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1 リンパ球移動のナビゲーション機構の発見最新のイメージング技術を用いた可視化によって免疫難病治療薬 がん治療薬開発のための新しい作用点が見つかる 細胞の動き を標的にした新たな治療法開発時代の幕開けー 大阪大学免疫学フロンティア研究センター 微生物病研究所 教授 熊ノ郷淳 助教 高松漂太 Semaphorins guide the entry of dendritic cells into the lymphaticsvia activating myosin II. (Nature Immunology 誌の Advanced Online 版 ) 研究支援 : 保健医療分野における基礎研究推進事業 ( 医薬基盤研究所 ) ターゲットタンパク研究プログラム (JST)

2 末梢組織の見張り番である樹状細胞は危険を察知すると T 細胞との出会いの場であるリンパ節に移動しSOSを伝える Ag 1) 病原体を感知 2) リンパ管まで移動する 3) リンパ管を通過する リンパ管 リンパ流に乗ってリンパ節へ

3 セマフォリンとは? 組織再生 免疫調節活性 血管新生促進 抑制作用 がん抑制 骨代謝制御 誘導因子 chemoattractants Netrins (Slits) などの作用が報告され セマフォリン分子群の研究は 学際的な研究領域となっている. Semaphorins Slits 神経軸索 axon Ephrins (Netrins) 反発因子 chemorepellents

4 セマフォリンは病気の鍵分子 クラス 3 型 Sema3A 欠損 : 心臓の交感神経分布異常 突然死の原因 (Nat Med, 27) アトピー性皮膚炎 Sema3B, Sema3F: 肺がんのがん抑制遺伝子の一つ Sema4A 欠損 クラス 4 型 Sema4A 欠損 : アトピー性皮膚炎 (Immunity 25), 多発性硬化症 Sema4D 欠損 : 免疫不全症 (Immunity 2) クラス 7 型 Sema7A 欠損 : 神経走行異常 接触性皮膚炎抵抗性 (Nature 23, Nature 27) セマフォリン受容体 Plexin-A1 欠損 : 骨代謝異常 (Nat Cell Biol 26) 統合失調症 Plexin-A1 欠損 セマフォリンシグナル Crmp1 欠損 : 統合失調症様症状 (J Neurosci 26)

5 セマフォリンは種々のステップで生体内の免疫反応に関与している Antigen BCR B 細胞 Sema4D (Immunity, 2a) (Immunity, 2b) B 細胞 BCR 感染免疫応答自己免疫 MHC classii 炎症反応 Sema6D (Nat Cell Biol. 26) T 細胞 TCR 樹状細胞 MHC classii Sema4A (Nature, 22) (Immunity, 25) Th2 TCR TCR Th1/ Th17 Sema7A (Nature 27) (Nat Immunol. 28) マクロファージ / NK 細胞 effector Th1 cell MHC classii TCR 活性化 ヘルパー T 細胞分化 エフェクター / 炎症相

6 セマフォリン受容体システム :Sema3A の信号は Plexin-A1 を介して伝わる Sema3A Sema6C Sem plexin-a1 Neuropilin-1 plexin-a1

7 plexin-a1 欠損マウスでは樹状細胞による T 細胞の活性化がうまくいかない T 細胞をとって反応をみる CD4+T cell KLH MHC classii APCs T 細胞の増殖とサイトカイン産生で評価 c.p.m. (x 1 3 ) IFN-g (pg ml -1 ) KLH (µg ml -1 ) IL-4 (pg ml -1 ) IL-2 (pg ml -1 ) KLH (µg ml -1 ) 野生型マウス plexin-a1 欠損マウス 高松漂太免疫学フロンティア研究センター助教 1 1 KLH (µg ml -1 ) 1 1 KLH (µg ml -1 )

8 Plexin-A1 欠損マウスでは T 細胞活性化が起こらず多発性硬化症を発症しない 4 野生型マウス 野生型マウス ノックアウトマウス 3 重症度 2 ノックアウトマウス day

9 多発性硬化症 ( 厚生労働省特定疾患 ) 多発性硬化症とは? 中枢神経系の代表的な炎症性脱髄疾患. 有病率欧米 3-1/1 万人日本 7-1/1 万人 ( 年々増加 ) 若年期 (2~4 代 ) に発症 長期に渡り再発 寛解を繰り返し次第に増悪. 病因としては自己免疫機序 特に Th1, Th17 型のヘルパー T 細胞異常が指摘される. 医療現場での現状と問題点 疾患特異的な血液検査はない 髄液検査 : オリゴクローナルバンド,MBP, IgG index 髄液採取という侵襲性のため外来では困難繰り返し検査できない ( 経過観察不可 ) 治療予防的治療として IFN-β( 隔日自己注射 ) ( 再発率 3% 低下 副作用有り ) 根本的治療法は無い.

10 Plexin-A1 欠損した樹状細胞は T 細胞との出会いの場であるリンパ節への移動が障害されている 黄色の蛍光色素でラベルした樹状細胞を足底に注射した 24 時間後二光子顕微鏡で膝の裏のリンパ節を観察 野生型マウスの樹状細胞はリンパ節に移動 Plexin-A1 欠損樹状細胞はリンパ節に移動できてない

11 樹状細胞の末梢組織からリンパ節への移動過程 Ag 1) 病原体を感知 2) リンパ管まで移動する 3) リンパ管を通過する リンパ管 リンパ流に乗ってリンパ節へ

12 樹状細胞の末梢組織からリンパ節への移動過程 Ag 1) 病原体を感知 2) リンパ管まで移動する 3) リンパ管を通過する リンパ管 リンパ流に乗ってリンパ節へ

13 Plexin-A1 欠損樹状細胞はリンパ管をうまく通過できない 24 時間後 共焦点顕微鏡による 3D イメージング CFSE( 緑の蛍光色素 ) ラベルした樹状細胞を耳に注射する 野生型マウスの樹状細胞は 24 時間後もはや末梢組織に残っていない Plexin-A1 欠損樹状細胞は 24 時間たっても末梢組織に滞留している

14 Plexin-A1 欠損樹状細胞はリンパ管通過できない 樹状細胞をのせる リンパ管内皮細胞 3 min タイムラプスビデオイメージング (3 sec interval / 18 images) 正常マウスの樹状細胞 Plexin-A1 欠損マウスの樹状細胞

15 Plexin-A1 欠損樹状細胞はリンパ管を通過できない 正常マウスの樹状細胞 Plexin-A1 欠損マウスの樹状細胞

16 樹状細胞の末梢組織からリンパ節への移動過程 Ag 1) 病原体を感知 2) リンパ管まで移動する 3) リンパ管を通過する X リンパ管 リンパ流に乗ってリンパ節へ

17 リンパ管から産生された Sema3A が樹状細胞の移動に関与している Sema3A Sema6C Sem plexin-a1 Neuropilin-1 plexin-a1 樹状細胞

18 移動している樹状細胞が後端部で Sema3A を感知している様子 1 (%) 5 CCL21 2: 21: 22: 23: 24: 25: Plexin-A1-GFP intensity intensity distance (µm) Co-localized Not co-localized F-actin Plexin-A1

19 リンパ管から分泌される Sema3A は樹状細胞の移動を誘導 促進する Transwell DCs Sema3A chemokine % of input cells 前から添加 4 2 後ろから添加 4 2 ** higg Sema3A

20 樹状細胞の末梢組織からリンパ節への移動過程 Ag 1) 病原体を感知 2) リンパ管まで移動する 3) リンパ管を通過する Sema3A-NP-plexin-A1 ( アクトミオシン収縮機構 ) リンパ管 リンパ流に乗ってリンパ節へ

21 従来法の静的な解析 ( 写真集の時代 ) イメージング手法を用いた解析 ( ライブ映像の時代 ) セマフォリンシグナルをブロックすると樹状細胞はリンパ管を通過できない? 阻害 免疫反応の可視化 免疫細胞の動きを標的にした医薬品開発

22 今回の発見の意義 ~ 免疫難病治療薬 がん治療薬開発のための新しい作用点の発見 ~ 対象となる疾患 関節リウマチ 多発性硬化症などの自己免疫疾患 喘息 アトピー 化粧品アレルギーなどのアレルギー疾患 がんの転移 6

23 なぜ今イメージング ( 可視化技術 ) が免疫学研究に重要? 自然免疫 免疫細胞分化 ダイナミックな免疫細胞ネットワーク 獲得免疫 免疫システムの特徴 細胞が多数 (1 11 ) かつ多様 体全体を通しての移動 ダイナミックな細胞間相互作用 多様な免疫細胞が体内を移動しダイナミックなネットワークを形成個々の細胞がネットワーク内の他の細胞の影響を受ける 体内での免疫応答の均衡を個々の細胞研究からは予測できない 体内での時空間的免疫応答のイメージング

24 生体イメージングなどを用いて 免疫を視る アレルギー 免疫難病 がん免疫療法の開発へ!

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