非居住者企業の所得税の源泉徴収問題に関する新規定の公布 2017 年11月

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1 非居住者企業の所得税の源泉徴収問題に関する新規定の公布 2017 年 11 月 JBS Newsletter 2017 年 11 月 8 日 背景 国家税務総局が2009 年 1 月に公布した 非居住者企業の所得税の源泉徴収管理に関する暫定弁法 ( 国税発 [2009]3 号 )( 以下 3 号通達 ) は 非居住者企業の所得税の源泉徴収に係る手続について規定したもので これまで非居住者企業の所得税の源泉徴収管理に関する指針とされてきたものである この3 号通達に続き 非居住者企業の持分譲渡所得に係る企業所得税管理の強化に関する通知 ( 国税函 [2009]698 号 )( 以下 698 号通達 ) 非居住者企業による財産の間接譲渡に係る企業所得税の若干の問題に関する公告 ( 国家税務総局公告 [2015] 第 7 号 )( 以下 7 号公告 ) 非居住者企業の所得税管理の若干の問題に関する公告 ( 国家税務総局公告 [2011] 第 24 号 )( 以下 24 号公告 ) 等を含む 非居住者企業に関わる複数の税務通達が公布されたことは 中国の税務当局が非居住者企業に対する徴税管理を強化しようとしてきたことを表している 中国の徴税管理体制における審査認可制から届出制への移行に伴い 特に税務システムの 放 管 服 改革の深化 非居住者企業の所得税に係るサービスと管理の改善を図るために 国家税務総局は2017 年 10 月に 非居住者企業の所得税の源泉徴収に関する問題についての公告 ( 国家税務総局公告 [2017]37 号 )( 以下 37 号公告 ) を公布した 当該公告は 非居住者企業の所得税の源泉徴収管理の統一化 納税者及び源泉徴収義務者の責任の軽減を図ることを目的としたもので 2017 年 12 月 1 日から施行される 当該公告の施行に伴い 3 号通達と698 号通達の全文 及び24 号公告 7 号公告等の通達の一部の条項は廃止される 中国税務及び投資速報 1

2 主な要点 持分原価の計算方法の明確化 源泉徴収 / 申告に係る所轄税務機関 持分を譲渡する際 その譲渡所得は持分譲渡収入から持分簿価 ( 注 : 出資時に中国居住者企業に実際に払い込んだ出資原価 または持分の購入時に元の譲渡者に実際に支払った譲受原価 ) を控除して計算される 37 号公告では 持分の保有期間に価値の減少或いは増加が生じ 国務院財政 税務所轄部門の規定に従って損益を認識する場合 持分簿価を相応に調整しなければならないと規定している 37 号公告によれば 複数回にわたって投資または買収した同一持分の一部を譲渡する場合は 譲渡する割合に基づき 当該持分の全原価のうちの譲渡持分 源泉徴収義務者はその所在地の所轄税務機関で申告及び源泉徴収した税額の納付を行う 37 号公告によれば 源泉徴収義務者の所在地の所轄税務機関は 源泉徴収義務者の所得税の所轄税務機関である また 源泉徴収義務者が源泉徴収義務を履行しないか 履行できない場合 所得を得た非居住者企業は企業所得税法第 39 条に基づき 所得の発生地の所轄税務機関で未納税額を申告 納付しなければならない 37 号公告に基づき 所得の発生地の所轄税務機関は 以下の原則により確定される 1. 不動産の譲渡所得は 不動産の所在地の国税機関 に対応する原価を計算する また 非居住者企業が財産譲渡による所得を分割払い方式で得る場合は まず財産に投資した原価を回収するものとみなし 原価を全て回収した後 税額を計算する 配当に係る源泉徴収義務の発生時期 37 号公告では 株式利子 配当金等の権益性投資収益に係る源泉徴収義務の発生時期について 株式利子 配当金等の権益性投資収益の実際支払日と規定している 24 号公告では 株式利子 配当金等の分配を決定した日 ( 実際の支払時期が利益分配の決定日より早い場合には支払時期 ) と規定していたことと比べると 37 号公告の規定は納税者にとってより望ましいものと考えられる 自ら申告納税を行う時期 2. 権益性投資資産の譲渡所得は 投資先企業の所得税の所轄税務機関 3. 株式利子 配当金等の権益性投資所得は 所得を分配する企業の所得税の所轄税務機関 4. 利子所得 賃料所得 使用料所得は 所得の負担 支払をする組織または個人の所得税の所轄税務機関持分譲渡取引における譲渡者と譲受者がいずれも非居住者企業である場合の所轄税務機関については明確にされていないが 企業所得税法においては 非居住者企業が源泉徴収義務者となる状況も排除していないため 非居住者企業は上記の規定に基づき 関連の税金を源泉徴収或いは納付することが必要となる可能性がある 非居住者企業の所得について源泉徴収が行われず 企業所得税法第 39 条に基づいて非居住者企業 ( 納税者 ) が申告納税を行う必要がある場合 納税者は納税を命じた税務機関が定めた期限までに申告納税を行わなければならない 税務機関が納税を命じる前に 納税者が自ら納税を行った場合は 期限までに納税を行ったものとみなされる このことは 納税者が自主的に申告を行えば 延滞金及び税務処罰は生じないことを意味する コンプライアンスの要求 3 号通達と比べて 37 号公告では 納税者及び源泉徴収義務者に対するコンプライアンスの要求が簡素化されている 例えば 3 号通達では 源泉徴収義務者が非居住者企業と関連の契約を締結する都度 ( 契約の修正 補充及び期限延長を含む ) 契約の締結日から30 日以内に 所轄税務機関に届出表 契約書のコピー及び関連資料 ( 中国語翻訳を含む ) を提出することを求めている これに対して 37 号公告では契約の届出は要求さ れていない ただし 所轄税務機関は納税者 源泉徴収 義務者及びその他の状況を知る関連の者に対して 源 泉徴収すべき税額と関連する契約及びその他の関連資 料の提出を求めることができる また 源泉徴収義務者 は源泉徴収税額帳簿及び契約資料ファイルを設置し 非居住者企業の所得税の源泉徴収状況を正確に記録 しなければならない 中国税務及び投資速報 2

3 税務機関の権限及び処罰 37 号公告によれば 源泉徴収義務者が源泉徴収すべき税額を源泉徴収していない場合 源泉徴収義務者の所在地の所轄税務機関が源泉徴収義務者の責任を追及する また 所得の発生地の所轄税務機関は納税者に対して税額を追徴する責任を負う 税務機関は協力して税額を追徴するための具体的な作業を管理しなければならない このほか 37 号公告は 税額を源泉徴収したが まだ納付していない状況と 税額を源泉徴収すべきだが まだ源泉徴収していない状況の定義づけを行い それぞれ関連の法律 法規の規定に従って処理すべきとしている 税額を源泉徴収すべきだが まだ源泉徴収していない状況がある場合 所轄税務機関は 中華人民共和国行政処罰法 第 23 条の規定に基づき 源泉徴収義務者に対して税額を源泉徴収するよう命じることができる 行政処罰法の引用は 税務機関が税額の徴収を保証した上で さらに関連の法律規定に従って源泉徴収義務者に対して相応の処理を行うということを示しているようである 7 号公告との関連 1. 7 号公告に基づき もし中国課税財産の間接譲渡が直接譲渡とみなされたならば 持分譲渡契約書が発効し かつ国外企業が持分の変更を完了した日が納税義務の発生日となる 37 号公告は財産譲渡所得に係る源泉徴収義務の発生時期について単独の規定を置いていないが 持分譲渡に係る納税義務の発生日については 7 号公告及びその他の関連規定を適用できるものと思われる 2. 上述のとおり 源泉徴収が行われず 納税者が自ら申告を行う場合は 税務機関が定めた期限までに 或いはその前に申告を行うことができる 7 号公告では 中国課税財産を間接譲渡して所得を取得した場合 納税者は納税義務の発生日から7 日以内に所轄税務機関で申告納税を行う必要があると規定していたが 37 号公告により当該規定は廃止された 中国課税財産の間接譲渡について自ら申告を行う場合の期限に関する規定はなくなったが 自ら申告を行うことは奨励されている 号公告に基づき 非居住者企業が取得した一つの所得について 中国国内に複数の所得の発生地があり 複数の所轄税務機関に関わる場合 非居住者企業が源泉徴収されていない税額を自ら申告納付する際には 1か所を選んで申告納付を行うことができる 申告を受理した所轄税務機関は その他の関連する所轄税務機関に対して 申告の受理後 5 営業日内に非居住者企業の税務事項について書面で告知しなければならない 7 号公告では 持分の譲渡者が一つの国外企業の持分を直接譲渡することにより 2つ以上の中国課税財産を間接譲渡することになり 本公告の規定に従って課税され 2 以上の所轄税務機関に関わる場合 持分の譲渡者は各関連の所轄税務機関でそれぞれ企業所得税を申告納付しなければならない と規定している 上記の規定に関する国家税務総局の解釈によれば 7 号公告に基づき 中国国外の取引が中国国内にある2つ以上の中国課税財産の直接譲渡取引とみなされた場合は 37 号公告に規定する 取得した一つの所得について中国国内に複数の所得の発生地がある場合 には該当せず 関連する各地の所轄税務機関で申告納税を行わなければならない 37 号公告の全文は次のサイトでご覧いただけます /content.html 37 号公告の解釈は次のサイトでご覧いただけます c /content.html まとめ 37 号公告は非居住者企業の所得税の源泉徴収 申告納税に係る新しい指針となるものである 当該公告では 源泉徴収の時期や所轄税務機関 及び源泉徴収義務者と納税者がどのようにその義務を履行するかについて より明確に規定している また 国家税務総局は届出の手続等についても簡素化を図り 実務運用の利便性を高めている さらに その他の通達との関連性についても考慮している 通達の具体的な適用に関しては 納税者及び源泉徴収義務者が事前に税務機関と話をすること 或いは税務専門家のアドバイスを受けることを提案する 中国税務及び投資速報 3

4 Contact 当ニュースレターの内容に関するご質問がございましたら 下記の Japan Business Services の担当者までご連絡 いただけると幸いです 北京 鍋島正知監査 大谷光尋監査 上村希世子税務 移転価格 大連 中澤直規監査 上海 高橋臣一監査 八幡正博監査 鯉沼里枝監査 星野友子監査 山村亮監査 江海峰金融 石川翔太金融 坂出加奈税務 移転価格 小島圭介税務 丸山直也法務 久保田順一 TAS 広州 長内幸浩監査 穴井宏明監査 石澤晶宗税務 深圳 玉木祐一朗監査 小島慎一監査 香港 重富由香監査 柿本啓太監査 田所聡史監査 吉田薫監査 稲葉宏和金融 中国税務及び投資速報 4

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