4.6 生殖発生毒性 その他の毒性 光毒性 抗原性及び免疫毒性 毒性発現の機序に関する試験 依存性 代謝物の安全性評価 不純物の安全性評

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1 Table of Contents 1 非臨床試験計画概略 薬理試験 効力を裏付ける試験 活性及びジェノタイプ網羅性 特異性及び選択性 各種細胞における細胞毒性 作用機序 NS5B ポリメラーゼに対する作用 耐性 交差耐性 In vitro 併用試験 安全性薬理 受容体 イオンチャネル結合及び酵素アッセイ 心血管系 (In vitro / In vivo) 中枢神経系 呼吸系 薬物動態試験 吸収 バイオアベイラビリティ及び薬物動態 分布 代謝 排泄 蛋白結合 薬物動態学的薬物相互作用 トキシコキネティクス 毒性試験 単回投与毒性 反復投与毒性 ラット イヌ 併用投与毒性 遺伝毒性 がん原性

2 4.6 生殖発生毒性 その他の毒性 光毒性 抗原性及び免疫毒性 毒性発現の機序に関する試験 依存性 代謝物の安全性評価 不純物の安全性評価 総括及び結論 参考文献

3 List of in-text Tables Table 1-1: BCV の毒性試験... 9 Table 3.3-1: 動物及びヒトに [ 14 C]BCV を単回経口投与したときの in vivo 代謝 Table 3.7-1: Table 3.7-2: Table 4-1: 主要な毒性試験における BCV の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 主要な毒性試験における BMS の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 BCV の無毒性量及び主な毒性発現用量における曝露量とヒト曝露量との比

4 用語及び略号一覧 略号英語日本語 ADME absorption, distribution, metabolism and excretion A alanine アラニン 吸収 分布 代謝及び排泄 ALT alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ APD 50 action potential duration at 50% depolarization APD 90 action potential duration 90 at 90% depolarization ASV asunaprevir アスナプレビル AUC area under the plasma concentration-time curve 50% 再分極時までの活動電位持続時間 90% 再分極時までの活動電位持続時間 血漿中濃度曲線下面積 BCRP breast cancer resistance protein 乳癌耐性蛋白 BCV NS5B polymerase inhibitor, (BMS ) NS5B ポリメラーゼ阻害薬 ベクラブビル (BMS ) BDC bile duct-cannulated 胆管カニューレを挿入した BID twice daily 1 日 2 回 BMS Bristol-Myers Squibb ブリストル マイヤーズスクイブ社 BMS NS3 protease inhibitor, asunaprevir, ASV NS3 プロテアーゼ阻害薬 アスナプレビ ル ASV BMS NS5A replication inhibitor, daclatasvir, DCV NS5A 複製阻害薬 ダクラタスビル DCV BMS NS5B polymerase inhibitor NS5B ポリメラーゼ阻害薬 BSEP bile salt export pump 胆汁酸塩輸送ポンプ BVDV bovine viral diarrhea virus ウシウイルス性下痢ウイルス CAC Carcinogenicity Assessment Committee がん原性評価委員会 CC 50 50% cytotoxic concentration 50% 細胞毒性濃度 Cmax maximum plasma concentration 最高血漿中濃度 CYP cytochrome P450 チトクローム P450 D aspartic acid アスパラギン酸 DAA direct acting antivirals 直接作用型抗ウイルス薬 DCV daclatasvir ダクラタスビル DNA deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸 EC 50 50% effect concentration 50% 有効濃度 EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 4

5 用語及び略号一覧 略号英語日本語 FDA Food and Drug Administration 米国食品医薬品局 GALT gut-associated lymphoid tissue 消化管関連リンパ系組織 GGT gamma-glutamyl transferase γ- グルタミルトランスフェラーゼ GLP Good Laboratory Practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実 施の基準 GTP guanosine triphosphate グアノシン三リン酸 HCV hepatitis C virus C 型肝炎ウイルス herg human ether-a-go-go-related gene ヒト ether-a-go-go 関連遺伝子 HIV human immunodeficiency virus ヒト免疫不全ウイルス HLM human liver microsome ヒト肝ミクロソーム IC 50 concentration that causes 50% inhibition 50% 阻害濃度 ICH International Conference on Harmonization 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 IKr rapidly activating, delayed rectifier cardiac potassium current Ki inhibitory constant 阻害定数 LC-MS/MS liquid chromatography with tandem mass spectrometry L Leucine ロイシン MRP multiple drug-resistance protein 多剤耐性蛋白 ND not determined 実施せず 急速活性化遅延整流カリウム電流 NS3 nonstructural protein 3 of HCV HCV 非構造蛋白 3 液体クロマトグラフィー タンデム質量分析 NS5A nonstructural protein 5A of HCV HCV 非構造蛋白 5A NS5B nonstructural protein 5B of HCV HCV 非構造蛋白 5B NTCP sodium-taurocholate cotransporting polypeptide タウロコール酸ナトリウム共輸送ポリペプチド OAT organic anion transporter 有機アニオントランスポーター OATP organic anion transporting polypeptide 有機アニオン輸送ポリペプチド OCT organic cation transporter 有機カチオントランスポーター PAMPA parallel artificial membrane permeability assay 人工膜透過測定 PDE4 phosphodiesterase 4 ホスホジエステラーゼ 4 P proline プロリン P-gp P-glycoprotein P 糖蛋白 5

6 用語及び略号一覧 略号英語日本語 PK pharmacokinetics 薬物動態 RNA ribonucleic acid リボ核酸 S serine セリン SCN5A sodium channel ナトリウムチャネル T threonine スレオニン T-HALF elimination half-life 消失半減期 Tmax time to maximum plasma concentration 最高血漿中濃度到達時間 UGT uridine diphosphate glucuronosyl transferase ウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素 V valine バリン Vss steady-state volume of distribution 定常状態分布容積 6

7 1 非臨床試験計画概略 ベクラブビル塩酸塩 [BMS 以下 ベクラブビル (BCV)] は C 型肝炎ウイルス (HCV) 非 構造蛋白 5B(NS5B) ポリメラーゼを阻害し NS5B によるウイルスリボ核酸 (RNA) の複製を阻害 する非核酸系 thumb site 1 阻害薬である BCV は哺乳類のポリメラーゼに対して活性を示さず ヒト における本薬の標的分子は知られていない BCV は他の直接作用型抗ウイルス薬 (DAA) と相加又は相乗的な相互作用を示す 今回 C 型慢性 肝炎患者又は C 型代償性肝硬変患者を対象に 既承認のダクラタスビル塩酸塩 (DCV BMS ) 及びアスナプレビル (ASV BMS ) との固定用量配合剤による併用療法として製造販売承認 申請を行う BCV の臨床推奨用量は 75 mg の 1 日 2 回 (BID) 経口投与 (150 mg/ 日 ) である 臨床推奨用量にお ける定常状態での BCV のヒト曝露量 ( 以下 ヒト曝露量 ) は 最高血漿中濃度 (Cmax) で 1.49 µg/ml 血漿中濃度曲線下面積 (AUC) で 17.4 µg h/ml であった 動物での BCV 曝露量のヒト曝露量に対す る比 ( 動物の曝露量 ヒトの曝露量 ) は これらのヒト曝露量を基に算出した マウス ラット イ ヌ サル及びヒトにおける蛋白結合率は同程度であることから (97% 超 ) in vivo の曝露量比較では BCV 遊離体としての補正は行わなかった なお Cmax 及び AUC に性差がなかったことから 曝露 量は雌雄合算平均値で示した BCV の in vitro 評価として HCV NS5B との相互作用における作用強度及び選択性について酵素を用 いたポリメラーゼアッセイを実施し BCV の効力及び細胞毒性に関しては HCV レプリコンアッセイ を実施した BCV の NS5B ポリメラーゼ活性に対する 50% 阻害濃度 (IC 50) は HCV レプリコンアッ セイにおける 50% 有効濃度 (EC 50) と良好な相関を示した BCV は HCV に対して選択的であり 細胞培養による HCV レプリコンアッセイにおいて ジェノタ イプ 1a 及び 1b のレプリコンに対する EC 50 値は 1.6~9.5 nm であった BCV は近縁のウシウイルス性 下痢ウイルス [(BVDV) のレプリコン及びウイルス ] を含む一連の RNA 及び DNA ウイルスに対し て活性を示さなかった BCV 代謝物では 主代謝物の BMS (N- 脱メチル化代謝物 ) が BCV と同程度の活性を有し その他の代謝物は 比較的弱い (BCV の 2~15 倍の EC 50 値 ) 活性を有する (BMT BMT 及び BMT ) 若しくは非活性 [BMS (N- 及び O- 脱メチ ル化体の O- グルクロン酸抱合体 )] であった BMS の血漿中濃度はヒト血漿中 BCV の約 25% を占め BMT BMT BMT 及び BMS の血漿中濃度は微量であった これらのことから BMS も BCV の薬理活性に寄与しているものと考えられた In vitro 及び in vivo の安全性薬理試験により 心血管系 中枢神経系及び呼吸系に及ぼす影響を評価 した すべての安全性薬理試験は適切な試験計画に基づき 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 (ICH) ガイドラインに準拠して実施した 高感度かつ特異的な液体クロマトグラフィー タンデム質量分析 (LC-MS/MS) 法を用いて BCV とその代謝物の血漿中濃度を測定した 定量的全身オートラジオグラフィーを用いて Long-Evans ラット ( 有色 ) 及び Sprague-Dawley(SD) ラット ( アルビノ ) における BCV の組織内分布を検討し 7

8 た SD ラットにおける BCV の乳汁移行及び胎盤通過を検討した In vivo における代謝物投与試験は 行わなかった 各種動物及びヒトを用いて BCV の吸収 分布 代謝及び排泄 (ADME) 並びに薬物動態 (PK) を 検討した いくつかの PK 試験から得られた生体試料中の BMS [ 薬理学的活性 ( 抗 HCV 活性 ) を有する N- 脱メチル化体 ] 及び BMS (N- 及び O- 脱メチル化体の O- グルクロン酸抱合体 ) を 測定し チトクローム P450(CYP) 酵素の阻害及び誘導作用並びにトランスポーターの阻害作用を 検討した すべての ADME 及び PK 試験は ICH ガイドラインに基づき実施した 人工膜透過測定 (PAMPA) 法を用いて 膜透過性 Caco-2 細胞を用いた膜透過性 血球移行 ミク ロソーム蛋白との共有結合 各種動物及びヒト由来の血清又は血漿蛋白との可逆的結合 ラット及びヒト肝細胞内取込み機序を検討した BCV の主代謝物を生成する酵素を調べるため ヒト肝ミクロソーム及びヒト cdna 発現 CYP 酵素及びウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素 (UGT) を用いた in vitro 試験を実施した BCV の CYP 酵素阻害作用及び誘導作用をそれぞれヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞を用いて検討した また ヒト肝ミクロソームを用いて BCV の UGT1A1 阻害作用を検討した BCV BMS 及び BMS が P 糖蛋白 (P-gp) 乳癌耐性蛋白(BCRP) 有機アニオン輸送ポリペプチド (OATP)1B1 OATP1B3 有機アニオントランスポーター(OAT)1 OAT3 有機カチオントランスポーター (OCT)2 多剤耐性蛋白(MRP)2 胆汁酸塩輸送ポンプ(BSEP) 及びタウロコール酸ナトリウム共輸送ポリペプチド (NTCP) 等のトランスポーターの基質又は阻害剤であるかどうかを in vitro 試験系で評価した BCV の毒性を評価するための非臨床毒性試験として 単回投与毒性試験 ( マウス ラット イヌ ) 反復投与毒性試験 ( ラット最長 6 ヵ月間 イヌ最長 9 ヵ月間 ) DCV 及び ASV との併用投与毒性試験 ( ラット及びイヌ 1 ヵ月間 ) 遺伝毒性試験(in vitro 及び in vivo) がん原性試験[ トランスジェニック (Tg-rasH2) マウス ラット ] 生殖発生毒性試験( ラット ウサギ ) 光毒性試験(in vitro 及び in vivo) を実施した 重要な試験はいずれも GLP 適合下で ICH ガイドラインに準拠して実施した 用量設定や毒性発現機序解明のための探索的試験では 試験の一部を非 GLP 下で実施した がん原性試験は BCV を含む HCV 療法の臨床投与期間は 12 週間であり がん原性試験ガイドライン で評価が必要とされる 6 ヵ月間より短期間であるため必要とされないが 本剤の開発計画時に臨床投与期間が 48 週間と予測されていたため実施した それぞれのがん原性試験の投与量は Tg-rasH2 マウスと同腹の非トランスジェニックマウスを用いた 28 日間投与用量設定試験及びラット 6 ヵ月間反復投与毒性試験の成績に基づいて設定し 米国 FDA のがん原性評価委員会 (CAC) の承認を得ている 肝臓が治療の標的器官であることから 主要な反復投与毒性試験では BCV 及び代謝物 BMS の肝臓中濃度を測定した また サルにおいて 125 mg/kg/day の 1 週間投与で胆嚢上皮の分裂像の増加がみられたため 発現機序検討のための 3 ヵ月間投与試験を実施したが 本所見は再現されなかった BCVは波長 290~700 nmの光を吸収することから マウス線維芽細胞及び有色ラット ( Long-Evans) を用いて光毒性を評価した 8

9 重要な試験の投与量は用量設定試験又は探索的試験の結果に基づいて設定した 併用投与毒性試験の投与量は明らかな毒性が発現する用量よりも臨床におけるヒト曝露量に関連性のある AUC が得られる用量を設定した 併用投与毒性試験の投与期間は ICH M3(R2) ガイダンス及び FDA の HCV ガイダ 1 ンス案に基づき 個々の被検薬の長期投与毒性試験の方がヒト曝露量に関連した AUC が得られる用量で実施した併用投与毒性試験よりも安全性の評価に有用と考えられることから 最長 1 ヵ月間とした 特記する場合を除き 毒性試験の投与経路は臨床での投与経路と同様の経口投与とし BCV を媒体の 0.1 M Tris 緩衝液 (ph 8.5) に溶解して投与した 毒性試験に用いる動物種には げっ歯類はラット 非げっ歯類はイヌを選択した ラットは毒性試験の標準的動物種で背景値が豊富であることから選択した イヌはBCVの経口バイオアベイラビリティ (85%) がサル (16%) より高く 高い全身曝露量が得られることから選択した 併用投与毒性試験に用いる動物種の選択及び試験期間は 各薬物の単剤での毒性及び動物とヒトとの代謝プロファイルの類似性に基づいて設定した 実施した BCV の毒性試験を Table 1-1 に示す Table 1-1: BCV の毒性試験 試験の種類及び期間 投与経路 試験系 単回投与毒性 経口 マウス ラット イヌ 反復投与毒性 2 週間投与毒性試験 経口 ラット 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット イヌ 6 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット 9 ヵ月間投与毒性試験 経口 イヌ 併用投与毒性 BCV + ASV 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 ラット BCV + DCV 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 イヌ BCV + ASV + DCV 1 ヵ月間投与毒性試験 経口 イヌ 遺伝毒性復帰突然変異試験 In vitro S. typhimurium, E. coli 染色体異常試験 In vitro CHO 細胞 小核試験 経口 ラット がん原性 26 週間投与がん原性試験 経口 Tg-rasH2 マウス 2 年間投与がん原性試験 経口 ラット 9

10 Table 1-1: BCV の毒性試験 試験の種類及び期間 投与経路 試験系 生殖発生毒性受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 経口 ラット 胚 胎児発生に関する試験 経口 ラット ウサギ 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 経口 ラット その他の毒性毒性発現の機序に関する試験 経口 サル 光毒性試験 In vitro Balb/c 3T3 マウス線維芽細胞 単回投与光毒性試験 経口 ラット 以上の BCV の非臨床薬理試験 薬物動態試験及び毒性試験の成績は C 型慢性肝炎患者における BCV の DCV 及び ASV との併用療法の有効性及び安全性を裏付けるものと考えられる 2 薬理試験 2.1 効力を裏付ける試験 活性及びジェノタイプ網羅性 BCVはヌクレオシド基質と RNAテンプレートに対して非競合的に NS5Bポリメラーゼ活性を阻害し HCV RNA の合成開始を阻止する 共結晶構造解析及び耐性マッピングにより BCV が NS5B ポリメラーゼの thumb 領域 (thumb site 1) に結合するアロステリックな阻害薬であることが確認された BCV の活性を評価する in vitro 試験として HCV NS5B との相互作用における強度及び選択性については酵素を用いたポリメラーゼアッセイを実施し BCV の効力及び細胞毒性に関しては HCV レプリコンアッセイを実施した BCV の NS5B ポリメラーゼ活性阻害の IC 50 値は HCV レプリコンアッセイにおける EC 50 値と良好な相関を示した BCV による NS5B ポリメラーゼ阻害の IC 50 値は ジェノタイプ 1a 1b 3a 及び 5a では 1.8~4.8 nm ジェノタイプ 4a 及び 6a では 7.6~61.6 nm ジェノタイプ 2a 及び 2b では 164~228 nm であった また HCV レプリコンアッセイにおいて ジェノタイプ 1a 及び 1b の実験室株並びに C 型慢性肝炎患者由来のNS5B 配列を基に作製したハイブリッドレプリコンに対する EC 50 値は 1.6~9.5 nmであった ジェノタイプ 3a 4a 及び 5a の患者由来の NS5B 配列を基に構成したハイブリッドレプリコンに対する BCV の EC 50 値は 0.8~18 nm の範囲であった ジェノタイプ 6a に対する EC 50 値は 8.6~79.5 nm の範囲であり 低い感受性を示す値 (79.5 nm) は V494A の変異が存在する場合に認められた 血中主代謝物の BMS 及びヒト胆汁及び糞中代謝物の BMT BMT 及び BMT もジェノタイプ 1b のレプリコンに対して阻害活性を示した (EC 50 値 4~50 nm) BCV の抗ウイルス活性は 40% ヒト血清の存在下で軽度に抑制され ジェノタイプ 1b レプリコンアッセイでは EC 50 10

11 値が 4.4 ± 1.5 倍に増加した しかし in vitro での血清の存在による抗ウイルス活性低下の臨床にお ける抗 HCV 活性との関連性については不明である 特異性及び選択性 BCV は HCV NS5B ポリメラーゼに特異性を示す 本薬は哺乳類のポリメラーゼ α β 及び γ 並びに近 縁のペスチウイルスである BVDV ポリメラーゼに対して活性を示さなかった BCV はヒト免疫不全 ウイルス (HIV) の逆転写酵素及び HIV インテグラーゼに対して活性を示さなかった BCV のデオ キシリボ核酸 (DNA) 及び RNA に対する非特異的な結合は認められなかった 主代謝物の BMS は同解析において BCV と同程度の特異性を示した BCV の抗ウイルス選択性について BVDV を含む一連の RNA 及び DNA ウイルスに対する活性の測 定により評価した その結果 BCV は対照のジェノタイプ 1b の HCV を除き いずれのウイルスに 対しても活性を示さなかった (IC 50 = 4 µm 超 ) 本結果から BCV が HCV に対する選択的な阻害薬 であることが示された 各種細胞における細胞毒性 BCV のジェノタイプ 1b レプリコンを導入した Huh-7 細胞における細胞毒性は 50% 細胞毒性濃度 (CC 50) が 20 µm であり in vitro 細胞毒性に対する治療係数は 3300 超 (EC 50 = µm) であった BCV の CC 50 値を種々の組織由来細胞株でも算出した 各細胞を BCV と共に最長 5 日間培養した結果 本薬 の CC 50 値は試験に用いたすべての細胞で 14 µm 以上であった BCV 代謝物 ( BMS BMT BMT 及び BMT ) の CC 50 値も BCV の値と同程度であった 作用機序 NS5B ポリメラーゼに対する作用 BCV の作用機序試験より 本薬が HCV RNA の合成開始を時間依存的に阻害することが示された RNA テンプレート又はグアノシン三リン酸 (GTP) に対する見かけの Ki( 阻害定数 ) 値のプロット により 本薬のテンプレート及び GTP に対する阻害がそれぞれ Ki 値 1.1 ± 0.1 nm 及び 2.6 ± 0.4 nm の 非競合的様式であることが確認された 結合試験より BCV と HCV NS5B ポリメラーゼの相互作用 は可逆的で二段階 [Kd* = Kd/(1+k 3/k 4)] の緩徐な結合であることが示された 耐性 耐性試験において ジェノタイプ 1a 及び 1b の HCV レプリコン細胞を 野生型レプリコンでの EC 50 値の 5~30 倍高濃度の BCV と共に培養すると 本薬に対する感受性が低下した細胞が得られた 耐 性レプリコンの遺伝子解析の結果 NS5B の 495 番のアミノ酸残基における置換が明らかとなった 2 野生型 NS5B ポリメラーゼの 495 番のプロリン (P) は ジェノタイプ 1a の耐性細胞ではセリン (S) アラニン (A) ロイシン (L) 又はスレオニン (T) に また ジェノタイプ 1b では S A 又は L に置換していた これらの個々の置換を野生型の遺伝子背景を有するレプリコン細胞に導入すると BCV に対する EC 50 値が 15~64 倍の耐性が生じた 概してレプリコンの複製効率は耐性の程度と逆相関し 耐性が高い変異は genetic barrier が高いことが示唆された 11

12 BCV 単剤を単回投与した第 1 相臨床試験 (AI 試験 ) のすべての BCV 投与群において ウイル ス RNA の急速 ( 数時間以内 ) かつ持続的な減少がみられたが BCV の 及び 600 mg 投与群 では in vitro レプリコンアッセイでみられた耐性変異の増幅はみられなかった 900 mg 投与群では ジェノタイプ 1a の被験者 1 例に投与後 24 時間の 1 時点で P495L/S の耐性変異が認められたが その 後はウイルス量の顕著な低下 (3.4 log 10) がみられた これらの変異が投与後 24 時間の 1 時点のみで 検出されたことから 投与前から微量に存在していた可能性が示唆された P495L/S の耐性変異は投 与後 24 時間以降には検出されなかったことから これらの変異の複製能は低く 野生型ウイルスに 置き換わった可能性が示唆された 以上の結果から ジェノタイプ 1a 及び 1b において選択された最も頻度が高く耐性の程度が高い変異 は 495 番のアミノ酸であった In vitro 試験における耐性に関連した NS5B アミノ酸部位の自然発生多 型を European Hepatitis C Virus Database のアミノ酸配列を用いて HCV ジェノタイプ 1 について検討し た結果 P495 はジェノタイプ 1 のすべての配列に保存されていた 本解析結果から BCV の結合部 位はジェノタイプ 1a 及び 1b を通して保存されていることが示された 交差耐性 各種 HCV 標的阻害薬及び各種 HCV NS5B 阻害薬に特異的な耐性変異は各薬剤によって異なる ジェ ノタイプ 1a 又は 1b レプリコンを用いた一過性複製試験では NS5B の P495 にいずれの置換が存在し ても ASV 及び DCV に対する感受性は変化しなかった 2 同様に P495 のいずれの置換も palm site 2 に結合する非核酸系 NS5B 阻害薬 (BMS ) に対する感受性は変化しなかった NS5B ポリメラーゼの thumb site 1 に結合することから予測されるように BCV は NS5B 核酸系阻害 薬 ( ソホスブビルなど ) thumb site 2 並びに palm site 1 及び 2 に結合する非核酸系阻害薬に特異的な 耐性変異 更に DCV 及び ASV に特異的な耐性変異に対しても活性を維持している 臨床使用に相当 する濃度の BCV を DCV 及び ASV と併用することにより DCV 及び ASV にそれぞれ耐性を示す NS5A (L31M-Y93H) 及び NS3[ アスパラギン酸 (D)168V] のアミノ酸置換を有するジェノタイプ 1b の 変異レプリコンが排除された BCV が他の NS5A 耐性変異体 (Q30E/K/D Y93N/H M28A-Q30R M28T-Q30H Q30R-L31M Q30H-Y93H 及び Q30R-H58D) も野生型と同様に阻害することを示す更 なる in vitro 試験の結果は DCV の申請資料 (DCV CTD モジュール 表 ) に記載した これらの結果から BCV を ASV 及び DCV と併用することが耐性に対しても有用であることが示さ れた In vitro 併用試験 HCV レプリコンシステムを用いた併用試験において BCV は DCV ASV NS5B 核酸系阻害薬 NS5B 非核酸系阻害薬等の異なる HCV 蛋白を標的とする低分子化合物との併用で相加又は相乗作用を示し た いずれの併用でも細胞毒性の明らかな増強はみられなかった 安全性薬理 ICH S7A ガイドラインで推奨される心血管系 中枢神経系及び呼吸系の評価を 主要な BCV の反復 投与毒性試験の一部として実施した また 一連の in vitro 及び in vivo 安全性薬理試験を実施した 12

13 In vitro 試験では BCV 及び BMS の受容体及びイオンチャネルのリガンド結合並びに酵素活性 の相対的阻害に及ぼす影響について評価した 心血管系については herg/ikr 電流及び心筋イオン チャネル ウサギプルキンエ線維の活動電位 摘出ウサギ心臓に及ぼす影響を in vitro 試験で評価し 麻酔下ウサギ及びイヌを用いたテレメトリー試験により BCV 単回投与の心血管系パラメータに及ぼ す影響を in vivo で評価した BCV の曝露量がサルに比べてイヌの方が高かったことから 安全性薬 理試験にはイヌを用いた In vitro の安全性薬理評価は試験系に血液中の蛋白を含まないことから これらの試験における曝露量比は [in vitro 濃度 臨床推奨用量におけるヒトの BCV 遊離体 ( 非結 合型 ) の Cmax( ヒト遊離体 Cmax µg/ml)] として算出した 受容体 イオンチャネル結合及び酵素アッセイ 多様な受容体 酵素及びイオンチャネルのリガンドとの結合に対する BCV の阻害作用を in vitro で評 価した 37 種類の薬理学的標的 ( 受容体 酵素 イオンチャネル ) のアッセイパネルを用いて BCV 及び BMS を濃度 6.6 μg/ml で評価した結果 BCV 及び BMS の明らかな作用 (50% 以 上の阻害 ) は ヒトのホスホジエステラーゼ 4(PDE4) 酵素の阻害 ( それぞれ 57% 及び 71% 阻害 ) のみであった U937 細胞 ( ヒトリンパ腫由来細胞 ) から単離したヒト PDE4 酵素を用いたフォロー アップ試験の結果 BCV の IC 50 値は 1.3 μg/ml であり 本薬の PDE4 阻害活性は弱いことが示唆され た TNF-α の産生を測定した細胞の機能アッセイ 3 では BCV は弱い PDE4 酵素阻害薬 (6.6 μg/ml で 31% 阻害 IC 50 値 6.6 μg/ml 超 ) であった 本質的に蛋白を含まないこれらの試験における BCV の最低 IC 50 値 (1.3 μg/ml) はヒト遊離体 Cmax の 72 倍以上であることから ヒトにおける標的外作 用の可能性は低いと考えられた ヒトでは一過性の軽度な消化管症状が認められたのみであった BCV の PDE4 酵素阻害作用が高い曝露量比で認められた弱い作用であること その他の PDE4 に関連する所見 ( 抗炎症作用や炎症誘発作用 白血球異常調節など ) 3,4 がみられなかったことから ヒトでの消化管症状は本薬の PDE4 阻害作用によるものではないと考えられた BMS については 単離酵素や細胞の機能アッセイによる評価を実施しなかった 心血管系 (In vitro / In vivo) BCV の心筋カリウムチャネル (herg/ikr) ナトリウムチャネル(SCN5A) 及びウサギプルキンエ線維活動電位に及ぼす影響を in vitro で検討した BCV は心筋 herg/ikr カリウムチャネル (IC 50 値 = 8.2 μg/ml) 及び SCN5A ナトリウムチャネル (1 Hz 及び 4 Hz でそれぞれ 62.9% 及び 66.3% 阻害 ) を中等度に阻害した ウサギプルキンエ線維アッセイでは BCV は 6.6 及び 19.8 μg/ml の濃度で APD 50 を用量に依存して軽微に増加させ ( それぞれ 10.1% 及び 14.4%) 最大立ち上がり速度を軽微に減少させた ( それぞれ 6.4% 及び 7.8%) APD 90 及び他の活動電位パラメータに影響はみられなかった 摘出ウサギ心臓を用いた電気生理学的試験では BCV の濃度 0.7 µg/ml 以上で濃度に依存した心拍数の軽度な減少 (4%~18%) 及び洞結節回復時間の軽微な延長 (7%~22%) が認められた In vitro で心血管系パラメータに影響のみられた濃度の0.7~19.8 µg/mlは ヒト遊離体 Cmax の 39 倍以上であった 麻酔下のウサギを用いた in vivo 心臓電気生理学的試験において BCV の最大濃度 15 mg/kg まで本薬に関連した心電図パラメータへの影響はみられなかったが 3 mg/kg( 血漿中濃度 :13.5 μg/ml) 以上 13

14 で一過性の動脈血圧の軽度 ~ 中等度の上昇 ( 投与前値との比較で 9%~19%) 及び心拍数の減少 ( 20% ~ 7%) が認められた 血圧及び心拍数への影響に関する無作用量は 1 mg/kg( 血漿中濃度 :7.4 μg/ml) であった 無作用量における Cmax のヒト Cmax との比は 心電図への影響に関して 42 倍 血圧及 び心拍数への影響に関して 5 倍であった イヌにおける単回経口投与心血管系テレメトリー試験では BCV の投与量 53 mg/kg( 投与 4 時間後 の雌雄平均血漿中濃度 63.9 μg/ml) で血圧 ( 全身動脈血圧 左心室収縮期圧及び拡張末期圧 左心室 圧 ) 心拍数 心電図パラメータ 身体活動及び深部体温に変化はみられなかった 無作用量での Cmax はヒト Cmax の 43 倍であった イヌの反復経口投与毒性試験でも BCV の心血管系に及ぼす影響を検討した その結果 BCV を最長 9 ヵ月間 最高用量 25 mg/kg/day( ヒト曝露量と比較して Cmax で 43 倍 AUC で 65 倍 ) を投与したイヌにおいて本薬投与に関連した心拍数及び心電図の変化は認められなかった 更に BCV を DCV 及び ASV と併用投与したイヌの反復併用投与毒性試験において ヒト AUC の最大 8.7 倍で本薬投与に関連した心血管系への影響は認められなかった 以上より BCV は herg 及びナトリウムチャネルの中等度の阻害とプルキンエ線維アッセイにおける軽微な影響を示したのみであった In vivo 試験において ヒト曝露量より高曝露量でも心血管系に懸念される影響は認められなかったことから BCV がヒトの心血管系に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた 中枢神経系 BCV の中枢神経系に及ぼす影響は毒性試験の一部として評価し 独立した安全性薬理試験は実施しなかった 有色 Long-Evans ラット及び白色 Sprague Dawley ラットに [ 14 C] BCV を投与した試験において 本薬の脳組織及び脊髄内濃度は低濃度又は定量下限未満であった マウスの単回経口投与毒性試験において 非致死量の 125 mg/kg では中枢神経系に関連した変化はみられなかったが 375 mg/kg 以上の用量では死亡例がみられ 一般症状として活動性低下 振戦 間代性痙攣 円背位あるいは横臥位が認められた イヌの単回経口投与トキシコキネティクス及び忍容性試験 ラットの 2 週間経口投与毒性試験 ラットの最長 6 ヵ月間及びイヌの最長 9 ヵ月間の主要な反復経口投与毒性試験では ヒト AUC の最大 79 倍の曝露量でも神経学的な臨床症状や神経組織の組織学的所見に BCV 投与に関連した変化は認められなかった また BCV と DCV 及び ASV をラット及びイヌに併用投与した試験においても ヒト AUC の最大 11 倍の曝露量で BCV 投与に関連した中枢神経系の影響は認められなかった 以上より BCV がヒトの中枢神経系に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた 呼吸系 BCVの呼吸系に及ぼす影響は毒性試験の一部として評価し 独立した安全性薬理試験は実施しなかった マウスの単回経口投与毒性試験において 非致死量の 125 mg/kg では呼吸系に関連した変化はみられなかったが 375 mg/kg 以上の用量では 死亡例に努力性呼吸が認められた ラットの最長 6 ヵ 14

15 月間及びイヌの最長 9 ヵ月間の反復経口投与毒性試験では ヒト AUC の最大 79 倍の曝露量でも BCV 投与に関連した呼吸器系への影響は認められなかった また BCV と DCV 又は ASV をラット又はイヌに併用投与した試験においても ヒト AUC の最大 11 倍の曝露量で BCV 投与に関連した呼吸系への影響は認められなかった 以上より 本薬がヒトの呼吸系に対して影響を及ぼす可能性は低いと考えられた 3 薬物動態試験 BCV の非臨床 PK は 一連の in vitro 試験及びマウス ラット ウサギ イヌ及びサルを用いた in vivo 試験で評価した 更に BMS 及び BMS の PK CYP 酵素阻害及び誘導作用 並びに トランスポーター阻害作用についても評価した これらの動物由来の各種生体試料中の BCV BMS 及び BMS を LC-MS/MS 法を用いて分析した 分析法は 高感度で 精度良く 正確であることを確認した 動物において BCV は経口で生物学的に利用可能であり 体内に広範に分布した BCV の in vivo 代 謝物プロファイルはすべての種で質的に類似し ヒトに特有の代謝物は検出されなかった BMS は放射能検出によりヒト血漿中に検出された唯一の代謝物であり この代謝物は主に CYP3A4 を介 して生成された その他に痕跡量の血漿中代謝物が質量分析法により検出された BCV は主に代謝 により消失し 代謝物は動物及びヒトの糞便中及び胆汁中に排泄された また 胆汁中排泄も BCV の消失経路の一つであった 腎クリアランスは BCV の主要な消失経路ではなかった In vitro にお いて BCV は複数の CYP 酵素及びトランスポーターの基質 阻害剤及び誘導剤であったことから 薬物動態学的薬物相互作用の発現が予測されたが 臨床試験の結果 BCV ASV 及び DCV の間で臨 床的意義のある薬物相互作用は認められなかった 3.1 吸収 バイオアベイラビリティ及び薬物動態 PAMPA 法及び Caco-2 細胞モデルにおける BCV の膜透過性は高かったことから ヒトでの高い吸収性及び広範な組織内分布が示唆された ヒトにおける絶対的バイオアベイラビリティは 66% であった 溶液として経口投与したときの BCV の吸収は ラット及びイヌよりもマウス及びサルの方が速やかで 最高血漿中濃度到達時間 (Tmax) は マウス ラット イヌ及びサルでそれぞれ ~ 及び 1.3 時間であった P-gp 及び BCRP は BCV の経口吸収及び組織内分布を抑制し この抑制作用は BCV の高い膜透過性により軽減されるものの BCV はヒトの P-gp 及び BCRP の基質であることが示された マウス ラット及びイヌに BCV を経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは それぞれ 100% 超 42%~47% 及び 86% であったが サルでは 15% と低い値であった イヌに DCV(30 mg) ASV(200 mg) 及び BCV(75 mg) を単剤として又はこれらの 3 種類の薬物の配合錠 ( 以下 DCV/ASV/BCV 配合錠と記載する ) として経口投与したとき BCV の曝露量及び血漿中濃度 - 時間プロファイルは両投与群間で類似していた (p > 0.05) 単回静脈内投与後の BCV は ラット及びイヌよりもマウス及びサルで速やかに消失した [ 消失半減期 (T-HALF): ラット及びイヌでそれぞれ 8.4 及び 13.8 時間 マウス及びサルでそれぞれ 3.2 及び 15

16 1.4~2.1 時間 ] ラット及びイヌの T-HALF 値は ヒトの T-HALF 値 (7.7~13.1 時間 ) と類似してい た マウス ラット イヌ及びサルの総血漿クリアランスは それぞれ 及び 4.7~8.5 ml/min/kg で 報告されている各種動物の肝血流量 5 のそれぞれ 5.22% 4.35% 1.10% 及び 10.8%~19.5% に相 当することから BCV の肝除去率は低いことが示された 同様に ヒトにおける全身クリアランス の幾何平均値 (93.2 ml/min) は 報告されている肝血流量 5 の約 6% に相当したことから BCV の肝 除去率は低いことが示された 3.2 分布 マウス ラット イヌ及びサルに BCV を静脈内投与したときの定常状態分布容積 (Vss) は それぞ れ 及び 0.1~0.6 L/kg であった なお ヒトの Vss 値は 35.7 L であった マウス及びラットの Vss 値は 報告されている総血液量及び全身水分量 5 よりも大きかったことから これらの動物種では BCV が血管外に分布することが示唆された サルに BCV を 1 及び 2 mg/kg の用 量で静脈内投与したときの Vss 値はそれぞれ 0.1 及び 0.6 L/kg であったことから 投与量と Vss 値の 関係に矛盾が生じたものの その原因は不明である しかしながら サル及びイヌにおける Vss 値は 各動物種の総血液量の値 5 よりも大きいことから これらの動物種において BCV は血管外に分布す ることが示唆された このことは サル及びイヌにおける BCV の肝臓中濃度 / 血漿中濃度比が高値 ( それぞれ 24 及び 2) であることと一致する BCV[ 濃度 1 μm(0.660 μg/ml)] の血液中濃度 / 血漿中濃度比は ヒトで 0.67~0.73 ラット イ ヌ及びサルではそれぞれ 0.61~ ~1.70 及び 0.99~1.25 であった BCV の血液中濃度 / 血漿 中濃度比が 2 未満と低い値であったことから BCV の血球移行は顕著ではないことが示唆された Long-Evans ラット ( 有色 ) 及び SD ラット ( アルビノ ) に [ 14 C]BCV を 10 mg/kg の用量で単回経口投 与したところ [ 14 C]BCV 由来の放射能は速やかに吸収され 体内に広範に分布し 投与後 168 時間 までに完全に消失した 放射能の組織内分布は Long-Evans ラットと SD ラットで類似しており 放射 能は副腎 肝臓 ( 薬効の標的器官 ) 胃 小腸及び盲腸で高レベルであった Long-Evans ラットの 中枢神経系組織中及び眼レンズ中の放射能は 定量下限未満 (< μg-equivalent/g) 又は定量下限 付近 (0.077~0.088 μg-equivalent/g) であった Long-Evans ラットの有色皮膚中及び眼ブドウ膜中の 放射能濃度 ( 2.04 μg-equivalent/g) は SD ラットの眼ブドウ膜中の放射能濃度よりも低く 投与後 48 時間では定量下限未満であったことから BCV とメラニン含有組織との特異的結合はないことが 示唆された 雄性 SD ラットに [ 14 C]BCV を 20 mg/kg の用量で 1 日 1 回 14 日間反復投与したとき [ 14 C]BCV 由来の放射能の蓄積傾向は認められなかった SD ラットを用いた更に詳しい組織内分布試験において [ 14 C]BCV 由来の放射能の組織内分布は雌雄 間で類似していることが示された 放射能の組織内濃度 / 血漿中濃度比は 大部分の組織及び採取時 点で 1 未満であったが 肝臓では投与後 24 時間まで 9.49~17.5 の範囲であった [ 14 C]BCV 由来の放 射能は血液脳関門を通過せず 投与後 48 時間までに雌雄ラットの消化管及び包皮腺を除く大部分の 組織から完全に消失した 16

17 上述の [ 14 C]BCV を用いた組織内分布試験の結果は 非標識 BCV を用いた組織内分布試験の結果と一 致した 非標識 BCV を用いた組織内分布試験において マウスに BCV を経口投与後 6~24 時間の肝 臓中濃度 / 血清中濃度比は 3.1~5.1 ラット イヌ及びサルに BCV を投与後の肝臓中曝露量 / 血漿 中曝露量比 (AUC 比 ) はそれぞれ 15 2 及び 24 であったことから BCV はマウス ラット イヌ及 びサルの肝臓へ選択的に移行し マウスに BCV を経口投与後 6~8 時間の脳中濃度 / 血清中濃度比は 0.01 ラットに BCV を経口投与後の脳中曝露量 / 血漿中曝露量比 (AUC 比 ) は 0.05 であったことか ら マウス及びラット脳への BCV の移行は限定的であることが示された また 野生型マウス及び P-gp ノックアウトマウスを用いた試験において BCV を経口投与後の脳中濃度 / 血清中濃度比がそ れぞれ 0.01 及び 0.17 であったことから P-gp は BCV の脳への移行を抑制することが示唆された マ ウスに BCV を経口投与後 6~24 時間における BMS の肝臓中濃度 / 血清中濃度比は 8.4~12.6 であり また ラット イヌ及びサルに BCV を経口投与後の BMS の肝臓中曝露量 / 血漿中 曝露量比 (AUC 比 ) はそれぞれ 及び 114 であり BCV よりも高い値を示した ヒト及びラット肝細胞を用いた BCV 肝取込み試験結果から 主として受動輸送が BCV の肝取込みに 関与することが示唆された この試験結果は BCV がヒト OATP1B1 及び OATP1B3( ヒト肝取込み トランスポーター ) の基質ではないことを示した in vitro 試験結果と一致した 妊娠 SD ラットに [ 14 C]BCV を経口投与したところ [ 14 C]BCV 由来の放射能は胎盤を通過し 胎児組 織中に検出された また 授乳中のラットに [ 14 C]BCV を経口投与したところ [ 14 C]BCV 由来の放射 能が乳汁中に検出された [ 放射能の乳汁中曝露量 / 母動物血漿中曝露量比 :0.277(Cmax 比 ) (AUC 比 )] これらの試験結果から BCV の投与を受けている女性の胎児及び乳児は BCV とそ の代謝物に曝露される可能性が示唆された 3.3 代謝 ヒト肝ミクロソームを用いた反応表現型解析試験より BCV は主として CYP3A4 により代謝され CYP3A5 がわずかながら BCV の代謝に寄与することが示された BCV の in vitro 及び in vivo 代謝により 多様な酸化代謝物が生成した In vitro 及び in vivo 代謝物プ ロファイルはすべての動物種で質的に類似し ヒトに特有の代謝物は検出されなかった BCV の主 要な代謝反応として BMS を生成する N- 脱メチル化 ( スルホンアミド窒素原子に結合したメ チル基の脱離 ) BMT を生成する N- 脱メチル化 ( 二環性ピペラジン窒素原子に結合したメチ ル基の脱離 ) BMS を生成する O- 脱メチル化及び M4 M5 M26 及び M27 を生成するモノ ヒドロキシ化が挙げられ N- 脱メチル化がヒトにおける主要な代謝反応であった 更に BMS の N- 脱メチル化により BMT 及び BMT ( いずれも BCV の N,N- 脱メチル化体 ) が生成 され BMT の N- 脱メチル化によっても BMT が生成された 反応表現型解析試験の結 果より BMS は主として CYP3A4 及び CYP3A5 により代謝され BMT 及び BMT を生成することが示唆された In vitro 及び in vivo のいずれにおいてもグルタチオン付加物は検出されなかった [ 14 C]BCV とラット イヌ サル及びヒトの肝ミクロソーム蛋白をインキュベートした結果 ラット イヌ及びヒトでは肝ミクロソーム蛋白と放射性物質との不可逆的結合 (31~91 pmol/mg protein/30 min) がわずかながら認 17

18 められ サルでは中等度 (312 pmol/mg protein/30 min) にみられた これらの結果は反応性代謝物の 生成を示唆したが 臨床推奨用量の AUC より高い曝露量で評価したラット及びイヌの長期安全性試 験で肝毒性が認められなかったことから 臨床的意義はないと考えられた 動物 ( マウス ラット及びイヌ ) 及びヒトの血漿中に検出された BCV 由来の主要化合物は BCV 及び BMS であり ( Table 3.3-1) その他の代謝物もわずかに検出された( 血漿中総放射能の 0.8% 以下 ) 健康被験者に BCV を反復投与した結果 BMS の明らかな蓄積は認められず その他の代謝物は微量であった ヒトでは BCV の AUC 値に対する BMS の AUC 値の比が単回投与 (0.23~0.27) 及び反復投与 (0.15~0.30) で同程度であった なお 血中唯一の主代謝物である BMS の安全性については 忍容性がある用量で実施した BCV の非臨床安全性試験で BMS に十分量曝露された条件下 [ ラット : ヒト AUC の 0.4 倍 (20 mg/kg/day 6 ヵ月間 ) イヌ : ヒト AUC の 56 倍 (25 mg/kg/day 9 ヵ月間 )] で評価した (3.7 項参照 ) Table 3.3-1: 動物及びヒトに [ 14 C]BCV を単回経口投与したときの in vivo 代謝 動物種 投与量 血漿中の割合 (%) BCV BMS 回収された代謝物の投与量に対する割合 (%) マウス 30 mg/kg ラット 20 mg/kg ウサギ 60 mg/kg MS ND イヌ 5 mg/kg 胆管カニューレ挿入サル 125 mg/kg ヒト a 800 mg MS:LC-MS/MS 法でのみ検出 ND: 測定せず a 胆汁を採取したヒトでは BCV BMS BMT BMT 及び BMT ( 糞便中及び胆汁中の主化合物 ) はそれぞれ胆汁中に投与量の 6.8% 1.3% 1.3% 0.9% 及び 2.4% 糞便中に 5.4% 6.3% 3.2% 4.7% 及び 13.5% を占めた 胆汁を採取しなかったヒトでは BCV BMS BMT BMT 及び BMT は糞便中にそれぞれ投与量の 6.9% 11.7% 9.3% 10.9% 22% を占めた BCV をヒトに反復投与した結果 微量代謝物である BMS (BCV の N,O- 脱メチル化体の O-グルクロン酸抱合体 ) の曝露量の増加がみられたが 総薬物曝露量の 10% 未満であった [ 総 AUC の 1.1% ~2.9%( 単回投与後 ) 又は 8.5%( 反復投与後 )] BMS はラット及びイヌの血漿中で検出されなかったが 125 mg/kg/day で 1 ヵ月間投与したサルの血漿中で検出された (AU C:5 µg h/ml 健康被験者に BCV を 150 mg の用量で 1 日 2 回 14 日間投与したときの AUC の 4.5~4.9 倍 ) ヒト及び非臨床試験で用いた動物種における BCV 及び血中代謝物の曝露量の詳細な比較検討は 4 項に記載した ヒトの糞便中では BCV が薬物由来の主化合物であり ( 投与量の 6.9%) 代謝物として BMT BMS BMT 及び BMT ( それぞれ投与量の 22.0% 11.7% 10.9% 及び 9.3%) 18

19 が検出された 糞便中の主要代謝物は 胆管カニューレを挿入した (BDC) サルでは BMS BMT 及び BMT マウス ラット及びイヌでは BMS BMT M4 BMS 及び BMT であった ヒトに [ 14 C]BCV を経口投与し 胆汁を採取 ( 投与後 3~4 4~6 及び 6~8 時間に採取 ) した結果 胆汁中で薬物由来の主化合物の BCV( 投与量の 6.8%) と共 に 様々な代謝物 ( 投与量の 2.4% 以下 ) が検出され 糞便中に検出された代謝物はすべて胆汁中に も検出された ヒトの胆汁中に微量の BMS が検出されたが 糞便中には検出されなかった なお ヒトで生成された代謝物は 非臨床試験で用いた動物種の最低 1 種以上でも生成された HCV レプリコンアッセイでは BMS は BCV と同等の抗 HCV 活性を有した BMT BMT 及び BMT の活性は BCV の 1/2~1/15 程度であり BMS はほとんど又は まったく活性を示さなかった また NS5B ポリメラーゼを用いた試験の結果より BMS BMT BMT 及び BMT は BCV と同様の活性を有することが示唆された 微量 の BMT BMT 及び BMT がヒト血漿中に検出された これらの結果より BMS は薬理作用全般に寄与する可能性があることが示唆された 他の代謝物の寄与について は 肝臓での曝露量を測定していないため不明である 3.4 排泄 動物及びヒトでは 代謝クリアランスが経口投与後の BCV の主要な消失経路であり 次いで代謝物 の糞便中及び胆汁中排泄であった 代謝クリアランスはマウス ラット及びイヌ ( 投与量の 49%~ 53%) よりヒト ( 投与量の 76%) で大きかった マスバランス試験では [ 14 C]BCV 由来の放射能の 大部分は糞便中に排泄され ( 動物 : 投与量の 92%~95% ヒト : 投与量の 89%) 動物及びヒトにお いてそれぞれ投与量の 20.3%~31.1% 及び 6.9% が未変化体として回収された 糞便中の未変化体の一 部は 経口投与後体内に吸収されなかった BCV である可能性が考えられた また 動物及びヒトで は 投与量の 0.05%~0.25% が尿中で回収されたことから 腎クリアランスは BCV の主要な消失経路 でないことが示唆された [ 14 C]BCV を経口投与後胆汁中に排泄された放射能は BDC ラット BDC サル及びヒト ( 投与後 3~8 時間に胆汁を採取した ) でそれぞれ投与量の 67.2% 41.9% 及び 18.5% を 占めた なお BDC ラット BDC サル及びヒトの胆汁中の BCV は それぞれ投与量の 35.3% 0.7% 及び 6.8% であり これらの動物種では胆汁中排泄も BCV 消失経路の一つであることが示唆された 3.5 蛋白結合 BCV(10 µm) の in vitro 血清蛋白結合率は マウス ラット イヌ サル及びヒトでそれぞれ 98.8% 98.7% 97.8% 97.9% 及び 98.8% であり いずれの動物種でも高値を示した BMS の血清蛋 白結合率は 97.2%~98.9% であった すべての動物種で蛋白結合率が同程度の値を示したことから 曝露量を比較検討する際に BCV の遊離型分率で補正しなかった なお BCV 及び BMS の in vitro ヒト血漿蛋白結合率は 0.1~10 µm の範囲で濃度依存性がなく 1 µm ではそれぞれ 99.4% 及び 99.0% であった 3.6 薬物動態学的薬物相互作用 ヒトでは 代謝クリアランスが BCV の主要な消失経路である ( 投与量の 76% を代謝物として排泄 ) 反応表現型解析試験より BCV は主として CYP3A4 を介して代謝され CYP3A5 がわずかながら代 19

20 謝に寄与することが示唆された そのため CYP3A4 阻害剤又は誘導剤と BCV を併用投与した場合 薬物動態学的薬物相互作用が生じる可能性が考えられた BCV はヒト P-gp 及び BCRP の基質であるが OATP1B1 及び OATP1B3 の基質ではなかった BCV は PAMPA 及び Caco-2 モデルで膜透過性が高いことから P-gp 及び BCRP の阻害剤又は誘導剤と BCV の併用投与が薬物相互作用をもたらす可能性は低いと考えられた In vitro で BCV BMS 及び BMS は CYP 酵素 UGT1A1 及びトランスポーターの阻 害剤であることが示された BCV 及び BMS は軽度 ~ 中等度の阻害作用を有し 可逆的及び 弱い時間依存性の CYP3A4 阻害剤であることが示された (IC 50:9.6~33.4 µm) 更に BCV は CYP2C8 の軽度 ~ 中等度の可逆的阻害剤であることが示された (IC 50:23.7 µm) 評価した他の CYP 酵素に ついては IC 50 値は 40 µm 超であった ヒト肝細胞では BCV 及び BMS は CYP1A2 及び CYP2B6 の mrna レベルをほとんど又はまったく増加させなかったが 用量依存的に CYP3A4 の mrna レベ ルを増加させた FDA の薬物相互作用に関するガイダンス 6 に従い ベーシックモデルを用いてこ れらのデータを評価した結果 BCV 及び BMS は CYP1A2 及び CYP2B6 の有意義な誘導剤で はなかったが CYP3A4 を誘導すると予測されたことから BCV を反復投与した場合 CYP3A4 の誘 導及び阻害が同時に起こる可能性が考えられた しかしながら 臨床試験で健康被験者に BCV(150 又は 300 mg の用量で 1 日 2 回 14 日間 ) と CYP3A の基質であるミダゾラムを併用投与したところ ミダゾラムの曝露量が減少した このことから BCV の投与は相対的には CYP3A を誘導すると考え られた また BCV による CYP2C8 阻害の R 1 値 (R 1:1.5 ベーシックモデル IC 50 値及び C 型慢性 肝炎患者に BCV を 75 mg の用量で 1 日 2 回反復投与したときの血漿中 Cmax 値 2.25 µm に基づく ) は推奨カットオフ値の 1.1 より高いため BCV との併用投与により CYP2C8 基質の曝露量が増加する 可能性が示唆された しかしながら BCV(75 mg 1 日 2 回 ) の追加投与の有無に関わらず DCV/ASV/BCV 配合錠 (DCV:30 mg ASV:200 mg BCV:75 mg) の投与が CYP2C8 基質である モンテルカストの曝露量に与える影響は軽微であり BCV は臨床で使用されている他の CYP2C8 基 質の PK に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた BCV はヒト肝ミクロソームの UGT1A1 を阻害した (IC 50:12.6 µm) しかしながら臨床試験におい て 75 又は 150 mg の用量で 1 日 2 回 12 週間以上投与された C 型慢性肝炎患者又は最高 300 mg の 用量まで 1 日 2 回反復投与された健康被験者では 総ビリルビン又は間接型ビリルビン (UGT1A1 の 基質 ) の顕著な増加はみられなかったため in vitro の UGT1A1 阻害作用は臨床的に意義が低いと考 えられた BCV BMS 及び BMS は 複数のトランスポーターを阻害した BCV は Caco-2 細胞 のジゴキシン輸送 P-gp BCRP OATP1B1 OATP1B3 OAT1 NTCP 及び BSEP を阻害したが ( IC 50: 1.6~42.9 µm) MRP2 OAT3 及び OCT2 は阻害しなかった BMS は BCRP OATP1B1 OATP1B3 OAT1 NTCP 及び BSEP を阻害したが (IC 50:1.4~79.6 µm) P-gp MRP2 OAT3 及び OCT2 は阻 害しなかった BMS は OATP1B1(IC 50:10.2 µm) OATP1B3(IC 50:30.0 µm) MRP2 (IC 50:17.1 µm) 及び BSEP(IC 50:> 50 µm 50 µm で 35% 阻害 ) を阻害したが NTCP を阻害しな かった 20

21 FDA 6 及び EMA 7 ガイダンスに従い in vitro のトランスポーター阻害データから in vivo でのプロファ イルを予測した結果 BCV は P-gp BCRP OATP1B1 OATP1B3 及び NTCP の基質と薬物相互作用 を起こす可能性が考えられた また BCV と OAT1 OAT3 及び OCT2 基質との相互作用は 臨床推 奨用量で起こる可能性が低いと考えられた DCV/ASV/BCV 配合錠及び BCV(75 mg BID) とロスバ スタチン (OATP1B1 OATP1B3 及び BCRP 基質 8 ) を併用投与した結果 ロスバスタチンの Cmax 及び AUC 値がロスバスタチンの単独投与時よりもそれぞれ 9 及び 3 倍増加した 別の臨床試験で DCV/ASV/BCV 配合錠及びプラバスタチン (OATP 基質 ) を BCV(75 mg BID) と併用して又は併用 せず投与したところ プラバスタチンの AUC(INF) 値がそれぞれ 81% 及び 68% 増加した 同一試験で ジゴキシン (P-gp 基質 ) の AUC(INF) 値は それぞれ 23% 及び 17% 増加した これら臨床試験の結果 は BCV の OATP1B1 OATP1B3 BCRP 及び P-gp 阻害作用の予測と一致した BSEP 及び MRP2 阻害作用の in vitro 試験結果を in vivo の予測に外挿するための方法は FDA 及び EMA から提案されていないため 文献 9 で報告されている手法を用いて BSEP 及び MRP2 阻害に起因した 薬物相互作用の可能性について検討した その結果 BCV 及び BMS による BSEP 又は MRP2 阻害の可能性は低いことが示唆された しかしながら BMS による MRP2 阻害は否定できず BCV を 75 mg の用量で 1 日 2 回投与した C 型慢性肝炎患者で薬物相互作用が生じる可能性が考えら れた BCV は DCV 及び ASV を併用して投与される DCV 及び ASV は 主に CYP3A4 又は CYP3A を介 した代謝により消失する また DCV 及び ASV は P-gp 基質であり CYP3A の誘導剤かつ阻害剤で あり P-gp 及び OATP の阻害剤である BCV が主に CYP3A を介して代謝されること P-gp の基質 かつ阻害剤であること CYP3A4 の誘導剤かつ阻害剤であることから BCV DCV 及び ASV の 3 剤 間に薬物相互作用が生じる可能性が考えられた しかしながら BCV DCV 及び ASV 間の薬物相互 作用を薬物相互作用試験で検討しなかったものの 第 2 相試験 (AI 試験 ) の PK データとこれ までに得られた PK データ ( 他の BCV DCV 及び ASV 投与試験の PK データ ) との比較検討から 3 種類の薬物間に臨床的意義のある薬物相互作用が起こる可能性は低いと考えられた 3.7 トキシコキネティクス 非臨床毒性試験に用いたいずれの動物種においても BCV 経口投与後の BCV 曝露量はおおむね用量 依存的に増加した ICH M3(R2) ガイダンス 10 に基づき 雄及び雌における曝露量 (AUC 又は Cmax) の差が 2 倍未満であれば顕著な差はないものと考えられ 主要な毒性試験の動物種 ( ラット及びイヌ ) では BCV の曝露量に顕著な性差がなかったことから BCV の AUC 及び Cmax は雌雄を合わせた平 均値として表記した 主要な毒性試験における BCV の投与量 AUC 値並びにヒトの臨床推奨用量で の AUC 値 (17.4 µg h/ml) に対する動物の AUC 値の比を Table に示す ラット イヌ及びサル における最高投与量での AUC 値は ヒトの臨床推奨用量での AUC 値の約 5~80 倍であった 妊娠 ラット及びウサギの AUC 値は ヒトの臨床推奨用量での AUC 値のそれぞれ 85 及び 29 倍であった BCV は動物及びヒト血漿中の主要化合物であった ヒトに特有の代謝物は検出されず BMS がヒト血漿中の主要代謝物であった ヒトの臨床推奨用量では BMS の Cmax 及び AUC はそ れぞれ µg/ml 及び 4.16 µg h/ml であった BMS の安全性については ヒトの臨床推奨 21

22 用量における AUC と同程度又はそれ以上の曝露条件下でラット ウサギ イヌ及びサルの非臨床毒 性試験を実施しているため 適切に評価できていると考えられた 主要な毒性試験における BMS の AUC 値及びヒトの臨床推奨用量での BMS の AUC 値に対する動物の AUC 値の比を Table に示す 肝臓が薬効の標的器官であるため いくつかの反復投与試験で血漿中及び肝臓中の BCV 及び BMS 濃度を測定した 各種動物における肝臓中薬物濃度の個体差は大きかったものの BCV 及び BMS は高濃度に検出された ( 血漿中濃度に対する肝臓中濃度 BCV:1~17 倍 BMS :2~71 倍 ) ラットにおいて肝臓重量の増加と相関して認められた 適応性変化であ る肝細胞の過形成を除き 最長 6 ヵ月間投与したラット及び 9 ヵ月間投与したイヌのいずれの試験に おいても 肝臓の組織学的変化は認められなかった それぞれの試験の代謝物濃度の概略については 毒性の概要表に記載した なお サルの探索毒性試験においても 血漿中 肝臓中 胆嚢中及び胆汁中の BCV 及び BMS 濃度を測定した 臨床試験 (AI 試験 ) において BCV を 900 mg の用量で 1 日 1 回 2 週間反復投与後 肝内胆汁鬱滞並びに BMS 及び BMS ( グルクロン酸抱合体 ) の血漿中濃度の高値が認められた被験者がいたため BCV 及びその代謝物の毒性プロファイルを明らかにする目的で反復投与トキシコキネティクス試験を実施した ラット及びイヌの 2 週間反復投与試験並びにサルの 1 ヵ月間反復投与試験では 上述の被験物質に加え 血漿中 尿中 胆汁中 糞便中及び肝臓中の BMS (O- 脱メチル化体 ) 及び BMS (O,N- 脱メチル化体 ) などの新たな代謝物について評価した BCV 及び BMS が主化合物として血漿中 尿中 胆汁中 糞便中及び肝臓中に検出され 他の被験物質は BCV より低い濃度 (0.7 倍以下 ) で検出された なお BMS については ラット及びサルにおいて検出されたいずれの生体試料中でも BCV の 0.3 倍以下の濃度であり イヌでは少数例の尿中から低濃度で検出されたのみであった Table 3.7-1: 主要な毒性試験における BCV の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 動物種マウスラットラット 試験種類 ( 採血時点 ) 6 ヵ月 ( 投与 26 週 ) 1 ヵ月 ( 投与 28 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + ASV ( 投与 29 日 ) BCV 投与量 (mg/kg/day) BCV AUC (µg h/ml) a AUC 比 b 雄雌雄雌

23 Table 3.7-1: 主要な毒性試験における BCV の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 動物種ラットラットイヌイヌイヌイヌラット ( 雄 ) ラット ( 雌 ) 妊娠ラット 試験種類 ( 採血時点 ) 6 ヵ月 ( 投与 176 日 ) 2 年 ( 投与 26 週 57 週 c ) 1 ヵ月 ( 投与 16 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + DCV ( 投与 29 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + DCV + ASV ( 投与 29 日 ) 9 ヵ月 ( 投与 39 週 ) 受胎能及び着床までの初期胚発生 ( 投与 7 週 ) 受胎能及び着床までの初期胚発生 ( 投与 14 日 ) 胚 胎児発生 ( 妊娠 15 日 ) BCV 投与量 (mg/kg/day) BCV AUC (µg h/ml) a AUC 比 b 雄雌雄雌 NA 2.0 NA c NA 625 NA NA 1170 NA NA 7.2 NA NA 39 NA NA 80 NA 15 NA 58.0 NA NA 260 NA NA 1420 NA NA 42.8 NA NA 223 NA NA 1480 NA 85 23

24 Table 3.7-1: 主要な毒性試験における BCV の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 動物種 授乳ラット 妊娠ウサギ 試験種類 ( 採血時点 ) 出生前及び出生後の発生 ( 授乳 4 日 ) 胚 胎児発生 ( 妊娠 19 日 ) BCV 投与量 (mg/kg/day) BCV AUC (µg h/ml) a AUC 比 b 雄雌雄雌 10 NA 33.5 NA NA 216 NA NA 613 NA NA 105 NA NA 203 NA NA 510 NA 29 NA: 該当なし下線を施した投与量は無毒性量を示す a 投与後 0 時間から最終測定可能時間 ( 概ね 8~24 時間 ) までの血漿中濃度曲線下面積 b 臨床推奨用量における BCV の AUC(17.4 µg h/ml) に基づき算出 ( 動物 AUC ヒト AUC) c 投与 57 週は投与量 50 mg/kg/day の測定値 ( 投与 52 週まで 80 mg/kg/day を投与した後に減量 ) Table 3.7-2: 主要な毒性試験における BMS の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 動物種マウスラットラットラット 試験種類 ( 採血時点 ) 6 ヵ月 ( 投与 26 週 ) 1 ヵ月 ( 投与 28 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + ASV ( 投与 29 日 ) 6 ヵ月 ( 投与 26 週 ) BCV 投与量 (mg/kg/day) BMS AUC b AUC 比 (µg h/ml) a 雄雌雄雌

25 Table 3.7-2: 主要な毒性試験における BMS の AUC 値及びヒト AUC に対する動物 AUC との比 動物種ラットイヌイヌイヌイヌラット ( 雄 ) ラット ( 雌 ) 妊娠ラット授乳ラット妊娠ウサギ 試験種類 ( 採血時点 ) 2 年 ( 投与 26 週 57 週 c ) 1 ヵ月 ( 投与 16 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + DCV ( 投与 29 日 ) 1 ヵ月併用 BCV + DCV + ASV ( 投与 29 日 ) 9 ヵ月 ( 投与 39 週 ) 受胎能及び着床までの初期胚発生 ( 投与 7 週 ) 受胎能及び着床までの初期胚発生 ( 投与 14 日 ) 胚 胎児発生 ( 妊娠 15 日 ) 出生前及び出生後の発生 ( 授乳 4 日 ) 胚 胎児発生 ( 妊娠 19 日 ) BCV 投与量 (mg/kg/day) BMS AUC (µg h/ml) a AUC 比 b 雄雌雄雌 NA 0.08 NA c NA 6.6 NA NA 23 NA NA 0.47 NA NA 4.2 NA NA 17 NA 15 NA NA NA 2.26 NA NA 39.8 NA NA NA NA 1.88 NA NA 89.3 NA NA NA NA 1.47 NA NA 11.1 NA NA 3.60 NA NA 6.67 NA NA 21.7 NA

26 NA: 該当なし a 投与後 0 時間から最終測定可能時間 ( 概ね 8~24 時間 ) までの血漿中濃度曲線下面積 b 臨床推奨用量における BMS の AUC(4.16 µg h/ml) に基づき算出 ( 動物 AUC ヒト AUC) c 投与 57 週は投与量 50 mg/kg/day の測定値 ( 投与 52 週まで 80 mg/kg/day を投与した後に減量 ) 4 毒性試験 ICHガイドラインに準拠して GLP 適合下で実施した毒性試験により BCVの毒性を総合的に評価した 特記する場合を除き 毒性試験の投与経路は臨床での投与経路と同様の経口投与とし BCV を媒体の 0.1 M Tris 緩衝液 (ph 8.5) に溶解して投与した 実施した毒性試験の用量範囲で認められた影響から BCV の非臨床毒性プロファイルは用いた動物種において十分に評価されたものと考えられる これらの試験では ヒトにおける安全性を評価するため 総合的な毒性評価を担保する高い曝露量が得られる投与量を設定した 認められた変化を示す測定値の比は 特記する場合 ( 投与前値との比など ) を除き 対照群との比較値で示す 各試験の Cmax 及び AUC は BCV 及び BMS の曝露量に性差及び蓄積がみられなかったことから 投与期間終了時の定常状態の曝露量の雌雄合計平均値で示す 無毒性量及び毒性発現量における動物の曝露量と臨床推奨用量におけるヒト曝露量との比 (AUC 又は Cmax) を Table 4-1 に示す Table 4-1: BCV の無毒性量及び主な毒性発現用量における曝露量とヒト曝露量との比 動物種 試験の種類 無毒性量 (mg/kg/day) AUC (µg h/ml) 又は Cmax (µg/ml) ヒト曝露量との比 a ラット 1 ヵ月間 50 AUC: ラット 6 ヵ月間 20 AUC: イヌ 1 ヵ月間 25 AUC: ( 心電図に関する無毒性量 ) 25 Cmax: イヌ 9 ヵ月間 25 AUC: ( 心電図に関する無毒性量 ) 25 Cmax: マウスがん原性 25 AUC: ラットがん原性 25 AUC: ラット生殖能 ( 雄 ) 100 AUC: ラット生殖能 ( 雌 ) 100 AUC: ラット胚 胎児発生 30 AUC: ウサギ胚 胎児発生 60 AUC: ラット出生前 出生後発生 30 AUC:

27 Table 4-1: BCV の無毒性量及び主な毒性発現用量における曝露量とヒト曝露量との比 毒性所見 ( 動物種 試験の種類 ) 毒性発現用量 (mg/kg/day) AUC (µg h/ml) ヒト曝露量との比 a 消化管毒性 ( ラット 6 ヵ月間 ) 肝臓重量増加 肝細胞肥大 ( ラット 6 ヵ月間 ) 軟便 液状便及び嘔吐 ( イヌ 9 ヵ月間 ) 良性肝細胞腺腫 出生児の体重減少 ( ラット出生前 出生後発生 ) a 臨床推奨用量 75 mg BID におけるヒトの Cmax 1.49 µg/ml 及び AUC 17.4 μg h/ml に基づき算出 ( 動物の曝露量 ヒトの曝露量 ) 4.1 単回投与毒性マウス (125~1250 mg/kg) ラット(30~625 mg/kg) 及びイヌ (20~200 mg/kg) を用いて実施した マウスでは 125 mg/kg では不定形便が低頻度にみられたのみであったが 375 mg/kg 以上では死亡例及び活動性低下 生殖器周囲の汚れ 不定形便などの一般症状がみられた ( 曝露量測定せず ) ラットでは 300 mg/kg(auc:2225 μg h/ml ヒト AUC の 128 倍 ) まで認容性が良好であったが 625 mg/kg (AUC:3030 μg h/ml) で死亡例及び活動性低下 不定形便 腹臥位 被毛の汚れ 流涎などの一般症状が認められた イヌでは 60 mg/kg(auc:1285 μg h/ml) 以上で嘔吐が発現し 最高用量 200 mg/kg (AUC:1810 μg h/ml ヒト AUC の 104 倍 ) でも死亡例はみられなかった 以上より マウス及びラットにおける概略の致死量はそれぞれ 125~375 及び 625 mg/kg イヌにおける概略の致死量は 200 mg/kg を超える量と考えられた 4.2 反復投与毒性ラット ( 最長 6 ヵ月間 ) 及びイヌ ( 最長 9 ヵ月間 ) を用いて実施した 各試験において 一般状態観察 体重及び摂餌量測定 安全性薬理評価 [ 循環器系 ( イヌのみ ) 中枢神経系 呼吸系] 眼科学的検査 臨床検査 ( 血液学的検査 血液生化学的検査 尿検査 ) 器官重量測定 剖検及び病理組織学的検査 BCV 及び BMS のトキシコキネティクス並びに血漿中 胆汁中又は肝臓中濃度を測定した ラット 2 週間投与探索的毒性試験 [0( 媒体 ) 及び 300 mg/kg/day] では 300 mg/kg/day(auc: 2009 μg h/ml ヒト AUC の 115 倍 ) で消化管毒性による死亡例及び広範な胃腸障害 リンパ系組織 骨髄及び精巣毒性が認められた 100 mg/kg/day では各臨床検査値の軽微な変動及びリンパ 腸管の病理組織学的変化 低用量の 30 mg/kg/day(auc:182 μg h/ml ヒト AUC の 10 倍 ) ではリンパ系組織及び腸管の組織学的変化が認められた 1 ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ) 5 15 及び 50 mg/kg/day] では 50 mg/kg/day(auc:436 μg h/ml ヒト AUC の 25 倍 ) で組織学的変化を伴わない肝臓重量の増加 (17%) が認められた 本所見は肝臓 27

28 中に高濃度に存在した BCV による薬物代謝酵素誘導に関連した適応性変化と考えられ 本所見以外 に特記すべき毒性所見が認められなかったことから 無毒性量は 50 mg/kg/day と考えられた 6 ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ) 5 20 及び 80 mg/kg/day] では 1 ヵ月間試験の最高用量 50 mg/kg/day が無毒性量であったことに基づき最高用量を 80 mg/kg/day に設定した結果 80 mg/kg/day(auc: 1380 μg h/ml) で消化管毒性及び 3 例の死亡例が認められ 無毒性量は 20 mg/kg/day(auc:175 μg h/ml ヒト AUC の 10 倍 ) と考えられた これらの死亡例では粘液便又は軟便 円背位 被毛粗剛 昏睡 体重減少及び摂餌量減少が観察され 剖検で消化管の拡張及び液体貯留 これらの所見に関連して病理組織学的検査で腸絨毛上皮の壊死 変性 腺窩上皮の過形成又は粘膜固有層のリンパ形質細胞浸潤 胃及び腸管腺窩上皮のアポトーシス 胃粘膜基底部の混合性炎症細胞浸潤が認められた また 雄の 80 mg/kg/day 及び雌の全用量で肝臓重量が増加し これに関連して病理組織学的検査で肝細胞肥大が認められたが 肝臓中の高濃度の BCV による薬物代謝酵素誘導に関連した適応性変化であり毒性学的意義は低いと考えられた 80 mg/kg/day の生存例では 体重及び摂餌量の減少のほか 臨床検査値の変化が認められた 血液学的検査では 雌雄でリンパ球数 白血球数及び網状赤血球数の減少 雄で血小板数の増加並びに平均赤血球容積及び平均血色素量の減少が認められた これらの血液学的所見は 骨髄に関連する変化がみられず 日和見感染を示唆する所見が認められなかったことから 毒性学的意義は低いと考えられた 血液生化学的検査では 雌雄で総ビリルビン及び ALP の増加が認められたが 変動の程度が小さいこと 肝逸脱酵素 (ALT 及び AST) の変動や組織学的変化を伴わないことから 毒性学的意義は低いと考えられた また 病理組織学的検査では胃の混合性炎症細胞浸潤 ( 雄 ) 小腸( 雌雄 ) 又は胃 ( 雄 ) の腺窩上皮のアポトーシス及び過形成が認められた 1 ヵ月間の休薬期間終了後では 80 mg/kg/day の雌のリンパ球数及び白血球数の減少並びに肝臓重量の増加及び肝細胞肥大 (1 例 ) を除き いずれの変化も回復した 以上より ラットにおける毒性の標的器官は消化管と考えられた 消化管毒性は 2 週間及び 6 ヵ月間試験で認められ これらの試験より低用量で実施した 1 ヵ月間試験では認められなかった 消化管の所見は 2 週間試験及び 6 ヵ月間試験で同程度であったことから 長期投与による毒性の進行及び新たな標的器官毒性の発現は認められなかった イヌ 1 ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ) mg/kg/day] では 5 mg/kg/day 以上で臨床的意義の乏しい一過性の皮膚の発赤及び 25 mg/kg/day で散発的な嘔吐が認められたのみであり 無毒性量は 25 mg/kg/day(auc:1250 μg h/ml ヒト AUC の 72 倍 ) と推定された 9ヵ月間投与毒性試験 [0( 媒体 ) mg/kg/day] では 最高用量の 25 mg/kg/day(auc:1135 μg h/ml ヒト AUC の 65 倍 ) が無毒性量と考えられた 25 mg/kg/day では 軟便 粘液状便及び嘔吐の発現頻度増加 投与 4 週に好酸球数減少がみられたが いずれも毒性学的意義は低いと考えられた 好酸球数は生理学的変動範囲が広く 最低値 ( 投与 4 週 ) の後は投与継続下で対照群よりも低値ではあるものの増加がみられたことから この好酸球数減少の毒性学的意義は低いと考えられた 28

29 以上より イヌでは標的器官が特定されず 嘔吐により高用量を設定できなかったが 最高用量 25 mg/kg/day で十分な曝露量 (AUC:1135 μg h/ml ヒト AUC の 65 倍 ) が得られたため イヌにおける BCV の慢性毒性は適切に評価されたと考えられた 4.3 併用投与毒性 BCV に DCV 及び ASV を組み合わせて併用投与した場合の毒性の相互作用を検討するため ラット及びイヌを用いた併用投与毒性試験を実施した これらの試験における BCV の投与量は 十分なヒト曝露量 ( ヒト AUC の 10 倍 ) が得られる用量を設定した 2 剤併用投与 (BCV + DCV 及び BCV + ASV) 及び 3 剤併用投与 (BCV + DCV + ASV) による毒性学的相互作用は認められなかった イヌの 3 剤併用投与試験において DCV 投与に起因する肝臓のクッパー細胞の過形成 肥大が DCV の単剤投与試験よりも低い DCV 曝露量で発現したが 変化の程度は軽微で発現頻度も低かったため有害な変化ではないと考えられ 臨床的意義は明らかでない 4.4 遺伝毒性 In vitro 試験 ( 細菌を用いる復帰突然変異試験及び哺乳類細胞を用いる染色体異常試験 ) 及び in vivo 試験 ( ラット小核試験 ) を実施し ICH が推奨する最高濃度又は投与量まで評価した結果 いずれの試験でも陰性であった 小核試験ではラットに 及び 300 mg/kg/day(auc:1530 μg h/ml ヒト AUC の 88 倍 ) の用量で 3 日間投与した 4.5 がん原性 Tg-rasH2 マウス 26 週間投与試験及びラット 2 年間投与試験を実施した 投与量は マウス試験では Tg-rasH2 マウスと同腹の非トランスジェニックマウスを用いた 28 日間投与用量設定試験 ラット試験ではラット 6 ヵ月間反復投与毒性試験の結果に基づいてそれぞれ設定した Tg-rasH2 マウス 26 週間投与がん原性試験 [0( 水 ) 0( 媒体 ) 1 5 及び 25 mg/kg/day] では 28 日間用量設定試験において高用量で発現した毒性 ( 死亡 一般症状 体重変化 ) が長期投与で悪化せず投与終了まで生存が予測される 25 mg/kg/day を最高用量として選択した BCV 投与群の生存率に水及び媒体対照群との統計学的有意差は認められず いずれの用量においても BCV 投与に関連した腫瘍性及び非腫瘍性変化はみられなかった 陽性対照 (N-ニトロソメチル尿素) 群では予測された生存率の低下及びリンパ腫の発生率の上昇 ( 媒体対照群との比較 ) がみられ 導入遺伝子の安定性及びがん原性の検出モデルとしての感度が確認された これらの結果から Tg-rasH2 マウスにおいて BCV の最高用量 25 mg/kg/day(auc:125 μg h/ml ヒト AUC の 7.2 倍 ) までがん原性は認められなかった ラット 2 年間投与がん原性試験 [ 雄 :0( 水 ) 0( 媒体 ) 5 10 及び 25 mg/kg/day 雌:0( 水 ) 0( 媒体 ) 及び 80/50 mg/kg/day] では 雄の最高用量としてラット 6 ヵ月間投与毒性試験でみられた消化管毒性が長期投与で悪化せず投与終了までの生存が確実と考えられる 25 mg/kg/day( 死亡例が発生した用量の約 1/3) を選択し 雌の最高用量として臨床推奨用量におけるヒト AUC の 25 倍に相当する曝露量が得られる 80 mg/kg/day を選択した また 中間用量には 10 mg/kg/day( 雄 ) 及び 25 mg/kg/day( 雌 ) をそれぞれ設定し BCV に関連した所見の用量反応性を評価した 雌の 29

30 80 mg/kg/day では 体重増加抑制及び摂餌量減少に加え ラット反復投与毒性試験で認められた消化 管毒性により投与 42 週及び 43 週に 2 例の切迫屠殺例が発生したため 投与 53 週以降の用量を 50 mg/kg/day に減量した BCV 投与群の生存率及び死亡動物数に水及び媒体対照との差はみられなかっ た BCV に関連した非腫瘍性病変は雌の肝臓のみに発現し 剖検で 80/50 mg/kg/day で肝臓の暗色化 がみられ 病理組織学的検査では 25 mg/kg/day 以上で肝細胞の色素 ( リポフスチン ) 沈着 ( ごく軽微 ~ 中等度 ) 80/50 mg/kg/day で肝細胞変性 ( 限局性好塩基性化 ) の頻度及び程度が増加した 25 mg/kg/day 以下の用量では雌雄いずれも腫瘍の発生は認められなかった BCV に関連した腫瘍性病変として 雌の 80/50 mg/kg/day での良性肝細胞腺腫の発生頻度の統計学的に有意な上昇 ( 水及び媒体対照群と の比較 ) が認められた 肝細胞腺腫は SD ラットによくみられる腫瘍であり 本試験における発生率 は試験実施施設の背景値をわずかに上回る程度であった 本試験におけるこの良性肝臓腫瘍の発生率の上昇は ラットの反復投与毒性試験で雌に同様に認められ チトクローム P450 酵素の誘導によるものと推察される肝細胞の肥大及び肝臓重量の増加に関連した所見と考えられた チトクロームP450 酵素の誘導は げっ歯類において肝細胞腺腫の発生機序として知られているが ヒトにおける腫瘍発生との関連性は確立していない 11,12 以上より BCVを 2 年間経口投与したラットにおいて 25 mg/kg/day (AUC: 雄 257 μg h/ml 及び雌 215 μg h/ml ヒト AUC のそれぞれ 15 倍および 12 倍 ) までがん原性はみられなかったが 雌において 80/50 mg/kg/day(auc:625 μg h/ml ヒト AUC の 36 倍 ) で肝臓の肝細胞腺腫の発生頻度が統計学的に有意に上昇した 4.6 生殖発生毒性 雄ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 [0( 媒体 ) 及び 100 又は 150/100 mg/kg/day] では 高用量群 (150/100 mg/kg/day) で重篤な毒性の発現により投与 4 日まで 150 mg/kg/day を投与した後 100 mg/kg/day に減量したが 状態が回復しなかったため試験 9 日以降の投与を中止し 試験 15 日に安楽死させた 150/100 mg/kg/day では 脱水 活動性低下 円背位 被毛の着色 汚れ 努力性呼吸 呼吸音 体重及び摂餌量減少が観察され 胃の腺窩上皮にアポトーシスが認められた 150/100 mg/kg/day 群の剖検後 新たに 100 mg/kg/day 群を追加した 交配前 1 ヵ月間及び同居期間中の BCV の忍容性は 60 mg/kg/day まで良好であった 100 mg/kg/day では雄親動物の 1 例を早期に安楽死させ 本例では暗色便 被毛粗剛 脱水 体重及び摂餌量減少並びに上記と同様の病理組織学的変化が認められた 生殖能及び初期胚発生への影響は 100 mg/kg/day まで認められなかった ラット雄親動物の一般毒性に関する無毒性量は 20 mg/kg/day(auc:126 μg h/ml ヒト AUC の 7.2 倍 ) 生殖能及び初期胚発生に関する無毒性量は 100 mg/kg/day(auc:1400 μg h/ml ヒト AUC の 80 倍 ) と考えられた 雌ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 [0( 媒体 ) 及び 100 mg/kg/day] では 100 mg/kg/day で母動物に体重及び摂餌量の減少がみられたのみであり 生殖能及び初期胚発生に BCV 投与に関連した影響は認められなかった ラット雌親動物の一般毒性に関する無毒性量は 40 mg/kg/day(auc:260 μg h/ml ヒト AUC の 15 倍 ) 生殖能及び初期胚発生に関する無毒性量は 100 mg/kg/day(auc:1420 μg h/ml ヒト AUC の 82 倍 ) と考えられた 30

31 ラットの胚 胎児発生に関する試験 [0( 媒体 ) 及び 100 mg/kg/day] では 30 mg/kg/day ま で BCV の忍容性は良好であったが 100 mg/kg/day では母動物に着色鼻汁 呼吸音 被毛の赤色汚れ 体重減少及び摂餌量減少が認められ これらの母動物への影響下で胎児に後期吸収 着床後胚損失率 増加 体重減少 頭蓋及び顎の奇形及び変異がみられた 母動物の一般毒性及び胚 胎児発生に関す る無毒性量は いずれも 30 mg/kg/day( 母動物 AUC:223 μg h/ml ヒト AUC の 13 倍 ) と考えられ た ウサギの胚 胎児発生に関する試験 [0( 媒体 ) 及び 100 mg/kg/day] では 60 mg/kg/day ま で BCV の忍容性は良好であった 100 mg/kg/day では母動物に排糞量減少 無便 赤色尿 体重及び 摂餌量減少 流産がみられ 胎児に体重減少及び骨化遅延が認められた 胚 胎児発生に関する無毒 性量は 100 mg/kg/day( 母動物 AUC:510 μg h/ml ヒト AUC の 29 倍 ) 母動物の一般毒性及び生殖 能に関する無毒性量は いずれも 60 mg/kg/day( 母動物 AUC:203 μg h/ml ヒト AUC の 12 倍 ) と 考えられた ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 [0( 媒体 ) 及び 75 mg/kg/day] では 30 及び 75 mg/kg/day で母動物に体重増加抑制 ( 6%) 一過性の摂餌量減少及び肝臓重量増 加 (7~13%) がみられたが これらの変化の程度は軽微で肝臓での変化は薬物代謝酵素誘導による 適応性変化と考えられたことから いずれも毒性学的意義は低いと考えられた 75 mg/kg/day( 母動 物 AUC:613 μg h/ml ヒト AUC の 35 倍 ) では出生児に離乳前の体重の低値 ( 対照群と比較して最 大 23%~ 20%) がみられ この出生児への影響は毒性学的意義のある母動物への影響がない状態で 発現したことから選択的な発生への影響と判断した F0 母動物の一般毒性及び F1 出生児の生殖能に 関する無毒性量は 75 mg/kg/day F1 出生児の発生に関する無毒性量は 30 mg/kg/day( 母動物 AUC: 216 μg h/ml ヒト AUC の 12 倍 ) と考えられた 4.7 その他の毒性 光毒性 BCV は波長 290~700 nm の光を吸収し in vitro 試験は光毒性の可能性を示唆する結果であったが 有色の Long-Evans ラットに最高用量 200 mg/kg/day(cmax:64.4 μg/ml ヒト Cmax の 43 倍 AUC: 1280 μg h/ml ヒト AUC の 74 倍 ) を単回投与した in vivo 試験の結果 光毒性は認められなかった 抗原性及び免疫毒性 BCV の抗原性試験及び免疫毒性試験は実施しなかった ラットの毒性試験において 免疫系に関連 する変化としてリンパ球数及び白血球数の減少 消化管関連リンパ系組織 (GALT) 及び腸間膜リン パ節の単細胞壊死が散発的に認められたが これらの変化は ヒト AUC と比較して高い曝露量のみ でみられたこと リンパ系組織の変化は GALT 及び腸間膜リンパ節に限局してみられ 骨髄 脾臓 及び胸腺では認められなかったこと 関連する一般状態の変化 ( 感染など ) がみられなかったこと イヌでは高曝露量 ( ヒト AUC の 65 倍 ) でもリンパ系組織への影響がみられなかったことから 毒性学的意義は乏しいと考えられた イヌにおいては 9 ヵ月間投与毒性試験で投与期間の初期に好酸球数の減少がみられたが 投与期間中に回復したことから有害な変化ではないと考えられた ヒトにお 31

32 いては 現時点まで実施された臨床試験では ヒトにおいて臨床的意義のあるリンパ球数への影響は認められていないが 好酸球増加 ( イヌと逆の変動 ) が報告されている 毒性発現の機序に関する試験 開発初期に実施したサル 1 週間投与探索的毒性試験で胆嚢上皮の有糸分裂像の増加が認められたことに基づき サル 3 ヵ月間試験を実施してその発現機序を検討した BCV を 0( 媒体 ) 及び 125 mg/kg/day (AUC:63.8 μg h/ml ヒト AUC の 3.7 倍 ) の用量で最長 3 ヵ月間経口投与し 1 4 及び 13 週間投与後並びに 4 週間休薬後に剖検した 本試験では胆嚢の有糸分裂像の増加は認められず BCV 投与に関連した主な変化は 散発的な嘔吐及び液状 不定形便 ( 概して投与 2~4 時間後 ) 摂餌行動の低下 (1 例 ) 総胆汁酸の増加及び γ-グルタミルトランスフェラーゼ (GGT) の減少であった 総胆汁酸の増加は 投与期間中に一定の増加を示した個体がなく 群平均値がカニクイザルの生理的基準 13 値の範囲内又は近似値であったことから その毒性学的意義は乏しいと考えられた また GGT の減少は生理学的意義のない変化であった これらの血液生化学的変化は 1 ヵ月間の休薬により完全に回復した 胆汁中の胆汁酸 コレステロール及びリン脂質にはいずれの検査時点でも影響は認められなかった 以上のサル 3 ヵ月間試験の結果 本試験より高い曝露量 ( サル試験の約 18 倍 ) で実施したイヌの 1 ヵ月間及び 9 ヵ月間毒性試験と同様に胆嚢を含む各組織に増殖性変化は認められなかったことから 胆嚢の有糸分裂の増加所見は BCV 投与との関連のない偶発的な変化と考えられた 依存性 BCV は薬理学的に中枢神経作用を示さず 薬物依存性に関与する受容体等との標的外の薬理学的相互作用は認められないこと ラット分布試験において脳への移行は微量であったこと 毒性試験で各動物種に明らかな毒性用量以外で神経系 ( 中枢及び末梢 ) への影響を示唆する変化がみられなかったことから 薬物依存性試験は実施しなかった 代謝物の安全性評価 毒性試験に用いた動物種及びヒトにおいて BCV の投与後に血漿中に検出される薬物の大部分は BCV である ヒトに特有の代謝物は生成されず BMS はヒト血漿中に検出される主代謝物であり 臨床推奨用量における BMS のヒト血漿中 Cmax は μg/ml AUC は 4.16 μg h/ml であった ラット 6 ヵ月間毒性試験及びイヌ 9 ヵ月間毒性試験でそれぞれヒトの 16 倍及び 63 倍の AUC が得られ また 胚 胎児発生 遺伝毒性及びがん原性の評価においてもヒトの曝露量と同等以上の曝露量 ( ラット胚 胎児発生試験でヒト AUC の 21 倍 ラット小核試験で同 11 倍 ラットがん原性試験で同 1.6 倍 ) が得られていることから 本代謝物の毒性は十分な曝露量で評価されていると考えられる したがって 代謝物を投与する毒性試験は実施しなかった 不純物の安全性評価 安全性確認が必要な閾値 ( 原薬 0.15% 製剤 0.2%) を超える不純物が存在しないため 不純物の毒性試験は実施しなかった 32

33 5 総括及び結論 BCV は RNA 依存性 RNA ポリメラーゼである NS5B の thumb site 1 を阻害する非核酸系阻害薬である BCV は哺乳類のポリメラーゼに対して活性を示さず ヒトにおいて既知の本薬の標的は存在しない BCV は HCV の複製を阻害し レプリコンアッセイでのジェノタイプ 1 に対する EC 50 値は 1.6~9.5 nm ジェノタイプ 3a 4a 及び 5a に対する EC 50 値は 0.8~18 nm ジェノタイプ 6a に対する EC 50 値は 8.6 ~79.5 nm であり V494A の変異が存在する場合に低感受性であった (79.5 nm) 本変異の保存率 は European Hepatitis C Virus Database では 21% である ジェノタイプ 2a 及び 2b のレプリコンに対す る EC 50 値は 87~1000 nm 超であった レプリコンアッセイにおいて BCV と DCV 及び ASV との間に 交差耐性は認められず BCV と DCV 及び ASV との併用で相加又は相乗作用が認められた また BCV DCV 及び ASV の 3 剤併用により HCV RNA の排除の増強が認められた 臨床使用に相当する 濃度の BCV を DCV 及び ASV と併用することにより DCV 及び ASV にそれぞれ耐性を示す NS5A (L31M-Y93H) 及び NS3(D168V) のアミノ酸置換を有するジェノタイプ 1b の変異レプリコンが排 除された したがって BCV が他の HCV 治療薬との併用投与により C 型慢性肝炎患者に対する有用 な治療法となること また NS5A 及び NS3 阻害薬の治療によりウイルス学的耐性を獲得した患者に 対する選択肢となることが期待される BCV の非臨床 PK 及び ADME のプロファイルについて in vitro 及び in vivo の試験系 ( マウス ラッ ト ウサギ イヌ及びサル ) で評価した 各種動物を用いた非臨床毒性試験において ヒトでの安全 性を評価するのに十分な BCV 及び代謝物の曝露量が得られた BCV のバイオアベイラビリティの種差は大きく (15%~100% 超 ) 消失半減期はマウス及びサル ( そ れぞれ 3.2 及び 1.4~2.1 時間 ) よりもラット及びイヌ ( それぞれ 8.4 及び 13.8 時間 ) で長く マウス ラット イヌ及びサルの血漿クリアランスは小さかった ( 肝血流量の 1.10%~19.5%) BCV は動物 及びヒトで血管外に分布することが示唆された BCV 及び BMS の血清又は血漿蛋白結合率 はすべての動物種及びヒトで高値 (97.2%~99.4%) を示した すべての動物種で蛋白結合率が同程 度の値を示したことから 曝露量を比較検討する際に BCV 及び BMS の遊離型分率で補正し なかった ラットにおける分布試験 ( 有色ラット含む ) では 薬物由来の放射能は体内に広範に分布し 反復投与後の蓄積は認められなかった 放射能の組織内分布は副腎 肝臓 胃 小腸及び盲腸で高く 中枢神経系組織中及び眼レンズ中で低度又は定量下限未満であった 投与後 7 日以内に組織から放射能が消失した 有色ラットでは 薬物由来の化合物とメラニン含有組織との結合は認められなかった BCV は動物及びヒトで広範に代謝され 代謝物プロファイルはすべての動物種で質的に類似した サル及びヒトでは [ 14 C]BCV の主要な代謝経路が N- 脱メチル化 ( スルホンアミド窒素原子及び二環性ピペラジン窒素原子に結合したメチル基の脱離 ) であったのに対し マウス ラット及びイヌでは N- 脱メチル化 ヒドロキシ化及び O- 脱メチル化が主な代謝反応であった BCV の酸化的代謝は主として CYP3A4 を介し CYP3A5 がわずかながら代謝に寄与した すべての動物種で BCV 及び BMS が血中の薬物由来の主化合物であった BMS は放射能検出によりヒト血漿中に検出された唯一の代謝物であり (BCV の AUC の 15%~30%) 非臨床試験で用いたすべての動物種 33

34 でも検出され 抗 HCV アッセイでは未変化体と同程度の活性を示した BMS の曝露量は ヒトでは単回投与後及び反復投与後も同程度であり 臨床推奨用量においてはヒトよりマウス ラット及びイヌが高値を示した BCV をヒトに反復投与した結果 微量代謝物である BMS の曝露量の増加がみられたが 総薬物曝露量の 10% 未満であった [ 総 AUC の 1.1%~2.9%( 初回投与後 ) 及び 8.5%( 反復投与後 )] ヒトに特有の代謝物は検出されなかった 動物及びヒトでは 代謝クリアランスが主要な消失経路であり 次いで代謝物の糞便中及び胆汁中排泄であった 胆汁中排泄も BCV の消失経路の一つであった なお 動物及びヒトでは腎クリアランスは主要な消失経路ではなかった In vitro で BCV 及び BMS は様々な薬物代謝酵素及びトランスポーターの基質 誘導剤又は阻害剤であることが示された BCV は主として CYP3A4 を介して代謝され また P-gp 及び BCRP の基質であるため CYP3A4 P-gp 又は BCRP 活性の変化が BCV の体内動態に影響を与える可能性が考えられた In vitro で BCV 及び BMS は CYP1A2 及び CYP2B6 の誘導剤ではなかったが CYP3A4 の誘導剤であり CYP3A4 の可逆的かつ時間依存的阻害剤 (IC 50:9.6~33.4 µm) でもあった このことから BCV は CYP3A4 の誘導及び阻害を同時に起こす可能性が考えられた 臨床試験において BCV とミダゾラム (CYP3A 基質 ) との間で薬物相互作用が認められ ミダゾラムの曝露量が約 44% ~50% 減少したことから BCV の投与は相対的には CYP3A を誘導すると考えられた BCV は CYP2C8 の軽度 ~ 中等度の可逆的阻害剤であることが示された (IC 50:23.7 µm) そのため BCV は CYP2C8 基質の曝露量に影響を与える可能性があると考えられた しかしながら 臨床で DCV/ASV/BCV 配合錠の併用投与がモンテルカスト (CYP2C8 基質 ) の曝露量に与える影響は軽微であり BCV は臨床で使用されている他の CYP2C8 基質の PK に影響を及ぼす可能性は低いと考えられた BCV はヒト肝ミクロソームの UGT1A1 を阻害した (IC 50:12.6 µm) BCVとその代謝物である BMS 及び BMS は 複数の取り込み又は排出トランスポーターを阻害した FDA 6 及び EMA 7 ガイダンスに従い in vitro のトランスポーター阻害データから in vivo のプロファイルを予測した結果 BCV は P-gp BCRP OATP1B1 OATP1B3 及び NTCP の基質との薬物相互作用を起こす可能性が考えられた また BCV と OAT1 OAT3 及び OCT2 基質との相互作用は 臨床推奨用量で起こる可能性が低いと考えられた BSEP 及び MRP2 阻害作用の in vitro 試験結果を in vivo の予測に外挿するための方法は FDA 及び EMA から提案されていないため 文献 9 で報告されている手法を用いて BSEP 及び MRP2 阻害に起因した薬物相互作用の可能性について検討した その結果 BCV 及び BMS による BSEP 又は MRP2 阻害の可能性は低いと考えられた しかしながら BMS による MRP2 阻害は否定できず BCV を 75 mg の用量で 1 日 2 回投与した C 型慢性肝炎患者の一部で薬物相互作用が起こる可能性が考えられた BCV DCV 及び ASV 間の薬物相互作用を薬物相互作用試験で検討しなかったものの 第 2 相試験 (AI 試験 ) の PK データとこれまでに得られた PK データ ( 他の BCV DCV 及び ASV 投与試験の PK データ ) との比較検討から 3 種類の薬物間に臨床的意義のある薬物相互作用が起こる可能性は低いと考えられた 34

35 BCV の毒性について GLP 適合下で ICH ガイドラインに準拠して実施した非臨床毒性試験により評 価した 主要な毒性の標的器官及び所見を以下に考察し その発現曝露量とヒト曝露量との比較を Table 4-1 に示す 単回投与毒性試験の結果 マウス ( 最高用量 1250 mg/kg) における概略の致死量は 375 mg/kg ラット ( 最高用量 625 mg/kg) における概略の致死量は 625 mg/kg であった イヌでは 60 mg/kg 以上で全例に嘔吐がみられ 最高用量 200 mg/kg でも死亡はみられなかった 反復投与毒性試験で認められた毒性の標的器官は ラットにおける消化管であった ラット 6 ヵ月間試験では 80 mg/kg/day(auc:1380 μg h/ml ヒト AUC の 79 倍 ) で消化管内の液体貯留と これに関連した胃及び小腸絨毛上皮の変性 壊死 腺窩上皮過形成 小腸粘膜固有層のリンパ形質細胞浸潤 胃及び腸管腺窩上皮のアポトーシス ( ごく軽微 ~ 中等度 ) 及び胃粘膜基底部の混合性炎症細胞浸潤が認められた ラット 6 ヵ月間試験の無毒性量は 20 mg/kg/day(auc:175 μg h/ml ヒト AUC の 10 倍 ) であった 同様の消化管の所見は 2 週間試験でも 1 ヵ月間及び 6 ヵ月間試験より高用量でみられており 慢性投与による毒性の亢進や新たな標的器官毒性はみられなかった イヌにおいては 最高用量 25 mg/kg/day(auc:1135 μg h/ml ヒト AUC の 65 倍 ) の 9 ヵ月間投与で嘔吐及び軟便 粘液便の発現頻度の増加がみられた以外に消化管毒性を示唆する病理組織学的所見は認められなかった ラットのみにみられた消化管の組織学的変化は明らかな毒性量 ( ヒト AUC の 79 倍 ) 以上で発現し イヌでは高曝露量下 ( ヒト AUC の 65 倍 ) でも認められなかったことから ヒトにおいて消化管毒性が発現する可能性は低いと考えられた BCV の臨床試験では臨床推奨用量における安全性が確認された 国内第 3 相試験 (AI 試験 ) では DCV/ASV/BCV FDC 投与例 (217 例 ) で Grade 3 又は 4 の胃腸障害の有害事象として便秘 胃静脈瘤出血及びイレウスが各 1 例に認められ このうちイレウスは治験薬投与中止に至ったものの 治験薬との関連はないと判断された ラット及びイヌの肝臓中に高濃度の BCV 及び BMS が検出されたが ラットで適応性変化と考えられる肝細胞肥大及びこれに関連した肝臓重量の増加以外に病理組織学的変化は認められなかった 併用投与による毒性の相互作用について ラット及びイヌを用いた BCV と DCV 及び ASV との 2 剤又は 3 剤併用投与試験により評価した これらの試験における BCV の投与量は 十分なヒト曝露量 ( ヒト AUC の 10 倍 ) が得られる用量を設定した いずれの併用投与試験においても毒性学的意義のある相互作用は認められなかった 2 剤併用投与試験 (BCV + DCV BCV + ASV) では 毒性の相互作用を示唆する所見はみられなかった イヌの 3 剤併用投与試験では肝臓のクッパー細胞の肥大 過形成が認められたが イヌの DCV 単剤投与試験で認められたものと同様の所見であり 変化の程度が軽微で発現頻度も低かったことから 毒性学的意義は低いと考えられた 遺伝毒性について in vitro 試験 ( 細菌を用いる復帰突然変異試験 CHO 細胞を用いる染色体異常試験 ) 及び in vivo 試験 ( ラット小核試験 ) を組み合わせて評価した結果 ICH ガイドラインで推奨される最高濃度及び用量まで陰性の結果であった 35

36 がん原性に関しては Tg-rasH2 マウス 26 週間投与及びラット 2 年間投与がん原性試験により評価し た Tg-rasH2 マウス試験の結果 最高用量 25 mg/kg/day(auc:125 μg h/ml ヒト AUC の 7.2 倍 ) までがん原性は認められなかった ラット 2 年間投与がん原性試験では 25 mg/kg/day(auc: 雄 257 μg h/ml 及び雌 215 μg h/ml ヒト AUC のそれぞれ 15 倍および 12 倍 ) までがん原性はみられな かったが 雌において 80/50 mg/kg/day(auc:625 μg h/ml ヒト AUC の 36 倍 ) で肝臓の肝細胞腺 腫の発生率が統計学的に有意に上昇した この良性腫瘍の発生率上昇は ラットの反復投与毒性試験で雌に同様に認められ チトクローム P450 の誘導によるものと推察される肝細胞肥大及び肝臓重量の増加に関連した所見と考えられた チトクローム P450 の誘導は げっ歯類において肝細胞腺腫の発生機序として知られているが ヒトにおける腫瘍発生との関連性は確立していない 雄ラットの生殖能並びに雌ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関し ヒト AUC のそれぞれ 80 倍及び 82 倍の曝露量まで BCV の影響は認められなかった 胚 胎児発生への影響に関しては ラット及びウサギにおいてヒト AUC のそれぞれ 13 倍及び 12 倍の曝露量まで母動物毒性及び発生毒性はみられなかった より高用量 ( ラット : ヒト AUC の 85 倍 ウサギ : 同 29 倍 ) では母動物毒性の発現下で発生毒性 ( 胚 胎児の死亡及び奇形 ) が認められた 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験では 75 mg/kg/day( ヒト AUC の 35 倍 ) で出生児に顕著な体重減少が認められたことから BCV は選択的な発生毒性を有すると判断し F1 出生児の発生に関する無毒性量は 30 mg/kg/day( ヒト AUC の 12 倍 ) と考えられた 本薬は臨床において DCV 及び ASV との併用で使用され DCV の発生毒性により妊婦及び妊娠している可能性のある婦人に対して禁忌であるため 本試験でみられた影響に基づく更なる使用制限は生じないと考えられる 免疫毒性及び抗原性については 反復投与毒性試験において血液学的検査及びリンパ系組織の病理組織学的検査で免疫系に関連した影響が状態悪化時の非特異的な変化以外に認められなかったため 独立した試験を実施しなかった 免疫系関連の変化として ラットではリンパ球数及び白血球数の減少 GALT 及び腸間膜リンパ節の単細胞壊死 イヌでは好酸球数の減少が散発的にみられたが いずれも毒性学的意義は乏しいと考えられた 現在まで実施された臨床試験では同様の変化は認められていない また 依存性試験及び代謝物の毒性試験は BCV による中枢及び末梢神経系への影響を示唆する変化がみられず ヒト特有の代謝物が生成されないことから いずれも実施しなかった 以上に示した非臨床薬理試験 薬物動態試験及び毒性試験により BCV を総合的に評価した これらの非臨床試験の成績は BCV の DCV 及び ASV との併用による臨床使用の有効性及び安全性を裏付けるものと考えられる 36

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