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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 155. 妊娠に伴う膵 β 細胞容積調節のメカニズム 綿田裕孝 Key words: 妊娠, 糖尿病, 膵 β 細胞, インスリン * 順天堂大学医学部内科学 代謝内分泌学講座 緒言欧米風のライフスタイルの蔓延により, 栄養摂取量の増加と消費の不足 ( 運動不足 ) が起きている. この結果, 脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの分泌パターンが変化するとインスリン抵抗性が出現する. 健常な膵 β 細胞は, インスリン抵抗性が出現したときに, それを代償すべく, 適切なタイミングで多くのインスリンを分泌することができる. この代償機構には個々の膵 β 細胞からのインスリン分泌能の増加も関与するが, 同時にインスリン抵抗性に対する膵 β 細胞容積増加機構も重要な役割を果たす. 一方,2 型糖尿病の人では, このインスリン抵抗性に対する代償作用が減弱し, インスリン抵抗性の存在にも関わらず膵 β 細胞容積が低下している. したがって,2 型糖尿病発症の鍵は, 膵 β 細胞がインスリン抵抗性を代償することができるか否かである. 膵 β 細胞のインスリン抵抗性に対する代償機構のメカニズムおよび,2 型糖尿病の根本病態が解明できれば, そこから, 新規治療法の開拓が可能となると考えられる. ライフスタイルの悪化による病的インスリン抵抗性とは異なり, 生理的インスリン抵抗性状態が存在する. その代表的なものは, 妊娠によるインスリン抵抗性である. 特に, 妊娠後期は, 胎児の重量が加速度的に増加する時期にあたる. この時期, 母体は, 摂取したエネルギーを優先して, 胎児に供給することが必要とされる. したがって, この時期, 同化ホルモンであるインスリンが効きにくい状態, すなわちインスリン抵抗性が出現することは, 極めて合目的な現象といえる. このインスリン抵抗性を代償する目的で膵 β 細胞機能が亢進する必要がある. この機構が不十分な場合には, 妊娠糖尿病と診断され, 胎児の正常な発育のために, インスリン治療が必要な場合もある. この際に認められる膵 β 細胞機能変化のメカニズムの解明は, 妊娠糖尿病の病因の解明のみならず, 将来的には2 型糖尿病の新規治療法の開拓に貢献すると考えられる. そこで, 著者らは, 妊娠による膵 β 細胞変化のメカニズムを解明せんとした. 方法 1. 妊娠中の膵 β 細胞容積変化の検討 C57BL6 マウスを用いて, 妊娠各週齢における母体の膵臓を摘出し, 膵 β 細胞容積と膵 β 細胞増殖能の指標である Ki67 陽性細胞数を評価した. 2. 妊娠中に発現が変化する遺伝子の同定 細胞増殖が最も盛んになっている妊娠 12.5 日目の膵ラ氏島をサンプルとして選択し, これと非妊娠膵ラ氏島から RNA を調製 し,DNA マイクロアレイ法を用いて, 遺伝子発現を網羅的に検討した. 3. 妊娠中のセロトニン発現 セロトニン,Tryptophan hydroxylase (TPH) 1, インスリン, グルカゴン抗体を用いて, ヒト, マウスの妊娠膵の免疫染色を 行った. * 現所属 : 順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学 1

2 4. 培養膵島を用いたセロトニン染色, 増殖実験単離膵島を用いて, プロラクチン (PRL) 添加前後でセロトニン染色を行うとともに, セロトニン添加後 Ki67 陽性細胞数を計測することで, セロトニンの細胞増殖能を調べた. またセロトニン添加前後で細胞周期に関与する遺伝子の発現量を定量的 RT- PCR 法にて定量した. 結果および考察妊娠は大きくホルモン分泌のバランスが変化する時期である. 妊娠初期, 黄体から, プロゲステロンおよび,17-β エストロゲンの分泌亢進が認められ, 胎盤が十分に形成された後には, 胎盤が, 残りの妊娠期のプロゲステロンとエストロゲン分泌をまかなう. ヒトにおいて, 妊娠時のピークのエストロゲンの分泌量は, 非妊娠時の約 30 倍にまで増加し, プロゲステロンは非妊娠時の約 10 倍に増加することが知られている. プロラクチンと胎盤性ラクトゲンも妊娠 12 週以降, 徐々に分泌が増加する. 妊娠後期, 特にプロゲステロンの分泌増加の影響を受けて, 母体は著しいインスリン抵抗性を示す. この際, 糖処理能力が, 非妊娠期の 50% にまで低下するとの報告もある. この著しいホルモン分泌の変化と代謝制御の変化の中で, 膵 β 細胞は, そのインスリン抵抗性を代償するために, 膵 β 細胞容積の増加とインスリン分泌反応の増加が起こる. 我々も独自に, 妊娠中の膵 β 細胞容積変化を検討した. その結果, 膵 β 細胞容積は, 妊娠 16.5 日目にピークとなり, 非妊娠時の約 1.4 倍,Ki67 陽性細胞数は妊娠 12.5 日目にピークとなり, 非妊娠時の約 3 倍となった ( 図 1). 図 1. 妊娠各週齢における膵 β 細胞容積 ( 左 ) と膵 β 細胞増殖細胞数 ( 右 ). 妊娠各週齢において, 膵切片を用いてインスリン染色を行うことで膵 β 細胞容積を算出するとともに,Ki67 染色を行い 膵島細胞における Ki67 陽性細胞数を算出した. 妊娠時分泌が亢進するプロラクチン (PRL) 及び, 胎盤性ラクトゲン (PL) は PRL 受容体に結合して作用を発揮する. 膵ラ氏島においても β 細胞に PRL 受容体の発現が認められる. この PRL 受容体の意義に関しては,PRL 受容体ノックアウトマウスが不妊であり, 妊娠時の膵 β 細胞の変化の解析ができないものの,PRL 受容体へテロノックアウトマウスを用いて, 妊娠時の膵ラ氏島形態変化に関する結果が報告された. その結果, このマウスは妊娠時のみに耐糖能障害を示し, 同時に, 妊娠時の膵 β 細胞容積増加反応が不十分であることがわかった. すなわち, 上述した妊娠期に起こる膵ラ氏島機能, 形態変化には膵 β 細胞の PRL シグナルが大きく関与する. 我々はこの機能変化のメカニズムを包括的に解析する目的で, 妊娠に伴う膵 β 細胞での遺伝子発現変化を包括的に解析し, それぞれの遺伝子発現変化の意義を解明せんとした. その結果, 数々の遺伝子発現の変化が妊娠膵 β 細胞で認められた. これらの中で, 我々が特に注目したのは,Tryptophan Hydroxylase(Tph) である. なぜなら,Tph1 と Tph2 という異なる遺伝子によりコードされた同じ働きをする2 種類の遺伝子がともに, 妊娠に伴い, 発現亢進しているからである. また, 我々がこの検討を行ったのとほぼ同じ時期に,2つのグループが我々と同様な検討をしており, 両者とも, 妊娠に伴う Tph1 と Tph2 の発現亢進を報告している. 以前にも, 同様な検討をしたグループはあったものと思われるが, 多くの市販されているアレイに Tph 遺伝子が載るようになったのが最近であるため, それ以降, この事実が明らかになったものと思われる. 2

3 TPH とは, セロトニン合成の律速酵素である. 以前から, 膵 β 細胞の培養液に 5-hydroxytryptophan を加えるとセロトニンが合成され, インスリンと同時に分泌されることが知られていたが, 同時に, 培養液に 5-hydroxytryptophan を添加しない状態では, セロトニンの分泌は認められない. したがって, 理論的には, 妊娠に伴う TPH の発現で,Tryptophan を原料としてセロトニンが合成され, インスリン分泌とともに, セロトニン分泌が起こる可能性が考えられた. そこで, 我々は, 妊娠マウス膵を用いてセロトニン染色を行った. すると, 非妊娠膵ではほとんど認められないセロトニン染色が, 非常に強く膵ラ氏島で認められた ( 図 2). 図 2. 膵島におけるセロトニン発現. 非妊娠マウス ( 左 ) と妊娠 12.5 日のマウスから膵臓を摘出後セロトニン染色を行った. 膵ラ氏島でのセロトニン陽性細胞を同定する目的で, インスリン及びグルカゴンとセロトニンの共染色を行うと, セロトニン陽性細 胞は全てインスリンと共染色し, グルカゴンとは, 全く共染色しないことから, セロトニン陽性細胞は, 膵 β 細胞であるが, 全て の膵 β 細胞がセロトニン陽性細胞ではないということがわかった ( 図 3). 3

4 図 3 妊娠膵島におけるセロトニンとホルモン染色 妊娠膵島におけるセロトニン インスリン グルカゴンの共染色. また この現象はヒトにおいても認められるのかということを確認するため ヒトの妊娠膵の検体を用いてセロトニン染色をしたとこ ろ ヒトの妊娠期の膵 β 細胞においてセロトニンの発現が確認され ヒトでもマウスでも 妊娠期には セロトニンが極めて多量 に発現するという事実が明らかになった 膵 β 細胞におけるセロトニンの発現は 妊娠による TPH の発現に依存しているが この発現が妊娠時の膵 β 細胞増殖シグナ ルである PRL シグナルと関連があるかを検討する目的で 単離培養膵ラ氏島への PRL 添加実験を行った その結果 PRL 添加により Tph1 及び Tph2 の mrna レベルでの発現増加が確認された また PRL 添加を行った膵ラ氏島にセロトニン 抗体を用いた染色を行ったところ セロトニンが合成されていることも確認された (図 4) 4

5 図 4. プロラクチンによるセロトニンの発現誘導. 培養膵島にプロラクチンを添加し 48 時間後にセロトニン染色を行った. それでは, 妊娠膵ラ氏島内で合成されるセロトニンは, どのような作用をもっているのであろうか? 我々は, セロトニンが膵 β 細胞増殖に関与する可能性に関して検討する目的で, トリチウムの取り込みおよび, 膵ラ氏島の Ki67 陽性細胞数を細胞増殖の指標として, 単離培養膵ラ氏島へのセロトニン添加実験を行った. その結果, セロトニンはいずれのアッセイにおいても細胞増殖作用があることを支持するデータが得られた. そこで, 細胞増殖作用が細胞周期のどの部分に作用しているのかを検討するために単離培養膵ラ氏島における細胞周期関連タンパクの mrna の発現の検討を行った. その結果, セロトニンの添加により, 細胞周期に関与する cyclina2, B1, B2, D1, D2, D3, E1 の発現が増加することが明らかとなった. したがって, セロトニンは, いろいろなステップで, 細胞周期を促進し, 結果として細胞増殖が増加していることが明らかとなった. セロトニンは全部で 14 種類の受容体により細胞内にシグナルが伝えられている.14 種類のうち 13 種類は G タンパク共役型受容体 (GPCR) であり, 残る1 種類はイオンチャネル型の受容体であることが明らかになっている. では, 妊娠時の膵 β 細胞におけるセロトニン作用は, どのような受容体を介しているのであろうか? このテーマに関しては, 主に, 共同研究者であるカリフォルニア大学サンフランシスコ校の Mike German らのグループが検討を行った. 彼らは, まず妊娠時におけるセロトニン受容体の発現を検討したところ 5-HT2b 受容体の発現が細胞増殖期に増加し,5-HT1d 受容体の発現が膵 β 細胞減少期に増加していることが明らかとなった.5-HT2b 受容体は Gq に共役し, イノシトールリン脂質, 細胞内 Ca 2+ を増加させ, 細胞増殖に直接関係するシグナルを伝える可能性が高い受容体であり,5-HT1d 受容体は Gi に共役し, アデニル酸シクラーゼ活性を抑制し, 細胞膜を過分極させ発火頻度を減少させる機能を担う受容体である. この2つの受容体シグナルが, 妊娠の異なる時期に発現を増加させることによって, 膵 β 細胞量を調節している可能性が考えられた. そこで,5-HT2b 受容体ノックアウトマウスを用いて, 耐糖能検査を行ったところ, このマウスは, 通常状態では特に, 耐糖能障害は示さないが, 妊娠期のみ耐糖能障害が認められることが明らかになった. また, 妊娠させた場合の膵 β 細胞量と膵ラ氏島内の BrdU 陽性細胞数を計測することにより, その増殖活性を観察したところ, 妊娠により通常では, 増加する膵 β 細胞容積, 膵 β 細胞増殖活性が 5-HT2b 受容体ノックアウトマウスでは大きく減弱していたことが明らかになった. この結果から, セロトニン 5-HT2b 受容体のシグナルが妊娠時の膵 β 細胞増殖促進を介して, 膵 β 細胞容積増加に大きく寄与しているものと考えられた. まとめると, 我々は, 日米共同研究により, 妊娠時の膵 β 細胞容積増加をつかさどる新規のメカニズムを解明した 1). 妊娠時に増加する PRL は PRL 受容体の活性化を介して, セロトニン合成酵素 Tph の発現を亢進させる. その結果,tryptophan を基にセロトニンが合成される. 合成されたセロトニンはインスリンとともに分泌される. 分泌されたセロトニンは, 一部には,5- HT2b を介して細胞周期関連タンパクの発現亢進を介して, 細胞増殖を促進させ, 細胞容積が増加する. このシグナルが既報のセロトニン非依存性のシグナルとどのような関係があるかに関しては, 今後の研究の課題である. 5

6 共同研究者 本研究の共同研究者は順天堂大学医学研究科の豊福優希子氏, 内田豊義氏, 藤谷与士夫氏, 河盛隆造氏,University of California San Fancisco Diabetes Center の Hail Kim 氏,Francis C. Lynn 氏,Eric Chak 氏, 宮塚健氏, Yasuhiro Kosaka 氏,Katherine Yang 氏,Nina Kishimoto 氏,Juehu Wang 氏,Michael German 氏,University of California San Fancisco Department of Psychiatry の Gerard Honig 氏,Marieke van der Hart 氏,Laurence H Tecott 氏, 弘前大学医学部の上浩哉氏, 八木橋操六氏である. 文献 1) Kim, H., Toyofuku, Y., Lynn, F. C., Chak, E., Uchida, T., Mizukami, H., Fujitani, Y., Kawamori, R., Miyatsuka, T., Kosaka, Y., Yang, K., Honig, G., van der Hart, M., Kishimoto, N., Wang, J., Yagihashi, S., Tecott, L. H., Watada, H. & German, M. S. : Serotonin regulates pancreatic beta cell mass during pregnancy. Nat. Med., 16 : ,

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