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1 アジア パシフィック / 日本 Credit Suisse Research Research Analysts James Sweeney james.sweeney@credit-suisse.com Zoltan Pozsar zoltan.pozsar@credit-suisse.com Wenzhe Zhao wenzhe.zhao@credit-suisse.com Jeremy Schwartz jeremy.schwartz@credit-suisse.com Xiao Cui xiao.cui@credit-suisse.com Sarah Smith sarah.smith@credit-suisse.com Anais Boussie anais.boussie@credit-suisse.com Peter Foley peter.foley@credit-suisse.com Sonali Punhani sonali.punhani@credit-suisse.com Neville Hill neville.hill@credit-suisse.com Giovanni Zanni giovanni.zanni@credit-suisse.com Veronika Roharova veronika.roharova@credit-suisse.com Ray Farris ray.farris@credit-suisse.com Trang Thuy Le trangthuy.le@credit-suisse.com 国際経済ウィークリー 米国経済 :3 月の利上げに向けた考察... 3 当社は来年 2 月までに 3 回の利上げが実施されるとの予想を維持 欧州経済 : ユーロ圏のインフレ動向を検証する... 6 最近の一時的なインフレ上昇と ECB の反応は懸念材料ではない 欧州政治動向ウォッチ アップデート 為替市場概観 : 政策乖離の織り込みを検証 為替市場動向 : アジア通貨のパフォーマンスを考察 今週の米国 欧州指標の予測解説 米国経済指標カレンダー (3 月 6 日 ~3 月 31 日 ) 今週の経済指標 イベントカレンダー 主要経済指標 イベントスケジュール (17 年 3 月 ~12 月 ) 世界の主要政治 経済日程 市場統計 日米欧の経済成長 為替相場と米欧の金利予測 E 2018E 年平均 Q1 Q2 Q3 Q4E Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q E 17E 18E 実質 GDP 米国 日本 ユーロ圏 米金利 FF 金利 ユーロ圏金利 ECB レポ金利 月 6 日現在 3 ヵ月後 12 ヵ月後 ドル / 円 ユーロ / ドル 注 :1) 経済成長 金利 為替の予測は 3 月 2 日時点 2) * 日本については会計年度ベースの成長率 3) 実質 GDP の四半期別数値は前期比年率 E は予測値 4) 太字は先週時点から改定または追加された数値 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 巻末のディスクロージャー アペンディクスは重要な開示情報 法人に関する開示情報及びアナリスト サーティフィケーションを含んでおります

2 当社リサーチレポートは Website URL: でご覧いただけます 登録ご希望のお客様は 当社担当営業までお問い合わせくださいませ コンタクトリスト 経済調査部白川浩道 チーフ エコノミスト 塩野剛志 エコノミスト takashi.shiono@credit-suisse.com クレディ スイス証券株式会社調査本部 東京都港区六本木 泉ガーデンタワー TEL (03) 本誌の送付先や送付部数の変更などにつきましては各担当営業部までお問い合わせ願います 国際経済ウィークリー 2

3 James Sweeney Zoltan Pozsar Wenzhe Zhao Jeremy Schwartz Xiao Cui Sarah Smith 米国経済 :3 月の利上げに向けた考察 当社は来年 2 月までに 3 回の利上げが実施されるとの予想を維持 最近の 3 つの出来事が米国政策金利の予想される道筋を変化させた 第 1 に 米国のコア インフレ率が予想以上に上昇していること 第 2 に 最近の経済指標が堅調な世界景気のモメンタムと合致していること そして第 3 に このところ FRB 高官らの発言がますますタカ派色を強め 利上げの緊急性を示唆するようになってきたことだ そうした中 FRB のイエレン議長とフィッシャー副議長が 3 日に講演を行った イエレン議長は雇用やインフレの強さが維持されれば 次回会合で政策調節が適切か判断する と述べ 今月の FOMC 会合での利上げに前向きな姿勢を示した またフィッシャー副議長も講演後の質疑応答で 月内の利上げを支持する態度を明確にした この状況を受け 市場が織り込む 3 月利上げ確率は足元で 80% を超えている 当社もすでにこれまでの予想を変更し 今月の会合で利上げが決定されると予想する一方 イエレン議長の任期が終了する 2018 年 2 月までに 3 回の利上げが実施されるとの予想は維持している とはいえ 3 月利上げが確実と言える状況ではない ( サーベイ データではない ) ハード データは 昨年 11 月の大統領選以降 急激な改善を示してはいない 実際 労働所得の伸びがいくらか停滞気味となっているのに加え 実質小売売上高はトレンドに沿った動きを示し 鉱工業生産も良好ではあるが大幅な改善とはなっておらず さらには コア PCE デフレーターは引き続き FRB のインフレ目標水準を ( やや ) 下回っている ( 図表 1) 図表 1: 米国のコアインフレ率 前年比 % 2.5 コア Core PCE( YoY, 前年比 with % 現在の予測を含む current forecast ) CS CS forecast 予測 Jan-13 Jan-14 Jan-15 Jan-16 Jan-17 出所 : 米経済分析局 クレディ スイス 当社は 2005 年 2 月 9 日付本誌 米国経済 : デシジョン ツリーに基づく FRB の政策決定分析 において FRB の過去の政策決定と最も関連性が高い指標は ISM 製造業景況指数であることを導き出した これは米国が製造業中心の経済であることが理由ではない そうではなく 市場が高頻度で受け取る情報は 圧倒的に貿易財部門のデータ 特に PMI のサーベイに基づくものだからである こうした調査指標はリスク アぺタイト指標との相関性が高く 力強いサーベイ結果は投資家や企業だけでなく政策当局者のセンチメントにも影響を与えうる これら調査指標は経済活動とは完全には相関しないにもかかわらず である 国際経済ウィークリー 3

4 図表 2: グローバル鉱工業生産とグローバル リスク アペタイト グローバル リスク アペタイト Global Risk Appetite グローバル Global IP Momentum IP モメンタム ((With 右軸 予測を含む Forecast), RHS ) % 10% 5% 0% -5% -10% -15% 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス また 調査指標は (Brexit や最近の米大統領選のような ) 大きな政治的変化が訪れる局面では 特に信頼度が落ちてしまう可能性がある このため 最近の高水準の消費者コンフィデンス (1 月 23 日付本誌 米国経済 : 消費者マインド改善のインプリケーション 参照 ) 中小企業のコンフィデンス PMI(2 月 6 日付本誌 世界経済 : 過剰な楽観論は時期尚早 ) がすべて 実際の消費支出 中小企業の投資 鉱工業生産と緊密に連動して動くことは考えにくい それは米国経済全体の様相が弱まっていることを示すものではない ただ その力強さが過去 6 ヵ月間に明確に変化していないだけであり 目に見える強さだけでは FRB のスタンスを大幅に変更させるには不十分ということなのだろう 図表 3: 消費者信頼感は高水準 図表 4: 景況感も大幅に上昇した コンファレンスボード消費者信頼感 Conference Board Consumer Confidence ロイター Univ. of Michigan / ミシガン大学消費者信頼感 Consumer Sentiment NFIB: NFIB: Small 中小企業楽観度指数 Business Optimism Index ((SA) 季調済み ) ISM Manufacturing, 製造業景況指数 RHS ( 右軸 ) 出所 : コンファレンスボード ミシガン大学 クレディ スイス 出所 :ISM 全米独立企業連盟 (NFIB) クレディ スイス 48.0 しかしながら 上記のような高頻度指標から一歩引いて 大きな視点で状況をとらえることも必要であろう 実質 FF 金利は 米国経済が 2.0~2.5% 程度のペースで成長しているとみられる局面では -1.5% 付近にある 賃金はゆっくりと上昇しつつあるうえ 失業率は 5% を割り込み しかも恐らくはさらなる低下方向にあり リスク アピタイトは高水準だ こうした中では 金融緩和の慎重な解除が適切であり 市場環境は今や債券市場を揺るがすことなく利上げができる機会を提供している さらに 3 月は財政面の法制度整備やイエレン議長の退任まではまだ十分に時間的余裕がある時期と言えるため FRB は今月に利上げを実施しても 策を弄 ( ろう ) している といった批判はうまく回避できるだろう 国際経済ウィークリー 4

5 図表 5: 金融緩和の慎重な解除が適切である 10% 8% 6% 1992 年 ~2009 年平均 : Average: 4.85% Average: 年 ~2016 年平均 3.68% : 3.68% 4% 2% 0% -2% 名目 Nominal GDP( GDP 前年比 YoY% %) 平均名目 Nominal GDP Average 平均四半期 Average Quarterly FF 金利 Fed Funds Rate -4% '92 '94 '96 '98 '00 '02 '04 '06 '08 '10 '12 '14 '16 出所 : 米経済分析局 Federal Reserve クレディ スイス 3 月会合で利上げを決定した場合のもう一つの利点は 金利が金融引き締めの好ましい政策ツールであることを改めて市場に思い起こさせるとみられる点だ ゼロ金利政策は 金融緩和サイクルでは 利下げの代わりにバランスシート拡大が起こるかもしれない時期を市場に知らせるシグナルを提供する しかし 金融引き締めサイクルでは バランスシート政策の変更がいつ時点で適切かを知らせるような指標は存在しない 市場に政策ツールをめぐる混乱を来たさないために FRB にとってはバランスシートをあくまでも慎重に動かすことが最良の方法だと考えられる イエレン議長下の FRB がいつ どのようにして再投資を終了させるかに関して そのコミュニケーションが一貫したものであったにせよ そうした決定を下すのは次期 FRB 議長になる可能性が高いだろう 結論として要約すると 当社は 年内に FRB のバランスシート政策が変更されることはないと予想する そして イエレン議長の下では 3 回の利上げが実施され そのタイミングは 3 月 9 月 12 月の可能性が最も高いとみている 国際経済ウィークリー 5

6 Veronika Roharova Giovanni Zanni 欧州経済 : ユーロ圏のインフレ動向を検証する 最近の一時的なインフレ上昇と ECB の反応は懸念材料ではない ユーロ圏の総合インフレ率はここ数ヵ月 急速に上昇してきた ベース効果とエネルギー価格高騰がその背景だ 総合インフレ率は昨年第 3 四半期に 0.3% まで落ち込んだが 2 月には 2% と 2013 年 2 月以来の上昇率を記録した 最近のインフレ動向に関し またそれに対する ECB の反応について 懸念すべきだろうか? その答えはノーである インフレ率の一時的な上昇に対しては その二次的影響が基調的インフレ率の持続的上昇につながらない限り ECB が反応することは極めて考えにくい コモディティ価格と輸入価格の上昇は基礎的インフレ率に波及しうるだろうか 本稿ではその点にフォーカスする 総合インフレは歴史的にコア インフレに先行してきたのか あるいはその逆なのか またグローバルのインフレ率は域内のインフレを牽引する傾向があるのかどうか について検証した コアと総合のインフレ率の関係は時の経過とともに変化するようだ すなわち 食品とエネルギーのインフレが緩やかで一時的な局面では コア インフレが総合インフレに先行するようにみえる これに対し 食品とエネルギーのインフレが持続的トレンドをたどる局面では 総合がコアに先行し 長期にわたりコア インフレから乖離する傾向がある 今後については 総合インフレが一貫してコア インフレを上回る傾向を示す余地は限定的とみられ それゆえ最近のエネルギーおよび食品のインフレ上昇が基調的インフレ率に及ぼすインパクトは軽微にとどまる可能性が高いだろう グローバルのインフレ率は重要 輸入価格とグローバルの生産コストの上昇は今年後半にコア インフレ率に波及し始める可能性が高い 実際 一部のインフレ指標からは コア財価格上昇率がすでに上向き始めている一方 ( 国内要因に左右されやすい ) コアサービス価格上昇率は低水準にとどまっていることがうかがえる だが コア インフレ率への波及の規模とペースは 域内に広がる余剰 柔軟性に欠ける労働市場 名目賃金の硬直性やインフレ持続性によって 抑えられる格好となろう 同時に 内需主導のコア インフレ率は予見可能な将来にわたり低水準を維持するとみられる 結論として 最近の世界的なインフレ動向を背景に リスクはアップサイドに傾斜してきたが 当社は依然 コア インフレ率が 2% のターゲットに向けて徐々に調整するにとどまるとみている 2017 年と 2018 年のコア インフレ率 ( 年平均 ) について 当社は従来予想をやや引き上げ それぞれ 1.1% 1.4% とする これらは ECB の 12 月時点の予測と整合的である このため 向こう数ヵ月にコア財価格上昇率が外需主導で上昇する場面がありそうだが 賃金の伸びとコア サービス価格上昇率は低い水準のまま推移しよう ECB はそうしたコア インフレの上昇に目をつぶる可能性がある そのため たとえコア財価格上昇率が上向き始めても ECB が政策を変更する差し迫った必要性はなく ECB の資産購入プログラムは月 600 億ユーロのペースで少なくとも今年 12 月まで継続される見通しだ インフレ率が転換点を迎える 総合インフレ率はベース効果とエネルギー価格の上昇を背景に上向いている 当社は 総合インフレ率が 2016 年第 3 四半期に 0.3% まで落ち込んだが 2 月には 2% と 2013 年 2 月以来の上昇率を記録した 原油価格は 11 月以降 ユーロ ベースで 20% 以上上昇しており この上昇はエネルギー価格からのベース効果が最も大きくなっている時に起きているため 総合インフレ率の急上昇は一層顕著になっている 加えて 南欧の悪天候によって 国際経済ウィークリー 6

7 図表 6: 基調的インフレ指標 コア 欧州全域で生鮮野菜の不足が続いていることから 総合インフレ率には短期的にさらなる圧力がかかっている状況だ 最近の一連の予想を上回るインフレ率 およびそれに対する ECB の反応を懸念すべきだろうか 当然ながら インフレ率の上昇とまずまずの経済成長という組み合わせは インフレ率の上昇は足元の急上昇局面を過ぎても続くのか という疑問を投げかけている また ECB のフォワード ガイダンスは ECB がコア インフレ率を重視していることを示唆しているが ECB は 2008 年や 2011 年のように総合インフレ率に過剰反応することで有名だ したがって 総合インフレ率が予想を上回れば ECB が事前公約している 2017 年 12 月よりも前に資産購入の段階的縮小を開始する可能性があることは検討に値する 当社の見方では ドラギ総裁率いる ECB がインフレ率の一時的な上昇に反応するとは考えにくい ECB の政策反応関数に関する当社の分析 (2017 年 1 月 30 日付本誌 ユーロ圏経済 :ECB がタカ派姿勢に転じる時 を参照 ) からすると ECB は基調的な物価上昇圧力の持続的上昇を伴うものでない限り 総合インフレ率の上昇と循環的指標の改善に目をつぶる公算が大きい ドラギ総裁の発言は次の通りだ 12 月の総合インフレ率はベース効果と原油価格の上昇によって大幅に上昇した 総合インフレ率の見通しは従来のマクロ経済予測で想定されていた水準を上回っている 目下の主な問題は こうしたインフレ率の上昇から生じる二次的影響の度合いはどの程度かというものだ 我々は細心の注意を払ってこれを確かに見極める意向である 1 同様に クーレ ECB 理事は ブレが大きい項目の短期的な変動は 金融政策対応を必ずしも必要としない 反対に 連続的なエネルギー価格ショックを要因とする総合インフレ率の変動は 賃上げ交渉やインフレ期待に根強い影響を残す恐れがある 金融政策は通常エネルギー価格の変動に対し その一次的 直接的な影響には 目をつぶる 一方で インフレ期待への二次的影響を警戒し続けることで対応する 2 と述べた 基調的インフレ率 : どの程度の水準にあるか? 基調的インフレ率に注目してみよう インフレ率は短期的には 一度限りの間接税の変更 食品 エネルギー価格の変動 異例の季節的パターン 測定誤差などから大きな影響を受ける可能性がある 金融政策はタイムラグを伴ってインフレ率に影響を及ぼすため これらの一時的なショックを相殺できない ( すべきではない ) よって 金融政策にとって重要な期間は中期であり 焦点は基調的な物価上昇圧力だ 不安定で不規則な物価変動を除外したインフレ率の基調的トレンドを測定する指標はいくつかある その中で最も一般的なのは 食品 エネルギー製品を除くコア インフレ率だ 一般的に用いられるその他の指標を図表 6 にまとめた 食品やエネルギーのように価格変動が大きい特定項目を除外したインフレ指標 メディアンすべての HICP 構成項目の価格変化の上半分と下半分を分けるインフレ率 ( すなわち中央値 ) 刈り込み平均 (5% 15% 30% 等 ) 主成分 (PCA) 出所 : ユーロスタット IMF クレディ スイス 価格変化の分布の両端を特定の割合で 刈り込んだ 後の平均インフレ率 すべての HICP 構成項目の価格変化 を昇順に並べ 分布の両端に位置するものを除外して 残りの価格変化から平均インフレ率を計算する HICP を構成する個々の価格項目全体に共通するインフレ要素を抽出するインフレ指標 基調的インフレ率の大半の指標は 過去数年にわたる持続的な低インフレという状況を描き出している一方 インフレ率が転換点にある可能性も示唆している メディアン インフレ率と刈り込み平均インフレ率は年明け前後に急上昇し始め コア インフレ率と主成分分析 (PCA) に基づくインフレ率はより緩やかな上昇を記録した 重要なこととして 前者 2 つの指標は約 3 年にわたってとどまっていた狭いレンジを上抜けしたようだ また 両指 1 ECB Press Conference (2017 年 1 月 19 日 ) 2 Speech (2017 年 2 月 2 日 ) 国際経済ウィークリー 7

8 標ともコア インフレ率をオーバーシュートする傾向があるものの いずれも過去 20 年にわたりコア インフレ率の方向転換を捉えるうえで極めて優れた実績を上げている ( 図表 7) 図表 7: 基調的インフレの各種指標 変曲点を示唆? 2.5 Median メディアン 2.3 Trimmed 刈り込み平均 at 30% 30% Core コア 2.1 PCA CPI バスケット項目の of CPI basket items PCA PCA すべての基礎的インフレ指標の of all measures of underlying inflation PCA Core コア 刈り込み平均 Trimmed at 30% 30% コア Core 3.0 メディアン Median コア Core 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス 総合インフレ率とコア インフレ率 : どちらがどちらに先行するか? 総合インフレ率の上昇はコア インフレ率に波及し得るだろうか 総合インフレ率がコア インフレ率に先行するのか それともその逆なのかに関する証左は確定的ではない 3 コア インフレ率は食品 エネルギー価格の不安定で一時的な影響を除外したものであるため 中期的な総合インフレ率の優れた予測指標である と論じる向きもいれば 食品 エネルギー価格の動向は価格や賃金の設定に影響を与え ひいてはコア物価に影響を及ぼすことから 総合インフレ率がコア インフレ率に先行する と主張する向きもいる ( 図表 8) コア インフレ率が中期的なインフレ率のバイアスのない指標であるためには 食品 エネルギー価格の変動が一時的なものであり 域内生産品の価格動向に根強い影響を及ぼしたり インフレ期待に影響を与えたりしてはならない 3 Bullard (2011) 参照 国際経済ウィークリー 8

9 図表 8: エネルギー価格の消費者物価への波及 エネルギー価格 ( ユーロ建て ) 生産者物価 消費者物価 インフレ期待 賃金 出所 : クレディ スイス 当社の分析は コア インフレ率と総合インフレ率の関係が時とともに変化することを示唆している コア インフレ率と総合インフレ率を それ自体の 1 年後の水準および他方の 1 年後の水準に対して単回帰分析すると その相関は過去数十年にわたって不安定であることが分かる エネルギー価格が比較的安定しており 総合インフレ率のコア インフレ率からの乖離が一時的なものだった 1980 年代と 1990 年代には コア インフレ率は総合インフレ率の有用な予測指標であった 反対に 食品 エネルギー価格の上昇が持続的なトレンドをたどり 総合インフレ率が長期にわたってコア インフレ率から乖離していた 2000 年代以降は総合インフレ率がコア インフレ率の先行指標になっている ( 図表 9) 実際 2000 年代には新興国の力強い成長を背景に原材料に対する世界の需要が急増したことから 食品 エネルギー価格は 2 倍以上になった その後 グレート リセッションの後と 2014 年には 中国を主因とする世界のコモディティ需要の落ち込みや米国でのシェールオイル抽出の急増を反映し 食品 エネルギー価格は急落した ( 図表 10) このことは 通常は一時的である食品 エネルギー価格の上昇が持続し 図表 8 に示したメカニズムを通じてコア インフレ率に波及した理由を説明してくれる 2000 年代に観察されたようなコモディティ価格の持続的上昇は見込まれない 最近の食品 エネルギー価格の上昇はコア インフレ率に限定的な影響しか与えない可能性が高い 今後に目を向けると 原油価格が大幅に変動する余地は限られているとみられ 技術革新 ( 水圧破砕技術など ) 新興国からの需要減退 最近の減産合意が破綻する可能性 原油価格が上昇し始めた場合に米国のシェールオイル生産企業が市場に再び参入する見通しなどを背景に リスクはむしろ下振れ方向に傾いている とはいえ 過去の原油安による強力な下押し効果が剥落するのに伴い コア物価には若干の上昇圧力がかかるかもしれない 図表 9: コア インフレと総合インフレの相関は 5 コアを予測する総合の t-stat of headline predicting t 値 core 総合を予測するコアの t-stat of core predicting headline t 値 * 3.1 * 3 図表 10: 食品とエネルギーの価格変動が大幅かつ持続的か否かに左右されるようだ 指数 100=2005 年 原油価格 Crude oil ( price 左軸 index ) (lhs) 食品価格 Food price ( index 右軸 )(rhs) 注 : 赤の棒グラフは 4 四半期後のコア インフレ率を説明する上での総合インフレの t 値を表わす ( コア インフレを目的変数 4 四半期遅行させた総合およびコア インフレを説明変数とする回帰モデル ) 灰色の棒グラフは 4 四半期後の総合インフレ率を説明する上でのコア インフレの t 値を表わす ( 総合インフレを目的変数 4 四半期遅行させたコアおよび総合インフレを説明変数とする回帰モデル ) 星印 (*) は 有意水準 5% で有意 を示す 出所 : ユーロスタット IMF クレディ スイス 60 国際経済ウィークリー 9

10 Compensation per employee (%y/y) 2017 年 3 月 6 日 世界のインフレ率が回復 経済活動と物価動向を結び付ける伝統的なフィリップス曲線の枠組みは ここ数年にわたりインフレ率の有用な予測指標となっていない 具体的に言うと こうした枠組みは 2009 ~2011 年には景気後退の深刻度と長さからインフレ率が 低下する と予想し ( いわゆる 失われたディスインフレ の謎 ) 2012 年以降はユーロ圏がまずまずの景気回復を果たしたことからインフレ率が 上昇する と予想した ( いわゆる 失われたインフレ の謎 ) ユーロ圏内の景気サイクルだけでは 観察された物価動向を説明できなかったのである インフレを決定付けるうえで域内要因の果たす役割が小さくなっていることは ユーロ圏のフィリップス曲線の最近のフラット化を説明する 1 つの潜在的要因だ ( 図表 11) ユーロ圏内の物価動向を決定付けるうえで 世界のインフレ率の果たす役割が大きくなっている 世界のインフレ率は ( 共通の長期的トレンドに沿って 4 ) 過去数十年にわたって低下しているだけでなく 景気サイクルの周期とともに変動している 5 経済の国際的な結び付きの強まりと世界のバリューチェーンの拡大が重要な経路となって 世界の生産コストと世界の経済的余剰が域内のインフレ率に影響を与えている格好だ 最近の ECB の研究によると 国際的な動向を無視したモデルは域内要因の重要性を過大評価し 観察されたインフレ率と整合する予測を生み出せない傾向がある この研究の著者はユーロ圏のインフレ率の歴史的な内訳を計算し 世界的なショックと域内のショックの相対的な重要性が時とともに変化していることを明らかにしている 域内のショックが 2012 ~2014 年のユーロ圏の低インフレを説明するうえで重要な役割を果たした一方 世界的なショックは最近の 失われたインフレ 局面におけるインフレ動向を説明するうえで重要な役割を果たした ( 図表 12) 図表 11: フィリップス曲線のフラット化図表 12: 低インフレの背景はグローバル要因 (15-16) % 前年比 % HICP に関する時系列モデルの要因分解 ECB の VAR モデルに基づく予測値および実績値から推計した無条件予測 ( 中央値 ) からの乖離 pp 従業員一人当たり賃金 ( 前年比 %) 4.0% 3.5% 3.0% 2.5% 2.0% 1.5% 2008q q3 2016q3 1.0% 7% 8% 9% 10% 11% 12% 13% Unemployment rate 失業率 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス出所 :Bobeica, E. and Jarocinski, M., (2017) 国内 Domestic グローバル Global 総合インフレ率 Headline inflation ( ベースラインからの乖離 (deviation from baseline) ) 世界のインフレ率がユーロ圏のコア インフレ率に及ぼす影響を見極めるに当たり 世界の循環的なコア インフレ率と世界の生産コストという 2 つの別の角度から考察してみたい 1. 世界の循環的インフレ率を測定する 世界的要因が各国のコア インフレ率にどれだけ影響を及ぼすかを景気サイクルの周期毎に評価するために 世界の循環的コア インフレ率の指標を算出する 具体的には 経済協力開発機構 (OECD) 主要 20 ヵ国のトレンドを除去したコア インフレ率の共通因子として計算する この計算は 2 段階で実行され まずは各国ごとにホドリック プレスコット (HP) フィルターを用いてコア 4 Rogoff (2003) 参照 5 Hakkio (2009) 参照 国際経済ウィークリー 10

11 インフレ率の循環的要素を抽出し 次に主成分分析を用いて共通因子を推定する この主成分分析は 各国それぞれの循環的コア インフレ率に共通する動きを捕捉するものだ 共通因子 ( 世界の循環的インフレ率 ) はユーロ圏の循環的コア インフレ率の 44% を説明する ( 図表 13) 世界の循環的コア インフレ率と各国の循環的コア インフレ率のこうした関係を主導しているのは 先進国全般を通じて景気循環ショックが相関しているという事実だ 実際の総合インフレ率ではなく循環的コア インフレ率を用いることで この共通性を単にコモディティ価格の変動や先進諸国全般の低位安定したインフレ率という共通の金融政策に帰せられないようにしている 図表 13: ユーロ圏とグローバルの循環的コア インフレ率は密接に連動 ( 前年比ベース ) 0.6% 0.4% 0.2% 0.0% -0.2% -0.4% -0.6% Global グローバルの循環的 cyclical core inflation コア インフレ率 -0.8% Euro ユーロ圏の循環的コア インフレ率 area cyclical core inflation 出所 : クレディ スイス さらに 同時相関に加えて共通因子 ( 世界の循環的インフレ率 ) も各国のインフレ率の アトラクター として作用している 6 つまり ユーロ圏のインフレ率が世界のインフレ率を上回っている場合 ユーロ圏のインフレ率は次の期間には低下する傾向にあるということだ ( 逆もまた然り ) その要因は国境を越えた景気サイクル ショックの波及に帰せられる それでも 世界の循環的インフレ率とユーロ圏の循環的インフレ率とのスプレッドは現時点で限定的であるため 差し当たり世界的な観点から見てユーロ圏の循環的インフレ率に圧力はかかっていない 2. 世界の生産コストの観点から見た世界のインフレ率を PMI の投入価格指数 ブレント原油価格 中国の生産者物価指数 (PPI) の共通因子として測定する ( 図表 14) 共通因子 ( 世界の生産コスト ) はユーロ圏のコア インフレ率の変化の 47% を説明する 当社の推計では 世界の生産コストの影響がユーロ圏のコア インフレ率に波及するには約 6 四半期かかる計算だ つまり コア インフレ率は 2017 年後半にかなり急激に上昇し始め 2017 年末には 1.3% に 2018 年末には 1.6% に達する可能性がある ( 図表 15) さらに 各項目におけるコア インフレ率の分布からすると 世界の生産コストはそれよりも早い時期に波及し始めるかもしれない 1 月のコア財価格上昇率は 5 ヵ月間続いた前年同月比 0.3% から同 0.5% に跳ね上がった より重要なこととして この上昇は広範にわたり 各項目におけるコア財価格上昇率の分布全体が上昇した こうした動きが今後数ヵ月続けば 世界のインフレ率がすでに域内のコア財価格に波及し始めていることが示唆されよう ( 図表 16) 対照的に 域内要因に左右されがちなコア サービス価格上昇率の分布は過去 2 年にわたって安定している したがって コア サービス価格上昇率の分布はより硬直的だと考えられ 予見可能な将来にわたって抑制される見通しだ ( 図表 17) 6 Ciccarelli and Mojon (2010) および Hakkio (2009) 参照 国際経済ウィークリー 11

12 図表 14: グローバルの生産コストは PMI は 50 からの乖離幅 ブレント原油前年比 %, 中国 PPI 前年比 %, 標準化ベース 図表 15: コア インフレ率に 6 四半期先行 ブレント原油 Brent in ( EUR ユーロ建て ) 中国 China PPI PPI PMI 投入価格 input prices PCA PCA 6Q lag (lhs) Core PCA inflation (rhs) (6 四半期ラグ 左軸 ) 2.5% % % コア インフレ率 ( 右軸 ) % 0.5% 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 図表 16: コア財価格上昇率の各品目の分布は右方にシフト 前年比 % 前年比 % 60 図表 17: 一方 コア サービス価格上昇率の各品目の分布は安定 Avg 2015 年平均 2016 Avg 2016 年平均 2017 Jan-17年 1 月 Avg 年平均 Avg 年平均 Jan 年 1 月 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス 世界のインフレ率の上昇は域内のコア インフレ率に波及するのか? 世界のインフレ率に関する当社の分析からすると 世界の生産コストの上昇を受けてコア インフレ率は 2017 年後半に上昇するとみられ コア財価格上昇率の分布における最近の動きが続けばその時期が前倒しされる可能性もある しかし 次のようないくつかの要因が波及の規模とペースを抑制しよう (1) 経済全般の余剰 (2) 賃金の下方硬直性と柔軟性を欠く労働市場 (3) ユーロ圏におけるインフレ率の持続性の高まり 1. 経済全般の余剰は 企業が生産者物価の上昇を消費者に転嫁する能力と意欲を制限する可能性が高い 域内の余剰 : 経済の余剰の量を測定する作業は 推定手法の多さ 余剰の様々な指標 リアルタイム データの限られた入手可能性 頻繁なデータ修正などによって困難になり得る アウトプット ギャップの推定値は大きく異なり 1% に満たないわずかなマイナスのアウトプット ギャップ ( 欧州委員会 OECD IMF など ) から およそ 6% もの大きなマイナスのアウトプット ギャップまで幅がある ( 図表 18) 後者の推定値は最近の ECB の研究によるもので そこではアウトプット ギャップをインフレ率 失業率 設備稼働 国際経済ウィークリー 12

13 率といった他の変数と関連付ける一連の条件付け関係を用いてアウトプット ギャップを算出している 生産者物価の上昇すべてを消費者に転嫁する余地は限定的 : 生産者物価が上昇すると 企業は利幅を維持するために消費者にコストを転嫁するよう迫られる だが 経済に余剰がある間は 需要減退や消費者をつなぎ止めておくための競争激化を背景に 企業の価格決定力は低下することが多い その結果 企業が生産者物価の上昇を消費者に転嫁する能力と意欲は制限され得る したがって 生産者は ( 労働コストを含む ) コストの削減によって原油価格変動の間接的影響を抑制する可能性があり ゆえにコスト上昇の一部しか消費者に転嫁されないことも考えられる 図表 18: ユーロ圏経済にはまだ多くの余剰が残っている GDP ギャップ 対潜在 GDP 比 % 5.5% 最大 max (EC (EC, OECD, IMF) IMF) 最小 min (EC (EC, OECD, IMF) IMF) ECB 推定値 paper 3.5% 1.5% -0.5% -2.5% -4.5% -6.5% 出所 :IMF OECD 欧州委員会 クレディ スイス 2. さらに 欧州の大半の労働市場にはまだ多くの余剰が残っている ユーロ圏の賃金の下方硬直性を示す証拠は十分に確立されている すなわち 名目賃金の引き下げは難しい 7 マイナスの総需要ショックが起きた後には ( 金融 ソブリン危機の局面でそうだったように ) 財と労働への需要が低下し 労働市場を均衡状態に戻すために労働の価格 ( すなわち実質賃金 ) の下方調整が必要になる インフレ率が高い環境であれば これは名目賃金の上昇率をインフレ率よりも低くするか 名目賃金を凍結することで達成可能だ 逆にインフレ率が低い場合には 名目賃金の下方硬直性がこうした実質賃金の引き下げを妨げ 経済における非自発的失業を引き起こす恐れがあろう ユーロ圏の労働市場は柔軟性に欠けており 余剰人員の解雇は比較的難しくコストがかかる 企業は時間外労働の削減や短時間労働制度の利用といった形で 内部の柔軟性に対する広範な意欲を示している 8 これが著しい労働保蔵につながっている格好だ 実際 ユーロ圏の総労働時間の減少は 雇用者数の減少よりもかなり大幅であった ( 図表 21) ユーロ圏の単位労働コスト (ULC) は 米国とは対照的に反循環的である 金融危機による雇用者 1 人当たり報酬への影響が限定的だったため ULC は当初 危機の初期段階で大幅に上昇し 生産性の急低下がそれを主導した これは米国の事例とはまったく対照的で 米国の労働市場と賃金ははるかに柔軟性が高く ULC は順循環的な形で変動する ( 図表 19 20) 硬直的な賃金と柔軟性に欠ける労働市場は 失業率が労働市場の真の余剰の量を過小評価していることを意味する よって 失業率がさらに低下しても賃金上昇圧力が強まる見込みは薄い さらに 失業率が景気後退期に十分に上昇 していないとすれば 多少の 賃金削減の繰り延べ需要 があるかもしれず その場合には景気が回復していてもインフレ 7 Babecký et al. (2010) および Boeri and Jimeno (2015) 参照 8 Euro area labour market and the crisis (2012) 参照 国際経済ウィークリー 13

14 図表 19: 単位労働コストは米国では順景気循環的であり 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% -3.0% -4.0% -5.0% -6.0% -7.0% 図表 21: 労働保蔵 率は抑制された水準にとどまろう 最後だが重要なこととして 賃金伸び率はコア サービス価格上昇率と非常に密接に連動しており 約 3 四半期先行する ( 図表 22) 差し当たり賃金伸び率の上昇が見込めない状況で サービス価格上昇率は 2018 年に入ってしばらく経つまで上向く公算が非常に小さい GDP OG (lhs) ギャップ ( 左軸 ) 米国の単位労働コスト USA ULC y/y% (rhs) ( 前年比 % 右軸) 6.0% 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% -3.0% 指数 100=2007 年 Q3 前年比 % 労働時間 Hours worked 雇用 Employment 出所 : トムソン ロイター データストリーム ユーロスタット Federal Reserve OECD クレディ スイス 図表 20: ユーロ圏では反景気循環的 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% -3.0% GDP OG (lhs) ギャップ ( 左軸 ) ユーロ圏の単位労働コスト EA ULC y/y% (rhs - inverted ( axis) 前年比 % 右軸) -4.0% 図表 22: 賃金インフレは相変わらず低水準 4.0% 3.5% 3.0% 2.5% 2.0% 1.5% コアサービス Core services 従業員一人当たり賃金 Compensation per employee (3 四半期ラグ 3Q lag) 出所 : トムソン ロイター データストリーム ユーロスタット Federal Reserve OECD クレディ スイス 3. インフレ率の持続性はここ数年で強まっており これは目標水準に戻るまでにより長い時間がかかることを意味する 低インフレの主な潜在的リスクは それがインフレ期待の不安定化を通じて自己持続的なものになることだ インフレ率が持続的に目標を下回る水準で推移し 一貫して過大評価されてきたことを受けて ( 図表 23 24) 経済主体は過去のインフレ率をより重視し始めるか 目標を達成する中銀の能力を疑問視し始めるかもしれない 9-2.0% -1.0% 最近の ECB の研究では マクロ経済ニュースと短期インフレ期待が中 長期インフレ期待に及ぼす波及的影響に関するいくつかの指標を考察している その結果によれば 足元のインフレ率と経済ニュースに対する中期インフレ期待の感応度はこのところ上昇しているが 長期インフレ期待の感応度は低いままだ これは十分に安定したインフレ期待やインフレ率の持続性の強まりと合致している つまり インフレ率が足元の水準から大きく変化するには 従来よりも大きな上昇圧力が必要だということだ 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 1.0% Busetti et al. (2017) 参照 国際経済ウィークリー 14

15 図表 23: トレンド コア インフレ率は 1% 以下の水準にとどまっている トレンド インフレ率 前年比 % HP フィルター使用によるトレンド除去ベース 図表 24:ECB はコア インフレ率を過大に予測 前年比 % 2.5% ユーロ圏のコア インフレ率 EA Core inflation HP HP トレンド trend (lambda: (lambda:14400) 14400) 2424-month ヵ月移動平均 MA Core コア インフレ率 inflation 3mma (3 ヵ月移動平均 ) Previous 過去の ECB ECB 予測 forecasts ( 年平均 (annual ) avg) Latest 直近の ECB forecast 予測 (2016 made 年 12 in 月 年平均 Dec 2016 (annual ) avg) 2.0% % % % 出所 : トムソン ロイター データストリーム クレディ スイス 出所 : トムソン ロイター データストリーム 欧州中銀 クレディ スイス 結論 : 最近の世界的なインフレ動向を背景にリスクは上振れ方向に傾いているものの 当社は引き続きコア インフレ率が 2% の目標に向けて緩やかにしか調整しないと予想している 世界のインフレ率から域内のインフレ率への波及的影響は 域内全般の余剰 柔軟性に欠ける労働市場と名目賃金の硬直性 およびインフレ率の持続性によって抑制されるだろう 当社はインフレ率予測をわずかに引き上げ 今では 2017 年のコア インフレ率の平均を 1.1% 2018 年の平均を 1.4% と予想している これは ECB の昨年 12 月の予想と合致している したがって コア財価格上昇率は今後数ヵ月に外的要因によって上昇するとみられるものの 賃金伸び率とコア サービス価格上昇率は抑制されたままとなろう ECB はこうしたコア インフレ率の上昇に目をつぶる公算が大きい そのため たとえコア財価格上昇率が上向き始めても ECB の政策を変更する差し迫った必要性はなく ECB の資産購入プログラムは月 600 億ユーロのペースで少なくとも 2017 年 12 月まで継続される見通しだ 国際経済ウィークリー 15

16 欧州政治動向ウォッチ アップデート Anais Boussie Peter Foley Sonali Punhani Neville Hill Giovanni Zanni Veronika Roharova 欧州で政治リスクが再び浮上している 今年は政治日程が目白押しで オランダ フランス ドイツで選挙が実施されるほか イタリアでも前倒し選挙の可能性が出てきており ギリシャ向け支援プログラムや英国の EU 離脱決定をめぐる不透明感も再燃する中 投資家は欧州の政治動向にますます関心を強めている そこで当社では 定期的に欧州政治の最新動向として各国の重要な動きに焦点を当てていく フランス 最新の世論調査でフィヨン氏の失速が浮き彫りになってきた 代わりにジュペ氏が出馬すれば 大統領選の先頭に立つ見通しだ 世論調査会社 Odoxa が第 1 回投票における投票意向についてまとめた調査で マクロン氏が 27% の支持を得て初めてトップに立った ルペン氏が 25.5% フィヨン氏が 19% と続く この調査は 3 月 1 日から 2 日にかけて実施されたもので フィヨン氏が訴追される可能性が明らかになった後に行われていることから Odoxa はフィヨン氏に代わってジュペ氏が出馬するケースを想定した新たな調査も作成した 新しい調査では ジュペ氏が 26% の支持を獲得してトップとなり マクロン氏 (25%) ルペン氏 (24%) と続いている 重要な点として 4 月 23 日の第 1 回投票がこうした世論調査どおりの結果となった場合 ルペン氏は第 2 回投票に進出できず フランスの選挙を取り巻くリスクは払拭されよう ただし 確固とした結論を下すにはあまりにも時期尚早である そのうえ あらゆる調査につきものの統計誤差を踏まえれば 今回の調査で示されたランキングは現段階では断じて確実ではない 実際 Opinion way が実施した第 1 回投票に関する別の調査では ルペン氏がなおリードを保っており 支持率は前回調査を 2 ポイント上回る 27% となっている マクロン氏は 1 ポイント上昇の 24% フィヨン氏は 2 ポイント低下の 19% だった フィヨン氏は 1 日に自身を取り巻く司法問題が不利な展開をたどっているにもかかわらず 大統領選から撤退するつもりはないと表明して以来 支持率を落としている ルペン氏の支持率が 2 ポイント上昇しているのも おそらくこのためだろう 第 2 回投票に関しては フィヨン氏 マクロン氏のいずれが残った場合でもルペン氏を下すとの調査結果に変わりはない マクロン氏が第 2 回投票でルペン氏と対決した場合の支持率は前日比 1 ポイント低下し ( それでも 62% 対 38% と大幅にリードしている ) フィヨン氏は同 3 ポイント低下している (57% 対 43%) 最近の動きを受けてフィヨン氏に対する撤退圧力が強まっているようだ フィヨン氏は 1 日の演説で大統領選に向けたキャンペーンを続行する意向を表明したが それ以降 中道右派の間では フィヨン陣営から離脱したり 同氏への支持をひとまず留保したりする動きが相次いでいる こうした流れは今後も続く可能性があり 3 日朝には同氏のスポークスマンが辞任した さらに 中道 / 中道右派の多くの政治家が ( 予備選挙で 2 位につけた ) ジュペ氏に公然と出馬を要請している ジュペ氏は要請があればフィヨン氏の代わりに立候補する意思があると述べる一方で フィヨン氏との間で交わした共和党の協約を破るつもりはないと表明している 政治運動 前進! を率いるマクロン氏は 2 日 大統領選に向けた政策プログラムを演説および文書の形で公表し 6 つの柱として (1) 教育と文化 (2) 労働社会 (3) フランス経済の現代化 (4) 安全保障と国防 (5) 民主主義の刷新 (6) 外交政策 を打ち出した 同氏の経済プログラムは財政規律と景気刺激を組み合わせたもので 注目点として 財政支出を 5 年間で ( ベースラインとの比較 / ネット ベースで )600 億ユーロ削減する一方 これとバランスを取る形で再生可能エネルギーや農業 公共サービスの現代化などに対する 500 億ユーロの投資プログラムを実施すると公約している このほか 法人税率を現行の 33.3% から 25% に引き下げること 企業が労働時間や賃金について従業員と自由に交渉できるようにすること 統一的な雇用保険を創設すること 失業率を足元の 10% から 7% に引き下げるために労働の柔軟性を高めること 全世帯の 80% で住宅税を免除すること 公務員を 12 万人の削減ないし補充見合わせにより 2% 減らす ( ただし 教師を 5,000 人 警察官を 10,000 人増員する ) こと 優先地区 ( 困難な地域 ) の労働者を採用した企業にプレミアムを与えること なども提案している マクロン氏の経済プログラムは 実行されれば 景気にとっても市場にとってもポジティブ 国際経済ウィークリー 16

17 だろう だが 同氏が大統領に選出されたとしても 議会の過半数を獲得できる見込みは薄いことから 政策の大部分は実現しない公算が大きい メランション氏とアモン氏の共闘は実現せず : メランション氏は先週出演したラジオ番組で アモン氏とは政治理念があまりにもかけ離れており 同氏と手を組んだとしても双方の有権者はまとまらない と述べた 両者の溝が最も大きかったのは欧州に対するスタンスで メランション氏がフランスの EU 離脱を支持しているのに対し アモン氏は EU の統合深化を志向しており 経済学者のトマ ピケティ氏を主任経済顧問に採用したのも そのためだ 両氏が連携できなかったことで 左派候補が第 2 回投票に進出する確率は引き続き低水準にとどまろう 最新の世論調査によると アモン氏は 15% メランション氏は 11% の票を獲得する見通しで ルペン氏 (27%) やマクロン氏 (24%) に遠く及ばない オランダ 最新の世論調査によると ルッテ首相の自由民主国民党 (VVD) がウィルダース氏の自由党 (PVV) にリードしている : 先週公表された 2 つの世論調査で ウィルダース氏が党首を務める反イスラム ユーロ懐疑派政党の PVV がルッテ首相率いるリベラル政党の VVD に次ぐ 2 番手となった I&O が実施した調査によれば 下院の定数 150 議席のうち VVD が 25 議席を獲得する見込みで PVV の予想議席数は 22 にとどまる Ipsos が行った別の調査では両党の差はさらに大きく 予想獲得議席数は VVD が 28 PVV が 24 となっている 最近の世論調査のトレンドは VVD が当初の予想に反して最多議席を獲得する可能性をうかがわせる しかも 過去の事例を見ると PVV は実際の選挙結果が期待外れに終わる傾向にある まだ態度を決めていない有権者も多い ルッテ首相とウィルダース氏は 3 月 13 日にテレビ討論会を行う これは 150 名の下院議員を選出する 3 月 15 日の総選挙の 2 日前に当たる 各党の平均議席数が減少していることを考えると 次期政権は連立を組むために他党との長期にわたる交渉を余儀なくされよう 実際 上下両院で過半数を確保するには 少なくとも 5 つの政党による連立が必要となる可能性が高い これはオランダの現状と何ら変わらない ドイツ メルケル首相率いるキリスト教民主 社会同盟 (CDU/CSU) と連立相手の社会民主党 (SPD) の差が一層縮まり 極右政党のドイツのための選択肢 (AfD) が失速している 中道左派の SPD は前欧州議会議長のシュルツ氏を首相候補に指名して以来 支持率が急激に上昇しており メルケル首相が難なく 4 選を果たすという大方の見方に疑問を投げ掛けている 主要政党は現段階ではあらゆる連立の可能性を残すべく 慎重に動いているが 当社の現時点の基本シナリオは引き続き 現状維持 すなわちメルケル氏主導の CDU/CSU と SPD による再度の大連立 ( いわゆる 黒 赤連立 ) だ シュルツ氏が率いる形の大連立ないし SPD 緑の党 左派の連立が実現した場合には ドイツの政治は財政支出や投資を拡大し Brexit に対してより強硬なスタンスを取る方向に舵を切ることになる ただし EU と単一通貨ユーロを支持する姿勢は変わらないだろう AfD はここ数週間に失速しており 同党に投票する意向であると回答した人の割合は足元で平均 10% と 2016 年末のピーク時 (13%) から低下している 英国 英上院はリスボン条約第 50 条の発動に必要な法案に修正を加えることを賛成多数で可決した 今回の修正案は英国在住の EU 市民の権利を保護するもので その可決は ( 上院では過半数を握っていない ) 与党保守党にとって敗北を意味する この結果 第 50 条の発動に必要な法律の成立には下院による本修正案 ( および今後追加される可能性のある他の修正条項 ) の再審議が必要となったが 下院は修正を取り除くことが可能であり 野党労働党でも引き続き大半の所属議員が政府案に賛成票を投じる公算が大きいもようだ もっとも 上院と下院が法案の行き来を繰り返す展開になることも考えられ そうした状態が長引けば 第 50 条の発動が遅れる可能性もあろう 国際経済ウィークリー 17

18 今回の採決結果を受け 上院が ( 政府による離脱交渉の最終案に対する本格的な投票の確約など ) 他の修正案の審議においても政府の意向に反する結果をもたらす公算が高まったように思われる 修正は 3 月 7 日に実施される上院の第三 ( 最終 ) 読会までに加える必要があり その後 下院が 3 月 両日に修正案を審議する運びとなる見通し メイ首相は自ら設定した 3 月末の期限までに第 50 条を発動できるとの自信を崩していない 今後のイベント 2017 年 3 月 10 日 欧州理事会会合 ( ブリュッセル ) 2017 年 3 月 15 日 オランダ大統領選 2017 年 3 月末 政府が表明しているリスボン条約第 50 条発動の期限 2017 年 4 月 23 日 フランス大統領選 第 1 回投票 2017 年 5 月 7 日 フランス大統領選 第 2 回投票 2017 年 6 月 11 日 フランス国民議会選挙 第 1 回投票 2017 年 6 月 18 日 フランス国民議会選挙 第 2 回投票 2017 年 7 月 17 日 ギリシャが民間投資家向けに発行した国債 20 億ユーロの償還期限 2017 年 7 月 20 日 ECB が保有するギリシャ国債 40 億ユーロの償還期限 2017 年 9 月 24 日 ドイツ連邦議会選挙 最近発行したレポート 国際経済ウィークリー ユーロ圏 : 政治的リスクの再燃に身構える市場 ( 2 月 13 日 ): フランスの選挙に関連した金融市場の不透明な状況を考察 国際経済ウィークリー ユーロ圏 : 流動化するフランス政局の行方 (2 月 6 日 ): ルペン氏が大統領選に勝利した場合に何が起こりうるかを検証 国際経済ウィークリー ユーロ圏 : ギリシャ債務問題に関する 5 つのシナリオ (2 月 6 日 ): 今後考えられるいくつかのシナリオを分析 国際経済ウィークリー 欧州経済 : 今後の政治的イベントを考察する (1) (11 月 14 日 ) 欧州経済 : 今後の政治的イベントを考察する (2) (11 月 21 日 ):Brexit など欧州における今後 1 年の政治的リスクを分析 欧州政局モニター 図表 25: フランス大統領選 - 第 1 回投票に関する世論調査 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 国民戦線 ( ルペン ) 共和党 ( フィヨン ) 社会党 ( アモン ) 前進! ( マクロン ) 左翼戦線 ( メランション ) 国際経済ウィークリー 18

19 図表 26: フランス大統領選 - 第 2 回投票に関する世論調査 70% 65% 60% 55% 50% 45% マクロン ルペン 40% 35% 30% Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 図表 27: フランス大統領選 - 第 2 回投票に関する世論調査 65% 60% 55% 50% 45% フィヨン ルペン 40% 35% 30% Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Feb-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 図表 28: オランダ総選挙に関する世論調査 45 自由民主国民党 労働党 40 自由党 社会党 35 キリスト教民主同盟 民主 66 党 Jan-16 Mar-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 国際経済ウィークリー 19

20 図表 29: ドイツ連邦議会選挙に関する世論調査 50% 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% Jan-14 May-14 Sep-14 Jan-15 May-15 Sep-15 Jan-16 May-16 Sep-16 Jan-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 図表 30: 主要国 10 年債の対独スプレッド 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス CDU/CSU 左派党自由民主党 社会民主党緑の党ドイツのための選択肢 イタリアスペイン英国フランス 0 Jan-13 May-13 Sep-13 Jan-14 May-14 Sep-14 Jan-15 May-15 Sep-15 Jan-16 May-16 Sep-16 Jan-17 国際経済ウィークリー 20

21 為替市場概観 : 政策乖離の織り込みを検証 Ray Farris ray.farris@credit-suisse.com Trang Thuy Le trangthuy.le@credit-suisse.com 先週半ば時点で 米ドルの強気トレンドが加速 USDJPY は最近の底から反発し 2 週間超ぶりに一時 114 円を突破した 当社テクニカル アナリストによれば DXY インデックスが上放れたことは 2014 年に始まった強気トレンド再開の重要なシグナルとなる可能性がある 米国の経済指標が大幅に上振れたことを受けて FRB 関係者からタカ派的発言が相次ぎ ドル急騰の最大の引き金となった こうした中 FRB のイエレン議長およびフィッシャー副議長による 3 日の講演内容に大きな注目が集まっていた 両者とも今月の利上げに前向きな姿勢を示したが 市場はすでに 3 月利上げを織り込み始めていたことから それらの発言を受けて為替相場が大きく変動することはなかった 先週半ば時点で EURUSD および USDJPY については 1 ヵ月テナーおよび 2 週間テナー ( つまり FOMC が開催される 3 月 15 日のウィンドウ ) の間で ボラティリティ市場におけるプレミアムの差はほとんどない EUR および JPY のリスク リバーサルとボラティリティのフロント エンドに FOMC に関わるプレミアムがあまり織り込まれていないのは FOMC と日銀の金融政策決定会合 およびオランダの総選挙がいずれも同一日 3 月 15 日に行われることが一因かもしれない 政策の乖離が市場に織り込まれていない理由としてもう 1 つ考えられるのが 経済モメンタムの改善である PMI は米国と同様 ユーロ圏でも日本でも堅調で 政策の乖離が大幅に広がるとの見方を打ち消している G10 通貨ペアの中で今後とも政策の乖離が続く公算が大きいとみられるのが USDCAD( 米ドル / カナダドル ) である 先週半ば時点で 米ドルの強気トレンドが加速 USDJPY( 米ドル / 日本円 ) は最近の底から反発し 2 週間超ぶりに一時 114 円を突破した 当社テクニカル アナリストによれば DXY インデックスが上放れたことは 2014 年に始まった強気トレンド再開の重要なシグナルとなる可能性がある 米国の経済指標が大幅に上振れたことを受けて FRB 関係者からタカ派的発言が相次ぎ ドル急騰の最大の引き金となった ウィリアム ダドリー NY 連銀総裁は 28 日 利上げを行う根拠は今やかなり強まっている との見方を示した FOMC の伝統的なハト派の重鎮の 1 人であるダドリー氏の口から こうしたコメントが発せられたことが注目される 他方 堅調な各種景況調査 (ISM シカゴ PMI 消費者信頼感 ) とマチマチな実績データ ( 耐久消費財受注 PCE) の間で依然として乖離が続いている だがこうした状況は 3 月 15 日の FOMC での利上げ確率を市場が引き上げる妨げとはならなかった ( 図表 31) 先週も述べたように (2 月 27 日付本誌 為替市場概観 : 待ち受けるリスク要因 参照 ) 目下のところドル高の動きは主に対 G10 通貨に限られている 新興国通貨については 市場は相対的に明るいとの見方を変えていない コモディティ価格 ( 図表 32) や中国の PMI の堅調 リスク アペタイトの上昇が 新興国通貨を支えている 加えて トランプ政権の通商 税制措置の内容やタイミング 規模が今もって不透明感なことも 新興国通貨の追い風となっている 28 日の両下院合同会議におけるトランプ大統領の演説で これらの政策の詳細が示されたかったことにより 当面は現在の市場予想が支えられる形となった このことは一部の新興国通貨にポジティブなインプリケーションを与える公算が大きい 先週当社は 足元のメキシコ ペソの見通しに対し慎重ながらも前向きなスタンスに転換し 3 ヵ月後の予測を ペソとした ( しかしながら 新興国通貨の大半と同様 長期的には引き続き弱気スタンスを継続する ) 当社アジア担当ストラテジストも 日本を除くアジアの通貨に対し 短期的には同様に前向きなリスク プロファイルを見込んでいる 国際経済ウィークリー 21

22 図表 31:3 月 15 日の FOMC についての市場予想の変化を受けて フロントエンドが上昇 ( 先週半ば時点 ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 0.6 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス OIS-implied が示唆する政策据え置きの確率 probability of unchanged OIS-implied が示唆するprobability 25bp 利上げの確率 of 25bp hike US 米国 2yr 2 年債利回り Yield (%, (% right) 右軸) 図表 32: コモディティ価格は米ドル上昇にもかかわらず堅調に推移 Iron 鉄鉱石 Ore Crude 原油 Oil 60 Sep-16 Nov-16 Jan-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス こうした中 FRB のイエレン議長およびフィッシャー副議長による 3 日の講演内容に大きな注目が集まっていた 両者とも今月の利上げに前向きな姿勢を示したが 市場はすでに 3 月利上げを織り込み始めていたことから それらの発言を受けて為替相場が大きく変動することはなかった 先週半ば時点で EURUSD および USDJPY については 1 ヵ月テナーおよび 2 週間テナー ( つまり FOMC が開催される 3 月 15 日のウィンドウ ) の間で ボラティリティ市場におけるプレミアムの差はほとんどない ( 図表 33 および 34) 図表 33:EURUSD ボラティリティ市場には FRB 関連リスクはあまり織り込まれていない ユーロ EURUSD / ドル 1m 25d RR(%) (%) /1 12/15 12/29 1/12 1/26 2/9 2/23 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 1m-2w RR の差 differential (%) (%) ユーロ EURUSD / ドル 2w 25d RR(%) (%) 図表 34: USDJPY についても同様 1.0 1m-2w RR の差 differential (%) (%, right) ユーロ USDJPY / ドル2w 2w 25d RR(%) (%) 0.5 ユーロ USDJPY / ドル1m 25d RR(%) (%) /1 12/15 12/29 1/12 1/26 2/9 2/23 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス EUR および JPY のリスク リバーサルとボラティリティのフロント エンドに FOMC に関わるプレミアムがあまり織り込まれていないのは FOMC と日銀の金融政策決定会合 およびオランダの総選挙がいずれも同一日 3 月 15 日に行われることが一因かもしれない オランダの総選挙については 世論調査の結果は依然としてマルク ルッテ現首相率いる自由民主党と ヘルト ウィルダース氏率いる極右政党 自由党で 2 分されている ウィルダース氏はマリー ルペン仏国民戦線党首とまったく同様の 反移民 反 EU 政策を前面に押し出した右翼的政策を掲げている オランダ総選挙で自由党が勝利すれば政治的リスクが高まり EURUSD の足枷となることもあり得る 仏大統領選挙でのルペン氏勝利への不安が再燃し このところ落ち着いていたユーロのボラティリティが改めて高まると考え 国際経済ウィークリー 22

23 られるためである ユーロのボラテイリティは 世論調査におけるマクロン氏の支持率改善を受けて 落ち着いた動きを示していた ( 図表 35 および 36) 図表 35: 仏大統領選挙における支持率は バイル元教育相がマクロン氏支持を決めて以降 変化 第 2 回投票に関する世論調査平均 図表 36: 支持率の変化は EURUSD のボラティリティのプライシングの急激な変化と合致 75% マクロン Macron ルペン Le Pen 65% 55% 45% 35% 25% 12/1 12/15 12/29 1/12 1/26 2/9 2/23 出所 : 各種世論調査 ブルームバーグ クレディ スイス EURUSD ユーロ / ドル3m 3 ヵ月ボラティリティ vol (%) (%) 8.5 EURUSD ユーロ / ドル3m 3 ヵ月 25d 25% riskデルタ 8.0 reversal リスクリバーサル スキュー skew (%, right) (%) 12/1 12/15 12/29 1/12 1/26 2/9 2/23 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 政策の乖離が市場に織り込まれていない理由としてもう 1 つ考えられるのが 経済モメンタムの改善である このことは米国だけに限らない PMI は米国と同様 ユーロ圏でも日本でも堅調で 政策の乖離が大幅に広がるとの見方を打ち消している G10 通貨ペアの中で今後とも政策の乖離が続く公算が大きいとみられるのが USDCAD( 米ドル / カナダドル ) である カナダ中銀 (BOC) の先の声明は 1 月 18 日の声明とほとんど変わらなかった BOC はハト派的スタンスを維持する根拠として 輸出競争力の問題と 米国の通商政策の先行き不透明感を挙げた さらに同行は 最近の CPI および雇用統計の改善は一時的なもので 反転する可能性が大きいとの見方を示した こうした状況下 FRB に対する利上げ観測がなお高まれば カナダドル (CAD) はとりわけ脆弱な動きを見せよう 3 ヵ月後の USDCAD が ヵ月後が 1.37 との当社予測は USDCAD には金融政策の予測にキャッチアップする余地が十分にあることを示唆している 図表 37:USDCAD には金融政策の予測にキャッチアップする余地が十分にある Jan-16 Mar-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan-17 Mar-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス USD-CAD 米ドル- 加ドル1y2y 1y2yrate differential(%) (%) USDCAD 米ドル / 加ドルスポット spot (right)( 右軸 ) 国際経済ウィークリー 23

24 為替市場動向 : アジア通貨のパフォーマンスを考察 Ray Farris ray.farris@credit-suisse.com Trang Thuy Le trangthuy.le@credit-suisse.com 当社は米ドルが堅調に推移するとの見方をしているが アジア通貨は総じてそれと裏腹な動きを示してきた アジア通貨の強さがフランス大統領選を控えて継続するかどうかは 今月 10 日にかけての米経済指標と政策当局の発言次第であろう FRB が今月の FOMC 会合で利上げを決定する場合には 米ドルは再び幅広く値を上げる可能性が高まるだろう 逆に FRB が今月利上げを実施しない場合 米ドルは対アジア通貨で 4 月にかけて軟化する可能性が高いとみられる ポジションが積み上がり リスクの織り込みが低減する中で アジア通貨が一段と強含むようだと 季節的調整による下落局面が 5 月に再来するきっかけとなりかねない 年初来 経済成長とリスク環境の改善がアジア通貨のパフォーマンスを下支え 米国債利回りの低下と FRB の利上げ織り込みが一服したことと歩調を合わせ アジア通貨は米国大統領選挙後の安値から回復 今年に入り 米国債利回りの低下と FRB の利上げ織り込みが一服したことと歩調を合わせて アジア通貨は米国大統領選挙後の安値から回復した ( 図表 38) 市場は先月末時点で 3 月の利上げを 9bp( 利上げ確率 36%) 年末までに 56bp の利上げを織り込んだとみられ 年末までの利上げ見通しは 昨年末の天井の約 64bp から低下していた ( その後 FOMC メンバーから 3 月利上げに前向きな発言が相次ぎ 市場の織り込む利上げ確率は一気に 80% 台まで高まった ) 図表 38: 米国債利回りの低下と歩調を合わせて USD/ アジア通貨は下落 米国 US 10yr 年債利回り Tsy, % (%) アジア通貨 Asia vs. USD vs. 米ドル (RHS) ( 右軸 ) アジア通貨 Asia FX stronger 強含む Jan-16 Mar-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 予想を上回るアジア経済指標と証券投資資金の流入も下支え役に しかしながらアジア通貨の回復の勢いは 米国債利回りの低下ペースを上回っている これは 最近のアジアの経済指標が予想を大幅に上回っていることを反映していると考えられる アジア経済の順調な足取りが アジア通貨への資金流入を後押しした ( 図表 39) 確かに アジア通貨のパフォーマンスは 概ね年初来の海外証券投資資金の流入と軌を一にしている ( 図表 40) こうした経済指標の上振れとアジア通貨の底堅い動きを反映し インプライド ボラティリティとリスク リバーサル スキューの形で市場が織り込んでいるリスクの価格は急落した ( 図表 41 および 42) つまり 好材料はかなりの程度織り込まれたと考えて良い 国際経済ウィークリー 24

25 図表 39: アジアの経済指標は予想を大幅に上振れ Asia アジア経済指標サプライズ指数 data surprise Jan-11 Jul-12 Jan-14 Jul-15 Jan-17 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 図表 40: アジア通貨のパフォーマンスは海外証券投資資金の流入を映している Foreign 海外からの債券投資フロー flow in debt, $bn(10 億ドル ) Equity, 株式 (10 $bn 億ドル ) FX 対米ドルの returns FX against リターン USD YTD(% YTD, % 右軸 (RHS) ) TWD KRW INR IDR THB PHP MYR 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 7.0% 6.0% 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% 図表 41:USD/ アジア通貨のインプライド ボラティリティはレンジの下限に低下 図表 42: リスク リバーサル スキューも縮小 1 ヵ月物ボラティリティ % 1 ヵ月物 25 デルタボラティリティ調整後のリスクリバーサル 20% 18% 16% 14% 12% 10% 8% 6% 4% 2% 0% USDCNH Current 現在 1m vol, % 1m 1 ヵ月前 ago Average 2015 年以降の平均 since 2015 Min/Max 最小 / 最大 USDCNY USDINR USDPHP USDIDR USDTHB USDSGD USDTWD USDMYR USDKRW USDTWD Current 現在 1m 1 ヵ月前 ago Average 2015 年以降の平均 since 2015 Min/Max 最小 / 最大 USDSGD USDKRW USDCNY USDCNH USDTHB 1m 25D vol adjusted risk reversals USDINR USDPHP USDMYR USDIDR 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス USD/ アジア通貨の見通しにとって 3 月の FOMC が最も重要な牽引役に このことは 目先的な USD/ アジア通貨の見通しにとって 今月の FOMC が恐らくは最も重要な牽引役になることを意味している 今月利上げが行われれば USD/ アジア通貨のロングが再燃する公算が大きいと思われる また利上げが実施されれば 2017 年中に 3 回の利上げが行われる確率が 現在の市場予想よりも大幅に高くなるとみられることによる 対照的に 今月の利上げはないとした場合 ファンダメンタルズに照らして アジア通貨の大半は対米ドルで続伸することとなろう 韓国 台湾 タイは大幅な経常黒字を計上しているが 民間部門はこの大幅な黒字を効率的に経済に還流させられないでいる またこれらの国ではすべて 経済成長が多少なりとも改善しており 海外資金の流入を促している インドおよびインドネシアでは 1 月の金融政策のタカ派的なシフトが歴史的に高水準の実質利回りを支えてきた こうした状況を受けて国内投資家のドルへの資金逃避意欲が低下する一方 海外の証券投資資金の流入につながっている シンガポールのインフレ サイクルは現在 シンガポール ドル (SGD) の名目実効為替レートが変動幅 ( 政策バンド ) の上半分で取引されることが妥当であること そしてシンガポール通貨庁は 4 月に政策を据え置くとみられることを示している 国際経済ウィークリー 25

26 向こう 2 ヵ月以降に目を向けると アジア通貨が対ドルで続伸するためには いくつかの障害が立ちはだかる アジア通貨の上昇が予想される中で 最大の例外と目されるのは人民元 (CNY) とフィリピン ペソ (PHP) 中国は極めて緩和的な金融政策を維持しており 人民元に引き続き下げ圧力を及ぼしている 対ドルでの人民元安に歯止めをかけるような為替政策がとられても ( 中国では金融政策と為替政策の判断は別々になされる ) この状況は変わらないだろう さらにフィリピン ペソも 今年は軟調な展開となっている この原因は フィリピンの貿易赤字の拡大と 政治リスクの上昇に伴う資金流出の可能性に帰せられよう 一方 マレーシア リンギ (MYR) は NDF 取引の制限とマレーシア中銀 ( マレーシア国立銀行 :BNM) による積極的な双方向の流動性提供が奏功して 引き続きグローバルなリスクからかなりの程度 隔離されているとみられる だが 4~5 月にかけてリスクが上昇 しかしながら 向こう 2 ヵ月以降に目を向けると アジア通貨が対ドルで続伸するためには いくつかの障害が立ちはだかる 例えば以下の要因である 米国の国境税調整 トランプ大統領が数週間以内にも ライアン下院議長 / ブレイディ下院歳入委員会委員長が提案している仕向け地主義キャッシュフロー課税 (DBCFT) を承認する可能性がある これを受けてドルが反発する公算があるものの ドル反発は長続きはしないだろう DBCFT は下院の支持を得ているが 上院ではより強い抵抗を受けている 例えトランプ大統領が支持を表明しても 早くても 7 月か 8 月よりも前に 同法案が上院を通過するか否かが明確になるとは思えない 確認しておくと 当社米国チームは同法案が年内に成立するとはみていない 今月以降 世界経済の成長モメンタムは鈍化する可能性が大きい それにつれて徐々にリスク アペタイトが冷やされることになりそうだ とりわけ経済指標の上振れがすでに相当程度 資産価格に織り込まてていることを考えれば 尚更そのように判断できる この点に関し最大の問題は減速のペースであろう 製造業 PMI がさほど低下しなければ グローバル モメンタムの減速は穏やかなペースにとどまろう それとともに FRB が金融政策を据え置けば 向こう 1~2 ヵ月間は 資産価格やアジア地域への資金フローが逆風を受けることはなかろう 仏大統領選挙 フランスの世論調査が大幅にシフトして極右政党 国民戦線 党首 ルペン氏の明白な勝利を示唆しない限り 向こう 1 ヵ月間にリスク オフ センチメントが大きく高まるとは思えない EURUSD のインプライド ボラティリティに対し 5 月 7 日の決選投票に向けて 市場は高い価格を付けているとみられる ( 約 30 日間のボラティリティ ) 一方 USD/ アジア通貨のインプライド ボラティリティは適正価格もしくは割安価格 ( 約 1 週間のボラティリティ ) にあるもようである 5 月は季節的に軟調な展開となりやすく 夏場を通してアジア通貨および新興国通貨全般にわたり弱含みとなる傾向がある この事実が これらの通貨に対して慎重なスタンスを取るもう 1 つの理由である ( 詳細は以下を参照 ) ネガティブな季節パターンを詳細に分析すると TWD INR KRW が特に脆弱なことがわかる 総合すると 以上は FRB はアジア通貨の最近のラリーが 4 月にかけて続くことを容認する可能性があることを示唆しているが そうなると初夏には反落するリスクが高まることとなろう 5 月の季節的な軟化に警戒 図表 43 および 44 はアジア通貨が 5 月に反落する傾向があることを示している とりわけタイ バーツ (THB) インド ルピー (INR) マレーシア リンギ (MYR) 台湾ドル (TWD) についてそのように言える このネガティブな季節パターンを詳細に分析すると TWD INR 韓国ウォン (KRW) が特に脆弱なことがわかる このように推論する根拠を 3 つ挙げる 1. 5 月のアジア通貨安は 概ねイベントとポジショニングに基づいている 過去数年にわたり 欧州危機の発生もしくは FRB によるタカ派的シグナルの点灯が アジア通貨の 国際経済ウィークリー 26

27 下落を招いてきた 前述のように 今年もいくつかのイベント リスクが通貨下落の引き金となる可能性がある 例えば 仏大統領選挙 FRB がタカ派的姿勢を強めること 4 月末の米国の主要貿易相手国の為替政策に関する米財務省の半期報告書の発表を前にした米国の通商 為替政策などが そうしたイベント リスクとして挙げられる 図表 43: アジア通貨は 5 月に反落する傾向 平均月次変化 (%) 2008 年 2009 年を除く 10 年平均 Average monthly change, % Mar Apr May (**) (***) 3 月 4 月 5 月 (*) (*) (**) USDMYR (*) USDKRW USDINR USDTHB USDPHP (**) (*) USDSGD 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス USDIDR (*) USDTWD USDCNY 図表 44:THB INR TWD はとりわけこの傾向が強い 2008 年 2009 年を除く 10 年平均 1.00 Hit 3 月ヒット率 ratio Mar Hit 4 月ヒット率 ratio Apr 0.90 Hit 5 月ヒット率 ratio May USDSGD USDTHB USDCNY USDMYR USDKRW USDINR USDPHP USDIDR USDTWD 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス 図表 45:5 月の反落は 1~4 月の上昇と比例 2. 下落は 1~4 月の上げ幅と比例する 1~4 月のアジア通貨の値上がりと 5 月以降の反落には密接な相関性が認められる 年初来の上昇と証券投資資金の流入に照らせば TWD KRW THB がポジショニングの変更に対してとりわけ脆弱だと考えられる ( 図表 40 参照 ) 図表 46: 今年の上昇は平均よりも大幅 2008 年 2009 年を除く 10 年平均均等加重したアジア通貨バスケット 対米ドル Average 5 月の対ドル平均変化率 change in May, against USD 0.0% -0.5% -1.0% -1.5% -2.0% CNY CNH TWD PHP IDR INR SGD THB -2.5% 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% Average change in Jan-Apr against USD 1 月 ~4 月の対ドル平均変化率 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス MYR KRW Average YTD Dec Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス 国際経済ウィークリー 27

28 CNY TWD PHP IDR SGD MYR THB INR KRW 2017 年 3 月 6 日 図表 47: 年初来の上昇に照らし KRW TWD SGD THB は反落の公算大 2008 年 2009 年を除く 10 年平均 8.0% 7.0% 6.0% 5.0% 4.0% 3.0% 2.0% 1.0% 0.0% -1.0% -2.0% -3.0% CNY CNH TWD PHP IDR SGD MYR THB INR KRW 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス 3. 貿易収支や経常収支がさらなる下方圧力にさらされている国は 一層脆弱である 5 月に貿易収支の大幅な悪化に直面している唯一のアジア通貨は INR である インドの 5 月の貿易収支は約 15 億ドルの赤字となる見通しだ このことが INR は 1~4 月の上昇幅がアジア通貨の平均を下回ることが多いにもかかわらず 5 月に 2 番目に低迷したアジア通貨となっている理由を説明しているかもしれない 図表 48:5 月のネガティブな為替相場の季節性は貿易収支と相関しない 2008 年 2009 年を除く 10 年平均 % 対ドル変化率 change against (% 1 USD, 月 ~4 average 月平均 ) Jan-Apr % 対ドル変化率 change against (% 5 USD, 月平均 average ) in May YTD 変化率 change (%) FX 対ドル変化率 against USD, (%% change 5 月 ) in May Trade 貿易収支の balance, 5 月の月次変化 May monthly (10 億ドル 右軸 change, $bn )(RHS) (***) (**) (***) (**) (*) (**) (**) (*) (***) 出所 :CEIC ブルームバーグ クレディ スイス 国際経済ウィークリー 28

29 米国指標の予測解説 (3 月 6 日 ~3 月 10 日 ) 発表日 ( 日本時間 ) 指標当社予測コンセンサス前回 3 月 10 日 ( 金 ) 22:30 非農業部門雇用者数 / 民間雇用者数 (2 月 ) - 失業率 ( 千人 ) 200 / % ( 千人 ) 175 / % ( 千人 ) 227 / % 非農業部門雇用者数は 2 月も強い増加を示しそうであり 当社は 200,000 人増と予想している この場合 1 月の 227,000 人増に比べて伸びがやや鈍化したことになるが 完全雇用に近づいている米国経済としては依然大幅な増加と言えよう 他の労働市場指標は一貫して堅調であり 消費者や企業の景況感調査は引き続き底堅い雇用の伸びを示唆している しかし ダウンサイド リスクとなりうるのは政府部門の雇用である 政府部門の雇用は過去数ヵ月にわたり減少しているうえ トランプ大統領が 1 月 23 日に発令した連邦政府職員の雇用凍結が下押し要因となる可能性がある 失業率は過去 2 ヵ月間にやや上昇して 4.8% となったが 2 月は 4.7% に低下するものと予想される 新規失業保険申請件数が減少し続けているほか 企業の雇用意欲も衰えていないようであり 労働需給は今後も引き締まることが見込まれる 時間当たり平均賃金の伸びは 1 月は失望的だったが 2 月は前月比で 0.2% に上向くと予想する その場合 ベース効果の影響で 前年同月比の伸び率は 2.7%(1 月は 2.5%) に復帰すると推計される 総雇用者所得は改善する見通しながら 伸び率は金融危機後のトレンドである 4.4% を依然下回りそうだ 15 日に発表される CPI や小売売上高と合わせ 今回の雇用統計は 3 月の FOMC 会合以前に発表される最後の主要経済指標の一つである 当社は現時点でこれまでの予想を変更し FOMC が 3 月の会合で利上げを決定するとみているが 過去の経験からすると FOMC は雇用統計のダウンサイド サプライズに敏感に反応する傾向がある 出所 : 米労働統計局 クレディ スイス 国際経済ウィークリー 29

30 ユーロ圏 英国指標の予測解説 (3 月 6 日 ~3 月 10 日 ) 発表日 ( 日本時間 ) 指標 3 月 8 日 ( 水 ) 英国 2017 年度予算案の発表 ハモンド財務相は今回 最後の春季財政報告を行う 2017 年秋以降は それに代わるものとして秋季財政報告が行われる予定である 今回は 昨秋の財政報告に比べ 経済成長予想を引き上げ 政府の借り入れ見通しを引き下げるものとみられる 秋季財政報告の予測には目先的な景気鈍化や財政悪化が組み込まれていた だがそれ以降 経済指標は予想以上に好転したほか 税収が予想を上回ったことから 英国家統計局 (ONS) は今年度のこれまでの借り入れに関するデータを下方修正した ( これは法人税の新たな計算方法が導入されたことも一因 ) 2016 年 4 月から 2017 年 1 月の期間の公共部門純借入額は 493 億ポンドとなっており これは 2016 / 17 年度の英予算責任局 (OBR) の赤字目標額である 682 億ポンドを大幅に下回っている 当社は 2016 / 17 年度の赤字目標は当初の 682 億ポンドから 120 億ポンド少ない 562 億ポンドに引き下げられるとみている また 借り入れ規模も縮小し 向こう 5 年間における借り入れ見込みは 400 億ポンド程度減少すると予想する これは 2014 年以降で初めての減少となる 目先的な経済成長見通しは上方修正される可能性が高いものの 長期的な見通しは EU との将来的な関係が不透明な状況にあるため 現状のままで据え置かれそうだ 秋季財政報告で新たに発表された柔軟な財政フレームワークは変更されないだろう 秋季財政報告の中で ハモンド財務相は新しい財政目標を掲げており それは財政政策を 2016 年 3 月時点に比べ大幅に緩和することを表わしていた すなわち 構造的赤字を 2020~21 年に GDP 比 2% 未満とするというものだが 成長見通しの不確実性を踏まえると そうした従来より緩めの財政目標は 将来的な必要に応じて経済を刺激する余地と柔軟性を引き続き提供するものとなろう 経済成長ペースはこれまでのところ予想を上回っているものの 今後の見通しはなお不透明感が強く インフレ率の上昇や実質家計所得の減少を背景に消費支出が鈍化し始める兆候も見え始めている このため 今回の報告からは 将来的に英国経済が悪化した場合に備える財政方針がうかがえるだろう 出所 : ブルームバーグ 2017 トムソン ロイター クレディ スイス予想 発表日 ( 日本時間 ) 指標当社予測コンセンサス前回 3 月 9 日 ( 木 ) 21:45 ECB 理事会 政策金利発表 ( 水準 %) (%) 0.00 (%) 0.00 (%) 0.00 ECB は今回の理事会で政策金利と量的緩和の規模を現行水準に据え置くと予想される 総合インフレ率に関する予測は 昨年 12 月の理事会で最新経済予測が公表されて以降の原油高やユーロ安を背景に 大幅に上方修正される見通しだ 当社は 総合インフレ率の予測は 2017 年が 12 月時点の 1.3% から 1.7% に引き上げられるとみる一方 2018 年については コアインフレ率予測の変更がないとみられるため 1.5% で据え置かれると予想する ユーロ圏の 2 月の HICP(EU 基準の消費者物価指数 ) 上昇率は前年同月比で 1 月の 1.8% から 2.0% に上昇し 2013 年 2 月以来の高い伸び率を記録した しかし コアインフレ率は約 3 年間にわたり 1% を下回る水準で推移しており 2 月は 0.87% と 1 月の 0.92% からさらに落ち込んだ ECB はユーロ圏の見通しに関するダウンサイド リスクは後退したとの見方を示すかもしれないが それでも インフレ目標に合致するコアインフレの 持続的な調整 を示すエビデンスはいまだ経済指標に現れていないとの判断を再び示すものと予想される 同様に 最近の総合インフレ率の上昇については 二次的影響がコアインフレ率の持続的上昇につながらない限り 様子見にとどめるとの考えを繰り返すとみられる 当社は 世界的な生産コスト上昇を背景に コアインフレ率が年後半に上昇し始めるとみている 当社は今回インフレ予測を上方修正し コアインフレ率は年平均で 2017 年が 1.0% 2018 年が 1.4% また総合インフレ率に関しては 2017 年が 1.8% 2018 年が 1.3% と予想している とはいえ 今年後半はコア財価格を牽引役にコアインフレ率が上昇するとみられる一方で コアサービス価格 ( と賃金 ) は年間を通じてほぼ横ばいで推移しそうだ このため ECB はそうしたコアインフレの上昇を重視しない可能性が高く 資産買い入れプログラムは少なくとも今年 12 月までは月間 600 億ユーロの規模で継続すると予想される 出所 : ブルームバーグ 2017 トムソン ロイター クレディ スイス予想 国際経済ウィークリー 30

31 米国経済指標カレンダー (3 月 6 日 ~3 月 31 日 ) 月火水木金 10:00 製造業受注 (1 月 ) 8:30 貿易収支 (10 億ドル ) 8:15 ADP 雇用統計 (2 月 ) 12 月 月 :00 消費者信用 (1 月 ) 8:30 非農業部門労働生産性生産性単位労働コスト Q4( 速 ) Q4( 確 予 ) :00 卸売在庫 (1 月 ) 8:30 失業保険申請件数 2 月 25 日までの週 223k 3 月 4 日までの週 ( 予 ) NA 8:30 輸入物価指数 (2 月 ) 8:30 雇用統計 非農業増加数失業率 1 月 227k 月 ( 予 ) 200k :30 生産者物価指数 (2 月 ) 8:30 消費者物価指数 (2 月 ) 8:30 失業保険申請件数 9:15 鉱工業生産 (2 月 ) FOMC(1 日目 ) 8:30 小売売上高 (2 月 ) 8:30 住宅着工件数 (2 月 ) 10:00 景気先行指数 (2 月 ) 8:30 ニューヨーク連銀 10:00 求人労働異動調査製造業景気指数 (3 月 ) (1 月 ) 10:00 NAHB 住宅市場 (3 月 ) 10:00 フィラデルフィア連銀景況指数 (3 月 ) 14:00 FOMC(2 日目 ) 10:00 ロイター / ミシガン大学消費者マインド (3 月 速 ) :00 中古住宅販売 (2 月 ) 8:30 失業保険申請件数 8:30 耐久財受注 (2 月 ) 10:00 新築住宅販売 (2 月 ) :00 S&P/ ケースシラー住宅価格指数 (1 月 ) 10:00 消費者信頼感 (3 月 ) 10:00 リッチモンド連銀製造業指数 (3 月 ) 10:00 中古住宅販売仮契約指数 (2 月 ) 8:30 失業保険申請件数 8:30 GDP(Q4 確 ) 8:30 個人所得 支出 (2 月 ) 10:00 ロイター / ミシガン大学消費者マインド (3 月 確 ) k: 単位 1,000 na:credit Suisse の予測値なし もしくは現時点ではまだ予測していない注 : このカレンダーは 3 月 2 日 ( 木 ) 時点のデータに基づいて作成したものです Credit Suisse 予測はその後の状況や経済指標の結果次第で修正される場合があります 最新の情報につきましては Credit Suisse までお問い合わせ下さい 出所 : ブルームバーグ 2017 トムソン ロイター クレディ スイス 国際経済ウィークリー 31

32 経済指標 イベントカレンダ (3 月 6 日 ~3 月 10 日 ) 日本時間当社予測コンセンサス前回実績 3 月 6 日 ( 月 ) 24:00 米 1 月の製造業新規受注 ( 前月比 %) :00 米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁 (FOMC 投票権有り ) 全米企業エコノミスト協会 (NABE 会合 ) にて講演 3 月 7 日 ( 火 ) 16:00 独 1 月の製造業新規受注 ( 前月比 % / 前年比 %) -4.6 / / / :00 EA 月期の実質 GDP( 確 )( 前期比 % / 前年比 %) 0.4 / / / :30 米 1 月の貿易収支 (10 億ドル ) :00 米 1 月の消費者信用残高 (10 億ドル ) 月 8 日 ( 水 ) 8:50 日 月期の GDP 2 次速報 - 実質 GDP( 前期比年率 %) :50 日 1 月の国際収支 - 経常収支 ( 季調済み ) 1 兆 6,842 億円 1 兆 5,200 億円 1 兆 6,692 億円 8:50 日 2 月の貸出動向 - 銀行 信金計 ( 前年比 %) :00 日 1 月の景気動向指数 ( 速 )- 先行 CI / 一致 CI / / :00 日 2 月の景気ウォッチャー調査 - 現状判断 DI 中 2 月の輸出 / 輸入 ( 前年比 %) 13.5 / / / :00 独 1 月の鉱工業生産 ( 前月比 % / 前年比 %) 4.3 / / / -0.7 英 2017 年度予算案の発表 22:15 米 2 月の ADP 雇用統計 ( 千人 ) :30 米 月期の非農業労働生産性 / 単位労働コスト ( 前期比年率 %)( 確 ) 1.3 / / / :00 米 1 月の卸売在庫 ( 前月比 %) 月 9 日 ( 木 ) 8:50 日 2 月のマネーストック -M2( 前年比 %) :00 日 1 月の毎月勤労統計 - 現金給与総額 ( 前年比 %) :30 中 2 月の CPI( 前年比 %) :45 EA ECB 理事会 政策金利発表 ( 水準 %) :30 米新規失業保険申請件数 (3/4 までの週 千件 ) :30 米 2 月の輸入物価指数 ( 前月比 % / 前年比 %) -- / / / :00 米 月期の資金循環統計 3 月 10 日 ( 金 ) 8:50 日 2 月の企業物価指数 ( 速 )( 前年比 %) :30 英 1 月の鉱工業生産 ( 前月比 % / 前年比 %) -0.5 / / / :30 英 1 月の貿易収支 (10 億ポンド ) :30 米 2 月の非農業部門雇用者数 ( 千人 ) :30 米 2 月の民間雇用者数 ( 千人 ) :30 米 2 月の失業率 (%) :30 米 2 月の時間当り平均賃金 ( 前月比 % / 前年比 %) 0.2 / / / 2.5 出所 : ブルームバーグ 2017 トムソン ロイター クレディ スイス予想 国際経済ウィークリー 32

33 主要経済指標 イベントスケジュール (3 月 ~12 月 ) (3 月 3 日更新 ) 17 年 3 月 10 日 ( 金 ) 22:30 雇用統計 (2 月 ) 15 日 ( 水 ) 28:00 FOMC*(14 日 ~) 米国 ユーロ圏 英国 日本 その他 7 日 ( 火 ) 19:00 8 日 ( 水 ) 8:50 ユーロ圏 GDP(10-12 月期 確 ) GDP(10-12 月期 2 次速報 ) 30 日 ( 金 ) 21:30 GDP(10-12 月期 確 ) 4 月 5 日 ( 水 ) 27:00 FOMC 議事録 7 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (3 月 ) 28 日 ( 金 ) 21:30 GDP(1-3 月期 速 ) 5 月 3 日 ( 水 ) 28:00 FOMC(2 日 ~) 7 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (4 月 ) 24 日 ( 水 ) 27:00 FOMC 議事録 26 日 ( 金 ) 21:30 GDP(1-3 月期 改 ) 6 月 2 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (5 月 ) 14 日 ( 水 ) 28:00 FOMC*(13 日 ~) 29 日 ( 木 ) 21:30 GDP(1-3 月期 確 ) 7 月 5 日 ( 水 ) 27:00 FOMC 議事録 7 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (6 月 ) 26 日 ( 水 ) 28:00 FOMC(25 日 ~) 28 日 ( 金 ) 21:30 GDP(4-6 月期 速 ) 9 日 ( 木 ) 21:45 ECB 理事会 15 日 ( 水 ) オランダ総選挙 16 日 ( 木 ) 21:00 BoE 金融政策委員会 31 日 ( 金 ) 17:30 英国 GDP(10-12 月期 確 ) 23 日 ( 日 ) フランス大統領選第 1 回投票 24 日 ( 月 ) 17:30 英国 GDP(1-3 月期 速 ) 27 日 ( 木 ) 20:45 ECB 理事会 3 日 ( 水 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(1-3 月期 速 ) 7 日 ( 日 ) フランス大統領選第 2 回投票 11 日 ( 木 ) 20:00 BoE 金融政策委員会およびインフレ報告 16 日 ( 火 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(1-3 月期 改 ) 25 日 ( 木 ) 17:30 英国 GDP(1-3 月期 改 ) 8 日 ( 木 ) 20:45 ECB 理事会 7 日 ( 水 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(1-3 月期 確 ) 15 日 ( 木 ) 20:00 BoE 金融政策委員会 30 日 ( 金 ) 17:30 英国 GDP(1-3 月期 確 ) 20 日 ( 木 ) 20:45 ECB 理事会 26 日 ( 水 ) 17:30 英国 GDP(4-6 月期 速 ) 注 : 時刻はいずれも日本時間 * 経済予測概要公表および議長記者会見あり 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 16 日 ( 木 ) 金融政策決定会合 (15 日 ~) 3 日 ( 月 ) 日銀短観 (3 月調査 ) 27 日 ( 木 ) 金融政策決定会合 (26 日 ~) 経済 物価情勢の展望 18 日 ( 木 ) 8:50 GDP(1-3 月期 1 次速報 ) 8 日 ( 木 ) 8:50 GDP(1-3 月期 2 次速報 ) 16 日 ( 金 ) 金融政策決定会合 (15 日 ~) 3 日 ( 月 ) 日銀短観 (6 月調査 ) 20 日 ( 木 ) 金融政策決定会合 (19 日 ~) 経済 物価情勢の展望 1 日 ( 水 ) 9:30 豪州 GDP(10-12 月期 ) 7 日 ( 火 ) 12:30 RBA 理事会 4 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 18 日 ( 火 ) 11:00 中国 GDP(1-3 月期 ) 2 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 6 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 7 日 ( 水 ) 10:30 豪州 GDP(1-3 月期 ) 4 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 18 日 ( 火 ) 11:00 中国 GDP(4-6 月期 ) 国際経済ウィークリー 33

34 8 月 4 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (7 月 ) 16 日 ( 水 ) 27:00 FOMC 議事録 30 日 ( 水 ) 21:30 GDP(4-6 月期 改 ) 9 月 1 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (8 月 ) 20 日 ( 水 ) 28:00 FOMC*(19 日 ~) 28 日 ( 木 ) 21:30 GDP(4-6 月期 確 ) 10 月 6 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (9 月 ) 11 日 ( 水 ) 27:00 FOMC 議事録 27 日 ( 金 ) 21:30 GDP(7-9 月期 速 ) 11 月 1 日 ( 水 ) 28:00 FOMC(10 月 31 日 ~) 3 日 ( 金 ) 21:30 雇用統計 (10 月 ) 22 日 ( 水 ) 28:00 FOMC 議事録 29 日 ( 水 ) 22:30 GDP(7-9 月期 改 ) 12 月 8 日 ( 金 ) 22:30 雇用統計 (11 月 ) 13 日 ( 水 ) 29:00 FOMC*(12 日 ~) 21 日 ( 木 ) 22:30 GDP(7-9 月期 確 ) 米国ユーロ圏 英国日本その他 1 日 ( 火 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(4-6 月期 速 ) 3 日 ( 木 ) 20:00 BoE 金融政策委員会およびインフレ報告 16 日 ( 水 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(4-6 月期 改 ) 24 日 ( 木 ) 17:30 英国 GDP(4-6 月期 改 ) 5 日 ( 火 ) 18:00 ユーロ圏 GDP(4-6 月期 確 ) 7 日 ( 木 ) 20:45 ECB 理事会 14 日 ( 木 ) 20:00 BoE 金融政策委員会 24 日 ( 日 ) ドイツ連邦議会選挙 29 日 ( 金 ) 17:30 英国 GDP(4-6 月期 確 ) 25 日 ( 水 ) 17:30 英国 GDP(7-9 月期 速 ) 26 日 ( 木 ) 20:45 ECB 理事会 31 日 ( 火 ) 19:00 ユーロ圏 GDP(7-9 月期 速 ) 2 日 ( 木 ) 21:00 BoE 金融政策委員会およびインフレ報告 14 日 ( 火 ) 19:00 ユーロ圏 GDP(7-9 月期 改 ) 28 日 ( 火 ) 18:30 英国 GDP(7-9 月期 改 ) 5 日 ( 火 ) 19:00 ユーロ圏 GDP(7-9 月期 確 ) 14 日 ( 木 ) 21:45 ECB 理事会 14 日 ( 木 ) 21:00 BoE 金融政策委員会 22 日 ( 金 ) 18:30 英国 GDP(7-9 月期 確 ) 注 : 時刻はいずれも日本時間 * 経済予測概要公表および議長記者会見あり 出所 : ブルームバーグ クレディ スイス 14 日 ( 月 ) 8:50 GDP(4-6 月期 1 次速報 ) 8 日 ( 金 ) 8:50 GDP(4-6 月期 2 次速報 ) 21 日 ( 木 ) 金融政策決定会合 (20 日 ~) 2 日 ( 月 ) 8:50 日銀短観 (9 月調査 ) 31 日 ( 火 ) 金融政策決定会合 (30 日 ~) 経済 物価情勢の展望 15 日 ( 水 ) 8:50 GDP(7-9 月期 1 次速報 ) 8 日 ( 金 ) 8:50 GDP(7-9 月期 2 次速報 ) 15 日 ( 金 ) 8:50 日銀短観 (12 月調査 ) 21 日 ( 木 ) 金融政策決定会合 (20 日 ~) 1 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 5 日 ( 火 ) 13:30 RBA 理事会 6 日 ( 水 ) 10:30 豪州 GDP(4-6 月期 ) 3 日 ( 火 ) 12:30 RBA 理事会 20 日 ( 金 ) 11:00 中国 GDP(7-9 月期 ) 7 日 ( 火 ) 12:30 RBA 理事会 5 日 ( 火 ) 12:30 RBA 理事会 国際経済ウィークリー 34

35 世界の主要政治 経済日程 (2017 年 3 月 6 日時点 ) 国内 海外 2017 年 3 月 月内 自民党大会春季労使交渉の集中回答日日銀金融政策決定会合千葉県知事選 17 年度予算成立 月末まで 中国の全国人民代表大会 ( 中旬まで ) ECB 理事会 EU 首脳会議 ( ブリュッセル ) FOMC 会合オランダ総選挙 G20 財務相 中銀総裁会議 ( 独バーデン バーデン ) 英国が EU に離脱通告 ( 最高裁判決等により変更も ) 4 月 月の日銀短観秋田県知事選日銀金融政策決定会合 展望リポート公表 フランス大統領選第 1 回投票 ECB 理事会米国の 17 年 1-3 月期の GDP 速報値 5 月 4-7 中旬月内月内 アジア開発銀行年次総会 ( 横浜 ) 17 年 1-3 月期の GDP 速報値日中韓財務相 中銀総裁会議 ( 横浜 ) ASEAN プラス 3 財務相 中銀総裁会議 ( 横浜 ) FOMC 会合ユーロ圏の 17 年 1-3 月期の GDP 速報値フランス大統領選第 2 回投票 G7 財務相 中銀総裁会議 ( イタリア バリ ) OPEC 総会 ( ウィーン ) G7 首脳会議 ( イタリア タオルミーナ ) 6 月 月内 6~7 月 日銀金融政策決定会合通常国会会期末東京都議会議員選挙 OECD 閣僚理事会 ( パリ ) ECB 理事会仏国民議会 ( 下院 ) 選第 1 回投票 FOMC 会合仏国民議会 ( 下院 ) 選第 2 回投票 EU 首脳会議 ( ブリュッセル ) 7 月 月の日銀短観日銀金融政策決定会合 展望リポート公表 G20 首脳会議 ( 独ハンブルク ) ECB 理事会 FOMC 会合米国の 17 年 4-6 月期の GDP 速報値 8 月 中旬 17 年 4-6 月期の GDP 速報値 1 ユーロ圏の 17 年 4-6 月期の GDP 速報値 9 月 日銀金融政策決定会合 月内 9 月まで 24 秋ごろ ECB 理事会 FOMC 会合 IOC 総会 ( リマ 24 年夏季五輪開催地が決定 ) スペイン カタルーニャ州で独立を問う住民投票独連邦議会選中国共産党大会 10 月 月の日銀短観日銀金融政策決定会合 展望リポート公表 /1 EU 首脳会議 ( ブリュッセル ) ECB 理事会米国の 17 年 7-9 月期の GDP 速報値ユーロ圏の 17 年 7-9 月期の GDP 速報値 FOMC 会合 11 月 中旬 17 年 7-9 月期の GDP 速報値 月内 APEC 首脳会議 ( ベトナム ダナン ) 12 月 月内 12 月の日銀短観日銀金融政策決定会合 18 年度税制改正大綱とりまとめ 18 年度予算案策定 年末 FOMC 会合 ECB 理事会 EU 首脳会議 ( ブリュッセル ) タイ総選挙 注 :( ) 内は場所と日程 * 印は日程が未定ないし不明のもの 印は政治 経済以外の主要日程 なお 予定は変更の可能性があります 出所 : 日本経済新聞 ブルームバーグ クレディ スイス 国際経済ウィークリー 35

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