はじめに国際標準化機構 (ISO) において開発されるマネジメントシステム規格は 組織管理や運営の基盤となる仕組みを組織内に根付かせるためのツールとして 経営課題の解決や CSR の観点など 組織のガバナンス強化に利用されてきました マネジメントシステム規格の積極的 戦略的な活用により 企業の基盤や

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1 マネジメントシステム活用事例集 ISO 規格活用の優良組織にヒアリングを実施 そこから見えてきたこと

2 はじめに国際標準化機構 (ISO) において開発されるマネジメントシステム規格は 組織管理や運営の基盤となる仕組みを組織内に根付かせるためのツールとして 経営課題の解決や CSR の観点など 組織のガバナンス強化に利用されてきました マネジメントシステム規格の積極的 戦略的な活用により 企業の基盤や競争力が強化され ひいてはわが国全体の企業基盤や競争力が向上することが期待されます このように 企業管理におけるメリットが考えられるマネジメントシステムの構築であっても 下図に示すように リーマンショックの影響もあり ここ数年マネジメントシステム認証取得件数は 日本国内では減少 停滞の傾向にあります これは マネジメントシステム認証を取得 維持するために必要となるコストに比べ 得られるメリットが小さいと感じる企業がいたこと 実際に合併や廃業などで取り組んでいた企業数が減少していることなどが原因と考えられます しかし そのような厳しい事業環境においても マネジメントシステム認証を継続する事業者が存在することも事実です そこで マネジメントシステム規格を積極的に活用し その効果を実感している企業を中心に 経営ツールとしてのマネジメントシステムの効果 を整理するとともに 過去に直面した課題と その解決方法 などについて 経営者の視点からのヒアリングを実施しました 本パンフレットでは そのヒアリング結果を 現在マネジメントシステムに取り組んでいる企業の経営層や 今後マネジメントシステムの導入を検討している企業の経営層向けにまとめ 分析したものです この分析を通じて 経営ツールとしてのマネジメントシステムのヒントを得ていただくことを期待しています マネジメントシステム活用事例集 ISO 規格活用の優良組織にヒアリングを実施そこから見えてきたこと 公益財団法人日本適合性認定協会の統計データに基づき 経済産業省にてグラフ作成 ISO9001 の適合組織件数[年度][認証取得組織数] ISO14001 の適合組織件数[年度][認証取得組織数]

3 CONTENTS 目次 02 ヒアリングを実施した対象企業の概要 03 ヒアリングの概要 構築を進めた背景 目的 運用時に確認された問題 運用における工夫 マネジメントシステムによる効果 今後の対応 10 ヒアリング企業の整理 12 各マネジメントシステム規格の解説 14 ヒアリング30 社の分類表 マネジメントシステム活用事例 16 アップコン株式会社 18 株式会社ウェルシィ 20 青梅ガス株式会社 22 大越工業株式会社 24 株式会社大里ラボラトリー 25 有限会社オニム精機製作所 28 株式会社カワベ工業 30 清川メッキ工業株式会社 32 株式会社クリーンテック 34 国際ホテル株式会社 36 小島プレス工業株式会社 38 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 40 新日本ウエックス株式会社 42 大成化工株式会社 44 株式会社塚腰運送 46 東京フード株式会社 48 株式会社トーホー 50 東洋ケミテック株式会社 52 富永物産株式会社 54 株式会社長瀬土建 56 鍋屋バイテック会社 58 株式会社日本ラベル 60 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 62 藤田商事株式会社 64 フジミツ株式会社 66 株式会社堀場製作所 68 株式会社メディカルシステム研究所 70 八千代エンジニヤリング株式会社 72 ヤマサ醤油株式会社 74 ユニーグループ ホールディングス株式会社 76 おわりに マネジメントシステム活用事例集 01

4 I ヒアリングを実施した対象企業の概要 今回の企業ヒアリングでは 30 社のトップマネジメントの皆様にご協力頂きました 企業規模 ( 社員数 ): 活用した規格 : ISO9001 品質マネジメントシステム ISO13485 医療機器品質マネジメントシステム ISO14001 環境マネジメントシステム ISO/IEC20000 I T サービスマネジメントシステム ISO/IEC27001 情報セキュリティマネジメントシステム ISO22000 食品安全マネジメントシステム ISO22301 事業継続マネジメントシステム ISO39001 道路交通安全マネジメントシステム OHSAS18001 労働安全衛生マネジメントシステム FSSC22000 食品安全マネジメントシステムの一つで ISO22000を発展させた規格 業種 : 総合工事業 / 食料品製造業 / 印刷 同関連業 / 化学工業 / 医薬品製造業 / 金属製品製造業 / 業務用機械器具製造業 / ガス業 / 情報サービス業 / 道路貨物運送業 / 機械器具卸売業 / 各種製品小売業 / 物品賃貸業 / 技術サービス業 / 宿泊業 / 飲食店 / 医療業 / 廃棄物処理業 / 建物サービス業 規格別企業数 ( 延べ数 ): 02 マネジメントシステム活用事例集

5 ヒアリングの概要 I ヒアリングの概要 構築を進めた背景 目的 企業の経営層の立場 視点から マネジメントシステムの構築を進めた背景 目的 活動での成功点 失敗点 転機となった出来事など 様々な観点からお話を伺いました その内容について 構築を進めた背景 目的 運用時に確認された問題 運用における工夫 マネジメントシステムによる効果 今後の対応の観点で整理いたしました 次項以降 30 社からヒアリングした結果の総括を記します なお 本パンフレットにおいては マネジメントシステムの構築 と マネジメントシステムの認証 を明確に分けて整理しています マネジメントシステムは 第三者による認証ありきの取り組みであると考えられがちですが その本質は 社内のマネジメントをいかに成功させるかにあり この点を分類して分析することにより マネジメントシステムの効果をより明確化することができます マネジメントシステム構築と認証取得による効果の概念整理 マネジメントシステム構築 認証取得 ( 第三者評価 ) 組織内 組織の効果的運営 成長など 緊張感の維持 組織外 取引先などに対する お墨付き 効果 経営層ヒアリングの結果 マネジメントシステムの構築のきっかけを 内部要因と外部要因に分類することができました 主な内部要因として 経営層がマネジメントシステム構築に期待した効果は 企業の規模の拡大に伴う業務基盤の確立 社員の力量均質化 事業継承 技術継承といったものでした ベンチャー企業が業容拡大する過程で 組織規模が大きくなり 創業社長の目が届かなくなると 業務を遂行する基盤が必要となり そのためにマネジメントシステムの導入をした例や 同族企業において親子で事業継承する場合 ベテラン社員の匠の世界を技術継承する場合に マネジメントシステムを活用した例もありました また 合併に際して全く異なる企業文化の社員が 一緒に働きやすい環境を整えるため 合併したどちらかの企業文化に統合するのではなく 国際標準に基づくマネジメントシステムを構築したことで 双方の社員が納得する形で仕事に取り組めるようになったといった事例もありました 逆に 分社化しホールディングカンパニー制を敷く場合にも 経営方針の浸透のためにマネジメントシステムが活用された例もありました 外部要因とは 取引先からの要請など ある意味受け身でマネジメントシステムの構築と認証の取得に取り組んだ場合を指します 具体的には 重要顧客などの取引先から要請があった場合や 官公庁や地方自治体 病院の入札条件となった場合などです また 海外進出の場合には マネジメントシステムの認証取得が ほぼ必須要件となっていると感じる経営者もいました マネジメントシステム活用事例集 03

6 構築を進めた背景 目的 ( 表 1) 大分類小分類背景 目的代表事例 No. 企業 ( ベンチャー 老舗など ) の事業拡大時に業務基盤確立のため No.01 アップコン株式会社 P ⓰ No.21 鍋屋バイテック会社 P 業務基盤整備 業務の標準化 効率化のため No.16 東京フード株式会社 P 46 No.19 富永物産株式会社 P No.20 株式会社長瀬土建 P No.23 株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 P No.27 株式会社メディカルシステム研究所 P 内部要因 事業継承にむけた業務基盤強化のため No.06 有限会社オニム精機製作所 P 26 継承 技術継承のため No.14 大成化工株式会社 P 42 No.29 ヤマサ醤油株式会社 P 組織構造変革 企業買収 合併時の業務基盤の共通化のため No.22 株式会社日本ラベル P 分社化時の経営方針浸透ツールとして No.09 株式会社クリーンテック P 32 取引先からの要請 No.11 小島プレス工業株式会社 P 36 No.24 藤田商事株式会社 P No.26 株式会社堀場製作所 P 入札条件とされたため No.17 株式会社トーホー P 48 外部からの要請 海外進出時に自ら必要と考えたため No.05 株式会社大里ラボラトリー P 24 業界として事業上の最低条件と見なされていたため No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 P No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 P 外部要因 グループ会社の方針 No.10 国際ホテル株式会社 P 34 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 P 38 No.18 東洋ケミテック株式会社 P 50 企業 PR に活用するため No.03 青梅ガス株式会社 P ⓴ No.04 大越工業株式会社 P 22 競争力強化 競合企業と差別化するため No.07 株式会社カワベ工業 P 28 No.08 清川メッキ工業株式会社 P 30 No.15 株式会社塚腰運送 P 44 信頼獲得のため No.02 株式会社ウェルシィ P ⓲ No.13 新日本ウエックス株式会社 P 40 No.15 フジミツ株式会社 P 04 マネジメントシステム活用事例集

7 ヒアリングの概要 前述以外のケースには 企業自らが対外的な評価を得て 自社ブランドを高めるためにマネジメントシステムの認証取得を活用した事例もありました 特に中小企業の場合には マネジメントシステムの認証を取得している企業が必ずしも多くないことから これらが他社との差別化につながり 新たな取引先を獲得できたケースもあるようです ヒアリング対象企業がマネジメントシステムの取り組みを始めた主な背景 目的を 4 ページの表 1 に整理 分類しました 運用時に確認された問題 現場の職人が普段 記録を取らない仕事をしていたため マネジメントシステムの導入に際し いちいち記録をつけるなんてことはやってられない と 有能な職員に退職されてしまう場合があった また 現場と事務局の乖離から 各所でのモチベーション低下に直面し 経営者としてマネジメントシステムのメリットを引き出せない時期があった 組織目標の設定について 取り組み当初は達成できても 3 年も継続すれば自力でそれ以上の改善ができなくなる事態に直面した 例えば 環境マネジメントシステムを用いて 紙 ゴミ 電気の削減を目標にすると すぐに限界を迎えてしまい 経営側としてどのようにマネジメントシステムを活用してよいか分からなくなった 背景 目的は企業により異なりますが マネジメントシステムの構築や認証に取り組み始めると 経営層の視点から次のような失敗事例があることが分かりました 経営層の直面した課題 認証機関に審査してもらうマニュアルが 通常業務の手順とかけ離れており マニュアル通りに業務を実施すると現場に大きな負担となったため 結局 マニュアル通りに業務が実施されない状態になってしまった その場合 審査直前に審査のための書類を作成することとなった このように マネジメントシステムの活動が壁にぶつかることは いずれの企業でも経験があるとのことでした しかし このような状況においても マネジメントシステムの中に新たな仕組みを構築したり 従業員のモチベーションを向上させるようなインセンティブを加えることで 次第にマネジメントシステム構築や認証取得の果実を得ることが可能になったようです マネジメントシステム活用事例集 05

8 運用における工夫 各企業では マネジメントシステムが効率的 効果的 に回るよう さまざまな工夫に取り組んでいるようです が高い事業者が 労働安全衛生マネジメントシステム の構築に取り組んだ事例 ) 認証審査用のマニュアルと通常業務の手順の乖離が 現場の負担となっていたため 本来の業務手順に即したマニュアルへ改善した 事業内容に合致したマネジメントシステム規格へ取り組んだ ( 産業廃棄物リサイクル事業を営む企業が環境マネジメントシステム 現場の安全に対する意識 部署間内部監査の仕組みとすることで 社員に組織全体を知るきっかけを与えることができ さらに 社員もそれに興味を持って取り組むようになった結果 マネジメントシステムの取り組みが一層社内に浸透した このような運用における工夫を その考え方 転機 具体策に分け 表 2 表 4 に整理しました 運用を改善した例 ( 表 2) 運用改善の事例具体的内容代表事例 No. 本来業務とマネジメントシステムの認証取得活動の一体化本来業務にマネジメントシステム規格の要素を取り込み 本来業務を高度化 本来業務の実施が認証審査の記録に活かせるよう マニュアル類を業務の実態に合わせた 業務プロセスは 以前から実施しているものをあくまでもベースにし その上で ISO 要件を満たしていない事項を追加していく No.01 アップコン株式会社 P⓰ No.29 ヤマサ醤油株式会社 P No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 P No.14 大成化工株式会社 P42 No.17 株式会社トーホー P48 停滞しても継続するリーダーシップトップマネジメントがマネジメントシステムの維持 改善に継続的に取り組む強い意思を示す No.03 青梅ガス株式会社 P⓴ No.05 株式会社大里ラボラトリー P24 No.23 株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 P No.25 フジミツ株式会社 P 現場キーマンの発見 現場のキーマンや女性社員を啓蒙し 積極的に取り 組む姿勢を見せることで 現場にマネジメントシステ ムを浸透させる No.15 株式会社塚腰運送 P 44 No.16 東京フード株式会社 P 46 No.21 鍋屋バイテック会社 P スモールスタート 適用範囲や業務内容を欲張らずに最低限の範囲 業務から取り組み 負担を少なくする No.14 大成化工株式会社 P マネジメントシステム活用事例集

9 ヒアリングの概要 運用改善の転機 ( 表 3) 運用改善の転機内容代表事例 No. 統合マネジメントシステムの導入 本業に合ったマネジメントシステム 規格の導入 二つ目の ISO 規格に取り組むときに 統合マネジメントシステムとし 改めて業務の見直しと簡素化を図り 経営基盤を作る 企業の事業に合致したマネジメントシステム規格を導入することで 現場の実業務が直接的にマネジメントシステムの目標達成につながるため 現場の動機付けとなる No.01 アップコン株式会社 P⓰ No.09 株式会社クリーンテック P32 No.11 小島プレス工業株式会社 P36 No.21 鍋屋バイテック会社 P No.26 株式会社堀場製作所 P No.02 株式会社ウェルシィ P⓲ No.03 青梅ガス株式会社 P⓴ No.10 国際ホテル株式会社 P34 No.15 株式会社塚腰運送 P44 コンサルタントや審査員の一言 コンサルタントや審査員から これまで企業側で気 付かなかった考え方を指摘されることで 新たな改 善策が図れる No.06 有限会社オニム精機製作所 No.09 株式会社クリーンテック P 26 P 32 運用改善の具体策 ( 表 4) 分類具体策代表事例 No. 業務目標とマネジメントシステムの目標を一本化する No.02 株式会社ウェルシィ No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 P⓲ P 目標設定 目標を個人レベルまで落とす No.22 株式会社日本ラベル P No.11 小島プレス工業株式会社 P36人事評価とリンクさせる No.29 ヤマサ醤油株式会社 P KPI を工夫する No.09 株式会社クリーンテック P 32 マネジメントシステムの目標と力量評価の整合性をとる No.08 清川メッキ工業株式会社 P 30 力量評価 多能工化 力量の均質化を目指す No.18 東洋ケミテック株式会社 No.20 株式会社長瀬土建 P 50 P 従業員の動機付けを心掛ける No.21 鍋屋バイテック会社 P 上長とのコミュニケーションをとる No.19 富永物産株式会社 P 若手社員 現場キーマンを内部監査員に抜擢する No.15 株式会社塚腰運送 P 44 No.29 ヤマサ醤油株式会社 P 内部監査 内部監査員を被監査部門が評価をする双方向監査とする あるいは 内部監査員を事務局が評価する 組織のクロス監査 工程の上下流監査とする No.08 清川メッキ工業株式会社 No.24 藤田商事株式会社 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 P30 P P38 P ミスを報告しやすい雰囲気を作る No.05 株式会社大里ラボラトリー P 24 改善指摘だけでなく 良い点を横展開する No.16 東京フード株式会社 P 46 マネジメント レビュー 現場密着 マネジメントレビューをトップが率先して実施することで組織の体質を改善する トップが現場に足を運び 現場の業務を理解し 社員とのコミュニケーションを取ることで マネジメントシステムの現場への浸透を図る No.13 新日本ウエックス株式会社 P40 No.17 株式会社トーホー P48 No.27 株式会社メディカルシステム研究所 P 簡素化マニュアル チェック項目を簡素化する No.10 国際ホテル株式会社 No.18 東洋ケミテック株式会社 P 34 P 50 マネジメントシステム活用事例集 07

10 マネジメントシステムによる効果 経営層が感じるマネジメントシステム構築や 構築後の認証取得による効果としては 以下の声がありました 構築による内部的な効果 マネジメントシステムの 教育システム や 力量評価 の要求事項に即して仕組みを構築したことで 昔ながらの企業にある 背中を見て育て 技術は見て盗め といった文化をシステム化することができ 教育を適切に行える体制となった結果 新入社員の離職率が下がった 力量評価の仕組みの構築や 目標設定を工夫したことで 組織的に多能工化の推進ができ 景気や業績の変動でも限られた人員でやりくりできる組織になった 認証取得による効果 取引先からの信頼を容易に得るツールとなり 通常必要とされる取引先監査が 免除 簡略化された 規格の用語は共通用語であるため 中小企業が大企業など取引先と打合せをする際でも コミュニケーションを円滑にできた また グループ企業でも 拠点などによって使う用語が異なる場合などに類似の効果が得られた マネジメントシステムによる効果 ( 表 5) 分類効果概要説明代表事例 No. 社員の定着率向上 ( 離職率低下 ) 力量評価と教育システムを取り入れることで 社員の目標設定と動機付けとなり 企業を退職しなくなる No.07 株式会社カワベ工業 P28 No.08 清川メッキ工業株式会社 P30 No.20 株式会社長瀬土建 P 構築による 効果 人材育成のツール 内部監査や教育システムは 人材を育てるツールとして機能し 効果を上げている No.07 株式会社カワベ工業 P28 No.22 株式会社日本ラベル P No.25 フジミツ株式会社 P 多能工化 力量評価で多能工化 均質化が進んだことで No.04 大越工業株式会社 P22 業績変動をしても限られた人員で対応できる No.18 東洋ケミテック株式会社 P50 現場作業のシフト制も組みやすくなる No.20 株式会社長瀬土建 P 認証取得により得られ 工事評価点向上 建設業界において 公共工事評価点が向上した それにより 元請け工事を請けられるようになった事例もあった No.17 株式会社トーホー P48 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 P た効果 取引先からの監査対応の容易化 取引先からの監査対応が免除 あるいは簡略化された No.14 大成化工株式会社 P42 No.24 藤田商事株式会社 P 共通言語 取引先との共通言語企業内の拠点間での共通言語 取引先との打合せで マネジメントシステムで用いられている用語や考え方が共通言語となり コミュニケーションが円滑となった 内部監査を通して 企業内の別拠点の組織 人々と交流ができた No.04 大越工業株式会社 P22 No.06 有限会社オニム精機製作所 P26 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 P38 No.25 フジミツ株式会社 P No.26 株式会社堀場製作所 P 横串組織 縦割りの組織に横串の仕掛け 縦割りの組織にあって マネジメントシステムは横串を通す効果がある No.13 新日本ウエックス株式会社 P40 No.19 富永物産株式会社 P No.23 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 P グッドポイントの横展開 良い点を横展開するきっかけとなる No.16 東京フード株式会社 P46 No.27 株式会社メディカルシステム研究所 P 08 マネジメントシステム活用事例集

11 ヒアリングの概要 今後の対応 これまでの分析 整理は マネジメントシステムの構築や認証の取得によって 企業の経営者が組織運営において一定の効果が得られる可能性があることを示唆している しかし マネジメントシステムに取り組む効果を感じた経営層や組織であっても そこに留まるのではなく 今後 さらなる発展が必要だと考えるケースが多いです 事業環境が日々変化する中 リスクではなかった事象がリスクとなるケースも 構築されたマネジメントシステムで PDCA を回す中で リスク評価を強化していく必要性がある 定量目標を実現するために いかに効率的 効果的な業務プロセスを構築できるか 業務プロセスそのものを評価する仕組みを構築する 単独でマネジメントシステムを構築する限界 サプライチェーンの上流 下流企業との連携 さらにはリサイクルのような事業形態の場合におけるループ状の協力体制など 他社との協力関係を構築する 今後の対応 ( 表 6) 課題 展開 説明 リスクへの対応 事業環境の急速な変化に伴い 以前リスクでなかった事象が今ではリスク となる場合があり そのようなリスクに対応できる経営基盤を構築する プロセスの評価 目標達成に向けてプロセスの改善を図るが そのプロセスを評価する考え 方を入れる 定性目標 既に設定している定量目標を実現するためには 数値化できない定性的な 活動を目標として取り入れていく 地域 サプライチェーン連携 消費者や地域社会 サプライチェーンを構成する企業と連携して大きな目 標を達成していく マネジメントシステム活用事例集 09

12 I ヒアリング企業の整理 今回 企業ヒアリングした 30 社を 業種 企業規模 および認証取得した規格種別ごとに分類し 事例 No. との対応を整理しました 業種と事例 No. の対応 建設 土木 No.01 アップコン株式会社 P No.17 株式会社トーホー P No.20 株式会社長瀬土建 P 小売り No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 P 情報サービス No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 P No.27 株式会社メディカルシステム研究所 P 食品 No.05 株式会社大里ラボラトリー P No.16 東京フード株式会社 P No.25 フジミツ株式会社 P No.29 ヤマサ醤油株式会社 P 病院 No.23 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 計測 P 建物サービス No.09 株式会社クリーンテック 運輸 No.15 株式会社塚腰運送 P P No.26 株式会社堀場製作所 P 技術サービス 金属 ホテル No.10 国際ホテル株式会社 P No.02 株式会社ウェルシィ No.06 有限会社オニム精機製作所 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 P P P No.07 株式会社カワベ工業 P No.08 清川メッキ工業株式会社 P No.11 小島プレス工業株式会社 P No.21 鍋屋バイテック会社 P 物品賃貸 No.13 新日本ウエックス株式会社 P 廃棄物処理 商社 No.19 富永物産株式会社 No.24 藤田商事株式会社 P P No.04 大越工業株式会社 P エネルギー No.03 青梅ガス株式会社 P 印刷 No.22 株式会社日本ラベル P 化学 No.14 大成化工株式会社 No.18 東洋ケミテック株式会社 P P 10 マネジメントシステム活用事例集

13 ヒアリング企業の整理 企業規模と事例 No. の対応 ( 表 7) 規格種別と事例 No. の対応 ( 表 8) 企業規模 ( 名 ) 事例 No. 規格種別 代表事例 No. No.01 アップコン株式会社 P⓰ No.01 アップコン株式会社 P⓰ No.04 大越工業株式会社 P 22 No.02 株式会社ウェルシィ P⓲ No.05 株式会社大里ラボラトリー No.06 有限会社オニム精機製作所 P24 P26 統合マネジメントシステム No.09 株式会社クリーンテック No.11 小島プレス工業株式会社 P32 P36 1 ~ 50 No.07 株式会社カワベ工業 P 28 No.17 株式会社トーホー P 48 No.09 株式会社クリーンテック P 32 No.20 株式会社長瀬土建 他 P No.17 株式会社トーホー P 48 No.20 株式会社長瀬土建 P ISO9001 多数 No.22 株式会社日本ラベル P No.03 青梅ガス株式会社 P⓴ ISO13485 No.14 大成化工株式会社 No.26 株式会社堀場製作所 P42 P 51 ~ 100 No.24 藤田商事株式会社 No.27 株式会社メディカルシステム研究所 P P ISO14001 多数 101~ 300 No.02 株式会社ウェルシィ No.08 清川メッキ工業株式会社 No.10 国際ホテル株式会社 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 No.18 東洋ケミテック株式会社 No.19 富永物産株式会社 P⓲ P30 P34 P38 P50 P ISO22000 ISO22301 No.05 株式会社大里ラボラトリー No.13 新日本ウエックス株式会社 No.25 フジミツ株式会社 No.02 株式会社ウェルシィ No.21 鍋屋バイテック会社 No.23 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 P 24 P 40 P P⓲ P P No.14 大成化工株式会社 P 42 No.26 株式会社堀場製作所 P 301~1000 No.15 株式会社塚腰運送 No.16 東京フード株式会社 No.21 鍋屋バイテック会社 No.23 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 No.25 フジミツ株式会社 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 P44 P46 P P P P ISO/IEC ISO39001 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 P38 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 No.15 株式会社塚腰運送 No.26 株式会社堀場製作所 P P 44 P No.29 ヤマサ醤油株式会社 P ISO50001 No.21 鍋屋バイテック会社 P No.11 小島プレス工業株式会社 P 36 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 P ~ No.13 新日本ウエックス株式会社 No.26 株式会社堀場製作所 P40 P OHSAS18001 No.15 株式会社塚腰運送 No.20 株式会社長瀬土建 P44 P No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 P No.21 鍋屋バイテック会社 P No.26 株式会社堀場製作所 P マネジメントシステム活用事例集 11

14 I 各マネジメントシステム規格の解説 ISO90 01( 品質マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は1987 年にISO9001( 品質マネジメントシステム ) を発行しました ISO9001は供給者が 顧客や社会などが求めている品質を備えた製品やサービスを常に届けるための仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です 年に第 4 版が発行済みですが 2015 年には改正版が発行される予定です ISO134 85( 医療機器品質マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は1996 年にISO13485( 医療機器品質マネジメントシステム ) を発行しました ISO13485は医療機器の製造 販売などを行う組織が 安全で有用な医療機器の継続的な製造 供給を行うための仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です 年に改正版が発行されています ISO14001( 環境マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は1996 年にISO14001( 環境マネジメントシステム ) を発行しました ISO14001 は企業などの活動が環境に及ぼす影響を最小限にとどめるための仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です 2004 年に第 2 版が発行済みですが 2015 年には改正版が発行される予定です ISO/IEC20000(IT サービスマネジメントシステム ) 国際標準化機構 ( I S O ) と国際電気標準会議 ( I E C ) は共同で 年に I S O / IEC20000(IT サービスマネジメントシステム ) を発行しました ISO/IEC20000は I T サービスを提供する組織が I T サービスの継続的な管理 高い効率性 継続的改善を実現することを目的に ITサービスマネジメントが適切であるかどうかを評価する仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です ISO ( 食品安全マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は2005 年にISO22000( 食品安全マネジメントシステム ) を発行しました ISO22000は安全な食品を生産 流通 販売するために HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point) システムの管理手法をもとに 消費者への安全な食品提供を可能にする仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です ISO22301( 事業継続マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は2012 年にISO22301( 事業継続マネジメントシステム ) を発行しました 地震や火災 新型インフルエンザといった自然災害 人的災害 取引先の破綻 システム障害などの脅威が発生した際に 組織を取り巻く全てのリスクを想定し 事業中断による影響を許容限度内に管理し 早期の復旧を目指す仕組みについて定めたマネジメントシステム規格です 12 マネジメントシステム活用事例集

15 各マネジメントシステム規格の解説 ISO/IEC270 01( 情報セキュリティマネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) は共同で 2005 年にISO/IEC27001 ( 情報セキュリティマネジメントシステム ) を発行しました ISO/IEC270 01は組織が保有する情報のセキュリティの管理 リスク 制御に関する仕組みついて定めたマネジメントシステム規格です 2013 年に改正版が発行されています ISO390 01( 道路交通安全マネジメントシステム ) 国際標準化機構 (ISO) は2012 年にISO39001( 道路交通安全マネジメントシステム ) を発行しました ISO39001は道路交通事故による死亡事故や負傷事故の削減を目的とし 道路交通安全に関し 組織が取り組むべき活動について定めたマネジメントシステム規格です ISO50001( エネルギーマネジメントシステム ) 国際標準化機構 ( I S O ) は 年に I S O ( エネルギーマネジメントシステム ) を発行しました ISO50001はエネルギーの使用実態を把握し 原単位などのエネルギーパフォーマンスの評価と改善を行うことを定めたマネジメントシステム規格です OHSAS OHSAS180 01( 労働安全衛生マネジメントシステム ) OHSAS18001は 職場における労働 安全 衛生を確保するための仕組みについて定めた国際的なマネジメントシステム規格です 国際標準化機構 (ISO) においては 労働安全衛生マネジメント規格の開発がISO45001として進んでいます FSSC ( 食品安全マネジメントシステム ) FSSC FFSC(Foundation for Food Safety Certification) は2010 年に ISO22000と ISO/TS ( またはISO/TS ) を統合し FSSC22000を発行しました FSSC22000はISO22000と比較し フードディフェンスなどを盛り込んだ一般衛生管理の具体的な手法が追加されています マネジメントシステム活用事例集 13

16 I ヒアリング 3 0 社の分類表 No. 企業名産業分類主な事業内容従業員数所在地 認証取得マネジメントシステム No.01 アップコン株式会社総合工事業土木工事および建築工事業 40 名 神奈川県川崎市 ISO9001 ISO14001 No.02 株式会社ウェルシィ技術サービス業 地下水膜ろ過システムなどの設計 施工 メンテナンス 150 名 東京都千代田区 ISO9001 ISO14001 ISO22301 No.03 青梅ガス株式会社ガス業ガス事業 ガス設備 機器の販売など 57 名 東京都青梅市 ISO14001 No.04 大越工業株式会社廃棄物処理業 製鋼原料スクラップ事業 自動車リサイクル事業 物流ネットワーク事業 ソフトウエア開発事業 21 名 福島県須賀川市 ISO14001 No.05 株式会社大里ラボラトリー 食料品製造業パパイヤ発酵食品 FPP の製造 18 名 岐阜県揖斐郡 ISO9001 ISO14001 ISO22000 FSSC22000 No.06 有限会社オニム精機製作所 技術サービス業硬さ試験機校正事業 3 名 神奈川県横浜市 ISO9001 No.07 株式会社カワベ工業金属製品製造業金属の筐体およびケースの製作 30 名 長野県上田市 ISO9001 No.08 清川メッキ工業株式会社 金属製品製造業めっき加工業 230 名 福井県福井市 ISO9001 ISO14001 No.09 株式会社クリーンテック 建物サービス業 各種施設の総合清掃およびハウスクリーニング 46 名 東京都杉並区 ISO9001 ISO14001 No.10 国際ホテル株式会社 宿泊業飲食店 ホテルの経営 宴会場 レストランの経営 200 名 神奈川県横浜市 ISO14001 No.11 小島プレス工業株式会社 金属製品製造業 自動車内外装部品 ( プラスチック エレクトロニクス ) および金属製品の研究 開発 設計 製造 1,625 名 愛知県豊田市 ISO9001 ISO14001 No.12 サンデンシステムエンジニアリング株式会社 情報サービス業情報システムの開発 運用サービスなど 152 名 群馬県伊勢崎市 ISO9001 ISO14001 ISO/IEC27001 ISO/IEC20000 OHSAS18001 No.13 新日本ウエックス株式会社 物品賃貸業 ユニフォームレンタル ホテル用リネン提供 工業用ワイピングタオル提供 ブライダルクロスレンタル その他リネンサプライ全般 1,172 名 愛知県名古屋市 ISO9001 ISO14001 ISO22000 No.14 大成化工株式会社化学工業 医薬品用一次包装容器 医療機器 化粧品用容器の製造販売 347 名 大阪府茨木市 ISO9001 ISO14001 ISO13485 No.15 株式会社塚腰運送道路貨物運送業 トータル物流サービス 一貫物流システムの提供など 534 名 京都府京都市 ISO9001 ISO14001 ISO39001 OHSAS マネジメントシステム活用事例集

17 ヒアリング 30 社の分類表 No. 企業名産業分類主な事業内容従業員数所在地 認証取得マネジメントシステム No.16 東京フード株式会社食料品製造業 製菓 製パン用チョコレート類 チョコレート加工品の製造 約 500 名 茨城県つくば市 ISO9001 No.17 株式会社トーホー総合工事業土木 建築部門 電気部門 14 名 新潟県新潟市 ISO9001 ISO14001 No.18 東洋ケミテック株式会社 化学工業 各種フイルム 紙 布 不織布 レザー 金属箔等の軟素材へのコーティング加工 ラミネート加工の受託加工 127 名 兵庫県神戸市 ISO9001 ISO14001 No.19 富永物産株式会社機械器具卸売業 エンジン プラント機械 パワープラントなどの販売 / アフターサービス 約 130 名 東京都中央区 ISO9001 No.20 株式会社長瀬土建総合工事業 土木一式工事 とび 土工 コンクリート工事 舗装工事 造園工事 管工事 林業 久々野町下水道指定店 31 名 岐阜県高山市 ISO9001 ISO14001 OHSAS18001 No.21 鍋屋バイテック会社金属製品製造業 伝動 制御 位置決めのための機械要素部品の開発 製造 販売 323 名 岐阜県関市 ISO9001 ISO14001 ISO22301 ISO50001 OHSAS18001 No.22 株式会社日本ラベル印刷 同関連業 百貨店向けシール タグの印刷 時計業界向け備装品の作成 屋外等用大型グラフィックス出力 施工 30 名 東京都板橋区 ISO14001 No.23 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 医療業総合病院 ( 診療科目 3 0 科 ) 634 名 茨城県ひたちなか市 ISO9001 ISO22301 No.24 藤田商事株式会社機械器具卸売業特殊鋼の販売 機械加工 機械販売 88 名 No.25 フジミツ株式会社食料品製造業水産練製品製造業 349 名 千葉県浦安市 山口県長門市 ISO9001 ISO14001 ISO22000 No.26 株式会社堀場製作所 業務用機械器具製造業 各種計測器の製造販売 1,447 名 京都府京都市 ISO9001 ISO14001 ISO22301 ISO39001 ISO13485 OHSAS18001 No.27 株式会社メディカルシステム研究所 情報サービス業保険医療システムの開発 導入支援 99 名 東京都板橋区 ISO9001 No.28 八千代エンジニヤリング株式会社 総合工事業総合建設コンサルタント 972 名 東京都新宿区 ISO9001 ISO14001 ISO/IEC27001 No.29 ヤマサ醤油株式会社 食料品製造業医薬品製造業 しょうゆ 各種調味料 医薬品の製造販売 約 810 名 千葉県銚子市 ISO9001 No.30 ユニーグループ ホールディングス株式会社 各種商品小売業 総合小売 (GMS) コンビニエンスストア 専門店 金融サービス事業などで構成される企業グループの運営企画 管理 37,732 名 愛知県稲沢市 ISO14001 マネジメントシステム活用事例集 15

18 ISO 9001 ISO 事例 No. 01 ベンチャー企業の事業拡大フェーズでマネジメントシステム活用 創業者のノウハウをマネジメントシステムで見える化 神奈川県川崎市に本社を構えるアップコン株式会社は 床の沈下 凹み 段差 傾きを超短時間で修正する アップコン工法 を 開発した施工会社です スピードと環境を重視した経営を行い 社会貢献度の高い研究 開発型の企業となることを目指します 2005 年 : 本社 仙台事務所 大阪事務所 九州事務所を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2008 年 : 本社 仙台事務所 大阪事務所 九州事務所を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2008 年 :ISO9001 ISO14001 統合 I ベンチャー企業の事業拡大フェーズで I マネジメントシステム活用 海外で建築関係の仕事をしていたとき アップコン工法の原点となる地盤沈下修正 工法に出合った松藤社長 地盤沈下の多い 日本で役立てたいと思い 2003 年 6 月に起 業をしました 建設業は ISO の認証を持っ ていなければならない と言われ始めた時 期でしたが 起業当時はたった 1 人 知名 度のない工法をすぐに採用してくれる顧客 もなく 営業をしながら経営を軌道にのせ る日々の業務に追われ 当時はマネジメン トシステム ( 以下 MS という ) に取り アップコン株式会社 代表者 : 松藤展和 資本金 :3,800 万円 業務内容 : 土木工事業及び建築工事業 従業員数 :40 名 所在地 : 神奈川県川崎市高津区坂戸 組んでいる余裕などありませんでした そ んな多忙な状況の中でも実績を少しずつ積 み上げていき 同時に即戦力となる業界経 験者を雇用し 社員を増やしていきました その数が 10 名を超えたころ 数年後の会社 環境のことを考え始めました きちんとし た仕組みを作り 社員がもっと増えていっ たとき 松藤社長が居なくても会社が回り 続けるよう 環境を整える必要があったの です そこで MS の構築と認証取得を目指 しました KSP 東棟 611 URL: MS 構築と認証取得に向けた活動を開始 して間もないころ その活動を一度中断し てしまう事態に陥りました 同社は営業か ら施工まで全て自社の社員が行っており その範囲は日本全国 当時の少ない社員数 では 活動を続けることが困難だったので す それを再開するキッカケとなったのが 建設業は利益を出すこと以上に事故 ( 営 業的トラブル ) を起こさないことが重要 という松藤社長の考えでした 現場状況の 確認 ( 事前調査 ) や契約など 顧客と密に 打ち合わせをしますが 連絡の行き違いや 議事録漏れなどが原因で 小さなトラブル につながることも何度か経験 このよう な事態を未然に防ぐため 社長の強いリー ダーシップのもと 社内制度の確立を業務 の優先課題とし MS 構築と認証取得に向 けた活動を再開したのです MS を構築し通常業務に組み入れること で 社内での漏れがなくなり 現場での作 業効率も良くなりました 書類に誤りがあ ればやり直し 逐一記録を取るなど徹底し 業務の一環として MS を根付かせることに 成功しています このような活動により 2005 年に ISO9001 認証を取得しました I マネジメントシステム統合を機に I MS が日常に スピードと環境を重視した経営を行う 16 マネジメントシステム活用事例集

19 産業分類 総合工事業 統合した文書フォーマット 情報受付票兼不適合 再発防止報告書 業務上ミスの見える化にも活用 という経営方針に従い 同社は環境分野の MSへの取り組みを開始し 2008 年には ISO14001 認証を取得しました 施工で使用している材料 ( ウレタン ) の完全ノンフロン化開発や 施工中に発生するCO 2 排出量が従来工法より90% 以上も削減できることなど 環境にやさしいアップコン工法 環境保全の工法であることをアピールすることで 安心して顧客に同社工法を採用してもらうことができるようになったのです 取得した2つのMSをさらに円滑に運用するために MSの統合に乗り出します 施工を担当する技術部と顧客対応を担当する営業部の間で異なっていた文書フォーマットの共通化など 業務の見直しを実施 その作業は社員一人一人のMSに対する取り組み意義を更に高めることができました MS だから と肩に力を入れることなく 日常に上手く組み込んで自然な形でMSを実践しているのが 同社の強みだと言えます す これらの目標を社員それぞれが意識し クリアすることで 社員のモチベーション向上につながっています 二つの 目標の見える化 にも取り組んでいます 一つ目は トップレベルの実力に全員を引き上げるという考え方を根底に業務マニュアルを作成し 全員で技術部門のスキル基準を共有し 技術の見える化 を進めています 二つ目は 業務上ミスは ミスをした社員が中心となって分析し 過去の事例集としてまとめて全員と共有することで 業務上ミスの見える化 を行っています 顧客満足度の管理もまた 数値化して分析できる形式のアンケート様式を採用し 全社員が客観的な視点から自分たちの社会的評価を共有できるようにしています このように同社のMSはさまざまな業務の中で 会社全体のモチベーション向上や成長の糧になっています 社員数が増加しても一定の業務品質を保つためのツールとして MSはさらなる効果を発揮するはずです 松藤社長が今 もっとも重要視することは 末端の社員も中間管理職も経営陣も 実施者全員がメリットを感じられるか否か 今後も全社員がそれぞれのメリットを感じ 自分を成長させ モチベーションを維持し続けられる会社として MSを活用した業務基盤の整備を進めていきます I 目標の定量化と見える化で I モチベーション向上 I 小規模であるからこその I マネジメントシステム 同社では社員の動機付けおよび より取り組みやすくなる環境整備のため 客観的かつ具体的で分かりやすい数値目標など 定量目標を設定することを大切にしていま 創業から11 年経ち 現在 40 名というところまで拡大しましたが 同社にとっては まだまだ私の目が届きやすい人数 と松藤社長は言います 今後 事業規模が拡大し 松藤社長 マネジメントシステム活用事例集 17

20 ISO 9001 ISO ISO 事例 No. 02 本業に合ったマネジメントシステム規格を最大限活用 戦略的 BCMS 構築により保守業務改善と企業価値向上 東京都千代田区に本社を構える株式会社ウェルシイは 社是に 地球環境向上 を掲げ 地下水膜ろ過システムに代表される 水 に関する事業を行っています 年 12 月には三菱レイヨン株式会社のグループの一員となり 国内外の水問題に対して取り組んでいます 2002 年 : 本社を登録範囲とし ISO9001 ISO14001 認証取得 年 : 水質分析センター部門である日本エコロジィ研究所を登録範囲とし I S O / I E C ( 分野は限定 ) 認定取得 I ベンチャー企業にとってマネジメント I システムの認証取得は信頼の証し 株式会社ウェルシィがマネジメントシス テム ( 以下 MS という ) に取り組み始めた 当時は 同社がベンチャー企業であったた め 世の中から一人前の企業として認めら れるよう 外部評価を高めるために MS 認証 取得を目指しました 実際に 同社は 2002 年に ISO9001 および ISO14001 の認証を取 得しましたが 当時は同分野の競争相手が 中小企業であったこともあり これが差異 化要因の一つになったと考えられています また 同社の当時の業務は どんぶり勘定 株式会社ウェルシィ 代表者 : 宮田栄二 資本金 :37,350 万円 2013 年 : 本社に加え支社と日本エコロジィ研究所を登録範囲とし ISO22301 認証取得 2014 年 :ISO9001 ISO14001 の登録拡大 ( 関西支社 ) 及び統合 業務内容 : 地下水膜ろ過システムなどの設計 従業員数 :150 名 施工 メンテナンス 所在地 : 東京都千代田区麹町 URL: だったところ MS の構築を通じたマニュア ル整備に向け 一つ一つの業務の洗い出し を行い 業務プロセスの確立とガバナンス の強化を進めました と宮田社長 ( 以下 社 長 という ) このような活動を通じ ベン チャー企業を一人前の企業に進化させたと の観点で一定の効果があったと社長は実感 しています さらに 環境面では 電気やガ ソリンの使用量を減らすことを目標に掲げ MS の PDCA を実施し 実際に掲げた目標を 達成することができました しかし これらの取り組みは次第に停滞 することになります 環境目標についても 果たして経営と関係あるのか? との疑問 が生じ 企業として取り組むことの動機付 けが難しくなりました I 本業目的と一致した I ISO22301 同社の転機は 2012 年に発行された社 会セキュリティ 事業継続マネジメントシ ステム 要求事項 ISO22301 への対応を進 めたことでした これにより MS の組織へ の浸透が進んだ と感じられました 理由 は 同社の事業範囲が規格の主旨に合致し ていたという点と 適用範囲を本社のみか ら支社 日本エコロジィ研究所に拡大した こと の二点があると考えられています 一点目について 同社は地下水膜ろ過シス テムに代表される 水 に関する事業を行っ ています 災害発生時に水を確保することは どの企業においても死活問題です 公共水道 の断水時に同社が提供する地下水膜ろ過シス テムにより地下水の供給が可能となれば 事 業継続の一条件が整うこととなります そこ で同社は 社内の BCMS 構築が取引先の事業 継続に直結するとして 防衛的な BCMS では なく 戦略的な BCMS の構築および認証取 得を目指しました 2013 年の同社の BCMS 認証取得への動きは 東日本大震災以降の関 心の高まりから国連国際防災戦略事務局のほ か 多くのメディアにも取り上げられました 2 点目について 同社の ISO9001 および 18 マネジメントシステム活用事例集

21 産業分類 技術サービス業 戦略的 B C M S 構築のポイント 1 自社のBCP 向上顧客 社会のBCP 貢献 2 防衛的なBCMS 戦略的なBCMSの構築 3 単なる事業継続ではなく事業継続経営の視点を持つ めったに起こらないこと すなわち非日常に対する事業継続ではなく 日常の事業継続課題に取り組む視点を持つ また 事業継続ではなく事業継続経営の視点を持つ つまり 単なる防衛的な事業継続ではなく 企業価値を高める事業継続経営を目指す ~ 顧客 社会のセキュリティ向上に本業で貢献し 経済性と両立させる~ ISO14001 認証の範囲は 本社だけとしていました そのためか 本社以外の社員は 本社の話で自分には関係がない と他人事と考える傾向がありました BCMSの構築と認証取得に際しては 一点目の理由により全社で展開することとしたため 支社や日本エコロジィ研究所のほとんどの社員が興味を持って対応しました 自分たちの仕事が顧客や社会に貢献している実感を持つことが 協力の大きな動機付けにつながったと思われます なお BCMS 構築では演習が重要な活動と考えられており 全社演習で寄せられるさまざまな意見や課題を解決に向けて継続的に検討することが 同社の顧客満足度を高める一つのストロングポイントとなっています I 経営に直結する目標設定同社はMSにおいて二つの重要な指標 装置の異常発生率 と 工期短縮 を設定しています 顧客先に設置した装置の異常発生率を下げるためには 装置の保守作業品質を上げることが大切で そのための取り組みを MSの枠組みの中で実施しています 工期短縮についても 現地での据付作業の品質向上をすることで実現しています これらの指標を改善することは顧客満足度を向上し 経営的にも収益に直結する内容となっています 単なるMSの目標ではなく 経営 の目標に近付けるということは最もMSを活性化させる要因であると感じています MSを戦略的に活用すれば企業業績につながると考えています 組織体制面での工夫としては 今まで ISO 管理責任者を部長レベルとしていましたが 新たに本部長レベルに責任を課したことで権限が全社に波及していきました 業務監査と内部監査が一本化すれば さらに新たな展開が生まれてくるでしょう 株式会社ウェルシィでは こうしたさまざまな工夫を重ね 順調に推進していましたが MSに知見のある社長には 現場の社員になんとなく やらされ感 があり 経営と離れている印象がありました 経営と MSのダブルスタンダードになっていないか? という思いが 社長の頭を離れませんでした そこで 同社では発想を逆転させ 経営の方にMS 規格の要素を組み込もうと思っています 2013 年にオーナー会社から三菱グループとなり ちょうど組織の成り立ち方が変わってきたころでした 以前は 仕事が個人に落とし込まれる形でしたが 現在では組織に落とし込まれていて MS 構築の原動力はこの辺りが関係していると思います I 今後の事業展開について 2013 年に 国連開発計画のプロジェク トとしてケニアで生物処理を活用して運河の水を利用してろ過する装置を導入しました その結果 単なる飲み水の確保だけではなく 飲料水の販売 野菜の栽培にも成功し ケニアの地域活性化に貢献しました 社長は 今後は 地下水膜ろ過システムを中心に 国内だけではなく海外でのさらなる展開を目指しており この分野で日本の代表企業になっていきたい と意気込みを語ります 海外からも信頼された企業として認められるため国際規格であるISO 認証は大変重要です 宮田社長 マネジメントシステム活用事例集 19

22 ISO 事例 No. 03 マネジメントシステムを活用した業務改革 トップマネジメント主導の組織力強化 東京都青梅市に本社を構える青梅ガス株式会社は 環境性能に優れ安定した経済性を持つエネルギー 天然ガス を埋設導管網により都市ガスとして供給しています また 温室効果ガス排出抑制に貢献すべく自動車用燃料ガス充填施設 エコ ステーション を開設しています 青梅ガス株式会社 代表者 : 中村洋介資本金 :4,500 万円業務内容 : ガス事業 ガス設備 機器の販売など従業員数 :57 名所在地 : 東京都青梅市新町 8 丁目 8-13 URL: 年 : 本社 末広事業所を登録範囲とし ISO14001 認証取得 I トップマネジメント主導で業務改革時代の流れを読み マネジメントシステム ( 以下 MS という) の国際標準に従い 業青梅ガス株式会社は 東京都青梅市に本務見直し を行うこととしました 社長と社を構え 天然ガス を供給する都市ガしてもMSに無縁だった組織が MSの構築 ス会社です 認証を通して実体験してもらうことが重要中村社長は 以前に勤務していた会社で と考えました システムエンジニア支援スタッフの経験がまた 天然ガスを販売する会社として あります PMBOK 1 CMMI 2 などに触れ環境に関するMS 認証を取得していることてきた経験から 標準化には比較的なじみが 付加的に 営業上有利になるのでは がありました 同社の社長就任後 業務のとも考え ISO14001を選択しました 棚卸しを実施したところ 業務上の法定以外の記録が一部残っておらず 過去にさか I 事業内容に合ったISO14001 のぼって確認できない状態にあることが判明しました これを解決するため 日々の 2005 年同社は 東京都内の都市ガス会社業務の記録付けなどの業務を従業員に定としてはかなり早い段階でISO14001 認証着させる必要があると考えました そこで を取得しました 当時はマスコミからも注 目を集め 宣伝効果が得られたと社長は考え ています 折しも世の中で環境対策がブームになっ ていたときに重なり 会社としても天然ガス 事業を開始したばかりで そのタイミングで 環境の MS を利用して 会社の持つ強みを表 現できたことは 大きなメリットだったよう です 実際の活動は 課長クラスが作成する業務 分析 環境影響評価をトップが評価し 目標 を設定 修正しています また全項目に対 し環境影響を考えるのは難しいですが 考え ることに意味があるとの信念のもと すべて の目標項目に対して 考えうる環境影響との 関係性を記述する欄を設けるなど 事業活動 が環境にどう影響するかを考える工夫をし ています 具体的な例としては CS 向上 という目標に対して 環境影響の欄には CS が向上することで客先への出動件数が減少 し 営業車の排気ガスの削減につながる な どと記載しています I トップマネジメントが会社を導き I MS に慣れてきた ISO14001 の現場への浸透は 当初から 上手くいったわけではありません MS 認 証取得から 2 年は 書類作成の負担感が強 20 マネジメントシステム活用事例集

23 産業分類 ガス業 業務分析と環境側面抽出表 く 業務圧迫の傾向が見られました しかしMS 構築から5 6 年目には現場の習熟度も上がり通常業務とMSをうまく結び付けて業務目標を設定できるようになりました そして 8 9 年目には 内部監査の能力も当初に比べ格段に向上し 現場リーダーがISO14001に即した監査事項を自力で考えることができるまでになりました 時間はかかりましたが MSの活動を通じ 現場の人材にまでしっかり浸透させることで 人材の育成にも役だったと感じています また 天然ガスは石油や石炭に比べ環境負荷が小さく 同社の事業活動そのものを環境 MSの活動につなげることが可能でした このMS 活動と事業目標を一致させたことは 企業としてMSに取り組む理由や社員のMSに対する意識向上にも役立ったと中村社長は当時を振り返ります 同社のMSの取り組み方の特徴は MS をベースに業務を見直す のではなく 業務をベースにMSの要求事項を取り入れる 方法を徹底した点です このような経験を踏まえた組織であったため MS 以外のフレームワークである日本ガス協会の ガス会社のリスクマネジメント指針 にも大きな抵抗感なくスムーズに取り組むことができました I 動機付けの仕組みの構築が課題 動機付けの仕組みの構築は まだまだ検討が必要である と 中村社長は考えています ISO14001の要求事項に 全社員に環境要求を周知する事項がありますが 大切なのは社員全員の頭の中にしっかりと入っていることであり 形式的な勉強会 テストを実施しても意味がありません ISO 事務局としては 社員全員に環境方針を記載した書類を携帯させたり ISO 推進 担当者を定期的にシャッフルしたりしていますが まだまだ満足できる水準には達していないようです トップマネジメントによるレビューを通して社員への動機付けを強化していきます 1 プロジェクトマネジメント知識体系ガイド ( プロジェクトマネジメント協会 ) 2 能力成熟度モデル統合 ( カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発 ) 左 : 川口常務右 : 中村社長 マネジメントシステム活用事例集 21

24 ISO 事例 No. 04 リサイクル事業者が業界トップクラスの生産性に挑戦 ゼネラリストを目指す社員教育にマネジメントシステムを活用 福島県須賀川市の大越工業株式会社はリサイクル事業を行っている会社です 工場から発生するスクラップ材 建物などの解体金属 設備更新で発生する廃機械設備 自動車などを 再資源化原料としてメーカーに還元します 単なるリサイクルにはとどまらず 使用済製品の性状 組成の研究からオリジナル設備の開発まで リサイクル技術の研究開発をベースに 限りない再資源化率の向上に挑戦しています 大越工業株式会社 代表者 : 大越幸男 資本金 :3,000 万円 2003 年 : 本社 工場 第二工場を登録範囲とし ISO14001 認証取得 業務内容 : 製鋼原料スクラップ事業 ( 中間処理リサイクル事業 ) 自動車リサイクル事業 ( 全部再資源化コンソーシアム事業 ) 物流ネットワーク事業ソフトウエア開発事業 従業員数 :21 名 所在地 : 福島県須賀川市横山 140 番地 URL: しました 相場に価格が連動する業界のた め これまでは経営者がその場で決めるフ ラットな組織でしたが MS の構築ではそ れでは通用しませんでした そこで 初め てリーダーを置き 組織化に取り組むとと もに 意識改革や人材育成を進めていきま した I 専門職よりもゼネラリストを I 目指した社員教育 I リサイクルに取り組む企業という I アピールが必要 大越工業株式会社が環境マネジメントシ ステム ISO14001 認証取得を意識し始めた のは 10 年ほど前のこと 当時 鉄スクラッ プ業界において産業廃棄物処分業や収集運 搬業の許可が必要になったことや 社会的 に不法投棄の問題がクローズアップされた 背景もあり リサイクルという良いこと に取り組んでいる企業であるというアピー ルをして 社会から信頼される企業になり たいと考えた と 駒形取締役はそのきっ かけを語ります マネジメントシステム ( 以下 MS と いう ) の認証取得に取り組むことは決め ましたが 進め方などは全くの未知の領域だったため コンサルタントに支援を依頼しました 取締役は コンサルタントがひな形を元にマニュアルをどんどん作ってくれるものと思っていたところ ひな形はない 自分で作ってくれ と言われて 実際に提供されたのは 作り方のアドバイス だけでした やむなく自分たちで取り組み始めると 仕事のマニュアルはあったものの それが規格のどの項目に結びつくのかが分かりませんでした この業界では文書よりも口頭で仕事のやり方を伝えていくことが多かったので 文書を書くことに慣れていなかったためです また MSを取り入れることで責任の所在や組織的な仕組みが問われることを痛感 MS 導入時には社員も戸惑っていたようです しかし PDCAを回していくという基本的なことの知識もなく 現場主義一辺倒だったところへ 社員教育などソフトを入れていくことに MSは大いに役立ちました 同社ではまず 仕事を棚卸しし 5グループ ( 事務 収集 運搬 鉄リサイクル 車リサイクル 研究開発 ) に分類 それぞれにリーダーを設置しました さらに毎月 1 回のグループ会議 年に1 回の全員参加でコミュニケーションとコネクションを目的とした全体会議を行いました 朝も早く全員車通勤であり いわゆる 飲みュニケーション は難しく 会議の場が重要なものと位置付けられています コネクションとは作業工程を踏まえたグループ同士の連携のことを指しています 例えば 収集 運 22 マネジメントシステム活用事例集

25 産業分類 廃棄物処理業 社員全体会議 業務分析と環境側面抽出表 搬グループの次はリサイクルグループの作業となりますが ここの連携が悪いと時間がかかり 顧客にご迷惑を掛けることになります 荷下ろしの順番を一つ見直すことで 全てが連動し改善されていくことから取締役は 次工程がお客様 前工程は神様 コネクションへの配慮が大切だ と強調します さらに MSは 目標 と チェック という二つの視点を同社に与えたと取締役は考えています 目標 は社員のモチベーションに直結します 同社では目標設定に顧客満足度調査を取り入れ 満足度 100% を目指しています その他の目標については12 項目に対し毎月点数付けをしており 今後も具体化 細分化を進める予定です 一方 チェック はダイレクトに品質に結び付きます 内部監査の体制を整え 各グループのリーダー 5 名 + 責任者 1 名 =6 名が二人一組になり 他グループを監査し 議事録は持ち回りで書くことにしています 更新審査から3 年の維持の間は 細分化しながら最終的に全体を見ていく形にしました 全部を一度に評価するのは難しいため 今年はここに注目する などメリハリをつけていっています またMSを始めて社員教育や内部監査の体制を整えたことで 一人一人の業務の範囲が広がり 全員が業務のローテーションに入ることが可能になりました スペシャリストよりもゼネラリストを目指すことで 人手不足のときにも仕事を融通し合えるようになりました 景気が変動した場合でも 限られた人員で業務を遂行できる効果が出ています I 社員一人当たりの生産性は I 業界トップクラス MS に取り組み始めた当初 社員数は 26 名でしたが 現在は 21 名で 扱いトン数は 当時の約 1.5 倍となりました 一人当た りの生産性は業界トップクラス と 取締 役は胸を張ります 第二工場では自動車リ サイクルを手掛けていますが こちらは日 本で二番目に 全部リサイクル を達成し 現在は福島県内の約 6 割の自動車リサイク ルを担当しています それを支えているのが 社員の総合的な レベルアップです 前述の内部監査体制に 取り組んだ結果 課題や原因分析をレポー トにまとめる仕組みができました MS 導 入が社員教育として果たす役割は大きかっ たようです 実際にその成果が見えたのは 東日本大震災のときでした 大越工業の ある福島県では被害が甚大でしたが リー ダーたちがすぐに何をしたらよいかを考え て動くことができました 大災害という事 態を乗り越えるためにどうすればよいの かを考え お客様に適切な情報を提供して いったのです また 思わぬ効果として 大手企業を含む 取引先の担当者が 環境対策の責任者であ ることが多かったため 共通の MS 用語で効 率的に会話ができるようになりました MSは価値基準の一つとして評価 I 一種の社員教育として今後も継続 MS 認証を継続していくにはある程度の 費用がかかりますが 費用対効果はそれ なりに高い と大越社長 MS 認証を保有し ているのは今や当たり前のことで 保有し て初めてスタートラインに立てていると感 じている様子 ISO は国際標準であるため価値基準の一 つとして評価しており 認証取得は一種の社 員教育と考えています 研修費だと考えれ ば決して高いものではないという認識のも と MS 認証の継続への努力を続けています 左 : 大越茂由氏中 : 大越幸男社長右 : 駒形取締役 マネジメントシステム活用事例集 23

26 ISO 9001 ISO ISO 事例 No. 05 予防 のための ISO マネジメントシステム 審査は認証機関と社員の真剣勝負の場 岐阜県揖斐郡に本社を構える株式会社大里ラボラトリーは パパイヤ発酵食品 Immun' Age FPP(Fermented Papaya Preparation) の製造を行っています パパイヤ発酵食品を人類の健康づくりに役立てると同時に 各国の医療費負担の軽減を目指します 株式会社大里ラボラトリー 代表者 : 林幸泰資本金 :500 万円業務内容 : パパイヤ発酵食品 FPPの製造従業員数 :18 名所在地 : 岐阜県揖斐郡大野町大字稲富 2118 URL: を評価しています 同社ではISO 理念を主力製品であるFPP にちなんで Fantasy( 夢ある想像性 ) Passion( 情熱を懐き ) Principal( 物事の本質を問う ) の3 本柱を策としています その結果 社員一人一人の感性が磨かれ 業務内の些細な変化に気付くことができ 大きな問題になる前に予防策が取れるようになりました I あえて統合せず審査を機会と捉える 1999 年 : 工場を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2002 年 : 工場を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2007 年 : 工場を登録範囲とし ISO22000 認証取得 2011 年 : 工場を登録範囲とし FSSC22000 認証取得 I 製品品質の安定確保 持でした 品質を安定させることが最も 重要かつ難しいと感じたため と林社長は 株式会社大里ラボラトリーはパパイヤ 言います 食品会社は たった一つの不良 発酵食品 Immun Âge FPP(Fermented 品の発生が大きな社会的インパクトを引き Papaya Preparation) の製造を行ってい 起こしてしまうため リスクマネジメント ます FPPは 予防医学 に役立つ可能性 を徹底するために取り組んだという背景が が着目され 多くの国際ジャーナルでさま あるようです ざまな研究論文が発表されています 林社長はまた トップマネジメントの視 1999 年ごろ 海外へ事業を展開しよう 点から 会社のトップに重要なことは 社 とした際 各国政府の各種規制への対応と 員に夢とビジョンを示すこと マネジメン してISO9001の認証取得が必要と判断し トシステム ( 以下 MS という) は トッ 対応を進めました プの思いを伝える良いツール 現場レベル 販売事業のために認証を取得したのは事 において ボトムアップでシステムを構築 実ですが 真の理由は FPP 製造の品質維 したことが成功の秘訣です と MSの効用 同社は現在 ISO9001 ISO14001 ISO22000 FSSC22000の4つの規格の認証を取得していますが それぞれの規格の持つ意義が薄くなることを懸念し あえて統合運用は行っていません 品質と環境は相反する面があり それを両面で捉えてバランスを取っていくことこそ経営である という考えが根底にあるからです 統合運用を行わない理由は もう一つあります 認証機関による審査が1 年に4 回は必ず実施されることです 林社長は 審査は審査員と社員の真剣勝負の場 と考えています 審査員は真剣に業務改善箇所を指摘し 社員は真剣に受け答えすることで お互いに良いスパイラルが生まれています そのため 審査員に対する要望も厳しく 品質 環境 食品のそれぞれの分野のエキスパートであること キャリアが豊富であることを求めます 審査で受けた指摘については 指摘そのものにペナルティを 24 マネジメントシステム活用事例集

27 産業分類 食料品製造業 ( 株 ) 大里ラボラトリーの I S O 理念 ISO 理念 FPPを製造している株式会社大里ラボラトリーでは その理念をFPPにちなんで次のように掲げています F Fantasy 夢ある想像性 P Passion 情熱を懐き P Principal 物事の本質を問う 課すことはないので 全て報告するように と指導が徹底されており 社員の意識も導入当時と比べ 大きく変化しています さらに社長は 更新審査の結果が仮に不適合となり 認証取得が更新されなくても問題ないと社員に伝えています 組織として抱えている問題が改善されずに放置され続ける方が大きな問題であり 審査によってそれらが明確化されれば 組織としては最大の 予防 であると考えているためです この他 社内活動として月に1 回実施する衛生検査の中で MSの文言の意味について社員がお互いにチェックする活動を行なっています 日ごろからMSの概念を定着させる地道な努力を怠りません I 社員全員を内部監査員に同社では 社員全員が内部監査員を担当しています 内部監査員になることで 自分が事業全体に関わっている という自覚が芽生え 主体性が目に見えて向上します 特に新入社員にとっては 良いモチベーションになっています 内部監査員が最初にぶつかる壁が 日常業務をMSのフレームワークを通して再認識すること です これを乗り越えれば 本来の業務の目的や連続性などが理解され モチベーションが高まっていきます 内部監査も 認証機関の審査同様 真剣勝負の場 として最重要視しています I 食品規制関連の規格の I 認証取得を目指す 同社は 日ごろから組織として有事の 際の対応方針を決め 文書の整理も行き 届いています そのため 東日本大震災が 発生した際にも翌営業日には業務を立て 直し 製品の放射線被ばくの分析検査を いち早く依頼することができました 他 の食品会社などから分析会社に依頼が殺 到するころにはすでに FPP の販売を再開 することができ 莫大な営業損失を回避 することができました 東日本大震災そ のものを予期していたわけではありませ んが MS による日々のリスクマネジメン トの徹底が功を奏した事例といえます 現在では MS を柔軟に使いこなしてい る同社でも ISO9001 認証取得後しばら くは 苦難の日々が続いたと言います ISO 規格の要求事項の裏に隠された本当 の意味が理解できていなかったので 審 査員からの指摘の本質がつかめず悶々と する日々が続きました ISO9001 認証取得から 3 年程度経過し たころ これまでの業務改善が功を奏し 効果が見え始めました とにかく 3 年 やってみることです 徐々に効果が見え 始めることで モチベーションが高まり ます と 岩井 ISO 管理責任者は語ります 15 年以上の ISO への取り組みを振り返り MS 導入が成功していない会社の特徴と 林社長 して1トップマネジメントがMSに取り組む意義を組織内に説明していない 2 現場レベル ( ボトムアップ ) でシステムを構築していない という状況があるのではないかと林社長は考えます つまり トップがいかに組織としてのビジョンを社員に正確に示し 現場の社員を巻き込んだ体制づくりができるかが鍵になると考えています 林社長は 今後については各国の食品規制に関連する規格の認証を取得し これによって販路の拡大を狙う一方で さらなるリスクマネジメントの高度化と 人材育成の両輪を実現していくというビジョンを語ります マネジメントシステム活用事例集 25

28 ISO 9001 事例 No 名の小さな組織でマネジメントシステム認証取得 息子が跡継ぎに父の ISO マネジメントシステム活用という決断 神奈川県横浜市の住宅街に拠点を構える有限会社オニム精機製作所は 硬さ試験機の修理および校正を行っています 家族経営で社員 3 人の企業でありながら高い校正技術を保有し 製造系グローバルメーカーとの取引を拡大しています 2002 年 : 本社を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2008 年 :JCSS( 校正事業者登録制度 ) 認定取得 I 事業継承のための I マネジメントシステム 企業が生き残るためには 特徴を出す ことが必要だ と 海野社長が本気で考え るようになったのは ご子息への事業継承 がきっかけでした 有限会社オニム精機製作所は 従業員 3 名の小さな組織 ご子息へ事業を引き継ぐ にあたって 特徴ある企業 を模索して いた社長は 持続的に成長できる体制作り を目指してマネジメントシステム ( 以下 MS という ) 規格に着目しました 当時は大企業を中心に取得が進む MS 認 証でしたが 社員 3 人の企業でも認証は 有限会社オニム精機製作所 代表者 : 海野英之 資本金 :300 万円 業務内容 : 硬さ試験機校正事業 従業員数 :3 名 所在地 : 神奈川県横浜市南区清水ケ丘 16 取れる と同業数社に声を掛け 2002 年に 勉強会をスタートさせました 土日祝日を 利用して MS とは何か という初歩のレ ベルから コンサルタントが指導する勉強 会が 1 年半継続して行われました 実際に ISO9001 認証の取得を目指して 活動を始めてみると 慣れない文書化に関 する作業が壁となって立ちはだかりました 普段は業務上の情報伝達も口頭で済んで しまうので わざわざ紙に書く必要がなく 文書の作成自体がなじみのないものだった からです そのため 認証取得に必要な書 類を確認し 文書の作成 修正をする作業 には大変な苦労がありました 特に 社長 ご子息 コンサルタントが思い思いに自分 の意見を言い合うので それをまとめてひとつの形にしていく作業は容易ではありませんでした しかし その過程が お互いの考えや立場への理解を深め 力を合わせて推進しようというコンセンサス醸成の一助にもなりました I MSは本来業務と一体 ISO9001 認証取得への取り組みを積極的に進めていた一方 社長には ISO9001 に取り組む必要性 社員 3 人の企業で本当にできるのか? という思いがつきまとっていました そんなとき コンサルタントが口にした 本業の業務にMS 規格の要件を取り込めばいい という一言にピンとくるものがあったといいます そこから オニム精機製作所流の 普段の仕事を見てから要求事項を見る 取り組みの基本スタンスが決まり これを徹底していく過程で社員の意見を集約し 贅肉のないマニュアル を完成させることができました ご子息が取り組みに本気になったのも このときからです ISO9001 認証取得から6 年が経ったころ 今度は大企業の取引先や顧客企業からJCSS 認定取得の要求が高まりました JCSS 認定とは 独立行政法人製品評価技術基盤機構が制度化した校正事業者登録制度です JCSSのロゴマークが貼付された製品は 認定を受けた校正事業者が校正を行った証しとなり 信頼性が高まるとともに 26 マネジメントシステム活用事例集

29 産業分類 技術サービス業 贅肉のないマニュアル体系 贅肉のないマニュアル 管理文書 品質マニュアル 伝言帳 (note) 文書化要求のある6つの手順は すべて品質マニュアルの中に手順を記述することで管理対象文書を最少にしている 校正業務手順書 校正( 検証 ) 手順書 帳票類 受注状況を含むあらゆる情報を記録 輸出する際に有利になります また JCSS 認定を取得することにより ISO/TS16949( 自動車産業向けの品質マ ネジメントシステムの技術仕様 ) の要求事 項を満たすことができ 企業競争力が上が ります I 大企業と同じ土俵で I コミュニケーションが可能 有限会社オニム精機製作所にとって ISO9001 と JCSS は 信頼のお墨付き で あり 成長と発展のための 特徴 にもなっ ています 実際に ISO9001 認証を取得し ていることで小さな企業であっても信頼が 得られ受注増に結びついたり 大企業を含 む顧客企業からの監査が簡素化 簡略化す るなどコスト削減にも役立っています さらに MS 認証を取得していることで 仕事の入り口が広がり それまでは商談前 に門前払いされていましたが それも MS 認証取得後は少なくなりました 大企業と 相対しても 同じ土俵で 会話ができ 品 質に関するコミュニケーションの共通認識 が得られるということは大きな意味を持っ ています 海野社長は MS 認証を取得し ていることで 工場に入れてもらうことが でき 自分たちの技術力を見せられる 技 術力が見せられればこっちのもの と 認 証取得のパワーを十分に生かしています さて MS 認証取得は意外なところにも 効果を発揮しました 同社のトップである 社長とご子息とは親子の関係であるため どうしても考えが なあなあ になりがち な一方で 考え方が違う場合はぶつかり合 いも激しく お互い頑固になってしまうこ ともあります そうした時に外部審査があ ると 社内に良い緊張感を与えるだけでな く お互いが冷静になり 論理的に議論で きる機会を提供してくれるのです ご子息への事業継承をきっかけに 二つ の認証は 1 従来の業務の中で品質の向上 を実現する ISO 信頼性を高めて特 徴を打ち出していく JCSS という大きな役 割を担っています 同規模の会社で JCSS を取得している会 社は存在しない という社長の言葉は 小 規模の弱みを逆手にとり 一歩抜きん出た 強みに変えることができたという自負と 強みと弱みを理解して生かすことこそが 事業の成長と次世代への継承に重要である という意識がうかがえます I 3 名の小さな組織でも I MS は運用可能 現在では MS 活用で成果をあげている同 社ですが 当初は 3 名の小さな組織で MS 認証を取得して 本当に運用を継続できる のか? という不安からの出発でした 長 続きさせるには 業務量を増やすことなく 時間と労力を掛けずに運用していくこと が必要になります そこで 頭を悩ませて 試行錯誤し 外部コンサルタントからのア 海野社長ドバイスを受けて辿りついたのが 前述の 本業との一体化 を根幹にした シンプルな運用の仕組み作りです ISO9001に特化した記録類は思い切って簡略化し 個別のマニュアルを統合して手間と無駄を大幅に削減しました 認証取得を決めた時から長期にわたる地道な活動で理解を深めてきた 有限会社オニム精機製作所 時の経過とともに MSを発展と成長の基盤として 次世代に継承するために十分な信頼と特徴 を獲得するまでとなっています マネジメントシステム活用事例集 27

30 ISO 9001 事例 No. 07 マネジメントシステムは人を作る 教育への取り組みが個人と企業の成長 長野県上田市に本社を構える株式会社カワベ工業は 精密板金加工メーカーとして深い経験と独自のノウハウで 顧客満足度の高いオーダーメードの筐体 ケースを専業で製作 提案志向とスピーディーな一貫対応力でユーザーの課題解決に貢献しています 2004 年 : 工場を登録範囲とし ISO9001 認証取得 I 会社を大きくしていくのが I 経営者の醍醐味 株式会社カワベ工業は 精密板金加工を 主な事業とし オーダーメードの筐体 ケー スを製作する会社です ISO9001 認証取得のきっかけとなった のは 1990 年代 バブル経済の崩壊に直面 し 地元メーカーの下請けだけでは経営が 厳しい状況となり 県外へも仕事を求める ようになりました 田中社長が大手企業を 営業で回ったところ 契約の必須条件では なかったものの 工場監査が ISO9001 に準 拠している企業が多いことが分かり その 必要性を痛感したのです 地方でなら ISO9001 を取得すれば他社 株式会社カワベ工業 代表者 : 田中光政 資本金 :1,000 万円 業務内容 : 金属の筐体及びケースの製作 従業員数 :30 名 所在地 : 長野県上田市富士山 URL: との差別化ができる と考え 取り組みを 開始したのですが 当初 職人気質の社員 の中には 細かな記録を付けなくてはなら ないなど 決められたルールを守ることを 窮屈に感じ 退職してしまう人たちもいま した それでも 田中社長はマネジメント システム ( 以下 MS という ) にこだわ りました MS 認証を維持すること = 会 社の質 を維持することだと考え 会社 を大きくしていくのが経営者の醍醐味であ り 会社を成長させていくために MS 認証 取得は不可欠 と判断したのです それにもかかわらず MS 取得後しばら くは ルールを守るのに精一杯になり 維 持するのに苦労しました しかも 期待し たような不良品の減少はみられず 活動も 停滞していました それは不良品発生はその多くが人的側面 ( 忙しい うっかり 面倒 ) などの理由に起因するものであると感じた田中社長は 不良品削減を追求するには 人間の本質を考えることが重要だ と気付きました そして なぜうっかりしたのか なぜ忙しかったのか なぜ面倒に感じたのかを 一人一人からヒアリングしたそうです 不良対策書も 社長が必ず目を通すように作り直し 納得がいかなければ突き返すようにしました 口頭で済ませてきたものを書類にすることで 次第に深く考え 問題を共有することができるようになったそうです I MSは人を作る会社は人の質で決まるものだというのが 田中社長の持論です MSは人を作るのにとても良いシステム 教育システムがない零細企業には 使い方によって優れた人材育成の方法になる と感じ MSを人材育成面で利用することを思い立ちました これを踏まえ社員が個々に目標を立て 毎月 PDCAを回す仕組みを構築しました 目標の大きさは問わず 自分で目標を考え 進捗状況を毎月報告し 上司 3 名からのコメントを本人へ返すという方法です 改善会議の場で5 名ずつ発表していくので 半年に1 度は必ず発表の順番が回ってきます 28 マネジメントシステム活用事例集

31 産業分類 金属製品製造業 製造習熟度マップ この個人目標の取り組みによって 経理 では それまでどんぶり勘定で済ませてい たものを予算管理することができ 必要な ものはまとめ買いでコスト削減へつなげま した また 製造現場では 手順を見直し 製造時間を 10% 短縮できたそうです その他 残業ゼロ などの目標をかかげ 実現に向けてどんな工夫でも自由に取り組 んでよいことにしており 全社的共通目標 の設定 社員の動機付け 経営との目線合 わせを行っています I 組織の成長と個人の成長が I 相乗効果 ISO9001 認証取得後は さまざまなメ リットがありました 最も大きかったのが MS の習熟に伴って 組織の成長と個人の 成長が 相乗効果を上げたことです まず 高卒の新卒採用を初めて行い 教育に取り 組むことができるようになりました まっ さらな状態の新卒社員が MS のルールを 一番スムーズに受け入れることを見つけま した 5 年前からは定期採用も続け そのお かげで社員の平均年齢が 47 歳から 40 歳へ と若返りました 新卒社員は入社してもす ぐに辞めてしまうことがあると思われがち ですが 問題点を放っておかず 少しでも 改善しようとする会社の姿勢が信頼感を醸 成し 高い定着率を保っています MS 構築を機に 習熟度マップが生かされ るようにもなりました 細かくレベル設定 しているので 誰がどこまでやれば一人で 仕事ができるのかがきちんと評価されるの です その結果 社員の習熟度が徐々に向 上し 品質向上にもつながり不良品率改善 により材料や再加工のロスが減りました 社員の習熟度が向上しても ヒューマ ンエラーはゼロにはできません そのた めヒューマンエラー防止対策として 4M (Man,Machine,Material,Method) 管理や 4H( 初めて 久しぶり 変更 引継ぎ ) 管理 などの変化点管理にも取り組んでいます また なぜ苦情が出るのか なぜなぜ分析 も絶えず行うようにしています 品質管理 を通じて 工場の中も数年で見違えるよう にきれいになりました I 品質と環境の両方で社会の中で I 影響力を持つ会社にしたい 環境への取り組みは 現在は ISO14001 ではなく 中小企業向けのエコアクショ ン 21 の認証登録を得ており 水や燃料 などトータルに無駄の削減を進めていま す 一方で 大手企業と付き合うために は 品質と環境ともに国際的な規格に適 合していることが望ましいため RoHS ( 電気 電子機器に含まれる特定有害物 質の使用制限に関する欧州議会及び理事 田中社長 会指令 ) への対応を進めています 今後は 同社を 社会の中で影響力を持つ会社 にしていくことが 田中社長の目標であり そのためには社会に役立つ企業であり続けることが重要だと考えています それには売り上げも利益も拡大する必要があるので 会社を作るのは人である というポリシーの同社にとって MSを活用した人材育成が欠かせません マネジメントシステム活用事例集 29

32 ISO 9001 ISO 事例 No. 08 老舗メッキ会社が取り組む先進イノベーション改革 マネジメントシステムで従業員の新卒退職率が激減 清川メッキ工業株式会社は 誰も思いつかなかった独創的なナノめっき技術による製品の小型化で 省資源 省エネ化を進め地球環境を守り いつの時代もお客様に必要とされ 満足 感動を与える技術を提供し続けています MS という ) の効果はすぐに得られたわけ ではありませんでした 年 :ISO 認証取得 1997 年 :ISO14001 認証取得 2008 年 :ISO/IEC17025 認定取得 I めっき業界初の I ISO9001 認証取得 清川メッキ工業株式会社は 1963 年創 業 自由なる創始の結果が 大いなる未来 を拓く を企業理念に掲げています スマー トフォンやパソコンなどに使用される電子 部品や自動車の制御のための半導体などの めっきを得意とし 近年では バイオ 航空 宇宙 MEMS などの ナノめっき 技術によ り 時代の先端を目指して活動しています しかし 創業して間もないころは めっき = きつい きたない 危険の 3K 職場といっ たイメージがあり 新卒社員はゼロか入社 清川メッキ工業株式会社 代表者 : 清川肇 資本金 :4,000 万円 業務内容 : めっき加工業 従業員数 :230 名 ( グループ合計 ) 所在地 : 福井県福井市和田中 URL: 年 :ISO14001-ASRP(Advanced Surveillance and Recertification Procedures) 適合合格 後すぐに辞めてしまうのが実状でした さ らに 1991 年頃 バブル崩壊が同社にも追い 打ちをかけました このような厳しい環境の中 清川社長は この状況を逆にチャンスだと考え 受注減 であまった時間で ISO9001 の構築 認証 取得に充てることとしました 理由として は 当時は主要大手も認証は取得しておら ず お客様から信頼 安心感が向上するの では との考えによるものでした こうして 景気低迷による時間の余裕を逆手に 1994 年 めっき業界初の ISO9001 認証取得とな りました しかし マネジメントシステム ( 以下 I マネジメントシステム活用で I 従業員の新卒退職率が激減 清川専務が 大手電機メーカから清川 メッキ工業 ( 株 ) に戻ったとき ISO の取り 組みについてある違和感を覚えました 大 手の仕組みを参考に作ったものの やや形 式的な面があると感じたのです ISO9001 認証取得から 3 年 社内の MS に対する理解が進んだタイミングで ISO14001 にも取り組むこととしました こ の際専務はメーカ勤務時の MS の経験を生か し 業務マニュアルの抜本的改善を進めるこ ととしました 形式的ではなく 実効的で独 自色のあるマニュアルを目指しました 特に 人材育成には力を入れました 世 の中では即戦力を求める傾向があります が 同社はじっくり時間をかけて教育する 方針です 六つの 人ざい と六つの きょ う育 という独自の教育システムを構築 し 人材の育成に取り組んでいます その 結果 良い社員が育ち 良い仕事ができ 良 い顧客が増え 社員はますます仕事に誇り を持ち 結果業績も伸びていく という好 循環ができました 新卒社員の退職率につ いても 1992 ~ 1997 年当時は平均 37% でしたが 1998 年以降は 6% と 1/6 に激減 しました MS の一環として教育に取り組 んだ成果といえます 清川専務は認証取得時の景気サイクルを 30 マネジメントシステム活用事例集

33 産業分類 金属製品製造業 内部監査力量評価アンケート 意識していると言います 最初の ISO9001 の場合 認証取得後すぐには新規顧客の獲 得や販路拡大にはつながりませんでした これは 景気の悪いときに内向きの活動に 力を注ぐと 開発や営業などの外向きの活 動の力が落ちてしまったからだと分析して います そのため 現在では 開発やマーケ ティングイノベーションといった外向きの 活動は景気の悪いときに 内部のシステム を大きく変革する活動は景気の良いときに 実施するようにしているそうで その結果 持続的に企業業績を向上させ 新規顧客を 獲得することができています I 目標管理と内部監査で I さらなる動機付け 目標の設定 管理については お客様満 足度 = お客様にとって一番となる こと が大切との考え方を基に 試行錯誤で取り 組んできました 社内では大きく二つの目標設定を掲げて います 一つは 必要目標 で 必ず実施し なければならない使命 達成しなければな らない目標です 品質 顧客との約束 法律 への対応 市場要求などがこの中に入りま す もう一つは チャレンジ目標 で達成 しなくても挑戦していくための目標です 挑戦することに意義があると考えて取り組 みます この二つを組合せて設定することで 年月 が経過しても目標が無難なものでなく 意 欲的な設定を維持できる効果があります また 内部監査の実施も工夫しています 特にポイントとなる点は 通常 内部監査は監査員が被監査部門を監査 評価しますが それに加え 監査員を被監査部門が逆に評価をする仕組みを取り入れているところです 双方向にすることにより 被監査部門 監査員相互に緊張感を持ったものとなり 本来の内部監査の目的を達成するために有効に働いています また 内部監査員が成長していく教育的側面もあります I 地域貢献活動 ISO9001 ISO14001に続き 2008 年にはISO/IEC17025 認定取得 2010 年にはASRP 適合合格となりました このような取り組みを通じて 同社では MSを利用するという考えに基づき やがてMSを意識しないレベルにまで独自のMSを進化さ せることを目指しています グローバル化の進展により 品質 コスト サービス 納期は 世界規模での競争となっています そのような環境の中 同社はめっき業界において率先してグローバル化を図りさらに 省エネ 水質汚濁防止 環境破壊物質使用の削減 適正管理 環境に良いめっき工法への移行 社員教育の徹底を図るなど 品質 環境共に取り組みを進めてきました これらを効率的に行えるのも 長きにわたってMSに取り組み基盤が整っていたからと考えられます また ローカルの視点からは 地域貢献への活動として めっき教室の実施にも取り組んでいます 小学生などの子どもたちに めっきを通して仕事の楽しさを伝えるなどの活動により 地域との交流を深めることで 地元企業としてのイメージ向上にもつなげています 左 : 清川社長右 : 清川会長 マネジメントシステム活用事例集 31

34 ISO 9001 ISO 事例 No. 09 分社化政策にマネジメントシステムを活用 グループ企業横断でサービス品質を確保するマネジメントシステムを構築 東京都杉並区に本社を構える株式会社クリーンテックは お客様とスタッフそれぞれの満足と感動の共有 をスローガンに掲げ 自社スタッフのみで行う清掃作業 自社完結型トータルサポートシステム を提案しています 2004 年 : グループ全社を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2007 年 : グループ全社を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2007 年 :ISO9001 ISO14001 統合 I 分社化政策に I マネジメントシステムを活用 株式会社クリーンテックは 1988 年に 東京都杉並区に設立され ビル マンショ ン 各種施設の総合清掃およびハウスク リーニングを主な事業として 営業エリ アを拡大してきました しかし 創業以来 の 地元密着経営 を重要視した同社は 1999 年に社内組織を エリア別管理体 制 + 専門班体制 として 各エリアで独立 採算経営を行う方針を打ち出しました さ らに 2003 年以降 各エリアの営業所が分 株式会社クリーンテック 代表者 : 是佐正明 資本金 :1,000 万円 業務内容 : 各種施設の総合清掃および 従業員数 :46 名 社独立する 分社化政策 に取り組みまし た そのとき 是佐社長は 業務ルールが 分社において 10 年先まで守られるか? という危機感を感じました そこで組織管 理のツールであるマネジメントシステム ( 以下 MS という ) をガバナンスのツー ルとして活用できないかと考えました こ れは グループとして 1 本柱を持つことに より 分社化してもサービス品質を一定に 保てるはずだとの社長の考えに基づくもの でした ハウスクリーニング 所在地 : 東京都杉並区高円寺南 木下ロイヤルビル 6F URL: これを契機に ISO9001 に取り組み始め ることとしました まずは 当時のグルー プ 3 社の経営幹部が集まり 品質マニュア ルを作り上げました このマニュアルが 現在でもグループのバイブルとなっていま すが 導入当初は苦労の連続でした 具体的には 規格の用語や要求事項と実 業務の結びつけに大変苦労し 幾度となく 実態に即さない仕組みを作ったこともあり ました そのときに 当時の MS 審査員から の指摘を受け MS に対する固定観念を捨 てることができ 業務との一体化を進める ことができました I 統合マネジメントシステムを機に I 社員全員を内部監査員に 清掃事業を展開する上で 環境に対する 影響を 見える化 する必要があると考え ISO14001 認証取得を目指しました 同時に ISO9001 との統合マネジメントシステムの 構築にも取り組みました これを機に 業務 の抜本的な見直しを実施しました 具体的 には 業務マニュアルは フローチャートな どの図を多用して分かりやすい表現にまと め直し さらに 組織の権限 役割 業務の明 確化を図りました また クレーム対応マニュアルなどは統一 仕様を導入する一方で 独自性を重んじ 一 定の業務の裁量を許すなど 各社が切磋琢磨 できる仕組みとしました このように MS をグループの基礎としてグ ループ会社間のガバナンスを利かせつつ 組 32 マネジメントシステム活用事例集

35 産業分類 建物サービス業 2013 年度 目的別インスペクション実施回数分析 ( 品質 KPI) 現場へ行った目的 巡回 820 初期指導 196 代行作業 982 緊急対応 42 クレーム処理 28 定期清掃 132 引継ぎ 51 代行再指導 1 再指導クレーム 2 再指導巡回 7 巡回緊急対応 1 巡回代行 1 地区別インスペクション回数 管理 1 課 430 管理 2 課 899 管理 3 課 111 管理 4 課 1071 管理 S 課 58 指定化学物質含有洗剤 含有量の推移 ( 環境 KPI) 織の拡大を図っていくことに成功しました また 社内にMSを浸透させるための施策として 社員全員の内部監査員化 という施策を実行中です 他部署の監査を行うことで 業務全体を俯瞰して見ることができる人材を育成できると考えています 分析しPDCAを回すように仕組みを作りました また 環境管理の目標設定として 現場で洗剤から発生する化学物質の量を測定しており この管理を目標とする仕組みを導入しています I 目標設定は人材育成のポイント I サービス業としての MS 活用 また 経営側として 社員の育成を図る観点では 目標設定とその管理が重要です やり方としては 年に1 回 全社員が集まる経営計画発表会で 会社目標や部署単位の MS 目標設定を行います 会社目標 部署目標に品質目標 環境目標を入れることで 社員はMSを意識せずとも MSに取り組む環境を作っています 例えば 品質管理の観点では 同社の社員が清掃員の管理をしており インスぺクション ( 現場での社員チェック ) での指摘事項 クレームを指標 (KPI) としてとらえ サービス業としてMSをどう活用していくかについて かなり試行錯誤した と 是佐社長は語ります 例えば サービスにおける 設計開発 は 現場を見てサービスを設計することが設計開発である と理解されているとのこと また 同社は認証機関による審査を重視しています 是佐社長は 第三者の目で業務分析を行えることが MS 認証取得を目指した目的の一つでした 社内に良い緊張感が生まれ 自らの業務を見直すきっかけになる と 審査の効用について語ります 是佐社長 マネジメントシステム活用事例集 33

36 ISO 事例 No. 10 会社存続の危機を乗り越えマネジメントシステムの活用 ホテル業界初 環境活動 ドギーバッグ への挑戦 神奈川県横浜市に本社を構える国際ホテル株式会社は 横浜国際ホテル 新横浜国際ホテル 立川グランドホテルの三つのホテルを運営しています 地域社会に密着した都市型ホテルとして 環境問題が人類共通の最重要課題であることを強く認識し 環境に配慮したホテル を目指しています 国際ホテル株式会社 代表者 : 寺谷捷彦資本金 :5,000 万円業務内容 : ホテルの経営 宴会場 レストランの経営従業員数 :200 名所在地 : 神奈川県横浜市港北区新横浜 URL: 就任します 社長がマニュアルを見返したところ 環境影響評価などは不必要と思われるくらい細かい上 日常業務とはかけ離れていて現実的ではなく こんな分厚いマニュアルは誰も読まない と感じたとのこと 2004 年の規格改正に合わせ ほぼ1 年がかりで勉強し直し マニュアルを薄くすること 続いて手順書見直しにも着手しました 年 : 横浜国際ホテル 新横浜国際ホテル 立川グランドホテルを登録範囲とし ISO14001 認証取得 I リスクを恐れず I ドギーバッグ を導入 I 親会社の方針から始まった I マネジメントシステムの認証取得 1982 年に奈良建設株式会社が株式会社 横浜国際ホテルを設立し 1984 年に横浜 国際ホテルが開業しました 最盛期には五 つのホテルを運営していましたが 2002 年 バブル崩壊の影響を受けて親会社は清算 国際ホテルは存続会社として 三つのホテ ルを継承して再出発することになりました 当時 親会社は ISO9001 認証を取得して おり 企業グループとしてマネジメントシ ステム ( 以下 MS という ) の認証取得 を目指す雰囲気の中 国際ホテルとしては 環境対応の方が身近であるという判断か ら ISO14001の取得を目指すことになりました 社内にISO 推進室を設け 専従者を 2 名配置し コンサルタントの指導も受けて 2001 年 2 月にISO14001の認証を取得しました I マニュアルの分量を半分にところがバブル崩壊の影響から 認証取得の翌年には 親会社に頼ることができなくなり 経費削減が叫ばれる中 ISO 推進室は3 年目で解体 担当者も退職することになってしまいました その後 2002 年 10 月の存続会社での再出発を機に 寺谷社長が環境管理責任者に 国際ホテル株式会社では 環境活動の一つとして 希望されるお客様に専用のバッグを提供して 食べ切れなかった料理を持ち帰ってもらえる ドギーバッグサービス を 2009 年から始めました ドギーバッグとは外食した際に余った料理を持ち帰るための容器のことで 主にアメリカなどで 犬のエサにする という口実が語源といわれています 食の安全 安心に関わるため 日本ではあまり普及していませんが 同ホテルのドギーバッグサービスはその点を踏まえ 立食パーティーの料理を対象に 事前に細菌検査で提供時間後の安全性を確認したものだけに限定し行うことにしました 2010 年当時 ドギーバッグ実施量は ボックス数が4,249 個 持ち帰り重量は 849kgでした 利用率はパーティー参加人 34 マネジメントシステム活用事例集

37 産業分類宿泊業飲食店 ご案内チラシ 食品廃棄物量推移 (t) 処分量 再生利用量 数 3 万 1,586 人中 持ち帰り人数が 2,620 人で パーティー参加者の8.3% 12 人に 1 人が持ち帰った計算となります サービス開始から5 年が経ちますが 最近では食べ残しそのものが少なくなり バッグの提供数が減少しています 同ホテルのドギーバックサービスは お客様と一体となった環境活動に 一役買っているようです 力量評価については 高い品質を求められるホテルサービスの技量をいかに計るか 試行錯誤の段階であり 現在は外部の検定を利用して測定しています 例えば 電話応対については 電話応対技能検定 ( もしもし検定 ) を導入する予定です また ホテルマンとしての心構えについては 日本ほめる達人協会の ほめ達! 検定 の受検を推奨しています さらに 障害者やお年寄りに対する理解を深めるため ユニバーサルマナー検定 3 級の資格取得を全員に義務付けています MS 運用 継続のキーポイントである内部監査は 各ホテルの庶務的な業務のリーダーやフロントが担当しています 年に1 回 3ホテルを3 日間かけて事務方と内部監査人が巡回して 他ホテルの監査を行う相互監査を取り入れています また 2013 年からは ISO 事務局に対する監査も始めました 外部のコンサルタントが監査人として チェックを行い 事務局のレベルアップにも取り組んでいます I 全員経営に向けたMSへホテルには トップに総支配人 その配下に庶務課 営業部門 ( 宴会 婚礼 ) 宿泊課 現場 ( 調理 サービス 宴会 ) があります 宴会 サービス部門では多くのアルバイトを雇っているので 約 6 割が非正規社員です また テナントとして入っているテナント従業員もいます そういった状況ですが 非正規社員やテナント従業員にも一緒にMSに取り組んでもらっています 例えば 環境活動報告を全員参加の説明会で行い MSの浸透を図っています MSの活動はどんな業種でも 経営から 独立しているのではなく 事業計画に盛り込んでいくことが理想で 経営方針や責任もさらなる明確化が必要 と寺谷社長は言います ホテル業ではお客様からさまざまなクレームが寄せられるが 現在は担当者が個別に処理しているだけであり 原因分析し 全体で管理する体制の構築を急ぎたい と続けます MSは 環境も品質もベースは同じであるため 今後は 品質について 顧客満足度をはじめとするいくつかの指標を 見える化 し 品質管理のMS 構築を検討していく方針とのこと 左 : 石村氏右 : 寺谷社長 マネジメントシステム活用事例集 35

38 ISO 9001 ISO 事例 No. 11 統合マネジメントシステムで品質と環境への取り組みと経営を一体化 内部監査員の養成による人財育成 小島プレス工業株式会社は 自動車内外装部品 機能部品におけるデザイン 開発 設計 信頼性試験から生産に至るまでを手掛けています 金属 樹脂 電子の分野で独自の加工技術を持ち その各分野の技術を モジュール化することで付加価値の高い製品を実現しています 小島プレス工業株式会社 年 : 本社 下市場工場 高岡工場 小島総合研究所 黒笹技術センター 額田工場を 登録範囲とし ISO14001 認証取得 年 : 本社 下市場工場 高岡工場 小島総合研究所 黒笹技術センター 額田工場を 登録範囲とし I S O 認証取得 2007 年 :ISO9001 ISO14001 統合 I 自動車関連の取引先からの求めに I 応じマネジメントシステム構築に着手 小島プレス工業株式会社は 自動車を製 造する過程で発生した端材を活用してワッ シャーを作ることから創業しました 創業 者の 古を活かせ 物の命を全うせよ という もったいない精神 を受け継いで 社員全員が業務に励んでいます 改善に対する意識も高く 1965 年から QC サークルに取り組み 1967 年にはデミ ング賞実施賞中小企業賞 1997 年にはデ ミング賞実施賞等を受賞しています 代表者 : 小島洋一郎 資本金 :45,000 万円 業務内容 : 自動車内外装部品 ( プラスチック 従業員数 :1,625 名 エレクトロニクス ) および金属製品の 研究 開発 設計 製造 所在地 : 愛知県豊田市下市場町 3 丁目 30 番地 URL: 独自に品質 環境の改善に努めてきた同 社が環境マネジメントシステム認証取得に 取り組むきっかけとなったのは 意外にも 主要顧客の自動車関連会社からの要請でし た 環境の国際規格と同社の 古を活かせ もったいない精神 は完全にマッチ こう いった背景もあり 同社では マネジメン トシステム ( 以下 MS という ) 活動に 対する動機付けはスムーズに進み 2002 年 ISO14001 認証取得しました I 環境側面から業務側面へ I 考え方を進化 ISO14001 認証取得後 今度は主要顧客 の自動車部品サプライヤから ISO9001 の認証取得を求められました すでに ISO14001 認証を取得していたこともあ り 無駄を省くため統合 MS に取り組んで はどうかと社内から声があがったことを受 け 2005 年に ISO9001 認証取得から 統合 MS に踏み切りました ISO14001 の目標であった紙類と電気使 用量の削減は限界を迎えることが目に見え ていたため MS 統合を機に 環境側面 を 業務側面 と言い換え さまざまな面から 業務を分析し 業務改善のためのツールと して再構築しました これにより 生産プ ロセスで発生する CO 2 のほか 製品利用に 伴う CO 2 として製品の軽量化から 燃費向 上 環境負荷低減まで考えられるようにな り 同社の MS は大きく進化しました 環境 も品質も共に経営の重要な要素であり こ の観点で業務を見直し 統合化として MS を再構築したことで MS と経営の一体化 を実現できました 36 マネジメントシステム活用事例集

39 産業分類 金属製品製造業 環境側面から業務側面への発想の転換 環境側面から業務側面へ EMS= 環境保全に焦点を当てた経営のしくみ QMS= 品質保証に焦点を当てた経営のしくみ 経営のしくみ ( マネジメントシステム ) は 本来一つ 環境も 品質も経営の重要な要素の一つである ( 環境だけ 品質だけではなく 経営そのものだととらえる ) 環境だとか品質だとかではなく 業務そのものの要素が対象 環境側面の定義を次のように読み替える環境側面 : 環境と相互に作用する可能性のある組織の活動又は製品又はサービスの要素業務側面 : 業務と相互に作用する可能性のある組織の活動又は製品又はサービスの要素 全ての業務の結果 ( アウトプット ) に対しての原因 ( インプット系 ) が業務側面 ISO9001 ISO14001 認証の取得は 非 上場かつ同族企業である同社にとって 客 観的に経営リスクを見る有用なツールと なったのです I 内部監査員の養成による I 人財育成 統合 MS は 人財育成にも大きな貢献を しています 社員が業務を効率よく進めるためにはプ ロセスを正しく理解することが求められま すが それには内部監査が非常に有効です 内部監査は内部監査員養成研修を修了した 管理職が主に実施します 初めは同じ監査 チームのベテラン監査員から監査の仕方を 学びながら実施し 数回経験した後はチー ムリーダーとして監査の実施 新人監査員 の教育を行います また 最近では技術部 から率先して 管理職以下の若手社員から も内部監査員候補を選出するよう申し出が あるなど MS を通じて人財育成効果が表 れてきているといえます 目標設定については プロセスごと 部 門ごとに成果指標で管理し 一年の最初に 方針管理シートを作成して 中間 年末に 受けた評価を改善活動に生かしています 全社員に統合 MSを意識させるための工夫として 品質 環境統合マネジメントポケットブック を配布し 自部署の品質 環境目標や各自の実施事項を記入して携帯するようにしています 社員の教育や評価に関しても シンプルで明快なMSの仕組み作りを心掛けました 教育システムと昇進システムが等級制度を通して同期するとともに 力量評価を導入し 人事評価とリンクさせて それを昇給にも反映させるような仕組みを導入しました I ファミリー規格の活用が重要 MSは言葉が分かりづらいとよくいわれますが ISO9004( 持続的成功のための運営管理 ) のようなファミリー規格が大変参考になりました と当時を振り返ります また 認証機関の審査に当たっては 審査員が言うことの本質がどこにあるのか 企業側が理解しようと努めなければなりません と 受け身になるのではく 自らが積極的に推進していこうという強い姿勢が企業側にとっても必要であると語ります 加藤専務 MSを本当に使いこなせるか 審査をどう生かしていくのか という問いに対し 企業側の姿勢が試されるということを 同社ではトップから全社員が認識し 緊張感を持って実践に取り組んでいます マネジメントシステム活用事例集 37

40 ISO 9001 ISO ISO/ IEC ISO/ IEC 事例 No. 12 情報サービス会社がマネジメントシステムで取り組む品質向上活動 後戻りしない活動 が経営を支える 高いレベルのノウハウと豊富な開発経験をもって お客様のビジネス上の課題を的確に把握し お客様の業態に合わせて最適なソフトウェア ハードウェア サービスを 組み合わせたシステムを実現 安全かつスピーディーに それらの課題を解決しています サンデンシステムエンジニアリング株式会社 代表者 : 瀬下文彦 資本金 :3,000 万円 業務内容 : 情報システムの開発 運用サービス システムインテグレーションサービス ネットワーク & セキュリティサービス IT ソリューションサービス 組込み系ソフトウェアの研究 開発 コンピュータシステム ( ハードウェア ) の販売 従業員数 :152 名所在地 : 群馬県伊勢崎市宮子町 URL: 年 : 全社 ( システム開発部門 ) を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2001 年 : 全社を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2009 年 : 赤城事業所を登録範囲とし ISO/IEC27001 認証取得 2010 年 :ISO9001 ISO14001 ISO/IEC27001 統合 2011 年 : 全社 ( 運用業務対象部門 ) を登録範囲とし ISO/IEC20000 認証取得 統合 2014 年 : 全社を登録範囲とし OHSAS18001 認証取得 統合 I STQM 活動の一環で I ISO9001 に着手 1994 年 親会社であるサンデン株式会 社が 経営に貢献するマネジメントシス テム ( 以下 MS という ) の実践を目指 して STQM 導入宣言 を行い 1998 年 にデミング賞を受賞しました STQM とは Sanden Total Quality Management の略で サンデングループが取り組む経営品質改善 活動であり 個々のマネジメント品質お よび 結果品質を徹底的に向上させて 21 世紀に繁栄する会社を創り上げるため 毎 日 毎日の創造改革努力を積み重ねる行動 のことです 今回のヒアリングを行ったサンデンシス テムエンジニアリング株式会社においても グループの一員として STQM 活動に取り組 むことになりました 当時の顧客から MS の認証を取得するよ うに要請された経緯もあり STQM 活動の一 環として ISO9001 に取り組むことにしました ISO9001 の取り組みを始めてみたもの の 同社では これを活用するレベルにま でなかなか達しませんでした 具体的に は構成管理や 外注管理とは何か と規格 に縛られる一方 規程やマニュアルがまと まっていなかったことが主な原因でした I 後戻りしない 活動を進める情報サービス会社の 品質 とは何か お客様に迷惑をかけないことが出発点 お客様の声を業務に反映して初めて サービスの品質 につながる と 同社の根岸部長は強調します その品質への取り組みが具体的に進み出すのは ISO14001を取得し デミング賞を受賞した2001 年ごろからです まず お客様の声を生かすために 生の意見をヒアリングしてフィードバックする PDCAサイクルの仕組みを整えました 日常管理の中から異常を見つけて改善する QC 活動 そして年間の方針管理を中心に据えるという二つのPDCAサイクルがその根幹になっています そして 次に取り組んだのは 直接 品質 に関わる社員の目標設定です この目標設定には 経営トップの意向を反映できるよう 個人別にチャレンジシート ( 個人 38 マネジメントシステム活用事例集

41 産業分類 情報サービス業 別目標設定シート ) を書いて半期ごとに上司が面接して評価し 間接的にトップの考えとつながるような仕組みとしました 特に重点を置いているのが 後戻りをなくす活動をする ことです 情報サービス会社の場合 出荷後に不具合を発生させてしまうと その不良の修正や動作確認で大きな後戻り作業が発生します また お客様と取り決めたはずの仕様に曖昧なところがあり 途中で仕様が変更となると その修正から後戻り作業となります 顧客との十分なコミュニケーション確認を業務に取り入れ評価する仕組みを作り そういった教育を行うことで 結果的に仕様の食い違いが排除され 出荷後の不良撲滅などが進みました このように後戻り作業を削減することは 企業業績の改善に直結するため MS 改善活動の仕組みが企業活動に大きく貢献しています I 品質管理レベルアップ宣言 順調にMS 認証を維持 発展しているように見えた同社にも マンネリ化による大きな業務トラブルが起こりました 前社長は MS 活動が停滞しているのでは と危惧し 2007 年に 品質管理レベルアップ宣言 を出しました 更なる活動のレベルアップを図る目的として2009 年に ISO/IEC27001(ISMS) 2011 年にISO/ IEC20000(ITSMS) の認証を取得し その間に統合審査を導入しました さらに2009 年サンデングループで デミング賞レベル再挑戦宣言 が出され 仕事のやり方 ( プロセス ) を徹底的に見直し業務の効率化や生産性向上に努めてきました 2014 年には OHSAS18001 を認証取得し社内における安全衛生に関する仕組みの強化も図ってきました こうしてMS 認証を次々に取得し 賞の受賞も続いたことで 自治体の入札資格や大手企業との取引などの対外メリットだけでなく 社内の 活性化 という効果も得ることができました 社内の活性化の観点では 環境に取り組む社員のモチベーションが大きく向上しました 親会社の製品が環境にやさしい製品 QC Eco 検定 を事業としていることもあり 社員自らが 後戻りのない開発プロセスを目指し もっ と効率よく 環境に貢献できるものを作り 上げよう と品質向上の中で親会社の製品 を通して積極的に環境貢献に力を注ぎ始 め 実行計画の目標にも環境目標を入れま した さらに 人材育成の一貫として内部 監査員の育成にも力を注いでいます 内部 監査は 社内を横断的に監査する仕組みと することで 部署間の交流を活性化させま した 同社にはサンデングループ担当と一 般顧客向けの担当があり お互いにどのよ うな仕事をしているのか無関心になりがち でしたが クロス内部監査を行うことで互 いの仕事への理解を深め互いに良いプロセ スを学び自部門に展開するなど成功プロセ スの横展開が図れるようになってきていま す この横断的監査は 拠点間でも同様に 行っており同様の効果を上げています STQM 活動 ( 方針管理からの品質方針 ) 中期計画 経営環境の変化 各 MS は 日常管理としてのベース 年度実行計画 A C I 政治 経済 社会動向の変化 顧客要求の変化 P D MSの日常業務への I さらなる浸透が課題 瀬下社長は STQM 活動と日常業務と の連動感が弱く まだ社員や業務自体に十 分根付いているとは言えない と感じてい ます MS を意識せずに日常業務が行える ようになり 結果として STQM 活動が進み 目標達成につながることがこれからの課題 です 日常管理と方針管理 継続的改善 QC 活動 当該年度環境の変化 前年度反省 標準化問題慢性的問題 A C S D 各 MS の目標は方針展開を受ける 年度重点課題 標準化 社員育成に関しても 数字にこだわりす ぎて 若い社員が情熱を持ってチャレンジ することが減っているように見受けられ ます MS への意識 経営貢献へのモチベー ションも まだまだ社員によってばらつき があるのも事実です 根岸部長は 結果だ けでなく プロセスも含めて社員を評価し 会社の財産として その能力を引き出して いきたい と語り 今後は因果関係が分か るような目標と方策を立てることが大切に なってくると認識しています 各種標準類 左 : 根岸部長中 : 瀬下社長右 : 田邊氏 A C P D 方針管理日常管理マネジメントシステム活用事例集 39

42 ISO 9001 ISO ISO 事例 No. 13 刺激を与え続けることで経営に寄与するマネジメントシステムへ マネジメントシステムと WPS の両輪により真の改善活動を 新日本ウエックス株式会社は リネンサプライ サービスを日本全国で 広く展開しています ビジネスの現場におけるユニフォームを始めとした リネン類のリース / レンタルをすることで トータルテキスタイル / レンタル & メンテナンス / サービス を提供しています また 品質と 環境対策にも積極的に取り組み 高品質で衛生的なサービスを提供しています I 営業的な要素としての I ISO9001 認証取得 2000 年に ISO9001 を取得したのは 仕 事を受注する上での営業的な要素によると ころが大きかった と語るのは 新日本ウ エックス株式会社の廣瀬純平社長 当初は 会社のイメージアップを図る目的が強かっ たといいます 同社は 20 年以上前からトヨタのモノづく りに関する勉強会 NPS(New Production System) 研究会に入り 当時 8 カ所あった 工場の各工程での品質基準を均一化するた め 会社の基準を 工程管理基準 として マニュアル文書化していました そのおか 新日本ウエックス株式会社 代表者 : 廣瀬純平 資本金 :9,800 万円 業務内容 : ユニフォームレンタル ホテル用リネン 従業員数 :1,172 名 2000 年 : 本社 木場工場 七条工場 堤工場を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2002 年 : 本社 七条工場を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2006 年 : 東京営業本部 野田事業所 江東工場を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2012 年 : 東京工場 千葉ウエックス株式会社松戸工場を登録範囲とし ISO 認証取得 年 : 本社 木場工場 大阪支店 清和ウエックス ( 大阪工場 ) 山陽ウエックス ( 岡山工場 ) アオイリネンサービス ( 浜松工場 ) を登録範囲とし ISO22000 認証取得 げもあり社内でマネジメントシステム ( 以 下 MS という ) 用のマニュアルを作成 する際には外部のコンサルタントに頼るこ とはありませんでしたが MS で使われて いる用語が分からず苦労したと言います 当初のマニュアルは規格をそのまま翻訳し たものだったため 現場の人はもちろんの こと指導する立場の人ですら理解に時間が かかりました 提供 工業用ワイピングタオル提供 ブライダルクロスレンタル その他 リネンサプライ全般 所在地 : 愛知県名古屋市港区木場町 URL: MSと新日本ウエックス流 I NPSを両輪に MS への取り組み当初から 当時社長で あった廣瀬武現会長は カイゼン活動と MSを両輪にしたい という思いがありました NPSを新日本ウエックス流にアレンジしたものをWPS(Wex Production System) と名付けていましたが そのWPS とMSを両輪にして 独自の MSとする試みを始めました それまでWPSで提唱していたカイゼン活動の維持と展開には仕組みが必要との思いで 仕組みが変わったら文書を改定しよう 維持されているか 横展開が可能か検討しよう というMSのシステムによる改善を取り入れることにしたのです ところが 廣瀬社長が品質管理責任者に就任した2006 年ごろは 審査の1 週間前に1カ月分のチェックをしている部署があるなど 管理が形骸化していました 当初の会長の思いはどこの工場 事業所でも同じサービスを提供したいという理念であったが 実態とのギャップがありました と廣瀬社長は振り返ります また当時は業界的にMSを認証取得していることに大きな意味がなくなりつつあった時代であり 営業的にも必ずしも優位性はないという状況で 一度はやめようとさえ思ったそうです しかし 瞬発力はあるが維持 継続力が足らない新日本ウエックスが今後成長していくためには 全工場 全社員が同じ考え方を共有する必要がある 会社が成長していき 新しく参画する社員が増えていく中でも 型 が必要 と考え 廣瀬社長が自分なりに勉強した結果 MSの仕組みのすばらしさを知ったと言います 継続していくならば徹底的にやろうと決意し マニュアルを変更することから着手しました 普段現場で使っている社内用語とMSの規格用語の対照表 ( 用語集 ) を作って身近に感 40 マネジメントシステム活用事例集

43 産業分類 物品賃貸業 高品質を保証するための検査項目 規格条件 : 新品と 50 回洗濯後の品物と比較 基本の白度 (Y 値 ) RAL 白度計測定値で 85 以上 標準白色からの変色割合 (CDN) 目で見た白さ (DW 値 ) 僅かに青緑まで (G2.49 以下 ) 僅かに赤紫まで (R1.5 以下 ) RAL 白度計測定値で 170 以上 高品質 洗濯による繊維の強度低下 30% 以下 だから 清潔で美しく ニオイのない 洗濯による繊維の損傷度 RAL 測定値で 1.0 以下 手触りもなめらかな商品を提供します 廣瀬社長 洗剤 洗濯水からの 無機物質付着量 被洗物重量の 1% 以下 じられるようにしたり できないチェック をやらせるのではなく できるチェックに 変更させたそうです MS を経営にとって 真に重要な柱に位置付けるために MS の ための MS はやめよう MS ごっこもやめよ う がキーワードになりました I マネジメントレビューの活用で I 社内へ浸透 それでも すぐに MS の取り組みが社員 に浸透したわけではなく 当時はカイゼン が進んでいるのかさえもチェックできてい ませんでした 経営に寄与しないカイゼ ンは改善ではありません カイゼンがモチ ベーション向上となり 品質向上 生産性 向上に結び付き 競争力向上につながらな いと意味がないのです そのためには会社 の体質を変える必要があると感じていま した たるんだ体を筋肉質にしていくため には刺激を与え続けなければなりません と 廣瀬社長は主張します 会社に刺激を与える機会の一つとしてマ ネジメントレビューを活用しました 当初 問題点と思われることを社長自らが数多く 指摘すると 担当者は議事録を簡素化させ てまとめようとしていましたが それでは 本末転倒のため 議事録に逐一手を入れ 担当者と質疑応答を繰り返し 社長の指摘 や提案が具体的になるように修正しまし た その活動を 4 年ほど続けた結果 ようや く組織の体質が変わってきたと感じるまで になりました 部長や一部の課長たちの理 解も進み マネジメントレビューや会話の 中で自らの言葉が出るようになり PDCA も徐々に回り始めました さらに マニュ アルが改定されると これまで読まなかっ た人たちが読み始めるなどの変化が見られ るようになったのです 石原品質技術室室 長も 現場サイドだけではなく 営業やス タッフにも MS の取り組みが浸透している と評価します また MS とは違った観点ですが ドイツ の品質保証制度である RAL の基準を自主基 準として取り入れました RAL の品質基準 には 白度 強度等があり それに数値基準 が定められています この基準と MS を組 み合わせることにより 実効性の高いシス テムが形成されました MSがあることで I 全社の考えが一つにまとまる 着実に社内に浸透してきた MS ですが 廣瀬社長にとっては まだ満足できる状況 にはありませんでした そこで MS をさら に推進するために 正常 異常が分かるよ うに 工場 集配の 管理会計 を取り あ らゆる原価を算定し 数値化して年度計画 を具体化することにしました 例えば 各 工場 ライン別に毎日成績が出るような仕 組みを作り 儲かっているはずです で はなく 具体的に 経費が 100 円から 95 円 になりました と報告できるようにしまし た さらに これを各工場や部署のベンチ マーク活動として競合させて 生産性が上 がらない場合はその原因を考えていくこと に繋げています 改善されている工場とさ れてない工場での差を見えるようにして 効果検証をしながら 施策の横展開なども 検討するようにしました 少しずつではあ りますが 当初目指した WPS と MS の両輪 がうまく動き始めている手応えを得つつあります 今後については 新たな取り組みというよりは 今までの取り組み (ISO9001 ISO14001 ISO22000) をさらに追及したいと考えています それは まだ社内に MSごっこ をしている部分が残っていると感じることがあるからです 一度作ったルールブックさえ守っていればよい という守りの姿勢が 社員の中にあるのではないかとの危惧がその根底にあります 今は工場単位の認証取得のため 大規模な組織がなくても維持できていますが 全社で揃えるためには社内組織の見直しも必要となります 直近で取得したISO22000 で 全社に広げていく大変さも実感しました 全社で意識レベルを揃えることや PDCAを回していくことは 並大抵のことでは実現できません それでも MSの推進を担う石原室長は MSがあることで全社の考え方が一つにまとまります 私は就任 4 年目ですが 役に立つ活動になってきたと認識しています と自信を深めています 廣瀬社長も 自己成長している実感はあります 規模が大きくなると 全体は見えにくくなりますが MS に取り組み 切磋琢磨することで 振り返ったときに結果としてレベルが上がっているのではないでしょうか と 今後への期待を膨らませています マネジメントシステム活用事例集 41

44 ISO 9001 ISO ISO 事例 No. 14 現場主義でマネジメントシステムを浸透 内部監査は前後の製造工程を担当し流れを改善 大成化工株式会社は 医薬品用容器の製造を中心に創業以来 82 年間 常に優れた機能と安全性を備えたクリーンな容器の開発製造技術の構築に努め さらには環境に配慮した設計 新しい素材の開発や製造環境の充実 各種滅菌技術のノウハウなどを確立しています 年 : 本社 東京営業部 富山営業部 茨木工場 関連会社を含めた 1 1 拠点を 登録範囲とし I S O 認証取得 年 : 本社 茨木工場 関連会社 2 社を含めた 4 拠点を登録範囲とし I S O 認証取得 2015 年 : メディカル本部を登録範囲とし ISO13485 認証取得 I 現場に行き 工場業務を実際に確認 I しながらマネジメントシステムに対応 大成化工株式会社は 医薬品 化粧品用 のプラスチック容器や 注射器用のシリン ジ ( 注射筒 ) を製造 販売している会社です 1996 年ごろ 製品に関するクレームが 多発し 当時の社長 ( 現会長 ) が製品の品 質を向上させるよう 強い指示を与えまし た 同社はもともと医薬品の製造販売事業 を展開しており 多数の顧客監査への対応 がバラバラで負担が大きかったため標準的 な対応を可能とする 国際標準 ISO9001 の 認証取得を目指すことにしました 大成化工株式会社 代表者 : 首藤健治 資本金 :9,800 万円 業務内容 : 医薬品用一次包装容器 医療機器 従業員数 :347 名 マネジメントシステム ( 以下 MS と いう ) 認証取得に向けた取り組み当初は 特に業務を文書化する方法に戸惑いを感じ たと言います 山城グループマネジャーは とにかく手探りで 現場に赴き 工場の業 務を実際に確認し 徐々に理解していきま した と振り返ります 同社の MS 構築は MS というフレーム ワークを用いて抜本的な業務改革を行う スタイルではなく 業務をベースに MS の 要件を取り込む スタイルでした 現場の 混乱を極力避け まずは導入することを重 要視した選択です 化粧品用容器の製造販売 所在地 : 大阪府茨木市藤の里 URL: このようなアプローチにより 一部の職 人気質の社員から反発の声が上がったもの の 医薬容器が主力商品であり 多くの社 員にとっては 要求書などの 記録を残す ことは日常的に行っていた業務であるため 大きな抵抗はありませんでした 本社で 導入が進んだ段階で 次に茨木工場 岐阜 工場というように 一つ一つ順番に導入し ていきました あくまで現状業務のまとめ を実施し 内部監査制度の導入など 必要 最小限の対応にとどめました 多くの組織 では 導入の初期段階から分厚いマニュア ルを作ってしまう傾向がある中で 同社は 現場の実際の業務をベースに規格対応も最 小限にし 拠点も徐々に広げるという段階 的な構築を進めたのは 首藤社長としては MS が現場に大きな負荷をかけずに浸透さ せる効果を狙ったものでした I 内部監査は I 前後の工程の部門を担当 同社の内部監査は 年 1 回 全部署で実施 しています 2015 年 1 月現在 内部監査員 は社員 950 人中 145 名おり 係長やリーダー クラスが担当しています 監査員を少し ずつ増やしていくのも定着化のコツ と首 藤社長は考えます 内部監査員は他部署 他工場の監査を行 う 相互監査 方式を採っていますが 自 42 マネジメントシステム活用事例集

45 産業分類 化学工業 クレーム発生件数 クレーム発生件数 生件数 経過年数発発生件数 部署の業務と全く関係のない業務を監査するのではなく 監査員の所属部署の前後の工程を行っている部署 の監査を行うことにしています この仕組みにより 担当している工程に前工程が与える影響 または担当工程が後工程に与える影響が理解され 監査員自身が担当している工程に対する理解も深まります このような相互の内部監査により 一連の業務の流れに対する理解が深まるとともに 内部交流も進んでいます また MS 構築に合わせて導入した取り組みとして スキル評価が挙げられます 同社独自に構築したスキル評価体系で スキルマップ表に基づいて個人の年間育成計画を設定し 3か月ごとにフォローを行っています スキルマップ表があれば 異動があっても育成評価を継続して行うことができ 技術継承 にもつながっています 特に 生産管理 品質管理など 製造現場でない間接部門は属人化しがちですが そのような部門の業務ノウハウの共有に 特に大きな効果がありました I 手順の裏側にある意味が大切同社は 目標管理を重要視しています 会社方針の実施管理計画を 本部 部門 グループまでブレークダウンし 3か月ごと にフォローアップしています 個人までブレークダウンしていませんが グループの中で役割分担があるため グループ目標を見れば個人の目標が意識できます 目標設定項目は ISO9001はクレーム数 生体異物混入数 ISO14001は省エネルギー リサイクル比率などです 日常業務を行うことがMSの目標達成につながることになるため 現場のモチベーションが高まります この目標管理の結果 不良品率の低下 顧客の信頼向上 クレーム件数も確実に減ってきています I 内部監査のマンネリ化打破が I 今後の課題 最近の若い人はマニュアルを重視する傾 向にあり MS をツールとしてコミュニケー ションを取ることができます その際 ど のような経緯や理由でルールが策定された のか という本当の意味を理解させること が大変重要です また同社では 2015 年には ISO13485 を 取得し 近い将来には ISO15378( 医薬品 向けの一次パッケージング素材の規格 ) も 取得する予定です 今後も MS の営業力強 化の側面 組織強化の側面の両輪を生かし 成長を続けていきます 左 : 首藤社長右 : 山城氏 マネジメントシステム活用事例集 43

46 ISO 9001 ISO ISO 事例 No. 15 透明性の高い風土づくりから輸送品質向上へ 若手 ISO 事務局の奮闘 京都市に本社を構える株式会社塚腰運送は 京都を拠点に トータルロジスティクスを展開しています 感動あるサービスを提供することを 使命として お客様に安心を与え 社会にやさしい物流サービスを提供するため 徹底した労働安全衛生管理体制を確立しています 1997 年 : 本社を含めた 5 拠点を登録範囲とし ISO9001 認証取得 ( 現在は 2 拠点 ) 2007 年 : 本社を含めた 5 拠点を登録範囲とし ISO14001 認証取得 ( 現在は 2 拠点 ) 2009 年 : 本社 上鳥羽営業所 久世橋営業所 滋賀営業所を登録範囲とし I マニュアルも規則もない I 状態からのスタート 明治 43 年 初代塚腰塚次郎氏が京都梅小 路で運送業を開業しました それから 100 余年にわたり 株式会社塚腰運送は 京都 の地で物流サービスを提供しています ISO9001 構築への取り組みは 当時の 社長が新聞記事を見て うちもやってみ よう と言ったことが始まりでした 常に 先駆的であることを重要視する人であり 背中を見て覚えろ というタイプの人が ISO9001 の認証も京都の運送業で初めて の取得でした OHSAS18001 認証取得 ( 現在は 9 拠点 ) 2013 年 : 上鳥羽営業所を登録範囲とし ISO39001 認証取得 株式会社塚腰運送 代表者 : 塚腰智之 資本金 :3,000 万円 業務内容 : トータル物流サービス 従業員数 :534 名 マネジメントシステム ( 以下 MS と いう ) の認証を取得すると まず他社との 差別化ができ 新卒採用の際にメリットを もたらしました 新入社員やその親御さん から MS の認証を取っている企業なら 大丈夫 と信頼感を持ってもらえたことが 応募のきっかけになったケースがあったそ うです 一貫物流システムの提供など 所在地 : 京都府京都市下京区木津屋橋通 大宮東入上之町 444 URL: ところが同時に さまざまな困難も待ち 受けていました それまでの現場社員は 多く 仕事内容のマニュアルも規則もない 状態でした コンサルタントの支援を受け 毎週水曜日の朝 6 時から管理職を対象とし た勉強会を開催し 用語の勉強 書類の定 義付け 手順書の作成 フローチャートの 作成などに関して勉強する場を設けました しかし それに適応できず 会社を辞める 人も現れてしまいました MS に組織とし て取り組むことを トップダウンで現場へ 展開したため 現場には やらされ感 が 蔓延し MS に反発していた社員も少なく なかったようです OHSASから変わった I 社員の意識 そんな折 社内の ISO 事務局 の枠が空 いたため 担当者の募集をかけたところ 弱冠 25 才の水沢氏が入社することになり ました トップダウン的な現場への展開で 現場から強い反発が起きていた状況を打開 するため 水沢氏は自ら現場に赴き 顔と 顔を突き合わせて 一緒に話し合いながら 支援する姿勢で対応したところ 少しずつ 効果が出てきました 人として信頼され ることが非常に重要であることを実感しま した と語ります ポイントは 通常の業務に何か特別な 事を新たに加えることではない と言い続 けることだったと水沢氏 現場で信頼を得 ている人 ( キーマン ) を見分け その方を 仲間にすることでスムーズに物事が進みま した とはいえ 現場が一定の理解を示し てくれるようになるまでに 約 10 年の歳月 44 マネジメントシステム活用事例集

47 産業分類 道路貨物運送業 リスクアセスメントシートの項目一覧 危険 有害作業名法的その他要求事項リスク内容 ( 危険又は有害な状況を引き起こす災害状況 ) 既存の災害防止対策及び問題点緊急事態項目重篤度発生の確率損害金額対策実施後のリスクレベル リスクレベルリスク低減対策案対策予定日対策完了日対策実施後の重篤度対策実施後の発生の確率対策実施後の損害金額リスク分析評価の過年度履歴 を要しました その後 リーマンショックがきっかけで社員の稼働時間に空きができることが続き その時間を有効活用できないかと始めた取り組みがOHSAS18001でした これを機に 労働安全衛生 交通安全 という物流業としてはより具体性を感じられるテーマに取り組むことになりました 塚腰副社長が 事務局に現場社員を複数任命して体制を構築したので 現場もスムーズに興味を持ってもらうことができた と振り返るように うまく現場を巻き込むことができたそうです このとき 同社は 労働安全衛生目標を 重大事故 0 件 と置き ( 重大事故とは 1 日以上の入院または損害額 50 万円以上の労災 商品 交通事故 ) これにより ISO 9001の 品質 という概念を具体化することができ 社員のモチベーションが向上しました さらに 2013 年ごろ 京都府内で交通事故などが相次ぎ 社内外の交通安全に対する意識が高まったことをきっかけに 同社はISO39001の認証取得を目指しました これも京都の運送業で初めての認証取得となり MSを自力で構築したことが評判を呼び 重要顧客先の品質部長から ぜひ話が聞きたい と希望を受けるなど 人脈の形成にも繋がりました I リスク管理がすべての基礎運送業界のリスクは人命に関わります そこで 労働安全衛生目標実施計画管理表 リスクアセスメントシートを中心に目標を 設定し これに基づいて毎月 1 回労働安全 衛生委員会を実施しています そこで 毎 月の事故状況報告 リスクアセスメントの 進捗状況 安全目標進捗状況 ヒヤリハッ ト内容の報告を行います リスク教育には特に力を入れ KYT( 危 険予知トレーニング ) 活動として 輸送品 質維持 事故防止のための教育訓練を行っ ています 教育の内容は主にリスクアセス メントシートから抜粋する形で 事前に教 育を行うことでリスクの顕在化の防止に努 めています リスクアセスメントシートを 積極的に活用することによって 吸い上げ た現場の意見をしっかりと教育まで落とし 込んでいるのです 研修のみならず 社員の取得資格 教育訓 練結果 取り扱い認定商品を定義した力量 評価を行っていて 各営業所が持っている 力量を見える化し 人事や教育計画の参考 としています また ドライバーごとの運 転状況の可視化システムを導入し ランキ ング化して成績優秀者には手当を支払うな どのインセンティブを与えることで 現場 社員のより積極的な関与を促しています I 労働安全衛生管理体制の I さらなる強化へ これまでは 年 2 回の内部監査で ISO 事務 局が現地視察を行っていましたが 今年か 塚腰副社長水沢氏ら内部監査員を各部署 2 名ずつ ( 計 24 名 ) 任命し 他営業所に対する監査を相互に実施する部署間同士の内部監査の取り組みを始めます これは 普段同じ業務を行っている者だからこその新たな気付きを期待するもので 今以上の労働安全衛生管理体制を構築し さらなる輸送品質の向上を目指します マネジメントシステム活用事例集 45

48 ISO 9001 マネジメントシステムに 魂 を入れる 定量目標でなく定性目標を重視 How to から Why を意識 事例 No 年 菓子製造業としてスタートした東京フード株式会社は 自然と学術条件に恵まれた筑波研究学園都市の一角で成長を続け チョコレート技術をコアとした食品素材メーカーとして付加価値ある商品づくりをサポートする独創的な製品を提供しています 2002 年 : 工場を登録範囲とし ISO 9001 認証取得 I マネジメントシステムの活動に I まずは形から入る 東京フード株式会社はチョコレート製造 企業で 1967 年に千葉県市川市で創業 事 業拡大に伴い 1985 年に茨城県つくば市へ 工場を移転しました 移転後 会社の規模が大きくなるにつれ て 全社的な品質保証が重要と考えられる ようになりました そのため 食品製造過 程に関する管理手法である HACCP( 危害 要因分析 重要管理点衛生管理法 ) の構築 を検討しましたが HACCP は 工場などの 現場が主体となるため 営業や総務などの 部門では取り組み意識が薄くなってしま うのではという懸念がありました そのた 東京フード株式会社 代表者 : 丹羽弘 資本金 :20,000 万円 業務内容 : 製菓 製パン用チョコレート類 従業員数 : 約 500 名 め 当時の社長が 全社員が参画でき 会 社全体を貫く統一的なもの が必要と考え ISO9001 に取り組み始めました 当初は 品質マネジメントシステムが何 も分からないまっさらな状態だったので まずは社員が取り組みやすい枠組みづくり から始め 2002 年に ISO9001 の認証取得 に至りました チョコレート加工品の製造 所在地 : 茨城県つくば市上大島字神明 URL: I マネジメントは義務 (must) ではなく I 自主 (mission) しかし 2010 年に丹羽社長が着任し マ ネジメントシステム ( 以下 MS という ) の内部監査に同席したところ 実際に活動 を担う社員に笑顔がないことに気付きまし た 本来マネジメントとは義務 (must) ではなく 自主 (mission) のはず MSの活動をやらされていると考えるので 社員に笑顔がない うちのMSには 魂 がこもっていない MSに魂を入れたい と 丹羽社長は強調します また 丹羽社長は あるとき 入社 3 年目の女子社員から 社長の考えが分からない 東京フードはどこに向かっているのか と尋ねられたことがあったそうです MSにおけるトップマネジメントの役割として 目標を定め それを内部に知らしめることが求められていますが それが形式化していたのです この点を改善するために 今では 年初の経営会議は 派遣社員を含めた全社員に対して 社長の口から会社の方針を伝えるようにしています このように それまで運営されてきた MSが形骸化していたのでその改善をきっかけに社内のコミュニケーションの向上などに社長自らが取り組まれました 従業員の自主性を高めるために 課題ではなく 良くなったところを探せ と言っています 食品を扱う仕事であり 衛生に気を遣うという業務内容のため つい悪いところ 目の届かないところを探してしまいがちですが 従業員に 社内の良くなったところを探すように と伝えることで 従業員のやる気がでて 積極性を高める効果を生んでいます 従業員の自主性を高めるという意味では 女性従業員が重要な役割を担っている 46 マネジメントシステム活用事例集

49 産業分類 食料品製造業 女性中心の小集団活動の例 女 en 会の流れ ( 平成 26 年 6 月実施内容 ) 1. 自己紹介 (15 分 ): 職場での役割 私の強み 2. ディスカッション (65 分 ): お題 売り上げ 100 億円とは お題に対して各チームで検討する 3. テーマ発表 (30 分 ): お題に沿ったテーマをチーム毎に発表する 4. 実施後 1ヶ月間でチームレポートを作成 テーマに対する提案内容を各チームリーダーより関連部署の管理者にPRする 5. その他定期的に 各チームの活動内容や取り組みを社内で情報共有する と考えています 同社では社員の自主性を高める活動として女性中心の小集団活動を実施しています この活動により 上司と部下のコミュニケーションが図られ 女性だけでなく男性社員の意識にも変化が表れました この変化はMSに対する活動にも当事者意識を芽生えさせ 好循環が生まれました I 定量目標ではなく定性目標を重視目標設定についても工夫があります MSを継続していると 徐々に変化がなくなり 改善活動を常に活力あるものに維持することが難しくなります そのため丹羽社長は 品質管理の根本的な考え方さえ合っていれば 必ずしも定量的な目標にこだわらず定性的な目標でもよい ことにしています これは 単に数値の目標達成ということではなく 目標達成のためのプロセスを大切にしているということです 例えば 労災ゼロ という定量目標はプロセスに重点を置くと 危険作業をやめる というものになります プロセスを大切にして 定量目標にはこだわらず 定性目標を重視する考え方ですが 実際従業員にはこの方が分かりやすく 評価しやすいようです MS 活動において 目先の数値の達成に目を向けるのではなくプロセスに気付かせる つまりHow toではなくwhyを意識させるようにしています また 全社目標としては 見える化 で はなく 言える化 に取り組んでいます どこがどう変わったのか それを若手も含 めて誰でも言えることを目標にしていま す 数字で表せる目標ではなく 見えない ものを見る努力 知る努力が大切で それ を説明できるようになることで プロセス の改善の積み重ねがあって 結果の数字が 向上するのだと考えています I 安心して取引できる I 会社であり続けるために 食品工場においては インスペクション ( 検査 ) を受けることが取引の条件となり ますが MS 認証に頼るだけではなく こ の会社なら安心と思っていただけることを 目指す ことが 丹羽社長のポリシーです 現在では ISO 以外にもAIB( 米国製パン研究所 ) フードセーフティ HACCPなどのさまざまな規格に準拠した体制を構築しています しかし それぞれの担当が分かれていても 縦割りの組織になってしまうのではなく 全社一丸となって 東京フード マネジメント であろうと社員には伝えています 現状においてMS 認証取得は 他社との差別化の要因にはならないが 一種のコンサルティングと捉え 対応を続けていくつもりです 今後は 食品のFSSC22000などを次のステップとして捉えていますが まずは 顧客が何を要求しているか 安心して取引できる会社の基準とは何か を念頭において企業活動に取り組んでいきます 丹羽社長 マネジメントシステム活用事例集 47

50 ISO 9001 ISO 事例 No. 17 公共工事評価点の向上につながったマネジメントシステムの構築と認証の取得 子会社の立場から 一人前の企業 となるための業務改善活動 新潟市に本社を構える株式会社トーホーは 株式会社東邦アーステックの 100% 子会社として 技術に支えられる信頼性 卓越した総合力 安心のアフターサービスをモットーに 橋梁をはじめ 土木構造物や各種建築物の補強 補修 照明器具から 太陽光発電設備までの地域密着型電気工事を行っています 株式会社トーホー 代表者 : 樋口哲郎資本金 :2,000 万円業務内容 : 土木 建築部門 電気部門従業員数 :14 名所在地 : 新潟市西区黒鳥 1450 番地 URL: ところが いざ ISO9001 ISO14001 を 導入しようとすると 業務が増える と いう現場の反発が起きました I 社内浸透の鍵は I 内部監査としての現場パトロール 2012 年 : 本社を登録範囲とし ISO9001 ISO14001 認証取得 2012 年 :ISO9001 ISO14001 統合 I 品質管理の経験を I 経営の立場から活かす 株式会社トーホーは 株式会社東邦アー ステックの子会社 ( 資本 100%) として 建 設工事 電気工事を行っています 樋口社長は 親会社の建設事業本部で品 質管理責任者を担当していました 社長に 就任したころのトーホーは 親会社からの 受注支援も比較的多く 安定的な業績で推 移していましたが 実行予算の精査や実績評 価の厳しさに物足りなさを感じていました 社長は当時の状況を 100% 子会社であ るが故の甘さがあり 業務面で改善が必要 だと感じた と語ります 親会社からの受 注支援も低下傾向となり 業績維持や社員 教育の必要性を痛感する中 親会社在席時 の経験から業務改善にマネジメントシステ ム ( 以下 MS という ) が活用できるの ではないかと考えました また 企業経営 の安定化の観点から 親会社以外からの業 務 外販比率を上げる施策の必要性を感じ ました そのためにも 一人前の企業とし て評価を得るために MS への取り組みが必 要と考えました また 土木 建築に関わる同社の外部環 境として 公共工事における総合評価方式 で ISO9001 ISO14001 認証取得が加点 要素となっていた点も 社長が取り組みの 決断を下した一つの要素となりました 業務上 最も重要と考えているのは現場であり ルールは現場に浸透しなければ何の意味も成さない と樋口社長 そこで月に一度 内部監査を兼ねて 社長とISO 管理責任者の2 名で 現場パトロール を実施しているそうです 樋口社長が現場で直々に ISO9001 ISO14001の説明 指摘を行うことにより 現場の意識が徐々に向上し MS の活動が業務レベルで浸透してきました 具体的な仕組みについては MS 活動が通常業務と乖離しないように 日常業務をうまくMSに当てはめる 足りない部分をMSから補完する という考え方で なるべく帳票を作らない業務設計を行いました 現場用の管理シートは 以前より使用していたKYシート ( リスクアセスメントによる危険予知活動シート ) にMSの品質と環境の視点を組み込む形にしました 業務品質が悪かったために手直し工事を行うことは 大量の廃棄物を生むことにつながります このように 現場には 品質と環境 48 マネジメントシステム活用事例集

51 産業分類 総合工事業 危険予知活動表 品質環境活動表 (KY シート ) は同義であり 分けて考える必要はないと指導しています 各現場では 全社員が集まる全社会議および環境安全衛生委員会の中で 現場責任者が安全 品質 環境の観点から状況報告を行い 情報の共有化とともに必要に応じてアドバイスしていく活動を続けています このような取り組みにより 現場からの 業務が増える という嫌悪感を払拭することに成功し また社員にも 自分たちで工夫する という意識が大きく高まっていきました I 目に見える効果は公共工事評価点 ISO9001 ISO14001の認証取得から約 3 年が経過しましたが 徐々に工事品質が上がり 新潟県と新潟市の公共工事成績判定の評点の平均値が70 点台から80 点台に向上しました 評点が80 点を超えると総合評価方式入札における技術加点に有利となりますが そのラインをクリアできたことがISO9001 ISO14001 導入の目に見える効果であるといえます また 社員へのMSに対する活動の動機付けの一つとして 公共工事成績判定の評点が80 点以上で なおかつ採算が良い案件は 社内表彰を行う制度を導入しました この他 人事評価に目標管理制度を適用しています 社員各自が目標を設定し 達成度合いを評価します 業務上必要となる資格 ( 施工管理技士など ) の取得状況も評価の対象になります 品質 環境目標は現場レベルまで落とし 年次 月次 日次の目標をそれぞれ設定し評価しています 現場には工事監督者となる社員だけでなく 外注先の社員も働いているので 日次の現場目標については現場での朝礼の際に示して 現場に関わる全員で品質 環境目標を共有します このような動機づけが功を奏し 社員ひとりひとりのモチベーションも高まってきました I 社員全員のさらなる意識向上が課題 公共工事評価点が80 点を超え 工事の品質や顧客満足度 信頼度も徐々に向上してはいるが 会社としてまだまだやるべきことはたくさんある と樋口社長が言うように 組織の成長には終わりがありません 社員の中には意識の高い人もいれば低い人もいるので いかにレベルの差を埋めていくかが最大の課題です また 樋口社長は ISO9001 ISO14001 の導入効果については 入札条件 ( 外的要 樋口社長因 ) より 社員の意識変革 ( 内的要因 ) に対して有効に働いた と振り返ります 社員の意識改革が進み 結果的に業務品質が向上したことで 入札にも有利になる という正の循環を起こすことに成功しました 今後も 会社を次の世代につなげる基盤として ISO9001 ISO14001の活用を主としたMSのさらなる高度化を進めていきます マネジメントシステム活用事例集 49

52 ISO 9001 ISO 事例 No. 18 多能工化を目指した人材育成 少数精鋭 品質へのこだわりが顧客から高い評価 東洋ケミテック株式会社 東洋コーティング株式会社は 年の創業以来 企業活動を通じて社会の発展に貢献し みんなで幸せになろう という理念のもと 品質第一 少数精鋭 自己変革 をモットーに 高度なコーティング ラミネート加工を受託している会社です 年 : 東洋コーティング株式会社藤枝工場 東洋ケミテック株式会社土山工場を登録範囲とし I 生産性向上活動への取り組みを土台に I マネジメントシステム認証取得へ 東洋ケミテック株式会社 東洋コーティ ング株式会社は 1949 年創業 企業理念 として 品質第一 少数精鋭 自己変革 を掲げ 高度なコーティング ラミネート 加工を受託する会社です いくつかの工場 を持ちますが 今回は関東工場でお話を伺 いました ISO9001 認証取得 同社は 顧客からの要請で 2005 年に藤 枝工場 土山工場で ISO9001 の認証を取 得しました その後 グループとして他工 東洋ケミテック株式会社 代表者 : 伊藤世一 資本金 :2,500 万円 業務内容 : 各種フイルム 紙 布 不織布 レザー 従業員数 :127 名 場に対して認証取得の横展開の方針が出さ れ 関東工場においてもマネジメントシス テム ( 以下 MS という ) に取り組み始 め 2008 年に認証を取得しました 他の工 場が認証を取得していたことなどから グ ループ企業として土台があり 大きな混乱 もなく導入できた と 鈴木関東工場長は 振り返ります かねてから生産性向上 企 業体質改善の強化活動に取り組んでいたた め マニュアル作成などもスムーズにでき たと言います 金属箔などの軟素材へのコーティング 加工 ラミネート加工の受託加工 所在地 : 兵庫県神戸市長田区神楽町 URL: 年 : 東洋コーティング株式会社藤枝工場を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2008 年 : 東洋ケミテック株式会社神戸工場 関東工場を登録範囲とし ISO9001 認証取得 I 業務分類を工夫し能力評価 I 多能工化を推進 当初 関東工場での社員の能力評価は 多能工化訓練のため 業務内容に沿った分 類と 受注から出荷までの業務による分類 で細かく評価する仕組みとなっていまし た また 個人の能力開発の目標設定もチー ムリーダーが期間ごとに計画を立ててお り MS の認証取得のため 意図的に細かく 設定していたそうです しかし この仕掛けは現場に過度な負担 がかかり 継続的な運用が難しい状況とな りました そのため 能力評価の分類を簡 素化し 目標達成については 逐一チーム リーダーが確認するのではなく 毎日の仕 事の中で上司 ( 経験者 ) が判断するように 簡略化しました これらの取り組みは 認 証審査においても規格要件を満たしている と評価されています 能力評価の仕組みを 簡素化したことで 現場への余分な負担が 減り 多能工化に向けた取り組みが MS に より浸透するようになりました I MS 活動のマンネリ化防止の工夫 同工場では 多岐にわたった業務項目の簡 素化の他にも 実施計画の重点化 守れる目 50 マネジメントシステム活用事例集

53 産業分類 化学工業 VOC 処理装置のフロー図 職務分担表例 コジェネ 電力 VOC VOC MGT 蒸気 クリーン排気 塗工機 4 台 濃縮装置 VOC 酸化触媒式脱臭装置 クリーン排気 標の設定など MS 活動の方針を少しずつ変更しているそうです 鈴木工場長は 少しずつでも改善 改良を加えることで MSのマンネリ化を防ぐことができる と言います 具体的には 経営基本 (4S 含む ) と 生産技術 の 2 大項目でMSの管理をするようにしたり マニュアルを改訂したりして 常に改善活動を続け 社員に対して良い刺激を与えています 社員への刺激という意味では 内部監査も有効に働いています 内部監査では 関東工場以外への監査見学の仕組みを設けています 他工場の視察をすることで 関東工場では気付けなかった新しい発見をすることもあると聞いており 内部監査員への刺激となり MSの仕組みが社内の活性化につながっています I すべての活動が品質につながる 品質向上のためには記録を残すことが大切だ と 鈴木工場長は振り返ります 実は MSの導入準備時期のころ ある出来事がありました それは 工場長がまだ現場で管理責任者をしていたときのことです 認証取得のために膨大な書類の山がありましたが あるべきはずの肝心の記録が見当たらない という出来事 です お客様が製品を使用して問題が起きたとき 納品後の時間が経てば経つほど原因の究明が難しくなる そういった事態に対応できるようにするため 記録を残すことが大事 と工場長 現在は 社員の指導として 記録は自分の身を守る ことを繰り返し伝え 最近ようやく日常点検などの小さなことでも記録する習慣が社員に根付いてきたそうです 品質向上の結果評価のために その指標として 顧客満足度や仕入れ先からの評価を用いています 実際には 顧客への満足度アンケートや 仕入れ先への評価調査を定期的に実施し 小さなクレームでもさかのぼって予防措置を講じる仕組みとしています 目標設定としては 具体的な数値化に心掛けており 当工場では 例えば クレーム対応費用を金額換算で前年度に対して半減する といった目標を掲げているそうです I みんなが幸せになるために MSの取り組みは 仕方なくやるものではなく 日常の業務の中で当たり前のこととしてやるものだ と社員全員が理解するようになるのが理想です みんなのレベルが上がれば品質が向上し 利 鈴木工場長 益の取りこぼしがなくなり 個人の所得が増える 社員がMSを活用することで このような良い循環が起きると理解してくれると浸透が早い と 鈴木工場長は言います ルールを守ることだけに縛られず 自由度も残し 柔軟なアイデアが出せる環境を大切にする同社にとって 社員に負荷がかかりすぎないようにMS 認証を継続していくことが重要とこのことでした マネジメントシステム活用事例集 51

54 ISO 9001 事例 No. 19 職人の世界から持続的成長が可能な組織体に 関西と関東の各拠点が独自のやり方で競い合っていた業務を マネジメントシステムを活用し組織化 東京都中央区に本社を構える富永物産株式会社は 昭和 25 年に海外自動車メーカーの ディーゼルエンジン部門日本総代理店権を取得しています 今後は 環境問題などへ対応すべく ディーゼルエンジンにとどまらず ガスエンジンなどの販売サービスにも取り組みます 2004 年 : 全社を登録範囲とし ISO9001 認証取得 富永物産株式会社 代表者 : 小西紀次 資本金 :12,000 万円 業務内容 : エンジン プラント機械 パワープラントなどの販売 / アフターサービス 従業員数 : 約 130 名 所在地 : 東京都中央区日本橋本町 小津本館ビル URL: きたことは変えたくない 数値目標が達 成できていれば問題ない という考えに固 執し また そういったベテランの社員が 現場をリードしていたことから 若手も萎 縮し改善要望が出しにくい雰囲気がありま した I 中間管理職 ( 上司 ) の I 説明責任と変化 I 各拠点での独自のやり方を I マネジメントシステムで組織化 富永物産株式会社は エンジンを中心と した機械の輸入 販売 メンテナンスを行 う商社として 1899 年に関西で発祥し 1970 年に東京に本社を移しました 小西社長が入社したころは 会社は典型 的な各部採算性で 数値的成果が上がれば やり方は問わない 各部のやり方を押し通 す風潮がありました 同社は 顧客のサービス向上と迅速な対 応のために 商社でありながら三つのサー ビスメンテナンス工場を持っています し かし 10 年ほど前まで拠点間の人的交流 はほとんどなく 職人の世界の中で 独自 の方式で仕事をしていました このような閉じた職人の世界が 企業の持続的成長を妨げるのではないかと危機感を持った小西社長は 組織を本質的に強化するためのツールとして ISO9001 導入を決意します 結果オーライの組織ではなく 方向性を持って業務に当たるべきと考え マネジメントシステム ( 以下 MS という ) の 組織を強くする 機能を期待しての導入を始めました また ISO9001 認証取得が入札の条件となる場合が増え 最近では海外の大手メーカーや官公庁の入札条件にもなってきたこともあり このような外的要因もISO9001 認証取得の後押しとなりました しかし いざMSを導入しようとした時 現場からの大きな抵抗に合うことになりました 職人タイプの社員は 今までやって ISO 管理責任者である森脇常務が感じた課題は カン コツ の世界でスキルの習得が行われていることでした そのため MSの導入を急ぎましたが もともと同社は組織的な教育訓練を行っていなかったため MS 導入に際しての力量評価の仕組みづくりに当たって異なる業務を担当する社員に対し 企業として共通的な評価項目を設定するのに大変苦労しました また 社員の人事評価にISO9001をリンクさせようと試みましたが MSの目標設定と社員の通常業務との乖離があり その状態で評価しようとしたため なかなかうまくいきませんでした こういった経験を踏まえ 欲張りすぎずに 地道にステップを積み上げることが大切だ との考え方に至ります そこで常務は もう一度 会社の現状を見つめ 役割遂行基準 という力量評価 52 マネジメントシステム活用事例集

55 産業分類 機械器具卸売業 富永物産 ( 株 ) のコミュニケーションシステム 役割遂行基準面談 技術交流 教育訓練 今期の重点課題記入シート などを活用し 上司 部下の相互理解を深める 教育訓練計画書 を策定し 年間計画に基づき社内外の研修などに参加 技術継承三事業所のメカニックを対象に定期的に他の事業所に派遣し 交流 取扱エンジン機種毎の 組立チェックリスト を作成 活用し 標準化を図る オブザーバー制度 クロスオーバーミーティング 内部監査 部長の他 幹部クラスを他部署の内部監査にオブザーバーとして割当 自部署への水平展開 内部コミュニケーション テーマを決め 定期的に全部署より人選して討議 部門を超えた交流を図る 方式を開発することにしました この方 式は 毎年 個人の目標を上司との間で取 り決め その達成度をレビューするという 方式です これは 人事評価にもつなげる ことができ さらに役割遂行基準を実践す る中で 社員とその上司との間のコミュニ ケーションが活性化するという効果も生ま れました 特に 上司にとっては社員への説明責任 があるため 上司自らが方針を深く理解し それを社員に伝え 納得させる必要が生じ ます そのため 上司が自然と MS の活動を 自分のこととして捉えていくようになると いった効果も得られました このように MS の活動はコミュニケー ションツールとしても非常に有効だと考え ています I マニュアルで伝えられないことは I コミュニケーションでカバー 富永物産株式会社は 商社でありながら サービスメンテナンス工場を持ち メー カーのような業務も行っています メンテ ナンス時は製品をいったんすべて分解し 部品ごとの点検を行った後 再度製品とし て組み立てます まさに職人の世界であり 技術継承が必須のテーマとなっています マニュアルにはうまく記載できない音や臭 いなどはコミュニケーションで補いながら技術継承していますが これらの点にMS を活用して 仕組み化できないかと考えました そこで 試行的に各工場のメカニックについて 全員を別の工場に2カ月ずつローテーションをさせる取り組みを始めました その結果 同じ業務をやっていても方法が全く違う など 現場からの気付きがあり 多数の改善意見が上がりました この結果を踏まえ 客観的に他工場でのやり方を観察する仕組みをMSに組み込むことで マニュアルにはうまく記載できないような技術についても継承がスムーズにできるようになりました また 内部監査の取り組みも工夫を凝らしています 当初はISO 推進員が講習を受けて手探りの状態で内部監査を行っていましたが 最近は 部長クラスを内部監査のオブザーバーとして管轄外の拠点に同行させ 他の事業部の管理手法を学ぶ仕組みを構築しました 今後は 内部監査員を中心としてノウハウを共有し 誰でも内部監査員になれる 社員も全体を見ることができるという方向に持っていきたい と 小西社長は目標を語ります 小西社長 I 会社の成長には終わりがない小西社長は どんなものにでも賞味期限があり 昔ながらのものでも常に新しいものを考えていかなければならない それは商品もMSも同じ と語り 今の会社の状態で満足してはいけないと考えています 会社の成長 人の成長には終わりはなく そのために会社として 何に投資すべきなのか について 現場から積極的に提案が上がる会社を目指しています マネジメントシステム活用事例集 53

56 ISO 9001 ISO 事例 No. 20 地域に根差すための組織づくり 会社の仕組みが整い 建設業者が林業へ参入 株式会社長瀬土建は 地域密着の建設事業として地域社会との共生を目指し 基本の工程 工期 工費を管理徹底しています また 社会的使命と公共性を常に自覚し 飛騨の豊かな地域社会と地球環境が将来にわたって維持されるよう 全社員が一体となって 品質の顧客満足 環境保全 労働安全衛生の リスクゼロ 活動に取り組み 顧客満足の 追求のため 継続的改善を常に心掛け 地域社会への社会貢献を目指しています 株式会社長瀬土建 代表者 : 長瀬雅彦資本金 :2,000 万円業務内容 : 土木一式工事 とび 土工 コンクリート工事 舗装工事 造園工事 管工事 林業 高山市下水道指定店従業員数 :31 名所在地 : 岐阜県高山市久々野町久々野 1559 番地 URL: 年 :ISO9002 認証取得 2002 年 :ISO9001 ISO14001 認証取得 年 :OHSAS18001 認証取得 2006 年 :ISO9001 ISO14001 OHSAS18001 統合 ならずに成果を挙げていけるかを考えることで 三つのMSを統合するに至りました OHSAS18001 認証取得後も 時代の流れに対応する新しい規格に積極的に取り組んでいます 2014 年 10 月から 独自の NAGASE-ODSC(Objectives Deliverables Success Criteria) を策定し ODSCシートによる管理を開始しました これは クリティカルチェーン プロジェクトマネジメント (Critical Chain Project Management 略称 CCPM) という 制約条件がある中で 全体最適化を目指すプロジェクト管理手法 の一つで 目的 (Objective) や成果物 (Deliverable) を明確にし 成功基準 (Success Criteria) を数値化するものです I 力量の均質化を目指して株式会社長瀬土建は 1959 年に創立以来 道路改良 舗装工事 棟梁下部工 治山 林道 下水道工事などの公共建設工事を主として事業をおこなっています 同社がマネジメントシステム ( 以下 MS という) 構築を始めたのは 15 年ほど前 長瀬社長 ( 当時専務 ) は 社員間の力量のばらつきから 社員の業務分担が属人的になっている状況を問題と感じ 力量のばらつきをなくすことが組織パフォーマンスの向上につながると考えていました そのころ 知人の紹介でMSに触れ それ が力量均質化ツールとして使えるのではないかと考えました その後 研修などを経て本格的に取り組むことを決意し 2000 年にISO9002の認証を取得しました 建設業は 品質も 環境も 安全も 別々では成り立たない という長瀬社長の意向から 2002 年にISO 年に OHSAS18001の認証を取得 OHSAS18001 の認証取得は 30 年以上無事故無災害を誇っていた同社が 下請けの事故を経験したことも認証取得の後押しとなりました 現在は QM/EM/OHSの三つのMSを統合して運用しています 社内の仕組みとして運用していく中で 如何に社員の負担に I MS 理解促進の施策 I リスクに対する社員の意識向上 さて 2000 年から取り組んだ MS ですが 最初から効果が得られたわけではありませ んでした 品質 については 作業標準 手順を作り 込み 作業計画書のレベルがそろうのに 3 年 ほど時間がかかったと社長は振り返ります 50 項目にわたる細かい力量評価表を作 成し 人事考課とも直結させ 力量によっ て給料が決まるような仕組みを構築 また 個人の資格取得も会社が全面的に費用を負 担するなどのバックアップを行うことで 54 マネジメントシステム活用事例集

57 産業分類 総合工事業 2014 NAGASE-ODSC 顧客が喜び品質確保 安全優先ながせプロジェクト 目的 Objectives 1 地元地域経済の活性化 地域の経済の発展 ( 顧客 社会貢献 経営理念 ) 2 品質の優先で安心 安全なインフラ整備 ( 顧客 社会貢献 経営理念 ) 3 早期完成による渋滞緩和 ( 顧客 社会貢献 ) 4 誰からも好かれ 建設業のイメージアップ 労働者担い手確保 ( 社会貢献 ) 5 確実に給料 賞与をもらう ( 財務プロセス ) 6 家族の喜ぶ安定的生活のため ( 財務プロセス ) 7 無事故 無災害で完工 ( 業務プロセス ) 8 資格の取得ができる技術者の育成と教育 ( 成長と育成 ) 成果物 Deliverables インフラの利便性を感じる建造物 ( 施工プロセス )23 次の現場に活かせる工程表 ( 業務プロセス )37 昇級 給与アップ ( 財務プロセス )45 将来に残る社会資本整備 ( 社会貢献 経営理念 )14 現場力 技術力が向上した技術者 ( 成長と育成 )78 安全 品質をより良くしようと努力する技術者 ( 成長と育成 )78 コミュニケーションの向上した技術者 ( 成長と育成 )12 マネージメント力が向上した技術者 ( 成長と育成 )1278 成功基準 Success Criteria 工期内に検査を受ける 8 工事評価点 80 点以上 8 規格値 50% 以内 8 粗利益 20% 以上 4568 目標とした完工に安定して受注できる 住民とのコミュニケーションの向上挨拶や普通に世間話ができる 123 クレーム 苦情 0 件 ( 住民からありがとうと言われる )1234 ストレス無く工事を終える 78 笑顔で工事を終える 5678 若手技術者の成長 ( 国家資格の取得 )8 社員のモチベーション向上を促し 結果的に 離職率も徐々に下がっていったそうです 会社がいくらお金や時間をかけて教育しても 辞められては損失ですし 品質維持において不可欠な人材確保ができるような仕組みができたことで 業務のローテーションもスムーズに行えるようになったそうです 品質 への取り組みが実を結んでくると 次は 労働 安全とリスク管理の課題に取り組みました 代表例が 毎月 1 回 内部監査とは別に実施する QM/EM/OHSパトロール です KY( 危険予知 ) にかかる十数項目のチェックリストを作成して 担当者が一つ一つの現場を回ります さらに 工事に関わるリスクには リスクチェックシートを事前に作成するようになりました 大雪などによる自然災害から 熊 蜂 蛇などの動物被害の項目まで 考えられるあらゆるリスクを設定しています 幅広い角度からの地道な努力を経て 社員の意識が高まり 一つの業務が完了すると同時に新たな目的を見つける意識を社員が持ち 自然とレビューが実施されている光景を目にすると MSの仕組みへの理解を感じる と長瀬社長が力強く語ります I 地域に配慮した環境への取り組み 環境 の取り組みについては 環境方針 目的 目標につながる活動の一環として 年数回のボランティア活動を実施しています 具体例としては 地域の道路の清掃除草や植栽などの環境美化活動をおこなっており 地域と一体となり快適な地域づくり をしています 環境目標には その活動を 4 回 / 年以上行うと掲げ 講演会などもその回数に含めるなどMSへの取り組みの幅も広がっています その結果 地域からは しっかりと環境にも配慮した上で 良い仕事をする という評判を得て多くの引き合いがくるようになり 国土交通省などの国の機関 岐阜県や地元の飛騨 高山からもさまざまな表彰を受けるなど 外部からの評価という副産物も生みました MSに取り組みはじめたころ 例えば 環境 の取り組みについては紙ごみの削減からはじめましたが 今後どのように仕事に結びつけるかという不安もあったそうです しかし 建設業という業種柄 地域社会との共生を第一に考えるべきであると考え そのことをMS 目標で明確化したことでその意識が社員一人一人に正確に伝わり 結果として林業へ参入するまでになったと長瀬社長は考えています 日本では 林業はあくまで地方自治体が国の補助金を使用して行う 補助事業 というのが一般的ですが 公共事業の 請負業務 として行えば 建設業界で培ったノウハウなどを生かしつつ コストも低く抑えることができ しかも地域雇用になり地域の活性化にも役立つと考えました まず 将来この山をこのような森林にしたいというビジョンを立て その目的のためにどんな道を造るのかを考え コストを低減するためのシステムを作り それが決まってから機械を導入する のが ヨーロッパの林業のスタイルです ソフトからハードに入るという手順が MSと同じ概念であることに共鳴し 積極的に取り入れました I 地域貢献という明確なビジョン 同業者を見渡してみても MS 認証取得が入札における総合評価の加点になるなどの対外的なメリットだけを求めてMSへの取り組みを始めたところは 既にその取り組みをやめているところも少なくない 当社は社員の力量の均質化というMS 構築がきっかけでその取り組みを始め 地域貢献という明確なビジョンを社内に示せたことがよかった と長瀬社長は振り返ります 組織として大きな視点で見られるようになるまでに10 年という年月がかかりましたが その年月を経て 株式会社長瀬土建にとってMSは今後のさらなる進歩に欠かせない財産となりました 長瀬社長 マネジメントシステム活用事例集 55

58 ISO 9001 ISO ISO ISO 事例 No. 21 町工場が成長する過程で 企業の組織化にマネジメントシステムを活用 現場浸透の鍵は労働安全衛生マネジメントシステム OHSAS18001 鍋屋バイテック会社は 創業 1560 年の株式会社ナベヤから独立して設立 伝統技術である鋳物をベースとした伝動機器を製造している 大変歴史のある会社です 伝動 制御 位置決めのための機械要素部品の開発 製造 販売を行っています 鍋屋バイテック会社 代表者 : 金田光夫資本金 :9,600 万円業務内容 : 伝動 制御 位置決めのための機械要素部品の開発 製造 販売従業員数 :323 名所在地 : 岐阜県関市桃紅大地 1 番地 URL: 年 :関工園 各務原工場 東京営業所 大阪営業所を登録範囲とし I S O ISO14001 認証取得 年 : 関工園 各務原工場 東京営業所 大阪営業所を登録範囲としO H S A S 認証取得 ISO ISO OHSAS18001 統合 年 : 関工園 各務原工場 東京営業所 大阪営業所を登録範囲とし ISO50001 認証取得 4 規格統合 2014 年 : 関工園 各務原工場を登録範囲とし ISO22301 認証取得 い 町工場が大きく成長する過程で MS が仕組みとして使えるのではないか と考 えるようになりました また同社は これまで売上目標を立てた ことがなく 計画らしいものも存在しな かったため MS 規格の持つ P(Plan) の 機能がどれほどの効果を会社にもたらすの か 試してみる意味合いもあったそうです こうして ISO9001 ISO14001 認証の取 得に向けた活動を開始し 2000 年には両 認証を取得しましたが 当初は意味が分 からないことばかりだった と金田社長 また 現場からは ISO9001 ISO14001 は他人事 と思われ 社内への浸透はス ムーズには進まなかったそうです OHSASの取り組みにより I 現場の意識が向上 I 組織化する仕組みに I マネジメントシステムが使える 1940 年設立の鍋屋バイテック会社は 日本の長い歴史の中で磨かれてきた伝統の 鋳物技術を生かし 伝動機器の製造を行う メーカーです バブル景気で会社の規模が拡大し 社員 数が増加した 1990 年ころから 町工場時 代には感じなかった 問題 が見え始めて きました 以前は 社長が社員全員の顔と 名前を把握していましたが 社員数が200 名を超えてくると 社員全員を覚えきれなくなり 意思の疎通という点でも危機感を抱くようになりました また 社内のまとまりや緊張感が薄れていた時期でもありました そんな折 岡本前社長が マネジメントシステム ( 以下 MS という) に詳しい大学の先生と会食をする機会があり MS 活用の本質的な意義を知ることになります 岡本前社長が抱えていた危機感も手伝 ISO9001 ISO14001に続き 労働安全衛生マネジメントOHSAS18001を認証取得したのは4 年後のことでした 同社にとって このOHSAS18001の取り組みが大きな転機となったと社長は振り返ります 労働安全衛生というテーマは 現場社員に興味を持ってもらいやすい と佐藤専務が語るように OHSAS18001を通して労働安全衛生に取り組むことで 現場の意識は見る間に変わり 自主的な取り組みとして一気に組織に浸透していきました また 同時期に ISO9001 ISO14001の見直しにも着手しました 規格の要求事項で省けるところは省略し 業務と密接に 56 マネジメントシステム活用事例集

59 産業分類 金属製品製造業 スキルマップ 関係するところは仕分けて メリハリを付 けるという視点で 教育訓練の意味合い 文書管理 記録管理をもう一度見直し 非 常にコンパクトな ISO9001 ISO14001 OHSAS18001 の統合 MS を完成させました その後 2011 年には ISO50001 の認証 を取得します きっかけとなったのは 原 子力発電の停止による電力不足でした ISO50001 の取り組みによって使用エネ ルギーを 見える化 ( 指標化 ) し エネル ギー削減に有効なリードタイムの短縮によ り 多品種少量かつ即納 を実現する体 制を作り上げました I 品質と環境と安全と I エネルギーは 一緒 金田社長が 品質も 環境も 労働安全 衛生も エネルギーも 組織運営の上でさ まざまな側面から光を当てているだけで すべての本質は一緒 と考えています この考え方は 同社が開発した 統合リ スクアセスメントシート と スキルマッ プ に見て取ることができます 統合リスクアセスメントシートとは 業 務上のリスクを 品質 環境 労働安全衛 生 エネルギーの分類で区分けし 各々の MS の中で対策を施していくためのフレー ムワークです スキルマップは 現場社員 に必要なスキルを定義し それぞれのスキ ル項目について 品質 環境 労働安全衛生 エネルギーに関連付けた形で各社員を診断 するためのツールであり 診断結果を見れ ば その社員のどの観点が弱いのか どう育成すべきなのかが明らかになります このように 普段の業務上の仕組みの中に自然とMSが組み込まれていることが 組織にMSを浸透させていくポイントと社長は言います また 佐藤専務は 組織の中に一本筋の通った 分かる人 がいることが何より重要です 分かる人 がいなければ 何のためにMSに取り組むのか分からなくなり 次第に歯車がかみ合わなくなります と分析します 組織の中に強い意思を持ち 規則をしっかりと貫く人がいるかどうか このことがMS 導入の成功の鍵を握っているようです I 事業継続の視点も導入同社は これまでの4 種の認証取得に続 き 2014 年 12 月にISO22301の認証を取得しました 同社の最大の特徴は 生産設備が自社製造であることです そのため 災害等により生産設備が故障した場合でも 自社で修復することができます このことは 事業継続上の強みであり 事業継続の観点を強化することで 同社にとってさらなる特徴付けが可能となります また ISO22301 認証取得のプロセスで 一つ気付きがありました まず目標 ( 復旧時間 ) を立て それを実現することは 利害関係者やサプライチェーンへの影響を最小にすることであり CSR( 企業の社会的責任 ) の強化につながる という考え方です このように MSはロジカルシンキングのフレームワークとしても価値を発揮するなど 同社にとってMSはまさに経営ツールとなっています 左 : 佐藤専務右 : 金田社長 マネジメントシステム活用事例集 57

60 ISO 事例 No. 22 企業合併において 異なる組織文化を マネジメントシステムを活用し融合 個人の意識変革 最初は課長クラスから 後に一般社員へ 株式会社日本ラベルは シール ラベルやタグ事業で培った顧客との関係を生かし 顧客が求めるマニュアル 大型グラフィックスなどを幅広く提供しています 受注即納品が可能な生産体制を構築すること 印刷業界の先進的な技術を早期に整備すること 幅広い技術対応力で新領域を開拓することなどを強みに業務に取り組んでいます 株式会社日本ラベル 代表者 : 平山良一資本金 :2,400 万円業務内容 : 百貨店向けシール タグの印刷 時計業界向け備装品の作成 屋外など用大型グラフィックス出力 施工従業員数 :30 名所在地 : 東京都板橋区東坂下 URL: きる人を外部から中途採用しましたが 最 初は 多くの社員が MS の用語を理解でき ませんでした 総務の社員と根気強く作成 に取り組みましたが 当初はなかなかうま くいきませんでした I 社員の意識向上に役立つ I 目標設定 年 : 本社 工場を登録範囲とし ISO14001 認証取得 I 合併後の指針として I マネジメントシステム導入を決断 株式会社日本ラベルは 2003 年 4 月に 130 年続いた平山秀山堂 ( 印刷関連の企 業 ) を統合しました その際に それまで 操業していた文京区の工場が手狭となった ため 現在の所在地である板橋区へと移転 しました 統合後は 両者の風土も 仕事のやり方 も また従業員の年齢層も異なっていたた め どちらの出身の社員を上司に据えても 反発が起きてしまい 業務が滞ることがあ りました そこで思い切って 若手社員を グループ長に抜擢する 新しい組織を作る こととしました 組織が合併し 異なる組 織文化を融合し 若手とベテランが同じ考 え方や方向性を得るためには システムの 刷新が必要で そのときに国際標準である マネジメントシステム ( 以下 MS とい う ) が有効に働くのではないかと期待しま した 環境管理の ISO14001 に取り組むことに したのは かねてから平山社長自身が地球 環境の悪化を懸念していたことに加え こ れからの企業価値は 環境貢献にある と 考えたのが発端です また MS の取り組み が顧客アピールの観点 同社としても取り かかりやすかった点 時代の流れにも合っ ていた点も MS 構築と認証取得の後押しと なりました MS 構築にあたり 会社規程集を作成で 社員の意識向上に最も役立ったのが 個人目標 ( スローガン ) の設定です 個人目標を設定するとき 各自が携行している環境方針カードに自ら実施事項を書き込みます 自らが進んで設定した目標なので 達成に向けた行動の動機付けになっています 個人目標が会社の目標に直接的につながらないこともありますが 社員の意識向上のためと割り切ることで 一定の効果が上がっています また スローガンを紙に書いて張り出す 各部門や個人の目標を朝礼の場で発表する 取り組みの状況をグラフで表す ( 廃棄物量 電気使用量の提示 ) など 全員に共有化 見える化を行うことで さらなる動機づけを図っています 社員の中から環境管理委員会の委員を選抜することも 社内にMSを浸透させるために効果がありました 委員になることは MSへの参画意識を呼び起こし 個人のモ 58 マネジメントシステム活用事例集

61 産業分類 印刷 同関連業 取り組み状況をグラフで掲示した会議室 環境方針スローガンを掲げた職場 チベーション向上にも結びついています 最初は課長クラスから始め 今では一般社 員も委員を担うよう裾野を広げています 社員の意識という意味では 外部審査に 対しても考え方が変わってきました 外部 審査に関しては 当初は 審査員が問題を 見つけに来ている のだと思い 受け身に なりがちでしたが 何回か審査を受けてい るうちに しだいに環境保全対策を推進す るために助けてくれる存在だと考えられる ようになりました 指摘を前向きな改善に つなげられるようになり 現場の社員も審 査の場に立ち会い 積極的に意見を交わし ています I 印刷業界では 環境管理の I 認証取得はビジネスにプラス効果 また紙がもったいない 環境に悪いという 気持ちが働く結果 クレームも少なくなり ました 今では 社員全員が商品のライフ サイクルのどこかに 環境に対する貢献は 存在すると考えています I 次のステップに向け I 食品業界を視野に 2005 年 ISO14001 認証取得し 企業 合併当初の異なる企業文化を融合する効 果は十分上がったと考えますが 取り組 みを長く継続してくると 正直なところ 手詰まり感もあります 考えられること は全て取り組んできたため 現地点では次に何に取り組めばよいかが見えにくくなってきているのです 関連規格などについて これまでは法律対応やお客様からの指示を受けて対応していましたが これからは主体的に提案できるように 規格を経営に生かして 競争力を高めていきたいと考えています 同社は食品関連のラベルやシールを扱っていることもあり 特に食品関連の ISO 規格を学習し 事業に役立てていくつもりです ISO14001を取得したことは 対外的にも良い影響がありました 全国組織である日本印刷産業連合会の 第 10 回印刷産業環境優良工場表彰 奨励賞を シール / ラベル印刷業界では数少ない事例として当社の工場が受賞することができました リサイクル100% ということで 営業活動にも有効に働いています 社内でも 業務の見直しを通じて いかに環境目標を達成しようか という意識が根付いたおかげか 不具合が少なくなり 左 : 平山社長右 : 永野次長 マネジメントシステム活用事例集 59

62 ISO 9001 ISO 事例 No. 23 病院の縦社会を多職種共同型組織に変えたマネジメントシステム 組織横断の PDCA 構築からデータ活用に向けた試み ひたちなか総合病院は株式会社日立製作所の企業立病院として 1945 年に開設されました 人口 20 万人のひたちなか市 東海村地区唯一の総合病院であり 地域を守る病院 として医療を担っています 地域がん診療連携拠点病院を 目指し 各専門職の固有技術のスキルアップを図っています 年 :ISO9001 認証取得 2013 年 :ISO22301 認証取得 株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 院 長 : 永井庸次 開設者 : 株式会社日立製作所 認可病床数 :302 床 従業員数 :634 名 (2015 年 1 月現在 ) 所在地 : 茨城県ひたちなか市石川町 20 番 1 URL: hospital/hitachinaka/ に展開する活動のことで 病院でも TQM 的発想で MS が使えるのではないか とい う考えが浮かびました 医療機関は医師 看護師 検査科 薬剤師 などで構成される縦社会であり お互いに 何をしているか分かっていないことが多く あります このような組織文化を改革する ためのツールとして 永井院長は MS に期 待をこめました 具体的な活動として MS 多職種横断チー ムを作り 月次の目標設定による改善活動 を行っています 活動の狙いは二つあり 小さい単位の改善活動を行うことで PDCA の考え方を職員に理解させるとともに お 互いが他の組織の業務を理解することに よって 全社的な業務改善の基礎を築いて いきます I データ活用によるチェック強化 マネジメントシステムは TQM+ I 多職種共同 のツールと理解 ひたちなか総合病院は 茨城県ひたちな か地区唯一の総合病院として 1945 年に 設立されました 同院の永井院長は 1993 年に筑波大学からひたちなか総合病院に移 り 当初は小児科主任医長を務めていまし たが 6 年間の勤務の後 院長に抜擢されま す しかし 病院の組織や業務が全く分か らず 院長としての業務に支障をきたしま した そのような状況を打開するために 行き 着いた先が ISO のマネジメントシステム ( 以下 MS という) でした 同院は日立製作所の企業立病院で企業畑の事務員が多く ISOという言葉を耳にする機会も多くあり MS 認証取得を始めることになりました 当初はコンサルタントに依頼して指導を受けましたが MSの用語を医療用語に直すことは大変な作業でした 2001 年にはその努力が実り 同院は日本で最初に ISO9001( 2000 版 ) の認証を取得した病院となりました この折に 永井院長は TQM(Total Quality Management) という言葉に出合います TQMは経営戦略を品質目標にまでブレイクダウンして 全社的 スムーズに動き出したMS 構築に 一つの転機が訪れます 同院を訪れた株式会社日立製作所の視察員から 病院には 製造業でいう品質保証部門がない 医師の設計 ( デザイン ) を誰が検証するのか と指摘されました その指摘に対し院内のデータを収集 分析すれば医師の設計の検証ができるのではと考え データ活用によるチェック強化 の活動に乗り出します 同院では2013 年に新たにデータセンターを設置し 専任 兼任合わせて 14 名体制 (SE 看護師 事務員などの複合チーム ) で 患者データを含めた院内のさまざまなデータ蓄積をすることになりました 60 マネジメントシステム活用事例集

63 産業分類 医療業 各部門の活動方針 品質目標の設定 これにより 院内に分散していたデータの統合 分析が可能となりました 永井院長は 統合データの活用は先駆的な取り組みで 手探りの面もあったが 院内のドライブフォースとして働くはず と意気込みを語ります I ISO22301による組織への浸透 2011 年 3 月 東日本大震災が発生し 地域の断水が10 日間続き 同院は災害拠点病院としての対応に追われました このことをきっかけに 同院は2013 年に事業継続マネジメントシステムである ISO22301の認証を取得しました 同院の BCMS 方針のポイントは 1 医療の本質である人命尊重を大原則とする 2 地域の医療を護る 3 常に演習を含めたPDCAサイクルを回す に集約されます MSの組織への浸透という意味でも ISO22301は有効に働きました 医療サービスと事業継続の考え方は相性がよく 多くの職員が リスクマネジメント について高い意識を持つようになり リスクアセスメント活動に積極的に関与しました ISO22301では演習の実施が義務付けられており 同院では災害想定シミュレーション演習に力を入れています 参加する職員も 東日本大震災を振り返り あのときどう動けばよかったか という視点を持っているため シミュレーションは緊張感がみなぎり リスクマネジメントについて深く考えることができます ISO9001は 事故が起きないようにどうするか とい う発想ですが ISO22301では 事故が起きてからどうするか という新たな価値観を与えました I 今後の課題は人材教育数々の工夫した取り組みによって 確実にMSの高度化を成し得てきた同院ですが まだまだ課題は多い と考えています まずは人材教育です 医師に対する専門的教育は職能担当で行うことが重要ですが 固有技術が進歩しすぎていて専門分野ごとの技術と その技術を習得している人材の対応を整理する管理技術が追い付いておらず さまざまなトラブルが発生している実情があります この管理技術こそ MSが活用できる領域であり 個人にフィードバックできるような教育を行うことが これからの課題です 人材育成の一環としては これまでも 半年に一度の内部監査を行ってきました 内部監査員には課長 主任 看護師長レベルを任命し 教育を受けさせ 互いの業務を理解する狙いで相互監査を行っています よく整備された仕組みですが 内部監査員が業務を理解していなければ 要求事項と照らし合わせるだけの監査になってしまい 本当にTQMを理解した内部監査を行うことはできません 今後は内部監査員の力量を上げるような取り組みを行っていきたい と永井院長は考えています 一方 KPIの設定は難しく 医療機関の業務の中で何を最も重要な定量的尺度とするかは 単純な問題ではありません しかし そのためにもまず 業務の可視化から始めていくことが重要と考えています 2 年後には 二つのMSの統合を計画しており これを機に 院内のMSの さらなる高度化を実現していく予定です 永井院長 マネジメントシステム活用事例集 61

64 ISO 9001 ISO 事例 No. 24 鉄鋼 機械関連商社が取り組むサービス品質向上活動 内部監査の徹底的活用による世代交代を含めた人材育成 藤田商事株式会社は日本の鉄鋼物流の 15% を扱う浦安鉄鋼団地に本社を置き 特殊鋼の販売 機械加工 機械販売を行っています さらにコンピューター制御付バー保管自動システムの大型設備を導入 本格稼動し 業界内でも注目企業の一つとなっています 創立 68 年の利点を生かし 環境の変化に負けない強い経営基盤の構築を目指しています ISO14001から I PDCAの重要性に気付く 藤田商事株式会社は 特殊鋼の販売 機 械加工 機械販売を行う会社です マネジメントシステム ( 以下 MS と いう ) の構築に取り組むきっかけとなった のは 顧客から ISO14001 の認証取得を取 引条件の一つとして提示されたことでした 当初は用語を理解するのも難しく非常に苦 労したそうですが ISO 管理責任者である 藤田常務が 諦めずに本を読みあさりまし た と 粘り強く取り組み続けた当時の状 況を振り返ります 同社は 従来 5S 活動などの業務改善活 動を行っていましたが MS の PDCA の考え 藤田商事株式会社 代表者 : 藤田忠義 資本金 :4,500 万円 2008 年 : 本社を含む 8 拠点を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2009 年 : 本社を含む 7 拠点を登録範囲とし ISO9001 認証取得 業務内容 : 特殊鋼の販売 機械加工 機械販売 従業員数 :88 名 所在地 : 千葉県浦安市鉄鋼通り URL: 方に触れる中で 社内の業務改善のため に ISO9001 にも取り組んだ方がよいの ではないか と考えるようになり 翌年の 2009 年には ISO9001 認証を取得しました MS の認証取得は すぐに対外的なメリッ トをもたらしました 同社の取引先は大 手メーカーが中心ですが 認証取得以前は 取引先からの頻繁な監査対応がコストに なっていました しかし MS の認証取得後は 日ごろの取り組みをドキュメント化し 広 報用にまとめるだけで対応が終了するよう になりました また 追加の書類の提出を 求められても 普段作成しているものをそ のまま提出すれば済むようになるなど 監 査対応が格段に簡素化されました I 内部監査による社内への浸透 MSの社内への浸透のポイントは 内部監査を活用した現場の頻繁なコミュニケーションと教育でした 現場にはISO 管理責任者 ISO 事務局が直接出向き 日ごろからコミュニケーションを取っておくことが大変重要です と藤田常務は自らの考えを述べます 年に一度の内部監査では 内部監査員が 監査項目に対しABCでランク付けを行い 部門の総合的な採点を実施します 毎回 100 件以上の指摘が入るなど 厳しい監査を行っています 同社の特徴的な取り組みとして 内部監査員の力量評価の仕組みを有している点が挙げられます 内部監査員は20 代から30 代の若手を中心に養成し その上で内部監査員の監査に対する力量評価を ISO 管理責任者と ISO 事務局が実施します 10 個程度の項目で評価を行い 結果はレーダーチャート形式で見える化し フィードバックしています 監査の視点は 当初は規格の要請内容のみでしたが ここ何年かで新入社員が増えたことも踏まえ 教育とMSをリンクさせ通常業務とうまく融合させています また MSを社内へ浸透させるためには 目標設定も重要です 62 マネジメントシステム活用事例集

65 産業分類 機械器具卸売業 内部監査員のフィードバックレポート ISO14001の取り組みでは 紙 ゴミ 電気 の削減だけでは業務との直接的な関わりが弱いため 鋼材切断時の端材削減 切断機の効率運用などの目標値を掲げて活動しています このように現場のモチベーションを保つためには 現場の職員が効果を実感できるような工夫をすることが大切です 一方 ISO9001の取り組みにおいては 品質目標を設定し 顧客クレーム ( サービス員の対応 納期遅延など ) や不具合を減らすことを第一に精励しています さらに 顧客満足と人材育成に力を注ぎ 会社として世代交代の時期にあるため 若手の多能工化を推し進めています た 技術の習得を従来の 背中を見て覚え る 職人的な方法に頼らないよう 業務の 標準化を進めることができました ベテラ ン社員も当初より抵抗がなくなり 社員の 定着率も向上しています I マネジメントシステムで I 世代交代を乗り越える 同社の今後の課題は 世代交代を迎える 若手人材の育成と 次世代を担うマネー ジャークラスの育成の 2 点です 若手人材の 育成には 内部監査制度を今まで以上に活 用しながら 若手社員全体のレベルアップを図ることを検討し 30 代 40 代のマネージャークラスの育成には 部署の目指す方向性を常に意識し それに基づいた計画を策定するスキルを磨いていく予定です 現在は 定期の内部監査とは別の取り組みとして 普段従事している工場とは別の拠点の工場に視察に行き その現場の課題や改善点を記入し 現場はそれに応える形で改善活動を行い 効果を上げています その際 監査員には 必ず何かを見つけるように と指導しています I マネージャーの育成にも I 内部監査が効果的 最近では 部署のマネージャークラスに対し 業務改善活動がどのように会社の方針につながっているかを意識させる取り組みを始めています 具体的には 部門別計画表に会社や部門の方針 課題の欄を設け まずその欄に各自の考えを書かせてから 業務改善計画を立案できるようフォーマットを変更しました この取り組みはかなりの効果が得られ マネージャークラスの意識改革を進めることができました ま 左 : 藤田常務右 : 種谷課長代理 マネジメントシステム活用事例集 63

66 ISO 事例 No. 25 ISO22000 で食の安心安全と人材育成を実現 人材育成とマネジメントシステムの本質理解にゴールはない フジミツ株式会社は明治 20 年に山口県長門市でかまぼこ製造業として創業しました 地方の かまぼこ製造会社 から 総合食品創造企業 へとさらなる飛躍を図るため 現在は 生かす経営 継なぐ経営 創る経営 という三つを新たな企業理念として 時代の価値 を率先して創り出していくチャレンジ型の経営を行っています フジミツ株式会社 代表者 : 藤田雅史資本金 :6,000 万円業務内容 : 水産練製品製造業従業員数 :349 名所在地 : 山口県長門市東深川 2537 番地 1 URL: 規格の認証取得やHACCPの取得への意欲を高めました 業界内では原料の海外調達が進んでいましたが 国ごとの認証取得が必要なHACCP ではなく 国際規格であるISO22000の認証取得に魅力を感じ 取り組みを始めました 2008 年 : 本社工場 三隅工場 ( 第 1 ~ 第 3 工場 ) を登録範囲とし ISO22000 認証取得 I マネジメントシステムは I 人材育成ツールだと気付く I ISO22000 で I 食の安心安全をアピール フジミツ株式会社は 山口県長門市に本 社を構えるかまぼこ製造を中心とする食品 製造会社です 先代社長の時代から それ まで家内工業的であったかまぼこ生産の機 械化を積極的に進めていました 藤田社長 は当時工場長として同社に勤務しており 何かで日本一になりたい という思いか ら もともと従業員一人当たりの生産高が 全国トップクラスであることに着目し 業 界初のオーダーピッキングシステム ( 出荷 先ごとに 商品 物品を集めて梱包する手 法の一つ ) を導入するなど徹底したローコ ストオペレーションを追及してきました しかし 2000 年代になって 流通業界の 趨勢が変化すると共に ローコストだけでは通用しなくなり この先勝ち続けていくためには生産性だけではなく商品開発力の強化が必要であると考え 若い女性と子どもをターゲットとした商品群 ( カニカマ おでん用商品 チーズころんなど ) の開発に着手しました これを機に商品の多角化を進め 数多くのヒット商品を生み 事業統合を経て 会社の規模を拡大していきます ところが 大手乳業メーカーの集団食中毒事件をきっかけに 食の安心 安全が叫ばれる時代となり 国内で食に関する法改正が相次ぎました これからの時代は生産性 商品力だけではなく 食の安心 安全を担保しなければ生き残ってはいけない と直感した藤田社長は 企業ブランドの維持のためにISO マネジメントシステム ( 以下 MS という ) 導入時には コンサルタントの熱心な指導を受けて トップダウン的アプローチを徹底したので 現場への浸透の面での苦労はほとんどありませんでした 部課長レベルをISO 推進担当者に任命し 一人一人に任命式を行うことで 彼らが現場を導く立場であることを意識付けていきました また MS 構築 認証取得への取り組みを通じてわかったことは 当初の目的であった 食の安心 安全 や 海外進出 のみが果 実として得られたわけでなく MSは社員教育にも非常に有効なツールであることがわかりました その理由は 1. 地方の会社は都市部の会社と比較して 情報量 知識量に圧倒的な差があるため ISO 規格を通じた情報が貴重な情報源となる 64 マネジメントシステム活用事例集

67 産業分類 食料品製造業 ISO22000 構築と導入の目的 消費者へ 安心安全な商品 をより確実に提供できるシステムを構築する 国際規格である ISO22000 を取得することで 海外への取引拡大に拍車をかける フードチェーン全体が ISO22000 の適用範囲内 原料 製品 フジミツ 配送業者 資材 Seller 販売者 買入商品 shop 直売店藤光海風堂 消費者 2. 安心 安全 といくら唱えても 現場の 行動にはなかなかつながらなかったが MS への取り組みそのものが社員全員の 目標となった 3. ISO22000 によって社内の共通言語が できたため 3 人の工場長をローテーショ ンしても業務運営ができるほどの基盤が 整った I 仕組みを変えることは I 考えさせる良い機会 ISO22000 の審査は 重要な社員教育の 機会です 一人一人が 規格がこうなって いるから ではなく 業務の本質を説明 できるようにしていくこと が目的となる よう取り組んでいます 実践の場である認 証機関による審査では 外部の方の問い掛 けに対し 確実に回答できるようになるこ とが目標です さらに 社員が ISO22000 について深く 考える機会を作るために 藤田社長が中心 となって まず既存の仕組みを変えていこ うとしています ただ記録を付けることが 目的化していたチェックシートなどの帳票 のフォーマットを変え 自己評価から相互 評価方式にする改革を試みました また これまで異常が発生した場合にしか使わな い帳票がありましたが 異常がない場合でも 異常なし ということを記録するようにしました その結果 記録を付けることを社員に対して徹底し 習慣化するという効果が得られました 最近は 異物混入が問題になっているのを考慮して MS 運用体制自体のリスク管理を行うために 食品安全管理担当を任命し 部門横断的な仕組みを始めようとしています I MSの本質の理解が I たゆまぬ向上のポイント 今後の課題は 1 社員が自ら考える力がまだ不十分であること 2MSの必要性が理解できても ルール化 仕組み化まで思いが至らないことです その原因について 藤田社長は 何のために ということを 現場責任者が現場社員にきちんと説明する機会を持てていないからではないか と捉えていて 今後は食品安全管理担当を中心として 社内のコミュニケーションを活性化していく取り組みを始めようとしています MSの必要性 といっても 実際は何か業務上の問題が顕在化することで 改めて MSの存在意義を考えさせられるというの 藤田社長が実情です 藤田社長は 私も含め MS の本当の意味を理解し 徐々にレベルアップしていく必要がある と語ります このような問題意識を持っているからこそ 日常業務で一つ一つ気付きを得ながら マネジメントシステムの本質 に迫ることができ 会社の成長につながっています マネジメントシステム活用事例集 65

68 ISO 9001 ISO ISO ISO ISO 事例 No. 26 堀場統合マネジメントシステムによる企業経営基盤 品質コスト体系と目標設定によるマネジメントシステムの浸透 HORIBA グループは世界各国で 自動車の計測器の研究開発 プロセスと環境の計測 生体外の医療診断 半導体製造設備の制御用装置を始め 科学研究開発や品質測定など幅広い分野での機器やシステムを提供しています 実績ある高品質と確かなパフォーマンスに支えられ HOR IBA ブランドはゆるぎない信頼を確立しています 社是 人生のもっとも活動的な時期を費やす仕事にプライドとチャレンジマインドを持ち おもしろおかしく エキサイティングに取り組むことによって人生の満足度を 高め よりおもしろおかしく過ごせる 年 : 全社を登録範囲とし I S O 認証取得 1997 年 : 全社を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2004 年 : 全社を登録範囲とし OHSAS18001 認証取得し ISO9001 ISO14001 OHSAS を統合 2006 年 : 全社を登録範囲とし ISO13485 認証取得 2014 年 : 全社を登録範囲とし ISO39001 認証取得 医用セグメントを登録範囲とし ISO22301 認証取得 I 欧州顧客からの取引条件が I MS 取り組みのきっかけ 株式会社堀場製作所とグループ会社は 環境 健康 安全 エネルギー など人々 の暮らしに欠かせない分野で 高い技術力 とネットワークを駆使し 分析 計測機器 事業をグローバルで展開している企業です 株式会社堀場製作所が 1993 年に ISO9001 の認証を取得したきっかけは 欧 州の顧客からの要求でした 1 株式会社堀場製作所 代表者 : 堀場厚 資本金 :120 億 1100 万円 業務内容 : 各種計測器の製造販売 従業員数 :1,447 名 所在地 : 京都府京都市南区吉祥院宮の東町 2 URL: 当初は 社内に大きな抵抗感がありまし た それは ISO9001 導入当時 業務プロ セスとマネジメントシステム ( 以下 MS という ) に大きな乖離があったためでした 当時は 良い製品 = 良い品質 と考 えられ そこにプロセスの概念はありませ んでした 製造現場は製品が多岐にわたっ ているため それぞれの裁量で業務を行っ ており 製造プロセスもそれぞれ異なって いました そのため プロセスの 標準化 には大変な苦労がありました I 総合マネジメントシステム (IMS) I により企業経営基盤を確立 1997 年 ISO14001 の認証を取得し 環境に関する取り組みを始めました MS に取り組み始めて数年が経ち 経験値が上 がってきた一方 ISO9001 と ISO14001 を 独立して運用していることで 運用や監査 に手間や負荷が掛かっていると感じていま した 二つの MS 認証に対応する中で MS に は共通部分があり 個別管理を続けるのは 非効率と考えるようになりました そこで 2004 年 新たに OHSAS18001 を採用する タイミングで 統合マネジメントシステム (IMS) を導入する決断をしました IMS への取り組みは さまざまな効果を もたらしました 例えば 経営上のメリッ トとして 複数規格に対応しつつもシンプ ルなシステムになったことで 意思決定が 容易になった点です また 全体最適を志 向したシステムによって より経営方針に ベクトルを合わせた運用にもつながりまし た 実業務の面では 各側面にバランスの とれた運営と指示系統 実務簡素化を可能 にし ショートサイクルでの運用を実現す ることができました さらに 文書管理 記 録 資料作成 会議などを統合化でき 内部 監査や定期審査などの業務効率が向上し 運用 管理コストの低減が図れました HORIBA の掲げる経営テーマの一つでも ある 見えない資産の価値創造のスパイラ ル の始まりであり 堀場統合マネジメン トシステムが企業経営基盤として確立でき たといえるでしょう 66 マネジメントシステム活用事例集

69 産業分類 業務用機械器具製造業 目標とする品質コストレベル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 1st Step 2nd Step HOR はレベル Ⅱ Ⅲ の段階予防コストへのシフトが重要 現在のレベル まずは 1:1:1 のレベル Ⅲ が目標 Ⅴ 予防のコスト 評価のコスト 損失のコスト I 品質コスト体系と目標設定による I MS の浸透 同社では堀場 IMSを実効あるものとするため グループIMS 目標 を掲げています グループIMS 目標は 1 品質コスト 2 省エネ 省資源 3 安全管理 4 衛生管理 5 顧客満足度向上の5 分野から成ります 1 品質コストへの対応については 品質コストを 不良 クレームなどの対応コストである損失コスト 検査などを実施する評価コスト 品質計画 管理 教育を実施する予防コストに分類し この3 分類の割合で品質を評価します 損失コストが高いのは 良くない状態と考えます 逆に 予防コストが高くても 損失コストが低ければ良い状態です 予防コスト> 評価コスト> 損失コストの割合が望ましい と山村部長は言います これらの取り組みは 良い製品 = 良い品質 と考えていた時代から 業務プロセスを改善することが本質的な品質の向上へと進化したことを 実際の行動として具現化しています さらに 同社では IMSを導入しているので 品質改善がグループIMS 目標の省資源 安全 衛生 顧客満足度など 他の分野の目標にも連動して進むこととなります 社員が 品質を重視することで 環境や安全の向上につながるという規格間の相互関係について認識を持つようになり MSが浸透していきました 社員の目標設定は MS 導入当初に存在した 生産部門で設定された目標を棚卸することから始めました 組織や事業でバラ 左から山村部長宮下氏石田副会長佐竹コーポレートオフィサーバラであったものは整合化され 組織階層の力量をあげること 海外グループ会社別に体系化して個人まで目標がブレークダへIMS 推進を図ること そして グループウンされるシステムは 社員の動機付けと IMS 目標の達成に向けて企業価値の連動となっています 明確化を図ること の三つを挙げています 今後 IMSとISO22301の融合による 企 I 海外展開と今後の課題業 耐質 の強化 ISO39001 認証取得による社会に対する交通安全の提供を始めとし HORIBAグループは グローバルカンパて HORIBAグループは国内外でますますニーであり 海外においてもMS 認証取得 IMS 統合を拡大させていく予定です そのについて積極的に進めていきました 本社中にあって現場主導で自主的に取り組む姿で方針を決め 現地主導で認証取得の指示勢は 社員それぞれが持つIMS 規格の相互をする という方法で推進しています 認依存への意識が高いところにあるからでは証取得のみならず 業務そのものの会話をないでしょうか する上で 国際標準であるISOは共通言語社員一人一人を生かし 成長させる企業となり 海外とのコミュニケーションが円として HORIBAグループはさらなる発展滑に行えます を目指しています これからの課題としては 内部監査員 マネジメントシステム活用事例集 67

70 ISO 9001 事例 No. 27 現場密着型でマネジメントシステム活動に魂を入れる IT 会社としての自覚を基に 顧客と一緒に成長する 株式会社メディカルシステム研究所は 2 0 余年にわたり Medical & Health Care Partner として医療 健康分野に特化し 明日の医療に貢献できるソリューション提供を通じて 健康で活力ある社会の創造に貢献し続ける事業展開姿勢を貫いています 2005 年 : 本社を登録範囲とし ISO9001 認証取得 I グループ会社の一員であることの I 甘えからの脱却 1980 年創業のメディカルシステム研 究所は 三菱ケミカルホールディングスグ ループでヘルスケア事業を展開する LSI メ ディエンス ( 旧三菱化学メディエンス ) の グループ会社です Medical & Health Care Partner を掲げ 医療とヘルスケア のベストパートナーを目指しています 医 療情報システムの開発 導入支援を通じて 臨床検査 医療系事業を支援する情報サー ビス企業です 事業が医療分野であるため システムも 安全や品質の確保が重要な課題であります しかし 以前は構築した情報システムの不 株式会社メディカルシステム研究所 代表者 : 岩﨑隆 資本金 :3,000 万円 業務内容 : 保険医療システムの開発 導入支援 従業員数 :99 名 所在地 : 東京都板橋区清水町 36-1 URL: 具合が多く 安全 品質を確保するために 新たな取り組みが必要でした システムの 不具合は 設計品質によることが多く 設 計品質を上げるためには 開発プロセス全 体の手順化など 抜本的な見直しが必須と 感じ 仕組みとルールがしっかりとした品 質マネジメントシステムに取り組むことを 決意し 全社を挙げて取り組みを開始しま した そして 2005 年に ISO9001 認証の 取得に至っております I 活動推進のポイントは I 現場密着型 ISO9001 の認証取得に合わせて 品質を 阻害するシステム面での不具合の発生理由 を徹底的に検証し 同じ原因の障害を二度と発生させないことを目的に トラブル是正検討会議 を社内に発足させました これは 保守 開発現場の若手 中堅社員を中心に10 名程度のメンバーを選任し 週 1 回開催しています 活動推進のポイントは現場密着型の取り組みに置き 開発プロセスを部門間でクロスチェックすることで 開発担当部門が気付かないトラブル発生原因とその是正対策に関するアイデアを出し合うことにあります マネジメントシステムのフィードバックをかける仕組みを現場に取り入れたことで 実務担当者の意識向上につながり 徹底した是正策の横展開を実施することから品質マネジメントシステムが社内に浸透し その結果不具合の発生頻度は急速に減少していきました 不具合発生数は 2005 年を基準として2007 年には約 7 割減少させることができ大きな効果を上げました I 顧客と一体になった品質向上活動これまで現場密着型の トラブル是正検討会議 で品質向上のアイデアを出し 徹底的に継続して現場をフォローすることで 不具合の発生度数を減少させてきました しかし 2008 年度を境に システム不具合の発生度数の減少が減速状態となり 68 マネジメントシステム活用事例集

71 2010/112010/122011/12011/22011/3010/10産業分類 情報サービス業 不具合誘発の原因分析 2005 年度を100 として換算 %)100% (不具合度数 不具合誘発の原因分析 (2010/10 ~2012/3 ) 2011/42011/52011/62011/72011/82011/92011/102011/112011/122012/12012/22012/3作り手側起因使い手側起因潜在要因原因不明 さらなる品質向上に向けて再度トラブルの発生原因分析を行ったところ システム利用者側に起因する内容も多くあることが判明し 作り手側だけの対策では限界があることに気が付きました システムの品質確保は利用者である顧客にとっても事業の根幹をなすものであり 作り手 と 利用者 の立場を相互に理解し 運用中のシステムの課題とリスクを共有することにより より良いサービスを提供することができると考えました 岩﨑社長 顧客とのQA(Quality Assurance) 活動の一体化を実現するため 顧客との間にコミュニケーションの場を設置し 顧客との双方向コミュニケーション強化 不具合を未然に防ぐ対策の共同実施 障害発生時の影響の最小化のための初動体制 リスク共有などの認識共有と必要に応じて顧客とコミュニケーションが取れる体制を明確にしました これらにより 開発作業だけでなく保守作業を行う中で気付きを顧客と共有する仕組みが確立できました 不具合を予防する活動にとどまらず 障害発生時の対処などについても話し合うことで 顧客にとって使いやすいシステムを構築し 良いサービスを提供できるように活動を継続しています また社内的な品質改善活動にも工夫を加え 例えば内部監査では 管理ができていない項目をチェックするだけではなく Good Point を指摘するようにしています 内部監査は改善すべき項目を指摘するように考えがちですが 良い点も含めて指摘することで 素晴らしい活動について部門間の共有を図り 全体として横展開できるようにしました この Good Point により 他部署のメンバーから見て自分たち の活動が認められた結果となり 現場のメ ンバーのモチベーション向上につながる きっかけの一つとなっています I 品質改善活動の I 新たな段階に向けて 岩﨑社長は 品質向上活動の究極の鍵 は 相互に思いやること ( 双方向コミュニ ケーション ) ISO9001 は 認証取得 継続 が目標ではなく 品質向上のためにツール の一つとして利用することが重要であり 審査に標準を合わせた形骸化した活動を行 わないことが基本 と語ります 情報サービス会社の場合 顧客とともに システムを構築し 顧客の業務に対する サービス提供を行うことを業務としている ため 同社は顧客と共に品質向上に向けて 活動することが顧客と自社の継続的な業務 改善に貢献できると考えています マネジメントシステム活用事例集 69

72 ISO 9001 ISO ISO/ IEC 事例 No. 28 優良業務案件の増加につながったマネジメントシステムの効果 マネジメントシステムは縦 横 斜めのコミュニケーションツール 東京都新宿区に本社を構える八千代エンジニヤリング株式会社は 国内外の生活に必要な社会資本の整備において さまざまなニーズに的確に応え 社会に貢献しています これからも弛まぬ技術の研鑽により 高度技術者集団 総合建設コンサルタントを目指します 八千代エンジニヤリング株式会社 代表者 : 花岡憲男資本金 :45,000 万円業務内容 : 総合建設コンサルタント従業員数 :972 名所在地 : 東京都新宿区西落合 URL: 年 : 本社を含む 8 拠点を登録範囲とし ISO9001 認証取得 2001 年 : 本社を含む 8 拠点を登録範囲とし ISO14001 認証取得 2006 年 :ISO9001 ISO14001 統合 2013 年 : 技術推進本部情報技術部を登録範囲とし ISO/IEC27001 認証取得 きるというメリットもありました 一方で プロジェクトファイルの活用状況は支店や部門によってばらつきがあり 活用しているところはうまく共有化を進めていましたが そうでないところは形式的な運用のままということもありました 本来 MSはツールですが 認証取得が目的化していたため なぜMSを作るのか という理解が足りなかったのは否めません MSは対外的な 土俵に乗る という効果に目が向きがちですが 実は対内的にどう活用していくかが重要なのです 例えば 認証取得によって 内 の業務改善 品質改善について 外 の顧客に説明することも容易になります I 建設コンサルタントとして I 品質保証が重要 八千代エンジニヤリング株式会社は 1963 年 東京都港区に設立され 建設コン サルタントとして業務を開始しました 現 在では 総合建設コンサルタントとして 国 民の生活に必要な社会資本の整備に関する 仕事を行っています ISO9001 の認証を取得したのは 1998 年 当時はマネジメントシステム ( 以下 MS という ) 認証を取得する企業が増えてきた 時期でもあり 建設コンサルタントとし て品質がきちんと確保されていなければな らない そのためには認証を取ることが基 本である と考え 全店でMS 認証を取得しました そのころ 現場側の社員であった花岡社長は まずMSありきで どこまで規格の本質を理解していたかは疑問だ と話します 客観的な評価として 国際認証を持つべき という意識が働いて取得したMS 認証ですが マニュアルは日本語として理解しづらい上 とにかく 形を整備する という趣旨のもので案件ごとのプロジェクトファイルには 何を入れて 何の様式に当てはめて というような規則が多く 面倒な点が目立ちました しかし それまで個人に閉じていた案件情報が プロジェクトファイルとして開かれるようになり 情報を共有で I 統合を機に I MS と業務が一本化 業務マニュアルを改定する際に 認証機 関の審査員から 日常の活動の中でいろい ろな記録を残しておけばよく 必ずしも形 にこだわる必要はない と指摘をされ MS の本当の意味に気づかされました この後 社内で MS の見直しを行おうとの機運が高 まり MS の統合も含めた活動を始めました まず マニュアルを案件ごとのプロジェ クト編と共通業務ごとのシステム編の 2 種 類作成し 統合前は 100 ページだった内容 を 50 ページ程度に簡略化しました また 以前は日常業務と MS が 2 本のレー 70 マネジメントシステム活用事例集

73 産業分類 技術サービス業 マトリックス組織形態でのコミュニケーションの活性化 全技術部署に対し部門別グループ制 ( マトリックス組織形態 ) 導入 職種 ( 技術 営業 総務 ) 支店 ( 拠点 ) 部門別グループ制 ( 事業分野 ) ルのようになっていて 現場では認証審査の1 週間ほど前から帳票の準備に追われるような実態であったところ5 年ほど前から審査のための準備は一切やめるように指示し 現在では業務に必要のない特別な帳票を作成しなくても良いように MSの見直しを行いました 一方で取得したMSを全国に広がる事業拠点でどう運用するかも模索の続く問題でした 支店ごとに任命したMS 担当者が優秀であれば リスクに対する意識が高く MSの目的をきちんと理解し 現場にも目的を理解させて徹底して実施する傾向にあります また 監査もそうした担当者がいる支店は必ず毎月行っていました しかし そうでない場合には 忙しい と言って監査を先延ばしにするなど 支店によって運用状況が全く異なっていました I 内部監査は クロス がポイントそこで同社では 内部監査を工夫して この状況を改善しようと取り組みました 具体的には支店ごとに内部監査員を配置し その監査員が別の支店で監査を行い それと同時に監査で見つけたその支店の良いところを自分の拠点に導入する クロス監査 の仕組みを構築しています また 内部監査員には技術 営業 総務の社員を含み 職種を横断してより幅広い視点から内部監査を行うようにしてあり 総 務部の監査員が技術部の監査をしたときには あんな仕事をしていたのか もう一度行きたい という声が出るなど お互いの業務についての理解を深めるきっかけにもなっています さらに さまざまな会議の場でも MSをマトリックス組織形態でのコミュニケーションの緊密化にも役立てています 月に 2 回の統合幹部会議 事業分野別の部門別グループ会議 年に1 回開催される内部統制 品質 コンプライアンスの会議など 以前は 悪いところを直す ためのものというネガティブな面が強かったところ 現在ではポジティブな発想に転換し より有効に機能しています また 同社では全社的なモチベーションの基礎となる目標設定にも力を入れ 社員の教育目標 数値目標なども含めて 四半期ごとに社長が現場ヒアリングを行い 各支店長に目標の進捗状況や方向性を直接確認します この取り組みは支店単位だけではなく 部門別グループ ( 事業分野 ) 単位でも行います 代表的な定量的目標として 同社では国土交通省の委託業務等成績評定制度の評定点を用いています 評定点が80 点以上の案件を優良業務案件とし なぜ高得点につながったか を分析し 情報交換会を行っています この結果 優良業務案件が増加傾向にあります 花岡社長 I 組織の成長にはゴールがない 組織にも MSにもゴールはない 継続的に成長していくことが必要です と花岡社長は語ります 特に これからの組織成長の鍵となるのが 情報 の取り扱いです そのため 同社は2013 年に情報セキュリティに関する国際規格 ISO/IEC27001 の認証を取得しました 情報を扱い慣れている社員と そうでない社員のギャップが大きいため どう浸透させていくかが これからの課題とのことです マネジメントシステム活用事例集 71

74 ISO 9001 事例 No. 29 マネジメントシステムと事業の活動を一体化せよ 入社 3 年目から内部監査員に採用し 部署間の垣根をなくす ヤマサ醤油株式会社は しょうゆの発祥地である紀州出身の濱口儀兵衛により 1645 年に銚子に創業し 年には江戸幕府から品質に優れたしょうゆとして 最上醤油 の商号を受けました 現在では 高品質な製品を安定的に供給できるシステムを作り上げ 核酸関連サイエンスやバイオテクノロジーといった新しい技術も積極的に取り入れています ヤマサ醤油株式会社 2000 年 : 本社 銚子工場を含めた 13 拠点 (2015 年現在 14 拠点 ) を登録範囲とし I 国内外の顧客から I マネジメントシステム認証取得の要請 ヤマサ醤油株式会社は 300 年以上の伝 統を誇るしょうゆの製造販売を始めとして 各種調味料 医薬品類の製造販売を行う会 社です ISO9001 認証取得 2000 年ごろから 食品の品質保証に対 する消費者の目が徐々に厳しくなりました が 当時の品質管理は単なる 製品品質の 担保 であり プロセスを含めた 全体品 質 との考え方ではありませんでした そ のため製造現場での業務ルールも 記録書 の作成の方法などが明記されていませんで したので 同社は確実な業務の枠組みを作 る必要性を感じておりました ちょうどそ 代表者 : 濱口道雄 資本金 :1 億円 業務内容 : しょうゆ 各種調味料 従業員数 : 約 810 名 医薬品の製造販売 所在地 : 千葉県銚子市新生町 URL: のころ 国内外の顧客から ISO9001 の認 証取得の問い合わせが営業経由で入ってき たこともあり 同社のマネジメントシステ ム ( 以下 MS という ) の構築 認証取 得が始まりました 当時現場では 技術標準はあったものの 記録書や指示書を残すルールが明確ではな かったため 全てを文書で記録に残すこと による負担感が現場にはあったようです MSの活動と事業活動とを I 一体化せよ 同社は しょうゆを中核とした食品事業 の他に 医薬品類などの食品以外の事業も 手掛けているため 食品セクタに特化した 標準やツールでは特定の事業に限定した対応となる懸念があったことから ISO9001 という横断的な取り組みで全社を巻き込んだMS 構築を進めました 取締役はMSの活動を現場に浸透させるために MSの活動と事業活動の一体化 が大切であると考えています つまり普段の事業活動において MSの活動を意識せずとも自然と遂行できる状態が理想と考えているようです 同社ではその一体化を進めるために 特に目標設定と力量評価に注目し仕組みを作ることとしました 目標設定について 品質目標は抽象的なものでなく 具体的な業務目標 個人レベルの目標に落とし込むことを心掛け 個人の目標の達成度は人事評価にもリンクする仕組みとしました このような取り組みで結果的にMSの活動が浸透しました また 力量評価については 現場でベテラン社員が減少している現実があり これに対応するため 若手への技術継承や多能工化が重要と考えられました そのため 社員のスキルの棚卸を行い 次に習得すべ 72 マネジメントシステム活用事例集

75 産業分類食料品製造業医薬品製造業 個人目標 個人業務目標 個人業務目標 評価 (A/B/C) 仕事の成果 質 量等を多角的に数値評価 人事評価への反映 昇進 昇給 給与 一時金 品質目標への取り組み 成果を評価 課業務目標 個人業務目標に 品質目標を採用させる事が一番効果に繋がる きスキルを組織全体のバランスを見ながら目標設定することで ベテラン社員の技術継承や多能工の育成を計画的に行っています 多能工が増えると複数のスキルを持つ人材でチームを組む現場ではチームを組む上で融通が効くようになりシフトづくりにも役立っています このような仕組みづくりの工夫によりMS の活動と事業活動が一体化したそうです I 入社 3 年目から内部監査員に同社では内部監査にも工夫があり 入社 3 年の従業員から内部監査員に登用し 部署をまたいだ相互監査を行わせています これにより若手社員が業務全体を把握し結果的に社員の視野が広がりました また監査の経験から現場で起きたミスを隠すのではなく自発的に不適合報告書を上げるような雰囲気ができあがりました このような取り組みにより部署間の垣根を越えた情報共有や リスクの早期発見が可能となったと考えます 一方で 被監査側としては 若手の しかも他部署の内部監査員の指摘を 心理的に受け入れ難く思うケースもいくつか見受けられました この問題を解決するために 内部監査員の評価制度をあわせて構築しました 内部監査員の評価は 監査を受けた部署の上長が行います この活動により 被監査側の部署の誰もが納得する監査が可能となるだけではなく 若手社員の教育にもつながっています 左 : 五十嵐取締役右 : 奥山氏 I 社会環境の急激な変化に対応する I ためのシステム全体の見直しが課題 五十嵐取締役は 社会の動きが早く消 費者の目が一段と厳しくなり 今までリス クでなかったものがリスクになる と同社 の取り巻く環境の変化を分析します また そのような中 社内的にも 契約社員の増加 で人員の流動性が高くなり 十分に教育を 施すことができない状況を懸念しています しかしこういった環境変化に対しても リスクベースで考える 習慣を日常業務 の中に取り入れることでリスクを低減させ ることができるのではと考え これまで構 築してきた MS を時代にあわせ改革してい くことを模索しているそうです マネジメントシステム活用事例集 73

76 ISO 事例 No. 30 小売業における お客様と一体となった環境マネジメントシステムの活動 数値に基づく目標から多面的な目標の設定へ ユニーグループ ホールディングス株式会社は 中部地方を中心に 全 47 都道府県で事業を展開する総合小売グループです 大商圏に対しては 総合小売 (GMS) が店舗を展開する一方 小商圏に対してはコンビニエンスストア 務に合う形でPDCAを回せているかが重要だ とアドバイスを受け 実業務に合う形都市型ミニスーパー事業がそれぞれ店舗を展開しています また アパレル専門店 で環境目的 目標を設定し直すことにしまフードサービス事業 サービス事業も手掛けています した I 出遅れた同社が I 他社に追いつくため 小売業大手のユニー株式会社が最初に環 境活動を意識したのは 2000 年のこと こ の年 循環型社会形成法が公布され 大手 の小売業各社が積極的に環境活動に取り組 み出し 同社としても他社と対抗する上で 環境活動を推進する必要がありました 当初 百瀬執行役員 ( 当時環境部マネー ジャー ) は 環境活動とは何と悩み マネ ジメントシステム ( 以下 MS という ) 認証取得が証明になるのではないかと考 えた末 全社的に推進することにしました とから取り組んでいます またアルバイト ユニーグループ ホールディングス株式会社 代表者 : 佐古則男 資本金 :221 億 8,700 万円 年 : ユニー株式会社本社 関東事務所 山静事務所 北陸事務所 業務内容 : 総合小売 (GMS) コンビニエンスストア 専門店 金融サービス事業などで構成 される企業グループの運営企画 管理 従業員数 :37,732 名 ( 連結 ) 所在地 : 愛知県稲沢市五反田町 1 番地 ユニーグループホールディングス株式会社を登録範囲とし ISO14001 認証取得 MS 認証のコストは決して安くありません が 出遅れた同社が他社へ追いつくために はそれだけの金額が必要なのだと 2 年が かりで経営者層を説得しました I 測る ことが大切 当初は 紙 ゴミ エネルギーの削減を 目標に取り組みましたが 規格に準じた資 料を準備し認証審査に 試験を受ける よ う対応していたことから MS の効果をあ まり感じることができませんでした そん なときコンサルタントから 規格に対し て合っているかどうかではなく 実際の業 同社が見直しの中で重点に置いたのは 測る ことでした 例えば レジ袋を減ら す活動では削減枚数を測定し CO 2 換算量 などの数字で表すことにしました その結 果 3 年間でレジ袋使用枚数が約 1/3 にな り C O 2 排出量換算で 2195t から 821t への 削減 金額換算で 5 億円のコストカットが できました また 各部署に秤を置いて廃棄物を計測 する仕組みを作りました その結果 廃棄 物の量が見える化し 各部署で競って削減 に取り組むようになり 廃棄物処理料の約 5 億円の削減に成功しました このように 測定する仕組みを構築した ことで 経営上の目に見えるメリットを享 受することができました I 数値に基づく目標設定から I 質の向上へ進化 社員には 全社目標と自分で考えた行動 目標を書いたカードを持たせています 例 えば コピーは裏紙を使う 席を立つとき には PC の電源をオフにするなど できるこ 派遣社員から部長クラスまで全員が取り組 みと成果を共有し テナントの人たちにも 教育を行うことで 取り組みの浸透を図っ ています 目標設定し 組織内で推進していた環境 74 マネジメントシステム活用事例集

77 産業分類 各種商品小売業 ユニーは持続可能な社会を作っていくために 環境学習を実施しています 活動を一歩進めるために 食品リサイクルループの活動に取り組みました 例えば 店舗から出る生ゴミを堆肥にして その堆肥を用いて野菜を作り 作った野菜を店舗で販売するというように 食品を核とし 他組織や生産者を含めたリサイクルのループを構成することで 自社組織内にとどまらず より大きな単位で活動に取り組みました この活動は 2007 年に第一回環境省食品リサイクル推進環境大臣賞最優秀賞を受賞しました 同社は環境活動をさらに深耕させるため MS 認証の維持 地域に根差したお店の実現に加え エコファーストの約束を掲げることにしました エコファーストは 業界のトップランナー企業の環境保全に関する行動を促進していくため 企業が環境大臣に対し 自らの環境保全に関する取り組みを約束する制度で 同社はこの約束を宣言し 環境省より認定されました 対外的に環境活動を宣言することで 対内的にも活動の動機付けになったとのことでした これらの目標 約束を実現するため 従来からの取り組みである定量的な目標だけでなく やり方の改善 も MSの目標に含めることとし 現在も活動を継続しています 当初は店舗のバックヤードツアーや環境配慮型の商品がどこで売られているかなどの探検 ペットボトルや牛乳パックを使った工作をするというプログラムを担当者レベルで行ってきましたが 2007 年ごろからは店長が率先して 地域の子どもに環境教育を行う形にしました こうすると 店長も子どもに教えるためには 一生懸命に勉強しますし 子どもや親たちと触れ合うことで意欲が高まります その姿を見て社員やテナント 他のお客様も環境に関心を持ってくれるという良い循環が生まれました 子どもは体験したことを家庭や学校に持ち帰って 家族や友達に伝えてくれます そのことで 地域とお店が共同関係になるのです そして 環境のことを少しずつでも考える大人になってくれると信じていま す 今後も顧客や地域と密着した環境活動を進めていきたい と 百瀬執行役員は強調します 今後の目標として MS 認証取得をグループ会社へ広げることも検討しています すでに 2014 年にはカード会社がMS 認証を取得し 次はビルメンテナンス会社へ取得を促すなど 順次拡大を検討しているそうです 特に 食品関係の認証取得は課題となっていて プライベートブランド商品の工場が海外にあるため 食の安全 安心が叫ばれる現在 国内と同じような衛生基準の維持 向上が求められています 環境社会貢献部が要となって グループ会社がそれぞれの分野で 持続可能な社会を目指して 本業の中で環境貢献 地域貢献を進めていくことが目標です I お客様や地域と密着した I 環境活動の推進 同社は地域に根差したお店を実現するために 小売店ならではのお客様を巻き込んだ環境活動に取り組んでおり 昨年は全店で子どもへの環境教育を実施しました 左 : 松井氏右 : 百瀬執行役員 マネジメントシステム活用事例集 75

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