの下で パイロットプラントを建設 運用しており 今後商用化が目指されている 同プロジェクトでは 2006 年に米国 Defence Advanced Research Project Agency(DARPA) と JP-8 jet 燃料と等価な燃料の生産技術のデモに関して契約を結び 2008 年まで実験室内でこの技術の実証が行われた 技術はセルロース リグノセルロースを原料として 触媒を用いて C2-5 の炭素を有するアルコール製造技術である パイロットプラントが ストックホルムの Royal Institute of Technology(KTH) の Sweden Biofuels 研究所に設置されており 年間ジェット燃料 4.8 トン ガソリン 3.5 トン ディーゼル 1.7 トンの合計約 10 トンの生産規模である このパイロットプロジェクトで生産されるジェット燃料について 現在米国の AirFoce(USAF) で SB-JP8 に合致するかテストされている ASTM にもデータ提出されており 今後商用化が目指されている 材料 設計 構築 及び合成ジェット燃料を生産するプラントの運用を可能とする組織から構成されたコンソーシアムを構成する予定で ジェット燃料 50% 副製品となる航空ガソリン (AVGAS)50% で構成される年間 10,000 トン生産可能な規模の商用プラントの建設が予定されている c. Neste Oil Neste Oil は フィンランドで二つの 190,000 トン / 年生産する HVO(Hydorotreated Vegetable Oil) プラント シンガポールで 800,000 トン / 年のプラント 及びロッテルダムで 800,000 トン / 年生産する HVO プラントを有する Neste Oil は ITAKA プロジェクトに参加しているが これらプラントに直接助成が出ているかは不明である また これらのプラントでは 主にバイオディーゼルを生産してきたが バイオジェット燃料も生産可能であり 現在フィンランドの一つのプラントでバイオジェット燃料を生産している 103

112 (3) 欧州排出量取引制度 (EUETS) 欧州は 2005 年より発電 産業部門を対象とした排出量取引制度 (EUETS) を導入しており 2012 年から航空部門が対象として追加された 当初 欧州を離着陸する全てのフライトからの排出が対象とされていた その後 米国や中国等からの反発が強かったこと また国際民間航空機関 (ICAO) において排出規制に関する議論に進捗が見られたことを受けて 対象の緩和が検討された 議論の結果 2014 年 4 月 欧州と欧州域外を結ぶ域外便については 2016 年まで対象外とすることが決定された 2017 年以降の取り扱いについては 2016 年に再度検討されることとなる なお EUETS においては バイオマス由来の排出量はゼロカウントとすることが定められている (4) 再生可能エネルギー指令欧州は 2009 年に採択した再生可能エネルギー指令において 2020 年までに欧州域内全体の最終エネルギー消費量における再生可能エネルギーの割合を 20% 以上とすることを定め 国別の再生可能エネルギーの導入割合を目標として定めている ( 例 : スウェーデン 49% フランス 20% ドイツ 18% 英国 15% 等 ) この中で 航空部門においては商業的にバイオ燃料を利用することの技術 規制上の制約があることを鑑みて 最終エネルギー消費量に占める航空部門の割合が大きい加盟国については 最終エネルギー消費量から航空部門のエネルギー消費量を差し引くことができる ( すなわち 導入すべき再生可能エネルギーの量を減らすことができる ) と認めている 欧州の 2005 年の最終エネルギー消費量に占める航空部門の割合が平均で 4.12% であったことから その 1.5 倍にあたる 6.18% と目安として 当該国の最終エネルギー消費量の 6.18% 相当分を超える航空部門の最終エネルギー消費量を 国の最終エネルギー消費量から差し引きできることとなった また キプロスとマルタについては 地理的な事情から航空用燃料を使用することがやむをえないとして 当該国の最終エネルギー消費量の 4.12% 相当分を超える航空部門の最終エネルギー消費量全量を 国の最終エネルギー消費量から差し引きできることとなった 再生可能エネルギー指令ではまた 輸送部門における再生可能エネルギーの導入目標を 10% と一律に定めている 導入割合の算定においては 分母を各国の道路 鉄道のエネルギー消費量としているが 分子にバイオジェット燃料消費分を含めることができるよう 修正指令案が現在審議されている なお 導入達成に用いることができるバイオ燃料は LCA 排出量が化石燃料比 35% 以上少ないものでなくてはならない等 一定の持続可能性基準を満たすものに限られている 104

113 4.2.2 EU 加盟国独自の取組 (1) aireg(aviation Initiative for Renewable Energy in Germany e.v.)( ドイツ 2011 年 ~) ドイツの航空産業のバイオ燃料イニシアチブ aireg(aviation Initiative for Renewable Energy in Germany e.v.) は 航空会社 空港 研究機関 航空及び原材料産業の企業の関与とノウハウを結合する目的で 2011 年に設立され 2013 年は具体的なプロジェクトを開始した aireg コンソーシアムのメンバーは Forschungzentrum Julich( ユーリヒ総合研究機構 ) にとりまとめられている AUFWIND プロジェクトの一部として藻類によるジェット燃料の評価と開発を行っており 藻類生産に 575 万ユーロ ( 約 8.5 億円 ) がドイツ連邦農業省から助成されている 三つのパイロットプラントで 3 年間のプロジェクトが遂行され その後に 少なくとも一つの統合された実装プラントが建築される予定である また 原材料獲得のために aireg は ドイツ連邦経済開発省とともに カメルーンのライトハウス プロジェクトに投資している 更に ロシアとも協力体制をとって 数千トンのカメリナ油を輸入している また ドイツ連邦政府は aireg とともに 2012 から 2013 年にかけて 交通燃料戦略 (Mobility and Fuels Strategy) のドラフトを作成し 10,000-tonnes-biojet-program と呼ばれるプログラムを含む航空機用代替燃料の国家計画 (National Action Plan for Alternative Aviation Fuels) を策定した また 検討の第一ステップのために 米国からの支援を受けるために米国ワシントンに FAA(Federal Aviation Administration) CAAFI (Commercial Aviation Alternative Fuels Initiative) と会合をもち ILA Berlin Air Show 2012 の期間に 米国とドイツ政府間で二国間協定を結んだ aireg は 政府支援を少なくとも 2013 年から 2020 年まで要求している 105

114 (2) Biofuel Initiative France( フランス 2013 年 ~) フランスでは Airbus Air France Safran フランス民間航空局(French civil aviation authorities (DGAC)) Total によるバイオ燃料イニシアチブ (Biofuel Initiative France) がある このイニシアチブは 2013 年パリで開かれた航空ショーで発足した 航空バイオ燃料のフランスでのバリューチェーン開発のため 環境社会面 技術面 経済面の研究開発を行っている 本イニシアチブには フランス民間航空局が参加しているが このイニシアチブは民間主導で進められており フランス民間航空局による資金面の援助の有無は明らかにされていない 航空バイオ燃料は Total と Amyris が製造する Bio-jet A-1 を使用している 大手燃料メーカーである Total とバイオ燃料メーカー Amyris が バイオ燃料開発及び製造のため提携しているもので 両社は 2010 年から再生可能な原材料からバイオディーゼルやバイオジェット燃料開発で協力している このバイオ燃料は ブラジルのプラントで革新的な砂糖変換技術 (innovative sugar-transformation technology) により生産されている フランスのバイオ燃料イニシアチブには Total が参加しているが バイオジェット燃料を実際に生産するのは Amyris のプラントである (3) NISA(The Nordic Initiative for Sustainable Aviation)( 北欧諸国 2013 年 ~) NISA は北欧の航空業界のステークホルダー ( 政府機関 北欧の空港 航空会社 航空関係協会等 ) によって設立されたイニシアチブである NISA には Boeing や Airbus IATA が参加している NISA への参加者は 次の表の通りである 業態航空会社業界団体政府機関空港製造業者 表 4-3 NISA の主要ステークホルダー組織名 SAS Finnair Norwegian Icelandair Air Greenland Malmo Aviation Atlantic Airways Danish Aviation SBN Svenskt Flyg Svenska FlygBranschen NHO IATA DK/Trafikstyrelsen SV/Transportstyrelsen FI/Ministry of Transport DK/Copenhagen Airports SV/Swedavia NO/Avinor FI/Finavia IS/Isavia Boeing Airbus なお 具体的なバイオ燃料プラントは NISA のステークホルダーに挙げられていない NISA は テスト施設が 3 年から 5 年 完全な生産は 10 年以内に可能となるとしており 欧州の先進的な動きと比較すると遅れをとっている 106

115 (4) The Spanish Bioqueroseno Initiative ( スペイン 2009 年 ~) スペインの Bioqueroseno Initiative は 2009 年の第 1 回航空機用代替燃料に関する国際会議後に 航空機用のバイオケロシンの生産 消費のため発足されたもの その二年後 Bioqueroseno Initiative は スペインの産業エネルギー交通省及び農業環境省との間で 民間航空局 (Civil Aviation Authority) を通して契約を交わし バイオケロシンのイニシアチブが 2011 年に正式に発足した 民間航空局管轄の国営企業 SENASA(State-owned company linked to the Civil Aviation Authority) が参加企業をとりまとめている このイニシアチブの目的は 官民が協力しあい スペイン及び欧州の航空機用バイオ燃料の開発を牽引することとされている イニシアチブは 欧州委員会から 2011 年に FP7 の一環として航空機用の代替燃料生産の実装を要望され欧州委員会の助成を受けるが SENASA が プロジェクトを欧州に貢献するものとするために 参加機関をスペイン国内に限定せずに 異なる加盟国の鍵となるプレーヤーを招集してプロジェクトを開始することを提案した このプロジェクトが前述の ITAKA (Initiative Towards SustAinable Kerosene for Aviation) である 107

116 4.2.3 米国の取組 (1) 国防総省 (DOD) による支援国防総省は Defence Production Act( 国防産業法 )2 章に位置付けられたプログラムに基づき 2013 年 5 月と 2014 年 9 月の二度バイオジェットプラントへの助成を行っている The overall Defense Production Act Title II program には二段階のアジェンダが設定されており 2013 年 5 月の助成は第一段階に当たり計画策定が主目的である このプログラムでは 国内のバイオ燃料のサプライチェーンを構築すること 即ち 原料生産 物流 転換施設 ( 総合的なバイオ精製 ) 燃料混合 輸送のワンドロップイン型生産流通システムを実現することが最終目標とされている この目標を達成するために 米国政府はバイオ燃料生産エンタープライズ (IBPE: an Integrated Biofuels Production Enterprise) を設立する予定である 2013 年 5 月の助成対象は バイオジェット燃料を製造するプラントを開発する3 社 (Emerald Biofuels, Fulcrum Brighton Biofuels( 現 Fulcrum BioEnergy) Natures BioReserve) であり 合計 1,600 万ドル ( 約 19 億円 ) の助成を行っている これら3 社は自社も 1,700 万ドル ( 約 20 億円 ) を拠出し 軍用燃料の規格を満たすバイオ燃料を 4 ドル / ガロン以下のコストで 1.5 億ガロン ( 約 57 万 kl) 製造する予定とされた また 2014 年 9 月には米国軍向けにバイオ燃料を製造する商業規模のドロップ イン型バイオジェット燃料製油所の建設に対して 2.1 億ドル ( 約 250 億円 ) の助成を行うことを発表した これら3つの製油所は 2016~2017 年に軍用燃料の規格を満たすバイオ燃料を 3.5 ドル / ガロン ( もしくは石油由来燃料と競争力のあるコスト ) 以下のコストで 1 億ガロン ( 約 38 万 kl) 製造する予定である 2014 年 9 月に発表された助成対象は以下の3 社である 2014 年の助成では 2013 年の助成を受けた Emerald Biofuels 社と Fulcrum BioEnergy 社の 2 社は対象となっているが Natures BioReserve 社は対象となっておらず Red Rock Biofuels 社が新たに対象となっている 表 年 9 月に Defence Production Act に基づき助成が決まったプロジェクト助成対象社名概要 Emerald 45 Biofuels 社 Fulcrum 46 BioEnergy 社 Red Rock 47 Biofuels 社 メキシコ湾岸の製油所において 廃油 獣脂等を原料とし 水素処理した バイオジェット燃料とバイオディールを年間 8,200 万ガロン製造する ネバダ州の製油所において 都市固形廃棄物を原料とし ガス化と FT 合成 によりジェット燃料とバイオディーゼルを年間 1 千万ガロン製造する オレゴン州の製油所において 木材と木材廃棄物を原料とし ガス化と FT 合成によりバイオ燃料を年間 1,200 万ガロン製造する 45 ルイジアナ州に拠点を置くバイオディーゼル製造会社 46 カリフォルニア州に拠点を置く廃棄物由来燃料製造会社 47 コロラド州に拠点を置く木質バイオマス由来燃料製造会社 108

117 (2) エネルギー省 (DOE) による支援米国エネルギー省では省エネ 再生可能エネルギー室 (The Office of Energy efficiecy and Renewable Energy) がエタノールから直接バイオ燃料に変換する技術開発に対して研究助成を行っている この研究開発は エネルギー省の Pacific Northwest National Laboratory( 以下 PNNL) とバイオ燃料製造会社である Imperium Renewables 社 48 の共同研究開発である PNNL が開発した触媒プロセスを使って バイオマス由来のセルロース系アルコールから再生可能ドロップ イン型のジェット燃料に変換する Imperium Renewables 社は 省エネ 再生可能エネルギー室を管理する Battelle 社 49 と 2010 年 7 月にと共同研究の契約を結び このプロジェクトに参画した バイオ燃料の開発は 更に LanzaTech 社 50 や Boeing 社の協力 シアトル空港の支援のもと進められている 最終的な目標は Imperium Renewables 社に商用バイオ燃料製造プラントを建設することである エネルギー省はこのプロジェクトへの助成として PNNL に 2 百万ドル ( 約 2.2 億円 ) の助成 また最近ではコスト効果のあるジェット燃料を開発するために LanzaTech 社に 5 百万ドル ( 約 5.5 億円 ) の助成を行ったとの情報がある 51 図 4-3 研究開発中のジェット燃料と研究設備 48 ワイオミング州シアトルに拠点を置くバイオ燃料製造会社 49 米国 NGO 系コンサルティングファーム 50 イリノイ州に拠点を置く代替燃料製造技術開発会社 51 USDOE 発表資料 ( より引用 109

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御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを 資料 3-1 いただいた御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方 御意見の全体像が分かるように代表的な御意見を抽出し 整理しています 基本的にいただいた御意見から抜粋したものですが 明らかな誤字や変換ミス等はこちらで修正しています 御意見の内容御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方今回の改定事項に関する御意見再生可能エネルギーを用いた商品メニューについて 意見内容今回の

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