平成23年度 下計委第2003号

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1 平成 25 年度 JCM 実現可能性調査 天然ゴム製造工程の 排水処理における嫌気性処理の導入 報告書 平成 26 年 3 月 株式会社日水コン

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3 - 目次 - 1. 調査の背景 1 2. 調査対象プロジェクト プロジェクトの概要 企画立案の背景 ホスト国における状況 プロジェクトの普及 調査の方法 調査実施体制 調査課題 調査内容 JCM 方法論に関する調査結果 JCM 方法論の概要 用語の定義 適格性要件 対象 GHG 及びその排出源 算定のための情報 データ デフォルト値の設定 事前設定値の設定方法 リファレンス排出量の算定根拠 リファレンス排出量の算定方法 プロジェクト排出量の算定根拠 プロジェクト排出量の算定方法 モニタリング手法 GHG 排出量及び削減量 JCM PDD 作成に係る調査結果 プロジェクト実施体制及びプロジェクト参加者 プロジェクト開始時期及び実施期間 方法論適格性要件との整合性確保 プロジェクト排出源とモニタリングポイント 74

4 5.5. モニタリング計画 環境影響評価 利害関係者のコメント プロジェクト実現化に係る調査結果 プロジェクト開発状況 資金計画 MRV 体制 プロジェクトの許認可 日本製技術の導入 ホスト国への貢献 環境十全性の確保 その他の間接影響 今後の見込み及び課題 103

5 1. 調査の背景 インドネシアは 1992 年 6 月に国連気候変動枠組条約に署名し 1994 年 8 月に同条約を批准した 1998 年 6 月には京都議定書に署名し 2004 年 12 月に同議定書を批准している 一方 2007 年インドネシア バリで開催された 気候変動枠組条約 (UNFCCC) 第 13 回締約国会議 (COP13) において 2013 年以降の先進国による新たな排出削減目標の設定と開発途上国による適切な緩和行動 (NAMAs) について国際交渉を行う特別作業部会 (AWG) が設置された この特別作業部会での交渉結果を受けて 2009 年デンマーク コペンハーゲンで開催された COP15 では コペンハーゲン合意 (Copenhagen Accord) について 留意する (take note) という決定が採択された 2010 年メキシコ カンクンで開催された COP16 で採択されたカンクン合意 (Cancun Agreements) には 新たなクレジットメカニズムに関して COP17 において新しい市場メカニズムの創設を検討することを決定する との内容が盛り込まれた その間 インドネシアでは 2008 年 7 月には大統領令 (No.46) 国家気候変動協議会 (National Council on Climate Change; DNPI) が創設され 以下の業務が義務付けられた 気候変動緩和に関する国家政策 戦略 プログラム 活動の形成 気候変動に関する適応 緩和策 技術移転 資金を含めた管理業務に関する調整 炭素取引のための政策 手続きの決定メカニズムの形成 気候変動緩和に関する政策履行の監視 評価の実施 先進国による気候変動に関する取組の促進 2009 年 12 月 COP15 において インドネシア大統領が GHG 排出削減目標を公表した また 2010 年 1 月コペンハーゲン合意に基づき インドネシア NAMAs に関する文書を UNFCCC 事務局へ提出した その中で 2020 年まで現在の経済成長が継続し かつ何ら対策を行わなかったと仮定した場合に排出される温室効果ガス (GHG) 排出量を参照レベル (BAU) とし 市場で入手可能な技術の導入や 環境政策および規制の実施などを通じて 国内で独自に削減する 26% の GHG 排出量に加え 国外からの資金的な支援を受けた場合 さらに 41% までを削減 吸収することを表明している 日本国政府とインドネシア政府とは 2012 年の COP17 開催前に 両国間の気候変動分野における具体的な協力と更なる対話の促進が重要との認識の下 両国政府にて同分野における二国間協力についての以下の内容の文書を取りまとめ オフセット クレジット メカニズムに関する相互理解を深めてきた COP17 の成功を確保するために建設的に協力すること 産業分野等における先進技術が持続可能な成長を達成し 気候変動問題に対処する上で重要 Ⅳ-1

6 であること オフセット クレジット メカニズムに関する相互理解を深め 温室効果ガス削減への具体的行動を促進するため これまでの取組に加え モデル事業等を通じて官民協議プロセスを拡大していくこと等 そして 2011 年 12 月南アフリカ ダーバンで開催された COP17 において 将来の枠組みへの道筋 京都議定書第二約束期間に向けた合意 緑の気候基金およびカンクン合意の実施のための決定が採択された COP17 の決定書には 新たなメカニズムに関して 気候変動枠組条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会 (AWG-LCA) の作業結果 として以下のような内容が含まれていた 市場利用の機会など多様なアプローチは 実際に緩和成果をあげる基準を満たす必要があることを強調する AWG-LCA に対し このようなアプローチの枠組みを検討する作業計画を実行し COP 18 への決定書送付を目指すことを要請する AWG-LCA に対し これらのメカニズムの様式および手順を遂行する作業計画の実施を要請する また 2013 年 8 月 26 日 ( 現地時間同日 ) 日本とインドネシア間の二国間クレジット制度に関する二国間文書に 日本側は外務大臣 インドネシア側は経済担当調整大臣が署名しており その二国間文書の概要は以下のとおりである ( 次頁の枠内に二国間文書を示す ) 日 インドネシア間の低炭素成長パートナーシップの推進のため 両国は二国間クレジット制度 ( 以下 本制度 ) を創設し 本制度を運営するため 合同委員会を設置する 双方は 本制度の下での排出削減又は吸収量を 国際的に表明したそれぞれの温室効果ガス緩和努力の一部として使用できることを相互に認める 温室効果ガスの排出削減又は吸収量の二重計算を回避するため いずれの側も JCM の下で登録された緩和事業を 他の国際的な気候緩和制度の目的のために使用しない なお 第 1 回日 インドネシア合同委員会は 2013 年 10 月 16~17 日に開催された 合同委員会では その運営規則の決定後 共同議長を選出し オブザーバの出席に同意した そして JCM 実施規則 プロジェクトサイクルの諸手続き 各種ガイドラインとその様式を決定して閉会した さらに 2013 年 11 月 11~23 日にポーランドのワルシャワで開催された COP19 の日本パビリオンで行われた 二国間クレジット制度 (JCM) セッションでは 技術移転を伴う形で今後ますます両国間の気候変動に関する協力が進むことへの期待が述べられた また インドネシアでは独自の JCM のための事務局の設立が急務であることや NAMA のインドネシアにおける策定プロセスのオプションを示した上で JCM を含む複数のプロセスを包括的に管理する必要性が述べられた インドネシア政府は JCM を自国のものと受け止め UNFCCC プロセスと 低炭素発展に向けた国家政策体系の中に位置づけようする姿勢を示している Ⅳ-2

7 日本国とインドネシア共和国との間の低炭素成長パートナーシップのための 二国間クレジット制度に関する二国間協力 1. 日本側及びインドネシア側 ( 以下 双方 という ) は 気候変動に関する国際連合枠組条約 ( 以下 条約 という ) 第 2 条に言及される条約の究極的な目的及び持続可能な開発の達成を追求し また 2013 年以降も協力して 引き続き気候変動に取り組むため 次のとおり低炭素成長パートナーシップを推進する 2 双方は 国際連合の下並びに東アジア低炭素成長パートナーシップを含めた 地域的及び二国間の枠組みでの低炭素成長に向けた協力のため 様々なレベルで緊密に政策協議を行う 3 双方は インドネシアにおける低炭素成長を実現するための投資並びに低炭素技術 製品 システム サービス及び社会基盤の普及を促進するため 二国間クレジット制度 ( 以下 JCM という ) を創設し それぞれの国の関連する有効な国内法令に従って JCM を実施する 4. 双方は JCM を運営するため 双方からの代表者から構成される合同委員会を設置する 5 合同委員会は 関係する省庁及び閣僚から JCM の実施に関する適切な助言を受ける 6. 合同委員会は JCM に関する規則及び指針を決定する 7. 双方は JCM の下での緩和事業における認証された排出削減又は吸収量を 国際的に表明したそれぞれの温室効果ガス緩和努力の一部として使用できることを相互に認める 8 双方は 世界的な温室効果ガスの排出削減又は吸収に向けた具体的行動を促進するために JCM の堅固な方法論 透明性及び環境十全性を確保するとともに JCM を簡素で実用的なものとする 9. 双方は JCM の下で登録された緩和事業を 他の国際的な気候緩和制度の目的のために使用しないことによって 温室効果ガスの排出削減又は吸収量の二重計算の回避を確保する 10. 双方は JCM を実施していくために必要な資金 技術及び能力向上の支援の円滑化のため 緊密に協力する 11. JCM は取引を行わないクレジット制度としてその運用を開始する 双方は 取引可能なクレジット制度への移行のための協議を継続し 可能な限り早い段階で当該協議の結論を得る 12. 双方は JCM の取引可能なクレジット制度の運用時に JCM を通じ 途上国の適応努力の支援への具体的な貢献を目指す 13. 本パートナーシップは この文書が署名されてから 条約の下での新たな国際的な枠組みが運用されるまでの期間を対象とする 双方は 特に 条約の下での交渉の進展を踏まえつつ 本パートナーシップのあり得る延長につき検討し 本パートナーシップの期限までに結論を得る 14. この文書の各内容は 双方の書面による相互の同意によって修正され得る Ⅳ-3

8 日本側によって 東京において 2013 年月日 インドネシア側によって ジャカルタにおい て 2013 年月日に 日本語 インドネシア語及び英語による本書 2 通に署名された これら の文書は等しく価値を有する 解釈に相違がある場合には 英語が参照される 日本側を代表して 岸田文雄 外務大臣 インドネシア側を代表して M ハッタ ラジャサ 経済担当調整大臣 Ⅳ-4

9 2. 調査対象プロジェクト 2.1. プロジェクトの概要 インドネシアにおける天然ゴム製造業の状況インドネシアにおいて天然ゴム製造業は産業政策を進める上で重要な業種である すなわちゴム製品 ( 天然ゴム及び合成ゴムを含む ) は表 2.1 に示すように同国の主要輸出品目となっている ( 輸出額にして全体の 5.5% 2012 年 インドネシア中央統計局 ) また 天然ゴム生産量は年々増加しており 2013 年の生産量は 320 万トン 輸出量は 270 万トンと推計されており 毎年 80% 以上が輸出されている ( 表 2.2 Indonesian Rubber Association and Food and Agriculture Organization of the United Nations) さらに天然ゴム生産量の世界シェアはタイに次いで第 2 位 (26%) となっており この 2 カ国で全世界の半分以上を生産している ( 表 2.3 総理府統計局) 表 2.1 インドネシアにおける輸出額構成 ( 単位 : 百万 US$) 注 ) 通関ベース 非石油 ガスの内訳は 主要製品の HS コード 2 桁による分類 非石油 ガスは記載した内訳以外も含む 2012 年の品目別輸出入額は暫定値 よって輸出 ( 国 地域別 ) の総額の金額と一致しない 出典 ) 世界貿易報告 : インドネシア JETRO 出所 ) インドネシア中央統計局 表 2.2 インドネシアの天然ゴム生産量と輸出量 注 )2013 年は推計値出典 ) Association of Natural Rubber Producing Countries, Indonesian Rubber Association (Gapkindo), and Food and Agriculture Organization of the United Nations Ⅳ-5

10 表 2.3 天然ゴム生産量 国 ( 地域 ) 生産量 ( 千 t) 構成比 (%) 生産量 ( 千 t) 構成比 (%) 生産量 ( 千 t) 構成比 (%) タイ 3, , , インドネシア 2, , , マレーシア 1, インド ベトナム 中国 注 ) コートジボワール ナイジェリア スリランカ ブラジル フィリピン グアテマラ リベリア カメルーン ミャンマー 全世界 10,220 9,749 10,004 出典 ) 総理府統計局 注 ) 中国は香港, マカオ及び台湾を含む そして 天然ゴムの世界全体での総消費量は 2010 年時点で過去 10 年間で約 1.5 倍 20 年間 では 2 倍という伸びを示しており 今後もアジア地域を中心に同様の伸びが続くものと予測され ている ( 平成 24 年度アジア産業基盤強化当事業 - 天然ゴムの安定調達に資する協力のあり方に 関する調査 - 最終報告書 2013 年 3 月 野村総合研究所 ) 本事業の概要 天然ゴム製造過程からは ゴムの木から採取したラテックスを洗浄するため大量の排水が発生 する インドネシアの排水基準を満足するためにはその排水処理過程で好気性処理を行うことに なり そのための曝気に用いるエネルギーを消費する 3 章の調査結果に示すように大 中規模 の天然ゴム製造工場ではほとんどの工場で活性汚泥法を採用しており 今後排水処理施設が普及 していくとエネルギー消費が増大し 電力需要を拡大するとともに 温室効果ガスの排出量が増 加していくことが懸念される 我が国は天然ゴムの供給を 100% 輸入に頼っており 主要産業の 1 つであるゴム タイヤ業界 にとって インドネシアは重要な原料輸入先でもある インドネシアにおける天然ゴム製造業の 産業排水処理が良好に行われ またエネルギー消費が少ない排水処理の導入を支援することは 原料を輸入する国の責務であるとも言える 本プロジェクトの対象となる ( 株 ) ブリヂストンはスマトラ工場 カリマンタン工場の 2 か所 で 系列会社が自社の所有する農園からの天然ゴムを原料として ゴム製品を製造している 工 場内で利用される電力は 軽油による発電でまかなっており 軽油の年間使用量が多くその低減 と 温室効果ガス排出量の削減が課題となっている Ⅳ-6

11 当該工場の生産過程で発生する排水は現在活性汚泥法で処理されており 曝気のためのエネルギー使用と 排水処理後の汚泥処分において温室効果ガスが排出される このため 排水処理の前段に嫌気性処理 ( メタン回収 ) を導入し 後段の活性汚泥法の曝気動力を軽減させるとともに 嫌気性処理の特徴である汚泥発生量の低減 さらに回収したメタンを発電エネルギーの燃料として利用 発電後の余熱を熱利用する ( コジェネ利用 ) ことで 温室効果ガスの削減を図るものである ( 図 2.1) 図 2.1 本プロジェクトの概要 ゴム製造工場の排水は 製造工程によって有機性物質の濃度が変わるが 当該工場では排水濃度が低い工程の排水量が多く 一般的な嫌気性処理の導入が難しい 今までに嫌気性処理の代表である UASB 法を導入する実験による検討を行ってきたが ガスの発生が期待できず実験を中止している UASB 法はメタン発酵槽内でグラニュール層を形成し この層内でのメタン発酵を行うものであるが 有機性濃度が低い場合には十分なグラニュールが形成できないことが原因である そのため 本事業では低濃度の有機性排水での嫌気性処理の実績がある 担体を用いた嫌気性処理 を導入する この技術は我が国のメーカー ( 外注先の栗田工業 ) が開発した固有の技術である UASB 法ではグラニュールが形成できない低濃度の CODcr(500~2000 mg/l 程度 ) の排水でも 担体に付着した微生物の分解によりメタンガスの発生が可能で 有機物の除去が期待できる排水処理技術である 本プロジェクトではゴム製造工場の既存排水処理施設の前段に嫌気性処理 ( メタン回収 ) を導入することで 後段の好気性処理のエネルギー消費量を削減すると同時にメタンガスのコジェネ利用を行い 温室効果ガスの削減を図る なお 当初スマトラ島及びカリマンタン島の両工場での調査を予定していたが 調査を進める段階でカリマンタン島の排水処理量が少なく 嫌気性処理の導入効果が期待できないと判断されたため スマトラ島工場に調査を限定して行うこととした Ⅳ-7

12 BSRE の所在地はスマトラ島北部の内陸部 ( Dolok Merangir Serbalawan 21155,North Sumatra,Indonesia) にあり インドネシア第 3 の都市メダンの空港から車で約 2 時間の距離にあ る 年間ゴム生産量はインドネシアのゴム工場の中でも有数の生産量を誇っている 図 2.2 プロジェクトサイトの位置 2.2. 企画立案の背景 ブリヂストンのスマトラ島 カリマンタン島の系列会社は 天然ゴム農園から収集したラテックスからゴム原料となる製品を製造している これらのゴム原料製造工場での排水処理に要するエネルギーが多大なことから 排水処理方法の改善を検討していた 現状の好気性処理 ( 活性汚泥法 ) に UASB 法を追加することを目的で実験を進めていたが 排水の CODcr 濃度が低くメタンガスが発生せず実験を中断していた 当社が 環境省委託業務でインドネシアの工場向けにコベネフィット型排水処理対策のキャパシティビルディングを行った際に相談を受け 当該工場での排水水質に適した省エネ型排水処理の検討を始めることとなった 我国で低濃度有機性排水を嫌気性処理できる技術を有する企業を調査したところ 栗田工業の嫌気性処理プロセス ( バイオセーバー TK) が CODcr500mg/L 以上で処理可能ということがわかり その後栗田工業も加わり 3 社での協議を実施した BSRE で実施している排水水質分析結果を栗田工業に確認したところ 同社の嫌気性処理が適用可能であるとの結論を得た さらに 電気使用量 軽油使用量のデータを確認し 嫌気性処理設備費用と軽油削減費用の試算結果より事業の実施の可能性が高いと判断されたため 本実行可能性調査を実施することを決定した Ⅳ-8

13 2.3. ホスト国における状況 地球温暖化対策に関する現状と制度 規制インドネシアの GHG 排出量は 2005 年で 2,055MtCO 2e と報告されており その内訳は LULUCF840 MtCO 2e 泥炭 770 MtCO 2e 農業 130 MtCO 2e 電力 110 MtCO 2e などとなっている 将来的には BAU シナリオで 2030 年には 3,260MtCO 2e になると予測されている この間で世界の GHG 排出量におけるシェアは 4.97% から 5.07% まで 0.2 ポイント上昇する また 2005 年から 2030 年のまでの変化率では 電力部門が 110 から 810 MtCO 2e まで約 8 倍 交通部門が 60 から 440 MtCO 2e まで約 7 倍になるなど その増加率が極めて大きい 3500 GHG 排出量推計 (MtCO2/ 年 ) 建物セメント石油 ガス農業交通電力 LULUCF 泥炭 図 2.3 インドネシアの GHG 排出量の推計結果 インドネシア NAMAs は 基本的に国家開発の全部門 ( 森林 農業 産業 鉱業 エネルギー 公共事業等 ) における既存の排出削減対策プログラム 活動からなる 排出削減目標達成手法は明確でないが DNPI は参照レベルを BAU とし 26% の排出削減対策として 国家予算 (APBN) の活用もしくは国内における独自の NAMAs(Unilateral NAMAs) の実施 追加の 15% 排出削減対策については 政府開発援助 (ODA) の活用もしくは国外からの資金的支援を受けた NAMAs(Financed/ Supported NAMAs) の実施をあげている また 更なる排出削減量については クレジット創出可能な NAMAs(Creditable NAMAs) として位置付けられる可能性を示している セクター別のそれぞれの対策については表 2.4 に示すとおりである Ⅳ-9

14 図 2.4 BAU の排出量と NAMA 別の削減量 表 2.4 地球温暖化防止アクションプランの内容 セクター 排出削減 (Gt CO2) 行動計画 機関 26% +15% 山林火災の管理 泥炭地における森林およ水資源管理 森林および土壌再生 び泥炭森林 違法伐採管理 森林伐採の回避 コミュニティの発展廃棄物 ゴミ処理場開発 都市部における 3R および下水システム低炭素のお米の品種の導入 灌漑農業 の効率化 有機農法の活用産業 エネルギー効率 再生可能エネルギー開発 エネルギー 運輸 合計 バイオ燃料開発および利用 燃費効率の改善 公共交通機関 エネルギー需要の管理 再生可能エネルギー エネルギー効率 森林省 環境省 公共事業省 農業省 公共事業省 環境省 農業省 環境省 産業省 運輸省 エネルギー 鉱業省 公共事業省 Ⅳ-10

15 ホスト国の関連法制度 1) 環境管理に関する法制度環境管理に関する最新の法律を整理すると以下の通りである 環境に関する法律を成立年とともに表 2.5 に示す インドネシアにおいて環境基本法にあたる法律は 2009 年法律 32 号の環境管理法である 旧法 (1982 年 ) が 1997 年に大改正され 事業活動に対する環境規制強化 罰則強化 紛争処理に関する規定の充実 国民の環境情報に対する権利規定の導入等が行われた さらにそれに続いて 2009 年の改正では環境当局の権限や罰則が大幅に強化され 環境省には警察と協力して環境犯罪の容疑者を逮捕する権限が与えられている また このほか 水資源に関する法律 (2004 年法律第 7 号 ) 京都議定書の批准に関する法律 (2004 年法律第 17 号 ) エネルギーに関する法律(2007 年法律第 30 号 ) 廃棄物に関する法律 (2008 年法律第 18 号 ) なども制定されている 表 2.5 環境管理に関する法律 No 法律名 年水資源に関する法律 No 年京都議定書批准に関する法律 No 年プランテーション業に関する法律 No 年土地利用に関する法律 No 年沿岸 小諸島地域管理に関する法律 No 年エネルギーに関する法律 No 年ごみ廃棄物の管理に関する法律 No.18( 廃棄物管理法 ) 年鉱物および石炭採掘に係る法律 No 年残留性有機汚染物質に関するストックホルム会議批准に関する法律 No 年公共サービスに関する法律 No 年電力に関する法律 No 年環境保護 保全に関する法律 No.32( 環境管理法 ) 年住宅および住宅地に関する法律 No.1 次に 環境管理に係る政令を表 2 6 に示す 環境影響評価に関する政令 (1999 年第 27 号 ) 大気汚染防止に関する政令 (1999 年第 41 号 ) 水質保全及び汚染水管理に関する政令(2001 年第 82 号 ) 省エネルギーに関する政令(2009 年第 70 号 ) など 近年になっても新たな環境管理に関する政令が策定されている 表 2.6 環境管理に関する政令 No 政令名 年危険性 毒性を持った廃棄物管理に関する政令 No 年海洋汚染 悪化防止に関する政令 No 年環境影響評価に関する政令 No 年大気汚染防止に関する政令 No.41 5 上記政令 1999 年 No.18 の一部改訂に関する政令 No.85 Ⅳ-11

16 年バイオマス生産による地盤脆弱化防止に関する政令 No 年森林および土地使用における環境汚染 悪化防止に関する政令 No 年危険物質 毒性物質に関する政令 No 年水質保全および汚染水管理に関する政令 No 年放射性廃棄物の管理に関する政令 No 年市街地植生に関する政令 No 年国土利用計画に関する政令 No 年水資源保護に関する政令 No 年地下水に関する政令 No 年森林リハビリ 森林化推進に関する政令 No 年工業地域に関する政令 No 年特殊地域におけるプランテーション生産活動に伴う地勢変化防止に関する政令 No 年市街地域の保全ガイドに関する政令 No 年省エネルギーに関する政令 No 年放棄地の使用と管理に関する政令 No 年土地管理に関する政令 No 年植物品種改良業務に関する政令 No 年沿岸域環境保護に関する政令 No 年鉱山地域に関する政令 No 年森林域の利用に関する政令 No 年動物保護地 国立公園 森林公園 自然観光園等における観光業に関する政令 No 年ダムに関する政令 No 年鉱物および石炭採掘業運営の正規化のための法律遵守および監査に関する政令 No 年国境近隣小諸島の有益化に関する政令 No 年海浜および小諸島地域における災害減災化に関する政令 No 年土地所有に対する社会的伝統手法 システムに関する政令 No 年干拓地および採掘跡地に関する政令 No 年自然保養地 自然保護地に関する政令 No 年河川に関する政令 No.38 我が国の水質汚濁防止法に相当するものがこの水質保全及び汚染水管理に関する政令であり 水質の環境基準が設定されている 水域の環境基準として陸水は利水用途に応じて 4 類型設定され 異なる基準値となっている 環境基準の項目は1 物理的性状 ( 温度 浮遊物質 蒸発残留物 ) 2 無機化学物質 (BOD アンモニア等) 3 微生物 ( 大腸菌群数等 ) 4 放射性物質 5 有機化合物からなる また 地方分権化により水質汚濁管理を以下のように規定している 水質汚濁管理は責任を中央政府から州若しくは県 市町村に移管 環境省は 水質汚濁管理に係る国の基本方針を策定 州境や国境を越えた水に関する問題は中央政府が対処さらに 本政令には水質モニタリング (13 条 ) 排水課徴金制度(24 条 ) 排水許可証(40 条 ) などの事業者の義務事項も規定されている 本調査に関連する排水基準は産業廃水基準に関する環境大臣令 (1995 年第 51 号 ) に明記されている インドネシアのゴム産業は ゴム産業排水基準 A-IV および ゴム産業排水基準 B-IV Ⅳ-12

17 の2つを遵守する必要があるが 本工場の適用基準は B-IV のなめし工程の基準である 同基準値は BOD 5 60mg/l CODcr200mg/l TSS100mg/l NH 3 -N 5mg/l T-N 5mg/l と厳しい基準となっている さらにインドネシアの排水基準はこれに加えて最大排水量が設定されており ゴム製造業ではゴム生産量 ( 乾燥重量 ) 当り 40m 3 以内でなければならず さらに水質と排水量の積である汚濁負荷量も設定されている すなわち CODcr であれば最大負荷量は 8kg/ ゴム生産量 ton( ) となる 表 2.7 ゴム産業の排水基準 (A-IV) 項目 許容限度 *1 (mg/l) 最大汚濁負荷量 *2 (kg/ton) BOD CODcr TSS アンモニア態窒素 (NH 3 -N) ph 最大排水量 ゴム生産量 1 トンあたり 40 m3 出典 ) 産業排水基準に関する環境大臣令 (1995 年環境大臣令第 51 号 ) *1: 許容限度は排水 1 リットル中に含まれる汚濁物質量 ( mg ) *2: 最大汚濁負荷量は乾燥状態のゴム生産量 1 トンあたりの量 ( kg ) 表 2.8 ゴム産業の排水基準 (B-IV) 項目 濃縮ラテックス (Concentrated latex) 許容限度 *3 (mg/l) 最大負荷量 *4 (kg/ton) なめし工程 ( 樹葉使用 ) Tanning (tree leaf used) 許容限度 *3 (mg/l) 最大負荷量 *4 (kg/ton) BOD CODcr TSS NH 3 -N T-N ph 最大排水量 40 m 3 / 日 ゴム生産量 ton 40 m 3 / 日 ゴム生産量 ton *3: 許容限度は排水 1 リットル中に含まれる汚濁物質量 ( mg ) *4: 最大汚濁負荷量は乾燥状態のゴムもしくは濃縮ラテックスの生産量 1 トンあたりの量 ( kg ) *5: 全窒素 (T-N) は有機態窒素 (kj-n)+ アンモニア態窒素 (NH 3 -N)+ 硝酸態窒素 (NO 3 -N) + 亜硝酸態窒素 (NO2-N) 一方 省エネルギーに関する政令 (2009 年政令第 70 号 ) は 文字通り省エネルギーを促進するための政令である 省エネルギーは政府 州政府 県 / 市政府 事業者及び国民の責任であるとし 5 年に 1 度マスタープランを大臣が策定し 省エネの目標 政策のポイント プログラム等を記載するものとされている 事業者の責任として 事業実施の各段階における省エネルギーの実施 エネルギー効率の良い技術の利用 省エネ製品の生産 サービスの提供を求めている Ⅳ-13

18 2) 環境管理制度 (PROPER) インドネシアでは PROPER(Performance Level Evaluation Program) という環境管理制度を 実施している PROPER 制度とは環境に関する法令の遵守を促進するために制度化されたもので 1995 年から実施されている 上場企業 輸出企業は参加を強く要請されており 各企業の環境対 策を評価指標にのっとって 金 GOLD 緑 GREEN 青 BLUE 赤 RED 黒 BLACK ランクに評価する 各ランクの内容は以下の通り PROPER の各ランクの評価指標 金 緑 ランクの評価指標は下記の項目で構成され 点数制で評価される a. 環境管理システム (100 点 ) b. 資源利用 ( 各 100 点 ) 1. エネルギー効率 2. 危険 有害廃棄物の削減及び利用 3. 危険 有害でない廃棄物の 3R(Reduce, Reuse, Recycle) 4. 大気汚染の減少 5. 水質保全 汚濁負荷の削減 6. 生物多様性の保全 c. コミュニティ開発 (100 点 緑 ランクでは質的に評価 ) d. 環境管理対策をまとめた文書の編纂 青 赤 黒 ランクの評価指標は下記の項目で構成される a. 環境記録文書 / 環境許可 b. 水質汚濁管理 c. 大気汚染管理 d. 危険 有害廃棄物処理 表 2.9 PROPER 制度の評価内容 ランク評価内容 金 GOLD 緑 GREEN 青 BLUE 赤 RED 黒 BLACK 既に 生産過程 サービスにおいて一貫して卓越した環境対策を行っている 規範を守ったビジネスを行い 地域社会への責任も果たしている 2 回以上続けて 緑 を獲得しており 各セクター内で上位 25% に入る評価点を獲得 法律で定められた規定以上に環境管理対策を行っており 環境管理システムの実施 資源の効率的利用 コミュニティ開発を行っている 各セクター内で上位 25% 未満下位 25% 以上の評価点を獲得 下位 25% になると 青 ランクに転落 法律で定められた規定にそって環境管理対策を行っている 法律で定められた規定にそって環境管理対策を行っていない 意図的に環境汚染 / 破壊の原因となる行動をとっている もしくは環境汚染 / 破壊を無視している 法律で定められた規定に違反している または管理上の措置を怠っている Ⅳ-14

19 2012 年の参加企業数 1317 社のうち ゴム産業からの参加企業数は 52 社 ( 全体の約 4%) であり その評価結果は 金 0 社 緑 5 社 青 37 社 赤 10 社 黒 0 社である なお 2011 年参加企業数 1,002 社のうち ゴム産業からの参加企業数は 39 社 ( 全体の約 4%) で ゴム産業は 緑 2 社 青 24 社 赤 10 社 黒 3 社であったので 評価結果は改善しているといえる 図 2.5 インドネシアの PROPER 参加企業の内訳 (2011 年 ) 業種ごとの遵守率は 図 2.6 に示す通りであり 鉱業 (Mining) 石炭 石油業 パーム油製造 業などは企業数も多く 法律の遵守率も高い 図 2.6 業種別 PROPER 企業の法律遵守率 Ⅳ-15

20 ゴム産業の遵守率は約 67%(PROPER 参加企業数 39 社のうち 青 緑 ランク獲得企業数 26 社 ) であり 法律の遵守率では中間的な業種と位置づけられている なお 本調査の対象企業である BSRE では PROPER 制度における GREEN 評価を目指し 排水の目標処理水質を排水基準の 50% 値以下と設定している 2) その他の法規制 1 大気汚染防止インドネシアでは他の開発途上国と同様 大気汚染問題が顕在化している 汚染源としては 排出負荷の大きい工場の周辺などで発生した局地的なものがほとんどで 都市部を中心に急増している自動車による大気汚染の方が深刻とされている 大気汚染の防止のため 1999 年の政令第 41 号で全国一律の大気環境基準が定められている 環境基準は二酸化硫黄 窒素酸化物 紛じんなど13 項目について測定条件と基準値が示されている 環境基準については汚染防止技術の進展などに伴って5 年に一度見直しされることとなっている ( 環境省資料 2010 年 3 月時点での調査結果 ) 排出基準については 固定発生源について1995 年の環境大臣令第 13 号によって製鉄業 紙 パルプ製造業 セメントプラント 石炭火力発電所の4 業種とそれ以外の全ての産業を対象とした基準の5 種類の排出基準が設定されている (4 業種以外の業種の排出基準は表 2.10) 表 2.10 インドネシアの大気環境基準 ( その他の産業 ) 項目 現在の基準 (1995~) 上限値 (mg/m 3 ) 2000 年以降 非金属 1. アンモニア 塩素ガス 塩化水素 フッ化水素 窒素酸化物 不透過光線率 40% 35% 7. ばいじん 二酸化硫黄 還元性硫黄 金属 10. 水銀 砒素 アンチモン カドミウム 亜鉛 鉛 出典 ) 環境省資料 2010 年 3 月時点での調査結果 Ⅳ-16

21 2 騒音防止 振動防止 騒音の環境基準は騒音基準に関する環境大臣令 (1996 年第 48 号 ) 振動の環境基準は振動基準 に関する環境大臣令 (1996 年第 49 号 ) に規定されている 土地利用 / 活動環境 a 土地利用 表 2.11 騒音レベル db(a) インドネシアの騒音基準 土地利用 / 活動環境 b 活動環境 騒音レベル db(a) 1. 住居 病院又は同等の活動 商業及びサービス 学校又は同等の活動 事務所及び商業 お祈り所又は同等の活動 緑地 工業 官庁及び公共施設 レクリエーション施設 特定施設 空港 駅 港 70 文化財 60 注 ) : 運輸通信省の関係規制を適用 出典 ) 環境省資料 2010 年 3 月時点での調査結果 周波数 (Hz) 表 2.12 インドネシアの振動基準 ( 快適性及び健康に関する振動基準 ) 振動レベル ( 10-6 m) 影響なしやや影響あり不快である弊害がある 4 < > > < > > < > > < > > < > > < > > < > > < >40-85 >85 25 < >30-50 > < >20-30 >30 40 < >15-20 >20 50 < >12-15 >15 63 <6 6-9 >9-12 >12 出典 ) 環境省資料 2010 年 3 月時点での調査結果 Ⅳ-17

22 ホスト国対象分野における当該プロジェクトのニーズ ホスト国であるインドネシアの本プロジェクトに対する以下のニーズについて整理する 1 工場排水の適正な処理に対するニーズ 2 省エネルギーに対するニーズ 3 地球温暖化防止に対するニーズ 1) 工場排水の適正な処理に対するニーズインドネシアでは 産業系等の排水による公共用水域の水質保全に取り組んでおり 環境基準 排水基準の制定やその効果的な運用を測る PROPER 制度をもとに企業に対して法律の遵守を強力に求めている しかし インドネネシア政府の統計によると 排水処理を行っておらず地表水及び地下水を汚染する可能性のある大規模 中規模の企業が約 13,000 社 中小企業では 94,000 社存在しており 排水処理対策を進める必要がある ( インドネシア統計局 statistic of Indonesia 2009) 同国では有機性排水を多く排出するゴム製造業や食品加工業等の工場は大小含めて相当数に上っており 今後の人口増加と産業活動の拡大を想定すると 有機性排水が今後も増加していくことが想定される このため 日本の環境保全技術である栗田工業が開発したバイオセーバー TK の導入は非常に効果的である さらに言えば 同国では産業排水を排出する事業者のうち 排水処理施設を有する工場でも生物処理が十分機能を発揮していないものが多い 生物処理は有機性の排水処理に効果的な処理法であるが 活性汚泥法を始めとして物理化学的な処理法に比べて その運転が比較的難しい そのため 活性汚泥法を採用している工場でも その排水水質は排水基準を満足していない場合も多い 日本製の技術を導入する際に 排水処理装置を導入するだけでなく維持管理を含めた技術移転を進めることが 施設の導入以上に重要なことである 日本製の技術 ( 装置 ) の導入に加えて 維持管理も含めたトータルエンジニアリングを行う日本型技術サービスが同国の環境管理に極めて効果的と想定される 2) 省エネルギーに対するニーズインドネシアでは電力の普及が進んで入るものの 未だに未電化の地域があり また電気が普及している地域でも安定な供給ができずに停電が頻発するという地域もある すなわち 同国において電気は依然として貴重なものであり 今後インドネシアの産業の発達においては電気の安定的な供給は不可欠である このような電力事情にあるため 第 2 章にも示したようにインドネシア政府は省エネルギーを積極的に進めている 今後の経済的な発展に伴ってゴム製造業や食品工場が増加し 上記のように排水基準を遵守するように排水処理を行う場合 活性汚泥法に代表される好気性処理が採用されることとなり 曝気による多大なエネルギー消費が予想される このため 有機性排水処理においてエネルギー消費の少ない排水処理法の導入が望まれる Ⅳ-18

23 嫌気性処理は酸素のない環境で生息する微生物を用いた処理法でメタン回収が可能であり これを好気性処理法の前段に用いることでエネルギー使用量を大幅に低減させることができる ただし嫌気性処理は代表的な処理法である UASB 法のように 低濃度ではその微生物の流出を防ぐことができず 処理が困難であるとされてきた 本事業で導入する嫌気性処理法であるバイオセーバー TK は 担体に微生物を付着させて微生物の流出を防ぐことから 低濃度有機性排水にも適用が可能となっている インドネシア政府は環境保全を目的として厳しい排水基準を設定しているものの 排水処理施設の普及が進まないのは既存の排水処理技術がエネルギー多消費型であることにも原因があると考えられる 従って本事業のような省エネルギー型の排水処理法はこのニーズに極めてマッチする 3) 地球温暖化防止に対するニーズインドネシアは温室効果ガス排出削減の目標として 2020 年までに独自の努力で 26% 国際的な支援を得ることで 41% の削減を図るとしており 積極的な低炭素化の取組を進めている また 温室効果ガスの将来推計にも見たように ( 第 2 章 ) 同国の電源構成が火力を中心としたものであることから ( 石油 石炭 天然ガスを用いた火力発電が全体の 94% を占める 2011 年 ) 今後の電気使用量の増大が温室効果ガス排出量に大きな影響を与える さらに本事業の対象地域のように 未電化の地域においては工場内で軽油を使った自家発電により電気を調達しており その排出係数はグリッドの電気よりも大きなものとなる 本技術のように省エネルギー型の排水処理法は同国の地球温暖化防止のニーズにも大きく貢献することができる このようなことから ホスト国の排水管理 省エネルギー対策 地球温暖化防止 ( 温室効果ガス削減 ) のための目標を達成するために 本技術は極めて整合している さらに言えば このことは同国の今後の経済成長とその成長を支える環境保全 低炭素化といった理想的な技術的要件を満たしている 今後同国の NAMA S の施策実施においても 本技術の導入が有効と考えられる Ⅳ-19

24 2.4. プロジェクトの普及 プロジェクトの普及の段階を以下の 3 段階で想定する 1インドネシアの天然ゴム製造工場 ( 企業 ) 特に電力調達コストの大きな工場 2インドネシアの低濃度有機性排水を排出する工場 ( 企業 ) 3 東南アジアの天然ゴムを含む低濃度有機性排水を排出する工場 ( 企業 ) 1) インドネシアの天然ゴム製造工場 ( 企業 ) 本プロジェクトはインドネシアの天然ゴム製造工場のうち 好気性処理システム ( 活性汚泥法 ) を導入している工場の排水処理システムを対象としており まずインドネシア国内における大規模天然ゴム製造工場における普及を目指す PROPER 制度の適用対象となっている工場は 52 箇所あり その中の 15 工場について本調査でアンケート ヒアリングを行った ( 第 6 章参照 ) この 15 工場のうち好気性処理を行っている工場は 14 工場 (93%) であった PROPER 対象企業は大 中規模企業であるため 活性汚泥法を採用している企業が多かったと考えられるが 比較的生産量が少ない工場 (5000t/ 年程度 ) でも活性汚泥法を採用しており インドネシア全体では活性汚泥法を採用している天然ゴム製造工場は数十箇所に上ると想定される 工場にとっては 電気使用量を低減して温室効果ガスが削減できるといっても 嫌気性処理システムの導入においては経済効果が重要である すなわち 電気使用量の削減コストと嫌気性処理の導入コストの比較によって 電気使用量の削減コストが大きい場合に採用されることになる そのため 嫌気性処理導入コストが地域的に同じであると仮定すると電気調達コストが大きいほうが導入しやすいと考えられる 本プロジェクトの対象工場である BSRE では電気は軽油を燃料とした自家発電により調達されており 電気調達コストは比較的高かった ( 約 2780IDR/kWh) インドネシアの一般的な電力供給単価は 1000IDR/kWh 以下と想定されるが 本事業のように電力の調達コストの高い地域でその効果が高いと考えられる アンケートを行った 15 工場のうち 電力調達先の回答を得たのは 8 工場で その内訳はグリッドのみが 4 箇所 自家発電のみが 2 箇所 グリッドと自家発電の両方が 2 箇所であった 天然ゴムの農園はスマトラ島 ( 北スマトラ州 リアウ州 ジャンビ州 南スマトラ州 ) とカリマンタン島 ( 西カリマンタン州 中カリマンタン州 ) に多く そこでの電化率は他の地域に比較して低いものとなっている ( 表 2.13) 表 2.13 インドネシアゴム農園の多い州での電化率 島 州 電化率 (%) スマトラ島 北スマトラ州 リアウ州 ジャンビ州 南スマトラ州 カリマンタン島 西カリマンタン州 中カリマンタン州 出典 ) インドネシア最近の電力事情 矢野友三郎 2013 年 12 月 Ⅳ-20

25 このように天然ゴム製造工場での自家発電の導入工場が多いことから その工場を中心に普及 を図ることが有効である 2) インドネシアの低濃度有機性排水を排出する工場 ( 企業 ) 一方 本プロジェクトは天然ゴム製造工場のみを対象としているが インドネシアにおいては有機性排水を排出する食品工場なども多く立地しており そこで活性汚泥処理を採用し電力調達コストの高い地域では同様の考え方で本システムが導入されることが期待される 現に 本プロジェクトの共同提案者である栗田工業では 我が国において活性汚泥法の前段に嫌気性処理を導入したシステムを食品工場を中心として 50 件以上導入している 本調査ではインドネシアの排水処理等のデータを収集するための時間的な制約から天然ゴム工場に限定したが 同様の方法論 ( パラメータは異なる ) で他業種での導入検討を行うことにより 同システムの幅広い普及を図ることが期待される 3) 東南アジアの天然ゴムを含む低濃度有機性排水を排出する工場 ( 企業 ) さらに インドネシア以外の東南アジア諸国においても同様のシステムの導入が考えられる 天然ゴムの生産については 2.2 に示したように タイがインドネシアと同規模の生産をしており マレーシアやベトナムでも生産量が多いことからこれらの地域での普及も想定される 排水処理も活性汚泥法を用いている可能性が高く 図 2.7 に示すように電気料金が比較的高い国では 本システムの導入がより効果的である このように 本技術の普及は本調査で構築した方法論を用いてまずインドネシア国内における大中規模の天然ゴム工場を対象に普及を進める また 方法論の拡張を行って同国での低濃度有機性排水を排出する他業種への普及を図る 続いて 他の東南アジアを中心とした国への同様の方法論を構築して 本プロジェクトを普及させることが可能である 出典 ) 東南アジアにおける発電 送電事情と将来計画研究会 東南アジアの電力需要に関する研究 (2012)- 図 2.7 東南アジアの電力料金 Ⅳ-21

26 3. 調査の方法 3.1. 調査実施体制 本調査の実施体制は以下のとおりである ブリヂストン関連会社の現地法人 BSRE(Bridgestone Sumatra Rubber Estate) は現在の排水処理に関する各種データの提供 事業収益性の評価 投資決定の判断を行う また 排水処理プラントの提供メーカーである栗田工業は本調査の協力企業として 排水処理設備 工事計画 設備の維持管理方法の検討を分担する さらに MRV 方法論の構築においては CDM 方法論の構築等において経験が豊富な日本テピアの協力のもと 適正な方法論の構築を行う 日水コンは事業実施フレームを構築し MRV 方法論の構築 現行の排水処理システムの評価と新処理プロセスの検討 温室効果ガスの削減効果の算定 事業収益性の検討を行う ( 株 ) 日水コン ( 株 ) ブリヂストン系列企業 PT. Bridgestone Sumatra Rubber Estate ( 株 ) 日本テピア 外注 外注 ( 株 ) 栗田工業 ホスト国関係者中央政府 ( 環境省 :KLH) 地方政府 ( 州 地方自治体 ) MRV 方法論の作成支援 排水処理技術の検討支援 排水処理工事の検討支援 図 3.1 調査実施体制図 表 3.1 調査実施体制とその役割 国 調査実施に関与した団体名 役 割 日本 株式会社日水コン 本調査の実施主体 MRV 方法論の開発 PDD 案の作成 事業実施方法の検討 全体取りまとめ < 外注 > 栗田工業株式会社 排水処理技術の検討支援 排水処理工事費算出 ( 本事業で導入予定の嫌気性処理の提供メーカー ) < 外注 > 日本テピア株式会社 方法論の作成支援等 ( インドネシア国内同種業務の工場調査によるリファレンスシナリオの設定 法規制等の調査など ) ホスト国 Bridgestone Sumatra Rubber Estate (BSRE) 現地の天然ゴム製造工場 事業主体となる現地法人 Ⅳ-22

27 3.2. 調査課題 BSRE はインドネシアで 自社が保有する農園からの天然ゴムを原料として ゴム製品原料を製造している 工場内で利用される電力は 軽油による発電でまかなっており 軽油の年間使用量が多くその消費量の低減が課題である 当該工場の生産過程で発生する排水は活性汚泥法 ( 好気性処理 ) で処理されており 多大な曝気エネルギーを必要とする このため 本事業では現在の好気性処理に嫌気性処理 ( メタン回収 ) を付加し 活性汚泥法の曝気動力を軽減させるとともに 嫌気性処理の特徴である汚泥発生量の低減 さらに回収したメタンを燃料として利用することで 温室効果ガスの削減を図る 本 FS 調査での課題は以下の通りである 1 嫌気性処理の対象とする排水及び有機物の特定本事業で導入を予定している栗田工業のバイオセーバー TK は 低濃度の有機性排水でもメタンガスの回収が可能ではあるが 低濃度排水からのメタンガスは少量とならざるを得ない また 排水中の有機物は固形性と溶解性のものがあり 溶解性有機物は分解が早く容易にメタン発酵するのに対し 固形性有機物は分解が遅く一般には排水処理後の汚泥を再度分解するための嫌気性処理槽 ( 下水道施設で多く見られる消化槽と同じもの ) を設置して処理を行うため この処理施設の規模が大きくならざるを得ない 温室効果ガス削減の観点からは低濃度の排水も固形性有機物もメタン発酵の対象とするべきであるが その結果施設規模が大きくなりその投資効果は低減する BSRE は 投資回収年数を施設導入の判断基準としており 本 FS 調査ではその条件を満たす施設改良方法を提案することが主要な課題である 当該工場の排水系統は数系統あり その排水量と水質が異なっている そのため 効率的に嫌気性処理を行う排水系統を決定し 経済的な施設規模を決定することが重要である 2 嫌気性処理によるガス発生量の把握一般的に 嫌気性処理でのメタンガス発生量は排水の水質 ( 溶解性 CODcr と固形性 CODcr) からその分解率を設定することで推計することができる ただし BSRE としては実際の排水からのガス発生実験を通して施設規模を決定することを要望しており 本 FS 調査の工期からは 実験室レベルでのガス発生実験を行って 施設規模を決定することとした なお BSRE は慎重を期すために小規模のプラントを設置して連続実験を行うことを予定しているが FS 調査にはその結果が間に合わないため その結果は次年度の補助事業の応募時点で反映させることとした 3 コジェネ利用のための熱需要調査回収したメタンガスのエネルギーを最大限に利用するためには 発電による電力の回収とその発電廃熱からの熱利用が効果的である そのため 同工場ではゴムの乾燥工程に軽油を熱源として使用しており この乾燥工程で熱を利用することが最も効果的である そのため 工場内での温水利用 乾燥工程での熱利用の可能性についても調査する 4 インドネシアのゴム製造工場に関する調査方法論におけるリファレンスシナリオ設定のために インドネシアのゴム製造工場に対してア Ⅳ-23

28 ンケート並びにヒアリング調査を行う PROPER 制度の対象となっている 52 の工場のうちで協 力がお願いできる 15 工場を対象に ゴム生産量 排水量 排水処理法 エネルギー使用量 適用 される排水基準などの調査を行い リファレンスシナリオを設定する 3.3. 調査内容 調査項目調査課題を解決するために行った全体の調査内容を箇条書きすると以下の通りである 1 生産工程別の排水量 排水水質の把握 2 排水からのメタンガス発生実験 3 排水処理に要しているエネルギー使用量の把握 4 効果的な嫌気性処理を付加した排水処理改善案の提示 (6.1 プロジェクト開発状況で記述 ) 5 排水処理改善案の評価 (6.1 プロジェクト開発状況で記述 ) 6 方法論設定のための天然ゴム工場の実態調査 7 本プロジェクトの方法論案の提示 (4.JCM 方法論に関する調査結果に記述 ) 8 利害関係者のコメントの収集 (5.7 利害関係者のコメントに記述 ) 9 最適な排水処理改善案における資金計画 (6.1 プロジェクト開発状況に記述 ) プロジェクトの事業効果をあげるため 異なる排水系統のどの排水を対象として嫌気性処理を行い どのような処理プロセスとするかを明らかにするために現地調査を行う また メタンガス阻害物質の存在を確認するための詳細な排水水質分析 並びにガス発生実験を行う さらに 既存排水処理施設の電気使用量 軽油使用量の実態の把握をもとに 嫌気性処理を付加した排水処理施設の改善案の提示とその評価を行う そして 方法論作成におけるリファレンスシナリを作成するためのインドネシア国内における天然ゴム製造工場の実態調査とそれに基づく方法論の構築を行う さらに 利害関係者として周辺住民の本事業へのコメントを収集する 最後に 排水処理施設の最適な改善案の事業費を算定して その資金計画を作成することとした なお 本章では上記の調査内容のうち について記述し 他の調査内容は 4 章 5 章 6 章の関連するところで記述する 現地調査結果現地での調査として 4 回の調査を実施した 1 第 1 回現地調査 : 排水処理工程のサイト確認 各種データの収集 2 第 2 回現地調査 : ガス発生実験のための現地確認 追加データの収集 3 第 3 回現地調査 : 熱需要調査 利害関係者のコメント収集 ( 周辺住民 地方政府 ) 4 第 4 回現地調査 : ホスト国会合 現地調査の結果の概要を以下に示す 1) 第 1 回現地調査 1 調査時期 :2013 年 7 月 22 日 ~25 日 Ⅳ-24

29 2 調査箇所 : ゴム農園 ゴム生産工程 排水処理施設 3 応対者 :BSRE 職員 4 調査結果 工程排水別の水量実測値 (2013 年 1 月 ~6 月の日平均値 ) を収集し 排水処理施設の改良案として 複数の嫌気処導入案を選定した 工場内施設配置図の収集と新規プラント設置用地の概略面積を確認した 沈殿汚泥からのメタンガス回収も含めた排水処理方式案の検討のため ラボスケールでの汚泥沈降実験と 追加で水質調査が必要な地点を選定し 採水 水質分析を BSRE に依頼した バイオガス発生実験の実施方針 ( 実験は栗田工業試験所で実施 ) 並びに次年度の設備設置工事を含む今後の作業工程を確認した 本調査の提案書で検討予定であった 2 箇所の工場 ( スマトラ カリマンタン ) のうち カリマンタン工場の排水規模が当初想定より小さく その導入効果に課題があることが判明した BSRE としては 先にスマトラ工場の排水処理施設の検討を優先させることを希望しており 本調査の対象としてはスマトラ工場のみとした BSRE 工場事務所 BSRE 工場全景 排水処理施設 ( 曝気槽 ) 排水処理施設 ( 沈殿池 ) 写真 3.1 BSRE 工場内の概要 Ⅳ-25

30 2) 第 2 回現地調査 1 調査時期 :2013 年 9 月 24 日 ~27 日 2 調査箇所 : 排水処理施設 自家発設備 ゴム乾燥機 3 応対者 :BSRE 職員 4 調査結果 メタンガス発生実験 ( ラボスケールのバッチ試験 ) の結果 水質濃度は低いものの 溶解性 CODcr の分解率は 80% と良好な結果となっており 嫌気性処理による既設活性汚泥処理施設への汚濁負荷削減効果とメタン回収によるエネルギー利用の効果については共通認識に達した 本実験結果を用いて 嫌気性処理導入によるエネルギーの削減効果を算出した結果 排水処理施設改善案のうち第 2 案が費用効果面で有効と考えられ 以降の検討ではこの第 2 案を中心に検討を行っていくこととした プラントの建設費 薬品費について今後精査する必要があるが BSRE が基準とする投資回収年の基準はかなり高いレベルと想定されるため 省エネルギー対策及び発電廃熱の熱利用についてもあわせて検討することとした BSRE においてゴム乾燥設備の改良計画が進んでいることから メタンガスの利用は発電及び温水利用として考えることとした 環境影響評価の必要性 利害関係者のヒアリング調査については BSRE において調整し 次回の現地調査時点で資料提供あるいはヒアリング調査できるように準備する 3) 第 3 回現地調査 1 調査時期 :2014 年 1 月 8 日 ~11 日 2 調査箇所 : 排水処理施設 水質分析試験所 電力計測設備 3 応対者 : 周辺住民 地方政府関係者 BSRE 職員 4 調査結果 利害関係者のコメントの収集のため 周辺住民へのヒアリングを行った 工場内に住む世帯のうちから 19 世帯の代表者にアンケート形式で質問を行ったところ 以下の結果を得た まず本事業の実施に対して 6 割が賛成し どちらでもないを含めると 9 割程度であり 反対は少なかった また日本の技術を導入することについても 7 割程度の人が賛成であった 地方政府へのヒアリングを行い 地域長 (Simalungun 地域 ) から本事業の貢献度と安全性について質問を受け 軽油削減の大きな効果と地域への安全性に全く問題ないことを説明した その結果 地域長から本プロジェクトを歓迎すること 他の関連する行政機関に連絡すること 汚泥有効利用についても協力することのコメントを得た 水質分析機器については COD NH 3 ともに滴定法による分析を行っており 校正を必要とする分析機器を用いていないことが分かった この水質分析方法についての準拠法 ( インドネシア国家基準 ) とその方法に準じた標準作業手順書を作成し実施していることを確認した また 本工場の全ての作業が ISO9001 及び の対象となっており 内部監査 Ⅳ-26

31 外部監査も適切に行われていることを確認した さらに PROPER 制度の対象となっていることから 月に 1 度水質分析を含めた環境管理の審査を受けており これも 緑 または 青 の高い評価を受けていることを確認した 電力計については 機器校正の内容を確認できなかったため 今後プロジェクト開始までに校正の内容などをメーカー等と確認しておくことが必要であることを確認した ただし 発電に用いている軽油の量から算定された発電効率は 発電機のスペックである 30% 前後の数値を得ており 十分な精度で計測できていることがうかがえた 熱需要については 温水需要と乾燥機に関する熱需要を調査した 温水需要として大口はクラブハウスや宿舎の入浴施設などわずかな施設であり 需要は多くないことを確認した また 乾燥過程での予備熱源としての利用可能性について調査したところ 現在乾燥機の改良を進めており 本プロジェクトでの排熱利用の可能性を確認することはできなかった 仮報告書の協議において 工場の稼働日数について年間 20 日程度しか休まないことが判明し その稼働日数の修正が必要であることが判明した また プロジェクトの事業効果 ( 投資回収年数 ) についても BSRE の基準に満たないことから 工事費の見直しが必要との指摘を受け 装置メーカーの協力を得て見直すこととした 地域住民へのヒアリングの様子 写真 3.2 利害関係者のヒアリング状況 地方政府へのヒアリングの様子 水質分析機器 写真 3.3 ブロアの電力計モニタリング機器 Ⅳ-27

32 4) 第 4 回現地調査 ( ホスト国会合 ) 1 実施時期 :2014 年 2 月 20 日 2 実施場所 : ジャカルタ グランドハイアット ホテル会議室 3 当セッションへの参加者 : インドネシア政府 日本大使館等の担当者等 ( 当プロジェクトを聴講し意見交換をした参加者 ) 4 実施結果 インドネシアを対象として 日本国の低炭素化に取り組むモデルプロジェクト等( 環境省 経済産業省 ) の紹介があり また JCM 実現可能性調査の調査結果が発表された 本プロジェクトについても 調査結果を取りまとめその成果を発表した インドネシア政府からは排出権取引メカニズム室 (Carbon Trade Mechanis Division) の担当者等から質問を受け 成果発表後のヒアリングで有益なコメントを得た 排出権取引メカニズム室担当者からは 当プロジェクトへの強い関心があると説明を受けた後 本排水処理技術が他の工場 産業でも適用できるかどうかの質問があり 排水水質と水量規模などを調査して適用性を検討すべきであることを説明した また 排出権取引メカニズム室担当者より 本プロジェクトで導入を想定する嫌気処理技術 ( バイオセーバー TK) の導入事例や メタンガス発電電力の排水処理施設外 ( 工場内部及び工場外部 ) への供給可能性について質問があり 国内での導入事例や本プロジェクトにおけるメタンガス発電電力と嫌気処理施設での電力消費量の量的なバランスについて説明した 写真 3.4 ホスト国会合 ( 当社発表セッションの様子 ) Ⅳ-28

33 排水量 排水水質の把握 1 排水量 まず 工程別の排水量を把握すると図 3.2 の通りである 工程排水は大きく分けると3系統に 分けられる 工程排水 1 は水量が少なく 82 m3/日 工程排水 2 は約 5600m3/日 工程排水 3 は 約 1900m3/日となっている 工程排水 1 と工程排水 2 は予備沈殿池に流入した後調整槽に流入し 工程排水 3 は調整槽に直 接流入している 活性汚泥処理施設は 2 系列となっており それぞれ反応タンク 曝気槽 脱窒 槽 沈殿槽が直列に配置され 計量槽に流入後 河川に放流されている ①工程排水1 活性汚泥処理系列1 81.5m3/日 反応タン ク 曝気 槽 脱窒槽 沈 殿槽 5,668.5m3/日 予備沈殿池 7,564.5m3/日 ③沈殿池 流出水 ⑤反応 タンク流 入水 5,587m3/日 1,896m3/日 ②工程排水2 計量槽 活性汚泥処理系列2 反応タン ク 曝気 槽 脱窒槽 2,269.35m3/日 河川 沈 殿槽 5,295.15m3/日 ④工程排水3 ( Recycle ) 注 排水量は調査時点の水量 図 3.2 生産工程排水と排水処理フロー また 月別排水量の推移を見ると以下のとおりであり 変動は大きいものの近年では 20 万m3/ 月程度で推移している 500,000 Inlet flow rate m3/month 450, , , , , , , ,000 50, /1 08/5 08/9 09/1 09/5 09/9 10/1 10/5 10/9 11/1 11/5 11/9 12/1 12/5 12/9 13/1 13/5 図 3.3 月別排水量の推移 Ⅳ-29

34 2) 排水水質 BSRE で通常行っている水質分析の採水地点は排水処理装置への流入と流出部分のみであり 個別の工程排水毎の水質分析は行っていない また 嫌気性処理による分解速度を考慮すると 溶解性 CODcr と固形性 CODcr の内訳を調べることが重要であるとともに メタンガス発生量に影響を及ぼす重金属等の物質についても測定することが必要である これらのことから 生産工程別の排水をサンプリングし分析を行った 工程別の排水水質を測定した結果を以下に示す まず S-CODcr( 溶解性 ) と T-CODcr( 溶解性 固形性の合計 ) の濃度は溶解性 CODcr の割合が少ないこと また工程によってその傾向が異なることが分かる さらに メタン発酵に影響を与える物質として硫酸イオン (SO - 4 ) や金属があげられるが 系統によって硫酸イオン濃度が高いものがあり 影響が懸念される 水質項目 表 3.2 Unit 工程排水別の水質分析結果 工程排水 1 工程排水 2 沈殿池流出水 工程排水 3 反応タンク流入水 T-CODcr mg/l S-CODcr(VFM-Filter) mg/l S-CODcr mg/l T-BOD mg/l S-BOD mg/l NH3-N mg/l SO4 ion mg/l PO4-P mg/l 注 ) 排水種別の番号は図 3.2 の番号と対応している 表 3.3 メタン発酵に影響を与える物質の排水水質分析結果 項目単位工程排水 2 工程排水 1 反応タンク流入水系列 1 反応タンク流入水系列 2 SO 4 ion mg/l Ca mg/l Mg mg/l Fe mg/l K mg/l Ni mg/l <0.044 <0.044 <0.044 <0.044 Cr mg/l <0.020 <0.020 <0.020 <0.020 Zn mg/l < Sn mg/l <0.076 <0.076 <0.076 <0.076 Ⅳ-30

35 次に 活性汚泥処理施設の流入水と処理水の水質 (CODcr BOD NH 3 -N) とその除去率を表 に示す 全ての水質項目が除去率 90% 以上であり CODcr はほぼ 50mg/l 以下と排水基準を大幅 に下回っており 排水処理施設は良好に処理されている 表 3.4 既存活性汚泥処理施設の流入水と処理水の水質 除去率 CODcr(mg/L) BOD(mg/L) NH 3 -N(mg/L) 流入水 処理水 除去率 流入水 処理水 除去率 流入水 処理水 除去率 % % % % % % % % % % % % % % % % % % 平均 93.3% 93.1% 95.1% 注 )2013 年は 1 月から 8 月までの実績 表 3.5 既存活性汚泥処理施設の曝気槽の MLSS DO 濃度 系列 1(mg/L) 系列 2(mg/L) MLSS MLDO MLSS MLDO , , , , , , , , , 平均 2, , 注 )2013 年は 1 月から 8 月までの実績 系列 2 は 2011 年からの稼働である Ⅳ-31

36 メタンガス発生実験 溶解性 CODcr の割合が少ないことや 若干の発酵阻害物質を含むことを踏まえ メタンガス発 生実験を実施した 1) 実験原水実験原水の試料と水質は以下のとおりである 試料は TSS ろ過後と VFA ろ過後の 2 種類としている TSS ろ過後はろ紙の目が細かいためほとんどの固形性 CODcr は含まれず VFA ろ過後はろ過の目が粗いため細かな固形性 CODcr が含まれている このようにろ過後の試料を使っているのは 嫌気性処理の前段で沈殿処理を行うことを想定していることによる 表 3.6 実験原水の水質 項目 TSS ろ過後 試料 VFA ろ過後 試料 ph 導電率 ms/m CODCr T mg/l S mg/l TOC mg/l T-N mg/l T-P mg/l ) 実験条件 実験条件は以下のとおり 嫌気性処理のもととなるバイオマス ( 微生物 ) を投入してガス発生 実験を行った 表 3.7 実験条件 分類 項目 実験条件 1 試験原水 ブランク - 排水 (TSS ろ過試料 VFA ろ過試料 ) - 2 試験サンプル組成 グラニュール汚泥 ( ビール工場より採取 ) 10% 排水または標準液 ( 純水 ) 80% りん酸 Buffer 10% 3その他 試験時水温 35 前後 汚泥からの溶出を防ぐ目的で 振とう方式にて実施 Ⅳ-32

37 3) メタンガスの発生状況 VFA TSS ともにメタンガス発生量に大きな差は見られなかった なお 20 時間後まではブランクとの差がないが この期間は実験系内での馴致期間と判断でき 連続処理系施設での反応時間は 本実験結果よりも 20 時間程度 短縮されると判断できる Gas gen era tion (ml /L) Time (hr) 図 3.4 メタンガス発生量の推移 4) 有機物分解率 (1) 溶解性有機物 (S-CODcr) の分解率嫌気性処理実験開始前 開始後の S-CODcr の値を次表に示す 実験期間中の S-CODcr 除去量から 嫌気性処理による S-CODcr の分解率は約 80% と算出される 表 3.8 実験結果 項目 ブランク 排水排水 ( ブランク考慮 ) TSS VFA TSS VFA T-CODcr 開始 S-CODcr 開始 S-CODcr 終了 S-CODcr 分解量 S-CODcr 分解率 % 81% Ⅳ-33

38 (2) 固形性 CODcr(SS-CODcr) の分解率図 3.4 に示すとおり VFA ろ過試料と TSS ろ過試料でのメタンガス発生量はほぼ同量であったが 表 3.8 のとおりメタンの原料となる S-CODcr の分解量は VFA ろ過試料の方が 168mg/L-105mg/L=63mg/L 少ないため この差分の 63mg/L 分は VFA ろ過試料に含まれる微小な * 固形性 CODcr(SS-COD) が分解されて補充されていると想定される なお 実際の嫌気性処理実験はリン酸 Buffer 等を添加して実験原水を希釈しているため 微小な * 固形性 CODcr(SS-COD) の分解量 63mg/L を実験原水に換算すると 63mg/L (179mg/L 129mg/L)=87mg/L となる 以上の結果から 嫌気性処理による固形性 CODcr(SS-CODcr) 分解率を算定すると 以下のとおり 21.8% となった 表 3.9 固形性 CODcr(SS-CODcr) の分解率 項目 実験原水の濃度 嫌気性処理実験 での分解量 嫌気性処理 での分解率 T-CODcr SS-CODcr S-CODcr VFA フィルター残留物 微小な * 固形性有機物 672mg/L 672mg/L- 272mg/L =400mg/L 272mg/L 87mg/L+218mg/L =305mg/L 0mg/L と想定 87mg/L 272mg/L 82% =223mg/L 305mg/L 672mg/L =45.4% 87mg/L 400mg/L =21.8% 82.0% *: 本検討では VFA フィルターを通過する固形物 (TSS フィルターは通過不可能な物質 ) を 微小な 固形物として定義する 5) 実機における処理効果の設定嫌気性処理実験では工程排水そのものを対象としたが 実機においては嫌気性処理施設に送水される前に沈殿池において SS-CODcr の一部が沈殿 除去される この場合 沈殿池での SS-CODcr 除去に伴い SS-CODcr の組成 ( 微小な固形物の占める割合 ) が変化することから 嫌気性処理における SS-CODcr 分解率もそれを反映して補正する必要がある (1) 沈殿池での SS-CODcr 除去率の設定沈殿池では重力の作用によって固液分離が行われるため 除去対象となるのは重量の大きい固形性有機物である このため VFA フィルターを通過するような微小な固形性有機物や溶解性有機物は除去されず VFA フィルターに残留する大きな有機物のみが除去される 沈殿池での有機物除去率は 日本の下水道における一般的な固形性有機物の除去率 (67%) を参考に 安全率を見込んで 40% と設定した なお BSRE が 7/25 7/26 に実施した排水 B の沈降実験では 排水の沈降性は比較的良好であったことから 設定した SS-CODcr 除去率は過大な Ⅳ-34

39 設定ではないと見込まれる 排水 B 沈降試験 (7/25 実施時 ) 試験前試料 排水 B 沈降試験 (7/25 実施時 ) 6 時間静置後 図 3.5 BSRE による排水 B の沈降試験結果 ( 抜粋 ) (2) 嫌気性処理施設での有機物除去率の設定溶解性有機物 (S-CODcr) は沈殿池では除去されないため 嫌気性処理実験結果 (82%) をそのまま採用する 一方 固形性有機物 (SS-CODcr) のうち VFA フィルターに残留する大きな有機物は沈殿池において一部が除去されるが VFA フィルターを通過する微小な有機物は沈殿でも除去されないと想定するため 嫌気性処理による SS-CODcr の除去率は 36.3% となる 表 3.10 実機における固形性 CODcr(SS-CODcr) の除去率 項目 実験原水 沈殿池での 除去濃度 嫌気性処理 流入水質 嫌気性処理で の 分解可能量 嫌気性処理で の 除去率 SS-CODcr 400mg/L 400mg/L 40% =160mg/L 240mg/L 87mg/L 36.3% S-CODcr 272mg/L 0mg/L 272mg/L 223mg/L 82.0% Ⅳ-35

40 エネルギー使用量の調査排水処理で使用されたエネルギー量を表 3.11 に示す 排水処理での年間電力使用量は 5 年間平均で 2,367MWh/ 年 その発電のために用いられた軽油は 751kL/ 年と推計されている また 工場内での発電電力量と軽油使用量から 5 年平均の発電効率は 30.2% 発電電力量 1kWh 当りの軽油使用量は 0.317L/kWh であった ( 表 3.12) さらに 2012 年度の軽油購入額が 万 US$ であることから 軽油単価は US$/L である (1US$=10,000IDR と設定 ) 表 3.11 排水処理で使用されたエネルギー量 電力使用量 (kwh/y) 軽油使用量推計値 (L/y) 系列 1 系列 2 合計 系列 1 系列 2 合計 ,265,611-2,265, , , ,700,101-1,700, , , ,941,840-2,941, , , ,753,540 1,177,160 2,930, , , , ,132, ,040 1,996, , , ,348 平均 1,958,642 1,020,600 2,366, , , ,390 注 ) 軽油使用量は全体の使用量から電力使用量比で推計したもの 表 3.12 工場内での発電電力量 軽油使用量 発電電力量 (kwh/y) 軽油使用量 (L/y) 発電効率 (%) 電力量当り軽油使用量 (L/kWh) ,852,613 5,496, % ,926,430 4,152, % ,790,774 5,744, % ,356,861 5,408, % ,577,472 4,094, % 平均 15,700,830 4,979, % 注 ) 軽油発熱量 37.7MJ/L 1kWh=3.6MJ 2012 年の軽油購入費用は 万 US$ より 軽油単価は US$/L Ⅳ-36

41 天然ゴム製造業の実態調査インドネシアの天然ゴム製造工場に対して以下の実態調査を行った 調査項目は以下のとおりである 1 ゴム製品名 ( 種別 ) 2 ゴム生産量 3 PROPER ランク 4 燃料使用量 5 電力使用量 6 自家発燃料 7 自家発電量 8 排水処理法 9 排水水質 10 排水基準及びその根拠法規制 11 排水処理に要するエネルギー調査はまずアンケートの配布による記入をお願いし その後電話による聞き取り調査を行った その結果を表 3.13 に示す 回答を得られた工場は 15 箇所であり ゴム製品種別はほとんどが技術的格付けゴム (Technically Specified Rubber) と呼ばれる種類であり 製品名は SIR(TSR のインドネシア生産の製品名 )20 10( ゴムに含まれる不純物と灰分の量により格付け ) といわれるものである ゴム生産量は最大でも 5 万 t/ 年未満であり BSRE の 7 万 t/ 年超は相当多いことが見て取れる 生産工程で用いている燃料は軽油がほとんどであり 軽油で自家発電を行っている工場は 11 箇所と全体の 3/4 を占めている また PROPER 制度の評価ランクは青 BLUE が 10 箇所 対象外が 5 箇所であり 工場での環境管理が基準を満たしていると評価されている工場が多くなっている 工場が採用している排水処理法は 14 工場で活性汚泥法が採用されている また その工場に適用されている排水基準については 第 2 章に示した環境大臣令 1995 年第 51 号が多かったが 各州の知事令を挙げた工場も幾つかあり 特に南カリマンタン州知事令の排水基準値は大臣令より厳しい排水基準となっていた (BOD20mg/L CODcr40mg/L SS50mg/L) 1 日平均排水量は 非常にばらつきが大きく 1000m 3 / 日未満が 4 箇所 1000m 3 / 日から 2000m 3 / 日が 3 箇所 2000m 3 / 日から 3000m 3 / 日が 3 箇所 3000m 3 / 日以上が 3 箇所となっていた 排水水質は CODcr の 500mg/L 以上が 6 箇所 それ以下が 6 箇所となっていた また処理水の CODcr は全て 200mg/L 未満であり環境大臣令を全ての工場が満たしていた さらに 環境大臣令より厳しい各州の知事令についても CODcr については全ての工場で満足していた Ⅳ-37

42 Ⅳ-38 No 製造製品 製品種別 表 3.13(1) インドネシアにおける天然ゴム工場の調査結果 (1) 生産量 (t/ 年 ) 軽油 (L/ 年 ) 燃料使用量 石炭 (t/ 年 ) その他 ( 卵や貝の殻 ) 生産工程用エネルギー 軽油 (L/ 年 ) 自家発電量 石炭 (t/ 年 ) その他 グリット購入 電力 (kwh/ 年 ) 自家発電電力量電力 (kwh/ 年 ) 1 技術的格付けゴム (SIR20) 34,209 83,673 2, , ,603, 青 2 技術的格付けゴム (SIR20) 25, ,826 1,393,974 4,639,014 青 3 遠心分離ラテックス技術的格付けゴム (SIR10/10VK/20/20VK) 技術的格付けゴム (SIR 3CV/3L) スキムブロック 12, , (t/ 年 ) 11,085 1,865,600 1,680,000 4 クラムラバー 36, ,000 (kg/ 年 ) 110,000 2,424,000 3,538,080 青 PROPER 評価ランク 青 5 技術的格付けゴム (SIR10) 技術的格付けゴム (SIR20) 30, , ,119,600 4,219,500 青 6 技術的格付けゴム (SIR20) 42, ,000 3, ,000 10,088,000 10,088,000 青 技術的格付けゴム (SIR20) 7 46, ,938 2,816,856 (kg/ 年 ) 2,577,917 技術的格付けゴム (SIR10) 11,111 青 技術的格付けゴム (SIR10) 8 技術的格付けゴム (SIR20) 技術的格付けゴム (SIR20 コン 24,000 1,985,000 3,000 パウンド ) 青 9 技術的格付けゴム (SIR20) 20, , ,000 青 10 クラムラバー 22, , ,761 青 11 技術的格付けゴム (SIR20) 41,366 1,480,404 30,624 12,360, , 技術的格付けゴム (SIR 3CV) 技術的格付けゴム (SIR10) 7,072 27,100 1,000, 技術的格付けゴム (SIR10/20) 24, ,000 1, 技術的格付けゴム (SIR20) 35, , ,696 5,004, , クラムラバー 15,000 11,541 1,682 3,154,801 対象外

43 Ⅳ-39 No 排水処理法 表 3.13(2) インドネシアにおける天然ゴム工場の調査結果 (2) 排水基準 BOD (mg/l) 排水処理 COD (mg/l) SS (mg/l) 基準値 T-N (mg/l) NH3N (mg/l) ph 排水量 ( m3 / 年 ) 排水量 排水量 ( m3 / 日 ) 年間稼働日数 ( 日 ) 1 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号および2012 年南スマトラ州知事令第 8 号 ,812 1, 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,592 1, 活性汚泥法 年環境大臣令第 51 号 , 嫌気性ラグーン法 4 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,965 1, 活性汚泥法 2007 年南カリマンタン州知事令第 4 号 ,081 2, 活性汚泥法 1997 年西ジャワ州知事令第 614 号 , 前後 7 活性汚泥法嫌気性ラグーン法 産業 ホテル 病院 家庭 石炭鉱業における廃液基準に関する 2012 年南スマトラ州知事令第 8 号 ( 1995 年環境大臣令第 51 号 と同じ基準値 ) ,190,232 3, 活性汚泥法 8 オキシデーション 2008 年南カリマンタン州知事令第 36 号 , ディッチ法 9 活性汚泥法ミョウバンと石灰による物理化学的処理 1995 年環境大臣令第 51 号 ,669 2, 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,402,754 4, 活性汚泥法嫌気性ラグーン法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,594 2, 嫌気性ラグーン法 1995 年環境大臣令第 51 号 活性汚泥法 2008 年南カリマンタン州知事令第 36 号 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,006,654 3, 活性汚泥法 1995 年環境大臣令第 51 号 ,

44 Ⅳ-40 表 3.13(3) インドネシアにおける天然ゴム工場の調査結果 (3) 排水処理 No BOD (mg/l) COD (mg/l) SS (mg/l) 流入水質 T-N (mg/l) T-P (mg/l) NH3N (mg/l) ph BOD (mg/l) COD (mg/l) SS (mg/l) 処理水質 T-N (mg/l) T-P (mg/l) NH3-N (mg/l) ph , 今のところ計測していない , ,

45 BSRE における熱需要調査 BSRE における発電廃熱の熱利用については 1 事務所や宿舎などでの給湯の熱源としての利用と2ゴムの乾燥工程での利用の 2 種類が考えられる まず 給湯については事務所や宿舎などの需要が点在している上 インドネシアではシャワーなども水を使うため湯としての利用用途が少なく その利用量はわずかである 一方 ゴムの乾燥工程は現状では軽油焚きの乾燥機を用いているが 現在これを変更する計画が進んでおり この変更の機会を利用して発電廃熱を利用した乾燥機の導入が考えられる ただし 既存の乾燥機の全てを代替できないことから 変更される乾燥機との併用になる 今後 変更される乾燥機と本熱利用施設との経済性や運転性能などとの比較検討が必要であるが 本調査では乾燥機の補完的な役割を持った乾燥機として発電廃熱の利用を行うケースを想定する 発電廃熱の利用可能熱量と代替可能な軽油量について以下に試算した結果を示す 下図に示すように発電廃熱を温水にて回収し さらにこれを熱交換器により乾燥空気として回収することによって ゴム乾燥の熱源とするものである 表 3.14 発電廃熱利用量の計算条件 ( 熱交換器 1 ユニット当たり ) 数 値 備考 温水流量 100L/min 25.8m3/hr 60 4 ユニット 温水温度 85 還り 71 ( 設定した熱交換器の諸元 ) 乾燥空気風量 V 143m 3 /min 温度 28 でのファン定格風量 熱交換前空気温度 T1 28 熱交換後空気温度 T2 62 空気密度 ρ 1.173kg/m3 28 における密度 空気定圧比熱 cp 1.006kJ/kg K 乾燥空気 温度 :28 風量 :143.8m3/min コージェネレーション 温水回収 kW 熱交換器温度 :62 71 ユニット 96.2kW 熱交換器ユニット 温度 : kW 熱交換器ユニット 温度 : kW 熱交換器ユニット 温度 : kW 図 3.6 発電廃熱をゴム乾燥熱源として利用する熱交換器の条件 Ⅳ-41

46 表 3.14 の計算条件に基づき発電廃熱の利用量と軽油軽減量を算定した結果を下表に示す 同表に示すように 熱交換器 1 ユニット当りの発熱量は 5,700kJ/min であり これに年間稼働時間を乗じて年間発熱量 MJ/ 年を得る この熱量を一般的な乾燥機の燃焼効率 88% と設定して軽油使用量に換算すると 114kL と算定される 1 ユニット 当り発熱量 表 3.15 数値 5,700kJ/min ユニット 発電廃熱の熱供給量及び軽油削減量計算根拠 Q= V ρ cp (T2-T1) =143m 3 /min 1.173kg/m kJ/kg K (62-28 ) 総発熱量 22.8MJ/min 5,700KJ/min ユニット 4 ユニット /1000 年間発熱量 MJ/ 年 22.8MJ/min 60min/hr 3,450hr/ 年 0.8 ( 年間稼動時間 =10 時間 / 日 345 日 / 年 稼働率 80%) 軽油削減量 114kL/ 年 MJ/ 年 37.7MJ/L 0.88 軽油の発熱量 37.7MJ/L 乾燥機の燃焼効率 88% と仮定 Ⅳ-42

47 4. JCM 方法論に関する調査結果 4.1. JCM 方法論の概要 本方法論は UNFCCC 承認済小規模 CDM 方法論 AMS-Ⅲ.H. を参考とし 嫌気性処理導入による 天然ゴム製造工場の排水処理改善の結果としての GHG 削減量を評価するものである リファレンスシナリオとプロジェクトシナリオの設定 1) リファレンスシナリオ天然ゴム製造工場からの排水を 目標処理水質まで既存の活性汚泥処理施設によって処理した後 公共用水域に放流することをリファレンスシナリオとして設定する Energy from fossil fuel Natural rubber production plant Waste water treatment plant (aerobic) 図 4.1 リファレンスシナリオのイメージ 2) プロジェクトシナリオ天然ゴム製造工場からの排水を 嫌気的に処理した後 既存の活性汚泥処理施設で目標処理水質まで処理するとともに 嫌気性処理プロセスから回収されるメタンガスをエネルギー利用することをプロジェクトシナリオとして設定する Biogas generator Renewable energy CH 4 Energy from fossil fuel Natural rubber production plant Biosaver TM TK Waste water treatment plant (aerobic) 図 4.2 プロジェクトシナリオのイメージ Ⅳ-43

48 本方法論で評価する GHG 削減効果天然ゴム製造工場における既存の好気性排水処理施設 ( 活性汚泥処理施設 ) の前段に嫌気性処理を導入することで得られる以下の GHG 削減要因についてその効果を評価する 削減要因 1 嫌気性処理プロセスから回収されるメタンガスを用いた発電電力の利用 排水中の有機物を好気性処理して二酸化炭素まで分解する代わりに 嫌気的に有機物を分解することでメタンが生成される 生成されたメタンをそのまま大気中に放出するのではなく メタンガス発電を行い電力として排水処理施設等でエネルギー利用することで 従来用いられていた化石燃料由来の電力が削減され GHG 削減効果が得られる 削減要因 2 好気性処理施設への流入有機物負荷低減による水処理エネルギー削減 活性汚泥処理施設の前段に嫌気性処理を導入して前処理を実施することで 活性汚泥処理施設への流入有機物濃度 ( 有機物負荷 ) が 嫌気性処理導入前に比べて低減する 活性汚泥処理施設でのエネルギー消費量の大部分は送風機による酸素供給によるものであり 供給された酸素の一部は活性汚泥による有機物の分解に利用される このため 活性汚泥処理施設への有機物負荷が低減すると 有機物分解のための必要酸素量も減少する 有機物分解のための必要酸素量が減少した分 送風機の出力 ( もしくは運転時間 ) を低下させることが可能となり エネルギー消費量の削減 すなわち GHG 排出量の削減効果が得られる 削減要因 3 コジェネレーションシステムから回収される熱の利用 コジェネレーションシステムを用いることで 電力だけではなく熱エネルギーも回収可能となる 回収された熱を給湯や天然ゴム製造プロセスにおいて利用することで 従来用いられていた化石燃料が削減され GHG 削減効果が得られる Ⅳ-44

49 GHG 排出量の評価方法の概要 1) GHG 排出量の評価対象 (1) GHG 排出量の評価対象項目本方法論では モニタリング項目及び算定プロセスの簡素化のため GHG 排出量の評価対象は以下の 4 項目とした 評価対象 1 活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 評価対象 2 嫌気性処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 評価対象 3 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 評価対象 4 コジェネレーションシステムから供給される熱エネルギー生成のために本来使用される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 (2) GHG 排出量の評価対象外項目モニタリング項目及び算定プロセスの簡素化のため 以下の 6 項目については GHG 排出量の評価対象外とした 対象外 1 メタン回収を行わない排水処理システムからの CH 4 排出量 対象外 2 放流される処理水中の分解性有機物に起因する CH 4 排出量 対象外 3 汚泥処理システム 最終汚泥の腐敗からの CH 4 排出量 対象外 4 補足システムの非効率性に起因する CH 4 排出量 対象外 5 不完全なフレア処理を原因とする CH 4 排出量 対象外 6 ベースライン状況では発生しない嫌気的条件下に保持されるバイオマスからの CH 4 排出量 2) 収集が必要なデータ 情報本方法論で収集する必要のあるデータ及び情報は以下のとおり なお プロジェクト実施前のモニタリングデータの蓄積状況から リファレンス排出量の算定方法には 2 種類のオプションを検討しており それぞれモニタリング項目が異なる内容となっている Option-A: 実施前に 4 年以上の月毎の水量 水質データが蓄積されている場合 過年度の活性汚泥処理施設の運転実績から リファレンス排出量を算定 Option-B: 上記データが蓄積されていない場合 活性汚泥処理施設の設計条件から リファレンス排出量を算定 Ⅳ-45

50 表 4.1 収集が必要なデータ 情報 (Option-A) 分類種別モニタリング項目 プロジェクト実施前プロジェクト実施後 水量 排水発生量 4 年間分以上の月合計値 水質 排水水質(CODcr) 4 年間分以上の月平均値 処理水水質(CODcr) 4 年間分以上の月平均値 エネルギー消費量 活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費量 4 年間分以上の月合計値 温水製造 既存の温水製造設備の効率 設備の能力 水量 排水発生量 ( 月合計値 ) 水質 排水水質(CODcr) エネルギー 排水処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費量 消費量 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替 される化石燃料由来のエネルギー消費量 熱供給量 水量 水温( 加温前 加温後 ) 表 4.2 収集が必要なデータ 情報 (Option-B) 分類種別モニタリング項目 プロジェクト実施前プロジェクト実施後 活性汚泥法 設計総エネルギー使用量処理施設の 送風機での設計エネルギー消費量設計条件 ポンプ設備での設計エネルギー消費量 設計必要酸素量 内訳 散気装置の酸素溶解効率温水製造既存の温水製造設備の効率設備の能力水量排水発生量 ( 月合計値 ) 水質 排水水質(BOD NH3-N) エネルギー 排水処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費量消費量 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃料由来のエネルギー消費量熱供給量 水量 水温( 加温前 加温後 ) 4.2. 用語の定義 本方法論で設定する用語とその定義は表 4.3 のとおり 目標処理水質 については 天然ゴム製造工場における排水処理施設の処理レベルを規定す Ⅳ-46

51 るものである インドネシアの天然ゴム製造工場では PROPER 制度において緑評価されている工場が 5 箇所あり そこでは BSRE のように排水基準値を大きく下回る水質を目標処理水質として設定し 自主的な環境改善努力を行っている このため 処理水質のレベルを法律で定められる排水基準で一律に取り扱った場合 上述した BSRE のような環境意識の高い工場の取組努力 ( よりコスト ( エネルギー ) をかけて 水質を良くする ) がネガティブに評価されることとなる このため 目標処理水質 という概念を導入し 排水基準値以下の範囲内で工場が排水処理施設による処理レベルを柔軟に設定できるようにすることで 排水基準値に比べてより良好な目標を目指す工場でも GHG 削減量の評価対象となるようにした 表 4.3 用語の定義 用語定義設定理由と効果 排水処理水活性汚泥処理目標処理水質 プロジェクトの対象とする天然ゴム製造工場から発生する 目標処理水質を超過する排水処理の対象となる水のこと 排水処理により 目標処理水質以下まで水質が低下した排水のこと 好気的な環境で 浮遊性の微生物 ( 活性汚泥 ) を用いて排水を処理すること プロジェクト実施前の排水処理施設の水質管理において目標としている処理水 CODcr のことで 法律で定められた排水基準値以下であることが必須 排水処理プロセスへの流入水 流出水を明確に区分するため 流動床法等の非浮遊性の微生物を用いた好気性処理と明確に区分するため 排水基準 50% 値等を目標とする工場の自主的な環境順守活動を適切に評価するため 4.3. 適格性要件 天然ゴム製造工場から排出される有機性排水の処理技術としては 活性汚泥法が一般的に用いられているが 活性汚泥法は好気性環境下でその能力を発揮することから 酸素を供給するための曝気のために多量のエネルギーを消費し 化石燃料由来の CO 2 排出量及び処理コストの増加が課題として挙げられる 上記課題への対応策として 酸素を必要とせずに有機物を分解できる嫌気性微生物を用いた嫌気性処理を前処理として導入し 活性汚泥処理での曝気エネルギーを低減するとともに 回収されるメタンをエネルギー利用することで 処理エネルギー 処理コストを削減する排水処理システムの実用化が進行している Ⅳ-47

52 ただし 嫌気性処理で有機物分解を担う微生物 ( メタン生成細菌 ) は好気性微生物に比べて増殖速度が遅いため 処理にかかるトータルコストの面から菌体を反応タンク内に高濃度に保持できる UASB 法とその類似法の適用が主である しかし 菌体を高密度に保持するために中 高濃度 (CODcr:2,000~10,000mg/L) の有機性排水が処理対象とされている * *: 珠坪一晃, 省エネルギー型水 炭素循環処理システムの開発, 国立環境研究所特別研究報告,SR 本方法論は UASB 法が適用対象外とする低濃度有機性排水 (CODcr:500~2,000mg/L) を処理対象とし このような低濃度の排水でも生物付着担体を用いることで反応タンク内に菌体を高濃度を保持することのできる新技術 ( バイオセーバー TK) の導入を想定するものである 本技術が対象とする低濃度有機性排水はホスト国でも天然ゴム製造排水や食品製造排水等を中心に多く発生していると見込まれ JCM プロジェクトの下で本技術の導入が進むことで 日本製排水処理技術の普及拡大とホスト国の持続可能な発展に寄与するものと考えられる このような背景を踏まえ 本方法論で設定する適格性要件は表 4.4 に示すとおりとする 表 4.4 適格性要件 項目 内 容 既存の活性汚泥処理施設の前段に嫌気性処理を導入し 天然ゴム製造排水 (CODcr の 要件 1 設計水質 * が 2,000mg/L 以下 ) 中の生物起源有機物から メタンガスを回収 利用する 事業であること 要件 2 設定された目標処理水質が嫌気性処理導入前でも達成されており 嫌気性処理導入後も引き続き 同じ目標処理水質が適用される計画であること 要件 3 80% 以上の溶解性 CODcr 除去率が得られることが カタログ或いは技術資料に記載されている嫌気性処理技術を導入する事業であること 要件 4 回収したメタンガスは全量発電及び / 或いは熱生成に利用し 自社内で消費するかグリッドへ供給すること 要件 5 既存の活性汚泥処理施設が 流入負荷の変動に応じて水処理エネルギー ( ブロワ電力消費量等 ) の制御が可能となる施設であること *: 既存の活性汚泥処理施設の設計時に計画された排水水質のこと また 各要件の設定理由は以下のとおりである (1) 要件 1 の設定理由嫌気性処理導入による既存の活性汚泥処理施設の改善 ( エネルギー削減 GHG 削減 ) 事業のスキームを示すとともに CODcr 計画排水水質 :2,000mg/L 以下の低濃度有機性排水からメタンガスを回収 利用する事業と限定することで 方法論で導入を想定する バイオセーバー TK に嫌気性処理技術を限定する意図に基づき設定 Ⅳ-48

53 (2) 要件 2 の設定理由 JCM 制度に基づくプロジェクト実施後の MRV の遂行能力を有す工場への導入に限定するため PROPER 制度でブルーランク以上相当の工場が対象となるよう設定 また 自主的に排水基準値よりも低い目標水質を設定している工場に対しても 嫌気性処理導入による GHG 削減量が適切に評価されるよう設定 (3) 要件 3 の設定理由 粗悪な嫌気性処理技術を排除するため 溶解性 CODcr 除去率 :80% 以上が事前にカタログ 技 術資料において事前に保証されている嫌気性処理技術に限定する意図に基づき設定 (4) 要件 4 の設定理由 嫌気性処理プロセスから回収したメタンを漏洩なく全てエネルギー利用し 余剰メタンの大気 放出 フレア処理は実施しないよう事業スキームを定義するために設定 (5) 要件 5 の設定理由嫌気性処理を導入しても 活性汚泥処理施設において水処理エネルギーの制御が不可能な場合 プロジェクト実施後の排出量 ( エネルギー消費量 ) が増加するリスクがあるため そのような工場を事前に排除する意図に基づき設定 Ⅳ-49

54 4.4. 対象 GHG 及びその排出源 対象とする GHG 排出源本方法論では 以下の条件を満たす GHG 排出源からの GHG 排出量を算定対象とする リファレンスシナリオ プロジェクトシナリオにおいて実際に排出される GHG プロジェクト実施による GHG 削減量に影響を及ぼす GHG プロジェクト排出量の算定において保守的に省略することができない GHG 上記条件に基づく具体的な GHG 排出源は表 4.5 に示すとおり 表 4.5 算定対象とする GHG 排出源 分類 GHG 排出源 GHG 種類 リファレンス排出量プロジェクト排出量 活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量嫌気性処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量コジェネレーションシステムから供給される熱エネルギー生成のために本来使用される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 CO 2 CO 2 CO 2 CO 2 CO 2 Ⅳ-50

55 算定対象外とする GHG 排出源本方法論で算定対象外とする GHG 排出源とその理由は以下のとおり 対象外 1 メタン回収を行わない排水処理システムからの CH 4 排出量 本方法論では活性汚泥処理施設が該当するシステムとなる 活性汚泥処理施設は好気条件に維持されており CH 4 は排出されないため 評価対象外とする 対象外 2 放流される処理水中の分解性有機物に起因する CH 4 排出量 本方法論ではプロジェクト前後で目標処理水質が同じであることを前提とする このため 本排出量は GHG 削減量には影響しないことから 評価対象外とする 対象外 3 汚泥処理システム 最終汚泥の腐敗からの CH 4 排出量 プロジェクト後の汚泥発生量はプロジェクト前に比べて減少するため 本排出量はリファレンスシナリオに比べてプロジェクトシナリオの方が少なくなる ただし 汚泥発生量のモニタリングには労力を要するため 保守的に評価対象外とする 対象外 4 補足システムの非効率性に起因する CH 4 排出量 嫌気性処理で発生したバイオガスは 漏洩なく全てエネルギー利用するシステムであるため 評価対象外とする 対象外 5 不完全なフレア処理を原因とする CH 4 排出量 発生したバイオガスは全てエネルギー利用し フレア処理は実施しないシステムであるため 評価対象外とする 対象外 6 ベースライン状況では発生しない嫌気的条件下に保持されるバイオマスからの CH 4 排出量 発生したバイオガスは全てエネルギー利用し フレア処理は実施しないシステムであるため 評価対象外とする Ⅳ-51

56 4.5. 算定のための情報 データ GHG 排出量算定のために必要な情報 データ算定対象とする GHG 排出源からの GHG 排出量算定に必要な情報 データは表 4.6 に示すとおり なお リファレンス排出量については 算定方法 (Option-A B) によって 必要となる情報 データが異なる リファレンス排出量 Option の詳細は後述 表 4.6 GHG 排出量算定のために必要な情報 データ 分類 GHG 排出源 必要な情報 データ リファレンス排出量 (Option-A) 活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 過去 4 年間分以上 * の下記データ 月平均排水 CODcr 月平均処理水 CODcr 月合計排水量 月合計エネルギー消費量 上記に基づき設定される活性汚泥処理施設のエネルギー消費量推定式 リファレンス排出量 (Option-B) 活性汚泥処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 下記に示す設計条件 送風機での設計電力消費量 ポンプ設備での設計電力消費量 設計必要酸素量 内訳 設計水質(BOD NH 3 -N) 散気装置の酸素溶解効率 プロジェクト 活性汚泥処理施設での化石燃料由来 化石燃料由来の電力消費量 排出量 のエネルギー消費による GHG 排出量 嫌気性処理施設での化石燃料由来の 化石燃料由来の電力消費量 エネルギー消費による GHG 排出量 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃 排水処理施設外に供給されたメタンガス発電電力量 料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 コジェネレーションシステムから供給される熱エネルギー生成のために 既存の熱供給設備の効率 熱供給量 本来使用される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 共通 算定対象とする全排出量 使用される化石燃料由来のエネルギーの排出係数 *:PROPER 制度では 緑評価以上の要件として 過去 4 年間の水量 水質データを報告することを求めており 本方法論でもそれに準拠した Ⅳ-52

57 必要な情報 データの入手方法 表 4.6 で挙げた各種データの事前設定可否及 ( 設定可の場合は設定根拠 ) とプロジェクト実施 後のモニタリング要否を整理すると表 4.7 に示すとおり 表 4.7 GHG 排出量算定に必要な情報 データの入手方法 分類 必要な情報 データ 可否 事前設定 設定根拠 事業後のモニ タリング要否 リファレンス 排出量 (Option-A) 過去 4 年間分以上の水量 水質データ 活性汚泥処理施設のエネルギー消費量推定式 可 工場の維持管理記録 不要 工場の維持管理記録を 可 用いた解析結果 不要 リファレンス排出量 (Option-B) プロジェクト排出量共通 各種設計条件 活性汚泥処理施設の設可計資料 不要 活性汚泥処理施設 嫌気性処理 施設での化石燃料由来の電力 否 - 必要 消費量 排水処理施設外に供給されたメタンガス発電電力量 否 - 必要 既存の熱供給設備の効率可 熱供給設備のカタログ 不要 熱供給量否 - 必要 IPCC デフォルト値 供給される化石燃料由来のエ可 工場内での電力 温不要ネルギーの排出係数水供給システム Ⅳ-53

58 BSRE における運転安全率 (-) 4.6. デフォルト値の設定 化石燃料 ( 軽油 ) の排出係数 (Option-A Option-B) 本方法論では 化石燃料 ( 軽油 ) の排出係数をデフォルト値として設定する 具体的な数値は IPCC が定めるデフォルト値 ( 表 4.8 参照 ) を使用する 表 4.8 軽油の排出係数 化石燃料単位発熱量排出係数 軽油 36.1 GJ/kL 74.1 t-co2/tj 出典 )2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories Volume 2 Energy 既存活性汚泥処理施設の運転安全率 (Option-B のみ ) Option-B では 流入負荷の変動に完璧に追随してブロワ及びポンプ能力を随時調整する理想的な状態 ( 理想状態 ) を基本として想定するが 実際の排水処理の現場では 水質 水量の変動に完璧に運転管理を追随させることは技術的に不可能であるため 現実的には 流入条件の変動に対しても目標処理水質 ( 排水基準 ) を安定的かつ確実に満足するために 一定の安全率を考慮した上で 可能な限りエネルギー削減に努めることとなる Option-B における設計条件に基づくリファレンス排出量の算定に当たっても 上記のような排水処理施設の運転管理の実態を加味することで リファレンス排出量を不適切に過小評価することを回避することとする このため インドネシアの他ゴム製造工場に比べて排水処理効率の良い BSRE( 後掲の図 4.7 参照 ) における運転安全率 * の実績を整理した結果 ( 図 4.3 参照 ) リファレンス排出量を保守的に評価するため その最小値 (1.39) を運転安全率のデフォルト値として設定する *: エネルギー消費量実績値を理想状態でのエネルギー消費量で除した値 /4 11/6 11/8 11/1011/12 12/2 12/4 12/6 12/8 12/1012/12 13/2 13/4 13/6 13/8 図 4.3 BSRE における運転安全率の実績 Ⅳ-54

59 4.7. 事前設定値の設定方法 リファレンス排出量の算定オプションに応じて 排出量算定に必要な項目を以下のとおり事前 設定する 活性汚泥処理施設のエネルギー消費量推定式 Option-A 過去の水量 水質 エネルギー消費量データを用いて 活性汚泥処理施設のエネルギー消費量 を保守的に評価するための推定式を作成する 具体的には 横軸に CODcr 除去負荷量 縦軸にエネルギー消費量を設定し 過年度データをプ ロットして エネルギー消費量が下限となるプロットを抽出する 図 4.4 参照 エネルギー消費量 千kWh/月 350 全データ 下限データ CODcr除去負荷量 t-codcr/月 図 4.4 CODcr 除去負荷量とエネルギー消費量の関係 全データ 下限データ CODcr 除去負荷量が少ない範囲では 除去負荷量に応じてエネルギー消費量は直線的に増加す るが ある程度除去負荷量が多くなると処理効率性が高くなることから エネルギー消費増加量 は逓減傾向を示し 設計電力消費量で規定される上限値で頭打ちとなる このような傾向を示す近似式型として 以下に示す Monod 型曲線式を適用し 抽出された下限 データを用いて近似式を作成した結果を図 4.5 に示す Monod 型曲線式を適用した近似式 エネルギー消費量 千 kwh/月 μ CODcr 除去負荷量 t-codcr/月 K+CODcr 除去負荷量 t-codcr/月 Ⅳ-55

60 エネルギー消費量 ( 千 kwh/ 月 ) 全データ下限データ推定結果エネルギー消費量 ( 推定値 ) =(227 CODcr 除去負荷量 ) (42+CODcr 除去負荷量 ) CODcr 除去負荷量 (t-codcr/ 月 ) 図 4.5 エネルギー消費量推定式の設定結果 活性汚泥処理施設の各種設計条件 (Option-B) 既存の活性汚泥処理施設の設計資料から 表 4.9 に示す数値を引用 整理する 表 4.9 事前に引用 整理する活性汚泥処理施設設計条件 分類 項目 BSRE での値 設計電力消費量 主ポンプ 汚泥返送ポンプ 419 千 kwh/ 年 送風機 2,365 千 kwh/ 年 送風機設計条件 必要酸素量 ( 総量 ) 7,117kgO 2 / 日 必要酸素量 ( 有機物分解 ) 3,196kgO 2 / 日 必要酸素量 ( 硝化 ) 2,535kgO 2 / 日 散気装置の酸素溶解効率 15% 設計水量 設計水量 9,167m3/ 日 設計水質 排水水質 (BOD NH3-N) BOD:621mg/L NH3-N:64mg/L 処理水質 (BOD NH3-N) BOD:40mg/L NH3-N:3.5mg/L *:BSRE 提供資料に基づく算定結果 電気の排出係数 (Option-A Option-B 共通 ) 本プロジェクトの対象となる BSRE では 軽油を燃料とした自家発電設備によって排水処理施 設で消費される電力の全てを賄っていることから 表 4.10 に示すとおり排出係数は Ⅳ-56

61 0.848kg-CO 2 /kwh と設定される 表 4.10 デフォルト値 ( 電力の排出係数 ) の設定 項目 単位 値 根拠 1 自家発の軽油消費量原単位 L/kWh ~2012 年の平均値 ( 表 4.9 参照 ) 2 軽油の熱量 GJ/kL 36.1 IPCCデフォルト値 3 軽油の排出係数 t-co2/tj 74.1 IPCCデフォルト値 BSREでの電気の排出係数 kg-co2/kwh ,000 表 4.11 自家発電設備の発電量 軽油消費量 原単位の実績 (2008~2012 年 ) Genset Electricity Generated (10 3 kwh/month) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec ,429 1,361 1,400 1,373 1,522 1,447 1,538 1,503 1,472 1,280 1,238 1, , ,388 1,490 1,377 1,422 1,522 1, ,525 1,399 1,450 1,642 1,442 1,500 1,581 1,465 1,346 1,485 1,407 1, ,482 1,375 1,516 1,452 1,494 1,530 1,521 1,395 1,351 1,371 1,402 1, ,366 1, ,279 1,290 1,395 1,297 1,122 1, ,263 Genset Fuel Consumption (kl/ month) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Fuel Consumption ratio (L/ kwh) Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Average ( ) 既存の熱利用設備の効率 給湯ボイラー 乾燥機等の既存の熱利用設備の熱変換効率をカタログ等から引用する 目標処理水質 (Option-A Option-B 共通 ) 本事業の排水処理レベルを規定する目標処理水質 (CODcr NH 3 -N) は Option に関わらず プロジェクト実施前の数値を継続して利用する BSRE では CODcr:50mg/L NH3-N:3.5mg/L を目標処理水質として設定する Ⅳ-57

62 4.8. リファレンス排出量の算定根拠 リファレンスシナリオとしては インドネシアの天然ゴム製造工場のうち 排水を排水基準以 下まで実際に処理している工場において導入されている排水処理方法によって 排水を処理した 場合を想定する 天然ゴム製造工場へのヒアリング調査実施概要リファレンスシナリオで想定する排水処理方法を特定するため PROPER 制度において 2012 年度に青ランク以上の評価を獲得している天然ゴム製造工場を中心にヒアリングを実施し 以下の情報を入手した 主なヒアリング調査項目 1 排水処理方法 2 排水処理に要した電力消費量 電力供給源 3 排水 処理水の水質 ヒアリング調査結果 ヒアリングによって上記情報を全て入手できたのは 5 工場 ( 一部データのみ入手できた工場 を含めると 10 工場 更に PROPER 対象外の工場を含めると 15 工場 ) であり その結果は表 4.12 に示すとおりである 2012 年 PROPER Rank 青 対象外 工場 No. 表 4.12 天然ゴム製造工場へのヒアリング結果概要 生産量排水量 CODcr(mg/L) 工場内の電力供給源排水処理 (t/ 年 ) 方式 (m3/ 日 ) 排水処理水グリッド自家発 1 34,209 活性汚泥法 1, ( 軽油 ) 2 25,773 活性汚泥法 1, ( 軽油 ) 3 12,243 嫌気ラグーン活性汚泥法 *1:BSRE で現状の排水処理形態となった 2011 年 4 月 ~2013 年 8 月の平均値 *2:365 日平均値 Ⅳ , ( 軽油 ) 4 36,000 活性汚泥法 1, ( 軽油 ) 5 30,758 活性汚泥法 2, ( 軽油 ) 6 42,659 活性汚泥法 ( 軽油 ) 7 46,133 嫌気ラグーン活性汚泥法 3, ( 軽油 ) 8 24,000 活性汚泥法 不明不明 9 20,000 凝集沈殿活性汚泥法 2, 不明不明 10 22,500 活性汚泥法 4, 不明不明 11 41,366 嫌気ラグーン活性汚泥法 2, ( 軽油 ) 12 7,072 嫌気ラグーン ,000 活性汚泥法 ,000 活性汚泥法 3, ( 軽油 ) 15 15,000 活性汚泥法 335 1, 緑 - 71,271 活性汚泥法 8,104 * ( 軽油 )

63 ヒアリング結果の概要は以下のとおりである 1) 採用されている処理方式ヒアリングを実施した青ランク以上の工場の全てで活性汚泥法による排水処理方式が導入されていた また PROPER 対象外の工場も含めると 活性汚泥法により排水処理を実施している工場は 15 工場中 14 工場であった このことから インドネシアの天然ゴム製造工場における一般的な排水処理方式は活性汚泥法であると判断される なお 一部工場で嫌気ラグーンが導入されており 導入工場に追加ヒアリングを実施したところ 沈殿池 流量調整池の代替機能が主目的であり 積極的な水処理効果を期待してのものではなかった また 嫌気ラグーンから放出されるメタンガスについても エネルギー利用はされておらず 大気放出されているのが実態であった 2) 排水の CODcr 濃度排水の CODcr は 83~1,203mg/L と濃度範囲が広いのが特徴であった 天然ゴムの加工工程で使用される薬品の種類等によってそれぞれ異なるものと推察される 本方法論で適用対象とする上限濃度 (2,000mg/L) を超過している工場はなく また バイオセーバー TK の適用範囲下限値 ( おおよそ 500mg/L) 以上の排水が発生している工場は 6 工場であり 排水水質データを入手できた工場 (13 工場 ) の約 5 割に相当した 3) 工場への電力供給源 PROPER 制度で青評価とされた工場では グリッドからと軽油を用いた自家発電設備から必要な電力を賄っている工場が多かった ( 回答のあった 7 工場中 5 工場 ) このような工場での供給源による電力消費量の内訳をみると ( 図 4.6 参照 ) 自家発電設備によって供給される電力量が総電力量の 5~6 割を占めていた また 電力供給源が軽油を用いた自家発電設備のみの工場も 2 工場であった グリッド電力の供給が不安定で日常的に停電が発生していることから グリッドに接続している工場でも 軽油を燃料とする自家発電設備が主な電力供給源となっている実態が伺えた Ⅳ-59

64 100% 供給源毎の電力消費量の内訳 (%) (2012 年実績 ) CODcr 除去負荷量当たりの電力消費量 ( 千 kwh/t-codcr) 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 自家発 グリッド 10% 0% 工場 No.3 工場 No.4 工場 No.5 図 4.6 供給源毎の電力消費量の内訳 ( グリッド 自家発併用工場 ) 4) BSRE の特徴 BSRE とヒアリング対象工場を比較すると BSRE の特徴として以下が挙げられる 導入されている活性汚泥法は天然ゴム製造工場での一般的な排水処理方式である 排水処理規模は約 8,000m 3 / 日 (365 日平均 ) であり 他の工場が 18~4,397m 3 / 日であるのに比べて 規模の大きい排水処理施設が導入されている 排水 CODcr は 520mg/L と 天然ゴム製造工場の概ね平均的な排水レベルである 排水処理施設の処理効率を評価する指標として CODcr 除去負荷量当たりの電力消費量を各工場で比較すると ( 図 4.7 参照 ) 最も効率の良い排水処理施設が導入されていると評価される BSRE 工場 No.4 工場 No.11 工場 No.5 工場 No.1 工場 No.3 図 4.7 排水処理施設の処理効率 ( 除去負荷量当たりの電力消費量 ) の比較 Ⅳ-60

65 リファレンスシナリオ 排出量の設定以上を踏まえ リファレンスシナリオとしては BSRE のように 軽油を燃料とする自家発電設備から供給された電力を消費して 活性汚泥処理施設のみで排水を処理するケースをリファレンスシナリオと設定する また 活性汚泥処理施設のみで目標処理水質まで排水を処理した場合に排出される GHG をリファレンス排出量とする 4.9. リファレンス排出量の算定方法 オプションの設定リファレンス排出量の算定に当たっては 図 4.5 に示すようなエネルギー消費量推定式の構築が重要となるが 推定式算定のための事業実施前 (4 年間以上 ) の運転 水質データの蓄積有無や 蓄積されたデータの精度によっては推定式の作成が不可能となる場合が考えられる このため 本調査では エネルギー消費量推定式の構築可否に応じて リファレンス排出量の算定方法が選択できるよう 2 通りのリファレンス排出量算定方法を検討した 各 Option の選択フローは以下のとおりである START 事業実施前のデータ蓄積有無 データ無 データ有 エネルギー消費量推定式の作成可否 作成不可 作成可 OptionA OptionB 図 4.8 リファレンス排出量の Option 選択フロー Ⅳ-61

66 リファレンス排出量の算定式 1) Option-A Option-A のリファレンス排出量は 排水処理施設で必要とされる CODcr 除去負荷量から 図 4.5 に示す推定式を用いて活性汚泥処理施設のエネルギー ( 電力 ) 消費量を推定し これに排出係数を乗じることで算定する 算定式及び使用するパラメータは以下のとおりである RE y = RE treatment,y = Σ { ( μ L COD,r K+L COD,r ) CF electoricity } ここで RE y :y 年のリファレンス排出量 (tco 2 e) RE treatment,y μ,k :y 年の活性汚泥処理施設からの GHG 排出量 : エネルギー消費量推定係数 (μ=227 K=42) L COD,r : 実績 CODcr 除去負荷量 (t-codcr/ 月 ) CF electoricity : 電気の排出係数 (0.848kg-CO 2 /kwh) L COD,r = Q m ( C COD,m,in - C COD,m,st ) 1,000,000 Q m : 実績処理水量 (m 3 / 月 ) C COD,m,in C COD,m,st : 実績排水 CODcr (mg/l) :CODcr 目標処理水質 (50mg/L) 2) Option-B Option-B のリファレンス排出量は 設計電力消費量から実際の排水流入状況 ( 処理水量 必要な CODcr 分解量及び硝化量 ) に応じた電力減少分を差し引いて 電力消費量を推定し これに排出係数を乗じることで算定する 算定式及び使用するパラメータは以下のとおりである RE y = RE treatment,y = Σ { ( E Design - ΔE ) R safety CF electoricity } ここで RE y :y 年のリファレンス排出量 (tco 2 e) RE treatment :y 年の活性汚泥処理施設からの GHG 排出量 E Design : 設計電力消費量 (kwh/ 月 ) ΔE : 設計電力消費量からの減少分 (kwh/ 月 ) R safety : 運転安全率 (1.39) CF electoricity : 電気の排出係数 (0.848kg-CO 2 /kwh) ΔE = ΔE B + ΔE P ここで ΔE B : 送風機での電力消費量減少分 (kwh/ 月 ) ΔE P : ポンプでの電力消費量減少分 (kwh/ 月 ) Ⅳ-62

67 ΔE B = E B,Design ΔAOR AOR total,design η Design η BSRE ここで E B,Design : 送風機の設計電力消費量 (kwh/ 月 ) AOR total,design : 設計必要酸素総量 (t-o 2 / 月 ) ΔAOR : 必要酸素量減少分 (t-o 2 / 月 ) η Design : 設計酸素溶解効率 (%) η BSRE : 基準となる酸素溶解効率 (15%) η Design η Design > η BSRE の場合は η BSRE = 1 とする ΔAOR = ΔAOR BOD + ΔAOR NH4 ここで ΔAOR BOD :BOD 酸化分解による必要酸素量減少分 (t-o 2 / 月 ) ΔAOR NH3-N: :NH 3 - N の硝化による必要酸素量減少分 (t-o 2 / 月 ) ΔAOR BOD = { Q Design ( C BOD,in,Design C BOD,out,Design ) - Q m ( C BOD,in,m C BOD,out,st ) } A ΔAOR NH4 = { Q Design ( C NH4,in,Design - C NH4,out,Design ) - Q m ( C NH4,in,m - C NH4,out,st ) } C ここで Q Design : 設計処理水量 (m 3 / 月 ) C BOD,in,Design : 設計排水 BOD (mg/l) C BOD,out,Design : 設計処理水 BOD (mg/l) Q m : 実績処理水量 (m 3 / 月 ) C BOD,in,m C BOD,out,st C NH4,in,Design C NH4,out,Design C NH4,in,m C NH4,out,st A C : 実績排水 BOD (mg/l) :BOD 目標処理水質 (50mg/L) : 設計排水 NH 3 -N (mg/l) : 設計処理水 NH 3 -N (mg/l) : 実績排水 NH 3 -N (mg/l) :NH 3 -N 目標処理水質 (3.5mg/L) :BOD 酸化に必要な酸素量 (0.6t-O 2 /t-bod) : 硝化に必要な酸素量 (4.57t-O 2 /t-n) ΔE P = Σ ( E P,Design Q Design - Q m Q Design ) ここで E P,Design : ポンプ設備の設計電力消費量 (kwh/ 月 ) Q Design : 設計処理水量 (m 3 / 月 ) Q m : 実績処理水量 (m 3 / 月 ) Ⅳ-63

68 必要なデータのモニタリング手法 1) Option-A リファレンス排出量算定に必要なデータ項目及びモニタリング手法は表 4.13 のとおり 表 4.13 必要なデータ項目及びモニタリング手法 (Option-A) 分類データ項目モニタリング手法 BSRE での現在の実施状況 水量 排水発生量 1 流量計による測定 2 越流堰での越流水深の測定 水質 排水 CODcr 水質分析の実施 ( 工場内分析室 或いは分析機関への委託 ) 越流堰での越流水深の測定 (2 回 / 日 ) 工場内分析室で水質分析 (1 回 / 日 ) 2) Option-B リファレンス排出量算定に必要なデータ項目及びモニタリング手法は表 4.14 のとおり 表 4.14 必要なデータ項目及びモニタリング手法 (Option-B) 分類データ項目モニタリング手法 BSRE での現在の実施状況 水量 排水発生量 1 流量計による測定 2 越流堰での越流水深の測定 水質 排水 BOD 水質分析の実施 ( 工場内分析室 排水 NH 3 -N 或いは分析機関への委託 ) 越流堰での越流水深の測定 (2 回 / 日 ) 工場内分析室で水質分析 (1 回 / 日 ) プロジェクト排出量の算定根拠 既存の活性汚泥処理施設の前段に嫌気性処理を導入し メタン回収 エネルギー利用 ( 電力 熱として ) を実施した場合をプロジェクトシナリオとし 嫌気性処理施設と活性汚泥処理施設で 目標処理水質まで排水を処理した場合に排出される GHG をプロジェクト排出量として設定する Ⅳ-64

69 4.11. プロジェクト排出量の算定方法 プロジェクト排出量の算定式プロジェクト排出量は 排水処理施設 ( 嫌気性処理 活性汚泥処理 ) で消費された化石燃料由来のエネルギー消費量から 排水処理施設以外に供給されるメタンガス発電電力と熱エネルギーで代替される化石燃料由来のエネルギー消費量を差し引くことで 実質の化石燃料由来のエネルギー消費量を算定し これに排出係数を乗じることで算定する PE y = ( E treatment,y - E generator,y ) CF electoricity 1,000 - E thermal,y ( η therma / 100 ) CF Diesel ここで PE y :y 年のプロジェクト活動排出量 (tco 2 e) E treatment,y E generator,y E thermal,y η thermal CF electoricity CF Diesel :y 年の嫌気性処理 活性汚泥処理施設におけるエネルギー消費量 (kwh/ 年 ) :y 年の排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃料由来のエネルギー消費量 (kwh/ 年 ) :y 年のコジェネレーションシステムから供給された熱エネルギー量 (TJ/ 年 ) : 既存の熱供給設備の効率 : 電気の排出係数 (0.848kg-CO 2 /kwh) : 軽油の排出係数 (74.1t-CO 2 /TJ) 必要なデータのモニタリング手法 プロジェクト排出量算定に必要なデータ項目及びモニタリング手法は表 4.15 のとおり 表 4.15 必要なデータ項目及びモニタリング手法 ( プロジェクト排出量 ) 分類 データ項目 モニタリング手法 BSRE での現在の実施状況 エネルギー 排水処理施設での電力消費量 電力計による 電力計による記録 ( 活性汚泥処理施設のみ ) 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力量 記録 現在は測定不要 供給された熱エネルギー量 流量計 水温計による記録 現在は測定不要 Ⅳ-65

70 4.12. モニタリング手法 モニタリング項目 GHG 削減量 ( リファレンス排出量及びプロジェクト排出量 ) 算定に当たってモニタリングが必 要な項目を整理すると表 4.16 に示すとおり 表 4.16 モニタリングが必要な項目 排出量 分類 項目 備考 リファレンス 水量 排水発生量 月合計値 (Option-A) 排水水質 CODcr 月平均値 リファレンス 水量 排水発生量 月合計値 (Option-B) 排水水質 BOD NH 3 -N 月平均値 プロジェクトエネルギー排水処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費量 月合計値 排水処理施設以外に供給されるメタンガス発電電力量 月合計値 水量 供給される温水量 月合計値 水温 温水の加温前後の水温 月平均値 モニタリング方法 表 4.16 に示すモニタリング項目の具体的なモニタリング手法は表 4.17 に示すとおり 表 4.17 モニタリング方法及び留意事項 分類 項目 モニタリング手法 水量 排水発生量 供給される温水量 適切な場所に流量計を設置し 流量を常時モニタリングする 或いは 流量調整槽を設置し 1 回 / 日以上の頻度で越流水深を記録する 排水水質 CODcr BOD 排水発生量が安定して日を対象に 月 1 回以上の頻度で排水の水質分析を実施する NH3-N エネルギー 排水処理施設での化石燃料由来のエネルギー消費量 排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力量 適切な電力系統に電力計を設置し 電力量を常時モニタリングする 水温 温水の加温前後の水温加温前後に水温計を設置し 水温を常時モニタリ ングする Ⅳ-66

71 モニタリングに当たっての留意事項 1) 流量計の検定 電力計 温度計の校正について流量計 電力計 温度計を設置して常時モニタリングを実施する場合は 記録値の信頼性を確保するため 設置する測定機器のカタログ等に求められる所定の検定 ( 流量計 ) 及び校正 ( 電力計 温度計 ) 作業を定期的に実施し 精度を確保する必要がある 流量は四角堰の水理公式に基づき水位を観測して算定されており その採用された水理公式は妥当なものであることを確認した 電力計の校正管理については 現状では行われていないため 今後プロジェクト開始までに校正の内容 精度などをメーカー等と確認しておくことが必要であることを確認した ただし 発電に用いている軽油の量から算定された発電効率からは 発電機のスペックである 30% 前後の数値を得ており 十分な精度で計測できていることがうかがえた 2) 水質分析の精度についてリファレンス排出量を算定するために 排水水質 (CODcr BOD NH 3 -N) の水質分析が必要となるが これら水質分析は専門的な知識 分析器具 精度確保のためのシステム等を整備し 所定の分析精度を確保する必要がある 水質分析機器については現地調査の結果 COD NH3-N ともに滴定法による分析を行っており 校正を必要とする分析機器を用いていないことが分かった そこで この水質分析方法についての準拠法 ( インドネシア国家基準 ) を確認し さらにその方法に準じた標準作業手順書 (SOP) を作成し実施していることを確認した また 本工場の作業が ISO9001 及び の対象となっており 内部監査 外部監査も適切に行われていることを確認した さらに本工場が PROPER 制度の対象となっていることから 月に 1 度水質分析を含めた環境管理の審査を受けており これも 緑 または 青 の高い評価を受けていることを確認した PROPER 制度に参加している工場は PROPER 制度のなかで以下のとおり水質分析結果の精度の検証を受けるため PROPER 制度報告値を使用することで精度確保は可能となる PROPER 制度における分析精度の検証方法 金 緑評価の場合 検証能力を有する外部団体よりデータの検証を受ける 青 赤 黒評価の場合 PROPER チームによるサンプリング調査による検証を受ける なお PROPER 制度に未参加の工場については インドネシア国家認証委員会 (KAN) により認証を受けた分析機関に水質分析を委託することで対応している Ⅳ-67

72 4.13. GHG 排出量及び削減量 GHG 排出量の算定方針 BSRE では低濃度排水 (1 種類 ) と高濃度排水 (2 種類 ) が発生していることから 費用対効果が最も有利となる 高濃度排水のみを嫌気性処理するケースについて ( ケース選定の詳細は 6 章参照 ) GHG 排出量及び削減量を算定する また 想定する水量 水質は 2012 年平均値を採用する GHG 排出量の算定 ( リファレンス排出量 プロジェクト排出量 ) 1) リファレンス排出量 (1) Option-A Oprion-A に基づくリファレンス排出量は表 4.18 に示すとおり 1,436t-CO2/ 年となった 2012 年の総電力消費量は 1,996,160kWh/ 年 (1,693t-CO2/ 年 ) であるが 本方法論ではリファレンス排出量を保守的に評価するためのエネルギー消費量推定式を用いているため 実態に比べて電力消費量が 15% 程度低く見積もられた算定結果 (1,693,979kWh/ 年 ) となっている 表 4.18 リファレンス排出量の算定結果 (Option-A) 大分類 小分類 項目 単位 値 設定値 電力 排出係数 kgco2/kwh 好気処理 推定式係数 μ 推定式 K - 42 除去負荷量 沈殿処理 T-COD t/ 年 314 ( 事業前 ) 好気処理 T-COD t/ 年 829 好気処理 除去負荷量 年間負荷量 t/ 年 829 GHG 排出量 月間負荷量 t/ 月 69 ( 事業前 ) 電力消費量 月間消費量 千 kwh/ 月 141 Option-A 年間消費量 kwh/ 年 1,693,979 GHG 排出量 t-co2/ 年 1,436 (2) Option-B Option-B に基づくリファレンス排出量は表 4.19 に示すとおり 1,278t-CO2/ 年となった 必要酸素量や排水水量の減少による水処理エネルギー ( 電力消費量 ) の削減可能量に 最低限の運転安全率を見込んだ状況を想定しているため Option-A よりも更に排出量は保守的に評価されており GHG 排出量は Option-A に比べて 11% 程度 2012 年の実績値に比べて 24% 程度低く見積もられた結果となっている Ⅳ-68

73 表 4.19 リファレンス排出量の算定結果 (Option-B) 大分類 小分類 項目 単位 値 設計条件 年間電力 ポンプ電力 kwh/ 年 419,360 消費量 ブロワ電力 kwh/ 年 2,365,200 合計 kwh/ 年 2,784,560 設計値 設計水量 m3/ 日 9,167 総 AOR kgo2/ 日 7,117 設定条件 運転安全率 好気処理 運転値 排水水量 m3/ 日 7,565 GHG 排出量 総 AOR kgo2/ 日 2,221 ( 事業前 ) 年間電力 ポンプ電力 kwh/ 年 481,011 Option-B 消費量 ブロワ電力 kwh/ 年 1,026,227 合計 kwh/ 年 1,507,238 電力 排出係数 kgco2/kwh GHG 排出量 t-co2/ 年 1,278 なお Option-B で必要な事前設定値については BSRE 以外の工場におけるデータ収集の可能性に課題が残る 一方 Option-A の算定に必要なデータは PROPER 制度に参加して青評価以上のランクを取得している工場であれば 水量と水質についてはモニタリング 報告している類のものである 本プロジェクトは PROPER 制度に参加して青評価以上のランクを取得している環境意識の高い工場への導入が当面は現実的であるため リファレンス排出量の算定方法としては Option-A の方がより適用可能性の高い手法であると考えられる 2) プロジェクト排出量プロジェクト排出量は表 4.20 に示すとおり 595t-CO 2 / 年となった 嫌気性処理導入により 排水処理に必要な電力消費量は 1,632,114kWh/ 年となり リファレンスシナリオに比べて 5% 程度しか削減されていないが メタンガス発電電力を利用することで 化石燃料由来の電力消費量は 1,076,635 kwh/ 年とリファレンス排出量から 36% 削減される また 発生する熱を天然ゴム製造工程で利用することで軽油ボイラーの燃料消費量を低減でき 318t-CO 2 / 年の GHG を削減可能であると見込まれた GHG 削減量 リファレンス排出量 プロジェクト排出量の算定結果より 本事業での GHG 削減量は Option-A では 842t-CO 2 / 年 Option-B では 683t-CO 2 / 年と算定された ( 表 4.21 参照 ) Ⅳ-69

74 表 4.20 プロジェクト排出量の算定結果 大分類 小分類 項目 単位 値 嫌気処理 電力原単位 除去 COD 当たり kwh/ kgcod 1.12 設計値 排出係数 kgco2/kwh メタン原単位 除去 COD 当たり Nm3/kgCOD 0.35 発電量 メタンガス熱量 MJ/Nm 設計値 ガス発電効率 % 32 換算係数 MJ/kWh 3.6 熱供給 熱供給量 TJ/ 年 3.78 設計値 ボイラー効率 % 88.0 軽油排出係数 t-co2/tj 74.1 好気処理 推定式係数 μ 推定式 K - 42 除去負荷量 嫌気処理 T-COD t/ 年 502 ( 沈殿除く ) S-COD t/ 年 349 ( 事業後 ) SS-COD t/ 年 153 好気処理 T-COD t/ 年 327 嫌気処理 電力消費 電力消費量 kwh/ 年 559,530 GHG 排出量 由来排出量 GHG 排出量 t-co2/ 年 474 ( 事業後 ) メタンガス メタン発生量 Nm3/ 年 175,538 由来削減量 メタン熱量 MJ/ 年 6,249,141 ガス発電量 MJ/ 年 1,999,725 ガス発電量 kwh/ 年 555,479 GHG 削減量 t-co2/ 年 471 熱供給 熱供給量 TJ/ 年 3.78 由来削減量 軽油消費量 TJ/ 年 4.30 GHG 削減量 t-co2/ 年 318 好気処理 除去負荷量 年間負荷量 t/ 年 327 GHG 排出量 月間負荷量 t/ 月 27 ( 事業後 ) 電力消費量 月間消費量 千 kwh/ 月 89 年間消費量 kwh/ 年 1,072,585 GHG 排出量 t-co2/ 年 910 GHG 排出量 ( プロジェクトシナリオ ) t-co2/ 年 595 表 4.21 GHG 削減量の算定結果 大分類 小分類 項目 単位 値 リファレンス GHG 排出量 Option-A t-co2/ 年 1,436 ( 電力消費 ) Option-B t-co2/ 年 1,278 プロジェクト GHG 排出量 嫌気処理 t-co2/ 年 474 ( 電力消費 ) 好気処理 t-co2/ 年 910 GHG 排出量 メタンガス発電 t-co2/ 年 471 ( コジェネ代替分 ) 熱供給 t-co2/ 年 318 GHG 排出量 合計 t-co2/ 年 595 GHG 削減量 Option-A t-co2/ 年 842 Option-B t-co2/ 年 683 Ⅳ-70

75 5. JCM PDD 作成に係る調査結果 5.1. プロジェクト実施体制及びプロジェクト参加者 プロジェクトの事業主体はブリヂストンの日本法人及び現地サイトのブリヂストン子会社 (BSRE) であり 共同事業者として国際コンソーシアムを構成する コンソーシアムは機械設備 担体を含む充填材等を栗田工業に発注し 栗田工業はそれらを納入する また 土木工事等については現地設計会社に発注し基礎工事等の設計行う さらに機械設備の据付工事は栗田工業 ( 栗田工業現地支店 ) が実施するとともに 現地土木系企業が施工を行って BSRE に引き渡すものとする 国際コンソーシアム 日本企業ブリヂストン株式会社 現地企業 BSRE (PT. Bridgestone Sumatra Rubber Estate) 機械設備発注 設計 施工管理発注 栗田工業株式会社現地設計業者 機械設備納入 土木工事施工監理 現地施工会社 ( 土木工事 ) 栗田工業 ( 機械設備据付等 ) 現地企業へ引き渡し 運転開始 図 5.1 プロジェクト実施体制 5.2. プロジェクト開始時期及び実施期間 プロジェクトの詳細については 本調査と平行して実施しているメタンガス連続試験 ( オンサイト ) の結果 をもとに決定される 連続試験の結果算定されたガス発生量を元に 施設諸元を整理し 事業収支 投 資回収年を算定した上で 投資回収年の条件をクリアするように設備計画を決定する Ⅳ-71

76 今後の予定は メタンガス連続試験を 3 月中に終了し 4 月以降補助事業への応募 採択決定を待って排水処理施設の詳細設計 資機材の調達を行う予定である ( なお メタンガス連続試験のプラント設置が若干遅れており 補助事業への応募がづれ込む可能性があるが 本スケジュール表は 3 月終了を前提に記載している ) 土木工事等の期間については 今後のガス発生実験 詳細設計等の結果より決まるが 概ねの詳細設計及び工事の期間は補助事業契約後 1 年であり プロジェクト開始時期は 2015 年 8 月を目指す プロジェクトの実施期間は本事業の MRV 結果を報告する期間である 2020 年までとする 表 5.1 プロジェクトのスケジュール 業務内容 2014 年 2015 年 3 月以前 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 1 GEC 補助事業準備補助事業決定 契約 メタンガス発生連続試験 ( オンサイト ) 結果取りまとめ 排水処理施設詳細設計 資機材調達 ( 輸出 国内輸送 ) 5 土木工事 6 機械 電気設備設置工事 7 試運転 引渡し 8 施設運用 Ⅳ-72

77 5.3. 方法論適格性要件との整合性確保 BSRE でのプロジェクトについて 作成した方法論の適格性要件 ( 表 5.2 参照 ) に対する整合 性を整理すると以下のとおりであり 問題ないものと評価される 表 5.2 作成した方法論の適格性要件 項目適格性確認項目整合性の検討判定 既存の活性汚泥処理施設の前段に嫌気性処理を導入する BSRE では既存の活性汚泥処理施設を有しており整合している OK 要件 1 天然ゴム製造排水の CODcr の設計水質が 2,000mg/L 以下である 生物起源有機物から メタンガスを回 BSRE の排水 CODcr の設計水質は 1,305mg/L であり整合している コジェネレーションシステムを導入し OK 収 利用する事業である メタンガス発電を実施する事業であり OK 整合している 設定された目標処理水質が嫌気性処理 目標処理水質は CODcr:50mg/L であ 要件 2 導入前でも達成されている 嫌気性処理導入後も引き続き 同じ目標処理水質を適用する事業である るが 2012 年の平均処理水 CODcr は 29mg/L であり整合している 事業実施後も目標処理水質は 50mg/L と設定するため整合している OK OK 80% 以上の溶解性 CODcr 除去率が得 バイオセーバー TK のカタログ中に 要件 3 られることが カタログ或いは技術資料に記載されている嫌気性処理技術を CODcr 除去率 :80% と記載されており整合している OK 導入する事業である 回収したメタンガスは全量発電及び / 或 コジェネレーションシステムを導入し 要件 4 いは熱生成に利用し 自社内で消費するかグリッドへ供給する メタンガス発電及び熱供給を行い 全て工場内で消費する事業であり整合し OK ている 既存の活性汚泥処理施設が 流入 既存の活性汚泥処理施設は MLDO に 要件 5 CODcr 負荷の変動に応じて水処理エネルギーの制御が可能となる施設である 応じて送風量を調整しており整合している OK こと Ⅳ-73

78 5.4. プロジェクト排出源とモニタリングポイント プロジェクト排出源 1) 事業実施後に評価する排出源 ( プロジェクト排出源 ) 事業実施後に GHG 排出源 ( プロジェクト排出源 ) として評価するのは 以下の 2 種類であり いずれも GHG の種類は CO 2 である 排水処理施設 ( 嫌気性処理 活性汚泥処理 ) での化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 コジェネレーションシステムから供給される熱エネルギー生成のために本来使用される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量 2) 評価対象外とする排出源排水処理施設以外に供給されたメタンガス発電電力で代替される化石燃料由来のエネルギー消費による GHG 排出量は 方法論では評価対象としているものの メタンガス発電による電力量で嫌気性処理に必要な電力量は概ね賄えることから モニタリングの簡素化のためにも本事業では排水処理施設外へのメタンガス発電電力の供給は実施しないこととし 評価対象外とする モニタリングポイント モニタリングポイントは図 5.2 に示すとおりであり 全て排水処理施設内でモニタリングを実 施する このうち M1 M2 については事業前でもモニタリングを実施している 冷水温度 ( ) 温水温度 ( ) コジェネレーション メタンガス発電電力 (kwh)( 余剰時 ) メタン回収 (Nm3) メタンガス発電電力 (kwh) 排水発生量 (m3) 排水 CODcr(mg/L) 排水 BOD(mg/L) * 排水 NH3-N(mg/L) * *:Option-B のときにモニタリング実施 嫌気処理 排水処理施設 ( 好気処理 ) 電力消費量 (kwh) 発電機 軽油 図 5.2 モニタリングポイント Ⅳ-74

79 5.5. モニタリング計画 モニタリング実施主体 モニタリングポイントが全て排水処理施設内に存在することから モニタリングに関わる全て の作業については BSRE が主体となって実施する モニタリング項目及び測定方法等 1) モニタリング項目及び測定方法等 モニタリング項目及び測定方法等は表 5.3 に示すとおり 表 5.3 モニタリング項目及び測定方法等 モニタリング地点 項目 測定方法及び測定頻度 排水処理施設 排水発生量 流量調整槽の越流水深の記録 2 回 / 日 流入地点 CODcr BOD NH3-N インドネシア国内基準 (SNI) に基づく工場内での水質分析 1 回 / 日 自家発電機 電力消費量 電力計による常時測定 常時 コジェネレーション水を熱供給媒体として循環させるため 循環水 ( 冷水供給量 ) 量の設計値が使用でき モニタリングは不要 加温前後の水温 水温計による常時記録 常時 2) モニタリングデータの記録測定機器 ( 電力計 温度計 ) による常時モニタリングデータは自動的に電子データとして記録するとともに 現在のモニタリングにおいて慣習的に行われている手書き記録 (3 回 / 日の頻度で測定機器指示値をチェックし野帳に記録 ) についても補完的に利用することとする Ⅳ-75

80 5.6. 環境影響評価 環境に重大な影響を及ぼす可能性のある事業は 旧環境管理法第 16 条に基づき環境影響評価を実施しなければならないと規定されており 対象となる事業または活動の種類と規模については 環境影響評価を実施すべき事業または活動及び規模に関する環境大臣令 (2001 年 17 号 ) により定められている 環境への重大な影響項目としては 1 影響人口の規模 2 影響地域の規模 3 影響の期間 4 影響の強度 5 影響を受ける環境構成要素の数 6 累計的な影響 7 環境の可逆性あるいは不可逆性等である 当該排水処理施設は既に建設されており 工場の敷地内にある 本事業は既設の排水処理施設に嫌気性処理施設を追加するものであり 環境への重大な影響項目には該当しないと考えられるため 新たな環境影響評価を実施することの必要性は低い また 当該施設にはバイオガス発電施設を併設する計画であり 環境影響評価を実施すべき対象施設と考えられるが 対象となる事業規模は 10MW 以上であり 本施設の規模 (0.1MW 程度 ) では対象とはならない 以上のことから 環境影響評価については本事業においては実施の必要性がないことがわかる ただし 環境十全性については配慮して事業を進めることとする 5.7. 利害関係者のコメント ステークホルダーの特定本事業のステークホルダーとしては 周辺住民 関連の政府機関 ( 環境省 地方政府 ) である なお 工場自体が農園に囲まれた BSRE 敷地内に存在し 従業者もまたその敷地内で生活しているため 周辺住民とは工場の勤務者及びその家族となる ステークホルダーへのヒアリング結果 1) 地域住民へのヒアリング周辺住民のヒアリング項目については 次ページ以降に示す 20 項目である ヒアリングの結果は以下のとおりである (1) 回答者のプロフィール今回のアンケート調査の対象年代は表 5.4 に示すとおりであり 40 代が最も多く 42.1% 次いで 30 代 31.6% であった 対象者はすべて女性であった 家族構成は 5 人以上が 52.6% と半数を占め 次いで 4 人 26.3% 2 人は 5.3% と少なく 1 人は 0% であった 家族人数は多い家庭が多かった 職業は 主婦が 68.4% 看護士が 5.3% 未回答は 16.3% であり ほとんどが主婦であった Ⅳ-76

81 表 5.4 アンケート対象者の属性 Q1 年齢 20 代 30 代 40 代 50 代 60 歳以上 計 回答者数 ( 人 ) 割合 (%) Q2 性別 男 女 計 回答者数 ( 人 ) 割合 (%) Q3 家族人数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人以上 計 回答者数 ( 人 ) 割合 (%) Q4 職業 主婦 看護士 無回答 計 回答者数 ( 人 ) 割合 (%) (2) 地球温暖化防止についての認識 1 地球温暖化 という言葉の認識 地球温暖化 という言葉を聴いたことがある人は 100% であり 年齢にかかわらず すべての年代で認識されていた 2 地球温暖化 の影響の知識 地球温暖化 の影響を知っている人は 100% であり 年齢にかかわらず すべての年代で理解されていた 3 地球温暖化 への取り組みの必要性 地球温暖化 への取り組みが必要と答えた人は 100% であり 年齢にかかわらず すべての年代で取組が必要であると考えられていた 4 地球温暖化 への取り組みへの参加意欲 地球温暖化 への取り組みに参加したいと答えた人は 100% であり すべての年代で積極的に取り組む考えがあることがわかった 表 5.5 地球温暖化防止についての認識 設問項目 YES NO Q5 地球温暖化 という言葉を聞いたことがありますか 100% 0% Q6 地球温暖化 はどのような影響があるか知っていますか 100% 0% Q7 地球温暖化 への取り組みが必要だと思いますか 100% 0% Q8 地球温暖化 への取り組みに参加したいと思いますか 100% 0% Ⅳ-77

82 (3) 工場排水と環境について 1 工場排水の環境への影響工場排水は環境への影響があると答えた人は 100% であり すべての人が工場排水は環境に影響を及ぼすことを認識していた 2 工場排水処理の必要性工場排水処理の必要性があると答えた人は 100% であり すべての人が工場排水はきれいにしてから排水すべきであると考えていた 3 BSRE での排水処理の認識 BSRE でも排水を処理してから排出していることの認識は 知っている人は 78.9% 知らない人は 15.8% 無回答は 5.3% であった 工場排水の処理の必要性は認識していても 身近な工場でも実際に処理を行っていると認識していた人は約 8 割であった 4 工場の排水処理の電力使用の認識工場の排水処理の多大な電力使用に関しては 認識している人は 47.4% 認識していない人は 47.4% 無回答は 5.3% であった 5 工場排水でのメタンガス発電の知識工場排水処理においてメタンガス発電を行うことに関しては 知っていると答えた人は 52.6% 知らない人は 42.1% 無回答 5.3% であった 表 5.6 工場排水と環境について 設問項目 YES NO 無回答 Q9 工場排水は環境に影響があると思いますか 100.0% 0.0% Q10 Q11 Q12 Q13 工場排水はきれいにして排水する必要があると思いますか BSRE では排水をきれいしてから放流していることを知っていますか 工場の排水処理装置を動かすために多くの電力が使われていることを知っていますか 工場排水の処理方法を工夫してメタンガスを発生させて 発電できることを知っていますか 100.0% 0.0% 78.9% 15.8% 5.3% 47.4% 47.4% 5.3% 52.6% 42.1% 5.3% Ⅳ-78

83 (4) 本事業について 1 本事業の地球温暖化防止へ貢献本事業の地球温暖化防止へ役立つと思う人は 73.7% 思わない人は 10.5% どちらでもない( わからない ) は 15.8% であった 2 本事業の周辺環境への影響に対する懸念本事業によって 周辺環境への影響に懸念がある人は 26.3% ない人は 5.3% どちらでもない ( わからない ) は 68.4% であった 3 周辺環境への影響を懸念する理由メタンガスの利用において安全性に関する懸念事項をあげた人が多かった メタンガスを用いた発電については全く問題ないことを説明した 4 本事業対する賛成工場排水からメタンガスを発生させて発電できるシステムを取り入れる本事業に賛成の人は 57.9% 反対は 10.5% どちらとも言えない( わからない ) は 31.6% であり 賛成が約 6 割であり 半数を超えていた 5 本事業に対する 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由賛成する人の理由は 地球温暖化を緩やかにできる 環境が維持できる が多く 次いで 燃料油を節約できる 電気使用量を節約できる という理由であった 反対する人の理由は 事業内容がわからないから という理由であり 積極的な反対意見はなかった 6 日本の技術導入への意見日本の技術を導入して インドネシアの地球温暖化対策を推進することについて賛成の人は 68.4% 反対は 0% どちらとも言えない( わからない ) は 31.6% であり 賛成が約 7 割であった 7 日本の技術導入への 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由賛成する人の理由は 日本の技術は優れているから が多く ほかに 地球温暖化を緩やかにできるから 環境を維持したいから などがあった 反対の意見はなかった Ⅳ-79

84 表 5.7 本事業について Q14 Q15 設問項目 YES NO 本事業が地球温暖化防止に役に立つプロジェクトであると思いますか? 本事業によって あなたの周辺環境への影響に懸念がありますか どちらでもない ( わからない ) 73.7% 10.5% 15.8% 26.3% 5.3% 68.4% Q16 Q17 Q18 Q19 Q20 周辺環境への影響を懸念する理由は何ですか 工場排水からメタンガスを発生させて発電できるシステムを取り入れる本事業に賛成ですか 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由は何ですか 日本の技術を導入して インドネシアの地球温暖化対策を推進することについて賛成ですか 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由は何ですか [YES] メタンガスによる爆発等の安全性に対する不安がある 健康に支障をきたすから [ どちらでもない ] まだ理解できていないから 57.9% 10.5% 31.6% [YES] 燃料油を節約できるから 電気使用量を削減できるから 地球温暖化を緩やかにできるから 環境が維持されるから [NO] よくわからないから [ どちらでもない ] 明確でないから 68.4% 0.0% 31.6% [YES] 環境対策について日本は進んでいるから 日本の技術は優れているから 地球温暖化を緩やかにできる技術だから 現代技術を支持したい インドネシアのますますの近代化につながるから [ どちらでもない ] まだ理解できていないから Ⅳ-80

85 BSRE が実施する地球温暖化防止事業に関するアンケート 1. 本事業の目的と効果 BSRE では ゴム製造過程で発生する排水の処理に取り組み その放流水質の目標達成に高い評価を受けています 排水処理には多くの電力を必要としますので エネルギー消費の改善に取り組んでいます そこで 排水処理システムの前段にメタンガス回収装置を設置し 排水からメタンガスを回収し発電燃料とするほか 従来の排水処理装置で用いるエネルギーも削減する事業を実施することを検討しています 電気使用量を削減することから 発電に用いている軽油の使用量を削減することができ その結果温室効果ガス を削減することができます Biogas generator Rnewable energy CH 4 Energy from fossil fuel Natural rubber production plant Biosaver TM TK Waste water treatment plant (aerobic) 軽油は燃焼する際に二酸化炭素を発生しますが 二酸化炭素が大気中に放出されることで地球 の温暖化が進むといわれています 二酸化炭素などの地球温暖化を促進する物質 ( ガス ) を温室 効果ガスと言います 2. 本アンケートの目的本事業は地球温暖化防止のための日本のファンドを一部利用して実施されますが 地球温暖化の目的に加えて環境の保全を図る必要があり さらに住民の意識も含めた周辺環境に配慮して実施するものとされています そのため 本アンケートでは本事業の実施に当り 周辺住民の皆さんの環境保全面への期待や不安に関しての意見を収集するものです 3. アンケート項目 (1) あなたの年齢 性別 家族数 職業をお答え下さい 設問項目 回答欄 Q1 年齢 1.20 代 2.30 代 3.40 代 4.50 代 5.60 歳以上 Q2 性別 1. 男 2. 女 Q3 家族数 1.1 人 2.2 人 3.3 人 4.4 人 5.5 人以上 Q4 職業 Ⅳ-81

86 (2) 地球温暖化防止について 設問項目 回答欄 Q5 地球温暖化 という言葉を聞いたことがあり 1.YES 2.NO ますか Q6 地球温暖化 はどのような影響があるか知っ 1.YES 2.NO ていますか Q7 地球温暖化 への取り組みが必要だと思いますか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Q8 地球温暖化 への取り組みに参加したいと思いますか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) (3) 工場排水と環境について 設問項目 回答欄 Q9 工場排水は環境に影響があると思いますか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Q10 工場排水はきれいにして排水する必要があると思いますか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Q11 BSRE では排水をきれいしてから放流しているこ 1.YES 2.NO とを知っていますか Q12 工場の排水処理装置を動かすために多くの電力 1.YES 2.NO が使われていることを知っていますか Q13 工場排水の処理方法を工夫してメタンガスを発生させて 発電できることを知っていますか 1.YES 2.NO (4) 本事業について 設問項目 回答欄 Q14 本事業が地球温暖化防止に役に立つプロジェクトであると思いますか? 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Q15 本事業によって あなたの周辺環境への影響に懸念がありますか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Q16 周辺環境への影響を懸念する理由は何ですか Q17 Q18 Q19 Q20 工場排水からメタンガスを発生させて発電できるシステムを取り入れる本事業に賛成ですか 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由は何ですか 日本の技術を導入して インドネシアの地球温暖化対策を推進することについて賛成ですか 賛成 又は 反対 どちらでもない の理由は何ですか 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) 1.YES 2.NO 3. どちらでもない ( わからない ) Ⅳ-82

87 2) 地方政府へのヒアリングまた 地域政府についても 1 月初旬 BSRE のクラブハウス内で本事業に対するヒアリングを行った ヒアリングの対象者は BSRE が属する Simalungun 地域の長とその 3 名のスタッフであり ヒアリング結果を以下に示す 1 地域長は排水処理過程で発生するメタンを回収することが地球温暖化に役に立つということを理解したと述べた 2 本プロジェクトがどの程度環境に貢献するか また工場周辺の地域社会への安全性について質問を受け 軽油の使用量の大幅な削減が可能であること及び地域の安全性には全く問題ないことを説明した 3 地域長はこのプロジェクトに興味を持ち これを歓迎すると述べた またプロジェクトがうまく進められるようにプロジェクトに関する政府機関にこの情報を伝えることを約束した 4 さらに地域長は本プロジェクトが本地域において有益なものと想定されるとコメントした また 排水処理から生じる汚泥の肥料への活用についても BSRE に協力すると述べた Ⅳ-83

88 6. プロジェクト実現化に係る調査結果 6.1. プロジェクト開発状況 排水処理改善案の検討本プロジェクトは CODcr:500mg/L 程度の低濃度有機性排水からもメタンを効率良く回収することのできる排水処理技術 担体型嫌気性処理装置 ( バイオセーバー TK) を既存の排水処理施設の前段に導入することで メタンガスとしてのエネルギー回収と既存排水処理施設の曝気エネルギーの削減を実現し 排水処理に関する総合的なコスト及び GHG 排出量の削減を達成するものである 調査課題にも示したように 本工場は幾つかの生産工程からなり その水量 水質が異なるものである 排水処理施設の改善効果を最大限に発揮するためには 嫌気性処理の対象とする排水を有機物濃度が高いものに限定することで 施設の効率と経済性を向上させることができる また 有機物には固形性のものと溶解性のものがあり 固形性の有機物は分解するのに時間がかかり その分大規模な処理設備とならざるを得ない これも固形性の有機物分解を対象とせずに溶解性有機物のみを対象とすればコンパクトな設備規模となり 処理の効率性 経済性を向上させることができる 従って ここでは有機物の特性 ( 固形性 溶解性 ) 有機物濃度の異なる工程排水について どれを処理対象とするかについて複数の代替案を作成した すなわち 排水処理の改善方法として下記 2 通りの方法が候補として挙げられる Case-1: 固形性有機物 溶解性有機物ともに嫌気性処理 メタン回収するケース Case-2: 溶解性有機物のみを嫌気性処理 メタン回収するケース また 現在 BSRE から発生している排水は 以下の 3 種類であり 全排水を対象として嫌気性処理 ( メタン回収 ) を行うケース (a) と 比較的高濃度な排水 ( 排水 A: 生産工程 1 排水 B: 生産工程 2) のみを対象として嫌気性処理 ( メタン回収 ) を行うケース (b) に区分する 各改善方法のイメージは図 6.1 のとおりである 表 6.1 BSRE で発生する排水の性状 排水種類発生箇所水量 (m3/ 日 ) S-CODcr(mg/L) 排水 A 生産工程 1 排水 B 生産工程 2 排水 C 生産工程 (Low) 5,587 (High) 1,896 (Middle) 406 (High) 253 (Middle) 79 (Low) Ⅳ-84

89 Case-1-a 赤線部分が新規追加施設 Settling tank Anaerobic Reactor Aeration tank(asets) Settling tank (ASETS) 排水 A,B,C CH4 CH4 Dry bed Digestion tank Case-1-b 赤線部分が新規追加施設 排水 C Settling tank Aeration tank(asets) Settling tank (ASETS) 排水 A,B CH4 CH4 Dry bed Digestion tank Case-2-a 赤線部分が新規追加施設 図 6.1(1) 排水処理改善案 (case1) 排水 A,B,C Settling tank Anaerobic Reactor CH4 Aeration tank(asets) Settling tank (ASETS) Dry bed Case-2-b 赤線部分が新規追加施設 排水 C 排水 A,B Settling tank Anaerobic Reactor CH4 Aeration tank(asets) Settling tank (ASETS) 図 6.1(2) 排水処理改善案 (case2) Dry bed Ⅳ-85

90 表 6.2 排水処理施設の改善案 排水 A 排水 B 排水 C Case ( 高濃度 ) ( 比較的高濃度 ) ( 低濃度 ) SS-CODcr S-CODcr SS-CODcr S-CODcr SS-CODcr S-CODcr Case1-a 沈殿 + メタン回収 メタン回収 + 活性汚泥法 沈殿 + メタン回収 メタン回収 + 活性汚泥法 沈殿 + メタン回収 メタン回収 + 活性汚泥法 Case1-b 沈殿 + メタン回収 メタン回収 + 活性汚泥法 沈殿 + メタン回収 メタン回収 + 活性汚泥法 - - Case2-a 沈殿 メタン回収 + 活性汚泥法 沈殿 メタン回収 + 活性汚泥法 沈殿 メタン回収 + 活性汚泥法 メタン回収 Case2-b 沈殿沈殿 + 活性汚泥法注 )SS-CODcr: 固形性有機物 S-CODcr: 溶解性有機物 メタン回収 + 活性汚泥法 排水処理導入案の評価 1) 評価方法各検討ケースの評価項目は以下の 4 項目である 本プロジェクトの事業の効果は温室効果ガスの削減で判断されるため これが第一の評価項目である 他方 工場にとってはプロジェクト実施による経済性も重要な評価項目となる 排水処理では活性汚泥法の曝気のためのブロアの電力が大きな割合を占める そのため 電気使用量が最も経済性を左右する 電気は BSRE では軽油を使った自家発電により調達されており 電気使用量は軽油の使用量と直結することになる 1 電気使用量 2 軽油使用量 3 費用削減額 ( 経済効果 ) 4 温室効果ガス削減量 ( 環境効果 ) 上記の評価項目の算定方法について示すと図 6.2 となる まず排水処理施設改善案毎の工程別の水質を算定する 水質は沈殿処理 嫌気性処理 活性汚泥処理の除去率を仮定することで算定できる 次に排水処理に用いたエネルギー使用量を算定するが ここでは CODcr の除去負荷量 ( 水量 ( 排水水質 - 処理水質 )) が曝気量に比例するため これから使用エネルギー量を算定する また メタン発酵により回収したメタンガスはガス発電機の燃料として使用するとともに 発電廃熱を工場内で使用する温水の熱源としても利用するため それらで用いた熱量分の軽油削減量を算定し 費用削減額 ( 経済効果 ) を把握する また 軽油削減量から温室効果ガスの削減量についても算定する なお ここでの算定方法は水質 軽油使用実績をもとに積算された期待値であり 4 章で示し Ⅳ-86

91 た方法論による保守的な GHG 削減量の算定結果とは異なることに留意する必要がある 排水処理施設 改善案 好気性処理施設の電力使用量 排水処理電力使用削減による軽油削減量 嫌気性処理 好気処理過程での水質メタンガス 嫌気性処理により回収されたメタンガス 嫌気 + 好気性処理施設の電力使用量 ガス発電機の燃料として利用 発電廃熱 発電廃熱の熱利用 電力供給のための軽油削減量 熱利用のための軽油削減量 費用削減額 ( 経済効果 ) 温室効果ガス削減量 ( 環境効果 ) 図 6.2 排水処理施設改善案の評価方法 2) 電力使用量の削減効果既存の活性汚泥処理 ( 好気性処理 ) と新たに導入した嫌気性処理での電気使用量を算定した結果は以下のとおりである 嫌気性処理を導入して活性汚泥処理施設に流入する CODcr 負荷量を削減することで 後段の活性汚泥処理施設の電力使用量の削減に繋がる 嫌気性処理プロセスでの電力使用を加味しても 嫌気性処理を導入することで 電力使用量は 36~304 千 kwh/ 年削減される 表 6.3 電気 軽油使用量の削減効果 電気消費量 (kwh/y) 軽油削減量 (L/y) 好気性処理 嫌気性処理 合計 排水処理 ガス発電合計 1 乾燥利用 合計 2 現況 2,503, ,503, case1-a 1,600, ,350 2,467,967 11, , , , ,404 case1-b 1,654, ,737 2,303,301 63, , , , ,093 case2-a 1,600, ,787 2,328,404 55, , , , ,628 case2-b 1,654, ,986 2,199,550 96, , , , ,153 注 ) 軽油削減量で合計 1は乾燥利用を含まない場合 合計 2 は乾燥利用を含む場合を示す Ⅳ-87

92 3) 軽油使用量の削減効果嫌気性処理を導入することで回収されたメタンガスを用い ガス発電と発電廃熱を乾燥熱源に利用した場合の 軽油使用量の削減効果は表 6.3 のとおりである この結果 嫌気性処理を導入することで 軽油使用量は約 409~437kL/ 年削減される 600, ,000 乾燥利用ガス発電排水処理 軽油削減量 (L/y) 400, , , ,000 0 case1-a case1-b case2-a case2-b 図 6.3 軽油削減量の比較 4) 維持管理費用の削減効果軽油使用量の削減に伴う維持管理費用の削減額は以下のとおりである なお 費用削減額の試算に当たっては 軽油単価は 2012 年実績値 (0.876US$/L) を用いた また 軽油費用の削減額から嫌気性処理に用いる薬品費を減じたものを総費用削減額として評価した この結果 嫌気性処理導入による維持管理費削減額は Case-1 Case-2 で大きな差異はなく 230~253 千 US$/ 年であった その一方 Case-1 は Case-2 に比べて汚泥処理のための施設が追加で必要であり その建設コストは数百万 US$ 規模と見込まれるため Case-2 に比べて Case-1 の費用対効果は著しく低い また Case-2-a と Case-2-b を比較すると 新たに建設する必要のある嫌気性処理施設の規模が小さくてすむ ( すなわち 建設コストが低い )Case-2-b の方が 維持管理費用の削減額が大きく費用対効果が大きいと考えられるため 本プロジェクトにおける嫌気性処理導入による排水処理改善方法は Case-2-b とする Ⅳ-88

93 Case 表 6.4 維持管理費用の削減効果 軽油費用 軽油削減額 嫌気性処理 維持管理費削減額 乾燥利用無 乾燥利用有 乾燥利用無 乾燥利用有 薬品費 乾燥利用無 乾燥利用有 10 3 US$/y 10 3 US$/y 10 3 US$/y 10 3 US$/y 10 3 US$/y 10 3 US$/y 10 3 US$/y 現況 case1-a case1-b case2-a case2-b 維持管理費削減額 (US$/ 年 ) 乾燥利用分 排水処理分 case1-a case1-b case2-a case2-b 図 6.4 年間の維持管理費用の比較 5) 温室効果ガス排出量の削減効果 軽油使用量の削減に伴う 温室効果ガス排出量の削減効果は以下のとおりであり Case-2-b の 温室効果ガス削減量は約 1,100t-CO2/ 年である 表 6.5 温室効果ガス削減量 GHG 排出量 GHG 削減量 GHG 削減率 乾燥利用無 乾燥利用有 乾燥利用無 乾燥利用有 乾燥利用無 乾燥利用有 (t-co 2 /y) (t-co 2 /y) (t-co 2 /y) (t-co 2 /y) (%) (%) 現況 2,051 2,051 0 case1-a , case1-b , case2-a , case2-b , 注 ) 軽油の排出係数 =2.585t-CO2/kL Ⅳ-89

94 6.2. 資金計画 設備の概要 6.1 に示したように排水処理施設改善案のうち case2-b が最も効率的な施設であり経済性が高いことから ここではこの案について建設費を算定し その事業収支と資金計画について検討する Case2-b の設備改善案を図示すると以下のとおりである ( 図 6.5 のうち赤字で示した施設 ) 設備としては既設の活性汚泥処理施設の前段に沈殿池 ( Settling tank) と嫌気性処理槽 (Anaerobic Reactor) を設置する また発生したメタンガスの処理 利活用のための施設として ガスフォルダー (Gas Folder) バイオガスコジェネレーショシステム(Biogas Co-genaration system) を設置するものである Biogas Cogenaration System Gas Folder EffluentC Effluent A,B Settling tank CH 4 Aeration tank(asets) Settling tank (ASETS) Anaerobic Reactor Dry bed 図 6.5 本事業の整備施設の概要 事業性の検討嫌気性処理を導入する Case-2-b について 必要な施設 設備の建設費を概算した結果を以下に示す 建設費には嫌気性処理に利用する担体 ( 充填材 ) やポンプ類 攪拌機などの機械類は海外から調達するものとして その輸送費についても積算している また 土木工事費については今後の測量等を行って詳細を検討する必要がある 上記の概算建設費と 6.1 で算定した維持管理費削減額から投資回収年数を算定した結果 発電利用のみの場合 ( 乾燥利用なし )6.2 年であり 乾燥利用ありの場合は 4.9 年であり 後者は 5 年以内の回収が可能であると見込まれた なお 本試算結果は JCM による 50% 補助を受けることにより 実質負担金額が半分となるものとして算定した結果である Ⅳ-90

95 表 6.6 概算建設費及び投資回収年数 (case2-b) 内容 乾燥利用無し 金額 (US$) 乾燥利用有 1 塔槽類 440, ,000 2 回転機器 330, ,000 3 充填材及び特殊内部装置 580, ,000 4 配管材料 50,000 50,000 5 配管副資材 40,000 40,000 6 メタンガス発電 コジェネ設備 220, ,000 7 動力制御盤及び計測器 190, ,000 8 発電廃熱利用施設 ( 熱交換機 ) 250,000 9 梱包及び輸送費 50,000 50, 現地工事 ( 配管 据付 ) 200, , 試運転立上げ費 (SV 費 ) 70,000 70, 土木建築費 ( コンクリート水槽など ) 560, , 設計費 130, , 諸経費 140, ,000 合計 3,000,000 3,330,000 補助率 50% 50% 負担額 1,500,000 1,665,000 年間経費削減額 242, ,600 投資回収年 ( 負担額 / 年間経費削減額 ) 注 ) 本試算結果はバッチ試験によるメタンガス発生量を基に試算したものであり 今後連続通水試験の結果より装置規模を決定して再計算する 資金調達コンソーシアムを構成する事業実施者において資金調達を行うが 事業実施においては設備補助を受けることを前提として計画する 資金の調達は自己資金 借入金等の方法が想定されるが 基本的には自己資金内で調達が可能と判断している Ⅳ-91

96 6.3. MRV 体制 プロジェクトの事業主体は ( 株 ) ブリヂストンの日本法人と現地サイトのブリヂストン子会社 (BSRE) であり 両者が共同事業者として国際コンソーシアムを構成する 本調査の共同調査者である栗田工業 日水コンは必要に応じて支援を行う モニタリング (Monitaring) については 5.5 で示した通り BSRE において 現状でも排水量測定 水質分析 エネルギー使用量測定などを 高頻度で測定している 水質分析については BSRE 内の実験室で専門の要員によって分析されている 分析方法はインドネシア国家基準の方法に準じた標準作業手順書を作成し 手順書に従って実施されている また 排水水質の結果については 月に1 度 国に報告および国から委託された機関の立ち入り検査を受けている 以上のことからモニタリング体制については BSRE 内の現状の要員が十分精度良く測定することが可能である 各種の測定結果を元に温室効果ガスの削減量を算定し 報告書を作成 (Reporting) することについても 本調査で開発した方法論を理解したコンソーシアムを構成する現状のスタッフ ( 主として BSRE のスタッフ ) が報告書をまとめることは可能である ただし 必要に応じて本調査の構成員である日水コン 栗田工業が支援する 栗田工業日水コン 国際コンソーシアム 日本企業ブリヂストン現地企業 BSRE(PT. Bridgestone Sumatera Rubber Estate) 第三者審査機関 合同委員会 日本環境省 尼国 KLH 事業活動の実施 モニタリングの実施 (Monitoring) 報告書の作成支援 報告書の作成 (Reporting) 検証 (Verifying) 報告書の提出 クレジットの発行 クレジットの一部納入 クレジットの受領 図 6.6 MRV 実施体制 Ⅳ-92

97 さらに 検証 (Verification) については 第 3 者機関が実施予定であり 合同委員会が選定した機関リストを基に委託先を決定し 検証を受ける 検証された MRV 報告書は合同委員会に提出され クレジットの発行となる JCM の補助事業についてはクレジットの一部を環境省に納入することとなっており 認定されたクレジットの一部を納入するものとする 6.4. プロジェクトの許認可 必要な許認可本事業での設備工事は 工場内での排水処理設備 発電機の変更 ( 改良 ) のみであるため 新たな用地の使用許可は不要である 嫌気性処理設備の設置工事に関しても 本地域では環境に関する設備に関する許認可の必要はなく 報告をするのみである また環境影響評価についても本事業の施設は対象とならないため 地方政府での事前に必要な許認可手続きは不要といえる 日本からの設備の輸出日本からの設備の輸出については 機械類 ( ポンプ 撹拌機 ) 嫌気性処理の担体が対象となり 施設の躯体はインドネシア現地で調達する これらの輸出品については一般的な機械類等であるため 通常の通関手続きを行って現地に搬送する 6.5. 日本製技術の導入 導入が想定される技術のニーズ及び技術の比較 1) 対象国における排水処理改善のニーズ対象国においては 排水規制に関する法律である環境管理法が 2009 年の改正によって罰則と行政の権限が強化される等 事業所を対象とした排水規制に関する法整備が進められている 法整備と併せて 企業の環境管理状況に経済的なインセンティブを付与する PROPER 制度等の運用を実施することで インドネシア政府として排水処理を含む環境管理活動を企業に積極的に求めていく傾向があるものと見受けられる 現在 PROPER 制度に参加している企業の内 ゴム産業からの参加企業は 52 社あり 排水処理を適切に実施している場合等に付与される 青 以上の評価を受けている企業が 42 工場 ( 緑 : 5 工場 青 :37 工場 ) となっている 本調査において 42 工場に対するアンケート調査を実施した結果 回答のあった企業では主に好気性処理 ( 活性汚泥法 ) を行う排水処理施設が導入されていた Ⅳ-93

98 活性汚泥法により天然ゴム製造工場排水を処理する場合は 曝気に多量のエネルギーを要する ことになるため 目標処理水質を満足しつつ 排水処理コストの削減が期待できる日本の低炭素 型の排水処理技術は対象国においてニーズがあるものと考えられる 2) 排水処理改善のために導入が想定される技術排水処理で活性汚泥法を導入しているゴム製造工場におけるエネルギーコスト削減方策の一つとして メタン回収が可能な嫌気性処理を活性汚泥法の前段に設置することにより排水に含まれる有機物を除去し 活性汚泥法 ( 曝気槽 ) への流入負荷低減と回収メタンを利用した発電によるエネルギー消費量の削減が挙げられる また 活性汚泥法の前段に設置する処理方法としては 嫌気性処理の他にインドネシア国内でも一般的に導入されている物理化学処理 ( 凝集沈殿法 嫌気性ラグーン ) が想定される そこで 以下の処理技術について 概要を整理した 嫌気性処理 凝集沈殿法 嫌気性ラグーン (1) 嫌気性処理 ( メタン回収 ) 排水に含まれる有機物を嫌気性微生物の働き ( メタン発酵 ) によって分解し メタンを生成 回収する技術である 回収したメタンは発電機により電力に変換し 自社工場や排水処理過程で使用する ( またはグリッドへの供給 ) ことで CO 2 の削減が可能となる メタン回収技術としては 国内メーカーへのヒアリングや情報収集を行った結果 本プロジェクトで対象としている技術 ( バイオセーバー TK) 以外に以下の技術が挙げられる バイオセーバー TK( 本プロジェクト対象技術 ) UASB 法の改良 :B 法 UASB 法の改良 :C 法 UASB 法の改良 :D 法 膜型メタン発酵ユニット法 UASB 法上記の技術で 膜型メタン発酵ユニット以外の技術は日本のメーカー各社が既存の UASB 技術に倣って 独自の改良を加えて開発されたものが多い なお 各種技術は対象とする排水の性状や適用濃度範囲が異なることに留意する必要がある (2) 凝集沈殿法薬品 ( 凝集剤等 ) 添加により 排水に含まれる懸濁成分を凝集 沈殿除去する技術である 通常 懸濁成分の個々の粒子では沈降が不可能な大きさの粒子を互いに凝集し フロックを形成することで沈降性を良くして処理することが可能である Ⅳ-94

99 ただし 凝集剤添加により前処理段階から汚泥発生量が増加するため 汚泥処理に掛かるコス トが増加することに留意する必要がある (3) 嫌気性ラグーン排水に含まれる懸濁成分を沈殿除去する技術である 凝集剤を使用しないため 有機物の除去率は凝集沈殿法よりも低下するが 簡単な土木工事で設置が可能であり 維持管理も容易である ただし 嫌気性ラグーンでは 処理過程において 沈殿した懸濁成分の腐敗が進行した場合にメタンが生成され 大気に放出されるため 導入前よりも GHG 排出量が増加する可能性があることに留意する必要がある 各技術については 文献調査を行って技術情報を収集した結果を整理し 表 6.7 において低濃度排水であるゴム製造工場排水への適用の可能性を比較した 技術名称 処理原理 特徴 表 6.7 バイオセーバー TK 及びその他処理方式の比較 バイオセーバー TK 表面に嫌気性微生物を付着させた沈降性の良い担体で有機物を分解 低濃度排水にも適用が可能 嫌気性処理 ( メタン回収 ) B 法 C 法 D 法 UASB 特殊生物担体とグラニュール汚泥の併用により グラニュール維持性能を向上した処理が可能 膜型メタンユニット 嫌気性微生物槽内に排水を流入させ微生物 ( グラニュール汚泥等 ) の嫌気分解を利用して有機物を処理し 発生したメタンを回収して発電等の有効利用を行う 多様 ( 種類 濃度 ) な排水に対して適用可能で 高負荷運転が可能 嫌気性微生物槽内に設置した液中膜により 固形性有機廃棄物の高負荷運転が可能 物理化学処理 凝集沈殿法 凝集剤を添加することにより懸濁成分を凝集させ 沈殿除去する 嫌気性ラグーン ラグーンに排水を流入させて 懸濁成分を沈殿除去する 技術保有者 国内 ( 栗田工業株式会社 ) 国内 (E 社 ) 国内 (F 社 ) 国内外 国内 (G 社 ) 国内外 国内外 適用水質範囲 CODcr 濃度 500mg/L 以上 CODcr 濃度 1,000mg/L 以上 * CODcr 濃度 2,000mg/L 以上 * 高濃度有機性排水に対して有効 CODcr 濃度 2,000 mg/l 以上 高濃度の固形性有機物に対応可能 広範囲で適用される ゴム製造工場排水処理に対する適用可能性 *: 適用水質範囲が BOD で表記されていたため BSRE の CODcr/BOD( 2) に基づき換算した数値 : 低濃度有機性排水にも適用可能な範囲であるが 飲料工場排水以外への適用性を検討する必要がある 3) ゴム製造工場排水処理に適用可能な技術天然ゴム製造工場排水は CODcr 濃度が 2,000 mg/l 未満と低濃度であるため 表 6.7 に整理した通り 2,000 mg/l 以上の高濃度有機性排水に適用が限られる嫌気性処理技術の導入は困難 ( ) であると判断される Ⅳ-95

100 天然ゴム製造工場排水に適用可能な嫌気性処理技術としては バイオセーバー TK と B 法が挙げられるが B 法は飲料工場排水 ( ビール工場排水 ) を中心に普及が進められているため それ以外の排水に適用する場合は適用可能性を検討する必要 ( ) がある このため 嫌気性処理技術は低濃度排水でも適用可能なバイオセーバー TK のみが導入可能な技術であると考えられる 一方で インドネシアやその他の国でも一般的に普及している凝集沈殿法や嫌気性ラグーン等の物理化学処理は GHG 排出量の削減を考慮しない場合に 嫌気性処理 ( バイオセーバー TK) に対する競合技術になり得ると考えられる 競合技術との GHG 削減量 コストの比較天然ゴム製造工場排水のような低濃度有機性排水を処理する活性汚泥処理施設のエネルギーコスト削減方策として 技術的に適用可能な前処理方策を検討した結果 メタンガス回収 エネルギー利用が可能な技術は本事業で導入を想定するバイオセーバー TK のみであった ただし GHG 削減を考慮せずエネルギーコスト削減のみに注目した場合は インドネシアでも一般的な凝集沈殿法 嫌気性ラグーンが競合技術になり得ると考えられた このため BSRE への導入を想定し バイオセーバー TK 凝集沈殿法 嫌気性ラグーンのコスト GHG 削減量を比較した結果を以下に示す 1) GHG 削減量 Option-A のリファレンス排出量算定方法に基づき各前処理技術導入による GHG 削減量を算定した結果 技術導入によって GHG 削減が可能になるのは バイオセーバー TK と凝集沈殿のみであり 嫌気性ラグーンは放出されるメタンの影響で GHG 排出量は逆に増加すると見込まれた また GHG 削減量を比較すると バイオセーバー TK が 842t-CO2/ 年であるのに対し 凝集沈殿は CODcr 除去率が嫌気性処理に比べて低い点と メタンのエネルギー利用を行わない点で GHG 削減量は 164t-CO2/ 年とバイオセーバー TK の 3 割程度となった 表 6.8 競合技術との GHG 削減量の比較 前処理 + 活性汚泥処理 分類 項目 単位 バイオセーバー TK 凝集沈殿 嫌気性ラグーン CODcr 除去率 溶解性 CODcr % 懸濁性 CODcr % GHG 排出量 電力消費 ( 前処理 ) t-co2/ 年 ( プロジェクト ) 電力消費 ( 活性汚泥 ) t-co2/ 年 910 1,204 1,436 メタン大気放出 t-co2/ 年 0 0 1,473 メタン利用 ( 削減分 ) t-co2/ 年 合計 t-co2/ 年 595 1,272 2,910 GHG 排出量 ( リファレンス ) t-co2/ 年 1,436 1,436 1,436 GHG 削減量 t-co2/ 年 ,473 Ⅳ-96

101 2) コスト比較 ( 表 6.9 参照 ) (1) イニシャルコスト高度な機械設備が必要となるバイオセーバー TK が最も高く 約 300 万 US$ のイニシャルコストが必要となる その一方 複雑な機械設備が必要ではない凝集沈殿や嫌気性ラグーンのイニシャルコストはそれぞれ 100 万 US$ 程度と 50 万 US$ 弱と試算され バイオセーバー TK との差が大きい (2) ランニングコスト 3 技術とも大きな差異はないが CODcr 除去率が最も高く メタンのエネルギー利用を行うバイオセーバー TK のランニングコストが比較的低くなった また 凝集沈殿は凝集剤のコスト ( 年間約 20 万 US$) が必要となるため ランニングコストが比較的高くなっている 嫌気性ラグーンは動力 薬品は不要であり 前処理に関するランニングコストは発生しないが CODcr 除去率が他 2 技術と比べて低く 活性汚泥処理施設で消費する電力量が大きくなるため ランニングコストはバイオセーバー TK を上回った (3) 処理年価バイオセーバー TK の処理年価は JCM 補助非適用時で 64 万 US$ JCM 補助適用時で 50 万 US$ となった 3 技術とも処理年価に大きな差異はないが JCM 補助を適用することでバイオセーバー TK の処理年価は嫌気性ラグーンと同程度となった 表 6.9 競合技術とのコストの比較 前処理 + 活性汚泥処理 分類 項目 単位 バイオセーバー TK 凝集沈殿 嫌気性ラグーン イニシャルコスト 土木 10 4 US$ 機械設備 10 4 US$ 合計 10 4 US$ ランニングコスト 電力 ( 軽油 ) コスト 10 4 US$/ 年 薬品コスト 10 4 US$/ 年 合計 10 4 US$/ 年 * 処理年価 JCM 補助非適用時 10 4 US$/ 年 JCM 補助適用時 10 4 US$/ 年 50 ( 補助適用不可 ) ( 補助適用不可 ) *: 耐用年数は土木 :40 年 機械設備 :10 年と想定 バイオセーバー TK の導入促進方策競合技術と考えられる凝集沈殿 嫌気性ラグーンと GHG 削減量 コストを比較した結果 バイオセーバー TK の GHG 削減量は他 2 技術と比べて多く 処理年価も同等であるため バイオセーバー TK の優位性が認められた ただ バイオセーバー TK は 担体型の嫌気性処理設備やコジェネレーションシステムといった Ⅳ-97

102 高度な機械設備が必要となるため イニシャルコストが高くなり 初期投資の確保が困難な工場には導入が困難な技術であるという側面も有する このため JCM 補助制度のようなイニシャルコストによる負担を低減する制度が 導入促進のためには重要になると考えられる Ⅳ-98

103 6.6. ホスト国への貢献 国家の経済開発における貢献ホスト国であるインドネシアの経済開発基本計画 (Master Plan-Acceleration and expansion of Indonesia Economic Development 2011~2025) が 2011 年に策定されている 本基本計画は 20 年間の基本計画を定めた長期経済開発計画 (2006~2025) の改訂版として位置づけられる これによれば 8 つの主要プログラムと 22 の経済活動が掲げられ さらに 6 つの経済回廊 (Economic Corridors: 連携した重点開発地域 ) を成長の中心にした経済開発を行う方針としている 8 つの主要プログラムとは図に示すように農業 鉱業 エネルギー 工業等の産業分野であり その具体的な経済活動として 22 の産業が示されている 天然ゴム産業 (Rubber) は主要プログラムの農業 工業分野に含まれ また 22 の主要産業分野の 1 つであり 今後の経済活動の拡大が期待されている分野である 2 章にも示したように天然ゴムは世界の生産の 3 割程度を占め 同国の輸出製品の中心的なものとなっている 従って 本プロジェクトのように天然ゴム製造業の省エネルギー 環境分野での支援を行うプロジェクトは インドネシアの経済開発と成長に貢献するものと期待される 8 Main Program 22 Main Economic Activities Agriculture Mining Energy Industrial Marine Tourism Telecommunication The development of strategi ICT Shipping Textiles Food-Beverages Steel Defence Equipment Palm Oil Rubber Cocoa Animal husbandry Timber Oil and Gas Coal Nickel Copper Bauxite Fishery Tourism Food Agriculture Jabodetabek Area Sunda Straits Strategic Area Transportation Equipment 出典 ) インドネシアの長期経済開発計画 (Master Plan-Acceleration and expansion of Indonesia Economic Development 2011~2025) 図 6.7 インドネシア長期経済開発基本計画の主要分野 さらに 長期計画の年次計画として位置づけられる経済開発中期計画 (2010~2014) によれば 以下の経済開発の目標が定められている 2014 年までに GDP 成長率は 7% 顕在失業率を 5~6% さらにエネルギー分野においては電力化を 80% まで向上させ 電力容量を 3000 メガワットとしている 前述したように電力の安定化はインドネシアにおける産業活動を支える最も重要なインフラ施設である 政府は電力容量の拡大とともに省エネルギーを積極的に進めており 本プロジェクトのように電力供給の安定化を促進する事業は極めて価値のある事業ということができる Ⅳ-99

104 表 6.10 中期経済開発計画 (2010~2014) における主要経済目標 分野 項目 目標 一般指標 GDP 成長率 年平均 6.3~6.8% 2014 年に7% インフレ率 年平均 4.0~6.0% 顕在失業率 2014 年までに5~6% 貧困率 2014 年までに8~10% エネルギー 電力容量 年 3000メガワット 電化率 2014 年までに80% 原油生産 2014 年までに日量 101 万バレル 地熱発電 2014 年までに5000メガワット 出典 ) インドネシア中期経済開発計画 (2010~2014) 地域の産業活動への貢献前述の長期経済開発基本計画 (2011~2025) では 6 つの経済回廊をその成長の中心としているが その1つを構成するスマトラ経済回廊においては 天然ゴム生産量がインドネシア全体の 65% を占めることを踏まえ 今後もアジア地域での自動車普及の拡大からゴム需要の拡大が続くことを背景にして この地域の主要産業として開発を進めるものとしている 本事業の対象である BSRE はこの経済回廊の中心であるメダンに位置し その従業者数も多く地域の中心的な企業であり 本企業への日本技術の導入及び支援は地域の経済活動に大きく貢献するものである 項目開発テーマ経済拠点地域主要経済活動 表 6.11 スマトラ経済回廊の主要開発施策内容国家のエネルギー貯蔵基地としての天然資源の加工 生産拠点バンダ アチェ メダン プカンバル ジャンビ パレンバン タンジュンピナン パンカル ピナン パダン バンダル ランプン ブンクル スランパーム油 天然ゴム 石炭 運送 鉄鋼 スンダ海峡国家戦略エリア 他方 インドネシアにおけるインフレ率の上昇は地域の企業の経営状況にも影響しており 本プロジェクトの経済的効果も地域の産業活動を支援することになる 表 6.10 にも示したインフレ率の政府目標値は 4~6% となっており それが人件費の高騰にもつながっている 企業としては人件費の高騰を生産増や材料及びエネルギー調達コストを抑えることで対応せざるを得ない 本プロジェクトのように維持管理費を削減するプロジェクトの実施が企業の活動を支えるものと想定される さらに インドネシアにおいてはグリッドの電力供給能力が需要に比べて余裕がなく 停電などが頻発するという状況を招いている 電力供給が進まない場合 地域の経済の発展は阻害されるため 本プロジェクトのように省エネルギー型の技術が電力供給の安定化に貢献する性格も有 Ⅳ-100

105 している 表 2.13 にも示したように本地域においては電化率が比較的低く 電力自給を進める企業は地域の電力供給の安定化を支援することにもつながると言える このように本事業は エネルギー供給の安定化 雇用の安定化にも貢献し 地域の産業活動を支援するものと期待される 出典 ) インドネシアの長期経済開発計画 (Master Plan-Acceleration and expansion of Indonesia Economic Development 2011~2025) 図 6.8 スマトラ経済回廊における経済開発の概要 環境保全活動への貢献本プロジェクトは工場から排出される有機性排水の処理を進めるものであり 維持管理が困難な生物処理に対する日本の技術支援も提供できる 現状における公共用水域の水質汚濁を改善するための排水処理技術の普及を進めるインドネシア政府の施策に整合するものであり 同国の環境対策に大きく貢献できる また 有機性排水の一般的な排水処理技術である好気性生物処理プロセスに嫌気性処理を付加 Ⅳ-101

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