<4D F736F F D2095AA8E718DD B695A88A E93788E8E8CB196E291E82E646F63>

Size: px
Start display at page:

Download "<4D F736F F D2095AA8E718DD B695A88A E93788E8E8CB196E291E82E646F63>"

Transcription

1 横浜市立大学医学部 平成 19 年度分子細胞生物学第 1 回試験問題 平成 19 年 6 月 30 日 ( 土曜日 ) 10:00~11:30 へボンホール [ 注意事項 ] 1) 筆記用具 時計以外のものは机の上に置かない 2) 携帯電話は 時計機能も含めて使用禁止 3) 問題 A( 大野出題 :30 点 ) 問題 B( 鈴木出題 :56 点 ) 問題 C( 三浦出題 :14 点 ) に対する解答はそれぞれ別の解答用紙 ( 裏面も使用可 ) を記入すること * すべての解答用紙に 氏名 学籍番号を記入していることを確認するように 4) 試験終了後は 全員分の解答用紙の回収が終了するのを待ち 指示があるまで席をたたないこと 5) 不正行為があった場合には 無条件に失格とする 1

2 問題 A( 大野出題 ) (30 点 ) 問 1 通伝子 という言葉の定義を列挙せよ (6 点 ) 問 2 ヒトゲノム計画 ( ヒトゲノムの全塩基配列を決定する計画 ) は 21 世紀初頭に達成されたことになっている 数万個の 違伝子 をほぼ網羅する通伝情報 ( 塩基配列 ) が分かったとして大きく報道された しかし 2007 年の現在に至っても ヒトゲノム中の 遺伝子 のリストは不完全であるし 総数も不明である その理由を列挙せよ (6 点 ) 問 3 ヒトの体細胞の種類は 200 種類以上であるとも言われている 各々の細胞 ( 受精卵から 様々に分化した細胞に至まで ) は形も機能 ( 個体における役割 ) も一見大きく異なるが 共通点も多数ある 様々に分化した体細胞に共通していると予想される点を列挙せよ (6 点 ) 問 4 生体中のタンパク質の 量 は 多くの場合厳密に制御されている その機構を列挙せよ (6 点 ) 問 5 生体中のタンパク質の 質 を制御している機構を列挙せよ (6 点 ) 2

3 問題 B ( 鈴木出題 ) (56 点 ) 問 6 細胞を構成する物質のうち 下記の分類に対応する分子の具体例 ( 名称 : 略称不可 ) およびその細胞内での働きを ( ) 内に指定された数だけ答えなさい なお それぞれの細胞内での働きについては 15 字程度で簡潔に記述すればよい また機能が類似する分子があってもよい (14 点 ) 1 多糖 (3 種 ) 2 脂質 (3 種 ) 3 膜タンパク質 (3 種 ) 4 膜表在性タンパク質 ( 膜タンパク質に結合して細胞膜近傍に存在するもの )(1 種 ) 5 分泌タンパク質 (2 種 ) 6 細胞質ゾル内のタンパク質 (2 種 ) 問 7 キナーゼ (kinase) という総称で呼ばれる酵素群はどういう働きをするものか? その媒介する化学反応 および細胞内での役割について簡潔に説明しなさい (2 点 ) 問 8 筋ジストロフィーの原因適伝子であるジストロフィンは 3,685 個のアミノ酸からなる このタンパク質の分子量 (kda) を概算しなさい またそれは水 (H 2 0) の分子量の約何倍 になるか答えなさい (2 点 ) 問 9 分子細胞生物学において タンパク質 A は ( 進化的に ) 非常に高く保存されている という表現をする場合がある これは このタンパク質 A のどういう特徴について述べたものか? また このことから タンパク質 A の機能に関してどういうことが示唆されるのか? (4 点 ) 問 10 細胞膜におけるイオン 低分子の輸送を担う膜タンパク質は その作用の仕方に基づいて大きく分けて 3 種に分類できる それそれどのような総称で呼ばれるタンパク質であり どういう機能的な特徴をもつものか 整理して記述しなさい (6 点 ) 3

4 問 11 細胞骨格線維は アクチンフィラメント 微小管 および中間径フィラメントの 3 つに大別される 下記に列挙した観点を参考にしながらこれら各々の線維の特徴について理解していることを整理して 記述しなさい (15 点 ) 1 構成する分子 2 構造的特徴 3 どのような細胞 あるいは細胞内構造に観察されるか? 4 細胞間接着構造への連結 5 関連するモータ一分子の存在の有無 存在する場合はその名称等 6 進化的保存性 7 通伝性疾患との関連 8 細胞内での機能 問 12 生物は自然の流れにさからって エネルギーを消費しながら秩序を形成している その秩序は さまざまなレベルの非対称性 / 極性 / 不均一性として生物体内の構造 機能において現れる 下記の細胞あるいは細胞内構造に見られる非対称性 / 極性 / 不均一性について具体的に記述しなさい (13 点 ) 1 リン脂質二重層の非対称性 2 膜タンバク質の構造の非対称性 3 細胞内外のイオン分布の非対称性 不均一性 4 上皮細胞の非対称性 4

5 問題 C( 三浦出題 ) (14 点 ) 問 13 以下の設問に解答しなさい 下記 6 種のタンパク質が合成される場は 主に大きく 2 つに分類することができる その 1 つは 膜 に結合した Polysome であり もう 1 つは 膜 に結合していない Free Polysome である (C)Cytosolic protein (L)Lysosomal protein (M)Mitochondrial protein (N)Nuclear protein (P)Peroxisomal protein (S)Secretory protein 1) ここでいう 膜 とは何を意味するのか 2) 上記 6 種のタンパク質は下記のどちらで合成されるか記号で答えなさい 1) 膜結合性 Polysome 2) Free Polysome 3) 次の病気はタンパク質が正しい場所に局在できないために引き起こされる 以下の病気において局在の異常を示すのは 上の 6 種のタンバク質のいずれに対応するものか 記号で答えなさい 1) l-cell disease 2) ZeIlweger syndrome 4) 一般にタンバク質は合成後 最終的に機能する場所に局在するまでに様々な化学修飾を受ける 上記 6 種のタンパク質のうちアスパラギン残基に糖鎖の付加が起こりうるものはどれか記号で答えなさい 5

6 横浜市立大学医学部 平成 19 年度分子細胞生物学第 2 回試験問題 平成 19 年 9 月 7 日 ( 金曜日 ) 8:50~10:20 へボンホール [ 注意事項 ] 1) 筆記用具 時計以外のものは机の上に置かない 2) 携帯電話は 時計機能も含めて使用禁止 3) 問題 A(60 点 ) 問題 B(40 点 ) に対する解答はそれぞれ別の解答用紙 ( 裏面も使用可 ) を記入すること * すべての解答用紙に 氏名 学籍番号を記入していることを確認するように 4) 試験終了後は 全員分の解答用紙の回収が終了するのを待ち 指示があるまで席をたたないこと 5) 不正行為があった場合には 無条件に失格とする 6

7 問題 A 問 1 以下のグラフは あるリガンドについて 様々なリガンド濃度における細胞応答反応の相対値 及びリガンドのレセブターへの結合の相対値を示したものである 1) このグラフが直接示している事を述べよ (5 点 ) 2) このグラフが意味している事を説明せよ (5 点 ) 問 2 ( 細胞内 ) シグナル伝達機構の解析は 細胞の応答反応を指標として行われる 細胞の応答反応は 多くの細胞に普遍的に見られる反応と 特別な細胞に特異的に見られる反応に分けられる 具体的な細胞応答反応の例を挙げ 細胞の種類 細胞外刺激 レセブター 細胞内シグナル経路 細胞応答について 具体的に説明せよ (10 点 ) 問 3 細胞周期のチェックポイントという言葉の意味を説明せよ (10 点 ) 問 4 CDK-サイクリン複合体は 細胞周期の特定の時期にブロテインキナーゼ活性を発揮し 細胞周期の進行に必要なタンパク質のリン酸化を介して細胞周期を制御している この CDK-サイクリン複合体の活性は タンパク質の合成 翻訳後修飾 分解などにより多元的に制御されている この制御の機構を具体的に説明せよ (10 点 ) 7

8 問題 B 問 1 以下の英文は Science 誌 316 巻 2007 年 5 月 18 日号 頁に掲載された Wilms Tumor Suppressor WTX Negatively Regulates Wnt/β-Catenin Signaling と題する論文 (Major 他 11 名著 ) の要旨 ( 一部略 ) である この文章を良く読み 下線部に関する問いに答えよ ( 計 20 点 ) Aberrant Wnt signal transduction is involved in many diseases. In colorectal cancer and melanoma, mutational disruption of 1)proteins involved in the degradation of β-catenin, the key effector of the Wnt signaling pathway, results in 2)stabilization of β-catenin and, in turn, activation of transcription. We have used affinity protein purification and mass spectrometry to define 3)the protein interaction network of the β-catenin destruction complex. This assay revealed that WTX, a protein encoded by a gene mutated in Wilms tumors, forms a complex with β-catenjn, AXIN1, B-TrCP2 (β -transducin repeat-containing protein 2), and APC (adenomatous polyposis coli). Functional analyses in cultured cells demonstrate that WTX promotes β-catenin ubiquitination and degradation, which antagonize Wnt/β-catenin signaling. These data provide a possible mechanistic explanation for the 4)tumor suppressor activity of WTX. Wilms tumor: ウィルムス腫瘍 ( 幼児の悪性腎腫瘍 ) WTX: ウィルムス腫瘍の約 30% に変異が見られる遺伝子として 2007 年 2 月 ( この論文が発表される 3 ヶ月前 ) に報告された 正常細胞において発癌を抑制している tumor suppressor であると考えられている negatively regulates: ネガティブに調節すること 即ち抑制することを意味する colorectal cancer: 大腸がん melanoma: 黒色腫 ( メラニン産生細胞より生じる悪性腫瘍 ) degradation: 分解 1) Wnt シグナルによるβ-catenin の分解制御に関わるシグナル伝達因子 ( タンパク質 ) の中で 家族性大腸腺腫症の原因遺伝子によりコードされているもの何か 一つ挙げよ (3 点 ) 8

9 2) がん細胞において分解を逃れたβ-catenin の機能として適当なものを次の中から一つ選べ (5 点 ) 特定タンパク質のユビキチン化を促進 特定タンパク質のリン酸化を促進 特定遺伝子の転写を促進 細胞死を誘導 3) この論文ではβ-catenin 分解に関わる新たなタンパク質を見出す目的で タンパク質間相互作用の網羅的解析 (β-catenin Axin-1 APC と結合するタンパク質を精製し 質量分析により同定する ) を行っている 下の図はその結果をまとめた論文中の図である 1~8 の番号を付した相互作用の中で この論文で新たに見出されたものを 4 つ挙げよ 矢印の方向は考慮しなくて良い (4 点 ) 4) WTX 遺伝子の変異 ( 不活性化 ) が癌発症の原因となる理由について この論文で明らかにされた事柄を基に考察せよ (8 点 ) 9

10 問 2 下の図は細胞外からのシグナルを受けて遺伝子の発現が調節される迄のシグナル伝 達経路を模式的に示したものである 1~4 に当てはまる語句を語群より選べ (8 点 ) 語群 : 細胞内シグナル伝達因子 リガンド 受容体 転写因子 問 3 次の細胞応答に関わる代表的なシグナル伝達因子を語群より 5 つずつ選べ (10 点 ) 1) インスリンによるブドウ糖の取込み促進 2) 低酸素状態における赤血球産生の促進 語群 :PIP3 エリスロポエチン インスリン受容体 VHL JAK STAT HIF-1 グルコーストランスポーター PI3 キナーゼ IRS-1 10

11 問 4 アポトーシスに関連する a)~f) の記述を 1) 正しいもの 2) 誤ったものに分けよ (12 点 ) a) 細胞死の形態は大きくネクローシス ( 壊死 ) とアポトーシスに分けられる b) プログラム細胞死とは偶発的な死ではなく 特定の遺伝子産物が関わるシグナル伝達に依存した細胞死である c) チトクローム c のミトコンドリアからの漏出は アポトーシスに関わるシグナル伝達経路を活性化する要因の一つである d) アポトーシスの誘導には多くの場合カスパーゼと呼ばれるタンパク質分解酵素を含むシグナル伝達が関与する e) アポトーシスを抑制する因子として知られる NFKB は 種々のサイトカインにより活性化される転写因子である f) ネクローシスによる細胞死の特徴は ヌクレオソーム単位での DNA 断片化を伴うことである 問 5 細胞運動の制御に関する a)~e) の記述を 1) 横紋筋についての記述 2) 平滑筋もしくは非筋細胞についての記述 3) 横紋筋 平滑筋 非筋細胞に共通の記述に分けよ (10 点 ) a) カルシウムによる運動制御にはトロポニン C と呼ばれるカルシウム結合タンパク質が関与する b) カルシウムによる運動制御には主としてカルモジュリンと呼ばれるカルシウム結合タンパク質が関与する c) カルシウム非依存的で Rho キナーゼに依存する制御機構が関与する d) ミオシンと呼ばれるモータータンパク質が関与する e) アクチンと呼ばれる繊維形成タンパク質が関与する 11

12 横浜市立大学医学部 平成 19 年度分子細胞生物学第 3 回試験問題 平成 19 年 11 月 8 日 ( 木曜日 ) 8:50~10:20 へボンホール [ 注意事項 ] 1) 筆記用具 時計以外のものは机の上に置かない 2) 携帯電話は 時計機能も含めて使用禁止 3) 問題 A( 大野出題 :40 点 ) 問題 B( 北村出題 :30 点 ) 問題 C( 矢澤出題 :30 点 ) に対する解答はそれぞれ別の解答用紙 ( 裏面も使用可 ) を記入すること * すべての解答用紙に 氏名 学籍番号を記入していることを確認するように 4) 試験終了後は 全員分の解答用紙の回収が終了するのを待ち 指示があるまで席をたたないこと 5) 不正行為があった場合には 無条件に失格とする 12

13 問題 A( 大野出題 ) (40 点 ) 解答にあたっては 分子細胞生物学の講義で学んだ 用語 を正確に用いると同時に 説明を求められた場合には正確な日本語の文章で記載すること ( 用語 は英語でもよい ) 問 1 がんは 細胞の病気 である 多くのがんでは細胞のどのような性質が異常となって いるのか? がん細胞に頻繁に見られる 細胞の性質の異常 の例を 5 個 列記せよ (10 点 ) 問 2 ヒトがんにおける遺伝子異常の詳細 ( どの遺伝子のどのような異常 など ) が明らかとなる以前から ヒトがんの原因が. 遺伝子の異常 にあることを示唆する様々な観察結果や実験結果が得られていた そのような状況証拠の具体例を 2 例あげ 各々について簡潔に解説せよ (10 点 ) 問 3 がん遺伝子 について以下の問いに答えよ (10 点 ) (1) ヒトのがんに関わる がん遺伝子 の代表例を一つ挙げよ (2) (1) で挙げた がん遺伝子 が がん細胞において示す遺伝子変異の性質は機能獲得型 機能喪失型のいずれか? また その根拠はどのような事実に求められるのか? (3) (1) で挙げた がん遺伝子 によってコードされた がん遺伝子産物 の正常細胞における機能はなにか? そして がん細胞ではその機能がどのように異常になっているのか? 簡潔に説明せよ 問 4 がん抑制遺伝子 について以下の問いに答えよ (10 点 ) (1) ヒトのがんに関わる がん抑制遺伝子 の代表例を一つ挙げよ (2) (1) で挙げた がん抑制遺伝子 が がん細胞において示す遺伝子変異の性質は機能獲得型 機能喪失型のいずれか? また その根拠はどのような事実に求められるのか? (3) (1) で挙げた一がん抑制遺伝子 によってコードされた がん抑制遺伝子産物 の正常細胞における機能はなにか? そして がん細胞ではその機能がどのように異常になっているのか? 簡潔に説明せよ 13

14 問題 B ( 北村出題 ) (30 点 ) 以下の文章は新生物 neoplasia( 腫瘍 ) に関する事項を病理学的観点から述べたものです 文章内の空欄の (1)~(20) 内に適切な言葉を入れなさい 腫瘍は生体の細胞に由来する異常な細胞が ( 1 ) 性 ( 2 ) 性 ( 3 ) 性に増殖する病態であり その結果過剰な塊 = 腫瘤 tumor を形成する 腫瘍組織の構成成分としては 腫瘍細胞自体である ( 4 ) とこれに誘導されその生存や増殖を支持する血管や結合組織からなる ( 5 ) に区別される 腫瘍の分類は様々であるが 原則として 生物学的振るまい すなわち宿主個体への影響度の差異により良性と悪性に 発生毋地 ( 由来細胞 ) の差異により上皮性と非上皮性に分け これらの力テゴリーを組み合わせた四種類に分類するのが基本である 腫瘍の命名はその頭に由来細胞をつけて ~ 腫 などとするが 悪性の腫瘍の場合は特別に上皮性のものは ~( 6 ) 非上皮性のものは ~( 7 ) という ちなみに がん あるいは ガン という語句は悪性腫瘍 ( 上皮性 + 非上皮性 ) とほぼ同義的に使用されている 腫瘍を良性と惡性に区別することは 患者さんの治療方法の選択や予後の推測に欠かせない臨床病理学的に非常に重要な課題であり その判定には出来るだけ多くの情報を得ることが必須である 中でも病理組織学的な診断は中心的役割を担っており 病理診断医師の責任は重い 一般的な傾向として 悪性腫瘍は良性腫瘍に比して ( 8 ) が速く 従って組織上 ( 9 ) 像もより高頻度にみられる また 細胞核の染色体異数倍数性や DNA 増量を反映して 一般的に ( 10 ) が増加し大型化するが その程度がまちまちで核の大きさや形の不揃いが目立つ場合が多い これを ( 11 ) という 一方 腫瘍細胞は発生した組織 細胞の形態と機能を種々の程度で保持しており これを腫瘍細胞の ( 12 ) という その程度は腫瘍の悪性度が強くなるにつれ ( 13 ) する傾向にある 良性腫瘍と悪性腫瘍の決定的差異は増殖様式であり 良性腫瘍は発生部位に限局して圧排性に増殖する これに対して悪性腫瘍では周囲の健常組織に連続的に侵入して破壊性に増殖する さらに血管やリンパ管を経由し あるいは種を播くように体確内にばらまかれ 発生部位の病変 ( 原発巣という ) から非連続的に他の臓器 組織に増殖果を形成することが少なくない 連続的に侵入増殖することを ( 14 ) 非連続的に増殖することを( 10 ) という このような性質のため 悪性腫瘍は治療が因難でしばしば患者さんの命を奪う ( 致死的な ) 病気である それでは腫瘍 ( とりわけ悪性腫瘍 ) はどのように発生し進展するのであろうか 現在腫瘍は単クローン性に発生する すなわち一個の前駆細胞 ( 幹細胞?) が異常細胞に変化することから始まるとされている これが正常細胞よりも増殖アドバンテージが高ければ 次第にそのクローンサイズ ( 構成細胞数 ) が増大し正常細胞を圧排置換する その増殖細胞群中に増殖ア 14

15 ドバンテージがより高い異常細胞がさらに生じ これを繰り返すことにより いわゆるサブクローンを次々と形成していくことになる その結果 腫瘍全体として悪性度が次第に増大していくのであるが このような段階的な発生 進展様式を ( 10 ) 発癌という 一方で 臨床的に認識できる段階まで育った腫瘍は悪性度等において性格の異なるいくつものサブクローンからなっている これを腫瘍の ( 17 ) という 以上の腫瘍細胞の各段階での表現型の変化はそれそれが遺伝子レベルでの変化の結果生じている 腫瘍細胞における遺伝子異常は 基本的にはアトランダムに起こるが 増殖アドバンテージが他のそれより高いサブクローンが偶然生じるとこれが種々の要因 ( 選択圧 ) により選択され その結果他のサブクローンより優位になると考えられている 悪性腫瘍の発生 進展に関与する遺伝子異常は 細胞の增殖 分化 死 DNA 修復等に関連する遺伝子に生じると考えられている これらの遺伝子の異常はヒトの場合おおよそ 9 割近くが ( 18 ) 物質 ( 10 ) 感染 ( 20 ) 暴露などの外来性因子によって惹起されるとされている 15

16 問題 C( 矢澤出題 ) (30 点 ) 下記の文章を読んで 文末の設問に答えよ 68 歳 女性 図 1 に示すように 左肺に巨大な腫瘍が発見され 手術が行われた 顕微鏡的に観察すると 図 2 に示すように 4 つの異なった形態を示す癌細胞が認められた これら 4 成分の癌細胞が別々に発生したのか あるいは同一癌細胞が形態を変化させたのかを明らかにするため 正常肺組織および肺癌各成分から DNA を抽出し 以下のような操作を行った 操作 1: 抽出した DNA の一部を制限酵素 HpaⅡを用いて切断処理し HpaⅡ 処理 DNA と HpaⅡ 未処理 DNA を用い X 染色体に位置しているアンドロゲンレセプター (androgen receptor) 遺伝子のうち鎖長に個体差のあるイントロン領域を 下図左の如く PCR により増幅し 下図右の結果を得た なお PCR により増幅した領域のアンドロゲンレセプター対立遺伝子にはその両方に HpaⅡ 切断部位が存在している またメチル化された HpaⅡ 切断部位は HpaⅡで切断することができない 16

17 操作 2: 抽出した DNA を用い X 染色体に位置している PGK-1(phosphoglycerate kinase-1) 遺伝子のうち 制限酵素 BstXI 切断部位を含む領域を下図左の如く PCR により増幅し この増幅産物を制限酵素 BstXI を用いて切断処理することにより 下図右の結果を得た なお この患者さんは PGK-1 対立遺伝子の一方にのみ BstXI 切断部位を有している 設問おこなった解析の結果から 同一癌細胞から発生した可能性が高いと考えられる成分が明らかになった それはどの成分か 下記のキーワードを用い その根拠とともに述べなさい キーワード : 不活性化 クロナリティー (clonality) LOH(loss of heterozygosity) 17

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 大道正英 髙橋優子 副査副査 岡 田 仁 克 辻 求 副査 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent transforming growth factor- binding protein-4 is downregulated in breast

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関 Title 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 大西, 正俊 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2010-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/120523 Right Type Thesis or Dissertation

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 75. 哺乳類のゴルジ体ストレス応答の分子機構の解明 吉田秀郎 Key words: ゴルジ体, 小胞体, 転写, ストレス応答, 細胞小器官 兵庫県立大学大学院生命理学研究科生体物質化学 Ⅱ 講座 緒言細胞内には様々な細胞小器官が存在して細胞の機能を分担しているが, その存在量は細胞の需要に応じて厳密に制御されており, 必要な時に必要な細胞小器官が必要な量だけ増強される.

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 Poly I:C により一部の樹状細胞にネクローシス様の細胞死が誘導されること さらにこの細胞死がシグナル伝達経路の活性化により制御されていることが分かりました

More information

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - 私たちの生命維持を行うのに重要な役割を担う微量金属元素の一つとして知られていた 亜鉛 この亜鉛が欠乏すると 味覚障害や成長障害 免疫不全 神経系の異常などをきたします 理研免疫アレルギー科学総合研究センターサイトカイン制御研究グループと大阪大学の研究グループは

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 (1734) 1-3. 細胞膜について正しい記述はどれか 1 糖脂質分子が規則正しく配列している 2 イオンに対して選択的な透過性をもつ 3 タンパク質分子の二重層膜からなる 4

More information

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 朝日通雄 恒遠啓示 副査副査 瀧内比呂也谷川允彦 副査 勝岡洋治 主論文題名 Topotecan as a molecular targeting agent which blocks the Akt and VEGF cascade in platinum-resistant ovarian cancers ( 白金製剤耐性卵巣癌における

More information

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム 平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 2 月 19 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス反応を増強する重要分子 PDC-TREM を発見 - 形質細胞様樹状細胞が Ⅰ 型インターフェロンの産生を増幅する仕組みが明らかに - インフルエンザの猛威が続いています このインフルエンザの元凶であるインフルエンザウイルスは 獲得した免疫力やウイルスに対するワクチンを見透かすよう変異し続けるため 人類はいまだ発病の恐怖から免れることができません

More information

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 奥橋佑基 論文審査担当者 主査三浦修副査水谷修紀 清水重臣 論文題目 NOTCH knockdown affects the proliferation and mtor signaling of leukemia cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 目的 : sirna を用いた NOTCH1 と NOTCH2 の遺伝子発現の抑制の 白血病細胞の細胞増殖と下流のシグナル伝達系に対する効果を解析した

More information

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化 論文の内容の要旨 論文題目 着床期ヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸の発現調節機序及び機能の解析 指導教員武谷雄二教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 15 年 4 月入学 医学博士課程 生殖 発達 加齢医学専攻 清末美奈子 緒言 着床とは 受精卵が分割し形成された胚盤胞が子宮内膜上皮へ接着 貫通し 子 宮内膜間質を浸潤して絨毛構造を形成するまでの一連の現象をいう 胚盤胞から分化した トロフォブラストが浸潤していく過程で

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 1. 2. 3. 4. 5. 6. WASP-interacting protein(wip) CR16 7. 8..pdf Adobe Acrobat WINDOWS2000 論文の内容の要旨 論文題目 WASP-interacting protein(wip) ファミリー遺伝子 CR16 の機能解析 氏名坂西義史 序 WASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ

子として同定され 前立腺癌をはじめとした癌細胞や不死化細胞で著しい発現低下が認められ 癌抑制遺伝子として発見された Dkk-3 は前立腺癌以外にも膵臓癌 乳癌 子宮内膜癌 大腸癌 脳腫瘍 子宮頸癌など様々な癌で発現が低下し 癌抑制遺伝子としてアポトーシス促進的に働くと考えられている 先行研究では ヒ 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 髙田愛子 論文審査担当者 主査北川昌伸副査山岡昇司 清水重臣 論文題目 Dkk-3 induces apoptosis through mitochondrial and Fas death receptor pathways in human mucinous ovarian cancer cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Wnt シグナルの阻害因子

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ

報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - 転んだり 細菌に感染したりすると 私たちは 発熱 疼痛 腫れなどの症状に見まわれます これらの炎症反応は 外敵に対する生体の防御機構の 1 つで 実は私たちの身を守ってくれているのです 異物が侵入すると 抗体を作り

More information

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で ( 様式甲 5) 氏 名 髙井雅聡 ( ふりがな ) ( たかいまさあき ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Crosstalk between PI3K and Ras pathways via 学位論文題名 Protein Phosphatase 2A in human

More information

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する 糖鎖の新しい機能を発見 : 補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する ポイント 神経細胞上の糖脂質の糖鎖構造が正常パターンになっていないと 細胞膜の構造や機能が障害されて 外界からのシグナルに対する反応や攻撃に対する防御反応が異常になることが示された 細胞膜のタンパク質や脂質に結合している糖鎖の役割として 補体の活性のコントロールという新規の重要な機能が明らかになった 糖脂質の糖鎖が欠損すると

More information

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を 解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を進展させるしくみを解明 難治がんである悪性黒色腫の新規分子標的治療法の開発に期待 ポイント 難治がんの一つである悪性黒色腫

More information

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U: ウラシル (RNA に含まれている塩基 DNA にはない ) イ. シャルガフの規則 二本鎖の DNA に含まれる A,T,G,C の割合は,A=T,G=C となる 2.DNA の半保存的複製 ア.

More information

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE 1-3 KAGURAZAKA, SHINJUKU-KU, TOKYO 162-8601, JAPAN Phone: +81-3-5228-8107 報道関係各位 2018 年 8 月 6 日 免疫細胞が記憶した病原体を効果的に排除する機構の解明 ~ 記憶 B 細胞の二次抗体産生応答は IL-9 シグナルによって促進される ~ 東京理科大学 研究の要旨東京理科大学生命医科学研究所

More information

生物 第39講~第47講 テキスト

生物 第39講~第47講 テキスト 基礎から分かる生物 興奮の伝導と伝達 1. 興奮の伝導 1 興奮の伝導 興奮が生じると, 興奮が生じた部位と隣接する静止状態の部位の間で電位の差が発生する. この電位差により, 興奮部分から隣接部へと活動電流が流れる. 活動電流が隣接部を興奮させる刺激となり, 隣接部が次々と興奮する. これによって興奮は, 興奮が発生した部位から軸索内を両方向に伝導する. 1 興奮の発生 2 隣接部に活動電流が流れる

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日) 平成 28 年 5 月 26 日 肺がんに対する新たな分子標的治療を発見! 本研究成果のポイント 肺がんのうち 5% 程度を占める KRAS( 1) 遺伝子変異肺がんは, 上皮間葉移行 ( 2) 状態により上皮系と間葉系の 2 種類に分類される KRAS 遺伝子変異を有する肺がんに対し現在臨床試験中の MEK 阻害薬は, 投与後に細胞表面受容体を活性化することにより効果が減弱され, 活性化される細胞表面受容体は上皮間葉移行状態により異なる

More information

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明 [PRESS RELEASE] No.KPUnews290004 2018 年 1 月 24 日神戸薬科大学企画 広報課 脂肪細胞のインスリンシグナルを調節し 糖尿病 メタボリック症候群の発症を予防 する新規分子の発見 日本人男性の約 30% 女性の約 20% は肥満に該当し 肥満はまさに国民病です 内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を引き起こし 糖尿病 メタボリック症候群の発症に繋がります 糖尿病

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 多能性幹細胞を利用した毒性の判定方法 教授 森田隆 准教授 吉田佳世 ( 大阪市立大学大学院医学研究科遺伝子制御学 ) これまでの問題点 化学物質の人体および環境に及ぼす影響については 迅速にその評価を行うことが社会的に要請されている 一方 マウスやラットなど動物を用いた実験は必要ではあるが 動物愛護や費用 時間的な問題がある そこで 哺乳動物細胞を用いたリスク評価系の開発が望まれる 我々は DNA

More information

細胞外情報を集積 統合し 適切な転写応答へと変換する 細胞内 ロジックボード 分子の発見 1. 発表者 : 畠山昌則 ( 東京大学大学院医学系研究科病因 病理学専攻微生物学分野教授 ) 2. 発表のポイント : 多細胞生物の個体発生および維持に必須の役割を担う多彩な形態形成シグナルを細胞内で集積 統

細胞外情報を集積 統合し 適切な転写応答へと変換する 細胞内 ロジックボード 分子の発見 1. 発表者 : 畠山昌則 ( 東京大学大学院医学系研究科病因 病理学専攻微生物学分野教授 ) 2. 発表のポイント : 多細胞生物の個体発生および維持に必須の役割を担う多彩な形態形成シグナルを細胞内で集積 統 細胞外情報を集積 統合し 適切な転写応答へと変換する 細胞内 ロジックボード 分子の発見 1. 発表者 : 畠山昌則 ( 東京大学大学院医学系研究科病因 病理学専攻微生物学分野教授 ) 2. 発表のポイント : 多細胞生物の個体発生および維持に必須の役割を担う多彩な形態形成シグナルを細胞内で集積 統合する分子として parafibromin を同定しました parafibromin はシグナルの組み合わせに応じて

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 細胞の情報伝達 (1) 何を学習するか細胞が環境からシグナル ( 刺激 ) を受けて 細胞の状態が変化するときに 細胞内でどのような現象が起きているか を知る分子の大変複雑な連続反応であるので 反応の最初の段階を中心に見ていく ( 共通の現象が多いから ; 疾患の治療の標的となる分子が多い ) これを知るために (2) リガンドの拡散様式 ( 図 16-3) リガンドを発現する細胞とこれを受け取る細胞との

More information

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - カビが猛威を振るう梅雨の季節 この時期に限って喘息がでるんですよ というあなたは カビ アレルギー アレルギーを引き起こす原因物質は ハウスダストや食べ物 アクセサリなどとさまざまで この季節だけではない

More information

博士の学位論文審査結果の要旨

博士の学位論文審査結果の要旨 博士の学位論文審査結果の要旨 申請者氏名 稲荷均 横浜市立大学大学院医学研究科外科治療学 審査員 主査横浜市立大学大学院医学研究科教授矢尾正祐 副査横浜市立大学大学院医学研究科講師成井一隆 副査横浜市立大学大学院医学研究科講師仙石徹 学位論文 : 転移性乳癌における EZH2 発現の臨床的意義 Expression of enhancer of zeste homolog 2 correlates

More information

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63>

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63> 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 論文題目 主査 荒川真一 御給美沙 副査木下淳博横山三紀 Thrombospondin-1 Production is Enhanced by Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide in THP-1 Cells ( 論文の内容の要旨 ) < 要旨 > 歯周炎はグラム陰性嫌気性細菌によって引き起こされる慢性炎症性疾患であり

More information

-119-

-119- -119- - 日中医学協会助成事業 - 前立腺がんの造骨性骨転移のメカニズム解明 研究者氏名中国所属機関日本研究機関指導責任者共同研究者 王麗楊中国医科大学大阪大学歯学研究科教授米田俊之相野誠 要旨 近年日本の男性において急増している前立腺がんは死亡率の第 2 位にランクされている 80% 以上の前立腺癌は造骨性の骨転移を示し 患者の QOL および生存期間を著しく低下させる 前立腺がん発生のメカニズムには未だ不明な点が多く

More information

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約]

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約] Title 血漿エクソソーム由来 microrna を用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [ 全文の要約 ] Author(s) 山口, 響子 Issue Date 2017-03-23 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/66158 Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については

More information

<4D F736F F D F D F095AA89F082CC82B582AD82DD202E646F63>

<4D F736F F D F D F095AA89F082CC82B582AD82DD202E646F63> 平成 23 年 2 月 12 日筑波大学 不要な mrna を選択的に分解するしくみを解明 医療応用への新規基盤をめざす < 概要 > 真核生物の遺伝子の発現は DNA のもつ遺伝情報をメッセンジャー RNA(mRNA) に写し取る転写の段階だけでなく 転写の結果つくられた mrna 自体に対しても様々な制御がなされています 例えば mrna を細胞内の特定の場所に引き留めておくことや 正確につくられなかった

More information

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ 207 年度茨城リスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ ( ) の 2 つの血管系がある 肝臓はこれらの血管系から入ってくる 酸素や栄養素等を用いて, 次のような様々な化学反応を行う

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について ( 別添 ) 最終的に宿主に導入された DNA が 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物の DNA のみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準

More information

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明

Peroxisome Proliferator-Activated Receptor a (PPARa)アゴニストの薬理作用メカニズムの解明 インスリンによる脂肪細胞の数とサイズの制御機構の解明 Clarification of Regulatory Mechanisms for Determining Number and Size of Adipocytes by Insulin 平成 25 年度論文博士申請者 指導教員 伊藤実 (Ito, Minoru) 本島清人 肥満は糖尿病 脂質異常症 高血圧 動脈硬化症などの生活習慣病の基盤となるリスクファクターである

More information

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし 解禁日時 :2018 年 12 月 12 日 ( 水 ) 午後 6 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2018 年 12 月 11 日国立大学法人東京医科歯科大学国立研究開発法人日本医療研究開発機構 炎症性腸疾患の腸上皮における新たな炎症 再生応答の協調機構を解明 早期の治療効果予測に期待 ポイント 炎症性腸疾患 ( 潰瘍性大腸炎 クローン病 ) は消化管に原因不明の炎症と腸上皮の傷害

More information

様式)

様式) 研究報告書 研究課題名 : 細胞膜脂質による分裂軸方向の制御とがん化に伴う変化 ( 研究領域 : 代謝と機能制御 ) 研究者氏名 : 豊島文子 ( 研究期間 : 2005 年 10 月 1 日 ~ 2009 年 3 月 31 日 ) 研究報告書 1. 研究課題名細胞膜脂質による分裂軸方向の制御とがん化に伴う変化 2. 氏名豊島文子 3. 研究のねらい生物が卵からその固有の形を作っていく過程では 個々の細胞が一定の軸方向に沿って分裂する現象が重要な役割を果たす

More information

第6号-2/8)最前線(大矢)

第6号-2/8)最前線(大矢) 最前線 免疫疾患における創薬標的としてのカリウムチャネル 大矢 進 Susumu OHYA 京都薬科大学薬理学分野教授 異なる経路を辿る 1つは マイトジェンシグナル 1 はじめに を活性化し 細胞増殖が促進されるシグナル伝達経 路 図1A 右 であり もう1つはカスパーゼやエ 神 経 筋 の よ う な 興 奮 性 細 胞 で は カ リ ウ ム ンドヌクレアーゼ活性を上昇させ アポトーシスが K

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血 報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血管に溜まっていくことが動脈硬化の原因となる 3. マクロファージ内に存在するたんぱく質 MafB は

More information

妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮におけるI型IFNシグナル調節機構に関する研究 [全文の要約]

妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮におけるI型IFNシグナル調節機構に関する研究 [全文の要約] Title 妊娠認識および胎盤形成時のウシ子宮における I 型 IFN シグナル調節機構に関する研究 [ 全文の要約 ] Author(s) 白水, 貴大 Issue Date 2017-03-23 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/65952 Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については

More information

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること 生化学 責任者 コーディネーター 看護専門基礎講座塚本恭正准教授 担当講座 学科 ( 分野 ) 看護専門基礎講座 対象学年 1 期間後期 区分 時間数 講義 22.5 時間 単位数 2 単位 学習方針 ( 講義概要等 ) 生化学反応の場となる細胞と細胞小器官の構造と機能を理解する エネルギー ATP を産生し 生体成分を作り出す代謝反応が生命活動で果たす役割を理解し 代謝反応での酵素の働きを学ぶ からだを構成する蛋白質

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 森脇真一 井上善博 副査副査 東 治 人 上 田 晃 一 副査 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independent rejection of D d -, K d -, or D d K d -transgened mouse skin

More information

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討

センシンレンのエタノール抽出液による白血病細胞株での抗腫瘍効果の検討 Evaluation of anti-tumor activity with the treatment of ethanol extract from Andrographis Paniculata in leukemic cell lines Hidehiko Akiyama 1), Kazuharu Suzuki 2), Toshiyuki Taniguchi 2) and Itsuro Katsuda

More information

胞運命が背側に運命変換することを見いだしました ( 図 1-1) この成果は IP3-Ca 2+ シグナルが腹側のシグナルとして働くことを示すもので 研究チームの粂昭苑研究員によって米国の科学雑誌 サイエンス に発表されました (Kume et al., 1997) この結果によって 初期胚には背腹

胞運命が背側に運命変換することを見いだしました ( 図 1-1) この成果は IP3-Ca 2+ シグナルが腹側のシグナルとして働くことを示すもので 研究チームの粂昭苑研究員によって米国の科学雑誌 サイエンス に発表されました (Kume et al., 1997) この結果によって 初期胚には背腹 報道発表資料 2002 年 5 月 16 日 独立行政法人理化学研究所 科学技術振興事業団 生物の 腹 と 背 を分けるメカニズムの一端を解明 - 体軸形成を担うカルシウムシグナルの標的遺伝子を発見 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) と科学技術振興事業団 ( 沖村憲樹理事長 ) は 東京大学と共同で 生物の初期発生時において 腹 と 背 を決める情報伝達に使われるカルシウムシグナルのメカニズムの一端を明らかにしました

More information

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が 参考資料配布 2014 年 11 月 10 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人東北大学 血小板上の受容体 CLEC-2 は糖鎖とペプチド鎖の両方を認識 - マムシ毒は糖鎖に依存せず受容体と結合 - 本研究成果のポイント レクチンは糖鎖とのみ結合する というこれまでの考え方を覆す CLEC-2 受容体は同じ領域でマムシ毒とがんに関わる糖タンパク質に結合 糖鎖を模倣したペプチド性薬剤の設計への応用に期待

More information

スライド 1

スライド 1 ミトコンドリア電子伝達系 酸化的リン酸化 (2) 平成 24 年 5 月 21 日第 2 生化学 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 電子伝達系を阻害する薬物を理解する ミトコンドリアに NADH を輸送するシャトルについて理解する ATP の産生量について理解する 脱共役タンパク質について理解する 複合体 I III IV を電子が移動するとプロトンが内膜の内側 ( マトリックス側

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D> PRESS RELEASE(2017/07/18) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 造血幹細胞の過剰鉄が血液産生を阻害する仕組みを解明 骨髄異形成症候群の新たな治療法開発に期待 - 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授

More information

Microsoft PowerPoint - 分子生物学-6 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 分子生物学-6 [互換モード] 分子生物学講義 第 6 回 DNA 修復 分子生命化学教室荒牧弘範 遺伝子の突然変異 NHK スペシャル Vol2. 19:43-29:28 遺伝子 DNA 3 疾病と老化における DNA 修復 31 3.1 DNA 修復の頻度と細胞病理 3.2 DNA 修復速度の変化 3.3 遺伝的なDNA 修復の異常 34 3.4 慢性的な DNA 修復の不調 3.5 長寿とDNA 修復 31 3.1 DNA

More information

平成24年7月x日

平成24年7月x日 < 概要 > 栄養素の過剰摂取が引き金となり発症する生活習慣病 ( 痛風 動脈硬化や2 型糖尿病など ) は 現代社会における重要な健康問題となっています 近年の研究により 生活習慣病の発症には自然免疫機構を介した炎症の誘導が深く関わることが明らかになってきました 自然免疫機構は 病原性微生物を排除するための感染防御機構としてよく知られていますが 過栄養摂取により生じる代謝物にも反応するために 強い炎症を引き起こして生活習慣病の発症要因になってしまいます

More information

生物時計の安定性の秘密を解明

生物時計の安定性の秘密を解明 平成 25 年 12 月 13 日 生物時計の安定性の秘密を解明 概要 名古屋大学理学研究科の北山陽子助教 近藤孝男特任教授らの研究グループは 光合 成をおこなうシアノバクテリアの生物時計機構を解析し 時計タンパク質 KaiC が 安定な 24 時 間周期のリズムを形成する分子機構を明らかにしました 生物は, 生物時計 ( 概日時計 ) を利用して様々な生理現象を 時間的に コントロールし 効 率的に生活しています

More information

H27_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H27_大和証券_研究業績_C本文_p indd 分子病理疫学を用いた大腸発癌早期における微生物群ゲノムの解析 札幌医科大学医学部消化器 免疫 リウマチ内科学講座 研究員五十嵐央祥 ( 共同研究者 ) 札幌医科大学医学部消化器 免疫 リウマチ内科学講座教授篠村恭久 はじめに近年 分子生物学の進歩により人体に存在する微生物群ゲノム (microbiome) 解析が可能になった 微生物細胞数は人体の細胞数の約 10 倍といわれ 個々の臓器 ( 消化管

More information

1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている )

1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている ) 1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている ) を利用していろいろな生命活動を行っている 生物は, 形質を子孫に伝える d( ) のしくみをもっている

More information

<4D F736F F F696E74202D2097D58FB08E8E8CB1838F815B834E F197D58FB E96D8816A66696E616C CF68A4A2E >

<4D F736F F F696E74202D2097D58FB08E8E8CB1838F815B834E F197D58FB E96D8816A66696E616C CF68A4A2E > 再生医療等製品の非臨床安全性評価の考え方 ex vivo 遺伝子治療を中心に 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA) 再生医療製品等審査部 真木一茂 様式 1-B 第 24 回日本遺伝子細胞治療学会学術集会 CO I 開示 発表者名 : 真木一茂 演題発表に関連し 開示すべき CO I 関係にある企業などはありません 2 1 本日の話 1.Ex vivo 遺伝子治療について 2. 治験開始に必要な非臨床試験

More information

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc 1 要約 Pin1 inhibitor PiB prevents tumor progression by inactivating NF-κB in a HCC xenograft mouse model (HCC 皮下移植マウスモデルにおいて Pin1 インヒビターである PiB は NF-κB 活性を低下させることにより腫瘍進展を抑制する ) 千葉大学大学院医学薬学府先端医学薬学専攻 ( 主任

More information

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM ( 様式甲 5) 氏 名 山名秀典 ( ふりがな ) ( やまなひでのり ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 26 年 7 月 30 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Down-regulated expression of 学位論文題名 monocyte/macrophage major histocompatibility

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

ABSTRACT

ABSTRACT タイトル DKK4 の Wnt シグナル伝達経路への影響と腎癌におけるその有効性について The effect of DKK4 in Wnt signaling pathways and role in human renal cancer 所属氏名山口大学医学部医学研究科平田寛 Yamaguchi University Graduate School of Medicine 派遣期間 2005 年

More information

核内受容体遺伝子の分子生物学

核内受容体遺伝子の分子生物学 核内受容体遺伝子の分子生物学 佐賀大学農学部 助教授和田康彦 本講義のねらい 核内受容体を例として脊椎動物における分子生物学的な思考方法を体得する 核内受容体遺伝子を例として脊椎動物における遺伝子解析手法を概観する 脊椎動物における核内受容体遺伝子の役割について理解する ヒトや家畜における核内受容体遺伝子研究の応用について理解する セントラルドグマ ゲノム DNA から相補的な m RNA( メッセンシ

More information

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9 マクロ生物学 9 生物は様々な化学反応で動いている 大阪大学工学研究科応用生物工学専攻細胞動態学領域 : 福井希一 1 生物の物質的基盤 Deleted based on copyright concern. カープ分子細胞生物学 より 2 8. 生物は様々な化学反応で動い ている 1. 生命の化学的基礎 2. 生命の物理法則 3 1. 生命の化学的基礎 1. 結合 2. 糖 脂質 3. 核酸 4.

More information

Microsoft PowerPoint - 資料6-1_高橋委員(公開用修正).pptx

Microsoft PowerPoint - 資料6-1_高橋委員(公開用修正).pptx 第 1 回遺伝子治療等臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 平成 29 年 4 月 12 日 ( 水 ) 資料 6-1 ゲノム編集技術の概要と問題点 筑波大学生命科学動物資源センター筑波大学医学医療系解剖学発生学研究室 WPI-IIIS 筑波大学国際睡眠医科学研究機構筑波大学生命領域学際研究 (TARA) センター 高橋智 ゲノム編集技術の概要と問題点 ゲノム編集とは? なぜゲノム編集は遺伝子改変に有効?

More information

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1 2016 年 12 月 19 日 17 時 ~ 記者レクチャー @ 文部科学省 細胞死を司る カルシウム動態の制御機構を解明 - アービット (IRBIT) が小胞体ーミトコンドリア間の Ca 2+ の移動を制御 - 共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1 アポトーシス : プログラムされた細胞死多細胞生物にみられる細胞の死に方の一つ 不要になった細胞や損傷を受けた細胞が積極的に自滅して個体を健全な状態に保つメカニズム

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について 食安基発 0627 第 3 号 平成 26 年 6 月 27 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部基準審査課長 ( 公印省略 ) 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項について 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和

More information

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al. 氏名 ( 本籍 ) 田辺敦 ( 神奈川県 ) 学位の種類博士 ( 学術 ) 学位記番号学位授与年月日学位授与の要件学位論文題名 甲第 64 号平成 28 年 3 月 15 日学位規則第 3 条第 2 項該当 RNA ヘリカーゼ YTHDC2 の転写制御機構と癌転移における YTHDC2 の 役割についての解析 論文審査委員 ( 主査 ) 佐原弘益 ( 副査 ) 村上賢 滝沢達也 代田欣二 論文内容の要旨

More information

Microsoft PowerPoint - DNA1.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - DNA1.ppt [互換モード] 生物物理化学 タンパク質をコードする遺伝子 (135~) 本 PPT 資料の作成には福岡大学機能生物研究室のホームページを参考にした http://133.100.212.50/~bc1/biochem/index2.htm 1 DA( デオキシリボ核酸 ) の化学的特徴 シャルガフ則とDAのX 線回折像をもとに,DAの構造が予測された (Watson & Crick 1953 年 ) 2 Watson

More information

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム 2014 年 4 月 4 日 東北大学大学院医学系研究科 染色体転座 逆位による白血病の発症機構を解明 染色体異常に起因する疾病の病因解明に向けた新たな解析手法の確立 東北大学大学院医学系研究科の鈴木未来子講師 ( ラジオアイソトープセンター ) 山㟢博未博士 ( 医化学分野 ) 清水律子教授 ( 分子血液学分野 ) 山本雅之教授 ( 医化学分野 東北メディカル メガバンク機構機構長 ) らは 3

More information

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク 平成 28 年 12 月 19 日 ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 泌尿器科学分野の山本徳則 ( やまもととくのり ) 准教授 後藤百万 ( ごとうももかず ) 教授と札幌医科大学内分泌内科の古橋眞人 ( ふるはしまさと ) 講師

More information

博士学位論文審査報告書

博士学位論文審査報告書 5 氏 名満仲翔一 学 位 の 種 類博士 ( 理学 ) 報 告 番 号甲第 465 号 学位授与年月日 2017 年 9 月 19 日 学位授与の要件学位規則 ( 昭和 28 年 4 月 1 日文部省令第 9 号 ) 第 4 条第 1 項該当 学位論文題目腸管出血性大腸菌 O157:H7 Sakai 株に存在する Stx2 ファー ジにコードされた Small Regulatory RNA SesR

More information

Microsoft Word CREST中山(確定版)

Microsoft Word CREST中山(確定版) 平成 22 年 11 月 29 日 科学技術振興機構 (JST) Tel:03-5214-8404( 広報ポータル部 ) 九州大学 Tel:092-642-2106( 広報室 ) 肝臓における脂肪代謝の新たな制御機構を解明 ( メタボリック症候群における脂肪肝に対する治療への応用に期待 ) JST 課題解決型基礎研究の一環として 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授らは 肝臓における中性脂肪注

More information

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス PRESS RELEASE(2015/11/05) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 免疫細胞が自分自身を攻撃しないために必要な新たな仕組みを発見 - 自己免疫疾患の発症機構の解明に期待 -

More information

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1 A A RNA からタンパク質へ mrna の塩基配列は 遺伝暗号を介してタンパク質のアミノ酸の配列へと翻訳される trna とアミノ酸の結合 RNA 分子は 3 通りの読み枠で翻訳できる trnaは アミノ酸とコドンを結びつけるアダプター分子である (Ψ; プソイドウリジン D; ジヒドロウリジンどちらもウラシルが化学修飾したもの ) アミノアシル trna 合成酵素によって アミノ酸と trna

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 112. 水痘帯状疱疹ウイルス感染機構の解明 定岡知彦 Key words: 水痘帯状疱疹ウイルス, 感染性ウイルス粒子産生 神戸大学大学院医学研究科感染症センター臨床ウイルス学 緒言水痘帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus: VZV) は, ヒトに感染して初感染においては全身性に水痘を発症し, 脊髄後根神経節に潜伏した後,

More information

CERT化学2013前期_問題

CERT化学2013前期_問題 [1] から [6] のうち 5 問を選んで解答用紙に解答せよ. いずれも 20 点の配点である.5 問を超えて解答した場合, 正答していれば成績評価に加算する. 有効数字を適切に処理せよ. 断りのない限り大気圧は 1013 hpa とする. 0 C = 273 K,1 cal = 4.184 J,1 atm = 1013 hpa = 760 mmhg, 重力加速度は 9.806 m s 2, 気体

More information

PRESS RELEASE (2014/2/6) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

PRESS RELEASE (2014/2/6) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL: PRESS RELEASE (2014/2/6) 北海道大学総務企画部広報課 060-0808 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL 011-706-2610 FAX 011-706-2092 E-mail: kouhou@jimu.hokudai.ac.jp URL: http://www.hokudai.ac.jp クワガタムシの雌雄差を生み出す遺伝子の同定に成功 研究成果のポイント クワガタムシで雌雄差を生み出す遺伝子を同定した

More information

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor α μ μ μ μ 慢性化膿性根尖性歯周炎の病態像 Ⅰ型 A D Ⅱ型 E H Ⅰ型では 線維芽細胞と新生毛細血管が豊富で線維成分 に乏しく マクロファージ リンパ球や形質細胞を主とす る炎症性細胞の多数浸潤を認める Ⅱ型では Ⅰ型よりも線維成分が多く 肉芽組織中の炎 症性細胞浸潤や新生毛細管血管の減少や Ⅰ型よりも太い 膠原線維束の形成を認める A C E G B D F H A B E F HE

More information

~ 副腎に腫瘍がある といわれたら ~ 副腎腫瘍? そもそも 副腎って何? 小さいけれど働き者の 副腎 副腎は 左右の腎臓の上にある臓器です 副腎皮質ホルモンやカテコラミンと呼ばれる 生命や血圧を維持するために欠かせない 重要なホルモンを分泌している大切な臓器です 副腎 副腎 NEXT ホルモンって 何? 全身を調整する大切な ホルモン 特定の臓器 ( 内分泌臓器 ) から血液の中に出てくる物質をホルモンと呼びます

More information

EBウイルス関連胃癌の分子生物学的・病理学的検討

EBウイルス関連胃癌の分子生物学的・病理学的検討 論文の内容の要旨 論文題目 日本人の卵巣癌の発生と進展に関する病理組織学的研究 指導教員 深山正久 東京大学大学院医学系研究科 平成 18 年 4 月 入学 医学博士課程 病因 病理学専攻 前田大地 卵巣癌は卵巣表層上皮性 間質性腫瘍に分類される悪性腫瘍で 主に明細胞腺癌 漿液性腺癌 粘液 性腺癌 類内膜腺癌という 4 つの組織型からなる 現在 卵巣癌に対する手術術式や術後化学療法の種 類は その組織型とは関係なく一定のものが選択されることがほとんどである

More information

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc テクノロジー Gateway の基本原理 テクノロジーは λ ファージが大腸菌染色体へ侵入する際に関与する部位特異的組換えシステムを基礎としています (Ptashne, 1992) テクノロジーでは λ ファージの組換えシステムのコンポーネントを改変することで 組み換え反応の特異性および効率を高めています (Bushman et al, 1985) このセクションでは テクノロジーの基礎となっている

More information

HYOSHI48-12_57828.pdf

HYOSHI48-12_57828.pdf 米倉 シナプス形成機構 3 図2 カドヘリンファミリーの構造 細胞外領域に細胞接着を担う EC ドメインを有している 哺乳動物のカドヘ リンの細胞外領域には EC しか存在していないが 他の動物種では EC 以外 のドメイン構造を有している 細胞内領域は広く種に保存されており βカ テニンと結合し さらに αカテニンを介してアクチン細胞骨格系につなが っている 図3 M ARCM 法の概略 GAL4は

More information

スライド 1

スライド 1 解糖系 (2) 平成 24 年 5 月 7 日生化学 2 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 解糖系の制御機構を理解する 2,3-BPG について理解する 癌と解糖系について理解する エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 乳酸

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 24(2010) 164. 消化器癌におけるエピジェネティックな microrna 異常の解析 鈴木拓 Key words: 胃癌, 大腸癌,microRNA, DNA メチル化, 癌抑制遺伝子 札幌医科大学医学部内科学第一講座 緒言 microrna( 以下 mirna) は 18 ~ 22 塩基程度の短い non-coding RNA であり, 分化 増殖 アポトーシスなど細胞内の様々なプロセスに重要な役割を担っている

More information

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt 組換え酵素を用いた配列部位 特異的逐次遺伝子導入方法 Accumulative gene integration system using recombinase 工学研究院化学工学部門河邉佳典 2009 年 2 月 27 日 < 研究背景 > 1 染色体上での遺伝子増幅の有用性 動物細胞での場合 新鮮培地 空気 + 炭酸ガス 使用済み培地 医薬品タンパク質を生産する遺伝子を導入 目的遺伝子の多重化

More information

<4D F736F F D208DC58F498F4390B D4C95F189DB8A6D A A838A815B C8EAE814095CA8E86325F616B5F54492E646F63>

<4D F736F F D208DC58F498F4390B D4C95F189DB8A6D A A838A815B C8EAE814095CA8E86325F616B5F54492E646F63> インフルエンザウイルス感染によって起こる炎症反応のメカニズムを解明 1. 発表者 : 一戸猛志東京大学医科学研究所附属感染症国際研究センター感染制御系ウイルス学分野准教授 2. 発表のポイント : ウイルス感染によって起こる炎症反応の分子メカニズムを明らかにした注 炎症反応にはミトコンドリア外膜の mitofusin 2(Mfn2) 1 タンパク質が必要であった ウイルス感染後の過剰な炎症反応を抑えるような治療薬の開発

More information

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります 病原微生物を退治する新たな生体防御システムを発見 感染症の予防 治療法開発へ貢献する成果 キーワード : 病原性微生物 抗体 免疫逃避 免疫活性化 感染防御 研究成果のポイント 病原微生物の中には 免疫細胞が作る抗体の機能を無効化し 免疫から逃れるものの存在が知られていた 今回 病原微生物に壊された抗体を認識し 病原微生物を退治する新たな生体防御システムを発見 本研究成果によりマイコプラズマやインフルエンザなど

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ 60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によって実現されています 脳は 神経回路で知られるニューロン 脳構造の維持をつかさどるグリア細胞および血管で構成されています

More information

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ PRESS RELEASE(2018/05/16) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授と名古屋市立大学薬学研究科の喜多泰之助 教 白根道子教授 金沢大学医薬保健研究域医学系の西山正章教授らの研究グループは

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 149. サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明 武内寛明 Key words: エイズウイルス, 異種間感染, 感染症, 人畜共通感染症, 新興感染症 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター微生物学分野 緒言ヒト後天性免疫不全症候群 ( ヒトエイズ ) は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV) によって引き起こされる慢性持続感染症である.

More information