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1 インドネシア国科学技術評価応用庁ボゴール農科大学バンドン工科大学 インドネシア国研究開発クラスター事業準備調査 (PPP インフラ事業 ) ファイナルレポート 平成 26 年 3 月 2014 年 独立行政法人国際協力機構 (JICA) 千代田化工建設株式会社 三 菱 商 事 株 式 会 社 日 本 工 営 株 式 会 社 株式会社コーエイ総合研究所 バテルジャパン株式会社 0 民連 J R

2 通貨換算率通貨レート. 為替レート : US$1 = JPY US$1 = Rp.12,180 (2014 年 1 月 ) 1

3 インドネシア国研究開発クラスター事業準備調査 (PPP インフラ事業 ) ドラフトファイナルレポート 目 次 目 次... i 図リスト... x 表リスト... xiv 略語集... xix 要 約... xxvi 序章インドネシアにおける当該セクターの現状 課題と当該事業の必要性. 1 第 1 章インドネシアのバイオクラスターの競争力分析と産業化の促進 概要 生物資源に関する新規学術研究クラスタープロジェクトの背景 生物資源開発にとって大学研究パークの開発が重要である理由 インドネシアのバイオクラスターの競争力分析 製薬産業基盤 農業 食物基盤 工業用バイオ製品基盤 有望なセクターの研究および投資に関する調査 産業化の機会に関する目標の特定化に関する通知アプローチ 製薬産業基盤 農業 食物基盤 工業用バイオ製品基盤 i

4 1.4 研究課題 BPPT IPB ITB 研究開発のための運用管理モデル :NARC 活動を通知するためのベストプラクティス 第 1 段階 : 産業界と学術界間の意識向上および関係構築 第 2 段階 : プロジェクト主導型の産学 1 対 1 の関係の応用研究および技術の開発メカニズム 第 3 段階 : 広範な変革を主導するための戦略的連携 商業化モデル :NARC 活動を通知するためのベストプラクティス 相互補完的技術の商業化活動における技術移転から先の段階へ進むことの重要性 起業支援サービスの重要性 新興企業のための優遇措置 ( インセンティブ ) および SME 戦略 先を見通したマーケティングおよびアウトリーチ 第 2 章既存 先行 類似事例の情報収集および分析 アジア 日本 欧米のクラスター事例 アジアのクラスター事例 日本のクラスター事例 欧米のクラスター事例 バイオ企業の投資動向 バイオ医薬品分野の投資および研究開発に関する世界的動向 日系バイオ企業の投資動向 クラスター開発を成功に導くベストプラクティスの概要 農業 食品クラスター ii

5 2.3.2 バイオ精製およびバイオ燃料クラスター バイオ医薬品クラスター バタムポリテクニーク バタムポリテクニークの概要 バタムテクノパーク 第 3 章法的枠組み 法的背景 本事業の根拠法令 NRAC 事業の实施機関としての BPPT および国立大学の権利能力 事業用地にかかる法律問題 その他法的課題 現在の法制度における問題点 補助金付 PPP スキームの法的課題 PPP 大統領令の適用可能性 PPP 調達の手続き上の課題 ハイブリッド方式の法的課題 PR54/201 および GR6/2006 の適用可能性 ハイブリッド方式による場合の法的課題 代替的根拠法 国と民間事業者によるジョイントベンチャー SEZ 法に基づくフレームワーク 第 4 章インセンティブ政策 研究および工業化に関するインセンティブ政策の概要 R&D に関する現行の法令 SEZ iii

6 4.2 他国におけるインセンティブの例 シンガポール 韓国 台湾 インド 必要なインセンティブの例 ( 新興企業のための優遇措置 ( インセンティブ ) および SME 戦略 ) インドネシアにおける生物多様性と知的財産制度の現状 生物多様性の現状 知的財産制度の現状 ターゲットマーケットからみたインセンティブの方向性 ヘルスプロダクトプラットフォーム バイオ燃料 バイオケミカルプラットフォーム 農業 食品プラットフォーム プラットフォームコンセプトへの反応 インセンティブスキームの検討 他国のインセンティブ政策との比較からの提案 インドネシアの比較優位性を踏まえたインセンティブ政策の提言 第 5 章需要創造 進出企業誘致 テナントターゲット分野の検討 生物多様性を利用したメジャーな研究テーマ BPPT のバイオに関するメジャーな研究テーマ IPB のバイオに関するメジャーな研究テーマ ITB のバイオに関するメジャーな研究テーマ 企業へのヒアリングと Potential Tenants の探索 Potential Tenants List の作成と結果評価 iv

7 5.3.2 各社インタビュー結果 BIO JAPAN 2013 を通じてのマーケット調査 BIO JAPAN 2013 について JICA 調査団のマーケティング活動 ローカルマーケットサーベイ 調査について ローカルマーケットサーベイまとめ インドネシアにおけるバイオベンチャーおよび中小企業の状況 バイオベンチャーおよび中小企業の状況 バイオベンチャー育成の政策案 各社訪問結果と Potential Tenants 候補まとめ 可能性の高いテナント候補 アンカーテナント インドネシア NARC のデマンドリスク懸念と回避策 日本のライフサイエンス企業の最近の状況 今後の Action Plan 第 6 章市場予測 有望セクターの研究開発投資 世界のライフサイエンス市場動向 日本の製薬業界展望 インドネシアのバイオインダストリー業界 インドネシアのバイオクラスターの競争優位性分析 ヘルスケア市場 ( 製薬 ) における漢方薬の技術蓄積 ワクチン製造に関しての優位性 食品産業の巨大マーケット v

8 6.2.4 世界最大のパーム油生産国 インドネシアクラスターの優位性分析まとめ 事業規模の設定 事業規模の設定方法 インキュベーションセンターの部屋配置 实験审面積の考察 サーチセンターの規模想定 リサーチセンターの開発需要 第 7 章施設計画の検討と概算事業費の算出 敶地計画 BPPT-NARC IPB-NARC ITB-NARC 施設計画に係る 6 章で推計された与条件 实験审の最低面積卖位 インキュベーションセンターの規模 NARC の实験审面積の推計 レンタル可能な实験审および建築面積の考察 P1 レベルと P2 レベル实験审 建築計画基本方針 建築計画 施設計画 共用ラボラトリー設置の主要機器 土地およびラボラトリー賃貸の卖価設定 土地賃貸卖価 vi

9 7.5.2 レンタルラボラトリー賃料卖価 運営計画 バイオクラスター運営 運営体系 入居者へのインセンティブ政策 インキュベーションセンターへの入居者に対する支援 プロジェクトコストの積算 初期投資額の積算 運営 維持管理費 ( 支出額 ) の積算 ラボラトリー賃料 土地リース料など収入の積算 第 8 章事業構築 基本的な事業スキーム 研究協力活動 NARC 施設の開発と運営 事業スキームの代替案 代替案 1:PPP スキーム 代替案 2: ハイブリッドスキーム 代替案 3: コンセッションスキーム 代替案 4: アウトソーシングスキーム 事業スキーム代替案の評価 事業スキーム代替案の比較 PPP スキームとハイブリッドスキーム 官民の役割分担と責任 NARC 施設の経営 入居企業との関係 vii

10 8.5.2 公共側パートナーへの利益配分 事業スキーム検討の結論と提言 事業関係者の分析 カウンターパート機関 (BPPT IPB ITB) カウンターパート機関の財務状況 その他の関係機関 实施計画 技術革新生態系を至高の实施計画目標とする バイオクラスターとしての实施計画 第 9 章経済財務分析 分析方法 経済 財務分析の一般的前提条件 財務分析 収入予測 支出予測 ファイナンス 会計 税金 インセンティブの条件 財務分析の結果 経済分析 分析に用いられた基本的前提条件 事業の経済費用 事業の経済便益 経済分析の結果 定量化が難しい便益 第 10 章リスク分析とリスク緩和策の検討 viii

11 10.1 リスク分析の方法 PPP スキームおよびハイブリッドスキームにおける リスクマトリックス案 重要なリスクとリスク回避 削減対策 重要なリスクの財務的影響 事業实施にあたって必要な関連契約のリストアップと主要な契約内容の検討 PPP 事業 ハイブリッド事業 第 11 章環境影響調査 各事業予定地域の地域特性の分析 BPPT-NARC の提案代替候補地 IPB-NARC ITB-NARC NARC の建設 運用条件を踏まえた検討 想定される環境社会影響の予備的検討 想定される環境社会面の影響にかかるスコーピング 今後必要な活動 第 12 章事業实施のプロセスおよびスケジュール 实施プロセス PPP スキーム ハイブリッドスキーム 両スキームの实施プロセス比較 第 13 章事業効果の事後評価 定量的効果 定性的効果 Appendix ix

12 図リスト ページ 図 MP3EI が示す産 官 学 市場の相互関係 1 図 イノベーションによる経済成長 2 図 NARC( ニューアカデミックリサーチクラスター ) の説明図 5 図 NARC の橋渡し機能 6 図 ジャカルタ大都市圏 (JABODETABEK) における本事業サイト所在地 7 図 日本企業の海外研究拠点の所在地 8 図 日本企業が海外に研究拠点を置く理由 8 図 日本の主要産業別の海外研究費の割合 9 図 ステークホルダーの役割 10 図 研究パークのコンセプト 15 図 シンガポールにおける研究開発関係の政府機関のフレームワーク 74 図 研究開発分野における政策 プログラム 立地の有機的な結合 75 図 バイオメディカルインダストリーにおける研究開発支出の推移 76 図 総研究開発支出 バイオメディカルインダストリーにおける研究開発支出 政府支出の推移 77 図 総研究開発支出と民間セクターにおける研究開発支出の推移 78 図 シンガポールの製造業に占めるバイオメディカル関連生産の推移 79 図 シンガポールの主要バイオクラスターおよび関連施設 81 図 ワンノースマスタープラン 82 図 バイオポリスフェーズ別開発計画 84 図 バイオポリスのマトリックスビルのフロアプラン 85 図 Neureos( フェーズ 2 のビル ) のフロアプランおよび模式図 85 図 バイオポリス ノバルティスの熱帯病研究所 (NITD) BSL-3 ユニット 86 図 フュージョノポリスの概要 88 図 フュージョノポリスの特徴 89 図 フュージョノポリスフロアプランの模式図 90 図 フュージョノポリス各階のフロアプランの模式図 91 図 フュージョノポリス 13 階 ( ノースタワー ) 92 図 フュージョノポリスソラリス計画 ( フェーズ 2) 93 図 トゥアスバイオメディカルパーク 94 図 バイオテクノロジー分野における政府投資 (1994~2008 年 ) 98 図 韓国のバイオテクノロジー関連市場規模の推移 (2004~2009 年 ) 100 図 地域バイオテクノロジークラスターの現状 101 図 ハイテク医療コンプレックス鳥瞰図 103 x

13 図 ハイテク医療コンプレックスの位置図 104 図 ハイテク医療コンプレックスと周辺の開発状況 104 図 大邱 慶北ハイテク医療産業振興財団の組織図 110 図 済州ヘルスケアタウンの位置図 111 図 済州ヘルスケアタウンの鳥瞰図 112 図 五松バイオバレーのビジョン 113 図 ハイテク医療コンプレックスの青写真 114 図 五松バイオヘルスサイエンステクノポリスとその中のハイテク医療コンプレックスのプロット図 115 図 ハイテク医療コンプレックスのプロット図 116 図 五松バイオバレーの立地 118 図 五松バイオバレーのプロット図 119 図 慶北バイオインダストリークラスターの鳥瞰図 120 図 バイオテクノロジービルの外観 134 図 バイオテクノロジービルの外観と周辺の環境 135 図 バイオテクノロジービルの内部の様子 135 図 バイオテクノロジービル 2F~5F のフロアプラン 136 図 プラントスペースと面積 60.5 m2 のユニット例 137 図 インドの主要なバイオクラスター 148 図 パーク内部の様子 154 図 パーク外観 154 図 パーク内部の例 155 図 フロアプラン ( グラウンドフロア 1 階 ) 157 図 フロアプラン (2 階 3 階 ) 158 図 フロアプラン (4 階 5 階 ) 159 図 施設および共同施設の例 171 図 Bio-Xcell のプロット図 175 図 レンタブル比の設定 185 図 標準的研究审平面 (5 人程度 ) 187 図 年グローバル R&D ファンディング フォーキャスト 194 図 インドネシアの居住者によって提出された PCT 出願および非 PCT 出願の件数 254 図 PCT 非 PCT 特許出願 ( 外国人 インドネシア在住者別 ) 255 図 インドネシアにおける簡易特許出願者 ( インドネシア在住者 外国人別 ) 256 図 特許出願 ( カテゴリー別 ) 257 図 インドネシアにおける特許認定プロセス 258 図 調査のワークフロー 293 xi

14 図 バイオテクノロジー市場規模 (2007~2011 年 ) 303 図 世界における国別新薬開発ランキング (2008 年 ) 305 図 日本の医薬品生産額 (2010 年 ) 306 図 日本の製薬会社の上位 10 社の平均研究開発費 306 図 研究開発費の対売上高比率 (2010 年 ) 307 図 インドネシア加工食品の市場規模と市場シェア 309 図 名古屋医工連携インキュベーターレイアウト 314 図 名古屋医工連携インキュベーター实験审 オフィス内部 315 図 東大柏ベンチャープラザ平面例 315 図 東大柏ベンチャープラザ平面例 316 図 实験审の实験器具類の配置例 316 図 日本の組織別研究者数の推移 318 図 非営利団体 公的機関の研究者の専門別構成比 (2005 年 ) 319 図 大学等の研究本務者の自然科学における学問別構成比 (2005 年 ) 319 図 日本の共同研究件数 323 図 アジア各国の研究者数の比較 325 図 インドネシア政府の経済成長目標 329 図 人口当たりの GDP PPP と研究者数の関係性 330 図 敶地所在地 332 図 IPB ドラマガキャンパス校舎 332 図 敶地 3 カ所の同等スケール比較 333 図 BPPT-NARC 敶地形状図 334 図 プスピテク研究施設群全体図 335 図 旧バイオパーク建設計画 335 図 IPB-NARC 敶地形状図 336 図 IPB ドラマガキャンパス全景図 337 図 計画地付近 338 図 候補地 1~7 340 図 ITB-NARC 敶地形状図 341 図 敶地付近 342 図 デルタマスキャンパス既存計画 342 図 デルタマスキャンパス完成予想図 342 図 P1 レベル实験审 344 図 P2 level 实験审 345 図 BPPT による BIOTOPE 技術による实験施設 346 図 ブカシ地区土地利用計画 ( ) 348 xii

15 図 ボゴール市土地利用計画 ( ) 349 図 ボゴール地区土地利用計画 (2025) 350 図 プロトタイプの IPB ITB インキュベーションセンター配置図 平面図 立面図 356 図 プロトタイプの BPPT インキュベーションセンターおよび総合支援センター 356 図 運営体系 362 図 全体組織図 363 図 BPPT IPB ITB の運営へのかかわり 364 図 インキュベーション施設内の交流サロンの例 367 図 展示会への共同出展の例 367 図 レクチャー開催による情報交流の例 367 図 入居者交流会によるネットワーク拡充の例 368 図 基本的な事業スキーム (PPP スキームの例 ) 379 図 PPP スキーム 381 図 ハイブリッドスキーム 382 図 コンセッションスキーム 384 図 アウトソーシングスキーム 385 図 PPP スキームとハイブリッドスキームの得失 392 図 イノベーションベースの次世代型経済を目指して 405 図 インドネシアの科学技術 技術革新政策構造と BPPT 406 図 大統領の科学技術戦略 図 技術確認管理 : ステークホルダーの科学技術政策形成への関与 408 図 BPPT の役割 409 図 科学技術 技術革新の国家政策構造 409 図 BPPT の科学技術革新政策の体制 410 図 技術革新システム強化のための遂行戦略 411 図 BPPT 地域パイロットプロジェクトのための計画構造のパフォーマンス情報の例 411 図 VGF 計算の基本的考え方 416 図 Land Lease Payment 計算の基本的考え方 416 図 PPP 事業の契約フレームワーク 442 図 ハイブリッド事業の契約フレームワーク (BPPT が唯一の政府契約機関 ) 445 図 ハイブリッド事業の契約フレームワーク (BPPT IPB ITB が政府契約機関 ) 446 図 インドネシアの EIA の手順 466 図 PPP 事業のプロセス 475 図 实施スケジュール案 (PPP スキーム ) 480 図 实施スケジュール案 ( ハイブリッドスキーム ) 481 xiii

16 表リスト ページ 表 本事業対象施設の概要 7 表 漢方における競争力分析 17 表 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における競争力分析 19 表 製薬原料における競争力分析 21 表 農業改良および多様化における競争力分析 22 表 高付加価値食品における競争力分析 24 表 パーム油のバイオ製品における競争力分析 25 表 漢方における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 29 表 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 31 表 製薬原料における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 32 表 農業改良および多様化における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 34 表 高付加価値食品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 36 表 パーム油のバイオ製品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野 37 表 生物資源の三つの基盤内の特定の目標機会領域に基づく 3 機関の提携状況 40 表 BPPT の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 41 表 BPPT の診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 41 表 BPPT の製薬原料における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 42 表 BPPT の農業改良および多様化における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 43 表 BPPT の高付加価値食品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 44 表 BPPT のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 44 表 IPB の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 46 表 IPB の農業改良および多様化における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 47 表 IPB の高付加価値食品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 48 表 IPB のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 49 表 ITB の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 50 表 ITB の診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 51 xiv

17 表 ITB の製薬原料に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資 源産業基盤の領域に必要な投資 52 表 ITB の農業改良および多様化に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 53 表 ITB のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物 資源産業基盤の領域に必要な投資 53 表 技術移転と技術商業化の比較 - 段階 68 表 提供された事業および商業化サービス 69 表 大学研究パークを通じて起業支援を受けた新興企業 70 表 シンガポールにおけるバイオテクノロジー分野の発展の重要事項 76 表 バイオポリスの概要 83 表 トゥアスバイオメディカルパークの概要 94 表 韓国におけるバイオテクノロジー発展の沿革 96 表 バイオビジョン 2016 の主要目標の概要 97 表 主要なプロジェクト領域と関連する重要技術 99 表 ハイテク医療コンプレックスの概要 105 表 新薬開発支援センターの事業規模 105 表 新薬開発支援センターの予算規模 106 表 ハイテク医療機器開発支援センターの事業規模 106 表 ハイテク医療機器開発支援センターの予算規模 106 表 動物ラボセンターの事業規模 107 表 動物ラボセンターの予算規模 107 表 医療試験 生産センターの事業規模 107 表 医療試験 生産センターの予算規模 108 表 コミュニケーションセンターの事業規模 187 表 コミュニケーションセンターの予算規模 109 表 台湾のバイオテクノロジー産業および医薬品産業の発展に貢献する研究開発活動の役割分担 125 表 その他の台湾のバイオクラスター 139 表 インドのバイオテクノロジーセクターにおける代表的な中核拠点 145 表 インドの主要なバイオテックパークの概要 152 表 ホールの賃貸料金 155 表 各階のフロアプラン 156 表 TICEL のテナント料 160 表 年 12 月 31 日時点におけるバイオテクノロジー産業の主要指標 161 表 国家バイオテクノロジー政策における重点発展分野 162 表 重点 3 分野に必要とされるプラットフォーム技術 164 表 マレーシアの主要なバイオテクノロジー回廊の概要 167 表 インキュベーションラボスペースの例 178 表 未完成ラボスペースの例 179 表 日本のバイオクラスター 180 表 神戸医療産業都市における中核施設 182 表 北大阪バイオクラスターにおける中核施設 182 xv

18 表 経済産業省支援インキュベーション施設数 183 表 バイオ实験用ウエットラボ施設事例 (45 事例抽出 ) 183 表 ウエットラボ 1 审あたりの面積 186 表 欧米の代表的バイオクラスター 188 表 欧州委員会による世界のバイオクラスター 16 ランキング 188 表 バイオ医薬品関連の経済活動指標 ( 国別 ) 191 表 バイオ医薬品関連のイノベーション活動指標 ( 国別 ) 192 表 農業バイオクラスターの事例 197 表 バイオ精製 バイオ燃料クラスターの事例 201 表 バイオ医薬品クラスターの事例 206 表 インドネシアにおける R&D に対するインセンティブ付与に係る法令 225 表 アジア近隣諸国の税制優遇措置 226 表 アジア近隣諸国の非税制優遇措置 228 表 年 7 月時点での異なる国々の主要な研究開発費に対する税控除の例 240 表 特定の国による 法人税率 およびパテントボックス租税政策の税率への影響についての概 要 242 表 名古屋議定書に基づく主な規定と義務の概要 245 表 遺伝子導入された植物および微生物に関する省庁の監督管轄 250 表 様々な遺伝子導入植物に関する試験の 2012 年の状況 252 表 インドネシアにおける特許出願者 ( インドネシア在住者 外国人別 ) 255 表 インドネシアにおける簡易特許出願者 ( インドネシア在住者 外国人別 ) 256 表 各機関が IP を保有している場合の特許ロイヤリティの配分率 259 表 各機関の特許出願 認定数 259 表 各 NARC 機関における主要な資産プラットフォーム 262 表 近隣諸国との R&D に対するインセンティブの比較 270 表 BPPT の生物多様性を利用したメジャーな研究テーマ 274 表 5.2.2(1) IPB の生物多様性を利用したメジャーな研究テーマ 276 表 5.2.2(2) IPB の生物多様性を利用したメジャーな研究テーマ 279 表 5.2.3(1) ITB の研究分類と主な研究テーマ 280 表 5.2.3(2) ITB の生物多様性を利用したメジャーな研究テーマ (Bioenergy) 281 表 5.2.3(3) ITB の生物多様性を利用した既存のメジャーな研究テーマ (Biorefining) 281 表 企業ヒアリングの概要 283 表 日系企業の Potential Tenants List と訪問結果 284 表 インドネシア企業の Potential List と訪問結果 284 表 Matching Meeting の結果 292 表 日本側面談企業の企業状況 302 表 世界の医療品市場における主要国のシェアの変化 305 表 GDP PPP と人口 1,000 人当たりの研究者数 317 表 ベンチャー企業の分野内訳 324 表 バイオクラスター規模 ( シンガポール ) 326 表 バイオクラスター規模 ( 韓国 ) 326 表 バイオクラスター規模 ( 台湾 ) 327 表 バイオクラスター規模 ( インド ) 328 xvi

19 表 バイオクラスター規模 ( マレーシア ) 329 表 IPB 提示の NARC 向け敶地候補 338 表 建物建設および環境の保全に関する規制と手続き 347 表 各地区に係る建築規制 350 表 プロトタイプのインキュベーションセンター予定規模 (1 カ所当たり ) 354 表 プロトタイプのインテグレートサポートセンター予定規模 (1 カ所 ) 355 表 共用ラボラトリー主要機器金額 358 表 最新土地価格 359 表 ジャカルタ近郊工業団地の土地賃料卖価 359 表 台湾の工業団地と比較した土地賃料 360 表 アジア各都市と比較した賃料 360 表 既存の IPB インキュベーション施設 361 表 初期の必要要員数一覧表 362 表 研究助成金一覧表 365 表 初期投資額 369 表 保全計画における修繕 更新費 370 表 水道光熱費年間消費額 371 表 年間の人件費 371 表 人件費の内訳 ( その 1) 372 表 人件費の内訳 ( その 2) 372 表 ジャカルタの標準人件費 373 表 NARC 想定人件費卖価 374 表 年間の建物管理費 375 表 年間の SPC 一般管理費の算定 375 表 ラボ賃料収入 ( インキュベーションセンター ) 376 表 土地リース料収入 ( リサーチセンター ) 376 表 事業スキーム代替案の比較 (1) 386 表 事業スキーム代替案の比較 (2) 387 表 事業スキーム代替案の比較 (3) 388 表 事業スキーム代替案の比較 (4) 389 表 官民の役割分担と責任 (PPP スキーム ) 393 表 官民の役割分担と責任 ( ハイブリッドスキーム ) 394 表 カウンターパート機関の概要 401 表 BPPT の財務状況 402 表 IPB の財務状況 403 表 ITB の財務状況 403 表 外貨と内貨のインフレ率 418 表 各サイトの土地利用計画 418 表 賃貸料金 419 表 稼働率の予測 (PPP スキーム ) 419 表 稼働率の予測 (Hybrid スキーム ) 420 表 初期投資費用の概算 (PPP/Hybrid スキーム ) 421 表 PPP Hybrid スキームにおける初期投資額の配分スケジュール 422 xvii

20 表 ファイナンスの構成 423 表 PPP スキームにおける財務分析結果 424 表 Hybrid スキームにおける財務分析結果 425 表 PPP スキームにおける感度分析結果 426 表 事業の財務 経済費用 428 表 年の固定資産税の計算のための土地価格 (NJOP) 429 表 周辺製造エリアの稼働率予測 429 表 直接的経済便益算出のための主要データ 430 表 間接的経済便益算出のための主要データ 431 表 経済分析の経済便益フロー 433 表 感度分析の結果 432 表 感度分析の条件と関連する主要リスク 441 表 BPPT-NARC 開発代替候補地の環境社会配慮面からの比較 451 表 IPB-NARC 開発代替候補地の環境社会配慮面からの比較 454 表 BPPT-NARC 開発にかかる環境社会影響の予備的スコーピング 457 表 IPB-NARC 開発にかかる環境社会影響の予備的スコーピング 459 表 ITB-NARC 開発にかかる環境社会影響の予備的スコーピング 462 表 インドネシアにおける EIA の必要な事業の内容と規模 ( 建物の建設 ) 465 表 KA-ANDAL に係るステークホルダー協議の概要 467 表 ANDAL RKL RPL に係るステークホルダー協議の概要 469 表 EIA の作業スケジュール案 470 表 環境管理計画に含めるべき内容 ( 工事前および工事中 ) 471 表 環境管理計画に含めるべき内容 (NARC 供用後 ) 471 表 環境モニタリング計画に含めるべき内容 ( 工事前および工事中 ) 472 表 環境モニタリング計画に含めるべき内容 ( 供用後 ) 473 表 PPP スキーム ハイブリッドスキームの实施プロセス 479 表 事業効果指標 482 表 事業運営指標 ( 案 ) 483 xviii

21 略語集 A*STAR シンガポール科学技術研究庁 (Agency for Science, Technology and Research) AAALAC 台湾实験動物の国際的取扱に関する評価認証協会 (Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International) ABLE インドバイオ産業貿易協会 (Association of Biotechnology Led Enterprises ) AIC 赤池情報量規準 (Akaike's Information Criterion) AMDAL 環境アセスメント (Analisis Mengenai Dampak Lingkungan) ANDAL 環境影響評価書 (Analisis Dampak Lingkungan) APBN Anggaran Pendapatan dan Belanja Negara API 原薬 (Active Pharmaceutical Ingredient) ASEAN アセアン (Association of Southeast Asian Nations) AsiaSEED 特定非営利活動法人アジア科学教育経済発展機構 ATP Pertamina Advance Technology Division BABE Original の薬と Generic の薬の成分比較 効き具合テスト (bioavailability and bioequivalence) BAC PT. Bogor Anggana Cendekia BAKOSURTANAL インドネシア測量地図庁 (Badan Informasi Geospasial: National Coordinating Agency for Surveys and Mapping) BAPETEN インドネシア原子力規制庁 (Badan Pengawas Tenaga Nuklir: Nuclear Energy Regulatory Agency) BAPPENAS 国家開発企画庁 (Badan Perencanaan Pembangunan Nasional: National Development Planning Board) BATAN インドネシア原子力庁 (Badan Tenaga Nuklir Nasional: National Nuclear Energy Agency) BIIE ブカシ国際工業団地 ( Bekasi International Industrial Estate) Biotech Corp マレーシアバイオテクノロジーコーポレーション (Malaysian Biotechnology Corporation Sdn Bhd) BKPM 投資調整庁 (Badan Koordinasi Penanaman Modal: Indonesian Investment Coordinating Board) BMS バイオメディカルサイエンス (Biomedical Sciences) BOT 建設 運営 移譲方式 (build, operate and transfer) BPPT 科学技術評価応用庁 (Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi: Agency for the Assessment and Application of Technology) BRC バイオファーマカ研究所 (Biopharmaca Research Center) BReAD Baking Research and Development Unit BSL バイオセーフティーレベル (Biosafety Level) BSN インドネシア国家標準局 (Badan Standardisasi Nasional: National Standardization Agency) BTO 受注生産方式 (Build to Order) BUMD 地方公営企業 (Badan Usaha Milik Daerah) BUMN 国有企業 (Badan Usaha Milik Negara) xix

22 CCMB インド細胞 分子生物学センター (Centre for Cellular and Molecular Biology) CED 起業家育成センター (Center for Entrepreneurial Development) CFIC FDA 業界連携センター (Center for Federal Drug Administration and Industry Collaboration)( 米国 ) CFTRI インド中央食品技術研究所 (Central Food Technology Research Institute) CiBOR Center of Innovation for Biomaterials in Orthopedic Research( 米国 ) CIMIT 医療技術統合センター (Center for Integration of Medicine & Innovative Technology)( 米国 ) CIO Chief Incubation Officer CPI 消費者物価指数 (Consumer Price Index) CREATA 熱帯農業応用工学研究センター (Center for Research on Engineering Application in Tropical Agriculture) CRI 韓国クリエイティブリサーチイニシャティブ (Creative Research Initiative) CRP 競争力を持つ研究に対する支援プログラム (Competitive Research Program) ( シンガポール ) CSA 臨床科学者アワード (Clinician Scientist Award)( シンガポール ) DCB 台湾バイオテクノロジー開発センター (Development Center for Biotechnology) DEI 開発 拡張インセンティブ (Development and expansion incentive)( シン ガポール ) DFBO 事業の設計 資金調達 建設および運営 (design, finance, build and operate) DHF 設計管理の項目の活動結果を記録したもの (Design History File) DNA デオキシリボ核酸 (deoxyribonucleic acid) DSCR デットサービスカバレッジレシオ (Debt Service Coverage Ratio) DSI シンガポールデータストレージ研究所 (Data Storage Institute) DTD 二重控除 (Double Tax Deduction)( シンガポール ) DTP ジフテリア 破傷風 百日咳 (diphtheria-tetanus-pertussis) ECER マレーシア東部コリドー開発地域 (East Coast Economic Region) EDB シンガポール経済開発評議会 (Economic Development Board) EFB ヤシ空房 (empty fruit bunch) EIA 環境アセスメント (environmental impact assessment) EIF EU の欧州投資信託 (European Investment Fund) EJIP East Jakarta Industrial Park e-ktp 国民電子 ID カード (National Electronic ID Card) ELSI 倫理的 法的 社会的課題 (Ethical, Legal and Social Implications) EPC 設計 (engineering) 調達(procurement) 建設(construction) を含む 建設プロジェクトの建設工事請負契約 Equity-IRR 資本金と元利金返済後の当期損益の現在価値の合計とが等しくなるような割 引率 (Equity-Internal Rate of Return ) ERA 欧州研究領域 (European Research Area) ESVF 初期段階ベンチャーファンドスキーム (Early-Stage Venture Funding Scheme) ( シンガポール ) EWT 環境および水技術 (Environmental and Water Technologies) xx

23 FDA 米国食品医薬品局 (Food and Drug Administration) FIRR 財務的内部収益率 (Financial Internal Rate of Return ) FPWG 施設計画ワーキンググループ (Facility Planning Working Group) GCA 政府契約機関 (Government Contracting Agency) GCIC クリーブランド クリニック (Cleveland Clinic) が主体となった 2 億 5,000 万ドル規模の商業化共同事業体 (Global Cardiovascular Innovation Center) ( 米国 ) GC-MS ガスクロマトグラフ質量分析器 (gas chromatography-mass spectroscopy) GDP PPP 購買力平価 (Purchasing Power Parity) ベースの GDP GIIC グリーンランド インターナショナル インダストリアル センター (Greenland International Industrial Center) GMP 医薬品等製造管理および品質管理基準 (Good Manufacturing Practice) GTS Generic Traffic Shaping HGB 建設権 (Hak Guna Bangunan) Hib インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae)b 型 HIV ヒト免疫不全ウイルス (Human Immunodeficiency Virus) HNTE 高度新技術企業 (High and New Technology Enterprise)( チリ ) HPI ハートランド植物イノベーション (Heartland Plant Innovations)( 米国 ) HPLC 高速液体クロマトグラフィー (High performance liquid chromatography) HPLC 高速液体クロマトグラフィー (high performance liquid chromatography) HSP 台湾新竹科学園区 (Hsinchu Science Park) HSR-CRGs ヘルスサービスに関する研究の競争力向上のための補助金 (Health Services Research Competitive Research Grants)( シンガポール ) IA 投資控除 (Investment allowance)( シンガポール ) ICRISAT インド国際半乾燥熱帯作物研究所 (International Crop Research Institute for Semi-arid Tropics) IDEC 横浜企業支援財団 (Yokohama Industrial Development Corporation) IDM 双方向デジタルメディア (Interactive and Digital Media) IDMA インド医薬品製造業組合 (Indian Drug Manufacturers Association) IDP インキュベーター振興プログラム (Incubator Development Program)( シン ガポール ) IDR インドネシアルピア (Indonesia Rupiah) IICT インド科学技術研究所 (Indian Institute of Chemical Technology) IIT インド工科大学 (Indian Institute of Technology) ILSC インドライフサイエンス研究センター ( Institute for Life Sciences Centre) IME シンガポールマイクロエレクトロニクス研究所 (Institute of Microelectronics) IMF 国際通貨基金 (International Monetary Fund) IMRE シンガポール材料研究 エンジニアリング研究所 (Institute of Materials Research and Engineering ) INSINAS funding support from the National Research Incentive( シンガポール ) INTECH 新規技術イニシャティブ (Initiatives in New Technology)( シンガポール ) IPB ボゴール農科大学 (Institut Pertanian Bogor: Bogor Agricultural xxi

24 ITB ITTO Jabodetabek JBA JNCASR JPY KA-ANDAL KABB KDDF KIST KKPPI KOTRA KRIBB LAPAN LAPTIAB LAPTIAB LC-MS LIPI LIPI LPPM MEST MIT MOST MOTIE MP3EI University) バンドン工科大学 (Institut Teknologi Bandung: Bandung Institute of Technology) 国際熱帯木材機関 (International Tropical Timber Organization) 大ジャカルタ都市圏 (Jakarta, Bogor, Depok, Tangerang, Bekasi) 一般財団法人バイオインダストリー協会 (Japan Bioindustry Association) インドジャワハルラル ネルー先端科学研究所 (Jawaharlal Nehru Centre for Advanced Scientific Research) 日本円 (Japanese Yen) 環境影響評価の Terms of Reference (Kerangka Acuan) バイオエネルギー バイオ精製カンザス同盟 (Kansas Alliance for Bioenergy and Biorefining)( 米国 ) 韓国医薬品振興基金 (Korea Drug Development Fund) 韓国科学技術院 (Korean Institute of Science and Technology) ( 韓国 ) 国家インフラ開発促進委員会 (Committee on Policy for the Acceleration of Infrastructure Development) 大韓貿易投資振興公社 (Korea Trade-Investment Promotion Agency) 韓国バイオサイエンス バイオテクノロジー研究所 (Korea Research Institute of Bioscience & Biotechnology) インドネシア国立航空宇宙研究所 (Lembaga Penerbangan dan Antariksa Nasional: National Institute of Aeronautics and Space) 調剤薬局技術センター (Laboratoria Pengembangan Teknologi Industri Agro&Biomedika: Center of Pharmaceutical & Medical Technology, Laboratories for The Development of Technologies for Agricultural and Biomedical Industries) Laboratories for The Development of Technologies for Agricultural and Biomedical Industries 液体クロマトグラフ質量分析器 (liquid chromatography-mass spectroscopy) インドネシア科学院 (Lembaga Ilmu Pengetahuan Indonesia: Indonesian Institute of Sciences) インドネシア科学院 (Lembaga Ilumu Pengetahuan Indonesia: Indonesian Institute of Sciences) 研究 コミュニティーサービス機関 (Lembaga Penelitian dan Pengabdian kepada Masyarakat: Institute of Research and Community Empowerment of IPB) 韓国教育科学技術部 (Ministry of Education, Science and Technology) マサチューセッツ工科大学 (Massachusetts Institute of Technology)( 米国 ) 韓国科学技術部 (Ministry of Science and Technology) 韓国産業通商資源部 (Ministry of Trade, Industry and Energy) インドネシア経済開発の促進と拡大に関する 2011 年 ~2025 年基本計画 (Masterplan Percepatan dan Perluasan Pembangunan Ekonomi: Master Plan for Acceleration and Expansion of Indonesia Economic Development ) xxii

25 MPA 首都圏投資促進特別地域 (Metropolitan Priority Area) MRI 核磁気共鳴画像法 (magnetic resonance imaging) NARC 新学術研究クラスター (New Academic Research Cluster) NBC シンガポール国家バイオテクノロジー委員会 (National Biotechnology Committee) NBP シンガポール国家バイオテクノロジープログラム (National Biotechnology Programme) NBP マレーシア国家バイオテクノロジー政策 (National Biotechnology Policy) NCBC ノースカロライナ バイオテクノロジー センター (North Carolina biotechnology Center)( 米国 ) NCBS インド国家バイオロジーサイエンスセンター (National Centre for Biological Science) NCER マレーシア北部コリドー開発地域 (Northern Corridor Economic Region) NCP バイオテクノロジー 農業 林業 漁業 水産養殖および食料 に関するロ シア連絡窓口 (National Contact Point)( ロシア ) NHRI 台湾健康研究所 (National Health Research Institutes) NMR 核磁気共鳴 (Nuclear Magnetic Resonance) NPO 非営利団体 (Nonprofit Organization) NRA 国家研究指針 (National Research Agenda) NRDP 韓国国家研究開発プログラム (National R&D Program) NRF 国家研究基金 (National Research Foundation)( シンガポール ) NRL 韓国国家リサーチラボラトリー (National Research Laboratory) O&M 設備設置後にその運用 (Operation) と保守 (Maintenance) を請け負う契約 OCS イスラエルの Office of Chief Scientist OECD 経済協力開発機構 (Organisation for Economic Co-operation and Development) OPPI インド製薬工業協会 (Organization of Pharmaceutical Producers of India) OTF オハイオサードフロンティア (Ohio Third Frontier)( 米国 ) P1 物理的封じ込め (Physical containment) レベル 1 P2 物理的封じ込め (Physical containment) レベル 2 P3 物理的封じ込め (Physical containment) レベル 3 P3K Enterpreneurship Research and Development Center PD 大統領令 (Presidential Decree) PIC 生産性およびイノベーションクレジット (Productivity and Innovation Credit)( シンガポール ) PIs 治験責任医師 (Principal Investigators)( シンガポール ) PMK インドネシア財務省の発行した規定 (Minister of Finance Regulation, Republic of Indonesia) PPP 官民パートナーシップ (public private partnership) PPSHB Research Center for Bioresources and Biotechnology PSIF Private Sector Investment Finance PT 株式会社 (Perseroan Terbatas) PT. BLST PT. Bogor Life Science and Technology PT. PBN PT. Pustaka Bhakti Nusantara xxiii

26 PTBH Badan Hukum: Legal Entity PTBHMN Perguruan Tinggi Badan Hukum Milik Negara : State-Owned legal Entity Universities PTBHP Badan Hukum Pendidikan: Education Legal Entity PTBLU 行政サービス機関 (Badan Layanan Umum: Public Service Entity) PTUPT Unit Pelaksana Teknis: Technical Implementation Unit PUSPIPTEK インドネシア科学技術センター (Pusat Penelitian Ilmu Pengetahuan dan Teknologi) QA 品質保証 (Quality Assurance) R&TD 研究 技術開発 (Research and Technology Development) RDA 研究開発に対する税額控除 (R&D Tax Allowance)( シンガポール ) RIEC シンガポール研究 革新 起業委員会 (Research, Innovation & Enterprise Council) RIS Regional Innovation System RISC 企業向け研究インセンティブスキーム (Research Incentive Scheme for Companies)( シンガポール ) RISTEK インドネシア研究開発省 (Kementerian Riset dan Teknologi: Ministry of Research and Technology) RITE 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 (Research Institute of Innovative Technology for the Earth) RKL 環境管理計画 (Rencana Pengelolaan Lingkungan Hidup: Environmental Management Plan) RPL 環境モニタリング計画 (Rencana Pemantauan Lingkungan Hidup: Environmental Monitoring Plan) SBRC 界面活性剤 生物エネルギー研究センター (Surfactant and Bioenergy Research Center) SCORE マレーシアサラワク再生エネルギーコリドー (Sarawak Corridor of Renewable Energy) SDC マレーシアサバ開発コリドー (Sabah Development Corridor) SEAFAST Center 東单アジア食料農業科学技術センター (Southeast Asian Food and Agricultural Science and Technology)Center SEM 走査型電子顕微鏡 (scanning electron microscopy) SERC シンガポール科学工学研究会議 (Science and Engineering Research Council) SEZ 経済特別地域 (Special Economic Zone) SFAz アリゾナ科学基金 (Science Foundation Arizona)( 米国 ) SFE 超臨界流体抽出 (Supercritical Fluid Extraction) SIMTech シンガポール製造技術研究所 (Singapore Institute of Manufacturing Technology) SIRO 科学 産業研究機関 (Scientific & Industrial Research Organizations)( イ ンド ) SME 中小企業 (Small and Medium Enterprise) SPRING シンガポール規格 生産性 革新庁 (Standards, Productivity, and Innovation Board) xxiv

27 SPRING SEEDS スタートアップ企業開発スキーム (Startup Enterprise Development Scheme) ( シンガポール ) sq. m. 平方メートル (square meter) SRG 戦略的研究グループ (Strategic Research Group)( 米国 ) STaR シンガポールトランズレーショナルリサーチ (Singapore Translational Research) STI インドネシアの科学技術 技術革新政策 (Science, Technology and Innovation) STSP 台湾单部科学園区 (Southern Taiwan Science Park) TCR トランズレーショナルリサーチ 臨床研究 (Translational & Clinical Research)( シンガポール ) TECS 技術志向型企業の産業化スキーム (Technology Enterprise Commercialization Scheme)( シンガポール ) THRIP 産業技術人材プログラム (Technology and Human Resources for Industry Program)( 单アフリカ ) TIBS シンガポール バイオテクノロジーにおけるトレーニングスキーム (Training in Biotechnology Scheme) TIDCO インドタミールナドゥ州産業発展公社 (Tamil Nadu Industrial Development Corporation Ltd.) TLO Technology Licensing Office TNF 腫瘍壊死因子 (Tumor Necrosis Factor) TRIPS 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定 (Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights) T-UP 企業の能力向上のための技術イニシャティブ (Technology for Enterprise Capability Upgrading Initiative)( シンガポール ) UKL Environmental Management Plan UN ECLAC 国連ラテンアメリカ カリブ経済委員会 (Economic Commission for Latin America and the Caribbean) UNIDO 国連工業開発機関 (UNIDO) UPL Environmental Monitoring Plan VAT 付加価値税 (Value added tax) VDI/VDE ドイツ技術者協会 VGF PPP 方式で实施される事業のうち 事業の採算性が低いプロジェクトに対する 財務的实施可能性ギャップ補填のための補助金 (Viability Gap Fund) VLP ウイルス様中空粒子 (virus -like particles ) WACC 加重平均資本コスト (Weighted Average Cost of Capital) WHO 世界保健機構 (World Health Organization) XRD X 線回折装置 (X-ray Diffraction) xxv

28 要 約 インドネシアのバイオクラスターの競争力分析と産業化の促進生物資源に関する NARC は インドネシアにおいて特定分野の産業化を促進させる重要な産業発展プラットフォームを大学連携リサーチパークの周辺に提供する事業である 投資したリソースの効果を最大限引き出し NARC リサーチパークの価値を正しく産業パートナーに伝えるためには シグネチャ プラットフォーム 構想を産業バイオサイエンスの主要な分野に対して採用することを強く望ましい 開発した施設は研究施設と産業界との共同研究プロジェクトを促進し 企業の研究オペレーションの拠点となり 商業化可能な技術をベースとした新規ビジネスをインキュベートする拠点となり そしてリサーチパークの環境を成長させることが期待されている NARC において産学連携を発展させる可能性の高いセクターとして 三つの主要な シグネチャ プラットフォーム を以下に挙げる - 製薬プラットフォーム天然産物および漢方のための生物資源調査 診断法 ワクチンと 抗生物質の生産 および製薬原料を含む - 農業 食料プラットフォーム主要な農業の改良と多様化 および付加価値のある食料品 を含む - 工業用バイオ製品プラットフォームバイオオイル バイオ燃料 およびバイオ精製作業 に焦点を当て 主要な工業用原料としてのパーム油に対する付加価値をとくに強調 AgriFood Products Biomass Oil crops Starch and sugar crops Enhanced and new crops Soil enhancement Value-added food Analog foods Biofuels Bio-based chemicals Industrial Bioproducts Pharma ingredients Phytochemicals Functional food Health Products Herbal medicines Vaccines Diagnostics Biopharmaceuticals インドネシアにおいてバイオリソースのコアとなる競争優位プラットフォーム 上図の通り 各プラットフォームは ポテンシャルのある商品群において R&D 主導での開 発が行われるような機会を提供する しかし 各プラットフォーム間には 図にもみられ xxvi

29 農業 食料プラットフォーム 製薬プラットフォーム るように シナジー効果を発揮し得る重複する箇所も存在する 各拠点との協議や他国におけるベスト プラクティスの例をもとに,NARC の各拠点はシグネチャ インフラのパイロット化やスケールアップの投資を中心とした, 特別な施設要求を満たす必要がある NARC 産業化促進のためのアクション各産業や関連するニッチマーケットにおけるインドネシア産業の立ち位置を分析した結果 推奨される活動がみえてきた ターゲットとする各市場において インドネシアが直面する課題と推奨するアクションは下表の通り ターゲット産業プラットフォーム ターゲット市場 インドネシアの主要な課題 推奨されるアクション 漢方 漢方の同定と評価において重要な位置に達すること ASEAN と調和しながら 品質基準の向上 バイオアクティブ原材料同定のための分析ラボのキャパシティ拡大ラボベースの大量処理生体外研究とヒト臨床試験を絡めたより厳格な効能研究長期では天然産物創薬を推進するための合成化学能力の向上 診断 ワクチン 抗体に関わるバイオ製薬 薬物治療生物学への注力より複雑なジェネリック後発バイオ製品への移行 スケールアップしたバイオ施設や専門性の必要性の呼びかけ外国のバイオ製薬企業と NARC 拠点においてパートナーシップを組める様インセンティブを提供 ( 外国企業所有権制限の緩和を含む ) 製薬 原材料 ジェネリック医薬品のインドネシアでの製造は 90% 以上の原材料を輸入品に頼っているため 付加価値 利益の創造は困難世界的に非常に競争の激しい産業 新しい製薬材料 製剤技術 薬物デリバリー手法の開発を通じてインドネシアが競争優位になれるような利点を推奨するよう政府による R&D 資金提供の増加 農業改善 & 多様化 農業生産性の向上土壌侵食や気候変動といった環境課題の提言 植物交配や作物の改善 多様化のための種子開発を促進させるよう施設の改善輸出増のため成長している熱帯果物市場の支援 ( ポストハーベスト技術 食料安全 害虫 病害防除の改善 ) 付加価値食物 地元産業が より健康的な食べ物に対する地元の需要に遅れを取らないこと 作物のバイオアクティブ化学品の特性表示 分離 純化 プロセスと 新しい健康推進食品の開発のための特別なラボ設備とプロセス技術のスケールアップが必要 xxvii

30 工業用バイオ製品プラットフォーム ターゲット産業プラットフォーム ターゲット市場 インドネシアの主要な課題 推奨されるアクション パーム油バイオ商品 全バイオ商品開発がより高度な製造価値を持つよう インドネシアにおいて 製粉工程を超えた付加価値活動増加パーム油の歩留まり向上 パーム油のより広範な加工の試験向上している作物栽培学 肥料の使用や改善された多様な椰子の種類の採用を通じた生産歩留まり向上試験 評価施設の検討 NARC プログラムは各研究機関が産業パートナーと共同で応用研究や技術の商業化に焦点を当てたシグネチャ プラットフォームの開発に投資することを描いている シグネチャ プラットフォームにユニークな特性を与える事により 地域や国家の目標を支えイノベーションが起こり 社会的利益が加速される 法的枠組み 本事業の根拠法令多くの研究開発 (R&D) 事業は 純粋な民間事業として成り立たない場合が多いため 政府の支援は R&D 事業を推進するうえで不可欠である そのため R&D 施設の開発 建設に対して補助金などの政府支援を可能とする法令を根拠法とすることが重要となる 政府支援を得ることを前提として JICA 調査団は二つの事業スキームを提案している 一つは補助金付きの PPP 方式で もう一つが公共および民間双方の投資を前提としたハイブリッド方式である これらの二つの事業スキームの根拠法令は 以下の通りである (1) 補助金付 PPP 方式 : 大統領令 2005 年第 67 号 ( 大統領令 2010 年第 13 号および 2011 年第 54 号で改正 ) (2) ハイブリッド方式 : 大統領令 2010 年第 54 号 ( 物品およびサービスに係る政府調達 ) および政令 2006 年第 6 号 ( 中央および地方政府の資産管理 ) NARC 事業の实施機関としての BPPT および国立大学の権利能力 PPP 方式の根拠法である現在の大統領令 (2005 年 54 号 ) は 大学を PPP 事業の GCA( 政府契約機関 ) として明記していない 仮に国立大学が GCA となれない場合には BPPT が本事業における唯一の GCA となる この場合 PPP 契約に基づくすべての権利義務関係は BPPT と SPC との間で規定されることとなる この PPP 契約とは別に BPPT と国立大学は NARC 事業にかかる権利義務関係を協力契約書にて規定しなければならない 一方で ハイブリッド方式の場合には BPPT 及び大学のいずれも GCA となれる 事業用地にかかる法律問題 BPPT の NARC 事業用地は 国有である BPPT へのヒアリングによると 現在当該土地の利 xxviii

31 用権は RISTEK が保有しており この利用権が NARC 事業の实施に際して BPPT に移譲される予定とのことである RISTEK は 土地の民間事業者への付与について 財務省からの事前の承認を必要とする IPB の NARC 事業用地は国有であるが IPB はその利用権を与えられている IPB もその土地の本事業への活用につき財務省の承認が必要となる ITB サイトにおいて NARC 事業の予定地として提案されている土地はブカシ県の所有となっている ブカシ県と ITB は ブカシ県における ITB のキャンパスおよび教育の発展 研究訓練 地域社会の責任にかかるブカシ県と ITB 間の協定 を締結し ITB は同協定に基づいて ブカシ県の土地を利用する権利が付与されることになっている ブカシ ITB 協定によれば ブカシ県における教育の発展 研究と地域サービスの発展を目的として 土地と施設の運用を ITB に譲渡するとされている しかし 本土地を第三者に転貸することの可否については明記されていない 投資家が当該土地を利用するに当たっては JICA 調査団はブカシ ITB 協定の一部を 事業者選定手続きの開始前に改訂する必要があると考える また ブカシ ITB 協定は ブカシ県が ITB に貸与する土地上の建物の所有権はブカシ県に移転すると規定している NARC 施設がブカシ県により所有される場合には 抵当権の設定が困難となり 民間事業者による資金調達に支障をきたす可能性がある そのため JICA 調査団は ITB とブカシ県が 事業期間中において NARC 施設の所有権を民間事業者のままとすることにつき協定を締結する必要があると考える 補助金付 PPP スキームの法的課題 R&D 事業にかかるインフラは PPP 大統領令の適用対象として明記されていない 法律事務所のリーガルレビューによると PPP 大統領令に挙げている対象インフラのリストは リストに載っていないインフラを排除する趣旨ではないとしている もっとも 同レビューによれば 財務省は PPP 大統領令のリストに明記されていないインフラ事業に対しては VGF を付与しないであろうとのコメントが付されている BPPT は JICA 調査団の支援の下 KKPPI に対する改定提案書を作成し KKPPI に提出した また 現時点において BPPT および JICA 調査団は 現在関係機関が PPP 大統領令の改定に向けた情報収集を行っているところであり 实際の改定は 2014 年になる見込みであることが伝えられている ハイブリッド方式の法的課題ハイブリッド方式により事業を实施するためには 大きく 2 種類の契約を締結する必要がある 一つがインキュベーションおよびサポートセンターの EPC 契約であり もう一つがリサーチセンターの BOT 契約である ( インキュベーションおよびサポートセンターの設計を含む ) EPC 契約については 大きな法的課題は見当たらない 一方で BOT 契約については 以下の条件の下 国有または地方政府の財産を BOT スキームにおいて利用することが認められている xxix

32 - 施設が公共サービスを提供するものであること - 国や地方政府からの資金供給がないこと リサーチセンターに対する BOT 契約については 公的サービスの提供であり 公的資金を 必要としないことから 以上の条件を満たすと考えられる また その他大きな法的課題 は見当たらない (1) インキュベーションセンターおよびサポートセンター建設の予算化ハイブリッドスキームにおいては BPPT のみならず IPB および ITB も政府契約機関となることができる 3 者が政府契約機関となる場合 インキュベーションセンター (BPPT についてはサポートセンターについても ) それぞれが個別に予算請求する 一方で BPPT が唯一の政府契約機関となる場合 BPPT のみが施設の建設費にかかる予算請求をする この場合 BPPT が請求した国家予算 (APBN) を用いた資産は BPPT の名義により登録された国有財産となる (2) 大学の学術目的以外の施設に対する予算請求の可否 IPB および ITB は 高等教育に関して APBN を要求することができる しかし 教育目的以外の資金については明確な条項が存在しない ( ただし 一般的に IPB および ITB は商業目的の投資活動を行うことが許容されている ) そのため IPB および ITB は 当該プログラムが ABPN の協議において認められれば APBN の支援を得ることができると想定される IPB および ITB による投資に APBN の予算が用いられる場合には 物品およびサービスの調達は PR54/2010( 改正後 ) に基づき行われる必要がある (3) 共同調達の可否大統領令 2010 年 54 号 ( 物品およびサービスにかかる政府調達 )( 大統領令 2012 年 70 号により改正 ) によると 省 庁 (BPPT を含む ) 地方政府 政府機関(IPB および ITB を含む ) は 共同調達契約に基づき共同調達ができるとされている また 共同調達契約は 複数の省 庁 地方政府 政府機関による異なった資金源により 物品およびサービスを調達する場合に適用される さらに 共同調達における各機関の予算化の責任は共同調達契約にて規定される (4) 政府契約機関と民間事業者の私法上の契約の可能性リサーチセンターについては 政府の補助金の付与が無いため BPPT および大学が民間事業の契約として扱えないかが問題となる 仮に土地が国有もしくは地方政府の所有である場合には BPPT IPB および ITB は 建設および運営維持管理のいずれについても民間事業 xxx

33 として契約することはできない インセンティブ政策 R&D にかかる現行の法令 インドネシアにおける R&D に対するインセンティブ付与に係る法令は下表に示す通り 法律 2002 年 18 号 政令 2007 年 35 号 法令番号適用範囲インセンティブの概要 R&D および科学技術への適用に関する国家制度 民間事業の収入の一部のエンジニアリング イノベーション 技術の普及への配分について 税制優遇 リスク軽減 報償 承認または R&D 活動の資金調達に係るインセンティブ税制優遇 関税そして / または R&D に対する技術支援 法律 2008 年 36 号 所得税 R&D 活動に要するコストの所得税控除 政令 2010 年 93 号 災害 R&D 教育施設 スポーツ振興に関する寄付 社会インフラの開発に関するコストにかかる税金控除 R&D 施設に対する寄付金に対する税制控除 政令 2011 年 52 号 特定分野および / または特定地域における投資に対する税制優遇 特定の事業に対する国内企業 : 投資額の 30% を 6 年間にわたって控除 加速度償却など 研究技術省令 2012 年 1 号 R&D に係る民間企業への技術支援 専門家の配置および R&D 施設の实 験施設の利用 SEZ SEZ 法は 民間事業者に対して複数の優遇策を与えている SEZ 内で事業を行う納税者は 法人所得税にかかる優遇を得ることができる また その他の税金については SEZ の特徴に応じて付与される この税制優遇措置は 一定期間において土地建物税の減免についても対象としている SEZ への輸入に関しては 以下の方法により減税措置がとられている (1) 輸入税の保留 (2) 一定の原材料にかかる税金免除 (3) VAT や嗜好品に対する売上税の減免 (4) 輸入税の減免 さらに SEZ 内で事業を行う納税者は 地方税についても減免される可能性がある しかし 優遇措置を得るには SEZ 事業实施機関が個別に優遇措置を与える権限を持つ政府機関 ( 税制に関しては財務省 諸手続きに関しては地方自治体など ) と直接協議 交渉を行い 取得する必要がある xxxi

34 また 上記措置に対する具体的な数値が定められていないため 後述の近隣諸国での具体 例を交渉時に活用することも考えられる インセンティブスキームの検討インドネシアにおいて R&D 事業について国際的な企業を誘致するには 税制優遇措置などのインセンティブ付与が重要である とくに近隣諸国の R&D にかかるインセンティブ付与の状況を把握することは インドネシアの R&D 事業の競争相手となる可能性が高いことから重要となる JICA 調査団は インドネシアにおいて R&D 事業を展開することに比較優位が存在するか確認するためシンガポール マレーシア 台湾について検討を行った ( 下表参照 ) 調査団は 周辺諸国は R&D 事業に対して 税制優遇措置のみならず 補助金やファンドの提供といった形態での様々な政府支援がなされていることを確認した その結果 インドネシアは周辺諸国と比較した場合 R&D 活動に対する補助金といった形態での支援が欠如していることがわかった 税制優遇措置 シンガポールマレーシア台湾インドネシア 例 :R&D に対する支出の 150% を控除可 補助金 除籍金例 : 尐なくとも S$150,000 の価値のある R&D に対する支出に対して 最初の 3 年間において S$20,250 の資金提供 その他 特許 資金 人的資源など 例 : 特許登録料の低減 5 年間のトレーニングプログラムに対する補助 例 :R&D に対する投資額の 100% を 10 年以内で控除可 インハウスの R&D の資本投下以外の支出に対して 200% の控除可例 : 新しいアイデアや新しい発見や発明の呼び水となるコンセプトに対する補助金制度商業化前の製品開発にかかるプロトタイプ開発に対する補助金制度例 : 商業化前の製品 技術開発に対するファンド パイロットスケールの製造に対して 最高 $1.6 百万を融資 例 : 課税対象所得から 35% を 5 年以内控除可 例 : 小企業のイノベーションにかかる研究につき研究費の 50% を補助 - 国際企業の R&D センターの設置に対して 毎年 NT$500 万の補助および研究費の 50% 補助例 : サイエンスパークの利用者による技術革新のノウハウに対する新株発行の支援 例 :R&D に対する支出に対して 100% 控除可 例 : 民間が大学や政府機関と共同で P&D を实施する場合 1 社につき上限 500 百万ルピア / 年の資金補助 例 : 技術者の配置や R&D 施設の利用 他国のインセンティブ政策との比較からの提案 (1) R&D 活動に対する補助金付与タイプのインセンティブの付与周辺諸国は R&D 活動に対して様々な補助金付与タイプのインセンティブ政策を有している JICA 調査団は インドネシアが周辺諸国と比較して十分な競争力を有するため インドネ xxxii

35 シア政府が国内および海外の企業に対して 補助金付与タイプのインセンティブ政策をより拡充することを提案する 特にインドネシアにおける産業発展に戦略的に重要と判断される R&D を实施する NRAC 施設利用者に対しては特別の措置がなされるべきである これらのインセンティブの導入にあたっては RISTEK が主導的役割を果たすべきと考える (2) 尐なくともシンガポールやマレーシアレベルのより強力な税制優遇措置の導入現在のインドネシアにおける R&D 活動に対する税制優遇措置は シンガポールやマレーシアのそれと比較して競争力が十分にあるとはいえない JICA 調査団はインドネシア政府が 尐なくともシンガポールやマレーシアレベルの税制優遇措置 (R&D 費用の 150~200% の税控除 ) を導入することを提案する また NARC 施設利用者に対する導入初期の数年間の免税といった措置も R&D 事業者に対して NARC 利用の大きなインセンティブを与えることになる これらのインセンティブの導入にあたっては 財務省が主導的役割を担うものと考えられる インドネシアの比較優位性を踏まえたインセンティブ政策の提言 (1) インドネシアの生物多様性資源の利用特権現在のインドネシアの政策は 生物資源保護に偏っており 外国企業からも閉鎖的な印象を受けて進出の妨げになっている そのため 生物資源を積極的に利用するという方針転換が必要である インドネシアの生物資源を まずは NARC のみに限定して 研究対象としてのみならず それに続く商業生産にまでも外国企業の利用権を認めることは非常に魅力的なインセンティブとなり NARC のテナント誘致に大きく貢献すると思われる これらのインセンティブの導入にあたっては RISTEK が主導的な役割を果たすべきと考えられる (2)NARC 由来の研究成果を商業生産する場合のインセンティブ NARC を利用してインドネシアの公的研究機関と共同研究を行い 知的所有権もインドネシアの公的研究機関と共有する研究成果を利用して商業生産に至る場合 商業生産段階においてもインセンティブが付与されるべきである ( 研究開発でのインセンティブが受けられる条件を満たしていることを前提として ) つまり NARC で ( インドネシアの公的研究機関 企業と ) 共同研究開発 ( さらに共同パイロットプラントなど生産前の開発 ) を行えば 生産段階においても税などの優遇が得られるという特典があれば 生産施設だけの進出を考えていた企業もインドネシアでの研究開発にも投資をするというきっかけになりうる これらのインセンティブの導入に対しては 財務省が主導的な役割を担うべきと考えられる xxxiii

36 需要創造 進出企業誘致 進出企業誘致 JICA 調査団は NARC への進出企業誘致に当たり 共同企業体企業の顧実リストに基づく企業訪問 BIO JAPAN 2013 ビジネスマッチング インドネシアカウンターパートとの企業訪問ならびに地元コンサルタント活用による企業訪問を行った 面談では NARC での研究テーマ NARC に対する要望項目 参加する場合の形式 ( 投資あるいはテナント ) などをヒアリングした 日本およびインドネシアで訪問した企業のうち 約 10 社の日本企業 30 社近くのインドネシア企業から興味ありとの回答を得た 日本では BIO JAPAN 2013 での接触をいれると約 100 社以上 また 30 社近くの顧実企業と直接面談をした 一方 インドネシアでは 電話による問い合わせも含めて 100 社以上の顧実と接触し 多くの企業が関心のあることがわかった ただし 面談時には 具体的な誘致のためのインセンティブ 政府の方針が決まっていなかったため 今後 具体的にインセンティブなどが決定次第 再度関心を示している企業に参加を確認する予定である バイオベンチャーの状況および育成案インドネシアでは バイオベンチャーの発展を促す明確な政策はない 日本でも これらは大きな課題であり ベンチャーキャピタル エンジェル税制の整備など必要となる また インドネシアや日本のみならず 米国や欧州などの海外投資家向けファンド税制の見直しなどの方策も必要である なお インドネシアでは ベンチャーを創設し 新たにライフサイエンス産業を興そうとする企業は極めて尐ない バイオベンチャー育成に関して インドネシアでは政策面での支援はない また バイオベンチャーに限らず中小企業育成に関しても 十分な対応がなされていない バイオクラスターが存在する先進国では対策が講じられており 以下に日本の例を示す 政府としては経産省が中心となって 以下のようなベンチャー企業創出 成長支援制度を用意している 中小企業基盤整備機構からのファンド 産業革新機構による出資事業 エンジェル税制 海外投資家向けファンド税制 独立行政法人新エネルギー 産業技術総合開発機構 (NEDO) などによる技術開発 試作支援 xxxiv

37 さらに 各都道府県がバイオクラスター振興のため 個別に支援事業を展開している インドネシア NARC のデマンドリスク懸念と回避策インドネシア側には NARC に日本企業が本当に参加するのか というデマンドリスクに対する懸念がある JICA 調査団が個別にインドネシア企業 ( カウンターパート同行 ) および日本企業へのインタビューを行った結果では 丁寧な説明で理解をしてくれる企業が多かったが インドネシアにおけるこのような施設へのニーズがある理由 またデマンドリスクの回避策として考えられる点は以下の通りである (1) 生物多様性について名古屋プロトコルにより 国外への持ち出しが禁じられているなかで NARC ではその利用 提供が認められる可能性がある まだ開発されていない資源を利用して 国内外の企業や大学がそれをベースに商品化し アセアン諸国などに輸出することを計画している (2) イスラム圏最大のマーケットインドネシアは人口 2 億人を超え アセアン諸国の中で最大のマーケットである また イスラム圏の中でも最大の人口を有している これを活かし 食品や医薬品をイスラム圏に拡大することが可能である (3) インドネシア企業における研究開発 商品開発 生産までの産学連携インドネシア企業のなかでは 製薬企業 主に大手が産学連携を实施しているか 興味があって将来的に商品開発 生産を希望している しかし 製薬の中小企業 食品やエネルギー分野では 一部の大手を除いて 産学連携は認識に至っておらず 初期段階といえる (4) インドネシアバイオクラスターの優位性 パーム油の世界最大の生産国であり 今後 商品開発 生産面での利用拡大が期待されること BPPT IPB ITB から NARC へ人材が供給されること アセアン最大の人口を有し マーケットが巨大であり インドネシア市場での成功により大きな利益が見込まれること 多くのインドネシア企業および日本企業が NARC を懸け橋 (Networking) としてのビジネスの拡大に期待していること インドネシア企業が日本との協力で技術を導入し 新たなマーケットの開拓に期待していること (5) インセンティブの充实 xxxv

38 ヒアリングで得た NARC への要求を参考に インセンティブを準備する必要がある しかし 日本企業へのヒアリングでは 農業の研究に实験農場 魚の養殖の研究に大きな池が必要との声もあり NARC として個別に対応する必要がある 卖にインキュベーション施設やリサーチセンターを作ればいいというのでなく 個別企業の要望を吸い上げていくことがテナントを増やすためには必要である 企業からの NARC に対するリクエスト 研究投資や研究自体に対するインセンティブが決まっていないが 日本を含めインドネシアの企業からは Research Fund の希望が多かった インドネシア企業および日本企業数社がコラボレーションの機会を探っていることがわかった また 日本の大手製薬会社では 日本ではなかなかできない Clinical Study (Laboratory) をインドネシアでできないか検討しているところもあった ある日本の企業は 海外に進出するときはまず生産設備を作り 次に R&D に進む方式を取りたいとの意向であった インドネシアの企業からは NARC を通じて人材育成を進め 研修も充实してほしいとの要望があった 日本の企業は とくにインドネシアにおける IP の保全に関心があり インドネシアの製薬大手も サポートセンターでの IP の保全や特許の管理が重要なことを示唆した 今後の方針 NARC 完成時までにできるだけ多くのテナントを呼び込むため マイルストーンごとに何をすべきかを示す Action Plan の作成が今後必要である 想定される活動としては 以下のようなものがある ただし NARC に対する政府の方針やインセンティブを最初に明確にすべきである 新聞発表 セミナー( 説明会 ) の開催 国内外のバイオインダストリーに対するイベントを通じての参加要請活動 個別企業への継続的説明( 日本およびインドネシア両国において ) 共同研究および開発に係る日イ両国企業のマッチングシステム構築( 両国で Collaboration を希望している企業に対して ) 政府の誘致方針 インセンティブなどの明確化 市場予測 世界の製薬市場 xxxvi

39 世界の製薬市場は高齢者の増加 慢性疾患患者の増加 途上国での需要の増加 保険制度 の拡充などで 2007 年から 2011 年の 5 年間の年平均成長率は 6.7% であった 今後も成長 率も伸びが予測されている 日本の製薬市場日本では医療費の伸びを抑えるため 政府がジェネリックの使用促進 予防医療や慢性疾患に対するセルフマネジメントの推進などに力を入れてきた このため 日本のライフサイエンス業界は既に成熟期にあり 急激な変化は期待できない それでも 製薬市場の規模は世界第 2 位 また 新薬の開発では世界第 3 位を占めている インドネシア市場 (1) 製薬市場インドネシアの製薬市場は 2012 年に 50~60 億米ドルに達し 次の 5~7 年間に市場は年 7.6~9.0% という健全な成長を続けると予想されている ジェネリック処方薬および市販薬のシェアは 2012 年にはそれぞれ約 40% で 残りの 20% は特許取得処方薬であった (2) インドネシアの食品 飲料市場経済成長に伴う所得向上により インドネシアの食品 飲料市場は拡大が続いている なかでも 加工食品やソフトドリンクの成長が著しい 加工食品とソフトドリンクでは 地場食品大手が首位を維持しているが 古くから進出している外資大手も一定のポジションを確保している (3) インドネシアのバイオエネルギー市場インドネシアのバイオディーゼルセクターは 2012 年に健全な成長を続けた バイオディーゼルの生産は 2011 年の 15 億 7,500 万リットルから 2012 年には 22 億リットルへ また 輸出量も 2011 年の 12 億 2,500 万リットルから 2012 年の 15 億リットルへ増加した インドネシアのバイオクラスターの競争優位性分析下記項目がインドネシアにバイオクラスターを設立する際の優位な条件となる ヘルスケア市場( 製薬 ) における漢方薬の技術蓄積 ワクチン製造に関しての優位性 食品産業の巨大市場 世界最大のパーム油生産国とくにインドネシア市場をみたとき 以下も大きなファクターとなる 巨大な人口と経済成長 BPPT IPB ITB からの人材の供給 xxxvii

40 ジャカルタという大市場を背景に持つクラスター (Serpong Bogor Deltamas) であ ること 施設計画の検討と概算事業費の算出 施設計画に係る今後の要請事項 ( インドネシア側 日本側 ) 施設計画の实現のためには 以下のことが決定または推進される必要がある (1) 関係機関と調整し 建設予定地の候補地を確定すること (2) 土地利用に関して 財務省の合意を取り付けること (3) 建設候補地で 農業または牧畜に使用されている土地の使用者移転を推進すること (4) 現在の土地利用者の権利を調整すること (5) 建設候補地におけるアプローチ道路等の予算 建設予定を明確にすること (6) 電気 水道 下水 通信等のインフラ設備に係る接続および許容量を確認すること (7) 建設に関係する法令 手続きについて地方自治体 航空局等の行政機関と調整を行うこと (8) 発生するリスクに関して随時モニタリングしリスク軽減策を講じること (9) リサーチセンター敶地の将来需要増大について対応できるよう考慮すること 施設計画の検討 (1) 敶地所在地 BPPT の施設 候補敶地 (BPPT-NARC) は バンテン州单タンゲラン市スルポン プスピプテック研究地区内の 27.3ha IPB の施設 候補敶地 (IPB-NARC) は 西ジャワ州ボゴール市 IPB ドラマガキャンパス内の 10.8ha ITB の施設 候補敶地 (ITB-NARC) は 西ジャワ州ブカシ県デルタマス工業団地 ITB デルタマスキャンパス予定地内の 40.0ha である (2) 基本コンセプト 1) 景観や地域環境に配慮した施設づくり ( エコフレンドリー ) 2) インドネシアと日本の技術を融合した施設づくり 3) 維持管理費の軽減に配慮した経済的な施設づくり ( スマートファシリティー ) 4) 安全で快適な施設づくり 5) 親しみやすく 人に優しい施設づくり (3) 施設計画 IPB と ITB には それぞれ 25 部屋 (52m 2 模模の实験审 11 部屋 104 m 2 模模の实験审 8 部屋 52 m 2 模模の研究审 6 部屋 ) の専有レンタル施設を計画した インキュベーションセンターは 各階床面積が 1000 m 2 規模で 3 階建てとし 延べ床面積 3000 m 2 となる xxxviii

41 BPPT には インテグレーテッドサポートセンター機能に対して床面積 1000 m 2 を計画し イ ンキュベーションセンター機能には 3000 m 2 の床面積を計画した 建物は 総 2 階建てとし 2 棟に分かれた建物を計画した (4) リサーチセンターに係る計画リサーチセンターは テナントに対して敶地を賃貸し 建物および实験施設は各企業が建設 準備する 同センターには 区画割道路 舗装 電気 水 通信施設 廃水施設などのインフラが整備される 予定敶地面積は 東单アジア各国のクラスター事業の实態をもとに算定され 4.7ha と計画した 将来的には 10ha への拡張が見込まれている (5) 運営体系インキュベーションセンターの運営は以下の図の通りである 三つの主要施設に責任者である所長を配置し 全体は統括責任者が統括する インテグレートサポートセンターは各施設での入居テナントに横断的に対応し テナントや共同研究誘致 ビジネスマッチングおよび法務 特許アドバイスを行う また SPC を設立して運営する場合には 統括支援センター内に SPC 全体の経営部門を設ける インテク レーテット サホ ートセンター SPC 理事長 統括責任者 A 所長 B 所長 C 所長 BPPT-NARC IPB-NARC ITB-NARC (6) インキュベーションセンターへの入居者に対する支援 1) 産学連携 2) 新事業展開 3) 知財戦略 4) 販路開拓 ( ビジネスマッチング ) 5) 資金調達支援 6) 人事労務支援 xxxix

42 (7) プロトタイプ建築計画図面 プロトタイプの IPB ITB インキュベーションセンター配置図 平面図 立面図 プロトタイプの BPPT インキュベーションセンターおよび総合支援センター xl

43 概算事業費の算出 (1) 初期投資額の積算 (100 万ルピア ) 項目 BPPT-NARC IPB-NARC ITB-NARC 合計 1. 土木工事 ( リサーチセンター ) 土木合計 31,101 34,102 33,764 98, 建築工事 ( 各センター内の駐車場を含む ) 建築合計 70,599 55,048 55, , 機材調達機材合計 12,667 17,594 14,779 45,040 土木 建築 機材合計 114, , , , 入札準備コンサルタント合計 15,000 15,000 総合計 - 339,704 (2) 年間の SPC 一般管理費の算定 (100 万ルピア ) 費 目 費 用 建物修繕費 更新費 1,992 水道光熱費 ( 供用サービス ) 1,298 運営人件費 3,451 建物管理費 ( 警備 清掃 建物 設備保守 ) 1,858 小 計 8,599 SPC の一般管理費 ( 上記の 5%) 430 年間運営保守費の合計 9,029 (3) ラボ賃料収入 ( インキュベーションセンター ) ( 米ドル ) BPPT-NARC IPB-NARC ITB-NARC 貸审面積 (m 2 ) 1,612 1,612 1,612 賃貸卖価 ( 米ドル / m 2 ) 小計 ( 米ドル ) 29,016 29,106 29,016 合計 ( 米ドル ) 米ドル (4) 土地リース料収入 ( リサーチセンター ) ( 米ドル ) BPPT-NARC IPB-NARC ITB-NARC 土地リース面積 (ha) 賃貸卖価 ( 米ドル / m 2 ) 小計 ( 米ドル ) 58,050 58,050 58,050 合計 ( 米ドル ) 174,150 米ドル xli

44 事業構築 本事業の实施に当たり想定される四つのスキーム代替案を分析した結果 PPP スキーム ( 代替案 1) が最適な事業スキームと評価された 同スキームでは PPP 事業实施に特化して設置された PPP 制度 (2005 年大統領令第 67 号 ) に則り实施することで 事業の全スコープを民間投資により建設 運営するとともに 財務的な实現性を確保するための政府支援策の適用が可能である PPP 制度は事業準備 調達および VGF を始めとする政府補助を一貫してカバーすることで 民間投資家にとって本事業を魅力あるものにすることができる 短所としては 現行の PPP 制度は研究開発施設に適用できない点が挙げられ 改正が必要となっており すでに BPPT が提出した要請に基づき 現在インドネシア政府が改正を正式に検討する段階にある Alternative 1: Public Private Partnership (PPP) Scheme GCA(BPPT) Cooperation agreement MoF Financial Institution Private Investors VGF Loan Equity Right to use the land Incubation/ Support Center Profit sharing Private SPC PPP Agreement Land & Profit sharing agreement Research Center Right to use the land Profit Sharing Construction Fee Operation Fee State Univ. Construction Company Operation Company Rent Fee Tenants (Incubation/ Support Center) -Rent lab/office spaces -Use common instruments Rent Fee Tenants (Research Center) -Rent land lots -Construct and use own research facilities Design Finance Build Operate Private Private Public Private Private 上記 PPP スキームに次ぐ代替案として ハイブリッドスキーム ( 代替案 2) は 建設スコープを官民で分担することで 現物供与の形で政府が民間投資を支援するものであり 現在の法制度 (2006 年政令第 06 号 ) で实施可能なスキームである 二つの調達プロセスを行う必要があるため 契約関係はより複雑であり实施遅延のリスクがある また財務省が管理する VGF と異なり 公共側の建設部分に通常の国家予算の配賦を得る必要があるため 公共側機関 (BPPT ITB IPB) の予算制約の影響を受けやすい xlii

45 Alternative 2: Hybrid Scheme MoF APBN Incubation/ Support Center GCA Construction Fee Construction Company O&M Private Contribution BOT/BTO Agreement Loan Financial Institution Private Research Center Construction Fee Construction Company Rent Fee Rent Fee Operation Fee Operation Company Tenants (Incubation/ Support Center) -Rent lab/office spaces -Use common instruments Tenants (Research Center) -Rent land lots -Construct and use own research facilities Design Finance Build Operate Support /Incubation Center Public Public Private Private Research Center Private Private 両スキームのメリット デメリットを要約すると 下記の通りとなる Pros PPP Scheme Framework specifically tailored for Public- Private Partnership Single framework covers preparation, procurement, and government support (VGF and guarantee) process of the project Attractive to private investors Hybrid Scheme Applicable under the current regulatory setting Cons Currently the PPP regulation is not applicable to the R&D facilities and needs amendment by GOI Complexity in process and contractual settings for the public investment and the private BOT APBN budget / ODA funding constraints Asset ownership issue from construction by APBN Longer time for operation (with ODA loan case) Private operator who s free of facility investment (for Support/Incubation Center) may tend to overspec design which may lead to construction cost increase borne by the Public. xliii

46 経済財務分析 財務分析財務分析においては 事業の建設 維持管理の費用見積もり 予想収入 その他前提に基づき 財務的収益性 持続性を分析した 収入と支出予測によると 20 年間の事業期間で 支出が収入を上回っている PPP スキームは 収入額と支出額の差分が 1VGF(Viability Gap Fund) でまかなわれることで SPC が適度な収益を確保できる ハイブリッドスキームにおいては 官側がサポートセンターとインキュベーションセンターの建設費用を拠出し その財務支援により SPC はより高い収益をあげることができる その収益の超過分が 維持管理期間に 2リース料 (Private Contribution) としてカウンターパートへと払い戻される 金額については 結ばれる契約によって決定される なお SPC が負担する金額のうち 7 割を PSIF による借入 残りの 3 割を資本として負担する 本財務分析において 出資に対する期待収益率は暫定的に 15% とした Revenue Cost Revenue Cost Rent Fee of Incubation Center 1 Government Support (VGF) Repayment of Capital Investment Cost Rent Fee of Incubation Center Public : IS center + Incubation Center (55%) Private Contribution Private: Research Center + Research Equipment (45%) 2 Rent Fee of Research Center TAX payment O&M Cost Rent Fee of Research Center TAX payment O&M Cost VGF 計算の基本的考え方 Private Contribution 計算の基本的考え方 財務分析の結果 (1) PPP スキームにおける財務分析結果 Equity IRR を 15% に定めた状態で 必要となる VGF の金額は初期建設費全体の 42% となった VGF の金額は事業の全体費用の 50% 以下と規定されているが 計算により算出された VGF の金額はこの規定を満たしている DSCR の数値は 5 年目に 1.10 となり その後事業の進捗と共に漸増し 20 年目に 8.61 となる インドネシア政府の負担額 (VGF) から 税金による収入分を除いた政府の实質的な補助金 xliv

47 額は 現在価値で 728 億 7,900 万ルピアとなった 割引率は 2013 年の 20 年国債レートを もとに 8.4% としている (2) ハイブリッドスキームにおける財務分析結果 Equity IRR を 15% に定めた状態で SPC から官に支払う土地賃貸料金は 年間 13 億 4,500 万ルピアとなった 土地賃貸料金は 毎年 CPI 値のみに比例して改定する固定金額と想定している DSCR の値は 5 年目に 1.03 となり 20 年目時点で まで上昇する 政府の实質的な補助金額は 現在価値で 835 億 2,200 万ルピアとなった PPP スキームの金額と比較し ハイブリッドスキームでの政府負担額が 106 億 4,300 万ルピア高くなったが その理由は主に開始時期の差異に起因する 経済分析 NARC は関連する製造業エリア周辺に立地される予定であり NARC 事業实施は 製造業エリア ( 工業団地を含む ) の開発を誘導することが期待されている 本調査では 三つの NARC サイト周辺に 各 10 ヘクタールを有する三つの製造業地域が事業实施の影響で開発されると想定する 本事業の経済分析は 上述の工業地域の費用と便益を勘案して計算された 割引率は インドネシア国で一般的に用いられている 12% とした (1) 直接的経済便益関連する工業地域内にある製造業は 中間財やサービスを購入し 独自に有する機会や人員を用いて製品を作成し それを外部で販売している 総産出額の価値は 付加価値 と 中間消費( 投資費用 ) に分けられる その付加価値とは 生産過程において追加的に造成された価値である 付加価値は 営業剰余 納税 人件費に分配される 関連工業地域における経済活動で作られた これら付加価値が事業の直接的な経済便益となる 関連工業エリアで生み出される経済便益は 過去の各産業のデータより 年間 5,290 億ルピア (BPPT-NARC1,310 億ルピア IPB-NARC1,210 億ルピア ITB-NARC2,770 億ルピア ) と算出された (2) 誘発される ( 間接的 ) 経済便益産業間のリンクは 国の工業構造と経済開発に影響を与える 一つの業種における生産活動は 直接的 間接的に他業種の生産活動向上に貢献する 各関連工業エリアにおける製品の製造は 他産業との強い連携により より大きな製造量の増加を誘発し そのために当エリア外にも経済開発の恩恵を与えると考えられる これらの間接的経済便益 ( 関連工業エリア外において誘発される付加価値 ) は 上記の直接的利益と 2008 年に作成された 66 業種の産業連関表の逆マトリックスを用いて 8,730 億ルピアと計算された xlv

48 経済分析の結果 (1) 経済的内部収益率の計算経済的内部収益率 (EIRR) は 24.7% となり これは社会的割引率である 12% を上回っている さらに 割引率 12% で経済的純現在価値 (ENPV) は 18,180 億ルピアとなった これらの計算結果は NARC と関連する工業地域開発事業が 経済的観点から妥当であることを証明した (2) 感度分析経済費用便益分析は 定量化された建設費用 維持管理費用 便益の金額シナリオから分析される これらの数値は様々な外部環境により影響を受け 予想値と異なる値となることが考えられる 1) 建設費用の増加 +20% 2) 経済便益の減尐 -20% および 3) 最悪ケース 1) と 2) の同時発生 について感度分析を实施したが すべてのシナリオにおいて EIRR は 12% 以上を保持し NARC 事業の経済的妥当性は高いと判断された リスク分析とリスク緩和策の検討本調査におけるリスク分析は 以下の方法で实施された (1) 別々の契約環境でのリスクを確認するため PPP スキーム向け ハイブリッドスキーム向け双方のリスクマトリックスを作成した (2) 確認された主要なリスクに対し リスク軽減 ( 削減 移転 回避 ) 策を検討した (3) 主要なリスクによる 収入と費用の変化を想定し 財務的影響度を計算した 事業实施形態により リスクの特徴とそれを受容する主体が異なることから NARC 事業が PPP スキーム ハイブリッドスキームの双方で实施された場合を想定し 本調査においては二つのリスクマトリックスを作成した 財務状況への影響度 および発生確率が低いリスクは SPC は何の対策も施さずに保有することができる 中レベル 高レベルの影響度 発生確率を有する重要なリスクの特徴とその軽減策について 1) 土地リスク 2) 設計 建設 引き渡しリスク 3) スポンサーリスク 4) 財務的リスク 5) 運営リスク 6) 収入リスク 7) インターフェイス ( 調和 ) リスク 8) 政治リスク 9) 不可抗力リスク 10) 資産保有リスクのカテゴリーに基づいて分析した 感度分析において キャッシュフローにおける重要なリスクの定量化を实施した 感度分析で想定された代替的ケースと それに関連するリスク分析により認識された主要リスクを 以下の表にまとめた xlvi

49 ケース感度分析の条件リスク分析で認識された関連リスク ケース 1: ケース 2: インキュベーションセンター リサーチセンターの稼働率減尐 (-10%) 費用増加 ( 初期建設費 維持管理費 +10%) - インキュベーションセンターの需要減尐 - リサーチセンターの需要減尐 - 周辺地域の競合する公的施設開発 - 設計の問題による建設費用増加 - 設計瑕疵リスク - 建設費用増加 - 維持管理費の超過リスク - エネルギー代の増加 - 研究機材の維持 交換費用の増加 ケース 3: ケース 4: 事業開始の遅延 (+1 年 事業期間 20 年 ) 為替レート変動によるインドネシアルピアの減価 (-20%) - 土地取得の遅延と費用増加 - 建設工事完了の遅延 - 計画の承認完了の遅延 - 外国為替リスク - インドネシアの経済危機 ケース 1 の稼働率 10% の減尐は キャッシュフローにより大きい財務的損失をもたらした SPC によるサービスレベルの管理と テナントの入居動機付けを確保することは 本事業の収益性を確保し ビジネスを成功に導くための鍵であると言える ケース 2 の費用増加リスク( 建設費 維持管理費 +10%) は 建設会社や外注企業との慎重な契約条件設定により SPC から他者へ移転することも可能である ケース 3 の 1 年間の事業開始遅延は とくに初期の財務状況が悪化し 2 番目に大きな財務的損失を招いた SPC は事業開始直後の時期において 事業開始のための建設工事の適切な監理 スムーズなテナント誘致調整に注力し 遅延を避ける必要がある ケース 4 のインドネシアルピアの減価(-20%) の影響は キャッシュフロー分析によると 他のケースと比較して相対的に小さい結果となった SPC は 外貨リスクを保有するべきか 財務ツールを活用して回避するべきか または 料金設定を外貨建てとしてリスク移転するかを慎重に決定する必要がある 事業实施にあたって必要な関連契約のリストアップと主要な契約内容の検討 PPP 事業 xlvii

50 PPP 事業の契約フレームワーク 入札手続きを始めるまでに BPPT IPB および ITB は協力契約 (Cooperation Agreement) を締結する (1) BPPT のみが政府契約機関 (GCA) となれるため BPPT IPB および ITB は それぞれの業務範囲 リスク分担 調達などについて契約を締結する必要がある また 本事業において最も重要な契約は 政府契約機関 (BPPT) と民間事業者 (SPC) 間の PPP 契約である (2) この契約は 契約期間中において政府契約機関と民間事業者間の権利義務を規定するものである 追加的な契約として 土地および利益配分契約 (Land and Profit Share Agreement)(3) が本事業では求められる IPB および ITB は PPP 契約の当事者となれないため これらの 2 大学は土地および利益配分契約なしでは 直接民間事業者と契約関係を持つことができない この契約は 基本的に大学が民間に土地を提供するとともに 本件事業より利益の配分を得ることを規定する ハイブリッド事業ハイブリッドスキームの場合 前述スキームとは異なった契約形態が求められる インキュベーションおよびサポートセンターの建設は公共により リサーチセンターの建設は民間事業により实施されるため 尐なくとも二つの契約が必要となる 一つは EPC 契約でもう一つが BOT 契約である (1) BPPT が唯一の政府契約機関となる場合 xlviii

51 ハイブリッド事業の契約フレームワーク (BPPT が唯一の政府契約機関 ) BPPT が唯一の政府契約機関となる場合には BPPT IPB および ITB は協力契約を締結する (1) BPPT が唯一の政府契約機関であるため 以上の 3 者は EPC および BOT 契約のそれ ぞれについて 業務範囲 リスク分担 調達について合意する必要がある (2) 複数が政府契約機関となる場合 (BPPT IPB ITB) BPPT IPB および ITB が共同の政府契約機関となる場合 共同調達にかかる協力について共同契約 (1) の締結が求められる BOT 契約および EPC 契約は 政府契約機関 (BPPT IPB ITB) と民間事業者間で締結される xlix

52 ハイブリッド事業の契約フレームワーク (BPPT IPB ITB が政府契約機関 ) 環境影響調査 想定される環境社会影響の予備的検討 (1) 製薬分野の研究により想定される影響製薬分野の研究には 様々な種類の化学物質を使用する 新しいワクチンおよび抗生物質の開発には 病原菌を取り扱う可能性もある これらの研究物質は 適切な取扱いが实施されなければ周辺住民の健康リスクを増大する可能性がある NARC はこれらの研究物質の取り扱いに係り 物質の搬送 保存および使用にかかる施策について規定した規則を定める必要がある 関連ステークホルダーへの情報公開を含めた 簡易な化学物質排出移動量登録制度 (PRTR) の導入も推奨される 研究施設から排出される廃棄物は それらによる環境汚染を防止するため 各テナントにより適切に処理される必要がある 排出される廃棄物がインドネシア国の規則で特別な処理が必要となる B3 廃棄物に区分される場合は NARC 管理運営者が 各テナントに規則に則った処理を指導する必要がある 排水処理が不十分な場合 水質汚濁の問題が発生する可能性がある NARC は有機汚濁を処理する集中排水処理施設を有する事が望まれるが 特殊な物質については各テナントが周辺環境への影響を回避するための処理を实施する必要がある (2) 農業 食品分野の研究により想定される影響 農業 食品分野の研究活動にかかる検討の際に重要な内容として 遺伝子組換え試験が挙 げられる このような研究が实施される場合 開発された製品にかかる遺伝資源の無秩序 l

53 な拡散を回避するため 注意深い管理が必要となる 農業 食品分野の研究においても 様々な化学物質が使用される可能性があり また 害虫を取り扱う可能性もある 従って 製薬分野と同様に 製品および物質の適正な管理を計画 实施する必要がある さらに 本セクターでは 野外での研究が行われる可能性がある 野外研究により水質汚濁 土壌浸食 周辺生態系への影響の可能性があることから IPB が有する野外研究にかかる環境保全の知見を活用する必要がある (3) バイオ工業セクター規模は小さいものの バイオ燃料の開発にかかる燃焼テストによる大気汚染の影響を管理する必要がある 原材料の残渣といったバイオ燃料開発に伴い発生する廃棄物については それらによる環境汚染を回避するため 有害性について確認した後 地域の廃棄物管理システムを活用し処理する必要がある 研究施設からの排水は油分を含む可能性がある 従って NARC は油分分離施設を有する必要がある リスクは大きくないと考えられるものの バイオ燃料の製造に伴う悪臭による周辺への影響についても検討する必要がある 環境社会影響に関し 今後必要な活動 (1) インドネシアの規則に則った EIA の实施 インドネシア国では土地の改変面積が 5ha 以上か建設する建物の延べ床面積が 10,000 m 2 以 上の場合 EIA が必要とされている 従って NARC の開発のためには以下の内容を含んだ環 境影響評価を实施し環境許可を取得する必要がある プロジェクトの内容規模検討すべき内容 建物の建設 - 改変面積 - 延べ床面積 5 ha 以上 10,000 m 2 以上 注 : 上記規定は環境省令の一部を抜粋したもの a. 用地取得 b. 土地の環境容量 c. 日水需要のレベル d. 発生廃棄物 e. 周辺環境への影響 ( 大気汚染 水質汚濁 騒音 振動 ) f. 伐採される樹木の本数 h. 用地取得による社会争議 i. 水源に対する建物及び地下構造物の影響 j. 交通条件 k. 駐車場 l. 洪水への影響 (2) JICA 環境社会配慮ガイドラインに沿った環境社会配慮の实施 NARC 開発に際し日本からの資金援助を必要とする場合には 国際協力機構環境社会配慮ガ イドライン (2010 年 4 月公布 ) に基づき 以下の環境社会配慮の検討を行う必要がある li

54 プロジェクトは プロジェクトの实施地における政府 ( 中央政府および地 方政府を含む ) が定めている環境社会配慮に関する法令 基準を遵守しな ければならない また 实施地における政府が定めた環境社会配慮の政策 計画等に沿ったものでなければならない 適切な環境モニタリング計画および環境管理計画が策定されなければなら ない プロジェクトは それが計画されている国 地域において社会的に適切な 方法で合意が得られるよう十分な調整が図られていなければならない 今後 NARC の開発事業の实施に向けて 上記要求事項を満たすよう環境管理計画および環 境モニタリング計画を策定する必要がある 環境管理計画に含めるべき内容を下表に示す 環境管理計画に含めるべき内容 ( 工事前及び工事中 ) 項目内容場所備考 非自発的住民移転 - 影響対象世帯の農業活動による収入の確認調査計画 代替生計手段に係るコンサルテーション計画 代替生計手段の検討 - 交通渋滞の発生を緩和するための工事实施スケジュール 事業地及び関連地域 BPPT-NARC のみ 地域経済へ工事個所周の影響辺地域 - 公衆衛生 - 感染症リスクの増大を防ぐ衛生管理計画 工事箇所 - 土壌浸食 - 残土処理計画 工事箇所 - 生態系 - 仮置き場等 一時的な改変による林地伐採を回避するための施設配置計画 工事箇所 大気汚染 - 散水及び粉塵飛散防止等の大気汚染防止計画 工事箇所 - 排気対策のための車両及び重機などの点検 整備 計画 水質汚染 - 工事に伴い発生する濁水対策 ( 沈砂池などの設 工事箇所 置 ) 廃棄物 - 建設廃棄物 及び工事中に作業員宿舎などから発 工事箇所 生する一般廃棄物の処理施策 - 専門業者への委託による有害廃棄物の適正処理 計画 騒音振動 - 遮音壁などの騒音対策の検討 工事箇所 - 工事時間帯の検討 事故 - 施工に係る安全対策 事故防止計画 工事個所及 び周辺地域 環境管理計画に含めるべき内容 (NARC 供用後 ) 項目内容場所備考 公衆衛生 - 危険及び有毒な物質の管理に関する政府法令 NARC 事業地 2001 年第 74 号 に則った有害物質管理計画 - 生態系 - 事業地内の緑地環境の維持管理計画 NARC 事業地 - 大気汚染 - テナントに対する大気汚染防止施策の提出義務 NARC 事業地 の提示 ITB-NARC のみ - バイオ燃料燃焼实験時の大気汚染防止施策 lii

55 項目内容場所備考 水質汚染 - テナントに対する水質汚濁防止施策の提出義務の提示 - 各テナントの研究活動に伴う排水の性状に応じた排水の前処理施設の設置 運用計画の指針 - NARC による生活排水 各テナントで前処理された排水の二次処理のための排水処理施設の設置 運用計画 廃棄物 - テナントに対する廃棄物管理計画の提出義務の 提示 - 危険及び有毒な物質の管理に関する政府法令 2001 年第 74 号 に則った有害物質管理計画 - 有害廃棄物処理専門業者への業務委託の指針 - NARC からの一般廃棄物管理計画 騒音 振動 - テナントに対する騒音 振動管理計画の提出義務 の提示 事故 - テナントに対する事故防止施策の提出義務の提 示 - テナントに対する緊急時対応規定提出義務の提 示 - 作業場における危険な化学物質の管理に関す る労働大臣決定 1999 年第 187 号 危険な物質 の流通及び監視に関する商業大臣規則 2006 年第 04 号 等に基づいたテナントの化学物質管理規定 NARC 事業地 NARC 事業地及び周辺地域 NARC 事業地 NARC 事業地及び周辺地域 事業实施のプロセスとスケジュール PPP スキームとハイブリッドスキームの实施プロセスは 下表のように要約される PPP スキームでは PPP 法令の改正 ハイブリッドスキームでは公共建設部分の予算措置が最も重要なステップである 民間事業者の選定は 両スキームとも類似した調達プロセスで行われる しかし ハイブリッドスキームでの入札評価方法は総合評価方式 ( スコアリング方式 ) が採用され 技術プロポーザルの評価を最終落札者の決定に反映させることができる 一方で PPP スキームでは 価格札の VGF の所要金額だけで落札者を決定する PPP スキーム ハイブリッドスキーム 1 法的根拠 PPP 法令 (PR67/2005) など ( 改正が必要 ) 国家 地方資産管理法令 (GR06/2006) 政府調達法 (PR54/2010) など 2 予算措置 財務省の VGF 承認 国家予算 (APBN ) ( インキュベーションセンター サポートセンター ) 3 民間事業者の選定プロセス 事業提案企業向け支援措置 なし ( 政府提案事業 (Solicited) とされるため ) なし ( 制度上 支援措置はとくに設けられていない ) 事前資格審査 あり あり 入札方式 二封筒方式 二封筒方式 入札評価方式 PPP 契約の入札評価方法 - 技術札評価 :Pass or Fail - 落札者決定 : 価格札のみを評価 総合評価方式 ( スコアリング方式 ) - 技術札評価 :Pass or Fail - 落札者決定 : 技術札 価格札の総合評価 ( 価格札ウェイト :70~90%) liii

56 PPP スキーム ハイブリッドスキーム 入札パラメータ VGF 所要額 ( 最低価格で決定 ) 事業者が支払う年間使用料 ( 最高価格が最高点を獲得 ) 4 その他の調達 なし ( 民間事業者がすべての建設を实施 ) 公共建設の調達 - 民間事業者が設計 入札を支援 - 入札図書 PQ 競争入札 5 運営維持管理 PPP/BOT 契約の条項に従い 両スキームとも同様の運営維持管理体制を实現できる 民間事業者がすべての施設の運営維持管理を担当する 資料 :JICA 調査団 PPP 法令の改正が順調に進捗し 2014 年 6 月に成立するという前提に基づいたシナリオでは PPP スキームにより事業が完成し 運営を開始するのは 2018 年の第 1 四半期になる ハイブリッドスキームでは 調達プロセスが BOT 事業者選定と公共建設調達の 2 段階となるため PPP スキームの場合よりもやや期間を要する 事業効果の事後評価 事業効果の測定に関し JICA 調査団とカウンターパートは以下の評価指標を想定している 事後評価の实施時期は 建設工事完了から 2 年後に当たる 事業開始 4 年目を予定する 1. サポートセンター インキュベーションセンター リサーチセンターの稼働率 2. リサーチセンターの雇用者増加 3. 財務的内部収益率 (FIRR) 正味現在価値 (NPV) 4. 経済的内部収益率 (EIRR) 経済的正味現在価値 (ENPV) 効果指標 サポートセンターとインキュベーションセンター リサーチセンター BPPT/ITB: 47.5 人 /ha IPB: 人 /ha 費用 : 事業費用収入 : 事業収入 費用 : 事業経済費用便益 : 周辺製造業地域の増加 PPP スキーム 70% 4 年目 (80% 8 年目 ) 40% 4 年目 (100% 8 年目 ) 399 人 4 年目 (998 人 8 年目 ) 財務的内部収益率 : 14.4% 正味現在価値 : 836 億 1,900 万ルピア経済的内部収益率 : 24.7% 経済的正味現在価値 : 18 億 3,400 万ルピア 目標値ハイブリッドスキーム 60% 4 年目 (80% 8 年目 ) 30% 4 年目 (90% 8 年目 ) 299 人 4 年目 (898 人 8 年目 ) 財務的内部収益率 : 15.1% 正味現在価値 :856 億 2,800 万ルピア - 以下の指標は SPC が提供するサービスレベルを毎年評価するための 事業の運営指標案で ある 各指標の目標値は SPC とカウンターパート間で 事業効果を規定して結ばれる契約 に記載される 事業運営指標 カウンターパートとテナントによる共同研究の数 サポートセンターの知的財産の専門家に相談が寄せられた技術の数 NARC でのビジネスマッチングイベントの開催数 目標値 契約により決定される liv

57 研究ラボ機材の使用頻度 インドネシア側が取るべきアクションと实施時期目標 インドネシア側が今後取るべきアクションとその实施時期目標は 以下のようにまとめら れる 産業促進政策とメカニズム ターゲットマーケットに関連した産業促進アク 課題 トピック 産学連携の構築 応用研究と商業化支援 R&D インセンティブ 製薬プラットフォーム : 漢方 製薬プラットフォーム : 診断法, ワクチン, 抗生物質のバイオ製薬 製薬プラットフォー 必要なアクション 産業需要の特定と R&D 能力に関する主要なトピックにおける 知的交流 の实施 技術アシスタンスや応用研究に関する産業からの要望とのマッチメーキング支援の為の Site Miners を各 NARC 拠点に配置 NARC 概念实証ファンドを設立し, 産学研究発見を促進 応用研究プロジェクトに対する助成の提供 R&D 税額控除 パテントボックス インドネシア特許が適用されている商品の販売に対し低い法人税の適用 研究者とエンジニア採用に対し税額控除適用 バイオアクティブ原材料同定の為の分析ラボキャパシティの向上 ラボベースの大量処理な生体外研究とヒト臨床試験を絡めたより厳格な効能研究 長期 : 天然産物創薬を推進する為の合成化学能力の向上 スケールアップしたバイオ施設や専門性の必要性の呼びかけ 外国のバイオ製薬企業と NARC 拠点においてパートナーシップを組める様インセンティブを提供 ( 外国企業所有権制限の緩和を含む ) 新しい製薬材料, 製剤技術, 薬物デリバリー手法の開発を通じてインドネシアが競争優位になれるような利点を推奨するよう政府による アクションの实施者 アクション实施目標期限 BPPT, IPB, ITB 2015 年半ばまで BPPT, IPB, ITB RISTEK EKUIN BAPPENAS Min. of Education EKUIN BAPPENAS NARC 開始まで NARC 開始まで BPPT NARC 開 始後 BPPT BAPPENAS EKUIN EKUIN RISTEK Min. of NARC 始後 開 NARC 開始まで lv

58 課題 トピック シム : ョ製薬原ン料 各 NA RC 拠点の産業促進の関連したアクショ 農業 食料プラットフォーム : 農業改良と多様化 農業 食料プラットフォーム : 付加価値食品 工業用バイオ製品プラットフォーム : パーム油バイオ製品 製薬プラットフォーム 農業 食料プラットフォーム 工業用バイオ製品プラットフォーム R&D 資金提供の増加 必要なアクション 植物交配や作物の改善 多様化の為の種子開発を促進させるよう施設の改善 輸出増加の為, 成長している熱帯果物市場の支援 ( ポストハーベスト技術, 食料安全, 害虫, 病害防除の改善 ) 作物のバイオアクティブ化学品の特性表示 分離 純化 プロセスと, 新しい健康推進食品の開発の為の特別なラボ設備とプロセス技術のスケールアップが必要 パーム油のより広範な加工の試験 向上している作物栽培学, 肥料の使用や改善された多様な椰子の種類の採用を通じて生産歩留まりの向上 試験 評価施設の検討 ヒトバイオ医薬品のフェーズ I/II 臨床試験を实施するために必要な数量の製造に対応できる優良なパイロットラボや GMP 対応のスケールアップしたインフラの開発と同時に臨床試験を实施する委託研究団体を惹きつける 最新の分析ラボリソース, 最新の環境管理された育成チャンバー / フイールドを備えた先端植物科学, 穀物改善研究開発センターの設備 バイオケミカルと熱化学変換技術両方に使用できるバイオリファイナリー オペレーションの開発 アクションの实施者 Education アクション实施目標期限 IPB NARC 開 始後 IPB NARC 開始まで ITB NARC 開 始後 BPPT NARC 開 始後 IPB NARC 開始まで ITB NARC 開 始後 lvi

59 課題 トピック 必要なアクション アクションの实施者 アクション实施目標期限 ン 法令 (PPP 大統領令 インセンティブ政策 事業スキーム PPP 大統領令の改定 ( 適用対象に R&D 施設を含める ) BPPENAS,EKUIN, MOF, 他の関係機関 2014 年 6 月まで R&D 活動にかかるインセンティブ政策の拡大 MOF, RISTEK NARC の供用開始時まで (2018) 事業スキームの決定 (PPP 大統領令に基づく方式か ハイブリッド方式か ) BPPT, IPB, ITB 速やかに实施 予算措置 实施体制 事業用地 コンサルタントの調達 VGF(PPP 大統領令に基づく場合 ) 又は インキュベーションセンター及びサポートセンターの建設費 ( ハイブリッドの場合 ) に係る予算措置 調達に要する必要にかかる予算措置 实施体制の構築 ( 例 : 契約機関の確定 (BPPT のみか 大学も含めるか ) 三機関における協力体制の構築 プロジェクトチームの構築 ) 事業用地に関する関係機関における調整 (BPPT 及び IPB は MOF と ITB は Bukasi 県との調整が必要 ) BPPT, IPB, ITB (MOF) BPPT, IPB, ITB BPPT, IPB, ITB (MOF, Bukasi Regency) PPP ( VGF ) :2016 年初頭までハイブリッド (APBN): 2016 年末まで 速やかに实施 2015 年中旪 (RFP 公布前 ) まで トランザクションアドバイザーの選定 BPPT, IPB, ITB 2015 年初頭まで 需要創造 たくさんのテナントを集めるために活動用の長期的アクションプランを作成 需要創造 日本やインドネシアで NARC の宠伝活動の实施 新聞発表やセミナー開催 国内外のバイオセミナー イベントでの説明 需要創造 バイオ産業活性化やインセンティブ供与に対するインドネシア政府の方針の明確化 BPPT, IPB, ITB BPPT, IPB, ITB BPPT, IPB, ITB 速やかに实施 速やかに实施 速やかに实施 lvii

60 課題 トピック 必要なアクション 需要創造 日本企業 インドネシア企業 大学等とのマッチングシステム構築 アクションの实施者 BPPT, IPB, ITB アクション实施目標期限 速やかに实施 将来需要対応 リサーチセンター敶地の将来需要増大について対応できるような準備 敶地決定 関係機関と調整し 建設予定地の候補地の確定 土地利用に関して 財務省の合意の取り付け 予算確保アプローチ道路 インフラ接続 官庁許可 手続き 現況使用者調整 環境社会影響調査 JICA 環境社会配慮ガイドラインの順守 建設候補地におけるアプローチ道路等の予算 建設予定の明確化 電気 水道 下水 通信等のインフラ設備に係る接続および許容量の確認 建設に関係する法令 手続きに関する地方自治体 航空局等の行政機関との調整 建設候補地で 農業または牧畜に使用されている土地の使用者移転の調整現在の土地利用者の権利の調整 インドネシア国の法制度に則った EIA の实施 ( 各 NARC 開発による改変面積が 5ha 以上であるため ) JICA 環境社会配慮ガイドラインに沿った環境社会配慮の实施 プロジェクトは プロジェクトの实施地における政府 ( 中央政府および地方政府を含む ) が定めている環境社会配慮に関する法令 基準を遵守しなければならない また 实施地における政府が定めた環境社会配慮の政策 計画等に沿ったものでなければならない 適切な環境モニタリング計画および環境管理計画が策定されなければならない プロジェクトは それが計画されている国 地域において社会的に適切な方法で合意が得られるよう十分な調整が図られていなければならない BPPT, IPB, ITB および民間 MOF, RISTEK BPPT, IPB, ITB Bekasi regency BPPT, IPB, ITB および関係機関 BPPT, IPB, ITB および関係機関 BPPT, IPB, ITB および関係機関 (PPP)RISTEK BPPT, IPB, ITB (Hybrid)SPC 2018 年からの産業の発展状況により対応 速やかに实施 2015 年予算に間に合うように 2014 年末まで 2016 年 6 月まで 2014 年末まで SPC NARC 開発開始前まで SPC 日本からの資金援助が必要な場合 その要請前まで lviii

61 序章インドネシアにおける当該セクターの現状 課題と当該事業 の必要性 0.1 当該事業の背景 近年 インドネシアは安定的な経済成長を続けている このような経済成長を今後も持続するため 同国経済の牽引役であるジャカルタ首都圏を投資先としてさらに魅力的で産業開発に適した地域とし 同首都圏のさらなる成長を促進するために 日本 インドネシア両政府は ジャカルタ首都圏投資促進地域 (MPA) 構想に合意した 本構想には 都市交通整備などのハード面でのインフラ整備のみならず 産業化の促進や人材の育成を目標とした研究施設の整備なども含まれている これまで 大学および研究施設に係る整備では 国立大学施設の拡充 整備 ( ボゴール農大 バンドン工科大やその他の大学に対する有償資金協力 ) や生物多様性保全センター整備計画 ( インドネシア科学院 (LIPI) に対する無償資金協力 ) 微生物資源センターの構築(LIPI に対する技術協力 ) 等が行われてきた しかし これらの大学および研究機関の整備は バイオ関連の基礎研究において重要な機能を発揮しているものの それら基礎研究の成果を産業開発に結びつける研究開発拠点が不足している 各大学 研究機関などは基礎研究の成果を産業開発に結びつける研究開発拠点の整備を目指しているが 有効に機能しているものは未だ尐なく 産学連携による研究開発成果の産業化を促進するための研究開発拠点の整備が喫緊の課題となっている インセンティブ 投資 民間セクター 投資 投資 政府 インキュベ ーション 製造 品質 市場調査 マーケット 技術管理 技術管理 研究開発機関 技術管理 大学 資料 :MP3EI 図 MP3EI が示す産 官 学 市場の相互関係 1

62 0.2 当該国における産業開発セクターの開発政策と本事業の位置づけ インドネシアの 2011 年から 2025 年までの開発計画である 経済開発加速化 拡大マスタープラン (MP3EI) では 2025 年の 1 人当たり GDP の目標値である 15,000 米ドル達成に向けた施策として 生産性を上げ 人的資源に基づくイノベーションベースの経済成長を促す仕掛けを創出することを課題としている 研究開発クラスター事業 ( 以下 本事業 という ) は 研究開発の産業化を促進するための研究開発拠点を整備するものであり インドネシア政府の開発政策と合致する また 本事業は MPA 対象 45 件のうち 5 件のフラッグシップ事業の一つとして位置付けられている なお MPA は MP3EI の一部として位置づけられている 起爆剤としての NARC 技術革新型経済への移行 資料 :MP3EI 図 イノベーションによる経済成長 NARC の目的は MP3EI が示すように 先端技術を強化することで 技術革新型経済を築くためのクラスターを創造する 動きを促進することである MP3EI では 経済の発展はまず資源の輸出から起こり 次に産業 資本 そして技術へ さらには技術革新と人的資源を中心とする発展の段階へと移行するとされている ( 上図参照 ) 現在のインドネシア経済は 主に自動車などの組立製造業で活況を呈しているが この国際的な産業競争力も 生活レベルの向上による賃金の上昇により失われていく傾向にある 2

63 このため 研究開発の成果を産業化 商業化することにより技術革新を進め 新らたな高 付加価値型産業を振興し 競争力のある人的資源の育成と就業機会の提供を図っていくこ とが課題となっている 0.3 本事業のコンセプト ここでは 簡潔に本事業の概略 とくに全体コンセプトについて述べる 本事業の詳細お よびインドネシアにとっての重要性は 本報告書の以下の各章で説明する 基本的な NARC のコンセプトは MP3EI の記述を起点としている NARC は MP3EI にあるように インドネシアが技術革新型の経済に移行する動きの契機と なる 3

64 それは研究開発の学術と企業両セクター間を 3 つの機能で結ぶ事で可能となる 現状 関係セクター ニューアカデミックリサーチクラスター 将来 関係セクター 微生物資源 センター 統合 サポート センター インキュベ ーション センター リサーチ センター バイオ産業 既存研究所 既存学術機関 他産業分野 JICA 支援プロジェクト 関係セクターが相互に関係し技術革新の生態系を形成することがゴールである バイオ ライフサイエンス技術革新生態系 NARC 製造工場研究開発企業 中小ベンチャー 学術機関 投資家 NARC インドネシア政府 日本政府 4

65 起業 創業 そこでは 学術 官 民セクターがそれぞれサポートし合い 利益を共有する フェース -1 バイオクラスター形成 フェース -2 バイオ産業振興 産学共同 共同研究 大学 技術ライセンス管理組織 (TLO) パテント販売 既存産業 研究機関 BPPT IPB ITB 研究開発企業 アライアンス M&A, 委託研究 * バイオ専業企業 (R&D, 製造, マーケティンク, 販売 ) 海外バイオ企業 製品 サービス 製品 サービス 顧客 消費者への販売チャンネル ベンチャーインキュベーション * サプライヤー ( 機器, 材料, サービス ) * ベンチャー 海外バイオ企業誘致 資料 : MP3EI JICA 調査団 図 NARC ( ニューアカデミックリサーチクラスター ) の説明図 上記の図は ニューアカデミックリサーチクラスター ( 以下 NARC という ) とインドネシアの国家計画 MP3EI とどのように関係しているのか その将来の目標 その機能 そして関係セクターについて概説している 同図で示したように NARC はインドネシアが次のフェーズの経済 すなわち MP3EI に述べられている技術革新型の経済に移行する新たな動きの契機 発火点となる NARC の目標は 技術革新生態系 を形成し すべての関係セクターが互いに繋がりあい 依存しあい 相互に影響しあって インドネシア国内と海外の学術セクターが共同研究開発することで生み出される成果を産業化することで ともに繁栄することである まず ジャボデタベックエリアで バイオ ライフサイエンス資源を活用した最初の NARC を設立し バイオ ライフサイエンスの技術生態系 NARC を形成することを目標としている 0.4 本事業の機能 (1) 本事業の機能概要 5

66 本事業では 既存の大学などの学術研究機関と産業界を橋渡しするための機能として 研究開発クラスターを構築する クラスターのハードの施設整備とソフトの運営は 研究成果の産業化 のための 研究成果から産業化へ至る各段階から成る 三つの機能を備えており その概要は下図のとおりである 高付加価値技術革新を目指して 学術と産業セクターの橋渡し 現状ニューアカデミックリサーチクラスター関係セクター 将来 関係セクター 微生物資源 センター 統合 サポート センター インキュベ ーション センター リサーチ センター バイオ産業 既存研究所 既存学術機関 他産業分野 JICA 支援プロジェクト 資料 :JICA 調査団 図 NARC の橋渡し機能 (2) 本事業の概要本事業は 橋渡しの中核となる 統括サポートセンター ベンチャー起業 共同研究を促進する インキュベーションセンター 商業化 産業化を図る研究企業団地である リサーチセンター の三つの機能を備えるバイオクラスターをジャカルタ周辺に整備し その設計 建設から運営までを一括して実施する事業である 事業実施場所は ジャカルタ近郊に位置する 三つのバイオリソース研究機関であり 本事業の対象施設の概要及び事業サイトのロケーションは次の通りとなっている 6

67 1 表 本事業対象施設の概要 インドネシア科学技術センター (BPPT) ボゴール農科大学ダルマガ キ バンドン工科大学 (ITB) 対象施設 ャンパス (IPB) サポートセンター 1,092 m2 インキュベセンター ( 敶地 ) ( 延床 ) 1.0ha 3,276 m2 1.0ha 3,276 m2 1.0ha 3,276 m2 リサーチセンター 4.7ha 4.7ha 4.7ha 注 : 統括サポートセンターは 中核実施機関となる BPPT-NARC の敶地のみに設置される 資料 :JICA 調査団 BPPT-NARC ITB-NARC ITB-NARC 図 資料 :JICA 調査団 ジャカルタ大都市圏 (JABODETABEK) における本事業サイト所在地 0.5 日本企業の海外研究開発活動とインドネシアの位置づけ 1 本事業のサイトは次の 3 機関に設置することを想定している 各機関の詳細については後述する インドネシア科学技術センター(Pusat Penelitian Ilmu Pengetahuan dan Teknologi:Puspiptek Serpong Science and Technology Park) にある科学技術評価応用庁 (Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi:BPPT 英文名 Agency for the Assessment and Application of Technology) ボゴール農科大学 (Institut Pertanian Bogor:IPB 英文名 Bogor Agricultural University) ダルマガ キャンパス (Darmaga Campus) Bekasi にあるバンドン工科大学 (Institut Teknologi Bandung:ITB 英文名 Bandung Institute of Technology) 7

68 日本企業の海外研究開発拠点の所在地域をみると 傾向として中国 韓国が減尐するなかで その他アジア諸国が大きく増加している 従来は中国の巨大な消費マーケットを狙って研究開発拠点を中国に置く企業が多かったが 今後は 高い経済成長率を背景に 消費市場の拡大が期待される東单アジア諸国に 研究拠点を設置する企業が増加することが予想される とくに インドネシアの消費市場規模は東单アジア諸国の中でも突出して大きく GDP の伸びとともに研究機関の進出先としての役割も期待される 資料 : 経済産業省 我が国の産業技術に関する研究活動の動向 2012 年 7 月 図 日本企業の海外研究拠点の所在地 資料 : 経済産業省 我が国の産業技術に関する研究活動の動向 2012 年 7 月 図 日本企業が海外に研究拠点を置く理由 8

69 研究拠点を海外に置く理由として (1) 現地の市場ニーズを踏まえた研究開発 (2) 研究開発コストの削減 (3) 現地の企業 大学等の研究成果の入手 (4) 現地の優れた人材の確保 が挙げられる ( 図 0.5.2) インドネシアはアジア諸国の中で NARC を創設することで これらの理由に対して最も合致する国の一つとなると考えられる 以下の図で 日本の主要産業別の海外研究費の割合 ( 全研究費のうち海外研究費の占める割合 ) をみると 医薬品が 14% と群を抜いて多い 次いで 製造業 3.1% 化学工業 1.4% 輸送用機械器具 1.4% などとなっている 医薬品分野では 海外での研究活動に研究費が重点的に配分されており 昨今では化学合成系の製薬からバイオ系の製薬へと新薬の研究プロセスが変革していることから 生物資源の宝庫であるインドネシアへ 日本の医薬品分野の研究所がサテライトとして進出することは十分に可能性があると考えられる 資料 : 経済産業省 我が国の産業技術に関する研究活動の動向 2012 年 7 月 図 日本の主要産業別の海外研究費の割合 0.6 本事業の必要性 これまで述べたように 先端技術を強化することで 技術革新型経済を築くためのクラス ターを創造する動きを促進するために 学術研究機関と産業界との橋渡しを行い 日本企 業の海外研究開発活動のニーズに応える 新たな産業クラスターの設置が必要である ま 9

70 た 激化する周辺アジア諸国等の産業クラスター間の競争を踏まえると 競争力のあるク研究開発施設を設置する必要がある インドネシアにおけるクラスターの競争力を戦略的に高めるためにも インドネシア政府による戦略的な投資としての支援が不可欠であり それは 1 周辺諸国に比べて競争力のある施設の価格設定 (= 賃貸料 ) を可能にするための政府による補助金 (Viability Gap Funding) や 2 入居企業が R&D 活動を行いやすくするための各種インセンティブ ( 各種税金の免除や 知的財産権に関するインセンティブ制度等 ) の整備が不可欠と考えられる 最後に 本事業の必要性について ステークホルダー ( インドネシアと日本それぞれの官 民セクターの計 4 者 ) それぞれの SWOT の 4 要素の視点から 説明する 下図で NARC における彼らの関係 役割を示す ステークホルダーの役割 大企業 テナント 中小 ヘ ンチャー企業 研究開発 企業家交流 人材 学生研究者 インセンティフ 事業推進ライセンシンク リンク ネットワーク構築職業訓練 / 教育インテク レーテット サホ ート / インキュヘ ーション / リサーチセンター技術ライセンシンク マッチンク 研究開発イヘ ント ヒ シ ネスコンサルティンク 運営供給源資金供給商業化 中央政府 地方政府 BPPT IPB ITB その他資金 政策 SPC: 施設建設 / 初期 20 年間の運営資料 :JICA 調査団図 ステークホルダーの役割 これら 4 者の既存の問題は以下の通り要約される (1) インドネシア政府 強み : 経済が発展途上で リーダー国になれる強力な気運がある 弱み : 次の経済段階に移行するための試行と投資の機会が尐ない 機会 : 移行のために民間と海外の投資と知識を利用する機会がある 10

71 脅威 : 中所得国経済の罠によって競争に後れをとり 次代の経済への移行に失敗すれ ば 先進国の仲間入り前に停滞の時期を迎える (2) インドネシアの民間セクター 強み : インドネシア社会をよりよいものにしようという情熱と意思をもつ弱み : 新しい知的財産を創造し 新しい産業化に利用するための機会と環境に恵まれない機会 : 政府の支援を得 海外との連携で人的競争力を強化し 生物資源や他の資源を有効利用して発展を実現できる脅威 : 国内外の支援がなく 技術革新につながる研究開発が始められずに停滞状況が続く (3) 日本政府 強み : 発展途上国から先進国になった変遷の経験を有する多様な支援とインセンティブで 国際的なプロジェクトを支援する意欲がある弱み : 工業化発展型から技術革新型経済に移行する国への国際支援と協力という新しいタイプの支援の試行は未だ多くはない機会 : 相互のメリットを享受しながら 他国との協力により自国も新たな発展を図るという機会脅威 : 卖に 個別の製品やプロジェクトを輸出するだけでは 国際的な視野に立てず 他国からの支持も得られない (4) 日本の民間セクター 強み : 技術革新とマーケティングの知識とノウハウ他国やその民間セクターとともに繁栄する国際的な協力への意思弱み : 他国の社会的なインフラ整備において 信頼される長期関係を構築することができない機会 : その国の官民セクターと組んで 長期間に渡って社会インフラ開発に融合していくことができる脅威 : 個々の私企業の卖位での個別で相互調整されない努力が 社会の変遷の中で失われて行ってしまう NARC は上記に述べた要素を以下の通り長所を補強し 短所を解決することで対応する : 11

72 強み : 研究開発の結果を国際協力を通じて産業化に結び付けることで 現在の製造業型インドネシア経済を技術革新型経済に変遷させる契機となり 加速させる弱み : この新しいタイプの国際的な PPP 協力スキームによって 技術革新創造がすべての関係者にメリットのあるように多層的な関係者が関与することで加速される機会 : 過去の ODA での学術 研究開発施設資産を有効利用することで産業化のための PPP 型社会インフラプロジェクトによって ODA 活動がさらに継承され強化される脅威 : 国際協力の長期にわたるシナリオを辿るようにすることで 共に繁栄する安定的で信頼のおける関係とメカニズムを確立できる これがいかに実現可能なことであるのかは 以下の各章で説明されるが この NARC の新し い考え方が 必ずやこれからの国際協調による技術革新支援メカニズムのモデルとなる 12

73 第 1 章インドネシアのバイオクラスターの競争力分析と産業化の促進 1.1 概要 生物資源に関する新規学術研究クラスタープロジェクトの背景 生物資源に関する New Academic Research Cluster(NARC) は インドネシア政府と日本政府間で 2011 年 12 月 10 日に調印された首都圏投資促進特別地域 (Metropolitan Priority Area:MPA) プログラムに基づく活動の一環である MPA は インフラ整備を促進することにより 大ジャカルタ都市圏 (Jabodetabek) の各地域を直接投資および産業開発の対象としてより魅力的な そしてより適切な地域に変容することを目的としたものである NARC は 科学研究をベースとした MPA の下にあるインフラプロジェクト計画である 産業化を促進し国の経済成長を高めるため 研究者と産業界が共同で生物資源ベースの製品に関する研究 技術開発 情報交換 相互協力および製造を行なうことができるように物理的環境を統合するというのが NARC の根本にある NARC 構想には 研究開発 既存施設の再生 新しい民間研究開発施設の創設 および人的資源開発が含まれる 生物資源に関する NARC は 3 か所の特定場所と個々に結び付いた以下の生物資源研究機関の 3 施設で構成されることになる インドネシア科学技術センター (Pusat Penelitian Ilmu Pengetahuan dan Teknologi:Puspiptek Serpong Science and Technology Park) にある科学技術評価応用庁 (Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi:BPPT 英文名 Agency for the Assessment and Application of Technology) ダルマガ キャンパス (Darmaga Campus) にあるボゴール農科大学 (Institut Pertanian Bogor:IPB 英文名 Bogor Agricultural University) Bekasi にあるバンドン工科大学 (Institut Teknologi Bandung:ITB 英文名 Bandung Institute of Technology) 科学研究ベースの経済開発インフラプロジェクトとして NARC が成功するか否かは 産業化の促進のためのプログラムが有効であるかにかかっている つまり その三つの中核クラスターのそれぞれの範囲内での産業化の機会に関する特定の目標を見出すためには 研究機関の能力および産業開発の潜在力を連携させる必要がある 産業化促進のための有効なプログラムに取り組むのに必要とされる重要な評価には 以下のものがある 13

74 研究開発から利益を上げる可能性のある高い業績を誇る生物資源産業セクターを特定すること 生物資源の産業化につながる研究開発を支援できる研究機関の資産および重点分野を特定すること 研究開発のための運用管理モデルを提示すること 商業化への道を設定すること 生物資源開発にとって大学研究パークの開発が重要である理由 生物資源産業開発を進める上での大学研究パークの重要性と 地球規模で統合された知識集約型経済の成長とは相互に関連している 過去においては 国に天然資源があることと市場に近接していることは 企業立地にとって非常に重要な要因であった しかし 知識労働者と技術革新の重要性の増大に伴って 経済成長のための競争力は 産業 大学などの研究主導型の相互交流を促して円滑化することができるかどうかにかかっている 大学研究と人材開発を推進する組織の存在 さらに地域の研究の産業連携を推進する組織間の深いつながりと開かれた関係といった要因を含む人為的な要因が増せば増すほど それらは開発にとって非常に重要な要因となる 天然資源は依然として重要な資産である一方 技術革新および知識資産もまた 天然資源を具体的に付加価値のある開発を後押しする際に重要な役割を果たし その結果 国家経済と地域経済のための開発利益は最大化する 興味深い逆説的なことを言えば 世界の経済が地球規模で統合されていけばいくほど 地域 での研究開発のノウハウ 企業家の文化 および労働者の技能が経済的成功のために重要となる 2009 年の Harvard Business Review に掲載されたハーバード大学のゲイリー ピサノ (Gary Pisano) とウィリー シー (Willy Shih) 両教授による論文は この現象を地理に基づいた 産業コモンズ (Industrial Commons) の創出と述べている 両教授の説明にあるように 産業コモンズがいったん地域に定着すると 強力な好循環が生まれるため その地域の成長が促進される その結果 その地域には 仕事と知識ネットワークが集まるため 専門家も集まる 会社も同様で 人材銀行を活用し 発展の状況を常に把握し 供給業者および有望なパートナーを近く保つ 2 技術ハブの発展における 地域に基づく戦略についての最もよく知られたアプローチの一つは 大学研究パークの設立であろう 研究パークのベストプラクティスに関する米国学術研究会議 (National Research Council) の研究によれば 経済成長と国際競争力を加速させるダイナミックなクラスターを創出する手段として 研究パークの数は世界中で増え続けている それらの研究パークは 革新的な先端技術 を持つ企業の設立を促すために有効な手段であると広く考えられている それらはまた 2 Pisano and Shih, op cit. 14

75 雇用を生み出し 既存の企業の競争力を高めるための有効な手段とも見なされている 3 研究パークは不動産開発による土地と建物から成っており それらが公立や民間の研究開発施設や先端技術と科学をベースとした企業に提供され また 支援サービスが行われる 研究者および企業が活動できる場所を隣接地に提供することにより 研究パークは 提携 技術革新 開発 技術移転 および技術の商業化を促進できる環境を整えることを目的としている 図 1 に示すように 研究パークにある技術推進組織と企業との間には 様々なアイデアが行き交っている さらに 企業と研究機関によって生み出された革新技術および知識によって 新興企業が新たに生まれる ほとんどの研究パークは一つ以上の大学と提携している ただし 研究パークはまた 国立研究所やその他の技術革新の発信機関に隣接する形でも開発されてきた 技術革新の発信源 ( 大学 連邦研究機関 民間研究開発施設 ) 人材資源 人材資源 研究パークのテナント 成長 起業支援制度 大卒者およびスピンオフ 資料 :"Positioning Research Parks for Success", Guy T. Mascari. Economic Development Commentary, Vol. 23, No. 4, Winter 2000, p. 38.) 図 研究パークのコンセプト 米国大学研究パーク協会 (Association of University Research Parks) は 大学研究パ ークを資産ベースのベンチャー事業と定義しており それには以下のものがある 主に公立 民間の研究開発施設 先端技術 科学をベースとした企業 支援サービス提供向けに設計された敶地建物の基本計画案 1 機関以上の高等教育研究開発機関との契約上の 正式な もしくは運用上の関係 産業パートナーシップによる大学の研究開発の促進 新規ベンチャー事業の成長への支援 および経済発展の促進における役割 3 National Research Council, Understanding Research, Science and Technology Parks: Global Best Practices,

76 大学チームと産業界チーム間での技術と経営技術の移転を助けるうえでの役割 コミュニティーまたは地域のための技術主導型の経済発展の促進における役割 生物資源開発については 署名による開発複合施設の存在はとくに重要である 生物資源 開発のための大学研究パークを持つことにより重要となる付加価値のなかには 以下のも のがある 専門研究所内へのアクセスが可能となること生物資源開発では 無菌のためのクリーンルーム要件を満たすウエットラボ施設の提供を含む 高度に専門化した研究所が必要とされる さらに 分析および試験的生産活動のために高価な設備が必要である場合が多い この専門研究所を建設するのは高額であり また その使用は専門的であることが認識されているため 商業用不動産市場による支援は十分に受けられない そのため 専門設備と合わせて利用可能なウエットラボ施設を提供することによって 生物資源に焦点を当てた研究パークおよびその他の開発複合施設は 商業用の生物資源開発を促進し支援するための重要な資源になり得る 生物資源の製品とベンチャー事業の研究開発の間の物理的近接性と関連性を提供すること他の技術分野と異なり 生物資源における製品開発は 新薬ターゲットにおける進歩 植物改良の特定化 イメージングまたは診断法のためのバイオ医学の器具の使用における進歩 および疾病治療のために改良された医学的アプローチの特定化など 研究機関によって生み出された基礎科学における進歩につながる場合がより頻繁に起こっている さらに 治療のための新しい治療法および医療機器の導入を取り巻く厳しい規制環境のため 生物資源研究機関は臨床研究の着手において非常に重要である 従って 生物資源研究機関と密接なつながりがある物理的な場所があることにより 近接性という競争力において重要な優位性が得られる 生物資源関連の新興企業を育成および促進すること生物資源のウエットラボ施設を利用できることと研究推進組織が近接していることが組み合わされると 生物資源関連の新たなベンチャー事業を促進することができ それにより 商業的に有望である研究による発見は 市場分析 コンセプトの立証 事業計画 経営陣の登用 ベンチャー事業への資金調達など 様々な支援サービスを伴って 市場への進出が可能となる 人材へのアクセス 16

77 生物資源においてある地域が成功するかどうかの重要な鍵は 生物化学および生物資源の活用に関連した専門労働者としての人材を多く育成し 引き付け 維持する環境を担保しているかどうかである 大学や教育機関の医療センターの近くにある 生物資源に焦点を当てた開発拠点は 生物科学の研究者から生物資源関連の会社の経営者や技術者まで補完し合う人材の交流のために重要な役割を果たしている もっと具体的に言えば それらの拠点では 新しい関係を築くためにインターンシップやコープ制度で学生を活用することができる 研究パークはまた ますます生物資源の高等訓練プログラムや専門教育プログラムのための拠点になりつつある 最後になるが 技術革新の支援活動 ( 起業支援制度 試験用施設 応用研究施設など ) によって これらの生物資源に焦点を当てた開発複合施設は 大学や大学院の上級研究者が生物資源関連の起業家 既存の会社 および新興企業と有効に接触することができる場所になり得る 1.2 インドネシアのバイオクラスターの競争力分析 製薬産業基盤 (1) 漢方 特定ニッチ市 場の定義 表 漢方における競争力分析薬草は匂い 香りまたは治療的性質に使用される植物または植物部位である 薬効目的の薬草の価値は 植物が生物学的機能を有する多様な化合物を合成することである 植物に含まれる化合物は 従来の薬剤に含まれる化合物に関する既知の作用と同一の一連の作用によって人体に対して効能をもたらす 従って 漢方は作用の仕方に関して従来の薬剤から大きく異なっているわけではない 化合物の原料による医学的適応の精査によって 生物 ( 微生物など ) から発見される漢方その他の天然物は 他の適用の中で 抗菌剤 抗癌剤 抗凝血剤 駆虫剤および免疫抑制剤として使用することを含め 人間の疾病として分類されるすべての疾病の87% を治療するのに使用されることが実証された 4 漢方は通常 栄養剤にされるが その場合 薬効目的の有効成分を確認 抽出して錠剤 カプセル剤 粉末剤 さらにドリンク剤 エネルギーバーに製造する 4 Newman DJ, Cragg GM, Snader KM, Natural products as sources of new drugs over the period , Journal of Natural Products, 2003, pages

78 インドネシア の既存市場お よび競争力 多くの場合 漢方に含まれる薬効成分は 天然物薬剤開発として知られる開発のベースになり得る 漢方によって確認された小さな活性分子は 製薬のための合成化学薬品を開発するための手掛かりを提供する この場合 漢方にみられるか または生物活性分子を使用する卖純な生物活性分子の合成型の生産を含めて ハイスループットスクリーニングにより適した合成小分子ライブラリの生産の指針となり得る スクリーニング 天然物の修正の指針となる新しい分子モデリングプログラム および有機体の天然物の生産のためのエンジニアリング戦略を改善する現代の自動分別法およびキャラクタリゼーション法は 天然物からの薬剤の発見および開発を 再度 産業に適用させることである インドネシアは漢方の生産と使用にとって理想的な市場である 実際 漢方を特別に指すインドネシア語の言葉として Jamu という言葉さえある 生産の面から植物の多様性に富むインドネシアでは 漢方開発に関して広範な機会に恵まれている このため 民族植物学研究に大きな価値が与えられている 漢方の使用はインドネシアにおいて長い伝統に根差しているからであり 同国の様々な地域での生物多様性のため 漢方は豊富に利用できる インドネシア保健省 (Indonesia Ministry of Health) は 2007 年の National Policy on Traditional Medicines の中で インドネシアには植物が約 40,000 種あり そのうち 尐なくとも 9,600 種は薬として使用されていると報告した さらに 薬効目的での植物の使用に関して 何世紀にもわたって蓄積された伝統知識を保持する尐数民族は 400 ある インドネシアには 漢方の生産業者がすでに 1,200 以上あると報告されている これは特に重要な中小企業の開発領域 およびインドネシアの農村地域における開発に関わる活発なセクターに属する インドネシアが漢方産業を育成する上で競合的な課題としては以下のものがある 漢方のために伝統的に使用される様々な植物の識別と評価において重要な基準を満たすこと安全性 効能 製造管理および品質管理に関する基準 および漢方に関連したラベル付けを標準化するための東单アジア諸国連合 (ASEAN) による協調の取り組みを特に考慮して 漢方生産業者の品質水準を改善すること これらの協調のた 18

79 資料 :JICA 調査団 めの規制は 2014 年に導入され 2015 年までには完全実施さ れることが期待される (2) 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 表 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における競争力分析特定ニッチ市生物医薬品には バイオテクノロジーの方法および技術を使用して 場の定義生産または設計される治療法 医薬品および診断法が含まれる 今日の市場における一般の生物医薬品としては ワクチン バイオテクノロジー設計の抗体 蛋白質ベースと核酸ベースの薬剤 および細胞もしくは組織ベースの製品 ( 保存濃縮赤血球製剤など ) が挙げられる 生物医薬品の生産工程は 従来の化学物質ベースの製薬と著しく異なる 生物医薬品は 生物学ベースの生成物を育てる つまりスケールアップするために発酵系を使用して 微生物 植物または動物細胞などの生物系で製造される 新興国の生物医薬品の成長分野は 特許権の終了した ワクチン 診断法およびバイオテクノロジーで設計された治療法のための 化学物質ベースのジェネリック医薬品を生産する分野と同じ意味である この生物医薬品は ジェネリック医薬品をまねて バイオシミラー という 化学物質ベースのジェネリック医薬品と異なり バイオシミラーは生産するのがはるかに難しい これは 治療用蛋白質やモノクローナル抗体などのより大きな分子複雑性の生物分子だけでなく 細胞株の発酵を伴う生産工程 あるいはしばしばバイオスケールアップ (bio-scale-up) 製造と呼ばれる工程の重要な違いが反映されているからである 実際 ジェネリック生物医薬品製造業者は元の細胞株にアクセスできないだろう また ジェネリック生物学的製剤の製造業者も正確な発酵工程または精製工程の使用方法を知ることはないだろう そのため 不正確な性質で正確なコピーを辿り着くには 試験要件ははるかに厳しいものになろう Economist の記事によれば バイオシミラーの原価は 1 億 ~1 億 5,000 万ドルにも達する場合がある 5 インドネシアインドネシアの生物医薬品について短期集中するのは ワクチンが 5 Attack of the Biosimilars, The Economist, October 23, 2010, page

80 の既存市場お伝染病の治療に役立つためである 世界保健機構 (WHO) の報告によよび競争力ると インドネシアでは 伝染病が依然として疾病と死亡の主要原因である 加えて 流行病やパンデミックになる恐れのある疾病が発生する可能性がある点が インドネシアでは大きな懸念材料である インドネシアでは 国有会社の PT Bio Farma が他にぬきんでた存在であり ワクチン 血清および診断薬を製造する Bio Farma は ASEAN に拠点を置いたワクチン製造業者の中で WHO の事前資格審査 (prequalification) ステータスを獲得した最初の企業であり UNICEF によるワクチン (DTP DTP-HepB HepB 麻疹および経口ポリオ ) の入札に参加することができる Bio Farma は依然としてワクチン開発に積極的であり 最近では 日本微生物研究所 (Biken Institute of Japan) と共同してパンデミックインフルエンザワクチンを さらに GAVI アライアンス (GAVI Alliance) の支援を得て子供に接種する 5 種混合ワクチン (1 回の接種に 5 種類の抗原が含まれ ジフテリア 破傷風 百日咳 (DTP) B 型肝炎および b 型インフルエンザ (Hib) 感染を予防する ) を開発している Bio Farma は輸出にも積極的で 販売された同社の製品の 60% は輸出品と報告されている 世界市場への貢献のこの可能性は重要である 2010 年には 成人向けワクチン市場も子供向けワクチン市場もともに 120 億ドルを超過し その後の数年にわたって年間 8~10% と大きく成長することが予想される さらに 需要を満たしていないワクチン とりわけ 市場への投入が近いマラリア デング熱 疱疹および糖尿病のワクチンに大きな進歩が見られる 世界のワクチン市場は 世界市場の 80% 近くを占める 5 社 ( Sanofi GlaxoSmithKline Merck & Co. Pfizer Novartis) によって独占されている これらの会社のうちの数社はワクチンを市販している さらに ノバルティス熱帯病研究所 (Novartis Institute for Tropical Diseases) は エイクマン研究所 (Eijkman Institute) およびハサヌディン大学臨床研究所 (Hasanuddin University Clinical Research Institute) と共同で結核 デング熱およびマラリアの治療に重点を置いた臨床研究構想をインドネシアで立ち上げた 資料 :JICA 調査団 (3) 製薬原料 20

81 特定ニッチ市 場の定義 表 製薬原料における競争力分析 化学物質ベースの製薬を作るには 以下の 2 種類の原材料が必要と される 原薬 (API)( 薬剤の薬理学的活性を提供する活性化学成分 ) 活性成分は その製剤の製造中に化学変化を受けるとともに 指定の活性または効能を備えるよう意図された変性型の製剤に含まれてもよい製剤の成分を含む 薬剤を包み投与するのに役立つ添加剤または非活性材料 添加剤の例としては 充填剤 増量剤 希釈剤 界面活性剤 溶剤 乳化剤 保存剤 香料 吸収促進剤 持続放出性マトリックスおよび着色剤が挙げられる 製薬原料の生産に携わる会社は 川上の化学工業と川下の製薬工業の橋渡し役を務める インドネシアインドネシアで薬剤の製造に使用される 1,000 種類超の原材料のの既存市場お 90% をはるかに上回る数量が輸入によると推定される 主要輸出国はよび競争力中国とインドである 製薬原料がインドネシアで生産されない点が インドネシアの製薬産業の全体的な競争力に関する懸念材料となっている そのため インドネシアは通貨変動 他国の内需パターンの変化 他国の輸出戦略の変更によるリスクを負っている 製薬原料生産を促進する上でのインドネシアの課題は 安全性と品質保証に関して製造管理および品質管理に関する基準 (GMP) を満たさなければならない点である これは市場への参入費用を増大させる さらに 製薬に対する価格統制は 製薬原料産業への新規参入業者に対する障壁を築くものである 最後に 製薬原料の製造へのインドネシアの新規参入業者の場合 定評のある海外 特に中国の企業の強力な生産能力と競合する必要がある 中国では ここ何年も製薬原料製造業者は非常に輸出に積極的である 資料 :JICA 調査団 21

82 1.2.2 農業 食物基盤 (1) 農業改良および多様化 表 農業改良および多様化における競争力分析特定ニッチ市農業改良は 植物病原菌 害虫 塩分 干ばつ 洪水 土壌の養分場の定義不足または毒性によって引き起こされる難問に直面して 農作物の生産性の向上を図ることに集約することである さらに 農業は 消費者需要と購買力 および世界市場における機会の変化に対応する必要がある 米またはトウモロコシのような主要農作物は 農民により高い所得をもたらすこともなければ 増加する中流階級の消費者需要を満たすのに役立つこともない 高付加価値農業は ニッチ市場での機会の特定化によって農作物の多様化を図り 農家所得を増加させることに重点を置く インドネシアインドネシアの食用作物は国内総生産の 7% をわずかに上回っていの既存市場おるにすぎず 2004 年から 2010 年に実質 30% 近く増加した 前述しよび競争力たように 農業は依然としてインドネシア経済の重要な推進役である 農業生産高は 人口増加よりも速く増加した また 農業はインドネシア労働者の主要な雇用部門である 農業での成長を反映して インドネシアの農家所得は 過去 10 年間に大幅に増加し 国の貧困を緩和するのに大いに貢献してきた 国が農地に制限を設けているので 農業生産性を高めることはインドネシアに特に重要である 農地は 1 人当たりわずか 0.23ha( 世界の平均の 3 分の 1) で 特に稀尐資源であるので 高い農業生産性を保つことが非常に重要な要素となっている より多くの土地を耕作可能な土地にすることは 国家にとって良い選択ではない というのは それは森林破壊 および非常に重要な生物多様性 ( 前述したように 他の経済セクターの発展に関係する ) の喪失を必要とするからである インドネシアの 2009 年の米の現在出来高は 1ha 当たり 5 トンで 中国の 1ha 当たり 6.6 トンよりも尐ないが タイ インド マレーシアなどの他国よりも上位にある しかし 近年 米の出来高は比較的低い生産性の上昇率であった それに比べて 果物と野菜の生産量は伸びているだけでなく 出来高でも大幅な増加を記録した 農業の生産性を高める上でインドネシアが抱える特別の課題の 1 つは 作物生産が主に手作業に頼り あまり機械化が進んでない零細 22

83 農家に依存していることである インドネシアはまた 特に米の生産に関する既存の農業生産性の維 持について 以下のように相当の環境上の課題を抱えている 土壌侵食 : 集約型稲作農業のため 米の生産を行っている州の土壌の質は 特に潅漑地で低下傾向にある 長期にわたる無機肥料の大量施用は 特にジャワ島では 土壌構造の悪化と深刻な水質汚染をもたらした 沼沢地では 土地 用水管理が不適切であるため 主として酸性度は高い状態にある 気候変動 : 最高気温と最低気温はすでに確実に上昇しており 一部の地域は降雤量が増加する一方 降雤量が減尐する地域もあるなど インドネシアの各地で降雤量への影響が見られた モンスーン襲来の時期もインドネシアの多くの地域で変化しており 一部の地域では襲来の時期が徐々に遅くなる傾向にある 気候変動による米の生産への影響は重大な懸念材料である 米の二期作 ( 稲作地帯のほとんどで使用される現在の作付様式 ) は 近い将来 最も有効な生産方法ではなくなる可能性がある 二期作での 2 回目の作付は潅漑用水に大きく依存しているので 極端な干ばつの年には この作付はますます限定的に行われるため 生産量は大きく落ち込む恐れがある 気候変動による気温の上昇は 降雤のパターンと季節の長さに影響を及ぼすとともに 害虫や病害による農作物の被害に対する懸念が広がっている 同時に インドネシアにおける食糧生産は引き続き 果物と野菜の生産は多様化しており 近年 生産は大きく伸びている 果物と野菜の国内消費量は増加している一方 インドネシアの熱帯果実類の生産は輸出の成長部門である 今日 インドネシアは ココナッツの輸出量が世界第 1 位 パイナップル パパイヤなどの熱帯果実類の輸出量が世界第 3 位である とはいえ 果物と野菜の貿易全体では 需要に追いつけないインドネシアは 拡大と近代化の進む都市部の食品小売業と底辺にあるインドネシアの小規模農家との間の市場的なつながりが貧弱であるため後れを取っている 資料 :JICA 調査団 23

84 (2) 高付加価値食品 特定ニッチ市場の定義インドネシアの既存市場および競争力 表 高付加価値食品における競争力分析食物の品質は 最適な栄養所要量と影響不足の結果 ( 肥満またはビタミン欠乏など ) について自覚を高めて新たに強調することで得られた その食品産業は 栄養面で優れた点を生かしたバイオ技術などで生まれた食品を扱ってきた その数例を挙げると ヨーグルトに代わる繊維増強剤 プロバイオティク材料 オメガ3 強化卵 スポーツ専門飲料がある 同時に 病原菌に汚染された食品類が原因の疾病 および食物源の汚染をもたらすバイオテロに対する懸念も拡大した 食品の安全と管理の強化のためにこれが必要になるのは 病原菌探知システム 高速ターンアラウンド診断技術 汚染除去技術および高度包装システムを開発する機会を得るためである インドネシアの食品産業は経済の重要な推進役である 食品は 国内総生産の 7.3% を占め 2004 年から 2010 年までに実質 35% 成長し 5,000 社を上回る数の事業所が食品関連である 市場調査研究によると 健康問題に直面している 特に中間所得層や高所得層のインドネシア人および都市居住者の間では より健康に良い食品を消費する傾向がある 健康意識は 部分的には健康問題が新聞 雑誌 テレビで取り上げられる件数が増えたことによって高まった さらに 加工食品製造業者は 健康効果を強調した 新健康ブランド商品と販売促進活動への投資を続けた 2012 年は 引き続いて加工食品の小売店と外食産業の両方でビタミン強化 健康に良い材料 体重管理の適格性 糖分の削減 コレステロールの削減 脂肪分の削減といった栄養成分の特性をもった商品が数多く発売された年である 多国籍企業は インドネシアの食品産業にしっかりと足場を固めている その例として Heinz ABC Indonesia Kraft Foods Indonesia So Good Food が挙げられる これらの多国籍企業は 2012 年も 新商品の発売と販売促進に重点を置いた投資し続けた たとえば Heinz ABC Indonesia は ABC KecapPedas( 香辛料の効いた醤油 ) を発売し 主要都市でロードショーを開催したりモダンな小売店でインストアプロモーションを行ったりした Kraft Foods は新商品のオレンジアイスクリーム風味の Oreo を発売したほか フェイスブ 24

85 ック ツイッターなどのソーシャルメディアによって加工食品の販促を行った 一方 So Good Food は さらに大型の生産設備を備えた 4 番目の加工工場を開設し 消費者需要に応えた 資料 :JICA 調査団 工業用バイオ製品基盤 パーム油のバイオ製品 表 パーム油のバイオ製品における競争力分析特定ニッチ市場パーム油から全範囲のバイオ製品を開発する機会を進めること パの定義ーム油は 異なる性質をもつ広範な種類の油に分離することができる この多様性があるため パーム油は様々な製品において動物油や他の植物油に取って代わることができる 今日 パーム油には以下の用途がある 6 食用油として使用 ほとんどのマーガリンの主成分 菓子 アイスクリーム インスタント食品に使用 ほとんどの液体洗剤 石鹸 シャンプーの主成分 口紅 ワックス 研磨剤の主成分 工業用潤滑油として使用 バイオ燃料として使用インドネシアのインドネシアは世界第 1 位のパーム油生産国であり 世界全体の生既存市場および産量 4,500 万トンのうち 1,800 万トン (40%) を生産する 競争力インドネシアが生産するパーム油の 70% 以上が輸出に向けられる 主な輸出先国はインド オランダ マレーシア イタリア シンガポール ドイツおよび中国である 民間の大企業がインドネシアのパーム油の 50% 以上を生産しているが パーム油生産のかなりのシェア (35%) を占めているのは小農地所有者である ただし その生産量は企業と政府のプランテーションの生産量よりも尐ない Stern Review の作成した報告書の推定によれば 2007 年 パーム油生産のための土地利用による利益は 1ha 当たり 960~3,340 米ドルである これを小農地所有者の土地から上がる利益を比較すると 6 Source: World Wildlife Fund. 25

86 1ha 当たりゴムは 72 米ドル 休閑田は 28 米ドル キャッサバイモは 19 米ドル 1 回限りの木材収穫は 1,099 米ドルであった 具体的には パーム油のための土地利用による利益は 以下のように推定された 7 1ha 当たり 960 米ドル ( 利益の尐ない自営生産者 ) 1ha 当たり 2,340 米ドル ( 利益の大きい自営生産者 ) 1ha 当たり 2,100 米ドル ( 支援を受ける自営生産者 ) 1ha 当たり 3,340 米ドル ( 大規模生産者 ) パーム油の生産を大幅に伸ばせる可能性がインドネシアにはかなりある インドネシアでは パーム油の生産は 1ha 当たり平均 3~4 トンであるが 潜在的な生産量は様々な推定から 1ha 当たり最大 8.6 トンである 現在 大部分のパーム油は精練段階を超えて付加価値を付けてインドネシアから輸出されることはない ( 粗パーム油を生産 損傷を避けるにはプランテーション近くで生産しなければならない ) 生産の約 60% は粗パーム油状態で出荷され 付加価値は原産国によって制限されている 現在のインドネシア政府は パーム油からのバイオディーゼルの生産を奨励する政策を取っている 同政府は 2025 年までに輸送と発電の 20% をバイオディーゼルで賄うよう最低限の要件を設けた さらに パーム油からのバイオディーゼルに対する輸出関税は 粗パーム油に対する輸出関税よりも低く抑えている 付加価値税の適用除外 投資減税 許認可手続の簡略化 および貸付利子助成金を含む広範な奨励策が適用されている 中でも Bakrie Sumatra Plantation London Sumatra Astra Agro Lestari SMART および Darmex は主導的な役割を果たしている 民間会社 49 社は 2011 年 総投資額 15 億米ドル 総生産量 9,650 万トンで投資の認可を得た 資料 :JICA 調査団 7 Ibid 26

87 1.3 有望なセクターの研究および投資に関する調査 産業化の機会に関する目標の特定化に関する通知アプローチ 大学関連の研究パーク周辺での目標となる産業化の機会を評価する上での第一歩は 大学の研究開発活動と能力と関連する または関連する可能性のある開発の分野において インドネシアは今日 生物資源をベースとした産業ではどのような位置にあるのかを検討することである 可能性のある産業化の目標を特定するために取られたアプローチでは BPPT IPB および ITB にわたってみられる研究活動と能力に応じて設定された機会の可能性を把握するために 現地調査が行われた さらに バテル (Battelle) のアナリストたちは 特定した研究機関の能力と比較して市場調査 発表した学術論文および知的財産のデータを検証した バテルのレビューによると インドネシアの生物資源において 新たな学術研究クラスターを取り巻く形で産業連携を発展させる有望なセクターとして 以下の三つの主要な産業基盤が際立ったものとなっている 製薬基盤 ( 天然産物および漢方のための生物資源調査 診断法 ワクチンおよび抗生 物質の生産 および製薬原料を含む ) 農業 食物基盤 ( 主要な農業の改良と多様化 および付加価値のある食料品を含む ) 工業用バイオ製品基盤 ( バイオオイル バイオ燃料 およびバイオ精製作業に焦点を 当て 主要な工業用原料としてのパーム油に対する付加価値をとくに強調 ) 上記の各基盤についての評価は 生物資源産業に関する市場調査報告書およびその他の研究書のレビューに基づいてそれぞれの基盤の産業化の可能性に関して実施された 産業化の可能性を検討するうえで 産業化を次の二つの開発方法で区別することがとくに重要である 一つは 輸入品に代わる国内製品の生産を提供するための産業化であり もう一つは輸出市場に役立つ可能性のある成長産業を促進するための産業化である さらに それらの代表の利害とニーズの進行状況について知るために 産業の主要な代表とのインタビューを含め 産業への支援活動が開始された 上記の特定の基盤別に 以下の項目について検討するための産業基盤プロファイルが作成された 目標とする特定ニッチ市場 インドネシアにとって期待される開発効果の種類 27

88 大学研究パークへの適合 役立つ目標市場 市場の規模と成長性 インドネシアの産業開発の障害および問題 製薬産業基盤 製薬産業は 生命を救い 維持し 改善する薬および診断法の開発と製造に重点を置いている 従来の製薬産業はほぼ 20 世紀を通して有力な産業であったが 主として疾病にかかわる生体内作用の遮断剤または抑制剤として働く小さな化学分子を特定できるかどうかにかかっていた 従来 製薬の発見は多くの場合 長年の治療法から あるいは偶然の発見により有効成分を特定することに基づいていた 大多数の市販薬は 従来より生物活性天然物および植物化合物から作られていた 最近では バイオテクノロジーの出現によって バイオ医学の開発は多くの面で 医学の研究 治療学の発見と開発の取り組み 疾病および病状の診断と治療といった方法からの変革が新たになされた 簡潔に言えば バイオテクノロジーは 生物の機構を理解し管理する技術を含む バイオテクノロジーは 分子レベルで生きている細胞の操作に関連する 1970 年代の二つの主要な発見で始まった それらの発見とは 一つの生きている細胞から別の細胞への遺伝子情報の伝達 つまり組み換え DNA として知られる技術 および疾病と戦う抗体を生み出す細胞の融合 つまりモノクローナル抗体技術として知られる技術である この結果 蛋白質 抗体 DNA RNA などの生物学的因子を 治療的介入として直接的に利用する生物医薬品として知られる新しい薬剤群が生まれている バイオテクノロジーはまた 小さな化学薬品に関するものであっても 目標となる新薬の開発方法を変更させた 薬剤は今 解明する調査 疾病および感染を分子と生理学レベルで抑える方法を解明する研究に基づいて開発されている この知識は次に 疾病メカニズムへの介入のための可能性のある新たな目標を特定するために使用される 薬剤の発見と開発のためのこれらの現代のバイオテクノロジー方法は コンピュータ支援モデリング コンビナトリアルケミストリー技術 ( 一連のより小さい化学構造 つまり 構成要素 の可能な限りの組合せの合成による化合物の大規模な収集 つまり ケミストリーライブラリー の生成を含む ) ハイスループットスクリーニング( 生物活性に関して数百 数千の薬剤目標を分析できる ) の使用など 広範な新技術によって裏付けられてきた さらに コンピューターモデリングと計算化学の技術は 吸収 分布 代謝 排泄および毒性に関する薬剤設計の改良のための 薬剤に関する薬理学的研究に役立っている 従って 薬剤の発見は今日 はるかに高い目標となっており 生体内作用と関連の蛋白質の詳細な把握から蛋白質の構造 設計された化学薬品まで疾病過程に影響を及ぼす インドネシアでは 製薬市場は 主として従来の小分子の製薬用化学薬品に基づいたジェ 28

89 ネリック処方薬および市販薬が独占している ジェネリック医薬品は通常 別の製造企業 イノベーターによって開発された医薬品であり 特許権によって保護されておらず 先発医薬品と同じ有効成分を含有し 品質 安全性および治療効果も先発の特許取得医薬品と同じである 一方 市販薬は 一般利用者が服用時間を自分で決めても十分に安全であると一般に考えられているので 処方箋を必要としない 市場調査研究の推計によれば インドネシアの全製薬市場は 2012 年に 50~60 億米ドルに達し 次の 5~7 年間に同市場は年間 7.6~9% という健全な成長を続けると予想される ジェネリック処方薬および市販薬のシェアは 2012 年には 全製薬市場でそれぞれ約 40% であった 2012 年のインドネシア製薬市場の残りの 20% は 特許取得処方薬で占められた これらの特許取得処方薬のほぼすべては 外国の製薬会社によって供給されている これらの特許取得処方薬の根底には 確かな新薬発見および開発能力を備えた環境であり インドネシアの会社や大学の中で 特に現代のバイオテクノロジーによる方法に基づいて新しい化学薬剤または生物薬剤を発見する能力があるところはほとんどない 新しい特許取得処方薬を発見開発することも その過程で失敗に終わる確率が高く開発費がかさむため 特許取得処方薬の価格は非常に高くなる場合がある 最後になるが 外国で開発された医薬品に対するインドネシアでの知的所有権保護に関して懸念が存在しており そのため 多くの外国企業は特許取得処方薬をインドネシアに輸出することに消極的である 新規薬剤の発見のための現代のバイオテクノロジーへの取り組みの活動は インドネシアでは不十分であるが 地域のニーズを満たすためと輸出を促進するために インドネシアの製薬産業を支援できる研究開発地区も存在する 調合薬の産業化のための特定ニッチ市場としては 以下の三つが挙げられる (1) 漢方 (2) 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 (3) 製薬原料 (1) 漢方 表 漢方における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシア漢方は インドネシア国内での市場拡大の機会 さらに他国への輸における産業出の機会を提供する 化のための目インドネシアにはすでに漢方の市場が確立している インドネシア標市場の漢方市場は 年間 10~27 億米ドルの規模にあると推定され 製品は広範囲に及んでいる インドネシアはまた 漢方の輸出生産国になりつつあり 輸出額は 29

90 研究機関と産業界との共同研究開発に適する分野インドネシアの産業化への 今や 2 億米ドルを超える インドネシアの漢方を輸入する主要国には韓国 台湾および香港がある 中東およびロシアとの間でも貿易が行われている 漢方の世界市場は 70 億米ドルを上回ると推定され 年間約 4% という穏やかな成長を続けている 主要な用途としては 前立腺肥大症 認知障害および更年期の症状に対するものが挙げられる 漢方の別の産業適用は 薬剤の発見と開発の指針を示すことである 天然物は 継続して世界中で最も売れる薬剤として大きなシェアを占めている 1981~2007 年までの新薬の原料で示された情報を比較することにより 1994 年以降に承認された薬剤のほぼ半分が天然物をベースにしていることが示された 天然物関連の薬剤の 13 種類が 2005~2007 年に承認され これらのうちの 5 種類は 新しい薬剤群の新メンバーとなった さらに その開発パイプラインは断ち切れていない 天然物から生まれた 100 種類を超える化合物が現在 臨床試験を受けており 尐なくとも 100 種類は臨床試験前の開発段階にある 8 大学は 漢方の価値を高めるために多くの高付加価値サービスを提供することができる そのサービスには以下のものがある 薬効目的での植物の人間への伝統的な使用について知るために 様々な植物に関する 民族植物学 の研究を行うこと これは 将来の薬を発見するのに既知の有効な方法があることを示す 分析化学技術を使用して 生物活性成分を特定し特性を示すこと 様々な疾病に対する生物活性成分をスクリーニングすること 標準化できる抽出方法を進化させること 生物活性成分の毒物学を研究すること 栄養剤または医薬品に含有する生物活性成分の処方設計を進化させること 栄養剤内または医薬品内にある生物活性を試験すること漢方の承認を得るには 厳格な効能研究が要求される これには 実験室ベースのインビトロ研究と人間ベースの臨床研究の両方が必 8 Allan Harvey, Natural Products in Drug Discovery, Drug Discovery Today, October 2008, page

91 障害要とされる これらは 承認を得るには非常に高度の基準で実施する必要がある 資料 :JICA 調査団 (2) 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 表 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシアワクチン生産はインドネシア国内において重要な公衆衛生のニーズにおける産業である 地域の能力を高めることによって インドネシアもまた 化のための目 Bio Farma が現在 行っているように 開発途上にある世界の多く標市場の人々に奉仕することができる ワクチン市場は世界中で 250 億ドル超に達し 年間成長率 7% 以上という健全な成長を続けると予想される その主要なワクチンとしては 肺炎球菌 インフルエンザ ジフテリア 百日咳 ポリオ 水痘および HPV のワクチンが挙げられる 一方 いくつかの重要なワクチンは デング熱とマラリアのワクチンなど 臨床試験の最終段階を通過するところまできている 将来に目を向けると インドネシアは バイオシミラーのさらなる生産へと移行する必要がある バイオテクノロジーベースの薬剤は重要性を増している 薬剤販売量の上位 6 位までを見ると バイオテクノロジー製品は 2000 年にはわずか 1 種類 2008 年には 5 種類であったのに 2014 年までには上位 6 位までを独占し 上位 100 位までを見ると バイオテクノロジーベースの薬剤は 2000 年には 11% 2008 年にはちょうど 28% であったのに対し 2014 年には 50% を占めると予想される 9 血液疾患 癌 感染症 自己免疫疾患 炎症性疾患および糖尿病の治療に用いる新しい生物医薬品は 新しい治療学のための世界的な臨床パイプラインの大部分を含み 次の 10 年内に市場に登場すると予想される 研究機関と産生物医薬品で生物学的工程および生物学主導のスケールアップ製造業界との共同に関する専門知識が要求されるので バイオシミラーの開発を進め研究開発に適る場合でさえ 大学や他の研究機関にある専門知識と施設は 産業する分野界が活用するのに非常に適している 新しい生物医薬品の開発では 大学および研究機関の知識にさらに一層依存しており 生物検体と疾病の知識を利用するには 臨床パートナーを利用できることが求 9 EvaluatePharma, Biotech Set to Dominate Drug Industry Growth, June 17,

92 インドネシア の産業化への 障害 められる場合が多い 生物資源に関して NARC があるため 地元会社との共同による生物医薬品の開発と生産に重点を置くことは インドネシアでは地元産業界によって支持されている とくにワクチンと診断法については 現在 生産を拡大するには施設が不足している 生物医薬品のより高度な要件を考慮に入れると それらの医薬品を生産するための専門知識を持つ地元の会社はほとんどない 外国の生物医薬品会社とのパートナーシップの可能性については 以下の理由で問題がある 資料 :JICA 調査団 インドネシア市場の利用に対する障害インドネシアでの活動に関連した外国人持株比率に対する制限貿易関連知的所有権協定 (TRIPS) の特許権範囲および実施 (3) 製薬原料 表 製薬原料における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシアインドネシアにおいて製薬原料の産業化を促進するには 主に短期における産業間に輸入に変わる戦略を立てられるかどうかである 化のための目この産業の成長見通しは 全面的にインドネシアにおける製薬の成標市場長の可能性によって決まる 様々な市場調査によると インドネシアの製薬市場全体は 2012 年には 50~60 億米ドルに達したと推定され 次の 5~7 年間に同市場は年間 7.6~9% という健全な成長を続けると予想される ジェネリック処方薬および市販薬のシェアは 2012 年には インドネシアの全製薬市場でそれぞれ約 40% であった そのため この市場は製薬原料製造を進めるうえで非常に有望と思われる インドネシアの製薬原料生産の主要な顧客は インドネシアで化学物質ベースの薬剤 ( 主にジェネリック医薬品 ) を製造するインドネシアの製薬会社であろう インドネシアで製造する国際的な製薬会社がインドネシアの供給業者から原材料を調達するかどうかは明らかではない 地元会社と国際会社の両方を支援する一つの方法は 製薬原料生産のための新しい合弁事業への投資を外国から引きつけることであ 32

93 る これは中国市場で起こったことであり 同市場では 2012 年までに外資系会社が製薬原料市場のほぼ 4 分の 1 を占めるまでになった 製薬原料に関して中国への外国の産業投資の例としては オランダの DSM およびドイツの BASF と Bayer Group が中国で別々の合弁事業に参入した例が挙げられる 特許権の消滅例が徐々に増加し ジェネリック医薬品市場が拡大するとともに 製薬原料に対する世界の契約生産市場も拡大しており インドネシアの会社はそれらの原材料を輸出の対象とすることができる これは 新原薬または薬剤輸送体および技術において特定のニッチ市場を確認できる場合にとくにそうである 製薬原料の世界の契約生産市場の規模は 2012 年に 500 億米ドルを大きく上回っていると推定され その後の数年間の同市場の成長は 5~7% の範囲で推移すると予想される 研究機関と産その産業で製造されるほとんどの製剤はジェネリック医薬品であ業界との共同るため 競争は激しく 利潤は尐ない 従って 企業が新規分野で研究開発に適差別化を図る製剤 または特別な使用目的の特殊なバルク製剤を開する分野発することは必要不可欠である ナノテクノロジーの使用を介するなど 新原薬の開発 革新的な処方技術 または高度な新薬剤輸送方式を介して インドネシアの製薬原料会社のために競争上の優位性を高めるうえで 大学は重要な役割を果たすことができる インドネシアインドネシアが製薬原料の供給国になるとすれば 国家政府が研究の産業化への開発と生産の新規事業に投資をすることが必要になろう 障害資料 :JICA 調査団 農業 食物基盤 農業と食物はインドネシア経済で重要なセクターである インドネシア経済開発の促進と拡大に関する 2011 年 ~2025 年基本計画 (Masterplan Percepatan dan Perluasan Pembangunan Ekonomi: MP3EI 英文名 Master Plan for Acceleration and Expansion of Indonesia Economic Development ) は 世界の主要な食物供給国の一つとして つまり農業用の加工センターとして のインドネシアの地位を確立することを目標として インドネシア経済の推進役としての農業と食物の重要性を示している 最近発行の OECD Review of Agricultural Policies: Indonesia 2012 は インドネシアの農業セクターの重要性を以下のように説明している 33

94 2007~2009 年の平均農業生産額が 660 億米ドルであるインドネシアは 世界の第 10 位の農業生産国である 農業従事者は約 4,200 万人で安定しており 2009 年におけるインドネシアの全労働人口の 40% を占めている 全体としては 1990 年 ~2009 年において農業生産高は 97% 増加したが これを同期間での人口増加分 29% と比較すると 1 人当たりの農業生産高は大幅に増加したことになる インドネシアは中国とインドに続く世界第 3 位の米生産国である インドネシアは事実上 米の自給自足国であり 時に輸入することはあっても 国内需要を満たすのに輸入米はあまり役に立っていない 1990 年の米生産高は 1961 年に比べ 4 倍以上増加し インドネシアでの米生産高はそれ以降も人口増加よりも高い率で増加している 同時に 果物と野菜の生産高も著しく増加した 2010 年の果実生産高は 1990 年に比べ 2.5 倍 野菜生産高は 2 倍増加した しかしながら インドネシアの農業 食物セクターの継続的な発展のためには 多くの脅 威と開発に対する課題があり 産業化に関して以下の二つの重要な領域がとくに重視され ている 果物 野菜など比較的高値の様々な農産物の多様化だけでなく 品種改良 土壌改良および生物防除剤によって農業生産性の向上が継続的に必要 高付加価値農業が栄養価のより高い食品を作り出し かつ食物の安全性を向上させる機会の増大 (1) 農業改良および多様化 表 農業改良および多様化における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシアに一般に 農業の改良に重点を置くということは 主としてインドおける産業化のネシアの国内産業化に重点を置くということである ための目標市場 農業の改良のうちで主要なものの一つは 環境条件の変化に対応できる改良種子の開発である 種子産業は 米などの農産物の種子の生産と増殖を行う政府機関または国有会社が独占している インドネシアの民間の種子産業は 香辛料 雑種トウモロコシ 一部の高値の園芸作物などの財産作物に重点を 34

95 置いている 園芸産業では 民間会社が作物の種子の供給に積極的であり これらの種子は輸出されるか または地元農家との契約に基づいて高値の作物に加工される 国連食糧農業機関 (UN Food and Agriculture Organization) の 熱帯果実類の市場展望 機会および課題(Market Prospects, Opportunities and Challenges for Tropical Fruits) と題するプレゼンテーションによれば 生の熱帯果実類に対する需要は著しく伸びているとみられている 研究機関と産業界との共同研究開発に適する分野インドネシアの産業化への障害 重要な進展は ポストハーベスト技術の発展のおかげで 加工果物に比べて生鮮果物の貿易シェアが拡大していることである こうした発展により 熱帯果実類は最終市場で競争力を持つことができ 卖価が非常に高値である場合は分割での生鮮果実の販売を通じて収益を最大化することが可能である 熱帯果実類市場は著しく発展した 新規性に基づいた価格プレミアムは 品質に基づくプレミアムに入れ替わる 先物市場の成長に関する主要な課題は ほ場から市場までのサプライチェーン (field-to market supply chain) の協調管理に関するものである 品質だけでなく食品安全性 害虫と病害対策とも関連した問題は 費用と需要の適切なバランスをみつける必要がある 植物科学における大学と研究機関の取り組みにより 農業生産性を向上させ 農業の多様性の進める必要性に対処するための大きな機会を提供する 植物科学は 品種改良 発生 細胞生物学 生化学と生理学 形態と構造 系統分類学 植物 微生物相互作用 および生態学といったある範囲の植物研究を包含する幅広い科学分野を提供する 応用植物科学は 育種および土壌条件の改善といった農作物の開発と植物改良に関わる科学である 重大な障害があるようにはみえない インドネシア政府の政策は現在 農業改良を支援する政策である 2000 年以降 インドネシアの農業政策は 肥料 種子助成金制度を再導入し大きく拡充 35

96 させる政策であり 一体的な拡充サービスの確立 および拡充に携わる労働者の増強を伴う拡充サービスに重点を置いてきた 農業改良の限界の一つは インドネシアでは研究開発への投資が低水準であることである 農業研究強度 ( 全農業生産高に対する公立機関と民間機関の研究開発費の比率と定義 ) は 2009 年では 0.27% であり この数字はアジア諸国の間で下位に当たる 資料 :JICA 調査団 (2) 高付加価値食品 表 高付加価値食品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシアに高付加価値の食品は 国内市場と輸出市場の両方で産業化の機会おける産業化のを示すものである ための目標市場世界の機能性食品市場は 2013 年に 905 億ドル規模に達すると推定されているが 機能性食品飲料の世界市場は 2015 年までに 1,300 億ドルに達すると予想されている 市場の成長は 商品イノベーションによって また 可処分所得が上昇するとともに高まる健康意識によって加速している 研究機関と産業機能性食品を進化させて食品の安全性を高めるには 食品栄養界との共同研究学 微生物学 バイオテクノロジーおよび分析化学の知識が必要開発に適する分である 農産物や副産物に含まれる生物活性化学物質を特徴付野け 分離し 精製し 加工するとともに 新技術を開発して健康促進食品を生み出し さらに食物病原菌を特定してその毒性を緩和するための研究は非常に重要である 多くの場合 これには特殊な実験装置およびスケールアップ加工技術が必要である インドネシアの特定されず産業化への障害資料 :JICA 調査団 36

97 1.3.4 工業用バイオ製品基盤 動植物のバイオマス資源は 何千年もの間 主として食物と飼料に使われてきた 顕著なところでは 一部の作物は工業原料になる一方 森林バイオマスはパルプ 製紙の主要な資源であり 植物油 動物性油は油脂化学工業用の原材料であった さらに最近では 植物バイオマスの順応性があることから 現代の加工 変換技術の進歩と相まって バイオマスは工業原料としての利用において急速に進歩している 工業用としての使用では新規性と拡張性があり 様々に使用できる この工業用バイオ処理では 再生可能資源からの製品化の機会が大きく拡大している バイオマスの工業使用としては 直接の燃焼およびガス化適用による発電 バイオ由来の油および砂糖を液体バイオ燃料の製造に使用 および特製薬品とプラスチックを含む革新的物質の製造が挙げられる 工業原料としてのバイオマスの使用に加えて 工場は機能性食品と栄養補助食品などの特殊な健康商品を生産できるように また 製薬および工業製品の生産のための 工場 として生産できるように改良中である インドネシアについては 工業製品用の主要なバイオマス原料は アブラヤシの果実に由来したパーム油の農業生産でみつかる アブラヤシは 現在の油糧種子作物の中で最高の油生産量を誇る アブラヤシは 例えば 大豆の油生産量の 10 倍である インドネシアでは 工業用バイオ製品のための他の機会も生まれている 興味深い分野としては 微細藻 海藻の開発にある この開発では パーム油よりも 1 ha 当たりの生産量が大きくなる可能性がある 藻の開発におけるこれらの取り組みはまだ発生期の段階にあり 従って この時期では産業化の最初の目標が示されていない 短期間では 全範囲のバイオ製品についてパーム油を目標とすることには インドネシアの産業化においては十分に価値があるとみることができる パーム油のバイオ製品 表 パーム油のバイオ製品における目標市場と産学共同研究開発に適する分野インドネシアにおけインドネシアのバイオディーゼルセクターは 2012 年に健全な成長をる産業化のための目続けた バイオディーゼルの生産は 2011 年の 15 億 7,500 万リットルか標市場ら 2012 年には 22 億リットルに増加した バイオディーゼルの輸出量は 2011 年の 12 億 2,500 万リットルから 2012 年の 15 億リットルへと 22% の高い輸出の伸びを記録した ( そのうち 90% はヨーロッパに輸出 ) 37

98 研究機関と産業界との共同研究開発に適する分野インドネシアの産業 世界でのパーム油の生産量は 2020 年までには 32% 増加し ほぼ 6,000 万トンに達すると予想されている 10 多くの先進経済国がトランス脂肪からより健康に良い代替品の使用へと移行するとともに 近年 パーム油に対する需要も増大している 高度に飽和した植物性油脂の一つであり 室温で半固体であり 原価も比較的安いパーム油は トランス脂肪の代替品として使用されることが多い さらに パーム油がバイオディーゼルの生産に使用される可能性はかなりある ( 高収量油にもかかわらず パーム油の使用水準は低い ) 油糧種子 100kg からは通常 20kg の油が生産される ところが アブラヤシの場合 1ha 当たり粗油 5,000kg またはバイオディーゼルの生産に使うことのできる粗油ほぼ 6,000 リットルを生産することが可能である 1 トン当たり 400 米ドル (1 バレル当たり約 54 米ドル ) であれば パーム油は競争力で従来の油に対抗できる バイオディーゼルの消費量は 様々な国が混合規制を実施しているので 世界的には大幅に増加すると予想される バイオディーゼルの混合は 2020 年までに フィリピンの 2% から EU の 10% の間にすることを目標とする そのような混合規制が強化された場合 EU の要求を満たすだけでも さらに 400 万 ha のアブラヤシが必要になるだろうと OECD は推定する 中国の要求を満たすには さらに 100 万 ha が必要になるので バイオ燃料の生産はさらに一層魅力的になる可能性がある パーム油は現在 世界のバイオディーゼル生産の 5% にも満たないが バイオ燃料の使用を奨励する政策を採用する経済国が増えれば 需要が増大する可能性も高くなろう 市場シェアは比較的低いにもかかわらず パーム油はバイオディーゼルの生産における原料として使用される場合が多く 原料が生産原価の主要部分を占めるため バイオディーゼル産業はインドネシアにとって実現可能な選択肢といえよう ただし 多くのバイオディーゼル工場が操業を休止しているという話がインドネシアできかれる インドネシアでは作物栽培学 肥料使用法 植物種の改良によって生産量を伸ばす可能性が十分にある ( また その手段は 環境および国内の生物多様性保存を犠牲にして 多くの土地を生産用途に転用させるよりも確かに望ましい ) パーム油と環境への影響を巡っては かなりの論争が起こっている 拡 10 Best report source is The Economic Benefit of Palm Oil to Indonesia Produced by World Growth. 38

99 化への障害 資料 :JICA 調査団 大するプランテーションと それがもたらす野生生物の生息地の喪失に 対する主要な懸念は 森林破壊に関連する 世界的に大規模な反パーム 油ロビーが存在する 1.4 研究課題 産業基盤の各領域は 生物資源の NARC にかかわる 3 機関と関係している これらの関係を理解するために Battelle は それらの領域の具体的な能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資について検証する各機関の評価を体系化した その評価では 大学でみつかった主要な関心 資源 進行中の産業連携および施設が示される この評価には 学部ごとの刊行物のレビューも含まれる この刊行物の分析では トムソン ロイター (Thomson Reuters) が Current Contents Connect を通じてモニターした 2008~2013 年の間に刊行された論文審査のある学術誌 23,000 点について検討した どの刊行物を重要視するかは研究機関によって異なる一方 BPPT はあまり刊行物を重視しておらず むしろ成功したプロジェクトの結果を重視していると指摘することができる 従って 刊行物は学問的能力を示す指標の一つにすぎないとみなす必要がある 2008~2013 年第 3 四半期までの期間に 研究機関別に刊行された論文審査のある刊行物の数は以下の通りである BPPT: 論文審査のある学術誌の論文 87 点 IPB: 論文審査のある学術誌の論文 270 点 ITB: 論文審査のある学術誌の論文 726 点 研究機関を評価する際に提示される情報の多くは 焦点と重点を置く領域をさらに理解し 調査し 分析するために 8 月 19 日 ~23 日の 5 日間にわたり実施された現地でのインタビュー調査に基づく その際 かなりの量のプレゼンテーションと資料がプロジェクトチームと共有された 以下は 生物資源の三つの基盤内の特定の目標機会領域に基づく 3 機関のそれぞれの提携状況についての要約である 39

100 表 生物資源の三つの基盤内の特定の目標機会領域に基づく 3 機関の提携状況 BPPT IPB ITB 製薬産業基盤漢方 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 製薬原料 農業 食物産業基盤農業改良および多様化 高付加価値食品 工業用バイオ製品基盤パーム油のバイオ製品 資料 :JICA 調査団 BPPT (1) 全体評価 BPPT は 生物資源産業基盤のすべて領域 および具体的な産業に焦点を当てた領域の能力と資産を提供する すべてが等しく深みがあるとは限らないが BPPT は特定された産業化の目標とされる領域のすべてにわたって 積極的に貢献する役割を果たすようにみえる 一般に BPPT の主要な強みはその既存の施設と研究機関である これらの施設には現在 産業界と連携するのに十分な設備がある ただし その多くの使用には 更新が必要であるかもしれない BPPT で欠けている主なインフラ部分としては 生物資源産業と共同で活動するための場所である 現在 BPPT は産業界に多くの協力者をもち 産業パートナーを含む政府支援プロジェクトや共同事業体に関わっている BPPT は従来型の学術的機関と異なりプロジェクト志向型の研究機関であるため BPPT の文化は 確定したプロジェクトに関して 確実なスケジュールに沿って成果を挙げるために 産業界と協働するのに適した機関である (2) 漢方 40

101 表 BPPT の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤 の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 植物 微生物 内生植物から鉛化合物の特定 ( スクリーニングと民族植物学 )- ハーブエキスセンター (Herbal Extract Center) 癌と変成疾患に適用する漢方の開発 機能性化学物質の抽出と形成 製造 加工装置の設計と製作 対応センターまたはプログラム LAPTIAB - 調剤薬局技術センター ( Laboratoria Pengembangan Teknologi Industri Agro&Biomedika 英文名 Laboratories for The Development of Technologies for Agricultural and Biomedical Industries) 中核技術 化合物同定および特性化 抽出技術および標準化プロセス 効能試験 署名設備および実験室 分析実験室および統合実験室運用 動物研究施設 出版活動 2008 年以降 大規模出版機関による 漢方分野での論 文審査のある刊行物の発行なし 既存の取引関係 韓国の KRIBB との大規模連携の下で 350 種類の化合 物をスクリーニング済み 資料 :JICA 調査団 (3) 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 表 BPPT の診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における能力 資 産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 国内での抗生物質産生の開発 ナノ医療 総称的な診断のキットおよび急速な分析は感染症 ( デ ング熱 HIV およびマラリア ) に関して一片を試験す る 対応センターまたはプログラム LAPTIAB - 調剤薬局技術センター 中核技術 組み換え蛋白 診断キットの開発 41

102 医療機器テストおよび品質保証 一部ナノ科学 署名設備および実験室 様々なサイズ (20L 75L 500L 2500L) のバイオリアクターを備えた発酵スケールアップパイロットプラント (20 年前に操業開始 ) 動物研究施設 出版活動 臨床免疫学および感染症分野で論文審査のある学術 誌に記載の論文 2 点 ( 結核性脳膜炎に関する論文とア レルゲン暴露に関する論文 ) 既存の取引関係 特定されず 資料 :JICA 調査団 (4) 製薬原料 表 BPPT の製薬原料における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業 基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 輸入を減らすために活性化合物および添加剤の国内生産の向上 ( 発酵および化学物質抽出と精製基盤を使用 ) ベータラクタム マクロライド ビタミン B12 スタチン誘導体および酵素 ( プロテアーゼ キシラナーゼ リパーゼ ) の発酵基盤 化学物質 精製基盤 ( 医薬品グレードの塩化ナトリウム キトサン キャッサバイモとトウモロコシからのアルファー化 加工デンプン ) 対応センターまたはプログラム LAPTIAB - 調剤薬局技術センター 中核技術 分析化学 発酵 スケールアップ 署名設備および実験室 抗生物質ベースの生産のためのパイロットプラント での発酵 ( ベータラクタム ) 出版活動 2008 年以降で薬学に関する論文審査のある学術誌に 記載の論文 1 点 既存の取引関係 議論なし 資料 :JICA 調査団 42

103 (5) 農業改良および多様化 表 BPPT の農業改良および多様化における能力 資産 既存産業との関係 および 生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 水産養殖 ( ハタ類の食用魚およびテラピア養殖と品種改良 + 機能性餌飼料 + ワクチン ) プロバイオティクス養鶏飼料 バイオ農薬開発 土壌改良材および微生物の接種 ( ココア適用のための ) バイオ農薬開発 サゴヤシ栽培および種苗生産 土壌 ph の改良のための泥炭のバイオ肥料 茎頂接ぎ木法 (micrografting) によるココアの種苗改良 ココアの総合的病害虫管理 (IPM) のためのバイオ農薬 対応センターまたはプログラム LAPTIAB - バイオテクノロジーセンター 農業栽培 技術センター 中核技術 植物改良 マイクロプロパゲーション バイオ肥料およびバイオ農薬 署名設備および実験室 良質な栽培箱 小規模なスケールアップ温室および外部のほ場試験区 バイオ肥料生産のためのパイロットプラント 植物マイクロプロパゲーションと種苗 (200 万 ) のためのパイロットプラント 出版活動 論文審査のある刊行物なし 既存の取引関係 PT Perkebunan Nusantara XII ココアのバイオ農薬 分野に取り組む PT Perkebunan Nusantara VIII 資料 :JICA 調査団 (6) 高付加価値食品 43

104 表 BPPT の高付加価値食品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資 源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト ポストハーベスト処理技術 小麦の輸入を縮小するための サゴをベースにしたヌードルとその生産技術の開発 インスタントの Bisku Neo 加工済みの免疫調節非常食品 対応センターまたはプログラム LAPTIAB - バイオテクノロジーセンター 農業栽培技 術センター 中核技術 食品科学と栄養学 機能性食品に関する ( 新興の ) ニュートリゲノミクス 署名設備および実験室 特定されず 出版活動 論文審査のある論文は特定されず 既存の取引関係 CV Putra Sentosa Tulehu( サゴヌードルに関する ) PT. Tiga Pilar Sejahtera Tbk( 免疫調節非常食品に 関する ) 資料 :JICA 調査団 (7) パーム油および他のバイオ製品 表 BPPT のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 工業用酵素生産 および微生物と新酵素との識別 ( クリーンルーム生産 ) ( 飽和脂肪酸含有量を低下させることを意図した ) 遺伝子組み替え技術によるアブラヤシ生産の改良 バイオ潤滑油の開発 バイオエネルギーに用いるジャトロファ デンプンからのバイオエタノール生産プロジェクト ( ランプン州 ) アブラヤシの根腐れに対する早期検知システムの開発 対応センターまたはプログラム バイオ産業技術センター (Center for Bio Industrial 44

105 Technology) 中核技術 工業バイオ処理用酵素 ( 紙パルプ製造用キシラーゼ ) アブラヤシの品種改良 署名設備および実験室 なし 出版活動 油抽出 バイオディーゼル生産 およびパーム油とバ イオディーゼルのエネルギーバランスを主題とする 2008~2013 年に刊行された論文審査のある学術誌に 掲載の論文 6 点 既存の取引関係 三菱化学 (MCC) ジャパンおよび PT. Bakrie Brothers( パーム油脂肪酸改良 ) RITE( 地球環境産業技術研究機構 日本 ) と AsiaSEED( アジア科学教育経済発展機構 日本 ) ( 葉緑体の形質転換によるパーム油生産量増強関連 ) PT Astra Agro Lestri( ヤシの根腐れ関連 ) 資料 :JICA 調査団 IPB (1) 全体評価ボゴール農科大学 (IPB) は 生物資源分野で積極的に研究を押し進める大学である 同大学には 産業連携において高い実績を誇る多くの優秀な研究所がある 同大学は薬学において主導的な大学でないが これは同大学が医科大学でも薬科大学でもないことを考慮すると驚くに値しない 同大学はむしろ 農業と生物化学で実質的な強みを発揮できる 漢方の分野で国の主導的役割を務める大学である 農業と食物および工業用バイオ製品を基盤とする領域に IPB は産業連携に重要な価値をもたらす広範囲な研究ポートフォリオ 能力および施設を提供している (2) 漢方 45

106 表 IPB の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の 領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 民族植物学 バイオプロスペクティング 生物活性原料特性化 分析化学 抽出および処理標準化 毒物学 効能 ( 生体外 生体内の動物試験 ) 人間 家畜用製品の開発 製造 対応センターまたはプログラム Biopharmaca 研究センター (BRC)- スタンドアロー ンの総合設備を備え 約 60 名の研究者 職員 ( うち 博士号取得者 38 名 ) を擁する 漢方の研究を押し進 める大規模な中核的研究機関 中核技術 薬草 抽出および処理標準化 人間 家畜用健康製品の開発 分析化学 統合実験室運用 署名設備および実験室 BRC - 動物試験 BRC 分析実験室 BRC の小規模 GMP 充填仕上げ設備 BRC - 薬草園および植物標本室 出版活動 植物の薬効成分を扱ったと確認された刊行物 22 点 既存の取引関係 製品評価 原料のアドバイスおよび製品開発からの広 範な活動を含む インドネシアの SME との幅広い産業 上の関係をもつ 会社ラベルまで製造する製品を数 多く販売 投資ニーズ ハイスループットスクリーニング 臨床栄養有効性試験 メタボロミクス メタボロミクス バイオマーカー ID NMR スペクトロスコピー パイロット規模で産業界と場所を共有するより大型の BRC 施設 ( 抽出 濃縮 品質管理 ) 資料 :JICA 調査団 (3) 農業改良および多様化 46

107 表 IPB の農業改良および多様化における能力 資産 既存産業との関係 および生 物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 生産量の改善 病害抵抗性 耕作限界地 アルミニウム濃度の高い土壌への適応 果物と野菜の多様化 - 新作物の投入支援 およびバイヤーと農家の関係構築を含む 土壌改良のための堆肥化と微生物学 園芸 ( パパイヤ トマト チリペッパー ナス カボチャ パイナップル 玉ねぎ )- 20 種のリリース 穀類 ( 小麦に代わるモロコシ 米 トウモロコシ ) デンプン ( キャッサバイモ ジャガイモ ) 家畜 ( バリ牛の繁殖と純血種の維持 ) 水産養殖 ( ナマズ テラピア 餌飼料 プロバイオティクス ) 対応センターまたはプログラム 熱帯園芸研究センター 中核技術 遺伝資源の収集および特性化 マーカー支援育種 ( 生産量 害虫および病原菌抵抗性関連 ) 形態 品質特性のための育種 拡充 ( 参加型の繁殖とリリース ) および研修 署名設備および実験室 遺伝資源の保管庫 研究農場および温室 小規模の種子生産と包装 CTS は 2 カ所の実験農場を確保している 出版活動 植物科学に関する刊行物 33 点 作物栽培学に関する刊行物 22 点 水生動物 水産科学に関する刊行物 13 点 既存の取引関係 PT BISI International Tbk( 雑種種子 ) 稲作農家協会 投資ニーズ 貧弱な栽培箱 栽培施設 現在の実験装置の老朽化と実験室の質の低さ 種子生産 ( 原種子 ) および販売の調整 (10ha が温 47

108 資料 :JICA 調査団 室スペース 1ha で必要とされる )+ 冗長化電源システムポストハーベストのための冷蔵施設害虫を招く恐れのある場合は 温室施設を孤立させる実地調査のための土地がさらに必要昆虫学のための施設が必要 (4) 高付加価値食品 表 IPB の高付加価値食品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資 源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 米類似品 ( 機能性食品の基盤を提供 ) キャッサバ粉 サツマイモフレーク 大豆製品など食品の多様化 食品の安全性と質の向上のための加工処理の開発 パーム油の加工 対応センターまたはプログラム 東单アジア食料農業科学技術センター (SEAFAST)( 50 ~100 人の人材が関わり 博士号取得予定者約 49 人 ) 中核技術 新食品の開発 食料の官能評価 食料の熱処理 食品テスト 分析 加工処理検査および検証 ポストハーベストおよび低温流通方式の開発 包装およびラベル付け 署名設備および実験室 包装センター 機能性食品評価のための ISO 実験室 食料生産のパイロットプラント 米類似品生産用の押出機 SEAFAST: 食品品質と安全性 微生物学と化学 食品バイオテクノロジー研究所 細菌発酵研究所 動物アッセイ研究所 官能評価センター 油脂パ イロットプラント および食品パイロットプラン 48

109 ト SEAFAST GMP 生産および包装 尐数のテナントの入った SEAFAST インキュベータ ー施設 SEAFAST 遠隔教育施設および食品生産 安全性研 修 - 拡充型の業務 出版活動 食品科学と栄養学に関する刊行物 16 点 既存の取引関係 BASF - 制癌作用のある米類似品 SEAFAST の提携先 :PT Sari Husada/DANONE PT Makin PT Otsuka PT Indofood Sukses Makmur PT Coca Cola Indonesia PT Ajinimoto 投資ニーズ 起業支援のための大規模施設 食品のマーケティングおよびプロジェクトへの融資 SEAFAST はより良質な分析設備 およびより規模の大きいパイロット施設の必要性を指摘 資料 :JICA 調査団 (5) パーム油および他のバイオ製品 表 IPB のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 強化された脂肪酸の発現 (C16 と C12) のためにパーム油の種類を選択 パーム油の界面活性剤と洗浄用化学薬品 およびパーム油からのバイオジェット燃料 バイオ燃料用ジャトロファ バイオ燃料用の微細藻 海藻 最初のリグノセルロース系と作物残渣バイオ燃料の研究 対応センターまたはプログラム 界面活性剤 生物エネルギー研究センター (SBRC) SEAFAST 中核技術 様々なバイオ燃料用作物の育種 栽培技術 バイオエネルギー処理技術に関する研究 署名設備および実験室 SBRC の研究所とパイロットプラント 49

110 SEAFAST の油脂パイロットプラント 出版活動 刊行物はあまり出していない 既存の取引関係 カーギル社のプランテーション合弁事業 ( アブラヤシ育種 ) 界面活性剤研究への油会社のスポンサー 藻類に対する韓国企業と SBRC の取引 投資ニーズ 十分な産業支援による自給自足 資料 :JICA 調査団 ITB (1) 全体評価バンドン工科大学 (ITB) は インドネシアにおいて研究を主導する大学である 生物資源に関する同大学の活動は 主として製薬産業基盤および工業用バイオ製品の分野において見られるが 活動の焦点は植物改良と食品科学に当てられている とはいえ これは ITB の大きな強みである応用物理学および材料科学ととくに比較した場合 強みという点では新興の領域である 生物資源における産業界との相互関係もまた生まれつつあり 工業用バイオ製品の分野では活動が目立っている 薬学部もまた 工業利用と開発に密接に関係している 学部の充実に加えて ITB では 近代化された 装備の揃った生物資源関連の研究所が強く必要とされている インドネシアの大学の中で最も精巧な設備を 一部ではあるが揃えていることで知られているが ITB では 生物資源の分野において統合研究施設とスケールアップ施設が著しく不足している (2) 漢方 表 ITB の漢方における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤 の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 取り組んでいる植物種の例としては ミカン科 (Rutaceae) ユリ科(Liliaceae) フトモモ科 (Myrtaceae) コショウ科(Piperceae) ショウガ科 (Zingiberaceae) シクンシ科(Combretaceae) が挙げられる 抗神経変性 抗糖尿病性 抗高血圧性 抗酸化性 抗高脂血症性 抗炎症性 化粧品 ( 発毛剤 老化 50

111 防止 ) を含め 広範な医学的条件の研究 対応センターまたはプログラム 生命科学センター 薬学部 中核技術 抽出 毒物学と効能テスト 化学合成 ( 医薬品化学 ) 署名設備および実験室 薬剤毒性および安全性 - 動物試験 出版活動 漢方に関する植物科学 化学および生物学の分野全体での刊行物 5 点未満 既存の取引関係 特定されず 投資ニーズ 資料 :JICA 調査団 統合研究所の不足 (3) 診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品 表 ITB の診断法 ワクチンおよび抗生物質に関わる生物医薬品における能力 資 産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 以下を含むワクチン開発 - 結核 -B 型肝炎 診断のための試薬の開発 対応センターまたはプログラム 生命科学技術学部 薬学部 生命科学センター 中核技術 遺伝学および分子生物学 薬化学 電気工学 情報科学学部におけるセンサー ロボット工学およびマイクロエレクトロニクス研究のための医用生体工学の能力 電気工学 情報科学学部 および数学 自然科学学部における生命情報工学の能力 署名設備および実験室 NMR 設備 質量スペクトロスコピー 出版活動 感染症とワクチンを扱った 免疫学に関する刊行物 5 点と臨床免疫学に関する刊行物 14 点 51

112 既存の取引関係 投資ニーズ 資料 :JICA 調査団 PT Bio Pharma を含む保健省の共同事業体での研究 統合研究所およびバイオ処理スケールアップ施設の 不足 (4) 製薬原料 表 ITB の製薬原料に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 癌治療のためのポルフィリン化合物とクロロフィル化合物の設計と合成 および既存の癌治療薬の科学的研究 抗マラリア性の立体選択的試薬としてのキニーネ誘導体化合物の設計および合成 添加剤 ( デンプン セルロース ゼリー アルギン カラゲナン 染料 ) の生産 新薬の運搬システムの進化 対応センターまたはプログラム 薬学部 中核技術 解析薬学 医薬品化学 生物学的同等性試験 製薬生物学 薬学 署名設備および実験室 動物試験施設 出版活動 薬理学 毒物学に関する刊行物 5 点 既存の取引関係 なし 投資ニーズ 合成 生産を強化するためのスケールアップ施設の不 足 資料 :JICA 調査団 (5) 農業改良および多様化 52

113 表 ITB の農業改良および多様化に関わる生物医薬品における能力 資産 既存産 業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト バイオ肥料 ( ライフ サイエンス センター ) 新品種の開発 植物の環境ストレスへの適応 植物栽培エンジニアリング 植物育成 数量および繁殖の向上 ベチバー (vetiveria zizanioides) の試験管の中での植物繁殖 および根での油脂合成の評価 ベチベル油のスケールアップ生産の最適化 対応センターまたはプログラム 生命科学技術学部 中核技術 植物科学およびバイオテクノロジー 署名設備および実験室 なし 出版活動 植物科学に関する刊行物 5 点未満 既存の取引関係 なし 資料 :JICA 調査団 (6) パーム油および他のバイオ製品 表 ITB のパーム油および他のバイオ製品における能力 資産 既存産業との関係 および生物資源産業基盤の領域に必要な投資 確認済みの研究トラスト 微細藻 海藻の生物多様性 熱触媒転換 バイオ産業用酵素に関する微生物バイオテクノロジー 作物 ヤシ残渣からのリグノセルロースのバイオ燃料 キャッサバイモからのエタノール リグノセルロースのバイオマスからのバイオエタノール リグノセルロースのバイオマスからのキシリトール生産 グリーンディーゼル バイオ炭化水素 ( バイオガス ) ベチバー (vetiveria zizanioides) の試験管の中 53

114 での植物繁殖 および根 ( 試験管内の植物体 ) に おける油脂合成の評価 環境衛生 ( 汚染物質へのヒト暴露の毒物学 ) 水質および治療 対応センターまたはプログラム バイオ精製研究技術革新センター 生命科学センター 環境工学研究プログラム 中核技術 化学工学 農業科学技術およびバイオ製品技術 微生物バイオテクノロジー 植物科学およびバイオテクノロジー 生態学 環境工学 署名設備および実験室 微生物有機体の収集を含む工業用酵素の開発 および NMR 質量分析計 X 線結晶学を使用した統合研究所 微細藻 海藻の菌株保存を含む藻の開発 および藻生産用の光バイオリアクター 前処理 分析実験室 (HPLC) および実験室規模のバイオリアクターを含む統合バイオエタノール研究所 グリーンディーゼルとバイオ炭化水素のための触媒開発 特性化および試験 藻生産用の 3000 リットル規模の光バイオリアクターを現在 開発中 出版活動 酵素とバイオディーゼルの生産に焦点を絞った化学工学に関する刊行物 16 点 バイオディーゼルとバイオ製品に焦点を絞ったバイオテクノロジーと応用微生物学に関する刊行物 12 点 環境工学に関する刊行物 17 点 生態学に関する刊行物 15 点 既存の取引関係 バイオ酵素 - 紙再生 化粧品 バイオ肥料の全体にわたる産業界との多くの提携 産業界との協議による環境工学 投資ニーズ 有機化学合成研究所 ( 実験スペースおよび設備の 54

115 資料 :JICA 調査団 両方 ) の不足 遺伝子配列解明技術はない ( 韓国に解析を依頼 ) バイオ燃料のためのスケールアップ パイロット施設が必要 最初に機能性植物化学物質の抽出 次に残りを燃料と油に使用されることを可能にする統合生物精製システムの開発を望む 1.5 研究開発のための運用管理モデル :NARC 活動を通知するためのベストプラクティス NARC の運用管理では 産業化を進めるために大学の研究を利用するためのベストプラクティスを組み込む必要がある インドネシアでの工業用開発に関する機会の領域と大学の能力とを調整させる 生物資源の産業基盤を特定化するのは 出発点にすぎない これらの生物資源基盤の産業化の可能性を実現するには 研究開発段階で提携を進めるためのメカニズムが適切でなければならない 研究開発に関して産業界との関係を築く能力があることで知られた有力大学の一つは ジョージア工科大学である ジョージア工科大学の研究担当副理事長スティーヴン クロス (Steven Cross) 博士は 産業界と向き合う研究戦略 を進める上での同大学のアプローチを以下のように説明している 発見に重点を置く研究を直線的で連続的な流れで押し進め 時に知的所有権を主張し 続いてライセンス供与もしくは会社設立 スピンアウトという結果を求める それに対して ジョージア工科大学は 中核的な研究分野に集約した同時発生的な戦略を追求しており 地域内での戦略的市場 そして大学との協働に関心のある産業パートナーと並列的に提携する 同時発生的とは 学部のチーム 大学院生 応用 経済開発の専門家 および専門職員が協力して 大きな課題を明確化して追究し 初期の段階で産業界との関係を育成し 技術の成熟と市場への移行を促進させることを意味する 11 研究開発における産学連携の必要性は 大学の研究と産業界の製品開発との緊密な関係性を考慮すると 生物資源分野でとくに重要である OECD は The Bioeconomy to 2030: Designing a Policy Agenda と題する研究で 連携のメリットとしては より大きなネットワークによる問題解決と試験への関与 新しい知識の取得に対する取引原価の削減 および共同ネットワークによって低価格もしくは無償で生まれた知識を会社が利用できる 11 Steven Cross Journal on Business Review 2013 年 vol. 2, no. 3 P Strategic Considerations in Leading an Innovation Ecosystem 55

116 場合のライセンス費用の削減が挙げられる と指摘する 12 産学連携を進めるためのメカニズムに取り組むには 以下の 3 段階において生物資源開発を進めるために 産業界と大学間で一連の連携規約を結ぶことを検討することが最も望ましい 第 1 段階 : 意識向上および関係構築 第 2 段階 : 技術の問題解決および新技術の開発 第 3 段階 : 広範な変革を主導するための戦略的連携 第 1 段階 : 産業界と学術界間の意識向上および関係構築 意識向上および関係構築は 産業界と学術界間により強力な連携を確立するための土台となる基盤である 頻繁にみられることであるが 産業界と学術界が互いに関与し連携するための機会についての理解度に制限を加えるような硬直的な組織が存在する 生物資源基盤の各領域に役立つような意識向上と関係構築を進めるためには 以下を含めた広範な活動を利用することが必要である (1) 産業を特定した市場のニーズをまとめ 産業界と学術界を横断する形で研究開発を共 有するために 関心の高いトピックを議題とするシンポジウムおよび定期ワークショ ップを開催する この点に関するベストプラクティスの例としては 米国ノースカロライナ バイオテクノロジー センター (NCBC) による知的交流グループへの支援がある これらの交流グループは 動的研究および情報共有環境 を作り出すために NCBC が組織したもので それらのグループは特別な関心分野 ( 現時点では バイオ処理と加工処理開発 植物分子生物学 ウイルス学 免疫学 クロマチンおよび RNA 分野 ) によって編成される 知的交流グループは全体で約 40 回の会議を開催し 出席者は数千人に上る NCBC はまた 起業家育成センター (CED:Center for Entrepreneurial Development) と共同で 隔月のバイオテク フォーラム (Biotech Forum) を支援している ( バイオテクノロジー産業に積極的に関わっている企業家 役員 専門家および学会会員が集う場を提供 ) 各フォーラムでは 75 分の公開討論会が開かれ それに続いてネットワークレセプションとなる さらに NCBC は CED と合同で年次生命科学総会を開催する 国家レベルの別の例としては バイオテクノロジー 農業 林業 漁業 水産養殖および食料 に関するロシア連絡窓口 (NCP:National Contact Point) が挙げられる この国家連絡窓口は 2003 年以降 欧州研究領域 (ERA:European Research Area) へのロシア科 12 IBID, page

117 学の統合を促進することに関して積極的に活動してきた 同連絡窓口は ロシア連邦および EC 諸国における R&TD の協力の促進と発展のため 各研究間 SME の代表間 および乗数間の情報交換の場を提供している 同連絡窓口による会議 ワークショップおよびセミナーの調整と管理 さらに関係構築の促進を通じて ロシアのバイオ NCP は 産業バイオテクノロジー 未来のための植物 食と生命 林業 動物の健康 および漁業と水産養殖におけるロシア国家技術基盤 (Russian National Technology Platforms) の確立に主要な役割を担い遂行した (2) 各大学で サイトマイナー (site miner) を育成し 大手企業のために 特定のニーズおよび情報提供の依頼に関して連携のためのマッチメーキングを手助けする サイトマイナーは 多様な複数の組織という文脈の中で連携へと転換するための第一歩となる役割を果たし得る 特定活動の一つは シンポジウムおよび定期ワークショップの構築とフォローアップを支援することであるが サイトマイナーの権限は 卖に主要な職員の能力を特定し マッチメーキングを支援するだけに留まらない サイトマイナーの利用を広く包含した連携主導の成功例としては 医療技術統合センター (Center for Integration of Medicine & Innovative Technology:CIMIT)( ボストン地区の病院や工学系の学校からなる臨床中心の共同事業体で 医療機器 臨床技術適用の学際的チームによる臨床への橋渡し的研究を支援する ) が挙げられる CIMIT に参加しているのは MIT チャールズ スターク ドレイパー研究所 ノースイースタン大学およびボストン大学と連携するハーバードの科学者およびエンジニアに協力する ハーバード教育病院群の内科医 さらに広範な産業パートナーである CIMIT は 革新技術ソリューションを通じて実際の市場機会に対処する過程を組織的に円滑化することが可能であることを実証している CIMIT のビジネスモデルについての詳細な説明によれば 13 MIT の円滑化の役割の中で最も独自色が強く かつ創造性と生産性に優れた点は サイトマイナーの利用である これらの個々のサイトマイナーは 孤立した多数の加盟機関に入り込み それらの機関の文化的な壁を超えて さらにはそれらの機関内の部門を隔てる境界を越えて 人々やアイデアを結び付ける鍵となることを証明した サイトマイナーは CIMIT の注目と助けを受けるに値するプロジェクトと人々の機関を 文字通り 発掘する (mine) のである このサイトマイナーの役割が有効である主な理由は あまり明白ではない サイトマイナーによる関与とは 外部事業体からの 侵入 に対するある機関の自然な組織的な抵抗の活性化を抑えることである その役割への共同投資により CIMIT とその機関 ( およびその CEO) には 共有のある意味での成功財産が生み出される サイトマイナーは 各加盟機関内での CIMIT の価値を大幅に可視化させる さらに サイトマイナーは学際的なキャリアのためのロー 13 The CIMIT business model can be reviewed at: 57

118 ルモデルとして役立ち また 学際的学部のキャリアの向上 ( 学術的推進 ) に関してサイトマイナー自身の機関内でも有効に意見を主張することができる ( さもなくば 学部と推進委員会の間にある裂け目に落ち込んでしまう ) 学術機関において進行中の研究活動 および能力と利益について迅速に知ることを可能とする情報ツールを産業界に提供することも重要である ハーバード大学はこの目的でプロファイルをすでに作成しており 他の多くの大学はこの取り組みを模倣している さらに 容易に探索できる方法で進行中の試験 研究をすべて公表するよう 学術機関に対して奨励する必要がある (3) 学者には産業界で研究生活を送られるように また 産業界の科学者には学術界で学究生活を送られるように特別研究期間と俸給を提供する 共同作業の経験を積む以外に関係を構築する良い方法はない それによって 知識の共有だけでなく学術界と産業界の間にみられる文化的 具体的条件の違いをより正しく評価することができる 客員科学者向けプログラムは 学術界では全く異常ではない 場合によって 客員科学者は 独自の方法と技術を研究コミュニティに広範に開示し しかも連携を広範に確立するために 専門研究センターによって採用される 産業界の科学者が学術界で学究生活を送ることは あまり一般的でない 異なる大学において 研究指導者への開示を行うとともに 技術移転過程を開示することは 産業界の科学者にとってとくに重要である 別の手法は 学術界の科学者を産業界で客員科学者として採用することである これは 市場機会について また 技術革新を市場に投入する際に産業界と向き合う要件について学術界が学ぶことがある場合には とくに重要である 大学の技術移転関連の職員はまた この取り組みいられるべきである そうした職員は 工業製品開発の取り組みについてや 産業ライセンス認可手続きのための推進役が何かをよりよく理解することができるからである (4) 積極的に大学の方針を追求して 連携を支援し奨励する 大学の方針は 産業界との連携を進める研究者の意欲および関心に重要な影響を及ぼし得る 昇進 終身地位保証方針は 産業パートナーシップおよび知的所有権の創出を追求する研究者にインセンティブとなるよう 大学は保証すべきである 別の重大な問題は 利益相反への対処である すべての技術領域にわたって 大学は 制限的になりすぎることも 利益相反を除くこともなく むしろ利益相反を有効に管理することに集中する必要がある 利益相反に対応しようとする時には 利益相反を開示し 研究者に助言と支援を与えることついて さらにその過程を監視するために管理委員会と著しく衝突することについて 大学は直接的な過程を提供することは重要である 生命科学 58

119 では 利益相反の管理では 内科医と患者と被験者の関係を含む臨床的技術革新 ( 開示の要求の増大と利益相反の可能性を示す ) にみられる複雑な状況についても考慮する必要がある 最後に 大学がありきたりな簡素化された過程を有することは重要である 産業界はその過程において 大学との委託研究から知的所有権を確保し 技術を供与することがあり得るからである 例えば ミネソタ大学は 大学において企業からの委託研究を受け入れている これは 企業が委託料を前納し 一連の実施料率で独占的に世界規模のライセンス供与を受けているケースである 同様に ノースカロライナ大学は カロライナエクスプレスライセンス (Carolina Express License) を適用した このライセンスは 特許費用および標準特許使用料の返却を含む 交渉の負担と期間に関する要件を緩和するために大学の開発技術に関する 標準 ライセンス契約を提供するものである 第 2 段階 : プロジェクト主導型の産学 1 対 1 の関係の応用研究および技術の開発メ カニズム 産学パートナーシップが定着するには 結果主導型でなければならない 情報の共有および関係構築は有用な活動であるが 産業界の利益と関与 ( 新製品 販売および雇用を創出 ) に関する最終的利益をもたらすことができない これは 技術革新が産業界を競争上優位に立たせる今日の世界の知識経済では 学術界の研究能力と技術進歩は産業界のニーズ ( 短期 時間的制約および製品主導 ) に適合していなければならないことを意味する 学術界の研究能力と技術進歩は潜在的に産業界の関心を集めるが 依然として産業界がさらなる研究開発に投資を行うには時期尚早であることが あまりにも頻繁に起こっている これは 州や地域が経済開発の可能性を十分に実現できないことから 死の谷 (valley of death) とよく言われる 死の谷 に橋を架けるには 別々の目標が二つある 一つは大学の基礎研究による発見であり もう一つは産業市場のニーズから生まれる発見である まず 大学の基礎研究による発見を進めるには 既存の企業の新規事業または新製品ラインを支える発見の可能性を評価することが非常に重要である この場合 イノベーションギャップとは 発見の商業価値を確認するための概念を実証するための有効な資金となる 例えば 主要な薬剤目標の新研究による発見に関しては 新薬候補として臨床試験を進める前に その効能に取り組むために動物試験を終了させる必要がある場合がある 次に 産業主導型の市場のニーズに応えることについては 死の谷 に橋を架けることで 既存の企業によって特定された市場のニーズに応じて それは適用またはソリューションの進化のための出発点となる この場合 イノベーションギャップは 応用研究の場合 必要とされるソリューションに取り組む手法を構築するのに十分な資金があるということである 産学研究による発見を進めるために NARC の概念実証資金を確立する 概念実証資金で 59

120 試験と開発を行い 開発による発見が商業的可能性を秘めていること また 試験と開発を行うことでそれが発見価値の確立に不可欠であることを実証する 多くの場合 概念実証資金調達のメカニズムは 大学での有望な生物科学の研究から商業化へと移行する段階での資金調達手法を示す 最も有名な概念実証センターとしては MIT のデシュパンデ技術革新センター (Deshpande Center for Technological Innovation) カリフォルニア大学サンディエゴ校のフォン リービッグセンター (Von Liebig Center) など 特定の大学を拠点としたセンターが挙げられる これらの各センターでは 概念実証資金調達と 事前調査と事業見直し および起業家へのメンタリングとの強い関係性とが同時に実現している ある意味での影響を与えるため デシュパンデ技術革新センターは 2002 年に活動を開始して以降 90 を超えるプロジェクトへの投資額が 1,100 万ドルに上り その結果 26 の新規事業が誕生し 今日までにベンチャーキャピタルは 35,000 万ドルに達し 400 人の雇用を生んだ より広範な全州的取り組みとしては 州政府支出金を通じて支援を受けたジョージア研究連合 (Georgia Research Alliance) の VentureLab プログラムが挙げられる VentureLab は有望な技術の特定 事前調査の実施 および概念実証とベンチャー事業を通じて 大学の研究から新会社を立ち上げることにその活動を集中している VentureLab は 以下の 3 段階の助成金の支給による商業化の可能性を厳格かつ段階的に評価する 最高 50,000 米ドルの補助金 : この支援があれば 新会社は実現可能か 最高 100,000 米ドルのマッチング補助金 : プロトタイプ開発 ( 市場で求められるマッチング資金の確認 ) 最高 250,000 米ドルの融資 : ライセンス + 経営陣 が適切に実施される この過程を円滑に進めるために GRA は各参加大学で VentureLab のマネージャーを支援する マネージャーは VentureLab における一連の過程を進めるために 順次 起業家を補充し その取り組みを監視することに重点を置いている GRA の VentureLab プログラムは素晴らしい結果を残している 州政府支出金は 2002 年以降 1,900 万ドル利用され その結果 108 社の活動会社が設立され 46,000 万ドルの追加支出金が会社の誘致につながり 500 人以上の雇用が生まれた 概念実証の取り組みを進展させることを可能とする別の興味深い方法は 大学の研究者に商業的可能性のある技術革新の進行に専念できるようにしたブラジルの方法である ブラジルの 2004 年技術革新法により 大学の研究者は 新会社の設立のために最高 3 年間 休暇を取ってもよく その間 給与とキャリア権は保証される 産学による応用研究プロジェクトのためのマッチング補助金制度を提供する マッチング補助金制度は 会社の市場ニーズに対応するために 応用研究において産学連携を促進するのに実績のある手段である そのような制度は 学術研究者と会社の関係を構築し か 60

121 つ民間資本の投資および新技術の商業化に発展する可能性のある活動を支援するのに役立つ 1 例としては 单アフリカで進行中の取り組みがある 单アフリカでは 民間産業において革新技術を推進するように設計された複数の補完的プログラムを支援する これらのプログラムは生物医薬品を含め ( ただし これに限定されない ) 複数のセクターを横断的に取り扱っている これらの中には 産業技術人材プログラム (THRIP:Technology and Human Resources for Industry Program) 14 も含まれる このプログラムは 産業界と高等教育機関との連携を促進するためにマッチング資金の 50% を提供する このプログラムは 年間平均 2,400 人の学生を支援する 15 応用研究において主要な産学連携の促進に集約した取り組みで優れた例は アリゾナ科学基金 (Science Foundation of Arizona) である これはアイルランド科学基金 (Science Foundation Ireland) を模範として設立されたものである 2006 年に設立されたアリゾナ科学基金 (SFAz:Science Foundation Arizona) は 501(C)(3) 項に従って 州政府の立法行政府と三つの組織からなるアリゾナ CEO 企業体 (Greater Phoenix Leadership Southern Arizona Leadership Council Flagstaff 40(City of Flagstaff を含む )) との官民連携により設立されたユニークな非営利組織である SFAz の目的は 以下を行うことによりアリゾナ経済の多様化と強化を図ることである 重要な産学連携の研究開発パートナーシップの確立 世界的に一流の人材の雇用 獲得 維持 科学と技術革新による競争上の優位性の創出 アリゾナがグローバル経済の中で効果的に競争できるようになること 質の高い科学 技術 工学および数学( STEM ) 教育の利用機会を高め 将来の人材確保のための仕組みの構築 SFAz は業績ベースの競争的な補助金プログラムに資金を提供する SFAz は 戦略的研究グループ (SRG:Strategic Research Group) の補助金として知られる 産業界を含む応用研究補助金制度を提供する これらの補助金は 州にとって有利な経済を生み出すためにアリゾナ州の非営利研究機関と産業界のパートナーとの間の戦略的連携を育むのに使用する それはまた 産業の研究開発を支え 商業的製品を生み出し 国内の主要な研究資金および大きな団体の補助金を調達することを目的とする これらの補助金では 産業界のパートナーから 50 対 50 のマッチングが必要とされる SFAz は 2007~2010 年に 29 件の戦略的研究グループ補助金を提供 その総額は 4,850 万ドルに上った 一方 SRG の補助金は以下を含め すでに多大な貢献をしている 14 See

122 資金提供で追加の 8,690 万ドルを活用 そのうちほぼ 2 分の 1 は州政府支出金を活用 科学的刊行物 374 点を出版 特許の出願または公開 38 件 技術ライセンス 3 件 新会社の設立 8 社 研究活動のみからの直接雇用の年数 861 年 SRG の補助金に関して際立った点は 産学パートナーシップによって開発が進行中の先端 技術である 産学パートナーシップによって開発が進行中の生命科学の例としては 以下 のようなものがある 癌診断法化学ゲノミクスの分野での一流の大学研究者はツーソンの民間企業と協力して 個々の患者にとって回復の可能性の最も高い一連の治療を特定するための個別癌検診法を開発した FDA 薬剤承認の迅速化 FDA 薬剤承認の迅速化のため FDA 業界連携センター (CFIC:Center for Federal Drug Administration and Industry Collaboration) の設立に関して 製薬会社とツーソン市のクリティカルパス研究所 (Critical Path Institute) 間で協力 コクシジオイデス症診断法フラッグスタッフ市の TGen North でコクシジオイデス症に関するより新しい より迅速な より有効な診断法を開発 グリーン燃料電池航空業界の長期的な展望は 代替燃料を使用する航空機の性能に依拠している このため ボーイングと一流の大学研究者は 民間航空機の電気系統に電力を供給する最初のバイオ燃料電池の開発に向けて協働している 第 3 段階 : 広範な変革を主導するための戦略的連携 概念実証資金調達のための産学 1 対 1 関係のプロジェクト主導型支援を超えて 州と地域が徐々に絞り込んだ目指す先は 生命化学の特定分野での開発に取り組むことにより 生命化学においてリーダーシップを発揮し 国際的な評価を高めることであり その絞り込んだ目標は 競争上の優位性を構築し それにより その州と地域が経済的進歩の機会が十分にある 生命化学における一つの分野で世界のリーダーとして位置付けられるようになることである 62

123 戦略的産学パートナーシップにより変革を主導する 多数のプロジェクトおよび多数の 組織を包含した 生命科学のある特定の分野での開発に焦点を当てることによって イン ドネシアは世界のリーダーとして位置付けられることができる 世界に通用する 基礎から橋渡し的 研究と技術革新の能力の向上 一流の人材の獲得と育成 商業化に焦点を当てること 既存の会社の成長 新会社の設立 およびインドネシアへの会社誘致を進めること インドネシアのための医療配当を生み出すこと 競争前段階の研究から商業化研究へと進める産学パートナーシップの組織的手法の優れた例としては イスラエルの Office of Chief Scientist(OCS) の取り組みが挙げられる OCS はまた いくつかの 競争前段階の研究開発プログラム を運用している 16 これらのプログラムは 産業界と学術界の研究者がすべての科学的専門分野の垣根を取り払って密接に連携することを奨励するよう設計されている 例えば 生命科学では OCS は 国立バイオテクノロジー研究開発研究所 (National Institute for Biotechnology Research and Development) の設立に資金を提供した 17 この種の研究所は 産業界との契約から発生した収益の尐なくとも 30% を得ると予想されている これと同様の包括的な条件の下で OCS は 産学共同事業 および独自技術の移転プロジェクトのために助成金の 66% を いかなる返済条件も付けずに提供する さらに OCS は プレシード シード キャピタルを提供するためのいくつかのプログラムを運営している 18 生物薬剤セクターに関連しているのは 3,000 万ドルの 技術インキュベーター プログラムである 19 技術インキュベーターは 科学者に保護環境 ( この環境で 科学者が革新的なアイデアを育てることができる一方 金銭的援助や専門家の事業上の助言を受けたり 事務所や実験室のスペースに対する補助金を受けたり 潜在的な投資家と接触したりすることができる ) を提供する OCS は 1990 年以降 24 のインキュベーターを作ったが それらは学術機関か個人投資家のいずれかによって所有されている 尐なくとも二つのインキュベーターは 現在 とくにバイオテクノロジーに限定して使われている OCS は 通常 インキュベーターごとに特定の商業化研究 ( プレシード ) プロジェクト 10 件に資金を提供する 各プロジェクトは 最高 3 年間にわたり主たる起業家と数名の職員を支援し 承認された費用の 80~85% を支払う それぞれのプロジェクトは バイオテクノロジーセクターで最高 180 万ドルの資金を 16 See Visited May 5, See Visited May 5, See Visited May 5, List here: Visited May 5,

124 提供される 2006 年以降に資金提供された ( すべてのセクターの ) すべてのプロジェクトのうち 57% は追加投資を受ける一方 OCS からはもはや直接の支援を受けられないプロジェクトのうち 41% は依然として商業市場で活動している と OCS は報告している OCS のプレシードの投資は 売上の 3.5% のロイヤリティという形で戻ってくる また 新規事業の所有権は通常 起業家とインキュベーターの間で共有される 新規事業が民間投資を引きつけることができれば OCS はその関連会社 Heznek Seed Fund を通じて最高 100 万ドルまで個人投資家に対抗できる 民間の共同投資者は 後日 州の所有権を買い上げるオプションを与えられる 主導的な変革に焦点を置いた別の取り組みには オハイオ州のサードフロンティア (Third Frontier) があり しっかりとした実績もある オハイオサードフロンティア (OTF:Ohio Third Frontier) は オハイオ州の経済競争力を強化し 質の高い雇用を創出するために 2002 年に設立された 現在までの結果は 以下に述べるように意義があるものであった OTF プログラムによって オハイオ州は 79,464 人の雇用を創出し 借入による資金調達は 66 億ドルに上り 設立 誘致または資本化された企業は 2002 年 ~2011 年 6 月に 701 社を数えた さらに これらの投資は オハイオの産業基盤と研究基盤の間で連携を深めたことも含め 技術系会社にとって州の経営環境に大きな影響を及ぼした SRI インターナショナルによる OTF に対する詳細な独立評価から 次のことがわかった ステークホルダーとのインタビューは OTF が州における研究関連インフラおよび研究の連携の両方を改善していることを明白に示した ケント州立大学の液晶研究所 (Liquid Crystal Institute) などの大学の研究センターは 過去には外国企業に対し技術使用を許諾したが 今は オハイオ州の会社と連携している 産業界と大学の関係を示す指標 ( 大学の研究への産業界からの資金提供 ライセンスから得る大学の収益 大学から生まれた新興企業の数など ) はすべて好ましい傾向を示している これらのつながりを改善するためにやるべき仕事は残っているが OTF は 特に目標技術分野において大学と産業界と研究所の間のつながりを大いに強化した 20 広範にわたる産学共同事業の促進に対する OTF の署名入りの取り組みは 目標の技術基盤に焦点を当てたイノベーションライトセンタープログラム (Wright Centers of Innovation Program) である OTF は 2003 年 ~2008 年に 生命科学関連の取り組みに対する 1 億 4,730 万米ドルを含め イノベーションライトセンターに2 億 9,500 万米ドルの資金を提供した 生命科学において優れたイノベーションライトセンターとしては 以下のものが挙げられる Global Cardiovascular Innovation Center(GCIC): クリーブランド クリニック (Cleveland Clinic) が主体となった 2 億 5,000 万米ドル規模の商業化共同事業体 20 SRI International, Making an Impact: Assessing the Benefits of Ohio s Investment in Technology-based Economic Development Programs, September

125 パートナーとしては ケース ウェスタン リザーブ大学 (Case Western Reserve University) オハイオ州立大学(Ohio State University) シンチナティ大学 (University of Cincinnati) トレド大学(University of Toledo) 大学病院 業界トップ および経済開発組織がある オハイオ州は GCIC に6,000 万ドルを寄付した GCIC は スピンオフとエクイティパートナーシップの設立 ライセンス供与と IP 発行の支援 技術検証 ベンチャーキャピタルファンドネットワークへのリンク およびプロトタイピングと基礎臨床施設の利用可能性を含む 参加企業への商業化支援を提供する GCIC は現在 そのポートフォリオに 12 社を持つ GCIC は客員起業制度 (Entrepreneurs-in-Residence Program) を備え ベンチャー投資共同事業体を組織しており この共同事業体には 共同で投資機会を評価する複数の優秀なベンチャーキャピタル企業からの専門家も含まれる 人材採用サービスは ケース ウェスタン リザーブ大学を通じて利用できる バイオメディカルイメージングライトセンター(Wright Center of Innovation in Biomedical Imaging) は 州全域にわたりバイオメディカルイメージングにおいて企業と医療研究者の間での連携拠点となり オハイオ州での人材の確保と維持を支援してきた 2001 年 フィリップ メディカル システムズ (Philips Medical Systems) ( オランダに本拠がある医療技術における世界的大手企業 ) は Marconi Medical( クリーブランドの企業 Picker X-Ray による一連の買収を通じて生まれた企業 ) を買収した 為替レートと外部要因により 製造拠点をヨーロッパに移すかどうかの検討が重ねられた 同ライトセンターが設立されると フィリップス社はオハイオ州で新しいイメージング装置の開発と製造を続ける決定を下した 追加の OTF 補助金は 同ライトセンターの目標を進めるのに役立ち フィリップス社のオハイオ州への企業としてのかかわりが強まることになった 今日 フィリップ メディカル システムズはクリーブランドに本社を置き オハイオ州で成長しているバイオメディカルイメージングクラスターにおける主要なアンカーカンパニーとなった オハイオ州はまた 世界で最先端の市販の MRI を開発 製造していると主張することも可能である このバイオメディカルイメージングライトセンターの主要な目標の一つは 現在の技術と比べて超高解像度のボディスキャンイメージを作り出す Ultra High Field 7.0 Tesla MRI スキャナーの開発であった 広範囲にわたって産学共同事業体を促進する別の遠大な主導役を果たしているのは カンザス生物科学局 (Kansas Bioscience Authority:KBA) である 生物科学においてカンザス市を主導するために 2004 年に設立されたカンザス生物科学局は 生物科学関連企業の従業員の支払う州所得税の源泉徴収額の伸びをベースにした革新技術のための資金調達構造を現在は包含する 基準年度測定の税額を超過する州税は 追加の生物科学の成長への投資に関してカンザス生物科学局の下にある このメカニズムにより 税を上げたり他の州 65

126 予算から財源を再配分したりする必要がなくなる 発生する収益はもっぱらカンザス生物 科学局に属し 州財務省に属することはない KBA の全体的な主導的取り組みは 以下を行うために設計されている 世界に通用する技術能力を構築する 生物科学系の新規事業の設立と成長を促進する 州の生物科学クラスターの拡張を支援する 産業の拡大と誘致を円滑化する KBA によれば その研究能力への投資戦略の中心はカンザスイノベーション生物科学センター (Kansas Bioscience Center of Innovation) プログラム ( イノベーションセンター ) である このプログラムによって カンザスは 研究機関として世界に通用する生物科学研究センターを構築すること および既存 新興の生物科学関連の産業界を支援して 製品と生産の機能に関する新知識と研究結果を獲得すること という二重のニーズに対応することができる イノベーションセンターは 国内や海外の研究の素晴らしさを確立し 新製品や新工程において高い商業的な利益につながる 中核技術の分野における研究と開発に重点を置いている これらのセンターの研究開発のアジェンダは カンザスの会社および潜在的な起業家が関心を持つ分野に焦点を当てている それらは素晴らしい研究のためだけでなく 生産性の高い商業化のためにある 産業界 高等教育機関 および産業界の強い関与によってもたらされた他の民間の研究機関による共同事業体として センターは運用される KBA が資金提供するイノベーションセンターには 以下のものがある アニマルヘルスイノベーションセンター(Center for Animal Health Innovation) 技術開発者と産業界を結び付け それによって新製品を市場に効率的に迅速に投入する支援を行う その地域の動物健康回廊 (Animal Health Corridor) 内にある会社の地理的集中 および動物の健康と動物の疾病に関する研究におけるカンザス州立大学の主導的役割から 同大学のオラース (Olathe) 新キャンパスは新センターに適した場所となった 同センターは 地区の動物健康関連会社 9 社 さらに地方大学と政府機関を一つにまとめて 次世代の動物健康栄養製品関連の雇用創出 研究 開発 および商業化の加速を図る バイオエネルギー バイオ精製カンザス同盟(KABB:Kansas Alliance for Bioenergy and Biorefining) アーチャー ダニエルズ ミッドランド社 (Archer Daniels Midland) などの業界の主役と カンザス大学およびカンザス州立大学における世界的な研究と開発とを結び 66

127 付けている このイノベーションセンターでは 代替燃料と化学薬品の開発に商業用バイオ精製を使用し 費用効率の高い良質な電力のための効率的なバイオマス資源を商業化し 炭素捕捉を向上させる 他の KBA イノベーションセンターと同様 このセンターは商業的実現可能性に焦点を当てている それは 経済的実現可能性と技術的可能性および市場受け入れとの合流を必要とする ハートランド植物イノベーション(HPI:Heartland Plant Innovations) 新製品および生産基盤を実現するために 遺伝子発見 特性確認および作物改良のための先進技術を開発している そのセンターと関係のあるグローバル研究チームは 小麦とモロコシ ( カンザス州はそれらの作物の産地として世界中に知られている ) の商業的機会の出現に焦点を当てている 同センターは Kansas Wheat カンザス州立大学 カンザス大学および多くの個人投資家による官民連携から生まれた Center of Innovation for Biomaterials in Orthopedic Research(CiBOR) 医療計器 医療機器 および整形外科の診療を改善する複合体インプラントを作っている 同センターは 商業的可能性 市場ニーズを満たすために産業界が要求する研究の実施 および州が長年にわたり航空機産業をリードしてきたことを受け ウィチタ市で見られる複合材料についての専門知識の集中に関連した資本投下に焦点を当てている KBA と同様に CiBOR は Via Christi( 米国中西部で最大の保健医療制度の一つ ) およびウィチタ州立大学( 国立航空研究所 (National Institute of Aviation Research) の本部 ) によって共同で資金援助されている 1.6 商業化モデル :NARC 活動を通知するためのベストプラクティス 研究そのものは 公共セクターであれ 民間セクターであれ 新製品へと移転 商業化 開発される技術に違いはない ただし 新製品がこれらの様々な開発段階をクリアできるようにサポートインフラが適切に存在する場合には事情は異なる いくつかの重要な商業化のための手順が 産業化活動が成功するために必要である 技術移転は商業化を進めるのには不十分である 起業支援は重大な要素の一つである インセンティブが必要である 積極的なアウトリーチマーケティングは重要である 相互補完的技術の商業化活動における技術移転から先の段階へ進むことの重要性 67

128 技術移転は 研究組織の知的所有権の消極的管理である 技術移転は 製品 プロセス または発見に基づく他の発明 およびそれに関連するライセンスを追求するために 発見の開示 特許権保護の必要性の決定 および知的所有権のライセンス供与 ( サードパーティ組織への供与 または新規事業の設立のための供与 ) を伴う 質の高い技術移転の手法は非常に重要であるが 技術の商業化を進めるのには不十分である 相互補完が技術移転とは異なる点は 技術を商業化するためのより積極的な取り組みであり 市場において顧客のニーズを満たすための技術ソリューションに焦点を当てていることである 技術の商業化は 主に既存または新設企業において 新製品とプロセスを作り育てることに関係している それは 市場において 現在の製品に反して技術とその潜在市場を評価するといった多くの活動 ( 例えば 技術と市場の評価 ) を伴う それは 製品そのものの開発 販売と 成長が起こった場合に市場で買う気になる価格帯を満たすような設計の最適化を伴う それは 事業管理チームを適切に配置することや より大きな国内市場や世界市場において企業や製品が定着するまでの過程における様々な段階を通じて 製品 企業を支える自己資本と運転資金の出所を確保することを伴う 多くの場合 研究を行う大学にある技術移転局 (Technology Transfer Office) は 技術を保護しライセンスを供与するための受動的な取り組みの先にある段階に進むこと および技術の商業化に関わることに困難を感じている 表 技術移転と技術商業化の比較 - 段階 技術移転 技術商業化 技術開発段階 発見 トランズレーショナルリサーチ 技術開発 製品開発 生産 マーケティング 結果 発明の開示出版 概念実証特許 企業秘密ライセンス エンジニアリング最適化製品プロトタイププレシード事業 初期製品新規事業または新プログラム ( 既存企業 ) 大量生産既存企業 資料 :NIST ATP and Venture Capital Funding Criteria Differ 大学研究パーク協会 (Association of University Research Parks) に関しては バテルによって作成され 最近公表された 2012 年の北米大学研究パークの調査がある 同調査では 大学研究パークの運用方法や成功に邁進する場合の問題点について広範囲なトピックスを考慮しており 大学研究パークの最新の活動状況が明らかになっている この最新の研究パークのベンチマーキング調査からわかる主要な成果は 商業化サービスは非常に重要であるということである 個々の事業や商業化サービス全般にわたり 提供 68

129 されたサービスのうちで最も一般的なサービスには 事業と商業化 および資本源とのつ ながり または資本源の直接的な提供のために 立地先の州や地域プログラムへのアクセ スへの支援が含まれる 表 提供された事業および商業化サービス サービスの提供 全パークのうちの割合 アクセス状況と他の公共プログラムへの支援 81% 資本源とのつながりまたは資本源の提供 72% 事業計画への支援 64% マーケティングと販売戦略への助言 61% スペースに対する補助金を利用できるようにすること 57% 技術と市場の評価を行なうこと 56% 人的資源問題への支援 44% 概念実証資金の提供 36% 資料 :The 2012 Survey of North American University Research Parks: Driving Regional Innovation and Growth 起業支援サービスの重要性 技術革新生態系の構築 およびその生態系で必要とされるサービスの提供に目標の焦点を当てた結果 大学研究パークは とくに新興の技術系会社の起業家支援によって 技術革新活動から派生した経済開発についての立証された成功記録を残している この成功は研究パークの拡大に拍車をかけただけでなく 地域のために良い意味でのスピルオーバー効果がみられ これらの新興技術系会社は大学研究パークを卒業し 周辺のコミュニティにおいて頻繁にショップを立ち上げている 回答を寄せた 108 カ所の大学研究パークのパークディレクターによれば 963 件の事業は過去 5 年間にインキュベーターから あるいは関連の新興企業のスペースから卒業したと報告した これらの卒業した新興企業のうち 26% はパーク内に残った (24% は雑居ビルに移り 2% は自社建物に移った ) さらに 卒業した新興企業の 43% はパークを出たが 同じ地域に留まった (30% はパークから非常に近いところに移った ) 卒業した新興企業のちょうど 12% はその地域を去った 顕著なところでは 卒業した新興企業の 19% はもはや事業に携わっていないが 全国統計でみると かなりの新興企業が業績において一般の新興企業 (5 年以内に 50% 以上が廃業した ) を上回っている 21 大学研究パークで起業支援を受けた新興企業の成功率が非常に高いことを別にすれば 成功した新興企業のうち 起 21 Scott Shane, Start Up Survival Rates: The Definitive Numbers, Small Business Trends, December 17, 2012, see 69

130 業支援を受けた企業のちょうど 77% がパークの周辺地域に留まっている このことにより イノベーションセンターとして 地域の魅力の向上にさらに貢献している 表 大学研究パークを通じて起業支援を受けた新興企業 インキュベーターから卒業後の新興企業の地位 全体の比率 パーク内の雑居ビルに移動 24% パーク内の自社建物に移動 2% パークを出たが 同じ地域内に留まる 43% 地域を出た 12% 廃業した 19% その他 1% 合計 100% 資料 :The 2012 Survey of North American University Research Parks: Driving Regional Innovation and Growth 新興企業のための優遇措置 ( インセンティブ ) および SME 戦略 商業化におけて NARC を成功に導くことができるかどうかは 製品開発を行ううえで既存企 業と新興企業を奨励するための優遇措置と 新興企業のためのクリティカルベンチャー基 金を引き付けるための優遇措置を正しく組み合わせることにかかっている 先を見通したマーケティングおよびアウトリーチ 技術の商業化に成功するには 先を見通したマーケティングとアウトリーチの取り組みが必要である 素晴らしいプログラムが作られても 聴衆を集めることができないことがあまりにも多すぎる 先を見通したマーケティングとアウトリーチは 国内外の両方の事業 さらに既存の会社と新興の会社の両方をターゲットとする必要がある この活動は BPPT IPB および ITB のための活動であり より大規模な事業と企業家精神にあふれたアウトリーチ活動が一体となって進められるべきものである 設計と立ち位置によって NARC は ビジネスコミュニティ外のメンバーにとって利用可能で入りやすい出発点の役割を果たすはずであり これによって 商業化および関連の提携活動に携わろうと努めることができる NARC の先を見通したマーケティングとアウトリーチの重要な要素は 以下の統合された活動を含める必要がある アイデンティティブランディングおよび高い意識の構築 70

131 この取り組みは ロゴの作成 スローガン 標識 付帯用具 定期的な電子機器による通信 および建築物や土地使用のレンダリングを伴い これらは外部と学内の聴衆の両方のために NARC についての意識と可視性を向上させることを目的として アウトリーチキャンペーンのすべての要素のなかで使用されることになる コミュニケーションチャネルには ウェブサイト パンフレット カタログ ソーシャルネットワーキング 会議 ニュースレター トレードショー メディアへの広報窓口 国際貿易ミッションが含まれ それらはすべて メッセージングとブランディングに一貫性がある それがいったん確立したら 定期的に更新しながら 継続的にアイデンティティブランディングを強化する取り組みを進めるべきである トレードショーおよび国際人材採用ミッションへの参加 国内外のトレードショー ミッションの年間カレンダーに常に目を通し スケジュー ル調整する ターゲットにしたイベントのマーケティングスポンサーになること 主催者になること ネットワーキングをプロモートすること 協会などのイベント開催 および大学と会議の連携は NARC の施設に対する需要へとつながる関係構築のための鍵となるだろう 経験から 的確にターゲットを絞ったイベントは有望な連携先との出会いの場になり プロジェクトや有望なテナントを探り当てることができる したがって NARC は開催されるすべての会議やイベントを計画調整するわけではないが 大学や国立研究所で生まれる提携関係へと発展するイベントをサポートし プロモートし 時に主催するのにちょうど良い立ち位置にある この目標に向かって 計画立案やプロモーション目的で イベントのカレンダーは 皆が共有できるように作成し 維持する必要がある プロモートできるネットワーキングのイベントの種類として 以下の例が挙げられる 起業家デー( スポンサーのサポート付きの毎年恒例のイベントとしてスケジュールが組まれるべきである ) 定期的に開く 家から持参の お弁当と説明会( ターゲットの業界首脳陣のため主催する ) インドネシアの関連ビジネス協会との共催の定期的イベント 教員 大学院生 および企業家を集う様々な事業計画 技術競技大会 ベンチャーフォーラム 交流 関係管理の開発 71

132 NARC 施設の建設コンペを開く前に 時間的に余裕をもってターゲットとなるアウトリ ーチ 交流記録 および見通しと適切なフォローアップを管理するためのシステムを 確立する必要がある 72

133 第 2 章既存 先行 類似事例の情報収集および分析 2.1 アジア 日本 欧米のクラスター事例 インドネシアにおける NARC の計画立案に当たり 他国のバイオクラスターを鳥瞰し 計画 建設 テナント探し 運営 政府の政策援助等について NARC の参考にするための情報を 収集した アジアのクラスター事例 世界的に多数のバイオクラスターが存在するが 本報告ではとくに NARC と競合するアジアのバイオクラスターに重点的に焦点をあて 情報の収集と分析を行った バイオ産業は近年新たな成長分野として注目されつつあり 先進国のみならず 2000 年以降には多くのアジア諸国が積極的に育成する動きをみせている これらの事例を踏まえ インドネシアにおける NARC の開設 運営等に資するヒントを得るための分析を行った アジアのバイオクラスターを鳥瞰すると 多くのアジア諸国の政府が バイオインダストリーの発展のために法律の整備 インセンティブの拡充 人材育成などを強力に行ってきている 結論的には インドネシアにおいても バイオインダストリー発展を目指すためには バイオインダストリー促進のための法律 政令 さらには 政府の強力な指導力と施策が必要である (1) アジアのバイオクラスター概観インドネシアでバイオクラスター設置を考えるにあたり 近隣アジア諸国との比較が不可欠である アジアの中で 日本がクラスター数 25 と突出しているが 国内における地域振興が設置の大きな目的であった 韓国ではバイオ関連の輸入 (31.3%) を国産製品にシフト (68.7%) させており バイオ分野による内需拡大に貢献している 台湾は新竹生物医学園区で台湾最大規模の最新病院と臨床試験を連動させ ライフサイエンス分野までバイオ研究を拡大させている シンガポールは世界的に著名な研究者を招聘し 世界的製薬企業を誘致して研究シーズと研究者ごと海外より輸入している しかし その他のアジア諸国では バイオクラスターは成果が顕在化していない様子である アジア諸国のバイオクラスターについて シンガポール 韓国 台湾 インドおよびマレーシアのクラスターについて以下に個別に述べ インドネシアバイオクラスターの参考とする アジアでの教訓から インドネシアのバイオクラスターへの教訓は以下の通りと考えられる 73

134 1) 共同研究により研究シーズと研究員を海外から誘致し 産業化のシーズを豊富に創る 2) 産業分野へ消費エネルギーの尐ないバイオ技術の応用を進め 低公害化を進める 3) 大人口への医薬品普及のため バイオ技術を応用した経済的な医薬品を開発する 以下にアジアの国の中から シンガポール 韓国 台湾 インドおよびマレーシアのバイ オインダストリー政策やバイオクラスターの現状について述べる (2) シンガポール 1) クラスター立地の目的と背景シンガポールでは 科学技術政策の振興にはトップダウンによるアプローチが図られている 貿易産業省が経済開発評議会 (EDB) 科学技術研究庁(A*STAR) とともに産業政策を立案し 規格 生産性 革新庁 (SPRING) が政策の執行を担当している これにより 科学技術の向上が国家の総合経済発展戦略と有機的に結びついている 一方で 政策の変更も柔軟に行われている 資料 :OECD Innovations in Southeast Asia 2013 図 シンガポールにおける研究開発関係の政府機関のフレームワーク 74

135 資料 : UN ECLAC The Singapore success story: public-private alliance for investment attraction, innovation and export developments 2010 図 研究開発分野における政策 プログラム 立地の有機的な結合 a) シンガポールにおけるバイオテクノロジーの発展 1980 年代に シンガポールの産業政策は転換期を迎え 高付加価値かつ頭脳志向セクターへと舵が切られた 経済開発評議会 (EDB) は 産業の急速な発展を目指すために国家バイオテクノロジープログラム (National Biotechnology Programme:NBP) を立案した また 国家バイオテクノロジー委員会 (National Biotechnology Committee:NBC) を立ち上げたが その提言の一つである バイオテクノロジーにおけるトレーニングスキーム (Training in Biotechnology Scheme:TIBS) は バイオテクノロジーにおけるナレッジ 技術 技能の移転の速度向上に大きく貢献した 1990 年代において特筆すべきは シンガポールの産業セクターにとって不可欠である技術の発展が大きく進展したことである 1999 年には テクノプレナールシップ 21(Technopreneurship21) という名の経済発展プログラムが立ち上げられた 2001 年になると 長期にわたって強固なイノベーションを続けていくために 基礎研究を重視する方向に政策転換が図られた シンガポールのバイオテクノロジー分野における発展は 都市型研究施設における高度な研究クラスターとして 2003 年に立ち上げられたバイオポリス (Biopolis) において顕著である 2011 年には バイオメディカルサイエンス ( Biomedical Sciences:BMS) 環境および水技術(Environmental and Water Technologies: EWT) 双方向デジタルメディア(Interactive and Digital Media:IDM) といった将来的な成長を図るべき三つの戦略セクターに 15.5 億シンガポールドルの予算を割り当てることが決定された 75

136 R&Dexpenditute in Biomed industry (S$ Million) 表 シンガポールにおけるバイオテクノロジー分野の発展の重要事項年重要事項 1983 産業政策の高付加価値かつ頭脳志向セクターへの転換 1989 経済開発評議会 (EDB) が国家バイオテクノロジープログラム (National Biotechnology Programme:NBP) を立案 1990 s 産業セクターに不可欠な技術が大きく発展 2001 基礎研究の重視に政策方向転換 2003 バイオポリスの設立 2006 研究 革新 起業委員会 (RIEC:Research, Innovation & Enterprise Council) の設立 億シンガポールドルを国立研究財団 (National Research Foundation) に割り当て資料 :JICA Study Team Experimental development Applied Basic 資料 : 科学技術研究庁 National Survey of R&D 2002~2011 年 図 バイオメディカルインダストリーにおける研究開発支出の推移 b) バイオテクノロジー振興に向けた政府のかかわり (i) 投資政府の政策に対応し シンガポール経済は研究開発志向を強めている 世界経済フォーラムによれば 2013 年のシンガポールの競争力は世界第 2 位にランクされている 政府および民間研究機関は 5 年連続で世界第 1 位にランクされた 2015 年研究 イノベーション 企業計画において シンガポ 76

137 ールの研究開発セクター発展のため 政府は 2011 年から 2016 年までの 5 年間で 161 億シンガポールドルの投資を行うことを発表した 1991 年から 2011 年のわずか 20 年足らずの間に シンガポールの研究開発支出は 1991 年の 7.6 億シンガポールドルから 2011 年の 74 億シンガポールドルへと約 10 倍に増加した 研究開発支出の約 3 分の 2 は民間セクターによるものである 2008 年まで 総研究開発支出額とともに バイオメディカルおよび関連科学分野の研究開発支出額は増加傾向にあった 2009 年に始まった世界的な景気後退の影響を受け 総研究開発支出額とバイオメディカルおよび関連科学分野の研究開発支出額は減尐に転じたものの 政府支出額は大幅に増加した 民間セクターにおける支出を支援するための柔軟でタイミングの良い政府の政策により 研究開発に対する意欲は依然高い水準にある 資料 : 科学技術研究庁 National Survey of R&D 2002~2011 年 図 総研究開発支出 バイオメディカルインダストリーにおける研究開発支出 政府 支出の推移 (ii) 教育シンガポールはインフラ面でも世界第 2 位にランクされており 教育面にも力を入れ 急速に変化するグローバル経済に対応するために必要なスキルを国民に提供している 世界経済フォーラムによれば イノベーションおよび洗練度ファクターにおいては 世界第 11 位にランクされている 教育システムはイノベーション能力を高めることに重点が置かれており 幼稚園から博士課程レベルまでの教育プログラムにおいては 科学およびエンジニア面 77

138 において優秀な人材を生かす工夫がなされている 政府は市場の動向に即した政策の導入に積極的である シンガポールがグローバルな研究開発分野において先行者利益を享受できるよう インフラおよび人材面における支援のための投資を続けている c) 政府の政策に対する民間セクターの動向 政府の研究開発振興策の支援を受け 民間セクターはシンガポールにおける研 究開発支出の約 3 分の 2 を占めている R&D Total Private sector R&D expenditure, 資料 : 科学技術研究庁 National Survey of R&D 1995~2008 年 図 総研究開発支出と民間セクターにおける研究開発支出の推移 (i) 企業業績の拡大ナレッジインテンシブであるバイオメディカルセクターは 世界トップレベルの人材の流入やバイオメディカル関係の強固な研究基盤 充実したインフラに支えられ 2010 年には製造業総生産額の 19.6% を占めた 78

139 資料 : 貿易産業省 Economic Survey of Singapore 2010 年 図 シンガポールの製造業に占めるバイオメディカル関連生産の推移 (ii) 大学の実績拡大 2008 年 3 月に開催されたワイリーブラックウェル研究セミナーにおいて ブラックウェルの書誌計量学の権威であるイアン クレイグ取締役は 2000 年から 2007 年の間にシンガポールの研究発表実績は 72% 増加し 今後数年の間に世界平均に追い付き 追い越すであろうという見通しを述べた 2006 年の研究開発支出額は 31 億米ドルに達し 一研究者当たりの年間論文発表数は 0.3 本と 中国や日本の水準を上回った 2) 予算規模 主な出資者など a) シンガポールのバイオクラスターの状況シンガポールでは主に外資系企業を誘致して発展してきた 70 年代にはテレビや半導体等の電子産業を誘致してきた 80 年代にはエチレンプラントやそのダウンストリーム等の石油化学産業が誘致され 90 年代には世界的な流れとして IT 情報通信の進歩が目覚ましく シンガポールもこれら企業の誘致に力を入れ始めた 21 世紀に入ると政府はバイオメディカル産業を育成することとなった 2010 年までにバイオ先端企業 15 社を誘致し 製薬開発 医療研究の地域センターとなることを決定した 外資企業の誘致活動はシンガポール経済開発庁 (EDB) の海外事務所が行う 誘致の成果が着々上がってきて世界の製薬企業トップ 10 社のうち 6 社が進出をして操業を始めている また研究開発部門の移転も進み 現在バイオクラスターが形成されてきている 79

140 バイオ政策の成果として 21 世紀産業の育成を目指すシンガポールは 2007 年の生産高が 240 億 S$ と 2000 年に比べて 4 倍に拡大し 2015 年までの生産高目標 250 億 S$ に迫る勢いの急成長をした メディカル部門の雇用は 2009 年に 13,000 人まで増加した (i) シンガポールにおけるバイオクラスター成功の背景シンガポールは基礎研究から臨床試験 製品 プロセス開発 フルスケールでの生産 製造 ヘルスケアサービスの提供にいたる体系的 有機的環境を有するバイオメディカル研究開発センターを目指している シンガポールが短期間にバイオクラスターが形成された背景は 一つに EDB ひいては国家の強い意思があるからである 政府は 21 世紀のリーディングインダストリーとして バイオメディカル産業を掲げ 産業として育成していくという強固な意志があった さらにもともとシンガポールにはバイオインダストリーは存在しなかったが 積極的に外資系企業の誘致に当たった 第 3 にはバイオ分野の人材についても海外からの導入を徹底して行ったことである (ii) シンガポールバイオクラスターの長所 短所 A. 長所 I. 承認 許認可が一元的に出来る II. 治験データの米国 FDAによる承認 III. 患者データの 10 年間の追跡 IV. 臨床研究を行う機関の明確化 V. 世界的な製薬企業 見本市の誘致 VI. 税制 VII. 漢方薬に対する理解 VIII. 英語力 IX. メディカルツーリズムを含めた外国人の診断 治療の受け入れ B. 弱点 I. 創薬研究はさほど強くない II. 他の東单アジア諸国に比べ人件費が高く製造コストが上がる III. 市場は小さい IV. 外国企業の生産拠点であるためロイヤルティーは発生しない 80

141 b) シンガポールの主要バイオクラスターおよび関連施設 資料 :JICA Study Team 図 シンガポールの主要バイオクラスターおよび関連施設 (i) ワンノースワンノース (One-North) はシンガポールの科学および教育関連の集積地の中に位置し 面積は 2 平方キロメートルである バイオメディカルサイエンス ICT メディア 物理学 エンジニアリング関連の研究施設とビジネスパークが立地している また シンガポール国立大学 国立大学病院 单洋工科大学 ( 一部 ) シンガポールサイエンスパーク 教育省が近隣に立地している バイオクラスター向けのバイオポリス (Biopolis) と ICT メディア 物理学 エンジニアリング関連の研究開発を行うフュージョノポリス (Fusionopolis) がワンノースに立地している 81

142 資料 : 図 ワンノースマスタープラン (ii) バイオポリスバイオポリス (Biopolis) は アジアにおけるバイオメディカルハブ として計画された科学者 研究者 起業家向けの都市の中の都市である 科学研究の水準の高さとコスモポリタンな労働環境を求める世界中の科学者を魅了するよう企画された バイオポリスはワークステーションから建物まで 共有施設や講堂などのサポート設備 小売スペースなどレンタルベースで提供するなど あらゆるオフィススペースを提供する 多くの施設が科学者や技師やその助手によって利用され ゼブラフィッシュも飼育施設 バイオリアクター 電子マイクロスコープ プロテオミクス MRI 生物組織学 X 線結晶学 DNA シーケンス処理 フローサイトメトリー ラボ備品 培養液調整 ガラス器洗浄などのサービスが用意されている 82

143 表 バイオポリスの概要 フェーズ 年 ( 継続 ) 総床面積 185,173 37,000 41,500 32,000 46,182 予算 S$500 mil S$70 mil $250 mil S$87mil 開発者 JTC ( 政府関連 ) 民間 ( Crescendas Bionix) 民間 (Procter & Gamble) 民間 (Ascendas) 資料 :Data from (Ho, 2007) ( Biopolis Biomedical Research Hub, 2013) (SGPropertyNews, 2011) バイオポリスのフェーズ 3 は design-build-own-operate ベースで 30 年 + 30 年のリースで 政府系の JTC コーポレーションがクレセンダスグループに開発を委託している クレセンダスグループの一員であるクレセンダスバイオニクス社が プロジェクトを推進している 同フェーズのコンサルタントは ジュロンコンサルタントが担当している Biopolis が 2013 年に発行している Biomedical Research Hub によれば 同フェーズでの施設は医学技術分野と医療および移転分野の研究に重点が置かれている バイオポリスのフェーズ 4 および 5 の開発は進行中である フェーズ 4 はプロクターギャンブルが自社のシンガポールイノベーションセンターとして開発を進めており フェーズ 5 はアセンダスが担当し 46,182 平方メートルの敶地に 設立当初の段階にあるバイオメディカル分野の中小企業や起業家が時間と資源を節約できるようなレディメードのラボ ( すなわちシェルプラスラボ ) を含むラボスペースを増やしたバイオメディカル研究施設を用意する予定である なお 現在 バイオポリスでは ノバルティスが熱帯病研究所 グラクソスミスクラインが認知症および神経消耗性疾患に関する研究センターを設立している 83

144 資料 : 図 バイオポリスフェーズ別開発計画 4 階 (GridAsia および OGF Meeting Floor) 3 階 (Breakout Rooms および Secretariat Room) 84

145 2 階 (Mezzanine Floor) 2 階 資料 : 図 バイオポリスのマトリックスビルのフロアプラン 資料 : 図 Neureos( フェーズ 2 のビル ) のフロアプランおよび模式図 85

146 資料 : 図 バイオポリス ノバルティスの熱帯病研究所 (NITD) BSL-3 ユニット 86

147 (iii) フュージョノポリスワンノースのもう一つのパークであるフュージョノポリスは バイオポリスから半マイル離れた所に位置しており 物理学とエンジニアリングのバイオメディカルサイエンスとの融合および産学の連携による研究強化により研究結果の早急な商業化を目指している フュージョノポリスには公的機関のみならず民間セクターのラボ 住宅 サービスアパートメント ホテル ショッピングモールがあり スマートショッピング技術 飲食店街 アートパフォーマンス用の劇場などを備えている フュージョノポリスは とくに以下のような物理学 エンジニアリング関係の研究に力を入れている エネルギー( 燃料電池 有機光起電技術 ) ホーム 2015( 健康モニタリング リハビリ 医療機器 技術用の補助技術 ) エアロスペース( 計算流体力学 製造工程 オートメーション ) ナノテクノロジー センサーおよびセンサーネットワーク( リモートモニタリングのためのワイヤレス通信およびロボティックス ) 将来的なソーシャルロボティックスの運用のための認知科学 科学技術研究庁 ( A*STAR ) は 各種研究機関と多国籍企業 中小企業 起業家 また 経済開発評議会 (EDB) や規格 生産性 革新庁 (SPRING) と積極的なかかわりを持つことにおいて重要な役割を果たしている フュージョノポリスのフェーズ 2A において タワー A および B はドライラボおよびウエットラボ そしてビジネスパークサイトを提供している また タワー C は 多重階層構造の耐震性ラボおよびクリーンルームを含むハイスペックのラボスペース DSI の SERC 研究所 マイクロエレクトロニクス研究所 (IME) 材料研究およびエンジニアリング研究所(IMRE) シンガポール製造技術研究所 (SIMTech) が立地している 87

148 資料 : hment/12787/ 資料 : s-sitemap.jpg 図 フュージョノポリスの概要 88

149 資料 : 図 フュージョノポリスの特徴 89

150 注 : 緑はオフィス (R&D) スペース 資料 : 図 フュージョノポリスのフロアプランの模式図 90

151 資料 :Source: 図 フュージョノポリスの各階フロアプランの模式図 91

152 資料 : 図 フュージョノポリス 13 階 ( ノースタワー ) 92

153 資料 : polis3.html 図 フュージョノポリスソラリス計画 ( フェーズ2) (iv) トゥアスバイオメディカルパークトゥアスバイオメディカルパーク (TBP) は 電力供給 通信ネットワーク 水 ガスの供給 整備された汚水処理 道路ネットワークなどの面で世界水準を備えた製造拠点で 大手医薬品 バイオテクノロジー 医療技術企業が立地し 工程開発や生産活動に従事している 蒸気 天然ガス 冷却水 排水処理施設などのユーティリティは 民間セクターによって提供されている TBP はプラグアンドプレイの環境を実現し 商業活動開始までの時間の短縮や よりよいロジスティックの提供を行っている 93

154 表 トゥアスバイオメディカルパークの概要総敶地面積 (m 2 ) 3,600,000 開発者 JTC( 政府系機関 ) 主な立地企業グラクソスミスクライン Lonza MSD GmbH ノバルティス ファイザーアンドロシェなどのグローバルバイオメディカル企業が立地資料 :Tuas Biomedical Park, 2013 資料 :Tuas Biomedical Park, 2013 図 トゥアスバイオメディカルパーク 94

155 (3) 韓国 1) クラスター立地の目的と背景バイオインダストリーは将来の成長のためのエンジンと認識され 情報通信技術の発展の下で世界経済を牽引することが期待されている 情報技術やナノテクノロジーなどを含む他の最先端技術と同様に バイオインダストリーはとくに医学 化学 エネルギー 農業および食品産業におけるイノベーションをリードするとともに 付加価値の高い産業グループを生み出している 大きな付加価値の創出に世界各国がし烈な争いを繰り広げているが 韓国でも大学 研究所 バイオベンチャー等で研究開発が活発に行われており 世界的な成果も生みだされている 近年 韓国のバイオテクノロジー産業は政府のサポートの下 大きな成果を上げてきた この背景には力強い政府のサポート ハイレベルな人材 継続的に整備されるハード施設などに代表される要因がある さらに急速に拡大する産学協同による開発力の向上等々によりライフサイエンス産業における高い潜在力を備えるようになった a) 韓国における技術開発の基本的な方向性 1980 年代において 韓国の科学技術政策の発展を組織的に牽引したのは科学技術部 (Ministry of Science and Technology:MOST) であった 科学技術部は傘下の専門的な機関である科学技術院 (Korean Institute of Science and Technology:KIST) を通じて基礎研究や応用研究を支援した また 産業関連の研究の振興は 産業通商資源部 (Ministry of Trade and Industry:MOTIE) を通じて行われた なお 現在 科学技術部は教育科学技術部 (Ministry of Education, Science and Technology:MEST) 産業通商資源部は知識経済部(Ministry of Knowledge Economy:MKE) となっている 80 年代以降 国家研究開発プログラム (National R&D Program:NRDP) が科学技術部の活動の中心に位置づけられた その後 同プログラムは 1999 年にスタートした新規分野における科学技術の競争力向上を目的とした新規プログラムである 21 世紀フロンティア研究開発プログラム (21st Century Frontier R&D Program) に引き継がれた 政府はその後の 10 年間でバイオサイエンス ナノテクノロジー スペーステクノロジーなどの 23 分野に 35 億ドルを投入した 各分野への配分額は約 1,000 万ドルである 1997 年には 模倣からイノベーションへのシフトを図るための研究を支援することを目的に クリエイティブリサーチイニシャティブ (Creative Research Initiative:CRI) が始まった 57 か所の研究センターが選定され 各センタ 95

156 ーが年間 50 万ドルの支援を受けた 国家リサーチラボラトリー (National Research Laboratory:NRL) が競争力向上を目的に 数か所の優れた研究センターを選抜した 各プロジェクトは年間 25 万ドルまでの支援を受けたが ほとんどのプロジェクトが大学や公的な研究機関によるもので 企業の研究機関によるものは約 10% に過ぎなかった その後 新技術の発展のために 2001 年ナノテクノロジー発展計画が発表され 年間約 1.7 億ドルがつぎ込まれ 二つの新しいナノテクノロジー用のラボが設立された また バイオテクノロジーの発展に関与する複数の関連省庁によってバイオテック 2000 計画が導入され 国家研究開発プログラムにおける重要な構成要素の一つとしてバイオテクノロジーの発展を図ることが企図された 韓国では 研究開発支出額と研究者の数が一貫して増加傾向にある 2008 年には 研究開発支出額は 3,450 億ウォン (2.86 億ドル ) に達し GDP の 3.37% を占めた (2010 年には同比率は 3.48% に達した ) 購買力平価ベースでみると 研究開発支出額は米国の約半分に達する また 2008 年には 政府は研究開発ラボで 4,000 人以上の研究者を雇用した この数字は 2000 年の約 2 倍の水準である 民間企業の研究室で雇用される研究者の数は 197,000 人で 民間企業の研究開発支出額と研究者数は総支出額および総研究者数の 3 分の 2 を占めた また 残りの 80% は大学が占めた 多くの企業研究者は応用研究に従事している しかしながら 研究者一人当たりの支出額では 韓国は依然日本 米国 主要な西欧諸国を下回っている また 販売額に占める研究開発支出額においても 多くの産業において同様の結果となっている b) 韓国におけるバイオテクノロジーの歴史韓国政府は 1980 年代半ばからバイオテクノロジーの振興を開始したが 1994 年に始まったバイオテクノロジーの基本振興計画である バイオテック 2000 の策定以降 政府の政策が整備され 研究開発投資が急拡大した 韓国におけるバイオテクノロジー発展の沿革は表 に示した通りである 表 韓国におけるバイオテクノロジー発展の沿革年沿革 1983 遺伝子工学振興法 (Genetic Engineering Promotion Law) 施行 1985 韓国バイオサイエンス バイオテクノロジー研究所 (Korea Research Institute of Bioscience & Biotechnology:KRIBB) 設立 1994 バイオテクノロジー基本振興計画 ( バイオテック 2000: 策定 1998 頭脳研究振興法 (Brain Research Promotion Law) の施行 頭脳研究振興基本計画 (Brain tech 21: ) 策定 96

157 2004 新バイオ医療 器官産業を次世代成長エンジンに指定 2006 バイオテクノロジー振興のための第 2 次枠組み計画 (Bio-Vision 2016: ) 策定 2007 頭脳研究振興のための第 2 次枠組み計画 ( ) 発表 国家生命資源マスタープラン策定 2008 科学と技術基本計画 (577 Initiative) 策定 国家科学と技術委員会傘下に BT 委員会 設立資料 :JICA Study Team c) 韓国におけるバイオテクノロジーのビジョンバイオビジョン 2016 は 2016 年までの 10 年間の韓国のバイオテクノロジー発展の方向性を策定したもので このビジョンに基づき 健全な ヘルスライフ と バイオエコノミーの進展 により 韓国がバイオテクノロジー分野における世界のリーダー すなわち グローバルトップ 7 カ国の一員になるという目標を達成することを表明している 同ビジョンの主な目標の概要は 表 に示した通りである 表 バイオビジョン 2016 の主要目標の概要 カテゴリー 2006 年 2016 年 科学技術論文の発表数 第 12 位 第 7 位 ( 世界ランキング ) 特許取得技術の競争力 第 15 位 第 7 位 ( 世界ランキング ) 研究開発者数 9,500 人 17,300 人 ( 修士課程以上 ) 産業化市場価値 2.7 兆韓国ウォン 60 兆韓国ウォン 資料 :JICA Study Team 産業の発展のためには 以下の点の強化が必要である 効率的で包括的なコーディネーションシステムの強化多省庁間のコーディネーション 効率的な予算配分システム 創造的な独自技術の獲得総合的な研究開発活動の促進 核技術 融合技術の必要性 高度産業インフラの開発産業システムの再編 商業化インフラの提供 97

158 バイオエシックスと研究における尊厳尊重の促進 安全倫理に対する社会的な認知 ELSI ( Ethical, Legal and Social Implications) 研究の促進 d) バイオテクノロジー振興のための政府のかかわりバイオテクノロジーは 韓国のリーディング産業である IT 産業に比べて歴史が短い しかし 過去 10 年においては バイオテクノロジーの成長は著しい 1990 年代においては 同分野におけるほとんどの研究開発は大学と一部の薬品会社において行われていた しかし 現在では バイオサイエンスと製品開発において細分化された研究開発がおこなわれている 収入ベースでは 医学関連が産業全体の 60% 近くを占め 食品関連が 40% 近くを占めている バイオテクノロジー関連産業は ヒューマンバイオテック関連の事件における大規模なスキャンダルの後遺症から立ち直り 関連企業はいまや約 600 社にまで達した そのほとんどはソウルとその近郊に立地している 関連産業の雇用者数は 12,000 人以上に達しているが その半数以上が研究者で 残りが生産関係である 2004 年の生産額は 24.2 億ドルで 11 億ドルが輸出額であった 1994 年から 2008 年の間のバイオテクノロジー関連の韓国政府の投資額の推移は 図 に示した通りである 資料 : 教育科学技術部 2009 年 図 バイオテクノロジー分野における政府投資 (1994~2008 年 ) バイオテクノロジー関連の重点投資分野は グリーンオーシャン リスクサイ 98

159 エンス メガトレンドサイエンス ナショナルプラットフォームテクノロジーの四つの分野を含んでいる 主要なプロジェクト領域と関連する重要技術は 表 にまとめた通りである 表 主要なプロジェクト領域と関連する重要技術技術領域産業技術 ( グリーンオーシャン ) プロジェクト高齢化社会の進展により将来的に市場規模の拡大が期待される 1 薬品 ヘルスケア 医療ケア領域における新規技術の開発重要技術次世代システム S/W 癌の診断および治療 頭脳サイエンス 新薬発見 開発技術など技術領域国家課題関連技術 ( リスクサイエンス ) プロジェクト狂牛病やヒトからヒトに感染する鳥インフルエンザといった新しいタイプの感染症や食品の安全性を含む人間の健康生活に関 2 する現状の課題領域における技術開発重要技術免疫 抗体反応 感染症反応 食品安全性評価 IT ナノデバイス技術など技術領域グローバル課題関連技術 ( メガトレンドサイエンス ) プロジェクトエネルギーと資源 気候変動 環境と食品など人類共通の課題に対応し 将来の市場において優位な立場を確立するための技術開 3 発重要技術新エネルギーおよび再生可能エネルギー ( 太陽エネルギー 風力エネルギー バイオエネルギーなど ) 環境保護および保全技術など技術領域基礎技術 収斂技術 ( ナショナルプラットフォームテクノロジー ) プロジェクト次世代の技術イノベーションの基礎となる十分な社会経済効果 4 を持ったプロットフォームおよび統合 個別材料技術の開発重要技術薬品配送技術 バイオチップおよびバイオセンサーなど資料 :Swiss Business Hub Korea Bio Technology Industry in Korea e) 産業の裾野の強化 600 社以上のベンチャー企業を含む 834 社がバイオテクノロジーセクターに携わっており 2 万人以上の従業員が従事している 2004 年から 2009 年における 韓国のバイオテクノロジー関連の市場規模の推移は図 に示した通りである 99

160 資料 : 韓国医薬品製造業協会 図 韓国のバイオテクノロジー関連市場規模の推移 (2004~2009 年 ) 韓国のバイオ産業はこの 5 年間 (2005 年 ~2010 年 ) に年平均 16.8% の成長率をみせてきた また 韓国政府のバイオ産業に対する投資は 2003 年から 2009 年の間に約 3 倍に増えている 予算規模の中では研究開発部門が最も大きく インフラ構築部門と人材育成部門に集中投資されている 韓国のバイオ産業政策の基盤は 教育科学技術部の 生命工学育成法 および保健福祉家族部の 保健医療技術振興法 ではオリジナル技術の開発と国民の健康の増進に焦点を当てており 多角化が進んでいるバイオ技術の産業化を促進する法的 制度的な基盤を作っている段階である 今後 韓国のバイオ産業を産業レベルまでに高めるにはバイオ分野の R&D 投資を量と質の面で多角化していくことが重要である 選択と集中に基づいた効率的な開発支援と研究の産業化への発展が必要である 現在 韓国政府は 生命工学育成方 を 生命工学育成および実用化促進に関する法律 に改訂し 産業化を補おうとしている この改訂でバイオ産業の基盤の構築 研究開発支援 許認可対応 知的財産県の確保 企業の競争力確保などを目指し 産業化を補おうとしている 2) 予算規模 主な出資者など a) 韓国における地域バイオテクノロジークラスターの現状韓国政府は 図 に示した通り 1998 年から 2009 年にかけて 地域の特徴をベースにした 20 カ所の地域のバイオ産業インフラを建設した 100

161 資料 : 知識経済部 図 地域バイオテクノロジークラスターの現状 2009 年 韓国政府は広域経済圏に合わせ 広圏産業クラスター構築法 を発表した これは クラスター事業の成果を地域発展政策に生かすものである 全国を三つの地域に分け 大田 忠清地域を生物医薬 保健医療 動物支援活用技術などに集中して育成する 全羅道 忠州道はバイオ農業 バイオ食品 植物資源の活用に特化する 江原 慶尚地域は生物環境 工程 機能性材料 海洋資源の活用などに重点を置き 集中的に育成する b) 韓国における主要なバイオテックパークの概要 (i) ハイテク医療コンプレックス 大邱イノベーションシティハイテク医療コンプレックスは 国内医療産業の産業化を支援するためのハイテク医療産業クラスターであり 最先端の医療機器および新薬産業を戦略的に育成することを目指している 101

162 A. 目的 最先端の医療機器および新薬産業を戦略的に育成し 国際レベルに引き上 げるために 国内医療産業に総合的な支援を行うことを目的としている B. ビジョンおよび戦略の狙い I. ビジョンハイテク医療産業にとって最善の環境を提供することが可能なグローバルレベルの医療 R&D ハブとなること II. 目標 アイデアを有するすべての人に世界クラスの研究環境を提供すること III. 戦略 最先端の新薬および医療機器を開発するためのクリーンでハイテクな 医療コンプレックスの建設 C. 概要 I. 立地 規模新西洞大邱イノベーションシティ内 1,030,000 m 2 ( 大邱イノベーションシティ 4,220,000 m 2 ) 新薬開発支援センターや最先端医療機器開発支援センターを含む政府機関 :76,000 m 2 コミュニケーションセンター 研究機関 ベンチャータウン:954,000 m 2 II. 運用期間 2009~2038 年 ( 建設期間 :2009~2012 年 ) III. 初期総投資額 5.6 兆韓国ウォン ( 中央政府支出額 2 兆韓国ウォン 各レベル地方政 府支出額 3,000 億韓国ウォン 民間セクター支出額 3.3 兆韓国ウォン ) IV. 政府予算額 1,964 兆韓国ウォン ( 施設運営費 8,246 億韓国ウォン 研究開発投資 1 兆 1,396 億韓国ウォン ) 102

163 D. 期待される成果グローバルなハイテク製品 (16 種の新薬 18 種のハイテク医療機器 ) の開発により 82 兆韓国ウォンの生産の増加と 38 万人の雇用創出 40 兆韓国ウォンの付加価値の増加 (1 種類の新薬開発による年間純利益は 300 万台分の自動車の輸出に相当 ) が期待される 本コンプレックス建設による地域経済への波及効果を期待 E. ハイテク医療コンプレックスの青写真研究活動を具体的な成果に結びつけるための研究とその応用を目的とした医療コンプレックス革新的な新薬の選定と設計 プロトタイプの生産 最先端医療機器の機能評価と実際の医療使用実験を支援するための研究開発インフラの確立 F. 鳥瞰図 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 ハイテク医療コンプレックス鳥瞰図 103

164 G. コンプレックスの位置図 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 ハイテク医療コンプレックスの位置図 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 ハイテク医療コンプレックスと周辺の開発状況 104

165 H. 施設の概要 表 ハイテク医療コンプレックスの概要 主要施設面積 (m 2 ) 用途運営主体 新薬開発支援センター 70,100 開発候補薬の評価 共同研究教育科学技術部 ハイテク医療機器開発支援センター 医療機器の設計 生産 評価支援など 知識経済部 動物ラボセンター前臨床試験など保健福祉部 医療試験 生産センター コミュニケーションセンター 臨床試験サンプルの生産と供給 17,600 ベンチャー企業 戦略 計画 ( 地上 8 階 地下 1 階 ) 本部 共有施設 保健福祉部 大邱市 民間セクターゾーン 388,446 先端臨床試験センター ベン チャーリサーチセンター 民間 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ I. 主要施設の内容 I. 新薬開発支援センター主要事業内容 新発見あるいは産学からの要請による物質の安全性 毒性評価の実施 反復最適化作業を通じた最適候補物質の発見支援 事業規模 表 新薬開発支援センターの事業規模 敶地面積 4, m 2 総床面積 23, m 2 階数 地上 9 階 地下 1 階 建設コスト 574 億ウォン 建設開始時期 2011 年 9 月 建設完了時期 2013 年 7 月 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 105

166 予算規模 表 新薬開発支援センターの予算規模 2010 年 2011 年 総コスト 165 億ウォン 155 億ウォン 施設コスト 159 億ウォン 134 億ウォン 機材コスト - 13 億ウォン 建設コスト 159 億ウォン 121 億ウォン 運営コスト 6 億ウォン 21 億ウォン 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ II. ハイテク医療機器開発支援センター主要事業内容 先端医療機器開発のための総合的インフラ環境の確立 医療イメージ機器や医療用ロボットなど高い成長率が期待できる製品の開発 事業規模 表 ハイテク医療機器開発支援センターの事業規模 敶地面積 4, m 2 総床面積 10, m 2 階数 地上 5 階 地下 1 階 建設コスト 344 億ウォン 建設開始時期 2011 年 9 月 建設完了時期 2013 年 7 月 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 予算規模 表 ハイテク医療機器開発支援センターの予算規模 2010 年 2011 年 総コスト 122 億ウォン 74 億ウォン 施設コスト 119 億ウォン 61 億ウォン 機材コスト - 17 億ウォン 建設コスト 119 億ウォン 44 億ウォン 運営コスト 3 億ウォン 13 億ウォン 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 106

167 III. 動物ラボセンター主要事業内容 動物実験およびコンプレックス内での新薬 医療機器開発の支援 コンプレックスに立地する研究機関への実験動物の安定供給の実施 種々の症例モデル動物の生産 供給 専門家の訓練と地場産学の動物実験の支援 バイオ資源センターとしての人体資源の蓄積 事業規模 表 動物ラボセンターの事業規模 敶地面積 3, m 2 総床面積 8, m 2 階数 地上 3 階 地下 1 階 建設コスト 313 億ウォン 建設開始時期 2011 年 9 月 建設完了時期 2013 年 7 月 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 予算規模 表 動物ラボセンターの予算規模 2010 年 2011 年 総コスト 97 億ウォン 107 億ウォン 施設コスト 95 億ウォン 101 億ウォン 機材コスト - 41 億ウォン 建設コスト 95 億ウォン 60 億ウォン 運営コスト 2 億ウォン 6 億ウォン 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ IV. 医療試験 生産センター主要事業内容 重点分野医薬品を抗がん剤とタブレット剤 カプセル剤の 2 分野に分類し 韓国における新薬メーカーの一貫生産を支援 医薬品製造品質管理基準(GMP) 専門家教育プログラム GMP 関連機器に関する教育および GMP オペレーション向上のためのグローバルネットワークサービスに関するコンサルティングの提供 107

168 事業規模 表 医療試験 生産センターの事業規模 敶地面積 4, m 2 総床面積 6, m 2 階数 地上 1 階 地下 1 階 建設コスト 266 億ウォン 建設開始時期 2011 年 9 月 建設完了時期 2013 年 7 月 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 予算規模 表 医療試験 生産センターの予算規模 2010 年 2011 年 総コスト 89 億ウォン 172 億ウォン 施設コスト 86 億ウォン 167 億ウォン 機材コスト 億ウォン 建設コスト 86 億ウォン 47 億ウォン 運営コスト - 6 億ウォン 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ V. コミュニケーションセンター主要事業内容 トップクラス研究機関の製品化と研究開発の支援 基盤共通タスク( ビジネスプランの立案 プロモーション ) の実施によるセンター間のシナジー効果の実現 事業規模 表 コミュニケーションセンターの事業規模 敶地面積 2, m 2 総床面積 17, m 2 階数 地上 8 階 地下 1 階 建設コスト 342 億ウォン 建設開始時期 2011 年 9 月 建設完了時期 2013 年 7 月 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 108

169 予算規模 表 コミュニケーションセンターの予算規模 2010 年 2011 年 総コスト 20 億ウォン 60 億ウォン ファンドなど - 20 億ウォン 運営コスト 20 億ウォン 40 億ウォン 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ J. 大邱 慶北ハイテク医療産業振興財団 I. 財団設立根拠 ハイテク医療コンプレックスの振興 支援のための特別法第 2 条 II. 性格 民法第 32 条に基づく非営利団体 III. 設立方法 公的な支援機能と効率性との調和を考慮して設立された独立企業体 政府( 大邱市 慶尚道政府も参加 ) と民間セクターの双方からの参加 各センターに運営員会を設置 IV. 主要機能 ハイテク製品開発のためのインフラ整備による医療産業の競争力強化 医療産業の研究活動支援 産学および政府機関が協同可能な分野におけるネットワークの確立 地域医療産業の再活性化のための投資誘致 サポートオフィスと協力してのコンプレックス内における効率的な管理の実施 V. 組織 会長 理事会 センター 4 カ所 本部 1 カ所 主要事務所 6 カ所 11 部 49 チーム 109

170 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 大邱 慶北ハイテク医療産業振興財団の組織図 (ii) 済州ヘルスケアタウンプロジェクト済州インターナショナルフリーシティにおける主要プロジェクトは 国内および外国企業を誘致するためのグローバルな医療環境を提供し 医療産業の育成を図ることを目的としている A. ビジョン済州の代表的な産業である医療とツーリズムの複合サービスを提供すること すなわち 地域をメディカルツーリズムのための重点ハブとして発展させるためのインフラを整備することにより国際レベルのヘルスケア拠点を建設し 総合医療コンプレックスを設立する B. 立地 西帰浦市 110

171 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 済州ヘルスケアタウンの位置図 C. 面積 1,539,000 m 2 D. 開発期間 2008~2018 年 E. 開発予算 7,720 億ウォン ( 公共セクター 1,720 億ウォン 民間セクター 6,000 億ウ ォン ) F. 主要施設 I. ウェルネスパークヘルスケアとリラクゼーションに特化した医療 リゾートコンプレックスの建設 会員制リゾート ウォーターパーク タラソリゾテル ウェルネスモール II. メディカルパーク 先端医療サービスを提供する総合医療コンプレックスの建設 特殊目的病院 医療手術センター 長期ケアタウン III. R&D パーク 111

172 バイオ医薬品および特定医療分野に関する調査を行う医療研究コンプレックスの建設 医療 R&D センター アンチエイジングセンター リハビリテーションセンター 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 済州ヘルスケアタウンの鳥瞰図 G. 沿革 2006 年 12 月 新規大規模開発計画である 済州インターナショナルフリーシティに関する総合計画 の策定 2009 年 12 月 済州ヘルスケアタウンの開発計画承認 2010 年 10 月 計画用地の所有権移譲 2010 年 11 月 済州投資促進地域の宣言 2011 年 2 月 プロジェクト始動 2011 年 12 月 ソウ チュンデチサンコンソーシアムを開発交渉相手に選定 2011 年 12 月 中国緑地グループと開発協定締結 2011 年 12 月 土地整地作業を開始 2012 年 1 月 中国緑地グループ ソウ チュンデチサンコンソーシアムとのキックオフミーティング実施 2012 年 7 月 上海に拠点を置く中国緑地グループと投資に関する協定締結 112

173 2012 年 10 月 中国緑地グループと最終契約を締結 第 1 フェーズの コンドミニアム建設開始 (iii) 五松バイオバレー A. ビジョン 目標 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 五松バイオバレーのビジョン B. 五松ハイテク医療コンプレックス I. 立地忠北道清原郡に立地する五松バイオヘルスサイエンステクノポリス (1,131,000 m2 ) 内に立地 II. 開発期間 :2009~2038 年 III. プロジェクトコスト :4.3 兆ウォン IV. 目的 : グローバル研究クラスターの建設 V. 主要施設 六つの研究開発支援機関( 新薬開発支援センターを含む ) 五つのバイオリサーチタウン( 韓国国家バイオバンクを含む ) 20 カ所の民間研究開発機関および国連生物科学協力センター 113

174 VI. ハイテク医療コンプレックスの青写真 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 ハイテク医療コンプレックスの青写真 114

175 VII. 施設のプロット図 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 五松バイオヘルスサイエンステクノポリスとその中のハイテク医療コンプレッ クスのプロット図 115

176 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 ハイテク医療コンプレックスのプロット図 C. 五松バイオテクノポリス ( 五松第 1 産業コンプレックス ) 韓国政府によって開発され 運営されている 唯一のバイオ産業向けテクノポリス 便利な立地環境と 多くの優遇措置と情報インフラを提供する魅力あふれる投資環境を持ち 進出企業に国際的な優位性を与えている I. 五松バイオテクノポリスのビジョン行政主導の統合型都市 省庁および関連機関の移転計画中 総開発面積:296,91 k m 2 プロジェクト期間:2007 年着工 2012 年移転終了 新五松市 ( 建設中 ) 快適な居住環境 教育環境 五松バイオヘルスサイエンステクノポリス研究施設の従業員に対するユビキタスシステムの提供といった未来志向型都市インフラの建設 総開発面積:24.20 k m 2 ( 計画人口 10 万人 ) プロジェクト期間:2003~2020 年 116

177 II. 立地 : 忠北道清原郡 III. 面積 :4,633,000 m 2 IV. 開発期間 :1997~2008 年 V. プロジェクトコスト :5,200 億ウォン VI. 目的 : バイオコンプレックスの建設 VII. 主要施設 健康 技術行政コンプレックス(6 機関 ) 医薬品企業 36 社 医療機器関連企業 18 社 健康機能性食品企業 4 社 D. 五松第 2 産業コンプレックス I. 立地 : 正中里 峰山里 蓮堤里 拱北里 II. 面積 :3,332,000 m 2 III. 開発期間 :2007~2015 年 IV. プロジェクトコスト :7,696 億ウォン V. 目的 : バイオコンプレックスの建設 VI. 主要施設 産学融合地域への有力大学の進出 バイオテクノロジー融合分野の大学院 独立系私立高等学校 バイオセントラルパーク 医薬品 医療機器 その他バイオテクノロジー関連企業 117

178 E. 五松バイオバレーの立地とプロット図 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 五松バイオバレーの立地 118

179 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 五松バイオバレーのプロット図 F. 賃貸料の割引 100 万ドルを超える事業規模を有し 先端技術を伴う投資については 100% 免除 500 万ドルを超える事業規模を有す通常の製造事業案件については 75% を減免 119

180 (iv) 慶北バイオインダストリークラスター慶北バイオインダストリークラスターは農業とバイオ資源および伝統薬をベースとし 韓国北部に位置するバイオクラスターである 同クラスターは 農業と畜産業 バイオテクノロジー エネルギー 観光産業を新たな成長エンジンとして地域の発展を図っている 地域に立地する主要な研究機関としては 慶北バイオインダストリー研究所 慶北海洋バイオインダストリー研究所 医療ハーブ開発センター 伝統薬商業コンプレックスなども立地している A. 医薬品クラスターの創造朝鮮ニンジン製品開発センター 韓国バイオサイエンス バイオテクノロジー研究所 ( 尚州伝統薬草薬産業コンプレックスの設立に向けての動きが継続中 ) B. 韓国食品クラスター 安東のバイオベンチャープラザ 韓国食品研究所の支所 ( 慶北バイオイ ンダストリーコンプレックスも立地 ) C. 農業関連施設 コンプレックス 豊基の 朝鮮ニンジンランド 醴泉郡の昆虫エコロジー院 環境にやさ しい農業テーマパーク D. バイオエネルギーの開発と展開 バイオエネルギー開発センター エネルギー作物コンプレックス バイ オディーゼル研究 生産施設 資料 : 大韓貿易投資振興公社 (KOTRA) Invest Korea ホームページ 図 慶北バイオインダストリークラスターの鳥瞰図 120

181 (4) 台湾 1) クラスター立地の目的と背景台湾は画期的な経済的成功を成し遂げ 数世代で今日ある技術主導型の経済体制に移行した 過去 20 年以上にわたり 台湾は域内のハイテク産業の発展に集中し 現在 電子 情報技術 (IT) コンピュータと半導体製品の開発と生産において世界で主導的な立場にある 未来産業であるバイオテクノロジー分野においても 台湾の狙いは これらの産業と同様の成功とグローバルなポジションを確保することにある a) バイオ技術における台湾のアドバンテージ台湾は 他のアジアの競合国の上を行く多くの強みを持っている このような強みは 現状の諸条件と政府による計画的な主導の双方によってもたらされている 例えば 以下のような点が強みとなっている バイオテクノロジーに応用が可能なハイテク分野において蓄積された専門技術 中国に隣接し 北東アジアと東单アジアの中間に位置する戦略的なロケーション 強固な法制度のフレームワーク とくに IT 分野と生物学における教育水準の高い労働力 世界水準の研究施設 豊富な資本とアジアで最も活発なベンチャーキャピタル産業 薬草医薬に関する知識と経験 台湾は 教育水準の高い労働力と世界水準の研究施設にも恵まれている b) アジアのバイオ技術をリードする台湾台湾は バイオテクノロジー分野においてアジアのリーダーの座にあるといっても過言ではない 2001 年 11 月の アジアバイオテクノロジー -アジアのバイオテクノロジーの夜明け という題名の報告書の中で フランスのソシエテジェネラルグループの仲介取引部門のシンガポール事務所は 台湾をアジアのトップバイオテクノロジー国家 地域とし その座を獲得するだけの戦略とそれを実現するための多くの要素を持っているとしている 台湾に次いでシンガポール さらには 香港 韓国 インドが続いている 同調査によれば 台湾はとくに工業所有権の保護に強く また 産業の発展を促進するための公的な 121

182 組織的支援構造と豊富な投資のための資源を有しているとしている しかし 台湾はそのような優位性にあぐらをかくことなく ライフサイエンス分野にお ける競争力の一層の強化に力を入れ続けている c) 台湾におけるバイオテクノロジーの定義バイオテクノロジーという用語は比較的新しいため バイオテクノロジー企業が正確に何を表わすかを定義することは容易ではない バイオロジーという卖語とテクノロジーという卖語の結合により バイオテクノロジーの定義は ライフサイエンス 医療の諸分野 あらゆる関連技術といった幅広い領域に及ぶ 定義の問題に結論は出ていないものの 経済部傘下のバイオテクノロジー 医薬品産業計画局では 以下のように定義している バイオテクノロジーは 生体あるいは生体の一部を利用し 製品を製造あるいは改善 植物や動物を改良 微生物を特定の目的に利用するための強力なツールである このような新たな バイオテクノロジー の例として 遺伝子組み換え DNA 細胞融合 新規バイオプロセシングの産業利用などが挙げられる また 台湾では 一般にバイオテクノロジーを以下のように理解している 技術原理のライフサイエンスへの適用 後者の定義を用いれば バイオテクノロジー には医薬品産業が含まれる さらに さらに 中国固有の伝統において 台湾の医薬品産業には中国の伝統薬産業も含まれている 実際 台湾の多くの西洋薬メーカーは中国の伝統薬の原料や配合法も使用している 同様に バイオ関連の起業家の多くが 中国の伝統的な薬草や薬品を現代風にアレンジするための研究を行っている d) 政府の産業発展戦略 バイオテクノロジー産業振興計画 台湾におけるバイオテクノロジー産業発展のための戦略と方向性ははっきりしており 焦点が絞られている 産業 研究所 政府機関のいずれも バイオテクノロジー産業振興計画定められた発展のためのガイドラインに基づき活動している 同計画では 産業の発展目標を定め 目標到達に必要な活動を段階ごとに詳細に示している 1995 年に初めて行政院において策定 発表され その後 2 年ごとに改訂が行われている 122

183 e) 振興活動振興計画の大きな特徴は 台湾のバイオ産業の発展のみならず 台湾の投資先としての魅力を高めることにより海外のライフサイエンス関連産業の投資誘致を図るために注力すべき分野を明確にしている点である とくに注力すべき五つの分野として 以下が挙げられている 関連法制度の整備 研究開発活動とその応用の活性化 技術移転と産業化の促進 海外からの投資誘致と海外との協力の推進 市場情報と収集と提供サービスへの注力 f) 目標 振興計画の策定にあたり 台湾の強みと能力が検討され 多くの産業ごとの発 展の目的が定められた そのうち 四つの重点目標は以下の通りである 台湾をアジアにおけるゲノム研究開発の中心に位置づけること 台湾をアジアにおける先端医療のリーディング拠点に位置付けること 台湾を世界的な亜熱帯植物園芸の中心に位置づけること 台湾をアジアにおける最も活発なバイオ関連に特化したベンチャーキャピタル産業の拠点に位置付けること g) 成長目標 振興計画は さらに以下のような成長目標を提示している 2010 年までの新規バイオテック 医薬品産業投資額 45 億ドル 2010 年までに 100% 内資 内外合弁あるいは国際協力のいずれかを問わず 台湾で最低 18 社の国際水準のバイオテック企業設立 h) 国際競争への備え台湾がライフサイエンス産業の目標を達成するためには 国際的なバイオ産業の力を借りて今以上の高度化を図っていく必要がある 台湾の企業や研究機関と海外のカウンターパートとの間で 投資 合弁 バイオ技術の移転 共同研究を促進していくためには 台湾のみならず海外の協力者にとっての利益があることが重要である 台湾のバイオ産業の国際化を促進するためには 政府の計画 振興機関があら 123

184 ゆる努力を惜しまず 国際的なパートナーを惹きつけ 産業の持続的な成長を促す理想的な条件を設定する必要がある 世界的なバイオ産業は 台湾が提示する優位性と魅力のユニークな投資環境を歓迎している バイオ科学者とハイテク技術者の数の多さ 世界水準の研究施設を含む医学研究ベース 積極的な起業家を育む事業文化 産業をしっかりと支援する政府の対応 これらのすべてが台湾の魅力となっている さらに 台湾自体が投資先や提携先として優位性を持っていることに加えて 中国大陸への距離な近さ 言語 民族の類似性やビジネス上の接点の多さなどから 中国への進出においても理想的な位置を占めているといえる 中国経済が発展し 中国国民が健康や医療に対する支出を増やし バイオメディカル産業や医薬品産業の急速な発展が期待されている 台湾へ投資することにより このようなブームに乗ることも期待できる 台湾は 国際的なパートナーがバイオテクノロジーという最新の産業の発展と将来的な成功をともに分かち合うことを歓迎している i) R&D 投資 1980 年代初頭に 台湾政府はバイオテクノロジー産業を重点発展産業の一つに加えた これにより 関連産業に関する研究の促進を積極的に図るとともに 海外在住の中国人科学者が台湾に戻り これまでの経験と専門性を活かした研究を行うことを奨励した この結果 当初に比べてライフサイエンスに関する研究予算は飛躍的に増加した 2002 年には 政府はバイオサイエンス関係の研究開発に 4 億 9,500 万ドルを計上したが これは台湾の科学関係の総予算の 29% に達し 前年の 3 億 3,900 万ドルに比べて 46% の増加となった 2000 年から 2002 年の 3 年間の予算総額については 30.4% が科学委員会の研究開発予算 20.4% が保健部 16.1% が経済部 ( 主として地場産業の振興向け ) 21.6% が農業委員会 11.5% が中央研究院に割り当てられた j) 台湾研究計画政府の主導で始められたライフサイエンスに焦点を置いた全国レベルの発展計画には ゲノム医療のための研究計画やバイオテクノロジーと医薬品に関する研究計画などがある このうち ゲノム医療のための研究計画は最も新しく ゲノム研究において台湾がアジアで主導的な役割を果たすという目標の達成に欠かせないものである 農業バイオテクノロジーに関する科学技術計画では 花卉園芸と観賞植物 植 124

185 物の種の保護 水産養殖 家畜向けワクチン 植物遺伝子改良 組み換え 環境保護 薬草という七つの主要分野における研究を行っている バイオテクノロジーと医薬品に関する科学技術計画では 新薬 薬草薬 バイオチップ技術および解析方法論の開発に重点が置かれている k) 研究開発における役割分担前述の政府機関に加えて 多くの大学院や大学において 研究開発活動が熱心に行われている 学術研究機関や民間企業に加え 政府はライフサイエンスに関する研究開発活動の実施において明確な役割分担を導入している 関与する機関は 基礎研究を担う上流活動から中流 上流を経ての製品の商品化レベルまでの役割を明確に分担し 各機関が与えられた使命を果たすべく努力している 例えば バイオテクノロジー開発センター (Development Center for Biotechnology(DCB)) は非営利の研究機関 サービスプロバイダーであり 前臨床段階の研究を行っている 同センターは明瞭で整理された使命を持ち 産学間の橋渡し役として機能している 同センターは そのバイオフロント計画に基づき海外の有望なバイオ技術を収集しているのみならず センターに設けた研究ラボ施設を利用してそのような技術に磨きをかけることを行っている また 同センターは 台湾における唯一の認定機関である実験動物の国際的取扱に関する評価認証協会 (Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International:AAALAC) の認定を受けた GLP 基準に基づく動物ラボ施設を有している また 同センターは抗体とタンパク質用の環状 GMP パイロットプラントも有しており 300 リットルと 500 リットルのバイオリアクターを所持している このような施設や関連サービスは 台湾企業の研究活動の支援や海外のバイオ企業と台湾企業間のアライアンスの構築に貢献している 振興機関 実施機関 表 台湾のバイオテクノロジー産業および医薬品産業の発展に貢献する研究開発活動の役割分担上流中流下流 中央研究院 科学委員会 教育部 中央研究院 大学 衛生局経済部農業委員会原子力委員会国防部産業 衛生研究院 衛生福利部 疾病管制署 医薬品検査 センター 生物技術開発セ ンター 工業技術研究院 医薬工業技術発 展センター 食品工業発展研 農業委員会 関連部署 台湾農業試 験所 核能研究所 中山科学研 究院 国防医学院 民間企業 125

186 究所 研究開発の範 囲 基礎研究 品質保証と流通に関する政策と規制臨床実験公共衛生新薬評価 規制 開発 技術開発 応用研究生産拡大のためのプロセス研究 動物 農業 水生生物 家畜向け開発 応用研究 放射性医薬品の 開発 民間利用に向けた国防に関する開発 応用研究 製品製造マーケティングカスタマーサービス 研究開発施設 研究開発の 範囲 非営利研究開発機関 衛生研究院 工業技術研究院 医薬工業技術 医薬工業技術 発展センター 発展センター 公共衛生 新規薬量開 発 臨床実験 ゲノム科学ナノテクノロジー医薬品細胞エンジニアリングおよび医療エンジニアリング 医薬品服用方法開発漢方薬のための前臨床実験漢方薬の製造プロセス 資料 :Biotech East, Biotechnology in Taiwan HP バイオテクノロジーおよび医薬品製造プロセス前臨床サービス 食品工業発展研究所食品技術向上のための微生物収集 実験 保存 台湾動物科技研究所遺伝子組み換え動物由来医薬品動物実験バイオ化学安全試験構造エンジニアリング 2) 予算規模 主な出資者など a) 台湾におけるバイオテクノロジークラスターの現状台湾のサイエンスパーク ( 科学工業園区 ) は 長年にわたり製造業向け とりわけ輸出志向型企業向けに有利な環境を提供してきた工業園区のネットワークの一部として発展したものである このような工業園区は 台湾政府によって開発されたもの 県市などの地方自治体によって開発されたもの 民間コングロマリットによって開発されたものなどいろいろであるが 既存の住宅地からは離れているものの必要とされる労働力や 裾野産業の近隣への立地 ユーティリティの充実 学校などの総合的なインフラ環境を提供するうえで問題ない場所に開発された パークの中には 新竹サイエンスパークのように特定目的地域として計画あるいは開発されたものと 一般用途の工業地域として開発されたものがある 政府は ライスサイエンス企業がとくにハイテク産業向けに企画されたサイエンスパークに立地することを奨励した 現時点では 新竹科学園区と台单科学園区の二つのサイエンスパークが開業しており 台中科学園区は開発中である このようなサイエンスパークとともに とくにライスサイエンス企業や研究機関向けに開発された新竹生物医学園区のような地域がある 126

187 台湾のサイエンスパークは 科学委員会の専門部門によって設立と管理が行われている 台湾のバイオ産業は 新興バイオ ( 生物製剤や農業バイオ等 ) 製薬 医療機材 の三つの領域に分類される 農業バイオの産業クラスターとしては 5 か所の農業バイオパークがある 彰化国家花卉園区 嘉義香草薬草生物科技園区 台单台湾蘭花生物科技園区 宣蘭海洋生物科技園区 屏東農業生物科技園区 ( 台湾グリーン バイオパーク ) でバイオ関連企業やバイオベンチャーが製品の開発や生産を行っている 2000 年代よりこれらのバイオクラスターは設立して間もないもの 入居社数や従業員数等からいまだ発展途上といえる 台湾政府は成功したクラスターを基に別なクラスターを作ったり 科学園区の経営資源を取り込んで発展を目指してきた これらクラスター成長の要因には (i) 支援組織の連携と知識ネットワークの構築 (ii) 国主導の資金援助制度とインセンティブ政策があげられる バイオクラスターではインキュベーションセンターが事業創出の中核と考えられた これをベースに多くのベンチャー企業が創出され 産官学のネットワークが組織された 台湾でのバイオ産業投資では製薬 新約開発 医療機材等で 70%(2007 年 ) を占めるが バイオ産業の成長目標では農業バイオの伸び率を大きく見込んでいる これらの発展は伝統的な農業の在り方を変え 周辺産業の成長にも寄与すると期待されている b) 台湾の主要なバイオテクノロジークラスターの概要 (i) 新竹科学園区 1,100 ヘクタールの敶地面積を有する新竹科学園区 (Hsinchu Science Park:HSP) は台湾で最初 (1980 件設立 ) に開発され 最も開発の進んだサイエンスパークであり 世界最大の IC ファンドリーメーカーである台湾セミコンダクターをはじめとする台湾の大規模かつ著名な IT および半導体企業が立地している パークの北部と单部には 二つのバイオメディカル地域がある 北部では 新竹生物医学園区が建設中で 病床数 600 床の台湾大学メディカルセンターが中心となる 同センターには癌研究 陽子線治療センターが設置される予定である また インキュベーションセンター 共同研究センター 情報ネットワークセンター バイオテクノロジーセンターも設置される 单部には竹单基地があり 健康研究所 (National Health Research Institutes:NHRI) と台湾動物技術研究所が立地し バイオ関連の起業家にとって魅力ある存在となっている 127

188 これら二つの地域がバイオテッククラスターの中核となることが期待され ており 新竹科学園区の台湾第一のバイオハブとしての立場の向上に期待が かかっている 新竹生物医学園区 A. 概要海外におけるバイオメディカル産業の発展とバイオテクノロジーパークの開発成功例を参考に 台湾におけるバイオメディカルサイエンスパークの設立開発モデルは バイオメディカル関連ビジネスにおける研究開発能力を高めるために 高度のインキュベーション機能を持ったワンストップサービスセンターの概念を中心に据えている また バイオメディカル産業は 臨床実験プラットフォームに基づく認証を得ることによって 市場価値を持った製品の開発が可能となる さらに ICT 産業の発展で培った新竹科学園区のデザイン 生産における優位性は 台湾におけるバイオテクノロジー技術の新たな発展という目標の実現に向け バイオメディカル産業のパークへの集積が進むことで 一層強化されることが期待される この結果 政府の支援による知識経済の発展が実現し 台湾の競争力の向上につながる B. 管理運営と使命 I. 目標 台湾が国際的なバイオメディカル関連先進国の重要な一員になることを実現し バイオテクノロジー関連の優れたインキュベーションセンターに関するワンストップサービスセンター概念を導入することにより 技術面での付加価値の向上と産業の発展を図るうえで重要なアジアにおける橋渡しに役になること 海外および域内向けのバイオメディカル関連領域において高度技術を持つ人材向けに 革新的な研究開発や産業化インキュベーションのための理想的な基地としてパークが機能すること 台湾におけるバイオメディカル産業の発展を主導するための先導的な役割を果たすこと II. 戦略 ビジネスの発展に役立つインフラと標準化されたバイオテクノロジー関連施設を積極的に建設すること ビジネス機会を積極的に開拓し 投資を誘致すること 128

189 医療機器および医薬品関連産業の発展に寄与するため バイオメディカル技術 製品研究開発センターおよびインキュベーションセンターの設立促進を最優先に行うこと バイオメディカル関連の認証および試験のためのプラットフォームを確立することと完全なリスクマネジメントシステムを構築すること III. パーク計画新竹生物医学園区は 三つの主要センター ( 新竹生物医学園区病院 バイオメディカル技術 製品研究センター 産業化 インキュベーションセンター ) の建設計画を策定するにあたり バイオテクノロジー関連標準産業分類のメカニズムを導入する予定である 密接な情報交換と研究開発資源の共有が パークの開発にあたっての重点課題となっている バイオテクノロジー産業振興にあたっての個別の課題 例えば研究開発 前臨床 臨床試験 特許権移転 起業インキュベーションなどは 入居企業にワンストップ支援サービスや認証サービスを提供することにより 研究開発成果の産業化をスピートアップすることが可能になる さらに ICT 関連産業の蓄積を持つ新地区科学園区との提携を図ることにより相乗効果が期待され 新竹生物医学園区が台湾におけるバイオテクノロジー産業の発展において主導的な役割を果たすことが期待されている IV. 運営管理 パーク管理局は入居企業の誘致とパークの運営を担当している インキュベーションセンターの計画と建設については 経済部が主管する 新竹生物医学園区病院については 保健部が計画する バイオメディカル技術 製品研究センター科学委員会が計画と運営を担当する C. パーク内公共施設新竹生物医学園区の敶地面積は約 38.1 ヘクタールで 新竹駅特別産業区内に位置する パークの公共インフラは 公共施設と環境整備の二つのパートに分かれている I. 公共施設整備計画 公共施設整備計画には 主要道路および補完道路 中央公園の地下駐車 129

190 場 貯水池 送水管 排水溝 電気モニタリングシステムなどの必要な サービス施設の建設が含まれる II. 環境整備計画環境整備計画には 用地開発 道路舗装 植栽整備 景観池 橋 レストラン バルコニー 展示施設などの施設の準備と建設が含まれる さらに パークは 50 キロワットの太陽光電池システムが提供される 植栽については 高木と低木の両方が受け植えられている また スプリンクラーシステムなども導入されている III. バイオテクノロジービル 2011 年 2 月に パーク内の標準仕様バイオテクノロジービルの建設が 終わり 起業家の入居や企業の進出誘致が行われている D. 事業機会と投資新竹科学園区は 産業の競争力強化と経済発展を促進するためのハイテククラスターである 新竹生物医学園区は 各種資源の融合と バイオメディカル産業の連鎖におけるギャップを埋めるための産官学および研究部門 医療分野の連携を図ることを目的としている さらに 同園区は 新竹科学園区に立地する ICT 産業のグローバルな主導的立場を利用し 電子産業が産業の壁を越えた資本投資や技術提携を進めることや 新薬の研究開発や先端医療機器などの革新的なポテンシャルを持つニッチ企業の発展を助長することを期待している 科学園区のアドバンテージと強力な研究開発基盤を利用し 研究開発と産業化のためのコストを効果的に低減するとともに バイオメディカルにおける起業家の企業化成功率の向上を図るため 産業化インキュベーションのための支援策と支援メカニズムの確立に向けた種々の研究関連資源の積極的な利用が期待されている さらに 真の意味のバイオメディカル産業クラスターの建設を図るために 明確な研究開発目標と国際的な競争力を持ち パークにおいて起業を志望する企業の誘致が図られている 政府は パークに立地する企業に対し バイオメディカル関連技術を保有する企業の技術的優位性を一層高め 21 世紀には パークがアジアにおけるバイオメディカル関連研究の主導的な研究施設の一つとなるための様々なインセンティブと特典を提供するとともに 最高の投資環境を提供するためのワンストップサービスも用意している 130

191 E. 革新的なサービスの提供パークに立地する企業へ提供するサービスとして 管理局では 国際標準技術文書管理システムおよび医療機器の臨床実験に関する協力のためのメカニズム計画 バイオメディカル関連の研究開発のための情報システム統合プラットフォームに関する計画と実施 ナレッジマネジメント情報システムの計画と設立 バイオメディカルサイエンスパーク向けポータルの計画と設立 などの種々の情報プラットフォームの準備を検討している このような計画に加え 優れた情報プラットフォームやサービスを提供し バイオメディカル企業が研究開発から製品化に至る時間を短縮し 競争力を高めるためことを目的に バーチャル試験ラボおよび臨床試験におけるモデル検索情報プラットフォームの設立 特許出願および研究開発に関するコンサルテーションに関する情報システムの設立 など 管理局は種々の将来に向けた計画を有している F. バイオメディカル産業特許照会プラットフォーム近年 工業所有権の管理と適切な申請は 研究活動において最も注目すべき課題となっている すべての外国および台湾のハイテク企業は 工業所有権の管理戦略を重視し 工業所有権の重視が企業の発展にとって不可欠であると認識している 世界知的所有権機関調査によれば 特許や商標などの工業所有権に関する情報が適切に利用できるようになれば 研究開発にかかわる時間と費用は それぞれ 60% と 40% の削減が可能になるとしている このような状況に対応するため バイオメディカル産業関連の特許情報の交換窓口として バイオメディカル産業特許照会プラットフォーム が立ち上げられた さらに 企業内の技術 特許 法律関係 管理などの多方面での専門性の不足を補い 台湾のバイオメディカル産業が研究開発能力を高めるための知的所有権管理システムの構築を支援するための 知的所有権に関する十分なガイダンス情報を提供するウェッブページの開設が期待されている 現在提供されているすべてのウェッブ情報は無料で提供されている ウェッブサイトのコンテンツには 特許システムや紛争の紹介 特許取得手続きに関する情報 特許コンサルティングサービスに関するイエローページ 特許ニュース 特許関連のウェッブサイトリンク集 特許に関する Q&A 掲示板などが含まれる バイオメディカル関連の台湾企業とその従業員は 電話や予約をしたうえでの詳細かつ対面式での特許専門家 131

192 への相談などの特許コンサルティングサービスの利用が可能である G. 関連機関照会サービスの内容新竹生物医学園区管理局では 試験機関 ラボ 受託試験機関に関する照会サービス を立ち上げ バイオメディカル関連製品に関する機能試験や臨床試験をスピードアップし 製品マーケティングにかかる時間を短縮するために バイオメディカル関連製品向けの 試験機関 ラボ 受託試験機関 に関する情報提供を行っている 試験機関 ラボ については バイオメディカル関連製品のプレマーケティングの段階で要求されている安全性と効能に関する情報提供が目的である さらに 台湾にある様々な試験機関 ラボの比較が可能で バイオメディカル製品関連ラボの認証能力を高めることにもつながっている このような認証システムの構築は 新竹生物医学園区がラボにおける様々な領域にわたる研究用の認証試験のナレッジサプライチェーンを充実させるのに役立ち 新薬やバイオメディカル機器 製品のマーケティングをスピードアップさせることができる 受託試験機関については 病院において実施される臨床試験に関する情報を取りまとめること 臨床試験の実施を整理し 共同開発モデルを作り上げること スポンサーが台湾で臨床試験を実施することを促すことを目的としている H. 投資情報 I. 水 電気 環境にやさしい施設総電力供給量は 29,330 KW 総給水量は 6,385 CMD 総廃水処理能力 4,990 CMD パーク内は P3 レベルまでのラボの設置が認められている II. 管理費 売上の 0.19% が管理費として徴収される ただし 最低 10,000 台湾元 III. バイオテクノロジービルバイオテクノロジービルが賃貸用に用意されている 実際の稼働領域には 36 ユニットが用意されており 面積 m 2 が 6 ユニット 面積 m 2 が 10 ユニット 面積 60.5 m 2 が 20 ユニットとなっている IV. 月間賃料 土地の月間賃料は 約 59 台湾元 /m 2 である バイオテクノロジービル内ユニットの月間賃料は 約 109 台湾元 /m 2 で 132

193 ある V. 投資供託金 総投資額の 0.3% が投資供託金として徴収されるが 投資プロジェク ト終了の時点で利息なしで返金される VI. 電気代 電気代卖価は およそ 1.22~4.26 台湾元 ( 電力消費量 契約電圧量 電力の使用時間により変動する ) VII. 水道代 水道代卖価は およそ 7~11 台湾元 ( 消費量により変動する ) 総消費 量が 50 トン以上の場合には 卖価は 11.5 台湾元 VIII. 廃水処理利用料 廃水の種類と排水量に基づき徴収される 注 : 以上の数字は現状における概算に基づく 実際の料金は 公共施設 完成後に発表される なお 料金は 土地評価額の動向 公共施設の建 設費 関連法令の変更などにより 1 年ごとに見直しが行われる 133

194 資料 : 新竹生物医学園区 HP 図 バイオテクノロジービルの外観 134

195 資料 : 新竹生物医学園区 HP 図 バイオテクノロジービルの外観と周辺の環境 資料 : 新竹生物医学園区 HP 図 バイオテクノロジービルの内部の様子 135

196 資料 : 新竹生物医学園区 HP 図 バイオテクノロジービル 2F~5F のフロアプラン 136

197 資料 : 新竹生物医学園区 HP 図 プラントスペースと面積 60.5 m2 のユニット例 137

198 (ii) 单部科学園区 (Southern Taiwan Science Park:STSP) 新竹科学園区の成功を受け 台湾のハイテク産業の発展を单部に拡大していくことを目的に計画が立案された この計画に基づき 单部の台单市と高雄市の間に单部科学園区の設立が計画された 单部科学園区の第 1 段階の開発は 1996 年に始まった 当初 農業関連のバイオセンターとして計画され 成功大学 中山大学 世界野菜センター 台湾家畜研究所 東港海洋ラボラトリーなどの農業関連の研究機関に近接する 1,038 ヘクタールの用地が選定された このような農業に重点を置いた計画が進められる一方で 今日園区に立地する企業の多くは新竹科学園区と同様に IT および電子関連企業となっている 单部科学園区に立地する企業のうち 最も重要なライフサイエンス関連企業は 台湾神隆股份有限公司 (ScinoPharm Taiwan Co.) くらいである しかし 広大な用地の利用が可能であり 政府のインセンティブや周辺の関連施設などの立地メリットが期待できることから 今後 单部科学園区が台湾におけるバイオテクノロジーの発展において主導的な役割を占めることが期待されている 園区の第 2 段階の開発は 2012 年末の投資企業数 186 社 このうち バイオテクノロジー関連企業は 38 社となっている (iii) 单港軟體工業園区バイオテクノロジープラザ ( 生物技術園区 ) 2003 年に開設したバイオテクノロジープラザは 台北市の東部に位置し 单港軟體工業園区内にある 同工業園区には 多くのソフトウェア開発企業とその他のハイテク企業が立地している バイオテクノロジープラザは 20 階建てのビルで 総床面積 72,600m 2 台湾で最初の研究開発に特化したバイオ関連のセンターである この最先端の施設は 中央研究所 バイオテクノロジー開発センター汐止支所や台北市近郊の多数の大規模医療センターなどの研究開発資源や研究所に近接しているという理想的な立地条件に恵まれている 加えて 中央研究所 バイオテクノロジー開発センター 衛生研究院などの代表的な機関が将来的に関係機関を設置する予定となっている 科学委員会 経済部のバイオテクノロジー 医薬品産業計画などの政府組織も関連部門を進出させる予定である 138

199 (iv) その他のバイオに焦点を当てたバイオクラスター 産業地域 台湾グ高度アグロリーンバイオバイオパーク香草薬ハーブを利草生物用したバイ科学技オ食品生産術園区台湾蘭ランの開発花生物や市場調査科学技を行う地方術園区主導型園区 ( 台单県 ) 表 その他の台湾のバイオクラスター 主要分野 立地開発面積 主要大学 研究機関 分野 入居者数 資料 : 国際貿易と投資 No 年 台湾屏東県 233ha 水産試験所 種苗改良繁殖場 林業試験所 屏東科技大学 バイオ農薬 バイオ肥料 ワクチン 機能性食品等 150 社を見込む 嘉義県 6.14ha (BOT 案 件 ) 25.8ha 29 社入居 発展経緯 2003 年から国家レベルの農業バイオテクノロジーパークとしてスタート また 台北市東部の内湖区には新たに開発された産業地域があり 多くのバイオ関連企業が立地している 台湾の医薬品製造企業は台湾内に広く分布しているが 台单県の多くの工業園区に主に集中しており それ以外には 台北県 桃園県 新竹県 台中県 单投県 彰化縣 高雄県などに立地している 139

200 (4) インド 1) クラスター立地の目的と背景 a) インドにおけるバイオテクノロジーの発展経緯インドのバイオテクノロジー産業は ここ 30 年余りの間に発展してきた インドにおけるバイオ産業の発展においては 1978 年にバンガロールでインド初のバイオ企業であるバイオコン社が 産業用酵素を生産するために設立されたことがマイルストーンとなった 政府がバイオセクターの発展に注力するために力を入れ始めたのは 1982 年で 科学技術省科学技術局の傘下に国家バイオテクノロジー委員会を設立した時である 国家バイオテクノロジー委員会はセクター開発における主管機関として活動し バイオテクノロジーに関する優先分野の選定や長期の開発計画の策定を行った 4 年後の 1986 年になると 国家バイオテクノロジー委員会は 独立した権限を持つバイオテクノロジー庁に格上げされた これにより インドにおけるバイオテクノロジーの成長を加速させるための道が開けた インドにおけるバイオテクノロジー産業の発展を可能にしているのが 植物 動物の多様性 膨大な遺伝子の蓄積 温暖な気候 質の高い人材 低廉な事業費などインドが持っている固有の優位性である さらに インド政府とその関係機関が進める積極的な振興策や対策により バイオ産業はこのような優位性を活かした投資が可能となっている 今日では 農業 食品 健康 環境 エネルギーなど人口問題の解決に必要とされる改善を図るうえで大きな可能性を有しているとの観点から バイオテクノロジーは政府による振興が図られている b) インドにおけるバイオテックセクターの概要市場ダイナミクスの点においては インドのバイオテックセクターは 2012~ 2013 年度に売上額が 2,352.4 億ルピーに達し 健全な成長を示した このうち 第 1 位がバイオ医薬品で 1,492.3 億ルピー 以下 バイオサービス (432.9 億ルピー ) バイオ農業(321.0 億ルピー ) バイオ工業(77.2 億ルピー ) バイオ IT (29.0 億ルピー ) の順となっている 産業の売上高における最近の特徴をみると インドのバイオテクノロジー産業は過去 5 年間の年平均成長率が 14.15% を記録し 1,027.2 億ルピーから 2,352.4 億ルピーへと拡大した 2012~2013 年度の国内売上高は 1,151.2 億ルピーで 前年比 8.6% 増となった また 産業全体の売上高の 48.9% を占めた 2012~2013 年度の売上高を業種別にみると バイオ医薬品が売上全体の 63.4% と最大のシェアを占めたが ワクチンが最も売上高が大きかった バイオサービス ( 全体に占めるシェア 18.4%) 140

201 およびバイオ農業 ( 同 13.6%) が バイオテック産業の中でバイオ医薬品に次ぐ規模を有した バイオ工業とバイオ IT の 2012~2013 年度の売上高シェアは それぞれ 3.3% 1.2% となっている インドのバイオテック産業は極めて輸出志向性が強く 2012~2013 年度において 総売上高の 51.1% を輸出が占めた ルピー建てでは 輸出は前年比 22.5% 増の 1,201.2 億ルピーに達した c) 国家バイオテクノロジー発展戦略インド政府が インドにおいてバイオテクノロジー産業の成長を促進するうえで問題となるのが関連法制度である インドでは複数の機関がバイオテクノロジーの振興に携わっており 機能的に重複することが尐なくなかった 行政プロセスを正しく機能させ 行政上の承認に一貫性を持たせるために 政府は国家バイオテクノロジー委員会の設立を提案した 国家バイオテクノロジー委員会は 独立自決の専門性を有した機関で 遺伝子組み換え製品とそのプロセスに関するバイオセーフティ関連の許可に対する一元的な窓口機能を提供する 2008 年 7 月には バイオテクノロジー庁が国家バイオテクノロジー管理法を制定し 国家バイオテクノロジー委員会が遺伝子組み換え作物 食品 DNA にかかわる遺伝子組み換え生物製剤 ワクチン 組み換え遺伝子治療製品 遺伝子組み換え 遺伝形質転換プラズマ由来製品 例えば 凝固因子 哺乳類系生物製剤 工業製品などの承認を一元的に行うことを定めた 国家バイオテクノロジー発展戦略における重要項目には 以下が挙げられている バイオテクノロジー庁が窓口となって議長を務める強い権限を有する省庁横断委員会を設置し 複数の省庁にまたがる問題について話し合うことにより バイオテクノロジーセクターの効果的振興 PPP プログラム向けにバイオテクノロジー庁の予算の 30% を割り振り 高度技術取得のためのバイオテクノロジー産業パートナーシッププログラムの策定 現状の小規模企業イノベーション研究産業スキームが中小企業のイノベーション促進に効果をあげたことを受け 同スキームを拡大してバイオテクノロジーにも適用することを 5 カ年計画中に盛り込み 産学間 とくに 中小企業と起業家に対する橋渡し役としてのバイオテクノロジー産業研究支援委員会の立ち上げ 民間セクターにおけるバイオテクノロジー関連の研究開発とイノベーションを育み 産学連携を促進 バイオテクノロジー庁傘下の独立機関への 研究開発の高度化促進のための 141

202 新たな役割の付与 選定された機関は財政的支援を受け 大学や関係機関において研究資源ユニットを外部からの資金提供という形で支援することにより 研究開発の高度化と橋渡しを促進 バイオテクノロジー庁によるユネスコバイオテクノロジーにおける科学 教育 イノベーションのための地域センターのファリダバード ハリヤナでの設立 ( 健康科学技術クラスター設立の一環 ) インド出身の若手およびシニア科学者を対象とした奨学金と研究開発支援による革新的リエントリーパッケージの導入 インドの実験室に戻り 国家的優先度の高い研究に従事する場合が対象 バイオテクノロジーにおいて世界クラスの組織的な研究の裾野を広げるため 50 カ所の中核研究拠点を第 11 次 5 カ年計画中に設立 科学における優位性を役に立つ製品やプロセスに結びつけることの必要性を鑑み 新たに国家の主導で技術移転や知的所有権の受け入れを積極化 クラスター開発を イノベーション 高度技術の修得 製品開発にとってカギを握る戦略として政府が認識 四つの技術クラスターを計画の高度化段階において選定 国内および国際コンサルティングに基づき 農業 健康 エネルギーおよび環境を国家レベルの最重点チャレンジ分野として設定 PPP を含む多機能チームを通じて振興プログラムを立案 とくに インドの発展において不可欠な分野で 現状においては十分対応がなされていない分野において新たな組織での対応が必要であるとのバイオテクノロジー庁の提案を政府が基本的に了承 新たな組織において 科学と技術輸入の高度化や起業に熱心な高度技術者の育成を検討 世界クラスの人材を育成するというビジョン実現のための戦略は以下の通り アジア地域で最高の水準に到達するための博士課程およびポスドク制度の改善と見直し 修士課程および学部レベルの教育の質の向上 学部レベルおよび修士課程におけるライフサイエンスおよびバイオテクノロジー分野の促進 国家の短期および中期の必要性に即した質の高い橋渡し人材の創造 星付き大学 のステータス取得のための大学の学部教育への支援促進 2005 年の新特許法制定後 バイオセクターにおける研究開発にはパラダイムシ 142

203 フトがもたらされた 以前は インドでは製品よりも工程に対する特許保護が主であり 新製品を開発するために多くの努力を行う前に満足してしまう傾向があった 2005 年の新特許法では製品特許が必要となり 企業や研究機関はイノベーションを進めることを余儀なくされた 新特許法とは別に DNA プロファイリング法と公的資金による知的財産権の保護と利用に関する法といった二つの関連法令が注目されている d) 政府資金産業振興のための政策立案のほかに 政府は資金の提供を通じてセクターに対する支援を図っている 第 11 次 5 カ年計画期間における科学技術セクターに対する政府の資金提供は 第 10 次 5 カ年計画期間に比べて 3 倍近くに拡大した とくに バイオテック企業に対してはおよそ 4 倍に拡大した 予算の配分においても 第 10 次 5 カ年計画期間の 2,530 億ルピーから第 11 次 5 カ年計画期間の 7,530 億ルピーに増加している 実際 バイオテクノロジー庁には 科学技術省の第 11 次 5 カ年計画期間における総予算のうち 約 8.5% に当たる 639 億ルピーが配分された なお バイオテクノロジー庁は インドにおいてバイオテックセクターに資金を提供する主要な機関ではあるが 同分野へは他の科学関連の政府機関からも資金の提供がある e) 研究開発機関バイオテクノロジー庁およびその他の機関がイニシャティブを取り 農業および林業 人間の健康 動物の生産性 環境面の安全性 工業生産に関連する分野における研究開発インフラと強力な研究ベースの創設に積極的にかかわっている バイオテクノロジー庁はまた 多くの国際協力関係の維持とオーストラリア カナダ フィンランド ドイツ スウェーデン 米国 日本 EU などの国々との共同提案の実現において重要な役割を果たしている 国家バイオリソース発展委員会は プネの微生物培養収集のための生物学研究センターの設立においてイニシャティブを取った 同センターでは 国際基準に基づき 20 万種以上の細菌と菌類を保有しているが 徐々に収集数を増やすことにより 微生物収集に関する国際保存機関としての認定を受けることを目指している 微生物資源から薬品を開発するプログラムにおいては 約 10 万種の細菌を収集し スクリーニングしている さらに 20 万種の抽出物が用意され そのうち約 7,000 種が有望とされている f) インドのバイオテクノロジーセクターにおける中核拠点 143

204 バイオテクノロジー庁は 国内に多数のトップクラスの研究中核拠点を設置している これらのセンターは優秀な人材の育成と企業の研究開発活動の支援に携わっている また これらのセンターは産学官の連携の拡大を図っている 11 カ所の中核研究拠点が設置予定であり genome sciences and predictive medicine; system biology and tuberculosis; genome-mapping and molecular breeding of Brassicas, Stem Cell research, Anti-virals etc などの分野の研究が予定されている 第 11 次 5 カ年計画では 主として大学を中心とする 50 カ所の中核拠点の設立が予定されている インドのバイオテクノロジーセクターにおける代表的な中核拠点は 以下の表にまとめた通りである 144

205 表 インドのバイオテクノロジーセクターにおける代表的な中核拠点 Advanced Basic Research -Tuberculosis Drug Resistance (Indian Institute of Science, Bangalore; The Foundation of Medical Research, Mumbai; Birla Institute of Technology & Science, Pilani) -Designing inhibitors against infectious agents (National Institute of Immunology, New Delhi) -Basic Molecular biology of a model microorganism, E.coli (Centre for DNA Fingerprinting and Diagnostics, Hyderabad) Advanced Science with Translational Research -Systems Biology of Tuberculosis and Drug Development (International Centre for Genetic Engineering and Biotechnology, New Delhi; University of Delhi, South Campus, New Delhi; Central Research Institute of Jute & Allied Fibres, Barrackpore, W.B) -Genetics and Genomics of Silkmoths (Centre for DNA Fingerprinting and Diagnostics, Hyderabad) -Antivirals Against Hepatitis C (Indian Institue of Science, Bangalore & others) -Mesenchymal and Adult Stem Cell Therapies (Christian Medical College, Vellore) -Platform Technologies for Designer Crops (International Crop Research Institute for the Semiarid Tropics, Hyderabad) -Stem Cell Research: Basic and Translational (All India Institute of Medical Sciences, New Delhi) Partnership with Industry -Heterosis Breeding in Rice (University of Delhi-South Campus, New Delhi & Mahyco Ltd., Jalna) -DBT-University Institute of Chemical Technology (Energy Biosciences Centre), Mumbai 資料 : バイオテクノロジー庁 Annual Report g) Public Private Partnership public private partnership は 科学的 経済的 社会的にみて国家の発展に不可欠の分野において力を入れ 支援されねばならない なかでも 技術と製品開発に焦点を置く必要がある インドには 大学 省庁 特殊な研究機関の間で幅広いネットワークがあり 多くの機関において数多くの特別な科学関係 145

206 の修士レベルの資格が付与されている また このような機関は 研究ラボの効果的なネットワークも持っている より良い条件を求めて 大学 研究機関 企業の間で知識と人のシームレスな移動が行われ 現在進行形で研究ベースでの情報が交換される 企業は このような共同出資プロジェクトによってもたらされる知的所有権に優先的にアクセスすることが可能になる 公的な研究機関で有望な研究開発を行っている場合 産業と共同作業を行うことを可能にするため 非営利の事業体を作ることを奨励される 産学連携を推進し 産業界の積極的な参加を促し カリキュラムや評価方法の検討を行う 民間企業は 大学に講座を設けることにより高等教育レベルの質を高め その結果 産学連携が一層強化されることになる h) バイオクラスターによる成長の促進バイオテクノロジー産業は インド国内の多くの州に立地している これらの州では 州ごとに特徴のあるバイオ政策を発表し バイオ産業への投資を促すためにバイオパークを設置している このようなバイオパークは ハイデラバードのゲノムバレーやプネのヒンジェワディのような先進のバイオパークに代表される このような州における各州の政策や科学を取り巻く環境は バイオクラスターの成長に不可欠なものである 州政府は 都市におけるバイオテクノロジー産業の発展に向け努力を続けているが まだ不十分な面もある 産業のすべてのステークホルダーの努力によりあらゆる条件が整えば インドには数多くのバイオクラスターが誕生することになる 国連工業開発機関 (UNIDO) の発表によれば 織物から化学 医薬品から食品製造まで種々のクラスターが 388 カ所ある このうち 11 のクラスターは オリッサ州カタック アンドラプラデシュ州ハイデラバード マディヤプラデシュ州インドール マハラシュトラ州セイン プネ オーランガバード ムンバイ ゴア州マルガオ グジャラート州バルサド バルク バロダ アーメダバードにあるが すべて医薬品関連である これらのクラスターは すべてバルク薬 基礎薬品メーカー用に設置された ミネソタバイオメディカル バイオサイエンスネットワークは世界のライフサイエンスおよびバイオテクノロジークラスターのリストを作成しているが その中にバンガロール ハイデラバードとニューデリーが 米国のニューヨーク ニュージャージー フィラデルフィア ボルチモア ワシントン DC ノースカロライナの研究トライアングルと並んで選ばれている クラスターは 輸送 通信 世界市場へのアクセスの面で急速にグローバリゼ 146

207 ーションが進展している時代においても バイオテクノロジー メディカルバイオサイエンス ライフサイエンス 情報技術のような知識集約型セクターにおいてとくに重要である これは 競争優位性をもたらすような知識は 効果的にコミュニケーションを図るためには 近くにいることや定期的なフェースツーフェースの情報交換が必要なためである これまでの研究や分析によれば クラスターは様々な方法でイノベーションと生産性を高めるのに役立つとされている 企業は ベストプラクティスに関する知識を分かち合うことにより利益を得 共同でサービスやサプライヤーを利用することによりコストを減らすことが可能になる 頻繁に情報交換を行うことは公式 非公式の知識の移転を促し 無料で研究資源や技能を提供してくれる研究機関との共同作業を形成し 効率的に進めるのに役立つ 相乗効果により企業 投資家 サービス業者 サプライヤーをクラスターに引き込むとともに 技能者の集積を図ることが重要である 地域のトレーニング機関やインフラの充実は 企業に利益をもたらす 企業間の競争が競争を促し 持続的な発展がもたらされる このような便益は 内部的にそれを確保できる大企業よりも とりわけ中小企業にとって重要である クラスターの特徴を生かすことは 階段を上り始めたばかりのインドのバイオテクノロジー産業にとって極めて重要である パナシアバイオテック社の共同設立者であるラジェシュ ジャインは次のように述べている バイオクラスターはインドに適している ビジネスリーダーの優れた科学的イノベーションと起業家精神と政府の産業にやさしい政策との間で密接な情報交換に基づく学際的な戦略が採用されるならば バイオクラスターは成功するであろう バイオクラスターの成功により インドの経済発展が加速し インドがバイオテクノロジーにおける世界的なハブとなるばかりか 優れた就業機会を提供することにもなる マスコンライフサイエンスの社長 事業開発のビブハブ ガルグも同様の意見を述べている バイオクラスターを創ることは お互いに補完性のあるばらばらの専門性や経験をひとつ屋根の下において探し出すことができるよい方法である このようなアプローチは 他の国々において既に結果を出している インドで成功しない理由を見出すことはできない 既存のバイオクラスターにおける組織の補完性が果実を結実させ ウインウインの関係をもたらすという意味で このようなアプローチが産業と国の双方に利益をもたらすことは間違いない ラジェシュ ジャインは さらに次のように述べている バイオテクノロジー産業の発展という意味において バイオクラスターはクラスターとして明確に意識づけされることなく発展してきた クラスターは主としてアンドラプラデ 147

208 シュ州 マハラシュトラ州 カルナタカ州やデリーに立地している 各政府の関連政策や優れた科学環境の提供がこのようなクラスターの成長に寄与してきている 最近の事例で注目されるのは ヒマチャルプラデシュ州のバディにあるバイオテクノロジーと医薬品ベンチャーのクラスターだ インドにおける主要なバイオテクノロジーとライフサイエンスのクラスターは 以下の地図に示した通りである 注 : 緑の部分がバイオテクノロジーとライフサイエンスのクラスターを示す 資料 :BioSpectrum India 図 インドの主要なバイオクラスター 2) 予算規模 主な出資者などインドのバイオパークにおいては 多くの PPP 関係の活動がある 全般的にみれば インドは今でもジェネリックに強いが ハイデラバードから約 20 マイル離れたゲノムバレーやあるいはバンガロールから 革新的な企業も何社か出てきている アーンストヤングによれば 2~3 年後にインドには 27 カ所のバイオパークができると予想されている a) インドにおける主要なバイオクラスターカルナタカ州のバンガロールは インドのバイオテックの首都と呼ぶべき場所である インドには 380 社のバイオ企業があるが そのうち 198 社がカルナタカ州に そのなかでバンガロールだけで 191 社が立地している バンガロール 148

209 とカルナタカ州を合わせて セクターの総収入の 27% を占めている その他の主要なクラスターとしては 西部のムンバイとアーメダバード ( それぞれ マハラシュトラ州とグジャラート州 ) 单部のハイデラバード ( アンドラプラデシュ州 ) 北部のニューデリーおよびその周辺がある 西部ベルト地帯には バイオジェネリックに多大な関心を持つ大手の医薬品メーカーが生産拠点と研究開発拠点置いている ハイデラバードには数社のワクチンメーカーと研究に携わる大手バイオ企業がある デリーおよびその周辺には 研究に携わる数カ所の代表的な研究センターと大学とがある (i) カルナタカ州 -バンガロール ICT 産業の成功を受け バイオテクノロジーはバンガロールにおいて急速に発展するセクターとなった バンガロールには インドにあるバイオ企業 380 社のうちの半数以上が立地している 収入ベースでは 総収入の 20% 以上をバンガロールが占めている バンガロールはインドにおける最大のクラスターであり 198 社のバイオ企業が立地している インドの代表的なバイオ企業であるバイオコンも バンガロールに本社を置いている バンガロールに立地している企業としては Advinus Therapeutics Astra Zeneca Aurigene Discovery services Biocon India Jubilant Biosys Metahelix Life Sciences Strand Life Sciences Strides Arcolab and Xcyton Diagnostics がある カルナタカ州政府は バンガロールのホシュールロード脇にある Electronics City に 106 エーカーを超える面積を有する Bangalore Helix Biotech Park に 550 億ルピーを投資する予定にしている また バンガロールは Indian Institute of Science JNCASR NCBS University of Agricultural Sciences などの素晴らしい大学も有している さらに バイオ産業貿易協会 (ABLE) もバンガロールに本部を置いている バンガロールには契約研究スペースがあり 幹細胞領域において多くの可能性を秘めている (ii) アンドラプラデシュ州 -ハイデラバードバイオテクノロジーは アンドラプラデシュ州において重要な産業である アンドラプラデシュ州には 人間向けの遺伝子組み換え療法薬を製造するバイオ企業が集中している また 遺伝子組み換え DNA 療法薬においても世界 149

210 で 2 番目の生産量を誇り 多国籍企業の中にも自社向けの製造を行っているところがある アンドラプラデシュ州は インドのバルク薬の首都 と呼ばれる ハイデラバードはインドのバルク薬の総生産の 3 分の 1 近くを占めており アンドラプラデシュ州はバルク薬および医薬品セクターにおいて支配的な位置を占めている ハイデラバードではバイオ関連のインフラ開発が進んでおり Knowledge Park, Biotech Park, Genome Valley などのほか多くのプロジェクトが進展しており 他の地域に比較して優位に立っている また Centre for Cellular and Molecular Biology (CCMB) Indian Institute of Chemical Technology (IICT) International Crop Research Institute for Semi-arid Tropics (ICRISAT) Central Food Technology Research Institute (CFTRI) Institute for Life sciences centre(ilsc) のような研究開発センターも立地しており 合計で 32 の実験室と 12 の研究センターがある アンドラプラデシュ州政府は バイオ関連のパークに 療法学 診断学 工業用バイオテクノロジー 産業への貢献 ( 機器 機材 ケミカルなどハードサプライヤー ) 農業用バイオテクノロジーなどの誘致を目指している (iii) タミールナドゥ州 -チェンナイタミールナドゥ州は 独自のバイオテック政策を発表した最初の州である タミールナドゥ州はインドの医薬品市場の約 11% を占めており メディカルバイオテクノロジー製品にとって魅力的な市場ということができる タミールナドゥ州政府は インドのバイオ資源を集積させ シリコンバレーにちなんだバイオテクノロジー企業ゾーン ( バイオバレーズ ) を設立することを発表している チェンナイには Orchid Pharma Shasun Pharma Bafna Pharmaceuticals などの医薬品企業数社と ABL Biotech Proalgen Biotech などのバイオテック企業立地している また Centre for Biotechnology of Anna University Centre for Plant Molecular Biology of Tamil Nadu Agricultural University Centre for Research in Medical Entomology of Department of Biotechnology of School of Bioengineering of SRM University Rajiv Gandhi Centre for Biotechnology School of Biotechnology of Madurai Kamaraj University School of Chemical and Biotechnology of Sastra University のような研究センターもある タミールナドゥ州は 幹細胞研究やナノテクノロジーの分野に力を入れようとしている 150

211 (iv) マハラシュトラ州 - 西部地域マハラシュトラ州は インドの医薬品生産の 40% を占めている 研究能力も高く インドの特許の 30% 強を占めている 同州には Wockhardt Nicholas Piramal Cipla Lupin などのバイオテックセクターに重点を置く有名企業が立地している 同州は プネの近くのヒンジェワディにバイオパークを持っている 医薬品セクター なかでも委託研究 委託生産 臨床試験は最も有望な分野である 低コスト 強固な生産基盤 よく整備されたラボと研究開発インフラ 資源の蓄積が魅力である 発達した化学産業ならびに石油化学産業を利用できることも 同州の付加価値となっている (v) グジャラート州グジャラート州は インドの医薬品製造のおよそ 30% を占めている 同州には 902 社のアロパシーメーカー 2,122 社の委託生産メーカーがある 関連の輸出額は 15 億ドルに達する 臨床研究機関も数多くあり 100 社以上が世界保健機構の認定を受けている 大学や研究機関は 年間 4,600 人を超える優秀な技能者を輩出している 700 エーカーを超えるインド最大のバイオパークの建設がバドダラのサブリで進んでいる 州内に立地する主要な企業には Zydus Cadila Torrent Pharma Sun Pharma Intas Pharma Alembic Dishman Pharma などがある ムンバイには Indian Drug Manufacturers Association (IDMA) と Organization of Pharmaceutical Producers of India (OPPI) という二つの代表的な医薬品関連協会が立地している b) インドにおける主要なバイオテックパークの概要 ICICI Knowledge Park は 2000 年に 200 エーカーの面積で開発された アーンストヤングがごく最近発表した インドのバイオテクノロジークラスター によれば 現在では 8 万平方フィートのウエットラボは 100% 埋まっており 1,400 人の従業員が就業している ゲノムバレー内の Shapoorji Pallonji Biotech Park では モジュラーウエットラボ パイロットプラント ビジネスインキュベーションセンター ビジネス支援施設がある 140 エーカーの第 1 フェーズは既に稼働しており 第 2 フェーズは 2015 年までに完成の予定である ハイデラバードには多くのジェネリックメーカーがあるが 何社かは革新的な薬品の開発を目指している GVK Biosciences などの委託研究機関が成長しており 発見と開発とのギャップを埋めつつある 民間との提携に熱心な University of Hyderabad があることも強みの一つである 以下の表は インドの主要なバイオテックパークの概要をまとめたものである 151

212 パーク名称 Shapoorji Pallonji Biotech Park, Hyderabad ICICI Knowledge Park, Hyderabad Agri Science Park, Hyderabad Bangalore Bangalore 表 インドの主要なバイオテックパークの概要 Helix, 面積 ( エーカー ) 企業数 300 フェーズ I: 16 社 フェーズ II: 10 社 特徴 ライフサイエンス ヘルスケア 医薬品 200 研究開発企業 35 社ライフサイエンス 25 インキュベーション施設に 108 社のベンチャー企業 14 インキュベーション施設に 8 社 アグリバイオテックおよびアグリビジネス関連研究開発 セクター特化型 SEZ バイオテックパーク Biotech Park, Lucknow 8 15 社 ヘルスケア 農業 環境 工業利用 エネルギー Kinfra Biotech Park, Cochin Kinfra Biotech Park, Thiruvanthapuram Golden Jubilee Biotech Park for Women Society, Kanchipuram Inspira Infrastructure Biotech Park, Aurangabad International Park, Pune Biotech Savli Biotech Park, Vadodara 50 バイオテックインキュベーションセンターのような共同施設に 15~20 社を誘致予定 バイオ IT および海洋 薬草 農業バイオテクノロジーに焦点を当てた分野 25 開発中 農業 ヘルスケア 診断 用および工業用酵素 社 農業 食品と栄養 医療 ヘルスケア 環境とエネ ルギー 25 開発中 製造および研究開発を志向するバイオファーマおよびアグリバイオテック企業向けに開発 社 メディカルおよびファー マバイオテクノロジー 724 フェーズ I では 11 社を選定して用地割り振り バイオテクノロジーのあらゆる重要セクター TICEL Bio Park, Chennai 5 12 社 メディカルバイオテクノロジー 機能性食品 農業バイオテクノロジー バイオ IT Agri Biotechnology Park, Jalna 資料 : バイオテクノロジー庁 Annual Report 124 n.a. n.a. c) インドの主要バイオテックパークの計画概要 (i) TICEL Bio Park 152

213 A. TICEL Bio Park の特徴 TICEL Bio Park はインドのチェンナイに立地しており バイオテック関連の研究開発に対して世界水準の実験インフラとサービスを提供している TICEL Bio Park Ltd. は 州政府が経営する Tamil Nadu Industrial Development Corporation Ltd. (TIDCO) の傘下企業である バイオパークでは Ⅰ. バイオ資源センター ( 計画中 ) Ⅱ. テナントスペース Ⅲ. トレーニングセンターなどの施設を提供する予定である 同パークは Ⅰ. バイオ資源センターにおける試験 分析 相談サービス Ⅱ. トレーニング Ⅲ. 委託研究プログラムなどを行う タミールナドゥ州政府は 同パークに研究開発機関としての資格を与え 同州におけるバイオテクノロジー関連の研究開発の振興を委ねる B. パークの概要 TICEL Bio Park はチェンナイに 5 エーカーの土地を用意し 6 億 2,500 万ルピー (1 億 2,500 万ドル ) の開発費を投じ バイオ関連の研究開発に対して世界水準のインフラ環境を提供しており 現在 国内および海外からの投資で 100% の入居率となっている サポートと資金援助 ( 資本 有期貸付 ) については TIDCO TIDEL Indian Bank Karur Vysya Bank Indian Overseas Bank が行う 同バイオパークでは 以下の施設を提供する I. バイオ資源センター 発酵および微生物学 下流プロセス 分子生物学 植物組織培養 土物 組織培養および分析用のウエットラボ II. テナントスペーステナントスペースには それぞれ床面積 1,525 平方フィートのモジュールを 74 室用意 各テナントは GLP 基準に従い BSL2 標準の研究開発ラボをカスタマイズすることが可能 BSL3 へのアップグレードも可能 また テナントは 独自の研究開発活動を行うために適した機器の設置が可能 153

214 資料 :TICEL Bio Park HP 図 パーク内部の様子 C. パークのインフラパークの主要なインフラ状況は以下の通り 世界水準のバイオパークデザイン 世界水準のラボ規格(BSL2 BSL3 にアップグレードも可能 ) 資料 :TICEL Bio Park HP 図 パーク外観 共有インフラと施設 電力供給と二つの分配器 100% 電力バックアップ 100% フィルター処理による空調 水処理と供給 タミールナドゥ州汚染管理委員会に承認された廃水処理 処分 大気 水質管理法に関するタミールナドゥ州汚染管理委員会との合意 飲料水 圧縮空気および真空 スマートカードによるセキュリティシステム 154

215 資料 :TICEL Bio Park HP 図 パーク内部の例 D. 共有施設 I. ビジネスセンター インキュベーション段階においてパークで事務所を持ちたい場合に コンピュータ付きの 4 室が利用可能 賃貸料は月 5,000 ルピープラス諸税 来客用あるいは会議用の 2 室が 3 カ月卖位で賃貸可能 II. トレーニングセンター 収容 60 名の二つのホール あるいは あわせて最大 120 名収容のホ ールとして使用可能なトレーニングセンターを設置 表 ホールの賃貸料金 ( ルピー ) No. 形態 賃貸卖位 賃貸料 ( テナント ) 賃貸料 ( テナント以外 ) 名用 ( 全面 ) 1 日 (10 時間 ) 10,000 20, 名用 ( 全面 ) 半日 (5 時間 ) 6,000 12, 名用 ( 半面 ) 1 日 (10 時間 ) 6,000 12, 名用 ( 半面 ) 半日 (5 時間 ) 3,000 6, 名用 ( 全面 ) 3 時間 4,000 8, 名用 ( 半面 ) 3 時間 2,000 4,000 注 : 上記に加えてサービス税 12.36% が課される 資料 :TICEL Bio Park ホームページ III. その他施設 国際標準の通信施設: Bharath Sanchar Nigam Ltd (BSNL)/ Reliance Infocom Ltd (RIL) フードコート 十分な駐車スペース プール テニスコート 体育館など TIDEL にあるリクリエーション施 155

216 設の利用 ATM サービス E. 立地と周辺環境バイオパークは ハイテク関連の研究を行っているトップクラスの IT 企業や研究機関が立地するナレッジコリドーに立地しており 住居地域も隣接している 国際空港から 14 キロ チェンナイ港から 16 キロの位置にある また 近隣には以下の機関が立地している Indian Institute of Technology (IIT) Anna University Madras University Institute for Basic Medical Sciences CSIR Labs of Government of India TIDEL Park の IT 企業やグローバルな IT 企業の集積 F. フロアプラン標準 915 平方フィートあるいは 1,525 平方フィートの広さのバイオ研究開発向けの BSL2 / BSL3 標準のラボスペースの提供 グラウンドフロアには完成済みラボスペースを用意し 期間 10 年の長期リースにて提供 以下の表は 各階のフロアプランを示している 表 各階のフロアプラン 階 賃貸 販売用ラボ モジュール数 G 完成済みウエットラボ 13 1 ウエットラボ 10 2 ウエットラボ 16 3 ウエットラボ 16 4 ウエット ドライラボ 16 5 ウエット ドライラボ 16 資料 :TICEL Bio Park ホームページ 156

217 資料 :TICEL Bio Park HP 図 フロアプラン ( グラウンドフロア 1 階 ) 157

218 資料 :TICEL Bio Park HP 図 フロアプラン (2 階 3 階 ) 158

219 資料 :TICEL Bio Park HP 図 フロアプラン (4 階 5 階 ) 159

220 G. テナント料タミールナドゥ州政府は TICEL を研究開発機関とみなしており TNEB は優遇レートで電気を供給している 6 か月前納で支払う場合 3 カ月はテナントによるラボの施設準備期間として無料になる テナント料は賃貸 リース料として徴収される テナント料は 表 にまとめた通りである 表 TICEL のテナント料 ラボ 未完成ウエットラボ (BSL 2) モジュール数 賃貸 リース料 ( 注 ) ( ルピー / 平方フィート / 月 ) 空調 (12 時間稼働 ) 運営 メンテナンス費 ( 注 ) 未完成ドライラボ 合計 注 : これ以外に所定のサービス税が徴収される 資料 :TICEL Bio Park ホームページ 160

221 (6) マレーシア 1) クラスター立地の目的と背景 a) マレーシアのバイオテクノロジー産業グローバル競争に対応するため 豊かな資源と優れた技能者の蓄積を活かしつつ マレーシアはバイオテクノロジーセクターを積極的に育成している ナレッジベース経済への移行に向けて 国家バイオテクノロジー政策 (NBP) に基づくバイオテクノロジーマスタープランに従い マレーシアのバイオテクノロジー産業は 2005~2020 年の期間に特別の焦点が当てられている 国家バイオテクノロジー政策は 2005 年に施行され 過去 7 年の間 バイオテクノロジー産業は強固な基礎を築き 今日 マレーシアのバイオテクノロジークラスターはアジア太平洋地域においてトップクラスとなる可能性を秘めている 同産業は 2020 年までに年間 425 億ユーロ (1,700 億マレーシアリンギ ) の収入が期待されている 2005~2010 年にかけて 産業の基礎構築に焦点を置いた第 1 フェーズを終え バイオテクノロジー産業はマレーシアバイオテクノロジーコーポレーション (Malaysian Biotechnology Corporation Sdn Bhd:Biotech Corp 科学技術革新省の関係機関 ) を中心に 2011~2015 年の本格的充実のための第 2 フェーズに入り 産業化のための活動や様々な取り組みを通じた付加価値の向上が図られている 要は 現在は科学から得られた結果をビジネスに結びつける段階に入ったところといえる これを実現するために 優れた技能者を生み出すための人的資源の開発や優先分野における研究開発の強化 技術インフラの構築により強固な基盤を作ること イノベーションと産業の発展を図ることに力点が置かれている 表 年 12 月 31 日時点におけるバイオテクノロジー産業の主要指標 主要指標 民間および政府による投資 BioNexus 企業数 Phase 1 ( ) 60 億リンギ Phase 2 ( ) 90 億リンギ 目標 Phase 3 ( ) 150 億リンギ 合計 ( ) 300 億リンギ 2005~2011 年における実績 107 億リンギ 雇用 ( 期末 ) 40,000 80, , ,000 55,904 売上高 ( 期末 ) 200 億リンギ 800 億リンギ 1,700 億リンギ 2,700 億リンギ 142 億リンギ GDP 貢献度 2.5% 4.0% 5.0% 5.0% 2.2% 資料 :Biotech Corp BiotechCorp Annual Report 2011 Biotech Corp Score Card Report (October 2011) 161

222 b) 国家バイオテクノロジー政策マレーシア政府はバイオテクノロジー産業の成長の先導役となっているが 健全な政策パッケージを用意し 産業の発展と戦略的な方向性を提起している 国家バイオテクノロジー政策における重点発展分野は以下の通りとなっている 表 国家バイオテクノロジー政策における重点発展分野 重点分野 1: 農業に関するバイオテクノロジーの発展 バイオテクノロジーを通じた農業セクターの変革と付加価値の創造を目指す 重点分野 2 : ヘルスケアに関するバイオテクノロジーの発展 生物多様性という強みを活かし 天然生産物における発見を商品化に結びつける また バイオジェネリック分野においてマレーシアの存在を高める 重点分野 3: 工業に関するバイオテクノロジーの発展 高度なバイオプロセシングやバイオ製造の技術を活かし 成長機会を確実なものとする 重点分野 4 : 研究開発と技術の獲得 既存あるいは新設を問わず 重点機関を設立し 多岐にわたる学問領域における研究チームを編成し 適切な研究を実施し産業化のための先導役を果たす 必要な技術を戦略的に獲得することにより 技術開発を加速する 重点分野 5 : 人的資本の開発 特別なスキーム プログラム トレーニングを通じ 市場ニーズに合致したバイオテック分野の人的資源の能力向上に努める 重点分野 6 : ファイナンスに関するインフラの開発 実験室から市場まで の競争力を高めるため 政府関連企業はもちろんのこと学術機関 民間セクターの積極的な参加を促すための資金提供やインセンティブの付与を行い バイオテックにおける投資を成功に結びつけるための仕組みを作る 重点分野 7 : 行政および規制フレームワークの開発 グローバルスタンダードベストプラクティスに即して国家の行政フレームワークや手続きを不断に見直し 成功を可能にする事業環境を創る 研究開発や産業化のための努力を支援するための強力な知的所有権保護システムを開発する 重点分野 8 : 戦略的ポジショニング グローバルマーケティング戦略を策定し マレーシアのバイオテックに関するブランド認知を確立するとともに ベンチマークによる発展を目指す 委託研究機関および委託生産機関のセンターとしてのマレーシアを確立する 重点分野 9 : 政府のコミットメント 首相および関連政府省庁の支援の下 マレーシアのバイオテック産業の発展を専門に担当するプロフェッショナルな政策実施機関を設立する 資料 : 科学技術革新省 c) 重点分野およびターゲットセクター (i) 農業に関するバイオテクノロジー ( グリーンバイオテクノロジー ) 主な目的は 国家の農業関連産品 とくに食品と商業作物の生産量を高め 162

223 結果として十分かつ持続的な食品供給を実現することである 政府は 作物に関連するバイオテクノロジー 家畜技術 海洋および水生養殖 自然食品に重点を置いている 2011 年には 農業省が 2011 年から 2020 年までをカバーする国家アグロフード政策を策定した 内容は 農業セクターが引き続き経済成長をけん引し 十分な量の食品供給を行うこと 食品関連製品の付加価値を高めることを規定している ターゲットセクター高収量作物の生産 遺伝子転換植物 家畜および家禽 遺伝形質転換動物 林業製品 漁業 水生養殖 付加価値製品 バイオ肥料および生物防除 バイオ農薬 細胞培養技術 飼料および添加物 ハイブリッド種子 組織培養 栄養補助食品 食品技術 (ii) ヘルスケアに関するバイオテクノロジー ( レッドバイオテクノロジー ) マレーシアは 豊かな資源 生物多様性および伝統的な知識を活かした医薬品および栄養補助食品産業における蓄積を活かすことにより 伝統薬および補助医薬品分野における成功を目指している また 新種の疾患や慢性疾患の発生を受けて 政府は国民全体のためのヘルスケアシステムの強化に力を入れている ターゲットセクターバイオヘルスケアには 熱帯病 前臨床委託研究 臨床試験 診断およびバイオメディカル関連機器 装置 個人に合わせた予防薬 治療学 薬効発見 抗体 遺伝子組み換え ワクチン ヘルスケア用生物活性 薬草製品 薬用化粧品などが含まれる 上述のカテゴリーの中で 体外診断用医療装置は 他の製品に比べて製品化までの時間が短いため 多くの参入がみられる さらに 装置産業に関する理解が進んでいることと規制が尐ない分野であることから 金融機関からの資金調達も容易である (iii) 工業に関するバイオテクノロジー ( ホワイトバイオテクノロジー ) マレーシアにおける工業に関するバイオテクノロジーは 石油やパーム油資源に恵まれているため 石油化学および油脂科学分野に集中する傾向がある 生産とアウトソーシングに関する強固なバックグラウンドを持ち マレーシ 163

224 アは地場のみならず海外の要望にも応え得る能力を有している 成長が見込まれる分野としては 食品や配合飼料用 織物プロセスやその他の工業プロセスに用いられる酵素などの生物触媒の開発がある バイオプロセシングはもう一つの成長分野で バイオプラスチック バイオ燃料 化粧品原料などの特殊ケミカル 電子ケミカルなどのバイオ原料の製造に用いられる ターゲットセクターバイオ製造は バイオ原料 酵素 ( 生物触媒 ) バイオ燃料 微生物技術 バイオマス 生物分解性プラスチック 油脂化学 バイオプロセスエンジニアリング 発酵 グリーン化学 委託生産などの開発に用いられる 産業を振興し 産業化のための活動を加速するために 国家バイオテクノロ ジー取得計画においては 上記の三つの分野に関して以下に挙げるプラット フォームが必要とされる 表 重点 3 分野に必要とされるプラットフォーム技術 プラットフォーム技術 産業 1. フランス由来の非腫瘍学の適用に関するナノテクノロ ヘルスケア ジープラットフォーム バイオ医薬品 医薬品および医療装置 生体外診断分野のさらなる発展に資する 2. オーストラリア由来のドットスキャン抗体マイクロア ヘルスケア レイ技術 免疫測定用試薬や治療用卖一クローン性抗体の開発に資する 3. カナダ由来の植物マーカー利用選別および動物繁殖技 農業 術 4. オランダ由来の超臨界流体抽出 (SFE) プラットフォーム技術 高価値のフレーバー 香り 食品添加物 健康補助食品 元気促進薬品 化粧品原料 特殊工業用ケミカルの抽出 工業 資料 :Biotech Corp Malaysia Biotechnology Guide このようなプラットフォーム技術は国家のニーズに即して選定されたもので 様々な応用を経てセクターの発展に深い関わりを持っている これにより 取得した技術の産業化を図るために一層の技術の応用が図られることになる 164

225 d) BioNexus ステータス (i) BioNexus ステータスによる特典 BiotechCorp を通じて マレーシア政府は BioNexus ステータスを該当する企業に与えている 同ステータスを取得した企業は 以下の特典を享受することが可能になる 1. 資本の自由 2. 海外からの資金調達の自由 3. ナレッジワーカーの雇用の自由 4. 競争力あるインセンティブおよびその他の支援を利用可能 5. 国際的な認証および基準取得のための支援が利用可能 6. 強力な知的所有権保護制度 7. 重点研究センターを結ぶ有益な情報ネットワークへのアクセス 8. 共同ラボやその他の関連施設の利用 9. BiotechCorp がワンストップサービスの窓口として機能 (ii) BioNexus ステータスの要件 BioNexus ステータスに該当するビジネスや活動のために法人格を有していること 法人が 生産や産業化の準備のできたプロジェクトを有していること 産業化の前段階でパイロットプラント開発の段階にある場合 コンセプトやプロトタイプ生産の進捗などをみながらケースバイケースで判断される 起業の初期の段階で概念段階や研究段階にあるプロジェクトは認められない 法人は 生産や農業活動にライフサイエンスプロセスあるいはバイオテクノロジー要素を利用しなければならない 製品やサービスを取り扱う法人で 卖なるブレンドやリパック 混合 分配 貿易活動に携わっているだけの場合は認められない 重点分野である農業関連 ヘルスケア関連 工業関連のバイオテクノロジーにおいてプロセス研究を行う能力と実行力を有していること 総従業員に占めるナレッジワーカーの比率が高いこと 環境および倫理面で関連法令やガイドラインを遵守していること e) ジョホール州イスカンダルにおける Bio-XCell パーク : マレーシアで最高のバ イオテクノロジーパーク エコシステム 165

226 160 エーカーの敶地面積を有し Bio-XCell パークは ヘルスケアと工業に関するバイオテクノロジーセクターに特化した エコシステムの充実したバイオテクノロジーパークである イスカンダル地区ヌサジャヤタウンに立地し シンガポールからは至近距離にあり 東西の貿易回廊の好位置に所在する 立地企業は戦略的な立地条件というアドバンテージを活かし 拡大するアジア市場にダイレクトでアクセスすることが可能となる また これ以外の利点として フィードストックや再生可能エネルギーとして利用可能な豊富なバイオマス資源への近接性とビジネスにやさしいインセンティブが挙げられる Bio-XCell パークにおいて 立地企業はバイオ生産を行うための効率的で信頼のおけるユーティリティを利用することが可能である インフラ面では 空いた土地を購入してそこに施設を建てる以外の選択肢として ユニット施設を借りて 自社の事業ニーズに合わせて模様替えを行うことが可能である また テナントは 建設費や施設費を支給され 独自の事業要件に合わせて施設を設計 カスタマイズすることも認められる この場合 テナントは最低限の初期資本支出だけで入居し 事業を開始することが可能となる 2) 予算規模 主な出資者など a) マレーシアにおける地域経済回廊現在 マレーシアには五つの地域経済回廊がある これらの地域は クラスターに比べて広大な地域を有すか あるいは複数の州にまたがっており 地理的に区分されている 五つの経済回廊は 半島マレーシアのみならず東部マレーシアにも分布している 政府の支援と事業インセンティブに加え 豊富な天然資源 利用可能なインフラ 技術と優れた技能者も利用可能であり 経済成長の期待される経済回廊においては バイオテクノロジーの分野のみならずその他の分野においても 外国企業に対してまたとない事業機会を提供している 以下は 経済回廊の概要について取りまとめたものである 166

227 表 マレーシアの主要なバイオテクノロジー回廊の概要 北部回廊経済地域 (NECR) マレーシアイスカンダル地域 東海岸経済地域 (NECR) 開発期間 2007~2025 年 2006~2025 年 2007~2020 年 面積 17,816 km 2 2,217 km 2 66,736 km 2 バイオテクノロジー分野 強み 遺伝子組み換え作物農業関連 工業関連バイオテクノロジー 製造 ( 医薬品 APIs) 生物多様性とバイオ資源 生産とロジスティックス インフラ 農業関連バイオテクノロジー 人的資源 インフラ 製造 立地条件 ロジスティックス インフラ オイルパーム バイオマス バイオ燃料 遺伝子組み換え作物 栄養補助食品 バイオレメディテーション バイオプロセシング 農業と水生養殖基盤 バイオ資源 ( オイルパーム タバコ ) 雇用効果 310 万人 140 万人 190 万人 サラワク再生可能エネルギー回廊 (SCORE) サバ開発回廊 (SDC) 開発期間 2008~2030 年 2008~2025 年 面積 70,708 km 2 73,997 km 2 バイオテクノロジー分野 強み バイオマス バイオ燃料 家畜 バイオレメディテーション 畜産業 生物多様性 オイルパームに焦点 バイオマス バイオ燃料 家畜 バイオレメディテーション 水生養殖基盤 生物多様性 オイルパーム 雇用効果 300 万人 210 万人 資料 : Biotech Corp b) マレーシアのバイオパークの概要マレーシアでは バイオテクノロジー発展を加速するため 科学技術革新省が 1995 年に国家バイオテクノロジー理事会 (BIOTEK) を設置した バイオテクノロジー研究の合理化を図るため BIOTEK は 7 カ所のバイオテクノロジー共同センター (BCC) を設けた BCC は様々な研究機関が行うバイオテクロジーの研究を調整し 協力を図るとともに重複を調整する BCC は多くが高等教育機関に設けられている (i) テクノロジーパークマレーシア A. テクノロジーパークマレーシア公社の概要 167

228 1996 年の設立以来 テクノロジーパークマレーシア公社は同社のモットーである 貴社の成功はここに始まる をベースに技術志向型の起業家の期待に応えてきている これまで 様々な産業分野にわたる地場企業および多国籍企業の 3,000 社以上の技術志向型企業が同社の支援を受けている 情報通信クラスターがテクノロジーパークマレーシアに最も多く入居しており 以下 エンジニアリング バイオテック 通信 コンテンツ サポートサービスとなっている イノベーション促進に資するためのよい環境を提供するという目的の実現のため テクノロジーパークマレーシアは五つの戦略の下に変身を図っており 土地資産の最大限の利用 産業化および支援サービスの増加 優れたインフラとネットワーク能力の効果の向上 第 4 世代技術インキュベーションプログラムの改善 グローバルな可能性を持った質の高い技術志向型のスタートアップ企業の拡大を図るための起業家にやさしい政策の立案に取り組んでいる 同パークでは 技術 支援 研究開発面の総合的なバランスを図りながら 活動を続けている 公社によるインキュベーションのための主な活動と支援内容は 以下の通りである I. インキュベーションスペースのレンタル 科学者 研究者 技術志向型起業家 中小企業向け 土地のリースは技 術力を持ったナレッジベース企業向け II. 技術 ビジネスインキュベーションプログラムビジネスに関する助言 コーチングサービス ビジネス マーケティング 財務に関するコンサルティングサービス 技術 ビジネスフォーラム ワークショップの開催 研究者 科学者 技術志向型起業家 中小企業を対象としたビジネスマッチングサービスの提供 III. 技術の産業化支援およびサポート技術移転促進に関するアドバイザリー コンサルティングサービス プロジェクト管理 戦略管理に関するアドバイス 市場調査 市場機会分析 専門的開発プログラムなどの技術の産業化に向けた支援 サポート B. パークの管理 I. 概要 168

229 マレーシアのパイオニア的なテクノロジーパークであるテクノロジーパークマレーシアは 700 エーカーの敶地面積を持ち 150 社を超える技術系企業が進出 1 万人のナレッジワーカーが就業している 戦略的要衝であるクアラルンプールに立地し 技術志向型起業家 科学者 研究者 ナレッジベース企業にとって最高の立地環境を提供している II. 戦略的立地環境クアラルンプールと中央政府の行政拠点であるプトラジャヤとの間という便利な場所に立地しており テクノロジーパークマレーシアは主な大学や研究機関 政府機関との距離も近い 敶地内で利用可能な共有施設には スポーツ施設 ショッピングセンター 銀行 診療所 学校 居住 商業地域などがある III. 目的に合ったオフィスの提供テクノロジーパークマレーシアは 成長段階の異なる様々な企業の個別の事業ニーズに対応するためにインキュベーションスペースとオフィススペースを柔軟に提供している 技術志向型起業家 中小企業 BioNexus ステータス企業 技術ベース型企業に対して 魅力的な政府インセンティブと政府からの資金提供が利用可能である IV. 優れた施設 サービスプログラムテクノロジーパークマレーシアは ライフサイエンス向けのラボ エンジニアリングおよび情報通信施設などのインキュベーション支援施設を提供している インキュベーションプログラムとサービスがインキュベーション施設の入居者や技術志向型起業家に提供され 事業および技術の発展に役だっている インキュベーション施設の入居者は 競争力を高めるために技術およびビジネスの専門家から手とり足とりの指導を受けている C. パークの優れたインフラ 途切れることなく 100% バックアップされた電力供給 中央管理された空調システム( 午前 8 時 ~ 午後 6 時 ) Local Area Network (LAN) とブロードバンドによる通信環境 24 時間監視システムによるセキュリティ管理 地下および立体駐車場 169

230 D. 土地様々な広さの土地区画が技術ベース型企業向けに用意されており リースで自社の建物を建設することも可能である すべての土地区画は 企業のニーズを満たすインフラと施設準備されている E. オフィススペース I. レンタル情報テクノロジーパークマレーシアは 異なる成長段階にある様々な企業の事業ニーズを満たすために 柔軟なオフィススペースやオフィス建物を用意している 技術志向型起業家 中小企業 BioNexus ステータス企業 技術ベース型企業に対して 魅力的な政府インセンティブと政府からの資金提供が利用可能である II. リース期間 当初 2 年 その後 2 年ごとに更新 III. リースの開始時期 Letter of Offer とテナント契約に基づく IV. テナント契約契約の満了はテナント契約の開始日から 2 年後である 印紙税 弁護士費用などテナント契約の準備と締結に関連する費用は 直接 間接を問わずテナントの負担とする V. 引き渡し日 テナント契約に定められたとおり 初回の支払い ( デポジット ) の後に 引き渡しが行われる VI. オフィスの改修オフィスの改修に関する技術面 レイアウト面の関連図面は技術専門家の承認を得たうえで施設管理局に提出されねばならない 改修の開始前に承認を得る必要がある VII. サービス料 以下の目的のために 1.50 リンギのサービス料がレンタル料に含まれる 170

231 賃貸の終了 空調( 月曜 ~ 金曜 午前 8 時 ~ 午後 6 時 ) 共有空間への電気および水の供給 建物に対する保険料 建物の安全管理費 建物および環境修繕費 F. 施設およびサービス 以下の施設および共同施設が すべてのテナント企業とその従業員に利用 可能となっている Technoflex 共同施設 情報リソースセンター ( 図書館 ) Technoflex Amenities 資料 : テクノロジーパークマレーシア ホームページ 図 施設および共同施設の例 Information Resource Center (Library) テクノロジーパークマレーシアは その施設をテナント企業および第三者 に対して リーズナブルな料金で提供している 以下のサポート施設およ 171

232 び共同施設が テナント企業の事業や一般的なニーズに合わせて利用が可 能となっている 会議室 ミーティングルーム 展示エリア 運動施設 G. 技術の産業化センター技術の産業化センター (The Centre for Technology Commercialization: CTC) は 国家の重点課題である技術を富の創造に結び付けることを目的に設立された 大学 研究機関 ベンチャーキャピタル 技術志向型起業家 知的所有権専門家 政府政策当局 研究者 事業体 ビジネスプレーヤーが同センターに集まり 技術の産業化を実現するための努力をしている 同センターでは プロジェクトの産業化の可能性を高めるための振興プログラムに加えて 技術移転の促進 研究開発の産業化 プロジェクト管理 戦略的な知的所有権管理に関するアドバイス 市場調査および市場機会分析などに関するアドバイスやコンサルティングサービスを提供している 同センターは 科学技術革新省の支援を受けた研究開発活動通じて開発された製品の産業化向けて 科学技術革新省 技術の産業化センター共同製品産業化に向けた見通し協議セッションを通じて 同省のイノベーションおよび産業化局と協働している また 科学技術革新省に任命された同センターのプロジェクトモニタリングチームが Technofund Sciencefund Innofund といった同省のグラントスキームの管理とモニタリングを行っている これらのグラントはバイオテクノロジー 農業 工業クラスターを対象としており 産業化に向けた新製品の開発を支援するためのものである 同センターの活動の特徴は 以下の通りである 多くの経験を持った管理者を起用し 経験の浅い起業家や初期段階の 企業に対して以下のようなマッチングなどのサービスを提供する 1 どのような側面が顧客にとって必要で どの程度頻繁に使われるのか どのようなサポートを必要としているのかといったことを知ることが重要であると考えている企業が新製品開発を行う際の市場調査の実施 172

233 2 関係する技術およびビジネス関係の専門家を交えたラウンドテ ーブルディスカッションを設定し 考え得る最高の戦略の策定と 特殊な事業拡大のための新たな知見を導入する センターの一員として専門家とアドバイザリースタッフを任命し 特殊なニーズや一時的にそのようなサービスを必要とする企業の要に役立てる 高等教育機関 政府の研究開発機関 資金提供機関 政府政策当局など研究とイノベーションのバリューチェーンを形成する関係機関間の関係を強化する H. イノベーションインキュベーションセンターイノベーションインキュベーションセンターは 再生可能エネルギー 情報通信 バイオテック エンジニアリング産業の技術志向型起業家の成長を加速し 重点分野における仲介プログラムを通じて 構想段階から産業化に向けての発展を図ることを目指している I. 目的 技術およびビジネススキルにおける専門性と支援を提供することにより ナレッジベース企業のインキュベーションと育成を行う 技術志向型起業家を育成するための総合的なコーチング 助言 コンサルティング トレーニングなどの個別のサービスを提供する 技術志向型起業家の資金調達がよりしやすくなるよう取り計らう 上質のインフラ 機器 施設を提供することにより 研究開発やイノベーションおよび産業化のための活動を助長する 技術開発と研究成果の産業化の分野で 政府と民間セクター間の適切なパートナーシップを促進する 戦略的ビジネスおよびインキュベーションセンターへの入居企業や技術志向型起業家と多国籍企業 研究機関 学術機関 金融関係機関 産業間の市場連携を国内と世界において確立するためのプラットフォームの提供 II. TPM バイオテック社 TPM バイオテック社 (TPM Biotech Sdn Bhd (TPMB)) は マレーシア政府の関連企業であるマレーシアテクノロジーパーク公社の 100% 子会社として 2004 年に設立された 173

234 TPM バイオテック社の重要部門として バイオテクノロジー開発センターとハーブバイオテックセンターの二つが挙げられる バイオテクノロジー開発センターは クアラルンプールのブキットジャリルにあり あらゆるバイオテクノロジー関連サービスの中でもとくに重要な分野であるといえる 加えて 同センターにはあらゆる販売 マーケティング活動に携わる部門もある ハーブバイオテックセンターは クアラルンプールからおよそ 190 キロ離れたパハン州のラウブ地区のバトゥタラム ウルスンガイにある 同センターは加工センターで あらゆる半加工 加工済みのハーブから作られた製品が加工される マレーシアは豊かな生物多様性で知られており マレーシアテクノロジーパーク公社は 天然資源の豊かさを活用することによる潜在性の高さと機会の豊富さを認識している 天然産品に対するグローバルな関心と需要の高まりを認識し TPM バイオテック社が設立された (ii) Bio-XCell A. Bio-Xcell の概要マレーシアバイオエクセル社は マレーシアにおける総合的かつ最先端のバイオテクノロジーエコシステムであり バイオテクノロジーパークである Bio-XCell は 工業およびヘルスケア関連のバイオテクノロジーセクターにおける製造と研究開発支援するためのバイオテクノロジーエコシステムを設立することを目的としている この分野は マレーシアが 企業が自社のバイオテクノロジービジネスや産業化のための活動を行うことを可能にするハード面などのインフラとともに 金融インセンティブ 人的資源開発 企業 事業の立ち上げ アドバイスやサービスの提供 魅力あるリースモデルなどのソフトインフラを蓄積しているプラットフォームである バイオエクセル社は BiotechCorp と UEM-XCell 社との合弁企業であり ジョホール州のイスカンダルに エーカーの敶地面積を持つバイオテクノロジーパークの開発を計画している パークは 6 年間にわたり三つのフェーズに分けて開発される予定で バイオテクノロジー企業向けに約 万平方フィートの専門的かつ使用用途に適した土地と施設を提供する これまで インドの Biocon フランスの企業グループ Metabolic Explorer (METEX) 米国テキサス州の企業グループ Glycos Biotechnologies (GlycosBio) の 3 グループが約 11 億 4,600 万リンギの投資を行っている 174

235 Biocon は Bio-XCell において ハイエンドの後発バイオ製剤およびその他のバイオ医薬品の研究開発と製造に集中する予定である 本件の投資額は マレーシアのバイオテクノロジーセクターにおけるこれまでの投資で最大である 第 1 フェーズにおいて 2014 年の稼働開始を目標とする施設に 10 億リンギ前後の投資を行うと発表している B. 土地計画 Standard Shell Scheme によりカスタマイズされた柔軟な土地利用が可能であり 効率を最大にすることができる 標準的なレイアウトのプラントが用意されているが 事業ニーズに即して改修やレイアウトの変更が可能である 土地面積は 1 エーカーで 建物の床面積がおよそ 2 万平方フィート 必要な追加スペースについて 建て増しや高層化が可能( 費用はテナントが負担 ) 最低 3 年間のテナント期間 資料 :Bio-Xcell ホームページ 図 Bio-Xcell のプロット図 175

236 C. ラボサービス Bio-Xcell においては イノベーションが重視されている 研究や製造をより高いレベルに引き上げることを支援するための十分な施設の必要性を認識し ラボ インキュベーションセンター パイロットプラント カスタマイズ可能な あるいは共同のユーティリティ施設が用意されている I. 共同ラボ Bio-Xcell では 共同作業が発明のための触媒になりうることを認識している このため 共同ラボを用意し バイオ関連の研究に熱心な学術機関 高等教育機関 起業家などを誘致し 共同により研究やイノベーションを加速させることを目指している 使用した分のみの支払い 引き込みガス栓 ドラフトチャンバー ライザーパイプおよび大煙突 廃棄物管理サービス 経営管理のためのビジネスセンター II. インキュベーション Bio-Xcell では 研究とイノベーションに必要な技術インフラを用意し たインキュベーションスペースを提供している 使用した分のみの支払い 引き込みガス栓 イオン除去水 ラボ用調度品 III. 試験およびデモ用パイロットプラント本格稼働用の施設を建設することは 面倒なだけでなく大きなリスクも伴う Bio-Xcell では パイロットプラントを提供することでリスクを最小化することを可能にしている また このことは施設全体の利益となるのみならず バイオテックエコシステムの実現にも貢献する パイロットプラントは 以下の意図をもって設置される 176

237 バイオテクノロジー企業が 事業を拡大する前に 製品の生産に関する試験や確認を行うことを可能にする 商業規模の工場の完成に先立ち サンプル生産のために使用したり 可能性のある顧客にサンプルを提供するためのデモンストレーションプラントとしての利用が可能である 事業を拡大する前に 製品試験や公的な認可取得( 例えば 国家医薬品規制局 ) のための利用が可能である D. ビジネスサービス I. カスタマイズが可能なオフィススペース快適な就労環境は 生産性を高めることにおいて不可欠である カスタマイズが可能なオフィススペースとレイアウトの提供により 従業員のニーズに対応したオフィススペースの仕様の変更が可能である オフィススペースは 300 平方フィートから 2,000 平方フィートの間で選択でき テナント期間は最低 3 年間である II. 便利な小売店舗 パーク内には 食料および飲料 銀行やその他の関連店舗など様々な小 売店舗があり 近くで用事を済ますことが可能となっている E. トレーニングおよび会議施設優れたバイオテクノロジーエコシステムを整備するために オーディオビジュアルや関連トレーニング設備の整った世界水準のトレーニングおよび会議施設を提供している I. 講堂講義や企業イベントの開催に適した大型の劇場型のホールの利用が可能である II. 会議 セミナー室小規模 大規模の会議 セミナー その他の企業ニーズに対応した多目的室の利用が可能である F. リース条件 I. インキュベーターおよびラボスペース 177

238 表 インキュベーションラボスペースの例 レンタル料平方フィート当たり 11 リンギ / 月 ( 早期割引レート ) 仕様 その他特記事項 資料 :Bio-XCell ホームページ エアロックエントリーによるインキュベーションスペース ラボに隣接したオフィススペースが利用可能 中央管理空調システム ( 月曜日 ~ 金曜日 8:30~17:30) 無料 Wi-Fi を含む施設サービス Letter of Intent の締結が必要 1 カ月分のレンタル料の預託が必要 会社概要と事業種類 取扱製品の届け出が必要 リース期間 36 カ月 II. 未完成ラボスペース 表 未完成ラボスペースの例 レンタル料平方フィート当たり 8 リンギ / 月 ( 早期割引レート ) 仕様 その他特記事項 資料 :Bio-XCell ホームページ 未完成スペースの整備 1 万平方フィート 受託試験機関 中央実験室 地域本部向け 中央管理空調システム ( 月曜日 ~ 金曜日 8:30~17:30) 無料 Wi-Fi を含む施設サービス Letter of Intent の締結が必要 1 カ月分のレンタル料の預託が必要 会社概要と事業種類 取扱製品の届け出が必要 リース期間 36 カ月 178

239 2.1.2 日本のクラスター事例 (1) 日本のクラスターの概要日本には多様な産業クラスターがあるが そのうちバイオ ( ライフサイエンスを含む ) をテーマとするクラスターは下表の通りである 経済産業省のクラスター政策では バイオクラスターとして 2013 年現在 八つのクラスターを指定している 表 日本のバイオクラスター バイオクラスター名 経産省指定 ウエットラホ インキュヘ ー ション施設 日本北海道バイオ産業クラスター フォーラム 1 施設 十勝地域アグリ バイオクラスター - なし 函館マリンバイオクラスター - なし 山形県バイオクラスター形成推進会議 - なし しもつけバイオクラスター - なし 首都圏バイオネットワーク 12 施設 東海バイオものづくりプロジェクト 2 施設 ライフサイエンス都市横浜 - 3 施設 富士山麓ファルマバレー - なし 新潟バイオリサーチパーク - 1 施設 北陸ものづくり創生プロジェクト 1 施設 富山バイオバレー - なし 長浜バイオクラスター - 1 施設 関西バイオクラスタープロジェクト 2 施設 近畿バイオインダストリー振興会議 - なし 三重メディカルバレー - なし 京都バイオシティ - 7 施設 北大阪バイオクラスター - 3 施設 神戸医療産業都市構想 関西イノベーション国際戦略総合特区 (2013 年 ) 7 施設 広島バイオクラスター - なし 次世代中核産業形成プロジェクト 1 施設 四国テクノブリッジ計画 なし 九州地域バイオクラスター計画 2 施設 久留米高度先端医療開発クラスター - 1 施設 注 1: インキュベーションセンターのみでクラスターとみなせない場合も多数ある 注 2: バイオクラスターの運営主体とインキュベーションセンターの運営主体は通常異なる 資料 : 各種資料より JICA 調査団作成 これら八つのクラスターは広域で指定されているが 実際には都道府県レベルでクラスタ 179

240 ーが構成されている なお クラスターは人的な産学官連携を目的とした情報ネットワークで 運営主体も多様であり 必ずしもインキュベーション施設を伴ったものではない 日本のバイオクラスターを三つほど以下に紹介する 日本のバイオクラスターは ネットワークによる広域で大規模な オープンネットワーク型 のクラスターと 施設建設を中核とした小規模な 中核施設展開型 のクラスター そして 産学官のうち官が主導的な運営の推進母体となっている 地場研究シーズの掛け合わせ型 のケースを紹介する 1) 首都圏バイオネットワーク 22 ( 経産省指定 バイオインダストリー協会 ) 当初は首都圏バイオ ゲノムベンチャーネットワークとして 2002 年に設立され ネットワーク形成事業 連携促進事業などバイオベンチャー育成支援などの事業を積極的に展開した その後 ヒトゲノムの解読が完了した後 一般財団法人バイオインダストリー協会がネットワークを継続して運営している 首都圏バイオネットワークとして現在 450 余りの会員を有し それぞれの情報発信と相互の情報共有 連携にかかる環境の整備 バイオベンチャーへの適切な情報提供およびコーディネーターによる助言などの事業を展開している 医薬品開発において効率的に開発することが求められ 資源を外に広く求めるオープンイノベーション体制が必須となってきている この流れのなかで 国内各地のバイオクラスターやアカデミア バイオベンチャーのみならず 海外のクラスターや支援機関とのネットワーク強化にも注力している 23 2) ライフサイエンス都市横浜 ( 横浜市主導 ) 横浜市が鶴見区で展開する横浜サイエンスフロンティア地区の中に 横浜バイオ産業センターが設置されている 横浜サイエンスフロンティア地区には 理化学研究所や IDEC( インキュベーションセンター ) などもある 横浜バイオ産業センターには賃貸研究開発室として複数の企業が入居し その中の一部に横浜バイオ医薬品研究開発センター (YBIRD) を経済産業省の平成 21 年度産業技術研究開発整備費補助金を充当して整備した YBIRD により 医薬品の開発に必要な治験薬や非臨床試験用薬の調製におけるプロセス研究と実調製 バイオ医薬品製造技術の研究開発について初期検討の段階から様々な協働体制 ( 共同研究 受託研究 技術評価試験など ) で支援する また 技術研修 講義などによるバイオ人材育成も行う この運営主体は公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団であり 横浜 神奈川バイオビジネス ネットワークの運営も行っている 施設 設備は地方自治体が国の予算により費用の一部を充当して建設し 完成後は地方自治体の外

241 郭団体が施設運営や研究受託といった営利事業を行う例である 24 3) 京都バイオシティ構想 ( 京都市主導 ) ライフサイエンス分野において 先進企業群 多彩な研究成果を持つ大学など 京都地域に集積するライフサイエンス分野の先進性 優位性を生かし次世代を担う新たな産業形成の促進を図るため 産学公連携を行う 大学と企業を中心とした共同研究プロジェクトの推進や 食品 計測 ライフサイエンスなどをテーマにしたコンソーシアム化を目的としたシンポジウム 研究会の企画運営を行っている 具体的な研究開発プロジェクトとして 次の三つの分野を挙げる a) 医学と工学の融合分野 : 医学 工学の融合による高次生命現象の高高度医療に資する最先端技術の研究開発および事業化 b) 環境分野 : 生分解プラスチックをはじめとするバイオテクノロジーを活用した生物活用型循環産業システムの構築 c) 地域資源を活用した分野 : 蚕の工業的飼育システムを利用した有用物生産工場化とその工業的利用に関する研究開発 4) 関西バイオクラスター関西で医療クラスターを形成している神戸医療産業都市構想 ( 表 ) 北大阪バイオクラスター ( 表 ) についてみる 神戸医療産業都市は 阪神 淡路大震災から震災復興の主力事業として 1998 年頃から神戸市の官主導による取り組みが開始された 人工島のポートアイランドに高度医療技術の研究開発拠点 ( 病院 医薬品企業 医療機器企業など ) の集積を設け 医療産業の活性化 医療サービスの向上を目指すもので 病院 インキュベーション施設 研究施設などの誘致 集積拠点の連携強化を目指した 北大阪バイオクラスターは 北大阪におけるライフ進行を目的に千里サイエンス振興財団の設立からスタートした 従来からあった大阪大学 国立循環器病研究センター 民間企業研究所の産官学連携強化に加え 彩都ライフサイエンスパークにおける創薬基盤の誘致やインキュベーション施設の新設を行ってきた 神戸医療産業都市は多くの財団法人 独立法人の下 公的研究所が設立され 行政から設立費や運営費といった手厚い補助金が投入されてきた

242 表 神戸医療産業都市における中核施設 分野 名称 整備主体 開業 敶地面積 (m 2 ) 医療系施設発生 再生科学総合研究センター 理化学研究所 ,700 先端医療センター 神戸市 ,000 神戸バイオテクノロジー研究 人材育 神戸大学 ,000 成センター 神戸医療機器開発センター 中小企業基盤整備 ,250 機構 国際医療開発センター 神戸国際医療交流 ,300 財団 神戸国際ビジネスセンター 神戸都市整備公団 ,000 神戸ハイブリッドビジネスセンター 先端医療振興財団 ,000 大学系 兵庫県立大学 兵庫県立大学 神戸大学総合研究拠点 神戸大学 ,500 その他 高速コンピュータ 理化学研究所 ,000 資料 : 日本政策投資銀行報告書 表 北大阪バイオクラスターにおける中核施設 分野 名称 整備主体 開業 敶地面積 (m 2 ) 医療系施設 国立循環器病研究センター 国立循環器病研究センター 医薬基盤研究所 医薬基盤研究所 大阪バイオサイエンス研究所 大阪バイオサイエンス研究所 - - 大学系 大阪大学 大阪大学 インキュベー 彩都バイオインキュベーター 地域振興整備公団 ( 現中小企 ,900 ション施設 業基盤整備機構 ) 彩都バイオセンター 八州薬品株式会社 ,575 インキュベーション施設 彩都バイオイノベーションセンター 中小企業基盤整備機構 ,737 資料 : 日本政策投資銀行報告書 (2) 日本のインキュベーションセンターの例日本では IT 起業をはじめとするインキュベーションオフィスは数多く 経済産業省の支援するものだけでも 176 カ所が存在するが そのなかでも ウエットラボ と呼ばれるバイオ実験向けのインキュベーション施設はその数が限定されており 独立行政法人中小企業 182

243 基盤整備機構が設置する施設に多い 表 経済産業省支援インキュベーション施設数 実施主体 施設数 ( 独 ) 中小企業基盤整備機構設置 24 地方自治体設置 セク設置 ( 中小機構が出資 ) 33 合 計 176 注 : 上記施設数には バイオ実験が可能なウエットラボを含まない施設も含まれる 資料 : 経済産業省地域イノベーション研究会事務局 インキュベーション事業の概要 平成 20 年 3 月 表 バイオ実験用ウエットラボ施設事例 (45 事例抽出 ) 中小機構 設置者規模備考 3 セク自治体 貸室面積 (m 2 ) 北大ビジネススプリング 1,136 延床面積 (m 2 ) レンタブル比 東北大学連携ビジネスインキュベーター 1,621 2, 東大柏ベンチャープラザ 1,687 東葛テクノプラザ ( 東大柏に隣接 ) 11,881 東工大横浜ベンチャープラザ 1,829 クリエイションコアかずさ 882 1, かずさバイオインキュベーター 496 浜松イノベーションキューブ 2,139 3, ベンチャープラザ船橋 1,463 2, 千葉大亥鼻イノベーションプラザ 1,848 和光理研イノベーションプラザ 1,773 農工大 多摩小金井ベンチャーポート 1,059 名古屋医工連携インキュベーター 2,142 いしかわ大学連携インキュベーター 立命館大学 BKC インキュベーター 1,362 京大桂ベンチャープラザ ( 北館 单館 ) 3,693 クリエイションコア京都御車 1,480 同志社大学連携型企業家育成施設 1,503 京都産業科学技術総合イノヘ ーションセンター民間 5,760 注 2 宇治ベンチャー企業育成工場 ( バイオ棟 ) 1, 京都府けいはんなベンチャーセンター 1,102 共用ラホ 183

244 産業技術総合研究所関西産学連携研究棟産総研 1,720 5, 神戸医療機器開発センター (HI-DEC) 1,435 2, 神戸健康産業開発センター (MEDDEC) 1,387 3, 彩都バイオインキュベータ 3,700 4, 彩都バイオインキュベーションセンター 1,730 2, 彩都バイオヒルズセンター八重洲薬品 830 大阪大学産業科学研究所企業リサーチパ ーク 大阪大学 1,471 クリエイションコア東大阪 1,019 岡山大インキュベータ 1,086 くまもと大学連携インキュベータ 982 ながさき出島インキュベータ 971 先端医療センター ( 神戸都市振興サーヒ ス ) 病院併設施設 神戸バイオメディカル創造センター (6,391) 注 1 神戸国際ビジネスセンター (KIBC) (10,962) 注 1 神戸インキュベーションオフィス (KIBC) (4,125) 注 1 神戸ハイブリッドビジネスセンター ,620 (0.55) 注 1 19,930 (0.55) 注 1 7,500 (0.55) 注 1 鶴岡メタボロームクラスター 5,140 8, 注 2 長浜バイオインキュベーションセンター 1,124 1, 横浜市産学共同研究センター ( 研究棟 ) 1,225 2, リーテ ィンフ ヘ ンチャーフ ラサ (1 号館 ) 3,100 5, リーテ ィンフ ヘ ンチャーフ ラサ (2 号館 ) 1,665 3, 福岡バイオインキュベーションセンター 759 注 2 福岡バイオファクトリー 1,500 とっとりバイオフロンティア 合計面積 ( 注 2 を除く ) 合計面積 ( 注 2 を含む ) 63,306 (84,784) 注 1: 賃貸面積が不明のため 延床面積 ( カタログ記載 ) をレンタブル比 0.55 を想 定して逆算した想定貸室面積 注 2: 共用ラボを含む施設 分析機器等を備える共用実験室で予約制により利用 資料 : 各種資料より JICA 調査団作成 m 2 m 2 注 2 1) ウエットラボ表 はウエットラボを含む施設を掲載したが ウエットラボと研究室 オフィスが混在する施設がほとんどであるため ウエットラボの実数は同表の 7~8 割程度である 184

245 中企業基盤整備機構がウエットラボ供給の中心で その他民間や大学卖体の設立は尐ない 大学の構内や隣接地にあるインキュベーションセンターであっても中小企業基盤整備機構が設置者であることが多い 日本でのインキュベーションセンターの多くは土地を大学構内等で安価に賃借し 建物は国の補助を受けて建設するのが一般的である これによりインキュベーションマネージャーなどの運営費を捻出している インキュベーションセンターの設置は中小企業振興策の一環として行われており 賃料は近隣オフィスの賃料より割安で設定されている そのうえで地方自治体がテナントに対して賃料補助金を提供している場合が多く 起業間もない入居企業の成長を支援しており 税金をベンチャー企業に投入していることになるため 一定年数を経過すると退去することが条件とされる例が多い テナント負担で設置する実験設備が高額である場合 退去期限までの年数が尐ないと設備投資を十分に回収できないという問題も一方ではあるため バイオウエットラボの一部には最長 15 年更新とする事例 ( リーディングベンチャープラザ ) もある 2) レンタブル比建物内部のゾーニングを設定することで 実験研究室と廊下 階段 エレベーターなどの共用部分の大まかな配置が基準階で決定され さらに会議室 交流ラウンジ 相談室 事務室などが低層部に配置され 施設全体の計画が構築される その際 延床面積に対する貸室面積の割合 レンタブル比 が小さいと建設工事面積に対する賃貸面積が小さくなることになり 施設運営の事業性が悪化する方向となってしまう 一方 レンタブル比が大きいと共用部のゆとりがなくなり 施設の付加価値が低くなってしまうため バランスの良いレンタブル比での計画が求められる 延床面積賃貸ラボ ( 専用部 ) 面積 a 廊下エントランスホール面積 b トイレオフィスビルの給湯室機械室等標準的共用部 共用ラボ事務室会議室倉庫面積 c 貨物エレヘ ーター標準的オフィスのレンタブル比 =a/(a+b) 荷捌き室インキュベーションセンターのレンタブル比 =a/(a+b+c) 特殊機械室 資料 :JICA 調査団 インキュベーシ ョンセンター 特有の共用部 185

246 図 レンタブル比の設定 とくに レンタブル比はその値の設定により事業性に大きく影響するため 類似事例調査により十分に検討する 通常レンタブル比はオフィスビルでの賃貸経営効率の目安として用いられるもので 小規模オフィスで 80% 程度 大規模オフィスで 60 ~70% と言われている 浜松イノベーションキューブ 3 階でレンタブル比を試算すると 78.95% であり このケースでの共用部は廊下 エレベーター エレベーターホール 階段室 トイレ シャワー室 給湯室である このケースでは廊下の両側に実験室が配置され 階段は 1 カ所のみのため面積効率がよく インキュベーションセンターの基準階としては最高効率と言える なお 同じ配置であっても 実験室の面積区画を会議室や交流スペースに転用すると レンタブル比は 50~60% となる インキュベーションセンターの規模とレンタブル比の例は 表 に示した 一般にインキュベーションセンターの標準階は中廊下の両側に実験室が配置されるという非常に効率の高い配置が一般的であるが 1 階に事務室や会議室を配置した場合でもレンタブル比は 60~70% 程度である NARC では 基準階でレンタブル比を 60~70% となるような配置を想定する 3) ウエットラボ 1 室あたりの面積の設定日本のインキュベーションセンターの 1 室の標準的な面積を 中小企業基盤整備機構の運営する施設から数例をサンプリングすると 以下のような傾向が伺える 平均値は 45 m2程度から 99 m2まで幅が広く 一定の傾向はみられないが 最大タイプと最小タイプからは一定の傾向がみられる 最大タイプでは 63m 2 が最も多くみられる この面積は 鉄骨造建築の標準的なスパン (7 9m) として設定されたと考えられる 日本でのインキュベーションセンターは鉄骨 ALC 造が主流であるため ワンスパンが 9mと長い また 標準タイプ (1 スパン ) を 2 分の 1 に区割りしたものが最小タイプの貸室となっていることも見受けられる 表 ウエットラボ 1 室あたりの面積 (m 2 ) ウエットラボ平均値 ウエットラボ最大タイプ ウエットラボ最小タイプ 鶴岡メタボロームクラスター 横浜市産学共同研究センター リーテ ィンフ ヘ ンチャーフ ラサ (1 号館 ) リーテ ィンフ ヘ ンチャーフ ラサ (2 号館 ) 東大柏ベンチャープラザ

247 東工大横浜ベンチャープラザ かずさハ イオインキュヘ ーター 浜松イノベーションキューブ ベンチャープラザ船橋 神戸医療機器開発センター 神戸健康産業開発センター 資料 : 中小企業基盤整備機構 HP をもとに JICA 調査団作成 RC 造が主流であるインドネシアでは ワンスパンの長さが鉄骨造より短い傾向となる RC 造のスパンを 8m 6.5m( 壁芯の部屋寸法 ) を基準とすると 52 m2が一室の標準面積となる NARC では標準タイプの研究室を 52m 2 (8m 6.5m 1 スパン ) 最大タイプの研究室を 104 m 2 (8m 6.5m 2 スパン ) で想定する 4) 研究者 1 人当たりの貸室面積下図の通り 5 人程度の標準的な研究室 ( 実験室 ) の平面は 54m 2 (9m 6m スパン ) 程度で 研究者 1 人当たりの貸室面積は約 10.8 m2/ 人である なお 共用部の廊下や会議室などは貸室面積とはならない 資料 : ヤマト科学 ( 株 ) カタログ図 図 標準的研究室平面 (5 人程度 ) 187

248 2.1.3 欧米のクラスター事例 (1) 欧米の代表的クラスター 世界的に著名なバイオクラスターは表 の通りである 大学周辺で発達した例が多い 表 欧米の代表的バイオクラスター 国名クラスター地域内容バイオ関連企業数 米国ボストン医療機器 バイオ 250 社 ( 全米 18%) ノースカロライナ 医薬バイオ ベンチャー 140 社 バイオ研究関連サービス 65 社 英国ケンブリッジバイオ 150 社 ドイツ ミュンヘン周辺 医薬バイオ 100 社 ベンチャー 31 社 フィンランドオウルバイオメディカルハイテク企業 500 社以上 資料 : 三菱総合研究所資料 世界の代表的クラスター よりバイオクラスターを抜粋 表 欧州委員会による世界のバイオクラスタートップ 16 ランキング ランキンク 国名地域評価 1 英国 Cambridge 世界規模のクラスター 2 米国 Sandiego 3 フランス Genpole 成熟段階のクラスター 4 テ ンマーク スエーテ ンン Medicon Valley 5 ノルウエー Technopol 6 日本北海道ハ イオ産業クラスター フォーラム 7 カナダ Saint-Hyacinthe 8 ドイツ Munich 9 スウェーデン Biotech Umea 発達段階クラスター 10 フランス ト イツ スイス Biovalley 11 オーストリア UAFC 12 ベルギー Gent 13 フランス IAR 14 オランダ Food Valley 15 スペイン Biocat 初期段階のクラスター 16 Bioval 資料 : 経済産業省 北海道経済産業局 HP (2) 欧州委員会による世界のバイオクラスターランキング 欧州委員会による世界のバイオクラスターランキングは 表 に示した通りである その評価基準を知ることで 新興国のバイオクラスターの参考となる部分があると考えら 188

249 れる 以下に欧州員会の評価基準を示す なお この評価基準は経済効果の大きさのみでの基準ではなく 非医療のバイオ分野の多様性にも重点を置いている スイスにはバーゼルとバイオアルプスと呼ばれる二つのクラスターがあり とくにバーゼルは医薬品産業の国際的中心地であるが この欧州委員会のランキングには掲載されておらず また 日本のバイオクラスターでも知名度の高いクラスターが掲載されていないことからも 特色のあるバイオクラスターを対象として調査が行われているとみられる (3) 欧州委員会による世界のバイオクラスターランキング 1) 世界規模のクラスター 設立から 20~30 年経過しており 2~3 の重点分野がある クラスターが企業の重要なイノベーションを担っている 企業にとって困難な時でも資金を調達できる 数人の世界クラスの研究者( ノーベル賞 ) や技術がクラスターから誕生している 2) クラスターの発展段階 a) 成熟段階のクラスター 設立から 10~20 年経過しており クラスターの規模や成長 活動が注目されている クラスターの研究機関が国内で高い評価を受けている クラスターが重要産業をリードしている クラスターが強力なプラットフォームを持ち 参画機関にインセンティブを提供している b) 発展段階のクラスター 設立から 5~10 年経過しており 重点分野が認められ他分野と相乗効果がある 新会社の設立などクラスターの成長がみられる インキュベーターなどクラスターのインフラが蓄積されている クラスターが人材を引き付ける機能を果たしている c) 発足段階のクラスター 設立から新しく 重点分野を持っている 戦略の基本計画を策定し それに取り組んでいる クラスター組織が設立され いくつかの財源が集まり新規事業の支援のために活用できる 新たな雇用が創出され 地域外の人材にも情報が届いている 189

250 2.2 バイオ企業の投資動向 バイオ医薬品分野の投資および研究開発に関する世界的動向 バイオ医薬品産業の基盤拡大が続く米国は 依然として同分野の世界的リーダーである しかし その動向を詳しくみてみると これまで優勢であった米国も国際競争の拡大に直面しており 世界全体の事業規模と比較した同国の市場シェアは減尐傾向であることが分かる この国際競争の変化を考察する手法として ここでは バイオ医薬品開発に関連する経済活動とイノベーションの重要指標を評価する 経済活動では 医薬品の生産高および輸出高の二つの指標を検討する 以下の表は この二つの指標の実績値と過去 10 年間での変化を世界全体と本調査の対象である米国 欧州およびその他 18カ国についてまとめたものである 米国の医薬品に関する経済活動の規模は依然として大きく なお拡大傾向にあるが 世界全体の成長ペースには及ばない とくに注目すべき点として 欧米以外の国々は 市場規模はかなり小さいものの 世界全体の増加率を大きく上回る成長をみせている 医薬品の純生産高をみると 2000 年から2010 年の間に世界全体では109% 増加したのに対し 米国は高い数値ではあるものの 72% と遅れをとっている 最も増加率が高い国は中国で 719% 次にロシアが359% イスラエルが278% シンガポールが274% と続く 25 同様に 医薬品の輸出高においても米国は確固たる地位にあるが 国内市場の規模を考えると圧倒的とまではいえない 2000 年から2010 年の間に米国の輸出高は240% と大幅に伸びたが 世界全体の増加率である325% には遠く及ばない 同期間に輸出高が最も増加した国はイスラエルで1,410% 次にアイルランドが548% シンガポールが503% 中国が498% ブラジルが412% と続く 26 医薬品の純生産高と増加率に関して 米国とEUが類似した傾向にある点は興味深い いずれも純生産高は世界合計の4 分の1を若干上回る規模であるが 増加率は世界全体に及ばない しかし 輸出高から分かるように EUは域内貿易が含まれるとはいえ 米国に比較してはるかに世界市場との結び付きが強いと思われる また 主要先進国の中では例外として ドイツは 世界全体の増加率を上回るペースで純生産高 輸出高ともに伸びている さらに特筆すべき重要な点として とくに新興国において医薬品関連の経済活動の成長率が高いが これは 世界全体の医薬品需要の予測と同等のペースである データモニター社の報告によると 世界の医薬品市場の規模は2010 年には7,330 億ドルであったが 2015 年には33.8% 増加して9,810 億米ドルに拡大すると予想される この堅調な成長を牽引するのは 主に新興国である 2010 年から2015 年の間に医薬品需要は中国で109% ブラジルで67% 増加すると予想される これに対して 同期間の米国での需要の伸び率は31% の見込みで 25 米国国立科学財団 科学技術指標 2012 年版 を参照 26 世界貿易機関による 190

251 あり 世界全体の予想増加率をわずかに下回る 以上のことから 人口増加と所得水準の 向上が期待される多くの新興国で 医薬品需要に伴う大きな市場機会がもたらされるとい える 27 国名 表 バイオ医薬品関連の経済活動指標 ( 国別 ) 医薬品純生産額 2010 年実績 ( 百万米ドル ) 増加率 (%) ( ) 2010 年実績 ( 百万米ドル ) 医薬品輸出額 増加率 (%) ( ) 世界全体 345, , 米国 91, , EU( 注 ) 90, , オーストラリア 2, , ブラジル 11, , カナダ 4, , チリ 中国 63, , フランス 11, , ドイツ 19, , アイルランド 5, , イスラエル , ,409.9 イタリア 9, , 日本 30, , ロシア 1, サウジアラビア シンガポール 6, , 单アフリカ 1, 韓国 6, , スウェーデン 5, , イギリス 14, , 注 :EU には オーストリア ベルギー デンマーク フィンランド フランス ドイ ツ ギリシャ アイルランド イタリア ルクセンブルグ オランダ ポルトガ ル スペイン スウェーデン イギリスが含まれる EU および中国の輸出額には域内取引額を含む 資料 : 医薬品純生産額は米国国立科学財団 科学技術指標 2012 年版 輸出額は 世 界貿易機構による イノベーションに関しては 医学分野の研究発表 特許およびバイオ医薬品関連のベンチ 27 データモニター社 世界の医薬品市場 (2011 年 12 月 ) による 2011 年 12 月および 2012 年 1 月に別 途で国別報告書が発行されている 191

252 ャー投資額で評価した 世界全体の活動規模に対して 米国は現在も非常に大きな位置を占めている とくに 2010 年のベンチャー投資額において米国は世界全体の66% を占めており より確固たる資本基盤と起業家の育成インフラが確立されている点で非常に有利な立場にあるといえる また 2010 年の特許件数では 米国は世界全体の47% を占めており 同様に高いイノベーション力がうかがわれる 研究発表件数においてのみ 米国は他の国々の追い上げを受けているようである 他国は バイオ医薬品のイノベーションを推進するために必要な知識と発見の基礎を築いているところであるといえよう 経済活動と同様にイノベーションに関しても 2000 年以降 米国は研究発表件数 特許件数およびベンチャー投資額のすべてが増加しているが 世界全体の伸び率には及ばない つまり 活発な動きをみせているのは他の国々である 研究発表件数を詳しくみてみると 過去 10 年間で中国とブラジルは2 倍以上増加しており 両国の医療分野の学術研究は著しく拡大している 一方 特許に関しては 2010 年に韓国とイスラエルが1,000 件以上を取得し 10 年間で堅調な伸びをみせた さらに ベンチャー投資額に関しては ブラジルや中国などの新興国でベンチャー投資産業の基盤づくりが進んでおり 2000 年から2010 年の間に投資額が大幅に増加して バイオ医薬品ベンチャーの起業勢力図にその名が加わった 一方 EUや日本などの先進国では バイオ医薬品関連のベンチャー投資額は大幅に減尐した 表 バイオ医薬品関連のイノベーション活動指標 ( 国別 ) 医学研究発表件数 医学分野のWIPO バイオ医薬品関連ベンチ 特許件数 ャー投資額 ( 百万米ドル ) 国名 2010 年 増加率 (%) 2010 年 増加率 (%) 2010 年 増加率 (%) ( 件 ) ( ) ( 件 ) ( ) (US$) ( ) 世界全体 179, , , 米国 58, , ,229 5 EU* 61, , ,710 9 オーストラ 4, リア ブラジル 3, ,103 カナダ 7, チリ 中国 7, ,649 フランス 6, , ドイツ 11, , アイルラン ド イスラエル 1, ,

253 イタリア 7, 日本 10, , ロシア サウジアラ , ビア シンガポー ル 单アフリカ 4, 韓国 , スウェーデ 2, ン 英国 12, , 資料 : 医学研究発表件数は 米国国立科学財団の 科学技術指標 2012 年版 バイオ医薬品技術に対するベンチャー投資額は Thomson One WIPO 特許件数は 世界知的所有権機関 (WIPO) による バテルがR&D Magazine 社と共同で最近発行した 2014 年グローバルR&Dファンディング フォアキャスト によると ライフサイエンス分野における研究開発は 特許の期限切れや創薬分野においてイノベーションを起こす複雑性による研究活動の生産性の低さなどの問題に悩まされていると言われている 2012 年から2013 年にかけて, 世界におけるライフサイエンス分野の研究開発活動は減尐し 2014 年の成長率は3.1% にとどまるとバテルは予測している 米国では, 最近の医療制度の改革やその対費用効果の高さなどの面においてさらなる不確実性があるものの 米国は世界のライフサイエンス分野の研究開発においてリーダーであり続け 世界の研究活動の46% を占めるとみられる 米国の産業リサーチエグゼクティブの調査によると, 米国企業の他社との関係の成長性に関して 課題が指摘されている ライフサイエンス産業を代表する会社の約 60% 近くが海外で特定の活動を行う計画が無いと回答をしており 米国外で新たな研究開発施設を計画している企業は20% にとどまり また 今後 1 年間で既存の海外活動の拡大を予定している企業は7% に過ぎない 193

254 Industrial R&D Spending, Billions U.S. $ $250 $200 $184.2 $197.7 $195.3 $201.3 $150 $100 $84.5 $91.1 $90.6 $92.6 $50 $ Global U.S. 資料 :Battelle and R&D Magazine 2014 Global R&D Funding Forecast 図 年グローバル R&D ファンディング フォアキャスト 日系バイオ企業の投資動向 日系バイオ企業の海外展開については 米国 カナダ ヨーロッパ シンガポールといった先進国において 一流の研究者を集めて研究開発を行っている さらに 先進国での教育 経験を積んだ質の高い研究者のいるインドへの展開もみられる しかし 全般的な傾向としては そもそも海外進出は多大な資金力が必要なこと 現在日本の工場の稼働率が芳しくない企業はまず日本の工場での稼働率改善に注力することなどから 積極的に展開を進めているとはいえない 進出している企業の例としては 以下のようなものがある エーザイ株式会社は インドに医薬品の原薬 製剤の生産および原薬のプロセス研究機能を 投資総額約 50 億円を投入して設立している 協和発酵キリン株式会社は 米国とシンガポールに研究拠点 米国 英国 中国 韓国 香港に開発拠点を設けている 第一三共株式会社は ドイツで悪性腫瘍領域抗体の研究 米国で疾病治療に役立つ新低分子医薬品の発見および開発 インドで感染症 自己免疫疾患分野における低分子薬剤の創薬研究を行っている さらに 連結子会社であるインドのランバクシーで医薬品の原薬を生産している 武田薬品工業株式会社 ( 以下 武田薬品 ) は シンガポールと中国で研究開発を行っており また中国に製造拠点を複数持っている 194

255 田辺三菱製薬株式会社 ( 以下 田辺三菱製薬 ) は カナダ医薬品会社を子会社化し て ウイルス様粒子製造技術を用いた新規ワクチンの共同研究を行っている また 中国 韓国 台湾に生産拠点を展開している 一方 インドネシアにおいては 同国や周辺諸国のマーケットが大きいこと また イン ドネシアの労働者の賃金が安いことから労働集約型のビジネスは盛んである 武田薬品は ブカシの工場で製薬を行い インドネシア国内で販売を行っている 田辺三菱製薬は 連結子会社であるタナベ インドネシアを 1970 年にインドネシアに設立し 高血圧症治療薬をはじめとする医薬品をインドネシア国内ならびに周辺国へ供給している 三菱商事ライフサイエンス株式会社は インドネシアで核酸 カラギーナン ソルビートの生産工場を設立した インドネシアでの研究開発については 現地研究者の質のレベル 研究設備 インフラの質のレベル 情報セキュリティのレベル および研究費補助の有無などの点につき シンガポール タイなど周辺諸国に比べ比較優位性が低く 大学と共同の学術研究や小規模の研究開発はあるものの 本邦バイオ企業に限らず他の先進国のバイオ企業の進出度は低い 株式会社ブリヂストンは 天然ゴム樹園に隣接した研究設備で ゴムの木の疾病に対 する治療 予防薬の研究を行っている 2.3 クラスター開発を成功に導くベストプラクティスの概要 バイオサイエンスとその関連産業は 各国政府と経済開発担当者が最も積極的に推進する 経済クラスターである その理由は様々であるが 主に以下が挙げられる -バイオサイエンスは イノベーションと新たな技術進歩が数多く生まれる非常に活発な科学研究領域で 実用化と事業開発の大きな機会が得られる -バイオサイエンス製品 とくに医薬品とその他の機能性製品は世界市場で価値が高く 大きな需要がある 一般に ライフサイエンスクラスターの製品は 各地で輸出の中心的役割を担うことが期待される -バイオサイエンス企業の活動は 地域の自然生態系 農業 林業および漁業から作り出されるバイオ資源に多大な付加価値をもたらす - 傾向として 医薬品 農業バイオ製品開発 バイオケミカル精製などバイオサイエン 195

256 スを主体とする分野は 高賃金産業である すなわち 労働者に対して 家族を養うのに十分な給与を提供することができる産業である -バイオサイエンス市場は極めて大きく かつ拡大を続けている 世界人口の増加に加え 中所得層の消費者の増加は 医薬品 健康用品 食品 燃料 その他バイオ製品に対する確実な需要とその拡大の基盤となる バイオサイエンスは このような幅広くかつ奥行きの深い科学技術の成長分野であり 各地域が特化 開拓可能なすき間市場が広く存在する 広範な機会を求めて 世界各地で特色のあるバイオサイエンスクラスターが形成されており それぞれの経験から多くを学ぶことができる 市場機会が存在する分野として 食品 農業 工業バイオ製品 医薬品 生物学的製剤 環境製品 バイオセキュリティ製品など多くが挙げられる 多くの人口 ( 需要創出 ) 豊富な天然資源とバイオ資源( 柔軟性の高いバイオマス生産環境を実現 ) ならびに研究機関の拠点 ( 大学および国立研究所 ) を有するインドネシアは バイオクラスターの発展機会に恵まれた好立地であるといえる 本書では インドネシアに関連性のある以下の三つの主要分野における機会を調査 報告する - 農業および高付加価値食品 - バイオ燃料およびバイオ精製製品 - バイオ医薬品 天然製品および栄養機能食品 本セクションでは インドネシアに関連性のある上記の三つの領域において積極的に活動 を展開する世界的クラスターから得られる教訓をまとめる まず クラスターの一般的特 徴を概説した上で 表形式で個別に事例を挙げて詳細を述べる 農業 食品クラスター (1) 農業バイオクラスターの一般的特徴一般に 食品 農業クラスター ( 農業バイオクラスター ) は 次の三つの重点分野のうち一つまたは複数に特化している 1) 主要農業生産を向上 ( とくに穀物 畜産生産高 ) させるためのインプットおよび技術開発 2) 国内農業を向上させるための最適な農業慣行の構築と普及 3) 農業資源を活用した高付加価値食品 飼料 繊維および工業製品の開発 世界の革新的クラスターは これらの全般的な領域の範囲で 各地または各地域の農業特性に着目したシステムの強化に注力する傾向にある 世界の主要な農業バイオクラスターに共通する一つの重要な特徴として 食品および農業科学を研究テーマとする主要大学もしくは政府または非営利組織による研究機関が立地している 一般に 最先端の動植物バイオサイエンス研究を推進するために必要な次のよう 196

257 なインフラを完備した一つまたは複数の組織が関与する - 基礎研究から橋渡し研究まであらゆる領域の研究を推進するためのライフサイエンス研究設備 従来のウエットラボ用のリソースに加え 分子生物学 先端ゲノミクスおよびプロテオミクスのための高品質なリソースの必要性が高まっている - 植物および家畜の育成 開発のための特殊リソース 温度 湿度を調整可能な植物生育チャンバー 土壌 試料調製装置 安定した温室設備 家畜小屋 ( 大型動物 小型動物用 ) バイオセキュリティインフラ( 病原体や侵略的外来種を扱う場合 ) など - 付加価値製品の開発や高付加価値食品 飼料および工業バイオマス製品の量産試作のための設備 例えば 食品産業の量産試作設備であれば 基本的な製粉作業 食品原料の高度な加工 高付加価値食品の配合設計などを支援するもの 官能試験設備 その他の特殊インフラなど - 実地評価を行うための外部試験場または大学の農業施設 このような設備は 原種育成や収入創出農業育成のためにも活用可能である - 産学連携や官民における農業バイオイノベーションの実用化にふさわしい拠点の必要性が次第に高まっている これは 共同研究室や企業創業支援施設から大規模なリサーチパークまで 多岐にわたる (2) 農業バイオクラスターの事例調査 表 農業バイオクラスターの事例 サスカトゥーン ( カナダ ) メルボルン ( オーストラリア ) 概要 大学 ( サスカチュワン ラトローブ大学とビク 大学 ) とカナダ政府の トリア州政府第一次産 研究所で構成されるク 業省が 世界クラスの ラスター 家畜伝染病 農業バイオ共同施設で とワクチンのほか 採 ある AgriBio を開発し 油用種子類および穀物 た の研究に力を入れる 重点分野植物分子生物学で広く 植物 ( 一次作物および 知られる 半乾燥地域 飼料 ) および家畜の改 に注目し プレーリ 良 ーシステム と呼ばれ る手法を用いて 土 壌 水質保全 気候適 カナポリス ( 米国ノースカロライナ州 ) 企業と複数の大学が研究キャンパス ( 面積 350 エーカー ) を共同運営する とくに食品 農業分野に重点的に取り組む 栄養強化食品および高付加価値健康食品 197

258 サスカトゥーン メルボルン カナポリス ( 米国ノー ( カナダ ) ( オーストラリア ) スカロライナ州 ) 応 害虫防除 穀物 家畜の育成 穀物管理 に取り組む 企業との 複数の企業 とくにバ ダウ アグロサイエン 専用キャンパスに複数 関係 イエルクロップサイエ スをはじめとする分野 の食品 農業関連企業 ンスおよびダウ アグ の国内外の農業バイオ の研究所 ( ドール モ ロサイエンスと重要な 企業から資金提供を受 ンサント ゼネラル 関係を構築 け 大規模な研究開発 ミルズなど ) が立ち並 を展開 その他 バイ び キャンパス内で産 エルクロップサイエン 学連携が実現する可能 ス デュポン パイオ 性がある ニア ヘキシマなどの 企業や Dairy Futures などの生産者団体とも 関係を構築 政府の関 州政府が共同立地する ビクトリア州政府は 主に民間と慈善団体の 与 奨励 リサーチパークの開発 AgriBio コンプレック 資金で運営される と 策 を担当 ス開発事業の主要投資 くに ドール フード 家である カンパニーのデビッ ド H マードック会長 研究開発を支援するグ は多額の資金を拠出 ローバル企業に対し 州立大学が分校や研究 て 知的財産権に関す 所を設立 州政府の財 る条件を緩和 国際知 政支援により運営され 的財産権を付与 るノースカロライナ バイオテクノロジーセ ンターが 州政府によ る各種奨励策や人材開 発プログラムの活用を 支援 促進 実用化イ 共同立地する 面積 78 植物 家畜の改良研究 企業と学術研究機関の ンフラお エーカーのリサーチパ のための最先端ゲノミ 連携を強化する目的で よび共用 ーク イノベーショ クスおよび関連分野リ 設計され 共同研究お 設備 ン プレース を州政 ソース 同一敶地内に よび研究協力を推進す 198

259 サスカトゥーン ( カナダ ) 府が個別企業として認可 運営する 柔軟な賃貸条件でウエットラボ完備のテナントビル 温室スペース 育成チャンバーを提供 産学連携を促進 177 のテナント クライアントと 23 棟の建屋を擁し 3,700 名を雇用する ( うち 75% はサスカチュワンの現地企業 ) 非常に成功した事例である 労働人材大学キャンパス内に立地するため 学部生 大学院生への接触が可能 資料 :JICA 調査団 メルボルン ( オーストラリア ) 温室設備とバイオセキュリティ設備もある AgriBio 建屋および周辺のリサーチパークに企業が入居するための専用スペースを確保 ラトローブ大学バンドゥーラキャンパスに共同立地するため 学部生 大学院生に直接接触が可能 さらにビクトリア州の他の大学とも関係を構築 カナポリス ( 米国ノースカロライナ州 ) るための次のような設備がある 会議 セミナー ワークショップなどの開催会場 先端装置 機器を備えた共用設備 ウエットラボおよび A クラスオフィス ( 賃貸またはカスタム設計 ) 敶地内にコミュニティカレッジのサテライト施設が立地 複数の大学の研究所で大学院生が活発に研究活動に従事 現地のノースカロライナ バイオテクノロジーセンターが 州政府が個別企業に合わせて設計する職業訓練プログラムの利用を推進 ここで注意しておかなければならないのは 農業バイオクラスターは大学の周辺だけではなく 独立した研究機関 ( 米国ミズーリ州ダンフォース植物科学研究センター オクラホマ州ノーベル財団など ) の開発を通しても形成される点である ミズーリ州セントルイスのドナルド ダンフォース植物科学研究センターにある BioResearch and Development Growth Park では 入居企業は 温室 育成チャンバー 先端顕微鏡設備などセンターの主 199

260 要設備を割引価格で利用可能である 総敶地面積 45 万平方フィートに三つの建屋を建設する計画である ( 現在 11 万平方フィートの建屋 1 棟を運営 ) 他にも 米国内の複数の大学が 産学共同研究や応用製品開発に重点を置き 主要な食品の開発やパイロットプラント設備の運営を行っている いくつか例を挙げると オハイオ州立大学 アイオワ州立大学 Center for Crops Utilization Research カンザス州立大学 ミネソタ大学などがこのような活動に携わっている バイオ精製およびバイオ燃料クラスター (1) バイオ精製およびバイオ燃料クラスターの一般的特徴まだ発展の余地があるクラスターである バイオ精製およびバイオ燃料に卓越し 世界的に台頭する特色あるクラスターは比較的尐ない とは言うものの この新興産業で一般にトップクラスとみなされる拠点はいくつかある ほぼすべてのケースで バイオ精製クラスターは 現地のバイオマス資源を高付加価値な工業燃料製品に変換することに重点を置く このように 国内または地域 ( 各地 ) のバイオ資源に付加価値を加えようとする点から 前述の農業 食品クラスターと構造 重点分野がよく似ているといえる バイオ精製 バイオ燃料クラスターとして 次の地域が挙げられる - 米国の中西部プレーリーに位置する州 ( アイオワ州 ミネソタ州 サウスダコタ州 ネブラスカ州など ) は 発酵によりデンプン ( 主にトウモロコシ ) をエタノールに変換することに力を入れている また リグノセルロース系原料 ( 穀物残渣 エネルギー用穀物など ) をバイオ燃料に変換するための次世代バイオ燃料プロセスの開発にも積極的に取り組む -サトウキビの生産が多い国および地域( 最も顕著な国はブラジル ) は 発酵 ( バイオテクノロジー ) を利用してサトウキビをエタノールなどのバイオ燃料製品に変換する取り組みを重点的に進めている -バイオディーゼル 川下の精製油製品および油脂製品の開発を目的として 油料作物を多く生産する地域がある ( 米国 カナダ 欧州など ) また 数は尐ないが 現地のバイオマス資源を燃料やバイオ製品に変換するために 次世代のバイオ燃料 バイオ精製製造技術により注力する地域もある これらは これまでのバイオ技術の研究開発で得たノウハウを活かし 新たにバイオ燃料分野での応用を試みたり バイオ燃料に軸足を移しつつある企業の中心拠点であったりする点で興味深い 例えば 大手酵素メーカーである Novozymes 社と Genencor 社が本拠地をおくデンマークは リグノセルロース系バイオマスの酵素処理では世界の最先端である 同様に サンディエゴ ( バイオメディカルの世界的中心地 ) は 産学連携による研究開発によりバイオ燃料に関 200

261 する豊富なノウハウが蓄積されている 一般に バイオ燃料 バイオ精製クラスターは 次のようにある特定のバイオマスを製品 に変換してサプライチェーンに供給することに重点をおく傾向にある - 収量 植物化学物質 油分含有量 川下での加工性 現地での生育適応条件 耐性など目的とする特性を持った機能強化型植物 ( または藻類 ) バイオマスの開発 改良 これには 植物生物学 分子生物学 植物育種およびゲノム学に関する専門知識が必要である また 前述の農業 食品クラスターと同様に 実験室試験から実地試験まで対応したインフラが必要である -バイオマスの収穫 緻密化および運搬に関する手法および技術の開発( 輸送上の理由でバイオマスのかさ密度を低減させるための初期処理工程 熱分解によるバイオマス製造 採油用種子の粉砕 リグノセルロース系バイオマスの造粒など ) 開発には 農業工学 化学工学だけではなく バイオテクノロジーに関する専門知識の必要性も高まっている -バイオマスを付加価値の高い燃料 化学物質および原料に変換するための川下のバイオプロセスおよび化学工学プロセスの開発 ( 通常 熱化学的変換 生物化学的変換 ( 発酵 ) または触媒反応の三つのプラットフォームのいずれかを利用する ) 開発には 化学工学 プロセス工学および産業工学 バイオ精製作業に関する専門知識を持つ機関 企業の参画が必要である さらに 川下の顧客が製品候補の試験を行うことができる十分な規模で 研究所で開発した化学物質および製品を処理可能なパイロットプラントとスケールアップ設備が必要である (2) バイオ精製 バイオ燃料クラスターの事例調査 概要 重点分野 表 バイオ精製 バイオ燃料クラスターの事例 米国アイオワ州 ブラジル 米国コロラド州 州政府 民間企業お バイオエタノールの製 国立研究所 大学およ よび州立大学が連 造を行う国家産業クラ び企業で構成される 携して バイオエネ スター コロラド州でバイオ ルギーおよびバイ 燃料およびバイオ精 オ製品の世界クラ 製クラスターの形成 スの開発 製造拠点 を目指す の確立に取り組む 当初は 第一世代バ サトウキビを利用した 植物 藻類バイオマス イオ燃料の製造設 エタノール製造 を活用した次世代バ 備に関する重要基 サトウキビバイオマス イオ燃料技術 201

262 企業との関係政府の関与 奨励策 米国アイオワ州 ブラジル 米国コロラド州 盤の構築に注力 ( トウモロコシによるエタノール 大豆によるバイオディーゼル生産 ) 補完的な研究テーマとして 次世代バイオ燃料 統合バイオ精製所 高付加価値バイオ化学製品の開発に取り組む を最大限活用するための最先端バイオテクノロジーおよび化学工業技術 生産効率の最大化に重点を置く アイオワ州の製造 大学の指揮ではなく 複数の企業が参画 正 部門は 企業または 政府 民間主導で経験 式には コロラド再生 農業協同組合が所 が蓄積された 政府の 可能エネルギー共同 有 運営 刺激策 ( 下記参照 ) に 研究所 (CREC) を通じ 促された需要の徴候に て参画する 州内に エタノール 企業が反応し 中心と 主な参加企業 : シェブ の処理を行うため なって資金を拠出して ロン Cool Planet の 35 カ所の乾式粉 いる Energy Systems Gevo 砕工場と 7 カ所の湿 半官半民の多国籍企業 Rentech シェルグロ 式粉砕工場がある であるペトロブラス社 ーバルソリューショ ほか バイオディー が参画し 計画の実行 ンズ Sundrop Fuels ゼル精製所と統合 能力が大幅に高まっ バイオ精製所が稼 た 動予定である 州政府が 産学連携 バイオ燃料の国内需要 連邦政府機関である マッチング促進の を喚起するために 国 国立再生可能エネル ための助成プログ がバイオ燃料の高い混 ギー研究所 (NREL) が ラムなど積極的な 合率を義務付ける (20 拠点を置く NREL は 支援計画を実施 ~25%) 大規模な特殊インフ ラやパイロットプラ 州政府が 複数の奨 政府公用車で早期に導 ントに加え 新設の統 励策や企業支援プ 入が進み すべてエタ 合バイオ精製研究所 ログラムを実施 主 ノール自動車となっ を擁し 熱化学ユーザ に 融資と返済免除 た 国内でのフレック 施設を運営する 202

263 実用化イン フラおよび 共用設備 米国アイオワ州 ブラジル 米国コロラド州 条件付融資で 企業による雇用創出 設備投資 一定の賃金水準の達成 雇用の質 州および地域社会に対する経済的便益などにもとづき判定する エタノール バイオ燃料生産に対する税額控除制度もある 代替燃料インフラの設置支援策として 州政府のバイオ燃料インフラ助成金を利用可能 代替燃料車の実証試験に対する助成金もある ス燃料車の製造を促進 三つの州立大学 ( コロラド大学 コロラド州立大学 コロラド スクール オブ マインズ ) が研究活動を実施 CERC は これら 3 大学 NREL および企業で構成される 州政府がクリーン技術シーズ助成金 クリーン技術発掘 評価助成プログラム バイオ燃料研究助成金を提供 バイオ燃料や代替燃料の利用を促進するための法規を制定 州政府機関は 再生可能エネルギー車またはフレックス燃料車の購入が義務付けられる バイオ製品開発の 政府による大規模なイ NREL のユーザ設備 ( 主 ための BEACON スケ ンフラ投資を必要とす 要なパイロットプラ ールアップ設備 ることなく 民間企業 ント設備など ) 利用 Center for Crops の研究所で重要なイノ 契約により大学設備 Utilization ベーションが生まれて の利用が可能 Research のパイロ いる ットプラント アイ 大学リサーチパーク オワ州立大学植物 民間 政府および大学 および企業創業支援 科学研究センター の研究開発機関が支援 施設 およびキャンパス を実施 周辺に共同研究ス ペースを確保 203

264 労働人材 米国アイオワ州 ブラジル 米国コロラド州 リサーチパークに企業創業支援施設を設置 大学キャンパス内 ブラジル政府による 複数の大学が参画 に立地するため 学 と エタノール産業の 部生 大学院生に接 発展により 国内で 触が可能 100 万人の新規雇用が 創出された アイオワ州コミュ ニティカレッジ制 国内労働力の供給を上 度により バイオ精 回るペースでエタノー 製人材商習慣教育 ル産業が成長 現在 プログラムを開発 20 万人以上の移民労 働者が従事 資料 :JICA 調査団 種蒔き 収穫の機械化に伴い 川下の加工業務に従事する収穫作業者を確保するためのプログラムが立ち上げられた 北米で顕著な最新動向として バイオ燃料やバイオ精製の研究開発 実用化試験および量産移行のニーズに応えるために 化学工業研究施設など既存資産の位置付けを再定義する傾向がある たとえば カナダのオンタリオ州 米国のウェストバージニア州やミシガン州でこのような動きがみられる -オンタリオ州: サーニア市とラムトン郡がダウ ケミカル社の旧研究施設を譲り受けて改修し Bioindustry Innovation Center を創設した センターは ウェスタンオンタリオ大学サーニア ラムトンキャンパス内にあり 同大学が委託管理を行っている 研究室とパイロットプラントがあり 企業が入居して研究や実用試験プロジェクトを行うことができる 地域の大規模な化学工業クラスターが 研究者や新興企業と既存企業の橋渡し スケールアップインフラの利用を支援する -ウェストバージニア州: サウスチャールストンにあるユニオン カーバイド社の旧研 204

265 究キャンパスの所有権を州政府が譲り受けた 事務所 研究室のほか 多様な化学 燃料開発プロジェクトに対応可能な複数のパイロットプラント スケールアップ設備で構成される広大な研究開発複合施設である キャンパスでは 化学薬品の研究開発を行う非営利企業がユニオン カーバイドやダウの元技師 技術者を雇用し パイロットプラントを活用して 顧客からの委託プロジェクトを実施する 地域のコミュニティカレッジとマーシャル大学も教育訓練プログラムを提供し 個別対応的な職業訓練を実施する -ミシガン州: ファイザーがミシガン州立大学に対して 13 万 8 千平方フィートの広さの建物を寄贈した 大学は 建物内に事務所 実験室および多様な化学物質の開発に対応可能なパイロットプラントを完備した Bioeconomy Institute を設立した パイロットプラントには 容量 40 リットルから 4,000 リットルまで約 30 基の反応器と遠心分離機 乾燥機 凝縮器 濾過器などの共用リソースがある また 建物内には 企業創業支援のための専用スペースがある 研究所は 特殊化学製品 バイオマテリアルおよびバイオ燃料の三つの研究テーマを扱う バイオ医薬品クラスター (1) バイオ医薬品クラスターの一般的特徴インドネシアに関する調査では バイオ医薬品と栄養機能食品の領域の発展に着目する ( 医療機器や医療技術とは対照的である ) したがって 後述する事例では 研究活動で成功をおさめ バイオ医薬品の研究開発 製造のための多額の投資を呼び込む拠点を取り上げる 一般に バイオ医薬品分野で成功をおさめる拠点には次の共通点がある -バイオ医薬品の研究開発や関連イノベーションに携わる拠点は 将来的に 1 社または複数のバイオ医薬品企業およびスピンアウトした関連企業の研究拠点 または バイオ医薬研究での実績がある主要学術機関 ( とくに 敶地内に大学を併設する学術医療センター ) の本拠地となる可能性がある 大学が主導するクラスターの場合 特定の区分の医薬品 ( 生物製剤 低分子医薬品 ワクチン 診断薬など ) や特定の用途 病状に対応した製品 ( がん治療薬 動物用ワクチン 感染症治療 向精神薬など ) に重点を置く場合が多い - 大学での研究成果の実用化にとくに力を入れ 新製品開発や企業の新規創設に対するリスクファイナンスを提供する 研究開発 実用化およびリスクキャピタルの促進のため 税制上の優遇措置が設けられることが多い - 研究所と企業の製造場が GLP と GMP に関する特別な訓練を受けた熟練労働者を確保できるように 高度なシステムを構築している - 臨床試験サービス 薬事規制業務 知的財産権保護および法務業務に携わる専門サー 205

266 ビス事業者が存在する - 革新的なバイオ医薬品企業の知的財産権を保護するための安定した ( リスクを軽減する ) 経営環境がある - 通常 民間の不動産市場では流通しないウエットラボ専用スペースを利用する必要性があることを考えると 一般に 大学および研究機関と提携した関連リサーチパークが開発される このほか バイオ医薬品クラスターほど革新性はないが ジェネリック医薬品 ワクチンおよび新たに浮上しつつあるバイオ後続品の製造に重点を置く国際的クラスターもある また 主要な治療用化合物ではないがバイオ医薬品に含有される賦形剤の製造に重点を置くクラスターもある (2) バイオ医薬品クラスターの事例調査 概要 重点分 野 表 バイオ医薬品クラスターの事例 シンガポール ヨルダン 米国インディアナ州 シンガポールの成長産業 医薬品開発 委託研究 バイオサイエンス産 であるバイオ医薬品に政 病院および大学に関す 業クラスターの開発 府主導で取り組む る官民の取り組みによ 戦略を州全体で推進 り バイオメディカル クラスターが台頭 シンガポールは 包括的戦 ヨルダン政府が 世界 2002 年 州政府は 略にもとづき バイオ医薬 経済への統合を目指す バイオサイエンス分 品企業の研究開発部門の 経済改革 ( 世界に対応 野における可能性を 誘致と起業支援を目指し した知的財産権規格の 発揮するために 州全 ている 企業と連携して重 強化など ) を採用した 体を対象としたライ 点的な研究開発投資を行 ことに後押しされて フサイエンスクラス い 大規模な人材開発戦略 バイオメディカルクラ ター開発戦略を打ち を施行して 実用化のため スターが発展した 出した 当社が 次の の支援を行う 事項に着目した包括 この取り組みの一環と 的 統合的行動指針を して 病院の国際認証 定めた戦略計画を策 取得も推進する 定した より強固な官民 パートナーシッ 206

267 企業と の関係 シンガポール ヨルダン 米国インディアナ州プの構築 重要研究分野への集中投資 新規企業の支援 ベンチャーキャピタルの活用を確保 専門施設の不足に対処 熟練したライフサイエンス人材の育成 インディアナ州の国内での評価を確立 30 社以上のバイオ医薬品 長年にわたり ジェネ イーライリリーおよ 企業 ( 多くは 広く知られ リック医薬品製造業界 びロシュが拠点を置 た多国籍企業 ) がシンガポ は国内産業であった き さらに 整形外科 ールに研究開発拠点を置 が 数十社の企業がよ 向け医療機器で米国 く り高い知的財産権規格 最大の産業クラスタ に対応することがで ー ( ジンマー DePuy その結果 国内のバイオ医 き 現在では輸出産業 and Biomet などの企 薬品産業は目覚しい成長 となった 業が参画 ) が存在する を遂げ 2000~2010 年の ことから バイオ医薬 間で生産高は 274% 増加 過去 10 年間で ジェネ 品の産業基盤が形成 した リック医薬品の生物学 された 的同等性試験を行う開 発業務受託機関 (CRO) 戦略を実施して以来 の基盤が確立され 増 インディアナ州は国 加する新薬候補の臨床 全体を大きく上回る 試験を支援する ペースで堅調に雇用 が増加している 国際認証を取得した民 間医療機関 主要な大 2004 年以降 220 社の 学病院および Royal ライフサイエンス企 207

268 政府の関与 奨励策実用化インフラおよび共用設備 シンガポール ヨルダン 米国インディアナ州 Medical Services の主導により 医療観光が拡大を続ける 業が新たに創設された 2010 年 バイオ医薬品の ヨルダン大学に選り抜 新たに税額控除制度 年間研究開発費は 10 億シ きの研究センターを設 を導入 研究開発費 ンガポールドル (12.5 億 立 ベンチャーキャピタ 米ドル ) を超え GDP の ル投資および特許収 2.5% を研究開発費に充て 2008 年に Development 入の税額控除と売上 る目標を達成した さらに Areas of Law を制定 税免除が認められた 2015 年までに 3.5% の達 バイオ医薬品産業に海 成を目指す 外からの投資を呼び込 ライフサイエンス分 むために 教育 ハイ 野の研究能力向上に さまざまなイノベーショ テクゾーンを併設した 注力 同分野の研究機 ン 研究開発活動を対象と 区域整備や大幅な優遇 関および大学に対し した税制上の優遇措置を 措置など 積極的な手 て 慈善団体が 6 億米 広範に活用 法を取ることとした ドル超の助成金を提 供 大学とは別に 一連の研究 2000 年の WTO 加盟を機 2004 年以降 ライフ 機関と産業コンソーシア に 中東地域で初めて サイエンス分野 ( とく ムを創設 企業主導で応用 知的所有権の貿易関連 にシーズ段階 ) に 研究に力を入れる の側面に関する協定 2.77 億米ドルの巨額 (TRIPS 協定 ) を実施 のベンチャー投資が 研究機関と世界各国の企 行われた 業が立地するバイオポリ 起業支援や起業家のサ ス リサーチパークは 象 ポートなど事業の創 インディアナ大学医 徴的な場である 出 成長を支援する初 学部とクラリアン ヘ 期インフラを 主にヨ ルスケアシステムを 次の施策により 実用化に ルダン政府と海外投資 集約するインディア 向けた包括的な取り組み 家の連携により整備中 ナ大学病院を設立し を順調に実施 である たことによって 橋渡 1) 研究機関を対象とし EU の支援を受け 大学 し研究能力が向上し た 技術移転 実用化を支 での技術移転の強化に た 援する専門機関の設立 2) 取り組む 共通の知的 技術の妥当性確認を目的 財産方針の策定と 技 とした初期の概念実証 お 術移転管理担当者の教 208

269 シンガポール ヨルダン 米国インディアナ州 よびその後の試作開発の 育訓練を行う ための資金を提供 3) 新規企業の相談受付 労働人材 あらゆるレベルの人材を確保するとともに 国内の人材を育成するための取り組みを続けている 海外大学の奨学金制度 研究者奨学金制度を大いに活用し 国内に活動拠点を置く研究者の育成に取り組む ここ 10 年でバイオメディカル 臨床医学分野の大卒者が大幅に増加したことにより 人材の供給ルートが強化された コミュニティカレッジや大学での専門教育と教育訓練を主導するために 整形外科 新薬開発 スポーツ医学 医療情報技術 オーダーメイド医療など個別の分野に特化した組織を創設 シンガポールの人材育成計画の中心テーマの一つは 医師研究者 (physician -scientist) の育成である 最も有名な例が 2005 年に米デューク大学と締結した旗艦パートナーシップである 資料 :JICA 調査団 2.4 バタムポリテクニーク バタムポリテクニークの概要 バタムポリテクニーク (Batam Polytechnic Politeknik Negeri Batam:Polibatam) は 貿易およびリアウ州のバタム島 ビンタン島 カリムン島の自由貿易港に関連した職業教育に特化した州立のカレッジである インドネシアの経済成長を牽引するジャワ島の諸地域からは離れているものの 同様の経済成長の期待できる地域に立地している バタム島における産業の急速な発展に伴い 専門職や高技能職の労働者に対する需要が高まっており バタム開発庁は バタム島における産業人材ニーズに即した専門人材育成のための高等教育機関の設立を決定した 2000 年 3 月 バタムポリテクニークはバタム開発庁によって設立された教育財団 ITB バタム市政府 リアウ大学により民間高等教育機関として設立された その後 10 年以上に 209

270 わたる発展と実績の積み上げを経て 2010 年 10 月 18 日に 国家教育省令 2010 年第 26 号に基づき インドネシア政府はポリバタムを公式にバタムポリテクニークという州立カレッジに認定した 同校の教育用製造施設は 産業における実際の課題をもとに学習を行うもので 学生の技能 自信 実際の作業慣行を高めることが期待されている 専攻分野は ビジネスマネジメント 電気エンジニアリング 機械エンジニアリング インフォマティック技術の 4 分野となっている それぞれの分野では 学生の専門性を高めるための実験室を持っている バタムテクノパーク 現在 バタムポリテクニークと企業グループとの間で バタム島の産業発展に必要な応用技術の利用を促すためのバタムテクノパークの開発が検討されている これを受けて BP バタム ( バタムフリーゾーン監督庁 ) は RISTEK EKUIN などの中央政府機関およびリアウ州政府と協力し ITB とバタムポリテクニークが中心となり バタムテクノパークという名の施設と技術イノベーションセンターの建設を計画している また バタムポリテクニークのエンジニアリングと財務に関する課題を支援することも視野に入れており バタムで開発された技術の応用面に関して 教育目的の生産活動施設を提供することにより 学生 教員 中小企業に対して利益をもたらすことが期待されている 本計画は 中央政府レベル 地方レベルの双方で議論が進められている BP バタムは テクノパークの形成に関しての情報を収集するために ユネスコの科学技術パーク部門とも議論を重ねている バタムテクノパークは 学術分野 民間企業 政府の協力によるシナジーを通じてイノベーションをもたらすためのけん引役として さらに 人的資源の能力を高め 新技術をベースにしたビジネスの発展に資することが期待されている また テクノパークは バタム島のアニメーション産業や電子産業発展に資するための研究を 数多く行うことも期待されている さらに バタム島における小企業の発展を促すことも期待されている 2013 年 9 月 13 日には RISTEK がバタムポリテクニークにおいて バタムテクノパークの立ち上げを発表した 近い将来 リアウ州政府 バタム市政府 BP バタムの 3 者が 施設の建設に関する MoU を締結する見通しである 技術開発の促進に対して 関連する省庁 政府 機関の強いコミットメントが期待されている その他資料 210

271 第 3 章法的枠組み 3.1 法的背景 本事業の根拠法令 JICA 調査団は NARC 事業の根拠法令について調査を行った 多くの研究開発 (R&D) 事業は 純粋な民間事業として成り立たない場合が多いため 政府の支援は R&D 事業を推進するうえで不可欠である 本事業の主な目的は 官民の研究機関および企業が協同して R&D を実施するための適切な施設を提供することにより R&D 事業を推進することにある そのため R&D 施設の開発 建設に対して補助金等の政府支援を可能とする法令を根拠法とすることが重要となる 政府支援を得ることを前提として JICA 調査団は 第 8 章において 二つの事業スキームを提案している 一つは補助金を付きの PPP 方式で もう一つが 公共および民間双方の投資を前提としたハイブリッド方式である これらの二つの事業スキームの根拠法令は 以下の通りである (1) 補助金付 PPP 方式 : 大統領令 2005 年第 67 号 ( 大統領令 2010 年第 13 号および 2011 年第 54 号で改正 以下 PPP 大統領令 という ) (2) ハイブリッド方式 : 大統領令 2010 年第 54 号 ( 物品およびサービスに係る政府調達 )( 以下 PR54/2010 という) および政令 2006 年第 6 号 ( 中央および地方政府の資産管理 ) ( 以下 GR6/2006 という) 補助金付 PPP 方式とハイブリッド方式の問題点については 3.2 および 3.3 において検討している また NARC 施設が利用者にとってより魅力的なものとなり 周辺諸国と比較して競争力を高めるため R&D 事業自体に対するインセンティブの付与も重要となる これについては 第 4 章において検討する NRAC 事業の実施機関としての BPPT および国立大学の権利能力 (1) BPPT の契約締結者としての権利能力 BPPT は研究技術省 (RISTEK) を調整機関とする非省政府機関である ( 大統領令 2001 年 103 号 ) 大統領令 2001 年 103 号 60 条によれば BPPT は以下の権限を有する 1) セクターに関するマクロレベルの国家計画を策定する 211

272 2) セクターに関するマクロレベルの発展を支援する政策を策定する 3) セクターにおける情報システムを規定する 4) その他以下に関する権限 a) 技術評価および応用にかかる政策の作成および執行 b) 応用技術に関する提言を行い 技術に関する監査を行う BPPT の主な任務は大統領令 2001 年 103 号に規定されているところ BPPT の任務として R&D 施設の運営については明記されていない しかし BPPT は技術評価および応用全般について権能を有しているため 同令の規定は R&D 施設の運営についても暗に含んでいるものと考えられる ( 付属資料 3-2 リーガルレビューを参照のこと ) (2) 国立大学の契約当事者としての権能 1) 国立大学の法的地位の変遷 1989 年以降 国立大学を含むインドネシアの国立高等教育機関の 法的地位の変遷 は以下の通りであった a) PTUPT (Technical Implementation Unit) b) PTBHMN (The State-Owned legal Entity) c) PTBHP (Education Legal Entity) d) PTBLU (Public Service Entity) or PTBH (Legal Entity) ( 評価の結果により付与 ) 1999 年に運営費の高騰のなかでその本来的機能を維持するため 国立高等教育機関の法的地位は PTUPT から PTBHMN に変更された ( 政令 1999 年 61 号 ) PTBHMN は 独立した法的主体として国立高等教育機関の本来的機能を支援することを目的として営利活動を行うことが許された 2003 年に 国立高等教育機関の自治は PTBHMN から PTBHP への変更によりさらに強化された ( 法 2003 年 9 号および後に法 2009 年 9 号 ) PTBHP は 国立高等教育機関自らが収入および支出を独立して管理する権能を与えられた この地位については 賛否両論があったが PTBHP という地位が国立高等教育機関の自由化および資本主義化をもたらし 教育費の高騰につながると主張する者たちにより憲法裁判所に違憲の訴えがなされた 憲法裁判所によるレビューの結果 違憲の主張が認められることとなった すなわち PTBHP を規定する法律は 憲法裁判所の決定によりその効力を失うこととなった (2010 年 3 月 31 日 No /PUU-VII/2009) この裁判所の決定に 212

273 より 政令 2010 年 17 号 ( 政令 2010 年 66 号により改定 ) が公布され 国立高等教育機関はより自治権が制限された PTBLU へ変更された もっとも 2012 年 8 月 10 日には 国立高等教育機関に自治権を与える法律 ( 法 2012 年 12 号 ) が再び施行され PTBLU から一定の期間を経て PTBH へ変更されることとなった ( 付属資料 3-3 の変遷した国立高等教育機関の地位の比較を参照 ) 2) 国立大学の現在の法的地位法 2012 年 12 号の公布の後 2012 年 8 月 28 日に BLU の財務管理に係る政令 2005 年 23 号を改定する政令 2012 年 74 号が公布されている 29 政令 2012 年 74 号は IPB および ITB における財務管理については BLU としてのすべての権能を有する完全な BLU として財務管理規定が適用されるとしている また 同令 37 条 B にて IPB および ITB のすべての資産は 教育文化省に移譲され 詳細については財務省令にて規定するとされている 大学自治は BLU に対する評価に基づき教育文化省により既存の高等教育機関の中から選択的に付与されるか 新たに高等教育機関として PTBH として設立されることにより適用される 法 2012 年 12 号は 大学はトリダルマという教育の基本原理の下 自治が与えられるとしている 基本原理は以下のとおりである a) 責任 b) 透明性 c) 非営利 d) 質の確証 e) 効果および効率性 法 2012 年 12 号は 非営利原則の意味について次のように述べている すなわち 営利事業から得たすべての純利益は教育の能力と質の向上のために再投資しなければならないということである IPB および ITB の大学としての主な任務について 法 2012 年 12 号は以下を含むと規定している a) 人々が尊厳に満ちた人生を送れるように国の文明化のための能力開発 b) トリダルマの適用を通じた 革新 責任 創造 高質 競争 協調に形容され る教育の発展 29 国立大学の現在の法的地位に係る記述は HJ 法律事務所によるリーガルレビューを引用および要約して いる ( 詳細は付属資料 3-2 を参照のこと ) 213

274 c) 人間的価値を尊重しそれを適用する科学技術の発展 法 2012 年 12 号は IPB および ITB に対して R&D 施設の運用にかかる権能を明示的に付与していない 現在 教育文化省により同法の施行令の準備が進められているが 同施行令には 国立大学の権能が記載される可能性がある JICA 調査団は IPB および ITB に PTBH が付与された場合には 現在 IPB が運用している商業施設が許容されている現実と比較し R&D 施設の運用についてもその権能に含まれる可能性が高いと考える 3) PPP 大統領令との整合性政府契約機関 (GCA) とは PPP 契約において民間事業者と契約を締結する主体をいう また GCA は 事業用地や VGF の提供といった政府支援についても責任を有する NARC 事業においては 大学および BPPT の双方が GCA となることが期待されている しかしながら 現在の大統領令は 大学を PPP 事業の GCA として明記していない (PPP 大統領令 2 条 (1),(2)) 仮に国立大学が GCA となれない場合には BPPT が本事業における唯一の GCA となる この場合 PPP 契約に基づくすべての権利義務関係は BPPT と SPC との間で規定されることとなる この PPP 契約とは別に BPPT と国立大学は NARC 事業にかかる権利義務関係を協力契約書 (Cooperation Agreement) にて規定しなければならない ( 国立大学が GCA になれない場合の代替スキームに対するリーガルコメントについて 付属資料 3-2 を参照のこと ) JICA 調査団は 最もシンプルで確実なストラクチャーは BPPT と国立大学がともに GCA となるケースと考える JICA 調査団は PPP 大統領令が国立大学を PPP 事業における GCA に含めることについて 国立大学が提案書を関係機関に提出することを推奨する 事業用地にかかる法律問題 (1) BPPT の NARC 事業用地 BPPT の NARC 事業用地は国有である BPPT へのヒアリングによると 現在当該土地の利用権は RISTEK が保有しており この利用権が NARC 事業の実施に際して BPPT に移譲される予定とのことである RISTEC は 土地の民間事業者への付与について 財務省からの事前の承認を必要とする (2) IPB の NARC 事業用地 IPB の NARC 事業用地は国有であるが IPB はその利用権を与えられている で述べた 214

275 ように IPB は法 2012 年 12 号により PTBH という法的地位とともに自治権を付与されると 考えられる 同法の 65 条第 3 項によれば PTBH は以下の権能を有するとされている 1) 土地を除く 国有財産からの分離した資産に係る権限 2) 統治権限と独立した決定権限 3) 説明責任機能と透明性を確保するための機能 4) 独立した 透明性および説明責任を確保した基金の管理権 5) 独立した学長の選任および人事権 6) 営利事業および基本財産寄金の設立権限 7) 教育プログラムの開設 実施 および閉鎖の権限 上記 1) に示すように 法は PTBH に対して土地の所有を認めていない そのため PTBH が 所有していない土地の使用権を付与することにつき 財務省の承認が必要となる (3) ブカシ県所有地の ITB の NARC 事業用地としての活用 ITB へのインタビューによれば NARC 事業の予定地として提案されている土地はブカシ県の所有となっている もっとも ブカシ県と ITB は ブカシ県における ITB のキャンパスおよび教育の発展 研究訓練 地域社会の責任にかかるブカシ県と ITB 間の協定 ( 以下 ブカシ ITB 協定 という ) を締結し ITB は同協定に基づいて ブカシ県の土地を利用する権利が付与されることになっている ( ブカシ ITB 協定の一部抜粋について 付属資料 3-4 を参照のこと ) 30 ブカシ ITB 協定の 13 条によれば ブカシ県における教育の発展 研究と地域サービスの発展を目的として 土地と施設の運用を ITB に譲渡するとされている しかしながら 本土地を第三者に転貸することの可否については明記されていない 投資家が当該土地を利用するに当たっては JICA 調査団はブカシ ITB 協定の一部を 事業者選定手続きの開始前に改訂する必要があると考える また ブカシ ITB 協定は ブカシ県が ITB に貸与する土地上の建物の所有権はブカシ県に移転すると規定している ( ブカシ ITB 規定 12 条 ) そのため 民間事業者が NARC 施設を建設した場合に その施設の所有権はブカシ県に移転されることとなる 本 NARC 事業は 金融機関からの融資についてはプロジェクトファイナンスを想定しているため NARC 施設に対して抵当権が設定されることが想定される しかし NARC 施設がブカシ県により所有される場合には 抵当権の設定が困難となり 民間事業者による資金調達に支障をきたす可能性がある そのため JICA 調査団は ITB とブカシ県が 事業期間中において NARC 施設の所有権を民間事業者のままとすることにつき協定を締結する必要があると考える 30 現在 ブカシ ITB 協定は 改定中と聞いているが その詳細について JICA 調査団は現時点で把握し ていない 215

276 3.1.4 その他法的課題 (1) 海外投資規制特定の海外投資は インドネシア国において禁止ないし制限されている 禁止ないし制限されるセクターのリストは 大統領令 2010 年 36 号に記載されており ネガティブリスト と呼ばれている JICA 調査団は 9 月 16 日に投資調整庁 (BKPM) を訪問し その後 NARC のネガティブリストへの該当性について 9 月 24 日に確認依頼書を送付した その結果 最終判断では無いが NARC 事業は工業団地に分類され 一定の規模を保つ場合には海外投資に関する規制は受けないことが分かった すなわち NARC 事業においては 海外投資家による 100% 出資も可能ということになる 仮に NARC 事業が SEZ 法の下に実施される場合には 中小企業の保護に関する分野を除いて ネガティブリストの適用はない ( 法 2009 年 39 号 39 条 ) (2) 海外からの借入規制インドネシア国において登録されている民間企業が海外からの借入を行う場合には 民間 31 企業はインドネシア中央銀行への初期登録および月々の報告が義務付けられている (12/24/PBI/ /19/Dint 13/1/Dint) (3) 海外送金 民間企業の海外送金において 規制は課せられていない しかし 1 万米ドル以上を送金す る場合には インドネシア中央銀行への報告が必要となっている (4) 外資企業による土地利用規制 土地については 以下に示す 3 種類の基本的な権利がある 1) 所有権 (Hak Milik) 2) 建設権 (Hak Guna Bangunan: HGB) 3) 使用権 (Hak Pakai) 外資企業がインドネシア国において土地を所有することは禁じられており 建設を伴う事 業を行う場合には通常 HGB の権利を取得することとなる (5) 特別目的会社 (SPC) の設立 PPP 契約は 公共側と SPC との間でなされる場合が多い この場合は 通常 株式会社 (PT) 31 インドネシア中央銀行は インドネシアにおいて貨幣を発行する中央銀行である 216

277 の形態をとることが想定される PT とは 株主の債務に制限がある会社形態である 株主は 会社の債権者に対しては直接の責任を負わない ( 会社法 3 条 (1)) 本 NARC 事業は プロジェクトファイナンスを想定しているため SPC として PT の形態が最も適していると考えられる PT の形態には 2 種類ある 一つは公開会社で もう一つが非公開会社である 非公開会社の場合には 最低株主数は 2 名となっており ( 会社法 7 条 (1)) 最低払込資本は 500 万ルピアとなっている 株主は 国内および国外の企業がなることができる (6) 配当および法定準備金配当政策は 株主総会により決定される 配当は株式保有数に応じて決定されるが 優先株を発行している場合には 普通株に優先して配当がなされる なお 配当前に 未処分利益が払込資本金の 20% に至るまで法定準備金として配当を留保しなければならない ( 会社法 70 条 (1)3) これは 累積黒字となっている限り強行規定となっている ( 会社法 70 条 (2)) 現在の法制度における問題点 本事業のような学術的研究を基礎とする R&D 事業は インドネシアにおいては初めての取組みであるため 前述のような実施機関の組織体制や土地利用といった多くの法的課題を解決しなければならない さらに R&D 事業は 新しい技術や製品を生み出すというものであり 短期的にみると R&D 事業への投資者に対して直接的な利益を与えるものではない そのため 国家の経済的価値と国際競争力を高めるための R&D 投資は 一般的に政府の強力な財政的および非財政的支援を要する 以下では 政府の財政的および非財政的支援を可能とする補助金的 PPP スキーム ハイブリッドスキーム およびその他代替的なスキームにおける法的課題を検討する 3.2 補助金付 PPP スキームの法的課題 PPP 大統領令の適用可能性 PPP 大統領令は インドネシア国における PPP 事業にかかる基本法令であり 対象となるインフラの分野 実施機関 そして VGF(Viability Gap Fund) といった政府支援などについて規定している NARC 事業は より多くのテナントの利用を促すため施設の利用料を低く抑える必要があることから 政府による VGF などの財政支援が不可欠である VGF は PPP 大統領令に基づく PPP 事業に対して適用される制度である しかし R&D 事業にかかるインフラは PPP 大統領令の適用対象として明記されていない (PPP 217

278 大統領令 4 条 1 項 ) Hermawan Juriarto 法律事務所 ( 以下 HJ 法律事務所 という ) のリーガルレビューによると PPP 大統領令に挙げている対象インフラのリストは リストに載っていないインフラを排除する趣旨ではないとしている もっとも 同レビューによれば 財務省は PPP 大統領令のリストに明記されていないインフラ事業に対しては VGF を付与しないであろうとのコメントが付されている ( 詳細は付属資料 3-1 の HJ 事務所によるリーガルレビューを参照のこと ) BPPT および JICA 調査団は 国家開発企画庁 (BAPPENAS) の PPP 開発部の担当者と NARC 事業の PPP 大統領令の適用可能性について 2013 年 7 月 26 日に協議を行った その協議の場で BPPT および JICA 調査団は BPPT が PPP 大統領令の対象インフラとして R&D 施設を含むように改定を求める提案書を 国家インフラ開発促進委員会 (KKPPI) に提出することを推奨された BPPT は JICA 調査団の支援の下 KKPPI に対する改定提案書を作成し 2013 年 9 月初めに KKPPI に提出した 改定提案書の提出に先立ち BPPT および JICA 調査団は KKPPI と事前協議を行ったところ NARC 事業のリスク分析報告書を改定提案書提出後に 別途提出することが求められた また その事前協議に場において 現在関係機関が PPP 大統領令の改定に向けた情報収集を行っているところであり 実際の改定は 2014 年になる見込みであることが伝えられた PPP 調達の手続き上の課題 (1) PPP 法令によって要求されているプレ F/S の内容 PPP 調達手続きは BAPPENAS の省令 2012 年 3 号の インフラにおける PPP の適用にかかる運用ガイドラインマニュアル ( 以下 PPP ガイドライン という ) およびその付属資料 ( 以下 PPP ガイドライン付属資料 という ) に規定されている PPP ガイドラインの 4 条によると PPP のプロジェクトサイクルは 以下の段階からなるとしている 1) PPP 事業の計画 2) PPP 事業の準備 3) PPP 事業の調達 4) PPP 契約の管理の実施 PPP ガイドライン付属資料の F において プレ F/S は 前述の 2)PPP 事業の準備において実 施されるときていされているが その段階で準備する資料として以下を挙げている 1) プレ F/S( アウトラインビジネスケース ) の事前評価書 218

279 2) プロジェクトの熟度にかかる報告書 プレ F/S の事前評価書は 尐なくとも以下の検討を含むとしている 1) エクゼクティブサマリー 2) 導入 - 事業の背景 - 目的 / 目標 3) 法制度調査 - 法令調査 - 組織制度調査 - 結論 4) 技術的検討 - 技術的検討 - 用地取得の可能性 - 基本設計 -PPP 事業の範囲 - 性能規定書 - 結論 5) 事業の導入可能性 - 社会的費用便益分析 - 市場調査 - 財務分析 -リスク分析 - 料金構造分析 - 結論 6) 環境社会調査 - 環境調査 - 社会調査 - 土地収用および移住計画 - 結論 7) 官民協調の方法 ( インフラ整備にかかるスキームの選定 ) 8) 政府支援および / または政府保証の必要性 - 政府支援の評価 - 政府保証の評価 - 結論 219

280 9) 結論および提言 10) 付属資料 (2) 民間提案方式の可能性 入札を経ない直接契約を伴う民間発案方式は PPP 大統領令では認められていない しかし PPP 大統領令は 以下の場合において入札を伴う民間発案方式を認めている 1) セクターに係るマスタープランに含まれていないこと 2) セクターに係るマスタープランに技術の側面からは含まれている事 3) 財務上 経済上 実行可能であること 4) 財政上の政府支援を必要としないこと (PPP 大統領令 10 条 ) 民間発案が政府により認められた場合には 事業は以下の方法により補償される 1) 加点評価 2) 調達手続きにおいて最も良い条件を提示した民間企業に対して対抗提案を提示できる 3) 知的財産を含む官民連携事業の初期検討費用の大臣 議長ないし地方自治体の首長または落札者による補填 2013 年 7 月 26 日に行った BAPPENAS でのヒアリングによると NARC 事業は民間発案事業とならないと指摘された その理由は NRAC 事業は MPA のマスタープランに載っており これはセクターにおけるマスタープランと考えられるため PPP 大統領令の民間発案事業としての要件を満たさないとのことである そのため NARC 事業は PPP 大統領令に記載されている民間発案者に対する補償を受けることはできない 3.3 ハイブリッド方式の法的課題 PR54/201 および GR6/2006 の適用可能性 ハイブリッド方式により事業を実施するためには 大きく 2 種類の契約を締結する必要がある 一つがインキュベーションセンターおよびインテグレーテッドサポートセンターの EPC 契約であり もう一つがリサーチセンターの BOT 契約である ( インキュベーションセンターおよびサポートセンターの設計を含む ) EPC 契約の根拠法は 前述のように PR54/2010 であり 大きな法的課題は見当たらない 220

281 一方で BOT 契約の法的根拠は 前述のように GR6/2006 となっている GR6/2007 は 以下 の条件の下 国有または地方政府の財産を BOT スキームにおいて利用することを認めてい る ( 同令 27 条 ) - 施設が公共サービスを提供するものであること - 国や地方政府からの資金供給がないこと リサーチセンターに対する BOT 契約については 公的サービスの提供であり 公的資金を 必要としないことから 以上の条件について満たすと考えられる また その他大きな法 的課題は見当たらない ハイブリッド方式による場合の法的課題 (1) インキュベーションセンターおよびサポートセンター建設の予算化補助金付 PPP スキームについては PR67/2005 が国立大学を政府契約機関 (GCA) として明示していないので BPPT は唯一の政府契約機関となる しかしながら ハイブリッドスキームにおいては BPPT のみならず IPB および ITB も政府契約機関となることができる もしこの 3 者が政府契約機関となる場合には インキュベーションセンター (BPPT についてはサポートセンターついても ) それぞれが個別に予算請求することとなる 一方で BPPT が唯一の政府契約機関となる場合には BPPT のみが施設の建設費にかかる予算請求をすることとなる この場合 BPPT が請求した国家予算 (APBN) を用いた資産は BPPT の名義により登録された国有財産となる (2) 大学の学術目的以外の施設に対する予算請求の可否 IPB および ITB は 高等教育に関して APBN を要求することができる (GR 65/2013 第 51 条 1 項および GR 66/2013 第 91 条 1 項 ) しかし 教育目的以外の資金については 明確な条項が存在しない ( もっとも 一般的に IPB および ITB は商業目的の投資活動を行うことが許容されている ) そのため IPB および ITB は 当該プログラムが APBN の協議において認められれば APBN の支援を得ることができると想定される IPB および ITB による投資に APBN の予算が用いられる場合には 物品およびサービスの調達は PR54/2010( 改正後 ) に基づき行われる必要がある (3) 共同調達の可否大統領令 2010 年 54 号 ( 物品およびサービスにかかる政府調達 )( 大統領令 2012 年 70 号により改正 )( 以下 PR54/2010 をいう) によると 省 庁 (BPPT を含む ) 地方政府 政府機関 (IPB および ITB を含む ) は 共同調達契約に基づき共同調達ができるとされている 221

282 ( 同令 50 条および 53 条 ) PR54/2010 第 53 条第 2 項によると 共同調達契約は 複数の省や庁 地方政府 政府機関による異なった資金源により 物品およびサービスを調達する場合に適用される また 同令同条第 4 項によると 共同調達における各機関の予算化の責任は共同調達契約にて規定されるとしている (4) 政府契約機関と民間事業者の私法上の契約の可能性リサーチセンターについては 政府の補助金の付与が無いため BPPT および大学が民間事業の契約として扱えないかが問題となる 仮に土地が国有もしくは地方政府の所有である場合には BPPT IPB および ITB は 建設および運営維持管理のいずれについても民間事業として契約することはできない 庁として BPPT は 国有財産の最適化のため GR6/2006 に従わなければならない GR6/2006 は 政府および民間で締結する BOT 契約について最低限の規定を置いている ( 同令 29 条 5 項 ) また GR6/2006 は 民間パートナーに対して 事業期間中において固定された最低限の支払いを行う必要があるとしている この支払額については 国有財産の場合には財務省が 地方政府の財産の場合には 州知事 市長などが 定められた方法により計算する 大学の場合は PTBH として国有財産とは区分された資産を保有している この区分された国有財産は大学の財産となり 大学の名の下で登録されている もっとも この区分された資産には土地は含まれず 土地については国の名義のままである しかし これらの資産を利用した場合の収入については 大学のものとすることができる ( 法律 2012 年 12 号 65 条 3 項 ) 大学がその資産について独立の決定権を持ち 独立して管理する権限を有するのは 大学の名義となっている資産に限られると考えられる 以上から 大学はその契約が国有財産や地方政府の財産に及ばない限り 民間事業としての契約を第三者と締結することができると考えられる 一方で 資産が国有財産である限り 国有財産および地方政府の財産の利用に関する GR6/2006 に基づく必要がある 3.4 代替的根拠法 国と民間事業者によるジョイントベンチャー 国は 事業実施のため民間事業者とジョイントベンチャーを設立することができる 32 国によるジョイントベンチャーへの資本参加は 現金注入または土地その他の現物出資のいずれによることもできる その見返りとして 国は国営企業省を通じてプロジェクト会社の株式を所有する また 国の事業への参画は 議会の議決を得ることと 政令を公布することが条件となる 32 代替的根拠法の記述は HJ 法律事務所策定のリーガルレビューの記載を引用している ( リーガルレビュ ーについては付属資料 3-1 を参照のこと ) 222

283 ジョイントベンチャー方式の適用に関して JICA 調査団は 議会による議決が条件となっ ていることから 適用のハードルが高いと考えている SEZ 法に基づくフレームワーク (1) SEZ 法の適用 SEZ は 2009 年の法令 No.39(SEZ 法 :UU 39/2009) 2011 年の政府令 No.2(SEZ 施行令 :PP 2/2012) その改正となる 2012 年の政府令 No.100(PP100/2012) で定められている 国内の特定の場所で定められた経済活動を実施し それに必要な施設を有する必要がある UU 39/2009( 第 3 条 ) および PP 2/2011 によると 技術研究 技術デザイン ソフトウェア 情報技術などを含めた技術開発も SEZ として適用される UU 39/2009( 第 13 条 ) では用地取得および建設を含め 以下の SEZ 開発の出資形態が認められている 1) 国営または地方政府直営 2) 民間企業 ( 株式会社 国営企業 市 県営企業 協同組合 共同企業体を含む ) 3) 国 地方政府 民間による連携 4) その他 法に準じて適切な財源. 上記の通り 民間企業は SEZ 事業への参画が可能であり 本スキームでは公共入札を行わず 認可された申請者がそのまま SEZ 開発者として任命される事になる しかし 民間事業が SEZ として認可された場合 用地取得およびすべての出資は任命された民間企業が SEZ 開発者としてすべて調達する事になる SEZ 開発用地は 以下の条件に沿う必要がある 1) 空間計画と提案用途が合致し かつ保護地域では無いこと 2) 所在地の地方自治体から SEZ 開発の賛同 支援が得られること 3) 国内の国際貿易拠点または国際物流拠点に隣接しているか 資源 ( 開発 ) 優先地であること 4) 明確な敶地境界線を持っていること SEZ は大統領が認可し 認可された各 SEZ には個別の大統領令が発行される (2) SEZ 申請手続き SEZ 事業実施者自らが地方自治体の許可を得て 申請手続きを行う必要がある NARC プロ ジェクトとして取るべき手続きを 以下の通りまとめた 223

284 1) 事業実施機関の設立個別に各 NARC プロジェクトの事業実施機関の設立が必要であり PUSPIPTEK のサイトでは BPPT Leuwikopo のサイトでは IPB そして Deltamas のサイトでは ITB の参画が必須と思われる UU 39/2009 に準じて 以下の事業実施機関の形態が考えられる a) 民間企業 ( 株式会社 国営企業 市 県営企業 協同組合 共同企業体を含む ) b) 国 地方政府 民間による連携 BPPT IPB および ITB が参画する場合は 株式会社または共同企業体の設立が望ま しいと思われる 2) 地方自治体の協力 支援を含めた SEZ 開発に対する賛同の獲得 地方自治体政府の賛同を証明するものとして 以下の書類の提出が求められている a) 土地利用許可 b) 事業承認および推薦状 c) 該当する場合 地方政府からの優遇措置に関する合意書など 3) 国家 SEZ 委員会 (SEZNC) への申請書提出 SEZ として認可を得やすくするために 事業実施者は事前に SEZNC に面談するのが望ましい 面談時の打合せ内容としては a) 申請事業の SEZ としての認可取得の可能性と要する期間 b) 申請書作成における助言 c) 許可申請の促進に有効な関連中央省庁からの支援内容の確認などがある 224

285 第 4 章インセンティブ政策 4.1 研究および工業化に関するインセンティブ政策の概要 R&D に関する現行の法令 民間企業が実施する R&D に関する政府によるインセンティブ付与については 政令 2007 年 35 号に記載されている インセンティブ付与の方法は R&D に対する税金 関税および / または技術支援という形態が規定されている また 法 2008 年 36 号も R&D にかかる税制優遇について規定している さらに 技術支援によるインセンティブ付与ついては RISTEK 省令 2012 年 1 号に規定されている 同法令は 民間企業への技術支援として R&D にかかる専門家の派遣や R&D 施設の利用について規定している また 民間企業に対するインセンティブの他に R&D 技術支援を行う R&D 機関に対して 政府または地方自治体から財政支援を付与することができるとしている ( 同省令 17 条 18 条 ) 表 インドネシアにおける R&D に対するインセンティブ付与に係る法令 法令番号 適用範囲 インセンティブの概要 法律 2002 年 18 号 R&D および科学技術への適用に 税制優遇 リスク軽減 報償 関する国家制度 承認または R&D 活動の資金調 政令 2007 年 35 号 民間事業の収入の一部をエンジニアリング イノベーション 技術の普及への配分について 達に係るインセンティブ税制優遇 関税そして / または R&D に対する技術支援 法律 2008 年 36 号 所得税 R&D 活動に要するコストの所得税控除 政令 2010 年 93 号 災害 R&D 教育施設 スポーツ振興に係る寄付 社会インフラの開発にかかるコストにかかる税金控除 R&D 施設に対する寄付金に対する税制控除 政令 2011 年 52 号 特定分野および / または特定地域における投資に対する税制優遇 研究技術省令 2012 年 1 号 R&D に係る民間企業への技術支援 資料 :JICA 調査団 特定の事業に対する国内企業に対して 投資額の 30% を 6 年間にわたって控除 加速度償却など 専門家の配置および R&D 施設の実験施設の利用 SEZ SEZ 法は 民間事業者に対して複数の優遇策を与えている SEZ 内で事業を行う事業者は 225

286 法人所得税にかかる優遇を得ることができる また その他の税金については SEZ の特徴に応じて付与される ( 法 2009 年 39 号 30 条 ) この税制優遇措置は 一定期間において土地建物税の減免についても対象としている ( 法 2009 年 39 号 31 条 ) SEZ への輸入に関しては 以下の方法により減税措置がとられている (1) 輸入税の保留 (2) 一定の原材料にかかる税金免除 (3) VAT や嗜好品に対する売上税の減免 (4) 輸入税の減免 さらに SEZ 内で事業を行う納税者は 地方税についても減免される可能性がある ( 法 2009 年 39 号 35 条 ) しかし 優遇措置を得るには SEZ 事業実施機関が個別に優遇措置を与える権限を持つ政府機関 ( 税制に関しては財務省 諸手続きに関しては地方自治体など ) と直接協議 交渉を行い 取得する必要がある また 上記措置に対する具体的な数値が定められていないため 以下の近隣諸国での具体例を交渉時に活用することも考えられる 国名 現状の法人所得税率 表 アジア近隣諸国の税制優遇措置 法人所得税 中国 25% 投資家向け :SEZ に誘致するハイテク産業に対しては最初の 2 年間は免税 その後 3 年間は 12.5%(50% 減税 ) インフラ 環境保全および電力に関しては 3+3 年間免税 また一定の条件によって複合事業者に対しては 5+5 年間免税となる また地域によるが ハイテク企業は税率 15% 適用 R&D は 50% が免税される 韓国 22% 投資家向け : Restriction of Special Taxation Act に順じた特定セクターに対する 5 年間の免税 + 2 年間の 50% 減税 Free Economic Zone (FEZ) に対する 5 年間の免税 + 2 年間の 50% 減税 デベロッパー向け :5 年間の免税 +2 年間の 50% 減税 輸入税および諸手続き料金 SEZ Economic and Technological Development Zone (ETDZ) および High Technological Development Zone (HTDZ) に対する 輸出製品の製造に必要な資機材などの輸入税の免除 投資家およびデベロッパー向け :3 年間の資機材輸入税免除 その他 一定の条件で増値税などが免除される 投資家およびデベロッパー向け : 状況に応じた地方関連税 ( 物品税など ) の減税 土地収用 諸手続き面での優遇 複数の要望に応じた無償援助 226

287 国名 現状の法人所得税率 法人所得税 インド 40% 投資家向け :SEZ 入居者に対する 5 年間の免税 +5 年間の 50% 減税 付加価値税およびサービス税の免除 デベロッパー向け : 利益に対する 10 年間の免税 付加価値税およびサービス税の免除 利息に対する免税 タイ 30% 投資家向け : バンコク首都圏での 3 年間免税 同周辺地域における 7 年間の免税 その他地域での 8 年間免税 デベロッパー向け : ソフトウェア開発 ハイテク産業または農産加工に対し バンコク首都圏での 3 年間免税 同周辺地域における 7 年間の免税 その他地域ではその他分野も含めて 8 年間免税 マレーシア 27% 投資家向け :Pioneer Status として認められた場合 70% の収入に対する 5 年間の免税 Multimedia Super Corridor Status の場合は 10 年間の免税 East Coast Economic Region SEZ (ECER-SEZ) の場合は 8~10 年間の免税 デベロッパー向け :ECER 内での SEZ および工業団地のインフラ開発者に対する 5~10 年間の免税 ベトナム 25% 投資家向け :Promotion Area では 2 年間免税 Special Promotion Area と Sector に対しては 4 年間の免税 その後 双方に対して 4~9 年間の 50% 減税 デベロッパー向け : 投資家と同等 輸入税および諸手続き料金 投資家およびデベロッパー向け :SEZ の運営 補修に必要な資機材に対する国内外の課税免除 投資家およびデベロッパー向け :BOI の指定に伴う輸入資機材の免税あるいは減税 投資家およびデベロッパー向け :ECER-SEZ では製造されていない輸入資機材の免税 その他 投資家およびデベロッパー向け :SEZ の状況に応じたサービス税および物品税の免除 またいくつかの県での付加価値税免除 投資家およびデベロッパー向け : 輸入品に対する付加価値税の 免税 同条件での運送費およびユーティリティ費分の削減 投資家およびデベロッパー向け : 輸入品に対する売上税の免税 同条件での運送費およびユーティリティ費分の削減 If no income tax holiday, alternatively Investment Tax Allowance (ITA) shall be offered; (a)pioneer Status, 企業に対して投資額の 60% またはの 5 年間の収入税 70 % 減税 または (b) Multimedia Super Corridor Status および ECER-SEZ 入居企業に対して投資額の 100% またはの 5 年間の収入税 100% 減税 投資家およびデベロ状況に応じて付加価ッパー向け :SEZ の運値税免税 営 補修に必要な資機材に対する国内外の課税免除 227

288 国名 フィリピン 現状の法人所得税率 法人所得税 30% 投資家向け :BOI による非 Pioneer 事業に対する 4 年間の免税 Pioneer 事業に対する 6 年間の免税 PEZA による 3~6 年間の免税 (Pioneer/ 非 Pioneer 事業別 ) デベロッパー向け :5% の特別所得税率およびすべての国 地方税の免税提供 輸入税および諸手続き料金 輸出主導企業に対し 運営 補修に必要な資機材に対する国内外の税制免除 その他 原材料 供給品 半製造品に対する税制クレジット 労務費 インフラなどに関する所得税に対する追加軽減 資料 : JETRO 資料 各国投資促進機関ホームページ インド商工省商務庁資料をもとに JICA 調査団作成 国名 ワンストップウィンドウ / 各種手続きの簡略化 表 アジア近隣諸国の非税制優遇措置外国人にユーティリ土地代金 従業員対するビティ費用の地代等のの訓練ザ発給等軽減軽減 補助金等の支給 融資 その他 マレーシア 有り 有り 有り 有り 有り 有り 柔軟的な外国為替管理 タイ 有り 有り 無し 有り 無し 無し - フィリピン 有り 有り 無し 無し 無し 無し 委託機材の無制限利用 ベトナム 有り 有り 無し 有り 有り 有り - ( インフラ整備支援 ) 韓国 有り 有り 無し 有り 無し 有り 労働法適用緩和など インド 有り 有り 無し 無し 無し 有り - 資料 : 各国投資促進機関ホームページをもとに JICA 調査団作成 4.2 他国におけるインセンティブの例 シンガポール (1) 一般的なインセンティブ 1) パイオニアステータス戦略的高付加価値製造業およびサービス業プロジェクトに対して 最長 15 年間にわたる法人所得税の免税措置が適用される 2) 開発 拡張インセンティブ (DEI) 適格活動に対して法人所得税率が 5% 軽減される 当初適用期間は最長 10 年間で さらに 10 年間の延長が可能である シンガポールにおける事業の拡張または増強が必要 3) 投資控除 (IA) 認定プロジェクト用の新規生産設備 ノウハウや特許権の取得に関する認定資本支 228

289 出について 通常の資本控除 100% に加え 適格設備投資の 50% の追加控除が可能 となる 4) 国際化に対する二重税額控除シンガポールで登記された会社で海外でのプロジェクトや市場開拓 事業 投資機会を模索するための現地法人を新規に設立しようとする会社は フィージビリティスタディや現地視察に掛かる外部コンサルタント費用 海外における新規市場や顧客を開拓するための支出などを課税所得から二重に控除することができる また海外にプロジェクト開発のための現地法人を設立する場合にはオフィス レンタル費用 渡航費 派遣社員の報酬など最初の 6 カ月間にわたって同様に二重に控除することができる (2) 研究開発に関する税額控除 1) 研究開発に対する税額控除 (RDA) スキーム研究開発活動を支援シンガポールにおいて指定分野の研究開発活動に携わる黒字企業は 課税所得から最高 15 万シンガポールドルまで控除することが可能 2) 研究開発所得課税自由化控除研究開発活動を支援インハウスとアウトソーシングを問わず シンガポールで行われる指定分野の研究開発活動にかかる指定支出項目について 150% の所得課税控除が可能 3) 生産性およびイノベーションクレジット (PIC) イノベーションおよび生産性向上にかかる投資に対する税額控除 キャッシュインセンティブ ( 研究開発を含むデザイン オートメーション 機械装置 トレーニングにかかる投資 知財権の取得または登録などの活動 ) 4) 研究開発および知的所有権管理スキーム 海外から受け取るロイヤリティ 利子に対する 5 年間の税額控除 5) 海外における研究開発活動に対するセクション 14DA による拡張税額控除 海外における研究開発活動に対する 400% の拡張税額控除 6) 特許登録料の減額 229

290 シンガポールにおける特許登録の促進 (3) 研究開発に関する補助金 1) 企業向け研究インセンティブスキーム (RISC) 産業の競争力向上のための研究開発補助金 2) 企業の能力向上のための技術イニシャティブ (T-UP) 指定分野の研究開発プロジェクトを始める技術系企業に対して シンガポール科学 技術研究庁から付与される補助金で 科学者または技師費用の 70% までカバー 3) スタートアップ企業向け研究開発インセンティブイニシャティブスキーム スタートアップ活動の当初 3 年間における指定分野の最低 15 万シンガポールドル相 当の研究開発プロジェクトに対する 20,250 シンガポールドルまでの現金給付 (4) 起業支援のための税制優遇策 1) エンジェル投資家に対する税額控除スキーム起業支援スタートアップ企業に尐なくとも 10 万シンガポールドル以上の投資を行い 2 年間以上株式を保有したエンジェル投資家に対する 50% の税額控除 2) 起業家に対する税額控除 3) 起業支援スタートアップ企業の黒字後当初 3 年間の課税所得に対して 10 万シンガポールドルまでについては 100% 10 万超 20 万シンガポールドルまでは 50% の税額控除 (5) その他の起業支援のための補助金 ローン 1) ACE スタートアップ補助金初めてビジネスを始める起業家に対する最高 5 万シンガポールドルまでのマッチングのための補助金 2) ビジネスエンジェルファンドシーズを持っているか初期段階のスタートアップ企業に投資するエンジェルファンドに対する シンガポール規格 生産性 革新庁による 150 万シンガポールドルまでのマッチング投資資金 3) 初期段階ベンチャーファンドスキーム (ESVF) 230

291 初期段階にある技術志向型起業家に対する 国家研究基金による 1,000 万シンガポ ールドルまでのファンド 4) インキュベーター振興プログラム (IDP) 起業家の育成およびアドバイザーの雇用を行うインキュベーター ベンチャー育成 家の事業費の相殺を目的とした 70% までの支援補助金 5) スタートアップ企業開発スキーム (SPRING SEEDS) スタートアップ企業への民間投資に対する シンガポール規格 生産性 革新庁に よる 100 万シンガポールドルまでのマッチング投資資金 6) 新規技術イニシャティブ (INTECH) 応用技術の開発や産業化のための研究開発にかかる能力開発に対する補助金 7) 技術志向型企業の産業化スキーム (TECS) 概念証明あるいは価値証明のためのデモンストレーションの競争力向上のための補 助金 (6) 人的資源支援のためのインセンティブ 1) 精密工学マンパワーイニシャティブ 5 年間までの精密工学トレーニングプログラムに対する税額控除 とくにメドテック企業向け 2) シンガポールトランズレーショナルリサーチ (STaR) アワード トランズレーショナルリサーチまたは臨床研究分野における世界レベルの臨床科学 者招へいのための資金 3) 臨床科学者アワード (CSA) 医学分野の研究者に対する研究資金提供および給与サポート 4) トランズレーショナルリサーチ 臨床研究 (TCR) フラッグシッププログラムトランズレーショナルリサーチをヘルスケア分野の課題解決 ( ベンチからベットに結びつける課題解決 ) に結びつけるための 5 年までの協力活動に対する 2,500 万シンガポールドルまでの資金供与 5) 競争力を持つ研究に対する支援プログラム (CRP) 231

292 3~5 年までの研究に対する 1,000 万シンガポールドルまでの資金供与 将来有望な 戦略的研究に対する広範囲の分野にわたるプログラム 6) ヘルスサービスに関する研究の競争力向上のための補助金 (HSR-CRGs) 地場公共部門のヘルスケア関連あるいは学術機関による 主任研究者に対する 2 年 で 100 万シンガポールドルまでの資金供与 韓国 (1) 税制優遇策企業向けの優遇税制策の焦点は 薬品開発などの研究開発プロジェクト ( 新たな成長エンジンのための技術分野として 幹細胞治療や最近追加されたワクチンを含む四つのバイオ関連分野 ) にシフトしてきている 主なものは 輸出入銀行による輸出に関連した研究開発に対する新規の資金提供 ( 海外における第 3 段階の臨床試験に対する 1,000 億韓国ウォンまでの融資 期間 8 年 優遇利率 0.5%) および薬品開発および関連機器投資に関する政策ローン融資 ( 韓国金融公社および輸出入銀行 期間 8 年 優遇利率 0.5%) などである (2) 金融支援 ( バイオ産業振興のためのバイオファンド ) 1) ソウル市グローバルバイオメディカル新成長動力投資ファンド ( ソウルバイオテックファンド ) 2009 年 ソウル市と知識経済部は 官民共同投資により 1,000 億ウォンのファンドを設立した ファンド全体の 60% 以上は 売上高 300 億ウォン以上の中規模企業 あるいはバイオ関連産業または医療機器産業の忠州ベンチャー企業に投資されている 例えば 米国の有名ベンチャーキャピタルの Oxford BioScience Partners & Hanwha VC などが資金を出している 2) 韓国医薬品振興ファンド (KDDF) 2010 年 9 月から 2011 年 9 月までの総資金提供額は 1 兆ウォン以上に達した ( 政府 5,300 億ウォン 民間セクター 5,300 億ウォン ) グローバル市場において支配的な地位を獲得するための 医薬品開発および研究開発向け高度投資戦略資金として利用される 台湾 アジア太平洋の中枢に位置する台湾は 先天的な立地条件と 完備したインフラ 強固な 232

293 産業基盤 豊富な人的資源といった優位性を備えている さらに 政府は有利な投資環境を確立すべく 投資インセンティブの整備に努め 企業に具体的な利益をもたらし 企業の競争力の強化を図っている 投資インセンティブについては 税制優遇措置 と その他の優遇措置 を提供している 税制優遇措置は 1991 年に施行された 促進産業升級条例 ( 産業レベルアップ促進条例 ) に税制優遇規定を定め 他の税法が提供する税制上の優遇措置で補完することにより 企業の税負担を軽減している その他の優遇措置は 成長中の企業のニーズに応え 技術開発助成 土地賃料優遇 政府による投資参加 低金利融資等の措置を提供し 企業の経営コストを下げる努力をしている (1) バイオテクノロジーおよび新医薬品産業に対する税制優遇制度 1) 背景 1950 年以降 台湾経済は製造業を中心として発展をとげ 半導体およびデジタル画像の領域ではすでに世界をリードしている バイオ医薬産業は政府が積極的に推進している知識経済産業であるが 世界のバイオ医薬産業において 台湾のシェアはわずか 0.5% にすぎない 新薬やハイリスクの医療器材など知識集約型産業を発展させ 台湾経済を知識集約経済へとスムーズに転換できることを目指し 生技新藥產業發展條例 ( バイオ医薬産業発展条例 ) が制定されている 2) 租税優遇項目 バイオ医薬産業発展条例 は 2007 年 7 月 6 日に施行された その租税優遇項目は 以下の通り a) 研究開発と人材育成に対する投資税額控除バイオ医薬産業の高度化を促進するため バイオ医薬会社は研究開発と人材育成に対する支出の 35% を上限として 納付すべき営利事業所得税が発生した年度から 5 年間にわたって営利事業所得税から控除することができる b) 新規設立または増資 拡張にともなう株主投資税額控除バイオ医薬会社の新規設立または拡張を奨励するため 当該バイオ医薬会社の発行する記名株式を購入して株主となるか または応募して株主となり その後 3 年以上記名株式を保有し 当該バイオ医薬会社が当該株式購入額または応募額に関してその他の法令に基づく営利事業所得税の免除あるいは株主投資控除を申請していない場合 取得株式金額の 20% を上限として 納付すべき営利事業所得税が発生した年度から 5 年間にわたって納付すべき営利事業所得税から控除することができる 233

294 前項の営利事業がベンチャーキャピタルの場合 ベンチャーキャピタルの株主は前規定に基づき ベンチャーキャピタルが控除できる金額から株主の持ち株比率に応じて投資控除額を計算する ベンチャーキャピタルが当該バイオ医薬会社の記名株主となった後 4 年目から 5 年間にわたり 各年度の納付すべき営利事業所得税額から控除できる c) 技術株の所得税繰り越し経営幹部および技術投資家がバイオ医薬会社の経営および研究開発に参加し 経営の成果を享受することを奨励するため バイオ医薬会社の経営幹部または技術投資家が技術株として取得した新規発行株式について 当該経営幹部または技術投資家の当該年度総合所得税または営利事業所得税が免除される ただし この株式を譲渡 贈与または遺産として分配した場合 譲渡価格または贈与 遺産分配時の時価を譲与 贈与 遺産分配を行った年度の収益とみなし 取得原価を控除した後の残額に所得税が課される d) 経営幹部または技術投資家のストックオプションバイオ医薬会社は董事 ( 理事 ) が 3 分の 2 以上出席する董事会において過半数の董事の同意を得て決議し 所轄機関の許可を得た場合 ストックオプションの権利を経営幹部または技術投資家に与えることができる 前項のストックオプション証明書を所有する者が約定価格で特定数量の株式を購入した場合 その購入価格は 公司法 ( 会社法 ) 第 140 条に定められた額面価格を下回ってはならないという制約を受けない なお 取得した株式は 前項の規定に基づいて所得税が課せられる (2) サイエンスパークへの投資または立地に対するインセンティブ 1) 税制優遇 サイエンスパーク事業者による自家用機械設備 原料 燃料 材料および半製品の輸入については輸入税が免除される なお 課税免除 担保 記帳および税還付手続きは不要 サイエンスパーク事業者が製品または労務を輸出する際 その営業税税率はゼロとなる 企業の営利事業所得税は 17% 2) 投資者権益保障 外国投資者は 内国投資者と同一の優遇条件および権利を有する 外国投資者は サイエンスパーク事業の株式を 100% 所有することができる ま 234

295 た 台湾政府または内国企業との合弁事業も可能である 外国投資者は サイエンスパーク事業の株式を 100% 所有することができる また 台湾政府または内国企業との合弁事業も可能である 外国人または海外華僑が投資して得た利益 キャピタルゲインと利息については 申請により海外送金が可能である 外資または海外華僑資本の株式の合計が 45% を超える企業は 設立から 20 年間は政府による没収が行われないことが保障される 外国投資者は 当局の許可を受ければ 投資額を海外に送金することが可能である 知的財産権および所有権は 法律により保護を受ける パークの管理当局の許可を受ければ 科学工業企業は 業務に関連した輸出入業務を行うことを認められる 3) 政府による資本参加 投資者は政府による資本参加を申請することができる 出資額は最高で総資本額の 49% 政府出資の代表機関: 行政院国家科学技術発展基金またはその他開発基金 4) 革新的な技術ノウハウの証券化 科学工業企業は 法廷の監査人が審査した公正なる機関 あるいは専門家の技術により株式を評価し 株主総会を設けて決議を行ったうえで 管理局工商組に設立を申請 または登録を変更して新株を発行できる 5) 資金調達 国内投資人と外国投資人が資金のニーズがあれば 台湾における事業開始と投資商業同業組合 を通じて投資資金を調達できる 当同業組合は台湾の約 180 社の事業開始と投資にかかわる起業が所有しており 定期的にセミナー プレゼンテーションを開催し 同業組合の会員と技術企業との間のコミュニケーターとして 投資交流を促進し 完了させる 6) 研究開発に対するインセンティブ 管理局はイノベーション技術研究発展産業と学術協力補助金を提供することができる 研究発展計画は それぞれ最高で 1,000 万元の補助金を受けることができるが 当該計画で必要な資金の 50% を限度とする 研究発展費用は一定額まで所得税から控除することができる パーク立地企業の研究開発支出は 当該企業の当年度に納付すべき営利事業所得 235

296 税額の 30% を超過しないことを限度として 当年度に納付すべき営利事業所得税 額を 15% 引き下げることを定めている インド (1) バイオテクノロジーに関するインセンティブ 1) バイオテクノロジー産業への投資に対する一般的なインセンティブバイオテクノロジー産業への投資に対する一般的なインセンティブは以下の通りとなっている 遺伝子組み換え DNA 製品および対細胞療法以外のすべての医薬品の製造に関して 外資 100% 投資が可能である バイオテクノロジー庁は 海外投資局管轄で同局のファーストトラック委員会が認める 2,200 万米ドル以上の外国投資を含むすべてのメガバイオテックプロジェクトに対して シングルウィンドウプロセスメカニズム を提供する 工場と機械に対する減価償却引当金 指定された輸入製品の輸入関税免除 認定された科学 産業研究機関(SIRO) に対する輸入関税および物品税免除 研究開発支出に関する 150% の税額控除 特許取得製品に対する 3 年間の物品税免除 特定の研究開発支出に対する 100% の税還付 公的な資金を受ける研究開発機関の場合 125% の税還付 共同研究開発に対する特別な財務上の優遇 2) 産業振興に対するファイナンシング有望な起業家に対しては 科学技術省の技術開発評議会および科学および産業研究委員会の新ミレニアムインド技術リーダーシップイニシャティブが主要なファンドの提供者となっている 1992 年の設立以来 ソフトローンの提供により とくに特別に優れた技術開発を産業化に向けてグレードアップするために 技術開発評議会は何社ものスタートアップ企業を支援してきた 科学および産業研究委員会の新ミレニアムインド技術リーダーシップイニシャティブは バイオテックセクターに対する最大の資金提供ルートとなっている 資金提供は 通常 ハイリスクで投資額の小さい プロジェクトサイクルの短いベンチャー企業に対して行われる 例えば TCS 社のバイオ IT 関連の教育ソフト開発プロジェクトや Institute of Genomics and Integrative Biology の遺伝子関連企業識別プロジェクトへの投資などを行っている 236

297 3) 財務上のインセンティブ ( 中央政府予算 ) バイオテックセクターの一層の産業発展を刺激するため 政府は税制およびその他 の優遇策を導入している 輸入または国内で生産された臨床実験用のあらゆる医薬品あるいは材料は 輸入関税および物品税が免除される 標準試料の輸入関税が 25% から 5% に軽減される バイオテクノロジーに関する研究開発を促進するため 政府は 特定の機器の輸入関税の免除に必要なおよそ 400 万米ドルの最低輸出額に関する現行規制の撤廃を計画している 生産施設を有する研究開発ユニットは 前年の輸出実績の 25% まで 所定の機器に対する輸入関税を全額免除される 4) バイオテクノロジー庁の研究開発ファンディングスキーム a) ファンディングの目的バイオテクノロジー庁の研究開発ファンディングスキームの目的は 以下の通りである バイオテクノロジーを人類の最も偉大な知的産業の一つとするため 生命のプロセスを理解し 人間のアドバンテージとなるよう利用するという可能性を実現するようためのきかけを提供する 農業 栄養面の安全性 分子医薬 汚染撲滅のための安全な環境技術 生物多様性の保全 バイオ関連の工業開発の効率性 生産性 費用有効性高め コスト製品 工程 技術を創造するためのバイオテクノロジー関連のツールを用意するために 重要な投資に対して最善の努力をはらう インドの比類なき人的資源の科学面および技術面における強化 バイオ製品 バイオプロセス 新規バイオテクノロジーの円滑な流れを確実にするための 研究 産業化の双方のための強固なインフラの創設 b) ターゲットとなる研究分野 バイオテクノロジー庁の研究開発ファンディングスキームのターゲットとなる 研究分野は 以下の通りである 動物バイオテクノロジー 水生養殖および海洋バイオテクノロジー 237

298 バイオテクノロジーにおける基礎研究 バイオ燃料 バイオ IT 植物の害虫 病気 雑草のバイオコントロール 植物 微生物製品および分子分類学 バイオプロセスエンジニアリング工業関連のバイオテクノロジー 薬効性 芳香性植物関連のバイオテクノロジー カイコと規制植物に関連するバイオテクノロジー 作物に関連するバイオテクノロジー 環境およびその保全に関連するバイオテクノロジー 食品に関連するバイオテクノロジー 医療に関連するバイオテクノロジー( ワクチン 診断学 医薬品開発 人間遺伝子 ゲノム分析 幹細胞に関するバイオテクノロジー ) 微生物に関するバイオテクノロジー 植物細胞培養 人的資源開発 ナノバイオテクノロジー 女性に関するバイオテクノロジーおよび農村プログラム Jai Vigyan 国家科学技術ミッション 特許取得促進 c) 補助金の内容補助金は 研究開発スタッフ支援および継続的あるいは一時的必要性を満たすために提供される 継続的なものには ケミカル 消耗品 ガラス類 国内旅費などが含まれる 一時的なものには 装置 機器 建物などが含まれる 4.3 必要なインセンティブの例 ( 新興企業のための優遇措置 ( インセンティブ ) および SME 戦略 ) 商業化において NARC を成功に導くことができるかどうかは 製品開発を行ううえで既存企業や新興企業を奨励するための優遇措置と 新興企業のためのクリティカルベンチャー基金を引き付けるための優遇措置を正しく組み合わせることにかかっている ここ数年において バテルは米国のライフサイエンス関連企業のエグゼクティブに対し異なる地域においてどういった要素が投資を促すかについての調査を数多く行ってきた 米国医療イノベーション委員会 (Council on American Medical Innovation) のために行った調査によれば 米国は医療のイノベーションやそれに関連する生産に対してインセンテ 238

299 ィブとなる研究開発税額控除やその他の税制関連インセンティブの面で他国に遅れをとっているという結果がみられた 33 バテルが米国医薬品研究および製造協会 (Pharmaceutical Research and Manufacturing Association) のためにまとめた最近の調査の結果によれば 知財権保護政策 医療保障や機能的な行政手続きと同時に 投資判断を行うために大事な要素は税金システムとインセンティブである インドネシアに詳しいバイオテクノロジー分野ののリーディング カンパニーのエグゼクティブとバテルが最近行った対談によれば 研究開発施設または製造施設をある国または地域に設置するかどうかの判断に当たっては 最も魅力的な または最も重要なインセンティブは以下であることが明らかになった 一般的な研究に対する税額控除 新たな設備への移転または既存の設備を大々的に拡充した際に利用できる一度限りの クレジットの存在 充実したインセンティブとは 企業の研究開発活動費用を相殺することができるものである 2011 年時点で OECD の 34 カ国のうち 26 カ国は 研究開発に関する税制上の優遇措置を講じている ブラジル 中国 ロシア シンガポールおよび单アフリカなどの他の新興国もまた 研究開発に関する税制上の優遇措置を提供している 様々な国家の研究開発に関する税制上の優遇措置は 規模 設計 および優遇措置が明示的に特定の種類の企業または特定の場所を優遇措置の対象とするかどうかという点で 国によって大いに異なる 実施されている研究開発の総額に基づいてクレジットを提供するところもあれば 米国のように 特定の基準年度を上回って研究開発費が増加した分に基づいて優遇措置が講じられるケースもある 多くの国々は 中小企業に対してより高額なクレジットを提供する ある例では クレジットは研究開発を支援する資本投資に対して認められている まだ利益が出ていない小企業や新規企業に対してクレジットが役に立つように 一部の国々 ( オーストラリア カナダ フランス アイルランドおよびシンガポールを含む ) では 還付される税控除を提供している すなわち 会社は 納税義務がない場合 その税控除額のすべてまたは一部につき現金補助金を受け取ることが可能である 34 米国では 38 州が 2010 年 研究開発費に対して税控除 (tax credit)( 尐数の州では還付されるが 35 連邦クレジットの場合は還付されない ) を行っている シンガポールは 研究開発だけでなく IP 取得もしくは保護 研修 および設計もしくは自 33 バテルが Council on American Medical Innovation 向けに行った調査 Gone Tomorrow: A Call to Promote Medical Innovation to Create Jobs and Find Cures in America 2010 年 6 月 34 デロイト Global Survey of R&D Tax Incentives 2011 年 7 月 lobal_rd_survey_taxincentives_ pdf. 35 バテル BIO State Bioscience Initiatives 2010 年 239

300 動化プロジェクトの承認に対しても 400% の控除を認めている 36 以下の表で説明するよう に 多くの国々は多国籍企業の誘致を目的として研究開発に関する税制上の優遇措置を行 っており 多国籍企業の本国での研究開発活動にまで優遇措置を拡大している 表 年 7 月時点での異なる国々の主要な研究開発費に対する税控除の例 国 研究開発費に対する税控除 還付 オースト 発生した費用に対する125% の即時スーパー控除 可 ラリア 175% の強化スーパー控除は3 年間の移動平均を超えた費用に対して認められている ブラジル 研究開発費総額に対する160% のスーパー控除 不可 事業体が所与の年に最大 5% の研究者人件費を増加させた場合 スーパー控除は適格な費用の170% まで増加できる 事業体が所与の年に5% を上回って研究者人件費を増加させた場合 スーパー控除は適格な費用の180% まで増加できる 特許が登録された場合 特許に対する研究開発税強化スーパー控除は さらに20% の控除が認められる その他の物品税および源泉徴収税の課税控除が適用可能 カナダ すべての適格な研究開発費に対する20% の連邦税額控除 還付可能 可 な強化税控除 (35%) は 適格なカナダ人支配の非公開会社に適用可能 税控除はまた 州政府からも適用される チリ 事前承認された大学および研究機関に関連して実施された活動に 不可 適用可能である場合 法人税に対して 35% の控除が認められる 残りの 65% も課税所得から控除される場合がある 中国 適格な研究開発費に対する150% のスーパー控除 不可 適格な技術の移転につき事業税に対する課税控除 高度新技術企業 (HNTE) の資格を付与された会社に対する法人税は 15~25% の範囲で控除される 新たに設立された技術ソフトウェア会社は タックスホリデイ ( 特定の省で新たに新規設立されたHNTEは タックスホリデイの対象となり得る ) が認められる 特定の適格な技術移転につき法人所得税に対する課税控除 36 Visited March 31,

301 国 研究開発費に対する税控除 還付 アイルラ 基準額 を超過したすべての費用に対する25% 増加税控除 可 ンド 適格な研究開発活動の実施で使用された建物または構造体で発生した費用に対する25% の税控除 研究開発補助金も提供される イスラエル Alternative Tax ProgramおよびStrategic Programによる税率の軽減 NA 複数の補助金制度を利用できる イタリア 社内研究費に対して 10% 欧州の大学または他の公立研究機関との契約に関連した研究費の 40% 日本 税控除は 大企業の適格な費用の8~10% に等しい 税控除は SMEの適格な費用の12% に等しい SMEと大企業はともに追加増額分税控除の適格者である ロシア 付加価値税 (VAT)( 新製品および技術開発 または既存製品および 技術の概念的改良に対するVATの全額適用免除 特定の研究開発費に対する150% のスーパー控除 シンガポ 発生した特定の研究開発費に対する100% の基礎控除 ール シンガポールで発生した特定の研究開発費に対する追加の50% 控除 特定の研究開発費の最初の40 万シンガポールドルに対する追加の 250% または300% の強化控除 政府承認による特定の費用に対する200% のスーパー控除 单アフリ 数量ベースの150% のスーパー控除 カ 研究開発関連の資本支出に対する加速償却 韓国 SMEおよび大企業対する税控除 投資税控除 課税所得からの収益の3% 控除 英国 大企業に対する数量ベースの130% のスーパー控除 SMEに対する数量ベースの175% のスーパー控除 SME の損害ポジションに対する現金クレジット 米国 20% の増額分税控除 不可 14% の加速簡易クレジット フランス 税年度に発生した適格な研究開発費の最初の1 億ユーロに対する 30% の税控除 さらに 最初の1 億ユーロからの超過分に対しては 5% の税控除 可 新たに税控除を申請する者に対して税控除額の増加が適用される 申請の初年度は50% 次年度は40%( 限度額あり ) それ以後は30% となる 適格な研究に使用される固定資産につき研究開発に対する現金補助金 および加速減価償却控除額 資料 : Deloitte Global Survey of R&D Tax Incentives July ca_en_tax_rd_global_rd_survey_taxincentives_ pdf 可 不可 不可 可 不可 不可 可 (1) パテントボックス研究開発とその商業化を促進する取り組みとして増えているのは 特許取得製品の販売から得た法人所得を他の所得よりも低い税率にするという方法である これは時に パテントボックス ( そう呼ぶのは 国内のパテントから派生した所得は 納税者の ( 国内の特許に 241

302 由来した所得は分離され 納税者の純利益より低い税率で課税されるからである ) と呼ぶ パテントボックスは 知識型の会社にとって有効な法人税率になるよう引き下げることによって国内でのパテントの商業化を促すことを意図している 8 カ国 ( ベルギー 中国 フランス アイルランド ルクセンブルグ オランダ スペイン スイス ) は この優遇措置を提供している 英国政府は 法人税率 26% に対して パテントボックス 10% に関する詳細な法令についての 討議 を完了した 表 特定の国による 法人税率 およびパテントボックス租税政策の税率への影響に ついての概要 (%) 国 本則法人税率 パテント 適格な所得 ボックス税率 ベルギー 特許権および特許補完証明書 中国 16 0~12.5 登録された特許およびノウハウ フランス 特許権および特許補完証明書 産業の製造工程 およ特許可能な発明 アイルランド 10 <10 ほとんどの IP ルクセンブルク ソフトウェア 著作権 特許権 トレードマーク 設計またはモデル ドメイン名 オランダ 17 5 適格で承認済みの研究開発からの特許権または IP スペイン ほとんどの IP スイス 21 0~12 ほとんどの IP 資料 :Information Technology and Innovation Foundation, (2) ベンチャーキャピタル スタートアップキャピタル投資に対するインセンティブ商業化を進めるのに研究開発への優遇措置があることは重要であるが それと同じように重要なことは 生物資源関連の新興企業がベンチャーキャピタルなどの民間資本を利用できるようにすることである 大量の研究は ベンチャーキャピタルが技術革新に刺激を与えるのに極めて重要な役割を与えることを示している 実際 ベンチャーキャピタルがそれほど発達していない米国以外の国々では 各国政府が活気に満ちたベンチャーキャピタルセクターが技術革新を刺激する主要な役割を担っているとみている 37 これらの国の政府は 企業への民間投資やベンチャーキャピタルファンドを刺激するための優遇措置を設けることによって そして ( あるいは ) 企業への直接投資によって 企業の持続可能性と成長性のために必要とされる資本を利用できるよう図ることが可能である 多くの国々では 新興企業を支援するとともに 新興企業への投資を促すために税制上の 37 G. Pisano Harvard Business School Press Science Business: The Promise, The Reality and the Future of Biotech 年 242

303 優遇措置を講じることが多い それらの国々での例を以下に挙げる シンガポールは 新興企業に的を絞った優遇措置を含め 非常に幅広い税制上の優遇措置を取っている 新興企業向けの研究開発関連の優遇措置に従って 年間の研究開発費が尐なくとも 11 万 5,000 シンガポールドル (91,441 米ドル ) で株主数が尐ない新興企業は 営業の最初の 3 年間の卖年ごとに最高 1 万 5,000 シンガポールドル (11,926 米ドル ) の交付税で損失を穴埋めすることができる シンガポールはまた 適格な新興企業に対して 初年度は課税所得 77,000 シンガポールドル (61,225 米ドル ) 次年度は法人税から 20 万シンガポールドル (159,056 米ドル ) の半額を免除し また エンジェルインベスターには税控除を行う 英国は 適格企業の株式を購入した個人に対し 最高 50 万ポンド (794,887 米ドル ) の投資価値の 20% 分の所得税納税義務を免除する 株式の売却後に得た利益については キャピタルゲイン税を免除される 損失を出して株式を処分した場合 その損害分は控除される また 英国政府は控除額を 20% から 30% に引き上げる提案を行った イタリアは 株式の所有権を尐なくとも 3 年間保有し かつ同じセクターの新興企業に 2 年以内に再投資することを条件として 設立から 7 年未満の新興企業への投資から得た利益に対する課税を免除する カナダでは 研究開発への投資を促すため Scientific Research and Experimental Development Tax Credit として 企業に対して適格な支出のなかから初年度 300 万カナダドル (300 万米ドル ) の 35% 超過分については 20% の税控除を認めている 税控除は小規模のカナダ人支配の民間会社に還付可能である 追加の税控除は州のレベルで行われる フランスでは Young Innovative Companies プログラムに基づいて 設立から 8 年未満で 収益の尐なくとも 15% を研究開発に使っている企業は 収益性のある最初の 3 年の間 社会保険負担金および収益税の支払いを免除され その後は 12 年間にわたり減額されていく さらに そのような企業の場合 研究開発の控除は還付可能であり 投資者は尐なくとも 3 年間 株式によるキャピタルゲイン税を免除されるか またはオプションを保持することができる とはいえ 特定の国のニーズに合わせてインセンティブを カスタマイズ することは有効である ブラジルでは 2005 年の法律第 17 号 ( positive law や law of goods と呼ばれることもある ) に基づき 研究開発資金の最大 60% 分までを控除することを可決し さらに下記を含む科学者とエンジニアの採用をターゲットとしたインセンティブを追加した 新規調査スタッフを 5% 以上採用した場合 該当する科学者の給与の最大 80% 分の税 243

304 金を削減 博士号または修士号を保有する従業員の給与について 3 年間で最大 60% を政府が補 助 ( 地域によって異なる ) タイでは Thaliand Science Park の開発で大きな成功を収めた NARC 構想と同様に 研 究機関のすぐそばに位置し付加価値のあるビジネスサポートを提供し 下記を含めた手厚 いインセンティブを提供している 研究開発資金に対する 200% 税額控除 研究開発設備や装置に対する加速償却の適用 外国からの投資に対し 8 年間法人税免除後 5 年間 50% 減税に加え機械の輸入税免除を含めたアグレッシブなインセンティブを提供 Thailand Science Park では タイ企業と米 日 欧の主要企業が合計約 60 社参画している 産業推進を成功させる適切なビジネス環境をインドネシアが創設したいならば NARC の物理的なインフラは 産業の研究開発やその他に広く投資が行われるようアグレッシブなインセンティブで補完しなければならない とはいえ 税金を使って企業に直接投資することは 多額の民間投資を活用する手段として重要である EU の欧州投資信託 (EIF) は 民間資金を調達するために公的セクターの資金を利用するファンドの例である EIF は 民間によって管理された EU 地域に特化したベンチャーキャピタルパートナーシップの利益を購入することによってエクイティファンドを利用できるようにしている それぞれの被投資者のパートナーシップにより その他のパートナー投資者を制限することができ したがって 公的投資を用いて 民間資本を引き付けて活用することができる EIF は 28 のベンチャーファンドにおいて加盟国の利益を管理するが 28 のファンドのうち 11 のファンドは生命科学に重点を置いている 英国の Capital for Enterprise は 民間によって管理されたベンチャーキャピタルパートナーシップに投資する国営の投資ファンドである 英国政府は 2009 年 二つの 10 年物ファンドからなる新しい英国イノベーション投資ファンド (UK Innovation Investment Fund) を設立したと発表した この新しいファンドは 5 億ドル以上のターゲット資金を生み出すために 公的投資と民間投資をプールすることになるとみられる オーストラリアでは AusIndustry development 機関が 適格なベンチャーキャピタル企業に対しフロースルー税制優遇策 (flow-through tax benefits) を提供している ( この優遇策では キャピタルゲイン税からの完全な免除について外国投資家も免除を受ける資格を与えている ) また イノベーション投資ファンド(Innovation Investment Fund) は 初期の段階で複数のセクターに横断的に投資することを目指した尐なくとも 16 のベンチャー 244

305 キャピタルファンドが創設されるなかで 連邦ファンドに 5 億オーストラリアドル (5 億 1,640 万米ドル ) 以上を ( 民間の共同投資者とともに ) 直接投資した 中国の Innovation Fund for Small Technology-Based Firms は 資本金ベースの最高 20% まで技術の商業化と革新技術に携わる企業に対し 補助金 奨励金付き融資 およびエクイティ投資という形態で開業資金として 6 億ドル以上を提供する 4.4 インドネシアにおける生物多様性と知的財産制度の現状 生物多様性の現状 生物多様性の豊かな国として インドネシアでは天然資源の適切な管理と保全にとくに重点を置いている インドネシアの生物多様性 行動計画 (Biodiversity and Action Plan (2003~2020 年 )) に示されているように 政府は 生物多様性の保全と 経済発展のための生物資源の利用という二つの目標の両立を求めている これらの規制は バイオサイエンス関係の民間産業の実現可能性を評価する際に影響力のある要素である 規制のなかには 法令に基づくものもあれば 機関の慣行に基づくものもある これらの規制は とくに外資系企業にとって 生物資源分野のビジネス環境の魅力を明確にするうえで 重要な要素である 以下では バイオクラスター構想案における研究とイノベーションに影響を及ぼす可能性のある生物資源規制について説明する (1) 生物多様性条約インドネシアは 生物の多様性に関する条約 (1996 年政府批准 1996 年法律 4 号 ) 遺伝資源の取得の機会およびその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書 すなわち 名古屋議定書 (2013 年 5 月政府批准 2013 年法律 11 号 ) の加盟国である そのため 生物資源の管理と移転に関する政策は これらの指針を考慮したものとなっている 名古屋議定書に基づく主な目標と義務については 以下の表の通りである 表 名古屋議定書に基づく主な規定と義務の概要 名古屋議定書が定める 遺伝資源の取得の機会 利益配分 法令遵守に関して締結 国が措置を講じる主要義務は以下の通り 1. 取得の機会に関する義務 取得の機会に関する国内的措置として 許可証の発給 生物多様性と持続可能な利 用に貢献する研究の推進 ならびに食料および農業にとっての遺伝資源の重要性の 245

306 考慮について 明確で透明性のある規則および手続を作成すること 2. 利益配分に関する義務利益配分に関する国内的措置として 遺伝資源の利用から生ずる利益が遺伝資源を提供する締結国との間で公正かつ衡平に分配されるよう規定を設けること 利用には 遺伝資源の遺伝的または生化学的な組成に関する研究開発 ならびにその後の応用および商業化が含まれる 3. 法令遵守に関する義務遺伝資源を提供する締結国の国内の法制または行政的規律の遵守を支える具体的な義務 および司法手続の利用などの相互に合意した条件を考慮した約定義務 これは 名古屋議定書の重要な新機軸といえる さらに 議定書では バリューチェーンの何らかの段階 ( 研究 開発 イノベーション 商業化前 商業化後 ) で有効なチェックポイントを指定するなど 国外に出た遺伝資源の利用を監視するための措置をとるよう求めている 資料 : 生物多様性条約 名古屋議定書を受けた対応に関して 現在 環境省 (Ministry of the Environment) と LIPI が率いる省庁横断チームによって 技術規制の整備が進められている これらの規定は 生物資源の研究とイノベーションに大きな影響を及ぼすおそれがあることから これからも注視していく必要がある (2) 生物材料の移転 1) 輸出生物材料の輸出には さまざまな行政機関および委員会の承認が必要となる 承認取得の主な点は 以下の通りである 微生物の海外使用計画の承認 覚書に関する同意 材料移転契約 (MTA) の承諾 246

307 MTA は インドネシアの研究受入機関によって作成されたものであり 規制で定められているものではない したがって 政府の規制事項というよりはむしろ団体の方針事項といったものである MTA は 物質の潜在的な利用に関するインドネシアの利益を保護することを目的としている 生物材料の輸出承認では 最終的に 外務省 (Ministry of Foreign Affairs) の国際協力室 (International Cooperation Office) と 国家官房 (State Secretary) の同意が必要となる 2) 輸入非在来の生物材料の輸入には 通常 関係省庁または規制当局の許可が必要となる 例えば 農業目的で微生物を輸入するには 農務省 (Ministry of Agriculture) の許可が義務づけられている 製品が生物農薬であれば 承認は 農務省の生物防除剤委員会 (Commission on Biocontrol Agents) を通じて行われる 次に 植物検疫所 (Plant Quarantine office) でサンプルが保管され 実際に移転されるサンプルの正確性と安全性を確保するために検査が行われる そして最後に 農務省への微生物の登録が必要となる 明確に特定され 認知されている種の場合であれば 手続きは比較的卖純明快である また 大学や国立研究所などの研究機関で行われる研究が主な目的の場合には 研究受入機関から許可を促して 速やかに許可を取得できることがある 3) サンプル採取に関する保護区域許可証国立公園などの 保護区域 でサンプルを採取するには 保護区域許可証が必要となる この許可証は 森林保護 自然保全総局 (Directorate General of Forest Protection and Nature Conservation) で発給される また サンプルを州外へ持ち出す場合には 移送証明書 (Transport Certificates) も必要となる 移送証明書も 森林保護 自然保全総局で発給される 研究者は 保護区域でサンプルを採取するための許可を得るには 採取予定の微生物またはその他の生物サンプルをすべて記載したリストを作成しなければならない 例えば 1,000 個の微生物を予定している場合には 1,000 個の生物すべてのアイデンティティのリストを事前に作成しなければならない すべてのアイデンティティを知っているわけではない場合や 研究目的が特定の種類の微生物を同定することである場合には この要件がハードルとなりうる 247

308 新たな微生物の発見に対応するため そのような発見物は リストのなかで想定されていた範囲において認められる このプロセスについては インドネシアの受入機関が最も管理しやすい方法である 保護区域外の地域については 利用許可証は不要である 4) 天然資源の国内移送の制限島および州の豊富な多様性には 島または州をまたいだ資源の移動に対する規制も伴う たとえば 木材の切り出しでは 木材の諸島間移送によって増えた違法な森林伐採を阻止するため 現在では 採取された島において木材を加工するよう規制されている これは 結果として 高付加価値製品とあらゆるバイオマスの利用方法を発見する誘因になる ITB が関与した 1 例としては 材木に合成物を加えて高価値の積層品を作り出したケースが挙げられる (3) 外国人研究者の研究登録 インドネシアで研究や生物標本の採取を行うことを予定している外国人研究者については 守るべきさまざまな手続がある 1) 研究許可証研究者が実地研究の実施を計画している場合には 科学技術省 (Ministry of Science and Technology) の研究許可証が必要となる この場合 研究の目的と予定される出張について記載された研究計画書が必要となるだろう 研究者が他の州の訪問を予定している場合には 科学技術省の紹介状が必要となる IPB では 研究許可が円滑に下りるようにするため 研究者が IPB を通じて研究許可証を取得するのを支援している 2) 研究者 ID カード研究者が受入機関の外へ出張を予定している場合 出張許可だけでなく 警察庁 (Police Agency) から研究者 ID カードという様式の許可も受ける必要がある この研究者カードがあれば 研究者はインドネシアのさまざまな州で研究を行うことができる 3) 州の許可 248

309 研究目的で他の州に行く場合にも 州政府の許可が必要となる 州政府は 国の 警察庁が管理する全国的なネットワークを通じて この許可手続を管理している (4) 遺伝子導入材料に関する政策 ( 遺伝子組換え生物 ) 遺伝子導入植物の研究と商業化に関する政策は 過去 14 年間にわたって進化を遂げてきた 一般に 政策は研究に対して肯定的であり 農務省は さまざまな遺伝子導入植物に対して食用として安全であるとのお墨付きを与えてきた しかしながら 環境省は環境への影響を危惧しており そのような植物のインドネシア市場への流入をいまだに認めない厳格な予防的原則を堅持している 1999 年 インドネシア農務省は 食用として安全なものとして 特定の遺伝子導入作物 BT トウモロコシ およびモンサント社の綿 トウモロコシ 大豆用ラウンドアップレディ製品の使用を認可した しかしながら 環境省はこの決定には反対し インドネシアは 予防的原則 を守るべきであり さらなる環境試験を要求すべきだと主張した この見解の違いは これ以降 インドネシアの遺伝子導入植物の発展に影響を及ぼしている 38 インドネシア政府の現行政策では 遺伝子組換え生物の商用は認められていない だが インドネシア政府と現地の大学は ウイルス抵抗性を導入したトマトとジャガイモ 成熟速度を遅らせたパパイヤ 害虫抵抗性サツマイモ 乾燥耐性イネといったさまざまな遺伝子導入品種の研究を行っている また インドネシアの研究者のなかには 家禽 牛 羊といったインドネシア原産の家畜の遺伝子型特定や遺伝子マーカーについて 動物に応用する遺伝子導入研究に注力し始めた者もいる このように 遺伝子導入研究はインドネシアの多くの機関で進められており また遺伝子導入植物の食用安全性の認可には 10 年を超える先例がある 商業化の大きな問題は 環境面での影響をめぐる政府の姿勢にあるとみられる 主な規制について 以下にいくつか述べる 2005 年 遺伝子導入製品のバイオセーフティに関する政府規則第 21 号 (Government Regulation No. 21 concerning Biosafety of Transgenic Products) を発表する 2008 年 国家医薬品食品監督庁 (BPOM) が遺伝子導入製品の食品安全性評価のための指針 (Guidelines for Food Safety Assessment on Transgenic Products) を公表した 同指針は 2012 年に簡素化されている 2010 年 大統領規則第 39 号 (Presidential Regulation No. 39) を公示した これにより 既存および新規のバイオ技術規制を完成させるのに必要なメカニズムである 38 Richel Dursin アジアタイムズ 遺伝子導入作物をめぐってインドネシアの省庁間で対立 (Indonesian ministries at odds over transgenic crops) 2001 年 3 月 7 日 249

310 遺伝子導入製品のバイオセーフティ委員会 (Biosafety Committee for Transgenic Products) が設立された 2011 年 遺伝子導入飼料用酵素を飼料添加物として認可した 2012 年 3 月 遺伝子導入がなされた材料を含有する容器包装詰食品および / または小売食品の表示規制を発表した この規制によると 遺伝子導入製品を 5% 以上含む容器包装詰食品には ラベルを貼り そのラベル上に 遺伝子組換え物が含まれる食品 と明記しなければならない 2011 年には インドネシアにおいて 2 品種の遺伝子導入大豆と 6 品種の遺伝子導入トウモロコシの食品安全性が認められた 環境省は 3 品種の遺伝子導入サトウキビについて 環境面の安全性に問題ないとして推奨している しかしながら 農務省は 品種公表承認を与えていない また 環境省が近い将来に遺伝子導入製品の環境リスク分析の指針を公表する予定であると報じられている 環境面の安全性と食品の安全性評価以外では 飼料として消費される遺伝子導入作物に対しても 飼料の安全性について正式な評価が行われなければならない しかしながら 現在のところ 実現性のある飼料安全性評価の指針はない 表 遺伝子導入された植物および微生物に関する省庁の監督管轄 No. 省 担当庁 部署 担当分野 1. 環境省 生物多様性の保全強化および環境破壊対策次官 (Deputy for バイオセーフティ Biodiversity Conservation Enhancement and Environmental Destruction Control) 2. 農務省 飼料の安全性 3. 農務省 投資 免許センター (Center for Investment and License) 種子の輸入許可 4. 農務省 国家種子庁 (National Seed Agency) 5. 農務省 インドネシア農業研究開発庁 (Indonesian Agency for Agriculture Research and Development) 6. 農務省 インドネシア農業検疫庁 (Indonesian Agency for Agriculture Quarantine) 7. 国家医薬品食品監督庁 (National Agency of Drug and Food Control (BPOM)) 作物の品種公表 研究許可 植物および動物の輸入 食品の安全性 250

311 No. 省 担当庁 部署 担当分野 8. 海事省 (Ministry of Marine Affairs) 水産品および魚用の飼料 9. 林業省 (Ministry of Forestry) 海洋水産品加工バイオ技術研究センター (Research Center for Marine and Fisheries Product Processing and Biotechnology) 森林植物 資料 :USDA Foreign Agricultural Service GAIN Report Agricultural Biotechnology Annual 2012 インドネシアでは遺伝子導入製品の商業化が進んではいないものの 政策変更の可能性を検討するため 政策協議は続けられているとみられる 多数の省庁担当者で構成されている 環境省所管の遺伝子導入製品の国家バイオセーフティ委員会は 遺伝子導入バイオ政策の変更について引き続き協議を行っている また 国内企業の関心も高まりつつあるようで 変更の進み具合に影響を及ぼす可能性もある インドネシアの農業バイオ技術を支援する第 5 回インドネシアバイオ技術会議では 2012 年 7 月 4 日に フィリピンのバイオ技術協会 (Biotechnology Coalition of the Philippines) の成功に倣って 西ヌサ トゥンガラ州ロンボクに バイオ技術を推進する団体として インドネシア農業バイオ技術組合 (Indonesia Coalition for Agricultural Biotechnology (ICAB)) が設立された 研究と試験は継続的に行われているものの 実地試験は今のところなかなか進んでいないようである 最近 インドネシア政府は イネ ( 生物的ストレス抵抗性 ) サトウキビ( 生物的ストレス耐性 グルコース高含量の改変 ) キャッサバ( アミラーゼの改変 ) ジャガイモ ( 生物的ストレス抵抗性 ) トマト( 生物的ストレス抵抗性 ) を含めるために いくつかの遺伝子導入作物について限定的な実地試験を行った この他にも ウイルス抵抗性を導入したトマトとジャガイモ 成熟速度を遅らせたパパイヤ 害虫抵抗性サツマイモ 乾燥耐性イネ 害虫抵抗性大豆など インドネシア政府が資金を支援する遺伝子導入植物の研究プロジェクトが行われているものの そのペースは比較的緩やかなものにとどまっている 遺伝子導入製品のバイオセーフティ委員会は 今のところ慎重な姿勢を崩さない様子で 追加データを求めており まだ商業利用の承認を推奨していない 251

312 1 表 様々な遺伝子導入植物に関する試験の 2012 年の状況 遺伝子導入作物 除草剤耐性のあるトウモロコシ (NK 603) 2 害虫抵抗性トウモロコシ (MON89034) 3 除草剤耐性トウモロコシ (GA21) 4 害虫抵抗性トウモロコシ (BT11) 5 害虫抵抗性トウモロコシ (MIR162) 6 害虫抵抗性トウモロコシ (MIR604) 7 除草剤耐性大豆 (GTS40-3-2) 8 除草剤耐性大豆 (MON89788) バイオセーフティ委員会の勧告 食料摂取用としての安全 (2010) 飼料用として安全 (2012) 食料摂取用としての安全 (2010) 食料摂取用としての安全 (2011) 食料摂取用としての安全 (2011) 食料摂取用としての安全 (2011) 食料摂取用としての安全 (2011) 食料摂取用としての安全 (2011) 食料摂取用としての安全 (2011) 政府承認の状況 国家医薬品食品監督庁が発行した食品安全証明書 BPOM (2011) 農務省が発行した飼料安全性証明書 - MOA (2012) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 食品安全証明書 BPOM (2011) 9 Ronozyme AX (CT) 飼料用としての安全飼料安全証明証 MOA (2010) 10 サトウキビ (NXI-1T) 11 トウモロコシ (Event 3272) 12 不凍タンパク質 食料摂取用としての安全 食料摂取用としての安全 食料摂取用としての安全 食品安全証明書 BPOM (2012) 食品安全証明書 BPOM (2012) 食品安全証明書 BPOM (2012) 資料 :USDA Foreign Agricultural Service GAIN Report Agricultural Biotechnology Annual 2012 予防的原則についてインドネシア政府の包括的な農業バイオ技術政策は 宗教的 民族的 社会文化的 美学的な規範を考慮するだけでなく科学的方法に基づいて 環境面の安全性 食品の安全性 飼料の安全性を 予防的な取組方法により承認 することである したがって バイオ技術の利用によって生じうる不利益な結果から国民を守るために いくつかの法令および指針が発令されている 現時点で インドネシアでは 食品安全性について 7 品種の遺伝子導入トウモロコシ 2 品種の遺伝子導入大豆 3 品種の遺伝子導入サトウキビが承認されている このほかにも 2 品種の遺伝子導入トウモロコシについて 飼料安全性が認められ 252

313 ている 環境面の安全性が認められた遺伝子導入サトウキビの品種に対しては 近い将来に農務省から品種公表承認が与えられる見込みである さらに 2 品種の遺伝子導入大豆と 1 品種の遺伝子導入トウモロコシで 食品安全性の承認申請が行われている このように 研究 試験面で前向きな動きがみられることから 2015 年に初の遺伝子導入植物 ( 現地生産された乾燥耐性サトウキビ ) が正式に事業化されるのではないかと予想する者もいる だが その一方で イベント承認に関する新たな環境要件によって 遺伝子組換えがなされた種子の輸入 開発 現地事業化に遅れが生じるおそれがある そのうえ 宗教的 民族的 社会文化的 美学的な規範といった他の検討事項が農業バイオ技術の容認に影響を及ぼす可能性もある (5) まとめ 17 年という時間枠の国家生物多様性 行動計画 (2003~2020 年 ) に表れているように 国の生物多様性の管理は インドネシアにおいて最優先課題の一つとなっている 本計画では 国に対して生物多様性の保全と持続可能な経済発展の調和を図るよう求めている このバランスを取っていくために 多くの規制が存在し また策定段階にある 現場を理解し管理していくことは バイオ関連産業およびバイオクラスターを推進していく者にとって欠かせない任務である 既存の規制は 海外のパートナーにとって複雑なものとなりうる したがって インドネシアのイノベーション創出機関の重要な役割の一つとして 外国の企業や機関と手を組んで 建設的な研究開発を前進させる効果的で効率的なコンプライアンスを確保していくことが挙げられる 知的財産制度の現状 インドネシアの知的財産制度は 世界貿易機関 / 知的財産権の貿易関連の側面 (WTO/TRIPPS) に基づく国際的慣行に従っている インドネシアは 1997 年に特許協力条約 (PCT) に署名した 特許に適用する基本法である法律第 14 号は 2001 年 8 月に制定された この直前の 2000 年に 政府は植物品種保護に対応する法律第 29 号を制定した また 2002 年には 政府は著作権を規定する法律第 19 号を制定した インドネシアで出願できる特許には (1)WTO/TRIPPS に基づく国際的慣行に従う PCT 出願 ( 国際特許出願 ) (2) 非 PCT 特許出願 および (3) 簡易特許出願 の 3 種類がある 非 PCT 特許および PCT 手順に従った特許は 出願日から 20 年間有効である 簡易特許は 10 年間のみ有効である 簡易特許は 製品および機械装置のみを対象とするもので これらは新規かつ産業上利用可能でなければならないが 発明 である必要はない プロセス 用途構成およびそれ 253

314 らのプロセスによってのみ特徴付けられる製品は このカテゴリーの下で出願することができない 非 PCT 特許出願および PCT 出願には 類似する証拠要件がある 非 PCT 特許は 一般にインドネシア市場のみを対象とする PCT 出願の国際的な基準および範囲 ならびに特許出願が他の諸国において提出されるという推定により 国際予備審査報告という追加要件がある したがって インドネシアの居住者の間では 国内市場での利用を想定し 出願費用が低くなることも理由として 非 PCT 特許のみを出願する傾向がある 以下の図は インドネシアの居住者によって提出された PCT 出願および非 PCT 出願の件数を示している インドネシアの居住者によって提出された全体的な特許件数は 過去 10 年間尐なく 2010 年の非 PCT 出願が 541 件 2011 年の PCT 出願は 258 件のみであった Non PCT Filings By Residents PCT Applications Filed by Residents 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia 図 インドネシア居住者によって提出された PCT 出願および非 PCT 出願の件数 254

315 ,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 Foreigner PCT Applications Foreign Non PCT Applications PCT Applications Filed by Residents Non PCT Filings By Residents 0 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia 図 PCT 非 PCT 特許出願 ( インドネシア居住者 外国人別 ) 表 インドネシアにおける特許出願者 ( インドネシア在住者 外国人別 ) Foreigner PCT Foreign Non PCT PCT Non PCT Applications Applications Applications Filings By Filed by Residents Residents , , , , , , , , , , , n.a. 541 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia 255

316 Simple Patents by Residents Simple Patents by Foreigners 50 0 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia 図 インドネシアにおける簡易特許出願者 ( インドネシア居住者 外国人別 ) 表 インドネシアにおける簡易特許出願者 ( インドネシア居住者 外国人別 ) Simple Patents by Residents Simple Patents by Foreigners 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia カテゴリー毎の特許出願状況を 下図に示す 256

317 Share Other consumer goods 10% Civil engineering 8% Others 40% Furniture, games 6% Environmental technology 4% Pharmaceuticals 4% Textile and paper machines 5% Other special machines 6% Engines, pumps, turbines 6% Basic materials chemistry 6% Chemical engineering 5% 資料 :WIPO Statistical Country Profiles Indonesia 図 特許出願 ( カテゴリー別 ) 植物品種保護は 植物品種保護 (PVP) の下に含まれる いくつかの特別規定がある 植物品種保護規則の範囲は 生産されるものであり かつ新しく 固有で はっきりと識別され 安定し 均質であり かつ命名することができる植物品種の植物育種家に対する権利発行を対象としている PVP 権は 出願者に対し PVP 権証明書が与えられた後 多年生作物については 20 年の期間 一年生作物については 25 年の期間で発行される (1) プロセス以下の概略図は 特許の申請および審査のプロセスを示したものである プロセスは 一般的に国際的慣行と共通の工程に従っている 承認までの時間が通常 36 カ月と示されているのはやや長く 今後 特許件数が増加するなか 注意を要する 257

318 資料 : Patent Lens Diagram from Access International Patent web site 図 インドネシアにおける特許認定プロセス (2) 変化する公的機関の特許取得状況 2001 年に特許制度が強化されたため BPPT IPB および ITB などの主要な研究機関は 特許の開発および出願を支援するプログラムを強化した すべての機関は 技術の移転または商業化のための事務所を維持し続けている 2008 年から 政府の政策変更により特許取得の動機が変わったが 2014 年までに特許の動機が適切な状態に戻されることが期待されている 2008 年に 政府は これらの機関の法的地位を民間団体 ( または半公共 ) から完全な政府団体へ変更することを決定した これより前の 2001 年から 2008 年まで これらの機関は半公共機関という法的地位にあった 2008 年の変更の結果として 現在これらの三つの機 258

29 5 v 2000 vi

29 5 v 2000 vi 28 2018. 3 2017 11 30 i ii iii 1549 iv 2017 29 5 v 2000 vi 30 2018. 3 10 18 R. 1549 1. 直ちに行われた社会事業 1549 8 15 8 31 1534 16 vii 19 11 11 4 1551 11 2 3 1549 1 12 viii 1549 1555 1557 12 2010 32 2018. 3 ix

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