16 防災 日本再生シンポジウム - 住まい 学校 職場のに対する安全性を考えるシンポジウム 垂木 棟木 母屋 小屋束 桁 隅柱 柱 梁 通し柱 かたぎ大入れくぎ打ち 窓台火打梁 側 火打 側 根太 火打 管柱 大引布基礎 筋かい 布基礎 換気口 地盤面 敷地 910mm 2730mm m 水平力が

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1 - 坂田弘安 15 坂田弘安 1. による木造住宅の倒壊現象と耐震補強の必要性 4. 建物の揺れ方 5. 建物の揺れをおさえる新技術 1. による木造住宅の倒壊現象と耐震補強の必要性 震動台実験による耐震補強の効果検証 E-ディフェンス 2005 年に兵庫県三木市にある震動台で行われた補強住宅と無補強住宅の2 棟同時加振実験 東京工業大学環境 社会理工学院建築学系坂田弘安 対象建物 兵庫県明石市の木造軸組構法による戸建住宅 2 棟 ( 築 31 年 ) 1 階床面積 m2 2 階床面積 m2 1 階床面積 m2 2 階床面積 m2 対象建物の平面 B 棟に追加した耐震要素 筋かい 8 本構造用合板 15 枚 実際に建っていた戸建住宅 2 棟 (A 棟とB 棟 ) を震動台上に移築 片筋かいたすき掛け筋かい片面張り or 両面張り 評点 補強後の耐震診断結果 A 棟 B 棟 ( 補強前 ) B 棟 ( 補強後 ) 評点 1.5 ~ 倒壊しないレベル A 棟 0.43 ( 倒壊する可能性が高い ) B 棟 1.57 ( 倒壊しない ) F X 方向 2F X 方向 1F Y 方向 2F Y 方向 上部構造評点 判定 1.5 以上 倒壊しない 1.0 以上 ~1.5 未満 一応倒壊しない 0.7 以上 ~1.0 未満倒壊する可能性がある 0.7 未満 倒壊する可能性が高い 1.53 B 棟は全てを評点 1.5 以上に ( 参考文献 ) 木造住宅の耐震診断と補強方法精密診断法 1 ~ 社団法人日本建築防災協会 ~ 補強に要した費用 B 棟の補強 材料費筋かい壁 8 枚 既存壁の取り壊し 万円 耐震壁取り付け構造用合板 15 枚 仕上げの施工計 23 枚 4.5 万円 23 枚 = 万円計 万円

2 16 防災 日本再生シンポジウム - 住まい 学校 職場のに対する安全性を考えるシンポジウム 垂木 棟木 母屋 小屋束 桁 隅柱 柱 梁 通し柱 かたぎ大入れくぎ打ち 窓台火打梁 側 火打 側 根太 火打 管柱 大引布基礎 筋かい 布基礎 換気口 地盤面 敷地 910mm 2730mm m 水平力が加わると 筋かいをいれる 砂質地盤の液状化 東日本大震災における稲敷市の被害例 柱 ほぞを差し込んでいるだけのため 回転や引き抜きに対しては抵抗がない 金物をつける しっかりとした基礎から金物で反力をとることが重要 頂部に1tonの力がかかると 柱脚には3tonの引き抜き力が生じる 敷地 敷地 盛土層厚さの違い 造成地の盛土 擁壁の重要性盛土と切土にまたがっていると不同沈下 柔らかい層の厚さが違う 異なる振動性状 不同沈下 東日本大震災における水戸市の被害例 盛土 軟 硬

3 - 坂田弘安 17 脆弱基礎の破壊 ( 無筋コンクリート基礎 ) 耐力壁の配置 耐力壁を張間方向 桁行方向釣り合いよく配置しないと偏心によるねじれ破壊が生じる 鉄筋 D13 鉄筋 D10 剛心 重心 鉄筋 D10@300 耐力壁の配置 耐力壁を張間方向 桁行方向釣り合いよく配置しないと偏心によるねじれ破壊が生じる稲敷市 柱の折損 伝統的民家の柱の曲げ破壊による倒壊金物を用いない断面欠損の多い柱 短冊金物 胴差 通し柱 床梁 傾ぎ大入れ短ほぞ差し 柱脚接合部の引き抜け 筋かい端部の抜け落ち

4 18 防災 日本再生シンポジウム - 住まい 学校 職場のに対する安全性を考えるシンポジウム アンカーボルトが無いのずり落ち 柱 壁の直下率 不一致 (1 階に壁がない ) アンカーボルト 柱 上下階の柱や壁の位置が一致している割合 火打 柱アンカーボルト 基礎 基礎 直下率があまりに低いと 力がうまく伝達されない 建築基準法で定められてはいないが ハウスメーカー等の各社が独自に基準を設けているのが現状 4. 建物の揺れ方 力に対する必要壁率 (cm/m 2 ) 建築物の種類 軟弱地盤の場合は 1.5 倍した数値とする 係数を乗ずる階 平屋建 2 階建 3 階建 1 階 2 階 1 階 2 階 3 階 4. 建物の揺れ方 2 階建木造住宅 バネとおもりの振動モデル 瓦ぶきなどの重い屋根 土蔵造などの重い壁の建物 金属板 石綿スレートなどの軽い屋根の建物 建物の重さ 階数に応じて 必要な壁量が決められている 共振 させると? 力 (= 慣性力 ) = 質量 加速度 上の階ほど大きく振ら れる ( 揺れが大きく感じる ) 軟弱地盤の場合 地面の揺れより大きくなる F 2 階の揺れ 2 階の揺れ 2 F 2 F 2 2 階の揺れ F 1 1 階の揺れ F 1 1 階の揺れ F 1 1 階の揺れ F 1 1 階の揺れ 硬質な地盤 軟弱な地盤 地表面の揺れ

5 - 坂田弘安 建物の揺れをおさえる新技術 5. 建物の揺れをおさえる新技術 K 型ブレースダンパー ( 東工大発 ) K 型ブレースダンパー ( 東工大発 ) ダンパー 効率よく エネルギーを吸収し 建物の財産保持を実現 ( 効率の高い 効く制振 ) 粘弾性ダンパー 摩擦ダンパー 鋼材ダンパー ダンパーが変形してエネルギーを吸収するが発生して建物がゆれた場合 制振壁 1 枚あたりで約 9 万円 ( 工事費別途 ) 左上 制振壁 右上 構造体の中に制振壁を配置するとが発生して建物がゆれることでダンパー部分が変形し のエネルギーを効率良く吸収してくれる 左下 右下 補強に要した費用 B 棟の補強 材料費筋かい壁 8 枚 既存壁の取り壊し 万円 耐震壁取り付け構造用合板 15 枚 仕上げの施工計 23 枚 4.5 万円 23 枚 = 万円計 万円仮にB 棟の耐震補強として東工大で提案している制振壁を用いた場合 B 棟と同程度の性能にするための必要枚数を試算すると 材料費 50.0 万円制振壁 5 枚 既存壁の取り壊し構造用合板 2 枚 耐震壁取り付け 6.0 万円 7 計 7 枚 仕上げの施工 = 42 万円計 92.0 万円 国は住宅の耐震化率 ( 新耐震基準適合率 ) を 2020 年までに 95% にする目標を掲げている 国土交通省 HP より 耐震改修を実施しない理由 耐震診断は行っていないが耐震性があると思っているている 6.3% 3.1% 耐震改修にお金がかかる 19.5% 19.4% 8.6% 誰にお願いしてよいかわからない 9.5% 8.3% 7.3% 工法 費用 効果等が適切であるかチェックできない 3.4% 14.2% 11.7% 37.3% 自分や家族が住んでいる間には起こらないだろうと考えている 3.0% 4.1% 3.9% 悪徳業者に対する警戒心がある 1.4% 4.8% 11.4% 平成 23 年度国土交通省政策レビュー評価書 耐震化の必要性に関する認識の不足 安全に関する意識の低さ 耐震性不足のままにしておくのは悪であるという啓発活動耐震性が低いままでは 所有者のみならず 社会的に迷惑をかける可能性大 耐震化コストがかかる 補助金制度の充実を計っている耐震改修の補助制度 :( 日本住宅新聞 ) 1741 市区町村のうち約 84% の1468 市区町村 ( )

6 20 防災 日本再生シンポジウム - 住まい 学校 職場のに対する安全性を考えるシンポジウム 業者 工法等に対する信頼性が低い 耐震改修のメニューが少ない メニューを増やし 十分なデータによる裏付けの上で 費用対効果を明確にし 施主にわかることばで説明する必要性 日本住宅新聞 2011 年 12 月 日号より 旧耐震基準の住宅のうち 半数が65 歳以上が家計を支え 年間世帯収入 300 万円未満 耐震化コストの新たな軽減策が求められている 耐震診断を受けていない古い建物もある 耐震診断を受ける必要性を明確に 結果がすぐに見えない リフォームする際に耐震診断を受けるのもよい 建物の所有者が申請した場合に自治体に登録されている検査員が 所定の手続きによって派遣されて診断をする 無料で耐震診断します と営業が飛び込みで来ることがある このようなときは 必ず断ること ご清聴ありがとうございました 東京工業大学環境 社会理工学院建築学系坂田弘安

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